(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】内視鏡アタッチメント付き関節カニューレ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/01 20060101AFI20240719BHJP
A61M 25/10 20130101ALI20240719BHJP
【FI】
A61B1/01 513
A61M25/10 542
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579668
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022035541
(87)【国際公開番号】W WO2023278591
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519373327
【氏名又は名称】レズネント,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノイエス,ウィラード,エス.
(72)【発明者】
【氏名】グレイ,ベンジャミン,ジョセフ
【テーマコード(参考)】
4C161
4C267
【Fターム(参考)】
4C161GG22
4C267AA07
4C267BB02
4C267BB12
4C267BB27
4C267CC15
4C267CC20
4C267CC21
4C267CC23
4C267CC26
(57)【要約】
関節カニューレアセンブリが記載される。関節カニューレアセンブリは、ハンドピースと、ハンドピースの上方に位置する近位ハウジングと、近位ハウジングから遠位方向に延在するカニューレであって、関節セグメントを含むカニューレと、作動されると、関節セグメントを伸縮させるトリガとを備える。近位ハウジングは、ハンドピースに取り外し可能に結合することができる。近位ハウジングは、内視鏡の近位部分を取り外し可能に固定するための内視鏡取り付け構造を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドピースと、
該ハンドピースの上方に位置する近位ハウジングと、
該近位ハウジングから遠位方向に延在するカニューレであって、関節セグメントを含むカニューレと、
作動されると、前記関節セグメントを伸縮させるトリガと、
を備える、関節カニューレアセンブリ。
【請求項2】
前記近位ハウジングが、前記ハンドピースに取り外し可能に結合する、請求項1に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項3】
前記ハンドピースは、バルーンカテーテルに流体結合するための接続ポートを備えるバルーンポンプ・ハンドピースであり、
前記バルーンポンプ・ハンドピースは、前記バルーンカテーテルの遠位バルーンを膨張させるための制御装置を備え、
前記バルーンポンプ・ハンドピースの頂部は、前記近位ハウジングに取り外し可能に結合するための機構を備える、
請求項2に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項4】
前記近位ハウジングは、前記カニューレに接続するポートを備え、
該ポートは、前記バルーンカテーテルの前記遠位バルーンを受け入れるように構成され、
前記遠位バルーンが前記ポートに受け入れられた後、該遠位バルーンはカニューレに通される、
請求項3に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項5】
前記ハンドピースまたは前記近位ハウジングの一方は、T字形取り付け構造を備え、
前記ハンドピースまたは前記近位ハウジングの一方は、Tトラックを備え、
前記ハンドピースは、前記T字形取り付け構造を前記Tトラック内で摺動させることによって前記近位ハウジングに取り外し可能に結合されている、
請求項2に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項6】
前記近位ハウジングは、前記カニューレに接続する第1のポートおよび第2のポートを備え、
前記第1のポートは、前記カニューレを通過する第1の器具を受け入れるためのものであり、
前記第2のポートは、前記カニューレを通過する第2の器具を受け入れるためのものである、
請求項1に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項7】
前記第1のポートを前記カニューレに接続し、該カニューレの少なくとも一部を通過する第1のチューブと、
前記第2のポートを前記カニューレに接続し、該カニューレの少なくとも一部を通過する第2のチューブと、
をさらに備え、
前記第1の器具は、前記第1のチューブに通され、前記第2の器具は、前記第2のチューブに通される、
請求項6に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項8】
前記第1のチューブおよび前記第2のチューブは、前記カニューレ内で、または該カニューレの遠位端の後で別々に終端する、請求項7に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のチューブおよび前記第2のチューブは、前記カニューレ内の単一のチャネルに合流する、請求項7に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項10】
前記第1のポートおよび前記第2のポートは、前記近位ハウジングの両側に位置する、請求項6に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項11】
前記近位ハウジングは、前記カニューレに接続する第3のポートを備え、前記第3のポートは、前記カニューレを通過する第3の器具を受け入れるためのものであり、
前記第1のポートおよび前記第2のポートは、前記近位ハウジングの左側および右側に位置し、
前記第3のポートは、前記近位ハウジングの後側に位置する、
請求項10に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項12】
