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特表2024-527700重力式構造物(GBS)上に統合生産複合設備を製作するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】重力式構造物(GBS)上に統合生産複合設備を製作するための方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 5/02 20060101AFI20240719BHJP
   B63B 75/00 20200101ALN20240719BHJP
【FI】
E04H5/02 D
B63B75/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578794
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 RU2022000226
(87)【国際公開番号】W WO2023009032
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】2021122903
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519333859
【氏名又は名称】ブリクノエ アクツィオネルノエ オブシェストボ ”ノバテック”
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミケルソン、レオニード ヴィクトロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】レティヴォフ、ヴァレリー ニコラエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ソロビエフ、セルゲイ ゲンナジーヴィッチ
(57)【要約】
本発明は、生産設備の建造に関するものであり、重力式構造物(GBS)上で、炭化水素の処理、貯蔵、及び処理製品の積出を目的とする生産複合設備(限定するものではないが、天然ガス液化プラント、アンモニア・プラント、水素プラント、及び発電プラントを含む)の建造の一部として使用することができる。トップサイド・モジュールは生産サイトで製作される。水上輸送中に浮いていることができる重力式構造物(GBS)は、モジュール設置のための基礎として使用される。モジュール製作は以下の段階を含む。段階Iでは、構成部品が製作され、段階IIでは、ノードが構成部品から製作され、段階IIIでは、部分組立体がノードから製作され、段階IVでは、組立体がショットブラスト及び塗装され、段階Vでは、モジュールが組立体から組み立てられる。次いで、モジュールの輸送、GBS上のそれらの台座への移動、及びそれらの統合は以下の段階を含む。段階VIでは、モジュールが自走式車両によりドックの近辺区域に輸送され、段階VIIでは、各モジュールが乾ドックに設置された昇降システムの案内上に移動され、段階VIIIでは、昇降システムの案内がGBSの頂板の案内と接続されるまで、各モジュールが持ち上げられ、段階IXでは、各モジュールがGBS上のその台座に移動され、GBSに設置され、互いと、及びGBSと統合される。本発明により、氷の状態での氷の衝撃に耐えることができるGBS生産複合設備を確立することができ、乾ドックを有する専用の生産サイトで生産複合設備を完全に製作することができ、製作場での個々のトップサイド・モジュールの移動の際に、よりよい移動可能性を提供し、GBS上のトップサイド・モジュールを移動するための特別な橋梁構造の必要性をなくすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップサイド・モジュールが生産サイトで製作され、部分組立体の製作、研磨洗浄、及び塗装、並びにモジュールの組立の段階を含む、生産複合設備を製作する方法であって、前記モジュールが基礎の位置まで輸送され、乾ドックに配置された前記基礎の上のそれらの台座に移動され、次いで、前記モジュールが前記基礎と、及び互いと統合される、方法であり、前記基礎として重力式構造物(GBS)が使用され、前記GBSが、前記GBSの設置場所への輸送中に浮いていることができ、前記モジュールの製作が、
構成部品が製作される段階Iと、
ノードが前記構成部品から製作される段階IIと、
部分組立体が前記ノードから製作される段階IIIと、
前記部分組立体の研磨洗浄及び塗装が実行される段階IVと、
前記部分組立体からの前記モジュールの組立が実行される段階Vと
を含み、
次いで、前記モジュールの輸送、前記GBS上のそれらの台座への移動、及びそれらの統合が、
前記モジュールが自走式車両により前記ドックの近辺区域に輸送される段階VIと、
各モジュールが前記乾ドックに設置された昇降システムの案内上に移動される段階VIIと、
前記昇降システムの案内が前記GBSの頂板上の案内と接続されるまで、各モジュールが持ち上げられる段階VIIIと、
