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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】流体駆動装置
(51)【国際特許分類】
   F04C 15/00 20060101AFI20240719BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
F04C15/00 L
H02K7/14 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502232
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 CN2022106407
(87)【国際公開番号】W WO2023001134
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202110814680.0
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523037370
【氏名又は名称】杭州奥科美瑞科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フ―、 メイヤン
【テーマコード(参考)】
3H044
5H607
【Fターム(参考)】
3H044AA02
3H044BB03
3H044CC10
3H044DD04
3H044DD06
3H044DD11
3H044DD18
3H044DD24
5H607AA02
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC01
5H607CC07
5H607DD03
5H607FF08
(57)【要約】
流体駆動装置であって、第1ロータユニット(1)と第2ロータユニット(3)とステータユニット(2)と回路基板ユニット(4)とを含み、第2ロータユニット(3)は、第1ロータユニット(1)に伝動接続され、ステータユニット(2)は、回路基板ユニット(4)に電気的に接続される。
流体駆動装置は、第1室(80)と第2室(90)とを有し、第1ロータユニット(1)は、第1室(80)に位置し、第2ロータユニット(3)、ステータユニット(2)、および回路基板ユニット(4)は、第2室(90)に位置し、第1室(80)は、作動媒体が流通可能であり、第2室(90)は、作動媒体を収容可能であり、第2室(90)に作動媒体が収容されている場合、回路基板ユニット(4)の少なくとも一部は、第2室(90)に位置する作動媒体と接触可能である。
この駆動装置の作動媒体は、回路基板を放熱することができ、耐用年数の向上に寄与する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ロータユニットと第2ロータユニットとステータユニットと回路基板ユニットとを含み、前記第2ロータユニットは、前記第1ロータユニットに伝動接続され、前記ステータユニットは、前記回路基板ユニットに電気的に接続される流体駆動装置であって、
前記流体駆動装置は、第1室と第2室とを有し、
前記第1ロータユニットは、前記第1室に位置し、
前記ステータユニットおよび前記回路基板ユニットは、前記第2室に位置し、
前記第1室は、作動媒体が流通可能であり、
前記第2室は、作動媒体を収容可能であり、
前記第2室に作動媒体が収容されている場合、前記回路基板ユニットの少なくとも一部は、前記第2室に位置する作動媒体と接触可能であることを特徴とする流体駆動装置。
【請求項2】
前記第1ロータユニット、前記ステータユニット、および前記回路基板ユニットは、前記流体駆動装置の高さ方向に沿って設けられ、
前記ステータユニットの少なくとも一部は、前記第2室に位置する作動媒体と接触可能であることを特徴とする請求項1に記載の流体駆動装置。
【請求項3】
前記第1室の対応する壁面は、前記第1ロータユニットを支持可能な底壁を含み、
前記流体駆動装置は、前記底壁の上下面を貫通して前記第1室と前記第2室とを連通可能な第1通路を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の流体駆動装置。
【請求項4】
前記第1室内の少なくとも一部の作動媒体は、前記第1通路を通って前記第2室に流入することが可能になっており、
前記流体駆動装置は、一端が前記第1ロータユニットの一部に接続され、他端が前記第2ロータユニットに接続される軸をさらに含み、
