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特表2024-527756内視鏡又は侵襲的な応用のための操縦可能な器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】内視鏡又は侵襲的な応用のための操縦可能な器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/005 20060101AFI20240719BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A61B1/005 524
A61M25/00 632
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501668
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 NL2022050410
(87)【国際公開番号】W WO2023287286
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】2028739
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517197509
【氏名又は名称】フォーティメディックス・アセッツ・ザ・セカンド・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】FORTIMEDIX ASSETS II B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティッセン、マテウス・ヘンドリク・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】フェルテル、ロイ・クリスティアーン・ルイサ
【テーマコード(参考)】
4C161
4C267
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA04
4C161FF32
4C161HH34
4C161HH42
4C161JJ06
4C267AA05
4C267AA77
4C267BB10
4C267BB31
4C267BB40
4C267BB52
4C267CC07
4C267CC20
4C267CC23
4C267EE03
4C267FF01
4C267GG02
4C267GG22
4C267GG23
4C267GG24
4C267GG32
4C267HH17
(57)【要約】
円筒状器具は、可動要素(1677;16(2))と第1の更なる要素(1675;16(1);16(3))とを有する管を有する。可動要素(1677;16(2))は、可動要素陥凹部(1603b;1702b1;2002a/2002c)に隣接する可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)を有する。製造後状態では、可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)は、第1の更なる要素陥凹部(1601b;1701b;2001b)に第1の距離で対向して位置し、可動要素陥凹部(1603b;1702b1;2002a/2002c)は、第1の更なる要素伸張部(1601a;1701a;1701c;2001a/2001c)に第2の距離で対向して位置している。可動要素(1677;16(2))と第1の更なる要素(1675;16(1);16(3))との間の相対的な横方向移動が可能であり、相対的な横方向移動が所定の距離よりも大きいときに、可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)が第1の更なる要素伸張部(1601a;1701a;1701c;2001a/2001c)に、第1の距離よりも小さい第3の距離で対向する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延び、少なくとも可動要素(1677;16(2))と少なくとも第1の更なる要素(1675;16(1);16(3))とを有する管を含む円筒状器具であって、前記可動要素(1677;16(2))は、可動要素陥凹部(1603b;1702b1;2002a/2002c)に隣接する可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)を有し、製造後状態では、前記可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)は、第1の更なる要素陥凹部(1601b;1701b;2001b)に第1の距離で対向して位置し、前記可動要素陥凹部(1603b;1702b1;2002a/2002c)は、第1の更なる要素伸張部(1601a;1701a;1701c;2001a/2001c)に第2の距離で対向して位置し、前記管は、前記製造後状態から、前記可動要素(1677;16(2))と前記第1の更なる要素(1675;16(1);16(3))との間の減少した遊びの状態に、相対的な横方向移動を可能にするように構成されており、前記減少した遊びの状態では、前記円筒状要素(1603a;1702a1;2002b)を所定の最大動作限界まで動作させることにより、前記可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)は、少なくとも部分的に、前記第1の更なる要素伸張部(1601a;1701a;1701c;2001a/2001c)に、前記第1の距離及び前記第2の距離よりも小さい第3の距離で対向し、前記第1の更なる要素伸張部に対して前記減少した遊びを伴って横方向に移動することができる、
円筒状器具。
【請求項2】
前記可動要素(1677)及び前記第1の更なる要素(1675)は、ヒンジの対向部分であり、前記円筒状器具の動作は、前記ヒンジの前記対向部分間の偏向を生じさせ、前記所定の最大動作限界は、前記ヒンジの前記対向部分間の最大偏向角度である、請求項1に記載の円筒状器具。
【請求項3】
前記最大偏向角度は、-2~-45度及び+2~+45度の少なくとも一方の範囲内の値を有する、請求項2に記載の円筒状器具。
【請求項4】
前記可動要素(1677)は、凹状部である前記第1の更なる要素(1675)内に回転自在に配置された凸状部(1677)である、請求項2又は3に記載の円筒状器具。
【請求項5】
前記可動要素(1677)の前記凸状部は中心点(1683)を有し、前記可動要素伸張部(1603a)は、高さと、前記第1の更なる要素(1675)に面し、前記中心点(1683)を中心とする半径を有する円上に位置する湾曲側面とを有し、前記第1の更なる要素伸張部(1601a)は湾曲他側面を有し、前記湾曲他側面は、前記中心点(1683)を中心とする他半径を有する他円上に位置し、前記製造後状態では、前記可動要素(1677)からある距離にあり、前記高さと前記距離は、製造公差内で等しい、請求項4に記載の円筒状器具。
【請求項6】
前記可動要素は、前記管(103)の前記長手方向に延びる第1の長手方向要素(16(2))であり、前記円筒状器具の動作は、前記長手方向要素(16(2))と前記第1の更なる要素との間の相互長手方向変位を生じさせ、前記所定の最大動作限界は、最大相互長手方向変位である、請求項1に記載の円筒状器具。
【請求項7】
前記長手方向要素(16(2))は、前記長手方向要素(16(2))の長手方向移動を屈曲可能部分の屈曲部に伝達するなどのために、前記管の遠位端にて前記管の前記屈曲可能部分に取り付けられている、請求項6に記載の円筒状器具。
【請求項8】
前記最大相互長手方向変位は、-0.5~-40mm及び+0.5~+40mmの少なくとも一方の範囲内の値を有する、請求項7に記載の円筒状器具。
【請求項9】
第1の更なる要素伸張部(1701c)は、前記管の接線方向に弾力性がある、請求項6~8のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項10】
前記可動要素伸張部(2002b)及び可動要素陥凹部(2002a)は、複数の可動要素伸張部及び可動要素陥凹部の一部であり、前記可動長手方向部分が、概して、前記可動長手方向部分の長手方向端部の1つに向かって先細るように構成されている、請求項6~9のいずれか一項に記載の円筒状要素。
【請求項11】
前記第1の更なる要素(16(1))は、前記管(103)の前記長手方向に延びる第2の長手方向要素(16(1))である、請求項6~10のいずれか一項に記載の円筒状要素。
【請求項12】
前記第2の長手方向要素(16(1))は、前記第2の長手方向要素(16(1))の長手方向移動を前記屈曲可能部分の屈曲部に伝達するなどのために、前記管の遠位端にて前記管の屈曲可能部分に取り付けられている、請求項11に記載の円筒状器具。
【請求項13】
前記可動要素(1677;16(2))は、前記可動要素伸張部(1603a;1702a1)と前記可動要素陥凹部(1603b;1702b1)との間に移行縁部を有し、前記移行縁部は、前記可動要素陥凹部(1603b;1702b1)に対して鈍角を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項14】
前記第1の更なる要素(1675;16(1))は、前記第1の更なる要素伸張部(1601a;1701a)と前記第1の更なる要素陥凹部(1601b;1701b)との間に移行縁部を有し、前記移行縁部は、前記第1の更なる要素陥凹部(1601b;1701b)に対して鈍角を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項15】
前記管は、0.03~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲内の厚みを有する壁を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項16】
前記管は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲内の直径を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項17】
円筒状器具の製造方法であって、
第1の管(103)に1つ以上のスロットを切り、例えば、前記第1の管(103)に第1の要素(16(1);1304)及び第2の要素(16(2);1306)を、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)が互いに対して横方向に移動可能であり、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)が互いに対して遊びを示すように、作成する、ことと、
その後、
(a)前記第1の要素(16(1);1304)及び前記第2の要素(16(2);1306)が、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)が互いに向けて移動した位置において減少した遊びを示すように、前記第1の要素(16(1);1304)の少なくとも一部分と前記第2の要素(16(2);1306)の少なくとも一部分を互いに向けて相対的に移動させ、前記円筒状要素(16(2);1306)の動作中に、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素との間の前記横方向相対移動をなお可能にしながら、減少した遊びのステータスを維持するなどのために、前記第1の要素(16(1);1304)の前記一部分又は前記第2の要素(16(2);1306)の前記一部分のいずれかを固定する
又は
(b)第3の要素(2314;2316;1715;1717)を前記第1の要素(16(1))及び前記第2の要素(16(2))に対する所定の位置に移動させ、前記第3の要素(2314;2316;1715;1717)が前記所定の位置に留まり、前記第1の要素(16(1))と前記第2の要素(16(2))との間に減少した遊びを生じさせる
いずれかのアクションを実施することと、
方法。
【請求項18】
前記第1の要素は、前記第1の管(103)の長手方向に延びる第1の長手方向要素(16(1))であり、前記第2の要素は、前記第1の管(103)の前記長手方向に延びる第2の長手方向要素(16(2))であり、前記第1の長手方向要素(16(1))と第2の長手方向要素は、互いに対して長手方向に移動可能であり、前記方法は、
第2の管(102)を前記第1の管(103)の内側又は外側に挿入することであって、前記第2の管は、第3の要素(120(1))及び第4の要素(120(2))を含み、前記第3の要素と前記第4の要素は、互いに対して長手方向に移動可能である、第2の管(102)を前記第1の管(103)の内側又は外側に挿入することと、
例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(1))の折り曲げタブを前記第3の要素(120(1))の凹部内に曲げること、又は前記第3の要素(120(1))の折り曲げタブを前記第1の長手方向要素(16(1))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第1の長手方向要素(16(1))を前記第3の要素(120(1))に取り付けること、又は
例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(2))の折り曲げタブを前記第4の要素(120(2))の凹部内に曲げること、又は前記第4の要素(120(2))の折り曲げタブを前記第2の長手方向要素(16(2))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって、前記第2の長手方向要素(16(2))を前記第4の要素(120(2))に取り付けること
の少なくとも1つによってアクション(a)を実施することと、
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の管は第1のヒンジ(1302)を有し、前記第1の要素は、前記第1のヒンジ(1302)の第1の凸状部(1304)であり、前記第2の要素は、前記第1のヒンジ(1302)の第1の凹状部(1306)であり、前記第1の凸状部(1304)は、前記第1の凹状部(1306)内で回転可能であり、前記方法は、
第2の管(102)を前記第1の管(103)の内側又は外側に挿入することであって、前記第2の管(102)は、第2のヒンジを含み、前記第3の要素は、前記第2のヒンジの第2の凸状部(2604)であり、前記第4の要素は、前記第2のヒンジの第2の凹状部(2606)であり、前記第2の凸状部(2604)は、前記第2の凹状部(2606)内で回転可能であり、前記第1の凸状部(1304)は前記第2の凸状部(2604)に隣接して位置し、前記第1の凹状部(1306)は前記第2の凹状部(2606)に隣接して位置する、第2の管(102)を第1の管(103)の内側又は外側に挿入することと、
例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の凸状部(1304)の折り曲げタブを前記第2の凸状部(1306)の凹部内に曲げること、又は前記第2の凸状部(1306)の折り曲げタブを前記第1の凸状部(1304)の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって、前記第1の凸状部(1304)を前記第2の凸状部(1306)に取り付けること
によってアクション(a)を実施することと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
アクション(b)が実施され、前記第3の要素(2314;2316;1715;1717)もまた、前記第1の管(103)に1つ以上のスロットを切ることによって作成される、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記第3の要素はスペーサ(2314)であり、アクション(b)は、前記スペーサ(2314)が前記第1の要素(16(1))の可撓性部分(2315)によって前記長手方向に固定され、前記管の接線方向において前記第2の要素(16(2))に押し付けられるように、前記スペーサ(2314)を前記第1の管の長手方向に移動させることによって実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の管はヒンジを有し、前記第1の要素は前記ヒンジの凸状部(1677)であり、前記第2の要素は前記ヒンジの凹状部(1675)であり、前記凸状部(1677)は、前記第1の凹状部(1675)内で回転可能であり、前記方法は、前記凸状可動部(1677)と前記凹状部(1675)とを、前記凸状可動部(1677)と前記凹状部(1675)とが円形スナップフィット接続を形成するように互いに対して移動させることによってアクション(a)を実施することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の管はヒンジを有し、前記第1の要素は前記ヒンジの凸状部(1677)であり、前記第2の要素は前記ヒンジの凹状部(1675)であり、前記凸状部(1677)は、前記第1の凹状部(1675)内で回転可能であり、前記方法は、第2の管を前記第1の管の内側又は外側に配置することであって、前記第2の管は、長手方向要素を備える、第2の管を前記第1の管の内側又は外側に配置することと、前記凸状可動部(1677)と前記凹状部(1675)とを、前記凸状可動部(1677)と前記凹状部(1675)が減少した相互の遊びを示すように互いに対して移動させることと、前記長手方向要素にプレテンションを与えることと、によってアクション(a)を実施することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
円筒状器具であって、第1の管(103)及び第2の管(102)を含み、前記第2の管(102)は、前記第1の管(103)の内側又は外側のいずれかに位置し、前記第1の管(103)は、前記第1の管(103)が、前記第1の管(103)に第1の要素(16(1);1304)を有し、前記第1の管(103)に第2の要素(16(2);1306)を有し、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)が互いに対して横方向に移動可能であるように、1つ以上のスロットのパターンを有し、
前記第1の要素(16(1);1304)の一部分又は前記第2の要素(16(2);1306)の一部分のいずれかは、前記円筒状器具の長手方向位置で前記第2の管(102;104)の一部分に固定されており、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)は、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)との間の前記横方向相対移動をなお可能にしながら、前記長手方向位置で減少した相互の遊びを示し、前記減少した相互の遊びは、1つ以上のスロットの前記パターンの作成が完了した直後に前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)との間に存在する相互の遊びの量よりも小さい遊びの量である、
円筒状器具。
【請求項25】
前記第1の要素は、前記第1の管(103)の長手方向に延びる第1の長手方向要素(16(1))であり、前記第2の要素は、前記第1の管(103)の前記長手方向に延びる第2の長手方向要素(16(2))であり、前記第1の長手方向要素(16(1))と前記第2の長手方向要素は、互いに対して長手方向に移動可能であり、
前記第2の管は、第3の要素(120(1))及び第4の要素(120(2))を有し、前記第3の要素と前記第4の要素は、互いに対して長手方向に移動可能であり、
前記第1の長手方向要素(16(1))は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(1))の折り曲げタブを前記第3の要素(120(1))の凹部内に曲げること、又は前記第3の要素(120(1))の折り曲げタブを前記第1の長手方向要素(16(1))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第3の要素(120(1))に取り付けられている、又は
前記第2の長手方向要素(16(2))は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(2))の折り曲げタブを前記第4の要素(120(2))の凹部内に曲げること、又は前記第4の要素(120(2))の折り曲げタブを前記第2の長手方向要素(16(2))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第4の要素(120(2))に取り付けられている、
の少なくとも1つである、請求項24に記載の円筒状器具。
【請求項26】
前記第1の長手方向要素(16(1))は、前記第3の要素(120(1))に取り付けられており、前記第2の長手方向要素(16(2))は、前記第4の要素(120(2))に取り付けられており、前記第2の管(102)は、前記第1の管(103)の内側に位置しており、第3の管(104)は、前記第1の管(103)の外側に配置されており、
前記第1の長手方向要素(16(1))は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(1))の折り曲げタブを前記第3の管(104)の凹部内に曲げること、又は前記第3の管(104)の折り曲げタブを前記第1の長手方向要素(16(1))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第3の管(104)に取り付けられている、
又は
前記第2の長手方向要素(16(2))は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第2の長手方向要素(16(2))の折り曲げタブを前記第3の管(104)の凹部内に曲げること、又は前記第3の管(104)の折り曲げタブを前記第2の長手方向要素(16(1))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第3の管(104)に取り付けられている、
のいずれかである、
請求項24に記載の円筒状器具。
【請求項27】
前記第1の長手方向要素(16(1))が前記第3の管(104)に取り付けられている場合、前記第2の長手方向要素(16(2))は、前記第3の管(104)に対して長手方向に移動可能であり、1つ以上の長手方向位置に、前記第2の管(102)の要素に載っている側面部分を有する、又は
前記第2の長手方向要素(16(2))が前記第3の管(104)に取り付けられている場合、前記第1の長手方向要素(16(1))は、前記第3の管(104)に対して長手方向に移動可能であり、1つ以上の長手方向位置に、前記第2の管(102)の要素に載っている側面部分を有する、
請求項26に記載の円筒状器具。
【請求項28】
前記第1の長手方向要素(16(1))と前記第2の長手方向要素(16(2))との間の前記減少した相互の遊びは、製造公差内でゼロであり、前記第3の要素(120(1))の第1の長手方向側面は、前記円筒状器具の接線方向に見られるように、前記第4の要素(120(2))の第1の長手方向側面に対向して位置しており、前記第3の要素(120(1))の第2の長手方向側面は、前記第2の管(102)の第5の要素に対して製造公差内でゼロの接線方向の遊びを示し、前記第4の要素(120(2))の第2の長手方向側面は、前記第2の管(102)の第6の要素(120(3))に対して製造公差内でゼロの接線方向の遊びを示す、請求項24~27のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項29】
前記第1の管は、第1のヒンジ(1302)を含み、前記第1の要素は、前記第1のヒンジ(1302)の第1の凸状部(1304)であり、前記第2の要素は、前記第1のヒンジ(1302)の第1の凹状部(1306)であり、前記第1の凸状部(1304)は、前記第1の凹状部(1306)内で回転可能であり、
前記第2の管(102)は、第2のヒンジを含み、前記第3の要素は、前記第2のヒンジの第2の凸状部(2604)であり、前記第4の要素は、前記第2のヒンジの第2の凹状部(2606)であり、前記第2の凸状部(2604)は、前記第2の凹状部(2606)内で回転可能であり、前記第1の凸状部(1304)は前記第2の凸状部(2604)に半径方向に隣接して位置し、前記第1の凹状部(1306)は前記第2の凹状部(2606)に半径方向に隣接して位置し、
前記第1の凸状部(1304)は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の凸状部(1304)の折り曲げタブを前記第2の凸状部(1306)の凹部内に曲げること、又は前記第2の凸状部(1306)の折り曲げタブを前記第1の凸状部(1304)の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第2の凸状部(1306)に取り付けられている、
請求項24に記載の円筒状器具。
【請求項30】
長手方向に延び、少なくとも第1の要素(16(1))及び第2の要素(16(2))を有する管を含み、前記管は、前記第1の要素(16(1))と前記第2の要素(16(2))との間の相対的な横方向移動を可能にするように構成されており、前記管は、前記第1の要素(16(1))と前記第2の要素(16(2))との間にスペーサ(2314)を含み、前記スペーサ(2314)は、前記スペーサ(2314)を前記第2の要素(16(2))に前記管の接線方向に押し付ける前記第1の要素(16(1))の可撓性部分(2315)によって前記管の前記長手方向に固定されている、
円筒状器具。
【請求項31】
長手方向に延び、少なくとも第1の要素(16(1))と第2の要素(16(2))と第3の要素(1715)とを有する管を含み、前記管は、前記第1の要素(16(1))と前記第2の要素(16(2))との間の相対的な横方向移動を可能にするように構成されており、前記第3の要素は、前記第1の要素(16(1))の一部分であり、前記第2の要素に対して曲げられる屈曲要素(1715)である、
円筒状器具。
【請求項32】
前記管は、0.03~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲内の厚みの壁を有する、請求項24~31のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項33】
前記管は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲内の直径を有する、請求項24~32のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項34】
請求項1~16、24~33のいずれか一項に記載の円筒状器具を含む侵襲的器具であって、前記侵襲的器具は、外科用侵襲的器具又は内視鏡器具である、
