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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】飲料調製システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/40 20060101AFI20240719BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A47J31/40 107
A47J31/44 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504208
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2022071437
(87)【国際公開番号】W WO2023006994
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】21188906.8
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ボーシル, セドリック
(72)【発明者】
【氏名】ヴアニオー, ディディエ
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA23
4B104BA04
4B104BA59
4B104BA81
4B104CA13
4B104DA57
4B104EA17
4B104EA20
4B104EA29
(57)【要約】
本発明は、2つの穴を備えるパック(10)と、パックから飲料を生成するためのモジュール(1)と、を備える飲料生成システムに関し、モジュール(1)は、パック内に流体を導入し、パックから飲料を注出するための可動流体処理デバイス(11)と、パックチャンバ(22)及び可動ロックデバイス(24)を備えるパックホルダアセンブリ(2)と、を備え、可動ロックデバイスは、ロックデバイスが、パックホルダアセンブリ内部のチャンバ内に受容されたパック(10)と相互作用してロックする第1の固定位置と、ロックデバイスがチャンバ内に受容されたパック(10)と相互作用しない第2の解放位置と、の間で移動するように構成されており、可動ロックデバイス(24)は、第1の固定位置においてパックの穴(103)に嵌合するように構成された2つのピン(242)を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パック(10)と、前記パックから飲料を生成するためのモジュール(1)と、を備える飲料生成システムであって、
前記パック(10)は、原材料を含み、前記原材料は、流体と混合されて飲料を生成するように構成されており、
前記パックは、平面(P)に沿った平面形状を有し、前記平面Pに沿って延びている2つの長手方向平面壁(105)を備え、
前記パックの底部側(101)は、開放可能であるように構成されており、
前記パック(10)は、少なくとも2つの穴(103)及び/又は変形可能領域を備え、
前記モジュール(1)は、
前記パックの底部と協働して、前記パック内に流体を導入し、前記パックから飲料を注出するように構成された可動式の流体処理デバイス(11)と、
パックチャンバ(22)及び可動式のロックデバイス(24)を備えるパックホルダアセンブリ(2)と、
を備え、
前記パックチャンバ(22)は、上部パック入口(222)を通して前記パック(10)を受容し、前記平面形状の前記平面(P)が前記モジュール(1)の内部で本質的に垂直な姿勢の向きにされるように前記パックを保持するように適合されており、
前記チャンバは、前記チャンバ内に保持された前記パックの少なくとも前記底部側(101)への前記可動式の流体処理デバイス(11)のアクセスを可能にするように構成された底部開口部(221)を有し、
前記可動式のロックデバイス(24)は、
前記ロックデバイスが、前記チャンバ内に受容された前記パック(10)と相互作用して前記パックホルダアセンブリの内部でロックする第1の固定位置と、
前記ロックデバイスが、前記チャンバ内に受容された前記パック(10)と相互作用しない第2の解放位置と、
の間で移動するように構成されており、
前記可動式のロックデバイス(24)は、前記ロックデバイスが前記第1の固定位置にあるときに前記パックの前記穴(103)及び/又は前記変形可能領域に嵌合するように構成された2つのピン(242)を備え、
前記パックホルダアセンブリは、ドア(23)を備え、前記ドア(23)は、前記パックチャンバに対して移動可能であり、少なくとも
前記ドアが前記パックチャンバの前記パック入口(222)を覆い、前記パックを前記パックチャンバの内部に封入することができる第1の閉位置と、
前記ドアが前記パックチャンバの前記パック入口(222)を露出させる第2の開位置と、
に配置されるように構成されており、
前記可動式のロックデバイス(24)は、前記ドアが前記第2の開位置にあるときに、前記チャンバ(22)から離れるように押され、前記ドアが前記第1の閉位置にあるときに、前記チャンバ(22)に向けて押されるよう構成されるように、前記ドア(23)に機械的に接続されている、システム。
【請求項2】
前記パックの前記2つの長手方向平面壁の横方向縁部(106)は、互いに封止されて封止領域を形成しており、前記2つの穴及び/又は前記変形可能領域(103)の各々は、前記封止領域の一部に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記2つの穴及び/又は前記変形可能領域は、前記パックの前記底部に近接して配置されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記パック(10)は、可読コード(102)を備え、
前記モジュール(1)は、コードリーダ(4)を備え、
前記チャンバ(22)及び前記可動式のロックデバイス(24)は、前記ドア(23)が前記第1の閉位置にあるときに、前記可動式のロックデバイスが前記コードを前記リーダの前に配置するように設計されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記流体処理デバイス(11)は、
流体を前記パック内に収容されている前記原材料と混合することによって飲料を調製するために、前記チャンバ(22)内に保持された前記パック(10)内に前記流体を導入するための少なくとも1つの流体入口(111)と、
