(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】イメージング用医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 49/00 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A61K49/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580416
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 IB2022056957
(87)【国際公開番号】W WO2023007404
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000006677
【氏名又は名称】アステラス製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100126985
【氏名又は名称】中村 充利
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 正子
(72)【発明者】
【氏名】小松 完爾
(72)【発明者】
【氏名】田草川 伸
(72)【発明者】
【氏名】デルガド-エレーラ,レティシア
【テーマコード(参考)】
4C085
【Fターム(参考)】
4C085HH11
4C085KA27
4C085KB56
4C085LL07
4C085LL20
(57)【要約】
術中の尿管識別は、尿管損傷のリスクの低減を助ける。このヒト初回投与第1相試験において、プデキサシアニニウムクロリドが、単回のボーラス投与として、健康な成人参加者に静脈内投与された。この発明は、術中のNIRF尿管可視化のためにプデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を使用する新しい投与量に関する。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近赤外蛍光(NIRF)によって対象における臓器、体液、および導管の少なくとも1つをイメージングするためのプデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物は、0.3mg~24.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含み、前記医薬組成物は、第1の投与で前記対象に投与され、任意選択で、前記第1の投与の後に、0.3mg~24.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む前記医薬組成物が対象に再び投与される、上記医薬組成物。
【請求項2】
前記第1の投与の後に、0.3mg~24.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む前記医薬組成物が対象に再び投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記医薬組成物が、0.3mg~3.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記医薬組成物が、1.0mg~3.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む、請求項1または2のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩が、プデキサシアニニウムクロリドである、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
近赤外蛍光(NIRF)によって対象における臓器、体液、および導管の少なくとも1つをイメージングするための方法であって、
プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を含む第1の医薬組成物を、0.3mg~24.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムの投薬量で、前記対象に投与すること;
前記対象を、NIRFに供して、前記対象における臓器、体液、および導管の少なくとも1つの画像を得ること;および
任意選択で、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を含む後続の医薬組成物を、0.3mg~24.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムの投薬量で、前記対象に投与すること
を含む、上記方法。
【請求項7】
前記第1の医薬組成物が、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を、0.3mg~3.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムの投薬量で含むか、または前記後続の医薬組成物が、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を、0.3mg~3.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムの投薬量で含むか、またはその両方である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の医薬組成物が、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を、1.0mg~3.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムの投薬量で含むか、または前記後続の医薬組成物が、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を、1.0mg~3.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムの投薬量で含むか、またはその両方である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩が、プデキサシアニニウムクロリドである、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
近赤外蛍光によって対象における臓器、体液、および導管の少なくとも1つをイメージングするための医薬を製造するためのプデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩の使用であって、前記医薬は、第1の投与において、任意選択で第1の投与の後の第2の投与において、0.3~24.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む、上記使用。
【請求項11】
前記医薬が、0.3~3.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記医薬が、1.0mg~3.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む、請求項10に記載の使用。
【請求項13】
プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩が、プデキサシアニニウムクロリドである、請求項10~12のいずれか一項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、近赤外蛍光によって生きた体内において臓器、体液、および導管の少なくとも1つをイメージングするための好適な量のプデキサシアニニウムクロリド(Pudexacianinium chloride)を含む医薬組成物、または医薬組成物を投与するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]尿管損傷の発生はまれであり、全てのケースの75%は、腹部または骨盤の外科手術中に起こり1、これは主として、尿管が処置中に遭遇する解剖学的な構造に近接することが原因である2。ほとんどの医原性尿管損傷(IUI)は、婦人科系手術によって起こり3、非腫瘍手術の場合の割合は0.1%~1.5%と報告されている4。結腸直腸外科手術は、IUIの2番目に一般的な原因である。10年にわたる米国で実行された200万件より多くの結腸直腸手術の分析は、IUIの割合が0.28%であることを確認し、これは6,027件の損傷に相当する5。迅速に検出および処置されない場合、IUIは、重篤な続発症、すなわち、尿管狭窄や長期的な腎機能の低下などの罹患が増加し6、より長い入院、病院コストの増加、および死亡率の増加に寄与する可能性がある5。加えて、IUIは、外科医にとって法医学的および経済的な影響がないわけではない7。IUIの場合、唯一の最大の予後因子は、診断までの時間である;優れた転帰は、術中の診断および修復と結びついている4、8。
【0003】
[0003]しかしながら、IUIの検出は難しい場合があり、IUIのわずか約3分の1しか手術中に診断されない1、8~10。IUIの防止は、これまでのところ最も望ましい経過であるが、尿管の識別に伴う負荷、特に腹腔鏡下手術中の負荷によって妨害されることが多い11~13。予防的な尿管ステント留置は、尿管の可視化を助けるものであり、複雑な処置で採用されることがしばしばあるが14、依然として異論が多く、それ自身がIUIを誘発する可能性がある5。高リスクの処置では許容できるとみなされているが、現在のガイドラインは、その慣例的な使用を求めていない8、15。手術前のイメージング技術、例えば静脈性(IV)尿路造影およびコンピューター断層撮影を使用できるが、リアルタイムの可視化を提供せず、IUIを防止しない可能性がある8。尿管を識別するより優れた非侵襲的方法が求められているのは明らかであり、ある調査によれば、外科医の大半(54.5%)は、そのような技術をいつもの毎日の診療に実行することを検討するであろうとしている14。
【0004】
[0004]近赤外蛍光(NIRF)イメージングは、解剖学的な構造のリアルタイムの可視化のための有望な技術である2、12、16~19。術中のイメージングシステムによって検出できる、腎排泄されるNIRF造影剤を手術前に注射することで、放射性核種を使用せずにリアルタイムの尿管可視化を可能にする。近赤外(NIR)光は、5ミリメートルの組織を透過でき18、低い組織自己蛍光およびNIRの範囲での弱い吸収のために強い可視シグナルを提供し18、術野の視覚的な外観を変化させず、それによって「標準的な白色光での目視検査および鼓動を超える強化されたリアリティー」をもたらす12。しかしながら、これらの望ましい特性にとって重要なのは、造影剤それ自体である。尿管識別に関するこの技術のヒト初回投与試験は、色素のメチレンブルーを使用したが19、この薬剤は、NIRを用いた場合に白色光を超える何らかの可視化の利点を提供するほど十分な光学特性を有していなかった16。結果として、尿管可視化のためのNIFR造影剤の改良は、活発な研究分野になっている12。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Dobrowolski Z, Kusionowicz J, Drewniak T, et al. Renal and ureteric trauma: diagnosis and management in Poland. BJU Int. 2002;89(7):748-751.
