IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サイロスコープ インコーポレイテッドの特許一覧

特表2024-527790被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法及びシステム
<>
  • 特表-被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法及びシステム 図1
  • 特表-被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法及びシステム 図2
  • 特表-被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法及びシステム 図3
  • 特表-被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法及びシステム 図4
  • 特表-被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法及びシステム 図5
  • 特表-被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法及びシステム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/20 20180101AFI20240719BHJP
【FI】
G16H50/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502550
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 KR2022011163
(87)【国際公開番号】W WO2023008938
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0099606
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523433859
【氏名又は名称】サイロスコープ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シン、キュボ
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、ジャエ フーン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョンチャン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジャエミン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジュフイ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
本願によれば、被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法が開示される。方法は、トリガ信号に基づいてターゲットデータを決定する段階;決定された対象日に対応区間心拍数を取得する段階;被験者について、決定された対象日に対応する取得された区間心拍数についての第1前処理結果を取得する段階、ここで、第1前処理結果は、対象日に対応する区間心拍数の平均及び分散に関連する少なくとも1つのパラメータを含む;被験者について、基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを取得する段階;被験者について、基準日に対応する区間心拍数についての第2前処理結果を取得する段階、ここで、第2前処理結果は、基準日に対応する区間心拍数の平均及び分散に関連する少なくとも1つのパラメータを含む;第2前処理結果に対する第1前処理結果の差分を取得する段階;基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ、及び、差分を含む値に基づいて取得された甲状腺機能異常症についての予測結果を取得する段階を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法であって:
トリガ信号を取得する段階;
取得された前記トリガ信号に基づいて対象日を決定する段階;
決定された前記対象日に対応する区間心拍数を取得する段階;
前記被験者について、決定された前記対象日に対応する、取得された前記区間心拍数の第1前処理結果を取得する段階、ここで、前記第1前処理結果は、前記対象日に対応する前記区間心拍数の平均及び分散に関連する少なくとも1つのパラメータを含む;
前記被験者について、基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを取得する段階;
前記被験者について、前記基準日に対応する区間心拍数の第2前処理結果を取得する段階、ここで、前記第2前処理結果は、前記基準日に対応する前記区間心拍数の平均及び分散に関連する少なくとも1つのパラメータを含む;
前記第2前処理結果に対する前記第1前処理結果の差分を取得する段階;及び
基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの前記少なくとも1つ及び前記差分を含む値に基づいて取得された甲状腺機能異常症についての予測結果を取得する段階
を備え、ここで、甲状腺機能異常症についての前記予測結果は、甲状腺機能異常症予測モデルによる入力値の処理の結果であり、ここで、前記入力値は、前記差分、及び、前記基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの前記少なくとも1つを含む、
方法。
【請求項2】
前記対象日に対応する前記区間心拍数の前記分散に関連する前記少なくとも1つのパラメータは、前記対象日に対応する前記区間心拍数の標準偏差、歪度、及び尖度を含み、
ここで、前記基準日に対応する前記区間心拍数の前記分散に関連する前記少なくとも1つのパラメータは、前記基準日に対応する前記区間心拍数の標準偏差、歪度、及び尖度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2前処理結果に対する前記第1前処理結果の前記差分は、1)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の前記平均の変化量、2)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の前記平均の変化率、3)前記基準日に対する前記対象日の標準偏差の変化量、4)前記基準日に対する前記対象日の相対標準偏差の変化量、5)前記基準日に対する前記対象日の歪度の変化量、6)前記基準日に対する前記対象日の尖度の変化量、7)前記基準日に対応する前記区間心拍数及び前記対象日に対応する前記区間心拍数の間のJSダイバージェンスから成る群から選択される1つ、又は、それらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの前記少なくとも1つは、1)甲状腺刺激ホルモン(TSH)の濃度、2)テトラヨードチロニン(T4)の濃度、3)血清中の遊離T4(free T4)の濃度、4)トリヨードチロニン(T3)の濃度、5)血清中の遊離T3(free T3)の濃度、6)チロトロピン放出ホルモン(TRH)の濃度から成る群から選択される1つ、又は、それらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は更に:
1)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の前記平均の変化量、2)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の前記平均の変化率、3)前記基準日に対する前記対象日の標準偏差の変化量、4)前記基準日に対する前記対象日の相対標準偏差の変化量、5)前記基準日に対する前記対象日の歪度の変化量、6)前記基準日に対する前記対象日の尖度の変化量、7)前記基準日に対応する前記区間心拍数及び前記対象日に対応する前記区間心拍数の間のJSダイバージェンス、8)前記基準日に対応する前記被験者の甲状腺刺激ホルモン(TSH)の濃度、9)前記基準日に対応する前記被験者のテトラヨードチロニン(T4)の濃度、10)前記基準日に対応する前記被験者の血清における遊離T4(free T4)の濃度、11)前記基準日に対応する前記被験者のトリヨードチロニン(T3)の濃度、12)前記基準日に対応する前記被験者の血清中の遊離T3(free T3)の濃度、13)前記基準日に対応する前記被験者のチロトロピン放出ホルモン(TRH)の濃度から成る群から第1の値及び第2の値を取得する段階、
i)前記第1の値を前記第2の値と乗算することによって取得される値、ii)前記第1の値を前記第2の値によって除算することによって取得される値、及び、iii)前記第2の値を前記第1の値によって除算することによって取得される値のうちの任意の1つの値を取得する段階
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの前記少なくとも1つ及び前記差分を含む値に基づいて、甲状腺機能異常症についての前記予測結果を取得する前記段階は、前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ、前記差分、及び、取得された前記任意の1つの値を含む値に基づいて甲状腺機能異常症についての前記予測結果を取得する段階であり、
ここで、甲状腺機能異常症についての前記予測結果は、前記甲状腺機能異常症予測モデルによる入力値の処理の結果であり、ここで、前記入力値は、前記差分、取得された前記任意の1つの値、及び、前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は更に:
前記対象日及び前記基準日の間の日数間隔を取得する段階
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの前記少なくとも1つ、及び、前記差分を含む値に基づいて、甲状腺機能異常症についての前記予測結果を取得する前記段階は、前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ、前記差分、及び、前記対象日及び前記基準日の間の前記日数間隔を含む値に基づいて、甲状腺機能異常症についての前記予測結果を取得する段階であり、
ここで、甲状腺機能異常症についての前記予測結果は、前記甲状腺機能異常症予測モデルによる入力値の処理の結果であり、ここで、前記入力値は、前記差分、前記対象日及び前記基準日の間の前記日数間隔、及び、前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記対象日に対応する前記区間心拍数は、前記対象日に基づく予め定められた期間に対応するすべての安静時心拍数であり、
ここで、前記基準日に対応する前記区間心拍数は、前記基準日に基づく前記予め定められた期間に対応するすべての安静時心拍数である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記予め定められた期間は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、及び17日から選択される任意の1つである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記甲状腺機能異常症予測モデルは甲状腺機能亢進症予測モデル及び甲状腺機能低下症予測モデルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
甲状腺機能異常症についての前記予測結果は、少なくとも1つのホルモン濃度及び前記差分を含む前記入力値が前記甲状腺機能亢進症予測モデルによって処理される第1予測結果、及び、少なくとも1つのホルモン濃度及び前記差分を含む前記入力値が前記甲状腺機能低下症予測モデルによって処理される第2予測結果を考慮することによって決定される、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、患者の心拍数を解析するための、及び、解析の結果に基づいて甲状腺機能異常症を予測するための方法に関し、方法を実行するための装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
甲状腺は、首の前にある内分泌器官であり、脳の脳下垂体によって分泌される甲状腺刺激ホルモンの信号を受けることによって甲状腺ホルモンを産生する。
【0003】
甲状腺ホルモンは、人体の代謝率を制御する甲状腺によって産生される。甲状腺ホルモンが正常レベルより多く分泌されるとき、身体の代謝は異常に速く進行し、通常より暑く感じる、又は、心臓の鼓動を感じるなどの症状が現れる。反対に、甲状腺ホルモンが正常レベルより少なく分泌されるとき、非常に寒く感じる、疲れ及び抑鬱を感じる、又は、遅い脈拍を有するなどの症状が現れる。
【0004】
甲状腺の機能が正常であるとき、甲状腺ホルモンの分泌は、いかなる問題も無く生じる。しかしながら、甲状腺の機能が異常であるとき、甲状腺ホルモンの分泌が減少又は増加する。甲状腺ホルモンの分泌の減少によって生じる一連の疾患は甲状腺機能低下症と呼ばれ、甲状腺ホルモンの分泌の増加によって生じる一連の疾患は甲状腺機能亢進症と呼ばれる。さらに、これら2つの疾患は甲状腺機能異常症と呼ばれる。
【0005】
現在、甲状腺機能異常症を検査するための診断方法は、患者の血液中の甲状腺ホルモンの濃度を検査すること、及び、甲状腺ホルモンの濃度が臨床病理学の観点から正常範囲内、高レベル、又は低レベルにあるかどうかを判定することだけである。
【0006】
その一方で、甲状腺機能亢進症及び甲状腺機能低下症を治療するための複数の方法があるが、最も広く使用される治療方法は、薬剤治療方法である。甲状腺機能亢進症を患う大部分の患者及び甲状腺機能低下症を患う大部分の患者は、予め定められた期間にわたって薬剤を投与されることによって、正常レベルの甲状腺ホルモン生成及び分泌機能を回復する。しかしながら、甲状腺機能亢進症及び甲状腺機能低下症は、低い治癒率及び非常に高い再発率を有する疾患であるので、甲状腺機能亢進症又は甲状腺機能低下症が再発するかどうかを継続的にモニタリングする必要がある。
【0007】
しかしながら、上に記載されたように、甲状腺機能を検査するための診断方法は、血液採取を通じてホルモンの濃度を検査することだけなので、甲状腺が機能異常であるかどうかをモニタリングするために、患者は定期的に病院を訪問する必要があるという課題がある。
【0008】
したがって、血液採取を通じたホルモンレベルの検査以外の方法によって、甲状腺が機能異常であるかどうかをより正確に検査するための技術の開発の需要がある。
【0009】
すなわち、患者が病院を直接訪問することなく、より単純かつ迅速に甲状腺機能異常症をモニタリングすること、及び、必要なときに病院を訪問するよう患者を促すことを可能にする方法を開発することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願によって開示される内容によって解決される課題は、専門的な医療診断デバイスではなく、一般の人々が使用できるパーソナル電子デバイスを使用して取得される心拍数情報に基づいて、甲状腺機能異常症を予測することが可能な予測モデルを提供することである。
【0011】
本願によって開示される内容によって解決される別の課題は、心拍数情報に基づいて甲状腺機能異常症を予測することが可能な上述した予測モデルの訓練方法を提供することである。
【0012】
本願によって開示される内容によって解決される別の課題は、医者の助け及び直接の病院訪問を伴うことなく、心拍数情報に基づいて甲状腺機能異常症を予測することが可能な、上に記載された予測モデルを使用することによって、一般の人々が甲状腺機能異常症を継続的にモニタリングすることを可能にする方法及びシステムを提供することである。
【0013】
本願によって解決されることになる技術的課題は、上述の技術的課題に限定されず、言及されていない他の技術的課題は、本明細書及び添付図面から当業者には明らかに理解される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願の実施形態によれば、被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法が開示される。被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法は、トリガ信号を取得する段階;取得されたトリガ信号に基づいて対象日を決定する段階;決定された対象日に対応する区間心拍数を取得する段階;被験者について、決定された対象日に対応する、取得された区間心拍数の第1前処理結果を取得する段階、ここで、第1前処理結果は、対象日に対応する区間心拍数の平均及び分散に関連する少なくとも1つのパラメータを含む;被験者について、基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを取得する段階;被験者について、基準日に対応する区間心拍数の第2前処理結果を取得する段階、ここで、第2前処理結果は、基準日に対応する区間心拍数の平均及び分散に関連する少なくとも1つのパラメータを含む;第2前処理結果に対する第1前処理結果の差分を取得する段階;及び基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ及び差分を含む値に基づいて取得された甲状腺機能異常症についての予測結果を取得する段階を備え、ここで、甲状腺機能異常症についての予測結果は、甲状腺機能異常症予測モデルによる入力値の処理の結果であり得、ここで、入力値は、差分、及び、基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
本願によって開示されるいくつかの実施形態において、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連する少なくとも1つのパラメータは、対象日に対応する区間心拍数の標準偏差、歪度、及び尖度を含み得、ここで、基準日に対応する区間心拍数の分散に関連する少なくとも1つのパラメータは、基準日に対応する区間心拍数の標準偏差、歪度、及び尖度を含み得る。
【0016】
本願によって開示されるいくつかの実施形態において、第2前処理結果に対する第1前処理結果の差分は、1)基準日に対する、対象日の区間心拍数の平均の変化量、2)基準日に対する、対象日の区間心拍数の平均の変化率、3)基準日に対する、対象日の標準偏差の変化量、4)基準日に対する、対象日の相対標準偏差の変化量、5)基準日に対する、対象日の歪度の変化量、6)基準日に対する、対象日の尖度の変化量、7)基準日に対応する区間心拍数及び対象日に対応する区間心拍数の間のJSダイバージェンスから成る群から選択される1つ又はその組み合わせであり得る。
【0017】
本願によって開示されるいくつかの実施形態において、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つは、1)甲状腺刺激ホルモン(TSH)の濃度、2)テトラヨードチロニン(T4)の濃度、3)血清中の遊離T4(free T4)の濃度、4)トリヨードチロニン(T3)の濃度、5)血清中の遊離T3(free T3)の濃度、6)チロトロピン放出ホルモン(TRH)の濃度から成る群から選択される1つ、又は、それらの組み合わせであり得る。
【0018】
本願によって開示されるいくつかの実施形態において、方法は更に:(1)基準日に対する、対象日の区間心拍数の平均の変化量、2)基準日に対する、対象日の区間心拍数の平均の変化率、3)基準日に対する、対象日の標準偏差の変化量、4)基準日に対する、対象日の相対標準偏差の変化量、5)基準日に対する、対象日の歪度の変化量、6)基準日に対する、対象日の尖度の変化量、7)基準日に対応する区間心拍数及び対象日に対応する区間心拍数の間のJSダイバージェンス、8)基準日に対応する被験者の甲状腺刺激ホルモン(TSH)濃度、9)基準日に対応する被験者のテトラヨードチロニン(T4)の濃度、10)基準日に対応する被験者の血清における遊離T4(free T4)の濃度、11)基準日に対応する被験者のトリヨードチロニン(T3)の濃度、12)基準日に対応する被験者の血清における遊離T3(free T3)の濃度、13)基準日に対応する被験者のチロトロピン放出ホルモン(TRH)の濃度から成る群から第1の値及び第2の値を取得する段階、i)第1の値を第2の値と乗算することによって取得される値、ii)第1の値を第2の値で除算することによって取得される値、及び、iii)第2の値を第1の値で除算することによって取得される値のうちの任意の1つの値を取得する段階を備え得る。
【0019】
ここで、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ、及び、差分を含む値に基づいて、甲状腺機能異常症についての予測結果を取得する段階は、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ、差分、及び、取得された任意の1つの値を含む値に基づいて甲状腺機能異常症についての予測結果を取得する段階であり得、ここで、甲状腺機能異常症についての予測結果は、甲状腺機能異常症予測モデルによる入力値の処理の結果であり得、ここで、入力値は、差分、取得された任意の1つの値、及び、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
本願によって開示されるいくつかの実施形態において、方法は更に、対象日及び基準日の間の日数間隔を取得する段階を備え得る。
【0021】
ここで、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ、及び、差分を含む値に基づいて、甲状腺機能異常症についての予測結果を取得する段階は、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ、差分、及び、対象日及び基準日の間の日数間隔を含む値に基づいて、甲状腺機能異常症についての予測結果を取得する段階であり得、ここで、甲状腺機能異常症についての予測結果は、甲状腺機能異常症予測モデルによる入力値の処理の結果であり得、ここで、入力値は、差分、対象日及び基準日の間の日数間隔、及び、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
本願に開示されるいくつかの実施形態において、対象日に対応する区間心拍数は、対象日に基づく予め定められた期間に対応するすべての安静時心拍数であり得、ここで、基準日に対応する区間心拍数は、基準日に基づく予め定められた期間に対応するすべての安静時心拍数であり得る。
【0023】
ここで、予め定められた期間は、8、9、10、11、12、13、14、15、16及び17日から選択される任意の1つであり得る。
【0024】
本願によって開示されるいくつかの実施形態において、甲状腺機能異常症予測モデルは、甲状腺機能亢進症予測モデル及び甲状腺機能低下症予測モデルを含み得る。
【0025】
ここで、甲状腺機能異常症についての予測結果は、少なくとも1つのホルモン濃度及び差分を含む入力値が甲状腺機能亢進症予測モデルによって処理される第1予測結果、及び、少なくとも1つのホルモン濃度及び差分を含む入力値が甲状腺機能低下症予測モデルによって処理される第2予測結果を考慮することによって決定され得る。
有利な効果
【0026】
本願における本開示によれば、専門的な医療診断デバイスではなく一般の人々が使用できるパーソナル電子デバイスを使用して取得される心拍数情報に基づいて甲状腺機能異常症を予測することが可能な予測モデルを提供できる。
【0027】
本願における本開示によれば、心拍数情報に基づいて甲状腺機能異常症を予測することが可能な上述した予測モデルの訓練方法を提供できる。
【0028】
本願における本開示によれば、医者の助け及び直接の病院訪問を伴うことなく、心拍数情報に基づいて甲状腺機能異常症を予測することが可能な、上述した予測モデルを使用することによって、一般の人々が甲状腺機能異常症を継続的にモニタリングすることを可能にする方法及びシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本願に記載の実施形態に従って甲状腺機能異常症を予測するためのシステムを示す図である。
【0030】
図2】本願に記載の心拍数測定デバイスを示すブロック図である。
【0031】
図3】本願に記載のユーザ端末を示すブロック図である。
【0032】
図4】本願に記載のサーバを示すブロック図である。
【0033】
図5】本願に記載の甲状腺機能異常症を予測するための方法を示すフローチャートである。
【0034】
図6】本願に記載の甲状腺機能異常症を予測するための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本願の上述した目的、特徴、及び利点は、添付図面を参照する以下の詳細な説明からより明らかとなる。さらに、本願には様々な変更が加えられてよく、本願の様々な実施形態が実践されてよい。したがって、以下では、添付図面を参照しながら具体的な実施形態が詳細に説明される。
【0036】
明細書全体を通して、同じ参照番号は、原理的に同じ要素を示している。さらに、実施形態の図面に示されている同じ範囲内の同じ機能を有する要素は、同じ参照番号を使用して説明されており、冗長な説明は省略される。
【0037】
本願の性質及び趣旨を不明瞭にすると判断された場合、本願に関するよく知られた機能又は構成の詳細な説明は省略される。さらに、本明細書全体を通して、第1、第2等の用語は、或る要素を別のものから区別するためにのみ使用されている。
【0038】
さらに、以下の説明において要素を挙げるために使用されている「モジュール」及び「部」という用語は、本明細書を書く容易さのみを考慮して、使用されている。それらの用語は、異なる特別な意味又は機能を有するものとしては意図されておらず、それゆえ、個々に又は交換可能に使用され得る。
【0039】
以下の実施形態において、単数形で使用されている表現は、それがその文脈において明らかに異なる意味を有するのでない限り、複数形の表現も包含する。
【0040】
以下の実施形態において、「含む」、「有する」等のような用語は、明細書において開示される特徴又は要素の存在を示すことを意図されており、1又は複数の他の特徴又は要素が追加され得る可能性を排除することは意図されていないことが理解されるべきである。
【0041】
図面中の要素のサイズは、説明の便宜上、誇張又は縮小されている場合がある。例えば、図面に示されている各要素の任意のサイズ及び厚さは、説明の便宜上示されており、本開示はこれに限定されるものではない。
【0042】
特定の実施形態が別様に実現される場合において、説明された順序から外れて、特定のプロセスが行われてよい。例えば、連続して説明された2つのプロセスは、実質的に同時に実行されてもよいし、又は、説明された順序とは反対の順序で進められてもよい。
【0043】
以下の実施形態において、要素が互いに接続されていると言及される場合、それらの要素は、互いに直接接続されているか、又は、それらの要素は、それらの間に介在する要素を伴って、互いに間接的に接続されている。例えば、本明細書において、要素が互いに電気的に接続されていると言及される場合、それらの要素は、互いに直接電気的に接続されているか、又は、それらの要素は、それらの間に介在する要素を伴って、間接的に電気的に接続されている。
【0044】
本願の実施形態によれば、被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法が開示される。被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法は、トリガ信号を取得する段階;取得されたトリガ信号に基づいて対象日を決定する段階;決定された対象日に対応する区間心拍数を取得する段階;被験者について、決定された対象日に対応する、取得された区間心拍数の第1前処理結果を取得する段階、ここで、第1前処理結果は、対象日に対応する区間心拍数の平均及び分散に関連する少なくとも1つのパラメータを含む;被験者について、基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを取得する段階;被験者について、基準日に対応する区間心拍数の第2前処理結果を取得する段階、ここで、第2前処理結果は、基準日に対応する区間心拍数の平均及び分散に関連する少なくとも1つのパラメータを含む;第2前処理結果に対する第1前処理結果の差分を取得する段階;及び基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ及び差分を含む値に基づいて取得された甲状腺機能異常症についての予測結果を取得する段階を備え、ここで、甲状腺機能異常症についての予測結果は、甲状腺機能異常症予測モデルによる入力値の処理の結果であり得、ここで、入力値は、差分、及び、基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
本願によって開示されるいくつかの実施形態において、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連する少なくとも1つのパラメータは、対象日に対応する区間心拍数の標準偏差、歪度、及び尖度を含み得、基準日に対応する区間心拍数の分散に関連する少なくとも1つのパラメータは、基準日に対応する区間心拍数の標準偏差、歪度、及び尖度を含み得る。
【0046】
本願によって開示されるいくつかの実施形態において、第2前処理結果に対する第1前処理結果の差分は、1)基準日に対する、対象日の区間心拍数の平均の変化量、2)基準日に対する、対象日の区間心拍数の平均の変化率、3)基準日に対する、対象日の標準偏差の変化量、4)基準日に対する、対象日の相対標準偏差の変化量、5)基準日に対する、対象日の歪度の変化量、6)基準日に対する、対象日の尖度の変化量、7)基準日に対応する区間心拍数及び対象日に対応する区間心拍数の間のJSダイバージェンスから成る群から選択される1つ又はその組み合わせであり得る。
