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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】飲料調製システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20240719BHJP
   A47J 31/40 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A47J31/44 510
A47J31/40 107
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504209
(86)(22)【出願日】2022-07-29
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2022071432
(87)【国際公開番号】W WO2023006991
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】21188906.8
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【弁理士】
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ボーシル, セドリック
(72)【発明者】
【氏名】ヴアニオー, ディディエ
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA23
4B104BA04
4B104BA59
4B104BA81
4B104CA13
4B104DA57
4B104EA19
4B104EA29
4B104EA40
(57)【要約】
本発明は、可読コードを備えるパック(10)と、パックから飲料を生成するためのモジュール(1)と、を備える飲料生成システムに関し、モジュールは、コードリーダと、パック内に流体を導入し、パックから飲料を注出するための可動流体処理デバイス(11)と、パックチャンバ(22)及び可動相互作用デバイス(24)を備えるパックホルダアセンブリ(2)と、を備え、可動相互作用デバイスは、ロックデバイスが、パックホルダアセンブリ内部のチャンバ内に受容されたパックと相互作用する第1の相互作用位置と、相互作用デバイスが、チャンバ内に受容されたパックと相互作用しない第2の解放位置と、の間で移動するように構成されており、可動相互作用デバイスは、可動相互作用デバイスが第1の固定位置にあるときに、パックの可読コード(102)をコードリーダ(4)に押し付けるように構成された可動押圧デバイスを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パック(10)と、前記パックから飲料を生成するためのモジュール(1)と、を備える飲料生成システムであって、
前記パック(10)は、原材料を含み、前記原材料は、流体と混合されて飲料を生成するように構成されており、
前記パックは、平面(P)に沿った平面形状を有し、前記平面Pに沿って延びている2つの長手方向平面壁(105)を備え、
前記パックの底部側(101)は、開放可能であるように構成されており、
前記パック(10)は、少なくとも1つの可読コード(102)を備え、前記コードは、前記2つの長手方向平面壁のうちの少なくとも1つに配置されており、
前記モジュール(1)は、
前記パックの底部と協働して、前記パック内に流体を導入し、前記パックから飲料を注出するように構成された可動式の流体処理デバイス(11)と、
コードリーダ(4)と、
パックチャンバ(22)及び可動式の相互作用デバイス(24)を備えるパックホルダアセンブリ(2)と、
を備え、
前記パックチャンバ(22)は、上部パック入口(222)を通して前記パック(10)を受容し、前記平面形状の前記平面(P)が前記モジュール(1)の内部で本質的に垂直な姿勢の向きにされるように前記パックを保持するように適合されており、
前記チャンバは、前記チャンバ内に保持された前記パックの少なくとも前記底部側(101)への前記可動式の流体処理デバイス(11)のアクセスを可能にするように構成された底部開口部(221)を有し、
前記チャンバは、前記コードリーダ(4)の前に配置された側部開口部(226)を有し、
前記可動式の相互作用デバイス(24)は、
前記相互作用デバイスが前記チャンバ内に受容された前記パック(10)と相互作用する第1の固定位置と、
前記相互作用デバイスが前記チャンバ内に受容された前記パック(10)と相互作用しない第2の解放位置と、
の間で移動するように構成されており、
前記可動式の相互作用デバイス(24)は、押圧デバイス(243)を備え、前記押圧デバイスは、
前記可動式の相互作用デバイス(24)が前記第1の固定位置に移動するときに、前記押圧デバイスが、前記チャンバ内に受容された前記パックの前記可読コード(102)を、前記可読コードが読取ヘッド(41)と接触するまで前記コードリーダ(4)の前記読取ヘッド(41)に押し付け、
前記可動式の相互作用デバイス(24)が前記第2の解放位置にあるときに、前記押圧デバイスが、前記チャンバ内に受容された前記パックから離れて配置される、
ように構成されている、システム。
【請求項2】
前記パックの2つの長手方向平面壁の横方向縁部(106)が、互いに封止されて封止領域を形成しており、前記可読コード(102)は、前記封止領域の少なくとも一部に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記可読コード(102)は、前記パックの前記底部に近接する封止領域に配置されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記パックホルダアセンブリは、ドア(23)を備え、前記ドア(23)は、前記パックチャンバに対して移動可能であり、少なくとも
前記ドアが、前記パックチャンバの前記パック入口を覆い、前記パックを前記パックチャンバの内部に封入することができる、第1の閉位置と、
前記ドアが前記パックチャンバの前記パック入口を露出させる第2の開位置と、
に配置されるように構成されており、
前記可動式の相互作用デバイス(24)は、前記ドアが前記第2の開位置にあるときに、前記チャンバから離れるように押され、前記ドアが前記第1の閉位置にあるときに、前記チャンバに向けて押されるよう構成されるように、前記ドア(23)に機械的に接続されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記パック(10)は、少なくとも2つの穴(103)及び/又は変形可能領域を備え、前記ロックデバイス(24)は、前記ドア(23)が前記第1の閉位置にあるときに、前記パックの前記穴及び/又は前記変形可能領域に嵌合するように構成された対応するロック手段、好ましくはピン(242)を備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記流体処理デバイス(11)は、
