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特表2024-527679ガラス板から少なくとも1つの有用なパーツを生産するための設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ガラス板から少なくとも1つの有用なパーツを生産するための設備
(51)【国際特許分類】
   B24B 9/10 20060101AFI20240719BHJP
   B28D 5/00 20060101ALI20240719BHJP
   B28D 7/00 20060101ALI20240719BHJP
   B28D 1/14 20060101ALI20240719BHJP
   B23K 26/082 20140101ALI20240719BHJP
   B23K 26/70 20140101ALI20240719BHJP
   B23K 26/38 20140101ALI20240719BHJP
   C03B 33/037 20060101ALI20240719BHJP
   C03C 19/00 20060101ALI20240719BHJP
   G06T 7/70 20170101ALI20240719BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240719BHJP
【FI】
B24B9/10 D
B28D5/00 Z
B28D7/00
B28D1/14
B23K26/08 F
B23K26/70
B23K26/38 Z
C03B33/037
C03C19/00 Z
G06T7/70 A
G06T7/00 610
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573244
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2022066434
(87)【国際公開番号】W WO2022263579
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】00706/21
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504369498
【氏名又は名称】グラストン スウィツァランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・ロッパハー
(72)【発明者】
【氏名】ファビオ・ユツィ
(72)【発明者】
【氏名】ヨルク・ライイェンデッカー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ・ホフマン
【テーマコード(参考)】
3C049
3C069
4E168
4G015
4G059
5L096
【Fターム(参考)】
3C049AA03
3C049AB04
3C069AA01
3C069AA04
3C069BA04
3C069BA08
3C069BA09
3C069BB04
3C069BC03
3C069BC06
3C069CA11
3C069CB01
3C069CB04
3C069EA01
4E168AD07
4E168CA06
4E168CA07
4E168CA13
4E168CA15
4E168CB03
4E168CB07
4E168DA23
4E168GA01
4E168GA02
4E168JA14
4G015FA03
4G015FA04
4G015FB01
4G015FC02
4G015FC11
4G015FC14
4G059AA01
4G059AB19
4G059AC01
5L096AA06
5L096BA03
5L096BA18
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA69
5L096JA09
(57)【要約】
加工ステップによってガラス板(G)から少なくとも1つの有用なパーツ(N)を生産するための設備であって、加工ステップは、カット、ブレイク、および研削を含み、設備は、少なくとも1つのカットツールを有するカットデバイスと、少なくとも1つのブレイクツールを有するブレイクデバイスと、少なくとも1つの研削ツールを有する研削デバイスと、測定信号を発生させるための測定デバイスとを含み、測定信号は、第1の測定変数と、第2の、第3の、第4の、および第5の測定変数のうちの少なくとも1つとを含み、また、設備は、制御デバイス(100~103)を含み、制御デバイス(100~103)によって、測定信号は、測定変数から測定データを形成するために受信されることが可能である。それぞれの測定変数は、加工ステップのうちの1つの実行の間に検出されることが可能であり、または、デバイスの少なくとも1つのコンポーネントのプロセスパラメーターを特定し、または、ガラス板の少なくとも一部の状態パラメーターを定義している。制御デバイスは、測定データに基づいて補正信号を形成するように構成されており、補正信号によって、デバイスのうちの少なくとも1つは、ガラス板および/もしくは有用なパーツの加工の間に、ならびに/または、後続のガラス板および/もしくは有用なパーツの加工の間に、適合された様式で制御されることが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工ステップによってガラス板(G)から少なくとも1つの有用なパーツ(N)を生産するための設備であって、前記加工ステップは、カット、ブレイク、および研削を含み、前記少なくとも1つの有用なパーツの形状は、輪郭(K)によって画定されており、前記設備は、
―前記ガラス板をカットするための少なくとも1つのカットツール(30)を有するカットデバイスと、
―前記有用なパーツを分離するための少なくとも1つのブレイクツール(40)を有するブレイクデバイスと、
―前記有用なパーツの縁部を研削するための少なくとも1つの研削ツール(60)を有する研削デバイス(50)と
を含み、
それぞれの前記ツール(30、40、60)および前記ガラス板または前記有用なパーツは、互いに対して移動可能となるように配置されており、
また、前記設備は、
―測定信号を発生させるための測定デバイス(129~133、135~137、150~154、160、170~172、180)
を含み、
前記測定信号は、第1の測定変数と、第2の、第3の、第4の、および第5の測定変数のうちの少なくとも1つとを含み、
前記第1の測定変数は、前記輪郭に対する、前記加工ステップにおいて有効である前記ツールの相対的位置の関数として、前記加工ステップのうちの1つの実行の間に検出可能であり、前記第1の測定変数は、前記デバイスの少なくとも1つの第1のコンポーネント(30、40、60)のおよび/または前記ガラス板のおよび/または前記有用なパーツの第1のプロセスパラメーターを定義しており、前記第1のコンポーネントは、前記加工ステップにおいて有効であり、
前記第2の測定変数は、前記輪郭に対する、他の加工ステップにおいて有効である前記ツールの相対的位置の関数として、前記他の加工ステップの実行の間に検出可能であり、前記第2の測定変数は、前記デバイスの少なくとも1つの第2のコンポーネント(30、40、60)のおよび/または前記ガラス板のおよび/または前記有用なパーツの第2のプロセスパラメーターを定義しており、前記第2のコンポーネントは、前記他の加工ステップにおいて有効であり、
前記第3の測定変数は、前記輪郭に対する、前記加工ステップにおいて有効である前記ツールの相対的位置の関数として、前記第1の測定変数が検出され得る前記加工ステップの実行の間に検出可能であり、前記第3の測定変数は、前記デバイスの少なくとも1つの第3のコンポーネント(30、40、60)のおよび/または前記ガラス板のおよび/または前記有用なパーツの第3のプロセスパラメーターを定義しており、前記第3のコンポーネントは、前記加工ステップにおいて有効であり、
前記第4の測定変数は、前記第1または第2の測定変数が検出され得る前記加工ステップの実行の間に、前記デバイスの少なくとも1つの第4のコンポーネント(30、40、60)のプロセスパラメーターを特定しており、前記第4のコンポーネントは、前記加工ステップにおいて有効であり、好ましくは、前記デバイスの前記第1または第2のコンポーネントであり、
前記第5の測定変数は、加工ステップ外で検出可能であり、前記第5の測定変数は、前記ガラス板の少なくとも一部の状態パラメーターを定義しており、
また、前記設備は、
―前記カットデバイス、ブレイクデバイス、および研削デバイスを制御するための制御デバイス(100~103)であって、前記制御デバイスによって、前記測定信号は、前記測定変数から測定データを形成するために受信されることが可能であり、前記制御デバイスは、前記測定データに基づいて補正信号を形成するように構成されており、前記補正信号によって、前記デバイスのうちの少なくとも1つは、前記ガラス板および/もしくは前記有用なパーツを加工するときに、ならびに/または、後続のガラス板および/もしくは有用なパーツを加工するときに、適合された様式で制御されることが可能である、制御デバイス(100~103)
を含む、設備。
【請求項2】
前記測定デバイス(129~133、135~137、150~154、160、170~172、180)は、以下の特徴A1)~A9):
A1)前記測定デバイスは、ブレイクおよび/または研削の後に、前記第5の測定変数が前記有用なパーツ(N)の前記縁部の少なくとも一部に沿って検出され得るように構成されている、
A2)前記測定デバイスは、力の測定;経路の測定、とりわけ、デバイスの移動の軸線における輪郭誤差;速度の測定;加速度の測定、とりわけ、振動の測定;エネルギー要件の測定、とりわけ、ドライブの電流の測定;温度の測定;音響測定;光学的な測定、とりわけ、信号を発生させるための光学的な測定、前記信号は、前記有用なパーツへの反射および/または光ビームの変調および/または光強度の検出によって発生させられることが可能である;容量性測定;誘導性測定;磁界の測定;および/または、触覚的な測定に基づいて、測定信号が発生させられ得るように構成されている、
A3)前記測定デバイスは、前記ガラス板(G)の少なくとも一部をキャプチャーするための少なくとも1つのフォトセンサーユニット、とりわけ、カメラ(130、136、152、152a~152d)を含み;前記制御デバイスは、好ましくは、画像処理アルゴリズムを装備しており、前記画像処理アルゴリズムは、前記カメラによって供給される画像を処理するように構成されている、
A4)前記測定デバイスは、前記制御デバイス(100~103)が、受信された前記測定信号から、前記第1の、第2の、第3の、および/または第4の測定変数のための測定データを発生させることが可能であるように構成されており、前記測定データは、少なくとも10Hzの時間分解能を有しており、さらに好ましくは、少なくとも100Hz、少なくとも1000Hz、および少なくとも10kHzの時間分解能を有している、
A5)前記測定デバイスは、前記測定信号が、前記第2の、第3の、第4の、および第5の測定変数のうちの少なくとも2つ、好ましくは、3つを含むように構成されている、
A6)前記測定デバイスは、前記測定信号が、前記第1の、第2の、および第5の測定変数、ならびに、第6の測定変数を含むように構成されており、前記第6の測定変数は、前記第1および第2の測定変数が検出されたときとは異なる加工ステップの間に、または、前記第5の測定変数が検出可能であるときとは異なる加工ステップ外で、検出されることが可能であり、
A7)前記測定デバイスは、さらなる測定変数を含む測定信号を発生させるために、前記設備の周囲条件、とりわけ、室温、湿度および/または光強度を測定するための少なくとも1つのセンサーを含み、前記測定信号は、前記制御デバイスに給送されることが可能であり、
A8)前記測定デバイスによって発生させられ得る前記測定信号は、前記第5の測定変数またはさらなる測定変数であり、前記ガラス板(G)のブレイクされて除かれたパーツの状態パラメーターを定義する、測定変数を含み、
A9)前記測定デバイスは、前記制御デバイス(100~103)が、受信された前記測定信号から、前記第1の、第2の、第3の、第4の、および/または第5の測定変数のための測定データを発生させることが可能であるように構成されており、前記測定データは、少なくとも10cm、好ましくは、少なくとも1cm、とりわけ好ましくは、少なくとも1mmの空間的な分解能を有している、
のうちの少なくとも1つを有している、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記制御デバイス(100~103)は、以下の特徴B1)~B5):
B1)前記制御デバイスは、人工知能に基づくアルゴリズム、とりわけ、機械学習のためのおよび/またはパターン認識のためのアルゴリズムを装備しており、前記補正信号は、前記アルゴリズムによって発生させられることが可能である、
B2)前記制御デバイスは、その後に加工されることとなるガラス板(G)のカット計画および/またはブレイク計画を決定するときに、とりわけ、少なくとも1つの補助的なカットライン(H)を決定するときに、前記測定データを評価するように構成されている、
B3)前記制御デバイスは、前記第1および第3の測定変数が検出され得る前記加工ステップの間に、補正信号を発生させるように構成されており、前記補正信号は、前記加工ステップを動的に調節するために、前記第1および/または第3の測定変数における変化をもたらす、
B4)前記制御デバイスは、前記第1または第2の測定変数が検出され得る前記加工ステップの間に、補正信号を発生させるように構成されており、前記補正信号は、前記加工ステップを動的に調節するために、前記第1および/または第4の測定変数における変化、または、前記第2および/または第4の測定変数における変化をもたらす、
B5)前記制御デバイスは、前記測定変数のうちの少なくとも1つに基づいており、有用なパーツの以前の生産の間に形成された、測定データを含むことによって、前記補正信号を発生させるように構成されている、
のうちの少なくとも1つを有している、請求項1または2に記載の設備。
【請求項4】
前記設備は、内部データメモリー、および/または、とりわけネットワークを介して外部データメモリーとデータを交換するためのインターフェースを含み、前記測定データの少なくとも一部は、前記内部および/または外部データメモリーの中に記憶されることが可能であり、その後に加工されるガラス板(G)のための前記補正信号を決定するときに、それが考慮され得るようになっている、請求項1から3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項5】
前記測定デバイス(129~133、135~137、150~154、160、170~172、180)によって発生させられ得る前記測定信号は、少なくとも1つの測定された状態変数を含み、前記少なくとも1つの測定された状態変数は、加工ステップの後の、前記設備の少なくとも1つのコンポーネントの、とりわけ、前記ツール(30、40、60)のうちの1つの状態パラメーターを定義しており、前記制御デバイス(100~103)は、前記補正信号を形成するときに、前記測定された状態変数を考慮するように構成されており、および/または、前記測定された状態変数が閾値に到達するときに、メッセージ信号を発生させるように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の設備。
【請求項6】
前記設備は、前記少なくとも1つの研削ツール(60)を成形および/または研磨するための加工デバイスを有しており、前記制御デバイス(100~103)は、前記測定変数のうちの少なくとも1つおよび/または前記少なくとも1つの測定された状態変数の関数として、前記加工デバイスを動作させるように構成されており;前記動作は、好ましくは、前記加工デバイスが、前記研削ツールを加工するための砥石による前記研磨プロセスの頻度および/もしくは持続期間を特定するようになっており、ならびに/または、前記砥石および/または前記研削ツールの電力が、好ましくは、前記砥石の縁部の形状の関数として加工されるようになっている、請求項1から5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項7】