【0047】
本願によって開示されるいくつかの実施形態において、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つは、1)甲状腺刺激ホルモン(TSH)の濃度、2)テトラヨードチロニン(T4)の濃度、3)血清中の遊離T4(free T4)の濃度、4)トリヨードチロニン(T3)の濃度、5)血清中の遊離T3(free T3)の濃度、6)チロトロピン放出ホルモン(TRH)の濃度から成る群から選択される1つ、又は、それらの組み合わせであり得る。
【0048】
本願によって開示されるいくつかの実施形態において、方法は更に:(1)基準日に対する、対象日の区間心拍数の平均の変化量、2)基準日に対する、対象日の区間心拍数の平均の変化率、3)基準日に対する、対象日の標準偏差の変化量、4)基準日に対する、対象日の相対標準偏差の変化量、5)基準日に対する、対象日の歪度の変化量、6)基準日に対する、対象日の尖度の変化量、7)基準日に対応する区間心拍数及び対象日に対応する区間心拍数の間のJSダイバージェンス、8)基準日に対応する被験者の甲状腺刺激ホルモン(TSH)濃度、9)基準日に対応する被験者のテトラヨードチロニン(T4)の濃度、10)基準日に対応する被験者の血清における遊離T4(free T4)の濃度、11)基準日に対応する被験者のトリヨードチロニン(T3)の濃度、12)基準日に対応する被験者の血清における遊離T3(free T3)の濃度、13)基準日に対応する被験者のチロトロピン放出ホルモン(TRH)の濃度から成る群から第1の値及び第2の値を取得する段階、i)第1の値を第2の値と乗算することによって取得される値、ii)第1の値を第2の値で除算することによって取得される値、及び、iii)第2の値を第1の値で除算することによって取得される値のうちの任意の1つの値を取得する段階を備え得る。
【0049】
本明細書において、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ、及び、差分を含む値に基づいて、甲状腺機能異常症についての予測結果を取得する段階は、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ、差分、及び、取得された任意の1つの値を含む値に基づいて甲状腺機能異常症についての予測結果を取得する段階であり得、甲状腺機能異常症についての予測結果は、甲状腺機能異常症予測モデルによる入力値の処理の結果であり得、ここで、入力値は、差分、取得された任意の1つの値、及び、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを含む。
【0050】
本願によって開示されるいくつかの実施形態において、方法は更に、対象日及び基準日の間の日数間隔を取得する段階を備え得る。
【0051】
ここで、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ、及び、差分を含む値に基づいて、甲状腺機能異常症についての予測結果を取得する段階は、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ、差分、及び、対象日及び基準日の間の日数間隔を含む値に基づいて、甲状腺機能異常症についての予測結果を取得する段階であり得、甲状腺機能異常症についての予測結果は、甲状腺機能異常症予測モデルによる入力値の処理の結果であり得、ここで、入力値は、差分、対象日及び基準日の間の日数間隔、及び、基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを含む。
【0052】
本願に開示されるいくつかの実施形態において、対象日に対応する区間心拍数は、対象日に基づく予め定められた期間に対応するすべての安静時心拍数であり得、基準日に対応する区間心拍数は、基準日に基づく予め定められた期間に対応するすべての安静時心拍数であり得る。
【0053】
ここで、予め定められた期間は、8、9、10、11、12、13、14、15、16及び17日から選択される任意の1つであり得る。
【0054】
本願によって開示されるいくつかの実施形態において、甲状腺機能異常症予測モデルは、甲状腺機能亢進症予測モデル及び甲状腺機能低下症予測モデルを含み得る。
【0055】
ここで、甲状腺機能異常症についての予測結果は、少なくとも1つのホルモン濃度及び差分を含む入力値が甲状腺機能亢進症予測モデルによって処理される第1予測結果、及び、少なくとも1つのホルモン濃度及び差分を含む入力値が甲状腺機能低下症予測モデルによって処理される第2予測結果を考慮することによって決定され得る。
【0056】
1.用語の定義
【0057】
心拍数
【0058】
本明細書において、「心拍数」という用語は、単位時間あたりの拍動の数を指す。例えば、心拍数は、分あたりの拍動(bpm)として測定され得る。その一方で、本明細書において、別段の定めがある場合、又は、一般的な科学的説明の目的で用語が使用される場合を除き、「心拍数」は、心拍数が測定された時点(推定時点)に対応する又は関連するものと解釈される。
【0059】
安静期間
【0060】
本明細書において、「安静期間」という用語は、人の身体的な動きが特定のレベル以下である期間を指す。一般的に、「安静期間」は、被験者が覚醒し静止している期間を指すが、本明細書における「安静期間」という用語は、被験者が睡眠中である期間も指す。
【0061】
安静時心拍数
【0062】
本明細書において、「安静時心拍数」という用語は、心拍数が測定された時点が人の安静期間内である心拍数を指す。
【0063】
特に、本明細書における「X日目に対応する安静時心拍数」という表現は、X日目の午前12:00:00~X日目の午後11:59:59の期間に含まれる安静期間に対応するすべての心拍数を指し得る。
【0064】
しかしながら、i)安静期間が一般的に人の睡眠時間を含むこと、及び、ii)人の睡眠習慣を考慮して、多くの人が午前12:00:00前に睡眠を開始することを考慮すると、本明細書における「X日目に対応する安静時心拍数」は、X日目の直前の日(以下、X-1日目と称される)に人が睡眠を開始する時間から、X-1日目の午後11:59:59までの期間に対応する安静時心拍数を含み得る。同様に、「X日目に対応する安静時心拍数」は、人がX日目に睡眠を開始する時間からX日目の午後11:59:59までの期間に対応する安静時心拍数を含まないことがあり得る。すなわち、人がX日目に睡眠を開始する時間からX日目の午後11:59:59までの期間に対応する安静時心拍数は、上に記載された「X日目の後の日(以下、X+1日目と称される)に対応する安静時心拍数」に含まれ得る。
【0065】
区間心拍数(期間心拍数)
【0066】
本明細書において、「区間心拍数(期間心拍数)」という用語は、2日又はより多くの期間に対応するすべての安静時心拍数を指す。本明細書において、「区間安静時心拍数(期間安静時心拍数)」という用語及び「区間心拍数」という用語は、同じ意味を有するものとして使用され得る。
【0067】
区間平均心拍数(期間平均心拍数)
【0068】
本明細書において、「区間平均心拍数(期間平均心拍数)」という用語は、2日又はより多くの期間にわたって測定された安静時心拍数の平均値(すなわち、区間心拍数)を指す。例えば、5日間の期間平均心拍数は、1日目に対応する安静時心拍数、2日目に対応する安静時心拍数、3日目に対応する安静時心拍数、4日目に対応する安静時心拍数、5日目に対応する安静時心拍数の平均値を指す。本明細書において、「区間心拍数の平均(期間心拍数の平均)」という用語及び「期間平均心拍数」という用語は、同じ意味を有するものとして使用され得る。
【0069】
甲状腺ホルモン
【0070】
本明細書において、「甲状腺ホルモン」という用語は、甲状腺によって分泌されるホルモンであるチロキシン(T4)又はテトラヨードチロニン;血清中の遊離T4である血清遊離T4;T4からヨウ素を除去するための変換の結果生じるトリヨードチロニン(T3);血清中の遊離T3である血清遊離T3;下垂体によって分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH);及びチロトロピン放出ホルモン(TRH)を含む意味を有する。
【0071】
その一方で、本明細書において、「ホルモン」という用語及び「甲状腺ホルモン」という用語は、同じ意味を有するものとして使用され得る。
【0072】
甲状腺機能亢進症
【0073】
本明細書において、「甲状腺機能亢進症」という用語は、甲状腺によって分泌されたホルモンが過剰に産生又は分泌されるので、又は、他の要因に起因して、血液中の甲状腺ホルモン濃度が過剰に増加する病状、及び、その結果生じるすべての臨床病理学的症状を指す。
【0074】
甲状腺機能低下症
【0075】
本明細書において、「甲状腺機能低下症」という用語は、甲状腺によって分泌されるホルモンの産生又は分泌が少なすぎるため、又は、他の要因に起因して、血液中の甲状腺ホルモン濃度が過剰に減少する病状、及び、その結果生じるすべての臨床病理学的症状を指す。
【0076】
甲状腺機能異常症
【0077】
本明細書において、「甲状腺機能異常症」という用語は、上に記載された「甲状腺機能低下症」及び「甲状腺機能亢進症」の両方を含む意味を有する。
【0078】
2.訓練方法
【0079】
概要
【0080】
2017年、上に記載された関連技術における課題を解決するために、及び、市場のニーズを満たす技術を開発するために、本願の出願人は、方法及びシステムの技術の開発を完了し、これに関連する特許を出願した。方法及びシステムは、心拍数及び甲状腺機能亢進症の間の相関に基づいて、患者の甲状腺機能が「正常」であると判定された時点に対応する心拍数及び現在の心拍数を主な入力変数として使用することによって、患者の現在状態が、甲状腺機能が正常である状態であるか、又は、現在状態が、甲状腺機能が異常である状態(すなわち、甲状腺機能亢進症又は甲状腺機能低下症)であるかを判定するためのものである。
【0081】
しかしながら、本願の出願人が開発した技術には、複数の課題があった。
【0082】
第1に、正常な甲状腺機能に伴う心拍数(予め定められた期間にわたる期間平均心拍数)は、人によって変動するので、正常状態における心拍数及び現在状態における心拍数を因子として単純に使用することによって、甲状腺が機能異常であるかどうかを出力する関数を獲得することが困難であった。
【0083】
第2に、「正常」状態における心拍数が因子として使用されたので、ホルモンレベル試験の日に「正常」ではなく「甲状腺機能亢進症」又は「甲状腺機能低下症」と判定されたとき、上に記載された技術を適用できなかった。
【0084】
上に記載されたこれらの課題に起因して、従来開発された技術は、正確度が低く、使用が不便であり、したがって、継続的モニタリングの必要性を要求する市場のニーズを満たすのに不十分であった。
【0085】
これらの課題を解決するべく、本出願人は、本明細書に記載される機械学習ベースの甲状腺機能異常症予測モデルを提案する。
【0086】
加えて、甲状腺機能異常症を予測するための予測モデルの訓練において、パーソナライズされた予測モデルを作成する上で複数の課題があったので、本出願人は、予測モデルを訓練するためのデータの属性を解析し、予測の正確度を増加させる目的で、様々な方式でモデルを訓練し、したがって、予測モデルの正確度を増加させるためのいくつかの有意義な訓練方法を発見した。正確度を増加させるための訓練方法を本明細書において開示する。
【0087】
臨床データの収集
【0088】
第1に、本願に記載される予測モデルを訓練するための基礎的な臨床データを収集する方法を記載する。
【0089】
(1)甲状腺機能亢進症又は甲状腺機能低下症を患う患者を選択する。
【0090】
(2)選択された患者の個人情報を取得する。例えば、選択された患者の氏名、性別、年齢、体重、身長などを含む患者の個人情報が取得される。
【0091】
(3)選択された患者の各々に、自分の手首に着用可能であり、かつ、患者の心拍数を測定する機能を有するウェアラブルデバイスを与える。
【0092】
(4)選択された患者の各々について、選択された患者が病院を訪問して甲状腺ホルモン試験を受けるとき、患者に提供されたウェアラブルデバイスによって測定された心拍数のうちの、試験日に対応する区間心拍数(期間心拍数)を取得する。
【0093】
(5)選択された患者の各々について、試験日の甲状腺ホルモンの濃度値を取得する。
【0094】
(6)選択された患者の各々について、甲状腺ホルモン試験結果に基づく、患者についての医者の診断結果を取得する。すなわち、甲状腺ホルモン試験結果、及び、患者が甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、及び正常のうちのどの状態にあるかについての情報を取得する。
【0095】
結果として、1人の患者が甲状腺ホルモン試験について1回試験される場合、i)患者の個人情報、ii)試験日、iii)試験日に対応する区間心拍数、iv)試験日に実行された試験による甲状腺ホルモンの濃度、及びv)試験日に実行される試験の結果による、甲状腺機能異常症についての医者の診断結果を含む、1つのデータセットが取得され得る。
【0096】
すなわち、患者あたり4つのホルモン試験結果の平均によるデータセットが100人の患者から取得される場合、合計400のデータセットが取得され、患者あたり3つのホルモン試験結果の平均によるデータセットが300人の患者から取得される場合、合計900のデータセットが取得される。
【0097】
甲状腺機能異常症を患う患者は、3か月ごとに1回病院を訪問して、ホルモンレベル試験のために血液を採取する試験を受けることが推奨される。したがって、基本的に、上に記載された方式でデータセットを十分に取得するために、データセットの収集のターゲットである患者の数を増加させること、又は、患者あたりのデータセットが取得される期間を数年又はより長く延長することが必要である。すなわち、現在の状況では、甲状腺機能異常症に関連する膨大な臨床データを取得するには、莫大な支出の投資又は膨大な時間の投資が要求される。
【0098】
訓練方法の実施形態#1。基準日の心拍数からの差分値及び基準日のホルモン値
【0099】
本願に記載された第1の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、第1試験日に対応する期間平均心拍数から、第2試験日に対応する期間平均心拍数を減算することによって取得される値、及び、第2試験日のホルモン濃度が入力値として使用され得、第1試験日に対応する診断結果がラベリング値として使用され得る。
【0100】
ここで、学習モデルとして、ライト勾配ブースティングマシン、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト、エクストラツリー、アダブースト、エクストリーム勾配ブースト、CatBoostなどを含む分類モデルが使用され得る。
【0101】
学習モデルは、甲状腺機能亢進症を予測するための甲状腺機能亢進症予測モデル及び甲状腺機能低下症を予測するための甲状腺機能低下症予測モデルを含む。
【0102】
第1の例示的な実施形態によれば、甲状腺機能亢進症予測モデルが訓練されるとき、すべての取得された臨床データを使用できず、診断結果として甲状腺機能亢進症であると少なくとも1回診断された患者の臨床データだけが訓練データとして使用され得る。
【0103】
以下、説明の便宜上、診断結果として甲状腺機能亢進症であると少なくとも1回診断された患者は、甲状腺機能亢進症患者と称され得る。
【0104】
その一方で、期間平均心拍数の計算において、特定の日付に基づいて予め定められた、予め定められた期間にわたる安静時心拍数が使用され得、ここで、予め定められた期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30日の1つであり得る。
【0105】
第1の例示的な実施形態によれば、甲状腺機能亢進症予測モデルを訓練するために、甲状腺機能亢進症患者の臨床データが、[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などのフォーマットの訓練データセットを生成するために使用され得る。
【0106】
例えば、合計で3のデータセットが第1甲状腺機能亢進症患者から取得され、第1試験についての診断結果が、第1濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能亢進症」であり、第2試験についての診断結果が、第2濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であり、第3試験についての診断結果が、第3濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であると想定すると、第1甲状腺機能亢進症患者の臨床データから取得され得る訓練データセットが以下のように生成され得る。
【0107】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2濃度、甲状腺機能亢進症]
【0108】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3濃度、甲状腺機能亢進症]
【0109】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0110】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0111】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1濃度、非甲状腺機能亢進症]、及び
【0112】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0113】
別の例として、合計で4のデータセットが第2甲状腺機能亢進症患者から取得され、第1試験についての診断結果が、第1濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能亢進症」であり、第2試験についての診断結果が、第2濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であり、第3試験についての診断結果が、第3濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能亢進症」であり、第4試験についての診断結果が、第4濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であると想定すると、第2甲状腺機能亢進症患者の臨床データから取得され得る訓練データセットは以下のように生成され得る。
【0114】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2濃度、甲状腺機能亢進症]
【0115】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3濃度、甲状腺機能亢進症]
【0116】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第4濃度、甲状腺機能亢進症]
【0117】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0118】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0119】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第4濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0120】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1濃度、甲状腺機能亢進症]
【0121】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2濃度、甲状腺機能亢進症]
【0122】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第4濃度、甲状腺機能亢進症]
【0123】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0124】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2濃度、非甲状腺機能亢進症]、及び
【0125】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0126】
第1の例示的な実施形態によれば、甲状腺機能低下症予測モデルが訓練されるとき、すべての取得された臨床データを使用できず、診断結果として甲状腺機能低下症であると少なくとも1回診断された患者の臨床データだけが訓練データとして使用され得る。
【0127】
以下、説明の便宜上、診断結果として甲状腺機能低下症であると少なくとも1回診断された患者は、「甲状腺機能低下症患者」と称され得る。
【0128】
第1の例示的な実施形態によれば、甲状腺機能低下症予測モデルを訓練するために、甲状腺機能低下症患者の臨床データが、[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能低下症又は非甲状腺機能低下症)]などのフォーマットの訓練データセットを生成するために使用され得る。
【0129】
例えば、合計で3のデータセットが第1甲状腺機能低下症患者から取得され、第1試験についての診断結果が、第1濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能低下症」であり、第2試験についての診断結果が、第2濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であり、第3試験についての診断結果が、第3濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であると想定すると、第1甲状腺機能低下症患者の臨床データから取得され得る訓練データセットが以下のように生成され得る。
【0130】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2濃度、甲状腺機能低下症]
【0131】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3濃度、甲状腺機能低下症]
【0132】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1濃度、非甲状腺機能低下症]
【0133】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3濃度、非甲状腺機能低下症]
【0134】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1濃度、非甲状腺機能低下症]、及び
【0135】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2濃度、非甲状腺機能低下症]
【0136】
別の例として、合計で4のデータセットが第2甲状腺機能低下症患者から取得され、第1試験についての診断結果が、第1濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能低下症」であり、第2試験についての診断結果が、第2濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であり、第3試験についての診断結果が、第3濃度のホルモン濃度を伴う、「甲状腺機能低下症」であり、第4試験についての診断結果が、第4濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であると想定すると、第2甲状腺機能低下症患者の臨床データから取得され得る訓練データセットは以下のように生成され得る。
【0137】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2濃度、甲状腺機能低下症]
【0138】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3濃度、甲状腺機能低下症]
【0139】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第4濃度、甲状腺機能低下症]
【0140】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1濃度、非甲状腺機能低下症]
【0141】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3濃度、非甲状腺機能低下症]
【0142】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第4濃度、非甲状腺機能低下症]
【0143】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1濃度、甲状腺機能低下症]
【0144】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2濃度、甲状腺機能低下症]
【0145】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第4濃度、甲状腺機能低下症]
【0146】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1濃度、非甲状腺機能低下症]
【0147】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2濃度、非甲状腺機能低下症]、及び
【0148】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3濃度、非甲状腺機能低下症]
【0149】
第1の例示的な実施形態において、ホルモン濃度は、T4の濃度、遊離T4の濃度、T3の濃度、遊離T3の濃度、TSHの濃度、及び、チロトロピン放出ホルモン(TRH)の濃度から成る群から選択される1つ又はそれらの組み合わせであり得る。
【0150】
訓練方法の実施形態#2。基準日の心拍数からの差分値、対象日の期間平均心拍数、及び、基準日のホルモン値
【0151】
本願に記載される第2の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、第1試験日に対応する期間平均心拍数から第2試験日に対応する期間平均心拍数を減算することによって取得される値、第1試験日のホルモン濃度、及び、第2試験日に対応する期間平均心拍数が入力値として使用され得、第1試験日に対応する診断結果がラベリング値として使用され得る。
【0152】
ここで、学習モデルとして、ライト勾配ブースティングマシン、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト、エクストラツリー、アダブースト、エクストリーム勾配ブースト、CatBoostなどを含む分類モデルが使用され得る。
【0153】
学習モデルは、甲状腺機能亢進症を予測するための甲状腺機能亢進症予測モデル及び甲状腺機能低下症を予測するための甲状腺機能低下症予測モデルを含む。
【0154】
第2の例示的な実施形態によれば、甲状腺機能亢進症予測モデルが訓練されるとき、すべての取得された臨床データを使用できず、診断結果として甲状腺機能亢進症であると少なくとも1回診断された患者の臨床データだけが訓練データとして使用され得る。
【0155】
以下、説明の便宜上、診断結果として甲状腺機能亢進症であると少なくとも1回診断された患者は、甲状腺機能亢進症患者と称され得る。
【0156】
その一方で、期間平均心拍数の計算において、特定の日付に基づいて予め定められた、予め定められた期間にわたる安静時心拍数が使用され得、ここで、予め定められた期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30日の1つであり得る。
【0157】
第2の例示的な実施形態によれば、甲状腺機能亢進症予測モデルを訓練するために、甲状腺機能亢進症患者の臨床データが、[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などのフォーマットで訓練データセットを生成するために使用され得る。
【0158】
例えば、合計で3のデータセットが第1甲状腺機能亢進症患者から取得され、第1試験についての診断結果が、第1濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能亢進症」であり、第2試験についての診断結果が、第2濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であり、第3試験についての診断結果が、第3濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であると想定すると、第1甲状腺機能亢進症患者の臨床データから取得され得る訓練データセットが以下のように生成され得る。
【0159】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第2濃度、甲状腺機能亢進症]
【0160】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第3濃度、甲状腺機能亢進症]
【0161】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する期間平均心拍数、第1濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0162】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する期間平均心拍数、第3濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0163】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第3試験日に対応する期間平均心拍数、第1濃度、非甲状腺機能亢進症]、及び
