(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ
(51)【国際特許分類】
G01D 3/024 20060101AFI20240719BHJP
G01D 5/12 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G01D3/024
G01D5/12 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575482
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-06
(86)【国際出願番号】 CN2021102366
(87)【国際公開番号】W WO2022262008
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】202110678873.8
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519344408
【氏名又は名称】深▲せん▼市谷粒科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】于 紅勇
【テーマコード(参考)】
2F075
2F077
【Fターム(参考)】
2F075AA01
2F075BB08
2F075CC03
2F075EE14
2F075EE17
2F075EE18
2F077AA12
2F077AA20
2F077AA47
2F077CC02
2F077JJ01
2F077JJ07
2F077JJ08
2F077JJ23
(57)【要約】
【課題】本発明は、適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータを提出する。
【解決手段】適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータは、位置変化入力を取得するための可動部と、可動部に付着される永久磁石と、永久磁石の位置をセンシングして初期電位信号を生成するための磁気誘導センサと、初期電位信号を収集して初期電位信号を可動部の完全な位置変化ストロークに対応する実電位信号に適応的に調整するための適応フルストローク出力調節手段とを備える。本発明では、磁気誘導センササンプリング範囲に対する動的調整を実現可能であり、サンプリング値が所定範囲値を超えたときにも所定サンプリング範囲をリアルタイム且つ適応的に更新可能であり、即ち、ポテンショメータが実際の使用状況に応じて出力特性を動的で適応的に修正することができ、それによって全ストローク範囲内の位置を検出できることを確保し、ユーザの使用体験を向上させ、当該設置方式により、ポテンショメータごとに較正を単独に行うことを必要とせず、生産効率を高める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータであって、
位置変化の入力を取得するための可動部と、
前記可動部に付着される永久磁石と、
前記永久磁石の位置をセンシングして初期電位信号を生成するための磁気誘導センサと、
前記初期電位信号を収集して前記初期電位信号を前記可動部の完全な位置変化ストロークに対応する実電位信号に適応的に調整するための適応フルストローク出力調節手段と、を備えることを特徴とする適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項2】
前記適応フルストローク出力調節手段は、
前記初期電位信号を収集して初期電位サンプリング値を取得するための情報収集モジュールと、
前記実電位信号を出力するための信号出力モジュールと、
以下の操作ステップS1~S5を実行するための制御モジュールとを含み、
操作ステップS1では、所定電位サンプリング範囲を読み取り、前記所定電位サンプリング範囲の最小値を実電位サンプリング範囲の最小値とし、前記所定電位サンプリング範囲の最大値を前記実電位サンプリング範囲の最大値とし、
操作ステップS2では、前記情報収集モジュールが磁気誘導センサの出力をサンプリングするように制御し、初期電位サンプリング値を取得し、
操作ステップS3では、前記初期電位サンプリング値と前記実電位サンプリング範囲との比較結果に基づいて実電位出力値を取得し、且つ前記信号出力モジュールが前記実電位信号を出力するように制御し、
操作ステップS4では、前記初期電位サンプリング値と前記実電位サンプリング範囲との比較結果に基づいて、前記実電位サンプリング範囲を調整し、
操作ステップS5では、操作ステップS2の実行に戻ることを特徴とする請求項1に記載の適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項3】
操作ステップS3では、
