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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】混合が低減された圧力交換器
(51)【国際特許分類】
   F04B 9/08 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
F04B9/08 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500226
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 US2022036407
(87)【国際公開番号】W WO2023283371
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】63/219,767
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/858,936
(32)【優先日】2022-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516099646
【氏名又は名称】エナジー リカバリー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】オンプラカシュ サムドララ
(72)【発明者】
【氏名】アザム ミヒール タッテ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥン レ トラン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジェルソン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー パトリック テオドッシュー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジョセフ パトム
(72)【発明者】
【氏名】ファルシャド ガスリプール
【テーマコード(参考)】
3H075
【Fターム(参考)】
3H075AA01
3H075AA12
3H075BB01
3H075BB14
3H075CC19
3H075DA03
3H075DA04
3H075DB10
3H075DB43
(57)【要約】
本発明は、以下の圧力交換器に関する。該圧力交換器は、ダクトを形成するロータを備え、上記ダクトは、第1のダクト開口から第2のダクト開口までである。圧力交換器は、浮動ピストンをさらに備え、上記浮動ピストンは、上記ダクト内で上記第1のダクト開口と上記第2のダクト開口の間を運動して、上記第1の流体と上記第2の流体の間で圧力を交換させつつ、上記第1の流体と上記第2の流体の混合を防止するように構成されている。圧力交換器は、上記浮動ピストンが上記第1のダクト開口で上記ダクトを出ることを防止するように構成された、第1のアダプタプレートと、上記浮動ピストンが上記第2のダクト開口で上記ダクトを出ることを防止するように構成された、第2のアダプタプレートと、をさらに備える。上記第1のアダプタプレートは、上記第1の流体を上記第1のダクト開口に向かわせる第1のアパーチャを形成しており、かつ上記第2のアダプタプレートは、上記第2の流体を上記第2のダクト開口に向かわせる第2のアパーチャを形成している。
【選択図】図7B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水圧エネルギー伝達システムであって、前記水圧エネルギー伝達システムは、
第1の流体と第2の流体の間で圧力を交換するように構成された圧力交換器を含んでおり、前記圧力交換器は、
ダクトを形成するロータを備え、前記ダクトは、前記ロータによって形成された第1のダクト開口から前記ロータによって形成された第2のダクト開口までであり、前記第1のダクト開口及び前記第2のダクト開口は、第1の開口幅を有し、前記圧力交換器は、前記第1の流体を前記第1のダクト開口に向かわせ、かつ前記第2の流体を前記第2のダクト開口に向かわせるように構成されており、前記圧力交換器はさらに、
前記ダクト内に配置された浮動ピストンを備え、前記浮動ピストンは、前記ダクト内で前記第1のダクト開口と前記第2のダクト開口の間を運動して、前記ダクト内で前記第1の流体と前記第2の流体の間で圧力を交換させつつ、前記第1の流体と前記第2の流体の混合を防止するように構成されており、前記圧力交換器はさらに、
前記第1のダクト開口に近接して配置された第1のアダプタプレートを備え、前記第1のアダプタプレートは、前記浮動ピストンが前記第1のダクト開口で前記ダクトを出ることを防止するように構成され、かつ前記第1のアダプタプレートは、前記第1の流体を前記第1のダクト開口に向かわせる第1のアパーチャを形成しており、前記圧力交換器はさらに、
前記第2のダクト開口に近接して配置された第2のアダプタプレートを備え、前記第2のアダプタプレートは、前記浮動ピストンが前記第2のダクト開口で前記ダクトを出ることを防止するように構成され、かつ前記第2のアダプタプレートは、前記第2の流体を前記第2のダクト開口に向かわせる第2のアパーチャを形成している、水圧エネルギー伝達システム。
【請求項2】
前記浮動ピストンは、
筒状体部と、
前記第1のアダプタプレートと係合するように構成された、前記筒状体部の第1の端上に配置された第1の湾曲接触面と、
前記第2のアダプタプレートと係合するように構成された、前記筒状体部の第2の端上に配置された第2の湾曲接触面と、をさらに備える、請求項1に記載の水圧エネルギー伝達システム。
【請求項3】
前記筒状体部は、
第1の体幅を有する第1の部分と、
前記第1の体幅を有する第2の部分と、
前記第1の部分と前記第2の部分の間に配置された第3の部分であって、前記第3の部分は前記第1の体幅よりも小さい第2の体幅を有する、第3の部分と、をさらに備える、請求項2に記載の水圧エネルギー伝達システム。
【請求項4】
前記水圧エネルギー伝達システムは、前記ロータに結合された電気モータをさらに備え、前記電気モータは前記ロータの回転を駆動するように構成されている、請求項1に記載の水圧エネルギー伝達システム。
【請求項5】
前記ロータは、筒状構造をさらに備え、前記筒状構造は、前記筒状構造の円周上に配置された一連のベーンを形成している、請求項1に記載の水圧エネルギー伝達システム。
【請求項6】
前記水圧エネルギー伝達システムは、
前記第1の流体を圧送するように構成された高圧ポンプをさらに備え、前記圧力交換器は、前記高圧ポンプから前記第1の流体を受け取るように構成されており、前記第1の流体の第1の部分は、前記高圧ポンプから前記第1のダクト開口へと供給されるようになっており、かつ前記第1の流体の第2の部分は、前記高圧ポンプから前記一連のベーンへと供給され、前記ロータの前記圧力交換器の中心軸を中心とした回転を引き起こすようになっており、前記水圧エネルギー伝達システムは、
前記第2の流体を圧送するように構成された低圧ポンプをさらに備え、前記圧力交換器は、前記低圧ポンプから前記第2の流体を受け取るように構成されている、請求項5に記載の水圧エネルギー伝達システム。
【請求項7】
前記第1のアパーチャは第1のアパーチャ幅を有しており、前記第1のダクト開口の前記第1の開口幅は前記第1のアパーチャ幅よりも大きく、かつ前記浮動ピストンは、
前記ダクト内に流体シールを形成する第1の部分を備え、前記第1の部分は、前記第1の開口幅に実質的に等しい第1の部分幅を有し、前記浮動ピストンはさらに、
前記第1の開口幅よりも小さい第2の部分幅を有する第2の部分を備え、前記第2の部分は、前記第1のアパーチャに嵌合するように構成されている、
請求項1に記載の水圧エネルギー伝達システム。
【請求項8】
最初の位置にあることに応答して、前記浮動ピストンの前記第1の部分は、前記浮動ピストンと前記ダクトの表面と前記第1のアダプタプレートの間に、シールされた流体のポケットを形成し、かつ、
前記浮動ピストンが前記第1のダクト開口に接近していることに応答して、制動力が前記浮動ピストンに加えられるようになっている、請求項7に記載の水圧エネルギー伝達システム。
【請求項9】
水圧エネルギー伝達システムであって、前記水圧エネルギー伝達システムは、
第1の流体と第2の流体の間で圧力を交換するように構成された圧力交換器を含んでおり、前記圧力交換器は、
ダクトを形成するロータを備え、前記ダクトは、前記ロータによって形成された第1のダクト開口から前記ロータによって形成された第2のダクト開口までであり、前記圧力交換器は、前記第1の流体を前記第1のダクト開口に向かわせ、かつ前記第2の流体を前記第2のダクト開口に向かわせるように構成されており、前記圧力交換器はさらに、
前記ダクト内に配置された第1のピストンを備え、前記第1のピストンは、前記ダクト内に第1の流体シールを形成し、前記圧力交換器はさらに、
前記ダクト内に配置された第2のピストンを備え、前記第2のピストンは、前記ダクト内に第2の流体シールを形成し、前記圧力交換器はさらに、
前記第1のピストンと前記第2のピストンを接続するロッドを前記ダクト内に備え、前記ロッドは、前記第1のピストンと前記第2のピストンの間の軸方向の運動を伝動し、前記第1の流体と前記第2の流体の間での圧力交換を引き起こすように構成されている、水圧エネルギー伝達システム。
【請求項10】
前記ダクトは、
前記第1のダクト開口に近接した第1の部分を備え、前記第1の部分は第1の幅を有し、前記第1のピストンは前記第1の部分内に配置されており、前記ダクトはさらに、
前記第2のダクト開口に近接した第2の部分を備え、前記第2の部分は前記第1の幅と実質的に等しい第2の幅を有し、前記第2のピストンは前記第2の部分内に配置されており、前記ダクトはさらに、
前記第1の部分と前記第2の部分の間に配置された第3の部分を備え、前記第3の部分は第3の幅を有し、前記第3の幅は前記第1の幅及び前記第2の幅の各々よりも小さい、請求項9に記載の水圧エネルギー伝達システム。
【請求項11】
前記水圧エネルギー伝達システムは、前記第1のピストンと前記第3の部分と前記ダクトの表面の間にシールされた流体のポケットを形成して、制動力を引き起こし、前記制動力は、前記第1のピストンが前記ダクトの前記第3の部分に接近することに応答して前記第1のピストンに加えられるか、又は、前記第2のピストンが前記ダクトの前記第3の部分に接近することに応答して前記第2のピストンに加えられるか、のうち少なくとも一方である、請求項10に記載の水圧エネルギー伝達システム。
【請求項12】
前記水圧エネルギー伝達システムは、前記ロータに結合されたモータアセンブリをさらに備え、前記モータアセンブリは前記ロータの回転を駆動するように構成されている、請求項9に記載の水圧エネルギー伝達システム。
【請求項13】
前記ロータは筒状構造を備え、前記筒状構造は、前記筒状構造の円周上に配置された一連のベーンを形成している、請求項9に記載の水圧エネルギー伝達システム。
【請求項14】
前記水圧エネルギー伝達システムは、
前記第1の流体を圧送するように構成された高圧ポンプをさらに備え、前記圧力交換器は、前記高圧ポンプから前記第1の流体を受け取るように構成されており、前記第1の流体の第1の部分は、前記高圧ポンプから前記第1のダクト開口へと供給されるようになっており、前記第1の流体の第2の部分は、前記高圧ポンプから前記一連のベーンへと供給され、前記ロータの前記圧力交換器の中心軸を中心とした回転を引き起こすようになっており、前記水圧エネルギー伝達システムは、
前記第2の流体を圧送するように構成された低圧ポンプをさらに備え、前記圧力交換器は、前記低圧ポンプから前記第2の流体を受け取るように構成されている、請求項13に記載の水圧エネルギー伝達システム。
【請求項15】
第1の流体と第2の流体の間で圧力を交換するように構成された圧力交換器であって、前記圧力交換器は、
中心軸を中心として回転するように構成されたロータを備え、前記ロータはダクトを形成し、前記ダクトは、前記ロータによって形成された第1のダクト開口から前記ロータによって形成された第2のダクト開口までであり、前記圧力交換器は、前記第1の流体を前記第1のダクト開口に向かわせ、かつ前記第2の流体を前記第2のダクト開口に向かわせるように構成されており、前記圧力交換器はさらに、
前記ダクト内に配置された浮動ピストンを備え、前記浮動ピストンは、前記ダクト内に隔壁を形成して、前記第1の流体と前記第2の流体の混合を防止しかつ前記第1の流体と前記第2の流体の間での圧力交換を引き起こすように構成され、かつ前記浮動ピストンは、前記ダクト内で軸方向に摺動するように構成された軸方向に対称な構造を備えている、圧力交換器。
【請求項16】
前記圧力交換器は、
前記第1のダクト開口に近接して配置された第1のアダプタプレートをさらに備え、前記第1のアダプタプレートは、前記浮動ピストンが前記第1のダクト開口を介して前記ダクトを出ることを防止するように構成され、前記第1のアダプタプレートは、前記第1の流体を前記第1のダクト開口に向かわせる第1のアパーチャを形成しており、前記圧力交換器は、
前記第2のダクト開口に近接して配置された第2のアダプタプレートをさらに備え、前記第2のアダプタプレートは、前記浮動ピストンが前記第2のダクト開口を介して前記ダクトを出ることを防止するように構成され、前記第2のアダプタプレートは、前記第2の流体を前記第2のダクト開口に向かわせる第2のアパーチャを形成している、請求項15に記載の圧力交換器。
【請求項17】
前記圧力交換器は、
前記ダクトの内部で前記第1のダクト開口に近接して配置された、第1の束縛構造をさらに備え、前記第1の束縛構造は、前記浮動ピストンが前記ダクトを出ることを防止するように構成されており、前記圧力交換器は、
前記第2のダクト開口に近接して配置された第2の束縛構造をさらに備え、前記第2の束縛構造は、前記浮動ピストンが前記ダクトを出ることを防止するように構成されており、かつ前記第1の束縛構造又は前記第2の束縛構造のうち少なくとも1つは、前記ダクト内にプレス嵌めされているか、前記ダクト内に焼嵌めされているか、又は、対応する保持リング同士の間か又は対応する保持リングと対応する前記ロータのダクト側壁の間で、前記ダクト内に拘束されている、請求項15に記載の圧力交換器。
【請求項18】
前記浮動ピストンは、
筒状体部と、
前記第1の束縛構造と係合するように構成された、前記筒状体部の第1の遠位端にある第1のノーズ表面と、
前記第2の束縛構造と係合するように構成された、前記筒状体部の第2の遠位端にある第2のノーズ表面と、をさらに備える、請求項17に記載の圧力交換器。
【請求項19】
