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特表2024-527867VEGFR融合タンパク質医薬組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】VEGFR融合タンパク質医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20240719BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240719BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240719BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240719BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240719BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20240719BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240719BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20240719BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240719BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240719BHJP
   C07K 19/00 20060101ALN20240719BHJP
   C07K 14/71 20060101ALN20240719BHJP
   C07K 16/00 20060101ALN20240719BHJP
【FI】
A61K39/395 Y
A61K47/26
A61K47/10
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/22
A61K47/02
A61K47/18
A61P27/02
A61K9/08
C07K19/00 ZNA
C07K14/71
C07K16/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503892
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 US2022076009
(87)【国際公開番号】W WO2023219653
(87)【国際公開日】2023-11-16
(31)【優先権主張番号】17/663,260
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517297038
【氏名又は名称】オールジェネシス バイオセラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】グエン タン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ペイ-ズゥ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヤン-シャン
(72)【発明者】
【氏名】チェルクリ マドゥ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076CC10
4C076DD09F
4C076DD23
4C076DD51
4C076DD60Z
4C076DD67
4C076EE23F
4C076EE31
4C076EE32
4C076EE37
4C076FF16
4C076FF36
4C076FF61
4C076FF63
4C085AA33
4C085BB11
4C085BB31
4C085BB42
4C085CC21
4C085CC22
4C085EE05
4C085EE07
4H045AA30
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
本発明は、血管新生を阻害する生物製剤に関する。特に、本発明は、インテグリン活性化経路及び1つの他の血管新生因子活性化経路を阻害する融合タンパク質、並びにそのような融合タンパク質の製剤組成物、並びにその製造方法及び使用方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)約0.5mg/mL~約120mg/mLの濃度の融合タンパク質と、
b)約1%~約10%w/vの濃度の、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、ベンジルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)400~12000からなる群から選択されるポリオール又はアルコールと、
c)約10mM~約50mMの濃度の、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウム二水和物からなる群から選択される緩衝剤と、
d)約0.01~約4%w/vの濃度の界面活性剤と、
を含む、医薬製剤であって、
前記製剤は約5.5~7.5のpHであり、任意選択で、前記製剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、又はヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選択される多糖を更に含む、医薬製剤。
【請求項2】
前記界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート80及びポロキサマー188からなる群から選択され、好ましくはポリソルベート20である、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
前記界面活性剤が約0.03%w/vの濃度である、請求項1又は請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記融合タンパク質が約1mg/mL~約90mg/mL、好ましくは約20mg/mL~約80mg/mLの濃度であり、より好ましくは前記融合タンパク質が約40mg/mLの濃度である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項5】
前記ポリオールが約25mM~約250mM、好ましくは約190mMの濃度のトレハロースである、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記緩衝剤が、約10mM~約40mM、好ましくは約20mM~約30mMの濃度のヒスチジンであり、より好ましくは前記ヒスチジンが約25mMの濃度である、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項7】
前記融合タンパク質が、N末端からC末端に向かって以下の順序で、
a)血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)の細胞外ドメイン、
b)ヒト免疫グロブリンGのFcドメイン、及び
c)インテグリン結合タンパク質又はそのフラグメントを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項8】
前記融合タンパク質が、配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号18を含む、請求項7に記載の医薬製剤。
【請求項9】
pHが約5.5~約7.0であり、好ましくはpHが約6.0である、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項10】
-70℃、-20℃及び/又は5℃で少なくとも24ヶ月間安定である、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項11】
-70℃、-20℃、2~8℃及び/又は25℃、好ましくは2~8℃で少なくとも6ヶ月後にタンパク質純度及び効力を保持する、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項12】
約10mM~50mMの濃度の塩を更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項13】
少なくとも1つのアミノ酸を約10mM~50mMの濃度で更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項14】
前記塩が、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、又は塩化カリウムから選択される、請求項12に記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記アミノ酸が、アルギニン、メチオニン、プロリン、ヒスチジン、システイン、リジン、グリシン、アスパルタート、トリプトファン、グルタマート及びイソロイシンからなる群から選択される、請求項13に記載の医薬製剤。
【請求項16】
対象の眼疾患を治療する方法であって、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬製剤を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項17】
前記眼疾患が、血管新生又は虚血性ブドウ膜炎、網膜血管炎、網膜色素線条症、網膜色素変性、角膜血管新生、虹彩血管新生、血管新生緑内障、緑内障における術後線維症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、脈絡膜血管新生(CNV)、視神経円板血管新生、網膜血管新生、硝子体血管新生、パンヌス、翼状片、血管網膜症、DMEを伴わない糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、DMEを伴う糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出性(ウェット)及び非滲出性(ドライ)加齢黄斑変性(AMD)、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞(RVO)後の黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜血管腫状増殖(RAP)、ポリープ状脈絡膜血管新生(PCV)、硝子体黄斑癒着(VMA)及び/又は硝子体黄斑牽引(VMT)から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記製剤が約0.5~10mg/眼、好ましくは約3.0~6.0mg/眼の用量で投与され、より好ましくは前記製剤が約4mg/眼の用量で投与される、請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記製剤が約4mg/眼の用量で投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
a)40mg/mLの濃度の融合タンパク質、
b)25mMのヒスチジン、
c)190mMのトレハロース、スクロース又はマンニトール、
d)0.03%ポリソルベート20又はポリソルベート80を含む、医薬製剤であって、
前記製剤は約6.0のpHである、医薬製剤。
【請求項21】
前記融合タンパク質が、N末端からC末端に向かって以下の順序で、
a)血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)の細胞外ドメイン、
b)ヒト免疫グロブリンGのFcドメイン、
c)インテグリン結合タンパク質又はそのフラグメント
を含む、請求項20に記載の医薬製剤。
【請求項22】
前記融合タンパク質が、配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号18を含む、請求項21に記載の医薬製剤。
【請求項23】
-70℃、-20℃及び/又は5℃で少なくとも24ヶ月間安定である、請求項20~22のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項24】
-70℃、-20℃及び/又は2~8℃、好ましくは2~8℃で少なくとも6ヶ月後にタンパク質純度及び効力を保持する、請求項20~23のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項25】
約10mM~50mMの濃度の塩を更に含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項26】
少なくとも1つのアミノ酸を約10mM~50mMの濃度で更に含む、請求項20~25のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項27】
前記塩が、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、又は塩化カリウムから選択される、請求項25に記載の医薬製剤。
【請求項28】
前記アミノ酸が、アルギニン、メチオニン、プロリン、ヒスチジン、システイン、リジン、グリシン、アスパルタート、トリプトファン、グルタマート及びイソロイシンからなる群から選択される、請求項26に記載の医薬製剤。
【請求項29】
請求項20~28のいずれか一項に記載の医薬製剤を前記対象に投与することを含む、対象の眼疾患を治療する方法。
【請求項30】
前記眼疾患が、血管新生又は虚血性ブドウ膜炎、網膜血管炎、網膜色素線条症、網膜色素変性、角膜血管新生、虹彩血管新生、血管新生緑内障、緑内障における術後線維症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、脈絡膜血管新生(CNV)、視神経円板血管新生、網膜血管新生、硝子体血管新生、パンヌス、翼状片、血管網膜症、DMEを伴わない糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、DMEを伴う糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出性(ウェット)及び非滲出性(ドライ)加齢黄斑変性(AMD)、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞(RVO)後の黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜血管腫状増殖(RAP)、ポリープ状脈絡膜血管新生(PCV)、硝子体黄斑癒着(VMA)及び/又は硝子体黄斑牽引(VMT)から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記製剤が約0.5~10mg/眼、好ましくは約3.0~6.0mg/眼の用量で投与され、より好ましくは前記製剤が約4mg/眼の用量で投与される、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記製剤が約4mg/眼の用量で投与される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
a)約0.5mg/mL~約120mg/mLの濃度の融合タンパク質と、
b)約1%~約10%w/vの濃度の、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、ベンジルアルコール、ポリビニルアルコール、PEG400~12000等からなる群から選択されるポリオール又はアルコールと、
c)約10mM~約50mMの濃度の、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウム二水和物からなる群から選択される緩衝剤と、
d)約0.01~約4%w/vの濃度の界面活性剤と、
を含む、医薬製剤を対象に投与することを含む、対象の眼疾患を治療する方法であって、
pHが約5.5~7.5であり、場合により、前記製剤が、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース又はヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選択される多糖を更に含む、方法。
【請求項34】
前記界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート80及びポロキサマー188からなる群から選択され、好ましくはポリソルベート20である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記界面活性剤が約0.03%の濃度である、請求項33又は請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記融合タンパク質が約20mg/mL~約90mg/mL、好ましくは約40mg/mL~約80mg/mLの濃度であり、より好ましくは前記融合タンパク質が約40mg/mLの濃度である、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記ポリオールが約150mM~約230mM、好ましくは約190mMの濃度のトレハロースである、請求項33~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記緩衝液が、約20mM~約40mM、好ましくは約20mM~約30mMの濃度のヒスチジンであり、より好ましくは前記ヒスチジンが約25mMの濃度である、請求項33~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記融合タンパク質が、N末端からC末端に向かって以下の順序で、
a)血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)の細胞外ドメイン、
b)ヒト免疫グロブリンGのFcドメイン、及び
c)インテグリン結合タンパク質又はそのフラグメント
を含む、請求項33~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記融合タンパク質が、配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号18を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記pHが約6.0~約6.5であり、好ましくは前記pHが約6.0である、請求項33~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記製剤が、-70℃、-20℃及び/又は5℃で少なくとも24ヶ月間安定である、請求項33~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記製剤が、-70℃、-20℃及び/又は2~8℃、好ましくは2~8℃で少なくとも6ヶ月後にタンパク質純度及び効力を保持する、請求項33~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記製剤が、約10mM~50mMの濃度の塩を更に含む、請求項33~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記製剤が、約10mM~50mMの濃度で少なくとも1つのアミノ酸を更に含む、請求項33~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記塩が、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、又は塩化カリウムから選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記アミノ酸が、アルギニン、メチオニン、プロリン、ヒスチジン、システイン、リジン、グリシン、アスパルタート、トリプトファン、グルタマート及びイソロイシンからなる群から選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記眼疾患が、血管新生又は虚血性ブドウ膜炎、網膜血管炎、網膜色素変性、網膜色素線条症、角膜血管新生、虹彩血管新生、血管新生緑内障、緑内障における術後線維症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、脈絡膜血管新生(CNV)、視神経円板血管新生、網膜血管新生、硝子体血管新生、パンヌス、翼状片、血管網膜症、DMEを伴わない糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、DMEを伴う糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出性及び非滲出性加齢黄斑変性(AMD)、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)後の黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜血管腫状増殖(RAP)、ポリープ状脈絡膜血管新生(PCV)、硝子体黄斑癒着(VMA)及び/又は硝子体黄斑牽引(VMT)を含む、請求項33~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記製剤が約0.03~10mg/眼、好ましくは約3.0~6.0mg/眼の用量で投与され、より好ましくは前記製剤が約4mg/眼の用量で投与される、請求項33~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記製剤が約4mg/眼の用量で投与される、請求項49に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年5月13日に出願された米国非仮特許出願第17/663,260号の優先権を主張する国際出願であり、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
電子的に提出された配列表の参照
電子配列表(065781_WO1.xml;サイズ:66,200バイト;作成日2022年8月25日)の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、血管新生因子活性化経路を阻害する融合タンパク質医薬組成物に関する。特に、本発明は、血管新生因子活性化経路を阻害する融合タンパク質、これらの融合タンパク質の組成物、並びにそれらを製造及び使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0004】
