IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エル エス エムトロン リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-農業用作業車両 図1
  • 特表-農業用作業車両 図2
  • 特表-農業用作業車両 図3
  • 特表-農業用作業車両 図4
  • 特表-農業用作業車両 図5
  • 特表-農業用作業車両 図6
  • 特表-農業用作業車両 図7
  • 特表-農業用作業車両 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】農業用作業車両
(51)【国際特許分類】
   B60W 10/02 20060101AFI20240719BHJP
   A01B 51/02 20060101ALI20240719BHJP
   B60W 10/184 20120101ALI20240719BHJP
【FI】
B60W10/00 124
A01B51/02
B60W10/02
B60W10/184
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502700
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-17
(86)【国際出願番号】 KR2022012260
(87)【国際公開番号】W WO2023022500
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0107954
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0101895
(32)【優先日】2022-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509023012
【氏名又は名称】エル エス エムトロン リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS Mtron Ltd.
【住所又は居所原語表記】127, LS-ro, Dongan-gu, Anyang-si, Gyeonggi-do, 14119 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨンレ
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ジフン
(72)【発明者】
【氏名】シン、オクシク
【テーマコード(参考)】
2B041
3D241
【Fターム(参考)】
2B041AA07
2B041AB05
3D241AA15
3D241AB04
3D241AC11
3D241AC26
3D241AD17
3D241AD41
(57)【要約】
本発明は、エンジンを支持する車両本体と、前記エンジンが発生させた動力に対して変速を行う変速機と、油圧式ブレーキ又は機械式ブレーキによって具現され、前記車両本体の走行速度を減速させ、左右車輪の減速をそれぞれ制御するための制動部と、前記車両本体に備えられた操作部と、前記操作部から提供された操作信号を用いて前記変速機及び前記制動部を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、連動モードに転換した場合、前記操作部の制動ペダル部に対する操作によって前記制動部が前記車両本体の走行速度を減速させる制動率及び前記変速機の前後進クラッチが動力を伝達する動力伝達率を一緒に調節するように前記制動部及び前記前後進クラッチを制御する連動モジュールを含む、農業用作業車両に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンを支持する車両本体と、
前記エンジンが発生させた動力に対して変速を行う変速機と、
油圧式ブレーキ又は機械式ブレーキによって具現され、前記車両本体の走行速度を減速させ、左右車輪の減速をそれぞれ制御するための制動部と、
前記車両本体に備えられた操作部と、
前記操作部から提供された操作信号を用いて前記変速機及び前記制動部を制御する制御部と、を含み、
前記変速機は、複数の摩擦部材の間の摩擦を用いて前記エンジンによって発生した動力を選択的に伝達する前後進クラッチを含み、
前記操作部は、
前記左右車輪の減速をそれぞれ制御する複数のペダルを含み、前記制動部に対する制動信号を生成する制動ペダル部と、
前記前後進クラッチに対する前後進信号を生成するシャトルレバーと、を含み、
前記制御部は、連動モードに転換した場合、前記制動ペダル部に対する操作によって前記制動部が前記車両本体の走行速度を減速させる制動率及び前記前後進クラッチが動力を伝達する動力伝達率を一緒に調節するように前記制動部及び前記前後進クラッチを制御する連動モジュールを含むことを特徴とする、農業用作業車両。
【請求項2】
前記制御部は、前記連動モードと前記連動モードを解除させる解除モードとの間に転換する転換モジュールを含み、
前記転換モジュールは、前記シャトルレバーが前記車両本体を前進又は後進させる前後進信号を生成し、前記制動ペダル部が前記ペダルが互いに締結されることによる締結信号を生成し、前記操作部が有する駐車操作機構が前記車両本体に対する駐車制動を解除させる駐車解除信号を生成したことが確認されると、前記連動モードに転換することを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両。
【請求項3】
前記転換モジュールは、前記連動モードの状態で、前記シャトルレバーが中立信号を生成したことが確認されると、前記解除モードに転換することを特徴とする、請求項2に記載の農業用作業車両。
【請求項4】
前記連動モジュールは、前記連動モードの状態で、前記制動ペダル部の回転角度が増加するほど前記制動率が増加するとともに前記動力伝達率が減少するように前記制動部及び前記前後進クラッチを制御することを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両。
【請求項5】
前記連動モジュールは、
前記連動モードの状態で、前記制動ペダル部の回転角度が増加する方向に変化する場合、前記制動率が増加するほど前記動力伝達率が減少する制動プロファイルによって前記制動率及び前記動力伝達率を調節するように前記制動部及び前記前後進クラッチを制御し、
前記連動モードの状態で、前記制動ペダル部の回転角度が減少する方向に変化する場合、前記制動率が減少するほど前記動力伝達率が増加する解除プロファイルによって前記制動率及び前記動力伝達率を調節するように前記制動部及び前記前後進クラッチを制御することを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両。
【請求項6】
前記制動プロファイルは、前記制動ペダル部の回転角度が所定の第1回転角度と前記第1回転角度よりも大きい第2回転角度との間に相当する変化区間で変化する場合、前記解除プロファイルよりも小さい動力伝達率を有するように具現されることを特徴とする、請求項5に記載の農業用作業車両。
【請求項7】
前記制動プロファイルは、
前記制動ペダル部の回転角度が最低回転角度よりも大きく前記第1回転角度よりも小さい制動進入区間で変化する場合、前記制動ペダル部の回転角度が前記変化区間で変化する場合に比べて、前記制動率の変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより大きく具現され、
前記制動ペダル部の回転角度が前記第2回転角度よりも大きく最大回転角度よりも小さい制動終了区間で変化する場合、前記制動ペダル部の回転角度が前記変化区間で変化する場合に比べて、前記制動率の変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより小さく具現されることを特徴とする、請求項6に記載の農業用作業車両。
【請求項8】
前記解除プロファイルは、
前記制動ペダル部の回転角度が最大回転角度よりも小さく前記第2回転角度よりも大きい解除進入区間で変化する場合、前記制動ペダル部の回転角度が前記変化区間で変化する場合に比べて、前記制動率の変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより大きく具現され、
