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特表2024-527654半導体構造、メモリ及びその動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】半導体構造、メモリ及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 20/25 20230101AFI20240719BHJP
【FI】
H10B20/25
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526338
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 CN2022109589
(87)【国際公開番号】W WO2024007394
(87)【国際公開日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】202210806749.X
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】唐 衍哲
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083CR14
5F083HA06
5F083JA03
(57)【要約】
本発明は、半導体構造、メモリ及びその動作方法を提供し、前記半導体構造は、基板と、前記基板の表面に位置する第1ゲート構造及び第2ゲート構造であって、前記第2ゲート構造と前記第1ゲート構造は、所定の厚さより小さい同じ厚さを有する、第1ゲート構造及び第2ゲート構造と、前記基板内に位置し、且つ前記第1ゲート構造の両側にそれぞれ位置する第1ドープ領域及び第2ドープ領域であって、前記第1ゲート構造は、前記第1ドープ領域及び前記第2ドープ領域とともに選択トランジスタを形成する、第1ドープ領域及び第2ドープ領域と、を含み、前記基板上の前記第2ゲート構造の正投影は、前記第2ドープ領域と少なくとも部分的に重なり、前記第2ゲート構造及び前記第2ドープ領域は、アンチヒューズビット構造を形成し、前記アンチヒューズビット構造の破壊状態及び非破壊状態は、異なる記憶データを表すために使用される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造であって、
基板と、
前記基板の表面に位置する第1ゲート構造及び第2ゲート構造であって、前記第2ゲート構造と前記第1ゲート構造は、所定の厚さより小さい同じ厚さを有する、第1ゲート構造及び第2ゲート構造と、
前記基板内に位置し且つ前記第1ゲート構造の両側にそれぞれ位置する第1ドープ領域及び第2ドープ領域であって、前記第1ゲート構造は、前記第1ドープ領域及び前記第2ドープ領域とともに選択トランジスタを形成する、第1ドープ領域及び第2ドープ領域と、を含み、
前記基板上の前記第2ゲート構造の正投影は、前記第2ドープ領域と少なくとも部分的に重なり、前記第2ゲート構造及び前記第2ドープ領域は、アンチヒューズビット構造を形成し、前記アンチヒューズビット構造の破壊状態及び非破壊状態は、異なる記憶データを表すために使用される、半導体構造。
【請求項2】
前記第1ゲート構造は、第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極の下に位置する第1ゲート誘電体層とを含み、前記第2ゲート構造は、第2ゲート電極と、前記第2ゲート電極の下に位置する第2ゲート誘電体層とを含み、
前記第1ゲート誘電体層と前記第2ゲート誘電体層の厚さは同じであり、前記第1ゲート誘電体層と前記第2ゲート誘電体層は、所定の薄いゲート酸化物構造を有する、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記半導体構造はさらに、
前記第1ゲート構造及び前記第2ゲート構造の上に位置する第1金属ラインを含み、前記第1金属ラインは、第1接続構造を介して前記第1ドープ領域に接続される、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記半導体構造はさらに、
前記第1ゲート構造及び前記第1金属ラインとの間に位置する第2金属ラインを含み、前記第2金属ラインは、第2接続構造を介して前記基板に接続される、
請求項3に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記半導体構造はさらに、
隣接する2つの前記アンチヒューズビット構造の間の前記基板内に位置する分離構造を含み、前記第2接続構造の少なくとも一部は、前記分離構造の上に位置する、
請求項4に記載の半導体構造。
【請求項6】
前記半導体構造はさらに、
前記分離構造の両側の前記基板内に位置する第3ドープ領域を含み、前記第2接続構造は、前記第3ドープ領域を介して前記基板に接続される、
請求項5に記載の半導体構造。
【請求項7】
前記半導体構造はさらに、
前記第1ゲート構造の上に位置するワードラインであって、前記ワードラインは、前記ワードラインの延在方向に位置する複数の第1ゲート構造を接続する、ワードラインと、
前記第2ゲート構造の上に位置する第3金属ラインであって、前記第3金属ラインの延在方向は、前記ワードラインの延在方向に平行し、前記第3金属ラインは、前記第3金属ラインの延在方向に位置する複数の第2ゲート構造を接続する、第3金属ラインと、を含む、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項8】
隣接する2つの前記選択トランジスタは、対称的に設けられ、且つ同一の前記第1ドープ領域を共有する、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の半導体構造を含むメモリの動作方法であって、
書き込み対象となるデータに基づいて、前記メモリに対して書き込み動作を実行することを含み、前記書き込み動作は、
前記メモリのアンチヒューズビット構造のうちの1つのターゲットアンチヒューズビット構造を破壊して、前記ターゲットアンチヒューズビット構造を非破壊状態から破壊状態に切り替えることと、
非ターゲットアンチヒューズビット構造の非破壊状態を維持することであって、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造は、前記ターゲットアンチヒューズビット構造以外のアンチヒューズビット構造である、ことと、を含む、メモリの動作方法。
【請求項10】
前記書き込み動作は、
前記基板に第1電圧を印加して、前記選択トランジスタの非破壊状態を維持することをさらに含む、
請求項9に記載のメモリの動作方法。
【請求項11】
前記メモリのアンチヒューズビット構造のうちの1つのターゲットアンチヒューズビット構造を破壊して、前記ターゲットアンチヒューズビット構造を非破壊状態から破壊状態に切り替えることは、
前記ターゲットアンチヒューズビット構造に接続された前記選択トランジスタの第1ゲート電極に第2電圧を印加して、前記選択トランジスタを導通させ、前記選択トランジスタに接続された第1金属ラインに第3電圧を印加することであって、前記第3電圧と前記第2電圧との差は、第1ゲート誘電体層の破壊電圧より小さい、ことと、
前記ターゲットアンチヒューズビット構造の第2ゲート電極に第4電圧を印加して、前記ターゲットアンチヒューズビット構造を非破壊状態から破壊状態に切り替えることであって、前記第3電圧と前記第4電圧との電圧差は、第2ゲート誘電体層の破壊電圧より大きいか等しいことと、を含む、
請求項9に記載のメモリの動作方法。
【請求項12】
前記非ターゲットアンチヒューズビット構造の非破壊状態を維持することは、
前記非ターゲットアンチヒューズビット構造に接続された前記選択トランジスタの第1ゲート電極に第2電圧を印加して、前記選択トランジスタを導通させ、前記選択トランジスタに接続された第1金属ラインに第1電圧を印加することであって、前記第1電圧と前記第2電圧との差は、第1ゲート誘電体層の破壊電圧より小さいか等しい、ことと、
