IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レジェンド バイオテック アイルランド リミテッドの特許一覧

特表2024-527593変異型IL-15組成物及びその方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】変異型IL-15組成物及びその方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/10 20060101AFI20240718BHJP
   C07K 14/54 20060101ALI20240718BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20240718BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240718BHJP
   C12N 5/078 20100101ALN20240718BHJP
   C07K 14/705 20060101ALN20240718BHJP
   C07K 19/00 20060101ALN20240718BHJP
   C12N 15/24 20060101ALN20240718BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20240718BHJP
   C12N 15/62 20060101ALN20240718BHJP
   C12N 15/83 20060101ALN20240718BHJP
【FI】
C12N5/10 ZNA
C07K14/54
A61K35/17
A61P35/00
C12N5/078
C07K14/705
C07K19/00
C12N15/24
C12N15/12
C12N15/62 Z
C12N15/83 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501098
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 CN2022104638
(87)【国際公開番号】W WO2023280307
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/105481
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/105484
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】524009059
【氏名又は名称】レジェンド バイオテック アイルランド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【弁理士】
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】ズン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン フイフイ
(72)【発明者】
【氏名】リー ツィガン
(72)【発明者】
【氏名】ファン シャオフ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン シュアイ
(72)【発明者】
【氏名】トゥ シャオジエ
(72)【発明者】
【氏名】ウー シュウ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB63
4C087NA14
4C087ZB26
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA02
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本出願は、変異型IL-15ポリペプチドを発現する改変された免疫細胞を提供する。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)などの遺伝子操作された受容体を更に含む。本出願は、本明細書に記載される改変された免疫細胞を使用したがん治療のための方法及び医薬組成物も提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
8位及び/または62位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞であって、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、前記改変された免疫細胞。
【請求項2】
前記IL-15ポリペプチドが62位でのアミノ酸置換を含む、請求項1に記載の改変された免疫細胞。
【請求項3】
前記IL-15ポリペプチドが、グリシン(G)、イソロイシン(I)、グルタミン(Q)、バリン(V)、プロリン(P)、ロイシン(L)、アラニン(A)、セリン(S)、及びチロシン(Y)からなる群から選択されるアミノ酸残基を62位で含む、請求項2に記載の改変された免疫細胞。
【請求項4】
62位での前記アミノ酸置換が、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される、請求項2または3に記載の改変された免疫細胞。
【請求項5】
62位での前記アミノ酸置換がT62Gである、請求項4に記載の改変された免疫細胞。
【請求項6】
前記IL-15ポリペプチドが、配列番号7のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項2~5のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【請求項7】
前記IL-15ポリペプチドが8位でのアミノ酸置換を含む、先行請求項のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【請求項8】
前記IL-15ポリペプチドが8位でグルタミン酸(E)アミノ酸残基を含む、請求項7に記載の改変された免疫細胞。
【請求項9】
8位での前記アミノ酸置換がD8Eである、請求項8に記載の改変された免疫細胞。
【請求項10】
前記IL-15ポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項8または9に記載の改変された免疫細胞。
【請求項11】
3位及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞であって、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、前記改変された免疫細胞。
【請求項12】
3位での前記アミノ酸置換がV3Yであり、及び/または25位での前記アミノ酸置換がL25Fである、請求項11に記載の改変された免疫細胞。
【請求項13】
前記IL-15ポリペプチドが、配列番号78または79のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項12に記載の改変された免疫細胞。
【請求項14】
前記1つ以上のアミノ酸置換が、前記IL-15ポリペプチドのIL-15Rβに対する親和性を、前記1つ以上のアミノ酸置換を含まないIL-15ポリペプチドと比較して低減する、先行請求項のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【請求項15】
IL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞であって、前記IL-15ポリペプチドが、野生型IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞による炎症性サイトカインの分泌より少なくとも50%低いレベルで、前記改変された免疫細胞による炎症性サイトカインの分泌を誘発する、前記改変された免疫細胞。
【請求項16】
前記IL-15ポリペプチドが分泌型である、先行請求項のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【請求項17】
前記IL-15ポリペプチドが膜結合型である、請求項1~16のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【請求項18】
前記IL-15ポリペプチドがグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーペプチド配列を含む、請求項17に記載の改変された免疫細胞。
【請求項19】
前記IL-15ポリペプチドが膜貫通ドメインを含む、請求項17に記載の改変された免疫細胞。
【請求項20】
前記IL-15ポリペプチドが膜アンカードメインを含む、請求項17に記載の改変された免疫細胞。
【請求項21】
前記IL-15ポリペプチドが、第2のポリペプチド断片に融合されたIL-15断片を含む融合タンパク質である、先行請求項のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【請求項22】
前記第2のポリペプチド断片が、IL-15Rα、IL-15Rαの細胞外ドメイン、IL-15Rαのスシドメイン、IL-15Rαの膜貫通ドメイン、IL-15Rβ、共通γ鎖(γc)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項21に記載の改変された免疫細胞。
【請求項23】
前記第2のポリペプチド断片が、配列番号50~55からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項22に記載の改変された免疫細胞。
【請求項24】
前記IL-15ポリペプチドが、(a)抗原結合ドメイン;(b)IL-15断片;(c)膜貫通ドメイン;及び(d)細胞内ドメインを含む、請求項17に記載の改変された免疫細胞。
【請求項25】
前記改変された免疫細胞が、遺伝子操作された受容体をコードする第2の異種核酸配列を含む、請求項1~23のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【請求項26】
前記遺伝子操作された受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、請求項25に記載の改変された免疫細胞。
【請求項27】
前記CARが、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである、請求項26に記載の改変された免疫細胞。
【請求項28】
前記遺伝子操作された受容体が、改変されたT細胞受容体(TCR)である、請求項25に記載の改変された免疫細胞。
【請求項29】
前記遺伝子操作された受容体が、T細胞抗原連結体(TAC)受容体である、請求項25に記載の改変された免疫細胞。
【請求項30】
前記第1の核酸配列及び前記第2の核酸配列が、同じプロモーターに作動可能に連結されている、請求項25~29のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【請求項31】
前記第1の核酸及び前記第2の核酸が、別個のプロモーターに作動可能に連結されている、請求項25~29のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【請求項32】
前記改変された免疫細胞が、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、及びγδT細胞からなる群から選択される、先行請求項のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【請求項33】
前記改変された免疫細胞がNK細胞である、請求項32に記載の改変された免疫細胞。
【請求項34】
前記改変された免疫細胞が細胞傷害性T細胞である、請求項32に記載の改変された免疫細胞。
【請求項35】
前記改変された免疫細胞が、個体に投与される場合、前記IL-15ポリペプチドをコードする前記第1の異種核酸を含まない改変された免疫細胞と比較してインビボでの低減された毒性を有する、先行請求項のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【請求項36】
改変された免疫細胞を作製する方法であって、8位及び/または62位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の核酸配列を前駆体免疫細胞に導入することを含み、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、前記方法。
【請求項37】
前記前駆体免疫細胞が、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、NK細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、及びγδT細胞からなる群から選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記前駆体免疫細胞が遺伝子操作された受容体を含む、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
遺伝子操作された受容体をコードする第2の核酸を前記前駆体免疫細胞に導入することを更に含む、請求項36または37に記載の方法。
【請求項40】
前記遺伝子操作された受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)、改変されたT細胞受容体(TCR)、またはT細胞抗原連結体(TAC)受容体である、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
前記第1の核酸配列及び前記第2の核酸配列が同じベクターに存在する、請求項39または40に記載の方法。
【請求項42】
前記ベクターがウイルスベクターである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ウイルスベクターが、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、及びそれらの派生物からなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第1の核酸配列及び/または前記第2の核酸配列を含む免疫細胞を単離または濃縮することを更に含む、請求項36~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
請求項36~44のいずれか1項に記載の方法により作製される、改変された免疫細胞。
【請求項46】
請求項1~35及び45のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項47】
個体における疾患を処置する方法であって、有効量の請求項46に記載の医薬組成物を前記個体に投与することを含む、前記方法。
【請求項48】
前記疾患ががんである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記個体が低腫瘍量を有する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記個体におけるサイトカインストームをもたらさない、請求項47~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記個体がヒトである、請求項47~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
遺伝子操作された受容体を含む免疫細胞による処置を受ける個体におけるサイトカインストームを低減する方法であって、
(a)8位及び/または62位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を前記免疫細胞に導入することであって、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従い、これにより、改変された免疫細胞を提供する、前記導入すること、ならびに
(b)有効量の前記改変された免疫細胞を前記個体に投与すること
を含む、前記方法。
【請求項53】
アミノ酸置換D8E、T62G、V3Y、及び/またはL25Fを含む遺伝子操作されたIL-15ポリペプチドであって、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、前記遺伝子操作されたIL-15ポリペプチド。
【請求項54】
配列番号5、7、78、及び79からなる群から選択されるアミノ酸配列に対する少なくとも約90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項53に記載の遺伝子操作されたIL-15ポリペプチド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月9日に出願された国際特許出願第PCT/CN2021/105481号及び同第PCT/CN2021/105484号の優先権の恩典を主張し、それらの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列の記載
ASCIIテキストファイルでの以下の提出の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:コンピュータ可読形式(CRF)の配列表(ファイル名:P11200-PCT.220708.Sequence listing.xml、記録日:2022年7月8日、サイズ:102,176バイト)。
【0003】
分野
本出願は、IL-15ポリペプチドを発現する改変された免疫細胞、及びがんなどの疾患または状態を処置するためのその使用方法に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
キメラ抗原受容体(CAR)T細胞は、免疫応答を誘発するために、遺伝子操作されたT細胞受容体を産生するように改変された細胞である。例えば、CAR-T細胞は、がん治療の改善のために、がん細胞をより効果的に認識するように設計され得る。CAR-T細胞治療に代わる代替的アプローチは、ナチュラルキラー(NK)細胞の使用であり、これは腫瘍抗原に依存しない自発的な細胞傷害活性により標的細胞(例えば、腫瘍細胞)を死滅させる免疫細胞である。従って、CAR-NK細胞は、多様な抗原を標的とするように、固形腫瘍への標的化を増強するように、及び全体として効果的な抗腫瘍応答を達成するように遺伝子操作されていてもよい。CAR-NK細胞療法の成功にもかかわらず、これらの方法は、多くの場合、傷害部位での障害を引き起こし得るサイトカイン産生(例えば、サイトカインストーム)の発生率がより高いという欠点がある。非常に効果的な細胞ベースのがん免疫療法が尚も必要とされている。
【0005】
インターロイキン15(IL-15)は、免疫系の発達及び制御において役割を果たすサイトカインである。特に、IL-15は、CD8+T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、キラーT細胞、B細胞、腸管上皮内リンパ球(IEL)、及び抗原提示細胞(APC)の増殖、機能、及び発生を誘発する。研究により、IL-15は、真核細胞の炎症誘発性シグナル伝達の強力な活性化因子であることが示されている。IL-15は、樹状細胞(DC)、NK細胞、上皮細胞、及びリンパ節間質細胞が含まれる多数の自然免疫細胞及び非免疫細胞において、炎症誘発性サイトカイン及びケモカインの産生を刺激する。IL-15は、リンパ区画及び非リンパ区画の両方の細胞に作用する(Van Belle and Grooten,Arch Immunol Ther Exp(2005) 53:115(非特許文献1))。免疫系におけるその重要な役割を考慮して、IL-15投与が免疫応答を増強するために用いられてきた。逆に、IL-15活性の阻害剤は、自己免疫及び他の望ましくない免疫応答を減弱させることができる(Waldmann,TA,2006,Nature Rev.Immunol.6:595-601(非特許文献2))。遺伝子操作された免疫細胞、例えば、CARを発現するT細胞及びNK細胞は、増強された抗腫瘍活性を提供するために、IL-15で武装化され得る。例えば、US9,629,877(特許文献1)及びUS10,428,305(特許文献2)を参照のこと。
【0006】
本明細書において参照される全ての刊行物、特許、特許出願、及び公開特許出願の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US9,629,877
【特許文献2】US10,428,305
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Van Belle and Grooten,Arch Immunol Ther Exp(2005) 53:115
【非特許文献2】Waldmann,TA,2006,Nature Rev.Immunol.6:595-601
【発明の概要】
【0009】
概要
本出願は、変異型IL-15ポリペプチドを発現する改変された免疫細胞、及びがんなどの疾患または状態を処置するためのその使用方法を提供する。
【0010】
本出願の一態様は、8位及び/または62位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞を提供し、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、グリシン(G)、イソロイシン(I)、グルタミン(Q)、バリン(V)、プロリン(P)、ロイシン(L)、アラニン(A)、セリン(S)、及びチロシン(Y)からなる群から選択されるアミノ酸残基を62位で含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。
【0011】
上記の改変された免疫細胞のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でグルタミン酸(E)アミノ酸残基を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。
【0012】
本出願の一態様は、3位及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞を提供し、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でチロシン(Y)アミノ酸残基を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。
【0013】
上記の改変された免疫細胞のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのフェニルアラニン(F)アミノ酸残基を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。
【0014】
本出願の一態様は、IL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞であって、当該IL-15ポリペプチドが、野生型IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞による炎症性サイトカインの分泌より少なくとも50%低いレベルで、当該改変された免疫細胞による炎症性サイトカインの分泌を誘発する、当該改変された免疫細胞を提供する。幾つかの実施形態では、炎症性サイトカインは、IFNγ、TNFα、及び/またはGM-CSFである。幾つかの実施形態では、本出願は、IL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞であって、当該第1の異種核酸配列が当該改変された免疫細胞の抗腫瘍活性を増強する、当該改変された免疫細胞を提供する。
【0015】
上記の改変された免疫細胞のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換が、IL-15ポリペプチドのIL-15Rβに対する親和性を、1つ以上のアミノ酸置換を含まないIL-15ポリペプチド(例えば、野生型IL-15ポリペプチド)と比較して低減する。
【0016】
上記の改変された免疫細胞のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、分泌型である。
【0017】
上記の改変された免疫細胞のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜結合型である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーペプチド配列を介して膜に結合している。幾つかの実施形態では、GPIアンカーペプチド配列は、GPIリンカーに結合している。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜貫通ドメインを介して膜に結合している。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜アンカードメインを介して膜に結合している。
【0018】
上記の改変された免疫細胞のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、第2のポリペプチド断片に融合されたIL-15断片を含む融合タンパク質である。幾つかの実施形態では、第2のポリペプチド断片は、IL-15Rα、IL-15Rαの細胞外ドメイン、IL-15Rαのスシドメイン、IL-15Rαの膜貫通ドメイン、IL-15Rβ、共通γ鎖(γc)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、第2のポリペプチド断片は、配列番号50~55からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。上記の改変された免疫細胞のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、以下を含む:(a)抗原結合ドメイン;(b)IL-15断片;(c)膜貫通ドメイン;及び(d)細胞内ドメイン。
【0019】
上記の改変された免疫細胞のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、遺伝子操作された受容体をコードする第2の異種核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。幾つかの実施形態では、CARは、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、改変されたT細胞受容体(TCR)である。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、T細胞抗原連結体(TAC)受容体である。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、第1の核酸及び第2の核酸は、別個のプロモーターに作動可能に連結されている。
【0020】
上記の改変された免疫細胞のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、及びγδT細胞からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、NK細胞である。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞である。
【0021】
上記の改変された免疫細胞のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、個体に投与される場合、野生型IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸を含む改変された免疫細胞と比較してインビボでの低減された毒性を有する。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、個体に投与される場合、野生型IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸を含む改変された免疫細胞と比較してインビボでの改善された安全性を有する。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、野生型IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸を含む改変された免疫細胞と比較して改善された抗腫瘍活性を有する。
【0022】
本出願の一態様は、改変された免疫細胞を作製する方法であって、8位及び/または62位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の核酸配列を前駆体免疫細胞に導入することを含み、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、当該方法を提供する。
【0023】
本出願の一態様は、改変された免疫細胞を作製する方法であって、3位及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の核酸配列を前駆体免疫細胞に導入することを含み、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、当該方法を提供する。
【0024】
上記の作製方法のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、前駆体免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、NK細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、及びγδT細胞からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、前駆体免疫細胞は、遺伝子操作された受容体を含む。上記の作製方法のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、本方法は、遺伝子操作された受容体をコードする第2の核酸を前駆体免疫細胞に導入することを更に含む。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)、改変されたT細胞受容体(TCR)、またはT細胞抗原連結体(TAC)受容体である。
【0025】
上記の作製方法のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じベクターに存在する。幾つかの実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、及びそれらの派生物からなる群から選択される。
【0026】
上記の作製方法のいずれか1つにおける幾つかの実施形態では、本方法は、第1及び/または第2の核酸配列を含む免疫細胞を単離または濃縮することを更に含む。
【0027】
上記の作製方法のいずれか1つによる方法により作製された改変された免疫細胞も提供される。
【0028】
上記の改変された免疫細胞のいずれか1つに従った改変された免疫細胞、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物も更に提供される。
【0029】
本出願の別の態様は、個体におけるがんを処置する方法であって、上記の医薬組成物のいずれか1つに従った有効量の医薬組成物を個体に投与することを含む、当該方法を提供する。幾つかの実施形態では、疾患は、がんである。幾つかの実施形態では、個体は、低腫瘍量を有する。幾つかの実施形態では、本方法は、個体におけるサイトカインストームをもたらさない。幾つかの実施形態では、個体はヒトである。
【0030】
本出願の別の態様は、遺伝子操作された受容体を含む免疫細胞による処置を受ける個体におけるサイトカインストームを低減する方法であって、(a)8位及び/または62位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を当該免疫細胞に導入することであって、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従い、これにより、改変された免疫細胞を提供する、当該導入すること、ならびに(b)有効量の当該改変された免疫細胞を当該個体に投与することを含む、当該方法を提供する。
【0031】
本出願の更なる態様は、アミノ酸置換D8E及び/またはT62Gを含む遺伝子操作されたIL-15ポリペプチドを提供し、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、遺伝子操作されたIL-15ポリペプチドは、配列番号5及び7からなる群から選択されるアミノ酸配列に対する少なくとも約90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0032】
本出願の別の態様は、遺伝子操作された受容体を含む免疫細胞の抗腫瘍活性を増強する方法であって、(a)3位及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を当該免疫細胞に導入し、これにより、改変された免疫細胞を提供することであって、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、当該提供すること、ならびに(b)有効量の当該改変された免疫細胞を当該個体に投与することを含む、当該方法を提供する。
【0033】
本出願の更なる態様は、アミノ酸置換V3Y及び/またはL25Fを含む遺伝子操作されたIL-15ポリペプチドを提供し、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、遺伝子操作されたIL-15ポリペプチドは、配列番号78及び79からなる群から選択されるアミノ酸配列に対する少なくとも約90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0034】
改変された免疫細胞のいずれか1つを含む組成物、使用法、キット、及び製造物品も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1A】分泌型IL-15で武装化したBCMA CARの8つの選択された変異型構築物を発現するNK細胞(すなわち、sIL-15 m1~m8で武装化したBCMA CAR-NK)の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビトロでの細胞傷害効果を示す。変異型sIL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞の標的細胞に対するインビトロでの短時間(4時間)の細胞傷害性を示す。非形質導入NK細胞(すなわち、「UnNK」)は、この実験における対照として機能した。
図1B】分泌型IL-15で武装化したBCMA CARの8つの選択された変異型構築物を発現するNK細胞(すなわち、sIL-15 m1~m8で武装化したBCMA CAR-NK)の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビトロでの細胞傷害効果を示す。8回の抗原刺激実験における変異型sIL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞の標的細胞に対するインビトロでの細胞傷害性(すなわち、総細胞数に対する腫瘍細胞の画分)を示す。非形質導入NK細胞(すなわち、「UnNK」)は、この実験における対照として機能した。
図1C】分泌型IL-15で武装化したBCMA CARの8つの選択された変異型構築物を発現するNK細胞(すなわち、sIL-15 m1~m8で武装化したBCMA CAR-NK)の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビトロでの細胞傷害効果を示す。非形質導入NK細胞(すなわち、「UnNK」)は、この実験における対照として機能した。腫瘍細胞による刺激の間、変異型sIL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞を増殖倍率についても評価した。
【0036】
図2A】多発性骨髄腫腫瘍異種移植片を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、野生型分泌型IL-15(すなわち、「sIL-15 wt」)で武装化されたCAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの抗腫瘍効力を示す。A~Bは、マウスにおけるsIL-15 wtで武装化したNK細胞、sIL-15 wtで武装化したCD19 CAR-NK細胞、及びsIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置されたマウスの抗腫瘍活性(図2A)及び生存(図2B)を示す。非形質導入NK細胞とhIL-15の腹腔内投与との組み合わせ(すなわち、「UnNKの静脈内投与+IL-15の腹腔内投与」)、HBSS(-/-)ビヒクル対照(すなわち、「ビヒクルの静脈内投与」)、及び腫瘍を有さないNCGマウスは、この実験における対照として機能した。
図2B】多発性骨髄腫腫瘍異種移植片を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、野生型分泌型IL-15(すなわち、「sIL-15 wt」)で武装化されたCAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの抗腫瘍効力を示す。A~Bは、マウスにおけるsIL-15 wtで武装化したNK細胞、sIL-15 wtで武装化したCD19 CAR-NK細胞、及びsIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置されたマウスの抗腫瘍活性(図2A)及び生存(図2B)を示す。非形質導入NK細胞とhIL-15の腹腔内投与との組み合わせ(すなわち、「UnNKの静脈内投与+IL-15の腹腔内投与」)、HBSS(-/-)ビヒクル対照(すなわち、「ビヒクルの静脈内投与」)、及び腫瘍を有さないNCGマウスは、この実験における対照として機能した。
【0037】
図3A】多発性骨髄腫腫瘍異種移植片を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、変異型分泌型IL-15で武装化されたBCMA CAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの評価を示す。Aは、変異型IL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞の抗腫瘍効力を示し、Bは、マウス末梢血における変異型IL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞の抗腫瘍効力の生物発光イメージング(BLI)による表現を示す。HBSS(-/-)ビヒクル対照(すなわち、「ビヒクル」)及び腫瘍を有さないNCGマウスは、この実験における対照として機能した。
図3B】多発性骨髄腫腫瘍異種移植片を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、変異型分泌型IL-15で武装化されたBCMA CAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの評価を示す。Aは、変異型IL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞の抗腫瘍効力を示し、Bは、マウス末梢血における変異型IL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞の抗腫瘍効力の生物発光イメージング(BLI)による表現を示す。HBSS(-/-)ビヒクル対照(すなわち、「ビヒクル」)及び腫瘍を有さないNCGマウスは、この実験における対照として機能した。
図3C】多発性骨髄腫腫瘍異種移植片を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、変異型分泌型IL-15で武装化されたBCMA CAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの評価を示す。マウス血漿中のIFN-γ分泌を示す。HBSS(-/-)ビヒクル対照(すなわち、「ビヒクル」)及び腫瘍を有さないNCGマウスは、この実験における対照として機能した。
【0038】
図4A】高腫瘍量を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、変異型分泌型IL-15及び野生型膜結合型IL-15で武装化されたBCMA CAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの評価を示す。Aは、抗腫瘍効力を示し、Bは、マウス末梢血中のBCMA CARのPKを示す。非形質導入NK細胞とhIL-15の腹腔内投与との組み合わせ(すなわち、「UnNKの静脈内投与+IL-15の腹腔内投与」)は、この実験における対照として機能した。
図4B】高腫瘍量を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、変異型分泌型IL-15及び野生型膜結合型IL-15で武装化されたBCMA CAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの評価を示す。Aは、抗腫瘍効力を示し、Bは、マウス末梢血中のBCMA CARのPKを示す。非形質導入NK細胞とhIL-15の腹腔内投与との組み合わせ(すなわち、「UnNKの静脈内投与+IL-15の腹腔内投与」)は、この実験における対照として機能した。
図4C】高腫瘍量を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、変異型分泌型IL-15及び野生型膜結合型IL-15で武装化されたBCMA CAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの評価を示す。C~Dは、変異型IL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置されたマウスのBLI及び生存曲線を示す。非形質導入NK細胞とhIL-15の腹腔内投与との組み合わせ(すなわち、「UnNKの静脈内投与+IL-15の腹腔内投与」)は、この実験における対照として機能した。
図4D】高腫瘍量を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、変異型分泌型IL-15及び野生型膜結合型IL-15で武装化されたBCMA CAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの評価を示す。C~Dは、変異型IL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置されたマウスのBLI及び生存曲線を示す。非形質導入NK細胞とhIL-15の腹腔内投与との組み合わせ(すなわち、「UnNKの静脈内投与+IL-15の腹腔内投与」)は、この実験における対照として機能した。
図4E】高腫瘍量を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、変異型分泌型IL-15及び野生型膜結合型IL-15で武装化されたBCMA CAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの評価を示す。E~Gは、マウス血漿中のIFN-γ(E)、TNF-α(F)、及びGM-CSF(G)が含まれる、マウス血漿中の炎症誘発性サイトカインレベルを示し、毒性の観察結果と一貫する。非形質導入NK細胞とhIL-15の腹腔内投与との組み合わせ(すなわち、「UnNKの静脈内投与+IL-15の腹腔内投与」)は、この実験における対照として機能した。
図4F】高腫瘍量を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、変異型分泌型IL-15及び野生型膜結合型IL-15で武装化されたBCMA CAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの評価を示す。E~Gは、マウス血漿中のIFN-γ(E)、TNF-α(F)、及びGM-CSF(G)が含まれる、マウス血漿中の炎症誘発性サイトカインレベルを示し、毒性の観察結果と一貫する。非形質導入NK細胞とhIL-15の腹腔内投与との組み合わせ(すなわち、「UnNKの静脈内投与+IL-15の腹腔内投与」)は、この実験における対照として機能した。
図4G】高腫瘍量を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、変異型分泌型IL-15及び野生型膜結合型IL-15で武装化されたBCMA CAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの評価を示す。E~Gは、マウス血漿中のIFN-γ(E)、TNF-α(F)、及びGM-CSF(G)が含まれる、マウス血漿中の炎症誘発性サイトカインレベルを示し、毒性の観察結果と一貫する。非形質導入NK細胞とhIL-15の腹腔内投与との組み合わせ(すなわち、「UnNKの静脈内投与+IL-15の腹腔内投与」)は、この実験における対照として機能した。
【0039】
図5A】膜結合型変異型IL-15(すなわち、膜結合型IL-15 m6)で武装化したBCMA CARを発現するNK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビトロでの細胞傷害効果を示す。図5Aは、sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞及び膜結合型IL-15 m6で武装化したBCMA CAR-NK細胞の標的細胞に対するインビトロでの短時間(4時間)の細胞傷害性を示す。図5Bは、4回の抗原刺激実験におけるsIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞及び膜結合型IL-15 m6で武装化したBCMA CAR-NK細胞の標的細胞に対するインビトロでの長時間の細胞傷害性(すなわち、総細胞数に対する腫瘍細胞の画分)を示す。非形質導入NK細胞(すなわち、「UnNK」)は、この実験における対照として機能した。
図5B】膜結合型変異型IL-15(すなわち、膜結合型IL-15 m6)で武装化したBCMA CARを発現するNK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビトロでの細胞傷害効果を示す。図5Aは、sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞及び膜結合型IL-15 m6で武装化したBCMA CAR-NK細胞の標的細胞に対するインビトロでの短時間(4時間)の細胞傷害性を示す。図5Bは、4回の抗原刺激実験におけるsIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞及び膜結合型IL-15 m6で武装化したBCMA CAR-NK細胞の標的細胞に対するインビトロでの長時間の細胞傷害性(すなわち、総細胞数に対する腫瘍細胞の画分)を示す。非形質導入NK細胞(すなわち、「UnNK」)は、この実験における対照として機能した。
【0040】
図6A】膜結合型変異型IL-15(すなわち、膜結合型IL-15 m4)で武装化したBCMA CARを発現するNK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビトロでの細胞傷害効果を示す。sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞及び膜結合型IL-15 m4で武装化したBCMA CAR-NK細胞の標的細胞に対するインビトロでの短時間(4時間)の細胞傷害性を示す。非形質導入NK細胞(すなわち、「UnNK」)は、この実験における対照として機能した。
図6B】膜結合型変異型IL-15(すなわち、膜結合型IL-15 m4)で武装化したBCMA CARを発現するNK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビトロでの細胞傷害効果を示す。7回の抗原刺激実験におけるsIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞及び膜結合型IL-15 m4で武装化したBCMA CAR-NK細胞の標的細胞に対するインビトロでの長時間の細胞傷害性(すなわち、総細胞数に対する腫瘍細胞の画分)を示す。非形質導入NK細胞(すなわち、「UnNK」)は、この実験における対照として機能した。
図6C】膜結合型変異型IL-15(すなわち、膜結合型IL-15 m4)で武装化したBCMA CARを発現するNK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビトロでの細胞傷害効果を示す。非形質導入NK細胞(すなわち、「UnNK」)は、この実験における対照として機能した。腫瘍細胞による刺激の間、sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞及び膜結合型IL-15 m4で武装化したBCMA CAR-NK細胞を増殖倍率についても評価した。
【0041】
図7A】高腫瘍量を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、野生型分泌型IL-15(すなわち、「sIL-15 wt」)及び変異型膜結合型IL-15で武装化されたBCMA CAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの評価を示す。図7Aは、マウス末梢血中のBCMA CARのPKを示す。図7Bは、sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞及び膜結合型変異型IL-15(すなわち、mb-4 IL-15 m6及びmb-5 IL-15 m6)で武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置されたマウスの生存曲線を示す。非形質導入NK細胞とhIL-15の腹腔内投与との組み合わせ(すなわち、「UnNKの静脈内投与+IL-15の腹腔内投与」)は、この実験における対照として機能した。
図7B】高腫瘍量を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)における、野生型分泌型IL-15(すなわち、「sIL-15 wt」)及び変異型膜結合型IL-15で武装化されたBCMA CAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの評価を示す。図7Aは、マウス末梢血中のBCMA CARのPKを示す。図7Bは、sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞及び膜結合型変異型IL-15(すなわち、mb-4 IL-15 m6及びmb-5 IL-15 m6)で武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置されたマウスの生存曲線を示す。非形質導入NK細胞とhIL-15の腹腔内投与との組み合わせ(すなわち、「UnNKの静脈内投与+IL-15の腹腔内投与」)は、この実験における対照として機能した。
【0042】
図8A】短時間(図8A)及び長時間(図8B)細胞殺傷アッセイにおけるsIL-15 m17で武装化したGPC3 CAR-NK細胞のHuh7/Luc細胞に対するインビトロでの細胞傷害性を示す。sIL-15 m17で武装化したGPC3 CAR-NK細胞は、短時間殺傷アッセイ及び長時間殺傷アッセイにおいてR2後に、sIL-15 wtで武装化したGPC3 CAR-NK細胞と比較してHuh7/Luc細胞に対する強い抗腫瘍効力を示した。「UnNK」は、非形質導入NK細胞を意味する。図8BのR0、R2、R4、及びR5は、標的細胞による刺激の回数を意味する。
図8B】短時間(図8A)及び長時間(図8B)細胞殺傷アッセイにおけるsIL-15 m17で武装化したGPC3 CAR-NK細胞のHuh7/Luc細胞に対するインビトロでの細胞傷害性を示す。sIL-15 m17で武装化したGPC3 CAR-NK細胞は、短時間殺傷アッセイ及び長時間殺傷アッセイにおいてR2後に、sIL-15 wtで武装化したGPC3 CAR-NK細胞と比較してHuh7/Luc細胞に対する強い抗腫瘍効力を示した。「UnNK」は、非形質導入NK細胞を意味する。図8BのR0、R2、R4、及びR5は、標的細胞による刺激の回数を意味する。
【0043】
図9A】短時間(図9A)及び長時間(図9B)細胞殺傷アッセイにおけるsIL-15 m18で武装化したGPC3 CAR-NK細胞のHuh7/Luc細胞に対するインビトロでの細胞傷害性を示す。sIL-15 m18で武装化したGPC3 CAR-NK細胞は、短時間殺傷アッセイ及び長時間殺傷アッセイにおいてR2後に、sIL-15 wtで武装化したGPC3 CAR-NK細胞と比較してHuh7/Luc細胞に対する強い抗腫瘍効力を示した。「UnNK」は、非形質導入NK細胞を意味する。図9BのR0、R2、R4、及びR6は、標的細胞による刺激の回数を意味する。
図9B】短時間(図9A)及び長時間(図9B)細胞殺傷アッセイにおけるsIL-15 m18で武装化したGPC3 CAR-NK細胞のHuh7/Luc細胞に対するインビトロでの細胞傷害性を示す。sIL-15 m18で武装化したGPC3 CAR-NK細胞は、短時間殺傷アッセイ及び長時間殺傷アッセイにおいてR2後に、sIL-15 wtで武装化したGPC3 CAR-NK細胞と比較してHuh7/Luc細胞に対する強い抗腫瘍効力を示した。「UnNK」は、非形質導入NK細胞を意味する。図9BのR0、R2、R4、及びR6は、標的細胞による刺激の回数を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0044】
詳細な説明
本出願は、変異型IL-15ポリペプチドを発現する改変された免疫細胞を提供し、当該免疫細胞は、野生型IL-15ポリペプチドを発現する改変された免疫細胞と比較して、強力な腫瘍溶解活性及び改善された安全性プロファイルを有する。幾つかの実施形態では、変異型IL-15ポリペプチドは、IL-15βに対する低減された(すなわち、より弱い)結合親和性を有する。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び/または62位での1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。IL-15ポリペプチドは、膜結合型分子であり得るか、または改変された免疫細胞から分泌され得る。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞であり、関心対象の標的抗原を特異的に認識するキメラ抗原受容体(CAR)を更に発現する。
【0045】
本明細書に記載される改変された免疫細胞は、野生型IL-15で武装化したCAR NK細胞が、IL-15で武装化したCAR NK細胞で処置された対象に有毒な過剰なサイトカイン分泌をもたらすという発見に少なくとも部分的に基づく。野生型IL-15と比較して、IL15-Rβに対する低減された結合親和性を有する変異型IL-15ポリペプチドは、かかるIL-15ポリペプチドで武装化した免疫細胞によるサイトカイン分泌を軽減することができるが、同時にその免疫細胞の抗腫瘍活性を減弱し得る。本明細書に記載される変異型IL-15ポリペプチド(例えば、D8E、T62G、V3Y、及びL25F変異体)を発現する改変された免疫細胞(例えば、CAR NK細胞)は、処置された対象における炎症性サイトカイン(複数可)の過剰産生、例えば、サイトカインストームを誘発することなく、強力な抗腫瘍効力を保持または増強する。
【0046】
従って、本出願の一態様は、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞(例えば、NK細胞またはT細胞)を提供し、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、D8E置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、T62G置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、V3Y置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、L25F置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、改変された免疫細胞により分泌される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、GPIリンカーを介して改変された免疫細胞の細胞膜に結合している。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜貫通ドメインまたは膜アンカードメインを含む。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、遺伝子操作された受容体、例えば、キメラ抗原受容体、改変されたT細胞受容体、またはT細胞抗原連結体(TAC)受容体を更に含む。
【0047】
改変された免疫細胞を含む組成物(例えば、医薬組成物)、キット、及び製造物品、ならびに本明細書に記載される改変された免疫細胞を使用して疾患または状態(例えば、がん)を処置する方法も提供される。
【0048】
I.定義
本明細書で使用する場合、「処置」または「処置する」とは、臨床結果が含まれる、有益な結果または所望の結果を達成するための取り組みである。本開示の主旨に沿って、有益な臨床結果または所望の臨床結果としては、限定されるものではないが、以下のうちの1つ以上が挙げられる:疾患に起因する1つ以上の症状を低減すること、疾患の程度を減弱させること、疾患を安定化させること(例えば、疾患の悪化を予防するか、または遅延させること)、疾患の広がり(例えば、転移)を予防するか、もしくは遅延させること、疾患の再発を予防するか、もしくは遅延させること、疾患の進行を遅延させるか、もしくは減速させること、疾患の状態を改善すること、疾患の(部分的または完全な)寛解をもたらすこと、疾患を処置するために必要とされる1種以上の他の薬物の用量を減少させること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を上昇させること、及び/または生存期間を延長すること。疾患(例えば、がん)の病理学的帰結の低減も「処置」に包含される。本出願の方法は、処置のこれらの側面のうちの任意の1つ以上を意図する。
【0049】
用語「予防」及び同様の語、例えば、「予防した」、「予防する」などは、疾患または状態、例えば、がんの再発を予防するか、阻害するか、またはその可能性を低減する手法を意味する。これは、疾患もしくは状態の再発を遅延させること、または疾患もしくは状態の症状の再発を遅延させることも指す。本明細書で使用する場合、「予防」及び同様の語は、疾患または状態の強度、効果、症状、及び/または負荷を、当該疾患または状態の再発前に低減することも含む。
【0050】
本明細書で使用する場合、がんの発症を「遅延させること」は、疾患の発症を延期すること、妨げること、遅らせること、阻止すること、安定化すること、及び/または延ばすことを意味する。この遅延は、病歴及び/または処置される個体に応じて時間の長さが異なり得る。がんの発症を「遅延させる」方法は、当該方法の不使用と比較した場合に、所与の時間枠内での疾患発症の確率を低減し、及び/または所与の時間枠内での疾患の程度を低減する方法である。かかる比較は、通常、統計的に有意な数の個体を使用する臨床試験に基づく。がんの発症は、限定されるものではないが、コンピュータ体軸断層撮影法(CATスキャン)、磁気共鳴画像法(MRI)、腹部超音波検査、凝固試験、動脈造影法、または生検が含まれる、標準的方法を使用して検出可能であり得る。発症は、最初は検出不可能であり得るがんの進行も指し得、発生、再発、及び発病を包含する。
【0051】
本明細書において使用される用語「有効量」は、特定の障害、状態、または疾患を処置するのに、例えば、その症状のうちの1つ以上を改善し、緩和し、軽減し、及び/または遅延させるのに十分な薬剤または薬剤の組み合わせの量を指す。がんに関して、有効量は、腫瘍を縮小させ、及び/または腫瘍の成長速度を減少させる(例えば、腫瘍成長を抑制する)か、または他の望ましくない細胞増殖を予防するか、もしくは遅延させるのに十分な量を含む。幾つかの実施形態では、有効量は、疾患の発症を遅延させるのに十分な量である。幾つかの実施形態では、有効量は、再発を予防するか、または遅延させるのに十分な量である。有効量は、1回以上の投与で投与され得る。有効量の薬物または組成物は、(i)がん細胞の数を低減し得、(ii)腫瘍サイズを低減し得、(iii)末梢器官へのがん細胞浸潤を阻害し得、遅延させ得、ある程度遅らせ得、好ましくは、停止させ得、(iv)腫瘍転移を阻害し得(すなわち、ある程度遅延させ得、好ましくは、停止させ得)、(v)腫瘍成長を阻害し得、(vi)腫瘍の発生及び/または再発を予防するか、もしくは遅延させ得、及び/または(vii)がんに関連する症状のうちの1つ以上をある程度軽減し得る。
【0052】
本明細書で使用する場合、「個体」または「対象」は、限定されるものではないが、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、げっ歯類、または霊長類が含まれる哺乳動物を指す。幾つかの実施形態では、個体は、ヒトである。
【0053】
「単離された」核酸は、その天然環境の構成成分から分離されている核酸分子を指す。単離核酸は、通常、核酸分子を含有するが、当該核酸分子が染色体外に存在するか、またはその本来の染色体上の位置と異なり染色体上の位置に存在する細胞に含有される当該核酸分子を包含する。
【0054】
本明細書で使用する場合、用語「ベクター」は、連結されている別の核酸を増やすことができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクターだけでなく、それが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターを包含する。ある特定のベクターは、それらが作動可能に連結されている核酸の発現を誘導することができる。かかるベクターは、本明細書において「発現ベクター」と称される。
【0055】
本明細書で使用する場合、用語「形質移入された」または「形質転換された」または「形質導入された」は、異種核酸が宿主細胞に移されるか、または導入されるプロセスを指す。「形質移入された」または「形質転換された」または「形質導入された」細胞は、異種核酸で形質移入、形質転換、または形質導入された細胞である。この細胞は、初代対象細胞及びその後代を包含する。
【0056】
本明細書において同定されるポリペプチド配列に関して、「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列をアラインメントした後の、比較されるポリペプチド配列のアミノ酸残基と同一である、候補配列におけるアミノ酸残基の百分率と定義され、任意の保存的置換を配列同一性の一部として考慮する。アミノ酸配列同一性パーセントを決定することを目的としたアラインメントは、当該技術分野における技術の範囲内である様々な方法で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、Megalign(DNASTAR)、またはMUSCLEソフトウェアなどの公開されているコンピュータソフトウェアを使用して達成され得る。当業者であれば、比較される配列の全長にわたって最大限のアラインメントを得るのに必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントの評価のための適切なパラメータを決定することができる。しかしながら、本明細書における目的のために、%アミノ酸配列同一性の値は、配列比較コンピュータプログラムであるMUSCLE(Edgar,R.C.,Nucleic Acids Research 32(5):1792-1797,2004、Edgar,R.C.,BMC Bioinformatics 5(1):113,2004)を使用して生成される。
【0057】
本明細書で使用する場合、「キメラ抗原受容体」または「CAR」は、T細胞などの細胞に1つ以上の抗原特異性を移植する遺伝子操作された受容体を指す。CARは、「人工T細胞受容体」、「キメラT細胞受容体」、または「キメラ免疫受容体」としても公知である。幾つかの実施形態では、CARは、腫瘍抗原に特異的な抗体の細胞外可変ドメイン、及びT細胞受容体または他の受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、例えば、1つ以上の共刺激ドメインを含む。「CAR-T」は、CARを発現するT細胞を指す。「CAR-NK」は、CARを発現するNK細胞を指す。本明細書で使用する場合、「BCMA CAR」は、BCMAを特異的に認識するCARを指し、「CD19 CAR」は、CD19を特異的に認識するCARを指し、「GPC3 CAR」は、GPC3を特異的に認識するCARを指す。
【0058】
本明細書で使用する場合、「T細胞受容体」または「TCR」は、MHC分子に結合した特異的な抗原ペプチドに結合する細胞外抗原結合ドメインを含む内在性のT細胞受容体または改変されたT細胞受容体を指す。幾つかの実施形態では、TCRは、TCRαポリペプチド鎖及びTCRβポリペプチド鎖を含む。幾つかの実施形態では、TCRは、TCRγポリペプチド鎖及びTCRδポリペプチド鎖を含む。幾つかの実施形態では、TCRは、腫瘍抗原に特異的に結合する。「TCR-T」は、組換えTCRを発現するT細胞を指す。
【0059】
本明細書で使用する場合、「T細胞抗原連結体受容体」または「TAC受容体」は、特異的抗原及びT細胞受容体(TCR)結合ドメインに結合する細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び共受容体分子の細胞内ドメインを含む遺伝子操作された受容体を指す。TAC受容体は、TAC受容体を発現したT細胞の内在性TCRを利用して、標的細胞に対する抗原特異的なT細胞応答を誘発する。
【0060】
本明細書において用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、限定されるものではないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体断片が含まれる様々な抗体構造を、それらが目的の抗原結合活性を示す限り包含する。抗体という用語は、限定されるものではないが、抗原に結合することができる断片、例えば、Fv、一本鎖Fv(scFv)、Fab、Fab’、及び(Fab’)を包含する。抗体という用語は、通常の4本鎖抗体、及び単一ドメイン抗体、例えば、重鎖のみ抗体またはその断片、例えば、VHを包含する。
【0061】
本明細書で使用する場合、用語「結合する」、「特異的に結合する」、または「に特異的」は、測定可能かつ再現可能な相互作用、例えば、生体分子を含む分子の不均一集団の存在下での標的の存在を確定する当該標的と抗体との間の結合を指す。例えば、標的(これはエピトープであり得る)に結合するか、または特異的に結合する抗体は、これが他の標的に結合するよりも高い親和性で、結合活性で、より即座に、及び/またはより長期間、この標的と結合する抗体である。一実施形態では、抗体の無関係な標的への結合の程度は、例えば、放射免疫測定法(RIA)により測定される場合、当該抗体の標的への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、標的に特異的に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、または0.1nM以下の解離定数(Kd値)を有する。ある特定の実施形態では、抗体は、異なる種由来のタンパク質間で保存されているタンパク質上のエピトープに特異的に結合する。別の実施形態では、特異的な結合は、排他的な結合を含み得るが、それを必要とはしない。
【0062】
用語「細胞」は、初代対象細胞及びその後代を包含する。
【0063】
本明細書に記載される本開示の実施形態は、「からなる」及び/または「本質的にからなる」実施形態を包含することが理解されよう。
【0064】
本明細書における、「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする変形形態を包含する(及び記載している)。例えば、「約X」に言及する記述は、「X」の記述を含む。
【0065】
本明細書で使用する場合、ある値またはパラメータではないという言及は、一般に、ある値またはパラメータ「以外」であることを意味し、記載している。例えば、本方法は種類Xのがんを処置するために使用されないとは、本方法がX以外の種類のがんを処置するために使用されることを意味する。
【0066】
本明細書において使用される用語「約X~Y」は、「約X~約Y」と同じ意味を有する。
【0067】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈で明確に指示されない限り、複数形の指示物を含む。
【0068】
明確にするために別個の実施形態において記載されている本開示のある特定の特徴は、組み合わせて単一の実施形態で提供されてもよいことが理解されよう。反対に、簡潔さのために単一の実施形態において記載されている様々な本開示の特徴は、別々にまたは任意の好適な副組合せで提供されてもよい。本明細書に記載される改変された免疫細胞及び処置方法に関する実施形態の全ての組み合わせは、あらゆる組み合わせが個別かつ明示的に開示されたかのように、本出願により具体的に包含され、本明細書において開示される。加えて、かかる可変部分を記載する実施形態において列挙される改変された免疫細胞の全ての副組合せも、タンパク質のあらゆるかかる副組合せが本明細書において個別かつ明示的に開示されたかのように、本出願により具体的に包含され、本明細書において開示される。
【0069】
II.改変された免疫細胞
