(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】導波管を使用して虚血性再灌流および他の損傷を処置するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20240719BHJP
G02B 1/04 20060101ALI20240719BHJP
G02B 6/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A61N5/06 A
G02B1/04
G02B6/00 301
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503895
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-07
(86)【国際出願番号】 US2022037628
(87)【国際公開番号】W WO2023003903
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504338070
【氏名又は名称】ウェイン・ステート・ユニバーシティー
(71)【出願人】
【識別番号】524025554
【氏名又は名称】ミトベーション, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MITOVATION, INC.
【住所又は居所原語表記】3055 Plymouth Road, Suite 200 Ann Arbor, Michigan 48105, USA
(71)【出願人】
【識別番号】511000957
【氏名又は名称】ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミシガン
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF MICHIGAN
(74)【代理人】
【識別番号】100092864
【氏名又は名称】橋本 京子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】橋本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】ヒュッテマン,マイク
(72)【発明者】
【氏名】サンダーソン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ワデル,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】タック,サム
【テーマコード(参考)】
2H038
4C082
【Fターム(参考)】
2H038AA61
2H038BA01
4C082PA01
4C082PC10
4C082PG11
4C082PG12
4C082PJ04
(57)【要約】
少なくとも1つの近赤外(NIR)光源と、i)NIR光入力面およびii)NIR光放出面を有する導波管とを有するNIR光治療装置。導波管は、NIR光入力面を形成するレンズ機構を備える。レンズ機構は、少なくとも1つのNIR光源からの処置NIR光を少なくとも実質的にコリメートし、導波管を通って第1の方向に実質的にコリメートされた光を運ぶように構成される。導波管はまた、実質的にコリメートされた光を光放出面を通して被験者に反射するように構成された導波管の表面上に複数の抽出面を備える。複数の抽出面はまた、光放出面にわたって実質的に均一なNIR光出力を生成するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置NIR光を提供するための少なくとも1つのNIR光源と、
i)導波管であり、前記少なくとも1つのNIR光源からの前記処置NIR光が前記導波管に入射するNIR光入射面と、ii)前記処置NIR光が前記導波管から放出するNIR光放出面とを有する導波管と、を備え、
前記導波管は、
前記NIR光入力面を形成し、前記少なくとも1つのNIR光源に近接するレンズ機構であって、前記少なくとも1つのNIR光源からの前記処置NIR光を少なくとも実質的にコリメートし、前記導波管を通って第1の方向に実質的にコリメートされた光を運ぶように構成された前記レンズ機構と、
前記導波管の表面上にあり、前記実質的にコリメートされた光を前記光放出面を通して被験者に反射するように構成された複数の抽出面であって、前記複数の抽出面のうちの前記抽出面の少なくともいくつかは、前記被験者にほぼ垂直な方向に対して35度~75度の範囲で傾斜しており、前記複数の抽出面は、前記光放出面を横切って実質的に均一なNIR光出力を生成するように構成される、前記複数の抽出面とを備える、近赤外(NIR)光治療装置。
【請求項2】
前記導波管は、前記NIR光放出面に近接して熱を吸収する冷却剤を循環させるように構成された少なくとも1つの冷却チャネルをさらに備え、前記導波管は、少なくとも一部の反射NIR光を前記少なくとも1つの冷却チャネルを通って伝送するように構成される、請求項1に記載のNIR光治療装置。
【請求項3】
前記導波管は、前記レンズ機構、前記複数の抽出面、前記NIR光放出面、および前記少なくとも1つの冷却チャネルがシリコーンからなるようにシリコーンを含み、前記シリコーンは、前記NIR光放出面が前記被験者に少なくとも部分的に適合し得るように20ショアA~80ショアAの範囲内のデュロメータを有する低デュロメータシリコーンである、請求項2に記載のNIR光治療装置。
【請求項4】
さらに、
前記冷却剤が前記少なくとも1つの冷却チャネルに入る前に前記冷却剤を受けるための前記導波管内の入口と、
前記冷却剤が前記少なくとも1つの冷却チャネルに入る前に前記冷却剤の第1の温度を測定するように構成された第1の温度センサと、
前記冷却剤が前記少なくとも1つの冷却チャネルを通って移動した後に前記冷却剤を前記導波管から運ぶ前記導波管内の出口と、
前記冷却剤が前記少なくとも1つの冷却チャネルを通過した後に前記冷却剤の第2の温度を測定するように構成された第2の温度センサと、
前記第1の温度と前記第2の温度との間の差を決定するための制御モジュールと、を備える、請求項2に記載のNIR光治療装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの冷却剤チャネルは、前記冷却剤の流れを遅くして、前記冷却剤と、前記遅くなった冷却剤が流れる前記少なくとも1つの冷却チャネルの部分に近接する領域との間の熱交換効率を高めるために、直径が変化する、請求項2に記載のNIR光治療装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのNIR光源は、約750nmおよび940nmの波長を有する光を生成し、前記光放出面は、前記被験者の表面に一致するように湾曲する、請求項1に記載のNIR光治療装置。
【請求項7】
前記複数の抽出面のうちの前記抽出面の少なくともいくつかは、前記被験者に対してほぼ垂直な方向に対して約55度で傾斜される、請求項1に記載のNIR光治療装置。
【請求項8】
さらに、
少なくとも1つのさらなる導波管と、
前記被験者の頭部に適用されるように構成された支持部材を備え、前記支持部材は、さらに、少なくとも前記導波管および前記少なくとも1つのさらなる導波管を保持し、
各導波管からの前記処置NIR光が前記被験者の静脈洞領域を回避することを確実にするように構成される、請求項1に記載のNIR光治療装置。
【請求項9】
前記導波管の少なくとも一部を収容するためのハウジングをさらに備え、前記ハウジングは、前記光放出面以外の領域において前記導波管を出た処置NIR光を反射して前記導波管に戻すための反射材料を備える、請求項1に記載のNIR光治療装置。
【請求項10】
処置光を生成する少なくとも1つの光源と、
前記処置NIR光が通過する導波管とを備え、
前記導波管は、
前記処置NIR光を受けて第1の方向に運ぶレンズ機構と、
前記第1の方向に進行する前記処置NIR光を受けて前記処置NIR光を被験者の皮膚に対して実質的に垂直な方向に反射する前記導波管の表面上の複数の抽出面であって、前記複数の抽出面のうちの少なくともいくつかの抽出面は、前記被験者の皮膚に対してほぼ垂直な方向に対して35度から75度の範囲内で傾斜される、前記複数の抽出面と、
前記複数の抽出面から反射された前記処置NIR光が前記被験者の皮膚を通過する光放出面であって、前記複数の抽出面は、前記NIR光放出面にわたって実質的に均一なNIR光出力を生成するように構成される前記光放出面と、を備える、近赤外(NIR)光治療装置。
【請求項11】
前記導波管は、前記光放出面に近接して熱を吸収する冷却剤を循環させるように構成された少なくとも1つの冷却チャネルをさらに備え、前記導波管は、少なくとも一部の反射された処置NIR光を前記少なくとも1つの冷却チャネルを通って伝送するように構成される、請求項10に記載のNIR光治療装置。
【請求項12】
前記導波管は、前記レンズ機構、前記複数の抽出面、および前記少なくとも1つの冷却チャネルがシリコーンからなるようにシリコーンを含み、前記レンズはまた、前記NIR処置光を前記第1の方向にコリメートする、請求項11に記載のNIR光治療装置。
【請求項13】
制御モジュールをさらに備え、
前記制御モジュールは、
前記少なくとも1つの冷却剤チャネルに入る前の前記冷却剤の第1の温度と、前記冷却剤が前記少なくとも1つの冷却剤チャネルを通過した後に前記冷却剤の第2の温度との間の温度差を決定し、
前記NIR治療装置が前記導波管に隣接する前記被験者の皮膚を過熱しているかどうかを決定し、前記過熱決定は前記温度差に部分的に基づくように構成される、請求項11に記載のNIR光治療装置。
【請求項14】
少なくとも1つのさらなる導波管と、
前記導波管およびそれに結合された前記少なくとも1つのさらなる導波管を有する支持部材と、をさらに備え、
前記支持部材は、少なくとも、
前記被験者の頭部に適用され、
各導波管からの前記処置NIR光が前記被験者の静脈洞領域を回避することを確実にするように構成される、請求項10に記載のNIR光治療装置。
【請求項15】
被験者を処置するための近赤外(NIR)光治療装置を製造する方法であって、
導波管を形成することを備え、
前記導波管を形成することは、
前記導波管にレンズを成形することであって、前記レンズは、NIR光源からNIR処置光を受け、前記NIR処理光を第1の方向に運ぶように構成されることと、
前記運ばれたNIR処置光が実質的に前記第1の方向にそれを通って伝播する前記導波管の細長部を成形することと、
前記導波管の表面上に抽出部を成形することであって、前記抽出部は、前記被験者に対して実質的に垂直な方向に伝播する反射されたNIR処置光を生成するために前記第1の方向に進行する前記NIR処理光を反射するように構成されることと、
前記導波管上にNIR光放出面を成形し、前記導波管は、前記反射されたNIR処置光を前記導波管から前記NIR光放出面を介して前記被験者に通過するように構成されており、前記抽出部は、前記NIR光放出面を横切って実質的に均一なNIR光出力を生成するように構成されることと、を備える方法。
【請求項16】
前記導波管を形成することは、前記NIR光放出面に近接し、前記反射されたNIR光を通過させ、前記NIR光放出面に近接する熱を吸収する冷却剤を循環させるように構成された少なくとも1つの冷却チャネルを成形することをさらに備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記導波管は、光学的に透明な低デュロメータシリコーンで構成され、前記レンズは、前記第1の方向に前記NIR処置光をコリメートするようにさらに構成され、前記光学的に透明な低デュロメータシリコーンは、前記NIR光放出面が前記被験者に少なくとも部分的に適合し得るように、20ショアAから80ショアAの範囲内のデュロメータを有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記NIR光治療装置に取り付け可能な第1の温度センサを作成することであって、前記第1の温度センサは、前記冷却剤が前記少なくとも1つの冷却チャネルに入る前に前記冷却剤の第1の温度を測定するように構成されることと、
前記NIR光治療装置に取り付け可能な第2の温度センサを作成することであって、前記第2の温度センサは、前記冷却剤が前記少なくとも1つの冷却チャネルを通過した後に前記冷却剤の第2の温度を測定するように構成されることと、
前記NIR光治療装置に取り付け可能な制御モジュールを作成することであって、前記制御モジュールは、前記第1の温度と前記第2の温度との間の差を決定するように構成されることと、を備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのさらなる導波管を形成することと、
装着型支持部材が前記被験者の頭部に適用されたときに、各導波管からの反射されたNIR処置光が前記被験者の静脈洞領域を回避するように、前記導波管および前記少なくとも1つのさらなる導波管を前記装着型支持部材上に位置決めすることと、をさらに備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記導波管の少なくとも一部に反射ハウジングを取り付けることをさらに備え、前記反射ハウジングは、前記NIR光放出面以外の領域から前記導波管を出る光を反射して前記導波管に戻すように構成される、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月20日に出願された米国仮出願第63/223,677号の優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
