(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】放射線影響解析のためのシステム、方法、および装置
(51)【国際特許分類】
G01T 1/16 20060101AFI20240718BHJP
【FI】
G01T1/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525192
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 US2022036667
(87)【国際公開番号】W WO2023283482
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522423972
【氏名又は名称】コンステレーション エナジー ジェネレーション リミテッド ライアビリティ カンパニー
(71)【出願人】
【識別番号】524011683
【氏名又は名称】ガードナー シェーン アール
(71)【出願人】
【識別番号】524011694
【氏名又は名称】ネッパー デヴィッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ガードナー シェーン アール
(72)【発明者】
【氏名】ネッパー デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】サリカヤ バリス
(72)【発明者】
【氏名】マッサーリ ジョン
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188AA08
2G188AA20
2G188GG02
(57)【要約】
放射線影響解析のための方法、システム、および装置が本明細書に記載される。コンピューティング装置は、想定される放射能放出に関連付けられた複数の入力パラメータを受信してもよい。コンピューティング装置は、ランダムサンプリングプロセスを介して、複数の入力パラメータのうちの複数のランダムにサンプリングされた値を決定し得る。コンピューティング装置は、想定される放射能放出から生じる放射線放出に関連付けられた放射線量の推定値を決定し得る。コンピューティング装置は、放射線量の推定値に関連付けられた統計的不確実性を決定し得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射能の量および輸送に関連付けられた複数の入力パラメータを受信することと、
ランダムサンプリングプロセスを介して、前記複数の入力パラメータのうちの複数のランダムにサンプリングされた値を決定することと、
放射線量の推定値を決定することであって、前記放射線量の前記推定値が、想定される放射能放出から生じる放射線放出に関連付けられる、決定することと、
前記放射線量の前記推定値に関連付けられた統計的不確実性を決定することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の入力パラメータが、放射性核種ソースタームパラメータ、放射性核種インベントリパラメータ、放射性核種エアロゾル除去パラメータ、フィルター除去パラメータ、システム流量パラメータ、漏れ量パラメータ、大気拡散パラメータ、または呼吸速度パラメータのうちの一つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の入力パラメータのうちの前記複数のランダムにサンプリングされた値を決定することが、確率分布関数または累積分布関数のうちの一つ以上に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の入力パラメータのうちの前記複数のランダムにサンプリングされた値を決定することが、モンテカルロシミュレーションの実施を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記放射線量の前記推定値および前記統計的不確実性を閾値と比較することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記放射線量の前記推定値を決定することが、前記複数のランダムにサンプリングされた値および複数の放射線量値の反復的決定を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の放射線量値の統計的組み合わせを決定することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記想定される放射能放出が、原子炉心または燃料棒のうちの一つ以上への損傷に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
一つ以上のプロセッサと、
メモリを記憶するプロセッサ実行可能命令であって、前記一つ以上のプロセッサによって実行される時、前記装置に、
放射能の量および輸送に関連付けられた複数の入力パラメータを受信させ、
ランダムサンプリングプロセスを介して、前記複数の入力パラメータのうちの複数のランダムにサンプリングされた値を決定させ、
前記放射線量の前記推定値が、前記想定される放射能放出から生じる放射線放出に関連付けられる、放射線量の推定値を決定させ、
前記放射線量の前記推定値に関連付けられた統計的不確実性を決定させる、メモリを記憶するプロセッサ実行可能命令と、を含む、装置。
【請求項10】
前記複数の入力パラメータが、放射性核種ソースタームパラメータ、放射性核種インベントリパラメータ、放射性核種エアロゾル除去パラメータ、フィルター除去パラメータ、システム流量パラメータ、漏れ量パラメータ、大気拡散パラメータ、または呼吸速度パラメータのうちの一つ以上を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサ実行可能命令が、前記一つ以上のプロセッサによって実行される時、前記装置に、前記複数の入力パラメータのうちの前記複数のランダムにサンプリングされた値を決定させ、前記装置に、確率分布関数、累積分布関数、またはモンテカルロシミュレーションのうちの一つ以上に基づいて、前記複数の入力パラメータのうちの前記複数のランダムにサンプリングされた値を決定させる、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサ実行可能命令が、前記一つ以上のプロセッサによって実行される時、前記装置に、前記放射線量および前記統計的不確実性の前記推定値を閾値とさらに比較させる、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサ実行可能命令が、前記一つ以上のプロセッサによって実行される時、前記装置に、前記放射線量の前記推定値を決定させ、前記装置に、
前記複数のランダムにサンプリングされた値および複数の放射線量値の反復的決定を実施させ、
前記ランダムにサンプリングされた値および前記複数の放射線量値の統計的組み合わせを決定させる、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記想定される放射能放出が、原子炉心または燃料棒のうちの一つ以上への損傷の決定に関連する時間間隔に対応する、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
プロセッサ実行可能命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、少なくとも一つのプロセッサによって実行される時、前記少なくとも一つのプロセッサに、
想定される放射能放出のソースタームと関連付けられた複数の入力パラメータを受信させ、
ランダムサンプリングプロセスを介して、前記複数の入力パラメータのうちの複数のランダムにサンプリングされた値を決定させ、
前記放射線量の前記推定値が、前記想定される放射能放出から生じる放射線放出に関連付けられる、放射線量の推定値を決定させ、