侵襲的器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば外科手術における内視鏡及び/又は侵襲タイプの応用のための操縦可能な器具に関する。本発明による操縦可能な器具は、医学的及び非医学的応用の双方において使用され得る。後者の例は、到達することが困難な箇所における、機械的及び/又は電子的機器の検査及び/又は修理を含む。それゆえ、以下の説明で使用される用語、例えば内視鏡応用又は侵襲的な器具は、広義に解釈される必要がある。
【背景技術】
【0002】
標的部位を露出させるために大きい切開部を必要とする外科的介入の、低侵襲外科的介入(すなわち、標的部位へのアクセスを確立するために自然開口部又は小さな切開部のみを必要とする)への変化が、よく知られている現在進行中のプロセスである。低侵襲外科的介入の実施において、医師などのオペレータは、侵襲的器具をヒト又は動物の体内にその体のアクセスポートを介して導入及び案内するために配置されるアクセスデバイスを必要とする。瘢痕組織の形成及びヒト又は動物患者の痛みを低減するために、アクセスポートは、皮膚及びその下の組織の単一の小さな切開によって提供されることが好ましい。いくつかの用途では、体の自然孔を入口として使用することができる。さらに、アクセスデバイスは、オペレータが、侵襲的器具が提供する1つ以上の自由度を制御できるようにすることが好ましい。このようにして、オペレータは、使用する器具がぶつかるリスクを低減しつつ、人間工学的且つ正確な手法で、ヒト又は動物の体内の標的領域に必要な行為を実施することができる。
【0003】
外科的な侵襲的な器具及び内視鏡が当業界でよく知られている。侵襲的な器具及び内視鏡の双方共、そのナビゲーション及び操縦能力を高める操縦可能なチューブを含み得る。そのような操縦可能なチューブは、少なくとも1つの可撓性ゾーンを含む近位端部、少なくとも1つの可撓性ゾーンを含む遠位端部、及び中間部を含み得、ここでは、操縦可能なチューブは、さらに、中間部に対する近位端部の少なくとも一部の撓みを遠位端部の少なくとも一部の関連の撓みに変えるように適合される操縦配置構成を含む。或いは、遠位可撓性ゾーンは、操縦可能な器具の近位端に配置されたロボット器具によって操縦され得る。
【0004】
操縦可能な侵襲的な器具は、チューブを操縦する及び/又は操縦可能なチューブの遠位端部に配置されるツールを操作するために、操縦可能なチューブの近位端部に配置されるハンドルを含み得る。そのようなツールは、例えば、カメラ、手動マニピュレータ、例えばハサミ、鉗子、又はエネルギー源、例えば電気、超音波は若しくは光エネルギー源を使用するマニピュレータとし得る。
【0005】
さらに、そのような操縦可能なチューブは、外側シリンダー状要素、内側シリンダー状要素、及び1つ以上の中間シリンダー状要素を含む、いくつかの同軸上に配置されたシリンダー状要素を含み得、これは、チューブの近位及び遠位端部にある可撓性ゾーンの数、並びに操縦配置構成の操縦部材の所望の実現、すなわち全操縦部材が単一の中間シリンダー状要素内に配置され得るか、又は操縦部材が異なる組に分割され、且つ各組の操縦部材が、少なくとも一部において、異なる若しくは同じ中間シリンダー状要素内に配置されるか次第である。ほとんどの従来技術の機器では、操縦配置構成は、例えば、操縦部材として1mm未満(sub 1mm)の直径の従来の操縦ケーブルを含み、ここで、操縦ケーブルは、チューブの近位及び遠位端部における関連の可撓性ゾーン間に配置される。ボール形状の操縦ユニット又はロボット駆動型操縦ユニットのような、近位端にある他の操縦ユニットが、その代わりに用いられてもよい。
【0006】
しかしながら、操縦ケーブルには多くの周知の欠点があるため、いくつかの用途においては、これらを避け、操縦部材を、1つ以上の中間円筒状要素の一体部品を形成する1つ以上の長手方向操縦要素セットによって実装したい場合がある。いくつかの実施形態では、本発明は、この後者の技術も使用する。長手方向操縦要素を含む中間円筒状要素のそれぞれは、射出成形若しくはめっきなどの適切な材料付加技術を使用すること、又は管から開始して、その後、レーザ切断、光化学エッチング、ディーププレス、ドリル加工若しくはフライス削りなどの従来のチッピング技術、又は高圧ウォータジェット切断システムなどの適切な材料除去技術を使用することのいずれかによって製作することができる。この手法で製造される長手方向操縦要素は、その後、管材料から得られた長手方向ストリップとして実装され、プルワイヤ/プッシュワイヤとして使用することができる。前述の材料除去技術のうち、レーザ切断は、合理的な経済条件下で材料の非常に正確できれいな除去を可能にするため、非常に有利である。
【0007】
内側及び外側シリンダー状要素も、チューブから製造され得る。これらのチューブは、器具の遠位端が、及びおそらくは近位端も、曲げ可能な箇所において可撓性であるべきである。器具が可撓性であるべきである他の箇所においても、内側及び外側シリンダー状要素は可撓性であるべきである。これは、これらの可撓性のある箇所において内側及び外側シリンダー状要素にヒンジを設けることによって、実現され得る。そのようなヒンジは、チューブの予め決められたパターンを(レーザ)切断することから生じ得る。多くの異なるパターンが従来技術から公知である。どのパターンを使用するかは、限定されるものではないが、必要な曲げ角度、曲げ柔軟性、縦剛性、及び半径方向剛性を含め、該当する箇所における設計要件次第である。
【0008】
上述の操縦可能なチューブの設計及び製作並びにその操縦配置構成に関するさらなる詳細は、本出願人の例えば国際公開第2009/112060A1号パンフレット、国際公開第2009/127236A1号パンフレット、米国特許出願第13/160,949号明細書、及び米国特許出願第13/548,935号明細書に説明されており、それら全ての全体を参照することにより本書に援用する。
【0009】
操縦可能器具などの機械的機構においては、部品間の遊びの管理が、最適な性能を得る際の重要な要素である。遊びは、例えば摩擦、移動、及び位置決め精度に直接的な影響を及ぼす。操縦可能器具が、部品製造後に組み立てられる別個の部品から従来のように作成される場合、遊びは、これら部品の正確な寸法及び許容公差を定義することにより管理され得る。組み立て時に、互いの部品の位置を調整し、それらを所定の位置に固定して、所望の量の遊びを設定することもできる。
【0010】
例えばレーザ切断プロセスで上述の特許文献の通りに操縦可能器具を製造する場合、機構を形成する全ての部品は、管の壁から材料を除去することによって予め組み立てられた状態で作成される。これにより、材料除去プロセスによって作成された遊びの量だけ分離された長手方向操縦要素(ストリップ)及びヒンジなどの部品がもたらされる。この遊びは、例えばレーザ切断ビームの幅以上の最小幅を有する。この遊びは、製品性能に不利となる可能性がある。例えば、操縦可能器具が可撓性セクション内に複数のヒンジを有して作成される場合、ヒンジあたりの遊びと器具の全長にわたるヒンジの数とを掛け合わせることで、器具の長手方向及び接線(周)方向の両方において、器具に許容できない総遊びをもたらす可能性がある。
【0011】
米国特許出願公開第2014/0018620号明細書は、そのハンドル内で操縦ワイヤ長さ補償ユニットとして動作可能なカップリング機構を含む操縦可能器具について開示している。カップリング機構は、一連の操縦ワイヤのうちの少なくとも1つの操縦ワイヤの長さを調整することを可能にする。カップリング機構は、操縦ワイヤと互いに噛み合うように配置された長手方向の突起を含み得る。突起及び操縦ワイヤは両方とも、操縦ワイヤと長手方向の突起との係合時に形状閉鎖カップリング(form-closed coupling)を確立するために、三角形を有し得るインタロック構造を有する鋸歯状部分を含む。操縦可能器具が例えば人体内の湾曲した管に挿入されているときの状態では、操縦ワイヤと長手方向の突起は互いに係合しておらず、互いに対して自由に動くことが可能である。挿入中、操縦ワイヤは、管内に位置するそのセクション内で異なる長さを得ることができ、操縦ワイヤがハンドル内で異なる長手方向位置を有する原因となる。操縦可能器具が管内の所望の位置に挿入されると、個々の操縦ワイヤはカップリング機構によってロックされ、器具を使用する準備が整う。ロックは、操縦ワイヤ及び長手方向の突起が中心軸線に向かって移動し、したがって、また互いに向けて接線方向に移動し、鋸歯状部分が互いにロックされるように、カップリング機構に半径方向内向きの力を作用させることによって行われる。操縦可能器具の動作中、即ち、操縦可能器具の1つ以上の部分を操縦ワイヤで操舵する間、互いにロックされた個々の操縦ワイヤはロックされたままであり、ロックされた位置において互いに移動することはできない。即ち、動作前の状態においてのみ、ロック解除された操縦ワイヤはカップリング機構に対して長手方向に移動可能である。動作時、それらはロックされており、ロックされた位置において、そのような相互の長手方向移動はもはや不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、上述の課題の少なくとも1つを解決又は少なくとも軽減する、内視鏡及び/又は侵襲型の用途のための操縦可能器具を提供することである。
【0013】
特に、本発明の目的は、得られる遠位先端ペイロード、先端操縦精度及び再現性、回転位置決め精度及び再現性、長手方向位置決め精度及び再現性、並びに耐久性の少なくとも1つに関して最適化された性能を有する操縦可能器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このため、本発明の独立態様は独立請求項に定義され、従属請求項は有利な実施形態に関する。
【0015】
減少した遊びを有するデバイスは、2つの異なる状態を有する。第1の状態は、製造後状態と呼ばれ(或いは、「静止状態」とも呼ばれることがある)、製造直後に得られる状態であり、第2の状態は、2つの対向する伸張部間の距離が製造後状態の距離よりも小さい、減少した遊びの状態である。減少した遊びのステータスは、2つの対向する伸張部(例えば、ヒンジの2つの部分又は操縦ワイヤなどの2つの隣接する長手方向要素)が所定の最大相互変位限界に沿って互いに横方向に移動可能な、操縦可能器具の動作モードに合致する。この減少した遊びの状態では、2つの対向する伸張部は、互いに沿って摺動する。2つの対向する伸張部間の距離が、減少した遊びの状態の距離よりも大きく、製造後状態の距離よりも小さい第3の状態が、製造後状態と減少した遊びの状態との間に存在してもよい。
【0016】
可動要素と第1の更なる要素は、ヒンジの対向部分であり得、したがって、円筒状器具の動作は、ヒンジの対向部分間の偏向を生じさせ、所定の最大動作限界は、ヒンジの対向部分間の最大偏向角度である。
【0017】
したがって、最大偏向角度は、-2~-45度及び+2~+45度の少なくとも一方の範囲内の値を有し得る。
【0018】
可動要素は、管の長手方向に延びる第1の長手方向要素であり得、したがって、円筒状器具の動作は、長手方向要素と第1の更なる要素との間の相互長手方向変位を生じさせ、所定の最大動作限界は、最大相互長手方向変位である。
【0019】
長手方向要素は、長手方向要素の長手方向移動を屈曲可能部分の屈曲部に伝達するなどのために、管の遠位端にて管の屈曲可能部分に取り付けられ得る。
【0020】
したがって、最大相互長手方向変位は、-0.5~-40mm及び+0.5~+40mmの少なくとも一方の範囲内の値を有し得る。他の要素に対する可動要素のこの最大動作限界は、器具における長手方向位置に依存する可能性があり、即ち、例えば、操縦ワイヤと隣接要素(例えば別の操縦ワイヤ)との間の相互長手方向変位は、遠位端よりも近位端においてはるかに大きい可能性がある。
【0021】
所定の最大動作限界は、例えば、操縦可能先端の最大偏向角度及び器具の可撓性本体セクション内の隣接するヒンジ部分の最大曲げ角度の観点で表される操縦可能侵襲的器具の設計仕様に依存する。
【0022】
本出願では、用語「近位」及び「遠位」は、器具又は内視鏡を動作させるオペレータ、例えばロボット又は医師に対して定義される。例えば、近位端部は、ロボット又は医師の近くに位置する部分であり、及び遠位端部は、ロボット又は医師から距離を置いて、すなわち手術領域に、位置する部分であるとみなされる。
【0023】
本発明のさらなる特徴及び利点は、非限定的及び非排他的な実施形態によって、本発明の説明から明らかになる。これらの実施形態は、保護範囲の限定とはみなされない。当業者は、本発明の他の代替例及び等価の実施形態を思いつき、且つ本発明の範囲から逸脱することなく実現するためにまとめられ得ることが理解するであろう。本発明の実施形態は、添付図面の図を参照して説明され、図面では、同様の又は同じ参照符号は、同様、同じ又は対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】1つの曲げ可能な遠位端部分と、シリンダー状要素から切られた条片によって、曲げ可能遠位端部分の曲げを制御する1つの近位端部分とを有する侵襲的な器具アセンブリの概略的な断面図を示す。
図2図1の器具が製造され得る3つのシリンダー状要素の概略的な全体図を示す。
図3a図1及び図2の器具の中間シリンダー状要素の一部分を示す。
図3b】そのような器具の中間シリンダー状要素の代替例を示す。
図4】例示的な中間シリンダー状要素、及び中間シリンダー状要素に挿入された内側シリンダー状要素を示す。
図5】2つの操縦可能な曲げ可能遠位端部分及び2つの近位可撓性制御部分を有する、操縦可能な侵襲的な器具の組み立て体の外側の図を示す。
図6図5に示す器具の遠位チップの拡大図を示す。
図7図5に示す侵襲的な器具を通る断面図を示す。
図8-9】どのように図5及び図7の侵襲的な器具が曲げられ得るかの例を示す。
図10】遠位端と近位端との間の中間セクションの少なくとも一部分も可撓性である、図5~9に示す侵襲的な器具の代替的な実施形態を示す。
図11-12】内視鏡的な外科用器具として侵襲的な器具を使用する概略的な例を示し、ここでは、遠位端と近位端との間の中間セクションも可撓性であり、侵襲的な器具が、腸管、及び食道のような体内の自然な管に挿入され得るようにする。
図13a-13c】ヒンジを製造するための管の切断パターンが使用時に器具の遊びをどのように生じさせる可能性があるかを説明する。
図14a-14b】侵襲的器具の実施形態の半径方向の遊びを説明するために、それぞれ図2にXIVaで及びXIVb及び1で示される器具の一部分をそれぞれ示す。
図15a-15f】特別に設計された切断パターンが円筒状要素のヒンジの遊びをどのように相殺し得るかの従来技術例を示す。
図16a-16e】特別に設計された切断パターンが円筒状要素のヒンジの遊びをどのように相殺し得るかの更なる例を示す。図16aは、製造後状態を示し、図16bは、減少した遊びの状態を示す。
図17a-18d】特別に設計された切断パターンが円筒状要素の長手方向要素間の遊びをどのように相殺し得るかの例を示す。図17a、図17d、図17e、図18a、図18cは、製造後状態を示し、図17b、図17c、図17f、図18b、図18dは、減少した遊びの状態を示す。
図19a-19b】第1の円筒状要素と第1の円筒状要素を取り囲む第2の円筒状要素との間の半径方向の遊びの減少を示す。
図20a-20c】長手方向操縦要素がテーパ状の形態を有する実施形態を示す。
図21-22】器具に破断要素が適用された実施形態を示す。
図23a-24e】長手方向操縦要素間の遊びを減少させる実施形態を示す。
図25a-26d】部品間の遊びを所望の大きさに設定するために互いを取り囲むいくつかの管を使用することによって、管から作られた器具の部品間の遊びが管理される実施形態を示す。図26c及び図26dは、図26a、図26bの実施形態の変形形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書の目的では、円筒状要素という用語と管という用語は、互換的に使用され得る。即ち、管という用語と同様に、円筒状要素も物理的実体を指す。本発明は、そのような円筒状要素から切り出され、器具の近位端における操縦要素の長手方向移動を遠位端に伝達し、それによって1つ以上の可撓性遠位端部分の曲げを制御するためのプッシュワイヤ及び/又はプルワイヤとして機能する長手方向操縦要素を参照して説明する。ヒンジの遊びの減少について説明する実施形態は、古典的な手法で作られ、それらを管から切り出すことで得られないワイヤでも実施することができる。
【0026】
本発明が応用され得る器具
図1図2図3a、及び図3bは、国際公開第2009/112060号パンフレットから公知である。このタイプの器具において本発明が応用され得るため、それらは詳細に説明される。
【0027】
図1は、3つの同軸上に配置されたシリンダー状要素、すなわち内側シリンダー状要素2、中間シリンダー状要素3及び外側シリンダー状要素4を含む、従来技術の操縦可能な器具の縦断面図を示す。シリンダー状要素2、3、及び4を作製するために使用される好適な材料は、レーザ切断やEDMのような材料除去プロセスによって形作られ得る、ステンレス鋼、コバルト-クロム、形状記憶合金、例えばNitinol(登録商標)、プラスチック、ポリマー、複合材、又は他の材料を含む。或いは、シリンダー状要素は、3D印刷プロセス又は他の公知の材料堆積プロセスによって作製され得る。
【0028】
内側シリンダー状要素2は、器具の遠位端部13に位置する第1の剛体端部5、第1の可撓部6、器具の中間部12に位置する中間剛体部7、第2の可撓部8、及び器具の近位端部11に位置する第2の剛体端部9を含む。
【0029】
外側シリンダー状要素4も、第1の剛体端部17、第1の可撓部18、中間剛体部19、第2の可撓部20、及び第2の剛体端部21を含む。シリンダー状要素2の部5、6、7、8、及び9のそれぞれの長さ、及びシリンダー状要素4の部17、18、19、20、及び21のそれぞれの長さは、好ましくは、実質的に同じであるため、内側シリンダー状要素2が外側シリンダー状要素4に挿入されると、これらの異なるそれぞれの部は、互いに長手方向に位置合わせされる。
【0030】
中間シリンダー状要素3はまた、第1の剛体端部10及び第2の剛体端部15を有し、これらは、組み立て済の状態において、他の2つのシリンダー状要素2、4の対応する剛体部5と17との間及び9と21との間にそれぞれ位置する。中間シリンダー状要素3の中間部14は、下記で説明するように異なる形及び形状を有し得る1本以上の別々の長手方向操縦要素16を含む。図3aには、3本のそのような長手方向操縦要素16が示されている。要素2が要素3に挿入され、及び2つの組み合わせられた要素2、3が要素4に挿入される3つのシリンダー状要素2、3、及び4の組み立て後、器具の遠位端にある少なくとも内側シリンダー状要素2の第1の剛体端部5、中間シリンダー状要素3の第1の剛体端部10、及び外側シリンダー状要素4の第1の剛体端部17は、例えば、グルー又は1つ以上のレーザ溶接スポットによって、互いに取り付けられる。図1及び図2に示す実施形態においても、器具の近位端にある内側シリンダー状要素2の第2の剛体端部9、中間シリンダー状要素3の第2の剛体端部15及び外側シリンダー状要素4の第2の剛体端部21が、例えばグルー又は1つ以上のレーザ溶接スポットによって、互いに取り付けられて、3つのシリンダー状要素2、3、4が一体型ユニットを形成するようにする。
【0031】
図2に示される実施形態では、中間円筒状要素3の中間部分14は、中間部分14が図3aの中間円筒状要素3の展開状態に示すような全体的な形状及び形態を有するように、均一な断面を有するいくつかの長手方向操縦要素16を含む。図3aから、中間部分14が、中間円筒状部分3の周囲上の、いくつかの、場合によっては等間隔で配置された平行な長手方向操縦要素16によって形成されていることも明らかになる。有利には、長手方向操縦要素16の数は、器具があらゆる方向に完全に制御可能になるように少なくとも3つであるが、それより多い数も可能である。長手方向操縦要素16の数は、例えば、6つでも8つでもよい。
【0032】
長手方向操縦要素16は、その全長にわたって均一な断面を有している必要はないことが認められる。長手方向操縦要素16は、場合によって、長手方向操縦要素16に隣接する1つ以上の位置で円筒状要素3のレーザ切断から得られる小さなスロットのみによって分離されるように、その長さに沿って変化する幅を有してもよい。したがって、長手方向操縦要素のこれらのより広い部分は、押された状態において、隣接する長手方向操縦要素16が接線方向に座屈することを防止するためのスペーサとして機能する。代替的に、スペーサは、他の手法で実装されてもよい。
【0033】
展開状態の2つの隣接する長手方向操縦要素16を示す、スペーサを有する実施形態が図3bに示されている。図3bに示される実施形態では、各長手方向操縦要素16は、それぞれ第1の可撓性部分6、18、中間剛性部分7、19、及び第2の可撓性部分8、20と共に存在する3つの部分61、62及び63から構成されている。中間剛性部分に対応する部分62において、隣接する長手方向操縦要素16の各対は、接線方向に互いにほぼ接しているため、実際には、隣接する長手方向操縦要素16の各対の間に、各長手方向操縦要素の独立した動きを可能にするのに十分なだけの狭いスロットのみが存在する。スロットは製造プロセスから生じ、その幅は、例えば、スロットを切るレーザビームの直径による。
【0034】
他の2つの部分61及び63では、各長手方向操縦要素は、周方向にみるときに比較的小さい可撓部64、65からなるため、各対の隣接する可撓部間にはかなりの間隙があり、及び各可撓部64、65はいくつかのスペーサ66を備え、スペーサは、接線方向に延在し、且つ隣接する可撓部64、65への間隙をほとんど完全に橋渡しする。これらのスペーサ66ゆえに、器具の可撓性部分において長手方向操縦要素16が接線方向にシフトする傾向は抑制され、及び接線方向の制御が改善される。これらのスペーサ66の正確な形状は、可撓部64及び65の可撓性を損なわないという条件で、あまり重要ではない。スペーサ66は、可撓部64、65と一体部を形成し得、且つ同様に好適なレーザ切断プロセスによって生じ得る。
【0035】
図3bに示す実施形態では、スペーサ66は、それらが取り付けられている可撓部64、65から分かるように1つの接線方向の方へ向かって延在している。しかしながら、1つの可撓部64、65から始まって両周方向に延在するこれらのスペーサ66を有することも可能である。これを使用することによって、接線方向に沿って見られるような代わりのタイプの可撓部64、65を有することも可能であり、ここでは、第1のタイプは、両側部に、次の可撓部まで延在するスペーサ66が設けられており、及び第2の中間の組の可撓部64、65にはスペーサ66がない。そうでなければ、両側部にカムを備える可撓部を有することが可能であり、ここでは、器具の長手方向に沿って見られるように、1つの可撓部から生じるカムは、隣接する可撓部から生じるスペーサと交互になる。多数の代替例が利用可能であることが明らかである。
【0036】
そのような中間部の生産は、射出成形若しくはめっき技術によって、又は所望の内径若しくは外径のシリンダー状チューブから始まって、及び例えばレーザや水切断により、必要に応じてシリンダー状チューブの壁の複数の部分を除去して、所望の形状の中間シリンダー状要素3になるようにすることによって、最も都合よく行われる。しかしながら、その代わりに、任意の3D印刷方法が使用され得る。
【0037】
材料の除去は、レーザ切断、光化学エッチング、深押し、従来のチッピング技術、例えばドリル穴あけやフライス削り、高圧水ジェット切断システム又は利用可能な任意の好適な材料除去プロセスなどの異なる技術によって、行われ得る。好ましくは、レーザ切断が使用されるが、これは、合理的な経済的条件下で非常に正確に且つきれいに材料を除去できるようにするためである。上述のプロセスは、シリンダー状要素3が、従来の器具では必要とされるような(従来の操縦ケーブルは何らかの方法で端部に接続される必要がある)中間シリンダー状要素の異なる部分を接続するために追加的なステップを必要とせずに、いわば1つのプロセスで作製され得るため、好都合な方法である。それぞれ可撓部6、8、18及び20を備える内側及び外側シリンダー状要素2及び4の生産に同じタイプの技術が使用され得る。これらの可撓部6、8、18及び20は、例えば、10.03.2008出願の欧州特許出願第08 004 373.0号明細書の5頁15~26行目に説明されている方法のいずれかを使用して、シリンダー状要素から任意の所望のパターンを切ることから生じるヒンジとして製造され得るが、可撓性部分を作るために、任意の他の好適なプロセスが使用され得る。
【0038】
図4~10に示す器具は、従来技術の国際公開第2020/214027号パンフレットから公知であることが観察される。同様に、これらの器具において、本発明が応用され得る。
【0039】
図4は、上述したような近位可撓性ゾーン14と遠位可撓性ゾーン16を相互接続する中間シリンダー状要素3の壁に長手方向スロット70を設けた後に得られた長手方向(操縦)要素16の例示的な実施形態を示す。ここで、長手方向操縦要素16は、少なくとも一部において、器具の長手方向軸の周りでらせん状になって、器具の近位部分にあるそれぞれの操縦要素16の端部分が、長手方向軸の周りで、器具の遠位部分にある同じ長手方向操縦要素16の端部分とは別の角度の向きに配置されるようにする。長手方向操縦要素16が直線状の向きに配置される場合、ある平面での近位部分における器具の曲げは、同じ平面であるが180度反対の方向の、遠位部分における器具の曲げを生じる。長手方向操縦要素16のこのらせん状構成は、ある平面での近位部分における器具の曲げが、別の平面での、又は同じ平面での同じ方向での、遠位部分における器具の曲げを生じ得る効果を可能にする。好ましいらせん状構成は、器具の近位部分におけるそれぞれの操縦要素16の端部分が、器具の遠位部分にある同じ長手方向操縦要素16の端部分に対して、長手方向軸の周りで180度角度的にシフトされた向きに配置されるようなものとし得る。しかしながら、例えば任意の他の角度的にシフトされた向き、例えば90度は、本書の範囲内である。スロット70は、操縦可能な器具内の適所に設けられるとき、長手方向操縦要素の動きが、隣接する長手方向操縦要素によって案内されるような寸法にされる。しかしながら、特に器具の可撓性ゾーン13、14において、長手方向操縦要素16の幅は、それらの位置において器具に必要な可撓性/曲げ性を提供するには小さいかもしれない。
【0040】
図5は、2つの曲げ可能な近位ゾーン72、73によってそれぞれ動作される2つの操縦可能な曲げ可能な遠位ゾーン74、75を有する、操縦可能な器具の長尺状のチューブ状本体76の実施形態の遠位部分の詳細な斜視図を提供する。図5は、長尺状のチューブ状本体76が、いくつかの同軸上に配置された層又はシリンダー状要素、例えば、遠位端部分13において第1の遠位可撓性ゾーン74の後で終端する外側シリンダー状要素104を含むことを示す。外側シリンダー状要素104の遠位端部分13は、例えば溶接スポット100におけるスポット溶接によって、外側シリンダー状要素104内に及びそれに隣接して位置するシリンダー状要素103に固定して取り付けられる。しかしながら、任意の機械的なスナップフィット接続又は好適なグルーによる糊付けを含め、任意の他の好適な取り付け方法が使用され得る。