血管形成は、既存の血管系から新しい血管を成長させるプロセスである。これは、胚発生並びに組織及び創傷修復を含むいくつかの生理学的過程において重要な役割を果たす(Folkman J et al.Angiogenic Factors.Science 1987;235:442-7)。血管新生の生理学的工程は十分に特徴付けられており、細胞外マトリックスのタンパク質分解、内皮細胞の増殖、接着、遊走及び管状チャネルへの集合、壁細胞、周皮細胞の動員及び分化、並びに細胞外マトリックスの産生を含む(Carmeliet P et al.Nature.2011;473:298-307)。病理学的血管形成は、腫瘍形成、眼障害(例えば、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、網膜/脈絡膜血管新生、滲出型加齢黄斑変性、及び血管新生緑内障)、関節炎、乾癬、線維性疾患、炎症性疾患、アテローム性動脈硬化症、及び動脈硬化症で起こり得る(Polverini P J.Crit Rev Oral Biol Med.1995;6(3):230-47,Perrotta P et al.Vascular Pharmacology.2019;112:72-78)。
【0005】
病理学的血管新生は、より不均一で無秩序であり、蛇行した血管組織化、様々なサイズの低酸素ボイド、不均一で不完全な血管壁及びライニング、並びに無効な灌流を示すことが多い(Jain R K.,Nat Med.2003;9(6):685-93)。疾患における新しい血管形成のこれらの明確な特徴は、血管形成の治療標的化を課題としている。LUCENTIS(登録商標)(ラニビズマブ)、EYLEA(登録商標)(アフリベルセプト)、又はAVASTIN(登録商標)(ベバシズマブ)のオフラベル使用等の抗VEGF療法は一般に視覚機能を安定化又は改善することができるが、網膜下瘢痕化(線維症)は、抗VEGF治療後2年以内に治療された全ての眼の約半分に発症する可能性があり、転帰不良の1つの原因として特定されている(Daniel E et al.Ophthalmology.2014;121(3):656-66)。網膜下線維症における重要なプレイヤーの多くは、線維化過程(細胞増殖、遊走及びECMリモデリング)に関与する成長因子及びマトリックス細胞タンパク質である可能性が高い(Patsenker E et al.Hepatology.2009 Nov;50(5):1501-1511,Xu J et al.Biochim Biophys Acta.2014 Nov;1842(11):2106-2119)。その複雑さにもかかわらず、血管新生プロセスに関する我々の知識の増加に伴い、抗血管新生薬物開発は依然として非常に興味深い領域である。
【0006】
現在、血管新生プロセスにおける多くの重要な役割が特定されており、血管内皮成長因子(VEGF)ファミリーが支配的な役割を有する。ヒトVEGFファミリーは、VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、VEGF-E、及び胎盤増殖因子(PlGF)の6つのメンバーからなる。更に、VEGF-A、VEGF-B及びPIGFの複数のアイソフォームが、選択的RNAスプライシングによって生成される(Sullivan et al.MAbs.2002;2(2):165-75)。VEGF-Aは血管形成に関与する主要因子であり、VEGFR-1及びVEGFR-2の両方に結合する。VEGF-Aシグナル伝達を妨害することによって血管新生を阻害する戦略は、特定の癌並びに網膜血管新生及び虚血性疾患の治療のための成功した治療法を確立した。(Major et al.J Pharmacol Exp Ther.1997;283(1):402-10;Willet et al.Nat.Med.2004;10:145-7;Papadopoulos et al.Angiogenesis.2012;15(2):171-85;Aiello et al.PNAS.1995;92:10457-61)。
【0007】
血小板由来成長因子(PDGF)、形質転換成長因子ベータ(TGF-β)、上皮成長因子(EGF)、神経成長因子(NGF)、低酸素誘導因子(HIF)、塩基性線維芽細胞成長因子又は線維芽細胞成長因子(bFGF又はFGF-2)、結合組織成長因子(CTGF)、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、インスリン様成長因子(IGF)、肝細胞成長因子/スキャッター因子(HGF/SF)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、間質細胞由来因子-1(SDF-1)、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン8(IL-8)、インターロイキン17(IL-17)、インターロイキン18(IL-18)、インターロイキン20(IL-20)、インターロイキン23(IL-23)、C-Cモチーフリガンド(CCL28、CCL21)及びC-X-Cモチーフリガンド(CXCL1、CXCL5)等の走化性物質、マクロファージ遊走阻害因子(MIF)、並びに分化抗原群(CD)等の免疫細胞表面タンパク質を含む他の成長因子、サイトカイン、ケモカイン。これらの因子は過剰発現され、血管新生関連疾患において重要な役割を果たすことが報告されている(Elshabrawy et al.Angiogenesis.2015;18:433-448;Somanath P R et al,Cell Biochem Biophys.2009;53(2):53-64,Eliceiri B P.,Circ Res.2001 Dec 7;89(12):1104-10)。下流経路活性化を減少させるためにこれらの因子を標的化することにより、血管新生関連疾患を減少させることができる。
【0008】
細胞表面受容体のファミリーであるインテグリンはまた、内皮細胞表面に過剰発現されることが見出されており、血管新生中に新たに形成される血管の成長及び生存を促進すると考えられている。インテグリンは、細胞外マトリックスタンパク質と相互作用するヘテロ二量体細胞表面受容体であり、多くの生物学的プロセスにとって重要である。様々な細胞型におけるインテグリンの発現は腫瘍進行に関与しており、増殖因子受容体とクロストークし、いくつかの増殖因子と直接相互作用するそれらの能力はそれらを魅力的な治療標的にした。(Staunton D E et al.Adv Immunol.2006;91:111-57;Avraamides,C J et al.Nat Rev Cancer.2008;8:604-617,Somanath P R et al.Cell Biochem Biophys.2009;53(2):53-64)特に、インテグリンαvβ3は、腫瘍細胞及び血管新生内皮細胞の両方で上方制御され、腫瘍細胞遊走、血管新生/血管新生、及び調節不全の細胞シグナル伝達にとって重要である。したがって、インテグリンαvβ3のアンタゴニストは、それらの抗血管新生及び抗腫瘍特性について集中的に研究されている(Desgrosellier J S et al.Nat Rev Cancer.2010;10:9-22)。
【0009】
ディスインテグリンは、バイパーファミリーの蛇毒に見られるタンパク質であり、主にβ1及びβ3関連インテグリンの機能を阻害する。それらは最初にインテグリンαIIbβ3の阻害剤として同定され、その後、他のインテグリンに高親和性で結合し、インテグリンとRGD含有タンパク質との相互作用を遮断することが示された。それらは、約4~7個のジスルフィド結合を有する47~84個のアミノ酸を含有し、同じRGDモチーフを有する(McLane M A,et al.Proc Soc Exp Biol Med.1998;219:109-119;Niewiarowski S et al.Semin Hematol 1994;31:289-300;Calvete J J,Curr Pharm Des.2005;11:829-835;Blobel C P et al.Curr Opin Cell Biol.1992;4:760-765)。ディスインテグリンファミリーの保存されたRGD配列は、インテグリンの認識において最も重要な役割を果たす。ディスインテグリンは、24個中8個のインテグリンと相互作用し、インテグリン媒介性の細胞増殖、接着、遊走及び血管新生を阻害することが見出された(McLane M A,et al.Front Biosci.2008;13:6617-6637;Swenson S,et al.Curr Pharm Des.2007;13:2860-2871)。動物研究は、ディスインテグリンが血管新生内皮及び転移性腫瘍を標的とすることを示し、癌治療におけるそれらの潜在的な使用を示した。RGD含有タンパク質のインテグリンへの特異的結合は、RGDモチーフを取り囲む立体配座及び局所配列の両方の機能である。多くの研究は、RGD含有タンパク質のRGDモチーフに隣接する残基がインテグリンに対するそれらの結合特異性及び親和性に影響を及ぼすことを示している(Scarborough R M et al.J Biol Chem.1993;268:1058-1065;Rahman S et al.Biochem J.1998;335:247-257)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Folkman J et al.Angiogenic Factors.Science 1987;235:442-7
【非特許文献2】Carmeliet P et al.Nature.2011;473:298-307
【非特許文献3】Polverini P J.Crit Rev Oral Biol Med.1995;6(3):230-47
【非特許文献4】Perrotta P et al.Vascular Pharmacology.2019;112:72-78
【非特許文献5】Jain R K.,Nat Med.2003;9(6):685-93
【非特許文献6】Daniel E et al.Ophthalmology.2014;121(3):656-66
【非特許文献7】Patsenker E et al.Hepatology.2009 Nov;50(5):1501-1511
【非特許文献8】Xu J et al.Biochim Biophys Acta.2014 Nov;1842(11):2106-2119
【非特許文献9】Sullivan et al.MAbs.2002;2(2):165-75
【非特許文献10】Major et al.J Pharmacol Exp Ther.1997;283(1):402-10
【非特許文献11】Willet et al.Nat.Med.2004;10:145-7
【非特許文献12】Papadopoulos et al.Angiogenesis.2012;15(2):171-85
【非特許文献13】Aiello et al.PNAS.1995;92:10457-61
【非特許文献14】Elshabrawy et al.Angiogenesis.2015;18:433-448
【非特許文献15】Somanath P R et al,Cell Biochem Biophys.2009;53(2):53-64
【非特許文献16】Eliceiri B P.,Circ Res.2001 Dec 7;89(12):1104-10
【非特許文献17】Staunton D E et al.Adv Immunol.2006;91:111-57
【非特許文献18】Avraamides,C J et al.Nat Rev Cancer.2008;8:604-617
【非特許文献19】Desgrosellier J S et al.Nat Rev Cancer.2010;10:9-22
【非特許文献20】McLane M A,et al.Proc Soc Exp Biol Med.1998;219:109-119
【非特許文献21】Niewiarowski S et al.Semin Hematol 1994;31:289-300
【非特許文献22】Calvete J J,Curr Pharm Des.2005;11:829-835
【非特許文献23】Blobel C P et al.Curr Opin Cell Biol.1992;4:760-765
【非特許文献24】McLane M A,et al.Front Biosci.2008;13:6617-6637
【非特許文献25】Swenson S,et al.Curr Pharm Des.2007;13:2860-2871
【非特許文献26】Scarborough R M et al.J Biol Chem.1993;268:1058-1065
【非特許文献27】Rahman S et al.Biochem J.1998;335:247-257
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
血管新生は、様々な成長因子及びシグナル伝達受容体を含む複雑な生物学的プロセスであり、シグナル伝達カスケード中の単一分子を標的化することは、癌等の疾患における制御されていない血管新生の有効な臨床治療を提供しない可能性がある。したがって、血管新生及び疾患の進行を効果的に阻害するために、いくつかの重要な血管新生因子に協調的に結合することができる革新的な治療薬を開発する必要性が高まっている。
融合タンパク質の医薬製剤及びそのような製剤を使用する方法が本明細書で提供される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1つの一般的な態様では、本開示は、
a)約0.5mg/mL~約120mg/mLの濃度の融合タンパク質と、
b)約1%~約10%w/vの濃度の、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、ベンジルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)400~12000からなる群から選択されるポリオール又はアルコールと、
c)約10mM~約50mMの濃度の、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウム二水和物からなる群から選択される緩衝剤と、
d)約0.01~約4%w/vの濃度の界面活性剤とを含む、医薬製剤であって、
製剤は約5.5~7.5のpHであり、任意選択で、製剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、又はヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選択される多糖を更に含む、医薬製剤に関する。
【0013】
本開示の実施形態によれば、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80及びポロキサマー188からなる群から選択され、好ましくはポリソルベート20である。
【0014】
本出願の実施形態によれば、界面活性剤は約0.03%の濃度である。
【0015】
本開示の実施形態によれば、融合タンパク質は、約1mg/mL~約90mg/mL、好ましくは約20mg/mL~約80mg/mLの濃度であり、より好ましくは融合タンパク質が約40mg/mLの濃度である。
【0016】
本出願の実施形態によれば、ポリオールは、約25mM~約250mM、好ましくは約190mMの濃度のトレハロースである。
【0017】
本開示の実施形態によれば、緩衝剤は、約10mM~約40mM、好ましくは約20mM~約30mMの濃度のヒスチジンであり、より好ましくはヒスチジンが約25mMの濃度である。
【0018】
本開示の実施形態によれば、融合タンパク質は、N末端からC末端に向かって以下の順序で、
a)血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)の細胞外ドメイン、
b)ヒト免疫グロブリンGのFcドメイン、及び
c)インテグリン結合タンパク質又はそのフラグメント
を含む。
【0019】
本出願の実施形態によれば、融合タンパク質は、配列番号15、配列番号16、配列番号17、又は配列番号18を含む。
【0020】
本出願の実施形態によれば、pHは約5.5~約7.0であり、好ましくはpHは約6.0である。
【0021】
本出願の実施形態によれば、製剤は、-70℃、-20℃及び/又は5℃で少なくとも24ヶ月間安定である。
【0022】
本出願の実施形態によれば、製剤は、-70℃、-20℃及び/又は2~8℃、好ましくは2~8℃で少なくとも9ヶ月後にタンパク質純度及び効力を保持する。
【0023】
本出願の実施形態によれば、製剤は、約10mM~50mMの濃度の塩を更に含む。
【0024】
本出願の実施形態によれば、製剤は、約10mM~50mMの濃度の少なくとも1つのアミノ酸を更に含む。
【0025】
本出願の実施形態によれば、塩は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、又は塩化カリウムから選択される。
【0026】
本開示の実施形態によれば、アミノ酸は、アルギニン、メチオニン、プロリン、ヒスチジン、システイン、リジン、グリシン、アスパルタート、トリプトファン、グルタマート及びイソロイシンからなる群から選択される。
【0027】
本出願の実施形態によれば、医薬製剤は、眼疾患を治療する方法において使用することができる。
【0028】
本開示の実施形態によれば、眼疾患は、血管新生又は虚血性ブドウ膜炎、網膜血管炎、網膜色素線条症、網膜色素変性、角膜血管新生、虹彩血管新生、血管新生緑内障、緑内障における術後線維症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、脈絡膜血管新生(CNV)、視神経円板血管新生、網膜血管新生、硝子体血管新生、パンヌス、翼状片、血管網膜症、DMEを伴わない糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、DMEを伴う糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出性(ウェット)及び非滲出性(ドライ)加齢黄斑変性(AMD)、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞(RVO)後の黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜血管腫状増殖(RAP)、ポリープ状脈絡膜血管新生(PCV)、硝子体黄斑癒着(VMA)及び/又は硝子体黄斑牽引(VMT)から選択される。
【0029】
本開示の実施形態によれば、製剤は、約0.03~10mg/眼、好ましくは約3.0~6.0mg/眼の用量で投与され、より好ましくは製剤が約4mg/眼の用量で投与される。
【0030】
本出願の実施形態によれば、製剤は、眼当たり約4mgの用量で投与される。
【0031】
本開示の別の一般的な態様は、
a)40mg/mLの濃度の融合タンパク質、
b)25mMのヒスチジン、
c)190mMのトレハロース、スクロース又はマンニトール、
d)0.03%ポリソルベート20又はポリソルベート80を含む、医薬製剤であって、
製剤は約6.0のpHである、医薬製剤に関する。
【0032】
本明細書は、当業者が本発明を実施することを可能にするのに十分であると考えられる。本明細書に示され説明されたものに加えて、本発明の様々な変更は、前述の説明から当業者に明らかになり、添付の特許請求の範囲内に含まれる。本明細書で引用される全ての刊行物、特許及び特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
例示的な実施形態の上記及び他の目的、態様、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによってより明らかになり、よりよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】アカゲザルにおけるレーザー誘発脈絡膜血管新生モデルにおける、0.6、1.0及び1.9mg/眼での融合タンパク質1の単回硝子体内注射後の血管漏出領域のベースラインからの平均変化率のグラフである。データは平均±SEMとして提示した。全ての用量を0日目に単回硝子体内用量として投与した。Lucentis(登録商標)(0.5mg)をシステム適合性及び陽性対照として使用した。分析した全てのスポットはグレードIII/IVであった。%血管漏出=(ベースライン漏出領域-治療漏出領域)÷(ベースライン漏出領域)×100%;マン・ホイットニーのU検定により、処置群とビヒクル群とを比較するために統計分析を行い*、p<0.05。1.9mg群では、重度の眼炎症を有する一匹のサルからのデータが除去され、これは統計学的有意性に影響を与えた(p=0.057)。n=4眼/群。
図2】アカゲザルにおけるレーザー誘発脈絡膜血管新生モデルにおける、0.6、1.0及び1.9mg/眼での融合タンパク質1の単回硝子体内注射後の光干渉断層法による平均網膜厚評価のグラフである。データは平均±SEMとして提示した。全ての用量を0日目に単回硝子体内用量として投与した。Lucentis(登録商標)(0.5mg)をシステム適合性及び陽性対照として使用した。分析した全てのスポットはグレードIII/IVであった。網膜の厚さ%=(ベースライン網膜の厚さ-治療網膜の厚さ)÷(ベースライン網膜の厚さ-研究前の網膜の厚さ)×100%;マン・ホイットニーのU検定により、処置群とビヒクル群とを比較するために統計分析を行い、*、p<0.05である。1.9mg群では、重度の眼炎症を有する一匹のサルからのデータが除去され、これは統計学的有意性に影響を与えた(p=0.057)。n=4眼/群。
図3】示されるように処置されたアカゲザルにおけるレーザー誘導性脈絡膜血管新生モデルのグレードIII/IV病変のマッソン・トリクローム染色のグラフである。データは平均±SEMとして提示した。脱核を29日目に行った。選択されたグレード4の病変スポットを、マッソンのトリクローム染色によって分析した。スチューデントのt検定分析を行って、処置群をビヒクル群と比較した(*、p<0.05)。n=4眼/群。
図4】示される処置後のベロマイシン誘導C57BL/6マウス肺線維症モデルにおける肺ヒドロキシプロリンレベルのグラフである(各処置群についてn=8動物及び偽対照群についてn=4)。$p<0.05、処置対偽対照、対応なしスチューデントのt検定;*p<0.05、処置対ビヒクル、一方向ANOVA及びDunnett検定。融合タンパク質1群では、3日目の原因不明の早期死亡のために1つの動物データが利用できなかった。
図5A】リン酸緩衝液pH7.0中の融合タンパク質1の拡散係数のプロットである。拡散係数は、動的光散乱(DLS)によって決定した。
図5B】リン酸緩衝液pH6.5中の融合タンパク質1の拡散係数のプロットである。拡散係数は、動的光散乱(DLS)によって決定した。
図5C】ヒスチジン緩衝液pH6.5中の融合タンパク質1の拡散係数のプロットである。拡散係数は、動的光散乱(DLS)によって決定した。
図5D】ヒスチジン緩衝液pH6.0中の融合タンパク質1の拡散係数のプロットである。拡散係数は、動的光散乱(DLS)によって決定した。
図5E】クエン酸塩緩衝液pH6.0中の融合タンパク質1の拡散係数のプロットである。拡散係数は、動的光散乱(DLS)によって決定した。
図5F】クエン酸塩緩衝液pH5.5中の融合タンパク質1の拡散係数のプロットである。拡散係数は、動的光散乱(DLS)によって決定した。
図6】40及び80mg/Lの融合タンパク質1の両方について2つの波長で分析された濁度測定値のグラフである。図6Aは波長660nmを示し、図6Bは波長320nmを示す。NaPi=リン酸ナトリウム、Cit=クエン酸及びHis=ヒスチジン。
図7AB】融合タンパク質1のクーマシーブルー染色ゲルを用いた非還元SDS-PAGEである。図7A及び図7Bは、クエン酸塩緩衝液中、4℃又は40℃で開始(レーン2及び3)、4日間(レーン4及び5)、7日間(レーン6及び7)及び14日間(レーン8及び9)インキュベートした40又は80mg/mLの融合タンパク質1を含む。
