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特表2024-527687基板およびそれを含むパッケージ基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】基板およびそれを含むパッケージ基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20240719BHJP
   H01L 23/15 20060101ALI20240719BHJP
   H05K 3/28 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H01L23/12 Z
H01L23/14 C
H05K3/28 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575668
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 US2022041178
(87)【国際公開番号】W WO2023028036
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/235,847
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521560126
【氏名又は名称】アブソリックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Absolics Inc.
【住所又は居所原語表記】3000 SKC Drive,Covington,GA 30014,USA
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソンジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジンチョル
【テーマコード(参考)】
5E314
【Fターム(参考)】
5E314AA24
5E314BB06
5E314BB10
5E314BB15
5E314CC01
5E314DD06
5E314FF03
5E314GG09
(57)【要約】
ガラス基板を含む基板を提供する。前記ガラス基板は、第1面と、第2面と、前記第1面と前記第2面とを接続するエッジ領域と;前記エッジ領域の一部から前記ガラス基板の内部に向かって形成された溝部と;前記溝部に形成された保護装置とを含み、前記溝部は、前記第1面と前記第2面とを貫通する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板であって、
第1面、第2面及び前記第1面と前記第2面とを接続するエッジ領域を含むガラス基板と、
保護装置とを備え、
前記保護装置は、前記エッジ領域の少なくとも一部に配置され、
前記保護装置の最小厚さは、5μm以上である、ことを特徴とする基板。
【請求項2】
前記ガラス基板の内部に向かって前記第1面及び前記第2面を貫通する溝部を更に含み、
前記保護装置は、前記溝部に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項3】
前記ガラス基板の前記第1面及び前記第2面のうちの少なくとも1つは、 四角形から八角形の形状を有するように構成され、
前記ガラス基板は、前記第1面と前記第2面を貫通する貫通ビアを含み、
前記ガラス基板は、その一部において導電性ワイヤ及び導電層のうちの少なくとも一方を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項4】
前記保護装置は、互いに区別される第1保護装置及び第2保護装置を含み、
前記第1保護装置は、前記第1面の第1辺に接するエッジ領域に配置され、
前記第2保護装置は、前記第1面の第2辺に接するエッジ領域に配置され、
前記第1辺及び前記第2辺は、互いに対向する、ことを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項5】
前記溝部は、互いに区別される第1溝部及び第2溝部を含み、
前記第1溝部及び前記第2溝部は、前記第1面又は第2面を間において対向するように配置される、ことを特徴とする請求項2に記載の基板。
【請求項6】
前記保護装置は、全光線透過率が87%以上であるポリマー層を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項7】
