(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】植物由来のCOVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターおよび該発現ベクターを用いた組換えタンパク質
(51)【国際特許分類】
C12N 15/63 20060101AFI20240719BHJP
C12N 15/50 20060101ALI20240719BHJP
C07K 14/165 20060101ALI20240719BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20240719BHJP
A01H 5/00 20180101ALI20240719BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20240719BHJP
C07K 16/10 20060101ALI20240719BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20240719BHJP
C07K 14/47 20060101ALI20240719BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240719BHJP
A61K 39/215 20060101ALI20240719BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
C12N15/63 Z
C12N15/50 ZNA
C07K14/165
C12N15/13
A01H5/00 A
C12P21/02 C
C07K16/10
C12N15/12
C07K14/47
C12N5/10
A61K39/215
A61P31/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503502
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 KR2022010552
(87)【国際公開番号】W WO2023003332
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0093990
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0088990
(32)【優先日】2022-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519142114
【氏名又は名称】バイオアプリケーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BIOAPPLICATIONS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ウンジュ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ボファ
(72)【発明者】
【氏名】カン,ヒャンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ミン,キョンミン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ミニ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ナミョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】イ,ユギョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ビョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】イム,ヒジ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ソンドン
(72)【発明者】
【氏名】キム,グァンウク
(72)【発明者】
【氏名】キム,スジ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドグン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユジン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンア
(72)【発明者】
【氏名】パク,ウジョン
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AF27
4B065AA88X
4B065AA97Y
4B065BA01
4B065BA02
4B065BD39
4B065CA44
4C085AA03
4C085BA71
4C085BB11
4C085CC01
4C085DD22
4C085DD62
4C085EE01
4H045AA11
4H045AA20
4H045BA10
4H045CA01
4H045EA22
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、植物由来のCOVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターおよび該発現ベクターを用いた組換えタンパク質に関し、植物発現システムを用いて動物由来の組換えタンパク質の短所を有さず、優れたSARSコロナウイルス2の予防および治療効果を示すので、安全なCOVID-19の予防および治療用組成物として有用に活用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列で表されるスパイク糖タンパク質のS1サブユニットをコード化するポリヌクレオチドで、
前記S1サブユニットは、前記アミノ酸配列のN末端から417番、484番、501番、および614番から成る群から選ばれるいずれか1つ以上の位置に変異があることを特徴とするCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項2】
前記組換えベクターは、配列番号2のアミノ酸配列で表されるスパイク糖タンパク質のS2サブユニットをコード化するポリヌクレオチドをさらに含み、
前記S2サブユニットは、前記アミノ酸配列のN末端から942番、986番、および987番から成る群から選ばれるいずれか1つ以上の位置に変異があることを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項3】
前記変異は、K417N、E484K、N501Y、およびD614Gから成る群から選ばれるいずれか1つ以上の変異であることを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項4】
前記変異は、A942P、K986P、およびV987Pから成る群から選ばれるいずれか1つ以上の変異であることを特徴とする請求項2に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項5】
前記組換えベクターは、NB(New BiP;new chaperone binding protein)タンパク質をコード化するポリヌクレオチドをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項6】
前記組換えベクターは、Fd(foldon)タンパク質をコード化するポリヌクレオチドをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項7】
前記組換えベクターは、HDELタンパク質をコード化するポリヌクレオチドをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項8】
前記組換えベクターは、S1サブユニットおよびS2サブユニット間のフーリン切断部位(furin cleavage site,PRRA)が欠失した抗体をコード化するポリヌクレオチドをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項9】
前記組換えベクターは、植物体で発現することを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の組換えベクターで形質転換された、形質転換体。
【請求項11】
前記形質転換体は、植物体であることを特徴とする請求項10に記載の形質転換体。
【請求項12】
請求項1に記載の組換えベクターを植物体に形質転換させる段階と、
前記植物体から組換え抗原を分離および精製する段階と、
を含むCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法で生産された抗原を有効成分として含むCOVID-19の予防または治療用組成物。
【請求項14】
請求項12に記載の方法で生産された抗原を有効成分とする組成物および説明書を含むCOVID-19の予防または治療用キット。
【請求項15】
ヒトを除いた動物に請求項12に記載の方法で生産された抗原を有効成分とする組成物を投与する段階を含むCOVID-19の予防または治療方法。
【請求項16】
請求項1に記載のベクターまたは請求項12に記載の方法で生産された抗原を有効成分として含むCOVID-19の予防または治療用ワクチン組成物。
【請求項17】
請求項1に記載のベクターまたは請求項12に記載の方法で生産された抗原を有効成分として含む組成物のCOVID-19の予防または治療用途。
【請求項18】
請求項1に記載のベクターまたは請求項12に記載の方法で生産された抗原を有効成分として含む組成物のCOVID-19治療用薬剤製造のための用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物由来のCOVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターおよび該発現ベクターを用いた組換えタンパク質に関する。
【0002】
本出願は、2021年7月19日に出願された韓国特許出願第10-2021-0093990号および2022年7月19日に出願された韓国特許出願第10-2022-0088990号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書および図面に開示されたすべての内容は本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
