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特表2024-527696霧化コア導液体及びその加熱霧化コア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】霧化コア導液体及びその加熱霧化コア
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20240719BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20240719BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578147
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2021113356
(87)【国際公開番号】W WO2023019487
(87)【国際公開日】2023-02-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521528698
【氏名又は名称】深▲ゼン▼市華誠達精密工業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】陳平
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AC18
4B162AC27
(57)【要約】
霧化コア導液体(2)及びその加熱霧化コアにおいて、霧化コア導液体(2)は複数層の導液布(21)を重ね合わせてなる。また、少なくとも1層の導液布(21)における少なくとも1つの面が縞を有している。これにより、隣り合う少なくとも2層の導液布(21)の間が完全には密着せず、微小な溝(22)が形成される。また、複数の微小な溝(22)が連通して貯液空間を形成する。加熱霧化コアは、導液体(2)と、導液体(2)に密着する発熱体(3)を含む。発熱体(3)は電極リード線(4)に接続される。導液布(21)上に陥凹又は隆起した縞を設け、隣り合う2枚の導液布(21)を完全には密着させないことで微小な溝(22)を形成する。複数の微小な溝(22)は連通して貯液空間を形成する。貯液空間に貯えられるリキッドは迅速な給液効果を奏することができるため、導液効率が向上する結果、霧化効果が最適化される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数層の導液布(21)を重ね合わせてなり、少なくとも1層の前記導液布(21)における少なくとも1つの面が縞を有しており、これにより、隣り合う少なくとも2層の前記導液布(21)の間が完全には密着せず、微小な溝(22)が形成され、複数の前記微小な溝(22)が連通して貯液空間を形成することを特徴とする霧化コア導液体。
【請求項2】
前記微小な溝(22)は、隣り合う少なくとも2層の前記導液布(21)における隣り合う面にそれぞれ設けられる縞が交錯するように配列されることで形成されることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア導液体。
【請求項3】
前記微小な溝(22)は、前記導液布(21)における縞を有さない面と、別の前記導液布(21)における縞を有する面とが密着することで形成されることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア導液体。
【請求項4】
前記導液布(21)は、少なくとも1層の縦縞導液布(211)又は/及び少なくとも1層の横縞導液布(212)を含み、前記縦縞導液布(211)には全体的に縦向きに配列される縞が設けられており、全体的に縦向きの微小な溝(22)を形成しており、前記横縞導液布(212)には全体的に横向きに配列される縞が設けられており、全体的に横向きの微小な溝(22)を形成していることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア導液体。
【請求項5】
前記導液布(21)は1~8層設けられており、且つ、異なる層の間の前記微小な溝(22)の配列位置は、径方向において少なくとも一部が交錯するように設けられることを特徴とする請求項4に記載の霧化コア導液体。
【請求項6】
前記導液布(21)の縞の方向は一致しており、規則的に配列され、或いは、前記導液布(21)の縞の方向は全体的に一致していることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア導液体。
【請求項7】
前記微小な溝(22)の高さは0.1mm以内であることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア導液体。
【請求項8】
前記導液体(2)は、筒状構造であるか、プレート式の構造であることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア導液体。
【請求項9】
請求項1~8に記載の導液体(2)と、前記導液体(2)に密着する発熱体(3)を含み、前記発熱体(3)は電極リード線(4)に接続されることを特徴とする加熱霧化コア。
【請求項10】
更に、霧化コアケーシング(1)を含み、前記霧化コアケーシング(1)内に前記導液体(2)が装填され、前記導液体(2)の下方の霧化コアケーシング(1)内に、前記電極リード線(4)を固定するための固定部材(5)が設けられており、前記固定部材(5)には気流供給孔(51)が開設されていることを特徴とする請求項9に記載の加熱霧化コア。
【請求項11】
前記発熱体(3)の発熱回路は、前記導液体(2)の陥凹縞内か隣り合う隆起縞の間に対応して嵌入されることを特徴とする請求項9に記載の加熱霧化コア。
【請求項12】
前記熱伝導体に嵌入される発熱体(3)の面積は、前記発熱体(3)の発熱回路の総面積の1/3~2/3であることを特徴とする請求項11に記載の加熱霧化コア。
【請求項13】
前記発熱体(3)の発熱線径は0.2mmよりも大きく、前記発熱体(3)の発熱回路の延伸方向と前記導液体(2)の縞の方向は全体的に一致していることを特徴とする請求項9に記載の加熱霧化コア。
【請求項14】
前記発熱体(3)の発熱線径は0.15mmよりも小さく、前記発熱体(3)の発熱回路の延伸方向と前記導液体(2)の縞の方向は全体的に一致していないことを特徴とする請求項9に記載の加熱霧化コア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化の技術分野に関し、特に、霧化コア導液体及びその加熱霧化コアに関する。
【背景技術】
【0002】
導液布は、電子霧化装置の導液部材として使用可能であり、これによるリキッドの伝達効率や耐熱性等の機能的要素が霧化コアの善し悪しに影響を及ぼす。現在のところ、業界内での手法の大部分は、例えば、亜麻繊維、長繊維布繊維、混合繊維等の材質の違いを追求するか、技術の違い(脱脂してから紡織するか、紡織してから脱脂するか)を追求するか、単位体積あたりの布の密度(つまり、単位体積あたりの布の重量)を調整するかとなっている。これらの方式は、業界内で一般的に用いられており、導液布を調整することで給液効率を達成するというものであるが、依然として導液体の導液が不均一であり、導液速度が遅い。そのため、発熱体が継続的に動作する際に給液が間に合わず、霧化効果に劣ることから、使用者の吸入体験に影響を及ぼしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、タバコ用リキッドの導液が不均一であり、導液速度が遅く、給液が間に合わず、霧化効果に劣るとの欠点に対し、霧化効果に優れ、タバコ用リキッドの導液速度が速い導液体及びその加熱霧化コアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は以下の通りである。
