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特表2024-527653山地果樹園モノレール輸送機知能制御システム及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】山地果樹園モノレール輸送機知能制御システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 7/06 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
H02P7/06 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518926
(86)(22)【出願日】2023-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2023079512
(87)【国際公開番号】W WO2024007603
(87)【国際公開日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】202210787119.2
(32)【優先日】2022-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523105406
【氏名又は名称】サウス チャイナ アグリカルチュラル ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】SOUTH CHINA AGRICULTURAL UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】483 Wushan Road,Tianhe District Guangzhou,Guangdong 510642 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】リー ヂェン
(72)【発明者】
【氏名】リュ シーレイ
(72)【発明者】
【氏名】ホン ティェンシォン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヂョウ
(72)【発明者】
【氏名】シュェ シゥユン
(72)【発明者】
【氏名】イー ユェンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジャユー
(72)【発明者】
【氏名】ヂョウ ユェフゥァイ
(72)【発明者】
【氏名】ヂャオ チョンハイ
(72)【発明者】
【氏名】リー チィァフォン
【テーマコード(参考)】
5H571
【Fターム(参考)】
5H571AA20
5H571BB02
5H571CC04
5H571EE02
5H571EE09
5H571HD02
5H571JJ03
5H571KK06
5H571LL10
5H571LL28
(57)【要約】
輸送機、輸送軌道及び制御サブシステムを含む、山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システム及びその制御方法を提供する。制御サブシステムは、メインコントローラと、すり抜け防止検出ユニットと、姿勢センサと、直流モータと、アクチュエータと、脱電ブレーキとを含む。すり抜け防止検出ユニットは、第1ホールセンサと第1磁石鋼とを含む。第1磁石鋼は、直流モータの回転軸の外周に均一に取り付けられている。第1ホールセンサは、直流モータの実際の回転速度と回転方向を検出する。メインコントローラは、直流モータの実際の回転方向と操作指令の走行方向が一致するか否かに基づき、すり抜けの有無を判断し、輸送機の走行姿勢から、上り坂、下り坂、または平らな区間にあると判断し、区間ごとに異なる制動モードでアクチュエータによって脱電ブレーキの制動状況を制御する。本発明によれば、上り坂すり抜け検出、下り坂安定制御速度とエネルギー回収機能が実現可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムであって、
輸送機と、輸送軌道と、制御サブシステムとを含み、
前記制御サブシステムは、メインコントローラと、すり抜け防止検出ユニットと、姿勢センサと、直流モータと、アクチュエータと、脱電ブレーキとを含み、
前記すり抜け防止検出ユニットは、第1ホールセンサと第1磁石鋼とを含み、前記第1磁石鋼は、前記直流モータの回転軸の外周に均一に取り付けられ、前記第1ホールセンサは、前記直流モータの回転軸の真上に取り付けられ、前記第1磁石鋼の磁界信号を誘導し、磁界信号に基づいて前記直流モータの実際の回転速度と回転方向を検出するものであり、
前記メインコントローラは、前記直流モータの実際の回転方向と操作指令の走行方向が一致するか否かで、すり抜けの有無を判断し、すり抜けの場合には前記アクチュエータによって前記脱電ブレーキを制御して制動を行い、
前記姿勢センサは、前記輸送機の前記輸送軌道上での走行姿勢を検出するためのものであり、
前記メインコントローラは、前記輸送機の走行姿勢に基づき、上り坂、下り坂、または平らな区間にあると判断し、区間ごとに異なる制動モードで前記アクチュエータによって前記脱電ブレーキの状況を制御することを特徴とする、山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システム。
セグメント制動制御方法を含む、山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムの制御方法であって、以下のステップを含むことを特徴とする、山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムの制御方法。
S1: メインコントローラは、姿勢センサで収集した輸送機の走行姿勢から、輸送機が上り坂か下り坂かを判断し、輸送機が上り坂にある場合、S2を実行し、輸送機が上り坂にない場合、S5を実行する。
