(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】低b*値を有するリサイクルポリエチレンを生成するための方法
(51)【国際特許分類】
C08J 11/08 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
C08J11/08 ZAB
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500661
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 US2022073491
(87)【国際公開番号】W WO2023283589
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディミトリス イオアニス コリアス
(72)【発明者】
【氏名】アミー アイヒシュタット ワウン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン モンクリーフ レイマン
【テーマコード(参考)】
4F401
【Fターム(参考)】
4F401AA09
4F401AB10
4F401BA13
4F401CA22
4F401CA41
4F401CA48
4F401CA51
4F401CA53
4F401CA88
4F401EA17
4F401EA18
4F401EA22
4F401EA54
4F401EA90
4F401FA01Z
4F401FA02Z
(57)【要約】
汚染された再生ポリエチレンを精製するための方法。方法は、汚染された再生ポリエチレンを提供する工程と、それを溶媒で抽出して、抽出された汚染された再生ポリエチレンを生成する工程と、次いでそれを溶媒中に溶解させて、溶解したポリエチレン及び懸濁汚染物質を含む第1の懸濁液を生成する工程と、を含む。第1の懸濁液は、沈殿させて、溶解したポリエチレン及び懸濁残留汚染物質を含む第2の懸濁液を生成し、第2の懸濁液は、固体媒体と接触させることによって精製して、より純粋なポリエチレンを含む第3の懸濁液を生成する。最後に、より純粋なポリエチレンが、第3の懸濁液から分離され、それは低b*値を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染された再生ポリエチレン(crPE)を精製して、低b
*値(lb
*PE)を有するリサイクルポリエチレンを生成するための方法であって、
a.前記crPEを提供する工程であって、前記crPEが、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、
b.溶媒を提供する工程であって、前記溶媒及び前記crPEが、ある温度及び前記温度に対応する曇り点圧力よりも高い圧力で一相溶液を形成し、前記曇り点圧力が、
i.前記溶媒中で約5重量%濃度の前記crPEの溶液に対応し、
ii.温度の単調増加関数であり、
Iii.以下の圧力レベル:約120℃で約700psig(48.3barg)、約140℃で約1,150psig(79.3barg)、約160℃で約1,450psig(100barg)、及び約180℃で約1,800psig(124.1barg)を超え、
iv.約120℃より低く、約180℃より高い温度における平滑外挿を含み、
v.約120℃~約180℃の温度における平滑内挿を含む、
工程と、
c.少なくとも約1重量%の抽出質量濃度、ある抽出温度、及びある抽出圧力において、前記溶媒を用いて前記crPEを抽出する工程であって、前記抽出温度が、約120℃~約260℃であり、前記抽出圧力が、前記抽出温度に対応する前記曇り点圧力未満であり、抽出された汚染された再生ポリエチレン(ecrPE)が生成される、工程と、
d.少なくとも約1重量%の溶解質量濃度、ある溶解温度、及びある溶解圧力において、前記溶媒中に前記ecrPEを溶解する工程であって、前記溶解温度が、約120℃~約260℃であり、前記溶解圧力が、前記溶解温度に対応する前記曇り点圧力を上回り、溶解したポリエチレン(PE)及び懸濁粒子状汚染物質を含む第1の懸濁液が、生成される、工程と、
e.前記第1の懸濁液を、沈殿温度及び沈殿圧力で沈殿させる工程であって、前記沈殿温度が、約120℃~約260℃であり、前記沈殿圧力が、前記沈殿温度に対応する前記曇り点圧力を上回り、溶解したPE及び懸濁残留粒子状汚染物質を含む第2の懸濁液が生成される、工程と、
f.前記第2の懸濁液を精製温度及び精製圧力で精製する工程であって、前記精製が、約2.2mm未満の平均粒径を有する活性アルミナ粒子を含む軸流フィルタを通して前記第2の懸濁液を流すことを含み、前記精製温度が、約120℃~約260℃であり、前記精製圧力が、前記精製温度に対応する前記曇り点圧力を上回り、より純粋なPEを含む第3の懸濁液が生成される、工程と、
g.前記より純粋なPEを前記第3の懸濁液から分離する工程であって、前記より純粋なPEが、前記lb
*PEである、分離する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記曇り点圧力が、約120℃で約1,200psig(82.7barg)、約140℃で約1,650psig(113.8barg)、約160℃で約1,950psig(134.4barg)、及び約180℃で約2,300psig(158.6barg)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒が、n-ブタンである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記溶媒が、n-ペンタンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記crPEが、汚染された再生高密度ポリエチレン(crHDPE)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記crPEが、汚染された再生低密度ポリエチレン(crLDPE)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記crPEが、汚染された再生直鎖状低密度ポリエチレン(crLLDPE)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記活性アルミナ粒子の前記平均粒径が、約1.5mm未満であり、前記lb
*PEが、約2未満のb
*値を有し、好ましくは、前記活性アルミナ粒子の前記平均粒径が、約0.5mm未満であり、前記lb
*PEが、約1.7未満のb
*値を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記精製が、前記軸流フィルタを通して前記第2の懸濁液を流すことの前に、前記第2の懸濁液を固体媒体と接触させることを更に含み、前記固体媒体が、無機材料、炭素系材料、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記無機材料が、シリカ、アルミナ、酸化鉄、ケイ酸アルミニウム、非晶質火山ガラス、珪藻土、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記無機材料が、珪藻土を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記炭素系材料が、無煙炭、カーボンブラック、コークス、活性炭、セルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記固体媒体が、軸流フィルタ内に配置される、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記固体媒体が、キャンドルフィルタ内に配置される、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記固体媒体が、キャンドルフィルタ内に配置され、前記キャンドルフィルタの前記固体媒体が、珪藻土を含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、汚染された再生ポリエチレン(contaminated reclaimed polyethylene、crPE)を精製して、加圧された溶媒、抽出、分解、及び精製工程、並びに精製工程において平均粒径が小さい活性アルミナ粒子を使用して、低b*値(lb*PE)を有する、リサイクルPEを生成するための方法に関する。より具体的には、crPEは、消費者使用後リサイクルPE(post-consumer recycled PE、PCR PE)、産業使用後リサイクルPE(post-industrial recycled PE、PIR PE)、又はこれらの混合物であり得る。高密度ポリエチレン(high-density polyethylene、crHDPE)、低密度ポリエチレン(low-density polyethylene、crLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(linear low-density polyethylene、crLLDPE)、及びこれらの混合物などの様々なグレードのcrPEのいずれも、本発明において原料として使用することができる。
【背景技術】
【0002】
ポリマー、特に合成プラスチックは、相対的に低い生産コストと、良好な材料特性バランスと、に起因して、日常生活のあらゆる場面で用いられている。合成プラスチックは、包装、自動車部品、医療デバイス、及び消費財などの、幅広い用途に使用されている。これらの用途の高い需要に対応するため、何千万トンもの合成プラスチックが毎年世界中で製造されている。合成プラスチックの圧倒的多数は、ますます希少となる化石資源(例えば石油及び天然ガス)から製造されている。追加的に、化石資源からの合成プラスチックの製造では、多くのエネルギーを消費し、副生成物としてCO2を生成する。
【0003】
合成プラスチックを至るところで使用している結果、毎年何百万トンものプラスチック廃棄物が生み出されている。プラスチック廃棄物の大半は自治体の固形廃棄物プログラムを介して埋め立てられるか(地球全体で約79%)、又はエネルギー回復のために焼却される(地球全体で約12%)が、プラスチック廃棄物のうちのかなりの部分が環境中にゴミとして存在し、美観を損ね、生態系に危害をもたらす可能性がある。プラスチック廃棄物はしばしば、河川系へと流出し、最終的に海に至る。
【0004】
プラスチックの再利用は、プラスチックの広範な使用、それらの寿命、及びそれらの環境への漏出と関連付けられる問題を軽減するための1つの解決策として浮上してきた。プラスチックを回収及び再使用することで、廃棄物が埋め立て地へ投入されるのが回避され、化石系資源から新たに製造されるプラスチックの需要が低減し、この結果、温室効果ガス排出を低減する。米国及び欧州連合などの先進国では、消費者、企業、及び製造業者の意識の高まりに起因して、プラスチックのリサイクル率が増加している。プラスチックを含む、リサイクル材料の大半は、混合されて単一の流れにされ、この流れが回収され、材料回収施設(material recovery facility、MRF)によって処理される。MRFでは、材料が分類され、洗浄され、再販用に包装される。プラスチックは、個々の材料、例えば、高密度ポリエチレン(high-density polyethylene、HDPE)、ポリ(エチレンテレフタレート)(poly(ethylene terephthalate)、PET)に分類することができるか、又は他の一般的なプラスチック、例えば、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、低密度ポリエチレン(ow-density polyethylene、LDPE)、ポリ塩化ビニル(poly(vinylchloride)PVC)、ポリスチレン(polystyrene、PS)、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)、及びポリアミド(polyamide、PA)の混合した流れとなり得る。次いで、単一の流れ又は混合した流れを更に分類し、洗浄し、再加工してペレットにすることができ、これは例えば吹込成形及び射出成形などのプラスチック加工における再使用に好適である。
【0005】
