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特表2024-527773オーバーモールドされ封入された磁石を有する自動車シャーシセンサー
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  • 特表-オーバーモールドされ封入された磁石を有する自動車シャーシセンサー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】オーバーモールドされ封入された磁石を有する自動車シャーシセンサー
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/30 20060101AFI20240719BHJP
   B60G 7/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G01B7/30 H
B60G7/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502074
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 US2022074001
(87)【国際公開番号】W WO2023004384
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】63/224,188
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516220468
【氏名又は名称】シーティーエス・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CTS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】4925 Indiana Ave. Lisle, Illinois 60532 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,ジェス ディー.
【テーマコード(参考)】
2F063
3D301
【Fターム(参考)】
2F063AA14
2F063BA11
2F063CA29
2F063CA31
2F063DA01
2F063DA05
2F063GA52
3D301AA48
3D301EA03
(57)【要約】
車両の車高を測定するための、回転アーム部材を備える車両シャーシセンサーアセンブリであって、回転アーム部材内に封入されたオーバーモールド磁石を含む。一実施形態では、オーバーモールド磁石が、オーバーモールド材料の層の側面及び/又は上部外面に開いたオーバーモールド窓を画定するオーバーモールド材料の層を含む。別の実施形態は、回転アーム部材に成形される前に、2ステップの成形プロセスで完全に封入される一対の離間した磁石を含む。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車高を測定するための、回転アーム部材を備える車両シャーシセンサーアセンブリであって、前記回転アーム部材内に封入されたオーバーモールド磁石を含む、車両シャーシセンサーアセンブリ。
【請求項2】
前記オーバーモールド磁石が、開いたオーバーモールド窓を画定するオーバーモールド材料の層を含む、請求項1に記載の車両シャーシセンサーアセンブリ。
【請求項3】
前記開いたオーバーモールド窓は、前記オーバーモールド材料の層の側面に配置される、請求項2に記載の車両シャーシセンサーアセンブリ。
【請求項4】
前記開いたオーバーモールド窓の形状は、長方形である、請求項3に記載の車両シャーシセンサーアセンブリ。
【請求項5】
前記開いたオーバーモールド窓は、前記オーバーモールド材料の層の上面に配置される、請求項2に記載の車両シャーシセンサーアセンブリ。
【請求項6】
前記開いたオーバーモールド窓の形状は、円形である、請求項5に記載の車両シャーシセンサーアセンブリ。
【請求項7】
車両の車高を測定するための、回転アーム部材を備える車両シャーシセンサーアセンブリを製造する方法であって、前記方法は、
第一モールド内に磁石を配置するステップと、
前記磁石の一部を封入し、前記磁石の残りの部分はそこから外側に突出する基部マウントを形成する樹脂で、前記第一モールドを充填するステップと、
前記磁石を支持する前記基部マウントを第二モールド内に配置するステップと、
前記磁石が完全に封入されてオーバーモールド磁石構成を形成するように、前記磁石の前記残りの部分を封入する包囲マウントを形成する樹脂で、前記第二モールドを充填するステップと、