本出願の一態様は、野生型IL-15と比較して1つ以上のアミノ酸置換を有する変異型IL-15を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞を提供し、ここで、当該IL-15ポリペプチドは、発現された際に、IL-15受容体に結合することができる。幾つかの実施形態では、変異型IL-15は、野生型IL-15と比較してIL-15受容体に対する低減された結合親和性を有する。幾つかの実施形態では、変異型IL-15は、IL-15Rβに対する野生型IL-15と比較して低減された結合親和性、例えば、少なくとも約10%低減された、20%低減された、30%低減された、40%低減された、50%低減された、60%低減された、70%低減された、80%低減された、90%低減された、12分の1に低減された、14分の1に低減された、16分の1に低減された、20分の1に低減された、25分の1に低減された、30分の1に低減された、40分の1に低減された、またはそれ以上に低減された結合親和性のいずれか1つを有する。幾つかの実施形態では、変異型IL-15は、IL-15Rβに対する野生型IL-15と比較して低減された結合親和性、例えば、約10分の1~約20分の1に低減された結合親和性を有する。幾つかの実施形態では、変異型IL-15は、野生型IL-15と比較して低減されたレベル、例えば、少なくとも約10%、20%低減された、30%低減された、40%低減された、50%低減された、60%低減された、70%低減された、80%低減された、90%低減された、2分の1に低減された、5分の1に低減された、10分の1に低減された、20分の1に低減された、50分の1に低減された、100分の1に低減された、200分の1に低減された、500分の1に低減された、1000分の1に低減された、またはそれ以上に低減されたレベルのいずれか1つの炎症性サイトカイン(例えば、IFN-γ、TNF-α、及び/またはGM-CSF)の改変された免疫細胞による分泌を誘発する。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、個体に投与される場合、野生型IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸を含む改変された免疫細胞と比較してインビボでの低減された毒性を有する。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、個体に投与される場合、野生型IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸を含む改変された免疫細胞と比較してインビボでの改善された安全性を有する。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞を投与された個体は、サイトカインストームを示さない。幾つかの実施形態では、野生型IL-15と比較して1つ以上のアミノ酸置換を有する変異型IL-15を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞は、野生型IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸を含む改変された免疫細胞と比較して増強された抗腫瘍活性を有する。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、分泌型である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜結合型である。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、遺伝子操作された受容体、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)、遺伝子操作されたTCR、またはT細胞抗原連結体(TAC)受容体を更に含む。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及び樹状細胞(DC)活性化T細胞からなる群から選択される。
【0070】
幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、グリシン(G)、イソロイシン(I)、グルタミン(Q)、バリン(V)、プロリン(P)、ロイシン(L)、アラニン(A)、セリン(S)、及びチロシン(Y)からなる群から選択されるアミノ酸残基を62位で含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7~8及び11~17からなる群から選択されるアミノ酸配列に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7~8及び11~17からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0071】
幾つかの実施形態では、62位でGを含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、T62G置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0072】
幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのグルタミン酸(E)を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0073】
幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのチロシン(Y)を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0074】
幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのグルタミン酸(E)またはフェニルアラニン(F)を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Eである。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0075】
幾つかの実施形態では、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含む分泌型IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-15受容体(例えば、IL-15Rα及び/またはIL-15Rβ/γc)に対する低減された結合親和性を有する。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rαの細胞外ドメインまたはIL-15Rαのスシドメインに融合されたIL-15断片を含む融合タンパク質である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号57または58のアミノ酸配列を含む融合タンパク質である。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0076】
幾つかの実施形態では、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含む膜結合型IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従うものであり、当該IL-15ポリペプチドは、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーペプチド配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、GPIアンカーペプチド配列は、GPIリンカーに結合している。幾つかの実施形態では、GPIアンカーペプチド配列は、IL-15ポリペプチドのC末端に位置する。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0077】
幾つかの実施形態では、第2のポリペプチド断片に融合されたIL-15断片を含む融合タンパク質であるIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞が提供され、ここで、当該IL-15断片は、8位 62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含み、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15断片は、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15断片は、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15断片は、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15断片は、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15断片は、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15断片は、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15断片は、8位及び62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、第2のポリペプチド断片は、IL-15Rα、IL-15Rαの細胞外ドメイン、IL-15Rαのスシドメイン、IL-15Rαの膜貫通ドメイン、IL-15Rβ、共通γ鎖(γc)、遺伝子操作された受容体(例えば、CAR、TCR、またはTAC)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、第2のポリペプチド断片は、配列番号50~55からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15断片は、ペプチドリンカーを介して第2のポリペプチド断片に融合されている。幾つかの実施形態では、本明細書において上記されたIL-15ポリペプチドは、配列番号57~64、76、及び77からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0078】
幾つかの実施形態では、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含む膜結合型IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従うものであり、当該IL-15ポリペプチドは、膜貫通ドメインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインは、IL-15Rαの膜貫通ドメインである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、細胞内ドメインを更に含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、(a)抗原結合ドメイン;(b)IL-15断片;(c)膜貫通ドメイン;及び(d)細胞内ドメインを含む。幾つかの実施形態では、抗原結合ドメインは、IL-15断片のN末端に存在する。幾つかの実施形態では、抗原結合ドメインは、IL-15断片のC末端に存在する。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインは、CD4、CD3、CD8α、またはCD28の膜貫通ドメインである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ヒンジドメイン、例えば、CD8に由来するヒンジドメインを更に含む。幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、一次細胞内シグナル伝達ドメイン、例えば、CD3ζの細胞内シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、DAP10、CD30、CD40、CD3、LFA-1、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、CD83のリガンド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される共刺激分子に由来する。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号65、66、または75を含む。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0079】
幾つかの実施形態では、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含む膜結合型IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従うものであり、当該IL-15ポリペプチドは、膜アンカードメインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、膜アンカードメインは、IL-15Rα、IL-15Rαの膜貫通ドメイン、IL-15Rβ、IL-15Rαの細胞外ドメイン、IL-15Rαのスシドメイン、IL-15Rβの細胞外ドメイン、共通γ鎖(γc)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される分子に由来する。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号59~64、76、及び77からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0080】
幾つかの実施形態では、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列であって、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、当該第1の異種核酸配列、ならびに遺伝子操作された受容体をコードする第2の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞(例えば、NK細胞またはT細胞)が提供される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、CAR、例えば、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、遺伝子操作されたTCRである。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、TAC受容体である。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じベクターまたは別個のベクターに存在する。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じプロモーターまたは別個のプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0081】
幾つかの実施形態では、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列であって、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、当該第1の異種核酸配列、ならびに遺伝子操作された受容体をコードする第2の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞(例えば、NK細胞またはT細胞)が提供される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、CAR、例えば、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、遺伝子操作されたTCRである。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、TAC受容体である。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じベクターまたは別個のベクターに存在する。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じプロモーターまたは別個のプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、配列番号31~38、42~49、83、及び84からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む改変された免疫細胞。
【0082】
幾つかの実施形態では、GPIアンカーペプチド配列を含む膜結合型IL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列であって、当該IL-15ポリペプチドが、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含み、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う、当該第1の異種核酸配列、ならびに遺伝子操作された受容体をコードする第2の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞(例えば、NK細胞またはT細胞)が提供される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、GPIアンカーペプチド配列は、GPIリンカーに結合している。幾つかの実施形態では、GPIアンカーペプチド配列は、IL-15ポリペプチドのC末端に位置する。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、CAR、例えば、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、遺伝子操作されたTCRである。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、TAC受容体である。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じベクターまたは別個のベクターに存在する。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じプロモーターまたは別個のプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0083】
幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインを含む膜結合型IL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列であって、当該IL-15ポリペプチドが、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含み、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、当該第1の異種核酸配列、ならびに遺伝子操作された受容体をコードする第2の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞(例えば、NK細胞またはT細胞)が提供される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインは、IL-15Rαの膜貫通ドメインである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、細胞内ドメインを更に含む。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、CAR、例えば、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、遺伝子操作されたTCRである。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、TAC受容体である。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じベクターまたは別個のベクターに存在する。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じプロモーターまたは別個のプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0084】
幾つかの実施形態では、(a)抗原結合ドメイン;(b)IL-15断片;(c)膜貫通ドメイン;及び(d)細胞内ドメインを含む遺伝子操作された受容体をコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞(例えば、NK細胞またはT細胞)が提供され、ここで、当該IL-15断片は、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含み、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、抗原結合ドメインは、IL-15断片のN末端に存在する。幾つかの実施形態では、抗原結合ドメインは、IL-15断片のC末端に存在する。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインは、CD4、CD3、CD8α、またはCD28の膜貫通ドメインである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ヒンジドメイン、例えば、CD8αに由来するヒンジドメインを更に含む。幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、一次細胞内シグナル伝達ドメイン、例えば、CD3ζの細胞内シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、DAP10、CD30、CD40、CD3、LFA-1、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、CD83のリガンド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される共刺激分子に由来する。幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、4-1BBの共刺激シグナル伝達ドメイン及びCD3ζの一次細胞内シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、抗原結合ドメインは、BCMA、CD19、またはGPC3に特異的に結合する。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、配列番号65、66、または75を含む遺伝子操作された受容体をコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞。
【0085】
幾つかの実施形態では、膜アンカードメインを含む膜結合型IL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列であって、当該IL-15ポリペプチドが、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含み、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う、当該第1の異種核酸配列、ならびに遺伝子操作された受容体をコードする第2の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞(例えば、NK細胞またはT細胞)が提供される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、膜アンカードメインは、IL-15Rα、IL-15Rαの膜貫通ドメイン、IL-15Rβ、IL-15Rαの細胞外ドメイン、IL-15Rαのスシドメイン、IL-15Rβの細胞外ドメイン、共通γ鎖(γc)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される分子に由来する。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号59~64、76、及び77からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、CAR、例えば、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、遺伝子操作されたTCRである。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、TAC受容体である。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じベクターまたは別個のベクターに存在する。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じプロモーターまたは別個のプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0086】
幾つかの実施形態では、第2のポリペプチド断片に融合されたIL-15断片を含む融合タンパク質であるIL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列であって、当該IL-15ポリペプチドが、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含み、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う、当該第1の異種核酸配列、ならびに遺伝子操作された受容体をコードする第2の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞(例えば、NK細胞またはT細胞)が提供される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、第2のポリペプチド断片は、IL-15Rα、IL-15Rαの細胞外ドメイン、IL-15Rαのスシドメイン、IL-15Rαの膜貫通ドメイン、IL-15Rβ、共通γ鎖(γc)、遺伝子操作された受容体(例えば、CAR、TCR、またはTAC)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、第2のポリペプチド断片は、配列番号50~55からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15断片は、ペプチドリンカーを介して第2のポリペプチド断片に融合されている。幾つかの実施形態では、本明細書において上記されたIL-15ポリペプチドは、配列番号57~64、76、及び77からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、CAR、例えば、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、遺伝子操作されたTCRである。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、TAC受容体である。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じベクターまたは別個のベクターに存在する。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じプロモーターまたは別個のプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0087】
幾つかの実施形態では、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含むCAR発現免疫細胞(例えば、CAR-NK細胞またはCAR-T細胞)が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、分泌型である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜結合型である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、GPIアンカーペプチド配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜貫通ドメインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜アンカードメインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、第2のポリペプチド断片に融合されたIL-15断片を含む融合タンパク質である。幾つかの実施形態では、第2のポリペプチド断片は、IL-15Rα、IL-15Rαの細胞外ドメイン、IL-15Rαのスシドメイン、IL-15Rαの膜貫通ドメイン、IL-15Rβ、共通γ鎖(γc)、遺伝子操作された受容体(例えば、CAR、TCR、またはTAC)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0088】
幾つかの実施形態では、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含むCAR発現免疫細胞(例えば、CAR-NK細胞またはCAR-T細胞)が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、分泌型である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜結合型である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、GPIアンカーペプチド配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜貫通ドメインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜アンカードメインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、第2のポリペプチド断片に融合されたIL-15断片を含む融合タンパク質である。幾つかの実施形態では、第2のポリペプチド断片は、IL-15Rα、IL-15Rαの細胞外ドメイン、IL-15Rαのスシドメイン、IL-15Rαの膜貫通ドメイン、IL-15Rβ、共通γ鎖(γc)、遺伝子操作された受容体(例えば、CAR、TCR、またはTAC)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0089】
幾つかの実施形態では、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含むTAC発現免疫細胞(例えば、TAC-T細胞)が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、分泌型である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜結合型である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、GPIアンカーペプチド配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜貫通ドメインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜アンカードメインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、第2のポリペプチド断片に融合されたIL-15断片を含む融合タンパク質である。幾つかの実施形態では、第2のポリペプチド断片は、IL-15Rα、IL-15Rαの細胞外ドメイン、IL-15Rαのスシドメイン、IL-15Rαの膜貫通ドメイン、IL-15Rβ、共通γ鎖(γc)、遺伝子操作された受容体(例えば、CAR、TCR、またはTAC)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0090】
幾つかの実施形態では、T62G置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含むCAR発現免疫細胞(例えば、CAR-NK細胞またはCAR-T細胞)が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約85%(例えば、少なくとも約86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、CARは、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである。幾つかの実施形態では、免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0091】
幾つかの実施形態では、D8E置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含むCAR発現免疫細胞(例えば、CAR-NK細胞またはCAR-T細胞)が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約85%(例えば、少なくとも約86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、CARは、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである。幾つかの実施形態では、免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0092】
幾つかの実施形態では、V3Y置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含むCAR発現免疫細胞(例えば、CAR-NK細胞またはCAR-T細胞)が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約85%(例えば、少なくとも約86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、CARは、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである。幾つかの実施形態では、免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0093】
幾つかの実施形態では、L25F置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含むCAR発現免疫細胞(例えば、CAR-NK細胞またはCAR-T細胞)が提供され、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約85%(例えば、少なくとも約86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか1つ)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、CARは、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである。幾つかの実施形態では、免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0094】
幾つかの実施形態では、配列番号57~66及び75~77からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸を含む改変された免疫細胞(例えば、NK細胞またはT細胞)が提供される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15断片を含むCARである。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする第2の異種の核酸を更に含む。幾つかの実施形態では、CARは、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、改変された免疫細胞から分泌される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜結合型である。幾つかの実施形態では、免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0095】
免疫細胞
改変された免疫細胞は、種々の細胞種及び細胞供給源に由来し得る。限定されるものではないが、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、サル、及びヒトが含まれる、任意の哺乳動物種由来の細胞が本明細書において意図される。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、ヒト細胞である。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、レシピエント個体と同種異系である(すなわち、同じ種であるが、異なるドナーに由来する)。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、自己由来である(すなわち、ドナー及びレシピエントは同一である)。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、同系である(すなわち、ドナー及びレシピエントは異なる個体であるが、一卵性双生児である)。
【0096】
幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、初代細胞に由来する。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、個体から単離された初代細胞である。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、個体から単離された初代細胞から増殖される(例えば、増殖及び/または分化される)。幾つかの実施形態では、初代細胞は、造血系である。幾つかの実施形態では、初代細胞は、胸腺から採取される。幾つかの実施形態では、初代細胞は、リンパ液またはリンパ節(例えば、腫瘍流入領域リンパ節)から採取される。幾つかの実施形態では、初代細胞は、脾臓から採取される。幾つかの実施形態では、初代細胞は、骨髄から採取される。幾つかの実施形態では、初代細胞は、末梢血などの血液から採取される。幾つかの実施形態では、初代細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)である。幾つかの実施形態では、初代細胞は、血漿に由来する。幾つかの実施形態では、初代細胞は、腫瘍に由来する。幾つかの実施形態では、初代細胞は、粘膜免疫系から採取される。幾つかの実施形態では、初代細胞は、生検試料から採取される。
【0097】
幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞株に由来する。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、市販の細胞株から採取される。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、個体から単離された初代細胞から確立された細胞株である。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞株から増殖される(例えば、増殖及び/または分化される)。幾つかの実施形態では、細胞株は、死を免れない。幾つかの実施形態では、細胞株は、不死化される。幾つかの実施形態では、細胞株は、腫瘍細胞株、例えば、白血病細胞株またはリンパ腫細胞株である。幾つかの実施形態では、細胞株は、PBMCに由来する細胞株である。幾つかの実施形態では、細胞株は、幹細胞株である。幾つかの実施形態では、細胞株は、HEK293-6E細胞、NK-92細胞、及びJurkat細胞からなる群から選択される。
【0098】
本出願について有用である例示的な免疫細胞としては、限定されるものではないが、樹状細胞(未成熟樹状細胞及び成熟樹状細胞が含まれる)、Tリンパ球(例えば、ナイーブT細胞、エフェクターT細胞、メモリーT細胞、細胞傷害性Tリンパ球、ヘルパーT細胞、ナチュラル-キラーT細胞、Treg細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、及びリンホカイン活性化キラー(LAK)細胞)、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、マクロファージ、好中球、顆粒球、及びそれらの組み合わせが挙げられる。免疫細胞の亜集団は、当該技術分野において公知の1種以上の細胞表面マーカー(例えば、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD11c、CD123、CD56、CD34、CD14、CD33など)の存在または非存在により定義され得る。医薬組成物が複数種の改変された免疫細胞を含む場合、改変された免疫細胞は、免疫細胞種の特定の亜集団、免疫細胞種の亜集団の組み合わせ、または2つ以上の免疫細胞種の組み合わせであり得る。幾つかの実施形態では、免疫細胞は、同種細胞集団中に存在する。幾つかの実施形態では、免疫細胞は、免疫細胞が増加されている異種細胞集団に存在する。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、リンパ球である。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、リンパ球ではない。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、養子免疫療法に適している。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、PBMCである。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、PBMCに由来する免疫細胞である。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、T細胞である。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、CD4T細胞である。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、CD8T細胞である。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、B細胞である。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、NK細胞である。
【0099】
幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、幹細胞に由来する。幾つかの実施形態では、幹細胞は、全能性幹細胞である。幾つかの実施形態では、幹細胞は、多能性幹細胞である。幾つかの実施形態では、幹細胞は、単能性幹細胞である。幾つかの実施形態では、幹細胞は、前駆細胞である。幾つかの実施形態では、幹細胞は、胚性幹細胞である。幾つかの実施形態では、幹細胞は、造血幹細胞である。幾つかの実施形態では、幹細胞は、間葉系幹細胞である。幾つかの実施形態では、幹細胞は、人工多能性幹細胞(iPSC)である。
【0100】
改変された免疫細胞は、任意の数(例えば、1種、2種、3種、4種、5種、10種、50種、100種、1000種、またはそれ以上のいずれか)の異種核酸配列(第1及び第2の核酸配列が含まれる)を含み得る。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、単一コピーの第1及び/または第2の異種核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、複数コピーの第1及び/または第2の異種核酸配列を含む。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、少なくとも1種の追加の異種核酸配列、例えば、免疫調節剤、例えば、サイトカイン、ケモカイン、及び/または免疫チェックポイント阻害剤をコードする異種核酸配列を更に含む。
【0101】
本明細書に記載される異種核酸配列(複数可)を含む核酸(複数可)は、改変された免疫細胞に一過的にまたは安定的に組み込まれ得る。幾つかの実施形態では、核酸(複数可)は、改変された免疫細胞において一過性に発現される。例えば、核酸(複数可)は、染色体外アレイとして改変された免疫細胞の核に存在し得る。核酸(複数可)は、ウイルスを用いる方法またはウイルスを用いない方法が含まれる、当該技術分野において公知の任意の形質移入または形質導入法を使用して改変された免疫細胞に導入され得る。例示的なウイルスを用いない形質移入法としては、限定されるものではないが、化学物質ベースの形質移入、例えば、リン酸カルシウム、デンドリマー、リポソーム、またはカチオン性ポリマー(例えば、DEAE-デキストランまたはポリエチレンイミン)の使用;非化学的方法、例えば、エレクトロポレーション、細胞圧搾(cell squeezing)、ソノポレーション、光学トランスフェクション、インペールフェクション(impalefection)、プロトプラスト融合、ハイドロダイナミック導入法、またはトランスポゾン;粒子ベースの方法、例えば、遺伝子銃、マグネトフェクションまたは磁性補助トランスフェクション、微粒子銃の使用;及びハイブリッド法、例えば、ヌクレオフェクションが挙げられる。
【0102】
幾つかの実施形態では、異種核酸配列(複数可)は、改変された免疫細胞のゲノムに存在する。例えば、異種核酸配列を含む核酸(複数可)は、限定されるものではないが、ウイルスにより媒介される組込み、ランダムな組込み、相同組換え法、及び部位特異的組込み法、例えば、部位特異的リコンビナーゼまたはインテグラーゼ、トランスポサーゼ、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN(登録商標))、CRISPR/Cas9、及びジンクフィンガーヌクレアーゼの使用が含まれる、当該技術分野において公知の任意の方法により改変された免疫細胞のゲノムに組み込まれ得る。幾つかの実施形態では、異種核酸配列(複数可)は、改変された免疫細胞のゲノムの具体的に計画された遺伝子座に組み込まれる。幾つかの実施形態では、異種核酸配列(複数可)は、改変された免疫細胞のゲノムの組込みホットスポットに組み込まれる。幾つかの実施形態では、異種核酸(配列)は、改変された免疫細胞のゲノムのランダムな遺伝子座に組み込まれる。複数コピーの異種核酸配列(複数可)が単一の改変された免疫細胞に存在する場合、異種核酸配列は、改変された免疫細胞のゲノムの複数の遺伝子座に組み込まれていてもよい。
【0103】
IL-15ポリペプチド
本明細書に記載される改変された免疫細胞は、変異型IL-15ポリペプチドを発現する。本出願は、IL-15ポリペプチド及びその組成物も提供する。幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるIL-15ポリペプチドは、炎症性サイトカインレベルの増加(例えば、サイトカインストーム)を引き起こすことなく、強力な抗腫瘍効果を提供する。
【0104】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、全長IL-15分子である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15分子の機能部分を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ヒトIL-15ポリペプチドである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、一本鎖を有する。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、2本以上の鎖を有する。
【0105】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドは、三量体IL-15R(IL-15受容体)複合体に結合することができる。IL-15受容体は、種特異的なIL-15(「IL-15Rα」)、IL-2/IL-15Rβ(「IL-15Rβ」)、及び様々なサイトカインと共有される共通γ鎖(「γc」)の3つのポリペプチドからなる。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、α鎖(「IL-15Rα」)、共通β鎖(「IL-15Rβ」)、及び/または共通γ鎖(「IL-15Rγc」)に結合することができる。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rαに結合することができる。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rβに結合することができる。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rβ/γcに結合することができる。
【0106】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、野生型IL-15ポリペプチドと同等のIL-15Rαに対する結合親和性を有する。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、野生型IL-15ポリペプチドと比較して、IL-15βに対する低減された結合親和性を有する。例示的な野生型IL-15ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を有する。
配列番号1 野生型ヒトIL-15
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS
【0107】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、約10-9、10-10、または10-12のいずれか以上のKDでIL-15Rαに結合する。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、約10-7、10-8、または10-9のいずれか以上のKDでIL-15Rβに結合する。
【0108】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rβに対する野生型IL-15ポリペプチドと比較して低減された結合親和性、例えば、少なくとも約10%低減された、20%低減された、30%低減された、40%低減された、2分の1に低減された、4分の1に低減された、6分の1に低減された、8分の1に低減された、10分の1に低減された、12分の1に低減された、14分の1に低減された、16分の1に低減された、18分の1に低減された、20分の1に低減された、30分の1に低減された、50分の1に低減された、またはそれ以上に低減された結合親和性のいずれかを有する。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rβに対する野生型IL-15ポリペプチドと比較して低減された結合親和性、例えば、約50分の1以上に低減された、30分の1以上に低減された、20分の1以上に低減された、18分の1以上に低減された、16分の1以上に低減された、14分の1以上に低減された、12分の1以上に低減された、10分の1以上に低減された、8分の1以上に低減された、6分の1以上に低減された、4分の1以上に低減された、50%以下低減された、40%以下低減された、30%以下低減された、20%以下低減された、10%以下低減された、またはそれ以下低減された結合親和性のいずれかを有する。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rβに対する野生型IL-15ポリペプチドと比較して低減された結合親和性、例えば、約10%~50%低減された、2~10分の1に低減された、10~20分の1に低減された、20~40分の1に低減された、10~40分の1に低減された、10~50分の1に低減された、14~40分の1に低減された、または2~50分の1に低減された結合親和性のいずれかを有する。
【0109】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、野生型IL-15ポリペプチドと比較して低減されたレベルの炎症性サイトカイン、例えば、少なくとも約10%低減された、20%低減された、30%低減された、40%低減された、2分の1に低減された、4分の1に低減された、6分の1に低減された、8分の1に低減された、10分の1に低減された、12分の1に低減された、14分の1に低減された、16分の1に低減された、18分の1に低減された、20分の1に低減された、30分の1に低減された、50分の1に低減された、100分の1に低減された、200分の1に低減された、500分の1に低減された、1000分の1に低減された、またはそれ以上に低減されたレベルの炎症性サイトカインのいずれかの、改変された免疫細胞による分泌を誘発する。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、野生型IL-15ポリペプチドと比較して低減されたレベルの炎症性サイトカイン、例えば、約1000分の1以上に低減された、500分の1以上に低減された、200分の1以上に低減された、100分の1以上に低減された、50分の1以上に低減された、30分の1以上に低減された、20分の1以上に低減された、18分の1以上に低減された、16分の1以上に低減された、14分の1以上に低減された、12分の1以上に低減された、10分の1以上に低減された、8分の1以上に低減された、6分の1以上に低減された、4分の1以上に低減された、50%以下低減された、40%以下低減された、30%以下低減された、20%以下低減された、10%以下低減された、またはそれ以下低減されたレベルの炎症性サイトカインのいずれかの、改変された免疫細胞による分泌を誘発する。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、野生型IL-15ポリペプチドと比較して低減されたレベルの炎症性サイトカイン、例えば、約10%~50%低減された、2~1000分の1に低減された、2~50分の1に低減された、50~100分の1に低減された、100~1000分の1に低減された、50~500分の1に低減された、10~100分の1に低減された、10~50分の1に低減された、または50~200分の1に低減されたレベルの炎症性サイトカインのいずれかの、改変された免疫細胞による分泌を誘発する。例示的な炎症性サイトカインとしては、限定されるものではないが、例えば、IFN-γ、TNF-α、及びGM-CSFが挙げられる。幾つかの実施形態では、炎症性サイトカインの分泌レベルは、免疫血清検査法、例えば、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、化学発光免疫測定法(CIA)、またはフローサイトメトリーにより測定される。幾つかの実施形態では、炎症性サイトカイン分泌レベルは、細胞ベースのアッセイで測定される。幾つかの実施形態では、炎症性サイトカイン分泌レベルは、インビボで測定される。
【0110】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15ポリペプチドまたはIL-15ポリペプチドを含む改変された免疫細胞を投与された対象におけるサイトカインストームを誘発しない。「サイトカインストーム」は、多数の炎症性サイトカインが正常より高い頻度で生成される場合に発生する。幾つかの実施形態では、サイトカインの過剰産生は、他の免疫細胞の動員により細胞傷害を引き起こし得る。幾つかの実施形態では、サイトカインストームの間に産生される炎症性サイトカインとしては、IL-20ファミリーのメンバー、IL-1α、IL-1β、IL-6、IL-33 LIF、IFN-γ、OSM、CNTF、TNF-α、TGF-β、GM-CSF、IL-11、IL-12、IL-17、IL-18、IL-8、及び当該技術分野において公知の他の炎症性サイトカインが挙げられる。幾つかの実施形態では、サイトカインストームの間に産生される炎症性サイトカインとしては、IFN-γ、TNF-α、及びGM-CSFが挙げられる。幾つかの実施形態では、サイトカインストームは、当該技術分野において公知の任意のサイトカイン測定技術により測定され得る。幾つかの実施形態では、サイトカインストームは、ELISA、CIA、またはフローサイトメトリーにより測定される。
【0111】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位、8位、23位、25位、26位、58位、61位、62位、及び89位からなる群から選択される1つ以上の位置でのアミノ酸置換を含み、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。例示的な変異型IL-15ポリペプチド配列及びそれらの対応する変異を以下の表1に列挙する。
【0112】
【表1】
【0113】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含み、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、疎水性アミノ酸残基を62位で含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、短い側鎖を有するアミノ酸残基を62位で含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、グリシン(G)、イソロイシン(I)、グルタミン(Q)、バリン(V)、プロリン(P)、ロイシン(L)、アラニン(A)、セリン(S)、及びチロシン(Y)からなる群から選択されるアミノ酸残基を62位で含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、T62G置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7、8、及び11~17からなる群から選択されるアミノ酸配列に対する少なくとも約85%(例えば、少なくとも約86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7、8及び、11~17からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、本明細書に記載される単一アミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、本明細書に記載される2つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0114】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含み、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、酸性アミノ酸残基を8位で含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、Eを8位で含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、非荷電アミノ酸残基を8位で含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、D8E置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約85%(例えば、少なくとも約86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、本明細書に記載される単一アミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、本明細書に記載される2つ以上のアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換及び62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、D8E及びT62G置換を含む。
【0115】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含み、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、Yを3位で含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、V3Y置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約85%(例えば、少なくとも約86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、本明細書に記載される単一アミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、本明細書に記載される2つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0116】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含み、ここで、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、Fを25位で含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、L25F置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約85%(例えば、少なくとも約86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、本明細書に記載される単一アミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、本明細書に記載される2つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0117】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、D8E及びT62G置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び3位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、D8E及びV3Y置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び25位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、D8E及びL25F置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位及び3位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、T62G及びV3Y置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位及び25位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、T62G及びL25F置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位及び25位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、V3Y及びL25F置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位、62位、及び3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、D8E、T62G、及びV3Y置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位、62位、及び25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、D8E、T62G、及びL25F置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位、3位、及び25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、D8E、V3Y、及びL25F置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位、3位、及び25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、T62G、V3Y、及びL25F置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位、62位、3位、及び25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、D8E、T62G、V3Y、及びL25F置換を含む。
【0118】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、改変された免疫細胞から分泌される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rαの細胞外ドメインに融合されたIL-15断片を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rαのスシドメインに融合されたIL-15断片を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、シグナルペプチド(本明細書において「SP」とも称される)を含む。シグナルペプチド(「リーダー配列」としても公知)は、通常、開始メチオニン直後のタンパク質のN末端に挿入される。シグナルペプチドは、改変された免疫細胞からのIL-15ポリペプチドの輸送時に切断され得、これにより、成熟タンパク質を生じる。シグナルペプチドは天然であっても合成であってもよく、それらが結合しているタンパク質にとって異種であっても同種であってもよい。シグナルペプチドの選択肢は幅広く、当業者は、例えば、Department of Biochemistry、National University of Singaporeにより維持されるリーダー配列オンラインデータベースにおいて入手可能である。Choo et al.,BMC Bioinformatics,6:249(2005)、及びPCT公開第WO2006/081430号を参照のこと。例示的なシグナルペプチド配列としては、限定されるものではないが、配列番号71~74が挙げられる。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、プロペプチドを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号70を含む。
【0119】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、第2のポリペプチド断片に融合されたIL-15断片を含む融合タンパク質である。幾つかの実施形態では、第2のポリペプチド断片は、IL-15Rα、IL-15Rαの細胞外ドメイン、IL-15Rαのスシドメイン、IL-15Rαの膜貫通ドメイン、IL-15Rβ、共通γ鎖(γc)、遺伝子操作された受容体(例えば、CAR、TCR、またはTAC)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0120】
例示的なIL-15融合ポリペプチドを以下の表2に列挙する。本明細書に記載されるIL-15ムテインのいずれかを含む融合タンパク質が本明細書において意図されることが理解されよう。
【0121】
【表2】
【0122】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15受容体(IL-15R)、そのサブユニット、またはそれらの一部に融合されたIL-15断片を含む融合タンパク質である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rαに融合されたIL-15断片を含む。幾つかの実施形態では、IL-15Rαは、全長IL-15Rα分子である。幾つかの実施形態では、IL-15Rαは、可溶型のIL-15Rα(例えば、sIL-15RまたはsIL-15Rα)である。幾つかの実施形態では、IL-15Rαは、天然に存在するIL-15Rα分子の細胞外ドメインである。幾つかの実施形態では、IL-15Rは、切断されたか、または欠失した細胞質ドメイン及び膜貫通ドメインを含むが、機能ドメイン(例えば、IL-15結合活性を保持するために必要とされるIL-15Rの領域)を保持する。幾つかの実施形態では、IL-15結合活性を保持するIL-15Rの最短領域は、IL-15Rαのスシドメインにまたがる65アミノ酸配列である。「スシドメイン」または「短コンセンサスリピート」または「1型糖タンパク質モチーフ」は、タンパク質-タンパク質相互作用を促進する一般的な構造モチーフであり、ここで、当該モチーフは、2つのジスルフィド結合を形成する4つのシステインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15Rαは、天然に存在するIL-15Rα分子のスシドメインである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rαの膜貫通ドメインに融合されたIL-15断片を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rαのスシドメイン及び膜貫通ドメインに融合されたIL-15断片を含む。
【0123】
ヒトIL-15Rα及びその断片を以下に示す。
配列番号50(IL-15Rα細胞外ドメイン)
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTT

