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特表2024-527894部品を、好ましくは、自動車車体部品を、クリーニングするための、クリーニング設備及びクリーニング方法
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  • 特表-部品を、好ましくは、自動車車体部品を、クリーニングするための、クリーニング設備及びクリーニング方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】部品を、好ましくは、自動車車体部品を、クリーニングするための、クリーニング設備及びクリーニング方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 1/32 20240101AFI20240719BHJP
   B08B 1/12 20240101ALI20240719BHJP
【FI】
B08B1/32
B08B1/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504216
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 EP2022068279
(87)【国際公開番号】W WO2023001528
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】102021119185.8
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504389784
【氏名又は名称】デュール システムズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Durr Systems AG
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】ハース、ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ハニッヒ、デトレフ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルレ、フランク
(72)【発明者】
【氏名】バウマン、ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ラッシュ、ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】イルムシャー、トーマス
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB02
3B116BA02
3B116BA12
3B116CC03
(57)【要約】
本発明は、部品(C)を、好ましくは、自動車車体部品を、特に、側方で部品(C)の濡れた部分領域(S)に沿って、クリーニング設備(100)であって、クリーニングステーション(1)、クリーニングステーション(1)を通過させて部品(C)を搬送するためのコンベア装置(2)、及び、部品(C)を、好ましくは大面積で、クリーニングするための第1クリーニング装置(10)を含む、クリーニング設備(100)に関する。クリーニング設備(100)は、部品(C)を、好ましくは縁が明確に定められた状態で、クリーニングするための第2クリーニング装置(20)を運ぶ多軸式ロボット(21)であって、側方で部品(C)の部分領域(S)に沿って前記第2クリーニング装置(20)を導くように適合されている多軸式ロボット(21)を含むことを特に特徴とする。本発明は、対応するクリーニング方法も含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品(C)を、好ましくは、自動車車体部品を、特に、側方で前記部品(C)の濡れた部分領域(S)に沿って、クリーニングするためのクリーニング設備(100)であって、
クリーニングステーション(1)、
前記クリーニングステーション(1)を通過させて前記部品(C)を搬送するためのコンベア装置(2)、及び、
前記部品(C)を、好ましくは大面積で、クリーニングするための第1クリーニング装置(10)、
を含み、
前記クリーニング設備(100)は、前記部品(C)を、好ましくは縁が明確に定められた状態で、クリーニングするための第2クリーニング装置(20)を運ぶ多軸式ロボット(21)であって、側方で前記部品(C)の部分領域(S)に沿って前記第2クリーニング装置(20)を導くように適合されている多軸式ロボット(21)を含むことを特徴とする、
クリーニング設備(100)。
【請求項2】
前記部分領域(S)は、濡れた部分領域(S)、及び/又は、未だ表面が乾燥しきっていない部分領域(S)である、請求項1に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項3】
前記部分領域(S)は、未だ表面が乾燥しきっていない継ぎ目、及び/又は、未だ表面が乾燥しきっていないコーティング面である、請求項1又は2に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項4】
前記第2クリーニング装置(20)は、クリーニングブラシ、特に、プラスチック製クリーニングブラシである、請求項1から3のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項5】
前記第2クリーニング装置(20)は、クリーニングローラー、特に、プラスチック製クリーニングローラーである、請求項1から4のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項6】
前記クリーニングローラーは、35cm未満、32cm未満、又は29cm未満で、且つ、10cmを超えるローラー外径(d2)を有する、請求項5に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項7】
前記第2クリーニング装置(20)は、クリーニングフェルト、プラスチック繊維、プラスチック剛毛、又はプラスチックブレードを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項8】
前記多軸式ロボット(21)は少なくとも5つ又は少なくとも6つの移動軸を含む、及び/又は、前記第2クリーニング装置(20)は多軸式ロボットハンド上に取り付けられる、請求項1から7のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項9】
前記第1クリーニング装置(10)は、ソードブラシ、羽ブラシ、羽ローラー、特に、エミュ羽ローラー、又はクリーニングローラーである、請求項1から8のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項10】
