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特表2024-527683医用画像におけるカメラベースの患者モニタリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】医用画像におけるカメラベースの患者モニタリング
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A61B5/055 390
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574656
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 EP2022070222
(87)【国際公開番号】W WO2023006515
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】21187585.1
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ワイス ステフェン
(72)【発明者】
【氏名】セネガス ユリアン トーマス
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AD19
4C096AD27
4C096FC09
4C096FC20
(57)【要約】
本発明は、システムの検査ゾーンにおいて検査中の被検体を監視するためのカメラと、検査ゾーン内のミラーアセンブリとを備え、被検体の身体上の標的領域からの光をカメラ上に反射する医用撮像システムに関する。ミラーアセンブリは曲面反射面及び/又は異なる方向に向けられた複数の反射面を備え、その結果、反射された画像を拡大することによって、及び/又は同じ標的領域の複数のコピーをカメラ画像の異なる領域に投影することによって、及び/又は、カメラとして異なる位置の光源から標的領域上に反射されるときに、光が標的領域からカメラ内に反射されるように、光が標的領域からカメラ内に反射される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用撮像システムであって、
少なくとも1つの画像を取得することによって、前記医用撮像システムの検査ゾーンに位置付けられている間に検査を受けるときに被検体を監視するためのカメラと、
前記被検体の身体上の標的領域からの光を前記カメラ上に反射するように配置されたミラーアセンブリであって、
前記ミラーアセンブリは、異なる方向に向けられた複数の反射面及び/又は湾曲された反射面を有し、
前記複数の反射面及び/又は湾曲された反射面は、前記反射された画像を拡大することによって、及び/又は前記カメラによって取得された画像の異なる領域に同じ標的領域の複数のコピーを投影することによって、前記標的領域からの光を前記カメラに反射するように構成され、及び/又は前記標的領域からの光を前記カメラに反射するとともに、前記カメラと異なる位置における少なくとも1つの光源からの光を前記標的領域上に反射するように構成される、
ミラーアセンブリと
前記カメラによって取得された標的の画像情報を処理して、前記カメラによって取得された画像からプレチスモグラフィ信号を導出するように構成される、画像プロセッサと
を有する、医用撮像システム。
【請求項2】
前記ミラーアセンブリは第1のミラー部分を備え、前記第1のミラー部分は前記カメラに前記標的領域のビューを提供するように構成される少なくとも1つの反射面を備える、請求項1に記載の医用撮像システム。
【請求項3】
前記第1のミラー部分は複数の反射面を備え、前記標的領域が前記取得された画像内の異なる光路を介して複製されるように、前記反射面の各々は同じ標的領域を前記カメラ上に反射するように適合される、請求項2に記載の医用撮像システム。
【請求項4】
前記第1の部分は、収束ミラーを形成して、前記標的領域の拡大されたビューを前記カメラに提供する反射面を備える、請求項1又は2に記載の医用撮像システム。
【請求項5】
前記収束ミラーは、球面又は放物面ミラーであるか、又は少なくとも一つの方向において球面又は放物面プロファイルを有する、請求項4に記載の医用撮像システム。
【請求項6】
前記検査ゾーン内に光ビームを放出するための少なくとも1つの光源を備え、前記ミラーアセンブリは、前記光源からの光を前記標的領域上に反射させるために、前記第1のミラー部分の反射面と異なるように向けられた少なくとも1つの反射面を備える第2のミラー部分を備える、請求項2乃至4の何れか一項に記載の医用撮像システム。
【請求項7】
複数の光源からの光が前記第2のミラー部分の対応する反射面によって前記標的領域上に反射されるように、前記第2のミラー部分は、異なる方向を有する複数の反射面を備える、請求項6に記載の医用撮像システム。
【請求項8】
前記被検体が前記スクリーンを介して娯楽、命令、及び/又は情報を視覚的に受信することができるように、前記ミラーアセンブリは、前記検査ゾーンの外側のスクリーンによって提示された画像を前記被検体に反射するための第3のミラー部分を備える、請求項1乃至7の何れか一項に記載の医用撮像システム。
【請求項9】
前記被検者の頭部領域から磁気共鳴信号を取得するための無線周波数送信器/受信器ヘッドコイルアセンブリ、及び/又はガントリ上及び/又は磁石ボアエンクロージャ上及び/又は患者治療台上及び/又は前記医用撮像システムの検査ゾーンでの使用のための他の補助装置上のマウントポイントに取り付けるためのアームアセンブリを備え、前記ミラーアセンブリは、前記ヘッドコイルアセンブリ又は前記アームアセンブリに取り付けられるか、又は一体化されるように構成される、請求項1乃至8の何れか一項に記載の医用撮像システム。
【請求項10】
前記カメラは、前記システムの磁石ボアハウジングのフランジ端部領域に一体化されるか、又は取り付けられる、請求項1乃至9の何れか一項に記載の医用撮像システム。
【請求項11】
前記カメラによって取得された画像情報を処理して、前記被検体に関する情報を導出するように構成される画像プロセッサを備える、請求項1乃至10の何れか一項に記載の医用撮像システム。
【請求項12】
前記画像プロセッサは、前記カメラによって取得された画像から、動き、例えば呼吸ベースの動き及び/又は心臓フェーズベースの動きを示す情報を導出するように構成される、請求項11に記載の医用撮像システム。
【請求項13】
磁気共鳴撮像システムによって検査されるとき、被検体の頭部領域から磁気共鳴信号を取得するための無線周波数送信器/受信器ヘッドコイルアセンブリに取り付けるためのヘッドコイル取り付け部であって、前記ヘッドコイル取り付け部は、前記被検体の身体上の標的領域からの光を前記磁気共鳴撮像システムのカメラ上に反射するミラーアセンブリを有し、
前記ミラーアセンブリは、異なる方向に向けられた複数の反射面及び/又は湾曲された反射面を有し、
前記複数の反射面及び/又は前記湾曲された反射面は、前記反射された画像を拡大することによって、及び/又は前記カメラによって取得された画像の異なる領域に同じ標的領域の複数のコピーを投影することによって、前記標的領域からの光を前記カメラに反射するように構成され、及び/又は前記標的領域からの光を前記カメラに反射するとともに、前記カメラと異なる位置における少なくとも1つの光源からの光を前記標的領域上に反射するように構成される、
ヘッドコイル取り付け部。
【請求項14】
磁気共鳴撮像システムによって検査されるとき、被検体の身体から磁気共鳴信号を取得するための無線周波数送信器/受信器コイルアセンブリであって、前記無線周波数送信器/受信器コイルアセンブリは、前記被検体の身体上の標的領域からの光を前記磁気共鳴撮像システムのカメラ上に反射するためのミラーアセンブリを備え、
前記ミラーアセンブリは、異なる方向に向けられた複数の反射面及び/又は湾曲された反射面を備え、
前記湾曲された反射面及び/又は前記複数の反射面は、前記反射された画像を拡大することによって、及び/又は前記カメラによって取得された画像の異なる領域に同じ標的領域の複数のコピーを投影することによって、前記標的領域からの光を前記カメラに反射するように、及び/又は前記標的領域からの光を前記カメラに反射するとともに、前記カメラと異なる位置における少なくとも1つの光源からの光を前記標的領域上に反射するように構成される、
無線周波数送信器/受信器コイルアセンブリ。
【請求項15】
医用撮像システムの検査ゾーンに位置付けられている間に医用撮像検査を受けるときに被検体を監視するための方法であって、
前記検査ゾーン内にミラーアセンブリを提供するステップと、
前記被検体の身体上の標的領域を照明するステップと、
カメラによって少なくとも1つの画像を取得して、前記ミラーアセンブリの第1の部分の反射面を介して前記標的領域を観測するステップと、
前記照明するステップは、光源からの光を前記ミラーアセンブリの第2の部分の反射面を介して前記標的領域上に反射するステップを有し、及び/又は
前記取得するステップは、前記ミラーアセンブリの第1の部分の湾曲された反射面によって拡大された標的領域、及び/又は前記ミラーアセンブリの第1の部分の複数の異なる方向に向けられた反射面を介した反射によって前記取得された画像の異なる領域において複製された標的領域を観測するステップを有する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医用撮像、例えば磁気共鳴撮像、コンピュータ断層撮影撮像などの分野に関し、より具体的には、本発明がカメラ観測に基づく、バイタルサイン及び/又は動きなどの、患者のパラメータのカメラベースの観測及び/又は監視のために適合された医用撮像(又は診断撮像)システム、ならびに関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医用撮像システム、例えば、磁気共鳴撮像システムの検査ゾーンをカメラで監視するための監視システムは、当技術分野で一般に知られている。このようなシステムは例えばMRIシステムの磁石ボアの内部にある間に、検査を受けている患者を監視するために、オペレータによる視覚的な患者監視、又は画像処理に基づく自動監視などの様々な目的のために使用することができる。例えば、磁気共鳴撮像検査中に患者を撮像するためのカメラはMRIシステムのボアの外側、例えばシステムの保護カバーの上又は隣接して、例えばボアのフランジ上に取り付けられて、MRIシステムへの統合の複雑さを可能な限り低く保ち、及び/又は自由ボア直径の減少を回避することができる。