SARSコロナウイルス-2(SARS-CoV-2)は、コロナウイルス感染症-19(コロナ19、COVID19)の病原体であり、2019年12月12日に最初に発見され、人から人への(Human-to-human)感染が確認された。SARS-CoV-2は、スパイクタンパク質の全長アミノ酸配列の331-524に位置するRBD(Receptor-Binding Domain)を介してACE2(Angiotensin Converting Enzyme2)受容体と結合を形成し、宿主細胞の表面に強く付着することが知られている。
【0004】
コロナ19の主な症状は、発熱および咳、咽喉痛、呼吸困難などのような呼吸器症状であり、患者によって頭痛、筋肉痛、喀血と悪心、悪寒、胸痛、下痢、味覚および嗅覚の低下、肺機能の損失などで多様に現れる。健康な成人は、時間が経つと回復する可能性が大きいが、高齢者や基底病があった人など免疫機能の低い人が感染する場合、致命的である可能性がある。一部は、感染後に急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性肺損傷、敗血性ショック、急性腎障害などに進行することもあり、重症の場合、死亡につながると報告されている。
【0005】
しかしながら、SARSコロナウイルス-2の高い伝播力と高危険性にもかかわらず、まだSARSコロナウイルス感染疾患を予防または治療するための少数の検証されたワクチンまたは治療剤が開発されているだけである。したがって、全世界的に大きなイシューとなったSARS-CoVとMERS-CoV感染症の再流行あるいは新しいパンデミック現象がいつでも発生する可能性があり、迅速なワクチン用ウイルス生産が要求されているのが現況である。
【0006】
なお、動物細胞や微生物を代替できる有用生理活性物質の生産方法として植物発現システムを用いたタンパク質生産方法が最近大きな注目をあびている。植物細胞は、タンパク質での翻訳(translation)後修飾(modification)が動物細胞で行われるのと非常に似ていて、正確に複合タンパク質(Multimeric protein)を生成することができ、糖タンパク質の場合、糖化(Glycosylation)している形態で分離することができ、本来のタンパク質と同じ形態の修飾を有するタンパク質を収得することができるという利点がある。
【0007】
それだけでなく、植物体を用いた有用生理活性物質を生産する場合、動物細胞または微生物からタンパク質を生産するときに発生しうる様々な汚染源を確実に排除することができ、当該有用物質の需要が急増するとき、大量生産に必要な設備技術やコストの点から従来の動物細胞システムと比べて絶対的に有利なので、最短期間に低コストで大量生産が可能であるという長所がある。
【0008】
しかしながら、現在植物体から製造された組換えタンパク質を用いたSARSコロナウイルス2の予防または治療用組成物は、ほとんど報告されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは、植物発現システムを用いて動物由来の組換えタンパク質の短所を有さず、優れたSARSコロナウイルス2の予防および治療効果を示す組換えタンパク質を製造するための研究を行うことによって本発明を完成した。
【0010】
本発明の一目的は、配列番号1のアミノ酸配列で表されるスパイク糖タンパク質のS1サブユニットをコード化するポリヌクレオチドで、前記S1サブユニットは、前記アミノ酸配列のN末端から417番、484番、501番、および614番から成る群から選ばれるいずれか1つ以上の位置に変異があることを特徴とするCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクターを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、前記の組換えベクターで形質転換された、形質転換体を提供することにある。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、前記の組換えベクターを植物体に形質転換させる段階と、前記植物体から組換え抗原を分離および精製する段階と、を含むCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質の製造方法を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、前記の方法で生産された抗原を有効成分として含むCOVID-19の予防または治療用組成物を提供することにある。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、前記の方法で生産された抗原を有効成分として含むCOVID-19の予防または治療用キットを提供することにある。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、ヒトを除いた動物に前記の方法で生産された抗原を有効成分とする組成物を投与する段階を含むCOVID-19の予防または治療方法を提供することにある。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、前記のベクターまたは前記の方法で生産された抗原を有効成分として含むCOVID-19の予防または治療用ワクチン組成物を提供することにある。
【0017】
また、本発明のさらに他の目的は、前記ベクターまたは前記方法で生産された抗原を有効成分として含む組成物のCOVID-19の予防または治療用途を提供することにある。
【0018】
また、本発明のさらに他の目的は、前記ベクターまたは前記方法で生産された抗原を有効成分として含む組成物の治療用薬剤の製造のための用途を提供することにある。
【0019】
しかしながら、本発明が達成しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は、下記の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前述のような目的を達成するために、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列で表されるスパイク糖タンパク質のS1サブユニットをコード化するポリヌクレオチドで、前記S1サ
ブユニットは、前記アミノ酸配列のN末端から417番、484番、501番、および614番から成る群から選ばれるいずれか1つ以上の位置に変異があることを特徴とするCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクターを提供する。
【0021】
本発明の一具体例において、前記組換えベクターは、配列番号2のアミノ酸配列で表されるスパイク糖タンパク質のS2サブユニットをコード化するポリヌクレオチドをさらに含み、前記S2サブユニットは、前記アミノ酸配列のN末端から942番、986番、および987番から成る群から選ばれるいずれか1つ以上の位置に変異がありえるが、これに限定されるものではない。
【0022】
本発明の他の具体例において、前記変異は、K417N、E484K、N501Y、およびD614Gから成る群から選ばれるいずれか1つ以上の変異であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0023】
本発明のさらに他の具体例において、前記変異は、A942P、K986P、およびV987Pから成る群から選ばれるいずれか1つ以上の変異であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0024】
本発明のさらに他の具体例において、前記組換えベクターは、NB(New BiP;new chaperone binding protein)タンパク質をコード化するポリヌクレオチドをさらに含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0025】
本発明のさらに他の具体例において、前記組換えベクターは、Fd(foldon)タンパク質をコード化するポリヌクレオチドをさらに含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0026】
本発明のさらに他の具体例において、前記組換えベクターは、HDELタンパク質をコード化するポリヌクレオチドをさらに含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0027】
本発明のさらに他の具体例において、前記組換えベクターは、S1サブユニットおよびS2サブユニット間のフーリン切断部位(furin cleavage site,PRRA)が欠失した抗体をコード化するポリヌクレオチドをさらに含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0028】
本発明のさらに他の具体例において、前記組換えベクターは、植物体で発現することができるが、これに限定されるものではない。
【0029】
本発明は、前記の組換えベクターで形質転換された形質転換体を提供する。
【0030】
本発明のさらに他の具体例において、前記形質転換体は、植物体であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0031】
本発明は、前記の組換えベクターを植物体に形質転換させる段階と、前記植物体から組換え抗原を分離および精製する段階と、を含むCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質製造方法を提供する。
【0032】
本発明は、前記の方法で生産された抗原を有効成分として含むCOVID-19の予防または治療用組成物を提供する。
【0033】
本発明は、前記の方法で生産された抗原を有効成分として含むCOVID-19の予防ま
たは治療用キットを提供する。
【0034】
本発明は、ヒトを除いた動物に前記の方法で生産された抗原を有効成分とする組成物を投与する段階を含むCOVID-19の予防または治療方法を提供する。
【0035】
本発明は、前記のベクターまたは前記の方法で生産された抗原を有効成分として含むCOVID-19の予防または治療用ワクチン組成物を提供する。
【0036】
また、本発明は、前記ベクターまたは前記方法で生産された抗原を有効成分として含む組成物のCOVID-19の予防または治療用途を提供する。
【0037】
また、本発明は、前記ベクターまたは前記方法で生産された抗原を有効成分として含む組成物の治療用薬剤の製造のための用途を提供する。
【発明の効果】
【0038】
