IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パネラ,エンニオの特許一覧

<>
  • 特表-スポーツ競技場用の音声伝送装置 図1
  • 特表-スポーツ競技場用の音声伝送装置 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】スポーツ競技場用の音声伝送装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
H04R1/10 104E
H04R1/10 104B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563265
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 IB2022059814
(87)【国際公開番号】W WO2023062572
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】102021000026354
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523388939
【氏名又は名称】パネラ,エンニオ
【氏名又は名称原語表記】PANELLA, Ennio
【住所又は居所原語表記】Via Stret, 8, 32030 ARSIE’ (BL) (IT)
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パネラ,エンニオ
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BB08
(57)【要約】
スポーツ競技場(4)用の音声伝送装置(1)と、前記スポーツ競技場の周囲に配置された音声用の誘導ループ(2)と、複数のリスニングイヤホン(3)と、誘導インイヤー型で前記誘導ループ(2)と併用するように構成された、複数のリスニングイヤホン(3)とを備え、前記複数のリスニングイヤホン(3)の各々は、外耳道への挿入に適する人間工学に基づいた管状要素(30)であって、発音手段(31)と、バッテリ(32)と、伝送手段(33)および無線周波数ワイヤレスモードでの受信であって、前記人間工学に基づいた管状要素(30)から突出し、受信アンテナとして、および外耳道への挿入および抜去のためのハンドルとして機能可能な長尺体(34)を備える、伝送手段(33)および無線周波数ワイヤレスモードでの受信と、を備える、環状要素(30)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツ競技場(4)用の音声伝送装置(1)であって、
前記スポーツ競技場(4)の周囲に配置された音声用の誘導ループ(2)と、
複数のリスニングイヤホン(3)であって、誘導インイヤー型で前記誘導ループ(2)と共に使用するように構成された、複数のリスニングイヤホン(3)と、
を備え、
前記複数のリスニングイヤホン(3)の各々は、
外耳道への挿入に適する人間工学に基づいた管状要素(30)であって、
発音手段(31)と、
バッテリ(32)と、
伝送手段(33)およびワイヤレス無線周波数モードでの受信であって、前記人間工学に基づいた管状要素(30)から突出し、受信アンテナとして、および外耳道への挿入および抜去のためのハンドルとして機能するのに適した長尺体(34)を備える、伝送手段(33)およびワイヤレス無線周波数モードでの受信と、
を備える、管状要素(30)を備える、
スポーツ競技場(4)用の音声伝送装置(1)。
【請求項2】
前記伝送手段(33)は、音声用の前記誘導ループ(2)によって実現される電磁信号を受信可能な誘導コイルを備える、請求項1に記載のモノイヤーリスニング機器(1)。
【請求項3】
前記誘導コイルは前記長尺体(34)と一体である、請求項1または請求項2に記載のモノイヤーリスニング機器(1)。
【請求項4】
前記誘導コイルは前記長尺体(34)である、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のモノイヤーリスニング機器(1)。
【請求項5】
前記スポーツ競技場(4)は前記誘導ループ(2)で囲まれている、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の音声伝送装置(1)のスポーツ競技場(4)におけるスポーツ活動への使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツ競技場用の音声伝送装置に関する。特に、請求項1の前文の記載によって範囲設定された伝送装置の領域におけるスポーツ活動の実践のための使用に関する。
【0002】