流体を前記パック内に収容されている前記原材料と混合することによって飲料を調製するために、前記チャンバ(22)内に保持された前記パック(10)内に前記流体を導入するための少なくとも1つの流体入口(111)と、
前記チャンバ内に保持された前記パックから調製された前記飲料を注出するための少なくとも1つの飲料出口(112)と、
を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記モジュール(1)は、
前記パックホルダアセンブリ(2)を保持するように構成された受容領域(3)と、
電気スイッチ(8)と、
を備え、
前記パックホルダアセンブリ(2)が前記受容領域(3)内に配置されるときに、前記ドアの接触部分(233)が、前記電気スイッチと協働するように設計されており、それにより、
前記ドアの前記第2の開位置において、前記ドアの前記接触部分(233)は、前記電気スイッチ(8)を直接的又は間接的にオフに切り替え、
前記ドアの前記第1の閉位置において、前記ドアの前記接触部分(233)は、前記電気スイッチ(8)を直接的又は間接的にオンに切り替える、
請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記モジュール(1)は、前記パックホルダアセンブリ(2)を受容して保持するように構成された受容領域(3)を備え、前記受容領域(3)は、少なくとも1つの第1の磁石(32)を備え、
前記ドア(23)は、少なくとも1つの対応する第2の磁石(232)を備え、
前記第1の磁石及び前記第2の磁石は、前記ドアが閉じられたときに前記第1の磁石と前記第2の磁石とが協働するように、前記受容領域及び前記ドアにそれぞれ配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の磁石及び前記第2の磁石は、前記受容領域の上部及び前記ドアの上部にそれぞれ配置されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記ドアの前記接触部分(233)は、前記ドアの上部に配置されている、請求項9及び10に記載のシステム。
【請求項11】
前記パックチャンバ(22)は、内部前壁(223)を備え、前記内部前壁は、前記可動式のドア(23)の下方に配置されており、
少なくとも1つのリブ(225)が、前記チャンバの内部で前記内部前壁(223)から立ち上がっている、
請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
パック(10)及び飲料生成モジュール(1)を備える飲料生成システム用のパックホルダアセンブリ(2)であって、前記パックは、平面(P)に沿った平面形状を有し、前記平面(P)に沿って延びており、可読コード(102)を備える2つの長手方向平面壁(105)を備え、前記コードは、前記2つの長手方向平面壁のうちの少なくとも1つに配置され、前記飲料生成モジュールは、コードリーダ(4)を備え、
前記パックホルダアセンブリは、パックチャンバ(22)及び可動式の相互作用デバイス(24)を備え、
前記パックチャンバ(22)は、上部パック入口(222)を通してパック(10)を受容し、前記パックを保持するように適合された内部容積部を画定しており、前記チャンバは、前記モジュールの前記コードリーダに面するように構成された側部開口部(226)を有し、
前記可動式の相互作用デバイス(24)は、第1の固定位置と第2の解放位置との間で移動するように構成されており、前記可動式の相互作用デバイス(24)は、押圧デバイス(243)を備え、前記押圧デバイスは、
前記可動式の相互作用デバイス(24)が前記第1の相互作用位置にあるときに、前記押圧デバイス(243)が、前記チャンバの前記内部容積部の内部に配置され、
前記可動式の相互作用デバイス(24)が前記第2の解放位置にあるときに、前記押圧デバイスが、前記チャンバの前記内部容積部から除去される、
ように構成されている、飲料生成システム用のパックホルダアセンブリ(2)。
【請求項13】
前記パックホルダアセンブリは、ドア(23)を備え、前記ドア(23)は、前記パックチャンバ(2)に対して移動可能であり、少なくとも
前記ドアが前記パックチャンバの前記パック入口(222)を覆う第1の閉位置と、
前記ドアが前記パックチャンバの前記パック入口(222)を露出させる第2の開位置と、
に配置されるように構成されており、
前記可動式の相互作用デバイス(24)は、前記ドアが前記第2の開位置にあるときに、前記チャンバ(22)から離れるように押され、前記ドアが前記第1の閉位置にあるときに、前記チャンバ(22)に向けて押されるよう構成されるように、前記ドア(23)に機械的に接続されている、請求項12に記載の飲料生成システム用のパックホルダアセンブリ(2)。
【請求項14】
前記ドア(23)は、少なくとも1つの磁石(232)を備え、前記磁石は、前記ドアの上側に配置されている、請求項13に記載の飲料生成システム用のパックホルダアセンブリ(2)。
【請求項15】
前記ドア(23)は、前記モジュールの電気スイッチと協働するように設計された接触部分(233)を備え、前記接触部分(233)は、前記ドアの上部に配置されている、請求項14に記載の飲料生成システム用のパックホルダアセンブリ(2)。
【請求項16】
請求項1~11のいずれか一項に記載の飲料生成システムにおける、請求項12~15のいずれか一項に記載のパックホルダアセンブリ(2)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料原材料のパックを使用する飲料システムに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2021/110652号は、飲料原材料を保持するパックから飲料を調製するための飲料調製マシンについて記載している。システムは特定の流体処理デバイスをマシンで用い、流体処理デバイスは、マシンの内部に保持されたパックの底部を穿孔して、流体入口を通して容器内に水を導入し、原材料と流体との混合から生じる飲料を、このデバイスの特定の注出出口を通して注出するように設計されている。
【0003】
デバイスとパックとの2つの異なる相対位置が、流体の導入又は飲料の注出のいずれかを可能にする。
【0004】
このマシンで使用されるパックは、一般に、国際公開第2022/022902号に記載されている可撓性パッケージなどの可撓性材料で作製される。
【0005】