前記第1の束縛構造に近接していることに応答して、前記浮動ピストンは、前記浮動ピストンと前記ロータのダクト表面と前記第1の束縛構造の間に、シールされた流体のポケットを形成し、かつ、
前記シールされた流体のポケット内の圧力は、前記浮動ピストンが前記ダクト内で軸方向に運動している際、前記浮動ピストンのピストン速度に比例して上昇し、制動力が前記浮動ピストンに加えられるようにするように構成されている、請求項17に記載の圧力交換器。
【請求項20】
前記ロータが回転していないことに応答して、1つ以上のバルブが、前記ロータの水圧駆動部に流体流を供給して前記ロータが回転するようにし、かつ、
前記ロータが回転していることに応答して、前記1つ以上のバルブは、前記水圧駆動部に向かう前記流体流を阻止するようになっている、
請求項15に記載の圧力交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の幾つかの実施形態は、一般的には、混合が低減された圧力交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
システムは、異なる圧力の流体を使用する。ポンプは、システムに用いられている流体の圧力を上昇させるように用いられ得る。
【0003】
本開示は、限定ではなく例示として、同様の参照符号が同様の要素を示す添付の図面の図に示されている。本開示において、「ある」又は「1つの」実施形態に対する異なる参照は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、そのような参照は、少なくとも1つを意味するということに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A図1Aは、ある実施形態による、水圧エネルギー伝達システム(hydraulic energy transfer system)を含む流体処理システムの概略図を示している。
図1B図1Bは、ある実施形態による、水圧エネルギー伝達システムを含む流体処理システムの概略図を示している。
図1C図1Cは、ある実施形態による、水圧エネルギー伝達システムを含む流体処理システムの概略図を示している。
図1D図1Dは、ある実施形態による、水圧エネルギー伝達システムを含む流体処理システムの概略図を示している。
【0005】
図2図2は、ある実施形態による、回転式圧力交換器(PX)又は回転式液体ピストン圧縮機(LPC)の分解斜視図である。
図3図3は、ある実施形態による、回転式圧力交換器(PX)又は回転式液体ピストン圧縮機(LPC)の分解斜視図である。
図4図4は、ある実施形態による、回転式圧力交換器(PX)又は回転式液体ピストン圧縮機(LPC)の分解斜視図である。
図5図5は、ある実施形態による、回転式圧力交換器(PX)又は回転式液体ピストン圧縮機(LPC)の分解斜視図である。
図6図6は、ある実施形態による、回転式圧力交換器(PX)又は回転式液体ピストン圧縮機(LPC)の分解斜視図である。
【0006】
図7A図7Aは、ある実施形態による、圧力交換器に関連付けられた構成要素を示している。
図7B図7Bは、ある実施形態による、圧力交換器に関連付けられた構成要素を示している。
図7C図7Cは、ある実施形態による、圧力交換器に関連付けられた構成要素を示している。
図7D図7Dは、ある実施形態による、圧力交換器に関連付けられた構成要素を示している。
図7E図7Eは、ある実施形態による、圧力交換器に関連付けられた構成要素を示している。
図7F図7Fは、ある実施形態による、圧力交換器に関連付けられた構成要素を示している。
図7G図7Gは、ある実施形態による、圧力交換器に関連付けられた構成要素を示している。
図7H図7Hは、ある実施形態による、圧力交換器に関連付けられた構成要素を示している。
【0007】
図8A図8Aは、ある実施形態による、浮動ピストンを示している。
図8B図8Bは、ある実施形態による、浮動ピストンを示している。
図8C図8Cは、ある実施形態による、浮動ピストンを示している。
図8D図8Dは、ある実施形態による、浮動ピストンを示している。
図8E図8Eは、ある実施形態による、浮動ピストンを示している。
図8F図8Fは、ある実施形態による、浮動ピストンを示している。
図8G図8Gは、ある実施形態による、浮動ピストンを示している。
図8H図8Hは、ある実施形態による、浮動ピストンを示している。
図8I図8Iは、ある実施形態による、浮動ピストンを示している。
図8J図8Jは、ある実施形態による、浮動ピストンを示している。
【0008】
図9A図9Aは、ある実施形態による、弾性の可動隔壁を有するPX(又はLPC)の構成要素を示している。
図9B図9Bは、ある実施形態による、弾性の可動隔壁を有するPX(又はLPC)の構成要素を示している。
【0009】
図10図10は、ある実施形態による、PX(又はLPC)のダクト内に配置された往復デュアルピストン構造を示している。
【0010】
図11A図11Aは、幾つかの実施形態による、水圧ブレーキ装置を含むPX(又はLPC)を示している。
図11B図11Bは、幾つかの実施形態による、水圧ブレーキ装置を含むPX(又はLPC)を示している。
【0011】
図12A図12Aは、ある実施形態による、水圧ベーンを含むPX(又はLPC)の斜視図である。
図12B図12Bは、ある実施形態による、水圧ベーンを含むPX(又はLPC)の斜視図である。
【0012】
図13図13は、ある実施形態による、混合が低減された圧力交換器を用いるシステムの概略図を示している。
【0013】
図14A図14Aは、ある実施形態による、流体処理システムを示している。
図14B図14Bは、ある実施形態による、流体処理システムを示している。
図14C図14Cは、ある実施形態による、流体処理システムを示している。
【0014】
図15図15は、ある実施形態によるコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で記述される実施形態は、混合が低減された圧力交換器に関する(例:水圧エネルギー伝達システム)。
【0016】
システムは、異なる圧力の流体を使用することが可能である。これらのシステムは、水圧破砕(例:フラッキング(fracking)又はフラッキング(fracing))システム、脱塩システム、冷凍システム、マッドポンプシステム、スラリーポンプシステム、工業用流体システム、廃液システム、流体輸送システム、等を含み得る。ポンプは、システムに用いられている流体の圧力を上昇させるように用いられ得る。
【0017】
幾つかの従来のシステムは、ポンプを用いて、固体粒子を含む流体(例:粒子含有流体、スラリー流体)、化学物質を含む流体、及び/又は閾値を満たす粘性を有する流体の揚程(圧力)を上昇させている。従来では、固体粒子(例:砂、粉末、デブリ、セラミック等)、化学物質、及び/又は粘性が、時間をかけてポンプを損傷し、その効率を低下させている。そのため、従来のシステムは、ポンプの整備、修理、及び交換を行うことができるよう、長いダウンタイムを経ている。
【0018】
幾つかの従来のシステムは、特殊化されたポンプを用いており、それらの特殊化されたポンプは、固体粒子(例:研磨材)、化学物質、及び/又は流体に関連付けられた粘性によってもたらされる損傷を低減するために、大きなクリアランスを有しており、高価な特殊材料又は硬化材料を使用する場合があり、かつ/又は、ゴムライニングされている場合がある。これらのポンプは非効率的であり、所望の揚程(圧力)を提供しようと試みるため、複数のポンプを直列で使用することが必要とされる場合がある。これらのポンプは、依然として摩耗及び浸食を受ける。従来のシステムで使用されているこれらのポンプは、材料費の増加、製造の複雑さの増加、及びシステム全体での効率の低下をもたらす場合がある。ポンプにおける浸食及び/又は摩耗は、例えば、寿命を縮め、効率を低くし、漏出を増やし、サービス間隔を長くし、部品交換を増やし、かつ(例えば、脱塩、フラッキング、冷凍、スラリーポンプの)収量を低くする。
【0019】
圧力伝達システムは、幾つかの用途に用いられ得る。多くの工業プロセスは高圧で運転され、かつ高圧の廃棄流を生じる。高圧を必要とする動作のために高圧を供給する1つの方法は、高圧の流体(例:高圧の廃棄流体)から高圧運転に使用可能な流体(例:フラッキング流体)に圧力を伝達することである。特定の効率的な種類の圧力交換装置は、回転式圧力交換器である。回転式圧力交換器は、回転軸に対して平行に並べられた長手方向のダクトを有する筒状のロータを用いる。ロータは2つのエンドカバーによって取り囲まれたスリーブの内部で回転する。圧力エネルギーは、ロータのチャネル内で、高圧の流れから低圧の流れへと直接的に伝達される。チャネル内に残存する幾らかの流体は、それらの流れの間で混合が起きてしまうことを防止する隔壁としてはたらく。ロータのチャネルは、圧力伝達プロセスが繰り返される際に、流入及び流出をさせる。
【0020】
従来の圧力交換器(例:回転式圧力交換器)は、圧力エネルギーがそれらの間で交換される種の(例:第1の流体と第2の流体の)幾らかの相互汚染を生じる。この相互汚染は、幾つかの用途においては望ましくないものである。この望ましくない相互汚染の結果として、従来の回転式圧力交換システムは、様々な工業的用途から除外されるか、又は著しい性能の損失を生じる。例えば、フラッキング又は脱塩において、種間の汚染は、圧力交換器の動作効率の低下を生じ得る。アミンベースの天然ガス処理プラントでは、従来の圧力交換器を使用した「リッチ」アミンと「リーン」アミンの間での圧力交換は、「リッチ」アミン中の腐食性の硫化水素(HS)の存在によって、不可能である。幾つかの従来の圧力交換器では、圧力を交換する流体の圧力及び流量を組み合わせることにより、流体の混合を最小化する(例:防止する)ように調節することが可能であるが、しかしながら、流体間の接触領域内で生じる一定レベルの相互汚染は依然として存在する。圧力交換の種の相互汚染は、流体混合がより少ないシステムよりも、部品の摩耗を早める可能性がある。部品の維持管理(例:修理、交換)及び圧力交換の効率低下、ならびに種が圧力交換装置内で混ざり合う他の影響は、流体間で発生する混合の量を低減する(例:防止する)ことによって低減され得る。
【0021】
本明細書で開示される装置及びシステムは、(例えば、ある流体から他の流体へと)圧力を交換している際の種(例:流体)の混合を減じる(例:防止する、低減する)ように構成された、水圧エネルギー伝達システム(例:回転式等圧圧力交換器(rotary isobaric pressure exchanger(IPX))を提供する。この水圧エネルギー伝達システムは、第1の流体と第2の流体の間で圧力を交換するように構成されたIPXを含み得る。IPXは、ダクト(例:チャネル)を形成し得るのであって、このダクトは、IPXによって形成された第1のダクト開口からIPXによって形成された第2のダクト開口までである。IPXは、第1の流体を第1の幅(例:第1の開口幅)を有する第1のダクト開口に向かわせ、かつ第2の流体を第2の幅(例:第2の開口幅)を有する第2のダクト開口に向かわせるように、構成される。IPXは、第1の流体と第2の流体の間での圧力の交換を可能にする一方で(例:圧力を交換する一方で)、第1の流体と第2の流体の混合を低減する(例:阻止する)、ダクト内に配置された浮動ピストンを含み得る。IPXは、第1のアダプタプレート及び第2のアダプタプレートを含み得る。第1のアダプタプレートは、浮動ピストンが第1のダクト開口を介してダクトを出ていくことを防止することができる。第2のアダプタプレートは、浮動ピストンが第2のダクト開口を介してダクトを出ていくことを防止することができる。
【0022】
幾つかの実施形態では、水圧エネルギー伝達システム(例:回転式IPX)は、第1の流体と第2の流体の間で圧力を交換するように構成されたIPXを含み得る。IPXは、ダクト(例:チャネル)を形成し得るのであって、このダクトは、IPXによって形成された第1のダクト開口からIPXによって形成された第2のダクト開口までである。IPXは、第1の流体を第1のダクト開口に向かわせ、かつ第2の流体を第2のダクト開口に向かわせるように、構成され得る。IPXは、ダクト内に配置された第1のピストンを含み得る。第1のピストンは、ダクト内に第1の流体シールを形成する。IPXは、ダクト内に配置された第2のピストンをさらに含み得る。第2のピストンは、ダクト内に第2の流体シールを形成し得る。IPXは、ダクト内で第1のピストンと第2のピストンの間に配置されたロッドをさらに備え得る。このロッドは、第1のピストンと第2のピストンの間で軸方向に往復運動し、第1の流体と第2の流体の間で圧力を伝達するように構成され得る。
【0023】
幾つかの実施形態では、回転式IPX(例えば、第1の流体と第2の流体の間で圧力を交換するように構成されている)は、中心軸を中心として回転するように構成されたロータを含む。このロータは、ダクト(例:チャネル)を形成し得るのであって、このダクトは、ロータによって形成された第1のダクト開口からロータによって形成された第2のダクト開口までである。この回転式IPXは、第1の流体を第1のダクト開口に向かわせ、かつ第2の流体を第2のダクト開口に向かわせ得る。IPXは、ダクト内に配置された第1のピストンをさらに含み得る。第1のピストンは、第1の流体と第2の流体の混合を制限すべくダクト内に流体シールを形成し、かつ第1の流体と第2の流体の間で圧力を伝達することができる。第1のピストンは、ダクト内で軸方向に摺動するように構成された、軸方向に対称な構造を備え得る。
【0024】
本明細書で開示される装置及びシステムは、従来の解決方法に対して有利な点を有する。本開示の水圧エネルギー伝達システムは、圧力交換器によって形成された1つ以上のダクトの内部に配置された、対応する可動隔壁を含み得る。本開示の各可動隔壁は、複数の流体間での圧力交換を維持しつつ、混合量を低減することができる。従来のシステムは、運転を可能にするためにバランス流(balanced flow)(例えば、リード流(lead flow)又はラグ流(lag flow)ではない)をしばしば必要とする一方、本開示の水圧エネルギー伝達システムは、非バランス流(例:リード流又はラグ流)を有する流体間で圧力を交換することができる。本開示は、従来のシステムよりも高い圧力交換効率(例:圧力交換器によって出力される流体の量)を維持しつつ、より多様な実行可能流体を圧力交換器内で用いることを可能にし得る、相互汚染の低減を提供する。本開示の幾つかの実施形態は、等圧圧力交換器、圧力交換器、及び水圧エネルギー伝達システムに関連して記載されているが、本開示は他のシステム及び装置(例:等圧的でない圧力交換器、圧力交換器ではない回転要素、回転式ではない圧力交換器、等)に対しても適用可能である。