前記軸は、前記軸の第1端面および前記軸の第2端面を貫通するように設けられる第2通路を含み、
前記流体駆動装置が作動する場合、前記第1通路の入口での作動媒体の圧力は、前記第2通路の出口での作動媒体の圧力よりも大きく、作動媒体は、前記第2通路を通って前記第2室から離れることが可能になっていることを特徴とする請求項3に記載の流体駆動装置。
【請求項5】
前記流体駆動装置は、一端が、前記第1ロータユニットの一部に接続され、他端が、前記第2ロータユニットに接続される軸を含み、
前記軸は、前記軸の第1端面および前記軸の第2端面を貫通するように設けられる第2通路を含み、
前記流体駆動装置は、進入通路を有し、
前記第2通路は、前記進入通路を連通し、
前記第2通路は、前記第2室を連通し、
前記流体駆動装置が作動する場合、前記第2通路の入口での作動媒体の圧力は、前記第1通路の出口での作動媒体の圧力よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の流体駆動装置。
【請求項6】
前記回路基板ユニットは、基板と電子部品とを含み、
前記電子部品は、前記基板に固定接続され、少なくとも一部の前記電子部品の外面は、保護膜で覆われていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体駆動装置。
【請求項7】
前記回路基板ユニットは、基板と電子部品とを含み、
前記電子部品は、前記基板に固定接続され、少なくとも一部の前記電子部品の外面は、保護膜で覆われていることを特徴とする請求項3に記載の流体駆動装置。
【請求項8】
前記回路基板ユニットは、基板と電子部品とを含み、
前記電子部品は、前記基板に固定接続され、少なくとも一部の前記電子部品の外面は、保護膜で覆われていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の流体駆動装置。
【請求項9】
前記回路基板ユニットは、前記基板に支持されて前記基板に接着される粘着部をさらに含み、
前記粘着部の外郭は、閉鎖状をなし、
前記保護膜で覆われている少なくとも一部の前記電子部品は、前記粘着部によって囲まれた領域に位置し、
前記保護膜の高さは、前記粘着部の高さ以下であることを特徴とする請求項6に記載の流体駆動装置。
【請求項10】
前記回路基板ユニットは、前記基板に支持されて前記基板に接着される粘着部を含み、
前記粘着部の外郭は、閉鎖状をなし、
前記保護膜で覆われている少なくとも一部の前記電子部品は、前記粘着部によって囲まれた領域に位置し、
前記保護膜の高さは、前記粘着部の高さ以下であることを特徴とする請求項7に記載の流体駆動装置。
【請求項11】
前記回路基板ユニットは、前記基板に支持されて前記基板に接着される粘着部を含み、
前記粘着部の外郭は、閉鎖状をなし、
前記保護膜で覆われている少なくとも一部の前記電子部品は、前記粘着部によって囲まれた領域に位置し、
前記保護膜の高さは、前記粘着部の高さ以下であることを特徴とする請求項8に記載の流体駆動装置。
【請求項12】
前記流体駆動装置は、前記回路基板ユニットに電気的に接続され、前記基板に電気的に接続され、前記第2室に位置する作動媒体と接触することで前記第2室の作動媒体の温度を検出する感温手段をさらに含むことを特徴とする請求項6~請求項11の何れか一項に記載の流体駆動装置。
【請求項13】
前記基板は、正面と裏面とを含み、
前記流体駆動装置の高さ方向に沿って前記正面は、前記裏面よりも前記第1ロータユニットに近く、
前記電子部品は、発熱電子部品を含み、
前記感温手段は、前記正面および前記裏面のうちの一方面に支持され、
前記発熱電子部品は、前記正面および前記裏面のうちの他方面に支持されることを特徴とする請求項12に記載の流体駆動装置。
【請求項14】
前記流体駆動装置は、モータケースと上蓋と底蓋とをさらに含み、
前記流体駆動装置の高さ方向に沿って前記モータケースの少なくとも一部は、前記上蓋と前記底蓋との間に位置し、
前記モータケースの一方側が、前記上蓋と相対して固定接続され、前記モータケースの他方側が、前記モータケースと相対して固定接続され、
前記モータケースは、第1収容室を有し、
前記ステータユニットの少なくとも一部は、前記第1収容室に位置し、
前記第1収容室は、前記第2室の少なくとも一部を構成し、
前記底蓋は、前記第1収容室の対応する周側壁と封止して設けられることを特徴とする請求項1~請求項13の何れか一項に記載の流体駆動装置。
【請求項15】
前記流体駆動装置は、第1シールリングをさらに含み、
前記底蓋は、前記底蓋の外周面から凹設される凹溝を有し、