【0003】
この概念の多くの変形例及び拡張も同様に知られている。例えば、カメラが患者、例えば患者の顔を観測することができるように、たとえ直接の視線が利用可能でなく、又は達成が困難である場合であっても、ミラーがMRIシステムのボアに設置されてもよい。多くの構成では、カメラシステムが観測される領域から比較的遠くに取り付けられ、カメラの光軸は一般に、磁石ボアの長手方向軸の方向に配向されてもよく、又は主成分を有する可能性がある。患者は典型的には又は少なくとも非常に頻繁に、ボアの長手方向軸と実質的に位置合わせされた身体の長手方向軸を用いて検査されるので、そのようなミラーの使用は、カメラシステムのより良い視界を提供するのに特に有利であり得る。
【0004】
操作者が患者を観測することを可能にすることに加えて、例えば苦痛の徴候を検出すること、患者が目覚めたままであることを確実にすること、又は(例えば、脳の機能的撮像において)撮像プロトコルへの遵守を評価することを可能にすることに加えて、カメラシステムは例えば、動き、呼吸、心拍数もしくは他の心臓パラメータ、及び/又は、他のバイタルサイン及び/又は一般に患者の状態を示すパラメータを検出及び/又は定量化するために、有用なパラメータを決定するために、画像分析システムと併せて使用されてもよい。例えば、一般的な意味で動きが検出されたとき、又は検出された呼吸及び/又は心臓の動き又は位相から特に推論されたとき、MRIシステムによって同時に取得されたデータは、廃棄され、注釈が付けられ、検出された(呼吸/心臓)位相の関数として照合され、及び/又は検出された動きを補償するように補正され得る。
【0005】
他の例示的なアプリケーションは、リモートフォトプレチスモグラフィ(rPPG)、ムード検出、ビデオベースのトーキング検出などを含むことができる。さらに、心臓トリガは、心臓MRIに有用であるだけでなく、様々な他のMRI撮像プロトコルにも適用され得ることに留意されたい。ニューロ撮像における一般的な用途は、血液及び脳脊髄液の脈動流によって引き起こされる頭頸部スキャンにおけるアーチファクトを抑制することである。別の一般的な用途は、頸動脈における血流の定量的測定である。
【0006】
例えば、JP H0928689は、MRIシステムのボアに設置されたミラーと、ミラー上にミラーされた対象物の画像を撮影するためのテレビカメラを開示している。コンピュータは画像を分析し、被検体の動きを検出する。コンピュータは例えば、被検体が限られた範囲外に移動するかどうかに応じて、MRデータを破棄するか、再度取得するか、又は収集するかどうかを決定する。あるいは、MRIパラメータが被検体の動きの影響を相殺するように最適化することができる。
【0007】
US2020/289075A1は、撮像装置のボア内の患者の動きを監視するための湾曲ミラーを含むミラーシステムを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態の目的はカメラシステムを使用して医用撮像システム(例えば、磁気共鳴撮像システム、コンピュータ断層撮影撮像システム、陽電子放出撮像システム、単一光子放出コンピュータ断層撮影システム(これらの実例に限定されない))において被検体を監視するための、及び/又はカメラシステムのアウトプットに基づいて被検体を示すバイタルサイン、動き及び/又は他の関心パラメータを定量化するための、良好かつ効率的な手段及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態の利点は、カメラシステムによって観測されている撮像対象の身体の領域のより良好な照明が達成され得ることである。
【0010】
本発明の実施形態の利点は、光源から標的領域への、及び/又は標的領域からカメラへの光路の最適化を可能にすることによって、例えば標的領域の照明及びカメラの視野の両方に関して、高い柔軟性、例えばより高い自由度をカメラシステムの構成において達成することができることである。したがって、カメラシステムを、異なる使用事例、例えば、撮像プロトコル、及び撮像される対象の特性の変動に容易に適合させることができるという利点もある。
【0011】
本発明の実施形態の利点は例えば、カメラ観測によって取得された画像に基づいて、有利には低い信号対雑音比を有する、及び/又はロバストかつ再現可能な方法で、対象の呼吸及び/又は心臓運動を示す良好な信号を導出することができることである。そのような信号は有利には例えば呼吸トリガMRI、再構成処理における動き補償などのために、撮像プロシージャの品質を改善するために使用され得る。
【0012】
本発明の実施形態の利点は検査ゾーン(例えば、スキャナボアの内部)における障害物、例えば、補助コイル、被検体の身体の一部、及び/又は画像プロセス中に使用される他の機器が、ミラー又はミラーによって回避されて、身体上の標的領域の良好な照明及びカメラによるその画像を可能にすることができることである。さらに、そのような光路を構成するための追加のミラーの使用を回避することができること、及び/又は、使用されるミラーを、例えば良好な照明及びカメラ視野を依然として達成しながら、互いの光路を遮断することなく構成することができることが利点である。
【0013】
本発明の実施形態の利点は検査中の被検体がスクリーン上に、及び/又はプロジェクタによって提示される情報又はエンターテインメントを見ることができ、カメラ観測が被検体の視界をブロックしないか、又はその追加の特徴としてそのような視界を可能にする(たとえば、少なくともそれに寄与する)ことさえあることである。
【0014】
本発明の実施形態の利点は、プリインストールされ、例えば一般に使用されているMRIシステムが例えば既存のカメラシステムのミラー又はミラーアセンブリを単に置き換えることによって(及び、既に構成可能な光学及び/又はソフトウェア設定を微調整することによって)、本発明の実施形態に従って容易に後付けされ得ることである。
【0015】
本発明の実施形態の利点はカメラシステムの使用可能なカメラ検出器領域、例えば、利用可能なピクセル(これに限定されないが、例えば、同じ原理はアナログシステムに適用される)が倍率を提供するミラー又はミラーを使用して、対象の身体の関心部分を拡大することによって、より最適に使用され得ることである。
【0016】
本発明の実施形態の利点は、標的領域までのカメラの距離を減少させることなく、カメラによって観測されるべき標的領域のより良好なビューを達成することができることである。例えば、システムの電磁(無線周波数)及び/又は磁場特性に干渉しないように、又は少なくともその影響を最小限に抑えるように、検査ゾーンの外側(例えば、スキャナボアの外側又はエッジ)にカメラ(及び/又は照明光源)を設定することが好ましい場合がある。
【0017】
本発明の実施形態の利点は被検体の生理学的又は他の(例えば、動きに関連する)パラメータが、MRI検査中に正確かつロバストに監視され得ることである。例えば、カメラ画像又はそれから導出された特徴のわずかな強度変化を分析して、心臓、呼吸及び/又は(より一般的)動き信号を抽出することができる。例えば、そのようなアプリケーションのいくつかでは、被検体の身体の部分、例えば顔及び/又は頭部の広い視野を有することが望ましい場合があり、一方、実用的かつ技術的により交絡の少ない位置、例えば磁石ボアフランジの端部に設置されるとき、カメラ間の長い距離は例えば、処理のために使用可能な画像ピクセルの数がかなり少なくなり得るように、視野角を典型的に低減し得る。さらに、監視される身体部分の良好な照明を達成することは、困難であるか、又はあまり効率的でない可能性がある。これらの課題は本発明による実施形態によって克服することができ、又は少なくとも低減することができる。
【0018】
本発明の実施形態によるシステム及び方法は、上記の目的を達成する。
【0019】
第1の態様では、本発明が医用撮像システム、例えば、磁気共鳴撮像システム、コンピュータ断層撮影撮像システム、及び/又は他のそのような診断撮像システムに関する。システムは、少なくとも1つの画像を取得することによって、システムの検査ゾーンに位置付けられている間に検査を受けているときに被検体を監視するためのカメラを備える。システムは、被検体の身体上の標的領域からの光をカメラ上に反射するように検査ゾーン内に配置されたミラーアセンブリを備える。ミラーアセンブリは、湾曲された反射面及び/又は異なる方向に配向された複数の反射面を備える。湾曲された反射面及び/又は複数の反射面は、反射された画像を拡大することによって、及び/又は同じ標的領域の複数のコピーをカメラによって取得された画像の異なる領域に投影することによって、及び/又は標的領域からの光をカメラに反射することと、カメラとは異なる位置にある少なくとも1つの光源からの光を標的領域に反射することとの両方によって、標的領域からの光をカメラに反射するように適合される。画像プロセッサは、カメラによって取得された画像情報を処理して、前記カメラによって取得された画像からフォトプレチスモグラフィ信号を導出するように適合される。
【0020】
したがって、湾曲された反射面及び/又は複数の反射面は、反射された画像を拡大することによって、標的領域からの光をカメラに反射するように適合され得る。
【0021】
追加的に又は代替的に、湾曲された反射面及び/又は複数の反射面は、同じ標的領域の複数のコピーをカメラによって取得された画像の異なる領域に投影することによって、標的領域からの光をカメラに反射するように適合され得る。
【0022】