政府のライセンス権
本発明は、国立衛生研究所によって授与されたNS105238およびNS120322下で政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明に特定の権利を有する。
【0003】
一般に、本発明の様々な実施形態は、虚血再灌流損傷を処置するためのシステムおよび方法に関し、具体的には、光エネルギーをユーザの損傷を受けた身体領域(例えば、頭部領域)に送達するように構成された光送達ユニットを有する装着型装置に関する。
【背景技術】
【0004】
典型的には、体組織(例えば、皮下体組織)の処置は、外科的および薬学的介入を含む侵襲的形態の処置を必要とする。近赤外(NIR)光は、虚血/再灌流(IR)損傷の影響を受ける身体組織に治療的処置を提供することが示される。具体的には、約750nmおよび940nmの波長のNIR光は、酸化ストレス下で体組織のミトコンドリア活性を調節することによってIR損傷の効果を効果的に処置してきた。NIR光は、NIR光に対する身体組織の透明性、ならびにNIR光の体液の低い吸収性のために、治療の形態として有効であった。
【0005】
NIR光処置の治療効果は明らかであるが、患者の身体組織へのNIR光の実際的な送達は困難であり得る。従来のNIR光治療装置は、それらの剛性形態に起因して身体領域に望ましくない圧力を加える可能性がある。これらの装置は、多くの場合、多種多様な患者(例えば、大人、子供、幼児など)による使用に適さない非可撓性材料で構成される。身体領域に望ましくない圧力を加えることを回避することができる従来のNIR光治療装置であっても、低レベルの光治療を介して体表組織を標的とするため、機能的に効果がないことが多い。さらに、これらの装置の両方のタイプは、処置される領域の部位の毛髪および他の組織によるNIR光の吸収によって生成される熱を緩和する効果的なシステムを欠く場合、患者に不快感および潜在的な損傷を引き起こす可能性がある。結果として、患者は、従来のNIR光治療装置を使用するときに不快感または痛みさえも受ける可能性がある。したがって、患者に快適で適応可能なNIR光治療を提供する改善された治療装置が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、光、例えばNIR光を被験者の組織内に安全かつ効果的に導くための導波管の開発に部分的に基づく。
【0007】
一態様では、本発明の実施形態は、光、例えばNIR光を被験者の組織内に送達するための導波管を特徴とする。導波管は、光入射部、光入射部から受けた光を方向転換するようになされた複数の抽出機構を備える抽出部、および抽出部からの光を受けて被験者の組織表面に光を放出するようになされた放出部を備える。
【0008】
様々な実施形態において、光入射部は、非球面レンズを備える。光入射部は、非球面レンズに入射した光を分散させて光チャネルに沿って抽出部まで通過させる光チャネルをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、複数の抽出機構は、少なくとも3つの抽出機構を備える。いくつかの実施形態では、導波管の少なくとも1つの外面は、それに隣接する反射コーティングをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、複数の抽出機構で反射コーティングの間にギャップを形成することができる。いくつかの実施形態では、複数の抽出機構は、光入射部から受けた光を被験者の皮膚表面に対して実質的に垂直な方向に方向転換するようになされる。複数の抽出機構の各々は、皮膚表面の法線方向に対してある角度で配向された表面を備えることができ、この角度は±20度~70度の範囲内(すなわち、皮膚表面の法線方向に対して時計回りまたは反時計回りのいずれかの方向に20度~70度の範囲内)である。
【0009】
いくつかの実施形態では、放出部は平坦な形状を含む。いくつかの実施形態では、放出部は、凹状の下面を含む円弧形状を含み、凹状の下面は、被験者の皮膚表面に適合するようになされることができる。凹状の下面の輪郭は、3cm~10cmの範囲の曲率半径を含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、導波管は、被験者の皮膚表面を冷却するようになされた一体型冷却システムを備える。一体型冷却システムは、放出部内に配置することができる。一体型冷却システムは、放出部内に成形され、冷却剤流体(例えば、水)を運ぶようになされた流体チャネルを備えることができる。流体チャネルは、蛇行形状を含むことができる。蛇行形状は、各々が屈曲部によって接続された複数の実質的に平行な導管によって画定することができ、実質的に平行な導管の内面の直径は、屈曲部の内面の直径よりも大きい。流体チャネルは、放出部の表面積の少なくとも20%を占めることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、導波管の少なくとも一部は、生体適合性材料によって画定され得る。生体適合性材料は、シリコーン材料(例えば、光学的に透明なシリコーン)とすることができ、シリコーン材料は、1MPa~50MPaの範囲の弾性率を含む。組織表面は、皮膚表面を含むことができる。
【0012】
一般に、別の態様では、本発明の実施形態は、被験者の皮膚表面に光を送達するための光処置装置を特徴とする。光処置装置は、本明細書に記載の少なくとも1つの導波管、および少なくとも1つの導波管を保持し、少なくとも1つの導波管を被験者の皮膚表面に近接して位置決めするようになされた支持部材を備えることができる。
【0013】
様々な実施形態において、支持部材は、導波管のアレイを保持することができる。支持部材は、ストラップ、キャップ、ヘルメット、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備えることができる。支持部材は、放出光と被験者の所定の領域との間の相互作用を回避するように少なくとも1つの導波管を位置決めするようになされることができ、所定の領域は静脈洞を含むことができる。いくつかの実施形態では、光処置装置は、被験者の皮膚表面の温度を決定するための温度測定システムを備える。温度測定システムは、流体チャネルの入口を介して導波管に入る冷却剤流体の温度を測定するための第1のプローブ、流体チャネルの出口で導波管を出る冷却流体の温度を測定するための第2のプローブ、および被験者の未処置位置で皮膚温度を測定するための参照プローブを備えることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、光処置装置は、光を生成して少なくとも1つの導波管に送達するための光源を備え、光源は、ダイオード、レーザ、またはレーザダイオードのうちの少なくとも1つを備える。光源は、約750nmまたは約940nmの波長を有する光を生成することができる。いくつかの実施形態では、光源は、750nm±30nmまたは約940nm±30nmの波長を有する光を生成することができる。
【0015】
これらおよび他の目的は、本明細書に開示される本発明の実施形態の利点および特徴と共に、以下の説明、添付の図面、および特許請求の範囲を参照することによってより明らかになるであろう。さらに、本明細書に記載の様々な実施形態の特徴は、相互に排他的ではなく、様々な組み合わせおよび置換で存在することができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面において、同様の参照符号は、一般に、異なる図を通して同じ部分を指す。また、図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに一般に本発明の原理を説明することに重点が置かれる。以下の説明では、本発明の様々な実施形態を以下の図面を参照して説明する。
【0017】
【
図1A】様々な実施形態による例示的な光送達ユニット(LDU)の概略斜視分解図である。
【0018】
【0019】
【0020】
【
図1D】
図1Aの例示的なLDUの概略側面断面拡大図である。
【0021】
【0022】
【
図2A】様々な実施形態による例示的な導波管を通る例示的な光チャネルを示す概略側面図である。
【0023】
【
図2B】
図2Aの例示的な導波管を通る例示的な光チャネルを示す概略底面図である。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【
図3A】NIR光治療のための例示的な治療システムの概略図である。
【0031】
【
図3B】近赤外NIR光治療を提供するための例示的な治療システムの例示的な装着型装置の概略内部図である。
【0032】
【0033】
【0034】
【
図3E】処置される被験者の頭部の周りに巻き付けられた向きにある
図3Bの例示的な装着型装置の概略斜視図である。
【0035】
【
図4A】様々な実施形態によるNIR光治療を提供するための治療システム内で冷却剤を循環させるための例示的なコンバイナの概略図である。
【0036】
【
図4B】様々な実施形態によるNIR光治療を提供するための治療システム内の例示的な冷却剤循環システムの概略図である。
【0037】
【
図5】様々な実施形態によるNIR光治療を提供するための治療システムにおける例示的な結合機構の概略図である。
【0038】
【
図6】本明細書に記載された技術を実施する際に使用され得る例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、光、例えばNIR光を被験者の組織内に安全かつ効果的に導くための導波管の開発に部分的に基づく。導波管のうちの1つまたは複数を光送達ユニットに組み込んで、被験者の組織に光を送達することができる。
【0040】
光送達ユニット(LDU)
【0041】
図1Aは、例示的な光送達ユニット(LDU)100の分解図である。LDU100は、1つまたは複数の構成要素を備えてもよい。場合によっては、LDU100は、導波管110を備えることができる。導波管110は、光(例えば、NIR光)入力を受けるように構成されてもよい。導波管110は、受けた光入力を方向転換し、放出面114を介して光出力を放出するように構成されてもよい。例えば、導波管110は、放出面114を介してユーザの組織表面に方向転換されたNIR光信号を放出することができる。場合によっては、導波管110は、本明細書で説明するように、受けた光入力を方向転換するように構成された1つまたは複数の抽出機構142を備えることができる。
【0042】
一般に、導波管110は、本明細書に記載の特性を有する任意の適切な材料で構成することができる。場合によっては、導波管110はシリコーンで構成されてもよい。シリコーンは、透明および/または低デュロメータシリコーンであってもよい。例えば、シリコーンは、20ショアA~80ショアA(例えば、50ショアA)の範囲のデュロメータを有してもよい。シリコーンは、可撓性および/または圧縮性であってもよく、導波管110が被験者の表面(例えば、皮膚表面)に適合することができる。場合によっては、シリコーンは、1MPa~50MPaの範囲の弾性率を含み得る。場合によっては、導波管110の1つまたは複数の面または表面は、反射材料で覆われてもよく、および/または他の方法で結合されてもよい。一実施形態では、導波管110の上面、側面、および1つまたは複数の抽出機構142は、反射材料を含むことができる。反射材料は、抽出機構142(後述)によって方向転換されない1つまたは複数の光信号を反射して、それらが導波管110内に含まれたままになるようにすることができる。反射材料は、抽出機構による1つまたは複数の光信号の方向転換のための抽出効率を改善することができる。
【0043】
特定の実施形態では、導波管110は、1つまたは複数のチャネル116を備えることができる(例えば、
図1Eおよび
図2Fを参照されたい)。チャネル116は、本明細書で説明するように、導波管110内で冷却剤(例えば、水)を循環させるように構成することができる。例えば、チャネル116は、放出面114で過剰な熱を吸収するために導波管110内で冷却剤を循環させることができる。チャネル116の第1の端部は、入口118を備えることができる(例えば、
図1B、
図1C、
図1E、
図2C、
図2E~
図2Gも参照されたい)。チャネル116の第2の端部は、出口119を備えてもよい(例えば、
図1Eおよび
図2E~
図2Gを参照されたい)。入口118および出口119はそれぞれ、冷却剤リザーバに接続する管に結合するように構成された受入れ機構(例えば、雄-雌結合機構の雌界面)を備えることができる。
【0044】