前記ポリマー層は、弾性層であり、
ASTM D3359による前記保護装置と前記ガラス基板との接着強度が5Bである、ことを特徴とする請求項6に記載の基板。
【請求項8】
前記溝部の断面に対応する断面を有するピンで保護装置に前記直接接触させるように1.1barの圧力による衝撃を3回加えても、前記基板の前記ガラス基板の損傷が実質的に生じない、ことを特徴とする請求項2に記載の基板。
【請求項9】
前記溝部の断面に対応する断面を有するピンで保護装置に前記直接接触させるように1.1barの圧力による衝撃を50回加えても、前記基板の前記ガラス基板の損傷が実質的に生じない、ことを特徴とする請求項2に記載の基板。
【請求項10】
前記溝部は、円又は楕円の円周および円弧のうちのいずれか1つに対応する形状を有し、
前記溝部の少なくとも一点から前記エッジ領域までの距離は、1mm~15mmである、ことを特徴とする請求項2に記載の基板。
【請求項11】
前記保護装置は、ASTM D3363による鉛筆硬度がHB以上である、ことを特徴とする請求項2に記載の基板。
【請求項12】
前記ポリマー層は、紫外線(UV)硬化樹脂を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の基板。
【請求項13】
前記ガラス基板は、前記ガラス基板の一部に配置されるキャビティユニットを含み、
前記キャビティユニットの第1面と前記キャビティユニットの第2面との間の厚さが、前記ガラス基板の第1面と前記ガラス基板の第2面との間の厚さよりも薄い、ことを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項14】
前記ガラス基板は、前記第1面の上に上部再配線層を含み、
前記第2面の下に下部再配線層を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項15】
半導体基板であって、
請求項1に記載の基板と、前記基板上に実装される半導体素子とを含む、ことを特徴とする半導体基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年8月23日に出願された米国仮特許出願第63/235,847号の優先権を主張し、その全開示はあらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板およびそれを含むパッケージ基板に関する。
【背景技術】
【0003】
搬送作業、加工等で行われる大型パネルにガラス基板を貼り付けるパッケージング工程においては、ガラス基板に衝撃が生じる場合がある。この影響により、工程ロスや欠陥等の問題が発生する可能性があるが、これに限らない。
【0004】
ガラス基板の搬送や加工等に用いられる手段等は、一般に剛性の高い材料を含む場合があるが、これによりガラス基板に欠陥やクラックが発生し、ガラス基板全体の破損につながる可能性がある。
【0005】
したがって、ガラス基板の搬送、加工などの工程における損傷、欠陥、クラックの発生を最小限に抑えることができる解決策が有益となる。
【発明の概要】
【0006】
本概要は、発明の詳細な説明で後述する概念の一部を簡略化して紹介するために提供されるものである。本概要は、請求対象の重要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図するものではなく、請求対象の範囲を決定する際の補助として使用することを意図するものでもない。
【0007】
本発明の第1観点では、第1面、第2面及び前記第1面と前記第2面とを接続するエッジ領域を含むガラス基板と、保護装置とを備え、前記保護装置は、前記エッジ領域の少なくとも一部に配置され、前記保護装置の最小厚さは、5μm以上である、ことを特徴とする基板を提供する。
【0008】
前記基板は、前記ガラス基板の内部に向かって前記第1面及び前記第2面を貫通する溝部を更に含み、前記保護装置は、前記溝部に配置されてもよい。
【0009】
前記ガラス基板の前記第1面及び前記第2面のうちの少なくとも1つは、 四角形から八角形の形状を有するように構成され、前記ガラス基板は、前記第1面と前記第2面を貫通する貫通ビアを含み、前記ガラス基板は、その一部において導電性ワイヤ及び導電層のうちの少なくとも一方を含む。
【0010】
前記保護装置は、互いに区別される第1保護装置及び第2保護装置を含んでもよく、前記第1保護装置は、前記第1面の第1辺に接するエッジ領域に配置され、前記第2保護装置は、前記第1面の第2辺に接するエッジ領域に配置され、前記第1辺及び前記第2辺は、互いに対向する。