追加的に又は代替的に、湾曲された反射面及び/又は複数の反射面は標的領域からの光をカメラに反射すると共に、カメラとは異なる位置の少なくとも1つの光源からの光を標的領域に反射するように適合されてもよい。言い換えれば、1つの反射面は光源からの光を標的領域上に、及び標的領域からカメラ上に反射することができ、又は1つの反射面は光源からの光を標的領域上に反射することができ、異なる反射面は、標的領域からカメラ上に光を反射することができる。明らかに、これは、標的に対するインバウンド経路とアウトバウンド経路の両方にそれぞれ1つ(又はそのサブセット)が関与する2つ以上の反射面の使用を排除するものではなく、また、標的からカメラへのアウトバウンド光路に対する照明のための2つ以上の専用反射面及び/又は2つ以上の専用反射面の使用を排除するものでもない。
【0023】
本発明の実施形態による医用撮像システムではミラーアセンブリが第1のミラー部分を備えることができ、この第1のミラー部分はカメラに標的領域のビューを提供するように適合された少なくとも1つの反射面を備える。
【0024】
本発明の実施形態による医用撮像システムでは第1のミラー部分が複数の反射面を含むことができ、各反射面は同じ標的領域をカメラ上に反射するように適合され、標的領域は取得された画像内の異なる光路を介して複製される。
【0025】
本発明の実施形態による医用撮像システムでは、第1の部分がカメラに標的領域の拡大ビューを提供するために収束ミラーを形成する反射面を備えることができる。
【0026】
本発明の実施形態による医用撮像システムでは、収束ミラーが球面ミラー又は放物面ミラーであってもよく、又は少なくとも1つの方向に球面プロファイル又は放物面プロファイルを有する可能性がある。
【0027】
本発明の実施形態による医用撮像システムは検査ゾーン内に光ビームを放出するための少なくとも1つの光源を備えることができ、ミラーアセンブリは光源からの光を標的領域上に反射させるために、第1のミラー部分の反射面とは異なるように配向された少なくとも1つの反射面を備える第2のミラー部分(例えば、第1のミラー部分とは異なる)を備える。
【0028】
本発明の実施形態による医用撮像システムでは、第2のミラー部分が複数の光源からの光が第2のミラー部分の対応する反射面によって標的領域上に反射されるように、異なる配向を有する複数の反射面を備えてもよい。
【0029】
本発明の実施形態による医用撮像システムでは、ミラーアセンブリが被検体が前記スクリーンを介して娯楽、命令、及び/又は情報を視覚的に受け取ることができるように、検査ゾーンの外側のスクリーン(撮像システムの一部でもよい)によって提示される画像を被検体に反射するための第3のミラー部を備えてもよい。
【0030】
本発明の実施形態による医用撮像システムは被検体の頭部領域から磁気共鳴信号を取得するための無線周波数送信器/受信器ヘッドコイルアセンブリを備え得、ミラーアセンブリはヘッドコイルアセンブリに取り付けるように適合され得るか、又はその中に一体化され得る。
【0031】
本発明の実施形態による医用撮像システムは例えば、方向及び/又は位置の構成における何らかの自由度を提供するための1つ又は複数の柔軟な構造及び/又はジョイントを備える、アームアセンブリを備えることができ、医用撮像システムの検査ゾーンで使用するために、ガントリ又は磁石ボアエンクロージャ(の静止部品)上の、又は患者治療台又は他の補助機器上のマウントポイントに固定する(又は取り付ける)ように適合される。したがって、アーム取り付け部は医用撮像システムの中又は上に取り付けられるように(例えば、それに取り付けられるように、又はそれに取り付けられるように、例えば、取り外し可能に取り付けられるように)適合される。ミラーアセンブリは例えば、ミラーアセンブリがアームアセンブリを介してマウントポイントによって支持されるように、アームアセンブリに取り付けるように適合されてもよく、又はアームアセンブリに取り付けられてもよい。アームアセンブリは剛性構造であってもよいが、すでに述べたように、例えば1つ以上のヒンジ、他のタイプの機械的ジョイント(少なくとも自由度を有する)、及び/又は可撓性もしくは柔軟な構造を介して、マウントポイントに対するミラーアセンブリの位置及び/又は方向を構成する自由度を提供するように適合されてもよい。
【0032】
医用撮像システムにおいて、特に磁気共鳴撮像システムの場合、本発明の実施形態によれば、カメラは、システムの磁石ボアハウジングのフランジ端部領域に一体化されるか、又は取り付けられてもよい。光源は、フランジ端部領域に一体化されてもよく、又はフランジ端部領域に取り付けられてもよい。
【0033】
本発明の実施形態による医用撮像システムは、カメラによって取得された画像情報を処理して、被検体に関する情報を導出するように適合された画像プロセッサを備えることができる。
【0034】
本発明の実施形態による医用撮像システムでは標的領域が被検体の額又は頬の一部又はその一部であってもよく、画像プロセッサは前記カメラによって取得された画像からフォトプレチスモグラフィ信号を導出するように適合されてもよい。
【0035】
第2の態様では、本発明が磁気共鳴撮像システムによって検査されたときに被検体の頭部領域から磁気共鳴信号を取得するための無線周波数送信器/受信器ヘッドコイルアセンブリに取り付けるように適合されたヘッドコイル取り付け部に関する。ヘッドコイル取り付け部は、被検体の身体上の標的領域からの光を磁気共鳴撮像システムのカメラ上に反射するためのミラーアセンブリを備える。ミラーアセンブリは、湾曲された反射面及び/又は異なる方向に配向された複数の反射面を備える。湾曲された反射面及び/又は複数の反射面は反射された画像を拡大することによって、及び/又は同じ標的領域の複数のコピーをカメラによって取得された画像の異なる領域に投影することによって、標的領域からの光をカメラに反射するように、及び/又はカメラとは異なる位置の少なくとも1つの光源からの光をカメラとして標的領域に反射するときに標的領域からの光をカメラに反射するように適合される。
【0036】
さらなる態様では、本発明が例えば、方向及び/又は位置の構成において何らかの自由度を提供するための1つ又は複数の柔軟な構造及び/又はジョイントを備え、医用撮像システムの検査ゾーンで使用するために、ガントリ又は磁石ボアエンクロージャの(静止部品)上の、又は患者治療台又は他の補助機器上のマウントポイントに取り付けるように適合されたアーム取り付け部に関する。したがって、アーム取り付け部はシステムの検査ゾーンに配置されたときに被検体を検査するための医用撮像システムの中又は上に固定する(例えば、それに取り付ける、任意選択でそれに取り外し可能に取り付ける)ように適合される。アーム取り付け部は、被検体の身体上の標的領域からの光を医用撮像システムのカメラ上に反射するためのミラーアセンブリを備える。ミラーアセンブリは、湾曲された反射面及び/又は異なる方向に配向された複数の反射面を備える。湾曲された反射面及び/又は複数の反射面は反射された画像を拡大することによって、及び/又は同じ標的領域の複数のコピーをカメラによって取得された画像の異なる領域に投影することによって、標的領域からの光をカメラに反射するように、及び/又はカメラとは異なる位置の少なくとも1つの光源からの光をカメラとして標的領域に反射するときに標的領域からの光をカメラに反射するように適合される。
【0037】
第3の態様では、本発明が磁気共鳴撮像システムによって検査されたときに被検体の身体から磁気共鳴信号を取得するための無線周波数送信器/受信器コイルアセンブリに関する。無線周波数送信器/受信器コイルアセンブリは、被検体の身体上の標的領域からの光を磁気共鳴撮像システムのカメラ上に反射するためのミラーアセンブリを備える。ミラーアセンブリは、湾曲された反射面及び/又は異なる方向に配向された複数の反射面を備える。湾曲された反射面及び/又は複数の反射面は反射された画像を拡大することによって、及び/又は同じ標的領域の複数のコピーをカメラによって取得された画像の異なる領域に投影することによって、標的領域からの光をカメラに反射するように、及び/又はカメラとは異なる位置の少なくとも1つの光源からの光をカメラとして標的領域に反射するときに標的領域からの光をカメラに反射するように適合される。
【0038】
第4の態様では、本発明が医用撮像システムの検査ゾーンに位置付けられている間に医用撮像検査(例えば、MRI、CT、又は他のタイプの医用撮像検査)を受けているときに、被検体を監視するための方法に関する。本方法は、検査ゾーン内にミラーアセンブリを提供するステップと、被検体の身体上の標的領域を照明するステップと、ミラーアセンブリの第1の部分の反射面を介して標的領域を観測するためにカメラによって少なくとも1つの画像を取得するステップとを含む。標的領域を照明するステップは光源からの光を、ミラーアセンブリの第2の部分の反射面を介して標的領域に反射するステップを含み、及び/又は画像を取得するステップはミラーアセンブリの第1の部分の湾曲された反射面によって拡大された標的領域を観測するステップ、及び/又はミラーアセンブリの第1の部分の複数の異なる向きの反射面を介した反射によって取得された画像の異なる領域に複製された標的領域を観測するステップを含む。
【0039】
独立請求項及び従属請求項は、本発明の特定の及び好ましい特徴を記載する。従属請求項の特徴は独立請求項の特徴と、及び適切とみなされる他の従属請求項の特徴と組み合わせることができ、必ずしも請求項に明示的に記載されているだけではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の実施形態による、医用撮像システム、例えば、磁気共鳴撮像システムを示す。
図2】本発明の実施形態による、カメラ及び光源が一体化されたMRIスキャナボアのフランジ部分の写真を示す。
図3】カメラ画像を示し、それによって、MRIシステムのヘッドコイル上のミラーを介して患者の額の反射を監視することができる。
図4】光源から患者の額への光路、及びミラーによる患者の額からカメラへの光路を、当技術分野で知られているようなミラー構成で示している。
