(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】多方向弁
(51)【国際特許分類】
F16K 11/16 20060101AFI20240719BHJP
F16K 31/44 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
F16K11/16 Z
F16K31/44 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580851
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 CN2022088078
(87)【国際公開番号】W WO2023045314
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111137075.0
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang310000, China
(71)【出願人】
【識別番号】522450233
【氏名又は名称】浙江聯控技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG LIANKONG TECHNOLOGIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 818 2nd Binhai Road, Hangzhou Bay New District, Ningbo, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 炳榮
(72)【発明者】
【氏名】許 俊波
(72)【発明者】
【氏名】李 貴賓
(72)【発明者】
【氏名】薛 強
(72)【発明者】
【氏名】戴 海江
【テーマコード(参考)】
3H063
3H067
【Fターム(参考)】
3H063AA08
3H063BB32
3H063DB34
3H063DB48
3H067AA23
3H067AA32
3H067BB08
3H067BB14
3H067CC32
3H067DD03
3H067FF17
3H067GG13
(57)【要約】
制御弁技術の分野に関し、3方向比例弁と2方向比例弁は、2つの駆動装置の制御を必要とし、占める空間が大きく、制御が複雑でかつコストが高いという問題を解決するための多方向弁であって、駆動装置は第1の弁コア(10)と伝動するように接続され、第1の弁コア(10)に第1の協働構造が設けられており、第2の弁コア(20)に第1の協働構造と協働する第2の協働構造が設けられており、第1の協働状態の場合には、第1の弁コア(10)は独立して回転し、第2の弁コア(20)は動かないように保持し、第2の協働状態の場合には、第1の弁コア(10)は第2の弁コア(20)を同期回転させ、第1の弁コア(10)は独立して回転し、第1の弁ポートの流量を調整してもよいし、回転するとき第2の弁コア(20)を回転させ、第2の弁ポートの流量を調整し、調整完了後、第1の弁コア(10)は再び元の位置まで回転し、第1の弁ポートの流量を変えなくてもよい。このように、第1の弁コア(10)と第2の弁コア(20)を制御するには1つの駆動装置だけで十分であり、制御が簡単で、構造がコンパクトでかつコストが低い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座、第1の弁コア、第2の弁コア、及び駆動装置を備える多方向弁であって、
前記駆動装置は前記第1の弁コアと伝動するように接続され、
前記第1の弁コアに第1の協働構造が設けられており、前記第2の弁コアに前記第1の協働構造と協働する第2の協働構造が設けられており、前記第1の協働構造と前記第2の協働構造は第1の協働状態と第2の協働状態を有し、前記第1の協働状態では、前記第1の弁コアは独立して回転し、前記第2の弁コアは動かないように保持し、前記第2の協働状態では、前記第1の弁コアは前記第2の弁コアを同期回転させ、
前記弁座に前記第1の弁コアに対応する複数の第1の弁ポートが設けられており、前記第1の弁コアに第1の導通構造が設けられており、前記第1の導通構造は、前記第1の弁コアが第1の所定位置まで回転するとき少なくとも2つの前記第1の弁ポートを連通するために用いられ、
前記弁座に前記第2の弁コアに対応する複数の第2の弁ポートが設けられており、前記第2の弁コアに第2の導通構造が設けられており、前記第2の導通構造は、前記第2の弁コアが第2の所定位置まで回転するとき少なくとも2つの前記第2の弁ポートを連通するために用いられる、ことを特徴とする多方向弁。
【請求項2】
前記第1の協働構造は、前記第1の弁コアの第1の端面に設けられた突起構造を備え、前記第2の協働構造は、前記第2の弁コアの第2の端面に設けられた溝構造を備え、前記第1の端面と前記第2の端面は対向するように設けられており、前記突起構造は少なくとも一部の構造が前記溝構造内に位置し、
前記溝構造の側壁に第1の突起部が設けられており、前記第1の突起部は、周方向に間隔を隔てて設けられた第1の端面と第2の端面を備え、前記第1の協働状態では、前記突起構造は、前記第1の端面、第2の端面と接触せず、前記第2の協働状態では、前記突起構造は前記第1の端面又は前記第2の端面に当接する、ことを特徴とする請求項1に記載の多方向弁。
【請求項3】
前記溝構造は側壁が第1の円柱面を備え、前記第1の突起部は前記第1の円柱面に設けられており、
前記突起構造は第1の柱体及び前記第1の柱体の外周面から径方向の外側へ突起して形成された第2の突起部を備え、前記第1の柱体は外側面が前記第1の突起部の径方向の内側に位置し、前記第2の突起部の周方向における2つの端面はそれぞれ、第1の側面と第2の側面を構成し、
前記第2の突起部は外周面が第2の円柱面を備え、前記第2の円柱面は前記第1の円柱面とマッチングする、ことを特徴とする請求項2に記載の多方向弁。
【請求項4】
前記第1の突起部は径方向の内側に設けられた第3の円柱面を備え、前記第1の柱体は外周面が第4の円柱面を備え、前記第3の円柱面は前記第4の円柱面とマッチングする、ことを特徴とする請求項3に記載の多方向弁。
【請求項5】
前記突起構造は前記第1の弁コアの第1の端面に設けられておりかつ前記第1の柱体と接続する第2の柱体を備える、ことを特徴とする請求項3に記載の多方向弁。
【請求項6】
前記第2の柱体は円柱体であり、前記第2の柱体は直径が前記第2の円柱面の直径と同じである、ことを特徴とする請求項5に記載の多方向弁。
【請求項7】