前記第1シールリングの少なくとも一部は、前記凹溝に位置し、
前記第1シールリングの一方側が、前記凹溝の対応する前記底面と当接し、前記第1シールリングの他方側が、前記第1収容室の対応する周側壁と当接することを特徴とする請求項14に記載の流体駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年07月19日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202110814680.0であり、発明名称が「流体駆動装置」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用されることで本出願に結合される。
本出願は、車両という分野に関し、特に車両の潤滑システムおよび/または冷却システムのパーツに関する。
【背景技術】
【0002】
流体駆動装置は、車両の潤滑システムおよび/または冷却システムに動力源を提供し、流体駆動装置は、回路基板ユニットを含む。
この回路基板ユニットは、作動の時に熱が発生し、熱がある程度まで蓄積し適時に放散できないと、回路基板ユニットの性能に影響を与え、これにより、流体駆動装置の耐用年数を低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、回路基板ユニットの放熱に寄与することにより、流体駆動装置の耐用年数の向上に寄与する流体駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を実現するために、本発明の一実施形態は、以下のとおりである。
【0005】
本発明は、第1ロータユニットと、第2ロータユニットとステータユニットと回路基板ユニットとを含み、前記第2ロータユニットは、前記第1ロータユニットに伝動接続され、前記ステータユニットは、前記回路基板ユニットに電気的に接続される流体駆動装置であって、前記流体駆動装置は、第1室と第2室とを有し、前記第1ロータユニットは、前記第1室に位置し、前記ステータユニットおよび前記回路基板ユニットは、前記第2室に位置し、前記第1室は、作動媒体が流通可能であり、前記第2室は、作動媒体を収容可能であり、前記第2室に作動媒体が収容されている場合、前記回路基板ユニットの少なくとも一部は、前記第2室に位置する作動媒体と接触可能である。
【0006】
本発明において、流体駆動装置は、第1室と第2室とを有し、第1ロータユニットは、第1室に位置し、ステータユニットおよび回路基板ユニットは、第2室に位置し、第1室は、作動媒体が流通可能であり、第2室は、作動媒体を収容可能であり、第2室に作動媒体が収容されている場合、回路基板ユニットの少なくとも一部は、第2室に位置する作動媒体と接触可能である。
このように、第2室に位置する作動媒体は、回路基板ユニットによって発生された熱と熱交換することができ、これにより、回路基板ユニットの放熱に寄与し、流体駆動装置の耐用年数の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明における流体駆動装置の第1実施形態の断面図である。
図2図1の上蓋が組み立てられない流体駆動装置の一部構造の正面図である。
図3図1の回路基板ユニットの視野角での斜視図である。
図4図1の回路基板ユニットの別の視野角での斜視図である。
図5】本発明における流体駆動装置の第2実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面および実施例により、本発明をさらに説明する。
【0009】
以下、図面により、本発明の実施形態を詳しく説明する。
まず、本明細書に言及または言及可能な上、下、左、右、前、後、内側、外側、頂部、底部等の方位用語は、対応する図面に示される構造に対して定義されたものであり、それらは、相対的な概念であるため、その所在の異なる位置、異なる使用状態に応じて相応的に変化する可能性がある。
よって、これらまたは他の方位用語を、制限的な用語として解釈すべきでもない。
【0010】
以下の実施例における流体駆動装置は、車両の潤滑システムおよび/または冷却システムの作動媒体に流動の動力を提供することができ、具体的には、車両伝動システムにおける潤滑システムおよび/または冷却システムの作動媒体に流動の動力を提供することができる。
【0011】
図1および図2を参照し、流体駆動装置100は、第1ロータユニット1とステータユニット2と第2ロータユニット3と回路基板ユニット4とを含む。