【0025】
本開示の幾つかの実施形態は、フラッキングシステム、脱塩システム、及び/又は冷却システムにおいて使用される流体の間での圧力交換に関連して記載されているが、本開示は、他の種類のシステムに対しても適用可能である。流体という語は、液体、気体、遷臨界流体、超臨界流体、亜臨界流体、及び/又はそれらの組み合わせ、を指し得る。
【0026】
図1A-Dは、ある実施形態による、水圧エネルギー伝達システムを含む流体処理システム100の概略図を示している。流体処理システム100は、本開示の、混合が低減された圧力交換器(例えば、ロータによって形成されたダクト内にピストンを含むような)を含む水圧エネルギー伝達システム110を含み得る。
【0027】
図1Aは、ある実施形態による、水圧エネルギー伝達システム110(例:回転式IPX)を含む流体処理システム100Aの概略図を示している。
【0028】
水圧エネルギー伝達システム110(例:IPX)は、低圧(LP)in流体120(例:低圧入口流)を、LPinシステム122から受け取る。水圧エネルギー伝達システム110はまた、高圧(HP)in流体130(例:高圧入口流)を、HPinシステム132から受け取りもする。水圧エネルギー伝達システム110(例:IPX)は、HPin流体130とLPin流体120の間で圧力を交換して、LPout流体140(例:低圧出口流)をLPout流体システム142に供給し、かつHPout流体150(例:高圧出口流)をHPout流体システム152に供給する。
【0029】
幾つかの実施形態では、水圧エネルギー伝達システム110は、HPin流体130とLPin流体120の間で圧力を交換するためのIPXを備える。このIPXは、(例えば、遠心技術を利用することなく)約50%、60%、70%、80%、90%又はそれより大きな効率、を超える効率で、HPin流体130とLPin流体120の間で流体の圧力を交換する装置であり得る。遠心技術は、流体を高速で回転させて異なる密度の流体を分離する装置を含み得る。流体は、回転中心軸を中心に半径方向から外向きに付勢される。本明細書において、「第1の」及び「第2の」流体という表記は、単に例示的なものであり、各流体を特定の範囲に特定又は限定するように用いられるものではない。
【0030】
高圧(例:HPin流体130、HPout流体150)とは、低圧(例:LPin流体120、LPout流体140)よりも大きな圧力を指す。IPXのLPin流体120は、加圧され、高圧(例:LPin流体120の圧力よりも大きな圧力の、HPout流体150)でIPXを出ていき得るのであって、かつHPin流体130は、減圧され、低圧(例:HPin流体130の圧力よりも小さな圧力の、LPout流体140)でIPXを出ていき得る。IPXは、LPin流体120を加圧すべく、HPin流体130を用いて直接力を加えるように動作することができ、これは流体間の流体セパレータの有無によらない。IPXと共に用いられ得る流体セパレータの例には、ピストン、ブラダー(bladder)、ダイヤフラム(diaphragm)、及びそれらに類するものが含まれるが、それらに限定されるわけではない。幾つかの実施形態では、IPXは回転式の装置であり得る。回転式IPXは、例えばカリフォルニア州サンレアンドロ所在のEnergy Recovery Inc.が製造しているような回転式IPXは、エンドカバーに対するロータの相対運動を介して効果的なバルブ作用が装置内部で達成されるので、別個のバルブを有さなくてもよい。回転式IPXは、内部のピストンを動作させて流体を分離し、かつ入口流体流の混合を相当に少なくして圧力を伝達するように設計され得る。IPXを往復させることは、流体流の間で圧力を伝達するために筒内で前後運動するピストンを含み得る。本開示では、例えば回転式IPX、往復IPX、又はそれらの任意の組み合わせ等、任意の1つ又は複数のIPXが用いられ得るが、それらに限定されるわけではない。さらに、IPXは、流体処理システム100の他の構成要素とは別個であるスキッド上に配置されてもよい(例えば、IPXが既存の流体処理システムに追加される場合に)。
【0031】
幾つかの実施形態では、モータ160が、水圧エネルギー伝達システム110(例:IPX)に結合されている。幾つかの実施形態では、モータ160は、(例えば、HPout流体150の圧力を上昇させるように、HPout流体150の圧力を降下させるように)水圧エネルギー伝達システム110のロータの速度を制御する。幾つかの実施形態では、モータ160は、水圧エネルギー伝達システム110内での圧力交換に基づき、エネルギーを生成する(例:発電機として機能する)。
【0032】
水圧エネルギー伝達システム110は、他の流体との仕事及び/又は圧力の交換中における、固体粒子含有流体(例:フラッキング流体)と様々な機器(例:水圧破砕機器、高圧ポンプ等)の間の接触を遮断又は制限できる、水圧保護システム(例:水圧緩衝システム、水圧分離システム等)であり得る。様々な機器(例:破砕機器)と固体粒子含有流体の間の接触を遮断又は制限することにより、水圧エネルギー伝達システム110は、様々な機器(例:破砕機器、高圧流体ポンプ等)の摩耗及び損耗を低減しつつ、それらの寿命及び性能を向上させる。研磨性流体(例:フラッキング流体及び/又は腐食性流体)用には設計されていない機器(例:高圧流体ポンプ)を使用することによって、より安価な機器を流体処理システム100内で使用することができる。
【0033】
水圧エネルギー伝達システム110は、回転式IPX等の、水圧ターボチャージャー又は水圧式圧力交換システム等を含む。IPXは、第1の流体と第2の流体(例:気体、液体、多相流体)の体積間での圧力伝達及び圧力均一化を容易化するような、1つ以上の(例:1~100の)チャンバを含み得る。
【0034】
水圧エネルギー伝達システム110は、例えばフラッキングシステム、脱塩システム、冷凍システム等、様々な種類のシステムで用いられ得る。
【0035】
図1Bは、ある実施形態による、水圧エネルギー伝達システム110を含む流体処理システム100Bの概略図を示している。流体処理システム100Bは、フラッキングシステムであってよい。幾つかの実施形態では、流体処理システム100Bは、図1Bに示されているものに対して、より多くの構成要素、より少ない構成要素、同じ作業工程(routing)、異なる作業工程、及び/又はそれらに類するものを含む。
【0036】
LPin流体120及びHPout流体150は、フラッキング流体(例:固体粒子含有流体、プロパント含有流体等)であってよい。HPin流体130及びLPout流体140は、実質的に固体粒子非含有の流体(例:プロパント非含有流体、水、濾過された流体等)であり得る。
【0037】
LPinシステム122は、LPin流体120を水圧エネルギー伝達システム110(例:IPX)に供給するような1つ以上の低圧流体ポンプを有し得る。HPinシステム132は、HPin流体130を水圧エネルギー伝達システム110に供給するような1つ以上の高圧流体ポンプ134を含み得る。
【0038】
水圧エネルギー伝達システム110は、LPin流体120(例:低圧フラッキング流体)とHPin流体130(例:高圧水)の間で圧力を交換して、HPout流体150(例:高圧フラッキング流体)をHPoutシステム152に供給し、かつLPout流体140(例:低圧水)を供給する。HPoutシステム152は、クラック156を含む岩層154(例:坑井)を含み得る。HPout流体150からの固体粒子(例:プロパント)が、岩層のクラック156の内部に供給され得る。
【0039】
幾つかの実施形態では、LPout流体140、高圧流体ポンプ134、及び高圧in流体130は、第1のループ(例:プロパント非含有流体のループ)の一部である。LPout流体140は、高圧流体ポンプに供給され、水圧エネルギー伝達システム110を出る際にLPout流体140になるHPin流体130を生成することができる。
【0040】
幾つかの実施形態では、LPin流体120、HPout流体150、及び低圧流体ポンプ124は、第2のループ(例:プロパント含有流体のループ)の一部である。HPout流体150は、岩層154に提供され、そして低圧流体ポンプ124によって岩層154から圧送され、LPin流体120を生成することができる。
【0041】
幾つかの実施形態では、流体処理システム100Bは、岩層154における石油及びガスの放出を増加させるための水圧破砕(例:フラッキング(fracking)、フラッキング(fracing))を実施するため、石油及びガス産業における坑井完成作業において用いられる。HPoutシステム152は、岩層154(例:坑井)を含み得る。水圧破砕は、水、化学物質、及び固体粒子(例:砂、セラミック、プロパント)の組み合わせを含むHPout流体150を、高圧で坑井(例:岩層154)内に圧送することを含み得る。LPin流体120及びHPout流体150は、岩層154中のクラック156を伝播させること及びそのサイズを増大させることによって岩層154中の石油及びガスの放出を増加させる、粒子含有流体を含み得る。高圧out流体150の高圧は、岩層154を貫くクラック156及び伝播を起こしかつそのサイズを増大させ、より多くの石油及びガスを放出させる。一方、その固体粒子(例:粉末、デブリ等)はクラック156に入り、クラック156を開いた状態に維持する(例:HPout流体150が減圧されたときにクラック156が閉じてしまうことを防ぐ)。
【0042】
この粒子含有流体を岩層154(例:坑井)内に圧送するために、流体処理システム100Bは、水圧エネルギー伝達システム110に結合された1つ以上の高圧流体ポンプ134及び1つ以上の低圧流体ポンプ124を含み得る。例えば、水圧エネルギー伝達システム110は、水圧ターボチャージャー又はIPX(例:回転式IPX)であり得る。運転中には、水圧エネルギー伝達システム110は、高圧流体ポンプ134によって圧送された第1の流体(例:HPin流体130、プロパント非含有流体等)と低圧流体ポンプ124によって圧送された第2の流体(例:LPin流体120、プロパント含有流体、フラッキング流体等)の間で、実質的な混合なくして、圧力を伝達する。このようにして、水圧エネルギー伝達システム110は、高圧流体ポンプ134の摩耗を阻止又は制限する一方、流体処理システム100Bが高圧フラッキング流体(例:HPout流体150)を岩層154内へと圧送し、石油及びガスを放出させることを可能にする。腐食性又は研磨性の環境で動作させるためには、水圧エネルギー伝達システム110は、第1の流体又は第2の流体のいずれかに含まれる腐食性又は研磨性の物質に耐性のある材料から形成されるのがよい。例えば、水圧エネルギー伝達システム110は、金属マトリックス(例:Co、Cr、又はNi、又はそれらの組み合わせ)内でセラミック(例:アルミナや、炭化物、酸化物、窒化物、又はホウ化物の硬質相のサーメット等)から作製され得るのであって、例えば、CoCr、Ni、NiCr又はCoのマトリックス中のタングステンカーバイドであり得る。
【0043】
幾つかの実施形態では、水圧エネルギー伝達システム110は、IPX(例:回転式IPX)を含み、かつHPin流体130(例:第1の流体、高圧の固体粒子非含有流体等)は、IPXの第1の側に入り、そこでHPin流体130は、IPXの第2の側に入るLPin流体120(例:第2の流体、低圧フラッキング流体)と接触する。それらの流体同士の接触によって、HPin流体130は第2の流体(例:LPin流体120)の圧力を上昇させることができ、これによって、第2の流体(例:HPout流体150)はIPXから排出され、そして破砕作業のために坑井(例:岩層154)を下降させられる。第1の流体(例:LPout流体140)は、同様にIPXを出るが、しかしながら第2の流体と圧力を交換した後なので、低圧である。上記したように、第2の流体は、研磨性粒子を含む場合がある低圧のフラッキング流体であり得るので、ロータが各エンドカバーに対して回転しているとき、第2の流体がロータと各エンドカバーの間の界面を摩耗させる可能性がある。
【0044】
流体処理システム100B内の水圧エネルギー伝達システム110のIPXは、ロータのロータポート同士の間に、かつ/又はエンドカバーのエンドカバーポート同士の間に、1つ以上のインサートを含む。幾つかの実施形態では、このインサートは浸食及び/又は摩耗に抵抗し得る。幾つかの実施形態では、このインサートは交換可能であり得る。このインサートは、固体粒子を含む流体(例:フラッキング流体、プロパント含有流体等)、腐食性流体、高圧流体、及び/又はそれらに類する流体からの摩耗及び/又は浸食を防止することができる。
【0045】
図1Cは、ある実施形態による、水圧エネルギー伝達システム110を含む流体処理システム100Cの概略図を示している。流体処理システム100Cは、(例えば、塩及び/又は他のミネラルを水から取り除く)脱塩システムであってよい。幾つかの実施形態では、流体処理システム100Cは、図1Cに示されているものに対して、より多くの構成要素、より少ない構成要素、同じ作業工程、異なる作業工程、及び/又はそれに類するものを含む。
【0046】
LPinシステム122は、in海水170(例:リザバーから得たか又は海洋から直接得た供給水)を受け取り、かつLPin流体120(例:低圧の海水、供給水)を水圧エネルギー伝達システム110(例:IPX)に供給する、供給ポンプ126(例:低圧流体ポンプ124)を含み得る。HPinシステム132は、HPin流体130(例:高圧ブライン)を水圧エネルギー伝達システム110(例:IPX)に供給するメンブレン136を備え得る。水圧エネルギー伝達システム110は、HPin流体130とLPin流体120の間で圧力を交換して、HPout流体150(例:高圧海水)をHPoutシステム152に供給し、かつLPout流体140(例:低圧ブライン)をLPoutシステム142(例:地質学的塊(geological mass)、海洋、海、廃棄部等)に供給する。
【0047】
メンブレン136は、逆浸透膜等、膜を通る流体を分離させるように構成された膜分離装置であり得る。メンブレン136は、濃縮供給水又は濃縮液(例:ブライン)であるHPin流体130を水圧エネルギー伝達システム110に供給することができる。HPin流体130の圧力は、低圧供給水(例:LPin流体120)を圧縮して高圧供給水(例:HPout流体150)にするように用いられ得る。単純化及び説明の目的のため、供給水(feed water)という用語を用いている。しかしながら、水圧エネルギー伝達システム110において水以外の流体が使用されてもよい。