前記第1の導通構造は、前記第1の弁コアの外周面に設けられており、かつ周方向に沿って延びる第1の溝を備え、
前記第2の導通構造は、前記第2の弁コアの外周面に設けられており、かつ周方向に沿って延びる第2の溝を備える、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の多方向弁。
【請求項8】
前記弁座に3つの前記第1の弁ポートが設けられており、周方向において、3つの前記第1の弁ポートが占める角度は前記第1の溝が占める角度以下であり、及び/又は、
前記弁座に2つの前記第2の弁ポートが設けられており、周方向において、2つの前記第2の弁ポートが占める角度は前記第2の溝が占める角度以下である、ことを特徴とする請求項7に記載の多方向弁。
【請求項9】
各前記第1の弁ポートはそれぞれ、第1の通路を介して前記第1の弁コアと接続し、各前記第2の弁ポートはそれぞれ、第2の通路を介して前記第2の弁コアと接続し、前記第1の弁ポートと前記第2の弁ポートは、前記弁座の同一側に設けられている、ことを特徴とする請求項8に記載の多方向弁。
【請求項10】
前記駆動装置はモータ及び前記モータと伝動するように接続された歯車列を備え、前記歯車列は前記第1の弁コアと伝動するように接続される、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の多方向弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御弁技術の分野に関し、特に、多方向弁に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の航続距離を向上させるためには、クーラント液の電気加熱器によるバッテリーの加熱、放熱器によるバッテリーと駆動システムとの放熱、駆動システムの廃熱を利用したバッテリーの加熱などの様々なモードを実現する必要がある。
【0003】
従来の熱管理システムのクーラント液回路では、単一の比例弁でもって上記の様々なモードを実現することができず、3方向比例弁、2方向比例弁などの様々な比例弁の組み合わせでもって上記の様々なモードを実現する必要がある。
【0004】
従来の技術において3方向比例弁と2方向比例弁とは、2つの駆動装置の制御を必要とし、占める空間が大きく、制御が複雑でかつコストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、上記の問題に鑑みて、制御が簡単で、構造がコンパクトでかつコストが低い多方向弁を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の実施例は、次の技術的解決手段を提供する。本発明の実施例は、弁座、第1の弁コア、第2の弁コア、及び駆動装置を備える多方向弁を提供し、前記駆動装置は前記第1の弁コアと伝動するように接続され、前記第1の弁コアに第1の協働構造が設けられており、前記第2の弁コアに前記第1の協働構造と協働する第2の協働構造が設けられており、前記第1の協働構造と前記第2の協働構造は第1の協働状態と第2の協働状態を有し、前記第1の協働状態では、前記第1の弁コアは独立して回転し、前記第2の弁コアは動かないように保持し、前記第2の協働状態では、前記第1の弁コアは前記第2の弁コアを同期回転させ、前記弁座に前記第1の弁コアに対応する複数の第1の弁ポートが設けられており、前記第1の弁コアに第1の導通構造が設けられており、前記第1の導通構造は、前記第1の弁コアが第1の所定位置まで回転するとき少なくとも2つの前記第1の弁ポートを連通するために用いられる。前記弁座に前記第2の弁コアに対応する複数の第2の弁ポートが設けられており、前記第2の弁コアに第2の導通構造が設けられており、前記第2の導通構造は、前記第2の弁コアが第2の所定位置まで回転するとき少なくとも2つの前記第2の弁ポートを連通するために用いられる。
【0007】
従来の技術と比較して、本発明の実施例により提供される多方向弁は、次の利点がある。
【0008】
駆動装置は第1の弁コアと伝動するように接続され、第1の弁コアに第1の協働構造が設けられており、第2の弁コアに第1の協働構造と協働する第2の協働構造が設けられており、第1の協働構造と第2の協働構造は第1の協働状態と第2の協働状態を有し、第1の協働状態の場合には、第1の弁コアは独立して回転し、第2の弁コアは動かないように保持し、第2の協働状態の場合には、第1の弁コアは第2の弁コアを同期回転させる。このように、第1の弁コアは、独立して回転して、第1の弁ポートの第1の導通構造に対する角度を変えることで、第1の弁ポートの流量を調整することができるだけでなく、第1の弁コアは回転するとき第2の弁コアを回転させる場合、第2の弁ポートの第2の導通構造に対する角度を変えることで、第2の弁ポートの流量を調整し、調整完了後、第1の弁コアは再び元の位置まで回転し、第1の弁ポートの流量を変えない。このように、第1の弁コアと第2の弁コアを駆動して制御するには1つの駆動装置だけで十分であり、制御が簡単で、構造がコンパクトでかつコストが低い。
【0009】
本発明の実施例の多方向弁の1つの改良として、前記第1の協働構造は、前記第1の弁コアの第1の端面に設けられた突起構造を備え、前記第2の協働構造は、前記第2の弁コアの第2の端面に設けられた溝構造を備え、前記第1の端面と前記第2の端面は対向するように設けられており、前記突起構造は少なくとも一部の構造が前記溝構造内に位置し、前記溝構造の側壁に第1の突起部が設けられており、前記第1の突起部は、周方向に間隔を隔てて設けられた第1の端面と第2の端面を備え、前記第1の協働状態では、前記突起構造は、前記第1の端面、第2の端面と接触せず、前記第2の協働状態では、前記突起構造は前記第1の端面又は前記第2の端面に当接する。
【0010】
本発明の実施例の多方向弁のさらなる改良として、前記溝構造は側壁が第1の円柱面を備え、前記第1の突起部は前記第1の円柱面に設けられており、前記突起構造は、第1の柱体及び前記第1の柱体の外周面から径方向の外側へ突起して形成された第2の突起部を備え、前記第1の柱体は外側面が前記第1の突起部の径方向の内側に位置し、前記第2の突起部の周方向における2つの端面はそれぞれ、前記第1の側面と前記第2の側面を構成し、前記第2の突起部の外周面は前記第1の円柱面とマッチングする第2の円柱面を備える。
【0011】
本発明の実施例の多方向弁のさらなる改良として、前記第1の突起部は径方向の内側に設けられた第3の円柱面を備え、前記第1の柱体は外周面が第4の円柱面を備え、前記第3の円柱面は前記第4の円柱面とマッチングする。
【0012】
