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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】インプリント装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20240719BHJP
   B29C 59/02 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H01L21/30 502D
B29C59/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503565
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 EP2022070159
(87)【国際公開番号】W WO2023001801
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】21186845.0
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21186847.6
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21186853.4
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21186856.7
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21186862.5
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21186871.6
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21186879.9
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】プティ ディディエ マタイス マリア ジャスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】ソーテンス ヨハネス バルタザール マリア
(72)【発明者】
【氏名】フェルシューレン マルクス アントニウス
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン モーリス レオナルドゥス ヨハネス
【テーマコード(参考)】
4F209
5F146
【Fターム(参考)】
4F209AA44
4F209AF01
4F209AG05
4F209AH33
4F209PA02
4F209PB01
4F209PN06
4F209PN09
4F209PN13
4F209PQ14
5F146AA31
(57)【要約】
インプリント装置は、フレキシブルスタンプを担持する第1のキャリアと、第1のキャリアに対して移動可能な第2のキャリアであって、レジスト層を有する基板を担持するように構成された第2のキャリアと、を備える。第1のキャリア及び第2のキャリアは、フレキシブルスタンプを基板と接触させることができるように配置される。第2のキャリアは、メインアクチュエータによってZ軸方向に(基準フレームに対して)移動されるメインフレームと、チャックであって、チャックの一部をZ軸方向にメインフレームに対して並進させる、メインアクチュエータのストロークよりも小さいストロークをそれぞれが有する3つのチャックアクチュエータのセットを有する、チャックと、を含む。チャックのZ軸移動は、別個のロングストロークドライバ及びショートストロークドライバにより、2つのステージに分割される。これは、インプリントギャップ制御が正確である、非常に堅固な支持がもたらされることを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルスタンプを担持する第1のキャリアと、
前記第1のキャリアに対して移動可能な第2のキャリアと、
を備える、インプリント装置であって、
前記第2のキャリアは、
メインフレームと、
前記メインフレームを前記第2のキャリアの平面に対して垂直な方向に並進させる、第1のストロークを有するメインフレームアクチュエータと、
レジスト層を有する基板を担持するチャックと、
前記チャックの一部を前記第2のキャリアの前記平面に対して垂直な方向に前記メインフレームに対して並進させる、前記第1のストロークよりも小さい第2のストロークをそれぞれが有する3つのチャックアクチュエータのセットと、
を含む、インプリント装置。
【請求項2】
前記第2のキャリアは、サブフレームをさらに含み、前記サブフレームは、前記メインフレームに接続され、前記チャックは、前記サブフレームに取り付けられる、請求項1に記載のインプリント装置。
【請求項3】
前記サブフレームは、ばね構成部によって前記メインフレームに取り付けられる、請求項2に記載のインプリント装置。
【請求項4】
前記ばね構成部は、インプリント中にキネマティックカップリングを介して前記サブフレームを前記第1のキャリアに対して付勢するためのものである、請求項3に記載のインプリント装置。
【請求項5】
前記ばね構成部は、種々のばね剛性を有する、直列した第1のばね及び第2のばねを含む、請求項3又は4に記載のインプリント装置。
【請求項6】
前記チャックは、前記チャックの表面から前記第1のキャリアまでの距離を測定する位置センサのセットを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のインプリント装置。
【請求項7】
前記位置センサのセットは、前記チャックから前記第1のキャリアまでの距離をそれぞれが測定する3つの位置センサを含み、各位置センサは、それぞれの第1のアクチュエータに近接している、請求項6に記載のインプリント装置。
【請求項8】
前記装置は、前記チャックの外側の周りにスタンプランディングリングをさらに備え、前記スタンプランディングリングは、前記フレキシブルスタンプの領域の外側の前記第1のキャリアに向き合うためのものである、請求項1から7のいずれか一項に記載のインプリント装置。
【請求項9】
前記第2のキャリアは、前記スタンプランディングリングから前記第1のキャリアまでの距離を測定する位置センサのセットを含む、請求項8に記載のインプリント装置。
【請求項10】
前記第2のキャリアは、前記スタンプランディングリングの一部を前記第2のキャリアの前記平面に対して垂直な方向に前記メインフレームに対して並進させる、前記第1のストロークよりも小さい第3のストロークをそれぞれが有する3つのランディングリングアクチュエータのセットをさらに含む、請求項8又は9に記載のインプリント装置。
【請求項11】
各チャックアクチュエータは、アクチュエータ出力部と、前記アクチュエータ出力部とチャック駆動部材との間にレバー構成部とを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のインプリント装置。
【請求項12】
前記レバー構成部は、固定レバー部分と可動レバー部分との間に第1のピボットを含み、前記レバー構成部は、前記アクチュエータ出力部と前記チャック駆動部材との間の変位の減少をもたらす、請求項11に記載のインプリント装置。
【請求項13】
前記チャックは、上面及び下面を有する中空円筒本体と、前記上面と前記下面との間に格子構成とを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のインプリント装置。
【請求項14】
前記上面及び前記下面はそれぞれ、水入口のセットと水出口との間に流路を提供する内部水路構成を含む、請求項13に記載のインプリント装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のインプリント装置のための駆動システムであって、
前記第2のキャリアの前記平面に対して垂直な方向に前記メインフレームを並進させる、第1のストロークを有する前記メインフレームアクチュエータと、
前記チャックの一部を前記第2のキャリアの前記平面に対して垂直な方向に前記メインフレームに対して並進させる、前記第1のストロークよりも小さい第2のストロークをそれぞれが有する前記3つのチャックアクチュエータのセットと、
を備える、駆動システム。
【請求項16】
フレキシブルスタンプを担持する第1のキャリアと、
前記第1のキャリアに対して移動可能な第2のキャリアと、
を備えるインプリント装置のためのシステムであって、
前記第2のキャリアは、レジスト層を有する基板を担持するチャックを含み、前記第2のキャリアは、
メインフレームと、
前記メインフレームを前記第2のキャリアの平面に対して垂直な方向に並進させる、第1のストロークを有するメインフレームアクチュエータと、
前記チャックが前記第2のキャリアに含まれる場合、前記チャックの一部を前記第2のキャリアの前記平面に対して垂直な方向に前記メインフレームに対して並進させる、前記第1のストロークよりも小さい第2のストロークをそれぞれが有する3つのチャックアクチュエータのセットと、
を含む、駆動システム。
【請求項17】
前記キャリアは、前記チャックを含む、請求項16に記載の駆動システム。
【請求項18】
前記第2のキャリアは、サブフレームをさらに含み、前記サブフレームは、前記メインフレームに接続され、前記チャックは、前記サブフレームに取り付けられる、請求項16又は17に記載の駆動システム。
【請求項19】
前記サブフレームは、ばね構成部によって前記メインフレームに取り付けられる、請求項16又は17に記載の駆動システム。
【請求項20】
前記ばね構成部は、インプリント中にキネマティックカップリングを介して前記サブフレームを前記第1のキャリアに対して付勢するためのものである、請求項19に記載の駆動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルスタンプのインプリントパターンをレジスト層にインプリントする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第3126909(A)号に開示されているタイプのインプリントリソグラフィは、インプリントリソグラフィが、広い範囲にわたって半導体デバイスの基板などの基板に転写されるパターンに小さい(より小さい)フィーチャサイズを提供することができる見込みがあるため、より多くの従来的なマスクベースの光リソグラフィ技術の実行可能な代替手段として関心を集めている。基板コンフォーマルインプリントリソグラフィ(「SCIL」)などのインプリントリソグラフィ技術では、レリーフフィーチャパターンを表面に含んだフレキシブルスタンプが、典型的にレジスト材料を担持する基板と接触するようにされる。レジスト材料は、フィーチャパターンによってインプリントされる。続いて、レジスト材料は現像、例えば硬化され、その後、フィーチャパターンがレジスト材料からリリースされて、パターニングされたレジスト層が基板に残される。
【0003】
このプロセスでは、硬化性であるが流体のレジスト層が、チャックに支持された基板(例えば、ウェハ)に塗布される。フレキシブルスタンプは例えばゴムであり、レジスト層は、インプリントされている間に硬化(固化)されて、レジストからスタンプを除去した後にスタンプレリーフ層のレリーフと相補的な固化したレリーフがレジスト層に残される。インプリントプロセスは、例えば、ガラスプレート側とは反対側にPDMS層のレリーフ表面を有する、例えば金属プレート又はガラスプレートなどの薄い可撓性プレートに接着されたPDMSゴム層から形成される薄いフレキシブルスタンプを、スタンプマニピュレータに配置することを伴う。このスタンプマニピュレータは、溝プレートとしても知られている。これにより、ガラスプレートがスタンプマニピュレータに対するものとなり、スタンプのレリーフ表面がチャックにおけるウェハのレジスト層と対向するものとなる。
【0004】
スタンプは一般に、必ずしもそうではないが、ウェハの上方に、逆さまに、X-Y平面内で互いに対して平行な2つの部品により、流体レジスト層の表面からZ軸方向に沿って小距離で保持される。この小距離は、Z軸方向に沿ってスタンプのレリーフ表面とレジスト層との間にいわゆるインプリントギャップを画定する。
【0005】
スタンプは、局所的に操作され、例えば、スタンプマニピュレータによってスタンプマニピュレータに対して局所的及び逐次的にリリース及び付着することができる。スタンプマニピュレータは、多くの場合、スタンプマニピュレータの表面(X-Y平面)に沿って延びる溝の形態、したがって別称溝プレートの開口を有し、これら開口は、スタンプを保持する(負圧)又はスタンプをリリースする(過圧)ように過圧又は負圧などの設定された圧力で個別に操作することができる。したがって、インプリントプロセス中、1つのX-Y場所(例えば、縁)においてスタンプをリリースすることによって、その場所におけるレリーフ表面とレジストとの間で第1の接触が行われる。スタンプは次いで、スタンプマニピュレータから徐々にリリースされて、主として毛管力によってレジスト層に引き付けられる。それにより、接触は、リリース方式に応じてX軸方向及び/又はY軸方向に沿って第1の接触場所から大きくなる。
【0006】
スタンプをマニピュレータに付着することができるようにするには、スタンプがマニピュレータの下に逆さまに位置決めされる必要がある。このようにするために、スタンプは、スタンプホルダ下に(レリーフ表面を下向きにして逆さに)置かれる。スタンプマニピュレータを、スタンプのガラスプレートの裏側に向き合って、下に置かれたスタンプにわたって移動させ、その後、スタンプのガラスプレート表面がマニピュレータ開口の操作によってマニピュレータに付着される。
【0007】
次いで、基板がチャックにロードされ、レリーフ層表面に対して所望に応じて位置決めされる。
【0008】
プロセスの開始においてインプリントギャップを設定するために、(Z軸方向における)距離が所望の値(例えば、50μm~150μmの範囲内)に設定される必要があるとともに、インプリントプロセス中に厳格な公差内に保たれる(例えば、5μm~10μmの範囲内のギャップ変動がある)必要がある。インプリントギャップは、ウェハとスタンプとの間のギャップである。
【0009】
インプリントステップ中、マニピュレータ開口が負圧から僅かな過圧に切り替えられて、スタンプマニピュレータからスタンプを徐々にリリースし、それにより、フィーチャパターンが、そのようなパターンの隣り合う突起間の間隔が一般に毛管として働くため、毛管力によってレジスト層に引き付けられ、したがって、これによりレジストによるスタンプの湿潤がスピードアップする。スタンプと接触したままでのレジスト層の現像(例えば、固化)時及び現像後に、フレキシブルスタンプのフィーチャパターンが逆プロセスによってレジスト層からリリースされ、この逆プロセスでは、個々のマニピュレータ開口が負圧に切り替えられ、それにより、現像されたレジスト層からフィーチャパターンを徐々にリリースする。リリースプロセスは一般に、スタンプ材料と現像された(固化した)レジストとの間の相互作用によって妨げられ、これがリリースプロセスを低速にする。これは、単位面積当たりのファンデルワールス力を増加させる、スタンプと硬化したレジストとの間の表面積の増大によるものである。したがって、国際公開第2008/068701(A2)号において開示されている装置のようなインプリント装置に関して、インプリントステップ又はリリースステップの速度を設定することが可能である。
