(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】気管支内埋込物および関連技術
(51)【国際特許分類】
A61F 2/04 20130101AFI20240719BHJP
【FI】
A61F2/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503825
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 US2022073962
(87)【国際公開番号】W WO2023004362
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524026506
【氏名又は名称】アプレオ ヘルス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】メイズ, マーティン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ナガ, カルン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ギフォード, ハンソン エス. ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】キム, スティーブン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリクセン, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】サットン, ダグラス エス.
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドマン, ニファー ベス
(72)【発明者】
【氏名】ウー, パトリック ピー.
(72)【発明者】
【氏名】パドマナバン, ジャガンナート
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA17
4C097BB01
4C097BB09
4C097CC01
4C097CC05
4C097DD09
(57)【要約】
本技術のある実施形態による、埋込物は、縦軸に沿って相互から離間され、それぞれ、気管支樹の第1および第2の気道において展開されるように構成される、近位端部分と、遠位端部分とを含み、第2の気道は、第1の気道を上回る世代のものである。埋込物は、縦軸と同軸方向に整合される管状領域内のワイヤ経路に沿って延在する、ワイヤを含む。ワイヤは、ワイヤ経路に沿って交互に配置され、それぞれ、縦軸を中心とした円周方向において、遠位および近位に延在する、第1の区間と、第2の区間とを含む。埋込物は、治療場所において薄型の送達状態から拡張された展開状態に遷移し、治療場所において展開されている間、埋込物の直遠位から埋込物の直近位への粘膜繊毛クリアランスを可能にするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト対象の気管支樹内の治療場所において展開されるように構成される埋込物であって、前記埋込物は、
前記気管支樹の第1の気道において展開されるように構成される近位端部分であって、前記第1の気道の世代は、2またはそれを上回る、近位端部分と、
前記埋込物の縦軸に沿って前記近位端部分から離間され、前記気管支樹の第2の気道において展開されるように構成される遠位端部分であって、前記第2の気道の世代は、前記第1の気道の世代を上回る、遠位端部分と、
前記縦軸に沿った前記近位端部分と前記遠位端部分との間の中間部分と、
前記縦軸と同軸方向に整合される管状領域内で連続ワイヤ経路に沿って延在するワイヤであって、前記中間部分における前記ワイヤ経路は、前記縦軸を中心とした少なくとも3周の巻部を含む、ワイヤと
を備え、
前記ワイヤは、前記ワイヤ経路に沿って交互に配置される第1の区間と、第2の区間とを備え、前記第1の区間は、前記縦軸を中心として円周方向において遠位に延在し、前記第2の区間は、前記円周方向において近位に延在し、
前記埋込物は、前記埋込物が前記治療場所において展開される間に、前記埋込物の直遠位にある場所から前記埋込物の直近位にある場所までの粘膜繊毛クリアランスを可能にするように構成され、
前記埋込物は、前記埋込物が前記縦軸に対して直角である第1の平均直径を有する薄型の送達状態から、前記埋込物が前記縦軸に対して直角である第2の平均直径を有する拡張された展開状態に弾力的に遷移するように構成され、前記第2の平均直径は、前記第1の平均直径よりも少なくとも3倍大きい、埋込物。
【請求項2】
前記中間部分は、前記ワイヤから本質的に成る、請求項1に記載の埋込物。
【請求項3】
前記近位端部分および前記遠位端部分は、前記ワイヤから本質的に成る、請求項2に記載の埋込物。
【請求項4】
前記埋込物は、単一ワイヤ埋込物である、請求項1に記載の埋込物。
【請求項5】
前記ワイヤ経路は、前記近位端部分における第1の端部と、前記遠位端部分における対向する第2の端部とを有し、
前記ワイヤは、前記ワイヤ経路の第1の端部における繋留されていない第1の末端部を含み、
前記ワイヤは、前記ワイヤ経路の第2の端部における繋留されていない第2の末端部を含む、
請求項1に記載の埋込物。
【請求項6】
前記第1の末端部は、前記埋込物の最近位端にあり、
前記第2の末端部は、前記埋込物の最遠位端の近位にある、
請求項5に記載の埋込物。
【請求項7】
前記ワイヤは、前記第1の末端部における第1の非外傷性先端を含み、
前記ワイヤは、前記第2の末端部における第2の非外傷性先端を含む、
請求項5に記載の埋込物。
【請求項8】
前記ワイヤは、前記ワイヤ経路の第1の端部において、前記第1の区間のうちの所与の1つを含み、
前記ワイヤは、前記ワイヤ経路の第2の端部において、前記第2の区間のうちの所与の1つを含む、
請求項5に記載の埋込物。
【請求項9】
前記中間部分における前記第1の区間の平均長は、前記中間部分における前記第2の区間の平均長と異なる、請求項1に記載の埋込物。
【請求項10】
前記中間部分における前記第1の区間の平均長は、前記中間部分における前記第2の区間の平均長を上回る、請求項9に記載の埋込物。
【請求項11】
前記中間部分における前記第1の区間の平均長は、前記中間部分における前記第2の区間の平均長を20%~50%上回る、請求項9に記載の埋込物。
【請求項12】
前記中間部分における前記第1の区間の平均長の前記中間部分における前記第2の区間の平均長に対する比は、少なくとも
【数1】
であり、
n=前記中間部分における前記縦軸を中心とした前記ワイヤ経路の1周の巻部あたりの第1の区間の平均数である、請求項9に記載の埋込物。
【請求項13】
前記ワイヤは、前記ワイヤ経路に沿って交互に配置される第1および第2の頂点部分を含み、
前記第1の頂点部分は、遠位に向き、
前記第2の頂点部分は、近位に向き、
前記個々の第1および第2の区間は、前記ワイヤ経路に沿った前記個々の第1および第2の頂点部分間に散在される、
請求項1に記載の埋込物。
【請求項14】
前記中間部分における前記第1の頂点部分は、第1の螺旋を画定し、
前記中間部分における前記第2の頂点部分は、第2の螺旋を画定し、
前記埋込物は、前記第1の螺旋と第2の螺旋との間に螺旋状帯部を画定し、
前記螺旋状帯部の連続する巻部は、前記埋込物が前記展開状態にあるとき、前記縦軸に沿って相互から離間される、
請求項13に記載の埋込物。
【請求項15】
前記螺旋状帯部の連続する巻部は、前記埋込物が前記送達状態にあるとき、前記縦軸に沿って相互から離間される、請求項14に記載の埋込物。
【請求項16】
前記螺旋状帯部の連続する巻部は、前記埋込物が前記送達状態にあるとき、重複している、請求項14に記載の埋込物。
【請求項17】
前記縦軸に対して平行である前記螺旋状帯部の平均幅は、前記埋込物が前記展開状態にあるとき、前記中間部分における前記ワイヤ経路の平均ピッチの30%~75%の範囲内である、請求項14に記載の埋込物。
【請求項18】
前記ワイヤは、前記埋込物が前記展開状態にあるとき、前記螺旋状帯部の総面積の5%~30%を占有する、請求項14に記載の埋込物。
【請求項19】
前記ワイヤは、前記第1および第2の区間と、前記第1および第2の頂点部分とから本質的に成る、請求項13に記載の埋込物。
【請求項20】
前記第1の頂点部分および前記第2の頂点部分の平均曲率半径は、0.35mm~0.60mmの範囲内である、請求項13に記載の埋込物。
【請求項21】
前記中間部分における前記ワイヤ経路の個別の近隣する巻部における前記第1の頂点部分のうちの所与の3つは、相互との円周方向整合の5度以内にあり、
前記中間部分における前記ワイヤ経路の個別の近隣する巻部における前記第2の頂点部分のうちの所与の3つは、相互との円周方向整合の5度以内にある、
請求項13に記載の埋込物。
【請求項22】
前記埋込物が前記送達状態にあるとき、および前記埋込物が前記展開状態にあるときの両方において、前記第1の頂点部分のうちの所与の3つは、相互との円周方向整合の5度以内にあり、
前記埋込物が前記送達状態にあるとき、および前記埋込物が前記展開状態にあるときの両方において、前記第2の頂点部分のうちの所与の3つは、相互との円周方向整合の5度以内にある、
請求項21に記載の埋込物。
【請求項23】
前記個々の第1および第2の頂点部分は、前記ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
前記中間部分における前記ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の平均円周方向間隔は、35度~95度の範囲内である、
請求項13に記載の埋込物。
【請求項24】
前記個々の第1および第2の頂点部分は、前記ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
前記中間部分における前記ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の平均円周方向間隔は、55度~65度の範囲内である、
請求項13に記載の埋込物。
【請求項25】
前記個々の第1および第2の頂点部分は、前記ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
前記埋込物が前記送達状態にあるときの前記中間部分における前記ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の度単位における平均円周方向間隔は、前記埋込物が前記展開状態にあるときと5%以下異なる、
請求項13に記載の埋込物。
【請求項26】
前記個々の第1の頂点部分は、前記ワイヤ経路に沿った個別の第1の頂点にあり、
前記個々の第2の頂点部分は、前記ワイヤ経路に沿った個別の第2の頂点にあり、
前記ワイヤ経路に沿って相互に近隣する一対の前記第1の頂点間の線は、前記ワイヤ経路に沿った前記第2の頂点のうちの介在する1つからある角度を成し、
前記角度は、前記埋込物が前記送達状態にあるとき、-20度~20度の範囲内であり、
前記角度は、前記埋込物が前記展開状態にあるとき、20度~90度の範囲内である、
請求項13に記載の埋込物。
【請求項27】
前記角度は、第1の角度であり、
前記ワイヤ経路に沿って相互に近隣する一対の前記第2の頂点間の線は、前記ワイヤ経路に沿った前記第1の頂点のうちの介在する1つから第2の角度を成し、
前記第2の角度は、前記埋込物が前記送達状態にあるとき、-20度~90度の範囲内であり、
前記第2の角度は、前記埋込物が前記展開状態にあるとき、20度~90度の範囲内である、
請求項26に記載の埋込物。
【請求項28】
前記埋込物は、前記埋込物が前記治療場所において展開される間に、前記埋込物の直遠位にある場所から前記埋込物の直近位にある場所までの連続的粘膜繊毛クリアランス経路に沿って延在する閉塞されていない粘膜繊毛クリアランス領域を画定するように構成され、
前記縦軸に対して平行である前記粘膜繊毛クリアランス領域の平均幅は、前記ワイヤ経路に対して直角である前記ワイヤの平均断面直径を少なくとも10倍上回る、
請求項1に記載の埋込物。
【請求項29】
前記埋込物は、前記ワイヤから本質的に成り、前記ワイヤは、前記ワイヤ経路の全体を通して分岐していない、請求項1に記載の埋込物。
【請求項30】
前記ワイヤは、前記ワイヤ経路の全体を通して繋留されない、請求項29に記載の埋込物。
【請求項31】
前記埋込物が非拘束状態にあるときの前記中間部分における前記ワイヤ経路の平均ピッチは、前記中間部分における前記ワイヤ経路に対して直角である前記ワイヤの平均断面直径を少なくとも10倍上回る、請求項1に記載の埋込物。
【請求項32】
前記埋込物が非拘束状態にあるときの前記中間部分における前記ワイヤ経路の平均ピッチは、前記埋込物が前記非拘束状態にあるときの前記縦軸に対して直角である前記中間部分における前記埋込物の平均直径の50%~110%の範囲内である、請求項1に記載の埋込物。
【請求項33】
前記埋込物が非拘束状態にあるときの前記中間部分における前記ワイヤ経路の平均ピッチは、前記埋込物が前記非拘束状態にあるときの前記遠位端部分における前記ワイヤ経路の平均ピッチを上回る、請求項1に記載の埋込物。
【請求項34】
前記埋込物が非拘束状態にあるときの前記近位端部分における前記ワイヤ経路の平均ピッチは、前記埋込物が前記非拘束状態にあるときの前記遠位端部分における前記ワイヤ経路の平均ピッチを上回る、請求項1に記載の埋込物。
【請求項35】
前記中間部分における前記縦軸に対して直角である任意の所与の平面は、前記埋込物が非拘束状態にあるときに、前記ワイヤ経路に沿った少なくとも3つの円周方向に離間された点と交差する、請求項1に記載の埋込物。
【請求項36】
前記中間部分における前記縦軸に対して直角である任意の所与の平面は、前記埋込物が非拘束状態にあるときに、前記ワイヤ経路に沿った3~5つの円周方向に離間された点と交差する、請求項1に記載の埋込物。
【請求項37】
前記ワイヤ経路は、前記近位端部分における第1の端部と、前記遠位端部分における対向する第2の端部とを有し、
前記縦軸に沿った前記埋込物の長さの最遠位の5%に対して直角である任意の所与の平面は、前記埋込物が非拘束状態にあるときに、前記ワイヤ経路に沿った少なくとも5つの円周方向に離間された点と交差する、
請求項1に記載の埋込物。
【請求項38】
前記縦軸に沿った前記埋込物の長さの中央の50%に対して直角である任意の所与の平面は、前記埋込物が非拘束状態にあるときに、前記ワイヤ経路に沿った少なくとも第1の数の円周方向に離間された点と交差し、
前記縦軸に沿った前記埋込物の長さの最遠位の5%に対して直角である任意の所与の平面は、前記埋込物が前記非拘束状態にあるときに、前記ワイヤ経路に沿った少なくとも第2の数の円周方向に離間された点と交差し、
前記第2の数の円周方向に離間された点は、前記第1の数の円周方向に離間された点よりも多い、
請求項1に記載の埋込物。
【請求項39】
前記埋込物は、前記埋込物が非拘束状態にあるときに、前記縦軸に対して直角である第3の平均直径を有し、
前記第3の平均直径は、前記第1の平均直径より少なくとも4倍大きい、
請求項1に記載の埋込物。
【請求項40】
前記埋込物は、前記埋込物が非拘束状態にあるときに、前記縦軸に対して直角である第3の平均直径を有し、
前記第3の平均直径は、前記第1の平均直径より少なくとも5倍大きい、
請求項1に記載の埋込物。
【請求項41】
前記埋込物の半径方向ばね定数の前記埋込物の縦方向ばね定数に対する比は、10:1~80:1の範囲内である、請求項1に記載の埋込物。
【請求項42】
前記埋込物が非拘束状態にあるときの前記縦軸に沿った前記埋込物の長さは、50mm~200mmの範囲内である、請求項1に記載の埋込物。
【請求項43】
前記埋込物が非拘束状態にあるときの前記縦軸に沿った前記埋込物の長さは、70mm~120mmの範囲内である、請求項1に記載の埋込物。
【請求項44】
前記埋込物が非拘束状態にあるときの前記縦軸に対して直角である前記埋込物の平均直径は、5mm~15mmの範囲内である、請求項1に記載の埋込物。
【請求項45】
前記埋込物は、前記埋込物が非拘束状態にあるときに、前記縦軸に対して直角である第3の平均直径を有し、
前記埋込物が前記非拘束状態にあるときの前記第3の平均直径の前記縦軸に沿った前記埋込物の長さに対する比は、1:10~1:30の範囲内である、
請求項1に記載の埋込物。
【請求項46】
前記埋込物は、前記埋込物が非拘束状態にあるときに、前記縦軸に対して直角である第3の平均直径を有し、
前記近位端部分における前記第3の平均直径は、前記遠位端部分における前記第3の平均直径と10%以下異なる、
請求項1に記載の埋込物。
【請求項47】
前記埋込物は、前記埋込物が非拘束状態にあるときに、前記縦軸に対して直角である第3の平均直径を有し、
前記第3の平均直径は、前記縦軸に沿った前記埋込物の長さの全体を通して10%以下変動する、
請求項1に記載の埋込物。
【請求項48】
前記ワイヤは、コーティングされていない、請求項1に記載の埋込物。
【請求項49】
ニュートンメートル単位における前記埋込物の半径方向ばね定数のパスカル単位における前記埋込物の縦方向剪断弾性率に対する比は、0.005~0.100の範囲内である、請求項1に記載の埋込物。
【請求項50】
ニュートンメートル単位における前記埋込物の縦方向ばね定数のパスカル単位における前記埋込物の縦方向剪断弾性率に対する比は、0.5~5.0の範囲内である、請求項1に記載の埋込物。
【請求項51】
慢性閉塞性肺障害と診断されたヒト対象の気管支樹内の低開存性または非開存性の治療場所における開存性を増加させるための方法であって、前記方法は、
前記埋込物が薄型の送達状態にある間、埋込物を、前記気管支樹内において、管腔内で、前記治療場所に向かって移動させることであって、前記埋込物は、伸長し、縦軸を有し、前記埋込物は、ばねと、前記ばね間に散在される接続部とを含み、前記埋込物は、前記埋込物が前記送達状態にある間、前記接続部における場合よりも前記ばねにおいて弾力的に付勢される、ことと、
前記埋込物を、前記治療場所において、前記送達状態から拡張された展開状態に遷移させることであって、前記埋込物を遷移させることは、前記埋込物の少なくともある程度の弾力的付勢を解放することを含む、ことと、
前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に、少なくとも3ヶ月の連続的維持期間の全体を通して、前記治療場所における開存性の療法的に有効な増加を維持することと
を含む、方法。
【請求項52】
前記気管支樹内で移動する間に前記送達状態にある前記埋込物は、前記縦軸に対して直角である第1の平均直径を有し、
前記維持期間の間に前記展開状態にある前記埋込物は、前記縦軸に対して直角である第2の平均直径を有し、前記第2の平均直径は、前記第1の平均直径より少なくとも3倍大きい、
請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記縦軸に沿った前記埋込物の長さと同一の広がりを持つ前記気管支樹の壁部分を、前記壁部分の平均天然直径より少なくとも3倍大きい平均拡張直径に拡張させることをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記埋込物を遷移させることは、前記縦軸に沿った前記埋込物の長さと同一の広がりを持つ前記気管支樹の壁部分を、第1の平均拡張直径に拡張させ、
前記方法はさらに、
前記治療場所においてバルーンを拡張させ、前記壁部分および前記埋込物を、前記第1の平均拡張直径を上回る第2の平均拡張直径に拡張させることと、
前記連続的維持期間の前に、前記治療場所から前記バルーンを除去することと
を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記第2の平均拡張直径は、前記埋込物の平均非拘束直径を上回る、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記壁部分を前記第1の平均拡張直径から前記第2の平均拡張直径に向かって拡張させることは、前記壁部分内に気管支開窓を生成し、および/またはそれを増大させる、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記開存性の療法的に有効な増加を維持することは、前記治療場所における前記接続部と前記気管支樹の壁部分との間に薬物溶出物質の存在を伴うことなく、前記開存性の療法的に有効な増加を維持することを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項58】
前記縦軸に沿った前記埋込物の長さの最遠位の10%と同一の広がりを持つ前記気管支樹の第1の壁部分を、第1の平均拡張直径に拡張させることと、
前記縦軸に沿った前記埋込物の長さの最近位の10%と同一の広がりを持つ前記気管支樹の第2の壁部分を、第2の平均拡張直径に拡張させることであって、前記第1の壁部分の第1の平均拡張直径の平均天然直径に対する比は、前記第2の壁部分の第2の平均拡張直径の平均天然直径に対する比を上回る、ことと
をさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項59】
前記第1の壁部分の第1の平均拡張直径の平均天然直径に対する比は、前記第2の壁部分の第2の平均拡張直径の平均天然直径に対する比を少なくとも8倍上回る、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記第1の平均拡張直径は、前記第2の平均拡張直径と0%~20%異なる、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記維持期間の間に、前記縦軸に沿った前記埋込物の長さと同一の広がりを持つ前記気管支樹の壁部分の第1の面積は、前記埋込物と直接接触し、前記壁部分の第2の面積は、前記埋込物と直接接触しておらず、
前記第2の面積は、前記第1の面積より少なくとも5倍大きい、
請求項51に記載の方法。
【請求項62】
前記第2の面積は、前記第1の面積より少なくとも8倍大きい、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記壁部分を平均拡張直径に拡張させることと、
前記維持期間の全体を通して、前記平均拡張直径の50%以下の、前記第2の面積における前記壁部分の最大陥入を維持することと
をさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記埋込物を遷移させることは、
前記気管支樹の第1の気道において、前記埋込物の近位端部分を拡張させることであって、前記第1の気道の世代は、2またはそれを上回る、ことと、
前記気管支樹の第2の気道において、前記埋込物の遠位端部分を拡張させることであって、前記第2の気道の世代は、前記第1の気道の世代を上回る、ことと
を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項65】
前記第2の気道の世代は、前記第1の気道の世代を少なくとも2上回る、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記第2の気道の世代は、前記第1の気道の世代を少なくとも3上回る、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記第2の気道の世代は、前記第1の気道の世代を少なくとも4上回る、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記埋込物は、前記縦軸と同軸方向に整合される管状領域内のワイヤ経路に沿って延在するワイヤを含み、
前記ワイヤ経路は、前記近位端部分における第1の端部と、前記遠位端部分における対向する第2の端部とを有し、
前記近位端部分を拡張させることは、前記第1の気道の壁と前記ワイヤの繋留されていない第1の末端部とを接触させることを含み、
前記遠位端部分を拡張させることは、前記第2の気道の壁と前記ワイヤの繋留されていない第2の末端部とを接触させることを含む、
請求項64に記載の方法。
【請求項69】
前記第1の気道の壁と前記ワイヤの繋留されていない第1の末端部とを接触させることは、前記埋込物の最近位端における前記第1の気道の壁の一部において、前記第1の気道の壁と前記ワイヤの繋留されていない第1の末端部とを接触させることを含み、
前記第2の気道の壁と前記ワイヤの繋留されていない第2の末端部とを接触させることは、前記埋込物の最遠位端の近位にある、前記第2の気道の壁の一部において、前記第2の気道の壁と前記ワイヤの繋留されていない第2の末端部とを接触させることを含む、
請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記ワイヤは、前記ワイヤ経路に沿って交互に配置される第1の区間と、第2の区間とを備え、
前記接続部は、前記第1および第2の区間にあり、
前記第1の区間は、前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に、前記縦軸を中心として円周方向において遠位に延在し、
前記第2の区間は、前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に、前記円周方向において近位に延在し、
前記近位端部分を拡張させることは、前記第1の気道の壁と前記ワイヤ経路の第1の端部における前記第1の区間のうちの所与の1つとを接触させることを含み、
前記遠位端部分を拡張させることは、前記第2の気道の壁と前記ワイヤ経路の第2の端部における前記第2の区間のうちの所与の1つとを接触させることを含む、
請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記埋込物は、前記縦軸と同軸方向に整合される管状領域内のワイヤ経路に沿って延在するワイヤを含み、
前記ワイヤは、前記ワイヤ経路に沿って交互に配置される第1および第2の区間と、前記第1の区間と第2の区間との間の頂点部分とを備え、
前記接続部は、前記第1および第2の区間にあり、
前記ばねは、前記頂点部分にあり、
前記埋込物を遷移させることは、前記頂点部分における前記ワイヤ経路の平均曲率度を増加させることを含む、
請求項51に記載の方法。
【請求項72】
前記頂点部分は、前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に遠位に向く第1の頂点部分と、前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に近位に向く第2の頂点部分とを含み、
前記埋込物を遷移させることは、前記ワイヤ経路の個別の近隣する巻部における前記第1の頂点部分のうちの所与の3つが、相互との円周方向整合の5度以内に留まる間、および前記ワイヤ経路の個別の近隣する巻部における前記第2の頂点部分のうちの所与の3つが、相互との円周方向整合の5度以内に留まる間に、前記埋込物を遷移させることを含む、
請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記個々の頂点部分は、前記ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
前記埋込物を遷移させることは、前記ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の平均円周方向間隔が35度~95度の範囲内である間に、前記埋込物を遷移させることを含む、
請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記個々の頂点部分は、前記ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
前記埋込物を遷移させることは、前記ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の平均円周方向間隔が55度~65度の範囲内である間に、前記埋込物を遷移させることを含む、
請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記個々の頂点部分は、前記ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
前記埋込物を遷移させることは、前記ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の度単位における平均円周方向間隔が5%以下変化する間に、前記埋込物を遷移させることを含む、
請求項71に記載の方法。
【請求項76】
前記頂点部分は、前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に遠位に向く第1の頂点部分と、前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に近位に向く第2の頂点部分とを含み、
前記第1の頂点部分は、第1の螺旋を画定し、
前記第2の頂点部分は、第2の螺旋を画定し、
前記埋込物は、前記第1の螺旋と第2の螺旋との間に螺旋状帯部を画定し、
前記埋込物を遷移させることは、前記埋込物を遷移させる間に、前記縦軸に対して平行である前記螺旋状帯部の幅を減少させることを含む、
請求項71に記載の方法。
【請求項77】
前記ワイヤは、前記維持期間の間に、前記螺旋状帯部の総面積の5%~30%を占有する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記治療場所における粘膜繊毛クリアランス領域を、前記維持期間の全体を通して肉芽組織および粘液栓塞が実質的に存在しない状態に維持することであって、前記粘膜繊毛クリアランス領域は、連続的粘膜繊毛クリアランス経路に沿って、前記埋込物の直遠位にある場所から前記埋込物の直近位にある場所まで延在する、こと
をさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項79】
前記粘膜繊毛クリアランス領域を維持することはさらに、前記粘膜繊毛クリアランス領域を、前記維持期間の間に、炎症、炎症細胞、線維症、線維化細胞、組織過形成、および組織壊死が実質的に存在しない状態に維持することを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記埋込物は、前記縦軸と同軸方向に整合される管状領域内のワイヤ経路に沿って延在するワイヤを含み、
前記ワイヤ経路は、前記埋込物の近位端部分における第1の端部と、前記埋込物の遠位端部分における対向する第2の端部とを有し、
前記埋込物を遷移させることは、前記ワイヤのいかなる部分も、前記粘膜繊毛クリアランス経路と交わらないように、前記埋込物を遷移させることを含む、
請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記粘膜繊毛クリアランス領域を維持することは、前記粘膜繊毛クリアランス領域を、前記ワイヤ経路に対して直角である前記ワイヤの平均断面直径を少なくとも10倍上回る前記縦軸に対して平行である平均幅に維持することを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記気管支樹内で移動する間に前記送達状態にある前記埋込物は、第1の長さを有し、
前記埋込物を遷移させることの直後に前記展開状態にある前記埋込物は、前記第1の長さと10%以下異なる第2の長さを有する、
請求項51に記載の方法。
【請求項83】
前記埋込物を遷移させることの後、前記治療場所における前記気管支樹の壁に対して、前記埋込物との単位接触面積あたり少なくとも0.05メガパスカルの力を付与することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項84】
前記埋込物を遷移させることの後、前記対象による全呼吸サイクルの間に、前記治療場所における前記埋込物と前記気管支樹の壁との間の摩擦力未満である抵抗力を用いて、前記縦軸に沿った前記埋込物の伸長に抵抗することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項85】
前記治療場所の遠位にある前記気管支樹は、側副換気を有する、請求項51に記載の方法。
【請求項86】
前記治療場所の遠位にある前記気管支樹内に捕獲された空気を解放することをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項87】
前記埋込物を遷移させることは、
前記埋込物の遠位端部分を拡張させることと、
前記遠位端部分を拡張させることの後に、前記埋込物の中間部分を拡張させることであって、前記中間部分は、前記縦軸に沿って前記遠位端部分の近位にある、ことと、
前記中間部分を拡張させることの後に、前記埋込物の近位端部分を拡張させることであって、前記近位端部分は、前記縦軸に沿って前記中間部分の近位にある、ことと
を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項88】
前記埋込物を遷移させることは、前記中間部分を拡張させる間に、前記壁の3つまたはそれを上回る円周方向に離間された部分において、前記埋込物と前記気管支樹の壁との間の接触を同時に増加させることを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記埋込物を遷移させることは、前記遠位端部分を拡張させる間に、前記壁の5つまたはそれを上回る円周方向に離間された部分において、前記埋込物と前記気管支樹の壁との間の接触を同時に増加させることを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記埋込物を遷移させることは、
前記中間部分を拡張させる間に、前記壁の第1の数の円周方向に離間された部分において、前記埋込物と前記気管支樹の壁との間の接触を同時に増加させることと、
前記遠位端部分を拡張させる間に、前記壁の第2の数の円周方向に離間された部分において、前記埋込物と前記壁との間の接触を同時に増加させることであって、前記壁の第2の数の円周方向に離間された部分は、前記壁の第1の数の円周方向に離間された部分よりも多い、ことと
を含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記埋込物を遷移させることの直後の前記縦軸に対して直角である前記埋込物の平均直径と、前記埋込物を遷移させることの直後の前記埋込物の長さとの比は、1:10~1:30の範囲内である、請求項51に記載の方法。
【請求項92】
前記埋込物を移動させる間に、前記埋込物の周囲に延在するシース内での前記埋込物の半径方向拡張を拘束することをさらに含み、前記埋込物を遷移させることは、前記埋込物と前記シースとの間の相対移動を引き起こすことを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項93】
前記埋込物を移動させる間に、前記埋込物を通して縦方向に延在するシャフトを介して、前記埋込物の縦方向拡張を拘束することをさらに含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記埋込物の縦方向拡張を拘束することは、前記シャフトのパッドを介して前記埋込物の縦方向拡張を拘束することを含み、
前記パッドは、前記埋込物を移動させる間に、前記埋込物と前記シャフトのコアとの間に配置され、
前記パッドは、前記コアより弾力性である、
請求項93に記載の方法。
【請求項95】
ヒト対象における肺機能を改良するための方法であって、前記方法は、
前記埋込物が薄型の送達状態にある間に、埋込物を、前記対象の気管支樹内において、管腔内で、前記気管支樹内の治療場所に向かって移動させることであって、前記治療場所の遠位にある前記気管支樹の一部は、気腫性であり、側副換気を有する、ことと、
前記治療場所において前記埋込物を前記送達状態から拡張された展開状態に遷移させることであって、前記埋込物を遷移させることは、前記埋込物の縦軸の周囲に延在する螺旋状帯部内で、拡張可能構造を拡張させることを含み、前記拡張可能構造を拡張させることは、前記螺旋状帯部の螺旋状長を増加させる、ことと、
前記埋込物を展開することの前と比較して、前記埋込物を展開することの後に、前記対象の1秒間強制呼気量を少なくとも5%増加させることと
を含む、方法。
【請求項96】
前記埋込物は、第1の埋込物であり、
前記治療場所は、第1の治療場所であり、
前記送達状態は、第1の送達状態であり、
前記展開状態は、第1の展開状態であり、
前記拡張可能構造は、第1の拡張可能構造であり、
前記螺旋状帯部は、第1の螺旋状帯部であり、
前記方法はさらに、
前記第2の埋込物が薄型の第2の送達状態にある間、第2の埋込物を、前記気管支樹内において、管腔内で、前記気管支樹内の前記第2の治療場所に向かって移動させることであって、前記第2の治療場所の遠位にある前記気管支樹の一部は、気腫性であり、側副換気を有する、ことと、
前記第2の埋込物を、前記第2の治療場所において、前記第2の送達状態から拡張された第2の展開状態に遷移させることであって、前記第2の埋込物を遷移させることは、前記第2の埋込物の縦軸の周囲に延在する第2の螺旋状帯部内で第2の拡張可能構造を拡張させることを含み、前記第2の拡張可能構造を拡張させることは、前記第2の螺旋状帯部の螺旋状長を増加させる、ことと
を含み、
前記対象の1秒間強制呼気量を増加させることは、前記第1および第2の埋込物を展開することの前と比較して、前記第1および第2の埋込物を展開することの後に、前記対象の1秒間強制呼気量を増加させることを含む、
請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記第3の埋込物が薄型の第3の送達状態にある間に、第3の埋込物を、前記気管支樹内において、管腔内で、前記気管支樹内の第3の治療場所に向かって移動させることであって、前記第3の治療場所の遠位にある前記気管支樹の一部は、気腫性であり、側副換気を有する、ことと、
前記第3の治療場所において、前記第3の埋込物を前記第3の送達状態から拡張された第3の展開状態に遷移させることであって、前記第3の埋込物を遷移させることは、前記第3の埋込物の縦軸の周囲に延在する第3の螺旋状帯部内で、第3の拡張可能構造を拡張させることを含み、前記第3の拡張可能構造を拡張させることは、前記第3の螺旋状帯部の螺旋状長を増加させる、ことと
をさらに含み、
前記対象の1秒間強制呼気量を増加させることは、前記第1、第2、および第3の埋込物を展開することの前と比較して、前記第1、第2、および第3の埋込物を展開することの後に、前記対象の1秒間強制呼気量を増加させることを含む、
請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記対象の1秒間強制呼気量を増加させることは、前記対象の1秒間強制呼気量を少なくとも10%増加させることを含む、請求項95に記載の方法。
【請求項99】
前記埋込物を遷移させることは、前記拡張可能構造における前記埋込物上の少なくともある程度の弾力的付勢を解放することを含む、請求項95に記載の方法。
【請求項100】
前記気管支樹内で移動する間に前記送達状態にある前記埋込物は、前記縦軸に対して直角である第1の平均直径を有し、
前記埋込物を遷移させることの後に前記展開状態にある前記埋込物は、前記縦軸に対して直角である第2の平均直径を有し、前記第2の平均直径は、前記第1の平均直径より少なくとも3倍大きい、
請求項95に記載の方法。
【請求項101】
前記縦軸に沿った前記埋込物の長さと同一の広がりを持つ前記気管支樹の壁部分を、前記壁部分の平均天然直径より少なくとも3倍大きい平均拡張直径に拡張させることをさらに含む、請求項95に記載の方法。
【請求項102】
前記縦軸に沿った前記埋込物の長さの最遠位の10%と同一の広がりを持つ前記気管支樹の第1の壁部分を、第1の平均拡張直径に拡張させることと、
前記縦軸に沿った前記埋込物の長さの最近位の10%と同一の広がりを持つ前記気管支樹の第2の壁部分を、第2の平均拡張直径に拡張させることであって、前記第1の壁部分の第1の平均拡張直径の平均天然直径に対する比は、前記第2の壁部分の第2の平均拡張直径の平均天然直径に対する比を上回る、ことと
をさらに含む、請求項95に記載の方法。
【請求項103】
前記第1の壁部分の第1の平均拡張直径の平均天然直径に対する比は、前記第2の壁部分の第2の平均拡張直径の平均天然直径に対する比を少なくとも8倍上回る、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記第1の平均拡張直径は、前記第2の平均拡張直径と0%~20%異なる、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
前記埋込物を遷移させることの後に、前記縦軸に沿った前記埋込物の長さと同一の広がりを持つ前記気管支樹の壁部分の第1の面積が、前記埋込物と直接接触し、前記壁部分の第2の面積が、前記埋込物と直接接触しておらず、
前記第2の面積は、前記第1の面積より少なくとも5倍大きい、
請求項102に記載の方法。
【請求項106】
前記第2の面積は、前記第1の面積より少なくとも8倍大きい、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記埋込物を遷移させることは、
前記気管支樹の第1の気道において、前記埋込物の近位端部分を拡張させることであって、前記第1の気道の世代は、2またはそれを上回る、ことと、
前記気管支樹の第2の気道において、前記埋込物の遠位端部分を拡張させることであって、前記第2の気道の世代は、前記第1の気道の世代を上回る、ことと
を含む、請求項95に記載の方法。
【請求項108】
前記第2の気道の世代は、前記第1の気道の世代を少なくとも2上回る、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記第2の気道の世代は、前記第1の気道の世代を少なくとも3上回る、請求項107に記載の方法。
【請求項110】
前記埋込物は、前記縦軸と同軸方向に整合される管状領域内のワイヤ経路に沿って延在するワイヤを含み、
前記ワイヤ経路は、前記近位端部分における第1の端部と、前記遠位端部分における対向する第2の端部とを有し、
前記近位端部分を拡張させることは、前記第1の気道の壁と前記ワイヤの繋留されていない第1の末端部とを接触させることを含み、
前記遠位端部分を拡張させることは、前記第2の気道の壁と前記ワイヤの繋留されていない第2の末端部とを接触させることを含む、
請求項107に記載の方法。
【請求項111】
前記第1の気道の壁と前記ワイヤの繋留されていない第1の末端部とを接触させることは、前記埋込物の最近位端における前記第1の気道の壁の一部において、前記第1の気道の壁と前記ワイヤの繋留されていない第1の末端部とを接触させることを含み、
前記第2の気道の壁と前記ワイヤの繋留されていない第2の末端部とを接触させることは、前記埋込物の最遠位端の近位にある前記第2の気道の壁の一部において、前記第2の気道の壁と前記ワイヤの繋留されていない第2の末端部とを接触させることを含む、
請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記ワイヤは、前記ワイヤ経路に沿って交互に配置される第1の区間と、第2の区間とを備え、
前記第1の区間は、前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に、前記縦軸を中心として円周方向において遠位に延在し、
前記第2の区間は、前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に、前記円周方向において近位に延在し、
前記近位端部分を拡張させることは、前記第1の気道の壁と前記ワイヤ経路の第1の端部における前記第1の区間のうちの所与の1つとを接触させることを含み、
前記遠位端部分を拡張させることは、前記第2の気道の壁と前記ワイヤ経路の第2の端部における前記第2の区間のうちの所与の1つとを接触させることを含む、
請求項110に記載の方法。
【請求項113】
前記埋込物は、前記縦軸と同軸方向に整合される管状領域内のワイヤ経路に沿って延在するワイヤを含み、
前記ワイヤは、前記ワイヤ経路に沿って交互に配置される第1および第2の区間と、前記第1の区間と第2の区間との間の頂点部分とを備え、
前記拡張可能構造は、前記頂点部分にあり、
前記埋込物を遷移させることは、前記頂点部分における前記ワイヤ経路の平均曲率度を増加させることを含む、
請求項95に記載の方法。
【請求項114】
前記頂点部分は、前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に遠位に向く第1の頂点部分と、前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に近位に向く第2の頂点部分とを含み、
前記埋込物を遷移させることは、前記ワイヤ経路の個別の近隣する巻部における前記第1の頂点部分のうちの所与の3つが、相互との円周方向整合の5度以内に留まる間、および前記ワイヤ経路の個別の近隣する巻部における、前記第2の頂点部分のうちの所与の3つが、相互との円周方向整合の5度以内に留まる間に、前記埋込物を遷移させることを含む、
請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記個々の頂点部分は、前記ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
前記埋込物を遷移させることは、前記ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の平均円周方向間隔が35度~95度の範囲内である間に、前記埋込物を遷移させることを含む、
請求項113に記載の方法。
【請求項116】
前記個々の頂点部分は、前記ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
前記埋込物を遷移させることは、前記ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の平均円周方向間隔が55度~65度の範囲内である間に、前記埋込物を遷移させることを含む、
請求項113に記載の方法。
【請求項117】
前記個々の頂点部分は、前記ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
前記埋込物を遷移させることは、前記ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の度単位における平均円周方向間隔が5%以下変化する間に、前記埋込物を遷移させることを含む、
請求項113に記載の方法。
【請求項118】
前記頂点部分は、前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に遠位に向く第1の頂点部分と、前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に近位に向く第2の頂点部分とを含み、
前記第1の頂点部分は、第1の螺旋を画定し、
前記第2の頂点部分は、第2の螺旋を画定し、
前記第1および第2の螺旋は、前記螺旋状帯部を画定し、
前記埋込物を遷移させることは、前記埋込物を遷移させる間に、前記縦軸に対して平行である前記螺旋状帯部の幅を減少させることを含む、
請求項113に記載の方法。
【請求項119】
前記ワイヤは、前記埋込物を遷移させることの後、前記螺旋状帯部の総面積の5%~15%を占有する、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記埋込物が前記治療場所において前記展開状態にある間に、前記治療場所における粘膜繊毛クリアランス領域を、少なくとも3ヶ月の連続的維持期間の全体を通して肉芽組織および粘液栓塞が実質的に存在しない状態に維持することであって、前記粘膜繊毛クリアランス領域は、連続的粘膜繊毛クリアランス経路に沿って、前記埋込物の直遠位にある場所から前記埋込物の直近位にある場所まで延在する、ことをさらに含む、請求項95に記載の方法。
【請求項121】
前記粘膜繊毛クリアランス領域を維持することはさらに、前記粘膜繊毛クリアランス領域を、前記維持期間の間に、炎症、炎症細胞、線維症、線維化細胞、組織過形成、および組織壊死が実質的に存在しない状態に維持することを含む、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記埋込物は、前記縦軸と同軸方向に整合される管状領域内のワイヤ経路に沿って延在するワイヤを含み、
前記ワイヤ経路は、前記埋込物の近位端部分における第1の端部と、前記埋込物の遠位端部分における対向する第2の端部とを有し、
前記埋込物を遷移させることは、前記ワイヤのいかなる部分も、前記粘膜繊毛クリアランス経路と交わらないように、前記埋込物を遷移させることを含む、
請求項120に記載の方法。
【請求項123】
前記粘膜繊毛クリアランス領域を維持することは、前記粘膜繊毛クリアランス領域を、前記ワイヤ経路に対して直角である前記ワイヤの平均断面直径を少なくとも10倍上回る前記縦軸に対して平行である平均幅に維持することを含む、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記粘膜繊毛クリアランス領域を維持することは、前記治療場所における前記拡張可能構造と前記気管支樹の壁部分との間に薬物溶出物質の存在を伴うことなく前記粘膜繊毛クリアランス領域を維持することを維持することを含む、請求項120に記載の方法。
【請求項125】