【0011】
前記溝部は、互いに区別される第1溝部及び第2溝部を含んでもよく、前記第1溝部及び前記第2溝部は、前記第1面又は第2面を間において対向するように配置される。
【0012】
前記保護装置は、全光線透過率が87%以上であるポリマー層を含んでもよい。
【0013】
前記ポリマー層は、弾性層であってもよく、ASTM D3359による前記保護装置と前記ガラス基板との接着強度が5Bであってもよい。
【0014】
前記溝部の断面に対応する断面を有するピンで保護装置に前記直接接触させるように1.1barの圧力による衝撃を3回加えても、前記基板の前記ガラス基板の損傷が実質的に生じない。
【0015】
前記溝部の断面に対応する断面を有するピンで保護装置に前記直接接触させるように1.1barの圧力による衝撃を50回加えても、前記基板の前記ガラス基板の損傷が実質的に生じない。
【0016】
前記溝部は、円又は楕円の円周および円弧のうちのいずれか1つに対応する形状を有してもよく、前記溝部の少なくとも一点から前記エッジ領域までの距離は、1mm~15mmであってもよい。
【0017】
前記保護装置は、ASTM D3363による鉛筆硬度がHB以上であってもよい。
【0018】
前記ポリマー層は、紫外線(UV)硬化樹脂を含んでもよい。
【0019】
前記ガラス基板は、前記ガラス基板の一部に配置されるキャビティユニットを含んでもよく、
【0020】
前記キャビティユニットの第1面と前記キャビティユニットの第2面との間の厚さが、前記ガラス基板の第1面と前記ガラス基板の第2面との間の厚さよりも薄くてもよい。
【0021】
前記ガラス基板は、前記第1面の上に上部再配線層を含んでもよく、前記第2面の下に下部再配線層を含んでもよい。
【0022】
前記基板と、前記基板上に実装される半導体素子とを含む半導体基板を提供する。
【0023】
その他の特徴および態様は、以下の詳細な説明、図面、および特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】1つ以上の実施例による基板の平面図の一例を示す。
図2】1つ以上の実施例によるガラス基板の斜視図の一例を示す。
図3】1つ以上の実施例による基板の斜視図の一例を示す。
図4】1つ以上の実施例によるガラス基板の斜視図の一例を示す。
図5】1つ以上の実施例によるガラス基板の正面図の一例を示す。
図6】1つ以上の実施例による基板の平面図の一例を示す。
図7】比較例の例示的なガラス基板の状態を示す写真であって、1つ以上の実施例による溝部に対して3回衝撃後の試験を例示する。
図8】1つ以上の実施例による溝部に対する50回の衝撃後の試験の実施例の例示的な基材の状態を示す写真である。
図9】1つ以上の実施例におけるポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane:PDMS)保護装置と基板溝部の接着状態を示す図である。図面及び詳細な説明において、同一の符号は同一の要素を指す。図面は一定の縮尺ではない場合があり、図面中の要素の相対的な縮尺、比率、及び説明は、明確さ、図示及び便宜のために誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の詳細な説明は、読者が本明細書に記載された方法、装置、及び/又はシステムを包括的に理解することを支援するために提供されるものである。しかしながら、本開示を理解すれば、本明細書に記載された方法、装置、及び/又はシステムの様々な変更、修正、及び等価物は明らかになるであろう。例えば、本明細書に記載された動作の順序は単なる例示であり、本明細書に記載されたものに限定されるものではなく、動作が必ず一定の順序で行われる場合を除き、本開示を理解すれば明らかになるように変更してもよい。また、本開示の内容を理解すれば、公知である特徴の説明は、明瞭性及び簡潔性を高めるために省略することができるが、特徴の省略及びそれらの説明も、それらの一般的な知識を認めることを意図したものではないことに留意されたい。
【0026】
本明細書に記載される特徴は、異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、本明細書に記載された例は、本開示を理解した後に明らかになる本明細書に記載の方法、装置、及び/又はシステムを実現する多くの可能な方法のいくつかを単に説明するために提供されるものである。
【0027】
