(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】半導体構造及びメモリ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/8238 20060101AFI20240719BHJP
G11C 7/06 20060101ALI20240719BHJP
H10B 12/00 20230101ALI20240719BHJP
【FI】
H01L27/092 C
G11C7/06 120
H10B12/00 601
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562507
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2022-10-13
(86)【国際出願番号】 CN2022104699
(87)【国際公開番号】W WO2024000625
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202210744736.4
(32)【優先日】2022-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ワン シャンユー
(72)【発明者】
【氏名】リー ニン
【テーマコード(参考)】
5F048
5F083
【Fターム(参考)】
5F048AC03
5F048BB01
5F048BD10
5F083AD00
5F083GA12
5F083LA03
(57)【要約】
半導体構造及びメモリを提供する。該半導体構造は、第1アクティブ領域と、第1アクティブ領域の上方に位置する第1ゲートであって、第1アクティブ領域及び第1ゲートは第1トランジスタを形成するために用いられる、第1ゲートと、第2アクティブ領域であって、第2アクティブ領域と第1アクティブ領域は第1方向に沿って配列され、第2アクティブ領域と第1アクティブ領域は互いに独立する、第2アクティブ領域と、第2アクティブ領域の上方に位置する第2ゲートであって、第2アクティブ領域及び第2ゲートは第2トランジスタを形成するために用いられる、第2ゲートと、を含み、ここで、第1トランジスタと第2トランジスタのサイズは同じであり、第1トランジスタの電気的パラメータと第2トランジスタの電気的パラメータとの偏差は、所定の閾値内にあり、第1トランジスタ及び第2トランジスタは、1つのクロスカップル増幅単位に属する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造であって、
第1アクティブ領域と、
前記第1アクティブ領域の上方に位置する第1ゲートであって、前記第1アクティブ領域及び前記第1ゲートは第1トランジスタを形成するために用いられる、第1ゲートと、
第2アクティブ領域であって、前記第2アクティブ領域と前記第1アクティブ領域は第1方向に沿って配列され、前記第2アクティブ領域と前記第1アクティブ領域は互いに独立する、第2アクティブ領域と、
前記第2アクティブ領域の上方に位置する第2ゲートであって、前記第2アクティブ領域及び前記第2ゲートは第2トランジスタを形成するために用いられる、第2ゲートと、を含み、
ここで、前記第1トランジスタのサイズは、前記第2トランジスタのサイズと同じであり、前記第1トランジスタの電気的パラメータと前記第2トランジスタの電気的パラメータとの偏差は、所定の閾値内にあり、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、1つのクロスカップル増幅単位に属する、半導体構造。
【請求項2】
前記第1ゲートの形状は、前記第2ゲートの形状と同じであり、
第1方向では、前記第1ゲートの上縁は前記第1アクティブ領域の上縁より高く、前記第1ゲートの下縁は前記第1アクティブ領域の下縁より低く、前記第2ゲートの上縁は前記第2アクティブ領域の上縁より高く、前記第2ゲートの下縁は前記第2アクティブ領域の下縁より低い、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
第1方向では、前記第1アクティブ領域の上縁と前記第1ゲートの上縁との高さの差は第1値であり、前記第2アクティブ領域の上縁と前記第2ゲートの上縁との高さの差は第2値であり、ここで、前記第1値と前記第2値は同じであり、
前記第1アクティブ領域の下縁と前記第1ゲートの下縁との高さの差は第3値であり、前記第2アクティブ領域の下縁と前記第2ゲートの下縁との高さの差は第4値であり、ここで、前記第3値と前記第4値は同じである、
請求項2に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記半導体構造は、
前記第1アクティブ領域に位置する第1接触領域と、
前記第1アクティブ領域に位置する第2接触領域であって、前記第1接触領域、前記第1ゲート及び前記第2接触領域は第2方向に沿って順次に配列される、第2接触領域と、
前記第2アクティブ領域に位置する第3接触領域と、
前記第2アクティブ領域に位置する第4接触領域であって、前記第3接触領域、前記第2ゲート及び前記第4接触領域は第2方向に沿って順次に配列される、第4接触領域と、を更に含む、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項5】
第2方向では、前記第1接触領域と前記第1ゲートとの距離は第5値であり、前記第3接触領域と前記第2ゲートとの距離は第6値であり、且つ、前記第5値と前記第6値は同じであり、前記第2接触領域と前記第1ゲートとの距離は第7値であり、前記第4接触領域と前記第2ゲートとの距離は第8値であり、且つ、前記第7値と前記第8値は同じである、
請求項4に記載の半導体構造。
【請求項6】
第1方向では、前記第2接触領域の上縁と前記第1接触領域の上縁は面一であり、且つ、前記第2接触領域の下縁は、前記第1接触領域の下縁より低く、前記第4接触領域の下縁と前記第3接触領域の下縁は面一であり、且つ、前記第4接触領域の上縁は、前記第3接触領域の上縁より高い、
請求項4に記載の半導体構造。
【請求項7】