本発明の実施例の多方向弁のさらなる改良として、前記突起構造は、前記第1の弁コアの第1の端面に設けられておりかつ前記第1の柱体と接続する第2の柱体を備える。
【0013】
本発明の実施例の多方向弁のさらなる改良として、前記第2の柱体は円柱体であり、前記第2の柱体は、直径が前記第2の円柱面の直径と同じである。
【0014】
本発明の実施例の多方向弁のさらなる改良として、前記第1の導通構造は、前記第1の弁コアの外周面に設けられており、かつ周方向に沿って延びる第1の溝を備える。前記第2の導通構造は、前記第2の弁コアの外周面に設けられており、かつ周方向に沿って延びる第2の溝を備える。
【0015】
本発明の実施例の多方向弁のさらなる改良として、前記弁座に3つの前記第1の弁ポートが設けられており、周方向において、3つの前記第1の弁ポートが占める角度は前記第1の溝が占める角度以下であり、及び/又は、前記弁座に2つの前記第2の弁ポートが設けられており、周方向において、2つの前記第2の弁ポートが占める角度は前記第2の溝が占める角度以下である。
【0016】
本発明の実施例の多方向弁のさらなる改良として、各前記第1の弁ポートはそれぞれ、第1の通路を介して前記第1の弁コアと接続し、各前記第2の弁ポートはそれぞれ、第2の通路を介して前記第2の弁コアと接続し、前記第1の弁ポートと前記第2の弁ポートは、前記弁座の同一側に設けられている。
【0017】
本発明の実施例の多方向弁のさらなる改良として、前記駆動装置は、モータ及び前記モータと伝動するように接続された歯車列を備え、前記歯車列は前記第1の弁コアと伝動するように接続される。
【0018】
本発明の実施例又は従来の技術の解決手段をより明確に説明するため、以下、実施例又は従来の技術の記述において使用する必要がある図面を簡単に説明する。当然ながら、以下、記載する図面は本発明のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を想到しうる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施例により提供される多方向弁の構造概略図である。
【
図2】本発明の実施例により提供される第1の弁コアの構造概略図である。
【
図3】本発明の実施例により提供される第2の弁コアの構造概略図である。
【
図4】本発明の実施例により提供される第2の弁コアの流路原理の概略図である。
【
図5】本発明の実施例により提供される第1の弁コアの流路原理の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
電気自動車の航続距離を向上させるためには、クーラント液の電気加熱器によるバッテリーの加熱、放熱器によるバッテリーと駆動システムとの放熱、駆動システムの廃熱を利用したバッテリーの加熱などの様々なモードを実現する必要がある。従来の熱管理システムのクーラント液回路を利用して電気自動車の航続距離を向上させるためには、単一の比例弁でもって上記の様々なモードを実現することができず、3方向比例弁や2方向比例弁などの様々な比例弁の組み合わせでもって上記の様々なモードを実現する必要がある。従来の技術において3方向比例弁と2方向比例弁は、2つの駆動装置の制御を必要とし、占める空間が大きく、制御が複雑でかつコストが高い。
【0021】
上記の問題について、本発明は、多方向弁を提案し、その駆動装置は第1の弁コアと伝動するように接続され、第1の弁コアに第1の協働構造が設けられており、第2の弁コアに第1の協働構造と協働する第2の協働構造が設けられており、第1の協働構造と第2の協働構造を設計することにより、第1の弁コアは単独で回転するとき、第1の弁ポートの第1の導通構造に対する角度を変えることで、第1の弁ポートの流量を調整する。第1の弁コアは回転するとき第2の弁コアを回転させ、第2の弁ポートの第2の導通構造に対する角度を変えることで、第2の弁ポートの流量を調整し、調整完了後、第1の弁コアは再び元の位置まで回転して、第1の弁ポートの流量を変えない。このように、第1の弁コアと第2の弁コアを制御するには1つの駆動装置だけで十分であり、制御が簡単で、構造がコンパクトでかつコストが低い。
【0022】
本発明の実施例の目的、特徴及び利点をより明瞭にして容易に理解するために、以下、本発明の実施例に係る図面を参照しながら、その技術的解決手段について明瞭、且つ完全に説明し、当然のことながら、記載される実施例は本発明の実施例の一部にすぎず、そのすべての実施例ではない。当業者は、本発明における実施例に基づいて創造的な労働をすることなく、獲得されたその他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0023】
以下、本発明の実施例による多方向弁について図面を参照して説明する。
【0024】
図1を参照して、
図1は、本発明の実施例により提供される多方向弁の構造概略図である。当該多方向弁100は、弁座、第1の弁コア10、第2の弁コア20、及び駆動装置を備える。駆動装置は第1の弁コア10と伝動するように接続され、第1の弁コア10に第1の協働構造が設けられており、第2の弁コア20に第1の協働構造と協働する第2の協働構造が設けられており、第1の協働構造と第2の協働構造は第1の協働状態と第2の協働状態を有し、第1の協働状態では、第1の弁コア10は独立して回転し、第2の弁コア20は動かないように保持し、第2の協働状態では、第1の弁コア10は第2の弁コア20を同期回転させる。
【0025】
弁座に第1の弁コア10に対応する複数の第1の弁ポートが設けられており、第1の弁コア10に第1の導通構造が設けられており、第1の導通構造は、第1の弁コア10が第1の所定位置まで回転するとき少なくとも2つの第1の弁ポートを連通するために用いられ、弁座に第2の弁コア20に対応する複数の第2の弁ポートが設けられており、第2の弁コアに第2の導通構造が設けられており、第2の導通構造は、第2の弁コア20が第2の所定位置まで回転するとき少なくとも2つの第2の弁ポートを連通するために用いられる。
【0026】
駆動装置は第1の弁コア10と伝動するように接続され、第1の弁コア10が回転するとき、第1の弁コア10上の第1の協働構造は第2の協働構造によって第2の弁コア20を回転させることができる。このように、第1の弁コア10は独立して回転して、第1の弁ポートの第1の導通構造に対する角度を変えることで、第1の弁コア10の流量を調整することができるだけでなく、第1の弁コア10が回転するとき第2の弁コア20を回転させ、第2の弁ポートの第2の導通構造に対する角度を変えることで、第2の弁コア20の流量を調整し、第1の弁コア10は再び元の位置まで回転して第1の弁コア10の流量を変えない。第1の弁コア10と第2の弁コア20を駆動して制御するには1つの駆動装置だけで十分であり、制御が簡単で、構造がコンパクトでかつコストが低い。