前記初期電位サンプリング値を前記実電位サンプリング範囲の最大値及び最小値とそれぞれ比較し、前記初期電位サンプリング値が前記実電位サンプリング範囲内である場合に、前記初期電位サンプリング値を実電位サンプリング値とし、前記初期電位サンプリング値が前記実電位サンプリング範囲の最小値よりも小さい場合に、前記実電位サンプリング範囲の最小値を前記実電位サンプリング値とし、前記初期電位サンプリング値が前記実電位サンプリング範囲の最大値よりも大きい場合に、前記実電位サンプリング範囲の最大値を前記実電位サンプリング値とし、前記実電位サンプリング値と実電位サンプリング範囲と実電位出力範囲とに基づいて実電位出力値を特定し、前記信号出力モジュールが前記実電位出力値に基づいて前記実電位信号を出力するように制御することを特徴とする請求項2に記載の適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項4】
前記実電位サンプリング範囲の最大値から前記実電位サンプリング範囲の最小値を減算した差分を実電位サンプリング範囲幅とし、前記実電位出力範囲の最大値から前記実電位出力範囲の最小値を減算した差分を実電位出力範囲幅とし、前記実電位サンプリング値と前記実電位サンプリング範囲幅との比が前記実電位出力値と前記実電位出力範囲幅との比に等しいことを特徴とする請求項3に記載の適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項5】
操作ステップS4では、
前記初期電位サンプリング値を実電位サンプリング範囲の最大値及び最小値とそれぞれ比較し、前記初期電位サンプリング値が前記実電位サンプリング範囲内である場合に、前記実電位サンプリング範囲を調整せず、前記初期電位サンプリング値が前記実電位サンプリング範囲の最小値よりも小さい場合に、前記初期電位サンプリング値で前記実電位サンプリング範囲の最小値を更新し、前記初期電位サンプリング値が前記実電位サンプリング範囲の最大値よりも大きい場合に、前記初期電位サンプリング値で前記実電位サンプリング範囲の最大値を更新することを特徴とする請求項2に記載の適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項6】
前記可動部は、回動角度の位置変化の入力を取得するための回動部材であることを特徴とする請求項1に記載の適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項7】
前記可動部は、直線変位の位置変化の入力を取得するための摺動部材であることを特徴とする請求項1に記載の適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項8】
ハウジングを更に備え、前記回動部材は、前記ハウジングに対して回動することを特徴とする請求項6に記載の適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項9】
出力ポートを更に備え、前記磁気誘導センサと適応フルストローク出力調節手段は、何れも前記ハウジングに嵌設され、前記出力ポートは、前記適応フルストローク出力調節手段に接続され且つ前記ハウジングに嵌設され、前記実電位信号は、前記出力ポートから出力されることを特徴とする請求項8に記載の適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ。
【請求項10】
前記実電位信号は、アナログ信号又はデジタル信号であることを特徴とする請求項2に記載の適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子技術分野に関し、具体的に適応フルストローク出力電磁誘導式ポテンショメータに関する。
【背景技術】
【0002】
ポテンショメータは、可変抵抗器の一種であり、通常、電気抵抗体と回動又は摺動システムによって構成され、即ち、1つの可動接点が電気抵抗体上で移動して一部の電圧出力を得る。従来のポテンショメータは、炭素膜又は抵抗線構造を用いることが多く、接点が炭素膜に接触して摩擦することでポテンショメータの異なる位置の検出を実施する必要がある。従来のポテンショメータの接触式構造には、以下の不足が存在する。(1)炭素膜が磨耗によって寿命が短く、生産誤差が大きい。(2)接点での摩擦により、位置が変動するときに接触干渉ノイズが発生し、スピーカ等の音量を調整して使用すると、調整時に、ザーザーという干渉音がする。
【0003】
電磁誘導式ポテンショメータは、上記不足を克服し、永久磁石を回動又は摺動部分ユニットとして使用し、且つリニアホールセンサを利用して永久磁石の位置をリアルタイムで検出する。電磁誘導式ポテンショメータが位置を調整するとき、接触がなく、磨耗がなく、調整時のノイズ干渉もない。出願番号がCN201320158412.9である中国特許及び出願番号がCN201721701957.4である中国特許は、何れも電磁誘導式ポテンショメータを開示している。
【0004】