第1方向では、前記第2接触領域の上縁は、前記第1接触領域の上縁より高く、且つ、前記第2接触領域の下縁は、前記第1接触領域の下縁より低く、前記第4接触領域の上縁は、前記第3接触領域の上縁より高く、且つ、前記第4接触領域の下縁は、前記第3接触領域の下縁より低い、
請求項4に記載の半導体構造。
【請求項8】
第1方向では、前記第1接触領域の上縁と前記第2接触領域の上縁との距離は第9値であり、前記第3接触領域の上縁と前記第4接触領域の上縁との距離は第10値であり、ここで、前記第9値と前記第10値は同じであり、
前記第1接触領域の下縁と前記第2接触領域の下縁との距離は第11値であり、前記第3接触領域の下縁と前記第4接触領域の下縁との距離は第12値であり、ここで、前記第11値と前記第12値は同じである、
請求項7に記載の半導体構造。
【請求項9】
前記第9値と、前記第10値と、前記第11値と、前記第12値とは、全部同じである、
請求項8に記載の半導体構造。
【請求項10】
前記半導体構造は、
前記第1アクティブ領域の上方に位置する第3ゲートであって、前記第3ゲートは前記第1ゲートから離れた前記第2接触領域の一側に配置され、前記第1アクティブ領域及び前記第3ゲートは第3トランジスタを形成するために用いられる、第3ゲートと、
前記第2アクティブ領域の上方に位置する第4ゲートであって、前記第4ゲートは前記第2ゲートから離れた前記第4接触領域の一側に配置され、前記第2アクティブ領域及び前記第4ゲートは第4トランジスタを形成するために用いられる、第4ゲートと、を更に含み、
ここで、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタは、別のクロスカップル増幅単位に属する、
請求項4に記載の半導体構造。
【請求項11】
前記半導体構造は、
前記第1アクティブ領域に位置する第5接触領域であって、前記第5接触領域は前記第2接触領域から離れた前記第3ゲートの一側に配置される、第5接触領域と、
前記第2アクティブ領域に位置する第6接触領域であって、前記第6接触領域は前記第4接触領域から離れた前記第4ゲートの一側に配置される、第6接触領域と、を更に含む、
請求項10に記載の半導体構造。
【請求項12】
前記第1接触領域の形状は、前記第5接触領域の形状と同じであり、前記第3接触領域の形状は、前記第6接触領域の形状と同じであり、
第1方向では、前記第1接触領域の中心点は、前記第5接触領域の中心点と同じ位置にあり、前記第3接触領域の中心点は、前記第6接触領域の中心点と同じ位置であり、
前記第1ゲートと前記第3ゲートは、前記第2接触領域に関して中心対称であり、前記第2ゲートと前記第4ゲートは、第5接触領域に関して中心対称である、
請求項11に記載の半導体構造。
【請求項13】
前記第1アクティブ領域と、前記第2アクティブ領域と、前記第1ゲート~第4ゲートと、前記第1接触領域~第6接触領域とは共に、1つの繰り返し単位を構成し、且つ、複数の繰り返し単位は、第2方向に沿って配列され、
同じ繰り返し単位内の前記第1ゲートと第3ゲートとの距離は第13値であり、隣接する繰り返し単位内の前記第1ゲートと第3ゲートとの距離は第14値であり、
同じ繰り返し単位内の前記第2ゲートと第4ゲートとの距離は第15値であり、隣接する繰り返し単位内の前記第2ゲートと第4ゲートとの距離は第16値であり、
ここで、前記第13値と、前記第14値と、前記第15値と、前記第16値とは、全部同じである、
請求項12に記載の半導体構造。
【請求項14】
前記第1ゲートには第7接触領域が配置され、前記第2ゲートには第8接触領域が配置され、前記第3ゲートには第9接触領域が配置され、前記第4ゲートには第10接触領域が配置され、ここで、
前記第7接触領域と前記第10接触領域は、中心対称であり、前記第8接触領域と前記第9接触領域は、中心対称である、
請求項12に記載の半導体構造。
【請求項15】
メモリであって、
前記メモリは、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の半導体構造を含む、メモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2022年06月27日に中国特許局に提出された、出願番号が202210744736.4であり、発明の名称が「半導体構造及びメモリ」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は半導体の分野に関し、特に半導体構造及びメモリに関する。
【背景技術】
【0003】
メモリにおいて、センスアンプ(SA:Sensing Amplifier)は重要な機能部品であり、メモリ単位により出力されるデータ信号を増幅して出力し、又は、外部の信号を増幅してメモリ単位に書き込むことができる。センスアンプは、一対のP型トランジスタ(PSAと呼ぶ)と一対のN型トランジスタ(NSAと呼ぶ)からなる。但し、製造プロセス中に、PSAにいくつかの偏差又はミスマッチの問題が存在するので、センスアンプの性能を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、クロスカップル構造におけるトランジスタの対称性を向上させ、トランジスタのミスマッチに起因するノイズを改善し、信号増幅性能を向上させることができる半導体構造及びメモリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本開示の実施例は、半導体構造を提供し、前記半導体構造は、
第1アクティブ領域と、
前記第1アクティブ領域の上方に位置する第1ゲートであって、前記第1アクティブ領域及び前記第1ゲートは第1トランジスタを形成するために用いられる、第1ゲートと、
第2アクティブ領域であって、前記第2アクティブ領域と前記第1アクティブ領域は第1方向に沿って配列され、前記第2アクティブ領域と前記第1アクティブ領域は互いに独立する、第2アクティブ領域と、
前記第2アクティブ領域の上方に位置する第2ゲートであって、前記第2アクティブ領域及び前記第2ゲートはで第2トランジスタを形成するために用いられる、第2ゲートと、を含み、
ここで、前記第1トランジスタのサイズは、前記第2トランジスタのサイズと同じであり、前記第1トランジスタの電気的パラメータと前記第2トランジスタの電気的パラメータとの偏差は、所定の閾値内にあり、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、1つのクロスカップル増幅単位に属する。