【0005】
霧化コア導液体は、複数層の導液布を重ね合わせてなる。また、少なくとも1層の前記導液布における少なくとも1つの面が縞を有している。これにより、隣り合う少なくとも2層の前記導液布の間が完全には密着せず、微小な溝が形成される。また、複数の前記微小な溝が連通して貯液空間を形成する。
【0006】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記微小な溝は、隣り合う少なくとも2層の前記導液布における隣り合う面にそれぞれ設けられる縞が交錯するように配列されることで形成される。
【0007】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記微小な溝は、前記導液布における縞を有さない面と、別の前記導液布における縞を有する面とが密着することで形成される。
【0008】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記導液布は、少なくとも1層の縦縞導液布又は/及び少なくとも1層の横縞導液布を含む。前記縦縞導液布には全体的に縦向きに配列される縞が設けられており、全体的に縦向きの微小な溝を形成している。前記横縞導液布には全体的に横向きに配列される縞が設けられており、全体的に横向きの微小な溝を形成している。
【0009】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記導液布は1~8層設けられている。且つ、異なる層の間の微小な溝の配列位置は、径方向において少なくとも一部が交錯するように設けられる。
【0010】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記導液布の縞の方向は一致しており、規則的に配列される。或いは、前記導液布の縞の方向は全体的に一致している。
【0011】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記微小な溝の高さは0.1mm以内である。
【0012】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記導液体は、筒状構造であるか、プレート式の構造である。
【0013】
加熱霧化コアは、前記導液体と、前記導液体に密着する発熱体を含む。前記発熱体は電極リード線に接続される。
【0014】
更に、前記加熱霧化コアにおいて、好ましくは、更に、霧化コアケーシングを含む。前記霧化コアケーシング内に前記導液体が装填され、前記導液体の下方の霧化コアケーシング内に、前記電極リード線を固定するための固定部材が設けられている。前記固定部材には気流供給孔が開設されている。
【0015】
更に、前記加熱霧化コアにおいて、好ましくは、前記発熱体の発熱回路は、前記導液体の陥凹縞内か隣り合う隆起縞の間に対応して嵌入される。
【0016】
更に、前記加熱霧化コアにおいて、好ましくは、前記熱伝導体に嵌入される発熱体の面積は、前記発熱体の発熱回路の総面積の1/3~2/3である。
【0017】
更に、前記加熱霧化コアにおいて、好ましくは、前記発熱体の発熱線径は0.2mmよりも大きく、前記発熱体の発熱回路の延伸方向と前記導液体の縞の方向は全体的に一致している。
【0018】
更に、前記加熱霧化コアにおいて、好ましくは、前記発熱体の発熱線径は0.15mmよりも小さく、前記発熱体の発熱回路の延伸方向と前記導液体の縞の方向は全体的に一致していない。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以下の有益な効果を有する。
【0020】
本発明が提供する霧化コア導液体及びその加熱霧化コアにおいて、霧化コア導液体は、複数層の導液布を重ね合わせてなり、導液布の少なくとも1つの面が縞を有するように設けられる。これにより、隣り合う少なくとも2層の導液布の間が完全には密着せず、微小な溝が形成される。複数の微小な溝は連通して貯液空間を形成し、貯液空間内にリキッドが貯えられる。霧化の過程で、最も内側寄りの導液布上のリキッドが消費された場合には、微小な溝が形成する貯液空間が導液布の外側の給液空間に近接しているため、貯液空間に貯えられるリキッドは迅速な給液効果を奏することができる。これにより、導液効率が向上する結果、霧化効果が最適化される。
【0021】
以下に、図面と実施例を組み合わせて、本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施例1における霧化コア導液体の第1実施形態の断面図である。
図2図2は、本発明の実施例1における霧化コア導液体の第2実施形態の断面図である。
図3図3は、本発明の実施例1における霧化コア導液体の第3実施形態の断面図である。
図4図4は、本発明の実施例1における霧化コア導液体の第4実施形態の断面図である。
図5図5は、本発明の実施例1における霧化コア導液体の縦縞導液布の概略構造図である。
図6図6は、本発明の実施例1における霧化コア導液体の横縞導液布の概略構造図である。
図7図7は、本発明の実施例2における加熱霧化コアの発熱体の第1実施形態の概略構造図である。
図8図8は、本発明の実施例2における加熱霧化コアの発熱体の第2実施形態の概略構造図である。
図9図9は、本発明の実施例2における加熱霧化コアの発熱体の第3実施形態の概略構造図である。
図10図10は、本発明の実施例2における加熱霧化コアの断面図である。
図11図11は、本発明の実施例2における加熱霧化コアの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の技術的特徴、目的及び効果がより明瞭に理解されるよう、図面を参照して本発明の具体的実施形態につき詳細に説明する。
【0024】
部材が別の部材に「固定される」或いは「設けられる」と記載されている場合には、直接的又は間接的に当該別の部材上に位置し得る。また、1つの部材が別の部材に「接続される」と記載されている場合には、直接的又は間接的に当該別の部材に接続され得る。
【0025】
「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「垂直」、「水平」、「天井」、「底」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置は、図示する方向又は位置に基づいており、記載の便宜上のものにすぎず、本技術方案を制限するものと解釈すべきではない。また、「第1」、「第2」等の用語は記載の便宜上のものにすぎず、相対的な重要性を明示又は暗示するものと解釈すべきでも、技術的特徴の数を示唆するものと解釈すべきでもない。また、「複数」とは、別途明確且つ具体的に限定している場合を除き、2つ又は2つ以上であることを意味する。
【0026】