【0164】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第3試験日に対応する期間平均心拍数、第2濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0165】
別の例として、合計で4のデータセットが第2甲状腺機能亢進症患者から取得され、第1試験についての診断結果が、第1濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能亢進症」であり、第2試験についての診断結果が、第2濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であり、第3試験についての診断結果が、第3濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能亢進症」であり、第4試験についての診断結果が、第4濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であると想定すると、第2甲状腺機能亢進症患者の臨床データから取得され得る訓練データセットは以下のように生成され得る。
【0166】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第2濃度、甲状腺機能亢進症]
【0167】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第3濃度、甲状腺機能亢進症]
【0168】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第4濃度、甲状腺機能亢進症]
【0169】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する期間平均心拍数、第1濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0170】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する期間平均心拍数、第3濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0171】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する期間平均心拍数、第4濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0172】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第3試験日に対応する期間平均心拍数、第1濃度、甲状腺機能亢進症]
【0173】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第3試験日に対応する期間平均心拍数、第2濃度、甲状腺機能亢進症]
【0174】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第3試験日に対応する期間平均心拍数、第4濃度、甲状腺機能亢進症]
【0175】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第4試験日に対応する期間平均心拍数、第1濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0176】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第4試験日に対応する期間平均心拍数、第2濃度、非甲状腺機能亢進症]、及び
【0177】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第4試験日に対応する期間平均心拍数、第3濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0178】
第2の例示的な実施形態によれば、甲状腺機能低下症予測モデルが訓練されるとき、すべての取得された臨床データを使用できず、診断結果として甲状腺機能低下症であると少なくとも1回診断された患者の臨床データだけが訓練データとして使用され得る。
【0179】
以下、説明の便宜上、診断結果として甲状腺機能低下症であると少なくとも1回診断された患者は、「甲状腺機能低下症患者」と称され得る。
【0180】
第2の例示的な実施形態によれば、甲状腺機能低下症予測モデルを訓練するために、甲状腺機能低下症患者の臨床データが、[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能低下症又は非甲状腺機能低下症)]などのフォーマットで訓練データセットを生成するために使用され得る。
【0181】
例えば、合計で3のデータセットが第1甲状腺機能低下症患者から取得され、第1試験についての診断結果が、第1濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能低下症」であり、第2試験についての診断結果が、第2濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であり、第3試験についての診断結果が、第3濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であると想定すると、第1甲状腺機能低下症患者の臨床データから確保され得る訓練データセットが以下のように生成され得る。
【0182】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第2濃度、甲状腺機能低下症]
【0183】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第3濃度、甲状腺機能低下症]
【0184】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する期間平均心拍数、第1濃度、非甲状腺機能低下症]
【0185】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する期間平均心拍数、第3濃度、非甲状腺機能低下症]
【0186】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第3試験日に対応する期間平均心拍数、第1濃度、非甲状腺機能低下症]、及び
【0187】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第3試験日に対応する期間平均心拍数、第2濃度、非甲状腺機能低下症]
【0188】
別の例として、合計で4のデータセットが第2甲状腺機能低下症患者から取得され、第1試験についての診断結果が、第1濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能低下症」であり、第2試験についての診断結果が、第2濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であり、第3試験についての診断結果が、第3濃度のホルモン濃度を伴う、「甲状腺機能低下症」であり、第4試験についての診断結果が、第4濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であると想定すると、第2甲状腺機能低下症患者の臨床データから確保され得る訓練データセットは以下のように生成され得る。
【0189】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第2濃度、甲状腺機能低下症]
【0190】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第3濃度、甲状腺機能低下症]
【0191】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第4濃度、甲状腺機能低下症]
【0192】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する期間平均心拍数、第1濃度、非甲状腺機能低下症]
【0193】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する期間平均心拍数、第3濃度、非甲状腺機能低下症]
【0194】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する期間平均心拍数、第4濃度、非甲状腺機能低下症]
【0195】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第3試験日に対応する期間平均心拍数、第1濃度、甲状腺機能低下症]
【0196】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第3試験日に対応する期間平均心拍数、第2濃度、甲状腺機能低下症]
【0197】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第3試験日に対応する期間平均心拍数、第4濃度、甲状腺機能低下症]
【0198】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第4試験日に対応する期間平均心拍数、第1濃度、非甲状腺機能低下症]
【0199】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第4試験日に対応する期間平均心拍数、第2濃度、非甲状腺機能低下症]、及び
【0200】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第4試験日に対応する期間平均心拍数、第3濃度、非甲状腺機能低下症]
【0201】
第2の例示的な実施形態において、ホルモン濃度は、T4の濃度、遊離T4の濃度、T3の濃度、遊離T3の濃度、TSHの濃度、及び、チロトロピン放出ホルモン(TRH)の濃度から成る群から選択される1つ又はそれらの組み合わせであり得る。
【0202】
訓練方法の実施形態#3。基準日の心拍数からの差分値、基準日のホルモン値、及び分散の変化
【0203】
本願に記載される第3の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、第1試験日に対応する期間平均心拍数から、第2試験日に対応する期間平均心拍数を減算することによって取得される値、第2試験日に対応する期間心拍数の標準偏差を第1試験日に対応する期間心拍数の標準偏差から減算することによって取得される値、及び、第2試験日のホルモン濃度は、入力値として使用され得、第1試験日に対応する診断結果はラベリング値として使用され得る。
【0204】
ここで、学習モデルとして、ライト勾配ブースティングマシン、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト、エクストラツリー、アダブースト、エクストリーム勾配ブースト、CatBoostなどを含む分類モデルが使用され得る。
【0205】
学習モデルは、甲状腺機能亢進症を予測するための甲状腺機能亢進症予測モデル及び甲状腺機能低下症を予測するための甲状腺機能低下症予測モデルを含む。
【0206】
第3の例示的な実施形態によれば、甲状腺機能亢進症予測モデルが訓練されるとき、すべての取得された臨床データを使用できず、診断結果として甲状腺機能亢進症であると少なくとも1回診断された患者の臨床データだけが訓練データとして使用され得る。
【0207】
以下、説明の便宜上、診断結果として甲状腺機能亢進症であると少なくとも1回診断された患者は、甲状腺機能亢進症患者と称され得る。
【0208】
その一方で、期間平均心拍数の計算において、特定の日付に基づいて予め定められた、予め定められた期間にわたる安静時心拍数が使用され得、ここで、予め定められた期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30日の1つであり得る。
【0209】
第3の例示的な実施形態によれば、甲状腺機能亢進症予測モデルを訓練するために、甲状腺機能亢進症患者の臨床データが、[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する期間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する期間心拍数の標準偏差)、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などのフォーマットで訓練データセットを生成するために使用され得る。
【0210】
例えば、合計で3のデータセットが第1甲状腺機能亢進症患者から取得され、第1試験についての診断結果が、第1濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能亢進症」であり、第2試験についての診断結果が、第2濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であり、第3試験についての診断結果が、第3濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であると想定すると、第1甲状腺機能亢進症患者の臨床データから取得され得る訓練データセットが以下のように生成され得る。
【0211】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する期間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する期間心拍数の標準偏差)、第2濃度、甲状腺機能亢進症]
【0212】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第3試験日に対応する期間心拍数の標準偏差)、第3濃度、甲状腺機能亢進症]
【0213】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、(第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第1濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0214】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、(第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第3濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0215】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、(第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第1濃度、非甲状腺機能亢進症]、及び
【0216】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第2濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0217】
別の例として、合計で4のデータセットが第2甲状腺機能亢進症患者から取得され、第1試験についての診断結果が、第1濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能亢進症」であり、第2試験についての診断結果が、第2濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であり、第3試験についての診断結果が、第3濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能亢進症」であり、第4試験についての診断結果が、第4濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であると想定すると、第2甲状腺機能亢進症患者の臨床データから取得され得る訓練データセットは以下のように生成され得る。
【0218】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する期間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する期間心拍数の標準偏差)、第2濃度、甲状腺機能亢進症]
【0219】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第3試験日に対応する期間心拍数の標準偏差)、第3濃度、甲状腺機能亢進症]
【0220】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第4試験日に対応する期間心拍数の標準偏差)、第4濃度、甲状腺機能亢進症]
【0221】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、(第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第1濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0222】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、(第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第3濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0223】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、(第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第4試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第4濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0224】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、(第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第1濃度、甲状腺機能亢進症]
【0225】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第2濃度、甲状腺機能亢進症]
【0226】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第4試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第4濃度、甲状腺機能亢進症]
【0227】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、(第4試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第1濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0228】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第4試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第2濃度、非甲状腺機能亢進症]、及び
【0229】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、(第4試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第3濃度、非甲状腺機能亢進症]
【0230】
第3の例示的な実施形態によれば、甲状腺機能低下症予測モデルが訓練されるとき、すべての取得された臨床データを使用できず、診断結果として甲状腺機能低下症であると少なくとも1回診断された患者の臨床データだけが訓練データとして使用され得る。
【0231】
以下、説明の便宜上、診断結果として甲状腺機能低下症であると少なくとも1回診断された患者は、「甲状腺機能低下症患者」と称され得る。
【0232】
第3の例示的な実施形態によれば、甲状腺機能低下症予測モデルを訓練するために、甲状腺機能低下症患者の臨床データが、[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する期間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する期間心拍数の標準偏差)、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能低下症又は非甲状腺機能低下症)]などのフォーマットで訓練データセットを生成するために使用され得る。
【0233】
例えば、合計で3のデータセットが第1甲状腺機能低下症患者から取得され、第1試験についての診断結果が、第1濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能低下症」であり、第2試験についての診断結果が、第2濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であり、第3試験についての診断結果が、第3濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であると想定すると、第1甲状腺機能低下症患者の臨床データから取得され得る訓練データセットが以下のように生成され得る。
【0234】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する期間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する期間心拍数の標準偏差)、第2濃度、甲状腺機能低下症]
【0235】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第3試験日に対応する期間心拍数の標準偏差)、第3濃度、甲状腺機能低下症]
【0236】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、(第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第1濃度、非甲状腺機能低下症]
【0237】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、(第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第3濃度、非甲状腺機能低下症]
【0238】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、(第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第1濃度、非甲状腺機能低下症]、及び
【0239】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第2濃度、非甲状腺機能低下症]
【0240】
別の例として、合計で4のデータセットが第2甲状腺機能低下症患者から取得され、第1試験についての診断結果が、第1濃度のホルモン濃度を伴う「甲状腺機能低下症」であり、第2試験についての診断結果が、第2濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であり、第3試験についての診断結果が、第3濃度のホルモン濃度を伴う、「甲状腺機能低下症」であり、第4試験についての診断結果が、第4濃度のホルモン濃度を伴う「正常」であると想定すると、第2甲状腺機能低下症患者の臨床データから取得され得る訓練データセットは以下のように生成され得る。
【0241】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する期間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する期間心拍数の標準偏差)、第2濃度、甲状腺機能低下症]
【0242】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第3試験日に対応する期間心拍数の標準偏差)、第3濃度、甲状腺機能低下症]
【0243】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第4試験日に対応する期間心拍数の標準偏差)、第4濃度、甲状腺機能低下症]
【0244】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、(第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第1濃度、非甲状腺機能低下症]
【0245】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、(第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第3濃度、非甲状腺機能低下症]
【0246】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、(第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第4試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第4濃度、非甲状腺機能低下症]
【0247】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、(第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第1濃度、甲状腺機能低下症]
【0248】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第2濃度、甲状腺機能低下症]
【0249】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、(第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第4試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第4濃度、甲状腺機能低下症]
【0250】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、(第4試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第1濃度、非甲状腺機能低下症]
【0251】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第4試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第2濃度、非甲状腺機能低下症]、及び
【0252】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、(第4試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第3試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第3濃度、非甲状腺機能低下症]
【0253】
第3の例示的な実施形態の上記の記載において、標準偏差の差分値が入力値として使用される。しかしながら、期間心拍数の標準偏差の差分値;期間心拍数の相対標準偏差の差分値;期間心拍数の歪度の差分値;期間心拍数の尖度の差分値;及び、第X試験日に対応する期間心拍数の分散及び第Y試験日に対応する期間心拍数の分散の間の差分を示すJSダイバージェンスから成る群から選択される任意の1つの値又はそれらの組み合わせが入力値として使用され得る。群におけるこれらは、第X試験日に対応する期間心拍数、及び、第Y試験日に対応する期間心拍数の間の関係に関して計算される。
【0254】
訓練方法の実施形態#4。基準日の心拍数からの差分値、対象日の期間平均心拍数、基準日のホルモン値、分散の変化
【0255】
本願に記載される第4の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、第1試験日に対応する期間平均心拍数から、第2試験日に対応する期間平均心拍数を減算することによって取得される値、第2試験日に対応する期間心拍数の標準偏差を第1試験日に対応する期間心拍数の標準偏差から減算することによって取得される値、第1試験日に対応する期間平均心拍数、及び、第2試験日のホルモン濃度は、入力値として使用され得、第1試験日に対応する診断結果はラベリング値として使用され得る。
【0256】
第3の例示的な実施形態と比較すると、「第1試験日の期間平均心拍数」が入力値として更に使用されることを除いて、第4の例示的な実施形態は、他の点において第3の例示的な実施形態とほぼ同一であるので、第4の例示的な実施形態の詳細な説明は省略される。
【0257】
第4の例示的な実施形態の上記の記載において、標準偏差の差分値が入力値として使用される。しかしながら、期間心拍数の標準偏差の差分値;期間心拍数の相対標準偏差の差分値;期間心拍数の歪度の差分値;期間心拍数の尖度の差分値;及び、第X試験日に対応する期間心拍数の分散及び第Y試験日に対応する期間心拍数の分散の間の差分を示すJSダイバージェンスから成る群から選択される任意の1つの値又はそれらの組み合わせが入力値として使用され得る。群におけるこれらは、第X試験日に対応する期間心拍数、及び、第Y試験日に対応する期間心拍数の間の関係に関して計算される。
