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特表2024-527825浮体式風力タービンプラットフォーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】浮体式風力タービンプラットフォーム
(51)【国際特許分類】
   F03D 13/25 20160101AFI20240719BHJP
   B63B 35/00 20200101ALI20240719BHJP
【FI】
F03D13/25
B63B35/00 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503548
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 US2022038161
(87)【国際公開番号】W WO2023004185
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】63/224,988
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511226580
【氏名又は名称】ユニバーシティー オブ メイン システム ボード オブ トラスティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ダガー,ハビブ・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ビセリ,アンソニー・エム
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA26
3H178AA43
3H178BB77
3H178CC22
3H178DD67X
3H178DD70X
(57)【要約】
半潜水型風力タービンプラットフォームが水体中を浮遊して風力タービンを支持するように構成され、中心カラムと、中心カラムの第1の軸方向端部の径方向外向きに延在する少なくとも3つの底部ビームであって、中心カラムがその第2の軸方向端部に取り付けられたタワーを有するように構成される、少なくとも3つの管状底部ビームと、外側カラムであって、各外側カラムの第1の軸方向端部が底部ビームのうちの1つの底部ビームの遠位端に取り付けられる、外側カラムと、頂部ビームであって、頂部ビームのうちの1つの頂部ビームが、各外側カラムの第2の軸方向端部と中心カラムの第2の軸方向端部との間に延在する、頂部ビームと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水体上で浮遊して風力タービンを支持することができる半潜水型風力タービンプラットフォームであって、前記半潜水型風力タービンプラットフォームが、
中心カラムと、
前記中心カラムの第1の軸方向端部の径方向外向きに延在する少なくとも3つの管状底部ビームであって、前記中心カラムがその第2の軸方向端部に取り付けられたタワーを有するように構成される、少なくとも3つの管状底部ビームと、
外側カラムであって、各外側カラムの第1の軸方向端部が前記底部ビームのうちの1つの底部ビームの遠位端に取り付けられる、外側カラムと、
頂部ビームであって、前記頂部ビームのうちの1つの頂部ビームが、各外側カラムの第2の軸方向端部と前記中心カラムの前記第2の軸方向端部との間に延在する、頂部ビームと
を備える、半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項2】
前記外側カラムおよび前記中心カラムがプレストレストコンクリートで作られ、前記外側カラムが、その前記第1の軸方向端部に設置されたディスク形状のヒーブプレートを有し、前記ヒーブプレートが前記外側カラムの境界を越えて径方向に延在する、請求項1に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項3】
前記管状底部ビームが、鋼鉄、鋼鉄管、コンクリート、繊維強化ポリマー(FRP)合成材料、および複合積層材料のうちの1つから形成される、請求項2に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項4】
水体上で浮遊して風力タービンを支持することができる半潜水型風力タービンプラットフォームであって、前記半潜水型風力タービンプラットフォームが、
第1の軸方向端部および第2の軸方向端部を有する中心カラムであって、前記中心カラムがその前記第2の軸方向端部に取り付けられたタワーを有するように構成される、中心カラムと、
第1および第2の軸方向端部を有する少なくとも3つの外側カラムと、
複数のトラスであって、各トラスが前記外側カラムのうちの1つの外側カラムまで前記中心カラムの径方向外向きに延在する、複数のトラスと、
各外側カラムの間に延在する頂部支持ビームと、
各外側カラムの間に延在する底部支持ビームと、
を備える、半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項5】
前記外側カラムおよび前記中心カラムがプレストレスト強化コンクリートで作られ、前記外側カラムがその前記第1の軸方向端部に設置されたディスク形状のヒーブプレートを有し、前記ヒーブプレートが前記外側カラムの境界を越えて径方向に延在する、請求項4に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項6】
各トラスが、
複数の細長い第1のトラス部材であって、前記第1のトラス部材のうちの1つの第1のトラス部材が前記中心カラムの基部と各外側カラムの基部との間に延在し、前記第1のトラス部材のうちの3つの第1のトラス部材が前記中心カラムと前記外側カラムの各々との間に延在する、複数の細長い第1のトラス部材と、
一対の第2のトラス部材であって、前記第2のトラス部材のうちの一方の第2のトラス部材が前記第1のトラス部材の中間点と前記中心カラムとの間に延在し、前記第2のトラス部材のうちのもう一方の第2のトラス部材が前記第1のトラス部材の前記中間点と前記外側カラムのうちの1つの外側カラムとの間に延在する、一対の第2のトラス部材と、
をさらに備える、請求項4に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項7】
水体上で浮遊して風力タービンを支持することができる半潜水型風力タービンプラットフォームであって、前記半潜水型風力タービンプラットフォームが、
第1の軸方向端部および第2の軸方向端部を有する中心カラムであって、前記中心カラムがその前記第2の軸方向端部に取り付けられたタワーを有するように構成される、中心カラムと、
第1および第2の軸方向端部を有する少なくとも3つの外側カラムと、
前記外側カラムまで前記中心カラムの径方向外向きに延在する少なくとも3つの底部T形ビームであって、前記底部ビームがプレストレスト強化コンクリートから形成される、少なくとも3つの底部T形ビームと、
前記中心カラムと前記外側カラムの各々とに接続された少なくとも3つの径方向に延在する頂部ビームと、
3つの頂部支持ビームであって、前記3つの頂部支持ビームのうちの1つの頂部支持ビームが2つの隣接する外側カラムの各々の間に延在する、3つの頂部支持ビームと、
少なくとも3つの底部支持ビームであって、前記少なくとも3つの底部支持ビームのうちの1つの底部支持ビームが2つの隣接する外側カラムの各々の間に延在する、少なくとも3つの底部支持ビームと、
