(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】樹脂組成物およびその使用
(51)【国際特許分類】
C08L 101/00 20060101AFI20240719BHJP
C08K 3/36 20060101ALI20240719BHJP
C08G 59/18 20060101ALI20240719BHJP
C09J 7/35 20180101ALI20240719BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20240719BHJP
C09J 11/04 20060101ALI20240719BHJP
B32B 15/08 20060101ALI20240719BHJP
B32B 15/20 20060101ALI20240719BHJP
B32B 27/20 20060101ALI20240719BHJP
H05K 1/03 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
C08L101/00
C08K3/36
C08G59/18
C09J7/35
C09J201/00
C09J11/04
B32B15/08 Z
B32B15/20
B32B27/20 Z
H05K1/03 630H
H05K1/03 610Q
H05K1/03 610H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502099
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 CN2022108221
(87)【国際公開番号】W WO2023020222
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】202110935223.7
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514309583
【氏名又は名称】廣東生益科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENGYI TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】汪青
(72)【発明者】
【氏名】劉潜発
(72)【発明者】
【氏名】劉東亮
(72)【発明者】
【氏名】董晋超
(72)【発明者】
【氏名】柴頌剛
(72)【発明者】
【氏名】許永静
(72)【発明者】
【氏名】張艶華
【テーマコード(参考)】
4F100
4J002
4J004
4J036
4J040
【Fターム(参考)】
4F100AA20A
4F100AA20H
4F100AB17B
4F100AB33B
4F100AK01A
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4F100YY00A
4J002AA021
4J002BC021
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4J040EB052
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4J040JB02
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4J040KA42
4J040LA03
4J040LA06
4J040MA02
4J040NA19
4J040PA07
(57)【要約】
【課題】より細い回路の加工能力を実現することができ、多層積層板のプリント配線板に適用できる材料、特に、細い回路の多層積層板のプリント配線板に適用できる材料である。
【手段】樹脂組成物およびその使用であって、前記樹脂組成物は、重量%で、架橋性硬化樹脂40~70%、フィラー30~60%を含み、前記フィラーは、有機ケイ素加水分解法により調製されたシリカであり、前記シリカの平均粒径D50は0.1~3μmであり、前記シリカの粒径のD100:D10の比≦2.5である。前記組成物により、調製された接着剤フィルムおよび樹脂付き銅箔は、より高い延伸率および高い剥離強度を有することができ、CTEが低く、Dfが低く、ドリル加工性が良く、電気的強度がより高い。
【選択図】無し
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量%で、架橋性硬化樹脂40~70%、フィラー30~60%を含み、前記フィラーは、有機ケイ素加水分解法により調製されたシリカであり、前記シリカの平均粒径D50は0.1~3μmであり、前記シリカの粒径のD100:D10の比≦2.5である、
樹脂組成物。
【請求項2】
前記シリカの平均粒径D50は0.3~1.0μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記シリカの純度は99.9%よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記シリカは、有機ケイ素加水分解反応により初期生成物を取得し、前記初期生成物を焼成して得られたものであり、
好ましくは、前記焼成の温度は800~1300℃であり、
好ましくは、前記有機ケイ素はアルコキシシランであり、
好ましくは、前記アルコキシシランは、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランを含む、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記架橋性硬化樹脂は、熱硬化樹脂、光硬化樹脂または熱-光複合硬化樹脂であり、
好ましくは、前記架橋性硬化樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、シアネート樹脂、活性エステル、ポリフェニレンオキサイド樹脂、マレイミド樹脂、炭化水素樹脂、アクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリエステル樹脂、またはポリスチレンのいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との組み合わせであることが好ましく、