【非特許文献2】Ahn CB, Kim JH, Park GK, et al. Prognostic imaging of iatrogenic and traumatic ureteral injury by near-infrared fluorescence. Quant Imaging Med Surg. 2019;9(6):1056-1065.
【非特許文献3】Summerton DJ, Kitrey ND, Lumen N, Serafetinidis E, Djakovic N, European Association of U. EAU guidelines on iatrogenic trauma. Eur Urol. 2012;62(4):628-639.
【非特許文献4】Abboudi H, Ahmed K, Royle J, Khan MS, Dasgupta P, N'Dow J. Ureteric injury: a challenging condition to diagnose and manage. Nat Rev Urol. 2013;10(2):108-115.
【非特許文献5】Halabi WJ, Jafari MD, Nguyen VQ, et al. Ureteral injuries in colorectal surgery: an analysis of trends, outcomes, and risk factors over a 10-year period in the United States. Dis Colon Rectum. 2014;57(2):179-186.
【非特許文献6】Lucarelli G, Ditonno P, Bettocchi C, et al. Delayed relief of ureteral obstruction is implicated in the long-term development of renal damage and arterial hypertension in patients with unilateral ureteral injury. J Urol. 2013;189(3):960-965.
【非特許文献7】Nachiappan S CA, Askari A, Faiz O. Intraoperative ureteric injuries and litigation in the NHS. J Clin Urol. 2015;8(1):9-13.
【非特許文献8】Brandes S, Coburn M, Armenakas N, McAninch J. Diagnosis and management of ureteric injury: an evidence-based analysis. BJU Int. 2004;94(3):277-289.
【非特許文献9】Tan-Kim J, Menefee SA, Reinsch CS, et al. Laparoscopic Hysterectomy and Urinary Tract Injury: Experience in a Health Maintenance Organization. J Minim Invasive Gynecol. 2015;22(7):1278-1286.
【非特許文献10】Parpala-Sparman T, Paananen I, Santala M, Ohtonen P, Hellstrom P. Increasing numbers of ureteric injuries after the introduction of laparoscopic surgery. Scand J Urol Nephrol. 2008;42(5):422-427.
【非特許文献11】de Valk KS, Handgraaf HJ, Deken MM, et al. A zwitterionic near-infrared fluorophore for real-time ureter identification during laparoscopic abdominopelvic surgery. Nat Commun. 2019;10(1):3118.
【非特許文献12】Slooter MD, Janssen A, Bemelman WA, Tanis PJ, Hompes R. Currently available and experimental dyes for intraoperative near-infrared fluorescence imaging of the ureters: a systematic review. Tech Coloproctol. 2019;23(4):305-313.
【非特許文献13】Wallis CJ, Cheung DC, Garbens A, et al. Occurrence of and Risk Factors for Urological Intervention During Benign Hysterectomy: Analysis of the National Surgical Quality Improvement Program Database. Urology. 2016;97:66-72.
【非特許文献14】Douissard J, Meyer J, Ris F, Liot E, Morel P, Buchs NC. Iatrogenic ureteral injuries and their prevention in colorectal surgery: results from a nationwide survey. Colorectal Dis. 2019;21(5):595-602.
【非特許文献15】Lynch TH, Martinez-Pineiro L, Plas E, et al. EAU guidelines on urological trauma. Eur Urol. 2005;47(1):1-15.
【非特許文献16】Al-Taher M, van den Bos J, Schols RM, Bouvy ND, Stassen LP. Fluorescence Ureteral Visualization in Human Laparoscopic Colorectal Surgery Using Methylene Blue. J Laparoendosc Adv Surg Tech A. 2016;26(11):870-875.
【非特許文献17】Farnam RW, Arms RG, Klaassen AH, Sorger JM. Intraoperative ureter visualization using a near-infrared imaging agent. J Biomed Opt. 2019;24(6):1-8.
【非特許文献18】Hyun H, Henary M, Gao T, et al. 700-nm Zwitterionic Near-Infrared Fluorophores for Dual-Channel Image-Guided Surgery. Mol Imaging Biol. 2016;18(1):52-61.