配列番号51(IL-15Rαスシドメイン)
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIR

配列番号54(全長IL-15Rα)
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTTVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYLKSRQTPPLASVEMEAMEALPVTWGTSSRDEDLENCSHHL

配列番号55(IL-15Rα膜貫通ドメイン)
VAISTSTVLLCGLSAVSLLACYL
【0124】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rβに融合されたIL-15断片を含む。幾つかの実施形態では、IL-15Rβは、全長IL-15Rβ分子である。幾つかの実施形態では、IL-15Rβは、配列番号52のアミノ酸配列を含む。
配列番号52(全長IL15Rβ)
AVNGTSQFTCFYNSRANISCVWSQDGALQDTSCQVHAWPDRRRWNQTCELLPVSQASWACNLILGAPDSQKLTTVDIVTLRVLCREGVRWRVMAIQDFKPFENLRLMAPISLQVVHVETHRCNISWEISQASHYFERHLEFEARTLSPGHTWEEAPLLTLKQKQEWICLETLTPDTQYEFQVRVKPLQGEFTTWSPWSQPLAFRTKPAALGKDTIPWLGHLLVGLSGAFGFIILVYLLINCRNTGPWLKKVLKCNTPDPSKFFSQLSSEHGGDVQKWLSSPFPSSSFSPGGLAPEISPLEVLERDKVTQLLLQQDKVPEPASLSSNHSLTSCFTNQGYFFFHLPDALEIEACQVYFTYDPYSEEDPDEGVAGAPTGSSPQPLQPLSGEDDAYCTFPSRDDLLLFSPSLLGGPSPPSTAPGGSGAGEERMPPSLQERVPRDWDPQPLGPPTPGVPDLVDFQPPPELVLREAGEEVPDAGPREGVSFPWSRPPGQGEFRALNARLPLNTDAYLSLQELQGQDPTHLV
【0125】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、γcに融合されたIL-15断片である。幾つかの実施形態では、γcは、全長γc分子である。幾つかの実施形態では、γcは、配列番号53のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15Rβに融合されたIL-15断片を含み、改変された免疫細胞は、γcをコードする異種核酸配列を更に含む。
配列番号53(γc、共通γ鎖)
MLKPSLPFTSLLFLQLPLLGVGLNTTILTPNGNEDTTADFFLTTMPTDSLSVSTLPLPEVQCFVFNVEYMNCTWNSSSEPQPTNLTLHYWYKNSDNDKVQKCSHYLFSEEITSGCQLQKKEIHLYQTFVVQLQDPREPRRQATQMLKLQNLVIPWAPENLTLHKLSESQLELNWNNRFLNHCLEHLVQYRTDWDHSWTEQSVDYRHKFSLPSVDGQKRYTFRVRSRFNPLCGSAQHWSEWSHPIHWGSNTSKENPFLFALEAVVISVGSMGLIISLLCVYFWLERTMPRIPTLKNLEDLVTEYHGNFSAWSGVSKGLAESLQPDYSERLCLVSEIPPKGGALGEGPGASPCNQHSPYWAPPCYTLKPET
【0126】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜結合型である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーペプチド配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、C末端にGPIアンカーポリペプチド配列を含む。GPIアンカーポリペプチド配列は、当技術分野において公知であり、限定されるものではないが、ヒトLFA3、CD44、CD59、ヒトFcγ受容体III(CD16b)のGPIアンカー配列が含まれる。Kueng et al.,J Virol,2007,81(16):8666-8676を参照のこと。幾つかの実施形態では、GPIアンカーペプチド配列は、GPIリンカーに結合している。
【0127】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜アンカードメインに融合されたIL-15断片を含む。幾つかの実施形態では、膜アンカードメインは、リン脂質二重層に挿入され得る配列(例えば、膜リン脂質の脂肪族アシル基と相互作用する疎水性側鎖を有するアミノ酸残基)を含む。幾つかの実施形態では、膜アンカードメインは、正に荷電したアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、膜アンカードメインは、脂質を含む。
【0128】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15断片に直接または間接的に融合され得る膜貫通ドメインを含む。膜貫通ドメインは、天然の供給源または合成の供給源のいずれかに由来し得る。本明細書で使用する場合、「膜貫通ドメイン」は、細胞膜内、好ましくは、真核生物の細胞膜内で熱力学的に安定している任意のタンパク質構造を指す。本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドにおける使用に適合可能な膜貫通ドメインは、天然に存在するタンパク質から得られ得る。あるいは、これは、合成の非天然タンパク質セグメント、例えば、細胞膜内で熱力学的に安定している疎水性タンパク質セグメントであり得る。
【0129】
膜貫通ドメインは、膜貫通ドメインの三次元構造に基づいて分類される。例えば、膜貫通ドメインは、αヘリックス、2つ以上のαヘリックスの複合体、βバレル、または細胞のリン脂質二重層を貫通することができる任意の他の安定な構造を形成し得る。更に、膜貫通ドメインは、膜貫通ドメインが膜を横切って通過する回数及びタンパク質の方向が含まれる、膜貫通ドメインのトポロジーに基づいて更にまたは代替的に分類され得る。例えば、1回膜貫通タンパク質は、細胞膜を1回通過し、複数回膜貫通タンパク質は、細胞膜を少なくとも2回(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、またはそれ以上)通過する。膜タンパク質は、細胞の内部及び外部に対するそれらの末端及び膜貫通セグメント(複数可)のトポロジーに応じてI型、II型、またはIII型と定義され得る。I型膜タンパク質は、単一の膜貫通領域を有し、タンパク質のN末端が細胞の脂質二重層の細胞外側に存在し、タンパク質のC末端が細胞質側に存在するように配向されている。II型膜タンパク質も単一の膜貫通領域を有するが、タンパク質のC末端が細胞の脂質二重層の細胞外側に存在し、タンパク質のN末端が細胞質側に存在するように配向されている。III型膜タンパク質は、複数の膜貫通セグメントを有し、膜貫通セグメントの数ならびにN末端及びC末端の位置に基づいて更に下位分類され得る。
【0130】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドの膜貫通ドメインは、I型1回膜貫通タンパク質に由来する。幾つかの実施形態では、複数回膜貫通タンパク質由来の膜貫通ドメインも本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドにおける使用に適合可能であり得る。複数回膜貫通タンパク質は、複合体の(少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはそれ以上の)αヘリックスまたはβシート構造を含み得る。好ましくは、複数回膜貫通タンパク質のN末端及びC末端は、脂質二重層の反対側に存在し、例えば、タンパク質のN末端は、脂質二重層の細胞質側に存在し、タンパク質のC末端は、細胞外側に存在する。
【0131】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドの膜貫通ドメインは、T細胞受容体のα、β、もしくはζ鎖、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD154、KIRDS2、OX40、CD2、CD27、LFA-1(CD11a、CD18)、ICOS(CD278)、4-1BB(CD137)、GITR、CD40、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、CD160、CD19、IL-2Rβ、IL-2Rγ、IL-7Ra、ITGA1、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD11d、ITGAE、CD103、ITGAL、CD11a、LFA-1、ITGAM、CD11b、ITGAX、CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、TNFR2、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRT AM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CDIOO(SEMA4D)、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、PAG/Cbp、NKp44、NKp30、NKp46、NKG2D、及び/またはNKG2Cの膜貫通ドメインから選択される膜貫通ドメインを含む。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインは、CD8α、CD4、CD28、4-1BB、CD80、CD86、CD152、及びPD1からなる群から選択される分子に由来する。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインは、CD8αに由来する。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインは、IL-15Rαに由来する。
【0132】
本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドに使用される膜貫通ドメインは、非天然の合成タンパク質セグメントの少なくとも一部を含み得る。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインは、非天然の合成αヘリックスまたはβシートである。幾つかの実施形態では、タンパク質セグメントは、少なくとも約20アミノ酸、例えば、少なくとも18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30アミノ酸、またはそれ以上である。合成膜貫通ドメインの例は、当技術分野において公知である(例えば、米国特許第7,052,906B1号及びPCT公開第WO2000/032776A2号(これらの関連する開示は参照により本明細書に組み込まれる))。
【0133】
膜貫通ドメインは、膜貫通領域、及び膜貫通ドメインのC末端側に存在する細胞質領域を含み得る。膜貫通ドメインの細胞質領域は、3アミノ酸以上を含み得、幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインを脂質二重層に配置するのに役立つ。幾つかの実施形態では、1つ以上のシステイン残基が膜貫通ドメインの膜貫通領域に存在する。幾つかの実施形態では、1つ以上のシステイン残基が膜貫通ドメインの細胞質領域に存在する。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインの細胞質領域は、正に荷電したアミノ酸を含む。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインの細胞質領域は、アミノ酸のアルギニン、セリン、及びリジンを含む。
【0134】
幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインの膜貫通領域は、疎水性アミノ酸残基を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドの膜貫通ドメインは、人工の疎水性配列を含む。例えば、フェニルアラニン、トリプトファン、及びバリンのトリプレットが膜貫通ドメインのC末端に存在し得る。幾つかの実施形態では、膜貫通領域は、主に疎水性アミノ酸残基、例えば、アラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、またはバリンを含む。幾つかの実施形態では、膜貫通領域は、疎水性である。幾つかの実施形態では、膜貫通領域は、ポリ-ロイシン-アラニン配列を含む。タンパク質またはタンパク質セグメントのハイドロパシーまたは疎水性もしくは親水性特性は、当該技術分野において公知の任意の方法、例えば、KyteーDoolittle法によるハイドロパシー解析により評価され得る。
【0135】
IL-15ポリペプチドは、IL-15断片と膜貫通ドメインとの間に存在するヒンジ領域を含み得る。ヒンジ領域は、タンパク質の2つのドメインの間に通常見出され、タンパク質に柔軟性を与え得、ドメインの一方または両方の互いに対して動くことを可能にし得るアミノ酸セグメントである。かかる柔軟性を提供し、IL-15ポリペプチドにおけるIL-15断片の膜貫通ドメインに対する動きをもたらす任意のアミノ酸配列が使用され得る。
【0136】
ヒンジ領域は、約10~100アミノ酸、例えば、約15~75のアミノ酸、20~50アミノ酸、または30~60アミノ酸のいずれかを含み得る。幾つかの実施形態では、ヒンジ領域は、少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、または75アミノ酸長のいずれかであり得る。
【0137】
幾つかの実施形態では、ヒンジ領域は、天然に存在するタンパク質のヒンジ領域である。ヒンジ領域を含むことが当該技術分野において公知の任意のタンパク質のヒンジ領域が本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドにおける使用に適合可能である。幾つかの実施形態では、ヒンジ領域は、天然に存在するタンパク質のヒンジ領域の少なくとも一部であり、IL-15ポリペプチドに柔軟性を付与する。幾つかの実施形態では、ヒンジ領域は、CD8αに由来する。幾つかの実施形態では、ヒンジ領域は、CD8αのヒンジ領域の一部、例えば、CD8αのヒンジ領域の少なくとも15(例えば、20、25、30、35、または40)連続アミノ酸を含む断片である。
【0138】
抗体、例えば、IgG、IgA、IgM、IgE、またはIgD抗体のヒンジ領域も本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドにおける使用に適合可能である。幾つかの実施形態では、ヒンジ領域は、抗体の定常ドメインCH1及びCH2を連結するヒンジ領域である。幾つかの実施形態では、ヒンジ領域は、抗体のものであり、抗体のヒンジ領域及び抗体の1つ以上の定常領域を含む。幾つかの実施形態では、ヒンジ領域は、抗体のヒンジ領域及び抗体のCH3定常領域を含む。幾つかの実施形態では、ヒンジ領域は、抗体のヒンジ領域ならびに抗体のCH2及びCH3定常領域を含む。幾つかの実施形態では、抗体は、IgG、IgA、IgM、IgE、またはIgD抗体である。幾つかの実施形態では、抗体は、IgG抗体である。幾つかの実施形態では、抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4抗体である。幾つかの実施形態では、ヒンジ領域は、IgG1抗体のヒンジ領域ならびにCH2及びCH3定常領域を含む。幾つかの実施形態では、ヒンジ領域は、IgG1抗体のヒンジ領域及びCH3定常領域を含む。
【0139】
非天然ペプチドもIL-15ポリペプチドのヒンジ領域として使用され得る。幾つかの実施形態では、ヒンジ領域は、(GxS)nリンカーなどのペプチドリンカーであり、ここで、x及びnは、独立して、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、またはそれ以上が含まれる、3~12の整数であり得る。
【0140】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、細胞内シグナル伝達ドメインなどの細胞内ドメインを更に含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、(a)IL-15断片;(b)膜貫通ドメイン;及び(c)細胞内ドメインを含む。
【0141】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、(a)抗原結合ドメイン;(b)IL-15断片;(c)膜貫通ドメイン;及び(d)細胞内ドメインを含む遺伝子操作された受容体である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、2つ以上の抗原結合ドメインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、単一特異性の遺伝子操作された受容体である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、二重特異性の遺伝子操作された受容体である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、多重特異性の遺伝子操作された受容体である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、多価、例えば、二価の遺伝子操作された受容体である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、バイエピトープ性の遺伝子操作された受容体である。抗原結合ドメインは、IL-15断片のN末端またはC末端に存在し得る。幾つかの実施形態では、抗原結合ドメインは、ペプチドリンカーを介してIL-15断片に融合されている。例示的な遺伝子操作された受容体としては、限定されるものではないが、CAR、TCR、及びTACが挙げられる。IL-15ポリペプチドは、以下のサブセクション「遺伝子操作された受容体」に記載されている遺伝子操作された受容体の任意の構成要素を含み得る。
【0142】
幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、共刺激シグナル伝達ドメインを含む。本明細書で使用する場合、用語「共刺激シグナル伝達ドメイン」は、細胞内でシグナル伝達を媒介して、エフェクター機能などの免疫応答を誘発するタンパク質の少なくとも一部を指す。本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドの共刺激シグナル伝達ドメインは、シグナルを伝達し、免疫細胞、例えば、T細胞、NK細胞、DC、リンパ節(LN)間質細胞、マクロファージ、好中球、または好酸球により媒介される応答を調節する共刺激タンパク質由来の細胞質シグナル伝達ドメインであり得る。「共刺激シグナル伝達ドメイン」は、共刺激分子の細胞質部分であり得る。用語「共刺激分子」は、共刺激リガンドに特異的に結合し、これにより、限定されるものではないが、増殖及び生存などの免疫細胞による共刺激応答を媒介する、免疫細胞(例えば、T細胞)上の同族結合パートナーを指す。
【0143】
幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、単一の共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、2つ以上(例えば、約2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のいずれか)の共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、2つ以上の同じ共刺激シグナル伝達ドメイン、例えば、2コピーのCD28の共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、異なる共刺激タンパク質、例えば、本明細書に記載される任意の2種以上の共刺激タンパク質由来の2種以上の共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の共刺激シグナル伝達ドメインは、任意のペプチドリンカーを介して互いに融合されている。1つ以上の共刺激シグナル伝達ドメインは、任意の好適な順序で配置され得る。複数の共刺激シグナル伝達ドメインは、相加的または相乗的な刺激効果をもたらし得る。
【0144】
宿主細胞(例えば、免疫細胞)における共刺激シグナル伝達ドメインの活性化は、細胞におけるサイトカインの産生及び分泌の増加もしくは減少、食作用特性、増殖、分化、生存、及び/または細胞傷害性の増強もしくは減弱を誘発し得る。共刺激シグナル伝達ドメインの種類(複数可)は、IL-15ポリペプチドが発現される免疫細胞の種類(例えば、T細胞、NK細胞、DC、間質細胞、マクロファージ、好中球、または好酸球)及び所望の免疫エフェクター機能などの因子に基づいて選択される。IL-15ポリペプチドに使用される共刺激シグナル伝達ドメインの例は、限定されるものではないが、B7/CD28ファミリーのメンバー(例えば、B7-1/CD80、B7-2/CD86、B7-H1/PD-L1、B7-H2、B7-H3、B7-H4、B7-H6、B7-H7、BTLA/CD272、CD28、CTLA-4、Gi24/VISTA/B7-H5、ICOS/CD278、PD-1、PD-L2/B7-DC、及びPDCD6);TNFスーパーファミリーのメンバー(例えば、4-1BB/TNFSF9/CD137、4-1BBリガンド/TNFSF9、BAFF/BLyS/TNFSF13B、BAFFR/TNFRSF13C、CD27/TNFRSF7、CD27リガンド/TNFSF7、CD30/TNFRSF8、CD30リガンド/TNFSF8、CD40/TNFRSF5、CD40/TNFSF5、CD40リガンド/TNFSF5、DR3/TNFRSF25、GITR/TNFRSF18、GITRリガンド/TNFSF18、HVEM/TNFRSF14、LIGHT/TNFSF14、リンホトキシン-α/TNF-β、OX40/TNFRSF4、OX40リガンド/TNFSF4、RELT/TNFRSF19L、TACI/TNFRSF13B、TL1A/TNFSF15、TNF-α、及びTNF RII/TNFRSF1B);SLAMファミリーのメンバー(例えば、2B4/CD244/SLAMF4、BLAME/SLAMF8、CD2、CD2F-10/SLAMF9、CD48/SLAMF2、CD58/LFA-3、CD84/SLAMF5、CD229/SLAMF3、CRACC/SLAMF7、NTB-A/SLAMF6、及びSLAM/CD150);ならびに任意の他の共刺激分子、例えば、CD2、CD7、CD53、CD82/Kai-1、CD90/Thy1、CD96、CD160、CD200、CD300a/LMIR1、HLAクラスI、HLA-DR、Ikaros、インテグリンα4/CD49d、インテグリンα4β1、インテグリンα4β7/LPAM-1、LAG-3、TCL1A、TCL1B、CRTAM、DAP12、デクチン1/CLEC7A、DPPIV/CD26、EphB6、TIM-1/KIM-1/HAVCR、TIM-4、TSLP、TSLPR、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、及びNKG2Cが含まれる、共刺激タンパク質の細胞質シグナル伝達ドメインであり得る。
【0145】
幾つかの実施形態では、1つ以上の共刺激シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB(すなわち、CD137)、OX40、DAP10、CD30、CD40、CD3、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、及びCD83に特異的に結合するリガンドからなる群から選択される。
【0146】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドにおける細胞内ドメインは、CD28に由来する共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドにおける細胞内ドメインは、4-1BB(すなわち、CD137)に由来する共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドにおける細胞内ドメインは、OX40に由来する共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドにおける細胞内ドメインは、DAP10に由来する共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドにおける細胞内ドメインは、CD27に由来する共刺激シグナル伝達ドメインを含む。
【0147】
共刺激シグナル伝達ドメインが免疫細胞の免疫応答を調節することができるような、本明細書に記載される共刺激シグナル伝達ドメインのいずれかのバリアントも本開示の範囲内である。幾つかの実施形態では、共刺激シグナル伝達ドメインは、野生型の対応物と比較して10(例えば、1、2、3、4、5、または8)アミノ酸残基までの変異を含む。1つ以上のアミノ酸変異を含むかかる共刺激シグナル伝達ドメインは、バリアントと称され得る。共刺激シグナル伝達ドメインのアミノ酸残基の変異は、当該変異を含まない共刺激シグナル伝達ドメインと比較してシグナル伝達の増加及び免疫応答の刺激の増強をもたらし得る。共刺激シグナル伝達ドメインのアミノ酸残基の変異は、当該変異を含まない共刺激シグナル伝達ドメインと比較してシグナル伝達の減少及び免疫応答の刺激の低減をもたらし得る。
【0148】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドの細胞内ドメインは、一次細胞内シグナル伝達ドメイン、例えば、CD3ζの細胞内シグナル伝達ドメインを更に含む。
【0149】
幾つかの実施形態では、膜結合型IL-15ポリペプチドは、IL-15ポリペプチドを細胞(例えば、ER)の分泌経路に標的化し、IL-15ポリペプチドの宿主細胞の脂質二重層への組込み及び係留を可能にするシグナルペプチドを更に含む。天然に存在するタンパク質のシグナル配列または非天然の合成シグナル配列が含まれる、本明細書に記載される膜貫通IL-15ポリペプチドにおける使用に適合可能であるシグナルペプチドは、当業者には明白であろう。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、CD8α、GM-CSF受容体α、IL-3、及びIgG1重鎖からなる群から選択される分子に由来する。幾つかの実施形態では、シグナルペプチドは、CD8αに由来する。
【0150】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15断片及びGPIアンカーペプチド配列を含み、ここで、当該IL-15断片は、8位、62位、3位、及び/または25位でのアミノ酸置換を含み、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、GPIアンカーペプチド配列は、GPIリンカーに結合している。幾つかの実施形態では、GPIアンカーペプチド配列は、IL-15ポリペプチドのC末端に位置する。
【0151】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15断片及び膜貫通ドメインを含み、ここで、当該IL-15断片は、8位、62位、3位、及び/または25位でのアミノ酸置換を含み、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインは、IL-15Rαの膜貫通ドメインである。
【0152】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15断片、膜貫通ドメイン、及び細胞内ドメインを含み、ここで、当該IL-15断片は、8位、62位、3位、及び/または25位でのアミノ酸置換を含み、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインは、CD4、CD3、CD8α、またはCD28の膜貫通ドメインである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ヒンジドメイン、例えば、CD8に由来するヒンジドメインを更に含む。幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、一次細胞内シグナル伝達ドメイン、例えば、CD3ζの細胞内シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、DAP10、CD30、CD40、CD3、LFA-1、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、CD83のリガンド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される共刺激分子に由来する。幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、4-1BBの共刺激シグナル伝達ドメイン及びCD3ζの一次細胞内シグナル伝達ドメインを含む。
【0153】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15断片、膜貫通ドメイン、及び共刺激シグナル伝達ドメインを含み、ここで、当該IL-15断片は、8位、62位、3位、及び/または25位でのアミノ酸置換を含み、アミノ酸残基位置の番号付けは配列番号1に従う。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインは、CD4、CD3、CD8α、またはCD28の膜貫通ドメインである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ヒンジドメイン、例えば、CD8に由来するヒンジドメインを更に含む。幾つかの実施形態では、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、DAP10、CD30、CD40、CD3、LFA-1、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、CD83のリガンド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される共刺激分子に由来する。
【0154】
IL-15ポリペプチドは、異なるドメインの間に配置された1つ以上のペプチドリンカーを含み得る。例えば、IL-15断片及び第2のポリペプチド断片は、ペプチド結合またはペプチドリンカーを介して互いに融合されていてもよい。異なるドメインを連結するペプチドリンカーは、同一であっても異なっていてもよい。各ペプチドリンカーは、個別に最適化されていてもよい。ペプチドリンカーは、任意の好適な長さのものであり得る。幾つかの実施形態では、ペプチドリンカーは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、50アミノ酸長、またはそれ以上のいずれかである。幾つかの実施形態では、ペプチドリンカーは、約50、40、35、30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5アミノ酸長以下、またはそれ以下のいずれかである。幾つかの実施形態では、ペプチドリンカーの長さは、約1アミノ酸~約10アミノ酸、約1アミノ酸~約20アミノ酸、約1アミノ酸~約30アミノ酸、約5アミノ酸~約15アミノ酸、約10アミノ酸~約25アミノ酸、約5アミノ酸~約30アミノ酸、約10アミノ酸~約30アミノ酸長、約30アミノ酸~約50アミノ酸、または約1アミノ酸~約50アミノ酸のいずれかである。
【0155】
ペプチドリンカーは、天然に存在する配列または非天然配列を有し得る。幾つかの実施形態では、ペプチドリンカーは、可動性リンカーである。例示的な可動性リンカーとしては、グリシンポリマー(G)、グリシン-セリンポリマー(例えば、(GS)(配列番号67)、(GSGGS)(配列番号68)、及び(GGGS)(配列番号69)が含まれ、ここで、nは、少なくとも1の整数である)、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー、及び当該技術分野において公知の他の可動性リンカーが挙げられる。幾つかの実施形態では、ペプチドリンカーは、配列番号40または41のアミノ酸配列を有する。
【0156】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドをコードする配列は、上流の推定開始コドンの一部または全ての配列を欠く。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、IL-15のIL-15Rとの結合に影響(例えば、機能的影響)を及ぼさないある特定のアミノ酸変異を含み得る。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ヌクレオチドの変化(例えば、ヌクレオチド置換、欠失、及び/または付加)を含む。幾つかの実施形態では、変異型IL-15ポリペプチドを生じるようにヌクレオチド変化が成熟IL-15配列において発生する。ヌクレオチドの変化は、炎症性サイトカインの過剰産生を伴うことなくIL-15ポリペプチドの基質特異性及び機能(例えば、抗腫瘍効果)の改善をもたらし得る。
【0157】
IL-15及びIL-15の相互作用に関する更なる説明は、一般に当該技術分野において公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれるUS9,389,236、US10,464,993、US9,629,877、EP1777294A1、US10,428,305、US7,998,736、US9,303,080、及びUS9,931,377を参照のこと。
【0158】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドのアミノ酸配列バリアントを含む。例えば、アミノ酸配列バリアントは、IL-15ポリペプチドの結合親和性及び/または他の生物学的性質を調節することが望ましくてもよい。IL-15ポリペプチドのアミノ酸配列バリアントは、IL-15ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に適切な改変を導入することにより、またはペプチド合成により調製され得る。かかる改変としては、例えば、IL-15ポリペプチドのアミノ酸配列からの欠失、及び/またはIL-15ポリペプチドのアミノ酸配列への挿入、及び/またはIL-15ポリペプチドのアミノ酸配列内の残基の置換が挙げられる。最終的な構築物に到達するように、欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせがなされ得、ただし、最終的な構築物は、所望の特徴、例えば、TLR結合活性及び/または炎症促進活性を有する。
【0159】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドのいずれかの配列と比較して1つ以上(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20アミノ酸、またはそれ以上)の保存的置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドのいずれかの配列に対する少なくとも約80%の配列同一性、例えば、少なくとも約85%、87%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性のいずれかを含む。本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドのように、IL-15ポリペプチドバリアントは、同程度の抗腫瘍活性及び低毒性を有する。
【0160】
保存的置換を以下の表Aに示す。
【表A】
【0161】
アミノ酸は、共通の側鎖特性に従って以下の異なるクラスに分類され得る。
a.疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
b.中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
c.酸性:Asp、Glu;
d.塩基性:His、Lys、Arg;
e.鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;
f.芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0162】
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを、別のクラスに交換することを伴う。
【0163】
当業者は、変異誘発、ポリメラーゼ連鎖反応、相同組換え、または当業者に公知の任意の他の遺伝子操作技術が含まれる、任意の好適な方法が関心対象の遺伝子において変異を生じさせるために使用され得ることを理解するであろう。変異は、単一のヌクレオチドが関わってもよく(例えば、DNA配列内の単一ヌクレオチド塩基の除去、付加、または置換を伴う点変異)、または多数のヌクレオチドの挿入または欠失を伴ってもよい。変異は、DNA複製の忠実度のエラーなどの事象の結果として自発的に発生し得るか、または化学的もしくは物理的変異誘発要因への曝露後に誘発され得る。変異は、当業者に周知の特定の標的化方法を使用することにより部位特異的であってもよい。
【0164】
変異誘発の標的とされ得るポリペプチドの残基または領域の同定のための有用な方法は、Cunningham and Wells(1989) Science,244:1081-1085に記載されるように「アラニンスキャニング変異誘発」と称される。この方法では、残基または標的残基群(例えば、荷電残基、例えば、arg、asp、his、lys、及びglu)が同定され、中性アミノ酸または負に荷電したアミノ酸(例えば、アラニンまたはポリアラニン)で置き換えられて、ポリペプチド薬剤のその標的との相互作用(例えば、IL-15バリアント及びIL-15受容体)が影響を受けるかどうかが決定される。更なる置換が最初の置換に対する機能的感受性を示すアミノ酸位置で導入され得る。バリアントは、それらが所望の特性を有するかどうかを決定するためにスクリーニングされ得る。
【0165】
アミノ酸配列挿入としては、長さが1残基~100以上の残基を含有するポリペプチドの範囲のアミノ末端融合及び/またはカルボキシ末端融合、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入が挙げられる。
【0166】
幾つかの実施形態では、ペプチドタグ(通常、利用可能な抗血清または化合物により認識されることが可能な短いペプチド配列)がIL-15ポリペプチドの後の発現及び輸送のために含まれ得る。多種類のタグペプチド、限定されるものではないが、PKタグ、FLAGオクタペプチド、MYCタグ、HISタグ(通常4~10ヒスチジン残基のストレッチ)、及びEタグ(US6,686,152)が本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドに使用され得る。タグペプチド(複数可)は、独立して、タンパク質のN末端、タンパク質のC末端、内部、または幾つかのタグが用いられる場合、これらの位置のいずれかに配置され得る。タグペプチドは、抗タグ抗体を使用する免疫検出アッセイにより検出され得る。
【0167】
遺伝子操作された受容体
