(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】工具
(51)【国際特許分類】
B23B 5/12 20060101AFI20240719BHJP
B23B 27/02 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B23B5/12
B23B27/02 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503367
(86)(22)【出願日】2022-07-18
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 EP2022070080
(87)【国際公開番号】W WO2023001771
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】102021207764.1
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597099025
【氏名又は名称】マパル ファブリック フュール プラツィジョンズベルクゼウグ ドクトル.クレス カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェイル,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】スチャノー,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】チャプカ,マルティン
【テーマコード(参考)】
3C045
3C046
【Fターム(参考)】
3C045BA33
3C045DA06
3C046AA08
(57)【要約】
本発明は、ワークの外周面を加工するための工具(1)に関し、工具(1)は、工具(1)を相手側インターフェースに固定するように構成されたインターフェース(3)と、少なくとも部分的にシリンダ状である基体(5)と、を備え、基体(5)は、取付けスペース(9)を包囲する周壁(7)を有し、ワークを取付けスペース(9)に少なくとも部分的に収容できるように、前面が開口するように構成され、取付けスペース(9)に係合する少なくとも1つの切れ刃(13)は、ワークの外周面を加工するために基体(5)に配置され、周壁(7)は、少なくとも1つの切り屑通過凹部(17)を有し、切り屑通過凹部(17)は、ワークの加工中に少なくとも1つの切れ刃(13)によって除去された切り屑が、少なくとも1つの切り屑通過凹部(17)を通って取付けスペース(9)から基体(5)の外側周辺領域(19)に出ることができるように、少なくとも1つの切れ刃(13)に対して配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの外周面を加工するための工具(1)であって、
前記工具(1)を相手側インターフェースに固定するように構成されたインターフェース(3)と、
少なくとも部分的にシリンダ状である基体(5)と、を備え、
前記基体(5)は、取付けスペース(9)を包囲する周壁(7)を有し、前記ワークを前記取付けスペース(9)に少なくとも部分的に収容できるように、前面が開口するように構成され、
前記取付けスペース(9)に係合する少なくとも1つの切れ刃(13)は、前記ワークの前記外周面を加工するために前記基体(5)に配置され、
前記周壁(7)は、少なくとも1つの切り屑通過凹部(17)を有し、前記切り屑通過凹部(17)は、前記ワークの加工中に前記少なくとも1つの切れ刃(13)によって除去された切り屑が、前記少なくとも1つの切り屑通過凹部(17)を通って前記取付けスペース(9)から前記基体(5)の外側周辺領域(19)に出ることができるように、前記少なくとも1つの切れ刃(13)に対して配置されている、工具(1)。
【請求項2】
前記工具(1)が、前記少なくとも1つの切れ刃(13)として複数の切れ刃(13)を備え、前記周壁(7)が複数の切り屑通過凹部(17)を備え、前記複数の切れ刃(13)のうちの少なくとも1つの切れ刃(13)が、前記複数の切り屑通過凹部(17)の各切り屑通過凹部(17)に対し、割り当てられた切れ刃(13)によって除去された切り屑が、割り当てられた切り屑通過凹部(17)を通って前記取付けスペース(9)から前記外側周辺領域(19)に出ることができるように割り当てられている、請求項1に記載の工具(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの切り屑通過凹部(17)が、閉じた凹部の周方向線に沿って閉鎖されるように構成されている、請求項1または2に記載の工具(1)。
【請求項4】
前記周壁(7)が、少なくとも1つの追加凹部(31)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の工具(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの追加凹部(31)が、
前記周壁(7)を通って延びている、または