前記気管支樹内で移動する間に前記送達状態にある前記埋込物は、第1の長さを有し、
前記埋込物を遷移させることの直後に前記展開状態にある前記埋込物は、前記第1の長さと10%以下異なる第2の長さを有する、
請求項95に記載の方法。
【請求項126】
前記埋込物を遷移させることの後、前記治療場所における前記気管支樹の壁に対して、前記埋込物との単位接触面積あたり少なくとも0.05メガパスカルの力を付与することをさらに含む、請求項95に記載の方法。
【請求項127】
前記埋込物を遷移させることの後、前記対象による全呼吸サイクルの間に、前記治療場所における前記埋込物と前記気管支樹の壁との間の摩擦力未満である抵抗力を用いて、前記縦軸に沿った前記埋込物の伸長に抵抗することをさらに含む、請求項95に記載の方法。
【請求項128】
前記治療場所の遠位にある前記気管支樹の一部内に捕獲された空気を解放することをさらに含む、請求項95に記載の方法。
【請求項129】
前記埋込物を遷移させることは、
前記埋込物の遠位端部分を拡張させることと、
前記遠位端部分を拡張させることの後に、前記埋込物の中間部分を拡張させることであって、前記中間部分は、前記縦軸に沿って前記遠位端部分の近位にある、ことと、
前記中間部分を拡張させることの後に、前記埋込物の近位端部分を拡張させることであって、前記近位端部分は、前記縦軸に沿って前記中間部分の近位にある、ことと
を含む、請求項95に記載の方法。
【請求項130】
前記埋込物を遷移させることは、前記中間部分を拡張させる間に、前記壁の3つまたはそれを上回る円周方向に離間された部分において、前記埋込物と前記気管支樹の壁との間の接触を同時に増加させることを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記埋込物を遷移させることは、前記遠位端部分を拡張させる間に、前記壁の5つまたはそれを上回る円周方向に離間された部分において、前記埋込物と前記気管支樹の壁との間の接触を同時に増加させることを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項132】
前記埋込物を遷移させることは、
前記中間部分を拡張させる間に、前記壁の第1の数の円周方向に離間された部分において、前記埋込物と前記気管支樹の壁との間の接触を同時に増加させることと、
前記中間部分を拡張させる間に、前記壁の第1の数の円周方向に離間された部分よりも多い前記壁の第2の数の円周方向に離間された部分において、前記埋込物と前記壁との間の接触を同時に増加させることと
を含む、請求項129に記載の方法。
【請求項133】
前記埋込物を遷移させることの直後の前記縦軸に対して直角である前記埋込物の平均直径と、前記埋込物を遷移させることの直後の前記埋込物の長さとの比は、1:10~1:30の範囲内である、請求項95に記載の方法。
【請求項134】
前記埋込物を移動させる間に、前記埋込物の周囲に延在するシース内での前記埋込物の半径方向拡張を拘束することをさらに含み、前記埋込物を遷移させることは、前記埋込物と前記シースとの間の相対移動を引き起こすことを含む、請求項95に記載の方法。
【請求項135】
前記埋込物を移動させる間に、前記埋込物を通して縦方向に延在するシャフトを介して、前記埋込物の縦方向拡張を拘束することをさらに含む、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記埋込物の縦方向拡張を拘束することは、前記シャフトのパッドを介して前記埋込物の縦方向拡張を拘束することを含み、
前記パッドは、前記埋込物を移動させる間に、前記埋込物と前記シャフトのコアとの間に配置され、
前記パッドは、前記コアより弾力性である、
請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記埋込物を遷移させることは、前記縦軸に沿った前記埋込物の長さと同一の広がりを持つ前記気管支樹の壁部分を、第1の平均拡張直径に拡張させ、
前記方法はさらに、
前記治療場所においてバルーンを拡張させ、前記壁部分および前記埋込物を、前記第1の平均拡張直径を上回る第2の平均拡張直径に拡張させることと、
前記治療場所から前記バルーンを除去することと
を含む、請求項95に記載の方法。
【請求項138】
前記第2の平均拡張直径は、前記埋込物の平均非拘束直径を上回る、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記壁部分を前記第1の平均拡張直径から前記第2の平均拡張直径に向かって拡張させることは、前記壁部分内に気管支開窓を生成し、および/またはそれを増大させる、請求項137に記載の方法。
【請求項140】
ヒト対象の気管支樹内の治療場所において展開されるように構成される埋込物であって、前記埋込物は、
前記治療場所において、前記埋込物を薄型の送達状態から拡張された展開状態に拡張させるための拡張手段と、
前記対象による呼吸の間に、前記治療場所において前記埋込物を前記展開状態において安定化させるための安定化手段と
を備える、埋込物。
【請求項141】
前記治療場所における前記埋込物の展開の間に前記埋込物の遠位端部分の設置正確度を増加させるための設置手段をさらに備える、請求項140に記載の埋込物。
【請求項142】
前記治療場所における前記埋込物の展開の後に前記埋込物を回収するための回収手段をさらに備える、請求項140に記載の埋込物。
【請求項143】
ヒト対象の気管支樹内の治療場所において埋込物を展開するためのシステムであって、前記システムは、
前記治療場所において展開されるように構成される埋込物と、
前記埋込物が前記気管支樹内において、管腔内で、前記治療場所に向かって移動する間に、前記埋込物の半径方向拡張を拘束するための半径方向拘束手段と、
前記埋込物が前記気管支樹内において、管腔内で、前記治療場所に向かって移動する間に、前記埋込物の縦方向拡張を拘束するための縦方向拘束手段と
を備える、システム。
【請求項144】
閉塞性肺疾患の治療のための気管支気道内腔内での設置のための埋込可能デバイスであって、前記埋込可能デバイスは、
第1の端部部分、第2の端部部分、およびそれらの間に延在する縦軸であって、前記第1の端部部分は、前記気管支気道の遠位領域内に位置付けられるように構成され、前記第2の端部部分は、前記気管支気道の近位領域内に位置付けられるように構成され、前記遠位領域は、前記近位領域より多くの世代を含む第1の端部部分、第2の端部部分、およびそれらの間に延在する、縦軸を備え、
前記デバイスは、弾力性材料を含み、一連の切目のないループにおいて、前記デバイスの縦軸を中心として巻回される伸長部材を含み、前記ループはそれぞれ、複数の頂部と、複数の谷部とを備え、前記デバイスは、前記第1の端部部分から前記第2の端部部分への前記ループ間に延在する連続開口部を備え、
前記埋込可能デバイスは、圧縮状態と、拡張状態とを有し、前記圧縮状態において、カテーテルを通して、前記遠位領域における前記気管支気道内腔に送達されるように構成され、前記気管支気道内腔における壁の内側表面と併置するように自己拡張し、それによって、前記壁上を半径方向に外向きに圧迫し、前記遠位領域を、前記デバイスの拡張に先立った前記遠位領域における前記気管支気道内腔の直径の2倍以上である直径に拡大することを可能にされる、埋込可能デバイス。
【請求項145】
ヒト対象の身体管腔内の治療場所において展開されるように構成される埋込物であって、前記埋込物は、
前記身体管腔内の近位場所において展開されるように構成される近位端部分と、
前記埋込物の縦軸に沿って前記近位端部分から離間され、前記身体管腔内の遠位場所において展開されるように構成される遠位端部分と、
前記縦軸に沿った前記近位端部分と前記遠位端部分との間の中間部分と、
前記縦軸と同軸方向に整合される管状領域内で連続ワイヤ経路に沿って延在するワイヤであって、前記中間部分における前記ワイヤ経路は、前記縦軸を中心とした少なくとも3周の巻部を含む、ワイヤと
を備え、
前記ワイヤは、前記ワイヤ経路に沿って交互に配置される第1の区間と、第2の区間とを備え、前記第1の区間は、前記縦軸を中心として円周方向において遠位に延在し、前記第2の区間は、前記円周方向において近位に延在し、
前記ワイヤ経路はさらに、一連の切目のないループを備え、前記ループはそれぞれ、複数の頂部と、複数の谷部と、前記近位端部分から前記遠位端部分への前記ループ間に延在する連続開口部とを備え、
前記埋込物は、前記埋込物が前記縦軸に対して直角である第1の平均直径を有する薄型の送達状態から、前記埋込物が前記縦軸に対して直角である第2の平均直径を有する拡張された展開状態に弾力的に遷移するように構成され、前記第2の平均直径は、前記第1の平均直径よりも少なくとも3倍大きい、埋込物。
【請求項146】
前記埋込物は、肺気腫の治療のための前記ヒト対象の気管支気道内での設置のために構成される、請求項145に記載の埋込物。
【請求項147】
前記埋込物は、気管気管支軟化症(TBM)の治療のための前記ヒト対象の中心気道内での設置のために構成される、請求項145に記載の埋込物。
【請求項148】
前記埋込物は、良性前立腺過形成(BPH)の治療のための前記ヒト対象の尿道内での設置のために構成される、請求項145に記載の埋込物。
【請求項149】
前記埋込物は、前記治療場所の少なくとも一部を、肉芽組織、粘液栓塞、炎症、炎症細胞、線維症、線維化細胞、組織過形成、および組織壊死が実質的に存在しない状態に維持するように構成される、請求項145に記載の埋込物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、以下の出願の利益を主張する。
【0002】
(a)米国仮出願第63/223,546号(2021年7月20日出願)
【0003】
(b)米国仮出願第63/268,604号(2022年2月27日出願)
【0004】
前述の出願は、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる。前述の出願および/または参照することによって本明細書に組み込まれる任意の他の資料が、本開示と矛盾する限り、本開示が、優先される。
【0005】
本技術は、慢性閉塞性肺障害を治療するための気管支内埋込物等の埋込物に関する。
【背景技術】
【0006】
慢性閉塞性肺障害(COPD)は、肺機能障害の疾患である。COPDの症状は、咳嗽、喘鳴、息切れ、および胸部圧迫感を含む。煙草の喫煙は、COPDの主因であるが、他の肺刺激物(例えば、空気汚染、化学煙霧、埃等)に対する長期的暴露もまた、COPDを引き起こす、またはそれに寄与し得る。大半の場合では、COPDは、長年の過程にわたって悪化する、進行性疾患である。故に、多くの人々は、COPDを患うが、その進行を認識していない。COPDは、現在、米国における主な死因および障害である。重症のCOPDは、患者が、歩行、階段昇降、または入浴等の基本的な活動さえ実施することを妨げ得る。残念ながら、COPDのためのいかなる公知の治癒方法も、存在しない。COPDと関連付けられる肺損傷を逆転させることが可能である、公知の医療技法もまた、存在しない。
【0007】
正常な呼吸では、吸入の行為は、鼻または口および気管を介して空気を肺の中に引き込む。各肺内では、吸入された空気は、気管支と呼ばれる、漸次的により狭小になる気道の分岐網の中に、次いで、細気管支と呼ばれる、最も狭小な気道の中に移動する。細気管支は、肺胞と呼ばれる、多数の極小の丸みを帯びた構造内で終了する。毛細血管と呼ばれる微小血管が、肺胞の壁を通して延びる。吸入された空気が、肺胞に到達すると、酸素が、肺胞から毛細血管内の血液の中に移動する。同時に、二酸化炭素も、対向方向において、すなわち、毛細血管内の血液から肺胞の中に移動する。本プロセスは、ガス交換と呼ばれる。健康な肺では、気道および肺胞は、弾性であり、空気の取入に適応するように伸展する。気息が、引き込まれると、肺胞は、小さいバルーンのように空気で完全に充填される。気息が、排出されると、肺胞は、萎縮する。肺胞の本拡張は、効果的なガス交換の重要な部分である。自由に拡張する肺胞は、拡張しないように阻止される肺胞より多くのガスを交換する。
【0008】
COPDに罹患した肺組織では、様々な理由のために、気道を通して流動する空気は、殆どない。気道および/または肺胞は、比較的に非弾性であり得る、肺胞間の壁は、損傷または破壊され得る、気道の壁は、厚く、すなわち、炎症性であり得、および/または気道は、余剰粘液を発生させ、粘液の蓄積および気道の阻塞をもたらし得る。COPDの典型的症例では、疾患は、肺内の全ての気道および肺胞に等しく影響を及ぼすわけではない。肺は、他の領域より有意に多くの影響を及ぼされる、いくつかの領域を有し得る。重症例では、効果的なガス交換のために好適ではない気道および肺胞は、総肺容量の20~30パーセントまたはそれを上回るものを構成し得る。
【0009】
COPDの影響は、多くの場合、健康な人に激しく気息させることになるであろう、患者が運動する、または他の身体的労作に従事するときに最も顕在的である。COPDを患う患者は、患者の肺の罹患部分が空気を捕獲し、完全に吐出することができない状態をもたらすため、激しく気息することが可能ではない場合がある。これは、ひいては、健康な肺組織の後続の拡張を阻止する。したがって、運動または他の身体的労作の間、COPD患者の肺は、呼吸機構を損なわせ、気息の作業負荷を増加させる、動的過伸張の状態において動作し得る。肺の過伸張はまた、心臓充満を阻害する、呼吸困難につながり、および/または患者の運動パフォーマンスを低下させ得る。COPDのこれらおよび/または他の弊害をもたらす影響は、最終的に、患者の生活の質を損なわせ、重度の障害および死亡のリスクを増加させる、一連の症状につながり得る。
【0010】
用語「COPD」は、慢性気管支炎と、肺気腫との両方を含む。COPD患者のうちの約25%が、肺気腫を患う。これらの肺気腫患者のうちの約40%が、重症肺気腫を患う。さらに、COPD患者が、慢性気管支炎および肺気腫の両方の症状を患うことが一般的である。慢性気管支炎では、気道の内部が、概して、継続する刺激の結果として、炎症を起こしている。本炎症は、気道内部の肥厚化と、気道を被膜し、最終的に鬱滞させ得る、厚い粘液の産生とをもたらす。対照的に、肺気腫は、主として、終末細気管支の遠位にある空気空間の異常な恒久的増大に関する病理学的診断である。気腫性肺組織では、小気道および/または肺胞は、典型的には、それらの構造的完全性および/または最適な形状を維持するためのそれらの能力を喪失している。例えば、肺胞壁への損傷またはその破壊は、より少ないが、より大きい肺胞をもたらしている場合がある。これは、正常なガス交換を有意に損なわせ得る。肺内では、判別可能な肺胞壁の不在によって特徴付けられる気腫性肺組織の病巣または「罹患」領域は、肺大気胞と称され得る。死空間のこれらの比較的に非弾性のポケット状部は、多くの場合、直径が1cmを上回り、ガス交換に有意に寄与しない。肺大気胞は、空気を保持し、それによって、吸入に応じて完全に拡張するための健康な肺組織の能力を制限する、過伸張された肺区分を生成する傾向にある。故に、肺気腫を患う患者において、罹患肺組織は、もはや呼吸機能に有意に寄与しなくなるだけではなく、これは、健康な肺組織の機能も損なわせる。
【0011】
薬理学的治療が、多くの場合、COPDのために処方される。気管支拡張剤、B2作動薬、ムスカリン作動薬、コルチコステロイド、またはそれらの組み合わせの治療アルゴリズムが、COPDの症状の短期的緩和を提供し得る。しかしながら、これらの治療は、COPDを治癒しない、または疾患進行度を意義あるように減速させない。在宅酸素、非侵襲的な陽圧換気、および肺リハビリテーション等の非医薬品的管理ソリューションもまた、一般的であるが、若干の療法効果のみを有する。重症肺気腫を患う患者のための別の治療選択肢は、肺容積縮小外科手術(LVRS)である。本外科手術は、肺の不十分に機能する部分(典型的には、肺容積の最大20~25パーセント)を除去し、それによって、肺の全体的サイズを縮小し、胸腔内に、比較的に健康な肺組織の拡張のために利用可能である、より多くの容積を空けることを伴う。拡張のためにより大きい利用可能な容積を伴うと、LVRSの後に残る肺組織は、効果的なガス交換のために向上された容量を有する。LVRSの明らかな欠点は、その非常に侵襲的な本質である。故に、LVRSは、通常、小さい割合の肺気腫患者のみのために好適である、最後の措置としての選択肢であると見なされる。
【0012】
罹患肺組織の外科手術的除去を伴わない、肺容積縮小のための手技もまた、存在する。実施例は、罹患肺組織を捕らえ、物理的に圧密化するためのコイルまたはクリップを使用することを含む。これらの手技は、LVRSのものに類似する効果のために、肺の全体的容積を縮小することができる。しかしながら、コイルまたはクリップの近位位置付けが、肺の罹患部分だけではなく、健康な部分も隔離する傾向にあるため、これらの手技の潜在力は、限定される。さらに、これらの手技は、多くの場合、気胸および呼吸感染症のリスクの慢性的増加等の重篤な合併症と関連付けられる。
【0013】
COPDのための別のデバイスベースの治療は、気腫性組織の近位にある気道内での一方向ステント弁の設置を伴う。これらの弁は、空気が、肺から外に流動するが、その過度に伸張された部分の中に流動しないことを可能にする。本アプローチは、側副換気(すなわち、正常な気道をバイパスする経路を介した肺胞の換気)を殆どまたは全く患っていない患者のみのために推奨される。残念ながら、肺気腫を患う患者のうちの20%より少ない人々が、側副換気を欠いている。故に、一方向ステント弁は、大半の肺気腫患者のために好適ではない。また、気管支内コイルおよびクリップと同様に、一方向ステント弁の近位位置付けは、肺の罹患部分だけではなく、健康な部分も隔離し得る。
【0014】
気管支鏡下熱蒸気アブレーション(BTVA)は、さらに別の準最適なCOPD治療選択肢である。BTVAは、加熱された水蒸気を罹患肺組織の中に導入することを伴う。これは、初期の局所的炎症応答につながり、恒久的線維症および無気肺が続く、熱反応を産生する。BTVAのような熱治療と同様に、罹患肺組織の中に接着糊またはシーラントを注入することを伴う、生物化学的治療もまた、存在する。熱式手技および生化学的手技は両方とも、過伸張された肺の標的化領域における組織および空気体積の縮小をもたらす、リモデリングを早め得る。しかしながら、これらの手技は、それらの潜在的療法的恩恵に支障を来す、局所的有毒性および関連付けられる合併症を引き起こすことが公知である。
【0015】
従来は、COPDを治療するために使用されないが、ステントが、時として、中心気道(すなわち、気管、主気管支、葉気管支、および/または分節気管支)の管腔内で使用され、これらの気道の開存性を一時的に改良する。例えば、ステントは、良性または悪性閉塞によって影響を及ぼされる、中心気道内の開存性を一時的に改良するために使用され得る。中心気道ステント留置は、中心気道が、気道閉塞全体および/または肺気腫と関連付けられる気道狭小化に影響を殆どまたは全く及ぼさないため、肺気腫のための効果的治療ではない。さらに、従来のステントは、気道内に設置されると、肉芽組織の形成および粘液栓塞を含む、遮閉の課題によって悩まされる。
【0016】
いくつかの他の公知のCOPD治療は、閉塞された気道をバイパスすることを伴う。例えば、胸壁を通した肺の外側部分への穿孔が、罹患肺胞と身体の外側との間の直接連通部(すなわち、バイパス路)を生成するために使用されることができる。いかなる他のステップも、講じられない場合、これらのバイパス路は、正常な治癒によって、または肉芽組織の形成によって閉鎖し、それによって、療法的恩恵を排除するであろう。バイパス路内に管状補綴物を設置することは、療法的恩恵を一時的に延長させることができる。しかしながら、そのような補綴物は、最終的に、異物反応を誘発し、肉芽組織の形成を加速させる。また、バイパス路を形成することは、困難かつ時間集約的である傾向にある。いったん形成されると、バイパス路はまた、患者にとって不快、非便宜的、および/または消耗的であり得る。
【0017】
COPDは、大きな公衆衛生課題である。米国単独で、重症肺気腫および重症過伸張を患う、百万人超の患者が、存在する。これらの患者の圧倒的大多数は、現在利用可能な治療による十分なサービスを受けていない。喫煙に起因する呼吸疾患の高発症率を伴う国々におけるものを含め、全世界の満たされていない臨床的必要性は、米国におけるものより何倍も上回る。上記に議論されるように、COPDを治療することに対する従来のアプローチは、重篤な合併症と関連付けられる効力が限定される、小さい割合のCOPD患者のみのために好適である、および/または他の有意な欠点も有する。疾患の罹患率および従来の治療の不適正さを前提として、本分野における革新の大きな必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本技術のある側面が、本概要の節では、便宜上(1、2、3等に)付番される実施例として説明される。これらは、実施例にすぎない。それらは、本技術を限定することを意図していない。
(実施例1)
ヒト対象の気管支樹内の治療場所において展開されるように構成される埋込物であって、
気管支樹の第1の気道において展開されるように構成される近位端部分であって、第1の気道の世代は、2またはそれを上回る、近位端部分と、
埋込物の縦軸に沿って近位端部分から離間され、気管支樹の第2の気道において展開されるように構成される遠位端部分であって、第2の気道の世代は、第1の気道の世代を上回る、遠位端部分と、
縦軸に沿った近位端部分と遠位端部分との間の中間部分と、
縦軸と同軸方向に整合される管状領域内で連続ワイヤ経路に沿って延在するワイヤであって、中間部分におけるワイヤ経路は、縦軸を中心とした少なくとも3周の巻部を含む、ワイヤと
を備え、
ワイヤは、ワイヤ経路に沿って交互に配置される第1の区間と、第2の区間とを備え、第1の区間は、縦軸を中心として円周方向において遠位に延在し、第2の区間は、円周方向において近位に延在し、
埋込物は、埋込物が治療場所において展開される間に、埋込物の直遠位にある場所から埋込物の直近位にある場所までの粘膜繊毛クリアランスを可能にするように構成され、
埋込物は、埋込物が縦軸に対して直角である第1の平均直径を有する薄型の送達状態から、埋込物が縦軸に対して直角である第2の平均直径を有する拡張された展開状態に弾力的に遷移するように構成され、第2の平均直径は、第1の平均直径よりも少なくとも3倍大きい、埋込物。
(実施例2)
中間部分は、ワイヤから本質的に成る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例3)
近位端部分および遠位端部分は、ワイヤから本質的に成る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例4)
埋込物は、単一ワイヤ埋込物である先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例5)
ワイヤ経路は、近位端部分における第1の端部と、遠位端部分における対向する第2の端部とを有し、
ワイヤは、ワイヤ経路の第1の端部における繋留されていない第1の末端部を含み、
ワイヤは、ワイヤ経路の第2の端部における繋留されていない第2の末端部を含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例6)
第1の末端部は、埋込物の最近位端にあり、
第2の末端部は、埋込物の最遠位端の近位にある、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例7)
ワイヤは、第1の末端部における第1の非外傷性先端を含み、
ワイヤは、第2の末端部における第2の非外傷性先端を含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例8)
ワイヤは、ワイヤ経路の第1の端部において、第1の区間のうちの所与の1つを含み、
ワイヤは、ワイヤ経路の第2の端部において、第2の区間のうちの所与の1つを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例9)
中間部分における第1の区間の平均長は、中間部分における第2の区間の平均長と異なる、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例10)
中間部分における第1の区間の平均長は、中間部分における第2の区間の平均長を上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例11)
中間部分における第1の区間の平均長は、中間部分における第2の区間の平均長を20%~50%上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例12)
中間部分における第1の区間の平均長の中間部分における第2の区間の平均長に対する比は、少なくとも
【化1】
であり、
n=中間部分における縦軸を中心としたワイヤ経路の1周の巻部あたりの第1の区間の平均数である、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例13)
ワイヤは、ワイヤ経路に沿って交互に配置される、第1および第2の頂点部分を含み、
第1の頂点部分は、遠位に向き、
第2の頂点部分は、近位に向き、
個々の第1および第2の区間は、ワイヤ経路に沿った個々の第1および第2の頂点部分間に散在される、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例14)
中間部分における第1の頂点部分は、第1の螺旋を画定し、
中間部分における第2の頂点部分は、第2の螺旋を画定し、
埋込物は、第1の螺旋と第2の螺旋との間に螺旋状帯部を画定し、
螺旋状帯部の連続する巻部は、埋込物が展開状態にあるとき、縦軸に沿って相互から離間される、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例15)
螺旋状帯部の連続する巻部は、埋込物が送達状態にあるとき、縦軸に沿って相互から離間される、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例16)
螺旋状帯部の連続する巻部は、埋込物が送達状態にあるとき、重複している、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例17)
縦軸に対して平行である螺旋状帯部の平均幅は、埋込物が展開状態にあるとき、中間部分におけるワイヤ経路の平均ピッチの30%~75%の範囲内である、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例18)
ワイヤは、埋込物が展開状態にあるとき、螺旋状帯部の総面積の5%~30%を占有する、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例19)
ワイヤは、第1および第2の区間と、第1および第2の頂点部分とから本質的に成る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例20)
第1の頂点部分および第2の頂点部分の平均曲率半径は、0.35mm~0.60mmの範囲内である、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例21)
中間部分におけるワイヤ経路の個別の近隣する巻部における第1の頂点部分のうちの所与の3つは、相互との円周方向整合の5度以内にあり、
中間部分におけるワイヤ経路の個別の近隣する巻部における第2の頂点部分のうちの所与の3つは、相互との円周方向整合の5度以内にある、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例22)
埋込物が送達状態にあるとき、および埋込物が展開状態にあるときの両方において、第1の頂点部分のうちの所与の3つは、相互との円周方向整合の5度以内にあり、
埋込物が送達状態にあるとき、および埋込物が展開状態にあるときの両方において、第2の頂点部分のうちの所与の3つは、相互との円周方向整合の5度以内にある、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例23)
個々の第1および第2の頂点部分は、ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
中間部分におけるワイヤ経路に沿った連続する頂点間の平均円周方向間隔は、35度~95度の範囲内である、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例24)
個々の第1および第2の頂点部分は、ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
中間部分におけるワイヤ経路に沿った連続する頂点間の平均円周方向間隔は、55度~65度の範囲内である、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例25)
個々の第1および第2の頂点部分は、ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
埋込物が送達状態にあるときの中間部分におけるワイヤ経路に沿った連続する頂点間の度単位における平均円周方向間隔は、埋込物が展開状態にあるときと5%以下異なる、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例26)
個々の第1の頂点部分は、ワイヤ経路に沿った個別の第1の頂点にあり、
個々の第2の頂点部分は、ワイヤ経路に沿った個別の第2の頂点にあり、
ワイヤ経路に沿って相互に近隣する一対の第1の頂点間の線は、ワイヤ経路に沿った第2の頂点のうちの介在する1つからある角度を成し、
角度は、埋込物が送達状態にあるとき、-20度~20度の範囲内であり、
角度は、埋込物が展開状態にあるとき、20度~90度の範囲内である、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例27)
角度は、第1の角度であり、
ワイヤ経路に沿って相互に近隣する一対の第2の頂点間の線は、ワイヤ経路に沿った第1の頂点のうちの介在する1つから第2の角度を成し、
第2の角度は、埋込物が送達状態にあるとき、-20度~90度の範囲内であり、
第2の角度は、埋込物が展開状態にあるとき、20度~90度の範囲内である、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例28)
埋込物は、埋込物が治療場所において展開される間に、埋込物の直遠位にある場所から埋込物の直近位にある場所までの連続的粘膜繊毛クリアランス経路に沿って延在する閉塞されていない粘膜繊毛クリアランス領域を画定するように構成され、
縦軸に対して平行である粘膜繊毛クリアランス領域の平均幅は、ワイヤ経路に対して直角であるワイヤの平均断面直径を少なくとも10倍上回る、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例29)
埋込物は、ワイヤから本質的に成り、ワイヤは、ワイヤ経路の全体を通して分岐されない、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例30)
ワイヤは、ワイヤ経路の全体を通して繋留されない、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例31)
埋込物が非拘束状態にあるときの中間部分におけるワイヤ経路の平均ピッチは、中間部分におけるワイヤ経路に対して直角であるワイヤの平均断面直径を少なくとも10倍上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例32)
埋込物が非拘束状態にあるときの中間部分におけるワイヤ経路の平均ピッチは、埋込物が非拘束状態にあるときの縦軸に対して直角である中間部分における埋込物の平均直径の50%~110%の範囲内である、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例33)
埋込物が非拘束状態にあるときの中間部分におけるワイヤ経路の平均ピッチは、埋込物が非拘束状態にあるときの遠位端部分におけるワイヤ経路の平均ピッチを上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例34)
埋込物が非拘束状態にあるときの近位端部分におけるワイヤ経路の平均ピッチは、埋込物が非拘束状態にあるときの遠位端部分におけるワイヤ経路の平均ピッチを上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例35)
中間部分における、縦軸に対して直角である、任意の所与の平面は、埋込物が非拘束状態にあるときに、ワイヤ経路に沿った少なくとも3つの円周方向に離間された点と交差する、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例36)
中間部分における、縦軸に対して直角である、任意の所与の平面は、埋込物が非拘束状態にあるときに、ワイヤ経路に沿った3~5つの円周方向に離間された点と交差する、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例37)
ワイヤ経路は、近位端部分における第1の端部と、遠位端部分における対向する第2の端部とを有し、
縦軸に沿った埋込物の長さの最遠位の5%に対して直角である任意の所与の平面は、埋込物が非拘束状態にあるときに、ワイヤ経路に沿った少なくとも5つの円周方向に離間された点と交差する、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例38)
縦軸に沿った埋込物の長さの中央の50%に対して直角である任意の所与の平面は、埋込物が非拘束状態にあるときに、ワイヤ経路に沿った、少なくとも第1の数の円周方向に離間された点と交差し、
縦軸に沿った埋込物の長さの最遠位の5%に対して直角である任意の所与の平面は、埋込物が非拘束状態にあるときに、ワイヤ経路に沿った、少なくとも第2の数の円周方向に離間された点と交差し、
第2の数の円周方向に離間された点は、第1の数の円周方向に離間された点よりも多い、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例39)
埋込物は、埋込物が非拘束状態にあるときに、縦軸に対して直角である第3の平均直径を有し、
第3の平均直径は、第1の平均直径より少なくとも4倍大きい、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例40)
埋込物は、埋込物が非拘束状態にあるときに、縦軸に対して直角である第3の平均直径を有し、
第3の平均直径は、第1の平均直径より少なくとも5倍大きい、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例41)
埋込物の半径方向ばね定数の埋込物の縦方向ばね定数に対する比は、10:1~80:1の範囲内である、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例42)
埋込物が非拘束状態にあるときの縦軸に沿った埋込物の長さは、50mm~200mmの範囲内である、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例43)
埋込物が非拘束状態にあるときの縦軸に沿った埋込物の長さは、70mm~120mmの範囲内である、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例44)
埋込物が非拘束状態にあるときの縦軸に対して直角である埋込物の平均直径は、5mm~15mmの範囲内である、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例45)
埋込物は、埋込物が非拘束状態にあるときに、縦軸に対して直角である第3の平均直径を有し、
埋込物が非拘束状態にあるときの第3の平均直径の縦軸に沿った埋込物の長さに対する比は、1:10~1:30の範囲内である、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例46)
埋込物は、埋込物が非拘束状態にあるときに、縦軸に対して直角である第3の平均直径を有し、
近位端部分における第3の平均直径は、遠位端部分における第3の平均直径と10%以下異なる、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例47)
埋込物は、埋込物が非拘束状態にあるときに、縦軸に対して直角である第3の平均直径を有し、
第3の平均直径は、縦軸に沿った埋込物の長さの全体を通して10%以下変動する、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例48)
ワイヤは、コーティングされていない、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例49)
ニュートンメートル単位における埋込物の半径方向ばね定数のパスカル単位における埋込物の縦方向剪断弾性率に対する比は、0.005~0.100の範囲内である、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例50)
ニュートンメートル単位における埋込物の縦方向ばね定数のパスカル単位における埋込物の縦方向剪断弾性率に対する比は、0.5~5.0の範囲内である、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例51)
慢性閉塞性肺障害と診断されたヒト対象の気管支樹内の低開存性または非開存性の治療場所における開存性を増加させるための方法であって、
埋込物が薄型の送達状態にある間、埋込物を、気管支樹内において、管腔内で、治療場所に向かって移動させることであって、埋込物は、伸長し、縦軸を有し、埋込物は、ばねと、ばね間に散在される接続部とを含み、埋込物は、埋込物が送達状態にある間、接続部における場合よりもばねにおいて弾力的に付勢される、ことと、
埋込物を、治療場所において、送達状態から拡張された展開状態に遷移させることであって、埋込物を遷移させることは、埋込物の少なくともある程度の弾力的付勢を解放することを含む、ことと、
埋込物が治療場所において展開状態にある間に、少なくとも3ヶ月の連続的維持期間の全体を通して、治療場所における開存性の療法的に有効な増加を維持することと
を含む、方法。
(実施例52)
気管支樹内で移動する間に送達状態にある埋込物は、縦軸に対して直角である第1の平均直径を有し、
維持期間の間に展開状態にある埋込物は、縦軸に対して直角である第2の平均直径を有し、第2の平均直径は、第1の平均直径より少なくとも3倍大きい、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例53)
縦軸に沿った埋込物の長さと同一の広がりを持つ気管支樹の壁部分を、壁部分の平均天然直径より少なくとも3倍大きい平均拡張直径に拡張させることをさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例54)
埋込物を遷移させることは、縦軸に沿った埋込物の長さと同一の広がりを持つ気管支樹の壁部分を、第1の平均拡張直径に拡張させ、
本方法はさらに、
治療場所においてバルーンを拡張させ、壁部分および埋込物を、第1の平均拡張直径を上回る第2の平均拡張直径に拡張させることと、
連続的維持期間の前に、治療場所からバルーンを除去することと
を含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例55)
第2の平均拡張直径は、埋込物の平均非拘束直径を上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例56)
壁部分を第1の平均拡張直径から第2の平均拡張直径に向かって拡張させることは、壁部分内に気管支開窓を生成し、および/またはそれを増大させる、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例57)
開存性の療法的に有効な増加を維持することは、治療場所における接続部と気管支樹の壁部分との間に薬物溶出物質の存在を伴うことなく、開存性の療法的に有効な増加を維持することを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例58)
縦軸に沿った埋込物の長さの最遠位の10%と同一の広がりを持つ気管支樹の第1の壁部分を、第1の平均拡張直径に拡張させることと、
縦軸に沿った埋込物の長さの最近位の10%と同一の広がりを持つ気管支樹の第2の壁部分を、第2の平均拡張直径に拡張させることであって、第1の壁部分の第1の平均拡張直径の平均天然直径に対する比は、第2の壁部分の第2の平均拡張直径の平均天然直径に対する比を上回る、ことと
をさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例59)
第1の壁部分の第1の平均拡張直径の平均天然直径に対する比は、第2の壁部分の第2の平均拡張直径の平均天然直径に対する比を少なくとも8倍上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例60)
第1の平均拡張直径は、第2の平均拡張直径と0%~20%異なる、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例61)
維持期間の間に、縦軸に沿った埋込物の長さと同一の広がりを持つ気管支樹の壁部分の第1の面積が、埋込物と直接接触し、壁部分の第2の面積が、埋込物と直接接触しておらず、
第2の面積は、第1の面積より少なくとも5倍大きい、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例62)
第2の面積は、第1の面積より少なくとも8倍大きい、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例63)
壁部分を平均拡張直径に拡張させることと、
維持期間の全体を通して、平均拡張直径の50%以下の第2の面積における壁部分の最大陥入を維持することと
をさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例64)
埋込物を遷移させることは、
気管支樹の第1の気道において、埋込物の近位端部分を拡張させることであって、第1の気道の世代は、2またはそれを上回る、ことと、
気管支樹の第2の気道において、埋込物の遠位端部分を拡張させることであって、第2の気道の世代は、第1の気道の世代を上回る、ことと
を含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例65)
第2の気道の世代は、第1の気道の世代を少なくとも2上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例66)
第2の気道の世代は、第1の気道の世代を少なくとも3上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例67)
第2の気道の世代は、第1の気道の世代を少なくとも4上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例68)
埋込物は、縦軸と同軸方向に整合される管状領域内のワイヤ経路に沿って延在する、ワイヤを含み、
ワイヤ経路は、近位端部分における第1の端部と、遠位端部分における対向する第2の端部とを有し、
近位端部分を拡張させることは、第1の気道の壁とワイヤの繋留されていない第1の末端部とを接触させることを含み、
遠位端部分を拡張させることは、第2の気道の壁とワイヤの繋留されていない第2の末端部とを接触させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例69)
第1の気道の壁とワイヤの繋留されていない第1の末端部とを接触させることは、埋込物の最近位端における第1の気道の壁の一部において、第1の気道の壁とワイヤの繋留されていない第1の末端部とを接触させることを含み、
第2の気道の壁とワイヤの繋留されていない第2の末端部とを接触させることは、埋込物の最遠位端の近位にある、第2の気道の壁の一部において、第2の気道の壁とワイヤの繋留されていない第2の末端部とを接触させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例70)
ワイヤは、ワイヤ経路に沿って交互に配置される第1の区間と、第2の区間とを備え、
接続部は、第1および第2の区間にあり、
第1の区間は、埋込物が治療場所において展開状態にある間に、縦軸を中心として円周方向において遠位に延在し、
第2の区間は、埋込物が治療場所において展開状態にある間に、円周方向において近位に延在し、
近位端部分を拡張させることは、第1の気道の壁とワイヤ経路の第1の端部における第1の区間のうちの所与の1つとを接触させることを含み、
遠位端部分を拡張させることは、第2の気道の壁とワイヤ経路の第2の端部における第2の区間のうちの所与の1つとを接触させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例71)
埋込物は、縦軸と同軸方向に整合される管状領域内のワイヤ経路に沿って延在するワイヤを含み、
ワイヤは、ワイヤ経路に沿って交互に配置される、第1および第2の区間と、第1の区間と第2の区間との間の頂点部分とを備え、
接続部は、第1および第2の区間にあり、
ばねは、頂点部分にあり、
埋込物を遷移させることは、頂点部分におけるワイヤ経路の平均曲率度を増加させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例72)
頂点部分は、埋込物が治療場所において展開状態にある間に遠位に向く第1の頂点部分と、埋込物が治療場所において展開状態にある間に近位に向く第2の頂点部分とを含み、
埋込物を遷移させることは、ワイヤ経路の個別の近隣する巻部における第1の頂点部分のうちの所与の3つが、相互との円周方向整合の5度以内に留まる間、およびワイヤ経路の個別の近隣する巻部における第2の頂点部分のうちの所与の3つが、相互との円周方向整合の5度以内に留まる間に、埋込物を遷移させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例73)
個々の頂点部分は、ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
埋込物を遷移させることは、ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の平均円周方向間隔が35度~95度の範囲内である間に、埋込物を遷移させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例74)
個々の頂点部分は、ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
埋込物を遷移させることは、ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の平均円周方向間隔が55度~65度の範囲内である間に、埋込物を遷移させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例75)
個々の頂点部分は、ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
埋込物を遷移させることは、ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の度単位における平均円周方向間隔が5%以下変化する間に、埋込物を遷移させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例76)
頂点部分は、埋込物が治療場所において展開状態にある間に遠位に向く第1の頂点部分と、埋込物が治療場所において展開状態にある間に近位に向く第2の頂点部分とを含み、
第1の頂点部分は、第1の螺旋を画定し、
第2の頂点部分は、第2の螺旋を画定し、
埋込物は、第1の螺旋と第2の螺旋との間に螺旋状帯部を画定し、
埋込物を遷移させることは、埋込物を遷移させる間に、縦軸に対して平行である螺旋状帯部の幅を減少させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例77)
ワイヤは、維持期間の間に、螺旋状帯部の総面積の5%~30%を占有する、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例78)
治療場所における粘膜繊毛クリアランス領域を、維持期間の全体を通して肉芽組織および粘液栓塞が実質的に存在しない状態に維持することであって、粘膜繊毛クリアランス領域は、連続的粘膜繊毛クリアランス経路に沿って、埋込物の直遠位にある場所から埋込物の直近位にある場所まで延在する、ことをさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例79)
粘膜繊毛クリアランス領域を維持することはさらに、粘膜繊毛クリアランス領域を、維持期間の間に、炎症、炎症細胞、線維症、線維化細胞、組織過形成、および組織壊死が実質的に存在しない状態に維持することを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例80)