【0258】
訓練方法の実施形態#5。基準日の心拍数の変化率及び基準日のホルモン値
【0259】
本願に記載される第5の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、第2試験日に対する第1試験日の期間平均心拍数の変化率(すなわち、(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/(第2試験日に対応する期間平均心拍数))及び第2試験日のホルモン濃度が入力値として使用され得、第1試験日に対応する診断結果がラベリング値として使用され得る。
【0260】
第1の例示的な実施形態と比較すると、「期間平均心拍数の変化率」が「期間平均心拍数の変化量」の代わりに使用されることを除いて、第5の例示的な実施形態は、他の点において第1の例示的な実施形態とほぼ同一であるので、第5の例示的な実施形態の詳細な説明が省略される。
【0261】
訓練方法の実施形態#6。基準日の心拍数の変化率、対象日の期間平均心拍数、及び基準日のホルモン値
【0262】
本願に記載される第6の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、第2試験日に対する第1試験日の期間平均心拍数の変化率(すなわち、(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/(第2試験日に対応する期間平均心拍数))、第1試験日に対応する期間平均心拍数、及び第2試験日のホルモン濃度が入力値として使用され得、第1試験日に対応する診断結果がラベリング値として使用され得る。
【0263】
第5の例示的な実施形態と比較すると、「第1試験日の期間平均心拍数」が入力値として更に使用されることを除いて、第6の例示的な実施形態は他の点において第5の例示的な実施形態とほぼ同一であるので、第6の例示的な実施形態の詳細な説明は省略される。
【0264】
訓練方法の実施形態#7。基準日の心拍数の変化率、基準日のホルモン値、及び分散の変化
【0265】
本願に記載される第7の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、第2試験日に対する第1試験日の期間平均心拍数の変化率(すなわち、(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対する第1試験日の期間心拍数の相対標準偏差の変化量(すなわち、(第1試験日に対応する期間心拍数の標準偏差/第1試験日に対応する期間平均心拍数)-(第2試験日に対応する期間心拍数の標準偏差/第2試験日に対応する期間平均心拍数))、及び、第2試験日のホルモン濃度が入力値として使用され得、第1試験日に対応する診断結果がラベリング値として使用され得る。
【0266】
第5の例示的な実施形態と比較すると、「区間心拍数の相対標準偏差の変化量」が入力値として更に使用されることを除いて、第7の例示的な実施形態は、他の点において第5の例示的な実施形態とほぼ同一であるので、第7の例示的な実施形態の詳細な説明が省略される。
【0267】
第7の例示的な実施形態の上記の記載において、相対標準偏差の差分値が入力値として使用される。しかしながら、期間心拍数の標準偏差の差分値;期間心拍数の相対標準偏差の差分値;期間心拍数の歪度の差分値;期間心拍数の尖度の差分値;及び、第X試験日に対応する期間心拍数の分散及び第Y試験日に対応する期間心拍数の分散の間の差分を示すJSダイバージェンスから成る群から選択される任意の1つの値又はそれらの組み合わせが入力値として使用され得る。群におけるこれらは、第X試験日に対応する期間心拍数、及び、第Y試験日に対応する期間心拍数の間の関係に関して計算される。
【0268】
訓練方法の実施形態#8。基準日の心拍数の変化率、対象日の期間平均心拍数、基準日のホルモン値、及び分散の変化
【0269】
本願に記載される第8の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、第2試験日に対する第1試験日の期間平均心拍数の変化率(すなわち、(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対する第1試験日の区間心拍数の相対標準偏差の変化量(すなわち、(第1試験日に対応する期間心拍数の標準偏差/第1試験日に対応する期間平均心拍数)-(第2試験日に対応する期間心拍数の標準偏差/第2試験日に対応する期間平均心拍数))、第1試験日に対応する期間平均心拍数、及び、第2試験日のホルモン濃度が入力値として使用され得、第1試験日に対応する診断結果がラベリング値として使用され得る。
【0270】
第7の例示的な実施形態と比較して、「第1基準日の期間平均心拍数」が入力値として更に使用されることを除いて、第8の例示的な実施形態は他の点において第7の例示的な実施形態とほぼ同一であるので、第8の例示的な実施形態の詳細な説明は省略される。
【0271】
第8の例示的な実施形態の上記の記載において、相対標準偏差の差分値が入力値として使用される。しかしながら、期間心拍数の標準偏差の差分値;期間心拍数の相対標準偏差の差分値;期間心拍数の歪度の差分値;期間心拍数の尖度の差分値;及び、第X試験日に対応する期間心拍数の分散及び第Y試験日に対応する期間心拍数の分散の間の差分を示すJSダイバージェンスから成る群から選択される任意の1つの値又はそれらの組み合わせが入力値として使用され得る。群におけるこれらは、第X試験日に対応する期間心拍数、及び、第Y試験日に対応する期間心拍数の間の関係に関して計算される。
【0272】
訓練方法の実施形態#9。基準日の心拍数の変化率(又は変化量)、基準日のホルモン値、分散の変化、及び試験日の間の日数間隔
【0273】
本願に記載される第9の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、第2試験日に対する第1試験日の期間平均心拍数の変化率(すなわち、(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対する第1試験日の期間心拍数の相対標準偏差の変化量(すなわち、(第1試験日に対応する期間心拍数の標準偏差/第1試験日に対応する期間平均心拍数)-(第2試験日に対応する期間心拍数の標準偏差/第2試験日に対応する期間平均心拍数))、第2試験日のホルモン濃度、及び、第1試験日及び第2試験日の間の日数間隔(日)が入力値として使用され得、第1試験日に対応する診断結果がラベリング値として使用され得る。
【0274】
第7の例示的な実施形態と比較すると、第1試験日及び第2試験日の間の日数間隔が入力値として更に使用されることを除いて、第9の例示的な実施形態は第7の例示的な実施形態とほぼ同一であるので、第9の例示的な実施形態の詳細な説明は省略される。
【0275】
第9の例示的な実施形態の上記の記載において、相対標準偏差の差分値が入力値として使用される。しかしながら、期間心拍数の標準偏差の差分値;期間心拍数の相対標準偏差の差分値;期間心拍数の歪度の差分値;期間心拍数の尖度の差分値;及び、第X試験日に対応する期間心拍数の分散及び第Y試験日に対応する期間心拍数の分散の間の差分を示すJSダイバージェンスから成る群から選択される任意の1つの値又はそれらの組み合わせが入力値として使用され得る。群におけるこれらは、第X試験日に対応する期間心拍数、及び、第Y試験日に対応する期間心拍数の間の関係に関して計算される。
【0276】
その一方で、基準日の心拍数の変化率及び相対標準偏差の変化量を使用する代わりに、基準日の心拍数の変化量及び標準偏差の変化量が使用され得る。この場合、相対標準偏差の変化量に加えて、期間心拍数の標準偏差の差分値;期間心拍数の相対標準偏差の差分値;期間心拍数の歪度の差分値;期間心拍数の尖度の差分値;及び、第X試験日に対応する期間心拍数の分散及び第Y試験日に対応する期間心拍数の分散の間の差分を示すJSダイバージェンスから成る群から選択される任意の1つの値又はそれらの組み合わせが入力値として使用され得る。群におけるこれらは、第X試験日に対応する期間心拍数、及び、第Y試験日に対応する期間心拍数の間の関係に関して計算される。
【0277】
訓練方法の実施形態#10。変数の組み合わせ
【0278】
本願に記載される第10の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、下の[表1]に示される変数の組み合わせ値が入力値として更に使用され得る。
【0279】
[表1]
【表1】
【0280】
第1期間平均心拍数、第1標準偏差、第1歪度、第1尖度、第1TSHホルモン濃度、第1遊離T4濃度、第1T4濃度、第1遊離T3濃度、第1T3濃度、第1TRH濃度、及び第1基準日に対する甲状腺機能異常症についての診断結果が第1基準日に対応し、かつ、第2期間平均心拍数、第2標準偏差、第2歪度、第2尖度、第2TSHホルモン濃度、第2遊離T4濃度、第2T4濃度、第2遊離T3濃度、第2T3濃度、第2TRH濃度、及び、第2基準日に対する甲状腺機能異常症についての診断結果が第2基準日に対応するとき、変数は以下のように計算される。
【0281】
(1)期間平均心拍数の変化量=第2基準日の期間平均心拍数-第1基準日の期間平均心拍数
【0282】
(2)期間平均心拍数の変化率=(第2基準日の期間平均心拍数-第1基準日の期間平均心拍数)/第2基準日の期間平均心拍数
【0283】
(3)標準偏差の変化量=第2基準日の期間心拍数の標準偏差-第1基準日の期間心拍数の標準偏差
【0284】
(4)相対標準偏差の変化量=(第2基準日の期間心拍数の標準偏差/第2基準日の期間平均心拍数)-(第1基準日の期間心拍数の標準偏差/第1基準日の期間平均心拍数)
【0285】
(5)期間心拍数の歪度の変化量=第2基準日の期間心拍数の歪度-第1基準日の期間心拍数の歪度
【0286】
(6)期間心拍数の尖度の変化量=第2基準日の期間心拍数の尖度-第1基準日の期間心拍数の歪度
【0287】
(7)JSダイバージェンス:第2基準日の期間心拍数及び第1基準日の期間心拍数の間で計算されるJSダイバージェンス
【0288】
ここで、変数の組み合わせ値は、変数から選択される1つの値(以下、第1の値と称される)を、変数から選択される別の値(以下、第2の値と称される)と乗算することによって取得される値、第1の値を第2の値で除算することによって取得される値;及び、第2の値を第1の値で除算することによって取得される値の1つを意味する。例えば、組み合わせ値は、第2基準日の遊離T4濃度値をJSダイバージェンスで除算することによって取得される値であり得る。
【0289】
理論上、組み合わせ値の数は、12×11=132であり得る。
【0290】
その一方で、変数の2又はより多くの組み合わせ値が使用され得る。
【0291】
第10の例示的な実施形態に従って学習モデルが訓練されるとき、入力値は以下の通りであり得る。
【0292】
[期間平均心拍数の変化量、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0293】
[期間平均心拍数の変化量、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の標準偏差の変化量、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0294】
[期間平均心拍数の変化量、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、第1基準日の期間平均心拍数、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0295】
[期間平均心拍数の変化量、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の標準偏差の変化量、第1基準日の期間平均心拍数、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0296】
[期間平均心拍数の変化量、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の標準偏差の変化量、第1基準日の期間平均心拍数、第1基準日及び第2基準日の間の日数間隔、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0297】
[期間平均心拍数の変化率、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0298】
[期間平均心拍数の変化率、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の相対標準偏差の変化量、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0299】
[期間平均心拍数の変化率、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、第1基準日の期間平均心拍数、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0300】
[期間平均心拍数の変化率、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の相対標準偏差の変化量、第1基準日の期間平均心拍数、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0301】
[期間平均心拍数の変化率、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の相対標準偏差の変化量、第1基準日の期間平均心拍数、第1基準日及び第2基準日の間の日数間隔、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0302】
[期間平均心拍数の変化量、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数又はJSダイバージェンスの歪度又は尖度の変化量、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0303】
[期間平均心拍数の変化量、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の歪度又は尖度の変化量又はJSダイバージェンス、第1基準日の期間平均心拍数、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0304】
[期間平均心拍数の変化量、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の歪度又は尖度の変化量又はJSダイバージェンス、第1基準日の期間平均心拍数、第1基準日及び第2基準日の間の日数間隔、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0305】
[期間平均心拍数の変化率、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数又はJSダイバージェンスの歪度又は尖度の変化量、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0306】
[期間平均心拍数の変化率、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の歪度又は尖度の変化量又はJSダイバージェンス、第1基準日の期間平均心拍数、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0307】
[期間平均心拍数の変化率、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の歪度又は尖度の変化量又はJSダイバージェンス、第1基準日の期間平均心拍数、第1基準日及び第2基準日の間の日数間隔、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0308】
[期間平均心拍数の変化量、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の標準偏差の変化量、期間平均心拍数の歪度又は尖度の変化量又はJSダイバージェンス、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0309】
[期間平均心拍数の変化量、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の標準偏差の変化量、期間平均心拍数の歪度又は尖度の変化量又はJSダイバージェンス、第1基準日の期間平均心拍数、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0310】
[期間平均心拍数の変化量、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の標準偏差の変化量、期間平均心拍数の歪度又は尖度の変化量又はJSダイバージェンス、第1基準日の期間平均心拍数、第1基準日及び第2基準日の間の日数間隔、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0311】
[期間平均心拍数の変化率、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の相対標準偏差の変化量、期間平均心拍数の歪度又は尖度の変化量又はJSダイバージェンス、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0312】
[期間平均心拍数の変化率、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の相対標準偏差の変化量、期間平均心拍数の歪度又は尖度の変化量又はJSダイバージェンス、第1基準日の期間平均心拍数、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0313】
[期間平均心拍数の変化率、第2試験日のホルモン濃度のうちの少なくとも1つ、期間平均心拍数の相対標準偏差の変化量、期間平均心拍数の歪度又は尖度の変化量又はJSダイバージェンス、第1基準日の期間平均心拍数、第1基準日及び第2基準日の間の日数間隔、上述の組み合わせ値のうちの少なくとも1つ]
【0314】
その一方で、第10の例示的な実施形態に従って学習モデルが訓練されるとき、ラベリング値は第1試験日の診断結果であり得る。例えば、甲状腺機能亢進症予測モデルが訓練される場合において、第1試験日の診断結果が「甲状腺機能亢進症」であるとき、ラベル値は「甲状腺機能亢進症」としてラベリングされ得、又は、第1試験日の診断結果が「正常」であるとき、ラベル値は「非甲状腺機能亢進症」としてラベリングされ得る。甲状腺機能低下症予測モデルが訓練される場合において、第1試験日の診断結果が「甲状腺機能低下症」であるとき、ラベル値は「甲状腺機能低下症」としてラベリングされ得、又は、第1試験日の診断結果が「正常」であるとき、ラベル値は「非甲状腺機能低下症」としてラベリングされ得る。
【0315】
訓練方法の実施形態#11。性別、年齢などの個人情報の使用
【0316】
本願に記載される第11の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、第1の例示的な実施形態~第10の例示的な実施形態において上に記載される入力値に加えて、被験者の個人情報が入力値として使用され得る。例えば、被験者の性別及び/又は年齢が入力値として使用され得る。
【0317】
例えば、第1の例示的な実施形態において記載される入力値に加えて、被験者の性別及び年齢が入力値として使用されるとき、第2試験日に対する第1試験日の期間平均心拍数の変化率(すなわち、(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/(第2試験日に対応する期間平均心拍数))、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第2試験日のホルモン濃度、性別、及び年齢が入力値として使用され得、第1試験日に対応する診断結果がラベリング値として使用され得る。
【0318】
第1の例示的な実施形態~第10の例示的な実施形態に記載される入力値に加えて、被験者の個人情報の更なる使用の詳細な説明が省略される。
【0319】
その一方で、性別及び年齢の両方が被験者の個人情報として使用されると記載されたが、性別及び年齢を共に使用する代わり性別又は年齢だけが使用される実施形態が可能であり得、性別及び年齢以外の他の種類の個人情報が更に使用され得る。
【0320】
以下では、本願において記載される予測モデルを使用することによって被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法及びシステムが記載される。
【0321】
3.システム全体
【0322】
(1)システムのハードウェア構築
【0323】
図1は、本願に記載の実施形態に従って甲状腺機能異常症を予測するためのシステムを示す図である。
【0324】
図1を参照すると、システム1は、複数の心拍数測定デバイス10、複数のユーザ端末20、及びサーバ30を含む。
【0325】
以下、複数の心拍数測定デバイス10、複数のユーザ端末20、及びサーバ30が詳細に記載される。
【0326】
(2)心拍数測定デバイスの機能
【0327】
複数の心拍数測定デバイス10が被験者(ユーザ)の心拍数を測定し得る。例えば、心拍数測定デバイス10は、被験者の単位時間あたりの心拍数(分あたりの拍動)を測定し得る。すなわち、心拍数測定デバイス10は、被験者の分あたりの心拍数を測定し得る。
【0328】
複数の心拍数測定デバイス10は、被験者の測定された心拍数を記憶し得る。ここで、複数の心拍数を記憶するとき、心拍数測定デバイス10は、心拍数(単位時間あたりの心拍数)が測定される時点をそれと合わせ、時点と共に記憶する。
【0329】
複数の心拍数測定デバイス10は、記憶された心拍数を複数のユーザ端末20及び/又はサーバ30へ送信し得る。
【0330】
複数の心拍数測定デバイス10は、サーバ30又はユーザ端末20から甲状腺機能異常症についての予測結果を受信し得る。
【0331】
(3)心拍数測定デバイスの種類
【0332】
心拍数測定デバイスはウェアラブルウォッチ、ウェアラブルバンド、又はパッチタイプデバイスであり得る。
【0333】
(3)ユーザ端末の機能
【0334】
複数のユーザ端末20は、様々なネットワークを通じて、情報をサーバ30へ送信し、情報をサーバ30から受信する。
【0335】
複数のユーザ端末20は、測定された心拍数を心拍数測定デバイス10から受信し得、受信された心拍数を記憶し得る。
【0336】
複数のユーザ端末20は、記憶された心拍数を前処理し得る。例として、ユーザ端末20は、すべての記憶された心拍数から、安静期間中に測定された心拍数を選択し得る。別の例として、ユーザ端末20は、すべての記憶された心拍数から、特定の日付に基づいて、上に記載された期間心拍数を選択し得る。更に別の例において、ユーザ端末20は、特定の日付に基づいて選択された期間心拍数の平均を計算し得る。更に別の例において、ユーザ端末20は、特定の日付に基づいて選択された期間心拍数の標準偏差、相対標準偏差、歪度、尖度などを計算し得る。
【0337】
複数のユーザ端末20は、ユーザのホルモン濃度についての試験日を取得し得、試験日に対応する試験結果(例えば、ホルモン濃度及び/又は医者の診断結果)を取得し得る。複数のユーザ端末20は、ユーザの入力により、又は、ネットワークを通じて試験日及びそれに対応する試験結果を外部から受信することによって、試験日及びそれに対応する試験結果を取得し得る。
【0338】
複数のユーザ端末20は、記憶された心拍数及び/又は前処理結果をサーバ30へ送信し得る。
【0339】
複数のユーザ端末20は、試験日及び試験結果をサーバ30へ送信し得る。
【0340】
複数のユーザ端末20は、サーバ30によって処理された甲状腺機能異常症についての予測結果をサーバ30から受信し得る。
【0341】
(4)ユーザ端末の種類
【0342】
複数のユーザ端末20は、スマートフォン、タブレットPC、ラップトップ、及びデスクトップのうちの少なくとも1つであり得る。
【0343】
(5)サーバの機能
【0344】
サーバ30は様々なネットワークを通じて情報を複数のユーザ端末20へ送信し、情報を複数のユーザ端末20から受信する。
【0345】
サーバ30は、測定された心拍数の全部又は一部から複数のユーザ端末20を受信し得る。ここで、サーバ30が、受信された心拍数を前処理し得る。
【0346】
代替的に、サーバ30は、ユーザ端末20によって前処理された結果を複数のユーザ端末20から受信し得る。
【0347】
加えて、サーバ30は、ホルモン濃度についての試験日、及び、それに対応する試験結果を各ユーザから取得し得る。試験日及び試験結果は、ユーザ端末20又は他の外部デバイスから受信され得る。
【0348】
サーバ30は、前処理結果に基づいて、被験者についての甲状腺機能異常症の予測結果を取得し得る。
【0349】
サーバ30は、甲状腺機能異常症についての予測結果を心拍数測定デバイス10及び/又は複数のユーザ端末20へ送信し得る。
【0350】
(6)システムのソフトウェア構築
【0351】
システム1が動作するために、複数のソフトウェア構築が必要である。
【0352】
ユーザ端末20及びサーバ30間の通信を実行するために、複数のユーザ端末20にターミナルソフトウェアがインストールされる必要があり、サーバ30にサーバソフトウェアがインストールされる必要がある。
【0353】
前処理結果に基づいて甲状腺機能異常症を予測するための複数の予測モデルが使用され得る。
【0354】
複数の予測モデルは、サーバ30にインストールされたソフトウェアによって実行されてよい。代替的に、複数の予測モデルは、ユーザ端末20にインストールされたターミナルソフトウェアによって実行されてよい。代替的に、複数の学習モデルのうちのいくつかは、ユーザ端末20によって実行されてよく、他は、サーバ30によって実行されてよい。
【0355】
(7)心拍数測定デバイスの要素
【0356】
図2は、本願に記載の心拍数測定デバイスを示すブロック図である。
【0357】
図2を参照すると、本願に記載される心拍数測定デバイス10は、出力部110、通信部120、メモリ130、心拍数測定部140、及びコントローラ150を含む。
【0358】
出力部110は、コントローラ150の制御コマンドに従って、様々なタイプの情報を出力する。実施形態によれば、出力部110は、ユーザに対して情報を視覚的に出力するためのディスプレイ112を含んでよい。代替的に、図面には示していないが、ユーザに対して情報を聴覚的に出力するためのスピーカ及びユーザに対して情報を触覚的に出力するための振動モーターが含まれてよい。
【0359】
通信部120は、無線通信モジュール及び/又は優先通信モジュールを含んでよい。ここで、無線通信モジュールの例としては、Wi-Fi(登録商標)通信モジュール、セルラ通信モジュール等が挙げられ得る。
【0360】
メモリ130は、コントローラ150によって可読な実行可能コード、処理済み結果値、必要なデータ等を記憶する。メモリ130の例としては、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートディスク(SSD)、シリコンディスクドライブ(SDD)、ROM、RAM等が挙げられ得る。メモリ130は、上述したターミナルソフトウェアを記憶してよく、上述した様々な前処理アルゴリズム及び/又は学習モデルを実現するための実行可能コードを記憶してよい。さらに、メモリ130は、心拍数測定部140を通じて取得された被験者の心拍数、及び、心拍数が測定された時点をその中に記憶し得る。
【0361】
心拍数測定部140は、被験者(ユーザ)の分あたりの心拍数を測定し得る。被験者の分あたりの心拍数を測定する方法が広く知られているので、その詳細な説明は省略される。
【0362】
コントローラ150は、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。ここで、プロセッサのそれぞれは、メモリ130に記憶された少なくとも1つの命令を実行することによって、予め定められた動作を実行してよい。具体的には、コントローラ150は、ターミナルソフトウェア、前処理アルゴリズム、及び/又は、心拍数測定デバイス10上で動作する学習モデルに従って情報を処理し得る。その一方で、コントローラ150は心拍数測定デバイス10の動作全体を制御する。
【0363】
図面には示されないが、心拍数測定デバイス10はユーザ入力部を含み得る。心拍数測定デバイス10は、ユーザ入力部を通じて、心拍数測定デバイス10の動作に要求される様々な種類の情報をユーザから受信し得る。
【0364】
(8)ユーザ端末の要素
【0365】
図3は、本願に記載のユーザ端末を示すブロック図である。
【0366】
図3を参照すると、本願に記載されるユーザ端末20は、出力部210、通信部220、メモリ230、及びコントローラ250を含む。
【0367】
出力部210は、コントローラ250の制御コマンドに従って、様々な種類の情報を出力する。実施形態によれば、出力部210は、ユーザに対して情報を視覚的に出力するためのディスプレイ212を含んでよい。代替的に、図面には示していないが、ユーザに対して情報を聴覚的に出力するためのスピーカ及びユーザに対して情報を触覚的に出力するための振動モータが含まれてよい。
【0368】
通信部220は、無線通信モジュール及び/又は優先通信モジュールを含んでよい。ここで、無線通信モジュールの例としては、Wi-Fi通信モジュール、セルラ通信モジュール等が挙げられ得る。
【0369】
メモリ230は、コントローラ250によって可読な実行可能コード、処理済み結果値、必要なデータ等を記憶する。メモリ230の例としては、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートディスク(SSD)、シリコンディスクドライブ(SDD)、ROM、RAM等が挙げられ得る。メモリ230は、上述したターミナルソフトウェアを記憶してよく、上述した様々な前処理アルゴリズム及び/又は学習モデルを実現するための実行可能コードを記憶してよい。
