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特表2024-527655エッジレス円筒型電池構造及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】エッジレス円筒型電池構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20240719BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20240719BHJP
   H01M 50/375 20210101ALI20240719BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20240719BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20240719BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20240719BHJP
   H01M 50/545 20210101ALI20240719BHJP
   H01M 50/171 20210101ALI20240719BHJP
   H01M 50/159 20210101ALI20240719BHJP
   H01M 50/566 20210101ALI20240719BHJP
   H01M 50/169 20210101ALI20240719BHJP
   H01M 50/645 20210101ALI20240719BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M50/342 101
H01M50/375
H01M50/107
H01M50/152
H01M50/548 201
H01M50/545
H01M50/171
H01M50/159
H01M50/566
H01M50/169
H01M50/645
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531115
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 CN2022121975
(87)【国際公開番号】W WO2024000874
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202210761979.9
(32)【優先日】2022-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523170345
【氏名又は名称】深▲せん▼市聚和源科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130993
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 弘揮
(72)【発明者】
【氏名】王思凡
(72)【発明者】
【氏名】程可文
(72)【発明者】
【氏名】程智林
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H023
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011AA09
5H011AA13
5H011BB04
5H011CC06
5H011DD13
5H011DD14
5H011FF02
5H011FF03
5H011GG08
5H011HH02
5H012AA01
5H012BB02
5H012EE01
5H012FF08
5H012JJ02
5H012JJ03
5H023AS02
5H023CC11
5H023CC15
5H028AA07
5H028BB01
5H028CC12
5H043AA11
5H043CA03
5H043DA03
5H043DA13
5H043HA11E
5H043KA09D
5H043LA21D
(57)【要約】
本発明は、圧力解放構造付き組合せ蓋と、底蓋5と、両側に単一タブ又はマルチタブがある卷芯と、卷芯貯蔵容器、組合せ蓋及び底蓋の溶接キャリアとして用いられるケース1とを含むエッジレス円筒型電池構造であって、卷芯6をケース1に入れ、卷芯6の正極タブ7が組合せ蓋と接続され、卷芯6の負極タブが底蓋5と接続され、組合せ蓋がこれにより正極を形成し、底蓋5がこれにより負極を形成し、組合せ蓋と底蓋5が密封してケース1の両側に取り付けられるエッジレス円筒型電池構造及びその製造方法を開示している。本発明は外形寸法の一致性が高く、より高い安全性能及びより高い容量を備える電池でユーザの体験感を増やす。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力解放構造付き組合せ蓋と、底蓋5と、両側に単一タブ又はマルチタブがある卷芯と、卷芯貯蔵容器、組合せ蓋及び底蓋の溶接キャリアとして用いられるケース1とを含むエッジレス円筒型電池構造であって、卷芯6をケース1に入れ、卷芯6の正極タブ7が組合せ蓋と接続され、卷芯6の負極タブが底蓋5と接続され、組合せ蓋がこれにより正極を形成し、底蓋5がこれにより負極を形成し、組合せ蓋と底蓋5が密封してケース1の両側に取り付けられ、
前記組合せ蓋は固定部材2、密封部材3及び粘着層11を含み、固定部材2がケース1に固定され、固定部材2に密封部材が係入されるための開口キャビティを有し、密封部材3の突出部分が開口キャビティに係入され、固定部材2の間と粘着層により固定されるエッジレス円筒型電池構造。
【請求項2】
前記固定部材2は形状がケース1の断面形状と同様である鋼板を用い、鋼板の外側に凹んだ組立キャビティが設けられており、密封部材3はアルミニウムシートを用い、密封部材3全体が組立キャビティに係入装着され、密封部材3の突出部分が開口キャビティに係入されることを特徴とする、請求項1に記載のエッジレス円筒型電池構造。