実施例1において、図1図4に示すように、霧化コア導液体2は複数層の導液布21を重ね合わせてなる。導液布21は、例えば、亜麻繊維、長繊維綿繊維、スパンレース不織布繊維、混合繊維等の異なる材質で製造される。また、少なくとも1層の導液布21における少なくとも1つの面が縞を有している。これにより、隣り合う少なくとも2層の導液布21の間が完全には密着せず、微小な溝22が形成される。また、複数の微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。なお、重ね合わせるとは、空間的な積層のことを言う。即ち、霧化コア導液体2は、導液布21が空間内で1層ずつ積み重ねられて形成される。また、密着するとは、2つの物体の間に接触が存在し、接触位置に隙間が存在しないことを言う。本発明における縞とは、従来の意味での模様のことではなく、導液布21の紡織工程で織編により導液布21の表面に形成される陥凹又は隆起のことである。或いは、金型プレス、紡織パラメータ設定の調整、押し出し等の技術手段によって導液布21の表面に出現する陥凹又は隆起のことである。少なくとも1層の導液布21における少なくとも1つの面は、陥凹又は隆起している。重ね合わされた複数層の導液布21では、縞の存在によって、隣り合う少なくとも2層の導液布21の間が完全には密着せず、微小な溝22が形成される。また、複数の微小な溝22が連通して貯液空間を形成し、貯液空間内にリキッドが貯えられる。実際に使用する過程では、微小な溝22に多くのリキッドを貯えることが可能である。複数の微小な溝22が連通して貯液空間構造を形成するため、複数層の導液布21を設けることで、微小な溝22を有さない従来構造の導液布21と比較して、霧化の過程で、発熱体3に近接する最も内側の導液布21上のリキッドが消費された場合には、導液布21のその他の位置におけるリキッドが毛細管現象によってリキッドを最も内側の導液布21に伝達する。また、導液布21内部の貯液空間の位置は導液布21の外側のリキッドタンクに近接しているため、貯液空間に貯えられるリキッドは迅速な給液効果を奏することができる。これにより、導液効率が向上する結果、霧化効果が最適化される。
【0027】
導液布21は、少なくとも1層の縦縞導液布211又は/及び少なくとも1層の横縞導液布212を含む。図5に示すように、縦縞導液布211には全体的に縦向きに配列される縞が設けられており、全体的に縦向きの微小な溝22を形成している。全体的に縦向きに配列されるとは、導液布21の縞全体が上端から下端へ延伸していることを言う。即ち、微小な溝22は、全体的に上端から下端へと延伸している。ただし、各縞がいずれも上から下に向かって設けられることを要求しているのではなく、縦向きの縞を基本として、分岐縞を外側に向かって延伸させてもよいし、縦向きの縞と横向きの縞を交錯するように設けてもよい。図6に示すように、横縞導液布212には全体的に横向きに配列される縞が設けられており、全体的に横向きの微小な溝22を形成している。全体的に横向きに配列されるとは、導液布21の縞全体が左側から右側へ延伸していることを言う。即ち、微小な溝22は、全体的に左側から右側へと延伸している。ただし、各縞がいずれも左から右へ貫設されることを要求しているのではなく、横向きの縞を基本として、分岐縞を外側に向かって延伸させてもよいし、縦向きの縞と横向きの縞を交錯するように設けてもよい。これら2種類の縞の導液布21からなる霧化コア導液体には複数の重ね合わせ方式を採用可能であり、複数層の横縞導液布212で構成してもよいし、複数層の縦縞導液布211で構成してもよいし、複数層の横縞導液布212と縦縞導液布211を組み合わせ、重ね合わせることで形成してもよい。
【0028】
導液布21の縞の種類の違いから、異なる配列によって異なる微小な溝22を形成可能である。即ち、縦縞導液布211と横縞導液布212を交錯するように重ね合わせた場合、つまり、1層の縦縞導液布211を1層の横縞導液布212に重ね合わせ、繰り返し密着させた場合には、1層の縦向きの微小な溝22の次が1層の横向きの微小な溝22である導液体2が形成される。また、各層の微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。この場合、導液体2は複数層の貯液空間を有する。或いは、導液体2のうち半分の導液布21を縦縞導液布211とし、半分を横縞導液布212とする。つまり、縞が同一の何層かの縦縞導液布211を重ね合わせ、縞が同一の横縞導液布212を何層か重ね合わせてから両者を重ね合わせることで、これらの接触面に微小な溝22が形成される。この場合、導液体2は、微小な溝22を1層しか有さない。即ち、導液体2の中央に貯液空間が形成される。或いは、全てを縦縞導液布211として縞を異ならせるか、部分的に異ならせる。この場合には、縦縞導液布211を重ね合わせたときに、隆起又は陥凹部分がずれて配列される。これにより、各層の縦縞導液布211の隆起又は陥凹は、径方向に投影したときに完全には重なり合わず、縦向きの微小な溝22を形成する。また、ずれの程度の違いは、形成される微小な溝22の大きさに影響を及ぼし得るため、貯液空間の大きさにも影響する。或いは、全てを横縞導液布212として縞を異ならせるか、部分的に異ならせる。この場合には、横縞導液布212を重ね合わせたときに、隆起又は陥凹部分がずれて配列される。これにより、各層の横縞導液布212の隆起又は陥凹は、径方向に投影したときに完全には重なり合わず、横向きの微小な溝22を形成する。また、ずれの程度の違いは、形成される微小な溝22の大きさに影響を及ぼし得るため、貯液空間の大きさにも影響する。なお、縞の大きさは限定しない。また、微小な溝22の形成は上記の形式に限定しない。縞の隆起又は陥凹部分が一定程度ずれることで異なる微小な溝22が形成されるが、具体的には記載しない。
【0029】
導液布21は、片面に縞を有する導液布21としてもよいし、両面に縞を有する導液布21としてもよい。導液布21の構造上の違いにより、重ね合わせることで異なる微小な溝22を形成可能である。即ち、導液布21における縞を有さない面を別の導液布21における縞を有する面に密着させて形成する場合、つまり、片面に縞を有する1層の導液布21と縞を有さない1層の導液布21を繰り返し重ね合わせた場合には、2種類の導液布21の接触面に微小な溝22が形成される。また、微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。この場合、導液体2は複数層の貯液空間を有する。或いは、片面に縞を有する1層の導液布21と両面に縞を有する1層の導液布21を繰り返し重ね合わせる。この場合には、縞が1層である導液布21における縞を有する面が、縞が2層である導液布21の任意の面に接触することで、縞が交錯するように設けられる(即ち、2枚の導液布21の表面における陥凹又は隆起が重なって密着することがない)。且つ、縞が1層である導液布21における縞を有さない面が、縞が2層である別の導液布21の任意の面に接触する。この場合にも、複数層の微小な溝22を形成可能となり、微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。また、この場合にも、導液体2は複数層の貯液空間を有する。或いは、導液体2のうち半分の導液布21を片面縞とし、半分を両面縞の導液布212とする。つまり、何層かの片面縞の導液布21を重ね合わせ、何層かの両面縞の導液布21を重ね合わせてから両者を重ね合わせることで、接触面に微小な溝22が形成される。この場合、導液体2は、微小な溝22を1層しか有さない。即ち、導液体2の中央に貯液空間が形成される。なお、縞の大きさは限定しない。また、微小な溝22の形成は上記の形式に限定しない。縞の隆起又は陥凹部分が一定程度ずれることで異なる微小な溝22が形成されるが、具体的には記載しない。また、導液布21は1~8層設けられているが、導液布21の具体的な数は限定しない。且つ、異なる層の間の微小な溝22の配列位置は、径方向において少なくとも一部が交錯するように設けられる。本願における交錯するように設けられるとは、異なる層の導液布21を重ね合わせたときに形成される微小な溝22の径方向の位置に配列のずれが存在し、必ずしも一対一で対応しないことを意味する。このずれの程度の違いは、形成される微小な溝22の大きさ、即ち貯液空間の大きさに影響を及ぼし得る。
【0030】
導液布21の縞の方向は一致しており、規則的に配列される。即ち、縞は繰り返し単位であり、一定の規則を持って配列される。或いは、導液布21の縞の方向は全体的に一致している。これにより、導液布21の縞を作る際に、比較的簡単な技術手段を用いて所望の縞を実現可能となり、導液布21を重ね合わせる際にもいっそう簡単となるため、生産コストの節約となる。
【0031】