前記非ターゲットアンチヒューズビット構造の第2ゲート電極に第4電圧を印加して、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造を非破壊状態に維持することであって、前記第1電圧と前記第4電圧との電圧差は、第2ゲート誘電体層の破壊電圧より小さい、ことと、を含む、
請求項9に記載のメモリの動作方法。
【請求項13】
前記非ターゲットアンチヒューズビット構造の非破壊状態を維持することは、
前記非ターゲットアンチヒューズビット構造に接続された前記選択トランジスタの第1ゲート電極に遮断電圧を印加して、前記選択トランジスタを遮断し、前記選択トランジスタに接続された第1金属ラインに第3電圧を印加することであって、前記第3電圧と前記遮断電圧との差は、第1ゲート誘電体層の破壊電圧より小さい、ことと、
前記非ターゲットアンチヒューズビット構造の第2ゲート電極に第1電圧を印加して、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造を非破壊状態に維持することであって、前記第3電圧と前記第1電圧との電圧差は、第2ゲート誘電体層の破壊電圧より小さいことと、を含む、
請求項9に記載のメモリの動作方法。
【請求項14】
前記メモリの動作方法は、
前記メモリに対して読み取り動作を実行することをさらに含み、前記読み取り動作は、
前記基板を接地することと、
前記アンチヒューズビット構造に接続された前記選択トランジスタの第1ゲート電極に第1読み取り電圧を印加して、前記選択トランジスタを導通させることと、
前記選択トランジスタに接続された第1金属ラインに第2読み取り電圧を印加することと、
前記第1金属ライン上の電流を検出することと、を含む、
請求項9に記載のメモリの動作方法。
【請求項15】
メモリであって、
請求項1~8のいずれか一項に記載の半導体構造を含むメモリアレイと、
前記メモリアレイに結合された周辺回路と、を含む、メモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2022年07月08日に中国特許局に提出された、出願番号が202210806749.Xであり、発明の名称が「半導体構造、メモリ及びその動作方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、半導体技術分野に関し、特に、半導体構造、メモリ及びその動作方法に関するものであるが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0003】
現在の科学技術の発展に伴い、半導体記憶装置の性能はますます高くなる一方で、特徴サイズはますます小さくなっている。ここで、ワンタイムプログラマブル(OTP:One Time Programmable)メモリは、電源が切れた場合でも、記憶したデータを保持できる不揮発性メモリ(NVM:Non-Volatile Memory)である。OTPメモリは、1回限りの書き込みプログラミングしか実行できず、電気的消去することはできず、プログラムコードメモリ、シリアルコンフィギュレーションメモリ、システムオンチップ(SOC:System-on-Chip)に適用でき、ID認識、メモリ修復などの役割を果たす。
【0004】
現在、OTPメモリは、主にダイナミックランダムメモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)と類似した構造を採用しており、1つの選択トランジスタと1つの破壊可能なキャパシタ(1T1C)を含み、キャパシタの誘電体層の破壊は不可逆であるため、キャパシタの破壊状態を読み取ることで、固化した記憶データを得ることができる。しかしながら、OTPメモリは、メモリセルの占有面積が大きく、集積度が低く、製造工程が複雑で、製造コストが高いなどの問題に直面している。
【発明の概要】
【0005】
上記に鑑み、本発明の実施例は、半導体構造及びその製造方法、メモリ及びその動作方法を提供する。
【0006】
第1態様では、本発明の実施例は、半導体構造を提供し、前記半導体構造は、基板と、前記基板の表面に位置する第1ゲート構造及び第2ゲート構造であって、前記第2ゲート構造と前記第1ゲート構造は、所定の厚さより小さい同じ厚さを有する、第1ゲート構造及び第2ゲート構造と、前記基板内に位置し、且つ前記第1ゲート構造の両側にそれぞれ位置する第1ドープ領域及び第2ドープ領域であって、前記第1ゲート構造は、前記第1ドープ領域及び前記第2ドープ領域とともに選択トランジスタを形成する、第1ドープ領域及び第2ドープ領域と、を含み、前記基板上の前記第2ゲート構造の正投影は、前記第2ドープ領域と少なくとも部分的に重なり、前記第2ゲート構造及び前記第2ドープ領域は、アンチヒューズビット構造を形成し、前記アンチヒューズビット構造の破壊状態及び非破壊状態は、異なる記憶データを表すために使用される。
【0007】
いくつかの実施例では、前記第1ゲート構造は、第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極の下に位置する第1ゲート誘電体層とを含み、前記第2ゲート構造は、第2ゲート電極と、前記第2ゲート電極の下に位置する第2ゲート誘電体層とを含み、前記第1ゲート誘電体層と前記第2ゲート誘電体層の厚さは同じであり、前記第1ゲート誘電体層と前記第2ゲート誘電体層は、所定の薄いゲート酸化物構造を有する。
【0008】
いくつかの実施例では、前記半導体構造はさらに、前記第1ゲート構造及び前記第2ゲート構造の上に位置する第1金属ラインを含み、前記第1金属ラインは、第1接続構造を介して前記第1ドープ領域に接続される。
【0009】
いくつかの実施例では、前記半導体構造はさらに、前記第1ゲート構造及び前記第1金属ラインとの間に位置する第2金属ラインを含み、前記第2金属ラインは、第2接続構造を介して前記基板に接続される。
【0010】
いくつかの実施例では、前記半導体構造はさらに、隣接する2つの前記アンチヒューズビット構造の間の前記基板内に位置する分離構造を含み、前記第2接続構造の少なくとも一部は、前記分離構造の上に位置する。
【0011】
いくつかの実施例では、前記半導体構造はさらに、前記分離構造の両側の前記基板内に位置する第3ドープ領域を含み、前記第2接続構造は、前記第3ドープ領域を介して前記基板に接続される。
【0012】
いくつかの実施例では、前記半導体構造はさらに、前記第1ゲート構造の上に位置するワードラインであって、前記ワードラインは、前記ワードラインの延在方向に位置する複数の第1ゲート構造を接続する、ワードラインと、前記第2ゲート構造の上に位置する第3金属ラインであって、前記第3金属ラインの延在方向は、前記ワードラインの延在方向に平行し、前記第3金属ラインは、前記第3金属ラインの延在方向に位置する複数の第2ゲート構造を接続する、第3金属ラインと、を含む。
【0013】
いくつかの実施例では、隣接する2つの前記選択トランジスタは、対称的に設けられ、且つ同一の前記第1ドープ領域を共有する。
【0014】
第2態様では、本発明の実施例は、メモリの動作方法を提供し、前記メモリは、上記実施例のいずれか1つに記載の半導体構造を含み、前記方法は、書き込み対象となるデータに基づいて、前記メモリに対して書き込み動作を実行することを含み、前記書き込み動作は、前記メモリのアンチヒューズビット構造のうちの1つのターゲットアンチヒューズビット構造を破壊して、前記ターゲットアンチヒューズビット構造を非破壊状態から破壊状態に切り替えることと、非ターゲットアンチヒューズビット構造の非破壊状態を維持することであって、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造は、前記ターゲットアンチヒューズビット構造以外のアンチヒューズビット構造であることと、を含む。
【0015】
