(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】生成物を製造するための生産設備及び方法
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20240719BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
C12M1/00 Z
F24F7/06 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503701
(86)(22)【出願日】2022-07-18
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2022070073
(87)【国際公開番号】W WO2023001767
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】102021207747.1
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524024926
【氏名又は名称】キョービー テック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】マーリオ ボット
(72)【発明者】
【氏名】レーナ シェーバー
(72)【発明者】
【氏名】ダービト ベラー
【テーマコード(参考)】
3L058
4B029
【Fターム(参考)】
3L058BF05
4B029AA01
4B029AA27
4B029BB11
(57)【要約】
本出願は、特に生物学的製剤生成物(20)を製造するための生産設備(10)、及び/又は、生成物(20)、特に生物学的製剤生成物(20)を製造するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産設備(10)、特に以下のもの、すなわち、クリーンルーム領域(100)と、前記生産設備(10)の周囲から前記クリーンルーム領域(100)内へ物体を供給し且つ/又は前記クリーンルーム領域(100)から物体を取り出すためのロック装置(200)と、前記クリーンルーム領域(100)の内部で前記物体を動かすためのハンドリング装置(300)と、複数の物体を収容するための複数の貯蔵場所(402)を含む、前記クリーンルーム領域(100)内部に配置された貯蔵装置(400)と、を含む生産設備(10)によって、生成物、特に生物学的製剤生成物(20)を製造するための方法であって、前記方法が次のこと、すなわち、
- 前記生産設備(10)によって製造可能な複数の生成物(20)を製造するための複数の生産プログラムのうちの1つを選択し、
- 前記生産設備(10)のロック装置(200)内へ抽出物(40)を導入し、
- 前記抽出物(40)を前記生産設備(10)のクリーンルーム領域(100)内へ自動的に輸送し、前記抽出物(40)は、前記生産設備(10)の貯蔵装置(400)の、前記クリーンルーム領域(100)の内部に位置する貯蔵場所(402)内へ収納され、
- 前記抽出物(40)において1つ又は複数の処理過程を自動的に実施する、
ことを含む、生成物を製造する方法。
【請求項2】
前記抽出物(40)から製造されるべき生成物(20)が完成されるまで、1つ又は複数の処理過程を全自動的に実施することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つ又は複数の、特にすべての処理過程が前記貯蔵場所(402)で実施されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
こうして製造された生成物(20)を前記貯蔵場所(402)から抜き出し、そして前記生成物を前記生産設備(10)から引き出すために、自動的に前記ロック装置(200)へ輸送することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記生成物の引き出しの前に前記生成物(20)を充填且つ/又は梱包し、特に使用準備が整った状態に充填且つ/又は梱包することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記生成物(20)を製造するために利用された1つ又は複数の容器、収容体及び/又は工具(702)が、前記生成物(20)の完成後に前記クリーンルーム領域(100)内部に少なくとも部分的に留まり、清浄化され、滅菌され、そして続いてさらなる生成物(20)の製造のために再使用されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記生成物(20)を製造するために、且つ/又は複数の異なる生成物(20)を製造するために必要な消耗材料(704)、特に消耗品(704)及び/又は工具消耗材(704)が、特に製造されるべき生成物(20)の選択が行われる前に、前記クリーンルーム領域(100)内部に貯えられることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記消耗材料(704)が前記ロック装置(200)を介して前記クリーンルーム領域内へ自動的に輸送され、そして前記クリーンルーム領域内で、特に前記貯蔵装置(400)の1つ又は複数の貯蔵場所(402)内へ収納されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記クリーンルーム領域内部に貯えられた前記消耗材料(704)の量が監視され、そして規定の最小量を下回ると、特にオペレータユニットの示唆又は警告メッセージを介して、前記所要の消耗材料(704)を供給することによって、前記在庫量が増大させられることを特徴とする、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
同時に複数の生成物(20)が、特に複数の異なる生成物(20)が、前記クリーンルーム領域(100)内部で製造されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成物を製造するための生産設備及び方法に関する。特に、本発明は、生物学的製剤生成物を製造するための生産設備、及び生物学的製剤生成物を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特にパーソナライズド治療薬の分野におけるコンベンショナルな生産システムは、手作業による介入の比率が高い。これは、なるほど高いパーソナライズ・レベルで、もしくは高度にパーソナライズされた形でこのような治療薬を製造することを可能にはするものの、このような個別生産及び/又は最小規模の生産には高いコストが付随し、そして品質の大きなばらつき、ひいては大量の生産廃棄物及び/又は不良部分が記録されることになる。さらに、個別バッチサイズ及び/又は最小バッチサイズの大規模な適用及び/又は工業生産の可能性はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の根底を成す課題は、前述の問題を解決し、特に製剤分野における生成物の個別バッチサイズ及び/又は最小バッチサイズを、効率的且つ特に不変のままの品質で製造可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このような課題は、本発明によれば、請求項1の特徴によって解決される。本発明の有利なさらなる構成は従属請求項に記載されている。
【発明の効果】
【0005】
特に生物学的製剤生成物を製造するための本発明による生産設備は、有利には、
- 特に好適なクリーンルーム領域と、
- 前記生産設備の周囲から特に好適なクリーンルーム領域内へ物体を供給し且つ/又はクリーンルーム領域から物体を取り出すためのロック装置と、
- クリーンルーム領域の内部で物体を動かすためのハンドリング装置と、
- 複数の物体を収容するための複数の貯蔵場所を含む、クリーンルーム領域内部に配置された貯蔵装置と、
を含む。
【0006】
物体、特にクリーンルーム領域内へ供給するための、生産設備の周囲からの物体、及び/又はクリーンルーム領域から取り出すための物体は、以下のもの、すなわち
- 抽出物、特に細胞含有材料、例えば細胞含有出発材料、及び/又は生物学的製剤材料及び/又は生物学的製剤ワークピース、
- 中間生成物、特に細胞含有中間生成物、及び/又は生物学的製剤中間生成物、
- 工具もしくは工具ユニット、特に抽出物接触式及び/又は生成物接触式工具、もしくは抽出物接触式及び/又は生成物接触式工具ユニット、及び/又は特に抽出物非接触式及び/又は生成物非接触式工具、もしくは抽出物非接触式及び/又は生成物非接触式工具ユニット、
- 1種又は2種以上の消耗材料、
- 例えば製造されるべき生成物、特に生物学的製剤生成物、例えば製造されるべき生物学的製剤生成物、
のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0007】
前述の列挙は例示的であり、網羅的ではないことを理解するべきである。
【0008】
この代わりに又はこれに加えて、物体は前述の列挙エレメントのうちの1つ又は2つ以上、及び/又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0009】
抽出物は、細胞及び/又は細胞とは異なる生物学的材料を有することができる。
【0010】
抽出物は少なくとも部分的に液状であり、且つ/又は少なくとも部分的に半固形であり、且つ/又は少なくとも部分的に固形であってよい。
【0011】
あるいは、抽出物は完全に液状、又は完全に半固形、又は完全に半固形であってもよい。
【0012】
抽出物の細胞は特に、
- 細胞懸濁液、例えば懸濁培養物中の細胞として、又は
- 接着細胞、例えば、特にコンテナもしくは抽出物コンテナの、例えば培養コンテナ及び/又はパウチの培養表面における細胞として、
存在し、例えば形成されていてよい。
【0013】
細胞は、少なくとも部分的に新鮮であってよく、且つ/又は少なくとも部分的に凍結状態であってよく、これにより、ある程度抽出物は例えば液体、半固形、及び/又は固形状態で存在していてよい。
【0014】
抽出物は、コンテナもしくは抽出物コンテナ、特に容器、例えば培養容器、細胞培養容器、瓶、バイアル、パウチ、カセット(例えば特に生体適合性の硬質プラスチックから成るカセット)、及び/又はタイタープレート(例えばマイクロタイタープレート)内に配置されていてよい。コンテナもしくは抽出物コンテナは前述の例を含めて、その都度適宜であり、特に生体適合性であり、部分的又は完全に被覆されており、且つ/又は部分的又は完全に被膜なしであってよい。
【0015】
抽出物を収容し処理するためのコンテナの容積は、1μl~1000ml、特に1μl~500ml、さらに特に1μl~1000μlであってよい。容積は例えば250ml又は750mlであってよい。さらに、容積は1μlよりも小さく、且つ/又は1000mlよりも大きくてよい。
【0016】
生成物はパーソナライズド治療のための生物学的製剤生成物であってよい。
【0017】
事実上、生物学的製剤生成物はパーソナライズド治療薬であってよい。
【0018】
パーソナライゼーションもしくは前記パーソナライゼーションは、一人の患者又は1つの患者群のために、換言すれば一人又は二人以上の患者のために存在してよい。
【0019】
生物学的製剤生成物は例えば細胞治療薬、例えば自己細胞及び/又は同種異系細胞治療薬、又は遺伝子治療薬、例えば自己遺伝子及び/又は同種異系遺伝子治療薬であってよい。
【0020】
クリーンルーム領域は無菌の生産領域を画定することができる。クリーンルーム領域は、製剤生成物の製造管理及び品質管理の基準(GMP)に基づく少なくとも1つのクリーンルーム分類CNC(すなわち制御はされるがしかし区分化はされない)を有することができる。
【0021】
クリーンルーム領域が、製剤生成物の製造管理及び品質管理の基準(GMP)に基づく、クリーンルーム領域D,C,B又はAのうちの少なくとも1つを有することが考えられる。
【0022】
クリーンルーム領域は、特に無菌性の点で抽出物及び/又は生成物を保護するために、正圧を有することができる。加えて、クリーンルーム領域は、特に作業員もしくは利用者を抽出物及び/又は生成物から保護するために、クリーンルーム領域の、正圧領域から分離された領域内に負圧を有することもできる。
【0023】
生産設備は、クリーンルーム領域の周囲特性を調節するためのシステムを有することができる。
【0024】
クリーンルーム領域の周囲特性を調節するためのシステムは、特に空気装置を有することができる。空気装置によって、空気圧、特にクリーンルーム領域内の正圧及び/又は負圧を調節することができる。
【0025】
これに加えて又はこの代わりに、空気装置によって、クリーンルーム領域内へのもしくはクリーンルーム領域からの空気導入及び/又は空気導出、及び/又はクリーンルーム領域内部の空気戻し案内を含めた空気循環を、特に周囲特性を調節するためのシステムの1つ又は複数のフィルタ装置を介して調節することもできる。
【0026】
事実上、生産設備内の正圧領域はクリーンルーム領域を画定することができ、且つ/又はクリーンルーム領域であり得る。
【0027】
生産設備は、特に生産設備の周囲へ向かってクリーンルーム領域を分離する/仕切るために、そしてそのクリーンルーム分類を得るためにハウジングを有することができる。ハウジングは、クリーンルーム領域、特にクリーンルーム領域及びロック装置を取り囲む。
【0028】
ハウジングは事実上、生産設備全体を取り囲んでよい。
【0029】
ロック装置は、生産設備の周囲からハウジングを介してもしくはハウジングを通してクリーンルーム領域内へ物体を供給するために、且つ/又はクリーンルーム領域からハウジングを介してもしくはハウジングを通して物体を取り出すために形成されていてよい。事実上、ロック装置は、少なくともクリーンルーム領域を取り囲むハウジングの、生産設備の周囲へ向かう少なくとも1つの界面として、例えば少なくとも1つの入口として且つ/又は少なくとも1つの出口として、役立ち得る。
【0030】
これに加えて又はこの代わりに、ロック装置は少なくとも1つの入口ロックと少なくとも1つの出口ロックを有していてよい。換言すれば、ロック装置は1つ又は複数の入口ロックと1つ又は複数の出口ロックとを有することができる。このことは特に、指向性の物体案内もしくは指向性の物体流に役立つことができる。
【0031】
これに加えて又はこの代わりに、入口ロックと出口ロックとは、これらのロックによってロック通過させられるべき物体に関して分類することができ、そしてロック装置の部分として相応に設けることができる。例えば、抽出物及び/又は消耗材料及び/又は工具もしくは工具ユニット及び/又は廃棄物、又はこれらの何らかの組み合わせのためのそれぞれ1つの入口ロック及び出口ロックが設けられていてよい。
【0032】
例えば、入口ロック及び/又は出口ロックは、生産設備の周囲に対するクリーンルーム領域の界面として役立ってよい。
【0033】
ロック装置は、1つ又は複数のメンテナンス・ロックを有することができる。メンテナンス・ロックを介して、クリーンルーム領域に生産設備の周囲から、特に作業員もしくは利用者がアクセスすることができる。
【0034】
これに加えて又はこの代わりに、1つ又は複数のメンテナンス・ロックは、生産設備の、ロック装置とは別個のそれぞれ1つの装置として形成されていてもよい。
【0035】
これに加えて又はこの代わりに、クリーンルーム領域は複数のクリーンルーム部分領域を有していてもよい。
【0036】
換言すれば、クリーンルーム領域は、複数のクリーンルーム部分領域に分割されていてよい。
【0037】
例えば、ハンドリング装置及び貯蔵装置は、1つの共通のクリーンルーム部分領域内又は種々のクリーンルーム部分領域内に配置されていることも考えられる。
【0038】
クリーンルーム部分領域は、同一のクリーンルーム分類又は互いに異なるクリーンルーム分類を有することができる。
【0039】
1つ又は複数のクリーンルーム部分領域が、種々異なる正圧を有していてよい。
【0040】
換言すれば、1つ又は複数のクリーンルーム部分領域は、正圧に関して互いに圧力差を有することができる。
【0041】
クリーンルーム分類は、それぞれ製剤生成物の製造管理及び品質管理の基準(GMP)に基づく下記クリーンルーム分類、すなわち
クリーンルーム分類CNC、
クリーンルーム分類D、
クリーンルーム分類C、
クリーンルーム分類B、
クリーンルーム分類A
の1つであってよい。
【0042】
各クリーンルーム部分領域には、特にそれぞれのクリーンルーム部分領域を分離する/仕切るために、そしてそのクリーンルーム分類を得るために、それぞれの部分領域ハウジングが割り当てられていてよい。
【0043】
これに加えて又はこの代わりに、同一のクリーンルーム分類を有するクリーンルーム部分領域には、1つの共通の部分領域ハウジングが割り当てられていてもよい。
【0044】
それぞれの部分領域ハウジング及び/又は共通の部分領域ハウジングは、それぞれ生産設備のハウジングの1つの部分として形成されていてよい。
【0045】
これに加えて又はこの代わりに、それぞれの部分領域ハウジング及び/又は共通の部分領域ハウジングは別々に、特に独立して形成されていてよい。
【0046】
各部分領域ハウジングには、少なくとも1つの部分領域ロック装置が割り当てられていてよい。部分領域ロック装置は、このような部分領域ハウジングの一部として形成されていてよい。
【0047】
これに加えて又はこの代わりに、この少なくとも1つの部分領域ロック装置は別々に、特に独立して形成されていてよい。
【0048】
各部分領域ロック装置は、1つのクリーンルーム部分領域から別のクリーンルーム部分領域内へ物体を供給するために、且つ/又は1つのクリーンルーム部分領域から別のクリーンルーム部分領域内へ物体を取り出すために形成されていてよい。
【0049】
1つのクリーンルーム部分領域が複数のサブクリーンルーム部分領域に分割されていてよい。サブクリーンルーム部分領域の考えられ得る構造及び/又は形態に関しては、クリーンルーム部分領域の説明を参照されたい。
【0050】
クリーンルーム分類Aを有する1つ又は複数のクリーンルーム部分領域が、特に処理及び/又は輸送及び/又は貯蔵及び/又は分析及び/又は梱包及び/又は解梱のためのプロセス及び/又は過程に関して配置されていてよく、このようなプロセス/過程では、抽出物、中間生成物、及び/又は生成物の接触が生じ、あるいは汚染を招き得る1種又は2種以上の物体による、例えば1つ又は複数の工具及び/又は1つ又は複数の消耗材料及び/又は生産設備の1つ又は複数の装置によるこのような接触の具体的な理論上の可能性が存在し得る。
【0051】
クリーンルーム分類Bを有する1つ又は複数のクリーンルーム部分領域が、生産設備のロック装置、貯蔵装置、特に貯蔵装置の貯蔵場所、ハンドリング装置、及び/又は清浄化装置に関して配置されていてよい。これに加えて又はこの代わりに、これに関しては、クリーンルーム分類Aを有する1つ又は複数のクリーンルーム部分領域が配置されていてもよい。
【0052】
クリーンルーム分類C又はDを有する1つ又は複数のクリーンルーム部分領域が、貯蔵装置の貯蔵輸送装置に関して配置されていてよい。
【0053】
クリーンルーム分類CNCを有する1つ又は複数のクリーンルーム部分領域が、生産設備の1つ又は複数の空間的残余領域に関して配置されていてよい。特に、このような1つ又は複数の空間的残余領域は、生産設備及び/又は生産設備部分の全般的な運転に必要な技術クルー及び機械のために設けられていてよい。
【0054】
生産設備は1つ又は複数の(電)流源、及び/又は1つ又は複数の(電)流源と接続可能な1つ又は複数のインターフェイスを有することができる。(電)流源は、クリーンルーム領域、特にハウジングの内部に配置されており、そして生産設備によって包含されるコンポーネントの少なくとも1つ、もしくは生産設備の構成部分に電流を供給するように形成されている。コンポーネントもしくは構成部分は、1つ又は複数の電流源に、例えば1つ又は複数のインターフェイスを介して割り当てられている。
【0055】
これに加えて又はこの代わりに、1つ又は複数の電流源は生産設備の周囲内に配置されており、且つ/又は空間的に分離もしくは隔離されて配置されており、電流源は生産設備と接続可能であり又は接続されていてもよい。
【0056】
生産設備は1つ又は複数の制御ユニットを有することができる。制御ユニットはクリーンルーム領域、特にハウジングの内部に、又は生産設備に配置されており、そして生産設備によって包含されるコンポーネントの少なくとも1つ、もしくは生産設備の構成部分を調整し且つ/又は制御するように形成されプログラミングされている。コンポーネントもしくは構成部分は、1つ又は複数の制御ユニットに割り当てられている。
【0057】
これに加えて又はこの代わりに、1つ又は複数の制御ユニットは生産設備の周囲内に配置されており、且つ/又は空間的に分離もしくは隔離されて配置されていてよく、そして生産設備と特に無線且つ/又は有線で、例えば生産設備の1つ又は複数の通信インターフェイスによって接続可能であり又は接続されている。
【0058】
1つ又は複数の制御ユニットが、1つ又は複数の、特に外部の、すなわち生産設備によっては包含されていないデータ処理システム及び/又はコンピュータシステムと、例えば生産設備の1つ又は複数の通信インターフェイスによって、特に無線又は有線で接続可能であってよい。
【0059】
これに加えて又はこの代わりに、制御ユニットは、生産設備内の1つ又は複数の物体を、それぞれ1つの物体に割り当てられたIDによって識別し、コード化し、且つ/又は割り当てるようにプログラミングされ形成されていてもよい。任意には、IDは特にRFID手段及び/又はバーコード手段によって、それぞれの物体に割り当てることができる。
【0060】
生産設備は複数のワークピース支持体を含むことができる。ワークピース支持体は、物体、とりわけ抽出物及び/又は工具及び/又は消耗材料を収容するのに役立つ。
【0061】
クリーンルーム分類Aを有する1つ又は複数のクリーンルーム部分領域が、ワークピース支持体に関して配置されていてよい。例えば、設けることができる。
【0062】
これに加えて又はこの代わりに、クリーンルーム分類Bを有する1つ又は複数のクリーンルーム部分領域が、ワークピース支持体に関して配置されていてもよい。
【0063】
ワークピース支持体は、同じ且つ/又は同質のクリーンルーム分類を有する1つ又は複数のクリーンルーム部分領域の内部及び/又は間にのみ位置していてよい。
【0064】
各ワークピース支持体は、抽出物及び/又は工具及び/又は消耗材料をそれぞれ受容するための固定手段、特に形状結合的且つ/又は摩擦結合的且つ/又は磁気的な固定手段を有していてよく、これにより、抽出物及び/又は工具及び/又は消耗材料は信頼性高く保持される。
【0065】
ワークピース支持体は永続的に、特に1つ又は複数の完全な生産過程を超えて、クリーンルーム領域内部にとどまることができる。
【0066】
生産設備は複数の種類のワークピース支持体を含むことができ、ワークピース支持体は、それぞれのワークピース支持体の受容領域の形状及び寸法に関して互いに異なっている。1つの種類のワークピース支持体は、抽出物を収容するための容器、例えば培養容器の受容に役立つことができる。
【0067】
1つの種類のワークピース支持体は、抽出物において処理過程を実施するための、且つ/又はクリーンルーム領域内部でメンテナンス過程を実施するための1つ又は複数の工具ユニット及び/又は工具消耗材を受容するのに役立つことができる。
【0068】
1つの種類のワークピース支持体は、消耗材料を抽出物へ供給するために、且つ/又は抽出物において処理過程を実施するために、消耗材料を受容するのに役立つことができる。
【0069】
1つ又は複数のワークピース支持体は、抽出物及び/又は工具においてアクションを実施するために、それぞれ1つ又は複数のアクションユニットを含んでよい。
【0070】
1つ又は複数のアクションユニットは、抽出物において処理過程を実施するための処理ユニット、例えば工具ユニットとして形成されていてよい。
【0071】
処理ユニット、例えば工具ユニットは、上下運動及び/又は傾倒運動及び/又は振盪運動及び/又は回転運動を、特に少なくとも1つの相応に割り当てられたアクチュエータユニットもしくはアクチュエータ装置ユニットによって実施するように形成されているので、このような種類の運動、例えばこのような種類の運動の組み合わせを抽出物へ伝達することができるようになっていてよい。
【0072】
処理ユニット、例えば工具ユニット又は工具ユニットのコンポーネントは、ワークピース支持体を温度調節、特に加熱且つ/又は冷却するように形成されていてよい。
【0073】
1つ又は複数のアクションユニットは、それぞれのワークピース支持体及び/又はワークピース支持体に配置された抽出物及び/又はワークピース支持体に配置された工具及び/又はワークピース支持体に配置された消耗材料のパラメータの実際値を判定するためのセンサユニットとして形成されていてよい。
【0074】
パラメータは特に以下のもの、すなわち、ワークピース支持体及び/又はワークピース支持体によって受容される物体の温度、空気湿度、周囲圧、ガス混合物組成、位置、例えば角度位置、振動、占有、特に占有状態、例えば貯蔵占有状態、及びポジショニング、例えば捕捉されたポジショニング又は捕捉されないポジショニング、及び/又は現在位置ポジショニング、のうちの1つであってよい。
【0075】
前述の列挙は例示的であり、網羅的ではないことを理解するべきである。
【0076】
この代わりに又はこれに加えて、パラメータは前述の列挙エレメントの組み合わせであってもよい。
【0077】
1つ又は複数のワークピース支持体は、エネルギー及び/又は1種又は2種以上の消耗材料を貯えるための貯え装置を含むことができる。
【0078】
ワークピース支持体は複数回にわたって再使用することができ、特に貯え装置は再充電可能であり、且つ/又は消耗材料を補充することができる。
【0079】
ワークピース支持体は少なくとも1つのインターフェイスを有することができる。このインターフェイスによって電気エネルギー及び/又は消耗材料は充電可能もしくは補充可能であり且つ(再)放出可能である。
【0080】
生産設備は、クリーンルーム領域内部に配置された、貯え装置を充電するための充電ステーション、及び/又はクリーンルーム領域内部に配置された、貯え装置を充填するための補充ステーションを含むことができる。
【0081】
補充ステーションは定置の補充ステーションとして形成されていてよい。この補充ステーションには、補充ステーションを充填するために、ロック装置を介して消耗材料を供給することができる。
【0082】
補充ステーションは可動式の補充ステーションとして形成されており、補充ステーションは特に、消耗材料を充填された状態で、生産設備の周囲からロック装置を介してクリーンルーム領域内へ供給することができ、そして特に消耗材料が空になった状態で、ロック装置を通してクリーンルーム領域から取り出すことができるようになっていてよい。
【0083】
補充ステーションは特に貯蔵装置の貯蔵場所上に配置可能であってよく、例えば配置されていてよい。
【0084】
補充ステーションは、例えば液体のための容器を含んでよく、又は液体のための容器として形成されていてよい。
【0085】
補充ステーションの、液体のための容器の容積は、例えば1ml~100 l、好ましくは50ml~50 lであってよい。容器は液体の引き出しのための、且つ/又は充填のためのインターフェイスを有することができる。
【0086】
1つ又は複数のワークピース支持体は、1つ又は複数のカップリング装置を有することができる。このカップリング装置によって、2つ以上、特に2つ又は3つ以上のワークピース支持体を互いに結合することができる。
【0087】
貯蔵装置は、貯蔵場所へ向かう方向に、且つ/又は貯蔵場所から離れる方向に物体を輸送するための貯蔵輸送装置を含むことができる。
【0088】
ハンドリング装置は分配ユニットを有することができる。分配ユニットを介して、貯蔵輸送装置に、輸送されるべき物体を供給することができ、且つ/又は貯蔵輸送装置から受け取ることができる。任意には、分配ユニットはロック輸送装置として、又はロック輸送装置の部分として形成されていてよく、このようなものに割り当てられていてよい。
【0089】
貯蔵輸送装置は、ハンドリング装置とは異なる装置であってよい。
【0090】
貯蔵輸送装置は、レール案内式の輸送システム、及び/又は1つ又は複数の自由走行式の輸送車両を含むことができる。
【0091】
貯蔵輸送装置は1つ又は複数のレール案内式の貯蔵輸送ユニットを含むことができ、貯蔵輸送ユニットによって、貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵棚に、特に収納過程及び抜き出し過程のために、並びに処理過程及び/又はメンテナンス過程のためにアクセスすることができる。
