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特表2024-527673飲料用樽に掛けるコネクタ及び当該飲料用樽から飲料を分注する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】飲料用樽に掛けるコネクタ及び当該飲料用樽から飲料を分注する方法
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570219
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2022071393
(87)【国際公開番号】W WO2023006965
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】BE2021/5602
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506385140
【氏名又は名称】アンハイザー-ブッシュ・インベヴ・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Anheuser-Busch InBev S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】スティジン バンデケルクホブ
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB03
3E082CC01
3E082FF05
(57)【要約】
飲料用容器12用のコネクタが供される。当該コネクタ10は、容器出口18に接続すると共に接続点から前記容器を支えるように構成される容器接続部38を備える。当該コネクタ10はまた、当該コネクタ10を器具14に接続するように構成される器具接続部34をも備える。当該コネクタ10は、容器及び器具14に接続されることで、前記容器が前記器具14内部で当該コネクタ10から懸架されるように構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器用コネクタであって、
容器出口に接続すると共に、前記容器を支持するように構成された容器接続部と、
当該コネクタを器具に接続するように構成された器具接続部を備え、
前記容器が前記器具内部で当該コネクタから懸架されるように、前記容器及び前記器具に接続されるように構成される、
コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタであって、取り外しのために当該コネクタを前記器具から解放する排出機構が設けられている、コネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のコネクタであって、前記器具は、受けレールに沿って移動できるキャリッジを含み、
前記キャリッジにはまた、前記受けレール付近に取り付けられたバネによるバネ負荷がかかり、その結果、当該コネクタが前記器具に挿入されると、当該コネクタは前記キャリッジを前記受けレールに沿って後方に押し、それによってロックピンが当該コネクタのノッチに係合するまで、前記バネは圧縮される、
コネクタ。
【請求項4】
請求項3に記載のコネクタであって、前記器具はまた、前記ロックピンを前記ノッチから持ち上げる解除アクチュエータを備え、前記圧縮されたバネは当該コネクタを前記器具から押し出し、前記器具から取り外すために前記コネクタを使用者に渡す、コネクタ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のコネクタであって、前記容器の内容物を分注することを可能にする分注機構をさらに備える、コネクタ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のコネクタであって、前記器具の前面で、任意で前記器具の前面内の開放可能な密閉部材を介して前記器具に挿入されるように構成される、コネクタ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のコネクタであって、前記容器の容器出口に回転可能に係合するか、又は前記容器出口にスナップフィット/プッシュフィット可能なクランプ面を備え、
クランプ機構は、前記容器と該容器の内容物の重量を支えるのに適している、
コネクタ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のコネクタであって、前記器具接続部は、前記容器接続部のいずれかの側に設けられると共に前記器具と相互作用するような形状をとる一対のレールを備える、コネクタ。