いくつかの実施例では、前記書き込み動作は、前記基板に第1電圧を印加して、前記選択トランジスタの非破壊状態を維持することをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施例では、前記メモリのアンチヒューズビット構造のうちの1つのターゲットアンチヒューズビット構造を破壊して、前記ターゲットアンチヒューズビット構造を非破壊状態から破壊状態に切り替えることは、前記ターゲットアンチヒューズビット構造に接続された前記選択トランジスタの第1ゲート電極に第2電圧を印加して、前記選択トランジスタを導通させ、前記選択トランジスタに接続された第1金属ラインに第3電圧を印加することであって、前記第3電圧と前記第2電圧との差は、第1ゲート誘電体層の破壊電圧より小さいことと、前記ターゲットアンチヒューズビット構造の第2ゲート電極に第4電圧を印加して、前記ターゲットアンチヒューズビット構造を非破壊状態から破壊状態に切り替えることであって、前記第3電圧と前記第4電圧との電圧差は、第2ゲート誘電体層の破壊電圧より大きいか等しいことと、を含む。
【0017】
いくつかの実施例では、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造の非破壊状態を維持することは、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造に接続された前記選択トランジスタの第1ゲート電極に第2電圧を印加して、前記選択トランジスタを導通させ、前記選択トランジスタに接続された第1金属ラインに第1電圧を印加することであって、前記第1電圧と前記第2電圧との差は、第1ゲート誘電体層の破壊電圧より小さいか等しいことと、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造の第2ゲート電極に第4電圧を印加して、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造を非破壊状態に維持することであって、前記第1電圧と前記第4電圧との電圧差は、第2ゲート誘電体層の破壊電圧より小さいことと、を含む。
【0018】
いくつかの実施例では、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造の非破壊状態を維持することは、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造に接続された前記選択トランジスタの第1ゲート電極に遮断電圧を印加して、前記選択トランジスタを遮断し、前記選択トランジスタに接続された第1金属ラインに第3電圧を印加することであって、前記第3電圧と前記遮断電圧との差は、第1ゲート誘電体層の破壊電圧より小さいことと、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造の第2ゲート電極に第1電圧を印加して、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造を非破壊状態に維持することであって、前記第3電圧と前記第1電圧との電圧差は、第2ゲート誘電体層の破壊電圧より小さいことと、を含む。
【0019】
いくつかの実施例では、前記メモリの動作方法は、前記メモリに対して読み取り動作を実行することをさらに含み、前記読み取り動作は、前記基板を接地することと、前記アンチヒューズビット構造に接続された前記選択トランジスタの第1ゲート電極に第1読み取り電圧を印加して、前記選択トランジスタを導通させることと、前記選択トランジスタに接続された第1金属ラインに第2読み取り電圧を印加することと、前記第1金属ライン上の電流を検出することと、を含む。
【0020】
第3態様では、本発明の実施例は、メモリを提供し、前記メモリは、上記実施例のいずれか1つに記載の半導体構造を含むメモリアレイと、メモリアレイに結合された周辺回路と、を含む。
【0021】
本発明の実施例によって提供される半導体構造では、第1ゲート構造と第2ゲート構造は、所定の厚さより小さい同じ厚さを有し、基板上の第2ゲート構造の正投影は、第2ドープ領域と少なくとも部分的に重なる。このようにして、一方では、第1ゲート構造及び第2ゲート構造は、同じ厚さの薄いゲート酸化物構造を有することができるため、選択トランジスタのチャネル幅がより小さくなり、半導体構造の占有面積が減少し、また、第1ゲート構造及び第2ゲート構造の薄いゲート酸化物構造を同時に形成できるため、製造工程が簡略化され、他方では、第2ゲート構造と第2ドープ領域との重なり部分により、アンチヒューズビット構造の水平方向の長さを減少させ、さらに半導体構造の占有面積も減少させ、メモリの集積度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例による半導体構造の概略図である。
図2】本発明の実施例による別の半導体構造の概略図である。
図3】本発明の実施例によるさらに別の半導体構造の概略図である。
図4】本発明の実施例によるさらに別の半導体構造の概略図である。
図5】本発明の実施例によるさらに別の半導体構造の概略図である。
図6】本発明の実施例による半導体構造の上面図である。
図7】本発明の実施例によるメモリの概略図である。
図8】本発明の実施例によるメモリにおけるメモリアレイの概略図である。
図9】本発明の実施例によるメモリの動作方法のステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施例の理解を容易にするために、以下では、関連図面を参照して、本発明の例示的な実施形態をより詳細に説明する。本発明の例示的な実施形態が図面に示されているが、理解すべきこととして、本発明は、様々な形態で実現することができ、本明細書に記載の具体的な実施形態によって限定されるべきではない。本文に提供される実施形態は、本発明がより完全に理解され、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるためである。
【0024】
下記において、本発明をより完全に理解させるために、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、本発明がこれらの詳細のうちの1つ又は複数なくても実施できることは当業者にとって明らかである。いくつかの実施例では、本発明との混同を避けるために、当技術分野でよく知られているいくつかの技術的特徴は説明されていなく、即ち、実際の実施形態のすべての特徴が本明細書に記載されておらず、周知の機能及び構成も詳細に記載されていない。
【0025】
一般に、用語は、少なくとも部分的には、文脈におけるその使用から理解することができる。例えば、少なくとも部分的に文脈に依存し、本明細書で使用される「1つ以上又は複数の」という用語は、単数形の意味で任意の特徴、構造又は特性を記述するために使用され得、又は複数形の意味で特徴、構造又は特性の組み合わせを記述するために使用され得る。同様に、「一」又は「前記」などの用語も、単数用法を伝えるものとして、又は複数用法を伝えるものとして理解でき、これは少なくとも部分的には文脈に依存する。また、「~に基づく」に該当することは、必ずしも排他的な一組の要因を伝えることを意図しているわけではなく、代わりに、必ずしも明示的に記述されていない追加の要因の存在を許容でき、これも少なくとも部分的には文脈に依存する。
【0026】
本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「一」、「1つ」、及び「当該」は、文脈で明確にそうでないと示さない限り、複数形も含むことができる。また、「構成」及び/又は「含む」という用語は、本明細書で使用される場合、前記特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を決定するが、1つ又は複数の他の機能、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はグループの存在又は追加は除外されない。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、関連するリストされた項目の任意及びすべての組み合わせを含む。