【0010】
現在のSCILインプリント機では、100~200mm径ウェハが使用される。ウェハをロード及びアンロードするために、また、インプリントギャップを調整するために、単一のリニアZステージがチャックの垂直移動に使用される。チャックと溝プレートとの間の傾き(RX及びRY)の調整は例えば、3つのマイクロメータ調整ねじを用いて手動で実施される。
【0011】
既存の機械におけるスタンプランディングリング(stamp landing ring)の高さは一定である。高さは、スタンプランディングリングを異なる高さのものと交換することによってしか順応することができない。
【0012】
300mmウェハなどのより大きなウェハの印刷を可能にするためにデザインをスケールアップする要望が存在する。この結果、所要のプロセス力の増加(例えば、2倍高い)及びより大きなスパン幅(例えば、200mmではなく300mm径)が得られる。プロセス負荷時の5~10μmなどの所要のインプリントギャップ変動を維持するために、既存のデザインを単にスケールアップすることは可能ではない。特に、ウェハのための支持体が十分な剛性を有しない。
【0013】
ウェハのための支持体は例えば、例えばCフレームデザインの支持体及びチャックなどの支持フレームを含む。支持フレームは、プロセス負荷により又は加熱中の歪みに起因して、曲がり得る。曲がり又は歪みの結果、インプリントギャップの変動がより大きくなる。これによりインプリントプロセスの質が著しく下がる。より大きなチャックもまた大きな熱質量を有し、この結果、加熱時間及び冷却時間が長くなる。
【0014】
国際公開第2004/013693(A2)号が、インプリントリソグラフィによって基板をパターン化する方法を記載している。インプリントリソグラフィのためのシステムの一実施形態は、インプリントヘッド支持体に取り付けられているとともに、パターン化されたテンプレートを保持するように構成されたインプリントヘッドを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、1つの課題は、スタンプ及びウェハの簡単なロードを依然として可能にしつつ、チャック及び溝プレート(例えば、300mm径)などのより大きな面積のウェハ支持体の場合にインプリントギャップをかなり正確に制御する必要性である。このロードは例えば、溝プレートに対してチャックのより長い距離の操作を必要とする。より大きなチャックの場合、既存のデザインは、チャック面積全体に対してインプリントギャップ制御を確実にするのに十分な剛性を可能にする公差で製造することが困難であることが見出されている。
【0016】
別の課題は、ウェハ支持体(チャックとして知られる)の位置の正確な安定した制御を可能にすることである。
【0017】
別の課題は、スタンプの外側領域の周りのスタンプランディングリングの場所におけるなど、スタンプと基板との間に、均一なプロセスギャップを確保することである。
【0018】
本発明は、これらの課題のうちの1つ又は複数に対処することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、
インプリントパターンを有するフレキシブルスタンプを担持する第1のキャリアと、
第1のキャリアに対して移動可能な第2のキャリアと、
を備える、インプリント装置であって、
第2のキャリアは、
メインフレームと、
メインフレームを第2のキャリアの平面に対して垂直な方向に並進させる、第1のストロークを有するメインフレームアクチュエータと、
レジスト層を有する基板を担持するように構成されたチャックと、
チャックの一部を第2のキャリアの平面に対して垂直な方向にメインフレームに対して並進させる、第1のストロークよりも小さい第2のストロークをそれぞれが有する3つのチャックアクチュエータのセットと、
を含む、インプリント装置が提供される。
【0020】
第1のキャリアと、第2のキャリアとを備えるインプリント装置のための対応するシステムであって、第2のキャリアは、チャックを含んでも又は含まなくてもよいがチャックを含むように構成される対応するシステムもまた、提供される。
【0021】
このインプリント装置は、基板コンフォーマルインプリントリソグラフィ装置であるか、又は基板コンフォーマルインプリントリソグラフィ装置を含む。フレキシブルスタンプは、インプリントパターンを有し、第1のキャリアは例えば、フレキシブルスタンプを第1のキャリアへ引き寄せることに用いるとともにフレキシブルスタンプを第1のキャリアから押しのけることに用いるアクチュエータ(例えば、マニピュレータ開口又はアパーチャ)のアレイを含む。アクチュエータのアレイは、圧力操作されるマニピュレータ開口又はアパーチャであるか、又は圧力操作されるマニピュレータ開口又はアパーチャを含むが、例えば電気アクチュエータ又は電磁アクチュエータなどの他のタイプを、例えば、金属支持層を有するフレキシブルスタンプと組み合わせて、使用することもできる。
【0022】
チャックの設計は、例えば、300mm径基板を担持する、大きな寸法のチャックが使用される場合であっても、使用中にその変形を回避する。
【0023】
チャックのZ軸移動(チャック/基板の平面に対して垂直である)は、別個のロングストロークドライバ及びショートストロークドライバにより、2つのステージに分割される。これは、ロード及びインプリントギャップ制御が良好である、非常に堅固な支持をもたらす。チャックアクチュエータは、(チャック/基板の平面内で)X軸及びY軸周りでのチャックの回転の制御並びにZ軸方向における制御を可能にする。したがって、傾き及びウェッジの補償制御が可能にされ、これは、例えば、局所的な位置検知に基づいて手動及び/又は自動とすることができる。インプリントギャップの厳格な制御が可能にされる。
【0024】
メインフレームアクチュエータは、スタンプ及び/又は基板のロードを容易にするために大きなストローク(例えば、50mm以上)を有し、チャックアクチュエータは、例えば5mmのストロークの場合に例えば+/-1μmまでの、微調整のための小さなストロークを有する。
【0025】
第2のキャリアは、例えば、サブフレームをさらに含み、サブフレームは、メインフレームに接続され、チャックは、サブフレームに取り付けられ、サブフレームは、インプリント中にキネマティックカップリングを介してサブフレームを第1のキャリアに対して付勢するばね構成部によってメインフレームに取り付けられる。
【0026】
チャックはその場合、堅固なサブフレームによって担持される。このサブフレームは次いで、メインフレーム及びメインフレームアクチュエータから分離することができる。サブフレームは例えば、ばね構成部によってメインフレームに取り付けられる。ばね構成部が、サブフレームとメインフレームとの間の分離をもたらす。サブフレームは、剛体として挙動し、メインフレーム及び/又はメインアクチュエータの変形はインプリントギャップに影響しない。特に、力経路と位置経路との分離が実施される。
【0027】
ばね構成部は、インプリント中にキネマティックカップリングを介してサブフレームを第1のキャリアに対して付勢するためのものである。ばね構成部は、押圧力を与えるだけでなく、アライメントエラーを補償する。キネマティックカップリングの押圧は、サブフレーム及び第1のホルダ(すなわち溝プレート)が単一の堅固な部品として機能することを意味する。
【0028】
ばね構成部は例えば、種々のばね剛性を有する、直列した第1のばね及び第2のばねを含む。低剛性ばねは例えば、サブフレーム及び第1のホルダが接触する前に(特に衝突保護を提供するために)減衰するためのものであり、高剛性ばねは、押圧力を提供する。
【0029】
チャックは、チャックの表面から第1のキャリアまでの距離を測定する位置センサのセットを含む。これらは、チャックアクチュエータの手動及び/又は自動制御を可能にする。
【0030】
位置センサのセットは、チャックから第1のキャリアまでの距離をそれぞれが測定する3つの位置センサを含み、各位置センサは、それぞれの第1のアクチュエータに近接している。
【0031】
装置は、チャックの外側の周りにスタンプランディングリング(又はより包括的にはスタンプランディングデバイス)をさらに備え、スタンプランディングリングは、フレキシブルスタンプの領域の外側の第1のキャリアに向き合うためのものである。スタンプランディングリングは、フレキシブルスタンプの基板のための支持を提供する。フレキシブルスタンプは例えば、ガラス基板と、ガラス基板の中心領域の上にゴムスタンプ領域とを含む。したがって、スタンプは、中心領域よりも低い高さ(厚さ)を有する縁領域を有する。スタンプランディングリングは、2つの異なる高さの領域を有するとしても、同じプロセスギャップがフレキシブルスタンプの領域上に存在することを可能にする。
【0032】
第2のキャリアは、スタンプランディングリングから第1のキャリアまでの距離を測定する位置センサのセットを含む。これらの位置センサは、スタンプランディングリングの位置が、例えば、種々のスタンプ厚さ、ひいてはフレキシブルスタンプの種々の高さプロファイルを考慮するように、制御されることを可能にする。
【0033】
装置は、スタンプランディングリングの一部を第2のキャリアの平面に対して垂直な方向にメインフレームに対して並進させる、第1のストロークよりも小さい第3のストロークをそれぞれが有するランディングリングアクチュエータのセットをさらに備える。したがって、スタンプランディングリングを移動させるアクチュエータは、第2のキャリアに組み込むこともできる。
【0034】
各チャックアクチュエータは、アクチュエータ出力部と、アクチュエータ出力部とチャック駆動部材との間にレバー構成部とを含む。レバー構成部は、位置決め精度の向上及び剛性の増加を可能にする。
【0035】
レバー構成部は、固定レバー部分と可動レバー部分との間に第1のピボットを含み、レバー構成部は、アクチュエータ出力部とチャック駆動部材との間の変位の減少をもたらす。
【0036】
いくつかの例では、チャックは、上面及び下面を有する中空円筒本体を含む。構造的剛性の増加のため、例えば、上面と下面との間に格子構成がある。この中空デザインは、均一なインプリントギャップを維持する所要の剛性を維持しつつ、チャックの減少した熱質量を可能にする。上面及び下面は例えばそれぞれ、水入口のセットと水出口との間に流路を提供する内部水路構成を含む。
【0037】
加熱及び冷却は好ましくは、構造全体を通じてではなくチャックの上面(基板を担持する面)及び下面において行われ、有効な熱制御を示す。上面及び下面における加熱及び冷却設計は、基板担持面(上面)の加熱のみを用いる中空設計に比べて、チャックの加熱の対称性を高め、それとともに座屈を減少させる又は防ぐ。
【0038】
チャックは、上面の水入口と下面の対応する水入口との間のダクトと、上面の水出口と下面の水出口との間のダクトとの、上面と下面との間に延びるダクトのセットを含み、ダクトはそれぞれ、応力低減特徴部を含む。これにより、内部に分布する熱応力によってチャック形状全体の変形を生じさせる、チャックを通る流体経路が回避される。
【0039】
本発明はまた、本明細書において定義された装置又はインプリント装置のための駆動システムであって、
第2のキャリアの平面に対して垂直な方向にメインフレームを並進させる、第1のストロークを有するメインフレームアクチュエータと、
チャックの一部を第2のキャリアの平面に対して垂直な方向にメインフレームに対して並進させる、第1のストロークよりも小さい第2のストロークをそれぞれが有する3つのチャックアクチュエータのセットと、
を備える、駆動システムを提供する。
【0040】
本発明はさらに、システム(したがって、システムを含む場合の装置)を駆動する方法であって、
第1のストロークを有するメインフレームアクチュエータを駆動するステップと、
3つのチャックアクチュエータのセットのうちの1つ又は複数を駆動するステップと、
を有する、方法を提供する。
【0041】
本発明はさらに、プロセッサ上で実行されると駆動システムに方法のステップを行わせるコードを含むコンピュータプログラムを提供する。
【0042】
メインフレームアクチュエータを駆動することは、スタンプの基板のロード及び/又は取り外しが可能にされるように駆動することを有する。
【0043】
3つのチャックアクチュエータのセットのうちの1つ又は複数を駆動することは、インプリントギャップがチャック面積の1箇所において局所的に又はチャック面積のすべてにわたって全体的に調整されるように駆動することを有する。
【0044】
コンピュータプログラムは、ネットワークからダウンロード可能であるか、又は非一時的媒体などのコンピュータ可読媒体に記憶される。
【0045】
本発明の実施形態を、より詳細に、添付の概略的な図面を参照しながら非限定的な例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】インプリント装置を示す。
図2図1のインプリント装置の一部の例を示す。
図3図1のインプリント装置を使用したインプリントサイクルを示す。
図4図1のインプリント装置を使用したリリースサイクルを示す。
図5】チャックマニピュレータの設計を示す。
図6】様々な設計特徴部を組み込んだインプリント装置を示す。
図7】(メインフレームに取り付けられた)サブフレームを平面図で示す。
図8】チャックの一例を示す。
図9】チャックの上面及び下面と、上面及び下面における加熱水路構成又は冷却水路構成とを示す、チャックの部分の2つの断面を示す。
図10】チャック全体の断面を示す。
図11】チャネル構成を画定する、上側面又は下側面内におけるリッジのセットを示す。
図12】チャックの下面の下側を示す。
図13】チャックとともに用いるインタフェースプレートを示す。
図14】溝プレートのための駆動構成を示す。
図15】チャックアクチュエータとして用いるショートストロークアクチュエータの設計を示す。
図16図15のアクチュエータにおいて使用される駆動要素を異なる視点から示す。
図17】スタンプランディングリングを使用する仕方を示す。
図18】スタンプランディングリングアダプタの第1の使用を示す。
図19】スタンプランディングリングアダプタの第2の使用を示す。
図20】第2のスタンプランディングリングを使用した例を示す。
図21】2つの厚さを有するスタンプランディングリングを使用した、比較的厚い200mmウェハをインプリントするのに適した例を示す。
図22】半自動スタンプロードプロセスを説明するために用いられる図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図は、縮尺通りに描かれておらず、同じ又は同様の部品を示すために図全体を通じて同じ参照数字が用いられる。
