(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】慢性完全閉塞をクロッシングするためのクロッシング・カテーテル・システム、及びクロッシング・カテーテル・システムを動作させるための方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A61M25/00 530
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580709
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2022072290
(87)【国際公開番号】W WO2023017006
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512238276
【氏名又は名称】バイオトロニック アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メフラビ、アーズアーデフ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA01
4C267BB02
4C267BB11
4C267BB26
4C267BB31
4C267BB38
4C267CC09
(57)【要約】
慢性完全閉塞をクロッシングするためのクロッシング・カテーテル・システムが説明され、クロッシング・カテーテル・システムは、拡張器を受けることができる支持カテーテル・ルーメンを画定する支持カテーテル・シャフトを有する支持カテーテルと、支持カテーテルの支持カテーテル・ルーメン内に配置構成される拡張器と、近位側支持カテーテル端部のところに配置構成されるロッキング・ハンドルと、任選選択の少なくとも1つのマニホルドと、を有するか或いはこれらから構成される。さらに、このようなクロッシング・カテーテル・システムを動作させる方法が説明される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
慢性完全閉塞をクロッシングするためのクロッシング・カテーテル・システムであって、
- 遠位側支持カテーテル端部、近位側支持カテーテル端部、及び前記支持カテーテル遠位端と前記支持カテーテル近位端の間に延在する支持カテーテル・シャフトを有する支持カテーテルであって、前記支持カテーテル・シャフトは、拡張器を受け入れることができる支持カテーテル・ルーメンを画定している、支持カテーテルと、
- 遠位側拡張器端部、近位側拡張器端部、及び前記遠位側拡張器端部と前記近位側拡張器端部の間に延在する拡張器シャフトを有する拡張器であって、前記拡張器は、前記支持カテーテルの前記支持カテーテル・ルーメン内に少なくとも部分的に配置され、前記遠位側拡張器端部は前記拡張器シャフトに接続され、又は接続可能であり、前記遠位側拡張器端部は、近位側セグメント、遠位側セグメント、及び前記近位側セグメントと前記遠位側セグメントの間に配置された任意選択の1つ又は複数の中間セグメントを有し、前記近位側セグメントは、前記拡張器シャフトに接続される又は接続可能であるセグメントであり、前記近位側セグメントは、均一のラジアル円周を有し、前記遠位側セグメントのラジアル円周が前記近位側セグメントのラジアル円周より小さい、拡張器と、
- 前記支持カテーテル・シャフト内の所定の位置で前記拡張器をロックするためのロッキング・ハンドルであって、前記近位側支持カテーテル端部又は前記支持カテーテル・シャフトのところに配置されるロッキング・ハンドルと、
- 任意選択の、少なくとも1つのマニホルドと
を有する、又は、からなる、クロッシング・カテーテル・システム。
【請求項2】
前記遠位側セグメントは、均一のラジアル円周を有する、請求項1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項3】
前記遠位側拡張器端部は、前記近位側セグメントと前記遠位側セグメントの間に配置された1つ又は複数の中間セグメントを有し、前記1つ又は複数の中間セグメントのラジアル円周が、前記近位側セグメントから前記遠位側セグメントまで徐々に、又は非一定的に減少している、請求項1から2までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項4】
前記遠位側拡張器端部は前記拡張器シャフトに接続可能であり、前記近位側セグメントは、別の近位側セグメントと交換可能であり、且つ/又は、前記遠位側セグメントは別の遠位側セグメントと交換可能であり、且つ/又は、前記中間セグメントの各々が別の中間セグメントと交換可能である、請求項1から3までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項5】
前記遠位側支持カテーテル端部は直線縁部状であり、又は管形状である、請求項1から4までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項6】
前記支持カテーテルは、好適には前記支持カテーテル・シャフト及び/又は前記遠位側支持カテーテル端部は、強化材料で作られる、請求項1から5までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項7】
前記遠位側支持カテーテル端部は丸みを帯びている、請求項1から6までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項8】
前記遠位側セグメントは鋭利であり、且つ/又は鋭利な縁部を有する、請求項1から7までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項9】
前記遠位側拡張器端部は、先細のねじ部であるただ1つの中間セグメントを有し、好適には前記ねじ部は非鋭利なフランク面を有する、請求項1から8までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項10】
前記遠位側セグメントは、前記近位側セグメント、及び前記1つ又は複数の中間セグメントより高いスティフネスを有する、請求項1から9までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項11】
前記遠位側拡張器端部は、好適には前記遠位側セグメント、及び/又は前記遠位側支持カテーテル端部は、X線不透過性マーカーを有し、又はX線不透過性物質で作られる、請求項1から10までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項12】
前記遠位側支持カテーテル端部は、開口部を有する金属リング又は金属キャップを有し、それにより前記開口部を通して前記拡張器先端部を嵌め込むことを可能にする、請求項1から11までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項13】
前記遠位側拡張器端部は、圧力嵌め接続、及び/又はフォーム・フィット接続、及び/又は磁力によって、拡張器シャフトに接続可能である、請求項1から12までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項14】
少なくとも1つのマニホルド、好適には支持カテーテル・マニホルド及び拡張器マニホルドを有する、請求項1から13までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項15】
前記ロッキング・ハンドルに接続された支持カテーテル・マニホルドを有する、請求項14に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項16】
前記支持カテーテルは、1つ又は複数の支持カテーテル・ポートを有することができ、前記1つ又は複数の支持カテーテル・ポートは、好適には前記支持カテーテル・マニホルドにところにある、請求項1から15までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項17】
前記拡張器は中実である、請求項1から16までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項18】
前記拡張器は、1つ又は複数の拡張器ルーメンを有する、請求項1から16までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項19】
前記拡張器は、前記遠位側セグメント及び前記拡張器シャフトを通って延びる1つ又は複数の拡張器ルーメンを有する、請求項1から16までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項20】
前記拡張器シャフトが中実であり、1つ又は複数のルーメンが前記拡張器シャフトに平行に延びている、請求項1から16までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項21】
前記1つ又は複数のルーメンは、前記遠位側拡張器端部に平行に延びている、請求項20に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項22】
前記1つ又は複数のルーメンは、前記遠位側拡張器端部の前記近位側セグメントに平行に延びている、請求項20に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項23】
前記1つ又は複数のルーメンは、前記遠位側拡張器端部の前記近位側セグメント及び前記遠位側拡張器端部の前記1つ又は複数の中間セグメントと平行に延びている、請求項20に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項24】
前記1つ又は複数のルーメンは、前記遠位側拡張器端部の前記近位側セグメント及び前記遠位側拡張器の前記1つ又は複数の中間セグメント及び前記遠位側拡張器端部の前記遠位側セグメントと平行に延びている、請求項20に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項25】
前記拡張器は、ガイドワイヤを受け入れることができる第1のルーメンと、好適には造影剤である流体媒体を受け入れることができる第2のルーメンとを有する、請求項18から24までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項26】
前記拡張器は、好適には前記拡張器マニホルドは、好適には造影剤である流体媒体を前記1つ又は複数の拡張器ルーメンのうちの少なくとも1つの拡張器ルーメン内に注入するための拡張器ポートを有する、請求項1から25までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項27】
請求項1から26までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システムを動作させる方法であって、
- 前記拡張器を前記支持カテーテルの前記支持カテーテル・ルーメン内に挿入するステップと、