埋込物は、縦軸と同軸方向に整合される管状領域内のワイヤ経路に沿って延在するワイヤを含み、
ワイヤ経路は、埋込物の近位端部分における第1の端部と、埋込物の遠位端部分における対向する第2の端部とを有し、
埋込物を遷移させることは、ワイヤのいかなる部分も、粘膜繊毛クリアランス経路と交わらないように、埋込物を遷移させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例81)
粘膜繊毛クリアランス領域を維持することは、粘膜繊毛クリアランス領域を、ワイヤ経路に対して直角である、ワイヤの平均断面直径を少なくとも10倍上回る縦軸に対して平行である平均幅に維持することを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例82)
気管支樹内で移動する間に送達状態にある埋込物は、第1の長さを有し、
埋込物を遷移させることの直後に展開状態にある埋込物は、第1の長さと10%以下異なる第2の長さを有する、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例83)
埋込物を遷移させることの後、治療場所における気管支樹の壁に対して、埋込物との単位接触面積あたり少なくとも0.05メガパスカルの力を付与することをさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例84)
埋込物を遷移させることの後、対象による全呼吸サイクルの間に、治療場所における埋込物と気管支樹の壁との間の摩擦力未満である抵抗力を用いて、縦軸に沿った埋込物の伸長に抵抗することをさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例85)
治療場所の遠位にある気管支樹は、側副換気を有する、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例86)
治療場所の遠位にある気管支樹内に捕獲された空気を解放することをさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例87)
埋込物を遷移させることは、
埋込物の遠位端部分を拡張させることと、
遠位端部分を拡張させることの後に、埋込物の中間部分を拡張させることであって、中間部分は、縦軸に沿って遠位端部分の近位にある、ことと、
中間部分を拡張させることの後に、埋込物の近位端部分を拡張させることであって、近位端部分は、縦軸に沿って中間部分の近位にある、ことと
を含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例88)
埋込物を遷移させることは、中間部分を拡張させる間に、壁の3つまたはそれを上回る円周方向に離間された部分において、埋込物と気管支樹の壁との間の接触を同時に増加させることを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例89)
埋込物を遷移させることは、遠位端部分を拡張させる間に、壁の5つまたはそれを上回る円周方向に離間された部分において、埋込物と気管支樹の壁との間の接触を同時に増加させることを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例90)
埋込物を遷移させることは、
中間部分を拡張させる間に、壁の第1の数の円周方向に離間された部分において、埋込物と気管支樹の壁との間の接触を同時に増加させることと、
遠位端部分を拡張させる間に、壁の第2の数の円周方向に離間された部分において、埋込物と壁との間の接触を同時に増加させることであって、壁の第2の数の円周方向に離間された部分は、壁の第1の数の円周方向に離間された部分よりも多い、ことと
を含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例91)
埋込物を遷移させることの直後の縦軸に対して直角である埋込物の平均直径と、埋込物を遷移させることの直後の埋込物の長さとの比は、1:10~1:30の範囲内である、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例92)
埋込物を移動させる間に、埋込物の周囲に延在するシース内での埋込物の半径方向拡張を拘束することをさらに含み、埋込物を遷移させることは、埋込物とシースとの間の相対移動を引き起こすことを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例93)
埋込物を移動させる間に、埋込物を通して縦方向に延在するシャフトを介して、埋込物の縦方向拡張を拘束することをさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例94)
埋込物の縦方向拡張を拘束することは、シャフトのパッドを介して埋込物の縦方向拡張を拘束することを含み、
パッドは、埋込物を移動させる間に、埋込物とシャフトのコアとの間に配置され、
パッドは、コアより弾力性である、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例95)
ヒト対象における肺機能を改良するための方法であって、
埋込物が薄型の送達状態にある間に、埋込物を、対象の気管支樹内において、管腔内で、気管支樹内の治療場所に向かって移動させることであって、治療場所の遠位にある気管支樹の一部は、気腫性であり、側副換気を有する、ことと、
治療場所において埋込物を送達状態から拡張された展開状態に遷移させることであって、埋込物を遷移させることは、埋込物の縦軸の周囲に延在する螺旋状帯部内で、拡張可能構造を拡張させることを含み、拡張可能構造を拡張させることは、螺旋状帯部の螺旋状長を増加させる、ことと、
埋込物を展開することの前と比較して、埋込物を展開することの後に、対象の1秒間強制呼気量を少なくとも5%増加させることと
を含む、方法。
(実施例96)
埋込物は、第1の埋込物であり、
治療場所は、第1の治療場所であり、
送達状態は、第1の送達状態であり、
展開状態は、第1の展開状態であり、
拡張可能構造は、第1の拡張可能構造であり、
螺旋状帯部は、第1の螺旋状帯部であり、
本方法はさらに、
第2の埋込物が薄型の第2の送達状態にある間、第2の埋込物を、気管支樹内において、管腔内で、気管支樹内の第2の治療場所に向かって移動させることであって、第2の治療場所の遠位にある気管支樹の一部は、気腫性であり、側副換気を有する、ことと、
第2の埋込物を、第2の治療場所において、第2の送達状態から拡張された第2の展開状態に遷移させることであって、第2の埋込物を遷移させることは、第2の埋込物の縦軸の周囲に延在する第2の螺旋状帯部内で第2の拡張可能構造を拡張させることを含み、第2の拡張可能構造を拡張させることは、第2の螺旋状帯部の螺旋状長を増加させる、ことと
を含み、
対象の1秒間強制呼気量を増加させることは、第1および第2の埋込物を展開することの前と比較して、第1および第2の埋込物を展開することの後に、対象の1秒間強制呼気量を増加させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例97)
第3の埋込物が薄型の第3の送達状態にある間に、第3の埋込物を、気管支樹内において、管腔内で、気管支樹内の第3の治療場所に向かって移動させることであって、第3の治療場所の遠位にある気管支樹の一部は、気腫性であり、側副換気を有する、ことと、
第3の治療場所において、第3の埋込物を第3の送達状態から拡張された第3の展開状態に遷移させることであって、第3の埋込物を遷移させることは、第3の埋込物の縦軸の周囲に延在する第3の螺旋状帯部内で、第3の拡張可能構造を拡張させることを含み、第3の拡張可能構造を拡張させることは、第3の螺旋状帯部の螺旋状長を増加させる、ことと
をさらに含み、
対象の1秒間強制呼気量を増加させることは、第1、第2、および第3の埋込物を展開することの前と比較して、第1、第2、および第3の埋込物を展開することの後に、対象の1秒間強制呼気量を増加させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例98)
対象の1秒間強制呼気量を増加させることは、対象の1秒間強制呼気量を少なくとも10%増加させることを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例99)
埋込物を遷移させることは、拡張可能構造における埋込物上の少なくともある程度の弾力的付勢を解放することを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例100)
気管支樹内で移動する間に送達状態にある埋込物は、縦軸に対して直角である第1の平均直径を有し、
埋込物を遷移させることの後に展開状態にある埋込物は、縦軸に対して直角である第2の平均直径を有し、第2の平均直径は、第1の平均直径より少なくとも3倍大きい、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例101)
縦軸に沿った埋込物の長さと同一の広がりを持つ気管支樹の壁部分を、壁部分の平均天然直径より少なくとも3倍大きい平均拡張直径に拡張させることをさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例102)
縦軸に沿った埋込物の長さの最遠位の10%と同一の広がりを持つ気管支樹の第1の壁部分を、第1の平均拡張直径に拡張させることと、
縦軸に沿った埋込物の長さの最近位の10%と同一の広がりを持つ気管支樹の第2の壁部分を、第2の平均拡張直径に拡張させることであって、第1の壁部分の第1の平均拡張直径の平均天然直径に対する比は、第2の壁部分の第2の平均拡張直径の平均天然直径に対する比を上回る、ことと
をさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例103)
第1の壁部分の第1の平均拡張直径の平均天然直径に対する比は、第2の壁部分の第2の平均拡張直径の平均天然直径に対する比を少なくとも8倍上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例104)
第1の平均拡張直径は、第2の平均拡張直径と0%~20%異なる、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例105)
埋込物を遷移させることの後に、縦軸に沿った埋込物の長さと同一の広がりを持つ、気管支樹の壁部分の第1の面積が、埋込物と直接接触し、壁部分の第2の面積が、埋込物と直接接触しておらず、
第2の面積は、第1の面積より少なくとも5倍大きい、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例106)
第2の面積は、第1の面積より少なくとも8倍大きい、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例107)
埋込物を遷移させることは、
気管支樹の第1の気道において、埋込物の近位端部分を拡張させることであって、第1の気道の世代は、2またはそれを上回る、ことと、
気管支樹の第2の気道において、埋込物の遠位端部分を拡張させることであって、第2の気道の世代は、第1の気道の世代を上回る、ことと
を含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例108)
第2の気道の世代は、第1の気道の世代を少なくとも2上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例109)
第2の気道の世代は、第1の気道の世代を少なくとも3上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例110)
埋込物は、縦軸と同軸方向に整合される管状領域内のワイヤ経路に沿って延在するワイヤを含み、
ワイヤ経路は、近位端部分における第1の端部と、遠位端部分における対向する第2の端部とを有し、
近位端部分を拡張させることは、第1の気道の壁とワイヤの繋留されていない第1の末端部とを接触させることを含み、
遠位端部分を拡張させることは、第2の気道の壁とワイヤの繋留されていない第2の末端部とを接触させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例111)
第1の気道の壁とワイヤの繋留されていない第1の末端部とを接触させることは、埋込物の最近位端における第1の気道の壁の一部において、第1の気道の壁とワイヤの繋留されていない第1の末端部とを接触させることを含み、
第2の気道の壁とワイヤの繋留されていない第2の末端部とを接触させることは、埋込物の最遠位端の近位にある、第2の気道の壁の一部において、第2の気道の壁とワイヤの繋留されていない第2の末端部とを接触させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例112)
ワイヤは、ワイヤ経路に沿って交互に配置される第1の区間と、第2の区間とを備え、
第1の区間は、埋込物が治療場所において展開状態にある間に、縦軸を中心として円周方向において遠位に延在し、
第2の区間は、埋込物が治療場所において展開状態にある間に、円周方向において近位に延在し、
近位端部分を拡張させることは、第1の気道の壁とワイヤ経路の第1の端部における第1の区間のうちの所与の1つとを接触させることを含み、
遠位端部分を拡張させることは、第2の気道の壁とワイヤ経路の第2の端部における第2の区間のうちの所与の1つとを接触させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例113)
埋込物は、縦軸と同軸方向に整合される管状領域内のワイヤ経路に沿って延在するワイヤを含み、
ワイヤは、ワイヤ経路に沿って交互に配置される第1および第2の区間と、第1の区間と第2の区間との間の頂点部分とを備え、
拡張可能構造は、頂点部分にあり、
埋込物を遷移させることは、頂点部分におけるワイヤ経路の平均曲率度を増加させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例114)
頂点部分は、埋込物が治療場所において展開状態にある間に遠位に向く第1の頂点部分と、埋込物が治療場所において展開状態にある間に近位に向く第2の頂点部分とを含み、
埋込物を遷移させることは、ワイヤ経路の個別の近隣する巻部における第1の頂点部分のうちの所与の3つが、相互との円周方向整合の5度以内に留まる間、およびワイヤ経路の個別の近隣する巻部における第2の頂点部分のうちの所与の3つが、相互との円周方向整合の5度以内に留まる間に、埋込物を遷移させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例115)
個々の頂点部分は、ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
埋込物を遷移させることは、ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の平均円周方向間隔が35度~95度の範囲内である間に、埋込物を遷移させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例116)
個々の頂点部分は、ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
埋込物を遷移させることは、ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の平均円周方向間隔が55度~65度の範囲内である間に、埋込物を遷移させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例117)
個々の頂点部分は、ワイヤ経路に沿った個別の頂点にあり、
埋込物を遷移させることは、ワイヤ経路に沿った連続する頂点間の度単位における平均円周方向間隔が5%以下変化する間に、埋込物を遷移させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例118)
頂点部分は、埋込物が治療場所において展開状態にある間に遠位に向く第1の頂点部分と、埋込物が治療場所において展開状態にある間に近位に向く第2の頂点部分とを含み、
第1の頂点部分は、第1の螺旋を画定し、
第2の頂点部分は、第2の螺旋を画定し、
第1および第2の螺旋は、螺旋状帯部を画定し、
埋込物を遷移させることは、埋込物を遷移させる間に、縦軸に対して平行である螺旋状帯部の幅を減少させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例119)
ワイヤは、埋込物を遷移させることの後、螺旋状帯部の総面積の5%~15%を占有する、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例120)
埋込物が治療場所において展開状態にある間に、治療場所における粘膜繊毛クリアランス領域を、少なくとも3ヶ月の連続的維持期間の全体を通して肉芽組織および粘液栓塞が実質的に存在しない状態に維持することであって、粘膜繊毛クリアランス領域は、連続的粘膜繊毛クリアランス経路に沿って、埋込物の直遠位にある場所から埋込物の直近位にある場所まで延在する、ことをさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例121)
粘膜繊毛クリアランス領域を維持することはさらに、粘膜繊毛クリアランス領域を、維持期間の間に、炎症、炎症細胞、線維症、線維化細胞、組織過形成、および組織壊死が実質的に存在しない状態に維持することを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例122)
埋込物は、縦軸と同軸方向に整合される管状領域内のワイヤ経路に沿って延在するワイヤを含み、
ワイヤ経路は、埋込物の近位端部分における第1の端部と、埋込物の遠位端部分における対向する第2の端部とを有し、
埋込物を遷移させることは、ワイヤのいかなる部分も、粘膜繊毛クリアランス経路と交わらないように、埋込物を遷移させることを含む、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例123)
粘膜繊毛クリアランス領域を維持することは、粘膜繊毛クリアランス領域を、ワイヤ経路に対して直角であるワイヤの平均断面直径を少なくとも10倍上回る縦軸に対して平行である平均幅に維持することを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例124)
粘膜繊毛クリアランス領域を維持することは、治療場所における拡張可能構造と気管支樹の壁部分との間に薬物溶出物質の存在を伴うことなく、粘膜繊毛クリアランス領域を維持することを維持することを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例125)
気管支樹内で移動する間に送達状態にある埋込物は、第1の長さを有し、
埋込物を遷移させることの直後に展開状態にある埋込物は、第1の長さと10%以下異なる第2の長さを有する、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例126)
埋込物を遷移させることの後、治療場所における気管支樹の壁に対して、埋込物との単位接触面積あたり少なくとも0.05メガパスカルの力を付与することをさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例127)
埋込物を遷移させることの後、対象による全呼吸サイクルの間に、治療場所における埋込物と気管支樹の壁との間の摩擦力未満である抵抗力を用いて、縦軸に沿った埋込物の伸長に抵抗することをさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例128)
治療場所の遠位にある気管支樹の一部内に捕獲された空気を解放することをさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例129)
埋込物を遷移させることは、
埋込物の遠位端部分を拡張させることと、
遠位端部分を拡張させることの後に、埋込物の中間部分を拡張させることであって、中間部分は、縦軸に沿って遠位端部分の近位にある、ことと、
中間部分を拡張させることの後に、埋込物の近位端部分を拡張させることであって、近位端部分は、縦軸に沿って中間部分の近位にある、ことと
を含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例130)
埋込物を遷移させることは、中間部分を拡張させる間に、壁の3つまたはそれを上回る円周方向に離間された部分において、埋込物と気管支樹の壁との間の接触を同時に増加させることを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例131)
埋込物を遷移させることは、遠位端部分を拡張させる間に、壁の5つまたはそれを上回る円周方向に離間された部分において、埋込物と気管支樹の壁との間の接触を同時に増加させることを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例132)
埋込物を遷移させることは、
中間部分を拡張させる間に、壁の第1の数の円周方向に離間された部分において、埋込物と気管支樹の壁との間の接触を同時に増加させることと、
中間部分を拡張させる間に、壁の第1の数の円周方向に離間された部分よりも多い、壁の第2の数の円周方向に離間された部分において、埋込物と壁との間の接触を同時に増加させることと
を含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例133)
埋込物を遷移させることの直後の縦軸に対して直角である埋込物の平均直径と、埋込物を遷移させることの直後の埋込物の長さとの比は、1:10~1:30の範囲内である、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例134)
埋込物を移動させる間に、埋込物の周囲に延在するシース内での埋込物の半径方向拡張を拘束することをさらに含み、埋込物を遷移させることは、埋込物とシースとの間の相対移動を引き起こすことを含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例135)
埋込物を移動させる間に、埋込物を通して縦方向に延在するシャフトを介して、埋込物の縦方向拡張を拘束することをさらに含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例136)
埋込物の縦方向拡張を拘束することは、シャフトのパッドを介して埋込物の縦方向拡張を拘束することを含み、
パッドは、埋込物を移動させる間に、埋込物とシャフトのコアとの間に配置され、
パッドは、コアより弾力性である、
先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例137)
埋込物を遷移させることは、縦軸に沿った埋込物の長さと同一の広がりを持つ気管支樹の壁部分を、第1の平均拡張直径に拡張させ、
本方法はさらに、
治療場所においてバルーンを拡張させ、壁部分および埋込物を、第1の平均拡張直径を上回る第2の平均拡張直径に拡張させることと、
治療場所からバルーンを除去することと
を含む、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例138)
第2の平均拡張直径は、埋込物の平均非拘束直径を上回る、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例139)
壁部分を第1の平均拡張直径から第2の平均拡張直径に向かって拡張させることは、壁部分内に気管支開窓を生成し、および/またはそれを増大させる、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の方法。
(実施例140)
ヒト対象の気管支樹内の治療場所において展開されるように構成される埋込物であって、
治療場所において、埋込物を薄型の送達状態から拡張された展開状態に拡張させるための拡張手段と、
対象による呼吸の間に、治療場所において埋込物を展開状態において安定化させるための安定化手段と
を備える、埋込物。
(実施例141)
治療場所における埋込物の展開の間に埋込物の遠位端部分の設置正確度を増加させるための設置手段をさらに備える、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例142)
治療場所における埋込物の展開の後に埋込物を回収するための回収手段をさらに備える、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例143)
ヒト対象の気管支樹内の治療場所において埋込物を展開するためのシステムであって、
治療場所において展開されるように構成される埋込物と、
埋込物が気管支樹内において、管腔内で、治療場所に向かって移動する間に、埋込物の半径方向拡張を拘束するための半径方向拘束手段と、
埋込物が気管支樹内において、管腔内で、治療場所に向かって移動する間に、埋込物の縦方向拡張を拘束するための縦方向拘束手段と
を備える、システム。
(実施例144)
閉塞性肺疾患の治療のための、気管支気道内腔内での設置のための埋込可能デバイスであって、
第1の端部部分、第2の端部部分、およびそれらの間に延在する縦軸であって、第1の端部部分は、気管支気道の遠位領域内に位置付けられるように構成され、第2の端部部分は、気管支気道の近位領域内に位置付けられるように構成され、遠位領域は、近位領域より多くの世代を含む第1の端部部分、第2の端部部分、およびそれらの間に延在する縦軸を備え、
本デバイスは、弾力性材料を含み、一連の切目のないループにおいて、本デバイスの縦軸を中心として巻回される伸長部材を含み、ループはそれぞれ、複数の頂部と、複数の谷部とを備え、本デバイスは、第1の端部部分から第2の端部部分へのループ間に延在する連続開口部を備え、
埋込可能デバイスは、圧縮状態と、拡張状態とを有し、圧縮状態において、カテーテルを通して、遠位領域における気管支気道内腔に送達されるように構成され、気管支気道内腔における壁の内側表面と併置するように自己拡張し、それによって、壁上を半径方向に外向きに圧迫し、遠位領域を、本デバイスの拡張に先立った遠位領域における気管支気道内腔の直径の2倍以上である直径に拡大することを可能にされる、埋込可能デバイス。
(実施例145)
ヒト対象の身体管腔内の治療場所において展開されるように構成される埋込物であって、
身体管腔内の近位場所において展開されるように構成される近位端部分と、
埋込物の縦軸に沿って近位端部分から離間され、身体管腔内の遠位場所において展開されるように構成される遠位端部分と、
縦軸に沿った、近位端部分と遠位端部分との間の中間部分と、
縦軸と同軸方向に整合される管状領域内で連続ワイヤ経路に沿って延在するワイヤであって、中間部分におけるワイヤ経路は、縦軸を中心とした少なくとも3周の巻部を含む、ワイヤと
を備え、
ワイヤは、ワイヤ経路に沿って交互に配置される第1の区間と、第2の区間とを備え、第1の区間は、縦軸を中心として円周方向において遠位に延在し、第2の区間は、円周方向において近位に延在し、
ワイヤ経路はさらに、一連の切目のないループを備え、ループはそれぞれ、複数の頂部と、複数の谷部と、近位端部分から遠位端部分へのループ間に延在する連続開口部とを備え、
埋込物は、埋込物が縦軸に対して直角である第1の平均直径を有する薄型の送達状態から、埋込物が縦軸に対して直角である第2の平均直径を有する拡張された展開状態に弾力的に遷移するように構成され、第2の平均直径は、第1の平均直径よりも少なくとも3倍大きい、埋込物。
(実施例146)
埋込物は、肺気腫の治療のためのヒト対象の気管支気道内での設置のために構成される、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例147)
埋込物は、気管気管支軟化症(TBM)の治療のためのヒト対象の中心気道内での設置のために構成される、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例148)
埋込物は、良性前立腺過形成(BPH)の治療のためのヒト対象の尿道内での設置のために構成される、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
(実施例149)
埋込物は、治療場所の少なくとも一部を、肉芽組織、粘液栓塞、炎症、炎症細胞、線維症、線維化細胞、組織過形成、および組織壊死が実質的に存在しない状態に維持するように構成される、先行または以下の実施例のいずれかの請求項に記載の埋込物。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本技術の多くの側面が、以下の図面を参照してより深く理解されることができる。図面内の相対的寸法は、本技術のいくつかの実施形態に対して縮尺通りであり得る。他の実施形態に対して、図面は、縮尺通りではない場合がある。図面はまた、恣意的に増大される場合がある。明確化のために、相似する構成要素または特徴の参照番号標識は、そのような相似する構成要素または特徴のための適切な参照番号標識が、本明細書およびともに検討される図面の全ての文脈において明確であるときには、省略され得る。さらに、同一の参照番号が、複数の説明される実施形態において相似する構成要素または特徴を識別するために使用され得る。
【0020】
【
図1】
図1は、対象の胸腔内のヒト対象の気管支樹の概略図である。
【0021】
【
図2】
図2は、隔離状態にある、ヒト対象の気管支樹の概略図である。
【0022】
【
図3】
図3は、
図2に示される気管支樹の終端部分の拡大図である。
【0023】
【
図4】
図4は、ヒト対象の気管支樹の異なる部分の寸法および世代の実施例を示す、表である。
【0024】
【
図5】
図5は、正常な肺機能の間の肺容積を示す、略図である。
【0025】
【
図6】
図6は、ヒト対象の気管支樹の異なる部分における気道壁組成を示す、表である。
【0026】
【
図7】
図7は、ヒト対象の気管支樹の異なる部分における、気道壁組成の解剖図である。
【0027】
【
図8】
図8は、気腫性肺組織内の小気道狭小化を示す、解剖図である。
【0028】
【
図9】
図9は、気腫性肺組織内の肺胞壁損傷を示す、解剖図である。
【0029】
【
図10】
図10は、健康な肺組織内の吐出の間の正常な気道開存性を示す、解剖図である。
【0030】
【
図11】
図11は、気腫性肺組織内の吐出の間の気道虚脱を示す、解剖図である。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【
図16】
図16は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の側面図である。
【0036】
【0037】
【
図18】
図18は、気道内の、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の一部の側面図である。
【0038】
【
図19】
図19は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の側面図である。
【0039】
【0040】
【
図21】
図21-23は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の側面図である。
【
図22】
図21-23は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の側面図である。
【
図23】
図21-23は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の側面図である。
【0041】
【0042】
【
図25】
図25-31は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の斜視図である。
【
図26】
図25-31は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の斜視図である。
【
図27】
図25-31は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の斜視図である。
【
図28】
図25-31は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の斜視図である。
【
図29】
図25-31は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の斜視図である。
【
図30】
図25-31は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の斜視図である。
【
図31】
図25-31は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の斜視図である。
【0043】
【
図32】
図32および33は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の側面図である。
【
図33】
図32および33は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の側面図である。
【0044】
【
図34】
図34は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の斜視図である。
【0045】
【
図35】
図35は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の側面図である。
【0046】
【
図36】
図36は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の斜視図である。
【0047】
【
図37】
図37は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物との併用のための均一にテーパ状のワイヤの側面図である。
【0048】
【
図38】
図38は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物との併用のための区画的にテーパ状のワイヤの側面図である。
【0049】
【
図39】
図39は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物との併用のためのテーパ状管の断面側面図である。
【0050】
【
図40】
図40は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、伸長部材の第1の端部の端面図である。
【0051】
【0052】
【
図42】
図42-46は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の斜視図である。
【
図43】
図42-46は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の斜視図である。
【
図44】
図42-46は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の斜視図である。
【
図45】
図42-46は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の斜視図である。
【
図46】
図42-46は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、個別の埋込物の斜視図である。
【0053】
【0054】
【
図48】
図48は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物を製造することにおける使用のために構成される、マンドレルの側面図である。
【0055】
【
図49】
図49は、送達部材の周囲で半径方向圧縮状態にある、
図46に示される埋込物の斜視図である。
【0056】
【
図50】
図50は、埋込物の一部が有限要素解析のために強調される、
図49に示される半径方向圧縮状態にある、
図46に示される埋込物の斜視図である。
【0057】
【
図51】
図51は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の斜視図である。
【0058】
【
図52】
図52は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物との併用のための気管支鏡の斜視図である。
【0059】
【
図53】
図53および54は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の展開の間の異なる個々の時間を示す、図である。
【
図54】
図53および54は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の展開の間の異なる個々の時間を示す、図である。
【0060】
【
図55A】
図55Aは、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、送達システムの断面図である。
【0061】
【0062】
【
図56A】
図56Aは、非拘束状態にある、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の斜視図である。
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【
図63】
図63は、埋込物の中間部分におけるワイヤ経路の一部の概略図と並列される、非拘束状態にある、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の外形図である。
【0072】
【
図64A】
図64A-65Bは、
図63に示される埋込物に関連する、異なる個別の成される角度を示す、略図である。
【
図64A】
図64A-65Bは、
図63に示される埋込物に関連する、異なる個別の成される角度を示す、略図である。
【
図64B】
図64A-65Bは、
図63に示される埋込物に関連する、異なる個別の成される角度を示す、略図である。
【
図65A】
図64A-65Bは、
図63に示される埋込物に関連する、異なる個別の成される角度を示す、略図である。
【
図65B】
図64A-65Bは、
図63に示される埋込物に関連する、異なる個別の成される角度を示す、略図である。
【0073】
【0074】
【
図66】
図66は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物に関連するある力および寸法を図示する、概略図である。
【0075】
【
図67】
図67は、気道壁上の点と単純コイルのワイヤ経路との間の最大距離を図示する、概略図である。
【0076】
【
図68】
図68は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、気道壁上の点と埋込物のワイヤ経路との間の最大距離を図示する、概略図である。
【0077】
【
図69】
図69は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物が展開され得る、気道領域の解剖図である。
【0078】
【
図70】
図70-75は、
図69に示される気道領域における、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の展開の間の異なる個別の時間の部分概略図である。
【
図71】
図70-75は、
図69に示される気道領域における、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の展開の間の異なる個別の時間の部分概略図である。
【
図72】
図70-75は、
図69に示される気道領域における、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の展開の間の異なる個別の時間の部分概略図である。
【
図73】
図70-75は、
図69に示される気道領域における、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の展開の間の異なる個別の時間の部分概略図である。
【
図74】
図70-75は、
図69に示される気道領域における、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の展開の間の異なる個別の時間の部分概略図である。
【
図75】
図70-75は、
図69に示される気道領域における、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物の展開の間の異なる個別の時間の部分概略図である。
【0079】
【
図76】
図76は、ある天然の寸法および拡張された寸法が示される、
図69に示される気道領域の解剖図である。
【0080】
【
図77】
図77は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、ヒト対象内の肺機能を改良するための方法を示す、ブロック図である。
【0081】
【
図78】
図78は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物を試験するために使用される、実験装置の画像である。
【0082】
【
図79】
図79は、大気圧に設定された、
図78に示される装置内の、比較的に高い巻密度を有する、第1の単純コイルの画像である。
【0083】
【
図80】
図80は、80水柱インチの圧力に設定された、
図78に示される装置内の、
図79に示される第1の単純コイルの画像である。
【0084】
【
図81】
図81は、大気圧に設定された、
図78に示される装置内の、比較的に低い巻密度を有する、第2の単純コイルの画像である。
【0085】
【
図82】
図82は、80水柱インチの圧力に設定された、
図78に示される装置内の、
図81に示される第2の単純コイルの画像である。
【0086】
【
図83】
図83は、大気圧に設定された、
図78に示される装置内の、本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物の画像である。
【0087】
【0088】
【
図85】
図85は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物が、肺機能を改良するためのそれらの容量に関して対照埋込物に対して試験された、生体外ヒト気腫性肺研究からの結果を示す、チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0089】
詳細な説明
上記に議論されるように、COPDを治療することに対する既存のアプローチは、非常に侵襲的であること(例えば、肺容積縮小外科手術)、大半の患者にとって効果的ではないこと(例えば、一方向ステント弁)、健康な肺組織によるガス交換に過度の影響を及ぼすこと(例えば、気管支内コイルおよびクリップ)、合併症の高いリスクを有保すること(例えば、気管支鏡下熱蒸気アブレーション)、不十分な長期的有効性を有すること(例えば、バイパス路補綴物)、および/または1つまたはそれを上回る他の主要な限界を被ることのうちのいずれかである。これらの限界を克服することは、有意な技術的課題である。下記に詳細に議論されるように、本発明者らは、従来のアプローチの欠陥のうちの少なくともいくつかに対処する、COPDを治療することに対する新しいアプローチを展開している。少なくともいくつかの場合では、これらの新しいアプローチは、気道開存性を確立し、維持することにおいて、驚くほどに効果的である。また、これは、側副換気を伴わない肺気腫患者および側副換気を伴う肺気腫患者の両方に当てはまることが予期される。本技術の少なくともいくつかの実施形態による、COPDを治療することに対するアプローチは、革新的な気管支内埋込物の使用を含む。潜在的な臨床的恩恵は別として、これらの埋込物は、従来のデバイスに対してより良好な送達能力、回収可能性、および/または安全特性を有し得る。COPDの罹患率および重症度を前提として、本技術の種々の実施形態による、革新的な気管支内埋込物およびCOPDの治療の他の側面は、世界的規模の公衆衛生に対して意義のある肯定的埋込物を有するための大きい潜在性を有する。
【0090】
本技術の少なくともいくつかの実施形態は、肺の1つまたはそれを上回る気道の閉塞および/または狭小化された部分内の開存性を確立し、維持することを対象とする。これは、肺気腫および/または慢性気管支炎と診断された患者を含む、COPDと診断された患者のための療法的恩恵を有することができる。本療法的恩恵のうちの少なくともいくつかは、他の肺部分によるガス交換のために利用可能な胸腔内容積の対応する増加に加えて、過伸張および/または罹患した肺部分からの空気の解放を促進することと関連付けられ得る。本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物は、管腔内で気道内に位置付けられ、気道壁に対して拡張され、それによって、気道を広げ、および/または拡大し、気道内腔の断面積を増加させるように構成される。少なくともいくつかの場合では、埋込物は、気道を、その正常なサイズを超えて増大させるように構成される。
【0091】
少なくともいくつかの場合では、本技術の実施形態による埋込物は、気道壁との比較的に小さい(例えば、最小限の)表面接触を有し、および/または呼吸の間に気道壁との安定した接触を維持するように構成される。本明細書に開示されるこれらおよび他の特徴は、そうではない場合にはCOPDの治療のための埋込物の効力を限定するであろう、生物学的プロセス(例えば、炎症、線維症、肉芽組織、粘液栓塞等)による、漸進的な気道遮閉を低減または排除し得る。肺の関連のある解剖学的構造および生理機能の概要、および本技術の実施形態による埋込物に関する付加的詳細が、下記に議論される。
【0092】
本技術の種々の実施形態による、デバイス、システム、および方法の多くの具体的詳細が、本明細書に開示される。これらのデバイス、システム、および方法は、主として、または完全に、COPD(時として、特に、肺気腫)を治療する文脈において開示され得るが、本明細書に開示されるものに加えて、他の文脈も、本技術の範囲内にある。例えば、説明されるデバイス、システム、および方法の好適な特徴は、他の実施例の中でも気管気管支軟化症(TBM)または良性前立腺過形成(BPH)を治療する文脈において実装されることができる。さらに、一般的に、本明細書に開示されるものに加えて、他のデバイス、システム、および方法も、本技術の範囲内であることを理解されたい。例えば、本技術の実施形態によるデバイス、システム、および方法は、本明細書に開示されるものと異なる、および/またはそれに対して付加的な構成と、構成要素と、手順とを有することができる。また、当業者は、本技術の実施形態によるデバイス、システム、および方法が、本技術から逸脱することなく、本明細書に開示される構成、構成要素、および/または手順のうちの1つまたはそれを上回るものを伴わずにあり得ることを理解するであろう。
【0093】
解剖学的構造および生理機能
図1は、対象の胸腔内のヒト対象の気管支樹の概略図である。
図1に示されるように、気管支樹は、鼻および口から下向きに延在し、左主気管支LMBおよび右主気管支RMBに分裂する、気管Tを含む。左主気管支および右主気管支はそれぞれ、分岐し、葉気管支LB、分節気管支SB、および亜分節気管支SSBを形成し、続いて、遠位に延在するにつれて、より小さい直径と、より短い長さとを有する。
図2は、隔離状態にある、気管支樹の概略図である。
図2に示されるように、亜分節気管支が、分岐し続け、細気管支BO、誘導細気管支CBO、および最終的に、肺胞を含有しない最小気道である、終末細気管支TBOを形成する。終末細気管支は、呼吸細気管支RBOに分岐し、これは、肺胞管ADに分裂する。
図3は、気管支樹の終端部分の拡大図である。
図3に示されるように、肺胞管は、肺胞嚢ASと呼ばれる肺胞Aの2つまたはそれを上回る小さい塊を含む、盲嚢部内で終端する。種々の単一の肺胞も、同様に、呼吸細気管支の長さに沿って配置されることができる。
【0094】
気管支および細気管支は、肺胞に、およびそれから空気を搬送する、誘導気道である。それらは、ガス交換には加わらない。むしろ、ガス交換は、呼吸細気管支から起始する、誘導気道の遠位に見出される肺胞内で生じる。気道の近位における分岐の程度に応じて、気管支樹の種々の気道を「世代」と称することが、一般的である。例えば、気管は、気管支樹の「世代0」と称され、左主気管支と、右主気管支とを含む、種々のレベルの気管支は、「世代1」と称され、葉気管支は、「世代2」と称され、分節気管支は、「世代3」と称される。さらに、気管から終末細気管支まで延在する、気道の任意のものを「誘導気道」と称することが、一般的である。
図4は、気管支樹の異なる部分の寸法および世代の実施例を示す、表である。
【0095】
