(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ゲルブロックの調製方法
(51)【国際特許分類】
A23K 40/10 20160101AFI20240719BHJP
A23K 50/90 20160101ALI20240719BHJP
【FI】
A23K40/10
A23K50/90
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501918
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 FR2022051384
(87)【国際公開番号】W WO2023285757
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517227839
【氏名又は名称】インセクト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ティボー サルトン デュ ジョンシェ
(72)【発明者】
【氏名】アダム キレシュ
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ラフォルグ
(72)【発明者】
【氏名】ファニー ペリシュ
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005EA03
2B150AA20
2B150AB20
2B150AE12
2B150BC10
2B150BE02
2B150BE04
(57)【要約】
本発明は以下のステップを含むゲルブロックの調製方法に関する:- アルジネート及び炭酸カルシウム調製物を提供すること(S1)、- 緩衝液を提供すること(S2)、- 出口ダクトを含むミキシングティーを使用してアルジネート及び炭酸カルシウム調製物(S1)と緩衝液(S2)とを混合すること(E4)、その後- 出口ダクト、及び/又は出口ダクトに接続されたダクトから形成されたゲル化器内での当該混合物をゲル化し、ゲルブロックを形成すること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲルブロックの調製方法であって、以下のステップ:
- アルジネート及び炭酸カルシウム調製物を提供すること、
- 緩衝液を提供すること、
- 出口ダクトを含むミキシングティーを使用して、前記アルジネート及び炭酸カルシウム調製物と前記緩衝液とを混合すること、その後
- 前記出口ダクト、及び/又は前記出口ダクトに接続されたダクトから形成されたゲル化器内でゲル化し、ゲルブロックを形成すること
を含む方法。
【請求項2】
前記炭酸カルシウムは40μm未満の粒径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アルジネート/炭酸カルシウムのモル比が0.2から1.8である請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記緩衝液のpHが3から6である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記アルジネート及び炭酸カルシウム調製物/緩衝液の体積比が1から10である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記アルジネート及び炭酸カルシウム調製物並びに前記緩衝液は、これらを混合するために1つ以上の容積式ポンプで送り出される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ゲル化器は直線的なダクトである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ゲル化器は円筒形のダクトである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
分配ステップを更に含み、ゲルブロックは前記ゲル化器から出て来て、受容面上に堆積する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ゲル化器の出口における切断ステップを更に含み、あらかじめ決められた時間間隔又は大きさでゲルが切断される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲルブロックの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動物、特に昆虫の飼育には、動物の栄養要求量に従って、多かれ少なかれ相当な給水が必要である。この給水は、状況に従って調整されるために制御できなければならない。
【0003】
一般に、昆虫の水の要求量は1kgの成熟昆虫(殺す準備ができている幼虫)を生産するにあたり2kgのオーダーである。したがって、産業スケールにおいて、これは供給が必要であり正しく管理されなければならない大きな体積の水を表す。実際に、水の管理不足は:
- 水量が不十分であれば、生育が不十分になり、
- 又は水量が過剰であれば、実質的に微生物学的なリスクが高まることにより、虫の死亡率増加の問題
のいずれかを引き起こし得る。
【0004】