【請求項3】
粘着層11は複合接着材を用いることを特徴とする、請求項1に記載のエッジレス円筒型電池構造。
【請求項4】
前記複合接着材はPP材を用いることを特徴とする、請求項3に記載のエッジレス円筒型電池構造。
【請求項5】
前記ケース1はステンレス材質を用い、その両端が貫通しており、底蓋5はステンレス材質を用い、中間に円形の注液穴8が設けられており、電解液が底蓋5における注液穴8からケース1に注入されることを特徴とする、請求項1に記載のエッジレス円筒型電池構造。
【請求項6】
前記注液穴8は密封スクリュー4により密封されることを特徴とする、請求項5に記載のエッジレス円筒型電池構造。
【請求項7】
卷芯、ケース、組合せ蓋及び底蓋を準備した後、まず卷芯をケースに入れて、卷芯の正極タブと組合せ蓋がレーザにより溶接され、負極タブと底蓋がレーザにより溶接され、これにより組合せ蓋は正極を形成し、底蓋は負極を形成するステップS1と、
ケースの両端が強固に溶接された後、レーザ溶接により組合せ蓋及び底蓋を密封するステップS2と、
最後に底蓋の注液穴から電解液を注入し、密封スクリューを底蓋の注液穴に詰めて、最後の密封を完成させるステップS3と、を含むことを特徴とする、請求項1~6の何れか1項に記載のエッジレス円筒型電池構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池に関し、詳しくは、エッジレス円筒型電池構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯式電子設備及び電子タバコ、アトマイザ設備は人々の生産及び生活に広く応用されており、電池の安全性能及び外形の標準が統一されており、及びより高い容量が進む傾向にある。しかし、従来のパウチ円筒型電池では、電池の容量を向上して自体の航続能力を強化するために、通常、パウチ円筒型電池の直径及び高さは大きくなる。円筒型電池の直径及び高さを低減するために、通常、電池の容量及び航続能力は低下する。このため、従来の円筒型電池は自体の大容量及び小体積を同時に両立させることができない。
【0003】
従来のパウチ円筒型電池のデメリットは以下の通りである。1.充放電及び貯蔵過程では、電解液がアルミニウム層を腐食していることで、電池は保存後にガスを生成し液漏れ等の致命的な不良をもたらす。2.パウチセルは薄いアルミニウムプラスチックフィルム(厚み113μm)のみでは卷芯を完全に保護できず、卷芯の内部が外部からの押圧を受けることにより正負極は接触してショートし、致命的な破損となる。3.パウチセルは製造過程における設備、作業者の操作手法の差異により、電池の外形寸法の一致性は悪い。4.パウチセルはトップシール、サイドシール、二重エッジシールの実装プロセスにより、内部の空間が限られ、容量をさらに向上することができない。
【発明の概要】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、エッジレス円筒型電池構造及びその製造方法である。特別な圧力解放構造を有する組合せ蓋を設置し、異なる密封方式を用いることにより、その外形寸法の一致性が高く、より高い安全性能及びより高い容量を備える電池でユーザの体験感を増やし、従来技術中の欠点を効果的に解決することができる。
【0005】
本発明は以下の技術的手段により実現される。圧力解放構造付き組合せ蓋と、底蓋と、両側に単一タブ又はマルチタブがある卷芯と、卷芯貯蔵容器、組合せ蓋及び底蓋の溶接キャリアとして用いられるケースとを含むエッジレス円筒型電池構造であって、卷芯をケースに入れ、卷芯の正極タブが組合せ蓋と接続され、卷芯の負極タブが底蓋と接続され、組合せ蓋がこれにより正極を形成し、底蓋がこれにより負極を形成し、組合せ蓋と底蓋が密封してケースの両側に取り付けられ、
前記組合せ蓋は固定部材、密封部材及び粘着層を含み、固定部材がケースに固定され、固定部材に密封部材が係入されるための開口キャビティを有し、密封部材の突出部分が開口キャビティに係入され、固定部材の間と粘着層により固定されるエッジレス円筒型電池構造。
【0006】
好ましい技術的手段として、前記固定部材は形状がケースの断面形状と同様である鋼板を用い、鋼板の外側に凹んだ組立キャビティが設けられており、密封部材はアルミニウムシートを用い、密封部材全体が組立キャビティに係入装着され、密封部材の突出部分が開口キャビティに係入される。
【0007】
好ましい技術的手段として、粘着層は複合接着材を用いる。
【0008】
好ましい技術的手段として、前記複合接着材はPP材を用いる。
【0009】
好ましい技術的手段として、前記ケースはステンレス材質を用い、その両端が貫通しており、底蓋はステンレス材質を用い、中間に円形の注液穴が設けられており、電解液が底蓋における注液穴からケースに注入される。
【0010】
好ましい技術的手段として、前記注液穴は密封スクリューにより密封される。
【0011】
本発明に係るエッジレス円筒型電池構造の製造方法は、
卷芯、ケース、組合せ蓋及び底蓋を準備した後、まず卷芯をケースに入れて、卷芯の正極タブと組合せ蓋がレーザにより溶接され、負極タブと底蓋がレーザにより溶接され、これにより組合せ蓋は正極を形成し、底蓋は負極を形成するステップS1と、
ケースの両端が強固に溶接された後、レーザ溶接により組合せ蓋及び底蓋を密封するステップS2と、
最後に底蓋の注液穴から電解液を注入し、密封スクリューを底蓋の注液穴に詰めて、最後の密封を完成させるステップS3と、を含む。
【0012】
本発明の効果は、以下の通りである。
1、本発明に係るエッジレス電池は同じ規格型番の電池に比べ、空間利用率が12%向上し、容量が10%向上する。
2、従来のパウチセルの製造工程に比べ30%減少し、より速い製造サイクル及びより低い製造コストをもたらす。