リサイクルされたプラスチックは主に均一な流れに分類され、水溶液及び/又は苛性溶液で洗浄されるが、最終的な再加工ペレットは、例えば、腐敗した食品残渣及び残留香料成分などの望ましくない廃棄不純物で高度に汚染されたままであることが多い。加えて、リサイクルされたプラスチックペレットは、リサイクルされた飲料容器から得られたものを除いて、プラスチック物品を着色するのに一般に使用される染料及び顔料の混合物に起因して、濃く着色されている。色及び汚染をあまり問わない用途(例えば、ペンキ用の黒色プラスチック容器、及び隠れた部分の自動車部品)も一部存在するが、大半の用途は、非着色ペレットを必要とする。高品質及び低b*値のリサイクル樹脂に対するニーズは、特に、食品の包装などの食品及び医薬品に接触する用途において重要である。不純物及び混合着色剤による汚染に加えて、多くのリサイクル樹脂製品はしばしば異種成分からなる化学組成を有し、ポリエチレン中のリサイクルポリプロピレン汚染物質又はその逆などの、かなりの量のポリマー汚染物質を含むことがある。
【0006】
機械的リサイクルは、リサイクルされたプラスチック廃棄物を、後に続く製造のために再利用可能な形態に変換するプロセスである。機械的リサイクル及び他のプラスチック回収プロセスのより詳細な総説は、Al-Salem,S.M.,et al.,Waste Management,29(10)(2009),2625-2643に説明されている。機械的リサイクル技術の進歩により、リサイクルポリマーの品質はある程度改善されたが、機械的除染アプローチには、例えばポリマーマトリックス内に顔料が物理的に閉じ込められるなどの、根本的な限界が存在する。このため、機械的リサイクル技術の改善をもってしても、現在利用可能なリサイクルプラスチック廃棄物における濃い着色と高レベルの化学的汚染が、プラスチック産業によるリサイクル樹脂の幅広い使用を阻んでいる。
【0007】
機械的リサイクルの根本的限界を克服するために、化学的リサイクル及び溶媒系リサイクルなどの汚染されたポリマーを精製するために開発された数多くの方法が存在している。後者の方法は、溶媒を使用して、ポリマーの除染及び精製を行う。溶媒の使用により不純物の抽出とポリマーの溶解が可能になり、これにより更に、代替の分離技術が可能になる。米国特許第7,935,736号は、クリーニングの前にポリエステルを溶解するための溶媒を使用して、廃棄物流からポリエステルをリサイクルするための方法を開示する。本特許はまた、析出を使用して溶媒からポリエステルを回収するニーズについて説明する。
【0008】
米国特許第6,555,588号は、他のポリマーを含むプラスチック混合物からポリプロピレンブレンドを生成するための方法を開示する。本特許は、ヘキサンなどの選択された溶媒中で、所定の滞在時間にわたり、ポリマーの溶解温度を下回る温度で、ポリマーから汚染物質を抽出することについて説明する。特許は、溶媒の温度を増加させて(又は第2の溶媒を追加して)、濾過前にポリマーを溶解させることを更に説明する。更に本特許は、溶液からポリプロピレンを析出させるための剪断又は流れの使用を説明する。本特許内に説明されるポリプロピレンブレンドは、最大5.6重量%のポリエチレン汚染物質を含んでいた。
【0009】
欧州特許出願第849,312号は、ポリオレフィン含有プラスチック混合物又はポリオレフィン含有廃棄物から、精製ポリオレフィンを獲得するプロセスを開示する。本特許出願は、90℃と炭化水素溶媒の沸点との間の温度において、90℃を上回る沸点で、ガソリン又はディーゼル燃料の炭化水素留分を有するポリオレフィン混合物又は廃棄物の抽出について説明する。本特許出願は、高温のポリオレフィン溶液を、漂白粘土及び/又は活性炭に接触させて、溶液から異物成分を除去することについて更に説明する。更に、特許出願は、溶液を、70℃を下回る温度まで冷却して、ポリオレフィンを結晶化させ、次いで、ポリオレフィンの融点を上回ってポリオレフィンを加熱するか、溶媒を真空において蒸発させるか、ポリオレフィン析出物にガス流を通すか、又はポリオレフィンの融点を下回って沸騰するアルコール若しくはケトンで溶媒を抽出することなどの様々な方法によって、溶媒を除去することを説明する。
【0010】
米国特許第5,198,471号は、第1の低温で溶媒を使用して、複数のポリマーを含有する物理的に混ざり合った固体混合物(例えば、廃棄プラスチック)からポリマーを分離して、第1の単相溶液と残りの固体成分とを形成する方法を開示する。本特許は、溶媒をより高い温度まで加熱して、第1のより低い温度では可溶化されなかった追加のポリマーを溶解させること、及び不溶性ポリマー成分の濾過について更に説明する。
【0011】
米国特許第5,233,021号は、適切な温度及び圧力で各成分を超臨界流体に溶解させ、次いで、温度及び/又は圧力を変化させて、特定の成分を順番に抽出することによって、多成分構造体(例えば、廃棄物カーペット)から純粋なポリマー成分を抽出する方法を開示する。しかしながら、米国特許第5,198,471号と同様、米国特許第5,233,021号は、不溶解成分の濾過についてのみ開示する。
【0012】
米国特許第5,739,270号は、共溶媒及び作動流体を使用して、プラスチックのポリマー成分を汚染物質及びプラスチックの他の構成要素から連続的に分離するための方法及び装置を開示する。この共溶媒は少なくとも部分的にポリマーを溶解させ、第2の流体(これは液体で、臨界又は超臨界状態である)がポリマーの成分を可溶化し、溶解しているポリマーの一部を共溶媒から析出させる。本特許は、熱可塑性共溶媒(作動流体あり又はなしで)を濾過して、ガラス粒子などの粒子状汚染物質を除去する工程を更に開示する。
【0013】
上で説明されるように、汚染されたポリマーを精製するための既知の溶媒系方法は、低b*値を有するポリマーを生成しない。これまでの方法では、共溶解、及びひいては他のポリマーの交差汚染が、しばしば起こる。吸着剤を使用する場合、使用済み吸着剤を溶液から除去するために、濾過及び/又は遠心分離工程が、多くの場合用いられる。加えて、加熱、減圧蒸発、及び/又は析出剤を使用する析出などの、溶媒除去のための分離プロセスを使用して、残留溶媒を含まないポリマーが生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第7,935,736号
【特許文献2】米国特許第6,555,588号
【特許文献3】欧州特許出願第849,312号
【特許文献4】米国特許第5,198,471号
【特許文献5】米国特許第5,233,021号
【特許文献6】米国特許第5,739,270号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Al-Salem,S.M.,et al.,Waste Management,29(10)(2009),2625-2643
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、汚染されたポリエチレン廃棄物が供給され、簡単かつ少数のユニット動作を使用し、容易かつ経済的に入手可能な溶媒を用いる、低b*値を有するポリエチレンを生成することができる精製方法に対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の実施形態では、汚染された再生ポリエチレン(crPE)を精製して、低b*値(lb*PE)を有する再生ポリエチレンを生成するための方法が提示される。本方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、消費者使用後リサイクル(post-consumer recycled、PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(post-industrial recycled、PIR)ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)溶媒を提供する工程であって、当該溶媒及び当該crPEが、ある温度及び当該温度に対応する曇り点圧力よりも高い圧力で一相溶液を形成し、当該曇り点圧力が、(i)当該溶媒中で約5重量%の濃度の当該crPEの溶液に対応し、(ii)温度の単調増加関数であり、(iii)以下の圧力レベル:約120℃で約700psig(48.3barg)、約140℃で約1,150psig(79.3barg)、約160℃で約1,450psig(100barg)、及び約180℃で約1,800psig(124.1barg)を超え、(iv)約120℃より低く、約180℃より高い温度における平滑外挿を含み、(v)約120℃~約180℃の温度における平滑内挿を含む、工程と、c)少なくとも約1重量%の抽出質量濃度、ある抽出温度、及びある抽出圧力において、当該溶媒を用いて当該crPEを抽出する工程であって、当該抽出温度が、約120℃~約260℃であり、当該抽出圧力が、当該抽出温度に対応する曇り点圧力未満であり、抽出された汚染された再生ポリエチレン(ecrPE)が生成される、工程と、d)少なくとも約1重量%の溶解質量濃度、ある溶解温度、及びある溶解圧力において、当該溶媒中にecrPEを溶解する工程であって、当該溶解温度が、約120℃~約260℃であり、当該溶解圧力が、当該溶解温度に対応する曇り点圧力を上回り、溶解したポリエチレン(polyethylene、PE)及び懸濁微粒状子汚染物質を含む第1の懸濁液が、生成される、工程と、e)当該第1の懸濁液を、沈殿温度及び沈殿圧力で沈殿させる工程であって、当該沈殿温度が、約120℃~約260℃であり、当該沈殿圧力が、当該沈殿温度に対応する曇り点圧力を上回り、溶解したPE及び懸濁残留粒子状汚染物質を含む第2の懸濁液が生成される、工程と、f)当該第2の懸濁液を精製温度及び精製圧力で精製する工程であって、当該精製が、約2.2mm未満の平均粒径を有する活性アルミナ粒子を含む軸流フィルタを通して当該第2の懸濁液を流すことを含み、当該精製温度が、約120℃~約260℃であり、当該精製圧力が、当該精製温度に対応する曇り点圧力を上回り、より純粋なPEを含む第3の懸濁液が生成される、工程と、g)当該より純粋なPEを当該第3の懸濁液から分離する工程であって、当該より純粋なPEが、当該lb*PEである、工程と、を含む。
【0018】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法が提示される。方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)約3.5重量%の抽出質量濃度、約205℃の抽出温度、及び約1900psig(131barg)の抽出圧力において、n-ペンタンを用いて当該crPEを抽出して、抽出された汚染された再生ポリエチレン(ecrPE)を生成する工程と、c)ecrPEを、約3.5重量%の質量濃度、約140℃の溶解温度、及び約1900psig(131barg)の溶解圧力でn-ペンタン中に溶解させて、溶解したポリエチレン(PE)及び懸濁粒子状汚染物質を含む第1の懸濁液を生成する工程と、d)当該第1の懸濁液を約140℃及び約1900psig(131barg)で沈殿させて、溶解PE及び懸濁残留微粒状子汚染物質を含む第2の懸濁液を生成する工程と、e)当該第2の懸濁液を約140℃及び約1900psig(131barg)で固体媒体と接触させることによって当該第2の懸濁液を精製して、より純粋なPEを含む第3の懸濁液を生成する工程であって、当該精製が、当該第2の懸濁液をキャンドルフィルタ内、続いて軸流フィルタ内の当該固体媒体と接触させることを含み、当該キャンドルフィルタの当該固体媒体が、珪藻土を含み、当該軸流フィルタの当該固体媒体が、約2.2mm未満の平均粒径を有する活性アルミナを含む、工程と、f)当該第3の懸濁液から当該より純粋なPEを分離する工程であって、当該より純粋なPEが、当該lb*PEである、工程と、を含む。