ゲルの形態での給水は、前述の欠点を解決することを可能にする。
【0005】
国際公開第2018/122360号には、特に、水及び/若しくは栄養素の供給源又は昆虫の飼育源として、農産業からの液体副産物から得られるゲルが記載されている。
【0006】
国際公開第2018/122361号は、特に、ゲル化剤の溶解を可能にする加熱ステップ及びゲル化を可能にする冷却ステップを含む、水性ゲルのブロックを生産する方法に関する。
【0007】
しかしながら、この種類のゲルとその調製方法は、効率及び生産性に影響を及ぼす無視できないゲル化時間を伴う。更に、ゲル化剤を混合物中に溶解するために、最初に加熱する必要があり、次に混合物をゲル化するために冷却する必要があり、これらの加熱及び冷却ステップは、付加的な特定の装置(冷却回路など)の配備を伴う。
【0008】
したがって、迅速で容易に実施されるゲルの調製方法が必要である。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、以下のステップを含むゲルブロックの調製方法に関する:
- アルジネート及び炭酸カルシウム調製物を提供すること、
- 緩衝液を提供すること、
- 出口ダクトを含むミキシングティーを使用して、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物と、緩衝液とを混合すること、及びその後
- 出口ダクト及び/又は出口ダクトに接続されたダクトによって形成されたゲル化器でゲル化して、ゲルブロックを形成すること。
【0010】
有利には、本発明の方法で使用される炭酸カルシウムは、40μm未満の粒径を有する。
【0011】
有利には、本発明の方法で使用されるアルジネート/炭酸カルシウムのモル比は0.2から1.8である。
【0012】
有利には、本発明の方法で使用される緩衝液のpHは3から6である。
【0013】
有利には、本発明の方法で使用されるアルジネート及び炭酸カルシウム調製物/緩衝液の体積比は1から10である。
【0014】
有利には、本発明の方法において、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物並びに緩衝液は、これらの混合のために1つ以上の容積式ポンプを用いて、ポンプで送り出される。
【0015】
有利には、本発明の方法において、ゲル化器は直線的なダクトである。
【0016】
有利には、本発明の方法において、ゲル化器は円筒形のダクトである。
【0017】
有利には、本発明の方法は、分配するステップを更に含み、ゲルブロックはゲル化器から出て来て、受容面上に堆積する。
【0018】
有利には、本発明の方法は、ゲル化器出口における切断ステップを更に含み、あらかじめ決められた時間間隔又は大きさでゲルが切断される。
【0019】
本発明の更なる特異性及び利点は以下の詳述された説明で明らかになるだろう。非限定的な例として与えられる添付図は以下のとおり。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に従ったゲルブロックを調製する方法を、ブロック図に従って表す。
【
図2】本発明の実施形態に従ったゲルのストリップの調製を、ブロック図に従って表す。
【
図3】本発明の実施形態において使用され得る産業設備の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は以下のステップを含むゲルブロックの調製方法に関する:
- アルジネート及び炭酸カルシウム調製物を提供すること
- 緩衝液を提供すること
- 出口ダクトを含むミキシングティーを使用して、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物と、緩衝液とを混合すること、及びその後に、
- 出口ダクト及び/又は出口ダクトに接続されたダクトによって形成されたゲル化器でゲル化して、ゲルブロックを形成すること。
【0022】
「ゲルブロック」という用語は、有利には少なくとも2mm、好ましくは少なくとも5mmの厚さを有するゲルの均質な塊を指す。
【0023】
好ましくは、ゲルブロックは7mmから45mm、より好ましくは10mmから35mm、更により好ましくは5mmから25mm、例えば約20mmの厚さを有する。
【0024】
本願において、特に明記しない限り、与えられた全ての数値は境界を含むものと理解される。
【0025】
「約X」という用語は数値Xのプラス又はマイナス10%を指す。
【0026】
有利には、ゲルブロックは円筒形(又はより一般的には角柱、それによりストリップを呈する)を有する。
【0027】
特に、ゲルブロックは球状の(又は球)形状を有さない。
【0028】
「アルジネート」という用語はアルギン酸の共役塩基を指し、好ましくは塩の形態を指す。
【0029】
アルギン酸はD-マンヌロン酸(M)及びL-グルロン酸(G)の残基によって形成される多糖類である。特に、グルロン酸残基に対するマンヌロン酸残基の割合に対応するM/G比によって特徴付けることができる。
【0030】
有利には、アルジネートは1.0から2.0、好ましくは1.2から1.8、より好ましくは1.4から1.6、更により好ましくは1.4に等しいM/G比を有する。
【0031】