前記第1クリーニング装置(10)は、第1ローラー外径(d1)を有するクリーニングローラーであり、前記第2クリーニング装置(20)は、第2ローラー外径(d2)を有するクリーニングローラーであり、前記第1ローラー外径(d1)は、前記第2ローラー外径(d2)よりも大きく、好ましくは、少なくとも1.5倍又は少なくとも2.0倍の大きさである、請求項1から9のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項11】
前記クリーニング設備(100)は、前記多軸式ロボット(21)に加えて、前記第1クリーニング装置(10)を運ぶ自動運動機械(11)を含む、請求項1から10のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項12】
前記自動運動機械(11)は、前記部品(C)に沿って前記第1クリーニング装置(10)を移動させるよう適合されている多軸ロボットを含む、請求項11に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項13】
前記クリーニング設備(100)は、前記コンベア装置(2)の両側に、それぞれ、少なくとも1つの第1クリーニング装置(10)及び/又は少なくとも1つの第2クリーニング装置(20)を含む、請求項1から12のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項14】
前記第2クリーニング装置(20)を前記部分領域(S)に進入させず、及び/又は、
0.5cm未満又は0.25cm未満又は実質的に0cmの、前記第2クリーニング装置(20)と前記部分領域(S)との間の側方距離(x)で、
前記多軸式ロボット(21)は、側方で前記部分領域(S)に沿って前記第2クリーニング装置(20)を導くように適合されている、
請求項1から13のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項15】
前記第2クリーニング装置(20)は、少なくとも1つの側方遮蔽装置(22)を設けられており、クリーニングフェルト、プラスチック繊維、プラスチック剛毛、又はプラスチックブレードが前記遮蔽装置(22)を超えて、側方外側に、例えば前記部分領域(S)に、逸れることが防がれる、請求項7から14のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項16】
前記クリーニング設備(100)は、側方で前記部分領域(S)に沿って前記第2クリーニング装置(20)を導くために、前記第2クリーニング装置(20)を制御するための、及び/又は、前記多軸式ロボット(21)を制御するための、制御装置(30)を含む、請求項1から15のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項17】
前記自動運動機械(11)は、前記部分領域(S)に対してある側方距離で、且つ、前記第1クリーニング装置(10)を前記部分領域(S)に進入させず、前記部品(C)に沿って前記第1クリーニング装置(10)を導くように適合されている、請求項1から16のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項18】
前記多軸式ロボット(21)は、単一の第2クリーニング装置(20)のみを運び、及び/又は、前記自動運動機械(11)は、単一の第1クリーニング装置(10)のみを運ぶ、請求項1から17のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)。
【請求項19】
部品(C)を、好ましくは、自動車車体部品を、好ましくは、側方で前記部品(C)の濡れた部分領域(S)に沿って、クリーニングするための、及び/又は、請求項1から18のいずれか1項に記載のクリーニング設備(100)によって実行される、クリーニング方法であって、
コンベア装置(2)によりクリーニングステーション(1)を通過させて前記部品(C)を搬送する工程(S1)、
第1クリーニング装置(10)により前記部品(C)を、好ましくは大面積で、クリーニングする工程(S2)、及び、
側方において前記部品(C)の部分領域(S)のそばで前記部品(C)をクリーニングするために側方で前記部分領域(S)に沿って多軸式ロボット(21)により導かれる第2クリーニング装置(20)により前記部品(C)を、好ましくは縁が明確に定められた状態で、クリーニングする工程(S3)、
を含む、クリーニング方法。
【請求項20】
前記部分領域(S)は、濡れた部分領域(S)、及び/又は、未だ表面が乾燥しきっていない部分領域(S)である、請求項19に記載のクリーニング方法。
【請求項21】
前記部分領域(S)は、未だ表面が乾燥しきっていない継ぎ目、及び/又は、未だ表面が乾燥しきっていないコーティング面である、請求項19又は20に記載のクリーニング方法。
【請求項22】
前記第2クリーニング装置(20)を前記部分領域(S)に進入させず、及び/又は、
0.5cm未満又は0.25cm未満又は実質的に0cmの、前記第2クリーニング装置(20)と前記部分領域(S)との間の側方距離(x)で、
前記多軸式ロボット(21)は、側方で前記部分領域(S)に沿って前記第2クリーニング装置(20)を導く、
請求項19から21のいずれか1項に記載のクリーニング方法。
【請求項23】
濡れた部分領域(S)が前記クリーニング方法より時間的に前に前記部品(C)に塗布され(S0)、及び/又は、前記部品(C)が前記クリーニング方法より時間的に後にコーティングされる(S4)、請求項19から22のいずれか1項に記載のクリーニング方法。
【請求項24】
前記第2クリーニング装置(20)による前記部品(C)の前記クリーニング(S3)は、
前記第1クリーニング装置(10)による前記クリーニング(S2)と同時に少なくとも時折は行われ、
前記第1クリーニング装置(10)による前記クリーニング(S2)より時間的に前に少なくとも時折は行われ、及び/又は、
前記第1クリーニング装置(10)による前記クリーニング(S2)より時間的に後に少なくとも時折は行われる、
請求項19から23のいずれか1項に記載のクリーニング方法。
【請求項25】
前記第1クリーニング装置(10)は、少なくとも2cm、少なくとも3cm、又は少なくとも5cmの、前記第1クリーニング装置(10)と前記部分領域(S)との間の側方距離で、前記部品(C)をクリーニングする、請求項19から24のいずれか1項に記載のクリーニング方法。
【請求項26】