図7CD】融合タンパク質1のクーマシーブルー染色ゲルを用いた非還元SDS-PAGEである。図7C及び図7Dは、4℃又は40℃のヒスチジン緩衝液中で開始(レーン2及び3)、4日間(レーン4及び5)、7日間(レーン6及び7)及び14日間(レーン8及び9)インキュベートした40又は80mg/mLの融合タンパク質1を含む。
図7E】融合タンパク質1のクーマシーブルー染色ゲルを用いた非還元SDS-PAGEである。図7Eは、ヒスチジン又はクエン酸塩緩衝液中、4℃又は40℃で28日目にインキュベートした40又は80mg/mLの融合タンパク質1を含む。NaPi=リン酸ナトリウム、Cit=クエン酸及びHis=ヒスチジン。各試料ウェルについて、3μgのタンパク質を負荷した。
図8AB】融合タンパク質1のクーマシーブルー染色した還元SDS-PAGEゲルである。図8A及び図8Bは、クエン酸塩緩衝液中、4℃又は40℃で開始(レーン2及び3)、4日間(レーン4及び5)、7日間(レーン6及び7)及び14日間(レーン8及び9)インキュベートした40又は80mg/mLの融合タンパク質1を含む。
図8CD】融合タンパク質1のクーマシーブルー染色した還元SDS-PAGEゲルである。図8C及び図8Dは、ヒスチジン緩衝液中、4℃又は40℃で開始(レーン2及び3)、4日間(レーン4及び5)、7日間(レーン6及び7)及び14日間(レーン8及び9)インキュベートした40又は80mg/mLの融合タンパク質1を含む。
図8E】融合タンパク質1のクーマシーブルー染色した還元SDS-PAGEゲルである。図8Eは、ヒスチジン又はクエン酸塩緩衝液中、4℃又は40℃で28日目にインキュベートした40又は80mg/mLの融合タンパク質1を含む。NaPi=リン酸ナトリウム、Cit=クエン酸及びHis=ヒスチジン。各試料ウェルについて、3μgのタンパク質を負荷した。
図9】25mMヒスチジン緩衝液、190mMトレハロース、0.03%PS20中に製剤化され、示差走査熱量計(DSC)によって決定された1mg/mLでの融合タンパク質1のpH6.0での熱安定性のグラフである。
図10】ヒトVEGF-A165によって誘導される網膜血管透過性を阻害する、オランダのベルトウサギにおける示された濃度での融合タンパク質1の単回用量投与のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0036】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「結合ドメイン」への言及は、複数の結合ドメイン及び当業者に公知のその等価物を含む。
【0037】
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、天然タンパク質のアミノ酸配列、又は1つ若しくは複数のアミノ酸残基の欠失、付加、及び/若しくは置換等の1つ若しくは複数の突然変異を有するアミノ酸配列を有するペプチドの長鎖を指すために互換的に使用され得る。
【0038】
「融合タンパク質」は、互いに共有結合した2つ以上の部分を有するタンパク質を指し、各部分は異なるタンパク質に由来する。
【0039】
本発明は、インテグリン(アミノ酸配列の説明については、それぞれ参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第7,943,728号及びPCT出願番号PCT/US15/46322を参照されたい)、抗インテグリンαvβx抗体(アミノ酸配列の説明については、それぞれ参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第6,160,099及び同第8,350、010号を参照されたい)、抗インテグリンα5β1抗体、インテグリンアイソフォームαvβx又はα5β1を標的とするフィブロネクチン(アミノ酸配列の説明については、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第2015/0218251号を参照されたい)及びそれらのインテグリン結合フラグメントからなる群から選択されるインテグリン結合ペプチド、血管新生因子及びFcドメインを標的とする他のタンパク質結合ペプチドを含む融合タンパク質を含む医薬製剤であって、xは1、3、5、6又は8である、医薬製剤を提供する。
【0040】
本明細書で使用される「抗体」という用語は、ジスルフィド結合によって相互接続された4本のポリペプチド鎖、2本の重鎖及び2本の軽鎖で構成される免疫グロブリン分子を指すことを意図している。完全長重鎖は、可変領域ドメインVH、並びに3つの定常領域ドメインCH1、CH2及びCH3を含む。VHドメインはポリペプチドのアミノ末端にあり、CH3ドメインはカルボキシ末端にある。完全長軽鎖は、可変領域ドメインVL及び定常領域ドメインCLを含む。抗原結合フラグメント(Fab)は、1つの軽鎖と、1つの重鎖のCH1及び可変領域とから構成される。Fab分子の重鎖は、別の重鎖分子とジスルフィド結合を形成することができない。Fab’フラグメントは、1つの軽鎖と、CH1ドメインとCH2ドメインとの間の定常領域をより多く含む1つの重鎖とを含み、その結果、2つの重鎖の間に鎖間ジスルフィド結合を形成してダイアボディを形成することができる。可変フラグメント(Fv)領域は、重鎖及び軽鎖の両方からの可変領域を含むが、定常領域を欠く。一本鎖フラグメント(scFv)は、重鎖及び軽鎖可変領域が柔軟なリンカーによって連結されて、抗原結合領域を形成する単一のポリペプチド鎖を形成しているFv分子である。一本鎖抗体は、国際公開第88/01649号パンフレット及び米国特許第4,946,778号及び第5,260,203号で詳細に論じられる。本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、2本の完全長L鎖及び2本の完全長H鎖を有する免疫グロブリン分子、並びに抗原結合フラグメント(Fab)、Fv領域、scFv等のそのフラグメントを含む。
【0041】
「Fcドメイン」という用語は、単量体又は多量体形態であるかどうかにかかわらず、抗体の非抗原結合部分の配列を含む分子又は配列を指す。Fcの元の免疫グロブリン供給源は、好ましくはヒト起源であり、任意のアイソタイプ、例えばIgG、IgA、IgM、IgE又はIgDに由来し得る。完全長Fcは、以下のIg重鎖領域:CH1とCH2との間、CH2とCH3との間の可撓性ヒンジ領域からなり、2つの鎖は、典型的には、可撓性ヒンジ領域内のジスルフィド結合によって連結されている。
【0042】
本発明は、ディスインテグリン及びそのインテグリン結合フラグメントを含むインテグリン結合ペプチド、VEGF受容体の細胞外ドメイン及びFcドメインを含む他のタンパク質結合ペプチドを含む融合タンパク質であって、RGDモチーフ上又はRGDモチーフに隣接する少なくとも1つの変異を含む融合タンパク質を提供する。本発明の実施形態によれば、ディスインテグリン及びそのインテグリン結合フラグメントは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6及び配列番号7からなる群より選択されるアミノ酸配列、又は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6及び配列番号7と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。
【0043】
本明細書で使用される場合、「ディスインテグリン」は、インテグリンの強力な可溶性リガンドであるシステインに富むタンパク質又はポリペプチドのクラスを指す。RGDモチーフは、ほとんどの単量体ディスインテグリンで保存されているトリペプチド(Arg-Gly-Asp)であり、インテグリン結合ループに位置する。本明細書中に記載されるディスインテグリンは、蛇毒から単離されるか、又は野生型形態に由来し、RGDモチーフ上に、又はRGDモチーフに隣接して、様々なインテグリンアイソフォームに選択的に結合するか、又は様々なインテグリンアイソフォームを標的とする少なくとも1つの変異を有する。本明細書で使用される「RGDモチーフに隣接する」という用語は、所与のペプチド、ポリペプチド、タンパク質配列中のRGDモチーフから15~20アミノ酸以内の任意のアミノ酸残基で生じる任意の突然変異を意味する。
【0044】
ディスインテグリンの他のアミノ酸配列バリアントも企図される。例えば、タンパク質をコードするアミノ酸配列を改変することによって、ディスインテグリンの結合親和性及び/又は他の生物学的特性を改善することができる。ディスインテグリン変異体は、タンパク質をコードする核酸配列に適切な修飾を導入することによって、又はペプチド合成によって修飾を導入することによって調製することができる。そのような改変には、ディスインテグリンの核酸又はアミノ酸配列からの欠失、その中への挿入及び/又はその中の置換等の突然変異が含まれる。最終構築物が、インテグリンスーパーファミリーメンバーへの結合及び/又はインテグリン活性化経路の阻害等の所望の特徴を有するならば、ディスインテグリンの最終アミノ酸構築物に到達するために、欠失、挿入及び置換の任意の組合せを行うことができる。
【0045】
タンパク質又はポリペプチドの生物学的特性における実質的な修飾は、(a)置換の領域におけるポリペプチド骨格の構造、例えばシート又はらせん構造、(b)標的部位における分子の電荷又は疎水性、又は(c)側鎖の大部分の維持に対する効果が有意に異なる置換を選択することによって達成される。
【0046】
突然変異誘発のための好ましい位置である融合タンパク質の特定の残基又は領域を同定するための有用な方法は、Cunningham B C et al.Science.1989;244:1081-1085に記載されているように「アラニンスキャニング突然変異誘発」として知られている。例えば、アミノ酸と標的結合パートナーとの相互作用に影響を及ぼすために、残基又は標的残基の群が同定され(例えば、Arg、Asp、His、Lys及びGlu等の荷電残基)、中性アミノ酸(最も好ましくはグリシン、アラニン又はロイシン)又は逆荷電アミノ酸(正電荷から負電荷又はその逆)で置き換えられる。次いで、置換に対する機能的感受性を示すアミノ酸位置は、置換部位又は置換部位に更なる又は他のバリアントを導入することによって精製される。したがって、アミノ酸配列変異を導入する部位は予め定められているが、変異の性質自体は予め定められている必要はない。例えば、所与の部位における突然変異の性能を分析するために、ランダム突然変異誘発を標的コドン又は領域で行うことができ、発現された融合ポリペプチドバリアントを所望の活性についてスクリーニングする。例えば、その安定性を改善するために、融合タンパク質又はタンパク質成分にシステイン結合(複数可)を付加することができる。
【0047】
したがって、本明細書中には、本明細書中に開示される任意の融合タンパク質の成分であり得るディスインテグリン変異体が提供される。いくつかの実施形態では、ディスインテグリンは、ロドストミン(配列番号1)、トリフラビン(配列番号3)、エキスタチン(配列番号4)、トリムクリン(配列番号5)、エレガンチン(配列番号6)及びトリグラミン(配列番号7)からなる群から選択されるディスインテグリンのアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ディスインテグリンは、ロドストミン(配列番号1)、トリフラビン(配列番号3)、エキスタチン(配列番号4)、トリムクリン(配列番号5)、エレガンチン(配列番号6)又はトリグラミン(配列番号7)のRGDモチーフ上又はそれに隣接する少なくとも1つの変異を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ディスインテグリンは、ディスインテグリン変異体(配列番号2)のアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。配列番号2中のXaaは、ディスインテグリンの野生型とは異なるアミノ酸配列バリアントを産生するために挿入、置換又は欠失のいずれかによって修飾され得る様々な位置を示す。いくつかの例によれば、野生型ロドストミン(配列番号1)のRGDモチーフ中のグリシン(Gly)に対応する配列番号2の位置50のXaaを、グリシン以外の天然に存在するアミノ酸で置換して、ロドストミン変異体を作製することができる。他の例では、配列番号2中の1つ又は複数のXaaはまた、野生型ロドストミン(配列番号1)の対応する位置に最初に見出されたもの以外の天然に存在するアミノ酸で置換されて、様々なロドストミン変異体を生成し得る。更に、ディスインテグリン変異体は、配列番号2中の任意のXaaに単一の変異のみを含むことに限定されず、配列番号2中のXaaのいくつかの位置又はディスインテグリンの他のコンセンサス配列中の対応する位置に生じる複数の変異(例えば、配列番号3~7)も本発明の範囲に包含され得ることに留意されたい。
【0048】
ロドストミン変異体は、米国特許第7,943,728号及びPCT出願番号PCT/US15/46322号に記載され、それらの配列は、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、PCT/US15/46322には、配列番号24~配列番号26からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する変異RGDループと、配列番号29~配列番号41からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する変異リンカー、及び配列番号42~配列番号47からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する変異C末端の少なくとも一方とからなるディスインテグリンバリアントが記載されている。より好ましくは、ディスインテグリンバリアントは、本明細書中に記載の変異RGDループ、変異リンカー及び変異C末端を含む。
【0049】
例えば、リンカー領域又はC末端におけるRGDモチーフに加えて1つ又はそれを超える修飾を有するロドストミン又はディスインテグリンの変異体は、αvβ3、αvβ5、αvβ6、α5β1又はαIIbβ3に選択的に結合する能力を示した。例えば、SRAGK(配列番号50)がKKKRT(配列番号51)、KKART(配列番号52)、MKKGT(配列番号53)IEEGT(配列番号54)、LKEGT(配列番号55)、AKKRT(配列番号56)、KAKRT(配列番号57)、KKART(配列番号58)、KKKAT(配列番号59)、KKKRA(配列番号60)、KAKRA(配列番号61)又はSKAGT(配列番号62)アミノ酸によって置き換えられたリンカー領域(39X40X41X42X43X)における変異を有するロドストミンバリアントは、インテグリンに対して以下の順序で最も高い効果を有した:αIIbβ3(約2倍)>α5β1(約5倍)>αvβ3(約14倍)。
【0050】
RYHが、RYH(配列番号63)、RNGL(配列番号64)、RGLYG(配列番号65)、RGLY(配列番号66)、RDLYG(配列番号67)、RDLY(配列番号68)、RNGLYG(配列番号69)又はRNPWNG(配列番号70)アミノ酸によって置き換えられた、C末端領域(66X67X68X69X70X)における変異を有するロドストミンバリアントは、インテグリンに対して、以下の順序で最も高い効果を有した:αIIbβ3(約13倍)>αvβ5(約8倍)=αvβ6(約8倍)>αvβ3(約4倍)>α5β1(約2倍)。表1は、配列番号24~49の配列及び配列番号1におけるそれらの対応する位置を示す。
【0051】
【表1】
【0052】
ディスインテグリンのバリアントは、主に上記のアミノ酸配列を参照して論じられているが、アルボラブリン、アップルギン、バシリシン、バトロキソスタチン、ビチスタチン、セレベリン、セラスチン、クロトロキシン、デュリシン、フラボリジン、フラボスタチン、ハリシン、ハリスタチン、ジャララシン、ジャラスタチン、キストリン、ラチェシン、ルトシン、モロシン、サルモシン、サキサチリン、テルゲミニン、トリメスタチン、トリムターゼ、ウスリスタチン、ビリジアン、及びRGDモチーフ上又はそれに隣接する少なくとも1つの変異を有するそれらの変異体等の蛇毒をコードするポリペプチド配列又はヌクレオチド配列も本発明の範囲に含まれ得る。
【0053】
理論に拘束されるものではないが、本明細書では、インテグリンは、インテグリンスーパーファミリーメンバーに結合して多価インテグリン受容体との相互作用を遮断することによってインテグリン活性化経路を阻害することが企図される。いくつかの局面において、ディスインテグリンは、インテグリンアイソフォームαvβ1、αvβ3、αvβ5、αvβ6、αvβ8、α5β1及び/又はαIIbβ3を含むがこれらに限定されないインテグリンスーパーファミリーメンバーに結合する。
【0054】
本発明によれば、融合タンパク質の他のタンパク質結合ペプチドは、腫瘍抗原、TNF受容体スーパーファミリーメンバー、ヘッジホッグファミリーメンバー、受容体チロシンキナーゼ、プロテオグリカン関連分子、TGF-ベータスーパーファミリーメンバー、Wnt関連分子及び血管新生標的からなる群から選択される標的に結合する受容体タンパク質であり得る。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態によれば、他のタンパク質結合ペプチドは、限定するものではないが、アンジオポエチン(ANG)、エフリン(Eph)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、ニューロピリン(NRP)、プラスミノーゲン活性化因子、血小板由来増殖因子(PDGF)、腫瘍増殖因子ベータ(TGF-β)、血管内皮増殖因子(VEGF)、血管内皮カドヘリン(VE-カドヘリン)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、インスリン様増殖因子(IGF-1)及びそれらの受容体を含む血管新生標的に特異的に結合し得る。したがって、本発明の実施形態によれば、他のタンパク質結合ペプチドは、血管新生標的に結合し、血管新生標的に拮抗する受容体タンパク質の細胞外部分を含み得る。他の実施形態では、他のタンパク質結合ペプチドは、血管新生因子受容体の細胞外部分に結合し得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、他のタンパク質結合ペプチドは、VEGFリガンドに結合する抗VEGF抗体(そのアミノ酸配列の説明については国際公開第2015/200905号パンフレットを参照されたく、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)又はVEGF受容体に結合する抗VEGFR1若しくは抗VEGFR2抗体(そのアミノ酸配列の説明については、米国特許第5,874,542号明細書を参照されたく、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)であり得る。他の実施形態では、他のタンパク質結合ペプチドはまた、PDGFリガンドに結合する抗PDGF抗体(そのアミノ酸配列の説明については、米国特許第5,094,941号明細書を参照されたく、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)又はPDGF受容体に結合する抗PDGFRβ抗体(そのアミノ酸配列の説明については、米国特許第9,265,827号明細書を参照されたく、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる)であり得る。
【0057】
特定の実施形態では、他のタンパク質結合ペプチドは、VEGF受容体(VEGFR):VEGFR1、VEGFR2及びVEGFR3のいずれか1つと同じVEGFに結合する。いくつかの実施形態では、他のタンパク質結合ペプチドは、本明細書中に記載されるVEGFRのいずれかのVEGFRの少なくとも1つの細胞外部分を含む。例えば、他のタンパク質結合ペプチドは、VEGFR1の少なくとも1つの細胞外部分又はVEGFR2の1つの細胞外部分を含む。別の例では、他のタンパク質結合ペプチドは、Ig様ドメイン2(D2)等のVEGFR1の1つの細胞外部分と、Ig様ドメイン3(D3)等のVEGFR2の1つの細胞外部分とを含む。いくつかの態様では、他のタンパク質結合ペプチドは、配列番号8のアミノ酸配列を含むVEGFR1の1つの細胞外部分と、配列番号9のアミノ酸配列を含むVEGFR2の1つの細胞外部分とを含む。いくつかの態様では、他のタンパク質結合ペプチドは、配列番号10のアミノ酸配列又は配列番号10と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVEGFR1及びVEGFR2の細胞外部分の融合物を含む。
【0058】
他の実施形態では、他のタンパク質結合ペプチドは、PDGF受容体(PDGFR):PDGFRα及びPDGFRβのいずれか1つと同じPDGFに結合する。いくつかの実施形態では、他のタンパク質結合ペプチドは、本明細書に記載のPDGFRのいずれかのPDGFRの少なくとも1つの細胞外部分を含む。例えば、他のタンパク質結合ペプチドは、PDGFRαの少なくとも1つの細胞外部分又はPDGFRβの1つの細胞外部分を含む。別の例では、他のタンパク質結合ペプチドは、Ig様ドメイン1~3等のPDGFRβの1つの細胞外部分を含む。いくつかの態様では、他のタンパク質結合ペプチドは、配列番号11のアミノ酸配列、又は配列番号11と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むPDGFRの細胞外部分を含む。
【0059】
他の実施形態によれば、本発明はまた、RGDモチーフ上又はRGDモチーフに隣接する少なくとも1つの突然変異を有する配列番号1のアミノ酸配列、配列番号1と少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列又は配列番号2のアミノ酸配列、免疫グロブリンCH2ドメイン及びCH3ドメインを含むヒト又はヒト化定常サブ領域、並びにVEGFR1のIg様D2及びVEGFR2のIg様D3を有する他のタンパク質結合ペプチドを含むインテグリン結合ペプチドを含む融合タンパク質を提供する。融合タンパク質の更なる実施形態では、インテグリン結合ペプチドは、配列番号2と少なくとも85%の配列同一性を有する。
【0060】
参照ポリペプチド又は核酸配列に関する「パーセント(%)配列同一性」という用語は、最大パーセント配列同一性を達成するために配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入した後、いかなる保存的置換も配列同一性の一部として考慮せずに、参照ポリペプチド又は核酸配列のアミノ酸残基又はヌクレオチドと同一である候補配列のアミノ酸残基又はヌクレオチドのパーセンテージとして定義される。アミノ酸配列又は核酸配列の同一性パーセントを決定するためのアラインメントは、当技術分野の技能の範囲内である様々な方法で、例えば、公的に入手可能なコンピュータソフトウェアプログラム、例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al.eds.,1987)に記載されているもの、及びBLAST、BLAST-2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)Softwareを含むものを使用して達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大アラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。本明細書の目的のために、所与のアミノ酸配列Aの、所与のアミノ酸配列Bとの、又は所与のアミノ酸配列Bに対する%アミノ酸配列同一性は、以下のように計算される:画分X/Yの100倍、Xは、そのプログラムのAとBのアラインメントにおける配列アラインメントプログラムによる同一のマッチとしてのアミノ酸残基の数であり、Yは、Bのアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さに等しくない場合、AとBの%アミノ酸配列同一性は、BとAの%アミノ酸配列同一性に等しくないことが理解されよう。
