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特表2024-527711接触器アセンブリを含む温度制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】接触器アセンブリを含む温度制御システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20240719BHJP
   G05D 23/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G01R31/26 Z
G05D23/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579758
(86)(22)【出願日】2022-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 US2022035600
(87)【国際公開番号】W WO2023278632
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】63/217,035
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503081221
【氏名又は名称】デルタ・デザイン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DELTA DESIGN, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ツタニウィスキー、 ジェリー イノア
(72)【発明者】
【氏名】ウェトゼイ、 スティーブ
【テーマコード(参考)】
2G003
5H323
【Fターム(参考)】
2G003AA00
2G003AC03
2G003AD01
2G003AH05
5H323AA38
5H323BB01
5H323CA08
5H323CB22
5H323CB32
5H323CB33
5H323DA01
5H323DB15
5H323GG01
5H323HH02
5H323KK05
5H323MM06
5H323NN03
(57)【要約】
温度制御システムにおける温度を制御するための方法。本方法は、コントローラと、第1のチャネルシステム、複数の第1のコンタクト、1つまたは複数の第1の排出バルブまたは第1の流入バルブを有し、第1のコンタクトのそれぞれが第1のチャネルシステム内に配置される部分を含む第1の接触器アセンブリと、第2のチャネルシステム、複数の第2のコンタクト、1つまたは複数の第2の排出バルブまたは第2の流入バルブを有し、第2のコンタクトのそれぞれが第2のチャネルシステム内に配置される部分を含む第2の接触器アセンブリとを含む温度制御システムを準備することを含む。また、本方法は第1の接触器アセンブリが、第1の温度の流体を受け入れることを含む。また、本方法は、第2の接触器アセンブリが、第1の温度の流体を受け入れることを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度制御システムにおける温度を制御するための方法であって、
コントローラと、
第1のチャネルシステム、複数の第1のコンタクト、1つまたは複数の第1の排出バルブまたは第1の流入バルブを有し、前記第1のコンタクトのそれぞれが前記第1のチャネルシステム内に配置される部分を含む第1の接触器アセンブリと、
第2のチャネルシステム、複数の第2のコンタクト、1つまたは複数の第2の排出バルブまたは第2の流入バルブを有し、前記第2のコンタクトのそれぞれが前記第2のチャネルシステム内に配置される部分を含む第2の接触器アセンブリと、
を含む温度制御システムを準備するステップと、
前記第1の接触器アセンブリが、第1の温度の流体を受け入れるステップと、
前記第2の接触器アセンブリが、前記第1の温度の前記流体を受け入れるステップと、
前記コントローラが、前記第1のチャネルシステム内の前記第1のコンタクトの温度を特定するステップと、
前記コントローラが、前記第1のコンタクトの前記温度と設定温度とを比較するステップと、
前記コントローラが、前記第1のコンタクトの前記温度と前記設定温度の前記比較の結果に基づいて、1つまたは複数の前記第1の排出バルブまたは前記第1の流入バルブのポジションを変更させるステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記コントローラが、第1の信号を受信するステップをさらに有し、
前記温度制御システムを準備するステップは、前記第1の信号をコントローラに提供するように構成された、前記第1のチャネルシステム内に配置される第1の接触器アセンブリセンサを備えるステップをさらに有し、
前記第1のコンタクトの温度を特定するステップは、前記第1の信号に基づくものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コントローラが、
前記第2のチャネルシステム内の前記第2のコンタクトの温度を特定するステップと、
前記第2のコンタクトの温度を設定温度と比較するステップと、
前記第2のコンタクトの温度と前記設定温度との比較結果に基づいて、前記第2の排出バルブまたは前記第2の流入バルブのうちの1つまたは複数のポジションを変更させるステップと、
をさらに有する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コントローラが、前記第2のコンタクトの温度と前記設定温度との比較結果に基づいて、前記第1の排出バルブまたは前記第1の流入バルブのうちの1つまたは複数のポジションを変更させるステップをさらに有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記コントローラが、第2の信号を受信するステップをさらに有し、
前記温度制御システムを準備するステップは、前記第2の信号を前記コントローラに提供するように構成された、前記第2のチャネルシステム内に配置される第2の接触器アセンブリセンサを備えることをさらに有し、
前記第2のコンタクトの温度を特定するステップは、前記第2の信号に基づくものである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記温度制御システムを準備するステップは、複数の追加の接触器アセンブリを備えることをさらに有し、
前記追加の接触器アセンブリのそれぞれは、追加のチャネルシステムと複数の追加のコンタクトと、1つまたは複数の追加の排出バルブまたは追加の流入バルブとを備え、前記追加のコンタクトのそれぞれは、前記追加のチャネルシステムの内部に配置される部分を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記コントローラが、
前記第1のコンタクトの前記温度と前記設定温度との比較結果に基づいて、1つまたは複数の第3の排出バルブまたは第3の流入バルブのポジションを変更させるステップと、
前記第1のコンタクトの前記温度と前記設定温度との比較結果に基づいて、1つまたは複数の第4の排出バルブまたは第4の流入バルブのポジションを変更させるステップと、
をさらに有し、
前記温度制御システムを準備するステップは、
第3のチャネルシステム、複数の第3のコンタクト及び1つまたは複数の第3の排出バルブまたは第3の流入バルスを有し、前記第3のコンタクトのそれぞれが前記第3のチャネルシステム内に配置される部分を含む、第3の接触器アセンブリ、並びに
第4のチャネルシステム、複数の第4のコンタクト及び1つまたは複数の第4の排出バルブまたは第4の流入バルスを有し、前記第4のコンタクトのそれぞれが前記第4のチャネルシステム内に配置される部分を含む、第4の接触器アセンブリを備えるステップをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コントローラが、前記第1のコンタクトの温度と前記設定温度との比較結果に基づいて、1つまたは複数の前記第2の排出バルブまたは前記第2の流入バルブのポジションを変更させるステップをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
複数の接触器受入位置を備える試験装置と、
信号を提供するように構成されたセンサと、
コントローラと、
前記接触器受入位置の1つに配置される接触器アセンブリと、
を有し、
前記接触器アセンブリが、
流体を受け入れるように構成されたチャネルシステムと、
前記チャネルシステム内に配置される部分をそれぞれ含む複数のコンタクトと、
前記接触器アセンブリから流体が供給されるように構成された第1のポートと、
開ポジションと閉ポジションとの間で動作可能であり、前記開ポジションでは前記接触器アセンブリからの流れを容易にし、前記閉ポジションでは前記接触器アセンブリからの流れを妨げる、前記第1のポートと流体連結する第1の排出バルブ、または
開ポジションと閉ポジションとの間で動作可能であり、前記開ポジションでは前記センサに対する流れを容易にし、前記閉ポジションでは前記センサに対する流れを妨げる流入バルブ、
の少なくとも一方と、を有し、
前記コントローラが、
ターゲットデバイスの試験に関連する設定温度を受信し、
前記信号に基づいて前記コンタクトの温度を特定し、
前記温度を前記設定温度と比較し、
前記温度と前記設定温度との前記比較の結果に基づいて、前記第1の排出バルブまたは前記流入バルブの少なくとも1つを、前記開ポジションまたは前記閉ポジションの一方へ変更させるように構成された、温度制御システム。
【請求項10】
前記第1の排出バルブまたは前記流入バルブのうちの少なくとも1つが前記第1の排出バルブである場合、前記コントローラは、前記温度が前記設定温度よりも低いときに、前記第1の排出バルブを前記開ポジションの方へ変更させるように構成された、請求項9に記載の温度制御システム。
【請求項11】
前記第1の排出バルブまたは前記流入バルブのうちの少なくとも1つが前記第1の排出バルブである場合、前記コントローラは、前記温度が前記設定温度よりも高いときに、前記第1の排出バルブを前記閉ポジションの方へ変更させるように構成された、請求項10に記載の温度制御システム。
【請求項12】
前記第1の排出バルブまたは前記流入バルブのうちの少なくとも1つが前記第1の排出バルブである場合、前記コントローラは、前記温度が前記設定温度よりも高いときに、前記第1の排出バルブを前記開ポジションの方へ変更させるように構成された、請求項9に記載の温度制御システム。
【請求項13】
前記第1の排出バルブまたは前記流入バルブのうちの少なくとも1つが前記第1の排出バルブである場合、前記コントローラは、前記温度が前記設定温度よりも低いときに、前記第1の排出バルブを前記閉ポジションの方へ変更させるように構成された、請求項12に記載の温度制御システム。
【請求項14】
前記第1の排出バルブまたは前記流入バルブのうちの少なくとも1つが前記流入バルブである場合、前記コントローラは、前記温度が前記設定温度よりも低いときに、前記流入バルブを前記開ポジションの方へ変更させるように構成された、請求項9に記載の温度制御システム。
【請求項15】
前記第1の排出バルブまたは前記流入バルブのうちの少なくとも1つが前記流入バルブである場合、前記コントローラは、前記温度が前記設定温度よりも高いときに、前記流入バルブを前記閉ポジションの方へ変更させるように構成された、請求項14に記載の温度制御システム。
【請求項16】
前記第1の排出バルブまたは前記流入バルブのうちの少なくとも1つが前記流入バルブである場合、前記コントローラは、前記温度が前記設定温度よりも低いときに、前記流入バルブを前記閉ポジションの方へ変更させるように構成された、請求項9に記載の温度制御システム。
【請求項17】
前記第1の排出バルブまたは前記流入バルブのうちの少なくとも1つが前記第1の排出バルブである場合、前記接触器アセンブリは、
前記接触器アセンブリからの前記流体を供給するように構成された第2のポートと、
開ポジションと閉ポジションとの間で動作可能であり、第2の排出バルブは、前記開ポジションでは前記接触器アセンブリからの流体の流れを容易にし、前記開ポジションでは前記接触器アセンブリからの流れを妨げる、前記第2のポート内に配置された第2の排出バルブと、
をさらに有し、
前記コントローラが、前記温度と前記設定温度との前記比較の結果に基づいて、前記第2の排出バルブを前記開ポジションまたは前記閉ポジションの一方へ変更させるように構成された、請求項9に記載の温度制御システム。
【請求項18】
前記センサが、前記チャネルシステム内に配置された、請求項9に記載の温度制御システム。
【請求項19】
前記バルブが、バイモルフバルブまたはバタフライバルブである、請求項9に記載の温度制御システム。
【請求項20】
前記センサが、測温抵抗体または熱電対である、請求項9に記載の温度制御システム。
【請求項21】
前記センサが、測温抵抗体または熱電対である、請求項9に記載の温度制御システム。
【請求項22】
前記センサが、前記試験装置に含まれる、請求項9に記載の温度制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年6月30日に出願された米国仮特許出願第63/217,035号の利益を主張し、その開示の全ては参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、半導体等のデバイスを試験するための電気試験装置の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
これらのタイプのデバイスの試験は、多くの場合、特定の温度で行われる。しかしながら、試験中にデバイスの温度を適切に制御するのは難しい場合がある。例えば、試験中に摂氏温度が数度変動することは、時には結果が不正確になる可能性がある。
【0004】
デバイスは試験中に熱を発生する。この熱は「自己発熱」と呼ばれる。デバイスには、該デバイスを加熱するためにオンになる薄型ヒータが設けられることがある。但し、デバイスが発熱し始めると、該薄型ヒータは温度を下げるか電源がオフにされる。例えば、デバイスで発生する熱量が増加すると、薄いヒータを徐々にオフにする。特定の温度でデバイスを試験するために、液体窒素を含む空気及び/または圧縮乾燥空気がデバイスに供給されることがある。空気の経路を手動で開閉する等、空気の流れを制御することで、デバイスに供給される空気の流れを変更できる。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態は、温度制御システムにおける温度を制御するための方法に関する。本方法は、コントローラと、第1のチャネルシステム、複数の第1のコンタクト、1つまたは複数の第1の排出バルブまたは第1の流入バルブを有し、第1のコンタクトのそれぞれが第1のチャネルシステム内に配置される部分を含む第1の接触器アセンブリと、第2のチャネルシステム、複数の第2のコンタクト、1つまたは複数の第2の排出バルブまたは第2の流入バルブを有し、第2のコンタクトのそれぞれが第2のチャネルシステム内に配置される部分を含む第2の接触器アセンブリとを含む温度制御システムを準備することを含む。また、本方法は、第1の接触器アセンブリが、第1の温度の流体を受け入れることを含む。また、本方法は、第2の接触器アセンブリが、第1の温度の流体を受け入れることを含む。また、本方法は、コントローラが、前記第1のチャネルシステム内の第1のコンタクトの温度を特定することを含む。また、本方法は、コントローラが、第1のコンタクトの前記温度と設定温度とを比較することを含む。また、本方法は、コントローラが、第1のコンタクトの温度と設定温度の比較の結果に基づいて、1つまたは複数の第1の排出バルブまたは第1の流入バルブのポジションを変更させることを含む。