【0027】
本発明を完全に理解できるようにするために、詳細なステップ及び詳細な構造を以下の説明に提示することにより、本発明の技術的解決策を説明する。本発明の好ましい実施例を以下に詳細に説明するが、本発明は、これらの詳細な説明に加えて他の実施形態を有することもできる。
【0028】
図1に示すように、本発明の実施例は、半導体構造10を提供し、前記半導体構造10は、基板100と、前記基板100の表面に位置する、所定の厚さより小さい同じ厚さを有する第1ゲート構造110及び第2ゲート構造120と、前記基板100内に位置し且つ前記第1ゲート構造110の両側にそれぞれ位置する第1ドープ領域101及び第2ドープ領域102と、を含み、前記第1ゲート構造110は、前記第1ドープ領域101及び前記第2ドープ領域102とともに選択トランジスタ130を形成し、前記基板100上の前記第2ゲート構造120の正投影は、前記第2ドープ領域102と少なくとも部分的に重なり、前記第2ゲート構造120及び前記第2ドープ領域102は、アンチヒューズビット構造140を形成し、前記アンチヒューズビット構造140の破壊状態及び非破壊状態は、異なる記憶データを表すために使用される。
【0029】
なお、図において、各構造を明確に示すために、各構造の縮尺は実際の構造と一致しない可能性がある。
【0030】
本発明の実施例では、半導体構造10は、ワンタイムプログラマブル(OTP)メモリに使用され得る。ここで、基板100の材料は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)などの元素半導体材料、又は窒化ガリウム(GaN)、砒化ガリウム(GaAs)又はリン化インジウム(InP)などの化合物半導体材料を含み得る。いくつかの実施例では、基板100はさらに、Pウェル及びPウェルの下に位置する深いNウェルのようなウェル領域を有し得、ここで、Pウェルは、選択トランジスタ130のチャネルを形成するために使用され得、深いNウェルは、Pウェルを分離して、Pウェルに形成されたデバイスへのノイズ干渉を低減するために使用され得る。
【0031】
半導体構造10はさらに、選択トランジスタ130のソース及びドレインとして、複数の第1ドープ領域101及び第2ドープ領域102を含み得、第1ドープ領域101及び第2ドープ領域102は、基板100に位置する。第1ドープ領域101及び第2ドープ領域102は、同じドーピングタイプを有し得、ここで、P型ドープ領域にドーピングされる不純物イオンは、ホウ素などの3価元素であってもよく、N型ドープ領域にドーピングされる不純物イオンは、リン、ヒ素などの5価元素であってもよい。いくつかの実施例では、第1ドープ領域101及び第2ドープ領域102は、Pウェルにおける高濃度のN型ドープ領域、即ち、N+型ドープ領域であってもよい。
【0032】
図1に示すように、基板100の表面上に第1ゲート構造110及び第2ゲート構造120があり、第1ゲート構造110及び第2ゲート構造120は、同一平面に位置し、且つ同じ厚さを有し得る。第1ドープ領域101及び第2ドープ領域102はそれぞれ第1ゲート構造110の両側に位置し、第1ドープ領域101は、第2ドープ領域102及び第1ゲート構造110とともに、選択トランジスタ130を形成する。また、基板100上の第2ゲート構造120の投影は、第2ドープ領域102と少なくとも部分的に重なり、第2ゲート構造120及び第2ドープ領域102は、アンチヒューズビット構造140を形成する。アンチヒューズビット構造140は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)に類似した構造であり得、ここで、アンチヒューズビット構造140のゲート誘電体層の破壊(Breakdown)状態及び非破壊状態は、異なる記憶データ、即ち、「0」又は「1」を表すために使用される。例示的に、第1ゲート構造110は、第1ゲート電極及び第1ゲート誘電体層を含み得、第1ゲート電極は、第1ゲート誘電体層の上に位置し、第1ゲート電極は、接触構造を介してワードライン(WL:Word Line)に接続することができ、第2ゲート構造120は、第2ゲート電極及び第2ゲート誘電体層を含み得、第2ゲート電極は、第2ゲート誘電体層の上に位置し、第2ゲート誘電体層の破壊状態及び非破壊状態は、異なる記憶データを表すために使用される。第1ゲート電極及び第2ゲート電極は、金属、ドーピング半導体などの導電性材料を含むが、これらに限定されず、第1ゲート誘電体層及び第2ゲート誘電体層は、酸化ケイ素、酸化ハフニウムなどの材料であってもよい。
【0033】
いくつかの実施例では、1つの選択トランジスタ130と1つのアンチヒューズビット構造140は、OTPメモリの1つのメモリセルを形成する。第1ゲート電極に異なる電圧を印加することにより、選択トランジスタ130の導通及び遮断を制御することができる。いくつかの実施例では、選択トランジスタ130における第1ドープ領域101はまた、第1金属ラインに接続され、第1金属ラインはビットラインであり得、選択トランジスタ130が導通されると、第1金属ライン上の電圧が第2ドープ領域102に印加されることができ、このとき、第2ゲート電極に適切な電圧を印加することにより、第2ゲート電極と第2ドープ領域102との電圧差を、第2ゲート誘電体層の破壊電圧以上にすることができ、それにより、アンチヒューズビット構造140は永久的に破壊され、メモリセルに対するワンタイムプログラミング動作が完了する。
【0034】
いくつかの実施例では、第1ゲート構造110における第1ゲート誘電体層は、厚いゲート酸化物構造を有し、その厚さは6nmに達することができる。厚いゲート酸化物構造は、選択トランジスタ130がより高いゲート電圧に耐えるようにし、選択トランジスタ130の誤破壊の可能性を低減することができる。しかしながら、厚いゲート酸化物構造の選択トランジスタ130が、十分な読み取り電流を得るためには、選択トランジスタ130の拡散幅、即ち、チャネル幅を大きくする必要があり、ここでチャネル幅とは、ソース電極及びドレイン電極の連接方向におけるチャネルの幅を指す。したがって、選択トランジスタ130の占有面積が大きくなり、それにより、OTPメモリの集積度が低くなる。また、アンチヒューズビット構造140は、薄いゲート酸化物構造を第2ゲート誘電体層として使用するため、第2ゲート誘電体層の厚さは、第1ゲート誘電体層の厚さとは大きく異なり、製造プロセスにおいて、異なるゲート酸化物層の厚さに対するリソグラフィ工程の要求を満たすために、第1ゲート構造110と第2ゲート構造120との間の距離を比較的大きくする必要があり、これにより、半導体構造10の占有面積も大きくなる。
【0035】
本発明の実施例では、第1ゲート誘電体層及び第2ゲート誘電体層は、同じ厚さの薄いゲート酸化物構造を有し得、即ち、第1ゲート構造110と第2ゲート構造120は、所定の厚さより小さい同じ厚さを有し得る。例示的に、ここでの薄いゲート酸化物構造の厚さは、3nmより小さくてもよい。したがって、薄いゲート酸化物構造により、十分な読み取り電流を有するという前提で、選択トランジスタ130のチャネル幅を小さくすることができ、それにより、選択トランジスタ130の占有面積を小さくして、メモリの集積度を向上させることができる。また、第1ゲート誘電体層と第2ゲート誘電体層の厚さは同じで、製造プロセス中に同時に形成することができるため、製造工程を簡略化するとともに、第1ゲート構造110と第2ゲート構造120との距離を短縮することができる。さらに、基板100上の第2ゲート構造120の投影は、第2ドープ領域102と少なくとも部分的に重なるため、第2ゲート電極に対応する下部電極として、第2ドープ領域102の隣に追加のドープ領域を形成する必要がなく、これにより、製造工程を簡略化させ、半導体構造10の占有面積もさらに減少させる。いくつかの実施例では、第1ドープ領域101及び第1ゲート電極に印加される電圧を調整することにより、両者間の電圧差を、薄いゲート酸化物構造の破壊電圧未満にすることができ、これにより、選択トランジスタ130の誤破壊の可能性を低減することができる。