前記制動ペダル部の回転角度が最低回転角度よりも大きく前記第1回転角度よりも小さい解除終了区間で変化する場合、前記制動ペダル部の回転角度が前記変化区間で変化する場合に比べて、前記制動率の変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより小さく具現されることを特徴とする、請求項6に記載の農業用作業車両。
【請求項9】
前記制動ペダル部を感知して前記制動ペダル部の回転角度を獲得する回転角度取得センサーをさらに含むことを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の農業用作業車両。
【請求項10】
前記前後進クラッチに供給される作動流体の油圧を測定する油圧センサーをさらに含み、
前記制御部は、前記連動モードの状態で、前記油圧センサーが測定した作動流体の油圧が所定の基準値から外れた場合、前記制動プロファイル及び前記解除プロファイルのそれぞれを補正するための補正値を生成する補正モジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の農業用作業車両。
【請求項11】
前記前後進クラッチに供給される作動流体の温度を測定する油温センサーをさらに含み、
前記制御部は、前記連動モードの状態で、前記油温センサーが測定した作動流体の温度が所定の基準温度値から外れた場合、前記制動プロファイル及び前記解除プロファイルのそれぞれを補正するための補正値を生成する補正モジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の農業用作業車両。
【請求項12】
前記制御部は、前記変速機の変速段数によって前記動力伝達率が増減するように前記制動プロファイル及び前記解除プロファイルのそれぞれを補正する補正モジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載の農業用作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地を用いて人間生活に必要な作物を栽培するのに用いられる農業用作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
農業用作業車両は地を用いて人間生活に必要な作物を栽培するのに用いられるものである。例えば、コンバイン(Combine)、トラクター(Tractor)などが農業用作業車両に相当する。コンバインは、稲、麦、小麦、豆などの作物を刈取して脱穀する作業を行うものである。トラクターは、牽引力を用いて作物を栽培するのに必要な作業を行うものである。このような農業用作業車両は、作業過程で必要に応じてトルク、速度などを調節するために変速機を含む。
【0003】
このような農業用作業車両は、作業の特性上、前進及び後進を変更する前後進変速を頻繁に行い、前後進変速のためには、ブレーキペダルを操作してブレーキ(Brake)による制動を先行しなければならない。また、ブレーキによる制動のためには、シャトルレバーの操作による前後進クラッチの締結解除を先行しなければならない。前記シャトルレバーの操作による前記前後進クラッチの締結解除がならなかった状態では、ブレーキによる制動を行うように前記ブレーキペダルを操作しても、農業用作業車両自体の重さ及びエンジンの出力などによって農業用作業車両の実質的な制動ができない。
【0004】
このように、従来では、シャトルレバーの操作による前後進クラッチの締結解除を行って始めて、ブレーキペダルを操作してブレーキによる制動を行うことができたので、作業過程での操作によって前記農業用作業車両を運転する作業者に対する疲労感を加重させ、農業用作業車両に対する運転難易度を高める問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述したような問題点を解決するために案出されたものであり、作業過程での操作によって作業者に加わる疲労感を軽減させることができ、運転難易度を低めることができる農業用作業車両を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記のような課題を解決するために、本発明は次のような構成を含むことができる。
【0007】
本発明による農業用作業車両は、エンジンを支持する車両本体と、前記エンジンが発生させた動力に対して変速を行う変速機と、油圧式ブレーキ又は機械式ブレーキによって具現され、前記車両本体の走行速度を減速させ、左右車輪の減速をそれぞれ制御するための制動部と、前記車両本体に備えられた操作部と、前記操作部から提供された操作信号を用いて前記変速機及び前記制動部を制御する制御部と、を含むことができる。前記変速機は、複数の摩擦部材の間の摩擦を用いて前記エンジンによって発生した動力を選択的に伝達する前後進クラッチを含むことができる。前記操作部は、前記左右車輪の減速をそれぞれ制御する複数のペダルを含み、前記制動部に対する制動信号を生成する制動ペダル部と、前記前後進クラッチに対する前後進信号を生成するシャトルレバーと、を含むことができる。前記制御部は、連動モードに転換した場合、前記制動ペダル部に対する操作によって前記制動部が前記車両本体の走行速度を減速させる制動率及び前記前後進クラッチが動力を伝達する動力伝達率を一緒に調節するように前記制動部及び前記前後進クラッチを制御する連動モジュールを含むことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、次のような効果を図ることができる。
【0009】
本発明は、シャトルレバーに対する別途の操作なしに制動ペダル部に対する操作のみで制動部及び前後進クラッチの両者を制御することができるように具現される。これにより、本発明は、シャトルレバーに対する別途の操作なしに制動ペダル部に対する操作のみで制動率及び動力伝達率を調節して車両本体の走行速度を調節することができる。よって、本発明は、作業の特性上、前進及び後進を変更する前後進変速を頻繁に行っても、作業過程での操作によって作業者に加わる疲労感を軽減させることができ、運転難易度を低めることができる。
【0010】
本発明は、制動部が電子式制動部ではない油圧式ブレーキ又は機械式ブレーキによって具現されても、シャトルレバーに対する別途の操作なしに制動ペダル部に対する操作のみで制動部及び前後進クラッチの両者を制御することができるように具現される。よって、本発明は、電子式制動部によって具現されたものに比べて、製造コストを著しく低めることができながらも、作業者に対する操作の便宜性及び容易性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】農業用作業車両の一例を示す概略側面図である。
図2】本発明による農業用作業車両の概略ブロック図である。
図3】本発明による農業用作業車両において制動プロファイルを概略的に示すグラフである。
図4】本発明による農業用作業車両において解除プロファイルを概略的に示すグラフである。
図5】本発明による農業用作業車両の実施例に対する概略ブロック図である。
図6】本発明による農業用作業車両の実施例に対する概略ブロック図である。
図7】本発明による農業用作業車両において補正値を反映する前の制動プロファイル及び補正値を反映した後の制動プロファイルを概略的に示すグラフである。
図8】本発明による農業用作業車両において補正値を反映する前の解除プロファイル及び補正値を反映した後の解除プロファイルを概略的に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明による農業用作業車両の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1及び図2を参照すると、本発明による農業用作業車両1は、地を用いて人間生活に必要な作物を栽培するのに用いられるものである。例えば、前記農業用作業車両100は、トラクター、コンバインなどであり得る。本発明による農業用作業車両1は、車両本体2と、変速機3と、制動部4と、操作部5と、制御部6と、を含むことができる。
【0014】
