IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星ディスプレイ株式會社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240719BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240719BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20240719BHJP
   H10K 59/121 20230101ALI20240719BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240719BHJP
   H10K 50/84 20230101ALI20240719BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20240719BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G09F9/30 348A
G09F9/30 338
G09G3/20 624B
G09G3/20 680G
G09G3/3233
G09G3/20 611G
G09G3/20 611J
G09G3/20 642E
G09G3/20 642D
G09G3/20 611E
G09G3/20 641R
G09G3/20 611A
H10K59/121 213
H10K77/10
H10K50/84
H10K59/131
H01L29/78 626C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503417
(86)(22)【出願日】2022-06-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 KR2022008712
(87)【国際公開番号】W WO2023090559
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0159513
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】キム,クン ウ
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
5F110
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC41
3K107DD18
3K107DD19
3K107DD39
3K107EE04
3K107FF14
3K107FF15
3K107HH05
5C080AA06
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD02
5C080DD05
5C080DD06
5C080DD08
5C080DD12
5C080DD24
5C080DD26
5C080DD29
5C080EE19
5C080EE25
5C080EE29
5C080EE30
5C080FF03
5C080FF11
5C080HH09
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
5C094AA25
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA15
5C094FA02
5C094FB14
5C094FB15
5C380AA01
5C380AB06
5C380AB23
5C380BA06
5C380BA08
5C380BA10
5C380BA20
5C380BA39
5C380BB02
5C380BB08
5C380BB09
5C380BB21
5C380BB22
5C380BB23
5C380BD02
5C380BD08
5C380BD10
5C380BD11
5C380BE07
5C380BE11
5C380CA12
5C380CB01
5C380CB26
5C380CC04
5C380CC07
5C380CC26
5C380CC34
5C380CC39
5C380CC61
5C380CC66
5C380CC77
5C380CD029
5C380CE04
5C380CE20
5C380CF59
5C380DA02
5C380DA06
5C380DA19
5C380DA20
5C380DA35
5C380DA42
5C380DA47
5C380EA16
5F110AA06
5F110AA09
5F110BB01
5F110CC02
5F110DD01
5F110DD02
5F110DD13
5F110DD14
5F110DD17
5F110DD25
5F110GG02
5F110GG13
5F110GG58
5F110NN72
5F110NN73
5F110QQ19
(57)【要約】
本発明の一実施例による表示装置は、基板と、基板上に配置されるバッファ層と、バッファ層上に配置され、第1半導体パターン、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極を含む駆動トランジスタと、バッファ層上に配置され、駆動トランジスタから離隔して配置され、第2半導体パターン、第2ゲート電極、第2ソース電極及び第2ドレイン電極を含むスイッチングトランジスタと、を含み、バッファ層は、窒化シリコンを含む第1バッファ層、及び、酸化シリコンを含む第2バッファ層を含み、駆動トランジスタは、第1半導体パターンの下方に第2バッファ層のみが配置され、スイッチングトランジスタは第2半導体パターンの下方に第1バッファ層及び第2バッファ層が配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置されるバッファ層と、
前記バッファ層上に配置され、第1半導体パターン、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極を含む駆動トランジスタと、
前記バッファ層上に配置され、前記駆動トランジスタから離隔して配置され、第2半導体パターン、第2ゲート電極、第2ソース電極及び第2ドレイン電極を含むスイッチングトランジスタと、を含み、
前記バッファ層は窒化シリコンを含む第1バッファ層及び酸化シリコンを含む第2バッファ層を含み、
前記駆動トランジスタは、前記第1半導体パターンの下方に前記第2バッファ層のみが配置され、
前記スイッチングトランジスタは、前記第2半導体パターンの下方に前記第1バッファ層及び前記第2バッファ層が配置される、表示装置。
【請求項2】
前記第1半導体パターン及び前記第2半導体パターンはポリシリコンからなる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2半導体パターンに含まれた水素イオン濃度は、前記第1半導体パターンに含まれた水素イオン濃度より大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1半導体パターンの下部に配置された前記第2バッファ層の第1厚さは、前記第2半導体パターンの下方に配置された前記第2バッファ層の第2厚さと同じである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2半導体パターンの下方に配置された前記第1バッファ層の第3厚さは、前記第2厚さよりも小さい、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1半導体パターンの下方に配置された前記第2バッファ層の第1厚さは、前記第2半導体パターンの下方に配置された前記第2バッファ層の第2厚さと、前記第2半導体パターンの下方に配置された前記第1バッファ層の第3厚さとの和と同じである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記基板と前記バッファ層との間に、酸化シリコンを含むバリア層をさらに含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1バッファ層は前記バリア層上に配置され、前記第2バッファ層は前記第1バッファ層上に配置される、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記基板上に複数の画素が配置され、
前記画素のそれぞれは、
発光素子と、
第1電源と第2ノードとの間に接続され、前記第1ゲート電極に接続された第1ノードの電圧に対応して、前記発光素子に供給される駆動電流を制御する前記駆動トランジスタと、
前記第1ノードに接続される一電極、及び第3ノードに接続される他電極を含む第1キャパシタと、
前記第3ノードとデータ線との間に接続され、第1走査信号によってターンオンされる第2トランジスタと、
前記第1ノードと前記第2ノードとの間に接続され、第2走査信号によってターンオンされる第3トランジスタと、
前記第1ノードと初期化電源との間に接続され、第3走査信号によってターンオンされる第4トランジスタと、
基準電源と前記第3ノードとの間に接続され、前記第2走査信号によってターンオンされる第5トランジスタと、を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2トランジスタは直列に接続された第2_1トランジスタ及び第2_2トランジスタを含み、
前記第3トランジスタは直列に接続された第3_1トランジスタ及び第3_2トランジスタを含み、
前記第4トランジスタは直列に接続された第4_1トランジスタ及び第4_2トランジスタを含み、
前記第5トランジスタは直列に接続された第5_1トランジスタ及び第5_2トランジスタを含む、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記スイッチングトランジスタは、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ、前記第4トランジスタ、及び前記第5トランジスタを含む、請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1電源と、前記駆動トランジスタの一電極に接続される第5ノードとの間に接続され、第1発光制御信号によってターンオンされる第6トランジスタと、
前記第2ノードと第4ノードとの間に接続され、第2発光制御信号によってターンオンされる第7トランジスタと、
前記第4ノードとアノード初期化電源との間に接続され、第4走査信号によってターンオンされる第8トランジスタと、
前記第5ノードとバイアス電源との間に接続され、前記第4走査信号によってターンオンされる第9トランジスタをさらに含む、請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1電源に接続される一電極、及び、前記第3ノードに接続される他電極を含む第2キャパシタをさらに含む、請求項9に記載の表示装置。
【請求項14】
基板と、
前記基板上に配置されるバッファ層と、
前記バッファ層上に配置され、第1半導体パターン、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極を含む駆動トランジスタと、
前記バッファ層上に配置され、前記駆動トランジスタと離隔して配置され、第2半導体パターン、第2ゲート電極、第2ソース電極及び第2ドレイン電極を含むスイッチングトランジスタと、を含み、
前記バッファ層は、窒化シリコンを含む第1バッファ層、及び酸化シリコンを含む第2バッファ層を含み、
前記駆動トランジスタは、前記第1半導体パターンの下方に、前記第1バッファ層及び前記第2バッファ層が配置され、
前記スイッチングトランジスタは、前記第2半導体パターンの下方に、前記第1バッファ層及び前記第2バッファ層が配置され、
前記第1半導体パターンの下方に配置される前記第2バッファ層の第1厚さは、前記第2半導体パターンの下方に配置される前記第2バッファ層の第2厚さよりも大きいことを特徴とする表示装置。
【請求項15】
前記第1半導体パターン及び前記第2半導体パターンはポリシリコンからなる、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第2半導体パターンに含まれた水素イオン濃度は、前記第1半導体パターンに含まれた水素イオン濃度より大きい、請求項14に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1バッファ層の第3厚さは、前記第1厚さ及び前記第2厚さより小さい、請求項14に記載の表示装置。
【請求項18】
前記基板と前記バッファ層との間に、酸化シリコンを含むバリア層をさらに含む、請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1バッファ層は前記バリア層上に配置され、前記第2バッファ層は前記第1バッファ層上に配置される、請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第2ドレイン電極は前記第1ゲート電極に電気的に接続される、請求項14に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化技術の発達に伴い、ユーザと情報との間の連結媒体である表示装置の重要性が浮かび上がっている。
【0003】
表示装置は複数の画素を含む。画素のそれぞれは、複数のトランジスタ、トランジスタに電気的に接続された発光素子、及びキャパシタを含む。トランジスタは、配線を介して提供される信号にそれぞれ応答してターンオンし、これにより所定の駆動電流が生成される。発光素子は、このような駆動電流に対応して発光する。
【0004】
最近では、表示装置の駆動効率の向上及び消費電力の最小化のために、表示装置を低周波数で駆動する方法が用いられている。従って、表示装置が低周波数で駆動するときの表示品質を向上できる方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一目的は、表示装置が低周波数で駆動するとき、スイッチングトランジスタのリーク電流(またはオフ電流)は減少させ、駆動トランジスタのゲート電極に印加されるゲート電圧の駆動範囲(Driving range;以下、DR range)は増加させることができる表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための表示装置は、基板と、上記基板上に配置されるバッファ層と、上記バッファ層上に配置され、第1半導体パターン、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極を含む駆動トランジスタと、上記バッファ層上に配置され、上記駆動トランジスタと離隔して配置され、第2半導体パターン、第2ゲート電極、第2ソース電極及び第2ドレイン電極を含むスイッチングトランジスタと、を含む。
【0007】
上記バッファ層は、窒化シリコンを含む第1バッファ層及び酸化シリコンを含む第2バッファ層を含み、上記駆動トランジスタは、上記第1半導体パターンの下方(下部)に上記第2バッファ層のみが配置され、上記スイッチングトランジスタは、上記第2半導体パターンの下方(下部)に上記第1バッファ層及び上記第2バッファ層が配置される。
【0008】
上記第1半導体パターン及び上記第2半導体パターンはポリシリコンからなってもよい。
【0009】
上記第2半導体パターンに含まれた水素イオン濃度は、上記第1半導体パターンに含まれた水素イオン濃度より大きくてもよい。
【0010】
上記第1半導体パターンの下方(下部)に配置された上記第2バッファ層の第1厚さは、上記第2半導体パターンの下方(下部)に配置された上記第2バッファ層の第2厚さと、実質的に同じであってもよい。
【0011】
上記第2半導体パターンの下方(下部)に配置された上記第1バッファ層の第3厚さは、上記第2厚さより小さくてもよい。
【0012】
上記第1半導体パターンの下方(下部)に配置された上記第2バッファ層の第1厚さは、上記第2半導体パターンの下方(下部)に配置された上記第2バッファ層の第2厚さと、上記第2半導体パターンの下方(下部)に配置された上記第1バッファ層の第3厚さとの和と同じであってもよい。
【0013】
上記基板と上記バッファ層との間に酸化シリコンを含むバリア層をさらに含んでもよい。
【0014】
上記第1バッファ層は上記バリア層上に配置され、上記第2バッファ層は上記第1バッファ層上に配置されてもよい。
【0015】