【0006】
いくつかの実施例では、前記第1ゲートの形状は、前記第2ゲートの形状と同じであり、第1方向では、前記第1ゲートの上縁は前記第1アクティブ領域の上縁より高く、前記第1ゲートの下縁は前記第1アクティブ領域の下縁より低く、前記第2ゲートの上縁は前記第2アクティブ領域の上縁より高く、前記第2ゲートの下縁は前記第2アクティブ領域の下縁より低い。
【0007】
いくつかの実施例では、第1方向では、前記第1アクティブ領域の上縁と前記第1ゲートの上縁との高さの差は第1値であり、前記第2アクティブ領域の上縁と前記第2ゲートの上縁との高さの差は第2値であり、ここで、前記第1値と前記第2値は同じであり、前記第1アクティブ領域の下縁と前記第1ゲートの下縁との高さの差は第3値であり、前記第2アクティブ領域の下縁と前記第2ゲートの下縁との高さの差は第4値であり、ここで、前記第3値と前記第4値は同じである。
【0008】
いくつかの実施例では、前記第1アクティブ領域に位置する第1接触領域と、前記第1アクティブ領域に位置する第2接触領域であって、前記第1接触領域、前記第1ゲート及び前記第2接触領域は第2方向に沿って順次に配列される、第2接触領域と、及び、前記第2アクティブ領域に位置する第3接触領域と、前記第2アクティブ領域に位置する第4接触領域であって、前記第3接触領域、前記第2ゲート及び前記第4接触領域は第2方向に沿って順次に配列される、第4接触領域と、を更に含む。
【0009】
いくつかの実施例では、第2方向では、前記第1接触領域と前記第1ゲートとの距離は第5値であり、前記第3接触領域と前記第2ゲートとの距離は第6値であり、且つ、前記第5値と前記第6値は同じであり、前記第2接触領域と前記第1ゲートとの距離は第7値であり、前記第4接触領域と前記第2ゲートとの距離は第8値であり、且つ、前記第7値と前記第8値は同じである。
【0010】
いくつかの実施例では、第1方向では、前記第2接触領域の上縁と前記第1接触領域の上縁は面一であり、且つ、前記第2接触領域の下縁は、前記第1接触領域の下縁より低く、前記第4接触領域の下縁と前記第3接触領域の下縁は面一であり、且つ、前記第4接触領域の上縁は、前記第3接触領域の上縁より高い。
【0011】
いくつかの実施例では、第1方向では、前記第2接触領域の上縁は、前記第1接触領域の上縁より高く、且つ、前記第2接触領域の下縁は、前記第1接触領域の下縁より低く、前記第4接触領域の上縁は、前記第3接触領域の上縁より高く、且つ、前記第4接触領域の下縁は、前記第3接触領域の下縁より低い。
【0012】
いくつかの実施例では、第1方向では、前記第1接触領域の上縁と前記第2接触領域の上縁との距離は第9値であり、前記第3接触領域の上縁と前記第4接触領域の上縁との距離は第10値であり、ここで、前記第9値と前記第10値は同じであり、前記第1接触領域の下縁と前記第2接触領域の下縁との距離は第11値であり、前記第3接触領域の下縁と前記第4接触領域の下縁との距離は第12値であり、ここで、前記第11値と前記第12値は同じである。
【0013】
いくつかの実施例では、前記第9値、前記第10値、前記第11値、前記第12値は、全部同じである。
【0014】
いくつかの実施例では、前記半導体構造は、前記第1アクティブ領域の上方に位置し、前記第1ゲートから離れた前記第2接触領域の一側に配置され、前記第1アクティブ領域及び前記第3ゲートは第3トランジスタを形成するために用いられる、第3ゲートと、前記第2アクティブ領域の上方に位置し、前記第2ゲートから離れた前記第4接触領域の一側に配置され、前記第2アクティブ領域及び前記第4ゲートは第4トランジスタを形成するために用いられる、第4ゲートと、を更に含み、ここで、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタは、別のクロスカップル増幅単位に属する。
【0015】
いくつかの実施例では、前記半導体構造は、前記第1アクティブ領域に位置する第5接触領域であって、前記第5接触領域は前記第2接触領域から離れた前記第3ゲートの一側に配置される、第5接触領域と、前記第2アクティブ領域に位置する第6接触領域であって、前記第6接触領域は前記第4接触領域から離れた前記第4ゲートの一側に配置される、第6接触領域と、を更に含む。
【0016】
いくつかの実施例では、前記第1接触領域の形状は、前記第5接触領域の形状と同じであり、前記第3接触領域の形状は、前記第6接触領域の形状と同じであり、第1方向では、前記第1接触領域の中心点は、前記第5接触領域の中心点と同じ位置にあり、前記第3接触領域の中心点は、前記第6接触領域の中心点と同じ位置であり、前記第1ゲートと前記第3ゲートは、前記第2接触領域に関して中心対称であり、前記第2ゲートと前記第4ゲートは、第5接触領域に関して中心対称である。
【0017】
いくつかの実施例では、前記第1アクティブ領域と、前記第2アクティブ領域と、前記第1ゲート~第4ゲートと、前記第1接触領域~第6接触領域とは共に、1つの繰り返し単位を構成し、且つ、複数の繰り返し単位は、第2方向に沿って配列され、同じ繰り返し単位内の前記第1ゲートと第3ゲートとの距離は第13値であり、隣接する繰り返し単位内の前記第1ゲートと第3ゲートとの距離は第14値であり、同じ繰り返し単位内の前記第2ゲートと第4ゲートとの距離は第15値であり、隣接する繰り返し単位内の前記第2ゲートと第4ゲートとの距離は第16値であり、ここで、前記第13値、前記第14値、前記第15値、前記第16値は、全部同じである。
【0018】
いくつかの実施例では、前記第1ゲートには第7接触領域が配置され、前記第2ゲートには第8接触領域が配置され、前記第3ゲートには第9接触領域が配置され、前記第4ゲートには第10接触領域が配置され、ここで、前記第7接触領域と前記第10接触領域は、中心対称であり、前記第8接触領域と前記第9接触領域は、中心対称である。
【0019】
第2方面、本開示の実施例は、第1方面による半導体構造を含むメモリを提供する。
【0020】