図5】本発明の実施形態による、光源から患者の額への光路と、患者の額からカメラへの光路とを示し、これらの光路の各々は、別個の反射面によって促進される。
図6】当技術分野で知られているように、患者の顔(又はその部分)を観測することができる前面開口部を有するMRIヘッドコイルを示す。
図7】本発明の実施形態による、MRI検査中に対象の身体上の関心対象の標的領域を、カメラによって取得された画像の異なる領域に複製するための複数の反射面を備えるミラーアセンブリを示す。
図8】本発明の実施形態による、MRI検査中に、対象の身体上の関心対象の標的領域上に光源からの光を反射するとともに、標的領域のビューをカメラ上に反射する複数の反射面を備えるミラーアセンブリのさらなる例を示す。
図9】本発明の実施形態による、システム又は装置で使用するための、湾曲ミラーの光線ジオメトリを図示する。
図10】本発明の実施形態による方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図面は概略的なものであり、限定するものではない。図面中の要素は、必ずしも縮尺通りに表されていない。本発明は、必ずしも、図面に示される本発明の特定の実施形態に限定されるものではない。
【0042】
以下に記載される例示的な実施形態にもかかわらず、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。添付の特許請求の範囲はこの詳細な説明に明示的に組み込まれ、各請求項、及び請求項によって定義される従属構造によって許容される請求項の各組合せは本発明の別個の実施形態を形成する。
【0043】
「含む」という用語は、特許請求の範囲で使用される場合、以下に記載されるような特徴、素子、又はステップに限定されず、追加の特徴、素子、又はステップを除外しない。したがって、これは、1つ又は複数の特徴のさらなる存在又は追加を除外することなく、言及された特徴の存在を明記する。
【0044】
この詳細な説明では、様々な特定詳細が提示される。本発明の実施形態は、これらの特定詳細なしに実行することができる。さらに、周知の特徴、素子、及び/又はステップは本開示の明瞭さ及び簡潔さのために、必ずしも詳細に説明されない。
【0045】
第1の態様では、本発明が検査ゾーンを備え、検査ゾーン内に配置されている間に検査を受けるときに被検体を監視するためのカメラシステムを備える医用撮像システム、例えば磁気共鳴撮像システムに関する。
【0046】
本発明の態様は磁気共鳴撮像システムに関して詳細に論じられるが、本発明の実施形態はコンピュータ断層撮影撮像システム、単一光子放出コンピュータ断層撮影システム、陽電子放出断層撮影システム、及び/又は他の医用撮像システムなどの異なるタイプの医用撮像システムに等しく適用され得ることが理解されよう。また、撮像システムは例えば、療法(例えば、放射線療法)を行うために、外科的処置を支援するために、又は別の種類の医療介入を行うために、他の医用システムと組み合わされてもよいことが理解されよう。したがって、対象の画像は、療法又は他の医学的介入を案内するためにシステムによって取得され得る。さらに、磁石ボアエンクロージャなどの磁気共鳴撮像システムの典型的な構成要素について言及する場合、他の実施形態は、異なる撮像モダリティに関し得、そのような構成要素は類似の構成要素、例えば、類似又は同一の機能を有する、又は概して類似又は同一の形態を有する、類似の構成要素によって置換され得ることが理解されよう。例えば、磁石ボアエンクロージャが参照される場合、これは、コンピュータ断層撮影撮像システムのガントリに類似していると考えることができ、これまでのところ、類似性が意味をなすことが理解されよう。同様に、ヘッドコイルアセンブリに言及する場合、これは放射線療法又は外科的処置、放射線療法マスクなどを計画及び実行する際に使用する定位ヘッドフレームなどの、他のタイプのシステム(又は同様にMRIで使用することができる異なるタイプのヘッドエンクロージャ)で使用するためのヘッドエンクロージャに類似し得ることが理解されよう。これらの注釈は以下でさらに議論される本発明のさらなる態様、例えば、実施形態による方法に等しく適用される。
【0047】
図1は、本発明の実施形態による磁気共鳴撮像システム1を概略的に示す。磁気共鳴検査システムは検査ゾーン11を画定する一次磁石アセンブリ10を備え、例えば、検査ゾーンは、磁石アセンブリによって実質的に生成され、制御されるような磁場条件が磁気共鳴撮像に適しているボリュームによって形成されてもよい。したがって、検査ゾーンはシステムの磁石ボアによって囲まれた体積(の少なくとも使用可能な部分)に対応し得る(限定されないが、例えば、本発明の原理は開放ボアシステム及び他の、より頻繁に使用されない磁石アセンブリ構成に等しく適用される)。
【0048】
検査対象の被検体、例えば患者13はシステムの使用時に、検査ゾーン内の患者治療台14上に配置されてもよい。一次磁石アセンブリは検査ゾーン内に固定の均一な磁場を生成するために、例えば同軸(例えば超伝導)巻線などの磁石巻線を備えてもよい。検査ゾーンは、これらの磁石巻線によって包囲される円筒形ボリュームであってもよい。
【0049】
システムは使用中のシステムによって取得された磁気共鳴信号から、磁気共鳴画像、例えば断層撮影MRI画像を再構成するための再構成器15を備えてもよい。再構成された画像は、表示、処理、又は記憶のために出力16を介して提供され得る。
【0050】
RF T/Rヘッドコイル12のような補助装置は、使用中、被検体の頭部から磁気共鳴信号を取得するために検査ゾーンに配置されてもよい。他の補助コイル構成は他の身体部分から信号を取得するために、又は異なる使用事例のために使用され得るが、典型的には信号はまた、一次磁石アセンブリのハウジング内にすでに一体化された受信器コイルによって受信され得る。
【0051】
他の実施形態では、システムが異なる撮像モダリティのための医用撮像システム、例えば、コンピュータ断層撮影システム(これに限定されない)であってもよいことが理解されるのであろう。
【0052】
システムは、カメラ21を備えるカメラシステムを備える。カメラシステムは例えば、バイタルサイン、動き、苦痛の指標などを取得するために、検査されている被検体から情報を取得するように適合される。この情報を取得することは評価のためにオペレータに提示されるべき画像を単に取得すること、すなわち、画像を観測することによって情報を導出することを指すことがあり、及び/又は例えば、電子処理装置によって処理するための画像を取得して、関心パラメータ又は複数のパラメータを表す有用な値又はインジケータを決定することを指すことがある。
【0053】
カメラ21は、検査ゾーンの1つのエントリの近くに取り付けられてもよい。例えば、カメラはMRボアのフランジに一体化されるか、又は取り付けられてもよい(例えば、使用可能な自由ボア直径が影響を受けないか、又は最小限にしか低減されないように、及び/又はMRシステムの動作に対する干渉を回避又は最小限にするように)。これは、例えば、このフランジにおける(任意の)照明ライト29の一体化も示す図2の写真によって示される。
カメラシステムはまた、例えば、光軸の向き、焦点距離などのパラメータを調整するために、カメラ21を制御するためのカメラ制御部25を備えてもよく、カメラシステムは、カメラ21によって取得された検査ゾーン11の内部の画像を表示するためのディスプレイ26を備えてもよい(未処理、又は適切な処理の後)。これにより、オペレータは、検査ゾーン内の被検体を視覚的に監視することができる。
【0054】
カメラ21によって取得された画像は取得されたカメラ画像から被検体に関する情報を導出するために、画像プロセッサ27(例えば、ソフトウェアで実装されてもよい)に提供されてもよい。
【0055】
画像プロセッサ27はカメラシステムによって取得された画像情報を処理するように適合されてもよく、例えば、患者のバイタルサイン、及び/又は患者の動き、及び/又は患者の苦痛の兆候(又はより一般的には患者の気分検出)、及び/又はフォトプレチスモグラフィ(PPG)、及び/又は音声のビデオベースの検出(又が例えば、顔の特徴に基づく単純な単語又は命令の音声の認識)などの、患者から情報を取得するために、静的又は動的な画像分析を実行するように適合されてもよい。患者の運動に関する情報は例えば、呼吸運動及び/又は心臓運動、例えば、呼吸及び/又は心周期フェーズの位相を示す情報を含むことができる。例えば、患者の動きに関する情報は、患者の身体の外船体の画像情報から導出されてもよい。情報は(例えば、画像ベースの動き検出器によって)処理することによって、及び/又はオペレータもしくはスタッフメンバーによるシステムを介した患者の(直接的)視覚的モニタによって、決定され得る。
【0056】
呼吸及び/又は心臓フェーズ情報(及び/又は動きを示すより一般的な情報)は取得された磁気共鳴信号を動きに対して補正するために、及び/又は再構成された磁気共鳴画像に動き補正を適用するために、再構成器15に提供され得る。例えば、心臓トリガ信号は、カメラからのビデオ信号に基づいて決定され得る。心臓トリガリングは明らかな理由から、心臓MRIに特に有用であるが、より一般的に適用されてもよい。例えば、ニューロ撮像において、血液及び/又は脳脊髄液の拍動性の流れによって引き起こされる頭部及び/又は頸部のスキャンにおけるアーチファクトは、そのようなトリガ技術又は心臓フェーズ信号に基づく他の補償アプローチによって抑制又は低減され得る。これはまた、頸動脈における血流の定量的測定に有用であり得る。さらに、PPG信号は例えば、額や頬などの被検体の顔における皮膚ピクセルの微妙な強度変化を分析することによって、ビデオ信号から抽出することができる。
【0057】
本発明の実施形態による磁気共鳴撮像システムでは、カメラシステムはまた、1つ以上の光源29を備えてもよい。撮像のために受動照明に依存する実施形態は必ずしも除外されないが、照明条件はより良好に制御され得、撮像はアクティブ照明を使用するとき、より効果的であり得ることが、当業者によって理解される。