【0036】
いくつかの実施例では、図2に示すように、前記第1ゲート構造110は、第1ゲート電極111と、前記第1ゲート電極111の下に位置する第1ゲート誘電体層112とを含み、前記第2ゲート構造120は、第2ゲート電極121と、前記第2ゲート電極121の下に位置する第2ゲート誘電体層122とを含み、前記第1ゲート誘電体層112は、前記第2ゲート誘電体層122と同じ厚さを有し、前記第1ゲート誘電体層112と前記第2ゲート誘電体層122は、所定の薄いゲート酸化物構造を有する。
【0037】
本発明の実施例では、第1ゲート構造110は、第1ゲート電極111と第1ゲート誘電体層112とを含み得、第1ゲート誘電体層112は、少なくとも第1ゲート電極111と基板100との間に位置することができ、第2ゲート構造120は、第2ゲート電極121と第2ゲート誘電体層122とを含み得、第2ゲート誘電体層122は、少なくとも第2ゲート電極121と第2ドープ領域102との間に位置することができる。例示的に、第1ゲート電極111及び第2ゲート電極121は、タングステン(W)、ドーピングポリシリコンなどの導電性材料を含み得るが、これらに限定されず、第1ゲート誘電体層112及び第2ゲート誘電体層122は、酸化ケイ素、酸化ハフニウムなどの材料であってもよい。第1ゲート誘電体層112と第2ゲート誘電体層122は、同じ厚さを有し、且つ両方とも薄いゲート酸化物構造を有し、ここで、所定の薄いゲート酸化物構造は、厚さが3nmより小さいゲート酸化物層であり得、ここでの厚さとは、基板100の表面に垂直な方向の厚さを指す。薄いゲート酸化物構造の第1ゲート誘電体層112により、選択トランジスタ130のチャネル幅をより小さくすることができ、それにより、選択トランジスタ130の占有面積を減少させることができ、また、同じ厚さの第1ゲート誘電体層112及び第2ゲート誘電体層122を同時に形成することができるため、製造工程を簡略化することができる。このように、第2ゲート電極121と第2ドープ領域102との電圧差が第2ゲート誘電体層122の破壊電圧より大きいか等しい場合、第2ゲート誘電体層122は破壊され、即ち、アンチヒューズビット構造140は永久的に破壊され、それにより、メモリセルに対するワンタイムプログラミング動作が完了する。
【0038】
いくつかの実施例では、第1ゲート誘電体層112及び第2ゲート誘電体層122は、薄いゲート酸化物構造の連続する同一層であってもよく、第1ゲート電極111と基板100との間に位置する薄いゲート酸化物構造の一部は、第1ゲート誘電体層112であり、第2ゲート電極121と第2ドープ領域102との間に位置する薄いゲート酸化物構造の一部は、第2ゲート誘電体層122である。
【0039】
いくつかの実施例では、図3図6に示すように、第1ゲート構造110は、接触構造を介してワードライン113に接続され、第2ゲート構造120は、接触構造を介して第3金属ライン123に接続されてもよく、ワードライン113の延在方向は、第3金属ライン123の延在方向に平行してもよい。
【0040】
いくつかの実施例では、図3に示すように、前記半導体構造10はさらに、第1金属ライン150を含み、
第1金属ライン150は、前記第1ゲート構造110及び前記第2ゲート構造120の上に位置し、前記第1金属ライン150は、第1接続構造160を介して前記第1ドープ領域101に接続される。
【0041】
本発明の実施例では、第1金属ライン150は、メモリ内のビットライン(BL:Bit Line)であり得る。選択トランジスタ130が導通されると、第1金属ライン150上の電圧は、選択トランジスタ130を介してアンチヒューズビット構造140の第2ドープ領域102に印加されることができ、このとき、第2ゲート電極121に適切な電圧を印加することにより、第2ドープ領域102と第2ゲート電極121との電圧差を、第2ゲート誘電体層122の破壊電圧以上にすることができ、これにより、アンチヒューズビット構造140は永久的に破壊され、メモリセルに対するワンタイムプログラミング動作が完了する。第1金属ライン150の延在方向は、メモリ内のワードライン113の延在方向と直交することができ、これにより、ビットラインとワードライン113の延在方向との交点にメモリセルを設けて、メモリセルアレイを形成することができる。別の実施例では、第1金属ライン150の延在方向は、ワードライン113の延在方向と交差するが、垂直ではない。第1金属ライン150は、第1接続構造160を介して第1ドープ領域101に接続され、ここで、第1接続構造160は、金属、ドーピング半導体などの導電性材料であってもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、図3に示すように、前記基板100は、反対のドーピングタイプを有する第1ウェル104及び第2ウェル105を含み、前記第2ウェル105は、前記第1ウェル104の下に位置し、前記第1ドープ領域101及び前記第2ドープ領域102は、前記第1ウェル104内に位置し、前記第1ドープ領域101及び前記第2ドープ領域102のドーピングタイプは、前記第2ウェル105のドーピングタイプと同じである。
【0043】
本発明の実施例では、基板100は、第2ウェル105と、第2ウェル105の上に位置する第1ウェル104とをさらに有する。ここで、第1ウェル104は、選択トランジスタ130のチャネルを形成するために使用され、第1ウェル104と第2ウェル105のドーピングタイプは相反であるため、第2ウェル105は、第1ドープ領域101及び第2ドープ領域102と同じドーピングタイプを有し、第2ウェル105は、第1ウェル104を効率的に分離することができる。いくつかの実施例では、基板100はさらに、第2ウェル105の下に位置するベース106を含み得、ここでのベース106のドーピングタイプは、第1ウェル104のドーピングタイプと同じであってもよい。例示的に、第1ウェル104はPウェルであり、第2ウェル105は深いNウェルであり、ベース106は、P型ドーピング半導体材料であり、第1ドープ領域101及び第2ドープ領域102は、N型ドープ領域であり、このようにして、第1ウェル104と第2ウェル105との間、及び第2ウェル105とベース106との間に逆バイアスのPN接合が形成され、それにより、第1ウェル104に形成されたデバイスへのノイズ干渉を低減する。いくつかの実施例では、第2ウェル105は、第1ウェル104の底面及び側面を取り囲むことにより、分離效果を向上させることができる。
【0044】
いくつかの実施例では、図4に示すように、前記半導体構造10はさらに、第2金属ライン190を含み、
第2金属ライン190は、前記第1ゲート構造110と前記第1金属ライン150との間に位置し、前記第2金属ライン190は、第2接続構造170を介して前記基板100に接続される。
【0045】
本発明の実施例では、第2金属ライン190は、第2接続構造170を介して基板100に電圧を印加することができる。第2金属ライン190は、第1ゲート構造110の上方且つ第1金属ライン150の下方に位置し、それにより、第2金属ライン190と、第1ゲート構造110及び第1金属ライン150との短絡などの問題を低減する。ここで、第2接続構造170は、金属、ドーピング半導体などの導電性材料であってもよい。第2金属ライン190は、基板100に電圧を印加するために使用され、それにより、各選択トランジスタ130における第1ドープ領域101、第2ドープ領域102と基板100との間に形成されたPN接合が、逆方向に破壊されないこと(MOSトランジスタにおけるソース電極とドレイン電極のアバランシェ破壊など)を確保する。いくつかの実施例では、OTPメモリのメモリセルアレイにおいて、第2金属ライン190は、マトリクス状にレイアウトされ、複数の第2接続構造170を介して複数の選択トランジスタ130の基板にそれぞれ接続され、それにより、複数のメモリセルの基板に同時に電圧を印加して、複数の選択トランジスタ130におけるPN接合が逆方向に破壊されないことを確保する。
