(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】同軸スピーカ
(51)【国際特許分類】
H04R 9/06 20060101AFI20240719BHJP
H04R 1/24 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H04R9/06 A
H04R1/24 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578798
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2022106766
(87)【国際公開番号】W WO2024000696
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202221696689.2
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100081271
【氏名又は名称】吉田 芳春
(72)【発明者】
【氏名】任 璋
(72)【発明者】
【氏名】王 奇
(72)【発明者】
【氏名】▲鍾▼ 志威
【テーマコード(参考)】
5D012
5D018
【Fターム(参考)】
5D012DA04
5D012FA00
5D012GA01
5D018AB16
(57)【要約】
【課題】本発明は製品の高さを低減し、磁気回路システムのコストを低減した同軸スピーカを提供する。
【解決手段】同軸スピーカは、磁気回路システムと、同軸に設置された第1及び第2発音ユニットとを備え、第1発音ユニットは第2発音ユニットの外側に囲設され、磁気回路システムは第1及び第2磁石部を備え、第1磁石部は第2磁石部の外側に設置されかつ第2磁石部と間隔を隔てて第1磁気ギャップを形成し、第2磁石部は、リング状の第2磁性鋼と、第2磁性鋼に固定された第2ポールプレートと、第2ポールプレートに固定されたリング状の第3磁性鋼と、第3磁性鋼に固定された第3ポールプレートとを備え、第2ポールプレートは、第2磁性鋼と第3磁性鋼との間に介設されたループシート部と、ループシート部の内周縁から第2磁性鋼から離れた方向に折り曲げて延在する折曲部とを備え、第3磁性鋼及び第3ポールプレートは折曲部と間隔を隔てて第2磁気ギャップを形成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気回路システムと、同軸に設置された第1発音ユニット及び第2発音ユニットとを備える同軸スピーカであって、
前記第1発音ユニットは、前記第2発音ユニットの外側に囲設され、
前記第1発音ユニットは、第1振動膜と、前記第1振動膜の振動発音を駆動する第1ボイスコイルとを備え、
前記第2発音ユニットは、第2振動膜と、前記第2振動膜の振動発音を駆動する第2ボイスコイルとを備え、
前記磁気回路システムは、底板と、前記底板に固定された第1磁石部及び第2磁石部とを備え、
前記第1磁石部は、前記第2磁石部の外側に設置されかつ前記第2磁石部と間隔を隔てて第1磁気ギャップを形成し、
前記第1ボイスコイルは、前記第1磁気ギャップに挿設され、
前記第1磁石部は、前記底板に固定された第1磁性鋼と、前記第1磁性鋼に固定された第1ポールプレートとを備え、
前記第2磁石部は、前記底板に固定されたリング状の第2磁性鋼と、前記第2磁性鋼に固定された第2ポールプレートと、前記第2ポールプレートに固定されたリング状の第3磁性鋼と、前記第3磁性鋼に固定された第3ポールプレートとを備え、
前記第2ポールプレートは、前記第2磁性鋼と前記第3磁性鋼との間に介設されたループシート部と、前記ループシート部の内周縁から前記第2磁性鋼から離間する方向に折り曲げて延在する折曲部とを備え、
前記第3磁性鋼と前記第3ポールプレートは、前記折曲部と間隔を隔てて第2磁気ギャップを形成し、
前記第2ボイスコイルは、前記第2磁気ギャップに挿設されている、ことを特徴とする同軸スピーカ。
【請求項2】
前記同軸スピーカは、前記第1振動膜を支持する第1フレーム及び前記第2振動膜を支持する第2フレームをさらに備え、前記第1振動膜のアウター固定部は、前記第1フレームに固定され、前記第1振動膜のインナー固定部は、前記第3磁性鋼に固定され、前記第2フレームは、前記第3磁性鋼に固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカ。