- 任意選択で、前記遠位側拡張器端部の少なくとも前記近位側パートを前記遠位側支持カテーテル端部内まで後退させるステップと、
- 前記ロッキング・ハンドルによって前記支持カテーテル・ルーメン内の所定の位置で前記拡張器をロックするステップであって、前記所定の位置において、前記遠位側拡張器端部の少なくとも前記近位側セグメントは前記支持カテーテル・ルーメン内にあり、又は前記遠位側拡張器端部は前記支持カテーテル・ルーメン内にない、ステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、慢性完全閉塞をクロッシング(又は貫通)するためのクロッシング・カテーテル・システム(crossing catheter system)に関する。本発明は、さらに、クロッシング・カテーテル・システムを動作させる方法に関する。そのようなクロッシング・カテーテル・システムを使用して慢性完全閉塞を治療する方法がさらに説明される。
【背景技術】
【0002】
慢性完全閉塞(CTO:chronic total occlusion)は冠動脈の完全な閉塞である。最初の時点で柔らかいCTOキャップ(CTO cap)を有するCTOは経年変化し始め得、時間とともに硬い線維性のCTOキャップを有し得る。CTOを治療するための従来の手法では、医者が、支持カテーテルを介して挿入される選択したガイドワイヤを使用する。最初に、医者はCTOを扱うのに柔らかいガイドワイヤを使用する。柔らかいガイドワイヤを用いてクロッシングするにはCTOが既に硬くなり過ぎていることを医者が認識した場合、医者は支持カテーテルから柔らかいガイドワイヤを完全に引き出さなければならず、より高いスティフネス(剛直性)を有するガイドワイヤを使用しなければならない。しかし、硬い線維性のCTOキャップはガイドワイヤを用いてCTOを貫通するのをより困難なものとし、一部の事例では不可能なものとする。したがって、ガイドワイヤを用いてこれらの病変部をクロッシングすることの試みにおいて、近位側のCTOキャップ及び遠位側CTOキャップを貫通すること又はCTOをクロッシングすることが不可能となり得る。ガイドワイヤに付随する別の問題は滑り及び座屈が起こることであり、それによりガイドワイヤが内膜下スペースに逸れることになる。ガイドワイヤがCTOを通過する場合もあるが、貫通ポイントが小さ過ぎることを理由として次のデバイスを送達することが不可能となる。
【0003】
上で述べた課題のうちのいくつかの課題を克服するための市販の多様な特殊なCTOガイドワイヤが存在する。しかし、医者は、治療の進行中に、病変形態に基づいて、CTOをクロッシングすることができる適切なガイドワイヤを選定する必要があり、したがって、医者は、より大きいグラム数の先端部荷重を有するガイドワイヤ又はスティフネスを有する先端部を有するガイドワイヤを使用するなどといったように、繰り返しガイドワイヤを別のガイドワイヤに替える必要がある。さらに、ガイドワイヤが湾曲及び屈曲したり血管に穴を開けたりするのを防止するための原位置でのデバイスの操作が不可能であると感じるための正確なガイドワイヤの制御性も十分ではない。これに加えて、ガイドワイヤが閉塞位置にある間において医者が血管の経路を見ることができないことも1つの課題であり続ける。これにより手技時間が有意に増大し得、それによりカテーテル検査室のリソースの使用も増大する。
【0004】
超音波ガイド下の振動血管形成術(vibration angioplasty)、非鋭利な顕微解剖カテーテル、及びリエントリー・カテーテルなどの、特殊なクロッシングCTOデバイスが、ガイドワイヤを末梢動脈に導入して配置するのを支援するために開発されてきた。しかし、これらのデバイスは、優良な根拠があるにもかかわらず、日常的な臨床診療では使用されない。このようなデバイスは桁違いに費用がかかるものとなり得、したがって手技の早い段階において医師がこれらのデバイスを在庫から取り出すことに渋ってしまうことになる。加えて、これらのデバイスは、使用者経験が非常に重要であるような状況において一定の学習曲線を必要としてしまうような複雑な動作を採用する可能性がある。
【0005】
EP3322470B1が、拡張器(ダイレーター)を用いてCTO病変部の近位側のキャップを貫通することのみのための「CTO貫通先端部」と呼ばれる特別な先端部を有することを必要とする、機能的に統合可能であるカテーテル・システムCTO拡張器を開示している。CTOをクロッシングするのにガイドワイヤが使用される。しかし、上で述べたように、ガイドワイヤを用いてCTOをクロッシングすることは常に可能というわけではなく、これは、特には、大きいCTO長さを有し、高度に石灰化したCTOキャップを有する古い閉塞に当て嵌まる。この提案される拡張器先端部はCTOをクロッシングすることを回避するリエントリー技法のために設計されたものであり、CTOを通過する腔内技法には適さない。
【0006】
EP2473122B1が、CTOを貫通するのを支援するためのチャンネルを形成する傾斜先端部を有するブレードを開示している。ブレードの近位側パートに対して、ばね要素を有するハンドルが取り付けられる。ハンドルがブレードの鋭利な先端部を軸方向に前進させ、マイクロカテーテルに対してブレードを軸方向及び回転方向に動かすのを支援する。このシステムを用いる場合、ブレードが閉塞位置にある間において医者が血管の経路を見ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】EP3322470B1
【特許文献2】EP2473122B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
単純であり、高コスト効率であり、現在の解決策のすべての課題を克服する、腔内に留まるためのCTOクロッシング・カテーテル・システムが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的が、請求項1の特徴を有するクロッシング・カテーテル・システムによって解決される。
【0010】
好適な実施例が従属請求項に記載され、以下で詳細に説明される。
【0011】
慢性完全閉塞をクロッシングするためのクロッシング・カテーテル・システムが、概して、
- 支持カテーテルと、
- 拡張器カテーテルと(本明細書では以降、拡張器と短縮される)、
- ロッキング・ハンドルと、
- 任意選択の、少なくとも1つのマニホルドと、
を有するか又はこれらから構成される。
【0012】
慢性完全閉塞をクロッシングするためのクロッシング・カテーテル・システムが説明され、このクロッシング・カテーテル・システムは、
- 遠位側支持カテーテル端部、近位側支持カテーテル端部、及び支持カテーテル遠位端と支持カテーテル近位端との間を延在する支持カテーテル・シャフト、を有する支持カテーテルであって、支持カテーテル・シャフトは拡張器を受けることができる支持カテーテル・ルーメンを画定する、支持カテーテルと、
- 遠位側拡張器端部、近位側拡張器端部、及び遠位側拡張器端部と近位側拡張器端部との間を延在する拡張器シャフト、を有する拡張器であって、拡張器は支持カテーテルの支持カテーテル・ルーメンの中に少なくとも部分的に配置構成され、遠位側拡張器端部は、近位側セグメント、遠位側セグメント、及び、近位側セグメントと遠位側セグメントとの間に配置構成された任意選択の1つ又は複数の中間セグメント、を有し、近位側セグメントは拡張器シャフトに接続されたセグメントであり、近位側セグメントは均一のラジアル円周(radial circumference)を有し、遠位側セグメントのラジアル円周は近位側セグメントのラジアル円周より小さい、拡張器と、
- 支持カテーテル・シャフト内の所定の位置で拡張器をロックするためのロッキング・ハンドルであって、ロッキング・ハンドルは近位側支持カテーテル端部又は支持カテーテル・シャフトのところに配置構成される、ロッキング・ハンドルと、
- 任意選択の、少なくとも1つのマニホルドと、
を有するか又はこれらから構成される。
【0013】
このクロッシング・カテーテル・システムは、クロッシングするのに拡張器のみを使用する、閉塞又は柔らかいCTOキャップを有するCTOをクロッシングするのを可能にするが、CTOをクロッシングするために拡張器と共に支持カテーテルを使用して硬い線維性CTOキャップをクロッシングすることも可能にする。支持カテーテルは拡張器カテーテル及びロッキング・ハンドルと協働して働き、それにより、追加のカラム強度を提供し、CTOを通って移動するためのクロッシング・カテーテル・システムの「押し込み性(pushability)」を向上させる。
【0014】
支持カテーテルは、遠位側支持カテーテル端部と、近位側支持カテーテル端部と、支持カテーテル遠位端と支持カテーテル近位端との間を延在する支持カテーテル・シャフトと、を有する。遠位側支持カテーテル端部は、ヒト又は動物の身体の中に挿入されることを意図される端部である。近位側外側カテーテル端部は、特には医者である、手術者によって動作させられることを意図される端部である。
【0015】
近位側支持カテーテル端部はロッキング・ハンドルを有するか又はロッキング・ハンドルに接続され得る。ロッキング・ハンドルは、拡張器を所定の位置でロックするためのロッキング機構を有する。したがって、ロッキング・ハンドルは拡張器をロックし、拡張器の移動を防止する。したがって、カテーテル全体、つまり支持カテーテルと併せた拡張器がCTOを通るように押され得る。したがって、ロッキング・ハンドルを使用することにより支持カテーテル内で拡張器をロックすることにより、カラム強度を高くすること及びひいては押し込み性を高くすることが可能となる。押し込み性は、カテーテルをCTOの方に向かって前進させるために医者によって加えられる力を意味する。より明確には、押し込み性は、近位側支持カテーテル端部及び/又はロッキング・ハンドルに対して力が加えられるときに遠位側拡張器端部の受ける力を意味する。
【0016】
ロッキング・ハンドルはまた、例えば医者などの手術者がクロッシング・カテーテル・システムを動作させること及び拡張器又はクロッシング・カテーテル・システムを押すことをより容易にする。ロッキング・ハンドルは、所定の位置において手術者及び拡張器のロッキング・ハンドルにより押すことを可能にする押し込みハンドル(pushing handle)となり得る。ロッキング・ハンドルは視覚マーキング又は触覚マーキングを含むことができる。ロッキング・ハンドルは把持面を有することができる。把持面は手術者がカテーテルを制御するのを支援することができる。ロッキング・ハンドルは、オペレーション中に手術者がクロッシング・カテーテル・システムを把持するのをより容易にするための人間工学的デザインを有することができる。ロッキング・ハンドルは、支持カテーテル及び拡張器に同時に取り付けられるように構成され得る。
【0017】
支持カテーテルは、ロッキング・ハンドルに接続されたマニホルドを有することができる。
【0018】