【非特許文献19】Verbeek FP, van der Vorst JR, Schaafsma BE, et al. Intraoperative near infrared fluorescence guided identification of the ureters using low dose methylene blue: a first in human experience. J Urol. 2013;190(2):574-579.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0005]したがって、尿管識別を助けるためのNIFR造影剤の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0006]近赤外蛍光(NIRF)によって対象における臓器、体液、および導管の少なくとも1つをイメージングするためのプデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物であって、医薬組成物は、0.3mg~24.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含み、医薬組成物は、第1の投与で対象に投与され、任意選択で、第1の投与の後に、0.3mg~24.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む医薬組成物が対象に再び投与される、医薬組成物が本明細書で提供される。一部の実施態様において、医薬組成物は、第1の投与の後に、対象に再び投与される。一部の実施態様において、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩は、プデキサシアニニウムクロリドである。様々な実施態様において、医薬組成物は、0.3mg~3.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む。一部の実施態様において、医薬組成物は、1.0mg~3.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む。
【0008】
[0007]近赤外蛍光(NIRF)によって対象における臓器、体液、および導管の少なくとも1つをイメージングするための方法であって、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を含む第1の医薬組成物を、0.3mg~24.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムの投薬量で、対象に投与すること;対象を、NIRFに供して、対象における臓器、体液、および導管の少なくとも1つの画像を得ること;および任意選択で、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を含む後続の医薬組成物を、0.3mg~24.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムの投薬量で、対象に投与することを含む、上記方法が本明細書においてさらに提供される。一部の実施態様において、第1の医薬組成物は、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を、0.3mg~3.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムの投薬量で含むか、または後続の医薬組成物は、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を、0.3mg~3.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムの投薬量で含むか、またはその両方である。様々な実施態様において、第1の医薬組成物は、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を、1.0mg~3.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムの投薬量で含むか、または後続の医薬組成物は、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩を、1.0mg~3.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムの投薬量で含むか、またはその両方である。一部の実施態様において、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩は、プデキサシアニニウムクロリドである。
【0009】
[0008]近赤外蛍光によって対象における臓器、体液、および導管の少なくとも1つをイメージングするための医薬を製造するためのプデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩の使用であって、前記医薬は、第1の投与において、任意選択で第1の投与の後の第2の投与において、0.3~24.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む、上記使用が本明細書においてさらに提供される。一部の実施態様において、医薬は、0.3~3.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む。様々な実施態様において、医薬は、1.0mg~3.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む。一部の実施態様において、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩は、プデキサシアニニウムクロリドである。
【0010】
[0009]本開示およびその付随する利点の多くのより詳細な評価は、以下の詳細な説明を参照することにより、添付の図面と関連して検討した場合によりよく理解できるようになることから、それらは容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0010]
図1は、スクリーニング期間、調査期間、およびNIFR造影剤としてのプデキサシアニニウムの評価のための経過観察期間からなる臨床試験である。
【
図2A】[0011]
図2Aは、プデキサシアニニウムの算術平均血漿中濃度である。
【
図2B】[0012]
図2Bは、0.1mgおよび0.5mgのコホートにおいて投与後6時間まで、ならびに2mg、8mg、および24mgのコホートにおいて投与後24時間まで定量可能であった尿中プデキサシアニニウム濃度である。
【
図3A】[0013]