S2: 輸送機が上り坂にあり、メインコントローラがトリガブレーキ信号があることを検出した場合、S7を実行する。
S3: 輸送機が下り坂にあり、メインコントローラがトリガブレーキ信号があることを検出した場合、メインコントローラは500msタイマをオンにしてカウントし、第1ホールセンサでモータ回転速度を検出し、タイマが500msカウントを完了したか、または第1ホールセンサがモータ回転速度の低下をゼロに検出するかを判断し、そうである場合、S7を実行する。
S4: 輸送機が上り坂にあるが、メインコントローラがトリガブレーキ信号を検出していない場合、第1ホールセンサが検出したモータの実際の回転方向と操作指令の走行方向から輸送機のすり抜けの有無を判断する。第1ホールセンサが検出したモータの回転方向と操作指令の走行方向が一致しない場合、すり抜けが発生し、S7を実行する。
S5: 姿勢センサで収集した輸送機の走行姿勢から、輸送機が平坦な道でブレーキをかけているか否かを判断し、輸送機が平坦な道でブレーキをかけている場合、メインコントローラは1000msタイマをオンにしてカウントし、第1ホールセンサでモータの回転速度を検出する。
S6: タイマが1000msカウントを完了したか、または第1ホールセンサがモータ回転速度の低下をゼロに検出するかを判断し、そうである場合、S7を実行する。
S7: 脱電ブレーキでブレーキをかけて停車する。
【請求項2】
前記制御サブシステムは、モータコントローラとリチウム電池とをさらに含み、
前記モータコントローラは、前記直流モータを駆動モードまたは発電モードに切り替えるためのものである。
前記メインコントローラは、前記輸送機が下り坂で発電条件を満たすとき、前記アクチュエータによって前記モータコントローラを制御し、前記直流モータの動作モードを駆動モードから発電モードに切り替え、発電電力を前記リチウム電池に回収することを特徴とする、請求項1に記載の山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システム。
【請求項3】
前記制御サブシステムは、発電モード制御速度モジュールをさらに含み、
前記発電モード制御速度モジュールは、前記直流モータが発電モードにあり、かつ、回転速度が安全回転速度を超えた場合に、エネルギー消費抵抗を用いて前記リチウム電池で回収されていない電力の一部を消費し、回転速度を安全回転速度の上下の予め設定された範囲内に維持するためのものであることを特徴とする、請求項2に記載の山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システム。
【請求項4】
前記制御サブシステムは、自動駐車検出ユニットをさらに含み、
前記自動駐車検出ユニットは、第2ホールセンサと第2磁石鋼とを含み、
前記第2ホールセンサは、前記輸送機のヘッドの下側に取り付けられ、
前記第2磁石鋼は二つ設けられ、それぞれ前記輸送軌道の両端の側面に吸着され、
前記第2ホールセンサと前記第2磁石鋼はいずれも前記輸送軌道の同じ側に位置し、
前記メインコントローラは、前記第2ホールセンサが検出した前記第2磁石鋼の磁界信号が閾値に達したか否かを判断し、閾値に達したとき、前記アクチュエータによって前記脱電ブレーキの制動を制御することを特徴とする、請求項1に記載の山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システム。
【請求項5】
前記制御サブシステムは、複数組のコントロール・キーをさらに含み、
前記コントロール・キーは、前記輸送機の前進、後退、停止を制御ために前記メインコントローラに接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システム。
【請求項6】
前記制御サブシステムは更に信号受信機とリモートコントローラとを含み、前記信号受信機は複数組の前記コントロール・キーにそれぞれ並列に接続さ、前記リモートコントローラは前記信号受信機に無線接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システム。
【請求項7】
前記制御サブシステムは秤量センサを含み、
前記秤量センサは、前記輸送機の実際の積載重量を測定するために前記メインコントローラに接続され、
前記メインコントローラは、前記輸送機の走行姿勢と実際の積載質量を結合して、横転のリスクの有無を判断し、横転のリスクがある場合、前記アクチュエータによって前記脱電ブレーキの制動を制御することを特徴とする、請求項1に記載の山地果樹園モノレール輸送機知能制御システム。
【請求項8】
前記制御サブシステムはサウンド・ライト・アラームを含み、
前記サウンド・ライト・アラームは、前記メインコントローラに接続され、
前記メインコントローラは、超荷重、運転姿勢の異常がある場合に、前記サウンド・ライト・アラームによるサウンド・ライト・アラートを制御するためのものであることを特徴とする、請求項1に記載の山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システム。
【請求項9】
輸送機が下り坂にあるときにエネルギー回収を行うことをさらに含み、次のステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムの制御方法。
S1’: 直流モータの発電条件を設定する。輸送機の姿勢は水平面傾斜角α>α0を満たし、直流モータの実際の回転速度NはN0<N<N1を満たす。発電モードでの直流モータの安全回転速度N2を設定する。
S2’: 姿勢センサで輸送機が置かれている姿勢情報を取得し、第1ホールセンサで直流モータの実際の回転速度と回転方向を検出する。
S3’: 発電条件を満たすか否かを判断する。満たす場合はS4’を実行し、満たさない場合は直流モータの駆動モードを維持する。