支持カテーテルは1つ又は複数の支持カテーテル・ポートを有することができ、好適には、例えば、フラッシング・ポート、膨張及び/又は収縮ポートなどの流体媒体のための1つ又は複数のポートを有することができる。遠位側支持カテーテル端部は、ヒト又は動物の身体の中に挿入される端部である。近位側外側カテーテル端部は、特には医者である手術者によって動作させられる端部である。
【0019】
支持カテーテル及び/又はロッキング・ハンドルは密閉を目的とした止血弁(ヘモスタシス弁とも称される)を有することができる。一実施例では、ロッキング要素は、密閉すること及びロックすることを目的とした止血弁を有することができる。ヘモスタシス弁は、例えば、拡張器、或いは、バルーン・カテーテル、ステント、又はニードルのような別のデバイスが導入されるか又は引き抜かれるごとに、ロックされ得るか又はロック解除され得るシールを有する。
【0020】
支持カテーテルは強化支持カテーテルとなり得るか、或いは強化材料で作られ得る。好適には、支持カテーテル・シャフト及び/又は遠位側支持カテーテル端部は強化材料で作られ得る。支持カテーテル又は支持カテーテル・シャフト並びに/或いは遠位側支持カテーテル端部の補強は、より良好な押し込み性を可能にする。
【0021】
遠位側支持カテーテル端部は直線縁部状である(straight-edged)か又は管形状である遠位側支持カテーテル端部となり得る。直線縁部状であるか又は管形状である遠位側支持カテーテル端部は押し込み性を向上させ、フレアリング(flaring)を回避する。支持カテーテルは円形の遠位側支持カテーテル端部を有することができる。遠位側支持カテーテル端部は丸みを帯びた縁部を有することができ、及び/又は非鋭利である。
【0022】
支持カテーテル遠位端は、金属のような別の材料、金属の、ポリマーの、又は中に金属を注入されたポリマーの組み合わせ、或いは、(2つの)異なるスティフネスを有する異なる材料、から作られ得る。遠位側支持カテーテル端部は、支持カテーテル・シャフトより高いスティフネスを有することができる。
【0023】
遠位側支持カテーテル端部はX線不透過性物質又はX線不透過性マーカーを有することができる。遠位側支持カテーテル端部は(適切な)金属で作られ得る。好適には、遠位側支持カテーテル端部は、開口部を通して拡張器先端部を嵌め込むのを可能にする開口部を有する金属リング又は金属キャップを有する。金属キャップ又は金属リングは、X線不透過性であることと同時に、遠位側支持カテーテル端部を補強するのを可能にする。
【0024】
一実施例では、遠位側支持カテーテル端部は、直線の縁部を有する、円形の強化遠位側支持カテーテル端部となり得、好適には(適切な)金属で作られ得るか又は金属リングを有することができる。強化遠位側支持カテーテル端部(例えば、金属リングを有する)は、クロッシング・カテーテル・システムに作用する陽圧又は負圧に耐えるのを可能にする。
【0025】
脈管系又は心臓血管系の中に挿入するための(医療用)拡張器(拡張カテーテル、拡張器カテーテル、又は血管拡張器とも称される)が開示される。本発明の意味での拡張は、バルーン・カテーテルのような拡大機能を包含しない。
【0026】
拡張器は、遠位側拡張器端部と、近位側拡張器端部と、遠位側拡張器端部と近位側拡張器端部との間を延在する拡張器シャフトと、を有する。遠位側拡張器端部は、ヒト又は動物の身体の中に挿入されることを意図される拡張器の端部である。近位側拡張器端部は、特には医者である手術者によって動作させられることを意図される拡張器の端部である。遠位側拡張器端部は少なくとも3つの異なるセグメント(互いに接続される)を有する。遠位側拡張器端部は、近位側セグメントと、遠位側セグメントと、近位側セグメントと遠位側セグメントとの間に配置構成された1つ又は複数の中間セグメントと、を有する。近位側セグメントは(1つ又は複数の)中間セグメントに接続され、(1つ又は複数の)中間セグメントは遠位側セグメントに接続される。遠位側セグメントは、(最初に)CTOをクロッシングすることを意図された遠位側拡張器端部のセグメントである。近位側セグメントは、拡張器シャフトに接続された遠位側拡張器端部のセグメントである。一実施例では、近位側セグメント、遠位側セグメント、及び中間セグメントは、拡張器シャフトと一体に形成され得る。別の実施例では、遠位側拡張器端部は拡張器シャフトに(解除可能に)接続可能である。例えば、近位側セグメント、遠位側セグメント、及び/又は中間セグメントは、他のそれぞれのセグメントと交換可能となり得る。これにより、手術者がオペレーション中に必要とされる特定の要求に対して遠位側拡張器端部を個別に適合させることが可能となる。
【0027】
近位側セグメントの直径は遠位側セグメントの直径より大きい。近位側セグメントの直径は1つの中間セグメントの直径又は2つ以上の中間セグメントの各々の直径より大きい。遠位側セグメントの直径は1つの中間セグメントの直径又は2つ以上の中間セグメントの各々の直径より小さい。近位側セグメントの直径は遠位側支持カテーテル端部の直径より小さい。近位側セグメントの直径は拡張器シャフトの直径と同じ直径を有することができる。
【0028】
1つ又は複数の中間セグメントの直径は、近位側セグメントから遠位側セグメントまで、徐々に又は漸進的に、或いは非一定に、減少することができる。1つ又は複数の中間セグメントの直径は近位側セグメントから遠位側セグメントまで減少することができるが、着実には又は一定には減少しない。
【0029】
近位側セグメントのラジアル円周は遠位側セグメントのラジアル円周より大きい。近位側セグメントのラジアル円周は1つの中間セグメントのラジアル円周又は2つ以上の中間セグメントの各々のラジアル円周より大きい。遠位側セグメントのラジアル円周は1つの中間セグメントのラジアル円周又は2つ以上の中間セグメントの各々のラジアル円周より小さい。近位側セグメントのラジアル円周は遠位側支持カテーテル端部のラジアル円周より小さい。近位側セグメントのラジアル円周は支持カテーテル・ルーメンのラジアル円周よりわずかに小さい。近位側セグメントのラジアル円周は拡張器シャフトのラジアル円周と同じラジアル円周を有することができる。
【0030】
1つ又は複数の中間セグメントのラジアル円周は、近位側セグメントから遠位側セグメントまで、徐々に又は漸進的に、或いは非一定に、減少することができる。1つ又は複数の中間セグメントのラジアル円周は近位側セグメントから遠位側セグメントまで減少することができるが、着実には又は一定には減少しない。
【0031】
支持カテーテル・シャフト内で拡張器がロック可能である所定の位置は、遠位側拡張器端部の、少なくとも近位側セグセメント、好適には、近位側セグメント、1つ又は複数の中間セグメント、及び遠位側セグメントが、支持カテーテル・ルーメン内にあるときの位置(例えば、硬いCTOキャップの場合)、或いは、遠位側拡張器端部の近位側セグメント(さらには、1つ又は複数の中間セグメント及び遠位側セグメント)が、支持カテーテル・ルーメンにないときの位置(例えば、柔らかいCTOキャップの場合)となり得る。
【0032】
一実施例では、1つ又は複数の中間セグメントはねじ部(ねじのねじ部と同様)を有することができる。したがって、中間セグメントは、円錐又は円錐台の外面に円錐螺旋を有する円錐形状又は円錐台形状となり得る。ねじ部のピッチは1つの(又は、複数の)セグメントに沿って変化することができる。ねじ部を有する中間セグメントはCTOのクロッシングを支援する可能性がある。
【0033】
好適には、遠位側拡張器端部は、好適には非鋭利な(blunt)フランク面を有する、先細のねじ部である1つのみの中間セグメントを有し、遠位側セグメントは近位側セグメントより小さいラジアル円周を有する。
【0034】
遠位側セグメントは鋭利な先端部又は非鋭利な先端部となり得、好適には遠位側セグメントは鋭利であるか又は鋭利な縁部を有する(その結果、硬い狭窄又はCTOをクロッシングすることができる)。
【0035】
遠位側拡張器端部は、CTO貫通能力を向上させる、強化ポリマー(例えば、繊維強化ポリマー)、セラミック、金属、又は合金、或いはこれらの組み合わせで作られ得る。したがって、遠位側拡張器端部は、手術者によって加えられる圧力に耐えることができる。遠位側拡張器端部、好適には遠位側セグメントは堅牢化(harden)又は補強され得る。さらに、拡張器シャフト及び/又は支持カテーテル・シャフト並びに/或いは遠位側支持カテーテル端部も堅牢化又は補強され得る。強化クロッシング・カテーテル・システムは向上した押し込み性を有し、したがって、強化クロッシング・カテーテル・システムは、好適には、完全CTOの腔内でのクロッシングに使用され得る。
【0036】
遠位側セグメント、近位側セグメント、及び1つ又は複数の中間セグメントのスティフネスは、互いに異なり得る。好適には、遠位側セグメントは、近位側セグメント及び1つ又は複数の中間セグメントより高いスティフネスを有する。
【0037】
拡張器シャフトは多様なシャフト領域を有することができる。多様なシャフト領域は、拡張器シャフトの所定の長さに沿って異なるスティフネスを有することができる。好適には、遠位側支持カテーテル端部は、近位側支持カテーテル端部及び支持カテーテル・シャフトより高いスティフネスを有する。
【0038】
近位側拡張器端部は拡張器マニホルドを有することができる。
【0039】
一実施例では、拡張器は中実(solid)となり得る。
【0040】
別の実施例では、拡張器は1つ又は複数の拡張器ルーメンを有することができる。好適には、拡張器は2つのルーメンを有する(ガイドワイヤを受けるための第1のルーメン、及び流体媒体を受け取るための第2のルーメン)。これらの2つのルーメンは拡張器を通って平行に延びることができる。しかし、拡張器は、ガイドワイヤ及び造影剤の同時の投入を可能にする1つのみのルーメンを有することもできる。拡張器、好適には拡張器マニホルドは、拡張器ルーメンのうちの少なくとも1つの拡張器ルーメンの中に流体媒体(例えば、造影剤)を注入するための拡張器ポートを有することができる。
【0041】
別の実施例では、拡張器シャフトが中実となり得、1つ又は2つのルーメンが中実の拡張器シャフトに平行に延びることができる。
【0042】
さらに、上で言及したクロッシング・カテーテル・システムを動作させる方法が請求項14に説明される。
【0043】
上で言及したクロッシング・カテーテル・システムを動作させる方法が、
- 拡張器を支持カテーテルの支持カテーテル・ルーメンの中に挿入するステップと、
- 任意選択で、遠位側拡張器端部の少なくとも近位側パートを遠位側支持カテーテル端部の中まで後退させるステップと、
- ロッキング・ハンドルを用いて支持カテーテル・ルーメン内の所定の位置で拡張器をロックするステップであって、この所定の位置では、遠位側拡張器端部の少なくとも近位側セグメントが支持カテーテル・ルーメン内にあるか又は遠位側拡張器端部が支持カテーテル・ルーメン内にない、拡張器をロックするステップと、
- 任意選択で、1つ又は複数の拡張器ルーメンのうちの少なくとも1つの拡張器ルーメンの中に造影剤を注入するステップと、
を含む。
【0044】
さらに、上で言及したクロッシング・カテーテル・システムを使用して慢性完全閉塞を治療する方法が説明される。
【0045】