【0041】
図6は、遠位端部13のより詳細な図を提供し、且つこの実施形態では、遠位端部が、3つの同軸上に配置された層又はシリンダー状要素、すなわち、内側シリンダー状要素101、第1の中間シリンダー状要素102及び第2の中間シリンダー状要素103を含むことを示す。内側シリンダー状要素101、第1の中間シリンダー状要素102及び第2の中間シリンダー状要素103の遠位端は、3つ全てが、互いに固定して取り付けられる。これは、溶接スポット100におけるスポット溶接によって行われてもよい。しかしながら、任意の機械的なスナップフィット接続又は好適なグルーによる糊付けを含め、任意の他の好適な取り付け方法が使用され得る。図面に示すように、取付点は、内側シリンダー状要素101、第1の中間シリンダー状要素102及び第2の中間シリンダー状要素103の端縁にあるとし得る。しかしながら、これらの取付点はまた、これらの縁からある程度離れた距離に位置してもよく、好ましくは、端縁と可撓性ゾーン75の箇所との間にあってもよい。
【0042】
当業者には、図5に示すような長尺状のチューブ状本体76は、合計4つのシリンダー状要素を含むことが明らかになる。図5に示す実施形態による長尺状のチューブ状本体76は、2つの中間シリンダー状要素102及び103を含み、この内部に、操縦配置構成の操縦部材が配置される。しかしながら、所望の場合には、余分な又はそれよりも少ないシリンダー状要素が提供されてもよい。
【0043】
図5に示すような長尺状のチューブ状本体76の例示的な実施形態における操縦配置構成は、長尺状のチューブ状本体76の近位端部11に2つの可撓性ゾーン72、73、長尺状のチューブ状本体76の遠位端部13に2つの可撓性ゾーン74、75、並びに近位端部11及び遠位端部13にある関連の可撓性ゾーン間に配置される操縦部材を含む。操縦部材の例示的な実際の配置構成は図7に示されており、これは、図5に示すような長尺状のチューブ状本体76の例示的な実施形態の概略的な縦断面図を提供する。
【0044】
この実施形態では、可撓性ゾーン72、73、74、及び75は、それぞれのシリンダー状要素にスリット72a、73a、74a、及び75aをそれぞれ設けることによって、実現される。そのようなスリット72a、73a、74a、及び75aは任意の好適なパターンに配置され得、可撓性ゾーン72、73、74、及び75が、所望の設計に従って長手方向及び接線方向において所望の可撓性を有するようにする。
【0045】
図7は、上述の4つの層又はシリンダー状要素、すなわち、内側シリンダー状要素101、第1の中間シリンダー状要素102、第2の中間シリンダー状要素103、及び外側シリンダー状要素104の縦断面図を示す。
【0046】
器具の遠位端から近位端までのその長さに沿って見られるときに、内側シリンダー状要素101は、操縦可能な器具10の遠位端部13に配置される剛体リング111、第1の可撓性部分112、第1の中間剛体部分113、第2の可撓性部分114、第2の中間剛体部分115、第3の可撓性部分116、第3の中間剛体部分117、第4の可撓性部分118、及び操縦可能な器具の近位端部分11に配置される剛体端部分119を含む。
【0047】
器具の遠位端から近位端までのその長さに沿って見られるときに、第1の中間シリンダー状要素102は、剛体リング121、第1の可撓性部分122、第1の中間剛体部分123、第2の可撓性部分124、第2の中間剛体部分125、第3の可撓性部分126、第3の中間剛体部分127、第4の可撓性部分128、及び剛体端部分129を含む。部分122、123、124、125、126、127及び128は一緒に、ワイヤのように長手方向に動かされ得る長手方向操縦要素120を形成する。第1の中間要素102の剛体リング121、第1の可撓性部分122、第1の中間剛体部分123、第2の可撓性部分124、第2の中間剛体部分125、第3の可撓性部分126、第3の中間剛体部分127、第4の可撓性部分128、及び剛体端部分129のそれぞれの長手方向寸法は、内側シリンダー状要素101の剛体リング111、第1の可撓性部分112、第1の中間剛体部分113、第2の可撓性部分114、第2の中間剛体部分115、第3の可撓性部分116、第3の中間剛体部分117、第4の可撓性部分118、及び剛体端部分119のそれぞれの長手方向寸法と位置合わせされ、及び好ましくはほぼ等しく、且つこれらの部分と一致してもいる。この説明では、「ほぼ等しい」は、それぞれの同じ寸法が、10%未満、好ましくは5%未満の範囲内で等しいことを意味する。
【0048】
同様に、第1の中間シリンダー状要素102は、1本以上の他の長手方向操縦要素を含み、そのうちの1本が、参照符号120aで示されている。
【0049】
器具の遠位端から近位端までのその長さに沿って見られるときに、第2の中間シリンダー状要素103は、第1の剛体リング131、第1の可撓性部分132、第2の剛体リング133、第2の可撓性部分134、第1の中間剛体部分135、第1の中間可撓性部分136、第2の中間剛体部分137、第2の中間可撓性部分138、及び剛体端部分139を含む。部分133、134、135及び136は一緒に、ワイヤのように長手方向に動かされ得る長手方向操縦要素130を形成する。第2の中間シリンダー103の第1の剛体リング131、第2の剛体リング133と第2の可撓性部分134と一緒になった第1の可撓性部分132、第1の中間剛体部分135、第1の中間可撓性部分136、第2の中間剛体部分137、第2の中間可撓性部分138、並びに剛体端部分139のそれぞれの長手方向寸法は、第1の中間要素102の剛体リング111、第1の可撓性部分112、第1の中間剛体部分113、第2の可撓性部分114、第2の中間剛体部分115、第3の可撓性部分116、第3の中間剛体部分117、第4の可撓性部分118、及び剛体端部分119のそれぞれの長手方向寸法と位置合わせされ、及び好ましくはほぼ等しく、且つこれらの部分と一致してもいる。
【0050】
同様に、第2の中間シリンダー状要素103は、1本以上の他の長手方向操縦要素を含み、そのうちの1本が、参照符号130aで示されている。
【0051】
器具の遠位端から近位端までのその長さに沿って見られるときに、外側シリンダー状要素104は、第1の剛体リング141、第1の可撓性部分142、第1の中間剛体部分143、第2の可撓性部分144、及び第2の剛体リング145を含む。外側シリンダー状要素104の第1の可撓性部分142、第1の中間剛体部分143及び第2の可撓性部分144のそれぞれの長手方向寸法は、第2の中間要素103の第2の可撓性部分134、第1の中間剛体部分135及び第1の中間可撓性部分136のそれぞれの長手方向寸法と位置合わせされ、及び好ましくはほぼ等しく、且つこれらの部分と一致してもいる。剛体リング141は、剛体リング133とほぼ同じ長さを有し、且つ例えばスポット溶接や糊付けによって、それに固定して取り付けられる。好ましくは、剛体リング145は、例えばスポット溶接や糊付けによって、剛体リング145と第2の中間剛体部分137との間でそれぞれ適切な固定した取り付けを行うのに必要とされる長さにわたってのみ、第2の中間剛体部分137と重なる。剛体リング111、121及び131は、例えば、スポット溶接や糊付けによって、互いに取り付けられる。これは、その端縁においてだけでなく、これらの端縁から少し離れて行われてもよい。
【0052】
ある実施形態では、同じことが、同等の方法で同様に互いに取り付けられ得る剛体端部分119、129及び139にも当てはまり得る。しかしながら、構成は、近位部分におけるシリンダー状要素の直径が遠位部分における直径と比べて大きい、又は小さいようにし得る。そのような実施形態では、近位部分における構成は、図7に示すものとは異なる。直径が増減する結果、増幅又は減衰が達成される、すなわち、遠位部分における可撓性ゾーンの曲げ角度は、近位部分における対応する可撓性部分の曲げ角度よりも大きく又は小さくなる。
【0053】
シリンダー状要素101、102、103、及び104の内径及び外径は、長尺状のチューブ状本体76に沿った同じ箇所において、内側シリンダー状要素101の外径が第1の中間シリンダー状要素102の内径よりもわずかに小さく、第1の中間シリンダー状要素102の外径が第2の中間シリンダー状要素103の内径よりもわずかに小さく、及び第2の中間シリンダー状要素103の外径が外側シリンダー状要素104の内径よりもわずかに小さくなるようにし、隣接するシリンダー状要素の互いに対する摺動運動が可能となるように、選択される。寸法決めは、隣接する要素間に滑り嵌めが提供されるようにするべきである。隣接する要素間の隙間は、一般的に0.02~0.1mm程度であるが、特定の応用及び使用される材料次第である。隙間は、長手方向操縦要素の壁厚よりも小さく、その重なり形態を防止し得る。隙間を長手方向操縦要素の壁厚の約30%~40%に制限することが、一般的に十分である。
【0054】
図7から分かるように、近位端部11の可撓性ゾーン72は、操縦可能な器具の操縦配置構成の第1の組の長手方向操縦要素を形成する第2の中間シリンダー状要素103の部分134、135及び136によって、遠位端部13の可撓性ゾーン74に接続される。さらに、近位端部11の可撓性ゾーン73は、操縦配置構成の第2の組の長手方向操縦要素を形成する第1の中間シリンダー状要素102の部分122、123、124、125、126、127、及び128によって、遠位端部13の可撓性ゾーン75に接続される。上述のような構成の使用は、操縦可能な器具10を二重曲げに使用することを可能にする。この構成の動作原理について、図8及び図9に示す例に関して説明する。
【0055】
便宜上、図7図8及び図9に示すように、シリンダー状要素101、102、103、及び104の異なる部分は、以下の通り定義されるゾーン151~160に分類されている。ゾーン151は、剛体リング111、121、及び131を含む。ゾーン152は、部分112、122、及び132を含む。ゾーン153は、剛体リング133及び141と、部分113及び123とを含む。ゾーン154は、部分114、124、134及び142を含む。ゾーン155は、部分115、125、135及び143を含む。ゾーン156は、部分116、126、136及び144を含む。ゾーン157は、剛体リング145と、部分117、127、及び137のそれと一致する部分とを含む。ゾーン158は、部分117、127、及び137のゾーン157外にある部分を含む。ゾーン159は、部分118、128及び138を含む。最後に、ゾーン160は、剛体端部分119、129及び139を含む。
【0056】
操縦可能な器具の遠位端部13の少なくとも一部を撓ませるために、ゾーン158に対して、任意の半径方向に曲げ力を加えることが可能である。図8及び図9に示す例によれば、ゾーン158は、ゾーン155に対して下向きに曲げられる。したがって、ゾーン156は下方に曲げられる。第2の中間剛体部分137と第2の剛体リング133との間に配置される第2の中間シリンダー状要素103の部分134、135、及び136を含む第1の組の長手方向操縦要素のため、ゾーン156の下向きの曲げは、第1の組の長手方向操縦要素の長手方向変位によって、ゾーン155に対するゾーン154の上向きの曲げに変えられる。これは、図8及び図9の双方に示されている。
【0057】
ゾーン156の例示的な下向きの曲げは、図8に示すように、器具の遠位端におけるゾーン154の上向きの曲げのみを生じることに留意されたい。ゾーン156の曲げの結果としてのゾーン152の曲げは、ゾーン152と154との間に配置されるゾーン153によって防止される。続いて、ゾーン160に、曲げ力が任意の半径方向に加えられると、ゾーン159も曲げられる。図9に示すように、ゾーン160は、図8に示すその位置に対して上向きの方向に曲げられる。したがって、ゾーン159は上向きの方向に曲げられる。剛体リング121と剛体端部分129との間に配置される第1の中間シリンダー状要素102の部分122、123、124、125、126、127及び128を含む第2の組の長手方向操縦要素のため、ゾーン159の上向きの曲げは、第2の組の長手方向操縦要素の長手方向変位によって、図8に示すその位置に対してゾーン152の下向きの曲げに変えられる。
【0058】
図9は、さらに、図8に示すようなゾーン154における器具の初期の曲げは、この曲げがゾーン156の曲げによってのみ支配される一方で、ゾーン152の曲げは、上述の通りゾーン159の曲げによってのみ支配されるため、維持されることを示す。ゾーン152及び154は互いに対して独立して曲げ可能であることに起因して、操縦可能な器具の遠位端部13に、互いに独立している位置及び長手方向軸方向を与えることが可能である。特に、遠位端部13は、好都合なS字のような形状を取り得る。当業者は、ゾーン152及び154を互いに対して独立して曲げる能力は、遠位端部13、それゆえ操縦可能な器具全体の操作性を著しく高めることを理解するであろう。
【0059】
明らかに、操縦可能な器具の遠位端部13及び近位端部11の曲げ半径及び全長に関する特定の要件に適応させること、又は近位端部11の少なくとも一部と遠位端部13の少なくとも一部との間の曲げの増幅比若しくは減衰比に適応させることに関しては、図7~9に示す可撓性部分の長さを変えることが可能である。
【0060】
図示の実施形態では、長手方向操縦要素は、1つ以上の中間シリンダー状要素102、103の一体部を形成する1組以上の長手方向操縦要素を含む。好ましくは、長手方向操縦要素は、中間シリンダー状要素102、103の壁に、残りの長手方向操縦要素を規定する長手方向スリットが設けられた後の、中間シリンダー状要素102、103の壁の残りの部分を含む。
【0061】
図10は、操縦可能な器具の例の3D図を示す。同様の参照符号は、他の図面におけるものと同じ要素を指す。それらの説明はここでは繰り返さない。器具は、5個の同軸上のシリンダー状要素202~210を含む。内側シリンダー状要素210が中間シリンダー状要素208によって囲まれており、これは中間シリンダー状要素206によって囲まれており、これは中間シリンダー状要素204によって囲まれており、これは、最終的に、外側シリンダー状要素202によって囲まれている。内側中間シリンダー状要素は、可撓性のらせん状スプリングで作られ得る。器具の近位端及び遠位端のそれぞれが、参照符号226及び227でそれぞれ示されている。
【0062】
図示の通り、ここでは、器具76は、可撓性ゾーン72と可撓性ゾーン74との間のその中間部に可撓性ゾーン77を含む。すなわち、中間シリンダー状要素204(可撓性ゾーン77の領域において外側面に位置する)は、スロット付き構造を備えて、中間シリンダー状要素に所望の可撓性をもたらす。可撓性ゾーン77におけるスロット付き構造の長手方向長は、所望の応用次第である。それは、可撓性ゾーン72と74との間の部分全体と同じ長さとしてもよい。中間シリンダー状要素204内の他の全てのシリンダー状要素206、208、210も、可撓性ゾーン77において可撓性である。可撓性ゾーン77において長手方向操縦要素を有するそれらのシリンダー状要素は、定義として、可撓性である。他のものは、好ましくは好適なスロット付き構造によって作られた、好適なヒンジを備える。
【0063】
体内の手術されるべきいくつかの箇所は、特別に設計された器具を必要とする。例えば、器具の中間部12を完全に可撓性にすることによって、器具はまた、結腸、食道を経由する胃、又は湾曲した血管を経由する心臓のような、湾曲した自然のアクセスガイド/チャンネルを経由してのみアクセス可能な体内の領域において使用されることができる。
【0064】
器具は、例えば、結腸鏡として使用されるように設計され得る。図11は、使用中の結腸鏡42の概略図を示す。結腸鏡42は人体の結腸30に挿入されている。一般に、結腸30は、いくつかのほとんど直角にされたセクション32、34、36、及び38を有する。外科医が、直角セクション32から上流の結腸30の領域を手術する必要がある場合、結腸鏡42は、1.5メートルまでの距離に沿って結腸30に挿入される必要がある。さらに、結腸鏡42は、結腸30の内壁を損傷させるリスクなく、肛門から結腸30の全ての直角にされたセクション32~38を通って簡単に案内され得るように可撓性である必要がある。
【0065】
操作中、通常、いくつかの侵襲的な器具が結腸鏡42を通して挿入され、その遠位端44に、いくつかの機能のために1つ以上のツールが提供される。結腸鏡検査では、そのようなツールは、一般に、カメラレンズ及び照明要素を含む。外科医が、カメラの視野を結腸30内の所望の箇所及び視野へ操縦するのを支援するために、一般に、遠位端は、全ての角度方向において長手方向軸から偏向可能である。これはまた、挿入された器具をツール2で保持する。それは、そのような器具に、図5~10に示す器具の撓み可能なゾーン16、17のような1つ以上の撓み可能なゾーンを提供することによって、実現され得る。これらの遠位の撓み可能なゾーンは、器具の近位端において好適な操縦機構に接続された器具に収容される好適な操縦ケーブルによって制御される。
【0066】
図12は、使用中の胃鏡56の概略図を示す。胃鏡56は、口、口腔/咽喉54及び食道52を経由して人体の胃50に挿入される。特に、外科医が胃50の下方部分を手術する必要があるとき、胃鏡56は、いくつかの湾曲した/角度の付けられたセクションを通って案内される必要がある。それゆえ、胃鏡56は、口/咽喉54、食道52及び胃50の内壁を損傷させるリスクがほとんどないように、可撓性である必要がある。
【0067】
操作中、通常、その遠位端59におけるいくつかの機能のために1つ以上のツールを提供するために、胃鏡56を用いて、いくつかの侵襲的な器具が挿入される。胃鏡検査では、そのようなツールは、一般に、カメラレンズ及び照明要素を含む。外科医が、カメラの視野を胃50内の所望の箇所及び方向へ操縦するのを支援するために、一般に、胃鏡56の遠位端59は、全ての角度方向において長手方向軸から偏向可能である。これはまた、ツール2によって挿入された器具を保持する。それは、そのような器具に、図5~10に示す器具の撓み可能なゾーン16、17のような1つ以上の撓み可能なゾーンを提供することによって、実現され得る。これらの遠位の撓み可能なゾーンは、これらの器具の好適な操縦機構に接続される、好適な器具内に収容された好適な操縦ケーブルによって制御される。
【0068】
本発明による器具は、そのような大腸内視鏡及び胃鏡で使用され得る。このような器具に対する要件は、これらが高い回転剛性、高い長手方向剛性、その全長に沿った可撓性、及び例えば1mを超える長い器具の場合でもその撓み可能ゾーンにおける撓み性を示し、且つ大腸内視鏡及び胃鏡内の又はこれらに取り付けられたワーキングチャネルに適合する比較的小さな直径を有することであり得る。
【0069】
侵襲的器具の遊び
特に図11に示すような用途のために設計された器具の場合、遊びは、長手方向及び接線方向の両方において最小限に維持されるべきである。遊びが少ないほど、器具の遠位端にあるツールの動きの、近位端からの制御がより直接的になる。本文書は、そのような器具における遊びが、とりわけ、円筒状要素の隣接する部分間、例えば円筒状要素に切り込まれたヒンジの隣接する部分間、又は円筒状要素に切り込まれた長手方向操縦要素間のスリットからいかにして生じるかを説明する。
【0070】
侵襲的器具のヒンジの長手方向及び/又は接線方向の遊びの課題について、図13a~図13cを参照して説明する。しかしながら、従来技術から周知の及び/又は未開発の他の構造のヒンジにも同様又は同一の課題が存在する可能性がある。したがって、ヒンジの遊びの解決策は、図13a~図13cの例に限定されず、円筒状要素(又は管)で作られる任意のタイプのヒンジに関連する。
【0071】
図13a~図13cは、上記で示される円筒状要素2、4、101、102、103、104、202、204、206、208及び210のいずれかであり得る、円筒状要素1300のヒンジ1302の一連の隣接するヒンジセグメント1308の一部分の概略外形図を示す。図示の例では、隣接するヒンジセグメント1308の一方は凸状(円形)部1304を有し、他方は、1つの凸状部1304を収容する凹状部1306を有する。そのような凹状部1306内に1つのそのような凸状部1304を有する構造は、典型的なヒンジの一部であり得る。凸状部1304は、異なる部分1304及び部分1306がどのように設計されているかによって、隣接する凹状部1306内である程度回転することができる。ヒンジ1302が行うことのできる全曲げ角度は、ヒンジセグメント1308の数に依存する。
【0072】
図13a~図13cに示される構造は、この実施形態では、円筒状要素1300の一方の側に存在し、図13a~図13cに対して接線方向に180°回転させた反対側にも同様に存在する。図示の実施形態では、1つの凸状部1304及び1つの凹状部1306の後続の組は、図示のヒンジ1302が図面の表面内でのみ曲がることができるように、同じ接線方向位置を有する。1つの凸状部1304及び1つの凹状部1306の後続の組の接線方向位置を約90°交互させることにより、ヒンジ1302は、当業者に周知のように、全方向に曲げられる。
【0073】
図13aに示すようなスロット付き構造を有するヒンジの例は、例えば本出願人の国際公開第2020/080938号パンフレットの図16A及び図16E図16Hに見ることができる。同様の構造は、米国特許第5,807,241号明細書にも見ることができる。本発明は、全てのそのようなヒンジの遊びに対処するが、これらの従来技術の文献の例に限定されない。
【0074】
操縦要素の長手方向応答の損失は、図13bに示すように、ヒンジの数にヒンジあたりの遊びを掛け合わせたものに等しい。図13bは、図の右側から左側に作用するように示される力1310によってヒンジ1302がその長手方向にどのように押し付けられるかを示す。しかしながら、長手方向押力は、他の力からも生じることがある。長手方向押力1310の結果及び静止状態においてヒンジ1302に存在する遊びにより、凸状部1304及び凹状部1306の1つ以上が、互いに接触するまで凸状部1304及び凹状部1306の1つの組の遊びに等しい距離に沿って長手方向に互いに移動する。
【0075】
実際には、例えば胃腸用途に使用される長い操縦可能器具は、最大2メートルの長さであり得、200~800個のヒンジセグメント1308を有することができる。典型的なヒンジセグメント1308あたりの遊びは、凸状部1304及び凹状部1306の組間のスロットの幅に等しく、約0.02mmであり得る。したがって、長手方向遊びの合計は4~16mmの大きさになり得る。これは、4~16mm未満での長手方向操縦要素の作動では、遠位端における先端の操舵が生じないことを意味する。長手方向の遊びは、長手方向操縦要素にプレテンションをかけることにより最小限にすることができる。器具を組み立てるとき、全ての長手方向操縦要素を同時に引くことで、ヒンジの長手方向の遊びを減少させることができる。操縦要素の作動端部をこのプレテンション位置に固定することにより、長手方向の遊びを恒久的に減少させる。しかしながら、これは、長手方向の遊びのみにおいて行うことができ、接線方向及び半径方向の遊びにおいては行うことができない。
【0076】
図13bは、接線方向の遊びを明らかにする。接線力1312がヒンジ1302に作用すると、ヒンジセグメント1308の凸状部1304及び凹状部1306は、製造プロセスから生じるそれらの間のスロットの接線方向の遊びに応じた程度まで互いに対して回転する。
【0077】
例えば、この場合も、各スロットは0.02mmの幅であり得、したがって、200~800個のヒンジセグメント1308を有する器具の全ヒンジの接線方向の遊びの合計はまた、1つの方向において4~16mmであり得、これは、器具が例えば4mmの直径を有するとき、器具の近位端と遠位端との間の接線方向の遊びは、1つの接線方向において約115度~458度であり得ることを意味する。一方の最終位置から他方向の最終位置まで回転させると、その遊びの2倍にさえなる。また、回転応答の損失は、ヒンジセグメント1308の数とヒンジあたりの遊びセグメント1308とを掛け合わせたものに等しい。
【0078】
あるパターンのスロットを円筒状要素に設けることにより得られる長手方向操縦要素16、120/120a、130/130aを備える侵襲的器具もまた、そのような長手方向操縦要素16、120/120a、130/130aに関する遊びに苦慮している。例えば、図3bを参照すると、長手方向操縦要素16の部品62、66でさえ、スロットを生成するために使用される(レーザ)ビームの幅ほど小さな狭いスロットによって、隣接する長手方向操縦要素16の部品から分離されている。これらのスロットは、図13a~図13cに示されるヒンジを参照して説明されるものと同じ、器具の接線方向の遊びを生じさせる。
【0079】
長手方向操縦要素がプッシュ操縦アクチュエータとして使用され、要素が接線方向の遊びを有する場合、要素は、接線方向に座屈する余地がある。器具の近位端で長手方向操縦要素をある距離にわたって押すと、この座屈によって変位の一部が失われ、変位の一部のみが器具の遠位端に伝達される。したがって、操縦応答に悪影響を及ぼし、操縦挙動にヒステリヒスが存在することになる。また、座屈によって、長手方向操縦要素と隣接要素との間に接触点、したがって摩擦発生点が発生し、これもまた、器具の操縦に悪影響を及ぼす。これについては図14aを参照して更に説明する。
【0080】
図14aは、図2の部分XIVaを拡大縮尺で示す。図14aは、2つの隣接する長手方向操縦要素16の間の長手方向操縦要素16を示す。しかしながら、それ自体は長手方向操縦要素ではない円筒状要素の他の部分の間の長手方向要素16(及び図7の長手方向操縦要素120/120a、130/130a)の部分についても同じ課題が存在する。図14aは、長手方向操縦要素16に、その端部の一方、ほとんどの場合は近位端から、反対端部、ほとんどの場合は遠位端に向かって押力が加えられた状態の長手方向操縦要素16を示す。押力は、屈曲可能な遠位部分の曲げを制御するために、長手方向操縦要素16を近位端から遠位端に向かって押すことにより生じ得る。結果として、長手方向操縦要素16は、器具の半径方向に見られるように波形の形態をとることがあり、波形の最大振幅は、2つの隣接する長手方向操縦要素16間の距離によって決定される。このことは、長手方向操縦要素16の座屈及び長手方向操縦要素16による「遊びの除去」によって生じる悪影響を器具の性能に及ぼす可能性がある。これにより、器具の作動端部における変位の損失が生じ、操縦応答に悪影響を及ぼし、例えば、先端の所望よりも小さい偏向角度が得られる可能性がある。
【0081】
しかしながら、接線方向の遊びとは別に、長手方向操縦要素16、120/120a、130/130aは、図14bを参照して説明するように、半径方向の遊びも呈し得る。図14bは、図1にXIVbで示される器具の部分の拡大図を示す。同じ参照番号は、同じ構成要素を指す。参照番号22は、器具の中心軸線を指す。
【0082】
