(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ロータリーディスクバルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 11/074 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
F16K11/074 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575594
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2022064225
(87)【国際公開番号】W WO2022258383
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トム チャップマン
(72)【発明者】
【氏名】エドワード グレイ
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA13
3H067CC32
3H067CC33
3H067DD03
3H067EA05
3H067EB07
3H067EB12
3H067EC29
3H067ED01
3H067GG13
(57)【要約】
ロータリーディスクバルブ(18)は、流体供給システム内で流体の流れを制御するために使用される。バルブは、システムに接続される複数のポート(33~37)を有したバルブボディ(20)と、バルブボディの開放端部を閉鎖する蓋(44)とを含んでいてもよい。バルブボディ内に配置された変流器(60)は、軸(64)を介して回転駆動される。軸は、蓋に設けられたスリーブ(46)を貫通してバルブボディから突出している。スリーブは、内側の肩部(48)を含む。シールリテーナ(50)は、スリーブに係合し、軸とスリーブとの間の所望の位置で軸シール(43)を保持する。シールリテーナ(50)は、軸を受け入れる中央開口を有した端部プレート(56)と、端部プレート内面から突出し、スリーブと軸との間に位置するカラー(51)とを含む。カラーの端面は、端面と肩部との間にシール(43)が配置されるように肩部(48)に面している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸と前記軸を受け入れるスリーブとの間の所望の位置でシールを保持するシールリテーナであって、前記スリーブは内側の肩部を有し、
前記シールリテーナは、
端部プレートであって、
外面と、
内面と、
前記端部プレートの内周を画定し、前記軸を受け入れる中央開口と、
を含んでいる端部プレートと、
前記内周に配置され、前記内面から突出するカラーであって、前記カラーは、前記カラーの端面が前記肩部に面していて、この状態で、前記端面と前記肩部との間に前記シールが配置されるように、前記スリーブと前記軸との間に位置するように構成されているカラーと
を有している、シールリテーナ。
【請求項2】
前記端部プレートの外周上に配置されたラッチを有し、
前記ラッチは、前記内面から突出していて、
前記ラッチは、前記スリーブの外側突出部とスナップ嵌めによる係合を形成するように構成されている、
請求項1記載のシールリテーナ。
【請求項3】
前記ラッチは、前記外周に沿って間隔を置いて位置する少なくとも2つのラッチを有している、請求項2記載のシールリテーナ。
【請求項4】
前記外側突出部は環状であり、前記スリーブの全周に沿って延在している、請求項2記載のシールリテーナ。
【請求項5】
前記ラッチは、
前記端部プレートと一体の第1の端部を有した脚部と、
前記脚部の第2の端部に配置されたフック部であって、前記軸に向かって突出しているフック部と、
を有している、請求項2記載のシールリテーナ。
【請求項6】
前記脚部の軸方向の寸法は、内側の前記カラーの軸方向の寸法よりも大きい、請求項5記載のシールリテーナ。
【請求項7】
前記フック部は、前記内側のカラーの端面に対して相対的に、軸方向でオフセットされている、請求項5記載のシールリテーナ。
【請求項8】
前記カラーは、プレス嵌めにより前記スリーブ内に収容される、請求項1記載のシールリテーナ。
【請求項9】
ハウジングアセンブリであって、
開口とスリーブとを含むハウジング部分であって、前記スリーブは、前記ハウジング部分の内面および外面から突出するように前記開口に配置されていて、内側の肩部を含んでいる、ハウジング部分と、
前記スリーブを貫通して延在する軸であって、回転のために前記スリーブによって支持されている軸と、
シールリテーナであって、
端部プレートであって、
外面と、
内面と、
前記端部プレートの内周を画定し、前記軸を受け入れる中央開口と、
を含んでいる端部プレートと、
前記内周に配置され、前記内面から突出するカラーであって、前記カラーは、前記カラーの端面が前記肩部に面するように、前記スリーブと前記軸との間に配置されているカラーと
を有している、シールリテーナと、
前記端面と前記肩部との間に配置されていて、前記軸と前記スリーブとの間に流体密なシールを提供するシールリング
を有している、ハウジングアセンブリ。
【請求項10】
ロータリー流体バルブであって、
バルブボディと、
前記バルブボディの開放端部を閉鎖する蓋であって、前記蓋は、前記蓋と一体の、前記蓋における開口を画定するスリーブであって、内側の肩部を備えたスリーブを含む蓋と、
前記バルブボディに配置された変流器であって、前記変流器は、変流器ボディと、前記変流器ボディの面から突出し、前記スリーブを貫通して延在する軸とを有し、前記軸は、軸回転軸線を中心として回転するように前記スリーブによって支持されている、変流器と、
シールリテーナであって、
端部プレートであって、
外面と、
内面と、
前記端部プレートの内周を画定し、前記軸を受け入れる中央開口と、
を含んでいる端部プレートと、
前記内周に配置され、前記内面から突出するカラーであって、前記カラーは、前記カラーの端面が前記肩部に面するように、前記スリーブと前記軸との間に配置されているカラーと
を有している、シールリテーナと、
前記端面と前記肩部との間に配置されていて、前記軸と前記スリーブとの間に流体密なシールを提供するシールリングと、
を有している、ロータリー流体バルブ。
【請求項11】
前記シールリテーナは、前記端部プレートの外周上に配置されたラッチを含み、
前記ラッチは、前記内面から突出していて、
前記ラッチは、前記スリーブの外側突出部とスナップ嵌めによる係合を形成するように構成されている、
請求項10記載のロータリー流体バルブ。
【請求項12】
前記ラッチは、前記外周に沿って間隔を置いて位置する少なくとも2つのラッチを有している、請求項11記載のロータリー流体バルブ。
【請求項13】
前記外側突出部は環状であり、前記スリーブの全周に沿って延在している、請求項11記載のロータリー流体バルブ。
【請求項14】
前記ラッチは、
前記端部プレートと一体の第1の端部を有した脚部と、
前記脚部の第2の端部に配置されたフック部であって、前記軸に向かって突出しているフック部と、
を有している、請求項11記載のロータリー流体バルブ。
【請求項15】
前記脚部の軸方向の寸法は、内側の前記カラーの軸方向の寸法よりも大きい、請求項14記載のロータリー流体バルブ。
【請求項16】
前記フック部は、前記内側のカラーの端面に対して相対的に、軸方向でオフセットされている、請求項14記載のロータリー流体バルブ。
【請求項17】
前記カラーは、プレス嵌めにより前記スリーブ内に収容される、請求項10記載のロータリー流体バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
ロータリーバルブは、流体供給システムにおいて、このシステムを通る流体の流れおよび分配を制御するために使用することができる一種の方向制御弁である。例えば、ロータリーバルブは、車両の冷却システムを通流する冷却材の流れを制御するために使用することができる。ロータリーバルブは、複数のポートを画定するバルブボディと、バルブボディ内に配置される変流器とを含む。変流器は、バルブボディ内で、変流器の所定の回転配向のために予め規定されたポートに流れを分配するような形状となっていて、バルブを通流する流れを制御するために、バルブボディに対して相対的に回転させられる。
【0002】
いくつかの従来のロータリーバルブでは、変流器は、エラストマーのシールエレメントに抗して動く。しかしながら、エラストマーは、他のいくつかの従来の材料よりも高い摩擦係数を有しているので、結果として、バルブを回転させるためにより高いトルクが必要となり得る。他の従来のロータリーバルブは、低摩擦のプラスチック材料を使用する。このようなバルブでは、変流器は円筒状の形状であってもよい。しばしば、「プラグ」と呼ばれる円筒状の変流器は、結果として、より高い動作トルクをもたらし、入口管および出口管の配置および配向における柔軟性を低下させることがある。さらに別のロータリーバルブは、ディスク形状の変流器を使用している。このようなロータリーディスクバルブは、シール構成要素のためにセラミック材料を使用することがある。しかしながら、変流器としてセラミックディスクを使用することにより、変流器の形状に関する選択肢が限定され、プラスチックなど他の材料から形成される変流器と比較してより高価となる場合がある。
【0003】
概要
複雑な流体供給システムは、バルブボディの3つ、4つ、5つまたはそれ以上の個々のポートの間で流体の流れを制御することができるロータリーディスクバルブを必要とすることがある。例えば、電気車両の冷却システムでは、ラジエータ、電気駆動モータ、バッテリ、車両電子機器、および1つ以上のバイパスライン間で冷却流体の流れを制御するために、マルチポートロータリーディスクバルブが使用されてもよい。ロータリーディスクバルブは、バルブボディを含んでいてもよく、バルブボディは、バルブボディの周に沿って不規則な間隔を置いて配置された複数のポートを有している。さらに、ロータリーディスクバルブは、バルブボディ内に配置されたディスクタイプの変流器を含んでいてもよく、この変流器は、ポートが配置されている平面に対して典型的には垂直な回転軸線を中心として、バルブボディに対して相対的に回転可能である。変流器は、概してディスク形状であり、外面を含み、この外面から軸が突出している。変流器外面は、変流器シール面の反対側であり、変流器は、変流器シール面を介して、バルブボディとのシールを形成する。変流器は、作動流体が変流器の両側を通過することを可能にする3次元の形状を有している。より具体的には、変流器は、バルブボディを通流する流体の流れを、この流体が、軸回転軸線に対して平行な第1の方向で、シール面から変流器に進入するように制御するために構成されている。流体は、回転軸線に対して平行な、第1の方向とは逆向きの第2の方向で変流器を出る。変流器への進入と変流器からの流出との間で、流体は、変流器外面の一部の上方を流れる。