【0006】
別の実施形態は、温度制御システムに関する。温度制御システムは、試験装置、接触器アセンブリ及びコントローラを含む。試験装置は、複数の接触器受入位置を含む。接触器アセンブリは、接触器収容位置の1つに配置される。接触器アセンブリは、チャネルシステム、複数のコンタクト、センサ、第1のポート及び第1の排出バルブまたは流入バルブのうちの少なくとも1つを含む。チャネルシステムは流体を受け入れるように構成されている。コンタクトのそれぞれはチャネルシステム内に配置される部分を含む。センサは信号を提供するように構成されている。第1のポートは、接触器アセンブリから流体を供給するように構成されている。第1の排出バルブは、第1のポートと流体連結している。第1の排出バルブは、開ポジションと閉ポジションとの間で動作可能である。第1の排出バルブは、開ポジションでは接触器アセンブリからの流れを容易にし、閉ポジションでは接触器アセンブリからの流れを妨げる。流入バルブは、開ポジションと閉ポジションとの間で動作可能である。流入バルブは、開ポジションではセンサに対する流れを容易にし、閉ポジションではセンサに対する流れを妨げる。コントローラは、ターゲットデバイスの試験に関連する設定温度を受信するように構成されている。また、コントローラは、信号に基づいてコンタクトの温度を特定するように構成されている。また、コントローラは、温度を設定温度と比較するように構成されている。また、コントローラは、温度と設定温度との比較の結果に基づいて、第1の排出バルブまたは流入バルブの少なくとも1つを、開ポジションまたは閉ポジションの一方へ変更させるように構成されている。
【0007】
本明細書でより詳細に説明されるように、温度制御システムは、1つまたは複数の接触器アセンブリを通過する流体の流れを制御することで、1つまたは複数の接触器アセンブリのコンタクトの加熱作用または冷却作用を制御するように構成される。例えば、第1の接触器アセンブリを通過する流体の流れは、第2の接触器アセンブリのコンタクトの温度及び/または第1の接触器アセンブリのコンタクトの温度に基づくものであってもよい。結果として、温度制御システムのスループットは、これらの方法で流れを制御しない他のシステムよりも大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。本開示の他の特徴、態様及び利点は、説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0009】
図1図1は、一実施形態による、ターゲットデバイスに対する流体の流れ及び流体の温度を制御するための温度制御システムを示す図である。
【0010】
図2図2は、一実施形態による、図1で示した温度制御システムの一部を示す斜視図である。
【0011】
図3図3は、一実施形態による、温度制御システムのための接触器アセンブリの分解図である。
【0012】
図4図4は、図3で示した接触器アセンブリを上面から見た斜視図である。
【0013】
図5図5は、図3で示した接触器アセンブリの正面図である。
【0014】
図6図6は、図3で示した接触器アセンブリの横断面図である。
【0015】
図7図7は、一実施形態による、図3で示した接触器アセンブリの一部を示す図である。
【0016】
図8図8は、一実施形態による、図3で示した接触器アセンブリの一部を示す図である。
【0017】
図9図9は、温度制御システムを動作させるプロセスを示す図である。
【0018】
図面の一部または全ては、説明を目的とした概略図であることが認識されるであろう。図面は、請求の範囲または意味を限定するために使用されるものではないという明確な理解のもとで、1つまたは複数の実施形態を説明する目的で提供される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は、接触器アセンブリを含む温度制御システムを提供するための方法、装置及びシステムに関連する様々なコンセプト、並びにそれらの実施のより詳細な説明である。上記で紹介し、以下で詳細に説明する様々なコンセプトは、任意の特定の実施方法に限定されないため、多数の方法のいずれかで実施できる。特定の実施例及びアプリケーション例は、主に説明を目的として提供される。
【0020】
設定温度でデバイスを試験するためには、デバイスに取り付けられたコンタクトを加熱または冷却するために使用される流体の流れを制御することが望ましい。これは、1つまたは複数のバルブを使用して行うことができる。バルブは接触器に配置されていてもよい。バルブは、接触器を通過する流体の流れを制御できる。接触器を設定温度で維持できるように、接触器を通過する流体の流れを制御する様々な装置を用いてもよい。
【0021】
本明細書で論じられる実施形態は、接触器アセンブリを含む温度制御システムを対象としており、接触器アセンブリのそれぞれは、流入バルブ、あるいは1つまたは複数の排出バルブのうちの少なくとも1つを含む。流入バルブ及び排出バルブは、コンタクトを通過する流体の流れを制御するためにコントローラでポジションの変更が可能であり、流体からコンタクトに提供する加熱作用を制御できる。センサは、コンタクトの温度の特定を容易にするために使用される。コントローラは、例えば、第1の接触器アセンブリのセンサ付近の流体の温度を用いて、第2の接触器アセンブリのバルブを制御できる。また、コントローラは、例えば、第2の接触器アセンブリの流入バルブ、あるいは1つまたは複数の排出バルブのうちの少なくとも1つを制御する場合、第2の接触器アセンブリのセンサで感知されたコンタクトの温度も考慮してもよい。ここでは、様々な接触器アセンブリのバルブを制御するための様々なプロセスについて説明する。
【0022】
図1は、温度制御システム100(例えば、試験システム等)を示す図である。本明細書でさらに詳細に説明するように、温度制御システム100は、1つまたは複数のコンタクトセットの温度(例えば、ソケット側の温度等)を制御するために、接触器アセンブリに流体(例えば、空気、乾燥空気、圧縮空気、外気等)を供給するように構成されている。図2で示すように、各コンタクトのセットは、ターゲットデバイス101(例えば、ソケット、試験対象デバイス(DUT)、被試験デバイス、半導体、電気デバイス等)に信号を供給する。一般に、ターゲットデバイス101を接触器アレイに取り付け、該接触器アレイを用いて試験を行うと、試験中にターゲットデバイス101で消費された電力が熱として放散され、コンタクトの温度が変動する。しかしながら、一部のターゲットデバイス101の試験では、コンタクトの温度を注意深く制御する必要があり、望ましくない変動を回避することが好ましい。本明細書に記載の温度制御システム100は、ターゲットデバイス101を試験する接触器アセンブリに流体を供給し、コンタクトの温度の望ましくない変動を軽減するために該流体を用いてコンタクトの温度を制御する。温度制御システム100は、さらにターゲットデバイス101のそれぞれの上面における熱接触を容易にするのを促進してもよい。
【0023】
温度制御システム100は、流体源102(例えば、圧縮空気源、ファン、空気取り入れ口、蒸発窒素源等)を含む。流体源102は、流体を含むように構成される。比較的低温でのターゲットデバイス101の試験が望ましい用途等、いくつかの用途では流体源102が蒸発窒素源である。温度制御システム100は、配管システム104(例えば、導管システム、ラインシステム等)も含む。配管システム104は、流体源102から流体を受け入れ、温度制御システム100を通して流体を運ぶように構成されている。
【0024】
配管システム104は、第1の導管106(例えば、パイプ、ライン等)を含む。第1の導管106は、流体源102からの流体を受け入れるように構成されている。いくつかの実施形態において、流体の圧力により、流体を流体源102から第1の導管106に運ぶことが可能である。いくつかの実施形態において、温度制御システム100は、流体ポンプ(例えば、空気ポンプ、ファン、回転ポンプ、容積型ポンプ等)も含んでいてもよい。
【0025】
温度制御システム100は、温度コントローラ112(例えば、制御回路、ドライバ等)を含む。本明細書でより詳細に説明するように、温度コントローラ112は、温度制御システム100の様々な部分を制御するように構成されている。温度コントローラ112は、温度制御システム100の様々な部位に情報(例えば、コマンド、温度測定値、目標温度値、設定温度等)を電気的に送信し、該部位から情報を電気的に受信するように構成されている。
【0026】
温度コントローラ112は、処理回路114を含む。処理回路114は、プロセッサ116及びメモリ118を含む。プロセッサ116は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。メモリ118は、プロセッサ、ASIC、FPGA等にプログラム命令を供給できる電子、光学、磁気、あるいはその他の記憶装置または伝送装置を含むが、これらに限定されない。このメモリ118は、メモリチップ、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、フラッシュメモリ、または温度コントローラ112で命令を読み取ることができる他の任意の適切なメモリを含んでいてもよい。命令には、任意の適切なプログラミング言語のコードを含んでいればよい。メモリ118は、プロセッサ116で実行されるように構成された命令を含む、様々なモジュールを含んでいてもよい。
【0027】
温度制御システム100は、熱交換器120(例えば、温度コントローラ等)を含む。熱交換器120は、第1の導管106を介して流体源102に流体結合されており、第1の導管106からの流体を受け入れるように構成されている。熱交換器120は、温度コントローラ112と電気的に接続されており、流体が温度制御システム100の下流の部位に供給される前に、流体源102から受け入れた流体の温度を変更(例えば、上げる、下げる)するように構成されている。また、配管システム104は、第2の導管122も含む。第2の導管122は、熱交換器120からの流体を受け入れる(例えば、流体の温度が熱交換器120で変更された後等)。
【0028】
動作時において、プロセッサ116は、熱交換器120に設定温度(例えば、所望の温度、目標温度の値等)を提供し、熱交換器120は、流体の温度が設定温度となるように動作する。動作時において、熱交換器120は流体を加熱または冷却するように動作可能である。設定温度は、温度コントローラ112によってユーザ(例えば、オペレータ等)から受信し、メモリ118に格納されていてもよい。いくつかの実施形態において、設定温度は、様々なターゲットデバイス101のメモリ118に格納されたプリセット値である。いくつかの実施形態において、設定温度は、温度制御システム100が配置された周囲環境から供給される熱を考慮する。例えば、周囲環境がターゲットデバイス101の温度を10ケルビン(K)上昇させるのに十分な熱を供給し、流体の温度を400Kにすることが望ましい場合、設定温度は390Kにしてもよい。
【0029】
様々な実施形態において、熱交換器120は、冷却装置124(例えば、液体窒素供給装置、コイリングコイル、ファン、ペルチェセル等)を含む。冷却装置124は、温度コントローラ112と電気的に接続されており、流体が第2の導管122に供給される前に、第1の導管106から受け入れた流体を冷却するように構成されている。いくつかの実施形態において、冷却装置124は、(例えば、液体窒素と空気等の混合により窒素を蒸発させることで)流体の冷却を容易にする液体窒素供給源である。いくつかの用途において、冷却装置124は、液体から気体への熱交換器、または流体を冷却できる別の同様の装置を含む。
【0030】
これらの実施形態において、設定温度は、233Kと206Kの間(例えば、244K、240K、236K、233K、228K、226K、222K、218K、214K、210K、206K、208K、197K等)と略等しい温度(例えば5%以内等)であってもよい。もちろん、熱交換器120内の流体の温度は、接触器アセンブリ等の熱交換器120の下流の流体の温度とは異なる。いくつかの用途において、熱交換器120は接触器アセンブリから距離的に離れており、熱交換器120内の流体の温度は接触器アセンブリの流体の温度と大きく異なる。
【0031】
様々な実施形態において、熱交換器120は、加熱装置126(例えば、ヒータ、ヒートポンプ、熱電ヒータ、抵抗ヒータ等)も含む。加熱装置126は、温度コントローラ112と電気的に接続されており、流体が第2の導管122に供給される前に、第1の導管106から受け入れた流体を加熱するように構成されている。これらの実施形態において、設定温度は、363Kと473Kの間(例えば、345K、363K、368K、373K、378K、383K、388K、393K、398K、403K、408K、413K、418K、423K、428K、433K、438K、443K、448K、453K、458K、463K、468K、473K、496K等)と略等しい温度であってもよい。
【0032】
用途に応じて、多様な異なる設定温度を使用できる。例えば、設定温度は206Kと473Kの間であってもよい。温度コントローラ112は、設定温度に基づいて冷却装置124及び加熱装置126を様々に制御できる。
【0033】
様々な実施形態において、冷却装置124及び加熱装置126は、第1の導管106から流体を受け入れるときに該流体の温度を維持するように構成されていてもよい。冷却装置124は流体を冷却するように構成され、同時に加熱装置126が流体を加熱するように構成されていてもよい。これらの実施形態において、設定温度は、288Kと298Kの間(例えば、273K、288K、293K、298K、312K等)と略等しい温度であってもよい。
【0034】
様々な実施形態において、温度制御システム100は、導管センサ128(例えば、温度センサ、測温抵抗体(RTD:resistance temperature device)、圧力センサ等)を含む。導管センサ128は配管システム104内に配置される。図1で示すように、例えば、導管センサ128は、第2の導管122内に配置されていてもよい。本明細書でより詳細に説明するように、導管センサ128は、熱交換器120を制御するために使用される。
【0035】
導管センサ128は、温度コントローラ112と電気的に接続され、プロセッサ116に信号を供給することで、熱交換器120から第2の導管122を通って運ばれる流体の特性(例えば、温度、圧力等)の測定を容易にするように構成されている。プロセッサ116は、信号を受信し、特性(例えば、流体の温度、流体の圧力等)の測定値を判定する。プロセッサ116は、該測定値をメモリ118に格納してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、測定値に基づいて設定温度を調整してもよい。例えば、測定値が設定温度を超えている場合、プロセッサ116は、熱交換器120から流体に供給される熱を低減すればよい。設定温度が比較的低い別の例において、プロセッサ116は、測定値が設定温度よりも高いと判定し、熱交換器120内の流体に提供される冷却作用を増大するために冷却装置124を動作させてもよい。設定温度が比較的高い別の例において、プロセッサ116は、測定値が設定温度よりも低いと判定し、熱交換器120内の流体に提供される加熱作用を増大するために加熱装置126を動作させてもよい。