前記オーバーモールド磁石構成を回転アーム部材モールドに配置するステップと、
前記回転アーム部材モールドに樹脂を充填して、前記オーバーモールド磁石構成を前記回転アーム部材に封入するステップと、を含む方法。
【請求項8】
前記磁石は第一磁石であり、前記方法は第二磁石を提供するステップを含み、前記方法は、
前記第二磁石を前記第一モールド内に配置するステップと、
前記第二磁石の一部を封入し、前記第二磁石の残りの部分はそこから外側に突出する基部マウントを形成する樹脂で、前記第一モールドを充填するステップと、
前記基部マウント及び前記第二磁石を第二モールドに配置するステップと、
前記第二磁石の前記残りの部分が完全に封入されて前記オーバーモールド磁石構成を形成するように、前記包囲マウントを形成する樹脂で、前記第二モールドを充填するステップと、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第一磁石及び前記第二磁石は、成形され、同時に封入される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記オーバーモールド磁石構成が円筒形状を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記オーバーモールド磁石構成が円筒形状を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記オーバーモールド磁石構成は、平坦な端部から前記オーバーモールド磁石構成内に延びる開口を画定するために、円形の中央窓を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記オーバーモールド磁石構成を前記回転アーム部材の端部に封入することは、前記オーバーモールド磁石配置を、湿気、塩分、汚れ、物理的損傷、及び極端な温度の厳しい外部車両環境への曝露から保護するために、前記オーバーモールド磁石配置をモールドすることを含み、前記樹脂はポリブチレンテレフタレート(PBT)である、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第一及び第二磁石は、離間した長方形の磁石である、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
車両の車高を測定するための、回転アーム部材を備える車両シャーシセンサーアセンブリであって、前記回転アーム部材内に封入された一対の離間した磁石を含むオーバーモールド磁石構成を含む、車両シャーシセンサーアセンブリ。
【請求項16】
前記オーバーモールド磁石構成は、前記磁石の一部を取り囲む樹脂からのオーバーモールド材料の基部マウントを含む、請求項15に記載の車両シャーシセンサーアセンブリ。
【請求項17】
前記オーバーモールド磁石構成は、前記一対の磁石が完全に封入されるように、前記一対の磁石の残りの部分を取り囲む樹脂からのオーバーモールド材料の包囲マウントを含む、請求項16に記載の車両シャーシセンサーアセンブリ。
【請求項18】
前記オーバーモールド磁石構成が円筒形状を有し、前記オーバーモールド磁石構成が、その周囲に一対の離間したノッチを含む、請求項15に記載の車両シャーシセンサーアセンブリ。
【請求項19】
前記一対の離間した磁石は長方形の形状を有し、前記車両シャーシセンサーアセンブリは、前記回転アーム部材内に封入された前記一対の離間した磁石を保護するためのOリング又はシールがない、請求項18に記載の車両シャーシセンサーアセンブリ。
【請求項20】
前記一対の離間した磁石は、エポキシ保護外側コーティングを含む、請求項18に記載の車両シャーシセンサーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2021年7月21日に出願され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「オーバーモールドされ、封入された磁石を有する自動車シャーシセンサー」と題された米国仮出願第63/224,188号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は自動車シャーシセンサーに関し、特に、オーバーモールドされ、封入された(又は、カプセル化された/encapsulated)磁石を有する自動車シャーシセンサーに関する。
【背景技術】
【0003】
