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特表2024-527699コネクタを備えるストラット、及びそのようなストラットと別のストラット又はアクセサリーの一つとのアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】コネクタを備えるストラット、及びそのようなストラットと別のストラット又はアクセサリーの一つとのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16B 21/04 20060101AFI20240719BHJP
   F16B 21/06 20060101ALI20240719BHJP
   F16B 7/18 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
F16B21/04 A
F16B21/04 B
F16B21/06 A
F16B7/18 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578161
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 NL2022050365
(87)【国際公開番号】W WO2023277683
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】2028617
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521045450
【氏名又は名称】ホルマトロ・ベー・フェー
【氏名又は名称原語表記】HOLMATRO B.V.
【住所又は居所原語表記】Lissenveld 30,4941 VL RAAMSDONKSVEER,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アントーニウス・ヨハンネス・ヘンリキュス・ブリュールス
(72)【発明者】
【氏名】レネ・ヴィルヘルムス・ヨハネス・ファン・エイントホーフェン
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン・ポスト
(72)【発明者】
【氏名】ルロフ・リシャルト・スヒッペル
(72)【発明者】
【氏名】ギスバート・ファン・デル・フート
【テーマコード(参考)】
3J037
3J039
【Fターム(参考)】
3J037AA01
3J037AA03
3J037BB03
3J037CA03
3J037CA04
3J037DA02
3J037DA12
3J037DC05
3J037EA01
3J039AA01
3J039BB01
3J039GA01
(57)【要約】
本発明は、ストラット(2)に関し、当該ストラットは、軸方向に延びてスペーサーになる長尺部材(7)を備え、前記長尺部材の少なくとも一つの軸端は、別のストラットの半コネクタ又はアクセサリー(5)に選択的に結合されるように構成された半コネクタ(4)を備え、前記半コネクタは、回転ロックの態様で同種の別のストラットへの当該ストラットの接続を許すコネクタを構成するべく幾何学的に同一な半コネクタへの当該半コネクタの機械的連結を許す凸型インターロック要素及び凹型インターロック要素を備え、前記半コネクタが、更に、前記アクセサリーに回転式で結合されるように構成される。本発明は、更に、そのようなストラットと半コネクタに結合されたアクセサリー又は別のストラットのアセンブリに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストラットであって、
軸方向に延びてスペーサーになる長尺部材を備え、
前記長尺部材の少なくとも一つの軸端は、別のストラットの半コネクタ又はアクセサリーに選択的に結合されるように構成された半コネクタを備え、
前記半コネクタは、回転ロックの態様で同種の別のストラットへの当該ストラットの接続を許すコネクタを構成するべく幾何学的に同一な半コネクタへの当該半コネクタの機械的連結を許す凸型インターロック要素及び凹型インターロック要素を備え、
前記半コネクタが、更に、前記アクセサリーに回転式で結合されるように構成されることを特徴とする、ストラット。
【請求項2】
前記長尺部材は、伸縮可能であり、かつお互いに対して移動可能な外側及び内側部材を備える、請求項1に係るストラット。
【請求項3】
前記幾何学的に同一な半コネクタは、2つの前記半コネクタの間に嵌合接続が形成されることを許す同一の幾何学的形状を含む半コネクタとして構成される、請求項1又は2に記載のストラット。
【請求項4】
前記凸型インターロック要素及び凹型インターロック要素は、前記半コネクタの外周沿いに配置される、上述の請求項の1以上のものに記載のストラット。
【請求項5】