を備える、半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項8】
前記底部T形ビームが、プレストレスト強化コンクリート、FRP、鋼鉄、ならびに、プレストレスト強化コンクリート、FRP、および鋼鉄の組み合わせ、のうちの1つから形成される、請求項7に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項9】
前記外側カラムおよび前記中心カラムがプレストレスト強化コンクリートで作られ、前記頂部支持ビームおよび前記底部支持ビーム、ならびに前記径方向に延在する頂部ビームが鋼鉄管から形成される、請求項7に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項10】
水体上で浮遊して風力タービンを支持することができる半潜水型風力タービンプラットフォームであって、前記半潜水型風力タービンプラットフォームが、
第1の軸方向端部および第2の軸方向端部を有する中心カラムであって、前記中心カラムがその前記第2の軸方向端部に取り付けられたタワーを有するように構成される、中心カラムと、
第1および第2の軸方向端部を有する少なくとも3つの外側カラムと、
前記外側カラムまで前記中心カラムの径方向外向きに延在する少なくとも3つのトラスであって、前記トラスがハイブリッドのコンクリート-鋼鉄のトラスであって、各トラスがプレストレスト強化コンクリートのT形ビームとして形成された底部トラス弦を含む、少なくとも3つのトラスと、
複数の頂部支持ビームであって、前記複数の頂部支持ビームのうちの1つの頂部支持ビームが2つの隣接する外側カラムの各々の間に延在する、複数の頂部支持ビームと、
複数の底部支持ビームであって、前記複数の底部支持ビームのうちの1つの底部支持ビームが2つの隣接する外側カラムの各々の間に延在する、複数の底部支持ビームと、
を備える、半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項11】
各トラスが、
一対の第2のトラス部材であって、前記第2のトラス部材のうちの一方の第2のトラス部材が前記T形ビームの中間点と前記中心カラムとの間に延在し、前記第2のトラス部材のうちのもう一方の第2のトラス部材が前記T形ビームの前記中間点と前記外側カラムのうちの1つの外側カラムとの間に延在する、一対の第2のトラス部材と、
前記中心カラムと前記外側カラムのうちの1つの外側カラムとの間に径方向に延在する第3のトラス部材と、
をさらに含む、
請求項10に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項12】
前記外側カラムおよび前記中心カラムがプレストレスト強化コンクリートで作られ、前記頂部支持ビームおよび前記底部支持ビームが鋼鉄管から形成される、請求項10に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項13】
水体上で浮遊して風力タービンを支持することができる半潜水型風力タービンプラットフォームであって、前記半潜水型風力タービンプラットフォームが、
約90度の角度で接続されて頂点を画定する2つの細長い浮揚性底部ビームと、
その前記頂点のところで前記底部ビームから垂直に延在する第1のカラムであって、前記第1のカラムの第1の軸方向端部が前記底部ビームに取り付けられ、前記第1のカラムがその第2の軸方向端部に取り付けられたタワーを有するように構成される、第1のカラムと、
2つの外側カラムであって、前記2つの外側カラムのうちの一方の外側カラムが各底部ビームの遠位端に取り付けられる、2つの外側カラムと、
3つの頂部支持ビームであって、前記3つの頂部支持ビームのうちの1つの頂部支持ビームが2つの隣接するカラムの各々の間に延在する、3つの頂部支持ビームと、
前記2つの外側カラムの間に延在する底部支持ビームと、
を備える、半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項14】
前記第1のカラムおよび前記外側カラムがプレストレスト強化コンクリートで作られ、前記2つの底部ビームが矩形プレストレストコンクリートのビームであり、前記頂部支持ビームおよび前記底部支持ビームが鋼鉄管から形成される、請求項13に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項15】
水体上で浮遊して風力タービンを支持することができる半潜水型風力タービンプラットフォームであって、前記半潜水型風力タービンプラットフォームが、
約60度の角度で接続されて頂点を画定する2つの細長い浮揚性底部ビームと、
その前記頂点のところで前記底部ビームから垂直に延在する第1のカラムであって、前記第1のカラムの第1の軸方向端部が前記底部ビームに取り付けられ、前記第1のカラムがその第2の軸方向端部に取り付けられたタワーを有するように構成される、第1のカラムと、
2つの外側カラムであって、前記2つの外側カラムのうちの一方の外側カラムが各底部ビームの遠位端に取り付けられる、2つの外側カラムと、
3つの頂部支持ビームであって、前記3つの頂部支持ビームのうちの1つの頂部支持ビームが2つの隣接するカラムの各々の間に延在する、3つの頂部支持ビームと、
前記2つの外側カラムの間に延在する底部支持ビームと、
を備える、半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項16】
前記第1のカラムおよび前記外側カラムがプレストレスト強化コンクリートで作られ、前記2つの底部ビームが矩形プレストレストコンクリートのビームであり、前記頂部支持ビームおよび前記底部支持ビームが鋼鉄管から形成される、請求項15に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項17】
水体上で浮遊して風力タービンを支持することができる半潜水型風力タービンプラットフォームであって、前記半潜水型風力タービンプラットフォームが、
約60度の角度で接続されて頂点を画定する2つの細長い底部ビームであって、前記底部ビームがプレストレスト強化コンクリートのT形ビームとして形成される、2つの細長い底部ビームと、
その前記頂点のところで前記底部ビームから垂直に延在する第1のカラムであって、前記第1のカラムの第1の軸方向端部が前記底部ビームに取り付けられ、前記第1のカラムがその第2の軸方向端部に取り付けられたタワーを有するように構成される、第1のカラムと、
各底部ビームの遠位端に取り付けられた2つの外側カラムと、
3つの頂部支持ビームであって、前記3つの頂部支持ビームのうちの1つの頂部支持ビームが2つの隣接するカラムの各々の間に延在する、3つの頂部支持ビームと、
前記2つの外側カラムの間に延在する底部支持ビームと、
を備える、半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項18】
前記第1のカラムおよび前記外側カラムがプレストレスト強化コンクリートで作られ、前記2つの底部ビームが矩形プレストレストコンクリートのビームであり、前記頂部支持ビームおよび前記底部支持ビームが鋼鉄管から形成される、請求項17に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項19】