【0048】
循環ポンプ158(例:タービン)は、HPout流体150(例:高圧海水)をメンブレン136に供給する。メンブレン136は、HPout流体150を濾過して、LP飲料水172及び高圧in流体130(例:高圧ブライン)を提供する。LPoutシステム142は、outブライン174を(例:地質学的塊、海洋、海、棄部等に)供給する。
【0049】
幾つかの実施形態では、高圧流体ポンプ176が、供給ポンプ126とメンブレン136の間に配置されている。高圧流体ポンプ176は、低圧海水(例:高圧供給水を提供するLPin流体120)の圧力を上昇させ、循環ポンプ158によって供給された高圧海水と混合されるようにする。
【0050】
幾つかの実施形態では、水圧エネルギー伝達システム110の使用により、高圧流体ポンプ176にかかる負荷が減少させられるのである。幾つかの実施形態では、流体処理システム100Cは、高圧流体ポンプ176を使用することなく、LP飲料水172を提供する。幾つかの実施形態では、流体処理システム100Cは、高圧流体ポンプ176を断続的に使用しつつ、LP飲料水172を提供する。
【0051】
幾つかの例では、水圧エネルギー伝達システム110(例:IPX)は、LPin流体120(例:低圧供給水)を約2068hPa(約30PSI(重量ポンド/平方インチ))で受け取り、かつHPin流体130(例:高圧のブライン又は濃縮液)を約67568hPa(約980PSI)で受け取る。水圧エネルギー伝達システム110(例:IPX)は、圧力を高圧濃縮液(例:HPin流体130)から低圧供給水(例:LPin流体120)に伝達する。水圧エネルギー伝達システム110(例:IPX)は、HPout流体150(例:高圧(圧縮)供給水)を約66534hPa(約965PSI)で、かつLPout流体140(例:低圧濃縮液)を約1034hPa(約15PSI)で受け取る。このように、水圧エネルギー伝達システム110(例:IPX)は、約97%の効率であり得る。というのも、水圧エネルギー伝達システム110(例:IPX)の入力体積は、出力体積とおおよそ等しく、かつ66534hPa(約965PSI)は67568(約980SPI)の約97%であるからである。
【0052】
流体処理システム100C内の水圧エネルギー伝達システム110のIPXは、ロータのロータポート同士の間に、かつ/又はエンドカバーのエンドカバーポート同士の間に、1つ以上のインサートを含む。幾つかの実施形態では、このインサートは浸食及び/又は摩耗に抵抗し得る。幾つかの実施形態では、このインサートは交換可能であり得る。このインサートは、固体粒子を含む流体(例:ブライン、海水等)、腐食性流体、高圧流体、及び/又はそれらに類する流体からの摩耗及び/又は浸食を防止することができる。
【0053】
図1Dは、ある実施形態による、水圧エネルギー伝達システム110を含む流体処理システム100Dの概略図を示している。流体処理システム100Dは、冷凍システム(例:遷臨界二酸化炭素冷凍システム)であってよい。冷凍システムは、超臨界状態の流体を使用できる。例えば、第1の流体及び/又は第2の流体は、冷媒(例:二酸化炭素)を含み得る。幾つかの実施形態では、流体処理システム100Dは、図1Dに示されているものに対して、より多くの構成要素、より少ない構成要素、同じ作業工程、異なる作業工程、及び/又はそれに類するものを含む。
【0054】
水圧エネルギー伝達システム110(例:IPX)は、LPin流体120をLPinシステム122(例:低圧リフト装置128、低圧流体ポンプ等)から受け取ることができ、かつHPin流体130をHPinシステム132(例:凝縮器138)から受け取ることができる。水圧エネルギー伝達システム110(例:IPX)は、LPin流体120とHPin流体130の間で圧力を交換して、HPout流体150をHPoutシステム152(例:高圧リフト装置159)に供給し、かつLPout流体140をLPoutシステム142(例:蒸発器144)に供給することができる。蒸発器144は、流体を圧縮機178及び低圧リフト装置128に供給することができる。凝縮器138は、流体を圧縮機178及び高圧リフト装置159から受け取ることができる。
【0055】
流体処理システム100Dは、閉鎖系であり得る。LPin流体120、HPin流体130、LPout流体140、及びHPout流体150は、すべて流体処理システム100Dの閉鎖系内部で循環させられる流体(例:冷媒)であり得る。
【0056】
幾つかの実施形態では、図1A-Eの1つ以上の流体は、多相流体であり得るのであって、例えば、気体/流体流、気体/固体粒子流、液体/固体粒子流、気体/液体/固体粒子流、又は任意の多相流であってよい。例えば、その多相流体は、非ニュートン流体(例:シアシニング流体)、高粘性流体、プロパントを含有する非ニュートン流体、又はプロパントを含有する高粘性流体、であってもよい。さらに、第1の流体は、約5000kPa~25000kPA、20000kPa~50000kPa、40000kPa~75000kPa、75000kPa~100000kPaの間であり、かつ/又は第2の流体の第2の圧力よりも大きい、圧力であってよい。水圧エネルギー伝達システム110は、第1の流体と第2の流体の間の圧力を完全に等しくする場合もあれば、完全には等しくしない場合もある。従って、水圧エネルギー伝達システム110は、等圧的に又は実質的に等圧的に動作し得る。
【0057】
水圧エネルギー伝達システム110は、第1の流体と第2の流体の間で仕事及び/又は圧力を依然として交換しつつ、流体(例:フラッキング流体)と様々な機器(例:水圧破砕機器、高圧ポンプ、高圧流体ポンプ134等)の間の接触を遮断又は制限できるので、水圧エネルギー伝達システム110は、水圧保護システム、水圧緩衝システム、又は水圧分離システムとしても記述され得る。さらに、水圧エネルギー伝達システム110は、研磨性流体(例:フラッキング流体及び/又は腐食性流体等)用には構成されていない高圧ポンプを流体処理システムが用いることを可能にし得る。回転を容易化させるため、水圧エネルギー伝達システム102は、モータ160(例:アウトボードモータ(out-board motor)システム)に結合してもよいし、又は水圧エネルギー伝達システム(例:インボードモータ(in-board motor)システムであって、電気モータがロータの回転を駆動するように構成されている)のケーシング内にモータ160を含んでもよい。例えば、モータ160は、電気モータ、水圧モータ、空気圧モータ、他の回転駆動機、又はそれらの組み合わせ、を含み得る。運転中は、モータ160は、水圧エネルギー伝達システム110が、高粘性かつ/又は固体粒子、粉末、デブリ等を有する流体と共に回転することを可能にする。例えば、モータ160は、高粘性であるか又は粒子を含有する流体を用いつつ始動することができ、このことにより、水圧エネルギー伝達システム110の迅速な始動が可能になる。また、モータ160は、水圧エネルギー伝達システム110が粒子を粉砕し、高粘性/粒子含有流体を含む流体を用いつつ適切な動作速度(例:rpm)を維持できるような、さらなる力を提供することもできる。さらに、モータ160は、水圧エネルギー伝達システム110の動作範囲を実質的に拡大し得る。例えば、モータ160は、水圧エネルギー伝達システム110の速度(例:回転速度)の制御及び第1の流体と第2の流体の間の混合の程度の制御を容易にし得るので、モータ160は、水圧エネルギー伝達システム110が、モータなしの「フリーホイーリング(free-wheeling)」な水圧エネルギー伝達システムよりも低い又は高い流量のよい性能で動作することを可能にする。
【0058】
水圧エネルギー伝達システム110は、第1の圧力下の第1の流体を受け取るように構成された低圧ポートを含み得る。水圧エネルギー伝達システム110は、(例えば、低圧ポートの流路に)流体連通結合されたロータを、さらに含み得る。水圧エネルギー伝達システム110は、水圧エネルギー伝達システム110によって形成された中央ボアを通るよう経路設定されたシャフトを、さらに含み得る。このシャフトは、ロータに取り付けられ得る。
【0059】
幾つかの実施形態では、他の図に関連付けて論じられるように、第3の流体が、水圧エネルギー伝達システム110に対して流体を圧送するように用いられる場合がある。幾つかの実施形態では、水圧エネルギー伝達システム110は、水圧エネルギー伝達システム110のロータへと経路設定され、回転を促進する第3の流体(例:第1の流体及び/又は第2の流体の一部分)によって駆動される場合があるのである。例えば、モータ160がない場合、水圧エネルギー伝達システム110を駆動することは(例:ロータの回転を始動させることは)困難であり得る。ダクト内に可動隔壁が存在すると、PX(例:ロータ)が回転していないときに流れがPXを通過することは阻止され得る。通過流がないと、摩擦力に打ち勝ち、ロータが回転するようにできるだけの水圧トルクがロータに付与されない場合がある(例:付与できない)。そのようなシナリオでは、ロータを始動させるために、モータ、油圧駆動機等が使用され得る。
【0060】
図2-6は、ある実施形態による、回転式PX40(例:回転式圧力交換器、回転式液体ピストン圧縮機(LPC)等)の分解斜視図である。回転式PX40は、本開示の、混合が低減された圧力交換器(例えば、ロータによって形成されたダクト内にピストンを含む)であり得る。
【0061】
ある実施形態による、回転式PX40は、第1の流体(例:プロパント非含有流体又は超臨界二酸化炭素、HPin流体130)と第2の流体(例:フラッキング流体又は過熱気体二酸化炭素、LPin流体120)の間で、最小限の流体混合でもって圧力及び/又は仕事を伝達するように構成されている。回転式PX40は、スリーブ44(例:ロータスリーブ)及びロータ46を含む、一般的には筒状体である部分42を含み得る。また、回転式PX40は、それぞれのマニホールド52及び54を含む2つのエンドキャップ48及び50も含み得る。マニホールド52は、それぞれ入口ポート56及び出口ポート58を含み、一方、マニホールド54は、それぞれ入口ポート60及び出口ポート62を含む。運転中は、これらの入口ポート56、60は、第1の流体及び第2の流体が回転式PX40に入って圧力を交換できるようにし、一方、出口ポート58、62は、その後で第1の流体及び第2の流体が回転式PX40を出ることができるようにする。運転中、入口ポート56は、高圧の第1の流体(例:HPin流体130)を受け入れ得るのであって、圧力交換後には、出口ポート58が、低圧の第1の流体(例:LPout流体140)を回転式PX40外へ向かわせるよう経路設定するように用いられ得る。同様にして、入口ポート60は、低圧の第2の流体(例:LPin流体120)を受け入れ、出口ポート62は、高圧の第2の流体(例:HPout流体150)を回転式PX40外へ向かわせるよう経路設定するように用いられ得る。エンドキャップ48及び50は、それぞれのマニホールド52及び54内に配置された、ロータ46と流体シールで接触することを可能にする、それぞれのエンドカバー64及び66(例:エンドプレート)を含む。
【0062】
ロータ46は、筒状でありかつスリーブ44内に配置され、ロータ46が軸68を中心に回転することを可能にし得る。ロータ46は、複数のチャネル70(例:ダクト、ロータダクト)を形成し得るのであって、それらのチャネル70は、長手方向軸68を中心に実質的に対称に配置された各端である開口72と74(例:ロータポート、ロータ開口)の間でロータ46を貫く長手方向に実質的に延びている。ロータ46の開口72及び74は、回転の間、チャネル70が高圧の流体及び低圧の流体にさらされるようなやり方で、エンドカバー64及び66内の入口アパーチャ76と出口アパーチャ78(例:エンドカバー入口ポート及びエンドカバー出口ポート)の間の、及び入口アパーチャ80と出口アパーチャ82の間の、水圧的な連通のために配置されている。図示されているように、入口アパーチャ76及び出口アパーチャ78、ならびに80及び82は、円弧又は円のセグメント(例:C字形状)の形態で構成され得る。
【0063】
幾つかの実施形態では、センサフィードバック(例:タコメータ又は光学エンコーダを通じて計測された1分ごとの回転数、又は流量計を通じて計測された体積流量)を用いるコントローラは、回転式PX40内での第1の流体と第2の流体の間の混合の程度を制御し、圧力交換システム(例:図1A-Dの流体処理システム100A-D)の操作性を向上させるように用いられ得る。例えば、回転式PX40に入る第1の流体及び第2の流体の体積流量を変化させることで、プラントのオペレータ(例:システムオペレータ)がPX40(例:回転式液体ピストン圧縮機10)内での流体混合の量を制御することができる。さらに、ロータ46の回転速度を変化させることもまた、オペレータが混合を制御することを可能にする。回転式PX40内での混合は、ダクト内での1つ以上の流体の乱流、ダクト内での流体の移動の程度、濃度勾配による拡散、圧力均一化中に引き起こされる噴出、流体の慣性による圧力スパイク等による影響を受ける。ロータのチャネル70は、一般的には長くかつ狭く、回転式PX40内の流れを安定化させる。第1の流体及び第2の流体は、最小限の軸方向の混合でもって、栓流の枠組みでチャネル70を通って移動し得る。ある実施形態では、ロータ46の速度は、第1の流体と第2の流体の間の接触を減少させる。例えば、ロータ46の速度(例:約1200rpmであるロータ速度)は、第1の流体と第2の流体の間の接触時間を、約0.15秒、0.10秒、又は0.05秒未満まで減少させ得る。第3に、第1の流体と第2の流体の間の圧力交換に用いられるのは、ロータのチャネル70の小さな部分である。従って、流体の体積は、第1の流体と第2の流体の間の隔壁として、チャネル70内に残る。これらすべての機構は、回転式PX40内での混合を制限し得る。さらに、幾つかの実施形態では、回転式PX40は、圧力の伝達を可能にしつつ第1の流体と第2の流体を分離する、完全又は部分的な内部ピストン又は他の隔壁と共に動作するように構成され得る。
【0064】