好ましくは、前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、MDI変性エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン含有エポキシ樹脂、または脂環族エポキシ樹脂の1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、
好ましくは、前記フェノール樹脂は、ビスフェノールA型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、またはナフタレン含有フェノール樹脂の1種または少なくとも2種の組み合わせを含む、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
接着剤フィルムであって、
請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を離型材に塗布した後、乾燥および/またはベークにより作製されたものであり、
好ましくは、前記接着剤フィルムの厚さは5~300μmであり、10~200μmであることが好ましく、20~100μmであることが更に好ましい、
ことを特徴とする接着剤フィルム。
【請求項7】
樹脂付き銅箔であって、
銅箔と、塗布されて乾燥した後に銅箔に付着された請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物とを含み、
好ましくは、前記樹脂付き銅箔の樹脂層の厚さは5~300μmであり、10~200μmであることが好ましく、20~100μmであることが更に好ましく、
好ましくは、前記樹脂付き銅箔の銅箔の厚さは1~105μmであり、3~35μmであることが好ましく、5~18μmであることが更に好ましい、
ことを特徴とする樹脂付き銅箔。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物をガラスクロスに浸潤してから乾燥することにより作製される、
ことを特徴とする半硬化接着シート。
【請求項9】
請求項6に記載の接着剤フィルム、請求項7に記載の樹脂付き銅箔、請求項8に記載の半硬化接着シートのうちの1種または少なくとも2種を使用する、
ことを特徴とする銅張積層板。
【請求項10】
請求項6に記載の接着剤フィルム、請求項7に記載の樹脂付き銅箔、請求項8に記載の半硬化接着シート、請求項9に記載の銅張積層板のうちの1種または少なくとも2種を使用する、
ことを特徴とする多層板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層板の技術分野に属し、樹脂組成物およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
将来主に軽薄短小化、多機能に向かう電子情報製品の設計傾向に伴い、電子部品の主な支持としてのプリント配線板もそれに伴って、高密度配線、薄形、微細孔径、多次元立体等を提供するために、技術的に向上する。基板材料がプリント配線板の性能を大きく左右するため、次世代の基体材料の開発は差し迫って必要となる。
【0003】
補強材がない接着剤フィルムまたは樹脂付き銅箔は、より薄型化、高密度配線、微細孔径、多次元立体成形等を実現することができるため、次世代の基体材料として開発されて適用される。補強材がないため、一般的には、接着剤フィルム材料の熱膨張係数、耐薬品性、機械的強度および加工性能等を改善するために、無機フィラーを加える。シリコン微粉末は、比較的理想的な無機フィラーであるが、一般的なシリコン微粉末の粒径分布が広く、硬度が大きいため、添加量が大きくなると、延伸率が低く、流動度が悪く、加工しにくい等の問題が存在する。
【0004】
CN112526823Aは、(A)感光性樹脂、(B)シリカ、(C)光重合開始剤、(D)反応性希釈剤、および(E)エポキシ化合物を含む感光性樹脂組成物を開示し、前記(B)シリカの累積体積百分率は50体積%であり、粒径D50は0.50μm以上2.00μm以下である。D1.0は0.20μm以上0.54μm以下であり、D99は5.00μm以上8.40μm以下である。該発明の換算D99/D50は2.5よりも大きく、それとともにD100を限定せず、フィラー粒子は大きい。
【0005】
CN103467927Aは、20~70wt%の熱硬化性樹脂、1~30wt%の硬化剤、0~10wt%の促進剤、1~50wt%の平均粒径1~10μmの化学法で合成されたシリカのミクロンオーダー凝集体を含み、含浸方式によりプリプレグに、または塗布方式により塗布物に作製できる熱硬化性樹脂組成物を開示した。
【0006】
以上の従来技術は、いずれも接着剤フィルムの延伸率および剥離強度を向上させるという問題を効果的に解決することができないため、本発明において、接着剤フィルムおよび樹脂付き銅箔がより良い延伸率および高い剥離強度を有することができ、CTEが低く、Dfが低い樹脂組成物の開発は望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の不足に対し、本発明の目的は、樹脂組成物およびその使用を提供することである。本発明の樹脂組成物により、調製された接着剤フィルムおよび樹脂付き銅箔は、高い延伸率および剥離強度を有することができ、CTEが低く、Dfが低く、ドリル加工性が良好で、流動性が制御可能であり、接着剤充填能力が良く、多層積層板のプリント配線板に、特に、細い回路の多層積層板のプリント配線板の作製に適用できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明は、以下の技術案を採用する。
【0009】
一態様において、本発明は、重量%で、架橋性硬化樹脂40~70%、フィラー30~60%を含み、前記フィラーは、有機ケイ素加水分解法により調製されたシリカであり、前記シリカの平均粒径D50は0.1~3μmであり、前記シリカの粒径のD100:D10の比≦2.5である、樹脂組成物を提供する。
【0010】
本発明において、有機ケイ素を加水分解して得られたシリカをフィラーとして樹脂組成物に用い、その添加量を30~60%(樹脂組成物全体の30~60%を占める)に制御し、平均粒径D50を0.1~3μmとし、前記シリカの粒径のD100:D10の比≦2.5とする。これにより、組成物は、より良い延伸率、高い引張強度および剥離強度を有することができ、CTEが低く、Dfが低く、ドリル加工性が良く、電気的強度がより高い。