現代の自動車は、車両全体にわたり多数のタイプのセンサー及びセンサーアセンブリを使用し、これらは、多くの他の用途の中でも、パワートレイン、シャーシ、内部客室環境、及び安全のための制御システムにおいて使用される。1つのタイプのセンサーは、車両の車高位置(又は、ライドハイトポジション/ride height position)を検出するために使用される。これは、車軸、ステアリングナックル、及びアクスルハブなどのバネ下シャーシ(又は、バネ付勢されていないシャーシ/unsprung chassis)構成要素に対するバネ上シャーシ(又は、バネ付勢されたシャーシ/sprung chassis)又は車体構成要素の位置(揺動運動/jounce motionとも呼ばれる)の測定具(又は、測定法/尺度)である。
【0004】
そのようなセンサーは、様々な用途で使用される。例えば、いくつかの車両は、様々な車両荷重にわたって所望の照準点を維持するために様々な荷重条件に適合するヘッドライトシステムを有する。このような用途では、前後輪部品の位置を示すライドハイトセンサー(又は、車高センサー/ride height sensor)が処理されて、照準点が設定される。別の用途は、車輪運動入力に基づいて動的に調整されるショックアブソーバ及びスプリングなどの能動的に制御されるサスペンション構成要素のためのものである。リアアクスル(又は、後車軸)のバネ予荷重の調整も、空気袋又は他のサスペンション構成要素を膨張させて異なる荷重条件に適合させるために使用されるライドハイトセンサーからのデータを使用して達成される。
【0005】
米国特許番号9,134,200及び10,288,529(これらは両方ともCTS CORPORATIONに譲渡され、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている設計を含め、現在ライドハイトセンサーの多くの設計が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在のライドハイトセンサーは、車両の車高を感知し測定するための、例えばホール効果センサーなどのセンサーと協働するように適合された磁石を含む。湿気、塩分、汚れ、物理的損傷、及び極端な温度の厳しい外部車両環境から磁石を保護するための改良された磁石設計が必要とされている。
【0007】
本実施形態は、湿気、塩分、汚れ、物理的損傷、及び極端な温度の厳しい外部車両環境から保護された磁石をライドハイトセンサーに提供するために、第一製造プロセスにおいてオーバーモールドされ、次いで、第二製造プロセスにおいてライドハイトセンサーのプラスチック内に封入される磁石を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は概して、車両の車高を測定するための車両シャーシセンサーアセンブリを対象とし、回転アーム部材内に封入されたオーバーモールド磁石(又は、オーバーモールドされた磁石/overmolded magnet)を含む回転アーム部材を備える。
【0009】
一実施形態では、オーバーモールド磁石が、開いた(又は、オープン/open)オーバーモールド窓を画定するオーバーモールド材料の層を含む。
【0010】
一実施形態では、開いたオーバーモールド窓がオーバーモールド磁石のオーバーモールド材料の層の側面に配置される。
【0011】
一実施形態では、オーバーモールド磁石のオーバーモールド材料の層の側面における開いたオーバーモールド窓の形状が長方形である。
【0012】
一実施形態では、開いたオーバーモールド窓がオーバーモールド磁石のオーバーモールド材料の層の上面に配置される。
【0013】
一実施形態では、オーバーモールド磁石のオーバーモールド材料の層の上面に配置された開いたオーバーモールド窓の形状が円形である。
【0014】
本発明はまた、車高を測定するための、回転アーム部材を備える車両シャーシセンサーアセンブリを作製する方法であって、磁石を提供するステップと、磁石をオーバーモールドしてオーバーモールド材料の層を有するオーバーモールド磁石を作製するステップと、オーバーモールド磁石を回転アーム部材内に封入するステップと、を含む方法を対象とする。
【0015】
一実施形態では、この方法がオーバーモールド磁石のオーバーモールド材料の層に窓を形成するステップをさらに含む。
【0016】
一実施形態では、窓はオーバーモールド材料の層の側面に形成される。
【0017】
一実施形態では、窓の形状は長方形である。
【0018】
一実施形態では窓はオーバーモールド材料の層の上面に形成される。
【0019】
一実施形態では、窓の形状は円形である。
【0020】