【0019】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法が提示される。方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)当該crPEを、約3.5重量%の抽出質量濃度、約160℃の抽出温度、及び約3,000psig(207barg)の抽出圧力において、n-ブタンを用いてcrPEを抽出して、抽出された汚染された再生ポリエチレン(ecrPE)を生成する工程と、c)ecrPEを、約3.5重量%の質量濃度、約160℃の溶解温度、及び約4700psig(324barg)の溶解圧力において、n-ブタン内に溶解させて、溶解したポリエチレン(PE)及び懸濁粒子状汚染物質を含む第1の懸濁液を生成する工程と、d)当該第1の懸濁液を約160℃及び約4,700psig(324barg)で沈殿させて、溶解したPE及び懸濁残留粒子状汚染物質を含む第2の懸濁液を生成する工程と、e)当該第2の懸濁液を約160℃及び約4,700psig(324barg)で固体媒体と接触させることによって、当該第2の懸濁液を精製して、より純粋なPEを含む第3の懸濁液を生成する工程であって、当該精製が、当該第2の懸濁液をキャンドルフィルタ内、続いて軸流フィルタ内の当該固体媒体と接触させることを含み、当該キャンドルフィルタの当該固体媒体が、珪藻土を含み、当該軸流フィルタの当該固体媒体が、約2.2mm未満の平均粒径を有する活性アルミナを含む、工程と、f)当該第3の懸濁液から当該より純粋なPEを分離する工程であって、当該より純粋なPEが、当該lb*PEである、工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】n-ブタン、n-ペンタン、及びヘキサン中のHDPEの溶液の曇り点圧力曲線の図である。3つの溶媒の蒸気圧力曲線もまた含まれる。各溶液は、ブロー成型グレードであり、約0.35g/10分のメルトフローインデックス(melt flow index、MFI)を有する、約5重量%のFormolene(登録商標)HB5502F HDPE(Formosa Plastics Corp.、Livingston,NJ)を含有する。
【
図2】本発明の方法の抽出工程の主な構成要素を示すブロックフロー図である。
【
図3】本発明の方法の溶解工程の主な構成要素を示すブロックフロー図である。
【
図4】精製工程において使用される活性アルミナ粒子の平均粒径の関数としての光学特性b
*(CIE青-黄軸、負の値は青であり、正の値は黄であり、0は中性である)のグラフである。再生ポリエチレンは、HDPE JFであり、溶媒は、n-ブタンであり、抽出条件は、約160℃及び約3,000psig(207barg)であり、溶解条件は、約160℃及び約4,700psig(324barg)であった。
【発明を実施するための形態】
【0021】
I.定義
本明細書で使用される場合、「再生ポリエチレン」という用語は、先の目的のために使用され、次いで、リサイクル目的のために回収されたポリエチレンを指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、「汚染された再生ポリエチレン」(crPE)という用語は、粒子状汚染物質及び他の汚染物質で汚染された再生ポリエチレンを指す。他の汚染物質の非限定的な例は、臭気、風味、染料、界面活性剤、表面印刷などである。
【0023】
本明細書で使用される場合、「再生ポリエチレン」という用語は、再生ポリエチレンが供給されている再生プロセスの生成物を指す。
【0024】
本明細書で使用される場合、「消費者使用後リサイクル」(PCR)材料という用語は、最終消費者が使用し、処分した廃棄物流中の材料を指す。
【0025】
本明細書で使用される場合、「産業使用後リサイクル」(PIR)材料という用語は、商品又は製品の製造後に生成される製造プラントの廃棄物流中の材料を指す。PIR材料の非限定的な例は、工業スクラップ及び部品トリミングなどの製造廃棄物である。
【0026】
本明細書で使用される場合、「溶媒」という用語は、ポリエチレンを溶解する材料を指し、その臨界温度及び臨界圧力(臨界点)であるか、その付近であるか、又はそれを上回り得る。ある物質がその物質の臨界点を上回るものは、「超臨界流体」として既知であり、これは液体の典型的な物理的特性(すなわち、密度)を有しないことが、当業者には既知である。
【0027】
本明細書で使用される場合、「溶解された」という用語は、分子レベルでの溶媒中のポリエチレン溶質の部分的な(最小での)組み込みを指す。
【0028】
本明細書で使用される「標準沸点」という用語は、国際純正・応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry、IUPAC)により確立されている、厳密に100kPa(1bar、14.5psia、0.9869atm)の絶対圧力下での沸騰温度を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、「懸濁液」という用語は、ポリエチレン溶液中の粒子状汚染物質の懸濁液を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、「粒子状汚染物質」という用語は、ポリエチレン物品のバルク又は表面全体にわたって存在する粒子状物質を指す。これらの粒子状汚染物質は、供給業者が、典型的に、その寿命を保護及び/又は延長するためにポリエチレンに組み込む添加剤、消費者の使用からポリエチレン物品上に残された汚染物質、廃棄物流中への処分及び再生中にポリエチレン物品に付着した汚染物質などであり得る。供給業者がポリエチレンに組み込む粒子状汚染物質の非限定的な例は、抗酸化剤(一次又は二次のいずれか)、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、UV安定剤、難燃剤、及び着色剤である。
【0031】
本明細書で使用される場合、「固体媒体」という用語は、濾過動作において使用される、粒子状、織布状、又は不織布状の媒体を指す。これらの動作は、軸流又は半径流、又は他の動作であり得る。
【0032】
本明細書で使用される場合、「より純粋なポリエチレン」という用語は、精製工程前の同じポリエチレンに対して、より少ない汚染物質を有するポリエチレンを指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「抽出」という用語は、液相(又は固体マトリックス)から相境界を越えて別の不混和性液相に溶質種を移動させるプロセス工程を指す。
【0034】
本明細書で使用される「抽出された」という用語は、抽出工程の前の同じ材料に比べてより少ない溶質種を有する材料を指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、「抽出された再生ポリエチレン」という用語は、抽出工程の前に、同じ再生ポリエチレンに対して、より少ない溶質種を有する再生ポリエチレンを指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、「平均粒径」という用語は、最大メッシュスクリーン及び最小メッシュスクリーンに対応する粒径の算術平均を指す。例えば、試料が7×14メッシュとして示される場合、対応する粒径は2.83mm(7メッシュ)及び1.41mm(14メッシュ)であり、平均粒径は(1.41+2.83)/2=2.12mmである。
【0037】
本明細書で使用される場合、「低b*値」という用語は、光学特性値が約4未満である、b*(CIE(Commission Internationale de l’Eclairage)青-黄軸、負の値は青であり、正の値は黄であり、0は中性である)を指す。
【0038】
本明細書で使用する場合、「ヘキサン」という用語は、ノルマルヘキサン(少なくとも45体積%、典型的には約53体積%)、イソヘキサン(2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、及び2,3-ジメチルブタン)、並びにネオヘキサン(2,2-ジメチルブタン)などのヘキサン異性体のブレンドを指す。
【0039】
II.原料-廃棄ポリエチレン
予想外に、1)廃棄ポリエチレンの溶液を形成する溶媒が、特定の温度で閾値圧力を超える曇り点圧力を有し、2)廃棄ポリエチレンを精製するために使用される活性アルミナ粒子が、小さい平均粒径を有する場合に、低b*値を有するより純粋なポリエチレンが生成されることが見出されている。これらの条件下では、これらの溶媒は、典型的には、ポリエチレンに対して貧溶媒であると考えられる。一方、廃棄ポリエチレンの溶液を形成し、特定の温度で閾値圧力よりも低い曇り点圧力を有する溶媒は、低b*値を有するより純粋なポリエチレンを生成することができない。これらの条件下で、これらの溶媒は、θ又は良好な溶媒と考えられる。
【0040】
ポリエチレンに関して、貧溶媒の非限定的な例は、ノルマルブタン(n-ブタン)及びノルマルペンタン(n-ペンタン)であり、θ又は良溶媒の非限定的な例は、ノルマルヘキサン(n-ヘキサン)及びヘキサンである。例えば、160℃において、n-ペンタン(貧溶媒)中の約5重量%ポリエチレンの溶液の曇り点圧力は、約1,950psig(134.4barg)であり、n-ブタン(貧溶媒)中の曇り点圧力は、約4,550psig(313.7barg)である。同じ例において、160℃において、ヘキサン中の約5重量%のポリエチレンの溶液(θ又は良溶媒)の曇り点圧力は、約380psig(26.2barg)である。アルカン溶媒中の炭素原子の数が増加するにつれて、アルカンは、より良好な溶媒になる(例えば、貧溶媒からθに、次いで良溶媒に移動する)。
【0041】
いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、本出願人は、廃棄ポリエチレンの、低b*値を有するより純粋なポリエチレンへの変換の鍵は、溶媒の品質、及び廃棄ポリエチレン溶液の精製に使用される活性アルミナ粒子の平均粒径であると考える。溶媒が貧溶媒である場合、ポリエチレン分子は、高密度コイル(球体のように、これらのコイルから溶媒分子が本質的に排除されている)に崩壊する。これらの高密度コイルの回転半径、Rgは、100,000Daのポリエチレン分子に対して約数nmであり、これらの高密度コイルが懸濁粒子状汚染物質と相互作用しないことが予想される。溶媒がθ溶媒である場合、ポリエチレン分子は、ある程度膨張して、ランダムウォーク構造をとり、それらの間に溶媒分子を含む。これらの膨張した分子のRgは、貧溶媒中の高密度コイルのRgよりも約1桁高く、100,000Daのポリエチレン分子については約数百nmである。また、予想されることは、これらの膨張したポリマー分子のいくつかが、懸濁粒子状汚染物質の表面上に吸着され、このため濾過媒体によるそれらの除去を阻害することである。最後に、溶媒が良好な溶媒である場合、ポリエチレン分子は、むしろ膨張して、自己回避ウォーク構造をとり、それらの間に多くの溶媒分子を含む。Rgは、θ溶媒内の分子の大きさよりも約1桁高く、100,000Daポリエチレン分子に対して約千nmである。また、予想されることは、これらのポリエチレン分子の一部が、懸濁粒子状汚染物質の表面上に吸着され、したがって濾過媒体によるそれらの除去を阻害することである。
【0042】
廃棄ポリエチレンから粒子状汚染物質を濾過するために使用される活性アルミナ粒子に関して、平均粒径は、重要な役割を果たす。活性アルミナ粒子上へのこれらの汚染物質の吸着及び活性アルミナフィルタ中の粒子間間隔におけるサイズ排除を介するそれらの除去は、活性アルミナ粒子のサイズ及びそれらの平均粒径に依存する。小さい平均粒径は、単位フィルタ体積当たりの大きい表面積及び小さい粒子間距離を有する小さい活性アルミナ粒子の結果である。この場合、フィルタ効率が高い。
【0043】
本発明における原料は、汚染された再生ポリエチレン(crPE)である。本発明の実施形態では、crPEを精製して、低b*値(lb*PE)を有する再生ポリエチレンを生成するための方法は、当該crPEを提供する工程を含む。本発明の実施形態では、crPEは、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン、特殊廃棄流ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。本発明の実施形態では、crPEは、PCRポリエチレン、PIRポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。本発明の実施形態では、crPEを精製して、Ib*PEを生成するための方法は、当該crPEを提供する工程を含み、当該crPEは、PCRポリエチレン、PIRポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0044】
PCRポリエチレンの供給源の非限定的な例は、(最終消費者が、使用された包装及び製品からのポリマーをごみ運搬業者又はリサイクル業者による回収のために指定された容器に設置する)道路脇リサイクル流、及び(消費者が廃棄ポリマーを店舗に運び、廃棄ポリマーを指定された回収容器内に設置する)店内「引取」プログラムである。PIRポリエチレンの供給源の非限定的な例は、製造元により使用不能な材料として回収された商品又は製品(すなわち、裁ちくず、仕様外の材料、始動くず)の製造又は輸送中に生成された廃棄ポリマーであり得る。特殊廃棄物流ポリエチレンの供給源の非限定的な例は、電子廃棄物(e-wasteとしても既知)リサイクル、自動車のリサイクル、並びに使用済みカーペット及び織物のリサイクルである。
