(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】エネルギセルを製造する産業における製品流れから製品セグメントを取り出す又は分岐させる装置
(51)【国際特許分類】
B65H 41/00 20060101AFI20240719BHJP
B65H 20/10 20060101ALI20240719BHJP
B65H 7/16 20060101ALI20240719BHJP
H01M 10/04 20060101ALN20240719BHJP
【FI】
B65H41/00 C
B65H20/10 B
B65H7/16
H01M10/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501512
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2022068876
(87)【国際公開番号】W WO2023285270
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】102021207346.8
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595112018
【氏名又は名称】ケルバー・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】フォルガー・マンフレート
(72)【発明者】
【氏名】クライゼルン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーグナー・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】クライネ・ヴェヒター・ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】マインケ・カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン・ニルス
(72)【発明者】
【氏名】ゲーゲル・パトリック
【テーマコード(参考)】
3F048
3F103
3F108
5H028
【Fターム(参考)】
3F048AB06
3F048AB07
3F048AC02
3F048BA06
3F048BB02
3F048DA06
3F048EA12
3F048EB25
3F048EB27
3F048EB28
3F103AA03
3F103AA05
3F103BC02
3F103BC04
3F103BC11
3F103BC17
3F103EA15
3F103EA19
3F108JA03
5H028AA05
5H028BB02
5H028BB11
5H028BB15
5H028BB18
5H028CC08
(57)【要約】
エネルギセルを製造する産業における製品流れから製品セグメント(82)を取り出す又は分岐させる装置において、装置は、切替え可能な少なくとも1つの送出装置(63)を有し、送出装置(63)は、切替信号に基づいて、製品流れから製品セグメント(82)を取り除くように構成されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギセルを製造する産業における製品流れから製品セグメント(82)を取り除く又は分岐させる装置において、
前記装置は、切替え可能な少なくとも1つの送出装置(63)を有し、前記送出装置(63)は、切替信号に基づいて製品流れから製品セグメント(82)を取り除くように構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記装置は、捕集装置(56)を有し、前記捕集装置(56)は、前記送出装置(52)によって製品流れから取り除かれた製品セグメント(82)を収容するように配置可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記捕集装置(56)は、特に前記送出装置(63)の下方に配置可能な少なくとも1つの捕集容器(57、58)を有することを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記捕集装置の少なくとも一部(57、58)は、特に異なる複数の取出ポジションの間で及び/又は機械(10)から外へ運動可能、変位可能、移動可能又は旋回可能であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記捕集装置(56)は、搬送装置(60)を有することを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記捕集装置(56)は、特に様々な取出ポジションに割り当て可能な複数の捕集容器(57、58)を有することを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記送出装置(63)と前記捕集装置(56)との間に取り除かれた製品セグメント(82)を一時貯蔵する保管装置が設けられていることを特徴とする、請求項2から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、製品流れにおいて製品セグメント(82)に保持力を及ぼす保持装置(41)を有し、切替え可能な前記送出装置(63)は、切替信号に基づいて保持力を低減又は解消するように構成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記送出装置(63)は、回動可能に駆動される少なくとも1つの送出ドラム(52)を有し、保持装置(41)が、吸込力を用いて、前記送出ドラム(52)の外周面(42)上で少なくとも1つの製品セグメントを保持及び搬送するように構成されていて、切替え可能な前記送出装置(63)は、切替信号に基づいて吸込力を低減又は解消するように構成されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