しかし、永久磁石は、形成中において磁気一致性が悪いため、電磁誘導式ポテンショメータに応用される場合に、出力範囲が一致しない問題がある。電磁誘導式ポテンショメータの出力を逐一較正すると、追加の時間、人力と設備コストがかかり、大量生産に不便である。この問題に対し、現在、ホールセンサの出力値を検出するために比較的に小さく、安全な固定値範囲を設定する解決策が採用されている。
図1に示すように、同じポテンショメータストロークに対応して、ホールセンサの出力範囲に個体差があり、検出時には比較的に保守的な検出範囲を採用し、出力特性に基づいてその検出範囲でポテンショメータの出力範囲を規定し、検出範囲のストローク位置を超えると、直接最大値又は最小値を出力する。この方式は、また、ポテンショメータの出力範囲がポテンショメータの一部のストロークにしか対応できず、センサ出力が検出範囲内にないとき、当該ストローク位置が有効的に検出されにくく、フルストローク検出を実現できず、使用体験に影響を与えるという新たな問題をもたらしてしまった。
【0005】
したがって、如何にして電磁誘導式ポテンショメータにおける永久磁石の磁気の不一致性による出力範囲の差異を克服して電磁誘導式ポテンショメータのフルストローク検出を実現するかは、早急に解決すべき技術的問題となっている。
【発明の概要】
【0006】
上記問題を解決すべく、本発明は、適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータを提出する。当該適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータは、
位置変化の入力を取得するための可動部と、
前記可動部に付着される永久磁石と、
前記永久磁石の位置をセンシングして初期電位信号を生成するための磁気誘導センサと、
前記初期電位信号を収集して前記初期電位信号を前記可動部の完全な位置変化ストロークに対応する実電位信号に適応的に調整するための適応フルストローク出力調節手段と、を備える。
【0007】
好ましくは、前記適応フルストローク出力調節手段は、
前記初期電位信号を収集して初期電位サンプリング値を取得するための情報収集モジュールと、
前記実電位信号を出力するための信号出力モジュールと、
以下の操作ステップS1~S5を実行するための制御モジュールとを含み、
操作ステップS1では、所定電位サンプリング範囲を読み取り、前記所定電位サンプリング範囲の最小値を実電位サンプリング範囲の最小値とし、前記所定電位サンプリング範囲の最大値を前記実電位サンプリング範囲の最大値とし、
操作ステップS2では、前記情報収集モジュールが磁気誘導センサの出力をサンプリングするように制御し、初期電位サンプリング値を取得し、
操作ステップS3では、前記初期電位サンプリング値と前記実電位サンプリング範囲との比較結果に基づいて実電位出力値を取得し、且つ前記信号出力モジュールが前記実電位信号を出力するように制御し、
操作ステップS4では、前記初期電位サンプリング値と前記実電位サンプリング範囲との比較結果に基づいて、前記実電位サンプリング範囲を調整し、
操作ステップS5では、操作ステップS2の実行に戻る。
【0008】
好ましくは、操作ステップS3では、具体的に、
前記初期電位サンプリング値を前記実電位サンプリング範囲の最大値及び最小値とそれぞれ比較し、前記初期電位サンプリング値が前記実電位サンプリング範囲内である場合に、前記初期電位サンプリング値を実電位サンプリング値とし、前記初期電位サンプリング値が前記実電位サンプリング範囲の最小値よりも小さい場合に、前記実電位サンプリング範囲の最小値を前記実電位サンプリング値とし、前記初期電位サンプリング値が前記実電位サンプリング範囲の最大値よりも大きい場合に、前記実電位サンプリング範囲の最大値を前記実電位サンプリング値とし、前記実電位サンプリング値と実電位サンプリング範囲と実電位出力範囲とに基づいて実電位出力値を特定し、前記信号出力モジュールが前記実電位出力値に基づいて前記実電位信号を出力するように制御する。
【0009】
好ましくは、前記実電位サンプリング範囲の最大値から前記実電位サンプリング範囲の最小値を減算した差分を実電位サンプリング範囲幅とし、前記実電位出力範囲の最大値から前記実電位出力範囲の最小値を減算した差分を実電位出力範囲幅とし、前記実電位サンプリング値と前記実電位サンプリング範囲幅との比が前記実電位出力値と前記実電位出力範囲幅との比に等しい。
【0010】
好ましくは、操作ステップS4では、具体的に、
前記初期電位サンプリング値を実電位サンプリング範囲の最大値及び最小値とそれぞれ比較し、前記初期電位サンプリング値が前記実電位サンプリング範囲内である場合に、前記実電位サンプリング範囲を調整せず、前記初期電位サンプリング値が前記実電位サンプリング範囲の最小値よりも小さい場合に、前記初期電位サンプリング値で前記実電位サンプリング範囲の最小値を更新し、前記初期電位サンプリング値が前記実電位サンプリング範囲の最大値よりも大きい場合に、前記初期電位サンプリング値で前記実電位サンプリング範囲の最大値を更新する。