【0370】
コントローラ240は、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。ここで、プロセッサのそれぞれは、メモリ230に記憶された少なくとも1つの命令を実行することによって、予め定められた動作を実行してよい。具体的には、コントローラ240は、ユーザ端末20上で動作している、ターミナルソフトウェア、前処理アルゴリズム、及び/又は学習モデルに従って情報を処理してよい。その一方で、コントローラ240は、ユーザ端末20の動作全体を制御する。
【0371】
図面には示していないが、ユーザ端末20は、ユーザ入力部を含み得る。ユーザ端末20は、ユーザ入力部を通じて、ユーザから、ユーザ端末20の動作に必要な様々なタイプの情報を受信してよい。
【0372】
(9)サーバの要素
【0373】
図4は、本願に記載のサーバを示すブロック図である。
【0374】
図4を参照すると、本願に記載されるサーバ30は、通信部310、メモリ320、及びコントローラ330を含む。
【0375】
通信部310は、無線通信モジュール及び/又は優先通信モジュールを含んでよい。ここで、無線通信モジュールの例としては、Wi-Fi通信モジュール、セルラ通信モジュール等が挙げられ得る。
【0376】
メモリ320は、コントローラ330によって可読な実行可能コード、処理済み結果値、必要なデータ等を記憶する。メモリ320の例としては、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートディスク(SSD)、シリコンディスクドライブ(SDD)、ROM、RAM等が挙げられ得る。メモリ320は、上述したサーバソフトウェアを記憶してよく、上述した様々な前処理アルゴリズム及び/又は学習モデルを実現するための実行可能コードを記憶してよい。さらに、メモリ320は、ユーザ端末20から、各ユーザについての心拍数、及び/又は、それに対応する前処理結果をその中に記憶し得る。
【0377】
コントローラ330は、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。ここで、プロセッサのそれぞれは、メモリ320に記憶された少なくとも1つの命令を実行することによって、予め定められた動作を実行してよい。具体的には、コントローラ330は、サーバソフトウェア、前処理アルゴリズム、及び/又は、サーバ30上で動作する学習モデルに従って情報を処理し得る。その一方で、コントローラ330は、サーバ30の動作全体を制御する。
【0378】
4.甲状腺機能異常症を予測するための方法
【0379】
本願に記載される、甲状腺機能異常症を予測するための方法は、上述のシステム1によって実行され得る。
【0380】
図5は、本願に記載の甲状腺機能異常症を予測するための方法を示すフローチャートである。
【0381】
図5を参照すると、本願に記載される、被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法は:ステップS100においてトリガ信号を取得する段階;ステップS110においてトリガ信号によって決定される対象日に対応する区間心拍数を取得する段階;ステップS120において対象日に対応する区間心拍数を前処理する段階;ステップS130において基準日に対応するホルモン濃度を取得する段階;ステップS140において基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果を取得する段階;ステップS150において対象日に対応する区間心拍数についての前処理結果及び基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果の間の差分を取得する段階;及び、ステップS160において、取得された差分及び基準日に対応するホルモン濃度を、甲状腺機能異常症予測モデルを使用して処理し、被験者の甲状腺機能異常症の結果を取得する段階を備える。
【0382】
ステップS100におけるトリガ信号の取得
【0383】
トリガ信号はステップS100において取得され得る。
【0384】
ここで、トリガ信号は、被験者についての甲状腺機能異常症の予測結果の取得を要求するための信号を指す。
【0385】
トリガ信号はユーザの入力によって生成され得る。例えば、ユーザは、甲状腺機能異常症についての予測結果の取得のために、ユーザ端末20のユーザ入力部を通じて要求を行い得、ユーザの要求に応答して、ユーザ端末20はトリガ信号を生成し得る。別の例として、ユーザは、甲状腺機能異常症についての予測結果の取得のために、ユーザ端末20と通信する心拍数測定デバイス10のユーザ入力部を通じて要求を行い得、ユーザの要求に応答して、心拍数測定デバイス10又はユーザ端末20はトリガ信号を生成し得る。
【0386】
代替的に、トリガ信号は、ユーザの要求に関係なく、システム1によって自動的に生成され得る。例えば、心拍数測定デバイス10、ユーザ端末20、又はサーバ30にインストールされたソフトウェアは、予め定められた規則に従ってトリガ信号を生成し得る。トリガ信号が心拍数測定デバイス10又はサーバ30によって生成されるとき、生成されたトリガ信号はユーザ端末20へ送信され得る。
【0387】
ステップS110におけるトリガ信号に基づく対象日の決定
【0388】
対象日はトリガ信号によって決定され得る。例えば、トリガ信号が生成される日付は対象日として決定され得る。別の例として、トリガ信号が生成されるとき、特定の日がユーザの入力又はシステム1によって指定され得る。この場合、指定された特定の日は対象日として決定され得る。
【0389】
ステップS110における対象日に対応する区間心拍数の取得
【0390】
ステップS110において、対象日に対応する区間心拍数は、予め定められた期間に従って取得され得る。
【0391】
予め定められた期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30日の1つであり得る。
【0392】
予め定められた期間が10日であり、対象日が7月21日であるとき、7月21日に対応する安静時心拍数、7月20日に対応する安静時心拍数、7月19日に対応する安静時心拍数、7月18日に対応する安静時心拍数、7月17日に対応する安静時心拍数、7月16日に対応する安静時心拍数、7月15日に対応する安静時心拍数、7月14日に対応する安静時心拍数、7月13日に対応する安静時心拍数、及び、7月12日に対応する安静時心拍数を含む区間心拍数が取得される。
【0393】
区間心拍数は、決定された対象日及び予め定められた期間によって決定された日付に対応する記憶された心拍数すべてから選択される。心拍数に対応する測定時点に基づいて、測定時点が被験者(すなわち、ユーザ)の安静期間内にある心拍数が安静時心拍数として選択される。
【0394】
安静期間は様々な方法によって決定され得る。
【0395】
例えば、安静期間は、心拍数測定デバイス10又はユーザ端末20に組み込まれたモーションセンサを通じて、ユーザの動きが基準値に等しい又はそれより低い期間であると決定され得る。
【0396】
別の例として、安静期間は、心拍数測定デバイス10又はユーザ端末20に組み込まれた様々なセンサを通じて、ユーザが安静である又は睡眠をとっているとみなされる期間であると決定され得る。
【0397】
更に別の例として、安静期間は、心拍数測定デバイス10又はユーザ端末20を通じてユーザが直接入力する睡眠期間(睡眠開始時点及び睡眠終了時点)によって決定され得る。
【0398】
ステップS120における対象日に対応する区間心拍数の前処理
【0399】
ステップS120において、対象日に対応する区間心拍数が前処理され得る。
【0400】
対象日に対応する区間心拍数の平均が計算され得る。
【0401】
対象日に対応する区間心拍数の分散に関連する様々なパラメータが計算され得る。例として、対象日に対応する区間心拍数の標準偏差が計算され得る。別の例として、対象日に対応する区間心拍数の歪度が計算され得る。更に別の例として、対象日に対応する区間心拍数の尖度が計算され得る。
【0402】
対象日に対応する区間心拍数の様々な前処理結果のうち、後に記載される予測モデルを訓練するのに使用される入力値に関連する前処理結果だけが取得され得る。例えば、対象日及び基準日に関する区間心拍数の平均値の変化率、及び、相対標準偏差の変化量が予測モデルの訓練に使用されるとき、対象日に対応する区間心拍数の平均及び標準偏差だけが、対象日に対応する区間心拍数から取得され得る。しかしながら、予測モデルの訓練に使用される入力値に関係なく、上に記載された前処理結果の全部又は一部が取得され得る。
【0403】
ステップS130における基準日の決定
【0404】
被験者についての基準日はステップS130において決定され得る。
【0405】
基準日は、被験者がホルモン試験を受けた1又は複数の試験日から選択され得る。すなわち、基準日は、被験者の過去のホルモン試験日から選択され得る。
【0406】
基準日は、被験者のホルモン濃度に対応する記憶された1又は複数の日付から選択され得る。すなわち、基準日は、被験者の過去のホルモン濃度が記憶された日付から選択され得る。
【0407】
1つの基準日だけが選択され得るが、それに対する限定は課されない。すなわち、複数の基準日が選択され得る。
【0408】
ホルモン濃度が記憶された複数の試験日又は複数の日付から1つの基準日だけが選択されるとき、基準日は対象日に最も近い日付に決定され得る。
【0409】
ステップS130における基準日に対応するホルモン濃度の取得
【0410】
決定された基準日に対応するホルモン濃度が取得され得る。
【0411】
ホルモン濃度は、T4濃度、遊離T4濃度、T3濃度、遊離T3濃度、TSH濃度、及びTRH濃度から成る群から選択される1つであり得るか、又は、その組み合わせであり得る。
【0412】
決定された基準日に対応するホルモン濃度のうち、記載される予測モデルの訓練に使用されるホルモン濃度値だけが選択的に選択され得る。例えば、決定された基準日に対応するホルモン濃度がT4濃度、遊離T4濃度、T3濃度、遊離T3濃度、TSH濃度、及びTRH濃度を含む場合、遊離T4及びTSH濃度だけが予測モデルの訓練に使用されるとき、遊離T3及びTSH濃度だけが取得され得る。
【0413】
複数の基準日が決定されるとき、複数の基準日の各々に対応するホルモン濃度が取得され得る。
【0414】
ステップS140における、基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果の取得
【0415】
基準日に対応する区間心拍数の前処理が既に実行され、かつ、前処理結果が記憶されるとき、記憶された前処理結果が取得され得る。
【0416】
基準日に対応する区間心拍数の前処理がまだ実行されていないとき、基準日に対応する区間心拍数の前処理が実行され得る。
【0417】
基準日に対応する区間心拍数の取得及び前処理は、対象日に対応する区間心拍数の上に記載された取得及び前処理と同様であるので、詳細な説明が省略される。
【0418】
その結果、基準日に対する区間心拍数についての前処理結果は、基準日に対応する区間心拍数の平均、及び、基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータのうちの少なくとも1つを含み得る。ここで、基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータは、対象日に対応する区間心拍数の標準偏差、対象日に対応する区間心拍数の歪度、及び、対象日に対応する区間心拍数の尖度のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0419】
複数の基準日が決定されるとき、複数の基準日の各々に対応する区間心拍数についての前処理結果が取得され得る。
【0420】
その一方で、基準日に対応する区間心拍数の様々な前処理結果のうち、後に記載される予測モデルの訓練に使用される入力値に関連する前処理結果だけが取得され得る。例えば、対象日及び基準日に関する区間心拍数の平均値の変化率、及び、相対標準偏差の変化量が予測モデルの訓練に使用されるとき、基準日に対応する区間心拍数の平均及び標準偏差だけが、基準日に対応する区間心拍数から取得され得る。しかしながら、予測モデルの訓練に使用される入力値に関係なく、上に記載された前処理結果の全部又は一部が取得され得る。
【0421】
ステップS150における、対象日の区間心拍数についての前処理結果及び基準日の区間心拍数についての前処理結果の間の差分の取得
【0422】
対象日の区間心拍数についての前処理結果及び基準日の区間心拍数についての前処理結果の間の差分は、以下の1つ又はそれらの組み合わせであり得る。
【0423】
1)基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の変化量(対象日の期間平均心拍数-基準日の期間平均心拍数)
【0424】
2)基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の変化率((対象日の期間平均心拍数-基準日の期間平均心拍数)/基準日の期間平均心拍数)
【0425】
3)基準日に対応する区間心拍数の標準偏差に対する、対象日に対応する区間心拍数の標準偏差の変化量(対象日に対応する区間心拍数の標準偏差-基準日に対応する区間心拍数の標準偏差)
【0426】
4)基準日に対応する区間心拍数の相対標準偏差に対する、対象日に対応する区間心拍数の相対標準偏差の変化量((対象日に対応する区間心拍数の標準偏差/対象日の期間平均心拍数)-(基準日に対応する区間心拍数の標準偏差/基準日の期間平均心拍数))
【0427】
5)基準日に対応する区間心拍数の歪度に対する、対象日に対応する区間心拍数の歪度の変化量(対象日に対応する区間心拍数の歪度-基準日に対応する区間心拍数の歪度)
【0428】
6)基準日に対応する区間心拍数の尖度に対する、対象日に対応する区間心拍数の尖度の変化量(対象日に対応する区間心拍数の尖度-基準日に対応する区間心拍数の尖度)
【0429】
7)対象日に対応する区間心拍数の分散、及び、基準日に対応する区間心拍数の分散の間のJSダイバージェンス
【0430】
複数の基準日が判定されるとき、複数の基準日の各々についての前処理結果の間の差分が取得され得る。例えば、第1基準日及び対象日の間で決定された第1前処理結果の間の差分、及び、第2基準日及び対象日の間で決定された第2前処理結果の間の差分が取得され得る。
【0431】
その一方で、前処理結果の間の差分のうち、後に記載される予測モデルの訓練に使用される入力値に関連する前処理結果の間の差分だけが取得され得る。例えば、対象日及び基準日に対する区間心拍数の平均値の変化率、及び、相対標準偏差の変化量が予測モデルの訓練において使用されるとき、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の変化率、及び、基準日に対応する区間心拍数の標準偏差に対する、対象日に対応する区間心拍数の標準偏差の変化量だけが取得される。しかしながら、上に記載された前処理結果の間の差分の全部又は一部が、予測モデルの訓練において使用される入力値に関係なく取得され得る。
【0432】
組み合わせ値の計算
【0433】
本願に記載されるいくつかの実施形態によれば、変数の組み合わせ値が計算され得る。
【0434】
第1期間平均心拍数、第1標準偏差、第1歪度、第1尖度、第1TSHホルモン濃度、第1遊離T4濃度、第1T4濃度、第1遊離T3濃度、第1T3濃度、第1TRH濃度、及び第1基準日に対する甲状腺機能異常症についての診断結果が第1基準日に対応し、かつ、第2期間平均心拍数、第2標準偏差、第2歪度、第2尖度、第2TSHホルモン濃度、第2遊離T4濃度、第2T4濃度、第2遊離T3濃度、第2T3濃度、第2TRH濃度、及び、第2基準日に対する甲状腺機能異常症についての診断結果が第2基準日に対応するとき、変数は以下のように計算される。
【0435】
(1)期間平均心拍数の変化量=第2基準日の期間平均心拍数-第1基準日の期間平均心拍数
【0436】
(2)期間平均心拍数の変化率=(第2基準日の期間平均心拍数-第1基準日の期間平均心拍数)/第2基準日の期間平均心拍数
【0437】
(3)標準偏差の変化量=第2基準日の区間心拍数の標準偏差-第1基準日の区間心拍数の標準偏差
【0438】
(4)相対標準偏差の変化量=(第2基準日の区間心拍数の標準偏差/第2基準日の期間平均心拍数)-(第1基準日の区間心拍数の標準偏差/第1基準日の期間平均心拍数)
【0439】
(5)区間心拍数の歪度の変化量=第2基準日の区間心拍数の歪度-第1基準日の区間心拍数の歪度
【0440】
(6)区間心拍数の尖度の変化量=第2基準日の区間心拍数の尖度-第1基準日の区間心拍数の歪度
【0441】
(7)JSダイバージェンス:第2基準日の区間心拍数及び第1基準日の区間心拍数の間で計算されるJSダイバージェンス
【0442】
(8)第1TSHホルモン濃度
【0443】
(9)第1遊離T4濃度
【0444】
(10)第1T4濃度
【0445】
(11)第1遊離T3濃度
【0446】
(12)第1T3濃度
【0447】
(13)第1TRH濃度
【0448】
(14)第2 TSHホルモン濃度
【0449】
(15)第2遊離T4濃度
【0450】
(16)第2 T4濃度
【0451】
(17)第2遊離T3濃度
【0452】
(18)第2 T3濃度、及び
【0453】
(19)第2TRH濃度
【0454】
ここで、変数の組み合わせ値は、変数から選択される1つの値(以下、第1の値と称される)を、変数から選択される別の値(以下、第2の値と称される)と乗算することによって取得される値、第1の値を第2の値で除算することによって取得される値;及び、第2の値を第1の値で除算することによって取得される値の1つを意味する。例えば、組み合わせ値は、第2基準日の遊離T4濃度値をJSダイバージェンスで除算することによって取得される値であり得る。
【0455】
対象日及び基準日の間の日数間隔の計算
【0456】
本願に記載されるいくつかの実施形態によれば、対象日及び基準日の間の日数間隔が取得され得る。
【0457】
ユーザの個人情報の取得
【0458】
本願に記載されるいくつかの実施形態によれば、被験者の個人情報、すなわち、ユーザの個人情報が取得され得る。
【0459】
ステップS160における甲状腺機能異常症予測モデルを通じた甲状腺機能異常症の予測結果の取得
【0460】
甲状腺機能亢進症予測モデルを通じた甲状腺機能亢進症の予測結果の取得
【0461】
訓練方法の実施形態#1において記載されるように訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルに対して、基準日の取得されたホルモン濃度、(基準日に対応する区間心拍数の 基準日の期間平均心拍数)平均に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化量が入力され得る。したがって、被験者が甲状腺機能亢進症を有するか又は有しないかの結果が取得され得る。すなわち、甲状腺機能亢進症についての予測結果が取得され得る。
【0462】
訓練方法の実施形態#2に記載されるように訓練される甲状腺機能亢進症予測モデルに対して、基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化量、及び、対象日に対応する期間平均心拍数が入力され得る。したがって、被験者が甲状腺機能亢進症を有するか又は有しないかの結果が取得され得る。すなわち、甲状腺機能亢進症についての予測結果が取得され得る。
【0463】
訓練方法の実施形態#3に記載されるように訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルに対して、基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化量、及び、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分が入力され得る。したがって、被験者が甲状腺機能亢進症を有するか又は有しないかの結果が取得され得る。すなわち、甲状腺機能亢進症についての予測結果が取得され得る。ここで、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ、及び、基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分は、以下から成る群から選択される1つ又はその組み合わせであり得る。
【0464】
1)基準日に対応する区間心拍数の標準偏差に対する、対象日に対応する区間心拍数の標準偏差の変化量(対象日に対応する区間心拍数の標準偏差-基準日に対応する区間心拍数の標準偏差)
【0465】
2)基準日に対応する区間心拍数の歪度に対する、対象日に対応する区間心拍数の歪度の変化量(対象日に対応する区間心拍数の歪度-基準日に対応する区間心拍数の歪度)
【0466】
3)基準日に対応する区間心拍数の尖度に対する、対象日に対応する区間心拍数の尖度の変化量(対象日に対応する区間心拍数の尖度-基準日に対応する区間心拍数の尖度)
【0467】
4)対象日に対応する区間心拍数の分散、及び、基準日に対応する区間心拍数の分散の間のJSダイバージェンス
【0468】
訓練方法の実施形態#4に記載されるように訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルに対して、基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化量、対象日に対応する区間心拍数の平均、及び、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分が入力され得る。したがって、被験者が甲状腺機能亢進症を有するか又は有しないかの結果が取得され得る。すなわち、甲状腺機能亢進症についての予測結果が取得され得る。
【0469】
訓練方法の実施形態#5において記載されるように訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルに対して、基準日の取得されたホルモン濃度、(基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化率が入力され得る。したがって、被験者が甲状腺機能亢進症を有するか又は有しないかの結果が取得され得る。すなわち、甲状腺機能亢進症についての予測結果が取得され得る。
【0470】
訓練方法の実施形態#6に記載されるように訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルに対して、基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化率、及び、対象日に対応する区間心拍数の平均が入力され得る。したがって、被験者が甲状腺機能亢進症を有するか又は有しないかの結果が取得され得る。すなわち、甲状腺機能亢進症についての予測結果が取得され得る。
【0471】
訓練方法の実施形態#7に記載されるように訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルに対して、基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化率、及び、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分が入力され得る。したがって、被験者が甲状腺機能亢進症を有するか又は有しないかの結果が取得され得る。すなわち、甲状腺機能亢進症についての予測結果が取得され得る。ここで、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ、及び、基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分は、以下から成る群から選択される1つ又はその組み合わせであり得る。
【0472】
1)基準日に対応する区間心拍数の相対標準偏差に対する、対象日に対応する区間心拍数の相対標準偏差の変化量((対象日に対応する区間心拍数の標準偏差/対象日の期間平均心拍数)-(基準日に対応する区間心拍数の標準偏差/基準日の期間平均心拍数))
【0473】
2)基準日に対応する区間心拍数の歪度に対する、対象日に対応する区間心拍数の歪度の変化量(対象日に対応する区間心拍数の歪度-基準日に対応する区間心拍数の歪度)
【0474】
3)基準日に対応する区間心拍数の尖度に対する、対象日に対応する区間心拍数の尖度の変化量(対象日に対応する区間心拍数の尖度-基準日に対応する区間心拍数の尖度)
【0475】
4)対象日に対応する区間心拍数の分散、及び、基準日に対応する区間心拍数の分散の間のJSダイバージェンス
【0476】
訓練方法の実施形態#8に記載されるように訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルに対して、基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化率、対象日に対応する区間心拍数の平均、及び、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分が入力され得る。したがって、被験者が甲状腺機能亢進症を有するか又は有しないかの結果が取得され得る。すなわち、甲状腺機能亢進症についての予測結果が取得され得る。ここで、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ、及び、基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分は、以下から成る群から選択される1つ又はその組み合わせであり得る。
【0477】
1)基準日に対応する区間心拍数の相対標準偏差に対する、対象日に対応する区間心拍数の相対標準偏差の変化量((対象日に対応する区間心拍数の標準偏差/対象日の期間平均心拍数)-(基準日に対応する区間心拍数の標準偏差/基準日の期間平均心拍数))
【0478】
2)基準日に対応する区間心拍数の歪度に対する、対象日に対応する区間心拍数の歪度の変化量(対象日に対応する区間心拍数の歪度-基準日に対応する区間心拍数の歪度)
【0479】
3)基準日に対応する区間心拍数の尖度に対する、対象日に対応する区間心拍数の尖度の変化量(対象日に対応する区間心拍数の尖度-基準日に対応する区間心拍数の尖度)
【0480】
4)対象日に対応する区間心拍数の分散、及び、基準日に対応する区間心拍数の分散の間のJSダイバージェンス
【0481】
訓練方法の実施形態#9に記載されるように訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルに対して、基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化率(又は変化量)、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分、及び、対象日及び基準日の間の日数間隔が入力され得る。したがって、被験者が甲状腺機能亢進症を有するか又は有しないかの結果が取得され得る。すなわち、甲状腺機能亢進症についての予測結果が取得され得る。ここで、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ、及び、基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分は、以下から成る群から選択される1つ又はその組み合わせであり得る。
【0482】
1)基準日に対応する区間心拍数の標準偏差に対する、対象日に対応する区間心拍数の標準偏差の変化量(対象日に対応する区間心拍数の標準偏差-基準日に対応する区間心拍数の標準偏差)
【0483】
2)基準日に対応する区間心拍数の相対標準偏差に対する、対象日に対応する区間心拍数の相対標準偏差の変化量((対象日に対応する区間心拍数の標準偏差/対象日の期間平均心拍数)-(基準日に対応する区間心拍数の標準偏差/基準日の期間平均心拍数))
【0484】
3)基準日に対応する区間心拍数の歪度に対する、対象日に対応する区間心拍数の歪度の変化量(対象日に対応する区間心拍数の歪度-基準日に対応する区間心拍数の歪度)
【0485】
4)基準日に対応する区間心拍数の尖度に対する、対象日に対応する区間心拍数の尖度の変化量(対象日に対応する区間心拍数の尖度-基準日に対応する区間心拍数の尖度)
【0486】
5)対象日に対応する区間心拍数の分散、及び、基準日に対応する区間心拍数の分散の間のJSダイバージェンス
【0487】
訓練方法の実施形態#10に記載されるように訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルに対して、基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化率(又は変化量)、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分、及び、変数の組み合わせ値が入力され得る。したがって、被験者が甲状腺機能亢進症を有するか又は有しないかの結果が取得され得る。すなわち、甲状腺機能亢進症についての予測結果が取得され得る。
【0488】
ここで、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ、及び、基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分は、以下から成る群から選択される1つ又はその組み合わせであり得る。
【0489】
1)基準日に対応する区間心拍数の標準偏差に対する、対象日に対応する区間心拍数の標準偏差の変化量(対象日に対応する区間心拍数の標準偏差-基準日に対応する区間心拍数の標準偏差)
【0490】
2)基準日に対応する区間心拍数の相対標準偏差に対する、対象日に対応する区間心拍数の相対標準偏差の変化量((対象日に対応する区間心拍数の標準偏差/対象日の期間平均心拍数)-(基準日に対応する区間心拍数の標準偏差/基準日の期間平均心拍数))
【0491】