図3-6は、チャネル70が完全なサイクルを通じて回転する際の、ロータ46内の単一のロータのチャネル70の位置のシークエンスを例示する、回転式PX40の一実施形態の分解図である。図3-6は、回転式PX40の単純化であって、1つのロータのチャネル70を示しており、かつ、チャネル70は、円形の断面形状を有するように示されていることには、留意されたい。他の実施形態では、回転式PX40は、同一又は異なる断面形状(例:円形、楕円形、正方形、矩形、多角形等)を有する、複数のチャネル70を含んでよい。即ち、図3-6は、説明のための単純化であり、回転式PX40の他の実施形態は、図2-6に示されているのとは異なる構成を有する場合がある。以下で詳細に述べられるように、回転式PX40は、第1の流体と第2の流体がロータ46の内部で互いにわずかに接触できるようにすることにより、第1の流体と第2の流体の間での圧力交換を容易化する。ある実施形態では、この交換は、第1の流体と第2の流体の制限された混合をもたらすような速度で起きる。(チャネルがアパーチャ76に対して露出してすぐの)ロータのチャネル70を通過する圧力波の速度、流体の拡散の速度、及びロータ46の回転速度によって、混合が発生するかどうか、及びどの程度起きるかは規定されている。
【0065】
図3は、ある実施形態による、回転式PX40(例:回転式LPC)の一実施形態の分解斜視図である。図3においては、チャネルの開口72は、最初の位置にある。この最初の位置では、チャネルの開口72は、エンドカバー64のアパーチャ78と、従ってマニホールド52と、流体連通しており、一方、反対側のチャネルの開口74は、エンドカバー66のアパーチャ82と、ひいてはマニホールド54と、水圧的に連通している。以下で論じられるように、ロータ46は、矢印84で示される時計回りの方向に回転し得る。運転中、低圧の第2の流体86は、エンドカバー66を通過し、チャネル70に入り、その中で第1の流体88と動的流体界面90で接触する。そして、第2の流体86は、第1の流体88をチャネル70から追い出し、エンドカバー64を通過させ、回転式PX40から追い出す。しかしながら、接触の持続時間は短いので、第2の流体86と第1の流体88の間での混合は最小限である。
【0066】
図4は、ある実施形態による、回転式PX40(例:回転式LPC)の一実施形態の分解斜視図である。図4では、チャネル70は、約90度の円弧を通って時計回りに回転している。この位置では、開口74(例:出口)はもはやエンドカバー66のアパーチャ80及び82と流体連通してはおらず、開口72はもはやエンドカバー64のアパーチャ76及び78と流体連通してはいない。従って、低圧の第2の流体86が一時的にチャネル70内に収容されている。
【0067】
図5は、ある実施形態による、回転式PX40(例:回転式LPC)の一実施形態の分解斜視図である。図5では、チャネル70は、図2に示された位置から約60度の円弧を通って回転している。開口74は、ここではエンドカバー66のアパーチャ80と流体連通しており、チャネル70の開口72は、ここではエンドカバー64のアパーチャ76と流体連通している。この位置では、高圧の第1の流体88は低圧の第2の流体86に入りかつそれを加圧し、第2の流体86をロータのチャネル70から追い出して、アパーチャ80を通過させる。
【0068】
図6は、ある実施形態による、回転式圧力交換器又は回転式LPCの一実施形態の分解斜視図である。図6では、チャネル70は、図2に示された位置から約270度の円弧を通って回転している。この位置では、開口74はもはやエンドカバー66のアパーチャ80及び82と流体連通してはおらず、開口72はもはやエンドカバー64のアパーチャ76及び78と流体連通してはいない。従って、第1の流体88はもはや加圧されておらず、かつ一時的にチャネル70内に収容されており、ロータ46がさらに90度回転すると、上記のサイクルが再び開始される。
【0069】
図7A-Hは、ある実施形態による、圧力交換器に関連付けられた構成要素を示している。図7Aは斜視図であり、図7Bは断面斜視図である。図7A-Bに示されているように、水圧エネルギー伝達システム700(例:図2-6のPX40)は、筒状体部を有するロータ702を含み得る。このロータは、中心軸(例えば、図2-6に関連して説明されているような)を中心に回転するように構成され得る。このロータは、1つ以上のダクト704(例:チャネル)を形成し、その際、各ダクト704は、ロータ702によって形成された対応する第1の開口(例:ロータ702の第1の側上の第1のダクト開口)から、ロータ207によって形成された対応する第2の開口(例:ロータ702の第2の側上の第2のダクト開口)までである。第1の側(例:第1の開口)は、第1の流体を受け入れるように構成され得るのであって、かつ第2の側(例:第2の開口)は、第2の流体を受け入れるように構成され得る。ダクト704は、この例示的な筒状の幾何学的形状に限定されるわけではない。幾つかの実施形態では、ダクトは、円形でない形状の、例えば三角形、矩形、他の多角形形状の開口と、対応する三次元的な構造のチャネルと、を形成する。幾つかの実施形態では、上記のダクトは、端から端まで等しい幅を有する一様なダクトである。幾つかの実施形態では、1つ以上のダクトは、他の部分よりも大きいか又は小さい幅を有する1つ以上の部分を有する場合もあり、それらは他の実施形態に関連して論じられる。
【0070】
図7Bに示されているように、対応するピストン706が、1つ以上のダクト704の中に配置されている場合がある。ピストン706は、ダクト内で摺動するように構成された、浮動ピストンであり得る。幾つかの実施形態では、ピストン706は第1の開口から第2の開口まで摺動し、他の実施形態では、ピストン706はダクト704の一部分内を摺動する場合もある(例えば、ダクト702が様々なサイズの部分を有する実施形態において)。ピストン706は、PXの第1の側に配置された第1の流体とPXの第2の側上に配置された第2の流体の間の隔壁を提供する。
【0071】
運転中、圧力交換プロセスの最初の段階で、高圧の第1の流体がPXの第1の側に入り、ピストン706の一表面に対して力を及ぼす。第1の流体から力を受けるのに応答して、ピストン706は、ダクト704を通って軸方向に摺動し、ダクト内で第1の流体の反対の側に配置された低圧の第2の流体に対して力を及ぼす。低圧の第2の流体は、ピストン706を通じて第1の流体から伝達された圧力を受け、そして第2の流体は、ダクト704の第2の開口に入った際の低圧よりも大きな圧力で追い出される。圧力交換のプロセスの第2の段階では、第2の流体がダクト704の第2の開口に入り、そしてピストン706に対して力を及ぼす。ピストン706は摺動してダクトを軸方向に下り、低圧で流体を追い出す。ここで、ピストン706は、最初の段階からプロセスを続けるための位置にある。このプロセスは何度も繰り返され、第1の流体と第2の流体の間の流体接触を最小化しつつ、第1の流体と第2の流体の間の圧力を連続的に交換することができる。
【0072】
幾つかの実施形態では、ピストン706はダクト704内に流体シールを形成している。後の実施形態で論じられるように、ピストン706は、双方向シール等の接触シールを含んでもよい。幾つかの実施形態では、ピストン706は2つ以上の双方向シールを含み得る。それらのシールは、ダクト704内で1つ以上の流体シールを形成し、第1の流体と第2の流体の間の流体混合を低減することができる。
【0073】
幾つかの実施形態では、水圧エネルギー伝達システム700は、ダクト704内に配置されるか又はダクト開口に隣接して配置された、一対の束縛構造708を含み得る。この束縛構造708は、ピストン706に接触し、ピストン706が第1の開口及び/又は第2の開口でダクト704を出てしまうことを防止するように構成され得る。幾つかの実施形態では、水圧エネルギー伝達システム700は、第1の開口に近接して配置された第1のアダプタプレートを含み得る。第1のアダプタプレートは、ピストン706がダクト704を出てしまうことを第1の開口で防止できる。第1のアダプタプレートは、第1の流体を第1の開口に向かわせる第1のアパーチャを形成してもよい。水圧エネルギー伝達システム700は、第2の開口に近接して配置された第2のアダプタプレートを含み得る。第2のアダプタプレートは、ピストン706がダクト704を出てしまうことを第2の開口で防止できる。第2のアダプタプレートは、第2の流体をダクト704の第2の開口に向かわせる第2のアパーチャを形成してもよい。
【0074】
第1のアパーチャは、第1のアパーチャ幅を有し得る。第1のダクト開口の第1の開口幅は、第1のアパーチャ幅よりも大きくてよい。浮動ピストンは、ダクト内に流体シールを形成する第1の部分を含み得る。上記第1の部分は、第1の開口幅に実質的に等しい第1の部分幅を有し得る。浮動ピストンは、第1の開口幅よりも小さい第2の部分幅を有する第2の部分をさらに含み得る。上記第2の部分は、第1のアパーチャに嵌合するように構成され得る。
【0075】
幾つかの実施形態では、ロータ702は、1つ以上のダクト704の内部にライナー構造又はコーティングを有し得る。このライナー構造又はコーティングは、浮動ピストンとの接触に貢献する(例:よい摩耗結合(wear couple)を形成する)材料を含み得る(例:それから成り得る)。例えば、ライナー構造又はコーティングは、摺動ピストンに対して起こす摩擦がダクトの表面のみよりも小さい材料を含み得る。幾つかの実施形態では、ピストンとダクトの内側表面(例:ライナー)の間の摩擦の低減により、ピストンの流体シール能力が向上させされ得る。幾つかの実施形態では、このライナーは、ロータに結合された外側の束縛部(例:アダプタプレート)を介してダクト704内に保持されている。他の実施形態では、このライナーは、ダクト704の内側表面に(例えば、接着剤又はファスナ又はダクト内への焼嵌めを用いて)結合されている場合もある。
【0076】
各束縛構造708は、ロータ702によって形成されたダクト704内にプレス嵌めされているか、ロータ702によって形成されたダクト704内に焼嵌めされているか、又はロータ702によって形成されたダクト704内に(例えば、1つ以上の保持リング710同士の間や、保持リング710とロータのダクト側壁の間等に)拘束されている場合がある。幾つかの実施形態では、ライナーがダクト704内で用いられており、ロータ702の一端にある束縛構造708がライナーの一部であってもよい。
【0077】
幾つかの実施形態では、1つ以上の保持リング710(例:保持構造)が、各束縛構造708をロータ702のダクト704内で固定している。図7A-Bに示されているように、保持リング710がダクト704の遠位端に近接して配置される場合があり、そしてその場合は束縛構造708は保持リング710とダクト704の中央部分の間に配置されている。
【0078】
図7C-Dは、ある実施形態による、水圧エネルギー伝達システム700を示している。図7Cは斜視図であり、図7Dは断面図である。図7C-Dに示されているように、束縛構造708はプレス嵌めを介してダクト内に固定され得る。幾つかの実施形態では、束縛構造708は、ピストンがダクト704を出ないように束縛する、プレス嵌めされたカーボンファイバースリーブである。幾つかの実施形態では、束縛構造708は、ピストンの水圧ノーズ(nose)(例:突出部分、ノーズ表面)に係合する。幾つかの実施形態では、ロータ702は、束縛構造708の挿入のためのダクト端面取り部を有する。
【0079】
図7E-Fは、ある実施形態による水圧エネルギー伝達システム700を示している。図7Eは斜視図であり、図7Fは断面図である。図7E-Fに示されているように、束縛構造708は、2つの保持リング710を介してダクト内に固定され得る。幾つかの実施形態では、束縛構造708は、摺動嵌合式カーボンファイバースリーブである。保持リング710は、束縛構造708のスリーブの軸方向の運動を束縛するような、ロータ702によって形成されたダクト溝内のデュアル内部保持リングであり得る。保持リング710と束縛構造708のアセンブリは、ピストンがダクト704を出ないように束縛する。幾つかの実施形態では、ロータ702は、束縛構造708の挿入のためのダクト端面取り部を有する。
【0080】
図7G-Hは、ある実施形態による、水圧エネルギー伝達システム700を示している。図7Gは斜視図であり、図7Hは断面図である。図7G-Hに示されているように、束縛構造708は保持リング710を介してダクト内に固定され得る。幾つかの実施形態では、束縛構造708は摺動嵌合式カーボンファイバースリーブである。保持リング710(例:単一の内部保持リング)がロータ702によって形成されたダクト溝内に配置され、束縛構造708のスリーブの外向きの運動を束縛することができる。保持リング710と束縛構造708のアセンブリは、ピストンがダクト704を出ないように束縛する。幾つかの実施形態では、束縛構造708はピストンの水圧ノーズ(例:突出部分、ノーズ表面)に係合する。幾つかの実施形態では、ロータ702は、束縛構造708の挿入のためのダクト端面取り部を有する。幾つかの実施形態では、束縛構造708は、保持リング701とロータ702のダクト側壁の間で保持される。
【0081】
図8A-Jは、ある実施形態による、浮動ピストン800A-J(例:ピストン)の各種実施形態を示している。浮動ピストン800は、軸方向に対称な(例:ダクト704の中心軸を中心として軸方向に対称な)構造を含み得る。このピストンは、球状(例:ピストン800A)又は円筒状(例:ピストン800B)であってもよいし、又はダクトの幅に嵌合する1つ以上の形状(例:上記されたような、三角形状、矩形状、多角形状)を有する。
【0082】
幾つかの実施形態では、ピストンは、ダクトの開口又はその付近に配置された束縛部(アダプタプレート、束縛構造)に接触するための湾曲接触面(ノーズ、ノーズ表面、水圧ノーズ、突出部)を含む(例:ピストン800A、800C、800D、及び/又は800E、800F、800G、800H、800I、800J)。例えば、ピストン(例:800C)は、筒状体部と、第1のアダプタプレートと係合する(例:接触アダプタプレートに接触し、アダプタプレートによって形成された開口内に入る)ように構成された筒状体部の第1の端部に配置された、第1の湾曲接触面(例:水圧ノーズ、ノーズ、ノーズ表面、ノーズ構造)と、第2のアダプタプレートと係合するように構成された筒状体部の第2の端部に配置された、第2の湾曲接触面と、を含み得る。
【0083】
さらなる実施形態では、ピストンは、筒状体部を有し、この筒状体部は、第1の幅(例:第1の体幅)を有する第1の部分と、第2の幅(例:第2の体幅)を有する第2の部分と、第1の部分と第2の部分の間に配置され、第1の部分の第1の幅及び第2の部分の第2の幅よりも小さい第3の幅(例:第3の体幅)を有する、第3の部分と、を含み得る(例:ピストン800D、800E、800F、800I、及び/又は800J)。そのようなピストンは、ダクトの表面と接触するためのより大きな幅(例:第1のピストン幅)を有する部分を含み得る。例えば、1つ以上のより大きな幅の筒状の部分は、ダクト内を並進している際に第1の流体と第2の流体が混合してしまうことを防ぐような流体シールをダクト内に形成するように構成され得る。シール、リニア軸受、及び/又はガイドは、往復運動中にピストンのシール及びアライメントを強化するために、ピストンの異なる部分の間に形成された溝(例:ピストン800D、800E、800F、800I、及び/又は800Jの溝を参照)に埋め込まれ得る。