図3Aは、0.1mg~24mgの範囲の用量における、プデキサシアニニウムのAUC
infの増加である
。
【
図3B】[0014]
図3Bは、0.1mg~24mgの範囲の用量における、プデキサシアニニウムのC
maxの増加である。
【
図4】[0015]
図4は、外科手術中の麻酔下における患者の尿中プデキサシアニニウム濃度-時間経過のシミュレーションである。
【
図5】[0016]
図5は、標的尿中濃度(1μg/mL)を超える患者の割合のシミュレーションである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0017]プデキサシアニニウムは、β-シクロデキストリン部分を含有する新規のインドシアニングリーン(ICG)誘導体である20。その分子サイズおよび親水性の性質により、その尿への排泄を可能にし、視覚的に緑色を付与し,さらに、より一層高い感度のために、既存の近赤外線ICG検出デバイスを使用して尿管特異的なイメージングおよび可視化を可能にする21。前臨床の結果は、0.01mg/kgでの遊離型としてのIV投与でプデキサシアニニウムが、投与後3時間までに尿管の可視化を可能にすることを示した22。簡潔に言うと、プデキサシアニニウムクロリドを投与後3時間まで尿管が可視化された動物の割合は、それぞれ0.001mg/kgで33%、0.01mg/kgで100%であった。加えて、プデキサシアニニウムクロリドは、カニクイザルにおいて、4週間にわたり最大300mg/kg(遊離型として)を1日1回投与したところ、十分な忍容性を有しており、毒性関連の変化がなかった22。
【0013】
[0018]遊離型としてのプデキサシアニニウムは、以下の構造を有するカチオン形態であり、配位アニオンを有する塩の形態として提供することができ、このような形態は、酸から1個またはそれより多くのプロトンを除去することによって生成され、例えば塩化物からプデキサシアニニウムクロリドを提供することができる。このような塩の例としては、無機酸由来の配位アニオンを有する塩、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など、および有機酸由来の配位アニオンを有する塩、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。
【0014】
【0015】
[0019]プデキサシアニニウムクロリドの第1相試験は、プデキサシアニニウムクロリドが単回投与で健康なヒト志願者に投与され,安全性および忍容性、加えて薬物動態(PK)を評価した。患者に投与するための遊離型としてのプデキサシアニニウムの好適な用量を,前臨床結果および第1相試験に基づいて,複数の薬理学的な観点から調査した。
【0016】
[0020]結果として、遊離塩基としてのプデキサシアニニウムの特定の用量が、近赤外蛍光によって生きた体内において臓器、体液、および導管の少なくとも1つをイメージングするための好適な用量として発見された。用語「好適な用量」は、対象に投与したとき、臨床結果を含む有益または望ましい結果をもたらす量を意味し、例えば、近赤外蛍光によって生きた体内において臓器、体液、および導管の少なくとも1つをイメージングするための安全な用量または有効な用量である。一部の実施態様において、投薬量は、遊離型としてのプデキサシアニニウム量に基づき、対象1人当たり約0.3~5.0mgの範囲であり得る。一部の実施態様において、投薬量は、遊離型としてのプデキサシアニニウム量に基づき、対象1人当たり約0.3~3.0mgの範囲であり得る。一部の実施態様において、投薬量は、遊離型としてのプデキサシアニニウム量に基づき、対象1人当たり約0.3~1.0mgの範囲であり得る。一部の実施態様において、投薬量は、遊離型としてのプデキサシアニニウム量に基づき、対象1人当たり約1.0~3.0mgの範囲であり得る。一部の実施態様において、投薬量は、遊離型としてのプデキサシアニニウム量に基づき、0.3、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、または5.0mg/対象であり得る。一部の実施例において、投薬量は、遊離型としてのプデキサシアニニウム量に基づき、0.3、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、または3.0mg/対象であり得る。一部の実施態様において、投薬量は、遊離型としてのプデキサシアニニウム量に基づき、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、または3.0mg/対象であり得る。一部の実施態様において、投薬量は、遊離型としてのプデキサシアニニウム量に基づき、1.0、1.5、2.0、2.5または3.0mg/対象であり得る。一部の実施態様において、投薬量は、遊離型としてのプデキサシアニニウム量に基づき、1.0または3.0mg/対象であり得る。一部の実施態様において、投薬量は、遊離型としてのプデキサシアニニウム量に基づき、1.0mg/対象であり得る。一部の実施態様において、投薬量は、遊離型としてのプデキサシアニニウム量に基づき、3.0mg/対象であり得る。第1の投与のための投薬量および第2の投与のための投薬量は、同一でもよいし、または異なっていてもよく、上述される投薬量のあらゆる組合せであってもよい。一部の実施態様において、第1の投与のための投薬量および第2の投与のための投薬量は、同じであってもよい。
【0017】
[0021]具体的には、近赤外蛍光によって対象における臓器、体液、および導管の少なくとも1つをイメージングするための、プデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩(例えば、塩化物)を含む医薬組成物であって、0.3mg~24.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む前記医薬組成物が、第1に対象に投与され、任意選択で、第1の投与後に、0.3mg~24.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムが対象に再び投与される、上記医薬組成物が本明細書で開示される。また、近赤外蛍光によって対象における臓器、体液、および導管の少なくとも1つをイメージングするための方法であって、0.3~24.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムを、第1に対象に投与すること、および任意選択で、第1の投与後に、0.3~24.0mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムを対象に再び投与することを含む、上記方法も本明細書で開示される。さらに、本明細書で提供されるのは、近赤外蛍光によって対象における臓器、体液、および導管の少なくとも1つをイメージングするための医薬を製造するためのプデキサシアニニウムまたはその医薬的に許容される塩(例えば、塩化物)の使用であって、前記医薬は、第1の投与において、任意選択で第1の投与後の第2の投与において、0.3~24.0mgのプデキサシアニニウムを遊離型として含む、上記使用が本明細書において提供される。