少なくとも片側で閉鎖されるように構成されている、請求項4に記載の工具(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの切れ刃(13)が、少なくとも170mm~最大300mm、好ましくは少なくとも180mm~最大280mm、好ましくは少なくとも190mm~最大270mm、好ましくは少なくとも200mm~最大260mmの直径を有する軌道円上に配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の工具(1)。
【請求項7】
前記取付けスペース(9)が、開口側端面(21)から反対側のベース面(23)までの長さを有し、前記長さが、前記軌道円に、少なくとも0.8~最大3.5、好ましくは少なくとも2~最大3、好ましくは少なくとも1.5~最大2.5の係数を乗じたものに相当する、請求項6に記載の工具(1)。
【請求項8】
前記工具(1)が、前記少なくとも1つの切れ刃(13)として、少なくとも1つの第1切れ刃(13.1)と少なくとも1つの第2切れ刃(13.2)とを備え、前記少なくとも1つの第1切れ刃(13.1)が、前記少なくとも1つの第2切れ刃(13.2)に対して、前記基体(5)の軸方向にオフセットして配置され、さらに、前記少なくとも1つの第1切れ刃(13.1)に、前記少なくとも1つの第2切れ刃(13.2)に割り当てられた第2軌道円とは異なる第1軌道円が割り当てられている、請求項1から7のいずれか一項に記載の工具(1)。
【請求項9】
前記基体(5)および前記インターフェース(3)が、複数部品の形態で構成され、互いに接続されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の工具(1)。
【請求項10】
前記基体(5)が第1の材料を含み、前記インターフェース(3)が第2の材料を含み、好ましくは、前記第1の材料が前記第2の材料よりも低い密度を有し、特に前記第1の材料が軽金属、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、前記第2の材料が鋼鉄である、請求項1から9のいずれか一項に記載の工具(1)。
【請求項11】
少なくとも1つの前切れ刃(25)を備える切削リング(27)が、前記基体(5)の開口側端面に配置され、前記切削リング(27)が、好ましくは前記基体(5)と共に複数部品の形態で構成され、前記基体(5)に接続され、好ましくは、前記切削リング(27)が、前記基体(5)の前記第1の材料よりも高い密度を有する第3の材料を含み、さらに好ましくは、前記第3の材料が鋼鉄である、請求項10に記載の工具(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの切れ刃(13)が、
前記周壁(7)と一体的に構成されている、または
前記周壁(7)に材料接続で接続されている、または
前記周壁(7)に形状接続および/または摩擦接続で取り付けられている、または
前記周壁(7)に調整可能に配置されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の工具(1)。
【請求項13】
前記取付けスペース(9)に係合する少なくとも1つのガイドバー(33)が、前記基体(5)に配置されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の工具(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの切り屑通過凹部(17)を含む前記周壁(7)が、複数の凹部(32)を備え、前記複数の凹部(32)の各凹部(32)が、切り屑通過凹部(17)と追加凹部(31)とからなる群から選択され、好ましくは、前記複数の凹部(32)は、前記ワークの加工中に発生する荷重経路の領域において前記周壁(7)の材料が凹まないように配置されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の工具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの外周面を加工するための工具に関する。
【背景技術】
【0002】
特に170mmを超える大きな外径を有するワークで、同時に特に外径の少なくとも0.8倍の大きな突出長さを有するものは、一般的に、特にターンミルセンタでの旋削加工によって加工される。このことは、特に異なる加工ステーションの使用や、特に一方では内面加工、他方では外面加工に必要とされる異なる工具の再クランプに関して多くの時間および費用を要するため、複雑な部品、特に電動モータのステータハウジングの製造に対する全体的な製造戦略に関して特に不利である。特に、このようなワークの内径は、一般的にマシニングセンタの回転工具を用いて加工することができ、これにより、迅速かつ特に自動化された再クランプが可能である。したがって、このようなワークの外径、すなわち外周面も、マシニングセンタの回転工具を用いて加工できることが望ましい。しかしながら、現在、マシニングセンタでの外周面の加工は、インターフェースから半径方向に突出したアームに切れ刃を備えた、いわゆるブリッジ工具を用いてのみ可能であり、幾何学的および安定性の理由から、比較的小さな突出長さおよび/または外径のみを加工することができる。ここで概説する課題は、特に大きな突出長さを持つ、相応に大きな外径の微細加工(IT7品質)に対して特に生じる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、上述した不利な点を少なくとも低減する、好ましくは回避する、ワークの外周面を加工するための工具を提供するという課題に基づいている。