上記基板上に複数の画素が配置され、上記画素のそれぞれは、発光素子と、第1電源と第2ノードとの間に接続され、ゲート電極に接続された第1ノードの電圧に対応して、上記発光素子に供給される駆動電流を制御する上記駆動トランジスタと、上記第1ノードに接続される一電極及び第3ノードに接続される他電極を含む第1キャパシタと、上記第3ノードとデータ線との間に接続され、第1走査信号によってターンオンされる第2トランジスタと、上記第1ノードと上記第2ノードとの間に接続され、第2走査信号によってターンオンされる第3トランジスタと、上記第1ノードと初期化電源との間に接続され、第3走査信号によってターンオンされる第4トランジスタと、基準電源と上記第3ノードとの間に接続され、上記第2走査信号によってターンオンされる第5トランジスタと、を含んでもよい。
【0016】
上記第2トランジスタは直列に接続された第2_1トランジスタ及び第2_2トランジスタを含み、上記第3トランジスタは直列に接続された第3_1トランジスタ及び第3_2トランジスタを含み、上記第4トランジスタは直列に接続された第4_1トランジスタ及び第4_2トランジスタを含み、上記第5トランジスタは直列に接続された第5_1トランジスタ及び第5_2トランジスタを含んでもよい。
【0017】
上記スイッチングトランジスタは、上記第2トランジスタ、上記第3トランジスタ、上記第4トランジスタ、及び上記第5トランジスタを含んでもよい。
【0018】
上記第1電源と、上記駆動トランジスタの一電極に接続される第5ノードとの間に接続され、第1発光制御信号によってターンオンされる第6トランジスタと、上記第2ノードと第4ノードとの間に接続され、第2発光制御信号によってターンオンされる第7トランジスタと、上記第4ノードとアノード初期化電源との間に接続され、第4走査信号によってターンオンされる第8トランジスタと、上記第5ノードとバイアス電源との間に接続され、上記第4走査信号によってターンオンされる第9トランジスタとをさらに含んでもよい。
【0019】
上記第1電源に接続される一電極及び上記第3ノードに接続される他電極を含む第2キャパシタをさらに含んでもよい。
【0020】
上記課題を解決するための一実施例による表示装置は、基板と、上記基板上に配置されるバッファ層と、上記バッファ層上に配置され、第1半導体パターン、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極を含む駆動トランジスタと、上記バッファ層上に配置され、上記駆動トランジスタから離隔して配置され、第2半導体パターン、第2ゲート電極、第2ソース電極及び第2ドレイン電極を含むスイッチングトランジスタと、を含む。
【0021】
上記バッファ層は、窒化シリコンを含む第1バッファ層及び酸化シリコンを含む第2バッファ層を含み、上記駆動トランジスタは上記第1半導体パターンの下部に上記第1バッファ層及び上記第2バッファ層が配置され、上記スイッチングトランジスタは上記第2半導体パターンの下部に上記第1バッファ層及び上記第2バッファ層が配置され、上記第1半導体パターンの下部に配置される上記第2バッファ層の第1厚さは、上記第2半導体パターンの下部に配置される上記第2バッファ層の第2厚さより大きいことを特徴とする。
【0022】
上記第1半導体パターン及び上記第2半導体パターンはポリシリコンからなってもよい。
【0023】
上記第2半導体パターンに含まれた水素イオン濃度は、上記第1半導体パターンに含まれた水素イオン濃度より大きくてもよい。
【0024】
上記第1バッファ層の第3厚さは、上記第1厚さ及び上記第2厚さより小さくてもよい。
【0025】
上記基板と上記バッファ層との間に、酸化シリコンを含むバリア層をさらに含んでもよい。
【0026】
上記第1バッファ層は上記バリア層上に配置され、上記第2バッファ層は上記第1バッファ層上に配置されてもよい。
【0027】
上記第2ドレイン電極は、上記第1ゲート電極に電気的に接続されてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施例による表示装置は、スイッチングトランジスタ及び駆動トランジスタのそれぞれの半導体層の下部に配置されるバッファ層の種類及び/または厚さを異ならせて形成することにより、スイッチングトランジスタのリーク電流は減少させ、駆動トランジスタの駆動範囲は増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施例による表示装置を示すブロック図である。
図2】本発明の実施例による画素を示す回路図である。
図3a図2に示す画素の一実施例による表示走査期間の動作を説明するための波形図(1)である。
図3b図2に示す画素の一実施例による表示走査期間の動作を説明するための波形図(2)である。
図3c図2に示す画素の一実施例による表示走査期間の動作を説明するための波形図(3)である。
図3d図2に示す画素の一実施例による表示走査期間の動作を説明するための波形図(4)である。
図3e図2に示す画素の一実施例による表示走査期間の動作を説明するための波形図(5)である。
図3f図2に示す画素の一実施例による表示走査期間の動作を説明するための波形図(6)である。
図4a図2の画素の一実施例による自己走査期間の動作を説明するための波形図(1)である。
図4b図2の画素の一実施例による自己走査期間の動作を説明するための波形図(2)である。
図4c図2の画素の一実施例による自己走査期間の動作を説明するための波形図(3)である。
図4d図2の画素の一実施例による自己走査期間の動作を説明するための波形図(4)である。
図5】映像リフレッシュレートに応じた表示装置の駆動方法の一例を説明するための概念図である。
図6a図2に示す画素を基準として複数の画素を上部から見た概略的な平面図である。
図6b図6aの画素に含まれた半導体層の一例を示す平面図である。
図6c図6aの画素に含まれた第1導電層の一例を示す平面図である。
図6d図6aの画素に含まれた第2導電層の一例を示す平面図である。
図6e図6aの画素に含まれた第3導電層の一例を示す平面図である。
図6f図6aの画素に含まれた第4導電層の一例を示す平面図である。
図7】一実施例による図6aの第1トランジスタ、第3トランジスタ、及び第7トランジスタ領域の積層構造を説明するための部分断面図である。
図8】リーク電流の特性と駆動範囲がトレードオフ関係であることを示すグラフである。
図9】他の実施例による図6aの第1トランジスタ、第3トランジスタ、及び第7トランジスタ領域の積層構造を説明するための部分断面図である。
図10a図7及び図9の実施例においてバッファ層を形成する方法を説明するための図(1)である。
図10b図7及び図9の実施例においてバッファ層を形成する方法を説明するための図(2)である。
図10c図7及び図9の実施例においてバッファ層を形成する方法を説明するための図(3)である。
図11】フォトレジストパターンの位置を説明するための概略的な平面図である。
図12】さらに他の実施例による図6aの第1トランジスタ、第3トランジスタ、及び第7トランジスタ領域の積層構造を説明するための部分断面図である。
図13a図12の実施例においてバッファ層を形成する方法を説明するための図(1)である。
図13b図12の実施例においてバッファ層を形成する方法を説明するための図(2)である。
図14】第2フォトレジストパターンの位置を説明するための概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は多様に変更を加えることができ、また、様々な形態を有することができるため、特定の実施例を図面に例示し本文に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むと理解すべきである。
【0031】
各図面を説明する際に類似する参照符号を類似する構成要素に使用した。添付の図面における構造物の寸法は、本発明の明確性のために、実際より拡大して示した。第1、第2などの用語は様々な構成要素を説明するために用いられてもよいが、上記構成要素は上記用語によって限定されるべきではない。上記用語は一構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から外れない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と名付けられてもよく、同様に第2構成要素も第1構成要素と名付けられてもよい。単数の表現は、文脈上明らかに違う意味を持たない限り、複数の表現を含む。
【0032】
本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在することを指定するためのものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を、予め排除しないと理解すべきである。
【0033】
また、ある部分が他の部分と「接続される」というときは、直接接続されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで接続されている場合も含む。
【0034】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例をより詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の実施例による表示装置を示すブロック図である。
【0036】
図1を参照すると、表示装置1000は、表示パネル100、走査駆動部200、300、400、500、発光駆動部600、700、データ駆動部800、及びタイミング制御部900を含んでもよい。
【0037】
走査駆動部200、300、400、500は、第1走査駆動部200、第2走査駆動部300、第3走査駆動部400、及び第4走査駆動部500の構成及び動作に区分することができる。発光駆動部600、700は第1発光駆動部600及び第2発光駆動部700の構成及び動作に区分することができる。但し、上記走査駆動部及び発光駆動部の区分は説明の便宜のためであり、設計に応じて走査駆動部及び発光駆動部の少なくとも一部は1つの駆動回路、モジュールなどに統合されてもよい。
【0038】
一実施例では、表示装置1000は、第1電源VDDの電圧、第2電源VSSの電圧、第3電源VREF(または基準電源)、第4電源Vint(または初期化電源)、第5電源Vaint(またはアノード初期化電源)、及び第6電源Vbs(またはバイアス電源)の電圧を表示パネル100に供給するために電源供給部をさらに含んでもよい。電源供給部は、走査信号、制御信号及び/または発光制御信号のゲートオン(gate-on)レベル及びゲートオフ(gate-off)レベルを決めるロー(low)電源(低電源)及びハイ(high)電源(高電源)を、走査駆動部200、300、400、500及び/または発光駆動部600、700に供給することができる。ロー電源は、ハイ電源より低い電圧レベルを有することができる。但し、これは例示的なものであり、第1電源VDD、第2電源VSS、第3電源VREF(または基準電源)、第4電源Vint(または初期化電源)、第5電源Vaint(またはアノード初期化電源)、第6電源Vbs(またはバイアス電源)、ロー電源、及びハイ電源のうちの少なくとも1つは、タイミング制御部900またはデータ駆動部800から供給されてもよい。
【0039】
実施例に応じて、第1電源VDD及び第2電源VSSは、発光素子を駆動するための電圧を生成することができる。一実施例では、第2電源VSSの電圧レベルは、第1電源VDDの電圧レベルより低くてもよい。例えば、第1電源VDDの電圧は正(positive)の電圧であり、第2電源VSSの電圧は負(negative)の電圧であってもよい。
【0040】
基準電源VREFは、画素PXを初期化する電源であってもよい。例えば、基準電源VREFの電圧によって画素PXに含まれるキャパシタ及び/またはトランジスタが初期化されうる。基準電源VREFは、正の電圧であってもよい。
【0041】
初期化電源Vintは、画素PXを初期化する電源であってもよい。例えば、初期化電源Vintの電圧によって、画素PXに含まれる駆動トランジスタが初期化されうる。初期化電源Vintは負の電圧であってもよい。
【0042】
アノード初期化電源Vaintは、画素PXを初期化する電源であってもよい。例えば、初期化電源Vaintの電圧によって、画素PXに含まれる発光素子のアノードが初期化されうる。初期化電源Vintは負の電圧であってもよい。
【0043】
バイアス電源Vbsは、画素PXに含まれる駆動トランジスタのソース電極に、所定のオンバイアス電圧を供給するための電源であってもよい。バイアス電源Vbsは、正の電圧であってもよい。一実施例では、バイアス電源Vbsの電圧は、黒階調のデータ電圧と類似する水準であってもよい。例えば、バイアス電源Vbsの電圧は、約5~7Vであってもよい。
【0044】
表示装置1000は、駆動条件に応じて、様々な映像リフレッシュレート(refresh rate、駆動周波数、または画面再生率)で映像を表示することができる。映像リフレッシュレートは、画素PXの駆動トランジスタに、実質的にデータ信号が書き込まれる頻度の数である。例えば、映像リフレッシュレートは、画面走査率、画面再生頻度数ともいい、1秒間に表示画面が再生される頻度数を表す。
【0045】
一実施例では、映像リフレッシュレートに対応して、1つの水平ライン(または画素行)に対するデータ駆動部800の出力周波数、及び/または、書き込み走査信号を出力する第1走査駆動部200の出力周波数が決まってもよい。例えば、動画の駆動のためのリフレッシュレートは、約60Hz以上(例えば、120Hz)の周波数であってもよい。
【0046】
一実施例では、表示装置1000は、駆動条件に応じて、1つの水平ライン(または画素行)に対する走査駆動部200、300、400、500の出力周波数、及び、それに対応するデータ駆動部800の出力周波数を調整することができる。例えば、表示装置1000は、1Hz~120Hzの様々な映像リフレッシュレートに対応して映像を表示することができる。但し、これは例示的なものであり、表示装置1000は、120Hz以上の映像リフレッシュレート(例えば、240Hz、480Hz)でも映像を表示することができる。
【0047】
一方、表示装置1000の映像リフレッシュレートが可変する場合、特に低周波数での駆動時に、リーク電流が発生することを防止することが好ましい。一実施例によると、プラズマトリートメント(plasma treatment;プラズマ処理)により、ポリシリコンからなる半導体パターンに水素を流入させることで、リーク電流を減少させることができるが、駆動電圧の範囲DR rangeも狭くなることから、フリッカー現象が視認されるという問題点が発生し得る。以下、図1図6fを参照して、一実施例による、可変周波数で駆動する表示装置1000について説明し、図7図14を参照して低温ポリシリコン(Low-temperature Polycrystalline Silicon;LTPS)で形成される表示装置1000の低周波を具現するために、駆動電圧の範囲特性が重要な駆動トランジスタ(例えば、T1、図2参照)の下部と、リーク電流の特性が重要なスイッチングトランジスタ(例えば、T3、図2参照)の下部との、それぞれに配置されるバッファ層BFL(図7図9図12参照)の積層構造を異ならせることにより、半導体パターンに流入する水素濃度に差が付けられるように適用される構造について、後述する。
【0048】
表示パネル100は、データ線DL、走査線SL1、SL2、SL3、SL4、及び発光制御線EL1、EL2にそれぞれ接続される画素PXを含んでもよい。画素PXは、デ外部から第1電源VDD、第2電源VSS、初期化電源Vint、及び基準電源VREFの電圧の供給を受けることができる。一実施例では、第i行、第j(但し、i、jは自然数)列に配置される画素PXは、第i画素行に対応する走査線SL1i、SL2i、SL3i、SL4i、第i画素行に対応する発光制御線EL1i、EL2i、及び第j画素列に対応するデータ線DLjに接続されてもよい。
【0049】
本発明の実施例では、画素PXの回路構造に対応して、画素PXに接続される信号線SL1、SL2、SL3、SL4、EL1、EL2、DLは、様々に設定することができる。
【0050】
タイミング制御部900は、外部から供給される同期信号に対応して第1駆動制御信号SCS1、第2駆動制御信号SCS2、第3駆動制御信号SCS3、第4駆動制御信号SCS4、第5駆動制御信号ECS1、第6駆動制御信号ECS2、及び第7駆動制御信号DCSを生成することができる。第1駆動制御信号SCS1は第1走査駆動部200に供給され、第2駆動制御信号SCS2は第2走査駆動部300に供給され、第3駆動制御信号SCS3は第3走査駆動部400に供給され、第4駆動制御信号SCS4は第4走査駆動部500に供給され、第5駆動制御信号ECS1は第1発光駆動部600に供給され、第6駆動制御信号ECS2は第2発光駆動部700に供給され、第7駆動制御信号DCSはデータ駆動部800に供給されるのでありうる。また、タイミング制御部900は、外部から供給される入力映像データを映像データRGBに再整列してデータ駆動部800に供給することができる。