【0084】
幾つかの実施形態では、上記されたように、ピストンは軸方向に対称な形状又は構造を備え得る。例えば、ピストンは、両方向に動作し得る。幾つかの実施形態では、1つ以上のピストン800A-Jは、第1の端部の第1の開口から第2の端部の第2の開口へと移動することができる場合がある。ロータの端から端まで移動することができるピストンの能力は、従来のシステムにおいてはみられない、ロータ、ダクト、及びピストンの寸法のより広範な実行可能性を提供することができることに、留意されたい。例えば、ピストンは軸方向の第1の寸法を備え得るのであって、かつロータは第1の寸法に限定されない軸方向の第2の寸法を備え得る。例えば、ピストンは、ダクトの第2の長さ寸法に対して最小限の軸方向長さであるという要件の範囲内で、第1の開口と第2の開口の間を完全に移動することができる。
【0085】
幾つかの実施形態では、1つ以上のピストン800A-Jは、ピストンと端にある束縛部(例:アダプタプレート)の間の接触を吸収することができる可撓性の材料から成る場合がある。幾つかの実施形態では、後述するように、ピストンはピストンとアダプタプレートとダクトの内側表面の間に流体シールを形成し得る。
【0086】
幾つかの実施形態では、ピストンは、筒状体部と、筒状体部の第1の端部に配置され、第1のアダプタプレートと係合するように構成された、第1の湾曲接触面と、筒状体部の第2の端部に配置され、第2のアダプタプレートと係合するように構成された、第2の湾曲接触面と、を含み得る。この筒状体部は、第3の幅(例:体幅)を有する第1の部分と、第3の幅(例:体幅)を有する第2の部分と、第1の部分と第2の部分の間に配置され、第3の幅よりも小さい第4の幅(例:体幅)とを有する第3の部分と、をさらに含み得る。
【0087】
図8F-Gは、圧力交換器のダクト内に配置されるように構成された、浮動ピストン800F-Gの断面領域を示している。図8Fに示されているように、ピストン800Fは、外部表面(例:ロータのダクト表面)と流体シールを形成することができる1つ以上のシール要素802(例:フェイスシール、Oリング、ラジアルシール等)を含み得る。例えば、第1の閾値(例:より硬質である、より可撓性がない、等)を満たすシール要素802Aが、ダクト表面に接触するように外側に配置され、かつ第2の閾値(例:より軟質である、より可撓性がある、等)を満たすシール要素802Bが、シール要素802Aとピストン800Fの間に配置される、という場合がある。シール要素802Aは、ロータのダクト表面に接触している際に摩耗に抵抗することができる。シール要素802Bは、シール要素802Aが摩耗したときには、ダクトの側壁により近い場所へとシール要素802Aを押し出すことができる。ピストン800Fは、1つのシール要素802Aがダクト側壁に接触して描かれているものの、複数のシール要素が用いられてもよいことには、留意されたい。例えば、1つ以上の一方向シール及び/又は双方向シールが、ピストン800Fに組み込まれるか、又はそれに結合され得る。シール機能を損なうことなく摩耗を補償するために、シールが、Oリング(図8Fに示されているような)又は片持ちばね(図8Gに示されているような)又は他の手段を用いて付勢される場合もある。
【0088】
図8F及び8Gに示されているように、ピストン800F-Gは、ピストンがダクトの端部に接近し、端にある束縛部(例:束縛構造、アダプタプレート)と係合するときに流体ポケットを形成するように構成された突出部を、各端に備える場合がある。他の実施形態でさらに述べられるように、突出部の位置及び/又は寸法は、ピストンが端にある束縛部に接近した際にピストンに及ぼされる制動力に影響し得る。ピストンは、ピストンがロータの端に接近するときに逆方向にはたらく制動力を起こす突出部を、ピストンの軸方向の両方の側に含み得る。
【0089】
図8Hは、各端に突出部(例:ノーズ、水圧ノーズ等)を有し、かつ溝を形成しない、ピストン800Hを示している。図8I-Jは、各端に突出部(例:ノーズ、水圧ノーズ等)を有し、かつ1つ以上のシール要素802を受け入れる溝を形成した、ピストン800I-Jを示している。
【0090】
図9A-Bは、ある実施形態による、可動隔壁を有する圧力交換器900Aの一実施形態を示している。圧力交換器900Aは、第1の開口及び第2の開口を有する細長チャネルを有するダクト912を形成し得る。図9Aに示されているように、ダクト912は、第1の幅(例:第1の部分幅)を有する第1の部分と、第1の幅よりも小さい第2の幅(例:第2の部分幅)を有する第2の部分と、を備え得る。圧力交換器900Aは、可動隔壁902であって、ピストンスカート904と、ピストンヘッド906と、ローリングダイヤフラム911と、を備える可動隔壁902(例:弾性の可動隔壁)を備え得る。
【0091】
図9Aに示されているように、ローリングダイヤフラム911は、ピストンスカート904とピストンヘッド906の間に配置されている(例:それらの間に挟まれている)。幾つかの実施形態では、ピストンスカート904及びピストンヘッドは、アルミニウム等の合金を含み得る(例:それから成る場合がある)。また、ローリングダイヤフラム911は、固定要素908(例:ファスナ)を介して圧力交換器900Aに結合され得る。図9Bに示されているように、ローリングダイヤフラム911は、エラストマ916A及び916Bにコーティングされた繊維918を備え得る。このエラストマは、伸びて伸長位置に至り、かつ縮んで非伸長位置に至るように構成され得る。
【0092】
運転中、第1の流体は可動隔壁902に力を及ぼし、ピストンスカート904はローリングダイヤフラム911に沿って摺動し、そしてピストンヘッド906はダクト912内で軸方向に摺動する。ピストンスカート904は、ダクト912の内部かつ第1の流体の反対の側の内部に配置された第2の流体に接触する。例えば、第2の流体は、より小さな幅(例:より小さな部分幅)を有するダクトの部分内に配置され得る。
【0093】
図9Aに示されているように、圧力交換器900Aは、ピストンスカート904に対するよう構成された保持リングを含み得る。例えば、この保持リングは、ピストンスカート904がダクト912の外側へと並進してしまうことを防止する隔壁として機能し得る。隔壁リング910は、流体をダクト912内に向かわせるように構成されたアパーチャを含み得る。
【0094】
図10は、ある実施形態による、PX1000(又は、LPC)のダクト内に配置された往復デュアルピストン構造を示している。PX1000は、第1の流体と第2の流体の間で圧力を交換するように構成され得る。PX1000は、ロータ内に形成されたダクト1000A-Cを含み得る。このロータ及びエンドカバーのアセンブリは、第1の流体をダクトの開口(例:1010A)に向かわせ、かつ第2の流体をダクトの第2の開口(例:1010B)に向かわせるように構成され得る。PX1000は、ダクト内に配置された第1のピストン(例:1006A)及びダクト内に配置された第2のピストン(例:1006B)を備え得る。第1のピストンはダクト内で第1の流体シールを形成し、かつ第2のピストンはダクト内で第2の流体シールを形成し得る。また、PX1000は、ダクト内でピストン1000A-Bの間に配置されたロッドを備え得る。このロッドは、ピストン1006A-Bの間で軸方向に往復運動し、第1の流体と第2の流体の間で圧力を伝達するように構成され得る。
【0095】
運転中、第1の流体は第1の開口1010Aでダクトに入り、第1のピストン1006に力を及ぼす。ロッド1008は、第2のピストン1006Bに方向が交替する力を及ぼし、デュアルピストンアセンブリ(例:ピストン1006Aとピストン1006Bとロッド1008の組み合わせ)がダクト内で一緒に並進する。第2のピストン1006Bの運動は、第2の流体を第2の開口1010Bを通じて追い出す。
【0096】
幾つかの実施形態では、ダクトは第1の開口に近接した第1の部分1004Aを含む場合があり、この第1の部分は第1の幅を有し得る。第1のピストン1006が、この第1の部分1004A内に配置され得る。ダクトは、第2の開口に近接した第2の部分1004Bを含み得る。この第2の部分は、第2の幅を備え得る。第2のピストンが、第2の部分内に配置され得る。幾つかの実施形態では、第1の部分1004Aの幅と第2の部分1004Bの幅は等しい(又は実質的に等しい)。幾つかの実施形態では、第3の部分の幅は、第1の部分1004Aの幅及び第2の部分1004Bの幅よりも小さい。幾つかの実施形態では、ダクトは各種径を有する3つより多くの部分を備え得る。
【0097】
幾つかの実施形態では、圧力交換器(PX)1000は、ダクトの第3の部分1004Cに流体連通結合された流体チャネルを備える。この流体チャネルは、第3の流体をダクトの第3の部分1004Cに向かわせ得る。この第3の流体は、第1のピストン1006Aと第2のピストン1006Bとロッド1008とダクトによって形成された表面の間に配置され得る。PX1000は、該流体チャネルに結合された供給バルブを含み得る。この供給バルブは、ダクトの第3の部分に出入りする第3の流体の流れを制御し、かつ第3の流体をダクトの第3の部分1004C内で選択的にシールし得る。この第3の流体は、第1のピストン1006Aと第1の開口1010Aの間にある第1の流体と第2のピストン1006Bと第2の開口1010Bの間にある第2の流体の混合を防止する隔壁流体として機能する。このデュアルピストンアセンブリ及び中央束縛部の構成はまた、ピストンの水圧制動が、ダクト内でのピストン1006A又はピストン1006Bの激しい衝突を防止することを可能にもする。例えば、このデュアルピストンアセンブリがダクト内で並進し、第3の部分1004Cに近づいたとき、ロッド1008とダクトの第3の部分1004Cの間のクリアランスが「小さい」ことを考慮すれば、流体ポケットは、ピストンとダクトの第3の部分1004Cの間でトラップされる。これにより、該ポケット内の急激な圧力上昇がもたらされ、抵抗力が及ぼされてピストンが減速させられる。幾つかの実施形態では、この制動力は双方向に及ぼされ得る。図10におけるダクトの第3の部分1004Cは、ダクトの軸方向中心に配置されているように描かれているものの、幾つかの実施形態では、より小さな幅を有するダクトの部分が中心から離れて配置される場合があることには、留意されたい。
【0098】
幾つかの実施形態では、運転中、PX1000は、第1のピストン1006Aと第2のピストン1006Bとダクト表面の間にシールされた流体ポケットを形成し得る。第1のピストンが第3の部分1004Cに近づいたとき、又は第2のピストン1006Bが第3の部分1004Cに近づいたときの少なくとも一方において、第1のピストン1006Aに制動力が及ぼされ得る。幾つかの実施形態では、シールされた流体ポケット内の圧力は、浮動ピストンのピストン速度に比例して上昇し、浮動ピストンがダクト内で軸方向に運動する際に制動力が浮動ピストンに及ぼされるようにするように構成される。
【0099】
図10に示されているように、PX1000はロータ1002を含み得る。このロータは、PX1000の中心軸を中心として回転するように構成され得る。PX1000は、ロータに結合されたモータアセンブリをさらに含み得る。このモータアセンブリは、ロータの回転を駆動し得る。他の実施形態でさらに論じられるように、ロータ1002は、筒状構造を備え得るのであって、この筒状構造は、該筒状構造の円周上に配置された一連のベーンを形成する。
【0100】
図11A-Bは、幾つかの実施形態による、水圧制動装置1100Bを含む圧力交換器(PX)1100A(又はLPC)を示している。PX1100Aは、スリーブ1106内に配置されたダクト1114を有するロータ1104を含み得る。このロータは、第1のアダプタプレート1110A及び第2のアダプタプレート1110Bによって取り囲まれ得る。ロータ1104は、圧力交換器1100Aの中心軸を中心に回転し得る。幾つかの実施形態では、PX1100Aはロータ内に配置された束縛部(例:図9Aの隔壁リング910。あるいはこの束縛部が保持リングを備えてもよい)を含み得る。ピストンは、ダクト1114内で軸方向に並進するように構成され得るのであって、かつ1つ以上の束縛部(例:アダプタプレート1110A-B)によってダクト内に維持され得る。
【0101】
図11A-Bに示されているように、アダプタプレート1110A-Bは、ピストン1102と係合するように構成されたアパーチャ1112A-Bを含んでいる。ピストン1102は、ダクト1114の表面と流体シールを形成し得る。ピストンは、筒状体部であって、流体シールと、アパーチャ1112Aと係合するように構成されたノーズと、を形成するように構成された筒状体部を含み得る。該ノーズは、筒状体部が有するよりも小さい1つ以上の幅を備え得る。
【0102】
幾つかの実施形態では、ピストン1102のノーズは、ノーズ幅「A」(例:ノーズ径)、ノーズ長さ「B」、及びノーズクリアランス「C」を有し得る。A、B、Cの様々な組み合わせが、圧力交換に用いられる種の流体の様々な基準に対して利用され得る。例えば、入ってくる流体の流量、速度、密度、構成(例:プロパント含有、又はプロパント非含有)、圧力等が、ノーズの幾何学的構造及びクリアランスの選択を動かし得る。各寸法A、B、Cは、ピストンがアパーチャ1112に接近する際にピストンに及ぼされる制動力を変化させるように調節され得る。
【0103】
幾つかの実施形態では、水圧制動装置1100Bは、ピストンがロータの両方の端に到着した際には、ダクト1114の両方の端に収容され、かつピストン1102の双方向の制動を実施することができる。幾つかの実施形態では、ピストン1102がアダプタプレート(例:アダプタプレート1110A)に接近したとき、ピストンはピストン1102とアダプタプレート1110Aとダクト1114の表面の間に流体ポケットを形成する。ピストンがアダプタプレートに接近するにつれて流体ポケットの体積は減少し、流体ポケットの圧力は上昇させられる。上昇させられた圧力は、ピストン1102の運動に抗する力(例:制動力又は反力)を及ぼし、ピストンを減速させるか又は制動する。幾つかの例において、ピストンが大きな速度でアダプタプレートに接触した場合には一部分に対する損傷及び/又は摩耗が発生する場合があることには、留意されたい。この制動装置はピストン1102を減速させ、損傷をもたらし得るピストン1102とアダプタプレート1110の衝突を防止するのである。