切替え可能な前記送出装置(63)は、製品セグメント(82)に作用する負圧を遮断する、負圧装置(41)に配置された切替え可能な少なくとも1つの弁(45)を有することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
圧縮空気を前記送出装置(63)の送出箇所(50)へ導くための、例えば弁(47)によって切替え可能な送出側の圧縮空気装置(46)が設けられていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、回動可能に駆動される送出ドラム(52)と、回動式に駆動される収容ドラム(48)とを備え、前記送出ドラム(52)は、製品セグメント(82)を吸込力によって前記送出ドラムの外周面(42)上で保持及び搬送するように構成されていて、前記収容ドラム(48)は、製品セグメント(82)を吸込力によって前記収容ドラム(48)の外周面上で保持及び搬送するために、負圧を加えることが可能な少なくとも1つの負圧セクタ(49)を有し、前記装置は、少なくとも、2つの前記ドラム(48、52)の間の引渡し領域において、製品セグメント(82)を引き渡すための切替信号に基づいて、前記送出ドラム(52)における吸込力に対してより高い吸込力を収容ドラム(48)に形成するように、制御可能であることを特徴とする、エネルギセルを製造する産業における製品流れから製品セグメント(82)を分岐させる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記送出ドラム(52)上で製品セグメント(82)を後続搬送するための引渡しを阻止するために、前記収容ドラム(48)の収容箇所(70)へ圧縮空気を導くための、例えば弁(69)によって切替え可能な収容側の圧縮空気装置(68)が設けられていることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
送出側の圧縮空気路(46)及び収容側の前記圧縮空気路(68)は、あらゆる時点で、2つの前記圧縮空気路(46、68)のうちの1つだけに、対応付けられた送出箇所(50)又は収容箇所(70)にて圧縮空気が加えられるように、切り替えられることを特徴とする、請求項11及び13に記載の装置。
【請求項15】
収容ドラム(48)は、吸込圧が作用しない少なくとも1つのセクタ(61)を有し、前記セクタ(61)には、吸込圧が加えられない、又は送出ドラム(52)における吸込力に対してより低い吸込圧が加えられることを特徴とする、請求項12から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記収容ドラム(48)の回動ポジションは、
前記送出ドラム(52)上で製品セグメント(82)を後続搬送するために、吸込圧が作用しない前記セクタ(61)が、引渡し領域に位置決め可能であるとともに、前記収容ドラム(48)に製品セグメント(82)を引き渡すために、負圧セクタ(49)が、引渡し領域に位置決め可能であるように、
制御可能であることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の少なくとも1つの装置と、製品セグメント(82)の取出し要求又は引渡し要求のときに切替信号を出力するように構成された電子制御装置(90)とを有することを特徴とする、エネルギセルを製造する産業における機械(10)。
【請求項18】
捕集装置(56)の少なくとも一部が、機械(10)の取出しゲート(59)を通って前記機械(10)から外へ移動可能である、又は取出しゲート(59)を通って機械周辺部(65)に延在することを特徴とする、請求項2から7のいずれか一項に記載の装置を備える、請求項17に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギセルを製造する産業における製品流れから製品セグメントを取り出す又は分岐させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回動式に駆動されるドラムを使用する、バッテリセルを製造する機械は、例えば国際公開第2016/041713号、国際公開第2020/192845号及び独国特許出願公開第102017216213号明細書から公知である。
【0003】