各モジュールが前記GBS上のそれらの台座に移動され、前記GBSに設置され、前記モジュールが互いと、及び前記GBSと統合される段階IXと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
段階Iが構成部品製作サイトで実施され、前記構成部品製作サイトでは、材料及び前記構成部品が、昇降及び輸送機器によって構成部品製作ラインに沿って移動されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
段階IIが、前記ノード及び部分組立体の組立用のサイトで実施され、前記昇降及び輸送機器が、前記構成部品製作サイトの境界部の場所に、前記ノード及び部分組立体の組立用の前記サイトに沿って配置されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
天井クレーンが、前記ノード及び部分組立体の組立用の前記サイトにおいて、昇降及び輸送機器として使用され、片脚橋形クレーンが、前記構成部品製作サイトの前記境界部の前記場所で使用され、さらに、前記構成部品が、前記構成部品製作サイトから自走式車両で前記ノード及び部分組立体の組立用の前記サイトへ移動され、前記ノードがノード製作場所で製造され、前記ノード製作場所では、前記構成部品及び前記ノードが片脚橋形クレーンで移動され、次いで、前記ノードが前記天井クレーンで部分組立体製作場所に移動されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記片脚橋形クレーンの支持部が、前記構成部品製作サイトから前記ノード及び部分組立体の組立用の前記サイトへの構成部品移動経路の外側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
段階IIIが、前記ノード及び部分組立体の組立用の前記サイトの前記部分組立体製作場所で実施され、前記部分組立体製作場所では、前記ノードが前記橋形クレーンで移動され、次いで、前記部分組立体が自走式車両によって部分組立体のショットブラスト及び塗装サイトに移動されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
段階IVが、前記部分組立体のショットブラスト及び塗装サイトで実施され、その後、前記部分組立体が、自走式車両によってモジュール組立サイトに移動されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記部分組立体が、ブラスト室から塗装室へ移動され、屋根及び引き戸で囲まれた通路を通って前記モジュール組立サイトへ移動されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
段階Vが、平行な区画を有する前記モジュール組立サイトで実施され、各区画が、前記区画に沿って横方向に部分組立体を移動させるために昇降及び輸送機器を備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記モジュール組立サイトの各組立場所が、前記サイトの柱間スペースに鉛直方向に統合された一組の支持システムを有するスリップウェイであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
段階VIにおいて、前記製作サイトの外で製作されたモジュールも前記ドックの前記近辺区域に移動されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記製作サイトの外で製作された前記モジュールが停泊場所に搬送され、前記モジュールが、荷降ろし後に、自走式車両によって前記停泊場所から前記ドックの前記近辺区域に移動されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
段階VIIにおいて、各モジュールが、レール上に設置された液圧スライダで、前記乾ドックに設置された前記昇降システムの前記案内上に水平に移動されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
段階VIIIにおいて、各モジュールが、前記昇降システムの案内と前記GBSの案内とが一致するまで、前記昇降システムの鉛直方向のジャッキで持ち上げられることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
段階IXにおいて、前記モジュールが、液圧スライダで前記GBS上の前記台座に移動されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
段階IXにおいて、前記モジュールが、液圧スライダに統合された鉛直方向のジャッキを使用して前記GBS上に設置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