【0011】
本発明の樹脂組成物において、前記架橋性硬化樹脂40~70%とは、樹脂組成物全体の40~70%を占めることを意味し、41%、43%、45%、48%、50%、53%、55%、58%、60%、63%、65%、68%または69%、および上記点値間の具体的な点値であってもよく、紙面の都合と簡明のために、本発明では前記範囲に含まれる具体的な点値は網羅的に例示されていない。
【0012】
本発明の樹脂組成物において、前記シリカの含有量は、31%、35%、38%、40%、42%、45%、48%、50%、53%、55%、57%または59%、および上記点値間の具体的な点値であってもよく、紙面の都合と簡明のために、本発明では前記範囲に含まれる具体的な点値は網羅的に例示されていない。
【0013】
本発明において、前記シリカの含有量が30%よりも小さいと、調製された接着剤フィルムの延伸率の向上は著しくなく、前記シリカの含有量が60%よりも大きいと、剥離強度が低下するという問題をもたらす。
【0014】
本発明において、前記シリカは、その平均粒径D50が0.1~3μm(例えば、0.3μm、0.5μm、0.8μm、1μm、1.3μm、1.5μm、1.8μm、2μm、2.3μm、2.5μm、2.8μm、または3μm)であり、D100:D10の比≦2.5(例えば、2.4、2.3、2.2、2.0、1.8、1.7、1.5、1.3、1.0等であってもよい)である。本発明のシリカの粒径がより鋭く、純度がより高く、調製された接着剤フィルムおよび樹脂付き銅箔は、より良い延伸率および高い剥離強度を有することができ、CTEが低く、Dfが低く、ドリル加工性が良く、電気的強度がより高く、より細い回路の加工能力を実現することができる。
【0015】
好ましくは、前記シリカの平均粒径D50は0.3~1.0μmである。
【0016】
好ましくは、前記シリカの純度は99.9%よりも大きい(例えば、99.91%、99.93%、99.95%、99.97%、99.99%等である)。本発明において、シリカの純度が99.9%よりも大きくなると、調製された接着剤フィルムおよび樹脂付き銅箔は、より良い延伸率および電気的強度特性を有することができる。
【0017】
本発明に係る粒径(例えば、D50、D10、D100等)は、いずれもレーザー回折法で測定され、測定機器は、マルバーンレーザー粒度分布測定装置であり、型番がMS3000である。本発明に係るシリカの純度は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置ICP-AESで測定される。
【0018】
好ましくは、前記シリカは、有機ケイ素加水分解反応により初期生成物を取得し、前記初期生成物を焼成して得られたものである。
【0019】
好ましくは、前記焼成の温度は800℃~1300℃で、例えば、850℃、900℃、905℃、910℃、920℃、930℃、950℃、980℃、990℃、1000℃、1050℃、1100℃、1150℃、1200℃、1250℃である。
【0020】
好ましくは、前記有機ケイ素はアルコキシシランである。
【0021】
好ましくは、前記アルコキシシランは、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランを含み、テトラエトキシシランであることが更に好ましい。
【0022】
好ましくは、前記架橋性硬化樹脂は、熱硬化樹脂、光硬化樹脂または熱-光複合硬化樹脂である。
【0023】
好ましくは、前記架橋性硬化樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、シアネート樹脂、活性エステル、ポリフェニレンオキサイド樹脂、マレイミド樹脂、炭化水素樹脂、アクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリエステル樹脂、またはポリスチレンのいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との組み合わせであることが好ましく、より優れた延伸率および剥離強度を取得することができる。
【0024】
好ましくは、前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、MDI変性エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン含有エポキシ樹脂、または脂環族エポキシ樹脂の1種または少なくとも2種の組み合わせを含む。
【0025】
好ましくは、前記フェノール樹脂は、ビスフェノールA型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、またはナフタレン含有フェノール樹脂の1種または少なくとも2種の組み合わせを含む。
【0026】
別の態様において、本発明は、上記樹脂組成物を溶媒に溶解または分散して得られた樹脂接着剤液を提供する。
【0027】
本発明における溶媒として、特に限定されず、具体例として、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコール-メチルエーテル、カルビトール、ブチルカルビトール等のエーテル類、アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、エトキシエチルアセタート、酢酸エチル等のエステル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等の窒素含有系溶媒等が挙げられる。上記溶媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種または2種以上を混合して使用してもよく、好ましくは、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類溶媒と、アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類溶媒とを混合して使用する。前記溶媒の使用量は、当業者が自分の経験に応じて選択することができ、得られた樹脂接着剤液が使用に適した粘度に達すれば良い。
【0028】
別の態様において、本発明は、上記いずれか1項に記載の樹脂組成物を離型材に塗布した後、乾燥および/またはベークにより作製されたものである、接着剤フィルムを提供する。
【0029】
