IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 青島海尓電冰箱有限公司の特許一覧 ▶ 海尓智家股▲フン▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-加熱方法及び冷蔵冷凍装置 図1
  • 特表-加熱方法及び冷蔵冷凍装置 図2
  • 特表-加熱方法及び冷蔵冷凍装置 図3
  • 特表-加熱方法及び冷蔵冷凍装置 図4
  • 特表-加熱方法及び冷蔵冷凍装置 図5
  • 特表-加熱方法及び冷蔵冷凍装置 図6
  • 特表-加熱方法及び冷蔵冷凍装置 図7
  • 特表-加熱方法及び冷蔵冷凍装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】加熱方法及び冷蔵冷凍装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/68 20060101AFI20240719BHJP
   F25D 23/12 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H05B6/68 320P
F25D23/12 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504217
(86)(22)【出願日】2022-04-24
(85)【翻訳文提出日】2024-03-19
(86)【国際出願番号】 CN2022088793
(87)【国際公開番号】W WO2023005289
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】202110859060.9
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(71)【出願人】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】趙 ▲イェン▼鋒
(72)【発明者】
【氏名】朱 小兵
(72)【発明者】
【氏名】李 春陽
(72)【発明者】
【氏名】王 銘
(72)【発明者】
【氏名】韓 志強
(72)【発明者】
【氏名】艾 景海
【テーマコード(参考)】
3K086
【Fターム(参考)】
3K086AA01
3K086AA08
3K086AA10
3K086BA07
3K086BA08
3K086BA10
3K086CA11
3K086CB12
3K086CB14
3K086CC01
3K086CD03
3K086CD19
3K086CD27
3K086DA04
3K086DA12
(57)【要約】
加熱方法及び加熱ユニット(100)を備えた冷蔵冷凍装置(200)を提供する。加熱方法は、加熱ユニット(100)の作動を制御し、被処理物(150)を加熱するステップと、加熱一時停止条件が満たされた場合、加熱ユニット(100)の現在の加熱パラメータを記録し、加熱ユニット(100)を制御して作動を停止するステップと、加熱継続条件が満たされた場合、加熱ユニット(100)を制御して、記録された加熱パラメータに従って作動を継続するステップと、を含む。加熱ユニット(100)が加熱を中断する前に最近の加熱パラメータを記録し、加熱再開後も記録された加熱パラメータに従って加熱することによって、制御流れを簡略化するだけではなく、再決定された加熱パラメータによって被処理物(150)が過度に加熱されることを防止し、加熱時間を短縮し、不要なエネルギー消費を削減する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱方法であって、
加熱ユニットの作動を制御し、被処理物を加熱するステップと、
加熱一時停止条件が満たされた場合、前記加熱ユニットの現在の加熱パラメータを記録し、前記加熱ユニットを制御して作動を停止するステップと、
加熱継続条件が満たされた場合、前記加熱ユニットを制御して、記録された加熱パラメータに従って作動を継続するステップと、を含む、加熱方法。
【請求項2】
前記加熱ユニットは、電磁波信号を発生させるための電磁波発生モジュールと、被処理物を収納するキャビティキャパシタンスと、前記電磁波発生モジュールと前記キャビティキャパシタンスとの間に直列接続されるか、又は前記キャビティキャパシタンスの両端に並列接続されるインピーダンス整合モジュールと、を含み、前記加熱ユニットの作動を制御する前記ステップの前に、
前記インピーダンス整合モジュールの設定を調節することで、前記電磁波発生モジュールに戻る反射波電力を減少させるステップと、