図1及び図2を参照すると、前記車両本体2はエンジン21を支持するものである。前記車両本体2は、本発明による農業用作業車両1の全体的な外観を成すことができる。前記エンジン21は前記車両本体2に結合され得る。前記車両本体2には、運転席22が備えられ得る。使用者が前記運転席22に乗って前記操作部5を操作することにより、本発明による農業用作業車両1は所定の作業を実行することができる。本発明による農業用作業車両1は、自律走行方式で所定の作業を実行することもできる。前記車両本体2には、左右車輪23、前記変速機(Transmission)3、前記制動部4、前記操作部5、及び前記制御部6などが結合され得る。前記左右車輪23は、前記車両本体2の左側に配置された車輪、及び前記車両本体2の右側に配置された車輪を含むものである。この場合、前記制動部4は、左右車輪23の減速をそれぞれ制御することができる。前記エンジン21が発生させた動力が前記変速機3を介して前記左右車輪23に伝達されると、前記車両本体2は前記左右車輪23が回転することによって前方又は後方に走行することができる。
【0015】
図1図5を参照すると、前記変速機3は、前記エンジン21が発生させた動力に対して変速を行うものである。前記変速機3は前記車両本体2に結合され得る。前記変速機3は前記制御部6によって制御され得る。前記変速機3は、前後進変速部31(図5に図示)と、走行変速部32(図5に図示)と、を含むことができる。
【0016】
前記前後進変速部31は前記エンジン21から発生した動力に対して前後進変速を行うものである。前記前後進変速部31は、前後進クラッチ311を含むことができる。前記前後進変速部31は、前後進変速が変速した動力を前記走行変速部32に伝達することができる。前記前後進クラッチ311が締結されると、前記エンジン21から発生した動力は前後進変速が変速した後、前記走行変速部32に伝達することができる。前記前後進クラッチ311に対する締結が解除されると、前記エンジン21から発生した動力は前記走行変速部32に伝達されない。
【0017】
前記前後進クラッチ311は、複数の摩擦部材(図示せず)の間の摩擦を用いて、前記エンジン21によって発生した動力を選択的に伝達することができる。前記摩擦部材が互いに接触すると、前記前後進クラッチ311が締結されることによって動力を伝達することができる状態になる。前記摩擦部材が互いに離隔すると、前記前後進クラッチ311は締結解除されることにより、動力を伝達することができない状態になる。前記摩擦部材が互いに接触した程度によって、前記前後進クラッチ311が動力を伝達する動力伝達率を調節することができる。この場合、前記摩擦部材の間の接触力が増加するほど前記動力伝達率が増加することができる。前記動力伝達率が増加するとは前記エンジン21から伝達された動力が前記走行変速部32に伝達する比率が増加することを意味する。前記摩擦部材の間の接触力が減少するほど前記動力伝達率が減少することができる。前記動力伝達率が減少するとは前記エンジン21から伝達された動力が前記走行変速部32に伝達される比率が減少することを意味する。前記動力伝達率が減少した場合、前記制動部4による制動をより円滑になすことができる。前記前後進クラッチ311は、摩擦を用いて動力を選択的に伝達する多板クラッチ(Multiply Disk Clutch)によって具現され得る。一方、前記前後進変速部31は、前後進変速のための少なくとも一つのギア(Gear)及び少なくとも一つのスリーブ(Sleeve)を含むこともできる。
【0018】
前記走行変速部32は前記エンジン21から伝達された動力に対して走行変速を行うものである。前記走行変速部32は、走行クラッチを含むことができる。前記走行変速部32は前記前後進変速部31から伝達された動力に対して走行変速を実行することができる。前記走行クラッチが締結されると、前記前後進変速部31から伝達された動力は走行変速が変速した後、前記車軸に伝達することができる。前記走行クラッチに対する締結が解除されると、前記前後進変速部31から伝達された動力は前記車軸に伝達されない。前記走行クラッチは、摩擦を用いて動力を選択的に伝達する多板クラッチによって具現され得る。この場合、前記走行クラッチは、複数の摩擦部材を互いに接触させることによって動力を伝達するように締結され得る。前記走行クラッチは、複数の摩擦部材を互いに離隔させることによって動力を伝達しないように締結解除され得る。前記走行変速部32は、複数の走行クラッチを含むことができる。一方、前記走行変速部32は、走行変速のための少なくとも一つのギア及び少なくとも一つのスリーブを含むこともできる。
【0019】
図示されていないが、前記走行変速部32は、主変速部及び副変速部を含むことができる。前記主変速部及び前記副変速部はそれぞれ動力に対する変速を行うものである。前記主変速部及び前記副変速部は個別に変速段数に対応する変速を実行することができる。動力の伝達方向を基準として、前記主変速部が前記副変速部に対して先に配置された場合、動力は前記主変速部によって変速された後、前記副変速部に伝達され、前記副変速部によって変速された後、前記車軸に伝達され得る。動力の伝達方向を基準として、前記副変速部が前記主変速部に対して先に配置された場合、動力は前記副変速部によって変速された後、前記主変速部に伝達され、前記主変速部によって変速された後、前記車軸に伝達され得る。
【0020】
図1図4を参照すると、前記制動部4は前記車両本体2の走行速度を減少させるためのものである。前記制動部4は前記車両本体2に結合され得る。前記制動部4は油圧式ブレーキ又は機械式ブレーキによって具現され得る。前記制動部4は、摩擦を用いて前記車両本体2の走行速度を減少させることができる。この場合、前記制動部4は、摩擦を具現するディスク(図示せず)を含むことができる。前記制動部4が油圧式ブレーキ又は機械式ブレーキによって具現されるので、本発明による農業用作業車両1は電子式制動部によって具現されたものと比較すると、製造コストを著しく低めることができる。前記制動部4は、前記左右車輪23の減速をそれぞれ制御することができる。この場合、前記制動部4は、前記車両本体2の左側に配置された車輪及び前記車両本体2の右側に配置された車輪のそれぞれに対して摩擦を用いて減速を制御することができる。
【0021】
図1図4を参照すると、前記操作部5は前記車両本体2に備えられたものである。前記操作部5は前記運転席22に配置され、作業者によって操作され得る。前記操作部5が操作されると、前記操作部5は操作信号を生成した後、前記操作信号を前記制御部6に提供することができる。前記制御部6は前記操作信号を用いて前記変速機3及び前記制動部4を制御することができる。前記操作部5は、有線通信、無線通信などを介して操作信号を前記制御部6に提供することができる。
【0022】
前記操作部5は、シャトルレバー51と、制動ペダル部52と、を含むことができる。
【0023】
前記シャトルレバー51は前後進変速に対する制御のためのものである。前記シャトルレバー51は前記前後進クラッチ311に対する前後進信号を生成することができる。前記シャトルレバー51は前記前後進信号を前記制御部6に提供することができる。前記制御部6は前記前後進信号を用いて前記前後進クラッチ311を制御することができる。前記シャトルレバー51は前記車両本体2を前進又は後進させるための前後進操作状態になることができる。この場合、前記シャトルレバー51は前記前後進信号を生成して前記制御部6に提供することができる。前記シャトルレバー51は前記車両本体2を前進又は後進させないための中立操作状態になることができる。この場合、前記シャトルレバー51は中立信号を生成して前記制御部6に提供することができる。前記制御部6は前記中立信号を用いて前記前後進クラッチ311を制御することができる。前記シャトルレバー51は作業者の操作によって前記前後進操作状態又は前記中立操作状態になることができる。
【0024】
前記制動ペダル部52は減速に対する制御のためのものである。前記制動ペダル部52は前記制動部4に対する制動信号を生成することができる。前記制動ペダル部52は前記制動信号を前記制御部6に提供することができる。前記制御部6は前記制動信号を用いて前記制動部4を制御することができる。前記制動ペダル部52は前記車両本体2の走行速度を減速させる制動状態になることができる。この場合、前記制動ペダル部52は前記制動信号を生成して前記制御部6に提供することができる。前記制動ペダル部52は前記車両本体2の走行速度を減速させない未制動状態になることができる。この場合、前記制動ペダル部52は未制動信号を生成して前記制御部6に提供することができる。前記制御部6は前記未制動信号を用いて前記制動部4を制御することができる。前記制動ペダル部52は作業者の操作によって前記制動状態又は前記未制動状態になることができる。前記制動ペダル部52は作業者の足によって操作され得る。
【0025】