【請求項3】
前記第1ポールプレートは、前記第1磁性鋼の面に貼り付けられた本体部と、前記本体部から前記第2磁石部から離間する方向に延在する延在部とを備え、前記第1フレームは、前記延在部に固定される、ことを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカ。
【請求項4】
前記第1発音ユニットは、前記第1振動膜と間隔を隔てて設置された弾性支持部材と、前記第1振動膜と前記弾性支持部材とを接続する骨格とをさらに備え、
前記延在部は、それぞれ前記同軸スピーカの対向する2つの長手方向の辺に設置され、
前記弾性支持部材は、それぞれ前記同軸スピーカの対向する2つの短手方向の辺に設置され、
前記骨格は、前記弾性支持部材を固定する取付足を備え、前記取付足は、前記第1フレームと前記第1磁石部との間に設置され、
前記弾性支持部材のアウター固定部は、前記第1フレームに固定され、前記弾性支持部材のインナー固定部は、前記取付足に固定される、ことを特徴とする請求項3に記載の同軸スピーカ。
【請求項5】
前記弾性支持部材は、前記取付足に固定されたフレキシブル回路板と、前記フレキシブル回路板の前記第1振動膜から離れる底面に固定された補助振動膜とを備える、ことを特徴とする請求項4に記載の同軸スピーカ。
【請求項6】
前記第2フレームは、対向して設置された内面及び外面を備え、前記第3ポールプレートは、前記内面に当接し、前記第1振動膜のインナー固定部は、前記外面に当接する、ことを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換の分野に関し、特に同軸スピーカに関する。
【背景技術】
【0002】
同軸スピーカとは、同一軸心上に2つの発音ユニットを設置して、それぞれ高音と中低音を出すことを指す。関連技術の同軸スピーカは、2つの発音ユニットが高さ方向に積み重ねて設置され、かつそれぞれ独立した磁気回路システムを有するため、関連技術の同軸スピーカ製品の高さが高すぎて製品の適用性を低下させ、独立した磁気回路システムのコストが高すぎて市場競争力を低下させる。
【0003】
したがって、上記技術課題を解決するために、新たな同軸スピーカを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記技術課題を克服するために、製品の高さを低減し、磁気回路システムのコストを低減した同軸スピーカを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、磁気回路システムと、同軸に設置された第1発音ユニット及び第2発音ユニットとを備える同軸スピーカを提供して、前記第1発音ユニットは、前記第2発音ユニットの外側に囲設され、前記第1発音ユニットは、第1振動膜と、前記第1振動膜の振動発音を駆動する第1ボイスコイルとを備え、前記第2発音ユニットは、第2振動膜と、前記第2振動膜の振動発音を駆動する第2ボイスコイルとを備え、前記磁気回路システムは、底板と、前記底板に固定された第1磁石部及び第2磁石部とを備え、前記第1磁石部は、前記第2磁石部の外側に設置されかつ前記第2磁石部と間隔を隔てて第1磁気ギャップを形成し、前記第1ボイスコイルは、前記第1磁気ギャップに挿設され、前記第1磁石部は、前記底板に固定された第1磁性鋼と、前記第1磁性鋼に固定された第1ポールプレートとを備え、前記第2磁石部は、前記底板に固定されたリング状の第2磁性鋼と、前記第2磁性鋼に固定された第2ポールプレートと、前記第2ポールプレートに固定されたリング状の第3磁性鋼と、前記第3磁性鋼に固定された第3ポールプレートとを備え、前記第2ポールプレートは、前記第2磁性鋼と前記第3磁性鋼との間に介設されたループシート部と、前記ループシート部の内周縁から前記第2磁性鋼から離間する方向に折り曲げて延在する折曲部とを備え、前記第3磁性鋼と前記第3ポールプレートは、前記折曲部と間隔を隔てて第2磁気ギャップを形成し、前記第2ボイスコイルは、前記第2磁気ギャップに挿設されている。
【0006】
好ましくは、前記同軸スピーカは、前記第1振動膜を支持する第1フレーム及び前記第2振動膜を支持する第2フレームをさらに備え、前記第1振動膜のアウター固定部は、前記第1フレームに固定され、前記第1振動膜のインナー固定部は、前記第3磁性鋼に固定され、前記第2フレームは、前記第3磁性鋼に固定される。
【0007】