導液体2の微小な溝22の高さは0.1mm以内である。微小な溝22の高さを制御することで貯液空間の大きさを制御する。導液布21は、一定程度までリキッドを吸着すると飽和する。しかし、貯液空間が大きすぎると、導液体2が過飽和となって、導液体2からリキッドが溢れ出し、最終的に霧化効果に影響を及ぼす恐れがある。
【0032】
図1図2に示すように、導液体2は筒状構造であってもよいし、図3図4に示すように、プレート式の構造であってもよい。霧化コアの実際の構造に応じて、導液体2は筒状としてもよいし、プレート式の構造としてもよく、実際の形状は実際の必要性に応じて変更可能である。
【0033】
微小な溝は多種多様に形成される。よって、貯液空間の形式も多種多様となり、各層の導液布の接触面に均一に配列してもよいし、1層置きに貯液空間を配列してもよいし、縦向きであってもよいし、横向きであってもよいが、ここでは具体的に記載しない。
【0034】
実施例1-1において、図1に示すように、導液体2は筒状構造となっている。導液体2は、横縞導液布212と縦縞導液布211を重ね合わせてなり、2種類の導液布が半分ずつとなっている。また、導液体2の内側は縦縞導液布211となっており、外側は横縞導液布212となっている。横縞導液布212と縦縞導液布211との接触面には微小な溝22が形成され、複数の微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。この場合、導液体2は貯液空間を1層有する。
【0035】
実施例1-2において、図2に示すように、導液体2は筒状構造となっている。導液体2は複数層の縦縞導液布211を重ね合わせてなり、各層の縦縞導液布211の縦向きの縞が交錯するように設けられる。即ち、隣り合う2枚の導液布21の表面における陥凹又は隆起が重なって密着することがないため、微小な溝22が形成される。また、各層の微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。この場合、導液体2は複数層の貯液空間を有する。
【0036】
実施例1-3において、図3に示すように、導液体2はプレート状構造となっている。導液体2は、横縞導液布212と縦縞導液布211を重ね合わせてなり、2種類の導液布が半分ずつとなっている。縦縞導液布211の縞は同一であり、横縞導液布212の縞は同一である。最も内層の横縞導液布212と最も内層の縦縞導液布211との接触面には微小な溝22が形成され、複数の微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。この場合、導液体2は貯液空間を1層有する。
【0037】
実施例1-4において、図4に示すように、導液体2はプレート状構造となっている。導液体2は複数層の横縞導液布212を重ね合わせてなり、各層の横縞導液布212の横向きの縞が交錯するように設けられる。即ち、隣り合う2枚の導液布21の表面における陥凹又は隆起が重なって密着することがないため、微小な溝22が形成される。また、各層の微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。この場合、導液体2は複数層の貯液空間を有する。
【0038】
実施例2において、図7図11に示すように、加熱霧化コアは、実施例1の導液体2と、導液体2に密着する発熱体3を含む。発熱体3は電極リード線4に接続される。動作時には、電極リード線4が発熱体3に電気を供給して発熱させ、導液体2内のタバコ用リキッドを霧化させて霧化蒸気を形成する。これが、最終的に使用者によって吸入される。
【0039】
図7図9に示すように、発熱体3は、中央の発熱回路を含み、両端に電極リード線4が接続されている。また、一般的には、ステンレス、ニッケルクロム、鉄クロムアルミニウム、ニッケル鉄等の電気抵抗率の高い合金で製造される。発熱体3は、平面的なメッシュ状の発熱体3を巻いてなる筒状の発熱体3と、螺旋状のワイヤからなる発熱体3と、金属管を切断し、透彫することで形成される発熱体3に分けることができる。また、発熱回路の向きは、全体的に横向きに延伸する発熱体3、又は、全体的に縦向きに延伸する発熱体3、又は、メッシュ状構造の発熱体3に大別される。
【0040】
実施例2-1において、図10図11に示すように、加熱霧化コアは霧化コアケーシング1を更に含む。霧化コアケーシング1内には導液体2が設けられており、導液体2の下方の霧化コアケーシング1内には電極を固定するための固定部材5が設けられている。固定部材5には気流供給孔51が開設されている。発熱体3は導液体2内に密着し、導液体2は霧化コアケーシング内に設けられる。霧化コアケーシング1により拘束されることで、導液体2と発熱体3はいずれも霧化コアケーシング1内に固定される。且つ、固定部材5によって電極リード線4を固定することで、電極リード線4が力を受けてぐらつくと発熱体3の発熱回路も一緒にぐらつくとの問題が回避され、導液体2と発熱体3との接触不良の問題が解決される。また、霧化コアケーシング1の側壁には導液孔11が設けられており、導液孔11の大きさによってリキッドと導液体2との接触面積を制御する。動作時には、リキッドが霧化コアケーシング1の側壁における導液孔11から導液体2に進入して導液体2まで流れる。また、電極リード線4が発熱体3に電気を供給して発熱させることで、導液体2内のタバコ用リキッドが霧化されて霧化蒸気を形成する。このとき、気流供給孔51から進入したガスが霧化蒸気を気流経路に導入し、最終的には使用者によって吸入される。
【0041】
図11に示すように、固定部材5の外周縁には位置決め溝52が開設されており、電極リード線4が位置決め溝52内に係接されて固定される。位置決め溝52の横断面の形状は、円弧形、U形、V形、四角形等の形状としてもよいが、開口が大きくて挿入しやすく、且つ電極リード線4を完全に挟持及び固定可能なV形とすることが好ましい。位置決め溝52の設置数は少なくとも1つとする。1つ設ける場合には、2本の電極リード線4を一緒に固定する。また、2つの位置決め溝52を設ける場合には、2本の電極リード線4を異なる位置決め溝52内に係接する。また、位置決め溝52を複数設ける場合、複数の位置決め溝52は固定部材5の外周縁に均一に設けられ、2本の電極リード線4は任意の2つの位置決め溝52内に係接される。また、別の実施形態では、固定部材5に貫通した固定孔が設けられており、電極リード線4が固定孔内に挿着される。
【0042】
実施例2-2において、発熱体3の発熱回路は、導液体2の陥凹縞内か隣り合う隆起縞の間に対応して嵌入される。文中の嵌入されるとは、発熱体3の発熱回路を、導液体2の陥凹縞内か隣り合う隆起縞の間に全体的に配置可能なことであってもよいし、導液体2の陥凹縞内か隣り合う隆起縞の間に部分的に配置可能なことであってもよい。全体的に配置される場合には、発熱回路が導液布21の縞と同一となっている。なお、導液体2内に嵌入される発熱体3の面積は多いほどよいというわけではない。導液体2内に嵌入される発熱体3の面積が多すぎる場合には、発熱体3の全てが導液体2のリキッド内に浸かることになり、霧化動作の際に、霧化蒸気の全てがリキッドに取り囲まれてスピットバック等の問題が発生しやすい。よって、熱伝導体に嵌入される発熱体3の面積は、発熱体3の発熱回路の総面積の1/3~2/3であることが好ましい。この場合、スピットバックや焦げ付き等の問題が発生しにくくなる。更には、発熱体3の熱を霧化動作に最大限利用することも可能となるため、霧化効果が向上する結果、使用者の吸入体験が向上する。
【0043】