【0004】
本課題は、提示する技術的教示、特に、独立請求項の教示ならびに従属請求項および本明細書に開示される実施形態を提供することにより解決される。
【0005】
特に、本課題は、ワークの外周面を加工するための工具を提供することによって解決され、これは、前記工具を相手側インターフェースに取り付けるように構成されたインターフェースを備える。工具はまた、少なくとも部分的にシリンダ状の基体を有する。前記基体は、取付けスペースを備える周壁を有し、前記ワークを前記取付けスペースに少なくとも部分的に収容できるように、前端が開口するように構成されている。前記ワークの前記外周面を加工するための前記取付けスペースに係合する少なくとも1つの切れ刃は、前記基体に配置されている。前記周壁は、少なくとも1つの切り屑通過凹部を有し、前記切り屑通過凹部は、前記ワークの加工中に前記少なくとも1つの切れ刃によって除去された切り屑が、前記少なくとも1つの切り屑通過凹部を通って前記取付けスペースから前記基体の外側周辺領域に出ることができるように、前記少なくとも1つの切れ刃に対して配置されている。少なくとも部分的にシリンダ状である基体は、工具に高度な安定性を与えるので、突出長さが大きくても大きな外径を高品質で加工することができ、特に微細な加工(少なくともIT7品質以上)も可能である。加工中、加工されるワークは、前端が開口した取付けスペースに保持することができ、工具は少なくとも特定の領域において周壁でワークを把持する。このように、工具は、特に管状または釣鐘状の工具として構成され、本質的に高い安定性を提供する。ワークの外周面、すなわち外径は、少なくとも1つの切れ刃が取付けスペースに係合した状態で、すなわち特に半径方向に取付けスペースに突出した状態で、加工することができる。加工中に生じる切り屑は、切れ刃に対応する切り屑通過凹部を通って半径方向外側に出ることができるので、ワークの外周面と工具の周壁との間に配置された、特に捕捉された切り屑による、ワーク表面、特にワークの外周面の損傷が効果的に防止される。このことは、工具の高い安定性と共に、非常に高い加工品質を保証する。さらに、切り屑通過凹部は、工具の重量を有利に軽減し、これは、突出長さが大きい場合の加工精度に良い影響を与える。最後に、インターフェースにより、工具を相手側インターフェースに、特に好ましくはマシニングセンタの特に機械主軸に有利に接続することが可能になり、特に、工具もしくはワークのいずれかを工具の仮想の長手方向軸を中心に回転させる、または工具およびワークの両方を工具の長手方向軸を中心に相対的に回転させるように、ワークの回転加工を行うことが可能になる。これにより、有利には、ワークの少なくとも必須の加工ステップ、特に内面加工および外面加工の両方を、同じ加工ステーション、特にマシニングセンタで実行することができ、これは、ワークの加工に関連する時間およびコストを大幅に削減する。特に、セットアップおよび再クランプの時間が大幅に短縮される。
【0006】
特に、ここで提案する工具は、単一の機械、特にマシニングセンタで、電動モータ用のポット形状のステータハウジングを完全に加工することを可能にする。ポット形状のステータハウジングの内径、すなわち内周面と、外径、すなわち外周面との両方を、同じ機械、特にマシニングセンタで加工することができる。
【0007】
工具の好ましい実施形態では、インターフェースは、中空シャンクテーパインターフェース、スティープテーパインターフェース、モールステーパインターフェースとして、または別の適切な方法で構成される。
【0008】
本技術的教示の文脈において、軸方向または長手方向とは、特に、最も長い延長部に沿って、好ましくはシリンダ状に対称、特に回転対称の工具の、好ましくは対称軸もしくは回転軸に沿って延びる方向として理解される。半径方向は、軸方向に直交する。周方向は、軸方向を同心円状に取り囲む。
【0009】
好ましい実施形態では、工具は、正確に1つの切れ刃を備える。別の好ましい実施形態では、工具は複数の切れ刃を備える。
【0010】
好ましい実施形態では、工具は、正確に1つの切り屑通過凹部を備える。別の好ましい実施形態では、工具は複数の切り屑通過凹部を備える。
【0011】
工具の好ましい実施形態では、基体は、円形のシリンダ状または回転対称になるように構成される。
【0012】
工具の好ましい実施形態では、基体は管状に構成される。
【0013】
工具の好ましい実施形態では、少なくとも1つの切れ刃は基体の周壁に配置される。
【0014】
特に、少なくとも1つの切れ刃は、幾何学的に画定された、または幾何学的に決定された切削縁を有する。
【0015】