本明細書では、「第1」、「第2」及び「第3」等の用語を使用して様々な部材、構成要素、領域、層、又はセクションを説明するが、これらの部材、構成要素、領域、層、又はセクションは限定されない。むしろ、これらの用語は、ある部材、構成要素、領域、層、又はセクションを他の部材、構成要素、領域、層、又はセクションから区別するためにのみ使用される。従って、本明細書に記載された実施例で言及された第1の部材、構成要素、領域、層、又はセクションは、実施例の教示から逸脱することなく、第2の部材、構成要素、領域、層、又はセクションと呼ばれる場合もある。
【0028】
明細書において、層、領域、又は基板等の要素が、別の要素の「上」にあるか、別の要素に「接続」又は「結合」されると記載されている場合、それは直接「上」にあるか、「接続」されるか、又は他の要素に「結合」されるか、又はそれらの間に1つ以上の他の要素が介在している。一方、ある要素が別の要素の「直接上にある」、別の要素に「直接接続される」、又は「直接結合される」と記載されている場合、その間に他の要素が介在することはない。同様に、例えば、「間」、「ちょうど間」、「に隣接する」及び「に直接隣接する」等表現も、前述のように解釈することができる。
【0029】
本明細書で使用される用語は、特定の例を説明することのみを目的としており、本開示を限定するために使用されるものではない。本明細書で使用される単数形は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も含むことを意図する。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙項目の任意の1つ及び任意の2つ以上の任意の組み合わせを含む。本明細書で使用される用語「含む」、「備える」、及び「有する」は、記載された特徴、数、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの組み合わせの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、数、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの組み合わせの存在又は追加を排除するものではない。本明細書において、実施例又は実施形態(例えば、実施例又は実施形態が何を含み得るか、又は実施し得るかに関して)における用語「もよい」は、そのような特徴が含まれるか又は実施される少なくとも1つの実施例又は実施形態が存在することを意味する。ただし、すべての例がこれに限定されるものではない。
【0030】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語を含むすべての用語は、本開示の理解後に一貫して本開示が属する技術分野における通常の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されるような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈され、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではない。
【0031】
本出願では、「第1」、「第2」、「A」又は「B」等の用語は、同一の用語を区別するために使用されるものである。
【0032】
本出願で使用される単数形は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も含むことを意図する。
【0033】
1つ以上の実施例は、パッケージング工程でガラス基板の搬送、加工等の工程で発生する衝撃または損傷を防止できる基板を提供することができる。
【0034】
1つ以上の実施例では、基板内に保護装置を設けることができ、それによってパッケージング工程の搬送、加工等においてガラス基板の内部に過度な衝撃が加えられることを防止することができる。
【0035】
基板100
図1及び図2を参照すると、1以上の実施例において、基板100は、第1面11、第2面12、及び第1面11と第2面12とを接続するエッジ領域13を含むガラス基板10と、保護装置20とを含んでもよい。非限定的な実施例では、保護装置20は、エッジ領域13の少なくとも一部に配置されてもよく、一実施例では、保護装置20は、全光線透過率が約87%以上であるポリマー層を含んでもよい。
【0036】