3)基準日に対応する区間心拍数の歪度に対する、対象日に対応する区間心拍数の歪度の変化量(対象日に対応する区間心拍数の歪度-基準日に対応する区間心拍数の歪度)
【0492】
4)基準日に対応する区間心拍数の尖度に対する、対象日に対応する区間心拍数の尖度の変化量(対象日に対応する区間心拍数の尖度-基準日に対応する区間心拍数の尖度)
【0493】
5)対象日に対応する区間心拍数の分散、及び、基準日に対応する区間心拍数の分散の間のJSダイバージェンス
【0494】
その一方で、変数の組み合わせ値が訓練方法の実施形態#10において詳細に記載されているので、詳細な説明は省略される。
【0495】
訓練方法の実施形態#11に記載されるように訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルに対して以下の値が入力され得る。したがって、被験者が甲状腺機能亢進症を有するか又は有しないかの結果が取得され得る。すなわち、甲状腺機能亢進症についての予測結果が取得され得る。
【0496】
(1)基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化量、及び、被験者の年齢及び/又は性別
【0497】
(2)基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化量、対象日に対応する期間平均心拍数、及び、被験者の年齢及び/又は性別
【0498】
(3)基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化量、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分、及び、被験者の年齢及び/又は性別
【0499】
(4)基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化量、対象日に対応する区間心拍数の平均、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分、及び、被験者の年齢及び/又は性別
【0500】
(5)基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化率、及び、被験者の年齢及び/又は性別
【0501】
(6)基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化率、対象日に対応する区間心拍数の平均、及び、被験者の年齢及び/又は性別
【0502】
(7)基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化率、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分、及び、被験者の年齢及び/又は性別
【0503】
(8)基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化率、対象日に対応する区間心拍数の平均、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分、及び、被験者の年齢及び/又は性別
【0504】
(9)基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化率(又は変化量)、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分、対象日及び基準日の間の日数間隔、及び、被験者の年齢及び/又は性別
【0505】
(9)基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化率(又は変化量)、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分、変数の組み合わせ値、及び、被験者の年齢及び/又は性別
【0506】
甲状腺機能低下症予測モデルを通じた甲状腺機能低下症についての予測結果の取得
【0507】
甲状腺機能亢進症予測モデルを通じた甲状腺機能亢進症についての予測結果を取得する記載と同様に、甲状腺機能低下症についての予測結果が甲状腺機能低下症予測モデルを通じて取得され得る。したがって、詳細な説明が省略される。
【0508】
甲状腺機能異常症についての予測結果の取得
【0509】
甲状腺機能亢進症についての予測結果及び甲状腺機能低下症についての予測結果は合成され、それにより、被験者についての甲状腺機能異常症の予測結果を取得する。
【0510】
甲状腺機能亢進症についての予測結果A及び甲状腺機能低下症についての予測結果Bを考慮する甲状腺機能異常症についての予測結果が、下の[表2]に示されるように取得され得る。
【0511】
[表2]
【表2】
【0512】
その一方で、甲状腺機能亢進症についての予測結果が甲状腺機能亢進症であり、甲状腺機能低下症についての予測結果が甲状腺機能低下症であるとき、甲状腺機能亢進症予測モデルの出力値(確率値)が、甲状腺機能低下症予測モデルの出力値(確率値)と比較され、より高い確率値の出力を伴う結果が、甲状腺機能異常症についての最終結果として採用され得る。
【0513】
心拍数測定デバイス10は、ステップS100においてトリガ信号を取得すること;ステップS110において、トリガ信号によって決定される対象日に対応する区間心拍数を取得すること;ステップS120において、対象日に対応する区間心拍数を前処理すること;ステップS130において、基準日に対応するホルモン濃度を取得すること;ステップS140において、基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果を取得すること;ステップS150において、対象日に対応する区間心拍数についての前処理結果及び基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果の間の差分を取得すること;及び、ステップS160において、甲状腺機能異常症予測モデルを使用することによって、取得された差分及び基準日に対応するホルモン濃度を処理し、被験者についての甲状腺機能異常症の結果を取得することを含む上述のステップのすべてを実行し得る。
【0514】
ユーザ端末20は、ステップS100においてトリガ信号を取得すること;ステップS110において、トリガ信号によって決定される対象日に対応する区間心拍数を取得すること;ステップS120において、対象日に対応する区間心拍数を前処理すること;ステップS130において、基準日に対応するホルモン濃度を取得すること;ステップS140において、基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果を取得すること;ステップS150において、対象日に対応する区間心拍数についての前処理結果及び基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果の間の差分を取得すること;及び、ステップS160において、甲状腺機能異常症予測モデルを使用することによって、取得された差分及び基準日に対応するホルモン濃度を処理し、被験者についての甲状腺機能異常症の結果を取得することを含む上述のステップのすべてを実行し得る。
【0515】
サーバ30は、ステップS100においてトリガ信号を取得すること;ステップS110において、トリガ信号によって決定される対象日に対応する区間心拍数を取得すること;ステップS120において、対象日に対応する区間心拍数を前処理すること;ステップS130において、基準日に対応するホルモン濃度を取得すること;ステップS140において、基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果を取得すること;ステップS150において、対象日に対応する区間心拍数についての前処理結果及び基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果の間の差分を取得すること;及び、ステップS160において、甲状腺機能異常症予測モデルを使用することによって、取得された差分及び基準日に対応するホルモン濃度を処理し、被験者についての甲状腺機能異常症の結果を取得することを含む上述のステップのすべてを実行し得る。
【0516】
心拍数測定デバイス10、ユーザ端末20、及びサーバ30は、適切に分散された方式で、ステップS100においてトリガ信号を取得すること;ステップS110において、トリガ信号によって決定される対象日に対応する区間心拍数を取得すること;ステップS120において、対象日に対応する区間心拍数を前処理すること;ステップS130において、基準日に対応するホルモン濃度を取得すること;ステップS140において、基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果を取得すること;ステップS150において、対象日に対応する区間心拍数についての前処理結果及び基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果の間の差分を取得すること;及び、ステップS160において、甲状腺機能異常症予測モデルを使用することによって、取得された差分及び基準日に対応するホルモン濃度を処理し、被験者についての甲状腺機能異常症の結果を取得することを含む上述のステップを実行し得る。
【0517】
例えば、ユーザ端末20は、以下のステップ:ステップS100においてトリガ信号を取得すること;ステップS110においてトリガ信号によって決定された対象日に対応する区間心拍数を取得すること;ステップS120において対象日に対応する区間心拍数を前処理することを実行し得る。サーバ30は、以下のステップ:ステップS130において、基準日に対応するホルモン濃度を取得すること;ステップS140において、基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果を取得すること;ステップS150において、対象日に対応する区間心拍数についての前処理結果及び基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果の間の差分を取得すること;及び、ステップS160において、甲状腺機能異常症予測モデルを使用することによって、取得された差分及び基準日に対応されるホルモン濃度を処理し、被験者についての甲状腺機能異常症の結果を取得することを実行し得る。
【0518】
別の例として、ユーザ端末20は、ステップS100において、トリガ信号を取得することを実行し得る。サーバ30は、以下のステップ:ステップS110において、トリガ信号によって決定される対象日に対応する区間心拍数を取得すること;ステップS120において、対象日に対応する区間心拍数を前処理すること;ステップS130において、基準日に対応するホルモン濃度を取得すること;ステップS140において、基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果を取得すること;ステップS150において、対象日に対応する区間心拍数についての前処理結果及び基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果の間の差分を取得すること;及び、ステップS160において、甲状腺機能異常症予測モデルを使用することによって、取得された差分及び基準日に対応するホルモン濃度を処理し、被験者についての甲状腺機能異常症の結果を取得することを実行し得る。
【0519】
しかしながら、上に記載された分散性能の形態は、それに限定されず、分散性能は様々な形態で実現され得る。
【0520】
5.実験例
【0521】
以下、本願に記載された甲状腺機能異常症予測モデルが訓練された実験例、及び、解析の正確度の結果が記載される。
【0522】
実験例において使用される臨床データ、及び、下に記載される比較例は、上に記載された方法によって収集され、合計297の患者から収集された合計1,027の臨床データセットが使用された。これらのうち、合計168の臨床データセットが、ホルモン濃度についての診断結果「甲状腺機能亢進症」を有するものとして分類され、合計801の臨床データセットが、診断結果「正常」を有するものとして分類され、合計58の臨床データセットが、診断結果「甲状腺機能低下症」を有するものとして分類された。
【0523】
(1)比較例#1-正常の基準日に対する心拍数の差分-ラベリング
【0524】
訓練データセットの準備
【0525】
本願に記載される様々な実施形態の実験結果との比較についての比較例に従って予測モデルを訓練するために、訓練データセットが以下の方式で準備された。
【0526】
患者の各々について、診断結果「正常」を伴う試験日に対応する期間平均心拍数を、診断結果「異常」を伴う試験日に対応する期間平均心拍数から減算することによって取得された値が入力値(例えば、期間平均心拍数の変化量)として使用され、診断結果「異常」を伴う試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は甲状腺機能低下症)がラベリング値として使用された。加えて、診断結果「正常」を伴う2又はより多くの試験日があったとき、1の試験日(診断結果「正常」を伴う試験日)に対応する期間平均心拍数を、別の試験日(診断結果「正常」を伴う別の試験日)に対応する期間平均心拍数から減算することによって取得される値が入力値として使用され、非甲状腺機能低下症又は非甲状腺機能亢進症がラベリング値として使用された。
【0527】
ここで、試験日に対応する期間平均心拍数に関して、10日間の安静時心拍数が試験日に基づいて取得され、取得された安静時心拍数の平均が計算された。
【0528】
ここで、訓練データセットは、異なる患者の間の臨床データの「差分」を使用して生成されなかったが、訓練データセットは、1の患者から取得された臨床データセットを使用して生成された。
【0529】
ここで、訓練に使用される臨床データとして、157の患者から取得された495個のデータが使用され、合計1,199の訓練データセットがそこから生成された。
【0530】
甲状腺機能亢進症予測モデルの訓練
【0531】
ライト勾配ブースティングマシンを使用して、甲状腺機能亢進症予測モデルが上述の訓練データセットで訓練された。
【0532】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0533】
訓練済み予測モデルの正確度を判定するために使用される試験データセットが、合計121の患者から取得された437個の臨床データから生成され、合計1,138の試験データセットが生成された。
【0534】
比較例#1による甲状腺機能亢進症予測モデルの正確度、感度、特異度、陽性適中率(PPV)、及び陰性適中率(NPV)は、下の[表3]に示される通りである。
【0535】
[表3]
【表3】
【0536】
(2)実験例#1-心拍数差分+ホルモンレベル(VS比較例#1)
【0537】
訓練データセットの準備
【0538】
合計171の患者から収集された合計563の臨床データセットが使用された。
【0539】
訓練方法の実施形態#1において上で記載された甲状腺機能亢進症予測モデルを訓練する方法に従って、モデルが訓練された。すなわち、[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などのフォーマットで訓練データセットが生成され、訓練データセットは、モデルの訓練に使用された。
【0540】
ここで、試験日に対応する期間平均心拍数に関して、10日間の安静時心拍数が試験日に基づいて取得され、取得された安静時心拍数の平均が計算された。
【0541】
加えて、使用されるホルモンレベルに関して、遊離T4濃度だけを使用する方法及び遊離T4及びTSH濃度の両方を使用する方法が共に使用された。
【0542】
ここで、訓練データセットは、異なる患者の間の臨床データの「差分」を使用して生成されなかったが、訓練データセットは、1の患者から取得された臨床データセットを使用して生成された。
【0543】
ここで、訓練に使用される臨床データとして、171の患者から確保された563個のデータが使用され、合計1,542の訓練データセットがそこから生成された。
【0544】
甲状腺機能亢進症予測モデルの訓練
【0545】
ライト勾配ブースティングマシンを使用して、甲状腺機能亢進症予測モデルが上述の訓練データセットで訓練された。
【0546】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0547】
訓練済み予測モデルの正確度を決定するために使用される試験データセットは、合計126の患者から確保された464個の臨床データから生成され、合計1,416の試験データセットが生成された。
【0548】
実験例#1によれば、訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルは、上述の試験セットを使用して、正確度について試験された。
【0549】
実験例#1による甲状腺機能亢進症予測モデルの正確度、感度、特異度、陽性適中率(PPV)、及び陰性適中率(NPV)は、下の[表4]に示される通りであった。
【0550】
[表4]
【表4】
【0551】
本願の発明者は、比較例#1のように、ホルモンレベルが「正常」であるときの日付を基準日として判定することなく、及び、基準日及び解析対象日の間の期間平均心拍数の差分を使用することなく、「甲状腺機能亢進症」の「正常」があるかどうかに関係なく、基準データを決定することによって、及び、基準日に対応するホルモン濃度と共に基準データ及び解析対象日の間の期間平均心拍数の差分を使用することによって、「甲状腺機能亢進症」があるかどうかを予測することが十分に可能であることを発見し、むしろ正確度及び感度などの結果がはるかに高くなることを発見した。
【0552】
したがって、より多くの訓練データセットが同一レベルの臨床データから取得され、甲状腺機能異常症をより正確に予測することが可能な予測モデルが取得される。
【0553】
(3)実験例#2-心拍数差分+現在の心拍数+ホルモンレベル
【0554】
訓練データセットの準備
【0555】
合計171の患者から収集された合計563の臨床データセットが使用された。
【0556】
訓練方法の実施形態#2において上で記載された甲状腺機能亢進症予測モデルを訓練する方法に従って、モデルが訓練された。すなわち、[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などのフォーマットで訓練データセットが生成され、訓練データセットはモデルの訓練に使用された。
【0557】
ここで、試験日に対応する期間平均心拍数に関して、10日間の安静時心拍数が試験日に基づいて取得され、取得された安静時心拍数の平均が計算された。
【0558】
加えて、使用されるホルモンレベルに関して、遊離T4濃度だけを使用する方法及び遊離T4及びTSH濃度の両方を使用する方法が共に使用された。
【0559】
ここで、訓練データセットは、異なる患者の間の臨床データの「差分」を使用して生成されなかったが、訓練データセットは、1の患者から取得された臨床データセットを使用して生成された。
【0560】
ここで、訓練に使用される臨床データとして、171の患者から確保された563個のデータが使用され、合計1,542の訓練データセットがそこから生成された。
【0561】
甲状腺機能亢進症予測モデルの訓練
【0562】
ライト勾配ブースティングマシンを使用して、甲状腺機能亢進症予測モデルが上述の訓練データセットで訓練された。
【0563】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0564】
訓練済み予測モデルの正確度を決定するために使用される試験データセットは、合計126の患者から確保された464個の臨床データから生成され、合計1,416の試験データセットが生成された。
【0565】
実験例#2によれば、訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルは、上述の試験セットを使用して、正確度について試験された。
【0566】
実験例#2による甲状腺機能亢進症予測モデルの正確度、感度、特異度、陽性適中率(PPV)、及び陰性適中率(NPV)は、下の[表5]に示される通りであった。
【0567】
[表5]
【表5】
【0568】
本願の発明者は、対象日の期間平均心拍数及び期間平均心拍数(現在の期間平均心拍数)の変化量が入力値として使用されるとき、甲状腺機能亢進症の予測において、正確度が僅かに増加することを発見した。
【0569】
(4)実験例#3-心拍数差分+ホルモンレベル+標準偏差
【0570】
訓練データセットの準備
【0571】
合計171の患者から収集された合計563の臨床データセットが使用された。
【0572】
訓練方法の実施形態#3において上で記載された甲状腺機能亢進症予測モデルを訓練する方法に従って、モデルが訓練された。すなわち、[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などのフォーマットで訓練データセットが生成され、訓練データセットはモデルの訓練に使用された。
【0573】
ここで、試験日に対応する期間平均心拍数に関して、10日間の安静時心拍数が試験日に基づいて取得され、取得された安静時心拍数の平均が計算された。
【0574】
加えて、使用されるホルモンレベルに関して、遊離T4及びTSHの両方の濃度が入力値として使用された。
【0575】
ここで、訓練データセットは、異なる患者の間の臨床データの「差分」を使用して生成されなかったが、訓練データセットは、1の患者から取得された臨床データセットを使用して生成された。
【0576】
ここで、訓練に使用される臨床データとして、171の患者から確保された563個のデータが使用され、合計1,542の訓練データセットがそこから生成された。
【0577】
甲状腺機能亢進症予測モデルの訓練
【0578】
ライト勾配ブースティングマシンを使用して、甲状腺機能亢進症予測モデルが上述の訓練データセットで訓練された。
【0579】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0580】
訓練済み予測モデルの正確度を決定するために使用される試験データセットは、合計126の患者から確保された464個の臨床データから生成され、合計1,416の試験データセットが生成された。
【0581】
実験例#3によれば、訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルは、上述の試験セットを使用して、正確度について試験された。
【0582】
実験例#3による甲状腺機能亢進症予測モデルの正確度、感度、特異度、陽性適中率(PPV)、及び陰性適中率(NPV)は、下の[表6]に示される通りであった。
【0583】
[表6]
【表6】
【0584】
本願の発明者は、対象日の期間平均心拍数及び期間平均心拍数(現在の期間平均心拍数)の変化量が入力値として使用されるとき、甲状腺機能亢進症の予測において、正確度が僅かに増加することを発見した。
【0585】
(5)実験例#4-心拍数差分+ホルモンレベル+標準偏差変化+歪度
【0586】
訓練データセットの準備
【0587】
合計171の患者から収集された合計563の臨床データセットが使用された。
【0588】
訓練方法の実施形態#4において上で記載された甲状腺機能亢進症予測モデルを訓練する方法に従って、モデルが訓練された。しかしながら、標準偏差及び歪度は、分散に関連するパラメータとして使用された。すなわち、[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の標準偏差)、(第1試験日に対応する区間心拍数の歪度-第2試験日に対応する区間心拍数の歪度)、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などのフォーマットで訓練データセットが生成され、訓練データセットはモデルの訓練に使用された。
【0589】
ここで、試験日に対応する期間平均心拍数に関して、10日間の安静時心拍数が試験日に基づいて取得され、取得された安静時心拍数の平均が計算された。
【0590】
加えて、使用されるホルモンレベルに関して、遊離T4及びTSHの両方の濃度が入力値として使用された。
【0591】
ここで、訓練データセットは、異なる患者の間の臨床データの「差分」を使用して生成されなかったが、訓練データセットは、1の患者から取得された臨床データセットを使用して生成された。
【0592】
ここで、訓練に使用される臨床データとして、171の患者から確保された563個のデータが使用され、合計1,542の訓練データセットがそこから生成された。
【0593】
甲状腺機能亢進症予測モデルの訓練
【0594】
ライト勾配ブースティングマシンを使用して、甲状腺機能亢進症予測モデルが上述の訓練データセットで訓練された。
【0595】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0596】
訓練済み予測モデルの正確度を決定するために使用される試験データセットは、合計126の患者から確保された464個の臨床データから生成され、合計1,416の試験データセットが生成された。
【0597】
実験例#4によれば、訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルは、上述の試験セットを使用して、正確度について試験された。
【0598】
実験例#4による甲状腺機能亢進症予測モデルの正確度、感度、特異度、陽性適中率(PPV)、及び陰性適中率(NPV)は、下の[表7]に示される通りであった。
【0599】
[表7]
【表7】
【0600】
(6)実験例#5-心拍数差分+ホルモンレベル+標準偏差変化+尖度
【0601】
訓練データセットの準備
【0602】
実験例#4と比較すると、実験例#5において、標準偏差及び歪度を分散に関連するパラメータとして使用する代わりに標準偏差及び尖度が使用されたことを除いて、訓練データセット及び試験データセットが同一の方式で生成された。
【0603】
甲状腺機能亢進症予測モデルの訓練
【0604】
ライト勾配ブースティングマシンを使用して、甲状腺機能亢進症予測モデルが上述の訓練データセットで訓練された。
【0605】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0606】
実験例#5によれば、訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルは、上述の試験セットを使用して、正確度について試験された。
【0607】
実験例#5による甲状腺機能亢進症予測モデルの正確度、感度、特異度、陽性適中率(PPV)、及び陰性適中率(NPV)は、下の[表8]に示される通りであった。
【0608】
[表8]
【表8】
【0609】
(7)実験例#6-心拍数差分+ホルモンレベル+標準偏差変化+JSダイバージェンス
【0610】
訓練データセットの準備
【0611】
実験例#4と比較して、実験例#6において、標準偏差の差分及び歪度の差分を分散に関連するパラメータの差分として使用する代わりにJSダイバージェンスが使用されたことを除いて、訓練データセット及び試験データセットは、同一の方式で生成された。
【0612】
甲状腺機能亢進症予測モデルの訓練
【0613】
ライト勾配ブースティングマシンを使用して、甲状腺機能亢進症予測モデルが上述の訓練データセットで訓練された。
【0614】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0615】
実験例#6によれば、訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルは、上述の試験セットを使用して、正確度について試験された。
【0616】
実験例#6による甲状腺機能亢進症予測モデルの正確度、感度、特異度、陽性適中率(PPV)、及び陰性適中率(NPV)は、下の[表9]に示される通りであった。
【0617】
[表9]
【表9】
【0618】
実験例#4、5、及び6を通じて分かるように、本願の発明者は、標準偏差の変化量及び区間心拍数の分散の変化を観察するための追加の変数が入力値として使用されるとき、甲状腺機能亢進症の予測において正確度が僅かに増加することを発見した。
【0619】
(8)実験例#7-心拍数の変化率+ホルモンレベル+相対標準偏差変化
【0620】
訓練データセットの準備
【0621】
合計171の患者から収集された合計563の臨床データセットが使用された。
【0622】
訓練方法の実施形態#5において上で記載された甲状腺機能亢進症予測モデルを訓練する方法に従って、モデルが訓練された。すなわち、[((第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差)、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などのフォーマットで訓練データセットが生成され、訓練データセットはモデルの訓練において使用された。
【0623】
ここで、試験日に対応する期間平均心拍数に関して、10日間の安静時心拍数が試験日に基づいて取得され、取得された安静時心拍数の平均が計算された。
【0624】
加えて、使用されたホルモンレベルに関して、遊離T4及びTSHの両方の濃度を使用する方法が使用された。
【0625】
ここで、訓練データセットは、異なる患者の間の臨床データの「差分」を使用して生成されなかったが、訓練データセットは、1の患者から取得された臨床データセットを使用して生成された。
【0626】
ここで、訓練に使用される臨床データとして、171の患者から確保された563個のデータが使用され、合計1,542の訓練データセットがそこから生成された。
【0627】
甲状腺機能亢進症予測モデルの訓練
【0628】
ライト勾配ブースティングマシンを使用して、甲状腺機能亢進症予測モデルが上述の訓練データセットで訓練された。
【0629】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0630】
訓練済み予測モデルの正確度を決定するために使用される試験データセットは、合計126の患者から確保された464個の臨床データから生成され、合計1,416の試験データセットが生成された。