【0045】
本発明の目的として、crPEは、個々のポリエチレンの均質な組成物、又は複数の異なるポリエチレン組成物の混合物である。ポリエチレン組成物の非限定的な例は、HDPE、LDPE、LLDPE、エチレン及びアルファ-オレフィンのコポリマー、並びに当業者に明らかであり得る他の溶解性ポリエチレンポリマーなど、エチレンのホモポリマー及びコポリマーである。
【0046】
crPEにおける汚染の非限定的な例は、顔料、染料、加工助剤、安定化添加剤(例えば、抗酸化剤)、充填剤、難燃剤、及び、元のポリエチレンの重合又は製品の最終形態への変換の間にポリエチレンに添加され、マーケティング、ブランド化、加工性、及び/又は最終用途性能に必要な他の性能添加剤である。顔料の非限定的な例は、銅フタロシアニンなどの有機顔料、二酸化チタンなどの無機顔料、及び当業者に明らかであり得る他の顔料である。有機顔料の非限定的な一例は、ベーシックイエロー51である。加工助剤の非限定的な例は、グリセロールモノステアレートなどの帯電防止剤、及びエルカ酸アミドなどの潤滑促進剤である。抗酸化剤の非限定的な例は、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert.ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート(BASFのIrganox(登録商標)1076)である。充填剤の非限定的な例は、炭酸カルシウム、タルク、及びガラス繊維である。crPEはまた、臭気、表面印刷、紙ラベル、ラベル用接着剤、汚れ、並びに揮発性及び不揮発性有機化合物を含有し得る。加えて、汚染物質は、製品、例えば、洗浄混合物(例えば、リモネン、界面活性剤など)、食品(例えば、様々な有機物)などを含有するポリエチレン包装材料などの製品との相互作用から生じ得る。汚染物質は、粒子状(例えば、充填剤、汚れ、粒子状顔料など)又は非粒子状(例えば、染料、臭気、界面活性剤、揮発性有機化合物など)であり得る。
【0047】
本発明の実施形態では、当該crPEは、汚染された再生高密度ポリエチレン(crHDPE)を含む。本発明の実施形態では、当該crPEは、汚染された再生低密度ポリエチレン(crLDPE)を含む。本発明の実施形態では、当該crPEは、汚染された再生直鎖状低密度ポリエチレン(crLLDPE)を含む。本発明の実施形態では、当該crPEは、crLDPEとcrLLDPEとの混合物を含む。
【0048】
本発明の実施形態では、当該crPEは、汚染された再生高密度ポリエチレン(crHDPE)である。本発明の実施形態では、当該crPEは、汚染された再生低密度ポリエチレン(crLDPE)である。本発明の実施形態では、当該crPEは、汚染された再生直鎖状低密度ポリエチレン(crLLDPE)である。本発明の実施形態では、当該crPEは、crLDPEとcrLLDPEとの混合物である。
【0049】
III.溶媒
ポリエチレン溶液は、それらの液体-液体平衡曲線である、曇り点曲線を呈する。曇り点曲線を測定する典型的な方法は、ビューセルを使用するものであり、これは当業者に周知である。溶媒中のある量のポリエチレンの溶液は、溶液が一相レジームにある特定の温度及び高圧力で調製される。次いで、撹拌しながら、温度を一定に保ち、圧力を低下させる。曇り点圧力と呼ばれる、一部の圧力において、溶液は、曇って、2相レジーム、すなわち、重相(ラフィネート(raffinate、RAF)相とも呼ばれ、溶媒中に高濃度のポリエチレンを含有する)及び軽相(抽出物(extract、EXTR)相とも呼ばれ、溶媒中に非常に低濃度のポリエチレンを含有する)に入る。2相レジームから、圧力が増加する場合、圧力がその温度で曇り点圧力と交差するので、2相系は透明な溶液(一相レジーム)になる。
【0050】
曇り点圧力曲線の典型的な例が、n-ブタン、n-ペンタン及びヘキサン中の約5重量%濃度の未使用のHDPEの溶液を有して、
図1に示される。溶媒中のHDPEの他の濃度又は溶媒中の様々なポリエチレングレード(例えば、HDPE、LDPE、及びLLDPE)の濃度は、圧力/温度空間において
図1に示されるこれらの曇り点曲線をシフトさせ得る。本発明の目的のために、本発明者らは、溶媒中に約5重量%の未使用のHDPE Formolene(登録商標)HB5502Fを有する溶液を参照溶液とみなし、160℃の温度を参照温度とみなす。
【0051】
溶媒は、ある特定のレベルを超える曇り点圧力を有する約5重量%濃度のポリエチレンを有する溶液を生成する。本発明の実施形態では、約5重量%濃度のポリエチレンの溶液の曇り点圧力は、約160℃で約1,450psig(100barg)を超える。本発明の実施形態では、約5重量%濃度のポリエチレンの溶液の曇り点圧力は、約160℃で約1,950psig(134.4barg)を超える。本発明の実施形態では、約5重量%濃度のポリエチレンの溶液の曇り点圧力は、約160℃で約3,000psig(206.8barg)を超える。本発明の実施形態では、約5重量%濃度のポリエチレンの溶液の曇り点圧力は、約160℃で約4,550psig(313.7barg)を超える。
【0052】
本発明の実施形態では、約5重量%濃度のポリエチレンの溶液の曇り点圧力は、約180℃で約2,300psig(158.6barg)である。本発明の実施形態では、約5重量%濃度のポリエチレンの溶液の曇り点圧力は、約160℃で約1,950psig(134.4barg)である。本発明の実施形態では、約5重量%濃度のポリエチレンの溶液の曇り点圧力は、約140℃で約1,650psig(113.8barg)である。本発明の実施形態では、約5重量%濃度のポリエチレンの溶液の曇り点圧力は、約120℃で約1,200psig(82.7barg)である。
【0053】
本発明の実施形態では、約5重量%濃度のポリエチレンの溶液の曇り点圧力は、約160℃で約4,550psig(313.7barg)である。本発明の実施形態では、約5重量%濃度のポリエチレンの溶液の曇り点圧力は、約140℃で約4,300psig(296.5barg)である。本発明の実施形態では、約5重量%濃度のポリエチレンの溶液の曇り点圧力は、約120℃で約4,050psig(279.2barg)である。
【0054】
ポリエチレン溶液の場合、曇り点圧力は、約120℃~約260℃の範囲内の温度の単調増加関数である。当業者に既知であるように、曇り点圧力は、温度1が温度2未満である場合、温度の単調増加関数であり、(温度1における)曇り点圧力は、(温度2における)曇り点圧力未満である。
【0055】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)溶媒を提供する工程であって、当該溶媒及び当該crPEが、ある温度及び当該温度に対応する曇り点圧力よりも高い圧力で一相溶液を形成し、当該曇り点圧力が、(i)当該溶媒中で約5重量%の濃度の当該crPEの溶液に対応し、(ii)温度の単調増加関数であり、(iii)以下の圧力レベル:約120℃で約700psig(48.3barg)、約140℃で約1,150psig(79.3barg)、約160℃で約1,450psig(100barg)、及び約180℃で約1,800psig(124.1barg)を超え、(iv)約120℃より低く、約180℃より高い温度における平滑外挿を含み、(v)約120℃~約180℃の温度における平滑内挿を含む、工程と、を含む。
【0056】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)溶媒を提供する工程であって、当該溶媒及び当該crPEが、ある温度及び当該温度に対応する曇り点圧力よりも高い圧力で一相溶液を形成し、当該曇り点圧力が、(i)当該溶媒中で約5重量%の濃度の当該crPEの溶液に対応し、(ii)温度の単調増加関数であり、(iii)以下の圧力レベル:約120℃で約2,200psig(151.7barg)、約140℃で約2,650psig(182.7barg)、約160℃で約3,000psig(206.8barg)、及び約180℃で約3,300psig(227.5barg)を超え、(iv)約120℃より低く、約180℃より高い温度における平滑外挿を含み、(v)約120℃~約180℃の温度における平滑内挿を含む、工程と、を含む。
【0057】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)溶媒を提供する工程であって、当該溶媒及び当該crPEが、ある温度及び当該温度に対応する曇り点圧力よりも高い圧力で一相溶液を形成し、当該曇り点圧力が、(i)当該溶媒中で約5重量%の濃度の当該crPEの溶液に対応し、(ii)温度の単調増加関数であり、(iii)以下の圧力レベル:約120℃で約1,200psig(82.7barg)、約140℃で約1,650psig(113.8barg)、約160℃で約1,950psig(134.4barg)、及び約180℃で約2,300psig(158.6barg)を含み、(iv)約120℃より低く、約180℃より高い温度における平滑外挿を含み、(v)約120℃~約180℃の温度における平滑内挿を含む、工程と、を含む。
【0058】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)溶媒を提供する工程であって、当該溶媒及び当該crPEが、ある温度及び当該温度に対応する曇り点圧力よりも高い圧力で一相溶液を形成し、当該曇り点圧力が、(i)当該溶媒中で約5重量%の濃度の当該crPEの溶液に対応し、(ii)温度の単調増加関数であり、(iii)以下の圧力レベル:約120℃で約4,050psig(279.2barg)、約140℃で約4,300psig(296.5barg)、及び約160℃で約4,550psig(313.7barg)を含み、(iv)約120℃より低く、約160℃より高い温度における平滑外挿を含み、(v)約120℃~約160℃の温度における平滑内挿を含む、工程と、を含む。
【0059】
いくつかの溶媒の標準沸点は以下の通りである:イソブタン:-11.7℃、イソブチレン:-6.9℃、1-ブテン:-6.3℃、n-ブタン:-1℃、2-ブテン:0.8~3.7℃、ネオペンタン:9.5℃、イソペンタン:27.8℃、1-ペンテン:30℃、n-ペンタン:36.1℃、2-ペンテン:36.3℃、イソヘキサン:60℃、1-ヘキセン:63.9℃、n-ヘキサン:68℃、及び2-ヘキセン:69.1℃。本発明の実施形態では、溶媒は、約50℃未満の標準沸点を有する。本発明の実施形態では、溶媒は、約40℃未満の標準沸点を有する。本発明の実施形態では、溶媒は、約20℃未満の標準沸点を有する。本発明の実施形態では、溶媒は、約0℃未満の標準沸点を有する。
【0060】
本発明の実施形態では、溶媒は、n-ペンタンを含む。本発明の実施形態では、溶媒は、n-ブタンを含む。本発明の実施形態では、溶媒は、1-ペンテン、イソペンタン、ネオペンタン、2-ブテン、1-ブテン、イソブタン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0061】
本発明の実施形態では、溶媒は、n-ペンタンである。本発明の実施形態では、溶媒は、n-ブタンである。
【0062】
本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ペンタンであり、当該crPEは、crHDPEである。本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ペンタンであり、当該crPEは、crLDPEである。本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ペンタンであり、当該crPEは、crLLDPEである。本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ペンタンであり、当該crPEは、crLDPEとcrLLDPEとの混合物である。
【0063】
本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ブタンであり、当該crPEは、crHDPEである。本発明の実施形態では、n-ブタン中の当該溶媒及び当該crPEは、crLDPEである。本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ブタンであり、当該crPEは、crLLDPEである。本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ブタンであり、当該crPEは、crLDPEとcrLLDPEとの混合物である。