ここでの回路基板ユニット4は、ステータユニット2のコイルに給電する機能を有してもよいし、動作環境に応じて第1ロータユニット1の運転をリアルタイムに制御する機能を有してもよい。
そして、流体駆動装置100は、第1室80と第2室90とを含む。
また、第1ロータユニット1は、第1室80に設けられ、ステータユニット2、第2ロータユニット3、および回路基板ユニット4は、第2室90に設けられる。
ステータユニット2は、ステータコア21と、少なくともステータコア21の少なくとも一部の表面に被覆される絶縁ホルダ22と、絶縁ホルダ22に巻かれる巻線23とを含む。
流体駆動装置100が作動する場合、回路基板ユニット4は、ステータユニット2の巻線23を通った電流が所定の法則に応じて変化するように制御する。
これにより、ステータユニット2が、変化する励起磁場を発生するように制御し、第2ロータユニット3は、励起磁場の作用により回動し、第2ロータユニット3は、第1ロータユニット1に伝動接続され、第2ロータユニット3は、直接または間接的に第1ロータユニット1を回動させることができる。
そして、第1ロータユニット1が回動する場合、第1ロータユニット1の間の油圧室801の容積が変化し、作動媒体が排出通路に押し出されて流動の動力が発生するようにする。
本実施形態における作動媒体は、冷却油である。
図1を参照し、本実施例では、流体駆動装置100の高さ方向に沿って、ステータコア21は、第1ロータユニット1と回路基板ユニット4との間に位置し、ステータコア21は、回路基板ユニット4よりも第1ロータユニット1に近い。
他の実施例として、流体駆動装置100の高さ方向に沿って、少なくとも一部の回路基板ユニット4が、第1ロータユニット1とステータコア21との間に位置し、回路基板ユニット4が、ステータコア21よりも第1ロータユニット1に近いようにしてもよい。
【0012】
具体的には、図1図2を参照し、第1ロータユニット1は、複数の内歯を含む第1ロータ11と複数の外歯を含む第2ロータ12とを含む。
この第1ロータ11の内歯と第2ロータ12の外歯との間に油圧室801が形成されている。
これにより、本実施例では、油圧室801も、第1室80の一部分であり、第1ロータ11は、第2ロータ12の外周に外挿される。
再び、図1を参照し、流体駆動装置100は、進入通路13と排出通路(図示せず)とをさらに含む。
そして、作動媒体は、進入通路13を通って油圧室801に入ることができ、作動媒体は、排出通路(図示せず)を通って油圧室801から離れることができる。
第1ロータ11と第2ロータ12との間に一定の偏心距離があるため、第2ロータ12が回動する場合、第2ロータ12の一部の外歯は、第1ロータ11の一部の内歯と噛み合う。
これにより、第1ロータ11を回動させ、第1ロータ11、第2ロータ12が1回転する過程において、油圧室801内の容積が変化する。
具体的には、第1ロータ11が開始箇所からある角度まで回動する場合、油圧室801内の容積が徐々に大きくすることで局所の真空が形成され、作動媒体が、進入通路13から油圧室801に吸い込まれ、第1ロータ11、第2ロータ12が引き続き回動する場合、元々作動媒体で満たされていた油圧室801の容積が徐々に小さくし、作動媒体が絞られることにより、油圧室801内に入った作動媒体が排出通路(図示せず)に押し出されて、流動の動力が発生するようにする。
本実施例では、流体駆動装置100は、一部の第1ロータユニット1を回動させることができる軸5をさらに含む。
具体的には、本実施例では、軸5は、第1ロータ11を回動させることができ、軸5の一方側が、第1ロータ11に接続され、軸5の他方側が、第2ロータユニット3に接続され、第2ロータユニット3は、軸5を介して第2ロータ12を回動させることにより、第1ロータユニット1の回動を実現する。
【0013】
図1を参照し、流体駆動装置100は、モータケース6と上蓋7と底蓋8とをさらに含む。
この流体駆動装置100の高さ方向に沿って、少なくとも一部のモータケース6は、上蓋7と底蓋8との間に位置し、モータケース6の一方側が、上蓋7と相対して固定接続され、モータケース6の他方側が、底蓋8と相対して固定接続される。
モータケース6は、第1収容室61を有し、ステータユニット2は、第1収容室61に位置し、この第1収容室61は、第2室90の一部を構成し、底蓋8は、第2収容室81を有し、回路基板ユニット4は、第2収容室81に位置し、第2収容室81は、第2室90の一部を構成し、他の実施形態として、底蓋8は、第2収容室81が設けられなくてもよい。
この場合、回路基板ユニット4は、第1収容室61に位置するようにしてもよく、第1収容室61は、すべての第2室90を構成するようにしてもよい。
