(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ユーザ追跡を伴う適応型ホログラフィック投影システム
(51)【国際特許分類】
G03H 1/04 20060101AFI20240719BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240719BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G03H1/04
G03B21/00 Z
G09G5/00 550C
G09G5/00 510B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550603
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 US2022034418
(87)【国際公開番号】W WO2022271755
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521406662
【氏名又は名称】アイキン, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス, テイラー スコット
【テーマコード(参考)】
2K008
2K203
5C182
【Fターム(参考)】
2K008CC03
2K008FF27
2K203FB02
2K203FB14
2K203KA55
2K203KA87
2K203MA21
5C182AA02
5C182AA03
5C182AA04
5C182BA14
5C182BA55
5C182BA56
5C182BC03
5C182BC22
(57)【要約】
電子デバイスと、カメラと、ホログラフィック投影ユニットとを含むホログラフィックディスプレイシステム。ホログラフィック投影ユニットは、電子デバイス上で実行されるボリュメトリックディスプレイアプリケーションによって提供されるレンダリング信号に応答して、ユーザによって視認されるためのボリュメトリック投影を生成するように構成されている。ホログラフィック投影ユニットは、筐体と、筐体内に少なくとも部分的に配置され、レンダリング情報に基づいて画像を表示するように動作するプロジェクタと、ボリュメトリック投影を生み出すために、画像からの光を反射させるように向けられる半反射性要素とを含む。カメラは、ユーザが視野内に存在するように向けられ、カメラは、ユーザの位置の決定のために、画像情報をボリュメトリックディスプレイアプリケーションに提供するように動作する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラフィックディスプレイシステムであって、前記ディスプレイシステムは、
電子デバイスと、
カメラと、
前記電子デバイス上で実行されるボリュメトリックディスプレイアプリケーションによって提供されるレンダリング信号に応答して、ユーザによって視認されるためのボリュメトリック投影を生成するように構成されているホログラフィック投影ユニットであって、前記ホログラフィック投影ユニットは、筐体と、前記筐体内に少なくとも部分的に配置され、前記レンダリング情報に基づいて画像を表示するように動作するプロジェクタと、前記ボリュメトリック投影を生み出すために、前記画像からの光を反射させるように向けられる半反射性要素とを含む、ホログラフィック投影ユニットと
を備え、
前記カメラは、前記ユーザが視野内に存在するように向けられ、前記カメラは、前記ユーザの位置の決定のために、前記画像情報を前記ボリュメトリックディスプレイアプリケーションに提供するように動作し、
前記ボリュメトリック投影は、前記ユーザの前記位置に応答して適応させられる、
ホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項2】
前記半反射性要素は、ポリマーオーバーレイでコーティングされた透明な反射体を含む、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項3】
前記プロジェクタは、第1のサイズの画面を含み、前記半反射性要素は、第2のサイズであり、前記第1のサイズは、前記第2のサイズと実質的に同じである、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項4】
前記筐体は、ディスプレイ台を有し、前記カメラが、カメラコンパートメント内に配置された前記カメラのレンズと一直線上にあるように、開口を有する前記カメラコンパートメントを画定する、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項5】
前記プロジェクタは、前記ディスプレイ台内に少なくとも部分的に配置される、請求項4に記載のホログラフィックディスプレイシステム。
【請求項6】
ホログラフィック投影アセンブリであって、