【0027】
第1の協働構造と第2の協働構造は、上記の需要に応じた任意の構造として設けられることができ、1つの選択的な実施例では、
図2及び
図3を参照して、
図2は、本発明の実施例により提供される第1の弁コアの構造概略図であり、
図3は、本発明の実施例により提供される第2の弁コアの構造概略図である。第1の協働構造は、第1の弁コア10の第1の端面212に設けられた突起構造11を備え、第2の協働構造は、第2の弁コア20の第2の端面213に設けられた溝構造21を備え、第1の弁コア10の第1の端面212は第2の端面213と対向するように設けられており、突起構造11は少なくとも一部の構造が溝構造21内に位置する。
【0028】
1つの選択的な実施例では、溝構造21の側壁に第1の突起部が設けられており、第1の突起部は周方向に間隔を隔てて設けられた第1の端面212と第2の端面213を備え、第1の協働状態では、突起構造11は第1の端面212、第2の端面213と接触せず、第1の弁コア10が溝構造内で独立して回転することを実現することができる。第2の協働状態では、突起構造11は第1の端面212又は第2の端面213に当接するようにすることにより、第1の弁コア10は第2の弁コア20を同期回転させることができ、第1の端面212と第2の端面213を設けることで、第1の協働状態と第2の協働状態をよりよく実現することができる。
【0029】
突起構造11の外周面は周方向に間隔を隔てて設けられた第1の側面111と第2の側面112を備え、溝構造21の側壁に第1の突起部が設けられており、第1の突起部は周方向に間隔を隔てて設けられた第1の端面212と第2の端面213を備え、突起構造11は、第1の方向に沿って第1の側面111まで回転して第1の端面212に当接するとき、第2の弁コア20が第1の方向に沿って第1の弁コア10と同期回転するように動かせることができ、突起構造11は、第2の方向に沿って第2の側面112まで回転して第2の端面213に当接するとき、第2の弁コア20が第2の方向に沿って第1の弁コア10と同期回転するように動かせることができる。第1の弁コア10が第2の弁コア20を回転させるとき、突起構造11は溝構造21とよりよく協働することができる。
【0030】
好ましくは、溝構造21の側壁は第1の円柱面211を備え、第1の突起部は第1の円柱面211に設けられている。突起構造11は、第1の柱体12及び第1の柱体12の外周面から径方向の外側へ突起して形成された第2の突起部を備え、第1の柱体12の外側面は第1の突起部の径方向の内側に位置し、第2の突起部の周方向における2つの端面はそれぞれ、第1の側面111と第2の側面112を構成し、第2の突起部の外周面は第2の円柱面113を備え、第2の円柱面113は第1の円柱面211とマッチングする。突起構造11に第2の突起構造11を設けることで、第1の弁コア10が回転するとき軸方向力を第2の弁コア20によりよく伝達させ、力の付与を容易にしている。
【0031】
さらに好ましくは、第1の突起部は径方向の内側に設けられた第3の円柱面214を備え、第1の柱体12の外周面は第4の円柱面114を備え、第3の円柱面214は第4の円柱面114とマッチングする。このように設計すると、第1の弁コア10は第2の弁コア20を回転させるとき、回転の安定性は確保される。
【0032】
1つの選択的な実施例では、突起構造11は、第1の弁コア10の第1の端面212に設けられておりかつ第1の柱体12と接続する第2の柱体13を備える。第2の柱体13は、第1の弁コア10と第2の弁コア20を一定の距離に保持させて接触面積を減少させ、第1の弁コア10が回転するとき、摩擦抵抗力が減少し、伝動効率が向上する。
【0033】
好ましくは、伝動効率をさらに向上させるために、第1の弁コア10の突起構造11の中心に第1の円孔が設けられており、第2の弁コア20の溝構造21の中心に第2の円孔が設けられており、伝動軸は第1の円孔と第2の円孔に連結するようにすることにより、第1の弁コア10が第2の弁コア20を回転させるとき、摩擦抵抗力が減少し、伝動効率が向上する。
【0034】
第2の柱体13は、角柱体又は円柱体の形状とすることができ、加工を容易にするために、好ましくは、第2の柱体13は円柱体である。第2の柱体13は直径が第2の円柱面113の直径と同じであるようにすることで、第2の柱体13の底面と第2の弁コア20との接触を相対的に避けて、摩擦抵抗力を減少させることができる。
【0035】
なお、第1の方向は、第1の弁コア10の第1の側面111が第2の弁コア20の第1の端面212に向かって回転する方向であり、第2の方向は、第1の弁コア10の第2の側面112が第2の弁コア20の第2の端面213に向かって回転する方向である。
【0036】
第1の弁コア10は第2の弁コア20を同期回転させるとき、2つの状況がある。第1種の状況では、第1の弁コア10の突起構造11は、第1の方向に沿って第1の側面111まで回転して第1の端面212に当接するとき、第2の弁コア20が第1の方向に沿って第1の弁コア10と同期回転するように動かせることができ、第2種の状況では、第1の弁コア10の突起構造11は、第2の方向に沿って第2の側面112まで回転して第2の端面213に当接するとき、第2の弁コア20が第2の方向に沿って第1の弁コア10と同期回転するように動かせることができる。
【0037】
第1の弁コア10が単独で回転するときも、2つの状況がある。第1種の状況では、第1の弁コア10の突起構造11は、第1の側面111から第1の端面212に当接し、第2の方向に沿って第2の側面112まで回転して第2の端面213に当接するとき、第1の弁コア10は単独で回転し、第2の弁コア20は元の状態を保持する。第2種の状況では、第1の弁コア10の突起構造は、第2の側面112から第2の端面213に当接し、第1の方向に沿って第1の側面111まで回転して第1の端面212に当接するとき、第1の弁コア10は単独で回転し、第2の弁コア20は元の状態を保持することは実現される。
【0038】
管路通路間の連通を実現するために、第1の弁コア10に対応する複数の第1の弁ポートを弁座に設け、第1の弁コア10が第1の所定位置まで回転するとき少なくとも2つの第1の弁ポートを連通するための第1の導通構造を第1の弁コア10に設け、第2の弁コア20に対応する複数の第2の弁ポートを弁座に設け、第2の弁コア20が第2の所定位置まで回転するとき少なくとも2つの第2の弁ポートを連通するための第2の導通構造を第2の弁コアに設ける。第1の弁コア10と第2の弁コア200に第1の導通構造と第2の導通構造をそれぞれ設け、複数の第1の弁ポートと複数の第2の弁ポートとの連通をそれぞれ実現する。第1の導通構造と第2の導通構造を設けることで多方向弁100の構造をよりコンパクトにし、省空間化を実現する。