段階IXにおいて、個々の試験が、コミッショニング作業の第1段階として、前記モジュールが互いと、及び前記GBSと統合されることと並行して実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生産設備の建設に関するもので、重力式構造物(GBS:gravity-based structure)上で、炭化水素の処理、貯蔵、及び処理製品の積出を目的とする生産複合設備(限定するものではないが、天然ガス液化プラント、アンモニア・プラント、水素プラント、及び発電プラントを含む)の建設の一部として使用することができる。
【背景技術】
【0002】
沿岸及び沖合の炭化水素処理プラント、特に天然ガス液化プラント(LNGプラント)を建造するために、以下の2つの方法のうちの1つが、現在使用されている。
【0003】
最も一般的な方法は、杭基礎上にLNGプラントを建造し、その上にプラントのプロセス機器及び構造物を載せる方法である。永久凍土地域に建造されるプラントに対して、プラント構造物用の杭基礎は土壌温度安定装置と結合される。LNGプラントは典型的には、製品を船に積むことができるように海岸近くに設置される。とりわけ、これらのプラントは、杭基礎上に載せられたLNG貯蔵タンク及びLNG桟橋を備え、LNGプラント及びLNGタンクは海岸に設置され、LNG積出用の桟橋は必要なプロセス機器とともに海岸近くの海域に設置される。LNGプラント、タンク、及び積出桟橋は、専用のガス運搬船へLNGを移送するために、杭基礎上に設置された配管架台に取り付けられたパイプラインによって相互に接続される。
【0004】
杭基礎の上にLNGプラントを建設するためには、人員、建設材料、及び供給品を搬送し、建設作業員を収容し、材料を保管し、建設機械を運用するために必要なインフラが、仮設道路、必要なすべてのユーティリティ、及びインフラ設備を含め、典型的には、建設現場に展開される。LNGプラントを遠隔地、特に厳しい環境条件の場所に建造する場合、建設作業のためのインフラの準備には時間とコストがかかる。
【0005】
杭基礎上にLNGプラントを建設するための一般的な方法は、以下の欠点を特徴とする。
・建設作業の前の長期間のインフラ開発
・永久凍土地域での建設のための土壌温度安定装置のコスト
・建設員、機器、及び機械を準備及び撤去するための費用
・環境条件が厳しい遠隔の未開発地域にあることが多い建設現場に、大規模な建設チームが滞在し、作業できることを確実にする必要性
・建設材料、LNGプラントの機器、及び供給品を、輸送利便性が限られることが多いことを特徴とする建設現場に定期的に搬送できることを確実にするためのコスト
・建設インフラを解体し、建設完了後に荒らされた土地を修復するためのコスト
・LNGプラント・サイトにおける広範な準備及び建設作業による環境への影響
【0006】
別の方法は、浮体式基部にLNGプラントを建造することである。この場合、LNGプラントは、天然ガスを生産、処理、及び液化し、LNGを貯蔵及び積み出しする浮体ユニットの一部である。LNGの生産、貯蔵、及び積出用の浮体ユニット(FLNG)は、海洋ガス田開発に使用され、錨泊及び/又は係留によって海洋ガス田に直接設置される。このような浮体ユニットは、氷が厚い条件の海洋では、漂流氷により、海底パイプのバルブに接続するのに必要な信頼できる位置決めが不可能であるので使用されない。
【0007】
浮体式下部構造の上にあるLNGプラントは造船所で建造される。浮体式下部構造は、鋼材を溶接することによって鋼から作られる。LNGプラントの機器は専用工場で製造されてから、海路又は陸路で造船所に搬送される。
【0008】
造船所で建造作業を行うことの利点は、必要な機器、インフラ、常雇直接労働者、並びに確立した調達及び供給システムをすべて有する製作場で、ガス田にFLNGを設置することを除く建造及び組立の全工程を完了できることである。造船所の別の利点は、生産性の高い定置機器を使用して浮体式下部構造の鋼構造物を製造するインライン生産工程である。
【0009】
しかし、FLNGの用途は氷のない海域での海洋ガス田開発プロジェクトに限定され、一方、造船所でLNGプラントを建造するための方法は以下の欠点を特徴とする。
・鋼から作られる浮体式下部構造を使用することによって生じる高い建造コスト
・労働集約による長い建造期間
・FLNGを海底パイプに確実に接続するための複雑な機器設置プロセス
【0010】
工場が隣接する乾ドックにおいて、支持柱及びポンツーンに取り付けられた上部構造物を備える半潜水型プラットフォーム用、たとえば石油・ガスのプラットフォーム用の浮体構造物を建造するための方法があり、この場合、ポンツーンは乾ドック内に置かれ、次いで、その上に柱が立てられ、間にサービスラックが設置され、一方、上部構造物は隣接する工場で建造され、次いで、柱及びラックが、隣接する工場の高さまで建てられた状態で、ラックを介して柱の上に移動されて柱に接続され、次いで、上部構造物が柱の上に移動されると、ドックに水が入れられ、したがって、柱と上部構造物を保持するポンツーンが確実に浮いた状態になり、その後、ラックが上部構造物の高さまで建てられ、ドックから水が取り除かれ、柱を保持するポンツーンがドックの底に置かれ、柱が上部構造物の高さに届くまでさらに建てられる(ロシア特許第2441799(C2)号、公告日:2012年2月10日)。
【0011】
この方法は以下の欠点を特徴とする。