人間が非常に複雑な聴覚装置を持っており、それによって音の刺激を知覚できることはよく知られている。
【0003】
この目的のために、現在あらゆる種類のリスニング用品(例えば、様々な型式のワイヤレスヘッドホンや有線ヘッドホン等)が広く市場に出回ってはいる。リスニング用の様々な型式の一般的なヘッドホンの機能は、今日でも比類のないかけがえのないものであるが、正しく使用されることが条件である。一般的なワイヤレスリスニングヘッドセットは、現在の状況では、少なくとも3つの異なる通信規格に基づくものであり得、よく知られているように、Bluetooth(BT)、無線周波数(RF)、および赤外線(IR)が含まれる。今日、最も普及しており、最も用途が広いのは、Bluetoothヘッドセットであって、最大10メートルの範囲を有し、同じ型式の技術が搭載された殆どの機器(スマートフォン、タブレット、PC、テレビ等)に外部受信器を必要とせずに接続できる一方で、無線周波数ヘッドセットは、最大100メートルの範囲を有し、これらを機能させるために全て外部伝送器を必要とし、他方、赤外線ヘッドセットの範囲は非常に限られている。結局のところ、男性や女性のスポーツチームにとって、特にサッカーのピッチとベンチの間のコミュニケーションは非常に重要であるため、適していない。逆に、コーチは、選手の超小型モノイヤーにコーチからの正しい指示を伝送して聞かせるための無線周波数拠点を持っている必要がある。
【0004】
このような状況において、本発明の基礎となる技術的課題は、前述した欠点の少なくとも一部を実質的に除去することができる、スポーツ競技場用の音声伝送のための装置を案出することである。
【0005】
また、本発明のさらなる目的は、特に好みの声または音でのユーザ重視の効果的なリスニングを可能にするチーム用リスニング機器を提供することであり、スポーツをする男性や女性にとってアクティブリスニングは心理療法の主要なツールであり、より一般的には人間関係を支援するための主要なツールである。しかしながら、アクティブリスニングは、特にアマチュアおよびプロのスポーツ選手の日々のトレーニングにおいてテクニックを見事に克服するための特別な味方になることができ、スポーツではスポーツの課題解決のために使用される一連のモータースキームを指し、例えばサッカー、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、ラグビー等において、偶発的な技術的・戦術的状況に迅速かつ最適に適応して、相手のテクニックをできるだけ乱しつつ自分のテクニックを非常に効果的に保てるようにする。
【0006】
そこで、「障壁」の形成に寄与する非常に一般的な過ちを避けるために、アスリート各々に次のような経験をもたらす。
・高いプロ意識を持ちながら、試合でより慎重になる。
・共感的ミラーリングのテクニック、つまり、テクニックの信頼と調和に基づいて対話者との信頼関係を迅速に創出するためのシステムを習得する。
・1つまたは複数の構成要素の損傷または変性に起因する「ヒアリング損失(hearing loss)」として知られるヒアリング機構の弱体化。
【0007】
そこで、本発明の一目的は、優れた快適性と正しいリスニングを無理なく再現可能であって、革新的な意匠性および機能性を有し、ワイヤレス無線周波数接続を有し、撥水性材料で作られ水を浸透させないようにする物質で処理することで水球のスポーツ選手のようなスポーツにさえこの新しいテクノロジーを活用できるであろう、「インイヤー型」と呼ばれるモノイヤーピースを提供することである。
【0008】
本発明の目的はまた、快適で軽量であらゆる状況で快適に感じられ、使い易く高レベルのノイズ抑制を備え、リスニングの周波数、望まれる場合は話声や審判の笛のような試合の音信号も通過させるのに適し、このように特別に設計された材料で作られた、リスニング機器を提供することである。これは、スポーツユーザに最大限の快適性と安全性を保証すると同時に、省スペースで非常に低い生産コストを実現する。
【0009】
特定された技術的課題および目的は、添付の特許請求項1に記載のスポーツ競技場用の音声伝送装置によって達成される。
【0010】
これらおよび他の目的は、好ましくは、
・単一の無線周波数ワイヤレスヒアリングイヤホンと、
・バッテリと、
・誘導ループであって、自動ヒアリング機器の音声システムとの接続を変換可能であることにより、伝送している人の完全なヒアリングを広い有効ゾーンで可能にする、誘導ループと、
を備える、本リスニング機器によって達成されることが好ましい。
【0011】