【0039】
第1の導通構造と第2の導通構造は、需要に応じた任意の構造として設けられることができ、加工を容易にするために、1つの選択的な実施例では、第1の導通構造は、第1の弁コア10の外周面に設けられており、かつ周方向に沿って延びる第1の溝15を備え、第2の導通構造は、第2の弁コア20の外周面に設けられており、かつ周方向に沿って延びる第2の溝22を備える。
【0040】
弁座に第1の弁コア10に対応する複数の第1の弁ポートが設けられており、1つの具体的な実施例では、弁座に3つの第1の弁ポートが設けられており、周方向において、3つの第1の弁ポートが占める角度は第1の溝15が占める角度以下であるので、3つの第1の弁ポートの連通と閉鎖は実現できる。
【0041】
弁座に第2の弁コア20に対応する複数の第2の弁ポートが設けられており、弁座に2つの第2の弁ポートが設けられており、周方向において、2つの第2の弁ポートが占める角度は第2の溝22が占める角度以下であるので、2つの第2の弁ポートの連通と閉鎖は実現できる。
【0042】
1つの選択的な実施例では、各第1の弁ポートはそれぞれ、第1の通路を介して第1の弁コア10と接続し、各第2の弁ポートはそれぞれ、第2の通路を介して第2の弁コア20と接続し、第1の弁ポートと第2の弁ポートは、弁座の同一側に設けられている。第1の弁ポートと第2の弁ポートは弁座の同一側に集中して配置されているので、管路の配置が容易になり、かつ省空間化が図れる。
【0043】
1つの選択的な実施では、第1の通路はそれぞれ、a通路、b通路、及びc通路であり、a通路は入口通路であり、b通路とc通路は出口通路であり、b通路はa通路とc通路との間に位置する。第1の通路間の角の角度は限定されていないが、3つの第1の通路間の干渉を避けるために、3つの第1の通路間の角は90度であるようにしており、第2の通路はそれぞれ、e通路とf通路であり、2つの第2の通路間の角は90度である。
【0044】
図4及び
図5を参照して、
図4は、本発明の実施例により提供される第2の弁コアの流路原理の概略図であり、
図5は、本発明の実施例により提供される第1の弁コアの流路原理の概略図である。第1の弁コア10は弁座と協働すると1つの3方向比例弁に相当し、第2の弁コア20は弁座と協働すると1つの2方向比例弁に相当し、
図4及び
図5に示すように、第1の弁コア10によって、a通路から入り、b通路から出るという機能、または、a通路から入り、c通路から出るという機能は実現され、第2の弁コア20によって、e通路から入り、f通路から出るという機能は実現される。多方向弁100は、1つの3方向比例弁と1つの2方向比例弁の機能を実現し、1つの駆動装置によって5つの通路の目的を達成し、高度に集積され、かつ配置がコンパクトである。
【0045】
好ましくは、第1の弁コア10のa通路、b通路、及びc通路、第2の弁コア20のe通路及びf通路は、弁座の1つの取り付け面に集中して配置されており、配置がきれいでかつ省空間化が図れる。
【0046】
3つの第1の弁ポートが占める角度は第1の溝15が占める角度以下であり、かつ2つの第2の弁ポートが占める角度は第2の溝22が占める角度以下であり、好ましくは、第1の溝15が占める角度は180度で、かつ第2の溝22が占める角度は180度である。
【0047】
初期状態の場合には、第1の弁コア10は第1の側面111が第2の弁コア20の第1の端面212に当接し、a通路とc通路は第1の溝15に位置し、b通路は第1の弁コア10の外周面に位置し、第1の弁コア10はb通路を遮断し、a通路はc通路と連通する。e通路は第2の弁コア20の外周面に位置し、第2の弁コア20はe通路を遮断し、f通路は第2の溝22に位置し、e通路とf通路は閉鎖状態にある。
【0048】
第2の状態の場合には、初期状態に基づき、第1の弁コア10は第2の方向に沿って45度回転するとき、第2の弁コア20は動かないままであり、a通路とb通路は第1の溝15に位置し、c通路は第1の弁コア10の外周面に位置し、第1の弁コア10はc通路を遮断し、a通路はb通路と連通する。第2の弁コア20のe通路とf通路は元の状態を保持し、e通路とf通路は依然として閉鎖状態にある。
【0049】
第3の状態の場合には、第2の状態に基づき、第1の弁コア10は、第2の弁コア20が第1の方向に沿って第1の弁コア10と同期して45度回転するように動かせるとき、第2の弁コア20のe通路とf通路は第2の溝22に位置し、e通路とf通路は連通する。第1の弁コア10のc通路及びa通路の半分は第1の溝15に位置し、a通路の開度は50%であり、b通路は第1の弁コア10の外周面に位置し、第1の弁コア10はb通路を遮断する。
【0050】
第4の状態の場合には、第3の状態に基づき、第1の弁コア10は第2の方向に沿って45度回転するとき初期状態に戻り、第2の弁コア20は動かないままである。第1の弁コア10はa通路とc通路が第1の溝15に位置し、b通路が第1の弁コア10の外周面に位置し、第1の弁コア10はb通路を遮断し、a通路とc通路は連通する。第2の弁コア20はe通路とf通路が変わらなく、e通路とf通路が連通する。
【0051】
なお、第1の弁コア10の回転を調整し、a通路、b通路、及びc通路に対して開度を0-100%調整することができ、第1の弁コア10は第2の弁コア20を回転させ、e通路とf通路に対して開度を0-100%調整する。例えば、a通路の第1の溝15に対応する面積を調整することで、a通路の開度を変える。a通路は全部第1の溝15に対応する場合に、a通路の開度は100%となり、a通路は半分が第1の溝15に対応する場合に、a通路の開度は50%となり、a通路は全部第1の弁コア10によって遮断される場合に、a通路の開度は0となる。
【0052】
好ましくは、第1の弁コア10と第2の弁コア20は射出成形技術を採用し、生産速度が速く、効率が高く、形状が複雑な部品を形成しやすい。
【0053】