本発明のさらなる利益及び利点は添付の図面と併せて、後続の好ましい実施形態の説明及び添付の特許請求の範囲から、本発明が関連する当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、車両シャーシ取付具及びそれに結合されたリンク機構部品を有する、車高位置を測定するための従来技術の自動車シャーシセンサーアセンブリの斜視図である。
図2図2は、図1に描かれた従来技術の車両シャーシセンサーアセンブリの部分分解斜視図である。
図3図3は、センサー磁石を示す斜視図であり、磁石をオーバーモールドし、自動車シャーシセンサーアセンブリの回転アーム部材内に封入するためのプロセスをさらに示す。
図4図4は、別のセンサー磁石の斜視図であり、磁石をオーバーモールドし、自動車シャーシセンサーアセンブリの回転アーム部材内に封入するためのプロセスをさらに示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1及び2は従来技術の回転位置センサーアセンブリを示し、これは、図示の実施形態では車両の車高位置を測定及び決定するための自動車シャーシセンサーアセンブリ18の形態である。
【0023】
図1に示されるように、センサーアセンブリ18は、車両サスペンションシステム(図示せず)によってバネ止めされる自動車フレーム又は車体構成要素(図示せず)に結合される金属シャーシブラケット12に固定される。リンク14はセンサーアセンブリ18の回転アーム部材24を、例えば、リヤアクスル、ステアリングナックル、ハブ部品、又は道路係合車輪及びタイヤ(バネ下シャーシ部品)と共に移動する他の部品などの車両のシャーシのバネ下部品に結合する。車両シャーシのバネ上部品とバネ下部品との間の相対運動(揺動)は、回転アーム部材24の回転運動を引き起こす。この回転運動はセンサー要素によって感知され、様々な制御機能に使用される電気信号に変換され、そのうちのいくつかは概して、先に説明されている。
【0024】
センサーアセンブリ18は図2に示されており、図2はセンサーアセンブリ18の主要構成要素、部材、及び要素を示し、これには、すべて適切なプラスチック材料で作ることができる以下の部材又は構成要素が含まれる:カートリッジスロット36の内部にセンサーカートリッジアセンブリ138を収容する静止下部ハウジング又は第一ハウジング部材20、回転可能なシャフト46を案内し保持する上部ハウジング又は第二ハウジング部材又はスリーブ22、シャフト46に連結される回転アーム又は回転可能なアーム部材24であって、アーム部材24の回転に応じてシャフト46を回転させる該部材、及び第一ハウジング部材20と一体であり、電気コネクタ300を受け入れるように構成される電気端子コネクタハウジング26。
【0025】
図示の実施形態では、概してリング又はシリンダの形態であるハウジング部材20が、内側ねじ付き締結具開口部30を画定する外側締結具ボス又はブラケット28と、ブラケット28と直径方向に対向する関係に位置する一対の外側位置決めボス又は耳部34とを含む、外側取付け及び位置特徴を組み込む外壁21を含む。締結具ブラケット28は位置決めボス34と共に、シャーシブラケット12によって形成されたそれぞれの嵌合面及び開口(図示せず)によって受容され、センサーアセンブリ18のシャーシブラケット12への確実かつ正確な取り付け及び位置決めを提供する。
【0026】
図示のように、ハウジング部材20は以下でより詳細に説明するように、センサーカートリッジアセンブリ138を受け入れて収容する内部センサーカートリッジスロット又はキャビティ36を形成し、画定する。カートリッジスロット36は、ハウジング部材20の基部水平壁39の内面と、基部壁39と対向し、離間し、かつ平行に配置されたハウジング部材20の上部水平壁41の内面と、基部壁39及び上部壁41の端部の間に、かつそれらの端部と一体的に延在し、かつそれらとほぼ垂直な関係にある、ハウジング部材20の垂直壁21の内面との組合せによって画定され、境界を定められる。
【0027】
カートリッジスロット36は、ハウジング部材20によって画定され、カートリッジスロット36とコネクタソケット40の内部との間に位置する開口43を介して、コネクタハウジング26のコネクタソケット40の内部と連通している。図2に示す実施形態では、コネクタハウジング26がハウジング部材20の壁21の外面と一体であり、そこから外方に突出している。電気コネクタソケット40は、既知の構成の要素を含む電気コネクタ300を受容するように適合される。開放コネクタソケット40はまた、コネクタハウジング26へのその設置位置でコネクタソケット40の内部で電気コネクタ300のポジティブロック(又は、確実なロック/positive locking)を提供するためのタング42を含むコネクタロック特徴を備える。