前記ガラス基板10は、更に、ガラス基板10の内部に向かって突出する溝部14を含んでもよい。前記溝部14は、前記第1面11及び前記第2面12を貫通してもよく、前記溝部14は、エッジ領域13の一部に配置され、前記エッジ領域13に接続されてもよい。非限定的な例では、前記保護装置20は、前記溝部14上に配置されてもよい。
【0037】
非限定的な例では、前記ガラス基板10は、第1面11を上方から見たときに溝部14を除いた形態が四角形から八角形の形状であってもよい。前記ガラス基板10は、4つの辺と4つのエッジ領域を有してもよい。
【0038】
一例において、前記保護装置20は、互いに区別される第1保護装置及び第2保護装置を含んでもよく、空間的に互いに離隔して配置されてもよい。前記第1保護装置は、前記第1面11の第1辺に接するエッジ領域に配置され、前記第2保護装置は、前記第1面11の第2辺に接するエッジ領域に配置され、前記第1辺及び前記第2辺は、互いに対向してもよい。
【0039】
前記溝部14は、互いに区別される第1溝部及び第2溝部を含んでもよい。前記第1溝部及び前記第2溝部は、第1面11又は第2面12を間において互いに対向するように配置されてもよい。
【0040】
前記溝部14及び前記溝部14上に形成された前記保護装置20は、図6に示すように、前記ガラス基板10の第1エッジ領域及び前記第1エッジ領域とは反対側の前記第2エッジ領域を含んでもよい。前記溝部及び前記保護装置は、複数形成されてもよく、ガラス基板の1つのエッジ領域を基準として1~10の数で形成されてもよい。
【0041】
前記基板100は、前記溝部14に接続された前記ガラス基板10のエッジ領域、前記溝部14に接続された第1面11、及び前記溝部14に接続された第2面12のうちいずれか1つ以上の領域に延在するように形成された保護装置20を有してもよく、前記保護装置20は、10μm~500μm延在されてもよい。図1に示すように、前記保護装置20は、前記溝部14を除外したエッジ領域において延在するように形成されてもよい。
【0042】
図2に示すように、前記溝部14は、前記エッジ領域13から前記第1面11又は前記第2面12の中心方向に所定長さだけ凹んだ形状を有してもよい。前記保護装置20は、前記溝部の内周面に形成されてもよい。前記溝部14は、最大凹み長さが2.5mm以下、1mm以下、又は0.8mm 以下であってもよい。前記溝部は、凹み長さが0.2mm以上であってもよい。前記基板100は、 このようなファイン長さを有することにより、溝部と接触する搬送装置を介して搬送及び加工の利便性を得ることができる。
【0043】
前記溝部14は、前記第1面11及び前記第2面12において実質的に同じ溝を有してもよく、貫通形状を有してもよい。前記溝部14の断面は、ガラス基板10の第1面11を上方位置で見た時、又は第2面12を下方位置で見た時に、切断された円形又は切断された楕円形であってもよく、楕円形又は円の円周および円弧を含んでもよく、曲線を含んでもよい。 また、前記溝部の少なくとも一点から前記エッジ領域までの距離は、1mm~15mmであってもよい。
【0044】
前記溝部14の断面は、1mm~5mmの直径を有する円または半円形状の円周および円弧を含んでもよい。このような形状を有することにより、保護装置20をより安定的に形成することができ、搬送装置等を介して加わる衝撃を最小限に抑えることができる。
【0045】
図3に示すように、前記保護装置20は、前記溝部14に接するように、又は、前記溝部14上に形成されてもよく、前記溝部14の周方向に沿って実質的に同じ形状を有してもよい。
【0046】
一例では、前記保護装置20は、前記ガラス基板10のエッジ領域13からガラス基板10の厚さに垂直な外部方向を基準として最小で5μm以上、10μm~1000μm、50μm~1000μm、又は100μm~400μmの厚さを有してもよい。前記保護装置20は、このような厚さを有することにより、搬送装置等を介して加わる衝撃を最小限に抑えることができる。
【0047】
前記保護装置20は、前記溝部14に原料組成物を均一に塗布し、紫外線(UV)照射および/または熱処理することによって形成してもよい。一例では、前記原料組成物は、シロキサン、アセテート、アセタール、ウレタンまたはアミド系モノマー、ベースオリゴマーまたはプレポリマーを含んでもよく、硬化剤、硬化触媒、光開始剤、溶媒などを含んでもよい。シロキサン系プレポリマーとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサンなどを挙げることができる。前記硬化剤としては、イソシアネートまたはアミン系化合物を用いることができる。前記原料組成物は、必要に応じて補強剤、接着力強化剤、鎖延長剤等を含んでもよい。