【0037】
図1及び図2で示すように、温度制御システム100は、試験装置130(例えば、ソケットアレイ、試験ベンチ、半導体試験装置、試験ハンドラ等)も含む。本明細書でより詳細に説明するように、試験装置130は、複数のターゲットデバイス101の試験を容易にするように構成されている。試験装置130は、任意の数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、24、30、32等)のターゲットデバイス101の試験を容易にするようにしてもよい。この方法で、試験装置130は、個々のターゲットデバイス101の試験をより経済的でかつ望ましいものにできる。
【0038】
試験装置130は、第2の導管122から流体を受け入れ(例えば、流体の温度が熱交換器120で上昇した後、流体の温度が熱交換器120で低下した後等)、ターゲットデバイス101の試験(例えば、性能試験等)を容易にするように構成されている。試験装置130は、試験装置端末131(例えば、接続、ポート等)を含む。本明細書でより詳細に説明するように、試験装置端末131は、試験装置130が温度コントローラ112から信号を受信できるようにする。試験装置端子131は、温度コントローラ112と電気的に接続されている。
【0039】
試験装置130は、マニホールド132(例えば、導管、ライン、パイプ等)を含む。マニホールド132は、第2の導管122からの流体を受け入れるように構成されている。マニホールド132は、それぞれがターゲットデバイス101のうちの1つの試験で役に立つ複数の接触器アセンブリに対する流体の分配を容易にする。
【0040】
試験装置130は、少なくとも1つの接触器受入位置136(例えば、ポート、ソケットアレイ等)を含む。接触器受入位置136のそれぞれは、ターゲットデバイス101のうちの1つの試験を容易にする。いくつかの実施形態において、試験装置130は、複数の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、24、30、32等)接触器受入位置136を含む。
【0041】
温度制御システム100は、接触器アセンブリ138(例えば、インターフェース装置等)も含む。本明細書でより詳細に説明するように、接触器アセンブリ138は、ターゲットデバイス101のうちの1つの試験を容易にするように構成されている。接触器アセンブリ138は、少なくとも1つの取り付けペグ139(例えば、ポスト、突起等)を含む。図5で示すように、取り付けペグ139は、それぞれが接触器アセンブリ138を接触器受入位置136の1つに取り外し可能に結合することを容易にするように構成されている。いくつかの実施形態において、取り付けペグ139は、少なくとも1つの接触器受入位置136を介して接触器アセンブリ138を試験装置端子131と電気的に接続するように構成されている。
【0042】
図1で示すように、温度制御システム100は2つの接触器アセンブリ138を含む。各接触器アセンブリ138は同様に構成されている。但し、温度制御システム100は、1、2、3、4、6、8、10、16、32またはその他の数の接触器アセンブリ138を含んでいてもよい。
【0043】
図3で示すように、接触器アセンブリ138は、筐体140(例えば、ベース等)を含む。筐体140は、ターゲットデバイス101とインタフェースするように構成されている。また、接触器アセンブリ138は、保持プレート142(例えば、本体等)を含む。筐体140は、保持プレート142と結合されている。
【0044】
いくつかの実施形態において、筐体140は、少なくとも1つの第1の結合穴144(例えば、開口等)を含む。また、保持プレート142は、少なくとも1つの第2の結合穴146(例えば、開口等)も含む。筐体140は、少なくとも1つの結合器148(例えば、締結具、ネジ、ボルト等)を用いて保持プレート142に結合(例えば、取り付け、貼り付け、ねじ込み、ボルト締め、締結等)される。結合器148のそれぞれは、第1の結合穴144の1つ及び第2の結合穴146の1つを通して延在する。
【0045】
図5で示すように、筐体140は筐体チャネル(例えば、溝、スロット等)も含む。筐体チャネルは流体を受け入れるように構成されている。また、筐体140は、保持プレートチャネル150(例えば、溝、スロット等)も含む。筐体140が保持プレート142と結合されると、筐体チャネルは保持プレートチャネル150と位置合わせ(例えば、位置決め等)され、図1図3で示したチャネルシステム152を形成する。チャネルシステム152は、マニホールド132から流体を受け入れ、接触器アセンブリ138を通して流体を運ぶように構成されている。いくつかの実施形態において、筐体チャネルは省略され、チャネルシステム152は保持プレートチャネル150のみを含む。いくつかの実施形態において、保持プレートチャネル150は省略され、チャネルシステム152は筐体チャネルのみを含む。
【0046】
チャネルシステム152は、流入チャネル154を含む。接触器アセンブリ138が接触器受入位置136に結合されると、流入チャネル154はマニホールド132と結合され、マニホールド132からの流体を受け入れるように構成されている。このようにして、流体は接触器アセンブリ138に供給される。
【0047】
チャネルシステム152は、第1の本体チャネル156も含む。第1の本体チャネル156は、流入チャネル154に流体結合され、流入チャネル154からの流体を受け入れるように構成されている。
【0048】
いくつかの実施形態において、接触器アセンブリ138は流入バルブ158(例えば、フロー制御装置等)を含む。流入バルブ158は、流入チャネル154を通過する流体の流れ、ひいては第1の本体チャネル156へ流れる流体を制御(例えば、管理、調整等)するように構成されている。いくつかの実施形態において、第1の接触器アセンブリ138の流入バルブ158は、(第1の接触器アセンブリ138のコンタクトの温度等に代えて、例えば第1の接触器アセンブリ138のコンタクトの温度に加えて)第2の接触器アセンブリ138のコンタクトの温度に基づいて制御される。いくつかの実施形態において、接触器アセンブリ138は流入バルブ158を含まない。
【0049】
図4で示すように、接触器アセンブリ138は接触器端子160(例えば、コネクタ等)を含む。接触器端子160は、試験装置端子131と電気的に接続される。この方法で、接触器アセンブリ138は接触器端子160から電力を受け取ることができる。さらに、接触器端子160は、試験装置端子131を介して温度コントローラ112から信号を受信できる。
【0050】
接触器アセンブリ138はソケット162も含む。ソケット162は、接触器端子160と電気的に接続され、ターゲットデバイス101と電気的に接続されるように構成され、第1の接触器アセンブリ138のコンタクトの温度、ターゲットデバイス101をソケット162で受け入れるか否かの指示及びその他の同様のデータを接触器端子160に送信する。ソケット162はソケットハウジング164を含む。ソケットハウジング164は筐体140に含まれる。ソケットハウジング164は、凹部165(例えば、スロット、窪み等)を含む。凹部165は、筐体140内に延在し、筐体140の上面と連続している。
【0051】
ソケットハウジング164は、複数の開口166(例えば、穴等)も含む。開口166は、凹部165内に配置される。開口166は、それぞれ少なくとも1つのコンタクト167(例えば、ピン、ポゴピン、ワイヤ等)と位置合わせされ、該コンタクト167を受け入れるように構成されている。図2で示したように、コンタクト167は、ターゲットデバイス101の接触器アセンブリ138に対する電気接続を容易にし、接触器アセンブリ138は試験装置130に対する電気接続を容易にする。様々な実施形態において、コンタクト167は、(例えば、試験装置端子131を介するのではなく)ロードボードを介してフローコントローラ112と電気的に接続される。
【0052】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のコンタクト167は、ターゲットデバイス101から延在し、開口166によってターゲットデバイス101から受け入れられる。いくつかの実施形態において、図3で示すように、コンタクト167は保持プレート142から延在する。いくつかの実施形態において、コンタクト167は、ポゴピン、エラストマー導体、金属製の「ファズ」ボタン及びその他の同様の導電性部材である。いくつかの実施形態において、図5で示すように、コンタクト167は、保持プレート142の下に延在させて、ロードボードと接続してもよい。
【0053】
それぞれのコンタクト167の一部は、第1の本体チャネル156内に配置される。流体が第1の本体チャネル156を通って流れると、該流体はコンタクト167を通過して流れる。その結果、流体はコンタクト167に熱を与えたり、コンタクト167から熱を奪ったりする。このようにして、流体を用いてコンタクト167を加熱または冷却できる。コンタクト167はターゲットデバイス101と電気的に接続されているため、コンタクト167を加熱または冷却することで、様々な温度におけるターゲットデバイス101の試験が可能になる。温度コントローラ112は、ターゲットデバイス101を設定温度で試験できるように、流体を制御するように構成されている。
【0054】
接触器アセンブリ138は、接触器アセンブリセンサ168(例えば、温度センサ、圧力センサ、RTD等)を含む。接触器アセンブリセンサ168は、チャネルシステム152のコンタクト167に関連する特性の測定を容易にするように構成されている。いくつかの実施形態において、特性はコンタクト167の温度である。いくつかの実施形態において、この特性は、チャネルシステム152内の流体のものである。例えば、特性は、チャネルシステム152内の流体の温度であってもよい。
【0055】
様々な実施形態において、接触器アセンブリセンサ168は、第1の本体チャネル156内でコンタクト167と近接して配置される。いくつかの実施形態において、図1、3及び6で示すように、接触器アセンブリセンサ168は、第1の本体チャネル156内においてコンタクト167の下流に配置される。いくつかの実施形態において、接触器アセンブリセンサ168は、第1の本体チャネル156内においてコンタクト167の上流に配置される。温度制御システム100が複数の接触器アセンブリ138を含むいくつかの実施形態において、複数の接触器アセンブリ138のうちの1つまたは複数の接触器アセンブリ138は、接触器アセンブリセンサ168を含まない。いくつかの実施形態において、接触器アセンブリセンサ168はコンタクト167に結合される。これにより、例えば、コンタクト167の表面温度の測定が容易になる。いくつかの実施形態において、接触器アセンブリセンサ168はソケット162内に配置される。
【0056】
接触器アセンブリセンサ168は、接触器端子160と電気的に接続される。動作時において、接触器アセンブリセンサ168は、コンタクト167に関連する特性の測定を容易にするように構成されている。いくつかの実施形態において、コンタクト167に関連する特性は温度である。接触器アセンブリセンサ168からの信号は、接触器端子160に送信される。接触器端子160は、試験装置端子131に信号を送信し、試験装置端子131は温度コントローラ112に信号を送信する。温度コントローラ112は、該信号に基づいて特性の測定値を判定する。プロセッサ116は、測定値をメモリ118に格納してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、測定値に基づいてコンタクト167の温度を特定できる。例えば、コンタクト167の温度が設定温度よりも高い場合、プロセッサ116は、流体に提供する加熱作用を低減するように、または追加の冷却作用を提供するように熱交換器120を調整してもよい。別の例において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度よりも高いと判定し、熱交換器120による流体に対する冷却作用を増大するために冷却装置124を動作させてもよい。別の例において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度よりも低いと判定し、熱交換器120内の流体に提供される加熱作用を増大するために加熱装置126を動作させてもよい。
【0058】
例えば、例示的な実施形態において、ターゲットデバイス101が比較的高い設定温度(例えば、363Kから423K等)で試験される場合、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が低いと判定し、例えば設定温度の90%以下になると、流入バルブ158が流体の流れを妨げないように、流入バルブ158を開ポジションに変更させる。このようにして、より多くの流体がコンタクト167を通過して流れ、より多くの加熱作用がコンタクト167に提供される。流入バルブ158を開くことで、より多くの流体がコンタクト167を通過して流れ、その結果、コンタクト167との熱交換がより多く生じる。この方法で、流入バルブ158は、コンタクト167の温度を設定温度の方へ変化(例えば、上昇、下降等)させるように、流体、ひいてはコンタクト167を制御できる。
【0059】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116がコンタクト167の温度が設定温度よりも高いと判定すると、プロセッサ116は、流入バルブ158を閉ポジションまたは半閉ポジション(例えば、20%閉ポジション、40%閉ポジション、60%閉ポジション、80%閉ポジション等)に変更するように動作させる。閉ポジションでは、流体がコンタクト167に流れなくなるように、流体の流れが阻止される。本明細書で使用される場合、流体の流れが「阻止される」とは、流体の流れが必ずしも完全に止められるわけではないと理解される。
【0060】
半閉ポジションにおいて、流体の流れは流入チャネル154の流入バルブ158で妨げられ、流体の一部(例えば、20%、40%、60%、80%等)のみが第1の本体チャネル156を介してコンタクト167に流れる。流入バルブ158を用いて流体の流れを妨げることで、(例えば、流体の流れを流入バルブ158等で妨げない場合と比べて、コンタクト167に対する流体の流れが低減するため)流体からコンタクト167に提供される加熱作用または冷却作用が低減する。例示的な実施形態において、ターゲットデバイス101が高い設定温度(例えば、363Kから423Kの5%以内等)で試験される場合、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度よりも実質的に低い(例えば、15%、20%、40%、60%、80%等)と判定し、流体の流れの妨げが低減するように、流入バルブ158を開かせる(例えば、開ポジションにする、60%閉ポジションから20%閉ポジションに移行する等)。この方法で、流体は、(例えば、コンタクト167に対する流体の流れの増加等により)コンタクト167に対するより多くの加熱作用または冷却作用を提供し、コンタクト167が目標温度値に到達するまで加熱または冷却することを可能にする。いくつかの実施形態において、流入バルブ158は、本明細書でより詳細に説明するように、バイモルフバルブまたはバタフライバルブである。