個々の電極シート、すなわち切断された負極シート又は正極シート、個々のセパレータシート又は個々の単一セル又はセパレータ電極接合要素、概して個々のウェブセグメント又は製品セグメントを、製造工程から、例えば品質検査のために、又は内蔵機械センサ系による正しい検出の特定の検査基準を検査できるようにするために、又はオンライン測定装置の稼働時に主要な機能としてのセンサ系の較正のために、取り出せることが望ましい。さらに、接合箇所を有する個々の製品セグメント、すなわち製品欠損部とみなされるいわゆる接続部は、的確に製品工程から取り出されるべきであり、これにより、これらの製品セグメントが最終製品に至らないことが保証される。取出しは、製造工程の進行中に実現されるべきである。
【0004】
さらに、ウェブ部分又は製品セグメント、例えば電極、セパレータシート又は単一セルからなる製品流れを考えられる複数の路に分割できる製造機械には、分岐部が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2016/041713号
【特許文献2】国際公開第2020/192845号
【特許文献3】独国特許出願公開第102017216213号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の基礎をなす課題は、エネルギセルを製造する産業における製品流れからフラットな製品セグメントを取り出す又は分岐させる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、この課題を、独立請求項の特徴によって解決する。
【0008】
本発明によれば、装置は、切替え可能な少なくとも1つの送出装置を有し、送出装置は、切替信号に基づいて、製品流れから製品セグメントを取り除くように構成されている。
【0009】
切替信号は、制御装置、例えば機械制御部から出力される。要するに、本発明によれば、製造工程からの製品セグメントの切替え可能な送出又は引渡しが可能となる。
【0010】
したがって、本発明によれば、個々の製品セグメント、例えば電極層又はセパレータ層又は個々の単一セルを製造工程から取り出せる。これにより、内蔵センサ系による正しい検出の個々の検査基準を検査できる。ゆえに、僅かな労力で機械センサ系の検査が可能である。このようなセンサの較正も、このようにして可能である。さらに、接合箇所を有する製品セグメント、いわゆる接続部を的確に製品流れから取り出せ、これにより、接続部が最終製品に至らないことが保証される。
【0011】
本発明に従って取り出された製品セグメントによって、1つ又は複数の以下の課題を満たすことができる。:内部の測定値と外部の較正された測定手段との比較による内蔵センサ系の検査、内蔵センサ系の較正、連続的な品質の検査のための製品取出し、接続部が最終製品に至らないことを保証するための個々の接続部の取出し。
【0012】
したがって、個々の製品セグメントの的確な取出しは、内蔵機械センサ系の較正を可能にする。さらに、取出しによって、主要な製造工程位置における製品品質の迅速な検査が可能となる。これは、他のケースでは手間を掛けて機械を停止して、これに続いて再運転することによってしか可能ではない。
【0013】
好適には、取出装置は、取り除かれた製品セグメントを、ゲートを通って環境的に保護された領域から外へ導くことができる。これにより、製造環境が最小限にしか損なわれず、必要とされる環境条件の時間のかかる(再)形成を回避できる。
【0014】
機械は、搬送方向で1つ又は複数の取出ポジションを有してよく、この場合、各取出ポジションに好ましくは本発明に従って構成された送出装置が割り当てられていて、送出装置を介して、各々の製造箇所に存在する中間製品(セグメント)を取り出せる。
【0015】
好ましくは、装置は、捕集装置を有し、捕集装置は、送出装置によって製品流れから取り除かれた製品セグメントを収容するように、例えば送出装置の下方に配置可能である。
【0016】
好適な一形態では、捕集装置は、特に送出装置の下方に配置可能な少なくとも1つの捕集容器を有し、捕集容器は、例えば手動又は自動で機械から取出し可能である。この場合、取出し箇所ごとに別個の捕集容器が設けられてよい。したがって、有利な形態では、捕集装置は、複数の、特にそれぞれ異なる取出ポジションに割り当て可能な捕集容器を有する。
【0017】
例えばオペレータ又は自動でセンサによって、例えば接続部の検出時、エジェクトされるべき製品セグメントが確定されると、次いで、制御装置において、製品追跡の取出し要求が課せられる。この場合、相応の製品セグメントが、自動で送出装置によって、捕集容器にエジェクトされる。一形態では、オペレータは、次いで、製品セグメントを含む捕集容器を取り出してよい。
【0018】
好ましくは、捕集装置の少なくとも一部、例えば捕集容器又は搬送ベルトは、特に異なる複数の取出ポジションの間で及び/又は機械から外へ運動可能、変位可能、移動可能又は旋回可能である。したがって、複数の捕集容器に対して代替的に、これらの取出し箇所の下方に、側方に移動可能な装置が設けられてよく、装置は、捕集容器を有する又はそれ自体がエジェクトされる製品セグメントを収容するように構成されてよい。
【0019】