工具の好ましい実施形態では、少なくとも1つの切れ刃は、少なくとも1つの幾何学的に画定された、または幾何学的に決定された切削縁を備えるカッタプレート、切削インサートまたは刃先交換インサートとして構成される。
【0016】
特に、少なくとも1つの切れ刃は、ワークが少なくとも部分的に取付けスペースに収容されたときに、ワークの外周面と加工係合する。
【0017】
本発明のさらなる発展によれば、前記工具が、前記少なくとも1つの切れ刃として複数の切れ刃を備え、前記周壁が複数の切り屑通過凹部を備え、前記複数の切れ刃のうちの少なくとも1つの切れ刃が、前記複数の切り屑通過凹部の各切り屑通過凹部に対し、割り当てられた切れ刃によって除去された切り屑が、割り当てられた切り屑通過凹部を通って前記取付けスペースから前記外側周辺領域に出ることができるように割り当てられていることが提供される。複数の切り屑通過凹部の各切り屑通過凹部に、複数の切れ刃のうちの正確に1つの切れ刃を割り当てることが可能である。しかしながら、複数の切れ刃、特に少なくとも2つの切れ刃を、複数の切り屑通過凹部のうちの少なくとも1つの切り屑通過凹部に割り当てることも可能である。しかしながら、好ましくは、複数の切れ刃の各切れ刃に、1つ、特に正確に1つの切り屑通過凹部が割り当てられ、これにより、複数の切れ刃の各切れ刃について、それぞれの切れ刃によって除去された切り屑が、割り当てられた切り屑通過凹部を通って、半径方向に外側周辺領域に出ることができる。工具が複数の切り屑通過凹部を備える場合、これによって工具の重量も有利に軽減され、軽量構造の概念も考慮される。
【0018】
本発明のさらなる発展によれば、前記少なくとも1つの切り屑通過凹部が、閉じた凹部の周方向線に沿って閉鎖されるように構成されていることが提供される。凹部の周方向線は、工具の軸方向に直交する半径ベクトル周りに延び、切り屑通過凹部を貫通している。したがって、凹部の周方向線は、切り屑通過凹部の周囲を包囲する線であって、工具の周囲を包囲する線ではない。したがって、ここでいう「周囲」とは、切り屑通過凹部の周囲を指しており、工具の周囲を指すものではない。この場合、少なくとも1つの切り屑通過凹部は、特に周壁の窓として構成されている。特に、切り屑通過凹部は、周壁の材料によって、および/または別の工具部品、例えば前面の切削リングの材料によって、特に完全に囲まれている。このようにして、特に基体の、ひいては工具全体の安定性も高くなる。
【0019】
本発明のさらなる発展によれば、前記周壁が、少なくとも1つの追加凹部を有することが提供される。少なくとも1つの追加凹部は、工具のさらなる軽量化に有利に寄与し、その結果、工具を特に軽量に構成することができる。これにより、特に軽量構造の概念が考慮される。
【0020】
特に、切り屑通過凹部とは対照的に、追加凹部には切れ刃が割り当てられていない。したがって、追加凹部には特に切れ刃がない。特に、追加凹部は切り屑の通過には使用されない。
【0021】
本発明のさらなる発展によれば、前記少なくとも1つの追加凹部が、前記周壁を通って延びていることが提供される。特に、取付けスペースは、追加凹部の領域において外側周辺領域に開口している。この設計は、工具の大幅な軽量化をもたらす。
【0022】
代替的に、少なくとも1つの追加凹部は、半径方向に、少なくとも片側が閉鎖されていることが好ましい。追加凹部は、好ましくは、取付けスペースに向かって、または工具の外側周辺領域に向かって、または両側が閉鎖されている。両側が閉鎖された追加凹部は、特に、ジェネレーティブ製造プロセスまたはアディティブ製造プロセスによって製造することができる。
【0023】
一実施形態では、周壁は追加凹部の領域において薄肉化されている、すなわち、その肉厚が減少する。しかしながら、周壁は、追加凹部の領域においても依然として有限の肉厚を有する。特に、追加凹部は周壁のポケットとして構成される。したがって、特に、追加凹部は、追加凹部の容積を取付けスペースまたは外側周辺領域から分離する底部を有する。取付けスペースに向かって閉鎖された少なくとも1つの追加凹部もまた、工具の大幅な軽量化につながり、同時に、工具は、追加凹部が周壁を通って延びる場合よりも著しく大きな安定性を有する。
【0024】
工具の好ましい実施形態では、周壁は、周壁を通って延びる少なくとも1つの追加凹部と、少なくとも片側が閉鎖された少なくとも1つの追加凹部とを有する。したがって、追加凹部の様々な実施形態は、特に工具の軽量化および安定性の向上を同時に行うために、互いに有利に組み合わせることもできる。
【0025】
本発明のさらなる発展によれば、前記少なくとも1つの切れ刃が、少なくとも170mm~最大300mm、好ましくは少なくとも180mm~最大280mm、好ましくは少なくとも190mm~最大270mm、好ましくは少なくとも200mm~最大260mmの直径を有する軌道円上に配置されていることが提供される。したがって、工具は、有利には、特に大きな外径を有するワークを加工するように構成されている。
【0026】