前記放射線量の前記推定値に関連付けられた統計的不確実性を決定させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記複数の入力パラメータが、放射性核種ソースタームパラメータ、放射性核種インベントリパラメータ、放射性核種エアロゾル除去パラメータ、フィルター除去パラメータ、システム流量パラメータ、漏れ量パラメータ、大気拡散パラメータ、または呼吸速度パラメータのうちの一つ以上を含む、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記プロセッサ実行可能命令が、前記少なくとも一つのプロセッサによって実行される時、前記少なくとも一つのプロセッサに、前記複数の入力パラメータのうちの前記複数のランダムにサンプリングされた値を決定させ、前記少なくとも一つのプロセッサに、確率分布関数、累積分布関数、またはモンテカルロシミュレーションのうちの一つ以上に基づいて、前記複数の入力パラメータのうちの前記複数のランダムにサンプリングされた値を決定させる、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記プロセッサ実行可能命令が、前記少なくとも一つのプロセッサによって実行される時、前記少なくとも一つのプロセッサに、前記放射線量および前記統計的不確実性の前記推定値を閾値とさらに比較させる、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記プロセッサ実行可能命令が、前記少なくとも一つのプロセッサによって実行される時、前記少なくとも一つのプロセッサに、前記放射線量の前記推定値を決定させ、前記少なくとも一つのプロセッサに、
前記複数のランダムにサンプリングされた値および複数の放射線量値の反復的決定を行わせ、
前記ランダムにサンプリングされた値および前記複数の放射線量値の統計的組み合わせを決定させる、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記想定される放射能放出が、原子炉心または燃料棒のうちの一つ以上への損傷の決定に関連する時間間隔に対応する、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年7月9日出願の米国仮特許出願第63/220,261号の利益を主張するものであり、ここにその全体を参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
潜在的に有害な放射線のリスクの高い偶発的放出をもたらす想定事故を考慮するために、原子力発電所の安全性解析が必要となる場合がある。米国では、原子力規制委員会(NRC)は、原子力エネルギーの安全性および公衆衛生上の影響を規制するためのガイドラインを公表している。NRCは、連邦規則集(C.F.R.)第10編第50.67項の要件の評価を含む、満足のいく安全性解析報告書が必要となる場合がある。こうした安全性解析報告書は、特定の線量位置に対する計算された放射線影響が、想定される放射能放出後の総実効線量当量(TEDE)限度の合計を超えないように限度を義務付ける。計算は、推定放射線量が規定限度内であることを確実にするために、人々および機器に対する線量という観点から放射線影響を推定するために実施される。解析は、これらの規定限度が遵守されていることを、合理的な保証をもって実証する必要がある。既存の方法論では、保守的アプローチを利用して、利用されるアプローチ、方法、および/または入力における不確実性の定量化がないことに対処する。複数の領域に組み込まれたこの保守性は、不正確さという点で効果を悪化させることが多く、したがって、推定される放射線影響が過度に保守的な結果をもたらす。
【0003】
例えば、従来の保守的な方法では、入力パラメータを決定し、不確実性を解決するために境界アプローチを使用する。従来の保守的な方法を使用することによって、複数の入力パラメータはすべて、線量計算における複合的な使用に起因して増幅され、過度に大きくなり得る決定論的プロセスにおいて保守的に決定され得る。しかしながら、保守的な決定論的入力パラメータの選択は、入力の保守的方向を知ることは不可能である場合があり、また現実的ではない入力が予想外の方法で相互作用するため、常に保守的な結果を生むとは限らない場合がある。さらに、保守的モデルおよび入力の使用から生じる増幅された効果はまた、偶発的な放射線放出の影響を軽減するための最良の軽減戦略を決定するために使用される線量計算において適用される規制限度に対する真のマージンの推定値を隠すことになる。これらの過度に大きな影響はまた、放射性物質を阻止するシステムのシステム設計および動作要件にも負担となり得る。さらに、境界入力結果の保守的選択の集約から生じる相乗効果は、連邦規則集(C.F.R.)第10編第50.67項に基づく合理的な保証基準に必要なものを超えて入力パラメータの保守的使用を反映する推定放射線量をもたらし得る。
【発明の概要】
【0004】
以下の一般的な説明および以下の詳細な説明は、いずれも例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求の範囲のように制限的なものではないことが理解されよう。放射線影響解析のための方法、システム、および装置が本明細書に記載される。計算システムまたは装置は、原子力発電所などの放射性物質の供給源からの想定される放射能の偶発的放出の影響を解析するための方法を実施し得る。本開示の方法は、想定される放射能の偶発的放出に対応する不確実性を考慮しながら、より正確な放射線量計算を行うことを可能にし得る。想定される放射能の偶発的放出は、例えば、原子炉燃料への重度の損傷から生じる核分裂生成物の偶発的放出を指し得る。別の例として、想定される放射能の偶発的放出は、炉心への損傷をもたらし得る冷却材喪失事故(LOCA)から生じる核分裂生成物の偶発的放出を指し得る。計算は、想定される放射能の偶発的放出をもたらす想定事象(例えば、損傷した原子炉燃料)の影響の軽減および制御を容易にするために使用され得る。例えば、放射線量計算は、想定される放射能の偶発的放出の近傍の人々および設備に対する線量という観点から放射線影響を推定して、推定線量が、連邦規則集(C.F.R.)第10編第50.67項による限度などの規定限度内であることを確実にするために実施され得る。放射線量計算は、事故の影響を軽減する原子力発電所の安全機能の設計および動作を決定するために使用され得る。計算は、コンピューティング装置(例えば、コンピュータ601)によって処理される決定論的評価であってもよい。コンピューティング装置の実装は、阻止されていない想定される放射能の偶発的放出に関連する推定線量が規定限度内であるかどうかを正確に決定するために必要とされ得る、多数の計算を考慮して必要とされ得る。
【0005】
本開示は、すべての入力パラメータの決定論的な境界選択ではなく、入力パラメータの最良推定値ランダム確率サンプリングに依存してもよい。すべての入力パラメータは、それらの適用可能な分布内でランダムにサンプリングされてもよいが、いくつかの重要な入力パラメータ(例えば、入力パラメータのセット全体のうちの必須入力パラメータのサブセット)のみをサンプリングすることが可能である。このようにして、解析の入力は、現実的な分布を使用してサンプリングされてもよく、これにより、所与の想定される放射線事象シナリオに対するより正確なマージン評価が可能になる。すなわち、サンプリングは、想定される放射能放出から真のマージンおよび限度の遵守の両方を提供するために、不確実性の定量化とともに現実的なアプローチを可能にし得る。このアプローチはまた、特定のシナリオに対処するために採用され得る、より正確な応答および/または軽減の決定を可能にする。結果の統計的処理はまた、政府の規制要件を満たすための境界アプローチを提供する。原子力発電所線量解析における原子炉心への想定される損傷からの放出特性に関連する入力パラメータは、放出率、化学物質、およびタイミングと関連付けられてもよい。
【0006】