特定の実施形態では、LDU100は、1つまたは複数の部分から形成されたハウジング120を備えることができる。例えば、ハウジング120は、2つの部分(例えば、貝殻設計を形成する)から構成することができる。部分は、1つまたは複数の締結具(例えば、ねじ、ヒンジ、ブラケット、クリップなど)を介して互いに結合されてもよい。別の例では、ハウジング120は単一の部分からなる。一般に、ハウジング120は、本明細書に記載の特性を有する任意の適切な材料で構成することができる。例えば、ハウジング120は、プラスチック(例えば、ポリオキシメチレン(POM))とすることができる。場合によっては、ハウジング120は、射出成形またはフライス加工によって形成することができるが、ハウジング120を形成するために任意の適切な製造技術を使用することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、ハウジング120は、導波管110を収容および/または他の方法で保持するためのキャビティを備えることができる。ハウジング120は、光源(例えば、レーザまたはエネルギー源)からの光信号入力(例えば、光ファイバケーブルまたは他のリード/先端)に結合するように構成された入力/出力(I/O)コネクタ124を備えることができる。I/Oコネクタ124は、光信号入力を受けるように構成された1つまたは複数のスロット(例えば、v溝スロット)を備えることができる。場合によっては、I/Oコネクタ124は、本明細書に記載のアセンブリに結合するための1つまたは複数の電気接続部を備えることができる。ハウジング120は、光信号入力が導波管110に近接して配置されるように、光信号入力および導波管110を保持することができる。光信号入力は、本明細書で説明するように、所定の焦点距離で導波管110の近位に配置することができる。ハウジング120は、導波管110の放出面が処置される被験者の組織表面(例えば、皮膚表面)の近位または隣接して配置され得るように、導波管110を収容するように構成され得る。
【0046】
特定の実施形態では、ハウジング120の1つまたは複数の内壁または面は、反射層によってコーティングおよび/または他の方法で覆われてもよい。反射層は、非金属または金属コーティングを含むことができる。一例では、非金属コーティングはポリエチレンであってもよい。別の例では、金属コーティングは、金、アルミニウム、または銅であってもよい。反射層は、導波管110内を伝播する光(例えば、NIR光)を反射することができ、1つまたは複数の内壁に入射する光がハウジング120内に収容される。光源から伝播するNIR光は、導波管110を出て、反射層を介してハウジング120の内壁から反射することができる。
【0047】
特定の実施形態では、LDU100は、冷却システム130を備えることができる。冷却システム130は、1つまたは複数の導管132(例えば、管)を備えることができる。導管132の各々は、導波管110のチャネル116におよび/またはそこから冷却剤を運ぶように構成されてもよい。例えば、第1の導管132は冷却された冷却剤をチャネル116に運ぶことができ、第2の導管132は加温された冷却剤をチャネル116から運ぶことができ、加温された冷却剤は導波管110から熱エネルギーを吸収する。一般に、冷却剤は、任意の適切な流体、例えば水であり得る。一例では、冷却剤は滅菌脱イオン水であってもよい。場合によっては、各管132の第1の端部は、取付具136を備えることができる。各管の第2の端部は、本明細書で説明するように冷却剤チラーに結合することができる。各取付具136は、入口118または出口119を介して導波管110に結合されてもよい。各取付具136は、バーブ付取付具(例えば、雄雌結合機構の雄界面)を備えてもよく、取付具136が入口118または出口119に挿入され得る。取付具136は、本明細書で説明するように、バーブ付取付具を介して入口118または出口119に結合されたままであってもよい。
【0048】
特定の実施形態では、各取付具136は、温度センサを備えることができる。場合によっては、温度センサは防水であってもよい。温度センサは、取付具136の内部に結合されてもよく、温度センサが取付具136内の温度を測定し得る。場合によっては、各温度センサは、1つまたは複数のケーブル134に結合されてもよい。各ケーブル134は、電気信号(例えば、温度測定情報を含む)をコントローラまたは他の外部位置に通信するように構成することができる。ケーブル134は、I/Oコネクタ124に電気的に結合することができる。特定の実施形態では、導波管110のチャネル116の入口118および出口119に結合された取付具136について、入口118および出口119で測定された温度を比較して、チャネル116を通って流れる冷却剤の温度変化を決定することができる。
【0049】
図1Bは、例示的なLDU100の組立図である。本明細書で説明されるように、LDU100は、導波管110を備えることができる。導波管110は、ハウジング120によって保持されてもよい。ハウジング120は、本明細書で説明するように、LDU100を光源の光信号入力に結合するように構成されたI/Oコネクタ124を備えることができる。導波管110は、本明細書に記載のチャネル116(
図1Bには示されていない)を備えることができ、チャネル116の各々は、導波管110の放出面114の近位に冷却剤を循環させるように構成される。冷却システム130は、導管(例えば、管)132を介してチャネル116から冷却剤を送達および収集することができる。導管132の各々は、導波管110においてLDU100に結合することができ、各導管132の取付具136は、導波管110の対応する入口118または出口119(
図1Bには示されていない)への結合を容易にすることができる。
【0050】
図1Cは、例示的なLDU100の側面の拡大図である。
図1Cに示すように、LDU100は、ハウジング120によって保持された導波管110を備えることができる。特定の実施形態では、本明細書に記載されるように、導波管110は、放出面114を備えることができる。放出面114は、凹面であってもよく、LDU100が配置される面(例えば、被験者の皮膚表面)に一致することができる。他の場合には、放出面114は凸状であってもよい。一例では、放出面114は、凹状または凸状の配向で、3cm~10cm(例えば、約6.5cm)の範囲の曲線半径を有することができる。放出面114の湾曲半径は、最小限の変形で組織表面に一致するように構成することができ、それによって、放出面114とLDU100が配置される表面との間のエアギャップを低減することができる。場合によっては、放出面114の曲線半径は、LDU100のターゲットユーザおよび/または本明細書に記載のような1つまたは複数のLDU100を備えるシステムに基づいて選択することができる。他の場合には、放出面114は平坦であってもよい。
【0051】
特定の実施形態では、
図1Cの断面図に示すように、導波管110は、導波管110の抽出機構142とハウジング120の外面との間にギャップ144が存在するように、ハウジング120内に保持されてもよい。本明細書で説明されるように可撓性および/または圧縮性(例えば、シリコーンで構成されることに起因して)である導波管110に基づいて、ギャップ144の存在は、導波管110がLDU100が配置される表面に適合することを可能にし得る。
【0052】
図1Dは、例示的なLDU100の側面の内部断面図である。場合によっては、導波管110は、レンズ112を備えることができる。レンズ112は、シリコーンから構成されてもよい。一例では、レンズ112は、導波管110に成形されてもよい。すなわち、レンズ機構112は、NIR光入射面を形成してもよい。さらに、レンズ112は、1つまたは複数の光源から光信号を受けて集束させることができる。レンズ112は、少なくとも1つのNIR光源に近接しており、少なくとも1つのNIR光源からの処置NIR光を少なくとも実質的にコリメート(例えば、
図2Aを参照されたい)し、実質的にコリメートされた光を導波管を介して第1の方向に運ぶように構成されてもよい。
【0053】
光源は、本明細書に記載の虚血/再灌流または他の損傷を処置することができるNIR光、例えば、750nmおよび/または940nmの波長を有する光を放出することができる。レンズ112は、本明細書で説明するように、受けた光信号を導波管110の反射抽出機構142のうちの1つまたは複数に導くことができる。一般に、レンズ112は、任意の適切な形状、例えば非球面形状または非円筒形状を有することができる。I/Oコネクタ124は、例えば、1~10個の範囲内の光源、2~8個の範囲内の光源、または4~6個の範囲内の光源の任意の適切な数の光源に結合されてもよい。特定の実施形態では、I/Oコネクタ124は、1~100個の光源の範囲に結合されてもよい。導波管110は、各光源から光信号を受けて方向転換することができる。特定の実施形態では、導波管110および/またはI/Oコネクタ124は、任意の適切な距離とすることができる所定の焦点距離113だけレンズ112および光源を分離するように構成することができる。一例では、
図1Dに示すように、光源とレンズ112との間の焦点距離113は、約3.5mm±2mmであってもよい。他の焦点距離113は、LDU100の用途、導波管110の構成(例えば、レンズ112の形状)、放出された光信号の波長、および/または光信号の角度発散に基づいて使用することができる。
【0054】
図1Eは、例示的な光送達ユニット(LDU)100の底面図である。本明細書で説明するように、LDU100は、ハウジング120によって保持された導波管110を備えることができる。1つまたは複数の管132の各々は、取付具136を介して入口118または出口119で導波管のチャネル116に結合することができる。
図1Eに示すように、LDU100は、放出面114を備えることができる。光源からの光信号は、放出面114を介して導波管110によって放出され得る。光信号は、チャネル116を通って(例えば、垂直に)伝播し、表面(例えば、ユーザの皮膚表面)に到達することができる。
【0055】
放出面114は、任意の適切な領域(例えば、1cm
2~200cm
2の範囲、例えば4cm
2)を有するように構成されてもよい。放出面114の領域は、導波管110の用途に基づいて構成することができる。チャネル116は、放出面114の領域のサブセットを備えることができる。場合によっては、チャネル116は、放出面の面積の少なくとも20%(例えば、50~80%の範囲内)を備えることができる。場合によっては、チャネル116は、導波管110内に成形されてもよい。一例では、
図1Eに示すように、チャネル116は、蛇行構成の単一チャネルを備えることができる。チャネル116の壁は、平行および/または傾斜していなくてもよい。一例では、チャネル116の壁は長方形であってもよい。
【0056】
特定の実施形態では、光信号と接触するチャネル116の部分は、光信号と接触していないチャネル116の部分よりも大きい直径を有することができる。
図1Eに示すように、チャネル116の直径は、特定の面積がより大きくなるように構成されてもよい。チャネル116の直径は、光信号の大部分(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、および/または少なくとも90%)が伝播する領域においてより大きくなるように構成されてもよく、チャネル直径がより大きい部分(例えば、光信号が中心に伝播する領域)で冷却剤の流れが遅くなる。場合によっては、チャネル直径がより大きい部分における冷却剤の流れの減速は、冷却剤とチャネル116の近位領域との間の熱交換効率を増加させることができる。場合によっては、チャネル直径がより大きい部分に1つまたは複数の渦が形成され、チャネル116を通る冷却剤の乱流を引き起こす可能性がある。チャネル116内の冷却剤の乱流は、冷却剤とチャネル116の近位領域との間の熱交換効率を高めることができる。場合によっては、チャネル116は、フィルムでコーティングおよび/または他の方法で封止されてもよい。フィルムは、熱交換効率を高め、導波管110を通る光信号の伝搬を容易にするように構成された光学的に透明なフィルム(例えば、NIR光に対して透明である)であってもよい。フィルムは、導波管110の屈折率と同等またはほぼ同等の屈折率を含むことができる。フィルムは、放出面114に接着してもよく、またはその一部であってもよく、チャネル116を封止(例えば、気密封止)する。例示的な実施形態では、フィルムは超薄シリコーンフィルムであってもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、冷却剤は、チャネル116を通って循環することができる。管132aから供給された冷却剤は、入口118を介してチャネル116に入ることができる。入口118は、入口118における冷却剤(例えば、冷却された冷却剤)の温度を測定する温度センサを備えることができる。冷却剤は、チャネル116を通って循環することができる。場合によっては、冷却剤は、チャネル116の近位の領域から熱エネルギーを吸収することができる。一例では、冷却剤は、ユーザの皮膚表面で放出するNIR光によって生成されたエネルギーを吸収することができる。冷却剤は、
図1Eに示すように、チャネル116を通って流れることができる。冷却剤(例えば、加温された冷却剤)は、出口119を介して管132bにチャネル116から出ることができる。導波管110のチャネル116を出る冷却剤は、冷却剤チラーに供給され、LDU100に再循環されてもよい。