【0631】
実験例#5によれば、訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルは、上述の試験セットを使用して、正確度について試験された。
【0632】
実験例#4による甲状腺機能亢進症予測モデルの正確度、感度、特異度、陽性適中率(PPV)、及び陰性適中率(NPV)は、下の[表10]に示される通りであった。
【0633】
[表10]
【表10】
【0634】
実験例#1と比較すると、実験例#5は、期間平均心拍数の変化量及び標準偏差の変化量を使用する代わりに、期間平均心拍数の変化率及び相対標準偏差の変化量が使用されることを除いて、同一の条件下で実行された実験である。
【0635】
本願の発明者は、期間平均心拍数の変化率及び相対標準偏差の変化量を入力値として使用することが可能であることを発見した。
【0636】
(9)実験例#8-心拍数の変化率+ホルモンレベル+相対標準偏差変化+日数間隔
【0637】
訓練データセットの準備
【0638】
合計171の患者から収集された合計563の臨床データセットが使用された。
【0639】
訓練方法の実施形態#9において上で記載された甲状腺機能亢進症予測モデルを訓練する方法に従って、モデルが訓練された。すなわち、[((第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差)、第2試験日及び第1試験日の間の日数間隔、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などのフォーマットで訓練データセットが生成され、訓練データセットは、モデルの訓練に使用された。
【0640】
ここで、試験日に対応する期間平均心拍数に関して、10日間の安静時心拍数が試験日に基づいて取得され、取得された安静時心拍数の平均が計算された。
【0641】
加えて、使用されたホルモンレベルに関して、遊離T4及びTSHの両方の濃度を使用する方法が使用された。
【0642】
ここで、訓練データセットは、異なる患者の間の臨床データの「差分」を使用して生成されなかったが、訓練データセットは、1の患者から取得された臨床データセットを使用して生成された。
【0643】
ここで、訓練に使用される臨床データとして、171の患者から確保された563個のデータが使用され、合計1,542の訓練データセットがそこから生成された。
【0644】
甲状腺機能亢進症予測モデルの訓練
【0645】
ライト勾配ブースティングマシンを使用して、甲状腺機能亢進症予測モデルが上述の訓練データセットで訓練された。
【0646】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0647】
訓練済み予測モデルの正確度を決定するために使用される試験データセットは、合計126の患者から確保された464個の臨床データから生成され、合計1,416の試験データセットが生成された。
【0648】
実験例#8によれば、訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルは、上述の試験セットを使用して、正確度について試験された。
【0649】
実験例#8による甲状腺機能亢進症予測モデルの正確度、感度、特異度、陽性適中率(PPV)、及び陰性適中率(NPV)は、下の[表11]に示される通りであった。
【0650】
[表11]
【表11】
【0651】
(10)実験例#9-心拍数の変化率+ホルモンレベル+相対標準偏差変化+組み合わせ値
【0652】
訓練データセットの準備
【0653】
合計171の患者から収集された合計563の臨床データセットが使用された。
【0654】
訓練方法の実施形態#10において上で記載された甲状腺機能亢進症予測モデルを訓練する方法に従って、モデルが訓練された。すなわち、[((第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差)、第2試験日及び第1試験日の間の日数間隔、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、変数の組み合わせ値、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などのフォーマットで訓練データセットが生成され、訓練データセットは、モデルの訓練に使用された。
【0655】
ここで、試験日に対応する期間平均心拍数に関して、10日間の安静時心拍数が試験日に基づいて取得され、取得された安静時心拍数の平均が計算された。
【0656】
加えて、使用されたホルモンレベルに関して、遊離T4及びTSHの両方の濃度を使用する方法が使用された。
【0657】
ここで、訓練データセットは、異なる患者の間の臨床データの「差分」を使用して生成されなかったが、訓練データセットは、1の患者から取得された臨床データセットを使用して生成された。
【0658】
ここで、訓練に使用される臨床データとして、171の患者から確保された563個のデータが使用され、合計1,542の訓練データセットがそこから生成された。
【0659】
甲状腺機能亢進症予測モデルの訓練
【0660】
ライト勾配ブースティングマシンを使用して、甲状腺機能亢進症予測モデルが上述の訓練データセットで訓練された。
【0661】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0662】
訓練済み予測モデルの正確度を決定するために使用される試験データセットは、合計126の患者から確保された464個の臨床データから生成され、合計1,416の試験データセットが生成された。
【0663】
実験例#9によれば、訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルは、上述の試験セットを使用して、正確度について試験された。
【0664】
実験例#9による甲状腺機能亢進症予測モデルの正確度、感度、特異度、陽性適中率(PPV)、及び陰性適中率(NPV)は、下の[表12]及び[表13]に示される通りであった。
【0665】
[表12]
【表12】
【0666】
[表13]
【表13】
【0667】
(11)実験例#10-被験者の個人情報の使用
【0668】
訓練データセットの準備
【0669】
合計171の患者から収集された合計563の臨床データセットが使用された。
【0670】
訓練方法の実施形態#11において上で記載された甲状腺機能亢進症予測モデルを訓練する方法に従って、モデルが訓練された。
【0671】
特に、(1)[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する遊離T4濃度、被験者の年齢、被験者の性別、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などの訓練データセットを使用して訓練が実行された。加えて、(2)[((第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する遊離T4濃度、被験者の年齢、被験者の性別、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などの訓練データセットを使用して訓練が実行された。さらに、(3)[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する遊離T4濃度、第2試験日に対応するTSH濃度、被験者の年齢、被験者の性別、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などの訓練データセットを使用して訓練が実行された。加えて、(4)[((第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する遊離T4濃度、第2試験日に対応するTSH濃度、被験者の年齢、被験者の性別、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などの訓練データセットを使用して訓練が実行された。最後に、(5)[((第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差)、(第2試験日に対応する区間心拍数の歪度-第1試験日に対応する区間心拍数の歪度)、(第2試験日に対応する区間心拍数の尖度-第1試験日に対応する区間心拍数の尖度)、(第2試験日に対応する区間心拍数及び第1試験日に対応する区間心拍数の間のJSダイバージェンス)、第2試験日に対応する遊離T4濃度、第2試験日に対応するTSH濃度、被験者の年齢、被験者の性別、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などの訓練データセットを使用して訓練が実行された。
【0672】
ここで、試験日に対応する期間平均心拍数に関して、10日間の安静時心拍数が試験日に基づいて取得され、取得された安静時心拍数の平均が計算された。
【0673】
ここで、訓練データセットは、異なる患者の間の臨床データの「差分」を使用して生成されなかったが、訓練データセットは、1の患者から取得された臨床データセットを使用して生成された。
【0674】
ここで、訓練に使用される臨床データとして、171の患者から確保された563個のデータが使用され、合計1,542の訓練データセットがそこから生成された。
【0675】
甲状腺機能亢進症予測モデルの訓練
【0676】
ライト勾配ブースティングマシンを使用して、甲状腺機能亢進症予測モデルが上述の訓練データセットで訓練された。
【0677】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0678】
訓練済み予測モデルの正確度を決定するために使用される試験データセットは、合計126の患者から確保された464個の臨床データから生成され、合計1,416の試験データセットが生成された。
【0679】
実験例#10によれば、訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルは、上述の試験セットを使用して、正確度について試験された。
【0680】
実験例#10による甲状腺機能亢進症予測モデルの正確度、感度、特異度、陽性適中率(PPV)、及び陰性適中率(NPV)は、下の[表14]に示される通りであった。
【0681】
[表14]
【表14】
【0682】
(12)実験例#11-予め定められた期間の長さの実験
【0683】
訓練データセットの準備
【0684】
合計171の患者から収集された合計563の臨床データセットが使用された。
【0685】
訓練方法の実施形態#10において上で記載された甲状腺機能亢進症予測モデルを訓練する方法に従って、モデルが訓練された。
【0686】
特に、相対標準偏差の変化量、歪度の変化量、尖度の変化量、及びJSダイバージェンスが、分散の変化を決定するためのパラメータとして使用された。さらに、(第2基準日の遊離T4濃度/JSダイバージェンス)が変数の組み合わせ値として使用された。すなわち、[((第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差)、(第2試験日に対応する区間心拍数の歪度-第1試験日に対応する区間心拍数の歪度)、(第2試験日に対応する区間心拍数の尖度-第1試験日に対応する区間心拍数の尖度)、(第2試験日に対応する区間心拍数及び第1試験日の間のJSダイバージェンス)、第2試験日及び第1試験日の間の日数間隔、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度(第2試験日の遊離T4濃度/第2試験日に対応する区間心拍数及び第1試験日の間のJSダイバージェンス)、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などのフォーマットで訓練データセットが生成され、訓練データセットはモデルの訓練に使用された。
【0687】
実験例#11において、試験日に対応する期間平均心拍数を計算するための予め定められた期間を1、5、10、15、25及び30日に変更しながら、正確度に対する影響を判定した。
【0688】
加えて、使用されたホルモンレベルに関して、遊離T4及びTSHの両方の濃度を使用する方法が使用された。
【0689】
ここで、訓練データセットは、異なる患者の間の臨床データの「差分」を使用して生成されなかったが、訓練データセットは、1の患者から取得された臨床データセットを使用して生成された。
【0690】
ここで、訓練に使用される臨床データとして、171の患者から確保された563個のデータが使用され、合計1,542の訓練データセットがそこから生成された。
【0691】
甲状腺機能亢進症予測モデルの訓練
【0692】
ライト勾配ブースティングマシンを使用して、甲状腺機能亢進症予測モデルが上述の訓練データセットで訓練された。
【0693】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0694】
訓練済み予測モデルの正確度を決定するために使用される試験データセットは、合計126の患者から確保された464個の臨床データから生成され、合計1,416の試験データセットが生成された。
【0695】
実験例#11によれば、訓練された甲状腺機能亢進症予測モデルは、上述の試験セットを使用して、正確度について試験された。
【0696】
実験例#11による甲状腺機能亢進症予測モデルの正確度、感度、特異度、陽性適中率(PPV)、及び陰性適中率(NPV)は、下の[表15]に示される通りであった。
【0697】
[表15]
【表15】
【0698】
本願の発明者は、区間心拍数を計算するために15日が予め定められた期間として使用されるとき、甲状腺機能亢進症の予測において、最高の正確度が達成されることを発見した。
【0699】
甲状腺機能異常症予測モデルを訓練する方法、モデルを使用することによって甲状腺機能異常症を予測するための方法、及び、そのシステムが記載された。
【0700】
以下、甲状腺ホルモンレベルを予測するモデルを訓練する方法、モデルを使用することによって甲状腺機能異常症を予測するための方法、及び、そのシステムを簡潔に記載する。
【0701】
6.甲状腺ホルモン予測モデルを訓練する方法
【0702】
訓練方法の実施形態#12。基準日の心拍数からの差分値及び基準日のホルモン値
【0703】
本願に記載される第12の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、第1試験日に対応する期間平均心拍数から、第2試験日に対応する期間平均心拍数を減算することによって取得される値、及び、第1試験日のホルモンが入力値として使用され得、第1試験日に対応するホルモン濃度がラベリング値として使用され得る。
【0704】
ここで、学習モデルとして、回帰が可能な機械学習モデルが使用され得る。例えば、学習モデルとして、ライト勾配ブースティングマシン、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト、エクストラツリー、アダブースト、エクストリーム勾配ブースト、CatBoostなどが使用され得る。
【0705】
甲状腺ホルモン濃度予測モデルは、対象日に対する、TRH濃度予測モデル、TSH濃度予測モデル、T4濃度予測モデル、遊離T4濃度予測モデル、T3濃度予測モデル、及び、遊離T3濃度予測モデルから成る群から選択される少なくとも1つを含む。
【0706】
期間平均心拍数の計算において、特定の日付に基づく、予め定められた期間の安静時心拍数が使用され得、ここで、予め定められた期間は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、及び30日の1つであり得る。
【0707】
甲状腺ホルモン濃度予測モデルの種類に従って、第1試験日に対応する複数のホルモン濃度のうち、当該種類に対応する濃度値がラベリング値として使用され得る。例えば、遊離T4濃度予測モデルを訓練することが意図されるとき、第1試験日に対応する遊離T4濃度値がラベリング値として使用される。別の例として、TSH濃度予測モデルを訓練することが意図されるとき、第1試験日に対応するTSH濃度値がラベリング値として使用される。
【0708】
以下、説明の便宜上、遊離T4濃度予測モデルを訓練する場合に基づいて記載が与えられる。
【0709】
第12の例示的な実施形態によれば、遊離T4濃度予測モデルを訓練するために、確保された臨床データが、[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度、第1試験日に対応する遊離T4濃度]などのフォーマットで訓練データセットを生成するのに使用され得る。ここで、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度は、TRH濃度、TSH濃度、T4濃度、遊離T4濃度、T3濃度、及び遊離T3濃度の群から選択される1つであり得、又は、その組み合わせであり得る。
【0710】
例えば、合計3のデータセットが第1患者から取得され、第1試験について、判定された遊離T4ホルモン濃度が第1遊離T4濃度であり、判定されたTSH濃度が第1TSH濃度であり、第2試験について、判定された遊離T4ホルモン濃度が第2遊離T4濃度であり、判定されたTSH濃度が第2TSH濃度であり、第3試験について、判定された遊離T4ホルモン濃度が第3遊離T4濃度であり、判定されたTSH濃度が第3TSH濃度であると想定すると、患者の臨床データから取得され得る訓練データセットは以下の通りであり得る。
【0711】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2遊離T4濃度、第2TSH濃度、第1遊離T4濃度]
【0712】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3遊離T4濃度、第3TSH濃度、第1遊離T4濃度]
【0713】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1遊離T4濃度、第1TSH濃度、第2遊離T4濃度]
【0714】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3遊離T4濃度、第3TSH濃度、第3遊離T4濃度]
【0715】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1遊離T4濃度、第1TSH濃度、第3遊離T4濃度]]、及び
【0716】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2遊離T4濃度、第2TSH濃度、第3遊離T4濃度]
【0717】
別の例として、合計4のデータセットが第2患者から取得され、第1試験について、判定された遊離T4ホルモン濃度が第1遊離T4濃度であり、判定されたTSH濃度が第1TSH濃度であり、第2試験について、判定された遊離T4ホルモン濃度が第2遊離T4濃度であり、判定されたTSH濃度が第2TSH濃度であり、第3試験について、判定された遊離T4ホルモン濃度が第3遊離T4濃度であり、判定されたTSH濃度が第3TSH濃度であり、第4試験について、判定された遊離T4ホルモン濃度が第4遊離T4濃度であり、判定されたTSH濃度が第4TSH濃度であると想定すると、患者の臨床データから取得され得る訓練データセットは以下の通りであり得る。
【0718】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2遊離T4濃度、第2TSH濃度、第1遊離T4濃度]
【0719】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3遊離T4濃度、第3TSH濃度、第1遊離T4濃度]
【0720】
[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第4遊離T4濃度、第4TSH濃度、第1遊離T4濃度]
【0721】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1遊離T4濃度、第1TSH濃度、第2遊離T4濃度]
【0722】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3遊離T4濃度、第3TSH濃度、第2遊離T4濃度]
【0723】
[(第2試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第4遊離T4濃度、第4TSH濃度、第2遊離T4濃度]
【0724】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1遊離T4濃度、第1TSH濃度、第3遊離T4濃度]]
【0725】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2遊離T4濃度、第2TSH濃度、第3遊離T4濃度]
【0726】
[(第3試験日に対応する期間平均心拍数-第4試験日に対応する期間平均心拍数)、第4遊離T4濃度、第4TSH濃度、第3遊離T4濃度]
【0727】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第1試験日に対応する期間平均心拍数)、第1遊離T4濃度、第1TSH濃度、第4遊離T4濃度]
【0728】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2遊離T4濃度、第2TSH濃度、第4遊離T4濃度]、及び
【0729】
[(第4試験日に対応する期間平均心拍数-第3試験日に対応する期間平均心拍数)、第3遊離T4濃度、第3TSH濃度、第4遊離T4濃度]
【0730】
遊離T4濃度を予測するためのモデルではなく、TSH濃度を予測するためのモデルを訓練することが意図されるとき、上述の訓練データセットにおける入力値が維持され、遊離T4濃度の代わりにTSH濃度がラベリング値として使用される。
【0731】
訓練方法の実施形態#13。基準日の心拍数の変化率及び基準日のホルモン値
【0732】
本願に記載される第13の例示的な実施形態によれば、上に記載された第12の例示的な実施形態と比較すると、第2試験日に対応する期間平均心拍数を第1試験日に対応する期間平均心拍数から減算することによって取得される値の代わりに、第1試験日に対する第2試験日の期間平均心拍数の変化率が入力値として使用され、残りは第12の例示的な実施形態と同一である。
【0733】
訓練方法の実施形態#14。基準日の心拍数の変化率、相対標準偏差の変化量、及び基準日のホルモン値
【0734】
本願に記載される第14の例示的な実施形態によれば、上に記載された第13の例示的な実施形態と比較すると、第1試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差から、第2試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差を減算することによって取得される値が入力値として更に使用され、残りは第13の例示的な実施形態と同一である。
【0735】
訓練方法の実施形態#15。基準日の心拍数の変化率、相対標準偏差の変化量、歪度の変化量、尖度の変化量、JSダイバージェンス、及び基準日のホルモン値
【0736】
本願に記載される第15の例示的な実施形態によれば、上に記載された第14の例示的な実施形態と比較すると、第1試験日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び第2試験日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分に関連する値が入力値として更に使用され、残りは第14の例示的な実施形態と同一である。
【0737】
訓練方法の実施形態#16。基準日の心拍数の変化率、相対標準偏差の変化量、歪度の変化量、尖度の変化量、JSダイバージェンス、及び基準日のホルモン値+日数間隔
【0738】
本願に記載される第16の例示的な実施形態によれば、上に記載された第15の例示的な実施形態と比較すると、第1試験日及び第2試験日の間の日数間隔に関連する値が入力値として更に使用され、残りは第15の例示的な実施形態と同一である。
【0739】
7.甲状腺ホルモン予測モデルに基づいて甲状腺機能異常症を予測するための方法
【0740】
本願に記載される、甲状腺機能異常症を予測するための方法は、上述のシステム1によって実行され得る。
【0741】
図6は、本願に記載の甲状腺機能異常症を予測するための方法を示すフローチャートである。
【0742】
図6を参照すると、被験者についての甲状腺機能異常症を予測するための、本願において記載される方法は:ステップS200においてトリガ信号を取得する段階;ステップS210において、トリガ信号によって決定された対象日に対応する区間心拍数を取得する段階;ステップS220において、対象日に対応すr区間心拍数を前処理する段階;ステップS230において、基準日に対応するホルモン濃度を取得する段階;ステップS240において、基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果を取得する段階;ステップS250において、対象日に対応する区間心拍数についての前処理結果及び基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果の間の差分を取得する段階;ステップS260において、甲状腺ホルモン濃度予測モデルを使用することによって、取得された差分及び基準日に対応するホルモン濃度を処理し、被験者についての甲状腺ホルモン濃度の予測結果を取得する段階;及び、ステップS270において、ホルモン濃度についての予測結果に基づいて、被験者についての甲状腺機能異常症の結果を取得する段階を備える。
【0743】
ここで、ステップS200においてトリガ信号を取得すること、ステップS210において、トリガ信号によって決定された対象日に対応する区間心拍数を取得すること、ステップS220において、対象日に対応する区間心拍数を前処理すること、ステップS230において、基準日に対応するホルモン濃度を取得すること、ステップS240において、基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果を取得すること、及び、ステップS250において、対象日に対応する区間心拍数についての前処理結果及び基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果の間の差分を取得することを含むステップはそれぞれ、ステップS100においてトリガ信号を取得すること、ステップS110において、トリガ信号によって決定される対象日に対応する区間心拍数を取得すること、ステップS120において、対象日に対応する区間心拍数を前処理し、ステップS130において、基準日に対応するホルモン濃度を取得すること、ステップS140において、基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果を取得すること、及び、ステップS150において、対象日に対応する区間心拍数についての前処理結果及び基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果の間の差分を取得することを含む、図5を参照して記載されるステップと同一である又は非常に類似する。したがって、詳細な説明が省略される。
【0744】
ステップS260における、甲状腺ホルモン濃度予測モデルを通じて甲状腺ホルモン濃度についての予測結果の取得
【0745】
第1甲状腺ホルモン濃度予測モデルを通じた、第1甲状腺ホルモン濃度についての予測結果の取得
【0746】
被験者についての第1甲状腺ホルモン濃度が、第1甲状腺ホルモン濃度予測モデルを通じて取得され得る。例えば、第1甲状腺ホルモンはTRHであり得る。
【0747】
第2甲状腺ホルモン濃度予測モデルを通じて、第2甲状腺ホルモン濃度についての予測結果の取得
【0748】
被験者についての第2甲状腺ホルモン濃度が、第2甲状腺ホルモン濃度予測モデルを通じて取得され得る。例えば、第2甲状腺ホルモンはTSHであり得る。
【0749】
第3甲状腺ホルモン濃度予測モデルを通じた第3甲状腺ホルモン濃度についての予測結果の取得
【0750】
被験者についての第3甲状腺ホルモン濃度が、第3甲状腺ホルモン濃度予測モデルを通じて取得され得る。例えば、第3甲状腺ホルモンはT4であり得る。
【0751】
第4甲状腺ホルモン濃度予測モデルを通じた第4甲状腺ホルモン濃度についての予測結果の取得
【0752】
被験者についての第4甲状腺ホルモン濃度が、第4甲状腺ホルモン濃度予測モデルを通じて取得され得る。例えば、第4甲状腺ホルモンは遊離T4であり得る。
【0753】
第5甲状腺ホルモン濃度予測モデルを通じた、第5甲状腺ホルモン濃度についての予測結果の取得
【0754】
被験者についての第5甲状腺ホルモン濃度が第5甲状腺ホルモン濃度予測モデルを通じて取得され得る。例えば、第5甲状腺ホルモンはT3であり得る。
【0755】
第6甲状腺ホルモン濃度予測モデルを通じた、第6甲状腺ホルモン濃度についての予測結果の取得
【0756】
被験者についての第6甲状腺ホルモン濃度が、第6甲状腺ホルモン濃度予測モデルを通じて取得され得る。例えば、第6甲状腺ホルモンは遊離T3であり得る。
【0757】
上に記載されるように、第1甲状腺ホルモン濃度~第6甲状腺ホルモン濃度の群から選択される1つ又はその組み合わせが取得され得る。
【0758】
ステップS270における、ホルモン濃度についての予測結果に基づく被験者についての甲状腺機能異常症の結果の取得
【0759】
ホルモン濃度についての取得された予測値に基づいて、被験者が甲状腺機能亢進症状態、甲状腺機能低下症状態、又は正常状態にあるかどうかが判定され得る。
【0760】
「正常」、「甲状腺機能亢進症」及び「甲状腺機能低下症」に対応する範囲は、各甲状腺ホルモン濃度について予め定められるので、予め定められた範囲が使用され得る。
【0761】