本発明によれば、ワイヤレスインイヤー型モノラルイヤホンは、電磁界を介して音声信号を変化させるワイヤレス超小型誘導型の遠隔受信器である。この最新世代のイヤピースは、サイズが小さく、エネルギー消費量が少なく、寿命が長く、はるかにクリアなサウンドを有する。この無線周波機器を用いることにより、通信に適した範囲内のチーム全てのヘッドセットでコーチの単一の声を聞くことができるため、コーチは可能な限り最善の方法で試合の指示を出すことができ、また個々のアスリートのパフォーマンスを向上させることができる。
【0012】
有利なことに、一例として小型機器用の大きなパワーを備えた337SR416SW型のバッテリが提供されており、直径わずか4.8mmで、長いバッテリ寿命と長持ちする給電が保証される。
【0013】
加えて、小型無線周波数ワイヤレスインイヤー型受信器単一イヤホンは、非常に小型(6x6x10mm)で、完全に人間工学に基づいた形状をしており、音を出し無線信号を電気信号に変換する機器の出力に接続されるアンテナを備えた伝送器を用いている。
【0014】
有利なことに、ワイヤレスモノラルイヤホンは電波を用い、小型受信器またはスポーツ競技場付近に設置されたアンテナを使用して信号を受信でき、それらの範囲は、受信の(望まれる場合は伝送においても)周波数が同じチーム内の全てのモノラルイヤホンに信号を伝送するために使用されるシステムの種類によって異なる、と言うことができる。したがって、競技場の専門家は、モノラルイヤホンと、本発明に最も適すると思われるヒアリング技術とを選択できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明によるモノラルイヤホンのさらなる特徴と利点は、限定ではなく一実施例として作製された特定の実施形態の添付図面を参照した以下の説明によって、より明確になるであろう。
【0016】
図1図1は、相対的な拡大模式図および断面図とともに、本発明によるスポーツ競技場での音声伝送のための装置を模式的に示している。
図2図2は、本発明による装置の構成部品部分の分解図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面を参照すると、音声伝送用の装置が記載され、全体が1の数字で示されている。
【0018】
装置は、スポーツ競技場4、すなわちサッカー、ラグビー、球技等のようなスポーツ活動の練習のための競技場に置かれた音声誘導ループシステムを備えることが好ましい。誘導ループシステムは、聴覚障害のある人のために一般的に使用されるリスニング技術である。
【0019】
装置は、概して、音声2用の誘導ループと、複数のリスニング機器3と、を備える。
【0020】
誘導ループシステム、または誘導音声インプラントは、誘導伝送器と呼ばれることもある良く知られた技術であり、多くの国の規制によっても、規定された領域におけるリスニング支援のために存在している。
【0021】
誘導ループシステムは、音声2周波数の誘導ループに交流磁場を創出することで機能して誘導インイヤー型リスニング機器3に入力信号を提供し、テレコイルまたはTコイルとも呼ばれる。
【0022】
例えば、音声2の誘導ループは、スポーツ競技場4の周囲に置かれ、そのリング境界を画定する。誘導ループは、基本的には、銅等のような導電性材料で作られたケーブルである。
【0023】
音声2の誘導ループは、発話者、この場合は好ましくはコーチの音声を取り込むための専用のマイク5と機能的に接続される。
【0024】
音源が取り込まれると、マイク5からの音声信号が増幅器のような伝送機器50に転送される。
【0025】
次いで、音声2の誘導ループに電流が送られ、同時に音声周波数を伝送する磁場が創出される。ループは基底信号の音声周波数電流を伝達し、搬送波信号は使用されない。前記磁界は、リスニングイヤホン3に含まれている以下に説明する伝送手段33に電流を誘導し、次いで、同じリスニングイヤホン3によって音声に変換される。
【0026】
音声2の誘導ループは、そもそも聴覚システム技術者にとって馴染み深いものである。音声用の同様の誘導ループが、IEC60118-4およびBS7594に記載されている。
【0027】
前記ヒアリング機器3は、好ましくは、モノラルイヤホンであって、外耳道への挿入に適する人間工学に基づいた管状要素30を備える。人間工学に基づいた管状要素30は、ゴム引きされた接着型である。人間工学的な輪郭形状の型に合わせられ、リスニング時の機能性を向上させる目的で、外耳道内に完全に隠れて使用されるように設計されることが好ましい。図1の拡大図および断面図に示すように、外耳道内に収容されるように意図されている。
【0028】
人間工学に基づいた管状要素30は、次に、聴取者が明瞭に聞くことができる方法で音を発するものとして公知で好適な発音手段31を備える。
【0029】
人間工学に基づいた管状要素30は、リスニングイヤホン3に含まれる、例えば誘導ループによって伝送される信号の増幅器のような様々な要素に給電するのに適したバッテリ32を、さらに備える。