前記インピーダンス整合モジュールの設定から前記加熱ユニットの初期加熱パラメータを決定するステップと、をさらに含み、
前記初期加熱パラメータは、加熱電力及び加熱工程を終了するための終了閾値のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の加熱方法。
【請求項3】
前記加熱ユニットは、電磁波信号を発生させるための電磁波発生モジュールと、前記電磁波発生モジュールに電気的に接続され、被処理物を収納するためのキャビティキャパシタンスと、を含み、加熱ユニットの作動を制御する前記ステップの前に、
前記電磁波信号の周波数を調節することで、前記電磁波発生モジュールに戻る反射波電力を減少させるステップと、
前記電磁波信号の周波数から前記加熱ユニットの初期加熱パラメータを決定するステップと、をさらに含み、
前記初期加熱パラメータは、加熱電力及び加熱工程を終了するための終了閾値のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の加熱方法。
【請求項4】
前記加熱ユニットは、冷蔵冷凍装置の1つの貯蔵区画内に設けられ、
前記加熱一時停止条件は、前記貯蔵区画に対応するドアが開かれていることを含み、
前記加熱継続条件は、前記貯蔵区画に対応するドアが閉じられており、かつ、前記ドアの開閉中に前記加熱ユニットの扉が開閉動作を行わない、請求項1に記載の加熱方法。
【請求項5】
前記加熱ユニットの加熱が一時停止されると、前記加熱ユニットの扉が開閉動作を行い、前記加熱ユニットを制御して加熱工程を終了するステップをさらに含む、請求項4に記載の加熱方法。
【請求項6】
前記加熱ユニットは、冷蔵冷凍装置の1つの貯蔵区画内に設けられ、前記冷蔵冷凍装置の1つのドアに対話型ユニットが設けられ、加熱ユニットの作動を制御する前記ステップの前に、
前記貯蔵区画に対応するドアの開閉中に、前記加熱ユニットの扉が開閉動作を行う場合、前記貯蔵区画に対応するドアが閉じられると、前記対話型ユニットを起動させて、加熱命令を受信するステップをさらに含む、請求項1に記載の加熱方法。
【請求項7】
前記加熱ユニットは、冷蔵冷凍装置の1つの貯蔵区画内に設けられ、加熱ユニットの作動を制御する前記ステップの前に、
記貯蔵区画に対応するドアが開けられた場合、前記加熱ユニットに電力を供給するステップと、
前記貯蔵区画に対応するドアが閉じられて予め設定された待機時間内に加熱命令を受信していない場合、前記加熱ユニットへの電力供給を停止するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の加熱方法。
【請求項8】
加熱ユニットの作動を制御する前記ステップの後に、
加熱を完了する条件が満たされた場合、前記加熱ユニットを制御して加熱工程を終了するステップと、
処理物が取り出された場合、加熱命令を再度受信するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の加熱方法。
【請求項9】
前記加熱ユニットの扉が開かれた場合、被処理物が取り出されたと判断する、及び/又は
加熱を完了する条件が満たされてから予め設定された間隔時間が経た後、処理物が取り出された場合、加熱命令を再度受信する前記ステップを実行する、請求項8に記載の加熱方法。
【請求項10】
冷蔵冷凍装置であって、
少なくとも1つの貯蔵区画が画定されたボックスと、
前記少なくとも1つの貯蔵区画を開閉する少なくとも1つのドアと、
被処理物を加熱するための加熱ユニットと、
請求項1~9のいずれか1項に記載の加熱方法を実行するように構成されたコントローラと、を含む、冷蔵冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品処理の分野に関し、特に加熱方法及び加熱ユニットを備えた冷蔵冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品が冷凍されている間は、食品の品質は維持されるが、冷凍された食品は加工や食用の前に解凍する必要がある。利用者が食品の解凍を容易に行えるように、通常、電磁波加熱ユニットによる食品の解凍が一般的である。
【0003】