S4’: メインコントローラはアクチュエータによってモータコントローラを制御して直流モータの動作モードを駆動モードから発電モードに切り替え、エネルギー回収を行う。
S5’: 第1ホールセンサにより直流モータの回転速度と回転方向を検出する。
S6’: 発電モードでの直流モータの実際の回転速度が設定された安全回転速度N2を超えているか否かを判断し、超えている場合はS7’を実行し、超えていない場合はS8’を実行する。
S7’: エネルギー消費抵抗を接続し、メインコントローラが必要とする出力PWM波形デューティ比の大きさを計算し、直流モータの実際の回転速度を発電モードでの安全回転速度N2の上下の予め設定された範囲内に制御する。
S8’: 発電モードでの直流モータの実際の回転速度が設定された下り坂駆動モードでの直流モータ回転速度N0より低いか否かを判断し、低い場合、メインコントローラはアクチュエータによってモータコントローラを制御して直流モータの動作モードを発電モードから駆動モードに切り替え、輸送機に動力を供給する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、山岳輸送機の制御技術分野に関し、より具体的には、山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、山地果樹園の農業物資輸送の多くは人手による作業に頼っており、生産効率が低く、労働強度が大きく、生産安全の保障が困難である。軌道輸送機をはじめとする無人輸送設備は複雑な地形環境に対応でき、構造が簡単で登坂能力が高く、安全で使いやすいなどの特徴があり、丘陵山地果樹園の生産作業に適している。
【0003】
しかし、従来の歯車伝動システムにはセルフロック機能がないため、歯車伝動装置を採用したモノレール輸送機は満載で坂上り下り時にすり抜けや飛車現象を起こしやすく、一定の安全上の懸念がある。 同時に、エネルギー回収機能を備えていない。
【0004】
そのため、どのように下り坂の安定的な制御速度、上り坂のすり抜け検出及びエネルギー回収機能を兼ね備えた山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システム及びその制御方法を提供するかは、当技術者が早急に解決しなければならない問題である。
【発明の概要】
【0005】
よって、本発明の目的は、登坂すり抜けの検出、下り坂の安定的な制御速度とエネルギー回収機能が実現可能な、山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システム及びその制御方法を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術案を採用する。
山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムであって、輸送機、輸送軌道と制御サブシステムを含む。
前記制御サブシステムは、メインコントローラと、すり抜け防止検出ユニットと、姿勢センサと、直流モータと、アクチュエータと、脱電ブレーキとを含む。
前記すり抜け防止検出ユニットは、第1ホールセンサと第1磁石鋼とを含む。前記第1磁石鋼は、前記直流モータの回転軸の外周に均一に取り付けられている。前記第1ホールセンサは、前記直流モータの回転軸の真上に取り付けられ、前記第1磁石鋼の磁界信号を誘導し、磁界信号に基づいて前記直流モータの実際の回転速度と回転方向を検出する。
前記メインコントローラは、前記直流モータの実際の回転方向と操作指令の走行方向が一致するか否かに基づき、すり抜けの有無を判断し、すり抜けの場合には前記アクチュエータによって前記脱電ブレーキを制御して制動を行う。
前記姿勢センサは、前記輸送機の前記輸送軌道上での走行姿勢を検出するためのものである。
前記メインコントローラは、前記輸送機の走行姿勢に基づき、上り坂、下り坂、または平らな区間にあると判断し、区間ごとに異なる制動モードで前記アクチュエータによって前記脱電ブレーキの状況を制御する。
さらに、前記山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムにおいて、前記制御サブシステムは、モータコントローラとリチウム電池とをさらに含む。
前記モータコントローラは、前記直流モータを駆動モードまたは発電モードに切り替えるためのものである。
前記メインコントローラは、前記輸送機が下り坂で発電条件を満たすとき、前記アクチュエータによって前記モータコントローラを制御し、前記直流モータの動作モードを駆動モードから発電モードに切り替え、発電電力を前記リチウム電池に回収する。
さらに、前記山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムにおいて、前記制御サブシステムは、発電モード制御速度モジュールを含む。
前記発電モード制御速度モジュールは、前記直流モータが発電モードにあり、かつ、回転速度が安全回転速度を超えた場合に、エネルギー消費抵抗を用いて前記リチウム電池で回収されていない電力の一部を消費し、回転速度を安全回転速度の上下の予め設定された範囲内に維持するためのものである。
さらに、前記山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムにおいて、前記制御サブシステムは、自動駐車検出ユニットをさらに含む。
前記自動駐車検出ユニットは、第2ホールセンサと第2磁石鋼とを含む。
前記第2ホールセンサは、前記輸送機のヘッドの下側に取り付けられている。
前記第2磁石鋼は二つ設けられ、それぞれ前記輸送軌道の両端の側面に吸着される。
前記第2ホールセンサと前記第2磁石鋼はいずれも前記輸送軌道の同じ側に位置する。
前記メインコントローラは、前記第2ホールセンサが検出した前記第2磁石鋼の磁界信号が閾値に達したか否かを判断し、閾値に達したとき、前記アクチュエータによって前記脱電ブレーキの制動を制御する。