【0064】
本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ペンタンを含み、当該crPEは、crHDPEを含む。本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ペンタンを含み、当該crPEは、crLDPEを含む。本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ペンタンを含み、当該crPEは、crLLDPEを含む。本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ペンタンを含み、当該crPEは、crLDPEとcrLLDPEとの混合物を含む。
【0065】
本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ブタンを含み、当該crPEは、crHDPEを含む。本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ブタンを含み、当該crPEは、crLDPEを含む。本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ブタンを含み、当該crPEは、crLLDPEを含む。本発明の実施形態では、当該溶媒は、n-ブタンを含み、当該crPEは、crLDPEとcrLLDPEとの混合物を含む。
【0066】
IV.抽出工程
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、少なくとも約1重量%の抽出質量濃度、抽出温度、及び抽出圧力において、溶媒を用いて当該crPEを抽出する工程であって、当該抽出温度が、約120℃~約260℃であり、当該抽出圧力が、当該抽出温度に対応する曇り点圧力未満であり、抽出された汚染された再生ポリエチレン(ecrPE)が生成される、抽出する工程と、を含む。
【0067】
抽出工程は、溶媒-ポリエチレン系の2相レジームで、すなわち、特定の温度において曇り点圧力未満で行われる。上で開示したように、2相レジームにおいて、重相(RAF相)及び軽相(EXTR相)が存在する。
【0068】
いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、本出願人は、抽出工程における溶媒とポリエチレンとの間の抽出可能な汚染物質の好ましい分配係数に起因して、抽出可能な汚染物質が、重相中のポリエチレンから軽相中の溶媒に移動すると考える。抽出可能な汚染物質は、廃棄ポリエチレンの汚染物質の一部であり、ポリエチレンに添加された残留加工助剤、ポリエチレンと接触した残留製品配合物(香料及び香味料など)、染料、並びに廃棄物回収中及びその後の他の廃棄物材料との集積中に意図的に添加されたか又は意図せずにポリエチレンに組み込まれた可能性がある任意の他の抽出可能な材料を含み得る。
【0069】
この抽出工程において使用することができる液体-液体抽出(liquid-liquid extraction、LLE)機器の非限定的な例は、抽出カラム(例えば、静的、撹拌、又はパルス)、ミキサ-セトラ、及び遠心抽出器である。使用することができる市販の機器の例は、Kuehniカラム、SCHEIBEL(登録商標)カラム、KARR(登録商標)カラム、回転ディスク収縮器カラム、充填カラム、ふるいカラムなどである。
【0070】
本発明の実施形態では、抽出工程は、溶媒によるポリエチレンの連続抽出を可能にするように構成され得る圧力容器内で行われる。本発明の実施形態では、圧力容器は、溶融したポリエチレンが抽出カラムの一方の端部にポンプ圧送され、溶媒が抽出カラムの同じ(並流抽出)又は反対側(対向流抽出)の端部にポンプ圧送される、連続液体-液体抽出カラムであり得る。
【0071】
本発明の実施形態では、抽出された汚染物質を含有する溶媒又は軽相は、プロセスから除去される。本発明の実施形態では、抽出された汚染物質を含有する溶媒は、方法における抽出工程又は異なる工程で使用するために、精製され、回収され、リサイクルされる。本発明の実施形態では、抽出工程は、バッチモードで実施され、crPEは、圧力容器内にポリマー相として固定され、溶媒は、固定されたポリマー相を通って連続的にポンプ圧送される。抽出時間又は使用される溶媒の量は、最終的なより純粋なポリエチレンの所望の純度、及び出発crPE中にある抽出可能な汚染物質の量に依存する。本発明の実施形態では、下記の精製セクション内で説明されるように、抽出した汚染物質を含有する溶媒は、別個の工程で固体媒体と接触する。
【0072】
本発明の実施形態では、抽出質量濃度は、少なくとも約1重量%である。本発明の実施形態では、抽出質量濃度は、少なくとも約2重量%である。本発明の実施形態では、抽出質量濃度は、少なくとも約3重量%である。本発明の実施形態では、抽出質量濃度は、少なくとも約5重量%である。本発明の実施形態では、抽出質量濃度は、少なくとも約10重量%である。本発明の目的のために、抽出質量濃度は、抽出工程における2相crPE-溶媒系(すなわち、重相及び軽相の両方)中のcrPEの濃度である。
【0073】
本発明の実施形態では、抽出温度は、約120℃~約260℃である。本発明の実施形態では、抽出温度は、約140℃~約240℃である。本発明の実施形態では、抽出温度は、約160℃~約220℃である。本発明の実施形態では、抽出温度は、約180℃~約200℃である。
【0074】
本発明の実施形態では、抽出温度は約205℃である。本発明の実施形態では、抽出温度は約220℃である。本発明の実施形態では、抽出温度は約230℃である。本発明の実施形態では、抽出温度は約240℃である。
【0075】
本発明の実施形態では、抽出圧力は、約700psig(48.3barg)~約6,000psig(413.7barg)である。本発明の実施形態では、抽出圧力は、約1,500psig(103.4barg)~約5,000psig(344.7barg)である。本発明の実施形態では、抽出圧力は、約2,000psig(137.9barg)~約4,000psig(275.8barg)である。
【0076】
本発明の実施形態では、抽出圧力は、約1,500psi(103.4barg)である。本発明の実施形態では、抽出圧力は、約1,900psi(131barg)である。本発明の実施形態では、抽出圧力は、約2,500psi(172.4barg)である。本発明の実施形態では、抽出圧力は、約4,500psi(310.3barg)である。
【0077】
本発明の実施形態では、溶媒は、n-ペンタンであり、crPEは、crHDPEであり、抽出温度は、約205℃であり、抽出圧力は、約1,900psig(131barg)である。本発明の実施形態では、溶媒はn-ペンタンであり、crPEはcrHDPEであり、抽出温度は約230℃であり、抽出圧力は、約1,900psig(131barg)である。本発明の実施形態では、溶媒はn-ペンタンであり、crPEは、crHDPEであり、抽出温度は、約240℃であり、抽出圧力は、約1,900psig(131barg)である。本発明の実施形態では、溶媒はn-ペンタンであり、crPEはcrHDPEであり、抽出温度は約260℃であり、抽出圧力は、約1,900psig(131barg)である。
【0078】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、PCRポリエチレン、PIRポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)約3.5重量%の抽出質量濃度、約205℃の抽出温度、及び約1,900psig(131barg)の抽出圧力において、n-ペンタンを用いて当該crPEを抽出して、抽出された汚染された再生ポリエチレン(ecrPE)を生成する工程と、を含む。
【0079】
本発明の実施形態では、溶媒は、n-ブタンであり、crPEは、crHDPEであり、抽出温度は、約200℃であり、抽出圧力は、約4,500psig(310.3barg)である。本発明の実施形態では、溶媒は、n-ブタンであり、crPEは、crHDPEであり、抽出温度は、約240℃であり、抽出圧力は、約4,500psig(310.3barg)である。本発明の実施形態では、溶媒は、n-ブタンであり、crPEは、crHDPEであり、抽出温度は、約260℃であり、抽出圧力は、約4,500psig(310.3barg)である。
【0080】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、PCRポリエチレン、PIRポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)約3.5重量%の抽出質量濃度、約160℃の抽出温度、及び約3,000psig(207barg)の抽出圧力において、n-ブタンを用いて当該crPEを抽出して、抽出された汚染された再生ポリエチレン(ecrPE)を生成する工程と、を含む。
【0081】
V.溶解工程
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)溶媒を提供する工程であって、当該溶媒及びcrPEが、ある温度及び温度に対応する曇り点圧力よりも高い圧力で一相溶液を形成し、当該曇り点圧力が、(i)当該溶媒中で約5重量%の濃度の当該crPEの溶液に対応し、(ii)温度の単調増加関数であり、(iii)以下の圧力レベル:約120℃で約700psig(48.3barg)、約140℃で約1,150psig(79.3barg)、約160℃で約1,450psig(100barg)、及び約180℃で約1,800psig(124.1barg)を超え、(iv)約120℃より低く、約180℃より高い温度における平滑外挿を含み、(v)約120℃~約180℃の温度における平滑内挿を含む、工程と、c)少なくとも約1重量%の抽出質量濃度、ある抽出温度、及びある抽出圧力において、溶媒を用いて当該crPEを抽出する工程であって、当該抽出温度が、約120℃~約260℃であり、当該抽出圧力が、当該抽出温度に対応する曇り点圧力未満であり、抽出された汚染された再生ポリエチレン(ecrPE)が生成される、工程と、d)ある溶解温度及びある溶解圧力において、少なくとも約1重量%の溶解質量濃度において、当該溶媒中にecrPEを溶解する工程であって、当該溶解温度が、約120℃~約260℃であり、当該溶解圧力が、当該温度に対応する曇り点圧力を上回り、溶解したポリエチレン(PE)及び懸濁粒子状汚染物質を含む第1の懸濁液が、生成される、工程と、を含む。
【0082】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)約3.5重量%の抽出質量濃度、約205℃の抽出温度、及び約1900psig(131barg)の抽出圧力において、n-ペンタンを用いて当該crPEを抽出して、抽出された汚染された再生ポリエチレン(ecrPE)を生成する工程と、c)ecrPEを、約3.5重量%の溶解質量濃度、約140℃の溶解温度、及び約1900psig(131barg)の溶解圧力において、n-ペンタン中に溶解させて、溶解したポリエチレン(PE)及び懸濁粒子状汚染物質を含む第1の懸濁液を生成する工程と、を含む。本発明の実施形態では、溶媒は、n-ペンタンであり、crPEは、crHDPEであり、抽出温度は、約205℃であり、抽出圧力は、約1,900psig(131barg)であり、溶解温度は、約140℃であり、溶解圧力は、約1,900psig(131barg)である。
【0083】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)約3.5重量%の抽出質量濃度、約160℃の抽出温度、及び約3,000psig(207barg)の抽出圧力において、n-ブタンを用いて当該crPEを抽出して、抽出された汚染された再生ポリエチレン(ecrPE)を生成する工程と、c)ecrPEを、約3.5重量%の溶解質量濃度、約160℃の溶解温度、及び約4,700psig(324barg)の溶解圧力において、n-ブタン中に溶解させて、溶解したポリエチレン(PE)及び懸濁粒子状汚染物質を含む第1の懸濁液を生成する工程と、を含む。本発明の実施形態では、溶媒は、n-ブタンであり、crPEは、crHDPEであり、抽出温度は、約160℃であり、抽出圧力は、約3,000psig(207barg)であり、溶解温度は、約160℃であり、溶解圧力は、約4,700psig(324barg)である。