前記近位ハウジングは、前記カニューレに接続する第1のポートを備え、該第1のポートが、前記近位ハウジングの後側に位置し、前記カニューレを通過する1つまたは複数の器具を受け入れる、請求項1に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項13】
前記カニューレは、前記関節セグメントの遠位に回転可能なセグメントをさらに含み、該回転可能なセグメントが、前記カニューレの残りの部分とは無関係に回転する、請求項1に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項14】
前記関節セグメントは、前記トリガが作動されたときに広がるまたは閉じる複数のノッチを含む、請求項1に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項15】
前記近位ハウジングに組み込まれたプーリと、
前記関節セグメントを前記プーリに結合する1つまたは複数のワイヤと、
をさらに備える、請求項12に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項16】
前記関節セグメントは、前記複数のノッチの上に配置された可撓性コーティングを含む、請求項12に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項17】
前記近位ハウジングは、内視鏡の近位部分を取り外し可能に固定するための第1の内視鏡取り付け構造を備える、請求項1に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項18】
前記第1の内視鏡取り付け構造は、側壁を有する開放チャネルと、該開放チャネルの遠位端から前記近位ハウジングの遠位端まで延在する遠位孔とを備え、
前記内視鏡は、前記内視鏡のシャフトを前記遠位孔に通し、前記内視鏡の前記近位部分を前記開放チャネル内に固定することによって、前記第1の内視鏡取り付け構造に取り外し可能に固定される、
請求項15に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項19】
前記カニューレの外部を前記内視鏡のシャフトに固定するための第2の内視鏡取り付け構造をさらに備える、請求項15に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項20】
前記第2の内視鏡取り付け構造は、前記カニューレの遠位部分に組み込まれている、請求項17に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項21】
前記カニューレは、前記関節セグメントの遠位に回転可能なセグメントをさらに備え、該回転可能なセグメントが、前記第2の内視鏡取り付け構造を備え、該回転可能なセグメントが、前記カニューレの残りの部分とは無関係に回転する、請求項17に記載の関節カニューレアセンブリ。
【請求項22】
ハンドピースの頂部に取り外し可能に結合するための結合機構を含む近位ハウジングと、
該近位ハウジングから遠位方向に延在するカニューレであって、関節セグメントを含むカニューレと、
作動されると、前記関節セグメントを伸縮させるトリガと、
を備える、関節カニューレアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2021年6月29日に出願された、「Articulating Cannula with Endoscope Attachment」という名称の米国仮特許出願第63/216,209号の利益を主張するものである。
【0002】
内視鏡は、内視鏡検査と呼ばれる処置で体腔内を見るために使用される接眼レンズ、カメラ、またはカメラチップを備えた照明付きの管状器具である。患者の体腔内に挿入された器具を用いた医療処置の実行中、内視鏡を使用して、処置中の医療器具および体腔を視覚化することができる。例えば、内視鏡を使用して、医師が吸引または把持鉗子を使用して組織を患者の体腔または解剖学的空間から除去しながら、体腔または解剖学的空間内の組織または他の物質を見ることを可能にすることができる。
【0003】
内視鏡と組み合わせて医療器具を利用する処置では、内視鏡は、通常、医療器具とは別に操作される剛性または可撓性のツールである。処置中、医療従事者は、一方の手で剛性または可撓性内視鏡を保持し、他方の手で患者を処置するために使用される器具を案内する。視覚化される解剖学的空間に応じて、医師は剛性内視鏡または可撓性内視鏡のいずれかを使用する。例えば、呼吸器科医および胃腸科医は可撓性内視鏡を使用し、整形外科医は通常剛性内視鏡を使用するが、耳鼻咽喉科医は手術用途に応じて剛性または可撓性のいずれかのスコープを使用する。限られた空間内で他の手術器具と共に内視鏡を使用する場合、同じ解剖学的空間内で操作しようとすると、内視鏡と器具との間に干渉が生じることが多い。これは「剣での戦闘」と呼ばれることがあり、手術を技術的により困難にする可能性があり、克服するために別の切開またはアクセスポートを必要とすることがある。これは、整形外科関節鏡検査に特に当てはまる。
【0004】
剛性内視鏡の現在の実施態様には、処置中の患者の体腔の視覚化に関して重大な制限がある。外科医は、器具では届きにくい領域で作業を行おうとする場合、内視鏡の剛性および視覚化の角度によってハンディキャップを負うことが多い。外科医は、角度付きの剛性スコープによる視覚化が利用可能であってもハンディキャップを負っている。さらに、特に小児の場合は、複数の器具を鼻腔または副鼻腔開口部に同時に挿入するのに十分なスペースがまったく存在しない。さらに、角度付の剛性スコープによる視覚化は、外科医の視野を歪ませることが多く、小さな腔内で鉗子などの二次器具と組み合わせて使用するには扱いにくい。
【0005】