【0051】
第1駆動制御信号SCS1には、第1走査スタートパルス及びクロック信号が含まれてもよい。第1走査スタートパルスは、第1走査駆動部200から出力される走査信号の最初のタイミングを制御することができる。クロック信号は、第1走査スタートパルスをシフトするために用いられてもよい。
【0052】
第2駆動制御信号SCS2には、第2走査スタートパルス及びクロック信号が含まれてもよい。第2走査スタートパルスは、第2走査駆動部300から出力される走査信号の最初のタイミングを制御することができる。クロック信号は、第2走査スタートパルスをシフトするために用いられてもよい。
【0053】
第3駆動制御信号SCS3には、第3走査スタートパルス及びクロック信号が含まれてもよい。第3走査スタートパルスは、第3走査駆動部400から出力される走査信号の最初のタイミングを制御することができる。クロック信号は、第3走査スタートパルスをシフトするために用いられてもよい。
【0054】
第4駆動制御信号SCS4には、第4走査スタートパルス及びクロック信号が含まれてもよい。第4走査スタートパルスは第4走査駆動部500から出力される走査信号の最初のタイミングを制御することができる。クロック信号は、第4走査スタートパルスをシフトするために用いられてもよい。
【0055】
第5駆動制御信号ECS1には、第1発光制御スタートパルス及びクロック信号が含まれてもよい。第1発光制御スタートパルスは、第1発光駆動部600から出力される発光制御信号の最初のタイミングを制御することができる。クロック信号は、第1発光制御スタートパルスをシフトするために用いられてもよい。
【0056】
第6駆動制御信号ECS2には第2発光制御スタートパルス及びクロック信号が含まれてもよい。第2発光制御スタートパルスは第2発光駆動部700から出力される発光制御信号の最初のタイミングを制御することができる。クロック信号は第2発光制御スタートパルスをシフトするために用いられてもよい。
【0057】
第7駆動制御信号DCSには、ソーススタートパルス及びクロック信号が含まれてもよい。ソーススタートパルスは、データのサンプリング開始時点を制御することができる。クロック信号は、サンプリング動作を制御するために用いられてもよい。
【0058】
第1走査駆動部200は、タイミング制御部900から第1駆動制御信号SCS1を受信し、第1駆動制御信号SCS1に基づいて第1走査線SL1に走査信号(例えば、第1走査信号)を供給することができる。例えば、第1走査駆動部200は第1走査線SL1に第1走査信号を順に供給することができる。第1走査信号が順に供給されると、画素PXは、水平ライン単位(または画素行単位)で選択され、データ信号が画素PXに供給されうる。即ち、第1走査信号はデータ書き込みに用いられる信号であってもよい。
【0059】
第1走査信号は、ゲートオンレベル(例えば、ロー電圧)に設定されてもよい。画素PXに含まれ、第1走査信号を受信するトランジスタは、第1走査信号が供給されるときターンオン状態に設定されることができる。
【0060】
一実施例では、第1走査線SL1のうちの1つの走査線(例えば、第1走査線SL1i)に対応して、第1走査駆動部200は表示装置1000の映像リフレッシュレートと同じ周波数(例えば、第2周波数)で、走査信号(例えば、第1走査信号)を第1走査線SL1iに供給することができる。第2周波数は、発光駆動部600、700を駆動する第1周波数の約数に設定されてもよい。
【0061】
第1走査駆動部200は、1フレームの表示走査期間に第1走査線SL1に走査信号を供給することができる。例えば、第1走査駆動部200は、表示走査期間の間、第1走査線SL1のそれぞれに少なくとも1つの走査信号を供給することができる。
【0062】
第2走査駆動部300は、タイミング制御部900から第2駆動制御信号SCS2を受信し、第2駆動制御信号SCS2に基づいて、第2走査線SL2に走査信号(例えば、第2走査信号)を供給することができる。例えば、第2走査駆動部300は、第2走査線SL2に第2走査信号を順に供給することができる。第2走査信号は、画素PXに含まれるトランジスタ及びキャパシタの初期化及び/またはしきい値電圧(threshold voltage;Vth)の補償のために供給されてもよい。第2走査信号が供給されると、画素PXはしきい値電圧の補償及び/または初期化動作を行うことができる。第2走査信号はゲートオンレベル(例えば、ロー電圧)に設定されてもよい。画素PXに含まれ、第2走査信号を受信するトランジスタは、第2走査信号が供給されるときターンオン状態に設定されることができる。
【0063】
一実施例では、第2走査線SL2のうち1つの走査線(例えば、第2走査線SL2i)に対応して、第2走査駆動部300は第1走査駆動部200の出力と同じ周波数(例えば、第2周波数)で走査信号(例えば、第2走査信号)を第2走査線SL2iに供給することができる。
【0064】
第2走査駆動部300は、1フレームの表示走査期間の間、第2走査線SL2に走査信号を供給することができる。例えば、第2走査駆動部300は、表示走査期間の間、第2走査線SL2のそれぞれに、少なくとも1つの走査信号を供給することができる。
【0065】
第3走査駆動部400は、タイミング制御部900から第3駆動制御信号SCS3を受信し、第3駆動制御信号SCS3に基づいて、第3走査線SL3に走査信号(例えば、第3走査信号)を供給することができる。例えば、第3走査駆動部400は、第3走査線SL3に、第3走査信号を順に供給することができる。第3走査信号は、画素PXに含まれる駆動トランジスタの初期化、及び/または、画素PXに含まれるキャパシタの初期化のために供給されてもよい。第3走査信号が供給されると、画素PXは、駆動トランジスタの初期化、及び/または、キャパシタの初期化の動作を行うことができる。
【0066】
第3走査信号は、ゲートオンレベル(例えば、ロー電圧)に設定されてもよい。画素PXに含まれ、第3走査信号を受信するトランジスタは、第3走査信号が供給されるときにターンオン状態に設定されうる。
【0067】
一実施例では、第3走査線SL3のうちの1つの走査線(例えば、第3走査線SL3i)に対応して、第3走査駆動部400は、第1走査駆動部200の出力と同じ周波数(例えば、第2周波数)で、走査信号(例えば、第3走査信号)を第3走査線SL3iに供給することができる。
【0068】
第4走査駆動部500は、タイミング制御部900から第4駆動制御信号SCS4を受信し、第4駆動制御信号SCS4に基づいて、第4走査線SL4に走査信号(例えば、第4走査信号)を供給することができる。例えば、第4走査駆動部500は、第4走査線SL4に第4走査信号を順に供給することができる。第4走査信号は、画素PXに含まれる発光素子の初期化、及び、画素PXに含まれる駆動トランジスタのソース電極に所定のバイアス電圧(例えば、オンバイアス(on-bias)電圧)の供給のために、供給されうる。第4走査信号が供給されると、画素PXは、発光素子の初期化及びバイアス電圧の供給動作を行うことができる。
【0069】
第4走査信号は、ゲートオンレベル(例えば、ロー電圧)に設定されてもよい。画素PXに含まれ、第4走査信号を受信するトランジスタは、第4走査信号が供給されるときにターンオン状態に設定されうる。
【0070】
一実施例では、第4走査線SL4のうちの1つの走査線(例えば、第4走査線SL4i)に対応して、第4走査駆動部500は、第1周波数で走査信号(例えば、第4走査信号)を第4走査線SL4iに供給することができる。従って、1フレーム期間内において、第4走査線SL4のそれぞれに供給される走査信号は、所定の周期毎に繰り返して供給されうる。
【0071】
これにより、映像リフレッシュレートが減少する場合、1フレーム期間内における、第4走査信号を供給する動作の繰り返しの回数が増加しうる。
【0072】
第1発光駆動部600は、タイミング制御部900から第5駆動制御信号ECS1を受信し、第5駆動制御信号ECS1に基づいて、第1発光制御線EL1に発光制御信号(例えば、第1発光制御信号)を供給することができる。例えば、第1発光駆動部600は、第1発光制御線EL1に、第1発光制御信号を順に供給することができる。
【0073】
第2発光駆動部700は、タイミング制御部900から第6駆動制御信号ECS2を受信し、第6駆動制御信号ECS2に基づいて、第2発光制御線EL2に発光制御信号(例えば、第2発光制御信号)を供給することができる。例えば、第2発光駆動部700は、第2発光制御線EL2に、第2発光制御信号を順に供給することができる。
【0074】
第1発光制御信号及び/または第2発光制御信号が供給されると、画素PXは、水平ライン単位(または画素行単位)で非発光とされうる。そのために、第1発光制御信号及び第2発光制御信号は、画素PXに含まれるトランジスタがターンオフされるように、ゲートオフレベル(例えば、ハイ電圧)に設定されてもよい。画素PXに含まれ、第1発光制御信号及び/または第2発光制御信号を受信するトランジスタは、第1発光制御信号及び/または第2発光制御信号が供給されるときにターンオフされ、その他の場合はターンオン状態に設定されうる。
【0075】
第1発光制御信号と第2発光制御信号は、画素PXの発光時間を制御するために用いられてもよい。そのために、第1発光制御信号と第2発光制御信号は、走査信号よりも広い幅に設定されてもよい。
【0076】
一実施例では、1フレーム期間の間に、第1発光制御信号及び/または第2発光制御信号は、複数のゲートオフレベル(例えば、ハイ電圧)期間を有することができる。例えば、第1発光制御信号及び/または第2発光制御信号は、初期化、しきい値電圧の補償などのために、複数のゲートオン期間と複数のゲートオフ期間とを含んでもよい。
【0077】
一実施例では、第4走査駆動部500と同様に、第1発光制御線EL1のうちの1つの発光制御線(例えば、第1発光制御線EL1i)と、第2発光制御線EL2のうちの1つの発光制御線(例えば、第2発光制御線EL2i)とに対応して、第1及び第2発光駆動部600、700は、第1周波数で、発光制御信号(例えば、第1及び第2発光制御信号)を第1及び第2発光制御線EL1i、EL2iに供給することができる。従って、1フレーム期間内において、第1及び第2発光制御線EL1、EL2のそれぞれに供給される発光制御信号は、所定の周期毎に繰り返して供給されうる。
【0078】
データ駆動部800は、タイミング制御部900から第7駆動制御信号DCS及び映像データRGBを受信することができる。データ駆動部800は、第7駆動制御信号DCSに対応して、データ線DLにデータ信号を供給することができる。データ線DLに供給されたデータ信号は、走査信号(例えば、第1走査信号)によって選択された画素PXに供給されてもよい。そのために、データ駆動部800は、走査信号と同期するように、データ線DLにデータ信号を供給することができる。
【0079】
一実施例では、データ駆動部800は、映像リフレッシュレートに対応して、1フレーム期間の間に、データ線DLにデータ信号を供給することができる。例えば、データ駆動部800は、第1走査線SL1に供給される走査信号と同期するようにデータ信号を供給することができる。
【0080】
図2は、本発明の実施例による画素を示す回路図である。図2では、説明の便宜上、第i水平ライン(または第i画素行)に位置し、第jデータ線DLjと接続された画素PXを示す。
【0081】
図2を参照すると、画素PXは、発光素子LD、第1~第9トランジスタT1~T9、第1キャパシタC1、及び第2キャパシタC2を含んでもよい。
【0082】
発光素子LDの第1電極(またはアノード)は、第7トランジスタT7を経由して、第1トランジスタT1の第2電極(例えば、ドレイン電極)(または第2ノードN2)に接続され、発光素子LDの第2電極(またはカソード)は、第2電源VSSに接続されてもよい。
【0083】
第1トランジスタT1は、第6トランジスタT6を経由して第1電源VDDに接続され、第7トランジスタT7を経由して発光素子LDの第1電極に接続されてもよい。第1トランジスタT1は、駆動電流を生成して発光素子LDに提供することができる。第1トランジスタT1のゲート電極は、第1ノードN1に接続されてもよい。第1トランジスタT1は、画素PXの駆動トランジスタとして機能することができる。第1トランジスタT1は、第1ノードN1に印加される電圧に対応して、第1電源VDDから発光素子LDを経由して、第2電源VSSに流れる電流量を制御することができる。
【0084】
第1キャパシタC1は、第1トランジスタT1のゲート電極に対応する第1ノードN1と、第2トランジスタT2の第2電極(または第3ノードN3)との間に接続されてもよい。第1キャパシタC1は、第1ノードN1と第3ノードN3との電圧差に対応する電圧を貯蔵することができる。
【0085】
第2キャパシタC2は、第1電源VDDと第3ノードN3との間に接続されてもよい。第2キャパシタC2は、第1電源VDDと第3ノードN3との電圧差に対応する電圧を貯蔵することができる。第2キャパシタC2の一電極が、定電圧源である第1電源VDDに接続され、他電極が、第3ノードN3に接続されることによって、第2キャパシタC2は、表示走査期間に、第2トランジスタT2を介して、第3ノードN3に書き込まれたデータ信号(またはデータ電圧)を、データ信号が書き込まれない自己走査期間の間に保持することができる。即ち、第2キャパシタC2は、第3ノードN3の電圧を安定化させることができる。
【0086】
第2トランジスタT2は、データ線DLjと第3ノードN3との間に接続されてもよい。一実施例による第2トランジスタT2は、直列に接続された第2_1トランジスタT2_1及び第2_2トランジスタT2_2を含んでもよい。第2トランジスタT2は、走査信号を受信するゲート電極を含んでもよい。例えば、第2トランジスタT2のゲート電極は、第1走査線SL1iに接続されて、第1走査信号を受信することができる。第2トランジスタT2は、第1走査線SL1iに第1走査信号が供給されるときにターンオンされて、データ線DLjと第3ノードN3とを電気的に接続させることができる。これにより、データ信号(またはデータ電圧)を第3ノードN3に伝達することができる。
【0087】
第3トランジスタT3は、第1トランジスタT1のゲート電極に対応する第1ノードN1と第1トランジスタT1の第2電極(または第2ノードN2)との間に接続されてもよい。一実施例による第3トランジスタT3は直列に接続された第3_1トランジスタT3_1及び第3_2トランジスタT3_2を含んでもよい。第3トランジスタT3は走査信号を受信するゲート電極を含んでもよい。例えば、第3トランジスタT3のゲート電極は、第2走査線SL2iに接続されて、第2走査信号を受信することができる。第3トランジスタT3は、第2走査線SL2iに第2走査信号が供給されるときにターンオンされて、第1ノードN1と第2ノードN2とを電気的に接続させることができる。第3トランジスタT3のターンオンにより、第1トランジスタT1がダイオード接続形態を有することができる。第1トランジスタT1がダイオード接続形態を有する場合、第1トランジスタT1のしきい値電圧が補償されうる。
【0088】
第4トランジスタT4は、初期化電源Vintと第1ノードN1との間に接続されてもよい。一実施例による第4トランジスタT4は直列に接続された第4_1トランジスタT4_1及び第4_2トランジスタT4_2を含んでもよい。第4トランジスタT4は、走査信号を受信するゲート電極を含んでもよい。例えば、第4トランジスタT4のゲート電極は、第3走査線SL3iに接続されて第3走査信号を受信することができる。第4トランジスタT4は、第3走査線SL3iに第3走査信号が供給されるときにターンオンされて、初期化電源Vintと第1ノードN1とを電気的に接続させることができる。これにより、第1ノードN1に初期化電源Vintの電圧が供給されうる。従って、第1ノードN1の電圧が、初期化電源Vintの電圧に初期化されうる。
【0089】
第5トランジスタT5は、基準電源VREFと第3ノードN3との間に接続されてもよい。一実施例による第5トランジスタT5は、直列に接続された第5_1トランジスタT5_1及び第5_2トランジスタT5_2を含んでもよい。第5トランジスタT5は、走査信号を受信するゲート電極を含んでもよい。例えば、第5トランジスタT5のゲート電極は、第2走査線SL2iに接続されて、第2走査信号を受信することができる。第5トランジスタT5は、第2走査線SL2iに第2走査信号が供給されるときにターンオンされて、基準電源VREFと第3ノードN3とを電気的に接続させることができる。これにより、第3ノードN3に基準電源VREFの電圧が供給されうる。従って、第3ノードN3の電圧が、基準電源VREFの電圧に初期化されうる。