上記の改変された免疫細胞のいずれかは、遺伝子操作された受容体を更に発現し得る。例示的な遺伝子操作された受容体としては、限定されるものではないが、CAR、遺伝子操作されたTCR、及びTAC受容体が挙げられる。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、抗原(例えば、腫瘍抗原)に特異的に結合する細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次細胞内シグナル伝達ドメイン及び/または共刺激ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、TCR共受容体の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列によりコードされる。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、プロモーター(例えば、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーター)に作動可能に連結された第2の異種核酸によりコードされる。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、細胞をマイクロ流体システム、例えば、CELL SQUEEZE(登録商標)(例えば、米国特許出願公開第20140287509号を参照のこと)に通すと同時にタンパク質を細胞膜に挿入することにより改変された免疫細胞に導入される。遺伝子操作された受容体は、例えば、改変された免疫細胞を標的化することにより、シグナルを伝達することにより、及び/または改変された免疫細胞の細胞傷害性を増強することにより、改変された免疫細胞の機能を増強し得る。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、遺伝子操作された受容体、例えば、CAR、TCR、またはTAC受容体を発現しない。
【0168】
幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、少なくとも1種の腫瘍抗原を標的とする1つ以上の特異的結合ドメイン、及び1つ以上の細胞内エフェクタードメイン、例えば、1つ以上の一次細胞内シグナル伝達ドメイン及び/または共刺激ドメインを含む。
【0169】
幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。多数のキメラ抗原受容体が当該技術分野において公知であり、本出願の改変された免疫細胞に好適であり得る。例えば、抗体分子の抗原結合断片または抗体可変ドメインを利用することにより、任意の細胞表面マーカーに対する特異性を有するCARも構築され得る。CARを作製するための任意の方法が本明細書において使用され得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、US6,410,319、US7,446,191、US7,514,537、US9765342B2、WO2002/077029、WO2015/142675、US2010/065818、US2010/025177、US2007/059298、WO2017025038A1、及びBerger C.et al.,J.Clinical Investigation 118:1 294-308(2008)を参照のこと。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、CAR-T細胞である。
【0170】
本出願のCARは、少なくとも1種の腫瘍抗原に特異的に結合する少なくとも1つの標的化ドメインを含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CARを有する細胞、例えば、CAR-T細胞の免疫エフェクター機能を促進するシグナルを生成する。「免疫エフェクター機能または免疫エフェクター応答」は、例えば、免疫エフェクター細胞の、標的細胞への免疫攻撃を増強または促進する機能または応答を指す。例えば、免疫エフェクター機能または応答は、標的細胞の殺傷または成長もしくは増殖の阻害を促進するT細胞またはNK細胞の特性を指し得る。例えば、CAR-T細胞における免疫エフェクター機能の例としては、細胞溶解活性(例えば、抗体依存性細胞傷害またはADCC)及びヘルパー活性(例えば、サイトカインの分泌)が挙げられる。幾つかの実施形態では、CARは、免疫エフェクター機能が減弱された細胞内シグナル伝達ドメインを有する。幾つかの実施形態では、CARは、全長かつ野生型のCD3ζを有するCARと比較して約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下、またはそれ以下のいずれかの免疫エフェクター機能(例えば、標的細胞に対する細胞溶解機能)を有する細胞内シグナル伝達ドメイン、及び任意に1つ以上の共刺激ドメインを有する。幾つかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CARを含有する細胞の増殖及び/または生存を促進するシグナルを生成する。幾つかの実施形態では、CARは、CD28、CD137、CD3、CD27、CD40、ICOS、GITR、及びOX40のシグナル伝達ドメインから選択される1つ以上の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。天然に存在する分子のシグナル伝達ドメインは、当該分子の細胞内(すなわち、細胞質内)部分全体、または天然の細胞内シグナル伝達ドメイン全体、またはそれらの断片もしくは誘導体を含み得る。
【0171】
幾つかの実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、一次細胞内シグナル伝達ドメインを含む。「一次細胞内シグナル伝達ドメイン」は、刺激的に作用して、免疫エフェクター機能を誘発する細胞質シグナル伝達配列を指す。幾つかの実施形態では、一次細胞内シグナル伝達ドメインは、免疫受容体活性化チロシンモチーフまたはITAMとして公知であるシグナル伝達モチーフを含む。幾つかの実施形態では、一次細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、共通FcRγ(FCER1G)、FcRβ(FcεRib)、CD79a、CD79b、FcγRIIa、DAP10、及びDAP12からなる群から選択されるタンパク質の機能的シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、一次細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、共通FcRγ(FCER1G)、FcRβ(FcεRib)、CD79a、CD79b、FcγRIIa、DAP10、及びDAP12からなる群から選択されるタンパク質の機能しないかまたは減弱されたシグナル伝達ドメインを含む。機能しないかまたは減弱されたシグナル伝達ドメインは、1つ以上の免疫エフェクター機能、例えば、抗体依存性細胞傷害(ADCC)が含まれる細胞溶解活性またはヘルパー活性を減弱するか、または消失させる点変異、挿入、または欠失を有する変異型シグナル伝達ドメインであり得る。幾つかの実施形態では、CARは、機能しないかまたは減弱されたCD3ζ(すなわち、CD3ζまたはCD3z)シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次細胞内シグナル伝達ドメインを含まない。減弱された一次細胞内シグナル伝達ドメインは、同じ構造を有するが、野生型一次細胞内シグナル伝達ドメインを有するCARと比較して約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下、またはそれ以下のいずれかの免疫エフェクター機能(例えば、標的細胞に対する細胞溶解機能)を誘発し得る。
【0172】
幾つかの実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、1つ以上の(例えば、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のいずれか)共刺激ドメインを含む。「共刺激ドメイン」は、共刺激分子の細胞内部分であり得る。用語「共刺激分子」は、共刺激リガンドに特異的に結合し、これにより、限定されるものではないが、増殖及び生存などの免疫細胞による共刺激応答を媒介する、免疫細胞(例えば、T細胞)上の同族結合パートナーを指す。共刺激分子は、効率的な免疫応答に寄与する抗原受容体またはそれらのリガンド以外の細胞表面分子である。共刺激分子は、以下のタンパク質ファミリーに見受けられ得る:TNF受容体タンパク質、免疫グロブリン様タンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAMタンパク質)、及び活性化NK細胞受容体。共刺激分子としては、限定されるものではないが、MHCクラスI分子、BTLA、及びTollリガンド受容体、ならびにOX40、CD27、CD28、CDS、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、及び4-1BB(CD137)が挙げられる。かかる共刺激分子の更なる例としては、CDS、ICAM-1、GITR、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD160、CD19、CD4、CD8α、CD8β、IL-2Rβ、IL-2Rγ、IL-7Rα、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD11d、ITGAE、CD103、ITGAL、CD11a、LFA-1、ITGAM、CD11b、ITGAX、CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、NKG2D、NKG2C、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、CD19a、及びCD83と特異的に結合するリガンドが挙げられる。
【0173】
幾つかの実施形態では、CARは、単一の共刺激ドメインを含む。幾つかの実施形態では、CARは、2つ以上の共刺激ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、機能的な一次細胞内シグナル伝達ドメイン及び1つ以上の共刺激ドメインを含む。幾つかの実施形態では、CARは、機能的な一次細胞内シグナル伝達ドメイン(例えば、CD3ζ)を含まない。幾つかの実施形態では、CARは、1つ以上の共刺激ドメインからなるか、または本質的にそれからなる細胞内シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、CARは、機能しないかまたは減弱された一次細胞内シグナル伝達ドメイン(例えば、変異型CD3ζ)、及び1つ以上の共刺激ドメインからなるか、または本質的にそれらからなる細胞内シグナル伝達ドメインを含む。標的化ドメインの腫瘍抗原への結合時、CARの共刺激ドメインは、CARを有する遺伝子操作された免疫細胞(例えば、T細胞)の増殖、生存、及び分化の増強のためのシグナルを伝達し得、活性化誘導細胞死を阻害し得る。幾つかの実施形態では、1つ以上の共刺激シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB(すなわち、CD137)、OX40、CD30、CD40、CD3、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、及びCD83に特異的に結合するリガンドからなる群から選択される1つ以上の分子に由来する。
【0174】
幾つかの実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、CD28に由来する共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζの細胞質シグナル伝達ドメイン及びCD28の共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、本出願のキメラ受容体における細胞内シグナル伝達ドメインは、4-1BB(すなわち、CD137)に由来する共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζの細胞質シグナル伝達ドメイン及び4-1BBの共刺激シグナル伝達ドメインを含む。
【0175】
幾つかの実施形態では、CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、CD28の共刺激シグナル伝達ドメイン及び4-1BBの共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζの細胞質シグナル伝達ドメイン、CD28の共刺激シグナル伝達ドメイン、及び4-1BBの共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、N末端からC末端までに、CD28の共刺激シグナル伝達ドメイン、4-1BBの共刺激シグナル伝達ドメイン、及びCD3ζの細胞質シグナル伝達ドメインを含むポリペプチドを含む。
【0176】
幾つかの実施形態では、CARの標的化ドメインは、抗体または抗体断片、例えば、scFv、Fv、Fab、(Fab’)、単一ドメイン抗体(sdAb)、またはVHドメインである。幾つかの実施形態では、CARの標的化ドメインは、腫瘍抗原に特異的に結合するリガンドまたは受容体の細胞外部分である。幾つかの実施形態では、CARの1つ以上の標的化ドメインは、単一の腫瘍抗原に特異的に結合する。幾つかの実施形態では、CARは、2種以上の腫瘍抗原に結合する標的化ドメインを有する二重特異性または多重特異性CARである。幾つかの実施形態では、腫瘍抗原は、GPC3、CD19、BCMA、NY-ESO-1、VEGFR2、MAGE-A3、CD20、CD22、CD33、CD38、CEA、EGFR(例えば、EGFRvIII)、GD2、HER2、IGF1R、メソテリン、PSMA、ROR1、WT1、及び臨床的意義のある他の腫瘍抗原、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、CARは、BCMA、NY-ESO-1、VEGFR2、MAGE-A3、AFP、CD4、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD38、CD70、CD123、CEA、EGFR(例えば、EGFRvIII)、GD2、GPC-2、GPC3、CLDN18.2、HER2、LILRB4、IL-13Rα2、IGF1R、メソテリン、PSMA、ROR1、WT1、NKG2D、CLL1、TGFaRII、TGFbRII、CCR5、CXCR4、CCR4、HPV関連抗原、及びEBV関連抗原(例えば、LMP1またはLMP2)からなる群から選択される標的抗原に特異的に結合する。
【0177】
幾つかの実施形態では、CARは、BCMA CARである。CD269としても公知のB細胞成熟抗原(BCMA)は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーに属する(Thompson et al.,J.Exp.Medicine,192(1):129-135,2000)。ヒトBCMAは、形質細胞において発現され、B細胞活性化因子(BAFF)及び増殖誘導リガンド(APRIL)に結合することができる(例えば、Mackay et al.,2003及びKalled et al.,Immunological Review,204:43-54,2005)。BCMAは、様々ながんに対する免疫療法剤、例えば、CAR-T細胞の標的抗原として使用され得る。従って、抗BCMA抗体(例えば、BCMA単一ドメイン抗体)は、腫瘍細胞に対する細胞傷害効果を増強するために、CAR-T細胞を使用する細胞免疫療法と組み合わせて使用され得る。多種多様な抗原結合ドメイン配列がBCMA CARの標的化ドメインとして使用され得る。例えば、WO2017/025038(その全体が本明細書に組み込まれる)を参照のこと。幾つかの実施形態では、BCMA CARは、N末端からC末端までに、CD8シグナルペプチド(SP)、抗BCMA sdAb、CD8ヒンジ、CD8膜貫通ドメイン、4-1BB細胞内共刺激ドメイン、及びCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、BCMA CARは、N末端からC末端までに、CD8αシグナルペプチド、第1の抗BCMA VHH、任意のリンカー、第2の抗BCMA VHH、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、4-1BB細胞内共刺激ドメイン、及びCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、抗BCMA VHH-VHHドメインは、配列番号23のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、BCMA CARは、配列番号26のアミノ酸配列を含む。
【0178】
幾つかの実施形態では、CARは、CD19 CARである。CD19は、B細胞発生を通して発現されるB細胞表面タンパク質であり、従って、幾つかの種類の白血病及び多数の非ホジキンリンパ腫が含まれる、ほとんど全てのB細胞悪性腫瘍に発現している(Scheuermann RH and Racila E.Leuk Lymphoma.1995;18(5-6):385-397)。ほぼ普遍的な発現及び単一の細胞系列に対する特異性のため、CD19は、CAR改変T細胞療法の魅力的な標的となっている。多種多様な抗原結合ドメイン配列は、CD19 CARの標的化ドメインとして使用され得る。例えば、WO2012/079000(これはその全体が本明細書に組み込まれる)を参照のこと。幾つかの実施形態では、CD19CARは、N末端からC末端までに、CD8αシグナルペプチド、CD19 scFv、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、4-1BB細胞内共刺激ドメイン、及びCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、抗CD19 scFvは、配列番号24のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、CD19 CARは、配列番号27のアミノ酸配列を含む。
【0179】
幾つかの実施形態では、CARは、GPC3 CARである。グリピカン-3(GPC3)は、グリコシルホスファチジルイノシトールアンカーを介して細胞表面に結合しているヘパラン硫酸プロテオグリカンの一群であるグリピカンファミリーに属する。GPC3は、大多数の肝芽腫、ウィルムス腫瘍、横紋筋腫瘍、ある特定の胚細胞腫瘍サブタイプ、及び少数の横紋筋肉腫が含まれる、種々の小児固形胚芽腫に高度に発現している。多種多様な抗原結合ドメイン配列がGPC3 CARの標的化ドメインとして使用され得る。例えば、WO2016/049459(これはその全体が本明細書に組み込まれる)を参照のこと。幾つかの実施形態では、GPC3CARは、N末端からC末端までに、CD8αシグナルペプチド、GPC3 scFv、CD8αヒンジ、CD8α膜貫通ドメイン、4-1BB細胞内共刺激ドメイン、及びCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、抗GPC3 scFvは、配列番号80のアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、GPC3 CARは、配列番号81のアミノ酸配列を含む。
【0180】
幾つかの実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、T細胞受容体のα、β、もしくはζ鎖、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、KIRDS2、OX40、CD2、CD27、LFA-1(CD11a、CD18)、ICOS(CD278)、4-1BB(CD137)、GITR、CD40、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、CD160、CD19、IL-2Rβ、IL-2Rγ、IL-7Ra、ITGA1、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD11d、ITGAE、CD103、ITGAL、CD11a、LFA-1、ITGAM、CD11b、ITGAX、CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、TNFR2、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRT AM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CDIOO(SEMA4D)、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、PAG/Cbp、NKp44、NKp30、NKp46、NKG2D、及び/またはNKG2Cの膜貫通ドメインから選択される膜貫通ドメインを含む。幾つかの実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、CD4、CD3、CD8α、またはCD28の膜貫通ドメインである。幾つかの実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、CD8αの膜貫通ドメインを含む。
【0181】
幾つかの実施形態では、細胞外ドメインは、ヒンジ領域により膜貫通ドメインに連結されている。一実施形態では、ヒンジ領域は、CD8αのヒンジ領域を含む。
【0182】
幾つかの実施形態では、CARは、CD8αSPなどのシグナルペプチドを含む。
【0183】
幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、改変されたT細胞受容体である。幾つかの実施形態では、遺伝子操作されたTCRは、腫瘍抗原に特異的である。幾つかの実施形態では、腫瘍抗原は、GPC3、CD19、BCMA、NY-ESO-1、VEGFR2、MAGE-A3、VEGFR2、MAGE-A3、CD20、CD22、CD33、CD38、CEA、EGFR(例えば、EGFRvIII)、GD2、HER2、IGF1R、メソテリン、PSMA、ROR1、WT1、及び臨床的意義のある他の腫瘍抗原からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、腫瘍抗原は、腫瘍細胞の細胞内タンパク質に由来する。例えば、NY-ESO-1がん精巣抗原、p53腫瘍抑制因子抗原、黒色腫(例えば、MARTI、gp100)、白血病(例えば、WT1、非主要組織適合抗原)、及び乳癌(例えばHER2、NY-BR1)における腫瘍抗原に対するTCRが含まれる、腫瘍抗原(腫瘍関連抗原が含まれる)に特異的な多数のTCRが記載されている。当該技術分野において公知のTCRのいずれかが本出願において使用され得る。幾つかの実施形態では、TCRは、腫瘍抗原に対する増強された親和性を有する。例示的なTCR及び免疫細胞にTCRを導入するための方法は、例えば、US5830755、及びKessels et al.Immunotherapy through TCR gene transfer.Nat.Immunol.2,957-961(2001)に記載されている。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、TCR-T細胞である。
【0184】
TCR受容体複合体は、可変的なTCR受容体α及びβ鎖(γδT細胞の場合、γ及びδ鎖)と、3つの二量体シグナル伝達モジュールであるCD3δ/ε、CD3γ/ε、及びCD247(T細胞表面糖タンパク質CD3ζ鎖)ζ/ζまたはζ/ηとによって形成される八量体複合体である。各サブユニットの膜貫通ドメインにおけるイオン性残基は、複合体をまとめる極性相互作用のネットワークを形成する。TCR複合体は、T細胞におけるシグナル伝達カスケードを活性化する機能を有する。
【0185】
幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、1つ以上のT細胞受容体(TCR)融合タンパク質(TFP)を含む遺伝子操作されたTCRである。例示的なTFPは、例えば、参照により本明細書に組み込まれるUS20170166622A1に記載されている。幾つかの実施形態では、TFPは、TCRα鎖、TCRβ鎖、CD3εTCRサブユニット、CD3γTCRサブユニット、CD3δTCRサブユニット、それらの機能断片、及び少なくとも1つであるが、20以下の改変を有するそれらのアミノ酸配列からなる群から選択されるタンパク質の細胞外ドメインまたはその一部を含む、TCRサブユニットの細胞外ドメインを含む。幾つかの実施形態では、TFPは、TCRα鎖、TCRβ鎖、CD3εTCRサブユニット、CD3γTCRサブユニット、CD3δTCRサブユニット、それらの機能断片、及び少なくとも1つであるが、20以下の改変を有するそれらのアミノ酸配列からなる群から選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む、膜貫通ドメインを含む。幾つかの実施形態では、TFPは、TCRα鎖、TCRβ鎖、TCRζ鎖、CD3εTCRサブユニット、CD3γTCRサブユニット、CD3δTCRサブユニット、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD28、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、それらの機能断片、及び少なくとも1つであるが、20以下の改変を有するそれらのアミノ酸配列からなる群から選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む、膜貫通ドメインを含む。
【0186】
幾つかの実施形態では、TFPは、TCR細胞外ドメインの少なくとも一部、及びCD3εの細胞内シグナル伝達ドメイン由来の刺激ドメインを含むTCR細胞内ドメインを含むTCRサブユニット;ならびに抗原結合ドメインを含み、ここで、当該TCRサブユニット及び当該抗原結合ドメインは、作動可能に連結されており、TFPは、T細胞で発現される場合、TCRに組み込まれる。
【0187】
幾つかの実施形態では、TFPは、TCR細胞外ドメインの少なくとも一部、及びCD3γの細胞内シグナル伝達ドメイン由来の刺激ドメインを含むTCR細胞内ドメインを含むTCRサブユニット;ならびに抗原結合ドメインを含み、ここで、当該TCRサブユニット及び当該抗原結合ドメインは、作動可能に連結されており、TFPは、T細胞で発現される場合、TCRに組み込まれる。
【0188】
幾つかの実施形態では、TFPは、TCR細胞外ドメインの少なくとも一部、及びCD3δの細胞内シグナル伝達ドメイン由来の刺激ドメインを含むTCR細胞内ドメインを含むTCRサブユニット;ならびに抗原結合ドメインを含み、ここで、当該TCRサブユニット及び当該抗原結合ドメインは、作動可能に連結されており、TFPは、T細胞で発現される場合、TCRに組み込まれる。
【0189】
幾つかの実施形態では、TFPは、TCR細胞外ドメインの少なくとも一部、及びTCRαの細胞内シグナル伝達ドメイン由来の刺激ドメインを含むTCR細胞内ドメインを含むTCRサブユニット;ならびに抗原結合ドメインを含み、ここで、当該TCRサブユニット及び当該抗原結合ドメインは、作動可能に連結されており、TFPは、T細胞で発現される場合、TCRに組み込まれる。
【0190】
幾つかの実施形態では、TFPは、TCR細胞外ドメインの少なくとも一部、及びTCRβの細胞内シグナル伝達ドメイン由来の刺激ドメインを含むTCR細胞内ドメインを含むTCRサブユニット;ならびに抗原結合ドメインを含み、ここで、当該TCRサブユニット及び当該抗原結合ドメインは、作動可能に連結されており、TFPは、T細胞で発現される場合、TCRに組み込まれる。
【0191】
幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、T細胞抗原連結体(TAC)受容体である。例示的なTAC受容体は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるUS20160368964A1に記載されている。幾つかの実施形態では、TACは、標的化ドメイン、TCR複合体と会合したタンパク質に特異的に結合するTCR結合ドメイン、及びT細胞受容体シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、標的化ドメインは、腫瘍抗原に特異的に結合する抗体断片、例えば、scFvまたはVHである。幾つかの実施形態では、標的化ドメインは、設計アンキリンリピート(DARPin)ポリペプチドである。幾つかの実施形態では、腫瘍抗原は、GPC3、CD19、BCMA、NY-ESO-1、VEGFR2、MAGE-A3、VEGFR2、MAGE-A3、CD20、CD22、CD33、CD38、CEA、EGFR(例えば、EGFRvIII)、GD2、HER2、IGF1R、メソテリン、PSMA、ROR1、WT1、及び臨床的意義のある他の腫瘍抗原からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、TCR複合体と会合したタンパク質は、CD3、例えば、CD3εである。幾つかの実施形態では、TCR結合ドメインは、一本鎖抗体、例えば、scFvまたはVHである。幾つかの実施形態では、TCR結合ドメインは、UCHT1に由来する。幾つかの実施形態では、TAC受容体は、細胞質ドメイン及び膜貫通ドメインを含む。幾つかの実施形態では、T細胞受容体シグナル伝達ドメインは、TCR共受容体に由来する細胞質ドメインを含む。例示的なTCR共受容体としては、限定されるものではないが、CD4、CD8、CD28、CD45、CD4、CD5、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、及びCD 154が挙げられる。幾つかの実施形態では、TAC受容体は、CD4に由来する膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインを含む。幾つかの実施形態では、TAC受容体は、CD8(例えば、CD8α)に由来する膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインを含む。
【0192】
T細胞共受容体は、T細胞上の膜タンパク質として発現される。それらは、TCR/ペプチド/MHC複合体の安定化をもたらし得、シグナル伝達を促進し得る。T細胞共受容体の2つのサブタイプであるCD4及びCD8は、特定のMHCクラスに対する強い特異性を示す。CD4共受容体は、TCR/MHCII複合体のみを安定化することができる一方で、CD8共受容体は、TCR/MHCI複合体のみを安定化することができる。異なるT細胞種上のCD4及びCD8の差次的発現は、異なるT細胞の機能的亜集団をもたらす。CD8+T細胞は、細胞傷害性T細胞である。
【0193】
CD4は、ヘルパーT細胞、単球、マクロファージ、及び樹状細胞などの免疫細胞の表面に発現される糖タンパク質である。CD4は、細胞外細胞表面に曝露される4つの免疫グロブリンドメイン(D~D)を有する。CD4は、その短い細胞質/細胞内尾部に、CD4尾部がチロシンキナーゼLckを動員し、それと相互作用するのを可能にする特殊なアミノ酸配列を含有する。TCR複合体及びCD4がそれぞれMHCII分子の異なる領域に結合する場合、TCR複合体とCD4との近接性により、LckがCD4の細胞質尾部に結合して、CD3の細胞質ドメインの免疫受容体活性化チロシンモチーフ(ITAM)をチロシンリン酸化することが可能となり、これにより、TCRにより生成されたシグナルが増幅される。
【0194】
CD8は、それぞれが細い軸により膜に連結された免疫グロブリン可変部(IgV)様細胞外ドメイン及び細胞内尾部を含む、2本のα鎖から構成されるホモ二量体(あまり見られない)、または1本のα及び1本のβ鎖から構成されるヘテロ二量体(より一般的)のいずれかの糖タンパク質である。CD8は、主に細胞傷害性T細胞の表面に発現されるが、ナチュラルキラー細胞、皮質胸腺細胞、及び樹状細胞にも見出され得る。CD8細胞質尾部はLckと相互作用し、Lckは、TCRがその特異的抗原に結合すると、細胞質CD3及びTCR複合体のζ鎖をリン酸化する。細胞質CD3及びζ鎖のチロシンリン酸化は、リン酸化カスケードを惹起し、最終的に遺伝子転写をもたらす。
【0195】
幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、2種以上の遺伝子操作された受容体、例えば、CAR、TCR、TAC受容体の任意の組み合わせを発現する。
【0196】
幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞により発現される遺伝子操作された受容体(例えば、CAR、TCR、またはTAC)は、1種以上の腫瘍抗原を標的とする。腫瘍抗原は、免疫応答、特にT細胞により媒介される免疫応答を誘発することができる、腫瘍細胞により産生されるタンパク質である。本開示の標的とされる抗原の選択は、処置される特定の種類のがんに依存する。例示的な腫瘍抗原としては、例えば、神経膠腫関連抗原、癌胎児性抗原(CEA)、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、アルファフェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、チログロブリン、RAGE-1、MN-CAIX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ(prostase)、前立腺特異抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGE-1a、p53、プロステイン、PSMA、HER2/neu、サバイビン、及びテロメラーゼ、前立腺癌腫瘍抗原-1(prostateーcarcinoma tumor antigenー1、PCTA-1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD22、インスリン成長因子(IGF)-I、IGF-II、IGF-I受容体、及びメソテリンが挙げられる。
【0197】
幾つかの実施形態では、腫瘍抗原は、悪性腫瘍に関連する1種以上の抗原性がんエピトープを含む。悪性腫瘍は、免疫攻撃の標的抗原として機能し得る多数のタンパク質を発現する。これらの分子としては、限定されるものではないが、黒色腫におけるMART-1、チロシナーゼ、及びGP100、ならびに前立腺癌における前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)及び前立腺特異抗原(PSA)などの組織特異抗原が挙げられる。他の標的分子は、がん遺伝子HER-2/Neu/ErbB-2などの形質転換関連分子群に属する。標的抗原の更に別の群は、がん胚抗原(CEA)などのがん胎児性抗原である。B細胞リンパ腫では、腫瘍特異的イディオタイプ免疫グロブリンは、個々の腫瘍に固有の実際に腫瘍特異的な免疫グロブリン抗原となる。CD19、CD20、及びCD37などのB細胞分化抗原は、B細胞リンパ腫における標的抗原の別の候補である。
【0198】
幾つかの実施形態では、腫瘍抗原は、腫瘍特異抗原(TSA)または腫瘍関連抗原(TAA)である。TSAは腫瘍細胞に固有であり、身体内の他の細胞には発生しない。TAA関連抗原は腫瘍細胞に固有ではなく、抗原に対する免疫寛容の状態を誘発することができない条件下では正常細胞でも発現される。腫瘍での抗原の発現は、免疫系が抗原に応答することを可能とする条件下で発生し得る。TAAは、免疫系が未成熟であり、応答できない胎児発生中に正常細胞で発現される抗原であり得るか、または正常細胞で非常に低いレベルで通常存在しているが、腫瘍細胞では非常に高いレベルで発現される抗原であり得る。
【0199】
TSAまたはTAA抗原の非限定的な例としては、以下が挙げられる:分化抗原、例えば、MART-1/MelanA(MART-I)、gp100(Pmel 17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2、及び腫瘍特異的多系列抗原、例えば、MAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、pl5;過剰発現された胎児性抗原、例えば、CEA;過剰発現されたがん遺伝子及び変異したがん抑制遺伝子、例えば、p53、Ras、HER-2/neu;染色体転座により生じた固有の腫瘍抗原、例えば、BCR-ABL、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR;ならびにウイルス抗原、例えば、エプスタイン・バーウイルス抗原EBVAならびにヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6及びE7。他の大型のタンパク質ベースの抗原としては、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、RAGE、NY-ESO、pl85erbB2、pl80erbB-3、c-met、nm-23HI、PSA、TAG-72、CA19-9、CA72-4、CAM17.1、NuMa、K-ras、β-カテニン、CDK4、Mum-1、p15、p16、43-9F、5T4、791Tgp72、α-フェトプロテイン、β-HCG、BCA225、BTAA、CA125、CA15-3\CA27.29\BCAA、CA195、CA242、CA-50、CAM43、CD68\P1、CO-029、FGF-5、G250、Ga733\EpCAM、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90\Mac-2結合タンパク質\シクロフィリンC関連タンパク質、TAAL6、TAG72、TLP、及びTPSが挙げられる。
【0200】
核酸
本明細書に記載される改変された免疫細胞は、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチド及び/または遺伝子操作された受容体のいずれかをコードする1種以上の異種の核酸配列(複数可)を含む。
【0201】
本出願の別の態様は、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドのいずれかをコードする核酸配列を含む単離核酸を提供する。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された受容体のいずれかをコードする核酸配列を含む単離核酸が提供される。幾つかの実施形態では、核酸は、DNAである。幾つかの実施形態では、核酸は、RNAである。幾つかの実施形態では、核酸は、直鎖状である。幾つかの実施形態では、核酸は、環状である。
【0202】
IL-15ポリペプチドをコードする核酸配列及び/または遺伝子操作された受容体をコードする核酸は、1つ以上の調節配列に作動可能に連結され得る。コード配列の転写及び/または翻訳を制御する例示的な調節配列は、当該技術分野において公知であり、限定されるものではないが、プロモーター、転写の適切な開始、調節、及び/または終結(例えば、ポリA転写終結配列)、mRNA輸送(例えば、核局在化シグナル配列)、プロセシング(例えば、スプライシングシグナル)、安定性(例えば、イントロンならびに非コード5’及び3’配列)、翻訳(例えば、開始メチオニン、トリパータイトリーダー配列、IRESリボソーム結合部位、シグナルペプチドなど)のための追加のエレメント、ならびにウイルスベクターに挿入断片を導入するための挿入部位が挙げられ得る。幾つかの実施形態では、調節配列は、プロモーター、転写エンハンサー、及び/またはIL-15ポリペプチド及び/または遺伝子操作された受容体の適切な発現を可能にする配列である。
【0203】