水体上で浮遊して風力タービンを支持することができる半潜水型風力タービンプラットフォームであって、前記半潜水型風力タービンプラットフォームが、
第1の軸方向端部および第2の軸方向端部を有する第1のカラムであって、前記第1のカラムがその前記第2の軸方向端部に取り付けられたタワーを有するように構成される、第1のカラムと、
2つの外側カラムであって、各外側カラムが第1の軸方向端部および第2の軸方向端部を有する、2つの外側カラムと、
60度の角度で前記外側カラムまで前記第1のカラムの径方向外向きに延在して頂点を画定する2つのトラスであって、前記トラスがハイブリッドのコンクリート-鋼鉄のトラスであり、各トラスが、プレストレスト強化コンクリートのT形ビームとして形成された底部トラス弦を含み、
前記第1のカラムがその前記頂点のところで前記2つのトラスに取り付けられ、
各トラスの遠位端が前記2つの外側カラムのうちの一方の外側カラムに取り付けられる、
2つのトラスと、
前記2つの外側カラムの間に延在する頂部支持ビームと、
前記2つの外側カラムの間に延在する底部支持ビームと、
を備える、半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項20】
前記第1のカラムおよび前記外側カラムがプレストレスト強化コンクリートおよび高性能コンクリートのうちの一方で作られ、前記頂部支持ビームおよび前記底部支持ビームが鋼鉄管から形成される、請求項19に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項21】
各トラスが、
一対の第2のトラス部材であって、前記第2のトラス部材のうちの一方の第2のトラス部材が前記T形ビームの中間点と前記第1のカラムとの間に延在し、前記第2のトラス部材のうちのもう一方の第2のトラス部材が前記T形ビームの前記中間点と前記外側カラムのうちの1つの外側カラムとの間に延在する、一対の第2のトラス部材と、
前記第1のカラムと前記外側カラムのうちの1つの外側カラムとの間に径方向に延在する第3のトラス部材と、
をさらに含む、請求項19に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項22】
水体上で浮遊して風力タービンを支持することができる半潜水型風力タービンプラットフォームであって、前記半潜水型風力タービンプラットフォームが、
第1の軸方向端部および第2の軸方向端部を有する第1のカラムであって、前記第1のカラムがその前記第2の軸方向端部に取り付けられたタワーを有するように構成される、第1のカラムと、
2つの外側カラムであって、各外側カラムが第1の軸方向端部および第2の軸方向端部を有する、2つの外側カラムと、
3つのトラスと、
を備え、
前記トラスのうちの2つのトラスが、60度の角度で前記外側カラムの各々まで前記第1のカラムの径方向外向きに延在して頂点を画定し、
前記第1のカラムがその前記頂点のところで前記2つのトラスに取り付けられ、
前記2つのトラスの前記遠位端が前記外側カラムに取り付けられ、
前記トラスのうちの第3のトラスが前記2つの外側カラムの間に延在し、前記2つの外側カラムに取り付けられ、
前記トラスがハイブリッドのコンクリート-鋼鉄のトラスであり、
各トラスが、プレストレスト強化コンクリートのT形ビームとして形成された底部トラス弦を含む、
半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項23】
前記第1のカラムおよび前記外側カラムがプレストレスト強化コンクリートおよび高性能コンクリートのうちの一方で作られる、請求項22に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【請求項24】
各トラスが、
一対の第2のトラス部材であって、前記第2のトラス部材のうちの一方の第2のトラス部材が前記T形ビームの中間点と前記第1のカラムおよび前記外側カラムのうちの1つのカラムとの間に延在し、前記第2のトラス部材のうちのもう一方の第2のトラス部材が前記T形ビームの前記中間点と前記第1のカラムおよび前記外側カラムのうちの1つの隣接するカラムとの間に延在する、一対の第2のトラス部材と、
前記第1のカラムおよび前記外側カラムのうちの前記1つのカラムと前記第1のカラムおよび前記外側カラムのうちの1つの前記隣接するカラムとの間に延在し、前記T形ビームと平行である、第3のトラス部材と、
をさらに含む、請求項22に記載の半潜水型風力タービンプラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001]本発明は、概して、浮体式プラットフォームに関する。詳細には、本発明は、既知のFOWTプラットフォームより小さい重量を有し、既知のFOWTプラットフォームより製造および組み立てが容易である、改善された浮体式洋上風力タービン(FOWT:floating offshore wind turbine)プラットフォームの実施形態に関する。
【背景技術】
【0002】
[002]風力エネルギーを電力に変換するための風力タービンが知られており、風力タービンは電力会社に代替のエネルギー源を提供する。しばしば数百もの風力タービンの数となる陸上の大きい集団の風力タービンは1つの地理的エリアにまとめて配置され得る。このような大きい集団の風力タービンの立地を決めることには、風力タービンが非常に高いレベルの騒音を発生させる場合にはまたは風力タービンが見た目に不快なものである場合には人口密集地域の近くにおいては制約が存在し得る。このような陸上ベースの風力タービンでは、丘陵、森林、および建物などの障害物を原因として、最適な風力資源が利用可能ではない可能性がある。
【0003】
[003]風力タービンの集団は洋上にも配置され得るが、これは海岸の近くの、海底にある基礎に対して風力タービンを固定的に取り付けることが水深により可能となるような場所においてである。大洋の上では風力タービンに対しての空気の流れが種々の障害物(つまり、丘陵、森林、および建物)の存在によって乱されにくく、それにより平均風速が上がってより大きいパワーが得られる。このような海岸の近くの場所において風力タービンを海底に取り付けるのに必要である基礎は、最大約45mの深さなどの比較的浅い深さのところで実現され得る。
【0004】
[004]国立再生可能エネルギー研究所は、30メートル以上の深さを有する海域での米国の海岸線から吹く風が約3,200TWh/年のエネルギー容量を有すると定めている。これは約3,500TWh/年である米国の総エネルギー使用量の約90パーセントに相当する。洋上風力源の大部分は沖合37キロメートルから沖合93キロメートルの間に存在し、ここでは海水は60メートル超の深さとなる。このような水深の深いとこで風力タービンのための基礎を固定することは経済的に実現可能となることの可能性が低い。このような制約が風力タービンのための浮体式プラットフォームの開発につながった。既知の浮体式風力タービンプラットフォームは係留線(mooring line)を用いて海底に係留され得、風、波、および潮流による外部荷重に対してのさらには上に設置されている風力タービンの動力学に関連する荷重に対してのある程度の安定性をタワーおよびタービンに提供することができる。
【0005】