前記第2クリーニング装置(20)は、クリーニングローラーとして形成され、前記第1クリーニング装置(10)は、クリーニングローラーとして形成され、前記第2クリーニング装置(20)のクリーニング回転速度は、前記第1クリーニング装置(10)のクリーニング回転速度の、少なくとも1.5倍、少なくとも2.0倍、又は少なくとも2.5倍の高さである、請求項19から25のいずれか1項に記載のクリーニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を、特に、自動車車体部品を、クリーニングするための、クリーニング設備及びクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車車体部品をクリーニングするためのクリーニング設備は特許文献1から既知である。塗装結果が、自動車車体部品の汚染、例えば、埃により、損なわれる可能性があるため、こうしたクリーニング設備が、通常、自動車車体部品を塗装するための塗装設備において、実塗装処理の前に自動車車体部品をクリーニングするために、用いられる。実際、徹底的且つ迅速にクリーニングを行うことができるので、特に羽ローラー(例えば、エミュ羽)及びソードブラシが特に効率的なクリーニング装置として立場を確立してきている。しかし、特に羽ローラー及びソードブラシによる、縁が明確に定められたクリーニングは、例えば部品の未だ乾燥しきっていない濡れた継ぎ目(例えば、封止継ぎ目)などに沿って必要である可能性があるものの、不可能又は少なくとも不十分である。羽ローラー又はソードブラシが未だ乾燥しきっていない継ぎ目に入ると、クリーニング装置(例えば、羽又は剛毛)及び部品が汚染されること及び/又は継ぎ目が損なわれることを招き得る。ソードブラシは比較的に高価でもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102009020114号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、部品を、特に、自動車車体部品を、クリーニングするための、クリーニング設備及びクリーニング方法であって、具体的に、適宜に、側方で、部品の部分領域に、特に未だ表面が乾燥しきっていない部分領域に、沿って、自動車車体部品の、特に縁が明確に定められた、クリーニングが可能となり得る方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は独立請求項の特徴により解決できる。本発明の有利な展開例が従属請求項に記載される又は後述の本発明の好ましい実施形態から導かれる。
【0006】
本発明は、部品を、好ましくは、自動車車体部品を、クリーニングするためのクリーニング設備に関する。
【0007】
クリーニング設備は、側方で部品の(特に未だ)濡れた部分領域に沿って部品をクリーニングすることに特に役立つ。
【0008】
クリーニング設備は、クリーニングステーションと、クリーニングステーションを通過させて部品を(例えば、継続的又は連続的に)搬送するためのコンベア装置とを含む。
【0009】
クリーニング設備は、部品を、好ましくは大面積で、クリーニングするための、少なくとも1つの第1クリーニング装置も含む。
【0010】
例えば、第1クリーニング装置は、例えば、多軸ロボット、ルーフマシン、及び/又は、サイドマシンなどの、自動運動機械の一部であり得る。
【0011】
クリーニング設備は、部品を、好ましくは縁が明確に定められた状態で、特に小面積で、クリーニングするための、第2クリーニング装置を含む少なくとも1つの多軸式ロボットを含むことを特に特徴とし、当該多軸式ロボットは、好ましくは第2クリーニング装置を部分領域に進入させずに、側方において部品領域のそばで部品を有利なやり方でクリーニングするために、側方で部品の部分領域に沿って第2のクリーニング装置を導くように特に適合されている。
【0012】
部品の部分領域は、例えば、(特に未だ)濡れた(例えば、湿潤な)部分領域、及び/又は、未だ表面が乾燥しきっていない部分領域であり得る。
【0013】
例えば、部品の部分領域は、未だ表面が乾燥しきっていない継ぎ目(例えば、封止継ぎ目)、特に、湿った継ぎ目であり得る。代替的に又は付加的に、部品の部分領域は、未だ表面が乾燥しきっていないコーティング面であり得る。
【0014】
コーティング面は、例えば、塗装面、封止面、絶縁面、及び/又は、保護面を含み得る。
【0015】
コーティング面は、例えば、ポリ塩化ビニルを含み得る。
【0016】
第2クリーニング装置は、クリーニングブラシ、特に、プラスチック製クリーニングブラシであることが可能である。
【0017】
例えば、第2クリーニング装置は、例えば、40cm未満、35cm未満、32cm未満、又は29cm未満で、及び/又は、5cmより大きい、10cmより大きい、15cmより大きい、又は20cmより大きい、ローラー外径を好ましくは有する、クリーニングローラー(特に、プラスチック製クリーニングローラー)であり得る。
【0018】
特に、第2クリーニング装置は、例えば、有利には縁が明確に定められたクリーニングのためのクリーニングフィラメント、好ましくは、複数の(適宜に比較的に長い又は比較的に短い)繊維、剛毛、及び/又は、ブレード、好ましくはプラスチック製であるもの(例えば、プラスチック繊維、プラスチック剛毛、及び/又は、プラスチックブレード)を含み得る。代替的に又は付加的に、第2クリーニング装置は、例えば、クリーニングフェルトを含み得、また、例えば、クリーニングフェルトローラーを形成し得る。
【0019】
例えば、繊維、剛毛、若しくは、ブレード、又は、広義には、クリーニングフィラメントは、特に、比較的に短く、例えば、最大3cm、最大2cm、最大1cm、又は最大0.5cmであり得るが、適宜により長くてもよい。
【0020】
(好ましくはクリーニングローラーとして形成される)第2クリーニング装置は、少なくとも1つの側方遮蔽装置(例えば、サイドウォール又は制限板など)を設けられており、例えば、プラスチック繊維、プラスチック剛毛、若しくはプラスチックブレード、又は、広義には、クリーニングフィラメントが、クリーニング中に部品に作用させられて、これにより、例えば、側方に逸らさせられる可能性がある場合に、プラスチック繊維、プラスチック剛毛、若しくはプラスチックブレード、又は、広義には、クリーニングフィラメントが、遮蔽装置を超えて、側方外側に(例えば、部分領域に)、逸れる(例えば、変形させられる)ことが防がれることも可能である。こうして、縁が明確に定められたクリーニングが有利なやり方で支持され及び/又は保証され得る。
【0021】
第2クリーニング装置は片側又は両側に側方遮蔽装置を設けられることが可能である。
【0022】
遮蔽装置は、例えば、弾性的に変形不可能な又は最小限にのみ弾性変形可能である材料から構成され得る。
【0023】
多軸式ロボットは少なくとも5つ又は少なくとも6つの移動軸を含む、及び/又は、第2クリーニング装置は多軸式ロボットハンド上に取り付けられることが可能である。
【0024】
特に大面積クリーニングのための、第1クリーニング装置は、例えば、回転ソードブラシ、羽ブラシ、羽ローラー、特に、エミュ羽ローラー、又はクリーニングローラーであることが可能である。
