(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】エアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20240719BHJP
A24F 40/30 20200101ALI20240719BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20240719BHJP
A24F 40/485 20200101ALI20240719BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/30
A24F40/44
A24F40/485
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501527
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 GB2022051735
(87)【国際公開番号】W WO2023002154
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】シャオ, ジーファン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC27
(57)【要約】
エアロゾル供給システムにおいて用いられる消耗部品(10)である。この消耗部品(10)は、エアロゾル化可能材料を包含するための第1のリザーバ(12)と、加香材料を包含するための第2のリザーバ(14)とを備える。また、この消耗部品(10)は、第1のリザーバ(12)からエアロゾル化可能材料を受け取るためのエアロゾル化可能材料移送要素(16)も備える。エアロゾル化可能材料移送要素(16)は、第2のリザーバ(14)から第1のリザーバ(12)を少なくとも部分的に分離する。また、エアロゾル化可能材料移送要素(16)は、気化したエアロゾル化可能材料を第2のリザーバ(14)に送達するように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル供給システムにおいて用いられる消耗部品であって、
エアロゾル化可能材料を包含するための第1のリザーバと、
加香材料を包含するための第2のリザーバと、
前記第1のリザーバから前記エアロゾル化可能材料を受け取るためのエアロゾル化可能材料移送要素と
を備え、
前記エアロゾル化可能材料移送要素が、前記第2のリザーバから前記第1のリザーバを少なくとも部分的に分離し、前記エアロゾル化可能材料移送要素が、気化したエアロゾル化可能材料を前記第2のリザーバに送達するように構成されている、消耗部品。
【請求項2】
前記第1のリザーバへのアクセスを可能にする第1のアクセスポートを備える、請求項1に記載の消耗部品。
【請求項3】
前記第1のアクセスポートが、バルブを備える、請求項2に記載の消耗部品。
【請求項4】
前記第1のアクセスポートが、貫通可能膜を備える、請求項2又は3に記載の消耗部品。
【請求項5】
前記第1のアクセスポートが、紙、厚紙、及び/又はシリコーンのうちの少なくとも1つで構成されている、請求項2~4のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項6】
前記第1のアクセスポートが、使い捨てである、請求項2~5のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項7】
前記第2のリザーバへのアクセスを可能にする第2のアクセスポートを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項8】
前記第2のアクセスポートが、バルブを備える、請求項7に記載の消耗部品。
【請求項9】
前記第2のアクセスポートが、貫通可能膜を備える、請求項7又は8に記載の消耗部品。
【請求項10】
前記第2のアクセスポートが、紙、厚紙、及び/又はシリコーンのうちの少なくとも1つで構成されている、請求項7~9のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項11】
前記第2のアクセスポートが、使い捨てである、請求項7~10のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項12】
当該消耗部品が、第1の端部と、前記第1の端部と反対の第2の端部とを備え、前記第1のリザーバが、前記第2の端部よりも前記第1の端部の近くに配置され、前記第2のリザーバが、前記第1の端部よりも前記第2の端部の近くに配置されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項13】
前記第1のアクセスポートが、前記第1の端部に配置されている、請求項2に従属する場合の、請求項12に記載の消耗部品。
【請求項14】
前記第2のアクセスポートが、前記第2の端部に配置されている、請求項7に従属する場合の、請求項12又は13に記載の消耗部品。
【請求項15】
前記エアロゾル化可能材料移送要素が、メッシュを備える、請求項1~14のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項16】
前記エアロゾル化可能材料移送要素が、綿又は繊維のウィックを備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項17】
前記第1のリザーバ及び前記第2のリザーバが、当該消耗部品のハウジング内に配置されている、請求項1~16のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項18】
前記エアロゾル化可能材料移送要素が、前記ハウジングの一部として成型されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項19】
前記ハウジングが、紙又は厚紙で構成されている、請求項17又は18に記載の消耗部品。
【請求項20】
円筒状である、請求項1~19のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項21】
前記第1のリザーバが、10ml以下の容積を有する、請求項1~20のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項22】
前記第2のリザーバが、10ml以下の容積を有する、請求項1~21のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項23】
前記第2のリザーバが、前記加香材料を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項24】