【0092】
貯蔵輸送装置は、ポータルコンベアとして形成された1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットを含むことができる。
【0093】
これに加えて又はこの代わりに、貯蔵輸送装置は、ピック・アンド・プレース・ロボットとして、又はワイヤロボットとして形成された貯蔵輸送ユニットを含んでよい。
【0094】
1つ又は複数のポータルコンベアによって、貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵場所面に、収納過程及び抜き出し過程のために、並びに処理過程及び/又はメンテナンス過程のためにアクセス可能であってよい。
【0095】
貯蔵輸送装置、特にレール案内式の輸送システム、1つ又は複数の自由走行式の輸送車両、1つ又は複数のレール案内式の貯蔵輸送ユニット、及び/又は1つ又は複数のポータルコンベアは、誘導ループ案内型、磁石案内型、特に永久磁石案内型、及び/又はソレノイド案内型であってよい。これに加えて又はこの代わりに、センサに基づく案内、特にカメラに基づく案内、及び/又はレーダー/LIDARに基づく案内が提供されてもよい。
【0096】
貯蔵輸送装置、特にレール案内式の輸送システム、1つ又は複数の自由走行式の輸送車両、1つ又は複数のレール案内式の貯蔵輸送ユニット、及び/又は1つ又は複数のポータルコンベアは、互いに異なるクリーンルーム分類を有する少なくとも2つのクリーンルーム部分領域を通走し得るように、例えば通走するように形成されていてよい。
【0097】
貯蔵輸送装置、特にレール案内式の輸送システム、1つ又は複数の自由走行式の輸送車両、1つ又は複数のレール案内式の貯蔵輸送ユニット、及び/又は1つ又は複数のポータルコンベアは、少なくとも部分的にカプセル化されるように構成されていてよい。これにより、例えば貯蔵輸送装置のカプセル化されたアクチュエータシステムの場合、特にアクチュエータ装置の粒子摩耗によって生じ得る汚染物質の遊離を、回避するか又は少なくとも低減することができる。
【0098】
これに加えて又はこの代わりに、貯蔵輸送装置は1つ又は複数のリフト装置を含み、リフト装置によって、貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵場所面に、収納過程及び抜き出し過程のために、並びに処理過程及び/又はメンテナンス過程のためにアクセスできるようになっていてよい。
【0099】
ハンドリング装置は多軸ロボットアームであってよく、又はこのようなものを含んでよい。
【0100】
これに加えて又はこの代わりに、ハンドリング装置は、ピック・アンド・プレース・ロボット、又はワイヤロボットであってもよく、又はこのようなものを含んでよく、且つ/又はハンドリング装置は平面走行体上に配置された、好適なスライダ・アクチュエータ装置であり、又はこのようなものを含んでもよい。
【0101】
これに加えて又はこの代わりに、貯蔵輸送装置のレール案内式の輸送システム、及び/又は1つ又は複数の自由走行式の輸送車両は、それぞれ少なくとも1つの多軸ロボットアームを含んでもよい。
【0102】
貯蔵輸送装置及び/又はハンドリング装置には、生産設備の交換装置が割り当てられていてよく、この交換装置によって、特にそれぞれの貯蔵輸送ユニット及び/又はハンドリングユニットを用いて種々異なる貯蔵過程、輸送過程、ハンドリング過程、メンテナンス過程及び/又は処理過程を実施するために、貯蔵輸送装置の1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットに、且つ/又はハンドリング装置の1つ又は複数のハンドリングユニットに、種々異なる把持ユニット及び/又は支持体ユニットを組み付けることができる。
【0103】
交換装置は、少なくとも1つのアダプタ装置及び/又は少なくとも1つのマトリックス装置を有することができる。これらの装置はそれぞれ把持ユニット及び/又は支持ユニットに相応して形成されており、これによりこれらのユニットを特に形状結合的に把持することができ、そしてこれらのユニットを貯蔵輸送装置の1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットに、且つ/又はハンドリング装置の1つ又は複数のハンドリングユニットに組み付けることができる。
【0104】
貯蔵輸送装置及び/又はハンドリング装置には、生産設備の清浄化装置が割り当てられていてよく、この清浄化装置によって、貯蔵輸送装置の1つ又は複数の貯蔵輸送ユニット、及び/又はハンドリング装置の1つ又は複数のハンドリングユニットの少なくとも1つの把持ユニット及び/又は支持体ユニットを、特に貯蔵過程、輸送過程、ハンドリング過程、メンテナンス過程及び/又は処理過程の実施後に、清浄化することができる。清浄化装置は、特に照射及び/又はガス処理を適用しながら清浄するために配置されていてよい。
【0105】
貯蔵輸送装置及び/又はハンドリング装置に割り当てられた、生産設備の清浄化装置は、特にロック装置内に又はロック装置に、又はロック装置に例えば直接に隣接して、クリーンルーム領域内部に配置されていてよい。貯蔵輸送装置及び/又はハンドリング装置に割り当てられた、生産設備の清浄化装置は、ロック装置からクリーンルーム領域内部で空間的に分離されていてよい。
【0106】
ハンドリング装置によって、1つ又は複数の、例えば前述のような物体は、ロック装置のロック場所から貯蔵輸送装置へ、特に貯蔵輸送装置の1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットへ引き渡すことができる。
【0107】
ロック装置は、入口ロックであって、入口ロックを介してロック場所、特に入口ロック場所に周囲からアクセス可能であり、且つ入口ロックが生産設備の周囲からクリーンルーム領域内へ物体を供給するように形成されている、入口ロックと、出口ロックであって、出口ロックを介してロック場所、特に出口ロック場所に周囲からアクセス可能であり、且つ出口ロックがクリーンルーム領域から物体を取り出すように形成されている、出口ロックとを含むことができる。
【0108】
ハンドリング装置はロック輸送装置を含むことができ、ロック輸送装置によって、ロック場所、特に入口ロック場所から、さらなるロック場所、特に引き渡しロック場所へ、且つ/又はロック場所、特に引き渡しロック場所から、さらなるロック場所、特に出口ロック場所へ、1つ又は複数の物体を輸送することができる。
【0109】
ハンドリング装置、特にロック輸送装置は変位ユニットを含み、変位ユニットによって、1つ又は複数の物体を種々のロック場所の間で動かすことができるようになっていてよい。
【0110】
少なくとも1つのロック場所、特に入口ロック場所及び/又は出口ロック場所に加えて又はこの代わりに、解梱場所及び/又は梱包場所がロック装置内に設けられていてもよい。
【0111】
入口ロック場所には、解梱場所が、隣接して又は空間的に分離されて配置された状態で割り当てられていてよい。これに加えて又はこの代わりに、入口ロック場所は解梱場所であってよい。
【0112】
出口ロック場所には、梱包場所が、隣接して又は空間的に分離されて配置された状態で割り当てられていてよい。これに加えて又はこの代わりに、出口ロック場所は梱包場所であってよい。
【0113】
貯蔵輸送装置及び/又はハンドリング装置はそれぞれ、1つ又は複数のワークピース支持体、特に前述のワークピース支持体のうちの1つ又は2つ以上を受容し輸送するための1つ又は複数のワークピース支持体受容部を含むことができる。
【0114】
ハンドリング装置によって、1つ又は複数のワークピース支持体、特に1つ又は複数の装備済みワークピース支持体(例えば抽出物を装備している)を、ロック装置のロック場所から貯蔵輸送装置へ、特に貯蔵輸送装置の1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットへ、1つ又は複数のワークピース支持体受容部を介して引き渡すことができるようになっていてよい。
【0115】
換言すれば、1つ又は複数のワークピース支持体交換を、ハンドリング装置によって実施可能であってよく、例えば実施することができる。
【0116】
ロック装置は、1つ又は複数のワークピース支持体を清浄化するための、且つ/又は1つ又は複数のワークピース支持体受容部を清浄化するための清浄化装置を含むことができる。
【0117】
生産設備は、特にそれぞれのワークピース支持体による物体の輸送が行われた後、当該清浄化装置へワークピース支持体を、これ自体を清浄化するために供給し得る清浄化装置を含むことができる。
【0118】
貯蔵輸送装置及び/又はハンドリング装置に割り当てられた清浄化装置と、ロック装置の清浄化装置と、生産設備の清浄化装置とは、生産設備の1つの共通の清浄化装置を形成するようになっていてよい。
【0119】
それぞれの清浄化装置のいずれも、少なくとも部分的に又は完全に互いに別々に形成されており、特に独立した装置を形成するようになっていてよい。
【0120】
貯蔵装置は1つ又は複数の貯蔵棚及び/又は1つ又は複数の貯蔵場所面を含むことができ、これらはそれぞれ複数の貯蔵場所を有する。
【0121】
それぞれの貯蔵場所は、互いに異なるクリーンルーム部分領域を有することができる。このような関連において、クリーンルーム分類に関する相応の記述部分を補足的に参照されたい。
【0122】
それぞれの貯蔵場所は、処理過程の実施のために役立つ領域及び/又は空間に対するデカップリング領域及び/又は空間として役立つことができる。
【0123】
貯蔵場所は、特に貯蔵装置のそれぞれ割り当てられた温度調節装置によって、温度調節可能であり、特に個別に温度調節可能であるようになっていてよい。
【0124】
貯蔵場所は、熱分離材によって、それぞれ互いに熱デカップリングされていてよく、且つ/又はデカップリング可能であってよい。これにより、それぞれ割り当てられた温度調節装置によって、貯蔵場所は互いに無関係に、且つ/又は互いに異なる状態に温度調節することができ、例えば加熱可能又は冷却可能である。
【0125】
少なくとも2つの貯蔵場所の熱デカップリングは、少なくとも2つの貯蔵場所の間に配置されたさらなる貯蔵場所、例えば、特に工具の温度調節されなくてもよい貯蔵位置によって行われることも考えられる。
【0126】
複数の貯蔵場所面、特に2つ又は3つ以上の貯蔵場所面が、特に高さ方向で互いに上下に配置されていてよい。
【0127】
事実上、複数の貯蔵場所面はスタック状に配置されていてよい。
【0128】
複数の貯蔵場所面、特に2つ又は3つ以上の貯蔵場所面、例えば2つ又は3つ以上の互いに上下に配置された貯蔵場所面は、貯蔵輸送装置を介して、特に貯蔵輸送装置の1つ又は複数のリフト装置を介して互いに結合可能であってよく、又は互いに結合されていてよい。
【0129】
貯蔵輸送装置によって、抽出物及び/又は工具及び/又は消耗材料は、貯蔵場所内へ収納可能であってよく、あるいは貯蔵場所から引き出し可能であってよい。
【0130】
特に、貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって、抽出物及び/又はワークピース支持体及び/又は工具及び/又は消耗材料は、貯蔵場所内へ収納可能であってよく、あるいは貯蔵場所から引き出し可能であってよい。
【0131】
1つ又は複数の貯蔵場所には、複数の方向から、且つ/又は貯蔵輸送装置の複数の貯蔵輸送ユニットによってアクセス可能であってよい。例えば、貯蔵棚は例えば2つの貯蔵輸送ユニットの間に配置されてよく、これにより、各貯蔵輸送ユニットから、中間に位置する貯蔵棚へ、アクセス可能性を保証することができ、もしくは例えば2つの貯蔵輸送ユニットのいずれもが、中間に位置する貯蔵棚へアクセスすることができる。
【0132】
例えば2つの貯蔵輸送ユニットのそれぞれ別の側に、それぞれ1つのさらなる貯蔵棚が配置されていることが考えられる。
【0133】
事実上、貯蔵棚-貯蔵輸送ユニット-貯蔵棚-貯蔵輸送ユニット-貯蔵棚-配置関係が存在し得る。
【0134】
中間に位置する、もしくは真ん中の貯蔵棚内には、特に工具及び/又は消耗材料が貯蔵可能であり、そしてそれぞれの外側の貯蔵棚内には抽出物が貯蔵可能であることが考えられる。
【0135】
このような例示的な配置関係により、例えば、特に工具及び/又は消耗材料から抽出物までの短い距離を可能にし得る。
【0136】
短い距離もしくは距離最適化に関連する比較可能な利点は、貯蔵棚のこのような交互の配置の他に、例えば貯蔵棚の星型配置によって達成することができる。このようは星型配置はこの場合には、付加的又は代替的に設けられていてよい。
【0137】
貯蔵場所には鉛直方向に上方から、又は水平方向に側方に、貯蔵輸送装置によってアクセス可能であってよい。ほぼ水平方向に配向された複数の貯蔵場所列が、鉛直方向に互いに上下に配置されていてよい。
【0138】
事実上、貯蔵場所は行列状に配置されていてよい。
【0139】
貯蔵場所のいくつか、特に貯蔵場所全体は1つ又は複数の貯蔵棚の棚場所であってよい。
【0140】
貯蔵装置は、種々の種類のワークピース支持体を収容するための互いに異なる複数の種類の貯蔵場所を含むことができる。
【0141】
種々の種類の貯蔵場所は、その形状及び/又は寸法に関して互いに異なっていてよい。
【0142】
種々の種類の貯蔵場所は、その機能及び/又は構成に関して互いに異なっていてよい。
【0143】
種々の種類の貯蔵場所は、規則的なパターンで分布された状態で、貯蔵装置の貯蔵場所棚及び/又は貯蔵場所面内に配置されていてよい。
【0144】
これにより、例えば抽出物の処理過程のために必要とされる工具への迅速なアクセスを保証することができる。
【0145】
種々の種類の貯蔵場所は、貯蔵場所内に収納されるべき又は収納された物体に対して最適化された、特に最小の距離に基づいて、貯蔵装置の貯蔵場所棚及び/又は貯蔵場所面内に配置されていてよい。
【0146】
これにより、例えば抽出物の処理過程のために必要とされる工具の迅速なアクセスを保証することができる。
【0147】
貯蔵装置は、異なる種類のワークピース支持体を受容するための複数の領域を有することができる。
【0148】
貯蔵装置は、抽出物を処理するための処理ステーションを形成する複数の貯蔵場所を含むことができる。
【0149】
貯蔵装置は、工具の保存、メンテナンス、清浄化、交換、充電、及び/又は制御のために工具ステーションを形成する複数の貯蔵場所を含むことができる。
【0150】
貯蔵装置は、特に電流供給のため且つ/又は信号伝達、例えば制御信号及び/又は調整信号伝達のための1つ又は複数のインターフェイスを有する複数の貯蔵場所を含むことができる。これらのインターフェイスは、貯蔵場所内に収容可能な物体、特にワークピース支持体、例えば収容ボックスの1つ又は複数の対応インターフェイスと接続可能である。
【0151】
既述のワークピース支持体は特に抽出物を収容するための収容ボックスとして形成されていてよい。
【0152】
これに加えて又はこの代わりに、生産設備は、それぞれ1つ又は複数のワークピース支持体を、これに配置され且つ/又は受容された抽出物と一緒に収容するための複数の収容ボックスを含んでもよい。
【0153】
事実上、生産設備は抽出物を収容するための、収容ボックスとして形成された複数のワークピース支持体、又はそれぞれ1つ又は複数のワークピース支持体を、これに配置され且つ/又は受容された抽出物と一緒に収容するための複数の収容ボックスを含むことができる。
【0154】
収容ボックスはプロセスセル、特に無菌プロセスセル、又はプロセスユニット、特に無菌プロセスユニットを定義することができる。
【0155】
事実上、収容ボックスはプロセスセル、特に無菌プロセスセル、又はプロセスユニット、特に無菌プロセスユニットであってよい。
【0156】
クリーンルーム分類Aを有する1つ又は複数のクリーンルーム部分領域が、これらの収容ボックスもしくは1つのそれぞれの収容ボックスに対して配置されていてよい。
【0157】
収容ボックスの主要な機能は、特に最高のクリーンルーム要件を守りながら、特にクリーンルーム分類Aを守りながら、気候条件に適合した製剤プロセス室もしくは気候条件に適合した製剤プロセス環境を提供することであってよい。
【0158】
収容ボックスは特にインキュベーションを行うように形成されていてよい。収容ボックスは、特にガス処理及び/又は温度調節のために、特に1つ又は複数の工具ユニットに対するインターフェイスを有している。
【0159】
収容ボックスは、例えば最小化されたアンダーカット数に関して、衛生適合構造を有するように、特に衛生デザイン基準を満たすように構成され形成されていてよい。これにより収容ボックスの清浄化能力が最適化される。
【0160】
収容ボックスの衛生適合構造のために、このような収容ボックスは磁気固定手段を備えていてよい。これにより、特に抽出物を、最適化された衛生条件下で信頼性高く保持することができる。例えば磁気固定手段は、抽出物を収容するための容器、もしくは抽出物コンテナの少なくとも部分的に磁性を有する対応エレメントと協働するように形成されていてよい。
【0161】
これに加えて又はこの代わりに、これを目的として、収容ボックスは、形状結合的且つ/又は摩擦結合的な固定のための手段を備えていてもよい。
【0162】
収容ボックスは、特に、例えば既述の貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって全自動的に、貯蔵装置の貯蔵場所内に収納可能であってよい。
【0163】
収容ボックスの1つ又は2つ以上は、閉鎖可能な内部空間を取り囲むことができる。
【0164】
閉鎖可能な内部空間によって、クリーンルーム部分領域及び/又は無菌生産領域を画定することができる。
【0165】
事実上、閉鎖可能な内部空間は、クリーンルーム部分領域及び/又は無菌生産領域であってよい。
【0166】
閉鎖可能な内部空間によって画定可能なクリーンルーム部分領域は、クリーンルーム分類Aを有することができる。
【0167】
抽出物を導入するため、且つ/又は抽出物から製造された生成物を引き出すための収容ボックスは、自動的に且つ/又はハンドリング装置によって開放可能且つ/又は閉鎖可能であってよい。
【0168】
収容ボックスの1つ又は2つ以上は、一体化された、又は収容ボックスに解離可能に配置された、又は収容ボックスに解離可能に配置され得るコンディショニングユニットを含むことができ、コンディショニングユニットによって、それぞれの収容ボックスの内部空間内の温度及び/又は圧力及び/又は湿度及び/又はガス組成に影響を与えることができ、特にこれを制御することができ、且つ/又は調整することができる。
【0169】
コンディショニングユニットの1つ又は2つ以上は、生産設備の工具システムの工具ユニットであってよく、工具ユニットは必要に応じて、例えば既述の、貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって、且つ/又はハンドリング装置によって、特に全自動的に、それぞれの収容ボックスに配置可能であり、又は収容ボックスから取り出すことができる。
【0170】
これに加えて又はこの代わりに、コンディショニングユニットの1つ又は2つ以上は、生産設備の工具システムの工具ユニットであり、工具ユニットは必要に応じて、特に独立して、固有のアクチュエータ装置によって、且つ/又はそれぞれの収容ボックス内に又は収容ボックスに配置されたアクチュエータ装置を利用しながら、それぞれの収容ボックスに配置可能であり、又は収容ボックスから取り出すことができるようになっていてもよい。
【0171】
収容ボックスは1つ又は複数の接続エレメントを含むことができ、接続エレメントは、1つ又は複数の処理場所のこれに対応する接続エレメントと接続可能であり、特にこれにより、それぞれの収容ボックスに電気エネルギー及び/又は消耗品、特に液体及び/又はガスを供給し、且つ/又はそれぞれの収容ボックスを、特に上位の制御装置、例えば1つ又は複数の制御ユニットと信号技術的にカップリングする。
【0172】
貯蔵装置は、接続エレメントを備えた貯蔵場所を含むことができるので、貯蔵装置の、処理場所として役立つ貯蔵場所で、抽出物を処理するための1つ又は複数の処理過程を実施することができる。
【0173】
貯蔵装置の貯蔵場所及び/又は収容ボックスは、固定エレメントを含むことができ,
固定エレメントによって、収容ボックスを貯蔵場所に位置決めし且つ固定することができる。
【0174】
収容ボックスはそれぞれ、1つ又は複数の工具を、特にそれぞれの収容ボックスの内部空間に受容し固定するための1つ又は複数の工具受容部を含むことができる。
【0175】
1つ又は複数の工具受容部はそれぞれ1つ又は複数の接続エレメントを含むことができ、接続エレメントは、それぞれ受容するべき工具の、これに対応する接続エレメントと接続可能であり、特にこれにより、それぞれの工具に電気エネルギー及び/又は消耗品、特に液体及び/又はガスを供給し、且つ/又はそれぞれの工具を、収容ボックス及び/又は特に上位の制御装置と信号技術的にカップリングする。
【0176】
収容ボックスは、生成物製造のために利用されない状態でも、特に例えば既述の生産設備の清浄化装置による清浄化後に、貯蔵場所に(それぞれ)収納可能であってよい。
【0177】
生成物製造のために利用されない状態で貯蔵場所に貯蔵されない収容ボックスは、抽出物を収容するためもしくは導入するために、特に貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって、貯蔵場所から全自動的に引き出し可能であってよい。
【0178】
これに加えて又はこの代わりに、収容ボックスは1つ又は複数の接続エレメントを含み、接続エレメントは、さらなる収容ボックスのこれに対応する接続エレメントと接続可能であり、これによりまとめられた1つの収容ボックスが提供可能になっていてもよい。
【0179】
まとめられた収容ボックスの考えられ得る構造及び/又は形態に関しては、収容ボックスの説明を参照されたい。
【0180】
1つ又は複数の貯蔵場所が、まとめられた収容ボックスのための貯蔵場所として形成されていてよい。
【0181】
これに加えて又はこの代わりに、1つ又は複数の、特にすべての収容ボックスが、それぞれ1つ又は複数のワークピース支持体を、これに配置され且つ/又は受容された工具及び/又は消耗材料と一緒に収容するように形成されていてもよい。これに加えて又はこの代わりに、ワークピース支持体が工具支持体として、且つ/又は消費材料支持体として形成されていてもよい。生産設備は、クリーンルーム領域に供給されるべき物体を解梱するための解梱装置を含むことができる。
【0182】
解梱装置はロック装置内へ組み込まれていてよく、あるいはロック装置の構成部分を形成することができる。
【0183】
これに加えて又はこの代わりに、解梱装置はハンドリング装置及び/又は貯蔵装置に、特にオートクレーブ装置、例えばハッチ・オートクレーブ装置を介して付加されており、オートクレーブ装置によって、解梱済み及び/又は部分解梱済みの物体を、特にその都度自動的に受け取ることができ、滅菌することができ、そして乾燥させることができ、続いてハンドリング装置及び/又は貯蔵装置に供給することができる。
【0184】
ロック装置は入口ロック場所を含むことができ、入口ロック場所は、生産設備の周囲からアクセス可能であり、そして入口ロック場所には、特に人によって、且つ/又は自動的に、梱包済み物体を配置することができる。
【0185】
梱包済み物体は、生産設備のロック輸送装置によって、入口ロック場所から、例えば既述の解梱場所へ輸送することができ、そして解梱場所で自動的に解梱することができ、あるいは梱包済み物体は入口ロック場所で自動的に解梱することができる。
【0186】
ロック装置は、梱包済み物体の梱包材料を清浄化するための、例えば既述の清浄化装置を有することができる。
【0187】
ロック装置の清浄化装置によって、物体は梱包状態で、特に照射及び/又はガス処理によって清浄化且つ/又は滅菌することができる。
【0188】
ロック装置の清浄化装置による清浄化は、特に入口ロック場所、解梱場所、及び/又はロック装置内に設けられた清浄化場所で実施可能であってよい。
【0189】
解梱装置は、種々異なる種類の物体及び/又は梱包材料を解梱するために、特に種々異なる種類の梱包材料を物体から取り出すために複数の解梱ユニットを含むことができる。
【0190】
抽出物を解梱するための1つ又は複数の解梱ユニットと、工具及び/又は消耗材料を解梱するための1つ又は複数のさらなる解梱ユニットとが形成されていてよい。
【0191】
梱包済みの物体、特に梱包済みの抽出物の梱包材料は、解梱後に1つ又は複数の解梱ユニットによって滅菌状態で、例えば出口ロック場所を介して、且つ/又は解梱装置又はロック装置の別個に形成された廃棄物ロックの廃棄物ロック場所を介して導出可能であってよく、これにより解梱済みの物体、特に解梱済みの抽出物は梱包材料と接触せずに済む。
【0192】
物体、特に抽出物は、ハンドリング装置の開梱後に、特にロック輸送装置によって供給可能であってよい。
【0193】
ロック装置内の解梱場所は、ロック装置の残りの部分から空間的に分離されて配置されていてよい。
【0194】
解梱は、1つ又は複数の解梱ユニットによって全自動的に実施可能であってよい。
【0195】
これに加えて又はこの代わりに、解梱は手動式且つ/又は部分自動式、例えば少なくとも1つの手動のアクションを用いながら自動式に実施可能であってもよい。
【0196】
ロック装置、特にロック装置内に設けられたロック場所のうちの1つ、例えば解梱場所が、解梱前、解梱中、及び/又は開梱後に、ロック装置の清浄化装置によって、特に照射及び/又はガス処理によって清浄化可能であってよい。
【0197】
解梱中の清浄化は例えば個々の解梱ステップの間に実施可能であってよい。
【0198】
解梱装置は検出装置と制御装置とを含むことができ、これらの装置によって、解梱されるべき物体の種類、及び/又は取り出されるべき梱包材料の種類を判定することができる。
【0199】
制御装置によって、解梱装置の解梱ユニットが解梱過程を実施するために選択可能且つ制御可能であってよく、解梱ユニットが、種々異なる解梱過程を実施するための複数の解梱ユニットの1つであってよく、選択された解梱ユニットは、開梱されるべき物体の判定された種類、及び/又は取り出されるべき梱包材料の種類に割り当てられていてよい。
【0200】
これに加えて又はこの代わりに、解梱が例えば入口ロック場所で、手動で実施可能であってもよい。
【0201】
生産設備は、クリーンルーム領域から取り出されるべき物体、例えば製造済みの生成物を梱包するための梱包装置を含むことができる。
【0202】
梱包装置はロック装置内へ組み込まれていてよく、あるいはロック装置の構成部分を形成することができる。
【0203】
これに加えて又はこの代わりに、梱包装置はハンドリング装置及び/又は貯蔵装置に、特にオートクレーブ装置、例えばハッチ・オートクレーブ装置を介して付加されており、オートクレーブ装置によって、物体を特にその都度自動的に受け取ることができ、滅菌することができ、そして乾燥させることができ、続いてロックから放出することができる。
【0204】
ロック装置は出口ロック場所を含むことができ、出口ロック場所は、生産設備の周囲からアクセス可能であり、そして出口ロック場所には、特に人によって、且つ/又は自動的に、梱包済み物体を引き出すことができる。
【0205】
梱包されるべき物体は、生産設備のロック輸送装置によって、引き渡しロック場所から解梱場所へ輸送することができ、そして解梱場所で自動的に解梱することができ、あるいは梱包されるべき物体は出口ロック場所で自動的に梱包することができる。
【0206】
梱包装置は、種々異なる種類の物体及び/又は梱包材料を梱包するために、特に種々異なる種類の梱包材料で物体を梱包するために複数の梱包ユニットを含むことができる。
【0207】
製造済み生成物を梱包するための1つ又は複数の梱包ユニットと、取り出されるべき使用済み工具及び/又は取り出されるべき使用済み消耗材料を梱包するための1つ又は複数のさらなる解梱ユニットとが形成されていてよい。
【0208】
梱包されるべき物体、特に製造済み生成物は、梱包前、梱包中、且つ/又は梱包後に、ハンドリング装置及び/又はロック輸送装置によって運動可能、特にハンドリング可能、又は輸送可能であってよい。
【0209】
ロック装置内の梱包場所は、ロック装置の残りの部分から空間的に分離されて配置されていてよい。
【0210】
梱包は、1つ又は複数の梱包ユニットによって全自動的に実施可能であってよい。
【0211】
これに加えて又はこの代わりに、梱包は手動式且つ/又は部分自動式、例えば少なくとも1つの手動のアクションを用いながら自動式に実施可能であってもよい。
【0212】