本開示の実施例は半導体構造及びメモリを提供し、この半導体構造は、第1アクティブ領域と、第1アクティブ領域の上方に位置する第1ゲートであって、第1アクティブ領域及び前記第1ゲートは第1トランジスタを形成するために用いられる、第1ゲートと、第2アクティブ領域であって、前記第2アクティブ領域と前記第1アクティブ領域は第1方向に沿って配列され、前記第2アクティブ領域と前記第1アクティブ領域は互いに独立する、第2アクティブ領域と、前記第2アクティブ領域の上方に位置する第2ゲートであって、前記第2アクティブ領域及び前記第2ゲートは第2トランジスタを形成するために用いられる、第2ゲートと、を含み、ここで、前記第1トランジスタのサイズは、第2トランジスタと同じであり、前記第1トランジスタの電気的パラメータと前記第2トランジスタの電気的パラメータとの偏差は、所定の閾値内にあり、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、1つのクロスカップル増幅単位に属する。このように、第1アクティブ領域と第2アクティブ領域が互いに独立しているため、第1トランジスタ及び第2トランジスタにとって、そのゲートとアクティブ領域との重なる面積や形状がより類似であり、これにより第1トランジスタと第2トランジスタとの対称性を向上させ、両者間の電気的パラメータの偏差値がより小さく、クロスカップル増幅単位の信号増幅の能力を向上でき、最終的にメモリにおけるセンスアンプの性能を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】センスアンプの詳細な構造を示す概略図である。
【
図4】本開示の実施例によって提供される半導体構造を示す概略図である。
【
図5】本開示の実施例によって提供される半導体構造のレイアウトを示す概略図である。
【
図6】本開示の実施例によって提供される別の半導体構造を示す概略図である。
【
図7】本開示の実施例によって提供される他の半導体構造を示す概略図である。
【
図8】本開示の実施例によって提供される更に別の半導体構造を示す概略図である。
【
図9】本開示の実施例によって提供される更に別の半導体構造を示す概略図である。
【
図10】本開示の実施例によって提供される更に別の半導体構造を示す概略図である。
【
図11】本開示の実施例によって提供される半導体構造の性能を示す図である。
【
図12】本開示の実施例によって提供されるメモリの構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の実施例の技術的解決策を本開示の実施例の図面を参照して明確かつ完全に説明する。明細書に記載の具体的な実施例は、本出願を説明するためにのみ使用され、本出願を限定するものではないことを理解されたい。また、説明を容易にするために、関連出願に関連する部分のみを図面に示したことに留意されたい。
【0023】
特に明記されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本開示の実施例を説明するためにのみ採用され、本開示を限定することを意図するものではない。
【0024】
以下の説明において、「いくつかの実施例」とは、全ての可能な実施例のサブセットを指すが、「いくつかの実施例」というのは、全ての可能な実施例の同じサブセット又は異なるサブセットであり得、競合することなく互いに組み合わせることができることが理解できる。
【0025】
本明細書における「第1/第2/第3」などの用語は、特定の順番を限定するものではなく、類似する対象を区別するものであることに留意されたい。「第1/第2/第3」は、適切な場合において特定の順番又は前後順番を変換できるので、本明細書に記載の本願実施例は、本明細書に図示又は記載されたもの以外の順番で実行できることが理解できる。
【0026】
本開示に関する英語の略称を説明する。
MOS(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor):金属-酸化物半導体電界効果トランジスタ。
PMOS:P型MOSトランジスタ、主には正孔が導電する半導体であり、P型トランジスタとも呼ばれる。
NMOS:N型MOSトランジスタ、主には電子が導電する半導体であり、N型トランジスタとも呼ばれる。
BL(Bit Line):ビット線。
WL(Word Line):ワード線。
【0027】
集積回路では、MOSトランジスタは依然として最もよく使われる単位部品である。メモリにおけるセンスアンプ(SA:Sense Amplifier)に対して、NMOSペアとPMOSペアとによって構成されるクロスカップル増幅単位がコアである。
図1を参照すると、センスアンプの構造の概略図が示されている。
図1に示すように、センスアンプ(センスアンプの回路)は、ビット線ペア(/BL及びBLで表される)の間にセンスアンプを配置し、第1参照信号SAPと第2参照信号SANとを介して、データ「0」又はデータ「1」を表す小信号を増幅させることにより、データ信号をメモリ単位からローカルデータ線(/LIO及びLIOで表される)に読み取るか、又は、データ信号をローカルデータ線からメモリ単位に書き込む。
図2を参照すると、センスアンプの詳細な構造の概略図が示されている。
図1又は
図2に示すように、トランジスタP1とトランジスタP2とによって構成されるクロスカップル増幅単位のPMOSペアは、PSAとも呼ばれ、トランジスタN1とトランジスタN2とによって構成されるクロスカップル増幅単位のNMOSペアは、NSAとも呼ばれ、クロスカップル増幅単位の増幅効果は、ペアになっている二つの部品の違いに大きく左右される。更に、
図1の他の部品は、プリチャージ機能を実現するか、又は伝送スイッチとして使用される。
図2では、トランジスタM1及びトランジスタM2はNSAのミスマッチによるノイズの低減に用いられ、トランジスタM3及びトランジスタM4は分離に用いられ、トランジスタM6は、プリチャージ処理に用いられる。
図1及び
図2の回路の原理は、部品を結合して推断してもよく、且つ、この部分の内容は本開示の実施例の実施に影響を与えず、ここでは繰り返し説明しない。
【0028】
図2に示すように、センスアンプ(センスアンプの回路)にはNSAのミスマッチ問題を解決するための専用のトランジスタM1とトランジスタM2とが配置されるが、PSAのミスマッチを解決するための専用の機能部品が配置されないので、PSAの対称性を向上させることでミスマッチ問題を改善することは、センスアンプの性能に重要な意義がある。