上記で説明したように、典型的な器具は、器具を組み立てるために互いに滑り入れられる円筒状要素2、3、4から作成され得る。これを行うことができるように、円筒状要素2、3、4は、ある量の遊びを有していなければならない。図14bに示すような遠位端の断面図では、下方に示される長手方向操縦要素16は近位端から引かれるのに対し、上方の長手方向操縦要素16は近位端から押される。結果として、器具の屈曲可能な遠位部において、下方の長手方向操縦要素16は、例えば外側円筒状要素4の可撓性部分18に接触するように下方に押される。これとは対照的に、器具の屈曲可能な遠位部において、上方の長手方向操縦要素16は、例えば外側円筒状要素4の可撓性部分18に接触するように上方に押される。
【0083】
これもまた、長手方向操縦要素16の座屈及び長手方向操縦要素16による「遊びの除去」によって生じる悪影響を器具の性能に及ぼす可能性がある。このようにして、半径方向の遊びも、器具の作動端部における変位の損失をもたらし、操縦応答に悪影響を及ぼし、例えば、先端の所望よりも小さい偏向角度が得られる可能性がある。
【0084】
侵襲的器具の遊びに対する解決策
別々に機械加工され、組み立てられた部品からできた器具において、長手方向、接線方向、及び半径方向の遊びは、別個の部品の寸法及び公差を管理することにより管理することができる。遊びが器具の性能に対して強く影響する可能性のため、これらの部品は、通常、狭い公差で作成される必要がある。これにより、部品の製造が高額になり、多くの場合、正確に組み立てることが困難になる。必要な部品又は要素が一体的に機械加工される管からできた器具では、部品間の遊びが、材料除去手段の幅よりも小さい量に減少する可能性はない。材料除去手段は、材料を溶融させて蒸発させるレーザビーム、又はウォータジェット切断ビームであり得、このビームは、0.01~2.00mm、この用途においてより典型的には、0.015~0.04mmの幅を有し得る。
【0085】
部品又は要素の寸法及びそれらの間の遊びを管理するために、追加の製造アクションを用いる必要がある。本発明は、異なるタイプの遊びが求められるレベルに設定されるように、ヒンジ、長手方向操縦要素、及び他の特徴をレーザ切断/水切断することにより、前述の全ての方向の遊びを管理する方法を記載する。
【0086】
しかしながら、本発明の実施形態を説明する前に、従来技術の国際公開第2020/080938号パンフレットの図16A図18A図18Eから周知の、ヒンジの遊びを減少させる製造方法の概要を記載する。これらを、ここで、図15a~図15fとして繰り返す。本発明の実施形態は、これらの図の例にも適用することができる。
【0087】
図15aは、円筒状要素のヒンジ1502の一例を示す。4つの隣接するヒンジセグメント1508が示されている。ヒンジ1502は、左手側に示されるように、管要素の周方向スロット1573を含むスロット付き構造1572を有する。スロット1573は周方向に延びる。
【0088】
スロット1573は、両方とも周方向に延びる2つの対向する側壁を有する。スロット1573は、1つのそのような側壁から長手方向に、ここでは遠位方向に延び、中心点1583を有する円の一部分に沿ったチャネルとして形成された湾曲スロット1585を有する。円の一部分として形成され、湾曲スロット1585の形態に一致するリップ1587が、対向する側壁からこの湾曲スロット1585内に延びる。
【0089】
スロット1573は、1つの側壁から長手方向に、ここでは遠位方向に延び、湾曲スロット1585が沿って延びる円と同じ円の一部分に沿ったチャネルとして形成された更なる湾曲スロット1581を有する。円の一部分として形成され、湾曲スロット1581の形態に一致するリップ1579が、対向する側壁からこの湾曲スロット1581内に延びる。
【0090】
リップ1587とリップ1579と間に対称に位置するスロット付き構造は、レーザ切断/水切断により生じた小さなスロットによって対向して位置する凹状円形セクション1575から分離された円形外面を有する凸状セクション1577を含む。凸状セクション1577と凹状セクション1575は、凸状セクション1577が中心点1583を中心に凹状セクション1575内で回転することができるように、一致する円形外面を有する。
【0091】
接線方向に180°回転させた円筒状要素の他方の側に、スロット付き構造は、2つの更なるリップ並びに嵌合する凸状セクション及び凹状セクションを有する同一の形状を有する。したがって、スロット1573の両側にある管要素の2つのヒンジセグメント1508は、互いに対して偏向するように、2つの中心点1583を中心に互いに対して「回転する」ことができる。リップ1579、1587は、そのような回転中、湾曲スロット1581、1585内で移動し、余分な摩擦をもたらさない。リップ1579、1587は、管要素全体をその長手方向中心軸線の周りで回転させるときに、管要素に対して追加の接線方向安定性を提供する。これは、トルク剛性の増大における重要な助けとなる。これらは、リップ1579、1587を囲むスロット1581、1585の幅によって決定される所定の接線方向の遊びを画定する。
【0092】
以下、例えばヒンジセグメント1508の周りの円筒状要素の曲げを可能にするための2つの隣接するヒンジセグメント1508を含む円筒状要素についてより詳細に説明する。スロット付き構造は、ヒンジの対向する円筒状要素部分が所定の最大角度まで曲がることを可能にする。
【0093】
切断プロセスの直後、スロット1573の両側にあるヒンジの対向ヒンジセグメント1508は、2つの対向ヒンジセグメント1508が互いに対して回転すると例えば破壊されるように設計された1つ以上の破断要素1589によって依然として互いに取り付けられている。
【0094】
図15aに示すように、凸状セクション1577と凹状セクション1575との間のスロット1573は、凸状セクション1577と凹状セクション1575が小さなブリッジ1589の形態の1つ以上の破断要素によって互いに接続されるように、1回以上中断されている。これらの小さなブリッジ1589は、図15b~図15dを参照してより詳細に説明するように、「破断要素」として機能する。即ち、これらの破断要素1589は、器具が製造されるときに、凸状セクション1577が凹状セクション1575に対して所定の力で回転すると破壊されるように非常に弱く意図的に作られている。破壊される前、破断要素1589は、円筒状要素を他の円筒状要素内に挿入するとき又は他の円筒状要素を円筒状要素に挿入するときに円筒状要素をより容易に操作することができるように、円筒状要素に所定の追加の剛性を付与する。破壊されると、破断要素1589は、もはや役割を果たさず、凸状セクション1577は凹状セクション1575内で自由に回転することができる。
【0095】
スロット1573から所定の長手方向距離離れたところに、円筒状要素は同一のスロットを含むが、このスロットは、スロット1573に対して接線方向に90°回転されている。したがって、前記所定の長手方向距離に2つの更なる回転点が提供され、円筒状要素は、この2つの更なる回転点を中心に回転することができるが、この場合、中心点1583によって可能になる回転の方向に対して垂直な方向に回転することができる。
【0096】
スロット1573から更に所定の長手方向距離離れたところに、スロット1573によって画定される構造が再び繰り返されるが、この場合、スロット1573によって形成されるものと同一である。これらの交互構造は、長手方向に数回繰り返される。したがって、円筒状要素は、互いに所定の長手方向距離離れたところに接線方向に90°回転した回転中心を含み、円筒状要素が全方向に撓むことを可能にする。
【0097】
図15bは、破断要素1589を使用中、凸状セクション1577が凹状セクション1575内に位置している場所の例えば外側円筒状要素4のスロット1573をどのようにして狭くすることができるかを示す。図15bは、図15aに示すスロット付き構造1572の、その製造直後の拡大部を示す。凸状セクション1577は、したがって、複数の破断要素1589によって凹状セクション1575に依然として取り付けられていることを示す。さらに、リップ1587及びリップ1579は、1つ以上の破断要素1589によって円筒状要素4の対向部分に依然として取り付けられている。
【0098】
そのような破断要素1589は、以下のように作成することができる。スロット1573は、例えば、所定のエネルギー及び幅を有するレーザビーム又は水ビームを、例えば円筒状要素の厚さ全体を切断するように円筒状要素に向けることによって作成される。レーザビームは、円筒状要素外面に対して、例えばその外面に対してレーザ源を移動させることにより移動する。しかしながら、破断要素1589が形成される位置においては、レーザビームは特定の期間にわたって中断される一方で、レーザ源は円筒状要素外面に対して依然として移動する。
【0099】
上記で説明したように、スロット付き構造1572の異なる部分を互いに対して最初に偏向させるときに、これらの破断要素1589は破断する。このような破断要素1589の大きな利点は、破断した後、破断要素1589の2つの反対側の間の距離が、レーザ切断から生じるスロットの幅よりも(はるかに小さくなる)ことである。この距離は、実質的に0μmと言われることがあり、対向する部品間の極めて小さい遊びをもたらす。結果として、凸状セクション1577と凹状セクション151575との間の遊びが減少する。
【0100】
図15c及び図15dは、第1の実施形態のそのような破断要素1589をより詳細に示す。即ち、図15cは、図15bに示す部分XVcの拡大図である。湾曲スロット1585は、3つの部分1585(1)、1585(2)、及び1585(3)を有するように示されている。これら3つの部分1585(1)、1585(2)、及び1585(3)は共に、U字形のチャネルを形成しており、部分1585(1)及び部分1585(2)は長辺を形成し、部分1585(3)は、U字形のチャネルの短い下側の底辺を形成している。リップ1587は、部分1585(1)、部分1585(2)、及び部分1585(3)によって囲まれている。
【0101】
スロット1573と同様に、部分1585(1)、部分1585(2)、及び部分1585(3)は、円筒状要素4の例えばレーザ切断又は水切断によって形成される。部分1585(1)及び部分1585(2)の幅h(2)は、同じであってもよく、これら部分1585(1)、部分1585(2)を作成するために使用されるレーザ(又は水)ビームの幅に実質的に等しくてもよい。部分1585(3)の大きさは、リップ1587が湾曲スロット1585内で移動できるべき経路長さに依存する。そのような切断アクションの直後、リップ1587は破断要素1589によって円筒状要素4の対向部分に依然として取り付けられている。上記で説明したように、これは、例えば、別の円筒状要素が円筒状要素4に挿入されるとき又は円筒状要素4が別の円筒状要素に挿入されるときに円筒状要素4をより容易に処理することができるように、切断プロセス後に円筒状要素4により高い剛性を付与する。
【0102】
上記で説明したように、使用時、図15b~図15dに示されるスロット付き構造はヒンジ1502の一部である。スロット付き構造が位置する円筒状要素4の部分が曲げられると、力Fdが作用し、これによって、リップ1587が湾曲スロット1585の外側に移動する。実際の力Fdは、リップ1587が湾曲スロット1585内で移動するように、図15cに示すものとは逆の方向であってもよい。円筒状要素4を曲げることにより生じる力Fdによって、破断要素1589は、リップ1587が湾曲スロット1585内で自由に移動できるように破断する。
【0103】
図15dは、破断要素1589の各1つが2つの対向する分離された破断要素部分1589aと1589bとに破断することを示す。一実施形態では、各破断要素1589は所定の幅を有し、破断要素部分1589a、1589bは、互いに面するそれらの外面において実質的に同じ幅を有する。したがって、使用時、これら破断要素部分1589a、1589bは、破断要素部分1589a、1589bの互いに対する移動がこの幅よりも大きくない限り、それらの外面が互いに面した状態で互いに接触する。有利な実施形態では、幅は、スロット1573の幅によって可能になるそれらの最大可能相対移動においても破断要素部分1589a、1589bが依然として互いに接触するほど非常に大きい。したがって、スロット付き構造の接線方向の遊びは、最小限に維持される。
【0104】
図15e及び図15fは、破断要素1589の更なる実施形態を示す。図15e及び図15fの破断要素1589は、図15c及び図15dと同じ形態を有し得る。しかしながら、ここでは、隣接する破断要素1589間の距離w(1)は、破断要素1589自体の幅w(2)よりも小さい。図15c及び図15dでは、隣接する破断要素1589間のこの相互距離が個々の破断要素1589の幅よりも大きい状況が示されている。結果として、図15e及び図15fの実施形態では、リップ1587と円筒状要素4の対向する側が幅w(1)に等しい距離よりも大きな距離に沿って互いに対して移動する(図15fを参照)場合でも、破断要素部分1589a、1589bの1つ以上が依然として互いに接触し得る。なぜなら、これらは隣接する破断要素1589間の空間内で移動することができないからである。即ち、この空間は小さすぎてそのような破断要素1589を収容することはできない。これにより、接線方向に更に大きな遊びのない容量が提供される。
【0105】
図15bを再度参照すると、凸状セクション1577と凹状セクション1575との間の破断要素1589は、同様に設計されている。したがって、凹状セクション1575内で凸状セクション1577を所定の力で回転させることにより、破断要素1589は破断し、各破断要素1589は、2つの破断要素部分1589a及び1589bを残す。これら後者の破断要素部分1589aと破断要素部分1589bは、図15dに示すように同じ形態及び機能を有する。即ち、スロット付き構造は、この構造によって回転が妨げられるまで凸状セクション1577が凹状セクション1575内で回転することができるように構成されている。破断要素1589は、破断された後、破断要素部分1589a及び破断要素部分1589bが、全最大可能回転中に、互いに面し、常に互いに接触する表面を有するような幅を有する。見て分かるように、したがって、製造後であっても、凸状セクション1577と凹状セクション1575は、凸状セクション1577と凹状セクション1575との間の長手方向の遊びが最小限に維持されるように、互いに接触している。
【0106】
そのような破断要素1589を有して作成されるヒンジセグメント1508を形成する可撓性円筒状要素4のスロット付き構造が多くなるほど、接線方向及び長手方向の両方に遊びのない特性を示すヒンジセグメント1508が多くなる。結果として、接線方向及び長手方向の両方の遊びが大幅に減少した可撓性円筒状要素4を作成することができ、これは特に、長い器具、例えば1メートルよりも長い器具に関する有利な特徴である。
【0107】
破断要素1589は、以下のように設計されるべきである。破断される前、各破断要素1589は円筒状要素4の対向部分に取り付けられている。円筒状要素4のこれら対向部分は、破断要素1589の応力が周囲の材料及び/又は構造の応力よりも高くなるような幾何学的形状を有する。したがって、撓み又は十分に高い力が破断要素1589を有する構造に加えられた場合、破断要素の応力は管材料の降伏点応力を超えて上昇し、破断要素1589の永久撓みを引き起こす。更に大きな撓み又はより高い力を加えると、応力が極限引張応力に達し、破断要素1589の破断を引き起こす。破断要素を破壊する他のメカニズムは、破断要素1589に低又は高サイクル疲労を加えることによって達成される。破断要素1589の応力は疲労限界を超えて上昇し、疲労破断を引き起こす。全ての場合において、周囲の構造/材料の応力は、少なくとも管材料の降伏点応力未満に留まる。
【0108】
図16a及び図16bは、本発明に従って遊びを減少させた2つの対向ヒンジセグメント1608を有するヒンジの一実施形態を示す。図16a及び図16bは、非常に概略的なものに過ぎない。これらは、図15a~図15fのヒンジ1502、又は凸状部1677を有するヒンジセグメント1608と凹状部1675を有するヒンジセグメント1608とを有し、凸状部1677は、凹状部1675内で回転するように配置及び構成されている円筒状要素に切り込まれた任意の他のタイプのヒンジに関連し得る。凸状部1677の外縁部1603は鋸歯状であり、凹状部1675の外縁部1601も鋸歯状である。
【0109】
凸状部1677の鋸歯状の外縁部1603は、伸張部1603aと、各2つの隣接する伸張部1603aの間の陥凹部1603bとを有する。伸張部1603a及び陥凹部1603bの両方は、中心点1683を中心に円に沿って延びる円形を有し得る。しかしながら、それらは、任意の他の適切な形態を有してもよい。図示の実施形態では、陥凹部1603bは、第1の半径r1を有する第1の円に沿って延びる。伸張部1603aは、第1の半径r1よりも大きな第2の半径r2を有する第2の円に沿って延びる。
【0110】
凹状部1675の鋸歯状の外縁部1601は、伸張部1601aと、各2つの隣接する伸張部1601aの間の陥凹部1601bとを有する。伸張部1601a及び陥凹部1601bの両方は、中心点1683を中心に円に沿って延びる円形を有し得る。しかしながら、それらは、任意の他の適切な形態を有してもよい。図示の実施形態では、伸張部1601aは、第3の半径r3を有する第3の円に沿って延びる。陥凹部1601bは、第3の半径r3よりも大きな第4の半径r4を有する第4の円に沿って延びる。
【0111】
図16aは、製造された直後の、未だ一切使用されていないステータスにあるヒンジを示す。本明細書の目的において、これは、ヒンジの「製造後状態」と呼ばれる。凸状部1677の鋸歯状の外縁部1603と凹状部1675の鋸歯状の外縁部1601は、円筒状要素から両ヒンジセグメント1608を(レーザ)切断することにより生じるスロット1605によって互いに分離されている。このスロット1605は、その全長に沿って、例えば医療用途では0.01~2.00mmの範囲、この用途においてより典型的には0.015~0.04mmの一定の幅を有し得る。
【0112】
一実施形態では、第2の半径r2は、第3の半径r3にほぼ等しい。即ち、これらは、r2又はr3の10%未満、好ましくは5%未満であり得る製造公差内で等しくてもよい。図示の実施形態では、第2の半径r2は、第3の半径r3よりも大きくない。この理由は、図16bの説明から明らかになるであろう。代替的な定義は、伸張部1603aが、最大で、隣接する陥凹部1603bと対向する伸張部1601aとの間のスロット1605の幅(又は距離)にほぼ等しい高さを有することであり、「ほぼ等しい」とは、この場合も、製造公差内で等しい、即ち、高さ及び距離が10%以下、或いは5%以下、又は更に或いは1%以下だけ異なることを指す。
【0113】
図16aは、互いに対して回転されていない製造後状態の凸状部1677及び凹状部1675を示す。図16bは、凸状部1677と凹状部1675とを中心点1683を中心に互いに対して回転させた状態の凸状部1677及び凹状部1675を示す。図示の実施形態では、凸状部1677と凹状部1675が互いに対して回転すると、凸状部1677の伸張部1603aが凹状部1675の伸張部1601aに当接するように、第2の半径r2と第3の半径r3はほぼ等しい。凸状部1677が、その外縁部1603に沿って配分された複数の伸張部1603aを有し、凹状部1675が、その外縁部1601に沿って配分された複数の伸張部1601aを有する場合、伸張部1603aのいくつかは、伸張部1601aのいくつかに当接し得る。厳密な設計に応じて、伸張部1603aのいくつかは、中心点1683を中心にα度の円弧に沿って伸張部1601aのいくつかに当接してもよく、ここで、αは、45度より大きくてもよいが、代替的に、αは、180度より大きくてもよい(図16a及び図16bと同様)。
【0114】
凸状部1677の1つ以上の伸張部1603aが凹状部1675の1つ以上の伸張部1601aに当接する位置において、それらは、中心点1683から見て、互いに向かって半径方向にそれ以上移動することはできない。したがって、回転したステータスにおいて、当接する伸張部1603aと伸張部1601aとの間の遊びは取り除かれている。設計によっては、遊びは、ヒンジが作られた円筒状要素の長手方向又は接線方向の少なくとも一方で除去されている可能性がある。
【0115】
凸状部1677の外縁部1603は、各伸張部1603aと各隣接する陥凹部1603bとの間に移行縁部を有する。凹状部1675の外縁部1601は、各伸張部1601aと各隣接する陥凹部1601bとの間に移行縁部を有する。外縁部1603の移行縁部と外縁部1601の移行縁部は、製造後、切断プロセスから生じるスロット1605の幅と同じ広さの距離だけ互いに分離される。対向する外縁部1603の移行縁部と外縁部1601の移行縁部との間の位置にあるスロット1605の幅は、外縁部1603及び外縁部1601の他の対向部分間の位置にあるスロット1605の幅と同じ広さであり得るが、これは必須ではない。
【0116】
対向する外縁部1603の移行縁部と外縁部1601の移行縁部との間の位置にあるスロット1605の幅が凸状部1677の半径に対して非常に小さい場合、凸状部1677と凹状部1675との間の非常に小さな回転のみが、凹状部1675の伸張部1601aに当接する凸状部1677の伸張部1603aにおいて生じる。したがって、2つの隣接するヒンジセグメント1608が長手方向に整列されるとき、即ち製造ステータスに等しいステータスのときにのみ、それらは、互いに対して、スロット1605の幅と同じ大きさのいくらかの遊びを示す。しかしながら、特定の偏向角度βに関して相対的に回転した(又は偏向した)ステータスでは、全ての遊びは取り除かれ得る。典型的な例では、そのような偏向角度βは、5度未満、又は更には3度未満、又は1度未満であり得る。使用時、侵襲的器具の多くの隣接するヒンジセグメントは、例えばそれらが挿入される管、例えばヒトの腸管の湾曲により、ほぼβより大きい角度で互いに偏向する可能性がある。したがって、使用時、ヒンジの遊びの高い割合が図16a及び図16bの実施形態によって減少する可能性がある。
【0117】
伸張部1603aが、隣接する陥凹部1603bと対向する伸張部1601aとの間のスロット1605の幅よりも小さな高さを有する場合、ヒンジの回転した状態においていくらかの遊びが残る。
【0118】
伸張部1603aが、隣接する陥凹部1603bと対向する伸張部1601aとの間のスロット1605の幅よりも大きな高さを有する場合、ヒンジは、回転することができない又は著しい摩擦を伴って回転する。したがって、これは避けるべきである。
【0119】
外縁部1603の移行縁部及び対向する外縁部1601の移行縁部が、ヒンジを回転させようとするときに(図16cを参照)互いの後方で引っかかることを防止するために、一実施形態では、これら外縁部1603の移行縁部及び外縁部1601の移行縁部は、中心点1683及び移行縁部を通る線に平行ではなく、この線に対して角度を成す、即ち、それらは、伸張部1603a及び伸張部1601aがテーパ状の形態を有するように面取りされている。これは、図16d、図16eに示されている。移行縁部と陥凹部1603との間の外向きの角度は鈍角である。したがって、伸張部1603aは、伸張部1601aに少なくとも部分的に対向する位置に容易に移動させることができる。
【0120】
図17a~図17cは、同様の原理を隣接する長手方向要素間にどのように適用することができるかを示す。図17a~図17cの各1つは、3つの隣接する長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)を示す。しかしながら、長手方向要素16(2)のみが長手方向に移動可能であるように、長手方向要素16(1)及び長手方向要素16(3)のいずれか一方を、器具の長手方向に移動できない円筒状要素の一部分に置換することができる。さらに、3つを超える隣接する長手方向要素が存在してもよい。図17aは、要素が製造された直後の、未だ一切使用されていないステータスを示す。本明細書の目的において、これは、互いに関連する要素の「製造後状態」と呼ばれる。図17b及び図17bは、相対変位後のステータスを示す。
【0121】
製造プロセスの直後、長手方向要素16(2)と長手方向要素16(1)との間、及び長手方向要素16(2)と長手方向要素16(3)との間にスロット1705がある。長手方向要素16(2)の両側のスロット1705は、同じ寸法を有してもよいが、異なっていてもよい。いずれのものも一定の幅を有してもよいが、これは必須ではない。
【0122】
製造直後のステータスに対応する図17aのステータスにおいて、長手方向要素16(2)は、1つの長手方向側面に、長手方向要素16(1)の陥凹部1701bに向けて延びる少なくとも1つの伸張部1702a1を有する。伸張部1702a1に隣接して、長手方向要素16(2)は、長手方向要素16(1)の伸張部1701aに対向する陥凹部1702b1を含む。長手方向要素16(2)は、そのような陥凹部1702b1を伸張部1702a1の両側に備え得る。同様に、長手方向要素16(1)は、陥凹部1701bの両側に伸張部1701aを備え得る。実際には、図示の構造は、器具の長手方向に沿って繰り返されてもよい。
【0123】
また、図17aのステータスでは、長手方向要素16(2)は、その、他の長手方向側面に、長手方向要素16(3)の陥凹部1703bに向けて延びる少なくとも1つの伸張部1702a2を有する。伸張部1702a2に隣接して、長手方向要素16(2)は、長手方向要素16(3)の伸張部1703aに対向する陥凹部1702b2を含む。長手方向要素16(2)は、そのような陥凹部1702b2を伸張部1702a2の両側に備え得る。同様に、長手方向要素16(3)は、伸張部1703aを陥凹部1703bの両側に備え得る。
【0124】
伸張部1702a1及び伸張部1702a2は、一実施形態では、各々の周囲スロット1705の幅に等しい又はこれよりも小さい各々の高さを有する。
【0125】
図17aのステータスでは、長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)は、それらの間の各々のスロット1705の幅に等しい相互の遊びを示す。これら長手方向要素16(1)、16(2)及び16(3)が円筒状要素の材料から切り出される円筒状器具では、この相互の遊びは接線方向の遊びである。
【0126】
この場合も、医療用途において、器具は、例えば4mmの直径を有し得、スロット1705は、0.01~2.00mm、この用途においてより典型的には、0.015~0.04mmの幅を有し得る。例えば1mを超える長い器具では、長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)も1mより長い場合がある。そのような器具では、このスロット幅は、近位端を遠位端に対して接線方向に回転させたときの器具の接線方向の遊びの合計にかなりの影響を及ぼす可能性がある。これは、器具の応答性に非常に高程度に影響する可能性がある。また、及びより重要なことに、接線方向の遊びは、長手方向要素が圧縮荷重下で座屈する余地を与える。したがって、上記で説明したように、この座屈の余地は、操縦応答に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0127】