【0084】
溶解工程では、ecrPEは、溶解圧力が溶解温度に対応する曇り点圧力よりも高くなるように、圧力及び/又は温度を変化させることによって、ポリエチレン-溶媒系の一相レジームになる。溶解は、混合カラム及び容器、静的システムなどの典型的な機器において達成することができる溶解温度及び圧力で混合することによって促進される。更に、溶解温度及び圧力は、他のポリマー又はポリマー混合物を溶解させずに、ポリエチレンの溶解を可能にするように制御することができる。この制御可能な溶解により、ポリマー混合物からのポリエチレンの分離が可能になる。この溶解工程においてポリエチレンが溶媒に溶解されると、crPEの一部である粒子状汚染物質(例えば、顔料、充填剤、汚れなど)がポリエチレンから放出され、懸濁され、このため第1の懸濁液を形成する。
【0085】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)ある抽出温度及びある抽出圧力において、溶媒中でcrPEを抽出して、抽出されたcrPE(ecrPE)を生成する工程と、b)ある溶解温度及びある溶解圧力において、当該溶媒中にecrPEを溶解させる工程と、を含む。本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)ある抽出温度及びある抽出圧力においてn-ペンタン中でcrPEを抽出して、抽出されたcrPE(ecrPE)を生成する工程と、b)ある溶解温度及びある溶解圧力において、n-ペンタン中にecrPEを溶解させる工程と、を含む。本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)約120℃~約260℃の抽出温度、当該抽出温度に対応する曇り点圧力未満の抽出圧力において、n-ペンタン中でcrPEを抽出して、抽出されたcrPE(ecrPE)を生成する工程と、b)約120℃~約260℃の溶解温度、当該溶解温度に対応する曇り点圧力を上回る溶解圧力において、n-ペンタン中にecrPEを溶解する工程と、を含む。本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)約140℃~約240℃の抽出温度、当該抽出温度に対応する曇り点圧力未満の抽出圧力において、n-ペンタン中でcrPEを抽出して、抽出されたcrPE(ecrPE)を生成する工程と、b)約120℃~約160℃の溶解温度、当該溶解温度に対応する曇り点圧力を上回る溶解圧力において、n-ペンタン中にecrPEを溶解する工程と、を含む。
【0086】
本発明の実施形態では、溶解温度は、約120℃~約260℃である。本発明の実施形態では、溶解温度は、約140℃~約240℃である。本発明の実施形態では、溶解温度は、約160℃~約220℃である。本発明の実施形態では、溶解温度は、約180℃~約200℃である。
【0087】
本発明の実施形態では、溶解温度は、約120℃である。本発明の実施形態では、溶解温度は、約140℃である。本発明の実施形態では、溶解温度は、約160℃である。本発明の実施形態では、溶解温度は、約180℃である。
【0088】
本発明の実施形態では、溶解圧力は、約700psig(48.3barg)~約6,000psig(413.7barg)である。本発明の実施形態では、溶解圧力は、約1,500psig(103.4barg)~約5,000psig(344.7barg)である。本発明の実施形態では、溶解圧力は、約2,000psig(137.9barg)~約4,000psig(275.8barg)である。
【0089】
本発明の実施形態では、溶解圧力は、約1,500psig(103.4barg)である。本発明の実施形態では、溶解圧力は、約1,900psig(131barg)である。本発明の実施形態では、溶解圧力は、約2,500psig(172.4barg)である。本発明の実施形態では、溶解圧力は、約4,500psig(310.3barg)である。本発明の実施形態では、溶解圧力は、約4,700psig(324barg)である。
【0090】
本発明の実施形態では、溶解質量濃度は、少なくとも約1重量%である。本発明の実施形態では、溶解質量濃度は、少なくとも約2重量%である。本発明の実施形態では、溶解質量濃度は、少なくとも約3重量%である。本発明の実施形態では、溶解質量濃度は、少なくとも約5重量%である。本発明の実施形態では、溶解質量濃度は、少なくとも約10重量%である。
【0091】
本発明の実施形態では、溶解溶媒は、抽出溶媒と同じである。本発明の実施形態では、溶解溶媒は、抽出溶媒とは異なる。本発明の実施形態では、溶解溶媒は、n-ブタンであり、抽出溶媒は、n-ペンタンである。
【0092】
VI.沈降工程
溶解が達成され、第1の懸濁液が形成された後、懸濁汚染物質は、それらを力の方向に均一に移動させる力を受けることによって(沈殿動作において)沈殿される。典型的には、加えられる沈殿力は重力であるが、遠心力、求心力、又は他の力であり得る。加えられる力の量及び沈殿動作の持続時間(沈殿時間)は、限定されるものではないが、汚染物質粒子の粒径、汚染物質粒子の密度、溶液の密度、及び流体又は溶液の粘度を含む、いくつかのパラメータに依存するであろう。溶液粘度を決定する重要なパラメータのいくつかは、溶媒の化学組成、溶媒中に溶解したポリエチレンの分子量及び濃度、並びに溶液の温度及び圧力である。沈殿動作の終わりに、沈殿した粒子状汚染物質の層及び第2の懸濁液が生成される。第2の懸濁液は、沈殿層中に沈殿していない懸濁残留粒子状汚染物質を含む。典型的には、より大きい汚染物質粒子は沈殿し、より小さい汚染物質粒子は、第2の懸濁液中に懸濁する。典型的には、沈殿動作の温度、圧力及び濃度条件は、溶解工程のものと同じである。凝集助剤などの沈殿動作に役立てるための加工助剤もまた、第1の懸濁液中に、又は汚染された再生PE中に、又はこの方法の任意の時点で添加することができる。
【0093】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、当該第1の懸濁液を沈殿温度及び沈殿圧力において沈殿させる工程であって、当該沈殿温度が、約120℃~約260℃であり、当該沈殿圧力が、当該沈殿温度に対応する曇り点圧力を上回り、溶解したPE及び懸濁残留粒子状汚染物質を含む第2の懸濁液が生成される、工程を含む。本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、当該第1の懸濁液を沈殿温度及び沈殿圧力において沈殿させる工程であって、当該沈殿温度が、約140℃~約240℃であり、当該沈殿圧力が、当該沈殿温度に対応する曇り点圧力を上回り、溶解したPE及び懸濁残留粒子状汚染物質を含む第2の懸濁液が生成される、工程を含む。本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、当該第1の懸濁液を沈殿温度及び沈殿圧力において沈殿させる工程であって、当該沈殿温度が、約160℃~約220℃であり、当該沈殿圧力が、当該沈殿温度に対応する曇り点圧力を上回り、溶解したPE及び懸濁残留粒子状汚染物質を含む第2の懸濁液が生成される、工程を含む。本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、当該第1の懸濁液を沈殿温度及び沈殿圧力において沈殿させる工程であって、当該沈殿温度が、約180℃~約200℃であり、当該沈殿圧力が、当該沈殿温度に対応する曇り点圧力を上回り、溶解したPE及び懸濁残留粒子状汚染物質を含む第2の懸濁液が生成される、工程を含む。
【0094】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、当該第1の懸濁液を約140℃及び約1,900psig(131barg)で沈殿させて、溶解したPE及び懸濁残留粒子状汚染物質を含む、第2の懸濁液を生成する工程を含む。本発明の実施形態では、溶媒は、n-ペンタンであり、crPEは、crHDPEであり、抽出温度は、約205℃であり、抽出圧力は、約1,900psig(131barg)であり、溶解温度は、約140℃であり、溶解圧力は、約1,900psig(131barg)であり、沈殿温度は、約140℃であり、沈殿圧力は、約1,900psig(131barg)である。
【0095】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、当該第1の懸濁液を約160℃及び約4,700psig(324barg)で沈殿させて、溶解したPE及び懸濁残留粒子状汚染物質を含む、第2の懸濁液を生成する工程を含む。本発明の実施形態では、溶媒は、n-ブタンであり、crPEは、crHDPEであり、抽出温度は、約160℃であり、抽出圧力は、約3,000psig(207barg)であり、溶解温度は、約160℃であり、溶解圧力は、約4,700psig(324barg)であり、沈殿温度は、約160℃であり、沈殿圧力は、約4,700psig(324barg)である。
【0096】
本発明の実施形態では、当該沈殿工程は、任意選択である。
【0097】
VII.精製工程
当該第2の懸濁液の精製は、当該第2の懸濁液を固体媒体と接触させることによって進行する。本発明の目的のために、固体媒体は、第2の懸濁液から少なくともいくらかの汚染(粒子状又は非粒子状)を除去する任意の固体材料である。理論に束縛されるものではないが、出願者は、この固体媒体が、様々なメカニズムによって汚染を除去すると考える。可能なメカニズムの非限定的な例としては、吸着、吸収、粒径排除、イオン排除、イオン交換、及び当業者に既知の他のメカニズムが挙げられる。更に、crPE中に一般的に見出される顔料及び他の汚染物質は、極性化合物であり得、これは、少なくともわずかに極性であり得る固体媒体と、優先的に相互作用し得る。この極性-極性相互作用は、アルカンなどの非極性溶媒が、溶媒として使用されている場合、特に好ましい。
【0098】
本発明の実施形態では、固体媒体は、無機材料、炭素系材料、又はこれらの混合物からなる群から選択される。無機材料の非限定的な例は、シリカ(酸化ケイ素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、活性アルミナ(活性酸化アルミニウム)、酸化鉄、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、非晶質火山ガラス、再生ガラス、シリカゲル、珪藻土、砂、石英、パーライト、フラー土、ベントナイト、及びこれらの混合物である。本発明の実施形態では、無機材料は、シリカ、アルミナ、酸化鉄、ケイ酸アルミニウム、非晶質火山ガラス、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の実施形態では、無機材料は、珪藻土を含む。本発明の実施形態では、無機材料は、活性アルミナを含む。本発明の実施形態では、無機材料は、再生ガラスを含む。
【0099】
炭素系材料の非限定的な例としては、無煙炭、カーボンブラック、コークス、活性炭、セルロース、及びこれらの混合物である。本発明の実施形態では、炭素系材料は、無煙炭、カーボンブラック、コークス、活性炭、セルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の実施形態では、炭素系材料は、活性炭を含む。
【0100】
本発明の実施形態では、固体媒体は、容器の内容物を混合しながら、第2の懸濁液と混合容器内で所定の時間にわたって接触させる。本発明の実施形態では、固体媒体は、固体-液体分離工程を介して混合容器から除去される。固体-液体分離工程の非限定的な例としては、濾過、デカンテーション、遠心分離、及び沈殿が挙げられる。
【0101】
本発明の実施形態では、第2の懸濁液は、固体媒体の固定床を通過する。本発明の実施形態では、固体媒体は、軸流フィルタ内に配置される。本発明の実施形態では、固体媒体は、ラジアルフローフィルタ内に配置される。ラジアルフローフィルタの非限定的な例は、キャンドルフィルタである。本発明の実施形態では、固体媒体は、キャンドルフィルタ内に配置される。
【0102】
本発明の実施形態では、固体媒体の固定床の高さ又は長さは、5cm超である。本発明の実施形態では、固体媒体の固定床の高さ又は長さは、10cm超である。本発明の実施形態では、固体媒体の固定床の高さ又は長さは、20cm超である。本発明の実施形態では、固体媒体は、ポリエチレンの所望の純度を維持するために必要に応じて置き換えられる。本発明の実施形態では、固体媒体は、精製工程で再生され、再使用される。本発明の実施形態では、固体媒体は、再洗工程中に固体媒体を流動化させることによって再生される。