前記測定デバイス(129~133、135~137、150~154、160、170~172、180)によって発生させられ得る前記測定信号は、測定変数を含み、
前記測定変数は、前記第1の、第2の、第3の、第4の、または他の測定変数であり、
前記測定変数は、カットの前記加工ステップに関連付けられており、プロセスパラメーターを定義しており、前記プロセスパラメーターは、以下:
―前記カットツール(30)が前記ガラス板(G)に作用する力、
―前記カットツールが前記ガラス板に沿って移動され得る速度、
―カットの間に前記ガラス板によって発生させられる音、
―カットの間に前記ガラス板および/または前記カットツールが振動するときの振動、
―前記ガラス板の厚さ、
―前記カットラインに適用され得る切削油の量、
―前記ガラス板の中の機械的な応力、
―前記カットラインの深さおよび/または幅、
―前記カットラインに沿ったガラス裂片の数および/または量、
―前記カットツールを移動させるための少なくとも1つのドライブの電力、
―前記カットツールが前記ガラス板に接触している位置、
―前記有用なパーツの温度、
―前記有用なパーツの透明度、
―前記カットデバイスの移動の軸線の実際の位置、とりわけ、少なくとも1つの線形の軸線に沿った、および/もしくは、回転軸線の周りの前記実際の位置、ならびに/または、前記少なくとも1つのカットツールの垂直方向軸線に対して傾斜可能なカットホイールの実際の傾斜角度、
―前記カットデバイスの移動の軸線のターゲット位置、とりわけ、少なくとも1つの線形の軸線に沿った、および/もしくは、回転軸線の周りの前記ターゲット位置、および/または、前記少なくとも1つのカットツールの前記垂直方向軸線に対して傾斜可能なカットホイールのターゲット傾斜角度、
―前記カットデバイスの移動の軸線における輪郭誤差、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の設備。
【請求項8】
前記測定デバイス(129~133、135~137、150~154、160、170~172、180)によって発生させられ得る前記測定信号は、測定変数を含み、
前記測定変数は、前記第1の、第2の、第3の、第4の、または他の測定変数であり、
前記測定変数は、ブレイクの前記加工ステップに関連付けられており、プロセスパラメーターを定義しており、前記プロセスパラメーターは、以下:
―前記ブレイクツール(40)が前記ガラス板(G)に作用する力、
―前記ブレイクツールが前記ガラス板に接触している位置、
―前記ブレイクツールが前記ガラス板に沿って移動され得る速度、
―ブレイクの間に前記ガラス板によって作り出される音、
―ブレイクの間に前記ガラス板および/または前記ブレイクツールが振動するときの振動、
―ブレイクの間に形成する前記縁部の形状および/または幾何学的プロファイルおよび/または時間的プロファイル、
―前記ガラス板の厚さ、
―前記ガラス板の中の機械的な応力、
―前記ガラス板の温度、
―光の形態のブレイクツールの強度および/または波長、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の設備。
【請求項9】
前記測定デバイス(129~133、135~137、150~154、160、170~172、180)によって発生させられ得る前記測定信号は、測定変数を含み、
前記測定変数は、前記第1の、第2の、第3の、第4の、または他の測定変数であり、
前記測定変数は、研削の前記加工ステップに関連付けられており、プロセスパラメーターを定義しており、前記プロセスパラメーターは、以下:
―前記研削ツール(60)が前記有用なパーツ(N)に作用する力、
―研削の間に前記有用なパーツがその上に置かれている支持体に前記有用なパーツが作用する力、
―研削の間に前記有用なパーツによって発生させられる音、
―研削の間に前記有用なパーツおよび/または前記研削ツールが振動するときの振動、
―前記研削ツールを移動させるためのエネルギー、とりわけ、ドライブの電力、
―前記有用なパーツ、前記研削ツール、および/または、前記研削ツールのための冷却剤の温度、
―前記有用なパーツの前記縁部の形状、粗さ、透光性、および/または色、
―前記研削デバイスの移動の軸線の実際の位置、
―前記研削デバイスの移動の軸線のターゲット位置、
―前記研削デバイスの移動の軸線における輪郭誤差、
―前記研削プロセスの間に生じる光、とりわけ、強度および/または波長、
―前記研削ツールから剥落し得る前記冷却剤の中の擦り減らされた粒子の量、
―前記研削ツールに供給されるおよび/または前記研削ツールから除去される前記冷却剤の特性、
―前記冷却剤の中の温度インジケーターの状態の検出、前記検出は、好ましくは、前記温度インジケーターの前記状態が所定の温度から変化するようになっている、
―前記研削ツール(60)の特性、とりわけ、その形状および/または直径、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の設備。
【請求項10】
前記測定デバイス(129~133、135~137、150~154、160、170~172、180)によって発生させられ得る前記測定信号は、測定変数を含み、
前記測定変数は、前記第5のまたはさらなる測定変数であり、前記ガラス板(G)または前記有用なパーツ(N)の以下の状態パラメーター:
―前記ガラス板または前記有用なパーツの寸法、
―前記ガラス板または前記有用なパーツの厚さ、
―前記ガラス板または前記有用なパーツの重量、
―所与の座標系に対する前記ガラス板または前記有用なパーツの位置、
―前記深さ方向への形状、および/または、前記ガラス板の上の少なくとも1つのカットラインのコース、
―前記ガラス板の上の少なくとも1つの補助的なカットライン(H)の位置、
―前記ガラス板の中の機械的な応力、
―カットされた前記ガラス板の上の切削油の痕跡、
―ブレイクされて取り外された前記有用なパーツの前記縁部(E)の形状、とりわけ、前記有用なパーツの上側および/または下側への移行部における貝殻状断口、
―前記研削された有用なパーツの前記縁部(E')の形状、
―研削された前記縁部の粗さ、透光性、および/または色、
のうちの少なくとも1つを定義している、請求項1から9のいずれか一項に記載の設備。
【請求項11】
前記設備は、以下の特徴C1)~C11):
C1)前記カットツールは、カットホイール(30)を含み、好ましくは、前記カットホイール(30)は、垂直方向軸線に対して傾斜可能である、
C2)前記カットツールは、少なくとも2つの軸線(X、Y)において、好ましくは、3つの軸線(X、Y、Z)において移動されることが可能である、
C3)前記カットツールは、軸線の周りに回転させられることが可能である、
C4)前記ブレイクツールは、少なくとも2つの軸線(X、Y)において、好ましくは、3つの軸線(X、Y、Z)において移動され得る少なくとも1つのブレイク本体部(40)を含み;前記少なくとも1つのブレイク本体部は、好ましくは、少なくとも1つの軸線の周りに枢動されることも可能である、
C5)前記ブレイクツールは、少なくとも2つのブレイク本体部を含み、一方のブレイク本体部は、前記ガラス板(G)の前面側に沿って移動されることが可能であり、他方のブレイク本体部は、前記ガラス板の背面側に沿って移動されることが可能であり、
C6)前記研削ツールは、少なくとも1つの研削ホイール(60)を含み、
C7)前記研削ツールは、少なくとも1つの軸線(Y)において、好ましくは、少なくとも2つの軸線(Y、Z)において、とりわけ好ましくは、少なくとも3つの軸線(X、Y、Z)において移動されることが可能である、
C8)前記研削デバイスは、支持体(52)を含み、前記有用なパーツ(N)は、研削の間に前記支持体(52)の上に置かれており、前記支持体(52)は、軸線の周りに回転させられることが可能であり、
C9)前記カットデバイスは、カットツールとしてレーザービームを発生させるためのレーザーを含み、
C10)前記ブレイクデバイスは、前記ガラス板を加熱および/または冷却するためのデバイスを含み;少なくとも1つの構造体は、好ましくは、ブレイクツールとしての前記デバイスによって作り出されることが可能であり、前記構造体は、液体であり、ガス状であり、および/または、光の形態になっており、
C11)前記カットツールおよびブレイクツールは、同じドライブ(35)に連結されており、前記ドライブの作動は、前記ガラス板に向けての前記カットツールまたは前記ブレイクツールのいずれかの移動を引き起こす、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の設備。
【請求項12】
前記設備は、さらなる加工ステップとして前記有用なパーツ(N)をドリル加工するための少なくとも1つのドリル加工ツール(71)を有するドリル加工デバイス(70)をさらに含み、前記測定デバイス(129~133、135~137、150~154、160、170~172、180)によって発生させられ得る前記測定信号は、好ましくは、第1のさらなる測定変数、および/または、第2のさらなる測定変数を含み、前記第1のさらなる測定変数は、ドリル加工の間に検出されることが可能であり、前記第1のさらなる測定変数は、前記ドリル加工デバイスの少なくとも1つのコンポーネント(71)および/または前記有用なパーツのさらなるプロセスパラメーターを定義しており、前記第2のさらなる測定変数は、ドリル加工の後の前記有用なパーツの状態パラメーターを定義している、請求項1から11のいずれか一項に記載の設備。
【請求項13】
前記設備は、前記少なくとも1つのドリル加工ツール(71)を研磨するための加工デバイスを含み、前記制御デバイス(100~103)は、前記測定変数のうちの少なくとも1つ、前記さらなる測定変数のうちの少なくとも1つ、および/または、前記少なくとも1つの測定された状態変数の関数として、前記加工デバイスを動作させるように構成されており;前記動作は、好ましくは、前記加工デバイスが、前記ドリル加工ツールを加工するための砥石による前記研磨プロセスの頻度および/もしくは持続期間を特定するようになっており、ならびに/または、前記砥石および/または前記ドリル加工ツールの電力が、好ましくは、前記砥石の縁部の形状の関数として加工されるようになっている、請求項12に記載の設備。
【請求項14】
加工ステップによってガラス板(G)から少なくとも1つの有用なパーツ(N)を生産するための方法であって、前記加工ステップは、カット、ブレイク、および研削を含み、前記少なくとも1つの有用なパーツの形状は、輪郭(K)によって画定されており、
カットデバイスが、少なくとも1つのカットツール(30)および前記ガラス板を互いに対して移動させることによって、前記ガラス板をカットし、
ブレイクデバイスが、少なくとも1つのブレイクツール(40)および前記ガラス板を互いに対して移動させることによって、前記有用なパーツを分離し、
研削デバイス(50)が、少なくとも1つの研削ツール(60)および前記有用なパーツを互いに対して移動させることによって、前記有用なパーツの縁部を研削し、
測定信号が、測定デバイス(129~133、135~137、150~154、160、170~172、180)によって発生させられ、前記測定信号は、第1の測定変数と、第2の、第3の、第4の、および第5の測定変数のうちの少なくとも1つとを含み、
前記第1の測定変数は、前記輪郭に対する、前記加工ステップにおいて有効である前記ツールの相対的位置の関数として、前記加工ステップのうちの1つの実行の間に検出され、前記第1の測定変数は、前記デバイスの少なくとも1つの第1のコンポーネント(30、40、60)のおよび/または前記ガラス板のおよび/または前記有用なパーツの第1のプロセスパラメーターを定義しており、前記第1のコンポーネントは、前記加工ステップにおいて有効であり、
前記第2の測定変数は、前記輪郭に対する、前記加工ステップにおいて有効である前記ツールの相対的位置の関数として、他の加工ステップの実行の間に検出され、前記第2の測定変数は、前記デバイスの少なくとも1つの第2のコンポーネント(30、40、60)のおよび/または前記ガラス板のおよび/または前記有用なパーツの第2のプロセスパラメーターを定義しており、前記第2のコンポーネントは、前記他の加工ステップにおいて有効であり、
前記第3の測定変数は、前記輪郭に対する、前記加工ステップにおいて有効である前記ツールの相対的位置の関数として、前記第1の測定変数が検出される前記加工ステップの実行の間に検出され、前記第3の測定変数は、前記デバイスの少なくとも1つの第3のコンポーネント(30、40、60)のおよび/または前記ガラス板のおよび/または前記有用なパーツの第3のプロセスパラメーターを定義しており、前記第3のコンポーネントは、前記加工ステップにおいて有効であり、
前記第4の測定変数は、前記第1または第2の測定変数が検出される前記加工ステップの実行の間に、前記デバイスの少なくとも1つの第4のコンポーネント(30、40、60)のプロセスパラメーターを特定しており、前記第4のコンポーネントは、前記加工ステップにおいて有効であり、好ましくは、前記デバイスの前記第1または第2のコンポーネントであり、
前記第5の測定変数は、加工ステップ外で検出され、前記第5の測定変数は、前記ガラス板の少なくとも一部の状態パラメーターを定義しており、
前記カットデバイス、ブレイクデバイス、および研削デバイスを制御するための制御デバイス(100~103)は、前記測定信号を受信し、前記測定変数から測定データを形成し、前記測定データに基づいて、前記制御デバイスは、補正信号を形成し、前記補正信号によって、前記デバイスのうちの少なくとも1つは、前記ガラス板および/もしくは前記有用なパーツを加工するときに、ならびに/または、後続のガラス板および/もしくは有用なパーツを加工するときに、適合された様式で制御される、方法。
【請求項15】
前記方法は、以下のステップS1からS3:
S1)前記制御デバイス(100~103)が、前記測定データに基づいて前記少なくとも1つの研削ツール(60)を制御し、前記少なくとも1つの有用なパーツ(N)の前記縁部を研削するときに、前記少なくとも1つの研削ツール(60)が、鋭いままになっているか、または、少なくとも鋭さの損失が低減されており、好ましくは、前記制御デバイス(100~103)が、前記測定データに基づいて、前記少なくとも1つの研削ツール(60)の回転速度、前進速度、および/または、カットの研削深さを制御し、前記研削ツール(60)を鋭く維持するか、または、少なくともその鋭さの損失の低減を引き起こす、
S2)前記ガラス板(G)の前記カットおよびブレイクは、前記ガラス板から分離された前記有用なパーツが、前記研削ツールを研磨するために使用される少なくとも1つの余分な部分を含むように実施される、
S3)前記少なくとも1つの有用なパーツ(N)が、ドリル加工デバイス(70)の少なくとも1つのドリル加工ツール(71)によってドリル加工され、前記制御デバイス(100~103)は、前記測定データに基づいて前記少なくとも1つのドリル加工ツール(71)を制御し、前記少なくとも1つの有用なパーツ(N)をドリル加工するときに、前記少なくとも1つのドリル加工ツール(71)が、鋭いままになっているか、または、少なくとも鋭さの損失が低減されており、とりわけ、前記制御デバイス(100~103)が、前記測定データに基づいて、前記少なくとも1つのドリル加工ツール(71)の前記回転速度および/または前進速度を制御し、前記少なくとも1つのドリル加工ツール(71)を鋭く維持するか、または、少なくともその鋭さの損失の低減を引き起こす、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか一項に記載の設備によって実施される、請求項14または15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工ステップによってガラス板から少なくとも1つの有用なパーツを生産するための設備に関し、加工ステップは、カット、ブレイク、および研削を含む。