ディスプレイ台を有し、開口を有するカメラコンパートメントを画定する筐体であって、前記開口は、前記カメラコンパートメント内に配置されたカメラのレンズと一直線上にある、筐体と、
前記ディスプレイ台内に少なくとも部分的に配置され、レンダリング信号に基づいて画像を表示するように動作するプロジェクタと、
ボリュメトリック投影を生み出すために、前記画像からの光を反射させるように向けられる反射性要素と
を備えるホログラフィック投影アセンブリ。
【請求項7】
前記反射性要素は、ポリマーオーバーレイでコーティングされた透明な反射体を含む、請求項6に記載のホログラフィック投影アセンブリ。
【請求項8】
前記プロジェクタは、第1のサイズの画面を含み、前記反射性要素は、第2のサイズであり、前記第1のサイズは、前記第2のサイズと実質的に同じである、請求項6に記載のホログラフィック投影アセンブリ。
【請求項9】
前記レンダリング信号を発生させるように構成されているボリュメトリックディスプレイアプリケーションを実行する電子デバイスをさらに含む、請求項6に記載のホログラフィック投影アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年6月21日に出願された「ADPATIVE HOLOGRAPHIC PROJECTION SYSTEM WITH USER TRACKING」と題する米国仮出願第63/213,134号の35 U.S.C.§119(e)(米国特許法第119条(e))下の利益および優先権を主張する。本願は、2020年3月11日に出願され、2020年7月2日に公開された「PORTABLE TERMINAL ACCESSORY DEVICE FOR HOLOGRAPHIC PROJECTION AND USER INTERFACE」と題する米国特許出願第16/816,154号、および、本明細書と同日に出願された「EXTERNAL POWER BANK AND COLLAPSIBLE HOLOGRAPHIC PROJECTION ACCESSORY FOR PORTABLE ELECTRONIC DEVICE」と題する弁理士整理番号IKIN-012/01US号を有する米国特許出願に関連し、それらの内容は、あらゆる目的のためにその全体において本明細書に援用される。
【0002】
(分野)
本開示は、電子ディスプレイシステムに関し、より具体的には、ホログラフィックディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
ラップトップ/デスクトップコンピュータ、タブレット、および他の電子デバイスは、日常的に、多くの場合、何らかの形態におけるディスプレイシステムと併せて、視聴覚的な提示のために使用される。コンピュータ支援設計(CAD)および同等物のために利用される高性能ワークステーションも、多くの場合、大型LCDまたはOLED画面を組み込んだ1つまたはそれより多くのディスプレイモニタの形態における電子ディスプレイを含む。しかしながら、そのようなディスプレイシステム内の画面またはモニタは、一般に、コンテンツを2次元で表示することに限定される。
【0004】
仮想現実(VR)およびARゴーグルまたはヘッドセットシステムも、電子体験をさらに向上させ、少なくとも3次元環境の効果をもたらすことを試みて製作されている。しかしながら、例えば、プログラミングの困難性、高いCPU使用率、製造の困難性、および同等物等の多くの問題が、VRおよびARシステムの開発者に対して生じている。既存のARおよびVRシステムの利用も、ユーザに対して負の結果をもたらし得る。例えば、VRおよびAR機器の一部のユーザは、眼精疲労、頭痛、片頭痛、嘔気を被り、そのような機器を使用するとき、単純に、一般には快適ではない場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(概要)
ユーザ追跡を伴う適応型ホログラフィック投影システムが、本明細書に開示される。システムは、例えば、ラップトップコンピュータ等の電子デバイスに電気的に接続されたホログラフィック投影ユニットを含み、ホログラフィック投影ユニットによる使用のための映像信号を提供することが可能である。他の実装形態では、電子デバイスは、ホログラフィック投影ユニットの筐体内に統合され得る。
【0006】
ホログラフィック投影ユニットは、外部筐体と、透明な反射性表面部材と、プロジェクタとを含む。プロジェクタは、液晶ディスプレイ(LCD)画面、有機発光ダイオード(OLED)画面、画像プロジェクタ、または他のタイプの画像投影デバイスから構成され得る。一実装形態では、透明な反射性表面は、Gorillaガラスまたは均等物等の高屈折率ポリマーオーバーレイを伴う透明な反射体から構成されている。透明な反射性表面は、典型的には、サイズにおいてプロジェクタ(例えば、LCD画面)と同様または同じである。
【0007】