[005]一部の既知のFOWTプラットフォームは鋼鉄から形成され得、海底油田および海洋ガス産業によって開発された技術に基づく。他の既知のFOWTプラットフォームは、プレストレストコンクリートまたは強化コンクリート、FRP、鋼鉄、あるいは、プレストレス強化コンクリート、FRP、および鋼鉄の組み合わせ、から形成された構成要素を含むことができる。しかし、依然として、特には、15MWに到達してより大型となり得る潜在的なタービンのサイズをますます増大させる、改善されたFOWTプラットフォームを提供することが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[006]本出願は改善されたFOWTプラットフォームの多様な実施形態を説明する。一実施形態では、半潜水型風力タービンプラットフォームが水体上で浮遊して風力タービンを支持することができ、中心カラムと、中心カラムの第1の軸方向端部の径方向外向きに延在する少なくとも3つの管状底部ビームであって、中心カラムがその第2の軸方向端部に取り付けられたタワーを有するように構成される、少なくとも3つの管状底部ビームと、外側カラムであって、各外側カラムの第1の軸方向端部が底部ビームのうちの1つの底部ビームの遠位端に取り付けられる、外側カラムと、頂部ビームであって、頂部ビームのうちの1つの頂部ビームが、各外側カラムの第2の軸方向端部と中心カラムの第2の軸方向端部との間に延在する、頂部ビームと、を含む。
【0008】
[007]添付図面を考慮しながら以下の詳細な説明から本発明の種々の利点が当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[008]既知のFOWTプラットフォームを示す斜視図である。
図2】[009]図1に示されるFOWTプラットフォームを示す立面図である。
図3】[010]図1に示されるFOWTプラットフォームを示す上面図である。
図4】[011]本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第1の実施形態を示す斜視図である。
図5】[012]風力タービンおよび風力タービンタワーなしで示される、図4に示されるFOWTプラットフォームを示す上面図である。
図6】[013]図4および図5に示されるFOWTプラットフォームを示す立面図である。
図7】[014]本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第2の実施形態を示す斜視図である。
図8】[015]風力タービンおよび風力タービンタワーなしで示される、図7に示されるFOWTプラットフォームを示す上面図である。
図9】[016]図7および図8に示されるFOWTプラットフォームを示す立面図である。
図10】[017]本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第3の実施形態を示す斜視図である。
図11】[018]風力タービンおよび風力タービンタワーなしで示される、図10に示されるFOWTプラットフォームを示す上面図である。
図12】[019]図10および図11に示されるFOWTプラットフォームを示す立面図である。
図13】[020]本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第4の実施形態を示す斜視図である。
図14】[021]風力タービンおよび風力タービンタワーなしで示される、図13に示されるFOWTプラットフォームを示す上面図である。
図15】[022]図13および図14に示されるFOWTプラットフォームを示す立面図である。
図16】[023]本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第5の実施形態を示す斜視図である。
図17】[024]風力タービンおよび風力タービンタワーなしで示される、図16に示されるFOWTプラットフォームを示す上面図である。
図18】[025]図16および図17に示されるFOWTプラットフォームを示す立面図である。
図19】[026]本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第6の実施形態を示す斜視図である。
図20】[027]風力タービンおよび風力タービンタワーなしで示される、図16に示されるFOWTプラットフォームを示す上面図である。
図21】[028]図19および図20に示されるFOWTプラットフォームを示す立面図である。
図22】[029]本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第7の実施形態を示す斜視図である。
図23】[030]風力タービンおよび風力タービンタワーなしで示される、図22に示されるFOWTプラットフォームを示す上面図である。
図24】[031]図22および図23に示されるFOWTプラットフォームを示す立面図である。
図25】[032]本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第8の実施形態を示す斜視図である。
図26】[033]風力タービンおよび風力タービンタワーなしで示される、図25に示されるFOWTプラットフォームを示す上面図である。
図27】[034]図25および図26に示されるFOWTプラットフォームを示す立面図である。
図28】[035]本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第9の実施形態を示す斜視図である。
図29】[036]風力タービンおよび風力タービンタワーなしで示される、図28に示されるFOWTプラットフォームを示す上面図である。
図30】[037]図28および図29に示されるFOWTプラットフォームを示す立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[038]次に、本発明の示される実施形態を適時参照して本発明を説明する。しかし、本発明は異なる形態でも具現化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、いかなる選好順序であるとも解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示がより完全なものとなるようにおよび本開示により本発明の範囲が当業者に伝えられるように、提供されるものである。
【0011】
[039]以下で開示される本発明の実施形態は、概して、限定しないが、既知のFOWTプラットフォームを比較して、FOWTプラットフォームの複雑さ、全重量、コスト、および性能を低減することと、その構成を単純化することと、を含むFOWTプラットフォームに対しての改善を提供する。
【0012】
[040]本明細書で使用されるように、平行という用語は水平線に実質的に平行である平面にあるものとして定義される。垂直という用語は水平線の平面に対して実質的に垂直であるものとして定義される。
【0013】
[041]本明細書で説明されて示される改善されたFOWTプラットフォームプラットフォームの実施形態は、約6MWから約25MWの範囲内にある電力容量を有する工業規模の浮体式タービンに適する。本明細書で説明されて示される改善されたFOWTプラットフォームはまた、約25MWを超える電力容量を有する工業規模の浮体式タービンに適し得る。有利には、本明細書で説明されて示される改善されたFOWTプラットフォームは、従来の既知のFOWTプラットフォームと比較してより低いコストで製造され得、新世代の大型風力タービンのための従来の既知のFOWTプラットフォームより容易に構築および配備される。