前記加香材料が、タバコ及び/又はニコチンのうちの少なくとも一方を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の消耗部品。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか一項に記載の消耗部品と、前記消耗部品と解除可能に係合するように構成されているデバイスとを備えるエアロゾル供給システムであって、前記デバイスが、前記エアロゾル化可能材料移送要素において、前記エアロゾル化可能材料から蒸気を生成するための気化器を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項26】
前記気化器が、加熱要素を備える、請求項25に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項27】
前記気化器が、前記第1のリザーバに挿入され、前記エアロゾル化可能材料移送要素において、前記エアロゾル化可能材料から前記蒸気を生成するように構成されている、請求項25又は26に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項28】
前記気化器が、前記第1のアクセスポートを通じて、前記第1のリザーバに挿入され、前記エアロゾル化可能材料移送要素において、前記エアロゾル化可能材料から前記蒸気を生成するように構成されているプローブを規定する、請求項2に従属する場合の、請求項27に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項29】
前記気化器が、前記プローブの先端に少なくとも部分的に配置されている、請求項28に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項30】
前記デバイスが、空気を前記消耗部品に供給するように構成されている空気入口チャネルを備え、前記空気入口チャネルが、前記プローブを通って少なくとも部分的に延びている、請求項28又は29に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項31】
前記デバイスが、前記第2のリザーバに配置されている気化したエアロゾル化可能材料を受け取るためのマウスピースをさらに備える、請求項25~30のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項32】
前記マウスピースの少なくとも一部が、前記第2のアクセスポートを通じて、前記第2のリザーバに挿入され、前記第2のリザーバに配置されている気化したエアロゾル化可能材料を前記マウスピースへと通過させ得るように構成されている、請求項7に従属する場合の、請求項31に記載のエアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本開示は、ニコチン送達システム(例えば、電子タバコ等)などの、ただし、これに限定されないエアロゾル供給システムに関する。
【背景】
【0002】
電子タバコ(eシガレット)等の電子的エアロゾル供給システムは、一般的に、通常はニコチンを含むが、必ずしも含むとは限らない製剤を含む流体若しくは液体のリザーバ、又は、例えば熱気化によってユーザが吸引する蒸気/エアロゾルを生成するタバコベースの製品等の固形材料のようなエアロゾル化可能材料を含む。このため、エアロゾル供給システムは通常、エアロゾル化可能材料の一部を気化させて蒸気を生成するように構成されている気化器、例えば加熱要素を備えることになる。
【0003】
蒸気が生成されると、加香材料を通過することで蒸気に香料が加えられた後、エアロゾル供給システムからマウスピースを介して、(加香された)蒸気がユーザに送達され得る。
【0004】
既存のエアロゾル供給システムの潜在的な欠点は、エアロゾル化可能材料と加香材料とが異なる消耗品の一部として異なる量で提供される場合があることである。この場合は、エアロゾル化可能材料又は加香材料の一方が依然として十分に供給されている間に、他方が枯渇又は消耗してしまう可能性がある。既存のエアロゾル供給システムの別の潜在的な欠点は、当該システムが最大限にコンパクト化されていない場合及び/又は環境に優しくない場合があることである。
【0005】
エアロゾル供給システムは、モジュール式アセンブリを備えるのが一般的であり、2つの主要な機能部品、すなわち、コントロールユニット及び使い捨て/交換式の消耗部品を有することが多い。
【0006】
本明細書においては、上述の問題のうちのいくつかの対処又は軽減に役立ち得る様々な手法について記載する。
【概要】
【0007】
特定の実施形態の第1の態様によれば、エアロゾル供給システムにおいて用いられる消耗部品であって、
エアロゾル化可能材料を包含するための第1のリザーバと、
加香材料を包含するための第2のリザーバと、
第1のリザーバからエアロゾル化可能材料を受け取るためのエアロゾル化可能材料移送要素と
を備え、
エアロゾル化可能材料移送要素が、第2のリザーバから第1のリザーバを少なくとも部分的に分離し、エアロゾル化可能材料移送要素が、気化したエアロゾル化可能材料を第2のリザーバに送達するように構成されている、消耗部品が提供される。
【0008】
特定の実施形態の第2の態様によれば、第1の態様に係る消耗部品と、消耗部品と解除可能に係合するように構成されているデバイスとを備えるエアロゾル供給システムであって、デバイスが、エアロゾル化可能材料移送要素において、エアロゾル化可能材料から蒸気を生成するための気化器を備える、エアロゾル供給システムが提供される。
【0009】
当然のことながら、本発明の種々態様に関して上述した本発明の特徴及び態様は、本明細書に記載の特定の組み合わせに限らず、本発明の他の態様に係る本発明の実施形態にも等しく適用可能であり、必要に応じてこれらと組み合わせ可能である。
【0010】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明するが、これらは一例に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本開示の特定の実施形態に係る、エアロゾル供給システムにおいて用いられる消耗部品を模式的に表す図である。
【
図1B】本開示の特定の実施形態に係る、消耗部品の上端を模式的に表す図である。
【
図1C】本開示の特定の実施形態に係る、消耗部品の下端を模式的に表す図である。
【
図2】本開示の特定の実施形態に係る、エアロゾル供給システムにおいて用いられる消耗部品を模式的に表す図である。
【
図3】本開示の特定の実施形態に係る、エアロゾル供給システムにおいて用いられる消耗部品を模式的に表す図である。
【
図4A】本開示の特定の実施形態に係る、本明細書に記載のような消耗部品の実施形態での使用によりエアロゾル供給システムを規定するデバイスを模式的に示す図である。
【
図4B】本開示の特定の実施形態に係る、デバイスが消耗部品に対して解除可能に取り付けられた場合の、
図4Aのエアロゾル供給システムを模式的に示す図である。
【
図5A】本開示の特定の実施形態に係る、本明細書に記載のような消耗部品の実施形態での使用によりエアロゾル供給システムを規定するデバイスを模式的に示す図である。
【
図5B】本開示の特定の実施形態に係る、デバイスが消耗部品に対して解除可能に取り付けられた場合の、