植物由来のCOVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターおよび該発現ベクターを用いた組換えタンパク質によれば、植物発現システムを用いて動物由来の組換えタンパク質の短所を有さず、優れたSARSコロナウイルス2の予防および治療効果を示すので、安全なCOVID-19の予防および治療用組成物として有用に活用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターの構造を示した切断地図である。
【
図2】
図2は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))のACE2結合活性を示すグラフである。
【
図3】
図3は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))のanti-Spike IgG ELISA実験のための動物実験設計概要図を示すグラフである。
【
図4】
図4は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))の武漢ウイルスに対するPRNT実験結果を示すグラフである。
【
図5】
図5は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))のベータ変異ウイルスに対するPRNT実験結果を示すグラフである。
【
図6】
図6は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))のデルタ変異ウイルスに対するPRNT実験結果を示すグラフである。
【
図7】
図7は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))のオミクロン変異ウイルスに対するPRNT実験結果を示すグラフである。
【
図8】
図8は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))のanti-Spike IgG ELISA実験結果を示すグラフである。
【
図9】
図9は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))のintracellular cytokine staining実験のための動物実験設計概要図を示すグラフである。
【
図10】
図10(a)は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))に対してintracellular cytokine staining実験を行うために接種抗原タンパク質で刺激した後、CD8
+T細胞内INF-γを発現レベルを示すグラフである。
図10(b)は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))に対してintracellular cytokine staining実験を行うためにCD8特異的peptide poolで刺激した後、CD8
+T細胞内INF-γを発現レベルを示すグラフである。
【
図11】
図11(a)は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))に対してintracellular cytokine staining実験を行うために接種抗原タンパク質で刺激した後、CD8
+T細胞内TNF-αを発現レベルを示すグラフである。
図11(b)は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))に対してintracellular cytokine staining実験を行うためにCD8特異的peptide poolで刺激した後、CD8
+T細胞内TNF-αを発現レベルを示すグラフである。
【
図12】
図12(a)は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))に対してintracellular cytokine staining実験を行うために接種抗原タンパク質で刺激した後、CD4
+T細胞内INF-γを発現レベルを示すグラフである。
図12(b)は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))に対しintracellular cytokine staining実験を行うためにCD8特異的peptide poolで刺激した後、CD4
+T細胞内INF-γを発現レベルを示すグラフである。
【
図13】
図13(a)は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))に対してintracellular cytokine staining実験を行うために接種抗原タンパク質で刺激した後、CD4
+T細胞内TNF-αを発現レベルを示すグラフである。
図13(b)は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))に対してintracellular cytokine staining実験を行うためにCD8特異的peptide poolで刺激した後、CD4
+T細胞内TNF-αを発現レベルを示すグラフである。
【
図14】
図14(a)は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))に対してELISpot-cytokines実験を行うために、接種抗原タンパク質で刺激した後、脾臓細胞内INF-γ発現レベルを示すグラフである。
図14(b)は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))に対してELISpot-cytokines実験を行うために、CD8特異的peptide poolで刺激した後、脾臓細胞内INF-γ発現レベルを示すグラフである。
【
図15】
図15(a)は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))に対してELISpot-cytokines実験を行うために、接種抗原タンパク質で刺激した後、脾臓細胞内IL-4
+発現レベルを示すグラフである。
図15(b)は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターで生産された組換え抗原(S(rBeta3P))に対してELISpot-cytokines実験を行うために、CD8特異的peptide poolで刺激した後、脾臓細胞内IL-4
+発現レベルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明は、COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターおよびこれで製造された組換えタンパク質に関し、具体的には、NBタンパク質-S1タンパク質-S2タンパク質-Fdポリペプチド-HDELペプチドで構成され、S1タンパク質のスパイクは、D614G、S1タンパク質のRBDは、K417N、E484K、N501Y、S2タンパク質は、A942P、K986P、V987P変異がそれぞれ発生し、優れた免疫原性を有する組換えタンパク質であり、COVID-19の予防および治療用途に有
用に活用され得る。
【0041】
本発明において、「コロナウイルス感染症-19」は、SARS-CoV-2が起こす重症呼吸器症候群である。
【0042】
前記SARSコロナウイルス2感染症は、SARSコロナ変異ウイルス2による感染症を含んでもよいし、例えば、前記SARSコロナ変異ウイルス2は、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、イプシロン、ゼータ、エータ、シータ、イオタ、カッパ、ラムダ、ミューおよびオミクロンコロナウイルスから成る群から選ばれるいずれか1つ以上のSARSコロナ変異ウイルス2であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0043】
本発明において、「組換え発現ベクター」は、細菌プラスミド、ファージ、酵母プラスミド、植物細胞ウイルス、哺乳動物細胞ウイルスまたは他のベクターを意味する。一般的に、任意のプラスミドおよびベクターは、宿主内で複製および安定化できれば使用することができる。本発明の組み換え発現ベクターは、好ましくは、RNA重合酵素が結合する転写開始因子であるプロモーター(promoter)、転写を調節するための任意のオペレーター配列、適合なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列と転写および翻訳の終結を調節する配列、ターミネーターなどを含んでもよい。
【0044】
前記組換え発現ベクターおよび適当な転写/翻訳調節シグナルを含む発現ベクターは、当業者にとって周知の方法によって構築することができる。前記方法は、試験管内組換えDNA技術、DNA合成技術および生体内組換え技術などを含む。
【0045】
また、組換えタンパク質の生産量を増加させるためのタグ用遺伝子、組換えタンパク質の構造的安定性を維持するためのタグ用遺伝子、組換えタンパク質を容易に分離するためのタグ用遺伝子、形質転換体を選別するための抗生剤耐性遺伝子などの選別用マーカー遺伝子などをさらに含んでもよいし、容易な分離のためのタグとしては、これらに限らないが、Aviタグ、Calmodulinタグ、polyglutamateタグ、Eタグ、FLAGタグ、HAタグ、Hisタグ、Mycタグ、Sタグ、SBPタグ、IgG-Fcタグ、CTBタグ、Softag 1タグ、Softag 3タグ、Strepタグ、TCタグ、V5タグ、VSVタグ、Xpressタグなどが含まれ得、前記選別用マーカー遺伝子には、代表的に、グリホサート(glyphosate)またはホスフィノスリシン(phosphinothricin)のような除草剤抵抗性遺伝子、カナマイシン(kanamycin)、G418、ブレオマイシン(Bleomycin)、ハイグロマイシン(hygromycin)、クロラムフェニコール(chloramphenicol)のような抗生剤耐性遺伝子、aadA遺伝子などが含まれ得、前記プロモーターには、代表的に、pEMUプロモーター、MASプロモーター、ヒストンプロモーター、Clpプロモーター、カリフラワーモザイクウイルス(cauliflower mosaic virus)由来35Sプロモーター、カリフラワーモザイクウイルス(cauliflower mosaic virus)由来19S RNAプロモーター、植物のアクチンタンパク質プロモーター、ユビキチンタンパク質プロモーター、CMV(Cytomegalovirus)プロモーター、SV40(Simian virus 40)プロモーター、RSV(Respiratory syncytial virus)プロモーター、EF-1α(Elongation factor-1 alpha)プロモーターなどが含まれ得、前記ターミネーターは、代表的に、ノパリンシンターゼ(NOS)、稲アミラーゼRAmy1 Aターミネーター、パセオリンターミネーター、アグロバクテリウムツメファシエンスのオクトパイン(Octopine)遺伝子のターミネーター、大腸菌のrrnB1/B2ターミネーターなどであるが、前記追加される遺伝子の種類は、従来組換えタンパク質の製造に使用されている種類であれば限らない。