【請求項9】
請求項5又は請求項5に従属する任意の請求項のいずれかに記載のコネクタであって、出口を備え、前記分注機構は、前記容器の前記内容物を分注するため、前記容器接続部と当該コネクタの前記出口との間に延びる分注チャネルを備え、任意で前記チャネルは、該チャネル内に交換可能な分注チューブを有する、コネクタ。
【請求項10】
請求項9に記載のコネクタであって、前記チャネルは、チャネルロック部を用いて所定の場所にロックされ得る取り外し可能なチャネルである、コネクタ。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のコネクタであって、前記分注機構は、前記容器接続部と前記コネクタの出口との間の地点で前記チャネル又は交換可能なチューブを開閉するように動作可能なピンチ機構をさらに備える、コネクタ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のコネクタであって、前記器具内の気体供給出口と係合するのに適した入口と、該入口と前記容器接続部との間での延びる気体導管をさらに備え、容器が当該コネクタに接続されるとき、気体は前記入口と前記容器の内側部分との間を移動することができる、コネクタ。
【請求項13】
請求項9又は請求項9に従属する任意の請求項のいずれかに記載のコネクタであって、前記分注チャネルを開閉することで前記容器の前記内容物の分注を選択的に可能にするように動作可能なタップハンドルを備え、
任意で前記タップハンドルは、前記ピンチ機構を操作し、かつ/あるいは、前記ピンチ機構は、完全に開いた位置と完全に閉じた位置の両方で双安定である、
コネクタ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のコネクタであって、前記容器が直立姿勢であるときに前記容器に接続するように構成される、コネクタ。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のコネクタであって、容器をさらに備える、コネクタ。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のコネクタであって、前記容器は使い捨て樽で、当該コネクタは、前記使い捨て樽内にビール開口部を貫通し、当該コネクタは、前記使い捨て樽の特定の向きを必要とすることなく使い捨て樽の空気開口部と係合する縁部封止体を備える、コネクタ。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のコネクタと、当該コネクタを受けるのに適した受け部を備える前記器具と、前記容器を受けるのに適した空洞を備える分注装置。
【請求項18】
請求項8又は請求項8に従属する任意の請求項のいずれかに従属するときの請求項17に記載の分注装置であって、
前記器具の前記受け部はレールを備え、
当該コネクタのレールは相補的な形状のレールで、
当該コネクタの相補的な形状のレールは、前記器具内部の一定の位置に到達するように前記器具のレールに抗して移動し、
任意で前記相補的な形状のレールは、前記器具の前記受け部の上側部分内に設けられ、その結果前記器具の前記受け部内にある前記容器は、当該コネクタの前記相補的な形状のレールから懸架する、
コネクタ。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の分注装置であって、
前記器具は、前記器具内に収容されるときに前記容器を冷却するように構成される冷却機構を備え、
好適には前記冷却機構は、前記器具内に収容されるときには前記容器を冷却するように構成される熱電冷却を含む、
コネクタ。
【請求項20】
プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、請求項1~19のいずれか一項に記載のコネクタ及び/又は器具を製造するように付加製造装置又はデバイスを制御させるコンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読媒体。
【請求項21】
付加製造によってデバイスを製造する方法であって、
製品の形状を表す電子ファイルを取得する段階であって、前記形状は前記製品の表面形状又は体積形状を含む、段階と、
付加製造装置を制御して、1つ以上の付加製造ステップにわたって、前記電子ファイルで指定された前記表面形状に従って前記製品を製造する段階、
を有し、