前記制動ペダル部52は前記車両本体2に回転可能に結合され得る。前記制動ペダル部52は最低回転角度と最大回転角度との間に回転することができる。前記制動ペダル部52が前記最低回転角度に相当する位置に配置されると、前記制動ペダル部52は前記未制動状態になることができる。前記制動ペダル部52が前記最大回転角度に相当する位置に配置されると、前記制動ペダル部52は前記制動状態になることができる。前記制動ペダル部52の回転角度によって、前記制動部4が前記車両本体2の走行速度を減速させる制動率を調節することができる。この場合、前記制動ペダル部52の回転角度によって前記制動部4による摩擦力を調節することで、前記制動率を調節することができる。前記制動ペダル部52の回転角度は前記最低回転角度を基準とするものである。前記制動ペダル部52の回転角度が増加するほど、前記制動率が増加することができる。この場合、前記制動部4による摩擦力が増加することによって前記制動率が増加することができる。前記制動ペダル部52の回転角度が減少するほど、前記制動部4による制動率が減少することができる。この場合、前記制動部4による摩擦力が減少することによって前記制動率が減少することができる。前記制動ペダル部52は作業者によって作用する踏力によって回転することができる。
【0026】
前記制動ペダル部52は、複数のペダル521を含むことができる。前記ペダル521は前記左右車輪30の減速をそれぞれ制御することができる。例えば、前記車両本体2の左側に配置された車輪は左側ペダルによって減速制御され、前記車両本体2の右側に配置された車輪は右側ペダルによって減速制御され得る。前記ペダル521が互いに締結されない場合、前記ペダル521は個別に前記最低回転角度と前記最大回転角度との間に回転することができる。前記ペダル521が互いに締結された場合、前記ペダル521は一緒に前記最低回転角度と前記最大回転角度との間に回転することができる。前記ペダル521が互いに締結された場合、前記制動ペダル部52は締結信号を生成し、生成した締結信号を前記制御部6に提供することができる。前記ペダル521が互いに締結された場合、前記ペダル521は互いに同じ回転角度に回転することができる。前記ペダル521は、磁力、リンク(Link)などを用いて互いに締結されるか又は締結解除されるように具現され得る。
【0027】
図1図4を参照すると、前記制御部6は前記変速機3及び前記制動部4を制御するものである。前記制御部6は前記操作部5から提供された操作信号を用いて前記変速機3と前記制動部4を制御することができる。前記制御部6は前記車両本体2に結合され得る。前記制御部6は、有線通信、無線通信などを介して制御信号を前記変速機3及び前記制動部4に提供することで、前記変速機3及び前記制動部4を制御することができる。
【0028】
前記制御部6は、連動モジュール61を含むことができる。
【0029】
前記連動モジュール61は、連動モードに転換した場合、前記制動ペダル部52に対する操作に連動して前記制動部4及び前記前後進クラッチ311の両者を制御するものである。前記連動モードの状態で、前記連動モジュール61は、前記制動ペダル部52に対する操作によって前記制動部4が前記車両本体2の走行速度を減速させる制動率及び前記前後進クラッチ311が動力を伝達する動力伝達率を一緒に調節するように前記制動部4及び前記前後進クラッチ311を制御することができる。これにより、本発明による農業用作業車両1は次のような作用効果を図ることができる。
【0030】
第一、本発明による農業用作業車両1は、前記連動モジュール61を用いて前記シャトルレバー51に対する別途の操作なしに前記制動ペダル部52に対する操作のみで前記制動部4及び前記前後進クラッチ311の両者を制御するように具現される。これにより、本発明による農業用作業車両1は、前記シャトルレバー51に対する別途の操作なしに前記制動ペダル部52に対する操作のみで前記制動率及び前記動力伝達率を調節することで、前記車両本体2の走行速度を調節することができる。よって、本発明による農業用作業車両1は、作業の特性上、前進及び後進を変更する前後進変速を頻繁に行っても、作業過程での操作によって作業者に加わる疲労感を軽減させることができ、運転難易度を低めることができる。
【0031】
第二、本発明による農業用作業車両1は、前記制動部4が電子式制動部ではない油圧式ブレーキ又は機械式ブレーキによって具現されても、前記連動モジュール61を用いて前記シャトルレバー51に対する別途の操作なしに前記制動ペダル部52に対する操作のみで前記制動部4及び前記前後進クラッチ311の両者を制御するように具現される。よって、本発明による農業用作業車両1は、電子式制動部によって具現されたものと比較すると、製造コストを著しく低めることができながらも、作業者に対する操作の便宜性及び容易性を向上させることができる。
【0032】
前記連動モードの状態で、前記連動モジュール61は、前記制動ペダル部52に対する操作によって前記制動部4の作動を制御する制動部駆動機構及び前記前後進クラッチ311の作動を制御する前後進駆動機構の両者を制御することで、前記制動率及び前記動力伝達率を一緒に調節することができる。前記制動部駆動機構は作動流体による油圧又は電気などによって作動して前記制動部4の作動を制御することができる。前記前後進駆動機構は作動流体による油圧又は電気などによって作動して前記前後進クラッチ311の作動を制御することができる。一方、前記連動モードの状態で、前記制動ペダル部52のペダル521は互いに締結された状態であり得る。よって、前記ペダル521は互いに同じ回転角度に回転することができる。以下で、前記連動モードの状態で前記制動ペダル部52の回転角度という記載は、前記ペダル521が互いに締結された状態での回転角度を意味し得る。
【0033】
一方、前記連動モードを解除させる解除モードに転換した場合、前記制御部6は、前記シャトルレバー51が操作された場合に前記前後進クラッチ311を制御し、前記制動ペダル部52が操作された場合に前記制動部4を制御することができる。すなわち、前記解除モードの状態で、前記制動ペダル部52に対する操作によって前記前後進クラッチ311が連動して制御されない。この場合、前記制御部6は、制御モジュール60を含むことができる。前記制御モジュール60は前記前後進クラッチ311及び前記制動部4を個別に制御するものである。前記制動ペダル部52に対する操作有無に関係なく、前記シャトルレバー51から前後進信号及び中立信号のうちでいずれが提供されるかによって、前記制御モジュール60は前記前後進クラッチ311を制御することができる。この場合、前記制御モジュール60は前記前後進駆動機構を制御することで、前記前後進クラッチ311を制御することができる。前記シャトルレバー51に対する操作有無に関係なく、前記制動ペダル部52から制動信号及び未制動信号のうちでいずれが提供されるかによって、前記制御モジュール60は前記制動部4を制御することができる。この場合、前記制御モジュール60は前記制動部駆動機構を制御することで、前記制動部4を制御することができる。
【0034】
前記連動モジュール61は、前記連動モードの状態で、前記制動ペダル部52の回転角度が増加するほど前記制動率が増加するとともに前記動力伝達率が減少するように、前記制動部4及び前記前後進クラッチ311を制御することができる。これにより、作業者が前記シャトルレバー51に対する操作なしに前記制動ペダル部52を踏む踏力を増加させる操作のみで、本発明による農業用作業車両1は前記制動率の増加及び前記動力伝達率の減少によって減速することができる。この場合、前記連動モジュール61は、前記制動部4が有するディスクの間に作用する摩擦力が増大するように前記制動部4を制御して前記制動率を増加させ、前記前後進クラッチ311が有する摩擦部材の間に作用する摩擦力が減少するように前記前後進クラッチ311を制御して前記動力伝達率を減少させることができる。一方、前記連動モードの状態で、前記制動率の増加は前記左右車輪23のそれぞれに対する制動率の増加を意味し得る。
【0035】