【0090】
一方、第3及び第5トランジスタT3、T5のゲート電極は、同じ走査線(即ち、第2走査線SL2i)に接続されるため、同時にターンオフまたはターンオンされうる。
【0091】
第6トランジスタT6は、第1電源VDDと第1トランジスタT1の第1電極(または第5ノードN5)との間に接続されてもよい。第6トランジスタT6は発光制御信号を受信するゲート電極を含んでもよい。例えば、第6トランジスタT6のゲート電極は第1発光制御線EL1iに接続されて第1発光制御信号を受信することができる。第6トランジスタT6は、第1発光制御線EL1iに第1発光制御信号が供給されるときにターンオフされ、その他の場合はターンオンされるのであってもよい。ターンオン状態の第6トランジスタT6は、第1トランジスタT1の第1電極を第1電源VDDに接続することができる。
【0092】
第7トランジスタT7は、第1トランジスタT1の第2電極に対応する第2ノードN2と、発光素子LDのアノード(または第4ノードN4)との間に接続されてもよい。第7トランジスタT7は、発光制御信号を受信するゲート電極を含んでもよい。例えば、第7トランジスタT7のゲート電極は、第2発光制御線EL2iに接続されて、第2発光制御信号を受信することができる。第7トランジスタT7は、第2発光制御線EL2iに第2発光制御信号が供給されるときにターンオフされ、その他の場合はターンオンされるのであってもよい。ターンオン状態の第7トランジスタT7は、第2ノードN2と第4ノードN4とを電気的に接続することができる。
【0093】
第6及び第7トランジスタT6、T7の両方がターンオンされる場合、発光素子LDが第1ノードN1の電圧に対応する輝度で発光することができる。
【0094】
一実施例では、第6トランジスタT6がターンオンされ、第7トランジスタT7がターンオフされる場合、第1トランジスタT1のしきい値電圧の補償が行われうる。
【0095】
第8トランジスタT8は、発光素子LDの第1電極(または第4ノードN4)と、アノード初期化電源Vaintとの間に接続されてもよい。第8トランジスタT8は、走査信号を受信するゲート電極を含んでもよい。例えば、第8トランジスタT8のゲート電極は、第4走査線SL4iに接続されて、第4走査信号を受信することができる。第8トランジスタT8は、第4走査線SL4iに第4走査信号が供給されるときにターンオンされ、アノード初期化電源Vaintと第4ノードN4とを電気的に接続させることができる。これにより、第4ノードN4(または発光素子LDのアノード)の電圧が、アノード初期化電源Vaintの電圧に初期化されうる。発光素子LDのアノードに、アノード初期化電源Vaintの電圧が供給されると、発光素子LDの寄生キャパシタが放電されうる。寄生キャパシタに充電された残留電圧が放電(除去)されることによって、意図しない微小発光を防止することができる。従って、画素PXの黒表現能力が向上しうる。一方、第1トランジスタT1のゲート電極(または第1ノードN1)の初期化動作と、発光素子LDのアノード(または第4ノードN4)の初期化動作とを分離することにより、第1トランジスタT1のゲート電極(または第1ノードN1)の初期化動作時に、発光素子LDの意図しない発光を防止することができる。
【0096】
第9トランジスタT9は、第1トランジスタT1の第1電極(または第5ノードN5)と、バイアス電源Vbsとの間に接続されてもよい。第9トランジスタT9は、走査信号を受信するゲート電極を含んでもよい。例えば、第9トランジスタT9のゲート電極は、第4走査線SL4iに接続されて、第4走査信号を受信することができる。第9トランジスタT9は、第4走査線SL4iに、第4走査信号が供給されるときにターンオンされて、第5ノードN5とバイアス電源Vbsとを電気的に接続させることができる。第9トランジスタT9を利用して、周期的に駆動トランジスタ(例えば、第1トランジスタT1)のソース電極に、一定の電圧でバイアスを印加することができる。従って、隣接する画素同士の間の階調差によるヒステリシス偏差が除去され、これによるゴーストが低減(除去)されうる。
【0097】
一方、図2では、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、及び第8トランジスタT8をP-typeとして示しているが、これに限定されるものではなく、第3トランジスタT3、第5トランジスタT5及び第8トランジスタT8は、N-typeとして形成されてもよい。
【0098】
図3a~図3fは、図2に示す画素の一実施例による表示走査期間の動作を説明するための波形図である。
【0099】
図2及び図3aを参照すると、画素PXは、表示走査期間DSPの間に、映像を表示するための信号の供給を受けることができる。表示走査期間DSPは、出力映像に実際に対応するデータ信号DVjが書き込まれる期間を含んでもよい。
【0100】
第1及び第2発光制御線EL1i、EL2iにそれぞれ第1及び第2発光制御信号EM1i、EM2iが供給され、第1~第4走査線SL1i、SL2i、SL3i、SL4iにそれぞれ第1~第4走査信号GWi、GCi、GIi、EBiが供給されてもよい。
【0101】
第1時点t1において、第3走査信号GIiは、ゲートオフレベルからゲートオンレベルに遷移されてもよい。そのために、第4トランジスタT4がターンオンされうる。これにより、第1ノードN1(または第1トランジスタT1のゲート電極)に、初期化電源Vintの電圧が供給されて、第1ノードN1が初期化電源Vintの電圧に初期化されうる。
【0102】
また、第2走査信号GCiは、ゲートオフレベルからゲートオンレベルに遷移されてもよい。これにより、第3トランジスタT3がターンオンされうる。但し、第2発光制御信号EM2iはゲートオフレベルを保持することから、第7トランジスタT7はターンオフされるか、またはターンオフ状態を保持するため、第1ノードN1に供給された初期化電源Vintの電圧が、第4ノードN4に供給されることが防止されて、発光素子LDの意図しない発光を防止することができる。
【0103】
また、ゲートオンレベルの第2走査信号GCiにより、第5トランジスタT5がターンオンされうる。これにより、第3ノードN3に基準電源VREFの電圧が供給されて、第3ノードN3が基準電源VREFの電圧に初期化されうる。
【0104】
これにより、図3bに示す第1時点t1から第2時点t2までの第1期間P1aの間、第1ノードN1に初期化電源Vintの電圧が供給され、第3ノードN3に基準電源VREFの電圧が供給されうる。即ち、第1期間P1aは、第1トランジスタT1のゲート電極(または第1ノードN1)及び第3ノードN3を初期化する初期化期間(または第1初期化期間)でありうる。
【0105】
第3時点t3において、第1発光制御信号EM1iが、ゲートオフレベルからゲートオンレベルに遷移されてもよい。これにより、第6トランジスタT6はターンオンされ、第1トランジスタT1の第1電極(例えば、ソース電極)は第1電源VDDに接続されうる。
【0106】
また、第2走査信号GCiがゲートオンレベルを保持するため、第3トランジスタT3はターンオン状態を保持することができる。これにより、第1トランジスタT1は、ダイオード接続形態を有することができる。この場合、第1ノードN1には、第1電源VDDの電圧と第1トランジスタT1のしきい値電圧との差(または電圧差)に対応する電圧がサンプリングされうる。
【0107】
これにより、図3cに示す第3時点t3から第4時点t4までの第2期間P2aの間、第1トランジスタT1がダイオード接続形態を有することにより、第1トランジスタT1のしきい値電圧が補償されうる。即ち、第2期間P2aはしきい値電圧の補償期間でありうる。
【0108】
一方、第2期間P2aにおいて、しきい値電圧の補償は、定電圧源である第1電源VDDの電圧によって行われうる。従って、画素行及び/またはフレームによって変化し得るデータ信号(データ電圧)ではない、固定電圧に基づいて、しきい値電圧の補償動作が行われうる。
【0109】
第4時点t4において、第1発光制御信号EM1iは、ゲートオンレベルからゲートオフレベルに遷移されてもよい。これにより、第6トランジスタT6はターンオフされうる。
【0110】
第5時点t5において、第2走査信号GCiは、ゲートオンレベルからゲートオフレベルに遷移されてもよい。これにより、第3及び第5トランジスタT3、T5はターンオフされうる。
【0111】
第6時点t6において、第1走査信号GWiがゲートオフレベルからゲートオンレベルに遷移し、第2トランジスタT2がターンオンされうる。これにより、データ信号DVjが第3ノードN3に供給されうる。
【0112】
第1ノードN1は、第1キャパシタC1によって第3ノードN3と接続されるため、第1ノードN1には、第3ノードN3の電圧の変化量(即ち、「DATA-VREF」)が反映されうる。従って、第1ノードN1の電圧は、「VDD-Vth+(DATA-VREF)」に変化することができる。ここで、DATAはデータ信号DVjに対応する電圧、VREFは基準電源VREFの電圧、VDDは第1電源VDDの電圧、Vthは第1トランジスタT1のしきい値電圧であってもよい。
【0113】
これにより、図3dに示す第6時点t6から第7時点t7までの第3期間P3aの間、データ信号DVjが画素PXに書き込まれうる。即ち、第3期間P3aはデータ書き込み期間でありうる。
【0114】
一実施例では、第3期間P3aの長さ、即ち、第1走査信号GWiの長さ(パルス幅)は、1水平周期1Hでありうる。但し、第1走査信号GWiの長さはこれに限定されず、例えば、第1走査信号GWiの長さは2水平周期2H以上であってもよい。
【0115】
第7時点t7において、第1走査信号GWiは、ゲートオンレベルからゲートオフレベルに遷移されてもよい。これにより、第2トランジスタT2はターンオフされうる。
【0116】
第8時点t8において、第4走査信号EBiは、ゲートオフレベルからゲートオンレベルに遷移されてもよい。これにより、第8トランジスタT8がターンオンされて、第4ノードN4にアノード初期化電源Vaintの電圧が供給されうる。即ち、第4期間P4aに、発光素子LDのアノード初期化を行うことができる。
【0117】
また、第9トランジスタT9がターンオンされて、第5ノードN5(または第1トランジスタT1のソース電極)に、バイアス電源Vbsの電圧が供給されうる。従って、第1トランジスタT1の第1電極(またはソース電極)に、正の電圧を有するバイアス電源Vbsの電圧が供給されうる。
【0118】
これにより、図3eに示す第8時点t8から第9時点t9までの第4期間P4aの間、第1トランジスタT1にオンバイアスが印加されうる。即ち、第4期間P4aは、オンバイアス期間(または第1オンバイアス期間)でありうる。
【0119】
第9時点t9において、第4走査信号EBiは、ゲートオンレベルからゲートオフレベルに遷移されてもよい。これにより、第8トランジスタT8及び第9トランジスタT9は、ターンオフされうる。
【0120】
第4期間P4aにおいて、第1トランジスタT1にオンバイアスを印加することにより、第1トランジスタT1のヒステリシス特性(即ち、しきい値電圧シフト)が改善されうる。
【0121】
従って、図3a~図3fの動作による画素PX及び表示装置(図1の1000)は、第1トランジスタT1のしきい値電圧のばらつきを除去するとともに、ヒステリシス特性を除去または改善することにより、映像不良(フリッカー、カラーゴースト、輝度低下など)が改善されうる。特に、第1トランジスタT1(または駆動トランジスタ)のソース電極に、一定の電圧でバイアスを印加して、駆動電流の方向とバイアスの方向を一致させることにより、ヒステリシス特性(しきい値電圧シフトの差)をより効果的に改善することができる。
【0122】
第10時点t10において、第1及び第2発光制御信号EM1i、EM2iは、ゲートオフレベルからゲートオンレベルに遷移されてもよい。これにより、第6及び第7トランジスタT6、T7はターンオンされることができるため、図3fに示す第10時点t10以降の第5期間P5aで、画素PXが発光することができる。即ち、第5期間P5aは、発光期間(または第1発光期間)でありうる。
【0123】
図4a~図4dは、図2の画素の一実施例による自己走査期間の動作を説明するための波形図である。
【0124】
図2図3a、及び図4aを参照すると、表示走査期間DSPに出力される映像の輝度を保持するために、自己走査期間SSPに、第1トランジスタT1の第1電極(例えば、ソース電極または第5ノードN5)にオンバイアス電圧が印加されてもよい。
【0125】
映像フレームレートに応じて、1フレームは、少なくとも1つの自己走査期間SSPを含んでもよい。自己走査期間SSPは、第6期間P2bのオンバイアス期間(または第2オンバイアス期間)、第7期間P4bのオンバイアス期間(または第3オンバイアス期間)、及び第8期間P5bの発光期間(または第2発光期間)を含んでもよい。
【0126】
一実施例では、自己走査期間SSPには、第2~第5トランジスタT2、T3、T4、T5に走査信号が供給されない。例えば、自己走査期間SSPにおいて、第1走査線SL1i、第2走査線SL2i、及び第3走査線SL3iにそれぞれ供給される第1走査信号GWi、第2走査信号GCi、及び第3走査信号Giiは、ゲートオフレベル(またはハイレベル(H))を有することができる。これにより、自己走査期間SSPでは、第1トランジスタT1のゲート電極初期化期間(例えば、第1期間P1a)、しきい値電圧補償期間(例えば、第2期間P2a)及びデータ書き込み期間(例えば、第3期間P3a)を含まない。
【0127】
図4bに示す第11時点t11から第12時点t12までの第6期間P2b(または第2オンバイアス期間)の間、ゲートオンレベルの第1発光制御信号EM1iが供給されるため、第6トランジスタT6は、ターンオンされるか、またはターンオン状態を保持することができる。これにより、高電圧の第1電源VDDの電圧が、第1トランジスタT1の第1電極(またはソース電極)に供給されることで、第1トランジスタT1は、オンバイアス状態を有することができる。
【0128】
図4cに示す第13時点t13から第14時点t14までの第7期間P4b(または第3オンバイアス期間)の間、ゲートオンレベルの第4走査信号EBiが供給されるため、第9トランジスタT9は、ターンオンされるか、またはターンオン状態を保持することができる。第9トランジスタT9がターンオンされて、第5ノードN5(または第1トランジスタT1のソース電極)にバイアス電源Vbsの電圧が供給されうる。従って、第1トランジスタT1の第1電極(またはソース電極)に、正の電圧を有するバイアス電源Vbsの電圧が供給されうる。
【0129】
また、第8トランジスタT8がターンオンされうる。これにより、第4ノードN4(または発光素子LDの第1電極)にアノード初期化電源Vaintの電圧が供給されて、第4ノードN4がアノード初期化電源Vaintの電圧に初期化されうる。
【0130】
図4dに示す第15時点t15以降の第8期間P5b(または第2発光期間)では、第1発光制御信号EM1iと第2発光制御信号EM2iの両方がゲートオンレベルを有するため、第6及び第7トランジスタT6、T7がターンオンされて、画素PXが発光することができる。
【0131】
ここで、第4走査信号EBiと、第1及び第2発光制御信号EM1i、EM2iは、映像リフレッシュレートに関わらず、第1周波数で供給されてもよい。従って、映像リフレッシュレートが変わる場合でも、発光素子LDの初期化動作、オンバイアス期間(第4期間P4a、及び/または、第6期間P2b、及び/または、第7期間P4b)におけるオンバイアス印加は、常に周期的に行われうる。従って、様々な映像リフレッシュレート(特に低周波数駆動)に対応して、フリッカーが改善されうる。
【0132】
一方、自己走査期間SSPにおいて、データ駆動部(図1の800)は画素PXにデータ信号を供給しなくてもよい。従って、消費電力がさらに低減されうる。
【0133】
図5は、映像リフレッシュレートに応じた表示装置の駆動方法の一例を説明するための概念図である。
【0134】
図1図5を参照すると、画素PXは、表示走査期間DSPにおいて図3a~図3gの動作を行い、自己走査期間SSPにおいて図4a~図4dの動作を行うことができる。
【0135】
一実施例では、映像リフレッシュレートRRに応じて、第1走査信号GWi及び第2走査信号GCiの出力周波数が変わってもよい。例えば、第1走査信号GWi及び第2走査信号GCiは、映像リフレッシュレートRRと同じ周波数(第2周波数)で出力されてもよい。
【0136】