【0058】
導波管の構成
【0059】
図2Aは、例示的な光入力および導波管110を通る光チャネルを示す例示的な導波管110の側面図である。図示のように、導波管110はレンズ112を備えることができる。レンズ112は、受けた光入力210(例えば、光エネルギー)を1つまたは複数の集束光信号212(例えば、光線)に集束させることができる。場合によっては、レンズ112は、単一の光入力を、導波管110を通過するいくつかの光信号212に拡散または分散させることができる。導波管は、光入射部202を備えることができ、光入射部は、レンズ112によって集束および/または拡散/分散された後に光信号212が伝播する導波管110の細長部とすることができる。場合によっては、導波管110は、光入射部202から光信号212を送達することができる1つまたは複数の階段状抽出機構142を備える抽出部203を備えることができる。一般に、任意の適切な数の抽出機構142、例えば少なくとも3つの抽出機構を使用することができる。抽出機構142は、導波管110内に成形することができ、各抽出機構142が放出面114および/またはユーザの皮膚表面に垂直な方向に対して角度を付けて傾斜する。様々な実施形態では、各抽出機構142は、導波管110が使用される用途に応じて角度を付けて傾斜するように構成されてもよい。例えば、傾斜角度は、35度~75度(例えば、55度)の範囲で構成されてもよい。言い換えれば、導波管の表面上の複数の抽出面142は、実質的に光(例えば、コリメート光)を放出面114を通して被験者に反射するように構成される。複数の抽出面142の抽出面の少なくとも一部は、被験者に対してほぼ垂直な方向に対して35度~75度の範囲で傾斜していてもよい。さらに、複数の抽出面は、光放出面にわたって実質的に均一なNIR光出力を生成するように構成されてもよい。
【0060】
場合によっては、すべての抽出機構142を同じ角度に向けることができる。他の場合には、異なる抽出機構142を異なる角度に向けることができる。各抽出機構142(光が反射する表面)は、少なくとも1つの光信号212を導波管110の放出面114に方向転換するように構成することができ、少なくとも1つの光信号が放出面114および/またはユーザの皮膚表面に対してほぼ垂直に放出面114を通って伝播する。場合によっては、抽出機構142は、導波管110の光信号出力分布が放出面114にわたって実質的に均一になるように光信号を方向転換するように構成されてもよい。例えば、放出面114にわたる出力電力分布は、実質的に均一であり得る。いくつかの実施形態では、導波管110の放出面114にわたる光信号出力分布の均一性を決定するために、放出面114の領域を1つまたは複数の画素に分割することができる。場合によっては、複数のピクセルの各ピクセルの面積は同等であってもよい。一例では、放出面114は、5つの画素に分割されてもよい。導波管110の動作中、電力密度(例えば、mW/cm2)を各画素について測定することができる。放出面114の画素からの最大電力密度および最小電力密度は、画素の測定された電力密度に基づいて決定することができる。式1によって記載されるような表面電力密度均一性(SPDU)メトリックは、最大電力密度および最小電力密度に基づいて計算され得る。式1は、以下のように記載することができる。
【0061】
【0062】
式1によって説明されるように、SPDUは、「MaxPD」および「MinPD」の関数に基づくことができ、「MaxPD」は複数の画素のうちの画素の最大電力密度に相当することができ、「MinPD」は複数の画素のうちの画素の最小電力密度に相当することができる。一例では、100mW/cm2に等しい「MaxPD」および20mW/cm2に等しい「MinPD」について、放出面114の決定されたSPDUは、式1に従って約33%であり得る。いくつかの実施形態では、放出面114を通るSPDUは、10~100%の範囲で構成されてもよい。一例では、放出面114を通るSPDUは50%であってもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、導波管110は、20%~100%、30%~90%、40%~80%、または50%~70%の範囲の効率で光信号を送達することができる。本明細書で使用する場合、効率は、放出面114から出るレンズ112に入射する光信号110のパーセンテージとして計算される。
【0064】
場合によっては、本明細書で説明するように、導波管110の1つまたは複数の面または表面は、反射材料に覆われる、および/または他の方法で結合されてもよい。一例では、導波管110の上面、側面、および1つまたは複数の抽出機構は、反射材料を含むことができる。レンズ112および放出面114は、反射材料によって覆われていなくてもよい。反射材料は、導波管110内に1つまたは複数の光信号210を収容するのに役立ち得、光信号212がレンズ112のみを通って導波管110に入り、放出面114のみを通って導波管110から出る。
【0065】
光入力210は、1つまたは複数の光信号を含んでもよい。一例では、光信号は、1つまたは複数の光源(例えば、レーザ源またはエネルギー源)から発する約750nmおよび940nmの光の組み合わせを含むことができる。抽出機構142は、集束された光信号212を放出面114に方向転換することができる。集束光信号212は、例えば、放出面114に対してほぼ垂直に、放出面114から出ることができ、本明細書に記載の治療用途(例えば、IRまたは他の損傷の処置)で使用することができる。
【0066】
図2Bは、例示的な光入力210を示す例示的な導波管110の底面図である。本明細書で説明するように、導波管110は、レンズ112、抽出機構142、および放出面114を備えることができる。導波管110は、光入力210を受けることができる。
図2Bに示すように、光入力210は、複数の(例えば、1~10個の光入力、例えば、図示される6個の範囲内の光信号)を備えてもよい。レンズ112は、光入力210を、導波管110を通って伝播することができる集束光信号212に集束させることができる。抽出機構142は、集束光信号212を放出面114に方向転換することができ、集束光信号212は、例えば放出面114にほぼ垂直に放出面114から出ることができる。
【0067】
図2C~
図2Gは、例示的な導波管110のさらなる図である。
図2C~
図2Gに示す寸法は、特定の実施形態による単なる例であり、本開示を限定するものではない。本開示の範囲から逸脱することなく、導波管110に任意の適切な寸法を使用することができる。
図2Cは、例示的な導波管110の斜視図である。
図2Dは、例示的な導波管110の左側面図である。
図2Eは、例示的な導波管110の上面図である。
図2Fは、例示的な導波管110の底面図である。
図2Gは、例示的な導波管110の正面図である。
図2Hは、導波管110の背面図である。
【0068】
治療システムの構成
【0069】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような1つまたは複数のLDU100は、治療システムに備えられてもよい。一般に、治療システムは、任意の適切な損傷を処置するために使用することができる。例えば、治療システムは、NIR光を介して虚血/再灌流(IR)損傷の影響を受ける患者の体組織に治療的処置を提供し得る。
図3Aは、NIR光治療を提供するための例示的な治療システム300の概略図である。
図3Aに示す接続部は、電気接続部、光学接続部、または流体接続部のうちの1つまたは複数を備えることができる。場合によっては、治療システム300は、アセンブリ301、スプリッタ340、および装着型治療装置350を備えることができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、アセンブリ301は、アセンブリ301に電力を供給するように構成された電源302を備えることができる。場合によっては、電源は、接続部330を介して外部電源(例えば、壁出口)に電気的に結合することができる。場合によっては、電源302はバッテリを備えることができる。電源がバッテリを備える場合、電源は、バッテリを充電するために接続部330を介して充電ステーションに結合することができる。場合によっては、電源302は、(例えば、電力を供給するために)1つまたは複数のファン304、冷却剤チラー306、制御モジュール308のうちの1つまたは複数に電気的に結合することができる。場合によっては、アセンブリ301は、1つまたは複数のファン304を備えることができる。ファン304は、アセンブリ301の内部および/または外部の空気を循環させるように動作することができる。循環空気に基づいて、ファンはアセンブリ301を冷却することができる。ファン304は、本明細書で説明するように制御モジュール308によって制御することができる。
【0071】
特定の実施形態では、アセンブリ301は、冷却剤チラー306を備えることができる。冷却剤チラーは、電源302から電力を受けてもよい。冷却剤チラー306は、装着型治療装置350の冷却システム362に流体的に結合することができる。冷却剤チラー306は、制御モジュール308に電気的に結合されてもよい。冷却剤チラー306は、冷却剤チラー306に供給される冷却剤を冷却してもよい。冷却剤チラーは、受けたおよび/または貯蔵された冷却剤の温度を構成された温度まで低下または上昇させることができる。例示的な実施形態では、冷却剤チラー306は、冷却システム362から受けた冷却剤を冷却することができる。場合によっては、冷却剤チラー306は、冷却剤を循環させるように構成されたポンプを備えていてもよい。一例では、冷却剤チラー306のポンプは、装着型治療装置350の冷却システム362に冷却剤を循環させることができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、アセンブリ301は、制御モジュール308を備えることができる。制御モジュール308は、ファン304、冷却剤チラー306、ユーザインターフェース310(および関連構成要素)、光源322a、光源322b、および装着型治療装置350(および本明細書に記載の関連構成要素)のうちの1つまたは複数に電気的に結合することができる。制御モジュール308は、プロセッサ、メモリ、および/または通信モジュール(
図3Aには示されていない)を備えることができる。プロセッサは、アセンブリ301の他の構成要素および/または装着型治療装置350の構成要素と通信する、および/または他の方法で制御することができる。メモリは、本明細書で説明するように、アセンブリ301および/または装着型治療装置350の機能を実行するための1つまたは複数のコンピュータ可読命令を記憶することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、アセンブリ301は、ユーザインターフェース310を備えることができる。ユーザインターフェース310は、制御モジュール308に電気的に結合することができる。ユーザインターフェース310は、アセンブリ301および/または装着型治療装置350のフィードバック情報および/または制御情報を表示するための1つまたは複数の表示装置を備えることができる。場合によっては、ユーザインターフェース310はタイマー312を備えることができる。タイマー312は、制御モジュール108に電気的に結合されてもよい。タイマー312は、装着型治療装置350によって提供される治療の時間および/または期間を示すことができる。一例では、タイマー312は、液晶デジタル(LCD)表示装置を介して表示されてもよい。タイマー312には、任意の適切な表示装置を使用することができる。場合によっては、ユーザインターフェース310は、1つまたは複数のフィードバックインジケータ314を備えることができる。フィードバックインジケータは、制御モジュール108に電気的に結合されてもよい。フィードバックインジケータ314は、アセンブリ301および/または装着型治療装置350に対応する可聴、視覚、および/または触覚フィードバック情報を含むことができる。例えば、フィードバックインジケータ314は、アセンブリ301および装着型治療装置350がオンであることを示すために点灯する発光ダイオード(LED)インジケータであってもよい。さらに、例えば、フィードバックインジケータは、装着型治療装置350を介した治療が完了したときにトーンを放出する可聴インジケータであってもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース310は、1つまたは複数の入力装置316を備えてもよい。入力装置は、制御モジュール308に電気的に結合されてもよい。入力装置316は、アセンブリ301および/または装着型治療装置350に情報を入力するために使用することができる。入力装置を介して入力された情報は、制御モジュール108に通信することができる。入力装置316の例は、タッチセンサ式装置、プッシュボタン、スライダ、ノブ、および/またはマイクロフォンを挙げることができる。入力装置316は、アセンブリ301および/または装着型治療装置350を構成するために使用することができる。一例では、入力装置316を使用して、装着型治療装置350を介したNIR光の送達を作動させることができる。別の例では、入力装置316を使用して、装着型治療装置350を介したNIR光の送達のための期間を構成することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、アセンブリ301は、1つまたは複数の光源322を備えることができる。