【0046】
本発明の組換えベクターの好ましい例は、好適な宿主に存在する場合、それ自体の一部、いわゆるT-領域を植物細胞に転移させることができるTi-プラスミドベクターである。他の類型のTi-プラスミドベクターは、現在植物細胞、またはハイブリッドDNAを植物のゲノム内に適当に挿入させる新しい植物を生産することができる原形質体にハイブリッドDNA配列を転移させるのに用いられている。Ti-プラスミドベクターの特に好ましい形態は、EP0120516B1号および米国特許第4,940,838号に請求されたようないわゆるバイナリ(binary)ベクターである。本発明によるDNAを植物宿主に導入させるのに用いられ得る他の好適なベクターは、二本鎖植物ウイルス(例えば、CaMV)および一本鎖ウイルス、ジェミニウイルスなどに由来するようなウイルスベクター、例えば、非完全性植物ウイルスベクターから選択することができる。このようなベクターの使用は、特に植物宿主を好適に形質転換することが難しい場合に有利になり得る。
【0047】
本発明において、「抗原(antigen)」は、体内で免疫反応を起こすすべての物質を総称し、好ましくは、ウイルス、化合物質、細菌、花粉、がん細胞、エビなどまたはこれらの一部のペプチドまたはタンパク質や、体内で免疫反応を起こすことができる物質を意味する。
【0048】
本発明において、前記ポリペプチドが有する少なくとも1つのアミノ酸に変異が起きた組換え抗原タンパク質を含んでもよい。前記変異は、アミノ酸の置換、欠失、付加などが含まれるが、好ましくは、置換を含む。前記ポリペプチドのアミノ酸配列が置換されることによって抗原収得率が増加することができる。前記置換というのは、従来のアミノ酸配列が他のアミノ酸配列に代替されることを意味する。少なくとも1つのアミノ酸が置換されてもよく、好ましくは、1個~11個のアミノ酸が置換されてもよく、例えば、2個~10個のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されてもよく、さらに他の例は、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個または2個のアミノ酸が置換されてもよい。
【0049】
本発明は、配列番号1のアミノ酸配列で表されるスパイク糖タンパク質のS1サブユニットをコード化するポリヌクレオチドで、前記S1サブユニットは、前記アミノ酸配列のN末端から417番、484番、501番、および614番から成る群から選ばれるいずれか1つ以上の位置に変異があることを特徴とするCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクターを提供する。
【0050】
本発明の一実施例において、前記組換えベクターは、配列番号2のアミノ酸配列で表されるスパイク糖タンパク質のS2サブユニットをコード化するポリヌクレオチドをさらに含み、前記S2サブユニットは、前記アミノ酸配列のN末端から942番、986番、および987番から成る群から選ばれるいずれか1つ以上の位置に変異がありえるが、これに限定されるものではない。
【0051】
本発明の一実施例において、前記変異は、K417N、E484K、N501Y、およびD614Gから成る群から選ばれるいずれか1つ以上の変異であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0052】
本発明において、前記K417N、E484K、N501Y、およびD614Gは、配列番号1からなるS1サブユニットアミノ酸配列のN末端から417番位置のリシン(K)がアスパラギン(N)で置換され、484番位置のグルタミン酸(E)がリシン(K)で置換され、501番位置のアスパラギン(N)がチロシン(Y)で置換され、614番位置のアスパラギン酸(D)がグリシン(G)で置換されることを意味し得る。
【0053】
本発明の一実施例において、前記変異は、A942P、K986P、およびV987Pか
ら成る群から選ばれるいずれか1つ以上の変異であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0054】
本発明において、前記A942P、K986P、およびV987Pは、配列番号2で表されるスパイク糖タンパク質のS2サブユニットアミノ酸配列のN末端から942番位置のアラニン(A)がプロリン(P)で置換され、986番位置のリシン(K)がプロリン(P)で置換され、987番位置のバリン(V)がプロリン(P)で置換されたことを意味し得る。
【0055】
本発明の一実施例において、前記組換えベクターは、NB(New BiP;new chaperone binding protein)タンパク質をコード化するポリヌクレオチドをさらに含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0056】
本発明の一実施例において、前記組換えベクターは、Fd(foldon)タンパク質をコード化するポリヌクレオチドをさらに含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0057】
本発明において、「フォールドンドメイン(foldon domain)」は、当業者に一般的に知られている任意のフォールドン配列を有していてもよい。好ましくは、バクテリオファージT4フィブリチンのフォールドン(foldon)が含まれ得、配列番号3のアミノ酸配列で表現される。ウイルス表面のスパイクタンパク質は、trimerを形成しているが、transmembrane domainが除去されたS ectodomainは、安定的にtrimerを形成せず、monomerやdimerで存在することがある。前記フォールドンドメインは、S ectodomain抗原が安定的にtrimerを形成するように誘導して、ウイルス表面のSと類似の構造を成すように助け、抗原サイズを増加させ、これによる抗原性を増加させることができる。
【0058】
本発明の一実施例において、前記組換えベクターは、HDELタンパク質をコード化するポリヌクレオチドをさらに含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0059】
本発明の一実施例において、前記組換えベクターは、S1サブユニットおよびS2サブユニット間のフーリン切断部位(furin cleavage site,PRRA)が欠失した抗体をコード化するポリヌクレオチドをさらに含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0060】
本発明による組換えベクターは、NBコード配列、S1コード配列、S2コード配列、Fdコード配列、7Hisコード配列およびHDELコード配列の順に構成され得るが、これに限定されるものではない。
【0061】
前記の配列の他にも、本発明による組換えベクターによる組換え抗原の機能、生産収率、伝達力などを向上させるために、当業者によって一般的に使用できる1つ以上の構成が追加されてもよく、この場合、追加される構成の位置には制限がなく、ベクター内の各構成の組み合わせ、順序などが変更され得る。
【0062】
また、本発明による組換えベクターによる組換え抗原の機能、生産収率、伝達力などを向上させるために、当業者は、一般的に適用可能な突然変異変更、発生、追加などの方法を適用することができ、この場合にも、必要に応じてベクター内の各構成の組み合わせ、順序などは変更され得る。
【0063】
本発明の一実施例において、前記組換えベクターは、植物体で発現することができるが、
これに限定されるものではない。
【0064】
本発明において、「植物体」は、本発明の組換えタンパク質を大量生産できる植物であれば制限なく使用することができ、これらに限定されるものではないが、シロイヌナズナ、大豆、タバコ、ナス、唐辛子、ジャガイモ、トマト、ハクサイ、ダイコン、キャベツ、レタス、桃、梨、イチゴ、スイカ、マクワウリ、キュウリ、ニンジン、およびサラリーから成る群から選ばれる1つ以上の双子葉植物;または稲、麦、小麦、ライ麦、とうもろこし、サトウキビ、エンバク、およびタマネギから成る群から選ばれることができる。
【0065】
また、本発明は、前記組換えベクターで形質転換された形質転換体を提供する。
【0066】
本発明において、前記形質転換体は、植物体であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0067】
本明細書において、「形質転換(transformation)」とは、注入されたDNAにより生物の遺伝的な性質が変わることを総称し、「形質転換体(transgenic organism)」とは、分子遺伝学的方法で外部の遺伝子を注入して製造された生命体であり、好ましくは、本発明の組み換え発現ベクターにより形質転換された生命体であり、前記生命体は、微生物、真核細胞、昆虫、動物、植物など生命がある生物であれば、制限がなく、好ましくは、大腸菌、サルモネラ、バシラス、酵母、動物細胞、マウス、ラット、イヌ、サル、ブロ、ウマ、ウシ、アクロバクテリウムツメファシエンス、植物などであるが、これらに制限されない。前記形質転換体は、形質転換(transformation)、形質感染(transfection)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介形質転換方法、パーティクルガン衝撃法(particle gun bombardment)、超音波処理法(sonication)、電気穿孔法(electroporation)およびPEG(Polyethylen glycol)媒介形質転換方法などの方法で製造できるが、本発明のベクターを注入できる方法であれば制限がない。
【0068】
また、本発明は、前記形質転換体を培養する段階と、前記形質転換体またはこれの培養液からCOVID-19の予防または治療用組換え抗原タンパク質を分離および精製する段階と、を含むCOVID-19の予防または治療用組換え抗原タンパク質の製造方法を提供する。
【0069】
本発明のベクターを真核細胞に形質転換させる場合には、宿主細胞として、酵母(Saccharomyce cerevisiae)、昆虫細胞、ヒト細胞(例えば、CHO細胞株(Chinese hamster ovary)、W138、BHK、COS-7、293、HepG2、3T3、RIN、およびMDCK細胞株)および植物細胞などが用いられ得、好ましくは、アグロバクテリウム(Agrobacterium)であってもゆい。