一実施例では、映像リフレッシュレートRRに関わらず、第3走査信号GIi、第4走査信号EBi、第1発光制御信号EM1i、及び第2発光制御信号EM2iは、一定の周波数(第1周波数)で出力されてもよい。例えば、第3走査信号GIi、第4走査信号EBi、第1発光制御信号EM1i、及び第2発光制御信号EM2iの出力周波数は、表示装置1000の最大リフレッシュレートの2倍に設定されてもよい。一実施例では、表示走査期間DSPと自己走査期間SSPとは、長さが実質的に同じであってもよい。但し、1フレーム期間に含まれる自己走査期間SSPの数は、映像リフレッシュレートRRに応じて決まりうる。
【0137】
図5に示すように、表示装置1000が120Hzの映像リフレッシュレートRRで駆動される場合、1フレーム期間は、1つの表示走査期間DSP及び1つの自己走査期間SSPを含むことができる。これにより、表示装置1000が120Hzの映像リフレッシュレートRRで駆動される場合、1フレーム期間の間、画素PXのそれぞれは、発光及び非発光を交互に2回ずつ繰り返すことができる。
【0138】
また、表示装置1000が80Hzの映像リフレッシュレートRRで駆動される場合、1フレーム期間は、1つの表示走査期間DSPと連続した2つの自己走査期間SSPを含むことができる。これにより、表示装置1000が80Hzの映像リフレッシュレートRRで駆動される場合、1フレーム期間の間、画素PXのそれぞれは、発光及び非発光を交互に3回繰り返すことができる。
【0139】
上記と類似する方式で、表示装置1000は、1フレーム期間に含まれる自己走査期間SSPの数を調整することにより、60Hz、48Hz、30Hz、24Hz、1Hzなどの駆動周波数で駆動されうる。言い換えると、表示装置1000は、第1周波数の約数に該当する周波数で、様々な映像リフレッシュレートRRを支援することができる。
【0140】
また、駆動周波数が減少するほど自己走査期間SSPの数が増加することにより、画素PXのそれぞれに含まれる第1トランジスタT1のそれぞれに、一定の大きさのオンバイアス及び/またはオフバイアスが、周期的に印加されうる。従って、低周波数駆動における輝度の減少、フリッカー(ちらつき)、ゴーストが改善されうる。
【0141】
図6aは、図2に示す画素を基準として複数の画素を上部から見た概略的な平面図である。図6bは、図6aの画素に含まれた半導体層の一例を示す平面図である。図6cは、図6aの画素に含まれた第1導電層の一例を示す平面図である。図6dは、図6aの画素に含まれた第2導電層の一例を示す平面図である。図6eは、図6aの画素に含まれた第3導電層の一例を示す平面図である。図6fは、図6aの画素に含まれた第4導電層の一例を示す平面図である。
【0142】
図1図2、及び図6aを参照すると、表示パネル100は、第11画素PX11(または第11画素領域PXA11)、第12画素PX12(または第12画素領域PXA12)、及び第13画素PX13(または第13画素領域PXA13)を含んでもよい。第11画素PX11、第12画素PX12、及び第13画素PX13は、1つの単位画素を構成してもよい。
【0143】
実施例によって、第11~第13画素PX11~PX13は互いに異なる色で発光することができる。例えば、第11画素PX11は赤色で発光する赤色画素であってもよく、第12画素PX12は緑色で発光する緑色画素であってもよく、第13画素PX13は青色で発光する青色画素であってもよい。但し、単位画素を構成する画素の色、種類、及び/または数などは、特に限定されず、例えば、それぞれの画素が発する光の色は多様に変わってもよい。実施例によって、第11~第13画素PX11~PX13は、互いに同じ色で発光しうる。例えば、第11~第13画素PX11~PX13は、青色で発光する青色画素であってもよい。
【0144】
第11~第13画素PX11~PX13(または第11~第13画素PX11~PX13の画素駆動回路)は、互いに実質的に同一であるか、または類似するため、以下では、第11~第13画素PX11~PX13を包括するようにして、第11画素PX11について説明する。
【0145】
第11画素PX11は、半導体層ACT、第1導電層GAT1、第2導電層GAT2、第3導電層SD1、及び第4導電層SD2を含んでもよい。半導体層ACT、第1導電層GAT1、第2導電層GAT2、第3導電層SD1、及び第4導電層SD2は、異なる工程により、異なる層に形成されてもよい。
【0146】
半導体層ACTは、第1~第9トランジスタT1~T9のチャネルを構成するアクティブ層であってもよい。半導体層ACTは、第1~第9トランジスタT1~T9のそれぞれの第1電極(例えば、ソース電極)及び第2電極(例えば、ドレイン電極)に接触するソース領域(または第1領域)及びドレイン領域(または第2領域)を含んでもよい。ソース領域とドレイン領域との間の領域は、チャネル領域であってもよい。半導体パターンのチャネル領域は、不純物でドープされない半導体パターンであって、真性半導体であってもよい。ソース領域及びドレイン領域は、不純物がドープされた半導体パターンであってもよい。
【0147】
図6a及び図6bを参照すると、半導体層ACTは、第1半導体パターングループACT1及び第2半導体パターングループACT2を含んでもよい。
【0148】
第1半導体パターングループACT1は、第1ダミー部ACT_DM1及び第1幹部ACT_ST1を含んでもよい。第1ダミー部ACT_DM1、第1幹部ACT_ST1は、互いに接続されて、一体に構成されてもよい。
【0149】
第1ダミー部ACT_DM1は、第1方向DR1に延長し、第11画素領域PXA11の一辺に隣接して位置することができる。第1ダミー部ACT_DM1は、第11画素領域PXA11、第12画素領域PXA12、及び第13画素領域PXA13にて連続して延長するため、第1半導体パターングループACT1は、表示パネル100上で第1方向DR1に互いに接続されうる。
【0150】
第1幹部ACT_ST1は、第2半導体パターンACT_T2及び第5半導体パターンACT_T5を含んでもよい。第2半導体パターンACT_T2は第2トランジスタT2のチャネルを構成し、第5半導体パターンACT_T5は第5トランジスタT5のチャネルを構成することができる。一実施例では、第2トランジスタT2は第2_1及び第2_2トランジスタT2_1、T2_2を含み、第2半導体パターンACT_T2は、第2_1及び第2_2トランジスタT2_1、T2_2のチャネル領域、即ち、直列に接続された2つのチャネル領域を含んでもよい。同様に、第5トランジスタT5は第5_1及び第5_2トランジスタT5_1、T5_2を含み、第5半導体パターンACT_T5は、第5_1及び第5_2トランジスタT5_1、T5_2のチャネル領域、即ち、直列に接続された2つのチャネル領域を含んでもよい。第2半導体パターンACT_T2及び第5半導体パターンACT_T5のそれぞれは、デュアルゲートを形成するための屈曲部を含んでもよい。
【0151】
第2半導体パターングループACT2は、第2ダミー部ACT_DM2及び第2幹部ACT_ST2を含んでもよい。第2ダミー部ACT_DM2、第2幹部ACT_ST2は、互いに接続されて、一体に構成されてもよい。
【0152】
第2ダミー部ACT_DM2は、第1方向DR1に延長し、第11画素領域PXA11の他辺に隣接して位置することができる。第2ダミー部ACT_DM2は、第11画素領域PXA11、第12画素領域PXA12、及び第13画素領域PXA13にて連続して延長するため、第2半導体パターングループACT2は、表示パネル100上で第1方向DR1に互いに接続されうる。
【0153】
第2幹部ACT_ST2は、第1枝部ACT_BR1及び第2枝部ACT_BR2を含んでもよい。第2幹部ACT_ST2は、反時計回りに沿って、第8半導体パターンACT_T8、第7半導体パターンACT_T7、第1半導体パターンACT_T1、及び第9半導体パターンACT_T9を備えることができる。第8半導体パターンACT_T8は第8トランジスタT8のチャネルを構成し、第7半導体パターンACT_T7は第7トランジスタT7のチャネルを構成し、第1半導体パターンACT_T1は第1トランジスタT1のチャネルを構成し、第9半導体パターンACT_T9は第9トランジスタT9のチャネルを構成することができる。
【0154】
一実施例によると、第1半導体パターンACT_T1は、チャネル容量を向上させるための屈曲部を含んでもよい。
【0155】
一実施例によると、第1枝部ACT_BR1は、第1半導体パターンACT_T1と第7半導体パターンACT_T7との間で分岐して形成されうる。第1枝部ACT_BR1は第3半導体パターンACT_T3及び第4半導体パターンACT_T4を備えることができる。
【0156】
第3半導体パターンACT_T3は第3トランジスタT3のチャネルを構成し、第4半導体パターンACT_T4は第4トランジスタT4のチャネルを構成することができる。一実施例では、第3トランジスタT3は第3_1及び第3_2トランジスタT3_1、T3_2を含み、第3半導体パターンACT_T3は第3_1及び第3_2トランジスタT3_1、T3_2のチャネル領域、即ち、直列に接続された2つのチャネル領域を含んでもよい。同様に、第4トランジスタT4は第4_1及び第4_2トランジスタT4_1、T4_2を含み、第4半導体パターンACT_T4は第4_1及び第4_2トランジスタT4_1、T4_2のチャネル領域、即ち、直列に接続された2つのチャネル領域を含んでもよい。第3半導体パターンACT_T3及び第4半導体パターンACT_T4のそれぞれは、デュアルゲートを形成するための屈曲部を含んでもよい。
【0157】
第2枝部ACT_BR2は、第1半導体パターンACT_T1と第9半導体パターンACT_T9との間で分岐して形成されうる。第2枝部ACT_BR2は、第6半導体パターンACT_T6を備えることができる。第6半導体パターンACT_T6は、第6トランジスタT6のチャネルを構成することができる。
【0158】
第1半導体パターングループ及び第2半導体パターングループについても、図6a~図6cを参照すると、第1導電層GAT1は、第11キャパシタ電極C1_E1、第21キャパシタ電極C2_E1、第2~第9トランジスタT2~T9のゲートパターンT2_GE、T3_GE、T4_GE、T5_GE、T6_GE、T7_GE、T8_GE、びT9_GEを含んでもよい。
【0159】
第11キャパシタ電極C1_E1は、特定の面積を有し、概略、第11画素領域PXA11の中央に位置し、第1半導体パターンACT_T1と重畳するのでありうる。第11キャパシタ電極C1_E1は、第1トランジスタT1のゲート電極を構成することができる。
【0160】
第21キャパシタ電極C2_E1は、特定の面積を有し、第11キャパシタ電極C1_E1の上側に位置することができる。
【0161】
第2トランジスタT2のゲートパターンT2_GEは、第1方向DR1に延長し、第2半導体パターンACT_T2の屈曲部に形成されたチャネル領域と重畳して第2_1及び第2_2トランジスタT2_1、T2_2のゲート電極をそれぞれ構成することができる。
【0162】
第3トランジスタT3のゲートパターンT3_GEは、第1方向DR1に延長し、第2方向DR2に分岐され、第3半導体パターンACT_T3の屈曲部に形成されたチャネル領域と重畳して、第3_1及び第3_2トランジスタT3_1、T3_2のゲート電極をそれぞれ構成することができる。
【0163】
第4トランジスタT4のゲートパターンT4_GEは、第1方向DR1に延長し、第2方向DR2に分岐され、第4半導体パターンACT_T4の屈曲部に形成されたチャネル領域と重畳して、第4_1及び第4_2トランジスタT4_1、T4_2のゲート電極をそれぞれ構成することができる。
【0164】
第5トランジスタT5のゲートパターンT5_GEは、第1方向DR1に延長し、第5半導体パターンACT_T5の屈曲部に形成されたチャネル領域と重畳して、第5_1及び第5_2トランジスタT5_1、T5_2のゲート電極をそれぞれ構成することができる。
【0165】
第6トランジスタT6のゲートパターンT6_GEは、第1方向DR1に延長し、第6半導体パターンACT_T6に形成されたチャネル領域と重畳して、第6トランジスタT6のゲート電極を構成することができる。
【0166】
第7トランジスタT7のゲートパターンT7_GEは、第1方向DR1に延長し、第7半導体パターンACT_T7に形成されたチャネル領域と重畳して、第7トランジスタT7のゲート電極を構成することができる。
【0167】
第8トランジスタT8のゲートパターンT8_GEと第9トランジスタT9のゲートパターンT9_GEは、一体に形成され、第1方向DR1に延長することができる。第8トランジスタT8のゲートパターンT8_GEは、第8半導体パターンACT_T8に形成されたチャネル領域と重畳して、第8トランジスタT8のゲート電極を構成するのであって、第9トランジスタT9のゲートパターンT9_GEは、第9半導体パターンACT_T9に形成されたチャネル領域と重畳して、第9トランジスタT9のゲート電極を構成することができる。
【0168】
第1導電層GAT1は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、銅(Cu)から選択された1つ以上の金属を含んでもよい。第1導電層GAT1は、単一膜または多層膜の構造であってもよく、例えば、第1導電層GAT1は、モリブデン(Mo)を含む単一膜構造であってもよい。
【0169】
図6a~図6dを参照すると、第2導電層GAT2は、第12キャパシタ電極C1_E2及び第1_1電源線VL_VDDを含んでもよい。
【0170】
第1_1電源線VL_VDDは、第1方向DR1に延長し、第21キャパシタ電極C2_E1と重畳し、第21キャパシタ電極C2_E1と共に第2キャパシタC2(図2参照)を構成することができる。第1_1電源線VL_VDDの面積は、第21キャパシタ電極C2_E1の面積より大きく、第21キャパシタ電極C2_E1をカバーすることができる。一方、第1_1電源線VL_VDDは、第3導電層SD1で形成された第2ブリッジパターンBRP2と、第1導電層GAT1で形成された第21キャパシタ電極C2_E1とを接続させるための、第1開口部OP1を含んでもよい。
【0171】
第12キャパシタ電極C1_E2は、第11キャパシタ電極C1_E1と重畳し、第11キャパシタ電極C1_E1と共に第1キャパシタC1(図2参照)を構成することができる。第12キャパシタ電極C1_E2の面積は、第11キャパシタ電極C1_E1の面積より大きく、第11キャパシタ電極C1_E1をカバーすることができる。一方、第12キャパシタ電極C1_E2は、第3導電層SD1で形成された第4ブリッジパターンBRP4と、第1導電層GAT1で形成された第11キャパシタ電極C1_E1とを接続させるための、第2開口部OP2を含んでもよい。
【0172】
第2導電層GAT2は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、銅(Cu)から選択された1つ以上の金属を含んでもよい。第2導電層GAT2は、単一膜または多層膜の構造であってもよく、例えば、第2導電層GAT2は、モリブデン(Mo)を含む単一膜構造であってもよい。
【0173】
図6a~図6eを参照すると、第3導電層SD1は第1~第4走査線SL1、SL2、SL3、SL4と、第1及び第2発光制御線EL1、EL2と、第3_1電源線VL_REFと、第4電源線VL_intと、第5電源線VL_aintと、第6電源線VL_bsと、第1~第5ブリッジパターンBRP1~BRP5と、を含んでもよい。
【0174】
第1走査線SL1は、第1方向DR1に延長することができる。第1走査線SL1は、第2トランジスタT2のゲートパターンT2_GEとコンタクトホールとを介して接続されてもよい。
【0175】
第2走査線SL2は、第1方向DR1に延長することができる。第2走査線SL2は、第3トランジスタT3のゲートパターンT3_GEとコンタクトホールを介して接続され、第5トランジスタT5のゲートパターンT5_GEとコンタクトホールを介して接続されてもよい。
【0176】
第3走査線SL3は、第1方向DR1に延長することができる。第3走査線SL3は、第4トランジスタT4のゲートパターンT4_GEとコンタクトホールを介して接続されてもよい。
【0177】
第4走査線SL4は、第1方向DR1に延長することができる。第4走査線SL4は、一体に形成された第8及び第9トランジスタT8、T9のゲートパターンT8_GE、T9_GEとコンタクトホールを介して接続されてもよい。
【0178】
第1発光制御線EL1は、第1方向DR1に延長することができる。第1発光制御線EL1は、第6トランジスタT6のゲートパターンT6_GEとコンタクトホールを介して接続されてもよい。
【0179】
第2発光制御線EL2は、第1方向DR1に延長することができる。第2発光制御線EL2は、第7トランジスタT7のゲートパターンT7_GEとコンタクトホールを介して接続されてもよい。
【0180】