前記製品は請求項1~19のいずれか1つに記載のコネクタ及び/又は装置である、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される発明は、容器から液体を分注するためのコネクタと、容器から飲料を分注するための装置に関する。当該コネクタは、直立配置時に容器からの分注を可能にしながら、その出口で容器に掛けるように機能する。
【背景技術】
【0002】
ビールのような飲料のような液体の分注は、家庭でますます望まれている。しかし、ビールのような液体は、鮮度を維持するために加圧環境を必要とする。したがって、そのような環境を提供するために、ビール容器は、典型的には、重くてかさばる。このため、家庭で使用する場合、容器を持ち上げて器具にはめ込む必要があり、家庭用器具で使用するのは困難である。また大抵の場合、容器を逆さまにしないと注げない。
【0003】
さらに、容器と電気器具の間の接続点は、多くの場合、業務用により適しており、例えば、多くの場合、大きな樽が使用されているが、この樽は、分注を可能にするために逆さまにされる必要があり、かつ/または専門家による管と洗浄器具を必要とする。このような接続点では、容器のサイズ又は種類に柔軟性を持たせることができず、また、分注用器具のサイズ又は位置を変更することもできない。
【0004】
現在利用可能なシステムでは、i)飲料容器と器具の接続および取り外し、ii)外側ボトルの大気開放、外側ボトルの加圧流体の供給源への接続を含む、内側ボトル内の液体を分注できるように容器を開放すること、を簡単に行えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、飲料容器と器具を容易に接続可能で、かつ/または便利な家庭用分注機構を提供できるコネクタおよび飲料分注装置を提供することにより、これらの問題を改善しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様によると、飲料容器用コネクタが提供される。ある態様において、当該コネクタは飲料容器コネクタである。ある態様において、当該コネクタは、容器出口に接続すると共に、前記容器を支持するように構成された容器接続部を備える。ある態様において、当該コネクタは、当該コネクタを器具に接続するように構成された器具接続部を備える。ある態様において、当該コネクタは、前記容器が前記器具内部で当該コネクタから懸架されるように、前記容器及び前記器具に接続されるように構成される。
【0007】
前記器具内で前記容器を懸架するコネクタを使用することにより、柔軟なあるいは変更可能なサイズの容器の主要な公差問題が回避される。また前記容器を上部で掛けることも可能となるため、使用者は、最初の段階において前記容器を持ち上げて前記器具に挿入し、かつ前記容器を持ち上げて前記機器から取り出すことが容易になる。
【0008】
「オール・イン・ワン」の接続点は、家庭での分注を簡素化する。その結果、複数の接続点及びそれらに関連する管の作成及び保守又は改造が不要となる。また、前記接続が容易に認識可能となるため、より広範に使用できるようになる。
【0009】
そのため、当該コネクタは様々なサイズの器具での使用に適しており、カウンタートップ装置、キャビネットの下、持ち運び可能又は屋外用器具など、様々な用途に使用できる。
【0010】
当該コネクタは、分注用に前記飲料を加圧するガス接続を内蔵しているため、別途接続する必要がない。
【0011】
前記容器に直接固定することで、当該コネクタは樽などの容器に簡単に挿入及び接続する向きを持たない封止を供する。
【0012】
タップハンドルとバルブが一体化されていることで、家庭で分注するための分注制御機構が簡単になる。一体型タップはまた、ビールラインインターフェースでの取り外し可能な管の使用を可能にし、使用者が前記管を廃棄及び交換することを可能にし、かつ/あるいは前記器具の外側にあるときに前記取り外し可能な管をより簡単に洗浄することを可能にする。
【0013】
当該コネクタの材料は、金属またはプラスチックの容器及び該容器の内容物を担持する強度を与える。
【0014】
本発明のさらなる態様によれば、上記のいずれか1つの態様に係るコネクタを含む容器が提供される。
【0015】
本発明のさらなる態様によれば、上記態様のいずれか1つによるコネクタを備える分注装置が提供される。
【0016】
本発明のさらなる態様によれば、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、上記態様のいずれか1つのコネクタ及び/若しくは器具を製造させるように付加製造装置又はデバイスを制御させるコンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読媒体が提供される。
【0017】