前記チャンバ内に保持された前記パックから調製された前記飲料を注出するための少なくとも1つの飲料出口(112)と、
を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記モジュール(1)は、
前記パックホルダアセンブリ(2)を受容して保持するように構成された受容領域(3)と、
電気スイッチ(8)と、
を備え、
前記パックホルダアセンブリが前記受容領域(3)内にあるときに、前記ドアの接触部分(233)が、前記電気スイッチと協働するように設計されており、それにより、
前記ドアの前記第1の開位置において、前記ドアの前記接触部分(233)は、前記電気スイッチ(8)を直接的又は間接的にオフに切り替え、
前記ドアの前記第2の閉位置において、前記ドアの前記接触部分(233)は、前記電気スイッチ(8)を直接的又は間接的にオンに切り替える、
請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記モジュール(1)は、前記パックホルダアセンブリ(2)を受容して保持するように構成された受容領域(3)を備え、前記受容領域(3)は、少なくとも1つの第1の磁石(32)を備え、
前記ドア(23)は、少なくとも1つの対応する第2の磁石(232)を備え、
前記第1の磁石及び前記第2の磁石は、前記ドアが閉じられたときに前記第1の磁石と前記第2の磁石とが協働するように、前記受容領域及び前記ドアにそれぞれ配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の磁石及び前記第2の磁石は、前記受容領域の上部及び前記ドアの上部にそれぞれ配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ドアの前記接触部分(233)は、前記ドアの上部に配置されている、請求項8及び10に記載のシステム。
【請求項10】
前記パックチャンバ(22)は、内部前壁(223)を備え、前記内部前壁は、前記可動式のドア(23)の下方に配置されており、
少なくとも1つのリブ(225)が、前記チャンバの内部で前記内部前壁(223)から立ち上がっている、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
パック(10)及び飲料生成モジュール(1)を備える飲料生成システム用のパックホルダアセンブリ(2)であって、
前記パックは、平面(P)に沿った平面形状を有し、前記平面Pに沿って延びている2つの長手方向平面壁(105)を備え、
前記パックの底部側(101)は、開放可能であるように構成されており、
前記パック(10)は、少なくとも2つの穴及び/又は変形可能領域(103)を備え、
前記モジュールは、前記パックの底部と協働して前記パック内に流体を導入し、前記パックから飲料を注出するように構成された可動式の流体処理デバイス(11)を備え、
前記パックホルダアセンブリは、パックチャンバ(22)及び可動式のロックデバイス(24)を備え、
前記パックチャンバ(22)は、上部パック入口(222)を通して前記パック(10)を受容し、前記パックを保持するように適合されており、
前記チャンバは、前記チャンバ内に保持された前記パックの少なくとも前記底部側(101)へのアクセスを可能にするように構成された底部開口部(221)を有し、
前記可動式のロックデバイス(24)は、
前記ロックデバイスが、前記チャンバ内に受容された前記パック(10)と相互作用して前記パックホルダアセンブリの内部でロックする第1の固定位置と、
前記ロックデバイスが、前記チャンバ内に受容された前記パック(10)と相互作用しない第2の解放位置と、
の間で移動するように構成されており、
前記可動式のロックデバイス(24)は、ドア(23)が第1の閉位置にあるときに前記パックの前記穴及び/又は前記変形可能領域(103)に嵌合するように構成された2つのピン(242)を備える、飲料生成システム用のパックホルダアセンブリ(2)。
【請求項12】
請求項11に記載の飲料生成システム用のパックホルダアセンブリ(2)であって、ドア(23)を備え、前記ドア(23)は、前記パックチャンバに対して移動可能であり、少なくとも
前記ドアが前記パックチャンバの前記パック入口(222)を露出させる第1の開位置と、
前記ドアが前記パックチャンバの前記パック入口(222)を覆い、前記パックを前記パックチャンバの内部に封入することができる第2の閉位置と、
に配置されるように構成されており、
前記可動式のロックデバイス(24)は、前記ドアが前記第1の開位置にあるときに、前記チャンバ(22)から離れるように押され、前記ドアが前記第2の閉位置にあるときに、前記チャンバ(22)に向けて押されるよう構成されるように、前記ドア(23)に機械的に接続されている、飲料生成システム用のパックホルダアセンブリ(2)。
【請求項13】
前記ドア(23)は、少なくとも1つの磁石(232)を備え、前記磁石は、前記ドアの上側に配置されている、請求項12に記載の飲料生成システム用のパックホルダアセンブリ(2)。
【請求項14】
前記ドア(23)は、前記モジュールの電気スイッチと協働するように設計された接触部分(233)を備え、前記接触部分(233)は、前記ドアの上部に配置されている、請求項13に記載の飲料生成システム用のパックホルダアセンブリ(2)。
【請求項15】
請求項1~10のいずれか一項に記載の飲料生成システムにおける、請求項11~14のいずれか一項に記載のパックホルダアセンブリ(2)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料原材料のパックを使用する飲料システムに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2021/110652号は、飲料原材料を保持する容器から飲料を調製するための飲料調製マシンについて記載している。システムは、特定の流体処理デバイスをマシンで用い、流体処理デバイスは、マシンの内部に導入された容器の底部を穿孔して、流体入口を通して容器内に流体を導入し、原材料と流体との混合から生じる飲料を、このデバイスの特定の注出出口を通して注出するように設計されている。デバイスと容器との2つの異なる相対位置が、流体の導入又は飲料の注出のいずれかを可能にする。
【0003】