【0061】
本発明は、2つの融合タンパク質を含む二量体融合タンパク質を提供し、各融合タンパク質は、本明細書に開示される任意の融合タンパク質を含む。一実施形態では、二量体融合タンパク質は、2つの同一の融合タンパク質を含む。別の実施形態では、二量体融合タンパク質は、2つの異なる融合タンパク質を含み得る。本明細書に開示される融合タンパク質は、2つ以上の同一の融合タンパク質の多量体を形成し得るか、又はヒト抗体若しくはヒト化抗体の定常部分領域を含む多量体化ドメインを介して異種融合タンパク質を形成し得る。いくつかの実施形態では、ヒト抗体又はヒト化抗体の定常部分領域は、IgG Fc領域、IgA Fc領域、IgM Fc領域、IgD Fc領域及びIgE Fc領域からなる群から選択される。更なる実施形態では、ヒト抗体又はヒト化抗体の定常部分領域は、IgG1 Fc領域、IgG2 Fc領域、IgG3 Fc領域及びIgG4 Fc領域からなる群から選択される。いくつかの態様において、部分領域は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4のCH2領域及びCH3領域を含む。Fc領域を含む免疫グロブリンをコードするアミノ酸配列は、当技術分野で周知である。
【0062】
融合タンパク質の成分は、互いに直接連結されてもよく、又はリンカーを介して連結されてもよい。一般に、「リンカー」という用語は、1つ又は複数の構成要素ドメインの間に挿入され得る1つ又は複数の分子、例えば核酸、アミノ酸又は非ペプチド部分を意味する。例えば、操作を容易にするために、構成要素間に所望の関心部位を提供するためにリンカーを使用することができる。リンカーはまた、宿主細胞からの融合タンパク質の発現を増強し、立体障害を減少させて、その成分がその最適な三次構造をとる及び/又はその標的分子と適切に相互作用し得るように提供され得る。リンカー配列は、受容体成分に天然に接続した1つ又は複数のアミノ酸を含み得るか、又は融合タンパク質の発現を増強して、目的の特異的に所望の部位を提供し、成分ドメインが最適な三次構造を形成することを可能にし、及び/又は成分とその標的分子との相互作用を増強するために使用される付加配列であり得る。
【0063】
好ましくは、リンカーは、融合タンパク質内の各機能性成分の構造を妨害することなく、融合タンパク質成分の柔軟性を高める。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、2~100アミノ酸の長さを有するペプチドリンカーである。例示的なリンカーとしては、Gly-Gly、Gly-Ala-Gly、Gly-Pro-Ala、Gly(G)n及びGly-Ser(GS)リンカー等の少なくとも2つのアミノ酸残基を有する直鎖状ペプチドが挙げられる。本明細書に記載のGSリンカーには、(GS)n、(GSGSG)n、(GS)n,GG、(GSG)n、(GS)n、(GS)n、(GGSGG)nGn及びGSGSGSGが含まれるが、これらに限定されず、nは1つ又は複数である。(G)nリンカーの一例としては、Gリンカーが挙げられる。適切な線状ペプチドには、ポリグリシン、ポリセリン、ポリプロリン、ポリアラニン、並びにアラニル及び/又はセリニル及び/又はプロリニル及び/又はグリシルアミノ酸残基からなるオリゴペプチドが含まれる。リンカー部分は、本明細書に開示される融合タンパク質の成分のいずれかを連結するために使用され得る。いくつかの実施形態では、リンカーが、受容体タンパク質の細胞外部分と免疫グロブリンの定常サブ領域との間で使用される。他の実施形態では、リンカーが、ディスインテグリン又はそのバリアントと免疫グロブリンの定常サブ領域との間で使用される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、受容体タンパク質の細胞外部分とディスインテグリン又はそのバリアントとの間のリンカー、及びディスインテグリン又はそのバリアントと免疫グロブリンの定常サブ領域との間のリンカーを含む。本発明で実施されるように、融合タンパク質は、少なくとも1つのリンカーを含み得るが、4つ以下のリンカーを含み得る。
【0064】
本明細書に記載の融合タンパク質は、宿主細胞から融合タンパク質を分泌するように機能するシグナルペプチドを含んでも含まなくてもよい。シグナルペプチドをコードする核酸配列は、目的のタンパク質をコードする核酸配列に作動可能に連結することができる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質はシグナルペプチドを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質はシグナルペプチドを含まない。
【0065】
更に、本発明に記載される融合タンパク質は、タンパク質結合ペプチドの修飾形態を含み得る。例えば、融合タンパク質成分は、例えば、グリコシル化、シアリル化、アセチル化、及び任意のタンパク質結合ペプチドへのリン酸化を含む翻訳後修飾を有し得る。
【0066】
実施形態は、融合タンパク質に含まれる2つのタンパク質結合ペプチドを参照して一般に記載されているが、本発明はまた、血管新生の過程を阻害する観点から任意の更なる効果又は相乗効果を提供するために3つ以上のタンパク質結合ペプチドを組み込んだ融合タンパク質を企図する。例えば、他の血管新生標的に結合するか、又は既存の2つのタンパク質結合ペプチドに連結される血管新生因子アンタゴニストとして作用する追加のタンパク質結合ペプチドが存在し得る。
【0067】
本明細書に開示される医薬製剤の融合タンパク質は、免疫親和性又はイオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ又はDEAE等のカチオン交換樹脂上のクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS-PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えば、Sephadex G-75を用いたゲル濾過;疎水性親和性樹脂、マトリックス上に固定化された適切な結合パートナーを使用したリガンド親和性、遠心分離、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、BIACore、ウエスタンブロットアッセイ、アミノ酸及び核酸配列決定、並びに生物学的活性等の一般的に公知の方法を使用して精製及び同定することができる。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、宿主細胞で発現され、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、プロテインGアフィニティークロマトグラフィー、緩衝液交換、サイズ排除クロマトグラフィー、限外濾過、及び透析を含むがこれらに限定されない1つ又は複数の標準的な精製技術の組合せを使用して宿主細胞から精製される。したがって、回収された融合タンパク質は実質的に純粋である。更なる実施形態では、回収された融合タンパク質は、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の純度の少なくともいずれかである。
【0068】
本明細書に開示される融合タンパク質又は融合タンパク質成分は、標的結合パートナーに対する親和性、競合結合、阻害活性、細胞増殖の阻害、腫瘍増殖の阻害、及び血管新生の阻害を含むがこれらに限定されない生物学的活性について特徴付け又は評価することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される融合タンパク質又は融合タンパク質成分は、インビトロ及びインビボで生物学的活性について評価することができる。結合親和性を評価するための多くの方法が当技術分野で公知であり、滴定法によって結合パートナーに対する融合タンパク質又は融合タンパク質成分の結合親和性を同定するために使用することができる。結合速度論は、解離定数(K)又は最大半量有効濃度(EC50)値として表される定常状態平衡結合定数として表すことができる。
【0069】
一定の実施形態では、融合タンパク質が、活性の阻害(例えば、血管新生因子活性及び/又はインテグリン活性の阻害)について1μM、100nM、10nM、1nM、0.1nM、0.01nM又は0.001nM以下のEC50を有する。本明細書の実施形態のいずれかにおいて、融合タンパク質は、結合パートナー(血管新生因子及び/又はインテグリン)に対するKが約1.0mM、500μM、100μM、50μM、10μM、5μM、1μM、500nM、100nM、50nM、10nM、5nM、1nM、500pM、100pM、50pM、10pM又は5pM未満であり、これらの数字の間の任意の値を含む。
【0070】
特定の実施形態では、融合タンパク質の等電点(pI)は、約4.0~9.0である。特定の実施形態では、融合タンパク質の等電点(pI)は、約4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、9.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、又はそれらの間の任意の値である。好ましくは、融合タンパク質の等電点(pI)は8.17である。
【0071】
本発明はまた、ディスインテグリン、抗インテグリンαvβx抗体、抗インテグリンα5β1抗体、インテグリンαvβx又はα5β1を標的とするフィブロネクチン及びそれらのインテグリン結合フラグメントからなる群から選択されるインテグリン結合ペプチド、血管新生因子を標的とする他のタンパク質結合ペプチド及びFcドメインを含む融合タンパク質を含む医薬組成物を提供し、ここで、xは1、3、5、6又は8である。本発明の組成物は、治療有効量の融合タンパク質を含む。
【0072】
「治療有効量」という用語は、所望の生物学的又は臨床的効果を誘発するのに必要な治療活性化合物の量を意味する。本発明の実施形態によれば、「治療有効量」は、臨床結果を含む有益な又は所望の結果をもたらすのに十分な量である。治療有効量は、1回以上の投与で投与することができる。疾患状態に関して、治療有効量は、疾患の改善、安定化、又は発症の遅延に十分な量である。本発明の具体的な実施形態によれば、治療有効量は、血管新生、血管透過性、浮腫、炎症、網膜症、線維症又は癌を特徴とする疾患等の異常な血管新生を特徴とする障害を治療又は予防するために必要な融合タンパク質の量である。
【0073】
「効力」という用語は、投与された臨床用量で意図されたように機能する融合タンパク質の能力を意味する。
【0074】
本明細書における「医薬製剤」という用語は、例えば治療/医薬用途のためにVEGF受容体融合タンパク質(例えば、アフリベルセプト又はコンベルセプト)を対象に投与するために使用される、薬学的に許容される担体を含む製剤を指す。
【0075】
本明細書における「純度」という用語は、融合タンパク質の汚染がないことを指す。本明細書で言及される夾雑物には、不純物としての化合物製造プロセス及び/又は製造されたタンパク質化合物の分解から生じる、意図された融合タンパク質分子以外のタンパク質種が含まれる。
【0076】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質を含む医薬組成物は、約0.5~約100mg/mL、好ましくは約40~約80mg/mL、例えば約40、50、60、70又は80mg/mL、最も好ましくは約40±約4mg/mLのタンパク質濃度で緩衝液に製剤化された融合タンパク質を含む。他の好ましい実施形態では、融合タンパク質は、約40mg/mLを超えるタンパク質濃度で緩衝液中に製剤化される。
【0077】
特定の実施形態では、緩衝剤は、約5.5~7.0、より好ましくは約6.0~6.5、更により好ましくは約6.0のpHを有する緩衝剤である。特定の実施形態では、緩衝剤は、約6.5~8、より好ましくは約7~7.5、更により好ましくは約7.2のpHを有するリン酸緩衝剤である。リン酸緩衝液は、約5mM~20mMのリン酸ナトリウム、例えば5mM、10mM、15mM又は20mMのリン酸ナトリウム、より好ましくは約10mMのリン酸ナトリウム;約20~60mM塩化ナトリウム、より好ましくは約40mM塩化ナトリウム;約1~10%重量/体積(w/v)スクロース、より好ましくは約5%w/vスクロース;及び約0.01から0.05%w/vの界面活性剤、より好ましくは約0.03%w/vのポリソルベート20を含む。
【0078】
特定の実施形態では、医薬製剤は、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、ベンジルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)400~12000からなる群から選択されるポリオール又はアルコールを、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、又は10%w/v等の約1%~約10%w/vの濃度で含む。
【0079】
好ましい実施形態では、ポリオールは、約25mM~約250mM、例えば約25mM、50mM、75mM、100mM、125mM、150mM、175mM、200mM、225mM、又は250mMの濃度のトレハロースである。他の好ましい実施形態では、ポリオールは、約100mM、110mM、120mM、130mM、140mM、150mM、160mM、170mM、180mM、190mM、又は200mM等の約100~200mMの濃度のトレハロースである。他の好ましい実施形態では、ポリオールは約190mMの濃度のトレハロースである。
【0080】
特定の実施形態では、医薬製剤は緩衝剤を含む。特定の実施形態では、緩衝剤は、約10mM~約50mM、例えば約10mM、20mM、30mM、40mM、又は50mMの濃度のリン酸ナトリウム、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウム二水和物からなる群から選択される。好ましい実施形態では、緩衝剤は、約10mM~約40mM、例えば約10mM、20mM、30mM、又は40mMの濃度である。他の好ましい実施形態では、緩衝剤は、約20mM~30mM、例えば約20mM、21mM、22mM、23mM、24mM、25mM、26mM、27mM、28mM、29mM又は30mMの濃度である。他の好ましい実施形態では、緩衝剤は約25mMの濃度である。
【0081】
特定の実施形態では、医薬製剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、又はヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選択される多糖を更に含む。
【0082】
好ましい実施形態では、緩衝剤は、約10mM~約40mM、例えば約10mM、20mM、30mM、又は40mMの濃度のヒスチジンである。他の好ましい実施形態では、ヒスチジンは、約20mM~約30mM、例えば約20mM、21mM、22mM、23mM、24mM、25mM、26mM、27mM、28mM、29mM、又は30mMの濃度である。他の好ましい実施形態では、ヒスチジンは約25mMの濃度である。
【0083】
特定の実施形態では、医薬製剤は界面活性剤を含む。好ましい実施形態では、界面活性剤は、約0.01%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、又は4.0%等、約0.01~約4%w/vの濃度である。他の好ましい実施形態では、界面活性剤は、約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、1.0%w/v等の約0.01%~約1.0%w/vの濃度である。他の好ましい実施形態では、界面活性剤は約0.03%w/vの濃度である。
【0084】
好ましい実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80及びポロキサマー188からなる群から選択され、好ましくはポリソルベート20である。好ましい実施形態では、ポリソルベート20は、約0.03%w/vの濃度である。
【0085】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、-70℃、-60℃、-50℃、-40℃、-30℃、-20℃、-10℃、0℃又は5℃等、-70℃~5℃で少なくとも2年間、安定な医薬製剤中にある。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、-70℃、-20℃、及び/又は5℃で少なくとも6ヶ月間、例えば6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、又はそれ以上安定である医薬製剤中にある。好ましい実施形態では、融合タンパク質は、-70℃、-20℃、及び/又は5℃で少なくとも1年間、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間、7年間、8年間、9年間、又は10年間以上安定な医薬製剤中にある。他の好ましい実施形態では、融合タンパク質は、-70℃、-20℃及び/又は5℃で少なくとも2年間安定な医薬製剤中にある。
【0086】
いくつかの実施形態では、製剤は、-70℃~25℃、例えば-70℃、-60℃、-50℃、-40℃、-30℃、-20℃、-10℃、0℃、又は5℃若しくは25℃で少なくとも6ヶ月後にタンパク質純度及び効力を保持する。いくつかの実施形態では、製剤は、-70℃、-20℃、及び/又は5℃で、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、又は10年以上等、少なくとも6ヶ月後にタンパク質純度及び効力を保持する。
【0087】
いくつかの実施形態では、製剤は塩を更に含む。いくつかの実施形態では、塩は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム又は塩化カリウムから選択される。
【0088】
特定の実施形態では、製剤は、少なくとも1つのアミノ酸を更に含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、アルギニン、ヒスチジン、メチオニン、プロリン、システイン、リジン、グリシン、アスパルタート、トリプトファン、グルタマート、及びイソロイシンからなる群から選択される。
【0089】
いくつかの実施形態では、医薬製剤は、40mg/mL、25mMヒスチジン、190mMトレハロース、及び0.03%ポリソルベート20の濃度で融合タンパク質を含み、製剤は約6.0のpHにある。
【0090】
本発明はまた、製剤の各成分を単一の組成物に組み合わせる工程を含む、本明細書に記載の任意の製剤を製造する方法を提供する。そのような方法は、得られた製剤をバイアル又は注射装置に添加する工程を含み得る。この方法は、滅菌濾過工程を更に含んでもよい。そのような方法の生成物である任意の組成物も本発明の一部を形成する。例えば、本明細書の実施形態はまた、例えば本明細書で論じられるように、ヒスチジン系緩衝液を界面活性剤(ポリソルベート20等)、融合タンパク質、トレハロース、及び場合により1つ又は複数の追加の成分と組み合わせることによって製剤を調製する方法を含む。
【0091】
本発明はまた、個体又は被験体におけるインテグリン関連疾患を治療又は予防するための本発明による組成物の使用に関する。「個体」又は「対象」は哺乳動物である。哺乳動物には、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ及びウマ)、霊長類(例えば、ヒト及び非ヒト霊長類、例えばサル)、ウサギ及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、疾患の1つ又は複数の局面又は症状を治療又は予防する方法は、融合タンパク質を含む有効量の組成物を個体に投与することを含む。
【0092】
本明細書に記載の方法は、炎症性疾患、眼疾患、自己免疫疾患、又は癌を含むがこれらに限定されない様々な疾患の治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、治療される疾患には、関節リウマチ、炎症性関節炎、変形性関節症、癌、組織/器官線維症、網膜色素変性症、ブドウ膜炎(前部ブドウ膜炎又は後部ブドウ膜炎等)、及び血管新生又は虚血を特徴とする眼疾患(角膜血管新生、虹彩血管新生、血管新生緑内障、緑内障における術後線維症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、脈絡膜血管新生(CNV)、視神経円板血管新生、網膜血管新生、硝子体血管新生、パンヌス、翼状片、血管網膜症、DMEを伴わない糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、DMEを伴う糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出性(ウェット)及び非滲出性(ドライ)加齢黄斑変性(AMD)、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞(RVO)後の黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜血管腫状増殖(RAP)、ポリープ状脈絡膜血管新生(PCV)、硝子体黄斑癒着(VMA)及び/又は硝子体黄斑牽引(VMT)等)が含まれるが、これらに限定されない。
【0093】
本明細書に記載の組成物は、静脈内、腹腔内、眼内、動脈内、肺内、経口、吸入、小胞内、筋肉内、気管内、皮下、髄腔内、経皮、経胸膜、局所、粘膜、胃腸、関節内、嚢内、脳室内、頭蓋内、尿道内、肝臓内及び腫瘍内を含むがこれらに限定されない任意の経路を介して個体に投与することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、全身投与される(例えば、静脈内注射によって)。いくつかの実施形態では、組成物は、局所的に(例えば、その動脈内又は眼内関連注射によって)投与される。
【0094】