前記凸型インターロック要素及び凹型インターロック要素は、前記半コネクタの外周沿いに交互に配置される、請求項4に記載のストラット。
【請求項6】
前記半コネクタは、2回以上の回転対称性を呈する、上述の請求項の1以上のものに記載のストラット。
【請求項7】
前記半コネクタは、3以上の凸型インターロック要素及び3以上の凹型インターロック要素を備える、上述の請求項の1以上のものに記載のストラット。
【請求項8】
前記半コネクタは、凸型インターロック要素及び凹型インターロック要素の数に等しい回の回転対称性を呈する、請求項7に記載のストラット。
【請求項9】
前記凸型インターロック要素及び凹型インターロック要素は、前記半コネクタに対して軸方向に配向される、上述の請求項の1以上のものに記載のストラット。
【請求項10】
前記凸型インターロック要素及び凹型インターロック要素は、前記半コネクタに対して径方向に配向される、上述の請求項の1以上のものに記載のストラット。
【請求項11】
前記凸型インターロック要素及び凹型インターロック要素は、前記半コネクタに対して周方向に配向される、上述の請求項の1以上のものに記載のストラット。
【請求項12】
各半コネクタは、1以上のチャンネルを備え、2つの前記半コネクタの第1のものから前記2つの半コネクタの第2のものへの流体の貫通供給を許容する、上述の請求項の1以上のものに記載のストラット。
【請求項13】
各半コネクタが少なくとも2つのチャンネルを備える:前記少なくとも2つのチャンネルの第1チャンネルが、前記凸型インターロック要素の少なくとも一つに配置される;及び前記少なくとも2つのチャンネルの第2チャンネルが前記凹型インターロック要素の少なくとも一つに配置される、請求項12に記載のストラット。
【請求項14】
各半コネクタがロック要素及びロック凹部を備え、前記ロック要素は、半コネクタが別の半コネクタに機械的に連結される時、前記別の半コネクタのロック凹部に係合するように構成される、上述の請求項の1以上のものに記載のストラット。
【請求項15】
上述の請求項の1以上のものに記載のストラットを備えるアセンブリにして、前記ストラットの前記半コネクタは、次のいずれかのものである:
回転ロックの態様で別のストラットの半コネクタに接続され、当該ストラットと前記別のストラットの間の相対的な回転を阻止する;及び
アクセサリーに回転式で結合されて当該ストラットに対する前記アクセサリーの回転を許容する、アセンブリ。
【請求項16】
前記半コネクタは、前記アクセサリーの相手カプラに結合するように構成されたカプラを備え、前記半コネクタの前記凸型インターロック要素の径方向内側に向いた面が、前記相手カプラの外周面に係合するように構成された前記カプラのインターフェイスを規定する、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記相手カプラの外周面は、前記凸型インターロック要素の径方向内側に向いた面により少なくとも部分的に包囲された回転対称な外面を呈する、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記ロック要素は、前記アクセサリーが前記半コネクタに回転式で結合される時、前記相手カプラの周溝に係合するように更に構成され、前記アクセサリーの前記相手カプラが前記カプラに対して回転することを許容しつつ、前記相手カプラが前記半コネクタの前記カプラに対して軸方向でロックされることを許容する、請求項14に少なくとも従属する請求項16又は17に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記ストラットの前記長尺部材の別の軸端は、アクセサリーの相手カプラに結合するように構成された別のカプラを備え、前記別の軸端の径方向内側に向いた面は、前記相手カプラの前記外周面に係合し、かつ前記相手カプラが前記長尺部材の前記別の軸端に回転式で結合されることを許すように構成された前記別のカプラのインターフェイスを規定する、請求項15乃至18の1以上の請求項に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタを備えるストラットに関する。本発明は、更に、そのようなストラットと半コネクタに結合されたアクセサリー又は別のストラットのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
軸方向に延びてスペーサーになる長尺部材を備えるストラットは、多くの用途、特には、支保工用途において用いられている。これに関して、支保工は、不安定な荷重に対して一時的な支持を提供することと定義され、通常、危険な状況を固定して安全を提供し、消防士のようなレスキュー要員にその時点での最大限安全な作業状況を提供する。そのような支保工用途は、例えば、ビルディングの建造的崩壊に対して支持を提供するトレンチ支保工、車両の安定化(stabilization)及びリフト、特には、事故後のものといったように非常に多様であり得る。