電磁波加熱ユニットによる食品の解凍は、迅速かつ効率的に行うことができるだけでなく、食品の栄養成分の損失も少ない。しかし、従来技術では、一般的に、利用者が加熱パラメータを入力して解凍を行うか、又は検出デバイスが検出した食品パラメータ(重量、温度、サイズなど)に基づいて自動的に加熱パラメータを確認して解凍を行うことで、利用者に過大な要求をするか、加熱ユニットの生産コストを増加させるかのいずれかであり、しかも、食品の正確な解凍を実現できず、解凍後の食品の品質が悪く、何度も解凍を行う必要さえあった。これらを総合的に考えると、被処理物を正確に加熱することができ、被処理物が過度に加熱されることを防止できる加熱方法及び加熱ユニットを備えた冷蔵冷凍装置が設計上必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の第1態様は、従来技術における少なくとも1つの技術的な欠点を解決して、加熱方法を提供することを1つの目的とする。
【0005】
本発明の第1態様は、被処理物が過度に加熱されることを防止することを更なる目的とする。
【0006】
本発明の第1態様は、エネルギー消費量を節約することを別の更なる目的とする。
【0007】
本発明の第2態様は、加熱ユニットを備えた冷蔵冷凍装置を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様によれば、
加熱方法であって、
加熱ユニットの作動を制御し、被処理物を加熱するステップと、
加熱一時停止条件が満たされた場合、前記加熱ユニットの現在の加熱パラメータを記録し、前記加熱ユニットを制御して作動を停止するステップと、
加熱継続条件が満たされた場合、前記加熱ユニットを制御して、記録された加熱パラメータに従って作動を継続するステップと、を含む、加熱方法を提供する。
【0009】
任意選択で、前記加熱ユニットは、電磁波信号を発生させるための電磁波発生モジュールと、被処理物を収納するキャビティキャパシタンスと、前記電磁波発生モジュールと前記キャビティキャパシタンスとの間に直列接続されるか、又は前記キャビティキャパシタンスの両端に並列接続されるインピーダンス整合モジュールと、を含み、前記加熱ユニットの作動を制御する前記ステップの前に、
前記インピーダンス整合モジュールの設定を調節することで、前記電磁波発生モジュールに戻る反射波電力を減少させるステップと、
前記インピーダンス整合モジュールの設定から前記加熱ユニットの初期加熱パラメータを決定するステップと、をさらに含み、
前記初期加熱パラメータは、加熱電力及び加熱工程を終了するための終了閾値のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
任意選択で、前記加熱ユニットは、電磁波信号を発生させるための電磁波発生モジュールと、前記電磁波発生モジュールに電気的に接続され、被処理物を収納するためのキャビティキャパシタンスと、を含み、加熱ユニットの作動を制御する前記ステップの前に、
前記電磁波信号の周波数を調節することで、前記電磁波発生モジュールに戻る反射波電力を減少させるステップと、
前記電磁波信号の周波数から前記加熱ユニットの初期加熱パラメータを決定するステップと、をさらに含み、
前記初期加熱パラメータは、加熱電力及び加熱工程を終了するための終了閾値のうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
任意選択で、前記加熱ユニットは、冷蔵冷凍装置の1つの貯蔵区画内に設けられ、
前記加熱一時停止条件は、前記貯蔵区画に対応するドアが開かれていることを含み、
前記加熱継続条件は、前記貯蔵区画に対応するドアが閉じられており、かつ、前記ドアの開閉中に前記加熱ユニットの扉が開閉動作を行わないことを含む。
【0012】
任意選択で、前記加熱方法は、前記加熱ユニットの加熱が一時停止されると、前記加熱ユニットの扉が開閉動作を行い、前記加熱ユニットを制御して加熱工程を終了するステップをさらに含む。
【0013】
任意選択で、前記加熱ユニットは、冷蔵冷凍装置の1つの貯蔵区画内に設けられ、前記冷蔵冷凍装置の1つのドアに対話型ユニットが設けられ、加熱ユニットの作動を制御する前記ステップの前に、
前記貯蔵区画に対応するドアの開閉中に、前記加熱ユニットの扉が開閉動作を行う場合、前記貯蔵区画に対応するドアが閉じられると、前記対話型ユニットを起動させて、加熱命令を受信するステップをさらに含む。
【0014】
任意選択で、前記加熱ユニットは、冷蔵冷凍装置の1つの貯蔵区画内に設けられ、加熱ユニットの作動を制御する前記ステップの前に、
記貯蔵区画に対応するドアが開けられた場合、前記加熱ユニットに電力を供給するステップと、
前記貯蔵区画に対応するドアが閉じられて予め設定された待機時間内に加熱命令を受信していない場合、前記加熱ユニットへの電力供給を停止するステップと、をさらに含む。
【0015】
任意選択で、加熱ユニットの作動を制御する前記ステップの後に、
加熱を完了する条件が満たされた場合、前記加熱ユニットを制御して加熱工程を終了するステップと、