【0004】
変流器の形状は、変流器が、変流器外面から突出する閉じた通路を介して一方の流体流路を提供し、かつ変流器における開口を通って流体が流れることを可能にする、バルブボディによってのみ制限される他方の流体流路を提供するようになっている。
【0005】
変流器シール面は面状であってもよく(例えば、平坦または水平かつ平滑であり、隆起した領域、突出部、切欠き、凹部または表面特徴または凹凸を有さない)、定置の薄いシールプレートの平坦な対向面に接してもよい。シールプレートは、低摩擦かつ高耐摩耗性の特性を有するプラスチックから成っていてもよい。シールプレートは、摩耗プレートが、変流器の平坦なシール面におけるいかなる不規則性にも適合することができるようにする柔軟性を提供するために薄い。シールプレートは、定置の弾性エレメントによって支持されている。弾性エレメントは、弾性を提供し、シールプレートを変流器シール面に向かって付勢し、薄いシールを変流器の平坦なシール面に適合させることができる。弾性エレメントはさらに、シールプレートとバルブハウジングとの間に静的シールを提供する。本明細書で使用される場合、「静的シール」という用語は、シールを構成するエレメントが定置である、または位置が固定されているシールを意味する。「動的シール」という用語は、シールを構成するエレメントが相対的に動くことができるシールを意味する。このようなロータリーディスクバルブでは、動的シールは、シールプレートと変流器シール面との間に存在しているのに対し、定置のシールは、シールプレートと弾性エレメントとの間に、および弾性エレメントとバルブボディとの間に存在している。ロータリーディスクバルブは、変流器に封止力を加えるばねを含む。ばねは、十分なシール機能を保証し、温度の変化によりかつ変流器およびシールプレートの摩耗により生じる寸法の変化に適応させるために、変流器をシールプレートに対して押し付ける。
【0006】
いくつかの態様では、軸と、軸を受け入れるスリーブとの間の所望の位置でシールを保持するために、シールリテーナまたはキャップが使用される。スリーブは、内側の肩部を含み、シールリテーナは、端部プレートとカラーとを含む。端部プレートは、外面、内面、および端部プレートの内周を画定し、軸を受け入れる中央開口を含んでいる。カラーは、内周に配置されている。カラーは、内面から突出していて、カラーの端面が肩部に面していて、この状態で、端面と肩部との間にシールが配置されるように、スリーブと軸との間に位置するように構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、端部プレートの外周上にラッチが配置されている。ラッチは、内面から突出していて、スリーブの外側突出部とスナップ嵌めによる係合を形成するように構成されている。
【0008】
いくつかの実施形態では、ラッチは、外周に沿って間隔を置いて位置する少なくとも2つのラッチを有している。
【0009】
いくつかの実施形態では、外側突出部は環状であり、スリーブの全周に沿って延在している。
【0010】
いくつかの実施形態では、ラッチは、端部プレートと一体の第1の端部を有した脚部;および脚部の第2の端部に配置されたフック部を含む。フック部は、軸に向かって突出している。
【0011】
いくつかの実施形態では、脚部の軸方向の寸法は、内側のカラーの軸方向の寸法よりも大きい。
【0012】
いくつかの実施形態では、フック部は、内側のカラーの端面に対して相対的に、軸方向でオフセットされている。
【0013】
いくつかの実施形態では、カラーは、プレス嵌めによりスリーブ内に収容される。
【0014】
いくつかの態様では、ハウジングアセンブリは、開口とスリーブとを含むハウジング部分であって、このスリーブは、ハウジング部分の内面および外面から突出するように開口に配置されている、ハウジング部分を含む。スリーブは、内側の肩部を含む。ハウジングアセンブリは、スリーブを貫通して延在する軸であって、回転のためにスリーブによって支持されている軸を含む。さらに、ハウジングアセンブリは、キャップとも呼ばれるシールリテーナを含む。シールリテーナは、端部プレートであって、外面、内面、および端部プレートの内周を画定し、軸を受け入れる中央開口を含んでいる端部プレートを含む。さらに、シールリテーナは、内周に配置されているカラーを含む。カラーは、内面から突出している。カラーは、カラーの端面が肩部に面するように、スリーブと軸との間に配置されている。ハウジングアセンブリは、さらに、端面と肩部との間に配置されていて、軸とスリーブとの間に流体密なシールを提供するシールリングを含む。
【0015】
いくつかの態様では、ロータリー流体バルブは、バルブボディと、バルブボディの開放端部を閉鎖する蓋とを含む。蓋は、蓋と一体の、蓋における開口を画定するスリーブを含む。スリーブは、内側の肩部を含む。ロータリー流体バルブは、バルブボディ内に配置された変流器を含む。変流器は、変流器ボディと、変流器ボディの面から突出し、スリーブを貫通して延在する軸とを含む。軸は、軸回転軸線を中心として回転するように、スリーブによって支持されている。ロータリー流体バルブは、端部プレートとカラーとを有したシールリテーナを含む。端部プレートは、外面、内面、および端部プレートの内周を画定し、軸を受け入れる中央開口を有している。カラーは、内周に配置されていて、内面から突出している。カラーは、カラーの端面が肩部に面するように、スリーブと軸との間に配置されている。ロータリー流体バルブは、さらに、端面と肩部との間に配置されていて、軸とスリーブとの間に流体密なシールを提供するシールリングを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、シールリテーナは、端部プレートの外周上に配置されたラッチを含む。ラッチは、内面から突出していて、スリーブの外側突出部とスナップ嵌めによる係合を形成するように構成されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、ラッチは、外周に沿って間隔を置いて位置する少なくとも2つのラッチを有している。
【0018】
いくつかの実施形態では、外側突出部は環状であり、スリーブの全周に沿って延在している。
【0019】
いくつかの実施形態では、ラッチは、端部プレートと一体の第1の端部を有した脚部;および脚部の第2の端部に配置されたフック部を含み、フック部は、軸に向かって突出している。
【0020】
いくつかの実施形態では、脚部の軸方向の寸法は、内側のカラーの軸方向の寸法よりも大きい。
【0021】
いくつかの実施形態では、フック部は、内側のカラーの端面に対して相対的に、軸方向でオフセットされている。
【0022】
いくつかの実施形態では、カラーは、プレス嵌めによりスリーブ内に収容される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】単一レベルの、マルチポートロータリーディスクバルブを含む車両の冷却システムの概略図である。
【
図3】ロータリーディスクバルブの分解斜視図である。
【
図4】
図2の4-4線に沿って見たロータリーディスクバルブの部分的に分解された断面図である。
【
図5】
図2の4-4線に沿って見たバルブボディの断面図である。
【
図8】
図2の8-8線に沿って見たバルブボディの断面図である。
【
図11】
図9の11-11線に沿って見た変流器の断面図である。
【
図12】バルブチャンバに配置された弾性エレメントを備えたバルブボディの上面斜視図である。
【
図13】バルブチャンバに配置された弾性エレメントおよびシールプレートを備えたバルブボディの上面斜視図である。
【
図17】
図4の破線で示された部分の拡大図である。
【
図18】代替的な実施形態のロータリーディスクバルブの分解図である。
【
図20】蓋、キャップ、および軸シールを省いて示す、
図18のロータリーディスクバルブの断面図である。
【
図24】
図25に示される変流器および第1のシールサブアセンブリの分解図である。
【
図25】変流器および第1のシールサブアセンブリの組み付けられた状態を示す図である。
【
図26】
図27に示されるバルブボディおよび第2のシールサブアセンブリの分解図である。
【
図27】バルブボディおよび第2のシールサブアセンブリの組み付けられた状態を示す図である。
【
図29】代替的な実施形態の弾性エレメントの断面図である。
【
図33】代替的な実施形態の保持キャップの斜視図である。
【0024】
詳細な説明
図1~
