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▶ エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】MEMSマイクロフォン
(51)【国際特許分類】
   H04R 19/04 20060101AFI20240719BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H04R19/04
B81B3/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575748
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 CN2022114905
(87)【国際公開番号】W WO2024000773
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202221705318.6
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】A-Block, Nanjing University Research Center Shenzhen Branch, No.6 Yuexing 3rd Road, South Hi-Tech Industrial Park, Nanshan District, Shenzhen Guangdong 518057 People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲転▼▲転▼
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲凱▼杰
(72)【発明者】
【氏名】王 琳琳
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 睿
【テーマコード(参考)】
3C081
5D021
【Fターム(参考)】
3C081AA01
3C081BA03
3C081BA21
3C081BA22
3C081BA45
3C081BA48
3C081CA15
3C081EA21
5D021CC05
5D021CC19
(57)【要約】
【課題】本発明はMEMSマイクロフォンを提供する。
【解決手段】
MEMSマイクロフォンは、バックチャンバを有するベースと、前記ベースに設置されたコンデンサシステムとを含み、前記コンデンサシステムは、バックプレートと前記バックプレートに対向して設置された振動膜とを含み、前記振動膜は、振動部と、前記振動部を取り囲んで前記ベースに固定された固定部とを含み、前記振動部と前記固定部とは、スリットにより間隔を隔て、前記固定部には、複数の放出部が設けられ、前記放出部は、前記固定部を貫通する。関連技術に比べて、本発明によるMEMSマイクロフォンでは、バックプレートの信頼性を向上させることができる。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MEMSマイクロフォンであって、
バックチャンバを有するベースと、前記ベースに設置されたコンデンサシステムとを含み、前記コンデンサシステムは、バックプレートと、前記バックプレートに対向して設置された振動膜とを含み、前記振動膜は、振動部と、前記振動部を取り囲んで前記ベースに固定された固定部とを含み、前記振動部と前記固定部とは、スリットにより間隔を隔て、前記固定部には、複数の放出部が設けられ、前記放出部は、前記固定部を貫通することを特徴とするMEMSマイクロフォン。
【請求項2】
前記放出部は貫通孔であり、前記貫通孔は、複数設けられ、かつ前記固定部に均一に分布することを特徴とする請求項1に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記振動膜の振動方向に垂直な断面に沿って円形を呈することを特徴とする請求項2に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記振動膜の振動方向に垂直な断面に沿って楕円形を呈することを特徴とする請求項2に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項5】
前記貫通孔は、振動膜の中心方向に向かって延在することを特徴とする請求項4に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項6】
前記貫通孔は、順次互いに連通する複数の貫通部を含み、各貫通部は、順に設置された第1貫通部、第2貫通部、第3貫通部、及び前記第1貫通部と第2貫通部とを連通する第4貫通部、前記第2貫通部と第3貫通部とを連通する第5貫通部を含み、前記第4貫通部と第5貫通部は、それぞれ前記第2貫通部の両側に位置することを特徴とする請求項2に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項7】
前記第1貫通部、第2貫通部及び第3貫通部は、互いに平行であることを特徴とする請求項6に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項8】