図3Aに示すように、アセンブリは、光源322aおよび322bを備えることができる。場合によっては、光源322はレーザダイオードアセンブリであってもよい。光源322は、約750nm(例えば、750nm±30nm)で光信号を放出するように構成されてもよい。光源322bは、約940nm(例えば、940nm±30nm)で光信号を放出するように構成されてもよい。光源322は、アセンブリ301および/または装着型治療装置350の適用に基づいて、任意の適切な波長で光信号を放出するように構成されてもよい。本明細書に記載されるように、約750nmおよび940nmの光信号は、酸化ストレス下で体組織のミトコンドリア活性を調節することによってIR損傷の治療を提供し得る。
【0076】
特定の実施形態では、光源322は、スプリッタ340に光学的に結合されてもよい。例示的な実施形態では、光源322aおよび322bは、一対の光ファイバケーブルを介してスプリッタ340に結合されてもよい。場合によっては、
図3Aに示すように、スプリッタは、アセンブリ301および装着型治療装置350の外部にあってもよい。他の場合には、スプリッタ340は、アセンブリ301または装着型治療装置350に備えられてもよい。スプリッタ340は、受けた光信号を合成光信号に接合および/または他の方法で合成するように構成することができる。一例では、スプリッタ340は、光源322aによって放出された750nmの光信号を光源322bによって放出された940nmの光信号と合成して、750nmおよび940nmの両方の光を含む合成光信号を形成することができる。スプリッタ340は、装着型治療装置350の1つまたは複数のLDU100に光学的に結合されてもよい。スプリッタ340は、合成光信号を装着型治療装置350の少なくとも1つのLDU100に供給することができる。一例では、スプリッタ340は、光ファイバケーブルを介して合成された750nmおよび940nmの光信号をLDU100に供給することができる。光源322aおよび322bは、スプリッタ140が50μW/cm
2~2W/cm
2、例えば約1W/cm
2の範囲の電力密度で光を送達するように光を放出することができる。アセンブリ322の光源322は、アセンブリ301および/または装着型治療装置350の適用に基づいて、任意の適切な電力で光を放出するように構成されてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、治療システム300は、装着型治療装置350を備えることができる。装着型治療装置350は、接続インジケータ352、使用モジュール354、および1つまたは複数のLDU100を備えることができる。場合によっては、装着型治療装置350は支持部材を備えることができ、支持部材は患者の身体領域に接着するように構成される。一般に、支持部材は、任意の適切な身体領域、例えば、頭部領域、首領域、胴上部領域、胴下部領域、上腿領域、および/または下腿領域に接着するように構成することができる。支持部材は、弾性織物材料から製造されてもよい。一例では、弾性織物材料は、綿/スパンデックス混合織物材料またはポリエステル/スパンデックス混合織物材料から構成されてもよい。場合によっては、支持部材は、ストラップ、キャップ、またはヘルメットの任意の組み合わせであってもよい。場合によっては、支持部材は使い捨てであってもよい。支持部材は、1つまたは複数のサイズで構成されてもよい。例えば、支持部材は、乳児、小児、および成人にそれぞれ適合するように、S、M、およびLサイズで構成されてもよい。支持部材は、接続インジケータ352、使用モジュール354、およびLDU100を保持することができる。支持部材は、
図3B~
図3Eに関して本明細書で説明するような1つまたは複数の特性を備えることができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、接続インジケータ152は、アセンブリ301の制御モジュール308に電気的に結合されてもよい。接続インジケータは、可聴、視覚、および/または触覚インジケータであってもよい。場合によっては、接続インジケータ152は、アセンブリ301と装着型治療装置350とが接続されるかどうかを示すことができる。アセンブリ301と装着型治療装置350との接続の検出に基づいて、制御モジュールは、接続インジケータ152を介して接続の指示を表示することができる。特定の実施形態では、接続インジケータ152は、アセンブリ301と装着型治療装置350とが接続されたときに点灯するLEDインジケータであってもよい。
【0079】
特定の実施形態では、使用モジュール354は、アセンブリ301の制御モジュール308に電気的に結合されてもよい。制御モジュール308は、使用モジュール354に記憶された使用情報を決定することができ、制御モジュール308が使用閾値に基づいて装着型治療装置350を動作停止するように構成され得る。追加的または代替的に、使用モジュール354は、使用閾値に基づいて装着型治療装置350を動作停止するように構成されてもよい。場合によっては、使用モジュール354はヒューズを備えることができ、ヒューズは、使用閾値に基づいて切断する(sever)および/または他の方法で切断する(break)ように構成され得る。一例では、ヒューズに増加した電流を印加すると、ヒューズは切断される可能性がある。ヒューズを切断することに基づいて、装着型治療装置350を動作停止することができる。場合によっては、使用閾値は、使用回数閾値(例えば、1回の使用)であってもよい。他の場合では、使用閾値は、処置される被験者に送達されるエネルギーの閾値量であり得る。装着型治療装置350の使用は、使用期間が閾値持続時間(例えば、2~8時間の範囲内)を超えると定義することができる。場合によっては、使用モジュール354は、受けた入力(例えば、入力装置316を介して)に基づいて装着型治療装置350を動作停止するように構成されてもよい。一例では、治療システム300は、入力装置316を介して緊急停止入力を受けることができる。受けた緊急停止入力に基づいて、使用モジュール354は、装着型治療装置350を動作停止することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、装着型治療装置は、温度センサ356を備えることができる。温度センサ356は、制御モジュール308に電気的に結合されてもよい。場合によっては、温度センサ356は、装着型治療装置350の外部にあってもよい。場合によっては、温度センサ356は、ユーザ(例えば、患者)の身体領域に接着されてもよい。制御モジュール108は、温度センサ356を介してユーザの身体領域における基準温度(TR)を測定することができる。TRは、LDU100の温度センサの位置とは異なる位置におけるユーザの体温を示すことができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、装着型治療装置350は、1つまたは複数のLDU100を備えることができる。様々な実施形態では、装着型治療装置350は、1~20個の範囲のLDU、2~18個の範囲のLDU、3~16個の範囲のLDU、4~14個の範囲のLDU、5~12個の範囲のLDU、6~10個の範囲のLDU(例えば、6個のLDUまたは8個のLDU)を備えることができる。各LDU100は、冷却システム362、導波管110、およびハウジング(図示せず)を備えることができる。冷却システム362は、
図1A~
図1Eに関して本明細書で説明した冷却システム130の1つまたは複数の特性を含むことができる。場合によっては、冷却システム362は、1つまたは複数の管を介して冷却剤チラー306に流体的に結合されてもよい。冷却システム362は、管を介して導波管110に流体的に結合されてもよい。冷却剤チラー306は、冷却システム362の導管を介して導波管110のチャネルに結合することができる。冷却システム362の導管の各々は、導波管110のチャネルに、またはそこから冷却剤を運ぶように構成されてもよい。一例では、第1の導管は冷却剤チラー306から冷却された冷却剤を導波管110のチャネルの入口に運ぶことができ、第2の導管はチャネルの出口から冷却剤チラー306に加温された冷却剤を運ぶことができる。
【0082】
特定の実施形態では、冷却システム362は、1つまたは複数の温度センサを備えることができる。本明細書で説明するように、冷却システム362の各管の取付具は温度センサを備えることができ、取付具は管を導波管110の入口または出口に結合することができる。冷却システム362の各温度センサは、ケーブルを介して制御モジュール308に電気的に結合されてもよい。温度センサが温度センサが各取付具に結合されてもよく、取付具の近位領域の温度を測定できる。制御モジュール308は、冷却システム362に備えられた温度センサを介して装着型治療装置350の温度(例えば、冷却剤温度)を測定することができる。場合によっては、温度センサを入口(例えば、入口118)に配置することができ、温度センサは温度をT1と決定することができる。T1は、チャネルに入る冷却剤の温度を表すことができる。場合によっては、温度センサを出口(例えば、出口119)に配置することができ、温度センサは温度をT2と決定することができる。T2は、チャネルを出る冷却剤の温度を表すことができる。制御モジュール308は、出口と入口との間の温度差(ΔT=T2-T1)を決定することができる。ΔTを使用して、装着型治療装置350が適用される被験者の皮膚領域における熱の吸収を決定することができる。TRおよびΔTを比較して(例えば、制御モジュール108によって)、装着型治療装置350が予想される条件下で動作するかどうかを決定し、および/または必要に応じて処置パラメータを調整することができる。一例では、TRとΔTとの比較を使用して、装着型治療装置350が配置される領域で過熱していることを決定することができる。特定の実施形態では、処置レジームは、処置の異なる段階で異なる動作パラメータを含むことができ、これは温度センサからの測定によって通知される、および/または制御モジュール308によって実施され得る。
【0083】
特定の実施形態では、本明細書に記載されるように、LDU100は、導波管110を備えることができる。導波管110のチャネルは、本明細書で説明するように冷却システム362を介して冷却剤チラー306に流体的に結合することができる。導波管110は、スプリッタ340に光学的に結合されてもよい。例示的な実施形態では、導波管110は、光ファイバケーブルを介してスプリッタ340に結合されてもよい。導波管110は、スプリッタ340から光入力を受けることができる。例示的な実施形態では、光入力は、750nmおよび940nmの光の両方を含む合成光信号であってもよい。別の例示的な実施形態では、光入力は別個の光信号であってもよく、第1の光信号は750nmの光を含み、第2の光信号は940nmの光を含む。場合によっては、光入力が別個の光信号を含む場合、別個の光信号は、750nmおよび940nmの光の両方を含む合成光信号に合成されてもよい。合成光信号は、導波管110のレンズに入射して伝播することができる。レンズは、合成光信号を1つまたは複数の集束光信号に集束させることができる。集束された光信号は、導波管110の1つまたは複数の抽出機構に入射して伝播することができる。抽出機構は、集束光信号が導波管110の放出面に対してほぼ垂直になるように、集束光信号を方向転換することができる。集束光信号は、1つまたは複数の放出光信号としてチャネルおよび放出面を通って伝播することができる。場合によっては、装着型治療装置が被験者(例えば、患者)に装着される場合、放出された光信号は被験者の組織表面(例えば、皮膚表面)に入射し得る。放出された光信号は、被験者の体組織を通って伝播することができる。場合によっては、身体組織を通る放出された光信号の伝播は、身体組織が酸化ストレス下にある場合、ミトコンドリア活性の調節を介して治療を提供し得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、LDU100は、ハウジング120を備えることができる。場合によっては、ハウジングは、LDU100を装着型治療装置350に物理的に結合するための1つまたは複数の締結具(例えば、ブラケット、ねじ、クリップなど)を備えることができる。
【0085】
図3Bは、NIR光治療を提供するための例示的な治療システム300の例示的な装着型治療装置350の内部図である。場合によっては、本明細書に記載されるように、装着型治療装置350は、患者の身体領域(例えば、ヘッド領域)に接着するように構成された支持部材370を備えることができる。
図3Bに示すように、支持部材370は、第1の端部371および第2の端部372を備えてもよい。支持部材370の第1の端部371は、ストラップ374を備えることができる。ストラップ374は、ストラップ375(