用語「調節配列」または「制御配列」は、作動可能に連結されているコード配列の発現に影響を及ぼすDNA配列を指す。かかる調節配列の性質は、宿主生物に応じて異なる。原核生物では、調節配列としては一般に、プロモーター、リボソーム結合部位、及びターミネーターが挙げられる。真核生物では、調節配列としては、プロモーター、ターミネーター、及び場合によっては、エンハンサー、トランス活性化因子、または転写因子が挙げられる。
【0204】
用語「作動可能に連結された」とは、そのように記載された構成要素が、その意図される様式で機能するのを可能にする関係にある並置を指す。コード配列に「作動可能に連結された」調節配列は、コード配列の発現が、調節配列に適合可能な条件下で達成されるようにライゲーションされている。
【0205】
本明細書で使用する場合、「プロモーター」または「プロモーター領域」は、それが作動可能に連結されているDNAまたはRNAの転写を制御するDNAまたはRNAのセグメントを指す。プロモーター領域は、RNAポリメラーゼ認識、結合、及び転写開始に関与する特定の配列を含む。加えて、プロモーターは、RNAポリメラーゼの認識、結合、及び転写開始活性(すなわち、1つ以上の転写因子の結合)を調節する配列を含む。これらの配列は、シス作用性であり得るか、またはトランス作用因子に応答性であり得る。プロモーターは、制御の性質に応じて、構成的または制御性であり得る。制御プロモーターは、誘導性または環境応答性(例えば、pH、嫌気的条件、浸透圧調節物質、温度、光、または細胞密度などの合図に応答する)であり得る。多数のかかるプロモーター配列は、当該技術分野において公知である。例えば、米国特許第4,980,285号;同第5,631,150号;同第5,707,928号;同第5,759,828号;同第5,888,783号;同第5,919,670号、及びSambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Press(1989)を参照のこと。
【0206】
幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドをコードする核酸配列は、第1のプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体をコードする核酸配列は、第2のプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドをコードする核酸配列及び遺伝子操作された受容体をコードする核酸配列は、同じプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドをコードする核酸配列及び遺伝子操作された受容体をコードする核酸配列は、別個のプロモーターに作動可能に連結されている。
【0207】
幾つかの実施形態では、プロモーターは、内在性プロモーターである。例えば、IL-15ポリペプチド及び/または遺伝子操作された受容体をコードする核酸は、CRISPR/Cas9法などの当該技術分野において公知の任意の方法を使用して、改変された免疫細胞のゲノムに内在性プロモーターの下流でノックインされ得る。幾つかの実施形態では、内在性プロモーターは、β-アクチンなどの豊富に存在するタンパク質のプロモーターである。幾つかの実施形態では、内在性プロモーターは、例えば、改変された免疫細胞の内因性活性化シグナルにより誘導可能な誘導性プロモーターである。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞がT細胞である場合、プロモーターは、T細胞活性化依存性プロモーター(例えば、IL-2プロモーター、NFATプロモーター、またはNFκBプロモーター)である。幾つかの実施形態では、プロモーターは、異種プロモーターである。
【0208】
哺乳動物細胞での遺伝子発現のための様々なプロモーターが探索されており、当該技術分野において公知のプロモーターのいずれかが本出願において使用され得る。プロモーターは、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターなどの制御プロモーターに大まかに分類され得る。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチド及び/または遺伝子操作された受容体をコードする異種核酸配列は、構成的プロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチド及び/または遺伝子操作された受容体をコードする異種核酸配列は、誘導性プロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、構成的プロモーターは、IL-15ポリペプチドをコードする核酸配列に作動可能に連結されており、誘導性プロモーターは、遺伝子操作された受容体をコードする核酸配列に作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、構成的プロモーターは、遺伝子操作された受容体をコードする核酸配列に作動可能に連結されており、誘導性プロモーターは、IL-15ポリペプチドをコードする核酸配列に作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、第1の誘導性プロモーターは、IL-15ポリペプチドをコードする核酸配列に作動可能に連結されており、第2の誘導性プロモーターは、遺伝子操作された受容体をコードする核酸配列に作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、第1の誘導性プロモーターは、第1の誘導条件により誘導可能であり、第2の誘導性プロモーターは、第2の誘導条件により誘導可能である。幾つかの実施形態では、第1の誘導条件は、第2の誘導条件と同じである。幾つかの実施形態では、第1の誘導性プロモーター及び第2の誘導性プロモーターは、同時に誘導される。幾つかの実施形態では、第1の誘導性プロモーター及び第2の誘導性プロモーターは、逐次的に誘導され、例えば、第1の誘導性プロモーターが第2の誘導性プロモーターの前に誘導されるか、または第1の誘導性プロモーターが第2の誘導性プロモーターの後に誘導される。
【0209】
構成的プロモーターは、異種遺伝子(導入遺伝子とも称される)が宿主細胞において構成的に発現されることを可能にする。本明細書において意図される例示的な構成的プロモーターとしては、限定されるものではないが、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、ヒト伸長因子-1α(hEF1α)、ユビキチンCプロモーター(UbiC)、ホスホグリセロキナーゼプロモーター(PGK)、シミアンウイルス40初期プロモーター(SV40)、及びCMV初期エンハンサーに連結されたニワトリβ-アクチンプロモーター(CAGG)が挙げられる。導入遺伝子発現の駆動におけるかかる構成的プロモーターの効率は、膨大な数の研究において広く比較されている。幾つかの実施形態では、プロモーターは、hEF1αプロモーターである。
【0210】
幾つかの実施形態では、プロモーターは、誘導性プロモーターである。誘導性プロモーターは、制御プロモーターのカテゴリーに属する。誘導性プロモーターは、1つ以上の条件、例えば、物理的条件、改変された免疫細胞の微小環境、または改変された免疫細胞の生理的状態、誘導因子(例えば、誘導剤)、またはそれらの組み合わせにより誘導され得る。幾つかの実施形態では、誘導条件は、改変された免疫細胞における内因性遺伝子及び/または医薬組成物を投与される対象における内在性遺伝子の発現を誘発しない。幾つかの実施形態では、誘導条件は、以下からなる群から選択される:誘導因子、照射(例えば、電離放射線、光)、温度(例えば、熱)、酸化還元状態、腫瘍環境、及び改変された免疫細胞の活性化状態。
【0211】
幾つかの実施形態では、プロモーターは、誘導因子により誘導される。幾つかの実施形態では、誘導因子は、化合物などの低分子である。幾つかの実施形態では、低分子は、ドキシサイクリン、テトラサイクリン、アルコール、金属、またはステロイドからなる群から選択される。化学誘導性プロモーターは、最も広く探索されている。かかるプロモーターとしては、転写活性が、ドキシサイクリン、テトラサイクリン、アルコール、ステロイド、金属、及び他の化合物などの低分子化学物質の存在または非存在によって調節されるプロモーターが挙げられる。逆テトラサイクリン制御性トランス活性化因子(rtTA)及びテトラサイクリン応答性エレメントプロモーター(TRE)を用いるドキシサイクリン誘導システムが、現在最も確立されたシステムである。WO9429442は、テトラサイクリン応答性プロモーターによる真核細胞における遺伝子発現の厳密な制御を記載している。WO9601313は、テトラサイクリン制御性転写モジュレーターを開示している。更に、Tet-onシステムなどのTet技術が、例えば、TetSystems.comのウェブサイト上に記載されている。公知の化学的に制御されるプロモーターのいずれかが、本出願の治療タンパク質の発現を駆動するために使用され得る。
【0212】
幾つかの実施形態では、誘導因子は、増殖因子、ホルモン、または細胞表面受容体、例えば、腫瘍抗原に特異的に結合するポリペプチドに対するリガンドなどのポリペプチドである。幾つかの実施形態では、ポリペプチドは、改変された免疫細胞により発現される。幾つかの実施形態では、ポリペプチドは、異種核酸中の核酸によりコードされる。多数のポリペプチド誘導因子も当該技術分野において公知であり、それらは本出願における使用に好適であり得る。例えば、エクジソン受容体ベースの遺伝子スイッチ、プロゲステロン受容体ベースの遺伝子スイッチ、及びエストロゲン受容体ベースの遺伝子スイッチは、ステロイド受容体由来のトランス活性化因子を用いる遺伝子スイッチに属する(WO9637609及びWO9738117など)。
【0213】
幾つかの実施形態では、誘導因子は、低分子成分及び1つ以上のポリペプチドの両方を含む。例えば、ポリペプチドの二量体化に依存する誘導性プロモーターが、当該技術分野において公知であり、本出願における使用に好適であり得る。1993年に開発された最初の低分子CIDシステムは、FKBPのホモ二量体化を誘導するために、薬物のFK506の誘導体であるFK1012を使用した。同様の戦略を用いることにより、Wuらは、ラパログ/FKPB-FRB*及びジベレリン/GID1-GAI二量体化依存的遺伝子スイッチを使用することによって、ONスイッチ様式により用量設定可能なCAR-T細胞を成功裡に作製した(C.-Y.Wu et al.,Science 350,aab4077(2015))。他の二量体化依存的スイッチシステムとしては、クーママイシン/GyrB-GyrB(Nature 383(6596):178-81)及びHaXS/Snap-tag-HaloTag(Chemistry and Biology 20(4):549-57)が挙げられる。
【0214】
幾つかの実施形態では、プロモーターは、光誘導性プロモーターであり、誘導条件は光である。哺乳動物細胞における遺伝子発現を調節するための光誘導性プロモーターも当該技術分野において周知である(例えば、Science 332,1565-1568(2011)、Nat.Methods 9,266-269(2012)、Nature 500:472-476(2013)、Nature Neuroscience 18:1202-1212(2015)を参照のこと)。かかる遺伝子調節システムは、(1)DNA結合または(2)DNAに結合したタンパク質への転写活性化ドメインの動員の調節に基づいて2つのカテゴリーに大まかに分類され得る。例えば、青色光(480nm)に応答して、カルシニューリンにより媒介されるNFATの移動をもたらす細胞内カルシウム増加を誘発する、メラノプシンに基づく青色光制御合成哺乳動物転写システムが開発され、哺乳動物細胞において試験された。より最近では、Motta-Menaらが、ヒト細胞株及びゼブラフィッシュ胚における転写開始の、高レベルの青色光感受性制御をもたらす天然に存在するEL222転写因子から開発された新規の誘導性遺伝子発現システムを記載した(Nat.Chem.Biol.10(3):196-202(2014))。更に、Arabidopsis thalianaの光受容体フィトクロムB(PhyB)とフィトクロム相互作用因子6(PIF6)との赤色光誘導性相互作用が、赤色光誘発性遺伝子発現調節のために利用された。更に、紫外線B(UVB)誘導性遺伝子発現システムも開発され、哺乳動物細胞における標的遺伝子転写において有効であることが証明された(Gene and Cell Therapy:Therapeutic Mechanisms and Strategies,Fourth Edition CRC Press,Jan.20th,2015の第25章)。本明細書に記載される光誘導性プロモーターのいずれかが、本出願における治療タンパク質の発現を駆動するために使用され得る。
【0215】
幾つかの実施形態では、プロモーターは、光誘導性分子及び光の組み合わせにより誘導される光誘導性プロモーターである。例えば、化学的誘導因子上の光切断性光ケージド基は、光ケージド基が照射または他の手段により除去されない限り、誘導因子を不活性に保持する。かかる光誘導性分子としては、低分子化合物、オリゴヌクレオチド、及びタンパク質が挙げられる。例えば、ケージドエクジソン、lacオペロンと共に使用するためのケージドIPTG、リボザイムにより媒介される遺伝子発現のためのケージドトヨカマイシン、Tet-onシステムと共に使用するためのケージドドキシサイクリン、及び光媒介性FKBP/FRB二量体化のためのケージドラパログが開発されている(例えば、Curr Opin Chem Biol.16(3-4):292-299(2012)を参照のこと)。
【0216】
幾つかの実施形態では、プロモーターは、放射線誘導性プロモーターであり、誘導条件は、電離放射線などの放射線である。放射線誘導性プロモーターも導入遺伝子発現を制御することが当該技術分野において公知である。遺伝子発現の変化は、細胞の照射時に起こる。例えば、「最初期遺伝子」として公知の遺伝子群は、電離放射により即座に反応し得る。例示的な最初期遺伝子としては、限定されるものではないが、Erg-1、p21/WAF-1、GADD45α、t-PA、c-Fos、c-Jun、NF-κB、及びAP1が挙げられる。最初期遺伝子は、そのプロモーター領域内に放射線応答配列を含む。コンセンサス配列CC(A/T)GGがErg-1プロモーター内に見出されており、血清応答エレメントと称されるか、またはCArGエレメントとして公知である。放射線誘導性プロモーター及び導入遺伝子の組み合わせが集中的に研究されており、治療効果に関して効率的であることが証明されている。例えば、Cancer Biol Ther.6(7):1005-12(2007)及びChapter 25 of Gene and Cell Therapy:Therapeutic Mechanisms and Strategies,Fourth Edition CRC Press,Jan.20th,2015を参照のこと。
【0217】
幾つかの実施形態では、プロモーターは、熱誘導性プロモーターであり、誘導条件は熱である。導入遺伝子発現を駆動する熱誘導性プロモーターも当該技術分野において広く研究されている。Hsp90、Hsp70、Hsp60、Hsp40、Hsp10などが含まれる熱ショックまたはストレスタンパク質(HSP)は、熱または他の物理的及び化学的ストレス下での細胞の保護する重要な役割を果たす。熱ショックタンパク質(HSP)プロモーターならびに増殖停止及びDNA損傷(GADD)153プロモーターが含まれる、幾つかの熱誘導性プロモーターが前臨床試験において試みられている。1985年に最初に記載された、ヒトhsp70B遺伝子のプロモーターは、最も高効率の熱誘導性プロモーターの1つであると考えられる。Huangらは、hsp70B-EGFP、hsp70B-TNFα、及びhsp70B-IL12コード配列の導入後、腫瘍細胞は熱処理時に非常に高い導入遺伝子発現を示したが、熱処理の非存在下では、導入遺伝子の発現は検出されなかったと報告した。そして、腫瘍成長は、IL12導入遺伝子+熱処理群のマウスにおいてインビボで有意に遅延された(Cancer Res.60:3435(2000))。別のグループの科学者は、HSV-tk自殺遺伝子をhsp70Bプロモーターに連結し、マウス乳癌を有するヌードマウスにおいてそのシステムを試験した。腫瘍にhsp70B-HSVtkコード配列を投与し、熱処理したマウスは、非熱処理対照と比較して、腫瘍退縮及び有意な生存率を示した(Hum.Gene Ther.11:2453(2000))。当該技術分野において公知の更なる熱誘導性プロモーターは、例えば、Gene and Cell Therapy:Therapeutic Mechanisms and Strategies,Fourth Edition CRC Press,Jan.20th,2015の第25章に見出され得る。本明細書において検討される熱誘導性プロモーターのいずれかが、本出願の治療タンパク質の発現を駆動するために使用され得る。
【0218】
幾つかの実施形態では、プロモーターは、酸化還元状態により誘導される。酸化還元状態により誘導される例示的なプロモーターとしては、誘導性プロモーター及び低酸素誘導性プロモーターが挙げられる。例えば、Post DEらは、HIF活性腫瘍細胞における導入遺伝子発現を特異的かつ強力に誘導する低酸素誘導性因子(HIF)応答性プロモーターを開発した(Gene Ther.8:1801-1807(2001)、Cancer Res.67:6872-6881(2007))。
【0219】
幾つかの実施形態では、プロモーターは、改変された免疫細胞の内因性活性化シグナルなどの生理的状態により誘導される。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞がT細胞である場合、プロモーターは、改変されたT細胞の内因性活性化シグナルにより誘導されるT細胞活性化依存的プロモーターである。幾つかの実施形態では、改変されたT細胞は、ホルボールミリステートアセテート(PMA)、イオノマイシン、またはフィトヘマグルチニンなどの誘導因子により活性化される。幾つかの実施形態では、改変されたT細胞は、遺伝子操作された受容体(例えば、CAR、TCR、またはTAC)を介した腫瘍細胞上の腫瘍抗原の認識により活性化される。幾つかの実施形態では、T細胞活性化依存的プロモーターは、IL-2プロモーターである。幾つかの実施形態では、T細胞活性化依存的プロモーターは、NFATプロモーターである。幾つかの実施形態では、T細胞活性化依存的プロモーターはNFκBプロモーターである。
【0220】
本明細書に記載される異種核酸配列(複数可)は、1つ以上のタンパク質コード配列及び任意に1つ以上のプロモーターを含む異種遺伝子発現カセットに存在し得る。幾つかの実施形態では、異種遺伝子発現カセットは、単一のタンパク質コード配列を含む。幾つかの実施形態では、異種遺伝子発現カセットは、単一のプロモーターにより駆動される2つ以上のタンパク質コード配列を含む(すなわち、多シストロン性)。幾つかの実施形態では、異種遺伝子発現カセットは、1つ以上の調節配列(例えば、5’UTR、3’UTR、エンハンサー配列、IRES、転写終結配列)、組換え部位、1つ以上の選択マーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子、リポーター遺伝子など)、シグナル配列、またはそれらの組み合わせを更に含む。
【0221】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチド及び/または遺伝子操作された受容体をコードする核酸のいずれかを含むベクターが提供される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドのいずれかをコードする第1の核酸配列、及び本明細書に記載される遺伝子操作された受容体のいずれかをコードする第2の核酸配列を含むベクターが提供される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドをコードする第1の核酸配列は、自己切断可能なリンカー、例えば、P2A、T2A、E2A、またはF2Aペプチドをコードする第3の核酸配列を介して、遺伝子操作された受容体をコードする第2の核酸配列に融合されている。幾つかの実施形態では、P2A配列は、GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号28)である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドのいずれかをコードする第1の核酸配列を含む第1のベクター、及び本明細書に記載される遺伝子操作された受容体のいずれかをコードする第2の核酸配列を含む第2のベクターを含む組成物が提供される。
【0222】
幾つかの実施形態では、CAR(例えば、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CAR)をコードする第1の核酸配列、及びIL-15ポリペプチド(例えば、分泌型または膜結合型IL-15ポリペプチド)をコードする第2の核酸配列を含むベクターであって、当該第1の核酸配列が、P2Aなどの自己切断可能なリンカーをコードする第3の核酸配列を介して当該第2の核酸配列に融合されている、当該ベクターが提供される。幾つかの実施形態では、ベクターは、配列番号29~39、42~49、57~66、75~77、及び82~84からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。
【0223】
「ベクター」は、単離された核酸を含み、当該単離された核酸を細胞の内部に送達するために使用され得る物質の組成物である。限定されるものではないが、直鎖状ポリヌクレオチド、イオン性または両親媒性化合物と会合したポリヌクレオチド、プラスミド、及びウイルスが含まれる、多数のベクターが当該技術分野において公知である。一般に、好適なベクターは、少なくとも1種の生物において機能する複製開始点、プロモーター配列、便利な制限エンドヌクレアーゼ部位、及び1つ以上の選択マーカーを含有する。また用語「ベクター」は、細胞への核酸の導入を容易にする非プラスミド及び非ウイルスの化合物、例えば、ポリリジン化合物、リポソームなどを包含するようにも解釈されるべきである。
【0224】
幾つかの実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。ウイルスベクターの例としては、限定されるものではないが、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、ワクシニアベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、及びそれらの誘導体が挙げられる。ウイルスベクター技術は、当該技術分野において周知であり、例えば、Sambrook et al.(2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York)、ならびに他のウイルス学及び分子生物学のマニュアルに記載されている。
【0225】
多数のウイルスベースのシステムが、哺乳動物細胞への遺伝子導入のために開発されてきた。例えば、レトロウイルスは、遺伝子送達システムに便利なプラットフォームを提供する。異種核酸は、当該技術分野において公知の技術を使用してベクターに挿入され得、レトロウイルス粒子にパッケージングされ得る。次いで、組換えウイルスが単離され得、インビボまたはエクスビボで改変された免疫細胞に送達され得る。多数のレトロウイルス系が当該技術分野において公知である。幾つかの実施形態では、アデノウイルスベクターが使用される。幾つかの実施形態では、レンチウイルスベクターが使用される。幾つかの実施形態では、自己不活性化レンチウイルスベクターが使用される。例えば、自己不活性化レンチウイルスベクターは、当該技術分野において公知のプロトコールを用いてパッケージングされ得る。得られるレンチウイルスベクターは、当該技術分野において公知の方法を使用して哺乳動物細胞(例えば、ヒトT細胞)に形質導入するために使用され得る。
【0226】
幾つかの実施形態では、ベクターは、プラスミドなどの非ウイルスベクター、またはエピソーム発現ベクターである。
【0227】
幾つかの実施形態では、ベクターは、発現ベクターである。「発現ベクター」は、選択された宿主を形質転換するために使用され得る構築物であり、選択された宿主におけるコード配列の発現をもたらす。発現ベクターは、例えば、クローニングベクター、バイナリーベクター、または組込み型ベクターであり得る。発現は、核酸分子の、好ましくは翻訳可能なmRNAへの転写を含む。真核細胞における発現を確実にする調節エレメントが当業者に公知である。真核細胞の場合、発現ベクターは通常、転写の開始を確実にするプロモーター、ならびに所望により、転写終結及び転写物の安定化を確実にするポリAシグナルを含む。真核宿主細胞における発現を可能にする調節エレメントの例は、酵母におけるAOX1もしくはGAL1プロモーター、または哺乳動物細胞及び他の動物細胞におけるCMVプロモーター、SV40プロモーター、RSVプロモーター(ラウス肉腫ウイルス)、CMVエンハンサー、SV40エンハンサー、もしくはグロビンイントロンである。更に、使用される発現系に応じて、ポリペプチドを細胞内区画へ方向付けるか、またはそれを培地中に分泌することができるリーダー配列(すなわち、シグナルペプチド)が、記載される核酸配列のコード配列に付加され得、それらは当該技術分野において周知である。リーダー配列(複数可)は、翻訳開始及び終結配列、ならびに好ましくは、翻訳されたタンパク質またはその一部の細胞周辺腔または細胞外培地中への分泌を方向付けることができるリーダー配列と共に適切な段階でアセンブルされる。所望により、核酸配列は、所望の特性、例えば、発現された組換え産物の安定化または精製の単純化をもたらすN末端識別ペプチドを含む融合タンパク質をコードし得る。好適な発現ベクター、例えば、Okayama-Berg cDNA発現ベクターpcDV1(Pharmacia)、pEF-Neo、pCDM8、pRc/CMV、pcDNA1、pcDNA3(Invitrogen)、pEF-DHFR及びpEF-ADA(Raum et al.,Cancer Immunol Immunother(2001) 50(3),141-150)、またはpSPORT1(GIBCO BRL)が当該技術分野において公知である。
【0228】
調製方法
本出願は、本明細書に記載される改変された免疫細胞のいずれかを調製する方法も提供する。
【0229】
幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞を作製する方法であって、本明細書に記載されるIL-15ポリペプチドのいずれかをコードする第1の核酸配列を前駆体免疫細胞に導入することを含む、当該方法が提供される。幾つかの実施形態では、前駆体免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、及びγδT細胞からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、前駆体免疫細胞は、細胞傷害性T細胞である。幾つかの実施形態では、前駆体免疫細胞は、γδT細胞である。幾つかの実施形態では、前駆体免疫細胞は、腫瘍浸潤性T細胞またはDC活性化T細胞である。幾つかの実施形態では、前駆体免疫細胞は、本明細書に記載される遺伝子操作された受容体のいずれかを含む。幾つかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載される遺伝子操作された受容体のいずれかをコードする第2の核酸を前駆体免疫細胞に導入することを更に含む。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、改変されたT細胞受容体(TCR)である。幾つかの実施形態では、遺伝子操作された受容体は、T細胞抗原連結体(TAC)受容体である。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、別個のプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、第1の核酸及び第2の核酸は、同じベクターに存在する。幾つかの実施形態では、第1の核酸及び第2の核酸は、別個のベクターに存在する。幾つかの実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、及びそれらの派生物からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、ベクターは、非ウイルスベクターである。幾つかの実施形態では、ベクターは、エピソーム発現ベクターである。幾つかの実施形態では、本方法は、第1の核酸配列及び/または第2の核酸配列を含む免疫細胞を単離または濃縮することを更に含む。幾つかの実施形態では、本方法は、改変された免疫細胞を少なくとも1種の薬学的に許容される担体と共に製剤化することを更に含む。
【0230】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される核酸またはベクターのいずれかを含む単離宿主細胞が提供される。宿主細胞は、IL-15ポリペプチド及び/または遺伝子操作された受容体、IL-15ポリペプチド及び/または遺伝子操作された受容体をコードする核酸またはベクターの発現またはクローニングに有用であり得る。好適な宿主細胞としては、限定されるものではないが、原核細胞、真菌細胞、酵母細胞、または高等真核細胞、例えば、哺乳動物細胞が挙げられ得る。幾つかの実施形態では、宿主細胞は、第1のポリペプチドをコードする第1のベクター及び第2のポリペプチドをコードする第2のベクターを含む。幾つかの実施形態では、宿主細胞は、第1のポリペプチド及び第2のポリペプチドをコードする単離された核酸を含む単一のベクターを含む。
【0231】
前駆体免疫細胞は、当該技術分野において公知の種々の方法を使用して調製され得る。例えば、T細胞などの初代免疫細胞は、末梢血単核細胞、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位由来の組織、腹水、胸水、脾臓組織、及び腫瘍が含まれる、多数の供給源から取得され得る。幾つかの実施形態では、免疫細胞(例えば、T細胞)は、当該技術分野において公知の多数の技術、例えば、FICOLL(商標)分離を使用して、個体から採取された血液単位から取得され得る。幾つかの実施形態では、個体の循環血液由来の細胞がアフェレーシスにより取得される。アフェレーシス生成物は、通常、T細胞、単球、顆粒球、B細胞が含まれるリンパ球、他の有核白血球、赤血球、及び血小板を含有する。幾つかの実施形態では、アフェレーシスにより採取された細胞は、血漿分画を除去するために、及びその後の処理ステップのために細胞を適切な緩衝液または培地中に入れるために洗浄され得る。幾つかの実施形態では、細胞は、リン酸緩衝食塩水(PBS)、またはカルシウム及びマグネシウムなどの二価カチオンを欠く洗浄溶液で洗浄される。当業者により容易に理解されるように、洗浄ステップは、当業者に公知の方法によって、例えば、半自動「フロースルー」遠心分離機(例えば、Cobe 2991細胞処理装置、Baxter CytoMate、またはHaemonetics Cell Saver 5)を製造者の使用説明書に従って使用することによって達成され得る。洗浄後、細胞は、例えば、Ca2+非含有、Mg2+非含有のPBS、PlasmaLyte Aなどの種々の生体適合性の緩衝剤、または緩衝剤を含有もしくは非含有の他の生理食塩液中に再懸濁され得る。あるいは、アフェレーシス試料の望ましくない成分が除去され得、細胞が培養培地中に直接再懸濁され得る。
【0232】
幾つかの実施形態では、初代T細胞は、赤血球を溶解し、単球を枯渇させることによって、例えば、PERCOLL(商標)勾配遠心分離または向流遠心エルトリエーションによって、末梢血リンパ球から単離される。T細胞の特定の亜集団、例えば、CD3、CD28、CD4、CD8、CD45RA、及びCD45RO細胞は、ポジティブまたはネガティブセレクション技術により更に単離され得る。例えば、一実施形態では、T細胞は、抗CD3/抗CD28(すなわち、3×28)コンジュゲートビーズ、例えば、DYNABEADS(登録商標) M-450 CD3/CD28 Tと共に、所望のT細胞のポジティブセレクションに十分な時間にわたってインキュベートすることによって単離される。
【0233】
幾つかの実施形態では、T細胞集団は、ネガティブセレクションされる細胞に固有の表面マーカーに対して指向された抗体の組合せを使用するネガティブセレクションにより更に濃縮され得る。例えば、1つの方法は、ネガティブセレクションされる細胞に存在する細胞表面マーカーに対して指向されたモノクローナル抗体カクテルを使用するネガティブ磁気免疫付着またはフローサイトメトリーによる細胞選別及び/または細胞選択を含む。例えば、ネガティブセレクションによりCD4細胞を濃縮するためのモノクローナル抗体カクテルは、通常、CD14、CD20、CD11b、CD16、HLA-DR、及びCD8に対する抗体を含む。ある特定の実施形態では、CD4、CD25、CD62Lhi、GITR、及びFoxP3を典型的に発現する制御性T細胞を濃縮するか、またはポジティブセレクションすることが望ましくてもよい。あるいは、ある特定の実施形態では、制御性T細胞は、抗CD25コンジュゲートビーズまたは他の類似の選択方法により枯渇される。
【0234】
ベクターまたは核酸を宿主細胞(例えば、前駆体免疫細胞)に導入する方法は、当該技術分野において公知である。ベクターまたは核酸は、物理的、化学的、または生物学的方法により宿主細胞に導入され得る。
【0235】
ベクター(複数可)または核酸(複数可)を宿主細胞に導入するための物理的方法としては、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション、微粒子銃、マイクロインジェクション、エレクトロポレーションなどが挙げられる。ベクター及び/または外来性核酸を含む細胞を作製するための方法は、当該技術分野において周知である。例えば、Sambrook et al.(2001) Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New Yorkを参照のこと。幾つかの実施形態では、ベクターは、エレクトロポレーションにより細胞に導入される。
【0236】
ベクター(複数可)または核酸(複数可)を宿主細胞に導入するための生物学的方法としては、DNA及びRNAベクターの使用が挙げられる。ウイルスベクターは、哺乳動物、例えば、ヒト細胞に遺伝子を挿入するための最も広く使用されている方法となっている。
【0237】
ベクター(複数可)または核酸(複数可)を宿主細胞に導入するための化学的手段としては、コロイド分散系、例えば、高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、ならびに水中油型エマルション、ミセル、混合ミセル、及びリポソームが含まれる脂質ベースの系が挙げられる。インビトロで送達媒体として使用される例示的なコロイド系は、リポソーム(例えば、人工膜小胞)である。
【0238】
幾つかの実施形態では、形質導入または形質移入された前駆体免疫細胞は、異種核酸(複数可)の導入後にエクスビボで増殖される。幾つかの実施形態では、形質導入または形質移入された前駆体免疫細胞は、増殖させるために、少なくとも約1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、または14日のいずれかにわたって培養される。幾つかの実施形態では、形質導入または形質移入された前駆体免疫細胞は、約1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、または14日以下のいずれかにわたって培養される。幾つかの実施形態では、形質導入または形質移入された前駆体免疫細胞は、改変された免疫細胞を選択するために、更に評価またはスクリーニングされる。
【0239】
レポーター遺伝子は、遺伝子導入された可能性のある細胞を同定するため、及び調節配列の機能を評価するために使用され得る。一般に、レポーター遺伝子は、レシピエント生物または組織に存在しないか、またはそれらによって発現されない遺伝子であり、幾つかの容易に検出可能な特性、例えば、酵素活性によってその発現が明らかとなるポリペプチドをコードする遺伝子である。レポーター遺伝子の発現は、DNAがレシピエント細胞に導入された後の好適な時点で試験される。好適なレポーター遺伝子としては、ルシフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、分泌型アルカリホスファターゼをコードする遺伝子、または緑色蛍光タンパク質遺伝子が挙げられ得る(例えば、Ui-Tei et al., FEBS Letters 479:79-82(2000))。
【0240】
前駆体免疫細胞における異種核酸(複数可)の存在を確認するための他の方法としては、例えば、当業者に周知の分子生物学的アッセイ、例えば、サザンブロット及びノーザンブロット法、RT-PCR、及びPCR;生化学アッセイ、例えば、免疫学的方法(例えば、ELISA及びウェスタンブロット)による特定のペプチドの存在または非存在の検出が挙げられる。
【0241】
III.処置方法
本出願の一態様は、個体の疾患または状態(例えば、がん)を処置する方法であって、有効量の本明細書に記載される改変された免疫細胞のいずれかを当該個体に投与することを含む、当該方法に関する。本出願は、単独または別の治療法との任意の組み合わせのいずれかで、かつ少なくとも幾つかの態様では、薬学的に許容される担体または賦形剤と共に投与され得る改変された免疫細胞を意図する。幾つかの実施形態では、投与前に、改変された免疫細胞は、当該技術分野において周知の好適な薬学的担体及び賦形剤と組み合わされ得る。
【0242】
幾つかの実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるがん(例えば、固形癌)を処置する方法であって、改変された免疫細胞(例えば、NK細胞)及び薬学的に許容される担体を含む有効量の医薬組成物を当該個体に投与することを含み、当該改変された免疫細胞が、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列を含み、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、当該方法が提供される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、分泌型である。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、膜結合型である。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、遺伝子操作された受容体、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)、遺伝子操作されたTCR、またはT細胞抗原連結体(TAC)受容体を更に含む。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じベクターまたは別個のベクターに存在する。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じプロモーターまたは別個のプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0243】