【0103】
本発明の実施形態では、精製は、キャンドルフィルタ、続いて軸流フィルタ内で第2の懸濁液を固体媒体と接触させることを含み、キャンドルフィルタの固体媒体は、珪藻土を含み、軸流フィルタの固体媒体は、活性アルミナを含む。
【0104】
本発明の実施形態では、当該第2の懸濁液の精製は、精製温度及び精製圧力で行われ、当該精製が、約2.2mm未満の平均粒径を有する活性アルミナ粒子を含む軸流フィルタを通して当該第2の懸濁液を流すことを含み、当該精製温度が、約120℃~約260℃であり、当該精製圧力が、当該精製温度に対応する曇り点圧力を上回り、より純粋なPEを含む第3の懸濁液が生成される。
【0105】
本発明の実施形態では、活性アルミナ粒子の平均粒径は、約1.5mm未満である。本発明の実施形態では、活性アルミナ粒子の平均粒径は、約1.5mm未満であり、当該lb*PEは、約2未満のb*値を有する。本発明の実施形態では、活性アルミナ粒子の平均粒径は、約0.5mm未満である。本発明の実施形態では、活性アルミナ粒子の平均粒径は、約0.5mm未満であり、当該lb*PEは、約1.7未満のb*値を有する。
【0106】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)約3.5重量%の抽出質量濃度、約205℃の抽出温度、及び約1900psig(131barg)の抽出圧力において、n-ペンタンを用いて当該crPEを抽出して、抽出された汚染された再生ポリエチレン(ecrPE)を生成する工程と、c)ecrPEを、約3.5重量%の質量濃度、約140℃の溶解温度、及び約1900psig(131barg)の溶解圧力でn-ペンタン中に溶解させて、溶解したポリエチレン(PE)及び懸濁粒子状汚染物質を含む第1の懸濁液を生成する工程と、d)当該第1の懸濁液を約140℃及び約1900psig(131barg)で沈殿させて、溶解したPE及び懸濁残留粒子状汚染物質を含む第2の懸濁液を生成する工程と、e)当該第2の懸濁液を固体媒体と約140℃及び約1900psig(131barg)で接触させることによって、第2の懸濁液を精製して、より純粋なPEを含む第3の懸濁液を生成する工程であって、当該精製が、当該第2の懸濁液をキャンドルフィルタ内、続いて軸流フィルタ内の当該固体媒体と接触させることを含み、当該キャンドルフィルタの当該固体媒体が、珪藻土を含み、当該軸流フィルタの当該固体媒体が、約2.2mm未満の平均粒径を有する活性アルミナを含む、工程と、を含む。
【0107】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、a)当該crPEを提供する工程であって、当該crPEが、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、b)当該crPEを、約3.5重量%の抽出質量濃度、約160℃の抽出温度、及び約3,000psig(207barg)の抽出圧力において、n-ブタンを用いてcrPEを抽出して、抽出された汚染された再生ポリエチレン(ecrPE)を生成する工程と、c)ecrPEを、約3.5重量%の質量濃度、約160℃の溶解温度、及び約4700psig(324barg)の溶解圧力において、n-ブタン内に溶解させて、溶解したポリエチレン(PE)及び懸濁粒子状汚染物質を含む第1の懸濁液を生成する工程と、d)当該第1の懸濁液を約160℃及び約4,700psig(324barg)で沈殿させて、溶解したPE及び懸濁残留粒子状汚染物質を含む第2の懸濁液を生成する工程と、e)当該第2の懸濁液を固体媒体と約160℃及び約4,700psig(324barg)で接触させることによって、第2の懸濁液を精製して、より純粋なPEを含む第3の懸濁液を生成する工程であって、当該精製が、当該第2の懸濁液をキャンドルフィルタ内、続いて軸流フィルタ内の当該固体媒体と接触させることを含み、当該キャンドルフィルタの当該固体媒体が、珪藻土を含み、当該軸流フィルタの当該固体媒体が、約2.2mm未満の平均粒径を有する活性アルミナを含む、工程と、を含む。
【0108】
本発明の実施形態では、当該精製は、当該軸流フィルタを通して当該第2の懸濁液を流すことの前に、当該第2の懸濁液を固体媒体と接触させることを更に含み、当該固体媒体は、無機材料、炭素系材料、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の実施形態では、当該無機材料は、シリカ、アルミナ、酸化鉄、ケイ酸アルミニウム、非晶質火山ガラス、珪藻土、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の実施形態では、当該無機材料は、珪藻土を含む。本発明の実施形態では、当該炭素系材料は、無煙炭、カーボンブラック、コークス、活性炭、セルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の実施形態では、当該固体媒体は、軸流フィルタ内に配置される。本発明の実施形態では、当該固体媒体は、キャンドルフィルタ内に配置される。本発明の実施形態では、当該固体媒体は、キャンドルフィルタ内に配置され、当該キャンドルフィルタの当該固体媒体は、珪藻土を含む。
【0109】
典型的には、精製工程における溶媒のタイプ及びポリエチレン質量濃度、並びに精製温度及び圧力は、溶解工程におけるもの及び/又は抽出工程におけるものと同じである。
【0110】
本発明の実施形態では、精製質量濃度は、少なくとも約1重量%である。本発明の実施形態では、精製質量濃度は、少なくとも約2重量%である。本発明の実施形態では、精製質量濃度は、少なくとも約3重量%である。本発明の実施形態では、精製質量濃度は、少なくとも約5重量%である。本発明の実施形態では、精製質量濃度は、少なくとも約10重量%である。
【0111】
VIII.分離工程
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、より純粋なPEを第3の懸濁液から分離する工程を含む。本発明の実施形態では、第3の懸濁液からのより純粋なPEの分離は、分離温度及び分離圧力で行われ、PEは、溶液から沈殿し、これ以上溶媒中に溶解しない。本発明の実施形態では、溶媒からのより純粋なPEの分離は、固定された分離温度で分離圧力を低減させることによって達成される。本発明の実施形態では、溶媒からのより純粋なPEの分離は、固定された分離圧力で分離温度を低減させることによって達成される。本発明の実施形態では、溶媒からのより純粋なPEの分離は、固定された分離圧力で分離温度を増加させることによって達成される。本発明の実施形態では、溶媒からのより純粋なPEの分離は、分離温度及び分離圧力の両方を低減させることによって達成される。
【0112】
溶媒は、分離温度及び分離圧力を制御することによって、液体から蒸気相へと部分的又は完全に変換することができる。本発明の実施形態では、溶媒からのより純粋なPEの分離は、分離工程中に溶媒の分離温度及び分離圧力を制御することによって、溶媒を100%蒸気に完全に変換することなく達成される。
【0113】
溶媒からのより純粋なPEの分離は、液体-液体分離又は液体-固体分離の任意の方法によって達成することができる。液体-液体分離又は液体-固体分離の非限定的な例としては、濾過、デカンテーション、遠心分離、及び沈殿が挙げられる。
【0114】
IX.より純粋なPE
本発明の実施形態では、PCR PEから供給され得る、より純粋なPEは、未使用のPE(virgin PE、vPE)のように、本質的に汚染物質を含まず、色素を含まず、臭気を含まず、均質であり、低b*値である。本発明の実施形態では、溶媒の物理的特性は、より純粋なPEから溶媒を分離するためのよりエネルギー効率の良い方法を可能にし得る。
【0115】
本発明の実施形態では、より純粋なPEは、低b*値(lb*PE)を有する。本発明の実施形態では、lb*PEは、約4未満のb*値を有する。
【0116】
本発明の実施形態では、溶媒は、n-ペンタンであり、crPEは、crHDPEであり、抽出温度は、約205℃であり、抽出圧力は、約1,900psig(131barg)であり、溶解温度は、約140℃であり、溶解圧力は、約1,900psig(131barg)であり、沈殿温度は、約140℃であり、沈殿圧力は、約1,900psig(131barg)であり、精製温度は、約140℃であり、精製圧力は、約1,900psig(131barg)であり、lb*PEは、約4未満のb*値を有する。
【0117】
本発明の実施形態では、溶媒は、n-ブタンであり、crPEは、crHDPEであり、抽出温度は、約160℃であり、抽出圧力は、約3,000psig(207barg)であり、溶解温度は、約160℃であり、溶解圧力は、約4,700psig(324barg)であり、沈殿温度は、約160℃であり、沈殿圧力は、約4,700psig(324barg)であり、精製温度は、約160℃であり、精製圧力は、約4,700psig(324barg)であり、lb*PEは、約4未満のb*値を有する。
【0118】
本発明の実施形態では、crPEを精製して、lb*PEを生成するための方法は、当該crPEの脱墨を含む。脱墨プロセスの非限定的な例は、米国特許第9,616,595号に説明されており、高いpH及び硫酸ドデシルなどの選択的洗浄剤を有する水性洗浄流体、並びに高い乱流の使用を伴うインク除去工程を開示する。
【0119】
X.実施例
実施例1
消費者使用後リサイクルHDPE「混合色」フレーク(TPS-8000製品、TABB Packaging Solutions,LLC、Canton,MIを生成するために使用された、HDPE Jazz Flake又はHDPE JFとも呼ばれる)の試料を、
図2及び
図3に示される実験装置並びに以下の手順を使用して処理した(Phasex Corporation、125 Flagship Drive,North Andover,MAにおいて)。30gのHDPE JFを、オーバーヘッドメカニカルスターラを装備する300mL(作業容量)のオートクレーブに装填した。真空引き及びN
2パージのサイクルを3回繰り返して、オートクレーブのヘッドスペースから空気を除去した。次いで、オートクレーブを、n-ブタンで充填し、その内容物を、約160℃の内部温度及び約3,000psig(207barg)の圧力、すなわち、抽出条件で平衡化した。これらの抽出条件では、オートクレーブ中の材料は、2相レジーム、すなわち、n-ブタン及びその中に溶解した少量の低分子量HDPE JFを有する1つの相(軽質又は抽出相)、並びにn-ブタン中に溶解した大量のHDPE JFを有する他の相(重質又はラフィネート相)内にある。次いで、オートクレーブ材料を、
図2の実験構成及び以下の手順を使用して2回抽出した:オートクレーブ材料を、約10分間撹拌し、次いで、約10分間沈殿させ、最後に、n-ブタンを、膨張弁を通して抽出物収集フラスコに、オートクレーブを通してフラッシュした。上記の抽出手順を、もう一度繰り返した。2回の抽出サイクルから収集した材料を、「PEC4-29 F1A」及び「PEC4-29F1B」と標識した。次いで、残りのオートクレーブ材料を、約160℃及び約4,700psig(324barg)の溶解条件でn-ブタン中に溶解し、こうして一相系を作製した。溶解した材料を、
図3の実験構成及び以下の手順を使用して、精製及び収集した:オートクレーブ材料を、約60分間撹拌し、次いで約60分間沈殿させ、次いでオートクレーブ材料を、オートクレーブ弁を開くことによってオートクレーブから取り出し、珪藻土を有する軸流フィルタ、活性アルミナカラム、膨張弁を通過させ、生成物収集フラスコに収集した。軸流フィルタは、23gの珪藻土(Celatom(登録商標)FW-80、EP Minerals,LLC、Reno,NV)、を含有し、1インチ(2.54cm)の長さ、及び1と3/8インチID(3.5cm)であった。活性アルミナカラムは、約0.68インチ(1.73cm)のID及び約30インチ(76.2cm)の長さを有し、28×48メッシュ(0.39~0.71mm、Sorbent Technologies,Inc.、Norcross,GA)の活性アルミナ粒子約97gを充填した。活性アルミナ粒子の平均粒径は、0.55mmであった。主生成物画分を、「PEC4-29F2A」と標識した。次いで、オートクレーブ中の全ての残留材料を残留物試料として回収した。