前記連動モジュール61は、前記連動モードの状態で、前記制動ペダル部52の回転角度が減少するほど前記制動率が減少するとともに前記動力伝達率が増加するように前記制動部4及び前記前後進クラッチ311を制御することができる。これにより、作業者が前記シャトルレバー51に対する操作なしに前記制動ペダル部52を踏む踏力を減少させる操作のみで、本発明による農業用作業車両1は、前記制動率の減少及び前記動力伝達率の増加によって走行速度の維持又は走行速度の加速を行うことができる。この場合、前記連動モジュール61は、前記制動部4が有するディスクの間に作用する摩擦力が減少するように前記制動部4を制御して前記制動率を減少させ、前記前後進クラッチ311が有する摩擦部材の間に作用する摩擦力が増加するように前記前後進クラッチ311を制御して前記動力伝達率を増加させることができる。一方、前記連動モードの状態で、前記制動率の減少は前記左右車輪23のそれぞれに対する制動率の減少を意味し得る。
【0036】
前記連動モジュール61は、前記連動モードの状態で、前記制動ペダル部52の回転角度が増加する方向に変化する場合、前記制動率が増加するほど前記動力伝達率が減少する制動プロファイルBP(図3に図示)によって前記制動率及び前記動力伝達率を調節するように前記制動部4及び前記前後進クラッチ311を制御することができる。すなわち、前記連動モードの状態で、作業者が前記制動ペダル部52を踏む力を増加させると、前記連動モジュール61は前記制動プロファイルBPによって前記制動率及び前記動力伝達率を調節することができる。この場合、前記連動モジュール61は、前記連動モードの状態で、前記制動ペダル部52の回転角度が増加するほど前記動力伝達率が減少する前記制動プロファイルBPによって前記動力伝達率を調節するように前記前後進クラッチ311を制御することができる。
【0037】
前記連動モジュール61は、前記連動モードの状態で、前記制動ペダル部52の回転角度が減少する方向に変化する場合、前記制動率が減少するほど前記動力伝達率が増加する解除プロファイルRP(図4に図示)によって前記制動率及び前記動力伝達率を調節するように前記制動部4及び前記前後進クラッチ311を制御することができる。すなわち、前記連動モードの状態で、作業者が前記制動ペダル部52を踏む力を減少させると、前記連動モジュール61は前記解除プロファイルRPによって前記制動率及び前記動力伝達率を調節することができる。この場合、前記連動モジュール61は、前記連動モードの状態で、前記制動ペダル部52の回転角度が減少するほど前記動力伝達率が増加する前記解除プロファイルRPによって前記動力伝達率を調節するように前記前後進クラッチ311を制御することができる。
【0038】
このように、本発明による農業用作業車両1は、前記連動モードの状態で、前記制動ペダル部52の回転方向によって前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPを区別して前記制動率及び前記動力伝達率を調節するように具現される。よって、本発明による農業用作業車両1は、前記連動モードの状態で、走行状態に対応するように前記制動率及び前記動力伝達率を調節することができるので、運転に対する容易性及び便宜性を向上させることができる。
【0039】
前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPは互いに異なるように具現され得る。例えば、図3を基準とすると、前記制動プロファイルBPは原点が配置された内側に向かって膨らんでいる曲線形に形成され得る。図4を基準とすると、前記解除プロファイルRPは外側に向かって膨らんでいる曲線形に形成され得る。よって、本発明による農業用作業車両1は、前記連動モードの状態で、走行状態によって前記制動率及び前記動力伝達率のそれぞれの変化が互いに異なるようになることができるので、運転に対する容易性及び便宜性を一層向上させることができる。
【0040】
ここで、前記制動ペダル部52の回転角度が所定の第1回転角度と前記第1回転角度よりも大きい第2回転角度との間に相当する変化区間CS(図3及び図4に図示)で変化する場合、前記制動プロファイルBPは、前記解除プロファイルRPよりも小さい動力伝達率を有するように具現され得る。また、前記制動ペダル部52の回転角度が前記変化区間CSで変化する場合、前記解除プロファイルRPは前記制動プロファイルBPよりも大きい動力伝達率を有するように具現され得る。例えば、前記変化区間CSで前記制動ペダル部52が第1回転角度A1(図3及び図4に図示)の場合、前記制動プロファイルBPの第1動力伝達率P1(図3及び図4に図示)は前記解除プロファイルRPの第2動力伝達率P2(図3及び図4に図示)よりも小さくなることができる。
【0041】
したがって、本発明による農業用作業車両1は、前記変化区間CSで、前記解除プロファイルRPよりも前記制動プロファイルBPが小さい動力伝達率を有するように具現されることにより、作業者が前記制動ペダル部52を踏む力を減少させる場合よりも作業者が前記制動ペダル部52を踏む力を増加させる場合に走行速度がより減速するように具現され得る。また、本発明による農業用作業車両1は、前記変化区間CSで、前記制動プロファイルBPよりも前記解除プロファイルRPが大きい動力伝達率を有するように具現されることにより、作業者が前記制動ペダル部52を踏む力を増加させる場合よりも作業者が前記制動ペダル部52を踏む力を減少させる場合に走行速度がより加速するように具現され得る。これにより、本発明による農業用作業車両1は運転に対する容易性及び便宜性を一層向上させるように具現される。
【0042】
一方、前記制動ペダル部52の回転角度が前記変化区間CSで変化する場合、前記制動ペダル部52の回転角度ごとに前記制動プロファイルBPは前記解除プロファイルRPよりも小さい動力伝達率を有するように具現され得る。また、前記制動ペダル部52の回転角度が前記変化区間CSで変化する場合、前記制動ペダル部52の回転角度ごとに前記解除プロファイルRPは前記制動プロファイルBPよりも大きい動力伝達率を有するように具現され得る。
【0043】
一方、前記第1回転角度及び前記第2回転角度は作業者によって予め設定することができる。前記第1回転角度は前記制動ペダル部52の最低回転角度よりも大きいが前記第2回転角度よりも小さく設定することができる。前記第2回転角度は前記第1回転角度よりも大きいが前記制動ペダル部52の最大回転角度よりも小さく設定することができる。例えば、前記制動ペダル部52の最低回転角度を0%と、前記制動ペダル部52の最大回転角度を100%と定義する場合、前記第1回転角度は前記最大回転角度の5%に相当し、前記第2回転角度は前記最大回転角度の90%に相当し得る。
【0044】
図2及び図3を参照すると、前記制動プロファイルBPは、前記制動ペダル部52の回転角度が前記最低回転角度よりも大きく前記第1回転角度よりも小さい制動進入区間BES(図3に図示)で変化する場合、前記制動ペダル部52の回転角度が前記変化区間CSで変化する場合に比べて、前記制動率の変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより大きく具現され得る。すなわち、前記制動プロファイルBPは、前記変化区間CSでよりも前記制動進入区間BESで前記動力伝達率がより速かに減少するように具現される。これにより、本発明による農業用作業車両1は、作業者が前記制動ペダル部52を踏み始める初期に前記前後進クラッチ311が有する摩擦部材の間の摩擦力がより速かに減少するように具現される。よって、本発明による農業用作業車両1は、前記制動部4を用いた制動によって前記前後進クラッチ311が損傷又は破損する危険を減少させることができる。一方、前記制動ペダル部52の回転角度が前記制動進入区間BESで変化する場合、前記制動プロファイルBPは前記変化区間CSで変化する場合よりも前記制動ペダル部52の回転角度変化量に対する前記動力伝達率の変化量が大きく具現され得る。
【0045】
前記制動プロファイルBPは、前記制動ペダル部52の回転角度が前記第2回転角度よりも大きく前記最大回転角度よりも小さい制動終了区間BCS(図3に図示)で変化する場合、前記制動ペダル部52の回転角度が前記変化区間CSで変化する場合に比べて、前記制動率の変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより小さく具現され得る。すなわち、前記制動プロファイルBPは、前記変化区間CSでよりも前記制動終了区間BCSで前記動力伝達率がより徐々に減少するように具現される。これにより、本発明による農業用作業車両1は、作業者が前記制動ペダル部52を完全に踏む直前に前記前後進クラッチ311が有する摩擦部材の間の摩擦力がより徐々に減少するように具現される。よって、本発明による農業用作業車両1は、前記制動部4を用いた制動によって発生する揺れ、振動などを減少させることができる。一方、前記制動ペダル部52の回転角度が前記制動終了区間BCSで変化する場合、前記制動プロファイルBPは、前記変化区間CSで変化する場合に比べて、前記制動ペダル部52の回転角度変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより小さく具現され得る。