【0048】
本開示は、フレキシブルスタンプを担持する第1のキャリアと、第1のキャリアに対して移動可能な第2のキャリアであって、レジスト層を有する基板を担持するように構成された第2のキャリアとを備えるインプリント装置を定義する。第1のキャリア及び第2のキャリアは、フレキシブルスタンプを基板のレジスト層と接触させることができるように配置される。第2のキャリアは、メインアクチュエータによってZ軸方向に(基準フレームに対して)移動されるメインフレームと、チャックの一部をZ軸方向にメインフレームに対して並進させる、メインアクチュエータのストロークよりも小さいストロークをそれぞれが有する3つのチャックアクチュエータのセットを有する、チャックと、を含む。チャックのZ軸移動は、別個のロングストロークドライバ及びショートストロークドライバにより、2つのステージに分割される。これは、インプリントギャップ制御が正確である、非常に堅固な支持がもたらされることを可能にする。Z軸移動は、少なくとも、フレキシブルスタンプキャリアに対するチャックの接離移動を可能にする。
【0049】
図1図4を参照しながら、欧州特許出願公開第3126909(A)号及び国際公開第2020/0099265号に開示されている装置及び方法を最初に説明し、次いで本発明を具現化するこの装置の改変を説明する。
【0050】
図1は、インプリント装置100を示す。インプリント装置100は、SCILインプリント装置、又は、(フレキシブル)スタンプから基板にインプリントパターンを転写するのに使用することができる任意の他の適切なインプリント装置である。
【0051】
インプリント装置100は典型的に、突起間の凹所によって画定されたインプリントパターン106を含むフレキシブルスタンプ104を保持する第1のキャリア102の一部として第1のホルダ(例えば、溝プレート)を備える。第1のキャリア102は、第1のホルダが取り付けられるフレーム(図示せず)を含む。フレキシブルスタンプ104及びインプリントパターン106は、任意の適切な材料、例えば、ポリシロキサンベースの材料、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)などの、適切な(合成)ゴム材料で実現される。ゴム層が、フレキシブルスタンププレート(別個に示されておらず、例えば、ガラス、プラスチック又は金属から作製される)に施される。インプリントパターンのフィーチャサイズは、任意の適切なサイズであり、好ましくは、マイクロメートルスケール又はナノメートルスケールのパターン、すなわち、10nmほどから1mm超までのフィーチャサイズを有するパターンであり、フィーチャのアスペクト比(垂直寸法を横寸法で割ったもの)が8以上であり得る。しかしながら、他のフィーチャサイズも考慮することができ、本発明は、より小さいアスペクト比を有するパターンを転写するために等しく適用することができることを理解されたい。例えば、本発明の少なくともいくつかの実施形態は、0.001~10の範囲のアスペクト比を有するインプリントパターンを転写するのに適している。
【0052】
このため、第1のキャリア102は典型的に、アレイ又はグリッドで配置される複数のスタンプ係合要素112を備える(例えば図2を参照)。そのようなスタンプ係合要素112は典型的に、第1の構成でフレキシブルスタンプ106の一部を第1のキャリア102へ引き寄せるとともに、第2の構成でフレキシブルスタンプの一部を第1のキャリア102から押しのけるように構成される。そのような要素をスタンプアクチュエータと呼ぶ場合がある。以下の詳細な説明では、スタンプ係合要素112は、第1の構成及び第2の構成をそれぞれもたらすために、負圧(真空)と過圧との間で切り替えることができるアパーチャ(開口)によって具現化される。例えば、電磁アクチュエータなど、他のアクチュエータが用いられてもよい。
【0053】
アパーチャ112は、任意の適切な形状を有し得る。例えば、アパーチャ112は、溝形状であってもよく、溝が実質的に第1のキャリア102の全長にわたって延び、又は、図2に示すように、アパーチャ112が円形状であってもよく、アパーチャ112が2次元グリッドを形成する。当業者には他の適切な形状が明らかであろう。溝形状のアパーチャ112は例えば、フレキシブルスタンプのインプリント方向及びリリース方向が互いに同じであるか又は反対である場合に適切である。例えば、図2に示すような、円形のアパーチャ112の2次元グリッドは、後でより詳細に説明するように、フレキシブルスタンプ104のインプリント方向及びリリース方向が互いに異なる場合に特に適切である。
【0054】
各アパーチャ112は、第1のチャネル140(「過圧チャネル」と呼ばれる)を介して提供される過圧源と、第2のチャネル150(以下、「負圧チャネル」と呼ばれる)を介して提供される、負圧源、例えば、低圧での真空ポンプ又は空気のリザーバとの間でアパーチャ112を切り替えることができるバルブ114を含む。各バルブ114と負圧チャネル150との接続は実線で示され、各バルブ114と過圧チャネル140との接続は破線によって示されている。負圧は、大気圧より約500mBar~900mBar低く、より好ましくは、大気圧より約0.7~0.8Bar低く、すなわち、絶対値で約200~300mBarで供給され得る。
【0055】
それぞれのバルブ114は典型的に、任意の適切な形状又は形態をとり得る処理要素(例えば、プロセッサ)160によって制御される。処理要素160は典型的に、後でより詳細に説明するように、インプリントプロセス中にバルブ114及び第1のキャリア102をどのように制御するかについて処理要素160に命令するコンピュータプログラムコードを実行する。
【0056】
アパーチャ112を負圧に切り替えることによって、フレキシブルスタンプ104が第1のキャリア102に付着される。追加の付着手段が、例えばフレキシブルスタンプ104の縁部分の周りに設けられてもよい。そのような付着手段は例えば、フレキシブルスタンプ104の縁を第1のキャリア102に固定するクランプを備えるが、少なくともいくつかの例では、追加の付着手段は使用されないことを理解されたい。
【0057】
インプリント装置100は、インプリントされる基板180を担持する第2のホルダ170(第2のキャリアとも呼ばれる)をさらに備える。
【0058】
第2のキャリア170は例えば、アルミニウム又はステンレス鋼チャックを含む。チャックは、マイクロメータスピンドルを用いて粗い位置合わせのために作動される。チャックは、本明細書において以下で説明するように機能するスタンプランディングデバイス又はスタンプランディングリングとして機能するプレートによって囲まれる。デバイスは、アルミニウム、ステンレス鋼又は他の個体材料から作製され得る。
【0059】
レジスト層の熱ベースの硬化を制御するために、チャックの加熱及び冷却にチャックの内側の水路が使用される。
【0060】
任意の適切な基板180、例えば、シリコン基板、シリコン・オン・インシュレータ基板、シリコンゲルマニウム基板などの任意の適切な半導体基板が使用され得る。このため、基板180は、任意の適切な材料とすることができるレジスト層182を担持し得る。例えば、レジスト層182は、インプリントパターン106をレジスト層182に固定化するために固化(硬化)され得る硬化性材料を含む。一例では、レジスト層182は、ゾルゲル材料を含む。そのような材料の適切な例は、国際公開第2009/141774(A1)号に開示されているが、任意の適切なレジスト材料が用いられてもよいことを理解されたい。例えば適切なレジスト材料のさらなる例は、米国特許出願公開第2004/0261981(A1)号、国際公開第2005/101466(A2)号、米国特許出願公開第2005/0230882号、米国特許出願公開第2004/0264019号及び非特許文献であるAdvanced Materials(1998年、第10巻(8)、571頁)に見出すことができる。
【0061】
第1のキャリア102は、処理要素160によって制御される。このため、インプリント装置100は、処理要素160の制御下で、3つのデカルト座標X、Y、Zによって表される3次元において第2のキャリア170に対して第1のキャリア102を位置決め及び再位置決めする手段をさらに備える。さらに、並進及び向きの両方を用いて、横方向(第2のキャリア170に対して平行な方向)、縦方向(第2のキャリア170に対して垂直な方向)に相対位置を調整する手段が提供される。この例では、装置は、処理要素160の制御下にある自動変位手段を含む。自動変位手段は、例えば、相対的なXYZ位置及び第2のキャリア170に対する第1のキャリア102の向きを正確に制御する機械的又は電気的フィードバック機構を提供する機械的又は電気的ユニットを含む。そのような変位手段は、それ自体既知であり、したがって、単に簡潔のために、これ以上詳細に説明しない。
【0062】
第2のキャリア170は任意選択的に、インプリント装置100の自由度を増加させるために、第1のキャリア102に対する上記制御手段と類似の方式で、処理要素160によって制御することもできる。しかしながら、静止した又は固定された第2のキャリア170を有するインプリント装置100を提供することも同様に実現可能である。
【0063】
第1のキャリア102は、第2のキャリア170からギャップ190だけ隔てられ、そのサイズは、例えば、第2のキャリア170に対して第1のキャリア102を位置決め及び再位置決めする手段を係合させることによって、処理要素160によって制御される。特定の例では、処理要素160は、インプリントステップとリリースステップとの間でギャップサイズを変更するようにプログラムされる。具体的には、ギャップサイズを増大させることが、現像されたレジスト層182からのインプリントパターン106のリリースを助けることができるため、処理要素160は、インプリントステップの完了時(及びレジスト層182を現像した後)に、ギャップサイズを増大させるようにプログラムされ得る。
【0064】
過圧チャネル140は、処理要素160の制御下にある圧力制御器192を含む。これは、インプリントステップ又はリリースステップ中に過圧を変更することを促進する。
【0065】
インプリント装置100は、例えば、ユーザが、所望のインプリントプロセスに従ってインプリント装置100を構成することを可能にするキーボード、マウス、トラックボールなどの少なくとも1つの命令入力デバイスを含むユーザ端末などのユーザインタフェースを有する。任意の適切なユーザインタフェースが使用されることを理解されたい。
【0066】
上述したように、処理要素160は、第1のキャリア102、バルブ114及び/又は圧力レギュレータ192を制御するように配置される。このため、インプリント装置100は、メモリデバイス、例えば、フラッシュメモリ、RAM又はROM、ソリッドステートディスク、磁気ディスクなどのような、コンピュータ可読データ記憶媒体(図示せず)をさらに有する。データ記憶媒体は、処理要素160による実行のためのコンピュータプログラムコードを含み、このコンピュータプログラムコードは、処理要素160に、インプリント方法の様々なステップを実施させる。データ記憶媒体は、インプリント装置100の任意の適切な位置に配置され得る。データ記憶媒体は、処理要素160と一体であるか、又は、例えば、データ通信バス若しくは処理要素160とデータ記憶媒体との間のポイントツーポイント接続を介して、任意の適切なやり方で処理要素160によってアクセス可能な個別の構成要素である。
【0067】
インプリント装置100を使用した典型的なインプリントプロセスは、以下の通りである。インプリントパターン106を含むフレキシブルスタンプ104を、例えば、アパーチャ112が真空ポンプなどの負圧供給源に接続された負圧チャネル150に接続されるようにバルブ114を切り替えることによって、第1のキャリア102に付着させる。続いて、第1のキャリア102を、インプリントパターン106がレジスト層182に面するように、レジスト層182で被覆された基板180を担持する第2のキャリア170の上方に位置決めする。第1のキャリア102は典型的に、インプリント中のフレキシブルスタンプ104と基板180との間の良好な共形接触を確実にするためにインプリント装置100のユーザによって規定されるギャップ190が第1のキャリア102と第2のキャリア170との間に存在するように第2のキャリア170に対して位置決めされる。ギャップ190は、任意の適切な範囲で選択され、例えば、インプリントパターン106がナノスケールパターンである典型的なSCILでは、ギャップ190は、10~500μmの範囲、好ましくは20~200μmの範囲、より好ましくは10~100μmの範囲で選択される。
【0068】
第1のキャリア102を第2のキャリア170に対して位置決めすると、インプリントプロセスは、フレキシブルスタンプ104と基板180との間に接触領域が形成される、インプリントステップを進め、接触領域は、基板180と接触することを意図されたインプリントパターン106全体がこの基板と接触されるまで徐々に拡大される。
【0069】
図3は、インプリントプロセスを示す。図3では、インプリントパターン106は、単に明確にするために省略されている。
【0070】
図3の上段に見てとることができるように、選択されたアパーチャ112を負圧から過圧へ過圧チャネル140の上方の横矢印200の方向に個別に切り替えることによって、フレキシブルスタンプ104と基板180との間に初期接触領域194が形成される。図3では、明確にするために、バルブ114とそれぞれのチャネル140及び150との間の選択された接続のみが示されている。これにより、フレキシブルスタンプ104とレジスト層182を担持する基板180を含む第2のキャリア170との間に接触領域194を確立するために、フレキシブルスタンプ104の一部が第1のキャリア102から離れて第2のキャリア170の方へ隆起する。第1のキャリア102とフレキシブルスタンプ104との間にスペース196が形成される。
【0071】
接触領域194は典型的に、図3の下段に示すように、バルブ114を制御することにより次のアパーチャ112を負圧から過圧に周期的に切り替えることによって矢印の方向に接触領域194の接触前面を移動させることにより拡大される。このプロセスは、接触領域194が基板180の所望の領域全体にわたって確立される、すなわち、インプリントパターン106の所望の部分がレジスト層182と接触されるまで、繰り返される。接触領域194が拡大する速度は典型的に、次のアパーチャ112が過圧に切り替えられる速度と、ギャップ190とによって決定される。スタンプが第1のキャリア102にも基板180にも接触しない関連するブリッジ幅Wは例えば、10mm~50mmの間で選択される。
【0072】
インプリントパターン106と基板180との間の所望の接触領域194が確立されると、続いて、レジスト層182が、任意の適切な方式、例えば、UV又は可視光、熱などのような外部刺激への暴露によって、現像、例えば硬化される。これにより、レジスト層182が固化され、現像されたレジスト層182にインプリントパターン106が固定化される。