図17a~図17cは、全ての長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)に陥凹部及び伸張部を示すが、一実施形態では、それらは、長手方向要素16(1)、及び長手方向要素16(1)に対向する長手方向要素16(2)の長手方向側面のみに適用されてもよい。したがって、長手方向要素16(3)は、直線状の長手方向側面を有してもよく、長手方向要素16(3)に対向する長手方向要素16(2)の長手方向側面もまた直線状であってもよい。
【0128】
さらに、伸張部1702a1及び伸張部1702a2の長さは異なっていてもよい。さらに、伸張部1702a1と伸張部1702a2は、器具に沿った異なる長手方向位置にあってもよい。
【0129】
図17bは、長手方向要素16(2)を矢印で示されるように右手側に横方向に相対的に移動させた後の、3つの長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)の互いに対するステータスを示す。長手方向要素16(2)をスロット1705の幅よりも大きな距離に沿って右に移動させるときに、伸張部1702a1及び伸張部1702a2が、各々の周囲スロット1705の幅に等しい各々の高さを有する場合、伸張部1702a1は、対向する伸張部1701aに少なくとも部分的に当接し、伸張部1702a2は、対向する伸張部1703aに少なくとも部分的に当接する。そのため、3つの長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)間の相互距離は、したがって、0(ゼロ)に減少する。
【0130】
図17cは、長手方向要素16(2)を矢印で示されるように左手側に横方向に相対的に移動させた後の、3つの長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)の互いに対するステータスを示す。長手方向要素16(2)をスロット1705の幅よりも大きな距離に沿って左に移動させるときに、伸張部1702a1及び伸張部1702a2が、各々の周囲スロット1705の幅に等しい各々の高さを有する場合、伸張部1702a1は、対向する伸張部1701aに少なくとも部分的に当接し、伸張部1702a2は、対向する伸張部1703aに少なくとも部分的に当接する。そのため、3つの長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)間の相互距離は、したがって、0(ゼロ)に減少する。
【0131】
図示の実施形態では、長手方向要素16(2)は、各伸張部1702a1と隣接する陥凹部1702b1との間に移行縁部を有する。同様に、長手方向要素16(1)は、各陥凹部1701bと隣接する伸張部1701aとの間に移行縁部を有する。長手方向要素16(1)の移行縁部と長手方向要素16(2)の移行縁部は、それらの間のスロット1705の幅と同じ大きさの距離だけ分離されている。この幅が非常に小さい場合、例えば上記で示したように、0.01~2.00mm、この用途においてより典型的には0.015~0.04mmである場合、隣接する長手方向要素を、図17b又は図17cの状況に到達するまで小さな延び(small extend)長手方向に移動させることのみを必要とし、接線方向の遊びは、減少する又は更には排除される。
【0132】
長手方向要素16(2)及び長手方向要素16(3)の対向する長手方向側面にも同じことが当てはまる。即ち、長手方向要素16(2)は、各伸張部1702a2と隣接する陥凹部1702b2との間に移行縁部を有する。同様に、長手方向要素16(3)は、各陥凹部1703bと隣接する伸張部1703aとの間に移行縁部を有する。長手方向要素16(2)の移行縁部と長手方向要素16(3)の移行縁部は、それらの間のスロット1705の幅と同じ大きさの距離だけ分離されている。この幅が非常に小さい場合、例えば、上記で示したように、0.01~2.00mm、この用途においてより典型的には0.015~0.04mmである場合、隣接する長手方向要素を、図17b又は図17cの状況に到達するまで小さな延び(small extend)長手方向に移動させることのみを必要とし、接線方向の遊びは、減少する又は更には排除される。
【0133】
図17a、図17bの実施形態では、伸張部と陥凹部との間の移行縁部は、長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)の長手方向に対して垂直であるように、したがって器具の接線方向に示されている。しかしながら、これら移行縁部は、移行縁部とそれが取り付けられている伸張部との間の角度が90°よりも大きいが、例えば135°未満であるように、図17d~図17fに示すように長手方向に対して角度を成すことができる。そのような一実施形態では、対向する移行縁部は、隣接する長手方向要素が、対向する移行縁部間のスロット幅を超える距離に沿ってよりも(than)より長手方向に移動するのを妨げない。なぜなら、対向する移行縁部は、互いに沿ってより容易に摺動することができるからである。
【0134】
図17dは、要素が製造された直後の、未だ一切使用されていないステータスを示す。本明細書の目的において、これは、互いに関連する要素の「製造後状態」と呼ばれる。図17fは、相対変位後のステータスを示す。
【0135】
図17eは、複数の隣接する長手方向要素16(i)(i=1、2、….、I)を示す図17dの細部の拡大図を示す。図17dは、円筒状要素の平面図であることに留意されたい。図17fは、図17eに示すような3つの隣接する長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)を示すが、中央の長手方向要素16(2)を矢印で示されるように右に横方向に相対的に移動させたものである。要素16(1)及び要素16(3)等が長手方向操縦要素、並びに要素16(2)及び要素16(4)等が器具の本体に対して静止した要素であると仮定すると、全ての静止要素を一方向に一度で移動させ、その後、器具を最終的に完成させる前にそれらを本体の周囲構造に固定することにより、接線方向の遊びを恒久的に減少させることができる。
【0136】
一実施形態では、長手方向要素16(2)の伸張部1702a1の高さは、陥凹部1702b1と対向する伸張部1701aとの間のスロット1705の幅よりも大きくてもよい。
【0137】
図18a~図18dは、負の遊びを有する実施形態を示す。これについては以下で説明する。図18a及び図18cは、要素が製造された直後の、未だ一切使用されていないステータスを示す。本明細書の目的において、これは、互いに関連する要素の「製造後状態」と呼ばれる。図18b及び図18dは、相対変位後のステータスを示す。
【0138】
図18a及び図18bは、遊びを減少させた3つの隣接する長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)の更なる実施形態を示す。この実施形態では、長手方向要素16(1)は、少なくとも1つのばね部分を有する。ここで、ばね部分は、伸張部が、可撓性ブリッジ1711によって長手方向要素16(1)の残りの部分に取り付けられた弾性ばね部分1701cになるように、伸張部1701aの1つから接線方向にいくらかの距離離れた長手方向要素16(1)内のスロット又は開口1707によって実装されている。可撓性ブリッジ1711によって、ばね部分1701cは、長手方向要素16(1)の残りの部分に対して接線方向に可撓的に移動することができる。この実施形態では、伸張部1702a1の高さは、弾性ばね部分1701cと対向する陥凹部1702b1との間のスロット1705の幅よりも大きい。これは、負の遊びと呼ばれる。
【0139】
この実施形態では、長手方向要素16(3)も少なくとも1つのばね部分を有する。ここで、ばね部分は、伸張部が、可撓性ブリッジ1711によって長手方向要素16(3)の残りの部分に取り付けられた弾性ばね部分1703cになるように、伸張部1703aの1つから接線方向にいくらかの距離離れた長手方向要素16(3)内のスロット又は開口1709によって実装されている。可撓性ブリッジ1711によって、ばね部分1703cは、長手方向要素16(3)の残りの部分に対して接線方向に可撓的に移動することができる。この実施形態では、伸張部1702a2の高さは、弾性ばね部分1703cと対向する陥凹部1702b2との間のスロット1705の幅よりも大きい。これもまた、負の遊びと呼ばれる。
【0140】
図18a及び図18bでは、図示の実施形態は、図17c~図17eの実施形態のように、伸張部と陥凹部との間に角度を成した移行縁部を有する。移行縁部と陥凹部1603との間の外向きの角度は鈍角である。上記で説明したように、これにより、隣接する長手方向要素16(2)の、長手方向要素16(1)及び/又は長手方向要素16(3)に対する移動が容易になる。図18bは、長手方向要素16(2)が隣接する長手方向要素16(1)、16(3)の両方に対して右に横方向に相対的に移動されることを示す。そのような状況では、伸張部1702a1及び伸張部1702a2。伸張部1702a1の高さが、ばね部分1701cと対向する陥凹部1702b1との間のスロット1705の幅よりも大きく、伸張部1702a2の高さが、ばね部分1703cと対向する陥凹部1702b2との間のスロット1705の幅よりも大きいことにより、両ばね部分1701c及びばね部分1703cそれぞれは、伸張部1702a1及び伸張部1702a2それぞれによって長手方向要素16(2)から接線方向に押し離される。こうすることにより、長手方向要素16(1)、16(2)及び16(3)間の接線方向の遊びは全ての場合においてゼロに減少し、この実施形態は、製造公差に敏感ではない。ばね力は、器具の通常使用による横力、例えば座屈の傾向による横力に耐えることができるように設計されているが、ばね力は、摩擦力が最小限に又は予め設計された値にさえも保たれるように設計されている。図18bのステータスにおいてスロット1707、1709が接線方向に完全に閉じられていない場合、いくらかの柔軟な遊びが残る。
【0141】
図18c及び図18dは、図18a及び図18bに示されているものの変形形態である実施形態を示す。図18c及び図18dの実施形態は、ばね部分として設計された伸張部を有しないが、2つの隣接する長手方向要素16(1)及び長手方向要素16(2)を示し、長手方向要素16(1)は、それぞれが長手方向要素16(2)の陥凹部1702b1に対向する1つ以上の伸張部1701aを有する。さらに、長手方向要素16(2)は、それぞれが長手方向要素16(1)の陥凹部1701bに対向する1つ以上の伸張部1702a1を有し得る。長手方向要素16(1)、16(2)の組の両側に更に長手方向要素16(3)、16(4)が存在し得る。さらに、伸張部及び陥凹部を有する構造は、他の隣接する長手方向要素の更なる隣接する長手方向側面にも適用され得る。
【0142】
図18cは、隣接する長手方向要素16(1)~16(4)が、その全長に沿って一定の幅を有し得るスロット1705によって分離されている製造直後のステータスを示す。しかしながら、これが必ずしも当てはまるとは限らない。
【0143】
伸張部1701aは、隣接する伸張部1701a1と対向する陥凹部1701bの組の間のスロット1705の幅よりも大きな高さを有する。これは、負の遊びと呼ばれる。同様に、伸張部1701a1は、隣接する伸張部1701aと対向する陥凹部1702b2の組の間のスロット1705の幅よりも大きな高さを有する。これは、負の遊びの別の例である。図示の実施形態では、両伸張部1701a及び伸張部1701a1は、図17d~図17fの実施形態において定義したのと同様に、隣接する陥凹部1701b及び陥凹部1701b1に対して角度を成した移行縁部を有する。
【0144】
図18dは、長手方向要素16(2)と長手方向要素16(1)を、水平矢印で示されるように互いに対して長手方向に横方向に相対的に移動させたときの実施形態のステータスを示す。このステータスにおいて、伸張部1701aと伸張部1701a1は、長手方向に少なくとも部分的に互いに当接している。周囲スロット1705の幅に対するこれら伸張部1701a及び伸張部1701a1の高さのために、これらは互いに押し付けられ、長手方向要素16(1)及び長手方向要素16(2)に対し、接線方向に向けられた矢印で示されるような反対の接線方向に力を作用する。このため、長手方向要素16(1)及び長手方向要素16(2)は、隣接する長手方向要素に対して接線力を作用し、これにより更に、次いで、それらの隣り合う長手方向要素に押し付けられる可能性がある。結果として、1つの長手方向要素16(1)又は長手方向要素16(2)を移動させて固定するだけで、隣接する長手方向要素の間の全ての遊びは、当該円筒状要素のその長手方向位置において取り除かれ得る。
【0145】
図18dに示される効果は、全ての長手方向要素が非常に強く互いに押し付けられてこれらがクランプされ、長手方向に移動させることが非常に困難であるほど非常に強力にもなり得る。これは、長手方向要素16(1)と長手方向要素16(2)を互いに長手方向に移動ささせる前の向きに器具をロックすることになる可能性がある。
【0146】
図18c及び図18dに示される実施形態は、8つの隣接する長手方向要素を有する。しかしながら、これらの長手方向要素がある円筒状要素は、そのような長手方向要素をより少数又はより多数有してもよい。さらに、それらの1つ以上を、別の隣接する円筒状要素に固定された部分などの円筒状要素の別の部分、又は浮動する若しくは円筒状要素の別の部分に固定され得るスペーサに置換してもよい。
【0147】
また、長手方向要素間又は長手方向要素と案内要素との間における負の遊びの生成を用いて、半径方向の遊びを減少させることもできる。長手方向要素が、例えば負の遊びを有する案内要素間で引かれる又は押されると、これにより、案内要素及び長手方向要素が半径方向外側に押しやられる。一例を図19a、図19bに示す。図19aは、その製造後状態にある実施形態を示す。
【0148】
図19a、図19bは、2つの円筒状要素、即ち外側円筒状要素4によって囲まれた中間円筒状要素3を有する器具の断面図を示す。中間円筒状要素3は、複数の長手方向要素を有するように示されており、複数の長手方向要素のうちの3つの隣接するものが、参照符号16(1)、16(2)、16(3)で示されている。
【0149】
図19aの状況において、3つの隣接する長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)は、切断プロセスから生じるそれらの間のスロットによって画定される接線方向の相互距離を有し、これらは、切断プロセスによって管から作られる。したがって、図19aの状況は、製造が終了した直後の状況であり得る。しかしながら、例えば、長手方向要素16(2)は、図19aに示す断面からいくらかの長手方向距離離れたより広い幅を有する。その後、このより広い部分を図19aの断面位置に移動させた場合、このより広い部分は、図19aに示す断面位置において隣接する長手方向要素16(1)及び長手方向要素16(3)の両方に当接し、それらに接線方向に押し付けられる。その結果、中心軸線1900から外向きの半径方向力も発生し、図19bに示すように、長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)を外側円筒状要素4に向けて半径方向に押す。これにより、隣接する円筒状要素間の半径方向の遊びが補償又は排除される可能性がある。
【0150】
図19a及び図19bに示す実施形態は、図17a~図17f、図18a、図18b、図18c及び図18dに示すものと類似し得る又は同一であり得ることが認められる。しかしながら、他の実施形態も可能である。例えば、長手方向要素16(1)及び/又は長手方向要素16(3)は、製造プロセス、例えば管のレーザ切断から同様に生じる浮動スペーサ、又は剛性の端部パーティ(rigid end party)10若しくは15(図2を参照)に取り付けられ、少なくとも部分的に長手方向要素16(2)に沿って長手方向に延びるスペーサなどの円筒状要素3の別の部分に置換されてもよい。
【0151】
これらの遊び補償法は、テーパ状の長手方向要素又は操縦可能器具に使用されるスペーサ若しくは案内要素などの他のあらゆる要素にも用いることができる。一例を図20a~図20cに示す。
【0152】
図20a~図20cの実施形態では、長手方向要素16(1)は、長手方向要素16(2)の長手方向側面に面した長手方向側面を有する。長手方向要素16(1)のその長手方向側面は、複数の連続する伸張部及び陥凹部2001a、2001b、2001c、2001d、2001eなどを備える。同様に、長手方向要素16(2)のその長手方向側面は、複数の連続する伸張部及び陥凹部2002a、2002b、2002c、2002d、2002eなどを備える。製造プロセスは、概して、長手方向要素16(2)の図示の部分が左手側に向かって先細る、即ち、器具の接線方向における長手方向要素16(2)の幅が、図20a~図20cで左に行くほど小さくなるようなものである。最も左手側が器具の遠位端であってもよく、右手側は近位端であってもよいが、その逆であってもよい。
【0153】
図20aは、製造が終了した直後の状況、即ち製造後状態を示す。したがって、長手方向要素16(1)の各伸張部/陥凹部2001a~2001eは、長手方向要素16(2)の対応する伸張部/陥凹部に、それらの間のスロットによって画定される距離を開けて、対向して位置している。これらの距離は、この時点においては、等しくてもよい。
【0154】
図20a~図20cの実施形態では、長手方向要素16(1)、16(2)の側面部分は、少なくとも1つの長手方向側面に陥凹部を有する場合、伸張部と呼ばれる。「陥凹」とは、伸張部の伸張に対するものである。したがって、部分2001aは、部分2001bに対しては伸張部であり、部分2001cは、部分2001b及び部分2001dに対しては伸張部であり、部分2001dは、部分2001eに対しては伸張部であるが、部分2001cに対しては陥凹部である。また、部分2002bは、部分2002a及び部分2002cに対しては伸張部であり、部分2002dは、部分2002cに対しては伸張部であるが、部分2002eに対しては陥凹部であり、部分2001eは、部分2001dに対しては伸張部である。
【0155】
長手方向要素16(2)の対向する長手方向側面は、同様の伸張構造/陥凹構造を有してもよい。図20a~図20cの図示の例では、対向する長手方向側面にあるこの構造は、伸張部/陥凹部2002、…、2002e、…を有する側面に関して鏡面対称であり、ここで、鏡面対称は、長手方向要素16(2)の中心軸線に関して見られる。長手方向要素16(3)もまた、図示のように、長手方向要素16(2)に面するその側面に沿ってそのような伸張構造/陥凹構造を有し得る。
【0156】
長手方向要素16(2)が図面の左手側に向かって先細る場合、両長手方向要素16(1)、16(3)は、図示のように、反対の長手方向に先細ってもよい。
【0157】
隣接する伸張部と陥凹部との間の移行縁部は、長手方向に対して垂直であるように示されている。しかしながら、それらは、図17d~図17fを参照して上記で説明したように、角度を成していてもよい。
【0158】
図20bは、長手方向要素16(2)を長手方向要素16(1)、16(3)の両方に対して横方向に右手側に移動させた状況を示す。この相対的な移動は、それらのうちの一方のみに対するものであってもよい。図示のように、全ての伸張部2002b、2002eは、その後、長手方向要素16(1)の対向する長手方向側面の対向する伸張部/陥凹部に当接する。しかしながら、長手方向要素16(1)、16(2)の両対向する長手方向側面の伸張部/陥凹部構造は、少なくとも1つの伸張部/陥凹部2002a、…、2002e、…が、その後、伸張部/陥凹部2001a、…,2001e、…に当接するように設計されてもよい。このような状況では、伸張部/陥凹部2002a、…、2002e、…が伸張部/陥凹部2001a、…、2001e、…に当接する全ての長手方向位置において、接線方向の遊びが取り除かれる。この状況は、長手方向要素16(2)と長手方向要素16(1)及び/又は長手方向要素16(3)との間の相対的な移動が、伸張部/陥凹部2002a、…、2002e、…及び伸張部/陥凹部2001a、…、2001e、…の2つの対向する接線方向側面間のスロットの幅と同じ大きさである場合、既に得られている。本明細書に上記で認められるように、この幅は、非常に小さくてもよく、例えば、0.01~2.00mm、この用途においてより典型的には0.015~0.04mmの小ささであってもよい。使用時、器具は、湾曲したチャネルに挿入されることがあり、これにより、長手方向要素を互いに対してわずかに自動的に強制的に移動させ、したがって、図20bに示すような状況を生じさせることがある。
【0159】
一実施形態では、長手方向要素16(2)を図示のように長手方向要素16(1)及び/又は長手方向要素16(3)に対して右に移動させた後、各々の伸張部/陥凹部の接線方向の高さに応じて、依然としていくらかの遊びが残されてもよい。したがって、接線方向の遊びは、減少又は完全に排除されてもよい。
【0160】
図20cは、長手方向要素16(2)を長手方向要素16(1)、16(3)の両方に対して横方向に左手側に移動させた状況を示す。この相対的な移動は、それらのうちの一方のみに対するものであってもよい。図示のように、全ての伸張部2002b、2002eは、その後、長手方向要素16(1)の対向する長手方向側面の対向する伸張部/陥凹部に当接する。しかしながら、長手方向要素16(1)、16(2)の両対向する長手方向側面の伸張部/陥凹部構造は、少なくとも1つの伸張部/陥凹部2002a、…、2002e、…が、その後、伸張部/陥凹部2001a、…,2001e、…に当接するように設計されてもよい。このような状況では、伸張部/陥凹部2002a、…、2002e、…が伸張部/陥凹部2001a、…、2001e、…に当接する全ての長手方向位置において、接線方向の遊びが取り除かれる。この状況は、長手方向要素16(2)と長手方向要素16(1)及び/又は長手方向要素16(3)との間の相対的な移動が、伸張部/陥凹部2002a、…,2002e、…及び伸張部/陥凹部2001a、…、2001e、…の2つの対向する接線方向側面間のスロットの幅と同じ大きさである場合、既に得られている。本明細書の上記で認められるように、この幅は、非常に小さくてもよく、例えば、0.01~2.00mm、この用途においてより典型的には0.015~0.04mmの小ささであってもよい。使用時、器具は、湾曲したチャネルに挿入されることがあり、これにより、長手方向要素を互いに対してわずかに自動的に強制的に移動させ、したがって、図20cに示すような状況を生じさせることがある。
【0161】
一実施形態では、長手方向要素16(2)を図示のように長手方向要素16(1)及び/又は長手方向要素16(3)に対して左に移動させた後、各々の伸張部/陥凹部の接線方向の高さに応じて、依然としていくらかの遊びが残されてもよい。したがって、接線方向の遊びは、減少又は完全に排除されてもよい。
【0162】
図21は、図17aと同じ配置の3つの隣接する長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)を示す。図21は、それらを、製造が終了した直後の、即ち、例えばレーザ切断プロセスでスロット1705を円筒状要素に作成した直後の配置で示す。しかしながら、図21の実施形態では、隣接する長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)の1つ以上が、1つ以上の破断要素1713によって依然として互いに取り付けられている。上記で説明したように、そのような破断要素は、器具の更なる組み立て中、例えば1つの円筒状要素が別の円筒状要素に挿入されるときに、異なる長手方向要素を一緒に維持する。使用時、即ち、長手方向要素16(2)を長手方向要素16(1)及び/又は長手方向要素16(3)に対して移動させるために所定の最小限の力が加えられるとき、これら破断要素1713は破断し、もはや役割を果たさない。図21の例では、破断要素1713は、対向する伸張部/陥凹部1701a/1701b~1702b1/1702a1、1703a/1703b~1702b2/1702a2の対向する移行縁部の間に設けられている。当然ながら、隣接する長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)の対向する長手方向側面の間の位置及び/又は他の位置にそのような破断要素が更に存在することができる。
【0163】
図22は、図16a~図16eに示したようなヒンジの一部分を示す。図22は、ヒンジセグメント1608を、製造が終了した直後の、即ち、例えばレーザ切断プロセスでスロット1605を円筒状要素に作成した直後の配置で示す。しかしながら、図22の実施形態では、ヒンジセグメント1608は、1つ以上の破断要素1611(k)(k=1、2、…、K)によって依然として互いに取り付けられている。上記で説明したように、そのような破断要素は、器具の更なる組み立て中、例えば、1つの円筒状要素が別の円筒状要素に挿入されるときに、異なるヒンジセグメント1608を一緒に維持する。使用時、即ち、ヒンジセグメント1608を互いに回転させるために所定の最小限の力が加えられるとき、これら破断要素1611(k)は破断し、もはや役割を果たさない。図22の例では、3つのそのような破断要素1611(k)が設けられている。当然ながら、より多くのそのような破断要素が存在することができる。
【0164】
図23a~図23eは、2つの隣接する長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)…の間に配置されているが、使用時、隣接する長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)、…のいずれにも取り付けられないスペーサが、接線方向の遊びを減少又は排除する要素として機能する実施形態を示す。代替的に、長手方向要素16(1)又は長手方向要素16(3)のいずれか又は両方が、長手方向要素として機能しない円筒状要素の他の部品に置換される。図23a及び図23bは、その製造後状態にある実施形態を示す。
【0165】
図23b~図23eは、図23aに示される隣接する長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)の一部分の拡大図である。
【0166】
図23bに詳細に示すように、長手方向要素16(1)は、長手方向要素16(2)の長手方向側面に隣接する長手方向側面を有する。それらは、円筒状要素の(レーザ)切断プロセスから生じたスロット2305によって互いに分離されている。長手方向要素16(1)の長手方向側面は、伸張部2301aを有する。2つのそのような伸張部2301aの間に、長手方向要素16(1)の長手方向側面は、陥凹部2301bを有する。陥凹部2301b内に、長手方向要素16(1)の長手方向側面は、長手方向要素16(2)の長手方向側面に向けて延びる可撓性部分2315を備える。可撓性部分2315は、ばねとして機能する。
【0167】
長手方向要素16(2)の長手方向側面は、伸張部2302b1を有する。2つのそのような伸張部2302b1の間に、長手方向要素16(2)の長手方向側面は、陥凹部2302a1を有する。図示の実施形態では、陥凹部2302a1は、陥凹部2301bの長手方向長さよりも大きな長手方向長さを有する。しかしながら、それは異なってもよい。