これらの容器のサイズはかなり大きい場合があるので、飲料調製後、飲料が完全に注出されると、使用済み容器は自動的に排出されず、マシンに一体化されたゴミ箱内に収容されない。したがって、容器は、飲料調製マシンからユーザによって手動で取り外され、廃棄される。更に頻繁には、少量の液体が容器内に残っており、ユーザが容器を把持するとき、特に容器が可撓性材料で作製されている場合、液体が、マシンの容器を保持している部分の内部、マシンの外部及び周囲、又はユーザの手のいずれかに滴り落ちて、許容できない汚れ及び面倒が生じる可能性がある。容器の取り外しを改善し、清浄度を高める必要がある。
【0004】
この容器は、好ましくは本質的に可撓性材料で作製され、コンパクトさ、製造速度(成形、充填、封止を連続して行うことができる)、及び強化されたリサイクル能力という利点を提供する。これらの利点は、特に、プラスチックインサートが全くなく、容器全体がリサイクル可能な又は堆肥化可能な材料で作製されている容器により得られる。
【0005】
材料の可撓性の性質に起因して、容器の底部が流体処理デバイスの力を受けて動く、又は変形するために、容器の底部の穿孔が困難な場合があることが観察されている。このことは、容器の内部でのこの流体処理デバイスの相対位置が、飲料の正確な調製を得るうえで重要であるために問題となる。特に、このデバイスが容器の底部を正確に穿孔しない場合、デバイスが容器の容積部の内部に十分に入らない危険性がある。その状況では、流体処理デバイスを通して容器の内部に流体を導入すると、デバイスの下に水が漏れてしまい、すなわち飲料の調製は不完全となる。
【0006】
加えて、デバイスが底部の可撓性材料を正しく穿孔したとしても、デバイスの入口から噴出する水の噴流の力が、容器の内壁にぶつかって容器を上向きに押し上げて移動させ得るほど強い場合があることが観察されている。これは、可撓性容器に特に当てはまる。なぜなら、上向きの力の影響を受けて、容器の上部が、容器ホルダの上壁に沿って曲げられ得るからである。容器のこの上向きの移動は、流体処理デバイスと容器の底部との間の接続に直接影響を及ぼし、これは、飲料の調製のプロセスにおいて流体の漏れ又は飲料の早過ぎる注出を引き起こす。
【0007】
効率的な穿孔及び効率的な飲料調製を保証する必要がある。
【0008】
本発明の目的は、上述した既存の問題に対処することである。
【発明の概要】
【0009】
本発明の第1の態様においては、パックと、パックから飲料を生成するためのモジュールと、を含む飲料生成システムが提供され、
パック(10)は、原材料を含み、原材料は、飲料を生成するために流体と混合されるように構成されており、パックは、平面(P)に沿った平面形状を有し、パックの底部側は、開放可能に構成されており、
モジュールは、
パックの底部と協働して、パック内に流体を導入し、パックから飲料を注出するように構成された可動式の流体処理デバイスと、
パックチャンバ及び可動式のロックデバイスを備えるパックホルダアセンブリと、
を備え、
パックチャンバは、上部パック入口を通してパックを受容し、平面形状の平面(P)がモジュールの内部で本質的に垂直な姿勢の向きにされるようにパックを保持するように適合されており、
チャンバは、チャンバ内に保持されたパックの底部側への可動式の流体処理デバイスのアクセスを可能にするように構成された底部開口部を有し、
可動式のロックデバイスは、
ロックデバイスが、チャンバ内に受容されたパックと相互作用してパックホルダアセンブリの内部でロックする第1の固定位置と、
ロックデバイスが、チャンバ内に受容されたパックと相互作用しない第2の解放位置と、
の間で移動するように構成されており、
可動式のロックデバイスは、ロックデバイスが第1の固定位置にあるときに、パックの穴に嵌合するように構成された2つのピンを備え、
パックホルダアセンブリは、ドアを備え、ドアは、パックチャンバに対して移動可能であり、少なくとも
ドアがパックチャンバのパック入口を覆い、パックをパックチャンバの内部に封入することができる第1の閉位置と、
ドアがパックチャンバのパック入口を露出させる第2の開位置と、
に配置されるように構成されており、
可動式のロックデバイスは、ドアが第2の開位置にあるときにチャンバから離れるように押され、ドアが第1の閉位置にあるときにチャンバに向けて押されるよう構成されるように、ドアに機械的に接続されている。
【0010】
このシステムは、水性流体、好ましくは水と更に混合して飲料を生成することができる食品又は飲料原材料を含むパックを含む。
【0011】
パッケージ内に詰められたこの食品又は飲料原材料は、水溶性粉末、又は液体若しくは半液体の形態の可溶性濃縮物であり得る。その実施形態では、水が飲料原材料を溶解する。原材料は、スープ、フルーツジュース、野菜ジュース、ブイヨン、コーヒー、ココア、茶、牛乳若しくはクリーマー、スムージー、ピューレ、クーリ、クリーム、又はこれらの任意の組み合わせのリストから選択できる。好ましくは、食品原材料又は飲料原材料は、以下のリストから選択される、可溶性の食品原材料又は飲料原材料である。
インスタントコーヒーパウダー、ミルクパウダー、クリームパウダー、インスタントティーパウダー、ココアパウダー、スープパウダー、フルーツパウダー又はこれらの粉末の混合物、
コーヒー濃縮物、ミルク濃縮物、シロップ、フルーツ又は野菜濃縮物、茶濃縮物、フルーツ又は野菜ピューレ。
【0012】
粉末は、凝集化又は加熱生成(sintered)されたものであってもよい。粉末又は液体濃縮物は、例えば、固体片又はカプセルに入れられた片を含むスープを調製するために固体片と混合することができる。
【0013】
パッケージ内に詰められたこの食品又は飲料原材料はまた、焙煎して挽いたコーヒー又は茶葉のような浸出可能な食品又は飲料原材料を含むこともできる。その実施形態では、水が飲料原材料を抽出する。
【0014】
パックは、平面(P)に沿った平面形状を有する。
【0015】
好ましくは、パックの壁の大部分は、可撓性材料で作製される。更に、あまり好ましくない実施形態では、パックは、少なくとも部分的に半可撓性材料又は更には剛性材料から作製され得る。
【0016】
パックは、流体をパックの内部に導入し、調製された飲料をパックから抽出するために、底部が開放可能であるように構成されている。好ましくは、この底部側の領域は、穿孔、引き裂き、又は穿刺により、特に、上向きに尖った鋭い又は鋭利なデバイス、例えば流体処理デバイスを、この領域に適用することによって開放可能であるように構成されている。好ましくは、この領域は、パックの長手方向形状の横方向寸法の中央に配置されている。好ましくは、この開放可能領域は、可撓性材料で作製されている。