図4を参照すると、流体供給システム1は、マルチポートロータリーディスクバルブ18を有しており、このロータリーディスクバルブは、ポンプ8によって駆動される流体の流れを、システム1内の3つ、4つ、5つまたはそれ以上の個々の流体ライン10,11,12,13,14の間で制御することができる。ロータリーディスクバルブ18は、例えば、電気自動車の冷却システム1内の冷却材の分配および流れを制御するために使用することができる。この例では、ロータリーディスクバルブ18は、ロータリーディスクバルブ18と、車両の客室冷暖房システム7の一部であるラジエータ2との間の冷却流体の流れを制御することができ、ラジエータ2からの冷却材は、バッテリ3およびバッテリ管理システム4も冷却することができる。加えて、ロータリーディスクバルブ18は、他の車両デバイスおよびシステム、例えば、電気駆動モータ、車両電子機器および/または電子制御ユニットおよび/またはオイル供給部などの温度制御を支援する熱交換器5,6への流体の流れも制御してもよい。ロータリーディスクバルブ18は、バルブボディ20と、バルブボディ20内に配置された変流器60とを含む。変流器60は、バルブボディ20の開放端部を閉鎖する蓋44を貫通して突出するバルブ軸64を含む。バルブ軸64は、バルブアクチュエータ(図示せず)に接続されるように構成されている。作動時には、バルブ軸64および変流器60は、バルブボディ20に対して相対的に、回転軸線16を中心として回転し、バルブボディ20に対して相対的な変流器60の回転配向は、バルブアクチュエータを介して設定される。さらに、ロータリーディスクバルブ18は、バルブボディ20と変流器60との間に流体密なシールを提供するシールアセンブリ80を有している。バルブボディ20は、複数のバルブポート33,34,35,36,37を含んでいて、バルブポートの数は、特定の用途によって決定される。バルブボディ20に対して相対的な変流器60の回転配向は、バルブポート33,34,35,36,37のうちの対応する1つのバルブポートを通る1つ以上の流体流路を決定し、これにより冷却システム1における冷却流体の分配が制御される。バルブボディ20、変流器60、およびシールアセンブリ80を含むロータリーディスクバルブ18の詳細を以下に説明する。
【0025】
図2~
図8を参照すると、バルブボディ20は、側壁21と、側壁21の一方の端部(ここでは「ベース端部」と呼ばれる)22を閉鎖するベース26とを有する。側壁21は回転する区分であり、回転軸線16に対して平行な方向で見たときに円形の輪郭を有する。側壁21は円筒状に示されているが、代替的には、例えば、円錐状または楕円形であってもよい。側壁21は、ベース端部22でベース26の周縁部に接合されており、側壁21はベース26を取り囲んでいる。側壁21とベース26とは共に、概してカップ形状の構造体を形成していて、この構造体はその内部にバルブチャンバ29を画定している。
【0026】
バルブボディ20は、バルブチャンバ29を複数のサブチャンバ32に分割するチャンバ壁30を含む。1つのバルブポート33,34,35,36,37は、各サブチャンバ32に連通しており、各サブチャンバ32は、他のサブチャンバ32から隔絶されている。チャンバ壁30は、ベース26から間隔をおいて側壁21に交わる露出端部31を有している。チャンバ壁30の露出端部31は、回転軸線16に対して垂直な第1の平面40に整列していて、側壁開放端部23とバルブポート33,34,35,36,37との間の1つの軸方向位置で側壁21に交わる。各バルブポートのために、対応するチャンバ壁30の露出端部31は、サブチャンバ軸方向開口38を画定していて、これは、対応するサブチャンバ32の「非バルブポート開口」とも呼ばれる。
【0027】
バルブボディ20は、側壁21の内面から内側に向かって突出し、隣接するチャンバ壁30の対の間に延在するプラットフォーム24を含む。プラットフォーム24は、軸方向で側壁ベース端部22と第1の平面40との間に位置していて、チャンバ壁の露出端部31に密接に隣接し、チャンバ壁の露出した端部31に対して相対的に凹設されるようになっている。プラットフォーム24と、チャンバ壁の露出端部31とは協働して、以下でさらに説明するように、シールアセンブリ80を収容しかつ支持する、広く浅いプラットフォーム通路28を提供する。
【0028】
バルブボディ20は、プラットフォーム24から側壁開放端部23に向かって軸方向に突出するポスト25を含む。ポスト25は、回転軸線16と同軸であり、回転軸線16に対して平行な方向で見たときに多角形の輪郭を有する。図示した実施形態では、ポスト25は、回転軸線16に対して平行な方向で見たときに五角形の断面形状を有する。ポスト25は、組付け補助部として機能し、バルブボディ20に対してシールアセンブリ80の部分が回転するのを阻止する。ポスト25は、シールアセンブリ80の第1および第2の封止エレメント86,100の中央開口91,105に受容されていて、これらの開口はそれぞれ、詳しく後述するように、対応する断面形状を有している。
【0029】
バルブボディ20は、側壁21の内面から内側に向かって突出する側壁リブ39を含む。これらの側壁リブ39は、側壁21の内周面に沿って間隔を置いて位置している。側壁リブ39は、プラットフォーム24を起点として軸方向で延在していて、側壁開放端部23から間隔を置いた位置で終端している。側壁リブ39は、さらに後述するように、シールアセンブリ80の一部に係合するように構成されている。
【0030】
図示した実施形態では、バルブボディ20は、5つのバルブポート33,34,35,36,37を含んでいるが、このバルブポート数に限定されるものではない。特に、バルブボディ20は、第1のバルブポート33、第2のバルブポート34、第3のバルブポート35、第4のバルブポート36、および第5のバルブポート37を含む。各バルブポート33,34,35,36,37は、側壁21から外側に向かって、回転軸線16の半径方向に沿って突出しており、対応するサブチャンバ32に連通している。バルブポート33,34,35,36,37は、回転軸線16に対して垂直な、第1の平面40と側壁ベース端部22との間の1つの軸方向位置で側壁21に交わる共通の第2の平面42内で延在している。
【0031】
図示した実施形態では、バルブポート33,34,35,36,37は円筒状の管であり、各バルブポート33,34,35,36,37は、バルブボディ側壁21との交差部で円形の開口を形成している。図示したように、バルブポート33,34,35,36,37はそれぞれ、同じ長さ、断面形状および寸法を有するが、バルブポート33,34,35,36,37は、この構成に限定されない。さらに、バルブポート33,34,35,36,37は、図示された同一平面かつ半径方向に向けられた構成に限定されるものではない。例えば、別の実施形態では、バルブポート33,34,35,36,37のうちの1つ以上が、その他のバルブポートと同一平面でなくてもよく、かつ/または側壁からではなくベースから突出していてもよい。バルブポート33,34,35,36,37は、回転軸線16に対して平行な方向で、回転軸線16に対して垂直な方向で、または回転軸線16に対して垂直な方向と平行な方向との間の任意の角度で突出していてもよい。バルブポート33,34,35,36,37は、非半径方向に突出していてもよく;所与のバルブポートの軸線は、回転軸線16に交差している必要はない。多くの用途では、バルブポート33,34,35,36,37の構成は、パッケージ要件によって決定される。
【0032】
バルブポート33,34,35,36,37は、側壁21の周囲に沿って離隔された位置で設けられている。図示した実施形態では、第1および第3のバルブポート33,35は、バルブボディ20の反対の側に配置されており、バルブボディ20の共通の直径に対して平行に延在している。第2のバルブポート34は、第1のバルブポート33と第3のバルブポート35との間の中間に配置されている。第4および第5のバルブポート36,37は、第2のバルブポート34に対して、バルブボディ20の反対側にある。別の実施形態では、特定の用途によって決定されるように、バルブポート33,34,35,36,37は、図示したものとは異なる間隔を有していてもよい。
【0033】
ロータリーディスクバルブ18は、バルブボディ20の開放端部を閉鎖する蓋44を含む。蓋44は、回転軸線16と同軸の、蓋44の内面および外面の両方から延在する一体型の円筒状のスリーブ46を含む。スリーブ46の内径は一様ではなく、大径部46(1)と小径部46(2)との間の移行部には肩部48が配置されている。大径部46(1)と肩部48とは、蓋44の外側に位置しているのに対し、小径部46(2)は、実質的に蓋44の内側に配置されている。小径部46(2)は、隙間嵌め、例えば動き嵌めでバルブ軸64を受け入れるように寸法設定された内径を有していて、これにより小径部46(2)は、バルブ軸64のブシュとして機能する。大径部46(1)は、スリーブ大径部46(1)の外周面から半径方向外側に突出する環状のフランジ49を含む。フランジ49は、スリーブ46の外周全体に沿って連続的に延在していてもよく、肩部48に対して相対的に軸方向でオフセットされている。
【0034】
軸シール43は、バルブ軸64とスリーブ大径部46(1)との間に配置されている。軸シール43は、バルブ軸64とスリーブ46との間に流体シールを提供する。軸シール43は、環状であり、自動車冷却材と適合性の、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)などのエラストマーから形成されていてもよい。図示した実施形態では、軸シール43は、「X」字形の断面形状を有するOリングである。別の実施形態では、軸シール43は、方形、楕円形、または「I」字形などの別の断面形状を有していてもよいが、これに限定されるものではない。
【0035】
図2~
図4および
図30~
図32を参照すると、軸シール43は、スリーブ大径部46(1)に対応する軸方向位置で、シールリテーナを介してバルブ軸64上に保持されている。図示した実施形態では、シールリテーナは、保持キャップ50である。保持キャップ50は、バルブ軸64を取り囲む端部プレート56、端部プレート56の内周56(1)から突出するカラー51、および端部プレート56の外周56(2)から突出するラッチ52を含む。端部プレート56は、使用時には、回転軸線16に対してほぼ垂直である。端部プレート56は、蓋44に面した内面58と、蓋44から離れる方向に面した外面57とを有していて、回転軸線16に対して平行な方向で見たときに円形の輪郭を有している。端部プレート56は、バルブ軸64を受容し、端部プレート内周56(1)を画定する中央開口59を有している。
【0036】
カラー51は、端部プレート内周56(1)に沿って連続的に延在していて、端部プレート内面58から内側に向かって突出している。使用中、カラー51は、カラー51の端面51(1)が肩部48に面し、この場合、軸シール43がカラー端面51(1)と肩部48との間に配置されるように、スリーブ46とバルブ軸64との間に位置する。