単回用量容器から飲料を調製するためにマシンを使用する飲料システムの分野では、容器は、ユーザにとって調製がより自動的になるように、飲料調製に関する情報を提供するコードを設けることができる。パック上のコードによって符号化された調製情報は、レシピを規定するためにマシンによって読み取られ、レシピは、容器に特有の方法で調製プロセスを最適化するためにマシンによって使用される。特に、符号化される調製情報は、流体温度、流体圧力、調製期間、及び流体量などの、飲料調製プロセスにおいて選択された動作パラメータを含み得る。
【0006】
通常、コードは、容器の剛性支持体からのみ読み取ることができる。可撓性材料で作製されたパックの欠点は、可撓性部分からコードを読み取ることが困難なことである。これは、上述のパックの問題である。
【0007】
したがって、このシステムの開発に既に費やされた努力にもかかわらず、更なる改善が所望されている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の態様においては、パックと、パックから飲料を生成するためのモジュールと、を含む飲料生成システムが提供され、
パックは、原材料を含み、原材料は、流体と混合されて飲料を生成するように構成されており、
パックは、平面(P)に沿った平面形状を有し、この平面Pに沿って延びている2つの長手方向平面壁を備え、
パックの底部側は、開放可能であるように構成されており、
パックは可読コードを備え、コードは、2つの長手方向平面壁のうちの少なくとも1つに配置されており、
モジュールは、
パックの底部と協働して、パック内に流体を導入し、パックから飲料を注出するように構成された可動式の流体処理デバイスと、
コードリーダと、
パックチャンバ及び可動式の相互作用デバイスを備えるパックホルダアセンブリと、
を備え、
パックチャンバは、上部パック入口を通してパックを受容し、平面形状の平面(P)がモジュールの内部で本質的に垂直な姿勢の向きにされるようにパックを保持するように適合されており、
チャンバは、チャンバ内に保持されたパックの少なくとも底部側への流体処理デバイスのアクセスを可能にするように構成された底部開口部を有し、
チャンバは、コードリーダの前に配置された側部開口部を有し、
可動式の相互作用デバイスは、
相互作用デバイスが、パックホルダアセンブリの内部のチャンバ内に受容されたパックと相互作用する第1の固定位置と、
相互作用デバイスが、チャンバ内に受容されたパックと相互作用しない第2の解放位置と、
の間で移動するように構成されており、
可動式の相互作用デバイスは、押圧デバイスを備え、押圧デバイスは、
可動式の相互作用デバイスが第1の固定位置に移動するときに、押圧デバイスが、チャンバ内に受容されたパックの可読コードを、可読コードが読取ヘッドと接触するまでコードリーダの読取ヘッドに押し付け、
可動式の相互作用デバイスが第2の解放位置にあるときに、押圧デバイスが、チャンバ内に受容されたパックから離れて配置される、ように構成されている。
【0009】
このシステムは、水性流体、好ましくは水と更に混合して飲料を生成することができる食品又は飲料原材料を含むパックを含む。
【0010】
パッケージ内に詰められたこの食品又は飲料原材料は、水溶性粉末、又は液体若しくは半液体の形態の可溶性濃縮物であり得る。その実施形態では、水が飲料原材料を溶解する。原材料は、スープ、フルーツジュース、野菜ジュース、ブイヨン、コーヒー、ココア、茶、牛乳若しくはクリーマー、スムージー、ピューレ、クーリ、クリーム、又はこれらの任意の組み合わせのリストから選択できる。好ましくは、食品原材料又は飲料原材料は、以下のリストから選択される、可溶性の食品原材料又は飲料原材料である。
インスタントコーヒーパウダー、ミルクパウダー、クリームパウダー、インスタントティーパウダー、ココアパウダー、スープパウダー、フルーツパウダー又はこれらの粉末の混合物、
コーヒー濃縮物、ミルク濃縮物、シロップ、フルーツ又は野菜濃縮物、茶濃縮物、フルーツ又は野菜ピューレ。
【0011】
粉末は、凝集化又は加熱生成(sintered)されたものであってもよい。粉末又は液体濃縮物は、例えば、固体片又はカプセルに入れられた片を含むスープを調製するために固体片と混合することができる。
【0012】
パッケージ内に詰められたこの食品又は飲料原材料はまた、焙煎して挽いたコーヒー又は茶葉のような浸出可能な食品又は飲料原材料を含むこともできる。その実施形態では、水が飲料原材料を抽出する。
【0013】
パックは、平面(P)に沿った平面形状を有する。この形状は、この平面Pに沿って延びている2つの長手方向平面壁によって提供される。好ましくは、これら2つの長手方向平面壁の横方向縁部は、互いに封止されて、平坦かつ可撓性である封止領域を形成する。好ましくは、パックの壁の大部分は、可撓性材料で作製される。更に、あまり好ましくない実施形態では、パックは、少なくとも部分的に半可撓性に作製することができる。
【0014】
パックは、2つの長手方向平面壁のうちの少なくとも1つに、好ましくはパックの底部に近接して配置された可読コードを備える。ある好ましい実施形態では、コードは、封止領域の一部に配置されている。パックがその長手方向平面に関して対称な幾何形状を有する場合、好ましくは、パックに少なくとも2つのコードが設けられ、パックをパックチャンバの内部にいかなる方向でも導入することができるように各長手方向平面壁上に1つのコードが配置され、これによりコードの少なくとも1つをコードリーダによって読み取ることができることが保証される。
【0015】
パックのコードは、機械コード、光学コード(カラーコード、不可視インクで印刷されたコード、一次元バーコード、二次元バーコード、QRコード(登録商標)を含む)、RFIDタグ、磁気コード、導電コードなどの任意のタイプのコードとすることができる。好ましくは、光学コードである。
【0016】
一般に、コードは、収容された製品に関する情報を直接的又は間接的に提供し、情報は、製品の識別、製品の量、飲料調製パラメータ、又はそれらの任意の組合せのリストに含まれる。飲料調製パラメータは、以下を提供することができる。
水量、水温、及び/又は水圧、及び/又は
水注入、空気注入、休止、注入及び注出のための連続又は同時の時間系列。
【0017】
パックは、流体をパックの内部に下方から導入し、調製された飲料を同じ場所を介してパックから注出するために、底部が開放可能であるように構成されている。好ましくは、この底部側の領域は、穿孔、引き裂き、又は穿刺により、特に、上向きに尖った鋭い又は鋭利なデバイス、例えば流体処理デバイスを、この領域に適用することによって開放可能であるように構成されている。好ましくは、この領域は、パックの長手方向形状の横方向寸法の中央に配置されている。好ましくは、この開放可能領域は、可撓性材料で作製されている。
【0018】