【0029】
図3を参照すると、PSAのプロセス構造の概略図が示されている。
図3に示すように、PSAでは、トランジスタP1とトランジスタP2とのアクティブ領域が繋がり、この時に、トランジスタP1及びトランジスタP2に対して、そのゲートとアクティブ領域との重なり領域は、違いが大きく、具体的には
図3の位置(1)と位置(2)、及び、位置(3)と位置(4)を参照することができ、それによって、このPSAにおけるトランジスタペアが電気特性に大きな違いを示し、センスアンプの増幅性能を低減し、更にメモリの性能に影響を与える。
【0030】
本開示の実施例は半導体構造を提供し、この半導体構造は、第1アクティブ領域と、前記第1アクティブ領域の上方に位置する第1ゲートであって、前記第1アクティブ領域及び前記第1ゲートは第1トランジスタを形成するために用いられる、第1ゲートと、第2アクティブ領域であって、前記第2アクティブ領域と前記第1アクティブ領域は第1方向に沿って配列され、前記第2アクティブ領域と前記第1アクティブ領域は互いに独立する、第2アクティブ領域と、前記第2アクティブ領域の上方に位置する第2ゲートであって、前記第2アクティブ領域及び前記第2ゲートは第2トランジスタを形成するために用いられる、第2ゲートと、を含み、ここで、前記第1トランジスタのサイズは、前記第2トランジスタと同じであり、前記第1トランジスタの電気的パラメータと前記第2トランジスタの電気的パラメータとの偏差は、所定の閾値内にあり、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、1つのクロスカップル増幅単位に属する。このように、第1アクティブ領域と第2アクティブ領域が互いに独立しているため、第1トランジスタ及び第2トランジスタにとって、そのゲートとアクティブ領域同士との重なる面積や形状がより類似であり、これにより第1トランジスタと第2トランジスタとの対称性を向上させ、両者間の電気的パラメータの偏差値がより小さく、クロスカップル増幅単位の信号増幅の能力を向上でき、最終的にメモリにおけるセンスアンプの性能を向上させる。
【0031】
以下に図面を参照しながら、本開示の各実施例を詳しく説明する。
【0032】
本開示の一実施例では、
図4を参照すると、本開示の実施例によって提供される半導体構造10の概略図が示されている。
図4に示すように、この半導体構造10は、
第1アクティブ領域11と、
第1アクティブ領域11の上方に位置する第1ゲート12であって、前記第1アクティブ領域11及び前記第1ゲート12は第1トランジスタを形成するために用いられる、第1ゲート12と、
第2アクティブ領域13であって、前記第2アクティブ領域13と前記第1アクティブ領域11と第1方向に沿って配列され、前記第2アクティブ領域13と前記第1アクティブ領域11は互いに独立する、第2アクティブ領域13と、
前記第2アクティブ領域13の上方に位置する第2ゲート14であって、前記第2アクティブ領域13及び前記第2ゲート14は第2トランジスタを形成するために用いられる、第2ゲート14と、を含んでもよく、
ここで、前記第1トランジスタのサイズは、前記第2トランジスタと同じであり、前記第1トランジスタの電気的パラメータと前記第2トランジスタの電気的パラメータとの偏差は、所定の閾値内にあり、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、1つのクロスカップル増幅単位に属する。
【0033】
なお、本開示の実施例によって提供される半導体構造10は、センスアンプの回路を形成するために用いられる。第1トランジスタ及び第2トランジスタは、全部PMOSであり、即ち、第1トランジスタ及び第2トランジスタは、クロスカップル増幅単位におけるPSAであってもよい。
【0034】
更に、第1トランジスタ及び第2トランジスタは、クロスカップル増幅単位におけるNSAであってもよく、又は、他の類似な回路構造に応用されてもよい。本開示の実施例にはPSAのみを例示として後の説明を行うが、それに関する制限にならない。
【0035】
このように、
図4に示すように、第1アクティブ領域と第2アクティブ領域が互いに独立しているため、第1トランジスタ及び第2トランジスタにとって、そのゲートとアクティブ領域との重なる面積や形状がより類似であり、それによって、第1トランジスタと第2トランジスタとの対称性を向上させ、両者間の電気的パラメータの偏差値がより小さく、クロスカップル増幅単位の信号増幅の能力を向上でき、最終的にメモリにおけるセンスアンプの性能を向上させる。
【0036】
それに対応して、
図5を参照すると、本開示の実施例によって提供される半導体構造のレイアウトの概略図が示されている。
図5に示すように、第1トランジスタのポリシリコンゲートPG(即ち、前記第1ゲート12)と、第2トランジスタのポリシリコンゲートPG(即ち、前記第2ゲート14)との形状は同じであり、ここでの金属層M0は接触領域の電気的接続を実現し、第1トランジスタのアクティブ領域ACTIVE(即ち、前記第1アクティブ領域11)と、第2トランジスタのアクティブ領域ACTIVE(即ち、前記第2アクティブ領域13)とは、相互独立なものであり、第1トランジスタと第2トランジスタとの対称性を向上でき、最終的にメモリの性能を向上させる。
【0037】
いくつかの実施例では、
図4又は
図5に示すように、第1ゲート12の形状は、第2ゲート14の形状と同じであり、第1アクティブ領域11の形状は、第2アクティブ領域13の形状と同じであり、第1方向では、第1ゲート12の上縁は第1アクティブ領域11の上縁より高く、第1ゲート12の下縁は第1アクティブ領域11の下縁より低く、第2ゲート14の上縁は第2アクティブ領域13の上縁より高く、第2ゲート14の下縁は第2アクティブ領域13の下縁より低い。更に、第2方向では、第1アクティブ領域11の外縁は、第1ゲート12の外縁の外側に位置し、第2アクティブ領域13の外縁は、第2ゲート14の外縁の外側に位置する。
【0038】
いくつかの実施例では、
図6に示すように、第1方向では、第1アクティブ領域11の上縁と第1ゲート12の上縁との高さの差(