図5Aのエアロゾル供給システムを模式的に示す図である。
【詳細な説明】
【0012】
本明細書においては、特定の例及び実施形態の態様及び特徴を議論/記載する。特定の例及び実施形態のいくつかの態様及び特徴については、従来から実現されている場合があり、これらについては簡略化のため、詳細に議論/記載しない。したがって、当然のことながら、本明細書に論じる装置及び方法の詳述しない態様及び特徴については、このような態様及び特徴を実現する任意の従来技術に従って実現され得る。
【0013】
本開示は、eシガレット等の不燃性エアロゾル供給システム(エアロゾル供給システムと称する場合もある)に関する。本開示によれば、「不燃性」エアロゾル供給システムは、ユーザへの送達を容易化するために当該エアロゾル供給システムの構成物質であるエアロゾル化可能材料(又は、その構成物質)が燃焼されることのないものである。エアロゾル化可能材料(本明細書においては、エアロゾル生成材料又はエアロゾル前駆体材料と称する場合もある)は、例えば加熱、照射、又はその他任意の方法でエネルギー供給された場合にエアロゾルを生成可能な材料である。
【0014】
以下の説明の全体を通して、用語「eシガレット(e-cigarette)」又は「電子タバコ(electronic cigarette)」を使用する場合があるが、当然のことながら、この用語は、エアロゾル供給システム/デバイス及び電子的エアロゾル供給システム/デバイスと同じ意味で使用可能である。電子タバコは、ベーピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END)としても知られるが、エアロゾル化可能材料中のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0015】
いくつかの実施形態において、不燃性エアロゾル供給システムは、エアロゾル化可能材料(これらのうちの1つが加熱されるようになっていてもよいし、複数が加熱されるようになっていてもよい)の組み合わせによってエアロゾルを生成する混成システムである。いくつかの実施形態において、混成システムは、液体又はゲルエアロゾル化可能材料及び固体エアロゾル化可能材料を含む。固体エアロゾル化可能材料は、例えばタバコ又は非タバコ製品を含んでいてもよい。
【0016】
通常、不燃性エアロゾル供給システムは、消耗部品と、消耗部品と解除可能に係合するように構成されているデバイスとを備えていてもよい。
【0017】
エアロゾル供給システムには、内部の気化器に給電するための手段が設けられていてもよく、また、気化するエアロゾル化可能材料を受け取るためのエアロゾル化可能材料移送要素が設けられていてもよい。また、エアロゾル供給システムには、エアロゾル化可能材料を包含するためのリザーバと、いくつかの実施形態においては、当該エアロゾル供給システムからの生成蒸気に加香するための加香材料を包含するための別のリザーバとが設けられていてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、気化器は、エアロゾル化可能材料との相互作用により、エアロゾル化可能材料から1つ又は複数の揮発性物質を放出させて蒸気/エアロゾルを形成可能な加熱器/加熱要素であってもよい。いくつかの実施形態において、気化器は、加熱なしにエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成可能である。例えば、気化器は、例えば振動手段、機械的手段、加圧手段、又は静電的手段のうちの1つ又は複数によって、熱を加えることなく、エアロゾル化可能材料から蒸気/エアロゾルを生成可能であってもよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、送達される物質は、活性構成物質、担体構成物質、並びに任意選択として1つ若しくは複数の他の機能的構成物質を含み得るエアロゾル化可能材料であってもよい。
【0020】
活性構成物質は、ユーザにおける生理学的及び/又は嗅覚的反応を実現するため、エアロゾル化可能材料に含まれる1つ又は複数の生理学的及び/又は嗅覚的活性構成物質を含んでいてもよい。活性構成物質は、例えば栄養補助食品、向知性薬、及び精神活性剤から選択されるようになっていてもよい。活性構成物質は、自然に存在するものであってもよいし、合成して得られるものであってもよい。活性構成物質は、例えばニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6、B12、若しくはC等のビタミン類、メラトニン、カンナビノイド、又はこれらの構成物質、誘導体、若しくは組み合わせを含んでいてもよい。活性構成物質は、タバコ又は別の植物性物質の構成物質、誘導体、又は抽出物を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、活性構成物質は、生理学的活性構成物質であり、ニコチン、ニコチン塩(例えば、ニコチン二酒石酸塩/ニコチン酸性酒石酸塩)、ニコチンを含まないタバコ代替品、カフェイン等の他のアルカロイド、又はこれらの混合物から選択されるようになっていてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、活性構成物質は、嗅覚的活性構成物質であり、地域の規制が許す場合に、大人の消費者向けの製品において所望の風味、香り、又は他の体感を生成するのに使用可能な「香料」及び/又は「香味料」から選択されるようになっていてもよい。いくつかの例においては、このような構成物質を香料、香味料、加香材料、冷却剤、加熱剤、及び/又は甘味剤と称する場合もある。これらには、自然に存在する香味材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成して得られた材料、又はこれらの組み合わせ(例えば、タバコ、大麻、甘草(リコリス)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、抹茶、メンソール、ハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、レッドベリー、クランベリー、桃、りんご、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、熱帯フルーツ、パパイヤ、ダイオウ、ぶどう、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、マルベリー、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、カート、ナスワール、キンマ、シーシャ、パイン、ハニーエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、桜の花、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピーマン、ジンジャー、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ属の任意種のミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ葉、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、マテ、オレンジの皮、ローズ、緑茶若しくは紅茶等の茶、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、コリアンダー、ギンバイカ、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ヒメウイキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化因子若しくは刺激因子、糖類及び/若しくは代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、若しくはマンニトール)、並びにチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、若しくは息清涼剤等の他の添加物を含んでもよい。