【0003】
上述した非常に多様な用途とは別に、場面毎に異なり得る他の要因もある。特には、ストラットの長さが最小0.2mから最大5mまで異なり得る。大半の状況に対処可能なように、安全及びレスキュー要員は、度々、多種多様なストラット及びストラット・コンポーネントを保持及び維持し、それらをレスキュー現場に持ち込むことが求められる。
【0004】
それらは伸長可能であり、選択的に接続可能であり得るが、異なる長さの多数のストラットの選択は、安全及びレスキュー要員の車両において相当な空間も要求する。更には、そのようなコンポーネントは、強靱であることが必要であり、従って、重たくもある。空間及び重量の検討から、度々、ストラット及びストラット・コンポーネントの選択物のみが現場に持ち込まれ、現場の状況が予想とは異なるとすれば、時折、これが次善の解決策になる。
【0005】
最も近い先行技術であると考えられる米国特許出願公開第2006/0280553号は、長尺部材の軸端に設けられた半コネクタを備えるシャフト結合器を開示する。
【0006】
半コネクタは、回転ロックの態様、即ち、その軸に対して2つの長尺部材の間で相対的な回転を阻止する態様で、同様の半コネクタを有する別の長尺部材に長尺部材が結合されることを可能にする。2つの半コネクタは、まず軸方向において係合され、次に、お互いに対して回転されてそれらが機械的に連結される。
【0007】
シャフト結合器の半コネクタが、相対的な回転によってお互いに外れてしまうことを阻止するため、長尺部材に対して固定された1以上のロック・ブロックを加えることにより半コネクタが定位置に固定される。この態様において、シャフト結合器は、回転を含む任意の方向におけるお互いに対する長尺部材の移動に対して耐性がある。少なくとも請求項1の特徴部は、この文献に対して新規である。
【0008】
ドイツ特許DE906275、また、米国特許第4,634,202号、米国特許出願公開第2009/0051161号が更なる先行技術として認められている。
【0009】
特には安全性の観点、またユーザーの快適性及び労働衛生の観点からも安全及びレスキュー要員の作業状況を改善するという継続的なニーズがある。
【0010】
本発明の目的は、先行技術に対して改善されたストラット及びそのようなストラットを備えるアセンブリを提供することにあり、上述の問題の少なくとも一つが回避又は低減される。添付の独立項の特徴の組合せによって、上述した如くの目的及び/又は他の利益又は発明的効果が、本開示に即して達成される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
特には、本発明の請求項1に係るストラットで上記の目的が達成され、そのストラットは、
軸方向に延びてスペーサーになる長尺部材を備え、
長尺部材の少なくとも一つの軸端は、別のストラットの半コネクタ又はアクセサリーに選択的に結合されるように構成された半コネクタを備え、
前記半コネクタは、回転ロックの態様で同種の別のストラットへのストラットの接続を許すコネクタを構成するべく幾何学的に同一な半コネクタへの当該半コネクタの機械的連結を許す凸型インターロック要素及び凹型インターロック要素を備え、
前記半コネクタは、アクセサリーに回転式で結合されるように更に構成される。
【0012】
以下、コネクタは、コネクタ及びストラット・コネクタの両方として参照される。コネクタは、2つの幾何学的に同一な半コネクタを備え、各々が、凸型インターロック要素及び凹型インターロック要素を有する。
【0013】
2つの半コネクタの各半コネクタが幾何学的に同一な半コネクタと機械的に連結されるように構成されているため、コネクタは、そのような半コネクタを有するストラット及びストラット・コンポーネントのお互いの結合を許し、コネクタの汎用性が大幅に向上する。それにより安全及びレスキュー要員がストラット及びストラット・コンポーネントの迅速な所望の接続を行うことができ、従って、できる限り迅速に不安定な現場を固定し、安全な作業状況を創出することができる。雄及び雌型コネクタパーツのコネクタを用いる先行技術のシステムとは対照的に、利用可能なコンポーネントの組合せの柔軟性が最大化される。
【0014】
全ての半コネクタが別のストラット(コンポーネント)の同様の半コネクタに結合されるならば得られる高められた汎用性によって、安全及びレスキュー要員は、より少数のストラット及びストラット・コンポーネントを現場に持参することが許される。より少数のストラット及びストラット・コンポーネントは、省スペース及び軽量化に直接的に関連する。
【0015】
本発明によれば、長尺部材の少なくとも一つの軸端、及び好適には、その両方の反対の軸端は、回転ロックの態様で別のストラットの半コネクタに、又は自由回転の態様でアクセサリーに選択的に結合されるように構成された半コネクタを備える。
【0016】