駆動装置は、第1の弁コア10の回転を駆動することを可能にする任意の構造として設けられることができ、1つの選択的な実施例では、駆動装置は、モータ30及びモータ30と伝動するように接続された歯車列を備え、歯車列は第1の弁コア10と伝動するように接続される。モータ30の軸にウォーム31が設けられており、歯車列はウォーム31と協働する第1のウォームホイール32と、第1のウォームホイール32とかみ合う第2のウォームホイール33と、第2のウォームホイール33とかみ合う第3のウォームホイール34と、第3のウォームホイール34の底部と接続する第1の歯車35と、第1の歯車35とかみ合う第2の歯車36と、を備える。歯車列における第1のウォームホイール32と、第2のウォームホイール33と、第3のウォームホイール34と、第1の歯車35と、第2の歯車36との中心軸は互いに平行でかつ垂直方向に沿って設置され、第1のウォーム31は中心軸が第1のウォームホイール32の中心軸と互いに垂直である。モータ30軸上のウォーム31は、回転すると、歯車列の伝動によって第1の弁コア10を回転させ、伝動の安定性は確保される。
【0054】
モータ30のタイプは限定されておらず、制御を簡単にして精度を確保するために、好ましくは、モータ30は、ステッピングモータ30又はサーボモータ30である。
【0055】
第1の弁コア10と第2の歯車36との連結を実現するために、好ましくは、第1の弁コア10に第1の連結部を設け、第2の歯車36に第2の連結部を設け、第1の連結部は第2の連結部と取り外し可能に連結するように形成され得る。
【0056】
さらに好ましくは、第1の連結部は、第1の弁コア10の第2の端面213に設けられたスプライン軸14を備え、第2の連結部は、第2の歯車36に設けられたスプラインスリーブを備え、スプライン軸14はスプラインスリーブと取り外し可能に連結するように形成されている。
【0057】
1つの選択的な実施例では、多方向弁100は、電気自動車の熱管理システムのクーラント液回路に適用されることができ、電気自動車に軽量化とコスト削減の利点を与える。3方向比例弁と2方向比例弁とを2つの駆動装置で制御する必要がある電気自動車と比較して、多方向弁100が適用された電気自動車は、1台あたり平均100元が節約され、1台あたり100gが軽減できる。
【0058】
本明細書における各実施例又は実施形態は、漸進的に説明され、各実施例は、他の実施例との相違点に焦点を当てて説明され、各実施例は、同じ又は類似する部分が互いに参照すればよい。
【0059】
本明細書の説明において、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「例」、「具体例」、または「いくつかの例」などの用語を参照している記述は、実施形態又は例に関連して説明される特定の特徴、構造、材料、または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を指すものではない。さらに、説明された具体的な特徴、構造、材料、または特徴点は、任意の1つ又は複数の実施形態又は例において適切な方法で組み込まれることができる。
【0060】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本願の技術的解決手段を説明するためのものであって、これを制限するものではなく、前述の各実施例を参照しながら本願を詳細に説明するが、当業者であれば、依然として前述の各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部又はすべての技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱しないと理解すべきである。
【0061】
本願は、2021年9月27日に中国特許局に提出した、出願番号が202111137075.0で、発明の名称が「多方向弁」という中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用によって本願に組み合わせられる。
【符号の説明】
【0062】
100、多方向弁
10、第1の弁コア
11、突起構造
111、第1の側面
112、第2の側面
113、第2の円柱面
114、第4の円柱面
12、第1の柱体
13、第2の柱体
14、スプライン軸
15、第1の溝
20、第2の弁コア
21、溝構造
211、第1の円柱面
212、第1の端面
213、第2の端面
214、第3の円柱面
22、第2の溝
30、モータ
31、ウォーム
32、第1のウォームホイール
33、第2のウォームホイール
34、第3のウォームホイール
35、第1の歯車
36、第2の歯車
【手続補正書】
【提出日】2024-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
駆動装置は第1の弁コアと伝動するように接続され、第1の弁コアに第1の協働構造が設けられており、第2の弁コアに第1の協働構造と協働する第2の協働構造が設けられており、第1の協働構造と第2の協働構造は第1の協働状態と第2の協働状態を有し、第1の協働状態の場合には、第1の弁コアは独立して回転し、第2の弁コアは動かないように保持し、第2の協働状態の場合には、第1の弁コアは第2の弁コアを同期回転させる。このように、第1の弁コアは、独立して回転して、第1の弁ポートの第1の導通構造に対する角度を変えることで、第1の弁ポートの流量を調整してもよいし、第1の弁コアは回転するとき第2の弁コアを回転させ、第2の弁ポートの第2の導通構造に対する角度を変えることで、第2の弁ポートの流量を調整し、調整完了後、第1の弁コアは再び元の位置まで回転し、第1の弁ポートの流量を変えなくてもよい。このように、第1の弁コアと第2の弁コアを駆動して制御するには1つの駆動装置だけで十分であり、制御が簡単で、構造がコンパクトでかつコストが低い。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の実施例の多方向弁の1つの改良として、前記第1の協働構造は、前記第1の弁コアの第1の端面に設けられた突起構造を備え、前記第2の協働構造は、前記第2の弁コアの第2の端面に設けられた溝構造を備え、前記第1の端面と前記第2の端面は対向するように設けられており、前記突起構造は少なくとも一部の構造が前記溝構造内に位置し、前記溝構造の内周面に第1の突起部が設けられており、前記第1の突起部は、周方向に間隔を隔てて設けられた第1の端面と第2の端面を備え、前記第1の協働状態では、前記突起構造は、前記第1の端面、第2の端面と接触せず、前記第2の協働状態では、前記突起構造は前記第1の端面又は前記第2の端面に当接する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の実施例の多方向弁のさらなる改良として、前記溝構造は内周面が第1の円柱面を備え、前記第1の突起部は前記第1の円柱面に設けられており、前記突起構造は、第1の柱体及び前記第1の柱体の外周面から径方向の外側へ突起して形成された第2の突起部を備え、前記第1の柱体は外周面が前記第1の突起部の径方向の内側に位置し、前記第2の突起部の周方向における2つの端面はそれぞれ、前記第1の側面と前記第2の側面を構成し、前記第2の突起部の外周面は前記第1の円柱面とマッチングする第2の円柱面を備える。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明の実施例の多方向弁のさらなる改良として、前記弁座に3つの前記第1の弁ポートが設けられており、弁座の周方向において、3つの前記第1の弁ポートが占める角度は前記第1の溝が占める角度以下であり、及び/又は、前記弁座に2つの前記第2の弁ポートが設けられており、弁座の周方向において、2つの前記第2の弁ポートが占める角度は前記第2の溝が占める角度以下である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