いくつかの実施形態では、組成物は、眼又は眼組織に直接投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、例えば点眼剤で眼に局所投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、眼又は眼に関連する組織への注射によって投与される。組成物は、例えば、眼内注射、眼周囲注射、網膜下注射、硝子体内注射、上脈絡膜注射、経中隔注射、強膜下注射、脈絡膜内注射、前房内注射、結膜下注射、テノン嚢下注射、眼球後注射、眼球周囲注射、又は後傍強膜送達によって投与することができる。これらの方法は当技術分野で公知である。組成物は、例えば、硝子体、房水、強膜、結膜、強膜と結膜との間の領域、網膜脈絡膜組織、黄斑、又は個体の眼内又は眼の近傍の他の領域に投与され得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、又は10mg等、眼当たり約0.03~10mgの用量で眼に投与される。好ましい実施形態では、医薬組成物は、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、又は6mg等の眼当たり約3.0~6.0mgの用量で眼に送達される。他の好ましい実施形態では、医薬組成物は、眼当たり約4mgの用量で眼に送達される。
【0096】
組成物の最適な有効量は、経験的に決定することができ、疾患の種類及び重症度、投与経路、疾患の進行及び健康状態、個体の質量及び身体面積に依存する。そのような決定は、当業者の技術の範囲内である。融合タンパク質を含む組成物は、1週間に6回、1週間に5回、1週間に4回、1週間に3回、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、4ヶ月に1回、6ヶ月に1回、9ヶ月に1回、又は1年に1回投与することもできる。
【0097】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似又は同等の任意の方法及び材料を本発明の実施又は試験に使用することができるが、ここで好ましい方法及び材料を説明する。本明細書で言及される全ての刊行物は、刊行物が引用される方法及び/又は材料を記載するために参照により本明細書に組み込まれる。
【0098】
実施形態
本出願は、以下の番号が付けられた実施形態を含むが、これらに限定されない。
【0099】
実施形態1は、a)約0.5mg/mL~約120mg/mLの濃度の融合タンパク質と、
b)約1%~約10%w/vの濃度の、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、ベンジルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)400~12000からなる群から選択されるポリオール又はアルコールと、
c)約10mM~約50mMの濃度の、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウム二水和物からなる群から選択される緩衝剤と、
d)約0.01~約4%w/vの濃度の界面活性剤とを含む、医薬製剤であって、
製剤は約5.5~7.5のpHであり、任意選択で、製剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、又はヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選択される多糖を更に含む、医薬製剤である。
【0100】
実施形態2は、界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート80及びポロキサマー188からなる群から選択され、好ましくはポリソルベート20である、実施形態1に記載の医薬製剤である。
【0101】
実施形態3は、ポリソルベートがポリソルベート20である、実施形態2に記載の医薬製剤である。
【0102】
実施形態4は、界面活性剤が約0.03%w/vの濃度である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0103】
実施形態5は、融合タンパク質が約1mg/mL~約90mg/mL、好ましくは約20mg/mL~約80mg/mLの濃度であり、より好ましくは融合タンパク質が約40mg/mLの濃度である、実施形態1~4のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0104】
実施形態6は、融合タンパク質が約40mg/mLの濃度である、実施形態5に記載の医薬製剤である。
【0105】
実施形態7は、ポリオールが約25mM~約250mM、好ましくは約190mMの濃度のトレハロースである、実施形態1~6のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0106】
実施形態8は、トレハロースが約190mMの濃度である、実施形態7に記載の医薬製剤である。
【0107】
実施形態9は、緩衝剤が、約10mM~約40mM、好ましくは約20mM~約30mMの濃度のヒスチジンであり、より好ましくはヒスチジンが約25mMの濃度である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0108】
実施形態10は、ヒスチジンが約25mMの濃度である、実施形態9に記載の医薬製剤である。
【0109】
実施形態11は、融合タンパク質が、N末端からC末端に向かって以下の順序で、
a)血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)の細胞外ドメイン、
b)ヒト免疫グロブリンGのFcドメイン、及び
c)インテグリン結合タンパク質又はそのフラグメント
を含む、実施形態1~10のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0110】
実施形態12は、融合タンパク質が、配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号18を含む、実施形態1から11のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0111】
実施形態13は、pHが約5.5~約7.0、好ましくはpHが約6.0である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0112】
実施形態14は、pHが約6.0である、実施形態13に記載の医薬製剤である。
【0113】
実施形態15は、-70℃、-20℃及び/又は2~8℃で少なくとも24ヶ月間安定である、実施形態1~14のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0114】
実施形態16は、-70℃、-20℃及び/又は2~8℃、好ましくは2~8℃で少なくとも6ヶ月後にタンパク質純度及び効力を保持する、実施形態1~15のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0115】
実施形態17は、約10mM~50mMの濃度の塩を更に含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0116】
実施形態18は、塩が塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、又は塩化カリウムから選択される実施形態17に記載の医薬製剤である。
【0117】
実施形態19は、約10mM~50mMの濃度の少なくとも1つのアミノ酸を更に含む、実施形態1から18のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0118】
実施形態20は、アミノ酸が、アルギニン、メチオニン、プロリン、ヒスチジン、システイン、リジン、グリシン、アスパルタート、トリプトファン、グルタマート及びイソロイシンからなる群から選択される、実施形態19に記載の医薬製剤である。
【0119】
実施形態21は、眼疾患を治療する方法に使用される、実施形態1~20のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0120】
実施形態22は、眼疾患が、血管新生又は虚血性ブドウ膜炎、網膜血管炎、網膜色素線条症、網膜色素変性、角膜血管新生、虹彩血管新生、血管新生緑内障、緑内障における術後線維症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、脈絡膜血管新生(CNV)、視神経円板血管新生、網膜血管新生、硝子体血管新生、パンヌス、翼状片、血管網膜症、DMEを伴わない糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、DMEを伴う糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出性(ウェット)及び非滲出性(ドライ)加齢黄斑変性(AMD)、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞(RVO)後の黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜血管腫状増殖(RAP)、ポリープ状脈絡膜血管新生(PCV)、硝子体黄斑癒着(VMA)及び/又は硝子体黄斑牽引(VMT)から選択される、実施形態21に記載の医薬製剤である。
【0121】
実施形態23は、製剤が、約0.03~10mg/眼、好ましくは約3.0~6.0mg/眼の用量で投与され、より好ましくは製剤は、約4mg/眼の用量で投与される、実施形態1~22のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0122】
実施形態24は、製剤が眼当たり約4mgの用量で投与される、実施形態23に記載の医薬製剤である。
【0123】
実施形態25は、
a)40mg/mLの濃度の融合タンパク質、
b)25mMのヒスチジン、
c)190mMのトレハロース、スクロース又はマンニトール、
d)0.03%ポリソルベート20又はポリソルベート80を含む、医薬製剤であって、
製剤は約6.0のpHである、医薬製剤である。
【0124】
実施形態26は、融合タンパク質が、N末端からC末端に向かって以下の順序で、
a)血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)の細胞外ドメイン、
b)ヒト免疫グロブリンGのFcドメイン、
c)インテグリン結合タンパク質又はそのフラグメント
を含む、実施形態25に記載の医薬製剤である。
【0125】
実施形態27は、融合タンパク質が、配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号18を含む、実施形態26に記載の医薬製剤である。
【0126】
実施形態28は、-70℃、-20℃及び/又は5℃で少なくとも24ヶ月間安定である、実施形態25~27のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0127】
実施形態29は、-70℃、-20℃及び/又は2~8℃、好ましくは2~8℃で少なくとも6ヶ月後にタンパク質純度及び効力を保持する、実施形態25~28のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0128】
実施形態30は、約10mM~50mMの濃度の塩を更に含む、実施形態25~29のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0129】
実施形態31は、塩が塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、又は塩化カリウムから選択される実施形態30に記載の医薬製剤である。
【0130】
実施形態32は、少なくとも1つのアミノ酸を約10mM~50mMの濃度で更に含む、実施形態25~31のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0131】
実施形態33は、アミノ酸が、アルギニン、メチオニン、プロリン、ヒスチジン、システイン、リジン、グリシン、アスパルタート、トリプトファン、グルタマート及びイソロイシンからなる群から選択される、実施形態32に記載の医薬製剤である。
【0132】
実施形態34は、眼疾患を治療する方法に使用される、実施形態25~33のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0133】
実施形態35は、眼疾患が、血管新生又は虚血性ブドウ膜炎、網膜血管炎、網膜色素線条症、網膜色素変性、角膜血管新生、虹彩血管新生、血管新生緑内障、緑内障における術後線維症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、脈絡膜血管新生(CNV)、視神経円板血管新生、網膜血管新生、硝子体血管新生、パンヌス、翼状片、血管網膜症、DMEを伴わない糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、DMEを伴う糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出性(ウェット)及び非滲出性(ドライ)加齢黄斑変性(AMD)、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞(RVO)後の黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜血管腫状増殖(RAP)、ポリープ状脈絡膜血管新生(PCV)、硝子体黄斑癒着(VMA)及び/又は硝子体黄斑牽引(VMT)から選択される、実施形態34に記載の医薬製剤である。
【0134】
実施形態36は、製剤が、約0.03~10mg/眼、好ましくは約3.0~6.0mg/眼の用量で投与され、より好ましくは製剤は、約4mg/眼の用量で投与される、実施形態25~35のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【0135】
実施形態37は、製剤が眼当たり約4mgの用量で投与される、実施形態36に記載の医薬製剤である。
【0136】
実施形態38は、対象の眼疾患を治療する方法であって、
a)約0.5mg/mL~約120mg/mLの濃度の融合タンパク質と、
b)約1%~約10%w/vの濃度の、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、ベンジルアルコール、ポリビニルアルコール、PEG400~12000等からなる群から選択されるポリオール又はアルコールと、
c)約10mM~約50mMの濃度の、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウム二水和物からなる群から選択される緩衝剤と、
d)約0.01~約4%w/vの濃度の界面活性剤と、
を含む、医薬製剤を対象に投与することを含み、
pHが約5.5~7.5であり、場合により、製剤が、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース又はヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選択される多糖を更に含む、方法である。
【0137】
実施形態39は、界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート80及びポロキサマー188からなる群から選択され、好ましくはポリソルベート20である、実施形態38の方法である。
【0138】
実施形態40は、界面活性剤がポリソルベート20である実施形態39の方法である。
【0139】
実施形態41は、界面活性剤が約0.03%w/vの濃度である、実施形態38~40のいずれか1つに記載の方法である。
【0140】
実施形態42は、融合タンパク質が約1mg/mL~約90mg/mL、好ましくは約40mg/mL~約80mg/mLの濃度であり、より好ましくは融合タンパク質が約40mg/mLの濃度である、実施形態38~41のいずれか1つに記載の方法である。
【0141】
実施形態43は、融合タンパク質が約40mg/mLの濃度である、実施形態42に記載の方法である。
【0142】
実施形態44は、ポリオールが約150mM~約230mM、好ましくは約190mMの濃度のトレハロースである、実施形態38~43のいずれか1つに記載の方法である。
【0143】
実施形態45は、トレハロースが約190mMの濃度である、実施形態44に記載の方法である。
【0144】
実施形態46は、緩衝剤が約20mM~約40mM、好ましくは約20mM~約30mMの濃度のヒスチジンであり、より好ましくはヒスチジンが約25mMの濃度である、実施形態38~45のいずれか1つに記載の方法である。
【0145】
実施形態47は、ヒスチジンが約25mMの濃度である実施形態46に記載の方法である。
【0146】
実施形態48は、融合タンパク質が、N末端からC末端に向かって以下の順序で、
a)血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)の細胞外ドメイン、
b)ヒト免疫グロブリンGのFcドメイン、及び
c)インテグリン結合タンパク質又はそのフラグメント
を含む、実施形態38~47のいずれか1つに記載の方法である。
【0147】
実施形態49は、融合タンパク質が、配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号18を含む、実施形態38~48のいずれか1つに記載の方法である。
【0148】
実施形態50は、pHが約6.0~約6.5、好ましくはpHが約6.0である、実施形態38~49のいずれか1つに記載の方法である。
【0149】
実施形態51は、pHが約6.0である実施形態50の方法である。
【0150】
実施形態52は、製剤が-70℃、-20℃及び/又は2~8℃で少なくとも24ヶ月間安定である、実施形態38~51のいずれか1つに記載の方法である。
【0151】
実施形態53は、製剤が、-70℃、-20℃及び/又は2~8℃、好ましくは2~8℃で少なくとも6ヶ月後にタンパク質純度及び効力を保持する、実施形態38~52のいずれか1つに記載の方法である。
【0152】
実施形態54は、製剤が約10mM~50mMの濃度で塩を更に含む、実施形態38~53のいずれか1つに記載の方法である。
【0153】
実施形態55は、塩が塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、又は塩化カリウムから選択される実施形態54に記載の方法である。
【0154】
実施形態56は、製剤が約10mM~50mMの濃度で少なくとも1つのアミノ酸を更に含む、実施形態38~55のいずれか1つに記載の方法である。
【0155】
実施形態57は、アミノ酸が、アルギニン、メチオニン、プロリン、ヒスチジン、システイン、リジン、グリシン、アスパルタート、トリプトファン、グルタマート及びイソロイシンからなる群から選択される、実施形態56に記載の方法である。
【0156】
実施形態58は、眼疾患が、血管新生又は虚血性ブドウ膜炎、網膜血管炎、網膜色素線条症、網膜色素変性、網膜色素線条症、角膜血管新生、虹彩血管新生、血管新生緑内障、緑内障における術後線維症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、脈絡膜血管新生(CNV)、視神経円板血管新生、網膜血管新生、硝子体血管新生、パンヌス、翼状片、血管網膜症、DMEを伴わない糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、DMEを伴う糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出性及び非滲出性加齢黄斑変性(AMD)、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞(RVO)後の黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜血管腫状増殖(RAP)、ポリープ状脈絡膜血管新生(PCV)、硝子体黄斑癒着(VMA)及び/又は硝子体黄斑牽引(VMT)から選択される、実施形態38~57のいずれか1つに記載の方法である。
【0157】
実施形態59は、製剤が約0.03~10mg/眼、好ましくは約3.0~6.0mg/眼の用量で投与され、より好ましくは製剤が約4mg/眼の用量で投与される、実施形態38~58のいずれか1つに記載の方法である。
【0158】
実施形態60は、製剤が約4mg/眼の用量で投与される、実施形態59に記載の方法である。
【0159】
実施形態61は、対象の眼疾患を治療する方法であって、
a)40mg/mLの濃度の融合タンパク質、
b)25mMのヒスチジン、
c)190mMのトレハロース、スクロース又はマンニトール、
d)0.03%ポリソルベート20又はポリソルベート80
を含む、医薬製剤を対象に投与することを含み、
製剤は約6.0のpHである、方法である。
【0160】
実施形態62は、融合タンパク質が、N末端からC末端に向かって以下の順序で、
a)血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)の細胞外ドメイン、
b)ヒト免疫グロブリンGのFcドメイン、
c)インテグリン結合タンパク質又はそのフラグメント
を含む、実施形態61に記載の方法である。
【0161】
実施形態63は、融合タンパク質が、配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号18を含む、実施形態62に記載の方法である。
【0162】
実施形態64は、製剤が-70℃、-20℃及び/又は5℃で少なくとも24ヶ月間安定である、実施形態61~63のいずれか1つに記載の方法である。
【0163】
実施形態65は、製剤が、-70℃、-20℃及び/又は2~8℃、好ましくは2~8℃で少なくとも6ヶ月後にタンパク質純度及び効力を保持する、実施形態61~64のいずれか1つに記載の方法である。
【0164】
実施形態66は、製剤が約10mM~50mMの濃度の塩を更に含む、実施形態61~65のいずれか1つに記載の方法である。
【0165】
実施形態67は、塩が塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、又は塩化カリウムから選択される実施形態66に記載の方法である。
【0166】
実施形態68は、製剤が約10mM~50mMの濃度で少なくとも1つのアミノ酸を更に含む、実施形態61~67のいずれか1つに記載の方法である。
【0167】
実施形態69は、アミノ酸が、アルギニン、メチオニン、プロリン、ヒスチジン、システイン、リジン、グリシン、アスパルタート、トリプトファン、グルタマート及びイソロイシンからなる群から選択される、実施形態68に記載の方法である。
【0168】
実施形態70は、眼疾患が、血管新生又は虚血性ブドウ膜炎、網膜血管炎、網膜色素線条症、網膜色素変性、角膜血管新生、虹彩血管新生、血管新生緑内障、緑内障における術後線維症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、脈絡膜血管新生(CNV)、視神経円板血管新生、網膜血管新生、硝子体血管新生、パンヌス、翼状片、血管網膜症、DMEを伴わない糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、DMEを伴う糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出性(ウェット)及び非滲出性(ドライ)加齢黄斑変性(AMD)、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞(RVO)後の黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜血管腫状増殖(RAP)、ポリープ状脈絡膜血管新生(PCV)、硝子体黄斑癒着(VMA)及び/又は硝子体黄斑牽引(VMT)から選択される、実施形態61~69のいずれか1つに記載の方法である。