幾つかの実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるがん(例えば、固形癌)を処置する方法であって、改変された免疫細胞(例えば、NK細胞)及び薬学的に許容される担体を含む有効量の医薬組成物を当該個体に投与することを含み、当該改変された免疫細胞が、IL-15断片及び第2のポリペプチド断片を含む融合タンパク質であるIL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列を含み、ここで、当該IL-15ポリペプチドが、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含み、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、当該方法が提供される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、第2のポリペプチド断片は、IL-15Rα、IL-15Rαの細胞外ドメイン、IL-15Rαのスシドメイン、IL-15Rαの膜貫通ドメイン、IL-15Rβ、共通γ鎖(γc)、遺伝子操作された受容体(例えば、CAR、TCR、またはTAC)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、遺伝子操作された受容体、例えば、CAR、遺伝子操作されたTCR、またはTAC受容体をコードする第2の異種核酸配列を更に含む。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じベクターまたは別個のベクターに存在する。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じプロモーターまたは別個のプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0244】
幾つかの実施形態では、個体(例えば、ヒト)におけるがん(例えば、固形癌)を処置する方法であって、改変された免疫細胞(例えば、NK細胞)及び薬学的に許容される担体を含む有効量の医薬組成物を当該個体に投与することを含み、当該改変された免疫細胞が、膜貫通ドメインを含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列を含み、当該IL-15ポリペプチドが、8位、62位、3位、及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含み、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、当該方法が提供される。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、62位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、62位でのアミノ酸置換は、T62Gである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号7を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、8位でのアミノ酸置換は、D8Eである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号5を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、3位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、3位でのアミノ酸置換は、V3Yである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号78を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、25位でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25E及びL25Fからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、25位でのアミノ酸置換は、L25Fである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79に対する少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のいずれか)の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、配列番号79を含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、8位及び62位の両方でのアミノ酸置換を含む。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインは、IL-15Rαの膜貫通ドメインである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、細胞内ドメインを更に含む。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、(a)抗原結合ドメイン;(b)IL-15断片;(c)膜貫通ドメイン;及び(d)細胞内ドメインを含む。幾つかの実施形態では、抗原結合ドメインは、IL-15断片のN末端に存在する。幾つかの実施形態では、抗原結合ドメインは、IL-15断片のC末端に存在する。幾つかの実施形態では、膜貫通ドメインは、CD4、CD3、CD8α、またはCD28の膜貫通ドメインである。幾つかの実施形態では、IL-15ポリペプチドは、ヒンジドメイン、例えば、CD8に由来するヒンジドメインを更に含む。幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、一次細胞内シグナル伝達ドメイン、例えば、CD3ζの細胞内シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、細胞内ドメインは、共刺激シグナル伝達ドメインを含む。幾つかの実施形態では、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD27、CD28、4-1BB、OX40、DAP10、CD30、CD40、CD3、LFA-1、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、CD83のリガンド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される共刺激分子に由来する。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、遺伝子操作された受容体、例えば、CAR、遺伝子操作されたTCR、またはTAC受容体をコードする第2の異種核酸配列を更に含む。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じベクターまたは別個のベクターに存在する。幾つかの実施形態では、第1の核酸配列及び第2の核酸配列は、同じプロモーターまたは別個のプロモーターに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、改変された免疫細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、γδT細胞、腫瘍浸潤性T細胞、及びDC活性化T細胞からなる群から選択される。
【0245】
幾つかの実施形態では、がんを処置する方法は、以下の生物学的作用のうちの1つ以上を有する:(1)がん細胞の殺傷;(2)がん細胞の増殖の阻害;(3)末梢T細胞の再分布の誘発;(4)腫瘍における免疫応答の誘発;(5)腫瘍サイズの低減;(6)がんを有する個体における1つ以上の症状の軽減;(7)腫瘍転移の阻害;(8)生存の延長;(9)がん進行までの時間の延長;(10)がん再発の可能性の予防、阻害、または低減;(11)個体の生活の質の改善;(12)腫瘍におけるT細胞浸潤の促進、及び(13)転移(例えば、リンパ節への転移)の発生の低減または既に存在する腫瘍転移負荷の低減。幾つかの実施形態では、本方法は、少なくとも約40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上のいずれかの腫瘍細胞死率を達成する。幾つかの実施形態では、本方法は、腫瘍サイズを少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかが含まれる)低減する。幾つかの実施形態では、本方法は、転移を少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかが含まれる)阻害する。幾つかの実施形態では、本方法は、個体の生存を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24ヶ月、またはより長期間のいずれかの期間延長する。幾つかの実施形態では、本方法は、がん進行までの時間を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24ヶ月、またはより長期間のいずれかの期間延長する。
【0246】
本明細書に記載される方法は、固形がん及び液性がんの両方が含まれる、種々のがんを処置するのに好適である。本方法は、早期がん、非転移性がん、原発がん、進行がん、局部進行がん、転移性がん、または寛解状態のがんが含まれる、あらゆるステージのがんに適用可能である。本明細書に記載される方法は、第1の治療法として、第2の治療法として、第3の治療法として、または当該技術分野において公知の他の種類のがん治療、例えば、化学療法、外科手術、ホルモン療法、放射線、遺伝子治療、免疫療法(例えば、T細胞療法)、骨髄移植、幹細胞移植、標的療法、寒冷療法、超音波療法、光線力学療法、高周波アブレーションなどとの併用療法として、アジュバント療法もしくはネオアジュバント療法(すなわち、本方法は、一次/根治療法の前に実行され得る)として使用され得る。幾つかの実施形態では、本方法は、以前に処置されたことがある個体を処置するために使用される。幾つかの実施形態では、がんは、前治療に対して治療抵抗性であった。幾つかの実施形態では、本方法は、以前に処置されていない個体を処置するために使用される。
【0247】
幾つかの実施形態では、個体は、低腫瘍量を有する。固形腫瘍の腫瘍量は、固形がん効果判定基準(RECIST)1.1ガイドラインに従って測定され得る。Eisenhauer EA et al.,European Journal of Cancer 45(2009) 228-247を参照のこと。例えば、腫瘍量は、測定可能な腫瘍について、処置のベースライン時に以下に基づいて評価され得る:(1)腫瘍性病変(例えば、CTスキャン、臨床検査でのカリパス測定、及び/または胸部X線による)、及び(2)悪性リンパ節。例えば、固形がんの腫瘍量は、臓器につき最大2つでの5つの標的病変の直径の合計として定量され得る。液性がんの腫瘍量は、Cheson 2007基準に従って放射線科医により評価される最大6つの指標病変の直径の積和として測定され得る。Cheson BD et al.,J.Clin.Oncol.,2007;25(5):579-586を参照のこと。幾つかの実施形態では、低腫瘍量を有する個体は、約4×10、3×10、2×10、1×10、5×10、2×10、1×10mm以下、またはそれ以下のいずれかの腫瘍量を有する。
【0248】
幾つかの実施形態では、個体は、処置を受けた後にグレード3またはグレード4の有害な副作用を示さない。有害事象のグレーディングは、有害事象共通用語規準v3.0(CTCAE)に従う。幾つかの実施形態では、個体は、処置を受けた後にサイトカインストームを示さない。
【0249】
本明細書に記載される方法において投与される改変された免疫細胞の有効量は、処置されるがんの特定の種類及びステージ、投与経路、IL-15ポリペプチド及び/または遺伝子操作された受容体の活性などの多数の因子に依存する。適切な投与レジメンは、患者のサイズ、体表面積、年齢、投与される特定の化合物、性別、投与時間及び投与経路、健康状態、ならびに同時に投与される他の薬物が含まれる、臨床学的因子に基づいて医師により決定され得る。幾つかの実施形態では、医薬組成物の有効量は、医薬組成物が個体に投与される場合に、毒物学的効果(すなわち、臨床的に許容されるレベルの毒性を超える効果)を誘発するレベル未満であるか、または潜在的な副作用が制御され得るか、もしくは許容され得るレベルである。幾つかの実施形態では、医薬組成物の有効量は、約10~約1010個の改変された免疫細胞を含む。
【0250】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、1回投与される(例えば、ボーラス注射)。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、複数回(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、またはそれ以上のいずれか)投与される。複数回投与の場合、それらは同じ経路または異なる経路により実行され得、同じ部位または別の部位で行われ得る。医薬組成物は、毎日から年1回までなどの好適な頻度で投与され得る。特定の患者に最適な用量及び処置レジメンは、疾患の兆候について当該患者をモニタリングし、それに応じて処置を調整することによって、医薬分野の当業者により容易に決定され得る。
【0251】
幾つかの実施形態では、処置される個体は、哺乳動物である。哺乳動物の例としては、限定されるものではないが、ヒト、サル、ラット、マウス、ハムスター、モルモット、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウシなどが挙げられる。幾つかの実施形態では、個体は、ヒトである。
【0252】
医薬組成物
本明細書に記載される改変された免疫細胞のいずれか、及び任意の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が本出願により更に提供される。
【0253】
本出願の医薬組成物は、任意の数の改変された免疫細胞を含み得る。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、単一コピーの改変された免疫細胞を含む。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約1コピー、10コピー、100コピー、1000コピー、10コピー、10コピー、10コピー、10コピー、10コピー、またはそれ以上のいずれかの改変された免疫細胞を含む。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、単一種類の改変された免疫細胞を含む。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも2種類の改変された免疫細胞を含み、ここで、異なる種類の改変された免疫細胞は、細胞供給源、細胞種、発現されるキメラ受容体、及び/またはプロモーターなどが異なる。
【0254】
本明細書で使用する場合、「担体」としては、用いられる投与量及び濃度で曝露される細胞または個体に対して無毒性である、薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤が挙げられる。多くの場合、生理学的に許容される担体は、pH緩衝水溶液である。好適な薬学的担体の例は、当該技術分野において周知であり、リン酸緩衝生理食塩水、水、油/水エマルションなどのエマルション、様々な種類の湿潤剤、滅菌溶液などが挙げられる。許容可能な担体、賦形剤、または安定剤は、用いられる投与量及び濃度でレシピエントに対して無毒性である。
【0255】
かかる担体を含む医薬組成物は、周知の従来の方法により製剤化され得る。溶媒または希釈剤は、好ましくは等張性、低張性、またはわずかに高張性であり、比較的低いイオン強度を有する。代表的な例としては、滅菌水、生理的食塩水(例えば、塩化ナトリウム)、リンガー液、グルコース、トレハロース、またはサッカロース溶液、ハンク溶液、及び他の生理的に平衡化された塩水溶液が挙げられる(例えば、最新版のRemington:The Science and Practice of Pharmacy,A.Gennaro,Lippincott,Williams&Wilkinsを参照のこと)。
【0256】
本明細書に記載される医薬組成物は、任意の好適な経路により投与され得る。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、非経口投与、経皮(真皮に)投与、管腔内投与、動脈内(動脈に)投与、筋肉内(筋肉に)投与、クモ膜下腔内投与、または静脈内投与され得る。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、皮下(皮膚下に)投与される。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内投与される。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、注入または注射により個体に投与される。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、標的部位に直接投与され、例えば、微粒子銃送達により内部もしくは外部の標的部位に、またはカテーテルにより動脈内の部位に直接投与される。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、例えば、腫瘍内に局所投与される。投与は、従来のシリンジ及び針、または対象への活性薬剤(複数可)の送達を促進もしくは改善することができる当該技術分野において利用可能な任意の化合物もしくはデバイスを使用し得る。
【0257】
非経口投与用の調製物としては、無菌の水溶液または非水溶液、懸濁液、及びエマルションが挙げられる。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えば、オリーブ油、及び注射可能有機エステル、例えば、オレイン酸エチルなどである。水性担体としては、水、アルコール溶液/水溶液、エマルションまたは懸濁液が挙げられ、生理食塩水及び緩衝媒質が含まれる。非経口ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸リンゲル液、または不揮発性油が挙げられる。静脈内ビヒクルとしては、体液及び栄養補充液、電解質補充液(例えば、リンゲルデキストロースをベースとしたもの)などが挙げられる。防腐剤及び他の添加物、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、及び不活性ガスなども存在し得る。加えて、本開示の医薬組成物は、例えば、好ましくはヒト起源の血清アルブミンまたは免疫グロブリンのようなタンパク質性担体を含み得る。凍結形態、液体形態、または凍結乾燥形態のいずれかの様々なウイルス製剤が当該技術分野において利用可能である(例えば、WO98/02522、WO01/66137、WO03/053463、WO2007/056847、及びWO2008/114021など)。固体組成物(例えば、乾燥粉末組成物または凍結乾燥組成物)は、真空乾燥及び凍結乾燥を含むプロセスにより得られ得る(例えば、WO2014/053571を参照のこと)。本開示の医薬組成物は、本明細書に記載される改変された免疫細胞に加えて、医薬組成物の使用目的に応じて、更なる生物活性物質を含み得ることが想定される。
【0258】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、好適には、ヒトへの使用のために緩衝処理される。好適な緩衝液としては、限定されるものではないが、生理的pHまたはわずかに塩基性のpH(例えば、pH約7~pH約9)を維持することができるリン酸塩緩衝液(例えば、PBS)、重炭酸緩衝液、及び/またはTris緩衝液が挙げられる。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、グリセロールなどの好適な浸透圧調節剤の添加により血液と等張になるようにも製造され得る。
【0259】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、単回使用バイアル、例えば、密封された単回使用バイアルに収容される。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、複数回使用バイアルに収容される。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、まとめて容器に収容される。
【0260】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、個体への投与のためのある特定の基準を満たしていなければならない。例えば、米国食品医薬品局は、21 CFR 610及び21 CFR 610.13が含まれる、細胞ベースの免疫療法製品の基準を設定する規制ガイドラインを発行している。医薬組成物の外観、同一性、純度、安全性、及び/または効力を評価するための方法は、当技術分野において公知である。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、アレルギー効果を引き起こすことができる外来性タンパク質、例えば、改変された免疫細胞以外の細胞培養に使用される動物源のタンパク質を実質的に含まない。幾つかの実施形態では、「実質的に含まない」とは、医薬組成物の総容量または総重量の約10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、1ppm未満、またはそれ以下のいずれかである。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、GMP水準の工場で調製される。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、非経口投与について約5EU/kg体重/hr未満のエンドトキシンを含む。幾つかの実施形態では、静脈内投与について、医薬組成物中の改変された免疫細胞の少なくとも約70%が生存している。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、米国薬局方(USP)に記載されている14日間の直接接種試験法を使用して評価される場合に、「増殖なし」の結果を示す。幾つかの実施形態では、医薬組成物の投与前に、改変された免疫細胞及び薬学的に許容される賦形剤の両方を含む試料が、最終的な回収のおよそ48~72時間前に(または培養物への最後のリフィードと同時に)無菌試験のために採取されなければならない。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、マイコプラズマ汚染がない。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、検出可能な微生物因子を含まない。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、感染症病原体、例えば、HIV I型、HIV II型、HBV、HCV、ヒトTリンパ球向性ウイルスI型、及びヒトTリンパ球向性ウイルスII型を含まない。
【0261】
IV.キット及び製造物品
改変された免疫細胞または本明細書に記載される組成物(例えば、医薬組成物)のいずれかを含むキット、製剤、及び製造物品も提供される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物のいずれかを含み、好ましくは、その使用のための使用説明書を提供するキットが提供される。幾つかの実施形態では、キットは、改変された免疫細胞に加えて、第2のがん治療、例えば、化学療法、ホルモン療法、及び/または免疫療法を更に含む。キット(複数可)は、個体の特定のがんに合わせて調整されてもよく、当該個体用のそれぞれの第2のがん治療を含んでもよい。
【0262】
キットは、改変された免疫細胞の増殖または誘導を可能にする1種以上の追加の成分、例えば、容器、試薬、培養培地、誘導因子、サイトカイン、緩衝剤、抗体などを含み得る。キットは、腫瘍部位への医薬組成物の局所投与(例えば、腫瘍内注射)のためのデバイスも含み得る。
【0263】
本出願のキットは、好適な包装内に存在する。好適な包装としては、限定されるものではないが、バイアル、ボトル、ジャー、軟包装(例えば、密封マイラーまたはプラスチック袋)などが挙げられる。キットは、追加の構成要素、例えば、緩衝剤及び説明情報を任意に提供し得る。従って、本出願は、バイアル(例えば、密封されたバイアル)、ボトル、ジャー、軟包装などを含む製造物品も提供する。キットの幾つかの成分は、水性媒体中または凍結乾燥形態で包装され得る。
【0264】
製造物品は、容器及び当該容器上のまたは当該容器に付随するラベルまたは添付文書を含み得る。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジなどが挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの種々の材料から形成されていてもよい。通常、容器は、本明細書に記載される疾患または障害(例えば、がん)を処置するのに有効な組成物を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は、皮下注射針により貫通可能な栓を有する静脈注射用溶液バッグまたはバイアルであり得る)。ラベルまたは添付文書は、組成物が個体における特定の状態を処置するために使用されることを示す。ラベルまたは添付文書は、組成物を個体に投与するための使用説明書を更に含む。ラベルは、再構成方法及び/または使用方法を示し得る。医薬組成物を収容する容器は、再構成された製剤の反復投与(例えば、2~6回の投与)を可能にする複数回使用バイアルであり得る。添付文書は、治療用製品の市販パッケージに慣習的に含まれる、適応症、用法、投与量、投与、禁忌に関する情報、及び/またはかかる治療用製品の使用に関する警告を含む使用説明書を指す。追加的に、製造物品は、薬学的に許容される緩衝液、例えば、注射用滅菌水(BWFI)、リン酸緩衝食塩水、リンガー液、及びデキストロース溶液を含む第2の容器を更に含み得る。製造物品またはキットは、商業的観点及び利用者の観点から、他の緩衝剤、希釈剤、フィルター、針、及びシリンジが含まれる、所望の他の物質を更に含み得る。
【0265】
キットまたは製造物品は、薬局、例えば、病院薬局及び調剤薬局における保存及び使用に十分な量で包装された複数の単位用量の医薬組成物及び使用説明書を含み得る。
【0266】
例示的実施形態
実施形態1.8位及び/または62位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞であって、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、前記改変された免疫細胞。
【0267】
実施形態2.前記IL-15ポリペプチドが62位でのアミノ酸置換を含む、実施形態1に記載の改変された免疫細胞。
【0268】
実施形態3.前記IL-15ポリペプチドが、グリシン(G)、イソロイシン(I)、グルタミン(Q)、バリン(V)、プロリン(P)、ロイシン(L)、アラニン(A)、セリン(S)、及びチロシン(Y)からなる群から選択されるアミノ酸残基を62位で含む、実施形態2に記載の改変された免疫細胞。
【0269】
実施形態4.62位での前記アミノ酸置換が、T62G、T62I、T62Q、T62V、T62P、T62L、T62A、T62S、及びT62Yからなる群から選択される、実施形態2または3に記載の改変された免疫細胞。
【0270】
実施形態5.62位での前記アミノ酸置換がT62Gである、実施形態4に記載の改変された免疫細胞。
【0271】
実施形態6.前記IL-15ポリペプチドが、配列番号7のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態2~5のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【0272】
実施形態7.前記IL-15ポリペプチドが8位でのアミノ酸置換を含む、先行実施形態のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【0273】
実施形態8.前記IL-15ポリペプチドが8位でグルタミン酸(E)アミノ酸残基を含む、実施形態7に記載の改変された免疫細胞。
【0274】
実施形態9.8位での前記アミノ酸置換がD8Eである、実施形態8に記載の改変された免疫細胞。
【0275】
実施形態10.前記IL-15ポリペプチドが、配列番号5のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態8または9に記載の改変された免疫細胞。
【0276】
実施形態11.3位及び/または25位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞であって、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、当該改変された免疫細胞。
【0277】
実施形態12.3位での前記アミノ酸置換がV3Yであり、及び/または25位での前記アミノ酸置換がL25Fである、実施形態11に記載の改変された免疫細胞。
【0278】
実施形態13.前記IL-15ポリペプチドが、配列番号78または79のアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態12に記載の改変された免疫細胞。
【0279】
実施形態14.前記1つ以上のアミノ酸置換が、前記IL-15ポリペプチドのIL-15Rβに対する親和性を、前記1つ以上のアミノ酸置換を含まないIL-15ポリペプチドと比較して低減する、先行実施形態のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【0280】
実施形態15.IL-15ポリペプチドをコードする第1の異種核酸配列を含む改変された免疫細胞であって、前記IL-15ポリペプチドが、野生型IL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を含む改変された免疫細胞による炎症性サイトカインの分泌より少なくとも50%低いレベルで、前記改変された免疫細胞による炎症性サイトカインの分泌を誘発する、前記改変された免疫細胞。
【0281】
実施形態16.前記IL-15ポリペプチドが分泌型である、先行実施形態のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【0282】
実施形態17.前記IL-15ポリペプチドが膜結合型である、実施形態1~16のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【0283】
実施形態18.前記IL-15ポリペプチドがグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーペプチド配列を含む、実施形態17に記載の改変された免疫細胞。
【0284】
実施形態19.前記IL-15ポリペプチドが膜貫通ドメインを含む、実施形態17に記載の改変された免疫細胞。
【0285】
実施形態20.前記IL-15ポリペプチドが膜アンカードメインを含む、実施形態17に記載の改変された免疫細胞。
【0286】
実施形態21.前記IL-15ポリペプチドが、第2のポリペプチド断片に融合されたIL-15断片を含む融合タンパク質である、先行実施形態のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【0287】
実施形態22.前記第2のポリペプチド断片が、IL-15Rα、IL-15Rαの細胞外ドメイン、IL-15Rαのスシドメイン、IL-15Rαの膜貫通ドメイン、IL-15Rβ、及び共通γ鎖(γc)からなる群から選択される、実施形態21に記載の改変された免疫細胞。
【0288】
実施形態23.前記第2のポリペプチド断片が、配列番号50~55からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態22に記載の改変された免疫細胞。
【0289】
実施形態24.前記IL-15ポリペプチドが、(a)抗原結合ドメイン;(b)IL-15断片;(c)膜貫通ドメイン;及び(d)細胞内ドメインを含む、実施形態17に記載の改変された免疫細胞。
【0290】
実施形態25.前記改変された免疫細胞が、遺伝子操作された受容体をコードする第2の異種核酸配列を含む、実施形態1~23のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【0291】
実施形態26.前記遺伝子操作された受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、実施形態25に記載の改変された免疫細胞。
【0292】
実施形態27.前記CARが、BCMA CAR、CD19 CAR、またはGPC3 CARである、実施形態26に記載の改変された免疫細胞。
【0293】
実施形態28.前記遺伝子操作された受容体が、改変されたT細胞受容体(TCR)である、実施形態25に記載の改変された免疫細胞。
【0294】
実施形態29.前記遺伝子操作された受容体が、T細胞抗原連結体(TAC)受容体である、実施形態25に記載の改変された免疫細胞。
【0295】
実施形態30.前記第1の核酸配列及び前記第2の核酸配列が、同じプロモーターに作動可能に連結されている、実施形態25~29のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【0296】
実施形態31.前記第1の核酸及び前記第2の核酸が、別個のプロモーターに作動可能に連結されている、実施形態25~29のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【0297】
実施形態32.前記改変された免疫細胞が、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、及びγδT細胞からなる群から選択される、先行実施形態のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【0298】
実施形態33.前記改変された免疫細胞がNK細胞である、実施形態32に記載の改変された免疫細胞。
【0299】
実施形態34.前記改変された免疫細胞が細胞傷害性T細胞である、実施形態32に記載の改変された免疫細胞。
【0300】
実施形態35.前記改変された免疫細胞が、個体に投与される場合、前記IL-15ポリペプチドをコードする前記第1の異種核酸を含まない改変された免疫細胞と比較してインビボでの低減された毒性を有する、先行実施形態のいずれか1項に記載の改変された免疫細胞。
【0301】
実施形態36.改変された免疫細胞を作製する方法であって、8位及び/または62位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする第1の核酸配列を前駆体免疫細胞に導入することを含み、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、前記方法。
【0302】
実施形態37.前記前駆体免疫細胞が、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、NK細胞、NK-T細胞、iNK-T細胞、NK-T様細胞、αβT細胞、及びγδT細胞からなる群から選択される、実施形態36に記載の方法。
【0303】
実施形態38.前記前駆体免疫細胞が遺伝子操作された受容体を含む、実施形態36または37に記載の方法。
【0304】
実施形態39.遺伝子操作された受容体をコードする第2の核酸を前記前駆体免疫細胞に導入することを更に含む、実施形態36または37に記載の方法。
【0305】
実施形態40.前記遺伝子操作された受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)、改変されたT細胞受容体(TCR)、またはT細胞抗原連結体(TAC)受容体である、実施形態38または39に記載の方法。
【0306】
実施形態41.前記第1の核酸配列及び前記第2の核酸配列が同じベクターに存在する、実施形態39または40に記載の方法。
【0307】
実施形態42.前記ベクターがウイルスベクターである、実施形態41に記載の方法。
【0308】
実施形態43.前記ウイルスベクターが、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、及びそれらの派生物からなる群から選択される、実施形態42に記載の方法。
【0309】
実施形態44.前記第1の核酸配列及び/または前記第2の核酸配列を含む免疫細胞を単離または濃縮することを更に含む、実施形態36~43のいずれか1項に記載の方法。
【0310】
実施形態45.実施形態36~44のいずれか1項に記載の方法により作製される、改変された免疫細胞。
【0311】
実施形態46.実施形態1~35及び45に記載の改変された免疫細胞と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【0312】
実施形態47.個体における疾患を処置する方法であって、有効量の実施形態46に記載の医薬組成物を前記個体に投与することを含む、前記方法。
【0313】
実施形態48.前記疾患ががんである、実施形態47に記載の方法。
【0314】
実施形態49.前記個体が低腫瘍量を有する、実施形態48に記載の方法。
【0315】
実施形態50.前記個体におけるサイトカインストームをもたらさない、実施形態47~49のいずれか1項に記載の方法。
【0316】
実施形態51.前記個体がヒトである、実施形態47~50のいずれか1項に記載の方法。
【0317】
実施形態52.遺伝子操作された受容体を含む免疫細胞による処置を受ける個体におけるサイトカインストームを低減する方法であって、
(a)8位及び/または62位での1つ以上のアミノ酸置換を含むIL-15ポリペプチドをコードする異種核酸配列を前記免疫細胞に導入することであって、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従い、これにより、改変された免疫細胞を提供する、前記導入すること、ならびに
(b)有効量の前記改変された免疫細胞を前記個体に投与すること
を含む、前記方法。
【0318】
実施形態53.アミノ酸置換D8E、T62G、V3Y、及び/またはL25Fを含む遺伝子操作されたIL-15ポリペプチドであって、アミノ酸残基位置の番号付けが配列番号1に従う、前記遺伝子操作されたIL-15ポリペプチド。
【0319】
実施形態54.配列番号5、7、78、及び79からなる群から選択されるアミノ酸配列に対する少なくとも約90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態53に記載の遺伝子操作されたIL-15ポリペプチド。
【実施例
【0320】
以下の実施例は、単に本開示を例示することを意図したものであり、従って、本開示を如何様にも限定するものとみなされるべきでない。以下の実施例及び詳細な説明は、例証として提供されるものであり、限定するために提供されるものではない。
【0321】
実施例1:外来性に導入された野生型または変異型IL-15を発現するCAR-NK細胞の調製
この実施例は、外来性に導入されたIL-15を発現する例示的な武装化したCAR-NK細胞の構築を示す。具体的には、この実施例は、野生型または変異型IL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞及び野生型または変異型IL-15で武装化したCD19 CAR-NK細胞の構築を示す。
【0322】
1.1.キメラ抗原受容体(CAR)の構築
BCMA CARまたはCD19 CARを構築するために、N末端からC末端までに、CD8αヒンジドメイン(配列番号18)、CD8α膜貫通ドメイン(配列番号19)、CD137共刺激シグナル伝達ドメイン(配列番号20)、CD3ζ一次細胞内シグナル伝達ドメイン(配列番号21)、及び作動可能にIL-15武装化設計配列(すなわち、配列番号2~配列番号17、ならびに配列番号78及び配列番号79から選択される1つの配列)を含むCAR骨格ポリペプチドをコードするCAR骨格配列を化学合成し、事前に改変されたレトロウイルスベクター(MSCVベクター)のインビトロ転写のための構成的hEF1αプロモーターの下流にクローニングし、これに作動可能に連結させた。レトロウイルス上清を、Blood(2006) 108(12):3890-3897において例示されるように一過性に産生させた。例示的なCAR構築物の配列を以下に示す。