さまざまな確率分布からの入力パラメータのランダムサンプリングは、例えば、モンテカルロ法、または確率密度関数(PDF)の他の適切な計算ランダムサンプリングアルゴリズムを介して達成され得る。こうしたランダムサンプリングは、本明細書に記載されるように、推定放射線量計算における過剰な保守性の複合効果に対処する。さらに、ランダムサンプリングはまた、保守的入力によって生成された非保守的結果が互いに相互作用を起こすのを防止し得る。各入力パラメータを定義する特性から導出された統計サンプリング手法は、各サンプリングされた入力パラメータに適用されてもよい。このサンプリングは、各入力パラメータに対応する関連付けられたPDFによって示される各値範囲からサンプリングされ得る。サンプリングされた入力パラメータは各々、結果として生じる放射線量が統計的に組み合わされて平均放射線量結果を生成し、関連する計算された統計的不確実性(例えば、原子炉心への損傷の放射線量の影響を統計的にシミュレーションすることから統計的不確実性を決定する)を有する現実的な推定値を反映して、規制限度の遵守を実証するように、放射線量計算の入力であってもよい。このようにして、関連する不確実性による放射線量計算の未知の真の母集団パラメータの最良推定値を決定することができる。統計的不確実性による平均放射線量結果は、例えば、連邦規則集(C.F.R.)第10編第50.67項の規定限度への遵守を実証するために、合理的に保守的な結果を提供し得る。本開示は、有利なことには、想定事象の影響を軽減および制御する能力を改善するシステムまたは装置(例えば、計算システム)を設計するために使用され得る。例えば、軽減および制御は、従来の方法論に組み込まれた複合的な保守性によって隠されることなく、設計要件、設計、および動作の柔軟性を提供するように、より最適化され得る。
【0007】
追加の利点は、以下の説明で部分的に記載されたことになるか、または実践によって学習され得る。それらの利点は、添付の特許請求の範囲で具体的に指摘されている要素および組み合わせによって実現され、かつ達成されるであろう。
【0008】
本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成する添付の図面は、実施形態を例示し、説明とともに、方法およびシステムの原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図2】
図2は、例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図5】
図5は、例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図6】
図6は、例示的なコンピューティング装置のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本方法およびシステムが説明される前に、本方法およびシステムは、特定の方法、特定の構成要素、または特定の実装に限定されないことが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。
【0011】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の参照を含む。本明細書において、範囲は「約」の一つの特定の値から、および/または「約」の別の特定の値までであるとして表現され得る。そのような範囲が表現される場合、別の実施形態では、1つの特定の値からおよび/または他の特定の値までの範囲が含まれる。同様に、値が近似値として表現される場合、先行する「約」の使用によって、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。範囲の各々の端点は、他の端点との関連において、および他の端点とは独立しての両方で、有意であることがさらに理解されるであろう。
【0012】
「任意選択的」または「任意選択的に」という用語は、後に説明される事象または状況が生じる場合もあり、または生じない場合もあることを意味し、また、その説明が先述の事象または状況が生じる事例および生じない事例を含むことを意味する。
【0013】
本明細書の説明および特許請求の範囲を通して、単語「含む(comprise)」ならびに「含む(comprising)」および「含む(comprises)」などのその単語の変化形は、「含むが、限定されない」を意味し、例えば、他の構成要素、整数または工程を除外することを意図するものではない。「例示的」とは、「の実施例」を意味し、好ましいまたは理想的な実施形態の示唆を伝えることを意図していない。「など」は、制限的な意味でではなく、説明の目的で使用されている。
【0014】
記載された方法およびシステムを実施するために使用され得る構成要素が記載される。これらおよび他の構成要素は、本明細書に記載され、これらの構成要素の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが記述される場合、それぞれのさまざまな個人および集団の組み合わせの特定の参照およびこれらの順列は明示的に説明されていない可能性があるが、それぞれが、すべての方法とシステムに対し、具体的に企図され、本明細書に記載されることが理解される。これは、記載された方法の工程を含むがこれに限定されない、本出願のすべての態様に適用される。それ故に、実施し得るさまざまな追加的な工程がある場合、これらの追加的な工程の各々は、記載の方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組み合わせを用いて実施し得ることが理解される。
【0015】
本方法およびシステムは、以下の詳細な説明およびそこに含まれる実施例、ならびに図およびそれらの前後の説明を参照することにより、より容易に理解され得る。当業者によって理解されるように、方法およびシステムは、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態を取ってもよい。さらに、方法およびシステムは、記憶媒体に具体化されたプロセッサ実行可能プログラム命令(例えば、コンピュータソフトウェア)を有する、コンピュータ可読記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)上のコンピュータプログラム製品の形態を取ってもよい。より具体的には、本方法およびシステムは、ウェブ実装されたコンピュータソフトウェアの形態を取ってもよい。ハードディスク、CD-ROM、光学記憶装置、内部フラッシュメモリまたはリムーバブルフラッシュメモリ、または磁気記憶装置を含む、任意の適切なコンピュータ可読記憶媒体を利用してもよい。
【0016】
図示される方法、システム、装置、およびコンピュータプログラム製品のブロック図およびフローチャートを参照して、方法およびシステムの実施形態を以下に説明する。ブロック図およびフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図中およびフローチャート図中のブロックの組み合わせはそれぞれ、コンピュータプログラム命令によって実装されてもよいことが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行される命令が、フローチャートブロックに明記された機能を実装するための手段を作り出すように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置上に読み込まれて、機械を生産し得る。
【0017】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読メモリまたは媒体に記憶された命令(例えば、プロセッサ実行可能命令)が、フローチャートブロックに明記された機能を実装するためのプロセッサ実行可能命令を含む製造品を生産するように、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置を、特定の様態で機能するように命令し得るコンピュータ可読メモリに記憶され得る。コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行されるプロセッサ実行可能命令が、フローチャートブロックに明記された機能を実装するための工程を提供するように、プロセッサ実行可能命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上に読み込まれて、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で一連の動作工程を実行させ、コンピュータによって実装されるプロセスを生成し得る。
【0018】
よって、ブロック図およびフローチャート図は、明記された機能を実行するための手段の組み合わせ、明記された機能を実行するための工程の組み合わせ、および明記された機能を実行するためのプログラム命令手段を支持する。また、ブロック図およびフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図中およびフローチャート図中のブロックの組み合わせは、明記された機能または工程を実行する専用のハードウェアベースのコンピュータシステムによって、または専用のハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって実装され得ることも理解されるであろう。