図3Bには示されていない)に取り外し可能に結合して、第2の端部372を第1の端部371に取り外し可能に結合してもよい。支持部材370は、弾性織物材料から構成されてもよい。例示的な実施形態では、
図3Bに示すように、装着型治療装置350は平らになることができる。他の実施形態では、
図3Dに示すように、装着型治療装置350を巻き付けることができる。場合によっては、支持部材370は、ストラップ、キャップ、またはヘルメットの任意の組み合わせであってもよい。場合によっては、支持部材370は使い捨てであってもよい。支持部材370は、1つまたは複数のサイズで構成されてもよい。例えば、支持部材370は、乳児、小児、および成人にそれぞれ適合するように、S、M、およびLサイズで構成されてもよい。支持部材370は、
図3Cに示すように、LDU100(
図3Bには示されていない)を装着型治療装置350の外部に保持することができる。一例では、装着型治療装置350は、支持部材370によって保持された8個のLDU100を備えることができる。いくつかの実施形態では、装着型治療装置350は、1つまたは複数のパッド386を備えることができる。パッド386は、装着型治療装置350が接着される身体領域の圧力領域(例えば、圧力点)を軽減および/または他の方法で防止するように構成することができる。各パッド386は、装着型治療装置350のLDU100に対応することができ、各パッド386は、装着型治療装置350の内部のLDU100の近位の領域に配置される。パッド386は、柔らかいゲル材料で構成されてもよい。一例では、パッド386は、2cm~8cmの範囲×2cm~8cmの範囲(例えば、6cm×6cm)であってもよい。
【0086】
図3Cは、NIR光治療を提供するための例示的な治療システム300の例示的な装着型治療装置350の外観図である。場合によっては、本明細書に記載されるように、装着型治療装置350は、患者の身体領域(例えば、ヘッド領域)に接着するように構成された支持部材370を備えることができる。
図3Cに示すように、支持部材370は、第1の端部371および第2の端部372を備えてもよい。支持部材370の第2の端部372はストラップ375を備えてもよい。ストラップ375は、ストラップ374(
図3Bに示すように)に取り外し可能に結合して、第2の端部372を第1の端部371に取り外し可能に結合してもよい。例示的な実施形態では、
図3Cに示すように、装着型治療装置350は平らになることができる。支持部材370は、LDU100(
図3Cには示されていない)を装着型治療装置350の外部に保持することができる。一例では、装着型治療装置350は、支持部材370によって保持された8個のLDU100を備えることができる。
【0087】
図3Dは、NIR光治療を提供するための例示的な治療システム300の例示的な装着型治療装置350の側面図である。
図3Dに示すように、装着型治療装置350は、巻き付け位置に構成されてもよい。支持部材370の第1の端部371は、ストラップ374(
図3Dには示されていない)およびストラップ375を介して支持部材370の第2の端部372に結合されてもよい。ストラップ374およびストラップ375の代わりに、またはそれに加えて、任意の適切なファスナを使用することができる。装着型治療装置350は、配置された巻き付け位置で構成されて、治療システム300のユーザの頭部領域に接着し得る。
【0088】
図3Eは、ユーザの頭部に装着された状態の例示的な治療システム300の例示的な装着型治療装置350を示す。場合によっては、装着型治療装置は、支持部材370を介してユーザ380に適合させることができる。例示的な実施形態では、
図3Eに示すように、装着型治療装置350は、ユーザ380の頭部領域に適合させることができる。装着型治療装置350は、ストラップ374およびストラップ375(
図3Eには示されていない)を介してユーザ380の頭部領域に適合することができる。装着型治療装置350は、LDU100(
図3Eには示されていない)を戦略的に位置決めして所望の組織領域にNIR光治療を送達するように、また望ましくない解剖学的構造(例えば、静脈洞、特定の血管、器官など)にNIR光治療を送達することを回避するように構成することができる。LDU100の数および/または支持部材370上のLDU100の各々の位置は、特定の治療用途および/または装着型治療装置350の被験者(頭部の大きさ、静脈洞の配置など)の特性に基づいて選択することができる。場合によっては、ユーザ特性は、X線、MRI、またはCTスキャンなどの医療撮像を使用して決定することができる。例示的な実施形態では、装着型治療装置350は、8個のLDU100を備えることができ、4個のLDU100は、ユーザ380の頭部の各半球に配置される。そのような位置決めはまた、特定の解剖学的構造との接触を回避することができる。別の例では、装着型治療装置350は、6個のLDU100を備えることができ、3個のLDU100は、ユーザ380の頭部領域の各半球上に配置される。LDU100の各々は、ユーザ380の皮膚表面に適合することができる。場合によっては、各LDU100は、各LDU100(例えば、導波管110を介して)によって放出された光信号がユーザ380の皮膚表面に対してほぼ垂直に放出されるように配置されてもよい。
【0089】
冷却剤I/O機構の構成
【0090】
図4Aは、NIR光治療を提供するための治療システム(例えば、治療システム300)内で冷却剤を循環させるための例示的なコンバイナ402を示す。場合によっては、LDUの冷却システムの管は、本明細書で説明するようにコンバイナ402に結合されてもよい。コンバイナ402は、1つまたは複数の供給源からの流体を合成または分配するために、1つまたは複数の導管(例えば、管)および1つまたは複数の取付具から構成することができる。例示的な実施形態では、コンバイナ402は、チラー装置から装着型治療装置の1つまたは複数のLDUに冷却剤を分配する。別の例では、コンバイナは、1つまたは複数のLDUからの冷却剤を合成して、合成した冷却剤をチラー装置に送達することができる。コンバイナ402は、第1の入口/出口(I/Oポート)410および1つまたは複数の第2のI/Oポート420を備えてもよい。場合によっては、流体(例えば、冷却剤)は、第1のI/Oポート410に流入してもよく、第2のI/Oポート420に分配されてもよい。他の場合には、流体(例えば、冷却剤)は、第2のI/Oポート420に流入してもよく、第1のI/Oポート410で合成されてもよい。一例では、
図4Aに示すように、コンバイナ402は、8個のI/Oポート420を備えることができる。コンバイナ402は、装着型治療装置に備えられるLDUの数および/または本明細書に記載の治療システムに備えられるコンバイナの数に基づいて、任意の適切な数の第2のI/Oポート420を備えることができる。
【0091】
図4Bは、近赤外(NIR)光治療を提供するための治療システム(例えば、治療システム300)内の例示的なコンバイナ402を介した冷却剤循環の一例を示す。説明のために、
図4Bに示す冷却剤循環の例は、単一のLDU100について示される。しかしながら、任意の適切な数のLDU100が、本明細書で説明するように冷却剤を循環させることができる。場合によっては、治療システム400は、1つまたは複数の管403を備えることができる。管403は、本明細書で説明するように、1つまたは複数のコンバイナ402を冷却剤チラーに合成することができる。
図4Bに示すように、治療システム400は、管403aおよび403bを備えることができる。場合によっては、治療システム400は、1つまたは複数のコンバイナ402を備えることができ、各コンバイナ402は、冷却剤を合成するまたは分配するように構成される。
図4Bに示すように、治療システム400は、コンバイナ402aおよび402bを備えることができる。場合によっては、治療システム400は、本明細書に記載の装着型治療装置の一部として1つまたは複数のLDU100を備えることができる。LDU100は、冷却システムを備えることができ、冷却システムは、LDU100の入口または出口に結合された1つまたは複数の管401を備える。
図4Bに示すように、治療システム400は、LDU100の冷却システムの一部として管401aおよび401bを備えることができる。
【0092】
場合によっては、コンバイナ402は、LDU100を備える装着型治療装置に備えられてもよい。例えば、装着型治療装置は、コンバイナ402aおよび402bを備えることができ、LDU100の入口および出口に接続された管401が装着型治療装置上のコンバイナ402aまたはコンバイナ402bに結合され得る。他の場合には、コンバイナ402は、アセンブリ(例えば、アセンブリ301)に備えられてもよい。例えば、アセンブリ301は、冷却剤チラー306をLDU100に流体結合するためのコンバイナ402aおよび402bを備えることができる。場合によっては、コンバイナ402は、スプリッタ(例えば、スプリッタ340)と共に備えられてもよく、コンバイナ402が本明細書に記載のアセンブリおよび装着型治療装置の外部にある。
【0093】
いくつかの実施形態では、管403aは、冷却剤チラー306に結合されてもよく、管403aは、冷却された冷却剤をコンバイナ402aの第1のI/Oポート410aに循環させる。コンバイナ402aは、冷却剤を受け、受けた冷却剤を1つまたは複数の第2のI/Oポート420に分配することができる。管401aは、コンバイナ402aの第2のI/Oポート420aに結合されてもよい。管401aは、コンバイナ402aの第2のI/Oポート420aから冷却された冷却剤を受けることができる。管401aは、冷却された冷却剤をLDU100のチャネル116(
図4Bには示されていない)の入口に循環させることができる。冷却された冷却剤は、チャネル116の出口で加温された冷却剤としてLDU100から出ることができる。管401bは、チャネル116の出口に結合されてもよい。管401bは、出口から加温された冷却剤を受けることができる。管401bは、コンバイナ402bの第2のI/Oポート420bに結合されてもよく、管401bが加温された冷却剤をコンバイナ402bの第2のI/Oポート420bに循環させる。場合によっては、1つまたは複数のLDU100から生じる加温された冷却剤が、コンバイナ402bの第2のI/Oポート420に供給されてもよい。コンバイナ402bは、LDU100(および1つまたは複数の他のLDU100)から加温された冷却剤を受けることができる。加温された冷却剤は、コンバイナ402bの第1のI/Oポート410bでコンバイナ402b内に収束してもよい。管403bは、コンバイナ402bの第1のI/Oポート410bに結合されてもよい。管403bは、本明細書に記載されるように、コンバイナ402bの第1のI/Oポート410bから加温された冷却剤を受け、加温された冷却剤を冷却剤チラー306に供給することができる。したがって、冷却剤は、コンバイナ402aおよび402bを介してLDU100と冷却剤チラー306との間で循環させることができ、LDU100(例えば、LDU100の放出面)を冷却された冷却剤によって冷却することができ、LDU100から生じる加温された冷却剤を冷却剤チラー306によって冷却することができる。
【0094】
光電I/O機構の構成
【0095】
図5は、NIR光治療を提供するための治療システム500における例示的な結合機構を示す。場合によっては、装着型治療装置350は、本明細書に記載のアセンブリ501に結合されてもよい。装着型治療装置350は、1つまたは複数のLDU100(
図5には示されていない)を備えることができ、各LDU100は、本明細書に記載のI/Oコネクタ124を備えることができる。装着型治療装置350は、本明細書に記載されるように、LDU100を保持し、ユーザの身体領域(例えば、ヘッド領域)に接着するように構成された支持部材370を備えることができる。場合によっては、装着型治療装置350は、1つまたは複数のコネクタ572を備えることができる。コネクタ572の第1の端部は、LDU100に対応する1つまたは複数のI/Oコネクタ124に結合されてもよい。
図5に示すような装着型治療装置350の内部のパッド386の位置は、装着型治療装置350の外部のLDU100の位置を示すことができる。一例では、
図5に示すように、コネクタ572aの第1の端部は4個のLDU100に結合することができ(位置決めはパッド386aによって示される)、コネクタ572bの第1の端部は4個のLDU100に結合することができる(位置決めはパッド386bによって示される)。様々な実施形態では、コネクタ572の第1の端部は、任意の適切な数のLDU100に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、スプリッタ(図示せず)またはアセンブリ501は、1つまたは複数のコネクタ574を備えることができる。コネクタ572の第2の端部は、コネクタ574の第1の端部に結合されてもよい。一例では、