【0048】
前記原料組成物は、ポリジメチルシロキサンプレポリマー、硬化剤および硬化触媒を含む第1組成物であってもよく、あるいは、前記原料組成物は、ポリジメチルシロキサンプレポリマーおよび硬化触媒を含む組成物と、ポリジメチルシロキサンプレポリマー、硬化触媒および他の添加剤とを一定の割合で混合した第2組成物であってもよい。
【0049】
前記保護装置20のポリマー層は、弾性を有する層であってもよく、UV硬化処理されたポリマー樹脂を含んでもよく、耐酸性および耐熱性を有するポリマー樹脂を含んでもよい。一例では、前記ポリマー樹脂は、シロキサン系ポリマー、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド等を含んでもよい。前記シロキサン系ポリマーとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン等を含んでもよい。ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニル(vinylacetate)が20重量%~50重量%であってもよい。前記ポリビニルブチラールは、可塑剤を含む柔らかいものであってもよい。ポリウレタンは、熱硬化性、熱プラスチックおよび発泡ポリウレタンであってもよい。
【0050】
ASTM D3359による規格で前記保護装置20と前記ガラス基板10の溝部14との間の接着強度は、5Bであってもよい。5Bは、実質的にASTM D3359による接着試験を行ったときに剥離領域が発生しないことを意味する。また、前記保護装置20は、ASTM D3363による鉛筆硬度がHB以上、又はH以下であってもよい。このような接着強度および硬度を有することにより、前記保護装置20の剥離を効果的に防止することができ、基板100の搬送時にガラス基板10を安定的に保護することができる。
【0051】
前記保護装置20は、0.5MPa~4MPa、又は1.8MPa~4MPaの弾性率を有してもよい。
【0052】
前記保護装置20は、0.1W/mk~0.37W/mkの熱伝導率を有してもよい。
【0053】
前記保護装置20は、14kV/mm~24kV/mmの絶縁耐力を有してもよい。
【0054】
前記保護装置20は、100kHzで2~4の誘電率を有してもよい。
【0055】
前記保護装置20は、220ppm/℃~460ppm/℃の熱膨張係数を有してもよい。
【0056】
前記保護装置20は、5.5MPa~7.9MPaの引張強度を有してもよい。
【0057】
前記保護装置20は、厚さ20μmを基準として、可視光に対する全光線透過率が87%以上、または89%以上であってもよい。前記全光線透過率は、95%以下であってもよい。前記保護装置20がこのような全光線透過率を有することにより、保護装置の付加による干渉の発生等の問題を防止することができる。
【0058】
前記基板100は、溝部14の断面に対応する断面を有するピンと接触している保護装置20に1秒間1.1barの圧力を加える損傷試験を3回から10回行う際に、ガラス基板10に実質的な損傷を生じないものであってもよい。前記基板100は、少なくとも50回の損傷試験を行った後でも、ガラス基板に実質的な損傷がなく、破損が発生しないものであってもよい。ここで、損傷や破損の程度とは、ガラス基板を肉眼で観察したときに、亀裂や割れが発生していない状態をいう。このような特性を有する基板は、ピンのような搬送装置を介する搬送時や加工時に発生しうる衝撃を最小限に抑え、破損等を防止することができる。
【0059】
図4を参照すると、前記基板100は、更に前記溝部14を除くエッジ領域において前記エッジ領域の周方向に沿って形成された第3溝部を含んでもよく、更に前記第3溝部上に形成された第3保護装置(図示せず)を含んでもよい。一例では、前記第3溝部は、溝部を除くエッジ領域において、第1面11又は第2面12の中心方向に凹んだ形状を有してもよい。
【0060】
前記ガラス基板10は、パッケージ用基板として適用する場合、素子と印刷回路基板との間の配線長を短くすることができる。
【0061】
ガラス基板10として適用可能なガラスとしては、非限定的な例として、強化ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等を挙げることができる。ガラス基板10は、実質的に有機基板を含まなくてもよい。
【0062】
前記ガラス基板10と前記保護装置20との間には、実質的に別途の接着剤等を含まなくてもよい。