処理物が取り出された場合、加熱命令を再度受信するステップと、をさらに含む。
【0016】
任意選択で、前記加熱ユニットの扉が開かれた場合、被処理物が取り出されたと判断する、及び/又は
加熱を完了する条件が満たされてから予め設定された間隔時間が経た後、処理物が取り出された場合、加熱命令を再度受信する前記ステップを実行する。
【0017】
本発明の第2態様によれば、
少なくとも1つの貯蔵区画が画定されたボックスと、
前記少なくとも1つの貯蔵区画を開閉する少なくとも1つのドアと、
被処理物を加熱するための加熱ユニットと、
上記のいずれか1項に記載の加熱方法を実行するように構成されたコントローラと、を含む、冷蔵冷凍装置を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本願の発明者らは、食品を加熱する過程で、食品の内外温度差、形状寸法、誘電特性等の食品パラメータが変化することがあり、加熱を中断した後、加熱初期と同じ方法で加熱パラメータを再決定すると、非常に大きな誤差を引き起こし、食品が過度に加熱される可能性があることを認識した。本発明は、加熱ユニットが加熱を中断する前に、最近の加熱パラメータを記録し、加熱再開後も記録された加熱パラメータに従って加熱を継続することにより、制御流れを簡略化するだけでなく、再決定された加熱パラメータによって被処理物が過度に加熱されることを防止し、加熱時間を短縮し、不要なエネルギー消費を削減する。
【0019】
さらに、本発明は、インピーダンス整合モジュールの設定又は電磁波信号の周波数から加熱ユニットの初期加熱パラメータを決定することにより、被処理物の食品パラメータを直接測定するよりも、測定装置の追加コストを節約し、測定装置の誤差に対応することができ、より精度の高い特徴パラメータを得ることができ、さらに優れた加熱効果を得ることができる。
【0020】
さらに、本発明は、冷蔵冷凍装置のドア及び/又は加熱ユニットの扉の開閉動作の発生を判定し、加熱ユニットに電力を供給し、対話型ユニットを起動させ、解凍工程を一時停止又は終了させることにより、感知デバイスを追加する必要がなく、冷蔵冷凍装置全体としての製造コスト及びエネルギー消費を削減するだけでなく、電磁波の漏洩を効果的に低減ないし回避することができ、利用者の健康への悪影響を解消し、利用者のエクスペリエンスを向上させることができる。
【0021】
図面を参照した本発明の具体的な実施例の以下の詳細な説明から、当業者は、本発明の上記および他の目的、利点、および特徴をより明確に理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下、本発明のいくつかの具体的な実施例は、図面を参照して、限定的ではなく例示的な方法で詳細に説明される。図面中の同一の符号は、同一又は類似の構成要素又は部分を示している。当業者は、これらの図面が必ずしも一定の比率で描かれているとは限らないことを理解するであろう。
図1】本発明の一実施例による加熱ユニットの構造模式図である。
図2図1のインピーダンス整合モジュールの模式的な回路図である。
図3】本発明の一実施例による冷蔵冷凍装置の断面模式図である。
図4】本発明の一実施例による加熱方法の模式的なフローチャートである。
図5】本発明の一実施例による加熱方法の詳細な模式的なフローチャートの一部である。
図6】本発明の一実施例による加熱方法の詳細な模式的なフローチャートの別の一部である。
図7】インピーダンス整合モジュールの設定から初期加熱パラメータを決定する模式的なフローチャートである。
図8】電磁波信号の周波数から初期加熱パラメータを決定する模式的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の一実施例による加熱ユニット100の構造模式図である。図1に示すように、加熱ユニット100は、キャビティキャパシタンス110と、電磁波発生モジュール120と、コントローラ140と、を含んでもよい。
【0024】
具体的には、キャビティキャパシタンス110は、被処理物150を収納するキャビティ111と、キャビティ111内に設けられた放射極板と、を含んでもよい。いくつかの実施例では、キャビティ111内には、放射極板とともにコンデンサを構成するための受信極板がさらに設けられる。別のいくつかの実施例では、キャビティ111は、金属で製造されて、受信極板と放射極板都で構成されるコンデンサとしてもよい。
【0025】
キャビティキャパシタンス110は、電磁波の漏液を低減させるために、キャビティ111の出し入れ口を閉じるための扉112をさらに含んでもよい。