【0104】
幾つかの実施形態では、PX1100Aは、ダクトに流体連通結合された流体チャネル1108A-Bを含み得る。流体チャネルは、ピストン1102がアダプタプレート1110A-Bに接近する際に形成される流体ポケットの体積増加をもたらす場合もある。この流体チャネルは、ダクトから出ていく流体流を制御することができ、その結果として、ポケットの圧力を制御することができる。この制御された圧力は、ピストンがアダプタプレート1110A-Bに接近する際、ピストン1102に及ぼされる制動力の大きさを制御することを可能にし得る。
【0105】
幾つかの実施形態では、ピストン1102は、形成されたポケットがダクト内に残存する流体から水圧的にシールされるように、アダプタプレートと共に流体シールを形成する。もっとも、他の実施形態では、ピストンとアダプタプレート1110のアパーチャ1112の間には、ギャップ又はノーズクリアランス「C」が存在する。このクリアランスの寸法は、ピストン1102とダクト1114の表面とアダプタプレート1110の間に限定された流体ポケットから外に出ようとする流体流の流量を制御し、かつそれに作用し得る。流体ポケットから出ようとする流体流のこの流量は、ピストンがアダプタプレート1110に接近する際にピストンに及ぼされる制動力及びピストン1102の全体的な減速に影響し得る。
【0106】
図12A-Bは、ある実施形態による、水圧ベーン1206(例:ベーン、突出部等)を含むPX1200A-B(又は、LPC)の一実施形態の斜視図である。図12Aに示されているように、PX1200Aは1つ以上のダクト1204を形成するロータ1202を含む。このPXは、ロータ1202の端に結合されたエンドプレート1208A-Bを備え得る。幾つかの実施形態では、エンドプレート1208A-B(例:図11A及び/又は11Bのアダプタプレート1110)は、固定要素1210(例:ファスナ、接着剤等)を介して、ロータ1202の端に固定されている。しかしながら、他の実施形態では、エンドプレート1208A-Bは、摩擦嵌めによってロータに結合されている。幾つかの実施形態では、ダクト内に浮動ピストンを有する圧力交換器1200は、圧力交換器1200を始動させる(例:圧力交換器のロータの回転を始動させるか又は強める)ために受動的な機構を用いる場合がある。ロータ1202が回転していないことに応答して、1つ以上のバルブ(例:チャッキバルブ)が、流体流を水圧駆動部(例:水圧ベーン1206)へと供給し(例:LPin流体の流れを転換し)、ロータ1202が回転するようにできる。ロータが回転し始め、圧力が高められたとき、その1つ以上のバルブ(例:チャッキバルブ)は、水圧駆動部(例:水圧ベーン)に向かう流体流を阻止する(例:自動的に流れを遮断する)ことができ、そしてロータ1202は、段差路(例:水圧ベーン1206)によって形成された水圧トルクから回転を続ける。
【0107】
ロータの第1の端は、第1の流体を受け入れることができ、かつロータの第2の端は第2の流体を受け入れることができる。隔壁をロータ1202のダクト1204内に配置し、第1の流体と第2の流体の間で圧力が交換される際の混合を防止することができる。
【0108】
幾つかの実施形態では、ダクト1204内に配置された隔壁(例:ピストン)の存在により、ロータ1202の回転を開始させて圧力交換プロセスを始動させることに困難が生じる場合がある。幾つかの実施形態では、上記されたように、モータを中央ボア1212内のカップリングを介してロータ1202に結合し、ロータ1202の回転を駆動することができる。もっとも、他の実施形態(例:モータを用いないような実施形態)では、該ロータはロータ1202の円周に沿って配置された一連の水圧ベーン1206を備える場合もある。水圧ベーン1206は、流体を受け入れ、かつ流体を受け入れることに応答してロータ1202を回転させるようになっている。幾つかの実施形態では、水圧ベーン1206は、ロータ1202の傾斜した突出部である。各水圧ベーン1206は、傾斜した上表面及び側表面を有し得る。水圧ベーン1206に供給された流体は、水圧ベーン1206の側表面に接触してロータ1202の回転を引き起こすことができる。
【0109】
図12Aに示されているように、水圧ベーン1206は、ロータ1202の円周に沿って配置され得る。水圧ベーン1206は、軸方向長さの一部を有し得る。幾つかの実施形態では、水圧ベーン1206がロータ1202の軸方向長さ全体を有する場合もある。該ベーンは、加圧された流体(例:第1の流体及び/又は第2の流体の一部を含み得る第3の流体)を受け入れるような接触面を備える。このベーンに及ぼされる力は、ロータ1202に及ぼされる回転力をもたらす。ロータ1202が回転しているとき、連続的なベーンは入ってくる流体からの撃力を受け、PX1200A内のロータ1202にかかるトルクは上昇させられる。
【0110】
図12Bに示されているように、このロータはスリーブ1216内で回転する。PX1200Bは、ノズル1214であって、入ってくる流体を加速させ、かつそのジェット流をベーンに向かわせてロータの回転を駆動する、ノズル1214を備え得る。生み出されるトルク及びロータの回転速度は、上流のバルブによるノズルを通じた流量の制御によって調節され得る。ロータが回転を開始すると、ダクト1204内に配置された可動隔壁が往復を開始し、(圧力を交換する)第1の流体及び第2の流体の流量は増加させられる。第1の流体及び第2の流体をロータに向かわせるエンドカバーが、流体がロータのダクトに入ったときに(ロータにトルクを生み出すために)好適な段差路を有している場合、もはやノズル流がロータを回転させ続ける必要がない場合がある。それゆえ、ノズル及び水圧ベーンへの流れは停止されてよい。幾つかの実施形態では、ロータが所望の速度を達成すると、ノズルは閉じてよいのであり、かつロータは回転駆動流体の存在なくして速度を維持することができるのである。
【0111】
図13は、ある実施形態による、混合が低減された圧力交換器1308を用いた流体処理システム1300(例:逆浸透脱塩システム)の概略図を示している。流体処理システム1300は、供給水を流体処理システム1300内に圧送するための供給ポンプ1314(例:低圧ポンプ)をさらに含む。高圧ポンプ1302は、高圧の供給水を、流体をメンブレン1306(例:逆浸透膜)に通して分離させる(例:脱塩させる)ように構成された膜分離装置に供給する。濃縮された供給水又はメンブレン1306(例:膜分離装置)からの濃縮液は、圧力交換器1308に供給され得る。濃縮液の一例は、ブラインである。濃縮液の圧力は、圧力交換器1308内で、低圧の供給水を圧縮して高圧の供給水にするように用いられ得る。単純化及び説明の目的のため、この詳細な説明においては供給水という用語を用いている。しかしながら、圧力交換器1308において水以外の流体が使用されてもよい。
【0112】
供給ポンプ1314は、供給水をリザバーから受け取るか、又は海洋から直接受け取り、かつ低圧であるその供給水を流体処理システム1300に圧送することができる。低圧の供給水は、マニホールド1316を介して高圧ポンプ1302に、かつマニホールド1318を介して圧力交換器1308に、供給され得る。高圧の供給水は、マニホールド1320を介してメンブレン1306(例:膜分離装置)に供給され得る。このメンブレンは、淡水を分離してマニホールド1322へと低圧で出力し得る。
【0113】
メンブレン1306(例:膜分離装置)からの濃縮液は、マニホールド1324を介して圧力交換器1308に供給され得る。圧力交換器1308は、マニホールド1324からの高圧の濃縮液を用いて、マニホールド1318からの低圧の供給水を圧縮する(又はそれと圧力を交換する)ことができる。圧縮された供給水が、マニホールド1326を介してメンブレン1306(例:膜分離装置)に供給される場合がある。ここで、マニホールド1326は、マニホールド1320に結合されている。圧力交換器1308は、マニホールド1328を介して低圧の濃縮液を出力し得る。即ち、供給水に圧力を与えた濃縮液は、圧力交換器1308からマニホールド1328へと低圧で出力され得る。マニホールド1328内の低圧の濃縮液は廃棄され得るのであって、例えば海に放出されて海に戻され得る。幾つかの実施形態では、高圧の供給水は、マニホールド1320内の高圧の供給水よりもわずかに低い圧力で圧力交換器1308からマニホールド1326に出力される。オプションである循環ポンプ1304が、マニホールド1326内の供給水とマニホールド1320内の供給水の間の圧力の小さな差異を補償できる。幾つかの実施形態では、循環ポンプ1304は、ターボ形ポンプ(例:遠心ポンプ)である。表1は、脱塩システム(例:図13に示された脱塩システム、図1Cに示された脱塩システム等)における典型的な複数の圧力の一例を提供する。
【0114】
【表1】
【0115】
表1に示された例では、圧力交換器1308は、約2068hPa(約30PSI)の低圧の供給水を受け取り、かつ約67568hPa(約980PSI)の高圧のブライン又は濃縮液を受け取る。圧力交換器1308は、高圧の濃縮液から低圧の供給水に圧力を伝達する。圧力交換器1308は、約66534hPa(約965PSI)の高圧の(圧縮された)供給水及び約1034hPa(約15PSI)の低圧の濃縮液を出力する。即ち、表1の圧力交換器1308は、約97%の高い圧力交換効率を達成し得る。
【0116】
図13に示されているように、流体処理システム1300(例:脱塩システム)は、マニホールド1318から圧力交換器へのさらなる流路を含む場合がある。低圧の供給水がチャッキバルブ1310に向けられ得るのである。幾つかの実施形態では、このチャッキバルブ1310は、ばね搭載バルブ、ボールチャッキバルブ、デュアルプレートバルブ、ディスクバルブ、又は同等の目的を満足する他のチャッキバルブ、のうち1つ以上である。低圧の供給水は、チャッキバルブ1310を通じて圧力交換器1308に入ることができる。運転中、チャッキバルブ1310は、一方向のみの-マニホールド1318から圧力交換器1308への-流れを許容する。チャッキバルブ1310からの低圧の供給水は、圧力交換器1308のロータに接触し、圧力交換器1308の回転運動を引き起こすことができる。例えば、圧力交換器は、低圧の供給水からの撃力を受け、圧力交換器1308の回転運動を引き起こすように構成された接触ポイント(例:図12A-Bの水圧ベーン1206)を有し得る。幾つかの実施形態では、低圧の供給水からの撃力は、圧力交換器1308の回転を開始及び/又は維持するようになっている。幾つかの実施形態では、チャッキバルブ1310は、通常は閉鎖されており、チャッキバルブ1310を挟んだ差圧が閾値条件を超えたときに開放される。
【0117】
図13に示されているように、流体処理システム1300(例:脱塩システム)は、チャッキバルブ1312を含む、圧力交換器1308からの出力流路を備え得る。幾つかの実施形態では、チャッキバルブ1312は、ばね搭載バルブ、ボールチャッキバルブ、デュアルプレートバルブ、ディスクバルブ、又は同等の目的を満足する他のチャッキバルブ、のうち1つ以上である。低圧の供給水は、チャッキバルブ1312を通じて圧力交換器1308からマニホールド1328に入ることができる。運転中、チャッキバルブ1312は、一方向のみの-圧力交換器1308からマニホールド1328への-流れを許容する。幾つかの実施形態では、チャッキバルブ1312は、通常開いており、チャッキバルブ1312を挟んだ差圧が閾値条件を超えたときに閉鎖される。
【0118】
幾つかの実施形態では、流体処理システム1300の動作は、以下の動作ステップを含み得る。供給ポンプ1314が始動され、供給水の圧送を開始し得る。供給ポンプの始動に応答して、圧力交換器1308内に配置された浮動ピストンが右端まで動き、供給ポンプの流れを遮断する。この動作は、(差圧が閾値を超えたことに際して)第1のばね搭載チャッキバルブ1310が開放されること、及び低圧の入力流体(LPin)が圧力交換器1308の水圧駆動部に向けて転換されること、をさらに含む。チャッキバルブ1310が開放されること及び流体(ロータのベーンに衝突するノズルからのジェット流)が水圧駆動部に入ることに応答して、ロータは回転を開始するのである。この動作は、第2のばね搭載チャッキバルブ1312が開放される(例えば、通常は開いている)こと、LPin流を集めること、及びLPin流がPX1308からの低圧の出力流路(LPout)に向けて転換されること、をさらに含む。ロータが特定の速度を達成したとき、循環ポンプは始動され、かつピストンは圧力交換器1308内で往復運動を開始する。流れが圧力交換器1308のロータのダクトを通過し始めると、チャッキバルブ1310、1312は(例えば、自動的に)閉じ、水圧駆動部は機能を停止する。ロータの速度は、PXに流れを供給する段差路によって起こされた水圧トルクによって維持される。高圧ポンプが始動されると、透過液の生産が開始される(例えば、定常状態の動作)。
【0119】
図14A-Cは、ある実施形態による、流体処理システム1400A-C(例えば、図1A-D及び/又は図13のうち1つ以上の)を示している。図1A-D、13、及び/又は14A-Cのうち1つ以上は、図1A-D、13、及び/又は14A-Cのうち1つ以上に記載の1つ以上の特徴、構成要素、機能等を有し得る。例えば、図1A-D及び/又は図13のうち1つ以上は、図14A-Cのうち1つ以上のコントローラ1410を有してもよい。
【0120】
各流体処理システム1400A-Cは、本明細書に記載の、混合が低減された(例えば、ピストンを備える)水圧エネルギー伝達システム110を備えている。各流体処理システム1400A-Cは、コントローラ1410(例:図15のコンピュータシステム1500)を備え得る。各流体処理システム1400A-Cは、1つ以上の高圧流体ポンプ134及び1つ以上の低圧流体ポンプ124を備え得る。HPin流体130及びLPin流体120は、水圧エネルギー伝達システム110(例:圧力交換器)に入り、圧力が伝達され、HPin流体130はLPout流体140として出ていき、かつLPin流体120はHPout流体150として出ていく。
【0121】
幾つかの実施形態では、水圧エネルギー伝達システム110内の(例:圧力交換器のロータのダクト内の)ピストンは、流体処理システム1400内に(例:圧力交換器内に)バランス流を供給する。高圧の圧送と低圧の圧送又は低い速度(例:1分当たりの回転数(RPM))のミスマッチによって、ピストンを挟んだ圧力の上昇が引き起こされる。ピストンを挟んだ差圧(DP)は、ロータと接触している水圧ブレーキを介して伝達され、かつ軸受のアキシアル荷重に寄与する。スラスト荷重が軸受のキャパシティを超えた場合、過剰なDPによって失速が引き起こされる場合がある。