図6の丸囲み数字「1」参照)は第1値であり、第2アクティブ領域13の上縁と第2ゲート14の上縁との高さの差(
図6の丸囲み数字「2」参照)は第2値であり、ここで、第1値と第2値は同じであり、第1アクティブ領域11の下縁と第1ゲート12の下縁との高さの差(
図6の丸囲み数字「3」参照)は第3値であり、第2アクティブ領域13の下縁と第2ゲート14の下縁との高さの差(
図6の丸囲み数字「4」参照)は第4値であり、ここで、第3値と第4値は同じである。
【0039】
このように、ゲートの外縁とアクティブ領域の外縁との高さの差を制御することで、第1トランジスタと第2トランジスタとにおける「アクティブ領域とゲートとの重なり領域」を同じくなるようにさらに制御でき、PSAの対称性を向上させ、PSAのミスマッチによるノイズを改善し、最終的にメモリの性能を向上させる。
【0040】
いくつかの実施例では、
図6に示すように、半導体構造10は、
第1アクティブ領域11に位置する第1接触領域15と、
第1アクティブ領域11に位置する第2接触領域16であって、前記第1接触領域15、前記第1ゲート12、前記第2接触領域16の順に第2方向に沿って配列される、第2接触領域16と、
第2アクティブ領域13に位置する第3接触領域17と、
第2アクティブ領域13に位置する第4接触領域18であって、前記第3接触領域17、前記第2ゲート14、前記第4接触領域18の順に第2方向に沿って配列される、第4接触領域18と、を更に含む。
【0041】
なお、接触領域は、後でコンタクトプラグを形成して、トランジスタに電圧を印加するか、又は、トランジスタの電流を引き出すことに用いられる。
【0042】
いくつかの実施例では、第1接触領域15の形状は、第3接触領域17の形状と同じであり、且つ、第2接触領域16の形状は、第4接触領域18の形状と同じである。更に、第2方向では、第1接触領域15と第1ゲート12との距離は第5値であり、第3接触領域17と第2ゲート14との距離は第6値であり、且つ、第5値と第6値は同じであり、第2接触領域16と第1ゲート12との距離は第7値であり、第4接触領域18と第2ゲート14との距離は第8値であり、且つ、第7値と第8値は同じである。
【0043】
なお、
図6に示すように、第1方向では、第1接触領域15の上縁と第2接触領域16の上縁と面一であり、第2接触領域16の長さがより長いので、第2接触領域16の下縁は、第1接触領域15の下縁より低い。第3接触領域17の下縁は、第4接触領域18の下縁と面一であり、第4接触領域18の長さがより長いので、第4接触領域18の上縁は、第3接触領域17の上縁より高い。このような構造では、トランジスタにおけるソースからドレンへの電流は、具体的に
図6の黒い破線部分であり、この時に、二つの部品は、まだ非対称である。
【0044】
このため、半導体構造10の性能を更に向上させるために、第2接触領域を上方に移動し、第4接触領域を下方に移動することができる。このような考えに基づいて、
図6を基礎として、
図7を参照すると、本開示の実施例によって提供される更に別の半導体構造10の概略図が示されている。
図7に示すように、半導体構造10に対して、第1方向では、第2接触領域16の上縁は、第1接触領域15の上縁より高く、且つ、第2接触領域16の下縁は、第1接触領域15の下縁より低く、第4接触領域18の上縁は、第3接触領域17の上縁より高く、且つ、第4接触領域18の下縁は、第3接触領域17の下縁より低い。
【0045】
なお、
図7に示すように、第1方向では、第1接触領域15の上縁と第2接触領域16の上縁との距離(
図7の丸囲み数字「9」参照)は第9値であり、第3接触領域17の上縁と第4接触領域18の上縁との距離(
図7の丸囲み数字「10」参照)は第10値であり、ここで、第9値と第10値は同じであり、第1接触領域15の下縁と第2接触領域16の下縁との距離(
図7の丸囲み数字「11」参照)は第11値であり、第3接触領域17の下縁と第4接触領域18の下縁との距離は第12値(
図7の丸囲み数字「12」参照)であり、ここで、第11値と第12値は同じである。
【0046】
なお、第1値~第12値の具体的な値は、前述の制限が満たされるという条件の下で、実際の応用のシナリオによって決定できる。このように、ソースとドレンとの相対的な位置は、第1トランジスタでも第2トランジスタでも同じであり、それによって、第1トランジスタと第2トランジスタとのミスマッチを更に改善させ、第1トランジスタと第2トランジスタの電気的パラメータとの偏差がより少なくなる。即ち、元の配線方式を変更しないことを前提として、本開示の実施例によって提供される半導体構造は、PSAにおける接触領域を対称にすることができ、不必要な費用を節約するだけでなく、PSAのミスマッチも効果的に改善することができる。
【0047】
更に、第9値、第10値、第11値、第12値は、全部同じく設定でき、それによって、第1トランジスタと第2トランジスタとの電流通路の対称をより良く保証することができる。
【0048】
メモリには大量のメモリ単位が存在し、異なるビット線及びワード線によって制御する必要があることを理解されたい。それに対して、メモリには複数のクロスカップル増幅単位が存在し、異なるビット線に対して信号増幅を行うことができる。
【0049】
いくつかの実施例では、
図6又は
図7に示すように、半導体構造10は、
第1アクティブ領域11の上方に位置する第3ゲート21であって、第3ゲート21は、第2接触領域16の、第1ゲート12から離れた一側に配置され、第1アクティブ領域11及び第3ゲート21は第3トランジスタを形成するために用いられる、第3ゲート21と、
第2アクティブ領域13の上方に位置する第4ゲート22であって、第4ゲート22は、第4接触領域18の、第2ゲート14から離れた一側に配置され、第2アクティブ領域13及び第4ゲート22は第4トランジスタを形成するために用いられる、第4ゲート22と、を更に含む。
【0050】
なお、第3トランジスタと第4トランジスタは、他のクロスカップル増幅単位に属し、即ち、第3トランジスタ及び第4トランジスタは、他のクロスカップル増幅単位におけるPSAである。ここで、二つのクロスカップル増幅単位は、アクティブ領域を共有することで、プロセスコストを節約できる。