心拍数測定デバイス10、ユーザ端末20、及びサーバ30は、適切に分散された方式で、ステップS200においてトリガ信号を取得すること;ステップS210において、トリガ信号によって判定された対象日に対応する区間心拍数を取得すること;ステップS220において、対象日に対応する区間心拍数を前処理すること;ステップS230において、基準日に対応するホルモン濃度を取得すること;ステップS240において、基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果を取得すること;ステップS250において、対象日に対応する区間心拍数についての前処理結果及び基準日に対応する区間心拍数についての前処理結果の間の差分を取得すること;ステップS260において、甲状腺ホルモン濃度予測モデルを使用することによって、取得された差分及び基準日に対応するホルモン濃度を処理し、被験者についての甲状腺ホルモン濃度の予測結果を取得すること;及び、ステップS270において、ホルモン濃度についての予測結果に基づいて、被験者についての甲状腺機能異常症の結果を取得することを含む上述のステップを実行し得る。
【0762】
8.実験例
【0763】
実験例#12
【0764】
訓練データセットの準備
【0765】
合計171の患者から収集された合計563の臨床データセットが使用された。
【0766】
訓練方法の実施形態#13において上で記載された甲状腺ホルモン濃度予測モデルを訓練するための方法によれば、モデルが訓練された。特に、遊離T4濃度を予測するための予測モデルが訓練された。
【0767】
その一方で、遊離T4濃度及びTSH濃度が、各試験日に対応するホルモン濃度として使用され、試験日に対応する期間平均心拍数に関して、10日間の安静時心拍数が試験日に基づいて取得され、取得された安静時心拍数の平均が計算された。
【0768】
ここで、訓練データセットは、異なる患者の間の臨床データの「差分」を使用して生成されなかったが、訓練データセットは、1の患者から取得された臨床データセットを使用して生成された。
【0769】
ここで、訓練に使用される臨床データとして、171の患者から確保された563個のデータが使用され、合計1,542の訓練データセットがそこから生成された。
【0770】
甲状腺機能亢進症予測モデルの訓練
【0771】
エクストラツリーを使用して、遊離T4濃度予測モデルが上述の訓練データセットで訓練された。
【0772】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0773】
訓練済み予測モデルの正確度を決定するために使用される試験データセットは、合計126の患者から確保された464個の臨床データから生成され、合計1,416の試験データセットが生成された。
【0774】
実験例#13によれば、上述の試験セットを使用して、訓練された遊離T4濃度予測モデルが正確度について試験された。
【0775】
実験例#13による、遊離T4濃度予測モデルの平均二乗誤差(MSE)、平均絶対誤差(MAE)、及び平均絶対パーセント誤差(MAPE)は、下の[表16]に示される通りであった。
【0776】
[表16]
【表16】
【0777】
実験例#13
【0778】
実験例#13において使用される訓練データセット、試験データセット、及び生成方法は、実験例#12に記載されるものと同一である。
【0779】
しかしながら、実験例#12と異なり、実験例#13において、予測モデルは、訓練方法の実施形態#13に従って予測モデルを訓練する代わりに、訓練方法の実施形態#14に従って訓練された。
【0780】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0781】
実験例#13によれば、上述の試験セットを使用して、訓練された遊離T4濃度予測モデルが正確度について試験された。
【0782】
実験例#13による、遊離T4濃度予測モデルの平均二乗誤差(MSE)、平均絶対誤差(MAE)、及び平均絶対パーセント誤差(MAPE)は、下の[表17]に示される通りであった。
【0783】
[表17]
【表17】
【0784】
実験例#14
【0785】
実験例#14において使用される訓練データセット、試験データセット、及び生成方法は、実験例#12に記載されるものと同一である。
【0786】
しかしながら、実験例#12と異なり、実験例#14において、予測モデルは、訓練方法の実施形態#13に従って予測モデルを訓練する代わりに、訓練方法の実施形態#15に従って訓練された。
【0787】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0788】
実験例#14によれば、上述の試験セットを使用して、訓練された遊離T4濃度予測モデルが正確度について試験された。
【0789】
実験例#14による、遊離T4濃度予測モデルの平均二乗誤差(MSE)、平均絶対誤差(MAE)、及び平均絶対パーセント誤差(MAPE)は、下の[表18]に示される通りであった。
【0790】
[表18]
【表18】
【0791】
実験例#15
【0792】
実験例#15において使用される訓練データセット、試験データセット、及び生成方法は、実験例#12に記載されるものと同一である。
【0793】
しかしながら、実験例#12と異なり、実験例#15において、予測モデルは、訓練方法の実施形態#13に従って予測モデルを訓練する代わりに、訓練方法の実施形態#16に従って訓練された。
【0794】
甲状腺機能亢進症予測モデルの試験
【0795】
実験例#15によれば、上述の試験セットを使用して、訓練された遊離T4濃度予測モデルが正確度について試験された。
【0796】
実験例#15による、遊離T4濃度予測モデルの平均二乗誤差(MSE)、平均絶対誤差(MAE)、及び平均絶対パーセント誤差(MAPE)は、下の[表19]に示される通りであった。
【0797】
[表19]
【表19】
【0798】
1:システム
【0799】
10:心拍数測定デバイス
【0800】
20:ユーザ端末
【0801】
30:サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のプロセッサによって実行される、被験者の甲状腺機能異常症を予測するための方法であって:
トリガ信号を取得する段階;
取得された前記トリガ信号に基づいて対象日を決定する段階;
決定された前記対象日に対応する区間心拍数を取得する段階;
前記被験者について、決定された前記対象日に対応する、取得された前記区間心拍数の第1前処理結果を取得する段階、ここで、前記第1前処理結果は、前記対象日に対応する前記区間心拍数の平均及び分散に関連する少なくとも1つのパラメータを含む;
前記被験者について、基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを取得する段階;
前記被験者について、前記基準日に対応する区間心拍数の第2前処理結果を取得する段階、ここで、前記第2前処理結果は、前記基準日に対応する前記区間心拍数の平均及び分散に関連する少なくとも1つのパラメータを含む;
前記第2前処理結果に対する前記第1前処理結果の差分を取得する段階;及び
基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの前記少なくとも1つ及び前記差分を含む値に基づいて取得された甲状腺機能異常症についての予測結果を取得する段階
を備え、ここで、甲状腺機能異常症についての前記予測結果は、甲状腺機能異常症予測モデルによる入力値の処理の結果であり、ここで、前記入力値は、前記差分、及び、前記基準日に対応する甲状腺に関連するホルモンの濃度のうちの前記少なくとも1つを含む、
方法。
【請求項2】
前記対象日に対応する前記区間心拍数の前記分散に関連する前記少なくとも1つのパラメータは、前記対象日に対応する前記区間心拍数の標準偏差、歪度、及び尖度を含み、
ここで、前記基準日に対応する前記区間心拍数の前記分散に関連する前記少なくとも1つのパラメータは、前記基準日に対応する前記区間心拍数の標準偏差、歪度、及び尖度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2前処理結果に対する前記第1前処理結果の前記差分は、1)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の前記平均の変化量、2)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の前記平均の変化率、3)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の標準偏差の変化量、4)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の相対標準偏差の変化量、5)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の歪度の変化量、6)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の尖度の変化量、7)前記基準日に対応する前記区間心拍数及び前記対象日に対応する前記区間心拍数の間のJSダイバージェンスから成る群から選択される1つ、又は、それらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの前記少なくとも1つは、1)甲状腺刺激ホルモン(TSH)の濃度、2)テトラヨードチロニン(T4)の濃度、3)血清中の遊離T4(free T4)の濃度、4)トリヨードチロニン(T3)の濃度、5)血清中の遊離T3(free T3)の濃度、6)チロトロピン放出ホルモン(TRH)の濃度から成る群から選択される1つ、又は、それらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は更に:
1)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の前記平均の変化量、2)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の前記平均の変化率、3)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の標準偏差の変化量、4)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の相対標準偏差の変化量、5)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の歪度の変化量、6)前記基準日に対する前記対象日の前記区間心拍数の尖度の変化量、7)前記基準日に対応する前記区間心拍数及び前記対象日に対応する前記区間心拍数の間のJSダイバージェンス、8)前記基準日に対応する前記被験者の甲状腺刺激ホルモン(TSH)の濃度、9)前記基準日に対応する前記被験者のテトラヨードチロニン(T4)の濃度、10)前記基準日に対応する前記被験者の血清における遊離T4(free T4)の濃度、11)前記基準日に対応する前記被験者のトリヨードチロニン(T3)の濃度、12)前記基準日に対応する前記被験者の血清中の遊離T3(free T3)の濃度、13)前記基準日に対応する前記被験者のチロトロピン放出ホルモン(TRH)の濃度から成る群から第1の値及び第2の値を取得する段階、
i)前記第1の値を前記第2の値と乗算することによって取得される値、ii)前記第1の値を前記第2の値によって除算することによって取得される値、及び、iii)前記第2の値を前記第1の値によって除算することによって取得される値のうちの任意の1つの値を取得する段階
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの前記少なくとも1つ及び前記差分を含む値に基づいて、甲状腺機能異常症についての前記予測結果を取得する前記段階は、前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ、前記差分、及び、取得された前記任意の1つの値を含む値に基づいて甲状腺機能異常症についての前記予測結果を取得する段階であり、
ここで、甲状腺機能異常症についての前記予測結果は、前記甲状腺機能異常症予測モデルによる入力値の処理の結果であり、ここで、前記入力値は、前記差分、取得された前記任意の1つの値、及び、前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は更に:
前記対象日及び前記基準日の間の日数間隔を取得する段階
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの前記少なくとも1つ、及び、前記差分を含む値に基づいて、甲状腺機能異常症についての前記予測結果を取得する前記段階は、前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つ、前記差分、及び、前記対象日及び前記基準日の間の前記日数間隔を含む値に基づいて、甲状腺機能異常症についての前記予測結果を取得する段階であり、
ここで、甲状腺機能異常症についての前記予測結果は、前記甲状腺機能異常症予測モデルによる入力値の処理の結果であり、ここで、前記入力値は、前記差分、前記対象日及び前記基準日の間の前記日数間隔、及び、前記基準日に対応するホルモンの濃度のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記対象日に対応する前記区間心拍数は、前記対象日に基づく予め定められた期間に対応するすべての安静時心拍数であり、
ここで、前記基準日に対応する前記区間心拍数は、前記基準日に基づく前記予め定められた期間に対応するすべての安静時心拍数である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記予め定められた期間は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、及び17日から選択される任意の1つである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記甲状腺機能異常症予測モデルは甲状腺機能亢進症予測モデル及び甲状腺機能低下症予測モデルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
甲状腺機能異常症についての前記予測結果は、少なくとも1つのホルモン濃度及び前記差分を含む前記入力値が前記甲状腺機能亢進症予測モデルによって処理される第1予測結果、及び、少なくとも1つのホルモン濃度及び前記差分を含む前記入力値が前記甲状腺機能低下症予測モデルによって処理される第2予測結果を考慮することによって決定される、請求項11に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0151
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0151】
本願に記載される第2の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、第1試験日に対応する期間平均心拍数から第2試験日に対応する期間平均心拍数を減算することによって取得される値、第2試験日のホルモン濃度、及び、第1試験日に対応する期間平均心拍数が入力値として使用され得、第1試験日に対応する診断結果がラベリング値として使用され得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0281
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0281】
(1)期間平均心拍数の変化量=第1基準日の期間平均心拍数-第2基準日の期間平均心拍数
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0282
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0282】
(2)期間平均心拍数の変化率=(第1基準日の期間平均心拍数-第2基準日の期間平均心拍数)/第2基準日の期間平均心拍数
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0283
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0283】
(3)標準偏差の変化量=第1基準日の期間心拍数の標準偏差-第2基準日の期間心拍数の標準偏差
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0284
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0284】
(4)相対標準偏差の変化量=(第1基準日の期間心拍数の標準偏差/第1基準日の期間平均心拍数)-(第2基準日の期間心拍数の標準偏差/第2基準日の期間平均心拍数)
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0285
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0285】
(5)期間心拍数の歪度の変化量=第1基準日の期間心拍数の歪度-第2基準日の期間心拍数の歪度
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0286
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0286】
(6)期間心拍数の尖度の変化量=第1基準日の期間心拍数の尖度-第2基準日の期間心拍数の歪度
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0287
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0287】
(7)JSダイバージェンス:第1基準日の期間心拍数及び第2基準日の期間心拍数の間で計算されるJSダイバージェンス
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0317
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0317】
例えば、第6の例示的な実施形態において記載される入力値に加えて、被験者の性別及び年齢が入力値として使用されるとき、第2試験日に対する第1試験日の期間平均心拍数の変化率(すなわち、(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/(第2試験日に対応する期間平均心拍数))、第1試験日に対応する期間平均心拍数、第2試験日のホルモン濃度、性別、及び年齢が入力値として使用され得、第1試験日に対応する診断結果がラベリング値として使用され得る。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0333
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0333】
)ユーザ端末の機能
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0341
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0341】
)ユーザ端末の種類
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0343
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0343】
)サーバの機能
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0350
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0350】
)システムのソフトウェア構築
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0355
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0355】
)心拍数測定デバイスの要素
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0364
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0364】
)ユーザ端末の要素
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0372
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0372】
10)サーバの要素
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0435
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0435】
(1)期間平均心拍数の変化量=第1基準日の期間平均心拍数-第2基準日の期間平均心拍数
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0436
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0436】
(2)期間平均心拍数の変化率=(第1基準日の期間平均心拍数-第2基準日の期間平均心拍数)/第2基準日の期間平均心拍数
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0437
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0437】
(3)標準偏差の変化量=第1基準日の区間心拍数の標準偏差-第2基準日の区間心拍数の標準偏差
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0438
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0438】
(4)相対標準偏差の変化量=(第1基準日の区間心拍数の標準偏差/第1基準日の期間平均心拍数)-(第2基準日の区間心拍数の標準偏差/第2基準日の期間平均心拍数)
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0439
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0439】
(5)区間心拍数の歪度の変化量=第1基準日の区間心拍数の歪度-第2基準日の区間心拍数の歪度
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0440
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0440】
(6)区間心拍数の尖度の変化量=第1基準日の区間心拍数の尖度-第2基準日の区間心拍数の歪度
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0441
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0441】
(7)JSダイバージェンス:第1基準日の区間心拍数及び第2基準日の区間心拍数の間で計算されるJSダイバージェンス
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0505
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0505】
10)基準日の取得されたホルモン濃度、基準日に対応する区間心拍数の平均(基準日の期間平均心拍数)に対する、対象日に対応する区間心拍数の平均(対象日の期間平均心拍数)の取得された変化率(又は変化量)、対象日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータ及び基準日に対応する区間心拍数の分散に関連するパラメータの間の差分、変数の組み合わせ値、及び、被験者の年齢及び/又は性別
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0551
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0551】
本願の発明者は、比較例#1のように、ホルモンレベルが「正常」であるときの日付を基準日として判定することなく、及び、基準日及び解析対象日の間の期間平均心拍数の差分を使用することなく、「正常」又は「甲状腺機能亢進症」があるかどうかに関係なく、基準データを決定することによって、及び、基準日に対応するホルモン濃度と共に基準データ及び解析対象日の間の期間平均心拍数の差分を使用することによって、「甲状腺機能亢進症」があるかどうかを予測することが十分に可能であることを発見し、むしろ正確度及び感度などの結果がはるかに高くなることを発見した。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0634
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0634】
実験例#と比較すると、実験例#5は、期間平均心拍数の変化量及び標準偏差の変化量を使用する代わりに、期間平均心拍数の変化率及び相対標準偏差の変化量が使用されることを除いて、同一の条件下で実行された実験である。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0671
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0671】
特に、(1)[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する遊離T4濃度、被験者の年齢、被験者の性別、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などの訓練データセットを使用して訓練が実行された。加えて、(2)[((第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する遊離T4濃度、被験者の年齢、被験者の性別、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などの訓練データセットを使用して訓練が実行された。さらに、(3)[(第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する遊離T4濃度、第2試験日に対応するTSH濃度、被験者の年齢、被験者の性別、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などの訓練データセットを使用して訓練が実行された。加えて、(4)[((第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、第2試験日に対応する遊離T4濃度、第2試験日に対応するTSH濃度、被験者の年齢、被験者の性別、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などの訓練データセットを使用して訓練が実行された。最後に、(5)[((第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差)、(第1試験日に対応する区間心拍数の歪度-第2試験日に対応する区間心拍数の歪度)、(第1試験日に対応する区間心拍数の尖度-第2試験日に対応する区間心拍数の尖度)、(第1試験日に対応する区間心拍数及び第2試験日に対応する区間心拍数の間のJSダイバージェンス)、第2試験日に対応する遊離T4濃度、第2試験日に対応するTSH濃度、被験者の年齢、被験者の性別、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などの訓練データセットを使用して訓練が実行された。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0686
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0686】
特に、相対標準偏差の変化量、歪度の変化量、尖度の変化量、及びJSダイバージェンスが、分散の変化を決定するためのパラメータとして使用された。さらに、(第2基準日の遊離T4濃度/JSダイバージェンス)が変数の組み合わせ値として使用された。すなわち、[((第1試験日に対応する期間平均心拍数-第2試験日に対応する期間平均心拍数)/第2試験日に対応する期間平均心拍数)、(第1試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差-第2試験日に対応する区間心拍数の相対標準偏差)、(第1試験日に対応する区間心拍数の歪度-第2試験日に対応する区間心拍数の歪度)、(第1試験日に対応する区間心拍数の尖度-第2試験日に対応する区間心拍数の尖度)、(第1試験日に対応する区間心拍数及び第2試験日の間のJSダイバージェンス)、第1試験日及び第2試験日の間の日数間隔、第2試験日に対応する甲状腺ホルモン濃度(第2試験日の遊離T4濃度/第2試験日に対応する区間心拍数及び第1試験日の間のJSダイバージェンス)、第1試験日に対応する診断結果(甲状腺機能亢進症又は非甲状腺機能亢進症)]などのフォーマットで訓練データセットが生成され、訓練データセットはモデルの訓練に使用された。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0703
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0703】
本願に記載される第12の例示的な実施形態によれば、学習モデルを訓練するために、第1試験日に対応する期間平均心拍数から、第2試験日に対応する期間平均心拍数を減算することによって取得される値、及び、第1試験日のホルモンが入力値として使用され得、第2試験日に対応するホルモン濃度がラベリング値として使用され得る。
【国際調査報告】