本発明のさらなる発展によれば、前記取付けスペースが、開口側端面から軸方向において開口側端面の反対側のベース面までの長さを有し、前記長さが、前記軌道円に、少なくとも0.8~最大3.5、好ましくは少なくとも2~最大3、好ましくは少なくとも1.5~最大2.5の係数を乗じたものに相当することが提供される。したがって、工具は、特に大きな突出長さを有するワークを加工するように構成されている。特に、開口側端面は、軸方向においてインターフェースの反対側に配置される。取付けスペースは端面の領域で開口しており、ワークを開口側端面から取付けスペース内に挿入できるようになっている。特に、開口側端面は、ワークを取付けスペースに挿入することができる取付けスペースの開口を取り囲んでいる。ベース面は、インターフェース側の長手方向に配置されている。好ましくは、インターフェースは、ベース面と一体的に構成されている、または複数部品の形態で接続されている。
【0027】
本発明のさらなる発展によれば、前記工具が、前記少なくとも1つの切れ刃として、少なくとも1つの第1切れ刃と少なくとも1つの第2切れ刃とを備え、前記少なくとも1つの第1切れ刃が、前記少なくとも1つの第2切れ刃に対して、前記基体の軸方向にオフセットして配置されていることが提供される。さらに、前記少なくとも1つの第1切れ刃に、前記少なくとも1つの第2切れ刃に割り当てられた第2軌道円とは異なる第1軌道円が割り当てられている。したがって、少なくとも1つの第1切れ刃と少なくとも1つの第2切れ刃とは、軸方向にのみでなく、互いに対して半径方向にもオフセットされている。これにより、有利には、ワークの段付きの外面加工、特に、同じワークの複数の異なる外径の同時加工または連続加工が可能になる。
【0028】
本発明のさらなる発展によれば、前記基体および前記インターフェースが、複数部品の形態で構成され、互いに接続されていることが提供される。これは、有利には、特にインターフェースを基体とは別個に、特に異なる材料から製造することを可能にする。これにより、ひいては、特にインターフェースに対し、基体よりも高度な剛性および/または安定性を提供することができ、これは、一般的にインターフェースの領域により大きな力がかかるため有利である。同時に、基体を軽量でありながら安定するように構成することができる。
【0029】
工具の好ましい実施形態では、インターフェースが、基体、特にベース面に、形状接続、摩擦接続、および/または材料接続で接続されていることが提供される。好ましくは、インターフェースは、基体、特にベース面にねじ止めされている。
【0030】
工具の代替的な好ましい実施形態では、インターフェースが、基体と一体的に、好ましくは同じ材料で構成されている。これにより、工具を、特にコスト効率がよく簡易な方法で製造することができる。
【0031】
本発明のさらなる実施形態によれば、前記基体が第1の材料を含み、前記インターフェースが第2の材料を含むことが提供される。特に、第1の材料は第2の材料とは異なる材料である。したがって、特に、基体およびインターフェースは、異なる材料を含み、または異なる材料で構成される。これにより、有利には、様々な所望の特性に関して、一方ではインターフェースに対して、他方では基体に対して、材料の選択を最適化することができる。特に、インターフェースに対して剛性および/または安定性の向上を提供することができ、基体は軽量であると同時に安定するように構成することができる。
【0032】
工具の好ましい実施形態では、前記第1の材料が前記第2の材料よりも低い密度を有する。つまり、基体を特に軽量に構成することができる。同時に、インターフェースは、特に剛性および/または安定性を有するように構成することができる。
【0033】
工具の好ましい実施形態では、前記第1の材料が軽金属であり、前記第2の材料が鋼鉄である。好ましくは、第1の材料はアルミニウムまたはアルミニウム合金である。対応する材料の選択は、インターフェースの剛性および/または安定性のある設計と同時に、基体の軽量で安定性のある設計を可能にする。
【0034】
本発明のさらなる発展によれば、少なくとも1つの前切れ刃を備える切削リングが、前記基体の開口側端面に配置されていることが提供される。少なくとも1つの前切れ刃によって、外周面に加えて、ワークの端面、すなわち特に軸方向が垂直な面を有利に加工することができる。
【0035】
好ましい実施形態では、切削リングは、正確に1つの前切れ刃を備える。別の好ましい実施形態では、切削リングは複数の前切れ刃を有する。好ましくは、切削リングは、少なくとも1つの前切れ刃として、少なくとも1つの第1前切れ刃と、少なくとも1つの第2前切れ刃とを備え、少なくとも1つの第1前切れ刃は、少なくとも1つの第2前切れ刃に対して、切削リング上で半径方向にオフセットして配置されている。
【0036】
特に、少なくとも1つの前切れ刃は、幾何学的に画定された、または幾何学的に決定された切削縁を有する。
【0037】
工具の好ましい実施形態では、少なくとも1つの前切れ刃は、少なくとも1つの幾何学的に画定された、または幾何学的に決定された切削縁を備えるカッタプレート、切削インサートまたは刃先交換インサートとして構成される。
【0038】