図5に示すように、コネクタ572aの第2の端部はコネクタ574aの第1の端部に結合されてもよく、コネクタ572bの第2の端部はコネクタ574bの第1の端部に結合されてもよい。場合によっては、コネクタ572は、コネクタ574に取り外し可能に結合されてもよい。一例では、コネクタ572aおよび572bは、装着型治療装置350およびアセンブリ501が分離され得るように、コネクタ574aおよび574bに取り外し可能に結合され得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、コネクタ572は、挿入コネクタ(例えば、雄-雌結合機構の雄コネクタ)として構成されてもよい。場合によっては、コネクタ574は、受入れコネクタ(例えば、雄-雌結合機構の雌コネクタ)として構成されてもよい。いくつかの例では、コネクタ572およびコネクタ574は、雄-雌結合機構に基づいて物理的に結合することができる。コネクタ572およびコネクタ574の両方は、1つまたは複数の光チャネル(例えば、光ファイバケーブル)ならびに電線および/またはケーブルを備えることができ、コネクタ572および574は、光学的および電気的に結合して1つまたは複数の信号を伝送することができる。結合された光チャネルは、放出された光信号(例えば、合成された750nmおよび940nmの光)をアセンブリ501から装着型治療装置550の各LDU100に伝送することができる。結合された電線および/またはケーブルは、装着型治療装置350に備えられた温度センサとアセンブリとの間で情報を通信することができる。例示的な実施形態では、アセンブリの制御モジュール(例えば、制御モジュール308)は、結合されたコネクタ572および574を介してLDU560の各々の入口および出口における温度情報を決定することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、アセンブリ501は、冷却剤チラー306を備えることができる。冷却剤チラー306は、冷却剤を冷却し、冷却剤を結合された装着型治療装置350のLDUに循環させるように構成することができる。一例では、
図5に示すように、アセンブリは、冷却剤チラー306と、一対のコンバイナ402とを備えることができる。一対のコンバイナ402のうちの第1のコンバイナ402は、冷却剤チラー306による冷却のためにLDU100から受けた冷却剤を結合することができる。一対のコンバイナ402のうちの第2のコンバイナ402は、冷却剤チラー306によって冷却された冷却剤をLDU100に分配することができる。
特定の実施形態のさらなる説明
【0098】
図6は、この文書に記載された技術を(例えば、コントローラ308の一部として)実施する際に使用され得る例示的なコンピュータシステム600のブロック図である。汎用コンピュータ、ネットワーク機器、モバイルデバイス、または他の電子システムはまた、システム600の少なくとも一部を備えることができる。システム600は、プロセッサ610と、メモリ620と、記憶装置630と、入出力装置640とを備える。構成要素610,620,630、および640の各々は、例えば、システムバス650を使用して相互接続されてもよい。プロセッサ610は、システム600内で実行するための命令を処理することができる。いくつかの実施では、プロセッサ610は、シングルスレッドプロセッサである。いくつかの実施では、プロセッサ610は、マルチスレッドプロセッサである。プロセッサ610は、メモリ620または記憶装置630に記憶された命令を処理することができる。
【0099】
メモリ620は、システム600内の情報を記憶する。いくつかの実施では、メモリ620は非一時的コンピュータ可読媒体である。いくつかの実施では、メモリ620は揮発性メモリユニットである。いくつかの実施では、メモリ620は不揮発性メモリユニットである。
【0100】
記憶装置630は、システム600に大容量ストレージを提供することができる。いくつかの実施では、記憶装置630は、非一時的コンピュータ可読媒体である。様々な異なる実施において、記憶装置630は、例えば、ハードディスク装置、光ディスク装置、ソリッドデイトドライブ、フラッシュドライブ、または何らかの他の大容量記憶装置を備えることができる。例えば、記憶装置は、長期データ(例えば、データベースデータ、ファイルシステムデータなど)を記憶してもよい。入出力装置640は、システム600に入出力動作を提供する。いくつかの実施では、入出力装置640は、ネットワークインターフェース装置、例えばイーサネットカード、シリアル通信装置、例えばRS-232ポート、および/または無線インターフェース装置、例えば802.11カード、3G無線モデム、または4G無線モデムのうちの1つまたは複数を備えることができる。いくつかの実施では、入出力装置は、入力データを受け、他の入出力装置、例えばキーボード、プリンタ、およびディスプレイ装置660に出力データを送るように構成されたドライバ装置を備えることができる。いくつかの例では、モバイルコンピューティング装置、モバイル通信装置、および他の装置を使用することができる。
【0101】
いくつかの実施では、上述した手法の少なくとも一部は、実行時に1つまたは複数の処理装置に上述したプロセスおよび機能を実行させる命令によって実現することができる。そのような命令は、例えば、スクリプト命令、実行可能コード、または非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された他の命令などのインタプリタ型命令を含むことができる。記憶装置630は、例えばサーバファームまたは広く分散されたサーバのセットとして、ネットワークを介して分散型で実装されてもよく、または単一のコンピューティング装置で実装されてもよい。
【0102】
例示的な処理システムが
図6に記載されるが、本明細書に記載される主題、機能動作、およびプロセスの実施形態は、他のタイプのデジタル電子回路において、有形に具現化されたコンピュータソフトウェアまたはファームウェアにおいて、本明細書に開示される構造およびそれらの構造的均等物を含むコンピュータハードウェアにおいて、またはそれらの1つまたは複数の組み合わせにおいて実施され得る。本明細書で説明される主題の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置の動作を制御するために、有形不揮発性プログラムキャリア上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実施することができる。代替的または追加的に、プログラム命令は、人工的に生成された伝播信号、例えば、データ処理装置による実行のために適切な受信装置に送るための情報を符号化するために生成された機械生成の電気信号、光学信号、または電磁信号で符号化することができる。コンピュータ記憶媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、ランダムまたはシリアルアクセスメモリデバイス、または前述のうちの1つまたは複数の組み合わせとすることができる。
【0103】
「システム」という用語は、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイス、および機械を包含し得る。処理システムは、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用論理回路を備えることができる。処理システムは、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらの1つもしくは複数の組み合わせを構成するコードを備えることができる。
【0104】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト、またはコードとも呼ばれ、または記載され得る)は、コンパイル型言語もしくはインタプリタ型言語、または宣言型言語もしくは手続き型言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしてなど、任意の形式で展開できる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応してもよいが、対応しなくてもよい。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語文書に記憶された1つまたは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部、問題のプログラム専用の単一のファイル、または複数の協調ファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を記憶するファイル)に記憶することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1つのサイトに配置された、または複数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。
【0105】
本明細書に記載されたプロセスおよび論理フローは、入力データを操作して出力を生成することによって機能を行うための1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルコンピュータによって行うことができる。プロセスおよび論理フローはまた、例えばFPGAまたはASICなどの専用論理回路によって行うこともでき、装置はまた、専用論理回路として実装することもできる。
【0106】
コンピュータプログラムの実行に適したコンピュータは、例として、汎用もしくは専用マイクロプロセッサもしくはその両方、または任意の他の種類の中央処理ユニットを備えることができる。一般に、中央処理ユニットは、読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受ける。コンピュータは、一般に、命令を行うまたは行うための中央処理ユニットと、命令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリ装置とを備える。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶装置、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクを備えるか、それらからデータを受けるか、それらにデータを転送するか、それらの両方を行うように動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータは、そのような装置を有する必要はない。さらに、コンピュータは、別の装置、例えば、ほんの数例を挙げると、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオまたはビデオプレーヤ、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信機、または携帯型記憶装置(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)に組み込むことができる。
【0107】
コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、例として、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイスを含むあらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリ装置、磁気ディスク、例えば内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク、光磁気ディスク、ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補完され得るか、または専用論理回路に組み込まれ得る。
【0108】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書に記載の主題の実施形態は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置、例えば陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)モニタと、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス、例えばマウスまたはトラックボールとを有するコンピュータ上で実施することができる。他の種類の装置を使用して、ユーザとの対話を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックなどの任意の形態の感覚フィードバックとすることができる。ユーザからの入力は、音響、音声、または触覚入力を含む任意の形態で受けることができる。さらに、コンピュータは、ユーザによって使用される装置に文書を送り、装置から文書を受けることによって、例えば、ウェブブラウザから受けた要求に応答して、ユーザのユーザ装置上のウェブブラウザにウェブページを送ることによってユーザと対話することができる。
【0109】