実施例2-3において、発熱体3の発熱線径の大きさや、発熱回路の延伸方向が導液体2の縞の方向と一致しているか否かは、霧化コアの霧化効果に一定の影響を及ぼす。導液体2には、設計及び加工後に、横向きの縞及び/又は縦向きの縞を形成可能である。即ち、横向きの微小な溝22及び/又は縦向きの微小な溝22が備わる。導液体2と発熱体3が密着する際に、縞の方向は極めて重要となる。横向きに延伸する発熱体3と縦向きの縞の導液布21が密着する場合には、導液体2内に嵌入される発熱体3の発熱回路の面積は少なくなるが、横向きに延伸する発熱体3と横向きの縞の導液体2が密着する場合には、導液綿内に嵌入される発熱体3の発熱回路の面積は多くなる。発熱体3の線径が太い場合、例えば、0.2mm或いはそれ以上の場合には、発熱体3の発熱回路の延伸方向と導液体2の縞の方向が全体的に一致していることが好ましい。例えば、発熱体3の発熱回路が横向きに延伸しており、導液体2の縞の方向も横向きである場合、即ち、微小な溝22が横向きの微小な溝22である場合には、発熱体3と導液体2との接触面積が大きくなって、霧化面積が増大する。一方、発熱体3の線径が細い場合、例えば、線径が0.15mm以下の場合には、発熱体3の発熱回路の延伸方向と導液体2の縞の方向が全体的に一致していないことが好ましい。例えば、発熱体3の発熱回路が横向きに延伸しており、導液体2の縞の方向が縦向きである場合、即ち、微小な溝22が縦向きの微小な溝22である場合に、霧化コアの霧化効果はいっそう良好となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化の技術分野に関し、特に、霧化コア導液体及びその加熱霧化コアに関する。
【背景技術】
【0002】
導液布は、電子霧化装置の導液部材として使用可能であり、これによるリキッドの伝達効率や耐熱性等の機能的要素が霧化コアの善し悪しに影響を及ぼす。現在のところ、業界内での手法の大部分は、例えば、亜麻繊維、長繊維布繊維、混合繊維等の材質の違いを追求するか、技術の違い(脱脂してから紡織するか、紡織してから脱脂するか)を追求するか、単位体積あたりの布の密度(つまり、単位体積あたりの布の重量)を調整するかとなっている。これらの方式は、業界内で一般的に用いられており、導液布を調整することで給液効率を達成するというものであるが、依然として導液体の導液が不均一であり、導液速度が遅い。そのため、発熱体が継続的に動作する際に給液が間に合わず、霧化効果に劣ることから、使用者の吸入体験に影響を及ぼしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、タバコ用リキッドの導液が不均一であり、導液速度が遅く、給液が間に合わず、霧化効果に劣るとの欠点に対し、霧化効果に優れ、タバコ用リキッドの導液速度が速い導液体及びその加熱霧化コアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は以下の通りである。
【0005】
霧化コア導液体は、複数層の導液布を重ね合わせてなる。また、少なくとも1層の前記導液布における少なくとも1つの面が縞を有している。これにより、隣り合う少なくとも2層の前記導液布の間が完全には密着せず、微小な溝が形成される。また、複数の前記微小な溝が連通して貯液空間を形成する。
【0006】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記微小な溝は、隣り合う少なくとも2層の前記導液布における隣り合う面にそれぞれ設けられる縞が交錯するように配列されることで形成される。
【0007】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記微小な溝は、前記導液布における縞を有さない面と、別の前記導液布における縞を有する面とが密着することで形成される。
【0008】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記導液布は、少なくとも1層の縦縞導液布又は/及び少なくとも1層の横縞導液布を含む。前記縦縞導液布には全体的に縦向きに配列される縞が設けられており、全体的に縦向きの微小な溝を形成している。前記横縞導液布には全体的に横向きに配列される縞が設けられており、全体的に横向きの微小な溝を形成している。
【0009】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記導液布は1~8層設けられている。且つ、異なる層の間の微小な溝の配列位置は、径方向において少なくとも一部が交錯するように設けられる。
【0010】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記導液布の縞の方向は一致しており、規則的に配列される。或いは、前記導液布の縞の方向は全体的に一致している。
【0011】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記微小な溝の高さは0.1mm以内である。
【0012】
更に、前記霧化コア導液体において、好ましくは、前記導液体は、筒状構造であるか、プレート式の構造である。
【0013】
加熱霧化コアは、前記導液体と、前記導液体に密着する発熱体を含む。前記発熱体は電極リード線に接続される。
【0014】
更に、前記加熱霧化コアにおいて、好ましくは、更に、霧化コアケーシングを含む。前記霧化コアケーシング内に前記導液体が装填され、前記導液体の下方の霧化コアケーシング内に、前記電極リード線を固定するための固定部材が設けられている。前記固定部材には気流供給孔が開設されている。
【0015】
更に、前記加熱霧化コアにおいて、好ましくは、前記発熱体の発熱回路は、前記導液体の陥凹縞内か隣り合う隆起縞の間に対応して嵌入される。
【0016】
更に、前記加熱霧化コアにおいて、好ましくは、前記導液体に嵌入される発熱体の面積は、前記発熱体の発熱回路の総面積の1/3~2/3である。
【0017】
更に、前記加熱霧化コアにおいて、好ましくは、前記発熱体の発熱線径は0.2mmよりも大きく、前記発熱体の発熱回路の延伸方向と前記導液体の縞の方向は全体的に一致している。
【0018】
更に、前記加熱霧化コアにおいて、好ましくは、前記発熱体の発熱線径は0.15mmよりも小さく、前記発熱体の発熱回路の延伸方向と前記導液体の縞の方向は全体的に一致していない。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以下の有益な効果を有する。
【0020】
本発明が提供する霧化コア導液体及びその加熱霧化コアにおいて、霧化コア導液体は、複数層の導液布を重ね合わせてなり、少なくとも1層の導液布の少なくとも1つの面が縞を有するように設けられる。これにより、隣り合う少なくとも2層の導液布の間が完全には密着せず、微小な溝が形成される。複数の微小な溝は連通して貯液空間を形成し、貯液空間内にリキッドが貯えられる。霧化の過程で、最も内側寄りの導液布上のリキッドが消費された場合には、微小な溝が形成する貯液空間が導液布の外側の給液空間より発熱体に近接しているため、貯液空間に貯えられるリキッドは迅速な給液効果を奏することができる。これにより、導液効率が向上する結果、霧化効果が最適化される。
【0021】
以下に、図面と実施例を組み合わせて、本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施例1における霧化コア導液体の第1実施形態の断面図である。
図2図2は、本発明の実施例1における霧化コア導液体の第2実施形態の断面図である。
図3図3は、本発明の実施例1における霧化コア導液体の第3実施形態の断面図である。
図4図4は、本発明の実施例1における霧化コア導液体の第4実施形態の断面図である。
図5図5は、本発明の実施例1における霧化コア導液体の縦縞導液布の概略構造図である。
図6図6は、本発明の実施例1における霧化コア導液体の横縞導液布の概略構造図である。
図7図7は、本発明の実施例2における加熱霧化コアの発熱体の第1実施形態の概略構造図である。
図8図8は、本発明の実施例2における加熱霧化コアの発熱体の第2実施形態の概略構造図である。