3、エッジレス電池はカスタマイズした標準アクセサリを用いることで、高度自動化を実施しやすく、製品の寸法一致性は明らかに優位にある。
4、組合せ蓋(新規圧力解放装置)は圧力が閾値に達した場合、組合せ蓋におけるアルミニウム部材が突き破り、減圧保護の作用をする。
5、0.150mmの合金を用いて、構造強度が高く、良く耐えられるという機械的負荷能力を備え、重いものによる衝撃下で、ケースは支持構造となり、内部の卷芯への衝撃を減少し、衝撃下で卷芯が熱暴走するという状況を減少する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の実施例又は従来技術中の技術的手段をより明確に説明するために、以下に実施例又は従来技術の解説における使用する必要のある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の解説における図面は本発明の幾つかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的工夫をすることなく、さらにこれらの図面に応じて他の図面を得ることができる。
【0014】
図1】本発明の内部の概略的断面図である。
図2】本発明の分解図である。
図3】本発明の全体的構成図である。
図4】本発明の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書に開示される全ての特徴、又は開示される全ての方法又は過程におけるステップは、相互排他的な特徴及び/又はステップの他に、いずれも、いかなる方式で組合せることができる。
【0016】
本明細書(いかなる添付される特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示される何れかの特徴は、特記しない限り、他の等価の特徴、又は同様の目的を有する代替特徴によって置き換えられてもよい。即ち、特記しない限り、それぞれの特徴は一連の等価又は同様の特徴中の一つの例に過ぎない。
【0017】
図1図3を参照する。圧力解放構造付き組合せ蓋と、底蓋5と、両側に単一タブ又はマルチタブがある卷芯と、卷芯貯蔵容器、組合せ蓋及び底蓋の溶接キャリアとして用いられるケース1とを含むエッジレス円筒型電池構造であって、卷芯6をケース1に入れ、卷芯6の正極タブ7が組合せ蓋と接続され、卷芯6の負極タブが底蓋5と接続され、組合せ蓋がこれにより正極を形成し、底蓋5がこれにより負極を形成し、組合せ蓋と底蓋5が密封してケース1の両側に取り付けられ、
なかでも、組合せ蓋は固定部材2、密封部材3及び粘着層11を含み、固定部材2がケース1に固定され、固定部材2に密封部材が係入されるための開口キャビティを有し、密封部材3の突出部分が開口キャビティに係入され、固定部材2の間と粘着層により固定される本発明に係るエッジレス円筒型電池構造。
【0018】
図4を参照する。固定部材2は形状がケース1の断面形状と同様である鋼板を用い、ケースの断面が円形であるので、本実施例中の固定部材も円形であり、鋼板の外側に凹んだ組立キャビティが設けられており、密封部材3はアルミニウムシートを用い、密封部材3全体が組立キャビティに係入装着され、密封部材3の突出部分が開口キャビティに係入される。粘着層11は複合接着材を用いる。本実施例中の複合接着材はポリプロピレン(PP)材であり、電池のショート時に温度が120℃程度に上昇する場合、複合材は溶解し、アルミニウム蓋は脱落し、圧力解放の作用をする。
【0019】
本発明の粘着層は他の接着剤を用いてもよい。温度がある程度に上昇すれば、溶解することができるので、密封部材は脱落し、圧力を安全に解放する目的を達成する。
【0020】
本実施例において、ケース1はステンレス材質を用い、その両端が貫通しており、底蓋5はステンレス材質を用い、中間に円形の注液穴8が設けられており、電解液が底蓋5における注液穴8からケース1に注入される。注液穴8は密封スクリュー4により密封される。注液穴は注液終了後に密封スクリューにより密封される。
【0021】
本実施例において、密封スクリューによる密封はレーザ溶接を用いて溶接するか、又は複合材により密封した後、レーザ溶接により密封する。
【0022】
本発明の電池の製造方法は以下の通りである。
まず、卷芯、ケース、組合せ蓋及び底蓋を準備した後、まず卷芯をケースに入れて、卷芯の正極タブと組合せ蓋がレーザにより溶接され、負極タブと底蓋がレーザにより溶接され、これにより組合せ蓋は正極を形成し、底蓋は負極を形成する。その後、ケースの両端が強固に溶接された後、レーザ溶接により組合せ蓋及び底蓋を密封する。最後に底蓋の注液穴から電解液を注入し、密封スクリューを底蓋の注液穴に詰めて、最後の密封を完成させる。
【0023】
本発明に係るエッジレス電池は同じ規格型番の電池に比べ、空間利用率が12%向上し、容量が10%向上する。従来のパウチセルの製造工程に比べ30%減少し、より速い製造サイクル及びより低い製造コストをもたらす。エッジレス電池はカスタマイズした標準アクセサリを用いることで、高度自動化を実施しやすく、製品の寸法一致性は明らかに優位にある。組合せ蓋における新規圧力解放装置は圧力が閾値に達した場合、組合せ蓋におけるアルミニウム部材が突き破り、減圧保護の作用をする。0.150mmの合金を用いて、構造強度が高く、良く耐えられるという機械的負荷能力を備え、重いものによる衝撃下で、ケースは支持構造となり、内部の卷芯への衝撃を減少し、衝撃下で卷芯が熱暴走するという状況を減少する。
【0024】
上述したのは本発明の具体的実施の態様に過ぎないが、本発明の保護範囲がこれに制限されるものではない。創造的工夫をすることなく想定した如何なる変化又は置換は、全て本発明の保護範囲に含まれるべきである。このため、本発明の保護範囲は特許請求の範囲で限定された保護範囲に準ずるべきである。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】