工具の好ましい実施形態では、切削リングは、基体と共に複数部品の形態で構成され、基体に接続されている。このようにして、一方では切削リングの、他方では基体の材料の選択を、それぞれの場合に要求される特性に関して有利に最適化することができる。
【0039】
工具の好ましい実施形態では、切削リングは、基体の第1の材料よりも高い密度を有する第3の材料を有する。つまり、切削リングは、基体よりも安定するように、および/または硬質になるように、有利に構成することができる。好ましくは、切削リングは、工具の全体的な安定性にも有利に寄与する。好ましくは、第3の材料は、インターフェースの第2の材料と同じ材料である。
【0040】
工具の好ましい実施形態では、第3の材料は鋼鉄である。
【0041】
工具の好ましい実施形態では、切削リングは、少なくとも1つの前切れ刃に割り当てられた少なくとも1つの切り屑排出溝を有し、この切り屑排出溝は、少なくとも1つの前切れ刃によって除去された切り屑が、前切れ刃に割り当てられた切り屑排出溝を介して、特に半径方向に、および/またはインターフェースの方向において軸方向に、除去され得るように配置および構成されている。好ましくは、切削リングの複数の前切れ刃の各前切れ刃には、特に別個の切り屑排出溝が割り当てられている。
【0042】
本発明のさらなる発展によれば、前記少なくとも1つの切れ刃が、前記周壁と一体的に構成されていることが提供される。好ましくは、少なくとも1つの切れ刃は、周壁から機械加工される。好ましくは、切れ刃、特に切れ刃の切削縁は、硬質材料でコーティングされている。
【0043】
工具の代替的な実施形態では、少なくとも1つの切れ刃が周壁に材料接続されていることが提供される。好ましくは、少なくとも1つの切れ刃は、周壁に接着、溶接、またははんだ付けされている。
【0044】
工具の代替的な実施形態では、少なくとも1つの切れ刃が、形状接続および/または摩擦接続で周壁に取り付けられていることが提供される。好ましくは、少なくとも1つの切れ刃は周壁にねじ止めされている。
【0045】
代替的に、または追加的に、少なくとも1つの切れ刃が周壁に調整可能に配置されることが好ましい。このようにして、少なくとも1つの切れ刃の特に軸方向および/または半径方向の位置を有利に設定することができ、特に微細に調整することができる。このようにして、少なくとも1つの切れ刃の加工径、すなわち特に軌道円を高精度で調整することができる。
【0046】
工具の好ましい実施形態では、少なくとも1つの切れ刃が切れ刃カセットに収容され、切れ刃カセットが周壁に配置されている、特に固定されている、好ましくはねじ止めされていることが提供される。切れ刃は、材料接続で、特に接着、はんだ付け、および/または溶接で切れ刃カセットに接続することができ、または形状接続および/または摩擦接続で、特にねじ止めで接続することができる。好ましい実施形態では、切れ刃の軸方向および/または半径方向の位置を調整するように構成された工具の調整機構を切れ刃カセットに設けることもできるし、これを周壁に設けて切れ刃カセットに作用するように構成することで、切れ刃カセットの調整を介して間接的に切れ刃を調整することもできる。
【0047】
工具の一実施形態では、少なくとも1つの前切れ刃が、切削リングと一体的に構成されていることが提供される。好ましくは、少なくとも1つの前切れ刃は、切削リングから機械加工される。好ましくは、前切れ刃、特に前切れ刃の切削縁は、硬質材料でコーティングされている。
【0048】
工具の代替的な実施形態では、少なくとも1つの前切れ刃が切削リングに材料接続されていることが提供される。好ましくは、少なくとも1つの前切れ刃は、切削リングに接着、溶接、またははんだ付けされている。
【0049】
工具の代替的な実施形態では、少なくとも1つの前切れ刃が、形状接続および/または摩擦接続で切削リングに取り付けられていることが提供される。好ましくは、少なくとも1つの前切れ刃は切削リングにねじ止めされている。
【0050】
代替的に、または追加的に、好ましくは、少なくとも1つの前切れ刃が切削リングに調整可能に配置されることが提供される。このようにして、少なくとも1つの前切れ刃の特に軸方向および/または半径方向の位置を有利に設定することができ、特に微細に調整することができる。このようにして、少なくとも1つの前切れ刃の加工径、すなわち特に軌道円を高精度で調整することができる。
【0051】
工具の好ましい実施形態では、少なくとも1つの前切れ刃が切れ刃カセットに収容され、切れ刃カセットが切削リングに配置されている、特に固定されている、好ましくはねじ止めされていることが提供される。前切れ刃は、材料接続で、特に接着、はんだ付け、または溶接で切れ刃カセットに接続することができ、または形状接続および/または摩擦接続で、特にねじ止めで接続することができる。好ましい実施形態では、前切れ刃の軸方向および/または半径方向の位置を調整するように構成された工具の端部調整機構を切れ刃カセットに設けることもできるし、これを切削リングに設けて切れ刃カセットに作用するように構成することで、切れ刃カセットを調整することによって間接的に前切れ刃を調整することもできる。
【0052】