【0169】
実施形態71は、製剤が約0.03~10mg/眼、好ましくは約3.0~6.0mg/眼の用量で投与され、より好ましくは製剤が約4mg/眼の用量で投与される、実施形態61~70のいずれか1つに記載の方法である。
【0170】
実施形態72は、製剤が約4mg/眼の用量で投与される、実施形態71の方法である。
【実施例
【0171】
以下の実施例は、本発明を説明するために提供されるが、本発明を限定するために提供されるものではない。当業者は、以下の手順が当業者に公知の方法を使用して修正され得ることを認識するであろう。
【0172】
実施例1 アカゲザルにおけるレーザー誘発脈絡膜血管新生モデルにおける融合タンパク質1の評価
融合タンパク質1(複数の標的を有するIgG1 Fc融合タンパク質)を、眼の脈絡膜血管新生(CNV)のサルモデルにおいて評価した。
【0173】
CNVモデルでは、アカゲザル(n=4眼/群)に光凝固を用いて網膜上にレーザー熱傷を行い、21日間(-21~0日目)脈絡膜血管新生を発症させた。0日目に、ビヒクル、0.5mg/眼のLucentis(登録商標)(0.5mg/眼)又は融合タンパク質1(0.6mg、1.0mg、1.9mg/眼)を、単回硝子体内(IVT)注射によってサルの眼に注射した。有効性エンドポイントを、全ての群において、投与前のベースライン(-2日目)並びに注射後14日目及び28日目に評価した。
【0174】
0.5mgのLucentis(登録商標)で処置した眼では、平均漏出領域スコアは、ベースラインと比較して、14及び28日目にそれぞれ91%及び92%減少した(図1)。平均網膜厚もまた、ベースラインと比較して、それぞれ117%及び120%減少した(図2)。Lucentis(登録商標)は、ビヒクル対照で処置した眼と比較して統計学的に有意な改善を示した。
【0175】
融合タンパク質1の3つの用量群は全て、ベースライン値及び研究前の値と比較して、レーザー誘発網膜厚及び漏出面積の回復を示した。平均漏出面積スコアは、14日目及び28日目にそれぞれ87%~89及び79%~90%減少した(図1)。平均網膜厚もまた、それぞれ98%~121%及び104%~129%減少した(図2)。融合タンパク質1は、0.6mg及び1.0mgの用量について、14日目及び28日目にビヒクルコントロールで処置した眼と比較して、統計学的に有意な改善を示した。全ての用量が同様の有効性を示したため、融合タンパク質1の用量依存的な効果は観察されなかった。
【0176】
コラーゲン(線維症の前駆体)に対するマッソン染色を使用した眼の組織学的検査は、融合タンパク質1についてはコラーゲンの厚さの用量依存的減少(眼線維症)を示したが、ビヒクル又はLucentis(登録商標)処置群については示さなかった(図3)。
【0177】
結論として、0.6、1.0、及び1.9mg/眼の融合タンパク質1の単回IVT注射は、アカゲザルのレーザー誘発CNVモデルにおいて血管漏出、網膜の厚さ、及び線維症を効果的に阻害した。ヒト(4mL)とサル(2mL)との間の硝子体体積比に基づいて、これらの用量は、1.2mg、2mg、及び4mg/眼のヒト等価用量に等しい。これは、糖尿病性黄斑浮腫(DME)及び血管新生加齢黄斑変性(nAMD)等の網膜疾患の治療における提案された用量の融合タンパク質1を支持する。更に、データは、融合タンパク質1が、従来の抗VEGF単独療法と比較して、患者に利益をもたらす相加効果を有することを示唆している。
【0178】
実施例2 ブレオマイシン誘発C57BL/6マウス肺線維症モデルにおける融合タンパク質1の評価
39mg/kgで静脈内(IV)投与した融合タンパク質1を、ブレオマイシン誘発性肺線維症マウスモデルにおける抗線維化活性の可能性について評価した。マウスに、1日目にPENNCENTURY(商標)肺内エアロゾル化装置を用いて1.5U/kgのブレオマイシンをチャレンジした。
マウスには、1日目から21日目まで毎日、融合タンパク質1、ニンテダニブエタンスルホン酸塩(ニンテダニブ)又はビヒクル(製剤緩衝液)を静脈内投与し、22日目に屠殺した。回収した肺組織から、氷上で20分間、50%トリクロロ酢酸を用いて総タンパク質を沈殿させた。試料を遠心分離し、ペレットを1mLの12N HClと混合し、試料が炭化し乾燥するまで110℃で14~18時間焼成した。断続的なボルテックスを適用しながら室温で72時間インキュベートすることによって、試料を2mLの脱イオン水に再懸濁した。0.5mg/mLから出発して、トランス-4-ヒドロキシ-L-プロリン標準物(供給源:Sigma,USA)の段階希釈液を調製した。200μLのボルテックスした試料(又は標準)を、0.5M酢酸ナトリウム/10%イソプロパノール(供給源:Fisher Sci,USA)中の500μLの1.4%クロラミンTに添加し、室温で20分間インキュベートした。次に、500μLのエールリッヒ溶液(70%イソプロパノール/30%過塩素酸中1.0Mのp-ジメチルアミノベンズアルデヒド)(供給源:Fisher Sci,USA)を添加し、混合し、65℃で15分間インキュベートした。試料が室温に達した後、各試料及び標準の光学密度を550nmで測定し、ヒドロキシプロリン標準曲線から肺ヒドロキシプロリンの濃度(μg/肺)を計算した。プロリンはコラーゲンの主要成分であり、線維症形成を評価するために使用されるマーカーの1つである。
【0179】
肺ヒドロキシプロリンは、ビヒクル対照群(図4)で有意に増加し(p<0.05)、肺線維症の誘導の成功を示唆した。融合タンパク質1の複数回投与は、ビヒクル対照と比較してヒドロキシプロリンレベルを著しく阻害し(p<0.05)、融合タンパク質1注射後のこれらのマーカーに対する相加効果を示した(図4)。ニンテダニブの連続経口曝露は、ヒドロキシプロリンのレベルの低下に対して穏やかな効果を有した(図4)。
【0180】
したがって、39mg/kgで21日間1日1回静脈内投与された融合タンパク質1は、マウスにおけるブレオマイシン誘発性肺線維症の主要な肺線維症マーカーである肺ヒドロキシプロリンの有意な減少に関連していた。
【0181】
実施例3 硝子体内注射用の融合タンパク質1のプレフォーミュレーション
融合タンパク質1のプレフォーミュレーション研究を行って、融合タンパク質1の適切な液体製剤を開発した。この研究の目的は以下の通りであった。
1.様々な濃度の融合タンパク質1(40mg/mL及び80mg/mL)と選択された緩衝液との適合性及びコロイド安定性を評価するため。
2.短期貯蔵後の加速条件下(40℃、25℃、2~8℃)での品質特性の変化を評価するため。
3.賦形剤の選択:張度、NaCl、ポリオール(すなわち、トレハロース、スクロース、マンニトール、及びソルビトール)並びにメチオニン及びアルギニン等の他の安定剤。
4.選択された緩衝液及び潜在的安定剤を用いた実験計画(DoE)計画を通して適合性を評価する。
5.凍結保護剤の効果を評価する。
【0182】
適切な緩衝液、ポリオール、界面活性剤、及び他の安定剤を同定するためにDoEアプローチを使用して、原薬に対する製剤開発作業を開始した。製剤開発中に、40mg/mL及び80mg/mLの2つの濃度の融合タンパク質1を試験した。製剤開発中に、熱ストレス並びに撹拌及び凍結/解凍ストレスを使用した。表2は、以下の研究で試験した成分及び関連する機能を要約する。
【0183】
【表2】
【0184】
様々な緩衝液及びpHにおける融合タンパク質1のコロイド安定性及び相溶性
溶解度及び拡散係数(D)は、タンパク質-タンパク質相互作用を評価するために一般的に使用され、タンパク質コロイド安定性を実証するためにも使用される。コロイド安定性は、分散後の分子の長期完全性及び溶液中の沈降/沈殿に対するその耐性を表すための重要なパラメータである。加えて、この方法は、分子に対する緩衝液の適合性を迅速に捕捉することができる。その結果、融合タンパク質1を、リン酸ナトリウム(NaPi)、ヒスチジン(His)、及びクエン酸塩緩衝液(Cit)の3つの一般的に使用されている点眼液緩衝液に供し、pHを緩衝する可能性があった(表3)。融合タンパク質1の属性を、高速液体クロマトグラフィーのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC-HPLC)(表4)、動的光散乱(DLS)(表5)及び濁度(図6)によって分析した。
【0185】
【表3】
【0186】
リン酸緩衝液及びクエン酸塩緩衝液中の融合タンパク質1の拡散係数は、濃度の増加と負の相関を示し、タンパク質-タンパク質相互作用の増加の可能性を示した(図5A図5B図5E、及び図5F)。対照的に、6.5及び6.0の両方のヒスチジン緩衝液中の融合タンパク質1の反発性タンパク質-タンパク質相互作用が、拡散係数と様々な濃度の融合タンパク質1との間に正の相関を伴って観察された(図5C及び図5D)。したがって、ヒスチジン緩衝液中の反発性分子間相互作用融合タンパク質1は、融合タンパク質1の好ましいコロイド安定性を示唆する。
【0187】
濃度が40mg/mLを超えて60及び80mg/mLの融合タンパク質1に増加したため、ヒスチジン緩衝製剤であっても、全ての製剤について下降拡散係数が検出された。ヒスチジン緩衝製剤の場合、これは、濃度が40mg/mLを超えて上昇すると予備凝集が起こり得ることを示唆している。SEC-HPLCの結果に基づいて、80mg/mLで製剤化されたタンパク質は、ヒスチジン緩衝液pH6.5を除いて、全ての緩衝液及びpHについて緩衝液中純度がより低く、高分子量凝集体がより大きいことを示した(表4)。40mg/mLの試料と比較して、全ての80mg/mL製剤でサブビジブル粒子(100~1,000nm、DLSによる)の増加が検出された(表5)。40mg/mL試料と80mg/mL試料との間で濁度に有意差はなかった(図6A及び図6B)。まとめると、DLSによる粒径分析は、タンパク質濃度が40mg/mLから80mg/mLに増加するにつれて、全ての緩衝液についてサブビジブル凝集体の増加を示し、SEC-HPLCによるHMWのわずかな増加がヒスチジン緩衝液(pH6.5)を除く全ての製剤について検出され、いずれの製剤についても濁度の有意な増加は観察されなかった。
【0188】
【表4】
【0189】
【表5】
【0190】
緩衝液選択及び融合タンパク質1属性の評価
pH6.0の25mMクエン酸塩又はヒスチジン緩衝液中に製剤化された40及び80mg/mLの両方の融合タンパク質1の実現可能性及び加速安定性を試験した。2~8℃で保存したクエン酸塩及びヒスチジン緩衝液中の融合タンパク質1非凝集(二量体型)量は、40及び80mg/mL濃度の両方について保存時に明らかな変化を示さなかった(表6)。しかし、40℃の加速条件では、80mg/mLの融合タンパク質1の主ピークは、28日後にクエン酸塩緩衝液中で約70%減少した(表7)。比較すると、融合タンパク質1の含有量は、ヒスチジン緩衝液に製剤化された場合、約50%減少した。更に、80mg/mLの融合タンパク質1でのタンパク質濃度は、ヒスチジン緩衝液での減少なしと比較して、クエン酸塩緩衝液では29%減少した。したがって、ヒスチジン緩衝液中の融合タンパク質1は、pH6.0でクエン酸塩緩衝液中よりも安定である。
【0191】
【表6】
【0192】
【表7】
【0193】
更に、クエン酸塩緩衝液中の融合タンパク質1は、40℃でのインキュベーション後に、非還元SDS-PAGE(図7A図7E)において約250kDaの位置で主バンド強度のより大きな減少を示した。(図8A図8E)。融合タンパク質1のタンパク質分解プロファイルは、生成物分解フラグメント及び高分子量凝集体のバンドを経時的に増加させた。還元SDS-PAGEによる分析は、約75kDaでの主バンド強度の減少及び増加したフラグメントバンドを示した(図8A図8E)。全体として、タンパク質純度及び完全性の調査は、融合タンパク質1が、クエン酸塩緩衝液中よりもpH6.0の25mMヒスチジン緩衝液中でより良好な安定性を示したことを示した。
【0194】
凍結/解凍のための短期間の貯蔵による加速条件も評価して、融合タンパク質1試料の品質属性の変化を調べた。試料を40℃で4日間インキュベートした。-70℃及び室温(RT)の1回の凍結解凍サイクルは、融合タンパク質1がポリオール保護なしで安定であることを示した(表8)。
【0195】
【表8】
【0196】
賦形剤のスクリーニング
賦形剤の適合性を調べるために、製剤化された融合タンパク質1試料のSEC-HPLCによる主ピーク純度変化を評価するためのパイロット研究を行った。上記の研究に基づいて、更なる賦形剤スクリーニング試験のために25mMヒスチジン緩衝液pH6.0を選択した。含まれる3種類の添加剤は、ポリオール、塩及びアミノ酸であった。評価は11の条件を有するように設計され、40℃で4日間の加速条件によって試験された(表9)。
【0197】
【表9】
【0198】
各ポリオール(表10、試験#1~4)、トレハロースとNaClとの組合せ(試験#6)、及びスクロースとメチオニンとの組合せ(試験#11)と配合した場合、主ピーク純度は90%以上であった。
【0199】
【表10】
【0200】
残りのポリオールとNaClとの組合せは、NaClを含まない試験と比較して、凝集物の%がわずかに増加した(表10、試験#6、7、8、9)。アルギニンとスクロースの組合せでは、加速条件で保存した後、純度は73.88%に低下し、16%を超える凝集物が得られた(表10、試験#10)。その結果、トレハロース、スクロース及びマンニトールを選択して、実験調査の設計に進めた。
【0201】
DoEによる組成物候補製剤の最適化
安定剤候補から生じる有意性を調査し、NaClと個々のポリオールとの交差効果を明確にするために、表11に示すように、計画されたDoEを介して選択されたポリオール及び様々な濃度のNaClを試験した。加速試験条件及び分析を表12に要約する。SEC-HPLC結果(表13)によれば、200mMポリオール/糖(特にトレハロース及びスクロース)を含む25mM His緩衝液pH6.0は、熱ストレスに対する融合タンパク質1の最良の保護を提供して、融合タンパク質1の高純度を維持した。
【0202】
【表11】
【0203】
【表12】
【0204】
80mg/mLの融合タンパク質1試料を40℃で4日間及び7日間保存した後(表12)、熱ストレスに対して200mMポリオールで安定化された融合タンパク質1を配合したpH6.0の25mMヒスチジン緩衝液中で、相対純度>80%を維持し、融合タンパク質1の最良の得られた純度を提供した(表13の試験#4及び6)。ポリオール及び50mM NaClを含む試料(試験#2及び#5)は全て、ポリオールのみを含む試料(試験#4及び6)よりも低い純度を示した。この効果は、25mMポリオール及び50mM NaClを含む試料(試験#10及び11)と比較して、25mMポリオールを含み、NaClを含まない試料(試験#7及び9)でも観察された。これらの組合せ間の差は、4℃及び25℃では区別されなかった(データは示さず)。
【0205】
【表13】
【0206】
200mMポリオールを含むより高いヒスチジン緩衝液はタンパク質の品質属性を維持したが、重量オスモル濃度は280~310mOsm/kgの眼生理学範囲まで維持されなければならない。そこで、目標DoE統計計算として、300mOsm/kgを設定した。融合タンパク質1を80mg/mLで製剤化するために選択された成分の組成物は、pH6.0の25mMヒスチジン緩衝液、190mMトレハロース、スクロース、又はトレハロースとスクロースとの組合せであった。
【0207】
式の潜在的な賦形剤組成物の評価
組み合わせた製剤中の適切な成分の適合性を評価するために、更なる試験で、4つの候補製剤での使用について80mg/mLの融合タンパク質1を試験した。この試験では、0.03%ポリソルベート20(PS20)又はポリソルベート80(PS80)をトレハロース又はスクロースと共に添加して、1週間及び/又は1ヶ月間の加速条件、-20℃と室温(RT)との間の様々な凍結解凍サイクル、並びに24時間後及び48時間後の撹拌で処理した後の融合タンパク質1の属性を評価した(表14A~14B)。容器の短期間の適合性を並行して試験した。
【0208】
【表14A】
【0209】
【表14B】
【0210】
4つの候補製剤組成物は、熱ストレス試験の属性の変化について同様の観察を示した。80mg/mL濃度の融合タンパク質1は、40℃の温度に感受性であり、7日間までに95%未満及び5%を超える凝集までの主ピークの減少を引き起こした。これは、4℃で少なくとも1ヶ月間保存しても観察されなかった(表15及び16)。更に、参照と比較したVEGF及び/又はインテグリンαvβ3結合の相対効力は標的範囲内(70~130%)であり、VEGF結合にわずかな変化を示し、加速条件での貯蔵後にαvβ3結合の明らかな変化は示さなかった。
【0211】
特に、サイズ排除クロマトグラフィー研究は、25mMヒスチジン、190mMトレハロース、及び0.03%PS20、pH6.0の製剤が、4℃及び40℃の両方で他の製剤よりも良好な融合タンパク質1の安定性を可能にしたことを示した。
【0212】
【表15】
【0213】
【表16】
【0214】
候補製剤に製剤化された80mg/mLの融合タンパク質1を、-20℃で約23時間凍結し、25℃で少なくとも1時間解凍して3サイクル及び6サイクル後の品質属性について試験した。SEC-HPLCによる分析では、融合タンパク質1及びその凝集体のパーセント主ピークの明らかな変化は検出されなかった(表17)。残りのタンパク質は95%を超え、凝集体は5%未満であった。更に、参照と比較したVEGF又はインテグリンαvβ3に結合する融合タンパク質1の効力は、候補#3及び#4で70%未満に減少した(表17)。
【0215】
【表17】
【0216】
撹拌試験は、液体形態の融合タンパク質1を用いた潜在的な取り扱い及び輸送を模倣するためにタンパク質安定性を試験した。25℃環境下でバイアルを220rpmで24時間及び48時間振盪することによって条件を加速する。そのような厳密な条件下でタンパク質試料を処理することは、定常条件及びベースラインで曝露された試料と比較して、タンパク質純度及び主要標的への結合に影響を与えた(表18)。
【0217】
【表18】
【0218】
量、純度及び効力等の重要な品質属性に加えて、ストレス条件後のサブビジブル粒子の形成及び分布を調べた。動的光散乱(DLS)分析によれば、観察されたサブビジブル粒子は、サイズ、多分散性%、及び異なるサイズの粒子の割合によって分類された。結果は、所望の濃度80mg/mLまでの濃縮融合タンパク質1を得るための進行が適切にモニターされず、したがって、約5nmの半径を有する主要な融合タンパク質1分子が検出されただけでなく、凝集体は、より大きなサイズの粒子、すなわちベースライン(D0)で10~100nm又は100~1000nmとして見ることができることを示した。どの候補製剤緩衝液がDLSによって最もよく機能したかを結論付けることはできなかった。
【0219】
更に、非還元SDS-PAGE分析及び還元SDS-PAGE分析は、ストレス条件で処理した後の融合タンパク質1の完全性の変化を区別することができなかった。これらの試験された候補製剤の浸透圧(表19)は、より低い浸透圧を示した候補#4を除いて、他の製剤が同様の範囲であることを示した。
【0220】
【表19】
【0221】
結論
結果に基づいて、190mMトレハロース及び0.03%PS20、pH6.0を含有する25mM His緩衝液を含む製剤1の組成物を、12ヶ月の安定性試験のためのパイロット製剤で試験するように指定した。
【0222】
実施例4 硝子体内注射用の融合タンパク質1の製剤化
安定性研究を行って、融合タンパク質1の最終製剤を開発した。
【0223】
原薬バルク濃度試験
製造プロセスを通して融合タンパク質1の最終バルク原薬を支持するのに適した濃度を選択するために、40及び80mg/mLの両方の融合タンパク質1を主要な製剤成分(25mMヒスチジン、190mMトレハロース、及び0.03%PS20、pH6.0)に製剤化した。SEC-HPLC、DLS、及びSDS-PAGE分析による任意の変化の重要な品質属性を評価するために、両方の濃度の融合タンパク質1を含む製剤を短期加速条件下で試験した。
【0224】
タンパク質量は、40mg/mL試料及び80mg/mL試料の間で、40℃で7日間の短期間貯蔵の間に様々に示された(表20)。80mg/mLでわずかにより多量の凝集体が観察された。40℃で保存した試料の結果は、融合タンパク質1が、4日目及び7日目までに80mg/mLと比較して、40mg/mLでより低い高分子量凝集体を形成したことを示した。NaClを含む40mg/mLの試験#2タンパク質試料は、>5%の凝集物が検出されたことを示した。凍結/解凍サイクル試験は、40及び80mg/mL試料の両方について、凝集物の%又は純度の明らかな変化を示さなかった(データは示さず)。
【0225】
【表20】
【0226】
DLSを使用してサブビジブル粒子及び分布を分析し、全てのタンパク質試料はベースラインで10nm~100nm及び/又は100~1000nmのサイズ範囲の粒子を含み、ストレス試験後の変化を区別することができなかった。
【0227】
パイロット製剤安定性試験
上記の研究に基づき、融合タンパク質1がSEC-HPLCに基づいて最も一貫した純度を維持した場合、融合タンパク質1の選択された製剤組成物は以下の通りであった:pH6.0で40mg/mLの融合タンパク質1、25mMヒスチジン、190mMトレハロース及び0.03%PS20。容器系との適合性を検証及び評価し、並びに初期安定性を収集するために、40mg/mLの融合タンパク質1をこの式で調製し、ホウケイ酸I型ガラスバイアル(ゴム栓付き及びフリップキャップ密封)に充填し、-25℃~-15℃、2~8℃、及び25℃/60%相対湿度(RH)の3つの条件下でインキュベートした(表21)。
【0228】
【表21】
【0229】
研究の結果は、40mg/mLの融合タンパク質1が、-20℃で少なくとも12ヶ月間保存した場合に安定であることを示した(表22)。4℃の保存条件で6ヶ月後、純度のわずかな低下及び凝集物の増加があった(表23)。25℃での加速貯蔵に関して、SEC-HPLCは6ヶ月間にわたって凝集物%の増加を検出したが、主ピークは95%以上のままであり、分子特異的効力及び完全性(すなわち、キャピラリー電気泳動ドデシル硫酸ナトリウム(CE-SDS)のデータ)は最小限の変化で維持された(表24)。
【0230】
【表22】
【0231】
【表23】
【0232】
【表24】
【0233】
DLS分析によれば、試験品を-20℃及び4℃で少なくとも12ヶ月間保存した場合、12ヶ月の時点で1回の凍結/解凍サイクルを経験し、微量(2%)でより大きなサイズの粒子(半径2208nm)を形成した4℃で保存した1つの試料を除いて、サブビジブル粒子は検出されなかった。より大きなサイズの粒子(半径2195及び2264nm)が、25℃で保存した3ヶ月及び6ヶ月の試料において検出された。
【0234】
4℃で保存した試料の予備を分析して、12ヶ月で観察されたサブビジブル粒子の存在を確認した。この試料も12ヶ月間保存し、凍結/解凍サイクルを行った。試験した予備試料中にサブビジブル粒子が観察された。したがって、融合タンパク質1は、4℃で12ヶ月間貯蔵した後の凍結/解凍ストレスに感受性である。その結果、凍結/解凍サイクルなしで、融合タンパク質1を4℃で少なくとも12ヶ月間保存することができる。しかし、融合タンパク質1を6ヶ月より長く保存する場合、-20℃での保存が推奨される。