【0061】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度が設定温度よりも高い、または設定温度よりも低いと判定し、その結果に応じて(例えば、第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度と設定温度との比較結果、並びに第2の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度と設定温度との比較結果等に基づいて)第2の接触器アセンブリ138の流入バルブ158を動作させる。例えば、第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度が設定温度よりも実質的に低いと判定した場合、プロセッサ116は、第2の接触器アセンブリ138の流入バルブ158が開くようにポジションを変更し、これにより、(例えば、第1の接触器アセンブリ138の流入バルブ158を開くことに加えて)第2の接触器アセンブリ138のコンタクト167に追加の流体が供給される。いくつかの実施形態において、第2の接触器アセンブリ138は接触器アセンブリセンサ168を含まず、第2の接触器アセンブリ138の流入バルブ158は、第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度に基づいて操作される。
【0062】
チャネルシステム152は、第1の排出チャネル170も含む。第1の排出チャネル170は、第1の本体チャネル156と連続しており、第1の本体チャネル156からの流体を受け入れる。流体は、コンタクト167を通過し、またはその周囲を流れた後、接触器アセンブリセンサ168の周囲を流れ、第1の排出チャネル170に流入する。第1の排出チャネル170は、本明細書でより詳細に説明するように、流体をポートへ運ぶように構成されている。
【0063】
様々な実施形態において、チャネルシステム152は、第2の排出チャネル172も含む。第2の排出チャネル172は、第1の本体チャネル156と連続しており、第1の本体チャネル156からの流体を受け入れる。流体は、コンタクト167を通過し、またはその周囲を流れた後、接触器アセンブリセンサ168の周囲を流れ、第2の排出チャネル172に流入する。第2の排出チャネル172は、本明細書でより詳細に説明するように、流体をポートに運ぶように構成されている。いくつかの実施形態において、第2の排出チャネル172は、第1の排出チャネル170と第2の排出チャネル172とが、保持プレート142上で20度(°)と80°の間(例えば、19°、20°、30°、40°、45°、50°、65°、70°、80°、84°等)の略等しい角度で分岐するように、配置される。
【0064】
筐体140は、第1のポート174を含む。第1のポート174は、第1の排出チャネル170と連続しており、第1の排出チャネル170からの流体を受け入れる。また、筐体140は第1の排出口175を含む。第1の排出口175は、第1のポート174と連続しており、第1のポート174からの流体を受け入れる。第1の排出口175は、流体を周囲(例えば、大気、温度制御システム100の周りの環境等)に提供する。
【0065】
様々な実施形態において、接触器アセンブリ138は、第1の排出バルブ176も含む。第1の排出バルブ176は、第1のポート174内に配置されている。いくつかの用途において、第1の排出バルブ176は筐体140から物理的に分離されていることが望ましい。例えば、筐体140が比較的極端な温度にさらされる場合、これらの極端な温度から第1の排出バルブ176を保護するために、第1の排出バルブ176を筐体140から分離することが望ましい。さらに、スペースの制約により筐体140の全体的なサイズまたは形状が制限される場合、第1の排出バルブ176を筐体140から物理的に分離することが望ましい場合がある。第1のポート174から延在するチューブ(例えば、導管、パイプ等)を含むことで、第1の排出バルブ176を筐体140から物理的に分離できる。これらの実施形態において、チューブは、第1のポート174の一部を形成し、第1の排出バルブ176の物理的な分離を容易にする。
【0066】
第1の排出バルブ176は、流体が第1の排出チャネル170から第1の排出口175を通って流れるときに、流体の流れを制御するように構成されている。接触器アセンブリ138内の流体の流れを制御することで、コンタクト167の温度を制御できる。いくつかの実施形態において、接触器アセンブリ138は、第1の排出バルブ176及び流入バルブ158を含む。その他の実施形態において、接触器アセンブリ138は、第1の排出バルブ176または流入バルブ158のうちの一方のみを含む。いくつかの実施形態において、第1の接触器アセンブリ138の第1の排出バルブ176は、(第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度等に代えて、例えば第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度に加えて)第2の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度に基づいて制御される。
【0067】
例えば、例示的な実施形態において、ターゲットデバイス101が比較的高い設定温度で試験されており、プロセッサ116が、コンタクト167の温度が、例えば設定温度の120%またはそれ以上である(例えば、熱すぎる)と判定した場合、プロセッサ116は、流体の流れを第1の排出バルブ176でさらに妨げるように、第1の排出バルブ176を閉ポジションに変更させる。このようにして、チャネルシステム152を通る流体の流れ、ひいてはコンタクト167を横切る流体の流れを(例えば、流体の流れを第1の排出バルブバルブ76等で妨げない場合と比べて)低減する。このようにコンタクト157に対する流れが低減すると、流体からコンタクト167に対する熱伝達が減少する。これは、流体の熱容量は比較的小さく、コンタクト157に対する流れが低減すると、コンタクト157に対する熱伝達が減少するからである。しかしながら、ターゲットデバイス101が比較的高い設定温度で試験されており、コンタクト167の温度が、例えば設定温度の80%以下である(例えば、冷たすぎる)と判定する例では、プロセッサ116は、第1の排出バルブ176による流体の流れの妨げを低減するように、第1の排出バルブ176を開ポジションに変更させる。この方法で、より多くの流体がコンタクト167を通過して流れ、コンタクト167により大きな加熱作用が提供される。その結果、第1の排出バルブ176は、コンタクト167の温度が設定温度の方へ変化するように、流体、ひいてはコンタクト167を制御できる。
【0068】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116がコンタクト167の温度が設定温度よりも高いと判定すると、プロセッサ116は、第1の排出バルブ176を閉ポジションまたは半閉ポジションへ変更するように動作させる。閉ポジションでは、流体の流れが阻止され、第1の排出口175を通る流体の流れがなくなる。半閉ポジションでは、流体の流れが第1の排出バルブ176で妨げられ、流体の流れの一部のみが第1の排出口175を通る。第1の排出バルブ176を用いて流体の流れを妨げることで、コンタクト167との熱交換が(例えば、流体の流れを第1の排出バルブ176等で妨げない場合と比べて)低減する。これは、流体の熱容量が比較的小さく、コンタクト157に対する流れが低減すると、コンタクト157に対する熱伝達が減少するからである。例示的な実施形態において、ターゲットデバイス101が高い設定温度(例えば、363Kから423K等)で試験されており、プロセッサ116がコンタクト167の温度が設定温度よりも実質的に高い(例えば、15%、20%、40%、60%等)と判定した場合(例えば、熱すぎる)、プロセッサ116は、流体の流れを妨げるように、第1の排気バルブ176を閉じるポジション(例えば、閉ポジションにあること、20%閉ポジションから60%閉ポジションに移行する等)に変更させる。コンタクト167に向かう流体の流れを妨げることで、コンタクト167との熱交換が低減する。例示的な実施形態において、ターゲットデバイス101が高い設定温度(例えば、363Kから423Kなど)で試験されており、プロセッサ116がコンタクト167の温度が設定温度よりも実質的に低い(例えば、15%、20%、40%、60%、80%等)と判定した場合(例えば、冷たすぎる)、プロセッサ116は、流体の流れをあまり妨げないように、第1の排気バルブ176を開くポジション(例えば、開ポジション、20%開ポジションから60%開ポジションに移行する等)に変更させる。コンタクト167に向かう流体の流れのインピーダンスを低減することで、コンタクト167との熱交換が増加する。いくつかの実施形態において、第1の排出バルブ176は、本明細書でより詳細に説明するように、バイモルフバルブまたはバタフライバルブである。
【0069】
いくつかの実施形態において、ターゲットデバイス101は、限られた時間(例えば、10秒、20秒、30秒等)だけ試験される。試験時間が限られているため、プロセッサ116は、試験(例えば、第1の試験、第2の試験等)中にコンタクト167の温度を特定し、次の試験(例えば、第2の試験、第3の試験、第4の試験等)のために、本明細書で記載したように第1の排出バルブ176のポジションを変更させる。例えば、第1の試験中に、プロセッサ116は、試験中のコンタクト167の温度が設定温度よりも高い、または設定温度よりも低いと判定する。続いて、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が次の試験の設定温度と略等しくなるように、第1の排出バルブ176を閉ポジション、半閉ポジションまたは開ポジションに変更するように動作させてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、第1の排出バルブ176は、温度コントローラ112で制御されるように自動化される。第1の排出バルブ176は、接触器端子160と電気的に接続されている。動作時において、流体はコンタクト167を通過して接触器アセンブリセンサ168に流れる。接触器アセンブリセンサ168は、コンタクト167の下流を流れる流体の特性の測定を容易にするように構成され、測定値は接触器端子160に送信される。様々な実施形態において、接触器端末160は測定値を試験装置端末131に送信し、該測定値は温度コントローラ112に送信される。いくつかの実施形態において、接触器端子160は、測定値を温度コントローラ112に直接(例えば、試験装置端子131等を使用せずに)送信する。温度コントローラ112のプロセッサ116は、測定値を受信し、該測定値をメモリ118に格納する。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、測定値からコンタクト167の温度を計算できる。いくつかの実施形態において、プロセッサ116で受信される測定値は、コンタクト167の温度である。プロセッサ116は、接触器アセンブリセンサ168からのコンタクト167の温度を、メモリ118に格納された設定温度と比較する。
【0071】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度に略等しいと判定し、第1の排出バルブ176を調整しなくてもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度がメモリ118に格納された設定温度よりも高い、または設定温度よりも低いと判定し、第1の排出バルブ176を調整してもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、第1の排出チャネル170内の流体が、第1のポート174を通って第1の排出口175から大気中へ自由に流出するように、第1の排出バルブ176を開ポジションに変更させる。流体が、第1のポート174を通って第1の排出口175から自由に流出するのを可能にすることで、より多くの流体が、制限されることなく、コンタクト167を通過して第1の排出チャネル170に流れ、第1の排出口175から流出するため、ソケット162における熱伝達が増加する。
【0073】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、第1の排出チャネル170内の流体が第1のポート174を通って第1の排出口175から大気中へ流出するのを制限するように、第1の排出バルブ176を閉ポジションに動作させる。流体が第1のポート174を通って第1の排出口175から流出するのを制限することで、ソケット162における熱伝達が(例えば、流体の流れを第1の排出バルブ176等で妨げない場合と比べて)減少する。流体は、コンタクト167を通過し、第1のポート174を通って第1の排出チャネル170へ流れ、第1の排出口175から流出することが制限される。この場合、流体はチャネルシステム152内に留まり、流体の熱容量が比較的小さいために熱伝達が減少する。
【0074】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、流体の流れが第1の排出バルブ176で部分的に制限されるように、第1の排出バルブ176を半閉ポジションに動作させる。流体の流れを部分的に制限することで、流体とコンタクト167との間の熱伝達の速度が第1の排出バルブ176のポジションに基づいて変化する。例えば、いくつかの実施形態において、プロセッサ116が第1の排出バルブ176を20%閉ポジションに動作させる場合、流体とコンタクト167との間の熱伝達は、プロセッサ116が第1の排出バルブ176を80%閉じるまで動作させる場合よりも増加する。
【0075】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度が設定温度よりも高い、または設定温度よりも低いと判定し、その結果に応じて(例えば、第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度と設定温度との間の比較結果及び第2の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度と設定温度との間の比較結果等に基づいて)第2の接触器アセンブリ138の第1の排出バルブ176を動作させる。例えば、プロセッサ116が第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度が設定温度よりも実質的に低く、ターゲットデバイス101が高い設定温度で試験されていると判定した場合、プロセッサ116は、追加の流体が第2の接触器アセンブリ138のコンタクト167に供給されるように、第1の排出バルブ176を開くポジションに変更してもよい。いくつかの実施形態において、第2の接触器アセンブリ138は接触器アセンブリセンサ168を含まず、第2の接触器アセンブリ138の第1の排出バルブ176は、第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度に基づいて操作される。