上記の問題について、本発明は、多方向弁を提案し、その駆動装置は第1の弁コアと伝動するように接続され、第1の弁コアに第1の協働構造が設けられており、第2の弁コアに第1の協働構造と協働する第2の協働構造が設けられており、第1の協働構造と第2の協働構造を設計することにより、第1の弁コアは単独で回転するとき、第1の弁ポートの第1の導通構造に対する角度を変えることで、第1の弁コアの流量を調整する。第1の弁コアは回転するとき第2の弁コアを回転させ、第2の弁ポートの第2の導通構造に対する角度を変えることで、第2の弁ポートの流量を調整し、調整完了後、第1の弁コアは再び元の位置まで回転して、第1の弁ポートの流量を変えない。このように、第1の弁コアと第2の弁コアを制御するには1つの駆動装置だけで十分であり、制御が簡単で、構造がコンパクトでかつコストが低い。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
駆動装置は第1の弁コア10と伝動するように接続され、第1の弁コア10が回転するとき、第1の弁コア10上の第1の協働構造は第2の協働構造によって第2の弁コア20を回転させることができる。このように、第1の弁コア10は独立して回転して、第1の弁ポートの第1の導通構造に対する角度を変えることで、第1の弁コア10の流量を調整してもよいし、第1の弁コア10が回転するとき第2の弁コア20を回転させ、第2の弁ポートの第2の導通構造に対する角度を変えることで、第2の弁コア20の流量を調整し、第1の弁コア10は再び元の位置まで回転して第1の弁コア10の流量を変えなくてもよい。第1の弁コア10と第2の弁コア20を駆動して制御するには1つの駆動装置だけで十分であり、制御が簡単で、構造がコンパクトでかつコストが低い。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
第1の協働構造と第2の協働構造は、上記の需要に応じた任意の構造として設けられることができ、1つの選択的な実施例では、
図2及び
図3を参照して、
図2は、本発明の実施例により提供される第1の弁コアの構造概略図であり、
図3は、本発明の実施例により提供される第2の弁コアの構造概略図である。第1の協働構造は、第1の弁コア10の第1の端面212’に設けられた突起構造11を備え、第2の協働構造は、第2の弁コア20の第2の端面213
’に設けられた溝構造21を備え、第1の弁コア10の第1の端面212
’は
第2の弁コア20の第2の端面213’と対向するように設けられており、突起構造11は少なくとも一部の構造が溝構造21内に位置する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
1つの選択的な実施例では、溝構造21の内周面に第1の突起部が設けられており、第1の突起部は溝構造21の内周面の周方向に間隔を隔てて設けられた第1の端面212と第2の端面213を備え、第1の協働状態では、突起構造11は第1の端面212、第2の端面213と接触せず、第1の弁コア10が溝構造内で独立して回転することを実現することができる。第2の協働状態では、突起構造11は第1の端面212又は第2の端面213に当接するようにすることにより、第1の弁コア10は第2の弁コア20を同期回転させることができ、第1の端面212と第2の端面213を設けることで、第1の協働状態と第2の協働状態をよりよく実現することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
突起構造11の外周面は周方向に間隔を隔てて設けられた第1の側面111と第2の側面112を備え、溝構造21の内周面に第1の突起部が設けられており、第1の突起部は周方向に間隔を隔てて設けられた第1の端面212と第2の端面213を備え、突起構造11は、第1の方向に沿って第1の側面111まで回転して第1の端面212に当接するとき、第2の弁コア20が第1の方向に沿って第1の弁コア10と同期回転するように動かせることができ、突起構造11は、第2の方向に沿って第2の側面112まで回転して第2の端面213に当接するとき、第2の弁コア20が第2の方向に沿って第1の弁コア10と同期回転するように動かせることができる。第1の弁コア10が第2の弁コア20を回転させるとき、突起構造11は溝構造21とよりよく協働することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
好ましくは、溝構造21の内周面は第1の円柱面211を備え、第1の突起部は第1の円柱面211に設けられている。突起構造11は、第1の柱体12及び第1の柱体12の外周面から径方向の外側へ突起して形成された第2の突起部を備え、第1の柱体12の外周面は第1の突起部の径方向の内側に位置し、第2の突起部の周方向における2つの端面はそれぞれ、第1の側面111と第2の側面112を構成し、第2の突起部の外周面は第2の円柱面113を備え、第2の円柱面113は第1の円柱面211とマッチングする。突起構造11に第2の突起部を設けることで、第1の弁コア10が回転するとき軸方向力を第2の弁コア20によりよく伝達させ、力の付与を容易にしている。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