有利には、アルジネートは1価カチオンの塩の形態であり、好ましくは、アルジネートはアルギン酸ナトリウム又はアルギン酸カリウム、より好ましくはアルギン酸ナトリウムである。
【0032】
好ましくは、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物のアルジネートの含有量は0.20%から0.50%、より好ましくは0.25%から0.45%、更に好ましくは0.30%から0.40%、例えば約0.38%であり、このパーセントは調製物の総重量に対する重量パーセントである。
【0033】
好ましくは、アルジネートがアルギン酸ナトリウムの場合、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物のアルギン酸ナトリウム含有量は、0.20%から0.50%、より好ましくは0.25%から0.45%、更に好ましくは0.30%から0.40%、例えば約0.38%であり、このパーセントは調製物の総重量に対する重量パーセントである。
【0034】
本発明の方法は、不連続(「バッチ」)又は連続モードに従って行うことができる。好ましくは、方法は連続モードで行われる。
【0035】
本発明のゲルの調製方法は、迅速である。特に、この方法はゲル化に必要な時間を減らすことを可能とする(例えば約数秒)。この方法は実施もまた容易である。特に加熱又は冷却ステップを必要としない。
【0036】
更に、本発明に従って調製されたゲルブロックは過剰な水の解放及び昆虫の環境を湿潤にすることを防ぐための低いシネレシスを有する。シネレシスはゲルからの液体の排出に対応する。シネレシスはゲルの初期重量に対する排出された液体重量パーセントで表現される。昆虫が動けなくなるリスクを防ぐために、低いシネレシスが実際に求められる。
【0037】
炭酸カルシウムは動物の飼料との適合性があるという利点を有する。更に、本発明者らは、炭酸カルシウムは、緩衝液に混合する前のアルジネート及び炭酸カルシウム調製物があらかじめゲル化することを、有利に避けることができることを見出した。
【0038】
有利には、本発明の方法で使用される炭酸カルシウムは、40μm未満の粒径を有する。
【0039】
当業者らはどのように粒径を決めるかを知っており、特に粒度計を用いて粒径を測定することができる。特に、粒径がXμm未満であった場合、このことは全ての粒子が、大きさがXμmのメッシュを有するふるいを通して通過することを意味する。
【0040】
好ましくは、炭酸カルシウムは、20μm未満、より好ましくは15μm未満、更により好ましくは10μm未満の粒径を有する。
【0041】
本発明の方法が連続方法の場合、小さい粒径の炭酸カルシウムの使用は特に好適である。
【0042】
好ましくは、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物の炭酸カルシウムの含有量は、0.10%から0.40%、より好ましくは0.15%から0.35%、更により好ましくは0.15%から0.25%、例えば約0.18%であり、このパーセントは調製物の総重量に対する重量パーセントである。
【0043】
有利には、アルジネート(単体、対イオンなし)/炭酸カルシウムのモル比は、0.2から1.8、好ましくは0.4から1.4、より好ましくは0.5から1.3、更に好ましくは0.6から1.2である。
【0044】
このモル比を計算するために、アルジネート(単体、対イオンなし)は176g/mol(マンヌロネート又はグルロネートのモノマーに相当する)に等しいモル質量を有するとみなす。
【0045】
有利には、本発明の方法で使用されるアルジネートはアルギン酸ナトリウムである。
【0046】
有利には、アルギン酸ナトリウム/炭酸カルシウムの重量比は1以上である。
【0047】
好ましくは、アルギン酸ナトリウム/炭酸カルシウムの重量比は1から5、より好ましくは1から3、例えば約2である。
【0048】
有利には、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物は更に静菌剤を含む。静菌剤はバクテリアの増殖を止める物質である。好ましくは、静菌剤はプロパン酸である。
【0049】
好ましくは、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物の静菌剤の含有量は0.05%から0.40%、より好ましくは0.10%から0.35%、更に好ましくは0.15%から0.30%、例えば約0.25%であり、このパーセントは調製物の総重量に対する重量パーセントである。
【0050】
アルジネート及び炭酸カルシウム調製物は更に栄養剤を含むことができ、栄養剤は調製物に可溶である。
【0051】
「栄養剤」という用語は、生物が生きるために使用される有機物質又はミネラル物質、特にビタミン及び/又はミネラルを指す。
【0052】
有利には、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物は、その構成成分(特にアルジネート及び炭酸カルシウム、任意で静菌剤)である化合物を水と、好ましくは水道水と混合することで得られる。好ましくは、混合は撹拌機を装備したタンクで実行される。
【0053】