【0046】
前記制動プロファイルBPは、前記制動ペダル部52の回転角度が前記制動終了区間BCS(図3に図示)で変化する場合、前記制動ペダル部52の回転角度が前記制動進入区間BESで変化する場合に比べて、前記制動率の変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより小さく具現され得る。すなわち、前記制動プロファイルBPは、前記制動進入区間BESでよりも前記制動終了区間BCSで前記動力伝達率がより徐々に減少するように具現される。これにより、本発明による農業用作業車両1は、作業者が前記制動ペダル部52を完全に踏む直前に前記前後進クラッチ311が有する摩擦部材の間の摩擦力がより徐々に減少するように具現される。よって、本発明による農業用作業車両1は、前記制動部4を用いた制動によって発生する揺れ、振動などを減少させることができる。一方、前記制動ペダル部52の回転角度が前記制動終了区間BCSで変化する場合、前記制動プロファイルBPは、前記制動進入区間BESで変化する場合に比べて、前記制動ペダル部52の回転角度変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより小さく具現され得る。
【0047】
図2及び図4を参照すると、前記解除プロファイルRPは、前記制動ペダル部52の回転角度が前記最大回転角度よりも小さく前記第2回転角度よりも大きい解除進入区間RES(図4に図示)で変化する場合、前記制動ペダル部52の回転角度が前記変化区間CSで変化する場合に比べて、前記制動率の変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより大きく具現され得る。すなわち、前記解除プロファイルRPは、前記変化区間CSでよりも前記解除進入区間RESで前記動力伝達率がより速かに増加するように具現される。これにより、本発明による農業用作業車両1は、作業者が前記制動ペダル部52を完全に踏んだ状態で前記制動ペダル部52を踏む力を減少させる初期に前記前後進クラッチ311が有する摩擦部材の間の摩擦力がより速かに増加するように具現される。よって、本発明による農業用作業車両1は、前記制動部4を用いた制動を解除させるとき、走行速度の増加に対する応答性を向上させることができる。また、本発明による農業用作業車両1は、作業者が前記制動ペダル部52を完全に踏んだ状態で前記制動ペダル部52を踏んだ力を減少させる初期に前記前後進クラッチ311が有する摩擦部材が完全に密着することを防止するように具現される。よって、本発明による農業用作業車両1は、前記制動部4を用いた制動を解除させる初期に前記エンジン21によって発生した動力が急激に伝達されることを防止することにより、前記エンジン21が停止する状況が発生することを防止することだけではなく、傾斜地などでの走行に対する安全性を向上させることができる。一方、前記制動ペダル部52の回転角度が前記解除進入区間RESで変化する場合、前記解除プロファイルRPは、前記変化区間CSで変化する場合に比べて、前記制動ペダル部52の回転角度変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより大きく具現され得る。
【0048】
前記解除プロファイルRPは、前記制動ペダル部52の回転角度が前記最低回転角度よりも大きく前記第1回転角度よりも小さい解除終了区間RCS(図4に図示)で変化する場合、前記制動ペダル部52の回転角度が前記変化区間CSで変化する場合に比べて、前記制動率の変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより小さく具現され得る。すなわち、前記解除プロファイルRPは、前記変化区間CSでよりも前記解除終了区間RCSで前記動力伝達率がより徐々に増加するように具現される。これにより、本発明による農業用作業車両1は、作業者が前記制動ペダル部52を踏まなくなる直前に前記前後進クラッチ311が有する摩擦部材の間の摩擦力がより徐々に増加するように具現される。よって、本発明による農業用作業車両1は、前記制動部4を用いた制動を完全に解除させるときに発生する揺れ、振動などを減少させることができる。一方、前記制動ペダル部52の回転角度が前記解除終了区間RCSで変化する場合、前記解除プロファイルRPは、前記変化区間CSで変化する場合に比べて、前記制動ペダル部52の回転角度変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより小さく具現され得る。
【0049】
前記解除プロファイルRPは、前記制動ペダル部52の回転角度が前記解除終了区間RCS(図4に図示)で変化する場合、前記制動ペダル部52の回転角度が前記解除進入区間RESで変化する場合に比べて、前記制動率の変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより小さく具現され得る。すなわち、前記解除プロファイルRPは、前記解除進入区間RESでよりも前記解除終了区間RCSで前記動力伝達率がより徐々に増加するように具現される。これにより、本発明による農業用作業車両1は、作業者が前記制動ペダル部52を踏まなくなる直前に前記前後進クラッチ311が有する摩擦部材の間の摩擦力がより徐々に増加するように具現される。よって、本発明による農業用作業車両1は、前記制動部4を用いた制動を完全に解除させるときに発生する揺れ、振動などを減少させることができる。一方、前記制動ペダル部52の回転角度が前記解除終了区間RCSで変化する場合、前記解除プロファイルRPは、前記解除進入区間RESで変化する場合に比べて、前記制動ペダル部52の回転角度変化量に対する前記動力伝達率の変化量がより小さく具現され得る。
【0050】
図2図5を参照すると、前記制御部6は、転換モジュール62を含むことができる。
【0051】
前記転換モジュール62は前記連動モードと前記解除モードとの間に転換するためのものである。前記転換モジュール62によって前記連動モードに転換すると、前記前後進クラッチ311及び前記制動部4を前記制動ペダル部52の操作によって連動するように制御することができる。この場合、前記前後進クラッチ311及び前記制動部4は前記連動モジュール61によって一緒に制御することができる。前記転換モジュール62によって前記解除モードに転換すると、前記前後進クラッチ311は前記シャトルレバー51の操作によって制御し、前記制動部4は前記制動ペダル部52の操作によって制御することができる。この場合、前記前後進クラッチ311及び前記制動部4は前記制御モジュール60によって個別に制御することができる。
【0052】
前記転換モジュール62は、前記シャトルレバー51が前記前後進信号を生成し、前記制動ペダル部52が前記ペダル521が互いに締結されることによる前記締結信号を生成し、前記操作部5が有する駐車操作機構53が前記車両本体2に対する駐車制動を解除させる駐車解除信号を生成したことが確認されると、前記連動モードに転換することができる。これにより、前記シャトルレバー51が前記中立信号を生成したことが確認された場合、前記転換モジュール62は前記連動モードに転換しないことができる。この場合、前記解除モードの状態であると、前記転換モジュール62は前記解除モードを維持することができる。また、前記駐車操作機構53が前記車両本体2を駐車制動させる駐車制動信号を生成したことが確認された場合、前記転換モジュール62は前記連動モードに転換しないことができる。この場合、前記解除モードの状態であると、前記転換モジュール62は前記解除モードを維持することができる。また、前記制動ペダル部52が前記ペダル521が互いに締結解除されることによる締結解除信号を生成したことが確認された場合、前記転換モジュール62は前記連動モードに転換しないことができる。この場合、前記解除モードの状態であると、前記転換モジュール62は前記解除モードを維持することができる。よって、本発明による農業用作業車両1は、前記転換モジュール62を用いて所定の条件が満たされた場合にのみ前記連動モードに転換するように具現されるので、作業者が意図しない状況で前記連動モードに転換することを防止して安全事故発生の危険を減らすことができる。前記転換モジュール62は、有線通信、無線通信などを介して前記操作部5から操作信号を受けることができる。前記転換モジュール62は、有線通信、無線通信などを介して前記制御モジュール60及び前記連動モジュール61のそれぞれに制御信号を提供することができる。