システムは、飲料を生成するためのモジュールを備え、このモジュールは、パックの内部で飲料を調製するために、パックの底部と協働してパック内に流体を導入し、次いで調製された飲料をパックから注出するように構成されている流体処理デバイスを備える。この流体処理デバイスは、国際公開第2021/110650号に記載されているデバイスであり得る。この流体処理デバイスは、異なる位置に移動可能であり、位置は、デバイスがパックの外にある少なくとも1つの位置と、デバイスが飲料調製中にパックの内部に導入される少なくとも1つの別の位置と、を含む。
【0019】
モジュールは、パックのコードを読み取るコードリーダを備えたコード読取システムを含む。
【0020】
好ましくは、モジュールのコード読取システムは、コードのデジタル画像を補足するために、画像補足ユニットと、画像補足ユニットを収容する読取ヘッドと、を有するコードリーダを含む。コードリーダは、画像補足ユニット(例えば、カメラ)と、レンズと、最も外側のアパーチャ(例えば、読取窓)と、を含み得る。コードリーダの最も外側の部分は、読取ヘッドと呼ばれることがある。
【0021】
加えて、モジュールは、モジュールの内部にパックを保持するように構成されたパックホルダアセンブリを備える。
【0022】
このパックホルダアセンブリは、飲料調製のためのパックをモジュールの内部に受容するように適合されたパックチャンバを備える。パックチャンバは、新しいパックを導入するための上部パック入口を備え、パックチャンバは、モジュールの内部で本質的に垂直位置にパックを保持するように構成されている。この垂直位置は、飲料の効率的な調製、特にパックからの飲料の注出を保証し、それにより、抽出の終わりに、及びパックをゴミ箱に捨てるためにシステムから取り外す必要があるときに、パックの内部に残っている可能性のある液体を少なくする。
【0023】
パックチャンバは、チャンバ内に保持されたパックの底部への可動式の流体処理デバイスのアクセスを可能にするように構成された底部開口部を有する。このアクセス又は経路は、具体的には、パックがチャンバの内部に保持されているときに、流体処理デバイスをパックの底部まで上向きに移動させることができるように設計されている。
【0024】
パックホルダアセンブリは、可動式の相互作用デバイスも備える。この相互作用デバイスは、2つの位置の間で移動可能である。
【0025】
第1の固定位置において、この相互作用デバイスは、チャンバ内に受容されたパックと相互作用し、好ましくはパックホルダアセンブリの内部にパックをロックする。
【0026】
第2の解放位置において、この相互作用デバイスは、パックと相互作用しないが、パックはチャンバ内に存在する。
【0027】
この相互作用デバイスは、第2の解放位置から第1の固定位置へのこの移動中に相互作用デバイスとともに変位するように構成された押圧デバイスを備え、可読コードを支持するパックの部分をコードリーダの読取ヘッドに押し付ける。押圧デバイスは、コードが存在し、チャンバに設けられた開口部を通してアクセス可能である、可撓性長手方向平面壁の部分を押すように配置されている。押圧デバイスの移動は、相互作用デバイスがその第1の固定位置にあるときに、コードを支持しているパックの部分が押圧デバイスの表面とコードリーダの読取ヘッドの表面との間に挟まれるように規定されている。その結果、パックの可撓性材料上で効率的な読み取りを得ることができる。
【0028】
押圧デバイスの移動は、短い並進移動又は短い回転であり得る。好ましくは、押圧デバイスの表面及び読取ヘッドの表面は、平面及び平坦であり、固定位置において、これらの表面は互いに平行である。
【0029】
可動式の相互作用デバイスが第2の解放位置にあるときに、押圧デバイスは、チャンバ内に依然として存在するパックから離れて配置され分離される。したがって、パックは、読取ヘッドの表面と相互作用することなくチャンバから取り外すことができ、引っ掻き傷のようなヘッドの表面の損傷を制限する。この利点は、パックがチャンバの内部に導入される場合も同じである。
【0030】
好ましくは、このパックホルダアセンブリは、ドアを備え、ドアは、パックチャンバに対して移動可能であり、少なくとも
ドアがパックチャンバのパック入口を覆い、パックをパックチャンバの内部に封入することができる第1の閉位置と、
ドアがパックチャンバのパック入口を露出させる第2の開位置と、
に配置されるように構成されており、
可動式の相互作用デバイスは、ドアが第2の開位置にあるときにチャンバから離れるように押され、ドアが第1の閉位置にあるときにチャンバに向けて押されるよう構成されるように、ドアに機械的に接続されている。
【0031】
「閉」と呼ばれる第1の位置では、ドアは、パックチャンバのパック入口を覆い、1つのパックがチャンバの内部に導入された場合にパックチャンバの内部にパックを封入することができ、その結果、飲料調製が可能である。
【0032】
「開」と呼ばれる第2の位置では、ドアは、パックチャンバのパック入口を露出させ、その結果、パックホルダの内部へのパックの導入が可能になる。
【0033】
相互作用デバイスとドアとの間の接続により、可動式の相互作用デバイスの位置はドアの位置と調整され、それにより、相互作用デバイスは、ドアが閉じられたときに押圧デバイスを移動させ、ドアが開かれたときにパックを解放し、後者の場合には、モジュールへのパックの導入又はモジュールからのパックの取り外しを可能にする。
【0034】
好ましい一実施形態では、パックは、少なくとも2つの穴及び/又は変形可能領域を備え、相互作用デバイスは、対応するロック手段、好ましくはピンを備え、ピンは、ドアが第1の閉位置にあるときにパックの穴及び/又は変形可能領域に嵌合するように構成されている。
【0035】
パックの少なくとも2つの穴及び/又は変形可能領域は、通常、パックの平面形状に対して横方向に設けられている。
【0036】
好ましい一実施形態では、パックは、前壁及び後壁を備え、前壁及び後壁は可撓性材料で作製されており、壁の底部の少なくとも縁部は、底部側の開放可能領域の周りで互いに封止されており、穴及び/又は変形可能領域は、封止された縁部に設けられている。
【0037】
好ましくは、これらは、パックの平面形状の中央に沿って長手方向に延びている軸を中心として対称的に配置される。
【0038】
好ましくは、これらは、パックの底部の近くに設けられている。
【0039】
好ましい実施形態では、これらの穴は、パックの長手方向平面壁の封止領域の一部に配置されている。
【0040】
相互作用デバイスの対応するピンのサイズ(長さ及び直径)及びピン間の距離は、2つの穴及び/又は変形可能領域に入るように設定されている。
【0041】
通常、パックをパック保持アセンブリ内に固定するためには、2つの穴及び2つのピンで十分である。
【0042】
好ましくは、システムにおいて、流体処理デバイスは、