【0019】
放射線影響解析のための方法、システム、および装置が本明細書に記載される。放射性物質が関与するさまざまな産業は、放射性物質の放射線の空中移動または間接的伝達のいずれかにより想定される(例えば、仮説的または理論上の)放出の場合に、公衆の安全性と重要な機器の機能を確保するために、安全設計要件によって管理されている(例えば、NRCによって義務付けられる)。安全設計要件を確実に遵守するために、解析が実施される。解析は、想定放出の放射線量の影響についての計算を含む。放射線量推定モデルのために複数の入力パラメータの値を決定論的に選択するのではなく、本開示の方法には、有利なことには、複数の入力パラメータの値をランダムにサンプリングすることが関与し得る。放射線量が管轄区域(例えば、国)の安全設計要件を遵守するかどうかを決定するためにランダムに完了され得る広域サンプリングを考慮して、コンピューティング装置(例えば、コンピュータ601)を利用して、複数の入力パラメータの値を正確にサンプリングしてもよい。コンピューティング装置は、有利なことには、複数の入力パラメータの値のサンプリングが行われ得る速度に起因して、放射線量が管轄区域の安全設計上の要件を遵守するかどうかを決定するために利用され得る。この記載された利点は、迅速に広まり得る、遵守していない想定される放射線放出線量のリスクを適時に軽減するために有益である。
【0020】
サンプリングされた入力パラメータは、オフサイト位置(放射性物質の供給源に対して)での推定放射線量を計算するために使用されるRADTRAD(放射性核種、輸送、除去、線量)モデルなどの線量計算コンピュータプログラムを使用して解析されてもよい。線量計算モデルの出力を統計的に組み合わせて、最良の現実的な推定値が決定されてもよい。統計的不確実性の値は、現実的な推定値に加算されて、定量化された不確実性により合理的に境界を作成する最良推定値の結果を得ることができる。不確実性値は、例えば、95%の確率と95%の信頼度で可能な値の範囲の境界を作成する計算線量値を示す95%/95%の不確実性値であってもよい。このように放射線量の最良の現実的な推定値を計算することによって、本開示は、想定される偶発的な放出事象の影響を軽減および制御するためのシステムおよび装置の設計および動作を改善し得る。
【0021】
図1は、想定される(例えば、仮説的または理論上の)放射線の偶発的放出に対する線量の影響の計算が関与する、放射線影響解析のための例示的な方法100を示すフローチャートを示す。線量の影響は、原子炉心に対する非常用炉心冷却装置の性能についての最良推定値の計算を提供するために使用され得る。方法100は、
図6に示す環境を使用して実装されてもよい。例えば、方法100は、コンピューティング装置601などのコンピューティング装置を使用して実装されてもよい。工程102で、放射線量の影響の分析を実施するために必要な入力パラメータが導出され得る。入力パラメータは、移行率とタイミング、核分裂生成物の除去方法、フィルター効率、換気流量、漏れ量、原子炉(例えば、沸騰水型原子炉)建物ドローダウン時間、制御室の濾過されていない内部漏れ、原子炉心から放出される放射性核種ソースターム、燃焼度および初期濃縮度の関数としての放射性核種インベントリ、放射性核種エアロゾルの除去プロセス、元素状ヨウ素放射性核種の除去プロセス、フィルターによる除去プロセス、システム流量および漏れ量、大気拡散と、呼吸速度(例えば、制御室での呼吸を含む)、および/または同類のもののうちの一つ以上を含むが、これらに限定されない。大気拡散は、気象条件に依存してもよく、気象データに基づいて測定されてもよい。
【0022】
低い風条件は、雲の形態などの想定される放出場所の周りに留まる放射線の偶発的放出を招く場合がある。入力パラメータは、それぞれの入力パラメータの性質によって整理されてもよい。例えば、入力パラメータは、緊急度別に整理されてもよい。しかしながら、入力パラメータは、公式には代替ソースターム(AST)を構成しない場合がある。例えば、さまざまなパラメータは、統計プロセス、設備の許容誤差、技術仕様、および/またはそれらの組み合わせに基づいてもよい。入力パラメータは、想定される冷却材喪失事故(LOCA)の影響のソースタームであってもよい。例えば、入力パラメータを使用して、原子力発電所の燃料棒および/または原子炉心に損傷をもたらすLOCA(例えば、コアの溶融)の影響を分析してもよい。AST解析は、連邦規則集(C.F.R.)第10編第50.67項に従って合理的な保証を提供するために使用され得る。例えば、別の適切な入力パラメータのセットは、原子力発電所の本流ラインにおけるエアロゾル沈降に対するエアロゾル除去速度であってもよい。エアロゾル除去速度は、感度および不確実性解析で使用して、連邦規則集(C.F.R.)第10編第50.67項に従ってスプレーでの使用に適切な有効なエアロゾル沈降速度を計算することができる。
【0023】
適切なAST入力パラメータは、想定事象の放射線影響の所望の解析のために、工程102で決定されてもよい。AST入力パラメータは、放射性物質の供給源に関連する特性、任意の想定放出を阻止、処理、輸送、および制御するように設計されたシステム、空中浮遊放出に関連する大気条件、ならびに線量の受容体から主に決定され得る。受容体は、想定される放射線放出に曝露されると仮定される人々の特性を指し得る。放射線量計算に影響を与える複数の入力パラメータが存在するため、線量計算には統計的不確実性が関与する。複数のAST入力パラメータは各々、一つ以上のパラメータ間で異なり得る確率分布によってモデル化されてもよい。
【0024】
所与のAST入力パラメータについて、決定論的アプローチを採用してもよい。すなわち、工程104で、入力パラメータは、例えば、コンピューティング装置601によって決定論的に定義され得る。例えば、入力パラメータは、対応する入力パラメータに関連付けられた値の範囲からの境界選択を介して、関連する特性からの境界入力として選択され得る。さらに、決定論的な選択は、特定の入力パラメータの値が、その特定の入力に対してより高い放射線量結果をもたらす方法の分析など、放射線量結果の感度分析に基づいて実施され得る。この境界入力選択アプローチは、すべての入力パラメータに適用され得る。
【0025】
例えば、放射線量計算モデルは、それらの相対的重要性に基づいて選択された10個の入力パラメータを有してもよく、確率分布関数(PDF)がより重要な入力に対して決定されてもよく、より重要ではない入力が保守的に選択されてもよい。重要でない入力は、公称値に設定されてもよい。それぞれのPDFに基づいて、一つの入力パラメータは、0.8~1.2の範囲の可能な値のセットを有することによって定義され得る。この例では、工程104での決定論的な選択は、一つの入力パラメータが1.2に設定される線量計算モデルを評価することを伴う。一つの入力パラメータ値は、例えば、統計的に境界を作成する大気拡散係数であってもよい。1.2の値の選択は、最悪の事態のシナリオ(例えば、LOCA事故に関連する放射線放出量)を示す保守的な境界入力選択であり得る。すなわち、工程104での決定論的な選択は、損傷した燃料棒から放出されるこのような放射能の境界を作成する放出を想定し得る。このように、入力パラメータの値は、線量結果が保守的に大きくなるように、対応する入力PDFから決定論的に選択されて、入力PDFの境界を作成する。例えば、入力パラメータが正規分布に従い、かつ線量に比例する場合、入力パラメータの値は、平均値+2標準偏差の値として設定されてもよい。この平均+2標準偏差の値は、正規分布の統計挙動に従って、95%の確率および95%の信頼度(すなわち、95/95値)で、可能な値の範囲の境界を作成する。別の例として、入力パラメータの値は固定値であってもよい。
【0026】
工程106で、線量が計算され得る。例えば、線量は、線量計算モデルおよび決定論的に選択された入力パラメータを使用して、コンピューティング装置601によって計算され得る。複数の決定論的に選択された入力パラメータは、線量計算モデルに入力または記入されてもよい。放射線量の計算には、所望の受容体位置での放射線量の影響を決定するために、承認されたコードで確立された数値計算を通して入力パラメータを処理することが関与し得る。確立された計算は、原子力発電所に固有の形状、初期条件、境界条件、動作パラメータ、設計パラメータなどの要因に基づいてもよい。例えば、要因は、原子炉心設計パラメータ、ASTパラメータ、大気拡散係数などを含み得る。受容体は、空間、人間、または敏感な機器内の場所を含んでもよく、所定の安全限度を有する。確立された数値計算は、さまざまな選択されたAST入力変数と、想定される放出場所全体の特定の受容体との間の関係と関連してもよく、または数学的に定量化してもよい。