有利には、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物の水の含有量は95%超、好ましくは96%超、より好ましくは97%から99.5%、更により好ましくは98%から99.5%、例えば約99%であり、このパーセントは調製物の総重量に対する重量パーセントである。
【0054】
アルジネート及び炭酸カルシウム調製物は安定であり、すなわちゲル化の開始は観測されない。
【0055】
「緩衝液」という用語は、少量の酸又は塩基を添加した場合、又は希釈する間、およそ一定のpHを維持する水溶液を指す。
【0056】
有利には、本発明の方法で使用される緩衝液のpHは3から6である。好ましくは緩衝液のpHは3.5から5.5、より好ましくは4.0から5.0、例えば約4.8などである。
【0057】
有利には、緩衝液は市販の又は必要に応じて調製したものでよい。緩衝液は普通、酸と塩基から構成される。好ましくは、酸は酢酸であり塩基は水酸化ナトリウムである。任意で、静菌剤を緩衝液に添加することができる。好ましくは、緩衝液は水、酢酸及び水酸化物ナトリウム、任意で静菌剤から構成される。
【0058】
静菌剤は、好ましくはプロパン酸である。有利には、緩衝液の静菌剤の含有量は0.05%から0.40%、より好ましくは0.10%から0.35%、更により好ましくは0.15%から0.30%、例えば約0.25%であり、このパーセントは緩衝液の総重量に対する重量パーセントである。
【0059】
緩衝液は更に栄養剤を含むことができ、栄養剤は緩衝液に可溶である。
【0060】
有利には、緩衝液は上記の化合物(特に酸及び塩基、任意で静菌剤)を水と、好ましくは水道水と混合することで調製される。好ましくは、混合は撹拌機を装備したタンクで実行される。
【0061】
緩衝液並びにアルジネート及び炭酸カルシウム調製物はいずれかの順番で次々と、又は並行して得ることができる。
【0062】
有利には、本発明の方法において使用されるアルジネート及び炭酸カルシウム調製物/緩衝液の体積比は1から10である。
【0063】
好ましくは、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物/緩衝液の体積比は2から8、より好ましくは3から6、更により好ましくは約4である。
【0064】
有利には、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物並びに緩衝液は、抜出ステップの間に、これらの対応したタンクから同時に抜き出される。これらは1つ以上のポンプを使用して抜き出すことができる。例えば、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物は第1のポンプを使用して抜き出すことができる。緩衝液は第2のポンプを使用して抜き出すことができる。
【0065】
有利には、本発明の方法において、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物並びに緩衝液は、これらの混合のために1つ以上の容積式ポンプを用いて、送り出される。
【0066】
容積式ポンプは、好ましくは回転ポンプであり、より好ましくは偏心スクリューポンプ又はローブポンプであり、更により好ましくは偏心スクリューポンプである。ゲルの生産スケールに従って、ポンプの吐出圧は調整することができる。例えば、1時間当たり数十kgのゲルの生産のための吐出圧は、好ましくは2.105Pa以上である。
【0067】
抜き出されたアルジネート及び炭酸カルシウム調製物並びに緩衝液は、続いて均質混合物を得るために混合される。この混合は短時間で行われ、例えば約0.1秒である。
【0068】
この混合ステップは、ミキシングティー(「mixing T」と呼ばれることもある)によって行われる。ミキシングティーは、2つの入口ダクトと1つの出口ダクトを含む、マニホールドを形成している管から本質的になる。ミキシングティーの入口ダクトは、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物並びに緩衝液を当該ティーに導入するためにそれぞれ使用される。
【0069】
ダクトはミキシングティーの出口ダクトに接続することができる。
【0070】
有利には、ミキシングティーの出口ダクトは、緩衝液の入口ダクトと同じ方向であり、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物の入口ダクトに対して垂直である。
【0071】
有利には、ミキシングティーのダクトは1から5mmの直径を有する。このミキシングティーはキャピラリーミキサーと呼ばれる。キャピラリー(ダクト)の直径は、使用される流量に適合され;例えば、35L/hの場合は2mmである。
【0072】
有利には、本発明の方法において、ゲル化器は直線的なダクトである。
【0073】
ゲル化はアルジネート及び炭酸カルシウムの調製物を緩衝液に混合することから始まる。有利には、ゲル化器は、例えばスタティックミキサーのようなゲル形成を妨害できる、又は形成されたゲルを破壊できるいずれかの要素を含まない。
【0074】