【0046】
いくつかの実施例では、図4に示すように、前記半導体構造10はさらに、分離構造180を含み、
分離構造180は、隣接する2つの前記アンチヒューズビット構造140の間の前記基板100内に位置し、ここで、前記第2接続構造170の少なくとも一部は、前記分離構造180の上に位置する。
【0047】
本発明の実施例では、互いに隣接し且つ同一の第1ドープ領域101を共有しない2つのメモリセルのアンチヒューズビット構造140は、互いに近接した位置にある。これにより、隣接する2つのアンチヒューズビット構造140の間に分離構造180を設けることにより、互いに隣接し且つ第1ドープ領域101を共有しない2つのメモリセルのアクティブ領域間の電気漏れなどの問題が発生することを防止することができる。ここで、分離構造180の深さは、第1ドープ領域101の深さ及び第2ドープ領域102の深さより大きい。例示的に、分離構造180は、低コストで良好な分離効果を有する浅いトレンチ分離(STI:Shallow Trench Isolation)であり得、分離構造180の材料は、酸化ケイ素などを含むが、これに限定されない。第2接続構造170の少なくとも一部は、分離構造180の上に位置し、第2接続構造170の底部の幅は、分離構造180の上部の幅より大きくすることができ、それにより、第2接続構造170の底部を、基板100に接触させ、第2接続構造170と基板100の電気的接続を実現することができる。
【0048】
いくつかの実施例では、図4に示すように、前記半導体構造10はさらに、第3ドープ領域103を含み、
第3ドープ領域103は、前記分離構造180の両側の前記基板100内に位置し、前記第2接続構造170は、前記第3ドープ領域103を介して前記基板100に接続される。
【0049】
本発明の実施例では、分離構造180の両側の基板100はさらに、第3ドープ領域103を有し、第2接続構造170は、第3ドープ領域103を介して基板100に接続され、それにより、基板100に電圧を印加することができる。第3ドープ領域103のドーピングタイプは、第1ドープ領域101及び第2ドープ領域102と相反であり、第3ドープ領域103は、第2接続構造170と基板100との間の接触抵抗を低減するために使用される。例示的に、第3ドープ領域103は、P+型ドープ領域であり得る。
【0050】
理解可能なこととして、図4の第2接続構造170と第1接続構造160との間の距離が大きく、即ち、第2接続構造170と第1接続構造160との間に1つの第1ゲート構造110及び1つの第2ゲート構造120を設けることができ、このようにして、メモリの動作中に生じる信号干渉を効果的に低減することができる。さらに、第2接続構造170の両側に位置する第2ゲート構造120は、第3ドープ領域103を形成する際に自己整合(self-alignment)の役割を果たすことができ、ここでの第2ゲート構造120は、メモリセルの一部としてデータを記憶することができる。いくつかの実施例では、図5に示すように、第2接続構造170は、第1接続構造160に近い位置に設けることができ、即ち、第2接続構造170と第1接続構造160との間に第1ゲート構造110を1つだけ設けることにより、半導体構造10の占有面積を節約するが、ここで単独で設けられた第1ゲート構造110は、メモリセルを形成できず、第3ドープ領域103を形成する際に自己整合の役割を果たすだけである。図5の場合、第2接続構造170と第1接続構造160とをワードライン延在方向に一定距離だけずらして配置することにより、信号干渉を低減することができる。
【0051】
いくつかの実施例では、図6に示すように、図6は、半導体構造10の部分上面図であり、半導体構造10はさらに、ワードライン113と、第3金属ライン123とを含み、ワードライン113は、前記第1ゲート構造110の上に位置し、前記ワードライン113は、前記ワードライン113延在方向に位置する複数の第1ゲート構造110を接続し、第3金属ライン123は、前記第2ゲート構造120の上に位置し、前記第3金属ライン123の延在方向は、前記ワードライン113の延在方向に平行し、前記第3金属ライン123は、前記第3金属ライン123延在方向に位置する複数の第2ゲート構造120を接続する。
【0052】
本発明の実施例では、1つの選択トランジスタ130と1つのアンチヒューズビット構造140は、OTPメモリの1つのメモリセルを形成する。第1ゲート構造110は、接触構造を介して第1ゲート構造110の上に位置するワードライン113に接続され得る。ワードライン113は、その延在方向に位置する複数のメモリセルの第1ゲート構造110を接続する。第2ゲート構造120は、接触構造を介して第2ゲート構造120の上に位置する第3金属ライン123に接続され得る。第3金属ライン123は、その延在方向に位置する複数のメモリセルの第2ゲート構造120を接続する。ワードライン113の延在方向は、第3金属ライン123の延在方向に平行する。このようにして、1本のワードライン113は、その延在方向に位置する複数のメモリセルの選択トランジスタ130の導通又は遮断を制御することができ、1本の第3金属ライン123は、その延在方向に位置する複数のメモリセルの第2ゲート構造120に同時に電圧を印加することができ、これにより、メモリの動作を簡略化することができる。例示的に、ワードライン113及び第3金属ライン123は、基板100の表面に平行な同一平面に位置することができ、ワードライン113及び第3金属ライン123を同時に形成することができるため、製造工程を簡略化することができる。
【0053】
いくつかの実施例では、図3図5に示すように、隣接する2つの前記選択トランジスタ130は対称的に設けられ、且つ同一の前記第1ドープ領域101を共有する。
【0054】
本発明の実施例では、隣接する任意の2つの選択トランジスタ130は対称的に設けられ、且つ同一の第1ドープ領域101を共有する。このように、OTPメモリでは、隣接する任意の2つのメモリセルは対称的に設けられ、1つの第1ドープ領域101を共有することにより、各メモリセルの占有面積を低減し、また、1つのビットライン(第1金属ライン150)は、1つの第1接続構造160を介して隣接する2つのメモリセルに接続され、これにより、2つのメモリセルの第1ドープ領域101に電圧を印加することができ、メモリの効率を向上させることができる。
【0055】
図7に示すように、本発明の実施例は、メモリ20をさらに提供し、前記メモリ20は、上記実施例のいずれか1つに記載の半導体構造10を含むメモリアレイ21と、メモリアレイ21に結合された周辺回路22と、を含む。
【0056】
本発明の実施例では、メモリ20は、メモリアレイ21と、メモリアレイ21に結合された周辺回路22とを含む。ここで、メモリアレイ21は、上記実施例のいずれか1つに記載の半導体構造10を含む。周辺回路22は、行/列アドレス情報をラッチ及びデコードするアドレス回路と、アンチヒューズユニットに記憶されている情報を監視及び判断するセンシング回路と、動作モードを切り替える切替制御回路と、を含む。このようにして、一方では、第1ゲート構造及び第2ゲート構造は、同じ厚さの薄いゲート酸化物構造を有することができるため、選択トランジスタのチャネル幅がより小さくなり、アンチヒューズビット構造の占有面積が減少し、また、第1ゲート構造及び第2ゲート構造の薄いゲート酸化物構造を同時に形成できるため、製造工程が簡略化され、他方では、第2ゲート構造と第2ドープ領域との重なり部分により、アンチヒューズビット構造の水平方向の長さを減少させ、さらにアンチヒューズビット構造の面積も減少させ、メモリの集積度を向上させることができる。