【0027】
工程108で、結果を評価してもよい。例えば、結果は、コンピューティング装置601によって評価されてもよい。例えば、結果は、内部安全限度またはNRC指定安全限度などの規定の安全限度に対して評価され得る。許容可能な結果は、システムの設計が、連邦規則集(C.F.R.)第10編第50.67項に従って、限度に対する大幅なマージンを有して安全設計上の要件を適切に満たすことを合理的に保証して実証する。例えば、計算された線量の推定値は、安全限度に適合するのに十分に小さい変動性を有してもよい。
【0028】
図2は、想定される偶発的な放射線放出に対する放射線量の影響の計算を伴う、放射線影響解析のための例示的な方法200を示すフローチャートを示す。方法200は、
図6に示す環境を使用して実装されてもよい。例えば、方法200は、コンピューティング装置601などのコンピューティング装置を使用して実装されてもよい。工程202で、解析を実施するために必要な入力パラメータを決定および定義してもよい。例えば、入力パラメータは、コンピューティング装置601によって決定されてもよい。パラメータの定義は、それぞれの入力パラメータの挙動をモデル化する
図3および
図4にそれぞれ示すPDFおよび累積分布関数(CDF)などの、それぞれのPDFまたはCDFの識別に基づいてもよい。PDFおよびCDFは、感度分析、許容差範囲分析、シミュレーションなどに基づいて決定されてもよい。さらに、PDFは、測定、試験および/または実験データによって決定されてもよい。例えば、大気拡散係数を定義するPDFは、原子力発電所における時間風速度および温度データに基づくコンピュータアルゴリズムを使用することによって導出されてもよい。
【0029】
モデル化されたPDFおよびCDFは、検証のためにそれぞれのAST入力パラメータに対応する収集された実験データと比較することができる(および/または将来の実験データと比較し、それに応じて進化させることができる)。このようにして、PDFおよびCDFは、RADTRAD(放射性核種、輸送、除去、線量)モデルなどの放射線量計算モデルへの各AST入力パラメータの入力に対して経験的に開発され得る。特定のAST入力パラメータは、固有の不確実性のために、それに関連付けられる複数の可能なPDFまたはCDFを有し得る。特定のAST入力パラメータの確率モデルは、確率的性質を有し得るが、この不確実性を考慮すると、反復シミュレーションは、可能な結果値の分布を生成し得る。一部の実施例では、不確実性が存在してもよく、および/またはAST入力パラメータのためにどのデータが収集または使用されるかに関する明確性の欠如、データを生成する関連プロセスの自然な変動性、データの測定またはサンプリングにおけるランダム性などから生じてもよい。例えば、本流ラインにおけるエアロゾル沈降に関するエアロゾル除去速度は、エアロゾル粒子サイズの時間依存性の変化に起因して不明確である場合がある。さらに、不確実性は、予測できない方法で相互作用し得る異なる入力パラメータ間の有意な相関から生じる場合がある。したがって、例えば、不確実性パラメータおよび不確実性伝播方程式を伴うものなどの技術が、不確実性に応答して使用され得る。
【0030】
放射線量計算モデルにおける不確実性は、モンテカルロタイプのシミュレーションが、想定事象から生じる平均推定放射線量および関連する不確実性の定義についての最良推定値を達成するために有用であるようなレベルであり得る。この目的のために、工程204で、一つ以上の入力パラメータがサンプリングされてもよい。例えば、一つ以上の入力パラメータは、コンピューティング装置601によってサンプリングされてもよい。例えば、入力パラメータのサンプリングは、必要な入力パラメータのサンプリングを含んでもよい。どの入力パラメータが必要かどうかの選択は、それぞれの入力分布を正確に表すために統計的に実施されてもよい。さまざまなAST入力パラメータを記述する決定されたPDFをランダムにサンプリングし、コンピューティング装置601内のRADTRAD(放射性核種、輸送、除去、線量)モデルに入力して、推定放射線量結果を計算することができる。例えば、各AST入力パラメータは、一つ以上の可能なPDFおよび/またはCDFからサンプリングされてもよい。異なるPDFには、例えば、対数正規分布、均一な分布、三角形分布、ワイブル分布、ポアソン分布、ロングテール分布などが含まれる。サンプリングは、単純ランダムサンプリング(SMS)、ラテン超方格サンプリング法(LHS)、および/または類似のものなどの適切なサンプリング技術に基づいてもよい。別の例として、CDFは、乱数発生器を使用して入力値についてサンプリングされてもよい。サンプリングされたパラメータはまた、例えば、重要度ランクテーブル(PIRT)プロセスの適用を介して入力および評価されてもよい。
【0031】
サンプリングプロセスは、すべての必要な入力パラメータに対して繰り返され、これは次に放射線量計算モデルに入力されて、放射線量結果を計算する。放射線量結果の計算は、例えば、コンピューティング装置601によって反復して、評価のための放射線量結果のセットを決定してもよい。工程206で、放射線量が計算されてもよい。例えば、放射線量は、コンピューティング装置601によって計算されてもよい。放射線量は、モンテカルロシミュレーションを使用して計算されてもよい。例えば、モンテカルロシミュレーションの各反復について、放射線量は、放射線量を出力するための線量モデルへの入力として、サンプリングされたAST入力パラメータからサンプリングされた値のそれぞれのインスタンスを使用して計算されてもよい。
図2に示すように、モンテカルロシミュレーションは、工程204と工程206との間で反復して、推定放射線量結果の一つ以上の確率分布を生成し得る。結果と不確実性との統計的組み合わせが決定されてもよい。統計的に十分な反復回数の後、シミュレーションは、想定放出の平均推定放射線量および関連する統計的不確実性の最良推定値に収束する。放射線量結果の反復またはセットは、平均値(例えば、放射線量の最良推定値)を決定するために統計的に組み合わされてもよい。平均値に関連する統計的不確実性が決定されてもよい。例えば、最良推定値+不確実性の結果は、収束された最良推定値の結果を定量化された不確実性と加算または統計的に組み合わせることに基づいて計算されてもよい。別の例として、境界平均線量計算は、適切な片側確率および信頼水準(例えば、95%)を使用して決定されてもよい。最良推定値の平均線量分布は、95パーセンタイルなどの所望の分位点が、95%の信頼度で片側で境界を作成することを反映してもよい(例えば、シミュレーションの95%が、真の平均線量集団パラメータを含む)。
【0032】
工程208で、放射線量結果が評価されてもよい。例えば、結果は、コンピューティング装置601によって評価されてもよい。例えば、結果は、最良推定値+不確実性の結果を含んでもよい。この最良推定値+不確実性の結果を評価して、線量の影響が、内部安全限度、または連邦規則集(C.F.R.)第10編第50.67項によって概説されるものなどの安全限度内であるかどうかを決定してもよい。感度分析を実施して、線量計算モデルに存在する不確実性を統計的に定義してもよい。例えば、感度分析は、最良推定値の最高確率値(例えば、関連する統計的不確実性に加算される最良推定値)、および最良推定値の最低確率値(例えば、関連する統計的不確実性によって減算される最良推定値)を生成してもよく、これは、許容差上限および許容差下限とみなされ得る。感度分析はまた、例えば、それぞれの許容差上限および許容差下限を介して、それぞれの関連する統計的不確実性を定義するために、個々の入力パラメータに適用されてもよい。さらに、シミュレーションは、特定の推定放射線量の結果が発生した時に、各AST入力パラメータがどの値を有したかを示してもよい。
【0033】