【0018】
[0022]用語「投与する」、「投与すること」、「投与」などは、本明細書で使用される場合、生物学的な作用の望ましい部位への組成物の送達を可能にするのに使用できる方法を指す。これらの方法としては、これらに限定されないが、関節内(関節中)、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、皮下、局所などが挙げられる。一部の実施態様において、投与は、静脈内投与である。
【0019】
[0023]プデキサシアニニウム、例えば、プデキサシアニニウムクロリドは、本明細書で開示される方法において医薬組成物として投与することができる。医薬組成物は、投与に応じて、医薬的に許容される担体および添加剤を含んでいてもよい。医薬的に許容される担体および添加剤のタイプは、特に限定されないが、当業者周知の担体および添加剤を使用することができる。一部の実施態様において、医薬組成物は、溶液であり、例えば、投与のための水溶液である。水溶液組成物中の遊離型としてのプデキサシアニニウムの濃度は、約0.1~8.0mg/mLの範囲であってもよい。一部の実施態様において、濃度は、0.5~4.0mg/mLの範囲であってもよい。一部の実施態様において、濃度は、1.0~4.0mg/mLの範囲であってもよい。一部の実施態様において、濃度は、0.5、1.0、2.0、3.0または4,0mg/mLであってもよい。一部の実施態様において、濃度は、1.0mg/mLであってもよい。一部の実施態様において、濃度は、2.0mg/mLであってもよい。一部の実施態様において、濃度は、3.0mg/mLであってもよい。一部の実施態様において、濃度は、4.0mg/mLであってもよい。
【0020】
[0024]一部の実施態様において、手術前(例えば、腹腔鏡手術の前)または手術中(例えば、腹腔鏡手術中)の医薬組成物の投与のタイミングが本明細書で開示される。一部の実施態様において、第1の投与は、手術前であり、任意選択で、医薬組成物の第2の投与をさらに含み、例えばそれを手術中に再び投与することをさらに含む。
【0021】
[0025]診断のためにプデキサシアニニウムを検出するために、以下のデバイスを使用することができる:デバイスは、上述される本発明の診断組成物が投与される生体の少なくとも一部を測定するために使用されるデバイスである(その開示が参照によりその全体が組み入れられる米国特許第9056131号を参照)。
【実施例】
【0022】
[0026]本明細書の以下において、開示された方法および組成物を、実施例を参照しながらより詳細に説明する。さらに、本発明の開示は、以下の実施例に限定されない。
【0023】
[0027]実施例1-用量レベルの論理的根拠
[0028]開始用量は、被験者1人当たり0.1mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムであった。開始用量の論理的根拠は、カニクイザルにおける安全性試験の結果および推測されたヒトにおける臨床有効用量に基づいていた。
【0024】
[0029]推測された臨床有効用量は、対象被験者1人当たり0.5mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムである。NIR-F薬剤としてプデキサシアニニウムクロリドを使用した摘出ブタ尿管の生体外のイメージング研究において1、十分な尿管の可視化は、蛍光イメージング下でキャプチャーされた画像において尿管が1μg/mLで十分に視覚的に認識されることと定義された。更に、ミニブタのイメージング研究において1、プデキサシアニニウムを遊離型として0.01mg/kg静脈内投与後3時間において、尿管は蛍光イメージング下で視覚的に識別可能であり、1μg/mLより高い尿中濃度であった。これらの観察結果は、慣例的な外科手術の典型的な長さ(およそ2時間)を超える3時間まで尿管の十分な術中の可視化を許容する、試験で選択された臨床有効用量を裏付けるものである。それゆえ、推測された臨床有効用量を、プデキサシアニニウムの静脈内投与後3時間に1μg/mLを超える尿中濃度をもたらす用量として計算し、以下の方程式を使用して体重で補正した:
推測された臨床有効用量=0.01mg/kg(動物用量)×(40kg[動物の体重]/60kg[ヒトの体重])0.33×60kg(ヒトの体重)=0.5mg/被験者。
【0025】
[0030]薬物動態解析における定量限界未満の濃度の取り扱い基準
[0031]定量下限未満(BLQ)濃度の値をゼロに設定し、例外を以下のように定義した:
あらゆる(2つの定量可能な濃度間に)挟まれたBLQ値およびプロファイル中の最後の定量可能な濃度に続くBLQ値は、薬物動態(PK)解析の目的で欠損扱いとした。
【0026】
後期の見かけの終末相において2つのBLQ濃度値後に明確な濃度値が存在する場合、これらの値を評価した。これらの値が変則的とみなされる場合は、それらを欠損扱いとした。
【0027】
濃度-時間プロファイル全体がBLQである場合、そのプロファイルをPK解析から除外した。
【0028】
投与前の濃度が欠損している場合、これらの値を、フェニックス・ウィンノンリン(Phoenix WinNonlin)におけるデフォルトによってゼロに設定した。
【0029】
[0032]試験デザイン
[0033]試験(ClinicalTrials.govの識別子:NCT03698305)は、無作為化二重盲検プラセボ対照逐次漸増IVボーラス投与グループ試験であり、これは、米国の単一の施設(コーヴァンス・クリニカル・リサーチ・ユニット社(Covance Clinical Research Unit, Inc.))で実施された。目的は、健康な参加者に単回投与されたプデキサシアニニウムクロリドIVの安全性および忍容性を評価すること、ならびに血漿および尿中のプデキサシアニニウムの単回投与PKプロファイルを評価することであった。
【0030】
[0034]試験集団は、全体で30人の参加者であり、1つのコホート当たり6人の健康な志願者(3人の女性および3人の男性)からなる5つのコホートで構成された。参加者を無作為に2:1に割り振って(各コホートにおいてn=4およびn=2)、プデキサシアニニウムクロリドまたはプラセボを単回IVボーラス投与した。試験は、スクリーニング期間、調査期間、および経過観察期間からなっていた(