【背景技術】
【0002】
そのような設備は、たとえば、同じ出願人による特許出願EP1647534A1から知られている。たとえば、最良の可能な製品品質(たとえば、ガラス寸法、研削されたプロファイル形状および表面)、長いツール寿命(たとえば、研削ホイール)、短いサイクル時間、または、低減されたエネルギー消費に関して、設備を絶え間なく最適化およびモニタリングすることは、ほとんど排他的に操作要員の責任である。技術的な関係および相互作用が非常に複雑であることに起因して、設備の潜在能力が、操作要員によって十分に引き出されていない可能性がある。最終製品としてのガラスの品質は、「人間による」査定および測定によって、それがプロセスチェーンを通過した後にのみ、進行中の生産の間に決定されることが可能である。観察された欠陥の原因についての結論は、多くの経験によってのみ可能であるか、または、全く可能ではない。
【0003】
米国特許出願公開第2006/0232403A1号は、ガラス溶融液からガラスリボンを生産するための設備を開示しており、そのガラスリボンは、スコアリングおよびブレイクによって、ガラス板へと連続的に分割される。センサーが、スコアリングおよびブレイクプロセスの間に音を検出するために使用される。それぞれのガラス板は、原始的なものを表しており、それは、所望の品質を有する最終製品を取得するために、分割および研削によってさらに加工されなければならない。これらのさらなる加工ステップに関して、この米国出願には、何も開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許出願EP1647534A1
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0232403A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このことから、本発明の目的は、改善された動作を有する、ガラス板から少なくとも1つの有用なパーツを生産するための設備、および、その方法を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1による設備、および、独立方法請求項による方法によって実現される。設備および方法の好適な実施形態は、さらなる請求項に特定されている。
【0007】
第1の測定変数(それは、加工ステップのうちの1つの実行の間に検出されることが可能である)を検出することによって、および、少なくとも1つのさらなる測定変数を含むことによって、制御デバイスは、対応する評価によって、進行中の加工、後続の加工ステップ、および/または、後続のガラス板および/または有用なパーツの加工に影響を及ぼすことが可能である。加工ステップは、作業ステップであり、すなわち、ガラス板または有用なパーツが作業されるステップである。作業は、カット、ブレイク、および研削、ならびに、随意的に、ドリル加工などのような1つまたは複数のさらなる作業ステップを含む。他の測定変数は、たとえば、第1の測定変数が検出され得る同じもしくは他の加工ステップの実行の間に検出されることが可能であり、ならびに/または、加工ステップのための少なくとも1つのプロセスパラメーターを特定することが可能であり、ならびに/または、加工ステップの外側で(すなわち、加工ステップの前および/もしくは後に)検出されることが可能である。このように、異なるプロセスシーケンスからの測定変数は、好ましくは、互いに関係させられることが可能である。
【0008】
設備および/または方法は、好ましくは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を有している:
●ガラス板および/または有用なパーツは、とりわけ、カット、ブレイク、研削、および、提供される場合には、ドリル加工を含む、加工ステップのうちの少なくとも1つにおいて、実質的に水平方向の位置において加工される。
●生産され得る有用なパーツは、任意の輪郭を有することが可能である。したがって、輪郭は、随意的に、長方形または非長方形であることが可能である。したがって、長方形の有用なパーツは、直角になった角部を有する四角形を形成している。非長方形の有用なパーツのケースでは、任意の形状の角部および縁部が提供されることが可能であり、とりわけ、角部は、丸みを帯びていることが可能である。
●制御デバイスは、カットデバイスを使用して、ガラス板が、有用なパーツの輪郭を作り出すことを意図しているカットラインに加えて、少なくとも1つの補助的なカットラインを提供されることが可能であるように構成されており、その補助的なカットラインに沿って、有用なパーツに属さないガラス板の縁部領域が分割されることとなる。
●設備は、カット、ブレイク、研削、および/または、提供される場合には、ドリル加工の間に、制御ループを形成するように構成されている。とりわけ、測定デバイスによって供給される測定信号は、補正信号を繰り返して発生させるために、制御デバイスによって連続的に評価されることが可能であり、補正信号によって、対応する加工ステップにおいてアクティブなデバイスは、適合された様式で制御されることが可能である。
●カットデバイスの少なくとも1つのカットツールは、垂直方向軸線に対して傾斜可能なカットホイールを含むことが可能である。
●カットデバイスは、ガラス板に向けておよびガラス板から離れるように少なくとも1つのカットツールを移動させるためのリニアドライブを含むことが可能である。
●ブレイクデバイスは、ガラス板に向けておよびガラス板から離れるように少なくとも1つのブレイクツールを移動させるためのリニアドライブを含むことが可能である。
●測定信号を発生させるための測定デバイスは、ガラス板および/または有用なパーツの少なくとも一部、とりわけ、ガラス板および/または有用なパーツの縁部を画像化するための少なくとも1つのカメラを含むことが可能である。測定デバイスは、たとえば、測定信号を発生させるために適用可能であり、測定信号は、測定変数を含み、測定変数は、加工ステップの外側で検出可能であり、測定変数は、ガラス板の少なくとも一部の状態パラメーターを定義している。たとえば、測定変数は、ガラス板の一部である有用なパーツの縁部を検出することに基づくことが可能であり、前記検出は、ガラス板をカットおよびブレイクした後、ならびに、有用なパーツの縁部の研削の前および/または研削の後であることが可能である。測定デバイスは、なかでも、生産された有用なパーツの品質チェックを実施するために使用され、ならびに/または、有用なパーツのさらなる加工、ならびに/または、後続のガラス板および/もしくは有用なパーツの加工を適合させるために、結果をフィードバックするために使用されることが可能である。好適な実施形態において、測定デバイスは、2つ以上のカメラを含み、それらは、ガラス板および/または有用なパーツの上方に配置されることが可能である。
【0009】
本発明は、図を参照して例示的な実施形態によって以下に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による設備の実施形態の平面図である。
図2図1による設備の側面図である。
図3図1による設備の斜視図である。
図4】カットおよびブレイクのための、図1による設備のマシンの斜視図である。
図5】側断面図における、カットの間の図4によるマシンの詳細図である。
図6】カットされたガラス板の例を示す図である。
図7図5による詳細図であるが、ブレイクの間の図である。
図8図6による例においてブレイクされて取り外された有用なパーツを示す図である。
図9】研削のための、図1による設備のマシンの斜視図である。
図10】側断面図における、研削の間の図9によるマシンの詳細図である。
図11】側方からの有用なパーツの断面詳細図である。
図12】研削の後の、図11による有用なパーツの詳細図である。
図13】加工のプロセスフローおよび制御デバイスとの相互作用を概略的に示す図である。
図14】傾斜可能なカットホイールを概略的に示す図である。
図15】ドリルの側断面図である。
図16】同じドライブによって2つのツールを移動させるための運動学の例を概略的に示す図である。
図17】ガラス縁部をセンシングするための測定デバイスの側面図を概略的に示す図である。
図18】上面図における図17の測定デバイスであり、ガラス縁部が第1の位置にある、図である。
図19】上面図における図17の測定デバイスであり、ガラス縁部が第2の位置にある、図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1図3は、有用なパーツNを生産するためにさまざまなステーション1~5においてガラス板Gを加工するための設備の例を示している。
【0012】
加工の方向に見て、設備は、以下の連続するステーションを含む:
●加工されることとなるガラス板Gを輸送するための第1のステーション1(それは、このケースでは、ラック10を含む)、
●ガラス板Gをカットおよびブレイクするための第2のステーション2(それは、このケースでは、カットデバイスおよびブレイクデバイスの両方としての役割を果たすマシン20を含む)、
●ガラス板Gからブレイクされた有用なパーツの縁部を研削するための第3のステーション3(それは、このケースでは、研削デバイスを有するマシン50を含む)、
●研削された有用なパーツの中に少なくとも1つの孔部をドリル加工するための第4のステーション4(それは、このケースでは、ドリル加工デバイスを有するマシン70を含む)、
●第5のステーション5(仕上げられた有用なパーツNは、第5のステーション5から離れるように輸送されることが可能である)。
【0013】
設備の設計に応じて、ステーション1~5のうちの1つまたは複数は、単一のマシンの中に一体化されることが可能である。個々のステーション1~5は、複数提供されることも可能である。
【0014】
移送デバイス90は、個々のステーション1~5の間でガラス板Gまたは有用なパーツNを移送するために使用され、その移送デバイスは、このケースでは、長手方向支持体91と、その上に移動可能に配置されている受け入れデバイス92とを有している。長手方向支持体91は、地面の上に置かれた支持デバイス93の上に保持されている。受け入れデバイス92は、たとえば、ガラス板Gまたは有用なパーツNを保持することができるための1つまたは複数の吸着カップを有する垂直方向に移動可能なラックを有している。また、ラックは、1つまたは複数の軸線の周りに枢動可能であり得る。
【0015】
図1図3では、2つの隣接するステーション1~5の間で往復移動され得る受け入れデバイス92が、それぞれのケースにおいて提供されている。しかし、受け入れデバイス92の数は、ここに示されているものとは異なっていることも可能であり、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上であることが可能である。
【0016】
図1図3では、制御デバイス100~103が示されており、制御デバイス100~103は、それぞれのマシン20、50、70を制御するための中央コントローラー100および関連の個々のコントローラー101、102、103と、たとえば、加工の間に人による非意図的なアクセスを防止するためのセキュリティーフェンスの形態の、設備を囲むバリア110と、バリアの外側に位置付けされており、中央コントローラー100に接続されている、オペレーター端末120とを有している。
【0017】
図4は、ガラス板Gをカットおよびブレイクするためのマシン20をより詳細に示している。前記マシンは、フレーム21を有しており、Y方向に変位され得るエンドレスコンベヤーベルト22およびブリッジ23が、フレーム21の上に配置されており、カットツール30およびブレイクツール40を有するキャリッジ24が、そのブリッジの上に配置されており、それは、X方向に変位されることが可能である。
【0018】
コンベヤーベルト22は、デフレクションローラー25の周りに設置されており、デフレクションローラー25のうちの少なくとも1つは、駆動されることが可能である。一方では、前記コンベヤーベルトは、ガラス板Gの加工の間にガラス板Gのための支持表面としての役割を果たし、その間に、コンベヤーベルト22は静止している。前記コンベヤーベルトは、孔部22aを提供されており、孔部22aを通して、空気が真空ポンプによって吸い出されることが可能であり、したがって、負圧(underpressure)が発生させられることが可能であり、それは、加工されることとなるガラス板Gが適切な場所に保持されることを引き起こす。他方では、コンベヤーベルト22は、有用なパーツNが輸送されて離れた後に、ブレイクされて除かれたガラス破片を隣接する収集槽26(たとえば、床の中のピットまたはコンテナ(図1を参照))に輸送することができるように、Y方向に移動されることが可能である。
【0019】
フレーム21の上には、長手方向レール27が、2つの長手方向側部に配置されており、その長手方向レールに沿って、ブリッジ23は、(たとえば、リニアドライブによって)移動されることが可能である。ブリッジ23は、横断方向レール28を有しており、キャリッジ24が、横断方向レール28の上に配置されており、それが(たとえば、リニアドライブによって)移動されることが可能であるようになっている。
【0020】
キャリッジ24の上に配置されているカットツール30およびブレイクツール40は、図5および図7により詳細に見られることが可能である。カットツール30は、カットホイールとして設計されており、カットホイールは、カットホルダー31の中に保持されており、カットホルダー31は、その長手方向軸線の周りに回転させられることが可能であり、また、上昇および低下されることが可能である。これらの移動は、適当なドライブを提供することによって制御されることが可能である。傾斜メカニズムを提供することも考えられ、カットされることとなる輪郭が追従されるときに、傾斜メカニズムによって、カットホイールとガラス表面との間の角度が調節されることが可能である。カットホルダー31は、フィードチャネル32を有しており、フィードチャネル32を通して、切削油が、カットツール30に給送されることが可能である。
【0021】
図14は、角度aだけ垂直方向Zから傾斜されているカットツール30の傾斜可能なカットホイールを概略的に示している。
【0022】
図5に示されているように、カットプロセス(「スコアリング」とも呼ばれる)の間に、カットツール30は、ガラス板Gの上に設置されており、前記ガラス板が少なくとも1つのスコアリングラインを提供されるように移動され、それは、有用なパーツNの所望の輪郭Kを結果として生じさせることとなる。カットプロセスは、カットツール30に切削油を追加することによってサポートされる。縁部領域B(「境界線」とも呼ばれる)を後でブレイクして除くことをより容易にするために、前記縁部領域は、補助的なスコアリングラインHを提供されることも可能である。したがって、カットは、1つまたは複数のスコアラインをガラス板Gに提供し、1つまたは複数のスコアラインに沿って、応力がガラスの中へ導入される。
【0023】
上記に述べられているような傾斜可能なカットホイールは、少なくとも1つの内部開口部を有する有用なパーツNを生産するのに有益である可能性がある。そのような開口部は、有用なパーツNの中に位置している輪郭によって画定されている。カットホイールを傾斜することによって、スコアリングラインが提供されることが可能であり、スコアリングラインは、ブレイクした後に、ブレイクされた縁部をもたらし、それは、外向きに傾けられており、ブレイクされて取り外された部分が有用なパーツNから離れるように持ち上げられ得るようになっており、または、それは、内向きに傾けられており、有用なパーツがブレイクされて取り外された部分から離れるように持ち上げられ得るようになっている。したがって、有用なパーツを提供することが可能であり、有用なパーツは、有用なパーツの内側に1つまたは複数の開口部を有しており、とりわけ、有用なパーツは、リングタイプのものであり、その外側外形および内側外形は、丸形、長方形、または、湾曲した部分および真っ直ぐな部分の組み合わせであることが可能である。
【0024】