【0235】
製剤の粘度測定は、粘度計を使用して得た。対象製剤(選択された成分を含む25mMヒスチジン緩衝液中の40mg/mL融合タンパク質1)は、5.402cP(センチポアズ)の低粘度を有していた(表25)。選択された製剤は、図9の代表的な示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって示されるように、タンパク質に対して好ましい熱特性を有する。デコンボリューションされたサーモグラムは、61.47℃、66.51℃、81.55℃~84.21℃のTm値を有する4つの熱転移ピークを有する。
【0236】
【表25】
【0237】
結論
この研究の結果に照らして、25mMヒスチジン、190mMトレハロース及び0.03%PS20、pH6.0中40mg/mLで製剤化された融合タンパク質1は、選択された容器閉鎖系と適合性であり、-20℃及び2℃~8℃で保存した場合、少なくとも12ヶ月間安定なままであった。
【0238】
実施例5 融合タンパク質1の長期安定性研究。
様々な温度で、25mMヒスチジン、190mMトレハロース及び0.03%PS20、pH6.0中40mg/mLで製剤化された融合タンパク質1の長期安定性を調べるために研究を行った。融合タンパク質1は、-70℃で保存した後、2年間にわたって安定性を示した(表26)。9、18及び24ヶ月目(T9、T18及びT24)並びに9、12及び24ヶ月目(T9、T12及びT24)に、αvβ3及びα5β1結合におけるEC50の変動が観察された。この変動を調査し、これが期限切れの試験試薬に起因する可能性があることを示した。
【0239】
【表26】
【0240】
-20℃で36ヶ月間保存した後、25mMヒスチジン、190mMトレハロース及び0.03%PS20、pH6中40mg/mLで製剤化された融合タンパク質1の安定性を調べる研究が進行中である。-20℃で9ヶ月保存した後の安定性結果の要約を表27に示す。
【0241】
【表27】
【0242】
更に、5℃で36ヶ月間保存した後、25mMヒスチジン、190mMトレハロース及び0.03%PS20、pH6中40mg/mLで製剤化された融合タンパク質1の安定性を調べる研究が進行中である。直立又は逆さのいずれかで5℃で9ヶ月保存した後の安定性結果の要約をそれぞれ表28及び表29に示す。
【0243】
【表28】
【0244】
【表29】
【0245】
更に、25℃で6ヶ月間保存した後、25mMヒスチジン、190mMトレハロース及び0.03%PS20、pH6中40mg/mLで製剤化された融合タンパク質1の安定性を試験した研究を行った。25℃で6ヶ月保存した後の安定性結果の要約を表30に示す。
【0246】
【表30】
【0247】
実施例6 VEGF-A165による刺激後の融合タンパク質1の製剤で処置したウサギにおける血管漏出スコア
インビボ研究を行って、上記の目的の製剤9に製剤化された様々な用量の融合タンパク質1(25mMヒスチジン、190mMトレハロース及び0.03%PS20、pH6中40mg/mLの融合タンパク質1)の有効性を試験した。ヒトVEGF誘発網膜血管漏出を、オランダベルトウサギにおいて、標準化蛍光血管造影(FA)スコアリング画像に基づく定義された漏出スコアによって調べた。漏出スコアを0~4に分類した(0、主要血管が非常に真っ直ぐであり、小血管がいくらか蛇行している;1、主要血管の蛇行性の増加及び/又は血管拡張;2、主要血管間の漏出;3、主要血管と小血管との間の漏出、小血管はまだ見える;4、主要血管と小血管との間の漏出、小血管は見えない)。
【0248】
各ウサギは50μLの両側単回硝子体内注射を受け、各群は合計3匹のウサギ及び6つの眼を有していた。0日目に、50μLのビヒクルコントロール、Avastin(登録商標)(1.25mg/眼)、Eylea(登録商標)(0.625mg/眼)及び漸増濃度の融合タンパク質1(すなわち、眼当たり0.03mg、0.1mg、0.3mg、及び1mg)をウサギに投与した。次いで、ウサギを2日目に1000ngのヒトVEGF-A165で刺激し、FAを使用して5日目に漏出スコアを評価した。
【0249】
0.03mgという低い融合タンパク質1で処置したウサギは、血管漏出スコアの減少を示した(図10)。その結果、0.03mgという低用量の融合タンパク質1は、血管漏出を効果的に減少させる。
【0250】
融合タンパク質1の用量は、VEGF誘導性網膜漏出を阻害するその能力において、Avastin(登録商標)及びEylea(登録商標)と同等であった。これらのデータは、融合タンパク質1がDME、nAMD及びRVO等の血管新生網膜疾患の治療に適していることを裏付けている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7AB
図7CD
図7E
図8AB
図8CD
図8E
図9
図10
【配列表】
2024527867000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-01-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a).5mg/mL~20mg/mLの濃度の融合タンパク質であって、
配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号18を含む融合タンパク質と、
b)%~0%w/vの濃度の、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、ベンジルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)400~12000からなる群から選択されるポリオール又はアルコールと、
c)0mM~0mMの濃度の、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウム二水和物からなる群から選択される緩衝剤と、
d).01~%w/vの濃度の界面活性剤と、
を含む、医薬製剤であって、
前記製剤は.5~7.5のpHであり、任意選択で、前記製剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、又はヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選択される多糖を更に含む、
医薬製剤。
【請求項2】
前記界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート80及びポロキサマー188からなる群から選択され、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
前記界面活性剤が.03%w/vの濃度である、請求項1又は請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記融合タンパク質がmg/mL~0mg/mL濃度であ、請求項1又は請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項5】
前記ポリオールが5mM~50mM濃度のトレハロースであ、請求項1又は請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記緩衝剤が、0mM~0mM濃度のヒスチジンであ、請求項1又は請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項7】
pHが.5~.0であ、請求項1又は請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項8】
-70℃、-20℃及び/又は5℃で少なくとも24ヶ月間安定である、請求項1又は請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項9】
-70℃、-20℃、2~8℃及び/又は25℃少なくとも6ヶ月後にタンパク質純度及び効力を保持する、請求項1又は請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項10】
0mM~50mMの濃度の塩を更に含む、請求項1又は請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項11】
少なくとも1つのアミノ酸を0mM~50mMの濃度で更に含む、請求項1又は請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記塩が、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、又は塩化カリウムから選択される、請求項10に記載の医薬製剤。
【請求項13】
前記アミノ酸が、アルギニン、メチオニン、プロリン、ヒスチジン、システイン、リジン、グリシン、アスパルタート、トリプトファン、グルタマート及びイソロイシンからなる群から選択される、請求項11に記載の医薬製剤。
【請求項14】
請求項1記載の医薬製剤を含む対象の眼疾患を治療するための医薬製剤
【請求項15】
前記眼疾患が、血管新生又は虚血性ブドウ膜炎、網膜血管炎、網膜色素線条症、網膜色素変性、角膜血管新生、虹彩血管新生、血管新生緑内障、緑内障における術後線維症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、脈絡膜血管新生(CNV)、視神経円板血管新生、網膜血管新生、硝子体血管新生、パンヌス、翼状片、血管網膜症、DMEを伴わない糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、DMEを伴う糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出性(ウェット)及び非滲出性(ドライ)加齢黄斑変性(AMD)、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞(RVO)後の黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜血管腫状増殖(RAP)、ポリープ状脈絡膜血管新生(PCV)、硝子体黄斑癒着(VMA)及び/又は硝子体黄斑牽引(VMT)から選択される、請求項14に記載の医薬製剤
【請求項16】
前記製剤が.5~10mg/眼用量で投与され、請求項14又は請求項15に記載の医薬製剤
【請求項17】
前記製剤がmg/眼の用量で投与される、請求項16に記載の医薬製剤
【請求項18】
a)40mg/mLの濃度の融合タンパク質であって、
配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号18を含む融合タンパク質
b)25mMのヒスチジン、
c)190mMのトレハロース、スクロース又はマンニトール、
d)0.03%ポリソルベート20又はポリソルベート80
を含む、医薬製剤であって、
前記製剤は.0のpHである、医薬製剤。
【請求項19】
-70℃、-20℃及び/又は5℃で少なくとも24ヶ月間安定である、請求項18に記載の医薬製剤。
【請求項20】
-70℃、-20℃及び/又は2~8℃少なくとも6ヶ月後にタンパク質純度及び効力を保持する、請求項18に記載の医薬製剤。
【請求項21】
0mM~50mMの濃度の塩を更に含む、請求項18に記載の医薬製剤。
【請求項22】
少なくとも1つのアミノ酸を0mM~50mMの濃度で更に含む、請求項18に記載の医薬製剤。
【請求項23】
前記塩が、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、又は塩化カリウムから選択される、請求項21に記載の医薬製剤。
【請求項24】
前記アミノ酸が、アルギニン、メチオニン、プロリン、ヒスチジン、システイン、リジン、グリシン、アスパルタート、トリプトファン、グルタマート及びイソロイシンからなる群から選択される、請求項22に記載の医薬製剤。
【請求項25】
請求項18に記載の医薬製剤含む、対象の眼疾患を治療するための医薬製剤
【請求項26】
前記眼疾患が、血管新生又は虚血性ブドウ膜炎、網膜血管炎、網膜色素線条症、網膜色素変性、角膜血管新生、虹彩血管新生、血管新生緑内障、緑内障における術後線維症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、脈絡膜血管新生(CNV)、視神経円板血管新生、網膜血管新生、硝子体血管新生、パンヌス、翼状片、血管網膜症、DMEを伴わない糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、DMEを伴う糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出性(ウェット)及び非滲出性(ドライ)加齢黄斑変性(AMD)、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞(RVO)後の黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜血管腫状増殖(RAP)、ポリープ状脈絡膜血管新生(PCV)、硝子体黄斑癒着(VMA)及び/又は硝子体黄斑牽引(VMT)から選択される、請求項25に記載の医薬製剤
【請求項27】
前記製剤が.5~10mg/眼用量で投与され、請求項25又は請求項26に記載の医薬製剤
【請求項28】
前記製剤がmg/眼の用量で投与される、請求項27に記載の医薬製剤
【請求項29】
a).5mg/mL~20mg/mLの濃度の融合タンパク質であって、
配列番号15、配列番号16、配列番号17又は配列番号18を含む融合タンパク質と、
b)%~0%w/vの濃度の、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、ベンジルアルコール、ポリビニルアルコール、PEG400~12000等からなる群から選択されるポリオール又はアルコールと、
c)0mM~0mMの濃度の、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウム二水和物からなる群から選択される緩衝剤と、
d).01~%w/vの濃度の界面活性剤と、
を含む、象の眼疾患を治療するための医薬製剤であって、
pHが.5~7.5であり、場合により、前記製剤が、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース又はヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選択される多糖を更に含む、医薬製剤
【請求項30】
前記界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート80及びポロキサマー188からなる群から選択され、請求項29に記載の医薬製剤
【請求項31】
前記界面活性剤が.03%の濃度である、請求項29又は請求項30に記載の医薬製剤
【請求項32】
前記融合タンパク質が0mg/mL~0mg/mL濃度である、請求項29又は請求項30に記載の医薬製剤
【請求項33】
前記ポリオールが50mM~30mM濃度のトレハロースである、請求項29又は請求項30に記載の医薬製剤
【請求項34】
前記緩衝液が、0mM~0mM濃度のヒスチジンであ、請求項29又は請求項30に記載の医薬製剤
【請求項35】
前記pHが.0~.5であ、請求項29又は請求項30に記載の医薬製剤
【請求項36】
前記製剤が、-70℃、-20℃及び/又は5℃で少なくとも24ヶ月間安定である、請求項29又は請求項30に記載の医薬製剤
【請求項37】
前記製剤が、-70℃、-20℃及び/又は2~8℃少なくとも6ヶ月後にタンパク質純度及び効力を保持する、請求項29又は請求項30に記載の医薬製剤
【請求項38】
前記製剤が、0mM~50mMの濃度の塩を更に含む、請求項29又は請求項30に記載の医薬製剤
【請求項39】
前記製剤が、0mM~50mMの濃度で少なくとも1つのアミノ酸を更に含む、請求項29又は請求項30に記載の医薬製剤
【請求項40】
前記塩が、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、又は塩化カリウムから選択される、請求項38に記載の医薬製剤
【請求項41】
前記アミノ酸が、アルギニン、メチオニン、プロリン、ヒスチジン、システイン、リジン、グリシン、アスパルタート、トリプトファン、グルタマート及びイソロイシンからなる群から選択される、請求項39に記載の医薬製剤
【請求項42】
前記眼疾患が、血管新生又は虚血性ブドウ膜炎、網膜血管炎、網膜色素変性、網膜色素線条症、角膜血管新生、虹彩血管新生、血管新生緑内障、緑内障における術後線維症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、脈絡膜血管新生(CNV)、視神経円板血管新生、網膜血管新生、硝子体血管新生、パンヌス、翼状片、血管網膜症、DMEを伴わない糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、DMEを伴う糖尿病性網膜症(DR、非増殖性及び増殖性DR)、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、滲出性及び非滲出性加齢黄斑変性(AMD)、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)後の黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症(RVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜血管腫状増殖(RAP)、ポリープ状脈絡膜血管新生(PCV)、硝子体黄斑癒着(VMA)及び/又は硝子体黄斑牽引(VMT)を含む、請求項29又は請求項30に記載の医薬製剤
【請求項43】
前記製剤が.03~10mg/眼用量で投与され、請求項29又は請求項30に記載の医薬製剤
【請求項44】
前記製剤がmg/眼の用量で投与される、請求項4に記載の医薬製剤
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
1つの一般的な態様では、本開示は、
a).5mg/mL~20mg/mLの濃度の融合タンパク質と、
b)%~0%w/vの濃度の、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、ベンジルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)400~12000からなる群から選択されるポリオール又はアルコールと、
c)0mM~0mMの濃度の、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウム二水和物からなる群から選択される緩衝剤と、
d).01~%w/vの濃度の界面活性剤と、
を含む、医薬製剤であって、
製剤は.5~7.5のpHであり、任意選択で、製剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、又はヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選択される多糖を更に含む、医薬製剤に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本出願の実施形態によれば、界面活性剤は.03%の濃度である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本開示の実施形態によれば、融合タンパク質は、mg/mL~0mg/mL、好ましくは0mg/mL~0mg/mLの濃度であり、より好ましくは融合タンパク質が0mg/mLの濃度である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本出願の実施形態によれば、ポリオールは、5mM~50mM、好ましくは90mMの濃度のトレハロースである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本開示の実施形態によれば、緩衝剤は、0mM~0mM、好ましくは0mM~0mMの濃度のヒスチジンであり、より好ましくはヒスチジンが5mMの濃度である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
本出願の実施形態によれば、pHは.5~.0であり、好ましくはpHは.0である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
本出願の実施形態によれば、製剤は、0mM~50mMの濃度の塩を更に含む。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
本出願の実施形態によれば、製剤は、0mM~50mMの濃度の少なくとも1つのアミノ酸を更に含む。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
本開示の実施形態によれば、製剤は、.03~10mg/眼、好ましくは.0~6.0mg/眼の用量で投与され、より好ましくは製剤がmg/眼の用量で投与される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
本出願の実施形態によれば、製剤は、眼当たりmgの用量で投与される。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
本開示の別の一般的な態様は、
a)40mg/mLの濃度の融合タンパク質、
b)25mMのヒスチジン、
c)190mMのトレハロース、スクロース又はマンニトール、
d)0.03%ポリソルベート20又はポリソルベート80
を含む、医薬製剤であって、
製剤は.0のpHである、医薬製剤に関する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
例えば、リンカー領域又はC末端におけるRGDモチーフに加えて1つ又はそれを超える修飾を有するロドストミン又はディスインテグリンの変異体は、αvβ3、αvβ5、αvβ6、α5β1又はαIIbβ3に選択的に結合する能力を示した。例えば、SRAGK(配列番号50)がKKKRT(配列番号51)、KKART(配列番号52)、MKKGT(配列番号53)IEEGT(配列番号54)、LKEGT(配列番号55)、AKKRT(配列番号56)、KAKRT(配列番号57)、KKART(配列番号58)、KKKAT(配列番号59)、KKKRA(配列番号60)、KAKRA(配列番号61)又はSKAGT(配列番号62)アミノ酸によって置き換えられたリンカー領域(39X40X41X42X43X)における変異を有するロドストミンバリアントは、インテグリンに対して以下の順序で最も高い効果を有した:αvβ3(約14倍)>α5β1(約5倍)>αIIbβ3(約2倍)
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
一定の実施形態では、融合タンパク質が、活性の阻害(例えば、血管新生因子活性及び/又はインテグリン活性の阻害)について1μM、100nM、10nM、1nM、0.1nM、0.01nM又は0.001nM以下のEC50を有する。本明細書の実施形態のいずれかにおいて、融合タンパク質は、結合パートナー(血管新生因子及び/又はインテグリン)に対するK.0mM、500μM、100μM、50μM、10μM、5μM、1μM、500nM、100nM、50nM、10nM、5nM、1nM、500pM、100pM、50pM、10pM又は5pM未満であり、これらの数字の間の任意の値を含む。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