結合されたストラットの間の相対的な回転を阻止する2つのストラットの間の結合の回転式ロックの種類は、追加の構造的な強度及び剛性を許容し、特定の実施形態では、ストラットを貫通して延びるチャンネルが、非常に信頼性高い態様でアライメントされることも許す。しかしながら、半コネクタに回転式でアクセサリーを結合することで、このアクセサリーがストラットに対して回転し、これにより増加した柔軟性及び汎用性が提供される。
【0017】
長尺部材の長手軸に対して、即ち、その周りにアクセサリーが回転することを許すことにより提供される高められた柔軟性及び汎用性が有利であり、なぜなら、ストラットは、広範囲の用途で用いられるためである。上述したように、支保工用途は、不安定な荷重の一時的な支持に関し、そのような支保工用途の性質は、例えば、ビルディングの建造的崩壊に対して支持を提供するトレンチ支保工、車両の安定化及びリフト、特には、事故後のものといったように非常に多様であり得る。異なる用途のために異なる種類のアクセサリーが用いられ、支保工には必ずしも分類されない用途に関しても同様であり得る。例えば、潜在的に不安定であることとは別に、ストラットで係合されるべき対象物は、ストラットの長手方向に関してある角度で延び、又は、ストラットを支持する面(地面)が凸凹であり得る。更には、特には対象物をリフトする時、ストラットに対する対象物の相対的な変位は、ストラットとそのストラットにより支持された対象物の間の接触角度の変化に帰結し得る。これに加えて、ストラットに付与される荷重がその断面に関してできる限り中心に向けられることが望ましく、なぜなら、これによりストラットの座屈抵抗が最適化されるためである。更には、ストラットに対して回転可能なアクセサリーは、度々、ストラットの長手方向に対して径方向に延びる、空気圧又は油圧カップリングが任意の所望の配向で方向付けられることを許容する。カップリングが即時に利用可能な方向に位置付けられることに加えて、空気圧又は油圧ホースをストラットにより支持されるべき対象物から離れるように方向付けることもでき、ホースが挟まれ又は損傷してしまうリスクが低減される。これらの例は、ストラットのための追加の自由度を明確に実証し、高められた柔軟性及び汎用性、結果として改善した安全性及びユーザー快適性に帰結する。
【0018】
好適な実施形態によれば、幾何学的に同一な半コネクタは、2つの半コネクタの間に形成される嵌合接続を許容する同一の幾何学的形状を備える半コネクタとして構成される。
【0019】
本発明は、更に、本発明に係るストラットのアセンブリにも関し、ストラットの半コネクタは、次の一つである:ストラットと別のストラットの間の相対的な回転を阻止するべく回転ロックの態様で別のストラットの半コネクタに接続される;及び回転式でアクセサリーに結合されてストラットに対してアクセサリーを回転可能にする。
【0020】
好適な実施形態は、従属項の主題である。
【0021】
明細書に記述及び示した様々な側面及び特徴は、可能な箇所で個別に適用可能である。これらの個別の側面は、特には、添付従属項に記述の側面及び特徴は、先行技術に対して異なる問題に関連したそれ自体の発明である。後述の説明において、本発明の好適な実施形態が、次の図面を参照してより明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、お互いに接続された2つのストラットとアクセサリーに接続された別のストラットの斜視図であり、全てのストラットが、本発明に係るストラット・コネクタの半コネクタを備える;
図2図2は、図1の展開斜視図である;
図3図3は、図1の2つのストラット間に配置されたコネクタの詳細な斜視図である;
図4図4は、図3のコネクタの詳細な斜視断面図である;
図5図5は、図4の展開図である;
図6図6は、半コネクタ及びアクセサリーの間の接続の詳細な斜視断面図である;
図7図7は、図6の展開図である;
図8図8は、カプラを有するストラットの別の軸端及び相手カプラを有するアクセサリーの展開斜視図である;
図9図9は、図8の詳細な断面斜視図である;
図10図10は、結合状態の図8及び図9の結合の詳細な断面斜視図である;
図11A1図11A1は、第2の好適な実施形態に係る半コネクタの側断面図である;
図11A2図11A2は、それらの間の接続の確立の前、図11A1の2つの半コネクタの側断面図である;
図11A3図11A3は、接続状態の図11A2の2つの半コネクタの側断面図である;
図11B図11Bは、アクセサリーに接続された図11A1の半コネクタの側断面図である;
図12A図12Aは、第3の好適な実施形態に係る半コネクタの斜視図である;
図12B図12Bは、接続状態の図12Aの2つの半コネクタの斜視図である;
図12C図12Cは、ロック要素を有しない図12Bに係る斜視図である;
図12D図12Dは、図12Cの接続状態の側断面図である;
図12E図12Eは、アクセサリーに結合した図12Aの半コネクタの斜視図である;