【0011】
好ましくは、前記可動部は、回動角度の位置変化の入力を取得するための回動部材である。
【0012】
好ましくは、前記可動部は、直線変位の位置変化の入力を取得するための摺動部材である。
【0013】
好ましくは、適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータは、ハウジングを更に備え、前記回動部材は、前記ハウジングに対して回動する。
【0014】
好ましくは、適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータは、出力ポートを更に備え、前記磁気誘導センサと適応フルストローク出力調節手段は、何れも前記ハウジングに嵌設され、前記出力ポートは、前記適応フルストローク出力調節手段に接続され且つ前記ハウジングに嵌設され、前記実電位信号は、前記出力ポートから出力される。
【0015】
好ましくは、前記実電位信号は、アナログ信号又はデジタル信号である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以下の有利な作用効果を有する。
本発明では、適応フルストローク出力調節手段を介して所定サンプリング範囲を設定し、初期電位サンプリング値と実電位サンプリング範囲との比較結果に基づいて実電位出力値を取得し、且つ実電位出力値が取得された後で初期電位サンプリング値と実電位サンプリング範囲との比較結果に基づいて実電位サンプリング範囲を調整することにより、磁気誘導センサのサンプリング範囲に対する動的調整を実現可能であり、初期電位サンプリング値が所定電位サンプリング範囲を超えたときに、サンプリング範囲を適応且つ動的に更新可能であり、磁気誘導センサの出力範囲内の数値が何れも収集され得ることを確保し、即ち、ポテンショメータの全ストローク範囲内における何れの位置も検出され得ることを保証する。本発明では、所定サンプリング範囲、パラメータ対比、現在値出力の使用、及びサンプリング範囲を適応的に調整するステップにより、サンプリング値が所定範囲値を超えたときにも所定サンプリング範囲をリアルタイム且つ適応的に更新可能であり、即ち、ポテンショメータが実際の使用状況に応じて出力特性を動的で適応的に修正することができ、それによって全ストローク範囲内の位置を検出できることを確保し、ユーザの使用体験を向上させ、当該設置方式により、ポテンショメータごとに較正を単独に行うことを必要とせず、生産効率を高める。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来の電磁誘導式ポテンショメータの出力範囲の調節原理の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の技術案がより明瞭で完全に説明されるように、以下では、図面を参照しながら本発明を更に説明する。
【0019】
<実施例1>
図1を参照し、本発明は、適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ100を提出する。当該適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ100は、回動部材101、永久磁石102、磁気誘導センサ103及び適応フルストローク出力調節手段104を備える。回動部材101は、外力を受けたときに中心周りに回動し、回動部材101は、外部回動入力を受信し、ポテンショメータの出力は、入力された回動角度の位置変化を反映可能である。永久磁石102は、回動部材101に付着され、回動部材101とともに回動可能である。磁気誘導センサ103は、永久磁石102の位置をセンシングして初期電位信号を生成する。適応フルストローク出力調節手段104は、初期電位信号を収集して初期電位信号を回動部材101の完全な位置変化ストロークに対応する実電位信号を適応的に調整する。
【0020】
本発明の実施例に係る適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ100は、接点に摩擦が存在することによって引き起こされた寿命が短く且つ干渉が大きいという従来のポテンショメータの不足を克服することができ、適応フルストローク出力調節手段の設置により、ポテンショメータフルストローク位置検出を実現することができる。
【0021】
更に、1種の好ましい実施例として、適応フルストローク出力調節手段104は、情報収集モジュール、信号出力モジュール及び制御モジュールを含む。情報収集モジュールは、初期電位信号を収集して初期電位サンプリング値を取得する。信号出力モジュールは、実電位信号を出力する。
【0022】
制御モジュールは、以下の操作ステップS1~S5を実行する。
S1では、所定電位サンプリング範囲を読み取り、所定電位サンプリング範囲の最小値を実電位サンプリング範囲の最小値とし、所定電位サンプリング範囲の最大値を実電位サンプリング範囲の最大値とする。