好適には上で言及したクロッシング・カテーテル・システムを使用して、慢性完全閉塞を治療する方法が、以下のステップ、
- CTOの近傍において遠位側拡張器端部を有する拡張器を支持カテーテルのルーメンを通して挿入するステップと、
- 任意選択で、所定の位置にある拡張器を支持カテーテル・ルーメンの中まで後退させるステップと、
- ロッキング・ハンドルを用いて支持カテーテル内の所定の位置で拡張器をロックするステップと、
- クロッシング・カテーテル・システムを用いてCTOをクロッシングするステップと、
を含む。
【0046】
所定の位置では、遠位側拡張器端部の少なくとも近位側セグメントが支持カテーテル・ルーメン内にあるか又は遠位側拡張器端部が支持カテーテル・ルーメン内にない。
【0047】
本方法は、CTOキャップの状態を試験するために遠位側拡張器端部を用いて(近位側の)CTOキャップをドット化するステップをさらに含むことができる。柔らかいCTOキャップをクロッシングするために、拡張器のみが使用され、特には遠位側拡張器端部の遠位側セグメントが使用される。手術者が、ドット化するステップにおいて、拡張器のみ、特には遠位側拡張器の遠位側セグメントのみを用いてのCTOのクロッシングが可能ではないことを理解した場合、手術者は拡張器を支持カテーテル・ルーメンの中まで後退させることができ、ここでは特には、遠位側拡張器の遠位側セグメントが遠位側支持カテーテル端部内に配置構成され、次いでロッキング・ハンドルを使用して拡張器をロックし、中に配置構成された遠位側拡張器端部を有する遠位側支持カテーテル端部を用いてCTOをクロッシングする。特には硬いCTOキャップをクロッシングするために、拡張器と共に支持カテーテルが使用される。本発明によるクロッシング・カテーテル・システムは異なるCTOキャップ硬さでのクロッシングを可能にする。
【0048】
好適には硬いCTOキャップの場合、全体の手術手技中、遠位側カテーテル端部の近位側セグメントは支持カテーテルの内部で維持され得、特には近位側支持カテーテル端部の内部で維持され得る。
【0049】
拡張器はロッキング・ハンドルを用いて所定の位置でロックされ得る。拡張器をロックするとは、クロッシング・カテーテル・システムの操作性を向上させるために支持カテーテルに対して拡張器シャフトをロックすることを意味する。
【0050】
拡張器をロックした後、CTOを横断するようにクロッシング・カテーテル・システムを貫通させるか、押すか、回転させるか、又は前進させるために、手術者(例えば、医者)がロッキング・ハンドルを使用することができる。
【0051】
CTOをクロッシングした後、拡張器は支持カテーテル・ルーメンから完全に外に出るように後退させられ得、この間、支持カテーテルは、さらなる治療のために、例えば、バルーン・カテーテル、ステント、ニードルなどの、次のデバイスを挿入するために血管内に留まる。次いで、バルーン・カテーテル、ステント、ニードルなどのような少なくとも1つのデバイスが、支持カテーテル・ルーメンを通してヒト又は動物の身体の中に挿入され得る。支持カテーテル及び拡張器は、オペレーションの全体を通して患者の中に一体に留まるように適合される。
【0052】
手術者が血管内でのクロッシング・カテーテル・システムの位置を見ることを望む場合、ロッキング・ハンドルがロック解除され得、造影剤が拡張器のフラッシング・ポートを介して拡張器ルーメンの中まで送達され得る。必要である場合、手術者が必要な調整を行うことができ、手技を継続することができる。
【0053】
本発明によるクロッシング・カテーテル・システムさらにはCTO治療の方法は、提案されるクロッシング・カテーテル・システムにより十分な押し込み性が提供されることを理由として、異なる先端部のグラム数を有する異なるガイドワイヤでの交換を必要とすることなくCTOをクロッシングすることを選択するための柔軟性を手術者(例えば、医師)に与える。手術者は、造影剤を用いて、CTO内でクロッシング・カテーテル・システムがどこに位置するかを確認することができる。手術者はさらに、近位側支持カテーテル端部内に遠位側拡張器端部があるか否かを、近位側拡張器先端部と遠位側支持カテーテルとの間での摩擦を介して感じることができる。
【0054】
好適には上で言及したクロッシング・カテーテル・システムを使用して、慢性完全閉塞を治療する別の方法が説明され、この方法が、以下のステップ、
- CTOの近傍において遠位側拡張器端部を有する拡張器を支持カテーテルのルーメンを通して挿入するステップと、
- 遠位側支持カテーテル端部から外まで延在する遠位側拡張器端部の遠位側セグメントを用いてCTOをクロッシングすること又は、
- 遠位側支持カテーテル端部のルーメン内に配置構成された遠位側拡張器端部を有する遠位側支持カテーテル端部を用いてCTOをクロッシングすること(ここでは、拡張器がロッキング・ハンドルを介してこの位置でロックされる)のいずれかを選択するステップと、
を含む。
【0055】
支持カテーテル、拡張器カテーテル、及びロッキング・ハンドルは一体に動作するように寸法的に設計されるが、支持カテーテル、拡張器、及びロッキング・ハンドルは、各々、個別にも使用され得る。
【0056】
さらに、慢性完全閉塞を治療する方法で使用されるための上で言及したカテーテル・システムが説明される。
【0057】
本開示の別の実例が以下で提供される:
【0058】
1.慢性完全閉塞をクロッシングするためのクロッシング・カテーテル・システムであって、
- 遠位側支持カテーテル端部、近位側支持カテーテル端部、及び支持カテーテル遠位端と支持カテーテル近位端との間を延在する支持カテーテル・シャフト、を有する支持カテーテルであって、支持カテーテル・シャフトが拡張器を受けることができる支持カテーテル・ルーメンを画定する、支持カテーテルと、
- 遠位側拡張器端部、近位側拡張器端部、及び遠位側拡張器端部と近位側拡張器端部との間を延在する拡張器シャフト、を有する拡張器であって、拡張器が支持カテーテルの支持カテーテル・ルーメンの中に少なくとも部分的に配置構成され、遠位側拡張器端部が、近位側セグメント、遠位側セグメント、及び、近位側セグメントと遠位側セグメントとの間に配置構成された1つ又は複数の中間セグメント、を有し、近位側セグメントが拡張器シャフトに接続されるセグメントであり、遠位側セグメントが均一のラジアル円周を有し、近位側セグメントが均一のラジアル円周を有し、遠位側セグメントのラジアル円周が近位側セグメントのラジアル円周より小さく、1つ又は複数の中間セグメントのラジアル円周が近位側セグメントから遠位側セグメントまで徐々に又は非一定に減少する、拡張器と、
- 支持カテーテル・シャフト内の所定の位置で拡張器をロックするためのロッキング・ハンドルであって、ロッキング・ハンドルが近位側支持カテーテル端部又は支持カテーテル・シャフトのところに配置構成される、ロッキング・ハンドルと、
- 任意選択の、少なくとも1つのマニホルドと、
を有するか又はこれらから構成される。
【0059】
2.実例1に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側支持カテーテル端部が直線縁部を有するか又は管形状である。遠位側セグメントが均一のラジアル円周を有する。
【0060】
3.実例1又は実例2に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、支持カテーテル、好適には支持カテーテル・シャフト及び/又は遠位側支持カテーテル端部が、強化材料で作られる。
【0061】
4.先行する実例のうちのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、少なくとも1つのマニホルドを有し、好適には支持カテーテル・マニホルド及び拡張器マニホルドを有する。
【0062】
5.実例4に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、ロッキング・ハンドルに接続された支持カテーテル・マニホルドを有する。
【0063】
6.先行する実例のうちのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、支持カテーテルが、好適には支持カテーテル・マニホルドのところにある、1つ又は複数の支持カテーテル・ポートを有することができる。
【0064】
7.先行する実例のうちのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、拡張器が中実である。
【0065】
8.先行する実例のうちのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、拡張器が1つ又は複数の拡張器ルーメンを有する。
【0066】
9.実例8に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、拡張器が、遠位側セグメント及び拡張器シャフトを通って延びる1つ又は複数の拡張器ルーメンを有する。
【0067】
10.実例7に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、拡張器シャフトが中実であり、1つ又は複数のルーメンが拡張器シャフトに平行に延びる。
【0068】
11.実例10に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、1つ又は複数のルーメンが遠位側拡張器端部に平行に延びる。
【0069】
12.実例10に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、1つ又は複数のルーメンが近位側セグメントに平行に延びる。
【0070】
13.実例10に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、1つ又は複数のルーメンが近位側セグメント及び1つ又は複数の中間セグメントに平行に延びる。
【0071】
14.実例9に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、1つ又は複数のルーメンが、近位側セグメント及び1つ又は複数の中間セグメント並びに遠位側セグメントに平行に延びる。
【0072】
15.実例1から実例6又は実例8から実例14のいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、拡張器が、ガイドワイヤを受けることができる第1のルーメンと、好適には造影剤である流体媒体を受け取ることができる第2のルーメンと、を有する。
【0073】
16.先行する実例のうちのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、拡張器、好適には拡張器マニホルドが、好適には造影剤である流体媒体を1つ又は複数の拡張器ルーメンのうちの少なくとも1つの拡張器ルーメンの中に注入するための拡張器ポートを有する。
【0074】
17.先行する実例のうちのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側支持カテーテル及び/又は遠位側セグメントが丸みを帯びた又は非鋭利な縁部を有する。