図13A図13Aは、第4の好適な実施形態に係る半コネクタの斜視図である;
図13B図13Bは、接続状態の図13Aの2つの半コネクタの斜視図である;
図13C図13Cは、ロック要素がない図13Bに係る斜視図である;
図13D図13Dは、図13Cの接続状態の側断面図である;
図13E図13Eは、アクセサリーに結合した図13Aの半コネクタの斜視図である;
図14A図14Aは、第5の好適な実施形態に係る2つの半コネクタの斜視図である;
図14B図14Bは、接続状態の図14Aの2つの半コネクタの斜視図である;及び
図14C図14Cは、アクセサリーに結合した図14Aの半コネクタの一つの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係るストラット2の第1の好適な実施形態の様々な用途が図1及び2に示される。図1の左側では、2つのストラット2がコネクタ1を介してお互いに接続され、2つのストラット2それぞれの軸端3が半コネクタ4を備える。図1の右側では、一つのストラット2が図示され、アクセサリー5が半コネクタ4に結合されている。同種のアクセサリー5がストラット2の別の軸端6にも結合される。また、図1で左側に示された2つの接続されたストラット2は、そのようなアクセサリー5に結合される。図2では、同一のストラット2が展開図にて示され、接続解除状態の2つの半コネクタ4を示し、また、ストラット2の別の軸端6から結合解除されたアクセサリー5も示す。
【0024】
ストラット2は、軸方向Aに延びてスペーサー8になる長尺部材7を備える。長尺部材7の一つの軸端3は、コネクタ1の半コネクタ4を備え、これにより、ストラット2が同種の別のストラット2に接続されることが許容される。図1及び2に図示の好適な実施形態では、ストラット2の長尺部材7は、伸縮可能であり、例えば、(不図示の)油圧又は空気圧アクチュエータを介して、お互いに対して移動可能な外側部材9及び内側部材10を備える。外側部材9及び内側部材は、例えば、(不図示の)ピン及びホールの接続を介して、お互いに対してロック可能であり得る。内側部材10は、外部スクリュー溝11を備え、これに沿って(不図示の)嵌合内部スクリュー溝を有する固定ナット12が軸方向Aに動かされて外側部材9に対して内側部材10が固定され得る。
【0025】
コネクタ1は、ストラット1との組み合わせで用いられるように構成され、また2つの幾何学的に同一な半コネクタ4を備え、各々が、凸型インターロック要素13及び凹型インターロック要素14を有し、2つの半コネクタ4の各半コネクタ4が、幾何学的に同一な半コネクタ4に機械的に連結するように構成される。この2つの半コネクタ4のお互いに対する機械的な連結は、図3乃至図5により詳細に示され、図3は、図1の2つのストラットの間に設けられたコネクタ1の詳細な斜視図である。図4及び5は、各々、接続状態及び接続解除状態における同一のコネクタ1の斜視断面図を示す。
【0026】
幾何学的に同一な半コネクタ4は、2つの半コネクタ4の間に嵌合接続が形成されることを許容する同一の幾何学的形状を備える半コネクタ4として定義される。しかしながら、当業者は、インターロック機能は、全基準に従って半コネクタが100%同一ではないことに帰結し得る2つの半コネクタの間の他の区別可能な特徴の存在を明示的に排除しないものと理解する。例えば、用途によっては、様々な種類のホースコネクタ15が半コネクタ4に設けられるといったように、インターロック機能に干渉しない追加の特徴があり得る。しかしながら、例えば、空気圧又は油圧接続がコネクタ1を介して確立される必要がない特定の状況に関して、空気圧式のホースコネクタ15を有する半コネクタ4が、油圧式のホースコネクタを有する別の半コネクタ4に機械的に接続、即ち、機械的に連結されることも想定される。コネクタ15は、導管35を介してストラット2の内部空間34に流体接続され得る。
【0027】
凸型インターロック要素13及び凹型インターロック要素14は、半コネクタ4の外周沿いに配置される。より好適には、凸型インターロック要素13及び凹型インターロック要素14は、半コネクタ4の外周沿いに交互に配置される。換言すれば、隣接する凸型インターロック要素13の間の自由空間が凹型インターロック要素14を画定する。
【0028】
好適には、半コネクタ4は、2回以上の回転対称性(rotational symmetry of order two or more)を呈する。軸に関してn倍の回転対称性(n-fold rotational symmetry)とも呼ばれる、n回の回転対称性は、360°/nの角度による回転が対象物を変化させないことを意味する。「2倍」対称とも呼ばれる2回対称性は、2つの異なる配向において形状の外観が同一であることを意味し、即ち、180°の回転後も形状が同一に見える。従って、第1の好適な実施形態では、回転対称性が3回であり、また2つの半コネクタ4の間の接続が120°毎に為され得る。