【0037】
ラッチ52は、端部プレート外周56(2)に沿って間隔を置いて位置していて、端部プレート内面58から蓋44へと内側に向かって突出している。図示した実施形態では、保持キャップ50は、端部プレート外周56(2)に沿って等間隔で配置された3つのラッチ52を有する。各ラッチ52は、脚部52(1)とフック部52(2)とを含む。脚部52(1)の近位端部は、端部プレート56と一体であり、脚部52(1)は、回転軸線16に対して平行に延在している。脚部52(1)の軸方向の寸法は、スリーブ大径部46(1)の外面から半径方向外側に向かって突出するフランジ49に対応する位置に、脚部52(1)の遠位端部を配置するのに十分である。フック部52(2)は、脚部52(1)の遠位端部に配置されていて、半径方向でバルブ軸64に向かって突出している。フック部52(2)は、カラー51の端面51(1)に対して軸方向でオフセットされていて、締り嵌めにより、またはスナップ嵌めによりフランジ49と係合している。この構成により、保持キャップ50は蓋44上に保持され、軸シール43は、カラー51の端面51(1)と肩部48との間に挟み込まれる。結果として、軸シール43は、保持キャップ50を介してバルブ軸64上に保持される。
【0038】
図3~
図4および
図9~
図11を参照すると、変流器60は、バルブチャンバ29内に配置されており、回転軸線16を中心としてバルブボディ20に対して相対的に回転可能である。変流器60は、ほぼディスク状で、ベース26に面した変流器封止面61と、変流器封止面61とは反対側で、ベース26から離れる方向に面した変流器外面62とを含む。変流器封止面61は面状である(例えば、平坦または水平かつ平滑であり、隆起した領域、突出部、切欠き、凹部または表面特徴または凹凸を有さない)。変流器封止面61は、詳しく後述するように、シールアセンブリ80の対応する平坦面81に面していて、直接接触している。
【0039】
変流器60は、変流器外面62の中心から、変流器封止面61に対して垂直方向に突出するバルブ軸64を含む。バルブ軸64は、バルブアクチュエータの出力軸に接続されるように構成されていて、この出力軸は、回転軸線16を中心としてバルブ軸64を回転駆動する。例えば、図示した実施形態では、バルブ軸64の外面は、バルブアクチュエータの出力構造体に係合させることができる平坦部(図示されている)、スプライン、またはその他の特徴を含んでいてもよい。
【0040】
変流器60は、回転軸線16に対して平行な方向で変流器60を見たときに扇形の輪郭を有する変流器貫通開口63を含む。変流器貫通開口63は、変流器封止面61と変流器外面62との間に延在しており、これにより流体は、回転軸線16に対して平行な方向で変流器60に出入りする。図示した実施形態では、変流器60は、互いに間隔を置いて位置する3つの変流器貫通開口63(1),63(2)および63(3)を含む。第1および第2の変流器貫通開口63(1),63(2)は、第3の変流器貫通開口63(3)の円弧長と比較して小さい円弧長を有する。例えば、図示した実施形態では、第1および第2の変流器貫通開口63(1),63(2)は、30度~60度の範囲の円弧長l1,l2を有しており、第3の変流器貫通開口63(3)は、60度~120度の範囲の円弧長l3を有している(
図10)。
【0041】
変流器60は、変流器外面62から突出するドーム65を含み、このドームは、第3の変流器貫通開口63(3)の上方に位置している。特に、ドーム65は、第3の変流器貫通開口63(3)の周囲の一部を取り囲んでおり、これにより、バルブボディ20に対して相対的な変流器60の所定の回転位置において、1つのバルブボディサブチャンバ32から第3の変流器貫通開口63(3)に入る流体は、隣接するバルブボディサブチャンバ32に向かって変向され得る。したがって、ドーム65は、ロータリーディスクバルブ18内に「閉じた」第1の流体通路66を提供する。
【0042】
第1および第2の変流器貫通開口63(1),63(2)は、ドームによって取り囲まれておらず、各サブチャンバ32から第1および第2の変流器貫通開口63(1),63(2)のうちの一方に流入した流体は、バルブボディ20と蓋44とによって強制されて、第1および第2の変流器貫通開口63(1),63(2)のうちの他方に向かって変向される。例えば、第1の変流器貫通開口63(1)を介して変流器に流入した後、第2の変流器貫通開口63(2)を介して変流器60から出る前に、流体は、変流器外面62の一部の上方を通過する。換言すると、バルブボディ20に対して相対的な変流器60の所定の回転位置では、対応する第1のバルブボディサブチャンバ32(1)から第1の変流器貫通開口63(1)に流入する流体は、ロータリーディスクバルブ18内の、変流器外面62の上方を通る「開放された」第2の流体通路68を介して第2のバルブボディサブチャンバ32(2)へと変向されてもよい。
【0043】
第1、第2、および第3の変流器貫通開口63(1),63(2),63(3)のサイズおよび間隔ならびにドーム65の形状およびサイズは、例示的なものであり、実際には用途によるものであることが理解される。
【0044】
図示した実施形態では、変流器60は、ポリオキシメチレン(POM)またはポリフェニレンスルフィド(PPS)などのプラスチックから形成されている。変流器60の曲げまたは屈曲に対する抵抗を含む向上した構造的一体性を提供するために、変流器60は、剛性を加える上部構造体69を含んでいてもよい。図示した実施形態では、上部構造体69は、環状の外側リム70、環状の内側リム72、外側リム70と内側リム72との間に延在するスポーク74を含む。外側リム70は、変流器外面62の周縁部から外側に向かって突出していて、外面62の全周にわたって延在している。図示した実施形態では、外側リム70は、第3の変流器貫通開口63(3)を取り囲むドーム65の一部を提供する。内側リム72は、変流器外面62から外側に向かって、外側リム70の軸方向距離よりも僅かに大きい軸方向距離だけ突出している。内側リム72は、バルブ軸64を密に取り囲んでいる。内側リム72とバルブ軸64との間には、環状の溝73が位置していて、この溝は、この内部にばね54の端部54(2)を収容する形状と寸法となっている。
【0045】
スポーク74は、外側リム70の自由端部70(1)と内側リム72の自由端部72(1)との間に延在しており、上部構造体69の剛性作用に寄与している。図示した実施形態では、変流器60は、4つのスポーク74(1),74(2),74(3),74(4)を有していて、第1の変流器貫通開口63(1)の扇形状を画定する半径の上に位置するスポーク74の第1の対74(1),74(2)と、第2の変流器貫通開口63(2)の扇形状を画定する半径の上に位置するスポーク74の第2の対74(3),74(4)とを含む。さらに、第1のスポーク74(1)に対応する位置において外側リム70と内側リム72との間に第1の隔壁75が延在していて、第4のスポーク74(4)に対応する位置において外側リム70と内側リム72との間に第2の隔壁76が延在している。隔壁75,76は、第2の流体通路68内に流体を保持し、隣接する第1または第2の変流器貫通開口63(1),63(2)へと流体を方向付ける。さらに、隔壁75,76は、上部構造体69の一部を成し、その剛性作用を向上させる。
【0046】
図4および
図12~
図16を参照すると、シールアセンブリ80が、バルブチャンバ29内で、変流器封止面61とバルブボディ20のベース26との間に、より具体的には、変流器封止面61とプラットフォーム24との間に配置されている。シールアセンブリ80は、変流器封止面61に面していて直接接触しているシール封止面81と、シール封止面81とは反対側の、ベース26に面しているシール外面82とを含む。さらに、シールアセンブリ80は、シール封止面81とシール外面82との間に延在するシール貫通開口83を含む。変流器60の所定の回転位置では、シール貫通開口83のサブセットが、変流器貫通開口63のうちの1つ以上と整列している。シールアセンブリ80は、バルブボディ20に対して相対的に固定されていて、変流器60とバルブボディ20との間の、そして変流器封止面61の当接部とシール封止面81との間の流体の流れを阻止している。
【0047】
シールアセンブリ80は、2つの封止エレメントの集合体である。シールプレート86と呼ばれる第1の封止エレメントは、変流器60とベース26との間に配置されている。弾性エレメント100と呼ばれる第2の封止エレメントは、シールプレート86とベース26との間に配置されている。シールプレート86は、回転軸線16に対して平行な方向で弾性エレメント100に重ねられている。
【0048】
シールプレート86は、プレート外側環状部分87、プレート内側環状部分88、およびプレート外側環状部分87とプレート内側環状部分88との間に延びるプレートストラット89を含み、これにより、回転軸線16に対して平行な方向で見たときに、シールプレート86はスポーク付きホイールの外観となる。シールプレート86は、プレート外側環状部分87と、プレート内側環状部分88と、隣接するプレートストラット89の各対とによって画定されるプレート貫通開口90を有している。このような構成により、プレート貫通開口90は、それぞれ、概して扇形状である。プレートストラット89は、等間隔に配置されておらず、これにより、各プレート貫通開口90は、それぞれ同じ円弧長を有していない。
【0049】
プレート内側環状部分88は、バルブボディポスト25の断面形状と寸法とに対応する断面形状と寸法とを有する中央開口91を有している。図示した実施形態では、中央開口91は五角形の形状を有していて、ポスト25を隙間嵌めにより、例えば位置隙間嵌めにより受容していて、これによりシールプレート86を、予め規定された向きでバルブボディ20に組付けることができる。
【0050】