好ましくは、前記第1ポールプレートは、前記第1磁性鋼の面に貼り付けられた本体部と、前記本体部から前記第2磁石部から離間する方向に延在するする延在部とを備え、前記第1フレームは、前記延在部に固定される。
【0008】
好ましくは、前記第1発音ユニットは、前記第1振動膜と間隔を隔てて設置された弾性支持部材と、前記第1振動膜と前記弾性支持部材とを接続する骨格とをさらに備え、前記延在部は、それぞれ前記同軸スピーカの対向する2つの長手方向の辺に設置され、前記弾性支持部材は、それぞれ前記同軸スピーカの対向する2つの短手方向の辺に設置され、前記骨格は、前記弾性支持部材を固定する取付足を備え、前記取付足は、前記第1フレームと前記第1磁石部との間に設置され、前記弾性支持部材のアウター固定部は、前記第1フレームに固定され、前記弾性支持部材のインナー固定部は、前記取付足に固定される。
【0009】
好ましくは、前記弾性支持部材は、前記取付足に固定されたフレキシブル回路板と、前記フレキシブル回路板の前記第1振動膜から離れる底面に固定された補助振動膜とを備える。
【0010】
好ましくは、前記第2フレームは、対向して設置された内面及び外面を備え、前記第3ポールプレートは、前記内面に当接し、前記第1振動膜のインナー固定部は、前記外面に当接する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の同軸スピーカでは、第1発音ユニットと第2発音ユニットが同軸に設置され、かつ第1発音ユニットが第2発音ユニットの外側に囲設されるため、製品の高さを低下させることができる。また、磁気回路システムは、第1磁石部と第2磁石部とを備え、第1磁石部は、第2磁石部と間隔を隔てて第1発音ユニットの第1磁気ギャップを形成するとともに、第2磁石部は、第2ポールプレートの折曲部によって第2発音ユニットの第2磁気ギャップを形成するため、磁気回路システムの構造利用率を向上させ、磁気回路システムのコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の実施形態における技術案をより明確に説明するために、以下では、実施形態の説明で使用される必要がある図面を簡単に説明するが、以下の説明する図面は、本発明のいくつかの実施形態に過ぎず、本発明が属する技術分野の当業者にとって、創造的労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができることは明らかである。
【
図2】本発明の同軸スピーカの分解斜視分解図である。
【
図3】
図1におけるA-A線に沿った断面図である。
【
図4】
図1におけるB-B線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態における図面を参照して、本発明の実施形態における技術案を明確かつ完全に説明するが、説明された実施形態は、本発明の実施形態の一部だけであり、この実施形態に限定されないことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、当該分野の当業者が創造的な労働をしない前提で得られた全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0014】
図1~4に示すように、本発明は、同軸スピーカ100を提供し、前記同軸スピーカ100は、第1フレーム11と、第2フレーム12と、磁気回路システム13と、同軸に設置された第1発音ユニット14及び第2発音ユニット15とを備える。
【0015】
前記第1発音ユニット14は、前記第2発音ユニット15の外側に囲設され、前記第1発音ユニット14は、第1振動膜141と、前記第1振動膜141の振動発音を駆動する第1ボイスコイル142とを備え、前記第2発音ユニット15は、第2振動膜151と、前記第2振動膜151の振動発音を駆動する第2ボイスコイル152とを備える。
【0016】