【0053】
一方、前記駐車操作機構53は駐車制動に対する制御のためのものである。前記駐車操作機構53は、駐車ブレーキ(図示せず)に対する駐車制動信号を生成することができる。前記駐車操作機構53は、前記駐車ブレーキに対する駐車解除信号を生成することができる。前記駐車操作機構53は、前記駐車制動信号及び前記駐車解除信号を前記制御部6に提供することができる。前記駐車操作機構53が駐車操作状態に操作されることによって前記駐車操作機構53から前記駐車制動信号が提供された場合、前記制御部6は、前記駐車ブレーキが前記車両本体2を駐車制動させるように前記駐車ブレーキを制御することができる。前記駐車操作機構53が駐車解除状態に操作されることによって前記駐車操作機構53から前記駐車解除信号が提供された場合、前記制御部6は、前記駐車ブレーキが前記車両本体2に対する駐車制動を解除させるように前記駐車ブレーキを制御することができる。
【0054】
前記転換モジュール62は、前記連動モードの状態で、前記シャトルレバー51が前記中立信号を生成したことが確認されると、前記解除モードに転換することができる。これにより、前記連動モードの状態で、前記シャトルレバー51が前記前後進信号を生成したことが確認された場合、前記転換モジュール62は前記連動モードを維持することができる。よって、本発明による農業用作業車両1は、前記転換モジュール62を用いて所定の条件が満たされた場合にのみ前記解除モードに転換するように具現されるので、作業者が意図しない状況で前記解除モードに転換することを防止して安全事故発生の危険を減らすことができる。一方、前記転換モジュール62は、前記連動モードの状態で、前記シャトルレバー51が前記中立信号を生成するとともに前記駐車操作機構53が前記駐車制動信号を生成したことが確認されると、前記解除モードに転換することもできる。
【0055】
前記転換モジュール62は、前記操作部5が有する転換操作機構54の操作によって前記連動モードと前記解除モードとの間に転換するかを判断するように具現されることもできる。前記転換操作機構54は前記連動モードと前記解除モードとの間の転換のために操作されるものである。前記転換操作機構54は前記運転席22に配置され、作業者によって操作され得る。前記転換操作機構54は、オン/オフ(On/Off)スイッチ、レバー、ペダルなどによって具現され得る。前記転換操作機構54を備えた場合、前記転換モジュール62は次のように前記連動モードと前記解除モードとの間に転換することができる。
【0056】
まず、前記転換操作機構54が前記連動モードに操作された場合、前記転換モジュール62は、前記シャトルレバー51が前記前後進信号を生成し、前記制動ペダル部52が前記締結信号を生成し、前記駐車操作機構53が前記駐車解除信号を生成したことが確認されると、前記連動モードに転換することができる。これにより、前記シャトルレバー51が前記前後進信号を生成し、前記制動ペダル部52が前記締結信号を生成し、前記駐車操作機構53が前記駐車解除信号を生成したことが確認されても、前記転換モジュール62は、前記転換操作機構54が前記連動モードに操作されない場合であると、前記解除モードを維持することができる。
【0057】
次に、前記連動モードの状態で、前記転換操作機構54が前記解除モードに操作された場合、前記転換モジュール62は、前記シャトルレバー51が前記中立信号を生成したことが確認されると、前記解除モードに転換することができる。これにより、前記連動モードの状態で前記シャトルレバー51が前記中立信号を生成したことが確認されても、前記転換モジュール62は、前記転換操作機構54が前記解除モードに操作されない場合であると、前記連動モードを維持することができる。一方、前記連動モードの状態で、前記転換操作機構54が前記解除モードに操作された場合、前記転換モジュール62は、前記シャトルレバー51が前記中立信号を生成するとともに前記駐車操作機構53が前記駐車制動信号を生成したことが確認されると、前記解除モードに転換することもできる。
【0058】
このように、本発明による農業用作業車両1は、前記転換操作機構54による操作がなされた状態で、前記転換モジュール62によって所定の条件が満たされたことが確認された場合にのみ、記転換モードと前記解除モードと間に転換するように具現され得る。よって、本発明による農業用作業車両1は、業者が意図しない状況で前記転換モードと前記解除モードと間に転換することを防止して安全事故発生の危険をより減らすことができる。
【0059】
図1図6を参照すると、本発明による農業用作業車両1は、転角度取得センサー7を含むことができる。
【0060】
前記回転角度取得センサー7は前記制動ペダル部52を感知して前記制動ペダル部52の回転角度を獲得するものである。前記回転角度取得センサー7は、獲得した前記制動ペダル部52の回転角度を前記制御部6に提供することができる。前記連動モードの場合、前記連動モジュール61は、前記回転角度取得センサー7が獲得した制動ペダル部52の回転角度を用いて前記制動部4及び前記前後進クラッチ311を制御することができる。前記解除モードの場合、前記制御モジュール60は、前記回転角度取得センサー7が獲得した制動ペダル部52の回転角度を用いて前記制動部4を制御することができる。前記回転角度取得センサー7は、ポテンショメーター(Potentiometer)などによって具現され得る。前記回転角度取得センサー7は、有線通信、無線通信などを介して前記制動ペダル部52の回転角度を前記制御部6に提供することができる。前記制動ペダル部52が前記ペダル521を含む場合、本発明による農業用作業車両1は、前記回転角度取得センサー7を複数含むことができる。前記回転角度取得センサー7は、前記ペダル521のそれぞれの回転角度を獲得することができる。
【0061】
図1図8を参照すると、本発明による農業用作業車両1は、センサー部8を含むことができる。
【0062】
前記センサー部8は前記前後進クラッチ311を作動させる作動環境を感知するものである。前記センサー部8は、前記前後進クラッチ311の作動環境を感知して感知情報を生成した後、生成した感知情報を前記制御部6に提供することができる。前記制御部6は、前記感知情報を用いて前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを補正することができる。
【0063】
この場合、前記センサー部8は、油圧センサー81を含むことができる。
【0064】
前記油圧センサー81は前記前後進クラッチ311に供給される作動流体の油圧を測定するものである。前記油圧センサー81は、有線通信、無線通信などを介して、測定した作動流体の油圧を前記制御部6に提供することができる。
【0065】
前記油圧センサー81を備えた場合、前記制御部6は、補正モジュール63を含むことができる。前記補正モジュール63は前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを補正するための補正値を生成するものである。前記連動モードの状態で、前記油圧センサー81が測定した作動流体の油圧が所定の基準値から外れた場合、前記補正モジュール63は、前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを補正するための補正値を生成することができる。前記基準値は前記制動ペダル部52の回転角度別に前記前後進クラッチ311に供給しなければならない作動流体の油圧範囲であり、作業者によって予め設定することができる。前記補正値は前記制動ペダル部52の回転角度別に前記基準値との差を補正するための作動流体の流量値であり、作業者によって予め設定することができる。
【0066】
このように、本発明による農業用作業車両1は、作動流体の漏洩、前記前後進クラッチ311に作動流体を供給するための油圧装置の老朽化などによって、前記前後進クラッチ311に供給される作動流体の流量が変更された場合にも、前記補正モジュール63が生成した補正値を用いて前記連動モードを安定的に運営することができるように具現され得る。