図9図9は、本発明の実施例2における加熱霧化コアの発熱体の第3実施形態の概略構造図である。
図10図10は、本発明の実施例2における加熱霧化コアの断面図である。
図11図11は、本発明の実施例2における加熱霧化コアの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の技術的特徴、目的及び効果がより明瞭に理解されるよう、図面を参照して本発明の具体的実施形態につき詳細に説明する。
【0024】
部材が別の部材に「固定される」或いは「設けられる」と記載されている場合には、直接的又は間接的に当該別の部材上に位置し得る。また、1つの部材が別の部材に「接続される」と記載されている場合には、直接的又は間接的に当該別の部材に接続され得る。
【0025】
「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「垂直」、「水平」、「天井」、「底」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置は、図示する方向又は位置に基づいており、記載の便宜上のものにすぎず、本技術方案を制限するものと解釈すべきではない。また、「第1」、「第2」等の用語は記載の便宜上のものにすぎず、相対的な重要性を明示又は暗示するものと解釈すべきでも、技術的特徴の数を示唆するものと解釈すべきでもない。また、「複数」とは、別途明確且つ具体的に限定している場合を除き、2つ又は2つ以上であることを意味する。
【0026】
実施例1において、図1図4に示すように、霧化コア導液体2は複数層の導液布21を重ね合わせてなる。導液布21は、例えば、亜麻繊維、長繊維綿繊維、スパンレース不織布繊維、混合繊維等の異なる材質で製造される。また、少なくとも1層の導液布21における少なくとも1つの面が縞を有している。これにより、隣り合う少なくとも2層の導液布21の間が完全には密着せず、微小な溝22が形成される。また、複数の微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。なお、重ね合わせるとは、空間的な積層のことを言う。即ち、霧化コア導液体2は、導液布21が空間内で1層ずつ積み重ねられて形成される。また、密着するとは、2つの物体の間に接触が存在し、接触位置に隙間が存在しないことを言う。本発明における縞とは、従来の意味での模様のことではなく、導液布21の紡織工程で織編により導液布21の表面に形成される陥凹又は隆起のことである。或いは、金型プレス、紡織パラメータ設定の調整、押し出し等の技術手段によって導液布21の表面に出現する陥凹又は隆起のことである。少なくとも1層の導液布21における少なくとも1つの面は、陥凹又は隆起している。重ね合わされた複数層の導液布21では、縞の存在によって、隣り合う少なくとも2層の導液布21の間が完全には密着せず、微小な溝22が形成される。また、複数の微小な溝22が連通して貯液空間を形成し、貯液空間内にリキッドが貯えられる。実際に使用する過程では、微小な溝22に多くのリキッドを貯えることが可能である。複数層の導液布21を設けることで、微小な溝22を有さない従来構造の導液布21と比較して、霧化の過程で、発熱体3に近接する最も内側の導液布21上のリキッドが消費された場合には、導液布21のその他の位置におけるリキッドが毛細管現象によってリキッドを最も内側の導液布21に伝達する。また、導液布21内部の貯液空間の位置は導液布21の外側のリキッドタンクより発熱体3に近接しているため、貯液空間に貯えられるリキッドは迅速な給液効果を奏することができる。これにより、導液効率が向上する結果、霧化効果が最適化される。
【0027】
複数層の導液布21は、少なくとも2層の縦縞導液布211、又は少なくとも2層の横縞導液布212、又は少なくとも1層の縦縞導液布211及び少なくとも1層の横縞導液布212を含む。図5に示すように、縦縞導液布211には全体的に縦向きに配列される縞が設けられており、全体的に縦向きの微小な溝22を形成している。全体的に縦向きに配列されるとは、導液布21の縞全体が上端から下端へ延伸していることを言う。即ち、微小な溝22は、全体的に上端から下端へと延伸している。ただし、各縞がいずれも上から下に向かって設けられることを要求しているのではなく、縦向きの縞を基本として、分岐縞を外側に向かって延伸させてもよいし、縦向きの縞と横向きの縞を交錯するように設けてもよい。図6に示すように、横縞導液布212には全体的に横向きに配列される縞が設けられており、全体的に横向きの微小な溝22を形成している。全体的に横向きに配列されるとは、導液布21の縞全体が左側から右側へ延伸していることを言う。即ち、微小な溝22は、全体的に左側から右側へと延伸している。ただし、各縞がいずれも左から右へ貫設されることを要求しているのではなく、横向きの縞を基本として、分岐縞を外側に向かって延伸させてもよいし、縦向きの縞と横向きの縞を交錯するように設けてもよい。これら2種類の縞の導液布21からなる霧化コア導液体には複数の重ね合わせ方式を採用可能であり、複数層の横縞導液布212で構成してもよいし、複数層の縦縞導液布211で構成してもよいし、複数層の横縞導液布212と縦縞導液布211を組み合わせ、重ね合わせることで形成してもよい。
【0028】
導液布21の縞の種類の違いから、異なる配列によって異なる微小な溝22を形成可能である。即ち、縦縞導液布211と横縞導液布212を交錯するように重ね合わせた場合、つまり、1層の縦縞導液布211を1層の横縞導液布212に重ね合わせ、繰り返し密着させた場合には、隣接する各2層の中に1層の縦向きの微小な溝22及び1層の横向きの微小な溝22を有する導液体2が形成される。また、各層の微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。この場合、導液体2は複数層の貯液空間を有する。或いは、導液体2のうち半分の導液布21を縦縞導液布211とし、半分を横縞導液布212とする。つまり、縞が同一の何層かの縦縞導液布211を重ね合わせ、縞が同一の横縞導液布212を何層か重ね合わせてから両者を重ね合わせることで、これらの接触面に微小な溝22が形成される。この場合、導液体2は、微小な溝22を1層しか有さない。即ち、導液体2の中央に貯液空間が形成される。或いは、全てを縦縞導液布211として縞を異ならせるか、部分的に異ならせる。この場合には、縦縞導液布211を重ね合わせたときに、隆起又は陥凹部分がずれて配列される。これにより、各層の縦縞導液布211の隆起又は陥凹は、径方向に投影したときに完全には重なり合わず、縦向きの微小な溝22を形成する。また、ずれの程度の違いは、形成される微小な溝22の大きさに影響を及ぼし得るため、貯液空間の大きさにも影響する。或いは、全てを横縞導液布212として縞を異ならせるか、部分的に異ならせる。この場合には、横縞導液布212を重ね合わせたときに、隆起又は陥凹部分がずれて配列される。これにより、各層の横縞導液布212の隆起又は陥凹は、径方向に投影したときに完全には重なり合わず、横向きの微小な溝22を形成する。また、ずれの程度の違いは、形成される微小な溝22の大きさに影響を及ぼし得るため、貯液空間の大きさにも影響する。なお、縞の大きさは限定しない。また、微小な溝22の形成は上記の形式に限定しない。縞の隆起又は陥凹部分が一定程度ずれることで異なる微小な溝22が形成されるが、具体的には記載しない。
【0029】