前記磁気回路システム13は、底板131と、前記底板131に固定された第1磁石部132及び第2磁石部133とを備え、前記第1磁石部132は、前記第2磁石部133の外側に設置されかつ前記第2磁石部133と間隔を隔てて第1磁気ギャップ1301を形成し、前記第1ボイスコイル142は、前記第1磁気ギャップ1301に挿設され、前記第1磁石部132は、前記底板131に固定された第1磁性鋼1321と、前記第1磁性鋼1321に固定された第1ポールプレート1322とを備え、前記第2磁石部133は、前記底板131に固定されたリング状の第2磁性鋼1331と、前記第2磁性鋼1331に固定された第2ポールプレート1332と、前記第2ポールプレート1332に固定されリング状の第3磁性鋼1333と、前記第3磁性鋼1333に固定された第3ポールプレート1334とを備え、前記第2ポールプレート1332は、前記第2磁性鋼1331と前記第3磁性鋼1333との間に介設されたループシート部13321と、前記ループシート部13321の内周縁から前記第2磁性鋼1331から離間する方向に折り曲げて延在する折曲部13322とを備え、前記第3磁性鋼1333と前記第3ポールプレート1334は、前記折曲部13322と間隔を隔てて第2磁気ギャップ1302を形成し、前記第2ボイスコイル152は、前記第2磁気ギャップ1302に挿設される。前記第1ポールプレート1322は、前記第1磁性鋼1321の面に貼り付けられた本体部13221と、前記本体部13221から前記第2磁石部133から離間する方向に延在する延在部13222とを備え、前記延在部13222は、それぞれ前記同軸スピーカ100の対向する2つの長手方向の辺に設置される。
【0017】
前記第1フレーム11は、前記延在部13222に固定され、前記第2フレーム12は、前記第3磁性鋼1333に固定される。前記第1振動膜141のアウター固定部1411は、前記第1フレーム11に固定され、前記第1振動膜141のインナー固定部1412は、前記第3磁性鋼1333に固定され、前記第2振動膜151は、前記第2フレーム12に固定される。
【0018】
前記第1発音ユニット14は、前記第1振動膜141と間隔を隔てて設置された弾性支持部材143と、前記第1振動膜141と前記弾性支持部材143とを接続する骨格144とをさらに備え、前記弾性支持部材143は、それぞれ前記同軸スピーカ100の対向する2つの短手方向の辺に設置され、前記骨格144は、前記弾性支持部材143を固定する取付足1441を備え、前記取付足1441は、前記第1フレーム11と前記第1磁石部132との間に設置され、前記弾性支持部材143のアウター固定部143aは、前記第1フレーム11に固定され、前記弾性支持部材143のインナー固定部143bは、前記取付足1441に固定される。
【0019】
前記弾性支持部材143は、前記取付足1441に固定されたフレキシブル回路板1431と、前記フレキシブル回路板1431の前記第1振動膜141から離れる底面に固定された補助振動膜1432とを備え、前記第1ボイスコイル142は、前記フレキシブル回路板1431によって外部電源と電気的に接続される。
【0020】
前記第2フレーム12は、対向して設置された内面121及び外面122を備え、前記第3ポールプレート1334は、前記内面121に当接し、前記第1振動膜141のインナー固定部1412は、前記外面122に当接することにより、第2フレーム12の取り付け位置決めを容易にすること、及び、第1振動膜141と第2振動膜151の同心度を調整することに有利である。
【0021】
前記底板131にはさらに貫通孔1310が設けられ、前記貫通孔1310は、前記第2磁性鋼1331のリング孔および前記第2ポールプレート1332の折曲部13322で囲まれた柱孔と連通し、この連通領域には、第2ボイスコイル152と外部電源とを電気的に接続する回路インターポーザを設けることができ、他の実施形態では、この連通領域には、異なる機能目的を実現するために、吸音材料、熱伝導材料等の機能インターポーザを充填することもできる。
【0022】
本発明の同軸スピーカでは、第1発音ユニットと第2発音ユニットが同軸に設置され、かつ第1発音ユニットが第2発音ユニットの外側に囲設されるため、製品の高さを低下させることができる。また、磁気回路システムは、第1磁石部と第2磁石部とを備え、第1磁石部は、第2磁石部と間隔を隔てて第1発音ユニットの第1磁気ギャップを形成するとともに、第2磁石部は、第2ポールプレートの折曲部によって第2発音ユニットの第2磁気ギャップを形成するため、磁気回路システムの構造利用率を向上させ、磁気回路システムのコストを低減することができる。
【0023】
上述したのは、本発明の実施形態だけであり、本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱することなく、更に改善することができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲に属するものと理解されるべきである。
【国際調査報告】