呼吸細気管支、肺胞、および肺胞嚢は、気管支樹のより近位部分を介して空気を受容し、ガス交換に関与し、心臓から肺動脈、分岐血管、および毛細血管を介して肺に送流される血液を酸素化する。薄い半浸透性膜が、肺胞内の酸素が豊富な空気から毛細血管内の酸素が枯渇した血液を分離する。毛細血管は、肺胞の周りに巻着し、その間に延在する。空気からの酸素が、膜を通して血液の中に拡散する。血液からの二酸化炭素が、膜を通して肺胞内の空気に拡散する。新たに酸素を多く含んだ血液は、次いで、肺胞毛細血管から肺静脈系の分岐血管を通して心臓に流動する。心臓は、身体の全体を通して酸素が豊富な血液を圧送する。肺内の酸素が枯渇した空気は、横隔膜および肋間筋が弛緩し、肺および胸壁がそれらの通常の弛緩状態に弾性的に戻るときに吐出される。このように、空気は、分岐細気管支、分節気管支、葉気管支、主気管支、および気管を通して流動し、最終的に、口および鼻を通して排出される。
【0096】
図5は、正常な肺機能の間の肺容積を示す、略図である。総肺容量の約10分の1が、安静時に使用される。より多くの量が、必要に応じて(例えば、運動に伴って)使用される。1回換気量(TV)は、意識的な労力を伴うことなく気吸および気吐される、空気の体積である。正常な吸気の後に最大の労力を伴って吐出され得る、空気の付加的体積は、吸気予備量(IRV)である。正常な吐出の後に強制的に吐出され得る空気の付加的体積は、呼気予備量(ERV)である。最大吸入の後に吐出され得る空気の総体積は、肺活量(VC)である。VCは、TVと、IRVと、ERVとの和に等しい。残気量(RV)は、最大吐出の後に肺内に残存する、空気の体積である。肺は、決して完全に空にされることはできない。総肺容量(TLC)は、VCとRVとの和である。肺機能の評価は、療法に関する患者の適格性を決定し、かつ療法の効力を評価するために使用され得る。
【0097】
図6は、気管支樹の異なる部分における気道壁組成を示す、表である。
図7は、気管支樹の異なる部分における気道壁組成の解剖図である。
図6および7に示されるように、気管支、細気管支、肺胞管、および肺胞の壁は、神経と、血管と、炎症細胞とが全体を通して散在される、上皮と、結合組織と、杯細胞と、粘液腺と、クラブ細胞と、平滑筋弾性線維と、硝子軟骨とを含む。(鼻から気管支までの)上皮の大半が、一般的には呼吸上皮と呼ばれる、繊毛性偽層状円柱上皮内に被覆される。これらの上皮上に位置する繊毛は、一方向に鼓動し、粘液と、埃および細菌等の異物とをより遠位の気道からより近位の気道に、最終的に、粘液および/または異物が嚥下または痰吐出によって一掃される、喉まで移動させる。細気管支を下方に移動させることによって、細胞は、形状がより立方体状になるが、依然として、繊毛状である。
【0098】
気道壁の種々の構成要素の比率および性質は、気管支樹内の場所に応じて変動する。例えば、粘液腺は、気管および主気管支内に豊富に存在するが、細気管支(例えば、約世代10)から、存在しない状態が開始する。気管では、軟骨が、硝子軟骨のC字形状リングとして存在する一方、気管支では、軟骨は、散在されたプレートの形態をとる。分岐が気管支樹を通して継続するにつれて、壁内の硝子軟骨の量は、細気管支内で存在しなくなるまで減少する。平滑筋は、これが軟骨のC字形状リングに継合する、気管内で起始する。これは、これが完全に取り囲む、気管支および細気管支を辿って継続する。硬質軟骨の代わりに、気管支および細気管支は、弾性組織から構成される。軟骨が、減少するにつれて、平滑筋の量が、増加する。粘膜もまた、繊毛性偽層状円柱上皮から単層立方上皮に、単層扁平上皮への遷移を受ける。
【0099】
肺疾患
図8は、気腫性肺組織内の小気道狭小化を示す、解剖図である。
図9は、気腫性肺組織内の肺胞壁損傷を示す、解剖図である。
図10は、吐出の間の正常な気道開存性を示す、解剖図である。
図11は、気腫性肺組織内での吐出の間の気道虚脱を示す、解剖図である。COPD、特に、肺気腫は、小気道上に半径方向外向きの静止摩擦を維持し、吸入および吐出において有用である、弾性線維を含有する、肺胞壁の不可逆的な破壊によって特徴付けられる。
図8-11に示されるように、これらの弾性線維が、損傷されると、小気道は、もはや半径方向外向きの静止摩擦下にはなく、特に、吐出の間に虚脱する。さらに、肺気腫は、肺胞壁を破壊する。
図9に示されるように、これは、1つのより大きい空気空間をもたらし、ガス交換のために利用可能な表面積を縮小させる。肺は、したがって、満足の行くレートにおいてガス交換を実施することが不可能であり、これは、酸素化された血液の減少を引き起こす。加えて、虚脱した気道と組み合わせられた、罹患肺の大きい空気空間は、肺の過伸張(空気捕獲)および完全に吐出することができない状態をもたらす。また、過伸張された肺は、胸壁、横隔膜、および囲繞構造上に持続的圧力を印加し、これは、息切れを引き起こし、患者が短距離を歩行すること、または日常的タスクを実施することを妨げ得る。後期肺気腫を患う患者に関する生活の質および平均余命は両方とも、極めて低く、さらに5年生存する患者は、半分に満たない。
【0100】
肺気腫には、3つのタイプ、すなわち、小葉中心性、汎小葉性、および小葉周囲性が、存在する。
図12は、正常な腺房部を示す、解剖図である。
図13は、呼吸細気管支および肺胞管の壁内の肺胞の破壊を含む、中心腺房内の肺胞および気道を伴う、小葉中心性肺気腫を示す、解剖図である。
図14は、肺胞、肺胞管、および呼吸細気管支の組織の破壊によって特徴付けられる、汎小葉性肺気腫を示す、解剖図である。これは、腺房の全体を通して空気空間の非常に均一な拡大化と、腺房および二次小葉を横断した均一に分散された気腫性変化とを産生する。
図15は、主として肺胞および肺胞管の破壊から結果として生じる、腺房の周縁における増大された空気空間によって特徴付けられる、小葉周囲性肺気腫を示す、解剖図である。小葉周囲性肺気腫の分布は、通常、程度が限定され、最も一般的には、上部肺の後面に沿って生じる。これは、多くの場合、他の形態の肺気腫と共存する。
【0101】
肺気腫および関連付けられる肺胞壁破壊の進行の1つのさらなる側面は、側副換気または側副空気流として公知である、近隣肺胞間の空気流が、増加されることである。側副換気は、気管支内弁の臨床的有用性に有意に支障を来し得る。上記に議論されるように、これらの弁は、一方向の空気通路が罹患葉の無気肺を引き起こすことを可能にするように設計される。しかしながら、側副換気は、葉の伸張を引き起こし、それによって、無気肺を防止する。
【0102】
新規気管支内埋込物
本明細書に説明されるものは、重症肺気腫等の肺疾患を患う患者を治療するためのデバイス、技術、および方法である。本技術の少なくともいくつかの実施形態は、気道開存性を確立または改良するための埋込物の気管支内設置を含む。埋込物は、以前に虚脱した遠位気道等の、以前に虚脱した気道を含む、治療場所に設置されることができる。埋込物の展開は、肺の過伸張部分内に捕獲された空気を解放し、および/または肺の本部分内の空気の後続の捕獲を低減または防止することができる。少なくともいくつかの場合では、埋込物が展開される治療場所が、(遠位から近位に)呼吸細気管支、終末細気管支、誘導細気管支、細気管支、または亜分節気管支等、世代4またはより上位/より深部の気道を含み、次いで、(遠位から近位に)亜分節気管支、分節気管支、葉気管支、および主気管支等、より中心のより大きい気道(例えば、第6世代またはより近位/より下位)まで近位に延設されることが、望ましい。単一の埋込物が、遠位から近位への切目のない経路を生成し、捕獲された空気のための通路を確実に生成し得る。代替実施形態では、複数の離散埋込物が、単一のより長い埋込物の代わりに使用されることができる。複数の離散埋込物は、虚脱している、または虚脱のリスクがある気管支気道内に設置されてもよい。気管支樹内の選択された場所内での複数の離散埋込物の使用は、より少ない物質を使用し、それによって、接触応力および異物応答(上記に議論される)を低減させ、療法のさらなる柔軟性およびカスタマイズを可能にする利点を有し得る。例えば、単一の埋込物実施形態は、遠位における、より上位の世代気道から近位における、より下位の世代気道まで延設され得るのに対し、複数の離散埋込物のシステムは、同一の世代の複数の気道内での埋込物の設置を可能にし得る。
【0103】
本明細書に説明されるデバイス、システム、および方法は、可能性として考えられる最も安全かつ最も効率的様式において肺の領域から捕獲された空気を解放するために、異なる気管支肺分節に施され得る。例えば、左肺の治療は、以下の分節、すなわち、上葉(上部、すなわち、尖後部および前部、舌部、すなわち、上部および下部)と、下葉、すなわち、上部、前内底部、および側底部とのうちの一方またはそれを上回るものを伴い得る。右肺の治療は、以下の分節、すなわち、上葉、すなわち、頂点、前部、後部と、中葉、すなわち、内部、側部と、下葉、すなわち、上部、前底部、側底部とのうちの1つまたはそれを上回るものを伴い得る。本明細書に説明される治療は、単一の肺(右または左)内での単一の埋込物、各肺内での単一の埋込物、または各肺内での複数の埋込物の設置を伴い得る。特定の肺内での治療は、具体的葉(例えば、上葉)およびそのような葉内の具体的分節内に埋込物を設置することを伴い得る、または、これは、複数の葉、葉内の分節、または分節内の亜分節内での少なくとも1つの埋込物の設置を伴い得る。治療するべき肺の部分の決定は、臨床オペレータ(例えば、呼吸器科医または外科医)によって、撮像(例えば、CT、超音波、X線撮影、または気管支鏡)の助けを借りて行われ、疾患の存在および病態、および肺機能および空気流動態に及ぼす影響を査定することができる。
【0104】
図16は、拡張された非拘束状態に示される、気道内腔内に位置付けられるように構成される拡張可能デバイス100の側面図である。
図17は、デバイス100の端面図である。
図16に示されるように、デバイス100は、気道内腔内に位置付けられるように構成される、略管状構造を備えることができる。例えば、デバイス100は、デバイス100が気道内に最小の所望の直径の管腔を維持するように、気道内腔内に埋込されるように構成されてもよい。デバイス100は、第1の端部部分100aと、第1の端部部分100aに対向する、第2の端部部分100bと、第1の端部部分100aと第2の端部部分100bとの間に延在する、中心縦軸L1とを有する。本明細書で使用されるように、用語「縦方向」は、管状構成内にある間に本デバイスの管腔を通して延在する軸に沿った方向を指すことができ、用語「円周方向」は、管状構成にあるときに、縦軸に対して直交し、本デバイスの円周の周囲に延在する、軸に沿った方向を指すことができ、用語「半径方向」は、縦軸に対して直交し、縦軸に向かって、またはそれから離れるように延在する、軸に沿った方向を指すことができる。
【0105】
デバイス100は、デバイス100の縦軸L1を中心として巻回される、伸長部材102を備えることができる。いくつかの実施形態では、伸長部材102は、伸長部材102が事前設定された構成に自己拡張するように構成されるように、新規の3次元(3D)構成に熱固化される。いくつかの実施形態では、伸長部材102は、熱固化および/または自己拡張するように構成されない。例えば、伸長部材102は、バルーン拡張可能である。いくつかの実施形態では、伸長部材102は、バルーン拡張可能かつ自己拡張式である。伸長部材102は、第1の端部102aと、伸長部材102の縦軸L2に沿った、第1の端部102aに対向する、第2の端部102bとを有する。伸長部材102は、ワイヤ、コイル、管、フィラメント、単一の織合フィラメント、複数の編組フィラメント、レーザ切断シート、レーザ切断管、堆積プロセスを介して形成される薄膜、および冷間加工、屈曲、EDM、化学エッチング、水噴射等の他の好適な伸長構造および/または方法を備えることができる。伸長部材102は、ニチノール、ステンレス鋼、コバルトクロム合金(例えば、35N LT(登録商標)、MP35N(Fort Wayne Metals(Fort Wayne, Indiana))、エルジロイ、マグネシウム合金、タングステン、タンタル、白金、ロジウム、パラジウム、金、銀、またはそれらの組み合わせ、または1つまたはそれを上回るポリマー、またはポリマーと金属との組み合わせ等の材料を使用して形成されることができる。いくつかの実施形態では、伸長部材102は、異なる外側材料によって囲繞される内側材料を含む、1つまたはそれを上回る引抜充填管(「DFT」)ワイヤを含んでもよい。内側材料は、例えば、放射線不透過性材料であってもよく、外側材料は、超弾性材料であってもよい。
【0106】
図16に示されるデバイス100は、単一の伸長部材102を備えるが、デバイス100は、任意の数の伸長部材102を備えてもよい。単一のワイヤ拡張可能デバイス等の単一の伸長部材は、オペレータが一端上で伸長部材を掴持し、スコープの作業チャネルを通してそれを引動し得るため、除去および/または再度位置付けることがより容易であることができる。伸長部材は、バルーン内で拡張可能形態または自己拡張式形態のいずれかにおいて直線状に延びるであろう。
【0107】
図16を参照すると、伸長部材102は、デバイス100の縦軸L1を中心として、そのうちの4つが
図16に示され、個々に、104a-104dと標識される、一連の巻回体またはループ104に巻回されてもよい。ループ104はそれぞれ、第1の端部106と第2の端部108との間でデバイス100の縦軸L1の周囲に延在することができる。いくつかの実施形態では、ループ104は、例えば、第1のループ104aの第2の端部108が第2のループ104bの第1の端部106であるように、端間において接続される。第2の端部108は、デバイス100の縦軸L1を中心として、第1の端部106から約360度に配置されることができる。すなわち、第1および第2の端部106、108は、デバイス100の縦軸L1に対してほぼ同等の円周方向位置に配置されることができる。いくつかの実施形態では、デバイス100は、円形断面形状を有する。他の実施形態では、デバイス100は、他の好適な断面形状(例えば、楕円形、正方形、三角形、多角形、不規則形状等)を有してもよい。デバイス100の断面形状は、概して、デバイス100の長さに沿って、および/またはループ間で同一である、または変動してもよい。
【0108】
デバイス100の拡張された断面寸法は、概して、デバイス100の長さに沿って、および/またはループ間で一定である、または変動してもよい。例えば、本明細書において議論されるように、デバイス100は、気道の異なる部分に適応するように、その長さに沿った可変の断面寸法を有することができる。例えば、デバイス100は、(例えば、破壊および/または虚脱した気道の終末細気管支および/または気腫性面積内等の)気道のより遠位部分内に位置付けられるように構成される、第1の部分に沿った、第1の断面寸法と、(虚脱していない主気管支および/または別の部分内等の)より近位に位置付けられるように構成される、第2の部分に沿った、第2の断面寸法とを有することができる。第2の部分は、例えば、虚脱した遠位部分ほど気腫性ではない、および/または葉(世代2)または分節(世代3)レベルにおいて生じ得る、気道壁(好ましくは、軟骨のリングであり、プレートではない)内に軟骨を有する、気道の部分内に位置付けられるように構成されることができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、拘束されていない(すなわち、カテーテルまたは気道の拘束から除去されている)、拡張状態にある、デバイス100の拡張された断面寸法は、天然気道内腔の直径に対して増寸される。例えば、デバイス100の拡張された拘束されていない断面寸法は、これが位置付けられることが意図される、気道内腔の元の(虚脱していない)直径の少なくとも1.5倍であることができる。いくつかの実施形態では、デバイス100は、元の気道内腔の直径の約1.5倍~6倍、2倍~5倍、または2倍~3倍である、拡張された断面寸法を有する。理論に拘束されるわけではないが、気道壁を引裂することなく可能性として考えられる最大直径まで気道内腔を拡張させることが、(例えば、流出量、FEV、および他のものによって測定されるような)肺機能における最も優れた改良を提供するであろうと考えられる。
【0110】
図16に示されるように、伸長部材102は、デバイス100の縦軸L1の周囲に巻回するにつれて、その縦軸L2に沿って波状であり、(デバイス100の第2の端部部分100bにより近接した)複数の交互の頂部110と、(デバイス100の第1の端部部分100aにより近接した)谷部112とを形成してもよい。谷部112のうちの少なくともいくつかは、頂部110のうちの少なくともいくつかと異なる、デバイス100の縦軸L1に沿った場所にあることができる。加えて、または代替として、谷部112のうちの少なくともいくつかは、谷部112のうちの少なくともいくつかの他のものと異なる縦方向場所にあることができる、および/または頂部110のうちの少なくともいくつかは、頂部110のうちの少なくともいくつかの他のものと異なる縦方向場所にあることができる。
【0111】
実施例として、第1のループ104aの3つの頂部110および4つの谷部112が、個々に、頂部110a-110cおよび谷部112a-dとして標識されている。
図16および17に示されるように、巻回の方向Wにある、第1のループ104aに関して、伸長部材102は、第1のループ104aの第1の谷部112aを備える、伸長部材102の第1の端部106から、デバイス100の第2の端部部分100bに向かって第1の縦方向に沿って、第1のループ104aの第1の頂部110aまで延在する。伸長部材102は、次いで、第1の縦方向に対向する第2の縦方向に沿って、第1の頂部110aから第2の谷部112bに、第1の縦方向に沿って第2の谷部112bから第2の頂部110bに、第2の縦方向に沿って第2の頂部110bから第3の谷部112cに、第1の縦方向に沿って第3の谷部112cから第3の頂部110cに、および第2の縦方向に沿って第3の頂部110cから(第1のループ104aの第2の端部108でもある)第4の谷部112dまで延在することができる。したがって、所与のループ104の周囲で巻回の方向Wにおいて進行するとき、ループ104は、デバイス100の第1の端部部分100aからデバイス100の第2の端部部分100bまで(または逆もまた同様)一貫して進展するというよりは、むしろ、その長さのある部分に沿って、ループ104が、デバイス100の第1の端部部分100aに漸次的により近接した状態になり、その長さの他の部分に沿って、ループが、デバイス100の第2の端部部分100bに漸次的により近接した状態になるように、波状である。
【0112】
ループ104のうちの1つの第1および第2の端部106、108は、概して、円周方向に整合されてもよいが、第1および第2の端部106、108は、縦方向にオフセットされる。第1の頂部110aは、第1の谷部112aよりデバイス100の第2の端部部分100bに近接することができる。第2の谷部112bは、第1の頂部110aおよび/または第1の谷部112aよりデバイス100の第1の端部部分100aに近接することができる。第2の頂部110bは、第2の谷部112b、第1の頂部110a、および/または第1の谷部112aよりデバイス100の第2の端部部分100bに近接することができる。第3の谷部112cは、第2の頂部110bよりデバイス100の第1の端部部分100aに近接することができる、および/または第1の谷部112aおよび/または第2の谷部112bよりデバイス100の第2の端部部分100bに近接することができる。いくつかの実施形態では、第3の谷部112cは、第1の頂部110aと略縦方向に整合されることができる。第3の頂部110cは、第3の谷部112c、第2の頂部110b、第2の谷部112b、第1の頂部110a、および/または第1の谷部112aよりデバイス100の第2の端部部分100bに近接することができる。第4の谷部112dは、第3の頂部110cよりデバイス100の第1の端部部分100aに近接し、および/または第3の谷部112c、第2の谷部112b、第1の頂部110a、および/または第1の谷部112aよりデバイス100の第2の端部部分100bに近接することができる。いくつかの実施形態では、第4の谷部112dは、第2の頂部110bと略縦方向に整合されることができる。
【0113】
図16および17は、それぞれが4つの頂部110と、4つの谷部112とを有する、4つのループ104を備える、デバイス100を示すが、いくつかの実施形態では、ループ104のうちの1つまたはそれを上回るものは、より多いまたはより少ない頂部110および/またはより多いまたはより少ない谷部112を有する。例えば、いくつかの実施形態では、ループ104のうちの1つまたはそれを上回るものは、ループ104あたり1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ等の頂部110と、ループ104あたり1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ等の谷部112とを有する。ループ104は、同一または異なる数の頂部110を有してもよく、ループ104は、同一または異なる数の谷部112を有してもよい。頂部110および谷部112の隣接するものの間の円周方向距離(例えば、角度分離)は、所与のループ104内で均一または不均一であることができる。いくつかの実施形態では、頂部110および谷部112の隣接するものは、デバイス100の円周の周囲で約90度、約120度、約150度、約180度、約210度、約240度、約270度、約300度、および/または約330度離間されることができる。加えて、頂部110の振幅は、所与のループ104に沿って、および/またはループ104間で同一または異なってもよく、谷部112の振幅は、所与のループ104に沿って、および/またはループ104間で同一または異なってもよい。また、頂部110および谷部112は、同一または異なる振幅を有することができる。
【0114】
図16に示されるように、隣接する頂部110と谷部112との間の伸長部材102の部分は、線形、湾曲状、または両方であることができる。隣接する頂部110および谷部112の2つのセット間の伸長部材102の隣接する部分は、V字形状および/またはU字形状の構造を形成することができる。谷部112のうちの少なくともいくつかは、デバイス100の第2の端部部分100bに向かって凹面形であることができる、および/または頂部110のうちの少なくともいくつかは、デバイス100の第1の端部部分100aに向かって凹面形であることができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、例えば、
図16に示されるように、伸長部材102は、縦軸L1から離れるように、またはそれに向かって半径方向に実質的に延在することなく、デバイス100の円周の周囲に、および/またはデバイス100の縦軸L1に沿って延在することができる。さらに、いくつかの実施形態では、デバイス200は、デバイス200の縦軸L1に対して半径方向に波状である、伸長部材202を備えることができる。
図18に示されるように、例えば、伸長部材202は、頂部799と谷部799との間の伸長部材202の中間部分より縦軸L1に近接して位置する、頂部799および/または谷部799を形成することができる。各「V」の頂点は、伸長部材202の縦方向に延在する部分のみが気管支壁にタッチしているように、管腔の中心に向かって半径方向に内向きに屈曲されることができる。そのような構成は、ステントが気管支の壁に沿った粘液流動を妨害することを防止することができる。
【0116】
拡張の半径方向機構は、拡張可能デバイス700が容易に設計され、自己拡張およびバルーン拡張の両方によって送達されることを可能にする。
図16に示される実施例を含む、本明細書に開示されるデバイスのジグザグパターンは、単一の設計を用いて異なる直径気道に共形化するように構成されるのに対し、従来のコイルは、固定された直径である。これは、特に、経時的に漸進的な気道拡大を達成するために有利である。拡張可能デバイスは、屈曲し、弾性潜在力が、確立される、梁を介して達成される、ステント設計内に拡張潜在力を貯蔵する。バルーン拡張可能形態における拡張可能デバイスもまた、このように幾何学的に設計されると、ジグザグを直線に延々と拡張させることによってコイルを形成するような、一意の潜在力を有する。
【0117】
いくつかの実施形態では、例えば、
図19および20に示されるように、デバイス400は、相互に対して角度付けられる、2つまたはそれを上回る軸を中心として巻回される、伸長部材402を備える。
図19および20では、伸長部材402は、第1の軸A1を中心として巻回され、第1のループ404aを形成し、第2の軸A2を中心として巻回され、第2のループ404bを形成し、第1の軸A1を中心として巻回され、第3のループ404cを形成する等となる。いくつかの実施形態では、第2の軸A2は、中心縦軸である。加えて、または代替として、第1の軸A1は、第2の軸A2に対して略直交することができる。伸長部材402は、ループ404がそれぞれ開放ループを備えるように、各軸を中心として部分的に巻回されることができる。いくつかの実施形態では、伸長部材402は、ループ404の伸長部材402がそれぞれ、V字形状またはU字形状になるように巻回される。
【0118】
図21は、伸長部材502が1つまたはそれを上回るループ504を形成するように、デバイス500の縦軸L1を中心として巻回される伸長部材502を備える、拡張可能デバイス500を描写する。ループ504のうちの少なくとも1つは、第1の端部506と、第2の端部508とを備えることができる。第2の端部508は、第1の端部506と実質的に同等の円周方向位置に位置することができる。いくつかの実施形態では、例えば、
図21に示されるように、第2の端部508は、第1の端部506から縦方向に離間される。ループ504のうちの1つの第2の端部508は、接続部部分510によってループ504のうちの隣接するものの第1の端部506に接続されることができる。いくつかの実施形態では、接続部部分510は、デバイス500の円周を中心として実質的に延在することなく、デバイス500の縦軸L1に沿って延在する。
【0119】
図22は、伸長部材602が1つまたはそれを上回るループ604を形成するようにデバイス600の縦軸L1を中心として巻回される伸長部材602を備える、拡張可能デバイス600を描写する。ループ604はそれぞれ、第1の端部606と、第2の端部608とを備えることができる。
図21に示されるループ504と同様に、第1の端部606および第2の端部608は、略円周方向に整合されることができる。しかしながら、
図22に示されるように、ループ504とは異なり、第1の端部606および第2の端部608は、ループ604が実質的に閉鎖されるように、縦方向に整合されることができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、例えば、
図21および22に示されるように、デバイスは、それぞれが同一の軸を中心として巻回される、ループを有することができる。加えて、または代替として、ループのうちの少なくともいくつかは、異なる軸を中心として巻回されることができる。例えば、
図23および24は、第1の中心縦軸L1を有する、デバイス700を描写する。デバイス700は、ループ704を形成する、伸長部材702を備える。
図23および24に示されるように、ループ704の交互のものが、明確に異なる軸を中心として巻回されることができる。例えば、第1のループ704aは、第2の縦軸L2を中心として巻回され、第2のループ704bは、第3の縦軸L3を中心として巻回され、第3のループ704cは、第2の縦軸L2を中心として巻回され、第4のループ704dは、第3の縦軸L3を中心として巻回され、第5のループ704eは、第2の縦軸L2を中心として巻回される。第2の縦軸L2および/または第3の縦軸L3は、第1の縦軸L1に対して略平行であることができる。
【0121】
本技術の種々の側面によると、拡張可能デバイスは、非平行軸を中心として巻回される、2つまたはそれを上回るループを備えることができる。例えば、
図25に示される拡張可能デバイス800は、第1の軸A1を中心として巻回され、第1のループ804aを形成する、第1の伸長部材802aを備える。デバイス800はまた、第2の軸A2を中心として巻回され、第2のループ804bを形成する、第2の伸長部材802bを備えることができる。いくつかの実施形態では、第2の軸A2は、第1の軸A1に対して略直交する。加えて、または代替として、第2の軸A2は、第1の軸A1に対して、限定ではないが、0°~90°、10°~80°、20°~70°、30°~60°、40°~50°、約0°、約5°、約10°、約20°、約30°、約40°、約50°、約60°、約70°、約80°、または約90°等の任意の好適な角度に配置されることができる。
図25に示されるように、第2のループ804bは、少なくとも部分的に、第2の伸長部材802bを巻回方向Wに沿って第2の軸A2を中心として巻回すること、第2の伸長部材802bを完全ループの状態に巻回方向Wに沿って第1の伸長部材802aを中心として巻回すること、および第2の伸長部材802bを巻回方向Wに沿って第2の軸A2を中心として巻回することによって形成されることができる。デバイス800は、第1および第2の伸長部材802a、802bが気道壁に接触し、気道内腔の最小の所望の直径を維持するように、気道内に位置付けられるように構成されることができる。
【0122】
図25に示されるように、いくつかの実施形態では、第1の軸A1に沿ったデバイス800の第1の寸法D1は、第2の軸A2に沿ったデバイス800の第2の寸法D2を上回る。第2のループ804bは、略長円形の2次元(2D)形状を有することができる一方、第1のループ804aは、略丸みを帯びた2D形状を有する。加えて、または代替として、デバイスは、実質的に類似する2D形状を有する、第1および第2のループ804a、804bを備えることができる。例えば、
図26に示されるデバイス900は、両方とも略丸みを帯びた2D形状を有する、第1および第2のループ902a、902bを備え、
図27に示されるデバイス1000は、両方とも略長円形の2D形状を有する、第1および第2のループ1002a、1002bを備える。
【0123】
図28、29、および30は、それぞれ、本技術のいくつかの実施形態に従って構成される、拡張可能デバイス1500、1600、および1700を描写する。
図28-30に示されるように、拡張可能デバイス(例えば、デバイス1500、デバイス1600、デバイス1700等)は、鞍形状を有する、1つまたはそれを上回るループを備えることができる。本デバイスが複数の鞍形状のループを備える実施形態では、ループは、端間において接続されることができる(例えば、
図29参照)、および/または重複していることができる(例えば、
図30参照)。
図28-30に示されるデバイスは、可能な限り小さい構造を伴う足場を提供するように構成される。本デバイスは、気道壁に接触し、これを開放した状態に支え、気道を支持し、空気が自由に通過することを可能にすることに役立つように構成される。
【0124】
いくつかの実施形態では、例えば、
図31および32に示されるように、本技術の拡張可能デバイスは、1つまたはそれを上回る接続部部分によって接続される、2つまたはそれを上回る支持部分を備えることができる。
図31は、接続部部分1104によって相互に接続される、第1の支持部分1102aと、第2の支持部分1102bと(集合的に、「支持部分1102」)を備える、デバイス1100を描写する。第1の支持部分1102aおよび/または第2の支持部分1102bは、
図25-27に示されるデバイス800-1000に類似することができる。例えば、
図31に示されるように、支持部分1102はそれぞれ、それぞれが略直交する軸を中心として巻回される、2つのループ1106を備えることができる。いくつかの実施形態では、接続部部分1104は、デバイス1100の中心縦軸L1に沿って延在する。支持部分1102は、気道壁に接触し、気道内腔の最小の所望の直径を維持するように構成されることができる一方、接続部部分1104は、気道壁に接触せず、デバイス1100と気道壁との間の接触に起因する、気道壁の炎症を低減させるように構成されることができる。
【0125】
図31に示されるように、いくつかの実施形態では、デバイス1100は、2つの支持部分1102と、1つの接続部部分1104とを備える。しかしながら、他の数の支持部分1102および接続部部分1104も、可能性として考えられる。例えば、
図32は、支持部分1202のうちの隣接するものが接続部部分1204によって接続される、デバイス1200の中心縦軸L1に沿って配置される4つの支持部分1202を備える、デバイス1200を描写する。
【0126】
本技術のいくつかの実施形態による拡張可能デバイスは、拡張可能デバイスが管腔の直径を増加させ、それによって、気道を通したガスの輸送を促進および/または改良するように、気道の管腔内に位置付けられるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、拡張可能デバイスは、虚脱、狭小化、または別様に直径が縮小された、気道内腔内に位置付けられることができる。本技術の拡張可能デバイスは、気道壁による拡張可能デバイスの圧縮に抵抗する、半径方向抵抗力(RRF)および/または拡張可能デバイスによって気道壁に印加される、慢性的な外向き力(COF)を有することができる。拡張可能デバイスのRRFおよび/またはCOFは、拡張可能デバイスが気道内腔の最小の所望の直径を維持するように構成されるように、有意な大きさであることができる。本技術の拡張可能デバイスおよび/またはその1つまたはそれを上回る部分は、解剖学的通過経路、気道内腔、または脈管内に位置付けられ、通過経路および/または別の医療デバイスに支持を提供し、および/または通過経路の生物組織を修正するように構成される、ステント、編組部、メッシュ、織物、ファブリック、コイル、管、弁、および/または別の好適なデバイスを備えることができる。
【0127】
ある用途では、拡張可能デバイスが通過経路の壁の大きい表面積に接触するように構成されることが、望ましくあり得る。例えば、冠状動脈ステントは、多くの場合、ステントが、患者の冠状動脈の壁の大きい表面積に接触するように構成されるように設計される。そのような設計は、拡張可能デバイスと患者の血液との間の相互作用と関連付けられる、有害転帰(例えば、拡張可能デバイス血栓形成、ネオアテローム性動脈硬化症等)を防止または限定するために、血管内に位置付けられるように構成される拡張可能デバイスにとって有利であり得る。しかしながら、気道は、血液ではなく、空気を輸送するように構成されるため、気道内の凝固のリスクは、存在しない。また、凝固は、気道内ではリスクではないが、余剰肉芽組織が、拡張可能デバイスと気道壁との間の接触および/または相対運動に起因して、気道内に形成し得る。そのような余剰肉芽組織は、気道内腔を狭小化し、気道を通したガス輸送を阻止し得る。したがって、気道内に位置付けられるように構成される拡張可能デバイスが、気道内腔のより小さい表面積に接触し、肉芽組織形成を防止または限定し、気道からの粘液クリアランスを促進すること等を行うように構成されることは、有利であり得る。
【0128】
図33は、拡張可能デバイス2000が気道内腔の最小の所望の直径を維持するように気道の管腔内に位置付けられるように構成される、拡張可能デバイス2000を描写する。
図33に描写される拡張可能デバイス2000は、デバイス2000が気道内腔内に位置付けられると、従来のステントと比較して気道壁のより小さい面積に接触するように構成されることができる。
図33に示されるように、拡張可能デバイス2000は、第1の端部部分2000aと、第2の端部部分2000bと、第1の端部部分2000aと第2の端部部分2000bとの間に延在する、縦方向寸法L1とを備えることができる。拡張可能デバイス2000は、1つまたはそれを上回る接続部部分2002と、1つまたはそれを上回る支持部分2004とを備えることができる。支持部分2004は、接続部部分2002に接続される、および/または接続部部分2002とモノリシックであることができる。いくつかの実施形態では、拡張可能デバイス2000は、複数の接続部部分2002と、複数の支持部分2004とを備える。加えて、または代替として、接続部部分2002のうちの少なくともいくつかが、隣接する支持部分2004間に位置付けられることができる。拡張可能デバイス2000は、同一の数の接続部分2002および支持部分2004、支持部分2004より多くの接続部分2002、または接続部分2002より多くの支持部分2004を備えることができる(例えば、
図33参照)。いくつかの実施形態では、拡張可能デバイス2000は、縦方向寸法L1を中心として巻回され得る、伸長部材2006を備える。伸長部材2006は、ワイヤ、コイル、編組部、管、および/または別の好適な伸長部材を備えることができる。拡張可能デバイス2000のそのような可撓性構築物は、拡張可能デバイス2000の縦方向の圧縮および/または伸展を可能にすることができ、これは、気道が呼吸の間に縦方向に変形するにつれて、拡張可能デバイス2000と気道壁との間の相対運動を防止または限定し得、これは、ひいては、肉芽組織形成を防止または限定することができる。
【0129】
気道内の任意の異物を伴う、肉芽組織のある程度の形成が予期されるため、拡張可能デバイスの目標が、肉芽組織の形成を排除することというよりは、むしろ、肉芽組織および/または粘液によって引き起こされる、任意の臨床的に意味のある閉塞を最小限化することであることを理解されたい。有意により小さい接触面積を伴う拡張可能デバイスが、一次気道または遠位気道の閉塞を引き起こさないであろう、限局的異物応答を被るであろうことが予想される。本限局的応答は、実際には、拡張可能デバイスの部分的または完全なカプセル化が、気道内腔のより強力な機械的補強を提供し、および/または拡張可能デバイスを係留し、気息または咳嗽に起因する移動に抵抗することに役立ち得るため、有益であり得る。
【0130】
拡張可能デバイス2000は、拡張可能デバイス2000が伸長シャフト(例えば、カテーテル等)を通した患者の気道内の治療場所への送達のために構成される、圧潰薄型状態を有することができる。加えて、または代替として、拡張可能デバイス2000は、接続部部分2002が第1の断面寸法2008aを有し、支持部分2004が第2の断面寸法2008bを有する、拡張状態を有することができる。いくつかの実施形態では、第2の断面寸法2008bは、第1の断面寸法2008aを上回る。
【0131】
これらおよび他の実施形態では、拡張可能デバイス2000は、支持部分2004が気道壁に接触し、接続部部分2002が気道壁に接触しないように、気道内腔内に位置付けられるように構成されることができる。支持部分2004のみが気道壁に接触するように構成される、実施形態では、縦方向変形に起因して拡張可能デバイス2000によって気道壁に印加される摩擦が、支持部分2004の長さに限定され、それによって、より大きい被覆面積を伴う拡張可能デバイスに対する肉芽組織形成のリスクを低減させるであろう。いくつかの実施形態では、拡張可能デバイス2000は、接続部部分2002および支持部分2004が両方とも、気道壁に接触するように、気道内腔内に位置付けられるように構成されることができる。拡張可能デバイス2000が、気道内腔内に位置付けられると、支持部分2004は、少なくとも支持部分2004において、気道内腔の最小の所望の直径が維持されるように、気道壁による圧縮に抵抗し、および/または半径方向に外向きの力を気道壁に印加するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第2の断面寸法2008bは、気道内腔の最小の所望の直径に実質的に対応することができる。
【0132】
気道内腔の最小の所望の直径は、気道を通した空気流に関する所望の容量に基づくことができる。いくつかの実施形態では、気道内腔の最小の所望の直径は、少なくとも部分的に、健康な患者内の対応する気道の管腔の公称直径に基づく。いくつかの実施形態では、公称直径は、類似の人口統計(例えば、性別、年齢、人種等)の健康な患者から取得される測定値に基づく。加えて、または代替として、気道内腔の最小の所望の直径は、少なくとも部分的に、具体的患者内の1つまたはそれを上回る気道内腔の直径に基づくことができる。いくつかの実施形態では、気道の最小の所望の直径は、少なくとも、対応する世代の健康な気道の管腔の直径と同程度に大きい。気道内腔の最小の所望の直径は、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、約20mm、約21mm、約22mm、約23mm、約24mm、または約25mmであることができる。いくつかの実施形態では、気道の最小の所望の直径は、少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、少なくとも0.3mm、少なくとも0.4mm、少なくとも0.5mm、少なくとも0.6mm、少なくとも0.7mm、少なくとも0.8mm、少なくとも0.9mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm、少なくとも9mm、少なくとも10mm、少なくとも11mm、少なくとも12mm、少なくとも13mm、少なくとも14mm、少なくとも15mm、少なくとも16mm、少なくとも17mm、少なくとも18mm、少なくとも19mm、少なくとも20mm、少なくとも21mm、少なくとも22mm、少なくとも23mm、少なくとも24mm、または少なくとも25mmである。
【0133】
気道を通した空気流抵抗は、気道内腔の半径の4乗の逆数に比例するため、気道内腔の直径のわずかな増加も、気道の空気流容量を有意に改良することができる。また、患者は、極端に高い空気流抵抗を有する、複数の虚脱した気道を有し得るため、本技術の拡張可能デバイスを用いて治療される気道が、複数の機能していない気道を補償するために十分な空気流容量を有することが有利であり得る。したがって、拡張可能デバイス2000が、対応する健康な気道の管腔の公称直径を上回る、気道内腔の直径を維持するように構成されることが有利であり得る。故に、第2の断面寸法2008bは、少なくとも、そのような公称直径と同程度に大きくあることができる。例えば、第2の断面寸法2008bは、公称直径より約0.1mm大きい、公称直径より約0.5mm大きい、公称直径より約1mm大きい、公称直径より約1.5mm大きい、公称直径より約2mm大きい、公称直径より約2.5mm大きい、公称直径より約3mm大きい、またはそれを上回ることができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、気道の最小の所望の直径は、少なくとも部分的に、所望の機能的尺度および/または転帰尺度および/もしくは機能的または転帰尺度の所望の変化に基づくことができる。そのような機能的および転帰尺度は、限定ではないが、強制肺活量(FVC)、1秒間強制呼気量(FEV1)、6秒間強制呼気量(FEV6)、機能的残気容量(FRC)、総肺容量(TLC)、残気量(RV)、一酸化炭素に対する肺の拡散容量(DL,CO)、(Pa,O2)、動脈血酸素飽和度(Sp,O2)、健康に関連した生活の質(HRQoL)、他の関連のある機能的および/または転帰尺度、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、最小の所望の直径が機能的尺度および/または転帰尺度の望ましいおよび/または十分な改良と関連付けられる場合、気道内腔の最小の所望の直径が、対応する健康な気道内腔の公称直径未満であることが、容認可能であり得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、呼気流量および肺機能の改良を確認するために、拡張可能デバイスの投与の前、間、および/または後に、気道内で空気流診断測定を実施することが、有益であり得る。肺活量測定のような従来の肺機能試験は、拡張可能デバイスを施すための手技から別個に施されることができる、または介入的診断が、気管支の空気流および圧力を測定するために周術期的に施されることができる(例えば、Chartis(登録商標)肺査定システム)。これらの試験から取得されるデータは、初期の治療に関連する決定と、施される治療の妥当性と、さらなる治療が要求される場合、付加的な拡張可能デバイスの程度および場所とを通知することに役立つことができる。
【0136】
本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物は、複数の気道世代を横断して設置されるように構成される。これらの埋込物は、異なる軸方向領域において同一または異なる性質を有することができる。本技術の少なくともいくつかの実施形態による拡張可能デバイスは、それぞれが、これが常駐することを意図している気道の特定の部分に合わせて調整される、拡張された断面寸法、フープ強度、長さ、および/または可撓性を有する、複数の治療区域を備える。再び
図33を参照すると、拡張可能デバイス2000は、これが複数の世代に跨架し、近位気道が遠位気道に分岐する、1つまたはそれを上回る2分岐点と交わるように、患者の気道内に位置付けられることができる。そのような実施形態では、拡張可能デバイス2000によって跨架される、各世代内の第1の気道分岐部の離散領域が、離散支持部分2004によって支持され得る。接続部部分2002は、気道の世代間の2分岐点に跨架するように設計されることができる。したがって、いくつかの実施形態では、接続部部分2002は、デバイス2000を通した、デバイス2000を含有しない、各世代内の第2の気道分岐部の中への空気、粘液等の通過を可能にするように構成されることができる。デバイス2000および本明細書に開示されるデバイスのうちのいずれかに関して、最小限主義的設計(および低ワイヤゲージ)は、特に、遠位気道への付属品開口部を阻塞し、それに関する遮閉リスクを生成しないように有利である。
【0137】
図34は、本技術のいくつかの実施形態による、拡張可能デバイス2100を描写する。拡張可能デバイス2100は、下記に詳述されるようなものを除いて、本明細書に開示される拡張可能デバイスのうちのいずれかに類似することができる。拡張可能デバイス2100は、第1の端部部分2100aと、第2の端部部分2100bと、第1の端部部分2100aと第2の端部部分2100bとの間に延在する、縦方向寸法L2とを備えることができる。拡張可能デバイス2100は、1つまたはそれを上回る接続部部分2102と、接続部部分2102に接続される、1つまたはそれを上回る支持部分2104とを備えることができる。いくつかの実施形態では、接続部部分2102は、第1の半径方向寸法2106aを有することができ、支持部分2104は、第2の半径方向寸法2106bを有する。第2の半径方向寸法2106bは、第1の半径方向寸法2106aより大きくあることができる。
【0138】
図34に示されるように、拡張可能デバイス2100は、交互の接続部部分2102と、支持部分2104とを備えることができる。拡張可能デバイス2100は、同一の数の接続部部分2102および支持部分2104(
図34参照)、支持部分2104より多くの接続部部分2102、または接続部部分2102より多くの支持部分2104を備えることができる。いくつかの実施形態では、例えば、
図34に示されるように、拡張可能デバイス2100の第1の端部部分2100aは、接続部部分2102を備える一方、拡張可能デバイス2100の第2の端部部分2100bは、支持部分2104を備える。第1の端部部分2100aは、接続部部分2102または支持部分2104を備えることができ、第2の端部部分2100bは、接続部部分2102または支持部分2104を備えることができる。
【0139】
拡張可能デバイス2100の接続部部分2102は、伸長部材2108が、可撓性を呈し、呼吸の間に気道を伴う拡張可能デバイス2100の移動を促進し、肉芽組織形成を防止または限定するように構成される、伸長部材2108を備えることができる。例えば、
図34に示されるように、伸長部材2108は、コイルを備えることができる。加えて、または代替として、伸長部材は、ワイヤ、管、編組部、骨組、フィラメント等を含むことができる。いくつかの実施形態では、支持部分2104のうちの1つまたはそれを上回るものは、固着部材2110と、1つまたはそれを上回る支持部材2112とを備えることができる。固着部材2110は、支持部材2112を接続部分2102のうちの1つまたはそれを上回るものに固着させるように構成されることができる。例えば、固着部材2110は、管腔を画定する側壁を有することができ(例えば、固着部材2110は、管状等であることができる)、固着部材2110の管腔は、伸長部材2108を受容するように構成されることができる。固着部材2110は、伸長部材2108に溶接、圧着、糊着、接着、螺合、融解、または別様に固着されることができる。支持部材2112は、固着部材2110に溶接、圧着、糊着、接着、螺合、融解、または別様に固着されることができる。いくつかの実施形態では、支持部材2112は、固着部材2110とモノリシックである。加えて、または代替として、支持部材2112は、伸長部材2108に直接固着されることができる。これらおよび他の実施形態では、拡張可能デバイス2100の支持部分2104のうちの1つまたはそれを上回るものは、固着部材2110を含まない場合がある。
【0140】
支持部分2104のうちの1つまたはそれを上回るものは、1つまたはそれを上回る支持部材2112、例えば、1つの支持部材2112、2つの支持部材2112、3つの支持部材2112(