・上部構造物は単一のユニットとして設置され、それによってその大きさと重量が制限される。
・上部構造物を単一ユニットとして設置することは、多数の自走式トレーラを同時に使用する必要があることを意味する。
・サービスラックは十分な大きさでなければならず、高い荷重支持能力を持っていなければならない。
・上部構造物の設計は、柱及びラックの上部デッキの両方によって支持されるように行う(2つの支持方法を交互に行う)必要があり、これは、強度及び剛性の要件を満たすために、構造物の材料容量が大きくなることを意味する。
【0012】
提案するものに最も近い方法は、浮体施設の上部プロセス・ユニットの機器の統合建造及び設置を特徴とするものであり(ロシア特許第2707205(C2)号、公告日:2019年7月19日)、スマート造船所で実行され、海上建造及び造船所のためのモジュールのプラントを組み合わせ、主に以下の段階を含む。
段階S1、この段階では、浮体施設の上部プロセス・ユニットの建造が実施されて完全なユーティリティ・モジュールとプロセス・モジュールを作る。
段階S2、この段階では、浮体施設の上部プロセス・ユニットが、一体設置のために、単一品として平台車に載せられて最終組立場所へ輸送される。
段階S3、この段階では、上部プロセス・ユニットが、平台車からドックの近辺区域に据え付けられた昇降システムに単一品として積み込まれ、持ち上げられて、昇降システムと船体との間に設けられた相互接続橋を経由して船上に水平移動することにより、完全なユーティリティ・モジュール及びプロセス・モジュールが、持ち上げ及び横滑りシステムを使用して船体に設置される。
段階S4、この段階では、全体調節が行われ操業が開始される。
【0013】
この方法の欠点は、上部構造物を単一品として移動することが、大きさと重量の制限が存在し、上部構造物の建造のために補強が必要であることを意味することである。さらに、上部構造物は、恒久的なレール軌道を使用して船内の設置場所まで単一品として移動させられ、この場合、エンジン又は平台車が故障した場合、上部構造物全体の移動が止まる。加えて、ドックの近辺区域に昇降システムを設置するためには、昇降システムと船との間に、上部構造物を船上へ水平移動させるための特別な橋が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】ロシア特許第2441799(C2)号
【特許文献2】ロシア特許第2707205(C2)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明で解決される技術的問題は以下の通りである。
【0016】
上記のこと、及び北極圏のガス田から生産される天然ガスの割合の増加を考えると、氷の状態の水域での北極圏の条件の使用に適合した原料の炭化水素を処理する複合設備を建造するために新しい効率的な方法を開発することが急務である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の問題に対処するため、重力式構造物(GBS)上に統合生産複合設備を製作するための方法が提案される。重力式構造物は、生産及び処理された原材料、並びに補助的な物質及び材料のための貯槽としての役割を果たす容積型鉄筋コンクリート構造物である。GBSは、生産複合設備のトップサイドの下にあり、自重で水域の底に設置されるように設計されている。GBSは、統合生産複合設備の現場までの水上輸送中浮いていることができ、氷の状態での氷の衝撃に耐えることができる。
【0018】
GBS上で生産複合設備を建造することは、建造のために準備するために、また、杭打ちプラントの建造するために長期でコストのかかる作業によって、並びに氷の状態の水域でガス田を開発するために浮体構造物上でそのようなプラントを使用することが可能でないという事実によって引き起こされる課題を解決する。
【0019】
提案する方法は、天然ガスの燃焼からの熱エネルギーで発電する統合型GBS複合設備を建造する際にも使用することができる。このような複合設備は、専用のガス運搬船から液化天然ガス(LNG:liquefied natural gas)を受け取り、それを貯蔵し、再ガス化して電力に変換することができる。本発明で達成される技術的成果は、氷の状態での氷の衝撃に耐えることができる重力式構造物を使用して、乾ドックを有する専用の製作サイトで建造することができる生産複合設備の建造であり、また製作サイトの領域の個々のトップサイド・モジュールを移動させる際に、よりよい移動可能性を提供し、基礎の上にトップサイドを設置するために特別な橋梁構造の必要性をなくすことでもある。
【0020】
トップサイド・モジュールが生産サイトで製作され、部分組立体の製作、研磨洗浄、及び塗装、並びにモジュールの組立の段階を含む、生産複合設備を製作する方法であって、モジュールは基礎の位置まで輸送され、乾ドックに配置された基礎の上のそれらの台座に移動され、次いで、モジュールは基礎と、及び互いと統合される、方法であり、基礎として重力式構造物(GBS)が使用され、前記GBSが、GBSの設置場所への輸送中に浮いていることができ、モジュールの製作が、
構成部品が製作される段階Iと、