管路通路間の連通を実現するために、第1の弁コア10に対応する複数の第1の弁ポートを弁座に設け、第1の弁コア10が第1の所定位置まで回転するとき少なくとも2つの第1の弁ポートを連通するための第1の導通構造を第1の弁コア10に設け、第2の弁コア20に対応する複数の第2の弁ポートを弁座に設け、第2の弁コア20が第2の所定位置まで回転するとき少なくとも2つの第2の弁ポートを連通するための第2の導通構造を第2の弁コアに設ける。第1の弁コア10と第2の弁コア20に第1の導通構造と第2の導通構造をそれぞれ設け、複数の第1の弁ポートと複数の第2の弁ポートとの連通をそれぞれ実現する。第1の導通構造と第2の導通構造を設けることで多方向弁100の構造をよりコンパクトにし、省空間化を実現する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
弁座に第1の弁コア10に対応する複数の第1の弁ポートが設けられており、1つの具体的な実施例では、弁座に3つの第1の弁ポートが設けられており、弁座の周方向において、3つの第1の弁ポートが占める角度は第1の溝15が占める角度以下であるので、3つの第1の弁ポートの連通と閉鎖は実現できる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
弁座に第2の弁コア20に対応する複数の第2の弁ポートが設けられており、弁座に2つの第2の弁ポートが設けられており、弁座の周方向において、2つの第2の弁ポートが占める角度は第2の溝22が占める角度以下であるので、2つの第2の弁ポートの連通と閉鎖は実現できる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
1つの選択的な実施例では、第1の通路はそれぞれ、a通路、b通路、及びc通路であり、a通路は入口通路であり、b通路とc通路は出口通路であり、b通路はa通路とc通路との間に位置する。第1の通路間の角の角度は限定されていないが、3つの第1の通路間の干渉を避けるために、3つの第1の通路間の角は90度であるようにしており、第2の通路はそれぞれ、e通路とf通路であり、2つの第2の通路間の角は90度である。
【手続補正15】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座、第1の弁コア、第2の弁コア、及び駆動装置を備える多方向弁であって、
前記駆動装置は前記第1の弁コアと伝動するように接続され、
前記第1の弁コアに第1の協働構造が設けられており、前記第2の弁コアに前記第1の協働構造と協働する第2の協働構造が設けられており、前記第1の協働構造と前記第2の協働構造は第1の協働状態と第2の協働状態を有し、前記第1の協働状態では、前記第1の弁コアは独立して回転し、前記第2の弁コアは動かないように保持し、前記第2の協働状態では、前記第1の弁コアは前記第2の弁コアを同期回転させ、
前記弁座に前記第1の弁コアに対応する複数の第1の弁ポートが設けられており、前記第1の弁コアに第1の導通構造が設けられており、前記第1の導通構造は、前記第1の弁コアが第1の所定位置まで回転するとき少なくとも2つの前記第1の弁ポートを連通するために用いられ、
前記弁座に前記第2の弁コアに対応する複数の第2の弁ポートが設けられており、前記第2の弁コアに第2の導通構造が設けられており、前記第2の導通構造は、前記第2の弁コアが第2の所定位置まで回転するとき少なくとも2つの前記第2の弁ポートを連通するために用いられる、ことを特徴とする多方向弁。
【請求項2】
前記第1の協働構造は、前記第1の弁コアの第1の端面に設けられた突起構造を備え、前記第2の協働構造は、前記第2の弁コアの第2の端面に設けられた溝構造を備え、前記第1の端面と前記第2の端面は対向するように設けられており、前記突起構造は少なくとも一部の構造が前記溝構造内に位置し、
前記溝構造の
内周面に第1の突起部が設けられており、前記第1の突起部は、
前記溝構造の内周面の周方向に間隔を隔てて設けられた第1の端面と第2の端面を備え、前記第1の協働状態では、前記突起構造は、前記第1の端面、第2の端面と接触せず、前記第2の協働状態では、前記突起構造は前記第1の端面又は前記第2の端面に当接する、ことを特徴とする請求項1に記載の多方向弁。
【請求項3】
前記溝構造は
内周面が第1の円柱面を備え、前記第1の突起部は前記第1の円柱面に設けられており、
前記突起構造は第1の柱体及び前記第1の柱体の外周面から径方向の外側へ突起して形成された第2の突起部を備え、前記第1の柱体は外
周面が前記第1の突起部の径方向の内側に位置し、前記第2の突起部の周方向における2つの端面はそれぞれ、第1の側面と第2の側面を構成し、
前記第2の突起部は外周面が第2の円柱面を備え、前記第2の円柱面は前記第1の円柱面とマッチングする、ことを特徴とする請求項2に記載の多方向弁。
【請求項4】
前記第1の突起部は
前記第1の突起部の径方向の内側に設けられた第3の円柱面を備え、前記第1の柱体は外周面が第4の円柱面を備え、前記第3の円柱面は前記第4の円柱面とマッチングする、ことを特徴とする請求項3に記載の多方向弁。
【請求項5】
前記突起構造は前記第1の弁コアの第1の端面に設けられておりかつ前記第1の柱体と接続する第2の柱体を備える、ことを特徴とする請求項3に記載の多方向弁。
【請求項6】
前記第2の柱体は円柱体であり、前記第2の柱体は直径が前記第2の円柱面の直径と同じである、ことを特徴とする請求項5に記載の多方向弁。
【請求項7】
前記第1の導通構造は、前記第1の弁コアの外周面に設けられており、かつ周方向に沿って延びる第1の溝を備え、
前記第2の導通構造は、前記第2の弁コアの外周面に設けられており、かつ周方向に沿って延びる第2の溝を備える、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の多方向弁。
【請求項8】
前記弁座に3つの前記第1の弁ポートが設けられており、
前記弁座の周方向において、3つの前記第1の弁ポートが占める角度は前記第1の溝が占める角度以下であり、及び/又は、
前記弁座に2つの前記第2の弁ポートが設けられており、
前記弁座の周方向において、2つの前記第2の弁ポートが占める角度は前記第2の溝が占める角度以下である、ことを特徴とする請求項7に記載の多方向弁。
【請求項9】
各前記第1の弁ポートはそれぞれ、第1の通路を介して前記第1の弁コアと接続し、各前記第2の弁ポートはそれぞれ、第2の通路を介して前記第2の弁コアと接続し、前記第1の弁ポートと前記第2の弁ポートは、前記弁座の同一側に設けられている、ことを特徴とする請求項8に記載の多方向弁。
【請求項10】
前記駆動装置はモータ及び前記モータと伝動するように接続された歯車列を備え、前記歯車列は前記第1の弁コアと伝動するように接続される、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の多方向弁。
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】