図1)。参加者は、スクリーニングの成功後、試験-1日目に診療施設に入院した。1日目、参加者は、投与の1~2時間前に留置尿道カテーテルを設置され、投与後≧8時間までそのままとした。絶食条件下で、プデキサシアニニウムに無作為化されたコホート1の参加者は、遊離型としてのプデキサシアニニウム0.1mgを静脈内ボーラス投与された;後続のコホートは、遊離型としてのプデキサシアニニウム0.5mg、2mg、8mg、および24mgを逐次的にボーラス投与された。遊離型としてのプデキサシアニニウムの推測された臨床有効用量は、被験者1人当たり0.5mgである。ゲッティンゲンミニブタのイメージング研究において、遊離型としてのプデキサシアニニウムのIV投与後3時間において、蛍光イメージング下での尿管は視覚的に識別可能であり、1μg/mLより高い尿中濃度であった
22。それゆえ、ヒトにおける有効用量は、プデキサシアニニウムクロリドのIV投与後3時間で1μg/mLを超える尿中濃度をもたらす用量として計算された。ヒト初回投与試験におけるプデキサシアニニウムクロリドPKの用量依存性を評価するために、推測された臨床有効用量(0.5mgの遊離型としてのプデキサシアニニウム)の5分の1である0.1mgの開始用量を選択した。
【0031】
[0035]コホート中の6人の患者のうち少なくとも5人が試験手順を完了した後、用量漸増委員会は全てのPKおよび安全性データを検討し、用量漸増を進行させるか、用量漸増を止めるか、同じ用量レベルを繰り返すか、または現行および先行の用量との中間のより低い用量レベルを検討するかを決定した。注射のためのプデキサシアニニウムクロリド溶液は、遊離型としてのプデキサシアニニウム4mg/mLのIV注射のための水溶液として供給された。プデキサシアニニウムクロリド溶液は、10mLの褐色ガラスバイアルの形態で提供された。
【0032】
[0036]血液および尿サンプルを24時間にわたり収集した。参加者は、2日目に退院し、7日目に経過観察の来院のために診療施設に戻り、14日目に経過観察の電話の呼び出しを受けて試験を終えた。尿が変色して偶発的に非盲検化するのを防止するために、カテーテルやチューブ類収集バッグを覆い、交換の際には、参加者がこれらや収集バイアルを見ないようにした。尿サンプルの収集および処理は、試験評価に参加していなかった別の追加の非盲検スタッフが実施した。
【0033】
[0037]各参加者からインフォームドコンセントを得て、プロトコールは、施設内倫理審査委員会(Advarra IRB、米国メリーランド州コロンビア)によって承認された。ヘルシンキ宣言の原則、医薬品の臨床試験の実施に関する基準、および医薬品規制調和国際会議(International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)のガイドラインに従って、試験をさらに実行した。以下で論じられる通り試験プロトコールに修正がなされたが(「参加者」および「評価」を参照)、この試験の結果に影響を与えなかった。
【0034】
[0038]プデキサシアニニウムクロリドは、以下の通り使用される:
分子量 3079.44(塩化物塩) 3043.99(遊離型)
貯蔵条件 冷凍庫で貯蔵(-80℃、実際の温度:-81.5℃~-74.6℃)、
遮光、窒素ガス充填
使用 10%またはそれより低い相対湿度。
【0035】
[0039]参加者
[0040]適格な参加者は、18~55歳であり、18.5~32.0kg/m2(両端の値を含む)のボディマス指数(BMI)を有し、体重が>40kg(女性)または>50kg(男性)であった。女性参加者は、妊娠している場合は除外され、処置期間にわたり、さらに、最後の薬物投与後少なくとも30日間、授乳を控えることが必要であった。全ての参加者は、避妊のガイドラインに従うことが必要であった。全ての参加者は、-1日目に、正常な肝機能(アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、ガンマ-グルタミルトランスフェラーゼ、および総ビリルビン<正常値上限[ULN])および正常な腎機能(血中尿素窒素およびクレアチニン≦ULN)を有しており、後者は、2018年10月31日のプロトコールに対する修正として追加された。臨床的に重大な疾患または悪性腫瘍の病歴または証拠があることは許容されなかった。全ての参加者は、書面によるインフォームドコンセントを提出した。
【0036】
[0041]評価
[0042]安全性および忍容性を、各用量レベルで、プデキサシアニニウムクロリドに関連する有害事象(AE)のモニタリング、臨床検査、バイタルサイン、心電図(ECG)、および身体検査を介して評価した。安全性および忍容性のエンドポイントは、AEの性質、頻度、および重症度、ならびに臨床検査、バイタルサイン、定期的な12誘導心電図、および身体検査であった。被験者が超過敏反応を発生させた場合は、超過敏反応の発症後できるだけ早くヒスタミン濃度の決定のための追加の血液サンプルを採取した。
【0037】
[0043]有害事象は、2018年10月31日のプロトコール修正で特定された、国立癌研究所(National Cancer Institute)-有害事象共通用語規準、バージョン5.0に従って等級付けされた。有害事象は、医薬品規制用語集、バージョン21.1を使用して、臓器のクラスおよび基本語により分類された。尿の緑色の着色は、予測される公知の可逆的な作用であり、いかなる好ましくない臨床症状もないことから、これはAEとみなされなかった。
【0038】
[0044]血液および尿PKサンプル収集のタイムポイントを示す(表1)。尿のサンプリング間隔は、-1時間から投与時の間、および後続の連続する尿サンプル収集の各タイムポイント間であった。血漿のプデキサシアニニウムのPKパラメーターのエンドポイントは、逆外挿したゼロ時間の血漿中濃度(C0);最大の観察された血漿中濃度(Cmax);投与後ゼロ時間から24時間まで(AUC0-24)の血漿中濃度-時間曲線下の面積;ゼロ時間から最後の定量可能な濃度の時間までの血漿中濃度-時間曲線下の面積(AUClast);ゼロ時間から無限大まで(AUCinf)の血漿中濃度-時間曲線下の面積;総濃度-時間曲線下面積に対する最後の定量可能な濃度の時間から無限大までの血漿中濃度-時間曲線下の面積のパーセンテージ(AUCinf[%extrap]);血漿からの薬物の全身クリアランス(CLtot);最高血中濃度の時間(tmax);見かけの終末相の消失半減期(t1/2);および終末相の分布容積(Vz)であった。尿で測定されたプデキサシアニニウムのPKパラメーターのエンドポイントは、未変化薬物の尿中排泄量(Ae)、用量に対する尿中排泄率(Ae%)、未変化薬物の累積尿中排泄量(CumAe)、CumAeのパーセンテージ(CumAe%)、ゼロ時間から最後の定量可能な濃度の時間までの未変化薬物の尿中排泄量(Aelast)、Aelastのパーセンテージ(Aelast%)、腎クリアランス(CLR)、および各タイムポイントにおけるプデキサシアニニウムの平均尿中濃度であった。
【0039】