同様に、可撓性内視鏡の現在の実施態様は、それ自体の一連の問題を提示する。市販されているいくつかの現在の可撓性内視鏡システムでは、可撓性内視鏡の長さ内に組み込まれた小さな器具チャネルにツールを通す必要がある。このようなシステムでは、ツールのサイズは内視鏡チャネルの直径に制限され、したがって、内視鏡による組織操作に利用可能なツールの選択肢が大幅に制限される。可撓性内視鏡を手術器具または装置に外部から取り付けることは、内視鏡を安定させることが困難であり、内視鏡が器具の後部から垂れ下がり、内視鏡をある器具から別の器具に接続または移動させることが容易ではないため、困難である。現在利用可能な可撓性内視鏡を使用するには、両手が必要であり、一方の手で先端の屈曲を操作し、もう一方の手で、解剖学的開口部に挿入されるときの可撓性シャフトの先端を安定させる。
【0006】
内視鏡の視覚化は、体液または組織破片によるレンズの表面汚れおよび曇りによって損なわれることが多い。灌注/吸引カニューレおよびポンプ/吸引システムを利用して、レンズからこのような破片を除去する試みが、複数の医療機器製造業者によって長年にわたって行われてきた。これらのシステムは、扱いにくく、高価であり、意図された目的を実行するにはしばしば不十分である。これらのタイプのシステムは、主に剛性スコープ用に設計されており、可撓性スコープ用には設計されていない。気管支鏡および結腸鏡などの特定の可撓性スコープは、吸引および灌注が可能なチャネル管腔を有するが、内部チャネルのない可撓性内視鏡は、レンズから破片を除去する手段を有さない。
【0007】
ロボット手術の出現により、多くのタイプの関節式外科用鉗子が、内視鏡による視覚化の下で手術用ポートを通して使用するように考案されている。しかしながら、ロボット手術は高価であり、多くの外科的処置には実用的ではない。さらに、内視鏡および1つまたは複数の器具を解剖学的空間に導入するには、一般に、アクセスのために2つ以上の手術用ポートが必要である。これにより、より長いまたは複数の切開創が必要となり、瘢痕、手術時間、および患者の不快感が増大する一方、オフィスベースの環境で手術を行うことがより困難になる。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に記載のいくつかの実施態様は、関節カニューレアセンブリに関する。アセンブリは、取り外し可能な内視鏡アタッチメントを有することができる。
【0009】
一実施形態では、関節カニューレアセンブリは、ハンドピースと、ハンドピースの上方に位置する近位ハウジングと、近位ハウジングから遠位方向に延在するカニューレであって、関節セグメントを含むカニューレと、作動されると、関節セグメントを伸縮させるトリガとを備える。
【0010】
いくつかの実施態様では、近位ハウジングはハンドピースに取り外し可能に結合する。
【0011】
いくつかの実施態様では、ハンドピースは、バルーンカテーテルに流体結合するための接続ポートを備えるバルーンポンプ・ハンドピースであり、バルーンポンプ・ハンドピースは、バルーンカテーテルの遠位バルーンを膨張させるための制御装置を備え、バルーンポンプ・ハンドピースの頂部は、近位ハウジングに取り外し可能に結合するための機構を備える。
【0012】
いくつかの実施態様では、近位ハウジングは、カニューレに接続するポートを備え、ポートは、バルーンカテーテルの遠位バルーンを受け入れるように構成され、遠位バルーンがポートに受け入れられた後、遠位バルーンはカニューレに通される。
【0013】
いくつかの実施態様では、ハンドピースまたは近位ハウジングの一方は、T字形取り付け構造を備え、ハンドピースまたは近位ハウジングの一方は、Tトラックを備え、ハンドピースは、T字形取り付け構造をTトラック内で摺動させることによって近位ハウジングに取り外し可能に結合されている。
【0014】
いくつかの実施態様では、近位ハウジングは、カニューレに接続する第1のポートおよび第2のポートを備え、第1のポートは、カニューレを通過する第1の器具を受け入れるためのものであり、第2のポートは、カニューレを通過する第2の器具を受け入れるためのものである。
【0015】
いくつかの実施態様では、関節カニューレアセンブリは、第1のポートをカニューレに接続し、カニューレの少なくとも一部を通過する第1のチューブと、第2のポートをカニューレに接続し、カニューレの少なくとも一部を通過する第2のチューブとを備え、第1の器具は第1のチューブに通され、第2の器具は第2のチューブに通される。
【0016】
いくつかの実施態様では、第1のチューブおよび第2のチューブは、カニューレ内で、またはカニューレの遠位端の後で別々に終端する。いくつかの実施態様では、第1のチューブおよび第2のチューブは、カニューレ内の単一のチャネルに合流する。
【0017】
いくつかの実施態様では、第1のポートおよび第2のポートは、近位ハウジングの両側に位置する。
【0018】
いくつかの実施態様では、近位ハウジングは、カニューレに接続する第3のポートを備え、第3のポートは、カニューレを通過する第3の器具を受け入れ、第1のポートおよび第2のポートは、近位ハウジングの左側および右側に位置し、第3のポートは、近位ハウジングの後側に位置する。
【0019】
いくつかの実施態様では、近位ハウジングは、カニューレに接続する第1のポートを備え、第1のポートは、近位ハウジングの後側に位置し、カニューレを通過する1つまたは複数の器具を受け入れる。
【0020】
いくつかの実施態様では、カニューレは、関節セグメントの遠位に回転可能セグメントをさらに備え、回転可能セグメントは、カニューレの残りの部分とは無関係に回転する。
【0021】
いくつかの実施態様では、関節セグメントは、トリガが作動すると、広がるまたは閉じる複数のノッチを備える。いくつかの実施態様では、関節カニューレアセンブリは、近位ハウジングに組み込まれたプーリと、関節セグメントをプーリに結合する1つまたは複数のワイヤとをさらに備える。
【0022】
いくつかの実施態様では、関節セグメントは、複数のノッチの上に配置された可撓性コーティングを含む。
【0023】
いくつかの実施態様では、近位ハウジングは、内視鏡の近位部分を取り外し可能に固定するための第1の内視鏡取り付け構造を備える。
【0024】
いくつかの実施態様では、第1の内視鏡取り付け構造は、側壁を有する開放チャネルと、開放チャネルの遠位端から近位ハウジングの遠位端まで延在する遠位孔とを備え、内視鏡は、内視鏡のシャフトを遠位孔に通し、内視鏡の近位部分を開放チャネル内に固定することによって、第1の内視鏡取り付け構造に取り外し可能に固定される。