【0014】
[042]図面、特には図1を参照すると、既知のFOWTプラットフォームの実施形態が10で示される。示されるFOWTプラットフォーム10は、風力タービンタワー14を支持する基礎12を含む。風力タービンタワー14は風力タービン16を支持する。基礎12は半潜水型であり、水体中に半潜水状態で浮遊するように構造化および構成される。したがって、基礎12が水中に浮遊する場合には基礎12の一部分が水上に存在することになる。係留線(図示せず)が、水体上でのFOWTプラットフォーム10の移動を制限するために、FOWTプラットフォーム10に取り付けら得、さらに海底にあるアンカー(図示せず)に取り付けられ得る。
【0015】
[043]示される実施形態では、風力タービンタワー14が管状であり、任意の適切な外径および高さを有することができる。示される実施形態では、風力タービンタワー14の外径は均一の直径を有する。別法として、風力タービンタワー14の外径はその基部のところの第1の直径からその上側端部のところの第2のより小さい直径まで先細となり得る。風力タービンタワー14は、限定しないが、鋼鉄、コンクリート、繊維強化ポリマー(FRP:fiber reinforced polymer)合成材料、および複合積層材料を含めた、任意の所望の材料から形成され得る。所望される場合、風力タービンタワー14は任意の数のセクション14Aで形成され得る。
【0016】
[044]風力タービン16は従来通りとなり得、回転可能ハブ18を含むことができる。少なくとも1つのローターブレード20がハブ18に連結されてハブ18から外側に延在する。ハブ18は発電機(図示せず)に回転可能に連結される。発電機は、変圧器(図示せず)および海底電力ケーブル(図示せず)を介して送電網(図示せず)に連結され得る。示される実施形態では、ハブ18は3つのローターブレード20を有する。他の実施形態では、ハブ18は4つ以上のまたは2つ以下のローターブレード20を有することができる。
【0017】
[045]示される基礎12は、キーストーン23から径方向外向きに延在し、ラジアルカラムまたは外側カラムおよび中心カラムを接続し、引き上げ抵抗(heave resistance)を実現し、さらには浮力を提供することができる、3つの底部ビーム22から形成される。内部カラムまたは中心カラム24はキーストーン23に設置され、3つの外側カラム26は底部ビーム22の遠位端のところにまたはその近くに設置される。中心カラム24および外側カラム26は底部ビーム22に対して垂直に上方に延在し、同様に浮力を提供することができる。加えて、中心カラム24は風力タービンタワー14を支持する。別法として、基礎12は4つの底部ビーム22を用いて構築され得、各々の底部ビーム22は、各底部ビーム22の遠位端のところにまたはその近くに設置される外側カラム26のうちの1つを有する。
【0018】
[046]示される中心カラム24および外側カラム26はプレストレスト強化コンクリートから形成される。別法として、中心カラム24および外側カラム26は、高性能コンクリート、FRP、鋼鉄、あるいは、プレストレスト強化コンクリート、高性能コンクリート、FRP、および鋼鉄の組み合わせ、から形成され得る。所望される場合、中心カラム24および外側カラム26は複数のセクションで形成され得る。
【0019】
[047]ラジアル支持ビームまたはラジアル頂部ビーム28が中心カラム24と外側カラム26の各々とに接続され、カラムの間で力を分散させる。頂部ビーム28は実質的に軸方向に荷重を受ける部材として構成され、中心カラム24の上側端部と各外側カラム26との間を実質的に水平方向に延在する。示される実施形態では、頂部ビーム28は、1.2m(約4フィート)の外径を有する管状の鋼鉄で形成される。別法として、頂部ビーム28は、FRP、プレストレスト強化コンクリート、あるいは、プレストレスト強化コンクリート、FRP、および鋼鉄の組み合わせ、から形成され得る。
【0020】
[048]頂部ビーム28はさらに、タワー14の基部の曲げモーメントに実質的に抵抗しないように設計および構成され、曲げ荷重を伝達しない。むしろ、頂部ビーム28は、中心カラム24と外側カラム26との間で張力および圧縮力を受けたり加えたりする。
【0021】
[049]本明細書で示される実施形態では、風力タービン16は水平軸風力タービンである。別法として、風力タービンは垂直軸風力タービン(図示せず)となり得る。風力タービン16のサイズは、浮体式風力タービンプラットフォーム10を係留している場所の風況および所望の電力出力に基づいて変化することになる。例えば、風力タービン16は約5MWの出力を有することができる。別法として、風力タービン16は、約1MWから約25MWの範囲内にある出力を有することができる。加えて、所望される場合、風力タービン16は約25MWを超える出力を有することができる。
【0022】
[050]示されるキーストーン23はプレストレスト強化コンクリートから形成され、内部中央キャビティ(図示せず)を含むことができる。キーストーン23を製造するのに、遠心成形コンクリートプロセス、または従来のコンクリート形成を用いるなどの、任意の所望のプロセスが使用され得る。別法として、プレキャストコンクリート産業で使用されるプロセスなどの他のプロセスも使用され得る。キーストーン23のコンクリートは、高張力鋼ケーブルおよび高張力鋼補強筋またはREBARなどの任意の従来の補強材料を用いて補強され得る。別法として、キーストーン23は、高性能コンクリート、FRP、鋼鉄、あるいは、プレストレスト強化コンクリート、高性能コンクリート、FRP、および鋼鉄の組み合わせ、から形成され得る。
【0023】
[051]示される底部ビーム22は、上述したようなプレストレスト強化コンクリートから形成される。別法として、底部ビーム22は、高性能コンクリート、FRP、鋼鉄、あるいは、プレストレスト強化コンクリート、高性能コンクリート、FRP、および鋼鉄の組み合わせ、から形成され得る。底部ビーム22は、約_mから約_mの範囲内にある長さを有するように形成され得る。
【0024】
[052]所望される場合、1つまたは複数の第1のバラストチャンバ(図示せず)が各底部ビーム22内に形成され得る。また、1つまたは複数の第2のバラストチャンバ(図示せず)が各外側カラム26内に形成され得る。
【0025】
[053]次に図4から図6を参照すると、本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第1の実施形態が30で示される。示されるFOWTプラットフォーム30は、上述したような風力タービンタワー14および風力タービン16を含む。示されるFOWTプラットフォーム30は基礎32を含む。
【0026】