図34参照)、4つの支持部材2112、5つの支持部材2112、6つの支持部材2112、7つの支持部材2112、8つの支持部材2112、9つの支持部材2112、10個の支持部材2112、またはより多くの支持部材2112を備えることができる。1つの支持部分2104の支持部材2112は、拡張可能デバイス2100の円周の周囲に均一に離間されることができる、または1つの支持部分2104の支持部材2112は、拡張可能デバイス2100の円周の周囲に非均一に離間されることができる。加えて、または代替として、支持部分2104のうちの1つの支持部材2112は、支持部分2104のうちの別の1つの支持部材2112に対して円周方向に整合される、または円周方向にオフセットされることができる。
【0141】
図34に示されるように、支持部材2112は、拡張可能デバイス2100が気道内腔内に位置付けられると、支持部材2112が気道壁に接触し、気道内腔の直径を維持するように、接続部部分2102に対して半径方向に外向きに突出することができる。いくつかの実施形態では、支持部材2112のうちの1つまたはそれを上回るものは、略弓形、円形、楕円形、長円形、球状、長方形、または別の好適な形状である、形状を有する。支持部材2112のうちの1つまたはそれを上回るものは、略1次元(1D)、2次元(2D)、または3次元(3D)形状を備えることができる。
【0142】
支持部材2112は、ワイヤ、コイル、シート、管、堆積材料、および/または別の好適な素材材料から形成されることができる。例えば、
図34に示されるように、支持部材2112はそれぞれ、所望の形状に屈曲されている、ワイヤを含むことができる。加えて、または代替として、支持部材2112は、付加製造(例えば、3D印刷、薄膜堆積等)および/または除去製造(例えば、CNCフライス、機械加工、レーザ切断、水エッチング等)を介して形成されることができる。
【0143】
図35および36は、本技術の種々の実施形態による、拡張可能デバイス2200を描写する。拡張可能デバイス2200は、下記に説明されるようなものを除いては、本明細書に説明される拡張可能デバイス(例えば、拡張可能デバイス2000、2100等)のいずれかに類似することができる。拡張可能デバイス2200は、第1の端部部分2200aと、第2の端部部分2200bと、第1の端部部分2200aと第2の端部部分2200bとの間に延在する、縦方向寸法L3とを備えることができる。拡張可能デバイス2200は、接続部部分2202と、1つまたはそれを上回る支持部分2204とを備えることができる。
図35および36に示されるように、接続部部分2202は、第1の半径方向寸法2206aを有することができ、支持部分2204は、第1の半径方向寸法2206aより小さい、それと同等である、またはそれより大きくあり得る、第2の半径方向寸法2206bを有することができる。接続部部分2202は、ハイポチューブ、コイル、編組部、メッシュ、ワイヤ、および/または別の好適な構造を含み得る、伸長部材2208を備えることができる。例えば、
図35および36に示されるように、いくつかの実施形態では、伸長部材2208は、少なくとも部分的に、ハイポチューブの側壁を通して延在する1つまたはそれを上回る開口部2210を画定する、ハイポチューブを含む。開口部2210は、伸長部材2208の可撓性を増加させることができ、これは、蛇行性の気道を通した拡張可能デバイス2200の通行を促進することができる。開口部2210は、デバイス2200の縦方向寸法L3に沿って均一および/または非均一に定寸、成形、離間されることができる、および/または伸長部材2208の円周の周囲で離間されることができる。
【0144】
デバイス2200の支持部分2204は、1つまたはそれを上回る支持部材2212を備えることができる。いくつかの実施形態では、例えば、
図35に示されるように、支持部材2212は、伸長部材2208に直接固着されることができる。支持部材2212は、開口部2210間の伸長部材2208の側壁に固着されることができる。故に、伸長部材2208の円周および/または伸長部材2208の縦方向寸法L3を中心とした支持部材2212の分布は、少なくとも部分的に、開口部2210の対応する分布に基づくことができる。種々の実施形態では、支持部材2212は、伸長部材2208に溶接、圧着、糊着、接着、融解、締結、螺合、または別様に固着されることができる。
【0145】
本技術の拡張可能デバイスの1つまたはそれを上回るパラメータが、少なくとも部分的に、本デバイスがその中に位置付けられるように構成される、気道の性質に基づくことが有益であり得る。例えば、拡張可能デバイスの剛度が、気道の剛度に対応し、本デバイスと気道との間の相対運動に起因する肉芽組織形成を防止または限定することが、望ましくあり得る。また、患者の過伸張された実質組織内に捕獲された空気の気道を介した患者の身体から外への輸送を促進するために、本技術の拡張可能デバイスが、拡張可能デバイスが埋込されると複数の気道世代に跨架するように構成されることが、有利であり得る。しかしながら、これは、呼吸器系の機械的および生物学的性質が、近位の実質外気道(例えば、気管、主気管支等)から遠位の実質内気道(例えば、細気管支等)まで可変であるため、いくつかの技術的課題を提示する。例えば、近位気道の壁は、軟骨を含有し、内部的に支持されるが、気道壁内の硝子軟骨の量は、近位から遠位に減少する。結果として、遠位の実質内気道は、非常に応柔性であり、これらの気道の拡張および収縮は、気道に繋留される、肺胞の付着によって制御される。上記に記載される設計目的を遂行し、上記に記載される課題を克服するために、本技術のいくつかの実施形態に従って構成される拡張可能デバイスは、拡張可能デバイスの長さに沿って変動する、1つまたはそれを上回るパラメータを有することができる。
【0146】
本技術の拡張可能デバイスは、少なくとも部分的に、患者の気道の一部の機械的性質に基づく剛度を有する、少なくとも1つの領域を有することができる。例えば、遠位気道は、上気道より応柔性であるため、低COFおよび/またはRRFが、遠位気道内腔の所望の最小直径を維持するために十分であり得る。加えて、または代替として、拡張可能デバイスの領域の剛度が、本デバイスと気道との間の肉芽組織形成摩擦を防止または限定するために、少なくとも部分的に、気道剛度に基づくことが、有利であり得る。例えば、気道は、典型的には、剛度が近位から遠位気道まで減少するため、拡張可能デバイスもまた、その長さに沿って減少する剛度を有することが有利であり得る。いくつかの実施形態では、実質内気道内に位置付けられるように構成される拡張可能デバイスの遠位端は、実質外気道内に位置付けられるように構成される拡張可能デバイスの近位端より低い剛度を有することができる。いくつかの実施形態では、実質内気道内に位置付けられるように構成される拡張可能デバイスの近位端は、実質外気道内に位置付けられるように構成される拡張可能デバイスの遠位端より低い剛度を有することができる。
【0147】
いくつかの実施形態では、拡張可能デバイスまたはその1つまたはそれを上回る部分は、ワイヤを含むことができる(例えば、
図33および34参照)。そのような実施形態では、本デバイスの剛度は、少なくとも部分的に、ワイヤの太さに基づくことができる。例えば、
図37に示されるように、ワイヤ2300は、ワイヤ2300の縦方向寸法L4に沿った、第1の端部部分2300aと、第1の端部部分2300aに対向する第2の端部部分2300bとを有することができる。第1の端部部分2300aは、近位端部分または遠位端部分であることができる。ワイヤ2300は、第1の端部部分2300aにおける、第1の太さ2302aと、第2の端部部分2300bにおける、第2の太さ2302bとを有することができる。いくつかの実施形態では、第1の太さ2302aは、第2の太さ2302bを上回ることができる。加えて、または代替として、
図37に示されるように、ワイヤ2300は、縦方向寸法L4に沿ってテーパ状であることができる。
【0148】
図37に示されるように、ワイヤ2300は、線形または非線形にテーパ状であることができる。加えて、または代替として、拡張可能デバイスは、明確に異なる太さの1つまたはそれを上回る領域を有する、ワイヤを含むことができる。例えば、
図38は、ワイヤ2400の縦方向寸法L5に沿って順次配列される、第1の領域2402aと、第2の領域2402bと、第3の領域2402aと(集合的に、「領域2402」)を有する、ワイヤ2400を描写する。
図38は、3つの領域2402を描写するが、ワイヤ2400は、1つの領域2402、2つの領域2402、3つの領域2402、4つの領域2402、5つの領域2402、6つの領域2402、7つの領域2402、8つの領域2402、9つの領域2402、10の領域2402、15の領域2402、20の領域2402、またはより多くの領域2402を有することができる。
図38に示されるように、第1の領域2402aは、第1の太さ2404aを有することができる、第2の領域2402bは、第2の太さ2404bを有することができる、および/または第3の領域2402cは、第3の太さ2404cを有することができる。
【0149】
いくつかの実施形態では、
図38に示されるワイヤ2400の第1の太さ2404a、第2の太さ2404b、および/または第3の太さ2404cは、異なる。例えば、
図38に示されるように、第1の太さ2404aは、第2の太さ2402bおよび/または第3の太さ2404cを上回ることができる。いくつかの実施形態では、第2の太さ2404bは、第3の太さ2404cを上回る。故に、第1の端部部分2400aは、第2の端部部分2404bより剛性であることができる。第1の領域2402aが近位気道内に位置付けられるように構成され、第3の領域2402cが遠位気道内に位置付けられるように構成される、実施形態では、ワイヤ2400を含む拡張可能デバイスは、気道の剛度勾配をより密接に模倣する、剛度勾配を有することができる。
【0150】
いくつかの実施形態では、ワイヤ2400は、明確に異なる太さの領域2402間に1つまたはそれを上回る遷移領域2406を備える。例えば、
図38に示されるように、ワイヤ2400は、第1の領域2402aと第2の領域2402bとの間の第1の遷移領域2406aと、第2の領域2402bと第3の領域2402cとの間の第2の遷移領域2406bとを備えることができる。いくつかの実施形態では、ワイヤ2400の太さは、遷移領域2406のうちの少なくとも1つの長さを横断して変化することができる(
図38参照)。太さは、遷移領域2406の長さに沿って線形または非線形に変化することができる。いくつかの実施形態では、遷移領域2406のうちの1つまたはそれを上回るものが、ワイヤ2400の太さが段階的様式において増加するように省略されてもよい。
【0151】
いくつかの実施形態では、本技術の拡張可能デバイスは、管状の伸長部材を備えることができる。例えば、
図35および36に関して前述に説明されるように、拡張可能デバイス2200は、伸長部材を備える、接続部部分2202を備えることができ、いくつかの実施形態では、伸長部材は、ハイポチューブを含んでもよい。いくつかの実施形態では、拡張可能デバイスの剛度は、少なくとも部分的に、伸長部材の1つまたはそれを上回るパラメータに基づくことができる。下記に詳述されるように、そのようなパラメータは、伸長部材の側壁の厚さ、伸長部材の管腔の直径、伸長部材の支柱の幅、伸長部材の材料性質、または別の関連のあるパラメータを含むことができる。
【0152】
図39は、本技術の拡張可能デバイスまたはその1つまたはそれを上回る部分を形成するために使用され得る、伸長部材2500の断面図である。伸長部材2500は、伸長部材2500の管腔2504を画定する、側壁2502を備えることができる。
図39に示されるように、いくつかの実施形態では、伸長部材2500の第1の端部部分2500aにおける管腔2504の直径2506aは、伸長部材2500の第2の端部部分2500bにおける管腔2504の直径2506bより小さくあることができる。結果として、第1の端部部分2500aにおける側壁2502の第1の厚さ2508aは、第2の端部部分2500bにおける側壁2502の第2の厚さ2508bを上回ることができる。
図39に示されるように、第1および第2の厚さ2508a、2508bは、伸長部材2500の管腔表面2510と側壁2502の反管腔側表面2512との間に画定されることができる。そのような実施形態では、伸長部材2500の第1の端部部分2500aは、第2の端部部分2500bより剛性であることができる。
図39に示されるように、側壁2502の厚さは、伸長部材2500の縦方向寸法L6にわたって連続的に減少することができる(例えば、管腔2504の直径が、増加することができる)。加えて、または代替として、側壁2502の厚さは、(例えば、
図38の明確に異なる厚さの領域を伴うワイヤを参照して説明されるように)離散ステップにおいて、伸長部材2500の縦方向寸法L6に沿って変動することができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、拡張可能デバイスは、伸長部材の側壁を通して延在する1つまたはそれを上回る開口部を画定する、伸長部材を備えることができる(例えば、
図35および36参照)。伸長部材は、開口部間に位置する側壁の一部を備える、形成された1つまたはそれを上回る支柱を備えることができる。種々の実施形態によると、そのような拡張可能デバイスの剛度は、少なくとも部分的に、支柱の幅に基づくことができる。例えば、いくつかの実施形態では、拡張可能デバイスの第1の端部部分が、拡張可能デバイスの第2の端部部分より高い剛度、したがって、大きい支柱幅を有することが有利であり得る。
図40および41は、伸長部材2600の管腔2604を画定する側壁2602を有する、伸長部材2600を描写する。具体的には、
図40は、伸長部材2600の第1の端部2600aの端面図であり、
図41は、伸長部材2600の第2の端部2600bの端面図である。第1の端部2600aは、伸長部材2600の近位端および/または遠位端であることができる。
図40に示されるように、伸長部材2600の第1の支柱2602aは、第1の支柱2602aの第1の円周方向表面2608aと第2の円周方向表面2610aとの間に第1の幅2606aを有することができる。伸長部材2600の第2の支柱2602bは、第2の支柱2602bの第1の円周方向表面2608bと第2の円周方向表面2610bとの間に第2の幅2606bを有することができる。
【0154】
本技術の拡張可能デバイスの直径が、少なくとも部分的に、拡張可能デバイスがその中に位置付けられるように構成される、気道の直径に基づくことが有利であり得る。気道の直径に基づいて拡張可能デバイスの直径を定寸することは、本デバイスの係留および保定を促進する、余剰歪みに起因する、気道壁内の損傷を限定する、肉芽組織形成を限定し、および/または機能的および臨床的転帰を改良することができる。故に、いくつかの実施形態では、本技術の拡張可能デバイスは、少なくとも部分的に、本デバイスが位置付けられるように構成される、気道の1つまたはそれを上回る直径に基づく、直径を有することができる。しかしながら、剛度と同様に、気道の直径は、近位から遠位に変動する。気管は、成人において約10mm~約25mmの公称直径を有するが、最小遠位気道は、1mm未満の直径を有する。したがって、いくつかの実施形態では、拡張可能デバイスの直径は、拡張可能デバイスの長さに沿って変動してもよい。
【0155】
図42は、本技術のいくつかの実施形態に従って構成される、拡張可能デバイス2700を描写する。拡張可能デバイス2700は、デバイス2700の縦方向寸法L8に沿った、第1の端部部分2700aと、第1の端部部分2700aに対向する第2の端部部分2700bとを有することができる。
図42に示されるように、いくつかの実施形態では、第1の端部部分2700aにおける拡張可能デバイス2700の第1の半径方向寸法2702aは、第2の端部部分2700bにおける拡張可能デバイス2700の第2の半径方向寸法2702bを上回る。いくつかの実施形態では、デバイス2700の半径方向寸法は、縦方向寸法L8に沿って線形に変化することができる(
図42参照)。加えて、または代替として、デバイス2700の半径方向寸法は、デバイス2700の縦方向寸法L8に沿って、指数関数的様式、放物線的様式、段階的様式、および/または別の好適な様式において変化することができる。
【0156】
図43は、デバイス2800の縦方向寸法L9に沿った、第1の端部部分2800aと、第1の端部部分2800aに対向する第2の端部部分2800bとを有する、拡張可能デバイス2800を描写する。拡張可能デバイス2800は、下記に詳述されるようなものを除いて、本明細書に開示される拡張可能デバイスのうちのいずれかに類似することができる。
図43に示されるように、いくつかの実施形態では、拡張可能デバイス2800の半径方向寸法2802は、縦方向寸法L9に沿って変動することができる。例えば、半径方向寸法2802は、第1の端部部分2800aにおいて、第2の端部部分2800bにおけるものを上回ることができる。いくつかの実施形態では、拡張可能デバイス2800は、デバイス2800を中心として円周方向に延在する、ループ2806を形成するように、縦方向寸法L9を中心として巻回される、伸長部材2804を備える。例えば、
図43に示されるように、拡張可能デバイス2800は、縦方向寸法L9に沿って順次配列される、第1のループ2806aと、第2のループ2806bと、第3のループ2806cと、第4のループ2806dと、第5のループ2806eとを備えることができる。
【0157】
いくつかの実施形態では、デバイス2800の半径方向寸法2802は、ループ2806のうちの1つまたはそれを上回るものにおいて変動することができる。
図43では、第1のループ2806aにおける半径方向寸法2802は、第5のループ2806eにおける半径方向寸法2802を上回る、第4のループ2806dにおける半径方向寸法2802を上回る、第3のループ2806cにおける半径方向寸法2802を上回る、第2のループ2806bにおける半径方向寸法2802を上回る。故に、半径方向寸法2802は、デバイス2800の第1の端部部分2800aからデバイス2800の第2の端部部分2800bまで減少することができる。加えて、または代替として、半径方向寸法2802は、デバイス2800の第1の端部部分2800aからデバイス2800の第2の端部部分2800bまで増加することができる。種々の実施形態では、ループ2806のうちのいずれか1つにおける半径方向寸法2802は、任意の他の1つまたはそれを上回るループ2806における半径方向寸法2802を上回ることができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、隣接するループ2806における半径方向寸法2802間の差異のうちの少なくともいくつかは、同一であることができる(例えば、第1のループ2806aにおける半径方向寸法2802と第2のループ2806bにおける半径方向寸法2802との間の差異は、第2のループ2806bにおける半径方向寸法2802と第3のループ2806cにおける半径方向寸法2802との間の差異と同一である)。加えて、または代替として、隣接するループ2806における半径方向寸法2802間の差異のうちの少なくともいくつかは、異なることができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、例えば、
図43に示されるように、縦方向寸法L9に沿ったループ2806のそれぞれの間の距離2808は、実質的に同一であることができる。しかしながら、気道の近位および/または遠位にある、一方の気道の長さは、他方の気道の長さと異なってもよい(例えば、遠位気道は、近位気道より短くてもよい等である)。したがって、本技術の拡張可能デバイスが、少なくとも部分的に、1つまたはそれを上回る気道の長さに基づく設計を有することが有益であり得る。
図44は、そのような拡張可能デバイス2900のある実施例を示す。拡張可能デバイス2900は、下記に詳述されるようなものを除いて、本明細書に開示される拡張可能デバイスのうちのいずれかに類似することができる。例えば、拡張可能デバイス2900は、デバイス2900の縦方向寸法L10に沿った、第1の端部部分2900aと、第1の端部部分2900aに対向する第2の端部部分2900bとを備えることができる。第1の端部部分2000aは、近位端部分または遠位端部分を備えることができる。拡張可能デバイス2900は、ループ2904を形成するように、縦方向寸法L10を中心として巻回される、伸長部材2902を備えることができる。例えば、
図44に示されるように、デバイス2900は、縦方向寸法L10に沿って順次配列される、第1のループ2904a、第2のループ2904b、第3のループ2904c、第4のループ2904d、第5のループ2904e、および/または第6のループ2904fを備えることができる。
【0160】
ループ2904のうちの隣接するものは、距離2906に従って離間されることができる。例えば、第1および第2のループ2904a、2904bは、第1の距離2906aに従って離間されることができる、第2および第3のループ2904b、2904cは、第2の距離2906bに従って離間されることができる、第3および第4のループ2904c、2904dは、第3の距離2906cに従って離間されることができる、第4および第5のループ2904d、2904eは、第4の距離2906dに従って離間されることができる、および/または第5および第6のループ2904e、2904fは、第5の距離2906eに従って離間されることができる。ループ2806間の距離2808が同一の大きさを有する、
図43に描写されるデバイス2800と対照的に、デバイス2900は、異なる大きさを有する距離2906のうちの少なくとも2つを備えることができる(例えば、第1の距離2906aは、第2の距離2906bと異なる大きさを有し、第3の距離2906bは、第5の距離2906eと異なる大きさを有する等となる)。距離2906は、本デバイスの第1の端部部分2900aから本デバイスの第2の端部部分2900bまで減少することができる(
図44参照)、または逆もまた同様である。いくつかの実施形態では、距離2906は、縦方向寸法L10に沿って同一の方向において変化しない(例えば、第2の距離2906bは、第1および第3の距離2906a、2906cの両方を上回ることができる)。距離2906は、縦方向寸法L10に沿って線形または非線形に変化することができる。
【0161】
図45は、デバイス3000の縦軸L1を中心として巻回される、第1の伸長部材3002aと、第2の伸長部材3002bと(集合的に、「伸長部材3002」)を備える、拡張可能デバイス3000を描写する。
図45に示されるように、伸長部材3002は、同一の螺旋状の巻回方向Wを有することができる。いくつかの実施形態では、第1の伸長部材3002aは、伸長部材3002が縦軸L1を中心として巻回するにつれて、伸長部材3002が重複しないように、第2の伸長部材3002bと異なる円周方向位置から始まることができる。
【0162】
上記に説明される実施形態のうちのいずれかでは、薬物送達技術、特徴、およびそのような薬物送達が存在しない場合に遮閉をもたらし得る積極的な異物応答に対向するための能力を組み込むことが、有益であり得る。気道バイパス手技のためのExhaleステントの開発に携わる、Broncus Technologiesは、地金ステントおよびパクリタキセル溶出ステントを開発した。25匹のイヌにおける研究は、地金ステントの開存性の急激な喪失と、パクリタキセル溶出ステントでの開存性の維持を実証した。しかしながら、200人超の患者における後続のヒトの臨床研究は、肺機能における急速改善が、30日も存続されず、ステント遮閉が障害の主因として疑われたことを示した。故に、より革新的な薬物送達システムを保有する拡張可能デバイスが、有益であり得る。
【0163】
本明細書において説明される埋込物および拡張可能デバイスのうちのいずれについても、療法的恩恵の持続時間に支障を来す、完全または部分的な遮閉をもたらし得る、局所的治癒および/または異物応答に対処するために、1つまたはそれを上回る療法薬を導入することが、有利であり得る。存続期間にわたる、制御、限局化された薬物送達のためのユーティリティが、肉芽組織および粘液の形成を先手を打って回避する、または減速させ、それによって、遮閉リスクを軽減させ得る。本ユーティリティは、気道内の治療部位に近接して投与される、担体(例えば、ポリマー、リポソーム、脂質等)と療法薬との製剤であってもよい。製剤の本投与は、本明細書に説明される治療と別個に生じ(例えば、その前または後の針注入)、一次手技(例えば、送達システム(例えば、バルーン)内に装填される製剤)に統合される、または埋込物自体の中に統合されてもよい(例えば、拡張可能デバイスが、ポリマー薬物コーティングを有する)。
【0164】
本明細書に説明される担体は、マトリクスを形成するように療法薬に接着し得る。特徴は、療法薬の制御され、存続された放出を達成するために本マトリクスの中に組み込まれてもよい。1つのそのような特徴は、そのような溶解がマトリクスの多孔性を生成し、それによって、療法薬の制御された拡散および放出を可能にするであろうように、体液によって接触されると、溶解するように構成される、放出剤である。本技術における使用のための好適な放出剤は、ポリソルベート80、ポリソルベート60、ポリソルベート40、およびポリソルベート20等のポリソルベート、モノステアリン酸ソルビタン(Span(登録商標) 60)、トリステアリン酸ソルビタン(Span(登録商標) 65)、トリオレイン酸ソルビタン(Span(登録商標) 85)、モノオレイン酸ソルビタン(Span(登録商標) 80)、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、およびトリベヘン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、モノデカン酸スクロース、モノラウリン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、およびステアリン酸スクロース等のスクロースエステル、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシル硬化ヒマシ油、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40硬化ヒマシ油、ポリオキシル40ヒマシ油、Cremophor(登録商標) RH60、およびCremophor(登録商標) RH40等のヒマシ油、Labrasol(登録商標)、Labrifil(登録商標) 1944等のポリエチレングリコールエステルグリセリド、ポロキサマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン1800、ポリオキシル20ステアリルエーテル、ジエチレングリコールオクタデシルエーテル、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸トリグリセロール、ポリオキシル20ステアレート、ポリオキシル40ステアレート、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリエチレングリコール40ジイソステアリン酸ソルビタン等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、オレイン酸、デソキシコール酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチン酸、ステアリン酸、ビタミンE-TPGS(ビタミンE d-アルファ-トコフェロールポリエチレングリコールサクシネート)、Gelucire(登録商標) 44/14およびGelucire(登録商標) 50/13等の飽和ポリグリコール化グリセリド、およびAcconon(登録商標) MC-8およびAcconon(登録商標) CC-6等のポリプロポキシル化ステアリルアルコールを含む。
【0165】
別のそのような特徴は、療法薬の担体に対する比であり、これは、1:10、1:5、3:10、2:5、1:2、3:5、7:10、4:5、9:10、1:1、10:9、5:4、10:7、5:3、2:1、5:2、10:3、5:1、10:1であることができる。別のそのような特徴は、マトリクスの実質的に不透過性のコーティングであり、本コーティングは、被覆されていないマトリクスの部分のみを通した療法薬の放出(すなわち、指向性放出)を防止することになる。別のそのような特徴は、1つまたはそれを上回る療法薬の放出プロファイルを制御および最適化するための、コーティングまたはマトリクスの複数の層の使用であり、各層は、実質的に不透過性のコーティング、少なくとも1つの療法薬と、ポリマーとを含むマトリクス、または療法薬を伴わないマトリクスのうちのいずれかを有する。
【0166】
療法薬は、以下のクラスの薬品、すなわち、(a)抗増殖剤、(b)抗粘液剤(c)粘液溶解物質、(d)コルチコステロイド、(e)抗生物質、(f)抗炎症剤、および(g)抗菌剤のうちの1つまたはそれを上回るものを含み得る。抗増殖剤の実施例は、シロリムス(ラパマイシン)、エベロリムス、ゾタロリムス、パクリタキセル、タキソテール(ドセタキセル)、マイトマイシンC、ゲムシタビン、ビンクリスチン(レウロクリスチン)、およびドキソルビシンを含む。抗粘液剤の実施例は、アトロピン、イプラトロピウム、チオトロピウムを含む。粘液溶解物質の実施例は、N-アセチルシステインおよびグアイフェネシンを含む。コルチコステロイドの実施例は、コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、ヒドロコルチゾン、およびその他を含む。抗炎症剤の実施例は、ステロイド、プレドニゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾンおよびメチルプレドニゾロン、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナク、ジクロフェナク-ミソプロストール、セレコキシブ、ピロキシカム、インドメタシン、メロキシカム、ケトプロフェン、スリンダク、ジフルニサル、ナブメトン、オキサプロジン、トルメチン、サルサレート、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトロラク、メクロフェナメート、メフェナム酸、COX-2阻害剤、およびその他を含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、療法薬は、抗生物質、抗真菌薬、および/または抗菌剤であることができ、抗生物質、抗真菌薬、および/または抗菌剤は、アモキシシリン、アモキシシリン/クラブラネート、セファレキシン、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、メトロニダゾール、アジスロマイシン、レボフロキサシン、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、テトラサイクリン、ミノサイクリン、チゲサイクリン、ドキシサイクリン、リファンピン、トリクロサン、クロルヘキシジン、ペニシリン、アミノグリサイド、キノロン、フルオロキノロン、バンコマイシン、ゲンタマイシン、セファロスポリン、カルバペネム、イミペネム、エルタペネム、抗菌ペプチド、セクロピン-メリチン、マガイニン、デルマセプチン、カテリシジン、αディフェンシン、およびαプロテグリン、ケトコナゾール、クロトリマゾール、ミコナゾール、エコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、ビフォナゾール、テルコナゾール、ブタコナゾール、チオコナゾール、オキシコナゾール、スルコナゾール、サペルコナゾール、ボリコナゾール、テルビナフィン、アモロルフィン、ナフチフィン、グリセオフルビン、ハロプロジン、ブテナフィン、トルナフテート、ナイスタチン、シクロヘキサミド、シクロピロックス、フルシトシン、テルビナフィン、アムホテリシンB、およびその他のうちの少なくとも1つから選択される。
【0168】
いくつかの実施形態では、拡張可能デバイスは、薬物溶出物質を含まない。これは、例えば、拡張可能デバイスの製造および規制遵守を単純化するために有用であることができる。さらに、本開示の他所において議論されるように、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、拡張可能デバイスは、異物応答を抑制する薬物の必要性を低減または排除する、1つまたはそれを上回る他の特徴(例えば、構造的および/または性能的特徴)を有する。これらおよび他の場合には、拡張可能デバイスは、地金ワイヤ等のコーティングされていないワイヤを含むことができる。
【0169】
気道壁の修正
本明細書に説明される実施形態のうちのいくつかでは、拡張可能デバイスが、気道壁を修正および/または改変することが有利であり得る。一実施例では、拡張可能デバイスは、自己拡張する能力(例えば、ニチノール構築物)を備え、それによって、拡張可能デバイスの展開が、気道壁の漸進的拡大および気道内腔の拡張を引き起こす、気道壁への慢性的な外向き力の印加をもたらす。本実施例では、拡張可能デバイスの自己拡張は、気道壁を、その天然直径を超えて拡張させるであろう。加えて、または代替として、拡張可能デバイスの拡張は、拡張可能デバイスの拡張を強制するように伸張されるように構成される、バルーンによって促進されることができる。(送達システムの一部として組み込まれる、または送達システムと別個である)バルーンを介した拡張可能デバイスの強制された拡張は、バルーンのサイズおよび圧力が拡張可能デバイスの拡張を制御するために調節され得るため、有利であり得る。
【0170】
拡張可能デバイスの制御された拡張は、そのような制御された拡張が、気道壁の制御された修正を可能にするであろうという点において、望ましい。一実施例では、気道内腔の断面積を増加させるためであるが、気道壁への実質的傷害を生じさせることなく気道壁の拡大を引き起こすことが、望ましくあり得る。断面積の増加は、呼気流出量を改良し、それによって、肺気腫患者内に療法的恩恵をもたらすであろう。他の実施例では、気道壁内に引裂部、穿孔、および/または開窓を生成するように、気道壁のより大きい拡大を引き起こすことが、望ましくあり得る。これらの引裂部、穿孔、および/または開窓は、気道に隣接する罹患実質内の捕獲された空気の他のポケット状部に対する開口部を生成し、それによって、呼気流出量および肺機能を改良し得る。また、これらの引裂部、穿孔、および/または開窓は、サイズおよび数が実質的に十分である場合、捕獲された空気を解放するための前述の試行をもたらした、遮閉を防止し得る。したがって、ここに開示される拡張可能デバイスは、自己拡張式および/またはバルーン拡張可能な特徴と、気道壁の所望の修正を最良に達成するための能力とを有することができる。
【0171】
図46は、本技術のいくつかの実施形態に従って構成される、拡張可能デバイス4600の斜視図である。
図46では、デバイス4600は、拡張された非拘束状態において示される。デバイス4600は、近位端部分4600aと、遠位端部分4600bと、遠位端部分4600aと近位端部分4600bとの間に延在する、縦軸L1とを有する。デバイス4600は、縦軸の周囲に巻着され、それぞれが、ワイヤ4601の360度の巻部を備える、一連の帯部4602(個々に、4602a-4602fとして標識される)を形成するワイヤ4601から形成される、略管状構造を備えることができる。デバイス4600はさらに、最遠位帯部4602fの遠位にある遠位構造4610と、最近位帯部4602aの近位にある近位構造4612とを含む。ワイヤ4601は、各帯部4602が、支柱4608(個々に、4608a-4608fとして標識される)によって接続される、複数の交互の頂部4604(個々に、4604a-4604cとして標識される)と、谷部4606(個々に、4606a-4606cとして標識される)とを有するように、所与の帯部4602の端部間で波状である。頂部4604は、デバイス4600の第2の端部部分4600bにより近接し、および/またはそれに向かって向く、所与の帯部4602内の屈曲頂点を備えることができ、谷部4606は、デバイス4600の第1の端部部分4600bにより近接し、および/またはそれに向かって向く、所与の帯部4602内の屈曲頂点を備えることができる。ワイヤ4601の各巻部の蛇行構成は、下記により詳細に議論されるように、デバイス4600を送達システム上および/またはその中に半径方向に圧縮することをより容易に、かつデバイス4600を正確に展開することをより容易にする。
【0172】
各帯部4602は、第1、第2、および第3の頂部4604a、4604b、および4604cと、第1、第2、および第3の谷部4606a、4606b、および4606cと、第1、第2、第3、第4、第5、および第6の支柱4608a、4608b、4608c、4608d、4608e、および4608fとを有することができる。帯部4602は、各帯部4602が、第1の谷部4606aから始まり、第6の支柱4608fが次の帯部4602の第1の谷部4606aに出会う(または、第6の帯部4602fの場合では、第6の支柱4608fが遠位構造4610の第1の谷部4606aに出会う)場所において終了するように、2端間で接続される。第1の谷部4606aから開始し、遠位に時計回り方向において移動することによって、各帯部4602は、第1の谷部4606aから第1の頂部4604aまで遠位に延在する、第1の支柱4608aと、次いで、第1の頂部4604aから第2の谷部4606bまで近位に延在する、第2の支柱4608bと、次いで、第2の谷部4606bから第2の頂部4604bまで遠位に延在する、第3の支柱4608cと、次いで、第2の頂部4604bから第3の谷部4606cまで近位に延在する、第4の支柱4608dと、次いで、第3の谷部4606cから第3の頂部4604cまで遠位に延在する、第5の支柱4608eと、次いで、第3の頂部4604から次の帯部4602の第1の谷部4606aにおいて終端するまで近位に延在する、第6の支柱4608fとを有する。
図46に示されるデバイス4600は、1巻あたり3つの頂部と、3つの谷部とを備えるが、他の実施形態では、デバイス4600は、1巻あたり任意の数の頂部と、谷部とを有することができる。また、帯部4602の全てが、同一の数の頂部と、谷部とを有するが、他の実施形態では、同一のデバイス内の帯部4602のうちのいくつかまたは全てが、異なる数の頂部と、谷部とを有することができる。
【0173】
デバイス4600の長さに沿って、かつ所与の帯部4602内で、ワイヤ4601は、ワイヤ巻の方向において近位および遠位の両方に延在する、支柱4608を有する。例えば、巻部の周囲で時計回り方向におけるワイヤ4601に続いて、デバイス4601は、遠位に、次いで、近位に、次いで、遠位に、次いで、近位に、次いで、遠位に延在し、それによって、気道内に設置されると気道壁を支持し、気道内腔を挙上して開放する役割を果たす、複数の局所的なV字形状装具を形成する、支柱4608を有する。これは、ワイヤが、各巻部の周囲に巻着するにつれて持続的に遠位に延在する、単純コイルと対照的である。いくつかの実施形態では、例えば、
図46に示されるように、個々の第1および第5の支柱4608aおよび4608eは、個々の第2、第3、第4、および第6の支柱4608b、4608c、4608d、および4608fより長くあることができる。他の実施形態では、支柱4608は、異なる長さまたは構成を有することができる。支柱長は、ワイヤ4601の縦軸に沿って測定されることができる。同様に、個々の第2、第3、および第4の支柱4608b、4608c、および4608dは、第6の支柱4608fより長くあることができる。いくつかの実施形態では、支柱4608の長さは、方程式3a-3b=1/ピッチ(式中、「a」は、より長い支柱であり、「b」は、より短い支柱4608である)によって決定されることができる。
【0174】
前述に言及されるように、帯部4602は、単一の連続ワイヤのみを用いて相互に接続される。有利なこととして、頂部4604および谷部4606の全ては、遊離頂部および谷部であり、すなわち、頂部4604および谷部4606のいずれも、縦方向に隣接する帯部4602の頂部、谷部、または他の部分に接続されないことを意味する。軸方向に隣接する構造間の相互接続性の本不在は、デバイス4600に、縦方向に隣接する支柱および/または頂点間に1つまたはそれを上回る橋部または他の連結部を含む従来のステントと比較して、向上された軸方向の可撓性および伸展能力を提供する。本可撓性構成は、デバイス4600が、種々の解剖学的条件(例えば、気道の2分岐点、湾曲等)および生理学的条件(例えば、呼吸、咳嗽等)と関連付けられる異なる負荷(例えば、屈曲、捻転、引張)に応答して気道とともに伸展および屈曲することを可能にし、それによって、本デバイスが気道とともに移動し、相対運動を最小限化しながら、依然として、閾値半径方向力を維持することを可能にする。いくつかの実施形態では、デバイス4600は、従来のステントのものを上回る、半径方向力の縦方向剛度に対する比を有する。気道とともに移動するための本縦方向および屈曲可撓性はまた、呼吸および咳嗽のような他の移動の間のデバイス4600と気道壁との間の相対運動を限定する恩恵を有する。気道壁に対するデバイス4600の相対運動は、炎症および肉芽組織の形成を引き起こし得、これは、経時的に、新たに開放された管腔を部分的または完全に遮閉し、それによって、空気流を閉塞させ、治療の目的を挫折させ得る。理論に拘束されるわけではないが、デバイス4600の長さに沿った縦方向の連結および/または独立気泡の排除は、独立気泡が、血流を妨害し得るため、気道壁の治療される部分の灌流を維持することに役立ち得る。
【0175】
本明細書に説明されるように、肉芽組織形成を最小限化することに寄与する、本デバイスのいくつかの側面が、存在する。1つの側面は、壁の係合および並置を促進し、それによって、相対運動を最小限化する、気道壁に対して慢性的な外向き力を生産する、自己拡張式構造および気道直径に対する増寸である。第2の側面は、かなりの可撓性を可能にし、それによって、本デバイスが気道とともに移動し、相対運動を最小限化することを可能にする、遊離頂部および谷部からの相互接続性の不在である。第3の側面は、気道壁とのより小さい表面積接触を引き起こし、それによって、組織反応を殆ど産生しない、低材料密度および高多孔度である。第4の側面は、灌流を維持するようにいかなる独立気泡も有しておらず、それによって、組織壊死および局所的炎症反応を最小限化する、ワイヤパターンである。
【0176】
拡張可能デバイスの遊離頂部および谷部と関連付けられる相互接続性の不在の別の恩恵は、気道壁から本デバイスを係脱するために要求される、低引張力である。ワイヤに印加される引張軸方向負荷(すなわち、引動)が、各ループまたは帯部の直径を低減させ、それによって、各ループまたは帯部を気道壁から離れるように移動させる、伸長を引き起こすであろう。気道壁からの本分離は、気道壁への最小限の外傷または外乱を伴う埋込に続く、本デバイスの回収可能性を促進することができる。
【0177】
気腫性肺の遠位気道内に本明細書に説明される埋込物を設置することが、臨床的に有利であることができる。従来のカテーテル送達される埋込物(例えば、ステント、編組構造)の1つの従来的課題は、展開および埋込の間に生じる、短縮化である。そのような短縮化は、埋込物を意図される治療場所に正確に送達することを高難度にし得る。短縮化は、多くの場合、低侵襲的送達のために縮小された外形への半径方向圧縮の間の、埋込物の伸長の結果である。伸長は、埋込物の構造的設計および高材料密度から結果として生じる(すなわち、材料の構造および量に起因して、埋込物は、半径方向に圧縮されると、同一の軸平面上に留まることはできない)。本明細書に説明されるデバイスでは、軸方向に隣接する構造間の縦方向橋部の不在および(下記に説明されるような)比較的に低材料密度は、伸長を殆どまたは全く伴うことなく(例えば、0%、5%またはより低い、10%またはより低い)、送達構成に圧縮を半径方向にもたらし、それによって、デバイス4600が長さの変化を殆どまたは全く伴うことなく展開されることを可能にする。したがって、編組部およびあるステントと異なり、デバイス4600は、半径方向に拡張するときに短縮化を被らない。圧縮された送達状態にあるデバイス4600の長さ(例えば、
図49参照)は、拡張された非拘束状態にあるデバイス4600の長さと実質的に同一である。結果として、デバイス4600は、より予測通りに、かつより高い着地正確度を伴って展開されることができる。
【0178】
図46に示されるように、デバイス4600は、デバイス4600の1インチに沿った1周(すなわち、360度)の巻部の数によって測定される、巻密度を有することができる。デバイス4600が送達システムの上および/または中に圧縮され得るようにワイヤ4601の隣接する巻部および/または帯部4602間の十分な間隔を可能にするために十分に低く(例えば、隣接する巻部が縦方向により遠くに離れている)、デバイス4600の長さにわたる、結果として生じる表面積接触が、有害な組織応答を誘発しないように十分に低い巻密度を有することが、有利であることができる。しかしながら、(特に、気道の外側の周囲の圧力が、気道内の圧力より高いときの呼気流(例えば、吐出)の間の)隣接する巻部間での気道壁の弛みおよび/または陥入を防止し、相対運動および/または遊走を低減および/または回避するために十分な表面積接触を確実にするために十分に高い巻密度を有する(例えば、隣接する巻部が、ともに縦方向により近接している)こともまた、有益であることができる。したがって、本技術の巻密度は、送達システム装填能力、巻部間での気道壁の最小限の陥入、最小限の相対運動、および最小限の局所的炎症応答のために最適化されることができる。いくつかの実施形態では、デバイス4600は、1インチあたり約1~約4巻の巻密度を有する。いくつかの実施形態では、デバイス4600は、1インチあたり約1.2~約3.5巻の巻密度を有する。特定の実施形態では、デバイス4600は、1インチあたり約1.8~約3巻の巻密度を有する。
図46では、デバイス4600は、3の巻密度を有する。
図51は、1.8のより低い巻密度を有する、デバイス5100を示す。
【0179】
デバイス4600の拡張された断面寸法は、概して一定である、またはデバイス4600の長さに沿って、および/またはループ間で変動してもよい。例えば、本明細書において議論されるように、デバイス4600は、気道の異なる部分に適応するように、その長さに沿った種々の断面寸法を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス4600は、遠位方向において減少し、それによって、気道内腔の自然な遠位狭小化により良好に近似する、直径を有することができる。直径は、遠位方向において、デバイス4600の長さにわたって漸進的に増加してもよい、またはデバイス4600は、異なる直径を伴う離散部分を有してもよい。例えば、デバイス4600は、その長さに沿った、第1の部分と、第2の部分とを有することができる。第1の部分は、気道のより遠位部分内(例えば、破壊および/または虚脱した気道の終末細気管支および/または気腫性面積内等)に位置付けられるように構成される、第1の断面寸法を有することができる。第2の部分は、第1の断面寸法を上回り、(虚脱していない主気管支および/または別の部分等の中に)より近位に位置付けられるように構成される、第2の断面寸法を有することができる。第2の部分は、例えば、虚脱した遠位部分ほど気腫性ではない、および/または気道壁内に軟骨(好ましくは、軟骨のリングであり、プレートではない)を有する、気道の部分内に位置付けられるように構成されることができ、これは、葉(世代2)または分節(世代3)レベルにおいて生じることができる。
【0180】
いくつかの実施形態では、デバイス4600は、遠位方向において増加する、直径を有することができる。直径は、デバイス4600の長さにわたって近位方向において漸進的に減少してもよい、またはデバイス4600は、異なる直径を伴う離散部分を有してもよい。例えば、デバイス4600は、その長さの大半にわたった概して均一な直径と、次いで、(帯部4602および/または遠位構造4610であり得る)最後の遠位1~3巻にわたってより大きい直径とを有することができる。いくつかの実施形態では、デバイス4600は、その長さに沿った、第1の部分と、第2の部分とを有する。第1の部分は、気道のより遠位部分内(例えば、破壊および/または虚脱した気道の終末細気管支および/または気腫性面積内等)に位置付けられるように構成される、第1の断面寸法を有することができる。第2の部分は、第1の断面寸法未満であり、(虚脱していない主気管支および/または別の部分等の中に)より近位に位置付けられるように構成される、第2の断面寸法を有することができる。第2の部分は、例えば、虚脱した遠位部分ほど気腫性ではない、および/または葉(世代2)または分節(世代3)レベルにおいて生じ得る、気道壁内に軟骨(好ましくは、軟骨のリングであり、プレートではない)を有する、気道の部分内に位置付けられるように構成されることができる。デバイス4600の遠位部分において増大された直径を有することは、より多くの拡大を生産する、またはある場合には、気道壁内に引裂部も生成するために遠位気道上により多くの半径方向力を付与するために有益であることができる。いくつかの実施形態によると、デバイス4600が、デバイス4600によって係合される気道のある部分のみに沿って引裂部を生成するように構成されることが有益であり得る。加えて、または代替として、肺が、特に罹患している場合、遠位増大が、気腫性肺により良好に接触し、本デバイスを係留することに役立ち得る。