【0025】
いくつかの実施態様では、関節カニューレアセンブリは、カニューレの外部を内視鏡のシャフトに固定するための第2の内視鏡取り付け構造をさらに備える。
【0026】
いくつかの実施態様では、第2の内視鏡取り付け構造は、カニューレの遠位部分に組み込まれる。
【0027】
いくつかの実施態様では、カニューレは、関節セグメントの遠位に回転可能セグメントをさらに備え、回転可能セグメントは、第2の内視鏡取り付け構造を備え、回転可能セグメントは、カニューレの残りの部分とは無関係に回転する。
【0028】
一実施形態では、関節カニューレアセンブリは、ハンドピースの頂部に取り外し可能に結合するための結合機構を含む近位ハウジングと、近位ハウジングから遠位方向に延在するカニューレであって、関節セグメントを備えるカニューレと、作動すると、関節セグメントを伸縮させるトリガとを備える。
【0029】
開示される技術の他の特徴および態様は、開示された技術の実施態様による特徴を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。本概要は、特許請求の範囲および均等物によって定義される本明細書に記載の発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0030】
前述の概念のすべての組合せ(このような概念が相互に矛盾しない限り)は、本明細書に開示される発明の主題の一部であると考えられることを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる特許請求される主題のすべての組合せは、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。
【0031】
本開示は、1つまたは複数の実施態様に従って、以下の図を参照して詳細に説明される。図面は、例示のみを目的として提供されており、例示的な実施態様を単に示している。さらに、説明を明確かつ容易にするために、図中の要素は必ずしも縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。
【0032】
本明細書に含まれる図のいくつかは、異なる視野角からの開示された技術の様々な実施態様を示す。添付の説明文は、「上面図」、「底面図」、または「側面図」などの図を参照することがあるが、このような参照は単に説明的なものであり、特に明記しない限り、開示された技術が特定の空間的方向で実施または使用されることを暗示または要求するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本開示のいくつかの実施態様による、結合された内視鏡を有する関節カニューレアセンブリの左側斜視図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施態様による、結合された内視鏡を有する関節カニューレアセンブリの左側面図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施態様による、内視鏡を結合するための機構を含む関節カニューレの上面斜視図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施態様による、アセンブリのポートに結合することができる吸引アダプタを含む、結合された内視鏡を有する関節カニューレアセンブリの右側斜視図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施態様による、アセンブリのポートに結合することができる吸引アダプタを含む、結合された内視鏡を有する関節カニューレアセンブリの右側斜視図である。
【
図6】吸引アダプタがアセンブリのポートに結合された
図5の関節カニューレアセンブリの右側斜視図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施態様による、アセンブリのポートに結合することができる吸引アダプタを含む、結合された内視鏡を有する関節カニューレアセンブリの上面図である。
【
図8】吸引アダプタがアセンブリのポートに結合された
図7の関節カニューレアセンブリの上面図である。
【
図9】本開示のいくつかの実施態様による、内視鏡が結合されていない関節カニューレアセンブリの左側斜視図である。
【
図10】本開示のいくつかの実施態様による、内視鏡が結合されていない関節カニューレアセンブリの背面図および上面図である。
【
図11】本開示のいくつかの実施態様による、関節カニューレアセンブリのカニューレの遠位端に固定された内視鏡シャフトの遠位端を示す図であり、カニューレは、可撓性コーティングによって覆われた関節セグメントを含む。
【
図12】本開示のいくつかの実施態様による、関節カニューレアセンブリのカニューレの遠位端に固定された内視鏡シャフトの遠位端を示す図であり、カニューレは露出した関節セグメントを含む。
【
図13】本開示のいくつかの実施態様による、関節カニューレアセンブリのカニューレの斜視図であり、カニューレの遠位端は、内視鏡シャフトの遠位端を固定するための可撓性バンドを含む。
【
図14】本開示のいくつかの実施態様による、可撓性バンドによって
図13のカニューレの遠位端に固定された内視鏡シャフトの遠位端を示す図である。
【
図15】本開示のいくつかの実施態様による、結合された内視鏡を有する関節カニューレアセンブリの内部左側斜視図である。
【
図16】本開示のいくつかの実施態様による、結合された内視鏡を有する関節カニューレアセンブリの内部左側斜視図である。
【
図17】本開示のいくつかの実施態様による、プーリ機構を含む関節カニューレアセンブリの近位ハウジングの内部左側斜視図である。
【
図18】本開示のいくつかの実施態様による、関節カニューレアセンブリの近位ハウジングの内部左側面図である。
【
図19】本開示のいくつかの実施態様による、関節カニューレアセンブリの近位ハウジング内に収容された構成要素の内部斜視図である。
【