【0030】
リスニングイヤホン装置3は、伝送手段33およびワイヤレス無線周波数モードでの受信器を、さらに備える。よって、それらは、音声2の誘導ループによって実現される電磁信号を受信可能な誘導コイルを備える。前記伝送手段33は、受信アンテナ、並びに外耳道内への挿入および抜去のためのハンドルとして機能する前記管状要素30から突出する長尺体34に好適に接続されるか、または直接的に備える。
【0031】
マイク5は、コーチやマネージャー、またはチームを率いることが可能な同様の人物によって使用され、一方、イヤホン3は、競技場4の個々のアスリートによって使用されることが好ましい。
【0032】
そうすれば、コーチは、自身のスポーツチームや個人さえも、高いプロ意識を持って管理できる。
【0033】
本発明の別の可能な実施形態では、受信音量がリスニング音量を指すことを提供し得る。受信音量を上げると、発信者が受信する音声が聴取者にとって大きくなり、ユーザの音声が発信者に伝送される方法には影響しない。
【0034】
この機器は、目的の音源を、環境内の他の気を散らす雑音を伴わずに明瞭に聴取者に伝送できるという利点を有する。
【0035】
また、Bluetooth(登録商標)等のような電磁信号に典型的な周波数からの放射を引き起こすこともない。

図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツ競技場(4)用の音声伝送装置(1)であって、
前記スポーツ競技場(4)の周囲に配置された音声用の誘導ループ(2)と、
複数のリスニングイヤホン(3)であって、誘導インイヤー型で前記誘導ループ(2)と共に使用するように構成された、複数のリスニングイヤホン(3)と、
を備え、
前記複数のリスニングイヤホン(3)の各々は、
外耳道への挿入に適する人間工学に基づいた管状要素(30)であって、
発音手段(31)と、
バッテリ(32)と、
ワイヤレス無線周波数モードの受信および伝送手段(33)であって、前記人間工学に基づいた管状要素(30)から突出し、受信アンテナとして、および外耳道への挿入および抜去のためのハンドルとして機能するのに適した長尺体(34)を備える、ワイヤレス無線周波数モードの受信および伝送手段(33)と、
を備える、管状要素(30)を備える、
スポーツ競技場(4)用の音声伝送装置(1)。
【請求項2】
前記伝送手段(33)は、音声用の前記誘導ループ(2)によって実現される電磁信号を受信可能な誘導コイルを備える、請求項1に記載のモノイヤーリスニング機器(1)。
【請求項3】
前記誘導コイルは前記長尺体(34)と一体である、請求項1または請求項2に記載のモノイヤーリスニング機器(1)。
【請求項4】
前記誘導コイルは前記長尺体(34)である、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のモノイヤーリスニング機器(1)。
【請求項5】
前記スポーツ競技場(4)は前記誘導ループ(2)で囲まれている、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の音声伝送装置(1)のスポーツ競技場(4)におけるスポーツ活動への使用。
【請求項6】
スポーツ競技場(4)用の音声伝送装置(1)であって:
前記スポーツ競技場(4)の縁に置かれたBluetooth(登録商標) LE技術(2)または互換性のある技術(n)を備えたスマートフォンの音声用のワイヤレス伝送器と、Bluetooth(登録商標) LE技術のワイヤレスインイヤー型で前記ワイヤレス伝送器(2)とともに使用されるように構成された複数のリスニング機器(3)と、を備え、
前記イヤーリスニング機器(3)の各々は、
外耳道への挿入に適する人間工学に基づいた管状要素(30)であって、
発音手段(31)と、
バッテリ(32)と、
Bluetooth(登録商標) LE技術の受信手段および伝送手段(33)であって、前記人間工学に基づいた管状要素(30)から突出し、受信アンテナとして、および聴覚ダクトへの挿入および抜去のためのハンドルとして機能可能な長尺体(34)を備える、Bluetooth(登録商標) LE技術の受信手段および伝送手段(33)と、
を備える、管状要素(30)を備える、
スポーツ競技場(4)用の音声伝送装置(1)。
【請求項7】
前記伝送手段(33)は、前記ワイヤレス音声伝送器(2)によって構築される電磁信号を受信するのに適したアンテナを備える、請求項6に記載のモノリスニング機器(1)。
【請求項8】
前記スポーツ競技場(4)には、前記ワイヤレス音声伝送器(2)が付属していることを特徴とする、請求項1から請求項7の何れか一項に記載の音声伝送装置(1)のスポーツ競技場(4)におけるスポーツ活動の実践のための使用。
【国際調査報告】