【0067】
例えば、前記制動ペダル部52の回転角度によって前記前後進クラッチ311に供給される作動流体の油圧が前記基準値よりも小さい場合、前記補正モジュール63は、前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを第1方向(D1矢印方向)に移動させる補正値を生成することができる。前記第1方向(D1矢印方向)は前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれに対する上側方向であり得る。これにより、前記連動モジュール61は、前記連動モードの状態で、前記補正値が反映される前よりも前記制動ペダル部52の回転角度によって前記前後進クラッチ311に供給される作動流体の流量が増加するように制御することができる。この場合、前記連動モジュール61は、前記補正値を反映して前記前後進クラッチ311を制御することができる。
【0068】
例えば、前記制動ペダル部52の回転角度によって前記前後進クラッチ311に供給される作動流体の油圧が前記基準値よりも大きい場合、前記補正モジュール63は、前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを第2方向(D2矢印方向)に移動させる補正値を生成することができる。前記第2方向(D2矢印方向)は前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれに対する下側方向であり得る。これにより、前記連動モジュール61は、前記連動モードの状態で、前記補正値が反映される前よりも前記制動ペダル部52の回転角度によって前記前後進クラッチ311に供給される作動流体の流量が減少するように制御することができる。この場合、前記連動モジュール61は、前記補正値を反映して前記前後進クラッチ311を制御することができる。
【0069】
一方、図7及び図8で、点線で表示した前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPが前記補正値が反映された後を示すものであり、実線で表示した前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPが前記補正値が反映される前を示すものである。この場合、前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPは前記上側方向及び前記下側方向に補正されるので、前記制動ペダル部52の回転角度変化量に対する前記動力伝達率の変化量のみが変化し、前記制動ペダル部52の回転角度変化量に対する前記制動率の変化量は変化なしに維持され得る。
【0070】
前記補正モジュール63は、有線通信、無線通信などを介して、生成した補正値を前記連動モジュール61に提供することができる。前記連動モジュール61は、前記補正モジュール63から補正値が提供されると、補正値によって前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPを更新することができる。その後、前記連動モジュール61は、前記連動モードの状態で、更新された制動プロファイルBP及び解除プロファイルRPによって前記前後進クラッチ311及び前記制動部4を制御することができる。
【0071】
前記センサー部8は、油温センサー82を含むことができる。
【0072】
前記油温センサー82は前記前後進クラッチ311に供給される作動流体の温度を測定するものである。前記油温センサー82は、有線通信、無線通信などを介して、測定した作動流体の油圧を前記制御部6に提供することができる。
【0073】
前記連動モードの状態で、前記油温センサー82が測定した作動流体の温度が所定の基準温度値から外れた場合、前記補正モジュール63は、前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを補正するための補正値を生成することができる。前記基準温度値は前記前後進クラッチ311に供給しなければならない作動流体の温度範囲であり、作業者によって予め設定することができる。前記補正値は前記油温センサー82が測定した作動流体の温度と前記基準温度値との差を補正するための作動流体の流量値であり、作業者によって予め設定することができる。
【0074】
このように、本発明による農業用作業車両1は、前記前後進クラッチ311に供給される作動流体の温度が変更された場合にも、前記補正モジュール63が生成した補正値を用いて前記連動モードを安定的に運営することができるように具現され得る。
【0075】
例えば、前記油温センサー82が測定した作動流体の温度が前記基準温度値よりも低い場合、前記補正モジュール63は、前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを前記第1方向(D1矢印方向)に移動させる補正値を生成することができる。これにより、前記連動モジュール61は、前記連動モードの状態で、前記補正値が反映される前よりも前記制動ペダル部52の回転角度によって前記前後進クラッチ311に供給される作動流体の流量が増加するように制御することができる。この場合、前記連動モジュール61は、前記補正値を反映して前記前後進クラッチ311を制御することができる。
【0076】
例えば、前記油温センサー82が測定した作動流体の温度が前記基準温度値よりも高い場合、前記補正モジュール63は、前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを前記第2方向(D2矢印方向)に移動させる補正値を生成することができる。これにより、前記連動モジュール61は、前記連動モードの状態で、前記補正値が反映される前よりも前記制動ペダル部52の回転角度によって前記前後進クラッチ311に供給される作動流体の流量が減少するように制御することができる。この場合、前記連動モジュール61は、前記補正値を反映して前記前後進クラッチ311を制御することができる。
【0077】
図1図8を参照すると、前記補正モジュール63は、前記変速機3の変速段数によって前記動力伝達率が増減するように、前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを補正することができる。前記連動モードに転換する時点に前記変速段数が低いほど、前記補正モジュール63は、前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを前記第1方向(D1矢印方向)に移動させることができる。前記連動モードに転換する時点に前記変速段数が高いほど、前記補正モジュール63は、前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを前記第2方向(D2矢印方向)に移動させることができる。このように、本発明による農業用作業車両1は、前記変速段数によって前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを補正して前記動力伝達率が増減するように具現されることにより、前記連動モードの運営に対する安定性を向上させることができる。
【0078】
一方、前記補正モジュール63は、前記変速機3が有する前記副変速部の変速段数によって前記動力伝達率が増減するように前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを補正することもできる。また、前記連動モードの状態で、前記変速段数が変更された場合、前記補正モジュール63は、変更された変速段数によって前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPのそれぞれを補正することもできる。この場合、前記連動モジュール61は、前記補正モジュール63から提供された補正値によって前記制動プロファイルBP及び前記解除プロファイルRPを更新し、更新された制動プロファイルBP及び解除プロファイルRPによって前記前後進クラッチ311及び前記制動部4を制御することができる。
【0079】
以上で説明した本発明は前述した実施例及び添付図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内でさまざまな置換、変形及び変更が可能であるというのは本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】