特定の実施形態では、融合タンパク質の等電点(pI)は、.0~9.0である。特定の実施形態では、融合タンパク質の等電点(pI)は、.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、9.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、又はそれらの間の任意の値である。好ましくは、融合タンパク質の等電点(pI)は8.17である。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質を含む医薬組成物は、.5~00mg/mL、好ましくは0~0mg/mL、例えば0、50、60、70又は80mg/mL、最も好ましくは0±mg/mLのタンパク質濃度で緩衝液に製剤化された融合タンパク質を含む。他の好ましい実施形態では、融合タンパク質は、0mg/mLを超えるタンパク質濃度で緩衝液中に製剤化される。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
特定の実施形態では、緩衝剤は、.5~7.0、より好ましくは.0~6.5、更により好ましくは.0のpHを有する緩衝剤である。特定の実施形態では、緩衝剤は、.5~8、より好ましくは~7.5、更により好ましくは.2のpHを有するリン酸緩衝剤である。リン酸緩衝液は、mM~20mMのリン酸ナトリウム、例えば5mM、10mM、15mM又は20mMのリン酸ナトリウム、より好ましくは0mMのリン酸ナトリウム;0~60mM塩化ナトリウム、より好ましくは0mM塩化ナトリウム;~10%重量/体積(w/v)スクロース、より好ましくは%w/vスクロース;及び.01から0.05%w/vの界面活性剤、より好ましくは.03%w/vのポリソルベート20を含む。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
特定の実施形態では、医薬製剤は、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、ベンジルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)400~12000からなる群から選択されるポリオール又はアルコールを、%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、又は10%w/v等の%~0%w/vの濃度で含む。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
好ましい実施形態では、ポリオールは、5mM~50mM、例えば5mM、50mM、75mM、100mM、125mM、150mM、175mM、200mM、225mM、又は250mMの濃度のトレハロースである。他の好ましい実施形態では、ポリオールは、00mM、110mM、120mM、130mM、140mM、150mM、160mM、170mM、180mM、190mM、又は200mM等の00~200mMの濃度のトレハロースである。他の好ましい実施形態では、ポリオールは90mMの濃度のトレハロースである。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
特定の実施形態では、医薬製剤は緩衝剤を含む。特定の実施形態では、緩衝剤は、0mM~0mM、例えば0mM、20mM、30mM、40mM、又は50mMの濃度のリン酸ナトリウム、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウム二水和物からなる群から選択される。好ましい実施形態では、緩衝剤は、0mM~0mM、例えば0mM、20mM、30mM、又は40mMの濃度である。他の好ましい実施形態では、緩衝剤は、0mM~30mM、例えば0mM、21mM、22mM、23mM、24mM、25mM、26mM、27mM、28mM、29mM又は30mMの濃度である。他の好ましい実施形態では、緩衝剤は5mMの濃度である。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
好ましい実施形態では、緩衝剤は、0mM~0mM、例えば0mM、20mM、30mM、又は40mMの濃度のヒスチジンである。他の好ましい実施形態では、ヒスチジンは、0mM~0mM、例えば0mM、21mM、22mM、23mM、24mM、25mM、26mM、27mM、28mM、29mM、又は30mMの濃度である。他の好ましい実施形態では、ヒスチジンは5mMの濃度である。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
特定の実施形態では、医薬製剤は界面活性剤を含む。好ましい実施形態では、界面活性剤は、.01%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、又は4.0%等、.01~%w/vの濃度である。他の好ましい実施形態では、界面活性剤は、.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、1.0%w/v等の.01%~.0%w/vの濃度である。他の好ましい実施形態では、界面活性剤は.03%w/vの濃度である。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
好ましい実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80及びポロキサマー188からなる群から選択され、好ましくはポリソルベート20である。好ましい実施形態では、ポリソルベート20は、.03%w/vの濃度である。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
いくつかの実施形態では、医薬製剤は、40mg/mL、25mMヒスチジン、190mMトレハロース、及び0.03%ポリソルベート20の濃度で融合タンパク質を含み、製剤は.0のpHにある。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、0.03mg、0.04mg、0.05mg、0.06mg、0.07mg、0.08mg、0.09mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、又は10mg等、眼当たり.03~10mgの用量で眼に投与される。好ましい実施形態では、医薬組成物は、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、又は6mg等の眼当たり.0~6.0mgの用量で眼に送達される。他の好ましい実施形態では、医薬組成物は、眼当たりmgの用量で眼に送達される。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
実施形態1は、a).5mg/mL~20mg/mLの濃度の融合タンパク質と、
b)%~0%w/vの濃度の、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、ベンジルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)400~12000からなる群から選択されるポリオール又はアルコールと、
c)0mM~0mMの濃度の、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウム二水和物からなる群から選択される緩衝剤と、
d).01~%w/vの濃度の界面活性剤と、
を含む、医薬製剤であって、
製剤は.5~7.5のpHであり、任意選択で、製剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、又はヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選択される多糖を更に含む、医薬製剤である。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
実施形態4は、界面活性剤が.03%w/vの濃度である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0103】
実施形態5は、融合タンパク質がmg/mL~0mg/mL、好ましくは0mg/mL~0mg/mLの濃度であり、より好ましくは融合タンパク質が0mg/mLの濃度である、実施形態1~4のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
実施形態6は、融合タンパク質が0mg/mLの濃度である、実施形態5に記載の医薬製剤である。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
実施形態7は、ポリオールが5mM~50mM、好ましくは90mMの濃度のトレハロースである、実施形態1~6のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0106】
実施形態8は、トレハロースが90mMの濃度である、実施形態7に記載の医薬製剤である。
【手続補正32】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0107】
実施形態9は、緩衝剤が、0mM~0mM、好ましくは0mM~0mMの濃度のヒスチジンであり、より好ましくはヒスチジンが5mMの濃度である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【手続補正33】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0108】
実施形態10は、ヒスチジンが5mMの濃度である、実施形態9に記載の医薬製剤である。
【手続補正34】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
実施形態13は、pHが.5~.0、好ましくはpHが.0である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【手続補正35】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0112】
実施形態14は、pHが.0である、実施形態13に記載の医薬製剤である。
【手続補正36】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0115
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0115】
実施形態17は、0mM~50mMの濃度の塩を更に含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【手続補正37】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0117】
実施形態19は、0mM~50mMの濃度の少なくとも1つのアミノ酸を更に含む、実施形態1から18のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【手続補正38】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0121】
実施形態23は、製剤が、.03~10mg/眼、好ましくは.0~6.0mg/眼の用量で投与され、より好ましくは製剤は、mg/眼の用量で投与される、実施形態1~22のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【手続補正39】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0122】
実施形態24は、製剤が眼当たりmgの用量で投与される、実施形態23に記載の医薬製剤である。
【手続補正40】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0123】
実施形態25は、
a)40mg/mLの濃度の融合タンパク質、
b)25mMのヒスチジン、
c)190mMのトレハロース、スクロース又はマンニトール、
d)0.03%ポリソルベート20又はポリソルベート80
を含む、医薬製剤であって、
製剤は.0のpHである、医薬製剤である。
【手続補正41】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0128
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0128】
実施形態30は、0mM~50mMの濃度の塩を更に含む、実施形態25~29のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【手続補正42】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0130
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0130】
実施形態32は、少なくとも1つのアミノ酸を0mM~50mMの濃度で更に含む、実施形態25~31のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【手続補正43】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0134
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0134】
実施形態36は、製剤が、.03~10mg/眼、好ましくは.0~6.0mg/眼の用量で投与され、より好ましくは製剤は、mg/眼の用量で投与される、実施形態25~35のいずれか1つに記載の医薬製剤である。
【手続補正44】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0135
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0135】
実施形態37は、製剤が眼当たりmgの用量で投与される、実施形態36に記載の医薬製剤である。
【手続補正45】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0136
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0136】
実施形態38は、対象の眼疾患を治療する方法であって、
a).5mg/mL~20mg/mLの濃度の融合タンパク質と、
b)%~0%w/vの濃度の、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、ベンジルアルコール、ポリビニルアルコール、PEG400~12000等からなる群から選択されるポリオール又はアルコールと、
c)0mM~0mMの濃度の、リン酸ナトリウム、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウム二水和物からなる群から選択される緩衝剤と、
d).01~%w/vの濃度の界面活性剤と、
を含む、医薬製剤を対象に投与することを含み、
pHが.5~7.5であり、場合により、製剤が、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース又はヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選択される多糖を更に含む、方法である。
【手続補正46】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0139
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0139】
実施形態41は、界面活性剤が.03%w/vの濃度である、実施形態38~40のいずれか1つに記載の方法である。
【手続補正47】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0140】
実施形態42は、融合タンパク質がmg/mL~0mg/mL、好ましくは0mg/mL~0mg/mLの濃度であり、より好ましくは融合タンパク質が0mg/mLの濃度である、実施形態38~41のいずれか1つに記載の方法である。
【手続補正48】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0141
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0141】
実施形態43は、融合タンパク質が0mg/mLの濃度である、実施形態42に記載の方法である。
【手続補正49】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0142
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0142】
実施形態44は、ポリオールが50mM~30mM、好ましくは90mMの濃度のトレハロースである、実施形態38~43のいずれか1つに記載の方法である。
【手続補正50】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0143
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0143】
実施形態45は、トレハロースが90mMの濃度である、実施形態44に記載の方法である。
【手続補正51】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0144
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0144】
実施形態46は、緩衝剤が0mM~0mM、好ましくは0mM~0mMの濃度のヒスチジンであり、より好ましくはヒスチジンが5mMの濃度である、実施形態38~45のいずれか1つに記載の方法である。
【手続補正52】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0145
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0145】
実施形態47は、ヒスチジンが5mMの濃度である実施形態46に記載の方法である。
【手続補正53】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0148】
実施形態50は、pHが.0~.5、好ましくはpHが.0である、実施形態38~49のいずれか1つに記載の方法である。
【手続補正54】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0149
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0149】
実施形態51は、pHが.0である実施形態50の方法である。
【手続補正55】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0152
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0152】
実施形態54は、製剤が0mM~50mMの濃度で塩を更に含む、実施形態38~53のいずれか1つに記載の方法である。
【手続補正56】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0154
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0154】
実施形態56は、製剤が0mM~50mMの濃度で少なくとも1つのアミノ酸を更に含む、実施形態38~55のいずれか1つに記載の方法である。
【手続補正57】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0157
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0157】
実施形態59は、製剤が.03~10mg/眼、好ましくは.0~6.0mg/眼の用量で投与され、より好ましくは製剤がmg/眼の用量で投与される、実施形態38~58のいずれか1つに記載の方法である。
【手続補正58】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0158
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0158】
実施形態60は、製剤がmg/眼の用量で投与される、実施形態59に記載の方法である。
【手続補正59】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0159
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0159】
実施形態61は、対象の眼疾患を治療する方法であって、
a)40mg/mLの濃度の融合タンパク質、
b)25mMのヒスチジン、
c)190mMのトレハロース、スクロース又はマンニトール、
d)0.03%ポリソルベート20又はポリソルベート80
を含む、医薬製剤を対象に投与することを含み、
製剤は.0のpHである、方法である。
【手続補正60】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0165
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0165】
実施形態66は、製剤が0mM~50mMの濃度の塩を更に含む、実施形態61~65のいずれか1つに記載の方法である。
【手続補正61】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0166
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0166】
実施形態68は、製剤が0mM~50mMの濃度で少なくとも1つのアミノ酸を更に含む、実施形態61~67のいずれか1つに記載の方法である。
【手続補正62】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0169
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0169】
実施形態71は、製剤が.03~10mg/眼、好ましくは.0~6.0mg/眼の用量で投与され、より好ましくは製剤がmg/眼の用量で投与される、実施形態61~70のいずれか1つに記載の方法である。
【手続補正63】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0170
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0170】
実施形態72は、製剤がmg/眼の用量で投与される、実施形態71の方法である。

【国際調査報告】