【0168】
陥凹部2301bと陥凹部2302a1は、2つの隣接する長手方向要素16(1)、16(2)の間に開放空間を共に形成している。スペーサ2314が、その開放空間内に位置している。スペーサ2314は、長手方向要素16(1)に面する面に配置された陥凹部2319を備える。製造プロセスが終了した直後、スペーサ2314は、スペーサ2314が円筒状要素の残りの部分から脱落するのを防止するために、1つ以上の破断要素によって長手方向要素16(1)、16(2)の対向する長手方向側面の少なくとも一方に依然として取り付けられていることが好ましい。陥凹部2301b又は陥凹部2302a1の少なくとも一方は、スペーサ2314が可撓性部分2315に向かって長手方向に自由に移動することができないように、スペーサ2314に隣接する位置においてわずかに更に陥凹していてもよい。図示の実施形態では、可撓性部分2315は、円筒状要素の接線方向に可撓的に移動することができるように、隣接する長手方向要素16(2)に向かう方に且つまた、スペーサ2314から離れる方に延びる。
【0169】
また、図23bに詳細に示されているように、長手方向要素16(3)は、長手方向要素16(2)の別の長手方向側面に隣接する長手方向側面を有する。それらは、円筒状要素の(レーザ)切断プロセスから生じたスロット2305によって互いに分離されている。長手方向要素16(3)の長手方向側面は、伸張部2303aを有する。2つのそのような伸張部2303aの間に、長手方向要素16(3)の長手方向側面は、陥凹部2303bを有する。陥凹部2303b内に、長手方向要素16(3)の長手方向側面は、長手方向要素16(2)の他の長手方向側面に向けて延びる可撓性部分2317を備える。可撓性部分2317は、ばねとして機能する。
【0170】
長手方向要素16(2)の他の長手方向側面は、伸張部2302b2を有する。2つのそのような伸張部2302b2の間に、長手方向要素16(2)の長手方向側面は、陥凹部2302a2を有する。図示の実施形態では、陥凹部2302a2は、陥凹部2303bの長手方向長さよりも大きな長手方向長さを有する。しかしながら、それは異なってもよい。
【0171】
陥凹部2303bと陥凹部2302a2は、2つの隣接する長手方向要素16(3)、16(2)の間に開放空間を共に形成している。スペーサ2316が、その開放空間内に位置している。スペーサ2316は、長手方向要素16(3)に面する面に配置された陥凹部2321を備える。製造プロセスが終了した直後、スペーサ2316は、スペーサ2316が円筒状要素の残りの部分から脱落するのを防止するために、1つ以上の破断要素によって長手方向要素16(3)、16(2)の対向する長手方向側面の少なくとも一方に依然として取り付けられていることが好ましい。陥凹部2303b又は陥凹部2302a2の少なくとも一方は、スペーサ2316が可撓性部分2317に向かって長手方向に自由に移動することができないように、スペーサ2316に隣接する位置においてわずかに更に陥凹していてもよい。図示の実施形態では、可撓性部分2317は、円筒状要素の接線方向に可撓的に移動することができるように、隣接する長手方向要素16(2)に向かう方に且つまた、スペーサ2316から離れる方に延びる。
【0172】
図23c~図23eは、スペーサ2314及びスペーサ2316がそれぞれ長手方向要素16(1)及び長手方向要素16(3)に対してロックされ、また、接線方向の遊びを減少又は排除する要素として機能するように、それぞれ可撓性部分2315及び可撓性部分2317がそれぞれ陥凹部2319及び陥凹部2321内に移動するように、それぞれスペーサ2314及びスペーサ2316を長手方向にどのように移動させることができるかを説明する。
【0173】
最初の作動において、長手方向要素16(2)を隣接する長手方向要素16(1)、16(3)に対して移動させる。図示の例では、陥凹部2302a1及び陥凹部2302a2は、カットパターンの変化を生じさせることなく長手方向要素16(2)を左手側に押すことができるような寸法にされている。スペーサ2314、2316が、それらが位置する隣接する長手方向要素間の各々の開放空間内で自由に浮動することになるように、それぞれスペーサ2314及びスペーサ2316を、隣接する長手方向要素16(1)又は長手方向要素16(2)の少なくとも一方、又は隣接する長手方向要素16(2)及び長手方向要素16(3)に取り付ける任意の破断要素が破断されるような程度まで、長手方向要素16(2)を長手方向要素16(1)、16(3)に対して移動させる。これは、図23cに示されている。
【0174】
その後、長手方向要素16(2)を隣接する長手方向要素16(1)及び長手方向要素16(3)に対して右に向けて移動させ、スペーサ2314及びスペーサ2316それぞれもまた、長手方向要素16(2)のそれぞれ陥凹部2302a1と伸張部2302b1との間及び陥凹部2302a2と伸張部2302b2との間の移行側面によって右方向に引かれる。スペーサ2314及びスペーサ2316それぞれが右に移動しているとき、それらは、それぞれ可撓性部分2315及び可撓性部分2317の両方が、反対の接線方向に、即ち、それぞれ長手方向要素16(1)及び長手方向要素16(3)に向けて曲げられるように、それぞれ可撓性部分2315及び可撓性部分2317に押し付けられる。右方向に前進すると、ある瞬間に、スペーサ2314及びスペーサ2316が所定の位置にロックされるように、それぞれ可撓性部分2315及び可撓性部分2317がそれぞれ陥凹部2319及び陥凹部2321内に自動的にカチッと嵌まる。図23dに示すように、右に向かうそれぞれスペーサ2314及びスペーサ2316の更なる移動は、それぞれ伸張部2301a及び伸張部2303aに向かうそれぞれ陥凹部2301b及び陥凹部2303bの移行縁部によって阻止され得る。図23dでは、長手方向要素16(2)は、長手方向要素16(1)、16(3)に対してその最も右側の位置に移動されている。
【0175】
同じく、これらの移行縁部は、直線状であり、接線方向に向けられていてもよいが、また、接線方向に対して角度を成していてもよい。これらはまた、図23a~図23eに示すように湾曲していてもよい。
【0176】
図23c及び図23dに示すような移動の順序は、長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)が配置されている円筒状要素を曲げることにより生じさせることができることが認められる。なぜなら、それは、長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)の相対的な長手方向移動をもたらすからである。しかしながら、同じ曲げアクションにより、円筒状要素の反対側では、長手方向要素の相対移動は逆の順序になる。即ち、反対側では、図23c及び図23dの順序は逆になる。
【0177】
図23aは、全てのスペーサ2314、2316が可撓性部分2315、2317の左手側に位置していることを示すが、これらの相対的な向きのいくつかは逆であってもよい。
【0178】
図23eは、長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)が、図23aの状況、即ち切断プロセス直後の状況と同様に互いに対して戻された最終的な状況を示す。それぞれスペーサ2314及びスペーサ2316は両方とも、ここでは、それらがそれぞれ長手方向要素16(1)及び長手方向要素16(3)に対して長手方向に移動することができないように、所定の位置にロックされている。この最終的な状況において、それぞれ可撓性部分2315及び可撓性部分2317は、それらが両方とも長手方向要素16(2)に向けて押されるように、それぞれスペーサ2314及びスペーサ2316に押し付けられている。したがって、これらスペーサ2314、2316の位置において、全ての接線方向の遊びは排除されている。スペーサ2314、2316を長手方向要素16(2)に押し付ける力は、スペーサ2314、2316の接線方向の幅及び図23eの最終段階における可撓性部分2315、2317のばね力に依存する。この力は、図23eの最終段階においてはゼロであってもよい。しかしながら、いくらかの摩擦が必要な場合、可撓性部分2315、2317は、図23eの状況においてなおも曲げられ、ゼロ以上のいくらかの力を作用してもよい。
【0179】
ここで、長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)を互いに対して前後に移動させることができ、遊びの減少又は排除は、長手方向要素の中立位置においても永続的である。
【0180】
スペーサ2314、2316は、円形、矩形、又は任意の他の所望の形状であり得る。それらは、0.1mm~5mm程度に短くすることができる。しかしながら、理論的には、それらは、器具の全長までの任意の長さを有することができる。切断されたままの位置に固定され、器具内で、接線方向の遊び、半径方向の遊び、又はこれらの両方を排除する位置に再配置される他の形状の要素も考えられる。図23a~図23eに示される配置は、長手方向要素に限定されず、使用時に互いに対して回転するように構成されているヒンジのヒンジセグメント間にも等しく実施できることが認められる。
【0181】
図23a~図23eでは、スライド式楕円形スペーサが描かれているが、長手方向の操縦ワイヤが作動されるときに回転し又は曲げられ、作動後にその位置に存在し、その位置で接線方向の遊びを減少させる形状も考えられる。
【0182】
例えば、屈曲要素が図24a~図24eに示されている。即ち、これらの図は、3つの隣接する長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)を示す。しかしながら、同様に、長手方向要素16(1)及び/又は長手方向要素16(3)を、長手方向要素の機能を有しない円筒状要素の別の部分に置換することができる。図24a及び図24bは、その製造後状態における実施形態を示す。
【0183】
長手方向要素16(1)は、長手方向要素16(2)の長手方向側面に面した長手方向側面1719を有する。長手方向要素16(2)のその長手方向側面は、1つ以上の伸張部1702a1及び1つ以上の陥凹部1702b1を有する。長手方向要素16(1)の長手方向側面1719は、円筒状要素の切断プロセスの終了直後に、器具の接線方向に対して、0度よりも大きく90度よりも小さい角度で配向される屈曲要素1715を備える。さらに、その元の状態において、屈曲要素1715はわずかに湾曲している。
【0184】
長手方向要素16(3)は、長手方向要素16(2)の別の長手方向側面に面した長手方向側面1721を有する。長手方向要素16(2)の、この他の長手方向側面は、1つ以上の伸張部1702a2及び1つ以上の陥凹部1702b2を有する。長手方向要素16(3)の長手方向側面1721は、円筒状要素の切断プロセスの終了直後に、器具の接線方向に対して、0度よりも大きく90度よりも小さい角度で配向される屈曲要素1717を備える。さらに、その元の状態において、屈曲要素1717はわずかに湾曲している。図24bに示される配置において、屈曲要素1715と屈曲要素1717の向きは同じであるが、それらは反対の向きを有し得る。
【0185】
図24cは、長手方向要素16(2)をその隣接する長手方向要素16(10及び長手方向要素16(3)に対して左方向に横方向に長手方向に移動させた状況を示す。この場合も、これは、長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)が位置する円筒状要素の曲げアクションによって生じ得る。図24dでは、意図部(intended portion)1702b1、1702b2と伸張部1702a1、1702a2との間の移行縁部も屈曲部分1715及び屈曲部分1717の先端を右に向けて移動させるように、長手方向要素16(2)をその隣接する長手方向要素16(10及び16(3)に対して右方向に横方向に長手方向に移動させている。このアクションの後、屈曲要素1715及び屈曲要素1717の両方はより直線的な向きを有し、それらの先端は、ここで、それぞれ陥凹部1702b1及び陥凹部1702b2に当接する。
【0186】
屈曲部分1715及び屈曲部分1717は、長手方向要素16(2)を図24eに示すように長手方向要素16(1)、16(3)に対して再び左に連続的に移動させると、屈曲部分1715及び屈曲部分1717がより直線的な向きを保ち、それぞれ陥凹部1702b1及び陥凹部1702b2と当接した状態を保つように設計されている。
【0187】
図24eの状況において、長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)は長手方向に互いに自由に移動することができ、屈曲要素1715及び屈曲要素1717は、遊び排除要素として機能する。或いは、図24d及び図24eの状況において、屈曲要素1715及び屈曲要素1717は、遊びは減少するが完全には排除されないように、長手方向要素16(2)からある所定の距離に留まる。
【0188】
図24c、図24d、及び図24eに示されるアクションによって、屈曲要素1715、1717のいくつかもまた、それらが半径方向のスペーサとしても機能し、それらがそれ自体の円筒状要素内側又は外側の別の円筒状要素に接することで、器具の半径方向の遊びを減少及び/又は排除するように、円筒状要素の半径方向にわずかに曲げられる可能性があることが認められる。
【0189】
図24a~図24eに示される配置は長手方向要素に限定されず、使用時に互いに対して回転するように構成されているヒンジのヒンジセグメント間に等しく実装することができることが認められる。
【0190】
円筒状要素の壁から一体的に部品を作成することにより作られる操縦可能器具には制約がある。ある厚みを持つ2次元の幾何学的形状しか作成することができない。当然ながら、例えばレーザアブレーション、エッチング、又はチッピング技術によって壁の厚みを(局所的に)変化させることにより管の壁から3次元の部品を作成することはできるが、実際には、これらは困難なプロセスである可能性がある。したがって、部品間の遊びを管理するための上述の技術は全て、均一な厚みを有し得る1つの円筒状要素壁において本発明を適用することにより遊びの制御を達成することに基づく。円筒状要素から作られた器具の部品間の遊びを管理するための別の手法は、部品間の遊びを所望の大きさに設定するために1つより多い円筒状要素を用いることである。例えば、長手方向要素を2層で作れば、1つの円筒状要素の長手方向要素ガイドを次の円筒状要素の長手方向要素ガイドに取り付け、複合長手方向要素ガイドを内側円筒状要素又は外側円筒状要素に取り付けることにより、接線方向の遊びを除去することができる。1つの円筒状要素の長手方向要素を長手方向要素と長手方向要素ガイドとの間に好ましい遊びを有する位置に移動させ、他の円筒状要素の長手方向要素をその長手方向要素とその長手方向要素ガイドとの間に好ましい遊びを有する反対側の位置に移動させる場合、且つこの長手方向要素を次の円筒状要素の長手方向要素に取り付ける場合、複合長手方向要素と複合長手方向要素ガイドとの間の接線方向の遊びは排除される又は好ましい大きさに設定される。
【0191】
これについて、図25a~図25dを参照して更に詳細に説明する。図25aは、4つの円筒状要素、即ち、内側円筒状要素101、第1の中間円筒状要素102、第2の中間円筒状要素103、及び外側円筒状要素104を有する侵襲的器具の断面図を示す。これらは、この順序で互いを取り囲んでいる。第2の中間円筒状要素103は、上記の他のいくつかの図でも示されている隣接する長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)を含む。図25aは、長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)が円筒状要素103の(レーザ)切断からどのように生じるかを示し、即ち、接線方向において、長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)は、それらが由来する円筒状要素103の接線方向の湾曲が原因で湾曲している。さらに、図25aは、長手方向要素16(1)、16(2)、16(3)、…、16(I)が切断プロセスから生じるスロット1705によって互いにどのように分離されるかを示す。第1の中間円筒状要素102もまた、図25aにおいて、同じく、切断プロセスから生じるスロット1705によって互いに分離されている複数の長手方向要素120(1)、120(2)、120(3)、…、120(I)を含む。それぞれ長手方向要素120(1)、120(2)、…120(I)は、それぞれ長手方向要素16(1)、16(2)、…16(I)の半径方向内側に位置している。
【0192】
図25bは、隣接する長手方向要素16(1)、16(2)が、これらが互いに第1の所定の接線方向距離(0mm(物理的接触)であってもよい)にあるように、互いに向けて接線方向にどのように移動されるかを示す。さらに、隣接する長手方向要素120(1)及び長手方向要素120(2)はそれぞれ、それらが、それらの他の各々の隣接する長手方向要素16(I)及び120(I)それぞれから第2の所定の接線方向距離(この距離は、同じく0mm(物理的接触)であってもよい)にあるように、互いに接線方向に離される。これら長手方向要素16(1)、16(2)、16(I)、120(1)、120(2)、120(I)がこのステータスにあるとき、長手方向要素16(2)、16(I)は、アタッチメント2503によって外側円筒状要素104に取り付けられており、それぞれ長手方向要素16(1)、16(2)、及び16(I)は、アタッチメント2503によってそれぞれ長手方向要素120(1)、120(2)、及び120(I)に取り付けられている。
【0193】
アタッチメント2503は、例えば、(レーザ)溶接、ろう付け、結合、接着によって、又は例えば、1つの円筒状要素/長手方向要素の折り曲げタブを隣接する他の円筒状要素/長手方向要素の凹部内に曲げることによって実施され得る。その後、長手方向要素16(2)、16(I)それぞれは、それぞれ外側円筒状要素104及び長手方向要素120(2)、120(I)の両方に対して接線方向の遊びを示さない又は最小限の接線方向の遊びしか示さない。さらに、長手方向要素16(1)は、長手方向要素120(1)に対して接線方向の遊びを示さない又は最小限の接線方向の遊びしか示さない。図25bの実施形態では、長手方向要素16(1)は、長手方向要素16(2)に対して接線方向の遊びを示さない又は最小限の接線方向の遊びしか示さないが、長手方向要素16(1)は、長手方向要素16(2)に対して長手方向に依然として移動することができる。同時に、長手方向要素16(1)が取り付けられた長手方向要素120(1)は、長手方向要素120(I)に対して接線方向の遊びを示さない又は最小限の接線方向の遊びしか示さないが、長手方向要素120(1)は、長手方向要素120(I)に対して長手方向に依然として移動することができる。
【0194】
図25a、図25bの実施形態では、長手方向要素16(2)、120(2)、16(I)、120(I)の1つ以上を、円筒状要素102、103から切り出されたスペーサなどの他の部分に入れ替えることができることが認められる。さらに、長手方向要素16(2)、120(2)も長手方向に依然として移動することができるように、長手方向要素16(2)は、アタッチメント2503によって外側円筒状要素104に取り付けられる必要はない。別の実施形態では、長手方向要素16(2)と長手方向要素120(2)との間にはアタッチメント2503がない。
【0195】
図25bの概念をまとめると、第2の中間円筒状要素103の長手方向要素16(1)は、第2の中間円筒状要素103の隣接する部分16(2)から第1の接線方向距離にあり、隣接する部分16(2)は、外側円筒状要素104に取り付けられている。第1の接線方向距離は0mmであってもよい。さらに、第1の中間円筒状要素102の長手方向要素120(1)は、第1の中間円筒状要素102の隣接する部分120(I)から第2の接線方向距離にあり、隣接する部分120(I)もまた、ここでは長手方向要素16(I)を介して、外側円筒状要素104に取り付けられている。第2の接線方向距離も0mmであってよい。
【0196】
図25c、図25dの実施形態は、図25a、図25bの一方の変形形態である。違いは、長手方向要素16(2)が長手方向要素120(2)よりも大きな幅を有し、長手方向要素16(2)が長手方向要素120(2)に半径方向に隣接するだけでなく、長手方向要素120(1)又は長手方向要素120(3)の少なくとも一方にも部分的に半径方向に隣接することである。さらに、この場合、長手方向要素16(2)は外側円筒状要素104に取り付けられず、長手方向要素16(1)及び長手方向要素16(3)が外側円筒状要素104に取り付けられている。このようにして、互いに取り付けられた長手方向要素16(2)と長手方向要素120(2)が、一方の接線方向側面における、互いに及び外側円筒状要素104に取り付けられた一組の長手方向要素16(1)、120(1)と、同様に、他方の接線方向側面における、互いに及び外側円筒状要素104に取り付けられたセット要素16(3)、120(3)との間の接線方向の遊びがなく(又はほとんどなく)、長手方向に移動することができる。さらに、図25dの状況において、長手方向要素16(2)は、それが半径方向にロックされるように、長手方向要素120(1)及び長手方向要素120(3)の少なくとも一方に依然として半径方向に隣接している。したがって、図25c、図25dの実施形態では、内側円筒状要素101を省略することができる。別の利点は、半径方向の遊びもゼロに設定されることである。
【0197】
同じ方法を、例えば器具の可撓性ゾーンで使用されるヒンジに適用することができる。ここで、ヒンジにおいても接線方向及び長手方向の遊びを好ましい値に事前設定することができる。一例を図26a、図26bに示す。
【0198】
図26a、図26bの例は、一方が他方を取り囲む2つの隣接する円筒状要素を含む。外側のものは実線で描かれ、内側のものは破線で描かれている。図26a、図26bの概略図は、図13a~図13cに示すものと同じ構成要素を有するが、実施が異なり得るヒンジ1302を示す。内側円筒状要素は、ヒンジ1302と同じ長手方向位置に内側ヒンジを有する。この内側ヒンジは、ヒンジ1302と同じ構造を有し得る。少なくとも、内側ヒンジは、内側凸状部2604及び内側凹状部2606を有する。各内側凸状部2604は、凸状部1304の半径方向内側に位置し、各内側凹状部2606は、凹状部1306の半径方向内側に位置する。さらに、各内側凸状部2604は、内側凹状部2606の長手方向内側に配置されており、(レーザ)切断プロセスから生じるスロットによって内側凹状部2606から分離されている。
【0199】
図26bに矢印2608で示されるように、第1の接線方向2608における凸状部1304と凹状部1306の相互接線方向距離が減少する又は更には排除されるように、凸状部1304を凹状部1306に対して第1の接線方向2608に移動させる。さらに、第2の接線方向2608における内側凹状部2604と内側凹状部2606の相互接線方向距離が減少する又は更には排除されるように、内側凹状部2604を内側凹状部2606に対して第2の接線方向2610に移動させる。第1の接線方向と第2の接線方向は、互いに反対である。
【0200】
これらの移動が実行されると、凸状部1304とその下にある内側凸状部2606は、例えば、(レーザ)溶接、ろう付け、結合、接着によって、又は例えば、それらの一方の折り曲げタブを他方のものの適切な穴内に曲げることによって取り付けられる。その後、凸状部1304と内側凸状部2604は、互いに接線方向に固定され、さらに、取り付けられた凸状部1304と内側凸状部2604の接線方向の遊びは、図25a~図25dの長手方向要素を参照して説明したのと同様に、減少する又は更には排除される。
【0201】
ここで、第1のヒンジセグメント1308の凸状部1304は、隣接するヒンジセグメント1308の隣接する凹状部1306に対して、第1の接線方向における減少した又は更にはゼロの遊びを有する。さらに、第1の内側ヒンジセグメントの内側凸状部2604は、隣接する内側ヒンジセグメントの隣接する内側凹状部1306に対して、第2の接線方向における減少した又は更にはゼロの遊びを有する。減少した接線方向の遊びは、上記で説明したように、凸状部1304を内側凸状部2604に取り付ける前に、第1又は第2の相対的な移動の少なくとも一方を実施することにより既に得られていることは明白である。
【0202】
上記の説明において用語「接線方向」を「長手方向」に置き換えることにより、同様の方法を用いて、ヒンジの長手方向の遊びを減少又は更には排除することができることが認められる。
【0203】
図26a、図26bの実施形態の変形形態を図26c、図26dに示す。
【0204】
図26a及び図26bは、完成した器具におけるヒンジの遊びを完全に取り除くことができる特別な実施形態を示す。図26aは、器具の未完成状態におけるヒンジの一部分を示し、図26dは、完成した状態におけるヒンジの一部分を示す。ヒンジに関する他の図と同様に、これらは非常に概略的な図である。これらは、凸状部1677と凹状部1675とを有する2つの隣接するヒンジセグメント1608を示す。
【0205】
図26cは、円筒状要素の切断プロセスが完了した後の両ヒンジセグメント1608を示す。切断プロセスのため、凸状部1677と凹状部1675は、スロット1605(1)、1605(2)、1605(3)によって互いに分離されており、互いに対して遊びを示す。図26cの実施形態では、スロットは、より小さな幅を有する第1のスロット部分1605(1)及び第2のスロット部分1605(2)と、より大きな幅を有する第3のスロット部分1605(3)とを有する。スロット1605(1)及びスロット1605(2)は、凸状部1677の接線方向側面、即ち図面内では垂直方向に延びる。第3のスロット部分1605(3)は、凸状部1677と凹状部1675との間に、器具の長手方向に、即ち図面の水平方向に位置する。スロット1605(1)及びスロット1605(2)の幅は、使用される切断プロセスによって得られる最小幅であってもよい。
【0206】
図26c、26dの実施形態では、凸状部1677は、中心点1683を中心に少なくとも部分的に円形である。スロット1605(1)及びスロット1605(2)は、半径r5を有する、凸状部1677のこれらの少なくとも部分的に円形部分に沿って延びる。実施形態では、凹状部1675は、第1の凹状縁部1685(1)、第2の凹状縁部1685(2)、及び第3の凹状縁部1685(3)を有する。第1の凹状縁部1685(1)は、第1のスロット部分1605(1)の側壁であり、第2の凹状縁部1685(2)は、第2のスロット部分1605(2)の側壁であり、第3の凹状縁部1685(3)は、第3のスロット部分1605(3)の側壁である。第3の凹状縁部部分1685(3)は、中心点1683(1)を中心に少なくとも部分的に円形であり、半径r6を有する。図示の実施形態では、以下の式が成り立つ:0≦r6-r5<スロット1605(1)の幅。