ノードが構成部品から製作される段階IIと、
部分組立体がノードから製作される段階IIIと、
部分組立体の研磨洗浄及び塗装が実行される段階IVと、
部分組立体からのモジュールの組立が実行される段階Vと
を含み、
次いで、モジュールの輸送、GBS上のそれらの台座への移動、及びそれらの統合が、
モジュールが自走式車両によりドックの近辺区域に輸送される段階VIと、
各モジュールが乾ドックに設置された昇降システムの案内上に移動される段階VIIと、
昇降システムの案内がGBSの頂板上の案内と接続されるまで、各モジュールが持ち上げられる段階VIIIと、
各モジュールがGBS上のそれらの台座に移動され、GBSに設置され、モジュールが互いと、及びGBSと統合される段階IXと
を含むことを特徴とする方法によってこの技術的成果は達成される。
【0021】
以下の段階の手順が好ましい。
【0022】
段階Iが構成部品製作サイトで実施され、構成部品製作サイトでは、材料及び構成部品が、昇降及び輸送機器によって構成部品製作ラインに沿って移動される。
【0023】
段階IIは、ノード及び部分組立体の組立用のサイトで実施され、昇降及び輸送機器が、構成部品製作サイトの境界部の場所に、ノード及び部分組立体の組立用のサイトに沿って配置される。
【0024】
天井クレーンは、ノード及び部分組立体の組立用のサイトにおいて、昇降及び輸送機器として使用され、片脚橋形クレーンは、構成部品製作サイトの境界部の場所で使用され、さらに、構成部品は、構成部品製作サイトから自走式車両でノード及び部分組立体の組立用のサイトへ移動され、ノードはノード製作場所で製造され、ノード製作場所では、構成部品及びノードは片脚橋形クレーンで移動され、次いで、ノードは天井クレーンで部分組立体製作場所に移動される。
【0025】
段階IIにおいて、片脚橋形クレーンの支持体は、構成部品製作サイトからノード及び部分組立体の組立用のサイトへの構成部品移動経路の外側に配置されている。
【0026】
段階IIIは、ノード及び部分組立体の組立用のサイトの部分組立体製作場所で実施され、部分組立体製作場所では、ノードは橋形クレーンで移動され、次いで、部分組立体は自走式車両によって部分組立体のショットブラスト及び塗装サイトに移動される。
【0027】
段階IVは、部分組立体のショットブラスト及び塗装サイトで実施され、その後、部分組立体は、自走式車両によってモジュール組立サイトに移動される。
【0028】
部分組立体は、ブラスト室から塗装室へ移動され、屋根及び引き戸で囲まれた通路を通ってモジュール組立サイトへ移動される。
【0029】
段階Vは、平行な区画を有するモジュール組立サイトで実施され、各区画は、区画に沿って横方向に部分組立体を移動させるために昇降及び輸送機器を備えている。
【0030】
段階Vにおいて、モジュール組立サイトの各組立場所は、前記サイトの柱間スペースに鉛直方向に統合された一組の支持システムを有するスリップウェイである。
【0031】
段階VIにおいて、製作サイトの外で製作されたモジュールもドックの近辺区域に移動される。
【0032】
段階VIにおいて、製作サイトの外で製作されたモジュールは停泊場所に搬送され、モジュールは、荷降ろし後に、自走式車両によって停泊場所から前記ドックの近辺区域に移動される。
【0033】
段階VIIにおいて、各モジュールは、レール上に設置された液圧スライダで、乾ドックに設置された昇降システムの案内上に水平に移動される。
【0034】
段階VIIIにおいて、各モジュールは、昇降システムの案内とGBSの案内とが一致するまで、昇降システムの鉛直方向のジャッキで持ち上げられる。
【0035】
段階IXにおいて、モジュールは、液圧スライダでGBS上の台座に横滑りされる。
【0036】
段階IXにおいて、モジュールは、液圧スライダに統合された鉛直方向のジャッキを使用してGBS上に設置される。
【0037】
段階IXにおいて、個々の試験は、コミッショニング作業の第1段階として、モジュールが互いと、及びGBSと統合されることと並行して実施される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】モジュール製作サイトのレイアウト、並びに建物及び生産サイトの領域を横切る移動経路の図である。
図2】構成部品製作サイト内の段階Iの作業の流れの図である。
図3】モジュール組立サイト内の区画レイアウト、並びにノード及び部分組立体の組立用のサイトの側面図である。
図4】ノード及び部分組立体の組立用のサイト内の段階IIの作業の流れの図である。
図5】ノード及び部分組立体の組立用のサイト内の段階IIIの作業の流れの図である。
図6】ショットブラスト及び塗装サイト内の段階IVの作業の流れの図である。
図7】モジュール組立サイト内の段階Vの作業の流れの図である。
図8】モジュール組立サイト内の区画レイアウトの側面図である。
図9】モジュール組立サイトとドックの近辺区域との間の経路における段階VIの作業の流れの図である。
図10】モジュールをドックの近辺区域から昇降システム上に移動させるための段階VIIの作業の流れの図である。