【0017】
パックは、少なくとも2つの穴及び/又は変形可能領域を備える。パックのこれらの穴及び/又は変形可能領域は、通常、パックの平面形状に対して横方向に設けられている。
【0018】
穴は、可動式のロックデバイスの1つの位置決め手段が穴に入ることができる限り、円形、楕円形、正方形などの任意の形状を有することができる。
【0019】
変形可能領域は、可動式のロックデバイスの位置決め手段、例えばピンが、変形可能領域に押し付けられたときに、変形可能領域が変形し、位置決め手段がパックの平面形状に対して垂直に延びてパックの底部をモジュールに対して固定するような、すなわちピンの固定及び位置決め機能が生じるように設計すること、又はそうなるような材料で作製することができる。材料が十分に伸張可能であれば、材料が引き裂かれたり穿孔されたりすることなく変形が生じ得る。このような変形可能領域はまた、例えばパックの縁部分における、スリット又は2つの交差したスリットであり得る。
【0020】
好ましくは、パックは、2つの同一の穴又は2つの同一の変形可能領域を備えるが、更に以下の実施形態も可能である。
パック底部側の開放可能領域の異なる側に異なる形状の穴又は異なる寸法の穴を有するパック、又は
パック底部側の開放可能領域の一方の側に1つの穴を有し、パック底部側の開放可能領域の他方の側に1つの変形可能領域を有するパック、
パック底部側の開放可能領域の異なる側に異なるタイプの変形可能領域を有するパック。
【0021】
好ましい一実施形態では、パックは、前壁及び後壁を備え、前壁及び後壁は可撓性材料で作製されており、壁の底部の少なくとも縁部は、底部側の開放可能領域の周りで互いに封止されており、穴及び/又は変形可能領域は、封止された縁部に設けられている。
【0022】
好ましくは、これらは、パックの平面形状の中央に沿って長手方向に延びている軸を中心として対称的に配置されている。
【0023】
好ましくは、これらは、パックの底部の近くに設けられている。
【0024】
好ましい実施形態では、これらの穴は、パックの長手方向平面壁の封止領域の一部に配置されている。
【0025】
システムは、飲料を生成するためのモジュールを備え、このモジュールは、パックの内部で飲料を調製するために、パックの底部と協働してパック内に流体を導入し、次いで調製された飲料をパックから注出するように構成されている流体処理デバイスを備える。この流体処理デバイスは、国際公開第2021/110650号に記載されているデバイスであり得る。この流体処理デバイスは、異なる位置に移動可能であり、位置は、デバイスがパックの外にある少なくとも1つの位置と、デバイスが飲料調製中にパックの内部に導入される少なくとも1つの別の位置と、を含む。
【0026】
加えて、モジュールは、モジュール内の部及びモジュールの外部にもパックを保持するように構成されたパックホルダアセンブリを備える。
【0027】
このパックホルダアセンブリは、飲料調製のためのパックをモジュールの内部に受容するように適合されたパックチャンバを備える。パックチャンバは、新しいパックを導入するための上部パック入口を備え、パックチャンバは、モジュールの内部で本質的に垂直位置にパックを保持するように構成されている。この垂直位置は、飲料の効率的な調製、特にパックからの飲料の注出を保証し、それにより、抽出の終わりに、及びパックをゴミ箱に捨てるためにシステムから取り出す必要があるときに、パックの内部に残っている可能性のある液体を少なくする。
【0028】
パックチャンバは、チャンバ内に保持されたパックの底部への可動式の流体処理デバイスのアクセスを可能にするように構成された底部開口部を有する。このアクセス又は経路は、具体的には、パックがチャンバの内部に保持されているときに、流体処理デバイスをパックの底部まで上向きに移動させることができるように設計されている。
【0029】
加えて、パックホルダアセンブリは、可動式のロックデバイスも備える。このロックデバイスは、2つの位置の間で移動可能である。
【0030】
第1の固定位置において、この相互作用デバイスは、チャンバ内に受容されたパックと相互作用し、パックをパックホルダアセンブリの内部にロックする。
【0031】
第2の解放位置において、この相互作用デバイスは、パックと相互作用しないが、パックはチャンバ内に存在する。
【0032】
可動式のロックデバイスは、ロックデバイスが第1の固定位置にあるときに、パックの穴及び/又は変形可能領域に嵌合するように構成された2つのピンを備える。
【0033】
ロックデバイスの対応するピンのサイズ(長さ及び直径)及びピン間の距離は、パックの2つの穴及び/又は変形可能領域に入るように設定されている。通常、パックをパック保持アセンブリ内に固定するためには、2つの穴及び2つのピンで十分である。
【0034】
更に、このパックホルダアセンブリは、少なくとも2つの異なる位置に配置されるように構成されたドアを備える。
【0035】
「閉」と呼ばれる第1の位置では、ドアは、パックチャンバのパック入口を覆い、1つのパックがチャンバ内に導入された場合にパックチャンバの内部にパックを封入することができ、その結果、飲料調製が可能である。
【0036】
「開」と呼ばれる第2の位置では、ドアは、パックチャンバのパック入口を露出させ、その結果、パックホルダの内部へのパックの導入が可能になる。
【0037】
可動式のロックデバイスは、ドアが第2の開位置にあるときにチャンバから離れるように押され、ドアが第1の閉位置にあるときにチャンバに向かって押されるよう構成されるように、ドアに機械的に接続されている。
【0038】
ロックデバイスとドアとの間の接続により、可動式のロックデバイスの位置はドアの位置と調整され、それにより、ロックデバイスは、ドアが閉じられたときに穴又は変形可能領域内にピンを移動させ、ドアが開かれたときにパックを解放し、後者の場合には、モジュールへのパックの導入又はモジュールからのパックの取り外しを可能にする。
【0039】
通常、モジュールは、パックホルダアセンブリを受容して保持するように構成された受容領域を備え、この受容領域及びパックホルダアセンブリは、パックホルダアセンブリの底部開口部を可動式の流体処理デバイスに対して配置するためのそれぞれの協働手段を備える。