随意的に、超音波アクチュエーターが提供されることが可能であり、超音波アクチュエーターの上にカットツール30が装着されており、超音波アクチュエーターは、より大きなスクラッチ深さをもたらし、スコアリングラインが作り出されるときに、より大きな速度を可能にする。そのうえ、超音波振動(たとえば、振幅、位相、および/または周波数)の変化を介したガラス板Gおよび/またはスクラッチングプロセスの相互作用を通して、スコアリングプロセスについて結論が引き出されることが可能である。
【0025】
カットホイールの代替例としてまたはそれに加えて、カットデバイスは、カットツールとしてレーザービームを発生させるためのレーザーを有することが可能である。ガラス板Gをカットするために、孔部が、たとえば、レーザーを使用して、カットラインに沿ってドリル加工されることが可能である。
【0026】
図6は、輪郭Kに沿ってスコアリングラインおよび補助的なスコアリングラインHを提供されているガラス板Gの例を示している。
【0027】
図5および図7も示しているように、ブレイクツール40は、ドライブによって上昇および低下され得るブレイクホルダー41の中に保持されている。ブレイク本体部は、ブレイクツール40として提供されており、そのブレイク本体部は、このケースでは、ブレイクボールとして設計されており、ブレイクボールは、ブレイクホルダー41の上に装着されており、それがすべての方向に回転することができるようになっている。
【0028】
(たとえば、ローラーの形態の)ブレイク本体部のための他の形状を提供することも考えられる。また、ブレイクツール40は、ラムとして設計されることも可能であり、ラムは、ラムとガラス板Gの表面との間の角度が調節され得るように傾斜されることが可能である。したがって、ラムは、ガラス板Gに力を働かせることも可能であり、それは、必ずしもガラス表面に対して垂直に作用しない。次いで、角度は、たとえば、ブレイク方向に具体的に制御されることが可能であり、および/または、ブレイクが最適な方向に走っていない場合には、これは、とりわけ、有用なパーツを生産するための形状に沿ってブレイクする間に動的な様式で、ラムの配向によって、および/または、角度が垂直方向から逸脱するサイズによって、補正および最適化されることが可能である。ブレイクツール40がその上に装着されている超音波アクチュエーターを提供することも考えられる。ガラス板Gが接触させられているブレイクツール40の一部は、さまざまな材料(たとえば、金属、プラスチック、特定の硬度を有するゴムなど)から作製されることが可能である。
【0029】
図7に示されているように、ブレイクプロセスの間に、ブレイクツール40は低下され、モーメントがガラス板Gの縁部領域Bに印加されるようになっている。ブレイクツール40は、異なるポイントにおいて縁部領域Bの上に低下されることが可能であり、および/または、低下された後に縁部領域Bに沿って特定の距離に沿って移動されることが可能である。
【0030】
静止した表面42が、コンベヤーベルト22の下方に配置されており、支持表面43の上に置かれており、静止した表面42は、このケースでは、嵌合表面として使用される。静止した表面42は、たとえば、テンプレート(その形状は、有用なパーツNの輪郭Kに適合されている)として設計されており、必要な場合には交換されることが可能である。また、テンプレート42は、カットプロセスの間にすでに取り付けられていることも可能である(図5を参照)。
【0031】
嵌合表面として少なくとも1つの移動可能な表面を提供することも考えられ、その移動可能な表面は、ブレイクする間に下方から有用なパーツNを支持する。たとえば、少なくとも1つの下側ブレイク本体部が提供されることが可能であり、それは、それがテーブルの上で半径方向に移動され得るように配置されており、テーブルは、回転の中心の周りに回転させられることが可能である。結果として、下側ブレイク本体部は、上記に述べられているように、モーメントが縁部領域Bに働かされ得るように、ガラス板Gを支持するために、ブレイク本体部40のそれぞれの位置に従って、平面の中で移動され、コンベヤーベルト22の下方に位置決めされることが可能である。
【0032】
しかし、コンベヤーベルト22の下方のブレイク本体部は、必ずしも存在していなければならないわけではない。たとえば、硬質のまたは軟質のベースが提供されることが可能である。
【0033】
ブレイク本体部40は、1つのポイントだけでなく、線および/または平面にも沿って、それがガラス板Gに接触するように設計されることが可能である。ブレイクプロセスの間に、ターゲットとされる様式で、この線形のまたは平面的な接触表面を整合させることができるようにするために、ブレイク本体部は、1つまたは複数の軸線の周りに傾斜可能となるように構成されることが可能である。
【0034】
ブレイクツール40は、必ずしもブレイク本体部または他の機械的な物体を有する必要はない。ガラス板Gを加熱および/または冷却するためのデバイスが、ブレイクツールとしての役割を果たすことも可能である。たとえば、デバイスは、ブレイクツールとして少なくとも1つの構造体を作り出すために使用されることが可能であり、その構造体は、液体であり、ガス状であり、および/または、光の形態になっている。デバイスの特定の実施形態は、冷却スプレー、CO2-レーザー、および/またはN2-レーザーの適用を含む。デバイスは、それがカットツール30およびブレイクツール40として機能するように構成されることが可能である。
【0035】
図8は、図6に従ってガラス板Gからブレイクされて取り外された有用なパーツNの例を示している。
【0036】
有用なパーツNの縁部(それは、有用なパーツNの上側と下側との間の円周方向の外側領域である)は、後続のステーションにおいて研削される。図9および図10は、この目的のためのマシン50をより詳細に示している。前記マシンは、研削テーブル51および研削ツール60を含み、研削テーブル51は、このケースでは、回転の中心の周りに回転させられることが可能であり、研削ツール60は、両方向矢印60aによって示されているように、線形の軸線(このケースでは、Y軸)に沿って往復移動されることが可能である。研削ツール60のフィードは、たとえば、経路制御された様式および/または力制御された様式で起こる。研削テーブル51は、支持体52を含み、支持体52は、1つまたは複数の吸着カップ53によって形成されており、加工の間に、ブレイクされて取り外されたガラス板Nが支持体52の上に置かれており、吸着カップ53によって適切な場所に保持されている。この目的のために、負圧が、真空ポンプ54によって発生させられることが可能である。
【0037】
また、マシンは、研削ツール60を駆動するための電気モーター55を含む。電気モーター55および研削ツール60は、キャリッジ56の上に配置されており、キャリッジ56は、ドライブ58によってガイドとしてのレール57に沿って移動されることが可能である。このケースでは、電気モーター55は、たとえば、研削ツール60を回転状態に設定するために、スピンドルモーターとして設計されている。前記研削ツールは、たとえば、ワンピースのまたはマルチピースの研削ホイールとして設計されている。研削ホイール60の形状は、ガラス板Nの縁部が研削の結果として所望のプロファイルを有するように選択されている。図10では、研削ホイール60は、単一の溝部60bを有するプロファイルを有している。また、研削ホイール60は、同じまたは異なる2つ以上のプロファイルを有するように設計されることも可能であり、随意的に、所望のプロファイルが、機械加工されることとなる縁部のレベルにあるように、研削ホイール60を垂直方向に移動させることによって使用されることが可能である。
【0038】
研削ツール60は、研削スピンドル61の上に保持されており、ハウジング62によって取り囲まれており、ハウジング62は、供給される冷却剤(たとえば、冷却水)のためのスプラッシュガードとしての役割を果たす。ハウジング62は、側部に連続的なスロット62aを有しており、有用なパーツNの縁部領域は、連続的なスロット62aを通って、ハウジングの内部へ突出しており、したがって、研削ツール60によって機械加工されることが可能である。また、ハウジング62は、内部チャネル62bを有しており、冷却剤が、内部チャネル62bを通して研削ツール60に供給されることが可能である。冷却剤は、ハウジング62の底部に収集され、吸引デバイスによって吸い出されることが可能であり、吸引デバイスは、このケースでは、吸引チューブ64およびサイクロンセパレーター63を有している。
【0039】
冷却デバイス65が、電気モーター55および/または研削スピンドル61を冷却するために提供されることが可能である。
【0040】
ここで示されているマシン50では、支持体52および研削ツール60の両方の空間的な位置が変化されることが可能である。有用なパーツNと研削ツール60との間の相対的な移動を実現するために、以下の実施形態も考えられる:
●支持体52は、静止しており、研削ツール60は、それが有用なパーツNの縁部の周りで移動され得るように配置されている。
●研削ツール60は、静止しており、支持体52は、移動可能であり、有用なパーツNの縁部が研削ツール60を越えて移動され得るようになっている。
【0041】
マシン50のケースでは、複数の場所において有用なパーツNを同時に研削することができるように、および/または、複数の有用なパーツNを同時に研削することができるように、2つ以上の研削ツール60が提供されることも可能である。
【0042】
図11は、ブレイクされたガラス板縁部Eの縁部領域の例を示している。前記ガラス板縁部は、ここで示されているように、単に理想的なケースでは、直角になっており、滑らかである。原則として、縁部Eは、必ずしも直角であるとは限らず、とりわけ、角部において、および、有用なパーツNの上側または下側への移行部において、ブレイクアウトが存在している可能性がある。
【0043】
図12は、研削した後のガラス板縁部E'の縁部領域を示している。ここでは、研削されたC字プロファイルが、例として示されている。研削されることとなる任意の縁部プロファイルが考えられる:長方形(面取りおよび/または留め継ぎ(miter)を有する)、丸みを帯びた縁部、階段状の縁部など。
【0044】
図1図3に戻ると、マシン70は、ドリルの形態の少なくとも1つのドリル加工ツール71(それによって、少なくとも1つの孔部が、有用なパーツNの中にドリル加工されることが可能である)を有しており、また、冷却剤を供給および除去するためのデバイスを有している。この目的のために、吸引デバイス72が、図1および図3に示されている。マシン70は、2つの同軸のドリル加工ツール71を提供されることが可能であり、有用なパーツNは、両側から孔部をドリル加工するために、2つの同軸のドリル加工ツール71の間に位置決めされることが可能である。
【0045】
超音波アクチュエーターは、有用なパーツNを保持するためのホルダーの上に提供されることが可能であり、ホルダーが揺動することを引き起こすようになっている。これは、ドリル加工速度が増加されることを可能にする。また、ドリル加工表面の精密度および/または細かさ、ならびに、ドリル加工ツール71の耐用年数が、改善されることが可能である。
【0046】
測定デバイス
より最適なプロセスフローを可能にするために、システムは、測定デバイスを有しており、測定デバイスは、設備の中の異なる位置において、および、異なる時間に、測定信号を供給する。これらの測定信号(それらは、それぞれのマシン20、50、70およびガラス板G/有用なパーツNの特定の測定変数を定義する)は、制御デバイス100~103によって処理され、補正信号を形成することが可能であり、補正信号は、現在加工されているかガラス板、または、仕上げられたガラス板へとその後に加工されるガラス板のプロセスフローに影響を与える。
【0047】
測定信号を発生させるために、静止した様式および/または移動可能な様式で配置されているセンサーが提供されることが可能である。また、測定信号は、加工ステップが実施されている間にマシン20、50、70の少なくとも1つのコンポーネントのプロセスパラメーターを特定する測定変数を含むものであることも可能である。
【0048】
センサー129、130、136、137、170~172、180は、図2に例として示されている。それぞれのセンサー129、130は、2つの隣接するステーション1~5の間に配置されている。センサー129は、たとえば、長手方向支持体91の上に配置されることが可能である。センサー130は、それが地面の上に支持されるように配置されることが可能である。それぞれのセンサー129、130は、受け入れデバイス92によって輸送される、ガラス板Gまたは有用なパーツNを分析することが可能である。
【0049】
センサー136および137は、たとえば、受け入れデバイス92の上にそれぞれ配置されている。それぞれのセンサー130、136、137は、たとえば、ガラス板Gの少なくとも一部の状態パラメーターを定義する測定変数を含む測定信号を発生させるために使用される。センサー136、137による測定は、ガラス板Gまたは有用なパーツNがまだ受け入れデバイス92によってピックアップされていないときに行われることが可能である。このケースでは、受け入れデバイス92は、ガラス板Gまたは有用なパーツNに対して移動することが可能である。代替的にまたは追加的に、測定は、ガラス板Gまたは有用なパーツNが受け入れデバイス92によってピックアップされたときに実施されることが可能である。
【0050】
センサー170~172、180は、ドリル加工のためのマシン70の上に配置されている。
【0051】
センサー131~133は、図4に例として示されている。センサー131は、このケースでは、たとえば、固定された様式で、マシン20の上に配置されている。たとえば、ガラス板Gに下方から取り付けられ得るセンサーを提供することも考えられる。センサー132および133は、ブリッジ23の上に配置されている。
【0052】
センサー132、133に加えて、センサー135(それは、カットツール30の上に配置されている)が、図5に例として示されている。
【0053】
センサー152~154は、図9に例として示されている。センサー152は、たとえば、キャリッジ56(研削ツール60はキャリッジ56の上に配置されている)の上に配置されており、研削介入の前の有用なパーツNを分析する第1のセンサーパーツと、研削介入の後の有用なパーツNを分析する第2のセンサーパーツとを有している。センサー153およびセンサー154は、たとえば、マシン50のシャーシーにおよび/または研削テーブル51に固定されている。
【0054】
センサー150~152および160は、図10に示されている。センサー150およびセンサー151は、たとえば、吸着カップ53の中に配置されている。
【0055】
測定デバイスを使用して、測定は、加工ステップ(カット、ブレイク、研削、またはドリル加工)の実行の間に(以降では、「動的な測定」とも称される)、ならびに、加工ステップの外側において(すなわち、加工ステップの前および/または後に、ひいては、ガラス板Gまたは有用なパーツNが加工されていないとき)(以降では、「静的な測定」とも称される)、両方で実施されることが可能である。動的な測定は、加工の間にアクティブであるデバイス(たとえば、対応するツール30、40、60、71)の少なくとも1つのコンポーネントのプロセスパラメーターの時間的経過、ならびに/または、ガラス板Gのおよび/もしくは有用なパーツNのプロセスパラメーターの時間的経過が記録されるように実施される。測定は、それが輪郭Kに対するツール30、40、60、71の相対的位置の関数として実施されるように実施される。これは、なかでも、特定の輪郭のケースにおいて、たとえば、狭い半径のケースにおいて、プロセスパラメーターが記録および評価されることを可能にする。静的な測定は、ガラス板Gもしくは有用なパーツNおよび/または少なくとも1つのツール30、40、60、71の状態パラメーターが記録されるように実施される。
【0056】
a)個々の加工ステップにおける動的な測定の実施形態が、下記に説明されている。
【0057】
カット加工ステップ