図1を参照し、底蓋8と、第1収容室61の対応する周側壁との間の接続箇所は、封止して設けられる。
このように、第2室90内の作動媒体が、底蓋8と、第1収容室61の対応する周側壁との間の接続箇所から外側にリークすることの防止に寄与する。
また、流体駆動装置100が、軸方向においてよりコンパクトにし、流体駆動装置100の小型化設計に寄与する。
具体的には、図1を参照し、本実施例では、流体駆動装置100は、第1シールリング9をさらに含む。
この底蓋8は、底蓋8の外周面から凹設される凹溝82を有し、少なくとも一部の第1シールリング9は、凹溝82に位置し、第1シールリング9の一方側が、凹溝82の対応する底面と当接し、第1シールリング9の他方側が、第1収容室61の対応する周側壁と当接する。
このような方式により、第2室90に作動媒体が収容されている場合、第2室90内の作動媒体の漏れの減少に寄与し、流体駆動装置100の給油の効率を向上させる。
【0014】
図1は、本発明における流体駆動装置の第1実施形態の構造図である。
以下、流体駆動装置の第1実施形態の構造を詳しく紹介する。
【0015】
図1を参照し、第2室90は、作動媒体を収容可能であり、第2室90に作動媒体が収容されている場合、少なくとも一部の回路基板ユニット4は、第2室90に位置する作動媒体と接触可能である。
このように、第2室90に位置する作動媒体は、回路基板ユニット4によって発生された熱と熱交換することができる。
これにより、回路基板ユニット4の放熱に寄与し、流体駆動装置100の耐用年数の向上に寄与する。
【0016】
具体的には、図1を参照し、本実施例では、第1室80と第2室90とは連通し、この第1室80の対応する壁面は、第1ロータユニット1を支持可能な底壁802を含む。
そして、流体駆動装置100は、底壁802の上下面を貫通し、第1室80と第2室90とを連通可能な第1通路10をさらに含む。
この第1室80内の少なくとも一部の作動媒体は、第1通路10を通って第2室90に流入するとともに、第2室90内に位置する回路基板ユニット4の少なくとも一部と接触することができる。
このように、第2室90に位置する作動媒体は、回路基板ユニット4によって発生された熱と熱交換することができる。
これにより、回路基板ユニット4の放熱に寄与し、流体駆動装置100の耐用年数の向上に寄与する。
さらには、本実施例では、少なくとも一部のステータユニット2も、第2室90に位置する作動媒体と接触することができ、ステータユニット2によって発生された熱も、第2室90に位置する作動媒体と熱交換することができる。
これにより、ステータユニット2の放熱に寄与し、流体駆動装置100の耐用年数の向上にさらに寄与する。
図1を参照し、本実施例では、流体駆動装置100は、軸5の上端面および軸5の下端面を貫通するように設けられる第2通路20をさらに含む。
そして、この第2通路20を通って第2室90内の作動媒体が、第2室90から離れることができる。
また、この第2通路20の出口は、第1通路10の入口よりも進入通路13に近く、第1通路10の入口での作動媒体の圧力は、第2通路20の出口での作動媒体の圧力よりも大きい。
このように、作動媒体は、第1通路10の入口と第2通路20の出口とで圧力差を形成し、圧力の高い場所から圧力の低い場所へ作動媒体が流れる原理に応じて、これにより、第2室90内の作動媒体は、第2通路20の出口方向へ流動可能であり、即ち、第2通路20を通って第2室90内の作動媒体は、第2室90から離れることができる。
ステータユニット2および回路基板ユニット4が、第2室90内に設けられるため、流動の作動媒体は、ステータユニット2および回路基板ユニット4の少なくとも一部の熱を奪うことができ、ステータユニット2および回路基板ユニット4の放熱効率の向上に寄与する。
図1を参照し、本実施例では、第2通路20は、流体駆動装置100の排出通路に連通する。
つまり、第2室90内の作動媒体は、排出通路を通って流体駆動装置100の外部に直接に注入し、第2室90内の回路基板ユニットおよび/またはステータユニット2を放熱することに寄与し、また、流体駆動装置100の構造をよりコンパクトにし、流体駆動装置100の小型化設計の実現に寄与する。
【0017】
図1を参照し、図1は、作動媒体の流動方向を示し、具体的には、作動媒体は、2つの流動方向があり、作動媒体の流動方向をよりよく説明するために、図1の太い破線は、第1流動方向であり、太い実線は、第2流動方向であり、第1流動方向において、作動媒体は、進入通路13から第1ロータユニット1の間の容積室に流入する。