[054]示される基礎32は、キーストーンではなく中心カラム36の下側部分から径方向外向きに延在し、ラジアルカラムまたは外側カラムおよび中心カラムに接続し、引き上げ抵抗を実現し、浮力を提供する、鋼鉄管として構成された3つの底部ビーム34から形成される。3つの外側カラム38は底部ビーム34の遠位端のところにまたはその近くに設置される。中心カラム36および外側カラム38は底部ビーム34に対して垂直に上方に延在し、同様に浮力を提供する。加えて、中心カラム36は風力タービンタワー14を支持する。基礎32は、中心カラム36と外側カラム38の各々とに接続された頂部ビーム28を含む。ディスク形状のヒーブプレート40が外側カラム38の各々の基部部分に取り付けられ得る。中心カラム36および外側カラム38は、中心カラム24および外側カラム26について上述した手法と同じ手法で形成および構成され得る。また、所望される場合、基礎32は4つの底部ビーム34を用いて構築されてもよく、各底部ビーム34が各底部ビーム34の遠位端のところにまたはその近くに設置された外側カラム26のうちの1つの外側カラムを有する。
【0027】
[055]管状底部ビーム34の直径は、風力タービンタワー14の上に設置されることになる風力タービン16のサイズおよび環境条件に基づいて決定され得ることが理解されよう。有利には、管状底部ビーム34は、風力タービンタワー14を形成するのに使用される材料と同様の管状材料の複数のセクションから形成され得、および/または、管状底部ビーム34は、風力タービンタワー14を形成するのに使用される同様の製造設備を使用して形成され得る。管状底部ビーム34は、実質的に、中心カラム36と放射状に配置された外側カラム38との間で曲げ力、剪断力、およびねじり力を伝達するように構成される。
【0028】
[056]次に図7から図10を参照すると、本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第2の実施形態が50で示される。示されるFOWTプラットフォーム50は、上述したような風力タービンタワー14および風力タービン16を含む。示されるFOWTプラットフォーム50は基礎52を含む。
【0029】
[057]示される基礎52は、中心カラムと、中心カラム56から3つの外側カラム58の各々まで径方向外向きに延在する3つのトラス54と、を含む。示されるトラス54は、中心カラム56の基部と各外側カラム58の基部との間に延在する細長い第1のトラス部材54Aを含む。各トラス54は、一対の第2のトラス部材54Bをさらに含む。第2のトラス部材54Bのうちの一方の第2のトラス部材が第1のトラス部材54Aの中間点と中心カラム56との間に延在し、第2のトラス部材54Bのうちのもう一方の第2のトラス部材が第1のトラス部材54Aの中間点と外側カラム58のうちの1つの外側カラムとの間に延在する。3つの追加の第1のトラス部材54Aは、中心カラム56と外側カラム58の各々との間に延在する。第1のトラス部材54Aおよび第2のトラス部材54Bを含めたトラス54は、鋼鉄管などの鋼鉄から形成され得る。
【0030】
[058]頂部支持ビーム60が外側カラム58の間に延在する。同様に、底部支持ビーム62がまた外側カラム58の間に延在する。示される実施形態では、トラス54は鋼鉄から形成される。頂部支持ビーム60および底部支持ビーム62は、それぞれ、鋼鉄管から形成される。
【0031】
[059]中心カラム56および外側カラム58は、それぞれ、頂部支持ビーム60および底部支持ビーム62に対して垂直に上方に延在する。加えて、中心カラム56は風力タービン14を支持する。ディスク形状のヒーブプレート64が外側カラム58の各々の基部部分に取り付けられ得る。
【0032】
[060]鋼鉄トラス54は、中心カラム56と放射状に配置された外側カラム58との間で曲げ力、剪断力、およびねじり力を伝達するように構成される。頂部鋼鉄支持ビーム60および底部鋼鉄支持ビーム62は、それぞれ、外側カラム58のねじり支持(torsional support)を実現するように構成される。
【0033】
[061]また、所望される場合、基礎52は4つの外側カラム58を用いて構築され得、ここでは、各外側カラム58は、頂部支持ビーム60および底部支持ビーム62により隣接する外側カラム58に接続され、上述したトラス54のうちの1つのトラスにより中心カラム56に接続される。
【0034】
[062]次に図10から図12を参照すると、本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第3の実施形態が70で示される。示されるFOWTプラットフォーム70は、上述したような風力タービンタワー14および風力タービン16を含む。示されるFOWTプラットフォーム70は基礎72を含む。
【0035】
[063]示される基礎72は、中心カラム76から径方向外向きに延在する3つの底部T形ビーム74から形成される。示されるT形ビーム74は、上述したようなプレストレスト強化コンクリートから形成される。別法として、底部T形ビーム74は、FRP、鋼鉄、あるいは、プレストレスト強化コンクリート、FRP、および鋼鉄の組み合わせ、から形成され得る。
【0036】
[064]3つの外側カラム78は、底部T形ビーム74の遠位端のところにまたはその近くに設置される。中心カラム76および外側カラム78は底部T形ビーム74に対して垂直に上方に延在し、同様に浮力を提供する。加えて、中心カラム76は風力タービンタワー14を支持する。頂部支持ビーム80が外側カラム76の間に延在する。同様に、底部支持ビーム82がまた外側カラム76の間に延在する。径方向に延在する頂部ビーム83が中心カラム76と外側カラム78の各々とに接続される。示される実施形態では、頂部支持ビーム80および底部支持ビーム82ならびに径方向に延在する頂部ビーム83は鋼鉄管から形成される。
【0037】
[065]中心カラム76および外側カラム78は、それぞれ、頂部支持ビーム80および底部支持ビーム22に対して垂直に上方に延在する。
[066]底部T形ビーム74は、中心カラム76と放射状に配置された外側カラム78との間で曲げ力および剪断力を伝達するように構成される。頂部鋼鉄支持ビーム80および底部鋼鉄支持ビーム82は外側カラム78のねじり支持を実現するように構成される。FOWTプラットフォーム70のこの実施形態はヒーブプレート40または64などのヒーブプレートを必要としないが、ヒーブプレートが提供されてもよい。
【0038】
[067]同様に、所望される場合、基礎72は4つの底部T形ビーム74を用いて構築され得、各底部T形ビーム74は、各底部T形ビーム74の遠位端のところにまたはその近くに設置された外側カラム78のうちの1つの外側カラムを有する。
【0039】
[068]次に図13から図15を参照すると、本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第4の実施形態が90で示される。示されるFOWTプラットフォーム90は、上述したような風力タービンタワー14および風力タービン16を含む。示されるFOWTプラットフォーム90は基礎92を含む。
【0040】
[069]示される基礎92は、中心カラム96と、中心カラム96から3つの外側カラム98の各々まで径方向外向きに延在する3つのトラス94と、を含む。示される実施形態では、トラス94はハイブリッドのコンクリート-鋼鉄の構成であり、ここでは、第1のトラス部材または底部弦はプレストレスト強化コンクリートのT形ビーム95として形成される。各T形ビーム95は中心カラム96の基部と各外側カラム98の基部との間に延在する。各トラス94は一対の第2のトラス部材95Aをさらに含む。第2のトラス部材95Aのうちの一方の第2のトラス部材がT形ビーム95の中間点と中心カラム96との間に延在し、第2のトラス部材95Aのうちのもう一方の第2のトラス部材がT形ビーム95の中間点と外側カラム98のうちの1つの外側カラムとの間に延在する。3つの第3のトラス部材97が中心カラム96と外側カラム98の各々との間に径方向に延在する。第2のトラス部材95Aおよび第3のトラス部材97は、鋼鉄管などの鋼鉄から形成され得る。