プレート外側環状部分87は、側壁21に面したプレート周面87(1)を有している。プレート周面87(1)には、矩形の切欠き87(2)が設けられている。これらの切欠き87(2)は、プレート外側環状部分87の周囲に沿って間隔を置いて配置されていて、側壁21に向かって開かれている。切欠き87(2)は、隙間嵌め、例えば、位置隙間嵌めにより側壁リブ39を受け入れるような形状および寸法となっている。側壁リブ39は、切欠き87(2)に係合し、これによりシールプレート86は、バルブボディ20に対して相対的に回動することが阻止されている。図示した実施形態では、プレート周面87(1)は概して円形であり、切欠き87(2)の近傍で半径方向外側に向かって僅かに突出している。
【0051】
シールプレート86の変流器対向面86(1)と、シールプレート86のベース対向面86(2)は面状である(例えば、平坦または水平かつ平滑であり、隆起した領域、突出部、切欠き、凹部または表面特徴または凹凸を有さない)。変流器対向面86(1)は、シールアセンブリ80のシール封止面81を提供する。特に、変流器対向面86(1)は、変流器封止面61に面していて、直接接触している。変流器60は、バルブ使用中、シールプレート86に対して相対的に回転するので、シールプレート86は、剛性であり、高耐摩耗性プラスチックから形成されている。いくつかの実施形態では、例えば、シールプレート86は、超高分子量ポリエチレンである。
【0052】
シールプレート86は薄いプレートであり、シールプレート86の軸方向の寸法または厚さは、シールプレート86の、軸方向の寸法に対して垂直方向の寸法よりも著しく小さい(例えば、シールプレート86の直径よりも著しく小さい)。例えば、図示した実施形態では、シールプレート86の直径は、シールプレートの厚さの80倍~シールプレートの厚さの160倍の範囲であってもよい。
【0053】
弾性エレメント100は、エレメント外側環状部分101、エレメント内側環状部分102、およびエレメント外側環状部分101とエレメント内側環状部分102との間に延びるエレメントストラット103を有し、これにより、回転軸線16に対して平行な方向で見たときに、弾性エレメント100はスポーク付きホイールの外観となる。弾性エレメント100は、エレメント外側環状部分101と、エレメント内側環状部分102と、隣接するエレメントストラット103の各対とによって画定されるエレメント貫通開口104を有している。このような構成により、エレメント貫通開口104は、それぞれ、概して扇形状である。エレメントストラット103は、等間隔に配置されておらず、これにより、各エレメント貫通開口104は、それぞれ同じ円弧長を有していない。エレメント貫通開口104は、シールプレート貫通開口90のうちの対応するものに整列していて、各エレメント貫通開口104は、整列しているシールプレート貫通開口90と同じ形状および寸法を有している。このような構成により、プレート貫通開口90とエレメント貫通開口104とは、シールアセンブリ80のシール貫通開口83を提供する。
【0054】
エレメント内側環状部分102は、バルブボディポスト25の断面形状と寸法とに対応する断面形状と寸法とを有する中央開口105を有している。図示した実施形態では、中央開口105は五角形の形状を有していて、ポスト25を隙間嵌めにより、例えば位置隙間嵌めにより受容していて、これにより弾性エレメント100を、予め規定された向きでバルブボディ20に組付けることができる。
【0055】
弾性エレメント100のベース対向面100(1)は、シールアセンブリ80のシール外面82を提供し、ベース対向面100(1)は、プラットフォーム24に面していて、直接接触している。より具体的には、弾性エレメント100は、弾性エレメントベース対向面100(1)と周縁部100(2)とを、隙間嵌めにより、例えば滑り嵌めにより収容するような形状および寸法であるプラットフォーム通路28内に位置している。弾性エレメント周縁部100(2)とプラットフォーム通路28の面との間の係合は、バルブボディ20に対して相対的な弾性エレメント100の相対回動を阻止するために機能している。したがって、弾性エレメント100とシールプレート86とは両方とも、バルブボディ20に対して相対的に固定されている。
【0056】
弾性エレメント100は、シールプレート86よりも大きな弾性を有している。さらに、弾性エレメント100は、ロータリーディスクバルブ18を通流する流体と適合性があり、作動温度および耐久性に関する要件を満たす弾性材料から形成されている。例えば、ロータリーディスクバルブ18が、車両冷却システムにおける流体を制御するために使用される場合、弾性エレメント100は、自動車冷却材と適合性の、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)などのエラストマーから形成されている。
【0057】
材料選択に加えて、弾性エレメント100の柔軟性および弾性は、不規則な断面形状を有するエレメント外側および内側環状部分101,102およびエレメントストラット103を設けることによりさらに向上および/または最適化させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、エレメント外側および内側環状部分101,102およびエレメントストラット103は、非円形および非矩形の断面形状を有していてもよい。図示した実施形態では、弾性エレメント100のベース対向面100(1)は、エレメント外側および内側環状部分101,102およびエレメントストラット103のそれぞれに沿って延在する第1の溝100(4)を含む。さらに、弾性エレメント100の蓋対向面100(3)は、エレメント外側および内側環状部分101,102およびエレメントストラット103のそれぞれに沿って延在する第2の溝100(5)を含む。結果として、弾性エレメント100のエレメント外側環状部分101、エレメント内側環状部分102およびエレメントストラット103はそれぞれ、H字形の断面を有している。
【0058】
弾性エレメント100は薄く、弾性エレメント100の軸方向の寸法または厚さは、弾性エレメント100の、軸方向の寸法に対して垂直方向の寸法よりも著しく小さい(例えば、弾性エレメント100の直径よりも著しく小さい)。例えば、図示した実施形態では、弾性エレメント100の直径は、弾性エレメントの厚さの10倍~弾性エレメントの厚さの20倍の範囲であってもよい。しかしながら、弾性エレメント100の厚さは、シールプレート86の厚さよりも大きい。例えば、図示した実施形態では、弾性エレメント100の厚さは、シールプレート86の厚さの3~15倍の範囲である。さらに、弾性エレメント100の直径は、シールプレート86の直径よりも僅かに小さく、変流器封止面61の直径は、シール封止面81の直径と同じである(例えば、シールプレート86の変流器対向面86(1)と同じである)。
【0059】
図3~
図4および
図17を参照すると、ロータリーディスクバルブ18は、蓋44と変流器60との間に配置されるばね54を含む。図示した実施形態では、ばね54は、バルブ軸64を取り囲むコイルばねである。ばね54の一方の端部54(1)は、スリーブ46の端面46(3)に支持されていて、ばね54の反対側の端部54(2)は、変流器内側リム72とバルブ軸64との間の溝73内に配置されている。アセンブリ内では、ばね54は圧縮下にあり、これにより、ばね54は、バルブボディベース26に向かって変流器60を付勢し、シールアセンブリ80に封止力を提供する。特に、ばね54は、変流器60をバルブボディベース26に向かって、これらの間にシールアセンブリ80が配置された状態で押し、ロータリーディスクバルブ18内における流体密なシールを促進している。ばね54は、変流器60とシールプレート86との間の相対運動中に、変流器封止面61と、シールプレート86の変流器対向面86(1)との間の流体密なシール120に作用する。相対的に動く部分間のこのようなシール120は、「動的シール」と呼ばれる。さらに、ばね54は、比較的柔軟で弾性的な弾性エレメント100と協働し、温度の変化によりかつ変流器60およびシールプレート86の摩耗により生じる寸法の変化にシールアセンブリ80を適応させることができる。シールプレート86はばね54の付勢力により弾性エレメント100に向かって圧縮されているので、シールプレート86の面と弾性エレメント100の直接接触する面との間には流体密な第1の静的シール122が存在し、弾性エレメント100の面とバルブボディ20の直接接触する面との間には流体密な第2の静的シール124が存在する。「静的シール」という用語は、本明細書では、相対的に固定された部品間のシールを呼称するために用いられる。
【0060】
上述したロータリーディスクバルブ18の実施形態では、変流器60は、シールアセンブリ80の第1の側に配置されていて、バルブポート33,34,35,36,37は、シールアセンブリ80の反対の第2の側に配置されている。さらに、変流器60は、バルブボディ20を通流する流体の流れを、流体が、回転軸線16に対して平行な第1の方向D1(
図11)で変流器60に進入するように制御するために構成されている。例えば、流体は、バルブポート33に進入し、対応するバルブサブチャンバ32を通過し、対応するシール貫通開口83を通過し、対応する変流器貫通開口63に進入することができる。変流器60内では、流体は、変流器封止面61で変流器貫通開口63に進入し、変流器外面62で変流器貫通開口から出て行く。変流器貫通開口63と、バルブボディ20に対して相対的な変流器60の回転位置とに応じて、流体は、次いで、第1の(閉じた)流体通路66または第2の(開いた)流体通路68を通過して、別の変流器貫通開口63へと到る。この変流器流体開口63は、流体を別のシール貫通開口83とその対応するサブチャンバ32へと向け、これにより流体は、回転軸線16に対して平行な、第1の方向とは逆向きの第2の方向D2(
図11)で変流器60を出る。このような構成により、変流器60への進入と変流器60からの流出との間で、流体は、第1の流体通路66および/または第2の流体通路68を介して変流器外面62の一部の上方を流れる。
【0061】
上述したロータリーディスクバルブ18、変流器60、およびシールアセンブリ80は、プラスチック構成要素であってもよい。いくつかの動作状態、例えば、バルブを通過する流体が砂粒子等の破片を含有する場合には、向上した耐久性を有する流体密なシールを提供するために、セラミック構成要素を使用して動的シールを形成することが有利であり得る。セラミック構成要素を使用して達成される動的シールを含む代替的なロータリーディスクバルブ218を以下に説明する。