【0120】
PEC4-29 F2A画分からの試料を、(ASTM D4703-16「Standard Practice for Compression Molding Thermoplastic Materials into Test Specimens,Plaques,or Sheets」の原理に従って)1mm厚及び30×30mm窓に圧縮成形した。圧縮成形に使用した温度は、約160℃であり、圧力は、約1.8メートルトンであり、テフロンシートを剥離ライナとして使用した。次いで、これらの窓の光学特性を、LabScan XE(Hunter Associates Laboratory,Inc.、Reston,VA)及びD65/10条件、すなわち、D65光源及び10度の観察者角度を使用して、(ASTM E308「Standard Practice for Computing the Colors of Objects by Using the CIE System」の原理に従って)測定した。得られたb
*値は、1.3±0.5(
図4参照)であった。したがって、0.55mmの平均粒径を有する活性アルミナは、lb
*PEを生成した。
【0121】
比較のために、典型的なブロー成形未使用HDPE(Formolene(登録商標)HB5502F、Formosa Plastics Corp.Livingston,NJ)は、-0.3±0.0のb*値を有する。また、典型的なフィルムグレードの未使用低密度PE(LDPE)(Dow(商標)640i、Dow Chemical Company、Midland,MI)は、1.3±0.1のb*値を有する。最後に、典型的なフィルムグレードの未使用直鎖状低密度PE(LLDPE)(Dowlex(商標)2045G、Dow Chemical Company、Midland,MI)は、2.1±0.2のb*値を有する。未使用HDPE樹脂のb*の相対的に低い値対LDPE及びLLDPE樹脂のb*の相対的に低い値は、HDPEについて使用される特定の添加剤に起因する。
【0122】
最後に、比較のために、ペレット形態で実施例1に供給された、HDPE JFは、16.8±6.4のb*値を有した。天然リサイクルHDPE材料(KWR101-150、KW Plastics,Inc.Troy,AL)は、5.7±0.2のb*値を有した。
【0123】
実施例2
実施例1の供給原料を、実施例1と同じ方式で処理したが、活性アルミナ粒子は、12×14メッシュ(1.41~1.68mm)のサイズであり、1.55mmの平均粒径を有していた。この活性アルミナ130gを、活性アルミナカラム中で使用した。主生成物画分を、「PEC4-26 F2A」と標識し、そのb
*値は、1.9±0.6(
図4参照)として測定された。したがって、1.55mmの平均粒径を有する活性アルミナは、lb
*PEを生成した。
【0124】
実施例3
実施例1の供給原料を、実施例1と同じ方式で処理したが、使用された活性アルミナ粒子は、10×12メッシュ(1.68~2mm)のサイズであり、1.84mmの平均粒径を有していた。この活性アルミナ127gを、活性アルミナカラム中で使用した。生成物画分を「PEC4-25 F2A」、「PEC4-25 F2B」、及び「PEC4-25 F3」と標識し、それらの平均b
*値は、2.7±1.2(
図4参照)として測定された。したがって、1.84mmの平均粒径を有する活性アルミナは、lb
*PEを生成した。
【0125】
実施例4
実施例1の供給原料を、実施例1と同じ方式で処理したが、使用された活性アルミナ粒子は、7×14メッシュ(1.41~2.83mm)のサイズであり、2.12mmの平均粒径を有していた。この活性アルミナ127gを、活性アルミナカラム中で使用した。主生成物画分を、「PEC4-27 F2A」と標識し、そのb
*値は、3.8±1.3(
図4参照)として測定された。したがって、2.12mmの平均粒径を有する活性アルミナは、lb
*PEを生成した。
【0126】
実施例5-比較
実施例1の供給原料を、実施例1と同じ方式で処理したが、使用された活性アルミナ粒子は、8×10メッシュ(2~2.38mm)のサイズであり、2.19mmの平均粒径を有していた。この活性アルミナ125gを、活性アルミナカラム中で使用した。生成物画分を「PEC4-24 F2A」、「PEC4-24 F2B」、及び「PEC4-24 F3」と標識し、それらの平均b
*値は、9.4±0.5(
図4参照)として測定された。したがって、2.19mmの平均粒径を有する活性アルミナは、lb
*PEを生成しなかった。
【0127】
実施例6-比較
実施例1の供給原料を、実施例1と同じ方式で処理したが、使用された活性アルミナ粒子は、7×8メッシュ(2.38~2.83mm)のサイズであり、2.61mmの平均粒径を有していた。この活性アルミナ119gを、活性アルミナカラム中で使用した。生成物画分を「PEC4-22 F2」、「PEC4-22 F2A」、「PEC4-22 F2B」、及び「PEC4-22 F3」と標識し、それらの平均b
*値は、7.2±0.5(
図4参照)として測定された。したがって、2.61mmの平均粒径を有する活性アルミナは、lb
*PEを生成しなかった。
【0128】
上述の説明は、理解を明確にするためにのみ与えられているものであり、当業者にとって本発明の範囲内の変更は自明のことであるので、上述の説明によって不必要な限定が行われるものではないことが理解されるべきである。
【0129】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0130】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは関連出願を含む、本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるともみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献又は複数の参考文献と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文献における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文献内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文献においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0131】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのこのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染された再生ポリエチレン(crPE)を精製して、低b
*値(lb
*PE)を有するリサイクルポリエチレンを生成するための方法であって、
a.前記crPEを提供する工程であって、前記crPEが、消費者使用後リサイクル(PCR)ポリエチレン、産業使用後リサイクル(PIR)ポリエチレン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、工程と、
b.溶媒を提供する工程であって、前記溶媒及び前記crPEが、ある温度及び前記温度に対応する曇り点圧力よりも高い圧力で一相溶液を形成し、前記曇り点圧力が、
i.前記溶媒中で約5重量%濃度の前記crPEの溶液に対応し、
ii.温度の単調増加関数であり、
Iii.以下の圧力レベル:約120℃で約700psig(48.3barg)、約140℃で約1,150psig(79.3barg)、約160℃で約1,450psig(100barg)、及び約180℃で約1,800psig(124.1barg)を超え、
iv.約120℃より低く、約180℃より高い温度における平滑外挿を含み、
v.約120℃~約180℃の温度における平滑内挿を含む、
工程と、
c.少なくとも約1重量%の抽出質量濃度、ある抽出温度、及びある抽出圧力において、前記溶媒を用いて前記crPEを抽出する工程であって、前記抽出温度が、約120℃~約260℃であり、前記抽出圧力が、前記抽出温度に対応する前記曇り点圧力未満であり、抽出された汚染された再生ポリエチレン(ecrPE)が生成される、工程と、
d.少なくとも約1重量%の溶解質量濃度、ある溶解温度、及びある溶解圧力において、前記溶媒中に前記ecrPEを溶解する工程であって、前記溶解温度が、約120℃~約260℃であり、前記溶解圧力が、前記溶解温度に対応する前記曇り点圧力を上回り、溶解したポリエチレン(PE)及び懸濁粒子状汚染物質を含む第1の懸濁液が、生成される、工程と、
e.前記第1の懸濁液を、沈殿温度及び沈殿圧力で沈殿させる工程であって、前記沈殿温度が、約120℃~約260℃であり、前記沈殿圧力が、前記沈殿温度に対応する前記曇り点圧力を上回り、溶解したPE及び懸濁残留粒子状汚染物質を含む第2の懸濁液が生成される、工程と、
f.前記第2の懸濁液を精製温度及び精製圧力で精製する工程であって、前記精製が、約2.2mm未満の平均粒径を有する活性アルミナ粒子を含む軸流フィルタを通して前記第2の懸濁液を流すことを含み、前記精製温度が、約120℃~約260℃であり、前記精製圧力が、前記精製温度に対応する前記曇り点圧力を上回り、より純粋なPEを含む第3の懸濁液が生成される、工程と、
g.前記より純粋なPEを前記第3の懸濁液から分離する工程であって、前記より純粋なPEが、前記lb
*PEである、分離する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記曇り点圧力が、約120℃で約1,200psig(82.7barg)、約140℃で約1,650psig(113.8barg)、約160℃で約1,950psig(134.4barg)、及び約180℃で約2,300psig(158.6barg)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒が、n-ブタンである、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記溶媒が、n-ペンタンである、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記crPEが、汚染された再生高密度ポリエチレン(crHDPE)を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記crPEが、汚染された再生低密度ポリエチレン(crLDPE)を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記crPEが、汚染された再生直鎖状低密度ポリエチレン(crLLDPE)を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
前記活性アルミナ粒子の前記平均粒径が、約1.5mm未満であり、前記lb
*PEが、約2未満のb
*値を有し、好ましくは、前記活性アルミナ粒子の前記平均粒径が、約0.5mm未満であり、前記lb
*PEが、約1.7未満のb
*値を有する、請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
前記精製が、前記軸流フィルタを通して前記第2の懸濁液を流すことの前に、前記第2の懸濁液を固体媒体と接触させることを更に含み、前記固体媒体が、無機材料、炭素系材料、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
前記無機材料が、シリカ、アルミナ、酸化鉄、ケイ酸アルミニウム、非晶質火山ガラス、珪藻土、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記無機材料が、珪藻土を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記炭素系材料が、無煙炭、カーボンブラック、コークス、活性炭、セルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記固体媒体が、軸流フィルタ内に配置される、請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
前記固体媒体が、キャンドルフィルタ内に配置される、請求項
9に記載の方法。
【請求項15】
前記固体媒体が、キャンドルフィルタ内に配置され、前記キャンドルフィルタの前記固体媒体が、珪藻土を含む、請求項9に記載の方法。
【国際調査報告】