図20】本開示のいくつかの実施態様による、関節カニューレアセンブリの近位ハウジングまたはカニューレ内に収容された構成要素の内部斜視図である。
【
図21】本開示のいくつかの実施態様による、ハンドピースに取り外し可能に結合されるように構成された、結合された内視鏡を有する関節カニューレアセンブリの左側面図である。
【
図22】本開示のいくつかの実施態様による、ハンドピースのTトラック内に摺動するように構成された、
図21の関節カニューレアセンブリのハウジングのT字形取り付け構造を示す図である。
【
図24】
図21の関節カニューレアセンブリの背面図および底面図である。
【
図25】本開示のいくつかの実施態様による、関節カニューレアセンブリと共に使用することができる可撓性バルーンカテーテルを示す図である。
【
図26】本開示のいくつかの実施態様による、関節カニューレアセンブリと共に使用することができる吸引ラインおよび灌注ラインアセンブリを示す図である。
【
図27】本開示のいくつかの実施態様による、
図21の関節カニューレアセンブリが取り外し可能に結合することができるバルーンポンプ・ハンドピースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図は網羅的ではなく、本開示を開示された正確な形態に限定するものではない。
【0035】
関節式器具および非関節式器具またはカニューレに内視鏡を取り付けると、同じ解剖学的空間内の空間を求めて競合する自立式手術装置の数が減少する。例えば整形外科では、現在の関節鏡技術は、視覚化のために剛性内視鏡のみを使用するマルチポートアプローチを使用する。内視鏡を手術器具または中空カニューレに取り付けることにより、必要なアクセスポートの数が減少し、単一ポート手術およびより良好な患者転帰が可能になる可能性がある。外科的特殊性のさらに他の領域では、関節カニューレまたは器具に取り付けられた可撓性またはハイブリッド内視鏡を使用することにより、限られた空間内で器具を最小限に抑え、視覚化を向上させ、組織操作を容易にすることができ、したがって、より良好で、より簡単で、より安価で、より効率的で、より忍容性の高い外科的処置および転帰がもたらされる。
【0036】
この目的のために、
図1~
図20は、本開示のいくつかの実施態様による関節カニューレアセンブリ100を示す。
図1~
図14は、関節カニューレアセンブリ100の様々な外観図を示し、
図15~
図20は、関節カニューレアセンブリ100の様々な内部図または断面図を示す。アセンブリ100は、副鼻腔、気管、食道、膀胱、子宮、腹部、関節腔、または他の解剖学的位置などのヒトの腔内の拡張または器具使用を必要とする用途を含む、様々な内視鏡用途で利用することができる。例えば、アセンブリ100は、食道拡張器または気管拡張器として機能することができる。アセンブリ100は、単回門脈関節鏡検査中に使用することもできる。さらに、アセンブリ100は、経鼻、経口腔、泌尿器、神経外科、および一般的な手術/ロボット処置で使用することができる。
【0037】
アセンブリ100は、ハンドピース110と、ハンドピース110の上方に位置する近位ハウジング120と、近位ハウジング120から遠位に延びるカニューレ130と、ハウジング120から遠位に延びるトリガ140とを含む。ハンドピース110、ハウジング120、および/またはカニューレ130のそれぞれは、使い捨て可能および/または再使用可能であってもよい。
【0038】
ハウジング120の頂部は、アセンブリ100に取り外し可能に結合された内視鏡200を受け入れるように構成された開放チャネル111を含む。内視鏡200は、i)可撓性内視鏡シャフト220を、チャネル111の遠位端からハウジング120の遠位端を通って延在する孔またはチャネル114に通すことによって、およびii)近位内視鏡ヘッド210を開放チャネル111内に固定することによって、ハウジング120に固定されてもよい。例えば、内視鏡200は、上から下に向かって開放チャネル111内に摺動されてもよい。本実施態様では、開放チャネル111は、側壁112と、側壁112から延びるタブ113とを含む。側壁112は、内視鏡ヘッド210の側面を固定することができ、タブ113は、内視鏡ヘッド210の側面に対して追加の圧力を提供するために(例えば、それが滑り落ちるのを防ぐために)曲げられてもよい。タブ113の材料および厚さは、タブを適切な位置に曲げるのに必要な力を最適化するように調整されてもよい。
【0039】
ハウジング120は、内視鏡の取り外し可能な取り付けを可能にする何らかの他の取り外し可能な取り付け機構を含むことができる。例えば、ハウジング120は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第10,512,391号明細書にさらに記載されているように、磁気取り付け機構、スナップオン取り付け機構、トップダウンラチェット機構、インサートラチェット機構、および/またはインサートツイスト機構を利用することができる。したがって、本開示は、内視鏡200を取り外し可能に結合するための本明細書に記載および図示された特定の機構に限定されず、内視鏡200を取り外し可能に結合するための他の機構が企図されることに留意されたい。さらに、可撓性(例えば、曲げることができる)シャフト220を有する内視鏡200が本開示に記載されているが、他の実施態様では、アセンブリ100は、剛性シャフト、または部分的に剛性であり部分的に可撓性である(ハイブリッド)シャフトを有する内視鏡を受け入れるように適合されてもよい。いくつかの実施態様では、内視鏡シャフトは、可鍛性、磁性、ヒンジ付き、着脱可能/取り外し可能、使い捨て可能、再使用可能であってもよく、または内視鏡ハウジング210に恒久的に固定されてもよい。
【0040】