【0025】
有利な実施形態では、第1クリーニング装置は第1ローラー外径を有する第1クリーニングローラーであり得、第2クリーニング装置は第2ローラー外径を有する第2クリーニングローラーであり得、特に、好ましくは大面積クリーニングのための、第1ローラー外径は、好ましくは、縁が明確に定められた、特に小面積での、クリーニングのための、第2ローラー外径よりも大きいことが可能であり得る。
【0026】
第1ローラー外径は、例えば、第2ローラー外径の少なくとも1.5倍又は少なくとも2.0倍の大きさであり得る。
【0027】
第2クリーニング装置は、クリーニングローラーとして形成され、例えば、クリーニングローラーを回転させるための(適宜に独自の)駆動モーターを含むことが可能である。代替的に又は付加的に、第1クリーニング装置は、好ましくは、クリーニングローラーとして形成され、クリーニングローラーを回転させるための(適宜に独自の)駆動モーターを含み得る。
【0028】
例えば、第2クリーニング装置の駆動モーターの駆動回転速度が、例えば、第1クリーニング装置の駆動モーターの駆動回転速度よりも高く、例えば、少なくとも1.5倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.5倍、又は少なくとも3.0倍の高さであることが可能である。
【0029】
例えば、第2クリーニング装置のクリーニング回転速度は、好ましくは、第1クリーニング装置のクリーニング回転速度の少なくとも1.5倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.5倍、又は少なくとも3.0倍の高さであり得る。
【0030】
この結果、第2クリーニング装置によるクリーニングは、第1クリーニング装置によるクリーニングよりも高い(例えば、少なくとも1.5倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.5倍、又は少なくとも3.0倍の高さの)クリーニング回転速度で行われ得る。
【0031】
クリーニング設備は、多軸式ロボットに加えて、適宜に、第1クリーニング装置を運ぶ(例えば、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの移動軸を有する)少なくとも1つのさらなる自動運動機械を含むことが可能である。
【0032】
したがって、第1クリーニング装置は、好ましくは、独自の自動運動手段により、具体的には、自動運動機械により、運ばれ、第2クリーニング装置は、好ましくは、独自の運動手段により、具体的には、多軸式ロボットにより、運ばれる。
【0033】
例えば、自動運動機械は、適宜に部品をクリーニングできるように、部品に沿って第1クリーニング装置を導くように適合されている(例えば、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又は少なくとも6つの移動軸を有する)多軸ロボットであり得る。
【0034】
しかし、自動運動機械は、所謂ルーフマシン又はサイドマシンも含み得る。
【0035】
例えば、部品をクリーニングするためのクリーニング設備は、好ましくは第1クリーニング装置を有する、少なくとも1つのルーフマシン、及び/又は、好ましくは第1クリーニング装置を有する、サイドマシンを含むことが可能である。
【0036】
クリーニング設備は、例えば、コンベア装置の両側に、それぞれ、前述のような少なくとも1つの第1クリーニング装置、及び/又は、それぞれ、前述のような少なくとも1つの第2クリーニング装置を含み得る。
【0037】
したがって、クリーニング設備は、例えば、コンベア装置の両側に、第1クリーニング装置を有する少なくとも1つの自動運動機械(例えば、多軸ロボット、サイドマシンなど)、及び、第2クリーニング装置を有する少なくとも1つの多軸式ロボット、並びに、任意で、例えば、好ましくは第1クリーニング装置を有する、ルーフマシンを含み得る。
【0038】
多軸式ロボットは、特に第2クリーニング装置を部分領域に進入させずに、側方で部分領域に沿って第2クリーニング装置を導くように適合されていることが可能である。代替的に又は付加的に、多軸式ロボットは、2cm未満、1cm未満、0.5cm未満、若しくは0.25cm未満の、第2クリーニング装置と部分領域との間の側方距離で、又は、実質的に0cmの側方距離で、側方で部分距離に沿って、第2クリーニング装置を導くように適合され得る。
【0039】
本発明の文脈において、第1クリーニング装置も、特に第1クリーニング装置を部分領域に進入させずに、部品をクリーニングすることを理解されたい。しかし、第1クリーニング装置は、適宜に大面積のクリーニングのために構成されており、したがって、例えば、縁が明確に定められたクリーニングには適していないので、第1クリーニング装置は、好ましくは、部品領域から、適宜に十分に、例えば、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも4cm、少なくとも5cm、又は少なくとも6cm、離れた部品の区域のみをクリーニングし得る。
【0040】
第1クリーニング装置は、そこで、具体的には、例えば、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも4cm、少なくとも5cm、又は少なくとも6cmの第1クリーニング装置と部分領域との間の側方距離で、部品をクリーニングするように特に適合され得る。
【0041】
クリーニング設備は、側方で部分領域に沿って第2クリーニング装置を導くために、第2クリーニング装置(例えば、その回転速度及び/又はその回転方向)及び/又は多軸式ロボットを、特に自動的に、制御するための制御装置を含み得る。
【0042】
例えば、多軸式ロボットは、側方で部分領域に沿って第2クリーニング装置を導くために、特に適合されており、且つ、制御装置により、適宜に制御命令により、制御可能であることが可能である。
【0043】
制御装置(例えば、制御演算手段、コンピューターなど)は、特に、多軸式ロボットに適宜に接続され得、例えば中央制御装置及び/又は分散制御装置を含み得る。
【0044】
例えば、制御装置は、特に予め定めたやり方で側方で部分領域に沿って適宜に第2クリーニング装置を導くために、多軸式ロボットを制御するための制御プログラムを記憶できる制御演算手段を含み得る。
【0045】
本発明の範囲内で、例えば、制御装置はその機能が複数の異なるハードウェア部品に分散されることが可能である。
【0046】
部品のクリーニングは、例えば、部品の、内部クリーニング及び/又は外部クリーニングであり得ることは言及されるべきだろう。
【0047】
第1クリーニング装置は、特に、面クリーニングに、例えば、部品の1つ以上の側部パーツの及び/又はルーフの面クリーニングに役立つことも言及されるべきだろう。
【0048】