好ましくは、前記接着剤フィルムの厚さは5~300μmで、例えば、8μm、10μm、15μm、20μm、30μm、50μm、80μm、100μm、120μm、150μm、180μm、200μm、250μm、280μm、300μmであり、10~200μmであることが好ましく、20~100μmであることが更に好ましい。
【0030】
別の態様において、本発明は、銅箔と、塗布されて乾燥した後に銅箔に付着された上記樹脂組成物とを含む、樹脂付き銅箔を提供する。
【0031】
好ましくは、前記樹脂付き銅箔は、樹脂組成物に被覆する保護膜を更に含む。
【0032】
好ましくは、前記樹脂付き銅箔の樹脂層(銅箔上の前記樹脂組成物で形成された樹脂層を意味する)の厚さは5~300μmで、例えば、8μm、10μm、15μm、20μm、30μm、50μm、80μm、100μm、120μm、150μm、180μm、200μm、250μm、280μm、300μmであり、10~200μmであることが好ましく、20~100umであることが更に好ましい。
【0033】
好ましくは、前記樹脂付き銅箔の銅箔の厚さは1~105μmで、例えば、3μm、5μm、8μm、10μm、20μm、30μm、50μm、80μm、100μm、104μm等であり、3~35μmであることが好ましく、5~18μmであることが更に好ましい。
【0034】
別の態様において、本発明は、上記樹脂組成物をガラスクロスに浸潤してから乾燥することにより作製される、半硬化接着シートを提供する。
【0035】
本発明において、前記ガラスクロスは、7628、2116、1131、1080、106、1027、1037、1078ガラスクロスを選択することができる。
【0036】
別の態様において、本発明は、上記接着剤フィルム、上記樹脂付き銅箔、上記半硬化接着シートのうちの1種または少なくとも2種を使用する、銅張積層板を提供する。
【0037】
別の態様において、本発明は、上記接着剤フィルム、上記樹脂付き銅箔、上記半硬化接着シート、上記銅張積層板のうちの1種または少なくとも2種を使用する、多層板を提供する。
【発明の効果】
【0038】
従来技術に対し、本発明は、以下の有益な効果を備える。
【0039】
本発明の樹脂組成物において、前記化学法シリカは、粒径均一性が良く、30~60%を加える場合に作製された接着剤フィルムは、一般的なシリカで作製された接着剤フィルムと比べ、より良い延伸率(9~13%に達する)および剥離強度(7.5~9.0N/cmと高い)を取得することができる。それとともに、CTEおよびDfもより低くなる。前記シリカは、平均粒径が小さく、均一性が良く、細い回路の信頼性に対する大きな粒子の影響を回避でき、細い回路の多層積層プリント配線板により好適である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、具体的な実施形態により本発明の技術案について更に説明する。当業者であれば、前記実施例は、本発明を理解するためのものに過ぎず、本発明の具体的な制限と見なされるべきではないことを理解すべきである。
【0041】
以下の実施例および比較例に使用された原料は、以下のとおりである。
エポキシ樹脂:NC-3000H(日本化薬)。
フェノール樹脂:SN-485(日本新日本製鉄)。
活性エステル:HP-8000-65T(日本DIC)。
シアネート:XU-371(HUNTSMAN)。
炭化水素:B3000(日本曹達)。
ポリフェニレンオキサイド:MX9000(SABIC)。
マレイミド樹脂:BMI3000。
架橋助剤ジビニルベンゼン:DVB(新日本製鉄)。
有機ケイ素加水分解法により調製されたシリカ1:D50は3.0μmであり、D100:D10は2.3であり、純度は98%であり、江蘇輝邁に由来する。
有機ケイ素加水分解法により調製されたシリカ2:D50は0.1μmであり、D100:D10は2.3であり、純度は99.90%であり、江蘇輝邁に由来する。
有機ケイ素加水分解法により調製されたシリカ3:D50は0.5μmであり、D100:D10は2.0であり、純度は99.90%であり、江蘇輝邁に由来する。
有機ケイ素加水分解法により調製されたシリカ4:D50は3.5μmであり、D100:D10は3.0であり、純度は99.90%であり、江蘇輝邁に由来する。
有機ケイ素加水分解法により調製されたシリカ5:D50は0.05μmであり、D100:D10は2.3であり、純度は99.00%であり、江蘇輝邁に由来する。
【実施例1】
【0042】
まず、適量の溶媒を用いて40部のエポキシ樹脂(NC-3000H)および30部のフェノール樹脂(SN-485)を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0043】
更に30部の有機ケイ素加水分解法により得られたシリカ3(D50は0.5μmであり、D100:D10は2.0であり、純度は99.90%である)を加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0044】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて3分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【実施例2】
【0045】
実施例1に使用された化学法で合成されたシリカの酸素の割合を変更したほか、実施例1と同じ方法で接着剤フィルムを製造した。
【0046】
まず、適量の溶媒を用いて23部のエポキシ樹脂(NC-3000H)および17部のフェノール樹脂(SN-485)を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0047】
更に60部の有機ケイ素加水分解法により得られたシリカ3(D50は0.5μmであり、D100:D10は2.0であり、純度は99.90%である)を加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0048】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて3分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【実施例3】
【0049】