【0057】
図8は、メモリアレイ21の概略図であり、ここで、1つの選択トランジスタ240と1つのアンチヒューズビット構造250は、1つのメモリセル210を形成する。各ワードライン213は、その延在方向に位置する複数のメモリセル210内の第1ゲート電極211を接続し、各第3金属ライン223は、その延在方向に位置する複数のメモリセル210内の第2ゲート電極221を接続する。1つの第1金属ライン260(ビットライン)は、互いに隣接し且つ第1ドープ領域201を共有する2つのメモリセル210を接続する。メモリアレイ21はさらに、電圧を印加可能な基板200を含み、それにより、複数のメモリセル210における選択トランジスタ240のチャネルに電圧を同時に印加することにより、複数の選択トランジスタ240におけるPN接合が逆方向に破壊されないことを確保する。
【0058】
図9に示すように、本発明の実施例は、メモリの動作方法をさらに提供し、前記メモリは、上記実施例のいずれか1つに記載の半導体構造10を含み、前記方法は、以下のステップを含み得る。
【0059】
ステップS10において、書き込み対象となるデータに基づいて、前記メモリに対して書き込み動作を実行し、前記書き込み動作は、前記メモリのアンチヒューズビット構造のうちの1つのターゲットアンチヒューズビット構造を破壊して、前記ターゲットアンチヒューズビット構造を非破壊状態から破壊状態に切り替えることと、非ターゲットアンチヒューズビット構造の非破壊状態を維持することであって、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造は、前記ターゲットアンチヒューズビット構造以外のアンチヒューズビット構造であることと、を含む。
【0060】
本発明の実施例では、図8を参照すると、ターゲットメモリセル210aに対して書き込み動作を実行するとき、書き込み対象となるデータに基づいて、メモリアレイ21内の1つのターゲットアンチヒューズビット構造250aの第2ゲート誘電体層を破壊することにより、当該ターゲットアンチヒューズビット構造250aを非破壊状態から破壊状態に切り替える一方、非ターゲットアンチヒューズビット構造250b及び250cの非破壊状態を維持する。理解可能なこととして、第2ドープ領域と第2ゲート電極とに異なる電圧を印加して、両者間の電圧差を破壊電圧HV以上にすることにより、アンチヒューズビット構造の破壊を実現し、両者間の電圧差が破壊電圧HVより小さい場合、アンチヒューズビット構造の非破壊状態が維持される。
【0061】
いくつかの実施例では、第1ドープ領域の電圧と第1ゲート電極の電圧との差が、第1ゲート誘電体層の破壊電圧HVより小さくなるように、第1金属ラインとワードラインに印加される電圧を制御することもでき、それにより、薄いゲート酸化物構造を採用した第1ゲート誘電体層が誤破壊されないようにする。理解可能なこととして、第1ゲート誘電体層と第2ゲート誘電体層は、薄いゲート酸化物構造で同じ厚さを有し、そのため、両者の破壊電圧は両方ともHVである。以下では、表1に示す動作電圧及び図8に基づいて、メモリ20の動作方法について説明する。ここで、非ターゲットメモリセル210bとターゲットメモリセル210aは、同一ワードライン213及び同一第3金属ライン223に接続され、非ターゲットメモリセル210cとターゲットメモリセル210aは、同一ビットライン、即ち、第1金属ライン260に接続される。
【0062】
【表1】
【0063】
いくつかの実施例では、前記書き込み動作は、
前記基板200に第1電圧V1を印加して、前記選択トランジスタの非破壊状態を維持することをさらに含む。
【0064】
本発明の実施例では、第1金属ライン260を介して第1ドープ領域201及び第2ドープ領域202に印加される大きい電圧(HVなど)によって、選択トランジスタ240におけるPN接合が逆方向に破壊されることを防止するために、基板200に第1電圧V1を印加することができる。ここで、第1電圧V1は、HV/2であってもよい。理解可能なこととして、複数のメモリセル210における選択トランジスタ240の基板に第1電圧V1を同時に印加することにより、メモリ20の動作を簡略化することができる。
【0065】
いくつかの実施例では、前記メモリのアンチヒューズビット構造250のうちの1つのターゲットアンチヒューズビット構造250aを破壊して、前記ターゲットアンチヒューズビット構造250aを非破壊状態から破壊状態に切り替えることは、
前記ターゲットアンチヒューズビット構造250aに接続された前記選択トランジスタ240aの第1ゲート電極211aに第2電圧V2を印加して、前記選択トランジスタ240aを導通させ、前記選択トランジスタ240aに接続された第1金属ライン260に第3電圧V3を印加することであって、前記第3電圧V3と前記第2電圧V2との差は、第1ゲート誘電体層の破壊電圧HVより小さいことと、
前記ターゲットアンチヒューズビット構造250aの第2ゲート電極221aに第4電圧V4を印加して、前記ターゲットアンチヒューズビット構造250aを非破壊状態から破壊状態に切り替えることであって、前記第3電圧V3と前記第4電圧V4との電圧差は、第2ゲート誘電体層の破壊電圧HVより大きいか等しいことと、を含む。
【0066】
本発明の実施例では、ターゲットメモリセル210a内のターゲットアンチヒューズビット構造250aを破壊することにより、データの書き込みを行うことができる。具体的には、図8に示すように、ターゲットアンチヒューズビット構造250aに接続された選択トランジスタ240aの第1ゲート電極211aに第2電圧V2を印加し、即ち、ワードライン213に第2電圧V2を印加して、選択トランジスタ240aを導通させる。選択的に、ここでの第2電圧V2は、破壊電圧HVであってもよい。同時に、選択トランジスタ240aに接続された第1金属ライン260に第3電圧V3を印加し、ターゲットアンチヒューズビット構造250aの第2ゲート電極221aに第4電圧V4を印加し、即ち、第3金属ライン223に第4電圧V4を印加する。このようにして、第3電圧V3は、導通された選択トランジスタ240aによってターゲットアンチヒューズビット構造250aの第2ドープ領域202aに印加され、第3電圧V3と第4電圧V4との電圧差は、破壊電圧HVより大きいか等しく、これにより、ターゲットアンチヒューズビット構造250aは非破壊状態から破壊状態に切り替えられる。選択的に、ここでの第3電圧V3は破壊電圧HVであり得、第4電圧V4は0Vであり得る。理解可能なこととして、第1ゲート電極211aに第2電圧V2が印加され、第1ドープ領域201aに第3電圧V3が印加されるため、第1ゲート電極211aと第1ドープ領域201aとの電圧差は0Vであり、第1ゲート誘電体層の破壊電圧HVより小さいため、第1ゲート誘電体層が誤破壊されないことを確保する。
【0067】
いくつかの実施例では、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造の非破壊状態を維持することは、
前記非ターゲットアンチヒューズビット構造250bに接続された前記選択トランジスタ240bの第1ゲート電極211bに前記第2電圧V2を印加して、前記選択トランジスタ240bを導通させ、前記選択トランジスタ240bに接続された第1金属ライン260bに前記第1電圧V1を印加することであって、前記第1電圧V1と前記第2電圧V2との差は、第1ゲート誘電体層の破壊電圧HVより小さいことと、
前記非ターゲットアンチヒューズビット構造250bの第2ゲート電極221bに第4電圧V4を印加して、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造250bを非破壊状態に維持することであって、前記第1電圧V1と前記第4電圧V4との電圧差は、第2ゲート誘電体層の破壊電圧HVより小さいことと、を含む。
【0068】