特に、第1クリーニング装置は、部分領域に対してある側方距離で部品をクリーニングするために役立つ。
【0049】
第2クリーニング装置を運ぶための多軸式ロボットは、好ましくは、第1クリーニング装置を運ぶための多軸ロボットよりも小さい。
【0050】
多軸式ロボット及び/又は多軸ロボットは、好ましくは、複数の枢動可能なロボットアームを含み、したがって、特に、関節腕ロボットであり得る。
【0051】
多軸式ロボットは、好ましくは、台座上に配置され、及び/又は、多軸ロボットは、好ましくは、台座上に配置され、多軸式ロボットの台座が、例えば、多軸ロボットの台座よりも高いことがあり得る。
【0052】
クリーニングステーションは、例えば、入口側及び/又は出口側の、ロック、特に、エアカーテン門を含み得る。
【0053】
コンベア装置は、例えば、クリーニングステーションからクリーニングステーションの下流の塗装ブースへと部品を搬送するために形成され得、ここで、塗装ブースは、例えば、入口側及び/又は出口側のロックを含み得る。
【0054】
第2クリーニング装置を有する多軸式ロボット及び第1クリーニング装置を有する自動運動機械は、好ましくは、同じ1つのクリーニングステーションに配置される。
【0055】
多軸式ロボットは、例えば、単一の第2クリーニング装置のみを運び、及び/又は、自動運動機械は、例えば、単一の第1クリーニング装置のみを運ぶことが可能である。
【0056】
例えばプラスチック繊維、プラスチック剛毛、又はプラスチックブレードなどとしての第2クリーニング装置のクリーニングフェルト及び/又はクリーニングフィラメントは、適宜に、特に側方で部品領域に沿って、部品をクリーニングすることに役立つ。
【0057】
『第1』クリーニング装置及び『第2』クリーニング装置という表記は、特に、クリーニング装置を区別する役割を果たすものであり、例えば、それらの配置される順番を規定するわけではない。したがって、例えば、第2クリーニング装置及び/又は多軸式ロボットが、部品の運搬/搬送方向に対して、例えば第1クリーニング装置及び/又は自動運動機械の前又は後に、配置され得る。
【0058】
本発明は、部品を、好ましくは、自動車車体部品を、クリーニングするための、特に、本明細書に記載のクリーニング装置により実行される、クリーニング方法も含み、クリーニング設備に関する開示は適宜にクリーニング方法にも適用される。
【0059】
クリーニング方法は、特に、側方で部品の(特に未だ)濡れた部分領域に沿って部品をクリーニングすることに役立つ。
【0060】
クリーニング方法は、特に、以下の工程を含む。
・コンベア装置によりクリーニングステーションを通過させて部品を搬送する工程、
・第1クリーニング装置により部品を、好ましくは大面積で、クリーニングする工程、及び、
・側方において部分領域のそばで部品をクリーニングするために側方で部品の部分領域に沿って多軸式ロボットにより導かれる第2クリーニング装置により部品をクリーニングする、好ましくは縁が明確に定められたクリーニングする、特に、小面積でクリーニングする工程。
【0061】
請求項における方法の工程の順序は、例えば、適宜にではあるが、方法の工程の順序を必ずしも規定する必要はない可能性がある。
【0062】
したがって、例えば、大面積のクリーニング(面クリーニング)が最初に実行され、その後、縁が明確に定められた、特に、小面積のクリーニング(精密クリーニング)が実行されてもよいし、その逆順でもよく、代替的に又は付加的に、大面積のクリーニングと、縁が明確に定められた、特に、小面積のクリーニングとは、例えば少なくとも時折は、同時に実行されてもよい。
【0063】
第2クリーニング装置によるクリーニングは、例えば、第1クリーニング装置によるクリーニングよりも高い(例えば、少なくとも1.5倍の、少なくとも2.0倍の、少なくとも2.5倍の、又は少なくとも3.0倍の高さの)クリーニング回転速度で、実行され得る。
【0064】
例えば、第2クリーニング装置による部品のクリーニングは第1クリーニング装置によるクリーニングと少なくとも時折は同時に行われることが可能である。
【0065】
代替的に又は付加的に、第2クリーニング装置による部品のクリーニングは、第1クリーニング装置によるクリーニングより時間的に前に少なくとも時折及び/又は当該クリーニングより時間的に後に少なくとも時折は行われ得る。
【0066】
濡れた部分領域はクリーニング方法より時間的に前に部品に塗布される及び/又は部品はクリーニング方法より時間的に後にコーティングされることが可能である。
【0067】
上述した本発明の好ましい実施形態及び特徴は互いに組み合わせることができる。本発明の有利な展開例が、従属請求項に記載されているし、添付の図面と合わせて後述する本発明の好ましい実施形態の記載からももたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1】本発明の一実施形態に係るクリーニング設備の上からの模式図を示す。
図2】特に第1クリーニング装置をそれぞれが有する2つの自動運転機械での、クリーニング設備の断面模式図を示す。
図3】特に第2クリーニング装置をそれぞれが有する2つの多軸式ロボットでの、クリーニング設備の別の断面模式図を示す。
図4】特に濡れた部分領域及び第2クリーニング装置の模式図を示す。
図5】本発明の一実施形態に係る第1クリーニング装置及び第2クリーニング装置の模式図を示す。
図6】本発明の一実施形態に係るクリーニング方法を例示する。
図7】本発明の別実施形態に係るクリーニング設備の上からの模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図面を参照しつつ記載された本発明の好ましい実施形態は部分的には一致するので、類似又は同一の部分については同じ符号を付し、繰り返しを避けるためにそれらの説明について別の実施形態の記載を参照することもあり得る。
【0070】
図1から3は、部品Cを、特に、自動車車体部品をクリーニングするためのクリーニング設備100の異なる視点からの図を示す。クリーニング設備100は、特に、側方で部品Cの未だ濡れた部分領域Sに沿って部品Cをクリーニングするために役立つ(図4参照)。
【0071】
クリーニング設備100は、クリーニングステーション1と、特にクリーニングステーション1を通過させて部品Cを直線的に搬送するコンベア装置2とを含むが、図1で、破線矢印はクリーニングステーション1を通る部品Cの運搬/搬送方向を示す。クリーニングステーション1は、入口側及び/又は出口側の、例えば、ロックを含み得る。
【0072】
矢印の方向においてクリーニングステーション1の前に、部品Cは濡れた部分領域Sを設けられ得るが(図4参照)、濡れた部分領域Sは、例えば、継ぎ目、特に、PVC継ぎ目などの封止継ぎ目を含み得る。矢印の方向においてクリーニングステーション1の後に、例えば、浸漬塗装ステーション及び/又は1つ以上の塗装ブースが配置され得るが、そこで部品Cはクリーニング後に塗装され得る。ただし、濡れた部分領域Sは、継ぎ目に限られるわけではなく、例えば、広範には、塗装面、封止面、絶縁面、又は保護面などとしての、コーティング面も含み得るものであり、これらは矢印の方向においてクリーニングステーション1の前に部品Cに塗布され得る。