【0073】
この段階で、ギャップ190が、現像されたレジスト層182からインプリントパターン106がリリースされるリリースステップの持続時間を短縮するために、調整される、すなわち大きくされる。すべてのギャップ設定がスタンプの自動リリースを促進するわけではない。インプリントパターン106及びレジスト層182の種類に応じて、スタンプ104は、比較的高い接触領域194、ひいては力によって、インプリントされた現像されたレジスト層182に付着することができる。生成され得るリリース力は、ギャップ190がより大きい場合により高い。例えば、スタンプ104は、ギャップ190が50ミクロンに設定される場合は現像されたレジスト層182からリリースすることができないが、このギャップが100ミクロンである場合はリリースすることができる可能性がある。
【0074】
図4は、スタンプがリリースされる仕方を示すために用いられる。リリースステップ中、個々のアパーチャ112は、処理要素160がそれぞれのバルブ114を制御することによって、過圧チャネル140から負圧チャネル(真空)150に切り替えられ、これにより、フレキシブルスタンプ104が上昇する、すなわち、フレキシブルスタンプ104は、現像されたレジスト層182から剥がされることにより、真空が密封され、ブリッジ長さWが1つのアパーチャピッチだけ短くなる。これにより、接触表面194にかかる力が増し、図4の下段に示すように、より多くのアパーチャ112が負圧に切り替えられて接触領域194の接触前面を横矢印210の方向に変位させるので、ブリッジがさらに短くなる。ブリッジは、力が第2のキャリア170によって担持される基板180上の現像されたレジスト層182からのフレキシブルスタンプ104のインプリントパターン106のリリース力と等しくなるまで短くなる。これは次いで、スタンプのリリースによって弛緩する。ギャップ190がより大きい場合、基板ウェハに対して垂直な力がより高くなることにより、スタンプリリースが容易となる。また、このより大きなギャップ190によってもたらされる、より長いブリッジ長さは、真空シールが、スタンプ104の部分と、フレキシブルスタンプ104を適所に保持する、第1のキャリア102のアパーチャ112、例えば、フレキシブルスタンプ104の外縁と接触するアパーチャ112との間で失われる前に、より多くの力が加えられることを可能にする。
【0075】
固化したレジスト層からのスタンプリリースの間、フレキシブルスタンプ104は、スタンプをリリースするのに必要とされる力と平衡状態にあることが留意される。次のアパーチャ112は、アパーチャからアパーチャまでの距離に相当するサイズを有するフレキシブルスタンプ104の一部(平均)がリリースされた後にのみ、負圧、例えば真空に切り替えることができる。したがって、基板180からのフレキシブルスタンプ104のリリースの速度は、ギャップ設定によっても決定される。例えば、50及び100ミクロンのギャップを用いてフレキシブルスタンプ104をリリースすることができる場合、100ミクロンのギャップのリリース速度は、50ミクロンのギャップのリリース速度よりも高く、そのため、より高いリリース速度、すなわち、個々のアパーチャ112が横方向線によって示された方向に沿って負圧に切り替えられる速度が、処理要素160によって、すなわち、対応するバルブ114を負圧チャネル150に周期的に切り替えることによって、適用することができる。全体的なインプリントプロセスの最高スループットについて、インプリントステップのためのギャップ190の設定は、図4に示すリリースステップの間の最適なスタンプリリースに必要とされるギャップ190とは異なる。
【0076】
欧州特許出願公開第3126909(A)号及び国際公開第2020/0099265号に既知のプリントプロセスのさらなる詳細が開示されている。
【0077】
上述したように、300mmウェハなど、より大きなウェハの印刷を可能にするために設計をスケールアップする要望がある。この結果、必要とされるプロセス力の増加(例えば、2倍高い)及びより大きなスパン幅(例えば、200mmではなく300mm径)が得られる。プロセス負荷時の5~10μmなどの所要のインプリントギャップ変動を維持するために、既存の設計を単にスケールアップすることは可能ではない。特に、第2のキャリア170(チャック及び支持チャックフレームを含む)は十分な剛性を有しない。
【0078】
特に、チャックフレームと溝プレートとの連結によって実施される従来のCフレーム設計は、プロセス負荷により曲がる。曲がる結果、インプリントギャップのより大きな変動が生じる。これによりインプリントプロセスの質が著しく下がる。
【0079】
チャックフレームは、加熱中に歪む可能性もある。いくらかの歪みは或る程度まで許されるが、室温まで冷却した後、歪みは許容されない。
【0080】
チャックフレームはまた、大きな熱質量を有し、その結果、加熱時間及び冷却時間が長くなる。チャックにわたる熱温度勾配もまた、サイズがスケールアップされると過度に高くなる可能性がある。
【0081】
スタンプ及びウェハの簡単なロードを依然として可能にしつつ、より大きな面積のチャック及び溝プレート(例えば、300mm径)の場合にインプリントギャップを制御する必要性がある。これは例えば、溝プレート(すなわち、第1のキャリア102)に対するチャックのより長い距離の操作を必要とする。より大きなチャックの場合、既存の設計は、チャック面積全体に対するギャップ制御を確実にするのに十分な剛性を可能にする公差で製造することが困難である。
【0082】
本発明の第1の態様は、チャックマニピュレータに関する。
【0083】
図5は、チャックマニピュレータのデザインを示す。
【0084】
この図は、スタンプランディングリング502によって囲まれたチャック500を示す。チャック500は、チャックフレーム504を備える。チャックフレームの位置は、マイクロメータ調整ねじ506によって調整可能である。
【0085】
単一のZステージアクチュエータ510によってチャックのZ軸位置制御部が制御される。
【0086】
本発明のこの第1の態様は、2部品フレームチャックマニピュレータを提供する。
【0087】
図6は、チャック500とスタンプランディングリング502とが取り付けられているサブフレーム600を含む全体システムを示す。チャック500は、サブフレーム600によって保持され、さらに以下で論じる3つのショートストロークマニピュレータ620のセットを用いてこのサブフレーム600に対して操作される。三つのショートストロークマニピュレータ620(すなわち、チャックアクチュエータ)は、チャック500の周りに角度的に離間している。
【0088】
サブフレーム600は、第2のキャリアの主構造部品であり、ひいては、図1における支持体170と同等であるとみなされる。
【0089】
チャックは、この例では200mmウェハ又は300mmウェハを保持するように設計される。チャックは例えば、200mm径の外側の周りに流出チャネルと300mm径の外側の周りに別の流出チャネルとを有する。
【0090】
サブフレーム600は、ボルト締めアセンブリであり得るが、溶接構造又は3D印刷構造とすることもできる。チャックを含むサブフレーム600は、メインフレーム610に取り付けられたサブアセンブリとして扱われる。メインフレーム610は、ロングストロークドライバ640(すなわち、メインアクチュエータ)を使用して、固定世界、すなわち基準フレーム630に対して操作される。メインアクチュエータ640を使用した操作は、スタンプ及び/又はウェハのロード或いはチャックの部品の整備のために長距離のチャック操作(例えば、50mm以上、例えば、50mm~250mmの間)を可能にする。さらに、メインアクチュエータ640は、サブフレーム600を、溝プレート(すなわち、第1のキャリア102の一部として)に、特に、溝プレート(及びそのフレーム103)を保持する溝プレートホルダ612に対して、堅固に固定(すなわち、押圧)し、そのため、チャックは、インプリントギャップを制御するように溝プレート102に対してショートストローク操作される。ショートストロークは、例えば50μm以下など、約5mm以下であり得る。
【0091】
同時に、サブフレーム600及びチャック500のサブアセンブリは、以下で論じる緩衝ばね構成部662により溝プレートの方へ付勢される。これは、溝プレートに対するサブフレーム600の相対的な向きの誤りを引き起こす、部品の設計上の欠陥を許容する。移動から生じる誤りも補償できる。
【0092】
図6は、サブフレーム600が一組の接触緩衝部670を有することを示し、サブフレーム600はこれら接触緩衝部を介して溝プレートホルダ612に押し付けられる。以下でさらに、これらを論じる。以下でより詳細に、3つのチャックアクチュエータ620も論じる。チャックアクチュエータは、三角形(好ましくは正三角形)のコーナに配置され、三角形フレームがサブフレーム600を画定し、サブフレーム600がチャック500を支持する。チャックアクチュエータはそれぞれ、以下で論じるレバー構成部621を含む。
【0093】
サブフレーム600の内側の、3つの独立したアクチュエータ及び関連するレバー構成部が、チャックを支持する。このようにして、インプリントギャップは、X軸方向及びY軸方向の周りでの回転についてだけでなくZ軸方向において自動的に調整可能である(例えば、+/-1μmまで)。以下に示すように、チャックの支持は、遊び及び摩擦がない撓み機構を用いて形成される。
【0094】
サブフレームの内側に、スタンプランディングリングを支持する3つの独立したアクチュエータ(すなわち、ランディングリングアクチュエータ)及びレバーも存在する。それらは、スタンプランディングリングの一部をZ軸方向に並進させるためのものである。
【0095】
したがって、チャックに対するスタンプランディングリングの位置もまた、X軸方向及びY軸方向の周りでの回転についてだけでなくZ軸方向において自動的に調整可能である(+/-1μmまで)。これは、スタンプランディングリングがスタンプのガラスキャリアプレートによって接触されるため、スタンプの厚さ、及び/又はスタンプ厚さの任意のテーパに対する調整を可能にする。
【0096】
図において上記で説明した設定は、チャックのロングストローク操作を加えることが依然として可能でありながら、インプリントギャップの厳格な制御とチャック面に対するスタンプ面の関連するウェッジの向きとを考慮する。
【0097】
チャック面に対するスタンプ面の(XY)平面内アライメント、すなわち、チャック面に対するスタンプ面のX軸方向及び/又はY軸方向における並進及び/又はZ軸回転は、そのホルダ612に対する溝プレート102の操作により実施されることに留意されたい。溝プレート102は、3つのリニアアクチュエータ(以下でさらに示す)によって駆動される溝プレートフレーム103を有し、溝プレートフレームは、エアベアリング884によって溝プレートホルダ612によって支持される。以下でさらにこれを説明する。溝プレートアライメントは、ギャップ(Z軸方向)アライメントとは別である。
【0098】
別個のロングストローク(メイン)アクチュエータ及びショートストローク(チャック)アクチュエータの使用は、Z軸方向においてチャックの非常に堅固な支持をもたらす。
【0099】
チャックの上部とスタンプのガラスプレートすなわち溝プレートとの間の距離を測定(及び較正)するために3つの距離センサが使用される。3つの距離(ひいては位置)センサはまた、スタンプランディングリングの上部とスタンプのガラスプレートとの間の距離を測定(及び較正)するために使用される。これらのセンサは、手動調整を必要とせずに、チャックアクチュエータ及びランディングリングアクチュエータの自動制御を可能にする。
【0100】
図7は、サブフレーム600の平面図を示す。
【0101】
サブフレーム600は、剛体として機能し、プロセス力に内部対応する。サブフレーム600は、リング602などの、チャックの周りに延びる構造部であるが、多角形であってもよい。
【0102】
サブフレーム600は堅固であり、チャック500及びスタンプランディングリング502を保持する。ランディングリングアクチュエータ620aは、スタンプランディングリング502とサブフレーム600との間にあり、チャックアクチュエータ620bは、チャックとサブフレーム600との間にある。アクチュエータは、サブフレーム600に対してZ軸方向に(例えば、チャック上面に対して垂直に)チャック/スタンプランディングリングの3つの縁を独立的に並進させることができる。これらは、チャック面積全体及びスタンプランディングリング502に対する最大のギャップ制御を考慮する。
【0103】
チャックの熱中心を確実にするため固定も用いられ、サブフレーム600は同質の膨張の間、適所に留まる。固定は、チャックとサブフレーム600との間の連結を規定する。それらの固定は、2つの部品間の熱膨張差を可能にするのに十分な遊びを有するが、上述したキネマティックカップリングが形成されると、この遊びは、いかなる相対移動も可能にしない。
【0104】
図6に戻ると、サブフレーム600は、メインフレーム610に取り付けられている(この場合では載置している)。メインフレーム610は、基準フレーム630(外部世界)に摺動可能に支持される。メインアクチュエータ640は、基準フレーム630に対してメインフレーム630(並びにサブフレーム600及びチャックも)を操作するためにメインフレーム610と基準フレーム630との間にある。
【0105】
溝プレートホルダ612及び溝プレート102も、基準フレーム630に取り付けられる。
【0106】
メインフレーム610に対するサブフレーム600の取り付けは、3つの箇所においてばね緩衝される。2つのばね構成部662が図6に示されている。図示していないが、ばね構成部662は、外側の大径緩衝ばね及び内側の小径緩衝ばね(見えない)を含み得る。緩衝ばねは、押圧力を与える一方、アライメントエラーを補償する役割を果たす。それら緩衝ばねは、サブフレーム600と溝プレート102との間に固い結合をもたらす。
【0107】
上述したように、サブフレーム600は、(メインフレーム610に載置している側とは反対側の)その上面に3つの(円形の底面を有する上半分が球状の)接触緩衝部670を有する。接触緩衝部は、円形の底面を有する球状である。これら接触緩衝部は、インプリント機がインプリント段階にある場合にサブフレーム600を(キネマティックカップリングの位置で)溝プレートホルダに押し付けるためのものである。
【0108】
緩衝部670は、ウェハ又はスタンプをロードする場合、メインアクチュエータ640を使用してメインフレーム610を操作することによって溝プレートからサブフレーム600を下降させる際に分離される。押圧は、溝プレートホルダ及びサブフレーム600が効果的に1つの堅固な部品になるほど非常に堅固である。サブフレーム600とメインフレーム610との間のばね付勢式コネクタ662が、これらの接続によって、溝プレートとサブフレーム600との間の(あらゆる原因による)いかなるアライメントエラーも補償されることを確実にする。ばね構成部662は、サブフレーム600を溝プレートホルダに押し付ける。