ラップトップまたは他の電子デバイスによって提供される映像信号は、プロジェクタに動作可能に接続された適切なケーブル(例えば、HDMI(登録商標)、DisplayPort、またはUSB-Cケーブル)を介して送信されることができ、これは、ホログラフィック投影ユニットの筐体内に配置され得る。受信された映像信号は、ホログラフィック投影ユニットによってホログラフィック投影に変換される。ホログラフィック投影ユニットは、比較的大きなスケールのホログラフィック投影を生成することが可能であるポータブルレンダリング環境を提供する。
【0008】
ホログラフィック投影ユニットは、ホログラフィックレンダリングが、ユーザの位置の移動に応答して適切に調節されることを可能にするために、視認者の眼または顔を追跡するために使用されることが可能である画像情報を提供するためのカメラを含み得る。より詳細には、ユーザの顔の位置の本追跡は、レンダリング環境を明瞭化するために使用され、したがって、視差移動を生み出し、続いて、環境の操作を介して真の奥行感を生成し得る。
【0009】
1つの特定の局面では、本開示は、ホログラフィックディスプレイシステムに関し、ディスプレイシステムは、電子デバイスと、カメラと、ホログラフィック投影ユニットとを含む。ホログラフィック投影ユニットは、電子デバイス上で実行されるボリュメトリックディスプレイアプリケーションによって提供されるレンダリング信号に応答して、ユーザによって視認されるためのボリュメトリック投影を生成するように構成されている。ホログラフィック投影ユニットは、筐体と、筐体内に少なくとも部分的に配置され、レンダリング情報に基づいて画像を表示するように動作する、プロジェクタと、ボリュメトリック投影を生み出すために、画像からの光を反射させるように向けられる半反射性要素とを含む。カメラは、ユーザが視野内に存在するように向けられ、カメラは、ユーザの位置の決定のために、画像情報をボリュメトリックディスプレイアプリケーションに提供するように動作する。ボリュメトリック投影は、ユーザの位置に応答して適応させられる。
【0010】
本開示は、ディスプレイ台を有し、開口を有するカメラコンパートメントを画定する筐体を含むホログラフィック投影アセンブリにも関連する。開口は、カメラコンパートメント内に配置されたカメラのレンズと一直線上にある。プロジェクタが、ディスプレイ台内に少なくとも部分的に配置され、レンダリング信号に基づいて画像を表示するように動作する。反射性要素が、ボリュメトリック投影を生み出すために、画像からの光を反射させるように向けられる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の種々の実施形態の性質および目的のより良好な理解のために、付随の図面と併せて、以下の詳細な説明を参照されたい。
【0012】
【
図1】
図1は、ある実施形態によるユーザ追跡を伴う適応型ホログラフィック投影システムを図示している。
【0013】
【
図2】
図2は、
図1の投影システム内に含まれるホログラフィックディスプレイユニットの側方斜視図であり、これは、視認者に対するディスプレイユニットの例示的な向きを図示している。
【0014】
【
図3】
図3は、
図2のホログラフィックディスプレイユニットの左側方図である。
【0015】
【
図4】
図4は、
図2のホログラフィックディスプレイユニットの右側方図である。
【0016】
【
図5】
図5は、
図2のホログラフィックディスプレイユニットの正面図である。
【0017】
【
図6】
図6は、別の実施形態によるホログラフィックディスプレイユニットの正面斜視図である。
【0018】
【
図7】
図7は、
図6のホログラフィックディスプレイユニットの側方斜視図である。
【0019】
【
図8】
図8は、ある実施形態によるホログラフィック投影システムのブロックダイアグラム図を提供する。
【0020】
【
図9A】
図9Aおよび
図9Bは、
図8のホログラフィック投影システムを利用し、レンダリング環境から知覚されるボリュメトリック動画を生み出すためのプロセスを表している。
【
図9B】
図9Aおよび
図9Bは、
図8のホログラフィック投影システムを利用し、レンダリング環境から知覚されるボリュメトリック動画を生み出すためのプロセスを表している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(詳細な説明)
最初に、ある実施形態によるユーザ追跡100を伴う適応型ホログラフィック投影システムを図示している
図1~5に対して注目が向けられる。システム100は、例えば、ラップトップコンピュータ等の電子デバイス130に電気的に接続されたホログラフィック投影ユニット120を含む。電子デバイス130は、ホログラフィック投影ユニット120による使用のための画像信号、または映像信号、または他のレンダリング信号を提供する。他の実装形態では、電子デバイス130は、ホログラフィック投影ユニット120の筐体122内に統合され得る。
【0022】