さらに、前記山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムにおいて、前記制御サブシステムは、複数組のコントロール・キーをさらに含む。前記コントロール・キーは、前記輸送機の前進、後退、停止を制御ために前記メインコントローラに接続されている。
さらに、前記山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムにおいて、前記制御サブシステムは更に信号受信機とリモートコントローラとを含む。前記信号受信機は、複数組の前記コントロール・キーにそれぞれ並列に接続されている。前記リモートコントローラは、前記信号受信機に無線接続されている。
さらに、前記山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムにおいて、前記制御サブシステムは秤量センサを含む。
前記秤量センサは、前記輸送機の実際の積載重量を測定するために前記メインコントローラに接続されている。
前記メインコントローラは、前記輸送機の走行姿勢と実際の積載質量を結合して、横転のリスクの有無を判断し、横転のリスクがある場合、前記アクチュエータによって前記脱電ブレーキの制動を制御する。
さらに、前記山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムにおいて、前記制御サブシステムはサウンド・ライト・アラームを含む。
前記サウンド・ライト・アラームは、前記メインコントローラに接続されている。
前記メインコントローラは、超荷重、運転姿勢の異常がある場合に、前記サウンド・ライト・アラームによるサウンド・ライト・アラートを制御するためのものである。
【0007】
本発明は、セグメント制動制御方法を含む、山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムの制御方法を提供する。当該制御方法は、以下のステップを含む。
S1: メインコントローラは、姿勢センサで収集した輸送機の走行姿勢から、輸送機が上り坂か下り坂かを判断し、輸送機が上り坂にある場合、S2を実行し、輸送機が上り坂にない場合、S5を実行する。
S2: 輸送機が上り坂にあり、メインコントローラがトリガブレーキ信号があることを検出した場合、S7を実行する。
S3: 輸送機が下り坂にあり、メインコントローラがトリガブレーキ信号があることを検出した場合、メインコントローラは500msタイマをオンにしてカウントし、第1ホールセンサでモータ回転速度を検出し、タイマが500msカウントを完了したか、または第1ホールセンサがモータ回転速度の低下をゼロに検出するかを判断し、そうである場合、S7を実行する。
S4: 輸送機が上り坂にあるが、メインコントローラがトリガブレーキ信号を検出していない場合、第1ホールセンサが検出したモータの実際の回転方向と操作指令の走行方向から輸送機のすり抜けの有無を判断する。第1ホールセンサが検出したモータの回転方向と操作指令の走行方向が一致しない場合、すり抜けが発生し、S7を実行する。
S5: 姿勢センサで収集した輸送機の走行姿勢から、輸送機が平坦な道でブレーキをかけているか否かを判断し、輸送機が平坦な道でブレーキをかけている場合、メインコントローラは1000msタイマをオンにしてカウントし、第1ホールセンサでモータの回転速度を検出する。
S6: タイマが1000msカウントを完了したか、または第1ホールセンサがモータ回転速度の低下をゼロに検出するかを判断し、そうである場合、S7を実行する。
S7: 脱電ブレーキでブレーキをかけて停車する。
【0008】
さらに、前記山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムの制御方法は、輸送機が下り坂にあるときにエネルギー回収を行うことを含み、以下のステップを含む。
S1’: 直流モータの発電条件を設定する。輸送機の姿勢は水平面傾斜角α>α0を満たし、直流モータの実際の回転速度NはN0<N<N1を満たす。発電モードでの直流モータの安全回転速度N2を設定する。
S2’: 姿勢センサで輸送機が置かれている姿勢情報を取得し、第1ホールセンサで直流モータの実際の回転速度と回転方向を検出する。
S3’: 発電条件を満たすか否かを判断する。満たす場合はS4’を実行し、満たさない場合は直流モータの駆動モードを維持する。
S4’: メインコントローラはアクチュエータによってモータコントローラを制御して直流モータの動作モードを駆動モードから発電モードに切り替え、エネルギー回収を行う。
S5’: 第1ホールセンサにより直流モータの回転速度と回転方向を検出する。
S6’: 発電モードでの直流モータの実際の回転速度が設定された安全回転速度N2を超えているか否かを判断し、超えている場合はS7’を実行し、超えていない場合はS8’を実行する。
S7’: エネルギー消費抵抗を接続し、メインコントローラが必要とする出力PWM波形デューティ比の大きさを計算し、直流モータの実際の回転速度を発電モードでの安全回転速度N2の上下の予め設定された範囲内に制御する。
S8’: 発電モードでの直流モータの実際の回転速度が設定された下り坂駆動モードでの直流モータ回転速度N0より低いか否かを判断し、低い場合、メインコントローラはアクチュエータによってモータコントローラを制御して直流モータの動作モードを発電モードから駆動モードに切り替え、輸送機に動力を供給する。
【0009】
前記技術案から明らかなように、本発明に係る山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システム及びその制御方法は、従来技術と比較して、以下の有益な効果を有する。