【0040】
したがって、モジュールから取り外された後、パックホルダアセンブリは、次の飲料調製のためにモジュールの内部に正確に配置される。
【0041】
本発明では、流体は、飲料を調製するために可溶性の飲料原材料と混合することができる、水、炭酸水、ミルクなどのような(好ましくは、水が好ましい水性希釈剤である)任意の水性希釈剤、又は例えば空気などの任意のガス流体、のいずれかを含む。水性流体に言及する場合、水が好ましい流体であり、ガス流体に言及する場合、空気が好ましい流体である。
【0042】
本発明によれば、パッケージは、食品又は飲料製品の生成及び注出中、本質的に垂直に配置される。
【0043】
本発明によれば、水性流体(典型的には水)は、調製する食品製品又は飲料製品のタイプに応じて、低温、周囲温度又は高温の、任意の温度でパッケージ内に供給され得る。
【0044】
一実施形態では、
パックは、可読コードを備え、
飲料を生成するためのモジュールは、コードリーダを備え、
チャンバ及びロックデバイスは、ドアが第1の閉位置にあるときに、可動式のロックデバイスがコードをリーダの前に配置するように設計されている。
【0045】
パックのコードは、機械コード、光学コード(カラーコード、不可視インクで印刷されたコード、一次元バーコード、二次元バーコード、QRコード(登録商標)を含む)、RFIDタグ、磁気コード、導電コードなどの任意のタイプのコードとすることができる。
【0046】
一般に、コードは、収容された製品に関する情報を直接的又は間接的に提供し、情報は、製品の識別、製品の量、飲料調製パラメータ、又はそれらの任意の組み合わせのリストに含まれる。飲料調製パラメータは、以下を提供することができる。
水量、水温、及び/又は水圧、及び/又は
水注入、空気注入、休止、注入及び注出のための連続又は同時の時間系列。
【0047】
通常、可読コードは、パックの少なくとも1つの側面上に配置されており、側面は平面(P)に沿って延びている。
【0048】
チャンバ及びロックデバイスは、ドアが第2の閉位置にあるときに、すなわち、飲料調製が可能であるときに、コードリーダの前に可読コードを配置することを可能にする設計を有する。
【0049】
一実施形態では、可動式のロックデバイスは、ドアが第1の閉位置にあるときに、可動式のロックデバイスがコードをリーダの方向に押すように成形することができる。
【0050】
好ましくは、システムにおいて、流体処理デバイスは、
流体をパック内に収容されている原材料と混合することによって飲料を調製するために、チャンバ内に保持されたパック内に流体を導入するための少なくとも1つの流体入口と、
チャンバ内に保持されたパックから調製された飲料を注出するための少なくとも1つの飲料出口と、を備える。
【0051】
そのような好ましい実施形態では、流体処理デバイスは、国際公開第2021/110650号、国際公開第2021/110652号、又は国際公開第2021/110654号に開示されているデバイスのうちの1つに対応する。
【0052】
好ましくは、モジュールは、作動デバイスを備え、作動デバイスは、流体処理デバイスをパックに移動させるように構成されており、パックは、チャンバに固定して保持される。
【0053】
実際、パックホルダアセンブリはモジュールから取り外し可能であるので、モジュールの内部にいったん配置されると、モジュールの構造が複雑になりすぎるのを避けるために、モジュールの内部で動かないようにすることが好ましい。
【0054】
好ましくは、作動デバイスは、流体処理デバイスを固定されたパックの底部側まで上方に移動させるように構成されている。
【0055】
好ましくは、モジュールは、
パックホルダアセンブリを受容して保持するように構成された受容領域と、
電気スイッチと、
を備え、
パックホルダアセンブリが受容領域内にあるときに、ドアの接触部分が、電気スイッチと協働するように設計されており、それにより、
ドアの第2の開位置において、ドアの接触部分は、電気スイッチを直接的又は間接的にオフに切り替え、
ドアの第1の閉位置において、ドアの接触部分は、電気スイッチを直接的又は間接的にオンに切り替える。
【0056】
モジュールのこの電気スイッチは、システムによる飲料の自動調製、特に、流体処理デバイスの作動デバイスなどの、マシンの様々な電気デバイスへの電力の供給を可能にする。
【0057】
ドアは、ドアが閉じられたときにスイッチを押すように設計された形状によってこのスイッチと直接協働することができ、又はモジュールの電気スイッチに対して第1の位置と第2の位置との間で移動するように設計された可動式の部材を介して間接的に協働することができ、第1の位置において、可動式の部材が電気スイッチを解放し、第2の位置において、可動式の部材が電気スイッチを押す。
【0058】
ドアが開かれたときの電力のこの自動的なスイッチオフにより、アセンブリ内にパックが存在せず、ドアが開かれている間に、例えば、流体処理デバイスからの熱水の突然の噴出によって、ユーザが負傷するリスクは生じ得ない。
【0059】
好ましくは、モジュールは、パックホルダアセンブリを受容して保持するように構成された受容領域を備え、受容領域は、少なくとも1つの第1の磁石を備え、ドアは、少なくとも1つの対応する第2の磁石を備え、
第1の磁石及び第2の磁石は、ドアが閉じられたときに第1の磁石と第2の磁石とが協働するように、受容領域及びドアにそれぞれ配置されている。
【0060】
飲料調製中、特に可撓性壁で作製されたパックでは、このパックはチャンバの内部で膨張して、調製中にドアが押し離されて開くように、ドアの内壁に力を加える場合があることが観察されている。
【0061】
ドアとモジュールの受容領域との間で協働する磁石は、この望ましくない突然の開放を防止する。
【0062】
第1の磁石及び第2の磁石は、受容領域の上部及びドアの上部にそれぞれ配置されることが好ましい。実際に、膨張してドアを開くのは、チャンバ内に保持されたパックの上部であることが観察された。ドアとドア上部の受容領域との間に引力を作用させることによって、ドアが開くリスクが制限される。同じ理由で、第1及び第2の磁石は、モジュールの電気スイッチと干渉するように設計されたドアの接触部分の近くに配置されることが好ましい。したがって、ドアの接触部分は、ドアの上部に配置されることが好ましい。
【0063】