【0028】
シャフト46は、基部47のプラスチック材料に成形されたピル形状(pill-shaped)の磁石60を有する中実の基部47と、基部47の頂部から上向きかつ外向きに延びて突出し、開いた管状の内部又はスリーブ51を画定する円筒壁49とを含む、細長い開いた管の形態である。
【0029】
シャフト46は、磁石60の取り付け及び回転運動を提供する環状ボビン又はマンドレル形状部材である。カートリッジスロット36に対する、より具体的にはその上のホール効果センサー188に対するシャフト46の回転運動がホール効果センサー188によって感知される磁力線の変化を引き起こし、これが、角度信号(すなわち、角度に比例する信号)を生成する。
【0030】
図3に示されるように、一実施形態は、図1及び図2に示される従来技術の自動車シャーシセンサーアセンブリ18の磁石60の新規かつ改良された設計を対象とする。図3では、磁石80が自動車シャーシセンサーアセンブリ18の製造中に第一オーバーモールドプロセス又は作業を受けて、プラスチック又はエラストマー材料などの適切なオーバーモールド材料の外層162を含むオーバーモールド磁石160を作成し形成する。
【0031】
図3に示される実施形態では、外側オーバーモールド層162は、外側オーバーモールド層162のそれぞれの側面及び上部外面に、それぞれオーバーモールド貫通開口部又は窓(overmold through openings or windows)164及び166を含み、画定する。この実施形態では側部開口部又は窓164が概ね長方形の形状であり、上部開口部又は窓166は概ね円形の形状である。
【0032】
本実施形態によれば、オーバーモールド磁石160は、その後続いて、自動車シャーシセンサーアセンブリの製造中の第二プロセス又は作業において、回転アーム部材124の基部147のプラスチック材料に封入される。
【0033】
結論として、図3の実施形態は、車高を測定するための、回転アーム部材124を備える車両シャーシセンサーアセンブリを作製する方法を対象とし、この方法は:
磁石80を提供するステップと、磁石をオーバーモールドして、オーバーモールド材料の層を有するオーバーモールド磁石を生成するステップと、オーバーモールド磁石を回転アーム部材内に封入するステップと、を含む。
【0034】
一実施形態では、この方法がオーバーモールド磁石160のオーバーモールド材料の層162に窓を形成するステップをさらに含む。別の実施形態では、オーバーモールド材料の層の側面に窓164が形成される。一実施形態では、窓166がオーバーモールド材料の層の上面に形成される。別の実施形態では、窓166が開口を画定するために円形の形状である。
【0035】
したがって、図3の実施形態は、湿気、塩分、汚れ、物理的損傷、及び極端な温度の厳しい外部車両環境への曝露からオーバーモールド磁石160を保護する目的で、回転アーム部材124のプラスチック又はエラストマー材料内に封入されたオーバーモールド磁石160を含む回転アーム部材124を備える自動車シャーシセンサーアセンブリを対象とする。
【0036】
図4は、オーバーモールド磁石構成(又は、オーバーモールドされた磁石構成/overmolded magnet arrangement)260を含む回転アーム部材224の別の実施形態を示す。一実施形態では、オーバーモールド磁石構成260が円筒形状を有する。本実施形態は、一対の磁石220を含む。一実施形態では、磁石220は長方形の形状を有する。他の形状及び数の磁石が考えられる。
【0037】
最初に、回転アーム部材を有する車両シャーシセンサーアセンブリを作製する方法は、磁石220を第一モールド(又は、金型)内の離間した位置に配置するステップを含む。作業中、第一モールドに樹脂を充填して、磁石220の一部を封入する基部マウント230を形成し、磁石の残りの部分はそこから外側に突出する。したがって、第一モールドに樹脂を充填することにより、磁石220は部分的に成形材料内にあり、部分的に露出する。樹脂は、磁石220を支持する基部230を形成する。基部マウント230は、開口部を画定する中央開口部又は窓234を含む。一実施形態では、基部マウント230が図4に示されるように、その周囲の周りで本質的に等距離にある一対の内向きの離間されたノッチ236を有する円筒円板形状を有する。一実施形態では、基部マウント230は、垂直に配向され、円筒形の基部マウント230の周りで等距離に離間される、一対のインターロックキャビティ(又は、連結キャビティ/interlocking cavity)238を含む。一対の磁石220は、インターロックキャビティ238から等距離に離間した位置に配置される。したがって、第一成形(又は、モールディング/molding)作業は、基部マウント230を備えた部分的に封入された磁石220をもたらす。