【0026】
電磁波発生モジュール120は、電磁波信号を発生させ、キャビティキャパシタンス110の放射極板に電気的に接続されて、キャビティキャパシタンス110内で電磁波を発生させ、キャビティキャパシタンス110内の被処理物150を加熱するように構成してもよい。
【0027】
コントローラ140は、処理ユニットと記憶ユニットを含んでもよい。記憶ユニットにはコンピュータプログラムが記憶されており、コンピュータプログラムは、処理ユニットで実行されると、本発明の実施例の制御方法を実現する。
【0028】
特に、処理ユニットは、加熱ユニット100の作動を制御し、被処理物150を加熱し、加熱一時停止条件が満たされた場合、加熱ユニット100の現在の加熱パラメータを記録し、加熱ユニット100を制御して作動を停止し、加熱継続条件が満たされた場合、加熱ユニット100を制御して、記録された加熱パラメータに従って作動を継続するように構成してもよい。
【0029】
本願の発明者らは、食品を加熱する過程で、食品の内外温度差、形状寸法、誘電特性等の食品パラメータが変化することがあり、加熱を中断した後、加熱初期と同じ方法で加熱パラメータを再決定すると、非常に大きな誤差を引き起こし、食品が過度に加熱される可能性があることを認識した。本発明は、加熱ユニット100が加熱を中断する前に、最近の加熱パラメータを記録し、加熱再開後も記録された加熱パラメータに従って加熱を継続することにより、制御流れを簡略化するだけでなく、再決定された加熱パラメータによって被処理物150が過度に加熱されることを防止し、加熱時間を短縮し、不要なエネルギー消費を削減する。
【0030】
初期加熱パラメータは、加熱電力及び加熱工程を終了させる終了閾値のうちの少なくとも1つを含む。
【0031】
終了閾値は、加熱総時間、誘電率の変化閾値などであってもよい。被処理物150の加熱時間が当該加熱総時間に達すると、被処理物150の誘電率の変化速度が変化閾値以下に低下した場合、被処理物150の加熱が完了したと判断する。
【0032】
いくつかの実施例では、加熱ユニット100は、インピーダンス整合モジュール130をさらに含んでもよい。インピーダンス整合モジュール130は、電磁波発生モジュール120とキャビティキャパシタンス110との間に直列接続されるか、又はキャビティキャパシタンス110の両端に並列接続され、自体のインピーダンスを調節することで、電磁波発生モジュール120の負荷インピーダンスを調節するように構成してもよく、それによって、負荷整合及び加熱効率の向上を図ることができる。
【0033】
処理ユニットは、さらに、加熱ユニット100の作動を制御するステップの前に、インピーダンス整合モジュール130の設定から初期加熱パラメータを決定するように構成してもよい。すなわち、インピーダンス整合モジュール130の設定を調節することで、電磁波発生モジュール120に戻る反射波電力を減少させる。インピーダンス整合モジュール130の設定から加熱ユニット100の初期加熱パラメータを決定し、それによって、感知デバイスを減らし、被処理物150の高精度の加熱を可能にする。
【0034】
具体的には、処理ユニットは、加熱命令を受信すると、電磁波発生モジュール120を制御して、予め設定された初期電力の電磁波信号を発生させ、インピーダンス整合モジュール130設定を調節し、電磁波発生モジュール120に戻る反射波電力を最小にするインピーダンス整合モジュール130の設定を決定し、この反射波電力が最小となるインピーダンス整合モジュール130の設定に従って初期加熱パラメータを決定するように構成してもよい。
【0035】
本発明では、予め設定された初期電力は、10~20W、例えば、10W、15W、又は20Wであってもよく、それによって、被処理物150への影響を低減させ、エネルギーを節約する。
【0036】
加熱ユニット100は、キャビティキャパシタンス110と電磁波発生モジュール120との間に直列接続された、電磁波発生モジュール120に戻る後進波電力をリアルタイムで監視するための方向性結合器をさらに含んでもよい。
【0037】
いくつかの更なる実施例では、インピーダンス整合モジュール130は、個別に導通・遮断する複数の整合分岐を含んでもよい。処理ユニットは、さらに、複数の整合分岐の導通・遮断の組み合わせの番号から初期加熱パラメータを決定するように構成してもよく、それによって、初期加熱パラメータを決定するのにかかる時間を短縮する。
【0038】
記憶ユニットには、予め設定された対照表が記憶されていてもよく、この対照表には、導通・遮断の組み合わせの番号と初期加熱パラメータとの対応関係が記録されている。処理ユニットは、反射波電力を最小にする導通・遮断の組み合わせの番号から、予め設定された対照表に従って、対応する初期加熱パラメータを整合するように構成してもよい。