図11】昇降システムを使用してモジュールを持ち上げるための段階VIIIの作業の流れの図である。
図12】モジュールを昇降システムからGBS上に移動させるための段階IXの作業の流れの図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
重力式構造物上で生産複合設備を一体製作するための方法は、以下のように実施される。生産複合設備建造の作業の流れは、5つの主要な製作段階と、モジュールを移動してGBSに設置する4つの段階とを含む(図1)。この作業の流れは、構成部品、ノード、部分組立品、及び完成品(モジュール)が最適な方法で動くことを確実にするように意図されている。
【0040】
トップサイド・モジュールは、プロセス機器、電気機器、自動化システムなどを収容する、ブレース付きの容積型鉄骨フレームである。基本的なレベルでは、このトップサイド・モジュールは、その設計、内容、及びレイアウトに関して、オイル・ガス分野で使用されているトップサイド・モジュールと変わらない。トップサイド・モジュールの数は、生産複合設備のエンジニアリングの段階で決定される。
【0041】
この製作計画は、GBS上の統合生産複合設備の製作に専用の生産サイトでのモジュールの連続製作を含む。技術的解決策により、各特定の製作段階に必要なすべての技術的条件と要件は、生産サイトの別々の建物内で実施することができる。
【0042】
構成部品、ノード、及び部分組立品は、生産サイトの単一の建物内で製造される。
【0043】
段階Iの作業は、コンベア式レイアウトを特徴とする構成部品製作サイト1内で実施される。このサイトには、材料及び構成部品が技術的な経路(図2)を通って移動するのを助けるために、昇降及び輸送機器、好ましくは天井クレーン2が備えられている。段階Iは、構成部品3(圧延鋼板、シェル、梁から製造される構成部品)を製造するために3つの製作工程を含み、製作サイト全体を横切って並列に配置されたいくつかの、例えば3つの製造ラインとして具現化されている。完成した構成部品3は、自走式車両を使用して、ノード及び部分組立体の組立用のサイト4に移動され、ここでは、サイト全体を横切って構成部品3及びノード6を迅速且つ安全に移動できるように設計された他の昇降及び輸送機器、好ましくは片脚橋形クレーン5が作動する。
【0044】
片脚橋形クレーン5は、構成部品3が、構成部品製作サイト1から自走式車両によって運ばれるノード及び部分組立体の組立用のサイト4へ自由に移動するのを確保するように、各クレーンの1つの脚が、邪魔にならないように、構成部品製作サイト1からノード及び部分組立体の組立用のサイト4への道路の上にあるレール桁上に配置され、したがって部品3の迅速且つ安全な輸送が可能になる(図3)。
【0045】
自走式車両は、自走式のトレーラ及び/又はプラットフォームであってもよい。
【0046】
段階IIは、ノード6(H形鋼やシェルなど)の製作であり、完成すると、天井クレーンを使用して部分組立体製作場所に移動され、ノード及び部分組立体の組立用のサイト4内で開始される(図4)。ノード及び部分組立体の組立用のサイト4に沿って構成部品製作サイト1の境界部に場所があり、この場所には、ノード6をサイトの区画のいずれでも製作工程で使用できるように、サイト全体を横切ってノード6を扱うための片脚橋形クレーン5を備えられている。
【0047】
段階IIの特徴の1つは、片脚橋形クレーン5の作動領域が、ノード及び部分組立体の組立用のサイト4全体に沿って延びており、それにより、関連する部分組立体の製作場所のすぐ近くでノード6を組み立てることができることである。
【0048】
段階IIIの作業は、ノード及び部分組立体の組立用のサイト4内で実施され(図5)、部分組立体7(金属構造部分)を製作することである。前記サイト内でのノード運搬のために、天井クレーン8が、サイト全体がその作動範囲内になるように設置され、ノード6をサイト全体を横切って取り扱うために使用される。天井クレーン8は、片脚橋形クレーン5の移動方向に対して垂直に配置され、それにより、追加の索具なしに部分組立体製造場所の全幅を利用できる。完成後、部分組立体7は自走式車両(図示せず)によってショットブラスト及び塗装サイト9に移動される。
【0049】
段階IV.完成すると、部分組立体7はショットブラスト及び塗装サイト9に移動される(図6)。このサイトは、ショットブラスト室と、いくつか、例えば3つの塗装室(図示せず)とを備える。ショットブラスト室から3つの塗装室のいずれかへ、及びモジュール組立サイト10へ部分組立体7を輸送する経路は、部分組立体7への天候の影響を避けるためのシェルタ部11(通廊、屋根、及び引き戸)を有し、したがって、ショットブラスト及びコーティング工程の要件に確実に合致する。部分組立体7をサイト間で移動するために、自走式車両が使用される。
【0050】
ショットブラスト及び塗装に続き、部分組立体7は、自走式車両によってモジュール組立サイト10に移動され、ここで、モジュール12の製作の最終段階である段階Vが実行される。ショットブラスト及び塗装サイト9とモジュール組立サイト10とは、塗装された部分組立体7への環境影響を避けるとともに、環境影響の結果に直面することなく、自走式車両を使用してショットブラスト室から塗装室、次いでモジュール組立サイト10へと部分組立体7を移動させるために、共通のシェルタ通廊11によって連結されている。