【0181】
いくつかの実施形態では、ワイヤ4601は、円形断面形状を有する。他の実施形態では、ワイヤ4601は、その長さに沿って他の好適な断面形状(例えば、楕円形、長方形、正方形、三角形、多角形、不規則形状等)を有してもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤ4601の断面形状は、その長さに沿って変動する。ワイヤ4601の断面形状を変動させることは、その長さに沿ってデバイス4600の機械的性能を変動させること(例えば、近位から遠位への、より低い半径方向強度からより高いものへの遷移、または逆もまた同様)に対して有益であり得る。代替として、または加えて、異なる断面形状は、気道壁上での接触力の異なる分布を可能にする。例えば、卵形の断面形状を有するワイヤは、円形断面と比較して、より大きい接触面積と、接触力のより広い分布と、故に、デバイス4600上の任意の点におけるより低い接触応力とを有するであろう。理論に拘束されるわけではないが、丸みを帯びた縁は、直線の縁より気道壁に対してあまり外傷性ではない表面を提示し得るため、丸みを帯びた縁を伴う断面形状を利用することが、有益であり得ると考えられる。例えば、長方形断面形状と、線形の角とを有する、ワイヤが、本技術と併用されることができるが、ある場合には、湾曲した角を伴う長方形ワイヤを利用することが、有利であり得る。
【0182】
ワイヤ4601は、その長さに沿った、概して一定の断面積を有することができる、またはその長さに沿った可変の断面積を有してもよい。ワイヤ4601の断面積を変動させ、例えば、デバイス4600の長さに沿ってその半径方向力および/または可撓性を変動させることが、有益であり得る。例えば、デバイス4600は、ワイヤ4601がより大きい断面積を有する部分に沿う場合よりも、ワイヤ4601がより小さい断面積を有する部分に沿って、低い半径方向力および/または高い可撓性を有するであろう。いくつかの実施形態では、ワイヤ4601は、0.005インチ以下、0.006インチ以下、0.007インチ以下、0.008インチ以下、0.009インチ以下、0.01インチ以下、0.011インチ以下、0.012インチ以下、0.013インチ以下、0.014インチ以下、および0.015インチ以下の直径を有する。
【0183】
いくつかの実施形態では、拘束されていない拡張状態にある(すなわち、送達シャフト、気道の拘束から除去され、台上に静置状態に置かれている)デバイス4600の拡張された断面寸法が、天然気道内腔の直径に対して増寸されることができる。例えば、デバイス4600の拡張された拘束されていない断面寸法は、これが位置付けられることが意図される、気道内腔の元の(虚脱していない)直径の少なくとも1.5倍であることができる。いくつかの実施形態では、デバイス4600は、元の気道内腔の直径の約1.5倍~6倍、2倍~5倍、または2倍~3倍である、拡張された断面寸法を有する。理論に拘束されるわけではないが、気道内腔を可能性として考えられる最大直径まで拡張させることが、臨床的に有益であろう。大きい気道直径は、捕獲された空気のより効率的な解放を可能にし、それによって、肺機能(例えば、流出量、FEV、およびその他によって測定されるもの等)の改良を最適化するであろう。加えて、拡張可能デバイス(例えば、バルーン)の補助の有無にかかわらず、周囲の気腫性肺内に捕獲された空気の解放をさらに促進するために、気道壁内に1つまたはそれを上回る引裂部を生成するための、埋込可能デバイス4600による気道壁の制御された拡大の臨床的恩恵が、存在し得る。
【0184】
気管支気道内での軟骨支持が近位から遠位に減少する傾向にあることを前提として、可変の巻密度を伴うデバイスを有することが、有益であり得、本デバイスの最遠位部分内の巻密度は、本デバイスの最近位部分内の巻密度を上回る。遠位に向かってより高い巻密度と、近位に向かってより低い巻密度とを伴う、本デバイス構成は、随意に、遠位に向かってより低い半径方向剛度と、近位に向かってより高い半径方向剛度とを含んでもよい。
【0185】
遠位構造4610は、気道内腔内で展開されるべき、デバイス4600の第1の部分である。結果として、遠位構造4610は、帯部4602に類似するが、より高い円周方向力と、軟質の非外傷性着地構造とを提供するように適合されることができる。ワイヤ4601の最終頂点4616は、例えば、ワイヤ4601の遠位末端部4620を近位に配向するように角度付けられ、気道壁に最初に接触するためのより丸みを帯びたより軟質の屈曲部を提供するように、その弛緩された非拘束状態において、他の頂点よりも大きい曲率半径を有することができる。いくつかの実施形態では、遠位頂点4616は、弛緩された非拘束状態において、頂点の残部とほぼ同一の曲率半径を有する。加えて、または代替として、ワイヤ4601の遠位末端部4620は、ワイヤ4601の玉(ワイヤ4601の断面寸法をごくわずかに上回る断面寸法を有する)および/またはループ状部分等の他の非外傷性要素を備えることができる。デバイス4600の遠位端部分4600bにおいてより大きい係留力を可能にするために、遠位構造4610の第3の谷部4606cは、遠位構造4610の(頂部である)最終頂点4616と最後から第2の頂部4604bを実質的に整合させるように、より大きい曲率半径を有することができる。
【0186】
デバイス4600の近位端部分4600aは、単一の近位に延在する支柱4624と、遊離近位末端部4622とを備えることができる。遠位末端部4620と同様に、近位末端部4622は、気道壁に対する外傷を限定するために、近位方向において延在することができる。遊離近位末端部はまた、必要である場合、デバイス4600の回収のために有益であることができる。
【0187】
ワイヤ4601は、ワイヤ(例えば、円形または卵形の断面形状を有する)、コイル、管、フィラメント、単一の織合伸長要素、複数の編組および/または捻転された伸長要素、リボン(正方形または長方形の断面形状を有する)、および/またはその他等の任意の伸長要素であることができる。したがって、本明細書で使用されるような、用語「ワイヤ」は、ワイヤの従来的定義(例えば、細い可撓性の糸またはロッドの形態に引き伸ばされた金属)および本明細書に詳述される他の伸長要素を指す。ワイヤ4601は、材料のシートから切断され、次いで、マンドレルの周囲で3次元構成に巻回されることができる。いくつかの実施形態では、デバイス4600は、管状側壁の残りの部分のみが、ワイヤ4601を構成するように、管を切断することによって形成される。シートおよび/または管は、レーザ切断、放電加工(EDM)、化学エッチング、水噴射、空気噴射等を介して切断されることができる。ワイヤ4601はまた、堆積プロセスを介して形成される、薄膜を備えることができる。伸長部材102は、ニチノール、ステンレス鋼、コバルトクロム合金(例えば、35N LT(登録商標)、MP35N(Fort Wayne Metals(Fort Wayne, Indiana))、エルジロイ、マグネシウム合金、タングステン、タンタル、白金、ロジウム、パラジウム、金、銀、またはそれらの組み合わせ、もしくは1つまたはそれを上回るポリマー、またはポリマーと金属との組み合わせ等の材料を使用して形成されることができる。いくつかの実施形態では、ワイヤ4601は、異なる外側材料によって囲繞される内側材料を含む、1つまたはそれを上回る引抜充填管(「DFT」)ワイヤを含んでもよい。内側材料は、例えば、放射線不透過性材料であってもよく、外側材料は、超弾性材料であってもよい。
【0188】
ワイヤ4601の断面積は、巻密度、半径方向力、および送達のために半径方向に圧縮するための能力等のいくつかの要因に基づいて選択されることができる。他の全てのもの(巻密度、ワイヤの長さ、ワイヤ材料等)が、等しい場合、ワイヤ4601の断面積が大きいほど、気道壁上に付与される半径方向力は、より大きくなる。しかしながら、ワイヤ4601の断面積および関連付けられる半径方向力が大きいほど、デバイス4600を送達システムの中および/または上に圧縮することは、より困難になる。したがって、本技術のワイヤ4601は、ワイヤ4601の巻密度に加えて、デバイス4600に、気道開存性を維持し、呼吸および咳嗽の間の解剖学的負荷からの歪みおよび関連付けられるサイクル疲労に抵抗し、相対運動を低減および/または排除しながら、依然として、デバイス4600が3mm未満、ある場合には、2mm未満の直径まで圧縮されることを可能にするために十分な半径方向力を提供する、断面積を有する。
【0189】
相対運動は、壁組織を刺激し、気道の遮閉に寄与し得る異物応答を引き起こし得るため、遊走に抵抗し、改良された壁並置を介して、デバイス4600と気道壁との間の相対運動を低減させるために十分に高い半径方向力を有することが、有利であることができる。半径方向力はまた、気道の開存性を維持し、ある場合には、気道を気道の天然直径より大きい(例えば、これは、2~3倍より大きくあり得る)直径に拡大するために十分でなければならない。デバイス4600によって気道壁上に付与される半径方向力は、少なくとも部分的に、デバイス4600の巻密度およびワイヤ4601の断面積によって決定される。例えば、ワイヤ4601の断面積が大きいほど、半径方向力が、より大きくなる。デバイス4600の巻密度が高いほど、半径方向力が、より大きくなる。同様に、ワイヤ4601の断面積が小さいほど、半径方向力が、より小さくなる。デバイス4600の巻密度が低いほど、半径方向力が、より小さくなる。本技術のデバイス4600は、7g/mm以下、6g/mm以下、5g/mm以下、4g/mm以下、3g/mm以下、2g/mm以下、または1g/mm以下の単位長さあたりの半径方向力を有することができる。いくつかの実施形態では、デバイス4600は、約1~約5g/mmの単位長さあたりの半径方向力を有する。虚脱した気道を開放した状態に保持し、呼吸の間に開存性を維持するために要求される半径方向力は、腫瘍成長部またはアテローム性動脈硬化症部を押動または引き止めるために使用される、ステントによって要求されるものを下回る。そのような従来のステントは、典型的には、約10g/mmまたはそれを上回る単位長さあたりの半径方向力を有する。
【0190】
デバイス4600は、気道壁との最小限の表面積接触を有し、(炎症および肉芽組織等の)異物応答の量および気道遮閉のリスクを低減させるように構成されてもよい。本議論において使用されるように、「接触表面積」は、ワイヤ4601の総表面積未満である、気道壁の内側表面に接触する、デバイス4600の部分の表面積を指す。デバイス4600の接触表面積を最小限化することはまた、他の遠位分岐開口部の遮閉を限定および/または回避するために、かつより効率的な粘膜繊毛クリアランスを可能にするために有益であることができる。しかしながら、デバイス4600の接触表面積はまた、本デバイスの遊走および相対運動に抵抗するための能力に影響を及ぼす。したがって、本技術のデバイス4600は、有害な組織反応を最小限化(または限局化)し、十分な粘膜繊毛クリアランスを可能にするために十分に小さいが、気道との良好な接触を提供し、運動に抵抗するために十分に大きい、接触表面積を有するように構成されることができる。本技術のデバイス4600は、例えば、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下、15%以下、14%以下、13%以下、12%以下、11%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、または5%以下の接触表面積を有することができる。換言すると、デバイス4600の多孔度は、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、または少なくとも95%であることができる。
【0191】
いくつかの実施形態では、ワイヤ4601が放射線不透過性材料から作製される、および/またはそれを含むかどうかにかかわらず、デバイス4600は、1つまたはそれを上回る放射線不透過性マーカを含むことができる。放射線不透過性マーカは、例えば、デバイス4600の一方または両方の端部に配置され、正確な位置付けおよび設置を促進することができる。
【0192】
いくつかの実施形態では、デバイス4600は、ワイヤ4601がマンドレルから除去されると、ワイヤ4601がそのマンドレル上での形状を実質的に維持するように、所定の巻着パターンに従ってマンドレルの周囲にワイヤ4601を巻着し、次いで、マンドレル上の定位置に保持される間、ワイヤ4601を熱固化させることによって製造される。
図48は、本技術のデバイスを製造することにおける使用のために構成される、マンドレル4800を示す。
図48に示されるように、マンドレル4800は、略円筒形であり、マンドレル4800の外側表面から離れるように半径方向に延在する、複数の柱4802を含むことができる。柱4802は、所望の巻着幾何学形状を生産するパターンにおいて配列されることができる。柱4802の曲率半径は、例えば、頂点の曲率半径を決定することができる。
図47は、柱302のうちの1つの周囲に巻着される、ワイヤ4601の一部を示す。デバイス4600に沿った異なる頂点が、同一の曲率半径または異なる曲率半径を有することができる。
【0193】
ある場合には、デバイス4600が送達システムの上および/または中に小さく圧縮されるときの頂点の形状に酷似する曲率半径を有する柱を使用することが、有益であり得る。
図49は、伸長状の送達部材4900にわたって位置付けられる、半径方向圧縮状態にある、デバイス4600を示す。デバイス4600が、半径方向に圧縮されるにつれて、任意の所与の頂部4604または谷部4606に隣接する2つの支柱4608は、ともに挟締され、それによって、付着された頂点上に歪みを課す。
図50は、例えば、デバイス4600が、埋込されると、呼吸、咳嗽、およびその他の形態における周期的な歪みを呈するであろうため、周期的な歪みを計算するためにデバイス4600上で実施される、有限要素解析を示す。
図50に示されるように、歪み振幅は、頂点4616が他の頂点(頂部4604および谷部4606等)のものを上回った曲率半径を有するように熱固化された、遠位部分において最大になった。(小さい曲率半径を有する)より小さい直径の柱の周囲で熱固化された、頂点が、圧縮状態に押進されるときの遠位頂点4616と比較してより少ない歪みおよび疲労を被ることが予測された。故に、頂点が、2.5mm以下である(例えば、2.5mmまたはそれを下回る、2mmまたはそれを下回る、1mmまたはそれを下回る、0.5mmまたはそれを下回る、または0.35mm~0.60mmの範囲内である)、平均曲率半径を有することが、望ましくあり得る。
【0194】
デバイス4600は、気管支鏡の作業チャネルを通した送達のために構成されることができる。例示的気管支鏡5200が、
図52に示される。示されるように、気管支鏡5200は、接眼レンズまたはカメラヘッド5202と、画像処理のために使用される光源のためのケーブル5204と、吸引部分5206と、作業チャネルポート5208とを伴う、ハンドルを有することができる。気管支鏡は、患者の鼻を通して、それらの気管を通して下方に、肺まで前進されるように構成される、伸長シャフト5210を含む。シャフト5210は、カメラまたは光ファイバケーブル束を支持する管腔5216と、光源を支持する管腔5214と、作業チャネル5212の出口とを含む、いくつかの管腔を含む。作業チャネル管腔は、約3mmまたはそれを下回る直径を有することができる。
【0195】
図53に示されるように、気管支鏡5200の伸長シャフト5210は、伸長シャフト5210の直径が広げられた気道のものに近似的に合致し、もはや前進し得なくなるまで、気管および気管支樹を通して前進されることができる。伸長シャフト5210が前進を停止する位置は、使用されている気管支鏡に依存する。5~6mmの直径を伴う典型的気管支鏡に関して、これは、大半の患者において、第3~第6世代の気管支内で生じるであろう。デバイス4600は、次いで、遠位から近位方向において展開されることができる。
図54は、展開の後のデバイス4600を示す。デバイス4600の遠位端部分4600bは、デバイス4600の近位端部分4600aが近位気道(例えば、約4~8mmの天然直径を有する、第2~第4世代)内に位置付けられた状態で、遠位気道(例えば、ある場合には、1mm未満を含む、3mmまたはそれを下回る天然直径を有する、第12~第15世代)内に設置されることができる。いくつかの実施形態では、より良好な係留のために、より多くの軟骨性の組織を伴う気道の部分(例えば、軟骨補強気道)内に、デバイス4600の近位端部分4600aを位置付けることが、有益であり得る。デバイス4600および/またはワイヤ4601は、事前設定された構成および/または直径に自己拡張するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、ワイヤ4601は、熱固化されない、および/または自己拡張するように構成されない。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス4600および/またはワイヤ4601は、バルーン拡張可能である。いくつかの実施形態では、デバイス4600および/またはワイヤ4601は、バルーン拡張可能かつ自己拡張式である。
【0196】
いくつかの実施形態では、デバイス4600は、離散長(例えば、20、30、40、50、60cm等)に展開されることができる、または、デバイス4600の軸方向可撓性を前提として、デバイス4600および/または送達システムは、患者の解剖学的構造の変動性に適応するように、可変長の展開のために設計されることができる(例えば、各デバイスは、その公称長の+/-5cmまで展開されるように設計されることができる)。いくつかの実施形態によると、本技術は、直列に送達される、複数のデバイス4600を含む。直列に設置されたデバイスは、異なる治療長に適応および適合するように、異なる長さを有してもよい。複数のデバイスが、重複する、タッチする、または離間されることができる。離間される場合、本デバイスは、気道内で所定の距離(例えば、5mm、1.0cm、1.5cm、2.0cm)以下離れるように離間されてもよい。
【0197】
図55Aは、本技術のいくつかの実施形態に従って構成される、送達システム5500の遠位部分を示す。送達システム5500は、気管支鏡の作業チャネルを通した送達のために構成されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、送達システム5500は、3mm以下の外径を有する。いくつかの実施形態では、送達システム5500は、2mm以下の外径を有する。システム5500は、外側シース5502と、外側シース5502内に摺動可能に配置されるように構成される、内側シース5508と、内側シース5508内に配置される伸長シャフトまたは他の送達部材5506とを含むことができる。外側シース5502は、送達システム全体を封入し、気管支鏡5200の作業チャネル5212と係合するように構成されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、外側シース5502の近位端は、送達システム5500のハンドル(図示せず)に固定される。内側シース5508は、後退され、デバイス4600を暴露し、展開するように構成される。少なくともいくつかの実施形態では、送達部材5506の軸方向位置は、外側シース5502の軸方向位置に対して固定される。例えば、送達部材5506の近位端は、送達システム5500のハンドルに固定されることができる。また、内側シース5508を除いた送達システム5500全体が、気管支鏡5200に固定されることができる。他の実施形態では、対応物送達システムは、可動構成要素および固定された構成要素の他の好適な組み合わせを有することができる。
【0198】
いくつかの実施形態では、システム5500は、随意に、伸長部材5506の遠位端においてテーパ状の非外傷性先端5512を含む。システム5500はさらに、伸長部材5506の周囲および内側シース5508内に位置付けられる、近位停止部5504を含むことができる。近位停止部5504は、デバイス4600の近位端に当接するように構成される、遠位直面表面5514を有することができる。いくつかの実施形態では、システム5500は、随意に、デバイス4600と伸長部材5506との間に半径方向に位置付けられる、パッドまたは他の共形化可能部材5510を含む。共形化可能部材5510は、伸長部材5506より弾力性であることができる。共形化可能部材5510は、半径方向に圧縮されると、デバイス4600との密接な係合状態を有することができる。例えば、
図55Bに示されるように、共形化可能部材5510は、デバイス4600の周囲に、デバイス4600がその軸方向位置を維持することに役立つ、湾入部5516を形成することができる。本または別の様式において、デバイス4600は、共形化可能部材5510の中に「留め」られ、内側シース5508が完全に後退されるまで、それを定位置に保持することができる。
【0199】
少なくともいくつかの場合では、送達システム5500は、埋込物4600の送達および/または展開の間の蛍光透視鏡下および/または気管支鏡下での可視化を促進するための特徴を含む。例えば、送達システム5500は、先端5512の最遠位部分において、送達システム5500の最遠位特徴を示すための第1の放射線不透過性マーカ5518を含むことができる。第1の放射線不透過性マーカ5518は、例えば、キャップまたは埋設されたプラグであることができる。送達システム5500はさらに、内側シース5508の最遠位部分において、送達および展開の間のデバイス4600の遠位端の場所を推定することを促進するための、第2の放射線不透過性マーカ5520を含むことができる。第2の放射線不透過性マーカ5520は、例えば、環状帯部であることができる。加えて、または代替として、送達システム5500は、内側シース5508の外側表面における、パッド印刷された線または他の視覚特徴(図示せず)を含むことができる。これらの特徴は、気管支鏡下での可視化を促進することができる。例えば、1つの線は、気道領域に対して、デバイス4600の近位端が展開の後に設置されるであろう場所を示すために、デバイス4600の近位端にあることができる。さらに、異なるインジケータが、異なる長さのデバイスの近位端を示すために使用されることができる。例えば、1つの円周方向の線が、70mmデバイスの近位端を示すことができ、2つの円周方向の線が、85mmデバイスの近位端を示すことができ、3つの円周方向の線が、100mmデバイスの近位端を示すことができる等となる。
【0200】
気管支鏡5200の伸長シャフト5210は、伸長シャフト5210の直径が広げられた気道のものに近似的に合致し、もはや前進し得なくなるまで、気管および気管支樹を通して前進されることができる。伸長シャフト5210が前進を停止する位置は、使用されている気管支鏡に応じて異なり得る。5~6mmの直径を伴う典型的気管支鏡に関して、これは、大半の患者において、第3~第6世代の気管支内で生じるであろう。送達システム5500は、次いで、外側シース5502が気道内腔内で暴露されるように、作業チャネル5212の遠位開口部を通して遠位に前進されることができる。送達システム5500は、外側シース5502の遠位端部分が、(例えば、破壊および/または虚脱した気道の終末細気管支および/または気腫性面積内等の)気道の遠位部分内に位置付けられるまで、遠位に前進されることができる。外側シース5502および伸長状の送達部材5506が定位置に保持された状態で、内側シース5508は、所望の場所においてデバイス4600を暴露および展開するように後退されることができる。
【0201】
他の送達システムも、本技術の範囲内にあることを理解されたい。また、気管支鏡5200および送達システム5500は、本明細書に開示される拡張可能デバイスのうちのいずれかと併用されることができる。
【0202】
COPDを治療するための拡張可能デバイス、システム、および方法、および/または気道壁を修正するためのデバイス、システム、および方法の付加的実施例が、例えば、2015年9月13日に出願され、「PULMONARY AIRFLOW」と題された、米国特許第9,592,138号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)内に見出されることができる。
【0203】
付加的実施例
図56A、57A、および58は、それぞれ、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物5600の斜視図、端面図、および外形図である。
図56B-56Fは、
図56Aに対応する補足説明である。
図57Bは、
図57Aに対応する補足説明である。
図56A-58では、埋込物5600は、非拘束状態にある。これは、埋込物5600の送達の間のシース、または埋込物5600の展開の後の気管支樹の壁等、拘束の外部源がない状態において、埋込物5600が呈する状態であることができる。埋込物5600の特徴は、本明細書では、別様に規定されない限り、本非拘束状態にある埋込物5600に関して説明される。
図56A-58をともに参照すると、埋込物5600は、縦軸5601に伴って伸長することができる。埋込物5600は、縦軸5601に沿って相互から離間される、近位端部分5602と、遠位端部分5603とを含むことができる。縦軸5601に沿った近位端部分5602と遠位端部分5603との間に、埋込物5600は、中間部分5604を含むことができる。埋込物5600全体は、ヒト対象の気管支樹内の治療場所において展開されるように構成されるように構成されることができる。本展開の実施例の側面が、下記に詳細に説明される。少なくともいくつかの場合では、近位端部分5602および遠位端部分5603は、異なる個別の気道において展開されるように構成される。例えば、近位端部分5602は、第1の気道において展開されるように構成されることができ、遠位端部分5603は、第1の気道の世代を上回る、世代の第2の気道において展開されるように構成されることができる。第1および第2の気道の個別の世代は、埋込物5600の長さおよび直径等の特徴に応じて、1、2、3、4、5、6、またはさらにより大きい数異なることができる。第1の気道は、2、3、4、5、または6等の世代2またはそれを上回る数のものであることができる。
【0204】
埋込物5600はさらに、ワイヤ経路5606に沿って延在する、ワイヤ5605を含むことができる。ワイヤ経路5606は、近位端部分5602における第1の端部5607と遠位端部分5603における対向する第2の端部5608との間に延在することができる。ワイヤ経路5606は、第1の端部5607と第2の端部5608との間で連続的であることができる。さらに、ワイヤ5605は、第1の端部5607における第1の末端部5609と、第2の端部5608における第2の末端部5610とを含むことができる。ワイヤ経路5606は、縦軸5601を中心として円周方向5612において延在することができる。ワイヤ5605およびワイヤ経路5606の一部、大半、または全てが、縦軸5601と同軸方向に整合される、管状領域5611内にあることができる。図示される実施形態では、管状領域5611は、縦軸5601に対して直角である、円形断面形状を有する。他の実施形態では、管状領域5611の対応物は、卵形、丸みを帯びた角を伴う三角形、丸みを帯びた角を伴う正方形、丸みを帯びた角を伴う別様の多角形である、または縦軸5601の対応物に対して直角である、別の好適な形状を有することができる。さらに、縦軸5601および管状領域5611は、図示される実施形態では、一直線であるが、他の実施形態では、縦軸5601および管状領域5611は、湾曲状であることができる。例えば、埋込物5600の対応物は、湾曲状である、角度付けられる、蛇行状である、または別の好適な非線形形状を有することができる。そのような非線形形状は、例えば、埋込物5600の対応物が展開されることになる、気道領域の形状に対応するように選択されることができる。
【0205】
再び
図56A-58を参照すると、図示される実施形態では、第1の端部5607と第2の端部5608との間のワイヤ経路5606全体が、縦軸5601を中心とした7周の巻部を含む。他の実施形態では、ワイヤ経路5606の対応物は、埋込物5600の対応物の所望のピッチおよび全体長に対応する別の好適な数の巻部等、別の好適な数の巻部を含むことができる。少なくともいくつかの実施形態では、中間部分5604におけるワイヤ経路5606は、4つの巻部、5つの巻部、6つの巻部、またはそれを上回るもの等、3周またはそれを上回る巻部を含む。これらおよび他の実施形態では、近位端部分5602におけるワイヤ経路5606は、第1の端部5607に最も近接する、1周の巻部を含むことができる。同様に、遠位端部分5603におけるワイヤ経路5606は、第2の端部5608に最も近接する、1周の巻部を含むことができる。近位端部分5602と、遠位端部分5603と、中間部分5604との間の境界は、巻部に基づき、および/または縦軸5601の区画に基づくことができる。例えば、近位端部分5602は、縦軸5601の最近位の10%と同一の広がりを持つことができ、遠位端部分5603は、縦軸5601の最遠位の10%と同一の広がりを持つことができ、中間部分は、縦軸5601の中間の80%と同一の広がりを持つことができる。代替として、近位端部分5602は、縦軸5601の最近位の15%と同一の広がりを持つことができ、遠位端部分5603は、縦軸5601の最遠位の15%と同一の広がりを持つことができ、中間部分は、縦軸5601の中間の70%と同一の広がりを持つことができる。他の好適な境界もまた、可能性として考えられる。
【0206】
ワイヤ5605は、ワイヤ経路5606に沿って交互に配置される、第1の区間5614(個々に、第1の区間5614a-5614wとして識別される)と、第2の区間5616(個々に、第2の区間5616a-5616wとして識別される)とを含むことができる。第1の区間5614a-5614wは、円周方向5612において遠位に延在することができる一方、第2の区間5616a-5616wは、円周方向5612において近位に延在する。図示される実施形態では、第1の区間5614a-5614wの全ておよび第2の区間5616a-5616wの全ては、これらの規定される配向を有する。他の実施形態では、ワイヤ5605の対応物は、規定される配向を有する、第1の区間5614a-5614wのいくつか(例えば、大半、1つを除く全て、2つを除く全て等)の対応物および/または第2の区間5616a-5616wの対応物のみを含むことができる。例えば、ワイヤ5605の対応物は、近位端部分5602の対応物においてではなく、および/または遠位端部分5603の対応物においてではなく、中間部分5604の対応物のみにおいて規定される配向を有する、第1の区間5614a-5614wの対応物と、第2の区間5616a-5616wの対応物とを含むことができる。さらに、図示される実施形態では、および少なくともいくつかの他の実施形態では、第1の区間5614a-5614wおよび第2の区間5616a-5616wおよびそれらの対応物は、本明細書に説明される他のデバイスの対応する部分の任意の好適な特徴を有することができる。
【0207】
再び
図56A-58を参照すると、ワイヤ5605は、ワイヤ経路5606に沿った個別の第1の頂点5619に配置される、第1の頂点部分5618(個々に、第1の頂点部分5618a-5618wとして識別される)を含むことができる。ワイヤ5605はまた、ワイヤ経路5606に沿った個別の第2の頂点5621に配置される、第2の頂点部分5620(個々に、第2の頂点部分5620a-5620vとして識別される)を含むことができる。少なくともいくつかの場合では、第1の区間5614a-5614wおよび第2の区間5616a-5616wは、ワイヤ経路5606に沿って交互に配置される。さらに、第1の区間5614a-5614wおよび第2の区間5616a-5616wは、ワイヤ経路5606に沿って、第1の頂点部分5618a-5618wと第2の頂点部分5620a-5620vとの間に散在されることができる。
図56Aに示されるように、第1の頂点部分5618a-5618wは、遠位に(すなわち、縦軸5601に沿って、近位端部分5602に向かうよりも遠位端部分5603により向かって)向くことができる。対応して、第1の頂点部分5618a-5618wに対して最近傍にあるワイヤ5605の部分が、第1の頂点部分5618a-5618wから離れて近位に延在することができる。同様に、第2の頂点部分5620a-5620vは、近位に(すなわち、縦軸5601に沿って、遠位端部分5603に向かうよりも近位端部分5602により向かって)向くことができる。対応して、第2の頂点部分5620a-5620vに対して最近傍にあるワイヤ5605の部分が、第2の頂点部分5620a-5620vから離れて遠位に延在することができる。図示される実施形態では、および少なくともいくつかの他の実施形態では、第1の頂点部分5618a-5618wおよび第2の頂点部分5620a-5620vおよびそれらの対応物は、本明細書に説明される他のデバイスの対応する部分の任意の好適な特徴を有することができる。
【0208】
埋込物5600全体、すなわち、近位端部分5602、遠位端部分5603、および/または中間部分5604は、ワイヤ5605から本質的に成ることができる。さらに、近位端部分5602、遠位端部分5603、および/または中間部分5604における埋込物5600の全体を通したワイヤ5605は、第1の区間5614a-5614wと、第2の区間5616a-5616wと、第1の頂点部分5618a-5618wと、第2の頂点部分5620a-5620vとの種々の組み合わせから本質的に成ることができる。図示される実施形態では、近位端部分5602は、第1の区間5614のうちの4つ(第1の区間5614a-5614d)と、第2の区間5616のうちの3つ(第2の区間5616a-5616c)と、第1の頂点部分5618のうちの3つ(第1の頂点部分5618a-5618c)と、第2の頂点部分5620のうちの3つ(第2の頂点部分5620a-5620c)とを含む。これらの構成要素は、第1の端部5607に最も近接するワイヤ経路5606の単一周の巻部に沿って延在する、ワイヤ5605の部分に対応するが、第1の区間5614dは、第2の端部5608に向かってワイヤ経路5607に沿って、本巻部をわずかに越えて延在する。図示される実施形態では、遠位端部分5603は、第1の区間5614のうちの3つ(第1の区間5614u-5614w)と、第2の区間5616のうちの3つ(第2の区間5616u-5616w)と、第1の頂点部分5618のうちの3つ(第1の頂点部分5618u-5618w)と、第2の頂点部分5620のうちの2つ(第2の頂点部分5620u-5620v)とを含む。これらの構成要素は、第2の端部5608に最も近接するワイヤ経路5606の単周の巻部に沿って延在する、ワイヤ5605の部分に対応するが、第2の区間5616uは、第1の端部5607に向かってワイヤ経路5606に沿って、本巻部をわずかに越えて延在する。最後に、図示される実施形態では、中間部分5604は、第1の区間5614のうちの16のもの(第1の区間5614e-5614t)と、第2の区間5616のうちの17のもの(第2の区間5616d-5616t)と、第1の頂点部分5618のうちの17のもの(第1の頂点部分5618d-5618t)と、第2の頂点部分のうちの17のもの(第2の頂点部分5620d-5620t)とを含む。これらの構成要素は、ワイヤ経路5606の5周の巻部に沿って延在する、ワイヤ5605の部分に対応する。他の実施形態では、上記に議論されるように、近位端部分5602、遠位端部分5603、および中間部分5604の対応物は、他の好適な境界を有することができる。さらに、これらの対応物は、他の好適な数量および/またはタイプの構成要素を含むことができる。
【0209】
少なくともいくつかの場合では、ワイヤ5605は、ワイヤ経路5606の全体を通して分岐されない。例えば、ワイヤ5605は、ワイヤ5605が分裂する、2分岐点、3分岐点、または他のタイプの接合部を欠くことができる。加えて、または代替として、ワイヤ5605は、ワイヤ経路5606の全体を通して繋留されない状態であることができる。例えば、ワイヤ5605は、ワイヤ経路5606に沿って相互から離間されるワイヤ5605の異なる部分間、および/またはワイヤ5605と他の埋込物構成要素との間の橋部または他の構造的接続を欠くことができる。非拘束的理論を用いると、これらの特徴は、単独で、または本明細書に説明される他の特徴との組み合わせにおいて、埋込物5600と関連付けられる異物応答を低減させるため、埋込物5600の縦方向可撓性を増加させるため、および/または1つまたはそれを上回る他の理由のために有用であり得る。他の実施形態では、ワイヤ5605の対応物は、分岐状である、繋留される、および/または他の埋込物構成要素とともに存在することができる。
【0210】
再び
図56A-58を参照すると、第1の末端部5609および/または第2の末端部5610は、繋留されていない状態であることができる。対照的に、従来の埋込物内のワイヤ端部は、典型的には、他のワイヤ部分に繋合または別様に接合されること等による、ある様式において繋留される。本繋留は、繋留されていないワイヤ端部が、従来は、繋留されたワイヤ端部よりも、埋込物の展開の後に外傷を引き起こし、遊走し、および/または他の望ましくない挙動を呈するような高い潜在性を有することが想定されるため、直観的である。再び
図56A-57Bを参照すると、本発明者らは、第1の末端部5609および/または第2の末端部5610を繋留されていない状態にすることが、潜在的恩恵を有していたこと、および関連付けられる問題が、他の埋込物特徴を用いて軽減またはさらに排除され得ることを認識した。恩恵の中には、粘膜繊毛クリアランスを支援することが、存在する。本発明者らは、上記に議論されるように、ワイヤ5605の他の部分における分岐および/または繋留の不在、および/またはワイヤ5605以外の埋込物5600の構造の不在もまた、本目的を支援し得ることを認識した。また、本理論に拘束されることを所望するわけではないが、本発明者らは、粘膜繊毛クリアランスを、粘液栓塞または肉芽組織の蓄積に起因する気道開存性の喪失を伴うことなく、埋込物5600の長期的使用を支援するために有用であるものとして識別した。故に、埋込物5600は、埋込物5600が、気管支樹内の治療場所において展開される間、埋込物5600の直遠位にある場所から埋込物5600の直近位にある場所への粘膜繊毛クリアランスを可能にするように構成されることができる。
【0211】
図58に最も詳細に示されるように、第1の末端部5609は、埋込物5600の最近位端にあることができる。対応して、埋込物5600は、ワイヤ経路5606の第1の端部5607における、第1の区間5614のうちの所与の1つを含むことができる。さらに、近位端部分5602におけるワイヤ経路5606のピッチは、中間部分5604におけるワイヤ経路5606のピッチとほぼ同一(例えば、その10%以内)であることができる。これらの特徴および第1の末端部における、繋留の不在は、単独で、または組み合わせにおいて、埋込物5600の回収可能性を促進することができる。例えば、埋込物5600は、無期限の使用のために好適であることが予期されるが、ある場合には、展開の後に治療場所から埋込物5600を除去することが、有用であり得る。これは、例えば、臨床医が埋込物5600を不適切に展開するとき、または、予期しない異常な生物学的プロセスが、埋込物5600が展開される気道領域に最終的に開存性を喪失させるときに当てはまり得る。埋込物5600を回収することは、第1の末端部5609またはその近傍のワイヤ5605を把持することと、ワイヤ5605を近位に引動することとを含むことができる。第1の末端部5609の説明される特徴は、把持アクセスを促進することができ、引張力に応答してワイヤ5605を気道壁から離れるように誘導することに役立つことができる。例えば、埋込物5600は、概して、特に、近位端部分5602は、回収の間に、縦軸5601に対して直角である、同一の形状を維持するのではなく、巻解および伸長するように構成されることができる。故に、気道壁を横断して近位に引きずられるのではなく、埋込物5600は、回収の間に、内向きに係脱し、次いで、近位に移動する傾向にあることができる。これは、余剰外傷を低減または排除することができる。
【0212】
図59、60、61、および62は、それぞれ、
図58の線A-A、B-B、C-C、およびD-Dに沿って得られた、埋込物5600の断面図である。
図59-62に示されるように、埋込物5600の異なる部分における、縦軸5601に対して直角である平面が、埋込物5600の1つを上回る円周方向に離間された部分と交差することができる。これは、単純コイルと対照的である。本発明者らは、気道領域の壁の1つを上回る円周方向に離間された部分と接触することが、気道開存性を確立し、維持するために有用であり得ることを発見している。縦軸5601に対して直角である平面が交差する、埋込物5600の部分が、埋込物5600が展開されると気道領域の壁に接触する、埋込物5600の部分に対応することができる。故に、
図58-62に示されるように、埋込物5600は、線A-Aにおいて縦軸5601に対して直角である平面における気道領域の壁の3つの円周方向に離間された部分、線B-Bにおける5つのそのような部分、線C-Cにおける3つのそのような部分、および線D-Dにおける6つのそのような部分に接触することができる。線A-A、B-B、およびC-Cは、中間部分5604にある一方、線D-Dは、遠位端部分5603にある。少なくともいくつかの場合では、中間部分5604および/または縦軸5601に沿った埋込物5600の長さの中央の50%において縦軸5601に対して直角である任意の所与の平面は、ワイヤ経路5606に沿った、少なくとも3つの(例えば、3~5つの)円周方向に離間された点と交差する。
【0213】
図59-62が示唆するように、埋込物5600は、中間部分5604における縦軸5601に対して直角である平面よりも、遠位端部分5603における縦軸5601に対して直角である平面において、気道領域の壁のより多くの円周方向に離間された部分に接触するように構成されることができる。例えば、埋込物5600は、縦軸5601に沿った埋込物5600の長さの中央の50%に対して直角である、任意の所与の平面において、ワイヤ経路5606に沿った、少なくとも第1の数の円周方向に離間された点と交差し、縦軸5601に沿った埋込物5600の長さの最遠位の5%に対して直角である、任意の所与の平面において、ワイヤ経路5606に沿った、少なくともより多くの第2の数の円周方向に離間された点と交差するように構成されることができる。少なくともいくつかの場合では、第2の数の円周方向に離間された点は、少なくとも5つである。さらに、縦軸5601に沿った埋込物5600の長さの最遠位の5%に対して直角である、任意の所与の平面が、埋込物と交差する、ワイヤ経路5606に沿った円周方向に離間された点の中でも、点の任意の円周方向に近隣する対間の最大円周方向間隔は、120度以下等、180度以下であることができる。逆に、円周方向に離間された点の少なくとも1つの近隣する対に関して、少なくとも90度、120度、または150度等の少なくとも60度の最小円周方向間隔が、存在し得る。
【0214】
本発明者らは、遠位端部分5603と気道領域との間での比較的に多数および/または比較的に円周方向に平衡状態にある接触点の位置付けを、埋込物5600の展開を促進するために潜在的に有用であるものとして認識した。例えば、少なくともいくつかの場合では、埋込物5600は、埋込物5600が漸進的に被覆解除され、半径方向に拡張することを可能にされるように、シースと埋込物5600との間の相対移動を引き起こすことによって展開される。これらおよび他の場合には、遠位端部分5603は、埋込物5600の他の部分より前に拡張することができる。本拡張が、始まるとき、遠位端部分5603は、気道領域への確立された接続を有していない場合がある。遠位端部分5603の対応物が、単点において気道領域との接続を開始および/または伝搬した場合、その点における気道領域に対して付与される力は、潜在的に、気道領域の非対称的な拡張を引き起こすであろう。これは、ひいては、潜在的に、遠位端部分5603の対応物を展開の間に予測不可能に移動させ、潜在的な外傷および/または位置付けの準最適な制御につながるであろう。対照的に、再び
図62を参照すると、遠位端部分5603は、気道領域の十分な数の円周方向に離間された部分において(矢印5622に対応する)力を付与し、気道領域を比較的に均一に拡張させ、それによって、潜在的な外傷を低減させる、および/または位置付けの制御を向上させるように構成されることができる。その展開の後、遠位端部分5603は、そのようなさらなる拡張が、比較的に少数の点および/または比較的に円周方向に非平衡状態にある点に沿って伝搬する場合でも、埋込物5600のさらなる半径方向拡張が、外傷を引き起こさない、または埋込物5600の位置付けの制御を過度に損なわせないように、埋込物5600を係留することができる。
【0215】
埋込物の幾何学形状および接触密度
図63は、埋込物6300のある幾何学的側面を図示する概略図と並列される、非拘束状態にある、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物6300の外形図である。埋込物6300は、概して、埋込物6300がより少ない巻部と、異なるワイヤ終端特徴とを有することを除いて、上記に説明される埋込物5600に類似する。
図56A-56Fおよび63をともに参照すると、埋込物6300は、それぞれ、少なくとも概して、埋込物5600の縦軸5601、近位端部分5602、遠位端部分5603、中間部分5604、ワイヤ5605、ワイヤ経路5606、円周方向5612、第1の区間5614、第2の区間5616、第1の頂点部分5618、第1の頂点5619、第2の頂点部分5620、および第2の頂点5621に対応する、縦軸6301と、近位端部分6302と、遠位端部分6303と、中間部分6304と、ワイヤ6305と、ワイヤ経路6306と、(ページの中に示され、湾曲するような)円周方向6312と、第1の区間6314と、第2の区間6316と、第1の頂点部分6318と、第1の頂点6319と、第2の頂点部分6320と、第2の頂点6321とを含む、または画定することができる。
【0216】
ここで
図63を参照すると、ワイヤ経路6306は、中間部分6304におけるワイヤ経路6306の3つの連続する巻部6322(個々に、巻部6322a-6322cにおいて識別される)に対応する、ワイヤ経路6306の部分を伴う、2次元の巻解された表現において示される。概略図内の垂直軸は、縦軸6301を中心とした円周方向6312における円周方向位置および間隔に対応する。概略図内の水平軸は、縦軸6301に沿った縦方向位置および間隔に対応する。埋込物6300は、縦軸6301に沿った長さ6324と、縦軸6301に沿ったピッチ6326と、縦軸6301に対して直角である直径6328とを画定することができる。概略図では、ワイヤ経路6306の第1の区画6330は、第1の区間6314の長さに対応する。同様に、ワイヤ経路6306の第2の区画6332も、第2の区間6316の長さに対応する。単純にするために、第1および第2の区画6330、6332は、近隣する第1の頂点と第2の頂点との間に直線として表される。
【0217】
図示される実施形態では、長さ6324は、約50mmであり、中間部分6304における平均ピッチ6326は、約8.1mmであり、平均直径6328は、約10mmである。他の実施形態では、これらの寸法は、異なることができる。例えば、長さ6324の対応物は、70mm~200mmまたは70mm~120mm等、50mm~200mmの範囲内であることができる。代替として、長さ6324の対応物は、50mmを下回る、または200mmを上回ることができる。中間部分6304における平均ピッチ6326の対応物は、6mm~12mmまたは6mm~10mm等、4mm~12mmの範囲内であることができる。代替として、平均ピッチ6326の対応物は、4mmを下回る、または12mmを上回ることができる。平均直径6328の対応物は、4mm~20mmまたは5mm~15mm等、2mm~20mmの範囲内であることができる。代替として、平均直径6328の対応物は、2mmを下回る、または20mmを上回ることができる。他の実施形態では、埋込物6300の対応物は、さらに他の好適な寸法を有することができる。
【0218】
再び図示される実施形態を参照すると、遠位端部分6303における平均ピッチ6326は、中間部分6304における平均ピッチ6326より小さく、近位端部分6302における平均ピッチ6326より小さく(例えば、10%~50%より小さく)あることができる。本ピッチ差は、中間部分6304の展開に対して、遠位端部分6303の展開の間に、埋込物6300と気道壁との間の接触がそれに沿って同時に伝搬する、ワイヤ6305のより多い数の円周方向に離間された部分に対応することができる。加えて、または代替として、本ピッチ差は、中間部分6304の展開に対して、遠位端部分6303の展開の間に、埋込物6300と気道壁との間の接触がそれに沿って同時に伝搬する、ワイヤ6305の部分間のより大きい程度の円周方向平衡に対応することができる。上記に議論されるように、接触部分の数および/またはこれらの接触部分の円周方向平衡は、埋込物の展開の間の潜在的な外傷を低減させる、および/または位置付けの制御を向上させるために有用であることができる。