【0063】
前記ガラス基板10は、2000μm以下、100μm~1500μm、又は100μm~1000μmの厚さを有してもよい。このような厚さを有するガラス基板は、電気信号伝達の効率を更に向上させることができ、保護装置20を配置した状態で適切な機械的物性を維持することができる。
【0064】
前記ガラス基板10は、更に、厚さ方向に一部の経路が形成された複数のビアと、厚さ方向と略垂直な方向に経路が形成された他のビアとを含んでもよい。
【0065】
前記ガラス基板10は、前記第1面11と前記第2面12を貫通する貫通ビアを含んでもよい。
【0066】
前記ガラス基板10は、導電性ワイヤまたはガラス基板10の少なくとも一部に配置された導電層を含んでもよく、前記第1面11および前記第2面12をコアビア、ビア等を介して電気的に接続する導電層を含んでもよい。
【0067】
前記ガラス基板10の前記第1面11及び/又は前記第2面12は、回路パターンを含んでもよく、素子が配置される面の反対面は、リードフレーム、はんだボール等の電気接続装置を媒体として印刷回路基板と電気的に接続してもよい。
【0068】
前記ガラス基板10は、別途用意されたキャビティ装置を含んでもよく、キャビティ装置は、ガラス基板内部の空き空間に配置されてもよい。
【0069】
前記ガラス基板10の内部には受動素子が配置されてもよく、前記受動素子はガラス基板10の内部のキャビティに配置されてもよい。
【0070】
前記基板100は、一面11上に上部再配線層を含んでもよく、他面12下に下部再配線層を含んでもよい。
【0071】
前記基板100は、エッジ領域13、第1面11及び第2面12に亘って配置される溝部14及び保護装置20を有してもよく、これにより、パッケージング工程において搬送および加工等の工程中に比較的脆弱なエッジの耐久性を補強し、生産性を更に向上させることができる。
【0072】
パッケージ基板
一例では、1つ以上の実施例に係るパッケージ基板は、上記の基板100と、前記基板の一面11上に配置される素子とを含んでもよい。
【0073】
前記パッケージ基板は、更に、外部環境から素子を保護し、前記第1面11の放熱処理を補助するリードフレームを含んでもよい。前記素子とリードフレームとの間には、熱伝導性充填材が充填されてもよく、前記素子とリードフレームとの接着面をはんだ付けによって処理されてもよい。
【0074】
基板の製造方法
1つ以上の実施例では、実施例に係る基板の製造方法は、第1面、第2面及び前記第1面と前記第2面とを接続するエッジ領域を含むガラス基板を準備する段階と、エッジ領域の一部からガラス基板の内側方向に向かって溝部を形成する段階と、前記溝部上に原料組成物を塗布して硬化処理する段階とを含んでもよい。
【0075】
前記溝部14を形成する段階は、溝部14を第1面と第2面とを貫通するように形成してもよく、前記溝部は、切削加工、レーザー加工、レーザー加工後の化学エッチング等により形成してもよい。
【0076】
なお、前記溝部14を形成する段階によって形成される溝部14の具体的な形状は、上述した基板1100の説明と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0077】
硬化処理段階は、前記溝部上に原料組成物を所定の厚さとなるように塗布し、その後、熱処理及び/又は紫外線照射を操作することにより行ってよい。
【0078】
硬化処理操段階おいて、原料は、10000cPs以下、又は1000cPs以上の粘度を有してもよく、好ましくは2000cPs~5000cPsの粘度を有してもよい。パッケージ内部領域に浸透しやすく、且つ汚染を発生しない粘度範囲であればいずれの粘度でも適用可能である。
【0079】
硬化処理段階の原料に含まれ得る材料は、上記の基板の説明と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0080】
硬化処理段階の熱処理は、20℃~180℃の温度で行ってもよい。また、150℃~180℃の温度で5分~30分、又は100℃~150℃の温度で10分~50分程度行ってもよい。
【0081】
前記硬化処理段階のUV照射は、320nm~380nmの波長範囲を有するUVを800mJ/mm~1400mJ/mmのエネルギー密度で照射してもよく、又は1000mJ/mm~1200mJ/mmのエネルギー密度で照射してもよい。このような条件で光硬化処理を行うことにより、接着強度及び物性の良好な保護装置を形成することができる。
【0082】