【0058】
光源29はその光ビームを検査ゾーンの中/上に直接方向付けるように構成され、位置決めされてもよく、場合によってはミラー又は反射面によって支持される。さらに、複数のミラー(又はファセットミラー)又は湾曲したミラーを使用することにより、たとえカメラと光が同じ場所にないか、又は互いに非常に近接していなくても、対象上の異なる領域を単一の光源で効果的に照明することができ、及び/又は光源からの照明光を対象の標的領域上に反射させることと、カメラによる(反射された画像を介して)その観測の両方を可能にすることができる。
【0059】
光源及び/又はカメラは検査ゾーンの外側に、又はそのエッジ領域の上もしくは近くに配置されてもよい。これは、磁気共鳴撮像システムの設定を単純化することができ(例えば、システムのRF及び磁場動作との干渉を回避又は低減することができる)、検査ゾーンにおいてより自由なボア幅を提供することができる。例えば、円筒形ボアシステムの場合、カメラ及び光源の両方(又はそれらの何れか一方)はボアの一端のボアエンクロージャのフランジに配置されてもよく、これは、他端を実質的に自由にしておくことができ、例えば、検査ゾーンへの妨げられないアクセスを可能にし(患者及び/又は補助機器を検査ゾーンに持ち込むため)、システムによって撮像されている間に、被検体に対する潜在的な閉所恐怖症の影響、したがって、可能性のある不快感を低減する。
【0060】
光源29は例えば、ボアのフランジ端部において互いに隣接して、又は長手方向において一般的に同じフランジ領域において、例えば長手方向軸の周りの角度だけ分離されて、例えば、図2を参照されたい、カメラの隣に、又はカメラの近傍に配置されてもよい。光源とカメラとが比較的近接して配置される場合、光源からの放射光を検査ゾーン(例えば、観測される身体部分)に導き、観測された検査ゾーンからカメラに再び戻すために、例えば、同じミラーが光路内で効果的に2回使用されるように、ミラー又は反射面を使用することができ、したがって、必要とされるミラーの数を減らすことができる(ただし、これに限定されない)。光源及びカメラを互いに近接して配置することは、利用可能なボア幅への影響(の減少)を最小限に抑え、任意選択で、電源及び/又は制御信号のためのケーブル又は導管を共有する(RF及び/又は磁場干渉を回避又は減少する観点からシステムの設計を簡略化することもできる)など、さらなる利点を有し得る。しかしながら、カメラと光源とが実質的な距離、例えば、長手方向軸の周りの異なる角度位置(例えば、少なくとも10°の分離、例えば、少なくとも20°の分離、又は更に実質的により大きい、例えば、30°乃至120°の範囲、例えば、45°乃至90°の範囲、例えば、30°乃至60°の範囲)だけ離れている場合であっても、カメラによって良好な照明並びに単一のミラーのみを有するカメラによって良好な視界を達成することができることは、実施形態の利点である。
【0061】
本発明の実施形態による磁気共鳴撮像システムでは、カメラ(又は複数のカメラ)が(例えば、狭い)赤外線波長範囲内の、及び可視波長範囲外の光を動作させる(例えば、実質的にもっぱら感光する)ように適合され得る。
【0062】
本発明の実施形態による磁気共鳴撮像システムでは、カメラ(又は複数のカメラ)が可視波長範囲で動作するように(例えば、実質的に排他的に感度が高いように)、例えば、広い白色光スペクトル又はその部分、例えば、カラーバンドに感度が高いように適合されてもよい。カメラはモノクロ情報を取得するように適合されてもよく、又は、例えば、異なる色成分、例えば、赤色、緑色及び青色成分(これらに限定されない)を、好ましくは独立してかつ実質的に同時に検出するように適合された、カラーカメラであってもよい。カメラはまた、比較的大きい(例えば、3つより多い)スペクトル成分を検出するように適合されてもよく、例えば、マルチスペクトルカメラであってもよい。
【0063】
光源はカメラに適したスペクトルの光を放射することができ、例えば、広帯域白色光は、動作する可視範囲のモノクロ又はカラーカメラに照明を提供することができる。同様に、赤外線光源を使用して、赤外線カメラが感度を有するスペクトル範囲の赤外光を放射することができる。光源とカメラのスペクトルは必ずしも同一ではないか、又は必ずしも密接に関連していなくてもよく、例えば、光源のスペクトルはカメラが感度を有するスペクトルと十分な重複が存在する限り、より広くてもよいことが理解されよう。
【0064】
カメラはアナログカメラであってもよく、好ましくは例えばピクセル光検出器のアレイを含むデジタルカメラであってもよい。
【0065】
システムは検査ゾーンに配置されたミラーアセンブリ22を備え、顔又はその一部(例えば、目又は眼球、額の領域、…)などの被検体の身体部分からの光をカメラに反射し、及び/又は光源からの光を前記身体部分に反射する。ミラーアセンブリ22は、1つ以上のミラー及び/又は反射面を備える。ミラーアセンブリは(例えば、非金属)ミラーを含むことができる。「ミラー」という用語の使用は狭く解釈されるべきではなく、例えば、ミラーアセンブリはミラー及び/又は反射体として動作する、すなわち、関心のスペクトル範囲内の光を反射する構成要素から構成され得る。ミラーアセンブリは少なくとも、関心のある身体部分からカメラに向けて画像を反射するように適合された部分(必ずしも、カメラに向かうその経路に沿った追加のミラーを除外しない)、すなわち、相当な品質の画像を形成することができるように実質的な散乱及び/又は拡散を伴わずに光を反射するのに適した部分を備える。ミラーアセンブリは光源(複数可)からの光を関心身体部分上に反射する別の部分(複数可)を備え得るが、この第2の部分(複数可)の要件はより緩和され得、例えば、反射光の散乱又は拡散は許容可能であり得る。
【0066】
ミラーアセンブリ22は例えば磁石ボアエンクロージャの検査ゾーンの内壁に、及び/又は患者テーブル(又は患者治療台)又はヘッドコイルアセンブリのような補助装置に取り付けることができる。例えば、ミラーアセンブリは、アームアセンブリを介して患者テーブルに取り付けられてもよい。したがって、ミラーアセンブリは例えば、頸部MR検査、頭部MR検査、頭部MR検査、及び/又は神経放射線MR検査のために使用されるように、頭部T/Rコイルに取り付けられるか、又はその一部として形成され得る。ヘッドコイル内又はヘッドコイル上にミラーを一体化することは、例えばスキャナボアのような既存の装置の高価な又は複雑な修正を回避することができることに留意されたい。例えば、ボアのフランジ上に取り付けられた、カメラ間の比較的遠い距離は例えば、額又はその部分のみを示す、非常に限られた視野をもたらし得るが、これはいくつかのアプリケーション、例えば、ピクセル強度のわずかな変動によって血液拍動を監視するのに十分であり得る。
【0067】
本発明の実施形態による医用撮像システムは医用撮像システムの検査ゾーンで使用するために、ガントリ又は磁石ボアエンクロージャ(の静止部品)、及び/又は患者治療台及び/又は他の補助機器上のマウントポイントに固定される(又は取り付けられる)ように適合されたアームアセンブリを備え得る。したがって、アーム取り付け部は医用撮像システム又はその部分(例えば、患者治療台)の中又は上に固定される(例えば、取り付ける、又は取り付けられる、例えば、取り外し可能に取り付けられる)ように適合される。ミラーアセンブリは例えば、ミラーアセンブリがアームアセンブリを介してマウントポイントによって支持されるように、アームアセンブリに取り付けるように適合されてもよく、又はアームアセンブリに取り付けられてもよい。アームアセンブリは剛性構造であってもよいが、例えば、1つ以上のヒンジ、他のタイプの機械的ジョイント(少なくとも1つの自由度を有する)、及び/又は可撓性もしくは柔軟な構造を介して、マウントポイントに対するミラーアセンブリの位置及び/又は方向を構成する自由度を提供するように適合されてもよい。
【0068】
ヘッドコイル内に一体化されるか、又はヘッドコイルに取り付けられる(又は取り付け可能)ミラーアセンブリに関する実施形態を以下にさらに説明するが、同じ原理が補助機器の異なる設計に適用され、ミラーアセンブリが検査ゾーンの(内側)壁に取り付けられるときに同様の結果が得られることも理解されよう。例えば、ミラーアセンブリをヘッドコイルによって支持する代わりに、ミラーアセンブリは、ヘッドコイルの上方(又はヘッドコイルが使用されない場合はヘッド)のボア壁によって、又はカメラによって観測される対象となる別の身体部分の上方で、等しく支持することができる。
【0069】
(a)ミラー/反射器の使用は、観測のための関心領域がカメラによる直視から遮断されるときに特に有利であり得る。例えば、障害物は検査ゾーンへのカメラの直接視線内に位置する、不透明なオブジェクト、例えば、ローカル無線周波数(RF)送信又は受信(T/R)アンテナなどの補助機器によって形成され得る。他の可能な障害物は、被検体の身体の一部を含む。
【0070】
好ましくは、ミラーアセンブリ22が磁気共鳴撮像システムの無線周波数動作を妨害せず、及び/又はMRIシステムの磁場及びRF動的送信場を乱さない。非金属ミラーは、この利点を達成するのに特に適している。例えば、非金属ミラーは例えば誘電体共振器がスタックによって形成されるように、例えば異なる屈折率の層のスタックを含む誘電体ミラーであってもよい。そのような装置は狭い波長範囲に特に適しているが、スタック内の層の厚さを変化させることは異なる波長の反射に対応することができ、その結果、広帯域反射(又はその近似)又は複数の色成分の反射も容易に達成することができることが理解されるのであろう。
【0071】
本発明の実施形態による磁気共鳴撮像システムでは、ミラーアセンブリが特に、カメラの撮像面上に関心のある身体部分の画像のフォーメーション(カメラ観測のため)を可能にするように、及び/又は光源から関心のある身体部分へ光を反射するように、光を反射するように適合され得る。任意選択的に、ミラーアセンブリ、又はその少なくとも部分は(人間の)視覚的範囲の光に対して、すなわち、異なるスペクトル範囲が赤外線などの照明及びカメラ画像に使用されるときに、透明又は半透明であってもよい。