流体をパック内に収容されている原材料と混合することによって飲料を調製するために、チャンバ内に保持されたパック内に流体を導入するための少なくとも1つの流体入口と、
チャンバ内に保持されたパックから調製された飲料を注出するための少なくとも1つの飲料出口と、を備える。
【0043】
そのような好ましい実施形態では、流体処理デバイスは、国際公開第2021/110650号、国際公開第2021/110652号、又は国際公開第2021/110654号に開示されているデバイスのうちの1つに対応する。
【0044】
好ましくは、作動デバイス(モータなど)は、流体処理デバイスをパックに移動させるように構成されており、パックは、チャンバ内に固定して保持される。
【0045】
本発明では、流体は、飲料を調製するために可溶性の飲料原材料と混合することができる、水、炭酸水、ミルクなどのような(好ましくは、水が好ましい水性希釈剤である)任意の水性希釈剤、又は例えば空気などの任意のガス流体、のいずれかを含む。水性流体に言及する場合、水が好ましい流体であり、ガス流体に言及する場合、空気が好ましい流体である。
【0046】
本発明によれば、パッケージは、食品又は飲料製品の生成及び注出中、本質的に垂直に配置される。
【0047】
本発明によれば、水性流体(典型的には水)は、調製する食品製品又は飲料製品のタイプに応じて、低温、周囲温度又は高温の、任意の温度でパッケージ内に供給される。
【0048】
好ましくは、モジュールは、
パックホルダアセンブリを受容して保持するように構成された受容領域と、
電気スイッチと、
を備え、
パックホルダアセンブリが受容領域内にあるときに、ドアの接触部分が、電気スイッチと協働するように設計されており、それにより、
ドアの第2の開位置において、ドアの接触部分は、電気スイッチを直接的又は間接的にオフに切り替え、
ドアの第1の閉位置において、ドアの接触部分は、電気スイッチを直接的又は間接的にオンに切り替える。
【0049】
モジュールのこの電気スイッチは、システムによる飲料の自動調製、特に、流体処理デバイスの作動デバイスなどの、マシンの様々な電気デバイスへの電力の供給を可能にする。
【0050】
ドアは、ドアが閉じられたときにスイッチを押すように設計された形状によってこのスイッチと直接協働することができ、又はモジュールの電気スイッチに対して第1の位置と第2の位置との間で移動するように設計された可動式の部材を介して間接的に協働することができ、第1の位置において、可動式の部材が電気スイッチを解放し、第2の位置において、可動式の部材が記電気スイッチを押す。
【0051】
ドアが開かれたときの電力のこの自動的なスイッチオフにより、アセンブリ内にパックが存在せず、ドアが開かれている間に、例えば、流体処理デバイスからの熱水の突然の噴出によって、ユーザが負傷するリスクは生じ得ない。
【0052】
好ましくは、モジュールは、パックホルダアセンブリを受容して保持するように構成された受容領域を備え、受容領域は、少なくとも1つの第1の磁石を備え、ドアは、少なくとも1つの対応する第2の磁石を備え、
第1の磁石及び第2の磁石は、ドアが閉じられたときに第1の磁石と第2の磁石とが協働するように、受容領域及びドアにそれぞれ配置されている。
【0053】
飲料調製中、特に可撓性壁で作製されたパックでは、このパックはチャンバの内部で膨張して、調製中にドアが押し離されて開くように、ドアの内壁に力を加える場合があることが観察されている。
【0054】
ドアとモジュールの受容領域との間で協働する磁石は、この望ましくない突然の開放を防止する。
【0055】
第1の磁石及び第2の磁石は、受容領域の上部及びドアの上部にそれぞれ配置されることが好ましい。実際に、膨張してドアを開くのは、チャンバ内に保持されたパックの上部であることが観察された。ドアとドア上部の受容領域との間に引力を作用させることによって、ドアが開くリスクが制限される。同じ理由で、第1及び第2の磁石は、モジュールの電気スイッチと干渉するように設計されたドアの接触部分の近くに配置されることが好ましい。したがって、ドアの接触部分は、ドアの上部に配置されることが好ましい。
【0056】
好ましくは、パックチャンバは、少なくとも1つの内部前壁を備え、この内部前壁は、可動式のドアの下方に配置されており、少なくとも1つのリブが、チャンバの内部で内部前壁から立ち上がっている。
【0057】
このリブの端部は、チャンバの内部に延びていることによって、パックの表面に近接するか、又は更にはこの表面に接触する。このようなリブは、パックの上部が上述したように過度に膨張することを防止し、ドアが突然開くことを防止するのにも役立つ。
【0058】
好ましくは、いくつかのリブが、内部前壁に設計されている。
【0059】
本発明の第2の態様では、上述したような飲料生成システム用のパックホルダアセンブリが提供され、パックホルダアセンブリは、パックチャンバ及び可動式の相互作用デバイスを備え、
パックチャンバは、上部パック入口を通してパックを受容し、パックを保持するように適合された内部容積部を画定しており、チャンバは、モジュールのコードリーダに面するように構成された側部開口部を有し、
可動式の相互作用デバイスは、第1の固定位置と第2の解放位置との間で移動するように構成されており、可動式の相互作用デバイスは押圧デバイスを備え、押圧デバイスは、
可動式の相互作用デバイスが第1の相互作用位置にあるときに、押圧デバイスはチャンバの内部容積部の内部に配置され、
可動式の相互作用デバイスが第2の解放位置にあるときに、押圧デバイスがチャンバの内部容積部から除去される、ように構成されている。
【0060】
「チャンバの内部容積部から除去される」とは、この位置において、押圧デバイスが、チャンバ内へのパックの導入及び正確な配置を妨げる位置まで内部容積部内に延びないことを意味する。
【0061】
好ましくは、パックホルダアセンブリは、ドアを備え、ドアは、パックチャンバに対して移動可能であり、少なくとも
ドアがパックチャンバのパック入口を覆う第1の閉位置と、
ドアがパックチャンバのパック入口を露出させる第2の開位置と、
に配置されるように構成されており、
可動式の相互作用デバイスは、ドアが第2の開位置にあるときにチャンバから離れるように押され、ドアが第1の閉位置にあるときにチャンバに向けて押されるよう構成されるように、ドアに機械的に接続されている。
【0062】
好ましくは、ドアは少なくとも1つの磁石を備え、磁石はドアの上側に配置されている。
【0063】
好ましくは、ドアは、モジュールの電気スイッチと協働するように設計された接触部分を備え、この接触部分は、ドアの上部に配置されている。
【0064】
第3の態様では、上記の第1の態様に記載されているような飲料生成システムにおける、上記の第2の態様に記載されているようなパックホルダアセンブリの使用が提供される。