【0075】
18.先行する実例のうちのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側拡張器端部が、好適には非鋭利なフランク面を有する、先細のねじ部である1つのみの中間セグメントを有する。
【0076】
19.先行する実例のうちのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側セグメントが近位側セグメント及び1つ又は複数の中間セグメントより高いスティフネスを有する。
【0077】
20.先行する実例のうちのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側拡張器端部、好適には遠位側セグメント、及び/又は遠位側支持カテーテル端部が、X線不透過性マーカーを有するか又はX線不透過性物質で作られる。
【0078】
21.先行する実例のうちのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側支持カテーテル端部が、開口部を通して拡張器先端部を嵌め込むのを可能にする開口部を有する金属リング又は金属キャップを有する。
【0079】
22.実例1から実例21までのいずれか一項に記載のクロッシング・カテーテル・システムを動作させる方法であって、
- 拡張器を支持カテーテルの支持カテーテル・ルーメンの中に挿入することと、
- 任意選択で、遠位側拡張器端部の少なくとも近位側パートを遠位側支持カテーテル端部の中まで後退させることと、
- ロッキング・ハンドルを用いて支持カテーテル・ルーメン内の所定の位置で拡張器をロックすることであって、この所定の位置では、遠位側拡張器端部の少なくとも近位側セグメントが支持カテーテル・ルーメン内にあるか又は遠位側拡張器端部が支持カテーテル・ルーメン内にない、拡張器をロックすることと、
- 任意選択で、1つ又は複数の拡張器ルーメンのうちの少なくとも1つの拡張器ルーメンの中に造影剤を注入することと、
を含む。
【0080】
23.慢性完全閉塞をクロッシングするためのクロッシング・カテーテル・システムであって、
- 遠位側支持カテーテル端部、近位側支持カテーテル端部、及び支持カテーテル遠位端と支持カテーテル近位端との間を延在する支持カテーテル・シャフト、を有する支持カテーテルであって、支持カテーテル・シャフトが拡張器を受けることができる支持カテーテル・ルーメンを画定する、支持カテーテルと、
- 近位側拡張器端部、近位側拡張器端部に取り付けられ、遠位側拡張器端部に接続可能である、拡張器シャフト、及び、任意選択の、拡張器シャフトに接続可能である遠位側拡張器端部、を有する拡張器と、
を有するか又はこれらから構成される。
【0081】
24.実例23に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側拡張器端部が、少なくとも1つのセグメント、好適には2つ又は3つのセグメントを有するか又はこれらから構成される。
【0082】
25.実例23又は実例24に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側拡張器端部が、近位側セグメントと、遠位側セグメントと、任意選択の、近位側セグメントと遠位側セグメントとの間に配置構成された1つ又は複数の中間セグメントと、を有し、近位側セグメントが拡張器シャフトに接続可能であるセグメントである。
【0083】
26.実例23から実例25までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側セグメントが均一の円周を有し、近位側セグメントが均一の円周を有し、遠位側セグメントの均一の円周が近位側セグメントの均一の円周より小さい。
【0084】
27.実例23から実例26までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側拡張器端部が、近位側セグメントと遠位側セグメントとの間に配置構成された1つ又は複数の中間セグメントを有する。
【0085】
28.実例23から実例27までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、1つ又は複数の中間セグメントの円周が近位側セグメントから遠位側セグメントまで徐々に又は非一定に減少する。
【0086】
29.実例23から実例28までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、近位側セグメントが別の近位側セグメントと交換可能であり、及び/又は、遠位側セグメントが別の遠位側セグメントと交換可能であり、並びに/或いは、中間セグメントの各々が別の中間セグメントと交換可能である。
【0087】
30.実例23から実例29までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、支持カテーテル・シャフト内の所定の位置で拡張器をロックするためのロッキング・ハンドルをさらに有し、ロッキング・ハンドルが近位側支持カテーテル端部又は支持カテーテル・シャフトのところに配置構成され、任意選択で少なくとも1つのマニホルドを有する。
【0088】
31.実例23から実例30までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側支持カテーテル端部が直線縁部を有するか又は管形状である。
【0089】
32.実例23から実例31までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、支持カテーテル、好適には支持カテーテル・シャフト及び/又は遠位側支持カテーテル端部が、強化材料で作られる。
【0090】
33.実例23から実例32までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、少なくとも1つのマニホルド、好適には、支持カテーテル・マニホルド及び拡張器マニホルドをさらに有する。
【0091】
34.実例23から実例33までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、ロッキング・ハンドルに接続された支持カテーテル・マニホルドを有する。
【0092】
35.実例23から実例34までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、支持カテーテルが、好適には支持カテーテル・マニホルドにところにある、1つ又は複数の支持カテーテル・ポートを有することができる。
【0093】
36.実例23から実例35までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、拡張器が中実であるか、或いは、好適には、ガイドワイヤを受けることができる第1のルーメン及び好適には造影剤である流体媒体を受け取ることができる第2のルーメンである、1つ又は複数の拡張器ルーメンを有する。
【0094】
37.実例23から実例36までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、拡張器、好適には拡張器マニホルドが、1つ又は複数の拡張器ルーメンのうちの少なくとも1つの拡張器ルーメンの中に好適には造影剤である流体媒体を注入するための拡張器ポートを有する。
【0095】
38.実例23から実例37までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側支持カテーテル端部及び/又は遠位側セグメントが丸みを帯びた又は非鋭利な縁部を有する。
【0096】
39.実例23から実例38までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側拡張器端部が、好適には非鋭利なフランク面を有する、先細のねじ部である1つのみの中間セグメントを有する。
【0097】
40.実例23から実例39までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側セグメントが近位側セグメント及び1つ又は複数の中間セグメントより高いスティフネスを有する。
【0098】
41.実例23から実例40までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側拡張器端部、好適には遠位側セグメント、及び/又は遠位側支持カテーテル端部が、X線不透過性マーカーを有するか又はX線不透過性物質で作られる。
【0099】
42.実例23から実例41までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、遠位側支持カテーテル端部が、開口部を通して拡張器先端部を嵌め込むのを可能にする開口部を有する金属リング又は金属キャップを有する。
【0100】
43.実例23から実例42までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、拡張器が中実である。
【0101】
44.実例23から実例42までのいずれか1つの実例に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、拡張器が1つ又は複数の拡張器ルーメンを有する。
【0102】
45.実例44に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、拡張器が、遠位側セグメント及び拡張器シャフトを通って延びている1つ又は複数の拡張器ルーメンを有する。
【0103】
46.実例43に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、拡張器シャフトが中実であり、1つ又は複数のルーメンが拡張器シャフトに平行に延びる。
【0104】
47.実例46に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、1つ又は複数のルーメンが遠位側拡張器端部に平行に延びる。
【0105】
48.実例46に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、1つ又は複数のルーメンが遠位側拡張器端部の近位側セグメントに平行に延びる。
【0106】
49.実例46に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、1つ又は複数のルーメンが遠位側拡張器端部の近位側セグメント及び遠位側拡張器端部の1つ又は複数の中間セグメントと平行に延びる。
【0107】
50.実例46に記載のクロッシング・カテーテル・システムであって、1つ又は複数のルーメンが、遠位側拡張器端部の近位側セグメント及び遠位側拡張器の1つ又は複数の中間セグメント並びに遠位側拡張器端部の遠位側セグメントと平行に延びる。
【0108】
51.少なくとも1つのセグメントを有し、圧力嵌め接続及び/又はフォーム・フィット接続並びに/或いは磁力を介して拡張器シャフトに接続可能である、遠位側拡張器端部。