【0029】
全実施形態において、半コネクタ4は、3以上の凸型インターロック要素13と、3以上の凹型インターロック要素14を備える。
【0030】
半コネクタ4は、凸型インターロック要素13及び凹型インターロック要素14の個数と同一の回の回転対称性を呈し得る。従って、3以上の凸型インターロック要素13及び3以上の凹型インターロック要素14の場合、3の数は、回転対称性の回も反映する。回転対称性の回が3であることは、形状の外観が3つの異なる配向において同一であることを意味し、即ち、120°の回転の後も形状が同一に見える。3回の回転対称性を有するコネクタ1を提供することにより、強度及び柔軟性の間で最適なバランスが得られる。一方、極端な(座屈)荷重に耐える必要があるストラット2にとっては十分な強度は最重要である。他方、3回の回転対称性は、120°毎の3つの相対的な配向を規定し、ここで、半コネクタ4は、別の半コネクタ4に接続され、柔軟性を提供する。
【0031】
使用過程で、ストラット2は、通常、軸方向の圧縮荷重に晒される。もし凸型インターロック要素13及び凹型インターロック要素14が半コネクタ4に対して軸方向に配向されるならば、この軸方向の荷重は、半コネクタ4らをお互いに向けて押して強固に係合させる。全実施形態が軸方向に配向された凸型インターロック要素13を提示するが、特に、第1及び第5の実施形態が、ストラット2上の軸方向荷重により生じるそのような強固な係合の利益を得る。
【0032】
代替の実施形態では、凸型インターロック要素13及び凹型インターロック要素14は、半コネクタ4に対して径方向に配向され(第2及び第4実施形態)、及び/又は、凸型インターロック要素13及び凹型インターロック要素14は、半コネクタ4に対して周方向に配向され得る(第3及び第5実施形態)。これらの他の実施形態は、以下において詳述する。
【0033】
各半コネクタ4は、1以上のチャンネル16を有し得、2つの半コネクタ4の第1のものから2つの半コネクタ4の第2のものへの流体の貫通供給を許容する(図4及び図5)。好適には、各半コネクタ4が少なくとも2つのチャンネル16を有し、少なくとも2つのチャンネル16の第1チャンネル16-1が凸型インターロック要素13の少なくとも一つに設けられ、少なくとも2つのチャンネル16の第2のチャンネル16-2が凹型インターロック要素14の少なくとも一つに設けられる。好適には、各半コネクタ4は、ロック要素17及びロック凹部18を備え、ロック要素17は、半コネクタ4が別の半コネクタ4に機械的に連結される時、別の半コネクタ4のロック凹部18に係合するように構成される。ロック要素17は、スプリング21により予め付勢されたヒンジレバー20を備えるプッシュボタン19を介して作動され得る。
【0034】
上述のように、汎用性の向上の獲得に貢献する主たる側面は、各々が、凸型インターロック要素及び凹型インターロック要素を有する2つの幾何学的に同一な半コネクタの使用にあり、2つの半コネクタの各半コネクタは、幾何学的に同一な半コネクタに機械的に連結するように構成される。
【0035】
更なる側面によれば、図6及び7において後述のように更なる汎用性の向上が獲得され、両図面は、上述の半コネクタ4を有するストラット2のアセンブリを示す。しかしながら、この更なる側面によると、アクセサリー5は、半コネクタ4にも結合され得る。従って、半コネクタ4の使用によって安全及びレスキュー要員は、半コネクタ4を別の半コネクタ4に選択的に接続し、これにより2つのストラット2を接続し(図1及び2の左側に図示)、又は、半コネクタ4にアクセサリー5を結合し、これにより汎用性が高められる。
【0036】
アクセサリー5への半コネクタ4の結合を可能にするため、半コネクタ4は、アクセサリー5の相手カプラ23に結合するように構成されたカプラ22を備え、半コネクタ4の凸型インターロック要素13の径方向内側に向いた面24が、相手カプラ23の外周面26に係合するように構成されたカプラ22のインターフェイス25を規定する。従って、長尺部材の軸端6は、半コネクタ4及びカプラ22の両方を含む。
【0037】
2つの半コネクタ4の間で確立され得る接続とは対照的に、アクセサリー5は、半コネクタ4に回転式で結合され得、これは、幾つかの条件の下で最適な接触を維持するために有益であり得る。
【0038】
相手カプラ23の外周面26は、回転対称な外面27を呈し、これは、凸型インターロック要素13の径方向内側を向いた面24により少なくとも部分的に包囲される。
【0039】
図6において最適に見えるように、ロック要素17は、アクセサリー5が回転式で半コネクタ4に結合される時、相手カプラ23の周溝28に係合するように更に構成され得、これにより、相手カプラ23がカプラ22に対して回転することを許容しつつ、アクセサリー5の相手カプラ23が半コネクタ4のカプラ22に対して軸方向Aにおいてロックされる。従って、ロック要素17は、2つの半コネクタ4をロックする(図4)、又は、アクセサリー5を半コネクタ4に軸方向にロックする(図6)機能を有し得る。好適には半コネクタ4に対して回転不能に結合されるアクセサリー5の種類については、周溝28は、(不図示の)個々のロック孔の一連により代替され得る。