これらは、模造品、合成若しくは天然成分、又はこれらの混合であってもよい。これらは、抽出物(例えば、甘草、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、桃、りんご、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ジンジャー、アニス、コリアンダー、コーヒー、若しくはハッカ属の任意種のミント油)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化因子若しくは刺激因子、糖類及び/若しくは代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、若しくはマンニトール)、並びにチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、若しくは息清涼剤等の他の添加剤のうちの1つ又は複数の任意好適な形態(例えば、油等の液体、粉末等の固体、又は気体)であってもよい。これらは、模造品、合成若しくは天然成分、又はこれらの混合であってもよい。これらは、任意好適な形態(例えば、油、液体、又は粉末)であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、加香材料(香料)は、メンソール、スペアミント、及び/又はペパーミントを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類、及び/又はレッドベリーの香味成分を含む。いくつかの実施形態において、香料は、オイゲノールを含む。いくつかの実施形態において、香料は、タバコから抽出された香味成分を含む。いくつかの実施形態において、香料は、嗅覚神経又は味覚神経の追加又は代替として、通例化学的に誘導され、第5脳神経(三叉神経)の刺激によって知覚される体感の実現が意図される知覚物質を含んでいてもよく、これらには、加熱、冷却、うずき、麻痺効果をもたらす薬剤を含み得る。好適な熱効果剤は、バニリルエチルエーテルであってもよいが、これに限定されない。また、好適な冷却剤は、ユーカリプトール、WS-3であってもよいが、これらに限定されない。
【0023】
担体構成物質は、エアロゾルを形成可能な1つ又は複数の構成物質を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、担体構成物質は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、meso-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。
【0024】
1つ又は複数の他の機能的構成物質は、pH調整剤、着色剤、防腐剤、バインダ、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含んでいてもよい。
【0025】
上述の通り、エアロゾル供給システム(eシガレット)は、再利用可能な部分(デバイス)及び交換式消耗品(カートリッジ)の部分の両者を含むモジュール式アセンブリを備えることが多い。この種の2部品モジュール式構成に適合するデバイスは一般的に、2部品デバイスと称する場合もある。また、電子タバコは、大略細長形状を有するのも一般的である。具体例を提供するため、本明細書に記載の本開示の特定の実施形態は、この種の消耗部品を採用する大略細長の2部品デバイスを含む。ただし、当然のことながら、本明細書に記載の基本原理は、例えば通常はより箱型の形状を有するいわゆるBOX-MODの高性能デバイスに基づく他の全体形状に適合するデバイスとして、他の電子タバコ構成(例えば、3つ以上の部分を含むモジュール式デバイス)にも等しく採用され得る。
【0026】
以上から、
図1A~
図1Cを参照して、本開示の特定の実施形態に係る、エアロゾル供給システムにおいて用いられる消耗部品10が示されている。本明細書において、消耗部品10の種々態様の相対的な位置に関する用語(例えば、上側、下側、上方、下方、上部、下部等の用語)は、(文脈上の別段の指定のない限り)
図1A~
図1Cに示すような消耗部品10の配向に関連して使用している。ただし、当然のことながら、これは、説明の容易化を目的としているに過ぎず、使用時の消耗部品10に対して必要な配向が存在することを示す意図ではない。
【0027】
上記を念頭に、
図1A~
図1Cは、エアロゾル化可能材料を包含するための第1のリザーバ12と、加香材料を包含するための第2のリザーバ14とを備える消耗部品10を示している。理論上、第1のリザーバ12は、第2のリザーバから少なくとも部分的に分離されていてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、消耗部品10は、第1のリザーバ12からエアロゾル化可能材料を受け取るためのエアロゾル化可能材料移送要素16を備えていてもよく、エアロゾル化可能材料移送要素16は、第1のリザーバ12からのエアロゾル化可能材料を使用して、気化したエアロゾル化可能材料を第2のリザーバ14に送達するように構成されている。
図1A~
図1Cに示す実施形態を参照して、エアロゾル化可能材料移送要素16は、後述の通り、当該エアロゾル化可能材料移送要素16における気化のため、第1のリザーバからエアロゾル化可能材料を効果的に引き込み得る任意の材料を含んでいてもよい。例えばこの点に関して、いくつかの実施形態によれば、エアロゾル化可能材料移送要素16は、いくつかの特定の実施形態におけるメッシュ等のウィック(綿のウィック及び/又は(1つ若しくは複数の)別の繊維質材料で構成されているウィック(すなわち、繊維のウィック))を含んでいてもよい。
【0029】
図1A~