ホログラフィック投影ユニット120は、透明な反射性表面134と、プロジェクタ144とをさらに含む。プロジェクタ144は、液晶ディスプレイ(LCD)画面、有機発光ダイオード(OLED)画面、画像プロジェクタ、または他のタイプの画像投影デバイスから構成され得る。一実装形態では、透明な反射性表面134は、Gorillaガラスまたは均等物等の高屈折率ポリマーオーバーレイを伴う透明な反射体から構成されている。透明な反射性表面134は、典型的には、サイズにおいてプロジェクタ144(例えば、LCD画面)と同様または同じである。
図2に示されているように、透明な反射性表面134は、表面134の平面がプロジェクタ144の平面と所定の角度を形成するようにフレーム146によって支持される。
【0023】
ラップトップまたは他の電子デバイス130によって提供される画像信号、映像信号、または他のレンダリング信号は、プロジェクタ144に動作可能に接続された適切なケーブル148(例えば、HDMI(登録商標)、DisplayPort、またはUSB-Cケーブル)を介して送信されることができる。
図2に示されているように、プロジェクタ144は、ホログラフィック投影ユニット120の筐体122内に配置され得る。受信された信号は、ボリュメトリック投影を生成するために、ホログラフィック投影ユニット120によって使用される。ホログラフィック投影ユニット120は、ホログラフィックフィールドにおいて、比較的大きなスケールのボリュメトリック投影を生成することが可能であるポータブルレンダリング環境を提供する。
【0024】
ホログラフィック投影ユニット120は、ホログラフィックレンダリングがユーザの位置の移動に応答して適切に調節されることを可能にするために視認者の眼または顔を追跡するために使用されることが可能である画像情報を提供するためのカメラ160を含み得る。カメラ160は、カメラコンパートメント164(
図1、
図3、および
図4にファントム線で示されている)内に配置され得る。コンパートメントの筐体によって画定される開口165は、カメラ160のレンズ166が、ユニット120によって生成されたホログラフィック投影のユーザ/視認者170を含む視野を有することを可能にする。一実施形態では、カメラ160によって生成された画像情報は、ラップトップ130に提供され、これは、この画像情報を使用してユーザ/視認者170の眼または顔の位置を追跡し得る。ユーザ/視認者170の顔または眼の位置のこの追跡は、レンダリング環境を明瞭化するために使用され、したがって、視差移動を生み出し、続いて、環境の操作を介して真の奥行感を生成し得る。
【0025】
図6は、別の実施形態によるホログラフィックディスプレイユニット600の正面斜視図である。
【0026】
図7は、ホログラフィックディスプレイユニット600の側方斜視図である。
【0027】
図8は、ある実施形態によるホログラフィック投影システム800のブロックダイアグラム図を提供する。システム800は、コンピュータ814(例えば、ラップトップコンピュータ)によって実行されるボリュメトリックディスプレイアプリケーション810を含む。システム800は、コンピュータ814に電気的に接続されたホログラフィック投影ユニット820をさらに含む。他の実装形態では、コンピュータ814は、ホログラフィック投影ユニット120の筐体122内に統合され得る。ホログラフィック投影ユニット820は、ホログラフィック投影デバイス840およびカメラ818を含む。
【0028】
コンピュータ814は、電気接続(例えば、USB-C接続)を経由して、ホログラフィック投影デバイス840と電気的にインターフェースをとり、したがって、コンピュータ814がホログラフィック投影デバイス840に映像および他のデータを提供することを可能にする。そのようなデータは、ボリュメトリックディスプレイアプリケーション810によって生成され、ボリュメトリックディスプレイのためのホログラフィック投影ユニット840によって受信されるレンダリングデータを含む。動作中、ボリュメトリックディスプレイアプリケーション810は、投影デバイス840によってコンピュータ814上に記憶されるか、またはそれによって別様に受信される画像または映像コンテンツのボリュメトリック投影を促進するために、レンダリングカメラ828を活用し、システム800によって使用されている3次元(3D)空間内の具体的なx、y、z場所からのビューを生み出す。下記に議論されるように、カメラ818は、ユーザ804の顔を追跡し、それによって、対応する調節が、ユーザ体験を高める手法において、投影されたボリュメトリックコンテンツにおいて行われることを可能にするために活用され得る。
【0029】
ここで、ホログラフィック投影システム800を利用し、レンダリング環境から知覚されるボリュメトリック動画を生み出すためのプロセス900を表している
図9Aおよび