【0051】
段階V.モジュール組立.モジュール組立サイト10(図7)は、大型のプロセス・モジュール12の建造を意図しており、作業が並行して行われる場合、2つ又は3つのモジュール12それぞれを収容することができるいくつかの区画に分割されている。各区画は、区画全体に沿って移動する吊り上げ能力の異なる天井クレーン13及び14を備えている。天井クレーン13は機器の設置用に設計されており、より大きな容量の天井クレーン14は組立体の移動用に設計されている。
【0052】
ショットブラスト及び塗装サイト9におけるコーティングの乾燥に必要な時間が終了すると、既に作られている部分組立体7(金属構造部分)は、プロセス・モジュール12の組立のために、モジュール組立サイト10の区画の1つに移動される。モジュール12は、設計値を確実に超えないように荷重を分散させるために、必要な大きさの特別な支持体の上で組み立てられる。支持体は、支持能力の高い基礎の上に立っている。モジュール12は段階的に組み立てられ、部分組立体7(金属構造体)の各部分は、既に設置された部分の上に設置される。
【0053】
モジュール組立サイト10の各組立場所は、前記サイトの柱間スペース15に鉛直方向に統合された一組の支持システムを有するスリップウェイである。移行傾斜路(図8)を有する組立プラットフォームも柱間スペースに統合されており、したがって、製品の上層部にアクセスするための追加手段(足場)の必要性はない。各組立場所内で、モジュール12を組立て、モジュール内にプロセス機器や配管を取り付ける作業が実行される。
【0054】
前記サイトのレイアウトにより、すべてのモジュール12がサイト内のどこに配置されているかに関係なく、個々の各モジュール12をサイト内で移動させることができる。
【0055】
このサイトで作業が完了すると、モジュール12は、重力式構造物(GBS)の上へさらに設置するためにドックの近辺区域17に移動される。
【0056】
段階VI.モジュール12は、モジュール組立サイト10からドックの近辺区域17まで自走式車両によって移動される(図9)。この段階では、自走式モジュラー・トレーラ(SPMT:Self Propelled Modular Trailer)が使用される(図には示されていない)。
【0057】
モジュールの輸送中に以下の作業が実施される。
・輸送されるモジュールの幾何学的寸法により、ロード・クリアランスが可変のSPMTを組み合わせて配置する。
・組立サイトにおいて、支持体上に設置されたモジュールの下に、組み合わされたSPMTを配置する。この時点では、SPMTのロード・クリアランスは最小に設定されている。
・SPMTは、内蔵された液圧駆動装置によりロード・クリアランスを増大させて、それにより、SMPTの上部(支持)部分はモジュール12の下部に接触し、モジュール12を支持体の上方に持ち上げる。
・SMPTは、特別な道路を使用して、モジュール12を乾ドック18又は19のうちの1つに輸送し、その道路の支持能力、傾斜、及び旋回半径により、輸送されるモジュールの幾何学的寸法により配置され、同期して移動するSPMTが移動することができる。
・SPMTは、モジュール12を、ドックの近辺区域内の液圧水平移動システムの案内の上方の支持体の上方に配置し、次いで、ロード・クリアランスを減少させてモジュールを支持体上に置くことによって、モジュールを支持体上に配置し、一方、SPMTは、ロード・クリアランスを最小限まで減少させた後にモジュールの下から離れる。
【0058】
必要ならば、トップサイド・モジュールは、乾ドックに近いモジュール保管サイトの1つに一時的に置かれる。これは上記の手順と同様に行われるが、最後のステップでは、モジュールは、液圧水平移動システムの案内の上方の支持体の代わりに、モジュール保管サイトに設けられた支持体の上に置かれる。保管期間終了後、プロセス機器モジュールは、上記の手順を実施することによって保管サイトからを取り出され、ドックの近辺区域の液圧水平移動システムの案内の上方の支持体に設置される。
【0059】
段階VIは、生産サイトの外で製造されたモジュールを含んでもよい。モジュールの海上搬送は、ドックの近辺区域17(図9)へのモジュール輸送の段階VIにおける積出及び係合のための停泊区域20により可能である。この場合、停泊区域からドックの近辺区域へのモジュール12の輸送も、以下の作業とともにSPMTを使用しても実施される。
・停泊位置と船の甲板21との間に取り外し可能な傾斜路を設置する。
・輸送されるモジュールの幾何学的寸法により、ロード・クリアランスが可変のSPMTを組み合わせて配置する。
・SPMTのロード・クリアランスを最小限に設定した状態で、船の甲板上の支持体の上に配置されたモジュールの下方にSPMTを移動する。取り外し可能な傾斜路を使用して船の甲板上にSPMTを移動する。