まず、適量の溶媒を用いて30部のエポキシ樹脂(NC-3000H)および25部のフェノール樹脂(SN-485)を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0050】
更に45部の有機ケイ素加水分解法により得られたシリカ2(D50は0.1μmであり、D100:D10は2.3であり、純度は99.90%である)を加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0051】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて3分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【実施例4】
【0052】
まず、適量の溶媒を用いて30部のエポキシ樹脂(NC-3000H)、15部のシアネート(XU-371)、10部の活性エステル樹脂(HP-8000-65T)を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0053】
更に45部の有機ケイ素加水分解法により得られたシリカ3(D50は0.5μmであり、D100:D10は2.0であり、純度は99.90%である)を加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0054】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて5分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【実施例5】
【0055】
まず、適量の溶媒を用いて35部のシアネート(XU-371)および20部のマレイミド樹脂(BMI3000)を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0056】
更に45部の化学法で合成されたシリカ3(D50は0.5μmであり、D100:D10は2.0、純度は99.90%である)を加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0057】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて5分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【実施例6】
【0058】
まず、適量の溶媒を用いて30部のポリフェニレンオキサイド(MX9000)、20部の炭化水素樹脂(XU-371)、および5部の架橋助剤(DVB)を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0059】
更に45%の化学法で合成されたシリカ3(D50は0.5μmであり、D100:D10は2.0であり、純度は99.90%である)を加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0060】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて3分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【実施例7】
【0061】
まず、適量の溶媒を用いて30部のエポキシ樹脂(NC-3000H)および25部のフェノール樹脂(SN-485)を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0062】
更に45部の有機ケイ素加水分解法により得られたシリカ1(D50は3.0μmであり、D100:D10は2.3であり、純度は98.00%である)を加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0063】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて3分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【比較例1】
【0064】
実施例1における化学法で合成されたシリカを一般的なシリコン微粉末に変更し、実施例1と同じ方法で接着剤フィルムを製造した。
【0065】
まず、適量の溶媒を用いてエポキシ樹脂およびフェノール樹脂を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0066】
更に30%のシリコン微粉末を加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0067】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて3分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【比較例2】
【0068】
実施例2における化学法で合成されたシリカを一般的なシリコン微粉末に変更し、実施例1と同じ方法で接着剤フィルムを製造した。
【0069】
まず、適量の溶媒を用いてエポキシ樹脂およびフェノール樹脂を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0070】
更に60%のシリコン微粉末を加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0071】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて3分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【比較例3】
【0072】
実施例1における化学法シリカの割合を調整した。
【0073】
まず、適量の溶媒を用いてエポキシ樹脂およびフェノール樹脂を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0074】
更に20%の化学法で合成されたシリカを加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0075】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて3~5分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【比較例4】
【0076】