このようにして、ゲル化は、アルジネート及び炭酸カルシウム調製液並びに緩衝液がミキシングティー内で混合されながら、連続的に行われる。これにより、ゲルブロックを迅速に得ることが可能になる。
【0075】
したがって、ゲル化はミキシングティーの出口ダクト及び/又はミキシングティーの出口ダクトに接続されたダクトで起こる。出口ダクト及び/又は接続されたダクトはこのようにしてゲル化器を形成する。
【0076】
したがって、ゲル化器の最小長さは、ゲル化器内の輸送時間が少なくともゲル化に必要な時間に等しくなるように、ゲル化に必要な時間に適合される。
【0077】
例えば、ゲル化時間およそ3秒、ゲル分配速度1m/sの場合、ゲル化器の長さは少なくとも3mである。
【0078】
有利には、本発明の方法において、ゲル化器は円筒形のダクトである。
【0079】
有利には、ゲル化器は、少なくとも2mm、好ましくは5mmの(一定の)直径を有する円筒形のダクトである。これにより、円筒形(又はストリップ)のゲルブロックを得ることが可能になる。実際に、ゲルは円筒形のダクトの内部形状を取り、したがって、ダクト内径の連続した円筒形を呈する。
【0080】
好ましくは、円筒形のダクトは、7mmから45mm、より好ましくは10mmから35mm、更により好ましくは15mmから25mm、例えば約20mmの直径を有する。
【0081】
有利には、本発明の方法は、分配するステップを更に含み、ゲルブロックはゲル化器から出て来て、受容面上に堆積する。
【0082】
有利には、受容面は、ゲルブロックの厚さより大きい幅のバンドから形成することができる。例えば、ゲル化器が約20mmの直径を有する円筒形のダクトである場合、バンドの幅は好ましくは約5cmである。
【0083】
更に、ゲル化器出口及び受容面は、有利には互いに対して運動し、この相対運動は、受容面をゲル化器出口の下で運転することにより、及び/又はゲル化器を受容面の上で並行移動させることによって得ることが可能である。ゲル化器出口と受容面の間の相対運動は、好ましくは、伸張又は圧縮による過度の応力がゲルに生じることを避けるために、ゲルの排出速度に対応する。
【0084】
有利には、本発明の方法は、ゲル化器出口における切断ステップを更に含み、あらかじめ決められた時間間隔又は大きさでゲルが切断される。
【0085】
所望の長さを有するゲルブロックはこのようにして形成される。
【0086】
したがって、円筒形のダクトがゲル化に使用される場合、所望の長さのストリップのゲルブロックが得られる。
【0087】
一実施形態において、切断はゲルの分配を単に止めることによって行われる。この実施形態は、ゲルブロックの寸法が小さい、例えば45mm未満の厚さを有する場合に有利であり、装置の出口と受容面の間の相対運動の影響のみによって切断することができる。
【0088】
他の実施形態において、ゲルの切断に適合した自動切断システム(例えばブレード又はカッティングワイヤー)が使用される。切断システムは、有利にはゲル化器出口に直接配置される。
【0089】
図1は、本発明の実施形態に従ったゲルの調製方法を概略的に表す。
【0090】
アルジネート及び炭酸カルシウム調製物E1を入手するステップで、攪拌機を装備したタンク内で以下のものが上記で定められる量で混合される:
アルギン酸ナトリウムなどのアルジネート;
炭酸カルシウム;
任意で、静菌剤;及び
水。
【0091】
撹拌機は、不溶性の炭酸カルシウムの沈降を有利に防止することを可能とする。
【0092】
安定なアルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1がこのようにして得られる、すなわちゲル化の開始は観測されない。
【0093】
緩衝液E2を入手するステップで、撹拌機が装備された第2のタンク内で以下のものが緩衝液を得ることを可能にする量で混合される:
例えば酢酸などの酸;
苛性ソーダ水溶液などの塩基;及び
水。
【0094】
タンク内で直接調製された緩衝液S2がこのようにして得られる。
【0095】
アルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1並びに緩衝液S2のために使用されるタンクは、有利にはアルジネート及び炭酸カルシウム調製物/緩衝液の体積比に適合した体積を有することができる。例えば、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物/緩衝液の体積比が4に等しいためには、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1のタンクは、緩衝液S2のタンクよりもおよそ4倍より大きい体積を持ち、例えばアルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1のタンクはおよそ400Lであり、緩衝液S2のタンクはおよそ100Lである。
【0096】
アルジネート及び炭酸カルシウム調製物E1を入手するステップ並びに緩衝液E2を入手するステップはいずれかの順番で次々に、又は並行して(特に同時に)実施することができる。
【0097】
抜出ステップE3で、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1並びに緩衝液S2は同時にそれらの対応する調製物タンクから同時に抜き出される。アルジネート及び炭酸カルシウム調製物は第1のポンプを使用して抜き出すことができる。緩衝液S2は第2のポンプを使用して抜き出すことができる。