【0038】
その後、この方法は、基部マウント230及び磁石220を第二モールド内に配置することを含む。第二モールドを樹脂で充填することにより、露出した磁石220の残りの部分を封入する包囲マウント(囲いマウント/enclosing mount)240が形成され、その結果、磁石は完全に封入されて、オーバーモールド磁石構成260が形成される。したがって、包囲マウント240は、磁石220を封入するように基部マウント230上に形成される。一実施形態では、包囲マウント240が円筒円板形状を有し、基部マウント230の中央開口又は窓と同様の中央開口又は中央窓244を含む。さらに、包囲マウント240は図4に示されるように、その周囲の周りで本質的に等距離にある一対の離間したノッチ246を含む。インターロックキャビティ238はまた、基部マウント230と包囲マウント240との間の安定性を提供するために樹脂を受容する。基部マウント230と包囲マウント240との組み合わせは、磁石220を完全に封入して、磁石を部材(又は、要素/elements)から保護する。基部マウント230及び包囲マウント240は、磁石220を取り囲む層を形成する樹脂からの(又は、樹脂製の)オーバーモールド材料を含む。
【0039】
さらに、車高を測定するための他の磁石とは異なり、図4に示される磁石220は、パリレン保護コーティングでコーティングされていない。代わりに、磁石220は、ここではオーバーモールド磁石構成260内に完全に収容され、パリレン保護外側コーティングを必要とせず、したがって、パリレン保護外側コーティングがない。代わりに、より安価なエポキシ保護外側コーティングが磁石220に提供される。
【0040】
一実施形態では、上記樹脂がポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂である。他の樹脂も考えられる。
【0041】
一実施形態では、中央開口部234,244は磁石220を囲むマウント230,240によって形成されたオーバーモールド磁石構成260の全体を通って延びる。
【0042】
その後、オーバーモールド磁石構成260は、回転アーム部材を形成するための回転アーム部材モールド内に配置される。この方法は、モールドによって形成された回転アーム部材224の端部にオーバーモールド磁石構成260を封入するために回転アーム部材モールドを充填するステップを含む。より具体的には、オーバーモールド磁石構成260が、オーバーモールド磁石構成260を、湿気、塩分、汚れ、物理的損傷、及び極端な温度の厳しい外部車両環境への曝露からさらに保護する目的で、回転アーム部材224のプラスチック又はエラストマー材料内に封入される。したがって、磁石220は2回封入される。一実施形態では、回転アーム部材224が、封入されたオーバーモールド磁石構成260の近くの端部にある窓226と、その長さに沿った窓228とを含む。したがって、オーバーモールド磁石構成260は、平坦な端部からオーバーモールド磁石構成260内に延びる開口部を画定するように形状が円形である中央窓244を含む。
【0043】
回転アーム部材224は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,134,200号に記載される回転アームと同様に動作する。ホール効果センサー又は他の要素は、磁石の位置を検出して、車高及び他の効果を決定する。
【0044】
一実施形態では、車両シャーシセンサーアセンブリが、磁石220の完全な封入が自然力からのより少ない保護を必要とするので、回転アーム部材内に封入された一対の離間した磁石を保護するために、Oリング又はシールがない。
【0045】
第一及び第二磁石220は、典型的には成形され、同時に封入される。追加の磁石が考えられる。磁石220の様々な形状も考えられる。
【0046】
前述した説明は本発明の好ましい実施例を構成するものであるが、この発明は添付した請求の範囲の適格な範囲及び正しい意味から逸脱することなく、修正、バリエーション及び変更が可能であることが認められよう。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】