ハウジング120はまた、ハウジング120の左側および右側にそれぞれ位置するポート121aおよび121bを含むことができる。ポート121aおよび121bは、「Y」型の様式で、カニューレ130を通過する単一の中空チャネル122cに合流するか、あるいはカニューレ130を独立して通過するように互いに分離したままであってもよいチューブ122aおよび122bにそれぞれ結合する。例えば、ポート121aは、カニューレ130の管腔またはチューブ122aの近位端に直接接続することができ、ポート121bは、カニューレ130の管腔またはチューブ122bの近位端に直接接続することができる。チューブ122aおよび122bは、カニューレ130の遠位端において、カニューレ130の遠位端の前で、またはカニューレ130の遠位端の後で終端するチューブ122cを形成するように接合することができる。あるいは、チューブ122aおよび122bは、カニューレ130の遠位端において、カニューレ130の遠位端の前で、またはカニューレ130の遠位端の後で別々に終端してもよい。チューブを別々に終端させることは、ポート121aおよび121bを介した可撓性器具の独立した挿入および取り外しを容易にするという利点を提供することができる。カニューレ130は、剛性、可鍛性、可撓性、または関節式であってもよく、チューブ122a、122b、および122cの任意の組合せを内部に収容するのに十分な口径であってもよい。様々な可撓性器具を、ポート121a、121bおよびチューブ122a、122bを通して螺入または移動させることができる。例えば、バルーンカテーテル、吸引ツール、マイクロデブリダ、可撓性ドリル、可撓性注射針、器具ツールまたは他の関節器具を、チューブ122aおよび122bを通して前進させることができる。ポート121aおよび121bはまた、整形外科の関節鏡検査または泌尿器科の場合に必要とされるように、吸引および灌注の目的に使用され得る。ポート121aおよび121bは、ハウジング120のそれぞれの側面に組み込まれているが、ポートは、ハウジング120の他の適切な場所に配置されてもよい。あるいは、ポート孔または単一のポートを、代わりにハウジング120の近位後端部に配置して、器具を、内部ハウジング120およびカニューレ130を通して真っ直ぐ直線的に通過させることができる。後端ポート位置は、剛性器具をカニューレに通すのに有益であり、カニューレ130で終端するかまたはカニューレを通過する別個のチューブ122aまたは122bを必要としてもしなくてもよく、あるいは別個のチューブ122aまたは122bを伴っても伴わなくてもよい。
【0041】
ポート121aおよび121bを含む図示された構成により、アセンブリ100の人間工学は、様々な処置のためにポート121aおよび121bのカスタマイズを可能にすることによって改善され得る。別個のチューブがカニューレ130内に延びる(およびいくつかの実施態様ではカニューレ130を通る)デュアルポートを有することによって、異なる器具を、医師の好みの順序で各チューブに通すことができる。さらに、医師は、器具をどの方向(例えば、左、右、または後ろ)から通すかを選択することができる。いくつかの実施態様では、第3のポート孔をハウジング(例えば、ハウジング120の近位後端部)に配置し、カニューレ130内に延びる第3のチューブに結合して、器具を、内部ハウジング120およびカニューレ130を通して真っ直ぐに直線的に通過させることができる。
【0042】
図6~
図8は、ポート121aまたは121bのいずれかに独立して結合することができる吸引アダプタ160を示す。吸引アダプタ160の構成は、吸引アダプタが吸引ホースの端部を受け入れて、吸引ホースの端部に取り付けられることを可能にする。吸引アダプタ160は、圧入、ねじ嵌め、スナップ嵌め、または他のタイプのコネクタ機構のいずれかによってハウジング120上のポートに自身を固定する。アセンブリ100の側面ポートに結合することができる他のタイプのアダプタが想定される。このようなアダプタは、器具、灌注、電気(例えば、焼灼器)、圧力計、バルーンカテーテル、ガイドワイヤ、内視鏡などの固定を補助するコネクタを含むことができる。
【0043】
図11~
図13に示すように、内視鏡シャフト220の遠位端は、可撓性バンド350を介してカニューレ130の遠位端に固定されてもよい。いくつかの実施態様では、可撓性バンド350は、カニューレ130の遠位端に一体化されていてもよい。あるいは、可撓性バンド350は、別個の構成要素であってもよい。図示の例は、内視鏡シャフト220をカニューレ130に固定するための可撓性バンド350を示しているが、他の取り付け機構を使用してもよい。例えば、いくつかの実施態様では、カニューレ130は、内視鏡シャフト220を案内するために、および/または内視鏡シャフト220に取り外し可能に結合するために、内部チューブの外側に追加のチャネルを組み込むことができる。追加のチャネルは、カニューレ130と平行に延びてもよく、開いていても閉じていてもよく、可撓性であっても剛性であってもよい。内視鏡シャフト220をカニューレ130または他のツールに取り付けるためのさらなる例示的な機構は、単一または複数のクリップ、チューブ、ワイヤループ、可撓性開放チャネル、摺動可能なチューブ路(tract)、クランプ、磁石、吸引、および接着剤を含むことができ、その一部は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第10,512,391号明細書に記載されている。
【0044】
いくつかの実施態様では、異なる角度で患者の腔を撮像する際にさらなる可撓性を提供するために、可撓性バンド350(または他の遠位内視鏡取り付け機構)を含み、カニューレ130の関節セグメント135を越えて延在するカニューレ130のセグメント138は、カニューレ130の残りの部分とは無関係に回転可能であってもよい。
図11の矢印によって示されるように、セグメント138は、内視鏡シャフト220の結合された先端部/遠位端と共に回転することができ、それによって異なる角度/向きでの撮像を可能にする。このような回転を可能にするために、内視鏡シャフト220は可撓性とすることができる。
【0045】
ここで、関節カニューレアセンブリ100の関節機構を参照すると、カニューレ130は、関節セグメント135を有するものとして
図11~