【0041】
[070]頂部支持ビーム100は外側カラム96の間に延在する。同様に、底部支持ビーム102がまた外側カラム96の間に延在する。示される実施形態では、第2のトラス部材95Aおよび第3のトラス部材97は鋼鉄から形成される。頂部支持ビーム100および底部支持ビーム102は、それぞれ、鋼鉄管から形成される。
【0042】
[071]中心カラム96および外側カラム98は、それぞれ、頂部支持ビーム100および底部支持ビーム102に対して垂直に上方に延在する。加えて、中心カラム96は風力タービンタワー14を支持する。
【0043】
[072]ハイブリッドのコンクリート-鋼鉄のトラス94は、中心カラム96と放射状に配置された外側カラム98との間で曲げ力および剪断力を伝達するように構成される。頂部鋼鉄支持ビーム100および底部鋼鉄支持ビーム102は外側カラム98のねじり支持を実現するように構成される。FOWTプラットフォーム90のこの実施形態は、ヒーブプレート40または64などのヒーブプレートを装備することができる。
【0044】
[073]図4から図15に示されるFOWTプラットフォーム30、50、70、および90の実施形態は、特定の製造環境において、従来の既知のFOWTプラットフォームと比較して複数の利点を提供する。これらの利点は、限定しないが、コンクリートのキーストーンおよびコンクリートのボックスビームを排除することにより構成要素の重量が小さいこと、管状底部ビーム34などの鋼鉄構成要素、コストを低減することを目的として風力エネルギー産業において一般に作られるタービンタワー形状が使用されること、荒天中の動的運動を最小にすることを目的としてヒーブプレートおよびT形ビームなどの構造部がFOWTプラットフォームの質量を効率的に増大させるのを実現すること、ならびに、低減された質量および構造負荷のおかげで多くの構成要素が従来の既知のFOWTプラットフォーム内の同様の構成要素より小さいこと、を含む。加えて、中心カラムおよび外側カラムはコンクリートから形成され、筋交い部材は上述したように鋼鉄またはコンクリートから形成される。
【0045】
[074]次に図16から図18を参照すると、本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第5の実施形態が110で示される。示されるFOWTプラットフォーム110は、上述したような風力タービンタワー14および風力タービン16を含む。示されるFOWTプラットフォーム110は基礎112を含む。
【0046】
[075]基礎112は、図1に示される底部ビーム22と同様であるがそれより長い2つの細長い浮揚性底部ビーム114から形成される。例えば、底部ビーム114は、約_mから約_mの範囲内の長さを有することができる。加えて、底部ビーム114は、上述した底部ビーム22と同じ手法で形成され得る。底部ビーム114は約90度の角度で一体に接続される。第1のカラム116Aが、このようにして画定された頂点のところで2つの接続された底部ビーム114に設置される。2つの追加のすなわち外側カラム116Bが底部ビーム114の遠位端のところにまたはその近くに設置される。外側カラム116Bは底部ビーム114に対して垂直に上方に延在し、浮力も提供する。加えて、2つの底部ビーム114の頂点のところに設置された第1のカラム116Aは風力タービンタワー14を支持する。
【0047】
[076]頂部支持ビーム118が3つのカラム116Aおよび116Bの間に延在する。同様に、底部支持ビーム120がまた底部ビーム114の遠位端の間に延在する。したがって、頂部支持ビーム118および底部支持ビーム120は、それぞれ、外側カラム116の頂部および底部を筋交い補強する(brace)。示される実施形態では、頂部支持ビーム118および底部支持ビーム120は鋼鉄管から形成される。
【0048】
[077]より長い底部ビーム114は、接続された底部ビーム114の頂点と外側カラム116Bとの間で曲げ力、剪断力、およびねじり力を伝達するように構成され、追加の浮力を提供し、引き上げ抵抗を実現する。頂部鋼鉄支持ビーム118および底部鋼鉄支持ビーム120はまた、外側カラム116Bのねじり支持を実現するように構成される。
【0049】
[078]次に図19から図21を参照すると、本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第6の実施形態が130で示される。示されるFOWTプラットフォーム130は、上述したような風力タービンタワー14および風力タービン16を含む。示されるFOWTプラットフォーム130は基礎132を含む。FOWTプラットフォーム130は、細長い浮揚性底部ビーム134が60度の角度で一体に接続されることを除いて、FOWTプラットフォーム110と同様である。
【0050】
[079]したがって、基礎132は、図16から図18に示される底部ビーム114と同様であるが異なる長さを有することができる2つの底部ビーム134から形成される。底部ビーム114と同様に、底部ビーム134は上述の底部ビーム22と同じ手法で形成され得、約_mから約_mの範囲内の長さを有することができる。底部ビーム134は60度の角度で一体に接続される。第1のカラム136Aが、このようにして画定された頂点のところで2つの接続された底部ビーム134に設置される。2つの追加のすなわち外側カラム136Bが底部ビーム134の遠位端のところにまたはその近くに設置される。外側カラム136Bは底部ビーム134に対して垂直に上方に延在し、同様に浮力を提供する。加えて、2つの底部ビーム134の頂点のところに設置された第1のカラム136Aは風力タービンタワー14を支持する。
【0051】
[080]頂部支持ビーム138は3つのカラム136Aおよび136Bの間に延在する。同様に、底部支持ビーム140がまた底部ビーム134の遠位端の間に延在する。したがって、頂部支持ビーム138および底部支持ビーム140は、それぞれ、外側カラム136Bの頂部および底部を筋交い補強する。示される実施形態では、頂部支持ビーム138および底部支持ビーム140は鋼鉄管から形成される。
【0052】
[081]底部ビーム134は、接続された底部ビーム134の頂点と外側カラム136Bとの間で曲げ力、剪断力、およびねじり力を伝達するように構成される。頂部鋼鉄支持ビーム138および底部鋼鉄支持ビーム140はまた、外側カラム136Bのねじり支持を実現するように構成される。
【0053】
[082]次に図22から図24を参照すると、本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第7の実施形態が150で示される。示されるFOWTプラットフォーム150は、上述したような風力タービンタワー14および風力タービン16を含む。示されるFOWTプラットフォーム150は基礎152を含む。FOWTプラットフォーム150は、底部ビーム上述したようにプレストレスト強化コンクリートのT形ビーム154として形成されることを除いて、FOWTプラットフォーム130と同様である。
【0054】