本発明のさらなる発展によれば、前記取付けスペースに係合する少なくとも1つのガイドバーが、前記基体に配置されていることが提供される。このようにして、工具は、有利には、ワークの外周面の微細加工、特に仕上げ加工を行うように構成されている。一方、工具がこのようなガイドバーを備えていない場合、特にワークの外周面の予備加工を行うように構成することができる。
【0053】
本発明のさらなる発展によれば、前記少なくとも1つの切り屑通過凹部を含む前記周壁が、複数の凹部を備え、前記複数の凹部の各凹部が、切り屑通過凹部と追加凹部とからなる群から選択されることが提供される。これにより、基体を特に軽量に構成することができる。したがって、少なくとも1つの切り屑通過凹部は、特に凹部のうちの1つである。
【0054】
工具の一実施形態では、前記複数の凹部は、前記ワークの加工中に発生する荷重経路の領域において前記周壁の材料が凹まないように配置されている。特に、複数の凹部は、好ましくは、ワークの加工中に荷重経路が発生する場所のみで周壁の材料が凹まないように配置される。特に、凹部、特に切り屑通過凹部および追加凹部は、周壁を形成するウェブまたはストラットによって囲まれており、これらは荷重経路に沿って延びている。特に、基体は疑似格子状に構成されている。したがって、工具は、有利には、軽量構造の概念という意味で、極めて小さい重量で非常に高い安定性を備える。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本発明を、図面を参照して以下により詳細に説明する。
【
図2】
図1に係る工具の第1実施形態の第2図を示す。
【
図3】
図1および
図2に係る工具の第1実施形態の詳細な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、図示しないワークの外周面を加工するための工具1の第1実施形態の第1図を示す。工具1はインターフェース3を備え、これは、工具1を相手側インターフェースに、特にマシニングセンタの、特に機械主軸の相手側インターフェースに取り付けるように構成されている。工具1はまた、少なくとも部分的に、シリンダ状、好ましくは円形のシリンダ状、特に管状の基体5を有する。基体5は周壁7を有し、これは取付けスペース9を周方向に取り囲み、前面11の領域で開口するように構成されている。このようにして、ワークを、開口した前面11を介して取付けスペース9内に少なくとも部分的に挿入し、取付けスペース9に保持することができる。
【0057】
工具1の長手方向または軸方向は、工具1の長手方向軸または回転軸Aに沿って延びている。半径方向は長手方向軸Aに直交し、周方向は長手方向軸Aを同心円状に取り囲む。
【0058】
取付けスペース9に係合する少なくとも1つの切れ刃13は、基体5に配置され、ワークの外周面を加工するように構成されている。特に、複数の切れ刃13が基体5に配置される。切れ刃13は、周壁7と一体的に構成することができる。しかしながら、ここに示す実施形態では、好ましくは切削インサートとして構成される切れ刃13は、好ましくは周壁7と共に複数部品の形態で構成され、周壁7に取り付けられている。材料接続による固定だけでなく、形状接続および/または摩擦接続による固定も可能である。好ましくは、切れ刃13は周壁7に調整可能に配置される。ここに示す実施形態では、切れ刃13は切れ刃カセット15に保持され、特に切れ刃カセット15にねじ止めされ、次に切れ刃カセット15が周壁7にねじ止めされている。
【0059】
周壁7はまた、少なくとも1つの切り屑通過凹部17を有しており、これは、ワークの加工中に少なくとも1つの切れ刃13によって除去された切り屑が、少なくとも1つの切り屑通過凹部17を通って取付けスペース9から基体5の外側周辺領域19へと半径方向に出ることができるように、少なくとも1つの切れ刃13に対して配置されている。特に、ここに示すワーク1の実施形態は、このような切り屑通過凹部17を複数備えており、特に、各切れ刃15が切り屑通過凹部17に対応している。
【0060】
工具1は、軽量であると同時に安定するように構成され、特にマシニングセンタで、特に大きな外径および大きな突出長さを有するワークの高品質な加工を可能にする。
【0061】
切り屑通過凹部17は、好ましくは、閉じた凹部の周方向線に沿って閉鎖されるようにそれぞれ構成され、その結果、特に周壁7の材料によって囲まれ、したがって周壁7に疑似的な窓を形成する。
【0062】
少なくとも1つの切れ刃13は、好ましくは、少なくとも170mm~最大300mm、好ましくは少なくとも180mm~最大280mm、好ましくは少なくとも190mm~最大270mm、好ましくは少なくとも200mm~最大260mmの直径を有する軌道円上に配置されている。
【0063】
取付けスペース9は、好ましくは、前面11に配置された端面21から、長手方向軸Aの方向において反対側のベース面23までの長さを有し、この長さは、少なくとも1つの切れ刃13の軌道円に、少なくとも0.8~最大3.5、好ましくは少なくとも2~最大3、好ましくは少なくとも1.5~最大2.5の係数を乗じたものに相当する。
【0064】