好ましくは、パックチャンバは、少なくとも1つの内部前壁を備え、この内部前壁は、可動式のドアの下方に配置されており、少なくとも1つのリブが、チャンバの内部で内部前壁から立ち上がっている。
【0064】
このリブの端部は、チャンバの内部に延びていることによって、パックの表面に近接するか、又は更にはこの表面に接触する。このようなリブは、パックの上部が上述したように過度に膨張することを防止し、ドアが突然開くことを防止するのにも役立つ。
【0065】
好ましくは、いくつかのリブが、内部前壁に設計されている。
【0066】
本発明の第2の態様では、飲料生成システム用のパックホルダアセンブリが提供され、飲料生成システムは、パック及び飲料生成モジュールを備え、
パックは、平面(P)に沿った平面形状を有し、この平面Pに沿って延びている2つの長手方向平面壁を備え、
パックの底部側は、開放可能であるように構成されており、
パックは、少なくとも2つの穴及び/又は変形可能領域を備え、
モジュールは、パックの底部と協働してパック内に流体を導入し、パックから飲料を注出するように構成された可動式の流体処理デバイスと、
パックホルダアセンブリは、パックチャンバ及び可動式のロックデバイスを備え、
パックチャンバは、上部パック入口を通してパックを受容し、パックを保持するように適合されており、
チャンバは、チャンバ内に保持されたパックの少なくとも底部側へのアクセスを可能にするように構成された底部開口部を有し、
可動式のロックデバイスは、
ロックデバイスが、チャンバに受容されたパックと相互作用してパックホルダアセンブリの内部でロックする第1の固定位置と、
ロックデバイスが、チャンバ内に受容されたパックと相互作用しない第2の解放位置と、
の間で移動するように構成されており、
可動式のロックデバイスは、ドアが第2の閉位置にあるときにパックの穴及び/又は変形可能領域に嵌合するように構成された2つのピンを備える。
【0067】
通常、パックホルダアセンブリは、ドアを備え、ドアは、パックチャンバに対して移動可能であり、少なくとも
ドアがパックチャンバのパック入口を覆い、パックをパックチャンバの内部に封入することができる第1の閉位置と、
ドアがパックチャンバのパック入口を露出させる第2の開位置と、
に配置されるように構成されており、
可動式のロックデバイスは、ドアが第2の開位置にあるときにチャンバから離れるように押され、ドアが第1の閉位置にあるときにチャンバに向けて押されるよう構成されるように、ドアに機械的に接続されている。
【0068】
底部開口部は、チャンバ内に保持されたパックの底部への外部からのアクセスを可能にするように構成されている。したがって、この開口部は、流体処理デバイスが開口部を通り、次いでパックを通って移動することを可能にするのに十分な大きさである。
【0069】
パックホルダアセンブリをモジュールの内部に配置するための手段は、アセンブリの正しい向きを可能にし、それにより、パックの平面形状が垂直の向きにされ、パックの底部が流体処理デバイスの前に正しく配置され、任意選択的に、パック上に存在するコードがコードリーダの前に配置される。
【0070】
好ましくは、ドアは少なくとも1つの磁石を備え、磁石はドアの上側に配置されている。
【0071】
したがって、この磁石は、底部開口部の反対の位置にある。
【0072】
好ましくは、ドアは、モジュールの電気スイッチと協働するように設計された接触部分を備え、この接触部分は、ドアの上部に配置されている。
【0073】
第3の態様では、上記の第1の態様に記載されているような飲料生成システムにおける、上記の第2の態様に記載されているようなパックホルダアセンブリの使用が提供される。
【0074】
本明細書では、「内部」、「後」、「前」、「上部」、「底部」、「横」、「上側」、及び「下側」という用語は、本発明の特徴の位置関係を説明するために用いられる。これらの用語は、図4A~4Cに示されるように、飲料の生成のための飲料調製ディスペンサ内に配置されたときに正常な向きにあるパックに関するものであることを理解すべきである。
【0075】
本発明の上記の諸態様は、任意の好適な組み合わせで組み合わせることができる。更には、本明細書における様々な特徴を、上記の諸態様のうちの1つ以上と組み合わせることにより、具体的に図示及び説明されたもの以外の組み合わせを提供することができる。本発明の更なる目的及び有利な特徴は、「特許請求の範囲」、「発明を実施するための形態」、及び添付図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0076】
本発明の特定の実施形態が、以下の図面を参照して、例として更にここで記載される。
図1】本発明による飲料生成システムの概略図である。
図2】飲料生成システムにおいて使用することができるパックの斜視図である。
図3】飲料生成システムにおいて使用することができる流体処理デバイスの斜視図及び断面図である。
図4A】3つの異なる動作における本発明による飲料生成システムのモジュールの図である。
図4B】3つの異なる動作における本発明による飲料生成システムのモジュールの図である。
図4C】3つの異なる動作における本発明による飲料生成システムのモジュールの図である。
図5A】ドアが開いた状態のパックチャンバの側面図及びC-Cに沿った水平断面図である。
図5B】ドアが開いた状態のパックチャンバの側面図及びC-Cに沿った水平断面図である。
図6A】ドアが閉じられた状態のパックチャンバの側面図である。
図6B】ドアが閉じられた状態のパックチャンバの背面図である。
図6C】ドアが閉じられた状態のパックチャンバのA-Aに沿った水平断面図である。
図6D】ロッカーによって保持され、流体処理デバイスが穿孔しているパックの分離図である。
図7A】ドアの見る手段を示す飲料生成システムのモジュールの図である。
図7B】ドアの見る手段を示す飲料生成システムのモジュールの図である。
図8】ドアが開かれ、パックが内部にある状態のパックチャンバの斜視上面図である。
図9】ロックデバイスとともに受容部3内に導入されたパックホルダアセンブリの底部の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
図1は、本発明による飲料生成システム100を概略的に示す。
【0078】
システム100は、モジュール1及びパック10を備える。モジュールは、パックを受容し、パックから飲料を生成するように適合されている。
【0079】