【0070】
本発明のベクターを宿主細胞内に運搬する方法は、宿主細胞が原核細胞である場合、CaCl2方法、ハナハン方法(Hanahan,D,J Mol Biol,166:557-580(1983))および電気穿孔法などによって実施することができる。また、宿主細胞が真核細胞である場合には、マイクロインジェクション法、リン酸カルシウム沈殿法、電気穿孔法、リポソーム媒介形質感染法、DEAE-デキストラン処理法、および遺伝子ボンバードメントなどによってベクターを宿主細胞内に注入することができる。
【0071】
前記形質転換された植物から目的タンパク質を生産する方法は、本発明による組換えベクターで植物細胞を形質転換させた後、目的タンパク質が発現するように適当な時間培養し
た後、形質転換した細胞から収得することができる。この際、前記目的タンパク質を発現させる方法は、当業界に一般的に知られている方法であれば、いずれも使用可能である。
【0072】
また、本発明者らは、COVID-19ワクチン用組換え抗原タンパク質を植物体から生産することにより、糖化したスパイク糖タンパク質を前記植物体から収得することができた。前記形質転換体またはこれの培養液から本発明のCOVID-19ワクチン用組換え抗原タンパク質を分離および精製する方法は、当業界に一般的に知られている方法である植物体から目的タンパク質を分離および精製する方法であれば、いずれも使用可能である。
【0073】
また、本発明による組換えベクターを植物体に形質転換させる段階と、前記植物体から組換え抗原を分離および精製する段階と、を含むCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質の製造方法を提供する。
【0074】
また、本発明は、前記の方法で生産された抗原を有効成分として含むCOVID-19の予防または治療用組成物を提供する。
【0075】
本発明による予防または治療用薬学的組成物は、薬学的組成物の製造に通常使用する適切な担体、賦形剤、および希釈剤をさらに含んでもよい。前記賦形剤は、例えば、希釈剤、結合剤、崩解剤、滑沢剤、吸着剤、保湿剤、フィルム-コーティング物質、および制御放出添加剤から成る群から選択された1つ以上であってもよい。
【0076】
本発明による薬学的組成物は、それぞれ、通常の方法によって散剤、顆粒剤、徐放性顆粒剤、腸溶性顆粒剤、液剤、点眼剤、エリキシル剤、乳剤、懸濁液剤、酒精剤、トローチ剤、芳香水剤、リモナーデ剤、錠剤、徐放性錠剤、腸溶性錠剤、舌下錠、硬質カプセル剤、軟質カプセル剤、徐放性カプセル剤、腸溶性カプセル剤、丸剤、チンキ剤、軟エキス剤、乾燥エキス剤、流動エキス剤、注射剤、カプセル剤、灌流液、硬膏剤、ローション剤、パスタ剤、噴霧剤、吸入剤、パッチ剤、滅菌注射溶液、またはエアロゾルなどの外用剤などの形態に剤形化して使用することができ、前記外用剤は、クリーム、ジェル、パッチ、噴霧剤、軟膏剤、硬膏剤、ローション剤、リニメント剤、パスタ剤またはカタプラズマ剤などの剤形を有していてもよい。
【0077】
本発明による薬学的組成物に含まれ得る担体、賦形剤および希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、オリゴ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアガム、アルギネート、ゼラチン、リン酸カルシウム、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾアート、プロピルヒドロキシベンゾアート、タルク、マグネシウムステアレートおよび鉱物油が挙げられる。
【0078】
製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して調製される。
【0079】
本発明による錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤の添加剤としてコーンスターチ、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、乳糖、白糖、ブドウ糖、果糖、D-マンニトール、沈降炭酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、リン酸一水素カルシウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、精製ラノリン、微結晶セルロース、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カオリン、ヨウ素、コロイド状シリカゲル、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMC1928、HPMC2208、HPMC2906、HPMC2910、プロピレングリコール、カゼイン、乳酸カ
ルシウム、プリモジェルなど賦形剤;ゼラチン、アラビアガム、エタノール、寒天粉、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ブドウ糖、精製水、カゼインナトリウム、グリセリン、ステアリン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、デキストリン、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシメチルセルロース、精製セラック、デンプン糊、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの結合剤が使用でき、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コーンスターチ、寒天粉、メチルセルロース、ベントナイト、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クエン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、無水ケイ酸、L-ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、イオン交換樹脂、酢酸ポリビニル、ホルムアルデヒド処理カゼインおよびゼラチン、アルギン酸、アミロース、グアーガム(Guar gum)、重曹、ポリビニルピロリドン、リン酸カルシウム、ゲル化デンプン、アラビアガム、アミロベクチン、ペクチン、ポリリン酸ナトリウム、エチルセルロース、白糖、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、D-ソルビトール液、軽質無水ケイ酸など崩解剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、水素化植物油(Hydrogenated vegetable oil)、タルク、石松子、カオリン、ワセリン、ステアリン酸ナトリウム、カカオ脂、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸マグネシウム、ポリエチレングリコール(PEG)4000、PEG6000、流動パラフィン、水素添加大豆油(Lubri wax)、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、マクロゴール(Macrogol)、合成ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン油、パラフィン油、ポリエチレングリコール脂肪酸エーテル、デンプン、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、DL-ロイシン、軽質無水ケイ酸などの滑沢剤が使用できる。
【0080】
本発明による液剤の添加剤としては、水、希塩酸、希硫酸、クエン酸ナトリウム、モノステアリン酸スクロース類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(ツインエステル)、ポリオキシエチレンモノアルキルエテール類、ラノリンエーテル類、ラノリンエステル類、酢酸、塩酸、アンモニア水、炭酸アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、プロラミン、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが使用できる。
【0081】
本発明によるシロップ剤には、白糖の溶液、他の糖類あるいは甘味剤などが使用でき、必要に応じて芳香剤、着色剤、保存剤、安定剤、懸濁化剤、乳化剤、粘稠剤などが使用できる。
【0082】
本発明による乳剤には、精製水が使用でき、必要に応じて乳化剤、保存剤、安定剤、芳香剤などが使用できる。
【0083】
本発明による懸濁剤には、アカシア、トラガカンタ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMC1828、HPMC2906、HPMC2910などの懸濁化剤が使用でき、必要に応じて界面活性剤、保存剤、安定剤、着色剤、芳香剤が使用できる。
【0084】
本発明による注射剤には、注射用蒸留水、0.9%塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース+塩化ナトリウム注射液、ピイジー(PEG)、乳酸リンゲル注射液、エタノール、プロピレングリコール、非揮発性油-ゴマ油、綿実油、落花生油、ダイズ油、とうもろこし油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロ
ピル、安息香酸ベンゼンのような溶剤;安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ヨウ素、ウレタン、モノエチルアセトアミド、ブタゾリジン、プロピレングリコール、ツイン類、ニコチン酸アミド、ヘキサミン、ジメチルアセトアミドのような溶解補助剤;弱酸およびその塩(酢酸と酢酸ナトリウム)、弱塩基およびその塩(アンモニアおよび酢酸アンモニウム)、有機化合物、タンパク質、アルブミン、ペプトン、ガム類のような緩衝剤;塩化ナトリウムのような等張剤;重亜硫酸ナトリウム(NaHSO3)二酸化炭素ガス、メタ重亜硫酸ナトリウム(Na2S2O5)、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、窒素ガス(N2)、エチレンジアミンテトラ酢酸のような安定剤;ソジウムビサルファイト0.1%、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート、チオウレア、エチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム、アセトンソジウムビサルファイトのような硫酸化剤;ベンジルアルコール、クロロブタノール、塩酸プロカイン、ブドウ糖、グルコン酸カルシウムのような無痛化剤;CMCナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ツイン80、モノステアリン酸アルミニウムのような懸濁化剤を含んでもよい。