配列番号26 BCMA CARアミノ酸配列
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号29 sIL-15 wtで武装化したBCMA CARアミノ酸配列
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS
【0323】
1.2.CAR-ナチュラルキラー(NK)細胞の構築
NKの増殖
ヒト末梢血単核細胞(PBMC)は、HemaCare Corporationから購入した。PBMCを解凍し、膜結合型IL-15及び4-1BBリガンドを発現するように遺伝子改変されたK562(すなわち、K562-mb15-41BBL)と共に培養した。細胞を、50IUのIL-2/1mLの培養培地を補足した幹細胞増殖培地(SCGM;Cell Genix、Freiburg)を使用して増殖させた。7日間の培養後に、細胞を回収し、抗CD3 Dynabeads(Miltenyi、カタログ番号:11365D)を使用して精製した。得られたNK細胞を、50IUのIL-2/1mLの培養培地を補足したSCGM培地で培養し、増殖させた。
【0324】
NK細胞へのウイルス導入
NK細胞を回収し、0.25×10個細胞の濃度で2mLのRPMI-1640培地中に懸濁した。レトロウイルス上清をNK細胞に添加し、細胞を37℃で一晩インキュベートした。インキュベーション後、細胞を遠心分離によりペレット化し、200IUのIL-2/mL培養培地を含有する新鮮なSCGMに培地を交換した。形質導入されたNK細胞を培養し、12~20日間の増殖後に実験に使用した。
【0325】
実施例2:理論的根拠により設計された変異型IL-15で武装化したCAR NK細胞のインビトロスクリーニング
この実施例は、野生型分泌型IL-15(すなわち、「sIL-15 wt」)で武装化したCAR-NK細胞と比較した、変異型分泌型IL-15(すなわち、「sIL-15 m6」または「sIL-15 m4」)で武装化したCAR-NK細胞のインビトロでの同等の抗腫瘍活性を示す。
【0326】
IL-15ムテインのIL-15Rα及びIL-2Rβに対する親和性測定
IL-15受容体は、種特異的なIL-15Rα(「IL-15Rα」)、共通のIL-2Rβ/IL-15Rβ(「IL-15Rβ」または「IL-2Rβ」)、及び共通γ鎖(「γC」または「gC」)の3つのポリペプチドからなる。IL-15のIL-15α及びβ受容体への結合を担うIL-15の結合ドメインを分析した。幾つかの単一残基変異を起こさせ、各変異型IL-15ポリペプチドのIL-15Rα及びIL-15Rβに対するインビトロでの結合親和性を実行した。
【0327】
要約すると、HEK293細胞をペレット化し、粗製のIL-15ムテインの上清を表面プラズモン共鳴(SPR)による親和性測定に使用した。実験をBiacore T200 SPRバイオセンサー(GE Healthcare)で室温にて実行した。抗Aviタグセンサーチップを、10mMのHEPES、150mMのNaCI、3mMのEDTA、及び0.005%(v/v)のTween-20のランニング緩衝液(pH7.4)を用いて25℃で調製した。Biacore CM5センサーチップの全ての表面を、400mMのEDC及び100mMのNHSの1:1(v/v)混合物を用いて10μL/分の流速で7分間活性化した。抗Avi試薬(Genscript、カタログ番号:A00674-200)を10mMの酢酸ナトリウム(pH5.0)中に30μg/mLまで希釈し、全てのフローセル上に10μL/分で7分間注入した。全てのフローセルを、1Mのエタノールアミン・HCl(pH8.5)を用いて10μL/分で7分間ブロッキングした。
【0328】
全てのムテイン上清の親和性測定を、10mMのHEPES、150mMのNaCI、3mMのEDTA、及び0.005%(v/v)のTween-20のランニング緩衝液(pH7.4)を使用して、Biacore T200で25℃にて実行した。Aviでタグ付けされたIL-15ムテインを、フローセル2、3、及び4上に10μL/分の流速で30秒間捕捉した。フローセル1を参照表面として使用した。IL-15ムテインの捕捉後、分析物(0.15625nM~1280nMの濃度範囲のヒトIL-15Rαタンパク質または0.625nM~1280nMの濃度範囲のヒトIL-2Rβ)を、全てのフローセルに30μL/分の流速で100秒間注入した。各分析物の注入後、解離を600秒間(すなわち、分析物がヒトIL-15Rαタンパク質である場合)または300秒間(すなわち、分析物がヒトIL-2Rβタンパク質である場合)モニタリングし、続いて、10mMのグリシン・HCl(pH2.0)の3回の15秒の注入により全てのフローセルを再生した。二重参照のために、緩衝液サイクルのセンサーグラムを収集した(例えば、Myszka DG.1999.Journal of molecular recognition 12:279-284を参照のこと)。動態解析のために、二重参照したセンサーグラムを、Biacore T200 Evaluation Software バージョン3.0を使用して単純な1:1ラングミュア結合モデルにグローバルフィッティングした。
【0329】
例示的なムテインの動態及び親和性パラメータを以下の表3~4に示す。
【0330】
【表3】
【0331】
【表4】
【0332】
IL-15ムテインで武装化したCAR-NK細胞のスクリーニング
武装化したCAR-NK細胞での発現のために幾つかの変異型、すなわち、ヒト野生型IL-15(配列番号1)に対してそれぞれ、アミノ酸置換A23L、L25E、Y26G、D8E、D61E、T62G、T62I、E89K、V3Y、及びL25Fを含むm1、m2、m3、m4、m5、m6、m7、m8、m17、及びm18を選択した。表1は、IL-15ムテインのアミノ酸配列を示す。表5は、野生型及び変異型sIL-15を発現するIL-15で武装化したCAR-NK細胞の構築を示す。CAR-NK細胞は、実施例1に記載された方法を使用して作製した。
【0333】
【表5】
【0334】
変異型IL-15で武装化したCAR-NK細胞を、インビトロでの細胞傷害性について短時間(図1A)及び長時間(図1B)細胞殺傷アッセイで試験した。図1Aは、変異型IL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞による、BCMA陽性標的であるNCI-H929細胞のインビトロでの短時間(4時間)殺傷を示す(E:T=1:1、0.25:1、0.0625:1)。全ての変異型IL-15(例えば、m1~m8)で武装化したBCMA CAR-NK細胞は、短時間殺傷アッセイにおいて、非形質導入NK細胞(すなわち、「UnNK」)対照と比較して強力な抗腫瘍効力を示した。標的細胞に対する細胞傷害性の百分率は、7-AAD+%:7-AAD+細胞/標的細胞×100%により算出した。
【0335】
図1Bは、変異型IL-15(例えば、m4~m8)で武装化したBCMA CAR-NK細胞のNCI-H929細胞に対するインビトロでの長時間殺傷を示す(E:T=1:4)。1回の刺激毎に、約24時間~48時間の共培養のために腫瘍細胞をNK細胞に添加し、共培養後、フローサイトメトリーによる更なる分析のために回収した。抗原刺激を合計8回繰り返した。図1Bに示すように、変異型IL-15であるm4、m5、m6、及びm7で武装化したBCMA CAR-NK細胞は、sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞と比較してより良好な抗腫瘍効力を示した。腫瘍細胞による刺激の間、変異型IL-15であるm4及びm6で武装化したBCMA CAR-NKは、より良好な増殖を更に示した(図1C)。野生型hIL-15(hIL-15-P2A-EGFP、配列番号56)を発現するNK細胞を対照として使用した。
【0336】
実施例3:野生型IL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞のインビボでの毒性
この実施例は、多発性骨髄腫の腫瘍異種移植片を有するNCGマウスモデル(NCI-H929-lucモデル)において、BCMA標的及びCAR発現とは関係なく、毒性が野生型分泌型IL-15(すなわち、「sIL-15 wt」)で武装化したCAR-NK細胞において観察されることを示す。
【0337】
BCMA CAR構築物を実施例1に記載される通りに調製した。腫瘍異種移植片を作製するために、NCGマウスにNCI-H929-Luc細胞(1×10個細胞/マウス、BCMA陽性多発性骨髄腫細胞株、#ATCC CRL-9068(商標)、ルシフェラーゼを形質導入した)を静脈内注射した。10~14日後、腫瘍が移植されたマウスを、sIL-15 wtで武装化したCD19 CAR-NK細胞、sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞、または0.5μg/マウスのヒトIL-15を含む非形質導入NK細胞(すなわち、hIL-15腹腔内注射または「UnNK細胞の静脈内投与、IL-15の腹腔内投与」)で処置した。
【0338】
0、2、及び5日目にそれぞれ2M個のCARNK細胞をマウスに注入した。腫瘍の進行をインビボでの生物発光イメージング(BLI)により毎週の各時点で評価した。図2A~2Bに示すように、sIL-15 wtで武装化したNK細胞、sIL-15 wtで武装化したCD19 CAR-NK、及びsIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞は、マウスにおける同程度の毒性を示した(18日目~28日目に死亡)。従って、観察された毒性は、野生型IL-15武装によるものである。
【0339】
実施例4:変異型IL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞のインビボでの評価
この実施例は、変異型IL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞が、制御不能なサイトカイン放出(例えば、サイトカインストーム)を誘発することなく強い抗腫瘍効果を示すことを示す。
【0340】
BCMA CAR構築物及び腫瘍異種移植マウスを実施例1及び3に記載される通りに調製した。腫瘍が移植されたNCGマウスを、sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞、及びsIL-15 m1~m8で武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置した。0、2、及び5日目にそれぞれ2M個のCARNK細胞をマウスに注入した。腫瘍の進行をインビボでの生物発光イメージング(BLI)により評価した。
【0341】
図3A~3Bに示すように、sIL-15 m1、m3、m4、m5、m6、及びm7で武装化したBCMA CAR-NK細胞は、強力な抗腫瘍効力を示した。変異型IL-15であるm4及びm6で武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置された全てのマウスは、処置を生き延びた一方で、変異型IL-15であるm1、m3、m5、m7、及びm8で武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置されたマウスは、毒性を示し、マウスは10日目~20日目に死亡した。sIL-15 m2、m4、及びm6で武装化したBCMA CAR-NK細胞の群のマウスは、他の群のマウスより長く生存し、これらのIFN-γ放出は少なかった(図3C)。このことは、サイトカイン放出レベルがマウスにおける毒性と相関することを示す。図3Cに示す各マウスにおける血漿中のIFN-γ分泌レベルを表6に定量化する。
【0342】
【表6】
【0343】
実施例5:IL-15 m6で武装化したCAR-NK細胞のインビボでの評価
この実施例は、分泌型変異型IL-15 m6で武装化したBCMA CAR-NK細胞が、制御不能なサイトカイン放出(例えば、サイトカインストーム)を誘発することなく強い抗腫瘍効果を示すことを示す。
【0344】
BCMA CAR構築物及び腫瘍異種移植マウスを実施例1及び3に記載される通りに調製した。14日後、腫瘍が移植されたNCGマウス(高腫瘍量)を、膜結合型野生型IL-15(すなわち、「mbIL-15 wt」)で武装化したBCMA CAR-NK細胞、sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞、及びsIL-15 m6で武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置した。0、2、及び5日目にそれぞれ4.5M個のCARNK細胞をマウスに注入した。腫瘍の進行をインビボでの生物発光イメージング(BLI)により評価した。
【0345】
図4A~4Gは、sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞及びmbIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置されたマウスが、21日目~27日目に死亡したことを示す。このことは、これらの構築物がマウスに対して細胞傷害性であることを示す。sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞及びmbIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置されたマウスの高レベルの炎症誘発性サイトカイン放出(例えば、IFN-γ、TNF-α、及びGM-CSF)は、観察された毒性と相関する(図4E~4G)。逆に、変異型sIL-15 m6で武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置されたマウスにおける低レベルの炎症誘発性サイトカイン放出は、より高い生存率と相関する(図4D)。変異型sIL-15 m6で武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置された群における4匹のマウスのうちの3匹は、強い抗腫瘍効力を示し、群における全てのマウスが処置を生き延びた。変異型sIL-15 m6で武装化したBCMA CAR-NK細胞群における1匹のマウスは、処置後であっても腫瘍量を維持した。このマウス由来の腫瘍細胞におけるBCMA抗原の分析により、これらの腫瘍細胞においてBCMA抗原の喪失が起きたと結論付けられた(データ非表示)。
【0346】
全体として、変異型IL-15であるm4及びm6で武装化したBCMA CAR-NK細胞は、マウスモデルにおいて、IL-15 wtまたは他の変異型IL-15構築物を有するBCMA CAR-NK細胞と比較して、改善された抗腫瘍効力及びより低い毒性を有した。
【0347】
実施例6:膜結合型変異型IL-15で武装化したCAR-NK細胞の調製及び評価
可溶性または膜結合型IL-15で武装化したCARの様々な構築物を発現するNK細胞を調製した。以下の表7に構築物の構造を記載する。これらのIL-15で武装化したCAR-NK細胞の抗腫瘍効力及び毒性を、実施例3に記載されたマウスモデルを使用してインビボで評価した。マウスに1M個のCAR+ NK細胞を1回注入した。本明細書に記載される他のIL-15ムテイン及びCARに基づいて同様の構築物が作製され得る。
【0348】
この実施例は、膜結合型変異型IL-15で武装化したBCMA CAR-NK細胞が、制御不能なサイトカイン放出(例えば、サイトカインストーム)を誘発することなく強い抗腫瘍効果を示すことを示す。
【0349】
【表7】
【0350】
上記のmb-3 IL-15 m6で武装化したBCMA CARのアミノ酸配列を配列番号66に示す。IL-15 m6の膜結合を達成するために、mb-4 IL-15 m6(配列番号60)、mb-5 IL-15 m6(配列番号61)、mb-6 IL-15 m6(配列番号62)、及びmb-7 IL-15 m6(配列番号63)が含まれる、膜結合型IL-15 m6の他の例示的な発現構造も構築した。膜結合型IL-15 m6で武装化したBCMA CARを、表7に示すようにP2Aを介して膜結合型IL-15 m6及びBCMA CARを融合させることにより構築した。
【0351】
上記のmb-9 IL-15 m4で武装化したBCMA CARのアミノ酸配列を配列番号75に示す。IL-15 m4の膜結合を達成するために、mb-10 IL-15 m4(配列番号76)で武装化したBCMA CAR及びmb-11 IL-15 m4(配列番号77)で武装化したBCMA CARが含まれる、膜結合型IL-15 m4の他の例示的な発現構造も構築した。膜結合型IL-15 m4で武装化したBCMA CARを、表7に示すようにP2Aを介して膜結合型IL-15 m4及びBCMA CARを融合させることにより構築した。
【0352】
膜結合型IL-15 m6で武装化したCAR-NK細胞を、インビトロでの細胞傷害性について短時間(図5A)及び長時間(図5B)細胞殺傷アッセイで試験した。図5Aは、膜結合型IL-15 m6で武装化したBCMA CAR-NK細胞による、NCI-H929細胞のインビトロでの短時間(4時間)殺傷を示す(E:T=1:1、0.25:1、0.0625:1)。m6を有する異なる膜結合型IL-15構造では、mb-3、mb-4、mb-5、mb-6、及びmb-7 IL-15 m6で武装化したBCMA CAR-NK細胞は、短時間殺傷アッセイにおいて、UnNK対照と比較して強力な抗腫瘍効力を示した。標的細胞に対する細胞傷害性の百分率は、7-AAD+%:7-AAD+細胞/標的細胞×100%により算出した。
【0353】
図5Bは、膜結合型変異型IL-15 m6(例えば、mb-3、mb-4、mb-5、及びmb-6)で武装化したBCMA CAR-NK細胞のNCI-H929細胞に対するインビトロでの長時間殺傷を示す(E:T=1:4)。1回の刺激毎に、約24時間~48時間の共培養のために腫瘍細胞をNK細胞に添加し、共培養後、フローサイトメトリーによる更なる分析のために回収した。抗原刺激を合計4回繰り返した。図5Bに示すように、膜結合型変異型IL-15 m6(例えば、mb-3、mb-4、mb-5、及びmb-6)で武装化したBCMA CAR-NK細胞は、sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞と比較して同程度の抗腫瘍効力を示した。
【0354】
膜結合型IL-15 m4で武装化したCAR-NK細胞も、インビトロでの細胞傷害性について短時間(図6A)及び長時間(図6B及び図6C)細胞殺傷アッセイで試験した。図6Aは、膜結合型IL-15 m4(mb-9、mb-10、及びmb-11)で武装化したBCMA CAR-NK細胞による、NCI-H929細胞のインビトロでの短時間(4時間)殺傷を示す(E:T=1:1、0.25:1、0.0625:1)。m4を有する異なる膜結合型IL-15構造では、mb-9、mb-10、及びmb-11 IL-15 m4で武装化したBCMA CAR-NK細胞は、短時間殺傷アッセイにおいて、UnNK対照と比較して強力な抗腫瘍効力を示した。標的細胞に対する細胞傷害性の百分率は、7-AAD+%:7-AAD+細胞/標的細胞×100%により算出した。
【0355】
図6Bは、膜結合型変異型IL-15 m4(例えば、mb-10及びmb-11)で武装化したBCMA CAR-NK細胞のNCI-H929細胞に対するインビトロでの長時間殺傷を示す(E:T=1:4)。1回の刺激毎に、約24時間~48時間の共培養のために腫瘍細胞をNK細胞に添加し、共培養後、フローサイトメトリーによる更なる分析のために回収した。抗原刺激を合計7回繰り返した。図6Bに示すように、膜結合型変異型IL-15 m4(例えば、mb-10及びmb-11)で武装化したBCMA CAR-NK細胞は、sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞と比較してより良好な抗腫瘍効力を示した。腫瘍細胞による刺激の間、mb-10 IL-15 m4で武装化したBCMA CAR-NK細胞及びmb-11 IL-15 m4で武装化したBCMA CAR-NK細胞は、より良好な増殖を更に示した(図6C)。
【0356】
図7A~7Bは、上記のようなNCGマウスモデル(NCI-H929-Lucモデル)における、sIL-15 wt及び膜結合型IL-15 m6で武装化されたBCMA CAR-NK細胞の、BCMA陽性標的細胞であるNCI-H929に対するインビボでの評価を示す。図7Aは、マウス末梢血中のBCMA CARのPKを示す。膜結合型変異型IL-15 m6(mb-4及びmb-5)で武装化したBCMA CAR-NK細胞は、マウス末梢血における良好な増殖を示した。図7Bは、sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞及び膜結合型変異型IL-15(mb-4 IL-15 m6及びmb-5 IL-15 m6)で武装化したBCMA CAR-NK細胞で処置されたマウスの生存曲線を示す。sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR-NK細胞の群におけるマウスは、CAR-NK細胞注入後の13日目~17日目の間に死亡した。膜結合型変異型IL-15(mb-4 IL-15 m6及びmb-5 IL-15 m6)で武装化したBCMA CAR-NK細胞の群におけるマウスは、より長く生存した。
【0357】
実施例7:変異型IL-15で武装化したGPC3 CAR-NK細胞のインビトロ活性の評価のためのアッセイ
変異型IL-15で武装化したGPC3 CARの作製
GPC3 CARを調製するために、抗GPC3抗体のscfv(配列番号80)を、N末端からC末端までに、CD8αヒンジドメイン、CD8α膜貫通ドメイン、4-1BB共刺激ドメイン、及びCD3ζ細胞内ドメイン(配列番号85)を含むCAR骨格と融合させた。CAR骨格を、GPC3 scFvのN末端に融合されたCD8αシグナルペプチドに作動可能に連結した。GPC3 CARのアミノ酸配列を配列番号81に示す。野生型IL-15またはIL-15ムテイン(m17またはm18)を、2A自己切断型ペプチドリンカーを使用してGPC3 CARと融合させた。以下、「sIL-15 wtで武装化したGPC3 CAR」、「sIL-15 m17で武装化したGPC3 CAR」、及び「sIL-15 m18で武装化したGPC3 CAR」と称する。表5も参照のこと。ポリペプチドをコードする核酸を上記のようにレトロウイルスベクターにクローニングした。変異型IL-15で武装化したGPC3 CAR-NK細胞を実施例1に記載された方法を使用して作製した。
【0358】
細胞傷害性アッセイ(ルシフェラーゼアッセイ)
短時間細胞傷害性アッセイでは、変異型IL-15で武装化したGPC3 CAR-NK細胞を、ルシフェラーゼを発現するHuh7細胞(GPC3陽性、Huh7/Luc)と1:10のエフェクター対標的比率(E:T)で37℃にて72時間共培養した。残存ルシフェラーゼ活性(Lucresi)を、ONE-Gloルシフェラーゼアッセイシステム(Promega)によりユーザーマニュアルに従って測定した。エフェクター細胞なしで培養した同数の標的細胞を対照(Lucmax)として使用した。標的細胞溶解の百分率を以下の式のように算出した:(Lucmax-Lucresi)/Lucmax×100%。
【0359】
長時間細胞傷害性アッセイでは、変異型IL-15で武装化したGPC3 CAR-NK細胞を、Huh7/Luc細胞と6ウェルプレートで37℃にて共培養した(E/T=1:2)。24時間(1回の刺激)毎に、10%の細胞混合物を回収し、フローサイトメトリーアッセイに供して、残存標的細胞の百分率を決定すると共に、残りの細胞を、新たに添加した4×10個のHuh7/Luc細胞と共インキュベートした。
【0360】
sIL-15 m17で武装化したGPC3 CAR-NK細胞を、インビトロでの細胞傷害性について短時間(図8A)及び長時間(図8B)細胞殺傷アッセイで試験した。図8Aに示すように、1:10のE:T比では、より高い標的細胞溶解百分率を有するsIL-15 m17で武装化したGPC3 CAR-NK細胞は、短時間(72時間)殺傷アッセイにおいて、sIL-15 wtで武装化したGPC3 CAR-NK細胞と比較してHuh7細胞に対する強い抗腫瘍効力を示した。同じ結果が、2回の刺激(R2)後の長時間細胞殺傷アッセイでも観察された(図8B)。
【0361】
sIL-15 m18で武装化したGPC3 CAR-NK細胞を、インビトロでの細胞傷害性について短時間(図9A)及び長時間(図9B)細胞殺傷アッセイで試験した。図9Aに示すように、1:10のE:T比では、より高い標的細胞溶解百分率を有するsIL-15 m18で武装化したGPC3 CAR-NK細胞は、短時間(72時間)殺傷アッセイにおいて、sIL-15 wtで武装化したGPC3 CAR-NK細胞と比較してHuh7細胞に対する強い抗腫瘍効力を示した。同じ結果が、2回の刺激(R2)後の長時間細胞殺傷アッセイでも観察された(図9B)。
【0362】