ロック装置、特にロック装置内に設けられたロック場所のうちの1つ、例えば梱包場所が、梱包前、梱包中、及び/又は梱包後に、ロック装置の清浄化装置によって、特に照射及び/又はガス処理によって清浄化可能であってよい。
【0213】
梱包装置は検出装置と制御装置とを含むことができ、これらの装置によって、梱包されるべき物体の種類、及び/又は使用されるべき梱包材料の種類を判定することができる。
【0214】
制御装置によって、梱包装置の梱包ユニットが梱包過程を実施するために選択可能且つ制御可能であり、梱包ユニットが、種々異なる梱包過程を実施するための複数の梱包ユニットの1つであってよく、選択された梱包ユニットは、梱包されるべき物体の判定された種類、及び使用済み梱包材料の種類に割り当てられていてよい。
【0215】
梱包装置と解梱装置とが、解梱及び/又は梱包のための1つの共通の装置内に形成されていてよい。
【0216】
収容ボックスのコンディショニングユニットとの関連で既に説明したように、生産設備は工具システムを含むことができる。
【0217】
特に、生産設備は工具システムを含むことができ、工具システムによって、クリーンルーム領域内部で抽出物におけるハンドリング過程及び/又はメンテナンス過程が実施可能であり得る。
【0218】
工具システムは、種々異なる処理過程及び/又はメンテナンス過程を実施するために、複数の、特に全自動式の工具ユニットを含むことができる。
【0219】
本明細書中に記載された工具ユニットは、本明細書中に記載された工具であり、且つ/又は本明細書中に記載された工具は、本明細書中に記載された工具ユニットであってよい。
【0220】
工具システムは、抽出物へ消耗材料を供給するために、供給ユニットとして形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができる。
【0221】
消耗材料は少なくとも1種の液体、及び/又は少なくとも1種のガス及び/又はガス混合物を含んでよい。
【0222】
これに加えて又はこの代わりに、消耗材料は少なくとも固体、例えば少なくとも1種の凍結乾燥された固体を含んでもよい。
【0223】
工具システムは、抽出物から試料を引き出すための引き出しユニットとして形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができる。
【0224】
工具システムの工具ユニットのうちの1つ又は2つ以上は、それぞれ1つ又は複数の複数回使用コンポーネント及び/又は1つ又は複数の単回使用コンポーネントを含むことができる。
【0225】
工具システムは準備ユニットを含むことができ、準備ユニットによって、工具ユニットの単回使用コンポーネントを、その利用後に取り出すことができ、特に廃棄することができ、そして1つ又は複数の新しい単回使用コンポーネントと交換することができる。
【0226】
単回使用コンポーネントは特に、1回の、特に最初の使用後に、二度と使用することができないコンポーネントであってよい。
【0227】
複数回使用コンポーネントは、特に1回の、特に最初の使用後に、少なくともさらに1回使用することができるコンポーネントであってよい。
【0228】
単回使用コンポーネント及び複数回使用コンポーネントは、それぞれ例えばエレメント及び/又はシステムであってよい。
【0229】
任意には、このようなエレメント及び/又はこのようなシステムは以下のもの、すなわちチューブ、針、シリンジ、コンテナ、特に容器又はパウチ、例えば抽出物のための容器、弁、マイクロ流体ユニット、プローブ、カートリッジ、バイアル、及び/又は、特に試薬のためのフラスコ、のうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0230】
前述の列挙は例示的であり、網羅的ではないことを理解するべきである。
【0231】
この代わりに又はこれに加えて、エレメントは前述の列挙エレメントの組み合わせを有してもよい。複数回コンポーネントは、清浄化可能且つ/又は滅菌可能であってよい。準備ユニットは、完全にクリーンルーム領域内部に配置されていてよい。
【0232】
準備ユニットは、ハンドリングユニット、特に多軸ロボットアームを含むことができ、ハンドリングユニットによって、全自動的に準備過程を実施することができる。
【0233】
準備過程、特に準備過程の装備解除過程及び/又は装備過程は、クリーンルーム領域の1つ又は複数の、特に種々異なるクリーンルーム部分領域内で実施可能であってよい。
【0234】
準備ユニットは清浄化ユニットを含むことができ、あるいは準備ユニットには清浄化ユニットが割り当てられていてよく、清浄化ユニットによって、1つ又は複数の工具ユニットの複数回コンポーネントは、その利用後に清浄化可能であり、特に滅菌可能である。
【0235】
これに加えて又はこの代わりに、清浄化ユニットは工具ユニットとして独立してもしくは隔離された状態で形成されていてよい。
【0236】
清浄化は装備解除過程及び装備過程の前、これらの過程の実施中、特に装備解除過程と装備過程との間、且つ/又は準備過程後に、清浄化ユニットによって実施可能である。
【0237】
工具システムは複数の可搬式工具ユニットを含むことができ、可搬式工具ユニットは、処理過程を実施するために、抽出物を処理するための処理場所、特に同時に抽出物を貯蔵するための貯蔵場所でもある処理場所へ供給することができ、そしてその場所で一時的に中間貯蔵することができる。
【0238】
工具システムの1つ又は複数の可搬式工具ユニットは、生産設備の貯蔵輸送装置、特に1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットによって、工具貯蔵場所へ、且つ/又は処理場所へ、且つ/又は準備場所へ供給することができる。
【0239】
1つ又は複数の工具ユニットは、処理過程及びメンテナンス過程を実施するためのハンドリング装置によって形成され配置されていてよい。
【0240】
1つ又は複数の工具ユニットは、処理過程及び/又はメンテナンス過程を実施するためのハンドリング装置とは無関係に、特に独立して形成され配置されていてよい。
【0241】
工具ユニットは単回使用可能又は再使用可能であってよい。
【0242】
工具ユニットは貯蔵場所に設置可能であり、中間貯蔵可能であり、貯蔵可能であり、且つ/又は貯蔵場所内の割り当てられたインターフェイスに接続可能であってよい。
【0243】
工具ユニットは機械的工具であってよい。
【0244】
工具ユニットは、ロボットアームによって、例えば多軸ロボットアームによって運動可能に且つ/又は規定に対して適正に使用可能であってよい。
【0245】
工具ユニットは、液体を供給且つ/又は導出するための、例えば液体を吸い取るための工具、特に液体を送出するための工具、例えばポンプ工具であってよく、工具ユニットは、所定の量の液体を、特に分析用の試料採取のために供給且つ/又は導出するように形成されていてよい。
【0246】
工具ユニットは、少なくとも1種の液体、特に少なくとも1種の液体を、少なくとも1種の液状、気体状、及び/又は固形の物質と混合するための工具であってよい。例えば、工具ユニットは循環のためのポンプであってよい。
【0247】
工具ユニットは、細胞の生化学的操作手段であってよい。細胞の生化学的操作手段によって、少なくとも1種の物質を抽出物へ供給することができ、且つ/又は抽出物の温度を変化させることができ、且つ/又は抽出物の周囲圧を変化させることができ、抽出物は特に工具支持体内、特に収容ボックス内に配置されており、特に収容されている。これにより、特に抽出物の環境、特に抽出物の細胞の環境を変化させることができ、これにより特に抽出物自体、特に抽出物自体の細胞を、特に細胞成長及び/又は細胞表面、例えば細胞膜表面、及び/又は細胞代謝の点で変化させる。
【0248】
工具ユニットは、特にカラム、例えば分離カラム、及び/又は遠心分離機によって液体を濃縮し且つ/又は分離する手段であってよい。
【0249】
これに加えて又はこの代わりに、液体を濃縮し且つ/又は分離するために、少なくとも1種の補助材料、例えば磁性粒子が使用されるようになっていてもよい。
【0250】
工具ユニットは、プローブ及び/又はセンサによってプログラムパラメータを分析するための手段であってよく、プローブ及び/又はセンサは、例えば下記のもの、すなわち少なくとも1種の温度、少なくとも1種の粒子、例えば少なくとも1種の粒子濃度、少なくとも1種の振動、少なくとも1種の加速度、少なくとも1種の細胞数、少なくとも1種の細胞密度、少なくとも1種の濁度、例えば液体混濁に基づく少なくとも1種の光吸収、少なくとも1種のガス組成、少なくとも1種のガス、例えばCO2、及び/又は少なくとも1種の化学物質、特に少なくとも1種の生化学物質、例えば代謝産物、のうちの少なくとも1種を把握し、検出し、且つ/又は判定するように形成されている。
【0251】
前述の列挙は例示的であり、網羅的ではないことを理解するべきである。
【0252】
工具システムがリサイクルユニット及び/又は再調製ユニットを含み、リサイクルユニット及び/又は再調製ユニットによって、清浄化過程及び/又は再調製過程がクリーンルーム領域内で、特に以下のもののうちの少なくとも1つで実施可能である。すなわち、
- ユニットのクリーンルーム特性、例えばそのクリーンルーム分類特性を維持するために、クリーンルーム領域自体、例えばクリーンルーム領域自体のクリーンルーム部分領域で実施可能であり、
- 当該クリーンルーム領域内で貯蔵輸送装置もしくはその貯蔵輸送ユニットが配置され且つ/又は運動可能であるクリーンルーム領域、例えばクリーンルーム部分領域のクリーンルーム特性、例えばクリーンルーム分類特性を維持するために、貯蔵輸送装置、特に貯蔵輸送装置の貯蔵輸送ユニットで実施可能であり、
- 消耗材料において実施可能であり、
- 工具もしくは工具ユニットにおいて実施可能であり、
- ワークピース支持体において実施可能である。
【0253】
前述の列挙は例示的であり、網羅的ではないことを理解するべきである。
【0254】
リサイクルユニット及び/又は再調製ユニットはセンサ装置を有することができ、センサ装置によって、清浄化及び/又は再調製過程の成功、特に品質を判定することができる。
【0255】
例えば前述の列挙エレメントのうちの少なくとも1つの、リサイクルユニット及び/又は再調製ユニットによって清浄化され且つ再調製されたものは、清浄化過程及び/又は再調製過程の後に、後続プロセスのために、特に貯蔵場所内もしくは貯蔵場所で調製することができる。
【0256】
欠陥のある且つ/又は余剰の工具ユニットはロック装置を介して生産設備から除去可能であり、特に、欠陥のある且つ/又は余剰の工具ユニットは、貯蔵場所から抜き出すことが可能であり、そしてこの工具ユニットを生産設備から引き出すために、自動的にロック装置へ輸送可能であってよい。
【0257】
工具システムは特に全自動的に配置されていてよい。
【0258】
事実上、生産設備は特に全自動式の工具システムを含むことができ、工具ユニットは、抽出物において処理過程を実施するための1つ又は複数の工具ユニットを含み、工具システムはクリーンルーム領域内部に、例えばクリーンルーム部分領域内部に、例えばクリーンルーム部分領域としての収容ボックス内部に配置されている。
【0259】
工具システムは、流体搬送装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、工具装置によって、流体を体積流に関して調節可能に搬送することができる。
【0260】
流体搬送装置によって搬送可能な体積流は、例えば500ml/min以上であってよい。±5%の許容差が存在していてよい。
【0261】
流体搬送装置は指向性エレメントを有することができる。指向性エレメントによって、方向付けされた体積流を生じさせることができる。
【0262】
流体搬送装置は熱分離材を有することができ、熱分離材によって、流体の温度を搬送時に一定に保持することができる。
【0263】
これに加えて又はこの代わりに、流体搬送装置は熱源及び/又は冷却ユニットを有することができ、且つ/又は流体搬送装置には熱源及び/又は冷却ユニットが割り当てられていてよく、熱源及び/又は冷却ユニットによって、流体の温度が搬送時に一定に保持可能且つ/又は調節可能であってもよい。
【0264】
流体搬送装置は少なくとも1つのセンサ装置を有することにより、流体搬送を監視し且つ/又は制御し且つ/又は調節することができ、且つ/又は搬送された流体中の構成部分、例えば粒子及び/又は濁り及び/又は気泡及び/又は蛍光マーキングされた構成部分を分析且つ/又は検出することができる。
【0265】
流体搬送装置は流体案内装置を有することができ、流体案内装置によって、流体はほとんど発泡せずに搬送することができる。
【0266】
流体搬送装置は死容積が最適化されていてよい。
【0267】
工具システムは、マイクロ流体搬送装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、マイクロ流体搬送装置によって、流体は特に体積流に関して調節可能に、特にアリコートするために搬送されるようになっている。
【0268】
マイクロ流体搬送装置によって搬送可能な体積流は、例えば500ml/min未満、有利には100ml/min以上、且つ500ml/min未満であってよい。±5%の許容差が存在していてよい。
【0269】
流体搬送装置は指向性エレメントを有することができる。指向性エレメントによって、方向付けされた体積流を生じさせることができる。
【0270】
流体搬送装置は熱分離材を有することができ、熱分離材によって、流体の温度を搬送時に一定に保持することができる。これに加えて又はこの代わりに、流体搬送装置は熱源及び/又は冷却ユニットを有することができ、且つ/又は流体搬送装置には熱源及び/又は冷却ユニットが割り当てられていてよく、熱源及び/又は冷却ユニットによって、流体の温度が搬送時に一定に保持可能且つ/又は調節可能であってもよい。
【0271】
マイクロ流体搬送装置は少なくとも1つのセンサ装置を有することにより、流体搬送を監視し且つ/又は制御し且つ/又は調節することができ、且つ/又は搬送された流体中の構成部分、例えば粒子及び/又は濁り及び/又は気泡及び/又は蛍光マーキングされた構成部分を分析且つ/又は検出することができる。
【0272】
マイクロ流体搬送装置は流体案内装置を有することができ、流体案内装置によって、流体はほとんど発泡せずに搬送することができる。マイクロ流体搬送装置は死容積が最適化されていてよい。
【0273】
工具システムは、流体を分割するための装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、工具ユニットによって、流体は体積流に関して調節可能に搬送されるようになっており、そして工具ユニットによって、流体は少なくとも2つ、特に2~12の流体部分に、特に調節可能に分割されるようになっている。
【0274】
流体部分、特にその所属の体積流は、例えば500ml/min未満、有利には100ml/min以上、且つ500ml/min未満であってよい。±5%の許容差が存在していてよい。
【0275】
分割された流体、特に分割された流体の少なくとも1つの流体部分は、割り当てられた少なくとも1つのコンテナ、特に容器、ワークピース支持体、及び/又は収容ボックス内へ、且つ/又はセンサ内及び/又はセンサ上へ、流体分割装置によって放出可能であってよい。
【0276】
流体分割装置は指向性エレメントを有することができる。指向性エレメントによって、少なくとも1つの方向付けされた体積流、特に少なくとも2つの方向付けされた体積流を生じさせることができる。
【0277】
流体分割装置は熱分離材を有することができ、熱分離材によって、流体の温度を搬送時に且つ/又は分割時に一定に保持することができる。
【0278】
これに加えて又はこの代わりに、流体分割装置は熱源及び/又は冷却ユニットを有することができ、且つ/又は流体分割装置には熱源及び/又は冷却ユニットが割り当てられていてよく、熱源及び/又は冷却ユニットによって、流体の温度が搬送時に一定に保持可能且つ/又は調節可能であってもよい。
【0279】
流体分割装置は、分割されるべき流体のための、且つ/又は分割済み流体のための、特にそれぞれの流体部分のための流体案内装置を有することができ、流体案内装置によって、流体及び/又は流体部分はほとんど発泡せずに搬送することができ、且つ/又は分割することができる。
【0280】
流体分割装置は死容積が最適化されていてよい。
【0281】
工具システムは、流体混合装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、工具ユニットによって、流体は混合可能である。
【0282】
流体混合装置は混合ユニット、特に機械的混合ユニット及び/又は幾何学的混合ユニットを有することができ、混合ユニットは、混合するための、特にほとんど発泡せずに混合するための定義された流体案内装置を有している。
【0283】
流体は、定義された剪断力で、特に低剪断力で、流体混合装置の混合ユニットによって混合可能であり、特にほとんど発泡せずに混合可能であるようになっていてよい。
【0284】
これに加えて又はこの代わりに、流体混合装置は熱源及び/又は冷却ユニットを有することができ、且つ/又は流体混合装置には熱源及び/又は冷却ユニットが割り当てられていてよく、熱源及び/又は冷却ユニットによって、流体の温度が混合時に一定に保持可能且つ/又は調節可能であってもよい。
【0285】
工具システムは、混合装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、工具ユニットによって、少なくとも2種の成分を互いに混合することができ、特に前記少なくとも2種の成分のうちの1種が流体である。
【0286】
混合装置は、実質的に流体混合装置と同様に形成されていてよく、特に、混合装置は流体混合装置と同様に形成されていてよく、あるいは流体混合装置として形成されていてよい。事実上、流体混合装置は混合装置として形成されていてもよい。
【0287】
工具システムは、測定装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、工具ユニットによって、流体及び/又は抽出物の少なくとも1種の特性を測定することができる。
【0288】
測定装置は、pH値、及び/又はガス値もしくはガス混合物値、例えば酸素値、細胞密度、及び/又は濁度、特に流体中の濁度を測定するために形成されていてよい。
【0289】
工具システムは、物質分離装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、工具ユニットによって、出発成分を少なくとも2種の成分に分離することができる。
【0290】
物質分離装置は、接線流濾過のため、例えば200~300gによる遠心分離のため、親和性クロマトグラフィのため、且つ/又は磁性分離のための手段を有している。これらの手段により、出発成分を少なくとも2種の成分に分離することができる。
【0291】
これに加えて又はこの代わりに、物質分離装置は温度調節エレメントを有することができ、且つ/又は物質分離装置には温度調節エレメントが割り当てられていてよく、温度調節エレメントによって、分離されるべき出発成分及び/又は分離済み出発成分の温度を、分離前、分離中、及び/又は分離後に一定に保持し、且つ/又は例えば5~10℃の温度に調節可能であってよい。
【0292】
工具システムは、加熱装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、工具ユニットによって、流体を温度調節することができ、特に流体は例えば37℃以下の温度に加熱可能又は冷却可能である。
【0293】
加熱装置は別個の装置として形成されていてよい。工具システムの前述の装置の熱源及び/又は温度調節エレメントは、加熱装置の部分として形成されており、且つ/又は加熱装置に割り当てられていてよい。
【0294】
加熱装置は、均質な温度場を特に空間的且つ/又は時間的な観点で形成するために配置され且つ/又は形成されていてよい。
【0295】
工具システムは、ガス、特にガス混合物を供給且つ/又は導出するための装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、この装置によって、ガス、特にガス混合物が、特に均質に供給可能且つ/又は導出可能である。
【0296】
ガスを供給且つ/又は導出するための装置によって、例えば酸素、二酸化炭素、及び/又は過酸化水素が供給可能且つ/又は導出可能であってよい。
【0297】
流体搬送装置、マイクロ流体搬送装置、流体分割装置、流体混合装置、混合装置、測定装置、物質分離装置、加熱装置、及びガスを供給且つ/又は導出する装置を互いに何らかの組み合わせで、1つ又は複数の装置として、例えばただ1つの共通の装置内で形成されていてよい。
【0298】
工具システムは、マニピュレータとして形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、マニピュレータによって、細胞膜、特に抽出物の細胞の細胞膜が、特に下記のもの、すなわち電場、化学物質の添加、受容体媒介によるトランスフェクション、マイクロインジェクション、遺伝子銃、磁石支援トランスフェクション、ソノポレーション、光学的トランスフェクション、マイクロ流体チャネル、例えばマイクロ流体チャネルの圧潰、のうちの少なくとも1つ、又はこれらの何らかの組み合わせによって操作可能である。
【0299】
これに加えて又はこの代わりに、マニピュレータによって、遺伝子材料、特に細胞外来遺伝子材料、例えばDNA、例えば外来DNA、及び/又はRNA、例えば外来RNAが、細胞膜を通して細胞内へ導入可能であってもよい。
【0300】
これに加えて又はこの代わりに、マニピュレータによって、ウイルスが細胞に供給可能であってよく、マニピュレータは本来の操作を細胞において実施することができる。
【0301】
工具システムは、線源及び/又は発光装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、線源は、イオン化ビームを特に目標物体へ、例えば抽出物へ発するように形成されており、そして発光装置は、所定の波長を有する光を特に目標物体へ、例えば抽出物へ発するように形成されている。
【0302】
これに加えて又はこの代わりに、工具システムは、フローセル-シーケンシング装置として、且つ/又は次世代シーケンシング装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含んでいてよい。
【0303】
工具システムは、清浄化装置として、特に既述の清浄化装置として、且つ/又は既述の清浄化ユニットとして形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、工具ユニットによって、処理過程を抽出物において前記1つ又は複数の工具ユニットによって実施し得る場所が、清浄化可能且つ/又は滅菌可能である。
【0304】
工具システムには、工具システムに消耗材料を供給するための供給装置が割り当てられていてよい。
【0305】
事実上、生産設備、例えば既述の工具システムと、工具システムに消耗材料を供給するための供給装置とを含むことができる。
【0306】
供給装置は、消耗材料を貯蔵するために、クリーンルーム領域内部に配置された、貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵場所を含むか又は利用することができる。
【0307】
事実上、供給装置には、貯蔵装置の貯蔵場所が割り当てられていてよい。
【0308】
ロック装置は、供給装置の構成部分を形成するか、又はこの構成部分と協働することができ、ロック装置によって消耗材料がクリーンルーム領域内へ導入可能であってよい。
【0309】
処理過程において使用されるべき消耗材料は、特にその使用前に、ロック装置内に、特にロック装置の出口ロック場所上に提供可能であってよく、そして任意には、使用のために調製可能、特に解梱可能且つ/又は温度調節可能であってよい。
【0310】
貯蔵装置は、供給装置の構成部分を形成することができ、又はこの構成部分と協働することができる。
【0311】
貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって、特に貯蔵装置の貯蔵輸送装置の1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットによって、生産設備の周囲から、特にロック装置を通して供給された消耗材料が、貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵場所に供給可能であってよい。
【0312】
貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって、特に貯蔵装置の貯蔵輸送装置の1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットによって、消耗材料が工具システムへ、特に工具システムの1つ又は複数の工具ユニットへ、例えば消耗品及び/又は工具消耗材を工具システムの1つ又は複数の工具ユニットへ供給可能であってよい。
【0313】
消耗品及び/又は工具消耗材は、それぞれ1つ又は複数の複数回使用コンポーネント及び/又は1つ又は複数の単回使用コンポーネントを含んでよい。
【0314】
処理過程において使用されるべき消耗材料は、特にその使用前に、貯蔵場所内に提供可能であってよく、そして任意には、使用のために調製可能、特に温度調節可能であってよい。
【0315】
供給装置は1つ又は複数の廃棄ユニットを含むことができ、廃棄ユニットによって、特に使用済みの、使い古された、且つ/又は汚された消耗品及び/又は工具消耗材をクリーンルーム領域から取り出すことができる。
【0316】
1つ又は複数の廃棄ユニットが工具システムの装備ユニットに割り当てられてよく、特に装備ユニットによってハンドリング可能であってよく、且つ/又は工具システムの装備ユニットの構成部分を形成することができる。
【0317】
供給装置は、クリーンルーム領域内部に配置された補充装置を含むことができ、補充装置によって、特に液状形態で存在する消耗品を、1つ又は複数のワークピース支持体及び/又は1つ又は複数の貯蔵場所の1つ又は複数の貯え装置へ供給することができる。
【0318】
これに加えて又はこの代わりに、補充装置は、前述の補充ステーションとして形成されていてよく、且つ/又はこのような補充ステーションに割り当てられていてよい。貯え装置は、特にエネルギー及び/又は1種又は2種以上の消耗材料を貯えるように形成されていてよく、特に貯え装置は電気的に再び充電可能であり、且つ/又は消耗材料を補充可能であってよい。
【0319】
貯え装置によって、エネルギー及び/又は1種又は2種以上の消耗材料を、処理過程を実施するために提供することができる。
【0320】
貯え装置は、エネルギー及び/又は消耗材料を補充し且つ/又は提供するための少なくとも1つのインターフェイスを含むことができ、特にインターフェイスは、工具/工具ユニットに特に前述の提供のためにカップリング可能であるように形成されていてよい。
【0321】
供給装置は水、特に超純水を少なくとも1種の消耗材料として提供するための水設備、特に超純水設備を有することができる。
【0322】
水設備は、例えば生産設備内に設けられたインターフェイスを介して、水源、特に超純水源と接続可能であってよく、水源は生産設備の周囲に配置されていてよい。既述のように、生産設備内には、1つ又は複数のプローブ、センサ、センサユニット、及び/又は同質の測定エレメントが設けられていてよい。
【0323】
事実上、生産設備は、1つ又は複数の抽出物、及び/又は1つ又は複数のワークピース支持体、及び/又は1つ又は複数の工具の1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の値を判定するための1つ又は複数のセンサユニットを含むことができる。生産設備は、1つ又は複数の消耗材料の1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の値を判定するための1つ又は複数のセンサユニットを含んでいてよい。
【0324】
判定は少なくとも部分自動式に、特に全自動的に、1つ又は複数のセンサユニットによって実施可能であってよい。1つ又は複数のセンサユニットによって、生産設備の貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵場所の占有状態が判定可能、特に監視可能であってよい。
【0325】
1つ又は複数のセンサユニットによって、生産設備の貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵場所の、又は貯蔵場所内の局所的温度、及び/又は局所的湿度、及び/又は局所的照明又は照射強度が判定可能、特に監視可能であってよい。