以下の測定変数のうちの1つまたは複数は、時間と輪郭Kに対するカットツール30の相対的位置との関数として、カットの間に記録されることが可能である:
●たとえば、カットツール30がガラス板Gに働かせる力の測定に基づく測定変数が記録される。力は、たとえば、法線力および/またはそれに対する横断方向力であることが可能である。力を測定するために、たとえば、空気圧式のシステムにかかる圧力は、カットツール30を上昇および低下させるための空気圧式のアクチュエーターにおいて記録されることが可能であり、ならびに/または、ドライブの電流(それによって、ブリッジ23およびキャリッジ24は移動される)が評価されることが可能である。代替的にまたは追加的に、力測定センサーが提供されることが可能である(たとえば、ピエゾ電気的に、容量的に、および/またはピエゾ抵抗的に作用するセンサー)。
●たとえば、カットツール30がガラス板Gに沿って移動される速度の測定に基づく測定変数が記録される。この目的のために、たとえば、信号(カットツール30を移動させるためのブリッジ23およびキャリッジ24を移動させるためのドライブは、信号によって制御される)は、タップされる(tapped)ことが可能である。それぞれのドライブは、たとえば、変位または位置測定システムを有しており、変位または位置測定システムによって、直接的に評価され得る位置データが供給されることが可能である。
●傾斜可能であるカットホイールが提供されるときに、傾斜角度によって定義される追加的な移動の軸線が提供される。カットホイールの傾斜角度に基づく測定変数が記録されることが可能である(図14における角度aを参照)。カットホイールがスコアリングラインに沿って移動されるとき、傾斜角度は調節されることが可能である。
●たとえば、マシン20の移動の軸線のターゲット位置(それは、カットの間の移動を特定する)は、第1の測定変数として記録され、カットの間の実際の位置は、第2の測定変数として記録される。実際の位置とターゲット位置との間の偏差は、移動の軸線の輪郭誤差を結果として生じさせる。制御回路の特質が既知であり、数学的に記述されることが可能である場合には、たとえば輪郭誤差から、外力の大きさおよび符号についての結論が引き出されることが可能である。
●たとえば、測定変数として音の放射を測定するために、少なくとも1つのセンサー131が提供されている。センサー131は、マイクロホンであることが可能であり、たとえば、それは、空気伝搬騒音を検出するために使用される。音の放射における空間的なおよび/または時間的な差異を検出するために、同じタイプの複数のセンサー131を使用することも考えられる。代替的にまたは追加的に、センサー131は、構造体伝搬騒音を検出するために使用されることが可能であり、また、それが(たとえば、コンベヤーベルト22の中の孔部を通して上方からまたは下方から)ガラス板Gに(たとえば、直接的に)接触するように、および/または、ガラス板Gに接触するコンポーネント(たとえば、コンベヤーベルト22またはカットツール30)にセンサー131が接触するように、構成されることが可能である。カットの間に、ガラスシートGの上でのカットツール30の作用は、音を発生させる。前記センサーの測定値から、たとえば、スコアリングラインの隣に望ましくないブレイクアウト(「チッピング」)が輪郭Kの上の特定のポイントにおいて起こり得るかどうかを認識することが可能である。音の測定は、ガラス板Gの上でのカットツール30の圧力が、なかでも、必要とされる場合にはカットプロセスの間に連続的に調節されることを可能にする。
●たとえば、カットツール30に供給される切削油の量の時間的経過が測定される。これは、たとえば、カメラの形態の光学的なセンサー132によって(図4を参照)、および/または、流量計センサーによって、行われることが可能である。追加的にまたは代替的に、切削油タンクの充填レベルを連続的に測定することも考えられる。
●少なくとも1つのセンサー133が提供され、たとえば、少なくとも1つのセンサー133によって、ガラス板の厚さが、異なる位置において測定されることが可能である。フィーラー(feeler)(たとえば、それは、キャリッジ24の上に配置されている)は、センサー133として適切である(図4を参照)。ガラス板厚さの測定は、たとえば、カットプロセスの間に、ガラス板Gの上のカットツール30の圧力が動的に調節されることを可能にする。
●加速度センサー135が提供されており、たとえば、加速度センサー135は、振動を測定する役割を果たし、たとえば、カットツール30の付近に配置されている(図5を参照)。
●たとえば、超音波範囲において、たとえば、カットツール30を加振するために加振器を提供することも可能であり、また、加振器によって必要とされるエネルギーの時間的経過を測定することも可能である。
【0058】
上記に特定された測定変数のケースにおいて、輪郭Kに対するカットツール30の相対的位置を決定するために、信号(カットツール30を移動させるためのブリッジ23およびキャリッジ24を移動させるための、および、カットツール30を上昇および低下させるためのドライブは、信号によって制御される)が、たとえば、タップおよび評価されることが可能である。
【0059】
ブレイク加工ステップ
以下の測定変数のうちの1つまたは複数は、時間と輪郭Kに対する少なくとも1つのブレイクツール40の相対的位置とに応じて、ブレイクの間に記録されることが可能である:
●たとえば、ブレイクツール40がガラス板Gに働かせる力の測定に基づく測定変数が記録される。力は、たとえば、法線力および/またはそれに対する横断方向力であることが可能である。力を測定するために、たとえば、空気圧式のシステムにかかる圧力は、ブレイクツール40を上昇および低下させるための空気圧式のアクチュエーターにおいて記録されることが可能であり、ならびに/または、ドライブの電流(それによって、ブリッジ23およびキャリッジ24は移動される)が評価されることが可能である。代替的にまたは追加的に、力測定センサーが提供されることが可能である(たとえば、ピエゾ電気的に、容量的に、および/またはピエゾ抵抗的に作用するセンサー)。
●たとえば、測定変数が記録され、それは、ブレイクの間にブレイクツール40がガラス板Gに接触している、ブレイクツール40の位置、ならびに、随意的に、配向および傾斜角度を示しており、ならびに/または、それは、ブレイクツール40がガラス板Gに接触しているときにブレイクツール40が移動される速度を示している。たとえば、縁部領域Bをブレイクして除くためのブレイクツール40が、ガラス表面の上のさまざまなポイントにおいて低下され、および/または、低下された後に、特定の速度で特定の経路に沿って縁部領域Bに沿って移動される。この目的のために、たとえば、信号(ブレイクツール40を移動させるためのドライブは、信号によって制御される)は、タップされることが可能である。
●たとえば、音の放射を測定するための少なくとも1つのセンサーが、測定変数として提供される。たとえば、センサー131または複数のセンサー131が、センサーとして使用されることが可能である。ブレイクプロセスの間に、ガラスシートGの上でのブレイクツール40の作用は、音を発生させる。前記センサーの測定値から、たとえば、ガラス板Gの中の亀裂が背面側に伝播するときを認識することが可能である。次いで、音の測定は、ガラス板Gの上でのブレイクツール40の圧力が、たとえば、必要とされる場合にはブレイクプロセスの間に調節されることを可能にする。また、音響測定は、望まれないチッピングが輪郭Kの上の特定のポイントにおいて(とりわけ、ブレイクされた縁部からガラス前面側または背面側への移行部において)検出されることを可能にし、また、他の異常が検出されることを可能にし、したがって、ブレイクされた縁部における品質欠陥を推測する。
●光学的なセンサー(たとえば、カメラ)は、どのようにブレイクがスコアリングラインに沿って走っているか、および/または、ブレイク縁部からガラスの上側への移行部においてどのように裂片が形成するかを検出するために使用されることが可能である。
●たとえば、加速度センサーが提供され、それは、振動を測定する役割を果たす。たとえば、加速度センサー135の形態のセンサーは、この目的のために使用されることが可能である。
【0060】
上記に特定された測定変数のケースにおいて、輪郭Kに対するブレイクツール40の相対的位置を決定するために、信号(ブレイクツール40を移動させるためのブリッジ23およびキャリッジ24を移動させるためのドライブは、信号によって制御される)が、たとえば、タップおよび評価されることが可能である。代替的にまたは追加的に、ブレイクツール40の位置は、カメラによって記録され、画像処理によって決定されることが可能である。
【0061】
研削加工ステップ
以下の測定変数のうちの1つまたは複数は、時間と輪郭Kに対する研削ツール60の相対的位置との関数として、研削の間に記録されることが可能である:
●たとえば、研削ツール60が有用なパーツNに働かせる力の測定に基づく測定変数が記録される。力は、たとえば、半径方向および/もしくはそれに対して横断方向であることが可能であり、ならびに/または、研削ツール60のトルクを含むことが可能である。この目的のために、たとえば、ドライブが支持体52および研削ツール60を移動させるために必要とするそれぞれの電流が、測定および評価されることが可能である。代替的にまたは追加的に、力測定センサーが提供されることが可能である(たとえば、ピエゾ電気的に、容量的に、および/またはピエゾ抵抗的に作用するセンサー)。
●たとえば、少なくとも1つのセンサーが提供されており、少なくとも1つのセンサーによって、研削の間に支持体52に働かせられる力が検出されることが可能である。たとえば、吸着カップ53は、そのようなセンサー150を装備している(図10を参照)。
●たとえば、測定変数として音の放射を測定するために、少なくとも1つのセンサー151が提供されている(図10を参照)。センサー151は、たとえば、構造体伝搬騒音を検出するために使用されることが可能であり、また、(たとえば、上方または下方から、たとえば、同様に、吸着カップ53の中の孔部を通して、)有用なパーツNに直接的に接触しており、および/または、センサー151は、有用なパーツNに接触しているコンポーネントに接触している。代替例としてまたはそれに加えて、センサー151は、マイクロホンであることが可能であり、それは、空気伝搬騒音を検出するために使用される。音の放射における空間的なおよび/または時間的な差異を検出するために、同じタイプの複数のセンサー151を使用することも考えられる。図9に従ったマシン50のケースでは、たとえば、マイクロホンの形態の複数のセンサー151を研削テーブル51の上に配置させることも考えられる。研削の間に、有用なパーツNの上での研削ツール30の作用は、音を発生させる。
●たとえば、研削ツール60を駆動するために使用されるエネルギーの測定に基づく測定変数が記録される。たとえば、電気モーター55を駆動するために使用される電流が検出されることが可能である。前記エネルギーの測定は、たとえば、研削プロセスの間の発火の発生を検出するために使用されることが可能である。別の測定変数は、研削プロセスにおいて発生する特定の力に関係付けられる、電気モーター55の軸受の振動を検出することに基づくことが可能である。
●たとえば、少なくとも1つの光学的なセンサー152が提供され(図9を参照)、それは、たとえば、カメラおよび/またはレーザーを含み、以下のパラメーターのうちの少なくとも1つを検出する:
○研削されることとなるおよび/または研削されたガラス縁部の透光性(光透過率)、
○研削の間の過熱(「発火」)から結果として生じるガラス縁部の上のダークスポット、
○ガラス縁部のプロファイル(たとえば、Z方向におけるその位置)、
○縁部が損傷を受けている場所、
○ガラス縁部の粗さ、
○有用なパーツNの寸法、
○研削ツール60に供給されるかまたは研削ツール60から除去される冷却剤のスプレーパターン。
●研削ツール60から吐出される冷却剤が有する測定変数(たとえば、冷却剤の温度および/または化学組成)を記録することも考えられる。
●少なくとも1つのセンサー153が提供されており、たとえば、それは、研削プロセスの間の有用なパーツNの振動および/または弛みを測定する(図9を参照)。センサーは、たとえば、距離を測定するために、レーザーを含むことが可能である。研削プロセスの間のZ方向へのガラス縁部の位置を測定することによって、Z方向への研削ツール60の位置は、フィードバック制御によって調節されることが可能である。
●たとえば、加速度センサーが提供されており、それは、研削ツール60の付近に配置されており、また、それによって、(とりわけ、Z方向における)有用なパーツNの振動が検出されることが可能である。
●少なくとも1つの温度センサー154(図9を参照)(たとえば、赤外線センサー)が提供されており、たとえば、それは、研削プロセスの間に以下のコンポーネントのうちの少なくとも1つを測定するために使用される:
○有用なパーツNの縁部、
○研削ツール60、
○研削ツール60に供給されるかまたは研削ツール60から除去される冷却剤。たとえば、ハウジング62の中のおよび/またはサイクロンセパレーター63への吸引チューブ64の中の冷却剤の温度が測定されることが可能である。たとえば、所定の温度が到達されるときにそれが変化するように、冷却剤の中の温度インジケーターの状態を検出することが可能である。このように、研削ツールと有用なパーツとの間の領域(それは、ほとんどアクセス可能でないかまたは全くアクセス可能でない)における局所的な温度増加が決定されることが可能である。
●たとえば、マシン50の移動の軸線のターゲット位置(それは、研削の間の移動を特定する)は、第1の測定変数として記録され、研削の間の実際の位置は、第2の測定変数として記録される。実際の位置とターゲット位置との間の偏差は、移動の軸線の輪郭誤差を結果として生じさせる。制御回路の特質が既知であり、数学的に記述されることが可能である場合には、たとえば輪郭誤差から、外力の大きさおよび符号についての結論が引き出されることが可能である。
●研削ツール60をY軸に移動させるドライブによって使用される電流を検出することも考えられ、その電流は、研削ツール60のアンバランスを示すことが可能である。
【0062】
上記に特定された測定変数のケースにおいて、輪郭Kに対する研削ツール30の相対的位置を決定するために、信号(研削テーブル51および研削ツール30を移動させるためのドライブは、信号によって制御される)が、タップおよび評価されることが可能である。代替的にまたは加えて、(とりわけ、Z方向における)有用なパーツNの位置は、レーザー距離センサーおよび/または静電容量センサーによって検出されることが可能である。
【0063】
ドリル加工ステップ
以下の測定変数のうちの1つまたは複数は、時間と輪郭Kに対するドリル加工ツール71の相対的位置との関数として、ドリル加工の間に記録されることが可能である:
●たとえば、ドリル加工ツール71が有用なパーツNに働かせる力の測定に基づく測定変数が記録される。力は、たとえば、軸線方向および/もしくはそれに対して横断方向であることが可能であり、ならびに/または、ドリル加工ツール71のトルクを含むことが可能である。この目的のために、たとえば、ドライブがドリル加工ツール71を移動させるために必要とするそれぞれの電流が、測定および評価されることが可能である。代替的にまたは追加的に、力測定センサーが提供されることが可能である(たとえば、ピエゾ電気的に、容量的に、および/またはピエゾ抵抗的に作用するセンサー)。
●たとえば、測定変数として音の放射を測定するために、少なくとも1つのセンサー170が提供されており、そのセンサーは、たとえば、有用なパーツNに接触している(図2を参照)。ドリル加工の間に、有用なパーツNの上でのドリル加工ツール71の作用は、音を発生させる。
●たとえば、ドリル加工ツール71を駆動するために使用されるエネルギーの測定に基づく測定変数が記録される。たとえば、ドリルのための電気モーターに給電するために使用される電流が検出されることが可能である。