第3_1電源線VL_REFは、第1方向DR1に延長することができる。第3_1電源線VL_REFは、第5トランジスタT5の一電極とコンタクトホールを介して接続されてもよい。
【0181】
第4電源線VL_intは、第1方向DR1に延長することができる。第4電源線VL_intは、第4トランジスタT4の一電極とコンタクトホールを介して接続されてもよい。
【0182】
第5電源線VL_aintは、第1方向DR1に延長することができる。第5電源線VL_aintは、第8トランジスタT8の一電極とコンタクトホールを介して接続されてもよい。
【0183】
第6電源線VL_bsは、第1方向DR1に延長することができる。第6電源線VL_bsは第9トランジスタT9の一電極とコンタクトホールを介して接続されてもよい。
【0184】
第1ブリッジパターンBRP1は、第2トランジスタT2の一電極と重畳し、コンタクトホールを介して第2トランジスタT2の一電極と接続されうる。また、第1ブリッジパターンBRP1は、コンタクトホールを介して第4導電層SD2で形成されたデータ線DLと接続されうる。即ち、第1ブリッジパターンBRPは、第2トランジスタT2の一電極とデータ線DLを接続させることができる。
【0185】
第2ブリッジパターンBRP2は、第2方向DR2に延長し、第1半導体パターングループACT1の一部、第12キャパシタ電極C1_E2、及び、第21キャパシタ電極C2_E1と、それぞれ重畳することができる。第2ブリッジパターンBRP2は、コンタクトホールを介して第1半導体パターングループACT1の一部と接続され、第2トランジスタT2の一電極及び第5トランジスタT5の一電極とそれぞれ接続されうる。また、第2ブリッジパターンBRP2は、コンタクトホールを介して第12キャパシタ電極C1_E2に接続されてもよい。また、第2ブリッジパターンBRP2は、第1_1電源線VL_VDDに形成された第1開口部OP1によって露出された、第21キャパシタ電極C2_E1に接続されうる。即ち、第2ブリッジパターンBRP2は、図2の第3ノードN3を構成することができる。
【0186】
第3ブリッジパターンBRP3は、第1_1電源線VL_VDD及び第6トランジスタT6の一電極とそれぞれ重畳することができる。第3ブリッジパターンBRP3は、コンタクトホールを介して第1_1電源線VL_VDDと、第6トランジスタT6の一電極と、それぞれ重畳するのでありうる。
【0187】
一方、第3ブリッジパターンBRP3は「H」状であってもよい。即ち、第3ブリッジパターンBRP3は、第1方向DR1に延長する1つの横部BRP3_1と、横部BRP3_1の両端に配置されて第2方向DR2に延長する第1縦部BRP3_2及び第2縦部BRP3_3と、を含んでもよい。ここで、横部BRP3_1は、第12キャパシタ電極C1_E2と第3方向DR3に重畳するように配置されてもよい。第1及び第2縦部BRP3_2、BRP3_3のそれぞれは、平面上にて、第12キャパシタ電極C1_E2から、予め設定された間隔だけ離隔されてもよい。
【0188】
第4ブリッジパターンBRP4は第1トランジスタT1の一電極(または第11キャパシタ電極C1_E1)及び第3トランジスタT3の一電極を接続させることができる。第4ブリッジパターンBRP4は第12キャパシタ電極C1_E2に形成された第2開口部OP2によって露出された第11キャパシタ電極C1_E1に接続されうる。また、第4ブリッジパターンBRP4は、コンタクトホールを介して第3半導体パターンACT_T3の一領域と接続されてもよい。
【0189】
第5ブリッジパターンBRP5は、第7トランジスタT7の一電極及び発光素子LDのアノードを接続させることができる。
【0190】
図6a~図6fを参照すると、第4導電層SD2は、第6ブリッジパターンBRP6、データ線DL、第1電源線VDDL、及び第3電源線VREFLを含んでもよい。
【0191】
第6ブリッジパターンBRP6は、第5ブリッジパターンBRP5と重畳し、コンタクトホールを介して第5ブリッジパターンBRP5と接続されうる。第6ブリッジパターンBRP6は、第5ブリッジパターンBRP5を介して第7トランジスタT7の一電極に接続されうる。また、第6ブリッジパターンBRP6はコンタクトホールを介して発光素子LDのアノードに接続されてもよい。即ち、第6ブリッジパターンBRP6は、第5ブリッジパターンBRP5と共に、第7トランジスタT7の一電極を発光素子LDのアノードに接続させることができる。
【0192】
データ線DLは、第2方向DR2に延長し、第11画素領域PXA11の第1方向DR1の左側に位置し、第1ブリッジパターンBRP1と重畳するのでありうる。データ線DLは、コンタクトホールを介して第1ブリッジパターンBRP1と接続し、第1ブリッジパターンBRP1を介して第2トランジスタT2の一電極に接続されうる。
【0193】
第3電源線VREFLは、第2方向DR2に延長し、第11画素領域PXA11の第1方向DR1の右側に位置し、第3_1電源線VL_REFと重畳するのでありうる。第3電源線VREFLは、コンタクトホールを介して第3_1電源線VL_REFと接続し、コンタクトホールを介して第5トランジスタT2の一電極に接続されうる。
【0194】
第1電源線VDDLは、第2方向DR2に延長し、データ線DLと第3電源線VREFLとの間に位置することができる。第1電源線VDDLは第3ブリッジパターンBRP3(または第1縦部BRP3_2の上側)とコンタクトホールを介して接続されうる。
【0195】
このように、第1電源線VDDLは第2方向DR2に延長し、第1電源線VDDLと第3ブリッジパターンBRP3及びコンタクトホールを介して接続された第1_1電源線VL_VDDは、第1方向DR1に延長してメッシュ構造を有することができる。また、第3電源線VREFLは第2方向DR2に延長し、第3電源線VREFLとコンタクトホールを介して接続された第3_1電源線VL_REFは、第1方向DR1に延長してメッシュ構造を有することができる。これにより、IRドロップが減少し、表示パネル100のムラの散布が減少しうる。
【0196】
第3導電層SD1及び第4導電層SD2は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、銅(Cu)から選択された1つ以上の金属を含んでもよい。第3導電層SD1及び第4導電層SD2は、単一膜または多層膜の構造であってもよく、例えば、第3導電層SD1及び第4導電層SD2は、Ti/AL/Tiの多層膜構造であってもよい。
【0197】
図7は、一実施例による図6aの第1トランジスタ、第3トランジスタ、及び第7トランジスタ領域の積層構造を説明するための部分断面図である。図8は、リーク電流の特性と駆動範囲とがトレードオフ関係であることを示すグラフである。
【0198】
図2図6a、及び図7を参照すると、第11~第13画素PX11~PX13は、互いに実質的に同一であるか、または類似するため、以下では、第11~第13画素PX11~PX13を包括するようにして、第11画素PX11を基準として説明する。
【0199】
まず、発光素子LDと電気的に接続された第7トランジスタT7領域を通じて、画素PXの一般的な積層構造について説明し、第1トランジスタT1領域及び第3トランジスタT3領域を通じて、バッファ層BFLが領域ごとに異なって形成された構造及び必要性について説明する。
【0200】
ベース層SUB(または基板)上に、画素回路層PCL、表示素子層DPL、及び薄膜封止層TFEが順に配置されてもよい。
【0201】
画素回路層PCLは、バリア層BRL、バッファ層BFL、半導体層ACT、第1絶縁層GI1(または第1ゲート絶縁層)、第1導電層GAT1、第2絶縁層GI2(または第2ゲート絶縁層)、第2導電層GAT2、第3絶縁層ILD(または層間絶縁層)、第3導電層SD1、第1有機層VIA1(または第1ビア層、第4絶縁層)、第4導電層SD2、及び第2有機層VIA2(または第2ビア層、第5絶縁層)を含んでもよい。
【0202】
バリア層BRL、バッファ層BFL、半導体層ACT、第1絶縁層GI1、第1導電層GAT1、第2絶縁層GI2、第2導電層GAT2、第3絶縁層ILD、第3導電層SD1、第1有機層VIA1、第4導電層SD2、及び第2有機層VIA2は、ベース層SUB上に順に積層されてもよい。半導体層ACT、第1導電層GAT1、第2導電層GAT2、第3導電層SD1、及び第4導電層SD2は、図6aを参照して説明したため、重複する説明は省略する。
【0203】
ベース層SUBは、ガラス、樹脂(resin)などの絶縁性材料からなるのであってもよい。また、ベース層SUBは、曲げたり折り畳むことができるように可撓性(flexibility)を有する材料からなってもよく、単層構造または多層構造であってもよい。例えば、可撓性を有する材料としては、ポリスチレン(polystyrene)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、ポリメチルメタクリレート(Polymethyl methacrylate)、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone)、ポリアクリレート(polyacrylate)、ポリエーテルイミド(polyetherimide)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)、ポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide)、ポリアリレート(polyarylate)、ポリイミド(polyimide)、ポリカーボネート(polycarbonate)、トリアセテートセルロース(triacetate cellulose)、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate)のうち少なくとも1つを含んでもよい。但し、ベース層SUBを構成する材料は、上述の実施例に限定されるものではない。
【0204】
バリア層BRLは、ベース層SUBの全面上に配置されてもよい。バリア層BRLは、外部から水分や酸素などの不要な成分が発光素子に流入するのを遮断することができる。例えば、バリア層BRLは、シリコン酸化物(SiOx)からなってもよい。また、バリア層BRLの厚さは約5,000Åであってもよい。
【0205】
バッファ層BFLは、バリア層BRLの全体面上に配置されてもよい。バッファ層BFLは不純物イオンの拡散を防止し、水分や外気の浸透を防止することができる。バッファ層BFLは、無機材料を含む無機絶縁膜であってもよい。例えば、バッファ層BFLは、シリコン窒化物(SiNx)からなる第1バッファ層BFL1と、シリコン酸化物(SiOx)からなる第2バッファ層BFL2と、を含んでもよい。バッファ層BFLは、単一膜として提供されうるが、少なくとも二重膜以上の多重膜として提供されてもよい。一実施例によると、バッファ層BFL上に形成されるトランジスタの機能に対応して、良好な駆動範囲DR rangeの特性が求められるトランジスタ(例えば、第1トランジスタT1)の領域は、第2バッファ層BFL2のみを含み、良好なリーク電流特性が求められるトランジスタ(例えば、第3トランジスタT3)の領域は、第1バッファ層BFL1と第2バッファ層BFL2の両方を含むのであってもよい。以下、図8を参照して詳細に後述する。
【0206】
半導体層ACTは、バッファ層BFL(または第2バッファ層BFL2)上に配置されてもよい。半導体層ACTは、バッファ層BFLと第1絶縁層GI1との間に配置されてもよい。半導体層ACTは、第7トランジスタT7を構成する第7半導体パターンACT_T7を含んでもよい。第7半導体パターンACT_T7は、第1トランジスタ電極ET71に接触する第1領域と、第2トランジスタ電極ET72に接触する第2領域と、第1及び第2領域との間に位置するチャネル領域と、を含んでもよい。第7トランジスタT7の第7半導体パターンACT_T7は、ポリシリコンからなる半導体パターンであってもよい。チャネル領域は、例えば、不純物がドープされていない半導体パターンであって、真性半導体であってもよい。第1領域と第2領域は、不純物がドープされた半導体パターンであってもよい。
【0207】
第1絶縁層GI1は、半導体層ACT上に配置されてもよい。第1絶縁層GI1は、無機材料を含む無機絶縁膜であってもよい。例えば、第1絶縁層GI1は、バッファ層BFLと同じ物質を含むか、またはバッファ層BFLの構成物質として例示された物質から選択された1つ以上の物質を含んでもよい。実施例によって、第1絶縁層GI1は、有機材料を含む有機絶縁膜からなるのであってもよい。第1絶縁層GI1は、単一膜として提供されてもよいが、少なくとも二重膜以上の多重膜でとして提供されてもよい。
【0208】
第1導電層GAT1は、第1絶縁層GI1上に配置されてもよい。図6aを参照して説明したように、第1導電層GAT1は、第7トランジスタT7のゲートパターンT7_GEを含んでもよい。
【0209】
第2絶縁層GI2は、第1絶縁層GI1及び第1導電層GAT1上に配置されてもよい。第2絶縁層GI2は、概略、ベース層SUBの全面にわたって配置されてもよい。第2絶縁層GI2は、第1絶縁層GI1と同じ物質を含むか、または第1絶縁層GI1の構成物質として例示された物質から選択された1つ以上の物質を含んでもよい。
【0210】
第2導電層GAT2は、第2絶縁層GI2上に配置されてもよい。図6aを参照して説明したように、第2導電層GAT2は、第1_1電源線VL_VDDを含んでもよい。第3絶縁層ILDは、第2絶縁層GI2及び第2導電層GAT2上に配置されてもよい。第3絶縁層ILDは、大体ベース層SUBの全面にわたって配置されてもよい。例えば、第3絶縁層ILDは、バッファ層BFLと同じ物質を含むか、またはバッファ層BFLの構成物質として例示された物質から選択された1つ以上の物質を含んでもよい。第3絶縁層ILD、は単一膜、または異なる物質の積層膜からなる多層膜であってもよい。
【0211】
第3導電層SD1は、第3絶縁層ILD上に配置されてもよい。図6aを参照して説明したように、第5ブリッジパターンBRP5及び第5電源線VL_aintを含んでもよい。
【0212】
第5電源線VL_aintは、第7半導体パターンACT_T7の一領域と重畳し、第1絶縁層GI1、第2絶縁層GI2、及び第3絶縁層ILDを貫通するコンタクトホールを介して第7半導体パターンACT_T7の一領域と接続し、第7トランジスタT7の第1トランジスタ電極ET71を構成することができる。
【0213】
第5ブリッジパターンBRP5は、第7半導体パターンACT_T7の他の領域と重畳し、第1絶縁層GI1、第2絶縁層GI2、及び第3絶縁層ILDを貫通するコンタクトホールを介して、第7半導体パターンACT_T7の他の領域と接続し、第7トランジスタT7の第2トランジスタ電極ET72を構成することができる。
【0214】
第1有機層VIA1は、第3絶縁層ILD及び第3導電層SD1上に配置されてもよい。第1有機層VIA1は、概略、ベース層SUBの全面にわたって配置されてもよい。
【0215】
第1有機層VIA1は、アクリル系樹脂(polyacrylates resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド系樹脂(polyamides resin)、ポリイミド系樹脂(polyimides rein)、不飽和ポリエステル系樹脂(unsaturated polyesters resin)、ポリフェニレン系樹脂(poly phenylenethers resin)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(polyphenylenesulfides resin)またはベンゾシクロブテン(benzocyclobutene、BCB)などの有機絶縁物質を含んでもよい。
【0216】
第4導電層SD2は、第1有機層VIA1上に配置されてもよい。第4導電層SD2は図6aを参照して説明したように、第6ブリッジパターンBRP6を含んでもよい。
【0217】
第6ブリッジパターンBRP6は、第5ブリッジパターンBRP5と重畳し、第1有機層VIA1を貫通するコンタクトホールを介して、第5ブリッジパターンBRP5と接続されてもよい。
【0218】
第2有機層VIA2は、第1有機層VIA1及び第4導電層SD2上に配置されてもよい。第2有機層VIA2は、概略、ベース層SUBの全面にわたって配置されてもよい。第2有機層VIA2は、第1有機層VIA1と同じ物質を含むか、または第1有機層VIA1の構成物質として例示される物質から選択された1つ以上の物質を含んでもよい。
【0219】
第2有機層VIA2上に表示素子層DPLが提供されうる。
【0220】
表示素子層DPLは、アノードAD、画素定義膜PDL、発光層EML、及びカソードCDを含んでもよい。アノードAD、画素定義膜PDL、発光層EML、及びカソードCDは、第2有機層VIA2(または画素回路層PCL)上に順に配置または形成されてもよい。