【0098】
第1のポンプ及び第2のポンプは有利には、容積式ポンプである。およそ2.105Paの吐出圧を有する偏心スクリューポンプは、成功裏に使用されている。
【0099】
混合ステップE4で、抜き出されたアルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1並びに緩衝液S2は均質混合物を得るために混合される。この混合は短時間で、約0.1秒で行われる。
【0100】
この混合は、2本の入口ダクトと1本の出口ダクトを有するミキシングティー内で行われる。
【0101】
ミキシングティーの出口ダクトは有利に、緩衝液S2の入口ダクトと同じ方向を向いており、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1の入口ダクトに垂直である。
【0102】
アルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1並びに緩衝液S2の混合からゲル化は始まる。
【0103】
このようにしてゲル化は、アルジネート及び炭酸カルシウム調製液S1並びに緩衝液S2がミキシングティー内で混合されながら、連続的に行われる。
【0104】
完全なゲル化は通常、およそ2から5秒の持続時間を有する。ミキシングティーの出口ダクト及び/又はミキシングティーの出口ダクトに接続された任意のダクト内でゲル化が生じることができるように、出口ダクトの長さは適合される。出口ダクト及び/又は接続されたダクトからこのようにしてゲル化器は形成される。ゲル化は20mmの(一定の)直径を有する円筒管内で成功裏に行われた。本発明の想定された用途では、特に直径15mmから25mmの管を使用することができる。
【0105】
ゲルの調製方法は、例示として上記に記載されており、本発明の範囲から逸脱することなく適合させることができることは明らかである。
【0106】
特に、混合ステップのために、調製タンクと抜出しの間でアルジネート及び炭酸カルシウム溶液S1の中間貯蔵を行うことができる。同様に、混合ステップのために、調製タンクと抜出しの間で緩衝液S2の中間貯蔵を行うことができる。
【0107】
更に、本発明のゲルを入手するための方法は、アルジネート及び炭酸カルシウム溶液E1を調製するステップ並びに緩衝液(E2)を調製するステップが任意であるように、あらかじめ調製された炭酸カルシウム溶液S1及び/又は緩衝液(S2)を用いて行うことができる。
【0108】
図2は、本発明の範囲内で実施可能なゲルストリップの調製方法を概略的に表す。
【0109】
アルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1並びに緩衝液S2が提供される。アルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1並びに緩衝液S2は混合ステップE4で混合される。
【0110】
図1を参照して記載された実施例に従って、S1及びS2が提供され、混合され得る。
【0111】
混合ステップ後、ゲルが形成され、混合ステップE4で使用されるティーの出口でダクト内(すなわちミキシングティーの出口ダクト内及び/又はそれに直接接続されたダクト内)を進む。ゲル化は20mmの(一定の)直径を有する円筒形のダクト内で成功裏に行われた。ゲルはこのようにして円筒形のダクトの内部形状を取り、ダクト内径の連続した円筒形を呈する。
【0112】
分配ステップE5で、このようにして形成されたゲルブロックはそれが形成されたダクトから出て来て、受容面上に堆積される。受容面はバンド(すなわち硬い、直線的で細長い面)、例えば、約5cmの幅のバンドから形成されることができる。ダクト出口及び受容面は有利に互いに対して運動する。この相対運動は、受容面をダクト出口の下で運転することによって、及び/又はダクトを受容面の上で並行移動させることによって得ることができる。伸張又は圧縮による過度の応力をゲルに生じさせないように、ダクト出口と受容面の間の相対運動は好ましくはゲルの排出速度に対応する。
【0113】
切断ステップE6で、あらかじめ決められた時間間隔又は大きさでゲルブロックは切断される。このために、例えばゲルブロックの分配を単に止めることによって切断は行われる。ゲルブロックの寸法が小さいため、装置の出口と受容面の間の相対運動の影響のみによって切断することができる。あるいは、ゲルブロックを切断するために適合された(例えばブレード又はカッティングワイヤーを使用した)自動切断システムが使用される。切断システムはゲルが形成されるダクト出口に直接設置される。
【0114】
所望の長さを持ったゲルストリップはこのようにして形成される。これらのストリップは自重で崩壊しないほど硬い。更に、周囲温度で1時間後に観測されたシネレシスは10%未満である。シネレシスはゲルストリップを除去した後の自由水の質量を精密秤で測定することにより評価される。
【0115】
本発明の方法は、例えば、
図3で表すような産業設備を用いて、産業スケールで実施することができる。
【0116】