【0109】
52.実例51に記載の遠位側拡張器端部であって、遠位側拡張器端部が、少なくとも1つのセグメント、好適には2つ又は3つのセグメントを有するか又はこれらから構成される。
【0110】
53.実例51に記載の遠位側拡張器端部であって、遠位側拡張器端部が、近位側セグメントと、遠位側セグメントと、任意選択の、近位側セグメントと遠位側セグメントとの間に配置構成された1つ又は複数の中間セグメントと、を有し、近位側セグメントが拡張器シャフトに接続可能であるセグメントである。
【0111】
54.実例53に記載の遠位側拡張器端部であって、遠位側セグメントが円周を有し、近位側セグメントが円周を有し、遠位側セグメントの円周が近位側セグメントの円周より小さい。
【0112】
55.実例53に記載の遠位側拡張器端部であって、遠位側拡張器端部が、近位側セグメントと遠位側セグメントとの間に配置構成された1つ又は複数の中間セグメントを有する。
【0113】
56.実例55の記載の遠位側拡張器端部であって、1つ又は複数の中間セグメントの円周が近位側セグメントから遠位側セグメントまで徐々に又は非一定に減少する。
【0114】
57.実例53に記載の遠位側拡張器端部であって、近位側セグメントが別の近位側セグメントと交換可能であり、及び/又は、遠位側セグメントが別の遠位側セグメントと交換可能であり、並びに/或いは、中間セグメントの各々が別の中間セグメントと交換可能である。
【0115】
58.実例53に記載の遠位側拡張器端部であって、遠位側セグメントが均一の直径又は円周を有する。
【0116】
59.実例53に記載の遠位側拡張器端部であって、近位側セグメントが均一の直径又は円周を有する。
【0117】
60.実例53に記載の遠位側拡張器端部であって、遠位側拡張器端部が、好適には非鋭利なフランク面を有する、先細のねじ部である1つのみの中間セグメントを有する。
【0118】
本発明の特徴及び利点並びにその実施例が以下の図で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【
図1】クロッシング・カテーテル・システムの実施例を示す図である。
【
図5】遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図6】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図7】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図8】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図9】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図10】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図11】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図12】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図13】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図14】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図15】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図16】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図17】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図18】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図19】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図20】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図21】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図22】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図23】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図24】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図25】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図26】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図27】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図28】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図29】ねじ山と同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図30】ドリル・ビットと同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図31】ドリル・ビットと同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【
図32】ドリル・ビットと同様である遠位側拡張器端部の別の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0120】
図1は、支持カテーテル2と、遠位側拡張器端部32を備える拡張器3と、ロッキング・ハンドル4と、を有するクロッシング・カテーテル・システム1を示す。支持カテーテル・シャフト23は、拡張器3を受けることができる支持カテーテル・ルーメン26を画定する。したがって、拡張器3は支持カテーテル2の支持カテーテル・ルーメン26内に配置構成される。拡張器シャフト及び/又は支持カテーテル・シャフトは補強され得る。
【0121】
図2に支持カテーテル2が示される。支持カテーテル2は、遠位側支持カテーテル端部21と、近位側支持カテーテル端部24と、支持カテーテル遠位端21と支持カテーテル近位端24との間を延在する支持カテーテル・シャフト23と、を有する。近位側支持カテーテル端部24はロッキング・ハンドル4を有するか、又はロッキング・ハンドル4に接続され得る。ロッキング・ハンドルは把持面を有することができ、人間工学的デザインを有することができる。支持カテーテルは、ロッキング・ハンドル4に接続されたマニホルドを有することができる。支持カテーテル2は、1つ又は複数の支持カテーテル・ポート27を有することができ、好適には、例えば、フラッシング・ポート、膨張及び/又は収縮ポートなどの流体媒体のための1つ又は複数のポートを有することができる。遠位側支持カテーテル端部21は、ヒト又は動物の身体の中に挿入される端部である。近位側外側カテーテル端部24は、特には医者である手術者によって動作させられる端部である。
【0122】
図3は、遠位側拡張器端部32と、近位側拡張器端部34と、遠位側拡張器端部32と近位側拡張器端部34との間を延在する拡張器シャフト33と、を有する拡張器3を示す。遠位側拡張器端部32は先細の拡張器先端部となり得る。近位側拡張器端部34は拡張器マニホルド35を有することができる。拡張器マニホルドは、そのおかげで例えば医者である手術者が拡張器を操作するために拡張器マニホルドを容易に使用することができる形状を有することができる。拡張器は1つ又は複数の拡張器ルーメン(見ることができない)を有することができる。好適には、拡張器は、ガイドワイヤを受けるための第1のルーメンと、例えば造影剤である流体媒体を受け取るための第2のルーメンと、を有する。しかし、拡張器は、ガイドワイヤ及び造影剤の同時の投入を可能にする1つのみのルーメンを有することもできる。拡張器、好適には拡張器マニホルド35は、流体媒体(例えば、造影剤)を拡張器ルーメンのうちの少なくとも1つのルーメンの中に注入するための拡張器ポート36を有することができる。
【0123】
図4は遠位側拡張器端部32の実施例を示す。遠位側拡張器端部32は少なくとも3つの異なるセグメント37、38、39を有する。遠位側拡張器端部32は、近位側セグメント37と、遠位側セグメント39と、近位側セグメント37と遠位側セグメント39との間に配置構成された1つ又は複数の中間セグメント38と、を有する。近位側拡張器セグメント37は、拡張器シャフト(ここでは示されない)及び中間セグメント38に接続されるか又は接続可能であるセグメントである。中間セグメント38は遠位側セグメント39に接続される。遠位側セグメント39は遠位側拡張器端部32と一体に形成される。遠位側セグメント39は均一のラジアル円周(radial circumference)を有する。近位側セグメント37も均一のラジアル円周を有する。遠位側セグメント39のラジアル円周は近位側セグメント37のラジアル円周より小さい。1つ又は複数の中間セグメント38のラジアル円周は近位側セグメント37から遠位側セグメント39まで徐々に又は非一定に減少する。遠位側拡張器端部32は非鋭利であり、及び/又は丸みを帯びた縁部を有する。このような拡張器遠位端32は、EP3322470B1で説明される先細の先端部分より良好な押し込み性を可能にする。遠位側拡張器端部、好適には遠位側セグメントは補強され、並びに/或いは、X線不透過性マーカーを有するか又はX線不透過性物質で作られ得る。
【0124】
遠位側拡張器端部32は、3つ又は4つの中間セグメント38と、第1の中間セグメント381と、第2の中間セグメント382と、第3の中間セグメント383と、任意選択の第4の中間セグメント384と、を有する。第1の中間セグメント381は近位側拡張器端部37及び第2の中間セグメント382に隣接するか(3つの中間セグメントが存在する場合)又は第4の中間セグメント384に隣接する(4つの中間セグメントが存在する場合)。任意選択の第4の中間セグメント384は第1の中間セグメント831及び第2の中間セグメント382に隣接する。第2の中間セグメント382は第1の中間セグメント381に隣接するか(3つの中間セグメントが存在する場合)又は第4の中間セグメント384に隣接する(4つの中間セグメントが存在する場合)。第3の中間セグメント383は第2の中間セグメント382及び遠位側セグメント39に隣接する。近位側セグメント37、遠位側セグメント39,及び中間セグメント38は、拡張器シャフトと一体に形成され得る。
【0125】