導液布21は、片面に縞を有する導液布21としてもよいし、両面に縞を有する導液布21としてもよい。導液布21の構造上の違いにより、重ね合わせることで異なる微小な溝22を形成可能である。即ち、導液布21における縞を有さない面を別の導液布21における縞を有する面に密着させて形成する場合、つまり、片面に縞を有する1層の導液布21と縞を有さない1層の導液布21を繰り返し重ね合わせた場合には、2種類の導液布21の接触面に微小な溝22が形成される。また、微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。この場合、導液体2は複数層の貯液空間を有する。或いは、片面に縞を有する1層の導液布21と両面に縞を有する1層の導液布21を繰り返し重ね合わせる。この場合には、縞が1層である導液布21における縞を有する面が、縞が2層である導液布21の任意の面に接触することで、縞が交錯するように設けられる(即ち、2枚の導液布21の表面における陥凹又は隆起が重なって密着することがない)。且つ、縞が1層である導液布21における縞を有さない面が、縞が2層である別の導液布21の任意の面に接触する。この場合にも、複数層の微小な溝22を形成可能となり、微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。また、この場合にも、導液体2は複数層の貯液空間を有する。或いは、導液体2のうち半分の導液布21を片面縞とし、半分を両面縞の導液布212とする。つまり、何層かの片面縞の導液布21を重ね合わせ、何層かの両面縞の導液布21を重ね合わせてから両者を重ね合わせることで、接触面に微小な溝22が形成される。この場合、導液体2は、微小な溝22を1層しか有さない。即ち、導液体2の中央に貯液空間が形成される。なお、縞の大きさは限定しない。また、微小な溝22の形成は上記の形式に限定しない。縞の隆起又は陥凹部分が一定程度ずれることで異なる微小な溝22が形成されるが、具体的には記載しない。また、導液布21は~8層設けられているが、導液布21の具体的な数は限定しない。且つ、異なる層の間の微小な溝22の配列位置は、径方向において少なくとも一部が交錯するように設けられる。本願における交錯するように設けられるとは、異なる層の導液布21を重ね合わせたときに形成される微小な溝22の径方向の位置に配列のずれが存在し、必ずしも一対一で対応しないことを意味する。このずれの程度の違いは、形成される微小な溝22の大きさ、即ち貯液空間の大きさに影響を及ぼし得る。
【0030】
導液布21の縞の方向は一致しており、規則的に配列される。即ち、縞は繰り返し単位であり、一定の規則を持って配列される。或いは、導液布21の縞の方向は全体的に一致している。これにより、導液布21の縞を作る際に、比較的簡単な技術手段を用いて所望の縞を実現可能となり、導液布21を重ね合わせる際にもいっそう簡単となるため、生産コストの節約となる。
【0031】
導液体2の微小な溝22の高さは0.1mm以内である。微小な溝22の高さを制御することで貯液空間の大きさを制御する。導液布21は、一定程度までリキッドを吸着すると飽和する。しかし、貯液空間が大きすぎると、導液体2が過飽和となって、導液体2からリキッドが溢れ出し、最終的に霧化効果に影響を及ぼす恐れがある。
【0032】
図1図2に示すように、導液体2は筒状構造であってもよいし、図3図4に示すように、プレート式の構造であってもよい。霧化コアの実際の構造に応じて、導液体2は筒状としてもよいし、プレート式の構造としてもよく、実際の形状は実際の必要性に応じて変更可能である。
【0033】
微小な溝は多種多様に形成される。よって、貯液空間の形式も多種多様となり、各層の導液布の接触面に均一に配列してもよいし、1層置きに貯液空間を配列してもよいし、縦向きであってもよいし、横向きであってもよいが、ここでは具体的に記載しない。
【0034】
実施例1-1において、図1に示すように、導液体2は筒状構造となっている。導液体2は、横縞導液布212と縦縞導液布211を重ね合わせてなり、2種類の導液布が半分ずつとなっている。また、導液体2の内側は縦縞導液布211となっており、外側は横縞導液布212となっている。横縞導液布212と縦縞導液布211との接触面には微小な溝22が形成され、複数の微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。この場合、導液体2は貯液空間を1層有する。
【0035】
実施例1-2において、図2に示すように、導液体2は筒状構造となっている。導液体2は複数層の縦縞導液布211を重ね合わせてなり、各層の縦縞導液布211の縦向きの縞が交錯するように設けられる。即ち、隣り合う2枚の導液布21の表面における陥凹又は隆起が重なって密着することがないため、微小な溝22が形成される。また、各層の微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。この場合、導液体2は複数層の貯液空間を有する。
【0036】
実施例1-3において、図3に示すように、導液体2はプレート状構造となっている。導液体2は、横縞導液布212と縦縞導液布211を重ね合わせてなり、2種類の導液布が半分ずつとなっている。異なる層の縦縞導液布211の縞は同一であり、異なる層の横縞導液布212の縞は同一である。最も内層の横縞導液布212と最も内層の縦縞導液布211との接触面には微小な溝22が形成され、複数の微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。この場合、導液体2は貯液空間を1層有する。
【0037】
実施例1-4において、図4に示すように、導液体2はプレート状構造となっている。導液体2は複数層の横縞導液布212を重ね合わせてなり、各層の横縞導液布212の横向きの縞が交錯するように設けられる。即ち、隣り合う2枚の導液布21の表面における陥凹又は隆起が重なって密着することがないため、微小な溝22が形成される。また、各層の微小な溝22が連通して貯液空間を形成する。この場合、導液体2は複数層の貯液空間を有する。
【0038】
実施例2において、図7図11に示すように、加熱霧化コアは、実施例1の導液体2と、導液体2に密着する発熱体3を含む。発熱体3は電極リード線4に接続される。動作時には、電極リード線4が発熱体3に電気を供給して発熱させ、導液体2内のタバコ用リキッドを霧化させて霧化蒸気を形成する。これが、最終的に使用者によって吸入される。
【0039】
図7図9に示すように、発熱体3は、中央の発熱回路を含み、両端に電極リード線4が接続されている。また、一般的には、ステンレス、ニッケルクロム、鉄クロムアルミニウム、ニッケル鉄等の電気抵抗率の高い合金で製造される。発熱体3は、平面的なメッシュ状の発熱体3を巻いてなる筒状の発熱体3と、螺旋状のワイヤからなる発熱体3と、金属管を切断し、透彫することで形成される発熱体3に分けることができる。また、発熱回路の向きは、全体的に横向きに延伸する発熱体3、又は、全体的に縦向きに延伸する発熱体3、又は、メッシュ状構造の発熱体3の三種類に大別される。
【0040】
実施例2-1において、図10図11に示すように、加熱霧化コアは霧化コアケーシング1を更に含む。霧化コアケーシング1内には導液体2が設けられており、導液体2の下方の霧化コアケーシング1内には電極リード線4を固定するための固定部材5が設けられている。固定部材5には気流供給孔51が開設されている。発熱体3は導液体2内に密着し、導液体2は霧化コアケーシング内に設けられる。霧化コアケーシング1により拘束されることで、導液体2と発熱体3はいずれも霧化コアケーシング1内に固定される。且つ、固定部材5によって電極リード線4を固定することで、電極リード線4が力を受けてぐらつくと発熱体3の発熱回路も一緒にぐらつくとの問題が回避され、導液体2と発熱体3との接触不良の問題が解決される。また、霧化コアケーシング1の側壁には導液孔11が設けられており、導液孔11の大きさによってリキッドと導液体2との接触面積を制御する。動作時には、リキッドが霧化コアケーシング1の側壁における導液孔11から導液体2に進入して導液体2まで流れる。また、電極リード線4が発熱体3に電気を供給して発熱させることで、導液体2内のタバコ用リキッドが霧化されて霧化蒸気を形成する。このとき、気流供給孔51から進入したガスが霧化蒸気を気流経路に導入し、最終的には使用者によって吸入される。