【0109】
このようにして、ギャップ制御は、単一部品として機能する、溝プレートとサブフレーム600との全体にのみ、左右されるため、メインフレーム610及び基準フレーム630の不安定性とは無関係である。
【0110】
サブフレーム600と溝プレートホルダとの間のキネマティックカップリングは、平坦な表面を有する突出部ではなく、ボール及び溝に基づくものであってもよい。
【0111】
サブフレーム600は、領域666における3つのピン及び3つのスロットによってメインフレーム610に取り付けられる。
【0112】
スロットは、0°、120°及び240°の角度で配向される。ピン及びスロットは、数マイクロメートルの遊びを有する。しかしながら、この遊びは、緩衝部670が提供するキネマティックカップリングにおける高摩擦力のため、インプリントプロセス中にいかなる移動も引き起こさない。アライメントモータが生成することができる力は、キネマティックカップリングにおける摩擦よりもはるかに低い。
【0113】
上述したように、ばね構成部662のそれぞれは、自動機械的な過負荷保護のために、直径がより大きなばね662のそれぞれのばね内に直径がより小さい内側ばね664を有する。2つばね設計は任意選択的である。通常の処理中、メインアクチュエータ(ロングストロークドライバ)は高速で作動する。衝突の衝撃が溝プレートに深刻な損傷を与えかねない。衝突は、チャックに属さない物質がチャックにある場合に、又は、例えば、過度の厚さのウェハが使用されている場合に生じる可能性がある。
【0114】
ばね構成部は、サブフレーム600がサブフレーム600の各コーナにおいて直列した2つのばねによってキネマティックカップリングまで押圧されることを意味する。2つのばねは、種々の力特性を有する。最初に、弱い方のばねのみを使用してサブフレーム600を上昇させる。キネマティックマウントと接触した後、堅固な方のばねがサブフレーム600をキネマティックマウントに押し付ける。この2段階アプローチは、メインアクチュエータのスピンドル駆動モータを減速させるために必要な時間を提供する。
【0115】
上記で説明したように、チャックアクチュエータ620は、Z軸位置(すなわち、基板及びスタンプの平面に対して垂直である)を提供する。3つの場所におけるZ軸位置決めは、Z軸並進並びにX軸及びY軸周りの回転を制御することができるという点で、3つの自由度(「DOF」)を提供する。
【0116】
溝プレートは、平面内位置決め制御を有し、X軸及びY軸並進を提供し、Z軸周りの回転を提供することができる。したがって、キャリアの所望の剛性を維持する単純な構造で6DOF位置調整が可能となる。位置制御は、溝プレートとチャックとの間で分割される。
【0117】
上述したデザインでは、基準フレーム630及び/又はメイン(ロングストローク)アクチュエータの偏向は、インプリントギャップに対していかなる影響も有しない。特に、サブフレーム600は、接触緩衝部670によってメインアクチュエータから分離される。このようにして、力経路及び位置経路の分離が確立されている。
【0118】
上記の例は、溝プレートを移動させるためにサブフレーム600及びアクチュエータに対してチャックを移動させるように別個のチャックアクチュエータを利用する。代替として、チャックは、サブフレーム600の内側でヘキサポッドにより支持され得る。ヘキサポッドは、チャックの3つのチャックアクチュエータ620の代わりとなる。ヘキサポッドは6軸で移動することができる。(ウェハに対するスタンプの調整のための)X軸及びY軸並進並びにZ軸周りの回転についてのいわゆるオーバーレイアライメントは、溝プレートホルダ612又は図14における溝プレートホルダ888の内側で溝プレート102及び103を移動させることによって上記で示した設計において実施され、これはアライメントステーション(図14を参照)として機能する。ヘキサポッドの場合、これは、6DOFでチャックを移動させることによってもなされ得る。しかしながら、これは、十分に正確なオーバーレイアライメント、及び、チャック支持の十分なZ軸剛性を可能にする上でさらなる困難をもたらしかねない。ヘキサポッドはまた、剛性を低下させ、正確なアライメント性能を低くすることになるが、製造及び開発コストをより少なくすることができるようにモジュールを単純化することができる。その場合、溝のためのリニアアクチュエータ、エアベアリング、ショートストロークマニピュレータ又は可撓性ホースは必要とされない。
【0119】
サブフレーム600を取り付けるために用いられるピン及びスロット666の代替として、折り畳まれたシートの屈曲などの屈曲もまた、用いられ得る。
【0120】
図示の構成は、X軸及びY軸周りの回転のためのチャックの自動傾き調整を可能にする。いくつかの設計では、チャックに対するスタンプランディングリングの位置もまた、位置検知を用いて自動的に調整することができる。ウェッジ補償も可能である(すなわち、スタンプの平行度エラー)。
【0121】
本発明の第2の態様は、上述した寸法増大をこの場合もまた可能にする、チャックのデザインに関する。
【0122】
図8は、チャック500を示す。上の描写は、上部を示す斜視図を示し、下の描写は、内部構造を示すための部分切り欠き斜視図を示す。チャック500は、ウェハを受け入れる平坦な上面を有する。チャック500は、200mm径ウェハ又は300mm径ウェハを受け入れるように設計されている。ウェハの外周の近似位置に真空開口800が位置付けられている。これら真空開口は、ウェハをクランプするためのものである。真空開口800の半径方向外側に、インプリントステップ中に起こる場合があるレジスト過剰を捕捉する環状流出溝801が存在する。溢出溝801は、ウェハの上にあるウェットレジストによってチャックが汚染されることを防ぐ。レジストは、チャック500と接触しなければ、チャック500にくっつくことはない。
【0123】
上面はまた、開口802を有し、開口802は、リフトピンを通すことによりチャック500に対してウェハを昇降させることを可能にする。
【0124】
チャック500は、中空構造として形成される。これは、所要の剛性を提供するために大きな厚さを有しつつも、低い熱質量を有することを可能にする。チャック500は略円筒形である。外周に取り付け点810が形成され、これらはチャックアクチュエータ620と係合する。これら取り付け点のそれぞれにおいて、溝プレートに対する間隔を測定するセンサ812も存在する。
【0125】
上面と下面との間に中空格子構造が画定される。これら上面及び下面は、温度制御のための水路構成を含む。対称性を与えるとともに座屈を防ぐために、同じ温度制御が上面及び下面に行われる。例えば、構造及び水路レイアウトが同じである。
【0126】
水路構成は例えば、チャックの全領域をカバーする。上面の温度制御は、ウェハ、ひいてはウェハの上に設けられたレジスト層の加熱及び冷却のためのものである。
【0127】
上面と下面との間の中空領域内に、剛性及び剛さを提供するために格子構造814が存在する。したがって、所望の剛性を提供するために内部に格子構造を有するサンドイッチデザインが存在する。格子構造は例えば、立方格子(単体、センタリングされた本体、又はセンタリングされた面)又は六角形格子である。セルサイズ及びビームサイズは、所要の剛性を提供するように選択される。
【0128】
水路(例えば、水入口ポートのセット及び単一の水出口ポート)のための接続部並びに真空接続部はすべて、チャックの下面に配置される。
【0129】
チャック500は例えば、金属3D印刷用の粉末床溶融によって製造されるように設計される。チャックは、ステンレス鋼から作製される。3D印刷及び粉末除去後、仕上げはフライス加工マシンによって行われる。終了時点におけるラッププロセスにより、上面について5μmの所要の平坦度が実現される。
【0130】
図9は、内部構造をより詳細に示す。図9の上の部分は、それぞれがチャネル構成を囲む上面820及び下面830を示す断面である。面のそれぞれの厚さは例えば5mmであり、2mm水層の上及び下に1.5mm表皮を有する。
【0131】
チャックの総厚は例えば、40mm~100mm厚の範囲である。
【0132】
溢出チャネル801だけでなく2つの真空開口800が示されている。2つのアライメントピンスロット802も示されている。
【0133】
図9の下の部分は、(例えば、60~70度の)加熱水又は(例えば、20度の)冷却水が上面及び下面のチャネル構成に供給されるやり方を示すための別の断面図である。1つの水供給ダクト840が示されている。チャックの外周に例えば6つのそのような供給ダクトが存在する。
【0134】
供給ダクト840は、その底面が下面830内におけるチャネル構成に対して開いており、下面830と上面820との間に導管842も有し、導管842は上面820内におけるチャネル構成において終端している。
【0135】
上面820及び下面830は、そのそれぞれのチャネル構成を囲む。チャックの中央格子領域は、水供給部から密閉される。
【0136】
平坦度の損失をもたらし得る、チャックの周囲部品の変形を引き起こすのではなく、導管の変形によって、導管における軸方向応力を補償することができるように、導管842はベローズ構造を有する。しかしながら、導管のベローズは、チャックの構造の一体部品である。
【0137】
チャックは例えば、チャネル構成を通った後の水を回収する単一の水出口ダクトをチャックの中心に有する。
【0138】
図10は、チャック全体の断面図を示す。図10は、中心の水出口ダクト844がまた図9に示されたのと同じベローズデザインを持つことを示す。
【0139】
図11は、チャネル構成を画定する上側面又は下側面内のリッジ850のセットを示す。したがって、図11は、上チャネル構成又は下チャネル構成の開口した領域を示す。上の描写は、平面図であり、下の描写は、リッジ及び突出部の3次元特性を示す斜視図である。6つの流体入口ダクト840が周囲に離間しており、これらのうちの2つの箇所が図11に示され、単一の流体出口ダクト844が中心に示されている。リッジ850は、水が流体入口ダクトの箇所から流体出口ダクトへ、周方向経路区画及び半径方向経路区画を伴う蛇行した経路を辿る必要があることを意味する。リッジ850は、不連続環状経路のセットを形成しており、蛇行した経路を画定するように、1つの環状経路内のギャップは、隣り合う経路内のギャップに対してずれている。ダムとして機能するリッジに加え、環状経路の周りに支柱852が存在し、支柱852は、表皮を支持して平坦なままにする役割をし、追加的又は代替的に乱流を増加させてもよい。
【0140】
このデザインは、複数の水混合箇所によって生じる、チャックの全領域をカバーする均一な水温度分布をもたらす。
【0141】
水の供給及び除去のための接続部と真空接続部とはすべて、チャックの下面に(その下に)配置される。これにより、チャックの周りの可動スタンプランディングリングのために場所を空けたままとする。
【0142】
下面に熱センサが追加的に取り付けられてもよい。したがって、温度を測定するセンサが上面及び下面に存在してもよい。
【0143】
図12は、下面の下側を示し、周囲の水入口接続部860と、中心の水出口接続部862と、真空接続部VAC1及びVAC2と、キャビティ接続部CAV1~CAV6とを示す。
【0144】
これらキャビティ接続部は、チャック面の種々の箇所において開口をもたらし、負圧又は過圧を印加する圧力源と接続する。
【0145】
キャビティは、ウェハの両面に印刷することを可能にするために用いられる。第1の面が印刷された後、パターンは触られるべきではなく、特に、ひっくり返されたら平坦面の上に押圧されるべきではない。
【0146】
両面印刷を可能にするために、図13に示すようなインタフェースプレート870がチャックの上に設けられてもよい。インタフェースプレートは、チャックの上部に取り外し可能に位置決めすることができる金属又はアルミニウムプレートである。図13は、インタフェースプレートの一例を斜視図(上の図)及びチャック500の上における断面図(下の図)で示す。
【0147】
インタフェースプレート870は、印刷されるウェハ180が(第1の既に印刷された面を下に向けて)インタフェースプレート870の上に配置されるとウェハの印刷される領域(別個の製品を形成するようにさいの目にされる)が開口と位置合わせするように開口872のグリッドを有し、インタフェースプレート870のグリッド線874は、ウェハのパターニングされていない領域の上にある(その領域と位置合わせされる)。
【0148】
開口は、図13の断面図に見てとることができるように、プレート870を真っ直ぐ通ってもよく(例えば、872a)又はずれた形状を有してもよい(例えば、872b)。表面が接触されないように、印刷される基板層を受け入れるのに十分な深さが必要とされる。チャックに面するプレートの側への開口872の延長部は、プレートがチャックに取り付けられると開口がチャック内における圧力ライン873と揃うように配置される。
【0149】
チャック500を通って開口872に至る圧力ライン873を設けることによって、キャビティ(開口)内における圧力を印刷プロセスと同時に制御することができる。特に、スタンプの印刷隆起が存在する場合に正圧をもたらすことによって、中実チャック面を用いる代わりに、圧力ラインを介して逆圧を用いて、印刷プロセス時の印刷隆起の圧力に対してウェハを支持する。印刷隆起が矢印876の方向に前進する場合、開口872の第1の列C1~第4の列C4に順に支持圧力が印加される。したがって、例えば、図13のインタフェースプレートは、4つのキャビティ(開口)接続部を用いている。しかしながら、独立的に操作可能なキャビティのより多くの列が存在してもよく、図12は実際、独立的に操作される6つのキャビティ接続部CAV1~CAV6をチャックの下部に示す。キャビティ接続部は、圧力ライン873を介してチャック内における開口に至り、チャック内における開口は、開口872内に位置付けられる。正圧が印加されない場合、それらの開口(ウェハによってインタフェースプレートの上部側において閉じられる)に負圧を印加することができるか又は負圧が印加される。負圧供給は、クランプ作用により、ウェハをプレートに、また、プレートをチャックに付着させることを助ける。
【0150】
インタフェースプレート870は例えば、好ましくは化学エッチングによって形成された切り欠きのセットを有する1mm厚ステンレス鋼プレートである。インタフェースプレートをチャックの上に取り付けるために、インタフェースプレートは例えば、チャック500の受けピンを滑らせて通す、例えば3つの開口のセットを有する。インタフェースプレートはまた、開口872間の領域の真空溝878を有する。キャビティ間及びキャビティの周りの真空溝878は、ウェハをキャビティプレートにクランプする。
【0151】
代わりに、インタフェースプレートはチャックの一体部品であってもよいことに留意されたい。そのような場合、プレートはチャックから取り外し可能ではない。
【0152】