配列表

配列番号1:野生型hIL-15
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号2:IL15ムテイン1
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDLTLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号3:IL15ムテイン2
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATEYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号4:IL15ムテイン3
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLGTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号5:IL15ムテイン4
NWVNVISELKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号6:IL15ムテイン5
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHETVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号7:IL15ムテイン6
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDGVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号8:IL15ムテイン7
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDIVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号9:IL15ムテイン8
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECKELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号10:IL15ムテイン9
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号11:IL15ムテイン10
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDQVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号12:IL15ムテイン11
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDVVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号13:IL15ムテイン12
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDPVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号14:IL15ムテイン13
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDLVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号15:IL15ムテイン14
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDAVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号16:IL15ムテイン15
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDSVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号17:IL15ムテイン16
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDYVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号18:CD8αヒンジ
TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACD

配列番号19:CD8αTM
IYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC

配列番号20:4-1BB共刺激シグナル伝達ドメイン
KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL

配列番号21:CD3ζ一次細胞内シグナル伝達ドメイン
RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR

配列番号22:CD8αSP
MALPVTALLLPLALLLHAARP

配列番号23:BCMA VHH1-VHH2
AVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSS

配列番号24:CD19 scFv
DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGGGGSGGGGSGGGGSEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS

配列番号25:hIL15-IL15RaTM
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYL

配列番号26:BCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR

配列番号27:CD19 CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGGGGSGGGGSGGGGSEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR

配列番号28:P2A
GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP

配列番号29:sIL-15 wtで武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号30:sIL-15 wtで武装化したCD19 CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGGGGSGGGGSGGGGSEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号31:sIL-15 m1で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDLTLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号32:sIL-15 m2で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATEYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号33:sIL-15 m3で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLGTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号34:sIL-15 m4で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISELKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号35:sIL-15 m5で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHETVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号36:sIL-15 m6で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDGVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号37:sIL-15 m7で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDIVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号38:sIL-15 m8で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECKELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号39:mbIL-15 wtで武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMYRMQLLSCIALSLALVTNSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYL

配列番号40:GSリンカー1
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS

配列番号41:GSリンカー2
GGGGS

配列番号42:sIL-15 m9で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号43:sIL-15 m10で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDQVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号44:sIL-15 m11で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDVVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号45:sIL-15 m12で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDPVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号46:sIL-15 m13で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDLVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号47:sIL-15 m14で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDAVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号48:sIL-15 m15で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDSVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号49:sIL-15 m16で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDYVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号50:IL15RaED
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTT

配列番号51:IL15RaED短縮型(s)
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIR

配列番号52:IL15Rb
AVNGTSQFTCFYNSRANISCVWSQDGALQDTSCQVHAWPDRRRWNQTCELLPVSQASWACNLILGAPDSQKLTTVDIVTLRVLCREGVRWRVMAIQDFKPFENLRLMAPISLQVVHVETHRCNISWEISQASHYFERHLEFEARTLSPGHTWEEAPLLTLKQKQEWICLETLTPDTQYEFQVRVKPLQGEFTTWSPWSQPLAFRTKPAALGKDTIPWLGHLLVGLSGAFGFIILVYLLINCRNTGPWLKKVLKCNTPDPSKFFSQLSSEHGGDVQKWLSSPFPSSSFSPGGLAPEISPLEVLERDKVTQLLLQQDKVPEPASLSSNHSLTSCFTNQGYFFFHLPDALEIEACQVYFTYDPYSEEDPDEGVAGAPTGSSPQPLQPLSGEDDAYCTFPSRDDLLLFSPSLLGGPSPPSTAPGGSGAGEERMPPSLQERVPRDWDPQPLGPPTPGVPDLVDFQPPPELVLREAGEEVPDAGPREGVSFPWSRPPGQGEFRALNARLPLNTDAYLSLQELQGQDPTHLV

配列番号53:gc、共通γ鎖
MLKPSLPFTSLLFLQLPLLGVGLNTTILTPNGNEDTTADFFLTTMPTDSLSVSTLPLPEVQCFVFNVEYMNCTWNSSSEPQPTNLTLHYWYKNSDNDKVQKCSHYLFSEEITSGCQLQKKEIHLYQTFVVQLQDPREPRRQATQMLKLQNLVIPWAPENLTLHKLSESQLELNWNNRFLNHCLEHLVQYRTDWDHSWTEQSVDYRHKFSLPSVDGQKRYTFRVRSRFNPLCGSAQHWSEWSHPIHWGSNTSKENPFLFALEAVVISVGSMGLIISLLCVYFWLERTMPRIPTLKNLEDLVTEYHGNFSAWSGVSKGLAESLQPDYSERLCLVSEIPPKGGALGEGPGASPCNQHSPYWAPPCYTLKPET

配列番号54:IL15Ra
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTTVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYLKSRQTPPLASVEMEAMEALPVTWGTSSRDEDLENCSHHL

配列番号55:IL15RaTM
VAISTSTVLLCGLSAVSLLACYL

配列番号56:hIL-15-P2A-EGFP
MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMVSKGEELFTGVVPILVELDGDVNGHKFSVSGEGEGDATYGKLTLKFICTTGKLPVPWPTLVTTLTYGVQCFSRYPDHMKQHDFFKSAMPEGYVQERTIFFKDDGNYKTRAEVKFEGDTLVNRIELKGIDFKEDGNILGHKLEYNYNSHNVYIMADKQKNGIKVNFKIRHNIEDGSVQLADHYQQNTPIGDGPVLLPDNHYLSTQSALSKDPNEKRDHMVLLEFVTAAGITLGMDELYK

配列番号57:sIL-15 m6-Ra
MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDGVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTT

配列番号58:sIL-15 m6-sRa
MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDGVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIR

配列番号59:mb-1 IL-15 m6
MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDGVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRGGGGSGGGGSGGGGSVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYL

配列番号60:mb-4 IL-15 m6
MAAPALSWRLPLLILLLPLATSWASANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDGVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSAVNGTSQFTCFYNSRANISCVWSQDGALQDTSCQVHAWPDRRRWNQTCELLPVSQASWACNLILGAPDSQKLTTVDIVTLRVLCREGVRWRVMAIQDFKPFENLRLMAPISLQVVHVETHRCNISWEISQASHYFERHLEFEARTLSPGHTWEEAPLLTLKQKQEWICLETLTPDTQYEFQVRVKPLQGEFTTWSPWSQPLAFRTKPAALGKDTIPWLGHLLVGLSGAFGFIILVYLLINCRNTGPWLKKVLKCNTPDPSKFFSQLSSEHGGDVQKWLSSPFPSSSFSPGGLAPEISPLEVLERDKVTQLLLQQDKVPEPASLSSNHSLTSCFTNQGYFFFHLPDALEIEACQVYFTYDPYSEEDPDEGVAGAPTGSSPQPLQPLSGEDDAYCTFPSRDDLLLFSPSLLGGPSPPSTAPGGSGAGEERMPPSLQERVPRDWDPQPLGPPTPGVPDLVDFQPPPELVLREAGEEVPDAGPREGVSFPWSRPPGQGEFRALNARLPLNTDAYLSLQELQGQDPTHLVGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMLKPSLPFTSLLFLQLPLLGVGLNTTILTPNGNEDTTADFFLTTMPTDSLSVSTLPLPEVQCFVFNVEYMNCTWNSSSEPQPTNLTLHYWYKNSDNDKVQKCSHYLFSEEITSGCQLQKKEIHLYQTFVVQLQDPREPRRQATQMLKLQNLVIPWAPENLTLHKLSESQLELNWNNRFLNHCLEHLVQYRTDWDHSWTEQSVDYRHKFSLPSVDGQKRYTFRVRSRFNPLCGSAQHWSEWSHPIHWGSNTSKENPFLFALEAVVISVGSMGLIISLLCVYFWLERTMPRIPTLKNLEDLVTEYHGNFSAWSGVSKGLAESLQPDYSERLCLVSEIPPKGGALGEGPGASPCNQHSPYWAPPCYTLKPET

配列番号61:mb-5 IL-15 m6
MAPRRARGCRTLGLPALLLLLLLRPPATRGNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDGVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTTVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYLKSRQTPPLASVEMEAMEALPVTWGTSSRDEDLENCSHHL

配列番号62:mb-6 IL-15 m6
MAAPALSWRLPLLILLLPLATSWASANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDGVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSAVNGTSQFTCFYNSRANISCVWSQDGALQDTSCQVHAWPDRRRWNQTCELLPVSQASWACNLILGAPDSQKLTTVDIVTLRVLCREGVRWRVMAIQDFKPFENLRLMAPISLQVVHVETHRCNISWEISQASHYFERHLEFEARTLSPGHTWEEAPLLTLKQKQEWICLETLTPDTQYEFQVRVKPLQGEFTTWSPWSQPLAFRTKPAALGKDTIPWLGHLLVGLSGAFGFIILVYLLINCRNTGPWLKKVLKCNTPDPSKFFSQLSSEHGGDVQKWLSSPFPSSSFSPGGLAPEISPLEVLERDKVTQLLLQQDKVPEPASLSSNHSLTSCFTNQGYFFFHLPDALEIEACQVYFTYDPYSEEDPDEGVAGAPTGSSPQPLQPLSGEDDAYCTFPSRDDLLLFSPSLLGGPSPPSTAPGGSGAGEERMPPSLQERVPRDWDPQPLGPPTPGVPDLVDFQPPPELVLREAGEEVPDAGPREGVSFPWSRPPGQGEFRALNARLPLNTDAYLSLQELQGQDPTHLV

配列番号63:mb-7 IL-15 m6
MLKPSLPFTSLLFLQLPLLGVGNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDGVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSLNTTILTPNGNEDTTADFFLTTMPTDSLSVSTLPLPEVQCFVFNVEYMNCTWNSSSEPQPTNLTLHYWYKNSDNDKVQKCSHYLFSEEITSGCQLQKKEIHLYQTFVVQLQDPREPRRQATQMLKLQNLVIPWAPENLTLHKLSESQLELNWNNRFLNHCLEHLVQYRTDWDHSWTEQSVDYRHKFSLPSVDGQKRYTFRVRSRFNPLCGSAQHWSEWSHPIHWGSNTSKENPFLFALEAVVISVGSMGLIISLLCVYFWLERTMPRIPTLKNLEDLVTEYHGNFSAWSGVSKGLAESLQPDYSERLCLVSEIPPKGGALGEGPGASPCNQHSPYWAPPCYTLKPET

配列番号64:mb-8 IL-15 m6
MYRMQLLSCIALSLALVTNSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDGVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYL

配列番号65:mb-2 IL-15 m6で武装化したBCMA CAR
MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDGVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR

配列番号66:mb-3 IL-15 m6で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDGVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR

配列番号67:GSリンカー3
(GS)

配列番号68:GSリンカー4
(GSGGS)

配列番号69:GSリンカー5
(GGGS)

配列番号70:IL15シグナルペプチド(SP)及びプロペプチド
MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEA

配列番号71:IL-15RβSP
MAAPALSWRLPLLILLLPLATSWASA

配列番号72:IL-15RαSP
MAPRRARGCRTLGLPALLLLLLLRPPATRG

配列番号73:共通γ鎖のSP
MLKPSLPFTSLLFLQLPLLGVG

配列番号74:IL-2のSP
MYRMQLLSCIALSLALVTNS

配列番号75:mb-9 IL-15 m4で武装化したBCMA CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPAVQLVESGGGLVQAGDSLRLTCTASGRAFSTYFMAWFRQAPGKEREFVAGIAWSGGSTAYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCASRGIEVEEFGAWGQGTQVTVSSGGGGSQVQLEESGGGSVQAGGSLRLSCAYTYSTYSNYYMGWFREAPGKARTSVAIISSDTTITYKDAVKGRFTISKDNAKNTLYLQMNSLKPEDSAMYRCAAWTSDWSVAYWGQGTQVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISELKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSTSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR

配列番号76:mb-10 IL-15 m4
MAAPALSWRLPLLILLLPLATSWASANWVNVISELKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSAVNGTSQFTCFYNSRANISCVWSQDGALQDTSCQVHAWPDRRRWNQTCELLPVSQASWACNLILGAPDSQKLTTVDIVTLRVLCREGVRWRVMAIQDFKPFENLRLMAPISLQVVHVETHRCNISWEISQASHYFERHLEFEARTLSPGHTWEEAPLLTLKQKQEWICLETLTPDTQYEFQVRVKPLQGEFTTWSPWSQPLAFRTKPAALGKDTIPWLGHLLVGLSGAFGFIILVYLLINCRNTGPWLKKVLKCNTPDPSKFFSQLSSEHGGDVQKWLSSPFPSSSFSPGGLAPEISPLEVLERDKVTQLLLQQDKVPEPASLSSNHSLTSCFTNQGYFFFHLPDALEIEACQVYFTYDPYSEEDPDEGVAGAPTGSSPQPLQPLSGEDDAYCTFPSRDDLLLFSPSLLGGPSPPSTAPGGSGAGEERMPPSLQERVPRDWDPQPLGPPTPGVPDLVDFQPPPELVLREAGEEVPDAGPREGVSFPWSRPPGQGEFRALNARLPLNTDAYLSLQELQGQDPTHLVGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMLKPSLPFTSLLFLQLPLLGVGLNTTILTPNGNEDTTADFFLTTMPTDSLSVSTLPLPEVQCFVFNVEYMNCTWNSSSEPQPTNLTLHYWYKNSDNDKVQKCSHYLFSEEITSGCQLQKKEIHLYQTFVVQLQDPREPRRQATQMLKLQNLVIPWAPENLTLHKLSESQLELNWNNRFLNHCLEHLVQYRTDWDHSWTEQSVDYRHKFSLPSVDGQKRYTFRVRSRFNPLCGSAQHWSEWSHPIHWGSNTSKENPFLFALEAVVISVGSMGLIISLLCVYFWLERTMPRIPTLKNLEDLVTEYHGNFSAWSGVSKGLAESLQPDYSERLCLVSEIPPKGGALGEGPGASPCNQHSPYWAPPCYTLKPET

配列番号77:mb-11 IL-15 m4
MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISELKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTTVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYLKSRQTPPLASVEMEAMEALPVTWGTSSRDEDLENCSHHL

配列番号78:IL15ムテイン17
NWYNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号79:IL15ムテイン18
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATFYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号80:GPC3 scFv
DIVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQTIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPQLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCFQVSHVPYTFGGGTKLEIKGSTSGSGKPGSGEGSTKGQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYEMHWVRQATGQGLEWMGGIDPETGNTAYSQKFKGRVTMTRNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYYSFAYWGQGTLVTVSS

配列番号81:GPC3 CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPDIVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQTIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPQLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCFQVSHVPYTFGGGTKLEIKGSTSGSGKPGSGEGSTKGQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYEMHWVRQATGQGLEWMGGIDPETGNTAYSQKFKGRVTMTRNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYYSFAYWGQGTLVTVSSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPQRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR

配列番号82:sIL-15 wtで武装化したGPC3 CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPDIVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQTIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPQLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCFQVSHVPYTFGGGTKLEIKGSTSGSGKPGSGEGSTKGQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYEMHWVRQATGQGLEWMGGIDPETGNTAYSQKFKGRVTMTRNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYYSFAYWGQGTLVTVSSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPQRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号83:sIL-15 m17で武装化したGPC3 CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPDIVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQTIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPQLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCFQVSHVPYTFGGGTKLEIKGSTSGSGKPGSGEGSTKGQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYEMHWVRQATGQGLEWMGGIDPETGNTAYSQKFKGRVTMTRNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYYSFAYWGQGTLVTVSSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPQRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWYNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号84:sIL-15 m18で武装化したGPC3 CAR
MALPVTALLLPLALLLHAARPDIVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQTIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPQLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCFQVSHVPYTFGGGTKLEIKGSTSGSGKPGSGEGSTKGQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYEMHWVRQATGQGLEWMGGIDPETGNTAYSQKFKGRVTMTRNTSISTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYYSFAYWGQGTLVTVSSTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPQRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPRGSGATNFSLLKQAGDVEENPGPMRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATFYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS

配列番号85:CD3ζ細胞内ドメイン
RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPQRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
【配列表】
2024527593000001.xml
【国際調査報告】