図1Cに示すようないくつかの実施形態によれば、エアロゾル化可能材料移送要素16は、第2のリザーバ14から第1のリザーバ12を少なくとも部分的に分離していてもよい。したがって、このような構成においては、(エアロゾル化可能材料を包含するための)第1のリザーバ12及び(加香材料を包含するための)第2のリザーバ14の両者が同じ消耗部品10に配置されており、消耗部品10(及び、これが使用される任意のエアロゾル供給システム)をよりコンパクトに保つのに役立つ。同様に、第1及び第2の両リザーバ12、14の適当なサイズ規定により、第1及び第2のリザーバ12、14を同じ消耗部品10に配置することによって、エアロゾル化可能材料及び加香材料が同時に枯渇することをより確実にするのに役立ち得る。
【0030】
同じくこの点に関しては、第2のリザーバ14からの加香材料が第1のリザーバ12における任意のエアロゾル化可能材料の消耗速度よりも高速に消耗し得ることが分かっている。この場合、いくつかの実施形態によれば、第1のリザーバ12は、第1の予め定められた量のエアロゾル化可能材料を含む及び/又は備えるようなサイズ規定がなされていてもよく、また、第2のリザーバ14は、第2の予め定められた量の加香材料を含む及び/又は備えるようなサイズ規定がなされていてもよく、これにより、消耗部品の動作時には、第1の予め定められた量のエアロゾル化可能材料及び第2の予め定められた量の加香材料が同時に消耗するように構成されていてもよい。したがって、この点に関して、いくつかの実施形態によれば、第2のリザーバ14は、第1のリザーバ12の容積よりも大きな容積を有していてもよい。第1及び第2のリザーバ12、14のおおよそのサイズに関して、いくつかの実施形態によれば、第1のリザーバ及び/又は第2のリザーバ12、14は、10ml以下、5ml以下、及び/又は2ml以下の容積を有していてもよい。このような容量は、携帯型/手持ちエアロゾル供給システムにおける消耗部品の使用が意図される携帯型/手持ちの度合いが高い実施形態において特に好適である。
【0031】
以上、エアロゾル供給システムにおいて用いられる消耗部品10を説明したが、これは便宜上、第1のリザーバ12及び第2のリザーバ14の両者を同じ消耗部品に含む。
【0032】
後述の通り、消耗部品10の動作時には、第1のリザーバ12からのエアロゾル化可能材料が最終的に、ある種の気化器によって蒸気に変えられるように構成されている。いくつかの実施形態によれば、気化器は、消耗部品10中に(いくつかの特定の実施形態においては、消耗部品10中に配置されている任意のエアロゾル化可能材料移送要素16に隣接又は近接して)(永久に)配置されていてもよい。ただし、他の実施形態において、気化器102は、(例えば、
図4A及び
図4B並びに/又は
図5A及び
図5Bに示す実施形態を参照して後述するとともに図示しているように)消耗部品10が解除可能に係合し得るデバイス100の一部を構成していてもよい。この場合、いくつかの実施形態によれば、消耗部品10には、(
図1Cの実施形態に示すような)第1のリザーバ12へのアクセスを可能にするための第1のアクセスポート18が設けられていてもよい。当然のことながら、第1のアクセスポート18の厳密な種類/構造は、消耗部品10の意図する用途によって変わり得る。例えば、いくつかの実施形態によれば、第1のアクセスポート18は、第1のリザーバ12に対して、流体の流出を不可能にしつつ流入のみをより可能にするためのバルブ(いくつかの特定の実施形態においては、ダックビルバルブ、一方向バルブ、及び/又はボールバルブ等)を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、第1のアクセスポート18は、貫通可能膜(フィルムの包含及び/又は場合により紙/厚紙/プラスチック/金属の任意の組み合わせによる構成も可能)を備えていてもよい。このように、第1のアクセスポート18は、貫通可能膜が貫通されると不可逆的に開放され得るため、使い捨てである。
【0033】
第2のリザーバ14に移って、いくつかの実施形態によれば、消耗部品は、第2のリザーバ14へのアクセスを可能にするための第2のアクセスポート20を備えていてもよい。如何なる第1のアクセスポート18であってもそれと同様に、第2のアクセスポート20の厳密な種類/構造は、消耗部品10の意図する用途によって変わり得る。例えば、いくつかの実施形態によれば、第2のアクセスポート20は、第2のリザーバ14に対して、流体(加香蒸気等)の流入を不可能にしつつ流出のみをより可能にするためのバルブ(いくつかの特定の実施形態においては、ダックビルバルブ、一方向バルブ、及び/又はボールバルブ等)を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、第2のアクセスポート20は、貫通可能膜を備えていてもよい。このように、第2のアクセスポート20は、貫通可能膜が貫通されると不可逆的に開放され得るため、使い捨てである。
【0034】
消耗部品10の形状に関しては、当然のことながら、消耗部品10の用途によって変わり得る。ただし、消耗部品を大略コンパクトな構成とするのに役立つとともに、取扱いをより容易化するための成形が可能ないくつかの実施形態によれば、消耗部品は、第1の端部22と、第1の端部22と反対の第2の端部24とを備えていてもよく、第1のリザーバ12は、第2の端部24よりも第1の端部22の近くに配置され、第2のリザーバ14は、第1の端部22よりも第2の端部24の近くに配置されている。この同等/代替として、(
図1A~
図1C及び
図2に示すような)いくつかの実施形態によれば、消耗部品は、円筒形状及び/又は細長形状を規定していてもよい。
【0035】
図1A~
図1Cに示すようないくつかの実施形態によれば、消耗部品が第1の端部22及び第2の端部24を備える場合、いくつかの特定の実施形態においては、如何なる第1のアクセスポート18が便宜上、第1の端部22に配置されていてもよい。この同等/代替として、第2のアクセスポート20は、第2の端部24に配置されていてもよい。このように、第1及び第2のアクセスポート18、20は、両者間の如何なる干渉をも抑えるのに役立つべく、互いに離れて適切に配設されてもよい。ただし、網羅性のため、当然のことながら、任意の提供される第1のアクセスポートが明示的に消耗部品の第1の端部22に配置される必要もなければ、第2のアクセスポート20が必ずしも第2の端部24に配置される必要もない。この点、いくつかの実施形態によれば、第1のリザーバ12及び第2のリザーバ14を収容する消耗部品のハウジング26の一部として、任意の提供される第1のアクセスポート18が同等に配置され、第1のリザーバ12と流体連通する場合もある。同様に、このようなハウジング26が採用される場合、いくつかの実施形態によれば、任意の提供される第2のアクセスポート20がハウジング26の一部として配置され、第2のリザーバ14と流体連通する場合もある。以上、当然のことながら、任意の第1のアクセスポート18及び第2のアクセスポート20が(例えば、第1の端部22、第2の端部24、及びハウジング26に関して)どのように配置されるかに応じて、いくつかの実施形態によれば、(
図1A~
図1Cの実施形態に示すように)第1のアクセスポートが第2のアクセスポートと平行であってもよいし、第2のアクセスポート20に対してある角度で傾斜していてもよいし、垂直であってもよい。
【0036】