【0076】
いくつかの実施形態において、図7で示すように、第1の排出バルブ176はバイモルフバルブである。これらの実施形態において、第1の排出バルブ176はバルブ部材178を含み、圧電アクチュエータ180も含む。バルブ部材178は、第1のポート174を通る流体の流れを制御するように構成されている。圧電アクチュエータ180は、接触器端子160と電気的に接続され、バルブ部材178を開ポジション、閉ポジション及び半閉ポジションの間で動作可能に変化させ、バルブ部材178に印加される電圧に基づいて屈曲部を変化させるように構成されている。いくつかの実施形態において、圧電アクチュエータ180はプレートである。動作時において、流体はコンタクト167を通過して接触器アセンブリセンサ168に流れる。接触器アセンブリセンサ168は、コンタクト167に関連する特性の測定を容易にするように構成され、測定値は接触器端子160に送信される。接触器端子160は測定値を試験装置端子131に送信し、該測定値は温度コントローラ112に送信される。温度コントローラ112のプロセッサ116は、測定値を受信し、測定値をメモリ118に格納する。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、測定値からコンタクト167の温度を計算できる。いくつかの実施形態において、プロセッサ116で受信される特性の測定値は、コンタクト167の温度である。プロセッサ116は、コンタクト167の温度をメモリ118に格納された設定温度と比較する。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度と略等しいと判定し、圧電アクチュエータ180に電圧を供給して圧電アクチュエータ180を動作させるコマンドを送信しなくてもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度と略等しいと判定し、圧電アクチュエータ180に電圧を供給するコマンドを送信し、バルブ部材を目標ポジションで維持するように圧電アクチュエータ180を動作させてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度よりも高い、またはメモリ118に格納された設定温度よりも低いと判定してもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、圧電アクチュエータ180にコマンドを送信して圧電アクチュエータ180に電圧を供給し、第1の排出チャネル170内の流体が、第1のポート174を通って第1の排出口175から大気中へ自由に流出するようにバルブ部材178を開ポジションに動作させる。圧電アクチュエータ180は、バルブ部材178を開ポジションにすることができる。流体が、第1のポート174を通って第1の排出口175から自由に流出するのを可能にすることで、より多くの流体が、制限されることなく、コンタクト167を通過して第1の排出チャネル170に流れ、第1の排出口175から流出するため、ソケット162における熱伝達が増加する。
【0078】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、圧電アクチュエータ180にコマンドを送信して圧電アクチュエータ180に電圧を供給し、第1の排気チャネル170内の流体が第1のポート174を通って第1の排出口175から大気中へ流出するのを制限するようにバルブ部材178を閉ポジションに動作させる。圧電アクチュエータ180は、第1のポート174と第1の排出口175が流体結合しなくなるように、バルブ部材178を閉ポジションにすることができる。流体が第1のポート174を通過し、第1の排出口175から流出するのを制限することで、ソケット162における熱伝達が(例えば、流体の流れをバルブ部材178等で妨げない場合と比べて)減少する。流体は、コンタクト167を通過し、第1のポート174を通って第1の排出チャネル170に流れ、第1の排出口175から流出することが制限され、チャネルシステム152内に留まり、熱伝達が減少する。これは、流体の熱容量が比較的小さく、流体がコンタクト167を通過して流れるときに、チャネルシステム152内で流体が熱を失う(例えば、流体が加熱されるとき等)、または熱を得る(例えば、流体が冷却されるとき等)ためである。さらに、流体が第1のポート174を通過して流れることが制限されるため、より多くの流体が接触器アセンブリ138に流入することが妨げられ、コンタクト167に対する熱伝達が減少する。
【0079】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、圧電アクチュエータ180にコマンドを送信して圧電アクチュエータ180に電圧を供給し、流体の流れが部分的に制限されるようにバルブ部材178を半閉ポジションに動作させる。圧電アクチュエータ180は、第1のポート174と第1の排出口175とが部分的に流体結合されるように、バルブ部材178を部分的に開くことができる。流体の流れを部分的に制限することで、流体とコンタクト167との間の熱伝達の速度が圧電アクチュエータ180で与えられるバルブ部材178のポジションに基づいて変化する。例えば、いくつかの実施形態において、圧電アクチュエータ180からプロセッサ116に送信された電気量により、流体の80%が第1のポート174を通過し、第1の排出口175から流出するようにバルブ部材178のポジションが位置決めされる。流体の80%が第1のポート174を通って第1の排出口175から流出する場合、流体とコンタクト167との間の熱伝達は、プロセッサ116が流体の20%が第1のポート174を通って第1の排出口175から流出するようにバルブ部材178のポジションが位置決めされた場合よりも増加する。いくつかの実施形態において、(図1で示した)流入バルブ158は、バイモルフバルブで構成され、上述と同様の方法で動作する。
【0080】
いくつかの実施形態において、図8で示すように、第1の排出バルブ176はバタフライバルブである。これらの実施形態において、接触器アセンブリ138は、バタフライバルブで構成される第1の排出バルブ176を含む。図8で示すバタフライバルブは取付本体182を含む。取付本体182は、第1のポート174内に配置されるように構成される。取付本体182は、第1のポート174内に結合されていてもよい。第1の排出バルブ176のバタフライバルブ構成は、バタフライバルブ部材184も含む。バタフライバルブ部材184は、第1のポート174を通る流体の流れを制御するように構成されている。バタフライバルブ部材184は接続ロッド186に結合されている。接続ロッド186は、取付本体182に結合され(例えば、ヒンジ、ピンアセンブリ等)、取付本体182内で接続ロッド186の周りをバタフライバルブ部材184が回転するように構成されている。接触器アセンブリ138は、電気接続装置188(例えば、アクチュエータ等)も含む。電気接続装置188は、第1のポート174の近くに配置され、接触器端子160と電気的に接続される。電気接続装置188は、第1の排出バルブ176を電気的に動作させるように構成されている。電気接続装置188は、プロセッサ116が電気接続装置188にコマンドを送信すると、取付本体182内でバタフライバルブ部材184を接続ロッド186の周りで回転させ、開ポジション、閉ポジション及び半閉ポジションの間で動作可能に変更させる。
【0081】
電気接続装置188は、プロセッサ116から送信されたコマンドを受信する。コマンドは、試験装置端子131及び接触器端子160を介して電気接続装置188へ電気的に送信される。プロセッサ116から電気コマンドを受信すると、電気接続装置188は、バタフライバルブ部材184のポジションが回転可能に変更されるように、接続ロッド186を走査可能に回転させる。
【0082】
動作時において(図1で示したように)、流体はコンタクト167を通過して接触器アセンブリセンサ168に流れる。接触器アセンブリセンサ168は、コンタクト167に関連する特性の測定を容易にするように構成されており、測定値は接触器端子160に送信される。接触器端子160は測定値を試験装置端子131に送信し、該測定値は温度コントローラ112に送信される。温度コントローラ112のプロセッサ116は、測定値を受信し、該測定値をメモリ118に格納する。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、測定値からコンタクト167の温度を計算してもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ116で受信される特性の測定値は、コンタクト167の温度である。プロセッサ116は、接触器アセンブリセンサ168からのコンタクト167の温度をメモリ118に格納された設定温度と比較する。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度と略等しいと判定し、接続ロッド186を動作させるコマンドを電気接続装置188に送信しなくてもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度と略等しいと判定し、バタフライバルブ部材184を目標ポジションで維持するためのコマンドを電気接続装置188に送信してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、第1の排出チャネル170内の流体が、第1のポート174を通って第1の排出口175から大気中へ自由に流出するように、接続ロッド186を開ポジションに動作させるコマンドを電気接続装置188に送信する。電気接続装置188は、プロセッサ116からコマンドを受信し、バタフライバルブ部材184が開ポジションとなるように接続ロッド186を動作可能に回転させる。バタフライバルブ部材184が開ポジションにあるとき、流体は、第1のポート174内で取付本体182を通って第1の排出口175から自由に流出する。いくつかの実施形態において、図8で示すように、バタフライバルブ部材184が取付本体に対して垂直であるとき、バタフライバルブ部材184は開ポジションにあるとみなされる。流体が第1のポート174を通って第1の排出口175から自由に流出するのを可能にすることで、流体は、制限されることなく、コンタクト167を通過して第1の排出チャネル170に流れ、第1の排出口175から流出するため、ソケット162における熱伝達が増加する。
【0084】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、第1の排出チャネル170内の流体が第1のポート174を通って第1の排出口175から大気中へ流出するのを制限するように、接続ロッド186を閉ポジションに動作させるコマンドを電気接続装置188に送信する。電気接続装置188は、プロセッサ116からコマンドを受信し、バタフライバルブ部材184が閉ポジションとなるように接続ロッド186を動作可能に回転させる。接続ロッド186が閉ポジションにあるとき、第1のポート174と第1の排出口175とは流体結合されていない。いくつかの実施形態において、バタフライバルブ部材184は、図8で示すように、バタフライバルブ部材が取付本体182と平行であるときに閉ポジションにあるとみなされる。流体が第1のポート174を通って第1の排出口175から流出するのを制限することで、ソケット162における熱伝達が(例えば、流体の流れをバタフライバルブ部材184等で妨げない場合と比べて)減少する。流体が、コネクタを通過し、第1のポート174を通って第1の排出チャネル170に流れ、第1の排出口175から流出するのを制限することで、流体はチャネルシステム152内に留まるため、熱伝達が減少する。
【0085】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、バタフライバルブ部材184が半閉ポジションとなるように接続ロッド186を動作させるコマンドを電気接続装置188に送信する。バタフライバルブ部材184が半閉ポジションにあるとき、流体の流れは部分的に制限される。電気接続装置188は、プロセッサ116からコマンドを受信し、バタフライバルブ部材184が部分的に回転するように接続ロッド186を動作可能に回転させる。バタフライバルブ部材184が部分的に回転すると、第1のポート174と第1の排出口175とが部分的に流体結合される。いくつかの実施形態において、バタフライバルブ部材184が取付本体182に対して角度(例えば、20°、25°、30°、40°、45°、50°、60°、70°、75°、80°等)だけオフセットしている場合、バタフライバルブ部材184は部分的に回転しているとみなされる。流体の流れを部分的に制限することで、流体とコンタクト167との間の熱伝達の速度は、取付本体182に対するバタフライバルブ部材184の回転に基づいて変化する。例えば、いくつかの実施形態において、電気接続装置188は、バタフライバルブ部材184が回転させ、流体の80%が第1のポート174を通って第1の排出口175から流出するように、接続ロッド186を動作可能に回転させる。流体の80%が第1のポート174を通って第1の排出口175から流出する場合、流体とコンタクト167との間の熱伝達は実質的に増加するが、電気接続装置188が、流体の20%が第1のポート174を通って第1の排出口175から流出するように、接続ロッド186を動作可能に回転させた場合、流体とコンタクト167との間の熱伝達が実質的に減少する。いくつかの実施形態において、流入バルブ158(図1に示した)はバタフライバルブで構成され、上述と同様の方法で動作する。
【0086】
いくつかの実施形態において、第1の排出バルブ176は回転可能なインサートである。例えば、温度コントローラ112は、表示部を介してコンタクト167の温度及び設定温度をユーザに提供可能であり、コンタクト167の温度が設定温度となるように、ユーザは第1の排出バルブ176を(例えば、工具等を用いて)手動で調整してもよい。
【0087】