開口872は、上述したように、既にインプリントされた構造とウェハ支持体との接触を防ぐ。インタフェースプレートはまた、ウェハを任意の所望の位置で支持又はクランプすることを可能にする。開口は、チャックを介して過圧空気及び/又は真空につながる。インタフェースプレートの下部の開口及びチャネルが、チャックの供給部をキャビティに接続する。
【0153】
インタフェースプレート870は、低い熱質量及び高い熱伝導率を有し、そのため、印刷プロセスを可能な限りほとんど減速させない。プレートは好ましくはアルミニウムから作製されるが、ステンレス鋼などの他の材料も使用することができる。ステンレス鋼は、アルミニウムよりも低い熱伝導率(あまり好ましくない)を有するが、プレートが薄いため、そのような低い熱伝導率を用いることができる。当業者には、有用なプレートに至るために、当該材料の熱特性と幾何学的設計とのバランスをとる仕方が分かるであろう。
【0154】
キャビティプレートの所要の平坦度及び平行度は、およそ+/-5μmである。ステンレス鋼プレートに関して、この所要の平坦度及び平行度は、キャビティを形成するエッチングプロセスを用いることによって達成することができる。フライス加工では、不慮の変形を引き起こす可能性がある応力を材料に生じさせる。
【0155】
インタフェースプレート870は、さらなるデザインを実施するために多くの融通性を与える。チャック500はそれ自体、種々のデザインをインプリントするために変更できない。しかしながら、各スタンプデザインについて、別個のインタフェースプレート870をデザイン及び製造することができる。
【0156】
インタフェースプレート870とチャック500との間のピン及びスロット結合(例えば、2つ以上、好ましくは3つ以上のピン及びスロットの組み合わせ)を用いることは、熱膨張に起因する移動を防ぎ、さらに歪みを防ぎ得る又は低減させ得る。
【0157】
ここで、いくつかのデザインオプションを説明する。
【0158】
ステンレス鋼プレートが好ましい。ステンレス鋼プレートに関して、プレートは好ましくは、2mmよりも薄い。薄いプレートは、より厚いプレートに比して低い熱質量及び高い熱伝導率を有する。薄いプレートはまた、容易に曲がることができるように低い剛性を有する。プレートはそれ自体、真空力下でチャックの平坦化上面とアライメントする。薄いプレートはまた、チャックからキャビティプレートへの良好な熱遷移を示す。インプリントギャップにとって重要であり得る平坦度要件も満たされる。薄いプレートはまた、2mmなどの、チャックのショートストロークマニピュレータの範囲のため、好ましい。
【0159】
しかしながら、プレートはまた、薄すぎないものとする。薄すぎる場合、真空チャネルを十分深く作製することができず、その結果、過度に多くの流れ損失が生じ、不十分な程度の真空が生じる。その場合、ウェハをキャビティプレートに保持する力は小さすぎる。キャビティ及び溝は、化学エッチングプロセスによって作製することができる又は作製される。
【0160】
ステンレス鋼は、アルミニウムよりもはるかに低い熱伝導率を有する。それにもかかわらず、ステンレス鋼プレートは、およそ2秒の加熱時間及び2秒の冷却時間を下回る時間だけ付加することになるだろう。
【0161】
アルミニウムプレートは可能であるが、あまり好ましいオプションではない。アルミニウムインタフェースプレートに関して、アルミニウムは、ステンレス鋼よりも良好な熱伝導率及び低い熱質量を有する。したがって、アルミニウムは、より良好な製造可能性のためにより厚く作製され得る。応力のない鋳造アルミニウムは、10mm厚及びそれを上回る厚さからしか得られない。通常のアルミニウムシート材料は、原材料の圧延プロセスのため、過度に多くの内部応力を既に有している。
【0162】
より厚いプレートの場合、真空チャネルを十分深く作製することができ、その結果、十分な流れが生じ、ウェハを保持するのに十分な強さの真空が生じる。キャビティ及び溝はこの場合、化学エッチングプロセスによって作製することはできない。化学エッチングは、アルミニウムを用いては可能ではない。代替的なフライス加工は、応力を材料に生じさせる。これにより、不慮の変形が引き起こされる。張力のないアニーリングが用いられてもよい。
【0163】
より厚いアルミニウムプレートは、薄いステンレス鋼プレートよりも堅い。しかしながら、より厚いアルミニウムプレートはそれ自体、チャックの平坦化上部とアライメントしない。これにより、チャックとキャビティプレートとの間にギャップが生じ、したがって、真空が漏れる可能性があり、その結果、キャビティプレートをチャックに保持する真空がなくなる。さらに、かかるギャップは、プレートとチャックとの間での伝熱を低減させ、したがって、装置の使用の間、加熱速度及び冷却速度を減少させる。
【0164】
しかしながら、アルミニウムプレートの場合、チャックからキャビティプレートへの所望の熱遷移をもたらすこと、及び、インプリントギャップを制御するために重要である平坦度要件を満たすことは困難である。チャックのショートストロークマニピュレータに起因して、より厚いプレートも好ましくない。しかしながら、1つのみのZステージを有する印刷機では、より厚いプレートを使用することができる。
【0165】
上述したように、ショートストロークマニピュレータ(すなわち、チャックアクチュエータ620)は、本発明の設計の別の態様である。
【0166】
ショートストロークマニピュレータの同じ設計が、スタンプランディングリングのためだけでなくチャックのための堅固な支持及び駆動構成として用いられ得る。ショートストロークマニピュレータは、上記で説明したように溝プレートの位置決めと組み合わされると、6自由度(すなわち、3つの並進及び3つの回転)によりチャック及びスタンプランディングリングを位置決めするために用いられる。
【0167】
チャック、溝プレート及びスタンプランディングリングはそれぞれ、6DOFで支持されるとともに正確にアライメントされる必要がある。
【0168】
溝プレートは、3DOF(X軸並進、Y軸並進及びZ軸周りの回転)で移動することができ、他の3つ(Z軸並進並びにX軸及びY軸周りの回転)は固定される。
【0169】
チャック及びスタンプランディングリングは、3DOF(Z軸並進並びにX軸及びY軸周りの回転)で移動することができ、他の3つ(X軸並進及びY軸並進並びにZ軸周りの回転)は固定される。1つのショートストロークマニピュレータは、2DOF(Z軸並進及び固定X軸並進)を支持する。
【0170】
マニピュレータは、Z軸方向における、並びにX軸及びY軸周りの回転のための、チャック及びスタンプランディングリングの微調整として用いられる。以下でさらに説明するように、チャックアクチュエータはまた、力測定及び衝撃吸収のために使用される。
【0171】
したがって、スタンプとウェハとの間の6DOFのアライメント及び操作は、以下の2つの別個のアライメントシステムによって実現される:
(i)スタンプからウェハへのオーバーレイアライメント、X軸及びY軸に沿った並進並びにZ軸周りの回転が、溝プレートアライメント(すなわち、スタンプアライメント)によって実施される。
(ii)インプリントギャップの調整、Z軸に沿った並進並びにX軸及びY軸周りの回転が、3つのショートストロークマニピュレータ(チャックの支持を提供する)によって実施される。
【0172】
ウェハの(上述したような)両面インプリントに関して、インプリントギャップを制御することに加え、オーバーレイアライメントが不可欠である。オーバーレイアライメント仕様は、非常に高い位置精度を必要とする。摩擦及びヒステリシスのないオーバーレイアライメントが決定的に重要である。5mmまで又は15mmまでもの線形移動など、大きなアライメント範囲もまた、水平面内においてカバーされる必要がある。50Nの最大値など、ピエゾステッパドライブの許容力も制限される。
【0173】
インプリントギャップを制御することは、上述した2段チャック支持体によって達成される。オーバーレイアライメントに関して、スタンプに2つのマーカ及びウェハに2つのマーカが使用される。これら4つのマーカの座標を、溝プレートの上部におけるカメラシステムが測定する。このため、溝プレートは透明である。ウェハのマーカ及びスタンプのマーカはいずれも、カメラシステムの焦点内(すなわち、適正な高さ)にある必要がある。
【0174】
システムは4つのマーカの座標を比較し、3つのショートストロークアクチュエータについての所望の移動を算出するために変換行列が用いられる。より優れた精度に達するため、この制御ループを数回繰り返すことができる。
【0175】
上述したように、全6DOFを制御するための1つのオプションは、チャックのみを操作することである。上述したようにそのためにヘキサポッドが使用され得る。しかしながら、要件を満たすヘキサポッドは市販により入手可能ではない。上記で概説したやり方でアライメント機能を分割することが要件を満たすことを可能にする。
【0176】
本発明の一態様は、移動可能な溝プレートキャリア612を含むアライメントステージを利用する。溝プレートキャリアは、いかなる摩擦又はバックラッシュもなく、X軸方向及びY軸方向における並進並びにZ軸回転(Rz)によって位置決めすることができる。所望の5mm(又は15mmさえもの)線形移動の水平面内での大きなアライメント範囲が可能である。
【0177】
図14は、溝プレート102に関する(すなわち、第1のキャリアの一部として)駆動構成を示す。この駆動構成は、アライメントステージとして機能する。溝プレート102は、図6にも示すように、撓み部886を介して関連対のエアベアリング884にそれぞれが連結される3つのリニアアクチュエータ880によって駆動される溝プレートフレーム103を有する。これは好ましい構成であるが、結合は本質的に必要ではない。アクチュエータはまた、例えば、3回、互いに対して120度回転されるとともにエアベアリングに対して60度回転されるなど、種々の位置又は角度で配置することができる。これらアクチュエータは、チャックアクチュエータ及びスタンプランディングリングアクチュエータと区別するために「キャリアアクチュエータ」と呼ばれることがある。上記で説明した印刷圧力を提供するために可撓性空気管を介して溝プレートと空気バルブ端子882が連結する。
【0178】
溝プレートフレームは、いかなる摩擦又はバックラッシュもなく、X軸方向、Y軸方向及びZ軸回転(Rz)において位置決めすることができる。
【0179】
X軸方向及びY軸方向における並進並びにZ軸周りの回転は、3つのアクチュエータ880によって確立される。リニアアクチュエータについての所要の力は例えば、50Nを超えない。アクチュエータは、固定世界(すなわちベース888)に取り付けられ、3つの撓み部886を介して溝プレートフレーム103に接続される。3つの撓み部は、アクチュエータ移動に対して直交する横移動を可能にする。横シフトは、過度に制約された溝プレートフレーム103を防ぐ。
【0180】
アライメントステージの内側での溝プレートフレーム103のZ、Rx及びRy固定について3対の組のエアベアリング884が使用される。エアベアリングは、固定世界888に取り付けられる。3つのコーナのそれぞれにおいて、2つのエアベアリング884の組が溝プレートフレームをクランプする。(図6に見てとることができるが、図14に単一のユニットとして示されているように)1つのエアベアリングが溝プレートフレームの上にあるとともに1つのエアベアリングが下にある。溝プレートフレーム103は、上にあるエアベアリングと下にあるエアベアリングとの間でクランプされ、そのため、空気圧が(Z軸方向に)等しくされる。3つのコーナが固定水平フレームを設定し、その平面内における移動が各対のエアベアリングによって許容される。許容される移動は例えば、およそ10mmであり、主としてRz調整のために必要とされる。
【0181】
各対の1つのエアベアリングが、図6に見てとることができるように、ばね機構を用いて予め負荷され得る。この予負荷は、あらゆる状況下でエアギャップを一定に保つことを可能にする。エアギャップの高さは、Z方向における溝プレート支持体の剛性についての優勢因子である。
【0182】
変換行列によりフレーム103の変位座標が算出される。
【0183】
使用時、ウェハのマーカは、チャック支持体を操作することによって適正な焦点深度に位置決めされ、Z軸位置決めを提供する。この後、水平アライメントを実施することができる。
【0184】
6つのエアベアリングの代替は、Z軸、Rx及びRy固定のための(例えば3つ又は4つの)折り曲げられた板ばねのセットであることに留意されたい。エアベアリングと比べて不都合な点は、折り曲げられた板ばねが、溝プレートを移動させるためにリニアアクチュエータのさらなる力を必要とすることである。板ばね(例えば、折り曲げられた板ばね)は、X軸方向及びY軸方向における所要の移動、並びにZ軸周りの回転(Rz)と、溝プレートフレーム103の剛性とをもたらすのに十分に高く、長く、かつ厚くなければならず、その結果、(例えば、溝プレート)アクチュエータについてより大きな力要件が生じる。
【0185】
図15は、チャックアクチュエータとして使用するショートストロークアクチュエータ620のデザインをより詳細に示す。スタンプランディングリングのために同じアクチュエータが使用され得、同様に、機械損傷保護のためにセンサ(下記で説明する)が使用され得る。
【0186】
チャックアクチュエータは、アクチュエータ先端902を上下に駆動するピストンなどの駆動要素900を含む。アクチュエータ先端902の位置は、接続部903においてサブフレームに対して固定され、これは、下記で論じるように印刷時に現実世界(すなわち、基準フレーム630)に堅固に連結され、そのため、アクチュエータが動作する結果、駆動連結部の形態のアクチュエータ出力部904が上下に動く。引張ばね906がショートストロークアクチュエータを上に引く。引張ばねの上部がピン907と接続し、ピン907はまた、サブフレームに接続される。ばね圧縮は、ショートストロークマニピュレータのストロークと同じ距離にわたって様々である。
【0187】
引張ばね906は調整可能であり、遊びのない予め負荷されたマニピュレータを確実にする。調整は、ばねの一端(例えば、ピン907と反対側)の位置を調整するねじ管908によってなされる。引張ばね906のプレテンションは、許容されるスタンプリリース力を規定する。ばね力が高いほど、リリース力は高くなることができる。ばねのプレテンションは、下記で論じる統合型力センサ920にかかる制限された許容される負荷により、高すぎないものとすることができる。
【0188】
アクチュエータ900は、一端にアクチュエータ出力部904及び他端にチャックドライバ910を有するレバー構成部を含む。レバー構成部に沿ってピボット点912があり、これは、交差撓み(cross flexture)ピボットとして形成される。レバー構成部の固定部品914は、基準フレーム(例えば、サブフレーム600)と接続し、レバー構成部の主本体916は、ピボット箇所の周りで揺動する、ピボット点912の可動部品である。レバー比は、ピボット点912とチャックドライバ910との間の距離(d1)に対する、ピボット点912とアクチュエータ出力部904との間の距離(d2)の比として規定される。レバー比(d2:d1)は例えば、4:1である。
【0189】