[0045]緑色の尿の着色の開始および停止の時間間隔を、2019年4月17日のプロトコール修正に従って、8mgおよび24mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムのコホートにつき記録した。尿の着色の検出を、非盲検看護スタッフによって、目視検査のみで実行した。着色の記録は、盲検スタッフの非盲検化の可能性を回避するために、事後データベースがロックされるまで安全な場所に保管された。
【0040】
[0046]統計的方法
[0047]安全性集団は、被検薬物を単回投与された全ての参加者を含んでいた。PK集団は、1つ以上のPKパラメーターを導き出すのにデータが利用可能であった安全性集団の参加者を含んでいた。薬物動態パラメーターを、フェニックス・ウィンノンリンバージョン8.1を使用して、ノンコンパートメント解析によって算出し、処置グループごとに要約した。記述統計は、血漿中濃度、プデキサシアニニウムの尿中排泄量および累積尿中排泄量、ならびに処置グループおよびスケジュールされたサンプル時間ごとの尿収集ポイントでのプデキサシアニニウム尿中濃度に対して提示された。
【0041】
[0048]結果
[0049]30人の参加者があり、そのうちの20人(コホート当たり4人)はプデキサシアニニウムクロリドを投与され、10人(コホート当たり2人)はプラセボを投与された。30人全ての参加者がプロトコールに従って試験を終え、全員を安全性集団に入れた。プデキサシアニニウムクロリドを投与された20人全ての参加者をPK集団に入れた。各コホート内および全体で、参加者の50%が女性であった(表1)。全体の平均年齢は43歳であり(標準偏差[SD]、11.3歳)、平均BMIは27.3kg/m2(SD、2.96)であり、66.7%が白人であった。平均年齢およびBMIは、全てのコホートにわたり類似していた。
【0042】
【0043】
[0050]安全性および忍容性
[0051]試験中の全体の処置中に発生したAE(TEAE)は、プデキサシアニニウムクロリドを受けた3人の参加者(15.0%)およびプラセボを投与された2人の参加者(20.0%)で報告された。輸注は、ヒスタミン放出または過敏症を引き起こさなかった。プデキサシアニニウムクロリドを投与された参加者のうち、0.5mgの用量の遊離型としてのプデキサシアニニウムを投与された1人は、口腔ヘルペスおよび失神性めまいを経験し(両方ともグレード1)、8mgの用量の遊離型としてのプデキサシアニニウムを投与された1人は、グレード1の尿路感染を経験し、24mgの用量を投与された1人は、グレード1の頭痛、グレード2の排尿困難、およびグレード3の腎盂腎炎を経験した(表2)。
【0044】
【0045】
[0052]TEAEは、治験責任医師により、プデキサシアニニウムクロリドに関連するかまたは関連する可能性があるとはみなされなかった。口腔ヘルペス、尿路感染、および腎盂腎炎を経験した参加者は、それを中和する薬物療法を受けた。
【0046】
[0053]グレード3の腎盂腎炎の場合は、プデキサシアニニウムクロリド投与後の2日目に始まった重篤なAEであり、原因は尿道カテーテルであった。この参加者は、3日目に病院に入院し、セフトリアキソンで処置された。6日目に、参加者は、経口バクトリム、ピリジウム、およびイブプロフェンに切り替えた後に退院し、その時点で重篤なAEは、解決したとみなされた。血清化学データ、血液学データ、バイタルサイン測定、ECGパラメーター、または身体検査において臨床的に深刻な結果または傾向もなく、AEまたは試験中の死亡による試験からの脱落もなかった。
【0047】
[0054]薬物動態
[0055]プデキサシアニニウムの算術平均血漿中濃度は、
図2Aに示される。
【0048】
[0056]プデキサシアニニウムの平均の終末相の消失半減期は、2.1~3.6時間の範囲であり、全身クリアランスおよび終末相の分布容積は、用量範囲にわたり変わらなかった(表3)。
【0049】
【0050】
[0057]0.1mg~24mgの遊離型としてのプデキサシアニニウムの範囲の用量で、プデキサシアニニウムのAUC
inf(
図3A)およびC
max(
図3B)の増加は、用量増加にほぼ比例していた。これらの用量に比例する曝露の増加は、変わらない半減期および全身クリアランスの推定値と組み合わせて、評価された用量範囲にわたりプデキサシアニニウムに関して直線的なPKを示す。
【0051】
[0058]プデキサシアニニウムは、IV投与後、定量可能な濃度で急速に尿中に出現し、これは、全ての参加者で、最初の投与後サンプル収集ポイント(0.5時間)において観察された。尿中のプデキサシアニニウム濃度は、0.1mgおよび0.5mgのコホートにおいて投与後6時間まで、ならびに2mg、8mg、および24mgのコホートにおいて投与後24時間まで定量可能であった(
図2B)。全ての用量範囲にわたり、尿中の排泄は、24時間までにほぼ完了した。尿中で回収された無傷のプデキサシアニニウムの平均量は、それぞれ遊離型としての0.1、0.5、2、8、または24mgのプデキサシアニニウムを投与した後、0.0768、0.403、1.68、8.01、および23.1mgであった。尿中の未変化で回収された投与されたプデキサシアニニウム用量の対応するパーセンテージ(Ae
last%)は、76.8%~100%の範囲であった(表4)。
【0052】
【0053】
[0059]参考として、ミニブタモデルを使用した前臨床試験において、プデキサシアニニウムは、IV投与後6時間以内に完全に排泄された(95%)22。
【0054】
[0060]目に見える緑色の尿の着色は、8mgおよび24mgの用量の遊離型としてのプデキサシアニニウムを受けた参加者において起こったが、プラセボを受けた参加者では起こらなかった。これらの8人の参加者のうち7人において、緑色の尿の着色は、最初の尿収集間隔(0~0.5時間)で最初に観察された(表5)。
【0055】
【0056】
[0061]残りの参加者(8mgのコホート)において、緑色の尿の着色は、最初に2~2.5時間の間隔で出現した。緑色の尿は、8mgのコホートにおいて、4人の参加者のうち3人で、投与後3~3.5時間まで観察され、24mgのコホートにおいて、4人の参加者のうち2人で、投与後12~24時間まで観察された。全ての場合で、緑色の尿の着色は、投与後24時間までに観察されなくなった。
【0057】
[0062]実施例1の結果の要約
[0063]現在、術中における尿管のNIRF可視化を容易にするためのFDAに承認された薬剤はない。他の適応症での使用に承認されている色素であるメチレンブルーおよびインドシアニングリーンの実証研究によれば23~25、それぞれ光学特性および投与経路およびクリアランスにおいて欠陥があり、そのためそれらはこのような処置には不適切であることが解明された12。この未だ満たされていない必要性に取り組むために、新規のNIRF剤が開発中である。これらのうちいくつかは、例えばIS-00117、IRDye(登録商標)800-BK26、27、およびZW800-128などであり、これらは近年、ヒト初回投与試験に進んでいる。