捕集容器又はより一般的には捕集装置の一部は、取り出す必要があるとき、的確に取出箇所の下方に移動させられ、そこで例えば製品セグメントのエジェクトを待機することができる。移動可能な捕集容器が取出し箇所に到達すると、例えば、エジェクトされるべき製品セグメントが取出し箇所の傍を通過するまで待機される。次いで、送出装置は、例えばエジェクト弁を介して制御され、製品セグメントが製品流れから隔離される又は取り除かれる。このことは、圧縮空気を用いて又は圧縮空気を用いずに、例えば機械式に、例えば櫛形部材を用いて行ってもよい。これに続いて、製品は、場合によっては後述される中間貯蔵部(保管装置)又は直接に捕集容器又は捕集装置に落下する。取り出されるべき全ての製品セグメントが取り出されると、捕集容器は、有利には、機械の取出しゲートへ向けて移動する。この場合、次に、エジェクトされた製品セグメントは、例えばオペレータによって別の検査のために受け取られる。
【0020】
有利な一形態では、捕集装置は、搬送装置、例えばベルトコンベアを有してよい。捕集容器と共に搬送ベルトを使用する場合、取出し要求のとき、取出し要求が例えば捕集容器に送信されるので、この場合、捕集容器は、取出し箇所の下方へ移動できる。
【0021】
いくつかの形態では、取り出された製品セグメントを一時貯蔵するための保管装置を送出装置と捕集装置との間に設けることが有利であり得る。時間的な観点から、そのような保管装置を各取出し箇所の下方に設けると有利であり得る。というのも、移動可能な捕集容器の運動時間が、エジェクトされるべき製品セグメントが捕集装置に到来するまでの時間よりも長いことがあるからである。
【0022】
好適な形態では、取出装置は、製品流れにおける製品セグメントに保持力、例えば吸込力を及ぼす保持装置、例えば負圧装置を有してよい。この場合、切替え可能な送出装置は、有利には、切替信号に基づいて保持力を低減又は解消するように構成されている。
【0023】
実際に好適な一形態では、送出装置は、回動可能に駆動される少なくとも1つの送出ドラムを有し、前述の保持装置は、吸込力によって、送出ドラムの外周面上で少なくとも1つの製品セグメントを保持及び搬送するように構成されている。この場合、切替え可能な送出装置は、有利には、切替信号に基づいて吸込力を低減又は解消するように構成されている。低減又は解消される吸込力に基づいて、送出装置の送出領域に存在する製品セグメントは、重力に起因して送出装置から落下し得る、又は後述される収容装置へ引き渡せる。
【0024】
好ましくは、切替え可能な送出装置は、製品セグメントに作用する負圧を遮断するための、負圧装置内に配置された切替え可能な少なくとも1つの弁を有する。負圧の供給を遮断することによって、製品流れからの製品セグメントの隔離を容易に達成できる。
【0025】
様々な形態では、送出装置の送出箇所へ圧縮空気を導くための、例えば弁によって切替え可能な送出側の圧縮空気装置が設けられている。この変化形態では、送出箇所に存在する、製品セグメントを送出するための負圧は、圧縮空気によって克服及び相殺され得る。
【0026】
本発明は、エネルギセルを製造する産業における製品流れから製品セグメントを分岐させる装置にも同様に適用可能である。この変化形態では、装置は、有利には、回動可能に駆動される送出ドラムと、回動式に駆動される収容ドラムとを備え、送出ドラムは、製品セグメントを吸込力によって送出ドラムの外周面上で保持及び搬送するように構成されていて、収容ドラムは、製品セグメントを吸込力によって収容ドラム上で保持及び搬送するために負圧を加えることが可能な少なくとも1つの負圧センサを有する。装置は、有利には、少なくとも、2つのドラムの間の引渡し領域において、製品セグメントを引き渡すための切替信号に基づいて、送出ドラムにおける吸込力に対してより高い吸込力を収容ドラムに形成するように、制御可能である。
【0027】
本発明は、この場合、受取り側で、引渡し側よりも大きな力を製品セグメントに及ぼすことを基礎とする引渡しの基本的な機能原理に鑑みたものである。この力の差は、有利には、異なる強さの負圧によって生じる。したがって、製品セグメントを引き渡すために、収容側のドラムには、送出側のドラムよりも強い負圧が供給される。
【0028】
好ましくは、送出ドラム上で製品セグメントを後続搬送するための引渡しを阻止するために、収容ドラムの収容箇所に圧縮空気を導くための、例えば弁によって切替え可能な収容側の圧縮空気装置が設けられている。この場合、送出側の圧縮空気路及び収容側の圧縮空気路は、有利には、あらゆる時点で、2つの圧縮空気路のうちの1つだけに、割り当てられた送出箇所又は収容箇所にて、圧縮空気が加えられるように接続されている。これらの2つの切替位置によって、機械内で製品セグメントの確実な分岐を実現できる。
【0029】
前述の内容によれば、関与する両方のドラム(送出ドラム及び収容ドラム)において、圧縮空気を引渡し箇所へ案内できる。ただし、あらゆる時点で、それぞれ片側(送出側又は収容側)だけに圧縮空気が加えられる。圧縮空気が収容側に加えられるとき、そこで負圧が遮断され、製品セグメントは、第1のドラム(送出ドラム)上で後続搬送される。圧縮空気が送出側に加えれるとき、そこで負圧は克服され、製品セグメントは、第2のドラム(収容ドラム)へ引き渡される。
【0030】
圧縮空気は、例えば3ポート2位置方向制御弁を介して、ドラムの制御本体に導いてよく、この場合、各制御本体は、弁の出口に接続されている。機械制御部から、どの位置を弁が占めるのかについての信号が到来する。これにより、常に1つの側だけに圧縮空気が供給されることが保証されている。引渡しを実現するために、複数の弁、例えばドラム(送出ドラム及び収容ドラム)ごとに1つの弁が設けられてもよい。