【0085】
本発明による坐剤には、カカオ脂、ラノリン、ウィテプソル、ポリエチレングリコール、グリセロゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸とオレイン酸の混合物、スバナル(Subanal)、綿実油、落花生油、ヤシ油、カカオバター+コレステロール、レシチン、ラネットワックス、モノステアリン酸グリセロール、ツインまたはスパン、イムハウゼン(Imhausen)、モノレン(モノステアリン酸プロピレングリコール)、グリセリン、アデプスソリダス(Adeps solidus)、ブチラムテゴ-G(Buytyrum Tego-G)、セベスファーマ16(Cebes Pharma 16)、ヘキサライドベース95、コトマー(Cotomar)、ヒドロコテSP、S-70-XXA、S-70-XX75(S-70-XX95)、ヒドロコテ(Hydrokote)25、ヒドロコテ711、イドロポスタル(Idropostal)、マッサエストラリウム(Massa estrarium、A、AS、B、C、D、E、I、T)、マッサ-MF、マスポール、マスポール-15、ネオスポスタル-N、パラマウント-B、スポシロ(OSI、OSIX、A、B、C、D、H、L)、坐剤基剤IVタイプ(AB、B、A、BC、BBG、E、BGF、C、D、299)、スポスタル(N、Es)、ウェコビー(W、R、S、M、Fs)、テゲスタートリグリセライド基剤(TG-95、MA、57)のような基剤が使用できる。
【0086】
経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記抽出物に少なくとも1つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調製される。また、単純な賦形剤以外に、マグネシウムステアレート、タルクのような潤滑剤も使用される。
【0087】
経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、頻用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に様々な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれ得る。非経口投与のための製剤には、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどが使用できる。
【0088】
本発明による薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明において、「薬学的に有効な量」は、医学的治療に適用可能な合理的なベネフィット/リスクの割合で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量レベルは、患者疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物感受性、投与時間、投与経路および排出比率、治療期間、同時使用される薬物を
含む要素およびその他医学分野によく知られた要素によって決定できる。
【0089】
本発明による薬学的組成物は、個別治療剤として投与したり他の治療剤と併用して投与でき、従来の治療剤とは順次にまたは同時に投与でき、単一または多重投与できる。上記した要素を全部考慮して副作用なしで最小限の量で最大効果を得ることができる量を投与することが重要であり、これは、本発明の属する技術分野における通常の技術者によって容易に決定できる。
【0090】
本発明の薬学的組成物は、個体に多様な経路で投与できる。投与のすべての方式は、予想され得るが、例えば、経口服用、皮下注射、腹腔投与、静脈注射、筋肉注射、脊髄の周囲空間(硬膜内)注射、舌下投与、頬粘膜投与、直腸内挿入、膣内挿入、眼球投与、耳投与、鼻腔投与、吸入、口または鼻を通した噴霧、皮膚投与、経皮投与などにより投与できる。
【0091】
本発明の薬学的組成物は、治療する疾患、投与経路、患者の年齢、性別、体重および疾患の重症度などの様々な関連因子とともに、活性成分である薬物の種類によって決定される。
【0092】
本発明において「個体」とは、疾患の治療を必要とする対象を意味し、より具体的には、ヒトまたは非ヒトである霊長類、マウス(mouse)、ラット(rat)、イヌ、ネコ、ウマ、およびウシなどの哺乳類を意味する。
【0093】
本発明において「投与」とは、任意の適切な方法で個体に所定の本発明の組成物を提供することを意味する。
【0094】
本発明において「予防」とは、目的とする疾患の発病を抑制したり遅延させるすべての行為を意味し、「治療」とは、本発明による薬学的組成物の投与により目的とする疾患とそれによる代謝異常症状が好転したり有益に変更されるすべての行為を意味し、「改善」とは、本発明による組成物の投与により目的とする疾患に関連したパラメーター、例えば症状の程度を減少させるすべての行為を意味する。
【0095】
また、本発明は、前記の方法で生産された抗原を有効成分として含むCOVID-19の予防または治療用キットを提供する。
【0096】
また、本発明は、ヒトを除いた動物に前記の方法で生産された抗原を有効成分とする組成物を投与する段階を含むCOVID-19の予防または治療方法を提供する。
【0097】
また、本発明は、前記のベクターまたは前記方法で生産された抗原を有効成分として含むCOVID-19の予防または治療用ワクチン組成物を提供する。
【0098】
本発明において、「ワクチン(vaccine)」は、生体に免疫反応を起こす抗原を含有する生物学的な製剤であり、感染症の予防のためにヒトや動物に注射したり経口投与することによって生体に免疫を生じさせる免疫原をいう。前記動物は、ヒトまたは非ヒト動物であり、前記非ヒト動物は、ブタ、ウシ、ウマ、イヌ、ヤギ、ヒツジなどを指すが、これらに限定されない。
【0099】
本発明の「ワクチン組成物」は、それぞれ通常の方法によって散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾルなどの経口型剤形および滅菌注射溶液の形態で剤形化して使用することができる。製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して
調製することができる。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記レシチン類似乳化剤に少なくとも1つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調製することができる。また、単純な賦形剤以外に、マグネシウムステアレート、タルクのような潤滑剤も使用できる。経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などを使用でき、頻繁に使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に、色々な賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれ得る。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水溶性製剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤が含まれる。非水溶性製剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどが使用できる。
【0100】
本発明によるワクチン組成物の投与経路は、これらに限定されるものではないが、口腔、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、硬膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局所、舌下または直腸が含まれる。経口または非経口投下が好ましい。本願に使用された用語「非経口」は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、硬膜内、病巣内、および頭蓋骨内注射または注入技術を含む。本発明のワクチン組成物は、また、直腸投与のための坐剤の形態で投与することができる。
【0101】
本発明のワクチン組成物は、使用によって免疫増強剤をさらに含んでもよいし、本発明において、「免疫増強剤(adjuvant)」は、ワクチンまたは薬学的に活性を有する成分に添加され、免疫反応を増加させたり、および/または影響を与える物質または組成物を言い、免疫増強剤に統合されたり共に投与された抗原の免疫原性(immunogenicity)を増進させることができる広い範囲の物質または策略(stratagerm)を含む。
【0102】
本発明のワクチン免疫増強剤組成物と共に使用可能なワクチン免疫増強剤は、例えば、アルミニウムヒドロキシド、アルミニウムホスフェート、アルム(ポタシウムアルミニウムサルフェート)、MF59、ビロソーム(virosome)、AS04[アルミニウムヒドロキシド、およびモノホスホリルリピドA(MPL)の混合物]、AS03(DL-αtocopherol、squalene、および乳化剤であるpolysorbate 80の混合物)、CpG、フラジェリン(flagellin)、Poly I:C、AS01、AS02、ISCOMs、およびISCOMMATRIXであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0103】
本発明による免疫増強剤組成物は、ワクチンの投与と同時にまたは異なる時期に行われ得、ワクチン免疫増強剤組成物の投与頻度は、例えば、毎日~数ヶ月ごとに投与されたりまたは毎伝染病流行期前に1回~2回投与することができるが、これらに限定されるものではなく、免疫原性が維持される経過を観察しつつ、当業者が追加免疫間隔を容易に決定することができる。
【0104】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかしながら、下記の実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記実施例によって本発明の内容が限定されるものではない。
【実施例】
【0105】
実施例1.COVID-19変異組換えスパイクタンパク質を発現する植物由来組換えベクターの製造