【0219】
ピッチ6326はまた、粘膜繊毛クリアランスを向上させること等の、埋込物6300の性能特性に関連することができる。少なくともいくつかの場合では、埋込物6300は、埋込物6300がヒト対象の気管支樹内の治療場所において展開される間に、埋込物6300の直遠位にある場所から埋込物6300の直近位にある場所まで連続的粘膜繊毛クリアランス経路6334に沿って延在する、閉塞されていない粘膜繊毛クリアランス領域を画定するように構成される。
図63に示されるように、粘膜繊毛クリアランス経路6334は、ワイヤ経路6306の連続する巻部間に延在することができる。縦軸6301に対して平行である、粘膜繊毛クリアランス領域の平均幅は、ワイヤ経路6306に対して直角である、ワイヤ6305の平均断面直径を有意に上回ることができる。これは、埋込物6300と気道壁との間の比較的に小さい接触面積と、それによって、異物応答と、粘膜繊毛クリアランスのために利用可能な比較的に大きい面積との相乗的組み合わせに対応することができる。これらの特徴は、単独で、またはともに、その間に埋込物6300が展開される気道領域が開存しているままである時間を(潜在的に無期限に)増加させることができる。少なくともいくつかの場合では、縦軸6301に対して平行である、粘膜繊毛クリアランス領域の平均幅は、ワイヤ経路6306に対して直角である、ワイヤ6305の平均断面直径の少なくとも10倍(例えば、10倍~20倍の範囲内)である。加えて、または代替として、平均ピッチ6326は、平均直径6328の50%~110%(例えば、70%~90%)の範囲内であることができる。これは、例えば、中間部分6304において、および/または埋込物6300の全体を通して当てはまることができる。
【0220】
埋込物6300は、薄型の送達状態から拡張された展開状態に弾力的に遷移するように構成されることができる。平均直径6328は、これらの状態間で有意に異なることができる。非拘束的理論を用いると、本発明者らは、本特徴が、気道開存を確立し、維持することを促進するための大きい潜在力を有することを見出している。その天然直径を優に越えた気道の拡張は、粘液栓塞または肉芽組織の蓄積に起因して遮閉された状態になる可能性が低い、またはそうなることが少なくともより緩徐である、比較的に大きい遊離通路面積を生成する。いくつかの実施形態では、埋込物6300が展開状態にあるときの平均直径6328は、埋込物6300が送達状態にあるときの平均直径6328の少なくとも3倍(例えば、少なくとも3.5倍、少なくとも4倍、少なくとも4.5倍、または少なくとも5倍)である。これらおよび他の実施形態では、埋込物6300が図示される非拘束状態にあるときの平均直径6328は、埋込物6300が送達状態にあるときの平均直径6328の少なくとも4倍(例えば、少なくとも4.5倍、少なくとも5倍、少なくとも5.5倍、または少なくとも6倍)である。さらに、平均直径6328の長さ6324に対する比は、1:10~1:30等、1:5~1:30の範囲内であることができる。
【0221】
図示される実施形態では、直径6328は、長さ6324の全体を通して一貫する。少なくともいくつかの場合では、直径6328は、長さ6324の全体を通して5%以下または10%以下変動する。関連して、近位端部分6302における直径6328の平均は、遠位端部分6303における直径6328の平均と5%以下異なる、または10%以下異なることができる。これは、遠位端部分6303が、近位端部分6302が展開される部分より気管支樹の遠位部分において展開されるように構成されるため、反直感的であり得る。気管支樹のより遠位の気道領域は、典型的には、より近位部分より狭小である。しかしながら、直径6328を長さ6324の全体を通して比較的に一貫したものにさせることは、気道開存性を確立および/または維持するために、有益であることができる。例えば、気道領域の壁の相対的過拡張の程度が、近位よりも遠位に向かってより大きいことが、有益であり得る。これは、遠位に狭小化する気道領域内での一貫した直径の埋込物の展開から、続くことが予期される。他の利点もまた、可能性として考えられる。さらに、他の実施形態では、直径6328の対応物は、長さ6324の対応物に沿って非一貫してもよい。例えば、直径6328の対応物は、長さ6324の対応物に沿って増加または減少してもよい。これらの場合には、対応物近位端部分6302の平均対応物直径6328は、対応物遠位端部分6303の平均対応物直径6328より小さい、または大きくあることができる。
【0222】
再び
図63を参照すると、中間部分6304における第1の頂点部分6318は、第1の螺旋6336を画定することができる。同様に、中間部分6304における第2の頂点部分6321は、第2の螺旋6338を画定することができる。少なくともいくつかの場合では、縦軸6301は、それを中心として第1および第2の螺旋6336、6338が巻回される、対称軸である。埋込物6300は、第1の螺旋6336と第2の螺旋6338との間に第1の螺旋状帯部6340を画定することができる。図示される実施形態では、第1の螺旋状帯部6340の連続する巻部は、埋込物6300が第1の螺旋状帯部6340と絡み合わせられる第2の螺旋状帯部6342を画定するように、縦軸6301に沿って相互から離間される。少なくともいくつかの場合では、第1の螺旋状帯部6340の平均幅は、埋込物6300が展開状態にあるときに、中間部分5604における平均ピッチ6326の30%~75%の範囲内である。埋込物6300が、送達状態から展開状態または非拘束状態に向かって遷移するにつれて、縦軸6301に対して平行である、第1の螺旋状帯部6340の平均幅は、減少することができ、縦軸6301に対して平行である、第2の螺旋状帯部6342の平均幅は、増加することができる。逆に、埋込物6300が、展開状態または非拘束状態から送達状態に向かって遷移するにつれて、縦軸6301に対して平行である、第1の螺旋状帯部6340の平均幅は、増加することができ、縦軸6301に対して平行である、第2の螺旋状帯部6342の平均幅は、減少することができる。
【0223】
ある場合には、埋込物6300が送達状態にあるときに、第2の螺旋状帯部6342が依然として存在することが、有用である。換言すると、これらの場合には、埋込物6300が送達状態にあるときに、第1の螺旋状帯部6340の連続する巻が縦軸6301に沿って相互から離間されることが、有用であることができる。これは、例えば、埋込物6300が送達状態にあるときに、ワイヤ経路6306の重複を低減または排除するために有用であることができる。ワイヤ経路6306の重複は、埋込物6300を、送達状態において、そうではない場合に当てはまるであろうよりも小型ではないものにさせ得る。これは、これが管腔内でより遠位気道に送達されるための埋込物6300の能力を低減させ得るため、不利であり得る。他の場合では、第2の螺旋状帯部6342の対応物は、埋込物6300の対応物が送達状態にあるときに排除されてもよい。換言すると、これらの他の場合では、第1の螺旋状帯部6340の対応物の連続する巻部は、埋込物6300の対応物が送達状態にあるときに重複していてもよい。第1の螺旋状帯部6340の連続する巻部間のその対応物内の特徴の円周方向整合は、ワイヤ経路6306の対応物がこれらの場合において重複するかどうかに影響を及ぼすことができる。これらの特徴の円周方向整合が、ワイヤ経路6306の対応物が重複しないようなものであるとき、埋込物6300の対応物が送達状態にあるときに第1の螺旋状帯部6340の対応物を重複させることは、有利であり得る。例えば、入れ子または相互嵌合を介して、本重複は、より多くの縦方向に拡張性の構造が同一の縦方向空間内に存在することを可能にし得る。しかしながら、下記に議論されるように、第1の螺旋状帯部6340内の特徴の円周方向整合は、本潜在的利点より優る、それと競合する、またはそれと相補的であり得る、他の含意を有する。
【0224】
図63に示されるように、中間部分6304におけるワイヤ経路6306の個別の近隣する巻部6322における、第1の頂点6319のうちの所与の3つおよび対応する第1の頂点部分6320が、相互と円周方向に整合されることができる。例えば、第1の頂点6319のうちの所与の3つおよび対応する第1の頂点部分6320は、相互との円周方向整合の5度以内または10度以内であることができる。さらに、本円周方向整合は、近隣する巻部6322における第1の頂点6319のうちの1つ、いくつか、または全てと、対応する第1の頂点部分6320とに関して存在することができる。
図63の線6344は、本円周方向整合を示す。少なくともいくつかの場合では、記載される範囲内の円周方向整合は、埋込物6300が送達状態と展開状態との間、または送達状態と非拘束状態との間で遷移するにつれて持久する。故に、中間部分6304におけるワイヤ経路6306の個別の近隣する巻部6322における、第1の頂点6319のうちの所与の3つおよび対応する第1の頂点部分6320は、埋込物6300が送達状態、展開状態、および非拘束状態にあるときに、相互と円周方向に整合されることができる。非拘束的理論を用いると、円周方向整合の本持久は、治療場所における展開の後に偏移するような埋込物6300の傾向を低減または排除すること等の、ある利点を有し得る。そのような偏移は、異物応答を増加させる、気道のびらんを増加させる、および/または他の望ましくない影響を及ぼし得る。
【0225】
図63では、線区画6346は、中間部分6304におけるワイヤ経路6306に沿った第1および第2の頂点6319、6321間の連続する頂点間の円周方向間隔を表す。少なくともいくつかの実施形態では、本円周方向間隔の平均は、55度~65度等、35度~95度の範囲内である。円周方向整合と同様に、平均円周方向間隔も、埋込物6300が送達状態と展開状態との間または送達状態と非拘束状態との間で遷移するにつれて、持久することができる。少なくともいくつかの場合では、埋込物6300が送達状態にあるときの中間部分6304におけるワイヤ経路6306に沿った第1および第2の頂点6319、6321間の連続する頂点間の平均円周方向間隔は、埋込物6300が展開状態にあるときと5%以下または10%以下異なる。同様に、埋込物6300が送達状態にあるときの本平均円周方向間隔は、埋込物6300が非拘束状態にあるときと5%以下または10%以下異なることができる。非拘束的理論を用いると、円周方向間隔の本持久は、円周方向整合の持久に関して上記に議論される利点に類似する、ある利点を有し得る。
【0226】
図64A-65Bは、埋込物6300に関連する、異なる個別の成される角度を示す、略図である。特に、
図64Aおよび64Bは、それぞれ、埋込物6300が非拘束状態および送達状態にあるときの、第1の頂点6319のうちの所与の1つの対向側における、(第1の区間6314のうちの所与の1つに対応する)第1の区画6330のうちの所与の1つ、および(第2の区間6316のうちの所与の1つに対応する)第2の区画6332のうちの所与の1つに対応する、ワイヤ経路6306の部分を図示する。同様に、
図65Aおよび65Bは、それぞれ、埋込物6300が非拘束状態および送達状態にあるときの、第2の頂点6321のうちの所与の1つの対向側における、第1の区画6330のうちの所与の1つ、および第2の区画6332のうちの所与の1つに対応する、ワイヤ経路6306の部分を図示する。
図64Aに示されるように、ワイヤ経路6306に沿って相互に近隣する一対の第1の頂点6319間の第1の線6348は、ワイヤ経路6306に沿った第2の頂点6321のうちの介在する1つから、第1の角度6350を成す。
図64Aはまた、所与の第1の頂点6319の対向側における、所与の第1の区画6330の長さ6352と、所与の第2の区画6332の長さ6354とを図示する。
図65Aに示されるように、ワイヤ経路6306に沿って相互に近隣する一対の第2の頂点6321間の第2の線6356は、ワイヤ経路6306に沿った第1の頂点6319のうちの介在する1つから第2の角度6358を成す。少なくともいくつかの場合では、第1および第2の角度6350、6358の一方または両方は、埋込物6300が送達状態にあるときに-20度~20度の範囲内(例えば、-20度~10度)、埋込物6300が展開状態にあるときに20度~90度の範囲内(例えば、40度~90度)である。本角度は、頂点の対向側におけるワイヤ経路6306の区画が収束し、次いで、それらが頂点から離れるように延在するにつれて発散するときに、負であることができる。
【0227】
中間部分6304における第1の区間6314の平均長6352は、中間部分6304における第2の区間6316の平均長6354と異なることができる。例えば、中間部分6304における第1の区間6314の平均長6352は、中間部分6304における第2の区間6316の平均長6354を上回る(例えば、20%~50%上回る)ことができる。さらに、中間部分6304における第1の区間6314の平均長6352の中間部分6304における第2の区間6316の平均長に対する比は、n/(n-1)の閾値を上回ることができ、nは、中間部分における縦軸を中心としたワイヤ経路の1周の巻部6322あたりの第1の区間6314の平均数である。例えば、中間部分6304における第1の区間6314の平均長6352の中間部分6304における第2の区間6316の平均長に対する比は、閾値の80%~99%の範囲内であることができる。これは、埋込物が気道領域を支持し、気道領域の壁の嵌入を阻止する程度を過度に損なわせることなく、埋込物6300が送達状態にあるときにワイヤ経路6306の重複を回避することを促進し得る。
【0228】
埋込物6300は、驚くほどに低い気道接触密度を有することができる。一般に、気道領域壁を拡張させるために必要とされる力の量は、埋込物と気道領域壁との間の接触の量から比較的に独立している。故に、より低い気道接触密度は、より高い力密度の必要性に対応する。本発明者らは、ヒトの気管支樹内の気道が、驚くほど高い力密度に耐えることが可能であることを発見した。故に、気道接触密度は、性能を過度に損なわせることなく、低減されることができる。さらに、低い接触密度が、気道開存性を維持することに有益な影響を及ぼすことが予期される。例えば、低い接触密度は、異物応答を低減させ、粘膜繊毛クリアランスを促進することが予期される。また、高い力密度は、実際には、下記にさらに議論されるように、安定性を増加させることによって有益であり得る。気道/埋込物間の接触密度は、以下の方程式1(方程式1)に対応することが予期される。
【化2】
少なくともいくつかの実施形態では、埋込物6300は、埋込物6300が展開状態にあるとき、第1の螺旋状帯部6340の総面積の、5%~15%等、5%~30%を占有するように構成される。
【0229】
埋込物安定性
図65は、気道領域6500内の、展開状態にある埋込物6300の外形図である。本状態では、埋込物6300上および気道領域6500上の半径方向力は、以下の方程式2(方程式2)に従って、平衡状態にあることが予期される。
【化3】
埋込物6300の直径6328および半径方向ばね定数は、以下の方程式3(方程式3)に照らして選択されることができる。
【化4】
上記に議論されるように、本発明者らは、ヒトの気管支樹内の気道が、驚くほど高い力密度に耐えることが可能であること、およびその高い力密度が、埋込物安定性を向上させるため、および/または他の理由のために有益であり得ることを発見した。故に、埋込物6300が気道を拡張させるように構成される直径は、気道の公称直径より何倍も大きく(例えば、少なくとも2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、または4倍大きく)あることができる。
【0230】
埋込物と気道壁との間の安定した接触は、少なくとも2つの理由のために達成することが高難度であり得る。第1に、関連のある気道領域は、典型的には、蛇行性であり、分岐状であり、および/または広く可変の直径である。第2に、これらの気道領域は、典型的には、呼吸、咳嗽、噴嚏等の間に有意かつ非均一に移動する。気道領域と埋込物との間の相対移動は、長期的開存性を減少させる傾向にある、刺激、びらん、異物応答、および/または他の要因を引き起こす、またはそれに寄与し得る。高い力密度とともに、またはその代わりに、本発明者らは、半径方向変形に対する比較的に高い耐性とともに、縦方向変形に対する比較的に低い耐性が、埋込物安定性を向上させ得ることを認識した。
【0231】
図66は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物に関連するある力および寸法を図示する、概略図である。
図66では、埋込物6600の2つの近隣する巻部が、気道領域6602内で展開状態において示される。半径方向および縦方向の力が両方とも、識別される。少なくともいくつかの場合では、伸長/短縮に反応する埋込物6600の力が、埋込物6600上の摩擦力未満であるとき、埋込物6600は、気息の間に安定したままである傾向にある。埋込物6600の半径方向および縦方向ばね定数は、以下の方程式4(方程式4)に従って選択されることができる。
【化5】
本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物は、15:1~80:1または20:1~80:1等、10:1~80:1の範囲内の半径方向ばね定数の縦方向ばね定数に対する比を有する。
【0232】
交互の第1および第2の区間を含むワイヤは、両方のワイヤが同一のピッチを有する場合であっても、単純コイルとして成形されるワイヤよりも大きい程度まで気道を支持することができる。
図67は、気道壁上の点と単純コイルのワイヤ経路との間の最大距離を図示する、概略図である。
図68は、気道壁上の点と本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物のワイヤ経路との間の最大距離を図示する、概略図である。
図67における最大距離は、線6700によって表され、以下の方程式5(方程式5)を使用して計算されることができる。
【化6】
図68では、線6700の長さに等しい半径を有する円6702が、ワイヤ経路の近隣する巻部間の途中の線に沿った点上で心合される。円は、ワイヤ経路と重複し、点における気道の部分がワイヤにより近接し、したがって、
図68のワイヤ経路および
図67のワイヤ経路を用いてより良好に支持されることを示す。
【0233】
呼吸の間に埋込物と気道壁との間の安定した接触を維持することと潜在的に関連するものとして本発明者らが認識した、別の埋込物特徴は、管状形態からより平面状の形態に向かった、平坦化に対する耐性である。いくつかの管状構造が、構造の縦軸に対して平行である剪断応力に応答して相互の上に容易にドミノ倒しになる、または別様に圧潰する、縦方向に分散された下部構造(例えば、螺旋状の巻)を有する。これは、本タイプの剪断応力が呼吸の間に気道内で生じ得るため、問題となる。脈動血液流の間に、限定される程度まで、かつ、主として、縦方向ではなく半径方向に拡張および収縮する、血管と対照的に、呼吸の間の気道は、はるかにより有意に拡張および収縮し、半径方向および縦方向の両方にそれを行う。故に、平坦化に対する適正な耐性を達成することは、血管埋込物の状況におけるよりも肺埋込物の状況においてはるかに高難度であり得る。下記に議論される構造的特徴に起因して、および/または他の理由のために、本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物は、平坦化に抵抗することに対して非常に好適である。例えば、本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物は、平坦化に抵抗するために好適である、半径方向ばね定数の縦方向剪断弾性率に対する比を有する。本比は、例えば、0.005~0.100の範囲内であることができる。加えて、または代替として、本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物は、平坦化に抵抗するために好適である、縦方向ばね定数の縦方向剪断弾性率に対する比を有する。本比は、例えば、0.5~5.0の範囲内であることができる。
【0234】
呼吸の間の安定した壁接触を助長する、上記および/または他の性質は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物のある構造的特徴に関連することができる。1つのそのような特徴は、連続する螺旋状の巻または他の縦方向に分散される埋込物下部構造間に、剛性の橋部が完全または相対的にない状態である。本特徴は、半径方向変形に対する比較的に高い耐性とともに、縦方向変形に対する比較的に低い耐性を助長することができ、これは、上記に議論されるように、呼吸の間に埋込物と気道壁との間の安定した接触を助長する傾向にある。本特徴はまた、管状形態からより平面状の形態に向かって平坦化するような埋込物の傾向を増加させることができ、これは、上記にも議論されるように、対向する効果を有することができる。しかしながら、本発明者らは、後者の効果が、連続する螺旋状の巻または他の縦方向に分散される埋込物下部構造間の平均間隔(例えば、ピッチ)を増加させることによって少なくとも部分的に軽減され得ることを発見した。さらに、連続する螺旋状の巻または他の縦方向に分散される埋込物下部構造間に剛性の橋部が完全または相対的にない状態、およびこれらの下部構造間の増加された間隔は両方とも、改良された気道開存性を維持することに相乗的に役立つ。これらの特徴は両方とも、粘膜繊毛クリアランスを促進し、および/または異物応答を低減させる傾向にある。本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物は、縦軸の周囲に延在する第1の螺旋状帯部内に縦方向に分散される下部構造(例えば、螺旋状の巻部)を含み、第1の螺旋状帯部の巻回体間に閉塞されていない第2の螺旋状帯部を画定する。少なくともいくつかの場合では、本特徴は、0.5:1~1.2:1等、0.3:1~1.5:1の範囲内のピッチの直径に対する比とともに存在する。
【0235】
埋込物の展開
図69は、ヒト対象の気管支樹6904内の気道領域6902の解剖図である。
図70-75は、気道領域6902における埋込物の間の異なる個別の時間の部分概略図である。本展開は、ここで、主として、埋込物6300(
図63)および送達システム5500(
図55A)に関して説明されるであろう。しかしながら、展開が、本明細書に説明される任意の好適な埋込物または送達システムを用いて実践され得ることを理解されたい。さらに、本明細書に説明される埋込物6300および他の埋込物は、他の好適なタイプの展開と互換性があることができる。
図55A、63、および69-75をともに参照すると、埋込物6300は、気管支樹6904内において、管腔内で、気道領域6902における治療場所に向かって移動されることができる。治療場所は、第1の気道6906と、第1の気道6906の遠位にある、第2の気道6908とを含むことができる。第2の気道6908の世代は、第1の気道6906の世代を上回ることができる。例えば、第2の気道6908の世代は、第1の気道6906の世代を少なくとも1、2、3、4、5、または6上回ることができる。さらに、第1の気道6906の世代は、少なくとも3、4、5、6、またはさらに上位の数であることができる。
【0236】
治療場所に向かう埋込物6300の移動は、埋込物6300が薄型の送達状態にある間に生じることができる。例えば、内側シース5508は、本腔内移動の間に、埋込物6300の周囲に延在し、埋込物6300の半径方向拡張を拘束することができる。
図69および70に示されるように、送達システム5500は、先端5512が、狭小すぎて送達システム5500のより遠い遠位移動を可能にすることができない、気管支樹6904の制限部6910(例えば、2分岐点または3分岐点)に到達するまで、遠位に移動されることができる。ある場合には、先端5512は、制限部6910における気道領域6902の部分を拡張させる。他の場合では、送達システム5500は、これを生じさせるために十分遠くに遠位移動されない。先端5512と制限部6910との間の相互作用は、触知可能に(例えば、臨床医は、先端5512が制限部6910に到達すると、抵抗を認知し得る)、透視下で(例えば、先端5512における放射線不透過性マーカの蛍光透視結像(図示せず)を介して)、視覚的に(例えば、送達システム5500に組み込まれる内視鏡カメラ(図示せず)を介して)、および/または別の好適な様式において判別されることができる。他の場合では、
図55Aの文脈において上記に説明されるように、送達システム5500は、気管支鏡の作業チャネルを介して展開されることができる。これらの場合には、気管支鏡の(先端5512ではなく)遠位端が、埋込物6300が気管支樹6904内で遠位に前進され得る程度を限定するように、制限部6910と相互作用してもよい。これらの場合には、気管支鏡のカメラが、埋込物6300の位置付けを誘導するために使用されることができる。
【0237】
いったん好適に位置すると、埋込物6300は、治療場所において、送達状態から拡張された展開状態に遷移されることができる。
図72に示されるように、これは、埋込物6300と内側シース5508との間の相対移動を引き起こすことを含むことができる。例えば、内側シース5508は、後退され、埋込物6300の最遠位部分から漸次的に始め、近位に移動して、埋込物6300を暴露することができる。埋込物6300を暴露することは、埋込物が自己拡張することを可能にすることができる。例えば、埋込物6300を暴露することは、埋込物6300が、埋込物6300からの外向き半径方向力が気道領域6902からの内向き半径方向力に等しい、均衡状態を呈するまで、埋込物6300の少なくともある程度の弾力的付勢を解放することができる。少なくともいくつかの場合では、埋込物6300は、第1および第2の区間6314、6316における場合より第1および第2の頂点部分6318、6320において弾力的に付勢される。故に、埋込物6300は、第1および第2の頂点部分6318、6320におけるばねと、第1および第2の区間6314、6316における接続部とを含むと考えられることができる。他の実施形態では、ばねおよび接続部は、他の好適な形態を有することができる。さらに、ばねは、弾力以外の機構(例えば、埋込物6300を伴うバルーンまたは他の二次的構造)を介して拡張するように構成される、非弾力性の拡張可能構造に置き換えられてもよい。
【0238】
埋込物6300と内側シース5508との間の相対移動の間に、近位停止部5504は、埋込物6300全体の近位移動を阻止することができ、共形化可能部材5510は、埋込物6300の個々の巻の近位移動を阻止することができる。したがって、埋込物6300は、半径方向に拡張するにつれて、少なくとも概して、その縦方向の位置付けおよび構成を保定するために制御された様式において展開されることができる。少なくともいくつかの場合では、埋込物6300の長さ6324は、埋込物6300を遷移させることの直後において、埋込物6300が依然として内側シース5508内にある間に対してほぼ同一である(例えば、5%または10%以下異なる)。埋込物6300を遷移させることは、第2の気道6908において遠位端部分6303を拡張させることから始まることができる。これは、第2の気道6908の壁と、埋込物6300の最遠位端の近位にある第2の気道6908の壁の部分における、ワイヤ6305の繋留されていない末端部とを接触させることを含むことができる。第2の気道6908において遠位端部分6303を拡張させることはまた、第2の気道6908の壁と、ワイヤ経路6306の端部における第2の区間6316のうちの所与の1つとを接触させることを含むことができる。埋込物6300を遷移させることは、中間部分6304を拡張させ、次いで、第1の気道6906において近位端部分6302を拡張させることとともに進行することができる。第1の気道6906において近位端部分6302を拡張させることは、第1の気道6906の壁と、埋込物6300の最近位端における第1の気道6906の壁の部分における、ワイヤ6305の繋留されていない末端部とを接触させることを含むことができる。第1の気道6906において近位端部分6302を拡張させることはまた、第1の気道6906の壁と、ワイヤ経路6306の端部における、第1の区間6314のうちの所与の1つとを接触させることを含むことができる。
【0239】
少なくともいくつかの場合では、気道領域6902の壁と埋込物6300との間の接触は、埋込物6300の異なる部分の拡張の間に、壁の異なる数の円周方向に離間された部分に沿って同時に伝搬する。例えば、壁と埋込物6300との間の接触は、中間部分6304の展開の間または近位端部分6302の展開の間よりも、遠位端部分6303の展開の間に壁の多い数の円周方向に離間された部分に沿って同時に伝搬することができる。特定の実施例では、壁と埋込物6300との間の接触は、遠位端部分6303の展開の間には、壁の5つまたはそれを上回る円周方向に離間された部分に沿って同時に伝搬し、中間部分6304の展開の間および近位端部分6302の展開の間には、壁の3つまたはそれを上回る円周方向に離間された部分に沿って同時に伝搬する。
【0240】
少なくともいくつかの場合では、治療場所における埋込物6300の拡張の一部(例えば、直径6328の変化による、少なくとも50%または75%)または全ての間に、第1および第2の頂点部分6318、6320におけるワイヤ経路6306の平均曲率度は、増加する、縦軸6301に対して平行である、第1の螺旋状帯部6340の幅は、減少する、第1の螺旋状帯部6340の螺旋状長は、増加する、縦軸6301に対して平行である、第2の螺旋状帯部6342の幅は、増加する、ワイヤ経路6306の個別の近隣する巻部6322における第1の頂点部分6318のうちの所与の3つは、相互との円周方向整合の5度以内に留まる、ワイヤ経路6306の個別の近隣する巻部6322における第2の頂点部分6320のうちの所与の3つは、相互との円周方向整合の5度以内に留まる、集合的に、ワイヤ経路6306に沿った、第1および第2の頂点6319、6321間の連続する頂点間の平均円周方向間隔は、35度~95度の範囲内に留まる、連続する頂点間の平均円周方向間隔は、55度~65度の範囲内に留まる、および/または連続する頂点間の度単位における平均円周方向間隔は、5%以下変化する。
【0241】
図73-75に示されるように、埋込物6300を遷移させることは、共形化可能部材5510から埋込物を解放することができる。共形化可能部材5510は、次いで、送達システム5500の他の部分に加えて、近位に引き出され、それによって、治療場所に展開状態における埋込物6300を残すことができる。埋込物6300を遷移させることの直後に、埋込物6300は、気管支樹の壁に対して、例えば、少なくとも0.05メガパスカルの力を付与することができる。気道領域6902は、埋込物6300を遷移させることが、埋込物6300の長さ6324と同一の広がりを持つ気管支樹6904の壁部分を、本壁部分の天然直径を優に越えて拡張させるように、極端に可撓性であってもよい。さらに、展開状態における埋込物6300の平均直径6328は、非拘束状態における埋込物6300の平均直径6328と同一またはそれに(例えば、70%~100%または80%~100%)類似することができる。加えて、または代替として、埋込物6300を遷移させることの直後の埋込物6300の直径6328と埋込物6300を遷移させることの直後の埋込物6300の長さ6324との平均の比は、1:5~1:15の範囲内であることができる。
【0242】
図76は、ある天然寸法および拡張された寸法が示される、気道領域6902の解剖図である。
図55A、63、および69-76をともに参照すると、これは、縦軸6301に沿った埋込物6300の長さ6324の最遠位の10%と同一の広がりを持つ第1の壁部分7600を、第1の平均天然直径7602から第1の平均拡張直径7604に拡張させることと、縦軸6301に沿った埋込物6300の長さ6324の最近位の10%と同一の広がりを持つ第2の壁部分7606を、第2の平均天然直径7608から第2の平均拡張直径7610に拡張させることとを含むことができる。少なくともいくつかの場合では、長さ6324の全体を通した気道領域6902における平均拡張直径は、気道領域6902の本部分における平均天然直径より少なくとも2倍、2.5倍、3倍、または4倍大きい。加えて、または代替として、第1の平均拡張直径7604の第1の平均天然直径7608に対する比は、第2の平均拡張直径7610の第2の平均天然直径7608に対する比より大きく(例えば、少なくとも4倍、6倍、8倍、または10倍大きく)あることができる。さらに、第1の平均拡張直径7604は、第2の平均拡張直径7610と、0%~20%等、比較的にあまり異ならないことができる。
【0243】
肺機能の改良
図77は、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、ヒト対象内の肺機能を改良するための方法7600を示す、ブロック図である。少なくともいくつかの場合では、対象が、慢性閉塞性肺障害と診断される。
図77に示されるように、方法7600は、埋込物が薄型の送達状態にある間、埋込物を、対象の気管支樹内において、管腔内で、気管支樹内の治療場所に向かって移動させること(ブロック7602)と、埋込物を、治療場所において、送達状態から拡張された展開状態に遷移させること(ブロック7604)と、治療場所において気道領域を拡張させること(ブロック7606)とを含むことができる。方法7600のこれらの部分は、埋込物の展開と関連して上記に詳細に議論される。方法7600はさらに、付加的埋込物を展開すること(ブロック7608)を含むことができる。例えば、
図69-75を参照して上記に説明される展開プロセスは、異なる個別の気道領域において付加的埋込物を用いて繰り返されることができる。これらの気道領域は、例えば、異なる肺大気胞と関連付けられることができる。初期および後続の埋込物の展開は、捕獲された空気を解放し、これらの肺大気胞における空気のさらなる捕獲を低減または防止することができる。
【0244】
図77に示されていないが、方法7600は、ある場合には、所与の埋込物が埋込物の展開の後に展開される、気道領域をさらに修正することを含むことができる。治療が、複数の埋込物を展開することを含むとき、本さらなる修正は、治療場所のうちの1つ、いくつか、または全てにおいて生じることができる。
図69-75を参照して上記で議論されるように、埋込物を展開することは、気道領域の壁を第1の平均拡張直径まで拡張させることができる。さらなる修正は、続いて、壁を、第1の平均拡張直径より大きい、第2の平均拡張直径までさらに拡張させることを含むことができる。バルーンは、埋込物とともに、または埋込物が展開され、送達システムが除去される後に、管腔内で治療場所まで前進されることができる。治療場所において、バルーンは、拡張され、壁および埋込物の両方を、より大きい第2の平均拡張直径まで拡張させることができる。少なくともいくつかの場合では、第2の平均拡張直径は、埋込物の平均非拘束直径を上回る。したがって、バルーンは、埋込物を過拡張させるために使用されることができる。これは、例えば、壁内に気管支開窓を生成し、および/またはそれを増大させるために有用であることができる。本開示の他所において議論されるように、気管支開窓は、捕獲された空気を解放するため、気道開存性を改良するため、および/または1つまたはそれを上回る他の理由のために療法的に有益であり得る。
【0245】
少なくともいくつかの場合では、第1の埋込物の展開は、第1の体積の捕獲された空気を解放することができ、第2の埋込物の設置は、第2の体積の捕獲された空気を解放することができ、第3の埋込物の設置は、第3の体積の捕獲された空気を解放することができる等となる。埋込物は、十分な量の捕獲された空気が、解放され、十分な程度の肺容積縮小が、COPDの効果的治療のために達成されるまで、展開されることができる。ある場合には、1つの埋込物を展開することが、十分であり得る。他の場合では、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはさらに多い数の埋込物が、展開されてもよい。さらに、1つ、2つ、または別の好適な第1の数量の埋込物が、あるときに展開されてもよく、1つ、2つ、または別の好適な第2の数量の埋込物が、1回目から数時間、数日、数ヶ月、またはさらにより長い時間の後に2回目に展開されてもよい。特定の実施例では、第1の数量の埋込物が、展開され、続いて、試験周期の間に、採集、監視、試験、および/または患者報告情報が続き、次いで、第1の数量の埋込物が情報に従ってCOPD症状を治療することにおいて効果的であった程度に基づいて、第2の数量の埋込物が、展開される。さらに別の実施例では、付加的埋込物が、COPDが進展し、新しい肺大気胞が何ヶ月または何年にもわたって発現するにつれて、随時、展開されてもよい。
【0246】
治療場所において埋込物を展開することは、治療場所を低開存性または非開存性であるものから療法的に有効な開存性を有するものに移行させることができる。少なくともいくつかの場合では、治療場所の遠位にある気管支樹の部分は、気腫性であり、側副換気を有する。これらおよび他の場合には、1つまたはそれを上回る埋込物を展開することは、1秒間強制呼気量を少なくとも5%(例えば、少なくとも10%)増加させることができる。方法7600はさらに、気道開存性を維持すること(ブロック7610)を含むことができる。
図69-77をともに参照すると、方法7600は、埋込物6300が治療場所において展開状態にある間に、連続的維持期間の全体を通して、治療場所における開存性の療法的に有効な増加を維持することを含むことができる。維持期間は、少なくとも3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、または別の好適な期間であることができる。維持期間の間に、縦軸6301に沿った埋込物6300の長さ6324と同一の広がりを持つ、気管支樹6904の壁部分の第1の面積は、埋込物6300と直接接触することができ、壁部分の第2の面積は、埋込物6300と直接接触していないことができる。第2の面積は、第1の面積より少なくとも5倍、8倍、10倍、12倍、14倍、またはさらにより多くの倍数大きくあることができる。加えて、または代替として、ワイヤ6305は、維持期間の間に、第1の螺旋状帯部6340の総面積の5%~30%(例えば、5%~15%)を占有することができる。さらに、第2の面積における壁部分の最大陥入は、維持期間の間に、埋込物6300の平均拡張直径の50%以下であることができる。気道開存性を維持することはまた、維持期間の全体を通して、肉芽組織および粘液栓塞が実質的に存在しない、治療場所における粘膜繊毛クリアランス領域を維持することを含むことができる。加えて、または代替として、気道開存性を維持することは、炎症、炎症細胞、肉芽組織、線維症、線維化細胞、組織過形成、組織壊死、肉芽組織、および粘液栓塞のうちの1つ、いくつか、または全てが実質的に存在しない、粘膜繊毛クリアランス領域を維持することを含む。粘膜繊毛クリアランス領域は、埋込物6300の直遠位にある場所から埋込物6300の直近位にある場所まで、連続的粘膜繊毛クリアランス経路に沿って延在することができる。少なくともいくつかの場合では、粘膜繊毛クリアランス領域は、ワイヤ経路6306に対して直角である、ワイヤ6305の平均断面直径を少なくとも10倍、12倍、14倍、16倍、またはさらなる倍数上回る、縦軸6301に対して平行である平均幅に維持される。
【0247】
気道開存性を維持することの一部が、呼吸の間の埋込物6300の余剰偏移を低減または排除することができる。関連して、開存性を維持することは、治療場所における埋込物6300と気管支樹の壁との間の摩擦力未満の抵抗力を用いた、対象による全呼吸サイクルの間に、縦軸に沿った埋込物6300の伸長に抵抗することを含むことができる。本特徴は、単独で、または他の特徴とともに、維持期間の間の気道開存性を低減させ得る、気道刺激および肉芽組織の関連付けられる形成、および/または他の応答を低減または防止することができる。少なくともいくつかの場合では、埋込物は、治療場所における、埋込物の拡張可能構造と気管支樹の壁との間の薬物溶出物質の存在を伴うことなく、維持期間の間に、気道開存性および/または本明細書に説明される他の望ましい療法的性能レベルを維持する。
【0248】
実施例
実験実施例1:異なる埋込物タイプの圧力試験
実験では、2つの異なる埋込物タイプが、気道類似物内に展開され、咳嗽の間の気道縮約に応答する、それらの挙動を観察するために縮約された。
図78は、本実験内で使用された装置7500の画像である。
図78に示されるように、装置7500は、シールされた内部容積7504を画定する、試験チャンバ7502を含む。試験チャンバ7502はさらに、対向する側壁ポート7506(個々に、側壁ポート7506a、7506bとして識別される)と、側壁ポート7506aと7506bとの間の内部容積7504を通して延在する、シリコーン管7508とを含む。管7508は、6mmの内径を有する。装置7500はさらに、管7508の周囲の内部容積7504内の圧力を表示するように構成される、圧力ゲージ7510と、本圧力を制御するように構成される、シリンジ7512とを備える。試験の間に、管7508は、ヒトの気管支樹内の気道が咳嗽の間に被るであろう、圧力を模倣するための、内部容積7504内の異なる外部圧力を受ける、気道類似物として使用された。側壁ポート7506は、大気に対して開放したままであった。解剖学的気道の可撓性と同様に、管7508は、2水柱インチ未満の外部圧力において圧潰することが実験的に観察された。
【0249】
図79および80は、それぞれ、大気圧に設定され、80水柱インチの圧力に設定された、装置7500内に比較的に高い巻密度を有する、第1の単純コイル7514の画像である。80水柱インチの圧力は、解剖学的気道が咳嗽の間に被り得る、圧力を表すことが理論化される。
図80に示されるように、第1の単純コイル7514が、咳嗽圧力において最小限の半径方向収縮を呈することが観察された。第1の単純コイル7514の巻部間の有意な陥入もまた、観察された。
【0250】
図81および82は、それぞれ、大気圧に設定され、80水柱インチの圧力に設定された、装置7500内に比較的に低い巻密度を有する、第2の単純コイル7516の画像である。
図82に示されるように、第2の単純コイル7516が、咳嗽圧力において圧潰することが観察された。特に、第2の単純コイル7516の巻部は、パンケーキ焼きまたはドミノ倒し様式において相互の上に虚脱し、管7508は、平坦化された。臨床的用途において、本挙動は、開存性を維持することができないことに対応することが予期される。
【0251】
図83および84は、それぞれ、大気圧に設定され、80水柱インチの圧力に設定された、装置7500内の、本技術の少なくともいくつかの実施形態による、埋込物7518の画像である。埋込物7518が、第1の単純コイル7514が試験された巻密度とほぼ同一の巻密度において試験された。
図84に示されるように、咳嗽圧力において、埋込物7518は、半径方向に収縮し、第1の単純コイル7514に対する嵌入を限定し、第2の単純コイル7516のように圧潰しなかった。これらの挙動は、第1の単純コイル7514または第2の単純コイル7516に対して、開存性を維持するための埋込物7518のより大きい能力をもたらすことが予期される。
【0252】
本実験は、主として、圧潰挙動を観察することを対象としていたが、展開挙動もまた、観察された。特に、第1の単純コイル7514が、実験のための所望の巻密度を達成するために、管7508の外側からの手動の操りを要求したことに留意されたい。対照的に、埋込物7518は、本操りを要求することなく展開した。非拘束的理論を用いると、本有利な展開挙動は、複数の円周方向に離間された場所において管7508と埋込物7518との間の接触を同時に伝搬することに関連し得る。
【0253】
実験実施例2:ヒト気腫性肺の実験
第1の実験は、ベースラインにおける、および本技術の少なくともいくつかの実施形態による治療(「試験治療」)の後の生体外のヒト気腫性肺における、強制呼気操作(FEM)による肺機能の測定を伴った。試験治療は、本技術の少なくともいくつかの実施形態によるデバイス(「試験埋込物」)の埋込と、拡張とを含み、3つまでの試験埋込物が、肺毎に使用された。強制呼気操作毎に、ピーク呼気流量が、完全な埋込物拡大条件下で測定された。呼気流量が、次いで、電子的に積分され、最初の12~15秒のそれぞれに関する呼気体積を生産した。これらの曲線から、FEV1(すなわち、強制呼気量または1秒内に肺から外に押進され得る空気の量)が、推定された。FEV1は、肺機能を査定するために使用される、最も一般的なメトリックである。重症肺気腫を患う患者では、FEV1は、有意に低減される。
【0254】
図85は、実験結果を要約する、チャートである。試験埋込物の設置が、ヒト気腫性肺内の肺機能を改良するであろうことが仮説立てられた。結果は、本仮説を支持した。市販の埋込物(「対照埋込物」)が、使用されたとき、FEV1値は、増加したが、試験埋込物を用いて増加したほど多くはなかった。結果はさらに、使用される試験埋込物の数を増加させることが、FEV1に及ぼす効果を増加させたことを示した。
図1に示されるように、1つの試験埋込物の設置は、気腫性肺のFEV1を約200%増加させた一方、3つの試験埋込物の設置は、気腫性肺のFEVIをほぼ500%増加させた。
【0255】
第1の検査内の別の実験では、FEV1が、試験埋込物が埋込され、正常に拡張する(すなわち、気道解剖学的構造の限定部によって拘束される)ことが可能にされた後に測定され、次いで、試験埋込物がバルーンを使用してさらに拡大された後に、再び測定された。結果は、(バルーン拡大、弾力的自己拡張、または両方のいずれかによる)試験埋込物の拡大が、気道壁内の引裂部(代替として、「気管支開窓」と称される)を生成している場合があることを示した。さらに、気管支開窓は、試験埋込物の有効性を増加させている場合がある。下記の表2-1は、本実験の結果を示す。
【表1】
【0256】
別の実験では、異なる設計の試験埋込物が、巻密度およびワイヤの太さが、気道組織の陥入を防止し、気道開存性を維持するための試験埋込物の能力に影響を及ぼす程度をより深く理解するために比較された。本実験において使用される圧縮操作は、異なるタイプの試験埋込物を用いて肺を試験するために、肺換気腔の圧力を-12cm H
2Oから+28cm H
2Oに変更することを含んだ。気道開存性が、圧縮操作の間に小径気管支鏡を使用して定性的に査定された。0.012のワイヤの太さが、試験埋込物を、剛性すぎて本実験の特定の条件下で負荷をかけることができないものにしたことが見出された。さらに、1.2巻/インチの巻密度は、ワイヤの太さにかかわらず、気道組織陥入および気道開存性の喪失をもたらした。全体として、0.009インチ~0.011インチの範囲内のワイヤの太さおよび1.8~3巻/インチの範囲内の巻密度が、ヒト気腫性肺において、気道組織陥入を防止し、気道開存性を維持するための最も有望な設計パラメータであったことが決定された。下記の表2-2および2-3は、本実験の結果を示す。これらの表では、「Y」は、開存している気道を表し、「N」は、虚脱した気道を表す。開存性は、試験埋込物の近位端から遠位端に延在する、任意の視認可能な空気通路の存在の二値(有/無)査定であった。表2-3では、狭小化の割合は、試験埋込物の長さに沿った中間点においておおまかに査定される、-12cmH
2O~28cmH
2Oの気道口径の推定される相対変化であった。以下の等級付けシステムが、狭小化の割合、すなわち、0:0%、1:1~25%、2:26~50%、3:51~75%、および4:76~100%に適用された。埋込物長は、気道内での埋込および埋込物の後続の拡大によって影響を及ぼされ、これは、公称巻密度と異なる埋込物の効果的な巻密度をもたらした。
【表2】
【0257】
実験実施例3:ウサギでの検査
埋込デバイスに対する重度の異物反応は、炎症、余剰線維症、粘液過分泌、および組織壊死の増加によって特徴付けられる。これらの反応は、埋込物と気道組織との間の接触点または界面またはその近傍において生じ、最終的に、ステント遮閉およびデバイス開存性の低減をもたらす傾向にある。そのような異物反応の重症度は、埋込物の接触密度(すなわち、埋込物/組織界面の表面積/埋込物の長さに跨架する気道組織の総表面積)を低減させることによって制御され得ることが仮説立てられる。二次仮説は、異物反応(FBR)の発生が、埋込物と気道組織との間の接触点に限局化または限定されることである。
【0258】
本検査の目的は、(1)より低い接触密度を伴う、本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物(「試験埋込物」)が、より高い接触密度を伴うもの(「対照埋込物」)より有意に重度ではない異物反応を産生するかどうかを査定すること、および(2)FBRの発生が、埋込物と気道組織との間の接触点に限定されるかどうかを査定することであった。検査エンドポイントが、表3-1内に提示される。
【表3】
【0259】
本検査は、20匹の動物[n=10の対照埋込物およびn=10の試験埋込物]を用いた慢性的兎形目モデルを利用した。対照埋込物は、エルジロイ材料(非磁性のコバルトクロム-ニッケル-モリブデン合金)から作製された一方、試験埋込物は、ニチノールから作製された。ウサギが、気道解剖学的構造の観点からウサギとヒトとの間の著しい類似性のために、本調査のための動物モデルとして選定された。実際に、ウサギモデルは、物理的な力によって引き起こされた肺傷害に対する炎症応答の効果を含む、肺病態生理を検査するために、広範囲にわたって使用されている。本検査では、各ウサギは、気管支鏡誘導下で1つの気管気管支埋込物を埋込され、気管支鏡査察が、30±3日および60±3日に繰り返され、90±3日にわたって生存した。