本発明のさらなる態様によれば、付加製造によってデバイスを製造する方法が提供される。当該方法は、製品の形状を表す電子ファイルを取得する段階と、付加製造装置を制御して、1つ以上の付加製造ステップにわたって、前記電子ファイルで指定された前記表面形状に従って前記製品を製造する段階を含む。前記製品は、前記製品の形状は上記態様のいずれか1つに記載のコネクタ及び/又は器具であり、前記製品の表面形状又は立体形状を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
ここで本発明の複数の実施形態について、添付図面を参照しながら例示により説明する。
【0019】
図1A】本発明の一実施形態に係るコネクタの斜視図を表している。
図1B図1Aに示されているコネクタと容器の斜視図を表している。
図1C】本発明の実施形態による器具の斜視図を表している。
図1D】コネクタ、容器、および器具の斜視図を表している。
図2】本発明によるコネクタを取り付けることができる容器と前記容器に取り付けられたコネクタの概略図を表している。
図3】本発明によるコネクタを取り付けることができる容器と前記容器に取り付けられたコネクタの概略図を表している。
図4】器具と、該器具に挿入される前にコネクタが取り付けられた容器の概略図を表している。
図5】コネクタと容器が器具に挿入された状態における、コネクタ、容器、及び器具の断面図を表している。
図6】本発明によるコネクタの上面の斜視図を表している。
図7】本発明によるコネクタの下面の斜視図を表している。
図8】本発明によるコネクタの背面側の斜視図を表している。
図9】コネクタの断面と、閉じた状態における分注路を表している。
図10】本発明の実施形態によるコネクタの斜視図を表している。
図11図11A図11Hは、ある実施形態による装填段階での、容器、コネクタ、および器具を含む分注装置発明を表している。
図12A】取り出し段階での、容器、コネクタ、及び器具を含む分注装置を表している。
図12B】取り出し段階での、容器、コネクタ、及び器具を含む分注装置を表している。
図13A】排出機構を示すコネクタの上面図を表している。
図13B】装填段階におけるハンドルと排出機構を示すコネクタの側面図を表している。
図13C】コネクタと容器が器具内にあるときのハンドルと排出機構を示すコネクタの側面図を表している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1Aは、実施形態によるコネクタ10を示している。コネクタ10は、コネクタ本体30を有する。コネクタ10は、図6図8に詳細に示されている。図1は、使用時のコネクタ10を示している。図1Bに示されているように、コネクタ本体30は、出口18を有する容器12に接続される。使用時、コネクタ本体30は容器12の出口18に降ろされる。容器12は、ビールなどの加圧飲料を入れるのに適している。コネクタ10は、容器出口18にスナップ嵌めすることができる。別の実施形態では、コネクタ10は、出口のネジ山に係合するように回転させることで、出口18に装着される。
【0021】
図1Cは、扉50が開いた状態の家庭用器具14を示す。この器具14は、カウンターの上又はテーブル若しくは床などの他の表面で使用するのに適している。
【0022】
図2および図3にそれぞれ示すように、コネクタ10は、プラスチック製飲料容器(図2)または金属製樽(図3)に使用可能である。プラスチック製飲料容器、すなわち使い捨て樽(OWK)は、特に家庭用として人気が高まっている。OWKと共に使用する場合、コネクタ10はビールの開口部を貫通し、コネクタ10は、向きを持たずに空気口に係合する縁部封止体をも有する。コネクタ10は金属製の樽にも使用でき、コネクタ10は樽上でビールバルブと空気バルブに同時に係合する。
【0023】
図4は、コネクタ10、容器12および器具14のより詳細な図である。図示されているように、器具14は容器容積を受け入れるのに適した空洞22を有する。器具14は、一対のレール36を備える。器具レール36は、空洞22の上部に配置されている。コネクタ10は、本実施形態では、レール34の形態の器具接続部を備える。器具レール36は、コネクタ10が器具14に対して摺動可能であるように、コネクタ10上の相補的なレール34を受ける。コネクタ10は、容器12が取り付けられていてもいなくても、器具レール36に沿って器具14内の位置まで摺動できる。容器12がコネクタ10に接続されている場合、それによって容器12は器具14内で掛けられるか、あるいは吊り下げられる。
【0024】
コネクタと器具のレール34、36は、容器12とその内容物の重量を支えることができる材料から形成されている。