1、本発明は、輸送機の輸送軌道上での姿勢情報を姿勢センサで検出し、勾配情報を決定し、区間を上り坂、下り坂、平らな区間に分けられ、メインコントローラは区間ごとに脱電ブレーキを段階的に制動する。輸送機が上り坂でブレーキをかけているとき、すり抜けの発生を防ぐため、登坂ブレーキ・脱電ブレーキは直ちにブレーキをかける。輸送機が下り坂でブレーキをかけるとき、すぐにブレーキをかけると輸送機に大きな衝撃がかかり、下り坂ブレーキ・脱電ブレーキの遅延制動は下り坂ブレーキの衝撃を効果的に減らすことができる。輸送機が平らな道路にあって制動を行う場合、輸送機をなだらかに停止させ、果物などへの衝撃損傷を減らすため、脱電ブレーキの制動を遅らせ、平らな道路でのなだらかな駐車が実現可能である。
2、本発明は、モータの回転軸に双方向ホールセンサを取り付け、双方向ホールセンサで輸送機の走行速度と走行方向をリアルタイムで収集し、輸送機の下り坂でのエネルギー回収が実現可能であり、かつ輸送機のすり抜けの有無を正確に判断できるようにし、輸送機にエネルギー回収とすり抜け防止の機能を持たせ、輸送機の走行距離と安全性を向上させる。
3、本発明は、機械トリガ式の行程スイッチを両端に取り付ける方式の代わりに、ホールセンサを用いた非接触式の誘導方式を採用して自動駐車を実現し、輸送機が走行中に山岳果樹園の雑草・雑物が誤って行程スイッチをトリガすることによる駐車を大幅に低減し、ユーザの使用体験を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、本発明の実施例または従来技術における技術案をより明確に説明するために、実施例または従来技術の説明に用いる図解について簡単に紹介する。明らかに以下の説明における図解は本発明の実施例に過ぎず、本分野における一般的な技術者にとっては、創造的な労働をしないことを前提に、提供された図面に基づいて他の図面を入手することができる。
【0011】
図1】本発明が提供する山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムの構造図
図2】本発明が提供する輸送機の構造イメージ図
図3】本発明が提供する輸送機のヘッドの一部のイメージ図
図4】本発明が提供するすり抜け防止検出ユニットの構造イメージ図
図5】本発明が提供する第1ホールセンサ・パルス信号の位相イメージ図
図6】本発明が提供する自動駐車検出ユニットの構造イメージ図
図7】本発明が提供するホール信号処理回路図
図8】本発明が提供する信号入出力絶縁回路図
図9】本発明が提供する直流モータの駆動モードと発電モードの切り替え図
図10】本発明が提供する発電モードにおける制御速度原理図
図11】本発明が提供するセグメント制動制御方法フローチャート
図12】本発明が提供するエネルギー回収ステップ・フローチャート
図13】本発明が提供する輸送機の運転過程における全体制御フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例における図解と結びつけて、本発明の実施例における技術案を明確かつ完全に説明するが、説明する実施例は、本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本発明における実施例に基づき、本分野における一般的な技術者が創造的な労働をしないことを前提にして獲得した他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲内である。
【0013】
図1~4に、本発明の一実施例に係る山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムが示されている。当該システムは、輸送機1と、輸送軌道2と、制御サブシステム3とを含む。
【0014】
制御サブシステム3は、メインコントローラ301と、すり抜け防止検出ユニットと、姿勢センサ302と、直流モータ303と、アクチュエータ304と、脱電ブレーキ305とを含む。
【0015】
すり抜け防止検出ユニットは、第1ホールセンサ306と第1磁石鋼307とを含む。第1磁石鋼307は直流モータ303の回転軸の外周に均一に取り付けられ、具体的には8個の丸型磁石鋼からなるアレイ構造とすることができ、モータ回転軸にモータ回転軸と同期して回転するように均一に取り付けられている。第1ホールセンサ306は、直流モータ303の回転軸の真上に取り付けられている。第1磁石鋼307の磁界信号を誘導し、磁界信号に基づいて直流モータ303の実際の回転速度と回転方向を検出する。メインコントローラ301は、直流モータ303の実際の回転方向と操作指令の走行方向が一致するか否かに基づき、すり抜けの有無を判断し、すり抜けの場合はアクチュエータ304によって脱電ブレーキ305を制御して制動を行う。
【0016】
姿勢センサ302は、輸送機1の輸送軌道上での走行姿勢を検出するためのものである。
メインコントローラ301は、輸送機1の走行姿勢から、上り坂、下り坂、または平らな区間にあると判断し、区間ごとに異なる制動モードでアクチュエータ304によって脱電ブレーキ305の制動状況を制御する。
【0017】
そのうち、メインコントローラ301はATMEGA328シングルチップ・コンピュータを採用する。第1ホールセンサ306は双方向ホールセンサを採用する。メインコントローラ301は、第1ホールセンサ306、姿勢センサ302およびアクチュエータ304にそれぞれ接続されている。アクチュエータ304は、脱電ブレーキ305に接続されている。アクチュエータ304はリレー・アクチュエータである。脱電ブレーキ305は直流モータの尾部に取り付けられ、DC48V電源で給電され、メインコントローラ301はリレー・アクチュエータ304を介して脱電ブレーキ305のオンとオフを制御し、輸送機1に制動トルクを与える。
【0018】
図5に示すように、第1ホールセンサ306は、二つの信号、すなわちA相、B相を出力する。直流モータ303が順方向回転すると、出力パルス信号A相がB相より進んでいる。直流モータ303が逆転すると、出力パルス信号B相はA相より進んでいる。メインコントローラ301は、双方向ホールセンサの位相情報を読み取ることで、輸送機の運転速度と走行方向を算出し、操作指令で入力された実行信号と照合することで輸送機にすり抜けが発生したか否かを判断する。