[083]したがって、基礎152は、60度の角度で一体に接続されたT形ビーム154のうちの2つのT形ビームから形成される。第1のカラム156Aが、このようにして画定された頂点のところで2つの接続された底部ビーム154に設置される。2つの追加のすなわち外側カラム156BがT形ビーム154の遠位端のところにまたはその近くに設置される。外側カラム156BはT形ビーム154に対して垂直に上方に延在し、浮力も提供する。加えて、2つのT形ビーム154の頂点のところに設置された第1のカラム156Aは風力タービンタワー14を支持する。T形ビーム154は、約_mから約_mの範囲の長さを有することができる。所望される場合、基礎152は、90度の角度で一体に接続されたT形ビーム154のうちの2つのT形ビームから形成され得る。
【0055】
[084]頂部支持ビーム158は3つのカラム156Aおよび156Bの間に延在する。同様に、底部支持ビーム160がまたT形ビーム154の遠位端の間に延在する。したがって、頂部支持ビーム158および底部支持ビーム160は、それぞれ、外側カラム156Bの頂部および底部を筋交い補強する。示される実施形態では、頂部支持ビーム158および底部支持ビーム160は鋼鉄管から形成される。
【0056】
[085]T形ビーム154は、第1のカラム156A(接続されたT形ビーム154の頂点のところ)と外側カラム156Bとの間で曲げ力、剪断力、およびある程度のねじり力を伝達するように構成される。頂部鋼鉄支持ビーム158および底部鋼鉄支持ビーム160はまた、外側カラム156Bのねじり支持を実現するように構成される。
【0057】
[086]次に図25から図27を参照すると、本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第8の実施形態が170で示される。示されるFOWTプラットフォーム170は、上述したような風力タービンタワー14および風力タービン16を含む。示されるFOWTプラットフォーム170は基礎172を含む。
【0058】
[087]基礎172は、3つのカラム176Aのうちの第1のカラム176Aから第2および第3のすなわち外側カラム176Bの各々まで外側に延在する2つのトラス174を含む。頂部支持ビーム178が2つの外側カラム176Bの間に延在する。同様に、底部支持ビーム180がまた外側カラム176Bの間に延在する。示される実施形態では、トラス174はハイブリッドのコンクリート-鋼鉄の構成であり、ここでは、第1のトラス部材または底部弦がプレストレスト強化コンクリートのT形ビーム175として形成される。頂部支持ビーム178および底部支持ビーム180は鋼鉄管から形成される。
【0059】
[088]示される基礎172は、60度の角度で一体に接続されたトラス174のうちの2つのトラスから形成される。所望される場合、基礎172は、90度の角度で一体に接続されたトラス174のうちの2つのトラスから形成され得る。
【0060】
[089]各トラス174は一対の第2のトラス部材175Aをさらに含む。第2のトラス部材175Aのうちの一方の第2のトラス部材がT形ビーム175の中間点と第1のカラム176Aとの間に延在し、第2のトラス部材175Aのうちのもう一方の第2のトラス部材がT形ビーム175の中間点と外側カラム176Bのうちの1つの外側カラムとの間で延在する。2つの第3のトラス部材177が第1のカラム176Aと外側カラム176Bの各々との間に延在する。第2のトラス部材175Aおよび第3のトラス部材177は鋼鉄管などの鋼鉄から形成され得る。
【0061】
[090]ハイブリッドのコンクリート-鋼鉄のトラス174は、第1のカラム176Aの下側端部と外側カラム176Bとの間で曲げ力および線弾力を伝達するように構成される。頂部鋼鉄支持ビーム178および底部鋼鉄支持ビーム180ならびにトラス174は、コンクリートのT形ビーム175を含めて、外側カラム176Bのねじり支持を実現するように構成される。
【0062】
[091]次に図28から図30を参照すると、本発明による改善されたFOWTプラットフォームの第9の実施形態が190で示される。示されるFOWTプラットフォーム190は、上述したような風力タービンタワー14および風力タービン16を含む。示されるFOWTプラットフォーム190は基礎192を含む。FOWTプラットフォーム190は、FOWTプラットフォーム190が3つのトラス194を含むことを除いて、FOWTプラットフォーム170と同様である。
【0063】
[092]したがって、基礎192は、第1のカラム196Aおよび2つの外側カラム196Bを含む3つのカラムの各々の間に延在する3つのトラス194から形成される。示される実施形態では、トラス194はハイブリッドのコンクリート-鋼鉄の構成であり、ここでは、第1のトラス部材または底部弦がプレストレスト強化コンクリートのT形ビーム195として形成される。
【0064】
[093]各トラス194は一対の第2のトラス部材195Aをさらに含む。第2のトラス部材195Aのうちの一方の第2のトラス部材がT形ビーム195の中間点とカラム196Aまたは196Bのうちの1つのカラムとの間に延在し、第2のトラス部材195Aのうちのもう一方の第2のトラス部材がT形ビーム195の中間点とカラム196Aまたは196Bのうちの隣接する1つのカラムとの間に延在する。第3の部材198がまたカラム196Aおよび196Bの各々の間に延在する。第2のトラス部材195Aおよび第3のトラス部材198は鋼鉄管などの鋼鉄から形成され得る。
【0065】
[094]示される基礎192は、トラス194の各々が60度の角度で一体に接続されるように、形成される。所望される場合、基礎192は、第1のカラム196Aのところで接続されたトラス194が90度の角度で接続されるように、形成され得る。
【0066】
[095]ハイブリッドのコンクリート-鋼鉄トラス194は、接続されたカラム196Aおよび196Bの下側端部の間で曲げ力および剪断力を伝達するように構成される。第3のトラス部材198およびトラス194は、コンクリートのT形ビーム195を含めて、第1のカラム196Aおよび外側カラム196Bのそれぞれのねじり支持を実現するように構成される。
【0067】
[096]図16から図30に示されるFOWTプラットフォーム110、130、150、170、および190の実施形態は、従来の既知のFOWTプラットフォームと比較した複数の利点を有する。これらの利点は、限定しないが、例えば3つのカラムおよび2つの底部ビームまたは底部支持ビームを有するなど、構成要素の数の低減、クレーン要求条件を最小にすることを目的としてタービンを支持するカラムのより近くまでクレーンがアクセスするのを可能にする構造、構成要素の間の接続の複雑の低減、作製することがより容易となり得る90度の設計選択肢(例えば、図16から図18を参照)、効率を向上させる60度の設計選択肢(例えば、図19から図21を参照)、ならびに、下側ビームの間に90度の角度を有する、図22から図30に示される実施形態を製造する選択肢、を含む。
【0068】
[097]本発明の動作の原理および形態をその好適な実施形態において説明した。しかし、本明細書で説明される発明が、本発明の範囲から逸脱することなく、具体的に示されて説明される以外の手法で実施され得ることに留意されたい。
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【国際調査報告】