COVID-19変異組換えスパイクタンパク質を植物で発現させるためのベクターを製
作した。具体的には、Ancestorに該当するSARS-CoV-2のスパイクタンパク質(Genbank accession UAQ54630.1)の14番グルタミンから1162番プロリンまでのアミノ酸配列のうちRBDをbeta変異に作るためにK417N、E484K、N501Y、D614G変異を導入した。スパイクタンパク質の安定性を向上させるためにfurin cleavage siteのPRRAを除去し、スパイクタンパク質をprefusion stateで維持させるためにS2部分の3個のアミノ酸をプロリンで置換(A942P、K986P、V987P)した。スパイクタンパク質が安定的に三量体を成すようにするために、1162番プロリンのカルボキシ末端にT4 fibritinのfoldon motifを融合し、foldon motifのカルボキシ末端にスパイクタンパク質分離精製のために、8個のヒスチジンからなるHis-tagを融合した。beta変異スパイクタンパク質を植物小胞体で発現させるために、スパイクタンパク質のアミノ末端に小胞体シグナル配列(NB、韓国登録特許10-2138272号)とカルボキシ末端にER retention signalであるHDEL(最初Hは、His-tagの最後のヒスチジン、HHHHHHH‘H’DEL)をそれぞれ融合した。このようにデザインされたSARS-CoV-2 beta変異スパイクタンパク質をコードする遺伝子をNicotiana benthamianaに合うようにcodon-optimizationして合成し、植物発現ベクターであるpTEXベクター(韓国特許出願10-2020-0034576号)にXbaIとXhoIを用いてクローニングした。前記方法で製造された組換えベクターの切断地図は、
図1に示された通りであり、各切断に対するアミノ酸配列および塩基配列は、下記の通りである。
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
実施例2.COVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターによる組換え抗原(S(rBeta3P))の生物学的活性の確認
実施例1のCOVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターによって製造された抗原の生物学的活性を確認するために、ACE2の結合特性を分析した。具体的には、実施例1の組換えベクターから組換え抗原(S(rBeta3P))を製造した後、PBSに希釈してウェル(well)当たり100ng固定し、4℃でo/n(16時間)で処理した。その後、抗原が固定されたウェルを1x ELISA assay buffer(Invitrogen,DS98200)、常温、1時間ブロッキング処理し、hACE2(SinoBiological、10108-H05H)を0.01024、0.0512、0.256、1.28、6.4、32、160、800、4000、20000、および40000ng/mlずつを添加し、常温で1時間反応させた。また、二番目の抗体処理のために、a-mouse lgG(Bethyl,A90-146P)を1:5000で、常温で、1時間添加して反応させた。次に、50%TMB基質を添加して10分間発色反応を誘導し、4N H2SO4 stop solutionを処
理して反応を終結させた後、ELISA reader装置を用いて波長450nmで各ウェルの吸光度(OD)を測定した。
【0111】
その結果、hACE2タンパク質が組換え抗原(S(rBeta3P))に対して濃度依存的に結合を形成することが確認され(
図2)、GraphPad Prism 9統計プログラムを活用してnon-linear regression fitを適用した後、50%結合濃度を計算した結果、EC
50=7.843ng/mlと測定された。
【0112】
実施例3.武漢ウイルスに対する免疫原性の確認
実施例1のCOVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターによって製造された抗原の免疫原性を確認するために、
図3のようにマウスに前記タンパク質を注射して血清を収得し、この血清で武漢およびベータ変異ウイルス株に対するプラーク減少中和抗体検査法(Plaque Reduction Neutralization Test,PRNT)をそれぞれ行った。
【0113】
まず、マウスから血清を収得するために、実施例1によって製造された組換え抗原(S(rBeta3P))をUV
280吸光度を測定して定量した。その後、下記の表3によって試験ワクチンG1~G5を製造した。G1~G3は、定量されたタンパク質を精製水に希釈した後、免疫増強剤(EyeGene社)と1:1の割合で混合して製造し、対照群(G5)としては、PBS溶液を使用した。前記G1~G5を6週齢の雌Balb/cマウス(Group 1~5)の左右大腿筋に50μlずつ合計100μlをそれぞれ1次注射し、3週目に同量のタンパク質を2次注射し、2次注射してから2週後の5週目に血清を収得した(
図3)。
【0114】
【0115】
その後、PRNTを行うために、Vero E6細胞(ATCC)を2.5×105/mlで懸濁し、12well plateに1mlずつ分注した後(2.5×105cells/1ml/well/12well plate)、細胞が分注された12well
plateを37℃でCO2incubatorで24時間培養した。実験に使用する前記血清試料を56℃で30分間非同化させ、非同化させた試料血清を2%FBS+1%Pen/Strep+DMEMを用いて1/10から2倍ずつ階段方式で希釈した。その後、コロナ19ウイルスを原液から6×103PFU/mlで希釈し、希釈した血清に約50PFU(30~60個のplaqueが観察されるように)濃度で分注した。希釈した血清は、CO2incubatorで1時間incubationし、あらかじめ準備しておいたvero cellの上澄み液を全部除去した後、血清とウイルス混合液を200μlずつ分注した。血清とウイルス混合液が分注されたplateは、CO2incubatorで1時間incubationし、Incubationする中に10分間隔でplateをよく振とうさせて混合した後、血清とウイルス混合液を除去した。なお、Overlay mediaを4%FBS MEM(2X)および1.5%agarを1:1の割合で製造した。製造したOverlay mediaを1mlずつ分注した後、CO2incubatorで3日間incubationした。また、crystal
violet solution 33ml、37%formaldehyde solution 108mlおよびEtOH25ml+D.W334mlで製造したCry
stal Violet Mixture(500ml基準)を準備し、これを分注してstainingした後、染色試薬およびagarを除去した後、常温で十分に乾燥して、plaque数をカウントした。すべてのサンプルは、2回ずつ繰り返して実験し、陰性反応試験群(NC,virusと血清試料が含まれない)および陽性対照群(ただvirusのみを含む)を含む。
【0116】
その結果、免疫増強剤が含まれた試験ワクチンG1(5μg/dose)、G2(10μg/dose)、およびG3(25μg/dose)投与群において武漢ウイルス株に対する中和抗体価(ND
50)は、それぞれ、2815、3243および5284と測定され(
図4)、免疫増強剤が含まれていない抗原単独投与群の中和抗体価は、武漢ウイルスに対しては194(G4)と測定された。これは、免疫増強剤が含まれた試験ワクチン(G1~G3)の武漢ウイルス株に対するそれぞれの中和抗体価が、免疫増強剤を含まない試験ワクチン(G4)と比べて、約15~27倍に該当するという点から、G1~G3の免疫原性に顕著に優れていることが確認された。
【0117】
実施例4.ベータ/デルタ/オミクロンウイルスに対する組換え抗原(S(rBeta3P))の免疫原性の確認
実施例1のCOVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターによって製造された抗原のベータ/デルタ/オミクロンウイルスに対する免疫原性を確認するために、プラーク減少中和抗体検査法(Plaque Reduction Neutralization Test,PRNT)をそれぞれ行った。実験は、本発明の組換え抗原(S(rBeta3P))の濃度を表4によって製造および投与したことを除いて、実施例3と同じ方法で行った。
【0118】
【0119】
その結果、免疫増強剤が含まれた試験ワクチンG1(0.1μg/dose)、G2(1μg/dose)、G3(5μg/dose)およびG4(10μg/dose)投与群においてベータ変異ウイルス株に対する結果値は、それぞれ、1461、9870、4607、8195および1494と測定された(
図5)。デルタ変異ウイルス株に対する中和抗体価(ND
50)は、それぞれ、20、950、1005、1550および17と測定され(
図6)、オミクロン変異ウイルス株に対する結果値は、それぞれ、26、580、68、14644および30と測定された(
図7)。抗原単独投与群(G5およびG6)においてデルタおよびオミクロンウイルス株に対する中和抗体価は、全部ND50=32以下と低く測定されたという点から、本発明の血清は、免疫増強剤とともに投与したとき、微量の試薬だけでも免疫効果を発生させることが確認された。
【0120】
実施例5.anti-Spike IgG ELISA検査による組換え抗原(S(rBeta3P))の免疫原性の確認
実施例1のCOVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターによって製造された抗原の免疫原性をanti-Spike IgG ELISAをそれぞれ行った。
【0121】
具体的には、表5によって実施例3と同じ方法で血清を準備した後、組換え抗原(S(r
Beta3P))をウェル(well)当たり100ng固定し、4℃でo/n(約16時間)で処理した後、抗原が固定されたウェルを3%skim milk in PBS-Tで、37℃で、1時間ブロッキング処理した。1次抗体処理のために、マウスに組換え抗原(S(rBeta3P))を2次投与してから2週後に収得した血清を1/150~1/11、718、750で希釈して使用し、37℃で2時間反応させた。2次抗体処理のためにanti-Mouse IgGを1/5000希釈して使用し、37℃で1時間添加して反応させた。次に、TMB基質を添加して10分間発色反応を誘導し、4N H2SO4 stop solutionを処理して反応を終結させた後、ELISA reader装置を用いて波長450nmで各ウェルの吸光度(O.D)を測定した。この際、Cut offは、0.2(PBS endpointの4倍)に設定した。