図3に表された設備は2つのタンク、すなわち第1のタンクC1及び第2のタンクC2を含む。第1のタンクC1は第1のミキサーM1を含む。第2のタンクC2は第2のミキサーM2を含む。
【0117】
第1のタンクC1はアルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1を生産するために使用される。第2のタンクC2は緩衝液S2を生産するために使用される。
【0118】
アルジネート及び炭酸カルシウム調製物を得るために、給水は、水システムに配置される第1の計量バルブV1を使用して第1のタンクC1内で行うことができる。アルジネート、炭酸カルシウム、及び任意で静菌剤は、第1のタンクC1に手動で、又は適合した計量装置を使用して供給することができる。
【0119】
緩衝液S2を得るために、給水は、水システムに配置される第2の計量バルブV2を使用して第2のタンクC2内で行うことができる。緩衝液の酸及び塩基、並びに任意で静菌剤は、第2のタンクC2に手動で、又は適合した計量装置を使用して供給することができる。
【0120】
第1のミキサーM1及び第2のミキサーM2は、それぞれアルジネート及び炭酸カルシウム調製物並びに緩衝液S2を均質にすることを可能とする。
【0121】
この設備は第1のタンクC1の内容物、すなわちアルジネート及び炭酸カルシウム調製物の抜出しを可能にする第1の抜出バルブV3を含む。また、この設備は第2のタンクC2の内容物、すなわち緩衝液の抜出しを可能とする第2の抜出バルブV4を含む。
【0122】
図3に表された設備の例において、第1のポンプP1は第1のタンクC1の内容物を抜き出し、当該第1のポンプP1よりも下流に配置された製品を加圧するために使用される。第2のポンプP2は第2のタンクC2の内容物を抜き出し、当該第2のポンプP2よりも下流に配置された製品を加圧するために使用される。
【0123】
第1のポンプP1及び第2のポンプP2は有利には、上記で定められたような容積式ポンプである。回転容積式ポンプ、例えば、偏心スクリューポンプの使用が好ましい。
【0124】
アルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1並びに緩衝液S2はミキシングティーTで合流する。
【0125】
ゲル化は、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1並びに緩衝液S2の合流及び混合後、ゲル化器Gを形成する直線的なダクト内のミキシングティーTの出口で非常に迅速に行われる。
【0126】
設備の出口に、自動切断システムD(例えばブレード又はカッティングワイヤーシステム)を設けることができる。自動切断システムDはゲルブロックの分配の間、所望の長さにゲルブロックを切断することを可能とする。ゲルブロックの分配は有利には、動物、すなわち好ましくは這うか若しくは本質的には這う昆虫、又は昆虫の幼虫を含む飼育容器(トレイ若しくはボックス、又は他の適した容器など)内で直接行われる。
【0127】
このために、
図3に表された設備は飼育容器を輸送するための、例えばベルトコンベアBを含む、システムを更に含む。ベルトコンベアBの運転は好ましくは、ゲルの分配の間は、ゲルに伸張、圧縮又は剪断力を生じさせないため、ゲルの出口速度と同期させる。したがって、少なくともベルトコンベアBで輸送される容器にゲルブロックを分配する間は、ベルトコンベアの運転速度はゲルの出口速度と同じである。
【0128】
このように、本発明の方法は非常に迅速及び簡易にゲルブロックを得ることを可能にし、特に産業スケールで実施することができる。更に、ゲル化は加熱及び冷却ステップを必要としないため、この方法の実行は容易である。したがって、本発明で提案する方法を実施するために必要な産業設備は、簡易で信頼性がある。
【0129】
そのうえ、本発明の方法は、インサイチューで生産され、要求に応じたブロックの形態に分配されるゲルの形成を連続的に可能とする。農場にゲルの形態で給水するためのある既知の方法と比較すると、ゲルの取り扱い及びその貯蔵が除かれ、したがって、特に汚染又は腐敗に関する関連問題が取り除かれる。更に、飼育動物、例えば昆虫の範囲内で、出口でのブロックのサイズを動物の要求量に適合させることができ、ブロックを連続的に提供できる。
【0130】
昆虫の飼育のほかにも、生産されたゲルは、フルーツ及び野菜ジュースの安定化、ソースベースのゲル化、アイスクリーム及びシャーベットのゲル化、乳製品デザートの粘度調整、タンパク質強化食品のゲル化バー(例えば機能性食品、病院食など)、砂糖の量を減らすことにより食感を保持するために、製品(例えばフルーツジャム又はゼリー)に食感を付与するためにゲルが組み込まれる場合は砂糖の代替品として、あるいはフレーバーゲル(例えばチョコレート又はフルーツフレーバー)を含む食料製品の具及び/又はトッピング(ペイストリーの前製品)に有利に使用することができる。
【0131】
以下に、本発明を実施例により非限定的な様式で示す。
【0132】
実施例1:パイロットスケールでの本発明の方法の実行
【0133】
アルジネート及び炭酸カルシウム調製物の入手
【0134】
1.4のM/G比(グルロン酸残基に対するマンヌロン酸残基の割合)を有するアルギン酸ナトリウムを使用する。
【0135】