本発明の実施例では、ターゲットメモリセル210a内のターゲットアンチヒューズビット構造250aを破壊するとき、非ターゲットメモリセル210b内の非ターゲットアンチヒューズビット構造250bの非破壊状態を維持することも必要である。具体的には、図8に示すように、ターゲットメモリセル210aと同一ワードライン213及び同一第3金属ライン223に接続された非ターゲットメモリセル210bについて、非ターゲットアンチヒューズビット構造250bに接続された選択トランジスタ240bの第1ゲート電極211bに第2電圧V2を印加して、選択トランジスタ240bが導通されるため、非ターゲットアンチヒューズビット構造250bの第2ドープ領域202bと第2ゲート電極221bとの電圧差が破壊電圧HVより小さいことを確保する必要がある。したがって、選択トランジスタ240bに接続された第1金属ライン260bに第1電圧V1を印加し、このようにして、第1電圧V1は、導通された選択トランジスタ240bによって非ターゲットアンチヒューズビット構造250bの第2ドープ領域202bに印加され、第2ゲート電極221b上の第4電圧V4と第2ドープ領域202b上の第1電圧V1との電圧差は、破壊電圧HVより小さいため、非ターゲットアンチヒューズビット構造250bは非破壊状態を維持する。選択的に、ここでの第2電圧V2は破壊電圧HVであり得、第1電圧V1はHV/2であり得、第4電圧V4は0Vであり得る。理解可能なこととして、第1ゲート電極211bに第2電圧V2が印加され、第1ドープ領域201bに第1電圧V1が印加されるため、第1ゲート電極211bと第1ドープ領域201bとの電圧差はHV/2で、第1ゲート誘電体層の破壊電圧HVより小さく、これにより、第1ゲート誘電体層が誤破壊されないことを確保する。
【0069】
いくつかの実施例では、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造の非破壊状態を維持することは、
前記非ターゲットアンチヒューズビット構造250cに接続された前記選択トランジスタ240cの第1ゲート電極211cに遮断電圧Voffを印加して、前記選択トランジスタ240cを遮断し、前記選択トランジスタ240cに接続された第1金属ライン260に第3電圧V3を印加することであって、前記第3電圧V3と前記遮断電圧Voffとの差は、前記第1ゲート誘電体層の破壊電圧HVより小さいことと、
前記非ターゲットアンチヒューズビット構造250cの第2ゲート電極221cに第1電圧V1を印加して、前記非ターゲットアンチヒューズビット構造250cを非破壊状態に維持することであって、前記第3電圧V3と前記第1電圧V1との差は、第2ゲート誘電体層の破壊電圧HVより小さいことと、を含む。
【0070】
本発明の実施例では、ターゲットメモリセル210a内のターゲットアンチヒューズビット構造250aを破壊するとき、非ターゲットメモリセル210c内の非ターゲットアンチヒューズビット構造250cの非破壊状態を維持することも必要である。具体的には、図8に示すように、非ターゲットメモリセル210cは、ターゲットメモリセル210aと同一第1金属ライン260(即ち、ビットライン)に接続される。非ターゲットアンチヒューズビット構造250cに接続された第1金属ライン260に第3電圧V3が印加されるため、非ターゲットアンチヒューズビット構造250cに接続された選択トランジスタ240cの第1ゲート電極211cに遮断電圧Voffを印加して、即ち、ワードライン213cに遮断電圧Voffを印加して、選択トランジスタ240cを遮断することができ、このとき、第3電圧V3は、選択トランジスタ240cを介して第2ドープ領域202cに伝達されない。同時に、非ターゲットアンチヒューズビット構造250cの第2ゲート電極221cに第1電圧V1を印加することもでき、即ち、第3金属ライン223cに第1電圧V1を印加することもでき、第3電圧V3と第1電圧V1との差は、第2ゲート誘電体層の破壊電圧HVより小さいため、非ターゲットアンチヒューズビット構造250cが破壊されないことをさらに確保することができる。選択的に、ここでの遮断電圧VoffはHV/2であり得、第1電圧V1はHV/2であり得、第3電圧V3は破壊電圧HVであり得る。理解可能なこととして、第1ゲート電極211cに遮断電圧Voffが印加され、第1ドープ領域201cに第3電圧V3が印加されるため、第1ゲート電極211cと第1ドープ領域201cとの電圧差はHV/2で、第1ゲート誘電体層の破壊電圧HVより小さく、これにより、第1ゲート誘電体層が誤破壊されないことを確保する。
【0071】
いくつかの実施例では、前記方法は、前記メモリに対して読み取り動作を実行することをさらに含み、前記読み取り動作は、前記基板200を接地することと、前記アンチヒューズビット構造250に接続された前記選択トランジスタ240の第1ゲート電極211に第1読み取り電圧Vwlrを印加して、前記選択トランジスタ240を導通させることと、前記選択トランジスタ240に接続された第1金属ライン260に第2読み取り電圧Vblrを印加することと、前記第1金属ライン260上の電流を検出することと、を含む。
【0072】
【表2】
【0073】
本発明の実施例では、表2に示す動作電圧に基づいて、メモリ20に対する書き込み及び読み取り動作を行うこともできる。ここで、Vblrは第1金属ライン260、即ち、ビットラインの第2読み取り電圧Vblrであり、Vwlrは、ワードライン213の第1読み取り電圧Vwlrである。ワードライン213、即ち、第1ゲート電極211にVwlrを印加すると、選択トランジスタ240が導通され、このとき、基板200を接地し、即ち、基板200上の電圧は0Vであり、第1金属ライン260にVblrを印加し、第3金属ライン223、即ち、第2ゲート電極221に0Vを印加し、このようにして、第1金属ライン260上の電流を検出することによって、当該アンチヒューズビット構造250が破壊状態にあるか又は非破壊状態にあるかを判断し、それにより、読み取り動作を実現することができる。
【0074】
いくつかの実施例では、第2ドープ領域とアンチヒューズ電極との間の重なり領域が小さいため、破壊に必要な電圧は小さい。したがって、メモリ内の基板、ワードライン構造、アンチヒューズ電極及び第1金属ラインに比較的小さい電圧を印加することができ、印加電圧の持続時間が比較的短いため、エネルギー消費を節約することができる。
【0075】
なお、本発明で提供されるいくつかの方法又はデバイスの実施例で開示される特徴は、競合することなく任意に組み合わせて、新しい方法の実施例又はデバイスの実施例を取得することができる。上記の内容は、本発明の実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されない。本発明で開示された技術的範囲内で、当業者が容易に想到し得る変形又は置換はすべて、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の保護範囲に従うものとする。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の実施例によって提供される半導体構造では、第1ゲート構造と第2ゲート構造は、所定の厚さより小さい同じ厚さを有し、基板上の第2ゲート構造の正投影は、第2ドープ領域と少なくとも部分的に重なる。このようにして、一方では、第1ゲート構造及び第2ゲート構造は、同じ厚さの薄いゲート酸化物構造を有することができるため、選択トランジスタのチャネル幅がより小さくなり、半導体構造の占有面積が減少し、また、第1ゲート構造及び第2ゲート構造の薄いゲート酸化物構造を同時に形成できるため、製造工程が簡略化され、他方では、第2ゲート構造と第2ドープ領域との重なり部分により、アンチヒューズビット構造の水平方向の長さを減少させ、さらに半導体構造の占有面積も減少させ、メモリの集積度を向上させる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】