【0065】
本明細書では、「内部」、「後」、「前」、「上部」、「底部」、「横」、「上側」、及び「下側」という用語は、本発明の特徴の位置関係を説明するために用いられる。これらの用語は、図4A~4Cに示されるように、飲料の生成のための飲料調製ディスペンサ内に配置されたときに正常な向きにあるパックに関するものであることを理解すべきである。
【0066】
本発明の上記の諸態様は、任意の好適な組み合わせで組み合わせることができる。更には、本明細書における様々な特徴を、上記の諸態様のうちの1つ以上と組み合わせることにより、具体的に図示及び説明されたもの以外の組み合わせを提供することができる。本発明の更なる目的及び有利な特徴は、「特許請求の範囲」、「発明を実施するための形態」、及び添付図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0067】
本発明の特定の実施形態が、以下の図面を参照して、例として更にここで記載される。
図1】本発明による飲料生成システムの概略図である。
図2】飲料生成システムにおいて使用することができるパックの斜視図である。
図3】飲料生成システムにおいて使用することができる流体処理デバイスの斜視図及び断面図である。
図4A】本発明による飲料生成システムの図である。
図4B】本発明による飲料生成システムの図である。
図4C】本発明による飲料生成システムの図である。
図4D図4A~4Cのモジュールの受容領域の後壁の図である。
図4E】パックを伴わないパックホルダアセンブリの背面図である。
図4F】パックを伴う、パックホルダアセンブリの背面図である。
図5A】ドア開いた状態状態のパックチャンバの側面図及びC-Cに沿った水平断面図である。
図5B】ドア開いた状態状態のパックチャンバの側面図及びC-Cに沿った水平断面図である。
図6A図5Bのパックホルダアセンブリの底部の垂直断面図である。
図6B】5Bのパックホルダアセンブリの底部の垂直断面図である。
図7A】平面CCに沿った図6Aのパックホルダアセンブリの断面図である。
図7B】平面CCに沿った図6Bのパックホルダアセンブリの断面図である。
図8A】ドアのロック手段を示す飲料生成システムのモジュールの図である。
図8B】ドアのロック手段を示す飲料生成システムのモジュールの図である。
図9】ドアが開かれ、パックが内部にある状態のパックチャンバの斜視上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1は、本発明による飲料生成システム100を概略的に示す。
【0069】
システム100は、モジュール1及びパック10を備える。モジュールは、パックを受容し、パックから飲料を生成するように適合されている。
【0070】
モジュール1は、パックホルダアセンブリ2と、パックの内部に流体を導入するための流体システムと、を備える。
【0071】
流体システムは、通常、水タンクのような流体源13と、流体源から流体を圧送するための圧送手段14と、を備える。通常、加熱及び/又は冷却手段は、パックの内部に導入される流体の温度を適合させるためのシステムの一部である。
【0072】
流体は、パック内に流体を導入するためにパックの底部と協働するように構成された流体処理デバイス11に供給される。
【0073】
一般に、モジュールは、この流体処理デバイス11を、パックホルダアセンブリ2内に保持されたパックに移動させる作動デバイス12を備える。
【0074】
モジュールは、通常、パックから飲料を調製するために、上記の異なるデバイスを制御するためのシステム制御ユニット16を備える。
【0075】
そのような飲料生成システム100は、国際公開第2021/110650号、同第2021/110654号及び/又は同第2021/110652号に記載されているシステムに対応する。
【0076】
図2は、本発明による飲料生成システム100において使用することができるパック10の斜視図である。
【0077】
このパックは、流体と混合されて飲料を生成するように構成された原材料を含む。パックは、平面Pに沿った平面形状を有する。2つの長手方向平面壁105(前壁及び後壁)は、この平面Pに沿って延びている。好ましい実施形態では、これらの壁は、可撓性材料で作製されており、これらの壁の横方向縁部106は、上端107の縁部と同様に封止されている。パックの底部側101は、好ましくは穿孔可能領域104を通じて開放可能であるように構成されている。開放可能領域は、平面Pの縁部に配置されており、この平面Pに含まれる方向に沿った飲料の注出を可能にする。
【0078】
特定の図示された実施形態では、パックは、底部側101に2つの穴103を備える。これらの穴は、パックの底部側の開放可能領域104の付近に配置されている。
【0079】
パック10は、底部側101に可読コード102を備える。
【0080】
図3は、飲料生成システムにおいて使用することができる流体処理デバイス11の斜視図及び断面図である。流体処理デバイス11は、
チャンバ内に保持されたパックの開放可能領域104内に流体を導入するための流体入口111と、
チャンバ内に保持されたパックから調製された飲料を注出するための飲料出口112と、を備える。
【0081】
作動デバイス12は、開放可能領域104又はこの領域に設けられた任意の膜若しくはカバーを開放するために、この流体処理デバイス11をチャンバ内に保持されたパックに、具体的には、尖った部分113を開放可能領域104に移動させるように適合されている。通常、流体処理デバイスは、パックの平面Pに含まれる方向に沿って移動するように適合されている。
【0082】
国際公開第2021/110650号に記載されているような他の流体処理デバイス11を、本発明のシステムで使用することができる。
【0083】
図4A~4Cは、パックを受容するように構成されたモジュール1の一部を示す。モジュールのこの部分は、モジュールの受容領域3内に保持されるパックホルダアセンブリ2を備える。この
【0084】
図4Aにおいて、パックホルダアセンブリ2は、受容領域3の内部に配置されている。パックホルダアセンブリは、矢印Aによって示されるように開くことができるドア23を備える。
【0085】
ドアが開かれると、図4Bに示されるように、パック10は、操作者によって所望されるように、かつ矢印B2によって示されるように、パックホルダアセンブリ2のパックチャンバ22内に導入することができる、又はパックチャンバ22から取り外すことができる。パックの平面Pは、パックチャンバ22の壁によって画定されている平面Pcに沿って延びていることが観察され得る。図4A~4Cの特定の実施形態では、パックホルダアセンブリ2全体は、例えば、ドア23を操作して、矢印B1によって示されるように上向きに引っ張ることによって、受容領域3から取り外すことができる。代替の実施形態では、パックホルダアセンブリは、受容領域から取り外し可能でなくてもよく、又はホルダアセンブリの上部にあるハンドル若しくはアセンブリを引き出すための任意の他の手段を上向きに引っ張ることによって取り外し可能であってもよい。一般に、パックホルダアセンブリ2は、清掃作業のために取り外し可能であることが好ましい。