例えばレバー比4:1を有するレバーは、チャックドライバ910において提供される支持が、アクチュエータ900がレバー構成部を有しないよりもZ軸方向において4倍を上回る精度及び16倍堅固であることを確実にする。したがって、レバーを使用することによって、インプリントギャップがより良好に制御される。
【0190】
力センサ920は、プロセス負荷を測定するためのものであり、レバーの内部に統合されている。これによりインプリントプロセスのより良好な監視が可能となる。力センサ920は、剛性ループの一部であり、力センサはアクチュエータと直列に配置される。
【0191】
レバーの主本体916は、例えば0.2mmの溝930によって分割される。アクチュエータの力によってレバーの内部に形成されるモーメントが、いかなるヒステリシスもなくセンサ920及びノッチ撓み部932を介して伝達される。この例におけるセンサは、d1:d3(例えば、30mm対67.71mm)の比に基づいた負荷の0.443倍の力を測定する。d3は、ノッチ撓み部から力センサにかけての回転アーム長である。
【0192】
接続部903、ピン907、及び固定部品914はすべて、サブフレーム600と接続する。しかしながら、溝プレートに押し付けられるサブフレームとの使用において、サブフレームは、(キネマティックカップリングを介して)基準フレームに堅固に連結された状態となる。したがって、サブフレーム600は、キネマティックカップリング670を介して部品612に押し付けられる。
【0193】
力センサ920は、スプリット930の上の座部に対して圧縮ばね942によって付勢される力センサ要素940を含む。
【0194】
座部は、センサのための過負荷保護を提供する。力センサ要素940は、予圧縮ばね942によって座部に押し付けられる。座部は、センサにかかる力が例えば250Nを超える場合のばねの付勢に対してのみ移動する。
【0195】
過剰な力が存在しない場合に力センサ要素が座部に押し付けられる限りは、過負荷保護は剛性ループに影響をいっさい及ぼさない。
【0196】
駆動要素900のアクチュエータ先端902は、基準フレームに対して固定されたストッパ950によって制限される。
【0197】
ストッパ950は、ばね952によって先端に押し付けられるリングを含む。リングは、センサにかかる力が例えば250Nを超える場合のばねの付勢に対して移動することができる。先端がストッパに対してばねにより圧縮されない限り、ばねは剛性ループに影響をいっさい及ぼさない。これは、アクチュエータのスピンドルが衝撃力によって損傷を受けることを防ぐ。
【0198】
力センサ及びアクチュエータはこのようにして衝撃による過負荷から保護され、例えば、力センサの負荷は、-30~+300Nの間に制限されるべきであり、さもなければ、センサ又はアクチュエータが損傷を受ける可能性がある。
【0199】
センサへの負の力は、スプリット溝設計によって防止される。レバーの内部のスプリット溝は、負の力の場合はより広くなり、そのため、センサはその接触点から上昇する。したがって、力はゼロである。しかしながら、正の力は、衝撃により300Nよりも高い可能性があり、したがって、上記で説明した力制限構成が用いられる。
【0200】
力センサはまた、膠着しているスタンプを検出することができ、機械損傷を防ぐのに使用することができる。
【0201】
スタンプ膠着は、検出されることが好ましい問題である。スタンプ膠着は、インプリントプロセス後のスタンプリリースシーケンスが機能しない場合に起こる。この状況は、スタンプが過度に多くの回数使用されている場合に起こる可能性がある。スタンプのゴムレリーフ部品はもはやウェハから取り外されない。
【0202】
インプリントプロセスの終了時において、スタンプの支持体(例えば、ガラスプレート又は金属プレート)は、真空によって溝プレートに対して保持され、ウェハは、真空によってチャックに対して保持される。溝プレート、スタンプ、ウェハ、及びチャックは、この時点において1つのモノリシック体として機能する。通常、インプリント及びスタンプリリースシーケンスの後、チャックを、この場合はチャックアクチュエータ及びメインアクチュエータによって下降させる。この時、チャックが上昇され、アクチュエータは接触を失う。
【0203】
そのような場合、アクチュエータ先端902とストッパ950との間のギャップは、例えば2mm~8mmの寸法を有することになり得る。チャックは、突然落下する場合、およそ0.5mm~2mmだけ下へ落ち得る。これにより、アクチュエータに対しておよそ5000Nの衝突力を有する衝撃が生じる。この衝撃の結果、力センサが故障するとともにアクチュエータのスピンドルが損傷を受けることになる。
【0204】
チャックを上昇させることは、溝プレートを過度に大きな負荷から保護することを必要とする。メインアクチュエータ640は、溝プレートにかかる、スタンプによる過度の多くの引っ張り力を、容易に生じさせる可能性がある。したがって、膠着スタンプを検出することによって、メインアクチュエータを停止させることができる。したがって、溝プレートが損傷から保護される。
【0205】
図16は、レバーとチャックとの間に取り付けられたチャックドライバ910を端面図として示す。チャックドライバ910は、(例えば、Z軸に対して垂直な)その幅の真ん中に交差撓み部960を有する。これにより、チャックドライバの幅方向における何らかの回転運動、例えば、図示の例についてY軸方向の周りでの回転が可能となる。
【0206】
この動きの目的は、チャックの傾きが調整された後でチャックドライバ910が適正な位置をとることを可能にすることである。
【0207】
チャックドライバ910は、短縮補償板ばねを含む。
【0208】
レバーがピボット912を中心に回転すると、チャックの中心から見てとれるようにレバーの右側(短い方の側)が短くなる。この短縮は、レバーの寄生動作である。チャックの平面に投影される長さは、長さがL(l-cos(φ))となるように短くされ、ここで、φはレバーの回転角度である。このため、レバー構成部は、X軸方向及びY軸方向におけるチャックの位置がZ軸方向位置の調整に応じて変化しないように補償される。
【0209】
このデザインは、3つのチャックアクチュエータがレバーの完全なストロークにわたって個々に動くことを可能にする。これは、各アクチュエータの出力ゼロ化を可能にし、チャックを過拘束することを防ぐ。
【0210】
(ウェハに対して平行な)X軸方向及びY軸方向においてチャックにかかる力は、3つのレバーの交差撓み部912とチャックドライバ910の交差撓み部960とを介して経路付けられる。各レバーはそれにより、2つの自由度、Z軸及びX軸に沿った並進を提供する。
【0211】
ショートストロークマニピュレータ設計は、チャックの移動のためのチャックアクチュエータとして、また、スタンプランディングリングの移動のためのランディングリングアクチュエータとして用いられる。したがって、一方がチャックアクチュエータを構成し、他方がランディングリングアクチュエータを構成する、2つのショートストロークマニピュレータを、三角形サブフレーム600の各コーナに配置することができる。これは、モジュラー設計を提供する。
【0212】
このデザインでは、引張ばね906は、センサ先端をレバーに引っ張るだけでなくアクチュエータ先端をストッパに引っ張ることに留意されたい。しかしながら、2つの別個のばねが使用され得る。これは、センサにかかる負荷が、引張ばねのプレテンションを調整することによって及び/又はレバーの異なる位置によって影響を受けない(又はあまり影響を受けない)ことを意味する。
【0213】
上述したように、本発明の別の態様は、スタンプランディングリングの位置を制御する能力である。スタンプランディングリングに関するいくつかのさらなる改良点を以下で論じる。
【0214】
上記で説明したように、インプリントプロセスを開始する前、基板(ウェハ)は、スタンプに対して極めて近くに、例えば25μm~300μmに持ち込まれ、プロセスギャップをもたらす。溝プレートの溝が連続して加圧され、スタンプが溝プレートから基板に向かって隆起して、基板と接触するまでプロセスギャップ及び基板によって支持される。接触中に基板のレジスト層が固化し、そのような固化後に再び溝に真空を供給することによってスタンプが取り外される。したがって、基板に対するスタンプ適用のプロセスは、スタンプのうち、溝プレートに保持される領域と、基板の方へ押される領域との間の圧力差を用いる。そのような差は、スタンプの縁において生じる。差は、圧力漏れの原因であり、結果として、スタンプ適用及び/又は取り外しが制御されなくなることがある。一般に、溝プレートと基板(又はチャック)との間のプロセスギャップが大きいほど、漏れが大きくなるとともに、それに伴いスタンプ下の圧力損失が大きくなる。したがって、プロセスギャップは、スタンプの全領域にわたって正確に制御される必要がある。
【0215】
種々のスタンプは、縁における一方から他方にかけて異なる。支持体(溝プレート)のうち、縁においてスタンプ材料によって覆われない領域が存在する。したがって、この領域は、支持されるウェハとスタンプだけが接触しているため、スタンプ操作中に支持されない。この支持がないことは、これらの領域における設定されたプロセスギャップを超えてスタンプが隆起することを可能にし、これがさらなる漏れを引き起こしかねない。
【0216】
上述したスタンプランディングリングは、この縁領域においてスタンプ支持を与えるようにチャックを囲み、そのため、隆起するフレキシブルスタンプ領域全体が、設定されたプロセスギャップを超えて隆起することを防ぐことができる。しかしながら、スタンプと基板(ウェハ)との種々の組み合わせは、スタンプの外側の異なる領域及びスタンプの異なる厚さを伴う、能動的に制御される種々の厚さ及びギャップを必要とする。
【0217】
スタンプランディングリングは、さらなる縁支持構造であり、この縁支持構造は、複合スタンプのその部品を支持することによって、縁におけるスタンプが、設定されたプロセスギャップを超えて隆起することを防ぐ。
【0218】
図17は、スタンプランディングリングを用いたプロセスを示す。
【0219】
上の描写は、ウェハリフトピン1000を支持することによってチャック500よりも上に高くされた基板180と、スタンプ106が取り付けられている溝プレート102から離間したチャックとを示す。チャック500は、チャックアクチュエータ620aによって、サブフレーム600など、チャックアセンブリに対して駆動される。
【0220】
スタンプランディングリング502は、ランディングリングアクチュエータ620bによってサブフレーム600に対して駆動される。
【0221】
上における構成は、基板180及びスタンプ106がロード及びアンロードされることを可能にする。
【0222】
下にインプリント位置が示されている。
【0223】
基板180とスタンプ106との間のプロセスギャップは、スタンプ材料が存在する領域の外側の、スタンプランディングリング502と溝プレート(又はより詳細にはスタンプのガラス支持プレート)との間のプロセスギャップと同じである。
【0224】
別個のチャックアクチュエータ及びランディングリングアクチュエータの使用は、基板(ウェハ)の厚さとスタンプの厚さとの種々の組み合わせが許容されることを可能にする。
【0225】
さらに、以下で論じるさらなる改良点が、スタンプサイズ(平面視)とウェハサイズ(平面視)との様々な組み合わせ、例えば、200mm又は300mm基板と200mm又は300mmのスタンプとの組み合わせに関して種々のインプリント構成を可能にする。
【0226】
図18は、チャック500に支持された基板180を示す。スタンプランディングリング502が、実際のスタンピング領域の外側の領域を支持する。図18は、スタンプランディングリングの上のスタンプランディングリングアダプタ1002を示す。アダプタ設計は、スタンプランディングリングと同じ形状及びサイズを有し、したがって、厚さの適合をもたらす。例えば、図18は、300mmPDMSスタンプ106とともに300mmウェハ180を示す。プロセスギャップは、ウェハとスタンプとアダプタ1002とスタンプの薄いガラス支持体との間の距離によって画定される。
【0227】
しかしながら、スタンプランディングリングアダプタはまた、基板のサイズに依存したスタンプランディングリングを採用し得る。
【0228】
図19は、スタンプランディングリング502が、第1のサイズ(例えば、300mm)の基板の周りに嵌まるためのものであり、スタンプランディングリングアダプタ1002が、より小さい第2のサイズ(例えば、200mm)の基板180の周りに嵌まるようにスタンプランディングリング502のサイズを拡張するためのものである例を示す。
【0229】
図19において、スタンプランディングリング502は、第1のサイズ(例えば、300mm)のフレキシブルスタンプ106の周りに嵌まるためのものであり、スタンプランディングリングアダプタはまた、より小さい第2のサイズ(例えば、200mm)のフレキシブルスタンプ180の周りに嵌まるようにスタンプランディングリングのサイズを拡張するためのものである。
【0230】
したがって、図19は、200mmPDMSスタンプとともに200mm基板(ウェハ)を示す。プロセスギャップは、ウェハとスタンプとアダプタと薄いガラスとの間の距離によって画定される。アダプタは、ウェハ領域の外側でPDMSスタンプを支持するために、300mmチャックの上方に300mmチャックを超えて延びる。リングは、比較的薄いため、スタンプ下の圧力により下に曲がることができる。これは、スタンプランディングリングをチャックに対して上に移動させることによって補償することができる。
【0231】
図20は、チャック500が第1のサイズ(例えば、300mm)のフレキシブルスタンプ106の周りに嵌まるためのものであり、チャックの上でより小さい第2のサイズの基板180の周りに嵌まる第2のスタンプランディングリング1004が存在する例を示す。
【0232】
図20は、300mmPDMSスタンプが比較的薄いウェハ(例えば、200~300μm)に使用されることになることを示す。オーバーハンギングスタンプランディングリングは、スタンプによってかけられる圧力を補償するのに十分に高い曲げ剛性を有しない可能性がある。そのようなスタンプランディングリングについての最大厚さは、ウェハの厚さである。
【0233】
スタンプは、フリーハンギング部品を過度に下に曲げ、そのため、スタンプはウェハ上にうまく移行せず、ウェハ縁において又はその周りにインプリント欠陥、及びオーバーレイアライメントを低下させるスタンプ/パターン変形を引き起こす。
【0234】
基板(ウェハ)と同じ厚さを有する、図示のような第2の静止スタンプランディングリングをウェハの周りに有することによって、可動スタンプランディングリング502を用いて、チャックによるスタンプ厚さ及びウェッジの変化を補償することができ、スタンプ全体が依然として領域全体の上に適正に懸架される。静止リング1004は、ウェハ厚さが通常、問題とならない、+/-10μm又はさらには+/-25μm内であるため、変更される必要がなく、スタンプは、静止リング1004からウェハにスムーズに遷移することができる。