【0073】
クリーニング設備100は、コンベア装置2の一方の側に、好ましくは(例えば、少なくとも5つ又は少なくとも6つの移動軸を有する)多軸ロボットとして形成される、自動運動機械11を含み、これは部品Cを大面積でクリーニングするための第1クリーニング装置10を運ぶ。クリーニング装置10は、例えば、回転ソードブラシ、羽ブラシ、羽ローラー、又はクリーニングローラーであり得る。ただし、好ましくは、第1クリーニング装置10は、エミュ羽ローラーである。同じ配置がコンベア装置2の他方の側に適宜に設けられ得る。しかし、自動運動機械11は、例えば、ルーフマシン又はサイドマシンとしても、形成され得る(図7参照)。
【0074】
クリーニング設備100は、自動運動機械11に加えて、(例えば、少なくとも5つ又は少なくとも6つの移動軸を有する)多軸式ロボット21を含み、これは縁が明確に定められた状態での適宜に小面積での部品Cのクリーニングのための第2クリーニング装置20を運ぶ。第2クリーニング装置20は、例えば、多軸式ロボットハンド上に取り付けられ得る。同じ配置がコンベア装置2の他方の側に適宜に設けられ得る。
【0075】
第1クリーニング装置10は、部品Cを大面積でクリーニングすることに、例えば、部品Cの、ルーフ及び/又は1つ以上のサイドパーツをクリーニングすることに役立つ。
【0076】
第2クリーニング装置20は、側方で予め定められた部分領域Sに沿っての、縁が明確に定められた状態で且つ小面積での、特に正確な、部品Cのクリーニングに役立つ。
【0077】
多軸式ロボット21及び/又は第2クリーニング装置20は、図1に示すように、部品Cの運搬方向に対して、第1自動運動機械11の前に及び/又は第1クリーニング装置10の前に、配置されることが可能である。しかし、本発明の文脈において、多軸式ロボット21及び/又は第2クリーニング装置20が、部品Cの運搬方向に対して、例えば、第1自動運動機械11の後に及び/又は第1クリーニング装置10の後に、配置される実施形態も可能である。
【0078】
第2クリーニング装置20を有する多軸式ロボット21は、第1クリーニング装置10を有する自動運動機械11と同じクリーニングステーション1に適宜に配置される。しかし、第2クリーニング装置20を有する多軸式ロボット21と、好ましくは自動運動機械11を有する、第1クリーニング装置10とは、異なるクリーニングステーションに配置される実施形態も可能である。
【0079】
特に模式的な図4から見て取ることができるように、ロボット21は、側方で部品Cの特に未だ濡れた部分領域Sに沿って、図4では破線矢印方向に沿って、第2クリーニング装置20を導くように適合されており、部品Cは側方において部分領域Sのそばでクリーニングされ得る。第2クリーニング装置20は、好ましくは、(特に比較的に小さい)プラスチックローラーである。
【0080】
部分領域Sは、特に、未だ乾燥しきっていない表面を有する継ぎ目(例えば、封止継ぎ目、特に、PVC継ぎ目)及び/又は未だ乾燥しきっていない表面を有するコーティング面(例えば、塗装面、絶縁面、封止面、又は保護面)であり得る。
【0081】
好ましい目的は、第2クリーニング装置20と未だ濡れた部分領域Sとの間の側方距離xを可能な限り短く維持しつつ、第2クリーニング装置20が部分領域Sに進入することを防ぐことである。第2クリーニング装置20が未だ濡れた部分領域Sに進入する場合、第2クリーニング装置20及び部品Cは汚染されるおそれがあり、一方、部分領域S自体は損傷を受けるおそれがある。
【0082】
そこで、ロボット21は、特に、側方で部分領域Sに沿って第2クリーニング装置20を導くように適合され、具体的には、第2クリーニング装置20を未だ濡れた部分領域Sに進入させずに導くように適合されるが、それにもかかわらず、部品Cは、部分領域Sに対して、例えば、第2クリーニング装置20と部分領域Sとの間の例えば0.5cm未満の側方距離xで、又は、さらには、実質的に0cmの側方距離xで、可能な限りクリーニングされる。
【0083】
したがって、部分領域Sが未だ乾燥しきっておらず未だ湿っていても、それにもかかわらず、部品Cも側方で部分領域Sに沿ってクリーニングされ得る。したがって、部品Cをクリーニングするために部分領域Sが乾燥しきるのを待つ必要がない。
【0084】
第2クリーニング装置20は、任意で、図4に模式的に示すように少なくとも1つの側方遮蔽装置22(例えば、サイドウォール又は制限板)を設けられ得るが、これは、特に縁が明確に定められたクリーニングのために、例えば、クリーニングフィラメントがクリーニング中に部品Cに作用させられて、これにより、例えば、側方に逸らさせられる場合に、例えば、プラスチック繊維、プラスチック剛毛、又はプラスチックシートとしての、第2クリーニング装置20のクリーニングフィラメントが、遮蔽装置22を超えて、側方外側に、例えば、部分領域Sに、逸れる(例えば、変形させられる)ことを実質的に防ぐためである。第2クリーニング装置20は片側又は両側に遮蔽装置22を含み得る。遮蔽装置22は、例えば、弾性的に変形不可能な又は最小限にのみ弾性変形可能である材料から構成され得る。
【0085】
第1クリーニング装置10も、部分領域Sに進入しないように、部品Cに沿って導かれることを理解されたい。しかし、第1クリーニング装置10は、大面積クリーニングのために適宜に形成され、そして、特に、縁が明確に定められたクリーニングには適していないので、第1クリーニング装置10は、好ましくは、部分領域Sから十分に離れた部品の区域のみをクリーニングし得る。
【0086】
クリーニング設備100は、例えば、模式的にのみ示した制御装置30(例えば、制御演算手段、コンピューターなど)を含み得、これには、例えば、ロボット21及び/又は第2クリーニング装置20を制御するための制御プログラムが記憶できる。コンベア装置2の一方の側にあるロボット21、及び/又は、コンベア装置2の他方の側にあるロボット21は、上で説明したように側方で部分領域Sに沿って第2クリーニング装置20を導くように、制御装置30により制御可能であることが可能である。しかし、代替的に又は付加的に、両方のロボット21が異なる制御装置により制御されることも可能である。第2クリーニング装置20にも同じことが適宜に適用される。
【0087】
説明中の実施形態では、好ましくは、第1クリーニング装置10は、第1ローラー外径d1を有するクリーニングローラーであり、第2クリーニング装置20は、第2ローラー外径d2を有するクリーニングローラー、特に、プラスチック製クリーニングローラーであり、例えば図5に模式的に示すように、第1ローラー外径d1は第2ローラー外径d2よりも大きい。