【0039】
図2は、図1のインピーダンス整合モジュール130の模式的な回路図である。図2に示すように、インピーダンス整合モジュール130は、電磁波発生モジュール120とキャビティキャパシタンス110との間に直列接続された第1整合ユニット131と、一端が第1整合ユニット131とキャビティキャパシタンス110との間に電気的に接続されるとともに、他端が接地する第2整合ユニット132と、を含んでもよい。
【0040】
第1整合ユニット131及び第2整合ユニット132は、それぞれ、並列接続された複数の整合分岐を含んでもよく、また、整合分岐は、それぞれ、1つの固定値コンデンサと1つのスイッチとを含み、それによって、回路が簡単になると同時に、インピーダンス整合モジュール130の信頼性が向上し、調節範囲が広がる。第1整合ユニット131及び第2整合ユニット132の複数の固定値コンデンサの静電容量値は、いずれも、等しくなくてもよい。
【0041】
別のいくつかの実施例では、電磁波発生モジュール120は、周波数源、電力増幅器、及び周波数源の出力周波数(電磁波信号の周波数)を調節するための電圧制御発振器を含んでもよい。
【0042】
処理ユニットは、さらに、加熱ユニット100の作動を制御するステップの前に、電磁波信号の周波数から初期加熱パラメータを決定するように構成してもよい。すなわち、電磁波信号の周波数を調節することで、電磁波発生モジュール120に戻る反射波電力を減少させ、電磁波信号の周波数から加熱ユニット100の初期加熱パラメータを決定し、それによって、感知デバイスを減らし、被処理物150の高精度の加熱を可能にする。
【0043】
具体的には、処理ユニットは、加熱命令を受信すると、電磁波発生モジュール120を制御して、予め設定された初期電力の電磁波信号を発生させ、電磁波信号の周波数を調節し、電磁波発生モジュール120に戻る反射波電力を最小にする電磁波信号の周波数を決定し、当該反射波電力を最小にする電磁波信号の周波数から初期加熱パラメータを決定する。
【0044】
図3は、本発明の一実施例による冷蔵冷凍装置200の断面模式図である。図3に示すように、本発明はまた、冷蔵冷凍装置200を提供する。冷蔵冷凍装置200は、少なくとも1つの貯蔵区画が画定されたボックス210と、少なくとも1つの貯蔵区画を開閉するためのドアと、貯蔵区画に冷熱を提供する冷却システムと、コントローラ140と、を含んでもよい。本実施例では、加熱ユニット100のキャビティキャパシタンス110は、1つの貯蔵区画内に設けられてもよく、コントローラ140の一部は、キャビティキャパシタンス110内に設けられてもよく、主に、電磁波発生モジュール120、インピーダンス整合モジュール130などのデバイスの作動を制御し、残りの部分は、ボックス210の圧縮機室やトップに設けられ、主に冷却システムの作動を制御する。
【0045】
図示の実施例では、少なくとも1つの貯蔵区画は、冷蔵区画211と、冷蔵区画211の下方に設けられた冷凍区画212と、を含んでもよい。少なくとも1つのドアは、冷蔵区画211を開閉するための冷蔵ドア221と、冷凍区画212を開閉するための冷凍ドア222と、を含んでもよい。キャビティキャパシタンス110は、利用者が被処理物150を出し入れしやすいように、冷凍区画212内に設けられてもよい。
【0046】
以下、キャビティキャパシタンス110が冷凍区画212に設けられる場合を例にして、本発明の冷蔵冷凍装置200について詳細に説明する。
【0047】
いくつかの実施例では、加熱一時停止条件は、冷凍ドア222が開かれていることを含んでもよい。加熱継続条件は、冷凍ドア222が閉じられており、かつ、冷凍ドア222の開閉中に扉112が開閉動作を行わないことを含んでもよい。すなわち、加熱の過程で、冷凍ドア222が開かれると、処理ユニットは、電磁波発生モジュール120を制御して作動を停止し、それによって、電磁波の利用者への影響を低減ないし回避し、冷凍ドア222が閉じられており、かつその過程で扉112が開閉動作を行わないと、処理ユニットは、電磁波発生モジュール120を制御して、記録された加熱パラメータに従って作動を継続し、それによって、被処理物150が過度に加熱されることを防止する。
【0048】
処理ユニットは、さらに、加熱ユニット100が加熱を一時停止すると、加熱ユニット100の扉112が開閉動作を行い、加熱ユニット100を制御して加熱工程を終了し、すなわち、電磁波発生モジュール120を制御して作動を停止するように構成してもよく、それによって、利用者が被処理物150を取り出した場合に、空洞が加熱され、電磁波発生モジュール120が壊れることを回避する。