【0040】
また更なる側面によれば、図8乃至図10において後述のように、ストラット2の別の軸端がアクセサリー5に係合されるようにも構成されるならば、また更なる汎用性の向上が獲得され得る。ストラット2の長尺部材7の別の軸端6は、アクセサリー5の相手カプラ23に結合するように構成された別のカプラ29を備え、別の軸端6の径方向内側に向いた面30が、カプラ29のインターフェイス31を規定し、これは、相手カプラ23の外周面26に係合するように構成され、また相手カプラ23が長尺部材7の別の軸端6に回転式で結合することを許容する(図10)。
【0041】
カプラ22及び別のカプラ29は、図5及び図9の比較から明らかになるように、同様の形状を包含する。しかしながら、半コネクタ4を具備する軸端3では、凹型インターロック要素14の位置で形状が途切れている。
【0042】
別のカプラ29に対して相手カプラ23が回転することを許しつつ、ストラット2の別の端部で別のカプラ29に対して軸方向Aにおいてアクセサリー5の相手カプラ23をロックするため、別のロック要素30が適用され得る。この別のロック要素30は、アクセサリー5が回転式で別のカプラ29に結合される時、相手カプラ23の周溝28に係合するように構成され、これにより、相手カプラ23、従って、アクセサリー5が別のカプラ29に対して回転することを許容しつつ、アクセサリー5の相手カプラ23がストラット2の別の端部6で別のカプラ29に対して軸方向Aでロックされる。別のロック要素30は、半コネクタ4に設けられた同様の機構で作動され得る。より端的には、機構は、スプリング33により予め付勢されたヒンジレバー32を備えるプッシュボタン31を備え得る(図10参照)。
【0043】
以下の記述では、幾つかの更なる実施形態を簡略的に議論する。同一の参照番号が同一の特徴に適用されるが、第2の好適な実施形態では200だけ数が増加し、第3の好適な実施形態では300だけ数が増加する等である。繰り返しを避けるため、更なる好適な実施形態を議論する時の主眼は、本発明を実施するためのベストモードとして考えられる第1の好適な実施形態に対する最も顕著な相違点に置かれる。
【0044】
第2の好適な実施形態が図11A1、11A2、11A3及び11Bに示される。各コネクタ201は、2つの幾何学的に同一な半コネクタ204を有し、各々が、凸型インターロック要素213及び凹型インターロック要素214を有し、2つの半コネクタ204の各半コネクタ204は、幾何学的に同一な半コネクタ204に機械的に連結するように構成される(図11A3)。第1の好適な実施形態と同様、半コネクタ204は、アクセサリー205の相手カプラ223にも結合し得る(図11B)。
【0045】
ロック要素217は、スプリング221により予め付勢されている。図11A2では、このスプリング221が圧縮状態に図示されており、これは、2つの半コネクタ204が、図11A2に図示の相対的な配向において圧縮接触になった時に生じる。しかしながら、説明の目的のため、如何にして半コネクタ204の一つの凸型インターロック要素213及び凹型インターロック要素214が他方の半コネクタ204の対応の凹型インターロック要素214及び凸型インターロック要素213に機械的に連結されるのかを示すため、2つの半コネクタ204が僅かに軸方向でオフセットして示されている。
【0046】
2つの半コネクタ204が当接接触になり、これによりスプリング221を圧縮した後、これらが、軸方向Aを横断する径方向Rにおいて動かされて両方の半コネクタ204の凸型インターロック要素213及び凹型インターロック要素214を嵌合する。ロック要素217は、いまやそれらのスプリング221により軸方向において外側に押され、これにより、2つの半コネクタ204の接続の意図しない解除に対して両者を固定する(図11A3)。2つの半コネクタ204の形状のため、これらは、お互いに対して回転不能である。
【0047】
図11Bに図示のように、半コネクタ204は、アクセサリー205の相手カプラ223にも結合し得る。カプラロック要素236は、アクセサリー204が回転式で半コネクタ204に結合される時、相手カプラ223の周溝228に係合し、これにより、アクセサリー205の相手カプラ223がカプラ222に対して回転することを許容しつつ、相手カプラ223が半コネクタ204のカプラ222に対して軸方向Aでロックされることを許容する。
【0048】