【0025】
この配置により、使用者は容器12を器具14内に容易に挿入することができる。コネクタ10と器具14との間の緊密な嵌合接続は要求されないので、要求される公差を緩和することができる。また、この配置により、使用者が位置決めをしなくても、コネクタ10を正しい位置に誘導することができる。摺動レール34、36は、これらの部品の製造を単純化し、接続点のサイズを変更する必要なく、様々な形状やサイズの容器を使用できる柔軟性を提供する。
【0026】
図5は、器具14に挿入された状態のコネクタ10と容器12の断面図である。図示されているように、コネクタ10は分注チャンネル16を備える。分注チャネル16は、容器12に接続されると、容器12の内部からコネクタ出口20に液体、すなわちビールを搬送するように構成される。図示のように、コネクタ出口20は注ぎ口である。一部の実施形態では、コネクタ10は、分注チャンネル16を開閉するように操作可能なタップハンドル16を備える。図5に示すように、器具14は容器12を完全に取り囲み、容器12はコネクタ10から懸架されている。
【0027】
図6は、コネクタ10の上面を示す。図示のように、一対のレール34は、コネクタ本体30によって分離されている。また、分注経路16の位置も示されている。分注経路16は、チャンネル/カートリッジロック部28を使用して所定の位置にロックすることができる取り外し可能なチャンネルを含む。チャンネル/カートリッジロック部28は、上部から見える中央スロットを含む。中央スロットは、カートリッジまたはチャンネルを収容する。カートリッジは、取り外して交換可能なチューブまたは他の適切な流路とすることができる。これによって、使用者は、チャネルを簡単に廃棄し、洗浄し、交換することができる。また、コネクタ本体30はまた、使用者による挿入や取り外しを補助するための溝32をも有する。
【0028】
図7は、コネクタ10の下側を示している。コネクタ10の容器接続部又はカプラ38は、容器出口18に回転可能に係合するか、又は容器出口18にスナップフィット/プッシュフィットすることができるクランプ面40を備える。プッシュフィット接続クランプ面の利点は、コネクタ10と容器12との間に向きを持たない接続を提供することである。一旦接続されると、容器12はコネクタ10から懸架され、コネクタ10を持ち上げることによって持ち上げることができる。クランプ機構は、容器12とその内容物の重量を支えるのに適している。
【0029】
一部の実施形態では、器具14は、懸架された容器12を器具内部の空洞22に封入するために閉じることができる扉50を有する。一部の実施形態では、器具14は、容器12とその内容物を所定の温度に維持するための冷蔵手段を備える。扉50は、容器12が器具14の内部で一定の環境に維持されるように、コネクタ10と器具の空洞22の周囲に密閉体を形成する。扉50は、密閉が局所的に圧縮されて空気漏れを防ぐような剛性を有する。
【0030】
コネクタ10は外側被覆を備える。外側被覆の形状は、外側被覆の機能を使用者に明らかにする。認識可能なタップハンドル24は、通風機能を使用者に明らかにするために用いられている。コネクタ10の本体30は、OWK/金属製樽を置くべき場所を示している。コネクタ10の側面にある2本のレール34は、器具14のレール/スロット36と形状が対応しており、コネクタ10の挿入方法をユーザーに示している。レール34はまた、使用者が接続された容器を備えたコネクタを持ち上げ、その組み合わせられたものを器具内に設けるための取っ手としても機能する。
【0031】
図8は、コネクタ10の後部を示す。気体-例えば加圧空気-用の入口44が示されている。入口44は、器具14内の気体供給源と係合している。注入口44は気体を受け取り、容器12の内部空洞に供給する。コネクタは、ガスを入口から容器接続部38に送るための導管を備える。容器12は、内部ボトルが圧縮可能な内部空洞と外部ボトルまたは容器を画定する「ボトル・イン・ボトル」配置の形態をとる。外部ボトルは一般に剛性を有する。一部の実施形態では、外部ボトルは使用時のみ剛性を有し、使用しない時は可撓性である。内部ボトルと外部ボトルの間の空間は、外部空洞(図示せず)を画定する。本明細書ではボトルという用語が使用されているが、任意の適切なレセプタクルが意図されていることが理解されよう。内部空洞は一般に可撓性があり、液体-例えばビールなどの飲料-を保持するのに適している。外側空洞は、開口部18を介して空気または他の適切な気体を外側空洞に吹き込む(ポンピングする)ことによって拡張することができ、それによって内側空洞が圧縮される。他の適切な気体にはCO2が含まれる。空気または他の適切な気体が外側空洞に吹き込まれると、外部ボトルは実質的に硬くなる。したがって、内部空洞の出口が開いていると、それに作用する圧力によって流体が内部空洞から出る。別の方法として、ガス圧が液体の表面に直接作用し、液体をディップチューブを通して空洞から押し出すディップチューブ付きシングル空洞レセプタクルを使用することもできる。