【0221】
アノードADは、第2有機層VIA2上に配置されてもよい。アノードADは、それぞれの画素の発光領域EAに対応して配置されてもよい。
【0222】
アノードADは、第2有機層VIA2を貫通して、第6ブリッジパターンBRP6を露出させるコンタクトホールを介して第6ブリッジパターンBRP6に接続されてもよい。アノードADは、第6ブリッジパターンBRP6及び第5ブリッジパターンBRP5を介して、第7トランジスタT7の第2トランジスタ電極ET72に接続されてもよい。
【0223】
アノードADは、一定の反射率を有する導電性物質(または材料)からなるのであってもよい。導電性物質(または材料)は、不透明な金属を含んでもよい。不透明な金属としては、例えば、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、これらの合金などの金属を含んでもよい。実施例に応じて、アノードADは、透明な導電性物質(または材料)を含んでもよい。透明な導電性物質(または材料)としては、インジウム錫酸化物(indium tin oxide、ITO)、インジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide、IZO)、亜鉛酸化物(zinc oxide、ZnO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(indium gallium zinc oxide、IGZO)、インジウム錫亜鉛酸化物(indium tin zinc oxide、ITZO)などの導電性酸化物、PEDOT(ポリ(3,4-ethylenedioxythiophene))などの導電性高分子などを含んでもよい。
【0224】
画素定義膜PDLは、非発光領域NEAの第2有機層VIA2及びアノードAD上に配置または形成されてもよい。画素定義膜PDLは、非発光領域NEAのアノードADの縁と部分的に重畳してもよい。画素定義膜PDLは、無機材料及び/または有機材料を含む絶縁物質を含んでもよい。例えば、画素定義膜PDLは、シリコン窒化物(SiNx)またはシリコン酸化物(SiOx)などをはじめとする現在公知の様々な無機絶縁物質を含む少なくとも1層の無機膜を含んでもよい。または、画素定義膜PDLは、現在公知の様々な有機絶縁物質を含む少なくとも1層の有機膜及び/またはフォトレジスト膜などを含むか、または、有機/無機物質を複合的に含む単一層または多重層の絶縁体からなるのであってもよい。即ち、画素定義膜PDLは、構成物質が多様に変更されてもよい。
【0225】
一実施例では、画素定義膜PDLは、少なくとも1つの遮光物質及び/または反射物質を含むように構成されることで、画素の間から光(または光)が漏れる光漏れ不良を防止することができる。実施例に応じて、画素定義膜PDLは、透明物質(または材料)を含んでもよい。透明物質としては、例えば、ポリアミド系樹脂(polyamides resin)、ポリイミド系樹脂(polyimides resin)などを含んでもよいが、本発明はこれに限定されない。他の実施例によると、それぞれの画素から放出される光の効率をさらに向上させるために、画素定義膜PDL上には、反射物質層が別途に提供及び/または形成されてもよい。
【0226】
発光層EMLは、発光領域EAのアノードAD上に配置されてもよい。即ち、発光層EMLは、複数の画素PXのそれぞれに分離されて形成されてもよい。発光層EMLは、有機物質及び/または無機物質を含み、所定の色を発光することができる。例えば、画素PXは、第1~第3サブ画素を含んでもよい。第1~第3サブ画素のそれぞれは、赤色光、緑色光、及び青色光を発光することができる。
【0227】
但し、これに限定されず、例えば、発光層EMLは複数の画素PXに共通して配置されてもよい。このとき、発光層EMLは白色光を発光することができる。
【0228】
発光層EML上にカソードCDが配置されてもよい。カソードCDは、複数の画素PXに共通して配置されてもよい。
【0229】
カソードCD上に薄膜封止層TFEが配置されてもよい。薄膜封止層TFEは、複数の画素PXに共通して配置されてもよい。図7では、薄膜封止層TFEがカソードCDを直接カバーすることが示されているが、薄膜封止層TFEとカソードCDとの間にはカソードCDをカバーするキャッピング層がさらに配置されてもよい。
【0230】
以下、第1トランジスタT1領域及び第3トランジスタT3領域を通じて、バッファ層BFLの積層構造の相違点を中心に説明する。
【0231】
第1トランジスタT1は、第1半導体パターンACT_T1、第1トランジスタ電極ET11、第2トランジスタ電極ET12、及びゲートパターンT1_GEを含み、第3トランジスタT3は第3半導体パターンACT_T3、第1トランジスタ電極ET31、第2トランジスタ電極ET32、及びゲートパターンT3_GEを含んでもよい。ここで、第1トランジスタT1の第1半導体パターンACT_T1、第1トランジスタ電極ET11、第2トランジスタ電極ET12、及びゲートパターンT1_GEの配置形態、及び第3トランジスタT3の第3半導体パターンACT_T3、第1トランジスタ電極ET31、第2トランジスタ電極ET32、及びゲートパターンT3_GEの配置形態は、第7トランジスタT7の第7半導体パターンACT_T7、第1トランジスタ電極ET71、第2トランジスタ電極ET72、及びゲートパターンT7_GEの配置形態と、実質的に同一であるため、重複する説明は省略する。
【0232】
第1半導体パターンACT_T1は、第1トランジスタ電極ET11に接触する第1領域と、第2トランジスタ電極ET12に接触する第2領域と、第1及び第2領域との間に位置するチャネル領域と、を含んでもよい。第1トランジスタT1の第1半導体パターンACT_T1はポリシリコンからなる半導体パターンであってもよい。
【0233】
第1半導体パターンACT_T1は、下方(下部)にシリコン酸化物(SiOx)からなる第2バッファ層BFL2のみが配置されうる。即ち、第1半導体パターンACT_T1とバリア層BRLとの間に、シリコン窒化物(SiNx)からなる第1バッファ層BFL1は配置されなくてもよい。
【0234】
シリコン窒化物(SiNx)は不純物を含んでもよい。例えば、シリコン窒化物(SiNx)は水素を含むことができる。従って、第1半導体パターンACT_T1の下部にシリコン窒化物(SiNx)からなる第1バッファ層BFL1が配置される場合、熱処理工程を行う際に、シリコン窒化物(SiNx)に含まれた水素が、第1半導体パターンACT_T1に拡散してドープされうる。
【0235】
水素が第1半導体パターンACT_T1に拡散してドープされる場合、第1半導体パターンACT_T1のグレイン欠陥(Grain Defect)が減少しうる。これにより、リーク電流が減少する効果はあるが、第1トランジスタT1(または駆動トランジスタ)のゲート電極に印加されるゲート電圧の駆動範囲DR rangeも減少するという問題が発生し得る。第1半導体パターンACT_T1のグレイン欠陥が減少する場合、第1トランジスタT1(または駆動トランジスタ)のゲート電極に印加されるゲート電圧の微小変動にも、発光素子LDの輝度が即座に変更し、多様な階調の表現が困難となり得る。
【0236】
図8を参照すると、画素に含まれた全てのトランジスタを同じ工程で形成することを前提とする。例えば、第1トランジスタT1(または駆動トランジスタ)及び第3トランジスタT3(またはスイッチングトランジスタ)の下方(下部)に配置されるバッファ層BFLの積層構造及び厚さなどが、同じでありうる。
【0237】
A実験群はリファレンスであって、第3トランジスタT3のリーク電流Ioffが約10[fA]であり、第1トランジスタT1の駆動範囲は約3[V]である。一実施例によると、トランジスタのリーク電流Ioff特性を向上させるために、エキシマレーザー熱処理法が用いられてもよい。ここで、B実験群からH実験群へと向かうほど、半導体パターンにエキシマレーザーを照射する際のエネルギー密度が、概して増加し、その他の条件が変更され得る。これにより、第3トランジスタT3のリーク電流Ioffが、約9.74[fA]から約1.23[fA]に減少することを実験的に確認した。特に、H実験群は、その他の条件として半導体パターンにプラズマトリートメントによって水素を注入した場合であり、他の実験群に比べて、リーク電流Ioff特性がさらに向上するということを確認した。一方、第1トランジスタT1の駆動範囲DR rangeは、B実験群からH実験群へと向かうほど、約2.94[V]から約1.89[V]に減少することが確認できる。即ち、第3トランジスタT3のリーク電流Ioff特性を改善させる工程を進めると、第1トランジスタT1の駆動範囲DR range特性が減少するという問題が発生するため、良好な駆動範囲DR range特性が求められる第1トランジスタT1と、良好なリーク電流Ioff特性が求められる第3トランジスタT3とは、別途の工程で形成されることが要求される。
【0238】
従って、第1トランジスタT1(または駆動トランジスタ)の第1半導体パターンACT_T1の下方(下部)にシリコン窒化物(SiNx)からなる第1バッファ層BFL1を配置しないことにより、水素の第1半導体パターンACT_T1への拡散を防ぐことができる。これにより、第1トランジスタT1のゲート電極に印加されるゲート電圧の駆動範囲DR rangeは、広い範囲を有することができる。即ち、第1トランジスタT1のゲート電極に印加されるゲート電圧の大きさを異ならせて、発光素子LDから発光する光が、より豊富な階調を有するように制御することができる。
【0239】
第1トランジスタT1の第1半導体パターンACT_T1の下部に配置される第2バッファ層BFL2は、不純物イオンの拡散を防止し、水分や外気の浸透を十分に防止できるように第1厚さd1で形成されてもよい。例えば、第1厚さd1は約3,500Åであってもよい。
【0240】
第3半導体パターンACT_T3は、第1トランジスタ電極ET31に接触する第1領域と、第2トランジスタ電極ET32に接触する第2領域と、第1及び第2領域の間に位置するチャネル領域と、を含んでもよい。第3トランジスタT3の第1半導体パターンACT_T3は、ポリシリコンからなる半導体パターンであってもよい。
【0241】
第3半導体パターンACT_T3(またはスイッチングトランジスタ)は、下方(下部)にシリコン窒化物(SiNx)からなる第1バッファ層BFL1及びシリコン酸化物(SiOx)からなる第2バッファ層BFL2の両方が配置されてもよい。即ち、第3半導体パターンACT_T3とバリア層BRLとの間に、シリコン窒化物(SiNx)からなる第1バッファ層BFL1が配置されうる。
【0242】
上述のように、シリコン窒化物(SiNx)は水素を含むことができる。従って、第3半導体パターンACT_T3の下方(下部)にシリコン窒化物(SiNx)からなる第1バッファ層BFL1が配置されると、熱処理工程を行う際にシリコン窒化物(SiNx)に含まれた水素が、第3半導体パターンACT_T3に拡散してドープされうる。水素が、第3半導体パターンACT_T3に拡散してドープされる場合、第3半導体パターンACT_T3のグレイン欠陥(Grain Defect)が減少して、リーク電流が減少するという効果が期待できる。
【0243】
第3トランジスタT3は、第1トランジスタT1(または駆動トランジスタ)のゲート電極に一電極が接続されており、リーク電流が発生すると、第1トランジスタT1のゲート電極に印加される電圧が変動しうる。例えば、第3トランジスタT3に発生するリーク電流の大きさが増加すると、第1トランジスタT1のゲート電極に印加された電圧が増加して、第1トランジスタT1のゲートソース電圧が減少しうる。このような場合、第1トランジスタT1に流れる駆動電流が減少するため、発光素子LDの輝度が低下し得る。即ち、第3トランジスタT3にリーク電流が発生すると、発光素子LDの輝度が周期的に変動するフリッカー現象が視認される可能性がある。特に、表示装置1000(図1参照)が低周波数で駆動する場合、フリッカー現象がさらに問題となり得る。
【0244】
従って、第3トランジスタT3のように、第1トランジスタT1(または駆動トランジスタ)のゲート電極に接続されたトランジスタはリーク電流の最小化が求められる。
【0245】
一方、水素が第3半導体パターンACT_T3に拡散してドープされる場合、上述したように、第3トランジスタT3のゲート電極に印加されるゲート電圧の駆動範囲DR rangeも減少するが、第3トランジスタT3は、リーク電流特性が駆動範囲DR range特性よりも重要なスイッチングトランジスタであるため、第3トランジスタT3の第3半導体パターンACT_T3の下方(下部)に、シリコン窒化物(SiNx)からなる第1バッファ層BFL1を配置することが、より有利でありうる。
【0246】
第3トランジスタT3の第3半導体パターンACT_T3の下方(下部)に配置される第1バッファ層BFL1は、リーク電流を既設定の水準に減少させる程度の水素を、第3半導体パターンACT_T3に十分に供給できる厚さd0で形成されてもよい。例えば、厚さd0は、約500Åでありうる。また、第3トランジスタT3の第3半導体パターンACT_T3の下方(下部)に配置される第2バッファ層BFL2は、第1トランジスタT1の第1半導体パターンACT_T1の下方(下部)に配置される、第2バッファ層BFL2の第1厚さd1と実質的に同一である第2厚さd2で形成されてもよい。例えば、第2厚さd2は、約3,500Åでありうる。
【0247】
図7では第3トランジスタT3のみを示したが、図2の画素PXを基準として、第1トランジスタT1のゲート電極に影響を及ぼす第2トランジスタT2、第4トランジスタT4、及び第5トランジスタT5も、第3トランジスタT3と同様にリーク電流の最小化が求められる。ここで、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4は、第1トランジスタT1のゲート電極(または第1ノードN1)に直接に接続され、第2トランジスタT2及び第5トランジスタは、第1キャパシタC1を経由して、第1トランジスタT1のゲート電極(または第1ノードN1)に間接的に接続されてもよい。
【0248】
図9は、他の実施例による図6aの第1トランジスタ、第3トランジスタ、及び第7トランジスタ領域の積層構造を説明するための部分断面図である。
【0249】
図9に示す実施例は、第3トランジスタT3の第3半導体パターンACT_T3の下方(下部)に配置される第2バッファ層BFL2の第2厚さd2’が、第1トランジスタT1の第1半導体パターンACT_T1の下方(下部)に配置される第2バッファ層BFL2の第1厚さd1と異なるという点において、第3トランジスタT3の第3半導体パターンACT_T3の下方(下部)に配置される第2バッファ層BFL2の第2厚さd2と、第1トランジスタT1の第1半導体パターンACT_T1の下部に配置される第2バッファ層BFL2の第1厚さd1とが実質的に同じである、図7に示す実施例と相違する。図9に示す残りの構成は、図7に示す残りの構成と実質的に同じである。
【0250】
一実施例による第3トランジスタT3の第3半導体パターンACT_T3の下方(下部)に配置される第2バッファ層BFL2の第2厚さd2’は、第3トランジスタT3の下方(下部)に配置される第2バッファ層BFL2の上面の高さが、第1トランジスタT1の下方(下部)に配置される第2バッファ層BFL2の上面の高さと一致するように形成されてもよい。即ち、第3トランジスタT3の第3半導体パターンACT_T3の下方(下部)に配置される第1バッファ層BFL1の厚さd0と、第2バッファ層BFL2の第2厚さd2’との和が、第1トランジスタT1の第1半導体パターンACT_T1の下方(下部)に配置される第2バッファ層BFL2の第1厚さd1と実質的に同じでありうる。
【0251】
このような場合、さらに薄くなった第3トランジスタT3の第3半導体パターンACT_T3の下方(下部)に配置される第2バッファ層BFL2の第2厚さd2’により、熱処理工程時に、第1バッファ層BFL1から第3半導体パターンACT_T3に、より多くの水素が流入しうるのであり、表示パネル100(図1参照)に形成されるトランジスタ(例えば、T1~T9)の形成高さが一致するようになって、工程誤差を減少させることができる。
【0252】
図10a~図10cは、図7及び図9の実施例にてバッファ層を形成する方法を説明するための図である。図11は、フォトレジストパターンの位置を説明するための概略的な平面図である。
【0253】
図7図10aを参照すると、一実施例による画素は、ベース層SUB(または基板)上に、画素回路層PCL、表示素子層DPL、及び薄膜封止層TFEを順に積層して形成することができる。