図9Bに注目が向けられる。下記に議論されるように、プロセス900は、ボリュメトリック動画を達成するために、ボリュメトリックディスプレイアプリケーション810によって連動される顔追跡を使用する。
図9Aは、プロセス900の主な段階を図示している図であり、
図9Bは、プロセス900のフローチャートを提供している。
【0030】
プロセス900は、カメラ818を使用し、ユーザ804を含む画像を捕捉することによって開始される(段階904)。ボリュメトリックディスプレイアプリケーション810は、次いで、捕捉された画像を使用し、人間の顔を見出すか、またはその存在を照合し(段階906)、単一の視認者の顔、すなわち、ユーザ804の顔に対して連続追跡する(段階908)。較正が、実施され、その中でユーザ804の瞳孔間の距離が、ユーザの頭部の位置とカメラ818との間の既知の距離に対して測定される(段階914)。ユーザ804が投影システム800と相互作用すると、ボリュメトリックディスプレイアプリケーション810は、ユーザの瞳孔間の距離を計算し、計算された距離を較正相中に決定される基準瞳孔距離と比較することによって、ユーザ804の頭部または顔とカメラ818との間の距離の近似値を求める(段階918)。計算された瞳孔距離の増加は、カメラ818から離れるようなユーザ804の顔または頭部の相対的移動に対応し、計算された瞳孔距離の減少は、カメラ818に向かう頭部の移動に対応する。ユーザ804の顔の重要な目印が、次いで、ボリュメトリックディスプレイアプリケーション810によって識別される(段階922)。
【0031】
ユーザ804の重要な顔の目印が識別されると、アプリケーション810は、ユーザ804の顔の移動、回転、および傾きを推定するために、そのような目印の移動およびそれらの関係を追跡し、それによって、重要な顔の目印の値を追跡する(段階926)。追跡された値は、次いで、x、y、z空間座標のストリームとして、画像を投影するために使用されている3Dレンダリング環境においてレンダリングカメラ828に送信される(段階930)。レンダリングカメラ828は、次いで、レンダリング環境において、x、y、z空間座標のストリームによって示される、ユーザの移動に対応する方向および量において移動させられる(段階940)。レンダリングカメラ828からのレンダリングは、次いで、ホログラフィック投影デバイス840のディスプレイに送信され、したがって、ユーザ804に、システム800によってレンダリングされている環境の合成ボリュメトリック知覚を提供する(段階950)。
【0032】
上記に説明された方法が、ある順序で生じるあるイベントを示す場合、あるイベントのその順序は、修正され得る。加えて、あるイベントは、可能であるとき、並列プロセスにおいて並列で実施され得、上記に説明されたように、逐次的に実施され得る。異なるデバイス内の種々のモジュールがデバイスのプロセッサ内に位置することが示されているが、それらは、デバイスのメモリ(例えば、ソフトウェアモジュール)内に位置する/記憶されることもでき、プロセッサによってアクセスおよび実行されることもできる。故に、本明細書は、付属の請求項の精神および範囲内にある開示される実施形態の全てのそのような修正および変形例を包含することを意図されている。
【0033】
前述の説明は、解説の目的のために、主張されるシステムおよび方法の徹底的な理解を提供するために、具体的な名称を使用した。しかしながら、その具体的な詳細が、本明細書に説明されるシステムおよび方法を実践するために必要とされないことは、当業者には明白であろう。したがって、説明されるシステムおよび方法の具体的な実施形態の前述の説明は、例証および説明の目的のために提示される。それらは、網羅的であること、または請求項を開示される精密な形態に限定することを意図されておらず、明白なこととして、多くの修正および変形例が、上記の教示の観点において可能性として考えられる。実施形態は、説明されるシステムおよび方法ならびにそれらの実践的用途の原理を最適に解説するように選択および説明され、それによって、それらは、当業者が、想定される特定の使用に適するように種々の修正を伴って、説明されるシステムおよび方法ならびに種々の実施形態を最適に利用することを可能にする。以下の請求項およびそれらの均等物は、本明細書に説明されるシステムおよび方法の範囲を規定することを意図されている。
【0034】
本明細書で概説される種々の方法またはプロセスは、様々なオペレーティングシステムまたはプラットフォームのうちのいずれか1つを採用した1つまたはそれより多くのプロセッサ上で実行可能であるソフトウェアとしてコード化され得る。加えて、そのようなソフトウェアは、いくつかの好適なプログラミング言語および/またはプログラミングもしくはスクリプト作成ツールのうちのいずれかを使用して書き込まれ得、また、フレームワークまたは仮想マシン上で実行される実行可能機械言語コードまたは中間コードとしてコンパイルされ得る。
【0035】