モジュール1は、パックホルダアセンブリ2と、パックの内部に流体を導入するための流体システムと、を備える。
【0080】
流体システムは、通常、水タンクのような流体源13と、流体源から流体を圧送するための圧送手段14と、を備える。通常、加熱及び/又は冷却手段は、パックの内部に導入される流体の温度を適合させるためのシステムの一部である。
【0081】
流体は、パック内に流体を導入するためにパックの底部と協働するように構成された流体処理デバイス11に供給される。
【0082】
一般に、モジュールは、この流体処理デバイス11を、パックホルダアセンブリ2内に保持されたパックに移動させる作動デバイス12を備える。
【0083】
モジュールは、通常、パックから飲料を調製するために、上記の異なるデバイスを制御するためのシステム制御ユニット16を備える。
【0084】
そのような飲料生成システム100は、国際公開第2021/110650号、同第2021/110654号及び/又は同第2021/110652号に記載されているシステムに対応する。
【0085】
図2は、本発明による飲料生成システム100において使用することができるパック10の斜視図である。
【0086】
このパックは、流体と混合されて飲料を生成するように構成された原材料を含む。パックは、平面Pに沿った平面形状を有する。2つの長手方向平面壁105(前壁及び後壁)は、この平面Pに沿って延びている。これらの壁の横方向縁部106は、上端107の縁部と同様に封止されている。パックの底部側101は、好ましくは穿孔可能領域104を通じて開放可能であるように構成されている。開放可能領域は、平面Pの縁部に配置されており、この平面Pに含まれる方向に沿った飲料の注出を可能にする。
【0087】
パックは、底部側101に少なくとも2つの穴103を備える。
【0088】
図3は、飲料生成システムにおいて使用することができる流体処理デバイス11の斜視図及び断面図である。流体処理デバイス11は、
チャンバ内に保持されたパックの開放可能領域104内に流体を導入するための流体入口111と、
チャンバ内に保持されたパックから調製された飲料を注出するための飲料出口112と、を備える。
【0089】
作動デバイス12は、開放可能領域104又はこの領域に設けられた任意の膜若しくはカバーを開放するために、この流体処理デバイス11をチャンバ内に保持されたパックに、具体的には、尖った部分113を開放可能領域104に移動させるように適合されている。通常、流体処理デバイスは、パックの平面Pに含まれる方向に沿って移動するように適合されている。
【0090】
国際公開第2021/110650号に記載されているような他の流体処理デバイス11を、本発明のシステムで使用することができる。
【0091】
図4A~4Cは、パックを受容するように構成されたモジュール1の一部を示す。モジュールのこの部分は、パックホルダアセンブリ2と、そのアセンブリ2を受容するように構成された受容領域3と、を備える。
【0092】
図4Aにおいて、パックホルダアセンブリ2は、受容領域3の内部に配置されている。パックホルダアセンブリは、矢印Aによって示されるように開くことができるドア23を備える。
【0093】
ドアが開かれると、図4Bに示されるように、サッシェ10は、操作者によって所望されるように、かつ矢印B2によって示されるように、パックホルダアセンブリ2内に導入することができる、又はパックホルダアセンブリ2から取り外すことができる。パックの平面Pは、パックチャンバの壁によって画定されている平面Pcに沿って延びていることが観察され得る。更に、パックホルダアセンブリ2全体は、ドア23を操作して、矢印B1によって示されるように上方に引っ張ることによって、受容領域から取り外すことができる。
【0094】
パックホルダアセンブリ2全体が、図4Cに示されるように、受容領域3からいったん取り外されると、操作者がそれを使用して使用済みパック10をゴミ箱に運ぶことができ、これにより、依然として液体を含んでいる可能性のあるパックをマシンの近くで操作することが防止される。操作者は、ゴミ箱の前にいるときに、矢印Cで示されるようにチャンバ22からパック10を引き出すことができる。そこで、大きく開かれたドア23は、パックをパックチャンバから取り外してゴミ箱に捨てる間にパックから落下するあらゆる液滴を収集する。パックホルダアセンブリ2をモジュールから完全に取り外すことができることにより、完全な洗浄動作が可能になる。特に、飲料の痕跡が依然として存在する可能性のあるチャンバの底部開口部を効率的に洗浄することが可能である。
【0095】
次に、パックホルダアセンブリ2を受容領域3の内部に戻すことができ、パックチャンバ22の壁上の案内手段21は、受容領域の対応する案内手段31と協働する。
【0096】
図5A及び図5Bは、ドア23が開かれている状況におけるパックホルダアセンブリを示す。
【0097】
パックチャンバ22は、平面(Pc)に沿った平面形状を有し、チャンバの平面は、アセンブリがモジュール1の内部にあるとき、本質的に垂直な姿勢の向きにされている。図4B及び4Cに示されるように、パックチャンバは、パックの平面(P)がチャンバの平面(Pc)に沿って延びるように、パック10を保持するように適合されている。
【0098】
パックホルダアセンブリ2は、ドア23が閉位置にあるときに、パックホルダアセンブリの内部にパック10、特にパックの底部を固定し、ドアが開位置にあるときに、パックを解放するように構成された可動式のロックデバイス24を備える。
【0099】
この開位置に対応する図5Aでは、この可動式のロックデバイス24は、ドアが第1の開位置にあるときにチャンバ22から離れるように傾斜するよう構成されるように、ドア23に機械的に接続されているように見える。
【0100】
ドア23の開放運動は、チャンバ22の側壁に取り付けられたヒンジ231に沿った回転である。ドアは、図4Bに示されるようにアセンブリ2がモジュールの受容領域3内に保持されているとき、又は図4Cに示されるようにアセンブリ2がモジュールから完全に取り外されているときのいずれかにおいて、第1の開位置におけるドアの位置を可能にするように構成された形状を有するアーム234によってヒンジのそれぞれに接続されている。このため、アームは、受容領域の固定された下部カバー6の上縁部の周りを通るように構成されている。
【0101】