【0032】
図9は、分注チャンネル16をより詳細に示している。分注チャンネル16は、ユーザーが交換可能な分注チューブ16を備える。これにより、流路16を洗浄する必要がなくなる。コネクタ10はさらに、ピンチ機構46とバネ48を備える。分注チューブ16は、ビールを容器からコネクタ10の注ぎ口または出口20に運ぶために使用される。ビールの流れを止めるために、タップハンドル24が閉じられると、チューブ16は平らに押される(挟まれる)。つまみ機構46は、タップハンドル24の動きを、分注管をつまむレバーに伝達する。分注チューブは、例えばゴムなどの可撓性ポリマーから形成される。バネ48は、使用者がタップハンドル24を操作しなくなった場合、タップハンドル24が直立姿勢(閉位置)に戻ることを保証する。代替実施形態では、挟み機構は、2つの安定位置を有するが、その2つの位置の間では不安定であり、安定位置の一方または他方に戻るという双安定であるオーバーセンター機構として構成される。この場合、タップハンドル24は、使用者が一旦そこに置くと、最も低くて最も開いた位置にとどまることもできる。この開放位置では、タップハンドル24を保持することなく、連続した飲料をドラフトすることができる。タップハンドル24が開位置にとどまることができるという事実により、使用者は、分注管16をコネクタ10から挿入または引き込むことができる。
【0033】
また、本実施形態は、コネクタ10に取り付けられる別個の部品である取り外し可能な分注チューブ16を含むが、他の実施形態では、コネクタ10は、別個の分注チューブを必要とせずに、容器接続部分38とコネクタ出口20との間に延びる一体型分注チャネルを提供するように適合され得ることも理解されよう。このような実施形態では、ピンチチューブの代わりにシャットオフバルブがコネクタに組み込まれる。シャットオフバルブは、蛇口ハンドルの動きによって操作される。適切なシャットオフバルブには、ボールバルブ、プラグバルブ、シリンダーバルブ、ゲートバルブ、グローブバルブ、ピンチバルブが含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
図10は、コネクタ10の代替実施形態を示す。コネクタ10は、ハンドル52をさらに備える。ハンドル52は、コネクタ10及び容器12を器具14に挿入するために、使用者にさらなる把持点を提供する。コネクタ10を容器12に接続し、コネクタ10及び容器12を器具14に挿入する段階を図11A~Hに示す。
【0035】
図11E-Gに示すように、取っ手52は、器具14にはめ込むために折り畳まれた位置に折り畳まれるように回転可能である。図12A及び12Bは、器具14からコネクタ10及び容器12を取り外す段階を示している。この実施形態では、取り外しのためにコネクタ10を器具14から解放する排出機構が設けられている。図13A-Cは、この機構を上面および側面断面で示している。
【0036】
器具は、受けレール36に沿って移動できるキャリッジを含む。キャリッジにはまた、受けレール36付近に取り付けられたバネによってバネによる負荷がかかっている。コネクタ10が器具に挿入されると、キャリッジがレール36に沿って後方に押され、それによって、ロックピンがコネクタのノッチに係合するまで、バネが圧縮される。器具はまた、ロックピンをノッチから持ち上げる解除アクチュエータを備えている。圧縮されたバネはコネクタを器具から押し出し、器具から取り外すために空の樽と共にコネクタを使用者に渡す。
【0037】
本明細書で説明する実施形態は、ポリマー材料または複合材料から射出成形、ブロー成形、または押出成形される。あるいは、本明細書で説明する実施形態は、付加製造技術を用いて部分的または完全に製造することができる。したがって、本明細書で説明する例は、本明細書で説明する製品または部材だけでなく、付加製造を介してそのような製品または部材を製造する方法、および付加製造を介してそのような製品の製造を制御するためのコンピュータソフトウェア、ファームウェアまたはハードウェアも含む。
【0038】