上述の通り、いくつかの実施形態によれば、消耗部品は、第1のリザーバ12及び第2のリザーバ14が配置されるハウジング26を備えていてもよい。このようなハウジング26が設けられる場合は、第1の端部20及び第2の22がハウジング26の両端に配置されていてもよい。エアロゾル化可能材料移送要素16は、存在する場合、いくつかの特定の実施形態においては締結手段及び/又は接着剤等によって、ハウジング26に取り付けられていてもよい。いくつかの実施形態においては、消耗部品10の全体的な構成要素数を減らせるように、エアロゾル化可能材料移送要素16がハウジングの一部として成型され、消耗部品10の全体的な構成要素数を抑えていてもよい。
【0037】
消耗部品において用いられる材料に関しては、消耗部品の用途によって変わり得ると考えられる。いくつかの実施形態において、第1の端部22、第2の端部24、第1のアクセスポート18、第2のアクセスポート20、及び/又はハウジング26は、紙、厚紙、プラスチック、及び/又はシリコーンの如何なる組み合わせで構成されていてもよい。プラスチック又はシリコーンが使用される場合は、消耗部品の剛性及び耐候性が高くなり得る。ただし、より環境に優しいいくつかの実施形態によれば、消耗部品の上記構成要素のうちの1つ又は複数が便宜上、紙及び/又は厚紙で構成されていてもよい。
【0038】
したがって、この点に関して、特定の一実施形態においては、エアロゾル供給システムにおいて用いられる消耗部品10であって、エアロゾル化可能材料を包含するための第1のリザーバ12と、加香材料を包含するための第2のリザーバ14とを備え、第1のリザーバ12及び第2のリザーバ14が、当該消耗部品10のハウジング26内に配置され、ハウジング26が、紙又は厚紙で構成されている、消耗部品10が提供されていてもよい。
【0039】
特に、
図2に示す実施形態等、消耗部品10の少なくとも一部が紙及び/又は厚紙で構成されている実施形態において、いくつかの実施形態によれば、水分損傷に対する消耗部品10の完全性をさらに向上させるため、第1のリザーバ12及び/又は第2のリザーバ14が耐流体性被膜/層32を備えていてもよい。いくつかの特定の実施形態において、このような耐流体性被膜又は耐流体性層32は、ハウジング26の内面34、第1の端部22(若しくは、第1のリザーバ12)の内面36、並びに/又は第2の端部24(若しくは、第2のリザーバ14)の内面38に設けられていてもよい。
【0040】
上記の代替/追加として、いくつかの実施形態によれば、第1のリザーバ12は、当該第1のリザーバ12中に存在するエアロゾル化可能材料を収容するように構成され、エアロゾル化可能材料移送要素16において開放されている(ひいては、エアロゾル化可能材料移送要素16と流体連通する)少なくとも1つの内部弾性バッグ40を備えていてもよい。このような少なくとも1つの内部弾性バッグ40を含む一実施形態を
図3の実施形態に示している。このような実施形態においては、偶発的な衝撃及び/又は穿孔に対して、任意の提供されるハウジング26による弾性バッグ40の保護が向上し得る。少なくとも弾性バッグ40が設けられている上記と併せて、(1つ又は複数の)バッグは、
図4A及び
図4B並びに
図5A及び
図5Bに示す実施形態を参照してより詳しく説明する通り、消耗部品100の使用時に気化器102を収容するように構成されている凹部41を規定していてもよい。したがって、これらの実施形態によれば、消耗部品10の使用時は、第1のリザーバ12からのエアロゾル化可能材料よりもエアロゾル化可能材料移送要素16に配置されているエアロゾル化可能材料を気化器102が気化させることをより確実にするため、弾性バッグ40が分離部材42として作用するように構成されていてもよい。網羅性のため、当然のことながら、(1つ又は複数の)弾性バッグ40の使用以外に、他の形態の分離部材42の採用によって、第1のリザーバ12に配置されているエアロゾル化可能材料を気化器102が気化させないようにしてもよい。例えばこの点に関して、いくつかの実施形態に係る分離部材42は、凹部41と第1のリザーバ12との間に隔壁を備えていてもよい。
【0041】
以上、第1のリザーバ12から、供給された蒸気が第2のリザーバ14中の加香材料により加香され、加香蒸気がユーザに送達されて吸引されるように構成されている第2のリザーバ14にエアロゾル化可能材料を供給することが意図されている、消耗部品10の種々実施形態を説明した。
【0042】
上記を念頭に、
図4A及び
図4Bを参照すると、本明細書に記載の消耗部品10の実施形態は、以下に説明する通り、エアロゾル供給システムのデバイス100とともに使用する用途を有する。したがって、この点に関しては、上記実施形態のいずれかに記載のような消耗部品10と、消耗部品10と解除可能に係合するように構成されているデバイス100とを備えるエアロゾル供給システムであって、デバイス100が、エアロゾル化可能材料移送要素16において、エアロゾル化可能材料から蒸気を生成するための気化器102を備える、エアロゾル供給システムも本明細書に記載している。
【0043】
上述のようなデバイス100は、実施形態に応じて、多くの異なる形状及びサイズを有し得る。いくつかの実施形態によれば、デバイス100は、携帯型及び/又は手持ちであってもよいし(
図4A及び
図4Bに示す実施形態等)、並びに/又は、消耗部品10を解除可能に収容するための凹部若しくはスロット104を備えていてもよい。いくつかの実施形態によれば、デバイス100は、消耗部品10の使用時に消耗部品100を凹部又はスロット104に保持するための蓋部106を備えていてもよい。このような後者の実施形態を
図5A及び
図5Bの実施形態に示す。
【0044】
デバイス100の主要構成が何であれ、デバイス100が気化器102を備える場合、気化器102は、(
図4B及び
図5Bに記載の実施形態を参照して示すように)第1のリザーバ12に挿入され、エアロゾル化可能材料移送要素16のエアロゾル化可能材料から蒸気を生成するように構成されていてもよい。いくつかの特定の実施形態においては、消耗部品10の使用時に、気化器102をエアロゾル化可能材料移送要素18により近接して配置できるように、気化器102は、第1のアクセスポート18を通じて、第1のリザーバ12に挿入され、エアロゾル化可能材料移送要素16において、エアロゾル化可能材料から蒸気を生成するように構成されているプローブ108上に配置されていてもよい。特定の一実施形態において、気化器102は、消耗部品中に配置されている任意のエアロゾル化可能材料移送要素18に対して当該気化器が最も近接するように、プローブ108の先端109に少なくとも部分的に配置されていてもよい。
【0045】
また、デバイス100の任意の動作の一部として、空気を消耗部品10に供給するように構成されている空気入口チャネル111がデバイス100に設けられていてもよい。いくつかの実施形態によれば、空気入口チャネル111は、第1のリザーバ12に挿入されるように構成されているプローブの一部として、少なくとも部分的に配置されていてもよい。この点、いくつかの実施形態によれば、前記プローブがプローブ108であってもよく、例えば
図4A及び