前記第4貫通部と第5貫通部は、前記第2貫通部に垂直であることを特徴とする請求項7に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項9】
前記振動膜は、トラック形であり、前記固定部の角部には、さらに貫通する複数の円形孔が設けられ、前記円形孔は、隣接する貫通部の間に位置することを特徴とする請求項6に記載のMEMSマイクロフォン。
【請求項10】
前記振動膜は、前記バックプレートの前記ベースに近い側に位置することを特徴とする請求項1に記載のMEMSマイクロフォン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換の分野に関し、特にMEMSマイクロフォンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動通信技術は急速に発展し、消費者はますます多くの移動通信装置、例えば携帯電話、インターネットにアクセス可能な携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント又は専用通信ネットワークを使用して通信を行う他の装置であり、ここでマイクロフォンはその中で重要な部品の一つであり、特にMEMSマイクロフォンである。
【0003】
微小電気機械システム(Micro-Electro-Mechanical System、MEMS)マイクロフォンはマイクロ機械加工技術を利用して製造された電気音響変換器であり、それは体積が小さく、周波数応答特性が高く、ノイズが低いなどの特徴を有する。電子機器の小型化、薄型化発展に伴い、MEMSマイクロフォンはこれらの装置にますます広く応用される。
【0004】
関連技術におけるMEMSマイクロフォンはバックチャンバを有するベース及び前記ベースに設置されたコンデンサシステムを含み、前記コンデンサシステムは、バックプレートと、前記バックプレートに対向して設置された振動膜とを含む。MEMSマイクロフォンの製造過程において、振動膜とバックプレートとの間の酸化物は、洗浄がきちんとされていない場合、バックプレートの信頼性に影響を与える。一般的にバックプレートのバックプレート孔の外輪の周囲に放出孔を増加させ、酸化物エッチング液は、放出孔から入って振動膜とバックプレートとの間の酸化物を洗浄するが、このようにすると、MEMSマイクロフォンは、空気漏れチャネルを増加させ、頂部から音が入るMEMSマイクロフォンは、信号対雑音比を低下させ、底部から音が入るMEMSマイクロフォンは、低減衰に影響を与える。
【0005】
したがって、改良されたMEMSマイクロフォンを提供して上記問題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的問題は、バックプレートの信頼性が高いMEMSマイクロフォンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的問題を解決するために、MEMSマイクロフォンを提供し、当該MEMSマイクロフォンは、バックチャンバを有するベースと、前記ベースに設置されたコンデンサシステムとを含み、前記コンデンサシステムは、バックプレートと、前記バックプレートに対向して設置された振動膜とを含み、前記振動膜は、振動部と、前記振動部を取り囲んで前記ベースに固定された固定部とを含み、前記振動部と前記固定部とは、スリットにより間隔を隔て、前記固定部には、複数の放出部が設けられ、前記放出部は、前記固定部を貫通する。
【0008】
好ましくは、前記放出部は、貫通孔であり、前記貫通孔は、複数設けられ、かつ前記固定部に均一に分布する。
【0009】
好ましくは、前記貫通孔は、前記振動膜の振動方向に垂直な断面に沿って円形を呈する。
【0010】
好ましくは、前記貫通孔は、前記振動膜の振動方向に垂直な断面に沿って楕円形を呈する。
【0011】
好ましくは、前記貫通孔は、振動膜の中心方向に向かって延在する。
【0012】
好ましくは、前記貫通孔は、順次互いに連通する複数の貫通部を含み、各貫通部は、順に設置された第1貫通部、第2貫通部、第3貫通部、前記第1貫通部と第2貫通部とを連通する第4貫通部、及び前記第2貫通部と第3貫通部とを連通する第5貫通部を含み、前記第4貫通部と第5貫通部は、それぞれ前記第2貫通部の両側に位置する。
【0013】
好ましくは、前記第1貫通部、第2貫通部及び第3貫通部は、互いに平行である。
【0014】
好ましくは、前記第4貫通部と第5貫通部は、前記第2貫通部に垂直である。
【0015】
好ましくは、前記振動膜は、トラック形であり、前記固定部の角部には、さらに貫通する複数の円形孔が設けられ、前記円形孔は、隣接する貫通部の間に位置する。
【0016】
好ましくは、前記振動膜は、前記バックプレートの前記ベースに近い側に位置する。
【発明の効果】
【0017】
関連技術に比べて、振動膜に複数の放出部が設けられているため、酸化物エッチング液は、放出部を介して振動膜に入り、それにより振動膜とバックプレートとの間の酸化物をきれいに除去し、バックプレートの信頼性を向上させるという目的を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
図1】本発明の第1実施形態による、MEMSマイクロフォンの立体構造概略図である。
図2図1に示す前記MEMSマイクロフォンの分解図である。