【0072】
したがって、ミラーアセンブリ22はカメラがその部分から画像情報を得ることができるように、検査ゾーンの一部、すなわち、被検体が検査を受けているときに身体部分が位置する部分とカメラとの間に光路を配置することができる。ミラーアセンブリは例えば、磁石ボアエンクロージャの内壁に取り付けることによって、検査ゾーン内に配置することができる。あるいは、ミラーアセンブリが例えば、検査ゾーン内の患者治療台上に配置されるとき、局所無線周波数(RF)コイル上など、検査ゾーン内の補助機器上に配置されてもよい。例えば、ミラーアセンブリをRFヘッドコイルに取り付けることが実用的であり得る。
【0073】
例えば、ニューロスキャンは、通常、患者の頭部を磁石のアイソセンタに配置されたヘッドコイルの内側に配置して実施される。ニューロコイルは患者の頭部及び頸部を実質的に完全に包囲し、その結果、頭部のカメラによる直接的な視界は、ほとんど不明瞭になる。例えば図2に示すように、ボアのフランジにカメラを取り付けることができる。ヘッドコイル内に配置された患者のビューがビュー3に示されている。患者の額の小さな部分は、例えば領域41によって示される、ヘッドコイルの上部に取り付けられたミラーによって観測することができる。ヘッドコイルによる頭部の実質的な囲いは、限定されたビュー、例えば、この例では前額部の小さな部分のみを可能にすることによって問題を提起し、標的領域を適切に照明することをより困難にする。例えば、ボア壁によって散乱された間接光のみが関心領域に到達するように、ボアライト(例えば、図2参照)によって額を直接照明することは困難であり得る。
カメラ及びボアライトがボアのフランジ上の異なる位置に配置されるという事実も、不十分な照明の問題に寄与し得る。単一の平面ミラー43は図4に示されるように、光源29からの光を、標的領域(例えば、額)ならびに標的領域からの光をカメラ21上に効果的に(又は十分に)反射することができない。言い換えれば、カメラによって標的領域の良好なビューを得るために、ミラーは、ボア光からの光を同じ領域上に効果的に又は効率的に投射することができない。
【0074】
したがって、ミラーアセンブリ22は、本発明による実施形態では湾曲しているか、又はファセット加工されている。ファセットミラーアセンブリは、互いに平行でない複数の反射面を備えてもよく、その結果、異なる向きの部分が空間内の異なる体積からの光を、実質的に同じ標的領域上に、又はその逆に反射することができる。したがって、光源からの光は標的領域上に反射され得、標的領域は異なる位置でカメラによって観測され得、及び/又は異なる光源からの光は標的領域に向けられ得る。同様に、異なるカメラは異なる向きのミラーファセットを使用して、マルチカメラ設定内の同じ領域を見ることができ、又は、同じ標的領域が例えば、アルゴリズム処理目的のために、標的領域に対応する利用可能なピクセルの数を増加させるために、カメラによって取得されたカメラ画像内で複製され得る。
【0075】
例えば、図5は、ファセットミラーを用いた設定を模式的に示している。ミラーアセンブリ22は、第1のミラー43及び少なくとも第2のミラー44、又は複数の追加のミラーを備える。言い換えれば、1つ又は複数の追加のミラー又はミラーセグメント44が図4に示す第1のミラー43に追加されて、このようなファセットミラーを形成し、この第2のミラーは、異なる傾斜角を有する。第2のミラーは、光源からの光を、第1のミラーを介してカメラによって見られる額の領域に反射するように傾斜させることができる。
【0076】
(スキャナシステムの縦軸に垂直な、すなわち横軸の周りの)水平軸の周りの傾斜に加えて、第1のミラーの平面と一致しない第2のミラーの平面Aによって示されるように、この第2のミラーはまた、垂直軸(使用時、患者が従来の仰臥位で撮像されるときの前頭軸)の周りに傾斜されてもよい。これは、カメラ及び光源が例えば、図2を参照すると、同じフランジ領域内の異なる角度位置に配置され、標的領域に光を投影し、カメラによって標的領域を撮像する実施形態において明らかに有利である。第2のミラーファセットは例えば、異なる光源からの光を標的領域上に投影するために、角度(傾斜)が異なる複数の異なるミラーファセットを備えてもよい。図2の例では光源が実質的に同じ垂直位置(高さ)に設けられ、例えば、ボアは同じ長手方向位置(ボアのフランジ端部)で、水平面(これに限定されない)において最も幅広であるが、中心に対して異なる側部に設けられる。したがって、この例では2つの第2のミラー44が垂直に対して同じ角度を有し得るが、この垂直軸の周りで異なるように傾斜され(例えば、アイソセンタを通る垂直面に対して対称的に)、例えば、それぞれが、示される軸Aの周りで異なる傾斜を有する。
【0077】
したがって、実施形態によるミラーアセンブリは少なくとも2つのファセット部分を備えることができ、これらのファセット部分は別個のミラーもしくは反射面であってもよく、又は1つもしくは複数のファセットエッジラインがファセットを接続する(例えば、単一のミラーとして一体的に形成されてもよい)、単一の接続されたミラー及び/もしくは反射器構造の一部を形成してもよい。上記の例から分かるように、ミラー又は反射面は例えば3乃至10、例えば3乃至5、例えば3又は4のファセット部分、例えば各カメラ及び各光源の少なくとも1つの反射源(及び、以下に更に詳細に説明するように、カメラによって取得された画像内の異なる領域上に標的領域の複数のコピーを反射するための可能な追加の反射面)の少なくとも3つのファセット部分を含むことができる。
【0078】
前記(又は各)二次ミラー(又はミラーファセット)44のサイズ及び形状は、前記(又は対応する)光源によって照明されたときにカメラによって見られる関心領域に対応する(又は強く重なる)照射領域を生成するように適合され得る。二次ミラーは長方形であってもよいが、これは厳密に必要ではなく、例えば、この目的のために長方形の形状から外れてもよい。したがって、サイズ及び形状は、装置の使用中のミラーアセンブリの想定される位置、観測される領域のサイズ及び形状、ならびに光がそこから標的領域に反射される光源の位置に基づいて決定することができる。
【0079】
また、2つ以上の光源から光を受光するためのさらなる二次ミラーファセット(例えば、ミラーアセンブリが2つ以上の異なる向きのファセットを含むよう)の使用は例えば、1つの光源によって照明されたときに影が投射される各領域が別の光源によって十分に照明されるように、関心領域における影を回避するために有利であり得ることにも留意されたい。
【0080】
第1のミラー(ファセット)43は第2のミラー44(例えば、それぞれ)よりも大きくてもよい。したがって、第1のミラーはカメラ上に良好な画像を投影することができるように広い面積を使用することができ、一方、良好な照明を提供する補助機能を有する第2のミラーのためにより少ない空間が確保される。
【0081】
例えば、第1のミラー43は、実施形態に従ってミラーアセンブリが取り付けられ得るヘッドコイルの開口部のサイズに(横方向に)制限され得る。図6は典型的なヘッドコイルアセンブリ12を示しており、正面開口が、ミラーアセンブリ、例えば第1のミラー43に使用可能な最大幅dを提供する。第1のミラーの幅を開口部のこの幅dに、又はその近くに適合させることによって、(例えば、完全)前額部の良好な視野をカメラによって達成することができる。これは、ミラーがこの幅に厳密に限定されることを必ずしも意味するものではなく、例えば、光学及び設計の考慮は(例えば、わずかに)より広い設計を動機付けることができる。第1のミラーが湾曲している場合、例えば収束ミラーを形成する場合、ミラーの(使用可能)幅をさらに増加させることが可能であり得る。
【0082】
しかしながら、そのような開口は一般にその幅に比べてかなり大きいので、一次ミラー43を二次ミラー44のために使用することができる(水平面内)。さらに、第2のミラーの異なる角度付けが、より鋭角から関心領域に光を向けることを可能にし得るので、何れかの側面(やはり水平面内)への空間も、追加的に又は代替的に使用することができる。2つ以上の光源及び2つ以上の二次ミラー44の使用は、光がより鋭角で標的領域上に投射される場合、より大きな影がそのような場合に投射され、追加の照明経路によって補償され得るので、さらにより有利であり得ることにも留意されたい。
【0083】
したがって、カメラによって観測される領域の良好な照明は実施形態によって達成することができ、これはまた、カメラ画像分析に基づいて、例えば、カメラ画像からの遠隔PPG信号を推測することに基づいて、よりロバスト及び/又は正確な信号検出を可能にする。
【0084】
図8は例えば、使用中のボアカメラによって検出され得るような、MRI撮像のためのヘッドコイル12への取り付けのためのミラーアセンブリ22の例を示す。ミラーアセンブリは標的領域の画像をカメラ上に反射するための第1のミラー43を備え、2つの第2のミラー44はそれぞれの光源からの光を標的領域上に投影する。
【0085】
ミラーアセンブリ22は1つ以上のミラー及び/又は反射面、例えば、被検体の身体部分からの光をカメラ上に反射するための第1のミラー又はミラー部分43を含む。上述のように、ミラーアセンブリ22は、光源からの光を前記身体部分上に反射するための第2のミラー又はミラー部分44を備えることもできる。ミラーアセンブリ22はまた、第3のミラー又はミラー部分45(概念的には図8の第1の部分の下の領域に概念的に示される)を備えてもよく、これは例えば、エンターテインメント、指示、及び/又は情報を被検体に提供するために、スクリーンによって被検体に(例えば、被検体の目又は目の上に)提示される画像を反射する。例えば、使用時には図8の例におけるミラー43がカメラによってこの領域を観測するために額のほぼ上方に配置されてもよく、一方、二次ミラー44はその領域を照明するために(使用時の頭側方向の意味で)より高く配置されてもよい。第3のミラー部分45は第1のミラーの下に(例えば、使用時に尾側方向に)、例えば、被検体の眼の上に配置された使用時に、被検体がスクリーン(例えば、ディスプレイ又は投影スクリーン)を見ることを可能にするために追加されてもよい。この第3のミラー(又はミラーファセット)の傾斜角は、この目的のために適合させることができる。