そして、作動媒体は、排出通路を介して容積室から流出し、第2流動方向において、第1ロータユニット1の間の容積室に入った作動媒体の一部は、第1通路10から第2室90に流入する。
そして、この第2室90内の作動媒体は、第2通路20から排出通路に流出する。
本実施例では、作動媒体の進入方向は、鉛直方向であり、作動媒体の排出方向は、水平方向である。
ここでの「鉛直方向」および「水平方向」は、流体駆動装置100を図1の状態のように置く場合の方向であり、他の実施形態として、作動媒体の進入方向と作動媒体の排出方向とは、平行に設けられてもよい。
【0018】
図1を参照し、本実施例では、第1室80と第2室90とが連通する方式により、第2室90は、作動媒体が収容されていることができ、少なくとも一部の回路基板ユニット4は、第2室90に位置する作動媒体と接触することができる。
他の実施形態として、他の方法により、第2室90に作動媒体が収容されていることを実現するようにしてもよく、例えば、対応する進入通路、排出通路をモータケース上に開設することで、作動媒体が、モータケース上の進入通路から直接に第2室90に入り、モータケース上の排出通路が、直接に第2室90から離れるようにしてもよい。
この場合、第2室90と第1室80とは連通してもよいし、連通しなくてもよい。
このような方式により、第2室90と第1室80とは連通しない状況では、第2室90内の回路基板ユニット4および/またはステータユニット2を放熱してもよく、流体駆動装置100の出力効率、例えば、オイルポンプ効率の向上に寄与する。
【0019】
図3および図4を参照し、回路基板ユニット4は、基板41と電子部品42とを含む。
この電子部品42は、基板41に固定接続され、少なくとも一部の電子部品42の外面は、保護膜で覆われている。
このように、電子部品42が作動媒体によって腐食されることの防止に寄与し、ここでの電子部品42は、キャパシタンス、抵抗、インダクタンス、プロセッサ等の他の電子部品を含む。
【0020】
図4を参照し、流体駆動装置100は、回路基板ユニット4に電気的に接続され、基板41に電気的に接続され、第2室90に位置する作動媒体と接触することで第2室90の作動媒体の温度を検出する感温手段44をさらに含む。
このように、制御システムは、作動媒体の温度に応じて流体駆動装置100の動作状態を調整することができる。
本実施例では、感温手段44は、サーミスタまたは温度センサ等の他の温度検出素子であってもよい。
【0021】
図3および図4を参照し、本実施例では、基板41は、正面411と裏面412とを含む。
この正面411と裏面412とは相対して設けられ、流体駆動装置100の高さ方向に沿って、正面411は、裏面412よりも第1ロータユニット1に近く、感温手段44は、正面411に支持され、電子部品42は、発熱電子部品を含む。
この発熱電子部品は、電界効果トランジスタ(Mosfet)、キャパシタンス421等を含み、発熱電子部品は、裏面412に設けられる。
このように、発熱電子部品の熱が、感温手段44の検出の正確性を妨害することの防止に寄与し、他の実施形態として、感温手段44は、裏面412に支持されてもよく、この場合、それに応じて、発熱電子部品は、正面411に支持される。
【0022】
図3を参照し、回路基板ユニット4は、基板41に支持され、基板41に接着される粘着部43をさらに含む。
具体的には、本実施例では、粘着部43は、基板41の裏面412に接着され、粘着部43の外郭は、閉鎖状をなす。
本実施例では、基板41の裏面412に設けられた電子部品は、いずれも、粘着部43によって囲まれた領域内に位置し、粘着部43によって囲まれた領域内に保護膜が充填されており、保護膜は、少なくとも一部の電子部品をカバーする。
保護膜の高さは、粘着部43の高さ以下である。
本実施例では、粘着部43は、接着剤の硬化によって形成され、保護膜は、グリューの硬化によって形成され、保護膜のカバーが必要な電子部品42の周囲に粘着部43を設け、かつ、保護膜の高さが、粘着部43の高さ以下である。
このように、コーティングが必要な領域にグリューを配置する場合、粘着部43は、グリューが回路基板ユニット4の外側から溢れるのを防止する、または、グリューが指定領域から溢れるのを防止することができる。
これにより、グリューが保護膜に硬化する場合の厚さの保証に寄与し、電子部品42が作動媒体によって腐食されることを保護膜が防止する信頼性の向上に寄与する。
図3を参照し、本実施例では、回路基板ユニット4は、粘着部43を1つだけ含む。