【0031】
好ましくは、収容ドラムは、吸込圧が作用しない少なくとも1つのセクタを有し、このセクタには、吸込圧が加えられない、又は送出ドラムにおける吸込力に対してより低い吸込圧が加えられる。収容ドラムの回動ポジションは、好適には、送出ドラム上で製品セグメントを後続搬送するために、吸込圧が作用しないセクタが、引渡し領域に位置決め可能であり、収容ドラムへ製品セグメントを引き渡すために、負圧セクタが、引渡し領域に位置決め可能であるように、制御可能である。本発明は、負圧レベルが通常は十分に迅速に切り替えることができないという事項に鑑みている。したがって、収容側のドラムは、外周面に負圧が供給されていない少なくとも1つのセクタを有するように構成されている。製品セグメントが第1のドラム上で後続搬送されるべき場合には、収容側のドラムは、負圧が供給されていないセクタが第1のセクタに対向するように位置決めされている。しかし、製品セグメントが受け取られるべき場合には、収容ドラムは、負圧が供給されている領域が製品セグメントを受け取るように動かされる。
【0032】
本発明の前述の見解は、機械における分岐部に関する。分岐部では、製品セグメント(接合ユニット、単一セル、電極シート又はセパレータシート)の製品流れが、考えられる複数の経路に分離される。どの製品セグメントがどの経路を占めるかの決定は、例えば機械制御部において、製品セグメントの特性又は構成に基づいてなされる。これらの分割は、固定のパターンに追従しないので、引渡しは、切替部で切替え可能であり、機械制御部によって作動可能であるべきである。本発明は、この要求を、前述の形で満たす。
【0033】
本発明の別の見解は、エネルギセルを製造する産業における機械に関する。機械は、先行請求項のいずれか1つに記載の少なくとも1つの装置と、電子制御装置とを有し、電子制御装置は、製品セグメントに関する取出し要求又は引渡し要求に際して切替信号を出力するように構成されている。有利には、機械用の捕集装置が設けられている。好適には捕集装置の少なくとも一部は、機械の取出しゲートを通って機械から外へ移動可能である、又は取出しゲートを通って機械周辺部へ延在する。充填後、捕集装置のこの部分(例えば捕集容器又は搬送ベルト)は、中央の取外しゲートの方へ移動する。すなわち、取り出さされた製品セグメントを機械から取り出すために、機械に1つのゲート開口を設ければよいので、機械内の製造工程環境が不必要に損なわれることはない。
【0034】
以下、添付の図面を参照して好適な実施形態に基づいて本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】捕集装置の様々な実施形態で複数のウェブセグメント取出ポジションを有する機械を示す。
【
図2】捕集装置の様々な実施形態で複数のウェブセグメント取出ポジションを有する機械を示す。
【
図3】捕集装置の様々な実施形態で複数のウェブセグメント取出ポジションを有する機械を示す。
【
図4】ウェブセグメント送出装置の様々な実施形態を示す。
【
図5】ウェブセグメント送出装置の様々な実施形態を示す。
【
図6】製品流れ分岐装置又は製品流れ分割装置の様々な実施形態を示す。
【
図7】製品流れ分岐装置又は製品流れ分割装置の様々な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
セル積層体を製造する装置10は、出発材料、すなわち本質的にエンドレスに供給されるセパレータウェブ80、81と電極又は電極シート、つまり負極シート及び正極シートとを下流側に配置された収集兼接合部12に供給する供給部11を有する。収集兼接合部12では、セパレータウェブ80、81と電極とがまとめられ、上下に重ね合わされる。収集兼接合部12は、接合装置14を有する。接合装置14は、重ね合わされた材料を相互に接合して、エンドレスのセパレータ電極接合ウェブ84を形成する。送り方向で収集兼接合部12の下流側に、切断兼積層部13が続く。切断兼積層部13は、セパレータ電極接合ウェブ84を個々の接合体ユニット、例えば単一セルに切断する切断装置15と、接合体ユニットを積層してセル積層体を形成する積層ステーション28とを有する。
【0037】
供給部11は、電極を作製する電極作製部18、19、すなわち個々の負極シート又は負極を作製する負極作製部18と個々の正極シート又は正極を作製する正極作製部19とを有する。電極作製部18、19は、好ましくはそれぞれ同様に形成されている。以下、例示的に正極作製部19について記述する。
【0038】
電極作製部18、19は、切断機器20をそれぞれ有する。回動式の切断機器20は、エンドレスに供給される電極ウェブ、ここでは正極ウェブ83を、個々の電極、ここでは正極に切断するために用いられる。切断機器20は、カッタ軸21と切断ドラム22とをそれぞれ有する。カッタ軸21には、それ自体の周に沿ってナイフが装着されている。切断ドラム22には、それ自体の周をめぐって対応する溝が設けられている。カッタ軸21は、切断ドラム22に対して接線方向に配置されている。カッタ軸21の回動駆動と切断ドラム22の回動駆動とは、カッタ軸21と切断ドラム22との接触領域に至るカッタが切断ドラム22の溝に係合し、これにより電極ウェブ83を切断するように調整されている。このようにして切断された電極は、真空を用いて、切断ドラム22から後続搬送され、後続の搬送ドラム25に送出される。搬送ドラム25上で、電極は、真空によって保持され、回動により後続搬送される。配分変更ドラム26は、電極95を、相互に間隔を置いて長手方向に設けるために用いられる。