【0086】
(複数の異なる傾斜ファセットを備える一体的に形成されたミラーアセンブリとは対照的に)別個のミラー素子を使用することの利点は、各ミラー素子が例えば、摺動ベース又は旋回ベースを使用して、位置及び/又は方向において調整可能であるように構成され得ることである。これは、異なる使用事例、例えば、カメラ及び光源が固定位置にあるとき、長手方向スキャナ軸に沿ったミラーアセンブリの異なる位置にミラーアセンブリを調整するための追加の柔軟性を提供することができる。それにもかかわらず、一体的に形成された構造体は、例えば、堅牢性及び使い易さの点で、他の利点を提供することができる。
【0087】
さらに、カメラ上に関心対象をミラーリングするための第1のミラー部分は複数の別個の部分、例えば、ファセット又は個々のミラーを含むことができ、各々は、被検体の身体上の実質的に同じ関心領域をカメラ上に反射するように適合される。したがって、取得されたカメラ画像内の異なる光路を介して関心領域を複製することができる。
【0088】
例えば、身体上の標的領域が比較的小さい場合、例えば、額又はその部分(例えば、額の中央前面領域)は、この領域を非常に広く結像するために個々のミラーファセットを作る必要がない場合がある。関心領域の他の例としては、眼球が挙げられ、例えば、眼球追跡又は覚醒モニタが挙げられる。したがって、そのような領域を観測するための単一の平坦ミラーは、MRヘッドコイルの開口部よりも幅広である必要はない。これは、追加のミラー又はミラーセグメント、例えば、互いに対してわずかに異なる角度にあるフラットミラーセグメントを追加するための空間を残す。図7はミラーアセンブリ22、例えば、その第1の部分43が、3つの(この数に限定されない)ミラー51、52、53を備える例を示す。したがって、ミラーアセンブリ22は被検体の身体部分からの光をカメラ上に反射するための第1のミラー部分43を備えることができ、この第1のミラー部分は複数のミラー51、52、53、及び/又は、例えば、わずかに異なる角度からカメラ上に関心の身体部分の実質的に同じ標的領域を反射するように適合された、例えば、配向されたミラーファセットからなる。第1の部分のこれらのミラー51、52、53は平坦であり、又は湾曲していてもよく、例えば、収束又は集束形状(又は、例えば、格子設計によって達成されるその等価物)を有していてもよい。(例えば、平坦)ミラーは同じ(例えば、実質的に重複する)領域がカメラ上に投影されるように、異なる角度で配向されてもよい。したがって、効果的には、カメラが同じ領域、例えば額又はその部分、例えばカメラ画像内で並んで、複数の反射を観測することができる。この画像は、次いで、カメラ内の画素のセンサノイズが典型的には無相関であるか、又は少なくとも強い相関関係がないため、信号対雑音比を有利に改善し得る、心臓信号などの有用な情報を抽出するために処理され得る。これは、一実施形態では独立した方法で、又は上述の第2及び/又は第3のミラー部分と組み合わせて使用することができる。例えば、図7に示す例では、全幅がミラーアセンブリを取り付けることができるヘッドコイルの開口部の幅におおよそ対応することができ、一方、個々のミラーは関心領域、例えば、前額部の前面領域及び中央領域(これに限定されない)のサイズ(及び/又は形状)程度である。例えば、これは、図3の状況概要に示される領域41に対応し得る。
【0089】
追加的に又は代替的に、ミラーアセンブリ22又はその中に含まれる部分は、例えば収束(集束)ミラー、例えばズームミラーを形成するように湾曲させることができる。例えば、カメラと観測される患者の領域との間の比較的遠い距離、例えば、額(例えば、遠隔PPG測定を可能にする)は例えば、カメラが磁石ボアのフランジ上又はその近くに取り付けられるとき、比較的低い視野角をもたらし得、関心領域は、取得された画像中の少量のカメラピクセルのみをカバーする。これは、心臓信号などの関心信号のビデオベース抽出のための信号対雑音比(SNR)を制限する。
【0090】
これはより大きい焦点距離を有するカメラレンズを選択することによって、少なくともある程度は克服され得るが、これはカメラの全体的な視野を制限するという欠点を有し、これは動き追跡及び一般的な患者モニタリングなどの他の用途に有用であり得る。
【0091】
この概念はまた、複数のミラー又はミラーセグメントが同じ関心領域、例えば、その同じ身体部分又は関心領域上で実質的に重なり合う、カメラにビューを提供するように構成される、上述の特徴と組み合わせることができることに留意されたい。言い換えれば、ミラーセグメントの各々は、ズームされた反射を提供するように湾曲され得る。
【0092】
カメラ21によって取得された画像は取得されたカメラ画像から被検体に関する情報を導出するために、画像プロセッサ27(例えば、ソフトウェアで実装されてもよい)に提供されてもよい。
【0093】
画像プロセッサ27は、カメラシステムによって取得された画像情報を処理するように適合され得る。例えば、倍率及び/又は画像複製(例えば、患者上の同じ標的領域の複数の画像領域への)は画像内の複数のピクセル(特に、複製及び/又は光学倍率が適用されないときに利用可能であるよりも多い)を提供することができ、これは、対象の信号の信号抽出に適している(必ずしも、複数の反射を使用するときに画像内で等しく複製され得るか、又は倍率によって増強され得る、より大きいスケールの画像特徴、例えば、エッジ検出などに依存する信号処理を除外しない)。したがって、信号抽出は各ピクセル(又は画像内で複製されるピクセル領域、又は画像特徴)に適用され得、その結果は関心信号のよりロバスト及び/又はより正確な推定を生成するために、たとえば、平均化(それに限定されない)によって結合され得る。また、そのような組み合わせ又は集約は処理アルゴリズムにおいて異なる段階で適用されてもよく、例えば、ピクセル(又は他の画像特徴)はよりノイズの少ない代表値を得るために平均化(又は他の方法で適切な尺度によって要約及び/又は結合)されてもよく、それは関心信号を決定するための後続の処理のために使用されてもよく、又は画像から導出された中間結果は関心信号に到達するために処理アルゴリズムを継続する前に(同じ画像特徴を表す異なる領域にわたって、及び/又はそれに限定されない異なるピクセルなどから得られた異なる中間体にわたって)結合されてもよいことも明らかであろう。
【0094】
さらに、関心領域を照明するための第2の部分44の反射面は例えば、光源から受け取った光を標的領域にわたって広げるように、湾曲していてもよいことにも留意されたい。標的領域にビューを提供するための第1の部分のミラーは好ましくは収束形状(少なくとも平坦でない場合)であるが、照明目的のための第2の部分の湾曲ミラーはシステムの光学特性に応じて、収束形状又は発散形状を有することができる。例えば、光源までの距離が比較的小さい、及び/又は光源が狭いビーム、例えばレーザビームを放射するとき、この狭いビームを標的領域全体にわたって広げるために発散ミラーを提供することが有利であり得、一方、広いビーム(例えば焦点光源)を放射する光ビームについては、より遠い距離で、より多くの入射光を捕捉し、この入射光を標的領域上に集束させるために収束ミラーを提供することが有利であり得る。
【0095】
「湾曲」、「収束」、「発散」などは、本明細書全体を通して機能的な意味で解釈されるべきであることに留意されたい。例えば、当業者は、曲面ミラーの特性が回折及び/又は構造化反射光学系を使用する平坦な回折格子又は同様の設計によって達成され得ることを知っている。言い換えれば、(機械的に)平坦な回折格子又は同様の光学構造は、光学的な意味で「湾曲」している、又は少なくともそれと完全に等価であると考えることができる。
【0096】
湾曲ミラー又は複数の湾曲ミラー、例えば、収束ミラー、例えば、放物面ミラーを設けることによって、及び/又は複数のミラー又はミラーファセットによってカメラ画像内の身体上の同じ関心領域を複製することによって、一般に、より多くのピクセルが監視及び画像処理のために利用可能になり、例えば、処理、例えば、心臓信号によって画像から導出される値のSNRを増加させる。これはまた、カメラ又は磁気共鳴撮像システムのハードウェアを変更する必要がないという利点を有する(明らかに、システムの一部と見なされる場合にミラーアセンブリ自体を除く)。複製はいくつかの(例えば、わずかに)角度を付けられたミラーによって、及び曲面ミラーを使用することによって拡大することによって達成することができる。
【0097】
例えば、ミラーアセンブリは、1つ又は複数の湾曲ミラー又はミラーファセットを備えることができる。湾曲ミラー(又はミラーの湾曲領域、例えば、より機能的なミラー部分が単一の一体形成ミラーに一体化される実施形態)は、凹面ミラー、例えば放物面ミラー又は球面ミラーであってもよい。球面ミラーは実施形態がそれに限定されないとしても、製造することがより容易であり、費用効率が高いという利点を有することができる。
【0098】
例えば、これに限定されるものではないが、この曲面ミラー又は曲面ミラー部は少なくとも第1の水平方向(撮像処置において腹臥位に置かれたときの被検体に対する、例えばMRIシステムの縦軸に垂直な横方向)に、固定曲率半径rHを有することができる。第2の曲率半径rV(例えば、第1の方向に対して垂直)、例えば、使用時の前後方向、例えば、垂直方向は、rHと同一であってもよく(したがって、球面ミラーを形成する)、又は異なっていてもよい。半径は、このミラー又はミラー部分によって、標的領域、例えば額又はその部分の単一であるが拡大された画像がカメラに反射されるように選択される。このような例示的なズームミラーの光線ジオメトリが図9に示されている。患者の額Gは、ミラーの焦点距離f=r/2内に配置される。これは、額の拡大された虚像Bをカメラに反射する。ガウスレンズ方程式は、