【0041】
図11に示すように、固定部材5の外周縁には位置決め溝52が開設されており、電極リード線4が位置決め溝52内に係接されて固定される。位置決め溝52の横断面の形状は、円弧形、U形、V形、四角形等の形状としてもよいが、開口が大きくて挿入しやすく、且つ電極リード線4を完全に挟持及び固定可能なV形とすることが好ましい。位置決め溝52の設置数は少なくとも1つとする。1つ設ける場合には、2本の電極リード線4を一緒に固定する。また、2つの位置決め溝52を設ける場合には、2本の電極リード線4を異なる位置決め溝52内に係接する。また、位置決め溝52を複数設ける場合、複数の位置決め溝52は固定部材5の外周縁に均一に設けられ、2本の電極リード線4は任意の2つの位置決め溝52内に係接される。また、別の実施形態では、固定部材5に貫通した固定孔が設けられており、電極リード線4が固定孔内に挿着される。
【0042】
実施例2-2において、発熱体3の発熱回路は、導液体2の陥凹縞内か隣り合う隆起縞の間に対応して嵌入される。文中の嵌入されるとは、発熱体3の発熱回路を、導液体2の陥凹縞内か隣り合う隆起縞の間に全体的に配置可能なことであってもよいし、導液体2の陥凹縞内か隣り合う隆起縞の間に部分的に配置可能なことであってもよい。全体的に配置される場合には、発熱回路の延伸方向が導液布21の縞と同一となっている。なお、導液体2内に嵌入される発熱体3の面積は多いほどよいというわけではない。導液体2内に嵌入される発熱体3の面積が多すぎる場合には、発熱体3の全てが導液体2のリキッド内に浸かることになり、霧化動作の際に、霧化蒸気の全てがリキッドに取り囲まれてスピットバック等の問題が発生しやすい。よって、導液体2に嵌入される発熱体3の面積は、発熱体3の発熱回路の総面積の1/3~2/3であることが好ましい。この場合、スピットバックや焦げ付き等の問題が発生しにくくなる。更には、発熱体3の熱を霧化動作に最大限利用することも可能となるため、霧化効果が向上する結果、使用者の吸入体験が向上する。
【0043】
実施例2-3において、発熱体3の発熱線径の大きさや、発熱回路の延伸方向が導液体2の縞の方向と一致しているか否かは、霧化コアの霧化効果に一定の影響を及ぼす。導液体2には、設計及び加工後に、横向きの縞及び/又は縦向きの縞を形成可能である。即ち、横向きの微小な溝22及び/又は縦向きの微小な溝22が備わる。導液体2と発熱体3が密着する際に、縞の方向は極めて重要となる。横向きに延伸する発熱体3と縦向きの縞の導液布21が密着する場合には、導液体2内に嵌入される発熱体3の発熱回路の面積は少なくなるが、横向きに延伸する発熱体3と横向きの縞の導液体2が密着する場合には、導液体2内に嵌入される発熱体3の発熱回路の面積は多くなる。発熱体3の線径が太い場合、例えば、0.2mm或いはそれ以上の場合には、発熱体3の発熱回路の延伸方向と導液体2の縞の方向が全体的に一致していることが好ましい。例えば、発熱体3の発熱回路が横向きに延伸しており、導液体2の縞の方向も横向きである場合、即ち、微小な溝22が横向きの微小な溝22である場合には、発熱体3と導液体2との接触面積が大きくなって、霧化面積が増大する。一方、発熱体3の線径が細い場合、例えば、線径が0.15mm以下の場合には、発熱体3の発熱回路の延伸方向と導液体2の縞の方向が全体的に一致していないことが好ましい。例えば、発熱体3の発熱回路が横向きに延伸しており、導液体2の縞の方向が縦向きである場合、即ち、微小な溝22が縦向きの微小な溝22である場合に、霧化コアの霧化効果はいっそう良好となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数層の導液布(21)を重ね合わせてなり、少なくとも1層の前記導液布(21)における少なくとも1つの面が縞を有しており、これにより、隣り合う少なくとも2層の前記導液布(21)の間が完全には密着せず、微小な溝(22)が形成され、複数の前記微小な溝(22)が連通して貯液空間を形成することを特徴とする霧化コア導液体。
【請求項2】
前記微小な溝(22)は、隣り合う少なくとも2層の前記導液布(21)における隣り合う面にそれぞれ設けられる縞が交錯するように配列されることで形成されることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア導液体。
【請求項3】
前記微小な溝(22)は、前記導液布(21)における縞を有さない面と、別の前記導液布(21)における縞を有する面とが密着することで形成されることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア導液体。
【請求項4】
前記導液布(21)は、少なくとも2層の縦縞導液布(211)、又は少なくとも2層の横縞導液布(212)、又は少なくとも1層の縦縞導液布(211)及び少なくとも1層の横縞導液布(212)を含み、
前記縦縞導液布(211)を含む場合、前記縦縞導液布(211)には全体的に縦向きに配列される縞が設けられており、全体的に縦向きの微小な溝(22)を形成しており、前記横縞導液布(212)を含む場合、前記横縞導液布(212)には全体的に横向きに配列される縞が設けられており、全体的に横向きの微小な溝(22)を形成していることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア導液体。
【請求項5】
前記導液布(21)は~8層設けられており、且つ、異なる層の間の前記微小な溝(22)の配列位置は、径方向において少なくとも一部が交錯するように設けられることを特徴とする請求項4に記載の霧化コア導液体。
【請求項6】
前記導液布(21)の縞の方向は一致しており、規則的に配列され、或いは、前記導液布(21)の縞の方向は全体的に一致していることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア導液体。
【請求項7】
前記微小な溝(22)の高さは0.1mm以内であることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア導液体。
【請求項8】
前記導液体(2)は、筒状構造であるか、プレート式の構造であることを特徴とする請求項1に記載の霧化コア導液体。
【請求項9】
請求項1~8に記載の導液体(2)と、前記導液体(2)に密着する発熱体(3)を含み、前記発熱体(3)は電極リード線(4)に接続されることを特徴とする加熱霧化コア。
【請求項10】
更に、霧化コアケーシング(1)を含み、前記霧化コアケーシング(1)内に前記導液体(2)が装填され、前記導液体(2)の下方の霧化コアケーシング(1)内に、前記電極リード線(4)を固定するための固定部材(5)が設けられており、前記固定部材(5)には気流供給孔(51)が開設されていることを特徴とする請求項9に記載の加熱霧化コア。
【請求項11】
前記発熱体(3)の発熱回路は、前記導液体(2)の陥凹縞内か隣り合う隆起縞の間に対応して嵌入されることを特徴とする請求項9に記載の加熱霧化コア。
【請求項12】
前記導液体(2)に嵌入される発熱体(3)の面積は、前記発熱体(3)の発熱回路の総面積の1/3~2/3であることを特徴とする請求項11に記載の加熱霧化コア。
【請求項13】
前記発熱体(3)の発熱線径は0.2mmよりも大きく、前記発熱体(3)の発熱回路の延伸方向と前記導液体(2)の縞の方向は全体的に一致していることを特徴とする請求項9に記載の加熱霧化コア。
【請求項14】
前記発熱体(3)の発熱線径は0.15mmよりも小さく、前記発熱体(3)の発熱回路の延伸方向と前記導液体(2)の縞の方向は全体的に一致していないことを特徴とする請求項9に記載の加熱霧化コア。
【国際調査報告】