【0062】
図18~
図28を参照すると、ロータリーディスクバルブ218は、
図1~
図17に関連して上述したロータリーディスクバルブ18と類似のものであり、共通の要素を識別するために共通の参照符号が使用される。例えば、ロータリーディスクバルブ218は、流体供給システム1において、このシステム1を通る流体の流れおよび分配を制御するために使用することができる一種の方向制御弁であり、前述のようにバルブボディ20と、蓋44と、ばね54とを有する。
図18~
図28のロータリーディスクバルブ218は、セラミック動的シール220を含む点で上述した実施形態とは異なっている。この目的のために、ロータリーディスクバルブ218は、それぞれバルブボディ20内に配置された、代替的な実施形態の変流器260と、代替的な実施形態のシールアセンブリ280とを含む。以下に、代替的な実施形態の変流器260と代替的な実施形態のシールアセンブリ280とを詳細に説明する。
【0063】
図18~
図25に示された変流器260は、
図9~
図11に関連して上述した変流器60と類似しており、変流器260は、概してディスク形状であり、ベース26に面した変流器封止面261と、変流器封止面261とは反対側で、ベース26から離れる方向に面した変流器外面62とを含む。変流器封止面261は、シールアセンブリ280の、対応する変流器対向面287に面している。上記の実施形態とは異なり、変流器封止面261は概して平坦であるが、変流器封止面261は、変流器貫通開口63(1),63(2),63(3)を取り囲む突出した隆起部267を含む。さらに、変流器封止面261は、変流器貫通開口63(1),63(2),63(3)の間に配置されたボス268を含む。各ボス268は 回転軸線16に対して平行な方向で変流器封止面261を見たときに扇形の輪郭を有する。隆起部267とボス268とは共に、シールアセンブリ280の対向するエレメント(例えば、第1弾性エレメント300)の輪郭に適合する隆起したパターンを形成する。さらに後述するように、隆起部267とボス268とは協働して、シールアセンブリ280の第1弾性エレメント300の一部を収容し支持する、広幅の浅い変流器チャネル230を画定する。このような構成により、第1弾性エレメント300は、変流器260に関連して回転するように配置されていて、変流器260に対して相対的な回動は阻止されている。
【0064】
変流器260はさらに、変流器260が、変流器封止面261の外周から下方に延在するスカート270を含んでいる点で、上記の実施形態の変流器60とは異なる。
【0065】
スカート270は、スカートの内面から内側に向かって突出するスカートリブ272を含む。スカートリブ272は、スカート270の内周に沿って間隔を置いて位置している。スカートリブ272は、変流器封止面261を起点として軸方向で延在していて、スカート開放端部271から間隔を置いた位置で終端している。スカートリブ272は、さらに後述するように、シールアセンブリ280の一部に係合するように構成されている。図示した実施形態では、スカート270は2つのスカートリブ272を含む。
【0066】
スカート270は、スカート270の遠位端部270(2)に配置され、スカート270の内面270(1)から内側に向かって突出する脚部274を含む。脚部274は、スカート270の内周に沿って間隔を置いて位置していて、シールアセンブリ280の第1のシールサブアセンブリ284を、スカート270によって画定されるスペース内に保持するために使用される。図示した実施形態では、スカート270は3つの脚部を含み、各脚部274の周方向の寸法は、スカート内周の寸法に対して相対的に小さい。
【0067】
図18~
図20および
図24~
図28を参照すると、シールアセンブリ280は、バルブチャンバ29内で、変流器封止面261とバルブボディ20のベース26との間に、より具体的には、変流器封止面261とプラットフォーム24との間に配置されている。シールアセンブリ280は、シールアセンブリ280が、第1のシールサブアセンブリ284と第2のシールサブアセンブリ314とを含む点で、
図3~
図4および
図14~
図17に関連して上述したシールアセンブリ80とは異なっている。第1のシールサブアセンブリ284は、スカート270によって取り囲まれ、変流器260に対して相対的に固定されるように、変流器260内に配置されている。第2のシールサブアセンブリ314は、プラットフォーム通路28内に位置し、バルブボディ20に対して相対的に固定されるように、バルブチャンバ29内に配置されている。第1および第2のシールサブアセンブリ284,314について以下に詳しく説明する。
【0068】
第1のシールサブアセンブリ284は、2つの封止エレメントの集合体である。特に、第1のシールサブアセンブリ284は、変流器封止面261と第2のシールサブアセンブリ314との間に配置される第1シールプレート286と、変流器封止面261と第1シールプレート286との間に配置される第1弾性エレメント300とを含む。第1封止エレメント300は、回転軸線16に対して平行な方向で第1シールプレート286に重ねられている。
【0069】
第1シールプレート286は、剛性の円筒状プレートであり、変流器封止面261に面した第1プレート変流器対向面287と、ベース26に面した第1プレートベース対向面288とを有する。第1シールプレート286は、第1プレート変流器対向面287と第1プレートベース対向面288との間に延在する第1プレート周面289を含む。第1プレート変流器対向面287と第1プレートベース対向面288とは面状である(例えば、平坦または水平かつ平滑であり、隆起した領域、突出部、切欠き、凹部または表面特徴または凹凸を有さない)。また、以下で詳細に説明するように、変流器対向面287は、間にある第1弾性エレメント300の、対応する対向面300(2)に面しており、直接接触している。
【0070】
第1シールプレート286は、回転軸線16に対して平行な方向で第1シールプレート286を見たときに扇形の輪郭を有する第1プレート貫通開口290を含む。第1プレート貫通開口290は、第1プレート変流器対向面287と第1プレートベース対向面288との間に延在している。第1プレート貫通開口290は、互いに間隔を置いて位置している。第1および第2の第1プレート貫通開口290(1),290(2)は、第3の第1プレート貫通開口290(3)の円弧長と比較して小さい円弧長を有する。例えば、図示した実施形態では、第1および第2の第1プレート貫通開口290(1),290(2)は、30度~60度の範囲の円弧長を有しており、第3の第1プレート貫通開口290(3)は、60度~120度の範囲の円弧長を有している。図示した実施形態では、第1プレート貫通開口290(1),290(2)および290(3)は、変流器貫通開口63(1),63(2),63(3)のうちの対応するものに軸方向で整列していて、整列している変流器貫通開口63と同じ形状および寸法を有している。
【0071】
第1プレート周面289は、側壁21に面している。第1プレート周面289には、矩形の切欠き289(2)が設けられている。これらの切欠き289(2)は、第1シールプレート286の周囲に沿って間隔を置いて配置されていて、側壁21に向かって開かれている。切欠き287(2)は、変流器スカート270の内面から内側に向かって突出するスカートリブ272のうちの対応するものを、隙間嵌め、例えば、位置隙間嵌めにより受け入れるような形状および寸法となっている。スカートリブ272は、切欠き289(2)に係合し、これにより第1シールプレート286は、変流器260に対して相対的に回動することが阻止されている。図示した実施形態では、第1周面289は、回転軸16に対して平行な方向で見たときに円形であり、2つの切欠き289(2)を含んでいる。
【0072】
第1プレートベース対向面288は、シールアセンブリ280の動的シール面の1つを提供する。特に、第1プレートベース対向面288は、第2のシールサブアセンブリ314の対向面316(1)に面していて、直接接触している。第1シールプレート286は、バルブの使用中、変流器260と共に、第2のシールサブアセンブリ314に対して相対的に回転するので、第1シールプレート286は、高耐摩耗性材料から形成されている。例えば、図示した実施形態では、第1シールプレート286は、セラミックまたはステンレス鋼であってもよい。
【0073】
第1シールプレート286は薄いプレートであり、第1シールプレート286の軸方向の寸法または厚さは、第1シールプレート286の、軸方向の寸法に対して垂直方向の寸法よりも小さい(例えば、第1シールプレート86の直径よりも小さい)。例えば、図示した実施形態では、第1シールプレート286の直径は、第1シールプレートの厚さの10倍~第1シールプレートの厚さの20倍の範囲であってもよい。しかしながら、第1シールプレート286は、
図3~
図4および
図14~
図17に関連して上述したシールプレート86と比較すると相対的に厚い。
【0074】
第1弾性エレメント300は、第1エレメントストラット303を除いて、
図3~
図4および
図14~
図17に関連して上述した弾性エレメント100に類似している。特に、第1弾性エレメント300は、第1エレメント外側環状部分301、第1エレメント内側環状部分302、および第1エレメント外側環状部分301と第1エレメント内側環状部分302との間に延びる第1エレメントストラット303を有し、これにより、回転軸線16に対して平行な方向で見たときに、第1弾性エレメント300はスポーク付きホイールの外観となる。第1弾性エレメント300は、第1エレメント外側環状部分301と、第1エレメント内側環状部分302と、隣接する第1エレメントストラット303の各対とによって画定される第1エレメント貫通開口304を有している。このような構成により、第1エレメント貫通開口304は、それぞれ、概して扇形状である。第1エレメントストラット303は、等間隔に配置されておらず、これにより、各第1エレメント貫通開口304は、それぞれ同じ円弧長を有していない。第1エレメント貫通開口304のうちの所定のものは、対応する第1プレート貫通開口290に整列していて、各第1エレメント貫通開口304は、整列している第1封止エレメント貫通開口290と同じ形状および寸法を有している。このような構成により、第1プレート貫通開口290と第1エレメント貫通開口304とは共に、第1のシールサブアセンブリ貫通開口285を提供している。