決定論的アプローチとは対照的に、合理的に保守的な信頼水準を含む最良推定値+不確実性のアプローチは、システムに対する柔軟な設計要件の使用を可能にし得る。システムは、放射性物質の供給源と関連付けられてもよい。このようにして、想定される放射能放出中にコンピューティング装置が可能な放射線量を決定し得る精度は、想定される偶発的な放出事象の影響を軽減および制御するために著しく改善され得る。さらに、核物質を有する施設の設計および動作も改善され得る。例えば、最良推定値+不確実性のアプローチは、保守的な決定論的アプローチによってもたらされたものよりも低い線量推定値をもたらすことによって、より良好な「マージン」(例えば、より小さな誤差マージン)を有し得る。放射線量計算に対する最良推定値+不確実性のアプローチを、原子力発電所事故の線量結果解析に適用することができる。原子力発電所の設計およびライセンス供与では、原子力発電所が特定の想定事故に耐えるように設計されることを義務付けている。設計基準は、原子力発電所のシステムの設計が、所定の規制限度内で放射線量の影響を制限することを含めて、意図された設計機能を満たすことを実証するために、解析を実施する必要がある。最良推定値+不確実性の方法は、想定事故からの放射線放出を阻止、処理、輸送、および制御するための一部の原子力発電所のシステムの設計を改善し得る。連邦規則集(C.F.R.)第10編第50.67項に基づく適切な保守性が存在することを実証するために、最良推定値+不確実性の計算から導出された感度および許容誤差データを評価してもよい。
【0034】
図3は、例示的な確率関数306のグラフ300を示す。確率関数306は、AST入力パラメータランダム変数の確率的結果分布を示す、確率密度関数(PDF)であり得る。例えば、PDF 306は、特定のAST入力パラメータの確率的結果をモデル化するために決定または予測されるPDFであってもよい。グラフ300のy軸302は、確率密度を示す。グラフ300のx軸304は、確率密度による特定のAST入力パラメータの値の範囲を示す。上述のように、特定のAST入力パラメータの値は、
図2の工程204など、PDF 306からサンプリングされてもよい。サンプリングされたパラメータは、例えば、PIRTプロセスの適用を介して入力および評価されてもよい。
【0035】
サンプリングは、SMS、LHS、および/または類似のものなどの適切なサンプリング技術に基づいてもよい。各AST入力パラメータに対するPDF 300からの値を推定線量計算モデルにサンプリングすると、決定論的アプローチよりも低いマージンでの結果がもたらされ得る。例えば、決定論的アプローチは、最良推定値+不確実性のアプローチのサンプリング値と比較して、対応する入力パラメータの真の平均から幾つかの標準偏差のマージンを有する入力パラメータ値の選択をもたらし得る。決定論的アプローチでは、特定の分位点(例えば、95%)を使用して、PDF 306から入力パラメータの値を選択してもよい。選択された値は、例えば、最悪の事態のシナリオを表し得る。グラフ300は、入力パラメータ値が0~2の範囲であってもよく、点308および破線で示されるように、1.5の値が特定の分位点に基づいて決定論的に選択されてもよいことを示す。
【0036】
一般に、各AST入力パラメータに対する一つ以上のPDF 306は、そのAST入力パラメータの個々の特性に基づいて決定され得る。これには、データを使用してPDF 306を経験的に決定することが含まれてもよい。例えば、大気拡散係数の確率分布を決定し、対応するPDF 306を生成するために、気象データを収集することができる。また、データは、システムまたは構成要素の実際の性能からの測定値から取得されてもよい。線量受容体に関して、PDFは、無作為の人間集団からの呼吸速度などの実際の生理学的測定値から導出されてもよく、または人口密度マップなどに基づいてもよい。推定線量計算モデルに関して、大気拡散係数は、線量率に直接比例してもよい。さまざまなAST入力パラメータについてのPDFは、感度分析、許容差範囲分析、シミュレーションなどに基づいて決定されてもよい。
【0037】
図4は、例示的な確率関数406のグラフ400を示す。確率関数406は、特定の閾値以下の値でランダム変数を検索できる確率を与える累積分布関数(CDF)であり得る。例えば、CDF 406は、特定のAST入力パラメータが特定の間隔内の値を有する確率を決定するために使用され得るCDFであり得る。グラフ400のy軸402は、特定の閾値以下であるそれらの入力パラメータ値の確率を示す。グラフ400のx軸404は、これらの閾値を示す。例えば、1の値を有する入力パラメータの確率は、およそ0.5である。
【0038】
上述のように、特定のAST入力パラメータの値は、
図2の工程204など、CDF 406からサンプリングされてもよい。CDFは、乱数発生器を使用して、特定のAST入力パラメータの入力値についてサンプリングされてもよい。各AST入力パラメータに対するCDF 406からの値を推定線量計算モデルにサンプリングすると、決定論的アプローチよりも低いマージンでの結果がもたらされ得る。決定論的アプローチは、特定の分位点に対応する値の選択を介してなど、最悪の事態のシナリオ値の選択を伴ってもよい。
図4の破線によって示されるように、例えば、1.5の固定値408が、線量結果について線量計算モデルに入力される特定のASTパラメータに対して保守的に選択されるように、98%の分位点が使用され得る。このように境界固定値を選択することは、本明細書で論じるように、保守性の複合効果をもたらし得る。
【0039】
図5は、ストレージ管理のための例示的な方法500を示すフローチャートを示す。方法500は、例えば、
図6に示す環境を使用して実装されてもよい。例えば、方法500は、コンピューティング装置601を使用して実装されてもよい。工程502で、複数の入力パラメータを受信してもよい。例えば、複数の入力パラメータは、コンピューティング装置601によって受信されてもよい。入力パラメータは、例えば、放射能量と関連付けられてもよい。例えば、放射能量は、放射能濃度を示す値を含んでもよい。別の例として、入力パラメータは、放射能の輸送と関連付けられてもよい。例えば、放射能の輸送は、放射能濃度が増加し得る速度を示してもよい。複数の入力パラメータは、放射能の想定される(例えば、仮想的または理論上の)放出のソースターム(例えば、AST)と関連付けられてもよい。例えば、想定事象は、想定LOCAから生じる想定される放射線放出を伴ってもよい。例えば、複数の入力パラメータは、放射性核種ソースタームパラメータ、放射性核種インベントリパラメータ、放射性核種エアロゾル除去パラメータ、フィルター除去パラメータ、システム流量パラメータ、漏れ量パラメータ、大気拡散パラメータ、呼吸速度パラメータ、放出率およびタイミングパラメータ、核分裂生成物除去方法パラメータ、フィルター効率パラメータ、換気流量パラメータ、漏れ量パラメータ、原子炉(例えば、沸騰水型原子炉)建物ドローダウン時間パラメータ、または制御室の濾過されていない内部漏れパラメータのうちの一つ以上を含んでもよい。複数の入力パラメータのうちの特定のタイプの入力パラメータは、例えば、コンピューティング装置601によって識別されてもよい。別の例として、コンピューティング装置601は、複数の入力パラメータのうちの複数の多くの異なるタイプの入力パラメータが受信されるインスタンスにおいて、複数の入力パラメータのうちの特定のタイプの入力パラメータを識別してもよい。コンピューティング装置601のプロセッサ(例えば、プロセッサ603)は、入力パラメータが処理される速度および精度が改善されるように、複数の入力パラメータを処理してもよい。
【0040】
工程504で、サンプル値が決定されてもよい。例えば、サンプル値は、コンピューティング装置601によって決定されてもよい。例えば、サンプル値は、ランダムサンプリングプロセスによって決定されてもよく、複数の入力パラメータの複数のランダムにサンプリングされた値をもたらしてもよい。例えば、複数のランダムにサンプリングされた値の決定は、確率分布関数および/または一つ以上の累積分布関数のうちの一つ以上からサンプリングすることを含んでもよい。別の例として、複数のランダムにサンプリングされた値の決定は、モンテカルロシミュレーション(例えば、コンピューティング装置601による)の実施を含んでもよい。モンテカルロシミュレーションは、不確実な事象の可能性のある結果を推定するために使用され得る数学的手法であることが理解される。例えば、可能性のある結果の数は、不確実な事象に関連付けられた無限数であってもよい。ランダムサンプリングプロセスは、本明細書に記載されるように、推定放射線量計算における過剰な保守性の複合効果に対処し、これを向上させ得る。