【0019】
具体的には、姿勢センサ302は、輸送機1のヘッド内部の中間位置に固定的に取り付けられており、輸送機1の走行姿勢を決定するために、輸送機のX軸、Y軸、Z軸方向の角度情報と加速度情報を検出することができる。シリアル通信でメインコントローラ301に姿勢情報を送る。メインコントローラ301は収集したX軸角度情報に基づいて道路状況のセグメント制動を行い、Y軸で収集した角度情報で輸送機の横転防止制御を行う。検出された勾配情報によって区間の区分を行い、上り坂、下り坂、または平らな区間に分けられ、メインコントローラは異なる区間に基づいて輸送機を段階的に制動する。(1)輸送機が上り坂でブレーキをかけている場合、すり抜けの発生を防止するため、脱電ブレーキは直ちに制動する。(2)輸送機が下り坂でブレーキをかけている場合、輸送機は一定の運動エネルギーと重力を持っているため、すぐに制動すると輸送機に大きな衝撃を与える。この場合、脱電ブレーキの制動を遅らせ、下り坂の制動衝撃を効果的に低減することができる。(3)輸送機が平らな道路にあって制動を行う場合、輸送機をなだらかに停止させ、果物などへの衝撃損傷を減らすため、脱電ブレーキの制動を遅らせ、平らな道路でのなだらかな駐車が実現可能である。
【0020】
具体的には、本実施例では、図2に示すように、輸送機1は、ヘッド101と、トレーラー連結具102と、輸送トレーラー103と、バッテリボックス104とを含む。輸送機1は輸送軌道2にまたがっており、輸送トレーラー103はトレーラー連結具102を介してヘッド101と連結され、ヘッド101によってドラッグまたはプッシュされる。
【0021】
一つの実施例では、制御サブシステムは、モータコントローラ308とリチウム電池309とをさらに含む。リチウム電池はバッテリボックス104内に装着されている。
モータコントローラ308は、直流モータ303を駆動モードまたは発電モードに切り替えるためのものである。
メインコントローラ301は、輸送機1が下り坂で発電条件を満たすとき、アクチュエータ304によってモータコントローラ308を制御し、直流モータ303の動作モードを駆動モードから発電モードに切り替え、発電電力をリチウム電池に回収する。
【0022】
より有利なことに、制御サブシステム3は、発電モード制御速度モジュール310を含む。
発電モード制御速度モジュール310は、直流モータ303が発電モードにあり、かつ回転速度が安全な回転速度を超えた場合に、エネルギー消費抵抗を用いてリチウム電池309で回収されていない電力の一部を消費し、回転速度を安全な回転速度の上下の予め設定された範囲内に維持するためのものである。
【0023】
図9に示すように、メインコントローラ301は、パルス幅変調の方法により直流モータ303の駆動モードと発電モードでの回転速度の調節を行い、PWM波形デューティ比出力の大きさを調整する。これにより、直流モータ303の駆動モードでの回転速度の制御を実現し、無段速度調節と発電モードでの下り坂安定制御速度の機能を実現する。メインコントローラ301は、第1ホールセンサ306と姿勢センサ302が検出したデータから輸送機1が下り坂であるか否かを判断し、下り坂にあり、発電条件を満たす場合、モータコントローラ308は回路切り替えにより直流モータ303の駆動モードからモータ発電モードへの切り替えを完了し、発電したエネルギーをリチウム電池309で回収する。
【0024】
輸送機1が下り坂走行発電モードにあるとき、歯車伝動装置にセルフロック機能がないため、斜面方向に作用する重力の分力が働き、加速運転が可能であるが、リチウム電池309の充電効率には限界がある。発電モード制御速度モジュール310で回収できなかった電力の一部を消費エネルギーブレーキで消費する。下り坂直流モータ303の発電モードでの安定した制御速度を確保し、飛車事故の発生と過大な逆方向充電電流によるリチウム電池309への損傷を防止する。
【0025】
具体的には、図10に示すように、直流モータ303が発電モードにあるとき、直流モータ303は発電機として発電し、Mは直流モータ、Raはモータの電機子巻線の内抵抗器、Laは電機子インダクタンス、発電機はリチウム電池を定電流モードで逆充電する。重力が働き続けるため、重力ポテンシャルエネルギーは運動エネルギーに変換され続け、モータ発電のエネルギー回収が最大効率に達したとき、直流モータの回転速度は増加し続ける。リチウム電池を保護し、飛車事故の発生を防止するために、下り坂速度を安定的に制御する必要がある。スイッチkを切り替えて発電回路にエネルギー消費抵抗Rzを接続する。メインコントローラは、パルス幅変調の方法でPWM波形デューティ比の出力の大きさを調整することでトランジスタQ1の導通を実現し、発電モードでの輸送機の下り坂に対する安定的な制御速度を達成する。この回路設計は、輸送機が下り坂走行中にエネルギー回収と安定的な制御速度を備える機能を実現し、輸送の走行距離と安全性を向上させる。
【0026】
一つの実施例では、図6に示すように、制御サブシステム3は、自動駐車検出ユニットを含む。自動駐車検出ユニットは、第2ホールセンサ311と第2磁石鋼312とを含む。第2ホールセンサ311は、輸送機1のヘッド101の下側に取り付けられている。第2磁石鋼312は二つ設けられ、それぞれ輸送軌道2の両端の側面に吸着される。第2ホールセンサ311と第2磁石鋼312はいずれも輸送軌道2の同じ側に位置する。
【0027】
メインコントローラ301は、第2ホールセンサ311が検出した第2磁石鋼312の磁界信号が閾値に達したか否かを判断し、閾値に達したとき、アクチュエータ304によって脱電ブレーキ305の制動を制御する。
【0028】