1/f=1/g+1/b=2/r
であり、
b=fg/(g―f)
となる。鏡の背後の虚像のために、bは負の値である場合である。倍率mは、
m≡B/G=―b/g=f/(f―g)
で与えられる。
【0099】
前額部とミラーとの間の所与の距離g、及び所望の倍率mについて、ミラーの対応する焦点距離fは、
f=mg/(m―1)
によって与えられる。
【0100】
例示的な例として、ミラーがヘッドコイル上で額の上に配置される実施形態について、例えばm=5の所望の倍率がf=25cmの焦点距離及びr=50cmの曲率半径をもたらすように、20cmの距離gが仮定され得る。所望の倍率は、rの別の値を選択することによって変更することができる。
【0101】
複数のミラーによる画像複製の例示的な実施形態及びズームミラーによる画像倍率の例示的な実施形態の両方が画像処理による関心のある特性の検出の信号対雑音比を増加させるという利点を有し得るが、例えば、両方が処理に関連するより多くの画素を画像収集光に導き、ミラーによる倍率は関心領域、例えば、患者の前額部におけるより詳細が、カメラによって解決され得るというさらなる利点を有する。これは、(取得されたMRI画像を再構成及び/又は処理する際の)動き補償技術で使用するための動き検出及び定量化などの特定の画像処理用途に有益であり得る。例えば、動き検出はパターンマッチングに基づくことができ、これは、画像においてより詳細が利用可能である場合、より正確及び/又はロバストであり得る。動き補償はまた、観測されたカメラ画像から別の有用なパラメータを決定するように適合される処理アルゴリズムの要素として特に有用であり得、例えば、取得されたカメラデータの動き補償は、前記カメラ画像に基づく心臓信号検出の信頼性及び精度を改善し得る。
【0102】
上述のミラーアセンブリのミラー及び/又はミラーファセットに関して、少なくともいくつかの実施形態によれば、検査を受けている被検体の視野内又はその近傍に配置された、複数のそのような異なる方向及び/又は向きの(及び/又は倍率によって歪曲する)反射面は、被検体の経験に混乱又は妨害的な影響を及ぼし得ることに留意されたい。例えば、被検体は、そのようなミラーを通して、自分の環境の複数の複製されたビュー又は歪んだビューを見ることができる。しばしば、検査を受けている患者はスクリーン上のビデオコンテンツを見ることができ、又は、目の前のミラーを介して被検体に見えるスクリーン上の情報及び/又は指示に注意を払うように指示されることができる。そのような状況では、被検体の視界内の追加のミラー及び/又は湾曲ミラーが特に気を散らすか、又は不快にさえなり得ることが理解されるのであろう。
【0103】
誘電体ミラーの使用は例えば、可視スペクトル外のカメラ画像と組み合わせて、又は狭帯域のみで、この問題を克服することができる(例えば、患者に反射される混乱した視覚情報を、より容易に無視することができる単一色に低減する)。例えば、誘電体ミラーは特定の狭い波長帯域、例えば赤外線範囲又は可視スペクトルの狭い色成分に対してのみ反射性であるように設計することができ、一方、非反射性であり、例えば、中性色の平坦な領域を呈するか、又は透過性であり、その狭い波長帯域の外側にある。赤外線スペクトルの使用は、視覚情報が赤外光によって運ばれないので、不快感なしにこの帯域の幅を拡張することをさらに可能にすることができる。これは、例えば赤外線照明を使用して、カメラ画像に使用される(及びミラーの反射特性に対応する)スペクトルに光源を適合させることと組み合わせることができる。明らかに、これらの注釈は実施形態に含まれる場合、その第3の部分と以前に言及されたミラーアセンブリの一部には適用されず、これはスクリーン又は投影を介して被検体に提供されるそのような情報を提示することを支援するように特に適合される。
【0104】
ミラーアセンブリは、MRIコイルアセンブリ、例えばヘッドコイルなどのMRIスキャナの補助装置に取り付けるように適合されてもよい。ミラーアセンブリは代替的に、そのような補助機器に統合されてもよく、例えば、コイルアセンブリの(固定された)部分、例えば、ヘッドコイルを形成してもよい。
【0105】
第2の態様では、本発明が磁気共鳴撮像システム1によって検査されたときに被検体の頭部領域から磁気共鳴信号を取得するための無線周波数送信器/受信器ヘッドコイルアセンブリ12に取り付けるように適合されたヘッドコイル取り付け部に関する。ヘッドコイル取り付け部は、被検体の身体上の標的領域からの光を磁気共鳴撮像システムのカメラ上に反射するためのミラーアセンブリ22を備える。ミラーアセンブリ22は、湾曲された反射面及び/又は異なる方向に配向された複数の反射面を備える。湾曲された反射面及び/又は複数の反射面は反射された画像を拡大することによって、及び/又は同じ標的領域の複数のコピーをカメラによって取得された画像の異なる領域に投影することによって、標的領域からの光をカメラに反射するように、及び/又は、カメラとして異なる位置にある少なくとも1つの光源からの光を標的領域に反射するときに標的領域からの光をカメラに反射することの両方を行うように適合される。例えば、ミラーアセンブリ22は、本発明の第1の態様に関して上述したようなミラーアセンブリであってもよい。
【0106】
さらなる態様では、本発明が例えば、方向及び/又は位置の構成においてある程度の自由度を提供するために、1つ以上の柔軟な構造及び/又はジョイントを備える、アーム取り付け部(上記で論じたアームアセンブリを参照)に関し、このアーム取り付け部は医用撮像システムの検査ゾーンで使用するために、ガントリ又は磁石ボアエンクロージャの(静止部品)上の、又は患者治療台又は他の補助機器上のマウントポイントに取り付けるように適合される。したがって、アーム取り付け部は、システムの検査ゾーンに配置されたときに被検体を検査するために、医用撮像システム内又は医用撮像システム上に(例えば、その構成要素、例えば、患者寝台に)固定される(すなわち、取り付けられる)(随意に取り外し可能に取り付けられる)ように適合される。アーム取り付け部は、被検体の身体上の標的領域からの光を医用撮像システムのカメラ上に反射するためのミラーアセンブリを備える。ミラーアセンブリは、湾曲された反射面及び/又は異なる方向に配向された複数の反射面を備える。湾曲された反射面及び/又は複数の反射面は反射された画像を拡大することによって、及び/又は同じ標的領域の複数のコピーをカメラによって取得された画像の異なる領域に投影することによって、標的領域からの光をカメラに反射するように、及び/又はカメラとは異なる位置の少なくとも1つの光源からの光をカメラとして標的領域に反射するときに標的領域からの光をカメラに反射するように適合される。
【0107】
第3の態様では、本発明が磁気共鳴撮像システムによって検査されたときに被検体の身体から磁気共鳴信号を取得するための無線周波数送信器/受信器コイルアセンブリ、例えばヘッドコイルアセンブリ12に関する。無線周波数送信器/受信器コイルアセンブリは、被検体の身体上の標的領域からの光を磁気共鳴撮像システムのカメラ上に反射するためのミラーアセンブリ22を備える。ミラーアセンブリ22は、湾曲された反射面及び/又は異なる方向に配向された複数の反射面を備える。湾曲された反射面及び/又は複数の反射面は反射された画像を拡大することによって、及び/又は同じ標的領域の複数のコピーをカメラによって取得された画像の異なる領域に投影することによって、標的領域からの光をカメラに反射するように、及び/又は、カメラとして異なる位置にある少なくとも1つの光源からの光を標的領域に反射するときに、標的領域からの光をカメラに反射するように適合され得る。例えば、ミラーアセンブリ22は、本発明の第1の態様に関して上述したようなミラーアセンブリであってもよい。
【0108】
第4の態様では、本発明が磁気共鳴撮像システムの検査ゾーン内、例えば、システムの磁石ボア内に位置付けられている間、磁気共鳴撮像検査を受けているときに、被検体を監視するための方法に関する。
【0109】
図10は、本発明の実施形態による例示的な方法100を示す。
【0110】
本方法は、検査のためにMRIシステム内に被検体を配置することを含むことができる。
【0111】
本方法はMRIシステムを使用して被検体を撮像すること、例えば、システムの動作中に被検体から磁気共鳴信号を取得することを含んでもよい。
【0112】
この方法は検査中に被検体を監視するために、検査ゾーン内にミラーアセンブリ22を設ける(101)ことを含む。例えば、ミラーアセンブリはコイルアセンブリ、例えば、ヘッドコイルに一体化されるか、又は取り付けられてもよい。
【0113】
この方法は例えば、検査ゾーンの外側又はエッジ領域にある光源、例えば、ボアライトなどの1つ又は複数の光源を使用して、被検体の身体上の標的領域を照明すること102を含む。
【0114】
標的領域は、ミラーアセンブリの反射面を介して光源からの光を標的領域に反射することによって照明されてもよい。
【0115】
この方法はミラーアセンブリの第1の部分の反射面を介して標的領域を観測するために、カメラ21によって少なくとも1つの画像を取得するステップ103を含む。例えば、カメラは検査ゾーンのエッジ領域の外側、例えば、磁石ボアのフランジ内又はフランジ上に配置されてもよい。
【0116】
画像を取得するステップは、ミラーアセンブリの湾曲された反射面によって拡大された標的領域を観測するステップ、及び/又はミラーアセンブリの複数の異なる向きの反射面を介した反射によって取得された画像の異なる領域において複製された標的領域を観測するステップを含むことができる。
【0117】
本発明の第4の態様の実施形態による方法の、上記で説明された特徴の他の特徴又は詳細は、本発明の第1の態様の実施形態によるシステムに関する上記で提供された説明を考慮すると明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】