【0051】
類似に、第3トランジスタ及び第4トランジスタにも接触領域が存在する。いくつかの実施例では、
図6又は
図7に示すように、半導体構造10は
【0052】
第1アクティブ領域11に位置する第5接触領域23であって、第5接触領域23は、第3ゲート21の、第2接触領域16から離れた一側に配置される、第5接触領域23と、
第2アクティブ領域13に位置する第6接触領域24であって、第6接触領域24は、第4ゲート22の、第4接触領域18から離れた一側に配置される、第6接触領域24と、を更に含む。
【0053】
また、第3トランジスタ及び第1トランジスタは、第2接触領域16を共有し、第4トランジスタ及び第2トランジスタは、第4接触領域18を共有する。
【0054】
なお、第5接触領域23の形状は、第1接触領域15の形状と同じであり、第6接触領域24の形状は、第2接触領域16の形状と同じである。第1方向では、第1接触領域15の中心点は、第5接触領域23の中心点と同じ位置にあり、第3接触領域17の中心点は、第6接触領域24の中心点と同じ位置にある。第1ゲート12と第3ゲート21は、前記第2接触領域16に関して中心対称であり、第2ゲート14と第4ゲート22は、第5接触領域18に関して中心対称である。
【0055】
いくつかの実施例では、
図8に示すように、前記第1ゲート12には第7接触領域が配置され、前記第2ゲート14には第8接触領域が配置され、前記第3ゲート21には第9接触領域が配置され、前記第4ゲート22には第10接触領域が配置され、ここで、前記第7接触領域と前記第10接触領域は、中心対称であり、前記第8接触領域と前記第9接触領域は、中心対称である。それによって、金属層M0のレイアウトがより便利である。
【0056】
各ゲートの接触領域は実際には二つの部分を含み、第1ゲート12の第7接触領域は、
図8において破線で囲まれた二つの部分を含むことを理解されたい。
【0057】
いくつかの実施例では、第1アクティブ領域11と、第2アクティブ領域13と、第1ゲート12~第4ゲート22と、第1接触領域15~第6接触領域24とは共に1つの繰り返し単位を構成し、且つ、複数の繰り返し単位は、第2方向に沿って配列され、同じ繰り返し単位にある第1ゲート12と第3ゲート21との距離は第13値であり、隣接する繰り返し単位にある第1ゲート12と第3ゲート21との距離は第14値であり、同じ繰り返し単位にある第2ゲート14と第4ゲート22との距離は第15値であり、隣接する繰り返し単位にある第2ゲート14と第4ゲート22との距離は第16値である。
【0058】
本開示の実施例では、第1ゲート12、第2ゲート14、第3ゲート21、及び第4ゲート22のそれぞれの形状は、OPC(Optical Proximity Correction:光近接補正)によってトリミングすることができ、それによって、第13値、第14値、第15値、第16値は、全部同じであることを保証する。
【0059】
例示的には、第13値、第14値、第15値、第16値は、全部60nmである。
【0060】
1つの具体的な例示では、
図6~
図9に示すように、第1ゲート12と第2ゲート14とは、全部L字型であり、第3ゲート21と第4ゲート22とは、逆L字型であり、第1ゲート12は、第3ゲート21から離れる側に延在することで、L字型の足部を構成し、第3ゲート21は、第1ゲート12から離れる側に延在することで、逆L字型の足部を構成し、第2ゲート14は、第4ゲート22から離れる側に延在することで、L字型の足部を構成し、第4ゲート22は、第2ゲート14から離れる側に延在することで、逆L字型の足部を構成する。
【0061】
図9に示すように、第1ゲート12、第2ゲート14、第3ゲート21、及び第4ゲート22のそれぞれの頭部は、OPCにより大きく、より丸くトリミングされ、同じ繰り返し単位にある第1ゲート12と第3ゲート21との距離(
図9の丸囲み数字「13」参照)と、隣接する繰り返し単位にある第1ゲート12の頭部と第3ゲート21の足部との距離(
図9の丸囲み数字「14」参照)と、隣接する繰り返し単位にある第1ゲート12の足部と第3ゲート21の頭部との距離(
図9の丸囲み数字「15」参照)と、同じ繰り返し単位にある第2ゲート14と第4ゲート22との距離(
図9の丸囲み数字「16」参照)と、隣接する繰り返し単位にある第2ゲート14の頭部と第4ゲート22の足部との距離(
図9の丸囲み数字「17」参照)と、隣接する繰り返し単位にある第2ゲート14の足部と第4ゲート22の頭部との距離(
図9の丸囲み数字「18」参照)とは、全部同じである。
【0062】
要約すると、二つのPSAのアクティブ領域を分離することに基づいて、接触領域の位置を調整し、及びゲートの形状をトリミングすることによって、二つのPSAの対称性を更に保証することができる。
図10を参照すると、本開示の実施例によって提供される更なる別の半導体構造の概略図が示されている。
図10に示すように、第2接触領域の位置を下方に移動し、及び、第4接触領域(
図10に図示しないが、前述の説明と併せて理解できる)の位置を上方に移動することで、接触領域の対称性を向上させ、第1トランジスタの電流と第2トランジスタの電流が同じくように保証することができる。また、異なるゲート間の距離は、それぞれ63.154nm、66.242nm、59.969nmであり、このため、OPCによってゲートの頭部をより丸く、より大きくトリミングすることができ、異なるゲート間の距離が全部60nmであるように保証し、PSAの対称性を更に向上させ、PSAのミスマッチ問題を改善し、異なるクロスカップル増幅単位の電気的パラメータが同じであるように保証する。
【0063】
図10に基づいて、センスアンプをテスト対象として、
図11を参照すると、本開示の実施例によって提供される半導体構造の機能の概略図が示されている。
図11の(a)は、クロスカップル増幅構造のチップの中心に位置するミスマッチを示し、
図11の(b)は、クロスカップル増幅構造のチップのエッジに位置するミスマッチを示す。
図11では、対照群は、クロスカップル増幅構造が
図3に示すような半導体構造を採用することを意味し、実験群は、クロスカップル増幅構造が