コンピュータコードの実施例は、限定ではないが、マイクロコードもしくはマイクロ命令、コンパイラによって生産されるもの等の機械命令、ウェブサービスを生産するために使用されるコード、インタプリタを使用するコンピュータによって実行される高レベルの命令を含むファイルを含む。例えば、実施形態は、命令型プログラミング言語(例えば、C、Fortran等)、関数型プログラミング言語(Haskell、Erlang等)、論理プログラミング言語(例えば、Prolog)、オブジェクト指向型プログラミング言語(例えば、Java(登録商標)、C++等)、もしくは他の好適なプログラミング言語、および/または開発ツールを使用して実装され得る。コンピュータコードの付加的な実施例は、限定ではないが、制御信号、暗号化されたコード、および圧縮されたコードを含む。
【0036】
この点において、種々の本発明の概念は、1つまたはそれより多くのコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行されると、上記に議論された本発明の種々の実施形態を実装する方法を実施する1つまたはそれより多くのプログラムを用いてエンコードされるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(または複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つまたはそれより多くのフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイもしくは他の半導体デバイス内の回路構成、もしくは他の非一過性媒体または有形コンピュータ記憶媒体)として具体化され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体(単数または複数)は、その上に記憶されるプログラム(単数または複数)が、上記に議論されたような本発明の種々の局面を実装するように1つまたはそれより多くの異なるコンピュータまたは他のプロセッサの中にロードされ得るようにトランスポータブルであり得る。
【0037】
用語「プログラム」または「ソフトウェア」は、上記に議論されたような実施形態の種々の局面を実装するようにコンピュータまたは他のプロセッサをプログラムするために採用され得る任意のタイプのコンピュータコードまたはコンピュータ実行可能命令のセットを指すように、一般的な意味において本明細書で使用される。加えて、一局面によると、実行されると本発明の方法を実施する1つまたはそれより多くのコンピュータプログラムは、単一のコンピュータまたはプロセッサ上に常駐する必要はないが、本発明の種々の局面を実装するように、いくつかの異なるコンピュータまたはプロセッサの間でモジュール方式において分散され得ることを理解されたい。
【0038】
コンピュータ実行可能命令は、1つまたはそれより多くのコンピュータまたは他のデバイスによって実行されるプログラムモジュール等の多くの形態であり得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実施するかまたは特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。典型的には、プログラムモジュールの機能性は、種々の実施形態では、所望に応じて、組み合わせられ得、または分散され得る。
【0039】
また、データ構造は、任意の好適な形態においてコンピュータ読み取り可能な媒体内に記憶され得る。例証の単純化のために、データ構造は、データ構造内の場所を通して関係するフィールドを有することが示され得る。そのような関係は、同様に、フィールド間の関係を伝達するコンピュータ読み取り可能な媒体内の場所を伴うフィールドのために記憶装置を割り当てることによって達成され得る。しかしながら、ポインタ、タグ、またはデータ要素間の関係を確立する他の機構の使用を通すことを含む任意の好適な機構が、データ構造のフィールドにおける情報の間の関係を確立するために使用され得る。
【0040】
また、種々の本発明の概念が、1つまたはそれより多くの方法として具体化され得、その実施例が、提供されている。方法の一部として実施される行為は、任意の好適な手法において順序付けられ得る。故に、例証的実施形態では、順次行為として示される場合であっても、行為が例証されるものと異なる順序で実施される実施形態も、構築され得、これは、いくつかの行為を同時に実施することを含み得る。
【0041】
本明細書で定義および使用される全ての定義は、辞書の定義、参照によって援用される文献の定義、および/または定義された用語の通常の意味に対して優先することを理解されるべきである。
【0042】
本明細書内の明細書および請求項において使用される不定冠詞「a」および「an」は、対照的に明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味することを理解されるべきである。
【0043】