製品の1つ以上の部品の構造は、設計ファイルの形態でデジタル的に表現することができる。設計ファイル-例えばコンピュータ支援設計(CAD)ファイル-は、製品の形状の表面形状または立体形状の1つ以上を符号化する構成ファイルである。すなわち、設計ファイルは、製品の幾何学的配置または形状を表す。設計ファイルは、一旦取得されると、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、設計ファイルで指定された幾何学的配置に従って製品を製造するように付加製造装置を制御させるコンピュータ実行可能命令のセットに変換され得る。変換は、設計ファイルを、付加製造装置によって順次形成されるスライスまたは層に変換することができる。指示(別称、幾何学的コードまたは「Gコード」)は、特定の付加製造装置に較正され、製造プロセスの各段階で形成される材料の正確な位置および量を指定することができる。形成は、堆積、焼結、または他の形態の付加製造方法によって行うことができる。
【0039】
設計ファイルまたはコンピュータ実行可能命令は、製造される製品を代表するコード、またはコンピュータ可読命令を記憶する(一時的または非一時的)コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ、記憶システムなど)に格納することができる。 前述のように、コードまたはコンピュータ可読命令は、付加製造システムによるコードまたは命令の実行時に、対象物を物理的に生成するために使用することができる製品を定義する。 例えば、命令は、製品の正確に定義された3Dモデルを含むことができ、AutoCAD(登録商標)、TurboCAD(登録商標)、DesignCAD 3D Maxなどの多種多様な周知のコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアシステムのいずれかから生成することができる。あるいは、部品の三次元情報を決定するために、部品のモデルまたはプロトタイプをスキャンすることもできる。
【0040】
したがって、コンピュータ実行可能命令に従って付加製造装置を制御することにより、付加製造装置は、製品の1つ以上の部品をプリントアウトするよう指示され得る。これらは、組み立てられた状態でも、組み立てられていない状態でもプリントされ得る。例えば、製品の異なる部分を別々に(未組立部品のキットとして)印刷し、その後組み立てることができる。あるいは、異なる部品が組み立てられた形態でプリントされ得る。
【0041】
上記に鑑みて、実施形態には、付加製造による製造方法が含まれる。これには、製品を表す設計ファイルを取得するステップと、設計ファイルに従って組み立てられた形態または組み立てられていない形態で製品を製造するように付加製造装置に指示するステップとが含まれる。付加製造装置は、設計ファイルを、製品の製造を制御するためのコンピュータ実行可能命令に自動的に変換するように構成されたプロセッサを含むことができる。これらの実施形態では、設計ファイル自体は、付加製造装置に入力されると、製品の製造を自動的に引き起こすことができる。したがって、この実施形態では、設計ファイル自体を、付加製造装置に製品を製造させるコンピュータ実行可能命令とみなすことができる。あるいは、設計ファイルは、外部の情報処理システムによって命令に変換され、その結果得られるコンピュータ実行可能命令が付加製造装置に提供されるようにしてもよい。
【0042】
本明細書では、付加製造技術は、典型的には垂直方向に、ポイントごとに、層ごとに物体を構築することによって、複雑な物体の製造を可能にするものとして説明されるが、他の製造方法も可能であり、本主題の範囲内である。例えば、本明細書における議論は、連続する層を形成するための材料の添加に言及しているが、当業者であれば、本明細書に開示される方法および構造は、任意の付加製造技術または他の製造技術で実施され得ることを理解するであろう。
【0043】
本発明は、純粋に例として上述した。本発明は、本明細書に添付した特許請求の範囲内で詳細に変更することができる。さらに本発明は、本明細書に記載された実施例に示された特徴の組み合わせに決して限定されるものではないことが理解されるだろう。ある実施例に関連して開示された特徴は、さらなる実施例に関連して開示された特徴と組み合わせることができる。
【0044】
本発明は、飲料の分注に関連して説明されてきた。本発明は、あらゆる液体の分注にも同様に適用できることが理解されるだろう。
図1A
図1B
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図1D
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図11-1】
図11-2】
図12A
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【国際調査報告】