【0075】
図示した実施形態では、第1エレメント内側環状部分302は、多角形の中央開口305を有しているが、他の実施形態では、中央開口305は省かれてもよい。
【0076】
第1弾性エレメント300の変流器対向面300(1)は、変流器封止面261に面していて、直接接触している。より具体的には、第1弾性エレメント300は、第1弾性エレメント変流器対向面300(1)と周縁部300(3)とを、隙間嵌めで、例えば滑り嵌めで収容するような形状および寸法である変流器通路230内に部分的に収容されている。弾性エレメント周縁部300(3)と変流器通路230の面との間の係合は、バルブボディ20に対して相対的な第1弾性エレメント300の相対回動を阻止するために機能している。したがって、第1弾性エレメント300と第1シールプレート286とは両方とも、バルブボディ20に対して相対的に固定されている。
【0077】
第1弾性エレメント300は、第1シールプレート286よりも大きな弾性を有している。さらに、第1弾性エレメント300は、ロータリーディスクバルブ18を通流する流体と適合性があり、作動温度および耐久性に関する要件を満たす弾性材料から形成されている。例えば、ロータリーディスクバルブ218が、車両冷却システムにおける流体を制御するために使用される場合、第1弾性エレメント300は、自動車冷却材と適合性の、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)などのエラストマーから形成されている。
【0078】
材料選択に加えて、第1弾性エレメント300の柔軟性および弾性は、不規則な断面形状を有する第1エレメント外側および内側環状部分301,302および第1エレメントストラット303を設けることによりさらに向上および/または最適化させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1エレメント外側および内側環状部分301,302および第1エレメントストラット303は、非円形および非矩形の断面形状を含んでいてもよい。図示した実施形態では、第1弾性エレメント300の第1エレメント外側環状部分301、第1エレメント内側環状部分302および第1エレメントストラット303は、H字形の断面を有している。
【0079】
第1弾性エレメント300は薄く、第1弾性エレメント300の軸方向の寸法または厚さは、第1弾性エレメント300の、軸方向の寸法に対して垂直方向の寸法よりも著しく小さい(例えば、第1弾性エレメント300の直径よりも著しく小さい)。例えば、図示した実施形態では、第1弾性エレメント300の直径は、弾性エレメントの厚さの10倍~弾性エレメントの厚さの20倍の範囲であってもよい。しかしながら、第1弾性エレメント300の厚さは、第1シールプレート286の厚さとほぼ同じである。さらに、第1弾性エレメント300の直径は、第1シールプレート286の直径よりも僅かに小さい。
【0080】
第2のシールサブアセンブリ314は、2つの封止エレメントの集合体である。特に、第2のシールサブアセンブリ314は、第1のシールサブアセンブリ284とバルブボディ20のプラットフォーム24との間に配置される第2シールプレート316と、第2シールプレート316とプラットフォーム24との間に配置される第2弾性エレメント330とを含む。第2シールプレート316と第2弾性エレメント330とは、回転軸線16に対して平行な方向で重ねられている。
【0081】
第2シールプレート316は、第2プレート外側環状部分317、第2プレート内側環状部分318、および第2プレート外側環状部分317と第2プレート内側環状部分318との間に延びる第2プレートストラット319を含み、これにより、回転軸線16に対して平行な方向で見たときに、第2シールプレート316はスポーク付きホイールの外観となる。第2シールプレート316は、プレート外側環状部分317と、プレート内側環状部分318と、隣接する第2プレートストラット319の各対とによって画定される第2プレート貫通開口320を有している。このような構成により、第2プレート貫通開口320は、それぞれ、概して扇形状である。第2プレートストラット319は、等間隔に配置されておらず、これにより、各第2プレート貫通開口320は、それぞれ同じ円弧長を有していない。
【0082】
第2プレート内側環状部分318は、中央開口を有していないが、いくつかの実施形態では、中央開口は含まれてもよい。
【0083】
第2プレート外側環状部分317は、側壁21に面した第2プレート周面317(1)を有している。第2プレート周面317(1)には、矩形の切欠き317(2)が設けられている。これらの切欠き317(2)は、第2プレート外側環状部分317の周囲に沿って間隔を置いて配置されていて、側壁21に向かって開かれている。切欠き317(2)は、側壁リブ39を、隙間嵌め、例えば、位置隙間嵌めにより受け入れるような形状および寸法となっている。側壁リブ39は、切欠き317(2)に係合し、これにより第2シールプレート316は、バルブボディ20に対して相対的に回動することが阻止されている。図示した実施形態では、プレート周面317(1)は、切欠き317(2)の近傍で半径方向外側に向かって僅かに突出していることを除いて円形である。
【0084】
第2プレート変流器対向面316(1)と第2プレートベース対向面316(2)とは面状である(例えば、平坦または水平かつ平滑であり、隆起した領域、突出部、切欠き、凹部または表面特徴または凹凸を有さない)。第2シールプレート316の変流器対向面316(1)は、シールアセンブリ280の動的シール220の一部を提供する。特に、変流器対向面316(1)は、第1のシールサブアセンブリ284の第1シールプレート286のベース対向面288に面していて、直接接触している。第1のシールサブアセンブリ284は、バルブの使用中、変流器260と共に、バルブボディ20に対して相対的に回転するので、第2シールプレート316は、剛性で、高耐摩耗性材料から形成されている。いくつかの実施形態では、例えば、第2シールプレート316は、セラミックまたはステンレス鋼であってもよい。
【0085】
第2シールプレート316は薄いプレートであり、第2シールプレート316の軸方向の寸法または厚さは、第2シールプレート316の、軸方向の寸法に対して垂直方向の寸法よりも著しく小さい(例えば、第2シールプレート316の直径よりも著しく小さい)。例えば、図示した実施形態では、第2シールプレート316の直径は、第2シールプレートの厚さの10倍~第2シールプレートの厚さの20倍の範囲であってもよい。しかしながら、第2シールプレート316は、
図3~
図4および
図14~
図17に関連して上述したシールプレート86と比較すると相対的に厚く、第1シールプレート286の厚さとほぼ同じ厚さを有している。
【0086】
図示した実施形態では、第2弾性エレメント330は、
図3~
図4および
図14~
図17に図示した弾性エレメント100と同一である。
【0087】
第2弾性エレメント330は、第2エレメント外側環状部分331、第2エレメント内側環状部分332、および第2エレメント外側環状部分331と第2エレメント内側環状部分332との間に延びる第2エレメントストラット333を有し、これにより、回転軸線16に対して平行な方向で見たときに、第2弾性エレメント330はスポーク付きホイールの外観となる。第2弾性エレメント330は、第2エレメント外側環状部分331と、第2エレメント内側環状部分332と、隣接する第2エレメントストラット333の各対とによって画定される第2エレメント貫通開口334を有している。このような構成により、第2エレメント貫通開口334は、それぞれ、概して扇形状である。第2エレメントストラット333は、等間隔に配置されておらず、これにより、各第2エレメント貫通開口334は、それぞれ同じ円弧長を有していない。第2エレメント貫通開口334は、第2プレート貫通開口320のうちの対応するものに整列していて、各第2エレメント貫通開口334は、整列している第2プレート貫通開口320と同じ形状および寸法を有している。このような構成により、第2プレート貫通開口320と第2エレメント貫通開口334とは共に、第2のシールサブアセンブリ貫通開口315を提供している。
【0088】
図示した実施形態では、第2エレメント内側環状部分332は、中央開口335を有している。他の実施形態では、中央開口335は省かれてもよい。
【0089】
第2弾性エレメント330のベース対向面330(2)は、シールアセンブリ280のシール外面82を提供し、ベース対向面330(2)は、プラットフォーム24に面していて、直接接触している。より具体的には、第2弾性エレメント330は、弾性エレメントベース対向面330(2)と周縁部330(3)とを、隙間嵌めで、例えば滑り嵌めで収容するような形状および寸法であるプラットフォーム通路28内に位置している。弾性エレメント周縁部330(3)とプラットフォーム通路28の面との間の係合は、バルブボディ20に対して相対的な第2弾性エレメント330の相対回動を阻止するために機能している。したがって、第2弾性エレメント330と第2シールプレート316とは両方とも、バルブボディ20に対して相対的に固定されている。
【0090】
第2弾性エレメント330は、第2シールプレート316よりも大きな弾性を有している。さらに、第2弾性エレメント330は、ロータリーディスクバルブ218を通流する流体と適合性があり、作動温度および耐久性に関する要件を満たす弾性材料から形成されている。例えば、ロータリーディスクバルブ218が、車両冷却システムにおける流体を制御するために使用される場合、第2弾性エレメント220は、自動車冷却材と適合性の、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)などのエラストマーから形成されている。