一実施形態において、回転可能なインサートは、コンタクト167が設定温度となるように、流体からコンタクト167に提供される加熱作用をユーザが手動で調整及び制御できるように構成されている。動作時において、流体はコンタクト167を通過して接触器アセンブリセンサ168に流れる。接触器アセンブリセンサ168は、コンタクト167に関連する特性の測定を容易にするように構成され、測定値は接触器端子160に送信される。接触器端子160は、測定値を試験装置端子131に送信し、該測定値は温度コントローラ112に送信される。温度コントローラ112は、測定値を受信し、いくつかの実施形態において、測定値をユーザに表示する。ユーザは、回転可能なインサートを調整する。いくつかの実施形態において、ユーザは、温度コントローラ112で表示された測定値に基づいて、回転可能なインサートが第1の排出チャネル170内に完全に延在するように、回転可能なインサートを調整する。この場合、第1の排出バルブ176は、第1の排出チャネル170から第1のポート174への流体の流れを阻止するために閉ポジションにある。これにより、流体からコンタクト167に提供される加熱作用を低減させることができる。いくつかの実施形態において、ユーザは、温度コントローラ112で表示された測定値に基づいて、回転可能なインサートの一部が第1の排出チャネル170内に延在するように、回転可能なインサートを調整する。この場合、第1の排出バルブ176は、第1の排出チャネル170から第1のポート174への流体の流れを制限するために半閉ポジションにある。いくつかの実施形態において、ユーザは、回転可能なインサートが完全に第1のポート174内に配置され、回転可能なインサートのどの部分も第1の排出チャネル170内に延在しないように、回転可能なインサートを調整する。この場合、第1の排出バルブ176は、流体が第1の排出チャネル170から第1のポート174を通って第1の排出口175から流出するのを可能にする開ポジションにある。これにより、流体からコンタクト167に提供される加熱作用を増大させることができる。この運用は、例えば、温度制御システム100(例えば、温度制御システムが安定して再現可能な特性を示す場合等)における熱伝達を校正するために使用できる。
【0088】
様々な実施形態において、接触器アセンブリ138は、第2の排出バルブ194も含む。第2の排出バルブ194は、第2のポート191内に配置される。いくつかの用途において、第2の排出バルブ194は筐体140から物理的に分離されていることが望ましい。例えば、筐体140が比較的極端な温度にさらされる場合、第2の排出バルブ194は、これらの極端な温度から保護するために筐体140から分離することが望ましい。さらに、スペースの制約により筐体140の全体的なサイズまたは形状が制限される場合、第2の排出バルブ194を筐体140から物理的に分離することが望ましい。第2のポート191から延在するチューブ(例えば、導管、パイプ等)を含むことで、第2の排出バルブ194を筐体140から物理的に分離することができる。これらの実施形態において、チューブは第2のポート191の一部を形成し、第2の排出バルブ194の物理的な分離を容易にする。
【0089】
第2の排出バルブ194は、流体が第2の排出チャネル172から第2の排出口を通って流れるときに、流体の流れを制御するように構成されている。接触器アセンブリ138内の流体の流れを制御することで、コンタクト167の温度を制御できる。いくつかの実施形態において、接触器アセンブリ138は、第2の排出バルブ194及び流入バルブ158を含む。その他の実施形態において、接触器アセンブリ138は、第2の排出バルブ194または流入バルブ158のうちの一方のみを含む。いくつかの実施形態において、接触器アセンブリ138は、第1の排出バルブ176及び第2の排出バルブ194を含むが、流入バルブ158は含まない。いくつかの実施形態において、接触器アセンブリ138は、流入バルブ158のみを含み、第1の排出バルブ176または第2の排出バルブ194を含まない。いくつかの実施形態において、接触器アセンブリ138は、流入バルブ158、並びに第1の排出バルブ176または第2の排出バルブ194のうちの1つを含む。いくつかの実施形態において、接触器アセンブリ138は、流入バルブ158、並びに第1の排出バルブ176または第2の排出バルブ194のうちの1つを含む。いくつかの実施形態において、第1の接触器アセンブリ138の第2の排出バルブ194は、(第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度等に代えて、例えば第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度に加えて)第2の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度に基づいて制御される。
【0090】
例えば、例示的な実施形態において、ターゲットデバイス101が比較的高い設定温度で試験されており、プロセッサ116が、コンタクト167の温度が、例えば設定温度の120%以上であると判定した場合、プロセッサ116は、流体の流れを第2の排出バルブ194で大きく妨げるように、第2の排出バルブ194を閉ポジションに変更させる。この方法で、チャネルシステム152を通る流体の流れ、ひいてはコンタクト167を横切る流体の流れが(例えば、流体の流れを第2の排出バルブ194等で妨げない場合と比べて)低減する。流体の熱容量は比較的小さいため、この低減により、流体からコンタクト167に対する熱伝達が減少する。しかしながら、プロセッサ116が、例えばコンタクト167の温度が設定温度の80%以下であると判定した例では、プロセッサ116は、第2の排出バルブ194における流体の流れの妨げを低減するように、第2の排出バルブ194を開ポジションに変更させる。このようにして、流体はコンタクト167を通過して流れ、コンタクト167にさらなる加熱作用を提供する。その結果、第2の排出バルブ194は、流体、ひいてはコンタクト167の温度が設定温度の方へ変化するように制御される。
【0091】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116が、コンタクト167の温度が設定温度よりも高い、または設定温度よりも低いと判定すると、プロセッサ116は、第2の排出バルブ194を閉ポジションまたは半閉ポジションに動作させる。閉ポジションでは、流体の流れが阻止され、第2の排出口192を通る流体の流れがなくなる。半閉ポジションでは、流体の流れが第2の排出バルブ194で妨げられ、流体の流れの一部のみが第2の排出口192を通る。第2の排出バルブ194を用いて流体の流れを妨げることで、流体からコンタクト167に提供される加熱作用または冷却作用が(例えば、流体の流れを第2の排出バルブ194等で妨げない場合と比べて)低減する。流体はチャネルシステム152内で制限され、かつ流体の熱容量が比較的小さいため、流体はコンタクト167を通過して流れる前に加熱作用または冷却作用が減退することで、熱伝達が減少する。例示的な実施形態において、ターゲットデバイス101が高い設定温度(例えば、363Kから423Kの5%未満等)で試験される場合、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度よりも実質的に高いと判定すると、プロセッサ116は、流体の流れを妨げるように、第2の排出バルブ194を閉状態(例えば、閉ポジションにある、20%閉ポジションから60%閉ポジションに移行する等)となるポジションに変更させる。コンタクト167に向かう流体の流れを妨げることで、流体がコンタクト167に提供する加熱作用が低減する。例示的な実施形態において、ターゲットデバイス101が高い設定温度(例えば、363Kから423Kの5%以内等)で試験される場合、プロセッサ116は、コンタクトの温度が設定温度よりも実質的に低いと判定する。プロセッサ116は、流体の流れの妨げを低減するように、第2の排出バルブ194を開状態(例えば、開ポジションにある、20%開ポジションから60%開ポジションに移行する等)となるポジションに変更させる。コンタクト167に向かう流体の流れのインピーダンスを低減することで、被試験デバイスが高い設定温度で試験されるいくつかの実施形態において、流体はコンタクト167により多くの加熱作用を提供し、または被試験デバイスが低い設定温度で試験されるいくつかの実施形態において、流体はコンタクト167により多くの冷却作用を提供する。いくつかの実施形態において、第2の排出バルブ194は、本明細書でより詳細に説明するように、バイモルフバルブまたはバタフライバルブである。
【0092】
いくつかの実施形態において、ターゲットデバイス101は、限られた時間(例えば、10秒、20秒、30秒等)だけ試験される。試験時間が限られているため、プロセッサ116は、試験(例えば、第1の試験、第2の試験等)中にコンタクト167の温度を特定し、次の試験(例えば、第2の試験、第3の試験、第4の試験等)のために、本明細書で記載したように第2の排出バルブ194のポジションを変更させる。例えば、第1の試験中に、プロセッサ116は、試験中のコンタクト167の温度が設定温度よりも高い、または設定温度よりも低いと判定してもよい。プロセッサ116は、コンタクト167の温度が次の試験の設定温度と略等しくなるように、第2の排出バルブ194を閉ポジション、半閉ポジションまたは開ポジションに変更させるように操作できる。
【0093】
いくつかの実施形態において、第2の排出バルブ194は、温度コントローラ112で制御されるように自動化される。第2の排出バルブ194は、接触器端子160と電気的に接続されている。動作時において、流体はコンタクト167を通過して接触器アセンブリセンサ168に流れる。接触器アセンブリセンサ168は、コンタクト167に関連する特性の測定を容易にするように構成され、測定値は接触器端子160に送信される。接触器端子160は測定値を試験装置端子131に送信し、該測定値は温度コントローラ112に送信される。温度コントローラ112のプロセッサ116は、測定値を受信し、測定値をメモリ118に格納する。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、測定値からコンタクト167の温度を計算してもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ116で受信される特性の測定値は、コンタクト167の温度である。プロセッサ116は、接触器アセンブリセンサ168からのコンタクト167の温度をメモリ118に格納された設定温度と比較する。
【0094】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度と略等しいと判定し、第2の排出バルブ194を調整しなくてもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度がメモリ118に格納された設定温度よりも高い、または設定温度よりも低いと判定し、第2の排出バルブ194を調整してもよい。プロセッサ116は、第2の排出バルブ194のポジションを変更してもよい。
【0095】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、第2の排出チャネル172内の流体が第2のポート191を通って第2の排出口192から大気中へ自由に流出するように、第2の排出バルブ194を開ポジションに変更させる。流体が第2のポート191を通って第2の排出口192から自由に流出するのを可能にすることで、流体は、制限されることなく、コンタクト167を通過して第2の排出チャネル172に流れ、第2の排出口192から流出するため、ソケット162における熱伝達が増加する。
【0096】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、第2の排出チャネル172内の流体が第2のポート191を通って第2の排出口192から大気中へ流出するのを制限するように、第2の排出バルブ194を閉ポジションに動作させる。流体が第2のポート191を通って第2の排出口192から流出するのを制限することで、ソケット162における熱伝達が(例えば、流体の流れを第2の排出バルブ194等で妨げない場合と比べて)減少する。この場合、流体は、コンタクト167を通過し、第2のポート191を通って第2の排出チャネル172に流れ、第2の排出口192から流出することが制限され、流体はチャネルシステム152内に留まり、熱伝達が減少する。
【0097】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、流体の流れが第2の排出バルブ194で部分的に制限されるように、第2の排出バルブ194を半閉ポジションに動作させる。流体の流れを部分的に制限することで、流体とコンタクト167との間の熱伝達の速度は、第2の排出バルブ194のポジションに基づいて変化する。例えば、いくつかの実施形態において、プロセッサ116が第2の排出バルブ194を20%閉ポジションに動作させる場合、流体とコンタクト167との間の熱伝達は、プロセッサ116が第2の排出バルブ194を80%閉ポジションに動作させる場合よりも実質的に増加する。
【0098】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度が設定温度よりも高い、または設定温度よりも低いと判定し、その結果に応じて(例えば、第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度と設定温度との比較結果に基づいて、第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度と設定温度との比較結果に基づいて、第2の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度と設定温度との間の比較結果に基づいて等)第2の接触器アセンブリ138の第2の排出バルブ194を動作させる。例えば、プロセッサ116が、第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度が設定温度よりも実質的に低く、ターゲットデバイス101が高い設定温度で試験されていると判定した場合、プロセッサ116は、追加の流体が第2の接触器アセンブリ138のコンタクト167に供給されるように、第2の排出口194を開状態となるポジションに変更させてもよい。いくつかの実施形態において、第2の接触器アセンブリ138は、接触器アセンブリセンサ168を含まず、第2の接触器アセンブリ138の第2の排出バルブ194は、第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度に基づいて操作される。
【0099】