【0326】
生産設備は、抽出物の処理中又は2つの処理過程間の処理進捗状況を判定するための、1つ又は複数のセンサユニットを含むことができる。
【0327】
生産設備は、抽出物の処理中、又は2つの処理過程間の処理進捗状況を、抽出物の少なくとも1種の流体に基づき判定するための1種又は2種以上のセンサユニットを含んでいてよい。
【0328】
処理進捗状況を判定するための1つ又は複数のセンサユニットが、抽出物の顕微鏡的構成部分を視覚的に把握するための顕微鏡装置であってよい。
【0329】
顕微鏡装置は、
- 自動顕微鏡装置、及び/又は
- レンズレス顕微鏡装置、及び/又は
- 光学顕微鏡型の顕微鏡装置、及び/又は
- 蛍光試験及び/又はルミネッセンス試験のための顕微鏡装置
を有し、且つ/又はこのようなものとして形成されていてよい。
【0330】
顕微鏡装置は、データ及び/又は画像処理ユニットを有することができ、データ及び/又は画像処理ユニットは、少なくとも1つの処理進捗状況及び/又は1種又は2種以上の抽出物の1種又は2種以上のパラメータの1種又は2種以上の値を把握しし且つ/又は判定するように形成されプログラミングされている。
【0331】
顕微鏡装置のデータ及び/又は画像処理ユニットによって、1つ又は複数の抽出物のそれぞれの細胞の形態、及び/又は濃度、及び/又は運動性、及び/又は機能性を把握可能且つ/又は判定可能である。
【0332】
抽出物を収容するための1つ又は複数の貯蔵場所、又は貯蔵場所内には、処理進捗状況を判定するためのそれぞれ1つ又は複数のセンサユニットが配置されており、特に貯蔵場所内に組み込まれていてよい。
【0333】
生産設備、特に1つ又は複数の処理過程を実施するための1つ又は複数の工具が、1つ又は複数の判定された値に応じて、制御可能且つ調整可能であってよく、特に、判定された処理進捗状況に応じて、1つ又は複数の処理パラメータが変化させられ、特に変更可能であってよい。
【0334】
生産設備は、クリーンルーム領域内部に貯えられた消耗材料の量を監視するための1つ又は複数のセンサユニットを含むことができる。
【0335】
生産設備は1つ又は複数の通信インターフェイス及び/又は1つ又は複数のヒューマン-マシン-インターフェイス、略してHMI-インターフェイスを含むことができ、このインターフェイスによって、消耗材料の規定量を下回っているという情報を生産設備から、特に利用者及び/又はコンピューティングシステムへ提供することができる。
【0336】
1つ又は複数のセンサユニットが、ポリメラーゼ連鎖反応分析(PCR-分析)のための、且つ/又はエンドトキシン試験のための、且つ/又はマイクプラズマ試験のための装置として形成されていてよい。
【0337】
1つ又は複数のセンサユニットによって、抽出物及び/又は抽出物の一部、特に構成部分において、タンパク質分析、特にタンパク質定量、及び/又は酵素活性試験、及び/又は免疫学的試験、及び/又はアミノ酸分析、及び/又はタンパク質配列分析が実施可能であってよい。
【0338】
これに加えて又はこの代わりに、1つ又は複数のセンサユニットによって、抽出物及び/又は抽出物の一部、特に構成部分において、分光法、及び/又は光学顕微鏡法、及び/又はクロマトグラフィ法、及び/又は電気泳動法、及び/又は質量分析法が実施可能であってもよい。
【0339】
1つ又は複数のセンサユニットによって、抽出物及び/又は抽出物の一部、特に構成部分において、3D構造解明、特に磁気共鳴分光法、及び/又は電子顕微鏡法、及び/又は走査電子顕微鏡法、及び/又はレントゲン分析が実施可能であってよい。
【0340】
1つ又は複数のセンサユニットによって、抽出物及び/又は抽出物の一部、特に構成部分において、ペプチド分析及び/又は炭水化物分析、特に高速液体クロマトグラフィ及び/又は電気泳動法及び/又は質量分析法及び/又は磁気共鳴分光法、及び/又は脂質分析法、特に固相抽出法及び/又はクロマトグラフィ及び/又はクロマトグラフィ及び/又は質量分析法及び/又は免疫測定試験、及び/又は特に少なくとも1種のタンパク質に関する、リン酸化及びアセチル化分析、及び/又は特にグルコース、ラクテート、酸素、二酸化炭素、アンモニウム、ホスフェート、及び/又はこれらの誘導体に関する代謝産物試験及び/又は代謝産物監視が実施可能であってよい。1つ又は複数のセンサユニットによって、抽出物及び/又は抽出物の一部、特に構成部分において、核酸分析が実施可能であってよい。
【0341】
特に核酸分析のための生産設備が、抽出装置、及び/又はゲル濾過装置、及び/又は沈殿装置、及び/又は濃縮装置、及び/又は遠心分離装置、及び/又は単離装置、及び/又はPCR分析装置、及び/又は、カップリングされた材料と流体とを磁気ビードによって分離するための磁気ビードハンドリング装置を含んでよく、このような装置は、特に核酸分析のための1つ又は複数のセンサユニットに割り当て可能であり、且つ/又は割り当てられていてよい。
【0342】
例えば、特に核酸分析のための1つ又は複数のセンサユニットによって、吸収測定、及び/又は特にRNA及び/又はDNA及び/又はタンパク質の分離及び/又は清浄化のためのゲル電気泳動法、及び/又は特にRNA及び/又はDNA及び/又はタンパク質ゲル及び/又はウェスタンブロットに関するゲル・ドキュメンテーション、及び/又は特にRNA-/DNA-/タンパク質定量化のための、RNA分析及び/又はDNA分析及び/又は配列分析、及び/又はチップ分析、及び/又はDNAマッピング及び/又はタンパク質-DNA相互作用分析、及び/又は遺伝子型決定、及び/又はエピジェネティック分析、及び/又はプロテオーム分析、及び/又はメタボローム-フィンガープリンティング、-プロファイリング、-ターゲット分析が、抽出物及び/又は抽出物の一部、特に構成部分において実施可能であってよい。
【0343】
生産設備は、特に細胞分析のために、形態判定装置、及び/又は代謝産物試験装置、及び/又は受容体結合試験装置、及び/又はシグナル伝達試験装置、及び/又は細胞差別化試験装置、及び/又は粘度試験装置、及び/又はDNA-/RNA-/タンパク質発現試験装置、及び/又はチップ/マイクロ流体系試験装置を含んでいてよく、このような装置は、特に細胞分析のための1つ又は複数のセンサユニットに割り当て可能であり、且つ/又は割り当てられていてよい。
【0344】
これに加えて又はこの代わりに、1つ又は複数のセンサユニットによって、特に遺伝子及び/又はタンパク質発現のための発現分析、及び/又はトランスフェクション分析、及び/又はフローサイトメトリー、及び/又はELIZA試験、及び/又はルシフェラーゼ試験、及び/又はキナーゼ試験が、抽出物及び/又は抽出物の一部、特に構成部分において実施可能であってもよい。
【0345】
1つ又は複数のセンサユニットによって、浸透圧試験及び/又は氷点低下測定及び/又は濁度測定、特に光学的密度の測定、及び/又は粒子測定、特に粒子密度測定、及び/又はpH測定、及び/又は粘度測定が、抽出物及び/又は抽出物の一部、特に構成部分において実施可能であってよい。
【0346】
換言して要約すれば、生産設備は1つ又は複数のセンサ装置ユニットを含み、センサ装置ユニットによって、1つ又は複数の、実質的にすべてのプロセス工程、
特に1つ又は複数の、実質的にすべての処理過程、及び/又は1つ又は複数の、実質的にすべてのプロセス状態、特に1つ又は複数の、実質的にすべての処理状態を監視することができ、そして特に必要な場合には調節することができ、特に後調節することができ、且つ/又は制御することができ、特に後制御することができる。
【0347】
センサ装置ユニットは、少なくとも1種の温度、少なくとも1種の粒子、例えば少なくとも1種の粒子濃度、少なくとも1種の振動、少なくとも1種の加速度、少なくとも1種の細胞数、少なくとも1種の細胞密度、少なくとも1種の濁度、特に抽出物-懸濁液及び/又は生成物-懸濁液の濁度、例えば、特に抽出物-懸濁液及び/又は生成物-懸濁液中の液体濁度に基づく少なくとも1種の光吸収、少なくとも1種のガス組成、少なくとも1種のガス、例えばCO2、及び/又は少なくとも1種の化学物質、特に少なくとも1種の生化学物質、例えば少なくとも1種の代謝産物、例えばグルコースに具体的に対処することができる。
【0348】
前述のセンサ装置ユニット、もしくは前述のセンサユニットは生産設備内で必要に応じて、特に1つ又は複数の物体、例えば抽出物及び/又は工具及び/又は貯蔵場所及び/又は消耗材料に関して、クリーンルーム領域内に配置されていてよい。
【0349】
特に、1つ又は複数のセンサユニット、もしくは1つ又は複数のセンサ装置ユニットはインラインで配置可能であってよく、且つ/又は配置されていてよく、これにより特に1つ又は複数の抽出物に関して、連続的な自動測定を可能にし、且つ/又はリアルタイムの監視を可能にする。
【0350】
特に、これに加えて又はこの代わりに、1つ又は複数のセンサユニット、もしくは1つ又は複数のセンサ装置ユニットはオンラインで配置可能であってよく、且つ/又は配置されていてよく、これにより特に1種又は2種以上の抽出物に関して、連続的な自動測定を可能にし、センサユニットもしくはセンサ装置ユニットの位置決めは、特に抽出物の直接的な処理環境内では行われず、このために配置された、処理環境から導出された分岐路内で、例えばバイパス内で行われ、分岐路内では、特に自動的に、被験物質、特に抽出物の試料を引き出すことができ、任意には、例えば色変化のための試薬を分岐路内に添加することができる。
【0351】
特に、これに加えて又はこの代わりに、1つ又は複数のセンサユニット、もしくは1つ又は複数のセンサ装置ユニットはアトライン(atline)で配置可能であってよく、且つ/又は配置されていてもよく、抽出物の処理環境から引き出された抽出物試料は、処理環境から別個に、特に場所的に分離された状態で試験可能であり、任意には隔離された試料調製が実施可能であってよい。
【0352】
アトラインで配置された1つ又は複数のセンサ装置ユニットは、抽出物の処理環境に隣接して、特にすぐ近くで、クリーンルーム領域内に配置可能であり、且つ/又は配置されていてよい。
【0353】
これに加えて又はこの代わりに、アトラインで配置された1つ又は複数のセンサ装置ユニットは、生産設備に隣接して、特にすぐ近くで、生産設備の周囲内に配置可能であり、且つ/又は配置されていてよい。
【0354】
特に、これに加えて又はこの代わりに、1つ又は複数のセンサユニット、もしくは1つ又は複数のセンサ装置ユニットはオフラインで、特にクリーンルーム領域の且つ/又は生産設備の外部に、例えば外部ラボラトリ内に配置可能であってよく、且つ/又は配置されていてよい。
【0355】
既に前述のように、生産設備は1つ又は複数の清浄化装置を含むことができる。
【0356】
清浄化装置は、クリーンルーム領域内の別個の装置として形成されていてよく、且つ/又は、工具システム、特に工具もしくは工具ユニット、及び/又はロック装置及び/又は貯蔵装置の構成部分であってよい。
【0357】
清浄化装置は1つ又は複数のインターフェイスを含むことができ、インターフェイスによって、清浄化装置は、定置清浄化(定位置での清浄化(Cleaning in Place)、略してCIP)のために、定置洗浄(定位置での洗浄(Washing in Place)、略してWIP)のために、且つ/又は定置滅菌(定位置での滅菌(Sterilization in Place)、略してSIP)のために、特に製剤用清浄化システムと接続可能である。
【0358】
定置清浄化、定置洗浄、及び/又は定置滅菌は、特に貯蔵場所内で、且つ/又はワークピース支持体において、特に収容ボックスにおいて実施することができる。
【0359】
清浄化装置は、1つ又は複数のインターフェイスを含むことができ、インターフェイスによって、ガス及び/又はガス混合物及び/又は液体、例えばガス状及び/又は液体状の過酸化水素を清浄化装置へ供給することができ、これにより、クリーンルーム領域内部の1つ又は複数の物体、及び/又はクリーンルーム領域、特に少なくとも1つのクリーンルーム領域の部分、特にすべてを清浄化し、特に除染し、且つ/又は滅菌することができる。
【0360】
清浄化装置は、1つ又は複数の乾燥装置を含むことができ、乾燥装置によって、クリーンルーム領域内部の1つ又は複数の物体、特に工具、及び/又はワークピース支持体、例えば収容ボックス、及び/又はクリーンルーム領域、特に少なくとも1つのクリーンルーム領域の部分、特にすべてを、特に清浄化を行った後に乾燥させることができる。
【0361】
これに加えて又はこの代わりに、清浄化装置は1つ又は複数のオートクレーブ装置を有することもでき、オートクレーブ装置によって、クリーンルーム領域内部の1つ又は複数の物体を滅菌することができる。
【0362】
前記1つ又は複数のオートクレーブ装置は、解梱装置及び/又は梱包装置との関連において説明したオートクレーブ装置として実現されていてよい。
【0363】
清浄化装置は1つ又は複数のインターフェイスを含むことができ、インターフェイスによって、排水、特に汚染された液体をクリーンルーム領域から導出することができる。
【0364】
清浄化装置が1つ又は複数の分配エレメント、例えばノズル及び/又はスピリンクラーを有していてよく、分配エレメントは、クリーンルーム領域内部の清浄化剤源と接続されており、且つ/又は生産設備の周囲内の清浄化剤源と接続可能であり、そして分配エレメントにより、清浄化剤源、例えば水蒸気及び/又は過酸化水素を清浄化のために分解することができる。
【0365】
清浄化装置によって、特に抽出物と特に直接に接触することになる物体、特に工具及び/又は消耗材料を、特に照射によって清浄化することができ、特に滅菌することができる。
【0366】
清浄化装置によって、特に抽出物と特に直接に接触することはない物体を、特にガス処理によって清浄化することができ、特に殺菌することができる。
【0367】
清浄化装置は、特に定置の清浄化ステーションを含むことができ、清浄化ステーションによって、少なくとも1つのワークピース支持体、特に少なくとも1つの収容ボックスが清浄化可能、特に殺菌可能、且つ/又は滅菌可能であってよい。
【0368】
ワークピース支持体は、貯蔵輸送装置及び/又はハンドリング装置によって清浄化ステーションに供給可能であってよい。清浄化ステーションは洗浄機及び/又はオートクレーブ装置を含むことができる。
【0369】
以下に本発明による方法を説明する。
【0370】
前述の本発明によるシステム、すなわち本発明による生産設備、及びこのシステムもしくは設備の実施形態と関連するあらゆる構造的且つ機能的な特徴が、本発明による方法の中に単独又は組み合わせで含まれていてよく、これと関連する特性、構成、及び利点も相応に含まれ、達成されてよい。
【0371】
これに加えて、前述の本発明による生産設備は、
図25に示された方法を実施するように形成されていてもよく、そして後述の本発明による方法は、前述の本発明による生産設備によって実施可能であるように構成されていてもよい。
【0372】
生産設備、特に前述の生産設備(すなわち、特に下記のもの、すなわち、クリーンルーム領域と、前記生産設備の周囲から前記クリーンルーム領域内へ物体を供給し且つ/又は前記クリーンルーム領域から物体を取り出すためのロック装置と、前記クリーンルーム領域の内部で前記物体を動かすためのハンドリング装置と、複数の物体を収容するための複数の貯蔵場所を含む、前記クリーンルーム領域内部に配置された貯蔵装置とを含む)によって、生成物、特に生物学的製剤生成物を製造するための本発明による方法は、次のこと、すなわち、
- 前記生産設備によって製造可能な複数の生成物を製造するための複数の生産プログラムのうちの1つを選択し、
- 前記生産設備のロック装置内へ抽出物を導入し、
- 前記抽出物を前記生産設備のクリーンルーム領域内へ自動的に輸送し、そして
- 抽出物において1つ又は複数の処理過程を自動的に実施する、
ことを含む。
【0373】
処理過程の終了後には、抽出物から製造された生成物が、生産設備から自動的に搬送されてよい。
【0374】
抽出物は患者関連の、又はプールされた抽出物であってよい。
【0375】
プールされた抽出物は、複数の患者関連の抽出物から製造可能であり且つ/又は製造されていてよく、これにより、患者及び/又は患者群のための生成物を製造する、すなわち換言すれば、一人又は二人以上の患者のための生成物を製造するのに役立つ。
【0376】
処理過程は、2種又は3種以上の抽出物から成るプールを有することにより、プールされた抽出物を製造することができる。
【0377】
処理過程は、特に、物体、特に工具もしくは工具ユニット、抽出物、消耗材料などを繰り返し対にさせ且つ/又は組み合わせることを有し、これにより、特に生物学的な製造プロセスをその個別プロセス工程において再現することができる。
【0378】
生産設備のクリーンルーム領域内への抽出物を自動的に輸送されると、抽出物は、生産設備の貯蔵装置の、クリーンルーム領域内部に位置する貯蔵場所内へ収納することができる。
【0379】
抽出物から製造されるべき生成物が完成されるまで、1つ又は複数の処理過程を全自動的に実施することができる。
【0380】
あるいは、特に1つ又は複数のセンサユニットもしくはセンサ装置により実施された、もしくは実施可能な品質分析を考慮しながら、抽出物から製造されるべき生成物が完成されるまで、1つ又は複数の処理過程を全自動的に実施することもできる。
【0381】
1つ又は複数の、特にすべての処理過程が貯蔵場所で実施されてよい。
【0382】
こうして製造された生成物を貯蔵場所から抜き出し、そして生成物を生産設備から引き出すために、自動的にロック装置へ輸送することができる。
【0383】
生成物の引き出しの前に生成物を充填且つ/又は梱包し、特に使用準備が整った状態に充填且つ/又は梱包することができる。生成物を製造するために利用された1つ又は複数の容器、収容体及び/又は工具が、生成物の完成後にクリーンルーム領域内部に少なくとも部分的に留まり、清浄化され、滅菌され、そして続いてさらなる生成物の製造のために再使用されてよい。
【0384】
生成物を製造するために、且つ/又は複数の異なる生成物を製造するために必要な消耗材料、特に消耗品及び/又は工具消耗材が、特に製造されるべき生成物の選択が行われる前に、クリーンルーム領域内部に貯えられてよい。
【0385】
消耗材料がロック装置を介してクリーンルーム領域内へ自動的に輸送され、そしてクリーンルーム領域内で、特に貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵場所内へ収納されてよい。
【0386】
クリーンルーム領域内部に貯えられた消耗材料の量が監視されてよく、そして規定の最小量を下回ると、特にオペレータユニットの示唆又は警告メッセージを介して、前記所要の消耗材料を供給することによって、前記在庫量が増大させられてよい。
【0387】
同時に複数の生成物が、特に複数の異なる生成物が、クリーンルーム領域内部で製造されてよい。
【0388】
特に1つ又は複数の工具ユニットによって実施し得る1つ又は複数の処理過程は、
- 液体及び/又はガス、特にガス混合物を供給すること、
- 液体及び/又はガス、特にガス混合物を導出、特にポンプで導出すること、
- 1つ又は複数のセンサユニットによる分析のために、液体及び/又はガス、特にガス混合物の一部を導出、特にポンプで導出すること、
- 1種又は2種以上の成分、特に少なくとも1種の液体を、さらなる成分、例えばさらなる液体と混合すること、
- 特にカラム、例えば分離カラム、及び/又は遠心分離機によって液体を濃縮し且つ/又は分離すること、
- 特に1つ又は複数のセンサユニットによって、抽出物及び/又は中間生成物及び/又は生成物を分析し、貯蔵輸送装置によって1つ又は複数の物体を貯蔵し、特に収納し且つ/又は抜き出すこと、
- 1つ又は複数の物体、特に1つ又は複数の抽出物を温度調節し、特にインキュベートすること、
を有することができる。
【0389】
処理工程の前述の列挙は例示的であり、網羅的ではないことを理解するべきである。
【0390】
この代わりに又はこれに加えて、1つ又は複数の処理過程を1つ又は複数の処理過程と、ただ1つの処理過程において、且つ/又はこれらの何らかの組み合わせにおいて、組み合わせることが可能であってよい。
【0391】
処理過程の組み合わせは、生成物を製造するための指示書、特に処方箋、特に具患者関連の情報に基づいてパーソナライズされた生成物を製造するための指示書から結果として生じてよい。
【0392】
処理過程は、例えば消耗材料、特に液体を抽出物へ供給することを含んでよく、特に、消耗材料、特に液体を保持するワークピース支持体と、特に抽出物及び/又は抽出物コンテナもしくは容器を抽出物と一緒に保持する収容ボックスとを、1つ又は複数の工具ユニット及び/又はハンドリング装置によって、互いに特に流体接続した後、消耗材料を抽出物へ供給し、特に抽出物へ指向され定義された状態で搬送する。
【0393】
互いに接続されたワークピース支持体は、プロセスセル、特に無菌プロセスセル、又はプロセスユニット、特に無菌プロセスユニットを定義してよい。これにより、例えば液体及び抽出物から懸濁液を、特に細胞懸濁液を、定義された状態で生成し且つ/又は変更することができる。
【0394】
さらに、供給後、特に搬送後に、ワークピース支持体は、1つ又は複数の工具ユニット及び/又はハンドリング装置によって再び互いに分離可能であってよい。1つ又は複数の工具ユニット及び/又はハンドリング装置が、処理過程の前又は後に、清浄化装置によって清浄化され且つ/又は滅菌されてよい。清浄化及び/又は滅菌が行われた後、工具ユニットは再び貯蔵場所内に、貯蔵輸送装置によって収納することができる。
【0395】
これに加えて又はこの代わりに、ハンドリング装置には、清浄化及び/又は滅菌を行った後、特に1つ又は複数の工具ユニットを新たに装備することができ、且つ/又は後続の処理過程のために装備することができる。
【0396】
処理過程は例えば、抽出物、例えば細胞の、特に抽出物の一部を、特に貯蔵場所に含むことができる。
【0397】
インキュベーションは、消耗材料の供給後に、細胞懸濁液を生成するために実施可能であってよい。インキュベーションは、消耗材料を供給する前に、例えば細胞懸濁液を変更するために、特に貯蔵場所において実施可能であってよい。
【0398】
細胞懸濁液が配置されているワークピース支持体は、インキュベーションが実施可能になる前、もしくは実施される前に、清浄化装置によって清浄化され滅菌されてよい。
【0399】
インキュベーション時には、1つ又は複数の工具ユニットによって、ガス処理及び温度調節が実施可能であってよく、もしくは実施されてよい。インキュベーション時には、1つ又は複数の機能、特に加熱、固定、及び/又はガス処理が、特にただ1つの収容ボックス内で実施可能であってよい。
【0400】
処理過程、特にインキュベーションに対して並行して又は連続して、ワークピース支持体、特に消耗材料を、特に液体を保持するもしくは保持したワークピース支持体が、清浄化装置によって清浄化可能且つ/又は滅菌可能であってよい。
【0401】
これに加えて、液体が保管された、ワークピース支持体によって保持されたコンテナが、ハンドリング装置によってロック装置を介してクリーンルーム領域から取り出し可能であってよく、もしくは取り出しされてよい。任意には、これに続いて、ワークピース支持体は清浄化装置によって清浄化可能且つ/又は滅菌可能であってよく、もしくは清浄化且つ/又は滅菌されてよい。さらに任意には、これに続いてワークピースには、特に貯蔵装置から且つ/又はロック装置を介して、貯蔵輸送装置及び/又はハンドリング装置によって、特に消耗材料が再び装備可能であってよい。
【0402】
各製造されるべき生成物には、一連の処理過程が割り当てられていてよく、これらの処理過程は、クリーンルーム領域内部に配置されて処理過程の実施後にクリーンルーム領域内にとどまる工具によって実施される。
【0403】
1つ又は複数の工具は、1つ又は複数の処理過程を実施した後に、クリーンルーム領域内部で清浄化、特に滅菌されてよい。
【0404】
1つ又は複数の工具には、1つ又は複数の処理過程を実施する前に、クリーンルーム領域内部で、工具消耗材を装備することができる。
【0405】
1つ又は複数の工具消耗材は、1つ又は複数の処理過程を実施した後に、クリーンルーム領域内部で1つ又は複数の工具から取り出され且つ/又は廃棄されてよい。複数の、特にすべての処理過程には、処理時間値が割り当てられていてよく、処理時間値は、その都度の処理過程の開始からその終わりに至るまで経過する時間を示し、特に、
- その都度の処理過程のために必要な少なくとも1つの工具を、特に1つ又は複数の工具消耗材の装備を含めて提供するための時間、及び/又は
- 処理されるべき抽出物における、特に抽出物が配置されている貯蔵場所における少なくとも1つの工具の供給及び/又は配置及び/又は運転開始のための時間、及び/又は
- 所望の処理結果を達成するために抽出物に作用する時間、及び/又は
- 抽出物から、特に貯蔵場所から少なくとも1つの工具を取り出すための時間を含み、
- 好ましくは
○ 少なくとも1つの工具の清浄化、及び/又は
○ 工具消耗材の取り出し及び/又は廃棄、及び/又は
○ 出発場所、特に工具に割り当てられた貯蔵場所への工具の戻し輸送
を含む。
【0406】
各生産プログラムにおいて、所定の生成物の製造のために必要な処理過程、並びに所属の処理時間値が記録又は考慮されていてよく/記録又は考慮されてよい。
【0407】
生産プログラムの開始時には、生産経過を予測することができ、処理過程の実施のために必要とされる且つ/又は指定された工具は、予測から生じるタイムスロットのために予め用意しておくことができる。
【0408】
1つ又は複数の処理過程には、それぞれ
- 1つ又は複数の工具を清浄化し、且つ/又は1つ又は複数の貯蔵場所を清浄化するための1つ又は複数の清浄化過程、及び/又は
- 消耗材料を廃棄するための1つ又は複数の廃棄過程、及び/又は
- 1つ又は複数の工具に消耗材料を装備するための1つ又は複数の準備過程、及び/又は
- 処理結果を制御するための1つ又は複数の制御過程、
が割り当てられるか又は割り当てられていてよく、
生産経過の予測に応じて、1つ又は複数の清浄化過程の、1つ又は複数の廃棄過程の、1つ又は複数の準備過程の、且つ/又は1つ又は複数の制御過程の実施のために必要となる1つ又は複数の装置に、タイムスロットを予め用意しておいてよく/予め用意してよい。
【0409】
1つ又は複数の処理過程後に、特に各処理過程後に、特に、生成物を完成させるためになおも必要な工具及び/又はその他の装置に対するタイムスロットを確認又は補正するために、生産経過の予測を試験し且つ/又は実現することができる。
【0410】
生産プログラムの所望の開始時には、すべての必要な工具及び/又は他の装置が、生成物を完成させるために、必要なタイムスリット内で利用可能であるかどうかを、生産経過の予測に基づいて判定することができ、そしてこのような判定が肯定的な結果を提供した場合にのみ、生産プログラムを開始することができる。
【0411】
これに加えて又はこの代わりに、生産プログラム全体及び/又は生産プログラムの一部の開始時には、すべての必要な工具及び/又は他の装置が、生成物を完成させるために、必要なタイムスリット内及び/又は生産期間で利用可能であるかどうか、且つ/又は特に消耗材料に関するリソース・ボトルネック、及び/又は他の生産リスクが存在するかどうかを、生産経過の予測に基づいて判定することもでき、そしてこのような判定が利用可能性に関する肯定的な結果と、リソース・ボトルネック及び生産リスクに関する否定的な結果を提供した場合にのみ、生産プログラムを開始することができる。
【0412】
これに加えて又はこの代わりに、生産プログラム及び/又は生産プログラムの一部の所望の開始時には、すべての必要な工具及び/又は他の装置及び/又は物体及び/又は他の材料が、生成物を完成させるために、必要なタイムスリット内で利用可能であり且つ/又は必要なタイムスリット内に特に利用者によって供給可能であるかどうか、例えば、前記工具、装置、物体、及び/又は材料が必要なタイムスリット内に供給可能であるという、利用者側で入力可能な確認が存在するかどうかを、生産経過の予測に基づいて判定することもでき、そしてこのような判定が肯定的な結果を送達した場合にのみ、生産プログラムを開始することができる。
【0413】
生産設備は、生産設備を制御且つ/又は調整するための、特に生産設備によって包含されるコンポーネントの少なくとも1つ、もしくは生産設備の構成部分を制御且つ/又は調整するための1つ又は複数の制御ユニット、特に既述の制御ユニットを含んでよい。
【0414】