本明細書で説明される主題の実施形態は、例えばデータサーバとしてのバックエンド構成要素を含む、または例えばアプリケーションサーバなどのミドルウェア構成要素を含む、またはフロントエンド構成要素、例えばユーザが本明細書で説明される主題の実施と対話することができるグラフィカルユーザインターフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータを含むコンピューティングシステム、または1つ以上のそのようなバックエンド、ミドルウェア、もしくはフロントエンド構成要素の任意の組み合わせで実施することができる。システムの構成要素は、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信、例えば通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)およびワイドエリアネットワーク(WAN)、例えばインターネットが含まれる。
【0110】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを備えることができる。クライアントおよびサーバは、一般に、互いに遠隔にあり、通常、通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0111】
一例によれば、被験者の組織内に光を送達するための導波管は、光入射部と、光入射部から受けた光を方向転換するようになされた複数の抽出機構を含む抽出部と、抽出部から光を受け、被験者の組織表面上に光を放出するようになされたNIR光放出部とを備え得る。
【0112】
光入射部は、非球面レンズを備えてもよい。光入射部はまた、非球面レンズに入射する光が分散され、光チャネルに沿って抽出部まで通過するように光チャネルを備えてもよい。
【0113】
複数の抽出機構は、少なくとも3つの抽出機構であってもよい。
【0114】
導波管の少なくとも1つの外面は、それに隣接する反射コーティングまたはハウジングを備えることができる。反射コーティングまたはハウジングと複数の抽出機構との間に隙間があってもよい。
【0115】
抽出機構は、光入射部から受けた光を被験者の皮膚表面に対して実質的に垂直な方向に方向転換する(反射する)ようになされる。
【0116】
複数の抽出機構の各々は、皮膚表面の法線方向に対してある角度で配向された表面を備えることができる。角度は、35度~75度の範囲であってもよい。
【0117】
NIR光放出部は、例えば、下面が凹状の平板状または円弧状であってもよい。凹状の下面は、被験者の皮膚表面に適合するようになされてもよい。凹状の下面の輪郭は、3cm~10cmの範囲の曲率半径を有することができる。
【0118】
LDUまたは導波管は、被験者の皮膚表面を冷却するようになされた一体型冷却システムを備えることができる。一体型冷却システムは、放出部内に配置してもよい。さらに、一体型冷却システムは、放出部に成形され、冷却剤流体(例えば、水)を運ぶようになされた流体チャネルを備えることができる。流体チャネルは、蛇行形状を有してもよい。蛇行形状は、各々が屈曲部によって接続された複数の実質的に平行な導管によって画定されてもよく、実質的に平行な導管の内面の直径は、屈曲部の内面の直径よりも大きい。
【0119】
流体チャネルは、放出部の表面積の少なくとも20%を占めてもよい。
【0120】
導波管の少なくとも一部は、生体適合性材料(例えば、シリコーンまたは光学的に透明なシリコーン)によって画定され得る。シリコーン材料は、1MPa~50MPaの範囲の弾性率を有し得る。
【0121】
別の例によれば、被験者の皮膚表面に光を送達するための光処置装置は、少なくとも1つの導波管を保持し、少なくとも1つの導波管を被験者の皮膚表面に近接して配置するようになされた少なくとも1つの支持部材を備え得る。
【0122】
支持部材は、導波管のアレイを保持することができ、例えば、ストラップ、キャップ、ヘルメット、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つであってもよい。さらに、支持部材は、放出光と被験者の所定の領域(例えば、静脈洞)との間の相互作用を回避するように少なくとも1つの導波管を位置決めするようになされてもよい。
【0123】
処置装置はまた、被験者の皮膚表面の温度を決定するための温度測定システムを備えることができる。温度測定システムは、例えば、流体チャネルの入口を介して導波管に入る冷却剤流体の温度を測定するための第1のプローブ、流体チャネルの出口で導波管を出る冷却流体の温度を測定するための第2のプローブ、および被験者の未処置位置で皮膚温度を測定するための参照プローブを備えることができる。
【0124】
処置装置の光源は、ダイオード、レーザ、またはレーザダイオードのうちの少なくとも1つを備えることができる。光源は、約750nmもしくは約940nmの波長、または750nm±30nmおよび/もしくは約940nm±30nmの波長を有する光を生成することができる。
【0125】
本明細書は多くの具体的な実施の詳細を含んでいるが、これらは特許請求の範囲の制限として解釈されるべきではなく、特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上記で説明され、最初にそのように特許請求の範囲に記載されてもよいが、特許請求の範囲の組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除されてもよく、特許請求の範囲の組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形を対象としてもよい。
【0126】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されるが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で、または連続した順序で行うこと、または示されたすべての動作が行うことを必要とすると理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスク処理および並列処理が有利であり得る。さらに、上記の実施形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、記載されたプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一緒に統合されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されるべきである。
【0127】
主題の特定の実施形態が説明される。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。例えば、特許請求の範囲に記載の動作は、異なる順序で行うことができ、それでもなお望ましい結果を達成することができる。一例として、添付の図面に示されるプロセスは、望ましい結果を達成するために、示される特定の順序、または連続する順序を必ずしも必要としない。特定の実施では、マルチタスク処理および並列処理が有利であり得る。記載されたプロセスから、他のステップもしくは段階が提供されてもよく、またはステップもしくは段階が排除されてもよい。したがって、他の実施は、以下の特許請求の範囲内にある。
【0128】
用語
【0129】
本明細書で使用される表現および用語は、説明のためのものであり、限定と見なされるべきではない。
【0130】
本明細書および特許請求の範囲(例えば、「Xは約Yの値を有する」または「Xは約Yに等しい」)で使用される「およそ」という用語、「ほぼ等しい」という語句、および他の同様の語句は、1つの値(X)が別の値(Y)の所定の範囲内にあることを意味すると理解されるべきである。所定の範囲は、特に明記しない限り、プラスまたはマイナス20%、10%、5%、3%、1%、0.1%、または0.1%未満であってもよい。
【0131】
本明細書および特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」および「an」は、そうでないことが明確に示されていない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。本明細書および特許請求の範囲で使用される「および/または」という語句は、そのように結合された要素、すなわち、場合によっては共同して存在し、他の場合には分離して存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。「および/または」で列挙された複数の要素は、同じように、すなわちそのように結合された要素の「1つまたは複数」と解釈されるべきである。「および/または」節によって具体的に特定される要素以外に、具体的に特定される要素に関連するか否かにかかわらず、他の要素が任意に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「備える」などのオープンエンド文言と併せて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(B以外の要素を任意に備える)、別の実施形態では、Bのみ(A以外の要素を任意に備える)、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(他の要素を任意に備える)を指すことができる。
【0132】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「または」 は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「または」 または 「および/または」 は、包括的であると解釈されるべきであり、すなわち、要素の数またはリストのうちの少なくとも1つを含むが、2つ以上も含み、任意に、追加のリストにない項目を含む。「~のうちの1つのみ(only one of)」または「~のうちの正確に1つ(exactly one of)」、または特許請求の範囲で使用される場合、「~からなる(consisting of)」などの反対に明確に示された用語のみが、いくつかの要素または要素のリストのうちの正確に1つの要素の包含を指す。一般に、使用される「または」という用語は、特許請求の範囲で使用される場合、「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」、または「のうちの正確に1つ」、「から実質的になる」などの排他性の用語が前に付いている場合、排他的な選択肢(すなわち、「両方ではなく一方または他方」)を示すものとしてのみ解釈されるものとし、特許法の分野で使用されるその通常の意味を有するものとする。
【0133】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、1つまたは複数の要素のリストに関連して「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト内の要素のいずれか1つまたは複数から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内に具体的に列挙されたありとあらゆる要素の少なくとも1つを必ずしも含まず、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外しないことを理解されるべきである。この定義はまた、具体的に特定された要素に関連するか否かにかかわらず、「少なくとも1つ」という語句が指す要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が任意に存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在しない(およびB以外の要素を任意に含む)2つ以上のAを任意に含む少なくとも1つ、別の実施形態では、Aが存在しない(および任意にA以外の元素を含む)2つ以上のBを任意に少なくとも1つ、さらに別の実施形態では、2つ以上のAを任意に含む少なくとも1つ、および2つ以上のB(および他の要素を任意に含む)を任意に少なくとも1つ等を指すことができる。
【0134】
「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「関与する(involving)」、およびそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目および追加の項目を包含することを意味する。
【0135】
クレーム要素を修飾するための特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」などの序数の用語の使用は、それ自体では、あるクレーム要素の別のクレーム要素に対する優先事項、優先順位、もしくは順序、または方法の動作が行われる時間的順序を意味しない。順序の用語は、単に、特定の名前を有する1つのクレーム要素を同じ名前を有する別の要素と区別するためのラベルとして(ただし、順序の用語の使用のために)使用され、クレーム要素を区別する。
【0136】
このように、本発明の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を説明してきたが、様々な変更、修正、および改善が当業者には容易に想到されることを理解されたい。そのような変更、修正、および改良は、本開示の一部であることを意図しており、本発明の精神および範囲内にあることを意図する。したがって、上記の説明および図面は単なる例である。
【国際調査報告】