いくつかの実施形態において、第2の排出バルブ194はバイモルフバルブである。これらの実施形態において、第2の排出バルブ194はバルブ部材とバルブ部材接続ロッドとを含む。バルブ部材は、第2のポート191を通る流体の流れを制御するように構成されている。バルブ部材接続ロッドは、接触器端子160と電気的に接続され、バルブ部材を開ポジション、閉ポジション及び半閉ポジションの間で動作可能に変更させるように構成されている。バルブ部材接続ロッドは、プロセッサ116から試験装置端子131及び接触器端子160を介して送信された電気コマンドを受信する。電気コマンドを受信すると、バルブ部材の接続ロッドはバルブ部材のポジションを変更する。動作時において、流体はコンタクト167を通過して接触器アセンブリセンサ168に流れる。接触器アセンブリセンサ168は、コンタクト167に関連する特性の測定を容易にするように構成され、測定値は接触器端子160に送信される。第2の接触器アセンブリ端子は、測定値を試験装置端子131に送信し、該測定値は温度コントローラ112に送信される。温度コントローラ112のプロセッサ116は、測定値を受信し、該測定値をメモリ118に格納する。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、測定値からコンタクト167の温度を計算してもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ116で受信される特性の測定値は、コンタクト167の温度である。プロセッサ116は、接触器アセンブリセンサ168からのコンタクト167の温度をメモリ118に格納された設定温度と比較する。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度と略等しいと判定し、バルブ部材接続ロッドを動作させるコマンドを送信しなくてもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度と略等しいと判定し、バルブ部材が目標ポジションで維持されるように、バルブ部材接続ロッドを動作させるコマンドを送信してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、第2の排出チャネル172内の流体が、第2のポート191を通って第2の排出チャネル172から大気中へ自由に流出するように、バルブ部材を開ポジションに動作させるコマンドをバルブ部材接続ロッドに送信する。バルブ部材接続ロッドは、プロセッサ116からコマンドを受信し、バルブ部材をバルブ部材接続ロッドの周りで開ポジションまで回転させる電気量を送信する。流体が第2のポート191を通って第2の排出口192から自由に流出するのを可能にすることで、流体は、制限されることなく、コンタクト167を通過して第2の排出チャネル172に流れ、第2の排出口192から流出するため、ソケット162における熱伝達が増加する。
【0101】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、第2の排出チャネル172内の流体が第2のポート191を通って第2の排出口192から大気中へ流出するのを制限するように、バルブ部材を閉ポジションに動作させるコマンドをバルブ部材の接続ロッドに送信する。バルブ部材接続ロッドは、プロセッサ116からコマンドを受信し、第2のポート191と第2の排出口192とが流体結合されないように、バルブ部材を接続ロッドの周りで閉ポジションまで回転させる電気量を送信する。いくつかの実施形態において、バルブ部材接続ロッドによってバルブ部材に送信される電気量は一定の電気量である。流体が第2のポート191を通って第2の排出口192から流出するのを制限することで、ソケット162における熱伝達が(例えば、流体の流れをバルブ部材等で妨げない場合と比べて)減少する。流体は、コネクタを通過し、第2のポート191を通って第2の排出チャネル172に流れ、第2の排出口192から流出することが制限され、チャネルシステム152内に留まり、熱伝達が減少する。
【0102】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、流体の流れが部分的に制限されるようにバルブ部材を半閉ポジションに動作させるコマンドをバルブ部材接続ロッドに送信する。バルブ部材接続ロッドは、プロセッサ116からコマンドを受信し、第2のポート191と第2の排出口192が部分的に流体結合されるように、バルブ部材をバルブ部材接続ロッドの周りで部分的に回転させる電気量を送信する。流体の流れを部分的に制限することで、流体とコンタクト167との間の熱伝達の速度は、バルブ部材接続ロッドの周りのバルブ部材の回転に基づいて変化する。例えば、いくつかの実施形態において、バルブ部材接続ロッドからプロセッサ116に送信される電気量は、流体の80%が第2のポート191を通って第2の排出口192から流出するように、バルブ部材を回転させる。流体の80%が第2のポート191を通って第2の排出口192から流出する場合、流体とコンタクト167との間の熱伝達は、流体の20%が第2のポート191を通って第2の排出口192から流出する場合よりも増加する。いくつかの実施形態において、流入バルブ158(図1で示した)は、バイモルフバルブで構成され、上述と同様の方法で動作する。
【0103】
いくつかの実施形態において、第2の排出バルブ194はバタフライバルブである。これらの実施形態において、接触器アセンブリ138は、バタフライバルブで構成される第2の排出バルブ194を含む。バタフライバルブは取付本体を備える。取付本体は、第2のポート191内に配置されるように構成されている。取付本体は、第2のポート191内で結合されていてもよい(例えば、ネジ止め、接着剤、締り嵌め等)。第2の排出バルブ194のバタフライバルブ構成もバタフライバルブ部材を含む。バタフライバルブ部材は、第2のポート191を通る流体の流れを制御するように構成されている。バタフライバルブ部材は接続ロッドに結合される。接続ロッドは、取付本体に結合され(例えば、ヒンジ、ピンアセンブリ等)、取付本体内で接続ロッドの周りをバタフライバルブ部材が回転するように構成されている。接触器アセンブリ138は、電気接続装置188(例えば、アクチュエータ等)も含む。電気接続装置188は、第2のポート191の近くに配置され、接触器端子160と電気的に接続される。電気接続装置188は、第2の排出バルブ194を電気的に動作させるように構成されている。電気接続装置188は、プロセッサ116が電気接続装置188にコマンドを送信すると、取付本体内でバタフライバルブ部材を接続ロッドの周りで回転させ、開ポジション、閉ポジション及び半閉ポジションの間で動作可能に変更させる。
【0104】
電気接続装置188は、プロセッサ116から送信されたコマンドを受信する。コマンドは、試験装置端子131及び接触器端子160を介して電気接続装置188へ電気的に送信される。プロセッサ116から電気コマンドを受信すると、電気接続装置188は、バタフライバルブ部材のポジションが回転可能に変更されるように接続ロッドを動作可能に回転させる。
【0105】
動作時において(図1で示したように)、流体はコンタクト167を通過して接触器アセンブリセンサ168に流れる。接触器アセンブリセンサ168は、コンタクト167に関連する特性の測定を容易にするように構成され、測定値は接触器端子160に送信される。第2の接触器アセンブリ端子は、測定値を試験装置端子131に送信し、該測定値は温度コントローラ112に送信される。温度コントローラ112のプロセッサ116は、測定値を受信し、測定値をメモリ118に格納する。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、測定値からコンタクト167の温度を計算してもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ116で受信する特性の測定値は、コンタクト167の温度である。プロセッサ116は、接触器アセンブリセンサ168からのコンタクト167の温度をメモリ118に格納された設定温度と比較する。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度と略等しいと判定し、接続ロッドを動作させるコマンドを電気接続装置188に送信しなくてもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、コンタクト167の温度が設定温度と略等しいと判定し、バタフライバルブ部材を目標ポジションで維持するためのコマンドを電気接続装置188に送信してもよい。
【0106】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、第2の排出チャネル172内の流体が、第2のポート191を通って第2の排出口192から大気中へ自由に流出するように、接続ロッドを開ポジションに動作させるコマンドを電気接続装置188に送信する。電気接続装置188は、プロセッサ116からコマンドを受信し、バタフライバルブ部材が開ポジションとなるように接続ロッドを動作可能に回転させる。バタフライバルブ部材が開ポジションにあるとき、流体は第2のポート191内で取付本体を通って第2の排出口192から自由に流出できる。いくつかの実施形態において、バタフライバルブ部材が取付本体に対して垂直であるとき、バタフライバルブ部材は開ポジションにあるとみなされる。流体が第2のポート191を通って第2の排出口192から自由に流出するのを可能にすることで、流体は、制限されることなく、コンタクト167を通過して第2の排出チャネル172に流れ、第2の排出口192から流出するため、ソケット162における熱伝達が増加する。
【0107】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、第2の排出チャネル172内の流体が第2のポート191を通って第2の排出口192から大気中へ流出するのを制限するように、接続ロッドを閉ポジションに動作させるコマンドを電気接続装置188に送信する。電気接続装置188は、プロセッサ116からコマンドを受信し、バタフライバルブ部材が閉ポジションとなるように接続ロッドを動作可能に回転させる。接続ロッドが閉ポジションにあるとき、第2のポート191と第2の排出口192とは流体結合されない。いくつかの実施形態において、バタフライバルブ部材は、図8で示すようにバタフライバルブ部材が取付本体と平行であるときに閉ポジションにあるとみなされる。流体が第2のポート191を通って第2の排出口192から流出するのを制限することで、ソケット162における熱伝達が(例えば、流体の流れをバタフライバルブ部材等で妨げない場合と比べて)減少する。流体は、コネクタを通過し、第2のポート191を通って第2の排出チャネル172を流れ、第2の排出口192から流出することが制限され、チャネルシステム152内に留まり、熱伝達が減少する。
【0108】
いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、バタフライバルブ部材が半閉ポジションとなるように接続ロッドを動作させるコマンドを電気接続装置188に送信する。バタフライバルブ部材が半閉ポジションにあるとき、流体の流れは部分的に制限される。電気接続装置188は、プロセッサ116からコマンドを受信し、バタフライバルブ部材が部分的に回転するように接続ロッドを動作可能に回転させる。バタフライバルブ部材が部分的に回転すると、第2のポート191と第2の排出口192とが部分的に流体結合される。いくつかの実施形態において、バタフライバルブ部材が取付本体に対して角度(例えば、20°、25°、30°、40°、45°、50°、60°、70°、75°、80°等)だけオフセットしている場合、バタフライバルブ部材は部分的に回転しているとみなされる。流体の流れを部分的に制限することで、流体とコンタクト167との間の熱伝達の速度は、取付本体に対するバタフライバルブ部材の回転に基づいて変化する。例えば、いくつかの実施形態において、電気接続装置188は、バタフライバルブ部材が回転して流体の80%が第2のポート191を通って第2の排出口192から流出するように、接続ロッドを動作可能に回転させる。流体の80%が第2のポート191を通って第2の排出口192から流出する場合、流体とコンタクト167との間の熱伝達は、流体の20%が第2のポート191を通って第2の排出口192から流出する場合よりも増加する。いくつかの実施形態において、流入バルブ158(図1で示した)はバタフライバルブで構成され、上述と同様の方法で動作する。
【0109】
いくつかの実施形態において、第2の排出バルブ194は回転可能なインサートである。例えば、温度コントローラ112は、コンタクト167の温度及び設定温度を表示部によってユーザに提供可能であり、ユーザは、コンタクト167の温度が設定温度となるように、第2の排出バルブ194を(例えば、工具等を用いて)手動で調整できる。
【0110】
一実施形態において、回転可能なインサートは、コンタクト167が設定温度となるように、流体からコンタクト167に提供する加熱作用または冷却作用をユーザが手動で調整及び制御できるように構成されている。動作時において、流体はコンタクト167を通過して接触器アセンブリセンサ168に流れる。接触器アセンブリセンサ168は、コンタクト167に関連する物理的な特性の測定を容易にするように構成され、測定値は接触器端子160に送信される。第2の接触器アセンブリ端子は、測定値を試験装置端子131に送信し、該測定値は温度コントローラ112に送信される。温度コントローラ112は測定値を受信し、いくつかの実施形態において、測定値をユーザに表示する。ユーザは回転可能なインサートを調整する。いくつかの実施形態において、ユーザは、温度コントローラ112に表示された測定値に基づいて、回転可能なインサートが第2の排出チャネル172内に完全に延在するように、回転可能なインサートを調整する。この場合、第2の排出バルブ194は、第2の排出チャネル172から第2のポート191に対する流体の流れを阻止するために閉ポジションにある。これにより、流体からコンタクト167に提供される加熱作用または冷却作用を低減できる。いくつかの実施形態において、ユーザは、温度コントローラ112に表示された測定値に基づいて、回転可能なインサートの一部が第2の排出チャネル172内に延在するように回転可能なインサートを調整する。この場合、第2の排出バルブ194は、第2の排出チャネル172から第2のポート191への流体の流れを制限するために半閉ポジションにある。いくつかの実施形態において、ユーザは、回転可能なインサートが完全に第2のポート191内に配置され、回転可能なインサートのどの部分も第2の排出チャネル172内に延在しないように、回転可能なインサートを調整する。この場合、第2の排出バルブ194は、流体が第2の排出チャネル172から第2のポートチャネルを通って第2のポート191へ流れることを可能にする開ポジションにある。これにより、流体からコンタクト167に提供される加熱作用を増大できる。
【0111】
図9は、温度制御システム100を動作させてコンタクト167の温度を制御するためのプロセス900を示す図である。プロセス900は、本明細書で記載されるように、設定温度を試験装置130に結合された少なくとも1つの接触器アセンブリに含まれるコンタクト167の温度と比較する閉ループプロセスである。この閉ループプロセスとは対照的に、多くの接触器は、接触器アセンブリ内にある流入バルブや排出バルブを、フィードバックループを用いて自動的に制御する機能を有していない。
【0112】
プロセス900は、ブロック902において、温度コントローラ112で設定温度を受信することを含む。例えば、設定温度は、ユーザから受け取ってもよく、ターゲットデバイスのプロセッサ116によってメモリ118から取得してもよい。設定温度は、ターゲットデバイスの動作を試験するために望ましい温度である。
【0113】
プロセス900は、熱交換器120に流体を提供する流体源102を有する。いくつかの実施形態において、流体は圧縮乾燥空気である。いくつかの実施形態において、プロセス900は流体ポンプを含む。プロセス900は、温度コントローラ112によって熱交換器120を動作させる。熱交換器120は、熱交換器120が流体源から受け入れる流体の温度を変化させる(例えば、上昇、下降)ように動作する。温度コントローラ112は、熱交換器120に設定温度を提供し、流体の温度が設定温度となるように熱交換器120を動作させる。いくつかの実施形態において、熱交換器120は、冷却装置124(例えば、液体窒素供給、冷却コイル、ファン、ペルチェセル等)を利用して受け入れた流体を冷却するように動作する。いくつかの実施形態において、冷却装置124は、液体窒素を流体に供給して流体を冷却する。いくつかの実施形態において、熱交換器120は、加熱装置126を利用して流体を加熱するように動作する。