生産設備は1つ又は複数の記憶ユニットを有することができ、且つ/又は生産設備には、例えばクラウド内且つ/又はサーバー上に位置する、1つ又は複数の分散型の記憶ユニットが割り当てられていてよい。少なくとも1つの記憶ユニットには、コンピュータプログラム・プロダクトが記憶可能であり、又は記憶されている。コンピュータプログラム・プロダクトは命令を含む。命令は、コンピュータプログラム・プロダクトの実行時に、生産設備の少なくとも1つの制御ユニットによって、前述の生産設備に前述の方法を実施するように促す。コンピュータプログラム・プロダクトは、これに加えて又はこの代わりに、コンピュータ可読の(さらなる)記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0415】
1つ又は複数の制御ユニットによって、生産設備による生成物、特に生物学的製剤生成物の製造が実施可能であってよい。
【0416】
生産バッチ内の1つ又は複数の製造されるべき生成物を特に自動的に分類するように、1つ又は複数の制御ユニットが形成されプログラミングされていてよい。
【0417】
特に時間的な観点で、且つ/又は生産設備内部に位置するリソース、例えば工具及び/又は消耗材料、及び/又は生産設備の実際の作業負荷に鑑みて、1種又は2種以上の生成物及び/又は生産バッチの注文計画を実施するように、1つ又は複数の制御ユニットが形成されプログラミングされていてよい。
【0418】
これに加えて又はこの代わりに、前記注文計画は、所定の生産戦略に関して、例えば品質、例えば生成物品質に関して、時間的経過に関して、且つ/又は時間的経過に伴うコストに関して、実施可能であってもよい。
【0419】
1つ又は複数の記憶ユニットに記憶可能な、又は記憶された情報管理ユニットへアクセスし得るように、そしてこの情報管理ユニットを生成し且つ/又は変更し得るように、1つ又は複数の制御ユニットが形成されプログラミングされていてよい。
【0420】
1つ又は複数の記憶ユニットに記憶可能な、又は記憶された計算ユニットへアクセスし得るように、且つ/又は計算ユニットを変更し得るように、1つ又は複数の制御ユニットが形成されプログラミングされていてよく、これにより、製造されるべき生成物の自動的な計算及び/又はコスト計算を可能にすることができる。
【0421】
少なくとも1つの記憶ユニットに記憶可能な情報、特に生成物を製造するための患者関連情報を、例えば情報管理ユニット内でエンコードし、且つデコードするように、1つ又は複数の制御ユニットが形成されプログラミングされていてよい。
【0422】
これに加えて又はこの代わりに、少なくとも1つの記憶ユニットに記憶可能な情報、特に生成物を製造するための患者関連情報を、例えば情報管理ユニット内で匿名化し且つ/又は仮名化するように、1つ又は複数の制御ユニットが形成されプログラミングされていてもよい。
【0423】
情報管理ユニットによって、情報は維持可能、特に記憶可能、且つ/又は変更可能、且つ/又は生成可能であってよく、情報は例えば、1種又は2種以上の生成物及び/又は中間生成物の1つ又は複数の処方箋、患者関連の情報、生産設備に関する機械関連の情報、生産設備に関する実働時間情報、生産設備の材料ロジスティック及び/又は材料要件に関する情報を含む。
【0424】
1つ又は複数の記憶ユニットによって、生成物を製造するための指示、特に患者関連情報に基づいて、パーソナライズされた生成物を製造するための指示が記憶可能であってよい。
【0425】
抽出物は患者関連の抽出物であってよい。
【0426】
これに加えて又はこの代わりに、抽出物はプールされた抽出物であってよい。
【0427】
プールされた抽出物は、複数の患者関連の抽出物から製造可能であり且つ/又は製造されていてよく、これにより、患者及び/又は患者群のための生成物を製造する、すなわち換言すれば、一人又は二人以上の患者のための生成物を製造するのに役立つ。
【0428】
生成物を製造するための指示は、1つ又は複数の処理過程の経過を定義することができる。
【0429】
事実上、指示は生産プログラムを定義することができる。1つ又は複数の生産プログラムは1つ又は複数の記憶ユニットに記憶可能であってよく、そして生産設備によって製造可能な複数の生成物のうちの1つを製造するために、特に1つ又は複数の制御ユニットによって実施可能である。生産設備によって、少なくとも1種の抽出物から、特に少なくとも1種の患者関連の抽出物から、生成物、特に患者関連の生成物が、患者関連の情報に基づく指示により製造可能であってよい。
【0430】
生産設備の1つ又は複数の通信インターフェイス及び/又は1つ又は複数のヒューマン-マシン-インターフェイス、略してHMI-インターフェイスと通信し得るように、1つ又は複数の制御ユニットが形成されプログラミングされていてよい。
【0431】
通信インターフェイスを介して、且つ/又はHMI-インターフェイスを介して、作業員もしくは利用者へ情報、例えば障害情報及び/又は生成物の製造状態に関する情報、及び/又は貯蔵装置の貯蔵状態に関する情報を提供するように、1つ又は複数の制御ユニットが形成されプログラミングされていてよい。
【0432】
本発明による生産設備及び本発明による方法の前記説明に関連して、生産設備の1種又は2種以上の物体の例示的経過、特に例示的マテリアルフロー、及び/又は、生産設備へ供給可能であり且つ/又は生産設備から取り出し可能である1種又は2種以上の物体の例示的経過、特に例示的マテリアルフローを以下に説明することにより、本発明について補足的に述べる
【0433】
下記例示的経過及び/又はマテリアルフローは、前述の本発明による生産設備、及びその実施形態と関連するあらゆる構造的且つ機能的な特徴に関して、そしてまた前述の本発明による方法、及びその実施形態に関しても単独又は組み合わせで変更し得ることが理解されるべきである。
【0434】
下記説明は特に抽出物に関する。
【0435】
抽出物はコンテナ内に、特に抽出物コンテナ又は容器内に配置且つ/又は収容されていてよい。
【0436】
抽出物を含む抽出物コンテナは、クリーンルーム分類Aを有するクリーンルーム部分領域を画定することができる。
【0437】
抽出物を含む抽出物コンテナは、梱包材料によって梱包されていてよい。梱包材料は、抽出物を含む抽出物コンテナの部分領域ハウジングという意味で形成されていてよい。
【0438】
抽出物を含む抽出物コンテナは、生産設備のロック装置内へ、特にロック装置の入口ロック場所へ導入可能であってよい。
【0439】
抽出物コンテナの梱包材料は、特にロック装置内の入口ロック場所で且つ/又は別個の解梱場所で、特に1つ又は複数の解梱ユニットによって取り出し可能であってよい。
【0440】
有利には、梱包材料は取り出し前にロック装置の清浄化装置、もしくは生産設備の清浄化装置の、ロック装置に割り当てられた部分によって清浄化且つ/又は滅菌されてよい。
【0441】
ロック装置は、クリーンルーム分類Bを有するクリーンルーム部分領域を含むことができる。
【0442】
入口ロック場所及び/又は解梱場所は、クリーンルーム分類Aを有するクリーンルーム部分領域を含むことができる。
【0443】
抽出物を含む抽出物コンテナはロック装置内部で、ロック輸送装置及び/又はハンドリング装置によって運動可能であってよい。
【0444】
ハンドリング装置によって、抽出物を含む抽出物コンテナはロック装置内で、又はロック装置にすぐに隣接して、ワークピース支持体、特に収容ボックスへ引き渡し可能であってよく、あるいは収容ボックス内に配置可能である、もしくは配置されているワークピース支持体へ引き渡し可能であってよい。
【0445】
抽出物を含む抽出物コンテナを収容している収容ボックスは、無菌プロセスユニットを定義することができる。
【0446】
抽出物を含む抽出物コンテナを収容している収容ボックスは、貯蔵装置の貯蔵場所内もしくは貯蔵場所で、貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって収納可能であってよい。
【0447】
これに加えて又はこの代わりに、このような収容ボックスは、特に1つ又は複数の工具ユニットによる1つ又は複数の処理過程のために、貯蔵輸送装置によって提供することもできる。
【0448】
これに加えて又はこの代わりに、ハンドリング装置によって、抽出物を含む抽出物コンテナはロック装置内で、又はロック装置にすぐに隣接して、ワークピース支持体へ引き渡し可能であり、このようなワークピース支持体は、抽出物コンテナの引き渡し後に、貯蔵輸送装置によって貯蔵場所へ輸送可能であってもよく、貯蔵場所内の収納後に、ワークピース支持体は抽出物コンテナと一緒に、貯蔵場所から、特にクリーンルーム分類Aを有する無菌プロセスユニットを定義する収容ボックスへ引き渡し可能である。
【0449】
1つ又は複数の工具ユニットを貯蔵装置から、且つ/又は1つ又は複数の消耗材料を貯蔵装置から保持して輸送する1つ又は複数のワークピース支持体が、貯蔵輸送装置によって収容ボックスへ輸送可能であってよく、任意には、ワークピース支持体はそれぞれの収容ボックス内に配置されていてよい。
【0450】
収容ボックスと、1つ又は複数のワークピース支持体、もしくはそれぞれのワークピース支持体が配置されている収容ボックスとは、収容ボックス内に配置された抽出物における1つ又は複数の処理過程のために、互いに結合可能/カップリング可能であってよく、もしくは結合/カップリングされてよく、処理過程の1つ又は複数の処理過程のために、1つ又は複数の工具ユニット、及び/又は1つ又は複数のワークピース支持体の1種又は2種以上の消耗材料が必要であってよい。
【0451】
換言すれば、収容ボックスと1つ又は複数のさらなる収容ボックスとは、互いに結合可能/カップリング可能であってもよく、もしくは結合/カップリングされてもよく、前記さらなる収容ボックスはそれぞれ少なくとも1つのワークピース支持体を収容しており、ワークピース支持体によって、1つ又は複数の工具ユニット及び/又は1種又は2種以上の消耗材料が1つ又は複数の処理過程のために、保持可能であり、もしくは保持される。
【0452】
処理過程によって、抽出物から生成物が生成可能であってよい。
【0453】
事実上、収容ボックス内に保持された抽出物コンテナは今や生成物コンテナと呼ぶことができる。
【0454】
これに加えて又はこの代わりに、消耗材料に割り当てられていてよい別個のコンテナが、ワークピース支持体によって提供可能であってもよく、且つ/又は提供されていてもよい。このコンテナは生成物コンテナとして役立つことができ、この生成物コンテナ内へ、生成物を1つ又は複数の工具ユニットによって移すことができる。
【0455】
収容ボックス内に配置された、生成物を含む生成物コンテナは、貯蔵輸送装置及び/又はロック輸送装置及び/又はハンドリング装置によって、ロック装置の出口ロック場所へ、特に梱包場所へ動かすことができる。
【0456】
生成物を含む生成物コンテナは、出口ロック場所、特に梱包場所において、特に1つ又は複数の梱包ユニットによって梱包されていてよく、もしくは梱包されてよく、これにより続いてロック装置から引き出し可能であり、もしくは引き出される。
【0457】
下記説明は、特にワークピース支持体もしくは収容ボックスに関する。
【0458】
ワークピース支持体は特に機能的な意味において、抽出物を収容するための収容ボックスとして形成されていてよい。事実上、ワークピース支持体は、収容ボックスの機能を有し、この機能を果たすように形成されていてよい。
【0459】
これに加えて又はこの代わりに、生産設備は、それぞれ1つ又は複数のワークピース支持体を、これに配置され且つ/又は受容された抽出物と一緒に収容するための複数の収容ボックスを含んでもよい。
【0460】
ワークピース支持体又は収容ボックスは、ロック装置を介してクリーンルーム領域へ供給可能であってよい。
【0461】
ワークピース支持体又は収容ボックスは、ロック装置内で、ロック装置の清浄化装置、もしくは生産設備の清浄化装置の、ロック装置に割り当てられた部分によって清浄化可能且つ/又は滅菌可能であってよい。
【0462】
ワークピース支持体又は収容ボックスは、貯蔵装置の貯蔵場所に、貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって収納可能であってよく、貯蔵輸送装置には、ワークピース支持体又は収容ボックスを、ロック輸送装置及び/又はハンドリング装置によって引き渡すことができる。
【0463】
必要な場合には、ワークピース支持体及び/又は収容ボックスは、貯蔵場所から出発して、貯蔵輸送装置、及び任意にはハンドリング装置、及び/又はロック輸送装置によって、規定に対して適正な用途に供給可能であってよい。
【0464】
例えば、ワークピース支持体には、例えばハンドリング装置によって、1種又は2種以上の抽出物及び/又は1つ又は複数の工具ユニット、及び/又は1種又は2種以上の消耗材料を装備可能であってよく、もしくは装備することができ、これにより特に、ワークピース支持体は貯蔵装置内に収納可能であり、もしくは収納され、あるいは1つ又は複数の処理過程のために供給可能である。特に、複数のワークピース支持体がこのように提供可能であってよい。
【0465】
ワークピース支持体は、例えばハンドリング装置によってそれぞれの収容ボックス内に配置可能であってよく、ハンドリング装置によって、ワークピース支持体は収納可能であり且つ/又は提供可能である。
【0466】
これに加えて又はこの代わりに、ワークピース支持体はそれぞれの収容ボックス内に、例えばハンドリング装置、及び/又はそれぞれの収容ボックス内且つ/又はそれぞれのワークピース支持体に配置されたアクチュエータ装置によって配置可能であってもよく、ハンドリング装置及び/又はアクチュエータ装置によって、ワークピース支持体は収納可能且つ/又は提供可能である。
【0467】
複数のワークピース支持体、特に収容ボックスとして形成されたワークピース支持体、及び/又は収容ボックスは、互いに結合可能/カップリング可能であってよく、これにより1つ又は複数の処理過程を実施するために無菌のプロセスユニットを形成する。
【0468】
例えば、
- 抽出物を含む抽出物コンテナを収容している、収容ボックスとして形成された、又は収容ボックス内に配置されたワークピース支持体と、
- 1つ又は複数の処理過程のための消耗材料を収容している、収容ボックスとして形成された、又は収容ボックス内に配置されたワークピース支持体と、
- 1つ又は複数の処理過程のための1つ又は複数の工具ユニットを収容している、収容ボックスとして形成された、又は収容ボックス内に配置されたワークピース支持体と、
が、特に貯蔵輸送装置及び/又はハンドリング装置によって互いに結合可能/カップリング可能であり、もしくは結合/カップリングされ、これにより、共通の無菌のプロセスユニットを形成することによって、続いて1つ又は複数の処理過程の実施を可能にする。
【0469】
処理過程の実施後、ワークピース支持体もしくは収容ボックスは、再び互いに解離可能/デカップリング可能であってよく、もしくは解離/デカップリングされてよい。
【0470】
製造済み生成物を含む収容ボックスは、前述のようにロック装置へ、貯蔵輸送装置によって輸送される。工具ユニット及び消耗材料に割り当てられた前記ワークピース支持体もしくは収容ボックスは、生産設備の清浄化装置へ供給可能であってよく、この清浄化装置によって、ワークピース支持体は清浄化可能且つ/又は滅菌可能である。
【0471】
清浄化且つ/又は滅菌されたワークピース支持体もしくは収容ボックスは再び貯蔵装置の貯蔵場所に収納可能であってよく、そして新たに自由に使用することができる。
【0472】
後述の説明は特に工具もしくは工具ユニットと、消耗材料とに関する。工具ユニット又は消耗材料は、ロック装置を介してクリーンルーム領域へ供給可能であってよい。
【0473】
工具ユニット又は消耗材料は、生産設備のロック装置内へ、特にロック装置の入口ロック場所へ導入可能であってよい。
【0474】
工具ユニット又は消耗材料はロック装置内で、ロック装置の清浄化装置、もしくは生産設備の清浄化装置の、ロック装置に割り当てられた部分によって清浄化可能且つ/又は滅菌可能であってよい。
【0475】
工具ユニット又は消耗材料は梱包材料を有していてよく、梱包材料は、特にロック装置内の入口ロック場所で且つ/又は別個の解梱場所で、特に1つ又は複数の解梱ユニットによって、工具ユニットもしくは消耗材料から取り出し可能であってよい。
【0476】
有利には、梱包材料は取り出し前にロック装置の清浄化装置によって清浄化且つ/又は滅菌されてよい。
【0477】
工具ユニット又は消耗材料は貯蔵装置の貯蔵場所に、貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって収納可能であってよく、貯蔵輸送装置には、工具ユニット又は消耗材料はハンドリング装置によってワークピース支持体上に配置された状態で、ロック輸送装置及び/又はハンドリング装置によって引き渡し可能である。
【0478】
工具ユニット又は消耗材料はロック装置内部で、ロック輸送装置及び/又はハンドリング装置によって運動可能であってよい。
【0479】
ハンドリング装置によって、工具ユニット又は消耗材料はロック装置内で、又はロック装置にすぐに隣接して、ワークピース支持体、特に収容ボックスへ引き渡し可能であってよく、あるいは収容ボックス内に配置可能である、もしくは配置されているワークピース支持体へ引き渡し可能であってよい。
【0480】
工具ユニット又は消耗材料を収容しているワークピース支持体又は収容ボックスは、貯蔵装置の貯蔵場所内もしくは貯蔵場所で、貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって収納可能であってよい。
【0481】
このようなワークピース支持体又は収容ボックスは、工具ユニットによる、又は消耗材料の使用下での1つ又は複数の処理過程のために、抽出物及びワークピース支持体もしくは収容ボックスとの関連において既述したように、貯蔵輸送装置によって提供可能であってよく、もしくは提供されてよい。
【0482】
1つ又は複数の処理過程の実施後、そして収容ボックスが再び互いに解離/デカップリングされた後に、使用済みの工具ユニット又は使用済み消耗材料は、貯蔵輸送装置によって供給可能であってよく、特に清浄化装置による清浄化及び/又は滅菌の前に、ハンドリング装置によって、特に単回使用コンポーネントを工具ユニットから必要に応じて取り出すことができる。
【0483】
さらに、1つ又は複数の処理過程の実施後、そして収容ボックスが再び互いに解離/デカップリングされた後に、清浄化装置の使用済み工具ユニットが、貯蔵輸送装置によって供給可能である。
【0484】
これに加えて又はこの代わりに、使用済み消耗材料、特に使用済み液状消耗材料が、1つ又は複数の処理過程中に、それぞれの収容ボックス、及び任意には生産設備から、特にロック装置を介して取り出し可能であってもよい。
【0485】
使用済の且つ/又は損傷した工具ユニット又は使用済み消耗材料は、ロック装置を介してクリーンルーム領域から、ハンドリング装置によって取り出し可能であってよい。
【0486】
清浄化且つ/又は滅菌された工具ユニットは、再び貯蔵装置の貯蔵場所に収納可能であってよく、そして新たに自由に使用することができる。
【0487】
先行の説明に関連して、本発明により、特にモジュール式に形成された且つ/又は自立的に動作するコンポーネントを有する、個々のバッチサイズ、特に個別バッチサイズ及び/又は最小バッチサイズの工業生産のための、生物学的薬剤生成物を製造する全自動式の全システムを達成することができる。
【0488】
本発明により、特に、提供されたセンサ装置もしくは提供されたセンサユニットによって、分析機能を自動プロセス、特に処理過程に組み込むことができるので、生命体の外部での細胞の成長に必要な周囲条件及び/又は処理条件を微細に調整且つ/又は制御且つ/又は調節することができ、これにより、生成物の効率的な製造を保証することができる。
【0489】
本発明により、特に種々様々な装置によって可能にされ得る、生産設備のフレキシブル且つモジュール式の構造によって、生物学的製剤生成物の個別バッチサイズ及び/又は最小バッチサイズの生産も、大量生産も、例えば、その出発材料、特に患者固有の細胞が周囲条件と高感受性で反応する、自己胞治療薬及び/又は同種異系細胞治療薬を製造するために、自動的に、特に全自動的に実施することができる。
【0490】
本発明により、特にクリーンルーム領域内に組み込まれた清浄化装置及び貯蔵装置によって、生物学的製剤生成物を製造するための全自動式の全システムを達成することができ、この全システムは自動的に装備可能であるとともに、抽出物における処理過程のために必要な物体を清浄化して滅菌し、こうして再び無菌の生産領域のために調製することができる。
【0491】
本発明により、個別に構成可能な処理過程に基づき、特にただ1つのプロセス空間内、例えばクリーンルーム領域及び/又は貯蔵場所及び/又は収容ボックス内で、生物学的製剤生成物、特にパーソナライズド治療薬を自動的に、特に全自動的に、且つフレキシブルに製造することができる。
【0492】
比較可能な生物学的製剤生成物のコンベンショナルな生産プロセスの、通常存在する固定的に連鎖された個々のプロセス工程に対して、本発明により、効率的なシステムと方法とが達成される。
【0493】
本発明により、作業員もしくは利用者が直接のプロセス環境内ではもはや必要とされないシステム、すなわち生産設備、及び方法を達成することができ、これにより、特に製造効率を上昇させることができるとともに、手作業によるエラーの確率を低減することもできる。
【0494】
これに加えて又はこの代わりに、生産設備は所要の空間もしくは構造空間を小さくすることもできる。それというのは、作業員もしくは利用者が生産設備のクリーンルーム領域に入らなければならないのは緊急時及び/又はメンテナンス時だけだからである。
【0495】
これにより、コストの高い建築物構造及び空間構造を、経済的且つ技術的に、直接に処理されるべき抽出物に応じて、換言すれば、生成物へ転換しようとする、処理されるべき生物学的ワークピースに応じて縮小することができる。
【0496】
生成物が開いた状態で処理される清浄環境、特にクリーンルーム分類Aを、最小限に縮小することができる。
【0497】
本発明において、自立的運転のためのすべての所要のシステム及び/又は装置、及びこれに所属の装備及び/又は消耗材料は、生産設備内部に設けられていてよく、そしてさらに自立的運転のためのすべての必要な情報は生産設備の内部で、特に1つ又は複数の制御ユニットによって提供し且つ/又は処理することができる。
【0498】
前記説明が示すように、本発明は特に、本発明のさらに具体的な実施形態が記載されている下記文の1つに基づく生産設備及び方法に関する。
【0499】
1. 特に生物学的製剤生成物を製造するための生産設備であって、前記生産設備が次のもの、すなわち:
- クリーンルーム領域と、
- 前記生産設備の周囲から前記クリーンルーム領域内へ物体を供給し且つ/又は前記クリーンルーム領域から物体を取り出すためのロック装置と、
- 前記クリーンルーム領域の内部で前記物体を動かすためのハンドリング装置と、
- 複数の物体を収容するための複数の貯蔵場所を含む、前記クリーンルーム領域内部に配置された貯蔵装置と
を含む、生産設備。
【0500】
2. 貯蔵装置は、貯蔵場所へ向かう方向に、且つ/又は貯蔵場所から離れる方向に物体を輸送するための貯蔵輸送装置を含むことを特徴とする、文1に記載の生産設備。
【0501】
3. 貯蔵輸送装置は、ハンドリング装置とは異なる装置であることを特徴とする、文2に記載の生産設備。
【0502】
4. 貯蔵輸送装置は、レール案内式の輸送システム、及び/又は1つ又は複数の自由走行式の輸送車両を含むことを特徴とする、文2又は3に記載の生産設備。
【0503】
5. 貯蔵輸送装置は1つ又は複数のレール案内式の貯蔵輸送ユニットを含み、貯蔵輸送ユニットによって、貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵棚に、収納過程及び抜き出し過程のために、並びに処理過程及び/又はメンテナンス過程のためにアクセスすることができることを特徴とする、文2から4の1つに記載の生産設備。
【0504】
6. 貯蔵輸送装置は、ポータルコンベアとして形成された1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットを含むことを特徴とする、文2から5の1つに記載の生産設備。
【0505】
7. ハンドリング装置は多軸ロボットアームであり、又はこのようなものを含むことを特徴とする、文1から6の1つに記載の生産設備。
【0506】
8. 貯蔵輸送装置及び/又はハンドリング装置には、生産設備の交換装置が割り当てられており、この交換装置によって、特にそれぞれの貯蔵輸送ユニット及び/又はハンドリングユニットを用いて種々異なる貯蔵過程、輸送過程、ハンドリング過程、メンテナンス過程及び/又は処理過程を実施するために、貯蔵輸送装置の1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットに、且つ/又はハンドリング装置の1つ又は複数のハンドリングユニットに、種々異なる把持ユニット及び/又は支持体ユニットを組み付けることができることを特徴とする、文2から7の1つに記載の生産設備。
【0507】
9. 貯蔵輸送装置及び/又はハンドリング装置には、生産設備の清浄化装置が割り当てられていてよく、この清浄化装置によって、貯蔵輸送装置の1つ又は複数の貯蔵輸送ユニット、及び/又はハンドリング装置の1つ又は複数のハンドリングユニットの少なくとも1つの把持ユニット及び/又は支持体ユニットを、特に貯蔵過程、輸送過程、ハンドリング過程、メンテナンス過程及び/又は処理過程の実施後に、清浄化することができることを特徴とする、文2から8の1つに記載の生産設備。
【0508】
10. ハンドリング装置によって、1つ又は複数の物体は、ロック装置のロック場所から貯蔵輸送装置へ、特に貯蔵輸送装置の1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットへ引き渡すことができることを特徴とする、文2から9の1つに記載の生産設備。
【0509】
11. ハンドリング装置はロック輸送装置を含むことができ、ロック輸送装置によって、ロック場所、特に入口ロック場所から、さらなるロック場所、特に引き渡しロック場所へ、且つ/又はロック場所、特に引き渡しロック場所から、さらなるロック場所、特に出口ロック場所へ、1つ又は複数の物体を輸送することができることを特徴とする、文1から10の1つに記載の生産設備。
【0510】
12. 貯蔵輸送装置及び/又はハンドリング装置はそれぞれ、1つ又は複数のワークピース支持体を受容し輸送するための1つ又は複数のワークピース支持体受容部を含むことを特徴とする、文2から11の1つに記載の生産設備。
【0511】
13. ロック装置は、1つ又は複数のワークピース支持体を清浄化するための、且つ/又は1つ又は複数のワークピース支持体受容部を清浄化するための清浄化装置を含むことを特徴とする、文1から12の1つに記載の生産設備。
【0512】
14. 生産設備は、特にそれぞれのワークピース支持体による物体の輸送が行われた後、当該清浄化装置へワークピース支持体を、これ自体を清浄化するために供給し得る清浄化装置を含むことを特徴とする、文1から13の1つに記載の生産設備。
【0513】
15. 貯蔵装置は1つ又は複数の貯蔵棚及び/又は1つ又は複数の貯蔵場所面を含み、これらはそれぞれ複数の貯蔵場所を有しており、貯蔵輸送装置によって、抽出物及び/又は工具及び/又は消耗材料は、貯蔵場所内へ収納可能であり、あるいは貯蔵場所から引き出し可能であることを特徴とする、文1から14の1つに記載の生産設備。
【0514】
16. 前記生産設備が複数のワークピース支持体を含み、これらのワークピース支持体は、抽出物及び/又は工具及び/又は消耗材料を収容するのに役立つことを特徴とする、文1から15の1つに記載の生産設備。
【0515】
17. ワークピース支持体は永続的に、特に1つ又は複数の完全な生産過程を超えて、クリーンルーム領域内部にとどまることを特徴とする、文16に記載の生産設備。
【0516】
18. 生産設備は複数の種類のワークピース支持体を含むことができ、ワークピース支持体は、それぞれのワークピース支持体の受容領域の形状及び寸法に関して互いに異なっていることを特徴とする、文1から17の1つに記載の生産設備。
【0517】
19. 1つの種類のワークピース支持体は、抽出物を収容するための容器の受容に役立つことを特徴とする、文16から18の1つに記載の生産設備。
【0518】
20. 1つの種類のワークピース支持体は、抽出物において処理過程を実施するための、且つ/又はクリーンルーム領域内部でメンテナンス過程を実施するための1つ又は複数の工具ユニット及び/又は工具消耗材を受容するのに役立つことを特徴とする、文16から19の1つに記載の生産設備。
【0519】