【0122】
幾つかの実施形態では、コントローラ1410は、センサのデータに基づいてDP(例:高圧DP(HPDP)及び/又は低圧DP(LPDP))を決定する。幾つかの実施形態では、コントローラ1410は、HPin流体130及び/又はHPout流体150のセンサに基づいてHPDPを決定する。幾つかの実施形態では、コントローラ1410は、HPin流体130とHPout流体150の間に経路設定されたパイピング内に配置されたセンサに基づいてHPDPを決定する。幾つかの実施形態では、コントローラ1410は、LPin流体120及び/又はLPout流体140のセンサに基づいてLPDPを決定する。幾つかの実施形態では、コントローラ1410は、LPin流体120とLPout流体140の間に経路設定されたパイピング内に配置されたセンサに基づいてLPDPを決定する。
【0123】
図14Aを参照すると、幾つかの実施形態では、コントローラ1410は、センサのデータに基づいてDP(例:HPDP及び/又はLPDP)を決定し、かつコントローラ1410は、DPが閾値を満たすこと(例:HPDPが第1の閾値を超えること、及び/又はLPDPが第2の閾値を超えること)に応答してポンプのRPMを減少させる。幾つかの実施形態では、コントローラ1410は、センサのデータ(例:高圧流体ポンプ134及び/又は低圧流体ポンプ124からのセンサのデータ)に基づいてRPMを決定する。幾つかの実施形態では、コントローラ1410は、高圧流体ポンプ134及び低圧流体ポンプ124のRPMが(例えば、高圧流体ポンプ134及び低圧流体ポンプ124に命令を送ることによって)調節されるようにする。
【0124】
図14Bを参照すると、幾つかの実施形態では、コントローラ1410は、センサのデータに基づいてDPを決定し、かつコントローラ1410は、対応するDPが閾値を満たすこと(例:閾値を超えること)に応答して、1つ以上のバルブ1420を作動させる(例:バルブ位置を調節する)。
【0125】
図14Cを参照すると、幾つかの実施形態では、コントローラ1410は、センサのデータに基づいてDPを決定し、かつコントローラ1410は、対応するDPが閾値を超えたことに応答して、1つ以上のバイパスバルブ1430を介してバイパス流をもたらす。幾つかの実施形態では、コントローラ1410は、センサのデータ(例:HPDP、LPDP等)に基づいて、バイパスバルブ1430Aを作動させ、LPin流体120の他の場所への(例:リザバーへの、LP流体源への)バイパスをもたらす。幾つかの実施形態では、コントローラ1410は、センサのデータ(例:HPDP、LPDP等)に基づいて、バイパスバルブ1430Bを作動させ、HPin流体130のLPout流体140へのバイパスをもたらす。
【0126】
図15は、ある実施形態による、コンピュータシステム1500を示したブロック図である。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム1500は、クライアントデバイスである。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム1500は、コントローラデバイス(例:サーバ、図14A-Cのコントローラ1410、クライアントデバイス等)である。
【0127】
幾つかの実施形態では、コンピュータシステム1500は、(例:ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネット等のネットワークを介して)他のコンピュータシステムに接続されている。コンピュータシステム1500は、クライアントサーバ環境ではサーバ又はクライアントコンピュータの能力で、又は、ピアツーピア又は分散ネットワーク環境では、ピアコンピュータとして、動作する。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム1500は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、又は、(シーケンシャルな、さもなければ)その装置がとるべきアクションを特定する1セットの命令を実行する能力を持つ任意の装置、によって提供される。さらに、「コンピュータ」という単語は、本明細書に記載の1つ以上の任意の方法を実施するための1セットの(又は複数セットの)命令を個別又は協働的に実行する、コンピュータの任意の集合体を含むものとする。
【0128】
幾つかの実施形態では、コンピュータシステム1500は、バス1508を介して相互に通信する、処理装置1502、揮発性メモリ1504(例:RAM(Random Access Memory))、不揮発性メモリ1506(例:ROM(Read-Only Memory)又はEEPROM(Electrically-Erasable Programmable ROM))、及び/又はデータ記憶装置1516、を含む。
【0129】
幾つかの実施形態では、処理装置1502は、汎用プロセッサ等のプロセッサ(例:CISC(Complex Instruction Set Computing)マイクロプロセッサ、RISC(Reduced Instruction Set Computing)マイクロプロセッサ、VLIW(Very Long Instruction Word)マイクロプロセッサ、他の種類の命令のセットを実行するマイクロプロセッサ、又は複数の種類の命令のセットの組み合わせを実行するマイクロプロセッサ等)、又は特殊化されたプロセッサ(例:ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、又はネットワークプロセッサ等)、を1つ以上備えている。幾つかの実施形態では、処理装置1502は、単一のプロセッサ、複数のプロセッサ、複数の処理コアを有する単一のプロセッサ、及び/又はそれらに類するもののうち1つ以上を備えている。
【0130】
幾つかの実施形態では、コンピュータシステム1500は、(例えば、ネットワーク1574に結合された)ネットワークインターフェースデバイス1522をさらに備えている。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム1500は、1つ以上のI/O(input/output)デバイスを備えている。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム1500はまた、ビデオ表示ユニット1510(例:液晶ディスプレイ(LCD))、英数字入力デバイス1512(例:キーボード)、カーソル制御デバイス1514(例:マウス)、及び/又は信号生成デバイス1520、も含んでいる。
【0131】
幾つかの実施例では、データ記憶装置1518(例:ディスクドライブストレージ、固定及び/又はリムーバブル記憶装置、固定ディスクドライブ、リムーバブルメモリーカード、光学ストレージ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ならびに/又はストレージエリアネットワーク(SAN))は、本明細書に記載の方法又は機能のうちいずれか1つ以上をエンコードし、かつ本明細書に記載の方法を実施するためである命令1526を格納する、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体1524を備えている。
【0132】
幾つかの実施形態では、命令1526はまた、コンピュータシステム1500によるその実行中、揮発性メモリ1504及び/又は処理装置1502内に完全又は部分的に存在している。従って、揮発性メモリ1504及び処理装置1502も、幾つかの実施形態では、機械可読記憶媒体を構成する。
【0133】
コンピュータ可読記憶媒体1524は、例示的な例においては単一の媒体として示されているが、「コンピュータ可読記憶媒体」という単語は、実行可能な命令のセットを1つ以上格納した、単一又は複数の媒体(例:集中型又は分散型のデータベース、及び/又は関連付けられたキャッシュ及びサーバ)を含むものとする。「コンピュータ可読記憶媒体」という単語はまた、コンピュータが本明細書に記載の方法を1つ以上実施するようにする、コンピュータによる実行の命令のセットを格納又はエンコードできる任意の有形媒体を含みもするものとする。「コンピュータ可読記録媒体」という単語はまた、ソリッドステートメモリ、光学媒体、及び磁気媒体を含むものとするが、それらに限定されるわけではない。
【0134】
本明細書で記述される方法、構成要素、及び特徴は、個別のハードウェア構成要素によって実行されてもよいし、又は、ASIC、FPGA、DSP、又は類似の装置等、他のハードウェア構成要素の機能に統合されてもよい。加えて、それらの方法、構成要素、及び特徴は、ハードウェアデバイス内のファームウェアモジュール又は機能回路によって実行されてもよい。さらに、それらの方法、構成要素、及び特徴は、ハードウェアとコンピュータプログラムコンポーネントの任意の組み合わせにおいて、又はコンピュータプログラムにおいて、実行され得る。
【0135】
特に断らない限り、「作動させる」「調節する」「引き起こす」「制御する」「決定する」「識別する」「提供する」「受信する」等の語、又はそれらに類する語は、コンピュータシステムのレジスタ又はメモリ内で物理量(電気量)として表現されるデータを操作及び変換し、コンピュータシステムのメモリ又はレジスタ内、又は他のそのような情報記憶装置、伝達装置、又は表示装置内で同様に物理量として表現される他のデータにする、コンピュータシステムによって実施又は実行されるアクション又はプロセスを指す。また、本明細書で用いられる「第1の」「第2の」「第3の」「第4の」等の語は、異なる要素を区別するためのラベルとして意味されており、それらの数値指定に従う序列的意味は有さなくてもよい。
【0136】
本明細書に記載の実施例は、本明細書に記載の方法を実施するための装置にも関する。この装置は、本明細書に記載される方法を実施するために特別に構成されたものであってもよいし、又はコンピュータシステム内に格納されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされた汎用コンピュータシステムを含んでもよい。そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読有形記憶媒体に格納されていてもよい。
【0137】
本明細書で説明される方法及び例示的な例は、特定のコンピュータ又は他の装置に本質的に関連するものではない。様々な汎用システムが、本明細書に記載された教えに従って用いられることができ、又は本明細書に記載された方法及び/又はその個々の機能、ルーチン、サブルーチン、又は操作の各々を実施すべくより特殊化された装置を構築することが便利であることが判明する場合もある。このような様々なシステムの構造例は、上記の説明に記載されている。
【0138】
本明細書で使用される「上方」「下方」「間」「~上に配置された」及び「上」という語は、1つの材料層又は構成要素の、他の層又は構成要素に対する相対的な位置を指す。例えば、他の層の上、上方、又は下に配置された1つの層は、当該他の層と直接接触している場合もあれば、又は1つ以上の介在層を有している場合もある。さらに、2つの層の間に配置された1つの層は、2つの層と直接接触している場合もあれば、又は1つ以上の介在層を有している場合もある。同様に、特に明示しない限り、2つの特徴の間に配置された1つの特徴は、隣接する特徴と直接接触している場合もあれば、又は1つ以上の介在層を有している場合もある。
【0139】
前述の説明では、本開示の幾つかの実施形態のよい理解を提供すべく、特定のシステム、構成要素、方法等の例等、多数の特定の詳細が示されている。しかしながら、当業者にとっては、本開示の少なくとも幾つかの実施形態はそれらの具体的な詳細なしで実施され得るということは明らかであろう。他の例では、本開示を不必要に不明瞭にすることを避けるべく、公知の構成要素又は方法は、詳細には記載されないか、又は単純なブロック図の形式で示されている。従って、上記の特定の詳細は、単に例示的なものである。特定の実装がこれらの例示的な詳細とは異なっていても、依然として本開示の範囲内であると考えられる。
【0140】
幾つかの実施形態において、バルブシステム(例:チャッキバルブ1310、チャッキバルブ1312)が脱塩システムの文脈で記載されたことには、留意されたい。もっとも、類似のバルブシステムが、圧力交換器1308の他の用途において用いられてもよい。例えば、バルブシステムは、本明細書に記載の、フラッキングシステム及び冷凍システムを含む流体処理システムに組み込まれていてもよい。
【0141】
本明細書全体を通じて、「一実施形態」又は「ある実施形態」という参照は、その実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。即ち、本明細書全体を通じて様々な場所で「一実施形態では」又は「ある実施形態では」といった表現が現れるが、必ずしもすべて同じ実施形態に言及しているというわけではない。加えて、「又は」という語は、排他的な「又は」ではなく包括的な「又は」を意味することが意図されている。本明細書で使用される「約」「実質的に」又は「おおよそ」という語が使用されているとき、これは、提示された公称値が、±10%以内の精度であることを意味することが意図されている。また、本明細書で使用される「第1の」「第2の」「第3の」「第4の」等の語は、異なる要素を区別するためのラベルとして意味されており、必ずしもそれらの数値指定に従う序列的な意味を有さなくてもよい。
【0142】
本明細書における方法の動作は、特定の順番で示されかつ記述されているが、各方法の動作の順番は、特定の動作が逆の順序で実施され得るように、又は特定の動作が少なくとも部分的に他の動作と同時に実行され得るように、変更されてもよい。他の実施形態では、別個の動作の命令又はサブ動作は、断続的かつ/又は交互であってもよい。一実施形態では、複数の金属接合動作が、単一のステップとして実行される。
【0143】
上記の説明は、例示を意図されており、制限的なものではないことは、理解されたい。上記の説明を読んで理解した当業者にとっては、他の多くの実施形態が明らかだろう。従って、本開示の範囲は、添付の請求項を参照しつつ、各請求項に与えられる均等物の全範囲と共に、決定されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図8J
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図14C
図15
【国際調査報告】