図3図1に示す前記MEMSマイクロフォンのA-A線に沿った断面図である。
図4】本発明の第1実施形態による、MEMSマイクロフォンの振動膜の構造概略図である、
図5】本発明の第2実施形態による、MEMSマイクロフォンの振動膜の構造概略図である、
図6】本発明の第3実施形態による、MEMSマイクロフォンの振動膜の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明確で、完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0020】
図1及び図4に示すように、本発明の第1実施形態のMEMSマイクロフォン100は、バックチャンバ11を有するベース10と、前記ベース10に設置されたコンデンサシステム32とを含む。コンデンサシステム32は、バックプレート13と、前記バックプレート13に対向して設置された振動膜12とを含み、前記振動膜12は、バックプレート13の前記ベース10に近い側に位置する。音圧が振動膜12に作用する場合、振動膜12のバックプレート13に対向する面と振動膜12のバックプレート13に背向する面との両面に圧力差が存在することにより、振動膜12がバックプレート13に対して近接・離間するように運動して、振動膜12とバックプレート13との間の容量の変化を引き起こし、音声信号の電気信号への変換を実現する。
【0021】
前記振動膜12はトラック形であり、当該振動膜12は、振動部121と、前記振動部121を取り囲んで前記ベース10に固定された固定部122とを含み、前記振動部121と固定部122とは、スリット120により間隔を隔て、前記スリット120は、連続的な環状構造である。スリット120は、MEMSマイクロフォン100の低減衰値を調整し、さらにMEMSマイクロフォン100の性能を調整する。振動部121とバックプレート13との間に支持部材14が設置され、振動部121は、支持部材14を介してバックプレート13に固定接続される。
【0022】
前記固定部122には、複数の放出部1220が設けられ、前記放出部1220は、前記固定部122を貫通する。MEMSマイクロフォン100の製造過程において、酸化物エッチング液は、放出部1220を介して振動膜12に入り、それにより振動振動膜12とバックプレート13との間の酸化物をきれいに除去し、バックプレート13の信頼性を向上させるという目的を達成する。
【0023】
放出部1220は、貫通孔であり、貫通孔1220が複数ありかつ前記固定部122に均一に分布する。本実施形態では、貫通孔1220は、前記振動膜12の振動方向に垂直な断面に沿って円形を呈し、すなわち貫通孔122は円形孔である。
【0024】
また、バックプレート13の振動膜12に近い側にストッパ部15がさらに設けられ、バックプレート13のエッジは、接続部101の内側に接続されることにより前記ベース10に固定され、振動膜12は、絶縁層3によりベース10に固定される。
【0025】
図5に示すように、本発明の第2実施形態のMEMSマイクロフォンの振動膜12´の構造を示し、第2実施形態が第1実施形態と相違する点は、前記貫通孔1220´が前記振動膜12´の振動方向に垂直な断面に沿って楕円形を呈し、すなわち貫通孔1220´が楕円形であり、かつ楕円形貫通孔1220´は、振動膜12´の中心方向に向かって延在することのみにある。
【0026】
図6に示すように、本発明の第3実施形態のMEMSマイクロフォンの振動膜12´´の構造を示し、第3実施形態が第1実施形態と相違する点は、以下の点のみにあり、即ち、円形孔12220´´が固定部122´´の角部のみに設置され、隣接する円形孔12220´´の間に、順に互いに接続された複数の貫通部12210´´が設置され、各貫通部12210´´が、順に設置された第1貫通部12211´´、第2貫通部12212´´、第3貫通部12213´´、及び前記第1貫通部12211´´と第2貫通部12212´´とを連通する第4貫通部12214´´、前記第2貫通部12212´´と第3貫通部12213´´とを連通する第5貫通部12215´´を含み、前記第4貫通部12214´´と第5貫通部12215´´は、それぞれ前記第2貫通部12212´´の両側に位置する。本実施形態では、前記第1貫通部12211´´、第2貫通部12212´´及び第3貫通部12213´´は、互いに平行であり、第4貫通部12214´´と第5貫通部12215´´は、互いに平行であり、前記第4貫通部12214´´と第5貫通部1221´´は、前記第2貫通部12212´´に垂直である。
【0027】
そのようで、関連技術に比べて、振動膜に複数の放出部が設けられるため、酸化物エッチング液は、放出部を介して振動膜に入ることができ、それにより振動膜とバックプレートとの間の酸化物をきれいに除去し、バックプレートの信頼性を向上させるという目的を達成する。
【0028】
前記のようなことは本発明の実施形態だけであり、当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱することなく、さらに改善することができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲内に属するものと理解されるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】