実施例1における化学法シリカの割合を調整した。
【0077】
まず、適量の溶媒を用いてエポキシ樹脂およびフェノール樹脂を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0078】
更に70%の化学法で合成されたシリカを加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0079】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて3~5分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【比較例5】
【0080】
まず、適量の溶媒を用いて30部のエポキシ樹脂(NC-3000H)および25部のフェノール樹脂(SN-485)を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0081】
更に45部の有機ケイ素加水分解法により得られたシリカ5(D50は0.05μmであり、D100:D10は2.3であり、純度は99.00%である)を加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0082】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて3分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【比較例6】
【0083】
まず、適量の溶媒を用いて30部のエポキシ樹脂(NC-3000H)および25部のフェノール樹脂(SN-485)を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0084】
更に45部の有機ケイ素加水分解法により得られたシリカ4(D50は3.5μmであり、D100:D10は3.0であり、純度は99.90%である)を加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0085】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて3分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【比較例7】
【0086】
まず、適量の溶媒を用いて30部のエポキシ樹脂(NC-3000H)、15部のシアネート(XU-371)、10部の活性エステル樹脂(HP-8000-65T)を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0087】
更に45部の有機ケイ素加水分解法により得られたシリカ4(D50は3.5μmであり、D100:D10は3.0であり、純度は99.90%である)を加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0088】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて3分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【比較例8】
【0089】
まず、適量の溶媒を用いて30部のポリフェニレンオキサイド(MX9000)、20部の炭化水素樹脂(XU-371)、および5部の架橋助剤(DVB)を溶解し、2時間以上撹拌した。
【0090】
更に45部の有機ケイ素加水分解法により得られたシリカ5(D50は0.05μmであり、D100:D10は2.3であり、純度は99.00%である)を加え、4時間以上撹拌し続け、十分に均一に混合させ、固形分65%の溶液を形成した。
【0091】
上記溶液を離型フィルムに塗布し、乾燥した後、120℃のオーブンに入れて3分間ベークし、半硬化状態の樹脂層の接着剤フィルムを取得した。半硬化の接着剤フィルム(厚さ40μm)と褐色化後のPCB板とを圧着して硬化し、離型フィルムを剥がしてから表面処理を行い、銅電気メッキを行い、回路付き積層プリント配線板を形成した。
【0092】
上記実施例および比較例の積層プリント配線板に対して性能テストを行い、テストの項目および方法は、以下のとおりである。
【0093】
(1)延伸率:(30℃):DMA方法により、30℃で5min恒温し、プレストレスが0.01Nで、3N/minから17.5N/minに上昇した。
【0094】
(2)剥離強度:IPC-TM-650 2.4.9方法でテストを行った。
【0095】
(3)ドリル加工性:レーザードリル後に、スライスして孔型直角度を観察し、直角度90~95度の場合は優で、96~100度の場合は良で、101~110度の場合は可で、>110度の場合は不可であった。
【0096】
(4)接着剤充填効果:接着剤フィルムで配線板をプレスした後、スライスし、配線間の接着剤充填状況を観察し、配線間の樹脂層に気泡がない場合は「優」であり、配線間の樹脂層に気泡があり、気泡の直径が1μmよりも小さい場合は「良」であり、配線間の樹脂層に気泡があり、気泡の直径が1μmよりも大きい場合は「不可」であった。
【0097】
(5)細い回路の能力:作製可能な最も小さいライン/スペースを測定した。
【0098】
性能テストの比較は、以下の表1および表2に示すとおりである。
【0099】
【0100】
【0101】
表1および表2から見られるように、実施例1~7は、延伸率(9~13%)および剥離強度(8.2~9.0N/cm)が高く、良好なドリル加工性、良好な接着剤充填能力を有し、且つ、細い回路の信頼性が良かった。実施例1~3において、本発明の粒径範囲の化学法球状シリコンを用いたエポキシ、フェノール系の延伸率は、他の樹脂系よりも優れ、実施例7はフィラーの純度が低いことで、延伸率、剥離強度および加工性能はいずれもフィラーの純度が高いものよりもやや劣っている。比較例1および比較例2において、一般的なシリカを使用し、調製された接着剤フィルムは延伸率が低く、剥離強度が低く、ドリル加工性が悪く、比較例3および比較例4において、化学法シリカの割合が本発明の限定範囲を満たさないことで、延伸率が低く、剥離強度が低いという問題もある。比較例5に使用された化学法シリカの平均粒径が小さすぎるため、延伸率は低く、剥離強度は低く、比較例6のD100:D10が2.5よりも大きく、同様に延伸率は低く、剥離強度は低く、細い回路の能力が悪かった。