●少なくとも1つのセンサー171が提供されており、たとえば、それは、ドリル加工プロセスの間の有用なパーツNの振動を測定する(図2を参照)。センサー171は、たとえば、ドリル加工ツール71の上の加速度センサーまたはレーザー位置センサーの形態になっていることが可能である。
●少なくとも1つの温度センサー172(図2を参照)(たとえば、赤外線センサー)が提供されており、たとえば、それは、ドリル加工プロセスの間の以下のコンポーネントのうちの少なくとも1つを測定するために使用される:
○有用なパーツNの縁部、
○ドリル加工ツール71、
○ドリル加工ツール71から吐出される冷却剤。
●たとえば、ボアの相対的な深さを記録することも考えられる。たとえば、ドリル加工ツール71を駆動するために必要とされる電流、および、皿穴を開ける間に増加する電流、ならびに/または、振動および/もしくは騒音などを測定することによって、ドリル加工の間の皿穴開けを動的に記録することが考えられる。結果として、皿穴深さは、ドリル加工ツールからのフィードバックに基づいて、非常に精密に制御されることが可能である。図15は、円筒形状の部分71aを含むドリルの形態のドリル加工ツール71の例を示しており、カラー部分71bが円筒形状の部分71aに続いている。ドリルは、中空になるように構成されている。カラー部分71b(それは、本例では、切頭円錐形状を有している)は、円筒形状の部分71aによって作り出される孔部を面取りするための役割を果たす。ドリル加工ツール71を駆動するための電流を測定することによって、有用なパーツNに対するドリルの異なる位置が決定されることが可能である:たとえば、ドリル加工ツール71が有用なパーツNに接触しているときに、電流が増加する。カラー部分71bが有用なパーツNと接触するときに、さらなる増加が起こる。その後に、カラー部分71bが有用なパーツNの中へより深くに入るときに、電流が、典型的に線形の様式で、さらに増加する。したがって、円筒形状の部分71aの長さを決定することが可能であるだけでなく、カラー部分71bによる面取りプロセスの開始を決定することが可能である。さらに、作り出される面取りの深さを制御することが可能である。
【0064】
b)加工ステップの外側の静的な測定の実施形態が下記に説明されている。
【0065】
カットの前の測定
以下の測定変数のうちの1つまたは複数が、カットの前に記録されることが可能である:
●少なくとも1つの光学的なセンサーが提供されており、たとえば、それによって、ガラス板Gの寸法が検出されることが可能である。この目的のために、たとえば、カメラおよび/またはレーザーの形態のセンサー136が、第1のステーション1において提供されており、たとえば、受け入れデバイス92の上に配置されている(図2を参照)。追加的にまたは代替的に、第2のステーション2におけるセンサー132が使用されることも可能である。
●少なくとも1つの計量センサー137が提供されており、たとえば、それによって、ガラス板Gの重量が決定されることが可能であり、それは、たとえば、受け入れデバイス92の上に配置されている(図2を参照)。
●たとえば、長さのあらゆる変化を検出するために、および、なかでも、ガラス板Gがマシン20の上に設置されることとなる位置を補正するために、温度センサーが、たとえば、移送デバイス90の上に提供されている。
●少なくとも1つのセンサーが提供されており、たとえば、それによって、ガラス板の厚さが、異なる位置において測定されることが可能である。第2のステーション2におけるセンサー133が、たとえば、この目的のために使用されることが可能である。
●たとえば、所定の座標系に対するガラス板Gの位置を決定するために、少なくとも1つのセンサーが提供されている。センサー132、133、136のうちの1つまたは複数が、たとえば、この目的のために使用されることが可能である。
●カットホイールがカットツールとして使用される場合には、カットホイールの鋭さを決定するために、少なくとも1つのセンサーが提供されることが可能である。
【0066】
カットの後の、および、好ましくはブレイクの前の測定
以下の測定変数のうちの1つまたは複数が、カットの後に記録されることが可能である:
●少なくとも1つの光学的なセンサー132が提供されており、たとえば、それによって、スコアリングラインを形成する溝の形状、たとえば、幅および/もしくは深さ、ならびに/または幾何学的位置が検出される。補助的なスコアリングラインの幾何学的位置(とりわけ、それが、輪郭Kを画定するスコアリングラインと出会う場所)も記録されることが可能である。カメラ(たとえば、それは、キャリッジ24の上に配置されている)が、センサー132として適切である(図4を参照)。反射を測定するための光源(たとえば、レーザー)を有するキャリッジ24の上のデバイスを使用することも可能である。
●少なくとも1つのデバイスが提供されており、たとえば、それは、たとえば、カメラの形態の光学的なセンサー132を含み、カメラは、偏光フィルターを装備しており、カメラは、画像処理によってガラス板Gにおける機械的な応力を検出するために使用される。
●カメラの形態の光学的なセンサー132が、たとえば、ガラスの上側における切削油の痕跡を検出するために使用されることも可能である。
【0067】
ブレイクの後の、および、好ましくは研削の前の測定
以下の測定変数のうちの1つまたは複数が、ブレイクの前に記録されることが可能である:
●たとえば、有用なパーツNのブレイクされた縁部の形状を検出するために、少なくとも1つの光学的なセンサーが提供されている。この目的のために、たとえば、センサー132は、カメラの形態で使用されることが可能である。代替的にまたは加えて、ブレイクされた縁部の反射率を記録するために、光源(たとえば、レーザー)を使用することも可能である。ブレイクされた縁部を測定することによって、理想的な縁部からの(すなわち、ガラスの上側に対して理想的に垂直になっている縁部からの)望ましくない偏差が存在している場所を決定することが可能である。ブレイク縁部からガラスの上側への移行部における裂片の形成が記録されることも可能である。
●少なくとも1つの光学的なセンサーが提供されており、たとえば、それによって、有用なパーツNの寸法が検出されることが可能である。この目的のために、たとえば、センサー132は、カメラおよび/またはレーザーの形態で使用されることが可能である。
●少なくとも1つの計量センサーが提供されており、たとえば、それによって、有用なパーツNの重量が決定されることが可能である。この目的のために、たとえば、受け入れデバイス92の上の計量センサー137が使用されることが可能である。
●ガラス板からブレイクされて除かれた廃棄ピース(境界線)を分析することも考えられる。カット/ブレイクプロセスについての分析および結論は、ブレイクされて除かれた縁部に基づいて行われることが可能である。たとえば、長い真っ直ぐな縁部がワンピースでブレイクして除くかどうか、または、複数のセクションが存在しているかどうか、または、廃棄ピースのブレイクされた縁部がどのように見えるのかなどを分析することが可能である。
【0068】
研削の後の、および、好ましくはドリルリングの前の測定
以下の測定変数のうちの1つまたは複数が、研削の後に記録されることが可能である:
●以下のパラメーターのうちの少なくとも1つを検出するために、光学的なセンサー152が使用される:
○研削されたガラス縁部の透光性(光透過率)、
○研削の間の過度の過熱から結果として生じるガラス縁部の上のダークスポット、
○ガラス縁部の表面条件、とりわけ、ビビリマーク/振動マークなどのような望ましくない研削パターン、
○ガラス縁部のプロファイル、
○縁部が損傷を受けている場所、
○ガラス縁部の粗さ、
○有用なパーツNの寸法、とりわけ、サイズおよび/または形状。
●また、ガラス縁部の粗さは、機械的な測定センサー、レーザー反射測定、画像処理を含むカメラ、および/または測色計を使用して、検出されることも可能である。
●有用なパーツNの寸法は、カメラおよび画像処理、機械的な測定センサー、キャリパー、ならびに/またはレーザー距離測定によって、検出されることも可能である。
●Z方向におけるガラス縁部の位置は、たとえば、図17に関して下記に説明されているような測定デバイスによって決定されることが可能である。この情報に基づいて、Z方向における研削ツール60の位置は、その後に研削されることとなる有用なパーツNのために調節されることが可能である。
●少なくとも1つの計量センサーが提供されており、それによって、研削された有用なパーツNの重量が決定されることが可能である。この目的のために、たとえば、受け入れデバイス92の上の計量センサー137が使用されることが可能である。
●少なくとも1つのセンサーが提供されており、たとえば、それによって、ガラス板の厚さが、たとえば、意図したドリル加工場所において測定されることが可能である。ドリル加工ステーション4に配置されているフィーラーは、たとえば、センサーとして適切である。
●たとえば、研削ツール60の研削表面の幾何学形状を検出するために、少なくとも1つの光学的なおよび/または触覚的なセンサー160が提供されている。たとえば、前記研削ツールは、特定の溝部プロファイルを有する研削ホイールとして設計されている。たとえば、溝部深さは、有用なパーツNが次に機械加工されるときにそれに従って研削ツール60のフィードを適合させるために、センサー160によって検出されることが可能である。
●研削プロセスの後に研削ツール60(とりわけ、研削ホイール本体部)の上に生じた温度を測定することも考えられる。幾何学的に不定形のカット縁部(複数のガラス板を横切って見られる)の鈍化が進むと、摩擦の比率がより高くなり、それは、より多くの熱をもたらす。
【0069】
ドリル加工の後の測定
以下の測定変数のうちの1つまたは複数が、ドリル加工の後に記録されることが可能である:
●たとえば、少なくとも1つの光学的なセンサー130が提供されており(図2を参照)、それは、たとえば、カメラおよび/またはレーザーを含み、以下のパラメーターのうちの少なくとも1つを検出する:
○有用なパーツNにおけるドリル加工された縁部の透光性、
○ドリル加工された縁部プロファイル、とりわけ、面取りの長さ、
○ドリル加工された縁部およびドリル加工された孔部が損傷を受けている場所。
●ドリル加工された孔部の粗さは、機械的なセンサー、レーザー反射測定、画像処理を含むカメラ、および/または測色計によって、記録されることも可能である。
●ドリル加工された孔部の寸法は、カメラおよび画像処理、機械的な測定センサー、キャリパー、ならびに/またはレーザー距離測定によって、検出されることも可能である。
●少なくとも1つの計量センサーが提供されており、たとえば、それによって、研削されたおよびドリル加工された有用なパーツNの重量が決定されることが可能である。この目的のために、たとえば、受け入れデバイス92の上の計量センサー137が使用されることが可能である。
●たとえば、ドリル加工ツール71の長さを記録するために、少なくとも1つの光学的なおよび/または触覚的なセンサー180が提供されている。
【0070】
一般的に、ガラス板Gまたは有用なパーツNの寸法、ブレイクされたまたは研削された縁部の形状、および、任意のドリル加工された孔部の形状を記録するために、少なくとも1つのセンサー(たとえば、カメラ、レーザーなどのような光学的なセンサーなど)が、加工ステップの後に提供されることが可能である。とりわけ、生産された有用なパーツNの自動的な品質制御が、最後の加工ステップの後に実施されることが可能である。
【0071】
図17および図18は、ガラスの前面側、背面側、および縁部をセンシングするように構成されている測定デバイスの実施形態を示している。その測定デバイスは、たとえば、ブレイク加工ステップの前および/もしくは後に、ならびに/または、研削加工ステップの後に使用される。ここで、ガラス板および有用なパーツは、水平方向位置において加工される。したがって、ガラス前面側は、ガラス板/有用なパーツの上部側に対応しており、ガラス背面側は、その底部側に対応している。測定デバイスは、たとえば、マシン50のキャリッジ56の上に位置決めされるか、マシン50の上に配置された(たとえば、Y方向に)変位可能な別個のキャリッジの上に位置決めされるか、または、マシン50とは別個のユニットの上に位置決めされることが可能である。1つの実施形態では、測定デバイスは、キャリッジ56の上に、および、研削ツール60の前に配置されており、研削ツール60に対して移動可能な様式で配置されており、たとえば、測定デバイスは、別の様式で持ち上げられるかまたは移動されることが可能であり、研削ツール60が研削のためにガラス縁部に接触するときに、測定デバイスが研削ツール60に道を譲るようになっている。ここで、測定デバイスは、以下のコンポーネントを含む:
●ガラス前面側および/または縁部の少なくとも一部を画像化するための第1のカメラ152a、
●所定の角度(ここでは、90度の角度の2倍)だけ光を反射するためのミラーユニット152fを介して、ガラス背面側および/または縁部の少なくとも一部を画像化するための第2のカメラ152b、
●(たとえば、リング状の照明の形態の)照明ユニット152g、
●有用なパーツN(または、ガラス板G)の縁部を画像化するための第3のカメラ152c、
●有用なパーツN(または、ガラス板G)の縁部を画像化するための第4のカメラ152d、
●有用なパーツN(または、ガラス板G)の縁部をスキャンするためのレーザーセンサー152e。
【0072】
カメラ152aおよび152bは、ガラス前面側の上方に配置されており、一方では、ミラーユニット152fおよび照明ユニット152gは、ガラス背面側の下方に配置されている。この配置は、有用なパーツNが(たとえば、マシン50の支持体52の上に)位置決めされているときに有用なパーツNの下方のスペースが制限されるということを考慮に入れている。また、照明ユニット152gは、ガラス前面側の上方に配置されることも可能である。
【0073】
レーザーセンサー152eの提供は、随意的なものである。それは、省略されてもよく、または、追加的なカメラによって交換されてもよい。
【0074】
測定デバイスは、測定デバイスの移動の間のマシン50の一部および/または有用なパーツN/ガラス板Gとの望まれない衝突を回避するために、モニタリング手段(たとえば、1つまたは複数の位置センサー)を含むことが可能である。
【0075】
コンポーネント152a~152eは、第1のキャリアの上に配置されることが可能であり、コンポーネント152f、152gは、第2のキャリアの上に配置されることが可能であり、一方では、2つのキャリアは、接続部152hを介して接続されることが可能である。
【0076】
好ましくは、コンポーネント152a~152eは、それらがガラス縁部の上の同じ領域をセンシングするように位置決めされており、また、ガラス縁部が回転させられるときに前記領域がガラス縁部に沿って追従するように移動される。
【0077】
カメラ152aおよび152bは、以下の特質のうちの1つまたは複数を検出するために適用可能である:
●断口(とりわけ、欠け、微小亀裂、および/または貝殻状断口)
●ブレイクされた縁部の位置
●過少ブレイクおよび/または過大ブレイク
●研削された縁部の位置
●過少研削および/または過大研削
●研削の間の発火
【0078】
カメラ152c、152dによってマシン50の上に配置されている有用なパーツNを観察する1つの可能な手順は、以下の通りである:有用なパーツNが、回転可能な研削テーブル51の支持体52の上に固定される。有用なパーツNの回転の間に、カメラ152cおよび152dが、(たとえば、線形に)移動され、ガラス縁部を画像化する。所定の角度で配置されている2つのカメラ152cおよび152dの提供は、有用なパーツNが回転させられるときに、常にカメラ152cまたは152dのうちの1つが、実質的にガラス縁部の前に位置決めされ、画像化されたガラス縁部の歪みが低減されるようになっており、ガラス縁部が照明ユニット152gによって十分に照らされるようになっているという効果を有している(図18および図19を参照)。
【0079】
照明ユニット152gは、直角になっていないガラス縁部に関しても照明強度が可能な限り均一になるように構成されている。