・船の甲板上の支持体の間でモジュールの下に置かれたSPMTは、内蔵された液圧駆動装置でロード・クリアランスを増大させて、それにより、SMPTの上部(支持)部分はモジュールの下部に接触し、モジュールを支持体の上方に持ち上げる。
・ロード・クリアランスが可変のSPMTは、船の甲板から取り外し可能な傾斜路を経由して停泊位置まで動き、したがって、輸送しようとするモジュールを輸送する。
・その後、モジュール組立サイトからのモジュール輸送と同様に、さらなる輸送が実施される。
【0060】
段階VII.ドックの近辺区域から昇降システムに輸送するための特別な道具を用いたモジュール12の確認と整備。輸送システムの各ラインは、ドックの近辺区域17内に配置された案内22を備えている(図10)。SPMTは、モジュール12をドックの近辺区域に搬送し、案内22上の支持体上に設置する。モジュールは、液圧横滑りシステムにより昇降システムのガードまで輸送される。液圧システムは、案内22(レール)上に取り付けられた液圧スライダ(図には示されていない)を備え、水平方向のジャッキ及びスライダの高さを調節するための鉛直方向のジャッキを含む。案内22は、スライダとモジュール12とが低摩擦で滑動することを確実にする。スライダは、案内22の上方の支持体に取り付けられたモジュール12の下で、モジュール12の静止点において駆動される。スライダは単一の制御回路に結合されている。スライダが設置された後、モジュール12は安全な高さまで持ち上げられ、支持体から取り外される。次に、鉛直方向のジャッキを使用して、スライダの台板がモジュールに当たって静止するまで持ち上げ、スライダの水平方向のジャッキを使用して、モジュール12を昇降システム24の案内23上に水平移動させる。
【0061】
段階VIII.昇降システム24は、乾ドック18又は19の底部に、それぞれが鉛直方向のジャッキを有する支柱25上に配置されている。支柱25にはその上に案内23が取り付けられている。モジュール12は、昇降システムの案内23をGBS27の頂板上に配置された案内26と接続するように鉛直方向のジャッキを使用して持ち上げられる(図11)。
【0062】
段階IX.モジュール12を持ち上げ、案内23と案内26とを接続した後、モジュール12は液圧スライダによってGBS27上の所望の位置に移動され、支持体上の設計位置に設置される(図12)。モジュールは、油圧スライダと一体化された鉛直方向のジャッキを使用してGBS支持体上に設置される。その後、スライダは初期位置に戻されて次のモジュールを移動させ、モジュールの設置が完了するとクレーンによって案内から取り外される。
【0063】
GBS27上にモジュール12を移動させるこの方法は、3つの完全に独立したステップを含む。昇降システム24は、乾ドック18又は19の底部に直接取り付けられ、それにより、モジュールを異なる高さに移動させるための追加の装置の設置が不要になる。
【0064】
すべてのモジュールが設置されると、プロセス・ラインが完成するまで、トップサイド・モジュールはGBSと、及び互いと統合される。
【0065】
設置されたトップサイド・モジュールを有するGBSが乾ドックにあるときに統合が実施される。この統合は、次の3つの流れで実行される。トップサイドのプロセス・モジュールをGBSと統合、トップサイド・モジュール同士の統合、及び、3番目の流れは、プロセス・トレインの作動を確実にするために必要なすべての電気工事に関する。
【0066】
統合の段階には、接続点及び追加接続配管の製作が含まれる。統合にはまた、フレア及び換気シャフトのための金属構造物の製作と設置も含まれる。
【0067】
この段階は最終段階であり、これにより、プロセス・ラインが完全に準備状態であることが確実になる。
【0068】
個々の試験は、すべてのプロセス・モジュールがGBSに設置された後、統合と同時に実行される。プロセス・モジュールの試験は、モジュールの各システムのメンテナンスの順に、包括的に実施される。
【0069】
乾ドックでのGBS建造、設置、統合、及びトップサイドの個々の試験が完了した後、一組の海上作業が実施されて、GBSをドックから出し、設置現場まで輸送し、操業現場で準備された基礎の上に設置する。このため、乾ドックは水で満たされ、その後、ドック水域と海水域の間に深さが保証された自由空間が提供される。
【0070】
GBSのバラスト/デバラスト作業は、GBSがドックを離れる直前に行われる。その後、GBSは引船によりドックから出され、設置場所まで曳航される。
【0071】
設置中にGBSを拘束する陸上のウインチ及び引船を使用して、GBSは岸壁周辺の目的地点に配置され、それにより、現場領域の陸上ユーティリティへのGBSの接続を確実にする。正しい位置を確認した後、GBSは水底に準備された基礎の上に設置するためにバラストを入れられる。
図1
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図6
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図11
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【国際調査報告】