使用される炭酸カルシウムの粒径は10μm未満で、特に粒子の98%は5.0μm未満の大きさを持ち、50%が1.5μm未満の大きさを有する。
【0136】
静菌剤はプロパン酸である。
【0137】
これらの成分は、以下の表1で示された割合で水道水と混合される。得られるアルジネート及び炭酸カルシウム調製物は中性pH(6.5から7.5)を有する。
【表1】
表1:アルジネート及び炭酸カルシウム調製物の組成、パーセントは調製物の総重量に対する重量パーセントである。
【0138】
表1の組成でのアルジネート(対イオンなし)/炭酸カルシウムのモル比は1.2である。
【0139】
緩衝液の入手
【0140】
80%質量濃度の酢酸及び50重量%の苛性ソーダ水溶液は、以下の表2で示された割合で水と混合される。
【表2】
【0141】
表2:緩衝液の組成、パーセントは溶液の総重量に対する重量パーセントである。
【0142】
pHが4.76の緩衝液がこのようにして得られる。
【0143】
上記組成物からのゲルの入手
【0144】
ゲルは、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物を緩衝液と体積比4:1で混合することによって得られる。
【0145】
この場合、0.1秒以下で均質混合物が生産される。
【0146】
得られるゲル化時間はおよそ3秒である。
【0147】
ゲルの調製方法
【0148】
ゲルの調製方法は、
図1及び
図2に従った方法の上記説明に従って行われる。
【0149】
アルジネート及び炭酸カルシウム調製物E1(
図1参照)を入手するステップで、撹拌機が装備された400Lのタンク内で以下のものが上記表1に従って混合される:
― アルギン酸ナトリウム
― 炭酸カルシウム
― 静菌剤;及び
水。
【0150】
安定なアルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1はこのようにして得られ、すなわちゲル化の開始は観測されない。
【0151】
緩衝液E2を入手するステップで、撹拌機が装備された100Lのタンク内で以下のものが上記表2に従って混合される;
酢酸
苛性ソーダ水溶液;及び
水。
【0152】
タンク内で直接調製された緩衝液S2はこのようにして得られる。
【0153】
抜出ステップE3で、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1並びに緩衝液S2はこれらの対応した調製タンクから同時に抜き出される。上記で説明されたとおり、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1は第1のポンプを使用して抜き出され、緩衝液S2は第2のポンプを使用して抜き出される。
【0154】
混合ステップE4で、抜き出されたアルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1並びに緩衝液S2は、均質混合物を得るために混合される。この混合は短時間で、約0.1秒で行われる。
【0155】
この混合は上記で説明されたミキシングティーによって行われる。
【0156】
ゲル化は、アルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1並びに緩衝液S2の混合から始まる。
【0157】
このようにして、ゲル化はミキシングティー内でアルジネート及び炭酸カルシウム調製物S1並びに緩衝液S2が混合されながら連続的に行われる。
【0158】
上記のとおり、本実施例1の範囲内で、完全なゲル化の持続時間は3秒である。更に、ゲル分配速度は1m/sであり、出口ダクトの最小長さは3mである。したがって、ゲル化はミキシングティーの出口ダクト内及び/又はミキシングティーの出口ダクトに接続されたダクト内で生じる。出口ダクト及び/又は接続されたダクトがこのようにしてゲル化器を形成する。ゲル化は、20mmの(一定の)直径を有する円筒形管内で成功裏に行われた。
【0159】
したがって、ゲルはこのダクトの内部形状を取り、ダクトの内径の連続した円筒形を呈する。
【0160】
分配ステップE5(
図2参照)で、ゲルは、ゲルが形成されたダクトから出て来て、受容面として約5cmの幅のバンド上に堆積される。
【0161】
切断ステップE6で、あらかじめ決められた時間間隔又は大きさで、ゲルは切断される。これらのストリップは自重で崩壊しないほど硬い。更に、1時間後に観測されたシネレシスは10%未満である。シネレシスは周囲温度(およそ20℃)で、ゲルストリップを除去した後の自由水の質量を精密秤で測定することにより評価される。
【0162】
上記の方法は、36kg/h及び75kg/hのゲルブロックの生産で、成功裏に行われた。
【0163】
予備段階の結果は、0.1kg/sのゲルブロックの生産を想定できることを示唆する(360kg/h)。例えば、1000Lのアルジネート及び炭酸カルシウム調製物用タンク及び200Lの緩衝液用タンクをそれぞれ使用することができる。所望の生産体積に従って、当然、他のタンク体積も想定することができる。更に、この方法に従った産業スケールの生産は、装置の出口を増やすことによって、典型的にはミキシングティーを増やすことによって想定することができる。
【国際調査報告】