21. 1つの種類のワークピース支持体は、消耗材料を抽出物へ供給するために、且つ/又は抽出物において処理過程を実施するために、消耗材料を受容するのに役立つことを特徴とする、文16から20の1つに記載の生産設備。
【0520】
22. 1つ又は複数のワークピース支持体は、抽出物及び/又は工具においてアクションを実施するために、それぞれ1つ又は複数のアクションユニットを含むことを特徴とする、文16から21の1つに記載の生産設備。
【0521】
23. 1つ又は複数のアクションユニットは、抽出物において処理過程を実施するための処理ユニットとして形成されていることを特徴とする、文16から22の1つに記載の生産設備。
【0522】
24. 1つ又は複数のアクションユニットは、それぞれのワークピース支持体及び/又はワークピース支持体に配置された抽出物及び/又はワークピース支持体に配置された工具及び/又はワークピース支持体に配置された消耗材料のパラメータの実際値を判定するためのセンサユニットとして形成されていることを特徴とする、文16から23の1つに記載の生産設備。
【0523】
25. 1つ又は複数のワークピース支持体は、エネルギー及び/又は1種又は2種以上の消耗材料を貯えるための貯え装置を含むことを特徴とする、文16から24の1つに記載の生産設備。
【0524】
26. ワークピース支持体は複数回、再使用することができ、特に貯え装置は再充電可能であり、且つ/又は消耗材料を補充することができることを特徴とする、文16から25の1つに記載の生産設備。
【0525】
27. 生産設備は、クリーンルーム領域内部に配置された、貯え装置を充電するための充電ステーション、及び/又はクリーンルーム領域内部に配置された、貯え装置を充填するための補充ステーションを含むことを特徴とする、文1から26の1つに記載の生産設備。
【0526】
28. 生産設備は抽出物を収容するための、収容ボックスとして形成された複数のワークピース支持体、又はそれぞれ1つ又は複数のワークピース支持体を、これに配置され且つ/又は受容された抽出物と一緒に収容するための複数の収容ボックスを含むことを特徴とする、文1から27の1つに記載の生産設備。
【0527】
29. 収容ボックスは、既述の貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって、特に全自動的に、貯蔵装置の貯蔵場所内に収納可能であることを特徴とする、文28に記載の生産設備。
【0528】
30. 収容ボックスの1つ又は2つ以上は、閉鎖可能な内部空間を取り囲むことを特徴とする、文28又は29に記載の生産設備。
【0529】
31. 抽出物を導入するため、且つ/又は抽出物から製造された生成物を引き出すための収容ボックスは、自動的に且つ/又はハンドリング装置によって開放可能且つ/又は閉鎖可能であることを特徴とする、文28から30の1つに記載の生産設備。
【0530】
32. 収容ボックスの1つ又は2つ以上は、一体化された、又は収容ボックスに解離可能に配置された、又は収容ボックスに解離可能に配置され得るコンディショニングユニットを含み、コンディショニングユニットによって、それぞれの収容ボックスの内部空間内の温度及び/又は圧力及び/又は湿度及び/又はガス組成に影響を与えることができ、特に制御することができ、且つ/又は調整することができることを特徴とする、文28から31の1つに記載の生産設備。
【0531】
33. コンディショニングユニットの1つ又は2つ以上は、生産設備の工具システムの工具ユニットであり、工具ユニットは必要に応じて、特に貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって、且つ/又はハンドリング装置によって全自動的に、それぞれの収容ボックスに配置可能であり、又は収容ボックスから取り出すことができることを特徴とする、文32に記載の生産設備。
【0532】
34. 収容ボックスは1つ又は複数の接続エレメントを含み、接続エレメントは、1つ又は複数の処理場所のこれに対応する接続エレメントと接続可能であり、特にこれにより、それぞれの収容ボックスに電気エネルギー及び/又は消耗品、特に液体及び/又はガスを供給し、且つ/又はそれぞれの収容ボックスを、特に上位の制御装置と信号技術的にカップリングすることを特徴とする、文28から33の1つに記載の生産設備。
【0533】
35. 貯蔵装置は、接続エレメントを備えた貯蔵場所を含むので、貯蔵装置の、処理場所として役立つ貯蔵場所で、抽出物を処理するための1つ又は複数の処理過程を実施することができることを特徴とする、文1から34の1つに記載の生産設備。
【0534】
36. 貯蔵装置の貯蔵場所及び/又は収容ボックスは、固定エレメントを含むことができ、固定エレメントによって、収容ボックスを貯蔵場所に位置決めし且つ固定し得ることを特徴とする、文28から35の1つに記載の生産設備。
【0535】
37. 収容ボックスはそれぞれ、1つ又は複数の工具を、特にそれぞれの収容ボックスの内部空間に受容し固定するための1つ又は複数の工具受容部を含み得ることを特徴とする、文28から36の1つに記載の生産設備。
【0536】
38. 1つ又は複数の工具受容部はそれぞれ1つ又は複数の接続エレメントを含むことができ、接続エレメントは、それぞれ受容するべき工具の、これに対応する接続エレメントと接続可能であり、特にこれにより、それぞれの工具に電気エネルギー及び/又は消耗品、特に液体及び/又はガスを供給し、且つ/又はそれぞれの工具を、収容ボックス及び/又は特に上位の制御装置と信号技術的にカップリングすることを特徴とする、文37に記載の生産設備。
【0537】
39. 貯蔵装置は1つ又は複数の貯蔵棚及び/又は1つ又は複数の貯蔵場所面を含み、これらはそれぞれ複数の貯蔵場所を有していることを特徴とする、文1から38の1つに記載の生産設備。
【0538】
40. 貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって、抽出物及び/又はワークピース支持体及び/又は工具及び/又は消耗材料は、貯蔵場所内へ収納可能であってよく、あるいは貯蔵場所から引き出し可能であることを特徴とする、文1から39の1つに記載の生産設備。
【0539】
41. 1つ又は複数の貯蔵場所には、複数の方向から、且つ/又は貯蔵輸送装置の複数の貯蔵輸送ユニットによってアクセス可能であることを特徴とする、文40に記載の生産設備。
【0540】
42. 貯蔵場所には鉛直方向に上方から、又は水平方向に側方に、貯蔵輸送装置によってアクセス可能であることを特徴とする、文40又は41に記載の生産設備。
【0541】
43. ほぼ水平方向に配向された複数の貯蔵場所列が、鉛直方向に互いに上下に配置されていることを特徴とする、文1から42の1つに記載の生産設備。
【0542】
44. 貯蔵場所のいくつか、特に貯蔵場所全体は1つ又は複数の貯蔵棚の棚場所であることを特徴とする、文1から43の1つに記載の生産設備。
【0543】
45. 貯蔵装置は、種々異なる種類のワークピース支持体を収容するための互いに異なる複数の種類の貯蔵場所を含むことを特徴とする、文1から44の1つに記載の生産設備。
【0544】
46. 種々の種類の貯蔵場所は、その形状及び/又は寸法に関して互いに異なっていることを特徴とする、文45に記載の生産設備。
【0545】
47. 種々の種類の貯蔵場所は、その機能及び/又は構成に関して互いに異なっていることを特徴とする、文45又は46に記載の生産設備。
【0546】
48. 種々の種類の貯蔵場所は、規則的なパターンで分布された状態で、貯蔵装置の貯蔵場所棚及び/又は貯蔵場所面内に配置されていることを特徴とする、文45から47の1つに記載の生産設備。
【0547】
49. 貯蔵装置は、異なる種類のワークピース支持体を受容するための複数の領域を有することを特徴とする、文1から48の1つに記載の生産設備。
【0548】
50. 貯蔵装置は、抽出物を処理するための処理ステーションを形成する複数の貯蔵場所を含むことを特徴とする、文1から49の1つに記載の生産設備。
【0549】
51. 貯蔵装置は、工具の保存、メンテナンス、清浄化、交換、充電、及び/又は制御のために工具ステーションを形成する複数の貯蔵場所を含むことを特徴とする、文1から50の1つに記載の生産設備。
【0550】
52. 生産設備は、クリーンルーム領域に供給されるべき物体を解梱するための解梱装置を含むことを特徴とする、文1から51の1つに記載の生産設備。
【0551】
53. 解梱装置はロック装置内へ組み込まれていてよく、あるいはロック装置の構成部分を形成することを特徴とする、文52に記載の生産設備。
【0552】
54. ロック装置は入口ロック場所を含むことができ、入口ロック場所は、生産設備の周囲からアクセス可能であり、そして入口ロック場所には、特に人によって、且つ/又は自動的に、梱包済み物体を配置し得ることを特徴とする、文1から53の1つに記載の生産設備。
【0553】
55. 梱包済み物体は、生産設備のロック輸送装置によって、入口ロック場所から解梱場所へ輸送することができ、そして解梱場所で自動的に解梱することができ、あるいは梱包済み物体は入口ロック場所で自動的に解梱し得ることを特徴とし、且つ/又は、生産設備がオートクレーブ装置を有しており、前記オートクレーブ装置は一方の側からは利用者によって、特に手動でロード可能且つ/又はアンロード可能であり、そして他方の側からは、特にオートクレーブ装置による滅菌及び乾燥後にクリーンルーム領域内部で、特にハンドリング装置及び/又は貯蔵輸送装置によって、自動的にロード可能且つ/又はアンロード可能であり、これにより、より僅かに梱包されたもしくは部分梱包された物体、及び/又は梱包されない物体を、クリーンルーム領域内へ無菌状態で導入し及び導出し得ることを特徴とする、文54に記載の生産設備。
【0554】
56. ロック装置は、梱包済み物体の梱包材料を清浄化するための清浄化装置を有することを特徴とする、文1から55の1つに記載の生産設備。
【0555】
57. 解梱装置は、種々異なる種類の物体及び/又は梱包材料を解梱するために、特に種々異なる種類の梱包材料を物体から取り出すために複数の解梱ユニットを含むことを特徴とする、文52から56の1つに記載の生産設備。
【0556】
58. 抽出物を解梱するための1つ又は複数の解梱ユニットと、工具及び/又は消耗材料を解梱するための1つ又は複数のさらなる解梱ユニットとが形成されていることを特徴とする、文57に記載の生産設備。
【0557】
59. 解梱装置は検出装置と制御装置とを含むことができ、これらの装置によって、解梱されるべき物体の種類、及び/又は取り出されるべき梱包材料の種類を判定することができることを特徴とする、文52から58の1つに記載の生産設備。
【0558】
60. 制御装置によって、解梱装置の解梱ユニットが解梱過程を実施するために選択可能且つ制御可能であり、解梱ユニットが、種々異なる解梱過程を実施するための複数の解梱ユニットの1つであり、選択された解梱ユニットは、開梱されるべき物体の判定された種類、及び/又は取り出されるべき梱包材料の種類に割り当てられていることを特徴とする、文59に記載の生産設備。
【0559】
61. 生産設備は工具システムを含み、工具システムによって、クリーンルーム領域内部で抽出物におけるハンドリング過程及び/又はメンテナンス過程が実施可能であることを特徴とする、文1から60の1つに記載の生産設備。
【0560】
62. 工具システムは、種々異なる処理過程及び/又はメンテナンス過程を実施するために、複数の、特に全自動式の工具ユニットを含むことを特徴とする、文61に記載の生産設備。
【0561】
63. 工具システムは、抽出物へ消耗材料を供給するために、供給ユニットとして形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことを特徴とする、文61又は62に記載の生産設備。
【0562】
64. 工具システムは、抽出物から試料を引き出すための引き出しユニットとして形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことを特徴とする、文61から63の1つに記載の生産設備。
【0563】
65. 工具システムの工具ユニットのうちの1つ又は2つ以上は、それぞれ1つ又は複数の複数回使用コンポーネント及び/又は1つ又は複数の単回使用コンポーネントを含むことを特徴とする、文61から64の1つに記載の生産設備。
【0564】
66. 工具システムは準備ユニットを含み、準備ユニットによって、工具ユニットの単回使用コンポーネントを、その利用後に取り出すことができ、特に廃棄することができ、そして1つ又は複数の新しい単回使用コンポーネントと交換し得ることを特徴とする、文61から65の1つに記載の生産設備。
【0565】
67. 前記準備ユニットは完全に前記クリーンルーム領域内部に配置されていることを特徴とする、文66に記載の生産設備。
【0566】
68. 準備ユニットは、ハンドリングユニット、特に多軸ロボットアーム及び/又はピック・アンド・プレース・ロボット及び/又はワイヤロボットを含み、ハンドリングユニットによって、全自動的に準備過程を実施し得ることを特徴とする、文66又は67に記載の生産設備。
【0567】
69. 準備ユニットは清浄化ユニットを含み、あるいは準備ユニットには清浄化ユニットが割り当てられており、清浄化ユニットによって、1つ又は複数の工具ユニットの複数回コンポーネントは、その利用後に清浄化可能であり、特に滅菌可能であることを特徴とする、文66から68の1つに記載の生産設備。
【0568】
70. 工具システムは複数の可搬式工具ユニットを含み、可搬式工具ユニットは、処理過程を実施するために、抽出物を処理するための処理場所、特に同時に抽出物を貯蔵するための貯蔵場所でもある処理場所へ供給することができ、そしてその場所で一時的に中間貯蔵し得ることを特徴とする、文61から69の1つに記載の生産設備。
【0569】
71. 工具システムの1つ又は複数の可搬式工具ユニットは、生産設備の貯蔵輸送装置、特に1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットによって、工具貯蔵場所へ、且つ/又は処理場所へ、且つ/又は準備場所へ供給し得ることを特徴とする、文70に記載の生産設備。
【0570】
72. 1つ又は複数の工具ユニットは、処理過程及びメンテナンス過程を実施するためのハンドリング装置によって形成され配置されていることを特徴とする、文1から71の1つに記載の生産設備。
【0571】
73. 1つ又は複数の工具ユニットは、処理過程及び/又はメンテナンス過程を実施するためのハンドリング装置とは無関係に、特に独立して形成され配置されていることを特徴とする、文1から72の1つに記載の生産設備。
【0572】
74. 生産設備は特に全自動式の工具システムを含み、工具ユニットは、抽出物において処理過程を実施するための1つ又は複数の工具ユニットを含み、工具はクリーンルーム領域内部に配置されていることを特徴とする、文1から73の1つに記載の生産設備。
【0573】
75. 工具システムは、流体搬送装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含み、工具装置によって、流体を体積流に関して調節可能に搬送し得ることを特徴とする、文61から74の1つに記載の生産設備。
【0574】
76. 工具システムは、マイクロ流体搬送装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含み、マイクロ流体搬送装置によって、流体は特に体積流に関して調節可能に、特にアリコートするために搬送し得ることを特徴とする、文61から75の1つに記載の生産設備。
【0575】
77. 工具システムは、流体を分割するための装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、工具ユニットによって、流体は体積流に関して調節可能に搬送することができ、そして工具ユニットによって、流体は少なくとも2つの流体部分に、特に調節可能に分割し得ることを特徴とする、文61から76の1つに記載の生産設備。
【0576】
78. 工具システムは、流体混合装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、工具ユニットによって、流体は混合可能であることを特徴とする、文61から77の1つに記載の生産設備。
【0577】
79. 工具システムは、混合装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含み、工具ユニットによって、少なくとも2種の成分を互いに混合することができ、特に前記少なくとも2種の成分のうちの1種が流体であることを特徴とする、文61から78の1つに記載の生産設備。
【0578】
80. 工具システムは、測定装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、工具ユニットによって、流体及び/又は抽出物の少なくとも1種の特性を測定し得ることを特徴とする、文61から79の1つに記載の生産設備。
【0579】
81. 工具システムは、物質分離装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含み、工具ユニットによって、出発成分を少なくとも2種の成分に分離し得ることを特徴とする、文61から80の1つに記載の生産設備。
【0580】
82. 工具システムは、加熱装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含み、工具ユニットによって、流体を温度調節し得ることを特徴とする、文61から81の1つに記載の生産設備。
【0581】
83. 工具システムは、ガスを供給且つ/又は導出するための装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含み、この装置によって、ガスが供給可能且つ/又は導出可能であることを特徴とする、文61から82の1つに記載の生産設備。
【0582】
84. 工具システムは、マニピュレータとして形成された1つ又は複数の工具ユニットを含むことができ、マニピュレータによって、細胞膜を特に電場により操作し得ることを特徴とする、文61から83の1つに記載の生産設備。
【0583】
85. 工具システムは、線源及び/又は発光装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含み、線源は、イオン化ビームを発するように形成されており、そして発光装置は、所定の波長を有する光を発するように形成されていることを特徴とする、文61から84の1つに記載の生産設備。
【0584】
86. 工具システムは、清浄化装置として形成された1つ又は複数の工具ユニットを含み、工具ユニットによって、処理過程を抽出物において前記1つ又は複数の工具ユニットによって実施し得る場所が、清浄化可能且つ/又は滅菌可能であることを特徴とする、文61から85の1つに記載の生産設備。
【0585】
87. 工具システムは、工具システムと、工具システムに消耗材料を供給するための供給装置とを含むことを特徴とする、文1から86の1つに記載の生産設備。
【0586】
88. 供給装置は、消耗材料を貯蔵するために、クリーンルーム領域内部に配置された、貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵場所を含むか又は利用することを特徴とする、文87に記載の生産設備。
【0587】
89. ロック装置は、供給装置の構成部分を形成するか、又はこの構成部分と協働し、ロック装置によって消耗材料がクリーンルーム領域内へ導入可能であることを特徴とする、文87又は88に記載の生産設備。
【0588】
90. 貯蔵装置は、供給装置の構成部分を形成し、又はこの構成部分と協働することを特徴とする、文87から89の1つに記載の生産設備。
【0589】
91. 貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって、特に貯蔵装置の貯蔵輸送装置の1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットによって、生産設備の周囲から供給された消耗材料が、貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵場所に供給可能であることを特徴とする、文87から90の1つに記載の生産設備。
【0590】
92. 貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって、特に貯蔵装置の貯蔵輸送装置の1つ又は複数の貯蔵輸送ユニットによって、消耗材料が工具システムへ、特に工具システムの1つ又は複数の工具ユニットへ、例えば消耗品及び/又は工具消耗材を工具システムの1つ又は複数の工具ユニットへ供給可能であることを特徴とする、文61から91の1つに記載の生産設備。
【0591】
93. 供給装置は1つ又は複数の廃棄ユニットを含み、廃棄ユニットによって、特に使用済みの、使い古された、且つ/又は汚された消耗品及び/又は工具消耗材をクリーンルーム領域から取り出し得ることを特徴とする、文87から92の1つに記載の生産設備。
【0592】
94. 供給装置は、クリーンルーム領域内部に配置された補充装置を含むことができ、補充装置によって、特に液状形態で存在する消耗品を、1つ又は複数のワークピース支持体及び/又は1つ又は複数の貯蔵場所の1つ又は複数の貯え装置へ供給し得ることを特徴とする、文87から93の1つに記載の生産設備。
【0593】
95. 生産設備は、
a)1つ又は複数の抽出物、及び/又は
b)1つ又は複数のワークピース支持体、及び/又は
c)1つ又は複数の工具、及び/又は
d)1つ又は複数の収容ボックス、特に無菌プロセスユニットとして形成された収容ボックス、
の1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の値を判定するための1つ又は複数のセンサユニットを含むことを特徴とする、文1から94の1つに記載の生産設備。
【0594】
96. 1つ又は複数のセンサユニットによって、生産設備の貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵場所の占有状態が判定可能、特に監視可能であることを特徴とする、文1から95の1つに記載の生産設備。
【0595】
97. 1つ又は複数のセンサユニットによって、生産設備の貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵場所の、又は貯蔵場所内の局所的温度、及び/又は局所的湿度、及び/又は局所的照明又は照射強度が判定可能、特に監視可能であることを特徴とする、文1から96の1つに記載の生産設備。
【0596】
98. 生産設備は、抽出物の処理中又は2つの処理過程間の処理進捗状況を判定するための、1つ又は複数のセンサユニットを含むことを特徴とする、文1から97の1つに記載の生産設備。
【0597】
99. 処理進捗状況を判定するための1つ又は複数のセンサユニットが、抽出物の顕微鏡的構成部分を視覚的に把握するための顕微鏡装置であることを特徴とする、文1から98の1つに記載の生産設備。
【0598】
100. 抽出物を収容するための1つ又は複数の貯蔵場所、又は貯蔵場所内には、処理進捗状況を判定するためのそれぞれ1つ又は複数のセンサユニットが配置されており、特に貯蔵場所内に組み込まれていることを特徴とする、文1から99の1つに記載の生産設備。
【0599】
101. 生産設備、特に1つ又は複数の処理過程を実施するための1つ又は複数の工具が、1つ又は複数の判定された値に応じて、制御可能且つ調整可能であり、特に、判定された処理進捗状況に応じて、1つ又は複数の処理パラメータが変化させられることを特徴とする、文1から100の1つに記載の生産設備。
【0600】
102. 生産設備は、クリーンルーム領域内部に貯えられた消耗材料の量を監視するための1つ又は複数のセンサユニットを含むことを特徴とする、文1から101の1つに記載の生産設備。
【0601】
103. 生産設備、特に文1から102の1つに記載の生産設備によって、生成物、特に生物学的製剤生成物を製造するための方法であって、前記方法が次のこと、すなわち、
- 前記生産設備によって製造可能な複数の生成物を製造するための複数の生産プログラムのうちの1つを選択し、
- 前記生産設備のロック装置内へ抽出物を導入し、
- 前記抽出物を前記生産設備のクリーンルーム領域内へ自動的に輸送し、
- 前記抽出物において1つ又は複数の処理過程を自動的に実施する、
ことを含む、生成物を製造する方法。
【0602】
104. 前記抽出物を前記生産設備のクリーンルーム領域内へ自動的に輸送する際に、前記抽出物は、前記生産設備の貯蔵装置の、前記クリーンルーム領域の内部に位置する貯蔵場所内へ収納されることを特徴とする、文103に記載の方法。
【0603】
105. 前記抽出物から製造されるべき生成物が完成されるまで、1つ又は複数の処理過程を全自動的に実施することを特徴とする、文104に記載の方法。
【0604】
106. 1つ又は複数の、特にすべての処理過程が前記貯蔵場所で実施されることを特徴とする、文104又は105に記載の方法。
【0605】
107. こうして製造された生成物を前記貯蔵場所から抜き出し、そして前記生成物を前記生産設備から引き出すために、自動的に前記ロック装置へ輸送することを特徴とする、文104から106の1つに記載の方法。
【0606】
108. 前記生成物の引き出しの前に前記生成物を充填且つ/又は梱包し、特に使用準備が整った状態に充填且つ/又は梱包することを特徴とする、文107に記載の方法。
【0607】
109. 前記生成物を製造するために利用された1つ又は複数の容器、収容体及び/又は工具が、前記生成物の完成後に前記クリーンルーム領域内部に少なくとも部分的に留まり、清浄化され、滅菌され、そして続いてさらなる生成物の製造のために再使用されることを特徴とする、文104から108のいずれか1項に記載の方法。
【0608】
110. 前記生成物を製造するために、且つ/又は複数の異なる生成物を製造するために必要な消耗材料、特に消耗品及び/又は工具消耗材が、特に製造されるべき生成物の選択が行われる前に、前記クリーンルーム領域内部に貯えられることを特徴とする、文104から109の1つに記載の方法。
【0609】
111. 前記消耗材料が前記ロック装置を介して前記クリーンルーム領域内へ自動的に輸送され、そして前記クリーンルーム領域内で、特に前記貯蔵装置の1つ又は複数の貯蔵場所内へ収納されることを特徴とする、文110に記載の方法。
【0610】
112. 前記クリーンルーム領域内部に貯えられた前記消耗材料の量が監視され、そして規定の最小量を下回ると、特にオペレータユニットの示唆又は警告メッセージを介して、前記所要の消耗材料を供給することによって、前記在庫量が増大させられることを特徴とする、文110又は111に記載の方法。
【0611】
113. 同時に複数の生成物が、特に複数の異なる生成物が、前記クリーンルーム領域内部で製造されることを特徴とする、文104から112の1つに記載の方法。
【0612】
114. 各製造されるべき生成物には、一連の処理過程が割り当てられていてよく、これらの処理過程は、クリーンルーム領域内部に配置されて処理過程の実施後にクリーンルーム領域内にとどまる工具によって実施されることを特徴とする、文103に記載の方法。
【0613】
115. 1つ又は複数の工具は、1つ又は複数の処理過程を実施した後に、クリーンルーム領域内部で清浄化、特に滅菌されることを特徴とする、文103から114の1つに記載の方法。
【0614】
116. 1つ又は複数の工具に、1つ又は複数の処理過程を実施する前に、クリーンルーム領域内部で、工具消耗材を装備することを特徴とする、文103から115の1つに記載の方法。
【0615】
117. 1つ又は複数の工具消耗材は、1つ又は複数の処理過程を実施した後に、クリーンルーム領域内部で1つ又は複数の工具から取り出され且つ/又は廃棄されることを特徴とする、文116の1つに記載の方法。
【0616】
118. 複数の、特にすべての処理過程には、処理時間値が割り当てられていてよく、処理時間値は、その都度の処理過程の開始からその終わりに至るまで経過する時間を示し、特に、
- その都度の処理過程のために必要な少なくとも1つの工具を、特に1つ又は複数の工具消耗材の装備を含めて提供するための時間、及び/又は
- 処理されるべき抽出物における、特に抽出物が配置されている貯蔵場所における少なくとも1つの工具の供給及び/又は配置及び/又は運転開始のための時間、及び/又は
- 所望の処理結果を達成するために抽出物に作用する時間、及び/又は