【0207】
図26cの配置がなされた後、中心点1683が中心点1683(1)に一致するように、凸状部1677を第3のスロット1605(3)内に移動させる。これを行った後、凸状部1677と凹状部1675は、これらが中心点1683(1)を中心に依然として互いに対して回転することができるように、長手方向に互いに固定される。固定は、ヒンジが位置する円筒状要素の内側又は外側の円筒状要素に位置する長手方向要素にプレテンションを与えることによって行われてもよい。或いは、凸状部1677を凹状部1675内に移動させるためにはいくらかの力が必要であるが、いったん内側に入ると凸状部1677が内側に留まるように、第3の縁部部分1685(3)が沿って延びる円弧は、180度よりも大きくてもよい。別の言い方をすれば、これらは一緒に、円形スナップフィット接続を形成する。図26dの状況では、凸状部1677と凹状部1675との間の遊びは、r6-r5に減少しており、これは0であってもよい。これは、器具の接線方向及び長手方向の両方で実施され得る。
【0208】
長手方向又は半径方向の遊びを補償するための別の方法は、1つの円筒状要素に螺旋を切ることができることである。この螺旋は、例えば、同じ円筒状要素の、又はこの円筒状要素の外側若しくは内側の円筒状要素のヒンジの長手方向の遊びを排除するための長手方向ばね要素として使用することができる。螺旋のコイル状構造もまた、半径方向の遊びを補償するために使用することができる。例えば、内側円筒状要素がコイル状構造を有し、その上の円筒状要素が例えば長手方向要素を含む場合、コイルを「巻き戻す」ようにコイルの一端を回転させてその直径を増大させることによって長手方向要素を半径方向外側に押し、回転させた端部を、長手方向要素と外側円筒状要素との間の所望の量の半径方向の遊びが達成される位置に固定することができる。
【0209】
以下の要約的記述を行うことができる。
【0210】
減少した遊びを有するデバイスは、2つの異なる状態を有する。第1の状態は、製造後状態と呼ばれ(或いは、「静止状態」とも呼ばれることがある)、製造直後に得られる状態であり、第2の状態は、2つの対向する伸張部間の距離が製造後状態の距離よりも小さい、減少した遊びの状態である。減少した遊びのステータスは、2つの対向する伸張部(例えば、ヒンジの2つの部分又は操縦ワイヤなどの2つの隣接する長手方向要素)が所定の最大相互変位限界に沿って互いに横方向に移動可能な、操縦可能器具の動作モードに一致する。この減少した遊びの状態では、2つの対向する伸張部は、互いに沿って摺動する。2つの対向する伸張部間の距離が減少した遊びの状態の距離よりも大きく、製造後状態の距離よりも小さい第3の状態が製造後状態と減少した遊びの状態との間に存在してもよい。
【0211】
可動要素と第1の更なる要素は、ヒンジの対向部分であり得、したがって、円筒状器具の動作は、ヒンジの対向部分間の偏向を生じさせ、所定の最大動作限界は、ヒンジの対向部分間の最大偏向角度である。
【0212】
したがって、最大偏向角度は、-2~-45度及び+2~+45度の少なくとも一方の範囲内の値を有し得る。
【0213】
可動要素は、管の長手方向に延びる第1の長手方向要素であり得、したがって、円筒状器具の動作は、長手方向要素と第1の更なる要素との間の相互長手方向変位を生じさせ、所定の最大動作限界は、最大相互長手方向変位である。
【0214】
長手方向要素は、長手方向要素の長手方向移動を屈曲可能部分の屈曲部に伝達するなどのために、管の遠位端にて管の屈曲可能部分に取り付けられ得る。
【0215】
したがって、最大相互長手方向変位は、-0.5~-40mm及び+0.5~+40mmの少なくとも一方の範囲内の値を有し得る。他の要素に対する可動要素のこの最大動作限界は、器具における長手方向位置に依存する可能性があり、即ち、例えば、操縦ワイヤと隣接要素(例えば別の操縦ワイヤ)との間の相互長手方向変位は、遠位端よりも近位端においてはるかに大きい可能性がある。
【0216】
所定の最大動作限界は、例えば、操縦可能先端の最大偏向角度及び器具の可撓性本体セクション内の隣接するヒンジ部分の最大曲げ角度の観点で表される操縦可能侵襲的器具の設計仕様に依存する。
【0217】
減少した遊びのステータスにおいて、伸張部の一方は、他方の対向伸張面のための摺動面を形成する。図示の実施形態において、両伸張部は「平滑な」表面(湾曲した、例えば円形であってもよい)を有することが認められる。しかしながら、一方が平滑であってもよいのに対し、他方は非平滑であってもよく、例えば波形パターンを有してもよい。
【0218】
円筒状要素の壁厚は、その用途に依存する。医療用途においては、壁厚は、0.03~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲内であってもよい。円筒状要素の直径は、その用途に依存する。医療用途においては、直径は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲内であってもよい。
【0219】
1つの円筒状要素の長手方向要素は、隣接する円筒状要素の長手方向要素に取り付けることができ、これらは一緒に、屈曲可能部分が曲がるように器具の近位端にある長手方向要素から器具の遠位端にある器具の屈曲可能部分に長手方向運動を伝達するように機能する。これについては、本出願人の国際公開第2017/213491号パンフレット(このPCT出願の例えば図12図13a及び図13bを参照)に詳しく説明されている。
【0220】
当業者には、本発明の範囲は、上記で説明した例に限定されず、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱せずに、そのいくつかの補正及び修正が可能であることが明らかになる。本発明は、図面及び説明において詳細に図示及び説明されたが、そのような図示及び説明は、実例又は例示にすぎず、限定ではないとみなされる。本発明は、開示した実施形態に限定されず、開示した実施形態の任意の組み合わせを含み、これは利点になり得る。
【0221】
開示した実施形態の変形例は、図面、説明及び添付の特許請求の範囲の研究から特許請求する発明の実施において、当業者によって理解及び達成され得る。説明及び特許請求の範囲では、語「含む(comprising)」は他の要素を除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。実際には、「少なくとも1つ」を意味するとみなされる。相互に異なる従属請求項にいくつかの特徴が列挙されるという事実だけでは、これらの特徴の組み合わせが都合よく使用されることができないということは示さない。特許請求の範囲のいずれの参照符号も、本発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。上述の実施形態及び態様の特徴は、それらの組み合わせが技術的に明白に矛盾しない限り、組み合わせることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図18A
図18B
図18C
図18D
図19A
図19B
図20A
図20B
図20C
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図23D
図23E
図24A
図24B
図24C
図24D
図24E
図25A
図25B
図25C
図25D
図26A
図26B
図26C
図26D
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延び、少なくとも可動要素(1677;16(2))と少なくとも第1の更なる要素(1675;16(1);16(3))とを有する管を含む円筒状器具であって、前記円筒状器具は、第1の状態及び第2の状態を有し、前記第1の状態は、製造直後に得られる製造後状態であり、前記第2の状態は、動作モードに対応する減少した遊びの状態であり、前記可動要素(1677;16(2))は、可動要素陥凹部(1603b;1702b1;2002a/2002c)に隣接する可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)を有し、前記製造後状態では、前記可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)は、第1の更なる要素陥凹部(1601b;1701b;2001b)に第1の距離で対向して位置し、前記可動要素陥凹部(1603b;1702b1;2002a/2002c)は、第1の更なる要素伸張部(1601a;1701a;1701c;2001a/2001c)に第2の距離で対向して位置し、前記管は、前記製造後状態から、前記可動要素(1677;16(2))と前記第1の更なる要素(1675;16(1);16(3))との間の前記減少した遊びの状態に、相対的な横方向移動を可能にするように構成されており、前記減少した遊びの状態では、前記円筒状要素(1603a;1702a1;2002b)を所定の最大動作限界まで動作させることにより、前記可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)は、少なくとも部分的に、前記第1の更なる要素伸張部(1601a;1701a;1701c;2001a/2001c)に対向し、前記可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)と前記第1の更なる要素伸張部(1601a;1701a;1701c;2001a/2001c)は、互いに対して横方向に移動し、互いに沿って摺動することができる、
円筒状器具。
【請求項2】
前記可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)及び前記第1の更なる要素伸張部(1601a;1701a;1701c;2001a/2001c)の少なくとも一方は、平滑面を有する、請求項1に記載の円筒状器具。
【請求項3】
前記可動要素(1677)及び前記第1の更なる要素(1675)は、ヒンジの対向部分であり、前記円筒状器具の動作は、前記ヒンジの前記対向部分間の偏向を生じさせ、前記所定の最大動作限界は、前記ヒンジの前記対向部分間の最大偏向角度である、請求項1又は2に記載の円筒状器具。
【請求項4】
前記最大偏向角度は、-2~-45度及び+2~+45度の少なくとも一方の範囲内の値を有する、請求項に記載の円筒状器具。
【請求項5】
前記可動要素(1677)は、凹状部である前記第1の更なる要素(1675)内に回転自在に配置された凸状部(1677)である、請求項又はに記載の円筒状器具。
【請求項6】
前記可動要素(1677)の前記凸状部は中心点(1683)を有し、前記可動要素伸張部(1603a)は、高さと、前記第1の更なる要素(1675)に面し、前記中心点(1683)を中心とする半径を有する円上に位置する湾曲側面とを有し、前記第1の更なる要素伸張部(1601a)は湾曲他側面を有し、前記湾曲他側面は、前記中心点(1683)を中心とする他半径を有する他円上に位置し、前記製造後状態では、前記可動要素(1677)からある距離にあり、前記高さと前記距離は、製造公差内で等しい、請求項に記載の円筒状器具。
【請求項7】
前記可動要素は、前記管(103)の前記長手方向に延びる第1の長手方向要素(16(2))であり、前記円筒状器具の動作は、前記第1の長手方向要素(16(2))と前記第1の更なる要素との間の相互長手方向変位を生じさせ、前記所定の最大動作限界は、最大相互長手方向変位である、請求項1又は2に記載の円筒状器具。
【請求項8】
前記第1の長手方向要素(16(2))は、前記第1の長手方向要素(16(2))の長手方向移動を屈曲可能部分の屈曲部に伝達するなどのために、前記管の遠位端にて前記管の前記屈曲可能部分に取り付けられている、請求項に記載の円筒状器具。
【請求項9】
前記最大相互長手方向変位は、-0.5~-40mm及び+0.5~+40mmの少なくとも一方の範囲内の値を有する、請求項に記載の円筒状器具。
【請求項10】
第1の更なる要素伸張部(1701c)は、前記管の接線方向に弾力性がある、請求項のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項11】
前記可動要素伸張部(2002b)及び可動要素陥凹部(2002a)は、複数の可動要素伸張部及び可動要素陥凹部の一部であり、前記可動長手方向部分が、概して、前記可動長手方向部分の長手方向端部の1つに向かって先細るように構成されている、請求項10のいずれか一項に記載の円筒状要素。
【請求項12】
前記第1の更なる要素(16(1))は、前記管(103)の前記長手方向に延びる第2の長手方向要素(16(1))である、請求項11のいずれか一項に記載の円筒状要素。
【請求項13】
前記第2の長手方向要素(16(1))は、前記第2の長手方向要素(16(1))の長手方向移動を前記屈曲可能部分の屈曲部に伝達するなどのために、前記管の遠位端にて前記管の屈曲可能部分に取り付けられている、請求項12に記載の円筒状器具。
【請求項14】
前記可動要素(1677;16(2))は、前記可動要素伸張部(1603a;1702a1)と前記可動要素陥凹部(1603b;1702b1)との間に移行縁部を有し、前記移行縁部は、前記可動要素陥凹部(1603b;1702b1)に対して鈍角を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項15】
前記第1の更なる要素(1675;16(1))は、前記第1の更なる要素伸張部(1601a;1701a)と前記第1の更なる要素陥凹部(1601b;1701b)との間に移行縁部を有し、前記移行縁部は、前記第1の更なる要素陥凹部(1601b;1701b)に対して鈍角を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項16】
前記管は、0.03~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲内の厚みを有する壁を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項17】
前記管は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲内の直径を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項18】
円筒状器具の製造方法であって、
第1の管(103)に1つ以上のスロットを切り、例えば、前記第1の管(103)に第1の要素(16(1);1304)及び第2の要素(16(2);1306)を、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)が互いに対して横方向に移動可能であり、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)が互いに対して遊びを示すように、作成する、ことと、
その後、
(a)前記第1の要素(16(1);1304)及び前記第2の要素(16(2);1306)が、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)が互いに向けて移動した位置において減少した遊びを示すように、前記第1の要素(16(1);1304)の少なくとも一部分と前記第2の要素(16(2);1306)の少なくとも一部分を互いに向けて相対的に移動させ、前記円筒状要素(16(2);1306)の動作中に、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素との間の前記横方向相対移動をなお可能にしながら、減少した遊びのステータスを維持するなどのために、前記第1の要素(16(1);1304)の前記一部分又は前記第2の要素(16(2);1306)の前記一部分のいずれかを固定する
又は
(b)第3の要素(2314;2316;1715;1717)を前記第1の要素(16(1))及び前記第2の要素(16(2))に対する所定の位置に移動させ、前記第3の要素(2314;2316;1715;1717)が前記所定の位置に留まり、前記第1の要素(16(1))と前記第2の要素(16(2))との間に減少した遊びを生じさせる
いずれかのアクションを実施することと、
方法。
【請求項19】
前記第1の要素は、前記第1の管(103)の長手方向に延びる第1の長手方向要素(16(1))であり、前記第2の要素は、前記第1の管(103)の前記長手方向に延びる第2の長手方向要素(16(2))であり、前記第1の長手方向要素(16(1))と第2の長手方向要素は、互いに対して長手方向に移動可能であり、前記方法は、
第2の管(102)を前記第1の管(103)の内側又は外側に挿入することであって、前記第2の管は、第3の要素(120(1))及び第4の要素(120(2))を含み、前記第3の要素と前記第4の要素は、互いに対して長手方向に移動可能である、第2の管(102)を前記第1の管(103)の内側又は外側に挿入することと、
例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(1))の折り曲げタブを前記第3の要素(120(1))の凹部内に曲げること、又は前記第3の要素(120(1))の折り曲げタブを前記第1の長手方向要素(16(1))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第1の長手方向要素(16(1))を前記第3の要素(120(1))に取り付けること、又は
例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(2))の折り曲げタブを前記第4の要素(120(2))の凹部内に曲げること、又は前記第4の要素(120(2))の折り曲げタブを前記第2の長手方向要素(16(2))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって、前記第2の長手方向要素(16(2))を前記第4の要素(120(2))に取り付けること
の少なくとも1つによってアクション(a)を実施することと、
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の管は第1のヒンジ(1302)を有し、前記第1の要素は、前記第1のヒンジ(1302)の第1の凸状部(1304)であり、前記第2の要素は、前記第1のヒンジ(1302)の第1の凹状部(1306)であり、前記第1の凸状部(1304)は、前記第1の凹状部(1306)内で回転可能であり、前記方法は、
第2の管(102)を前記第1の管(103)の内側又は外側に挿入することであって、前記第2の管(102)は、第2のヒンジを含み、前記第3の要素は、前記第2のヒンジの第2の凸状部(2604)であり、前記第4の要素は、前記第2のヒンジの第2の凹状部(2606)であり、前記第2の凸状部(2604)は、前記第2の凹状部(2606)内で回転可能であり、前記第1の凸状部(1304)は前記第2の凸状部(2604)に隣接して位置し、前記第1の凹状部(1306)は前記第2の凹状部(2606)に隣接して位置する、第2の管(102)を第1の管(103)の内側又は外側に挿入することと、
例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の凸状部(1304)の折り曲げタブを前記第2の凸状部(1306)の凹部内に曲げること、又は前記第2の凸状部(1306)の折り曲げタブを前記第1の凸状部(1304)の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって、前記第1の凸状部(1304)を前記第2の凸状部(1306)に取り付けること
によってアクション(a)を実施することと、
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
アクション(b)が実施され、前記第3の要素(2314;2316;1715;1717)もまた、前記第1の管(103)に1つ以上のスロットを切ることによって作成される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記第3の要素はスペーサ(2314)であり、アクション(b)は、前記スペーサ(2314)が前記第1の要素(16(1))の可撓性部分(2315)によって前記長手方向に固定され、前記管の接線方向において前記第2の要素(16(2))に押し付けられるように、前記スペーサ(2314)を前記第1の管の長手方向に移動させることによって実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の管はヒンジを有し、前記第1の要素は前記ヒンジの凸状部(1677)であり、前記第2の要素は前記ヒンジの凹状部(1675)であり、前記凸状部(1677)は、前記第1の凹状部(1675)内で回転可能であり、前記方法は、前記凸状可動部(1677)と前記凹状部(1675)とを、前記凸状可動部(1677)と前記凹状部(1675)とが円形スナップフィット接続を形成するように互いに対して移動させることによってアクション(a)を実施することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の管はヒンジを有し、前記第1の要素は前記ヒンジの凸状部(1677)であり、前記第2の要素は前記ヒンジの凹状部(1675)であり、前記凸状部(1677)は、前記第1の凹状部(1675)内で回転可能であり、前記方法は、第2の管を前記第1の管の内側又は外側に配置することであって、前記第2の管は、長手方向要素を備える、第2の管を前記第1の管の内側又は外側に配置することと、前記凸状可動部(1677)と前記凹状部(1675)とを、前記凸状可動部(1677)と前記凹状部(1675)が減少した相互の遊びを示すように互いに対して移動させることと、前記長手方向要素にプレテンションを与えることと、によってアクション(a)を実施することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
円筒状器具であって、第1の管(103)及び第2の管(102)を含み、前記第2の管(102)は、前記第1の管(103)の内側又は外側のいずれかに位置し、前記第1の管(103)は、前記第1の管(103)が、前記第1の管(103)に第1の要素(16(1);1304)を有し、前記第1の管(103)に第2の要素(16(2);1306)を有し、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)が互いに対して横方向に移動可能であるように、1つ以上のスロットのパターンを有し、
前記第1の要素(16(1);1304)の一部分又は前記第2の要素(16(2);1306)の一部分のいずれかは、前記円筒状器具の長手方向位置で前記第2の管(102;104)の一部分に固定されており、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)は、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)との間の前記横方向相対移動をなお可能にしながら、前記長手方向位置で減少した相互の遊びを示し、前記減少した相互の遊びは、1つ以上のスロットの前記パターンの作成が完了した直後に前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)との間に存在する相互の遊びの量よりも小さい遊びの量である、
円筒状器具。
【請求項26】
前記第1の要素は、前記第1の管(103)の長手方向に延びる第1の長手方向要素(16(1))であり、前記第2の要素は、前記第1の管(103)の前記長手方向に延びる第2の長手方向要素(16(2))であり、前記第1の長手方向要素(16(1))と前記第2の長手方向要素は、互いに対して長手方向に移動可能であり、
前記第2の管は、第3の要素(120(1))及び第4の要素(120(2))を有し、前記第3の要素と前記第4の要素は、互いに対して長手方向に移動可能であり、
前記第1の長手方向要素(16(1))は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(1))の折り曲げタブを前記第3の要素(120(1))の凹部内に曲げること、又は前記第3の要素(120(1))の折り曲げタブを前記第1の長手方向要素(16(1))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第3の要素(120(1))に取り付けられている、又は
前記第2の長手方向要素(16(2))は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(2))の折り曲げタブを前記第4の要素(120(2))の凹部内に曲げること、又は前記第4の要素(120(2))の折り曲げタブを前記第2の長手方向要素(16(2))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第4の要素(120(2))に取り付けられている、
の少なくとも1つである、請求項25に記載の円筒状器具。
【請求項27】
前記第1の長手方向要素(16(1))は、前記第3の要素(120(1))に取り付けられており、前記第2の長手方向要素(16(2))は、前記第4の要素(120(2))に取り付けられており、前記第2の管(102)は、前記第1の管(103)の内側に位置しており、第3の管(104)は、前記第1の管(103)の外側に配置されており、
前記第1の長手方向要素(16(1))は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(1))の折り曲げタブを前記第3の管(104)の凹部内に曲げること、又は前記第3の管(104)の折り曲げタブを前記第1の長手方向要素(16(1))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第3の管(104)に取り付けられている、
又は
前記第2の長手方向要素(16(2))は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第2の長手方向要素(16(2))の折り曲げタブを前記第3の管(104)の凹部内に曲げること、又は前記第3の管(104)の折り曲げタブを前記第2の長手方向要素(16(1))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第3の管(104)に取り付けられている、
のいずれかである、
請求項25に記載の円筒状器具。
【請求項28】
前記第1の長手方向要素(16(1))が前記第3の管(104)に取り付けられている場合、前記第2の長手方向要素(16(2))は、前記第3の管(104)に対して長手方向に移動可能であり、1つ以上の長手方向位置に、前記第2の管(102)の要素に載っている側面部分を有する、又は
前記第2の長手方向要素(16(2))が前記第3の管(104)に取り付けられている場合、前記第1の長手方向要素(16(1))は、前記第3の管(104)に対して長手方向に移動可能であり、1つ以上の長手方向位置に、前記第2の管(102)の要素に載っている側面部分を有する、
請求項27に記載の円筒状器具。