【0088】
第1ローラー外径d1は、第2ローラー外径d2の、例えば、少なくとも1.5倍又は少なくとも2.0倍の大きさであり得る。
【0089】
図6は、本発明の一実施形態に係るクリーニング方法を例示しており、当該クリーニング方法は本明細書に記載のクリーニング設備100により実行され得る。
【0090】
工程S0では、濡れた部分領域Sが、具体的には、クリーニング方法が実行されるより時間的に前に、部品Cに塗布され得る。
【0091】
工程S1では、部品Cは、コンベア装置2により、クリーニングステーション1を通って、搬送され得る。
【0092】
工程S2では、好ましくは大面積での、部品Cのクリーニングが、第1クリーニング装置10により実行され得る。
【0093】
工程S3では、縁が明確に定められた状態での、特に小面積での、部品Cのクリーニングが、第2クリーニング装置20により実行され得るが、側方において未だ濡れた部分領域Sのそばで部品Cをクリーニングするために、第2クリーニング装置20は、多軸式ロボット21により、側方で部品Cの未だ濡れた部分領域Sに沿って導かれる。
【0094】
工程S4では、部品Cは、クリーニング方法より時間的に後に、例えば、塗料を、コーティングされ得る。
【0095】
工程S1、S2、及び/又はS3は、少なくとも時折は同時に実行され得るし、及び/又は、少なくとも時折は連続的に実行され得る。工程S3は、例えば、少なくとも時折はS3より時間的に前に実行され得るし、その逆順もあり得る。
【0096】
第2クリーニング装置20によるクリーニングは、好ましくは、第1クリーニング装置10によるクリーニングよりも高い(例えば、少なくとも1.5倍、少なくとも2.0倍、又は少なくとも2.5倍の高さの)クリーニング回転速度で行われる。
【0097】
請求項における方法の工程の順序は、例えば、方法の工程の順序を必ずしも規定する必要はない可能性がある。
【0098】
図7は、本発明の別実施形態に係るクリーニング設備100を示す。
【0099】
特別な特徴は、クリーニング設備100が、特に部品Cの大面積クリーニングのために、第1クリーニング装置10を有するルーフマシンRMを含み、好ましくはコンベア装置2の両側に、第1クリーニング装置10を有するサイドマシンSMを含む。ルーフマシンRM及びサイドマシンSMのクリーニング装置10は、同一でも異なっていてもよいが、いずれにせよ、特に大面積での、部品Cのクリーニングに役立つ。
【0100】
本発明は上述の好ましい実施形態に限定されるわけではない。むしろ、本発明の思想を用いて多数の変形例及び修正例が可能であり、これらも本発明の権利範囲に包含される。さらに、本発明は、従属請求項の主題及び特徴について、それらが引用する特徴及び請求項とは独立して、権利保護を請求する。
【0101】
[付記]
[付記1]
部品(C)を、好ましくは、自動車車体部品を、特に、側方で前記部品(C)の濡れた部分領域(S)に沿って、クリーニングするためのクリーニング設備(100)であって、
クリーニングステーション(1)、
前記クリーニングステーション(1)を通過させて前記部品(C)を搬送するためのコンベア装置(2)、及び、
前記部品(C)を、好ましくは大面積で、クリーニングするための第1クリーニング装置(10)、
を含み、
前記クリーニング設備(100)は、前記部品(C)を、好ましくは縁が明確に定められた状態で、クリーニングするための第2クリーニング装置(20)を運ぶ多軸式ロボット(21)であって、側方で前記部品(C)の部分領域(S)に沿って前記第2クリーニング装置(20)を導くように適合されている多軸式ロボット(21)を含むことを特徴とする、
クリーニング設備(100)。
【0102】
[付記2]
前記部分領域(S)は、濡れた部分領域(S)、及び/又は、未だ表面が乾燥しきっていない部分領域(S)である、付記1に記載のクリーニング設備(100)。
【0103】
[付記3]
前記部分領域(S)は、未だ表面が乾燥しきっていない継ぎ目、及び/又は、未だ表面が乾燥しきっていないコーティング面である、付記1又は2に記載のクリーニング設備(100)。
【0104】
[付記4]
前記第2クリーニング装置(20)は、クリーニングブラシ、特に、プラスチック製クリーニングブラシである、付記1から3のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)。
【0105】
[付記5]
前記第2クリーニング装置(20)は、クリーニングローラー、特に、プラスチック製クリーニングローラーである、付記1から4のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)。
【0106】
[付記6]
前記クリーニングローラーは、35cm未満、32cm未満、又は29cm未満で、且つ、10cmを超えるローラー外径(d2)を有する、付記5に記載のクリーニング設備(100)。
【0107】
[付記7]
前記第2クリーニング装置(20)は、クリーニングフェルト、プラスチック繊維、プラスチック剛毛、又はプラスチックブレードを含む、付記1から6のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)。
【0108】
[付記8]
前記多軸式ロボット(21)は少なくとも5つ又は少なくとも6つの移動軸を含む、及び/又は、前記第2クリーニング装置(20)は多軸式ロボットハンド上に取り付けられる、付記1から7のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)。
【0109】
[付記9]
前記第1クリーニング装置(10)は、ソードブラシ、羽ブラシ、羽ローラー、特に、エミュ羽ローラー、又はクリーニングローラーである、付記1から8のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)。
【0110】
[付記10]
前記第1クリーニング装置(10)は、第1ローラー外径(d1)を有するクリーニングローラーであり、前記第2クリーニング装置(20)は、第2ローラー外径(d2)を有するクリーニングローラーであり、前記第1ローラー外径(d1)は、前記第2ローラー外径(d2)よりも大きく、好ましくは、少なくとも1.5倍又は少なくとも2.0倍の大きさである、付記1から9のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)。
【0111】
[付記11]
前記クリーニング設備(100)は、前記多軸式ロボット(21)に加えて、前記第1クリーニング装置(10)を運ぶ自動運動機械(11)を含む、付記1から10のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)。
【0112】
[付記12]