【0039】
切断された電極と切断されていないセパレータ膜80、81は、ここでは収集ドラム27として構成された収集装置17上に、所定の順序で、異なる周方向の位置に載置される。セパレータウェブ80、81とこれらの間に挿入された電極とからなる材料配置群は、回動式に駆動される収集ドラム27から後続搬送され、接合装置14、ここでは塗工ローラ29を有する塗工装置によって互いに接合され、これにより、均一でエンドレスのセパレータ電極接合ウェブ84が作製される。したがって、結果として、切断されて位置決めされた電極からなるエンドレスのウェブ84が形成される。電極は、接合及び/又は塗工によって、エンドレスのセパレータ膜80、81に接合されている。
【0040】
収集/塗工ドラム27の周の外側に加熱装置30が設けられてよい。これに続いて、セパレータ電極接合ウェブ84用の冷却装置31、例えば冷却ドラム71が設けられてよい。接合装置14と切断装置15との間に、検査区間32が設けられてよい。検査区間32は、特に接合ウェブ84における負極及び正極のポジションを検査するための1つ又は複数の検査装置33を有する。
【0041】
切断装置15によって、接合ウェブ84は、個々のセパレータ電極接合ユニットに切断され、これにより、単一セルが形成される。切断装置15は、有利には、前述の切断機器20と同様に構成されていて、切断ドラム34とカッタローラ35とを有し、切断ドラム34は溝36を有し、溝36を介して接合ウェブ84が案内され、カッタ37は、溝36に係合することによって、接合ウェブ84を切断する。
【0042】
切断兼積層部13は、好ましくは後続の検査ドラム38を有し、検査ドラム38において、適切な検査装置を用いて、個々の接合ユニット又は単一セルの電気的特性が測定される。検査ドラム38に続いて、別の搬送ドラム39が設けられてよい。切断兼積層部13は、好ましくは、少なくともの1つの検査ドラム38に後続するエジェクトドラム40を有する。接合ユニット又は単一セル91は、エジェクトドラム40から、好ましくは下方へ搬出できる。これについては後でより詳しく説明する。積層ステーション28の後続のドラム系は、接合ユニット又は単一セル91を積層してセル積層体を形成するために用いられる。
【0043】
機械10内で製品流れに沿って1つ又は複数のポジションに、有利には、1つ又は複数の取出箇所50が設けられている。取出箇所50では、例えば電極シート又はセパレータ電極接合ユニットなどの製品セグメントを製品流れから取り出せる。その際、各取出箇所に、対応する送出装置63が割り当てられている。取出装置50又は送出装置63は、好ましくは、搬送方向で対応する切断ポジションの下流側に配置されている。例えば搬送方向で、負極を切断するカッタドラム21の下流側に、製品流れから切断された負極を取り除く及びエジェクトするための取出箇所50及び送出装置63が設けられている。もちろん、製品流れから切断された正極を取り除く及びエジェクトするための、図示されていない適切な取出箇所及び送出装置が、正極作製部18のカッタドラム23の下流側に設けられてよい。有利には、搬送方向で、セパレータ電極接合ユニットを切断するカッタドラム35の下流側に、製品流れから切断された接合ユニットを取り除く及びエジェクトするための取出箇所50及び送出装置63が設けられている。
【0044】
各送出装置63は、好ましくは、搬送装置、例えば機械10の搬送ドラムに実現されている。したがって、
図1では、送出装置63は、搬送ドラム25に実現されていて、搬送ドラム25は、したがって送出ドラム52と称してもよい。同様に送出装置63は、エジェクトドラム40に実現されていて、したがって、同様に送出ドラム52と称してよい。製品流れにおける各々の送出装置63のポジションは、変更可能であり、例えば構造設備に応じて確定してよい。したがって、電極用の送出装置63は、択一的に切断ドラム22又は配分変更ドラム26に実現されてよく、接合ユニット用の送出装置63は、択一的にドラム34、38又は39のうちの1つに実現されてよい。取出ポジションは、タイムマネジメントにも依存する。例えば、エジェクトされるべき製品がそこの傍を通って案内されるとき、エジェクト生成情報が既に処理されていて、結果として、送出装置を制御できることを保証しなければならない。概して、取出箇所は、機械の任意の適切なポジションに配置されてよく、
図1における搬送ドラム25又はエジェクトドラム40に確定されるものではない。
【0045】
製品流れから取り除かれた製品セグメント54は、例えば重力に起因して送出ドラム52から落下し、捕集装置56によって収容される。捕集装置56は、好ましくは1つ又は複数の捕集容器57を有し、捕集容器57内に、取り出された製品セグメント54が重力に起因して落下する。
図1に示された実施形態では、各取出箇所50又は各送出装置63に、対応する捕集容器57が割り当てられている。1つ又は複数の捕集容器57は、手動で又は自動で、機械から取外し可能である。例えば、1つ又は複数の捕集容器57は、機械から外へ運動可能、変位可能、移動可能又は旋回可能であってよい。