【0049】
いくつかの実施例では、冷蔵冷凍装置200は、加熱命令を受信するための対話型ユニット230をさらに含んでもよい。対話型ユニット230は、ドア、例えば、上側に位置する冷蔵ドア221に設けられてもよい。
【0050】
処理ユニットは、冷凍ドア222の開閉中に、扉112が開閉動作を行う場合、冷凍ドア222が閉じられると、対話型ユニット230を起動させ、加熱命令を受信するように構成してもよく、それによって、電気エネルギーを節約し、利用者の持ち時間を短縮する。
【0051】
いくつかの実施例では、加熱ユニット100が作動状態ではない場合、処理ユニットは、冷凍ドア222が開かれた場合、加熱ユニット100に電力を供給するように構成してもよく、それによって、電気エネルギーを節約し、加熱を早く開始させる。
【0052】
加熱ユニット100は、商用電力を受けて電磁波発生モジュール120及びキャビティキャパシタンス110内の電気デバイスに電力を供給するための電力供給モジュールをさらに含んでもよい。本発明では、加熱ユニット100に電力を供給するとは、電力供給モジュールに電気エネルギーを供給することを意味する。
【0053】
処理ユニットは、さらに、冷凍ドア222が閉じられて予め設定された待機時間内に加熱命令を受信していない場合、加熱ユニット100への電力供給を提供するように構成され、それによって、電気エネルギーを節約する。
【0054】
いくつかの実施例では、加熱の過程において、処理ユニットは、加熱を完了する条件が満たされた場合、加熱ユニット100を制御して加熱工程を終了し、被処理物150が取り出された場合、加熱命令を再度受信するように構成してもよく、それによって、被処理物150の繰り返し加熱が回避される。加熱を完了する条件は、対応するパラメータが終了閾値に達し、例えば、被処理物150の加熱時間がその加熱総時間に達し、被処理物150の誘電率の変化速度が変化閾値以下に低下することであってもよい。
【0055】
いくつかの更なる実施例では、処理ユニットは、扉112が開かれた場合、被処理物150が取り出されたと判断するように構成してもよく、それによって、検出デバイスを減らす。
【0056】
いくつかの更なる実施例では、処理ユニットは、加熱を完了する条件が満たされてから予め設定された間隔時間が経た後、加熱命令を再度受信するように構成してもよく、それによって、電磁波発生モジュール120が長時間にわかって過熱のままであることを回避し、電磁波発生モジュール120の耐用年数を延ばす。
【0057】
図4は、本発明の一実施例による加熱方法の模式的なフローチャートである。図4に示すように、本発明の上記のいずれかの実施例のコントローラ140によって実行される加熱方法は、以下のステップを含んでもよい。
ステップS402:加熱ユニット100の作動を制御し、被処理物150を加熱する。
ステップS404:加熱一時停止条件が満たされた場合、加熱ユニット100の現在の加熱パラメータを記録し、加熱ユニット100を制御して作動を停止する。
ステップS406:加熱継続条件が満たされた場合、加熱ユニット100を制御して、記録された加熱パラメータに従って作動を継続する。
【0058】
本発明の加熱方法は、加熱ユニット100が加熱を中断する前に、最近の加熱パラメータを記録し、加熱再開後も記録された加熱パラメータに従って加熱を継続することによって、制御流れを簡略化するだけでなく、再決定された加熱パラメータによって被処理物150が過度に加熱されることを防止し、加熱時間を短縮し、不要なエネルギー消費を削減する。
【0059】
いくつかの実施例では、加熱一時停止条件は、キャビティキャパシタンス110に対応するドアが開かれていることを含んでもよい。加熱継続条件は、キャビティキャパシタンス110に対応するドアが閉じられており、かつ、ドアの開閉中に扉112が開閉動作を行わないことを含んでもよい。すなわち、加熱の過程で、キャビティキャパシタンス110に対応するドアが開かれると、処理ユニットは、電磁波発生モジュール120を制御して作動を停止し、それによって、電磁波の利用者への影響を低減ないし回避し、キャビティキャパシタンス110に対応するドアが閉じられており、かつその過程で扉112が開閉動作を行わないと、処理ユニットは、電磁波発生モジュール120を制御して、記録された加熱パラメータに従って作動を継続し、それによって、被処理物150が過度に加熱されることを防止する。
【0060】
いくつかの更なる実施例では、加熱方法は、