硬化処理段階のUV照射は、10秒以上、3分以下であってもよく、好ましくは20秒~1分であってもよいが、その条件は必ずしもこれに限定されるものではない。更に、熱処理後にUV照射を追加的に行ってもよい。このようなUV照射により、硬化後の粉塵や不純物の発生を最小限に抑えることができる。また、半導体パッケージ工程で耐紫外線性の弱い材料が含まれる場合には、UV照射を工程から除外してもよい。
【0083】
以下、実施例を参照して実施例をより詳細に説明するが、実施例はこれらに限定されるものではないことに留意されたい。
【0084】
実施例-基板
厚さ500μmの四角形ガラス基板10を用意した。図6に示されるように、前記ガラス基板の第1エッジおよびそれに対向する第2エッジに、レーザーによるエッチングにより、直径1.5mmの半円形状の断面を有する溝部14を形成した。DOW CHEMICAL社から入手した粘度3500cPs以下のポリジメチルシロキサンプレポリマーを含む原料組成物であるSYLGARD 184を、溝部上に厚さ270μmとなるように均一に塗布し、150℃の温度で10分間熱処理を行った。その後、塗布された部分に波長350nm、エネルギー密度1100mJ/mmのUVを1分間照射して光硬化処理を行い、図9に示すように、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む保護素子20を形成した。
【0085】
比較例-保護装置がない基板
上記の実施例から保護装置20を除いたガラス基板を用意した。
【0086】
実験例-溝部の損傷試験
上記の実施例で製造されたガラス基板100と比較例で製造されたガラス基板の溝部に、溝部と同じ断面を有し、溝部に接触される直径1.5mmのステンレスピンで1.1barの圧力を1秒間加えて損傷試験を行った。
【0087】
溝部14に保護装置20を備える実施例では、図8に示すように、損傷試験を50回実施しても損傷が生じないことが確認された。保護装置がない比較例では、図7に示すように、3回の損傷試験後に溝部周辺に亀裂が発生することが確認された。
【0088】
実験例-基板の保護装置の粘着力、硬度、透過率試験
実施例で製造したガラス基板10衝撃防止用装置の接着強度を、ASTM D3359-97に準拠し、KTA-TARTO社製の接着強度測定用システムを用いて、以下のようにして測定した:保護装置の第1面を幅方向に6本、長さ方向に6本の線を入れて格子を形成し、この格子上に試験用テープを貼り付けた後、試験用テープを180°剥がし、保護装置と試験用テープとの剥離程度を確認した。また、KIPAE E&T社製の鉛筆硬度計と三菱社製の耐圧高密度鉛筆(Pressure-Proofed Hi-Density Lead Pencil)を用いて、ガラス基板の衝撃防止用保護装置の鉛筆硬度を測定した。
【0089】
具体的に、鉛筆硬度計のガラス基板上に保護装置を上部方向に向けて固定し、保護装置の表面と45°の角度をなすように三菱鉛筆を設置した後、1kgfを加えた状態で保護装置の表面を5回引っ掻いたときのスクラッチの発生の有無により硬度を判断した。一例では、スクラッチが発生しなかったときの鉛筆硬度値を試験値とし、保護装置の可視光線の全光線透過率を測定した。
【0090】
測定結果として、保護装置とガラス基板との接着強度は5B(ロスが発生していない)であり、保護装置の鉛筆硬度はHBであり、保護装置の全光線透過率は89%であった。
【0091】
本開示は特定の実施例を含むが、本願の開示内容を理解した後、当業者であれば、請求項及びその均等物の精神及び範囲から逸脱することなく、これらの実施例において形態及び詳細における種々の変更を行うことができることは明らかであろう。本明細書に記載された実施例は、説明的な意味でのみ考慮されるべきであり、限定を目的とするものではない。各実施例における特徴又は態様の説明は、他の実施例における同様の特徴又は態様に適用可能であるとみなされるものとする。記載された技術が異なる順序で実行される場合、及び/又は記載されたシステム、アーキテクチャ、デバイス、又は回路における構成要素が異なる方法で組み合わされる場合、及び/又は他の構成要素又はそれらの同等物で置き換え又は補足される場合、適切な結果が達成される可能性がある。
【0092】
従って、本開示の範囲は、詳細な説明ではなく、特許請求の範囲及びその均等物によって定められ、特許請求の範囲及びその均等物の範囲内でのすべての変更は、本開示に含まれると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】