【0041】
工程506で、放射線量の推定値が決定されてもよい。例えば、放射線の推定値は、コンピューティング装置601によって決定されてもよい。放射線量の推定値は、想定LOCAから生じる想定される放射線放出などの放射線放出と関連付けられてもよい。例えば、放射線量の推定値の決定は、モンテカルロシミュレーションの反復を介してなど、複数のランダムにサンプリングされた値および複数の線量値の反復的決定を含んでもよい。モンテカルロシミュレーションは、平均値(例えば、想定放出からの放射線量の決定された推定値)を決定するために、複数の線量値の統計的組み合わせを決定することを伴ってもよい。言い換えれば、複数の放射線量値は、統計的に組み合わされて平均放射線量結果を生成し、関連する計算された統計的不確実性(例えば、原子炉心への損傷の放射線量の影響を統計的にシミュレーションすることから統計的不確実性を決定する)を有する現実的な推定を反映して、規制限度または内部限度の遵守を実証してもよい。
【0042】
工程508で、統計的不確実性が決定されてもよい。例えば、統計的不確実性は、コンピューティング装置601によって決定されてもよい。例えば、統計的不確実性は、放射線量の推定値に関連付けられてもよい。例えば、コンピューティング装置601は、放射線量および統計的不確実性の推定値を閾値と比較してもよい。前述の決定の結果は、例えば、推定値(例えば、最良推定値)に不確実性の結果を加えたものを含んでもよい。放射線量および統計的不確実性の推定値は、真の最良推定値の線量結果に不確実性を加えたものでありってもよい。さらなる例として、境界線量は、所望の片側確率および信頼水準(95%など)を使用して決定されてもよい。放射線量計算の未知の真の母集団パラメータ(例えば、平均放射線量)の最良推定値+不確実性は、決定論的アプローチと比較して、想定放出に対する放射線量の影響の精度を改善し得る。最良推定値+統計的不確実性の結果は、例えば、連邦規則集(C.F.R.)第10編第50.67項の内部限度、規制限度、および/または規定限度の遵守を実証するために、合理的に保守的な結果を提供し得る。このようにして、コンピューティング装置が放射線量計算を決定し得る精度は、著しく改善され得、それによって、想定事象の放射線影響の軽減および制御が改善される。
【0043】
一態様では、方法、システム、および装置は、
図6に図示し、以下に説明するように、コンピュータ601上またはコンピュータ601に対して実装されてもよい。同様に、開示される方法およびシステムは、一つ以上のコンピュータを利用して、一つ以上の場所で一つ以上の機能を実行してもよい。
図6は、開示された方法を実施するための例示的な動作環境600を示すブロック図を示す。この例示的な動作環境600は、動作環境の一例に過ぎず、動作環境アーキテクチャの使用範囲または機能に関するいかなる制限を提案することを意図していない。動作環境600は、例示的な動作環境600に例示される構成要素のうちのいずれか一つまたは組み合わせに関する任意の依存性または要件を有するものと解釈されるべきではない。
【0044】
本方法およびシステムは、多数の他の汎用または専用コンピューティングシステムの環境または構成で動作可能であってもよい。システムおよび方法での使用に好適であり得る周知のコンピューティングシステム、環境、および/または構成の例としては、パーソナルコンピュータ、サーバーコンピュータ、ラップトップデバイス、およびマルチプロセッサシステムが挙げられるが、これらに限定されない。追加的な実施例は、セットトップボックス、プログラム可能な家電製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記のシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などを含む。
【0045】
開示された方法およびシステムの処理は、ソフトウェア構成要素によって実施されてもよい。開示されたシステムおよび方法は、一つ以上のコンピュータまたは他のデバイスによって実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能またはプロセッサ実行可能命令の一般的な文脈で説明され得る。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを実施するか、または特定の抽象データタイプを実装する、コンピュータコード、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。開示された方法はまた、通信ネットワークを介してリンクされる遠隔処理装置によってタスクが実行されるグリッドベースおよび分散コンピューティング環境で実施されてもよい。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶装置を含むローカルおよび/または遠隔コンピュータ記憶媒体に位置してもよい。
【0046】
さらに、当業者であれば、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、コンピュータ601の形態の汎用コンピューティング装置を介して実装され得ることを理解するであろう。コンピュータ601は、一つ以上のプロセッサ603などの一つ以上の構成要素と、システムメモリ612と、一つ以上のプロセッサ603を含むさまざまなコンピュータ601のさまざまな構成要素をシステムメモリ612に連結するバス613と、を含んでもよい。複数のプロセッサ603の場合、システムは、並列計算を利用し得る。
【0047】
バス613は、さまざまなバスアーキテクチャのいずれかを使用する、メモリバス、メモリコントローラ、周辺バス、加速グラフィックポート、およびプロセッサまたはローカルバスなどの幾つかの可能なタイプのバス構造のうちの一つ以上を含んでもよい。一例として、こうしたアーキテクチャは、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ビデオエレクトロニクス規格協会(VESA)ローカルバス、加速グラフィックポート(AGP)バス、および周辺構成要素相互接続(PCI)、PCI-Expressバス、パーソナルコンピュータメモリカード産業協会(PCMCIA)、ユニバーサルシリアルバス(USB)などを含み得る。バス613、および本記載中に指定されたすべてのバスはまた、有線または無線ネットワーク接続を介して実装されてもよく、例えば、一つ以上のプロセッサ603、大容量記憶装置604、オペレーティングシステム605、線量解析ソフトウェア606、放射線放出データ607、ネットワークアダプタ608、システムメモリ612、入力/出力インターフェイス610、表示アダプタ609、表示装置611およびヒューマンマシンインターフェイス602などのコンピュータ601の構成要素のうちの一つ以上は、物理的に別の位置で、この形態のバスを介して接続されて、一つ以上の遠隔コンピューティング装置614a、b、c内に含まれてもよく、実質的に完全に分散されたシステムを実装してもよい。
【0048】
コンピュータ601は典型的に、さまざまなコンピュータ可読媒体を備える。例示的な可読媒体は、コンピュータ601によってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよく、例えば、揮発性および不揮発性の媒体、取り外し可能な媒体および取り外し不可能な媒体の両方を含んでもよく、これらに限定されることを意図しない。システムメモリ612は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、および/または読み出し専用メモリ(ROM)などの不揮発性メモリの形態のコンピュータ可読媒体を備えてもよい。システムメモリ612は典型的に、放射線放出データ607などのデータ、および/または一つ以上のプロセッサ603にアクセス可能であり、および/または一つ以上のプロセッサ603によって操作される、オペレーティングシステム605および線量解析ソフトウェア606などのプログラムモジュールを備えてもよい。
【0049】