図4Bの実施形態に示すように、空気入口チャネル111がプローブ108を通って少なくとも部分的に延びている。当然のことながら、空気入口チャネル111が少なくとも部分的に配置されて提供されるプローブは、必ずしもプローブ108である必要がない。この点、第1のリザーバ12に挿入されるように構成されているこのような任意のプローブが代替として、プローブ108と別個及び/又は独立して動作する第2のプローブ(図示せず)を表すことも可能である。
【0046】
同じく網羅性のため、当然のことながら、任意の提供される空気入口チャネル111は、第1のリザーバ12に挿入されるように構成されているプローブの一部として必ずしも配置される必要はない。実際、デバイス100からの空気入口チャネル111は、デバイス100が消耗部品10と係合されている場合に空気が消耗部品10に入り得るようにする構成等、多くの異なる状態で構成することも可能である。例えばこの点に関して、いくつかの極めて特定の実施形態によれば、デバイス100からの空気入口チャネル111は、デバイス100が消耗部品10と係合されている場合に開放されて空気が消耗部品10に入り得るように構成されているバルブを備えていてもよい。同様に、いくつかの実施形態によれば、消耗部品10は、デバイス100が当該消耗部品10と係合されている場合にデバイス100からの空気入口チャネル111の動作及び/又は空気入口チャネル111との位置合わせを行わせるように構成されている空気入口ポートを備えていてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、任意の提供されるプローブ108は、当該プローブが第1のアクセスポート18を通じて第1のリザーバ12に挿入された場合に第1のアクセスポート18と係合するためのシール110を備えていてもよい。このように、シール110は、第1のアクセスポート18を通じたエアロゾル化可能材料の漏れをより減らす補助となり得る。
【0048】
第2のリザーバ14からデバイス100のユーザへの任意の加香蒸気の送達に役立つように、いくつかの特定の実施形態によれば、デバイス100は、第2のリザーバ14に配置されている気化したエアロゾル化可能材料を受け取るためのマウスピース114をさらに備えていてもよい。いくつかの特定の実施形態によれば、第2のアクセスポート20が採用されている場合、マウスピース114の少なくとも一部116は、第2のアクセスポート20を通じて、第2のリザーバ14に挿入され、第2のリザーバ14に配置されている気化したエアロゾル化可能材料を当該マウスピースへと通過させ得るように構成されていてもよい。このように、第2のアクセスポート20は、デバイス100が消耗部品10と係合されている場合にのみアクセスされるため、第2のリザーバ14から第2のアクセスポート20を通じた不用意な蒸気の漏れの防止の補助となる。ただし、網羅性のため、デバイス100は、マウスピース114を明示的に備える必要はなく、いくつかの実施形態においては代替として、消耗部品の使用の直前にユーザが単に、任意の提供された第2のアクセスポート20(例えば、貫通可能膜を備える場合)を開放/貫通することも可能であり、ユーザはその後、開放/貫通された第2のアクセスポート20に口を添えるのみであることに留意されたい。
したがって、エアロゾル供給システムにおいて用いられる消耗部品であって、
エアロゾル化可能材料を包含するための第1のリザーバと、
加香材料を包含するための第2のリザーバと、
第1のリザーバからエアロゾル化可能材料を受け取るためのエアロゾル化可能材料移送要素と
を備え、
エアロゾル化可能材料移送要素が、第2のリザーバから第1のリザーバを少なくとも部分的に分離し、エアロゾル化可能材料移送要素が、気化したエアロゾル化可能材料を第2のリザーバに送達するように構成されている、消耗部品を説明した。
【0049】
また、上述のような消耗部品と、消耗部品と解除可能に係合するように構成されているデバイスとを備えるエアロゾル供給システムであって、デバイスが、エアロゾル化可能材料移送要素において、エアロゾル化可能材料から蒸気を生成するための気化器を備える、エアロゾル供給システムも説明した。
【0050】
また、エアロゾル供給システムにおいて用いられる消耗部品10も説明した。この消耗部品は、エアロゾル化可能材料を包含するための第1のリザーバ12と、加香材料を包含するための第2のリザーバ14とを備える。また、この消耗部品10は、第1のリザーバ12からエアロゾル化可能材料を受け取るためのエアロゾル化可能材料移送要素16を備える。エアロゾル化可能材料移送要素は、第2のリザーバ14から第1のリザーバ12を少なくとも部分的に分離する。また、エアロゾル化可能材料移送要素16は、気化したエアロゾル化可能材料を第2のリザーバ14に送達するように構成されている。
【0051】
また、以下の番号付き実施形態についても説明した。
1.エアロゾル供給システムにおいて用いられる消耗部品であって、
エアロゾル化可能材料を包含するための第1のリザーバと、
加香材料を包含するための第2のリザーバと、
第1のリザーバへのアクセスを可能にするために貫通可能膜を備える第1のアクセスポートと
を備え、
第1のリザーバ及び第2のリザーバが、当該消耗部品のハウジング内に配置され、ハウジングが、紙又は厚紙で構成されている、消耗部品。
【0052】
2.第1のアクセスポートが、紙又は厚紙のうちの少なくとも一方で構成されている、実施形態1に記載の消耗部品。
【0053】
3.第1のアクセスポートが、使い捨てである、実施形態1又は2に記載の消耗部品。
【0054】
4.第2のリザーバへのアクセスを可能にするための第2のアクセスポートを備える、実施形態1~3のいずれか1つに記載の消耗部品。
【0055】
5.第2のアクセスポートが、バルブを備える、実施形態4に記載の消耗部品。
【0056】
6.第2のアクセスポートが、貫通可能膜を備える、実施形態4又は5に記載の消耗部品。
【0057】
7.第2のアクセスポートが、紙又は厚紙のうちの少なくとも一方で構成されている、実施形態4~6のいずれか1つに記載の消耗部品。
【0058】
8.第2のアクセスポートが、使い捨てである、実施形態4~7のいずれか1つに記載の消耗部品。
【0059】
9.当該消耗部品が、第1の端部と、第1の端部と反対の第2の端部とを備え、第1のリザーバが、第2の端部よりも第1の端部の近くに配置され、第2のリザーバが、第1の端部よりも第2の端部の近くに配置されている、実施形態1~8のいずれか1つに記載の消耗部品。
【0060】
10.第1のアクセスポートが、第1の端部に配置されている、実施形態9に記載の消耗部品。
【0061】
11.第2のアクセスポートが、第2の端部に配置されている、実施形態4に従属する場合の、実施形態9又は10に記載の消耗部品。
【0062】
12.円筒状である、実施形態1~11のいずれか1つに記載の消耗部品。
【0063】
13.第1のリザーバが、10ml以下の容積を有する、実施形態1~12のいずれか1つに記載の消耗部品。
【0064】
14.第2のリザーバが、10ml以下の容積を有する、実施形態1~13のいずれか1つに記載の消耗部品。