前記自動運動機械(11)は、前記部品(C)に沿って前記第1クリーニング装置(10)を移動させるよう適合されている多軸ロボットを含む、付記11に記載のクリーニング設備(100)。
【0113】
[付記13]
前記クリーニング設備(100)は、前記コンベア装置(2)の両側に、それぞれ、少なくとも1つの第1クリーニング装置(10)及び/又は少なくとも1つの第2クリーニング装置(20)を含む、付記1から12のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)。
【0114】
[付記14]
前記第2クリーニング装置(20)を前記部分領域(S)に進入させず、及び/又は、
0.5cm未満又は0.25cm未満又は実質的に0cmの、前記第2クリーニング装置(20)と前記部分領域(S)との間の側方距離(x)で、
前記多軸式ロボット(21)は、側方で前記部分領域(S)に沿って前記第2クリーニング装置(20)を導くように適合されている、
付記1から13のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)。
【0115】
[付記15]
前記第2クリーニング装置(20)は、少なくとも1つの側方遮蔽装置(22)を設けられており、クリーニングフェルト、プラスチック繊維、プラスチック剛毛、又はプラスチックブレードが前記遮蔽装置(22)を超えて、側方外側に、例えば前記部分領域(S)に、逸れることが防がれる、付記7から14のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)。
【0116】
[付記16]
前記クリーニング設備(100)は、側方で前記部分領域(S)に沿って前記第2クリーニング装置(20)を導くために、前記第2クリーニング装置(20)を制御するための、及び/又は、前記多軸式ロボット(21)を制御するための、制御装置(30)を含む、付記1から15のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)。
【0117】
[付記17]
前記自動運動機械(11)は、前記部分領域(S)に対してある側方距離で、且つ、前記第1クリーニング装置(10)を前記部分領域(S)に進入させず、前記部品(C)に沿って前記第1クリーニング装置(10)を導くように適合されている、付記1から16のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)。
【0118】
[付記18]
前記多軸式ロボット(21)は、単一の第2クリーニング装置(20)のみを運び、及び/又は、前記自動運動機械(11)は、単一の第1クリーニング装置(10)のみを運ぶ、付記1から17のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)。
【0119】
[付記19]
部品(C)を、好ましくは、自動車車体部品を、好ましくは、側方で前記部品(C)の濡れた部分領域(S)に沿って、クリーニングするための、及び/又は、付記1から18のいずれか1つに記載のクリーニング設備(100)によって実行される、クリーニング方法であって、
コンベア装置(2)によりクリーニングステーション(1)を通過させて前記部品(C)を搬送する工程(S1)、
第1クリーニング装置(10)により前記部品(C)を、好ましくは大面積で、クリーニングする工程(S2)、及び、
側方において前記部品(C)の部分領域(S)のそばで前記部品(C)をクリーニングするために側方で前記部分領域(S)に沿って多軸式ロボット(21)により導かれる第2クリーニング装置(20)により前記部品(C)を、好ましくは縁が明確に定められた状態で、クリーニングする工程(S3)、
を含む、クリーニング方法。
【0120】
[付記20]
前記部分領域(S)は、濡れた部分領域(S)、及び/又は、未だ表面が乾燥しきっていない部分領域(S)である、付記19に記載のクリーニング方法。
【0121】
[付記21]
前記部分領域(S)は、未だ表面が乾燥しきっていない継ぎ目、及び/又は、未だ表面が乾燥しきっていないコーティング面である、付記19又は20に記載のクリーニング方法。
【0122】
[付記22]
前記第2クリーニング装置(20)を前記部分領域(S)に進入させず、及び/又は、
0.5cm未満又は0.25cm未満又は実質的に0cmの、前記第2クリーニング装置(20)と前記部分領域(S)との間の側方距離(x)で、
前記多軸式ロボット(21)は、側方で前記部分領域(S)に沿って前記第2クリーニング装置(20)を導く、
付記19から21のいずれか1つに記載のクリーニング方法。
【0123】
[付記23]
濡れた部分領域(S)が前記クリーニング方法より時間的に前に前記部品(C)に塗布され(S0)、及び/又は、前記部品(C)が前記クリーニング方法より時間的に後にコーティングされる(S4)、付記19から22のいずれか1つに記載のクリーニング方法。
【0124】
[付記24]
前記第2クリーニング装置(20)による前記部品(C)の前記クリーニング(S3)は、
前記第1クリーニング装置(10)による前記クリーニング(S2)と同時に少なくとも時折は行われ、
前記第1クリーニング装置(10)による前記クリーニング(S2)より時間的に前に少なくとも時折は行われ、及び/又は、
前記第1クリーニング装置(10)による前記クリーニング(S2)より時間的に後に少なくとも時折は行われる、
付記19から23のいずれか1つに記載のクリーニング方法。
【0125】
[付記25]
前記第1クリーニング装置(10)は、少なくとも2cm、少なくとも3cm、又は少なくとも5cmの、前記第1クリーニング装置(10)と前記部分領域(S)との間の側方距離で、前記部品(C)をクリーニングする、付記19から24のいずれか1つに記載のクリーニング方法。
【0126】
[付記26]
前記第2クリーニング装置(20)は、クリーニングローラーとして形成され、前記第1クリーニング装置(10)は、クリーニングローラーとして形成され、前記第2クリーニング装置(20)のクリーニング回転速度は、前記第1クリーニング装置(10)のクリーニング回転速度の、少なくとも1.5倍、少なくとも2.0倍、又は少なくとも2.5倍の高さである、付記19から25のいずれか1つに記載のクリーニング方法。
【符号の説明】
【0127】
1 クリーニングステーション

2 コンベア装置

10 クリーニング装置、特に、第1クリーニング装置
11 自動運動機械
d1 ローラー外径

SM サイドマシン
RM ルーフマシン

20 クリーニング装置、特に、第2クリーニング装置
21 多軸式ロボット
22 側方遮蔽装置
d2 ローラー外径

C 部品、特に、自動車車体部品
S 部分領域、特に、濡れた部分領域
x 部分領域と第2クリーニング装置との間の側方距離

30 制御装置

100 クリーニング設備
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】