第1の中間セグメント381は、近位側拡張器端部37から第2の中間セグメント382まで(3つの中間セグメントが存在する場合)又は第4の中間セグメント384まで(3つの中間セグメントが存在する場合)、第1の落下角度(falling angle)で減少するラジアル円周を有する。任意選択の第4の中間セグメント384は均一のラジアル円周を有する。第2の中間セグメント382は、第1の中間セグメント381(3つの中間セグメントが存在する場合)から第3の中間セグメント383まで又は第4の中間セグメント384(4つの中間セグメントが存在する場合)から第3の中間セグメント383まで、第2の落下角度で徐々に減少するラジアル円周を有する。第3の中間セグメント383は、第2の中間セグメント382から遠位側セグメント39まで第3の落下角度で徐々に減少するラジアル円周を有する。第1の落下角度及び第3の落下角度は第2の落下角度より大きい。近位側セグメント37、遠位側セグメント39,及び中間セグメント38は、それぞれ、円形断面を有する(遠位側拡張器端部の長手方向軸に対して直角に切断する場合)。
【0126】
遠位側拡張器端部32は中実となり得るか、或いは1つ又は複数のルーメンを有することができる。
【0127】
図5は遠位側拡張器端部32の別の実施例を示す。遠位側拡張器端部32は、近位側セグメント37と、遠位側セグメント39と、近位側セグメント37と遠位側セグメント39との間に配置構成された2つの中間セグメント38と、有する。遠位側拡張器端部32は第1の中間セグメント381及び第2の中間セグメント382を有する。近位側セグメント37は拡張器シャフトに接続されるか又は接続可能である。第1の中間セグメント381は近位側拡張器端部37及び第2の中間セグメント382に隣接する。第2の中間セグメント382は第1の中間セグメント381及び遠位側セグメント39に隣接する。近位側セグメント37,遠位側セグメント39、及び中間セグメント38は、拡張器シャフトと一体に形成され得る。
【0128】
近位側セグメント37は均一のラジアル円周を有する。遠位側セグメント39は均一のラジアル円周を有する。第1の中間セグメント381は、近位側拡張器端部37から第2の中間セグメント382まで第1の落下角度で減少するラジアル円周を有する。第2の中間セグメント382は均一のラジアル円周を有する。遠位側セグメント39のラジアル円周は、近位側セグメント37及び第2の中間セグメント382のラジアル円周より小さい。近位側セグメント37、遠位側セグメント39,及び中間セグメント38は、それぞれ、円形断面を有する(遠位側拡張器端部の長手方向軸に対して直角に切断する場合)。遠位側拡張器端部32は非鋭利となり得るか、又は丸みを帯びた縁部を有することができる。このような拡張器遠位端32はより良好な押し込み性を可能にする。遠位側拡張器端部32、好適には遠位側セグメント39は強化材料で作られ得、並びに/或いは、X線不透過性マーカーを有するか又はX線不透過性物質で作られ得る。
【0129】
図4に示される先細の先端部は
図5に示される先細の先端部より大幅に長い。遠位側拡張器先端部32の長さは使用目的に依存する。遠位側拡張器端部32は1mmから5cmの長さを有することができる。
【0130】
図6から
図32は、少なくとも1つの雄ねじを有する多様な遠位側拡張器端部を少なくとも部分的に示す。雄ねじ(
図6から
図29のようにねじと同様であるか又は
図30から
図32のようにドリル・ビットと同様である)は、山、谷、及びフランク面を有する。フランク面は、谷及び山を接合する側面である。谷は2つのフランク面の間に形成された溝の底部である。山は雄ねじの隆起の高さである。ねじ部は対称のフランク面を有することができるか(
図11から
図14及び
図24から
図28に示されるように)、又はねじ部は非対称のフランク面を有することができる(
図6から
図10及び
図17から
図23に示されるように)。ねじ部は右ねじの場合は時計回りに延びることができか(
図6から
図13、
図16から
図19、
図21から
図22、及び
図24から
図28に示されるように)、左ねじの場合は反時計回りに延びることができる(
図14、20、23、及び29に示されるように)。遠位側拡張器端部は拡張器シャフトと一体に形成され得るか、又は交換可能となり得る(交換可能なドリル・ビットのように)。遠位側拡張器端部は、圧力嵌め接続及び/又はフォーム・フィット接続並びに/或いは磁力(例えば、磁気ドライバー・ビット・ホルダと同様である、遠位側拡張器端部のための磁気スリーブ又は磁気ホルダ)を介して拡張器シャフトに接続可能である。
図6から
図32に示される遠位側拡張器端部は中実となり得るか、或いは1つ又は複数のルーメンを有することができる。
図6から
図32に示される遠位側拡張器端部はタッピング拡張器端部又は穿孔拡張器端部となり得る。
【0131】
図6は、遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。中間セグメント38は第1の中間セグメント381及び第2の中間セグメント382を有する。中間セグメント38は雄ねじを有する。雄ねじは第1の中間セグメント381のシャフトの周りのみを巻いており、ここでは、第1の中間セグメントのシャフトは均一の直径を有する。第2の中間セグメント382はねじ部を有さず、先細の直径を有する。遠位側セグメント39は均一のラジアル円周及び円形断面(遠位側拡張器端部の長手方向軸に対して直角に切断する場合)を有する。遠位側セグメント39のラジアル円周は中間セグメント38のシャフトのラジアル円周より小さい。
【0132】
図7は、遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。中間セグメント38は雄ねじを有する。雄ねじは中間セグメント38のシャフトの周りを巻いており、ここでは、中間セグメント38は均一の直径を有する第1の中間セグメント381及び先細の直径を有する第2の中間セグメント382を有する。遠位側セグメント39は円錐形状を有する。
【0133】
図8は、単により細かいねじ部を有する(一定の軸方向距離当たりのねじ山の数が多い)、
図7と同様である、遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。
【0134】
図9は、遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。中間セグメント38は雄ねじを有する。中間セグメント38は第1の中間セグメント381及び第2の中間セグメント382を有する。雄ねじは第1の中間セグメント381のシャフトの周りのみを巻いており、ここでは、第1の中間セグメントのシャフトは均一の直径を有し、円形断面(遠位側拡張器端部の長手方向軸に対して直角に切断する場合)を有する。第2の中間セグメント382はねじ部を有さず、3つの縁部を有する星形状を有し、ここでは、縁部は遠位側拡張器端部の長手方向軸を中心として(わずかに)湾曲する。遠位側セグメント39は3つの縁部を有する先細の星形状を有し、ここでは、縁部は遠位側拡張器端部の長手方向軸を中心として(わずかに)湾曲する。したがって、遠位側セグメント39さらには第2の中間セグメント382は星状の断面を有する(遠位側拡張器端部の長手方向軸に対して直角に切断する場合)。
【0135】
図10は、遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。中間セグメント38さらには遠位側セグメントは、各々、雄ねじを有する。遠位側セグメント39は円錐形状を有し、中間セグメント38より細かいねじ部を有する。
【0136】
図11及び
図12は、単により細かいねじ部を有する(一定の軸方向距離当たりのねじ山の数が多い)、
図7と同様である、遠位側拡張器端部の一部分を示す。
図12に示される遠位側セグメントは
図11に示される遠位側セグメントより長い。
【0137】
図13は、単により粗いねじ部を有する(一定の軸方向距離当たりのねじ山の数が少ない)、
図12と同様である、遠位側拡張器端部の一部分を示す。
【0138】
図14は、単により細かい左ねじを有する、
図13と同様である、遠位側拡張器端部の一部分を示す。
【0139】
【0140】
図15は、遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。中間セグメント38及び遠位側セグメント39は雄ねじを有する。雄ねじは中間セグメント38のシャフトの周りを巻いており、ここでは、中間セグメント38は先細の円周を有する。遠位側セグメント39はルーローの三角形形状を有し、ルーローの三角形形状断面(遠位側拡張器端部の長手方向軸に対して直角に切断する場合)を有する。
【0141】
図16は、遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。中間セグメント38は雄ねじを有する。雄ねじは中間セグメント38のシャフトの周りを巻いており、ここでは、中間セグメント38のシャフトは均一の直径を有する。遠位側セグメント39は半球形状を有する。
【0142】
図17は、遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。中間セグメント38は丸みを帯びた(rounded)縁部を有する雄ねじを有する。雄ねじは中間セグメント38のシャフトの周りを巻いており、ここでは、中間セグメント38のシャフトは先細の直径を有する。遠位側セグメント39は円錐形状を有する。
【0143】
図18は、遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。中間セグメント38は中間セグメント38のシャフトの周りを巻く雄ねじを有し、ここでは、中間セグメント38のシャフトは均一の直径を有する。遠位側セグメント39は3つの縁部を有する星形状を有し、ここでは、縁部は遠位側拡張器端部の長手方向軸に平行である。したがって、遠位側セグメント39は星形状断面(遠位側拡張器端部の長手方向軸に対して直角に切断する場合)を有する。
【0144】
図19は、単に非対称のフランク面を有する、
図13と同様である遠位側拡張器端部の一部分を示す。
【0145】
図20は、単に左ねじを有する、
図19と同様である遠位側拡張器端部の一部分を示す。
【0146】
図21は遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。中間セグメント38は第1の中間セグメント381及び第2の中間セグメント382を有し、ここでは、雄ねじは第1の中間セグメント381のシャフトの周りのみを巻く。第1の中間セグメントのシャフトは均一の直径を有し、円形断面(遠位側拡張器端部の長手方向軸に対して直角に切断する場合)を有する。第2の中間セグメント382はねじ部を有さず、遠位側拡張器端部の長手方向軸に平行に延びる3つの縁部を有する星形状を有し、均一の円周を有する。遠位側セグメント39は3つの縁部を有する星形状を有し、先細の円周を有する。したがって、遠位側セグメント39は星形状断面(遠位側拡張器端部の長手方向軸に対して直角に切断する場合)を有する。
【0147】