【0102】
本発明は、上記実施例により本発明の樹脂組成物およびその使用について説明したが、本発明は上記実施例に限定するものではなく、すなわち、本発明は上記実施例に依存して実施しなければならないことを意味するものではないことを、出願人より声明する。当業者であれば、本発明に対するいかなる改良、本発明の製品の原料に対する等価的な置換および補助成分の追加、具体的な形態の選択等は、全て本発明の保護範囲および開示範囲内に含まれることを理解すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量%で、架橋性硬化樹脂40~70%、フィラー30~60%を含み、前記フィラーは、有機ケイ素加水分解法により調製されたシリカであり、前記シリカの平均粒径D50は0.1~3μmであり、前記シリカの粒径のD100:D10の比≦2.5である、
樹脂組成物。
【請求項2】
前記シリカの平均粒径D50は0.3~1.0μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記シリカの純度は99.9%よりも大きい、
ことを特徴とする請求項
1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記シリカは、有機ケイ素加水分解反応により初期生成物を取得し、前記初期生成物を焼成して得られたものであり、
好ましくは、前記焼成の温度は800~1300℃であり、
好ましくは、前記有機ケイ素はアルコキシシランであり、
好ましくは、前記アルコキシシランは、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランを含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記架橋性硬化樹脂は、熱硬化樹脂、光硬化樹脂または熱-光複合硬化樹脂であり、
好ましくは、前記架橋性硬化樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、シアネート樹脂、活性エステル、ポリフェニレンオキサイド樹脂、マレイミド樹脂、炭化水素樹脂、アクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリエステル樹脂、またはポリスチレンのいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との組み合わせであることが好ましく、
好ましくは、前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、MDI変性エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン含有エポキシ樹脂、または脂環族エポキシ樹脂の1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、
好ましくは、前記フェノール樹脂は、ビスフェノールA型フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、またはナフタレン含有フェノール樹脂の1種または少なくとも2種の組み合わせを含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
接着剤フィルムであって、
請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を離型材に塗布した後、乾燥および/またはベークにより作製されたものであり、
好ましくは、前記接着剤フィルムの厚さは5~300μmであり、10~200μmであることが好ましく、20~100μmであることが更に好ましい、
ことを特徴とする接着剤フィルム。
【請求項7】
樹脂付き銅箔であって、
銅箔と、塗布されて乾燥した後に銅箔に付着された請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物とを含み、
好ましくは、前記樹脂付き銅箔の樹脂層の厚さは5~300μmであり、10~200μmであることが好ましく、20~100μmであることが更に好ましく、
好ましくは、前記樹脂付き銅箔の銅箔の厚さは1~105μmであり、3~35μmであることが好ましく、5~18μmであることが更に好ましい、
ことを特徴とする樹脂付き銅箔。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物をガラスクロスに浸潤してから乾燥することにより作製される、
ことを特徴とする半硬化接着シート。
【請求項9】
接着剤フィルム
、樹脂付き銅箔
、半硬化接着シートのうちの1種または少なくとも2種を使
用し、
前記接着剤フィルムは請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を離型材に塗布した後、乾燥および/またはベークにより作製されたものであり、前記樹脂付き銅箔は銅箔と、塗布されて乾燥した後に銅箔に付着された請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物とを含み、前記半硬化接着シートは請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物をガラスクロスに浸潤してから乾燥することにより作製される、
ことを特徴とする銅張積層板。
【請求項10】
接着剤フィルム
、樹脂付き銅箔
、半硬化接着シート
、銅張積層板のうちの1種または少なくとも2種を使用
し、前記接着剤フィルムは請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を離型材に塗布した後、乾燥および/またはベークにより作製されたものであり、前記樹脂付き銅箔は銅箔と、塗布されて乾燥した後に銅箔に付着された請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物とを含み、前記半硬化接着シートは請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物をガラスクロスに浸潤してから乾燥することにより作製され、前記銅張積層板は前記接着剤フィルム、前記樹脂付き銅箔、前記半硬化接着シートのうちの1種または少なくとも2種を使用する、
ことを特徴とする多層板。
【国際調査報告】