本明細書の明細書および請求項において使用される語句「および/または」は、そのように結合された要素の「いずれか一方または両方」、すなわち、ある場合には接合的に存在し、他の場合においては離接的に存在する要素を意味することを理解されるべきである。「および/または」を用いて列挙される複数の要素は、同一の方式において、すなわち、そのように結合された要素のうちの「1つまたはそれより多く」と解釈されるべきである。「および/または」節によって具体的に識別される要素以外に、具体的に識別されるそれらの要素に関係しようと、無関係であろうと、他の要素が随意に存在し得る。したがって、非限定的実施例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「~を備える」等の非限定的用語と併せて使用されるとき、一実施形態では、Aのみ(随意にB以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(随意にA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(随意に、他の要素を含む)等を指すことができる。
【0044】
本明細書の明細書および請求項において使用される場合、「または」は、上記で定義された「および/または」と同一の意味を有することを理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離するとき、「または」または「および/または」は、包括的である、すなわち、少なくとも1つの包含であるが、また、いくつかの要素または要素のリストのうちの1つより多く、随意に、付加的な列挙されていない項目を含むものとして解釈されるべきである。「~のうちの1つのみ」または「~のうちの正確に1つ」等の対照的に明確に示される用語のみ、または請求項において使用されるときの「~から成る」が、いくつかの要素または要素のリストのうちの正確に1つの要素の包含を指す。一般に、本明細書で使用される用語「または」は、「いずれか一方」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、または「~のうちの正確に1つ」等の排他性の用語が先行するときに、排他的代替(すなわち、「両方ではなく一方または他方」)を示すものとしてのみ解釈されるべきである。「本質的に~から成る」は、請求項において使用されるとき、特許法の分野で使用されるようなその通常の意味を有するものとする。
【0045】
本明細書の明細書および請求項において使用される場合、語句「少なくとも1つ」は、1つまたはそれより多くの要素のリストを参照して、要素のリストの中の要素のうちのいずれか1つまたはそれより多くから選択される少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内に具体的に列挙されるあらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを排除しないことを理解されるべきである。本定義はまた、具体的に識別されるそれらの要素に関係しようと、無関係であろうと、語句「少なくとも1つ」が指す、要素のリスト内で具体的に識別される要素以外の要素が、随意に存在し得ることを許容する。したがって、非限定的実施例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または同等に「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、いずれのBも存在しない、随意に1つより多くを含む少なくとも1つのA(および随意にB以外の要素を含む)、別の実施形態では、いずれのAも存在しない、随意に1つより多くを含む少なくとも1つのB(および随意に、A以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、随意に1つより多くを含む少なくとも1つのA、および随意に1つより多くを含む少なくとも1つのB(および随意に他の要素を含む)等を指すことができる。
【0046】
請求項において、および上記の明細書において、「comprising(~を備える)」、「including(~を含む)」、「carrying(~を含む)」、「having(~を有する)」、「containing(~を含有する)」、「involving(~を伴う)」、「holding(~を保持する)」、「composed of(~から構成されている)」、および同等語等の全ての移行句は、非限定的(open-ended)であり、すなわち、含むがこれに限定されないことを意味すると理解されるものとする。米国特許庁の米国特許審査手続便覧の第2111.03節に記述されている通り、移行句「consisting of(~から成る)」および「consisting essentially of(~から本質的に成る)」のみが、それぞれ、限定的または半限定的な移行句とされるものとする。
【国際調査報告】