【0235】
図21は、300mmスタンプを使用して比較的厚い200mmウェハ(例えば、0.5~2mm)をインプリントするのに適した例を示し、したがって、スタンプもまたそれに応じて厚いものである必要がある。スタンプランディングリングアダプタ1002は、オーバーハンギング部品にかかるスタンプからの圧力を減殺するのに十分な剛性を有することができる。依然として、スタンプのうちゴムの外側の領域は、スタンプがプロセスギャップよりもさらに隆起しないように支持される必要がある。これは、2つの厚さを有するスタンプランディングリングを使用することによって達成することができる。第2のアダプタ1006によって提供されるさらなる外側厚さがスタンプ厚さを補償する。
【0236】
ランディングリングアクチュエータによって提供される調整可能な駆動は、スタンプと基板との種々の組み合わせを考慮するためにスタンプランディングリングを交換する必要性を減らす。これは、多種多様なウェハ厚さ及びスタンプ厚さ並びにウェッジ角度に対する(オンザフライ)調整を可能にし、各場合について最適化されたインプリントプロセスをもたらす。
【0237】
最適化されたプロセスギャップは、圧力損失の減少と、パターン歪みが低減しオーバーレイアライメントが改善したインプリント品質の再現性の向上とをもたらす。
【0238】
例えばスタンプ及びウェハの厚さは、プロセスギャップがおよそ10μm範囲内に規定されることが望まれるため、既知の厚さをこの範囲内に有する必要がある。同じツール及びスタンプハードウェア及びサイズを用いて、ウェハサイズとスタンプサイズとの多様な組み合わせを扱うことができる。
【0239】
チャックアクチュエータ及びランディングリングアクチュエータは、プロセスの別個の段階(例えば、アライメント、インプリント、リリース)時にスタンプと基板との間のギャップに対する動的変更を可能にする。
【0240】
印刷プロセスは、溝プレートへのスタンプのロードを必要とする。既存の機械では、溝プレートを担持する上部カバーを枢動させて開くことによってスタンプをロードする。カバーが、溝プレートがひっくり返されて存在するように手動で180°回転され得る。次いで、スタンプを、ガラスプレート側を溝プレート上にして配置することができる。溝は、この時点で小さな過圧を有し、これによりスタンプのためのエアベアリングが形成される。したがって、スタンプは、手動で容易に移動及びアライメントされ得る。
【0241】
次いで、溝を真空に切り替えることによって位置が固定される。この後、カバーを再び閉じ、インプリントプロセスを開始することができる。パワーダウン又は真空損失の場合、スタンプはチャックの上に落下する。スタンプを取り外すために、上部カバーは、同じやり方で、容易に手動で開かれ得る。
【0242】
オーバーレイアライメント及びウェハのサイズ増加のための溝プレートアライメントステージを有する、上記で説明した設計は、過度に大きく、過度に重く、過度に脆弱であるため、枢動可能なカバーを有することは望ましくないことを意味する。
【0243】
したがって、別の設計態様は、溝プレートの下からスタンプロードを行う、半自動スタンプロード機能に関する。以下で説明する設計アプローチはまた、スタンプに対する保持が失われる場合、(パワー損失又は真空損失によって)機械が開かれる必要がないことを意味する。統合されたスタンプ落下保護部が、スタンプが落下することを防ぎ、スタンプは、通常のアンロードシーケンスによりアンロードすることができる。
【0244】
図22は、半自動スタンプロードを用いるデザインを示す。
【0245】
図22は、スタンプ104の上方の溝プレート102を示す。スタンプ104は、フレーム、特に摺動伸縮式ドロワ1102に位置決めされた、スタンプキャリア1100に取り付けられている。スタンプキャリア1100及びドロワはともに、スタンプローダ(stamp loader)を含むものとみなされる。スタンプキャリア1100は、ゴムスタンプ材料(PDMS)との接触を回避するために中心開口を有するフレームを含む。したがって、スタンプキャリア1100は、スタンプのガラス基板を支持し、スタンプは、スタンプの外側リムが真空によって保持されるため、移動又は沈下しない。伸縮式ドロワ1102は、スタンプキャリア1100を、ロード位置(モジュールの外側)からパーク(park)位置に、次いで移動位置に水平方向に移動させる。
【0246】
上記で説明した、モジュールのロングストロークドライバ640が、スタンプキャリア1100の垂直昇降に用いられる。
【0247】
スタンプ104は、チャック500及びスタンプランディングリング502の上方に示されている。スタンプランディングリングは、スタンプランディングアクチュエータ620aによって位置決めされ、チャックは、チャックアクチュエータ620bによって位置決めされる。
【0248】
このスタンプロード機構は、上部カバーを開くことなく、自動的に下からスタンプ104をロード及びアンロードする。溝プレート102は、下向きの溝により位置決めされる。溝プレート102のフレームの内部にスタンプ落下保護部1104も統合されている。
【0249】
スタンプ104は、真空チャネル1101によりスタンプキャリア1100の外側リムに真空によって保持される。スタンプキャリア1100は例えば、2つの別個の真空チャネルを有する。一方のチャネルは、キャリアが伸縮式ドロワ1102に配置される場合に用いられ、他方のチャネルは、スタンプキャリアがスタンプランディングリング502に配置される場合に用いられる。スタンプの存在は、真空圧力を測定することによって検出される。
【0250】
ここで、スタンプロードシーケンスを説明する。
(i) 操作者がモジュールのドアを開く。
(ii) 操作者が伸縮式ドロワ1102をモジュールの外側のロード位置に引き出す。
(iii) スタンプキャリア1100をドロワ機構に配置する。
(iv) 操作者がスタンプキャリア1100の上にスタンプを手動で配置する。
こうして、ステップ(i)~(iv)は、スタンプがインプリント位置の外側に位置している場合にスタンプをドロワ(スタンプローダ)のスタンプキャリアにロードすることを含む。
(v) ドロワ1102により提供される、真空チャネル1101の第1の真空チャネルが、スタンプを所定位置に保つ。したがって、スタンプキャリアの吸引チャネルは、スタンプをスタンプキャリアに保持するのに用いられる。
(vi) 操作者は、ドロワを手動でパーク位置に押し、機械ドアを閉じる。
(vii) 空気圧シリンダ又は他のアクチュエータが、ドロワを転写位置に引き寄せる。転写位置は、図22に示すように、スタンプランディングリング502及びチャック500の上方にあり、溝プレート102の下方にある。したがって、これは、第1のキャリアと第2のキャリアとの間のスペースにスタンプローダ(ドロワ及びスタンプキャリア)を移動させることを含む。
(viii) チャック500及びスタンプランディングリング502を支持するロングストロークドライバ640を、スタンプランディングリング502がスタンプキャリア1100に触れるまで上昇させる。スタンプキャリア1100の3つの支持ピンが、スタンプランディングリングの3つの穴又はスロットにセンタリングされる(これらは図22に見てとることができる)。これは、第2のキャリアを第1のキャリアの方へ移動させることにより、スタンプキャリア及び保持されたスタンプを第1のキャリアの方へ移動させることを含む。
(ix) スタンプランディングリングにより提供される、真空チャネル1101の第2の真空チャネルが、スタンプのクランプを引き受け、第1の真空チャネルが、オフに切り替ることができる。
(x) ロングストロークドライバ640が、ドロワ機構のほんの数mm上にスタンプキャリア1100を上昇させる。それによりスタンプキャリア1100が伸縮式ドロワ1102からスタンプランディングリング502に移動する。
(xi) ドロワ機構は、空気圧シリンダ又は他のアクチュエータによって転写位置からパーク位置に戻ることにより、ロングストロークドライバ640との衝突を防ぐ。
(xii) ロングストロークドライバ640は、溝プレート102の真下にスタンプキャリアを上昇させる。この時点でスタンプ落下保護部1104はアクティブである(開いている)。こうして、保持されたスタンプを第1のキャリア(溝プレート)に移動させる。
(xiii) 溝プレート102の溝を、スタンプ104が溝プレート102によって保持されるように真空に切り替える。こうして、溝プレート(第1のキャリア)への、保持されたスタンプの移動がある。
(xiv) スタンプキャリアの第2の真空チャネルをオフに切り替える。
(xv) 次いで、ロングストロークドライバ640がスタンプキャリア1100を転写高さに下降させる。これにより第2のキャリア(チャック)を第1のキャリア(溝プレート)から離す。
(xvi) 次いで、スタンプ落下保護部1104が機能化状態に保たれるか又は不機能状態にされる(閉じられる)。スタンプ落下保護部1104は、その時点で下降されているスタンプキャリア1100の妨げにならないため、機能化状態に保たれることができる。
(xvii) ドロワ1102を、空気圧シリンダ又は他のアクチュエータによって移動させて、スタンプキャリア1100の下、すなわち転写位置に戻す。
(xviii) ロングストロークドライバ640を、キャリア1100がドロワによって支持されるまで下降させる。数mmのクリアランスが必要である。
(xix) ドロワを空気圧シリンダによってそのパーク位置に後退させる。したがって、スタンプローダを移動させて、パーキング位置であり得るインプリント位置の外側の位置に戻す。
【0251】
次いで、ロードされたスタンプは、使用される準備が整う。スタンプは逆手順によりアンロードされる。
【0252】
統合されたスタンプ落下保護部は、スタンプがチャックへ制御不能に落下することを防ぐ。
【0253】
典型的に、3つ又は4つのクランプがスタンプのコーナ又は外側リムにおいてスタンプを支持する。スタンプ落下保護部は例えば、パワー、真空又は空気圧力の損失時に、スタンプをクランプ状態に保つためにばね力付勢機構を含む。上記で概説したように、スタンプ落下保護部は、スタンプをロード及びアンロードするために開かれる必要がある。閉(クランプ)位置において、スタンプ落下保護部はスタンプキャリアの妨げになる。
【0254】
通常の製造サイクル中(すなわち、スタンプロードしない)、スタンプ落下保護部は閉じたまま(すなわちクランプしたまま)である。スタンプ落下保護部は、通常のサイクル中にスタンプランディングデバイスの妨げにならないように設計される。スタンプランディングリングの内部又は周りの開口は、クランプのあらゆる動き(線形及び回転)を可能にするために用いられ得る。
【0255】
スタンプが(事故などにより)溝プレートに固定されず、スタンプ落下保護部によってしかクランプされない場合、スタンプは、スタンプキャリアによる通常のスタンプアンロードシーケンスを実行することによって取り外すことができる。操作者による手動介入(これまでにおけるようなモジュールを開けること)は必要とされない。
【0256】
スタンプロードプロセスは、スタンプが手動でドロワにロードされるという点で、半自動として説明される。しかしながら、ドロワ設計は、今後、スタンプロード及びアンロードの全自動に対するステップとして用いられ得る。現状では、操作者は、スタンプを手動でキャリアに配置し、伸縮式ドロワがキャリアを移動させて出し入れする。今後、これはクラスタツールのロボットによってなされる可能性がある。これは、現在はウェハをロード及びアンロードするのに使用されるロボット又は追加のロボットである可能性がある。ロボットのエンドエフェクタは、スタンプキャリアを扱うようになっているとともにスタンプを保持するために真空を提供するようになっている必要がある。ロボットはその場合、ドロワの役割を引き受けることができる。クラスタツールの内部には、新しいスタンプがロードされたスタンプキャリアと空のスタンプキャリアとを収容するスタッキングシステムを設置することができる。
【0257】
上記で説明した様々な設計態様がある。それらは単独で又は組み合わせて用いられる。特に、これら設計態様は以下の通りである。
別個のロングストロークドライバ及びショートストロークドライバによる、2つのステージへのチャックのZ軸移動の駆動。これは、非常に堅固な支持が形成されることを可能にする。
チャックアクチュエータ及び/又はスタンプランディングリングアクチュエータについてのレバー構成部の使用。レバー構成部は、アクチュエータ出力部を用いての位置の直接制御に比べて、位置決め精度の向上及び剛性の増加を可能にする。
上面及び下面を有する中空円筒本体と、上面と下面との間に格子構成とを含むチャック。チャックは、均一なインプリントギャップを維持する所要の剛性を維持しつつ、減少した熱質量を有する。
スタンプランディングリングの一部をZ軸方向に並進させるためのランディングリングアクチュエータの使用。チャックの移動に加え、スタンプランディングリングの移動は、装置が種々のスタンプ厚さを考慮することを可能にする。
両面印刷を可能にするために加圧キャビティを有するチャックの上に取り付けるインタフェースプレート。
セミ自動(又は全くの全自動)スタンプロードを可能にするためのスタンプ支持システム。
スタンプキャリアと溝プレートキャリアとの間に十分な剛性を可能にしつつ、全6DOF制御を可能にするための、これら2つの間での位置制御の分割。
【0258】
上記の例では、第1のキャリアは、フレキシブルスタンプを第1のキャリアへ引き寄せることに用いるとともにフレキシブルスタンプを第1のキャリアから押しのけることに用いるアパーチャのアレイを含む。アパーチャと組み合わせた圧力源が、アクチュエータ機能を提供する。しかしながら、他のアクチュエータが使用されてもよく、例えば、電磁アクチュエータ又は他のアクチュエータが、押し引き機能を提供するのに使用されてもよい。
【0259】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、例示するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの代替的な実施形態を設計することができることに留意されたい。請求項において、括弧の間に付された参照符号はいずれも、請求項を限定するものと解釈してはならない。「含む、有する」という語は、請求項に列挙されている要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。単数形の要素は、そのような要素の複数の存在を除外するものではない。本発明は、いくつかの別個の要素を含むハードウェアによって実施することができる。いくつかの手段を列挙する装置請求項では、これらの手段のいくつかは、ハードウェアの全く同一のアイテムによって具現化することができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に用いることができないことを示すものではない。
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【国際調査報告】