輸送機1が輸送軌道2の両端まで走行すると、輸送機に取り付けられた第2ホールセンサ311が第2磁石鋼312が発生する磁界信号を検出し、メインコントローラ301に停止信号を送り、メインコントローラ301が対応するリレー・アクチュエータ304のセルフロックを制御して、脱電ブレーキ305を制動停車する。このとき輸送機1は走行を停止し、再び元の走行方向に走行を開始することができない。輸送機の逆方向への走行のみを許可して、輸送機が軌道始末の両端で軌道から飛び出すのを防止する。機械トリガ式の行程スイッチを両端に取り付ける方式の代わりに、第2ホールセンサを用いた非接触式の誘導方式を採用して、自動駐車を実現している。輸送機が走行中に山岳果樹園の雑草・雑物が誤って行程スイッチをトリガすることによる駐車を大幅に低減する。第2磁石鋼312はユーザの実用的なニーズに応じて任意の道路の輸送軌道側面に吸着して取り付けられ、道路での自動駐車機能を実現し、輸送機の使用過程における柔軟性を大幅に向上させる。
【0029】
具体的には、本実施例では、メインコントローラ301には、信号入力、出力分離回路、ホール信号処理回路が接続する。
【0030】
具体的には、ホール信号処理回路は、図7に示されている。以下、第1ホールセンサと第2ホールセンサを総称してホールセンサと呼び、第1磁石鋼と第2磁石鋼を総称して磁石鋼と呼ぶ。ホール信号処理回路は、ホールセンサが収集したオリジナル信号を増幅し、ワンチップマイクロコンピュータが読み取り可能な電圧信号に変換するのに用いられる。磁石鋼がホールセンサをトリガし、A、Bの2つのパルス信号を発生させると、A信号は、抵抗R1を介して5Vにプルアップされ、コンデンサC1を介して周波数の異なる電波を分離する処理をされる。その後、双方向インバータU1の出力側D2を介してメインコントローラに接続される。B信号は、抵抗R4を介して5Vにプルアップされ、コンデンサC3を介して周波数の異なる電波を分離する処理をされる。その後、双方向インバータU1の出力側D3を介してメインコントローラに接続される。VFは双方向インバータU1の基準電圧側、抵抗R2と抵抗R3の分圧により、この基準電圧は2.5Vとなり、ホールセンサから入力された電圧が基準電圧より高い場合、双方向インバータは出力側に応じてハイレベル5Vを出力し、逆にローレベル0Vを出力する。ホールセンサが収集した信号は、ホール信号処理回路の増幅と周波数の異なる電波を分離する処理により、ワンチップマイクロコンピュータが安定して読み取ることができる電圧信号になる。
【0031】
図8に示すように、信号入出力回路は、メインコントローラに入力される信号とメインコントローラが出力する信号とを分離し、メインコントローラを保護する役割を果たす。分離回路は主にフォトカプラU2、U4、インバータU3を含む。入力信号IN1がローレベルに入力されると、フォトカプラU2ピンC、Eが導通し、メインコントローラの入力側に同期してローレベルが入力され、入力信号の分離の役割を果たす。メインコントローラの出力側から出力される信号はインバータの反転作用により、フォトカプラU4に接続され、メインコントローラがハイレベルを出力するとフォトカプラU4ピンC、Eが導通し、OUT1出力側からハイレベルが出力される。
【0032】
他の実施例では、制御サブシステムは複数組のコントロール・キー313をさらに含む。コントロール・キー313は、輸送機1の前進、後退、停止を制御するためのメインコントローラ301に接続されている。
具体的には、輸送機のヘッド101のコントロールパネルに固定的に取り付けられ、輸送機の前進、後退、停止を手動で制御する3組の常開型ジョグスイッチを含む。
【0033】
より有利なことに、制御サブシステム3は、信号受信機314とリモートコントローラ315をさらに含む。信号受信機314は、複数組のコントロール・キー313にそれぞれ並列に接続されている。リモートコントローラ315は、信号受信機314に無線接続されている。
【0034】
信号受信機314は輸送機1の内部に固定的に取り付けられており、ユーザはリモートコントローラ315のリモート側を介して輸送機1の前進、後退、停止を遠隔で無線制御が可能である。
【0035】
1つの実施例では、制御サブシステム3は、秤量センサ316を含む。秤量センサ316は、輸送機1の実際の積載重量を測定するためのメインコントローラ301に接続されている。メインコントローラ301は、輸送機の走行姿勢と実際の積載質量と結びつけて、横転のリスクの有無を判断し、横転のリスクがある場合、アクチュエータ304によって脱電ブレーキ305の制動を制御する。
【0036】
秤量センサ316は、輸送トレーラーの前後両端の荷重機構105にそれぞれ固定して取り付けられ、輸送機の実際の積載重量を測定し、超荷重輸送による安全上の懸念を防止するために用いられる。
【0037】
輸送機と輸送軌道は、押え車とベアリングホイールが係合することで軌道に固定され、ヘッド駆動輪で係合するようにドラッグまたはプッシュされて前後に走行する。積載された荷物が最大の装置質量を超えたとき、荷物が片側にずれると、輸送車の軌道に沿った両側の質量が非対称になり、傾斜が発生し、ひどい場合は、横転する恐れがある。そのため、秤量センサで積載された質量を検出して超荷重運転を防止する必要がある。また、長期間使用すると機械が緩むと、輸送機が横転する可能性がある。通常の走行状態で姿勢センサは輸送機が水平面で一定の安全な範囲内にあることを検出する。姿勢センサがこの安全範囲を超えても運転を継続すると横転の恐れがある。脱電ブレーキを制御して停車し、運転を継続して横転しないように、ユーザに点検固定をするよう警告する。
【0038】
より有利なことに、制御サブシステム3はサウンド・ライト・アラーム317を含む。サウンド・ライト・アラーム317はメインコントローラ301に接続されている。メインコントローラ301は、超荷重、運転姿勢異常がある場合、サウンド・ライト・アラーム317を制御してサウンド・ライト・アラートを発生させるためのものである。