第3の好適な実施形態が図12A乃至図12Eに示される。各コネクタ301は、2つの幾何学的に同一な半コネクタ304を備え、各々が、凸型インターロック要素313及び凹型インターロック要素314を有し、2つの半コネクタ304の各半コネクタ304は、幾何学的に同一な半コネクタ304に機械的に連結するように構成される(図12B図12C及び図12D)。第1の好適な実施形態と同様、半コネクタ204は、アクセサリー205の相手カプラ223にも結合し得る(図12E)。
【0049】
半コネクタ304は、6回の回転対称性を呈する。換言すれば、これらは60°毎でお互いに接続され得る。この実施形態では、凸型インターロック要素313及び凹型インターロック要素314は、半コネクタ304に対して軸方向及び周方向に配向される。
【0050】
リング形状のロック要素317は、個々の半コネクタ304に関して軸方向外側にロック要素317を押す(不図示)スプリングによって軸方向に予め付勢されている。凸部338及び凹部339を有する段差エッジ337のため、2つの半コネクタ304の2つのリング形状のロック要素317がお互いに係合し(図12B)、従って、コネクタ301の回転ロックを提供する。
【0051】
この回転ロックは、2つの半コネクタ304がお互いに対して回転できたならば生じ得る意図しない解除に対して2つの半コネクタ304を固定し得る。図12Cは、図12Bの状況を示すが、2つの半コネクタ304の間の接続の図示が妨害されないことを目的としてリング形状のロック要素317が説明の目的のために図示されていない。
【0052】
第4の好適な実施形態が図13A乃至図13Eに示される。各コネクタ401は、2つの幾何学的に同一な半コネクタ404を備え、各々が、凸型インターロック要素413及び凹型インターロック要素414を有し、2つの半コネクタ404の各半コネクタ404は、幾何学的に同一な半コネクタ404に機械的に連結されるように構成される(図13B図13C及び図13D)。第1の好適な実施形態と同様、半コネクタ404は、アクセサリー405の相手カプラ423にも結合し得る(図13E)。
【0053】
半コネクタ404は、6回の回転対称性を呈する。換言すれば、これらは60°毎にお互いに対して接続され得る。この実施形態では、凸型インターロック要素413及び凹型インターロック要素414は、半コネクタ404に対して軸方向及び周方向において配向される。
【0054】
リング形状のロック要素417は、個々の半コネクタ404に対して軸方向外側にロック要素417を押す(不図示の)スプリングにより軸方向において予め付勢されている。凸部438及び凹部439を有する段差エッジ437のため、2つの半コネクタ404の2つのリング形状のロック要素417がお互いに係合し(図13B)、従って、コネクタ401の回転ロックを提供する。この回転ロックは、2つの半コネクタ404がお互いに対して回転できたならば生じ得る意図しない解除に対して2つの半コネクタ404を固定し得る。図13Cは、図13Bの状況を示すが、2つの半コネクタ404の間の接続の図示が妨害されないことを目的としてリング形状のロック要素417が説明の目的のために図示されていない。
【0055】
第5の好適な実施形態が図14A乃至図14Cに示される。各コネクタ501は、2つの幾何学的に同一な半コネクタ504を備え、各々が、凸型インターロック要素513及び凹型インターロック要素514を有し、2つの半コネクタ504の各半コネクタ504は、幾何学的に同一な半コネクタ504に機械的に連結するように構成される(図14B)。第1の好適な実施形態と同様、半コネクタ504は、アクセサリー505の相手カプラにも結合し得る(図14C)。
【0056】
半コネクタ504は、3回の回転対称性を呈する。換言すれば、120°毎にお互いに対して接続され得る。この実施形態では、凸型インターロック要素514及び凹型インターロック要素513は、半コネクタ504に対して軸方向に配向される。
【0057】
図14Bでは、2つの半コネクタ504の接続の妨害無き図示を提供する説明の目的でリング形状のロック要素が図示されていない。コネクタ504の回転ロックを提供するため、この実施形態が、上述の第3及び第4の好適な実施形態に適合するリング形状のロック要素を備えることが好ましい。
【0058】
本発明の好適な実施形態を示したが、上述の実施形態は、本発明の説明のみを意図し、本発明の範囲を何ら限定しないように意図される。従って、添付請求項において言及された参照符号が付記された特徴に関して、符号は、請求項の可読性を高める目的のだけで含められており、請求項の範囲を何ら限定しないことに留意されたい。更には、当業者は、異なる実施形態の技術的手段を組み合わせることができることを特に述べておく。保護の範囲は、次の請求項単独により規定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A1
図11A2
図11A3
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図14C
【国際調査報告】