この粘着部43は、基板41の裏面412の外周に近接して設けられ、裏面412に位置する電子部品42は、粘着部43によって囲まれた領域に位置し、粘着部43によって囲まれた領域は、いずれも、保護膜が設けられている。
このような方式により、電気制御基板ユニットの量産の実現、回路基板ユニット4のプロセスラインの簡単化に寄与し、回路基板ユニット4の生産コストを低減する、さらに流体駆動装置100の生産コストを低減することに寄与する。
他の実施形態として、回路基板ユニット4の裏面412は、2つ以上の粘着部43が設けられてもよく、この場合、粘着部43の形状の大きさは、同じであってもよいし、異なってもよく、粘着部43の位置は、保護膜のカバーが必要な電子部品42の位置に応じて適応的に設計されてもよい。
なお、他の実施形態として、回路基板ユニット4の正面411は、相応的な粘着部43が設けられてもよい。
【0023】
図5は、本発明における流体駆動装置100aの第2実施形態の構造図である。
以下、流体駆動装置の第2実施形態の構造を詳しく紹介する。
【0024】
図5を参照し、第2室90は、作動媒体を収容可能であり、第2室90に作動媒体が収容されている場合、少なくとも一部の回路基板ユニット4は、第2室90に位置する作動媒体と接触可能である。
このように、第2室90に位置する作動媒体は、回路基板ユニット4によって発生された熱と熱交換することができる。
これにより、回路基板ユニット4の放熱に寄与し、さらに流体駆動装置100の耐用年数の向上に寄与する。
【0025】
具体的には、図5を参照し、本実施例では、第1室80と第2室90とは連通し、具体的には、軸5は、軸5の第1端面および軸5の第2端面を貫通するように設けられる第2通路20を含む。
そして、流体駆動装置100aは、進入通路13を有し、第2通路20は、進入通路13に連通し、進入通路13の作動媒体は、第2通路20を通って、第2室90に流入するとともに、第2室90内に位置する回路基板ユニット4の少なくとも一部と接触することができる。
このように、第2室90に位置する作動媒体は、回路基板ユニット4によって発生された熱と熱交換することができる。
これにより、この回路基板ユニット4の放熱に寄与し、流体駆動装置100の耐用年数の向上に寄与する。
さらには、本実施例では、少なくとも一部のステータユニット2も、第2室90に位置する作動媒体と接触することができ、ステータユニット2によって発生された熱も、第2室90に位置する作動媒体と熱交換することができる。
これにより、ステータユニット2の放熱に寄与し、流体駆動装置100aの耐用年数の向上にさらに寄与する。
図1を参照し、第1室80の対応する壁面は、第1ロータユニット1を支持可能な底壁802を含み、流体駆動装置100aは、底壁802の上下面を貫通し、第1室80と第2室90とを連通可能な第1通路10をさらに含む。
そして、第2通路20の入口での作動媒体の圧力は、第1通路10の出口での作動媒体の圧力よりも大きく、第2室90内の作動媒体が、第1通路10を通って第2室90から離れることができる。
第2通路20の入口での作動媒体の圧力が、第1通路10の出口での作動媒体の圧力よりも大きい。
これにより、作動媒体は、第2通路20の入口で、第1通路10の出口で圧力差を形成し、圧力の高い場所から圧力の低い場所へ作動媒体が流れる原理に応じて、第2室90内の作動媒体は、第1通路10の出口方向へ流動可能であり、ステータユニット2および回路基板ユニット4が、第2室90内に設けられる。
このため、流動の作動媒体は、ステータユニット2および回路基板ユニット4の少なくとも一部の熱を奪うことができる。
さらに、ステータユニット2および回路基板ユニット4の放熱効率の向上に寄与する。
【0026】
流体駆動装置100の第1実施形態と比較すると、本実施形態では、作動媒体が第2室90に流入する通路と、作動媒体が第2室90から流出する通路とは、異なる。
本実施例における流体駆動装置100aの他の構造について、流体駆動装置100の第1実施形態を参照可能であり、ここでは、贅言しない。
【0027】
以上の実施例は、本発明を制限するものではなく、本発明を説明するためのものだけであり、本明細書は、上記の実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者が、本発明に対して補正または等同交替を行うことができ、本発明の精神および範囲を逸脱しない改善は、いずれも、本出願の請求項の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】