好ましくは、工具1は、少なくとも1つの切れ刃13として、少なくとも1つの第1切れ刃13.1と少なくとも1つの第2切れ刃13.2とを備えており、第1切れ刃13.1は、第2切れ刃13.2に対して長手方向軸Aの方向にオフセットして配置されると同時に、半径方向にもオフセットして配置される。したがって、特に、第1軌道円が第1切れ刃13.1に割り当てられ、これは、第2切れ刃13.2に割り当てられた第2軌道円とは異なる。このようにして、ワークの段付きの外面加工が可能である。
【0065】
少なくとも1つの前切れ刃25を備える切削リング27は、好ましくは前面11に配置され、これは好ましくは基体5と共に複数部品に構成され、基体5に接続され、特にねじ止めされている。特に、切削リング27は、好ましくは端面21を備えている。前切れ刃25は、好ましくは、切削リング27にねじ止めされている。切削リング27は、好ましくは、少なくとも1つの切り屑排出溝29を有し、この切り屑排出溝29を介して、少なくとも1つの前切れ刃25によって除去された切り屑を外部に、特にインターフェース3の方向において半径方向および/または軸方向後方に、排出することができる。好ましくは、各前切れ刃25に切り屑排出溝29が割り当てられている。
【0066】
図2は、
図1に係る工具1の第1実施形態の工具の第2図を示す。
【0067】
同一および機能的に同一の要素には、全ての図において同じ参照符号が付されているので、いずれの場合も前述の説明を参照されたい。
【0068】
ここに示す実施形態では、インターフェース3は、中空シャンクテーパインターフェースとして構成されている。別の実施形態では、インターフェース3は、スティープテーパインターフェース、モールステーパインターフェースとして、または別の適切な方法で構成することもできる。
【0069】
好ましくは、インターフェース3は、基体5と共に複数部品の形態で構成され、特に形状接続、摩擦接続、および/または材料接続で基体5に接続されている。好ましくは、インターフェース3は、基体5に、特にベース面23にねじ止めされている。
【0070】
好ましくは、基体5は第1の材料を含み、インターフェース3は第2の材料を含む。好ましくは、第1の材料は第2の材料よりも低い密度を有し、特に第1の材料は軽金属、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、第2の材料は鋼鉄である。
【0071】
切削リング27は、好ましくは、基体5の第1の材料よりも高い密度を有する第3の材料を含み、第3の材料は、好ましくは鋼鉄である。
【0072】
図3は、
図1および
図2に係る工具1の第1実施形態の詳細な図を示す。切れ刃13およびこれらに対応する切り屑通過凹部17を、この図において特によく認識することができる。
【0073】
図4は、工具1の第2実施形態の図を示す。周壁7は、好ましくは少なくとも1つの追加凹部31を有し、この場合は複数の追加凹部31を有し、より明確な表現のために、追加凹部31のうちの一部のみが対応する参照符号で指定されている。ここに示す実施形態では、追加凹部31は周壁7を通って延びているので、取付けスペース9は、追加凹部31を介して外側周辺領域19に対して開口している。切り屑通過凹部17とは対照的に、追加凹部31には切れ刃13が割り当てられていない。切り屑通過凹部17および追加凹部31を総称して凹部32と呼ぶ。
【0074】
別の実施形態では、追加凹部31は、半径方向において、少なくとも片側で、特に取付けスペース9に向かって閉鎖されるように構成することが可能である。代替的に、追加凹部31が、外側周辺領域19に向かって閉鎖される、または両側で閉鎖されることが可能である。追加凹部31のうちの少なくとも1つが周壁7を通って延び、追加凹部31のうちの少なくとも1つの他の追加凹部31が少なくとも片側で閉鎖されるように構成されている実施形態も可能である。
【0075】
凹部32、すなわち切り屑通過凹部17および追加凹部31は、好ましくは、ワークの加工中に荷重経路が生じる領域において周壁7の材料が凹まないように配置されている。このようにして、工具1は疑似格子状に構成され、軽量であると同時に非常に安定している。
【0076】
取付けスペース9に係合する少なくとも1つのガイドバー33が、好ましくは基体5に配置されている。ここに示す実施形態では、複数のガイドバー33が設けられており、明確にするために、一部のガイドバー33にのみ対応する参照符号が付されている。ガイドバー33によって、工具1は特にワークを仕上げ加工するように構成されている。
【0077】
ここに示す工具1の実施形態は、特に第1切り屑通過凹部17.1と第2切り屑通過凹部17.2とを備え、これらは、特に以下のように互いに異なって設計されている。第1切り屑通過凹部17.1が閉じた凹部の周方向線に沿って閉鎖されるように構成されているのに対し、第2切り屑通過凹部17.2は前面で開口するように構成されている。しかしながら、工具1のこの構成において、前面11に切削リングを配置することも可能であり、この場合、第2切り屑通過凹部17.2も閉鎖される。
【0078】
図1に示す工具1の第1実施形態が、変形例において少なくとも1つの追加凹部31を備えることも可能である。
【国際調査報告】