図22は、遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。中間セグメント38は第1の中間セグメント381及び第2の中間セグメント382を有し、ここでは、雄ねじは第1の中間セグメント381のシャフトの周りのみを巻く。第1の中間セグメントのシャフトは均一の直径を有し、円形断面(遠位側拡張器端部の長手方向軸に対して直角に切断する場合)を有する。第2の中間セグメント382はねじ部を有さず、均一の円周を有する。第2の中間セグメント382はルーローの三角形形状の断面を有する(遠位側拡張器端部の長手方向軸に対して直角に切断する場合)。遠位側セグメントは先細の直径を有し、ルーローの三角形の形状の断面を有する(遠位側拡張器端部の長手方向軸に対して直角に切断する場合)。
【0148】
図23は、遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。中間セグメント38は、中間セグメント38のシャフトの周りを巻く雄ねじを有し、シャフトは均一の円周を有する。第1のねじ部側ではフランク面が丸みを帯びた縁部を有し、対して第2のねじ部側では第1のねじ部側とは異なりフランク面がスパイクを形成する。遠位側セグメント39はU形断面(遠位側拡張器端部の長手方向軸に平行に切断する場合)を有する。
【0149】
図24から
図28は、各々、遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。中間セグメント38は、各々、中間セグメント38のシャフトの周りを巻く右巻きの雄ねじを有し、ここでは、シャフトは均一の円周を有する。
図24から
図28では、雄ねじのフランク面が「V」を形成する。
図24、
図25、
図27のねじ部は
図26及び
図28より小さいねじピッチを有し、
図26及び
図28より大きい螺旋角度を有し、ここでは、ねじピッチは、隣接するねじ山の対応するポイントの間でねじ軸に平行に測定される距離である。遠位側セグメント39は平坦であり、円形断面(遠位側拡張器端部の長手方向軸に対して直角に切断する場合)を有する。
【0150】
図29は、遠位側拡張器端部の遠位側セグメント39及び中間セグメント38の一部分を示す。雄ねじは中間セグメント38のシャフトの周りを巻いており、ここでは、中間セグメント38のシャフトは均一の直径を有する。ねじ部のフランク面は丸みを帯びた縁部を有する。遠位側セグメント39は切頭円錐の形状を有し、等辺台形断面を有する(遠位側拡張器端部の長手方向軸に平行に切断する場合)。
【0151】
図30から
図31は、捻じられたドリル・ビットと同様である遠位側拡張器端部32を示す。中間セグメント38の各々が、螺旋ひだを有する円筒形シャフトを有し、螺旋ひだがアルキメディアン・スクリューのように機能する。中間セグメントのシャフトは均一の円周を有する。
図32に示される遠位側セグメント39はメーソンリー・ドリル・ビットの先端部と同様である。
図30の遠位側セグメント39は丸みを帯びたカッティング・リップを有し、その最も外側の遠位端のところに中央スパイク(スパー・ポイント)を有する。
図31の遠位側セグメント39はカッティング・リップによって形成される。
【符号の説明】
【0152】
1 クロッシング・カテーテル・システム
2 支持カテーテル
21 遠位側支持カテーテル端部
23 支持カテーテル・シャフト
24 近位側支持カテーテル端部
25 支持カテーテル・マニホルド
26 支持カテーテル・ルーメン
27 支持カテーテル・ポート
3 拡張器
32 遠位側拡張器端部
33 拡張器シャフト
34 近位側拡張器端部
35 拡張器マニホルド
36 拡張器ポート
37 近位側セグメント
38 遠位側セグメント
39 中間セグメント
4 ロッキング・ハンドル
【手続補正書】
【提出日】2024-02-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
慢性完全閉塞をクロッシングするためのクロッシング・カテーテル・システムであって、
- 遠位側支持カテーテル端部、近位側支持カテーテル端部、及び前記支持カテーテル遠位端と前記支持カテーテル近位端の間に延在する支持カテーテル・シャフトを有する支持カテーテルであって、前記支持カテーテル・シャフトは、拡張器を受け入れることができる支持カテーテル・ルーメンを画定している、支持カテーテルと、
- 遠位側拡張器端部、近位側拡張器端部、及び前記遠位側拡張器端部と前記近位側拡張器端部の間に延在する拡張器シャフトを有する拡張器であって、前記拡張器は、前記支持カテーテルの前記支持カテーテル・ルーメン内に少なくとも部分的に配置され、前記遠位側拡張器端部は前記拡張器シャフトに接続され、又は接続可能であり、前記遠位側拡張器端部は、近位側セグメント、遠位側セグメント、及び前記近位側セグメントと前記遠位側セグメントの間に配置された任意選択の1つ又は複数の中間セグメントを有し、前記近位側セグメントは、前記拡張器シャフトに接続される又は接続可能であるセグメントであり、前記近位側セグメントは、均一のラジアル円周を有し、前記遠位側セグメントのラジアル円周が前記近位側セグメントのラジアル円周より小さい、拡張器と、
- 前記支持カテーテル・シャフト内の所定の位置で前記拡張器をロックするためのロッキング・ハンドルであって、前記近位側支持カテーテル端部又は前記支持カテーテル・シャフトのところに配置されるロッキング・ハンドルと、
- 任意選択の、少なくとも1つのマニホルドと
を有する、又は、からなる、クロッシング・カテーテル・システム。
【請求項2】
前記遠位側セグメントは、均一のラジアル円周を有
し、且つ/又は
前記遠位側セグメントは鋭利であり且つ/又は鋭利な縁部を有する、請求項1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項3】
前記遠位側拡張器端部は、前記近位側セグメントと前記遠位側セグメントの間に配置された1つ又は複数の中間セグメントを有し、前記1つ又は複数の中間セグメントのラジアル円周が、前記近位側セグメントから前記遠位側セグメントまで徐々に、又は非一定的に減少している、請求項
1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項4】
前記遠位側拡張器端部は、圧力嵌め接続、及び/又はフォーム・フィット接続、及び/又は磁力によって、拡張器シャフトに接続可能であり、又は
前記遠位側拡張器端部は前記拡張器シャフトに接続可能であり、前記近位側セグメントは、別の近位側セグメントと交換可能であり、且つ/又は、前記遠位側セグメントは別の遠位側セグメントと交換可能であり、且つ/又は、前記中間セグメントの各々が別の中間セグメントと交換可能である、請求項
1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項5】
前記遠位側支持カテーテル端部は直線縁部状であり、又は管形状であ
り、又は丸みを帯びている、請求項
1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項6】
前記支持カテーテルは、
或いは前記支持カテーテル・シャフト及び/又は前記遠位側支持カテーテル端部は、強化材料で作られる、請求項
1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項7】
前記遠位側拡張器端部は、先細のねじ部であるただ1つの中間セグメントを
有する、請求項
1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項8】
前記遠位側セグメントは、前記近位側セグメント、及び前記1つ又は複数の中間セグメントより高いスティフネスを有する、請求項
1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項9】
前記遠位側拡張器端部は、
或いは前記遠位側セグメント、及び/又は前記遠位側支持カテーテル端部は、X線不透過性マーカーを有し、又はX線不透過性物質で作られる、請求項
1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項10】
前記遠位側支持カテーテル端部は、開口部を有する金属リング又は金属キャップを有し、それにより前記開口部を通して前記拡張器先端部を嵌め込むことを可能にする、請求項
1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項11】
少なくとも1つのマニホル
ドを有する、請求項
1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項12】
前記ロッキング・ハンドルに接続された支持カテーテル・マニホルドを有する、請求項
11に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項13】
前記支持カテーテルは、1つ又は複数の支持カテーテル・ポートを有することがで
きる、請求項
1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項14】
前記拡張器は、1つ又は複数の拡張器ルーメンを有する、請求項
1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項15】
前記拡張器が中実であり、又は
前記拡張器シャフトが中実であり、1つ又は複数のルーメンが前記拡張器シャフトに平行に延びている、請求項
1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項16】
前記1つ又は複数のルーメンは、前記遠位側拡張器端部に平行に延び
、又は
前記1つ又は複数のルーメンは、前記遠位側拡張器端部の前記近位側セグメントに平行に延び、又は
前記1つ又は複数のルーメンは、前記遠位側拡張器端部の前記近位側セグメント及び前記遠位側拡張器端部の前記1つ又は複数の中間セグメントと平行に延び、又は
前記1つ又は複数のルーメンは、前記遠位側拡張器端部の前記近位側セグメント及び前記遠位側拡張器の前記1つ又は複数の中間セグメント及び前記遠位側拡張器端部の前記遠位側セグメントと平行に延び、又は
前記1つ又は複数の拡張器ルーメンは、前記遠位側セグメント及び前記拡張器シャフトを通って延びている、請求項
15に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項17】
前記拡張器は、ガイドワイヤを受け入れることができる第1のルーメンと
、流体媒体を受け入れることができる第2のルーメンとを有する、請求項
14に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項18】
前記拡張器は
、流体媒体を前記1つ又は複数の拡張器ルーメンのうちの少なくとも1つの拡張器ルーメン内に注入するための拡張器ポートを有する、請求項
1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【請求項19】
前記支持カテーテル及び/又は前記ロッキング・ハンドルは、密閉を目的とした止血弁を有し、前記止血弁は、ロックされ得る又はロック解除され得るシールを有する、請求項1に記載のクロッシング・カテーテル・システム。
【国際調査報告】