【請求項29】
前記第1の長手方向要素(16(1))と前記第2の長手方向要素(16(2))との間の前記減少した相互の遊びは、製造公差内でゼロであり、前記第3の要素(120(1))の第1の長手方向側面は、前記円筒状器具の接線方向に見られるように、前記第4の要素(120(2))の第1の長手方向側面に対向して位置しており、前記第3の要素(120(1))の第2の長手方向側面は、前記第2の管(102)の第5の要素に対して製造公差内でゼロの接線方向の遊びを示し、前記第4の要素(120(2))の第2の長手方向側面は、前記第2の管(102)の第6の要素(120(3))に対して製造公差内でゼロの接線方向の遊びを示す、請求項24~27のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項30】
前記第1の管は、第1のヒンジ(1302)を含み、前記第1の要素は、前記第1のヒンジ(1302)の第1の凸状部(1304)であり、前記第2の要素は、前記第1のヒンジ(1302)の第1の凹状部(1306)であり、前記第1の凸状部(1304)は、前記第1の凹状部(1306)内で回転可能であり、
前記第2の管(102)は、第2のヒンジを含み、前記第3の要素は、前記第2のヒンジの第2の凸状部(2604)であり、前記第4の要素は、前記第2のヒンジの第2の凹状部(2606)であり、前記第2の凸状部(2604)は、前記第2の凹状部(2606)内で回転可能であり、前記第1の凸状部(1304)は前記第2の凸状部(2604)に半径方向に隣接して位置し、前記第1の凹状部(1306)は前記第2の凹状部(2606)に半径方向に隣接して位置し、
前記第1の凸状部(1304)は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の凸状部(1304)の折り曲げタブを前記第2の凸状部(1306)の凹部内に曲げること、又は前記第2の凸状部(1306)の折り曲げタブを前記第1の凸状部(1304)の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第2の凸状部(1306)に取り付けられている、
請求項25に記載の円筒状器具。
【請求項31】
長手方向に延び、少なくとも第1の要素(16(1))及び第2の要素(16(2))を有する管を含み、前記管は、前記第1の要素(16(1))と前記第2の要素(16(2))との間の相対的な横方向移動を可能にするように構成されており、前記管は、前記第1の要素(16(1))と前記第2の要素(16(2))との間にスペーサ(2314)を含み、前記スペーサ(2314)は、前記スペーサ(2314)を前記第2の要素(16(2))に前記管の接線方向に押し付ける前記第1の要素(16(1))の可撓性部分(2315)によって前記管の前記長手方向に固定されている、
円筒状器具。
【請求項32】
長手方向に延び、少なくとも第1の要素(16(1))と第2の要素(16(2))と第3の要素(1715)とを有する管を含み、前記管は、前記第1の要素(16(1))と前記第2の要素(16(2))との間の相対的な横方向移動を可能にするように構成されており、前記第3の要素は、前記第1の要素(16(1))の一部分であり、前記第2の要素に対して曲げられる屈曲要素(1715)である、
円筒状器具。
【請求項33】
前記管は、0.03~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲内の厚みの壁を有する、請求項2532のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項34】
前記管は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲内の直径を有する、請求項2533のいずれか一項に記載の円筒状器具。
【請求項35】
請求項1~172535のいずれか一項に記載の円筒状器具を含む侵襲的器具であって、前記侵襲的器具は、外科用侵襲的器具又は内視鏡器具である、
侵襲的器具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0221
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0221】
開示した実施形態の変形例は、図面、説明及び添付の特許請求の範囲の研究から特許請求する発明の実施において、当業者によって理解及び達成され得る。説明及び特許請求の範囲では、語「含む(comprising)」は他の要素を除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。実際には、「少なくとも1つ」を意味するとみなされる。相互に異なる従属請求項にいくつかの特徴が列挙されるという事実だけでは、これらの特徴の組み合わせが都合よく使用されることができないということは示さない。特許請求の範囲のいずれの参照符号も、本発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。上述の実施形態及び態様の特徴は、それらの組み合わせが技術的に明白に矛盾しない限り、組み合わせることができる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 長手方向に延び、少なくとも可動要素(1677;16(2))と少なくとも第1の更なる要素(1675;16(1);16(3))とを有する管を含む円筒状器具であって、前記可動要素(1677;16(2))は、可動要素陥凹部(1603b;1702b1;2002a/2002c)に隣接する可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)を有し、製造後状態では、前記可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)は、第1の更なる要素陥凹部(1601b;1701b;2001b)に第1の距離で対向して位置し、前記可動要素陥凹部(1603b;1702b1;2002a/2002c)は、第1の更なる要素伸張部(1601a;1701a;1701c;2001a/2001c)に第2の距離で対向して位置し、前記管は、前記製造後状態から、前記可動要素(1677;16(2))と前記第1の更なる要素(1675;16(1);16(3))との間の減少した遊びの状態に、相対的な横方向移動を可能にするように構成されており、前記減少した遊びの状態では、前記円筒状要素(1603a;1702a1;2002b)を所定の最大動作限界まで動作させることにより、前記可動要素伸張部(1603a;1702a1;2002b)は、少なくとも部分的に、前記第1の更なる要素伸張部(1601a;1701a;1701c;2001a/2001c)に、前記第1の距離及び前記第2の距離よりも小さい第3の距離で対向し、前記第1の更なる要素伸張部に対して前記減少した遊びを伴って横方向に移動することができる、
円筒状器具。
[2] 前記可動要素(1677)及び前記第1の更なる要素(1675)は、ヒンジの対向部分であり、前記円筒状器具の動作は、前記ヒンジの前記対向部分間の偏向を生じさせ、前記所定の最大動作限界は、前記ヒンジの前記対向部分間の最大偏向角度である、[1]に記載の円筒状器具。
[3] 前記最大偏向角度は、-2~-45度及び+2~+45度の少なくとも一方の範囲内の値を有する、[2]に記載の円筒状器具。
[4] 前記可動要素(1677)は、凹状部である前記第1の更なる要素(1675)内に回転自在に配置された凸状部(1677)である、[2]又は[3]に記載の円筒状器具。
[5] 前記可動要素(1677)の前記凸状部は中心点(1683)を有し、前記可動要素伸張部(1603a)は、高さと、前記第1の更なる要素(1675)に面し、前記中心点(1683)を中心とする半径を有する円上に位置する湾曲側面とを有し、前記第1の更なる要素伸張部(1601a)は湾曲他側面を有し、前記湾曲他側面は、前記中心点(1683)を中心とする他半径を有する他円上に位置し、前記製造後状態では、前記可動要素(1677)からある距離にあり、前記高さと前記距離は、製造公差内で等しい、[4]に記載の円筒状器具。
[6] 前記可動要素は、前記管(103)の前記長手方向に延びる第1の長手方向要素(16(2))であり、前記円筒状器具の動作は、前記長手方向要素(16(2))と前記第1の更なる要素との間の相互長手方向変位を生じさせ、前記所定の最大動作限界は、最大相互長手方向変位である、[1]に記載の円筒状器具。
[7] 前記長手方向要素(16(2))は、前記長手方向要素(16(2))の長手方向移動を屈曲可能部分の屈曲部に伝達するなどのために、前記管の遠位端にて前記管の前記屈曲可能部分に取り付けられている、[6]に記載の円筒状器具。
[8] 前記最大相互長手方向変位は、-0.5~-40mm及び+0.5~+40mmの少なくとも一方の範囲内の値を有する、[7]に記載の円筒状器具。
[9] 第1の更なる要素伸張部(1701c)は、前記管の接線方向に弾力性がある、[6]~[8]のいずれか一項に記載の円筒状器具。
[10] 前記可動要素伸張部(2002b)及び可動要素陥凹部(2002a)は、複数の可動要素伸張部及び可動要素陥凹部の一部であり、前記可動長手方向部分が、概して、前記可動長手方向部分の長手方向端部の1つに向かって先細るように構成されている、[6]~[9]のいずれか一項に記載の円筒状要素。
[11] 前記第1の更なる要素(16(1))は、前記管(103)の前記長手方向に延びる第2の長手方向要素(16(1))である、[6]~[10]のいずれか一項に記載の円筒状要素。
[12] 前記第2の長手方向要素(16(1))は、前記第2の長手方向要素(16(1))の長手方向移動を前記屈曲可能部分の屈曲部に伝達するなどのために、前記管の遠位端にて前記管の屈曲可能部分に取り付けられている、[11]に記載の円筒状器具。
[13] 前記可動要素(1677;16(2))は、前記可動要素伸張部(1603a;1702a1)と前記可動要素陥凹部(1603b;1702b1)との間に移行縁部を有し、前記移行縁部は、前記可動要素陥凹部(1603b;1702b1)に対して鈍角を有する、[1]~[12]のいずれか一項に記載の円筒状器具。
[14] 前記第1の更なる要素(1675;16(1))は、前記第1の更なる要素伸張部(1601a;1701a)と前記第1の更なる要素陥凹部(1601b;1701b)との間に移行縁部を有し、前記移行縁部は、前記第1の更なる要素陥凹部(1601b;1701b)に対して鈍角を有する、[1]~[13]のいずれか一項に記載の円筒状器具。
[15] 前記管は、0.03~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲内の厚みを有する壁を有する、[1]~[14]のいずれか一項に記載の円筒状器具。
[16] 前記管は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲内の直径を有する、[1]~[15]のいずれか一項に記載の円筒状器具。
[17] 円筒状器具の製造方法であって、
第1の管(103)に1つ以上のスロットを切り、例えば、前記第1の管(103)に第1の要素(16(1);1304)及び第2の要素(16(2);1306)を、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)が互いに対して横方向に移動可能であり、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)が互いに対して遊びを示すように、作成する、ことと、
その後、
(a)前記第1の要素(16(1);1304)及び前記第2の要素(16(2);1306)が、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)が互いに向けて移動した位置において減少した遊びを示すように、前記第1の要素(16(1);1304)の少なくとも一部分と前記第2の要素(16(2);1306)の少なくとも一部分を互いに向けて相対的に移動させ、前記円筒状要素(16(2);1306)の動作中に、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素との間の前記横方向相対移動をなお可能にしながら、減少した遊びのステータスを維持するなどのために、前記第1の要素(16(1);1304)の前記一部分又は前記第2の要素(16(2);1306)の前記一部分のいずれかを固定する
又は
(b)第3の要素(2314;2316;1715;1717)を前記第1の要素(16(1))及び前記第2の要素(16(2))に対する所定の位置に移動させ、前記第3の要素(2314;2316;1715;1717)が前記所定の位置に留まり、前記第1の要素(16(1))と前記第2の要素(16(2))との間に減少した遊びを生じさせる
いずれかのアクションを実施することと、
方法。
[18] 前記第1の要素は、前記第1の管(103)の長手方向に延びる第1の長手方向要素(16(1))であり、前記第2の要素は、前記第1の管(103)の前記長手方向に延びる第2の長手方向要素(16(2))であり、前記第1の長手方向要素(16(1))と第2の長手方向要素は、互いに対して長手方向に移動可能であり、前記方法は、
第2の管(102)を前記第1の管(103)の内側又は外側に挿入することであって、前記第2の管は、第3の要素(120(1))及び第4の要素(120(2))を含み、前記第3の要素と前記第4の要素は、互いに対して長手方向に移動可能である、第2の管(102)を前記第1の管(103)の内側又は外側に挿入することと、
例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(1))の折り曲げタブを前記第3の要素(120(1))の凹部内に曲げること、又は前記第3の要素(120(1))の折り曲げタブを前記第1の長手方向要素(16(1))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第1の長手方向要素(16(1))を前記第3の要素(120(1))に取り付けること、又は
例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(2))の折り曲げタブを前記第4の要素(120(2))の凹部内に曲げること、又は前記第4の要素(120(2))の折り曲げタブを前記第2の長手方向要素(16(2))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって、前記第2の長手方向要素(16(2))を前記第4の要素(120(2))に取り付けること
の少なくとも1つによってアクション(a)を実施することと、
を含む、[17]に記載の方法。
[19] 前記第1の管は第1のヒンジ(1302)を有し、前記第1の要素は、前記第1のヒンジ(1302)の第1の凸状部(1304)であり、前記第2の要素は、前記第1のヒンジ(1302)の第1の凹状部(1306)であり、前記第1の凸状部(1304)は、前記第1の凹状部(1306)内で回転可能であり、前記方法は、
第2の管(102)を前記第1の管(103)の内側又は外側に挿入することであって、前記第2の管(102)は、第2のヒンジを含み、前記第3の要素は、前記第2のヒンジの第2の凸状部(2604)であり、前記第4の要素は、前記第2のヒンジの第2の凹状部(2606)であり、前記第2の凸状部(2604)は、前記第2の凹状部(2606)内で回転可能であり、前記第1の凸状部(1304)は前記第2の凸状部(2604)に隣接して位置し、前記第1の凹状部(1306)は前記第2の凹状部(2606)に隣接して位置する、第2の管(102)を第1の管(103)の内側又は外側に挿入することと、
例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の凸状部(1304)の折り曲げタブを前記第2の凸状部(1306)の凹部内に曲げること、又は前記第2の凸状部(1306)の折り曲げタブを前記第1の凸状部(1304)の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって、前記第1の凸状部(1304)を前記第2の凸状部(1306)に取り付けること
によってアクション(a)を実施することと、
を含む、[15]に記載の方法。
[20] アクション(b)が実施され、前記第3の要素(2314;2316;1715;1717)もまた、前記第1の管(103)に1つ以上のスロットを切ることによって作成される、[15]に記載の方法。
[21] 前記第3の要素はスペーサ(2314)であり、アクション(b)は、前記スペーサ(2314)が前記第1の要素(16(1))の可撓性部分(2315)によって前記長手方向に固定され、前記管の接線方向において前記第2の要素(16(2))に押し付けられるように、前記スペーサ(2314)を前記第1の管の長手方向に移動させることによって実施される、[18]に記載の方法。
[22] 前記第1の管はヒンジを有し、前記第1の要素は前記ヒンジの凸状部(1677)であり、前記第2の要素は前記ヒンジの凹状部(1675)であり、前記凸状部(1677)は、前記第1の凹状部(1675)内で回転可能であり、前記方法は、前記凸状可動部(1677)と前記凹状部(1675)とを、前記凸状可動部(1677)と前記凹状部(1675)とが円形スナップフィット接続を形成するように互いに対して移動させることによってアクション(a)を実施することを含む、[15]に記載の方法。
[23] 前記第1の管はヒンジを有し、前記第1の要素は前記ヒンジの凸状部(1677)であり、前記第2の要素は前記ヒンジの凹状部(1675)であり、前記凸状部(1677)は、前記第1の凹状部(1675)内で回転可能であり、前記方法は、第2の管を前記第1の管の内側又は外側に配置することであって、前記第2の管は、長手方向要素を備える、第2の管を前記第1の管の内側又は外側に配置することと、前記凸状可動部(1677)と前記凹状部(1675)とを、前記凸状可動部(1677)と前記凹状部(1675)が減少した相互の遊びを示すように互いに対して移動させることと、前記長手方向要素にプレテンションを与えることと、によってアクション(a)を実施することを含む、[15]に記載の方法。
[24] 円筒状器具であって、第1の管(103)及び第2の管(102)を含み、前記第2の管(102)は、前記第1の管(103)の内側又は外側のいずれかに位置し、前記第1の管(103)は、前記第1の管(103)が、前記第1の管(103)に第1の要素(16(1);1304)を有し、前記第1の管(103)に第2の要素(16(2);1306)を有し、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)が互いに対して横方向に移動可能であるように、1つ以上のスロットのパターンを有し、
前記第1の要素(16(1);1304)の一部分又は前記第2の要素(16(2);1306)の一部分のいずれかは、前記円筒状器具の長手方向位置で前記第2の管(102;104)の一部分に固定されており、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)は、前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)との間の前記横方向相対移動をなお可能にしながら、前記長手方向位置で減少した相互の遊びを示し、前記減少した相互の遊びは、1つ以上のスロットの前記パターンの作成が完了した直後に前記第1の要素(16(1);1304)と前記第2の要素(16(2);1306)との間に存在する相互の遊びの量よりも小さい遊びの量である、
円筒状器具。
[25] 前記第1の要素は、前記第1の管(103)の長手方向に延びる第1の長手方向要素(16(1))であり、前記第2の要素は、前記第1の管(103)の前記長手方向に延びる第2の長手方向要素(16(2))であり、前記第1の長手方向要素(16(1))と前記第2の長手方向要素は、互いに対して長手方向に移動可能であり、
前記第2の管は、第3の要素(120(1))及び第4の要素(120(2))を有し、前記第3の要素と前記第4の要素は、互いに対して長手方向に移動可能であり、
前記第1の長手方向要素(16(1))は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(1))の折り曲げタブを前記第3の要素(120(1))の凹部内に曲げること、又は前記第3の要素(120(1))の折り曲げタブを前記第1の長手方向要素(16(1))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第3の要素(120(1))に取り付けられている、又は
前記第2の長手方向要素(16(2))は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(2))の折り曲げタブを前記第4の要素(120(2))の凹部内に曲げること、又は前記第4の要素(120(2))の折り曲げタブを前記第2の長手方向要素(16(2))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第4の要素(120(2))に取り付けられている、
の少なくとも1つである、[24]に記載の円筒状器具。
[26] 前記第1の長手方向要素(16(1))は、前記第3の要素(120(1))に取り付けられており、前記第2の長手方向要素(16(2))は、前記第4の要素(120(2))に取り付けられており、前記第2の管(102)は、前記第1の管(103)の内側に位置しており、第3の管(104)は、前記第1の管(103)の外側に配置されており、
前記第1の長手方向要素(16(1))は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の長手方向要素(16(1))の折り曲げタブを前記第3の管(104)の凹部内に曲げること、又は前記第3の管(104)の折り曲げタブを前記第1の長手方向要素(16(1))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第3の管(104)に取り付けられている、
又は
前記第2の長手方向要素(16(2))は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第2の長手方向要素(16(2))の折り曲げタブを前記第3の管(104)の凹部内に曲げること、又は前記第3の管(104)の折り曲げタブを前記第2の長手方向要素(16(1))の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第3の管(104)に取り付けられている、
のいずれかである、
[24]に記載の円筒状器具。
[27] 前記第1の長手方向要素(16(1))が前記第3の管(104)に取り付けられている場合、前記第2の長手方向要素(16(2))は、前記第3の管(104)に対して長手方向に移動可能であり、1つ以上の長手方向位置に、前記第2の管(102)の要素に載っている側面部分を有する、又は
前記第2の長手方向要素(16(2))が前記第3の管(104)に取り付けられている場合、前記第1の長手方向要素(16(1))は、前記第3の管(104)に対して長手方向に移動可能であり、1つ以上の長手方向位置に、前記第2の管(102)の要素に載っている側面部分を有する、
[26]に記載の円筒状器具。
[28] 前記第1の長手方向要素(16(1))と前記第2の長手方向要素(16(2))との間の前記減少した相互の遊びは、製造公差内でゼロであり、前記第3の要素(120(1))の第1の長手方向側面は、前記円筒状器具の接線方向に見られるように、前記第4の要素(120(2))の第1の長手方向側面に対向して位置しており、前記第3の要素(120(1))の第2の長手方向側面は、前記第2の管(102)の第5の要素に対して製造公差内でゼロの接線方向の遊びを示し、前記第4の要素(120(2))の第2の長手方向側面は、前記第2の管(102)の第6の要素(120(3))に対して製造公差内でゼロの接線方向の遊びを示す、[24]~[27]のいずれか一項に記載の円筒状器具。
[29] 前記第1の管は、第1のヒンジ(1302)を含み、前記第1の要素は、前記第1のヒンジ(1302)の第1の凸状部(1304)であり、前記第2の要素は、前記第1のヒンジ(1302)の第1の凹状部(1306)であり、前記第1の凸状部(1304)は、前記第1の凹状部(1306)内で回転可能であり、
前記第2の管(102)は、第2のヒンジを含み、前記第3の要素は、前記第2のヒンジの第2の凸状部(2604)であり、前記第4の要素は、前記第2のヒンジの第2の凹状部(2606)であり、前記第2の凸状部(2604)は、前記第2の凹状部(2606)内で回転可能であり、前記第1の凸状部(1304)は前記第2の凸状部(2604)に半径方向に隣接して位置し、前記第1の凹状部(1306)は前記第2の凹状部(2606)に半径方向に隣接して位置し、
前記第1の凸状部(1304)は、例えば、溶接、レーザ溶接、ろう付け、結合、接着、前記第1の凸状部(1304)の折り曲げタブを前記第2の凸状部(1306)の凹部内に曲げること、又は前記第2の凸状部(1306)の折り曲げタブを前記第1の凸状部(1304)の凹部内に曲げることの少なくとも1つによって前記第2の凸状部(1306)に取り付けられている、
[24]に記載の円筒状器具。
[30] 長手方向に延び、少なくとも第1の要素(16(1))及び第2の要素(16(2))を有する管を含み、前記管は、前記第1の要素(16(1))と前記第2の要素(16(2))との間の相対的な横方向移動を可能にするように構成されており、前記管は、前記第1の要素(16(1))と前記第2の要素(16(2))との間にスペーサ(2314)を含み、前記スペーサ(2314)は、前記スペーサ(2314)を前記第2の要素(16(2))に前記管の接線方向に押し付ける前記第1の要素(16(1))の可撓性部分(2315)によって前記管の前記長手方向に固定されている、
円筒状器具。
[31] 長手方向に延び、少なくとも第1の要素(16(1))と第2の要素(16(2))と第3の要素(1715)とを有する管を含み、前記管は、前記第1の要素(16(1))と前記第2の要素(16(2))との間の相対的な横方向移動を可能にするように構成されており、前記第3の要素は、前記第1の要素(16(1))の一部分であり、前記第2の要素に対して曲げられる屈曲要素(1715)である、
円筒状器具。
[32] 前記管は、0.03~2.0mm、好ましくは0.03~1.0mm、より好ましくは0.05~0.5mm、最も好ましくは0.08~0.4mmの範囲内の厚みの壁を有する、[24]~[31]のいずれか一項に記載の円筒状器具。
[33] 前記管は、0.5~20mm、好ましくは0.5~10mm、より好ましくは0.5~6mmの範囲内の直径を有する、[24]~[32]のいずれか一項に記載の円筒状器具。
[34] [1]~[16]、[24]~[33]のいずれか一項に記載の円筒状器具を含む侵襲的器具であって、前記侵襲的器具は、外科用侵襲的器具又は内視鏡器具である、
侵襲的器具。
【国際調査報告】