- 抽出物から、特に貯蔵場所から少なくとも1つの工具を取り出すための時間を含み、
- 好ましくは
a) 少なくとも1つの工具の清浄化、及び/又は
b) 工具消耗材の取り出し及び/又は廃棄、及び/又は
c) 出発場所、特に工具に割り当てられた貯蔵場所への工具の戻し輸送
を含むことを特徴とする、文103から117の1つに記載の方法。
【0617】
119. 各生産プログラムにおいて、所定の生成物の製造のために必要な処理過程、並びに所属の処理時間値が記録又は考慮されていてよく/記録又は考慮されていることを特徴とする、文103から118の1つに記載の方法。
【0618】
120. 生産プログラムの開始時には、生産経過を予測し、処理過程の実施のために必要とされた且つ/又は指定された工具を、予測から生じるタイムスロットのために予め用意しておくことを特徴とする、文103から119の1つに記載の方法。
【0619】
121. 1つ又は複数の処理過程には、それぞれ
a) 1つ又は複数の工具を清浄化し、且つ/又は1つ又は複数の貯蔵場所を清浄化するための1つ又は複数の清浄化過程、及び/又は
b) 消耗材料を廃棄するための1つ又は複数の廃棄過程、及び/又は
c) 1つ又は複数の工具に消耗材料を装備するための1つ又は複数の準備過程、及び/又は
d) 処理結果を制御するための1つ又は複数の制御過程、
が割り当てられるか又は割り当てられており、
生産経過の予測に応じて、1つ又は複数の清浄化過程の、1つ又は複数の廃棄過程の、1つ又は複数の準備過程の、且つ/又は1つ又は複数の制御過程の実施のために必要となる1つ又は複数の装置に、タイムスロットを予め用意しておくことを特徴とする、文103から120の1つに記載の方法。
【0620】
122. 1つ又は複数の処理過程後に、特に各処理過程後に、特に、生成物を完成させるためになおも必要な工具及び/又はその他の装置に対するタイムスロットを確認又は補正するために、生産経過の予測を試験し且つ/又は実現することを特徴とする、文120又は121に記載の方法。
【0621】
123. 生産プログラムの所望の開始時には、すべての必要な工具及び/又は他の装置が、生成物を完成させるために、必要なタイムスリット内で利用可能であるかどうかを、生産経過の予測に基づいて判定し、そしてこのような判定が肯定的な結果を提供した場合にのみ、生産プログラムを開始することを特徴とする、文103から122の1つに記載の方法。
【0622】
さらなる有利な特徴及び/又は利点は、一例としての実施形態の下記説明及び図面の対象である。
【図面の簡単な説明】
【0623】
【
図1】
図1は、本発明の一例としての実施形態に基づく生産設備を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された生産設備の一部を概略的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示された生産設備の一部を概略的に示す上面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示された生産設備の一部を概略的に示す上面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示された生産設備を概略的に示す上面図である。
【
図6】
図6は、
図1に示された生産設備を概略的に示す上面図である。
【
図7】
図7は、
図1に示された生産設備を概略的に示す上面図である。
【
図8】
図8は、
図1に示された生産設備の一部を概略的に示す上面図である。
【
図9】
図9は、
図1に示された生産設備の一部を概略的に示す斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明のさらなる一例としての実施形態に基づく生産設備を概略的に示す斜視図である。
【
図23】
図23は、本発明のさらなる一例としての実施形態に基づく生産設備を概略的に示す斜視図である。
【
図24】
図24は、本発明のさらなる一例としての実施形態に基づく生産設備を概略的に示す斜視図である。
【
図25】
図25は、本発明の一例としての実施形態に基づく方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0624】
同じエレメント、又は機能的に同等のエレメントはすべての図において、同一の符号を有している。
【0625】
図1には、本発明の一例としての実施形態に基づく生産設備10の概略的な斜視図が示されている。
【0626】
図1に関連して、生産設備10は、特に生物学的製剤生成物20を製造するために、
- クリーンルーム領域100と、
- 前記生産設備10の周囲から前記クリーンルーム領域100内へ物体を供給し且つ/又は前記クリーンルーム領域100から物体を取り出すためのロック装置200と、
- 前記クリーンルーム領域100の内部で前記物体を動かすためのハンドリング装置300と、
- 複数の物体を収容するための複数の貯蔵場所402を含む、前記クリーンルーム領域内部に配置された貯蔵装置400と、
を含む。
【0627】
生物学的製剤生成物20は、パーソナライズド治療のために規定されていてよく、ひいてはパーソナライズド治療薬、例えばパーソナライズド細胞治療薬、例えば自己細胞及び/又は同種異系細胞治療薬、又は遺伝子治療薬、例えば自己遺伝子及び/又は同種異系遺伝子治療薬であってよい。
【0628】
生産設備10は、図には示されていない、生産設備10の周囲へ向かってクリーンルーム領域100を仕切るためのハウジングを有している。
【0629】
事実上、ハウジングは生産設備10全体を取り囲んでいる。
【0630】
したがって、ロック装置200は、生産設備10の周囲からハウジングを介してもしくはハウジングを通してクリーンルーム領域100内へ物体を供給するために、且つ/又はクリーンルーム領域100からハウジングを介してもしくはハウジングを通して物体を取り出すために形成されている。
【0631】
クリーンルーム領域100は、生産設備10のクリーンルーム領域100の周囲特性を調節するためのシステム(図示せず)によって、正圧で負荷可能であり、もしくは負荷され、これにより、クリーンルーム領域100の所定のクリーンルーム領域特性を保証し、特に汚染物質の侵入を回避する。
【0632】
さらに、クリーンルーム領域100の周囲特性を調節するためのシステムによって、空気がクリーンルーム領域100内へ供給され、もしくはクリーンルーム領域100から導出される。
【0633】
図1から判るように、貯蔵装置400は複数の、ここでは一例として3つの貯蔵棚404を含み、これらの貯蔵棚はそれぞれ複数の貯蔵場所402を有している。
【0634】
事実上、貯蔵場所402は、1つ又は複数の、例えば3つの貯蔵棚404の棚場所である。
【0635】
貯蔵装置400はさらに、貯蔵場所402、特に貯蔵棚404へ向かう方向に、且つ/又は貯蔵場所402、特に貯蔵棚404から離れる方向に物体を輸送するための貯蔵輸送装置406を含む。
【0636】
特に、貯蔵装置の貯蔵輸送装置によって、抽出物及び/又はワークピース支持体及び/又は工具及び/又は消耗材料は、貯蔵場所内へ収納可能であってよく、あるいは貯蔵場所から引き出し可能であってよい。
【0637】
貯蔵輸送装置406は、ハンドリング装置300とは異なる装置である。
【0638】
貯蔵輸送装置406は、レール案内式の輸送システムであり、1つ又は複数の、ここでは例示的に2つのレール案内式の貯蔵輸送ユニット408を含む。貯蔵輸送ユニットによって、貯蔵装置400の貯蔵棚404に、収納過程及び抜き出し過程のために、並びに処理過程及び/又はメンテナンス過程のためにアクセスすることができる。
【0639】
貯蔵棚404は互いにほぼ平行であり、それぞれ互いに間隔を置いて、クリーンルーム領域100内に配置されている。
【0640】
貯蔵棚404のそれぞれの間隔内には貯蔵輸送装置406が配置されている。貯蔵輸送装置408は、貯蔵棚404間のそれぞれの間隔に割り当てられている。
【0641】
事実上、貯蔵棚-貯蔵輸送ユニット-貯蔵棚-貯蔵輸送ユニット-貯蔵棚-配置関係が存在し得る。
【0642】
このような配置関係は、少なくとも真ん中の貯蔵棚404の貯蔵場所402には、複数の方向から、且つ/又は貯蔵輸送装置406の両方の貯蔵輸送ユニット408によってアクセス可能であることを可能にする。
【0643】
貯蔵棚404と貯蔵輸送ユニット408との組み合わせにおける他の配置関係も、ここで考えられる。
【0644】
前述の平行配置関係は、例えば必要に応じて任意に交互に拡張することができ、もしくは実現することができる。
【0645】
さらに、例えば貯蔵棚404の星形配置関係が考えられてもよい。
【0646】
貯蔵棚404の貯蔵場所402には、水平方向に側方に、貯蔵輸送装置406によってアクセス可能である。
【0647】
ほぼ水平方向に配向された複数の貯蔵場所列402が、貯蔵棚404内で鉛直方向に互いに上下に配置されている。
【0648】
事実上、貯蔵棚404内の貯蔵場所402は行列状に配置されている。例えば
図1に示されているのは、行列状の配置関係4x13(外側の貯蔵棚404)及び4x10(真ん中の棚404)である。
【0649】
既述のように、貯蔵場所402は、種々の種類の物体を収容するように形成されている。貯蔵場所402は、その形状及び/又は寸法に関して互いに異なっていてよい。
【0650】
簡略化した図示のために、
図1の貯蔵場所402は単に一様な形式で、特に一様な形状及び寸法で例示されている。
【0651】
貯蔵場所402は、さらにその機能及び/又は構成に関して互いに異なっていてよい。
【0652】
種々の種類の貯蔵場所は、規則的なパターンで分布された状態で、貯蔵装置の貯蔵場所棚及び/又は貯蔵場所面内に配置されていてよい。
【0653】
生産設備10はさらに清浄化装置500を含むことができる。清浄化装置によって、1つ又は複数のワークピース支持体30及び/又は1つ又は複数の工具もしくは工具ユニット702及び/又は1つ又は複数の消耗材料704が清浄化可能且つ/又は滅菌可能である。
【0654】
清浄化装置500は、クリーンルーム領域内の別個の装置として、且つ工具システム、特に工具もしくは工具ユニット702の構成部分として形成されていてよい。
【0655】
清浄化装置500によって、特に抽出物と特に直接に接触することになる物体、特に工具702及び/又は消耗材料704を、特に照射によって清浄化且つ/又は滅菌することができる。
【0656】
清浄化装置500によって、特に抽出物と特に直接に接触することはない物体を、特にガス処理によって清浄化且つ/又は殺菌又は滅菌することができる。
【0657】
生産設備10は、クリーンルーム領域100に供給されるべき物体を解梱するための解梱装置212と、クリーンルーム領域100から取り出されるべき物体、例えば製造済みの生成物20を梱包するための梱包装置214を含む。
【0658】
解梱装置212及び梱包装置214はロック装置200内へ組み込まれもしくは付加されており、特に、ここでは側方に配置された状態で組み込まれもしくは付加されている。
【0659】
図1及び2に示されているように、ロック装置200は入口ロック202を有している。入口ロック202を介して、ロック場所206、特に入口ロック場所206が周囲からアクセス可能であり、そして入口ロック202は、生産設備10の周囲からクリーンルーム領域100内へ物体を供給するように形成されている。
【0660】
図1及び2にさらに示されているように、ロック装置200は出口ロック204を有している。出口ロック204を介して、ロック場所208、特に出口ロック場所208が周囲からアクセス可能であり、そして出口ロック204は、クリーンルーム領域100から物体を取り出すように形成されている。
【0661】
入口ロック202及び出口ロック204は、特にそれぞれ入口ロック202及び出口ロック204に割り当てられたロック場所206,208(図示せず)を空間的に隔離する手段をさらに含む。
【0662】
生産設備10の周囲へ向かって、且つ/又はロック場所206,208とはそれぞれ異なるロック装置200の部分へ向かって、入口ロック202及び出口ロック204のそれぞれの隔離手段によってその都度、隔離が選択的に実施される。
【0663】
さらに、生産設備10は複数のメンテナンス・ロック210を有することができる。メンテナンス・ロック210を介して、クリーンルーム領域100に生産設備10の周囲から、例えば利用者が、特にクリーンルーム領域100内部のメンテナンス作業のためにアクセスすることができる。
【0664】
生産設備10は1つ又は複数の制御ユニットを有している。制御ユニットはクリーンルーム領域100内部で、配電盤内に配置された制御システム600内に配置されており、そして生産設備によって包含されるコンポーネントの少なくとも1つ、もしくは生産設備の構成部分を調整し且つ/又は制御するように形成されプログラミングされている。コンポーネントもしくは構成部分は、1つ又は複数の制御ユニットに割り当てられている。
【0665】
1つ又は複数の制御ユニットが上位の制御装置を形成することが考えられる。
【0666】
1つ又は複数の制御ユニットは、生産設備10の1つ又は複数の通信インターフェイス(図示せず)及び/又は1つ又は複数のヒューマン-マシン-インターフェイス、略してHMI-インターフェイス602(図面ではHMI-インターフェイス602が例示されている)と通信し得るように、形成されプログラミングされている。
【0667】
図示されていない通信インターフェイスは例えば、割り当てられたクラウドシステムの上位のガイダンスシステム及び/又はデータ管理システムとのデータ交換を保証し、これにより例えば人工知能及び/又はディープラーニングを介したデータ評価及び/又はデータ最適化を可能にするのに役立ち得る。
【0668】
通信インターフェイスを介して、且つ/又はHMI-インターフェイス602を介して、利用者へ情報、例えば障害情報及び/又は生成物20の製造状態に関する情報、及び/又は貯蔵装置400の貯蔵状態に関する情報を提供するように、1つ又は複数の制御ユニットがさらに形成されプログラミングされていてよい。
【0669】
さらに、1つ又は複数の制御ユニットによって、生産設備10による生物学的製剤生成物20の製造を実施することができる。
【0670】
1つ又は複数の制御ユニットによって、前記生成物製造を1つ又は複数の生産プログラムに基づいて実施することができる。
【0671】
各製造されるべき生成物20には、一連の処理過程が割り当てられていてよく、これらの処理過程は、クリーンルーム領域100内部に配置されて処理過程の実施後にクリーンルーム領域内にとどまる工具ユニット702によって実施することができる。
【0672】
各生産プログラムにおいて、所定の生成物20の製造のために必要な処理過程、並びに所属の処理時間値が記録又は考慮されている。
【0673】
生産設備10は、1つ又は複数の抽出物40、及び/又は1つ又は複数のワークピース支持体30、及び/又は1つ又は複数の工具もしくは工具ユニット702、及び/又は1つ又は複数の消耗材料704の1つ又は複数のパラメータの1つ又は複数の値を判定するための1つ又は複数のセンサユニットをさらに含む。
【0674】
センサユニットは制御ユニットと接続可能であり、もしくは接続されている。
【0675】
センサユニットは、特に抽出物の処理中又は2つの処理過程間の処理進捗状況を判定するのに役立つ。
【0676】
センサ装置は特に、1つ又は複数の判定された値に応じて、1つ又は複数の処理過程を実施するための1つ又は複数の工具ユニット702を制御且つ/又は調整するのに役立ち、特に、判定された処理進捗状況に応じて、1つ又は複数の処理パラメータが変化させられ、もしくは変更可能である。
【0677】
センサユニットは、特に貯蔵装置400、例えば貯蔵場所402における貯蔵状態及び/又は貯蔵量を監視するのに役立つ。
【0678】
生産設備10はさらに、電流供給のために、生産設備の周囲に配置された少なくとも1つの電流源(図示せず)と接続されている。
【0679】
図2には、特に
図1のロック装置200の拡大図が示されている。
【0680】
図2及び3に関連して、ハンドリング装置300は、ロック装置200に隣接して配置された多軸ロボットアーム320と、ロック輸送装置304とを含む。ロック輸送装置によって、ロック場所、特に入口ロック場所206から、さらなるロック場所、特に引き渡しロック場所216へ、且つ/又はロック場所、特に引き渡しロック場所から、さらなるロック場所、特に出口ロック場所208へ、1つ又は複数の物体を輸送することができる。
【0681】
ハンドリング装置300が第1多軸ロボットアームと第2多軸ロボットアームとを有する(図示せず)を有することも考えられる。第1多軸ロボットアームは、生産設備内への入口マテリアルフローに割り当てられており、そして第2多軸ロボットアームは、生産設備からの出口マテリアルフローに割り当てられている。事実上、ハンドリング装置300を第1ハンドリング装置と第2ハンドリング装置とに分割可能にすることも考えられる。第1ハンドリング装置及び第2ハンドリング装置はそれぞれ、生産設備内への入口マテリアルフロー及び生産設備からの出口マテリアルフローに割り当てることができる。
【0682】
入口ロック202内には、入口ロック場所206上に生産設備10のワークピース支持体30と、抽出物コンテナ42内に収容された抽出物40とが配置されている。抽出物コンテナ42はワークピース支持体30上に配置されている。
【0683】
ワークピース支持体30はロック輸送装置304上に配置されている。
【0684】
抽出物40は細胞と培地とを有しており、細胞と培地とは細胞懸濁液を形成する。
【0685】
細胞懸濁液は1μl~1000mlの体積を有している。
【0686】
生産設備10は、前記ワークピース支持体30の他に、1つ又は複数のさらなるワークピース支持体30を有している。このさらなるワークピース支持体は例えば貯蔵場所402内に収納可能であり、もしくは収納されている。
【0687】
ワークピース支持体30は、抽出物及び/又は工具もしくは工具ユニット及び/又は消耗材料を受容するのに役立つ。
【0688】
ワークピース支持体30は、図示されていない固定手段、特に抽出物及び/又は工具及び/又は消耗材料をそれぞれ受容するための固定手段、特に形状結合的且つ/又は摩擦結合的且つ/又は磁気的な固定手段を有している。
【0689】
固定手段は特に、少なくとも1つのアダプタ装置及び/又は少なくとも1つの形状ネスト装置を有することにより、特にワークピース支持体と抽出物コンテナとの確実な受容結合を実現することができる。
【0690】
固定手段は、受容されるべき物体、例えば抽出物コンテナに対応して、特に個別に構成されていてよい。
【0691】
図1及び2に示されたワークピース支持体30は、ここでは抽出物コンテナ42内に配置された抽出物40を受容している。
【0692】
生産設備10は複数の種類のワークピース支持体30を含み、ワークピース支持体は、それぞれのワークピース支持体30の受容領域の形状及び寸法に関して互いに異なっている。
【0693】
図1及び2に例示されているように、1つの種類のワークピース支持体30は、抽出物コンテナ42の受容に役立つ。
【0694】
別の種類のワークピース支持体30は、抽出物40において処理過程を実施するための、もしくはクリーンルーム領域100内部でメンテナンス過程を実施するための1つ又は複数の工具ユニット702及び/又は工具消耗材704を受容するのに役立つ。
【0695】
別の種類のワークピース支持体30は、消耗材料704を抽出物40へ供給するために、且つ/又は抽出物40において処理過程を実施するために、消耗材料704を受容するのに役立つ。
【0696】
1つ又は複数のワークピース支持体30は、抽出物40及び/又は工具702においてアクションを実施するために、それぞれ1つ又は複数のアクションユニット(図示せず)を含む。1つ又は複数のアクションユニットは、抽出物において処理過程を実施するための処理ユニット、例えば工具ユニット702として形成されており、且つ/又は1つ又は複数のアクションユニットは、それぞれのワークピース支持体30及び/又はワークピース支持体に配置された抽出物40及び/又はワークピース支持体に配置された工具702及び/又はワークピース支持体に配置された消耗材料704のパラメータの実際値を判定するためのセンサユニットとして形成されている。これにより、特に独立した工具システムの機能(下記参照)を機能ユニットにおいて、ここではワークピース支持体30において受け継ぐことができる。
【0697】
1つ又は複数のワークピース支持体30は、エネルギー及び/又は1種又は2種以上の消耗材料704を貯えるための貯え装置(図示せず)を含む。ワークピース支持体30は複数回にわたって再使用することができ、特に貯え装置は再充電可能であり、且つ/又は消耗材料704を補充することができる。
【0698】
ワークピース支持体30は1つ又は複数のカップリング装置(図示せず)を有している。カップリング装置によって、複数の、特に2つ又は3つ以上のワークピース支持体30を互いに結合することができる。
【0699】
図1及び2に示された、ロック輸送装置304上に配置されたワークピース支持体30は、図示されていない過程において抽出物コンテナ42を受容するために入口ロック場所206へ供給されている。
【0700】
この際には、先ず利用者によって、例えばHMIインターフェイス602を介して生産設備10の生産プログラムを選択することにより、抽出物40から所望の生成物20を製造した。
【0701】
続いて、利用者は抽出物コンテナ42を、抽出物コンテナ内に配置された抽出物40と一緒に、入口ロック場所206に提供されたワークピース支持体30上に置く。ワークピース支持体は、物体を受容するために既に入口ロック場所206に提供されている。あるいは、貯蔵棚404のうちの1つの棚の貯蔵場所402に収納されたワークピース支持体30が、貯蔵輸送装置406の貯蔵輸送ユニット408によって、貯蔵場所402から引き出され、そしてロック装置200へ輸送されているので、ワークピース支持体30は多軸ロボットアーム302及びロック輸送装置304によって、入口ロック場所206へ供給することができる。
【0702】
ワークピース支持体30が抽出物40を受容するために入口ロック場所206に提供されるとすぐに、抽出物コンテナ42は抽出物コンテナ内に配置された抽出物40と一緒に、利用者によってワークピース支持体30に手作業で引き渡され、ワークピース支持体に固定手段によって固定される。
【0703】
抽出物コンテナ42は通常さらに、抽出物30の無菌状態を維持するために梱包材料を有している。
【0704】
入口ロック202は今や閉状態へ移行することができ、もしくは今や閉じられる。
【0705】
清浄化過程及び滅菌過程は、今や入口ロック場所260の梱包済み抽出物コンテナ42において、入口ロック場所206に相応に配置されたガス処理源及び/又は照射源(図示せず)によるガス処理及び/又は照射によって実施される。
【0706】
続いて、梱包済み抽出物コンテナ42はワークピース支持体30上で、ロック輸送装置304によって、多軸ロボットアーム302の範囲内へ動かされる。
【0707】
多軸ロボットアーム302は、梱包済み抽出物コンテナ42をワークピース支持体30から分離し、そして抽出物コンテナ42を解梱装置212へ引き渡す。解梱装置内では、抽出物コンテナ42の梱包材料は、解梱装置212の1つ又は複数の解梱ユニットによって取り外し可能であり/取り外される。
【0708】
ここでは、
図2及び3に示された入口ロック場所208は、解梱場所206として役立ち、このような解梱場所には、解梱装置212の1つ又は複数の解梱ユニットによってアクセス可能である。
【0709】
さらに、抽出物コンテナ42の梱包材料は、多軸ロボットアーム302により、1つ又は複数の解梱ユニットによって取り外し可能にすることも考えられる。
【0710】
梱包済み抽出物コンテナ42を解梱装置212へ引き渡した後、特に
図4に示されているように、物体の新たな受容のためにロック輸送装置304によって、ワークピース支持体30を入口ロック場所206へ再び戻す。
【0711】
解梱装置212による解梱後には、1つ又は複数の引き渡しロック場所216にロック輸送装置304上で提供された別の、特に無菌のワークピース支持体30(
図4参照)へ、解梱済み抽出物コンテナ42を多軸ロボットアーム302によって引き渡す。
【0712】
この別のワークピース支持体30は予め貯蔵棚404の貯蔵場所402から抜き出され、そして
図4に示されているように、貯蔵輸送ユニット408、多軸ロボットアーム302、及びロック輸送装置304によって相応に提供されている。
【0713】
ロック輸送装置304及び/又は多軸ロボットアーム302はワークピース支持体30を、ワークピース支持体上に配置された抽出物コンテナ42と一緒に、収容ボックス50(
図3~5に示された左側の収容ボックス50)内へ動かす。収容ボックス50は、これに対して貯蔵輸送ユニット408によってロック輸送装置304に提供されている(
図3~5参照)。
【0714】
さらに、物体を収容するためのさらなる収容ボックス50が提供されている(
図3~5に示された右側の収容ボックス50)。
【0715】
生産設備10は、それぞれ1つ又は複数のワークピース支持体30を、これに配置され且つ/又は受容された抽出物40と一緒に収容するための複数の収容ボックス50を含む。抽出物は抽出物コンテナ42内に配置されている。
【0716】
これに加えて又はこの代わりに前述の工具支持体30が収容ボックス50として形成されることも考えられる。
【0717】
図1に示されているように、収容ボックス50は、特に貯蔵輸送ユニット408によって全自動的に、貯蔵装置400の貯蔵場所402内に収納可能であってよい。
【0718】
収容ボックス50の1つ又は2つ以上は、閉鎖可能な内部空間を取り囲むことができる。内部空間は無菌プロセス環境を定義することができる。
【0719】
事実上、収容ボックス50はプロセスユニット、特に無菌プロセスユニットを定義することができる。
【0720】
収容ボックス50は、抽出物40を導入するため、且つ/又は抽出物40から製造された生成物20を引き出すために、自動的に且つ/又はハンドリング装置300によって開放可能且つ/又は閉鎖可能であってよい。
【0721】
収容ボックス50は、それぞれ1つ又は複数の一体化された、又は収容ボックスに解離可能に配置された、又は収容ボックスに解離可能に配置され得るコンディショニングユニット(図示せず)を含むことができる。コンディショニングユニットによって、それぞれの収容ボックス50の内部空間内の温度及び/又は圧力及び/又は湿度及び/又はガス組成に影響を与えることができ、特にこれを制御することができ、且つ/又は調整することができる。
【0722】
コンディショニングユニットの1つ又は2つ以上は、生産設備10の工具システムの工具ユニット702である。工具ユニットは必要に応じて、貯蔵輸送装置406、特に貯蔵輸送装置406の貯蔵輸送ユニット408によって、且つ/又はハンドリング装置300、特にハンドリング装置300の多軸ロボットアーム302によって、特に全自動的に、それぞれの収容ボックス50に配置可能であり、又は収容ボックス50から取り出すことができる。
【0723】
収容ボックス50は1つ又は複数の接続エレメントを含む。接続エレメントは、1つ又は複数の処理場所402のこれに対応する接続エレメントと接続可能であり、特にこれにより、それぞれの収容ボックス50に電気エネルギー及び/又は消耗品704、特に液体及び/又はガスを供給し、且つ/又はそれぞれの収容ボックス50を、特に生産設備10の上位の制御装置、例えば上位の制御装置として役立つ1つ又は複数の制御ユニットと信号技術的にカップリングする。
【0724】
貯蔵場所402はこれに対して接続エレメントを備えているので、貯蔵装置400の、処理場所として役立つ貯蔵場所402で、抽出物40を処理するための1つ又は複数の処理過程を実施することができる。
【0725】
貯蔵装置400の貯蔵場所402及び/又は収容ボックス50は、固定エレメントを含むことができ、固定エレメントによって、収容ボックス50を貯蔵場所402に位置決めし且つ固定することができる。
【0726】
収容ボックス50はそれぞれ、1つ又は複数の工具もしくは工具ユニット702を、特にそれぞれの収容ボックス50の内部空間に受容し固定するための1つ又は複数の工具受容部を含むことができる。
【0727】
1つ又は複数の工具受容部はそれぞれ1つ又は複数の接続エレメントを含むことができ、接続エレメントは、それぞれ受容するべき工具702の、これに対応する接続エレメントと接続可能であり、特にこれにより、それぞれの工具702に電気エネルギー及び/又は消耗品、特に液体及び/又はガスを供給し、且つ/又はそれぞれの工具702を、収容ボックス50及び/又は上位の制御装置と信号技術的にカップリングする。