【0086】
加えて、パックホルダアセンブリ2全体が、図4Cに示されるように、受容領域3から取り外し可能であるとき、操作者がそれを使用して使用済みパック10をゴミ箱に運ぶことができ、これにより、依然として液体を含んでいる可能性のあるパックをマシンの近くで操作することが防止される。次に、パックホルダアセンブリ2を受容領域3の内部に戻すことができ、パックチャンバ22の壁上の案内手段21は、受容領域の対応する案内手段31と協働する。
【0087】
図4Dは、パックホルダアセンブリが取り外され、コードリーダ4及び流体処理デバイス11を示す、図4A~4Cのモジュールの受容領域の後壁33の図である。
【0088】
読取ヘッド41を有するコードリーダ4は、パックホルダアセンブリ2の方に向けられている。コードリーダ4の軸は、コード102を支持しているパックの部分が、読取ヘッドの読取方向(コードリーダがコードの画像を取得する方向)に対して垂直に、かつ読取方向を通るように配置されるように、パック及びチャンバの平面P、Pcに対して垂直の向きにされる。
【0089】
流体処理デバイス11は、受容領域3の底部にあり、パックホルダアセンブリの底部の方に上向きにされている。
【0090】
図4Eは、パックがチャンバの内部に導入されていないパックホルダアセンブリの背面図である。チャンバは、チャンバ内に保持されたパックの開放可能な底部の内部への流体処理デバイス11の導入を可能にするように設計された底部開口部221を備える。
【0091】
チャンバの後壁224は、チャンバがモジュールの受容領域の内部に配置されたときにコードリーダ4に面する側部開口部226を含む。したがって、パックがチャンバ22内に保持されると、コード102を有するパックの部分は、この開口部226に配置され、パックがチャンバの内部に存在する状態のパックホルダアセンブリの背面を示す図4Fに示されるように、モジュールのコードリーダによって読み取るためにアクセス可能である。
【0092】
パックホルダアセンブリは、以下に説明されるように、アセンブリの可動式の相互作用デバイスによって作動される、図4Eで可視である可動式の押圧デバイス243を備える。
【0093】
図5A及び5Bは、図4A及び4Bのパックホルダアセンブリを示す。このパックホルダアセンブリは、相互作用デバイス24を備え、相互作用デバイスは、
図5Aに示すように、相互作用デバイスがチャンバ内に受容されたパックと相互作用する第1の固定位置と、
図5Bに示されるように、相互作用デバイスがチャンバ内に受容されたパックと相互作用しない第2の解放位置と、
の間で移動するように構成されている。
【0094】
「相互作用」とは、相互作用デバイスがパックの一部に近接していること、及び接触していることを意味する。図5Aでは、相互作用デバイスの底部は、その相互作用位置においてパックの底部に近接しているが、図5Bでは、相互作用デバイスの底部は、その解放位置においてパックの底部から離れている。
【0095】
可動式の相互作用デバイス24は、可動式の押圧デバイス243を支持し、したがって、この押圧デバイスは、相互作用デバイスの移動に従って変位する。
【0096】
図5Bの第2の解放位置では、可動式の相互作用デバイス24がパック及びチャンバ22から離れるように傾斜しているので、押圧デバイス243もチャンバの内部容積部から離れており、パックの移動を制限しない。パックは、容易にチャンバに導入し、容易にチャンバから取り外すことができる。図6Bは、モジュール1の内部の図5Bのパックホルダアセンブリの底部の垂直断面図であり、パック10、読取ヘッド41、及び押圧デバイス243の相対位置を示す。この位置において、パック10は、チャンバに受容する、又はチャンバから取り外すことができる。この動作中、可読コード102を支持するパックの部分は、好ましくは、時間とともにコードリーダのリーダヘッドを引っ掻く可能性のある接触なしに、コードリーダヘッド41に対して自由に動かすことができる。
【0097】
反対に、図5Aの第1の相互作用位置では、可動式の相互作用デバイス24はチャンバ22に引き寄せられ、したがって、押圧デバイス243は、チャンバの内部容積部に進入し、モジュール1の内部の図5Aのパックホルダアセンブリの底部の垂直断面図である図6Aに示されるように、可読コード102を備えるパックの部分を、可読コードが読取ヘッド41と接触するまでコードリーダ4の読取ヘッド41に押し付ける。この位置において、コードを有するサッシェの可撓性部分は、読取ヘッドと押圧デバイスとの間に挟まれ、読取動作が向上する。
【0098】
コード102を読取ヘッド内に押し込むように押圧デバイス243を配置することによって、コードがコードリーダに対して正確な距離で位置合わせされることが保証され、これにより読取精度を向上させ得る。
【0099】
好ましくは、コードリーダの読取ヘッドは、形状が押圧デバイス(例えば、それらの表面の中心)の形状に対応するように成形される。例えば、リーダのヘッドは、形状が押圧デバイスに対応するように平坦であってもよい、及び/又は湾曲していてもよい。平坦な又はわずかに湾曲したヘッドは、光学素子の歪みが少ないため、コードの読み取りを容易にすることができる。
【0100】
サッシェ10は、そのコード102がコードリーダの前にくるように、チャンバの内部に保持される。加えて、パックホルダアセンブリのドアが閉じられると、ロックデバイス24は、押圧デバイス243をコードリーダ4へと移動させて、それにより、押圧デバイスとコードリーダとの間に配置される、コード102を保持しているパックの部分が、コードリーダの読取ヘッド41にコードが接触するまでリーダの方向に付勢される。その結果、読み取りが向上する。
【0101】
流体処理デバイスがコードリーダの領域に配置されている状態では、蒸気が読取ヘッドの表面又はコードを有するパックの表面に付着し、良好な読み取りを妨げる可能性がある。コードを有するパックの部分を読取ヘッドに押し付けることによって、流体処理デバイスからの蒸気の欠点を回避することができる。コード上に存在し、そうでなければコードの読み取りを妨げるであろう処理ユニットからのあらゆるデブリ(例えば、蒸気又は前駆体材料)が排除される。
【0102】
好ましい一実施形態では、多数の動作の後に損傷を受ける可能性がある読取ヘッドに向けて移動する間、より穏やかな接触を提供するために、押圧デバイス243はばね荷重式であり得る。
【0103】