【0039】
輸送機1に超荷重が発生したり、姿勢センサが姿勢異常を検出したりした場合、メインコントローラ301は対応するリレー・アクチュエータ304を制御して脱電ブレーキ305を制御し、輸送機1を制動してサウンド・ライト・アラーム317をオンにし、スタッフがタイムリーに処理できるように、故障LEDが点滅し、アラームがブザーを鳴らし、システムに問題が発生していることを示す。
【0040】
また、本実施例は、セグメント制動制御方法を含む、山岳果樹園モノレール輸送機知能制御システムの制御方法を提供する。当該制御方法は、以下のステップを含む。
S1: メインコントローラは、姿勢センサで収集した輸送機の走行姿勢から、輸送機が上り坂か下り坂かを判断し、輸送機が上り坂にある場合、S2を実行し、輸送機が上り坂にない場合、S5を実行する。
S2: 輸送機が上り坂にあり、メインコントローラがトリガブレーキ信号があることを検出した場合、S7を実行する。
S3: 輸送機が下り坂にあり、メインコントローラがトリガブレーキ信号があることを検出した場合、メインコントローラは500msタイマをオンにしてカウントし、第1ホールセンサでモータ回転速度を検出し、タイマが500msカウントを完了したか、または第1ホールセンサがモータ回転速度の低下をゼロに検出するかを判断し、そうである場合、S7を実行する。そうでない場合、カウントとモータ回転速度の検出を継続する。
S4: 輸送機が上り坂にあるが、メインコントローラがトリガブレーキ信号を検出していない場合、第1ホールセンサが検出したモータの実際の回転方向と操作指令の走行方向から輸送機のすり抜けの有無を判断する。第1ホールセンサが検出したモータの回転方向と操作指令の走行方向が一致しない場合、すり抜けが発生し、S7を実行する。
S5: 姿勢センサで収集した輸送機の走行姿勢から、輸送機が平坦な道でブレーキをかけているか否かを判断し、輸送機が平坦な道でブレーキをかけている場合、メインコントローラは1000msタイマをオンにしてカウントし、第1ホールセンサでモータの回転速度を検出する。
S6: タイマが1000msカウントを完了したか、または第1ホールセンサがモータ回転速度の低下をゼロに検出するかを判断し、そうである場合、S7を実行する。そうでない場合、カウントとモータ回転速度の検出を継続する。
S7: 脱電ブレーキでブレーキをかけて停車する。
【0041】
別の実施例に係る制御方法は、輸送機が下り坂にあるときにエネルギー回収を行うことを含み、以下のステップを含む。
S1’: 直流モータの発電条件を設定する。輸送機の姿勢は水平面傾斜角α>α0を満たし、直流モータの実際の回転速度NはN0<N<N1を満たす。発電モードでの直流モータの安全回転速度N2を設定する。
S2’: 姿勢センサで輸送機が置かれている姿勢情報を取得し、第1ホールセンサで直流モータの実際の回転速度と回転方向を検出する。
S3’: 発電条件を満たすか否かを判断する。満たす場合はS4’を実行し、満たさない場合は直流モータの駆動モードを維持する。
S4’: メインコントローラはアクチュエータによってモータコントローラを制御して直流モータの動作モードを駆動モードから発電モードに切り替え、エネルギー回収を行う。
S5’: 第1ホールセンサにより直流モータの回転速度と回転方向を検出する。
S6’: 発電モードでの直流モータの実際の回転速度が設定された安全回転速度N2を超えているか否かを判断し、超えている場合はS7’を実行し、超えていない場合はS8’を実行する。
S7’: エネルギー消費抵抗を接続し、メインコントローラが必要とする出力PWM波形デューティ比の大きさを計算し、直流モータの実際の回転速度を発電モードでの安全回転速度N2の上下の予め設定された範囲内に制御する。
S8’: 発電モードでの直流モータの実際の回転速度が設定された下り坂駆動モードでの直流モータ回転速度N0より低いか否かを判断し、低い場合、メインコントローラはアクチュエータによってモータコントローラを制御して直流モータの動作モードを発電モードから駆動モードに切り替え、輸送機に動力を供給する。
【0042】
図13に示すように、本発明のメインコントローラによる輸送機の運転プロセスの全体的な制御フローは、次の通りである。
システムを初期化し、シリアル通信をオンにする。
入力信号を読み取る。
キー押下信号があるか否かを判断する。ある場合は前進信号、後退信号、停止信号の順に判断し、前進信号である場合、脱電ブレーキを緩めて輸送機を前進させる。後退信号である場合、脱電ブレーキを緩めて輸送機を後退させる。停止信号である場合、脱電ブレーキでブレーキをかけ、輸送機の運転を停止させる。そうでない場合、戻って入力信号を読み取り続ける。
異常信号があるか否かを判断し、ある場合はサウンド・ライト・アラームが警報し、脱電ブレーキが制動して輸送機が運転を停止し、ない場合は戻って入力信号を読み取り続ける。
【0043】
本明細書の各実施例は再帰的に説明されており、各実施例は他の実施例との相違点を重点を置いて説明されており、各実施例間で共通する部分を参照されたい。実施例が開示した装置については、実施例が開示した方法と対応するので、説明が簡単である。関連する点については方法の部分を参照されたい。
【0044】
開示した実施例の上述の説明は、本分野における専門技術者が本発明を実現または使用することを可能にする。これらの実施例に対する様々な修正は、本分野における専門技術者にとって明らかである。本明細書で定義された一般的な原理が本発明の精神または範囲を逸脱することなく他の実施例で実現可能である。したがって、本発明は、本明細書で示すこれらの実施例に限定されることはなく、本明細書で開示する原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲に適合しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】