【0065】
15.第2のリザーバが、加香材料を含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の消耗部品。
【0066】
16.加香材料が、タバコ及び/又はニコチンのうちの少なくとも一方を含む、実施形態1~15のいずれか1つに記載の消耗部品。
【0067】
17.第1のリザーバからエアロゾル化可能材料を受け取るためのエアロゾル化可能材料移送要素をさらに備え、エアロゾル化可能材料移送要素が、気化したエアロゾル化可能材料を第2のリザーバに送達するように構成されている、実施形態1~16のいずれか1つに記載の消耗部品。
【0068】
18.エアロゾル化可能材料移送要素が、第2のリザーバから第1のリザーバを少なくとも部分的に分離する、実施形態17に記載の消耗部品。
【0069】
19.エアロゾル化可能材料移送要素が、メッシュを備える、実施形態17又は18に記載の消耗部品。
【0070】
20.エアロゾル化可能材料移送要素が、綿又は繊維のウィックを備える、実施形態17~19のいずれか1つに記載の消耗部品。
【0071】
21.エアロゾル化可能材料移送要素が、ハウジングの一部として成型されている、実施形態17~20のいずれか1つに記載の消耗部品。
【0072】
22.いずれか1つに記載の消耗部品を備えるエアロゾル供給システムであって、消耗部品が、第1のリザーバからエアロゾル化可能材料を受け取るためのエアロゾル化可能材料移送要素をさらに備え、当該エアロゾル供給システムが、消耗部品と解除可能に係合するように構成されているデバイスをさらに備え、デバイスが、エアロゾル化可能材料移送要素において、エアロゾル化可能材料から蒸気を生成するための気化器を備える、エアロゾル供給システム。
【0073】
23.気化器が、加熱要素を備える、実施形態22に記載のエアロゾル供給システム。
【0074】
24.気化器が、第1のリザーバに挿入され、エアロゾル化可能材料移送要素において、エアロゾル化可能材料から蒸気を生成するように構成されている、実施形態22又は23に記載のエアロゾル供給システム。
【0075】
25.気化器が、第1のアクセスポートを通じて、第1のリザーバに挿入され、エアロゾル化可能材料移送要素において、エアロゾル化可能材料から蒸気を生成するように構成されているプローブを規定する、実施形態24に記載のエアロゾル供給システム。
【0076】
26.気化器が、プローブの先端に少なくとも部分的に配置されている、実施形態25に記載のエアロゾル供給システム。
【0077】
27.デバイスが、空気を消耗部品に供給するように構成されている空気入口チャネルを備え、空気入口チャネルが、プローブを通って少なくとも部分的に延びている、実施形態25又は26に記載のエアロゾル供給システム。
【0078】
28.デバイスが、第2のリザーバに配置されている気化したエアロゾル化可能材料を受け取るためのマウスピースをさらに備える、実施形態22~27のいずれか1つに記載のエアロゾル供給システム。
【0079】
29.マウスピースの少なくとも一部が、第2のアクセスポートを通じて、第2のリザーバに挿入され、第2のリザーバに配置されている気化したエアロゾル化可能材料を当該マウスピースへと通過させ得るように構成されている、実施形態4に従属する場合の、実施形態28に記載のエアロゾル供給システム。
【0080】
また、エアロゾル供給システムにおいて用いられる消耗部品10も説明した。この消耗部品10は、エアロゾル化可能材料を包含するための第1のリザーバ12と、加香材料を包含するための第2のリザーバ14とを備える。また、この消耗部品10は、第1のリザーバへのアクセスを可能にするために貫通可能膜を備える第1のアクセスポート18も備える。第1のリザーバ12及び第2のリザーバ14は、消耗部品10のハウジング26内に配置され、ハウジング26は、紙又は厚紙で構成されている。これは、消耗部品10をより環境に優しく、リサイクルを容易にするのに役立ち得る。
【0081】
様々な問題に対処するとともに技術を進歩させるため、本開示は、(1つ又は複数の)特許請求の範囲に係る発明を実施可能な種々実施形態を実例として示している。本開示の利点及び特徴は、実施形態の代表的なサンプルに過ぎず、網羅的及び/又は排他的なものではない。これらは、理解の手助け並びに(1つ若しくは複数の)特許請求の範囲に係る発明の教示のみを目的として提示される。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲により規定される本開示に対する制限とも、特許請求の範囲の同等物に対する制限とも考えるべきではなく、また、特許請求の範囲から逸脱することなく、他の実施形態の利用及び改良が可能であることが了解されるものとする。種々実施形態は、本明細書において具体的に記載したもの以外に、開示の要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段等の種々組み合わせを好適に含んでいてもよいし、種々組み合わせから成っていてもよいし、種々組み合わせから本質的に成っていてもよいため、当然のことながら、特許請求の範囲における明示的な記載以外の組み合わせにて、従属請求項の特徴を独立請求項の特徴と組み合わせることも可能である。本開示は、現時点では請求されていないものの、将来的に請求され得る他の発明を含んでいてもよい。
【0082】
例えば、本開示は、消耗部品/エアロゾル供給システムにおける「液体」又は「流体」に関して説明しているが、当然のことながら、この液体又は流体は、任意のエアロゾル化可能材料で置き換え可能である。同様に、エアロゾル化可能材料が使用される場合、当然のことながら、いくつかの実施形態においては、このエアロゾル化可能材料が液体又は流体を含んでいてもよい。
【0083】
同様に、先の説明の通り、気化器は、デバイス100の多くの実施形態の一部として開示しているが、本明細書に記載の消耗部品10のいくつかの実施形態において、気化器は、エアロゾル化可能材料移送要素16に隣接又は近接する場所に配置されているいくつかの実施形態等において、消耗部品10の一部であってもよい。このような実施形態において、気化器は、デバイス100のプローブ108の一部を構成する電気接続部/電極との当該気化器の接触によって、作動及び/又は給電がなされるようになっていてもよい。或いは、いくつかの実施形態において、気化器は、デバイス100によって(例えば、特定の一実施形態においては、消耗部品10の気化器に誘導給電するように構成されている誘導電源を備えるデバイス100によって)、ワイヤレス給電又は誘導給電がなされるようになっていてもよい。
【0084】
同じく気化器102に関して、先の説明の通り、本明細書に記載の気化器は、多様な異なる形態であってもよい。この点、いくつかの実施形態において、気化器102は、加熱器/加熱要素を備えていてもよい。同様に、いくつかの実施形態において、気化器102は、例えば振動手段、機械的手段、加圧手段、又は静電的手段のうちの1つ又は複数によって、熱を加えることなく、エアロゾル化可能材料から蒸気/エアロゾルを生成可能であってもよい。
【国際調査報告】