【0091】
材料選択に加えて、第2弾性エレメント330の柔軟性および弾性は、不規則な断面形状を有するエレメント外側および内側環状部分331,332および第2エレメントストラット333を設けることによりさらに向上および/または最適化させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、エレメント外側および内側環状部分331,332および第2エレメントストラット333は、非円形および非矩形の断面形状を含んでいてもよい。図示した実施形態では、第2弾性エレメント330の第2エレメント外側環状部分331、第2エレメント内側環状部分332および第2エレメントストラット333はそれぞれ、H字形の断面を有している。
【0092】
第2弾性エレメント330は薄く、第2弾性エレメント330の軸方向の寸法または厚さは、第2弾性エレメント330の、軸方向の寸法に対して垂直方向の寸法よりも著しく小さい(例えば、第2弾性エレメント330の直径よりも著しく小さい)。例えば、図示した実施形態では、第2弾性エレメント330の直径は、弾性エレメントの厚さの10倍~弾性エレメントの厚さの20倍の範囲であってもよい。しかしながら、第2弾性エレメント330の厚さは、第2シールプレート316の厚さとほぼ同じであり、第2弾性エレメント330の直径は、第2シールプレート316の直径と同じである。
【0093】
図28を参照すると、ロータリーディスクバルブ218は、蓋44と変流器260との間に配置されたばね54を含む。上記の実施形態と同様に、ばね54は圧縮下にあり、これにより、ばね54は、バルブボディベース26に向かって変流器260を付勢し、シールアセンブリ280に封止力を提供する。特に、ばね54は、変流器260をバルブボディベース26に向かって、これらの間にシールアセンブリ280が配置された状態で押し、ロータリーディスクバルブ218内における、複数の静的シールおよび動的シールから成る流体密なシールを促進する。図示した実施形態では、変流器封止面261と、第1弾性エレメント300の変流器対向面300(1)との間に、流体密な第1の静的シール222が設けられている。第1弾性エレメント300のベース対向面300(2)と第1シールプレート286の変流器対向面287との間に、流体密な第2の静的シール224が設けられている。第1シールプレート286のベース対向面288と、第2シールプレート316の変流器対向面316(1)との間に、流体密な動的シール220が設けられている。第2シールプレート316のベース対向面316(2)と第2弾性エレメント330の変流器対向面330(1)との間に、流体密な第3の静的シール226が設けられている。さらに、第2弾性エレメント330のベース対向面330(2)とプラットフォーム通路28との間に、流体密な第4の静的シール228が設けられている。
【0094】
第1のシールサブアセンブリ284は、変流器スカート270によって取り囲まれていて、変流器貫通開口63に整列する第1のシールサブアセンブリ貫通開口285を有している。第2のシールサブアセンブリ314は、プラットフォーム24上に載置されるようにバルブボディ20内に配置され、バルブボディ20の対応するサブチャンバ32に整列する第2のシールサブアセンブリ貫通開口315を有している。バルブボディ20に対して相対的な変流器260の所定の回転位置では、第1および第2のシールサブアセンブリ貫通開口285,315のサブセットが互いに整列している。
【0095】
第1のシールサブアセンブリ284は、シールアセンブリ280と変流器260との間の流体の流れを阻止し、第2のシールサブアセンブリ314は、シールアセンブリ280とバルブボディ20との間の流体の流れを阻止しているのに対し、動的シール220は、第1および第2のシールサブアセンブリ284,314の当接部分の間に設けられている。動的シール220は、第1および第2のシールサブアセンブリ284,314の接触面の間の流体の流れを阻止し、流体をシールアセンブリ280の貫通開口内に保持し、この場合、シールアセンブリ280の貫通開口は、各第1および第2のシールサブアセンブリ284,314の整列した貫通開口285,315によって構成されている。
【0096】
ロータリーディスクバルブ218では、変流器260は、シールアセンブリ280の第1の側に配置されていて、バルブポート33,34,35,36,37は、シールアセンブリ280の反対の第2の側に配置されている。さらに、変流器260は、バルブボディ20を通流する流体の流れを、この流体が、回転軸線16に対して平行な第1の方向D1で変流器260に進入するように制御するために構成されている。例えば、流体は、バルブポート33に進入し、対応するバルブサブチャンバ32を通過し、対応するシール貫通開口285,315を通過し、対応する変流器貫通開口63に進入してもよい。変流器260内では、流体は、変流器封止面261で変流器貫通開口63に進入し、変流器外面62で変流器貫通開口63から出て行く。変流器貫通開口63と、バルブボディ20に対して相対的な変流器260の回転位置とに応じて、流体は、次いで、第1の(閉じた)流体通路66または第2の(開いた)流体通路68を通過して、別の変流器貫通開口63へと到る。この変流器流体開口63は、流体を別のシール貫通開口285,315とその対応するサブチャンバ32へと向け、これにより流体は、回転軸線16に対して平行な、第1の方向D1とは逆向き第2の方向D2で変流器60を出る。このような構成により、変流器60への進入と変流器60からの流出との間で、流体は、第1の流体通路66および/または第2の流体通路68を介して変流器外面62の一部の上方を流れる。
【0097】
図示した実施形態では、バルブボディ20の開放端部を閉鎖する蓋44が設けられている。しかしながら、別の実施形態(図示せず)では、蓋44は省かれてもよく、バルブボディ20の開放端部は、バルブアクチュエータのハウジングまたは他の補助構造体によって閉鎖されてもよい。
【0098】
図1~
図17に示したロータリーディスクバルブ18は、動的シールの構成要素(例えば、変流器60およびシールプレート86)がプラスチックである動的シール120によって例示されているのに対して、
図18~
図28に示したロータリーディスクバルブ218は、動的シールの構成要素(例えば、第1および第2シールプレート286,316)がセラミックである動的シール220によって例示されている。しかしながら、動的シールの構成要素は、記載した材料に限定されるものではないことが理解される。例えば、いくつかの実施形態では、
図1~
図17の動的シール120の構成要素が、セラミックまたは他の適切な耐摩耗性材料であってもよいのに対し、
図18~
図28の動的シール220の構成要素が、プラスチックまたは他の適切な耐摩耗性材料であってもよい。
【0099】
上述した例示的なシールアセンブリ80,280において、弾性エレメント100,300,330は、H字形の断面を有するものとして記載されている。しかしながら、所与の用途のためには弾性エレメント100,300,330の材料特性を最適にするために、他の断面形状が使用されてもよいことが理解される。例えば、いくつかの実施形態では、代替的な弾性エレメント100’は、表面溝100(4),100(5)が省かれて形成されてもよく、この場合、弾性エレメント100’は、楕円形(
図29に示されている)、円形、長方形、またはその他の多角形の断面形状を有していてもよい。別の実施形態では、弾性エレメント100,300,330は、I字形、X字形等のように不規則的な断面形状を有していてもよい。
【0100】
ロータリーディスクバルブ18,218は、本明細書では、バルブ軸に軸シール43を保持する保持キャップ50を含むものとして説明されているが、ロータリーディスクバルブ18は、
図2~
図4および
図30~
図32に示された保持キャップ50に限定されない。例えば、別の実施形態では、代替的な保持キャップ350が使用されてもよい。
図33~
図34を参照すると、代替的な保持キャップ350は、上述した保持キャップ50と類似のものであり、共通の要素を参照するために共通の参照符号が使用される。
図33~
図34の保持キャップ350は、端部プレート56とカラー51とを含む。しかしながら、
図33~
図34の保持キャップ350は、ラッチ52を有さずに形成されていて、カラー51の外面とスリーブ大径部46(1)の内面との間の締り嵌めを介して蓋44に係合している。上述した保持キャップ50と同様の形式で、
図33~
図34の保持キャップ350は蓋44上に保持され、軸シール43は、カラー51の端面51(1)と肩部48との間に挟み込まれる。このような構成により、軸シール43は、バルブ軸64上に保持される。
【0101】
バルブボディ20は、本明細書では、バルブボディ20に対するシールアセンブリ80の適切な配向を容易にするポスト25を有するものとして説明されているが、ポストは、
図18~
図20および
図26~
図27に示したように、いくつかの実施形態では省略されてもよい。
【0102】
ロータリーディスクバルブを含む流体供給システムの選択的に図示した態様のいくつかの詳細が上述されている。流体供給システムおよびロータリーディスクバルブを明確に説明するために必要と考えられる構造のみが本明細書で説明されていることを理解されたい。その他の従来の構造、および流体供給システムおよびロータリーディスクバルブの付属的および補助的構成要素の構造は当業者には公知であり、理解されているものと想定されている。さらに、流体供給システムおよびロータリーディスクバルブの実例を上述したが、流体供給システムおよびロータリーディスクバルブは、上述した実例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の流体供給システムおよび/またはロータリーディスクバルブから逸脱することなく種々の設計変更を行うことができる。
【国際調査報告】