図示された実施形態は、パックの平坦な封止領域に設けられたコード102を示しているが、コードは、長手方向壁105の別の領域に設けることもでき、その場合、押圧デバイスは、コード読取動作中に可撓性壁の平坦化機能を提供する。
【0104】
本発明のシステムでは、パック10上の可読コード102の位置は、コードリーダの前に配置されたチャンバの側部開口部226を通してこのコードが見えるような位置である。
【0105】
同様に、押圧デバイス243及びロックデバイスの側部開口部226の位置は、モジュールの内部のコードリーダ4の位置に対して相対的に設定されている。
【0106】
図示される実施形態では、この可動式の相互作用デバイス24は、ドアが第2の開位置にあるときにチャンバ22から離れるように傾斜するよう構成されるように、ドア23に機械的に接続されているように見える。
【0107】
ドア23の開放運動は、チャンバ22の側壁に取り付けられたヒンジ231に沿った回転である。ドアは、図4Bに示されるようにアセンブリ2がモジュールの受容領域3内に保持されているとき、又は図4Cに示されるようにアセンブリ2がモジュールから完全に取り外されているときのいずれかにおいて、第1の開位置におけるドアの位置を可能にするように構成された形状を有するアーム234によってヒンジの各々に接続されている。このため、アームは、受容領域の固定された下部カバー6の上縁部の周りを通るように構成されている。
【0108】
可動式の相互作用デバイス24は、デバイスの回転を可能にする専用ヒンジ244を介してチャンバの側壁に取り付けられている。加えて、可動式の相互作用は、ドアのヒンジ231と協働するように設計された穴を備え、
ドア23が開かれると、相互作用デバイスの底部は、パックチャンバから離れるように傾斜され、相互作用デバイス24は、その第2の解放位置にあり、
ドア23が閉じられると、相互作用デバイスの底部は、パックチャンバに移動され、相互作用デバイス24は、その第1の固定位置にある。
【0109】
更に、特定の図示される実施形態では、この相互作用デバイス24は、ドア23が第1の閉位置にあるときにパックの対応する穴103に嵌合するように構成された2つのピン242を備える。
【0110】
図6Bの平面CCに沿ったアセンブリ2の断面図に対応する図7Bでは、これらの2つのピン242は、穴103から離れて配置されている。ドア23が開かれたこの位置において、操作者は、パックホルダからパックを取り外すことができる、又はチャンバが空である場合に新しいパックを導入することができる。
【0111】
図7Aは、図7Bと同じ断面に対応するが、ドア23が図6Aに示すように第1の閉位置にある状況にある。次いで、相互作用デバイス24の底部は、チャンバ22の近くに配置され、したがって、ピン242は、チャンバ内に存在するパックの穴103に入る。これらの対応するピン及び穴は、チャンバの内部でのパックの正確な位置を可能にし、これが流体処理デバイス11との正確な相互作用を保証する。それらはまた、流体処理デバイス11の導入中にパックをしっかりと維持し、流体がパック内に噴出されたときにチャンバの内部でパックが上向きに移動することを防止する。
【0112】
図8A及び8Bは、パックホルダアセンブリのドア23の好ましい一実施形態を示す。
【0113】
一般に、モジュールは、ドアの位置、正確にはドア23が閉じているか開いているかに応じてオン又はオフに切り替えることができる電気スイッチ8を備える。特に、ドアの部分233は、電気スイッチをオンに切り替えるように構成された部材7を移動させるように設計することができる。
【0114】
好ましくは、受容領域3は、少なくとも1つの第1の磁石32を備え、ドア23は、少なくとも1つの対応する第2の磁石232を備え、これらの磁石はそれぞれ受容領域及びドア内に配置されており、それにより、ドアが閉じられたときに第1及び第2の磁石が協働する。これら両方の磁石の位置は、パックが過度に膨張し、ドアを押して開くことができるときに、飲料調製中のドア23の閉鎖を向上させる。電気スイッチをオンに切り替えるように設計されたドアの部分233に近い磁石の位置は、その効果を向上させ、ドアを更にしっかりと保持する。ドアの低い位置に設けられた磁石は、パックが膨張したときにドアを閉じた状態に保つのにあまり効率的ではなかった。
【0115】
図9は、パック10がチャンバ22の内部にある状態の、開かれたパックホルダアセンブリ2の上面図である。この好ましい実施形態では、パックチャンバの内部前壁223は、ドア23の下方にこの壁からパックの長手方向平面壁105の1つの方向に立ち上がる2つのリブ225を備える。パックの底部に液体を導入する間、これらのリブ225は、ドアの内壁に力を及ぼしてドアを開く可能性があるパックの壁105の膨張を防止する。これらのリブは、調製中にパックの壁105がドア23から離れたままであることを保証する。
【0116】
本発明は、上記で例示された実施形態を参照して説明されているが、特許請求される本発明は、決してこれらの例示された実施形態によって限定されるものではないことが理解されるであろう。
【0117】
「特許請求の範囲」で定義されるような本発明の範囲を逸脱することなく、変形及び修正が実施可能である。更に、既知の均等物が特定の特徴に対して存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのように組み込まれる。
【0118】
本明細書で使用するとき、用語「備える」、「備えている」、及び同様の語は、排他的又は網羅的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは、「~を含むが、それらに限定されない」ことを意味するものとする。
【符号の説明】
【0119】
100 システム
1 モジュール
11 流体処理デバイス
111 入口手段
112 出口手段
113 尖った部分
12 作動デバイス
13 流体源
14 圧送手段
15 加熱及び/又は冷却手段
16 システム制御ユニット
2 パックホルダアセンブリ
21 案内手段
22 パックチャンバ
221 底部開口部
222 パック入口
223 内部前壁
224 後壁
225 リブ
226 側部開口部
23 ドア
231 ヒンジ
232 磁石
233 接触部分
234 アーム
24 ロックデバイス
241 接続部
242 ピン
243 押圧デバイス
244 ヒンジ
3 受容領域
31 案内手段
32 磁石
33 後壁
4 コードリーダ
5 フレーム
6 取り付けカバー
7 可動式の部材
8 電気スイッチ
10 パック
101 底部側
102 コード
103 穴
104 穿孔可能領域
105 長手方向平面壁
106 横方向封止縁部
107 上端
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
【国際調査報告】