【0260】
検査の終了時に、動物の気道の検死気管支鏡査察が、実施され、気管および気管支の狭窄が、査定された。12匹の動物に関して、埋込物が、気管内に設置され、8匹の動物に関して、埋込物が、気管支内に設置された。各群(すなわち、気管または気管支)内の埋込物の数が、試験のために利用可能であった埋込物のサイズに基づいて決定された。表3-2は、全体的な検査設計および治療のグルーピングを示す。
【表4】
【0261】
表3-2に示されるように、1つの試験または対照物品が、気管または左主気管支のいずれかの中に埋込された。埋込の28日後および60日後の経過観察評価は、埋込物開存性の気管支鏡評価と、蛍光透視撮像とから成った。付加的な検死気管支鏡検査評価が、第90日目に実施された。
【0262】
査定およびデータ記録のスケジュールが、表3-3に示される。第0日目は、埋込の日付として定義された。表3-3では、「×
*」は、蛍光透視撮像が第28日目および第60日目において随意であったことを示す。
【表5】
【0263】
麻酔をかけられたウサギが、首を過度に延在させた状態で胸骨臥位で位置付けられた。気管アクセスが、口、中咽頭、最終的に、喉頭を通して堅性気管支鏡を通過させ、気管支鏡の先端を気管の中に前進させることによって、獲得された。細い望遠鏡が、目視査察および文書化のために堅性気管支鏡を通して通過された。各動物は、気管または左主気管支内に設置された、1つの試験または対照物品(埋込物)を有していた。
【0264】
埋込物送達システムは、堅性気管支鏡を通して直接挿入され、埋込物は、蛍光透視誘導下で展開された。気管内に設置された埋込物は、主竜骨の約1cm近位に位置付けられた。主気管支内に配置された埋込物は、それらの最近位範囲を気管竜骨の2~3mm尾側に定置させていた。いったん設置されると、送達システムは、除去され、動物は、術後の回復に移された。
【0265】
第28日目および第60日目において、動物は、埋込された気道を視覚的に査定するために気管支鏡手技を受けた。動物は、麻酔をかけられ、首を過度に延在させた状態で台上に胸骨臥位で位置付けられ、気管アクセスが、口、中咽頭、最終的に、喉頭を通して堅性気管支鏡を通過させ、気管支鏡の先端を上部気管の中に前進させることによって、獲得された。挿管は、試験物品設置への干渉のリスクに起因して実施されなかった。細い望遠鏡が、埋込物部位の視覚査定のために堅性気管支鏡を通して通過された。動物の気道の気管支鏡査察からの視覚スコア化が、埋込物を含有する各気管/気管支内の5つの区分、すなわち、(1)埋込物の近位端の直頭側にある組織、(2)埋込物の近位端、(3)埋込物の中心部分、(4)埋込物の遠位端、(5)埋込物の遠位端の直尾側にある組織に関して実施された。5つの区分はそれぞれ、以下のスケーリング、すなわち、0:0%、1:1~10%、2:10~25%、3:25~50%、4:50~75%、5:75~100%に従って、狭窄の程度についてスコア化された。狭窄は、埋込物自体、粘液、肉芽組織、または線維症による浸食を含む、任意の理由による気道内腔の狭小化として定義された。埋込物設置、狭窄長(mm)、肉芽腫性組織の存在、粘液の量、または任意の異常に関する観察もまた、認められた。
【0266】
第28日目および第60日目において、蛍光透視撮像が、上記に説明される気管支鏡手技の直後に、麻酔をかけられた動物において実施された。埋込物を含有する胸部の領域の前後方向の蛍光透視画像が、記録された。動物は、麻酔から回復され、格納場所に戻された。動物は、観察され、臨床的観察が、それらの満了日までSIDで(1日1回)文書化され、動物の生涯の全体を通して受けられた全ての医療的治療が、記録された。安楽死が、第90±3日目に、安楽死溶液の致死量注入を介して実施された。死亡が、聴診または脈拍監視によって検証された。検死気管支鏡検査が、安楽死の直後に実施された。実施された気管支鏡手技および査定は、第28日目および第60日目の経過観察評価の間に実施された気管支に関して説明されたようなものであった。
【0267】
(埋込物が現場に残された状態での)気管気管支樹全体の肉眼的精査が、試験物品に起因し得る、任意の異常に関して、全ての埋込物の遠位範囲を越えて、第2世代気管支のレベルに対して実施された。肺もまた、任意の異常に関して精査された。正常と、異常との全ての肉眼的所見が、文書化された。気管気管支樹は、解剖学的構造が許す限り、埋込物の近位および遠位の気管/気管支の最低1cmで収集された。肺は、潜在的な将来の分析のために、10%の中性緩衝ホルマリン(NBF)で伸張され、次いで、10%のNBF中に浸漬固定された。
【0268】
5つのレベルのそれぞれに関する、気管支鏡手技の間に記録された狭窄スコアが、説明的統計量(平均値、標準偏差、最小値、最大値)を使用して、埋込物タイプ毎に、第28日目、第60日目、および第90日目において要約された。5つのレベルにおける狭窄スコアの和として計算される、合計狭窄スコアもまた、埋込物タイプ毎に要約された。気管支鏡検査の間に認められた他の所見に関連する一般的傾向が、説明された。剖検の時点で文書化された異常所見が、検査群毎の発生の頻度によって表にされた。剖検の時点で検査外科医によって査定された狭窄スコアが、説明的統計量(平均値、標準偏差、最小値、最大値)を使用して検査群毎に要約された。埋込物長、埋込物の頭側端部における幅、および埋込物の尾側端部における幅が、蛍光透視画像記録から取得された。蛍光透視装置の視野内の既知の長さの位置合わせマーカが、測定値を較正するために使用された。第0日目と、第30日目と、第60日目と間の埋込物長および幅の変化が、説明的統計の統計量(平均値、標準偏差、最小値、最大値)を使用して、検査群毎に要約された。
【0269】
限定された剖検が、スケジューリングされた満了時において実施された。気管/主気管支樹全体が、解剖学的構造が許す限り、埋込物の近位および遠位の気管/気管支の最低1cmで収集された。肺組織は、気管樹に付着されたままであった。気管樹に付着された肺は、10%のNBFを用いて気道を介して拡張された。全ての収集された組織が、組織病理学的分析のために、10%のNBF中に浸漬固定された。20匹の動物のための気管気管支樹を伴う肺組織が、組織構造処理および組織病理診断のために受容され、10%のNBF中に固定された。全ての動物が、埋込物の近位端の約1/2cm頭側において区分を採取され、埋込物の遠位端の約1/2cm尾側において区分を採取された。各動物はまた、埋込物の面積内で3つの区分、すなわち、近位埋込物(埋込物の近位端から1/2cm以下)、中間埋込物(埋込物のおおよそ中心内)、および遠位埋込物(埋込物の遠位端から1/2cm以下)を採取された。
【0270】
加えて、気管支動物に関して、3つの区分が、右気管支(未治療)、頭側区分、中間気管支区分、および尾側区分から採取された。これらの区分は、治療済左気管支と比較するための未治療正常組織としての役割を果たす。未治療気管区分を気管埋込物から採取された区分と比較させるために、気管支埋込物を伴う2匹の動物もまた、気管区分を採取された。部位番号は、以下、すなわち、部位#1:埋込物区分の近位端の1/2cm頭側、部位#2:近位埋込物区分、部位#3:中間埋込物区分、部位#4:遠位埋込物区分、部位#5:埋込物区分の遠位端の1/2cm尾側、部位#6:右気管支頭側区分(気管支埋込物のみ)、部位#7:右気管支中央区分(気管支埋込物のみ)、および部位#8:右気管支尾側区分(気管支埋込物のみ)の通りであった。
【0271】
検査病理医は、全ての区分のパラフィン処理のために、4匹の気管動物(2匹の対照動物:E5FA8EおよびE5FF70、および2匹の試験動物:E84FF1および0E8209)および2匹の気管支動物(1匹の対照動物:E5F859および1匹の試験動物:E60648)から埋込物を除去した。14匹の動物の残りが、部位#1および部位#5の区分を採取され、および任意の未治療組織区分(部位#6-8、気管対照区分)を採取され、次いで、出荷のために調製された。これは、気管気管支樹の左側にインク付けし、埋込物を伴う組織サンプルの頭側縁にインク付けし、配向を確実にし、頭側縁上に縫合糸を設置し、気道の背側側面を開放することを含んだ。組織は、次いで、組織構造処理のために出荷された。
【0272】
切り揃えられた全ての組織が、組織処理カセット内に設置され、ルーチン通りに処理され、パラフィン中に埋設され、ヘマトキシリンおよびエオシン(HおよびE)での染色の前に、ミクロトーム上で約4~6μmに切片化された。切り揃えられる区分の配向が、切り揃えることの全体を通して維持された。プラスチック処理のための受容に応じて、組織は、検査病理医によって提供された指示に従って切り揃えられ、処理のために提出され、Spurrプラスチック(SP)樹脂中に埋設された。結果として生じるプラスチックブロックが、埋込された埋込物領域を通して3つのレベルまでのサンプルに切片化され、2つのスライドが、各レベルにおいて捕捉された。一方のスライドは、HおよびEで染色される一方、他方は、可能性として考えられる将来的な染色のために染色されない状態に残された。染色されたスライドは、検査病理医による組織病理学的分析のために出荷された。
【0273】
全ての組織構造スライドが、検査病理医によって光学顕微鏡を使用して精査された。埋込物/気道組織界面からの組織区分が、HおよびE染色を使用して分析され、試験および対照埋込物に対する異物反応を査定し、未治療対照気道組織構築物と比較された。炎症、すなわち、埋込物に対する異物反応の一次側面が、4つの異なるメトリックを使用して定量化された。これらは、検査病理医による各組織区分に対してスコア、すなわち、i.)炎症重症度およびii.)炎症に罹患された気道円周の割合を割り当てるために利用される、2つの半定量的等級付けスケーリングを含んでいた。炎症重症度に関する等級付けスケーリングは、0:存在せず、1:最小限、2:軽度、3:中程度、4:顕著、および5:重症であった。炎症に罹患した気道円周の割合に関する等級付けスケーリングは、<5%:0、5~20%:1、21~50%:2、51~75%:3、および76~100%:4であった。加えて、上皮下組織層および粘膜膜の厚さが、定量的に測定され、埋込物/組織界面における炎症の二次効果を査定した。重度の炎症の一般的な二次効果は、埋込物を囲繞する気道内の上皮下および粘膜組織の肥厚化によって立証される、周囲の気道組織の過形成である。
【0274】
第28日目、第60日目、および第90日目に実施された、気管および気管支の気管支鏡評価は、埋込された試験埋込物および対照埋込物が、検査の持続時間にわたって正しい位置内に留まっていたことを示した。第28日目、第60日目、および第90日目において、試験埋込物を埋込された左主気管支の気管支鏡査定が、埋込物の近位端から遠位端へのあまり蛇行性ではなく、あまりテーパ状ではない管腔を有しており、対照埋込物を埋込された気道もまた、あまりテーパ状ではない管腔を有していた。さらに、第0日目と対照的に、ここでは、試験埋込物および対照埋込物の両方に関して、3.5mmのスコープを埋込物の遠位端まで延々前進させることが、可能性として考えられた。
【0275】
第28日目において、試験埋込ワイヤの近位端および遠位端が、気道内腔内で遊離状態に置かれた状態で、気道壁から離れていることが頻繁に観察された。上皮化が、気管内に埋込された6つの試験埋込物のうちの3つに関して、ワイヤに沿ったいくつかの設置場所において認められた。粘液が、大半の埋込物場所内で、典型的には、埋込物の端部上の蓄積物および/または時として、埋込ワイヤの長さに沿った少量物として観察された。粘液または肉芽組織であるかどうかは不明確である、白色小節が、ワイヤに沿って離散的に認められ、気管埋込物内で最も頻繁に観察された。第60日目において、気管および左主気管支の両方の中に埋込された試験埋込物が、典型的には、近位端および遠位端において、気道壁との不十分な接触の面積を有することが頻繁に認められた。埋込物の領域内の粘液および分泌物が、典型的には、最小限であるものとして説明された。ワイヤの長さに沿った白みがかかった小節が、全ての動物において観察され、ワイヤと気道壁との間の不十分な接触の面積内ではより悪化していた。小節が乾燥された粘液または肉芽腫を表したかどうかは、不明確であった。埋込ワイヤの領域の上皮化が、気管内に埋込された2つの試験埋込物に関して認められた。第90日目において、粘液栓塞が、典型的には、埋込物の近位端および遠位端における、ワイヤが気道壁から持ち上げられた場所において頻繁に観察された。それ以外は、粘液の量は、最小限であった。随時の面積の白色小節形成が、埋込ワイヤの長さに沿って観察された。これらの小節は、通常、気管支鏡の先端とともに取除され、小節が主として、肉芽組織と対照的に、粘液であったことを示唆し得る。埋込ワイヤが気道壁内に埋設された、または上皮化された面積が、頻繁に観察された。
【0276】
第28日目において、薄い粘液が、埋込された対照埋込物の大半の本体の全体を通して観察され、これは、時として、管腔の狭小化に寄与した。白みがかかった小節が、気管内に埋込された全ての対照埋込物に関して認められ、一般的には、埋込物の本体の全体を通して、かつ遠位端および近位端において生じた。1つの事例(E5FF70)では、埋込物の遠位端における2つの大きい小節が、有意な狭窄につながった。第60日目において、気管および主気管支内に埋込されたほぼ全ての対照埋込物が、多量の分泌物および厚い粘液と関連付けられた。白みがかかった小節が、典型的には、埋込物の長さの全体を通して観察され、いくつかの小節は、肉芽腫として明確に識別された。第90日目において、埋込物に沿った、中程度から広範囲にわたる粘液が、最も一般的に観察された。対照埋込物を埋込された4つの気管支のうち、全てが、3つの場合における寄与因子として、粘液を伴う有意な狭窄を呈した。気管内の6つの埋込物のうちの3つが、一部を気道内に埋設、および/または上皮化させることが認められた。白色小節が、気管内の埋込物に沿って、最も頻繁に観察された。
【0277】
埋込された主気管支の気管支鏡評価の間、主気管支から分岐する視認可能に開存している気道の数が、認められた。試験埋込物を埋込された気管支に関して、複数の開存している側分岐が、全ての時点において全ての動物において観察された。対照埋込物を埋込された気管支は、視認可能なより少ない開存している側分岐を有する傾向にあり、ある場合には、いかなる側分岐も、視認可能ではなかった。試験および対照物品を埋込された気管支内で、観察された、開存している側分岐気道の数の要約が、表3-4に示される。
【表6】
【0278】
一般に、試験埋込物および対照埋込物を両方とも埋込された気道は、可能性として肉芽腫形成を示唆する、可変量の狭窄、粘液、および組織変化を実証した。試験埋込物を埋込された気道内の組織反応は、対照埋込物を埋込された気道と比較してより軽度である傾向にあった。試験埋込物に関して、組織反応および/または粘液が観察された領域は、離散的であり、ワイヤが壁から引き離された場所またはワイヤが壁と接触していた場所に限定された。最も顕在的な反応が、埋込物が組織と不十分な接触を有していた面積において見られた。対照埋込物に対する組織反応は、気道の全体を通してより顕在的であり、より散在性に分散される傾向にあった。試験埋込物を埋込された気道と異なり、多量の分泌物および厚い粘液が、対照埋込物を埋込された気道内で頻繁に観察された。
【0279】
埋込物の近位、中心、および遠位領域、および埋込物の近位端の直頭側、および埋込物の遠位端の尾側における管腔狭窄の重症度のスコア化が、第28日目、第60日目、および第90日目時点に関して表3-5に示される。
【表7-1】
【表7-2】
【0280】
試験埋込物に関して、任意の所与の場所における平均狭窄スコアは、2(10~25%の遮閉)を超過せず、近位埋込物領域は、埋込物に沿った他の場所と比較して、最高のスコアを有する傾向にあった。試験埋込ワイヤの端部は、ループで製造された。これらのループは、常時、埋込されるときに気道壁に対して平坦に置かれていなかったが、代わりに、気道内腔の中に途中まで延在していた。これは、試験埋込物に関する狭窄スコア全体に対する有意な寄与要因であった。埋込物を越えて尾側または頭側に延在する最小限の狭窄が、観察された。気管および左主気管支内で観察された狭窄のパターンは、概して類似していた。
【0281】
気管内に埋込された対照に関する狭窄のパターンおよび大きさは、試験埋込物のものに類似していた。しかしながら、主気管支内に埋込されると、対照埋込物は、概して、第60日目および第90日目の経過観察時点において、3(25~50%遮閉)の平均スコアに接近する、より高い狭窄スコアと関連付けられた。対照埋込物を埋込された気道内で観察された狭窄は、粘液、白色小節物質、または、可能性として、線維性組織に起因する、偏心状または同心状の狭小化として存在する傾向にあった。有意な狭窄もまた、主気管支内の埋込物を越えて尾側に延在することが、観察された。
【0282】
第28日目、第60日目、および第90日目における、埋込物タイプおよび埋込場所毎の合計遮閉スコア(査定された5つの領域毎の遮閉スコアの和)が、表3-6に示される。最大合計スコアは、25であった。
【表8】
【0283】
一般に、合計狭窄スコアは、平均合計遮閉スコアが第60日目における3.0から第90日目における2.3まで減少した、左気管支内に埋込された試験埋込物の例外を除いて、時間に伴って増加した。全ての経過観察時点において、試験埋込物を埋込された気道は、対照埋込物を用いた場合より低い合計遮閉スコアを有していた。限定された剖検が、全ての20匹の検査動物に関して、埋込物が現場に残された状態で気管気管支樹上で実施された。いかなる肉眼的異常も、認められなかった。蛍光透視撮像が、埋込の直後に全ての動物に関して実施された。第28日目および第60日目において、画像が、それぞれ、20匹の動物のうちの8匹および20匹の動物のうちの19匹において取得された。蛍光透視画像は、これらの時点における、埋込物のその正しい解剖学的場所を確認した。
【0284】
埋込の時点および第28日目および第60日目において取得された蛍光透視画像から測定された埋込物長が、表3-7内で要約される。
【表9】
【0285】
埋込の時点における試験埋込物の長さは、その拘束されていない長さに類似していた。気管内に埋込された試験埋込物に関して、埋込物は、時間に伴って伸長する傾向にあり、第60日目において、埋込の時点より平均で18.9%長かった一方、気管支内に埋込された試験埋込物は、類似の程度(16.5%)まで短くなる傾向にあった。対照埋込物の埋込に応じて、その拘束されていない長さの約50%の埋込物の有意な伸長が、観察された。埋込の時点と第60日目との間において、気管支内に埋込された対照は、20.0%短くなる傾向にあった一方、気管内に埋込された埋込物の長さは、最初に、第0日目と第28日目との間で平均で9.2%減少し、次いで、第60日目までに第0日目に類似する長さに戻った。
【0286】
埋込の時点および第28日目および第60日目において取得された蛍光透視画像から測定されるような、頭側および尾側端部において得られた埋込物幅が、表3-8に示される。
【表10】
【0287】
埋込の当日において、試験埋込物および対照埋込物は両方とも、頭側端部と比較して尾側端部においてより狭小であり、本差異は、左主気管支内の埋込物に関して最も顕在的であった。試験埋込物の幅は、経時的に若干に増加する傾向にあり、それぞれ、気管および気管支内の埋込物に関して、(尾側端部において)第0日目と比較して、第60日目において平均で22.2%および15.3%広かった。同様に、対照埋込物の幅もまた、時間に伴って増加し、最も顕在的な変化は、埋込物の尾側端部において生じ、第0日目と比較して第60日目において132%増加した。
【0288】
全ての20匹の検査動物が、埋込手技から回復し、全てが、第90日目のエンドポイントまで生存し、本検査の間には、いかなる早期の死亡または安楽死も、生じなかった。埋込物は、概して、良好に耐えた。獣医評価が生じるような呼吸関連の臨床的兆候(「魚口様の気息」およびストレスを感じるときの咳嗽/噴嚏)は、本質的に軽度であり、治療を伴うことなく寛解した。全ての20個の埋込物は、検査持続時間にわたって正しい位置に留まった。経過観察間隔における蛍光透視撮像は、埋込物の幾何学形状の若干の変化も、時間に伴って生じたことを示した。これらは、埋込物長および埋込物直径の可変の変化を含んでいた。これらの幾何学的変化のうちのいずれも、生涯の間に査定されるいかなる有害な臨床的兆候または剖検の時点における肉眼的病態の評価によって査定されるような悪影響につながらなかった。
【0289】
試験埋込物および対照埋込物を埋込された気道はそれぞれ、粘液と、線維症と、可能性が高い肉芽腫形成とから成る可変の量の気管支鏡を介して視認可能な気道組織応答を実証した。これらの応答は、本明細書において狭窄と称される、可変の程度の気道遮閉につながった。以下の観察が、試験埋込物および対照埋込物に対する典型的気道応答に対比して行われた。第1に、試験埋込物に対する気道組織応答は、全ての時点におけるより低い狭窄スコアによって実証されるように、対照埋込物に対する応答より軽度であった。第2に、狭窄は、第30日目までに両方の埋込物を伴う気道において観察された。試験埋込物に関して、狭窄は、その後安定していたが、対照埋込物に関して、狭窄は、検査の全体を通して漸次的に悪化した。第3に、試験埋込物に対する組織応答は、埋込ワイヤに隣接する場所に限定された。対照埋込物を埋込された気道内の組織応答は、本デバイスの面積全体を横断して瞭然であった。第4に、粘液は、試験埋込物を伴う気道内で最小限であり、存在するときは、埋込物のワイヤに隣接するように限局化された。粘液は、対照埋込物を伴う気道内で多量であり、埋込物の面積全体を横断して観察された。第5に、試験埋込物を埋込された左肺気管支内の視認可能な開存している気道分岐が、対照埋込物を埋込された気管支に関するものより多数であった。これは、試験埋込物を伴う側面分岐遮閉が、対照埋込物より少ないことを含意する。第6に、試験埋込物および対照埋込物は両方とも、第0日目から第30日目に遠位左肺気管支を漸次的に拡張させ、したがって、第30日目において、第0日目における埋込後に可能ではなかった、両方の埋込物の端部に3.5mmODスコープ先端を通過させることが、可能であった。
【0290】
結論として、本検査は、試験埋込物が、対照埋込物より、観察された粘液が少なく、全体的狭窄が少ない状態で、少ない組織反応を産生したことを実証した。本見解は、組織接触密度が少ないほど、埋込物が、より多くの組織接触密度の埋込物より少ない反応を産生するという仮説を支持する傾向にある。代替として、相対的接触力は、接触密度との組み合わせにおいて、観察された組織応答を導出することにおいて役割を果たし得る。
【0291】
気管埋込物に対して、対照埋込物に対する拡散反応と対照的に、試験埋込ワイヤに沿った離散領域に対する組織反応の限局化は、デバイス/組織接触の密度および幾何学形状を制御することが、組織応答の全体的強度を制御し得ることを示唆する。埋込物内の具体的経路にいかなるデバイス/組織接触も提供しないことは、潜在的に、全体的な埋込物開存性を改良し得る。
【0292】
気管内の埋込の面積内の試験埋込物と関連付けられる炎症は、「炎症無」から「顕著」までの範囲に及び、軽度の重症度に一貫する、2.06の平均スコアを伴った。炎症は、最も多くの場合、埋込物外形と直接関連付けられた。炎症は、主として、粘膜下層内の埋込物を直接囲繞する、離散肉芽腫であり、それらの埋込物は、二次的潰瘍形成および乳頭状粘膜過形成を患っていた管腔/粘膜内に存在した。最も際立つ炎症反応を伴う2匹の動物(E6065AおよびE84FF1)は、管腔/粘膜埋込物外形に対してより強い反応を有し、これは、埋込に続発する粘膜の継続する刺激に応答している場合がある。加えて、動物E6065Aは、気管に直接隣接する結合組織の中への埋込物の遠位側面の転座を被り、粘膜上皮が、二次的に埋込された。動物E60168は、中間から遠位埋込部位において、粘膜下層の拡張および気管の壁の軽度の変形を引き起こす、いくつかの深部の粘膜下埋込物外形を含有していた。遠位埋込物のレベルにおいて、深部粘膜下埋込物外形と関連付けられる、軟骨の小さい壊死性断片が、存在した。埋込の面積内の炎症に罹患した気管の円周は、<5%~>76%の範囲に及び、21~50%と同等である、2.11の平均スコアを伴った。
【0293】
気管内の埋込の面積内の対照埋込物と関連付けられる炎症は、「軽度」から「顕著」までの範囲に及び、軽度の重症度に一貫する、2.28の平均スコアを伴った。炎症は、最も多くの場合、埋込物外形と直接関連付けられた。炎症は、主として、粘膜下層内の埋込物を直接囲繞する、離散肉芽腫であり、それらの埋込物は、二次的潰瘍形成および乳頭状粘膜過形成を患っていた管腔/粘膜内に存在した。管腔の中に延在する粘膜過形成の程度は、多くの場合、試験埋込物(軽度まで)と比較して、対照埋込物(中程度まで)と関連付けられる重症度まで増加された。深部粘膜下埋込物外形のいくつかは、軽度の線維増殖症を患う表在的気管軟骨の最小限から軽度の喪失と関連付けられた。埋込の面積内の炎症を罹患した気管の円周は、21~50%から>76%の範囲に及び、51~75%と同等である、3.27の平均スコアを伴った。
【0294】
総合すると、気管埋込物を伴う動物では、試験埋込物および対照埋込物は両方とも、「軽度」の応答を誘発した。対照的に、試験埋込物は、対照埋込物と比較するとより低い割合の気道円周に影響を及ぼす傾向を示した。これらの検査所見は、気道埋込物の接触密度を低減させることが、これらの埋込物に対する異物反応の重症度を低減させるという仮説を支持した。
【0295】
全ての動物内の炎症反応が、埋込物に対する異物反応に一貫し、気管の壁との接触部位に限局化された。より強い反応のそれらの面積は、典型的には、管腔/粘膜埋込物外形、粘膜下層内の非常に深部にあるもの(特に、気管軟骨に当接し、二次的に影響を及ぼす)、および隣接する結合組織の中への埋込物の転座の希少な事例であった(動物E60168)。試験埋込物は、対照埋込物と比較して(長さおよび直径の両方が)より大きいサイズであり、したがって、使用される幅直径は、動物の一部において要求されるものより大きく、壁を通した埋込物の二次転座および深部に位置する粘膜下埋込物につながった可能性がある。粘膜上皮の潰瘍形成および扁平上皮化生が、識別された場合、これは、管腔/粘膜埋込物外形と関連付けられ、埋込物の直後の部位に限定され、気管壁との接触の面積を越えた拡張の証拠は、存在しなかった。全ての動物において、炎症反応は、主として、埋込の部位の1/2cm頭側および尾側における正常の限界内にあった。
【0296】
気管支埋込物に関して、左気管支内の試験埋込物と関連付けられる炎症は、「最小限」から「中程度」の範囲に及び、軽度の重症度に一貫する、2.08の平均スコアを伴った。炎症は、最も多くの場合、埋込物外形と直接関連付けられた。炎症は、主として、粘膜下層内の埋込物を直接囲繞する、離散肉芽腫であり、それらの埋込物は、二次的潰瘍形成および乳頭状粘膜過形成を患っていた管腔/粘膜内に存在した。3匹の動物が、隣接する結合組織または肺胞実質の中への埋込物の一部の転座を呈し、離散肉芽腫形成が、これらの面積内に存在した(E5F90B、E606F8、およびE60648)。動物E606F8は、隣接する気管支および細気管支の中に延在する、埋込物と関連付けられる、より大きい炎症を呈し、これは、未治療(右)気管支内で識別されるものより多かった。しかしながら、本動物はまた、以前から存在していた可能性が高い、左頭側、右中央、および右尾側肺葉に影響を及ぼす、有意な肉芽腫性気管支肺炎を患っており、本動物内における埋込物に対する反応の増加に寄与した可能性がある。埋込の面積内の炎症に罹患した治療済の気管の円周は、5~20%から51~75%の範囲に及び、21~50%と同等である、2.08の平均スコアを伴った。
【0297】
左気管支内の埋込の面積内の対照埋込物と関連付けられる炎症は、「軽度」から「顕著」までの範囲に及び、軽度から中程度の重症度に一貫する、2.67の平均スコアを伴った。炎症は、最も多くの場合、埋込物外形と直接関連付けられた。炎症は、主として、粘膜下層内の埋込物を直接囲繞する、離散肉芽腫であり、それらの埋込物は、二次的潰瘍形成および乳頭状粘膜過形成を患っていた管腔/粘膜内に存在した。1匹の動物(E5F9BE)が、肺胞実質の中への遠位埋込物の一部の有意な転座(治療済気管支の粘膜から3,405ミクロン)を呈した。本面積内の実質中には、13個の埋込物外形が、存在する。本面積内の2つの中程度に定寸された動脈はまた、急性管腔血栓を呈した。2匹の他の動物は、気管支軟骨の可変の変形を呈し、動物E5FD24において最も際立ち、そこでは、周辺への気管支軟骨の押動を伴う、遠位気管支の有意な肥厚化および変形が存在した。埋込の面積内の炎症に罹患した気管の円周は、51から75%~>76%の範囲に及び、>51%と同等である、3.58の平均スコアを伴った。
【0298】
気管支埋込物を伴う動物では、試験埋込物を中心として観察された炎症が、対照埋込と比較すると有意に低減された。対照埋込物を伴う動物では、51~76%またはそれより高い割合の気管支円周が、炎症に罹患した。対照的に、気管支円周の21~50%のみが、試験埋込物を伴う動物において、炎症に罹患した。全体として、試験埋込物と対照埋込物との間で観察された異物反応の差異は、気管と対照的に、気管支内においてより歴然であった。これは、気管内で観察される炎症全体が、気管支と比較してより軽度である状態にある、組織性質の固有の差異に起因し得る。これらの検査所見はさらに、気道埋込物の接触密度を低減させることが、これらの埋込物に対する異物反応の重症度を低減させるという仮説を支持した。
【0299】
全ての動物内の炎症反応が、埋込物に対する異物反応に一貫し、気管支の壁との接触の部位に限局化された。より強い反応のそれらの面積は、典型的には、管腔/粘膜埋込物外形、粘膜下層内の非常に深部にあるもの(特に、気管軟骨に当接し、二次的に影響を及ぼす)、および隣接する結合組織または肺胞実質の中への埋込物の転座であった(動物E5F90B、E606F8、E60648、およびE5F9BE)。両方のタイプの埋込物が、気管支軟骨の可変の変形または隣接する組織の中への埋込物の一部の転座を患う、いくつかの動物を有しており、これは、埋込物のサイズが、これらの動物における気管支のサイズにとって大きすぎる可能性があることを示唆する。着目すべきこととして、気道の変形の程度は、典型的には、埋込物と「接触する組織」の増加に伴ってより大きくなったが、対照埋込物内のこれらの変化は、試験埋込物を伴う場合より重度であった。粘膜上皮の潰瘍形成および扁平上皮化生が、識別された場合、これは、管腔/粘膜埋込物外形と関連付けられ、埋込物の直後の部位に限定され、気管支壁との接触の面積を越えた拡張の証拠は、存在しなかった。
【0300】
表3-9は、気管支試験動物および気管支対照動物に関する平均スコアを伴う、炎症重症度スコアおよび周囲スコアの概要である。
【表11】
【0301】
表3-10は、気管試験動物および気管対照動物に関する平均スコアを伴う、炎症重症度スコアおよび炎症周囲スコアの要約である。表3-10では、炎症に関する周囲スコアは、埋込物の除去に起因して、正確に提供されることが可能ではない。
【表12-1】
【表12-2】
【0302】
表3-11は、2匹の気管支動物からの未治療気管区分に関する平均スコアを伴う、炎症重症度スコアおよび炎症周囲スコアの概要である。
【表13】
【0303】
表3-12は、正常な気管に関する動物e5f7aaおよびe5f90bの組織病理診断結果の要約である。動物ID E5F7AAに関して、コメントは、粘膜下層の顕著な鬱血および最小限のリンパ形質細胞性粘膜下浸潤であった。動物ID E5F90Bに関して、コメントは、最小限の多巣性粘膜下リンパ形質細胞性および多形核浸潤、および中程度の粘膜下浮腫であった。
【表14-1】
【表14-2】
【0304】
実験実施例4:イヌ科動物での検査
融合気腫性肺実質と大きい中心気道との間の解剖学的気管/気管支経路のうちの少なくとも1つを埋込物を用いて増大させ、補強することは、呼気を促進し、空気捕獲および動的過伸張の有害な結果のうちの一部を緩和することに役立つことが予期される。実質内気道内でのステント様構造の埋込および拡大は、有意な異物反応、肉芽組織、線維症、および低悪性度感染症の形成によって特徴付けられ得る、気道の開窓および出血、粘液栓塞、および潜在的に激しい気道組織反応に経時的につながり得る。これらの反応は、ステントと気道組織との間の接触点またはその近傍で生じる傾向にある。実質内気道内での埋込/拡大が安全に行われ得ること、および粘液蓄積および異物反応の量が、ステント様構造および気道との間の接触の密度を最小限化することによって制御され得ること、および場所が、接触点の幾何学形状を調節することによって制御され得ることが仮説立てられた。
【0305】
本検査の目的は、(1)気道の過拡大を介した気管支開窓の安全性を査定すること、(2)より低い組織接触密度を伴うステントが、高い組織接触密度を伴うものより全体的に少ない総組織反応を産生するかどうかを査定すること、および(3)接触の幾何学形状を制御することが、異物応答の場所を制御し得るかどうかを査定することであった。気管支鏡組織査定エンドポイントが、表4-1に提示される。試験物品検査エンドポイントに対する局所組織応答が、表4-2に提示される。
【表15】
【表16】
【0306】
試験物品は、3つの埋込物、すなわち、(1)自己拡張式の被覆されていないワイヤメッシュステントである、Epicステント、(2)バルーン拡張可能な被覆されていないワイヤメッシュステントである、Expressステント、および(3)本技術の少なくともいくつかの実施形態による、被覆されていない低密度の単一ワイヤ埋込物である、試験埋込物であった。全ての試験物品が、使用に先立って試験施設において酸化エチレン滅菌された。試験物品の使用状況が、表4-3に説明される。
【表17】
【0307】
雑種犬種である、健康なイヌ科動物モデルが、本検査における評価のために選択された。7匹のメスおよび2匹の未去勢のオスのイヌ科動物が、本検査に登録された。イヌ科動物の気道解剖学的構造は、ヒトのものに酷似し、ヒトの気道における使用を対象としたデバイスの適性の評価のために確立されたモデルである。検査設計全体および治療のグルーピングが、表4-4に示される。群01および02の埋込手技の日付は、約6週間互い違いに配置され、群01からのフィードバックおよび知識が群02に適用されることを可能にした。埋込物のマトリクスが、表4-5内に提供される。査定およびデータ記録のスケジュールが、表4-6に示される。第0日目が、初期の埋込の日付として定義された。
【表18-1】
【表18-2】
【表18-3】
【0308】
麻酔をかけられたイヌ科動物が、胸骨臥位で位置付けられた。イソフルレンが、手技全体の間に麻酔を維持するために使用された。気管アクセスが、口、中咽頭、最終的に、喉頭を通して気管内チューブを通過させ、先端を遠位気管の中に前進させることによって、獲得された。可撓性気管支鏡が、目視査察および文書化のために気管内チューブを通して通過された。埋込物送達システムが、気管支鏡を通して直接、またはガイドワイヤにわたってのいずれかで挿入され、埋込物が、直接気管支鏡および/または蛍光透視誘導下で展開された。自己拡張式ステントに関して、バルーンが、随意に、(スコープを通して、またはワイヤにわたってのいずれかで)通過され、ステントを拡大させた。
【0309】
各動物において、4つの埋込が、気管気管支樹の全体を通した種々の場所において実施された。埋込は、葉気管支から近位に臓側胸膜表面から約1cmの気管支まで延在する気管支樹に沿って直列に設置された4つの埋込物から成った。バルーンの伸張を用いるステントでは、伸張は、最低2分間にわたって維持された。埋込に続いて、送達システムが、除去された。気管支鏡が、急性組織反応および出血を査定するために使用された。蛍光透視検査が、埋込物位置、長さ、および展開された直径を文書化するために実施された。埋込後CT走査が、随意に、埋込部位を文書化し、実質内出血、縦隔気腫、および気胸に関して査定するために実施され、それに続いて、動物が、術後の回復に移された。
【0310】
気管支鏡査定に関して、麻酔をかけられた動物が、胸骨臥位で位置付けられ、気管アクセスが、口を通して挿入された気管内チューブを介して獲得された。可撓性気管支鏡が、埋込物部位の視覚査定のために気管内チューブを通して通過された。動物の気道の気管支鏡査察からの視覚スコア化が、埋込物を含有する各気道内の5つの区分、すなわち、(1)埋込物の近位端の直頭側にある組織(頭側)、(2)埋込物の近位端(近位)、(3)埋込物の中心部分(中心)、(4)埋込物の遠位端(遠位)、および(5)埋込物の遠位端の直尾側にある組織(尾側)に関して実施された。
【0311】
5つの区分はそれぞれ、以下のスケーリング、すなわち、狭窄:0:0%、1:1~10%、2:10~25%、3:25~50%、4:50~75%、5:75~100%、および粘液:0:無、1:最小限、2:軽度、3:中程度、4:重度、5:多量に従って、狭窄(埋込物自体、粘液、肉芽組織、または線維症による浸食を含む、任意の理由のための気道内腔の狭小化)および粘液の程度についてスコア化された。
【0312】
蛍光透視撮像が、上記に説明される気管支鏡手技の直後に、麻酔をかけられた動物において実施された。埋込物を含有する胸部の領域の前後方向の蛍光透視画像が、記録された。CT撮像が、蛍光透視撮像の直後に、麻酔をかけられた動物において実施された。第30日目および第60日目における続く手技の完了後に、動物は、回復され、格納場所に戻された。ベースライン、第30日目、第60日目、および第90日目において収集された血液が、標準的な血液学(CBC)および血清化学に関して分析された。動物は、観察され、臨床的観察が、それらの満了日までSIDで(1日1回)文書化され、動物の生涯の全体を通して受けられた全ての医療的治療が、記録された。安楽死が、第90±7日目に、経過観察手技(気管支鏡、蛍光透視法、CT撮像)の直後に実施された。ヘパリンが、IVによって投与され、安楽死溶液および塩化カリウムの致死量注入が、後に続いた。死亡が、聴診または脈拍監視によって検証された。
【0313】
訓練を受けたスタッフが、限定された剖検を実施した。動物の気道の査察からの視覚スコア化が、埋込物を含有する各気道内の5つの区分に関して実施された。気管気管支樹は、解剖学的構造が許す限り、埋込物の近位および遠位の気管/気管支の最低1cmで収集された。肺は、潜在的な将来の分析のために、10%の中性緩衝ホルマリン(NBF)で伸張され、次いで、10%のNBF中に浸漬固定された。5つのレベルのそれぞれに関する、気管支鏡手技の間に記録された狭窄スコアが、説明的統計量(平均値、標準偏差、最小値、最大値)を使用して、埋込物タイプ毎に、第28日目、第60日目、および第90日目において要約された。5つのレベルにおける狭窄スコアの和として計算される、合計狭窄スコアもまた、埋込物タイプ毎に要約された。気管支鏡検査の間に認められた他の所見に関連する一般的傾向が、説明された。剖検の時点で文書化された異常所見が、検査群毎の発生の頻度によって表にされた。剖検の時点で検査外科医によって査定された狭窄スコアが、説明的統計量(平均値、標準偏差、最小値、最大値)を使用して検査群毎に要約された。埋込物長、埋込物の頭側端部における幅、および埋込物の尾側端部における幅が、蛍光透視画像記録から取得された。蛍光透視装置の視野内の既知の長さの位置合わせマーカが、測定値を較正するために使用された。第0日目と、第30日目と、第60日目と間の埋込物長および幅の変化が、説明的統計の統計量(平均値、標準偏差、最小値、最大値)を使用して、検査群毎に要約された。
【0314】
群02内の全ての4匹の検査動物が、埋込手技から回復し、全てが、第90日目のエンドポイントまで生存し、本検査の間には、いかなる早期の死亡または安楽死も、生じなかった。埋込手技からの回復および麻酔を要求する後続の経過観察手技は、順調であり、手技に続く日(第1日目)の臨床的所見は、術後のステータス(軽度頻脈n=2、軽度食欲不振n=2)に一貫するものであった。検査の持続時間にわたって、埋込物は、優に耐えた。埋込手技後の1、2、および3ヶ月目における体重の変化割合の平均値(±SD)は、それぞれ、-4.1±6.0%、5.6±3.7%、および8.6±5.8%であった。いかなる有害な呼吸関連臨床的所見も、認められなかった。試験物品に関連するとは見なされなかった、獣医精査を促した、1つのみの見解(動物21C0394の腹側胸骨上における限局性皮膚炎、広域抗生物質および局所抗生物質/抗真菌薬を用いて治療された)が、報告された。
【0315】
埋込物の近位、中心、および遠位領域、および埋込物の近位端の直頭側、および埋込物の遠位端の尾側における管腔狭窄重症度のスコア化が、第30日目、第60日目、および第90日目の時点に関して表4-7に示される。
【表19-1】
【表19-2】
【0316】
埋込物の近位、中心、および遠位領域、および埋込物の近位端の直頭側、および埋込物の遠位端の尾側における粘液重症度のスコア化が、第30日目、第60日目、および第90日目の時点に関して表4-8に示される。
【表20】
【0317】
実験実施例5:異なる埋込物タイプの半径方向強度および軸方向強度
本実験では、軸方向引張および圧縮ばね率、および半径方向圧縮が、Boston Scientific製の市販のEPIC
TMステント(「対照埋込物」)および本技術の少なくともいくつかの実施形態による埋込物(「試験埋込物」)に関して比較された。対照埋込物は、10mmの最終外径に熱処理された自己拡張式のニチノールハイポチューブであり、胆管または末梢血管での使用を対象とする。実験内で使用された特定の対照埋込物は、60mmの公称長と、62mmの測定長とを有していた。試験埋込物は、10mmの最終外径に熱処理された、自己拡張式のニチノールワイヤ形態であった。試験埋込物は、
図56Aに示される埋込物5600に類似していた。これは、60mmの公称長と、61mmの測定長とを有していた。
【0318】
試験埋込物および対照埋込物に対して実施される第1の試験は、3点屈曲試験であった。各埋込物の近位端が、埋込物を水平に懸吊するために支持された一方、中心が0.25インチ下向きに撓むまで、加重が、埋込物の中心に印加された。本試験では、対照埋込物は、115グラムにおいて限界に到達した一方、試験埋込物は、3グラムにおいて限界に到達した。本結果は、試験埋込物が、有意に、対照埋込物よりも屈曲に対して耐久性がないことを示す。第2の試験では、各埋込物が、埋込物の直径が0.25インチ低減するまで、2つのブロック間でその長さに対して直角に圧縮された。本試験では、対照埋込物は、929グラム、すなわち、143,520ダイン/cmにおいて限界に到達した一方、試験埋込物は、722グラム、すなわち、111,540ダイン/cmにおいて限界に到達した。本結果は、試験埋込物および対照埋込物が、半径方向圧縮に対する類似の耐性を有することを示す。第3の試験では、各埋込物が、埋込物の長さが0.25インチ低減するまで、軸方向に(すなわち、その長さに対して平行に)圧縮された。本試験では、対照埋込物は、67グラム、すなわち、10,351ダイン/cmにおいて限界に到達した一方、対照埋込物は、2グラム、すなわち、309ダイン/cmにおいて限界に到達した。本結果は、試験埋込物が、有意に、対照埋込物よりも軸方向の圧縮に対して耐久性がないことを示す。本結果に基づく、対照埋込物の軸方向の圧縮ばね率は、試験埋込物より30倍超高かった。第4の試験では、各埋込物が、埋込物の長さが0.25インチ増加するまで、軸方向に(すなわち、その長さに対して平行に)伸展された。本試験では、対照埋込物は、64グラム、すなわち、9,887ダイン/cmにおいて限界に到達した一方、試験埋込物は、2グラム、すなわち、309ダイン/cmにおいて限界に到達した。本結果は、試験埋込物が、有意に、対照埋込物よりも軸方向の伸展に対して耐久性がないことを示す。本結果に基づく、対照埋込物の軸方向引張ばね率は、試験埋込物のものより30倍超高かった。
【0319】
本実験内で採集されたデータは、試験埋込物および対照埋込物が、類似の半径方向強度を有していた一方、試験埋込物が、対照埋込物よりも軸方向の圧縮、引張伸展、および屈曲においてはるかに可撓性であったことを示した。本検査における対照埋込物は、上記に議論されるイヌ科動物での検査において使用される、同一の対照埋込物である。その検査において、対照埋込物は、試験埋込物よりも有意に多くの肉芽組織成長を引き起こすことが見出された。半径方向強度の観察された類似性、および軸方向の圧縮、引張伸展、および屈曲の差異は、本移動に抵抗することではなく、肺組織とともに移動するための試験埋込物の能力が、肉芽組織の形成を低減させ、長期間の気道開存を維持するための試験埋込物の能力に寄与する、という仮説を支持する。
【0320】
結論
本開示は、包括的であること、または本技術を本明細書に開示される精密な形態に限定することを意図していない。具体的実施形態が、例証的目的のために本明細書に開示されるが、当業者が認識するであろうように、本技術から逸脱することなく、種々の修正が、可能性として考えられる。ある場合には、周知の構造および機能が、本技術の実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、詳細に示されていない、または説明されていない。方法のステップは、本明細書において特定の順序において提示され得るが、代替実施形態では、ステップは、別の好適な順序を有し得る。同様に、特定の実施形態の文脈において開示される本技術のある側面が、他の実施形態において組み合わせられる、または排除されることができる。さらに、ある実施形態と関連付けられる利点が、それらの実施形態の文脈において本明細書に開示され得るが、他の実施形態もまた、そのような利点を呈し得、全ての実施形態が、必ずしも、本技術の範囲内に入るような本明細書に開示さる利点または他の利点を呈する必要はない。本開示および関連付けられる技術は、本明細書において明示的に示されない、または説明されない他の実施形態を包含することができる。
【0321】
本開示の全体を通して、単数形を表す用語「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別様に示さない限り、複数の指示物を含む。同様に、単語「または」が、2つまたはそれを上回るアイテムのリストを参照して、他のアイテムから排他的な単一のアイテムのみを意味するように明示的に限定されていない限り、そのようなリストにおける「または」の使用は、(a)リスト内の任意の単一のアイテム、(b)リスト内のアイテムの全て、または(c)リスト内のアイテムの任意の組み合わせを含むものと解釈されるものとする。加えて、用語「comprising(~を備える)」、「including(~を含む)」、および同等物は、任意のより多い数の同一の特徴および/または1つまたはそれを上回る付加的なタイプの特徴が除外されないように、少なくとも列挙される特徴を含むことを意味するために、本開示の全体を通して使用される。「上側」、「下側」、「前面」、「背面」、「垂直」、および「垂直」等の方向を表す用語は、本明細書では、種々の構造間の関係を表現し、明確にするために使用され得る。そのような用語が、絶対配向を示さないことを理解されたい。本明細書で使用されるように、用語「直径」は、対応する構造が円形であることを要求するものではない。非円形構成に配列される1つまたはそれを上回る構造の文脈において使用されるとき、用語「直径」は、構造または複数の構造が縦方向寸法に対して直角である所与の平面内で画定する、最大距離を意味する。同様に、本明細書で使用されるように、用語「螺旋」は、対応する構造が幾何学的に精密な螺旋であることを要求するのではなく、むしろ、構造は、螺旋に類似する、または当業者は、別様に、構造を、螺旋状の特性を有するものと認識するであろう。用語「ワイヤ」は、成形プロセス(例えば、引抜、鋳造、および押出)、付加プロセス(例えば、3D印刷)、および除去プロセス(例えば、ワークピースからの切削)によって作製される構造を含む、任意の好適なワイヤ様伸長構造を包含する。さらに、これらの構造は、(丸みを帯びたものだけではなく)任意の好適な断面形状であることができる。
【0322】
本明細書における「一実施形態」、「ある実施形態」、または類似の語句の言及は、そのような語句と関連して説明される、特定の特徴、構造、動作、または特性が、本技術の少なくとも一実施形態内に含まれ得ることを意味する。したがって、そのような語句は、本明細書で使用されるように、必ずしも全てが同一の実施形態を参照しているわけではない。本明細書において使用されるように、用語「概して」、「実質的に」、「約」、および類似の用語は、近似値を表す用語であり、程度を表す用語ではない。これらの用語は、当業者によって認識されるであろう、測定または計算された値の本質的変動を考慮することを意図する。本明細書で使用されるような、用語「発明者ら」は、少なくとも1人の発明者を指す。単語「または」が、2つまたはそれを上回るアイテムのリストを参照して、他のアイテムから排他的な単一のアイテムのみを意味するように明示的に限定されていない限り、そのようなリストにおける「または」の使用は、(a)リスト内の任意の単一のアイテム、(b)リスト内のアイテムの全て、または(c)リスト内のアイテムの任意の組み合わせを含むものと解釈されるものとする。最後に、本明細書に説明される実施形態の種々の特定の特徴、構造、動作、および特性が、本技術に従って、付加的実施形態において任意の好適な様式において組み合わせられ得ることに留意されたい。
【国際調査報告】