S2では、情報収集モジュールが磁気誘導センサの出力をサンプリングするように制御し、初期電位サンプリング値を取得する。
S3では、初期電位サンプリング値と実電位サンプリング範囲との比較結果に基づいて実電位出力値を取得し、且つ信号出力モジュールが実電位信号を出力するように制御する。
S4では、初期電位サンプリング値と実電位サンプリング範囲との比較結果に基づいて、実電位サンプリング範囲を調整する。
S5では、ステップS2の実行に戻る。
【0023】
説明すべきことは、本実施例において、所定サンプリング範囲は、不揮発性記憶機器に記憶されてもよく、即ち、パワーダウンの場合にもデータを保持することができる。所定サンプリング範囲は、1つの相対的に安全なパラメータ範囲であり、磁気誘導センサ103の個体差による出力範囲の差異に適応可能である。1種の例示として、所定サンプリング範囲の境界は、複数の磁気誘導センサ103の出力値の境界内に設定されてもよい。
【0024】
本発明の実施例では、適応フルストローク出力調節手段104を介して所定サンプリング範囲を設定し、初期電位サンプリング値と実電位サンプリング範囲との比較結果に基づいて実電位出力値を取得し、且つ実電位出力値が取得された後で初期電位サンプリング値と実電位サンプリング範囲との比較結果に基づいて実電位サンプリング範囲を調整することにより、磁気誘導センサ103のサンプリング範囲に対する動的調整を実現可能であり、初期電位サンプリング値が所定電位サンプリング範囲を超えたときに、サンプリング範囲を適応且つ動的に更新可能であり、磁気誘導センサ103の出力範囲内の数値が何れも収集され得ることを確保し、即ち、ポテンショメータの全ストローク範囲内における何れの位置も検出され得ることを保証する。
【0025】
選択可能な実施例において、操作ステップS3は、具体的に、
初期電位サンプリング値を実電位サンプリング範囲の最大値及び最小値とそれぞれ比較し、初期電位サンプリング値が実電位サンプリング範囲内である場合に、初期電位サンプリング値を実電位サンプリング値とし、初期電位サンプリング値が実電位サンプリング範囲の最小値よりも小さい場合に、実電位サンプリング範囲の最小値を実電位サンプリング値とし、初期電位サンプリング値が実電位サンプリング範囲の最大値よりも大きい場合に、実電位サンプリング範囲の最大値を実電位サンプリング値とし、実電位サンプリング値、実電位サンプリング範囲及び実電位出力範囲に基づいて実電位出力値を特定し、信号出力モジュールが実電位出力値に基づいて実電位信号を出力するように制御する。
【0026】
選択可能な実施例において、実電位サンプリング範囲の最大値から実電位サンプリング範囲の最小値を減算した差分を実電位サンプリング範囲幅とし、実電位出力範囲の最大値から実電位出力範囲の最小値を減算した差分を実電位出力範囲幅とし、実電位サンプリング値と実電位サンプリング範囲幅との比が実電位出力値と実電位出力範囲幅との比に等しい。上記制約関係に従い、実電位サンプリング値、実電位サンプリング範囲及び実電位出力範囲に基づいて実電位出力値を算出してもよい。
【0027】
選択可能な実施例において、操作ステップS4は、具体的に、
初期電位サンプリング値を実電位サンプリング範囲の最大値及び最小値とそれぞれ比較し、初期電位サンプリング値が実電位サンプリング範囲内である場合に、実電位サンプリング範囲を調整せず、初期電位サンプリング値が実電位サンプリング範囲の最小値よりも小さい場合に、初期電位サンプリング値で実電位サンプリング範囲の最小値を更新し、初期電位サンプリング値が実電位サンプリング範囲の最大値よりも大きい場合に、初期電位サンプリング値で実電位サンプリング範囲の最大値を更新する。
【0028】
以下では、1つの例示によって本実施例の調整効果を説明する。ゲームハンドルジョイスティックに応用される磁気誘導ポテンショメータサンプリングを例とすると、磁気誘導センサの所定電位サンプリング範囲を0.7V―2.5Vとデフォルト的に設定し、使用時に磁気誘導センサの初期電位サンプリング値の範囲が0.5V―3Vになったと発見すると、電源が切れるまで、実電位サンプリング範囲を0.5V―3Vに動的に調整し、再度パワーアップした後、デフォルト範囲0.7V―2.5Vに回復する。使用時に磁気誘導センサの初期電位サンプリング値の範囲が0.8V―2.4Vである場合に、依然としてデフォルトの所定電位サンプリング範囲0.7V―2.5Vを使用する。使用時に磁気誘導センサの初期電位サンプリング値の範囲が0.8V―2.8Vである場合に、実電位サンプリング範囲を0.7―2.8Vに動的に調整する。使用時に磁気誘導センサの初期電位サンプリング値のサンプリング電圧範囲が0.5V―2.4Vである場合に、実電位サンプリング範囲を0.5V―2.5Vに動的に調整する。
【0029】