図10に示すような半導体構造を採用することを意味し、垂直軸(Y軸)は、第1トランジスタと第2トランジスタとのオフセットを意味し、水平軸(X軸)は、統計座標を意味する。一方では、
図11からわかるように、実験群は原点を通過するため、実験群のミスマッチはより小さい。もう一方では、
図11の統計後、実験群のオフセットの分散は16.4であり、且つ、オフセットは1より小さく、対照群のオフセットの分散は16.5であり、且つ、オフセットはおよそ4であり、即ち、実験群のオフセットがより小さいということを得ることができる。即ち、対照群と比べて、実験群のオフセットがより小さく、原点により近いため、従来のゲートと比べて、OPCによって調整されたゲートは、より良い対称性及び均一性を有する。
【0064】
要約すると、本開示の実施例は、PSA構造を最適化することで、PSAのミスマッチ問題を改善し、メモリにおけるセンスアンプ構造の増幅性能を向上させる。先ず、本開示の実施例は、PSAにおける二つのアクティブ領域を分離することで、ゲート(PG)とアクティブ領域(ACTIVE)との重なり領域が異なるトランジスタで同じ状態になるように制御し、具体的には
図4~
図9に示されたようである。上記に基づいて、接触領域の位置が依然としてPSAにおける二つの部品の対称性に不利な影響を与えるため、本開示の実施例は更に接触領域の位置を調整することで、各トランジスタのソースとドレンの相対的な位置が同じであるようにし、それによって、二つの部品はより対称的であり、具体的には
図7及び
図9に示されたようである。上記に基づいて、本開示の実施例は、OPCによってゲートの足部を大きくトリミングすることで、ゲートとゲートとの距離は全部60nmであるように制御し、PSAの対称性をさらに改善し、具体的には
図9及び
図10に示されたようである。即ち、本開示の実施例は、PSAにおけるアクティブ領域の位置及び接触領域の位置を変えることで、PSAのミスマッチ(Mismatch)を改善し、これは、PSAにおける二つの部品の電気的パラメータがより対称になることを意味する。
【0065】
本開示の実施例は、半導体構造を提供し、この半導体構造は、第1アクティブ領域と、第1アクティブ領域の上方に位置する第1ゲートであって、第1アクティブ領域及び前記第1ゲートは第1トランジスタを形成するために用いられる、第1ゲートと、第2アクティブ領域であって、前記第2アクティブ領域と第1アクティブ領域と第1方向に沿って配列され、前記第2アクティブ領域と前記第1アクティブ領域は互いに独立する、第2アクティブ領域と、前記第2アクティブ領域の上方に位置する第2ゲートであって、第2アクティブ領域及び前記第2ゲートは第2トランジスタを形成するために用いられる、第2ゲートと、を含み、ここで、第1トランジスタのサイズは、第2トランジスタのサイズと同じであり、第1トランジスタの電気的パラメータと第2トランジスタの電気的パラメータとの偏差は、所定の閾値内にあり、第1トランジスタ及び第2トランジスタは、1つのクロスカップル増幅単位に属する。このように、第1アクティブ領域と第2アクティブ領域が互いに独立しているため、第1トランジスタ及び第2トランジスタに対して、そのゲートとアクティブ領域との重なる面積や形状がより類似であり、これにより第1トランジスタと第2トランジスタとの対称性を向上させ、両者間の電気的パラメータの偏差値がより小さく、クロスカップル増幅単位の信号増幅の能力を向上でき、最終的にメモリにおけるセンスアンプの性能を向上させる。
【0066】
本開示の別の実施例では、
図12を参照すると、本開示の実施例によって提供されるメモリ30の構造の概略図が示されている。
図12に示すように、このメモリ30は、前記半導体構造10を含む。
【0067】
メモリ30に対して、メモリ30が半導体構造10を含み、半導体構造10における第1アクティブ領域と第2アクティブ領域が互いに独立しているため、第1トランジスタ及び第2トランジスタに対して、そのゲートとアクティブ領域との重なる面積や形状がより類似であり、これにより第1トランジスタと第2トランジスタとの対称性を向上させ、両者間の電気的パラメータの偏差値がより小さく、クロスカップル増幅単位の信号増幅の能力を向上でき、最終的にメモリにおけるセンスアンプの性能を向上させる。
【0068】
上記の説明は、本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示の保護範囲を限定することを意図するものではない。なお、本明細書において、「備える」、「含む」という用語、またはその任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するので、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素、または、そのようなプロセス、方法、物品、または装置の固有の要素をさらに含む。特に限定されていない場合、「…を含む」という文で定義された要素は、当該要素を含むプロセス、方法、物品、または装置に、他の同じ要素があることを排除するものではない。上記の本開示の実施例の番号は、実施例の優劣を表すものではなく、説明の便宜を図るためのものである。本開示の実施例で提供されるいくつかの方法の実施例で開示される方法は、競合することなく任意に組み合わせて、新しい方法の実施例を取得することができる。上記の内容は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の実施例の保護範囲はこれに限定されなく、本開示で開示された技術的範囲内で、当業者が容易に想到し得る変形又は置換はすべて、本開示の保護範囲内に含まれるべきである。このため、本開示の保護範囲は前記請求項の範囲である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本開示の実施例では、第1アクティブ領域と第2アクティブ領域が互いに独立しているため、第1トランジスタ及び第2トランジスタにとって、そのゲートとアクティブ領域との重なる面積や形状がより類似であり、これにより第1トランジスタと第2トランジスタとの対称性を向上させ、両者間の電気的パラメータの偏差値がより小さく、クロスカップル増幅単位の信号増幅の能力を向上でき、最終的にメモリにおけるセンスアンプの性能を向上させる。
【国際調査報告】