【0080】
ここで、リング状の照明152gは、可能な限り小さい直径を有するように構成されており、有用なパーツNがその縁部の近くで支持体52によって支持され得るようになっており、カメラ152c、152dが移動されるときに、支持体52と測定デバイスとの衝突が回避されるようになっている。ここで、レーザー位置測定デバイスの形態のレーザーセンサー152eは、ガラス縁部がカメラ152c、152dによって画像化されるときに、ガラス縁部をスキャンするために提供されている。代替的な実施形態において、コンポーネント152c~152eのすべてが提供されているとは限らない(たとえば、カメラ152c、152dのみが提供されているか、または、レーザーセンサー152gのみが提供されている)。
【0081】
線形にのみ移動可能な2つのカメラ152d、152eの提供の代わりに、回転可能なおよび線形に変位可能な様式で配置されている1つのみのカメラ152dまたは152eを提供することも考えられる。
【0082】
以下の特質のうちの1つまたは複数が、説明されているように測定デバイスによって検出されることが可能である:
●ブレイクされた縁部の位置、たとえば、垂直方向Zにおける位置
●ハーフペニー亀裂
●微小亀裂
●縁部の粗さ
●過少ブレイクおよび/または過大ブレイク
●正しく研削されていない縁部の上の領域、たとえば、輝く部分(shiners)
●研削の間の発火
【0083】
コンポーネント152a~152eのセンシング精度は、用途に応じて選択される。1つの実施形態では、コンポーネント152a、152b、152eは、高い精度を有しており、それは、数マイクロメートル(たとえば、1~2マイクロメートル)の範囲にあることが可能である。理想的には、カメラ152a、152bは、ガラス表面に対して垂直に配置されており、寸法の直接的な測定を可能にする画像が撮影されるようになっている。
【0084】
カメラ152c、152dは、より高価でないもの(たとえば、ウェブカメラまたは工業用カメラ)であることが可能であり、縁部の定性的な観察のみを可能にする画像を記録することが可能である。1つの実施形態では、カメラ152c、152dは、たとえば、向上した画像化精度を有するカメラ152a、152bのうちの少なくとも1つによって撮影される較正画像を使用することによって較正される。較正画像は、たとえば、所定の寸法を有する較正物体(たとえば、精密なマーキングを備えたテンプレート)を画像化することによって、作り出されることが可能である。一旦較正されると、カメラ152c、152dは、より高価なカメラ152a、152bと同様の定量的な測定を可能にする。したがって、より高価なカメラ152a、152bは、較正されたときに、カメラ152c、152dなどのようなより安価なカメラによって交換されることが可能である。
【0085】
異なるカメラ152a~152dによって撮影された画像を同期させるために、タイマーが提供されることが可能である。タイマーによって供給される時間信号は、一方では、それぞれの画像がタイムスタンプを提供されることを引き起こし、他方では、マシン50のコントローラー102が、移動するコンポーネントのマシン座標を記録することを引き起こす。タイムスタンプおよびマシン座標の上のデータを組み合わせることによって、撮影された画像は、ガラス縁部の幾何学形状の上にマッピングされることが可能である。それによって、上記に説明されているような特定の特徴が、ガラス縁部の上に位置付けされることが可能である。
【0086】
1つの実施形態では、測定デバイスを適用する前にガラス縁部をクリーニングするためのクリーニングユニットが提供されている。そのようなクリーニングは、切削油、冷却水、ガラスダスト、または他の不純物(それは、カメラ152a~152dによる光学的な観察を妨げる可能性がある)によってガラスが汚染されている可能性のあるときに有益である。クリーニングユニットは、マシン50の上に配置されており、それが測定デバイスと同様の様式で研削ツールに対して移動可能であるようになっている。
【0087】
マシン50の上に測定デバイスを位置決めすることは、カットプロセス、ブレイクプロセス、および研削プロセスのモニタリングを可能にする。カットプロセスおよびブレイクプロセスは、有用なパーツNが研削される前に評価されることが可能であり、研削プロセスは、有用なパーツNが研削された後に評価されることが可能である。両方の評価のステップは、支持体52から有用なパーツNを除去することなく実施されることが可能であり、評価における精密度の向上が実現され得るようになっている。
【0088】
制御デバイス
測定デバイスによって供給される測定信号は、制御デバイス100~103によって受信され、測定データを形成するために評価される。制御デバイスは、たとえば、人工知能アルゴリズムを装備しており、人工知能アルゴリズムは、測定データが評価されることを可能にし、また、1つまたは複数の補正信号が形成されることを可能にし、現在のガラス板Gおよび/または有用なパーツNの加工の間のマシン20、50、70の制御は、現在のもしくは後続の加工ステップの間に、または、後続のガラス板Gおよび/もしくは有用なパーツNの加工の間に、1つまたは複数の補正信号によって調節されることが可能であり、その調節は、輪郭Kに対するツール30、40、60、71の相対的位置の関数として行われる。
【0089】
図13は、プロセスフローを概略的に示しており、そのプロセスフローでは、ガラス板Gがプロセスに給送され、次いで、
●加工ステップB1においてカットされ、
●ステップA1(それは、2つの加工ステップB1およびB2の間にある)において分析され、
●加工ステップB2においてブレイクされ、
●ステップA2(それは、2つの加工ステップB2およびB3の間にある)において分析され、
●加工ステップB3において研削され、
●ステップA3(それは、加工ステップB3の後にある)において分析され、
次いで、有用なパーツNとしてプロセスを離れる。ドリル加工の加工ステップおよびさらなる分析ステップは、ここでは示されていないが、ステップA3に続いて提供されることが可能である。
【0090】
ステップA1~A3、B1~B3において、測定信号が発生させられ、測定信号は、測定変数を含み、矢印P1によって示されているように、制御デバイスCに給送される。制御デバイスC(それは、たとえば、制御デバイス100~103である)は、測定変数を評価し、対応する補正信号を伴ってマシン20、50に反応し、矢印P2によって示されているように、加工B1、B2、B3が適合され得るようになっている。
【0091】
加工ステップB1では、カットツール30が移動することを引き起こすドライブが制御される(図13におけるフィールドB11)。ドライブは、制御デバイスを介してフィードバック制御によって制御されることが可能である。上記に説明されているように、センサーは、たとえば、力、切削油の量、および/または、他の測定変数(たとえば、カットデバイスの移動の軸線の位置など、たとえば、傾斜可能なカットホイールの傾斜角度)を記録するために提供されることが可能である(図13におけるフィールドB12)。
【0092】
上記に説明されているように、測定変数は、ステップA1において記録されることが可能である(たとえば、スコアリングラインの深さ、ガラスの前面への移行部におけるチッピングなど)。
【0093】
加工ステップB2では、ブレイクツール40が移動することを引き起こすドライブが制御される(図13におけるフィールドB21)。ドライブは、制御デバイスを介してフィードバック制御によって制御されることが可能である。上記に説明されているように、センサーは、たとえば、力、補助的なスコアリングラインの位置、および/または他の測定変数を記録するために提供されることが可能である(図13におけるフィールドB22)。
【0094】
上記に説明されているように、測定変数は、ステップA2において記録されることが可能である(たとえば、ブレイクされた縁部の凹凸、前記縁部に対する損傷(とりわけ、貝殻状断口)、有用なパーツNのサイズなど)。たとえば、貝殻状断口の大きさおよび前記貝殻状断口大きさの頻度が、ガラス縁部の特定の長さにわたって決定されることが可能である。測定変数は、ブレイクされて取り外された有用なパーツNが有する縁部の形状のさらなる特性を定義することが可能である(たとえば、ハーフペニー亀裂の発生など、とりわけ、それらの形状、頻度、および深さ、および/または、微小亀裂、および/または、縁部の角度(過大ブレイクまたは過少ブレイク)、および/または、望まれない突出部など)。測定変数は、カットのためのパラメーターを調節するために使用されることが可能であり、たとえば、所望の特性を有するハーフペニー亀裂が作り出されるようになっている。
【0095】
加工ステップB3では、研削ツール60および支持体52が移動することを引き起こすドライブが制御される(図13におけるフィールドB31)。ドライブは、制御デバイスCを介したフィードバック制御によって制御されることが可能である。
【0096】
上記に説明されているように、測定変数は、ステップB3において記録されることが可能である(たとえば、ドライブの電力消費、力、振動、音、温度など)(図13におけるフィールドB33)。
【0097】
上記に説明されているように、測定変数は、ステップA3において記録されることが可能である(たとえば、研削された縁部の形状およびその位置、前記縁部の粗さ、前記縁部に対する損傷(とりわけ、貝殻状断口、スクラッチ)、有用なパーツNのサイズなど)。測定変数は、研削された縁部の形状のさらなる特性を定義することが可能である(たとえば、正しく研削されていない領域の発生および発火マーク、とりわけ、研削の間の過熱によって作り出された溶融ガラスの領域の発生など)。
【0098】
図17に関して上記に説明されているような測定デバイスは、ステップA2および/またはA3において適用されることが可能であり、また、それがマシン20の上のガラス板をセンシングすることができるように構成されているときには、ステップA1においても適用されることが可能である。
【0099】
制御デバイスCは、好ましくは、人工知能に基づくアルゴリズム(とりわけ、機械学習のためのおよび/またはパターン認識のためのアルゴリズム)を装備している。トレーニングデータを取得するために、テストランが実施され、たとえば、テストランでは、スコアリングラインならびにブレイクされたおよび/または研削された縁部が、(たとえば、既存の測定デバイスによって)ステップA1~A3において記録および評価される。次いで、トレーニングされたアルゴリズムは、測定データ(それは、現在のプロセスフローにおいて後で発生させられる)を評価するために、および、対応する補正信号を発生させるために、使用されることが可能である。
【0100】
メモリーは、たとえば、システムの内部データメモリーであり、および/または、システムは、(たとえば、ネットワークを介して)外部データメモリーとデータを交換するためのインターフェースを有している。
【0101】
また、トレーニングデータは、さまざまなステップA1~A3、B1~B3からの測定変数を互いに比較することによって提供されることも可能である。たとえば、ステップA2における測定は、きついカーブのケースでは、ブレイクされて除かれた縁部が過度に欠けていることを明らかにする。したがって、制御デバイスCのアルゴリズムは、後続のガラス板の加工の間に、たとえば、きついカーブをカットするときにカットツール30がガラス表面に働かせる圧力を調節する補正信号を発生させ、次いで、ステップA2において、ブレイクされて除かれた縁部の上のチッピングが低減されたかどうかを分析することが可能である。
【0102】
また、トレーニングデータは、以前に加工されたガラス板からの動的なおよび静的な測定変数についての測定データを評価および記憶することによって提供されることも可能である。
【0103】
また、有用なパーツNの所望の形状およびサイズから結果として生じるパラメーターは、トレーニングデータとしての役割を果たすことが可能である。たとえば、ステップA2において、ブレイクされた縁部が所望の輪郭Kからあまりに離れ過ぎており、あまりに多くのものが加工ステップA3において除去されなければならないようになっているということが決定される。したがって、制御デバイスCのアルゴリズムは、後続のガラス板が加工されているときに所望の輪郭のより近くにスコアリングラインを設定することが可能であり、より少ない研削で済むようになっている。
【0104】
全体的に、制御デバイスCのアルゴリズムは、機械加工プロセスの物理的な挙動を必ずしも詳細に理解する必要なしに、カットおよびブレイクの間に(図13におけるフィールドM1)、研削の間に(図13におけるフィールドM2)、および、提供される場合には、データ駆動型モデリングを通したドリル加工の間に、プロセスシーケンスが最適化されることを可能にする。
【0105】
たとえば、ブレイクされて除かれたガラスの比率、有用なパーツの品質、および加工時間が、最適化されることが可能である。
【0106】
代替的にまたは追加的に、たとえば、加工ステップB3をモデル化する物理的なモデル(図13におけるフィールドM3)を制御デバイスCに装備することも考えられる。
【0107】
応用例
「人工知能」を提供することによって、設備は、学習することができ、常にさらに発展することが可能である。したがって、それ自身を独立して最適化することができる。また、設備は、より自律的に動作されることも可能である。したがって、操作要員への要求および作業負荷が低減される。
【0108】
測定デバイスを提供することによって、設備は、プロセスパラメーターおよび取得される結果(加工の間のガラスの反応、および、加工されたガラスの特性)の包括的なピクチャーを取得することが可能である。
【0109】
測定デバイスを設計するために、標準としてすでに利用可能なコンポーネントが使用されることも可能である。たとえば、既存のドライブ(とりわけ、アクチュエーター)は、使用可能な測定データを供給することが可能である。
【0110】
測定デバイスは、進行中の加工ステップの間に発生させられる測定信号が十分な時間分解能で記録されるように構成されている。測定データの時間分解能は、好ましくは、少なくとも10Hzであり、さらに好ましくは、少なくとも100Hz、少なくとも1000Hz、および少なくとも10kHzである。したがって、制御デバイスCは、同等の時間分解能を有する制御信号を発生させるように構成されている。したがって、前記分解能は、好ましくは、少なくとも10Hzであり、さらに好ましくは、少なくとも100Hz、少なくとも1000Hz、および少なくとも10kHzである。このように、制御デバイスCは、進行中の加工の間に測定データに基づいて制御するために調節を行うことが可能である。
【0111】
上記に説明されているように、さまざまな測定変数が考えられる:
●移送デバイス92の上の温度(たとえば、ガラス堆積位置の補正を可能にする)、
●加工の間のガラスの反応(たとえば、研削の間の騒音発達および騒音評価)、
●(たとえば、光学的な評価を通した)マシン20、50、70の上のガラス板の現実の位置および配向、
●研削の後の縁部品質(たとえば、研削された縁部の上の「欠け」またはプロファイル対称性)、
●経路(それに沿って、研削ツール60が有用なパーツNに対して移動される)に関係した研削ツール60の電力消費。
【0112】
測定デバイスからの測定データは、制御デバイスCによって収集され、評価され、および、好ましくは記憶される。評価のために、制御デバイスCは、評価ユニットを含む。プロセスおよびマシン構成に応じて、制御デバイスCは、ターゲットとされる影響および前記影響が及ぼされる強度を決定する。
●制御デバイスCは、たとえば、動的な進行中のプロセスに、それらを最適化する目的で同時に(たとえば、1秒の何分の1かで)介入することが可能である。したがって、自己調整が、プロセスの中で行われることが可能である。
○例:過度のカット圧力が、カットの間にクラッキング騒音(特定の周波数範囲)をもたらす場合には、前記カット圧力は、クラッキング騒音のないレベルまで即座に低減され、それは、より良好なカット結果を結果として生じさせる。したがって、自己調整が、プロセスの中で行われることが可能である。