本発明の実施例では、所定サンプリング範囲、パラメータ対比、現在値出力の使用、及びサンプリング範囲を適応的に調整するステップにより、サンプリング値が所定範囲値を超えたときにも所定サンプリング範囲をリアルタイム且つ適応的に更新可能であり、即ち、ポテンショメータが実際の使用状況に応じて出力特性を動的で適応的に修正することができ、それによって全ストローク範囲内の位置を検出できることを確保し、ユーザの使用体験を向上させ、当該設置方式により、ポテンショメータごとに較正を単独に行うことを必要とせず、生産効率を高める。
【0030】
選択可能な実施例において、実電位信号は、アナログ信号又はデジタル信号である。適応フルストローク出力調節手段における信号出力モジュールは、実電位信号をアナログ信号又はデジタル信号に調整して出力してもよい。
【0031】
選択可能な実施例において、磁気誘導センサ103は、ホールセンサである。
【0032】
<実施例2>
図3、
図4を参照すると、本発明は、適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ200を提出する。当該適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ200は、ハウジング201、回動部材202、永久磁石203、磁気誘導センサ及び適応フルストローク出力調節手段を備える。回動部材202は、ハウジング201に対して回動し、回動部材202は、ハウジング201に係合され、永久磁石203は、回動部材202に嵌設される。磁気誘導センサと適応フルストローク出力調節手段は、ハウジング201以外の外部回路に別途設置されてもよく、適応フルストローク出力調節手段は、ワンチップマイコン、マイクロプロセッサ又はDSPであってもよい。磁気誘導センサは、永久磁石203の位置をセンシングして初期電位信号を生成する。適応フルストローク出力調節手段は、初期電位信号を収集して初期電位信号を回動部材202の完全な位置変化ストロークに対応する実電位信号に適応的に調整する。
【0033】
本実施例において、適応フルストローク出力調節手段の内部設置は、実施例一の適応フルストローク出力調節手段104と同じであるため、ここで繰り返し説明しない。
【0034】
<実施例3>
図5、
図6を参照し、本発明は、適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ300を提出する。適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ300は、ハウジング301、回動部材302、永久磁石303、磁気誘導センサ、適応フルストローク出力調節手段及び出力ポート304を備える。回動部材302は、ハウジング301に対して回動し、回動部材302は、ハウジング301に係合され、永久磁石303は、回動部材302に嵌設されている。磁気誘導センサと適応フルストローク出力調節手段は、何れもハウジング301に嵌設され、出力ポート304は、適応フルストローク出力調節手段に接続され且つハウジングに嵌設されている。磁気誘導センサは、永久磁石303の位置をセンシングして初期電位信号を生成する。適応フルストローク出力調節手段は、初期電位信号を収集して初期電位信号を回動部材302の完全な位置変化ストロークに対応する実電位信号に適応的に調整し、実電位信号は、出力ポート304から出力される。
【0035】
1種の好ましい実施例として、
図6を参照し、磁気誘導センサと適応フルストローク出力調節手段は、集積回路チップ305としてパッケージ化される。
【0036】
本実施例において、適応フルストローク出力調節手段の内部設置は、実施例一の適応フルストローク出力調節手段104と同じであるため、ここで繰り返し説明しない。
【0037】
<実施例4>
図7を参照し、本発明は、適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ400を提出する。適応フルストローク検出用の電磁誘導式ポテンショメータ400は、摺動部材401、永久磁石402、磁気誘導センサ403及び適応フルストローク出力調節手段404を備える。摺動部材401は、外力を受けると一定の領域内で直線に沿って摺動し、摺動部材401は、外部から入力された直線変位の位置変化を受け、ポテンショメータの出力は、入力された直線変位の位置変化を反映可能である。永久磁石402は、摺動部材401に付着され、摺動部材401とともに移動可能である。磁気誘導センサ403は、永久磁石402の位置をセンシングして初期電位信号を生成する。適応フルストローク出力調節手段404は、初期電位信号を収集して初期電位信号を摺動部材401の完全な位置変化ストロークに対応する実電位信号に適応的に調整する。
【0038】
本実施例において、適応フルストローク出力調節手段404の内部設置は、実施例一の適応フルストローク出力調節手段104と同じであるため、ここで繰り返し説明しない。
【0039】
無論、本発明は、他の複数種の実施形態があり得る。当業者が本実施形態に基づいて進歩性に値する如何なる労働を掛けずになした他の実施形態は、何れも本発明の保護範囲内に含まれる。
【国際調査報告】