【0046】
図2に示された実施形態では、捕集装置56は、例えば電動モータによって複数の取出箇所の間を変位可能、運動可能又は移動可能な捕集容器58を有する。
図1による捕集容器及び取出ポジションの固定の割り当ては、ここでは解消されている。捕集容器58は、単に略示されたゲート59を通って、有利には機械10から外へ移動してよい。本実施形態でも、取出し能力を高めるために、移動可能な複数の捕集容器58が設けられてよい。機械10から外へ移動して空になった捕集容器58は、例えば環状移動路上を又は逆向きに再び機械10に進入してよい。
【0047】
図3による実施形態では、捕集装置56は、被駆動の搬送装置60、ここでは例えばエンドレス搬送ベルトを有し、搬送装置60は、複数の取出箇所50の間を延在する及び/又はゲート59を通って機械周辺部65へ延在する。搬送ベルト上に、1つ又は複数の捕集容器57が設けられてよい。しかし、このことは必須ではなく、搬送装置60又は搬送ベルトは、取り出された製品セグメント54を収容する捕集容器57を設けずに構成されてもよい。搬送装置60によって収容された製品セグメント54は、ゲート59を通って有利には機械10から外へ搬送できる。
【0048】
以下、
図4及び
図5に基づいて、製品流れから製品セグメントを取り除く送出装置63の様々な実施形態を説明する。
【0049】
図4は、送出ドラム52の一実施形態を示す。送出ドラム52は、回動方向Rで回動可能に駆動されていて、負圧を用いて製品セグメント82を搬送するように構成されている。送出ドラム52は、そのために負圧装置41を有し、負圧装置41は、送出ドラム52の外周面42に負圧を供給するように構成されていて、これにより、そこで吸込力を用いて製品セグメント82が保持される。
図4の例では、送出ドラム52は、2つの製品セグメント82の間の60°の角度間隔に対応する6つのセクタの配分を有し、この場合、これより多い又は少ないセクタの他の配分も可能である。
【0050】
負圧装置41は、例えば管状であってよい中央の負圧リザーバ43と、負圧リザーバ43を送出ドラム52の外周面42に接続する負圧路44とを有する。各負圧路44には切替え可能な弁45が設けられていて、弁45は、制御装置90、例えば機械制御部によって個別に制御可能である。この場合、弁45は、送出ドラム52の回動する部分に配置されていて、その結果、ドラム外周面42及びその上に保持された製品セグメント82と共に回動する。
【0051】
機械10の製品流れにおいて、製品セグメント82を、第1の周方向ポジション(
図4では例えば9時、そこでは製品セグメント82が前置された搬送装置から受け取られる)から、第2の周方向ポジション(
図4では例えば3時、そこでは製品セグメント82が後置された搬送装置に送出される)へ搬送するために、付属の弁82が開かれるので、負圧が、外周面42の対応する部分に作用する。後置された搬送装置へ製品セグメント82を送出するために、弁45は、第2の周方向ポジション(例えば3時)で閉じられ、その後、9時のポジションに至る前に再び開かれ、これにより、別の製品セグメント82を収容できる。
【0052】
図4において、送出ドラム52は、例えば6時で、エジェクトポジション又は送出ポジション50を有する。特定の製品セグメント82を製品流れから取り除こうとする場合、制御装置99は、取り出されるべき製品セグメント82が送出位置50に到達すると、対応する弁45を閉じるために、エジェクト要求に基づいて、切替信号を用いて、対応する弁45を制御する。送出ポジション50に負圧が存在しないことに基づいて、吸込力が、もはや取り出されるべき製品セグメント82に及ぼされず、製品セグメント82は、重力に起因して下方へ落下し得、したがって製品流れから取り除かれる。弁45は、9時のポジションに到達する前に再び開かれ、これにより、別の製品セグメント82を収容できる。
【0053】
要するに
図4では、エジェクトされるべき製品セグメント82は、特定の周方向ポジション(ここでは6時)から、負圧供給部から分離され、このようにして、送出ドラム52から確実に取り除くことができる。
【0054】
送出ドラム52の別の実施形態が
図5に示されている。ここでも負圧装置41が設けられていて、これにより、製品セグメント82は、負圧を用いて、送出ドラム52の外周面上に保持され、搬送される。負圧装置41は、ここでは空間固定の1つ又は複数のセクタの形態で構成されてよい。本例では、負圧セクタが、送出ドラム52の下半分で、9時(前置された搬送装置からの受取り)と3時(後置された搬送装置への引渡し)との間で延在する。
【0055】
さらに、切替え可能な弁47が中に配置された空間固定の圧縮空気路46が設けられていて、この場合、圧縮空気路46は、取出ポジション50又は取出ポジション50の領域に開口する。圧縮空気路46内の弁47は、通常の製造運転中は閉じられている。製品セグメント82を送出ドラム52からエジェクトしようとするとき、制御装置90は、弁47を制御して、弁47を開く。その後で圧縮空気路46の開口から流出する圧縮空気が、取出ポジション50で局所的に、負圧装置41によって生成される負圧を克服する又は相殺するので、製品セグメント82に掛かる吸込力が解消され、製品セグメント82は、重力に起因して製品流れから下方へ落下し得る。