【0728】
収容ボックス50は1つ又は複数の接続エレメントを含み、接続エレメントは、さらなる収容ボックス50のこれに対応する接続エレメントと接続可能であり、これによりまとめられた1つの収容ボックス50が提供可能であることも考えられる。
【0729】
図4及び
図5に関しては、ワークピース支持体30はワークピース支持体上に配置された抽出物コンテナ42と一緒に、ロック輸送装置304及び/又は多軸ロボットアーム302によって、(左の)収容ボックス50内へ動かされている。
【0730】
収容ボックス50は今や、
図5に示された左の貯蔵輸送ユニット408によって、
図5に示された左又は真ん中の貯蔵棚404内に収容可能である。
【0731】
前記左の貯蔵輸送ユニット408によって、収容ボックス50は、前記真ん中の貯蔵棚404へ輸送され、その場所に収容される。利用者によって選択された生産設備10の生産プログラム、つまりその生産プログラムによって、生産設備10が抽出物40から所期生成物20を製造し得る生産プログラムに応じて、貯蔵輸送ユニット408によって、貯蔵装置400の貯蔵場所402に収容された1つ又は複数の物体、特に工具もしくは工具ユニット702及び/又は消耗材料が、選択された生産プログラムによって規定された、定義された順序で、やはり選択された生産プログラムによって規定された、定義された時点に、真ん中の貯蔵棚404内に抽出物コンテナ42と一緒に収容された収容ボックス50へ輸送可能であり、もしくはこのような収容ボックス50へ輸送される。
【0732】
図6に矢印によって例示されているように、1つ又は複数の処理過程を実施するために、例えば工具ユニット702を左の貯蔵棚404から貯蔵輸送ユニット408によって抜き出し、そしてこれを抽出物コンテナ42を含む収容ボックス50に供給することにより、抽出物コンテナ42内の抽出物40において、工具ユニット702によって1つ又は複数の処理過程を実施する。
【0733】
図示の矢印は、クリーンルーム領域100内部の工具ユニット702の工具経路706を表すことができる。
【0734】
抜き出された工具ユニット702はここではワークピース支持体30上に、且つ/又は収容ボックス50内に配置されている。
【0735】
工具ユニット702は、生産設備10の工具システムの部分である。工具システムによって、抽出物におけるハンドリング過程及び/又はメンテナンス過程がクリーンルーム領域100内部で実施可能である。
【0736】
工具システムは、種々異なる処理過程及び/又はメンテナンス過程を実施するために、複数の、特に全自動式の工具ユニット702を含む。
【0737】
工具システムは、抽出物40へ消耗材料を供給するために、供給ユニットとして形成された1つ又は複数の工具ユニット702を含む。
【0738】
工具システムは、抽出物40から試料を引き出すための引き出しユニットとして形成された1つ又は複数の工具ユニット702を含む。
【0739】
工具システムの工具ユニット702のうちの1つ又は2つ以上は、それぞれ1つ又は複数の複数回使用コンポーネント及び/又は1つ又は複数の単回使用コンポーネントを含む。
【0740】
抽出物40における1つ又は複数の処理過程を実施した後、以前に供給された、今や使用済みの工具ユニット702は、貯蔵輸送ユニット408によって、抽出物40を含有する収容ボックス50から再び導出され、特に収容ボックス50から取り出されて送り出される。
【0741】
このことは収容ボックス50内で行われる。
【0742】
図7に矢印によって示されているように、貯蔵輸送ユニット408は、使用済み工具ユニット702をこのような収容ボックス50内でハンドリング装置300へ輸送することにより、そこで収容ボックス50からハンドリング装置300によって引き出す(
図8参照)。
【0743】
図示の矢印は、クリーンルーム領域100内部の使用済み工具ユニット702の工具経路706を表すことができる。工具経路はマテリアルフローの意味において理解することができる。この生産設備では、基本的に指向性の、特に清潔側から不潔側へ指向されたマテリアルフローが好ましい。
【0744】
ハンドリング装置300、特にハンドリング装置300の多軸ロボットアーム302によって、使用済み工具ユニット702は、1つ又は複数の処理過程時に使用されて工具ユニット702に配置された単回使用コンポーネント、例えばチューブ、カニューレ、及び/又は他の使い捨てエレメントから分離される。取り出された単回コンポーネントはロック装置200を介してクリーンルーム領域100から取り出し可能であり、もしくは取り出される。
【0745】
図8に示されているように、このことは特にロック装置200の廃棄物ロック218を介して、多軸ロボットアーム302によって行われる。廃棄物ロック218は、ハンドリング装置300とは別個の装置として、これらの装置間がクリーンルーム技術的に分離されることにより、清潔側から不潔側への指向性マテリアルフローを保証するように形成されることが考えられる。
【0746】
図9に関しては、使用済み工具ユニット702は収容ボックス50内へ再び戻され、続いて生産設備10の清浄化装置500へ、収容ボックス50と一緒に、特に貯蔵輸送ユニット408及び/又はハンドリング装置300によって供給される。清浄化装置によって、使用済み工具ユニット702及びその収容ボックス50は清浄化可能且つ滅菌可能であり、もしくは清浄化され滅菌される。
【0747】
図10に概略的に示されているように、清浄化装置500によって清浄化され滅菌された工具ユニット702は再びハンドリング装置300へ供給される。
【0748】
さらに、ハンドリング装置300には、消耗材料704、特に1つ又は複数の新しい滅菌単回使用コンポーネントが貯蔵棚404から、貯蔵輸送ユニット408によって、ワークピース支持体30上で且つ/又はさらなる収容ボックス50(
図10に示された右の収容ボックス50)内で供給される。
【0749】
ハンドリング装置300、特に多軸ロボットアーム302によって、工具ユニット702に新しい消耗材料704、すなわち新しい単回コンポーネントを取り付けることによって、これを1つ又は複数の処理過程のために再び使用することができる。
【0750】
このように再び調製された工具ユニット702は再び貯蔵場所402に、ワークピース支持体30上で、且つ/又はやはり再び調製された収容ボックス50内で、貯蔵輸送ユニット408によって、特に新たな使用まで収納可能である。
【0751】
このような前述の例示的な過程は、生産プログラムによって指定され必要とされるすべての処理過程が抽出物40において実施され、そして抽出物40から、製造されるべき生成物20が生成されるまで、繰り返し実施可能であってよい。
【0752】
抽出物コンテナ42は、今や抽出物40から製造された生成物20が存在する生成物コンテナ22と、今や呼ぶことができる。
【0753】
生成物コンテナ22が位置する収容ボックス50は、貯蔵輸送ユニット408によって、ハンドリング装置300へ輸送される。
【0754】
そこでは、生成物コンテナ22はハンドリング装置300によって収容ボックス50から引き出され、そしてワークピース支持体30上に置かれる。ワークピース支持体は生成物コンテナ22を受容し、そして梱包装置214へ輸送する。
【0755】
多軸ロボットアーム302によって、生成物コンテナ22は無菌梱包のための梱包装置へ供給することができる。
【0756】
多軸ロボットアーム302は、生成物コンテナ22をワークピース支持体30から分離し、そして生成物コンテナ22を梱包装置214へ引き渡す。梱包装置214内では、生成物コンテナ22、ひいては生成物20は無菌梱包材料で梱包可能であり、そして梱包装置214の1つ又は複数の梱包ユニットによって梱包され、もしくは取り囲まれる。
【0757】
図11に示された出口ロック場所208は、梱包場所として役立ち、そしてこの梱包場所には、梱包装置214の1つ又は複数の梱包ユニットによってアクセス可能であることも、ここでは考えられる。さらに、生成物コンテナ42は、多軸ロボットアーム302によって、1つ又は複数の梱包ユニットにより梱包材料を用いて無菌梱包可能であることも考えられる。
【0758】
梱包装置214による梱包後、梱包済み生成物コンテナ22は、多軸ロボットアーム302によって再びワークピース支持体30へ引き渡され(
図11参照)、そしてロック輸送装置304によって、出口ロック場所208へ供給される。この場所で、生成物20を含む梱包済み生成物コンテナ22は、利用者によって引き出すことができる。
【0759】
生成物コンテナ22がその上に配置されているワークピース支持体30、並びに生成物コンテナ22がその中に配置されている収容ボックス50を、前述のように、生産設備10の清浄化装置500へ供給し、続いて清浄化して滅菌することにより、次の使用のために、これらを再びそれぞれの貯蔵場所402に収納する。
【0760】
図12には、本発明のさらなる一例としての実施形態に基づく生産設備10の概略的な斜視図が示されている。
【0761】
図12に示された本発明のさらなる一例としての実施形態に基づく生産設備10は、
図1に示された本発明による生産設備10の一例としての実施形態とほぼ同じ構造的且つ機能的な特徴を有しているので、以下には構造的且つ機能的な特徴の差異のみを示す。
【0762】
図12に概略的に示された貯蔵輸送装置406は、クリーンルーム領域100内で自由走行する1つ又は複数の輸送車両410を含む。
【0763】
換言すれば、クリーンルーム領域100内で自由走行する輸送車両は、クリーンルーム領域100内で必要に応じて制御可能且つ自由走行可能である輸送車両であるので、制御ユニットの少なくとも1つによって相応に制御すると、輸送車両は必要に応じてその都度自由走行式になる。
【0764】
輸送車両410によって、貯蔵装置400の貯蔵棚404に、特に収納過程及び抜き出し過程のために、並びに処理過程及び/又はメンテナンス過程のためにアクセスすることができる。
【0765】
貯蔵棚404、特に貯蔵棚404の貯蔵場所402には、1つ又は複数の貯蔵棚-ロック412を介して、収納過程及び抜き出し過程のために、並びに処理過程及び/又はメンテナンス過程のために、輸送車両410によってアクセスすることができる(
図20参照)。
【0766】
貯蔵棚404の貯蔵場所402が、貯蔵棚404内の種々の貯蔵場所面上に配置されており、これらの貯蔵場所面が例えば互いに上下に配置され、そして1つの貯蔵棚404の各貯蔵場所面には、それぞれの貯蔵棚404内の特に共通の変位ユニットを介して、輸送車両410がアクセスし得ることも考えられる。
【0767】
自由走行式の輸送車両410を使用することにより、これに加えて貯蔵棚404の任意の配置関係が可能になる。
【0768】
図12に、そして
図12に関連する図面に示された、貯蔵棚404のほぼ平行な配置関係は、説明を目的として純粋に一例として示されている。
【0769】
図13に関しては、抽出物コンテナ42内に配置された抽出物40が保持されている/保持されるワークピース支持体30が、自由走行式の輸送車両410上で入口ロック場所206に配置されている。
【0770】
図13及び14に示された、輸送車両410上に配置されたワークピース支持体30は、図示されていない過程において抽出物コンテナ42を受容するために、輸送車両410によって入口ロック場所206へ供給されている。
【0771】
この際には、先ず利用者によって、例えばHMIインターフェイス602を介して生産設備10の生産プログラムを選択することにより、抽出物40から所望の生成物20を製造した。
【0772】
続いて、利用者は抽出物コンテナ42を、抽出物コンテナ内に配置された抽出物40と一緒に、入口ロック場所206に提供されたワークピース支持体30上に置く。ワークピース支持体は、物体を受容するために既に入口ロック場所206に輸送車両410上で提供されている。
【0773】
あるいは、貯蔵棚404のうちの1つの棚の貯蔵場所402に収納されたワークピース支持体30が、貯蔵輸送装置406の輸送車両410によって、貯蔵場所402から引き出され、そしてロック装置200へ輸送されている。ワークピース支持体30が抽出物40を受容するために入口ロック場所206に提供されるとすぐに、抽出物コンテナ42は抽出物コンテナ内に配置された抽出物40と一緒に、利用者によって、輸送車両410上に配置されたワークピース支持体30に手作業で引き渡され、ワークピース支持体に固定手段によって固定される。
【0774】
図15に概略的に示されているように、続いて、梱包済み抽出物コンテナ42はワークピース支持体30上で輸送車両410によって、多軸ロボットアーム302の範囲内へ動かされる。
【0775】
多軸ロボットアーム302は、梱包済み抽出物コンテナ42をワークピース支持体30から分離し、そして抽出物コンテナ42を解梱装置212へ引き渡す。解梱装置内では、抽出物コンテナ42の梱包材料は、解梱装置212の1つ又は複数の解梱ユニットによって取り外し可能であり/取り外される。
【0776】
梱包済み抽出物コンテナ42を解梱装置212へ引き渡した後、物体の新たな受容のために輸送車両410によって、ワークピース支持体30を入口ロック場所206へ再び戻すので、実質的に
図14に示されているような状態が存在し得る。
【0777】
解梱装置212による解梱後には、収容ボックス50内に配置され且つ引き渡しロック場所216に別の無菌の輸送車両410上の収容ボックス50内で提供された別の、特に無菌のワークピース支持体30(
図15参照)へ、解梱済み抽出物コンテナ42を多軸ロボットアーム302によって引き渡す。
【0778】
この別のワークピース支持体30は予め収容ボックス50と一緒に、貯蔵棚404の貯蔵場所402から抜き出され、そして別の輸送車両410によって引き渡しロック場所216へ輸送されている。
【0779】
図15及び16に関しては、収容ボックス50は、収容ボックス内に配置されたワークピース支持体30と一緒に、ワークピース支持体上に抽出物コンテナ42が配置されている状態で、輸送車両410によって、貯蔵棚404内の貯蔵場所402へ動かし且つ収納することができ、もしくは動かされ且つ収納される。
【0780】
図17に矢印(工具経路706)によって例示されているように、1つ又は複数の処理過程を実施するために、例えば工具ユニット702を左の貯蔵棚404から輸送車両410によって抜き出し、そして真ん中の貯蔵棚404内に収納された、抽出物コンテナ42を含む収容ボックス50にこれを供給することにより、抽出物コンテナ42内の抽出物40において、工具ユニット702によって1つ又は複数の処理過程を実施する。
【0781】
抽出物40における1つ又は複数の処理過程を実施した後、以前に供給された、今や使用済みの工具ユニット702は、輸送車両410によって、抽出物40を含有する収容ボックス50から再び導出され、特に収容ボックス50から取り出されて送り出される。
【0782】
図18に矢印によって示されているように、輸送車両410は、使用済み工具ユニット702をその収容ボックス50内でハンドリング装置300へ輸送することにより、そこで収容ボックス50からハンドリング装置300によって引き出し、これにより、工具ユニット702に配置された単回使用コンポーネントを取り出す(
図19参照)。
【0783】
図19及び20に関しては、使用済み工具ユニット702はハンドリング装置300によって収容ボックス50内へ再び戻され、続いて生産設備10の清浄化装置500へ、収容ボックス50と一緒に、輸送車両410によって供給される。清浄化装置によって、使用済み工具ユニット702及びその収容ボックス50は清浄化可能且つ滅菌可能であり、もしくは清浄化され滅菌される。
【0784】
図21に概略的に示されているように、清浄化装置500によって清浄化され滅菌された工具ユニット702は輸送車両410によって、再びハンドリング装置300へ供給され、これにより、消耗材料704、特に1つ又は複数の新しい無菌の単回使用コンポーネントが貯蔵棚404からハンドリング装置300によって装備される。単回使用コンポーネントは、例えば使用済み工具ユニット702の清浄化中に、別の輸送車両410によってハンドリング装置300に提供されている。
【0785】
これに対して並行して又は連続して、生成物コンテナ22内に配置されている製造済み生成物20は、さらなる輸送車両410によって貯蔵棚404から抜き出され、そして引き渡しロック場所216へ輸送され、これにより梱包装置214によって梱包される。
【0786】
梱包装置214による梱包後、梱包済み生成物コンテナ22は、多軸ロボットアーム302によって再びワークピース支持体30へ引き渡され(
図22参照)、そして輸送車両410によって、出口ロック場所208へ供給される。この場所で、生成物20を含む梱包済み生成物コンテナ22は、利用者によって引き出すことができる。
【0787】
図23には、本発明のさらなる一例としての実施形態に基づく生産設備10の概略的な斜視図が示されている。
【0788】
図23に示された本発明のさらなる一例としての実施形態に基づく生産設備10は、
図1に示された本発明による生産設備10の一例としての実施形態とほぼ同じ構造的且つ機能的な特徴を有しているので、以下には構造的且つ機能的な特徴の差異のみを示す。
【0789】
貯蔵輸送装置406は、
図12において示された、本発明による生産設備10の一例としての実施形態との関連において既に説明された、1つ又は複数の自由走行式の輸送車両410を含む。
【0790】
貯蔵装置400は、複数の、ここでは4つの貯蔵場所面414を含む。これらの貯蔵場所面はそれぞれ複数の貯蔵場所402を有している。
【0791】
貯蔵場所面414は互いに上下に、特に高さ方向で互いに上下に配置されている。
【0792】
事実上、貯蔵場所面414は、
図23に概略的に示されているように、スタック状に配置されている。
【0793】
貯蔵場所面414上には、種々の種類の物体を収容するための種々の種類の貯蔵場所402が配置されている。
【0794】
図23に概略的に示されているように、種々の種類の貯蔵場所402は、規則的なパターンで分布されている。
【0795】
例えば、複数の、特にすべての収容ボックス50と、特にそれぞれのワークピース支持体30上に配置された複数の、特にすべての工具702と、特にそれぞれのワークピース支持体30上にそれぞれ配置された複数の、特にすべての消耗材料704とが、前記パターンを成して空間的に隣接している。
【0796】
貯蔵輸送装置406はさらに1つ又は複数のリフト装置416を含む。リフト装置によって、特に収納過程及び抜き出し過程、並びに処理過程及び/又はメンテナンス過程のために、貯蔵装置400の貯蔵場所面414にアクセスすることができる。
【0797】
リフト装置416によって、輸送車両410を個々の貯蔵場所面414へ動かすことができる。
【0798】
これに加えて又はこの代わりに、リフト装置416によって、輸送された物体の、貯蔵場所面414上に位置する輸送車両410から、別の貯蔵場所面414上に位置する別の輸送車両410への引き渡し過程を実施し得ることも考えられる。事実上、1つの輸送車両から別の輸送車両410へのリフト装置416を介したこのような引き渡し過程を実施することができる。
【0799】
図24には、本発明のさらなる一例としての実施形態に基づく生産設備10の概略的な斜視図が示されている。
【0800】
図24に示された本発明のさらなる一例としての実施形態に基づく生産設備10は、
図1に示された本発明による生産設備10の一例としての実施形態とほぼ同じ構造的且つ機能的な特徴を有しているので、以下には構造的且つ機能的な特徴の差異のみを示す。
【0801】
貯蔵装置400は貯蔵場所面414を含む。貯蔵場所面は複数の貯蔵場所402を有している。
【0802】
貯蔵場所面414上には、種々の種類の物体を収容するための種々の種類の貯蔵場所402が配置されている。
【0803】
図24に概略的に示されているように、種々の種類の貯蔵場所402は、規則的なパターンで分布されている。
【0804】
例えば、特にそれぞれのワークピース支持体30上に配置された複数の、特にすべての工具702と、特にそれぞれのワークピース支持体30上にそれぞれ配置された複数の、特にすべての消耗材料704とが、前記パターンを成して空間的に隣接している。
【0805】
貯蔵輸送装置406は、ポータルコンベア418として形成された貯蔵輸送ユニット408を含むことができる。ポータルコンベア418によって、貯蔵場所面414に、特に収納過程及び抜き出し過程のために、並びに処理過程及び/又はメンテナンス過程のためにアクセスすることができる。
【0806】
図25には、本発明の一例としての実施形態に基づく方法が示されている。
【0807】
生産設備、特に前述の生産設備10によって、生物学的製剤生成物20を製造するための方法は、
- 生産設備10によって製造可能な複数の生成物20を製造するための複数の生産プログラムのうちの1つを選択し(S1)、
- 前記生産設備10のロック装置200内へ抽出物40を導入し(S2)、
- 前記抽出物40を前記生産設備10のクリーンルーム領域100内へ自動的に輸送し、任意には、前記抽出物40は、前記生産設備10の貯蔵装置400の、前記クリーンルーム領域100の内部に位置する貯蔵場所402内へ収納され(S4)、
- 前記抽出物40において1つ又は複数の処理過程を自動的に実施する(S4)、
ことを含む。
【0808】
S4において、前記抽出物40から製造されるべき生成物20が完成されるまで、1つ又は複数の処理過程を全自動的に実施する。
【0809】
S4において、1つ又は複数の、特にすべての処理過程を前記貯蔵場所402で実施することができる。
【0810】
S4において製造可能なもしくは製造された生成物20を前記貯蔵場所402から抜き出し、そして前記生成物を前記生産設備10から引き出すために、自動的に前記ロック装置200へ輸送する。
【0811】
S4に後続する工程において、前記生成物の引き出しの前に前記生成物20を充填且つ/又は梱包し、特に使用準備が整った状態に充填且つ/又は梱包する。
【0812】
前記生成物20を製造するために利用された1つ又は複数の容器、収容体及び/又は工具が、前記生成物20の完成後に前記クリーンルーム領域100内部に少なくとも部分的に留まり、清浄化され、そして続いてさらなる生成物20の製造のために再使用される。
【0813】
前記生成物20を製造するために、且つ/又は複数の異なる生成物20を製造するために、必要な消耗材料704、特に消耗品及び/又は工具消耗材が、特に製造されるべき生成物20の選択が行われる前に、前記クリーンルーム領域100内部に貯えられている/貯えられる。
【0814】
前記消耗材料704が前記ロック装置200を介して前記クリーンルーム領域100内へ自動的に輸送され、そして前記クリーンルーム領域内で、特に前記貯蔵装置400の1つ又は複数の貯蔵場所402内へ収納される。
【0815】
前記クリーンルーム領域100内部に貯えられた前記消耗材料704の量が監視され、そして規定の最小量を下回ると、特にオペレータユニットの示唆又は警告メッセージを介して、例えばHMIインターフェイス602を介して、前記所要の消耗材料704を供給することによって、前記在庫量が増大させられる。
【0816】
同時に複数の生成物20が、特に複数の異なる生成物20が、前記クリーンルーム領域100内部で製造可能である。
【0817】
事実上、方法は同時に並行して且つ/又は時間的にずらして、1回又は2回以上遂行もしくは実施することができる。
【0818】
特に1つ又は複数の工具ユニット702によって実施し得る1つ又は複数の処理過程は、
- 液体及び/又はガス、特にガス混合物を供給すること、
- 液体及び/又はガス、特にガス混合物を導出、特にポンプで導出すること、
- 1つ又は複数のセンサユニットによる分析のために、液体及び/又はガス、特にガス混合物の一部を導出、特にポンプで導出すること、
- 1種又は2種以上の成分、特に少なくとも1種の液体を、さらなる成分、例えばさらなる液体と混合すること、
- 特にカラム、例えば分離カラム、及び/又は遠心分離機によって液体を濃縮し且つ/又は分離すること、
- 特に1つ又は複数のセンサユニットによって、抽出物及び/又は中間生成物及び/又は生成物を分析し、貯蔵輸送装置406によって1つ又は複数の物体を貯蔵し、特に収納し且つ/又は抜き出すこと、
- 1つ又は複数の物体、特に1つ又は複数の抽出物40を温度調節し、特にインキュベートすること、
を有する。
【0819】
処理工程の前述の列挙は例示的であり、網羅的ではないことを理解するべきである。
【0820】
この代わりに又はこれに加えて、1つ又は複数の処理過程を1つ又は複数の処理過程と、ただ1つの処理過程において、且つ/又はこれらの何らかの組み合わせにおいて、組み合わせることが可能である。
【0821】
各製造されるべき生成物には、一連の処理過程が割り当てられており、これらの処理過程は、クリーンルーム領域100内部に配置されて処理過程の実施後にクリーンルーム領域内にとどまる工具702によって実施される。
【0822】
1つ又は複数の工具702は、1つ又は複数の処理過程を実施した後に、クリーンルーム領域内部で清浄化、特に滅菌される。
【0823】
1つ又は複数の工具702には、1つ又は複数の処理過程を実施する前に、クリーンルーム領域100内部で、工具消耗材、特に単回使用コンポーネントが装備される。
【0824】
1つ又は複数の工具消耗材は、1つ又は複数の処理過程を実施した後に、クリーンルーム領域内部で1つ又は複数の工具から取り出され且つ/又は廃棄される。
【0825】
複数の、特にすべての処理過程には、処理時間値が割り当てられており、処理時間値は、その都度の処理過程の開始からその終わりに至るまで経過する時間を示し、特に、
- その都度の処理過程のために必要な少なくとも1つの工具702を、特に1つ又は複数の工具消耗材の装備を含めて提供するための時間、及び/又は
- 処理されるべき抽出物40における、特に抽出物40が配置されている貯蔵場所402における少なくとも1つの工具702の供給及び/又は配置及び/又は運転開始のための時間、及び/又は
- 所望の処理結果を達成するために抽出物40に作用する時間、及び/又は
- 抽出物から、特に貯蔵場所から少なくとも1つの工具を取り出すための時間
を含み、
- 好ましくは
○ 少なくとも1つの工具702の清浄化、及び/又は
○ 工具消耗材の取り出し及び/又は廃棄、及び/又は
○ 出発場所、特に工具702に割り当てられた貯蔵場所402への工具702の戻し輸送
を含む。
【0826】
各生産プログラムにおいて、所定の生成物20の製造のために必要な処理過程、並びに所属の処理時間値が記録又は考慮されており/記録又は考慮される。
【0827】
生産プログラムの開始時には、生産経過が予測され、処理過程の実施のために必要とされる且つ/又は指定された工具702は、予測から生じるタイムスロットのために予め用意しておかれる。
【0828】
1つ又は複数の処理過程には、それぞれ
- 1つ又は複数の工具702を清浄化し、且つ/又は1つ又は複数の貯蔵場所402を清浄化するための1つ又は複数の清浄化過程、及び/又は
- 消耗材料704を廃棄するための1つ又は複数の廃棄過程、及び/又は
- 1つ又は複数の工具702に消耗材料704を装備するための1つ又は複数の準備過程、及び/又は
- 処理結果を制御するための1つ又は複数の制御過程、
が割り当てられるか又は割り当てられており、
生産経過の予測に応じて、1つ又は複数の清浄化過程の、1つ又は複数の廃棄過程の、1つ又は複数の準備過程の、且つ/又は1つ又は複数の制御過程の実施のために必要となる1つ又は複数の装置に、タイムスロットが予め用意されており/予め用意される。
【0829】
1つ又は複数の処理過程後に、特に各処理過程後に、特に、生成物20を完成させるためになおも必要な工具702及び/又はその他の装置に対するタイムスロットを確認又は補正するために、生産経過の予測を試験し且つ/又は実現する。
【0830】
生産プログラムの所望の開始時には、すべての必要な工具702及び/又は他の装置が、生成物20を完成させるために、所要のタイムスリット内で利用可能であるかどうかが、生産経過の予測に基づいて判定され、そしてこのような判定が肯定的な結果を送達した場合にのみ、生産プログラムを開始することができる。
【0831】
図25に示された方法に関しては、本発明による生産設備、及び特に生産設備10の前述の実施形態と関連するあらゆる構造的且つ機能的な特徴が、本発明による方法の中にも単独又は組み合わせで含まれていてよく、これと関連する特性、構成、及び利点も相応に含まれ、達成されてよい、と理解されるべきである。前述の生産設備10は、
図25に示された方法を実施するように形成されており、そして
図25に示された方法は、前述の生産設備10によって実施可能であるようにさらに構成されている。
【国際調査報告】