【0254】
以下では、画素回路層PCLの形成過程のうち、バッファ層BFLを形成する過程を中心に説明する。このとき、第1トランジスタグループTR_G1は、駆動範囲DR range特性が求められるトランジスタを含み、第2トランジスタグループTR_G2は、駆動範囲DR range特性よりもリーク電流特性がさらに求められるトランジスタを含むのであってもよい。例えば、図2に示す画素PXを基準として、第1トランジスタグループTR_G1は、第1トランジスタT1及び第6~第9トランジスタT6~T9を含み、第2トランジスタグループTR_G2は、第2~第5トランジスタT2~T5を含むのであってもよい。
【0255】
まず、ベース層SUB(または基板)を準備し、ベース層SUBを洗浄する段階を含んでもよい。ベース層SUB上に位置する残膜(残留膜)、金属、透明な伝導性金属などの不純物を除去するために、まず、ベース層SUBを洗浄する。基板洗浄工程ともいう。
【0256】
次に、ベース層SUB上に、バリア層BRLを蒸着する段階を含んでもよい。バリア層BRLは、ベース層SUBの全面上に配置されてもよい。即ち、第1トランジスタグループTR_R1と、第2トランジスタグループTR_R2とを区分せずに、ベース層SUBの全面上に形成されうる。バリア層BRLは、外部から水分や酸素などの不要な成分が、発光素子に流入するのを遮断するためのものであり、例えば、バリア層BRLは、二酸化ケイ素(SiO)などを含んでもよい。バリア層BRLの厚さは約5,000Åでありうる。
【0257】
次に、バリア層BRL上に第1バッファ層BFL1を蒸着する段階を含んでもよい。第1バッファ層BFL1は、ベース層SUBの全面上に配置されてもよい。第1バッファ層BFL1は窒素酸化物(SiNx)を含んでもよい。第1バッファ層BFL1の厚さd0は約500Åでありうる。
【0258】
次に、フォトレジストについてのスピンコート(spin coating)などの溶液塗布法を用いて、フォトレジスト層を形成することができる。フォトレジスト層上に第1マスクを配置した後、UV(ultra violet、紫外線)を照射する露光工程を行うことができる。露光されたフォトレジスト層に液状の現像液を塗布し、露光されたフォトレジスト層を除去する現像工程を行うことで、第1フォトレジストパターンPR1を形成することができる。第1フォトレジストパターンPR1は、第2トランジスタグループTR_G2に対応する領域に配置されうる。
【0259】
図11を参照すると、平面上にて、第1フォトレジストパターンPR1について、第2トランジスタグループTR_G2に含まれたトランジスタ(例えば、T2~T5)の半導体パターン(例えば、ACT_T2、ACT_T3、ACT_T4、ACT_T5)のそれぞれと厚さ方向に重畳するように、四角形状に形成することが示されている。但し、これに限定されず、第1フォトレジストパターンPR1は、半導体パターン(例えば、ACT_T2、ACT_T3、ACT_T4、ACT_T5)に水素を十分に供給できる形状及び大きさに多様に変形されうる。
【0260】
ここで、フォトレジスト材料はポジティブ型(positive type)とネガティブ型(negative type)に分けられる。ポジティブ型はUVが照射された部分が現像液により除去されるメカニズムを有し、ネガティブ型はUVが照射された部分が現像液によって除去されずに照射されていない部分が除去されるメカニズムを有する。一実施例では、ポジティブ型フォトレジストを例に挙げて説明するが、ネガティブ型フォトレジストを使用しても構わない。
【0261】
次に、第1フォトレジストパターンPR1によって露出された第1バッファ層BFL1をドライエッチング(dry etching)して除去することにより、第2トランジスタグループTR_G2に対応する領域にだけ、第1バッファ層BFL1を配置することができる。そして、第2トランジスタグループTR_G2に対応する領域の、第1バッファ層BFL1上に残存する第1フォトレジストパターンPR1をストリップ(strip)することができる。
【0262】
次に、図10bを参照すると、バリア層BRL及び第1バッファ層BFL1上に第2バッファ層BFL2を蒸着する段階を含んでもよい。即ち、第2バッファ層BFL2はベース層SUBの全体面上に配置されうる。第2バッファ層BFL2はシリコン酸化物(SiOx)を含んでもよい。第2バッファ層BFL2の厚さd1、d2は約3,500Åでありうる。
【0263】
ここで、図10bの積層構造は、図7の実施例に対応しうる。図10bの実施例は、第2バッファ層BFL2を蒸着してから、後述する別途の研磨工程が省略されるため、工程段階が減少して、工程時間及び工程偏差が減少するという効果が期待できる。
【0264】
図10cの積層構造は、図9の実施例に対応しうる。図10bの工程の後、半導体パターンを形成する前に、第2バッファ層BFL2に対して研磨工程を行うことができる。例えば、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing、CMP)により、第1トランジスタグループTR_G1に対応する領域及び第2トランジスタグループTR_G2に対応する領域において、第2バッファ層BFL2の上面の高さを一致させることができる。このような場合、第2トランジスタグループTR_G2に対応する領域において、さらに薄くなった第2バッファ層BFL2の第2厚さd2’によって、熱処理工程時に第1バッファ層BFL1から半導体パターン(例えば、ACT_T2、ACT_T3、ACT_T4、ACT_T5)により、多くの水素が流入しうるのであり、工程誤差も減少させることができる。
【0265】
図12は、さらに他の実施例による図6aの第1トランジスタ、第3トランジスタ、及び第7トランジスタ領域の積層構造を説明するための部分断面図である。
【0266】
図12に示す実施例は、ベース層SUBの全面上に第1バッファ層BFL1が形成され、第1トランジスタT1の第1半導体パターンACT_T1の下方(下部)に配置される第2バッファ層BFL2の厚さと、第3トランジスタT3の第3半導体パターンACT_T3の下方(下部)に配置される第2バッファ層BFL2の厚さとが異なるという点において、第3トランジスタT3の第3半導体パターンACT_T3の下方(下部)にのみ第1バッファ層BFL1が形成され、第1トランジスタT1の第1半導体パターンACT_T1の下方(下部)に配置される第2バッファ層BFL2の厚さと、第3トランジスタT3の第3半導体パターンACT_T3の下方(下部)に配置される第2バッファ層BFL2の厚さとが同一である、図7の実施例と相違する。図12に示す残りの構成は、図7に示す残りの構成と実質的に同じである。
【0267】
図12を参照すると、第1トランジスタT1(または駆動トランジスタ)は、第1半導体パターンACT_T1の下方(下部)にシリコン窒化物(SiNx)からなる第1バッファ層BFL1、及びシリコン酸化物(SiOx)からなる第2バッファ層BFL2の両方が配置されてもよい。即ち、第1半導体パターンACT_T1とバリア層BRLとの間に、シリコン窒化物(SiNx)からなる第1バッファ層BFL1が配置されうる。
【0268】
また、第3トランジスタT3(またはスイッチングトランジスタ)も、第3半導体パターンACT_T3の下方(下部)にシリコン窒化物(SiNx)からなる第1バッファ層BFL1、及びシリコン酸化物(SiOx)からなる第2バッファ層BFL2の両方が配置されてもよい。即ち、第3半導体パターンACT_T3とバリア層BRLの間にシリコン窒化物(SiNx)からなる第1バッファ層BFL1が配置されることができる。
【0269】
但し、第1トランジスタT1の下方(下部)に配置された第2バッファ層BFL2の第3厚さd3と、第3トランジスタT3の下方(下部)に配置された第2バッファ層BFL2の第4厚さd4とは異なってもよい。一実施例によると、第3厚さd3は、第4厚さd4よりも大きくてもよい。例えば、第3厚さd3は4,000Åであることができる。このとき、第3厚さd3は図10bに示す第1厚さd1より大きくてもよい。
【0270】
これにより、第1トランジスタT1の下方(下部)に配置された第2バッファ層BFL2の第3厚さd3が、第3トランジスタT3の下方(下部)に配置された第2バッファ層BFL2の第4厚さd4よりも大きいため、第1トランジスタT1の下方(下部)に配置された第1バッファ層BFL1から第1半導体パターンACT_T1に流入する水素の量は、第3トランジスタT3の下方(下部)に配置された第1バッファ層BFL1から第3半導体パターンACT_T3に流入する水素の量よりも少なくなりうる。即ち、図12に示す実施例も、図7及び図9に示す実施例と実質的に同じ効果を期待することができる。
【0271】
図13a~図13bは図12の実施例においてバッファ層を形成する方法を説明するための図である。図14は第2フォトレジストパターンの位置を説明するための概略的な平面図である。
【0272】
図12図14を参照すると、一実施例による画素は、ベース層SUB(または基板)上に画素回路層PCL、表示素子層DPL、及び薄膜封止層TFEを順に積層して形成することができる。
【0273】
以下、画素回路層PCLの形成過程のうち、バッファ層BFLを形成する過程を中心に説明する。ここで、第1トランジスタグループTR_G1は駆動範囲DR range特性が求められるトランジスタを含み、第2トランジスタグループTR_G2は、駆動範囲DR range特性よりもリーク電流特性が求められるトランジスタを含んでもよい。例えば、図2に示す画素PXを基準として、第1トランジスタグループTR_G1は、第1トランジスタT1及び第6~第9トランジスタT6~T9を含み、第2トランジスタグループTR_G2は、第2~第5トランジスタT2~T5を含んでもよい。
【0274】
まず、ベース層SUB(または基板)を準備し、ベース層SUBを洗浄する段階を含んでもよい。
【0275】
次に、ベース層SUB上にバリア層BRLを蒸着する段階を含んでもよい。バリア層BRLは、ベース層SUBの全面上に配置されてもよい。即ち、第1トランジスタグループTR_R1と、第2トランジスタグループTR_R2とを区分せずに、ベース層SUBの全面上に形成されうる。バリア層BRLの厚さd0は約5,000Åでありうる。
【0276】
次に、バリア層BRL上に第1バッファ層BFL1を蒸着する段階を含んでもよい。第1バッファ層BFL1は、ベース層SUBの全面上に配置されてもよい。第1バッファ層BFL1は窒素酸化物(SiNx)を含んでもよい。第1バッファ層BFL1の厚さd0は約500Åでありうる。
【0277】
次に、第1バッファ層BFL1上に第2バッファ層BFL2を蒸着する段階を含んでもよい。第2バッファ層BFL2は、ベース層SUB(または第1バッファ層BFL1)の全面上に配置されてもよい。第2バッファ層BFL2はシリコン酸化物(SiOx)を含んでもよい。例えば、第2バッファ層BFL2の第3厚さd3は約4,000Åであり、第2バッファ層BFL2の第4厚さd4は約3,000Å~3,500Åでありうる。
【0278】
次に、フォトレジストをスピンコート(spin coating)などの溶液塗布法を用いてフォトレジスト層を形成することができる。フォトレジスト層上に第2マスクを配置した後、UV(ultra violet、紫外線)を照射する露光工程を行うことができる。露光されたフォトレジスト層に液状の現像液を塗布し、露光されたフォトレジスト層を除去する現像工程を行って第2フォトレジストパターンPR2を形成することができる。第2フォトレジストパターンPR2は、第1フォトレジストパターンPR1とは逆に、第1トランジスタグループTR_G1に対応する領域に配置されうる。
【0279】
図14を参照すると、平面上にて、第2フォトレジストパターンPR2について、第2トランジスタグループTR_G2に含まれたトランジスタ(例えば、T2~T5)の半導体パターン(例えば、ACT_T2、ACT_T3、ACT_T4、ACT_T5)のそれぞれと厚さ方向に重畳するように、四角形状を除いた画素PX領域に形成することが示されている。
【0280】
次に、第2フォトレジストパターンPR2によって露出された第2バッファ層BFL2をドライエッチング(dry etching)して一部除去することにより、図13bに示すように、第2トランジスタグループTR_G2に対応する領域における第2バッファ層BFL2’の厚さについて、第1トランジスタグループTR_G1に対応する領域における第2バッファ層BFL2の厚さである第3厚さd3よりも小さい、第4厚さd4に形成することができる。例えば、第2バッファ層BFL2の第3厚さd3は約4,000Åであり、第2バッファ層BFL2’の第4厚さd4は約3,000Å~3,500Åでありうる。
【0281】
ここで、上記第2マスクはハーフマスクであってもよい。そして、第2バッファ層BFL2上に残存する第2フォトレジストパターンPR2をストリップ(strip)することができる。
【0282】
これにより、図12に示す実施例は、図7及び図9に示す実施例と実質的に同じ効果を期待することができ、第1トランジスタグループTR_G1の下方(下部)に第1バッファ層BFL1をさらに含むため、不純物イオンの拡散防止、及び、水分や外気の浸透防止の効果に、より優れるのでありうる。
【0283】
以上、本発明の実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び範囲から外れない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できることが理解できるであろう。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図4a
図4b
図4c
図4d
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f
図7
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図11
図12
図13a
図13b
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0126
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0126】
一実施例では、自己走査期間SSPには、第2~第5トランジスタT2、T3、T4、T5に走査信号が供給されない。例えば、自己走査期間SSPにおいて、第1走査線SL1i、第2走査線SL2i、及び第3走査線SL3iにそれぞれ供給される第1走査信号GWi、第2走査信号GCi、及び第3走査信号Giは、ゲートオフレベル(またはハイレベル(H))を有することができる。これにより、自己走査期間SSPでは、第1トランジスタT1のゲート電極初期化期間(例えば、第1期間P1a)、しきい値電圧補償期間(例えば、第2期間P2a)及びデータ書き込み期間(例えば、第3期間P3a)を含まない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0134
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0134】
図1図5を参照すると、画素PXは、表示走査期間DSPにおいて図3a~図3fの動作を行い、自己走査期間SSPにおいて図4a~図4dの動作を行うことができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0256
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0256】
次に、ベース層SUB上に、バリア層BRLを蒸着する段階を含んでもよい。バリア層BRLは、ベース層SUBの全面上に配置されてもよい。即ち、第1トランジスタグループTR_1と、第2トランジスタグループTR_2とを区分せずに、ベース層SUBの全面上に形成されうる。バリア層BRLは、外部から水分や酸素などの不要な成分が、発光素子に流入するのを遮断するためのものであり、例えば、バリア層BRLは、二酸化ケイ素(SiO)などを含んでもよい。バリア層BRLの厚さは約5,000Åでありうる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0275
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0275】
次に、ベース層SUB上にバリア層BRLを蒸着する段階を含んでもよい。バリア層BRLは、ベース層SUBの全面上に配置されてもよい。即ち、第1トランジスタグループTR_1と、第2トランジスタグループTR_2とを区分せずに、ベース層SUBの全面上に形成されうる。バリア層BRLの厚さd0は約5,000Åでありうる。
【国際調査報告】