【0056】
図4及び
図5に関連して説明した実施形態は、容易に改変でき、これにより、製品セグメント82をエジェクトする代わりに、製品流れが2つの部分流れに分岐又は分割される、すなわち装置10内に製品分岐部が実現される。これについて、
図6を参照して以下に説明する。
【0057】
図6では、
図5のように構成された送出装置63に、収容ドラム48を有する収容装置24が補足されている。収容装置24は、送出ドラム52の送出ポジション50の領域で、送出ドラム52に対して接線方向に配置されている。収容ドラム48は、好ましくはセグメントドラムとして構成されていて、第1の周方向部分に、例えばカムの形態の負圧セクタ49を有し、負圧セクタ49は、ここでは例えば約50°にわたって延在し、そして第2の周方向部分に負圧が作用しないセクタ61を有し、このセクタ61は、ここでは例えば残りの310°にわたって延在する。負圧セクタ49には、例えば中央の負圧リザーバ62を介して負圧が供給される。
【0058】
図6に示されていない第1の分岐位置では、収容ドラム48の回動ポジションは、負圧セクタ49が送出ドラム52から離反していて、したがって送出ドラム52と作用関係にないように調整されている。したがって、この分岐部位置では、収容ドラム48の、負圧が作用しないセクタ61は、送出ドラム52の送出ポジション50の領域に位置する。したがって、収容ドラム48は、機能しないように切り替えられているとともに送出ドラム52上に保持されていて、送出ポジション50を通過する製品セグメント82は、送出ドラム52上で、ここでは例えば3時まで後続搬送される(第1の部分流れ)。
【0059】
製品セグメント82を分岐させるために、収容ドラム48の負圧セクタ49は、回動方向R’で送出ドラム52の送出ポジション50の領域に旋回させられる(
図6参照)。負圧セクタ49が送出ドラム52に接線方向に当接すると直ちに、弁47は、制御装置90によって開かれ、送出ポジション50に圧縮空気が加えられ、これにより、そこで負圧装置41によって生成された負圧が克服される(第2の分岐位置)。送出ドラム52は、もはや送出ポジション50に位置する製品セグメント82に吸込力を及ぼさないので、製品セグメント82は、収容ドラム48の負圧セクタ49によって吸い込まれ、受け取られる。収容ドラム48又は負圧セクタ49の後続旋回によって、製品セグメント82は、後続搬送され、収容ドラム48に後置された、図示されていない搬送装置へ送出できる(第2の部分流れ)。
【0060】
図6では、収容ドラム48へ製品セグメント82を送出する送出ドラム52の負圧は、圧縮空気によって克服又は相殺される。概して、製品セグメント82を送出する送出ドラム52の負圧は、0に減らさなくてよい。概して、収容ドラム48の負圧が、製品セグメント82に、送出ドラム52の負圧よりも強い吸込力を及ぼせば十分である。
【0061】
製品流れを2つの部分流れに分岐又は分割する装置の別の実施形態、すなわち機械10内の製品分岐部が、
図7に示されている。ここでは、送出装置63と収容装置24との両方が、
図5のように構成されている。したがって、収容ドラム48は、同様に、負圧リザーバ72から負圧が供給される負圧装置66を有し、これにより、製品セグメント82が、負圧によって、収容ドラム48の外周面67上に保持され、搬送される。負圧装置66は、空間固定の1つ又は複数のセクタの形態で構成されてよい。本例では、負圧セクタは、収容ドラム48の右半分で、12時(場合によっては送出ドラム52からの受取り)と6時(後置された搬送装置への引渡し)との間で延在する。切替え可能な弁69が中に配置された空間固定の圧縮空気路68がさらに設けられていて、この場合、圧縮空気路68は、収容ドラム48の収容ポジション70に又は収容ポジション70の領域に開口する。
【0062】
制御装置90は、弁47、69を、あらゆる時点で弁47、69の一方が開いていて、他方の弁69、47が閉じているように制御する。弁69が開いていて、弁47が閉じているとき(第1の分岐位置)、圧縮空気路68から流出する圧縮空気が、負圧装置66によって生成された負圧を克服し、収容ドラム48は、機能しないように切り替えられていて、送出ドラム52上に保持され、送出ポジション50を通過する製品セグメント82は、送出ドラム52上で、ここでは例えば3時まで後続搬送される(第1の部分流れ)。これに対して、弁47が開いていて、弁69が閉じている(第2の分岐位置)とき、圧縮空気路46から流出する圧縮空気は、負圧装置41によって生成された負圧を克服する。送出ドラム52は、もはや送出ポジション50に位置する製品セグメント82に吸込力を及ぼさないので、製品セグメント82は、負圧が供給された収容ドラム48によって吸い込まれ、受け取られ、ここでは例えば6時まで後続搬送される(第2の部分流れ)。
【0063】
別の実施形態では、択一的に
図4に従って構成された送出装置63から出発して、
図6又は
図7のように構成された収容装置24を追加することによって、製品流れを分岐させる又は分割する装置が形成される。
【0064】
図4から
図7による実施形態では、送出装置63の主要な要素は、送出ドラム52の形態で説明した。別の形態が、例えば送出ベルトコンベヤの形態で可能である。収容装置24の形態についても同様である。
【国際調査報告】