別の態様では、コンピュータ601はまた、その他の取り外し可能な/取り外し不可能な、揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体を備えてもよい。大容量記憶装置604は、コンピュータ601用のコンピュータコード、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、その他のデータの不揮発性記憶装置を提供することができる。例えば、大容量記憶装置604は、ハードディスク、取り外し可能磁気ディスク、取り外し可能光ディスク、磁気カセットまたはその他の磁気記憶装置、フラッシュメモリカード、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)またはその他の光学記憶装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)、およびこれに類するものであり得る。
【0050】
任意選択的に、例としてオペレーティングシステム605および線量解析ソフトウェア606を含めて、大容量記憶装置604上に、任意の数のプログラムモジュールを記憶してもよい。オペレーティングシステム605および線量解析ソフトウェア606(またはそれらのいくつかの組み合わせ)のうちの一つ以上は、プログラミングおよび線量解析ソフトウェア606の要素を含んでもよい。また、放射線放出データ607は、大容量記憶装置604上に記憶されてもよい。放射線放出データ607は、当技術分野で公知の一つ以上のデータベースのいずれかに記憶されてもよい。そのようなデータベースの例としては、DB2(登録商標)、Microsoft(登録商標)Access、Microsoft(登録商標)SQL Server、Oracle(登録商標)、mySQL、PostgreSQLなどが挙げられる。データベースは集中型であってもよく、またはネットワーク1515内の複数の場所にわたる分散型であってもよい。
【0051】
別の態様では、ユーザーは、入力装置(図示せず)を介して、コマンドおよび情報をコンピュータ601に入力してもよい。こうした入力装置は、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、コンピュータマウス、リモコン)、マイク、ジョイスティック、スキャナ、触覚入力装置(グローブ、およびその他の身体を覆うもの)、運動センサー、およびこれに類するものを含むが、これらに限定されない。これらおよびその他の入力装置は、バス613に連結されるヒューマンマシンインターフェイス602を介して、一つ以上のプロセッサ603に接続され得るが、その他のインターフェイスおよびバス構造(パラレルポート、ゲームポート、IEEE 1394ポート(Firewireポートとしても知られる)、シリアルポート、ネットワークアダプタ608、および/またはユニバーサルシリアルバス(USB)など)によって接続され得る。
【0052】
なおも別の態様では、表示装置611はまた、表示アダプタ609などのインターフェイスを介してバス613に接続されてもよい。コンピュータ601は、二つ以上の表示アダプタ609を有してもよく、またコンピュータ601は、二つ以上の表示装置611を有し得ることが意図される。例えば、表示装置611は、モニター、LCD(液晶ディスプレイ)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、テレビ、スマートレンズ、スマートグラス、および/またはプロジェクターであってもよい。表示装置611に加えて、その他の出力周辺装置は、入力/出力インターフェイス610を介してコンピュータ601に接続されてもよいスピーカー(図示せず)およびプリンター(図示せず)などの構成要素を含んでもよい。方法の任意の工程および/または結果は、任意の形態で出力装置に出力され得る。こうした出力は、テキスト、グラフィック、アニメーション、音声、触覚、およびこれに類するものが挙げられるがこれらに限定されない、視覚的表現の任意の形態であり得る。表示611およびコンピュータ601は、一つの装置の一部であってもよく、または別個の装置であり得る。
【0053】
コンピュータ601は、一つ以上の遠隔コンピューティング装置614a、b、cへの論理接続を使用して、ネットワーク環境で動作し得る。例として、遠隔コンピューティング装置614a、b、cは、パーソナルコンピュータ、コンピューティングステーション(例えば、ワークステーション)、ポータブルコンピュータ(例えば、ラップトップ、携帯電話、タブレットデバイス)、スマートデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、アクティビティトラッカー、スマートアパレル、スマートアクセサリ)、セキュリティおよび/または監視デバイス、サーバ、ルーター、ネットワークコンピュータ、ピアデバイス、エッジデバイス、またはその他の共通ネットワークノードなどであってもよい。コンピュータ601と遠隔コンピューティング装置614a、b、cとの間の論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)および/または一般広域ネットワーク(WAN)などのネットワーク1515を介して行われてもよい。こうしたネットワーク接続は、ネットワークアダプタ608を通してもよい。ネットワークアダプタ608は、有線環境と無線環境の両方で実装されてもよい。こうしたネットワーク環境は、住居、オフィス、企業全体のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおける、従来かつ通常のネットワーク環境である。
【0054】
図示の目的で、アプリケーションプログラムおよびオペレーティングシステム605などのその他の実行可能なプログラム構成要素が、本明細書において個別のブロックとして示されるものの、こうしたプログラムおよび構成要素は、コンピューティング装置601の異なる記憶装置構成要素の中に何度も存在してもよく、かつコンピュータ601の一つ以上のプロセッサ603によって実行されることが認識される。線量解析ソフトウェア606の実装は、何らかの形態のコンピュータ可読媒体に保存されてもよく、または何らかの形態のコンピュータ可読媒体を通して送信され得る。開示された方法のいずれかは、コンピュータ可読媒体上で具現化されたコンピュータ可読命令によって実施されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってもよい。例として、かつ限定することを意図するものではないが、コンピュータ可読媒体は、「コンピュータ記憶媒体」および「通信媒体」を含んでもよい。「コンピュータ記憶媒体」は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された、揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含み得る。例示的なコンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または所望の情報を記憶するために使用されてもよく、かつコンピュータによってアクセスされてもよい任意の他の媒体を含んでもよい。
【0055】
方法およびシステムを、具体的な実施例に関連して説明してきたが、本明細書の実施形態は、制限的ではなく例示的であるようにあらゆる点において意図されているので、記載された特定の実施形態に範囲が限定されることを意図していない。別途明示的に記載されない限り、本明細書に記載されたいずれの方法も、その工程が特定の順序で実施されることを要求していると解釈されることは決して意図されない。したがって、方法の請求項が、その工程が従うべき順序を実際に列挙していない場合、または工程が特定の順序に限定されることを特許請求の範囲または説明において別途具体的に記載されていない場合、いかなる点においても、順序が推測されることは決して意図されない。これは、工程の配設または操作フローに関する論理的な問題、文法的な構成または句読点に由来する平易な意味、明細書に記載されている実施形態の数またはタイプを含む、解釈のためのあらゆる可能性のある不明確な根拠にも当てはまる。
【0056】
範囲または趣旨から逸脱することなく、さまざまな修正および変形を成し得ることが、当業者には明らかであろう。他の実施形態は、明細書および本明細書に記載の実施の検討から当業者には明らかであろう。明細書および実施例は、単に例示的なものとして考慮され、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
【国際調査報告】