図12に示されている。関節セグメント135は、トリガ140がどのように作動されるか(例えば、引かれるか、または解放されるか)に応じて広がるまたは閉じる複数のノッチ136を含む。この動作を可能にするために、ワイヤ142が関節セグメントからハウジング120に組み込まれたプーリ141まで延在する。トリガ140がどのように作動されるかに応じて、プーリ141は、回転する(例えば、時計回り/反時計回り)、表面に沿って並進する(例えば、プーリが存在する平面に沿って横方向に移動する)、またはこれらの何らかの組合せを行うように構成され得る。例えば、
図17および
図19に示す特定の一実施態様では、プーリは、チャネル149に沿って前方または後方に移動する間に回転することができる。一実施形態では、トリガ140は、関節カニューレアセンブリ100の下面に沿って配置されたリングの形状であってもよい。他の実施形態では、関節セグメント135は、ハウジングの両側など、関節カニューレアセンブリ100の表面に沿った他の場所に配置されたトリガによって作動されてもよい。トリガは、リング、レバー、ボタン、ダイヤル、または電気コネクタの形態であってもよい。
【0046】
関節セグメント135は、カニューレ130の遠位端の近くに示されているが、カニューレ135の近位端の近くに実装されてもよいことに留意されたい。いくつかの実施態様では、1つまたは複数のトリガあるいは同様のタイプの作動機構によって操作されるカニューレ130に沿って複数の関節セグメントが存在してもよい。
【0047】
いくつかの実施態様では、可撓性コーティング137は、関節運動中に隙間が露出しないように、ノッチ136を含む関節セグメント135を覆うことができる。可撓性コーティング137は、カニューレ130の取り外し可能な部分または恒久的な部分であってもよい。いくつかの実施態様では、関節セグメント135の遠位のカニューレ130の部分は、回転可能であってもよい。
【0048】
いくつかの実施態様では、カニューレ130および/またはハンドピース110は、
図1~
図20の例に示すようにハウジング120と一体化されていてもよい。他の実施態様では、カニューレおよび/またはハンドピースは、ハウジング120に取り外し可能に結合されてもよい。このような実施態様では、取り外し可能な接続は、圧入、スナップ嵌め、摩擦嵌め、磁気結合、クランプ、ねじ付きターン、1つまたは複数のダブテール、または他の何らかの適切な機構を介して行われてもよい。取り外し可能なハンドピース接続により、ハウジング120は、
図27に関して以下でさらに説明するバルーンポンプ・ハンドピース、または限定はしないが、灌注シリンジ、注射器、電動ハンドピース、内視鏡対応ハンドピースなどの代替タイプのハンドピースを含む、異なるハンドピースで利用されてもよい。例えば、
図21~
図24は、ハンドピースに取り外し可能に結合されるように構成されたハウジング520を有する関節カニューレアセンブリ500を示す。本例では、ハウジング520の下部は、ハンドピースのTトラック内に摺動するように構成されたT字形取り付け構造521を含む。Tトラックは、ハンドピースの頂部に組み込まれてもよい。解放可能なレバーまたは図示されていない他の適切な機構は、ハンドピースを関節カニューレアセンブリに可逆的に固定することができる。
【0049】
図25は、アセンブリ100と共に使用することができる例示的な可撓性バルーンカテーテル1695を示す。可撓性バルーンカテーテル1695は、食道拡張に特に適している場合がある。頸部食道狭窄または慢性輪状咽頭痙攣に続発する嚥下困難を有する患者は、食道拡張を必要とすることが多い。食道拡張は、オフィス環境ではめったに行われず、ほとんどの場合、鎮静麻酔下で胃腸科医によって行われる。食道拡張は、通常、食道胃十二指腸鏡検査(EGD)と同時に行われる。EGDは時には必要であるが、患者が拡張を必要とするたびに必要とされるわけではない。これは、放射線療法後または慢性喉頭咽頭逆流に関連して起こり得るように、経時的に複数回の拡張を必要とする患者に特に当てはまる。食道拡張のための現在の技術には、徐々にサイズが大きくなるブギーカテーテルおよび食道バルーンカテーテルを用いた連続的な拡張が含まれることがある。
【0050】
可撓性バルーンカテーテル1695は、その遠位端に膨張可能なバルーン1696を有する。バルーン1696が非膨張状態にあるときに、バルーンカテーテル1695は、ポート121aまたは121bを通して挿入され、中空チューブ122aまたは中空チューブ122bを通して前進することができる。可撓性バルーンカテーテル1695は、カニューレ130の遠位端を越えてバルーンを延在させるのに十分な長さであってもよい。食道バルーンカテーテル自体は、中空コアを有することができ、その周りにバルーンが固定され、そこを通して小さなガイドワイヤを挿入することができる。手術中、内視鏡200を使用して、バルーン1696、バルーンカテーテル1695、および場合によってはバルーンカテーテルガイドワイヤが、カニューレ130の遠位端から頸部食道に通過する際にこれらを視覚化することができる。バルーン1696の近位のカテーテル上の小さなマーキングを使用して、バルーン膨張前にカテーテル1695を食道内に挿入するための適切な距離に内視鏡的に近づけるのを助けることができる。図示のシステムは、麻酔または付随するEGD処置を必要とせずに、内視鏡誘導下で、オフィス環境で実行することができる簡単で低コストで安全かつ効果的な頸部バルーン食道拡張を可能にすることができる。このような実施態様は、経鼻的または経口的に使用されて、患者の解剖学的構造および処置に対する耐性に応じて同様の結果を達成することができる。
【0051】
図26は、アセンブリ100と共に使用され得る吸引ラインおよび灌注ラインアセンブリ1300を示す。アセンブリ1300は、取り外し可能なインサート1333に近位に取り付けることができる吸引ライン1338および灌注ライン1339を含む。過剰なラインおよび絡み合いを最小限に抑えるために、灌注ラインおよび吸引ライン1338、1339は、連結部1341において、着脱可能インサート1333から、ハンドピース110から離れる方向に延びる1つのラインとして機能する、より小さいキャリパのデュアルライン1340に収束する。インサート1333の壁内には、吸引1336または灌注1337を遠位内視鏡、レンズ、または器具ツール構成要素に送達することができる1つまたは複数の中空チャネルが組み込まれてもよい。アセンブリ1300は、二重の開放チャネルスコープ/カニューレ取り付け機構(