【0058】
[0064]高い水溶性、低い自己凝集(これは蛍光を低減させる可能性がある)、ならびに高い光学的および化学的安定性のために設計された、プデキサシアニニウムクロリドのヒト初回投与データが本明細書において提供される20。これらの結果は、健康な志願者で得られ、第2相試験設計のための用量の推測を含むプデキサシアニニウムの安全性およびPKプロファイルに関する主要な情報を提供する。24mgまでの単回の漸増IVボーラス投与は、いかなるプデキサシアニニウム関連のTEAEも起こさず、AEによる撤退もなかった。1人の参加者において、1つの重篤なTEAEであるグレード3の腎盂腎炎が起こり、これは、数十年にわたる泌尿器科学的な観察と一致し29、30、尿道カテーテルに関する合併症であると見出された。血清化学データ、血液学データ、バイタルサイン測定、ECGパラメーター、または身体検査において、有意な傾向は、いずれの参加者でも観察されなかった。
【0059】
[0065]薬物動態解析は、プデキサシアニニウムは、主として未変化で尿に排泄され、その排泄は急速に24時間でほぼ完了するようであることを解明した。単回の8mgのまたは24mgの用量は、ほとんどの参加者で、少なくとも3時間、重要な緑色の尿の着色をもたらした。直線状の、および用量に比例するプデキサシアニニウム血漿のPKは、評価された用量範囲にわたり観察された。
【0060】
[0066]結論として、IV投与でプデキサシアニニウムクロリドが0.01mg/kgで明確な別個のNIRF尿管可視化を可能にすることを実証する前臨床結果に基づいて22、この試験で見出されたプデキサシアニニウムの尿中濃度およびPKパラメーターは、遊離型としてのプデキサシアニニウムを0.1mg~24mgの用量範囲内で使用した術中のNIRF尿管可視化の裏付けになる。まとめると、これらの安全性およびPKの結果は、腹部や骨盤の外科手術中の尿管検出に関するプデキサシアニニウムクロリドのさらなる評価の裏付けになる。
【0061】
[0067]実施例2-プデキサシアニニウムクロリドの臨床的な用量設定
[0068]近赤外蛍光(NIR-F)尿管可視化は、尿管中のプデキサシアニニウムの尿中濃度に依存する。プデキサシアニニウムの(リアルタイムの)尿中濃度は、優れた薬力学的な(可視化)代用マーカーである可能性が高い。ミニブタにおける尿管イメージング研究は、尿路中の十分な尿中のプデキサシアニニウム濃度は、NIR-F尿管イメージングの場合、ブタの尿管(Mol Imaging Biol(2021))を使用した生体外の試験に基づいて、1μg/mLであると予想されることを示唆した。
【0062】
[0069]プデキサシアニニウムクロリドによる術中の尿管イメージングの標的生成物のプロファイルは、ほとんど全ての患者が、外科手術中の明確な尿管の可視化を達成すること(静脈内ボーラス投与の後の3時間にわたり)である。
【0063】
[0070]それゆえに、投与後の3時間にわたり1μg/mLを超える尿中濃度を達成する標的用量を調査した。第1相の健康な志願者の試験(ClinicalTrials.govの識別子:NCT03698305)において、2mgの静脈内ボーラス投与後の3時間におけるプデキサシアニニウムの平均ポイントの尿中濃度は、水の摂取制限がない条件下で、0.5μg/mLであった。
【0064】
[0071]一般的に、ヒトにおける尿薬物濃度は、濃度は尿形成体積(尿排泄量)の影響を受けるため、極めて変動しやすい。実際には、米国第1相試験(ClinicalTrials.govの識別子:NCT03698305)において、健康な志願者において観察された尿中濃度は、極めて変動しやすく、尿体積の変動の影響を受ける。外科手術中の麻酔下における患者では、尿生成速度を約1mL/分の低いレベルに制御することが推奨され[Davison AおよびRoss JA、201631およびPuckettら、201732]、一方で、米国の第1相試験において、参加者は試験中、水を自由に消費し、尿中濃度の大きい変動が観察された。外科手術中の麻酔下における患者のプデキサシアニニウムの臨床用量を正確に推測するために、薬理学的なメカニズムをベースとした定量的なアプローチを使用する必要があるとみなされた。
【0065】
[0072]母集団薬物動態モデルは、米国の第1相健康志願者試験からのデータを使用して、非線形混合効果モデリングによって構築された。3コンパートメントモデルがプデキサシアニニウムの血漿中濃度-時間プロファイルをよく説明しており、同時に尿中のプデキサシアニニウム濃度を出力コンパートメントを使用して解析した。このモデルは、個々の尿中のプデキサシアニニウム濃度を説明するのに成功した。開発されたモデルを使用して、外科手術中の麻酔下における個々の患者における血漿および尿中のプデキサシアニニウム濃度-時間プロファイルを、臨床の用量設定のためにシミュレートした。プデキサシアニニウムによる術中の尿管イメージングが目指す製品プロファイルは、ほとんど全ての患者が、外科手術中に(静脈内ボーラス投与後の3時間にわたり)明確な尿管可視化を達成することである。
【0066】
[0073]以下の3つのポイントが全て重要とみなされると仮定してシミュレーションを実行した:
(1)外科手術下での尿生成速度は1mL/分で制御されること、
(2)尿生成速度における個体間の変動がないこと、および
(3)血漿中濃度と尿への排泄との間に遅延がないこと。
【0067】
[0074]合計1000人の実際の患者集団を作成して、各用量(0.1、0.3、1、2、および3mg)に対する血漿および尿中のプデキサシアニニウム濃度-時間プロファイルをシミュレートした。標的濃度に近い平均尿中濃度を示す、第1相試験での2mgを含むシミュレーションを逐次的に実行した。外科手術中の麻酔下における患者の尿中のプデキサシアニニウム濃度-時間経過のシミュレーションを示す。
【0068】
[0075]尿生成速度における変化の影響も0.5~2mL/分の範囲で試験した。標的尿中濃度(1μg/mL)を超える患者の割合のシミュレーションから、尿生成速度0.5~1.0mL/分の患者への1mgの投与において、99%より多くの患者が単回IV投与後の3時間にわたり1μg/mLを超える尿中濃度を達成すると予想された。
【0069】
[0076]第2相試験において、中央用量として1mgを選択すること、および用量間を区別するために「3」の公比を使用することによって、参加者当たり0.3、1および3mgの3つの用量レベルが初回用量として提唱された。
【0070】
参考文献
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【国際調査報告】