可動式のロックデバイス24は、デバイスの回転を可能にする専用ヒンジ244を介してチャンバの側壁に取り付けられる。加えて、可動式のロックは、ドアのヒンジ231と協働するように設計された穴2445を備え、それにより、
ドア23が開かれると、ロックデバイスの底部がパックチャンバから離れるように傾斜し、
ドア23が閉じられると、ロックデバイスの底部がパックチャンバに移動する。
【0102】
更に、このロックデバイス24は、ドア23が第2の閉位置にあるときにパックの対応する穴103に嵌合するように構成された2つのピン242を備える。
【0103】
図5Aの平面AAに沿ったアセンブリ2の断面図に対応する図5Bでは、これらの2つのピン242は、穴103から離れて配置されている。ドア23が開かれたこの位置において、操作者は、パックホルダからパックを取り外すことができる、又はチャンバが空である場合に新しいパックを導入することができる。
【0104】
図6A図6Cは、ドア23が第1の閉位置にある状態のパックホルダアセンブリ2を示す。次いで、ロックデバイス24の底部は、チャンバ22の近くに配置され、ピン242は、チャンバ内に存在するパックの穴103に入る。これらの対応するピン及び穴は、チャンバの内部でのパックの正確な位置を可能にし、これが流体処理デバイス11との正確な相互作用を保証する。それらはまた、流体処理デバイス11の導入中にパックをしっかりと維持し、流体がパック内に噴出されたときにチャンバの内部でパックが上向きに移動することを防止する。
【0105】
図6Dは、流体処理デバイスが開放可能領域に導入されたときの、パック10、ピン242、及び流体処理デバイス11の位置を示す。
【0106】
好ましくは、パック10は、可読コード102を備え(図1参照)、モジュール1は、受容領域3の内部にコードリーダ4を備える。図5A及び図6Aに示すように、可動式のロックデバイス24は、ドア23が第1の閉位置にあるときに、可動式のロックデバイス24がコードをリーダのより近くに配置するように設計されている、又は押圧デバイス243を備える。パックの下端にあるコードの位置及びロックデバイス内の押圧デバイス243の位置は、モジュールの内部のコードリーダ4の位置に対して相対的に設定されている。
【0107】
図9は、ドアが閉位置にある状態で、モジュールの受容部3の内部に導入されたパックホルダアセンブリの底部の垂直断面図である。モジュールは、受容領域の底部に固定コードリーダ4を備える。サッシェ10は、そのコード102がコードリーダの前にくるように、チャンバの内部に保持される。加えて、パックホルダアセンブリのドアが閉じられると、ロックデバイス24は、押圧デバイスとコードリーダとの間に配置される、コード102を保持しているパックの部分がリーダの方向に付勢されるように、コードリーダ4の前で押圧デバイス243を押圧する。その結果、読み取りが向上する。
【0108】
図7A及び7Bは、ドアの好ましいロック手段を示す。
【0109】
一般に、モジュールは、ドア23が閉じているか開いているかに応じてオン又はオフに切り替えることができる電気スイッチ8を備える。特に、ドアの部分233は、電気スイッチをオンに切り替えるように構成された部材7を移動させるように設計することができる。
【0110】
好ましくは、受容領域3は、少なくとも1つの第1の磁石32を備え、ドア23は、少なくとも1つの対応する第2の磁石232を備え、これらの磁石はそれぞれ受容領域及びドア内に配置されており、それにより、ドアが閉じられたときに第1及び第2の磁石が協働する。これら両方の磁石の位置は、パックが過度に膨張し、ドアを押して開くことができるときに、飲料調製中のドア23の閉鎖を向上させる。電気スイッチをオンに切り替えるように設計されたドアの部分233に近い磁石の位置は、その効果を向上させ、ドアを更にしっかりと保持する。ドアの低い位置に設けられた磁石は、パックが膨張したときにドアを閉じた状態に保つのにあまり効率的ではなかった。
【0111】
図8は、パック10がチャンバ22の内部にある状態の、開かれたパックホルダアセンブリ2の上面図である。この好ましい実施形態では、パックチャンバの内部前壁224は、ドア23の下方にこの壁からパックの長手方向平面壁105の1つの方向に立ち上がる2つのリブ224を備える。パックの底部に液体を導入する間、これらのリブ224は、ドアの内壁に力を及ぼしてドアを開く可能性があるパックの壁105の膨張を防止する。これらのリブは、調製中にパックの壁105がドア23から離れたままであることを保証する。
【0112】
本発明は、上記で例示された実施形態を参照して説明されているが、特許請求される本発明は、決してこれらの例示された実施形態によって限定されるものではないことが理解されるであろう。
【0113】
「特許請求の範囲」で定義されるような本発明の範囲を逸脱することなく、変形及び修正が実施可能である。更に、既知の均等物が特定の特徴に対して存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのように組み込まれる。
【0114】
本明細書で使用するとき、用語「備える」、「備えている」、及び同様の語は、排他的又は網羅的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは、「~を含むが、それらに限定されない」ことを意味するものとする。
【符号の説明】
【0115】
100 システム
1 モジュール
11 流体処理デバイス
111 入口手段
112 出口手段
113 尖った部分
12 作動デバイス
13 流体源
14 圧送手段
15 加熱及び/又は冷却手段
16 システム制御ユニット
2 パックホルダアセンブリ
21 案内手段
22 パックチャンバ
221 底部開口部
222 パック入口
223 内部前壁
224 内部後壁
225 リブ
226 側部開口部
23 ドア
231 ヒンジ
232 磁石
233 接触部分
234 アーム
24 ロックデバイス
241 接続部
242 ピン
243 押圧デバイス
244 ヒンジ
3 受容領域
31 案内手段
32 磁石
4 コードリーダ
5 フレーム
6 取り付けカバー
7 可動式の部材
8 電気スイッチ
10 パック
101 底部側
102 コード
103 穴
104 穿孔可能領域
105 長手方向平面壁
106 横方向封止縁部
107 上端
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8
図9
【国際調査報告】