図25~
図26、断面A-A)を介してカニューレ130の外部に適用されてもよい。あるいは、二重のスコープ/カニューレ取り付けチャネルがなく、灌注および吸引チャネルのみを有する1300の異なる実施態様を、ポート121aまたは121bを通して挿入し、中空チューブ122aまたは中空チューブ122bを通して前進させて、アセンブリ1300の遠位端の中空延長部(例えば、断面A-A)を通ってカニューレ130の遠位端の点にまたは遠位端を越える点に収束させるかまたは独立して通過させることができる。
【0052】
図27は、本開示の実施態様による、関節カニューレアセンブリ500がハウジング520の取り付け構造521を介して取り外し可能に結合することができるバルーンポンプ・ハンドピース7300を示す。例えば、取り付け構造は、ハンドピース7300の上端に位置するチャネル7900に摺動可能に結合されてもよい。チャネル7900は、本例では構造521が取り付けられる開いたチャネルとして示されているが、チャネルは、ハウジング520に取り外し可能に結合するための任意の適切な機構を組み込むことができる。
【0053】
バルーンポンプ・ハンドピース7300は、作動されると、加圧空気または液体(例えば、水または生理食塩水)をバルーン接続ポート7380を通して可撓性バルーンカテーテル1695の接続された近位端に圧送するポンプハンドル7374を含む。バルーン接続ポート7380は、バルーンポンプ・ハンドピースの基部に沿って、またはハンドピース7300の表面に沿った何らかの他の位置に配置されてもよい。次いで、膨張していない遠位バルーンを、ポート121aまたは121bに、カニューレ130を通して挿入することができる。バルーンが最終的に膨張すると、バルーンポンプ・ハンドピース7300に組み込まれた圧力計7390によって圧力を測定することができる。バルーンポンプ・ハンドピース7300はまた、作動されると遠位バルーンから圧力を解放することができるボタン7391を含む。
【0054】
加圧流体は、バルーンポンプ・ハンドピース7300に組み込まれたチャンバ(図示せず)に貯蔵されてもよい。いくつかの実施態様では、チャンバは、ハンドルの本体にはめ込むことができる流体シリンジであるか、またはシリンジはハンドルの一部であってもよい。チャンバは取り外し可能であってもよい。チャンバは、ポート7380を介して、またはハンドピース上に別個に配置された別のポートを介して、事前充填または再充填可能であってもよい。
【0055】
様々な例示的な実施態様に関して上述したが、個々の実施態様の1つまたは複数に記載された様々な特徴、態様、および機能は、それらが記載されている特定の実施態様への適用性に限定されず、代わりに、このような実施態様が記載されているか否か、およびこのような特徴が記載されている実施態様の一部として提示されているか否かにかかわらず、単独で、または様々な組合せで、本出願の他の実施態様の1つまたは複数に適用することができることを理解されたい。したがって、本出願の幅および範囲は、上述の例示的な実施態様のいずれによっても限定されるべきではない。
【0056】
適用可能な範囲で、本明細書における「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は、単にこれらの用語によって説明されるそれぞれの対象を別個のエンティティとして示すために用いられており、本明細書において特に明記しない限り、時系列の意味を暗示することを意味しない。
【0057】
本明細書で使用される用語および語句、ならびにそれらの変形は、特に明示的に述べられていない限り、限定ではなくオープンエンドとして解釈されるべきである。前述の例として、用語「含む(including)」は、「限定されることなく含む(including,without limitation)」などの意味として読まれるべきであり、「例(example)」という用語は、その網羅的または限定的なリストではなく、議論中のアイテムのいくつかの例を提供するために使用され、「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、「少なくとも1つの(atleastone)」、「1つまたは複数の(one or more)」などを意味すると読まれるべきであり、「従来の(conventional)」、「伝統的な(traditional)」、「通常の(normal)」、「標準的な(standard)」、「既知の(known)」などの形容詞および同様の意味の用語は、記載された項目を所与の期間または所与の時点で利用可能な項目に限定するものとして解釈されるべきではなく、代わりに、現在または将来の任意の時点で利用可能または既知であり得る従来の、伝統的な、通常の、または標準的な技術を包含するように読まれるべきである。同様に、本明細書が当業者に明らかであるかまたは知られている技術に言及する場合、このような技術は、現在または将来の任意の時点で当業者に明らかであるかまたは知られている技術を包含する。
【0058】
場合によっては、「1つまたは複数」、「少なくとも」、「しかしこれに限定されない」、または他の同様の語句などの拡大単語および語句の存在は、このような拡大語句が存在しないことがある場合に、より狭い場合が意図されるかまたは必要とされることを意味すると解釈されるべきではない。
【0059】
本開示の様々な実施態様について上述したが、これらは例としてのみ提示されており、限定するものではないことを理解されたい。同様に、様々な図は、本開示の例示的なアーキテクチャまたは他の構成を示すことができ、本開示に含まれ得る特徴および機能の理解を助けるために行われる。本開示は、図示された例示的なアーキテクチャまたは構成に限定されず、所望の特徴は、様々な代替的なアーキテクチャおよび構成を使用して実施することができる。さらに、流れ図、動作説明、および方法の請求項に関して、本明細書でステップが提示される順序は、文脈がそうでないことを指示しない限り、列挙された機能を同じ順序で実行するために様々な実施態様が実装されることを要求するものではない。
【国際調査報告】