【0114】
プロセス900は、ブロック912において、温度コントローラ112によって接触器アセンブリ138のコンタクト167に関連する特性(例えば、コンタクトの温度等)の測定値を判定する。接触器アセンブリ138内に配置された接触器アセンブリセンサ168は、温度コントローラ112に信号を提供することで、コンタクト167に関連する特性の測定を容易にするように構成されている。温度コントローラ112は、信号を受信して特性の測定値を判定する。いくつかの実施形態において、温度コントローラ112で判定される測定値は、コンタクト167の温度である。いくつかの実施形態において、温度コントローラ112で判定される測定値は、コンタクト167を通過して接触器アセンブリセンサ168の周囲を流れる流体の温度である。
【0115】
いくつかの実施形態において、温度コントローラ112で判定された測定値がコンタクト167の温度ではない場合(例えば、測定値が圧力である場合、測定値が粘度である場合等)、プロセス900は、ブロック913において、温度コントローラ112によって、測定値を用いてコンタクト167の温度を特定する。例えば、温度コントローラ112は、測定値と、該測定値を温度に変換する演算とを用いて、コンタクト167の温度を計算すればよい。
【0116】
さらに、ブロック914において、温度コントローラ112がコンタクト167の温度を特定すると、温度コントローラ112はコンタクト167の温度を設定温度と比較する。
【0117】
プロセス900は、ブロック915において、温度コントローラ112を用いて流入バルブ158を操作できる。例えば、ブロック914において、温度コントローラ112がコンタクト167の温度が設定温度よりも高い、または設定温度よりも低いと判定し、ブロック915において、温度コントローラ112は、流体の流れを流入バルブ158で妨げないように、流入バルブ158を開ポジションに動作させる。温度コントローラ112は、流入バルブ158を閉ポジションまたは半閉ポジションに動作させ、接触器アセンブリ内の流体の流れを制御してもよい。閉ポジションでは、流体の流れが阻止され、流体がコンタクト167に流れなくなる。半閉ポジションでは、流体の流れが流入チャネル154の流入バルブ158によって妨げられ、流体の一部のみが第1の本体チャネル156を介してコンタクト167に流れる。流入バルブ158を用いて流体の流れを妨げることで、流体からコンタクト167に提供する加熱作用または冷却作用が(例えば、流体の流れを流入バルブ158等で妨げない場合と比べて)低減する。
【0118】
プロセス900は、ブロック916において、温度コントローラ112、第1の排出バルブ176によって動作してもよい。例えば、ブロック914において、温度コントローラ112は、コンタクト167の温度が設定温度未満であると判定し、ブロック916において、温度コントローラ112は、(例えば、設定温度が比較的高い場合)流体の流れを第1の排出バルブ176で妨げないように、第1の排出バルブ176を開ポジションに動作させる。このようにして、流体はコンタクト167を通過して流れ、第1の排出バルブ176が開ポジションにない場合よりも大きな加熱作用をコンタクト167に提供する。
【0119】
ブロック916のいくつかの実施形態において、第1の排出バルブ176は、接触器アセンブリ内の流体の流れを制御するために閉ポジションまたは半閉ポジションに動作される。閉ポジションでは、流体の流れが阻止され、第1の排出口175を通る流体の流れがなくなる。半閉ポジションでは、流体の流れが第1の排出バルブ176によって妨げられ、流体の流れの一部のみが第1の排出口175を通る。第1の排出バルブ176を用いて流体の流れを妨げることで、流体からコンタクト167に提供される加熱作用または冷却作用が(例えば、流体の流れを第1の排出バルブ176等で妨げない場合と比べて)低減する。
【0120】
プロセス900は、ブロック918において、温度コントローラ112、第2の排出バルブ194によって動作してもよい。例えば、ブロック914において、温度コントローラが、コンタクト167の温度が設定温度未満であり、ターゲットデバイス101が高い設定温度で試験されていると判定し、ブロック914において、温度コントローラ112は、流体の流れを第2の排出バルブ194で妨げないように(例えば、設定温度が比較的高い場合)、第2の排出バルブ194を開ポジションに動作させる。このようにして、流体は、コンタクト167を通過して流れ、第2の排出バルブ194が開ポジションにない場合よりも多くの加熱作用または冷却作用をコンタクト167に提供する。
【0121】
ブロック918のいくつかの実施形態において、第2の排出バルブ194は、接触器アセンブリ内の流体の流れを制御するために閉ポジションまたは半閉ポジションに操作される。閉ポジションでは、流体の流れが阻止され、第2の排出口192を通る流体の流れがなくなる。半閉ポジションでは、流体の流れが第2の排出バルブ194で妨げられ、流体の流れの一部のみが第2の排出口192を通る。第2の排出バルブ194を用いて流体の流れを妨げることで、流体からコンタクト167に提供される加熱作用または冷却作用が(例えば、流体の流れを第2の排出バルブ194等で妨げない場合と比べて)低減する。
【0122】
いくつかの実施形態において、プロセス900は、単一のプロセスにおいてブロック916及び918の両方を含むことができる。プロセス900は、第1の排出バルブ176及び第2の排出バルブ194を開ポジション、閉ポジションまたは半閉ポジションに動作させ、接触器アセンブリ内の流体の流れを制御してもよい。いくつかの実施形態において、プロセス900は、最初に第1の排出バルブ176を動作させ、第2の排出バルブ194を独立して動作させてもよい。
【0123】
プロセス900は、ブロック912に戻ってもよい。プロセス900は、ブロック915、916または918において、流入バルブ158、第1の排出バルブ176または第2の排出バルブ194のうちの少なくとも1つを動作させると、プロセス900はブロック912を繰り返してもよい。プロセス900では、流入バルブ158、第1の排出バルブ176または第2の排出バルブ194のうちの少なくとも1つが、温度コントローラ112によって操作される。プロセス900は、ブロック912に戻り、流入バルブ158、第1の排出バルブ176または第2の排出バルブ194のうちの少なくとも1つを動作可能に調整した後、温度コントローラ112によって流体の特性を判定する。いくつかの実施形態において、プロセス900は、ターゲットデバイスが試験装置130で試験されている限り発生する。
【0124】
いくつかの実施形態において、プロセス900は、温度コントローラ112によって、複数の接触器アセンブリ138のコンタクト167の特性の複数の測定値(例えば、第1の接触器アセンブリ138のコンタクト167、第2の接触器アセンブリ138のコンタクト167等)を判定する。各接触器アセンブリ138内に配置された接触器アセンブリセンサ168は、コンタクト167の特性を独立して測定することを容易にするように構成されている。いくつかの実施形態において、接触器アセンブリ138は、流体が接触器アセンブリセンサ168のそれぞれの周囲を流れているとき、流体を独立して測定することを容易にするように構成されている。その結果、プロセス900は、第1の接触器アセンブリ138のコンタクトの温度と、第2の接触器アセンブリ138のコンタクトの温度とを特定する。これらの実施形態において、第1の接触器アセンブリ138内の流入バルブ158、第1の排出バルブ176または第2の排出バルブ194のうちの少なくとも1つの制御は、第1の接触器アセンブリ138または第2の接触器アセンブリ138のうちの少なくとも1つの内部の温度に基づくものとしてもよい。
【0125】
さらに、様々な実施形態において、第2の接触器アセンブリ138の流入バルブ158、第1の排出バルブ176または第2の排出バルブ194のうちの少なくとも1つの制御は、第2の接触器アセンブリ138または第2の接触器アセンブリ138のうちの少なくとも1つの内部の温度に基づいていてもよい。このようにして、プロセス900は、任意の数の接触器アセンブリ138を用いて実施される。例えば、温度制御システム100が32台の接触器アセンブリ138を含む場合、第1の接触器アセンブリ138の1つのバルブ(例えば、流入バルブ158、第1の排出バルブ176、第2の排出バルブ194)の調整は残りの31台の接触器アセンブリ138に対する流体の流れに影響を及ぼすことになる。幾何学的配置及び時定数に応じて、1台の接触器アセンブリ138における温度の制御が、その他の接触器アセンブリ138の制御とは独立して実行される。しかしながら、時定数が小さい場合、各接触器アセンブリ138の温度の制御は、その他の接触器アセンブリ138の温度を考慮してもよい。
【0126】
いくつかの実施形態において、プロセス900は、温度コントローラ112によって、各接触器アセンブリ138のコンタクトの温度を設定温度と比較する。プロセス900は、温度コントローラ112によって、各接触器アセンブリ138のコンタクト167の温度が設定温度と略等しくなるように、各接触器アセンブリ138の流入バルブ158、第1の排出バルブ176または第2の排出バルブ194のうちの少なくとも1つのポジションを変更できる。
【0127】
いくつかの実施形態において、試験装置101は、図2で示したように、試験装置センサ1000を含む。試験装置センサ1000は、コンタクト167の特性の測定を容易にするように構成されている。いくつかの実施形態において、特性の測定値はコンタクト167の温度であってもよい。測定値は温度コントローラ112に送信され、プロセッサ116は、本明細書に記載された測定値に基づく、第1の接触器アセンブリ138の流入バルブ158、第1の接触器アセンブリ138の第1の排出バルブ174及び第1の接触器アセンブリ138の第2の排出バルブ194の運用を容易にすることができる。いくつかの実施形態において、プロセッサ116は、本明細書に記載された測定値に基づく、第2の接触器アセンブリ138の流入バルブ158、第2の接触器アセンブリ138の第1の排出バルブ174及び第2の接触器アセンブリ138の第2の排出バルブ194の運用を容易にすることができる。試験装置センサ1000は、ベースエミッタ接合(例えば、ダイオード等)であってもよい。
【0128】
本明細書には多くの具体的な実施の詳細が含まれているが、これらは特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、具体的な実施に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。本明細書で個別の実施のコンテキストで記載されている特定の機能は、単一の実施を組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施のコンテキストで説明された様々な機能は、複数の実施で個別に、または任意の適切なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、特徴は特定の組み合わせで作用するものとして説明され、当初はそのようにクレームされることもあるが、場合によっては、クレームされた組み合わせから1つまたは複数の特徴が削除されてもよく、クレームされた組み合わせがサブコンビネーションまたはサブコンビネーションのバリエーションを対象にしてもよい。
【0129】
本明細書で使用される「実質的に」、「一般的に」、「およそ」という用語、並びに同様の用語は、本開示の対象分野と関係する当業者によって一般的かつ受け入れられる用法に一致する広い意味を有することを意図している。これらの用語は、これらの特徴の範囲を、与えられた正確な数値の範囲に制限されることなく、記載されクレームされた特定の特徴の説明を意図していることを、本開示を検討する当業者は理解するべきである。したがって、これらの用語は、記載及びクレームされた主題の実質的または重要でない修正または変更が、添付の特許請求の範囲内にあるとみなされることを示すものとして解釈されるべきである。
【0130】
本明細書で使用される「結合された」等の用語は、2つの構成要素が互いに直接的または間接的に結合することを意味する。このような結合は、固定されていて(例えば、不変)もよく、移動可能(例えば、取り外し可能、解放可能または回転可能)であってもよい。このような結合は、2つの構成要素または2つの構成要素と任意の追加の中間構成要素とが互いに単一の一体型の本体として一体に形成されることで、または2つの構成要素または2つの構成要素と任意の追加の中間構成要素とが互いに取り付けられることで実現される。
【0131】
本明細書で使用される「流体結合される」等の用語は、2つの構成要素または物体の間に形成される、構成要素または物体が介在してもしなくても、空気、圧縮乾燥空気、圧縮空気等の流体が流れる経路を有することを意味する。流体連結を可能にする流体継手または構成の例には、ある構成要素または物体から別の構成要素または物体への流体の流れを可能にする配管、チャネルまたは任意の他の適切な構成要素が含まれる。
【0132】
様々な実施例に示される様々なシステムの構造及び配置は、単に例示的なものであり、特性を限定するものではないことに留意することが重要である。記載された実施の主旨または範囲内の全ての変更及び修正は、保護されることが望まれる。いくつかの特徴は必要ではない場合があり、様々な特徴を欠く実施も本開示の範囲内であると考えられ、その範囲は特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。「一部」という用語が使用された場合、特に断りがない限り、アイテムには該アイテムの一部を含んでいてもよく、該アイテムの全部を含んでいてもよい。
【0133】
また、用語「または」は、要素のリストの文脈において、その包括的な意味で(排他的な意味ではなく)使用されるため、要素のリストを接続するために使用される場合、用語「または」は、リスト内の1つ、一部または全ての要素を意味する。「X、Y、Zの少なくとも1つ」等の表現の接続語は、特に明記されない限り、一般にアイテム、用語等がX、Y、Z、X及びY、X及びZ、Y及びZまたはX、Y及びZ(すなわち、X、Y及びZの任意の組み合わせ)のいずれかであることを伝えるために使用される文脈で理解される。したがって、このような接続語は、一般に、特段の指示がない限り、特定の実施形態において、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ及びZの少なくとも1つが存在する必要があることを意味するものではない。
【0134】
さらに、本明細書における値の範囲(例えば、W1からW2等)は、特に断りのない限り、その最大値及び最小値を含む(例えば、W1からW2は、W1を含み、W2を含む等)。さらに、特段の指示がない限り、値の範囲(例えば、W1からW2等)は、値の範囲内の中間値を必ずしも含める必要はない(例えば、W1からW2には、W1とW2のみを含む等)。
図1
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図9
【国際調査報告】