【0122】
【0123】
その結果、
図10に示されたように、免疫増強剤を含む試験ワクチンG1(0.1μg/dose)、G2(1μg/dose)、G3(5μg/dose)およびG4(10μg/dose)投与群において5.81、6.23、6.37および6.37log
10titerの濃度依存的な抗原特異的抗体力価が確認された。免疫増強剤が含まれていないG5(10μg/dose)投与群の血清の抗原特異的抗体力価は、4.83log
10titerと多少低くなるが、優れた抗体力価レベルを示すことが確認された。
【0124】
実施例6.Intracellular cytokine staining検査による組換え抗原(S(rBeta3P))の免疫原性の確認
実施例1のCOVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターによって製造された抗原の免疫原性を確認するために、マウス脾臓CD4+およびCD8+T細胞のサイトカイン分析(Cellular staining-cytokines)を行った。
【0125】
まず、表6によって実施例3と同じ方法で血清を準備した後、
図9によってマウスに接種し、脾臓を摘出した。また、Cytokine(INF-γ、TNF-α)で誘導されたT細胞分析を進め、Stimulationとしては、体液性免疫を確認するための接種抗原タンパク質または細胞性免疫を確認するためのCD8特異的peptide poolを用いた。Proteinは、500ng/well、Peptide 4μg/well stimulationを進め、この際、Stimulation時間は、16時間進め、Cytokineで誘導されたT細胞は、stimulation time 16時間およびstimulation 4時間後に12時間Golgi treatした。
【0126】
【0127】
その結果、ワクチン投与群の脾臓細胞において細胞性免疫の核心であるINF-γを発現するCD8
+T細胞の増加傾向性が確認されたが(
図10(a))、統計的に有意味ではなかった(p=0.1)。CD8ペプチドプールで刺激したときにも、INF-γCD8
+T細胞の有意味な増加が確認されず(
図10(b))、TNF-αを発現するCD8
+T細胞も有意差がなかった(
図11(a)および
図11(b))。(本発明において、図面の(a)は、図面において左側のグラフを、(b)は、図面において右側のグラフを意味する)。
【0128】
一方、体液性免疫に関与するCD4
+T細胞サイトカイン染色結果、接種抗原で刺激する場合には、有意味な増加が確認された(
図12(a)および
図13(a))。具体的には、対照群(G5)と比べて、試験ワクチン投与群(G1~G3)の脾臓細胞内INF-γCD4
+T細胞が濃度依存的に増加し(p値=0.01以下)(
図12(a))、TNF-αCD4
+T細胞も、同じ様相を示した(p値=0.003以下)(
図13(a))。しかしながら、CD8
+T細胞を特異的に刺激するCD8ペプチドプールで刺激したときには、対照群と比べて、G1~3でのINF-γあるいはTNF-αを発現するCD4
+T細胞の増加が確認されなかった(
図12(b)および
図13(b))。
【0129】
実施例7.ELISpot-cytokines検査による組換え抗原(S(rBeta3P))の免疫原性の確認
実施例1のCOVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターによって製造された抗原の免疫原性を確認するために、脾臓細胞に対するELISpot((Enzyme-Linked ImmunoSpot)分析を行った。具体的には、実施例6と同一に脾臓細胞を準備し、INF-γとIL-4に対するELISpot分析を行い、体液性免疫を確認するための接種抗原タンパク質(Bioapp protein)あるいは細胞性免疫を確認するためのCD8特異的peptide poolを用いて脾臓細胞を刺激した。前記INF-γとIL-4に対する抗体をPVDF(polyvinylidene fluoride)-backed microplate、ELISpot plateに被覆した。その後、細胞を添加し、前記細胞を刺激(Stimulation)するための抗原としては、抗原タンパク質(BioApp protein)、またはSARS-2 CD8 epitope prediction peptide poolをそれぞれ500ng/wellおよび4μg/wellでそれぞれ48時間進めた。培養後、細胞を除去し、酵素と直接結合したまたはbiotinと結合したdetection Abを添加し、酵素と結合したStreptavidin-enzymeを添加した。その結果、サイトカインを分泌する細胞に形成された発色spotsの数を計数し、刺激抗原に反応した細胞数を確認した。
【0130】
その結果、接種抗原で刺激した試験ワクチン投与群G1~G3脾臓細胞のINF-γが、対照群(G5)と比べて、有意味に増加したことが確認され(p値=0.002以下)、抗原のみを単独で接種した比較群(G4)は、対照群と類似の程度のINF-γ発現レベルが現れた(
図14(a))。CD8ペプチドプールを用いて刺激した場合には、試験ワクチン投与群G1~G3脾臓細胞のINF-γ発現レベルが有意味に増加した(p値=0.003以下)(
図14(b))。
【0131】
また、接種抗原で刺激した試験ワクチン投与群G1~G3脾臓細胞のIL-4
+発現が、対照群(G5)と比べて、有意味に増加したが(p値=0.002以下)(
図15(a))、CD8ペプチドプールを用いて刺激した試験ワクチン投与群G1としては、対照群(G5)と比べて、統計的に有意差が現れなかった(p値=0.1)(
図15(b))。しかしながら、G2およびG3の場合、p値がそれぞれ0.03および0.01と分析されることにより(
図15(b))、投与抗原濃度が増加するほど、PBS投与群(G5)と比べてCD8 stimulationによるIL-4発現が有意味に増加することが確
認された。
【0132】
上述した本発明の説明は例示のためのもので、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形が可能であることが理解できる。したがって、以上で記述した実施例は、全ての面において例示的なものであり、限定的ではないものと理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明による植物由来のCOVID-19変異組換えスパイクタンパク質発現ベクターおよび該発現ベクターを用いた組換えタンパク質は、植物発現システムを用いて動物由来の組換えタンパク質の短所を有さず、優れたSARSコロナウイルス2の予防および治療効果を示すので、安全なCOVID-19の予防および治療用組成物として有用に活用され得る。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2024-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列で表されるスパイク糖タンパク質のS1サブユニットをコード化するポリヌクレオチドで、
前記S1サブユニットは、前記アミノ酸配列のN末端から417番、484番、501番、および614番から成る群から選ばれるいずれか1つ以上の位置に変異があることを特徴とするCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項2】
前記組換えベクターは、配列番号2のアミノ酸配列で表されるスパイク糖タンパク質のS2サブユニットをコード化するポリヌクレオチドをさらに含み、
前記S2サブユニットは、前記アミノ酸配列のN末端から942番、986番、および987番から成る群から選ばれるいずれか1つ以上の位置に変異があることを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項3】
前記変異は、K417N、E484K、N501Y、およびD614Gから成る群から選ばれるいずれか1つ以上の変異であることを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項4】
前記変異は、A942P、K986P、およびV987Pから成る群から選ばれるいずれか1つ以上の変異であることを特徴とする請求項2に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項5】
前記組換えベクターは、NB(New BiP;new chaperone binding protein)タンパク質をコード化するポリヌクレオチドをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項6】
前記組換えベクターは、Fd(foldon)タンパク質をコード化するポリヌクレオチドをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項7】
前記組換えベクターは、HDELタンパク質をコード化するポリヌクレオチドをさらに含
むことを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項8】
前記組換えベクターは、S1サブユニットおよびS2サブユニット間のフーリン切断部位(furin cleavage site,PRRA)が欠失した抗体をコード化するポリヌクレオチドをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項9】
前記組換えベクターは、植物体で発現することを特徴とする請求項1に記載のCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質のための組換えベクター。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の組換えベクターで形質転換された、形質転換体。
【請求項11】
前記形質転換体は、植物体であることを特徴とする請求項10に記載の形質転換体。
【請求項12】
請求項1に記載の組換えベクターを植物体に形質転換させる段階と、
前記植物体から組換え抗原を分離および精製する段階と、
を含むCOVID-19の予防または治療用抗原タンパク質の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法で生産された抗原を有効成分として含むCOVID-19の予防または治療用組成物。
【請求項14】
請求項1に記載のベクターまたは請求項12に記載の方法で生産された抗原を有効成分として含む組成物のCOVID-19治療用薬剤製造のための用途。
【国際調査報告】