○例:研削プロセスの間に、研削騒音の評価は、ガラスがますます振動していくということを決定する。したがって、研削パラメーターが、即座に調節される。
●制御デバイスCは、以前に決定されたおよび/または計算された情報を使用し、同じワークピースの上で後続のプロセスを適合させることが可能である。
○例:ブレイクの後に、ガラスの角部が所望の輪郭を越えて突出しているということが見出される。後続の研削マシン50は、可能な限り最良な結果を得るために角部を研削して除くために、適合されたパラメーターを使用して、この正確な場所において働く。
●制御デバイスCは、複数のワークピース/バッチにわたって情報を収集し、パラメーターを調節することが可能である。
○例:ブレイクの後に、斜めのブレイクプロファイルが、ガラスの縁部において観察される。ブレイク経路またはブレイクパラメーターは、理想的な値に反復的にアプローチするために、ガラスごとに調節される。
【0113】
設備を同じタイプの他の設備とネットワーク化し、成功的な最適化を前記他の設備と共有することが可能である。また、取得される情報は、製品ドキュメンテーションの目的のために、ならびに/または、上流におよび下流のプロセスチェーンのための入力として、利用可能にされることが可能である。
【0114】
本設備を使用して加工され得るガラスは、以下の用途、なかでも、車両、建築、ディスプレイ、ソーラーパネル、キッチン(とりわけ、オーブンドアおよびクックトップ)において使用されるガラス板である。また、ガラス板は、セラミックガラスであることも可能である。
【0115】
また、自動的な品質制御は、加工ステップの外側でガラス板Gまたは有用なパーツNを測定することによって実施されることも可能である。しかし、前記品質制御は、随意的なものであり、最初にのみ必要とされる可能性がある。人工知能(とりわけ、機械学習および/またはパターン認識)の助けを借りて、プロセスの間に記録される動的な測定変数を評価することによって、品質についての結論が、間接的に引き出されることも可能である。
【0116】
測定デバイスは、加工ステップ(カット、ブレイク、研削、またはドリル加工)の後の静的な測定変数(たとえば、上記に説明されているように、ブレイクされた/研削された縁部の条件)を記録するために使用されることが可能である。測定変数は、加工されたガラスの縁部の周囲に沿って少なくとも部分的に(好ましくは、全体的に)、位置分解様式で記録されることが可能であり、また、輪郭に対するツールの位置の関数として以前の加工ステップの間に記録された測定変数に関係付けられることが可能である。静的な測定変数の位置分解能は、好ましくは、少なくとも加工の間の製品の測定の時間分解能に、ガラスの縁部に沿った加工速度を乗じた積からの値であり、とりわけ好ましくは、前記値の少なくとも10%である。
【0117】
静的なおよび動的な測定変数を比較することによって、最適化されたプロセスパラメーターが見出されることが可能であり、1つまたは複数のプロセスステップは、より良好に要件(たとえば、精密度、ツール摩耗、エネルギー要件、サイクル時間など)に調整されることが可能である。たとえば、2つ以上の異なる加工ステップ(それぞれ、静的な測定変数を取得するための品質測定がそれに続く)からの動的な測定変数は、プロセスパラメーターに関する連続的な改善を可能にする関係を識別することができるように実施および分析されることが可能である。1つのみのまたは複数のプロセスパラメーターが、最適化方向を見出すために変化されることが可能である。
【0118】
さらなる実施形態において、設備の測定デバイスは、生産におけるさらなる最適化を実現するために、他の測定変数(たとえば、ガラス特性の変化、環境における温度変動など)を記録することが可能である。
【0119】
1つの実施形態では、設備は、所望の輪郭を有する有用なパーツが即座に(すなわち、テストランを経ることなく)生産され得るように最適化される。
【0120】
また、測定変数の記録および評価は、後続のガラス板を加工するためのカット計画および/またはブレイク計画を改善することを可能にする。カット計画は、少なくとも1つの有用なパーツの輪郭と、随意的に、ガラス板の未使用の縁部領域におけるブレイクを画定するための1つまたは複数の補助的なカットラインとを規定する。ブレイク計画は、ブレイクを開始させるために、カットされたガラス板に、どこでどのように力が印加されるべきかを特定する。カット計画およびブレイク計画は、たとえば、有用なパーツNに属していない、したがって、ブレイクされて除かれたおよび/または研削されて落とされた、ガラス板の縁部の部分が低減されるという点において、改善されることが可能である。
【0121】
また、設備の測定デバイスおよび制御デバイスは、モニタリング、診断、およびメンテナンスの観点から改善を可能にする。これは、たとえば、ツールの状態、または、マシンの別のコンポーネント、とりわけ、消耗品(冷却剤、潤滑剤、エネルギー消費)の状態であることが可能である。測定デバイスによって、たとえば、それぞれのマシンのツールまたは別のコンポーネントの1つまたは複数の測定変数は、記録されることが可能であり、必要な場合には、任意の望ましくない偏差(とりわけ、異常)を検出することができるように、動的なおよび/または静的な測定変数に関係付けられることが可能である。設備は、たとえば、ツールが摩耗し過ぎたとき、したがって、メンテナンスが必要とされるときに、メッセージが発生させられるように構成されることが可能である。
【0122】
ツール摩耗およびツール交換の正しい時間の予測が行われることが可能である。したがって、予測メンテナンスおよび/または条件モニタリングが、ツールとマシンの両方に関して可能である。マシンのツールまたは他のパーツにおける摩耗が低減されるように、マシンパラメーターを適合させることによって、マシンの制御を改善すること、および、好ましくは最適化することも可能である。たとえば、ドライブは、加速および/または減速が最適化されるように制御されることが可能である。
【0123】
1つの可能な実施形態では、システムは、たとえば、研削ツール60を成形および/または研磨するための加工デバイスを有している。制御デバイス100~103は、測定変数および/または研削ツール60の少なくとも1つの測定された状態変数のうちの少なくとも1つの関数として、それが加工デバイスを動作させるように構成されている。たとえば、動作は、加工デバイスが、研削ツール60を加工するための砥石の力および/もしくは速度、ならびに/または、砥石による研磨プロセスの頻度および/もしくは持続期間を特定するようになっており、ならびに/または、研削ツール60が砥石の縁部の形状の関数として加工されるようになっている。砥石による研磨プロセスは、たとえば、電気モーター55によって使用される電流に基づいて、および/または、砥石が研削ツール60に押し付けられる力に基づいて、制御されることが可能である。リニアドライブは、砥石を変位させるために提供されることが可能である。
【0124】
研削ツール60の実際の鋭さは、たとえば、研削ツール60を駆動するために使用されるエネルギーに基づいて決定されることが可能である。たとえば、電気モーター55によって使用される電流は、研削ツール60がガラス縁部またはその特定の部分を研削する時間にわたって、測定されて積分されることが可能である。前記積分された電流が所定の閾値を超えるときには、次いで、研削ツール60が研磨される。閾値の選択に応じて、この研磨は、研削ツール60の通常の耐用年数の間に、1回または数回開始される。
【0125】
1つの実施形態では、研削プロセスは、研削ツール60が自己研磨されるように構成されている。研削ツールは、たとえば、結合層を介してマトリックスの中に埋め込まれている砥粒(たとえば、ダイヤモンドなど)を含むホイールとして構成されている。研削プロセス(たとえば、ガラス縁部に向けて研削ツール60をフィードすること)は、砥粒がホイールから放出されるときに、それらの結合層も擦り減らされるように制御されることが可能であり、次の砥粒が表面に現れるようになっている。そのようにすることで、研削ツール60の別個の研磨は必要とされない。自己研磨効果を実現するために、研削ツール60によって研削して落とされる有用なパーツNの上の余分なパーツを提供することが考えられる。
【0126】
研削ツール60に関するものと同様の様式で、ドリル加工ツール71の実際の鋭さは、たとえば、ドリル加工ツール71を駆動するために使用されるエネルギーに基づいて決定されることが可能である。たとえば、ドライブによって使用される電流は、ドリル加工ツール71が孔部をドリル加工する間の時間にわたって、測定されて積分されることが可能である。前記積分された電流が所定の閾値を超えるときには、次いで、ドリル加工ツール71は、研磨デバイスによって研磨される。
【0127】
1つの実施形態では、ドリル加工プロセスは、ドリル加工ツール71が自己研磨されるように構成されている。
【0128】
先行する説明から、特許請求の範囲によって定義されている本発明の保護の範囲を超えることなく、多数の修正例が当業者に利用可能である。
【0129】
図に示されている設備では、カットおよびブレイクは、同じマシン20の上で実施される。とりわけ、ツール30、40を移動させるためのコンポーネント23、24、27、28は、したがって、ガラス板Gをカットするためのカットデバイスの一部であり、また、ガラス板Gをブレイクするためのブレイクデバイスの一部である。代替的に、カットおよびブレイクが異なる場所で実施されるようにシステムを設計することも考えられ、カットツール30およびブレイクツール40を移動させるために、カットデバイスおよびブレイクデバイスが別個のパーツを有することが可能であるようになっている。
【0130】
カット、ブレイク、研削、および、提供される場合には、ドリル加工の複数のプロセスが実施され得るマシンを提供することも考えられる。
【0131】
上記に説明されているように、空気圧式のアクチュエーターが、カットツール30またはブレイクツール40を移動させるために提供されることが可能である。代替的に、加工されることとなるガラス板に向けて、および、それから離れるように、ツール30、40を移動させるために、リニアドライブが提供されることも可能である。リニアドライブは、空気圧式のアクチュエーターよりも精密な移動および/または改善された力制御を可能にすることができる。好ましくは、リニアドライブは、ストローク位置およびそれに伴ってツール30、40の位置についての信号を提供する少なくとも1つの位置センサーを含む。リニアドライブは、ツール30、40が表面に接触するときにツール位置が決定され得るように構成されている。したがって、ツール30、40がガラス板に面しているかどうかを検出することが可能である。
【0132】
1つの実施形態では、リニアドライブは、カットおよび/またはブレイクの間にガラス板が支持されている表面(たとえば、マシン20のコンベヤーベルト22)の凹凸を測定するために適用されている。測定された凹凸は、(たとえば、ルックアップテーブルの中に)記憶されることが可能であり、薄いガラス板(たとえば、1mm未満の厚さを有するもの)が加工されることとなるときに考慮に入れられることが可能である。その理由は、その表面が、凹凸のある支持表面の上に横たわっているときに完全に平面ではない可能性があり、したがって、垂直方向に変化する可能性があるからである。
【0133】
さらなる実施形態において、リニアドライブは、加工されることとなるガラス平面の厚さを測定するために適用される。これは、ツール30、40の開始位置がガラス板のより近くに選択されることを可能にする。それによって、ツール30、40が開始位置とツール30、40がガラス板に作用する位置との間に沿って移動される経路が低減されることが可能である。全体的に、2つのカットプロセスおよび/またはブレイクプロセスの間のサイクル時間は、低減されることが可能である。
【0134】
別の実施形態では、同じドライブ(好ましくは、リニアドライブ)は、ガラス板に向けてカットツール30およびブレイクツール40を交互に移動させるために適用されることが可能である。図16は、可能な運動学の例を示している。ドライブ35は、関節手段36を介してカットツール30およびブレイクツール40に連結されており、一方では、案内手段37が、カットツール30と関節手段36との間に配置されている。ドライブ35の軸棒が下向きに移動されるときには、カットツール30が下向きに押され、軸棒が上向きに移動されるときには、ブレイクツールが下向きに押される。
【0135】
さらなる実施形態において、カットツール30のためのメカニズムの質量は、スプリングおよび/または磁気的な手段の提供によって低減される。それによって、カットプロセスにおいて生じる力は、低減された騒音および損失を伴って決定されることが可能である。
【0136】
カットツール30の位置を決定することによって、とりわけ、上記に説明されているようなリニアドライブの提供によって、カットホイールの鋭さが決定されることが可能である。カットホイールが鋭くなくなったときに、それは、ガラスの中へ深く進入しないこととなり、したがって、位置が変化される。さらに、カットホイールの鋭さは、カットの間のカットツール30の振動を検出することによって決定されることが可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 第1のステーション
2 第2のステーション
3 第3のステーション
4 第4のステーション
5 第5のステーション
20 マシン
21 フレーム
22 コンベヤーベルト、エンドレスコンベヤーベルト
22a 孔部
23 ブリッジ
24 キャリッジ
25 デフレクションローラー
26 収集槽
27 長手方向レール
28 横断方向レール
30 カットツール
31 カットホルダー
32 フィードチャネル
35 ドライブ
36 関節手段
37 案内手段
40 ブレイクツール
41 ブレイクホルダー
42 静止した表面
43 支持表面
50 マシン、研削デバイス
51 研削テーブル
52 支持体
53 吸着カップ
54 真空ポンプ
55 電気モーター
56 キャリッジ
57 レール
58 ドライブ
60 研削ホイール、研削ツール
60a 両方向矢印
60b 溝部
61 研削スピンドル
62 ハウジング
62a スロット
62b 内部チャネル
63 サイクロンセパレーター
64 吸引チューブ
65 冷却デバイス
70 マシン、ドリル加工デバイス
71 ドリル加工ツール
71a 円筒形状の部分
71b カラー部分
72 吸引デバイス
90 移送デバイス
91 長手方向支持体
92 受け入れデバイス
93 支持デバイス
100 中央コントローラー、制御デバイス
101 コントローラー、制御デバイス
102 コントローラー、制御デバイス
103 コントローラー、制御デバイス
110 バリア
120 オペレーター端末
129 センサー
130 センサー
131 センサー
132 センサー
133 センサー
135 センサー
136 センサー
137 センサー
150 センサー
151 センサー
152 センサー
152a 第1のカメラ、コンポーネント
152b 第2のカメラ、コンポーネント
152c 第3のカメラ、コンポーネント
152d 第4のカメラ、コンポーネント
152e レーザーセンサー、コンポーネント
152f ミラーユニット、コンポーネント
152g 照明ユニット、コンポーネント
152h 接続部
153 センサー
154 センサー
160 センサー
170~172 センサー
180 センサー
a 角度
A1~A3 ステップ
B 縁部領域
B1~B3 ステップ
B11 フィールド
B12 フィールド
B21 フィールド
B22 フィールド
B31 フィールド
B33 フィールド
C 制御デバイス
E ガラス板縁部
E' ガラス板縁部
G ガラス板
H 補助的なスコアリングライン
K 輪郭
M1 フィールド
M2 フィールド
M3 フィールド
N 有用なパーツ
P1 矢印
P2 矢印
Z 垂直方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】