加熱ユニット100が加熱を一時停止すると、扉112が開閉動作を行い、加熱ユニット100を制御して加熱工程を終了するステップをさらに含んでもよく、それによって、利用者が被処理物150を取り出した場合、空洞が加熱され、電磁波発生モジュール120が壊れることを回避する。
【0061】
いくつかの実施例では、ステップS402の前に、
キャビティキャパシタンス110に対応するドアの開閉中に、扉112が開閉動作を行う場合、キャビティキャパシタンス110に対応するドアが閉じられると、対話型ユニット230を起動させ、加熱命令を受信することによって、電気エネルギーを節約し、利用者の持ち時間を短縮するステップをさらに含んでもよい。
【0062】
いくつかの実施例では、ステップS402の前に、
キャビティキャパシタンス110に対応するドアが閉じられた場合、加熱ユニット100に電力を供給する(すなわち、電力供給モジュールに電力を供給する)ことによって、電気エネルギーを節約し、加熱を早く開始させるステップと、
キャビティキャパシタンス110に対応するドアが閉じられて予め設定された待機時間内に加熱命令を受信していない場合、加熱ユニット100への電力供給を停止することによって、電気エネルギーを節約するステップと、をさらに含んでもよい。
【0063】
いくつかの実施例では、ステップS402の前に、
インピーダンス整合モジュール130の設定を調節することで、電磁波発生モジュール120に戻る反射波電力を減少させるステップと、
インピーダンス整合モジュール130の設定から加熱ユニット100の初期加熱パラメータを決定することによって、感知デバイスを減らし、被処理物150の高精度の加熱を可能にするステップと、をさらに含んでもよい。ここで、初期加熱パラメータは、加熱電力及び加熱工程を終了する終了閾値のうちの少なくとも1つを含む。
【0064】
いくつかの実施例では、ステップS402の前に、
電磁波信号の周波数を調節することで、電磁波発生モジュール120に戻る反射波電力を現象させるステップと、
電磁波信号の周波数から加熱ユニット100の初期加熱パラメータを決定することによって、感知デバイスを減らし、被処理物150の高精度の加熱を可能にするステップと、をさらに含んでもよい。ここで、初期加熱パラメータは、加熱電力及び加熱工程を終了する終了閾値のうちの少なくとも1つを含む。
【0065】
終了閾値は、加熱総時間、誘電率の変化閾値などであってもよい。被処理物150の加熱時間が当該加熱総時間に達すると、被処理物150の誘電率の変化速度が変化閾値以下に低下した場合、被処理物150の加熱が完了したと判断する。
【0066】
いくつかの実施例では、ステップS402の後に、
加熱を完了する条件が満たされた場合、加熱ユニット100を制御して作動を停止する(加熱を完了する条件は、対応するパラメータが終了閾値に達し、例えば、被処理物150の加熱時間が当該加熱総時間に達し、被処理物150の誘電率の変化速度が変化閾値以下に低下することであってもよい)ステップと、
被処理物150が取り出された場合、加熱命令を再度受信することによって、被処理物150の繰り返した加熱を防止するステップと、をさらに含んでもよい。
【0067】
いくつかの更なる実施例では、加熱ユニット100の扉112が開かれると、被処理物150が取り出されたと判断し、それによって、検出デバイスを減らす。
【0068】
いくつかの更なる実施例では、加熱を完了する条件が満たされてから予め設定された間隔時間が経た後、被処理物150が取り出された場合、加熱命令を再度受信するステップを実行し、それによって、電磁波発生モジュール120が長時間にわたって過熱のままであることを回避し、電磁波発生モジュール120の耐用年数を延ばす。
【0069】
以下、キャビティキャパシタンス110が冷蔵冷凍装置200の冷凍区画212に設けられ、初期加熱パラメータが加熱電力及び加熱総時間である場合を例にして本発明の冷蔵冷凍装置200について詳細に説明する。
【0070】
図5は、本発明の一実施例による加熱方法の詳細な模式的なフローチャートの一部であり、図6は、本発明の一実施例による加熱方法詳細な模式的なフローチャートの別の一部である(ここで、「Y」は「はい」を示し、「N」は「いいえ」を示す)。図5及び図6においては、「A」は接続点を示し、この方法は、複雑であるので、単一の図面で表現しにくいため、図5及び図6に示され、接続符号で接続するため、当業者であれば、理解することができる。図5及び図6に示すように、本発明の加熱方法は、以下の詳細なステップを含んでもよい。
ステップS502:冷凍ドア222が開かれたか否かを判断する。Yの場合、ステップS504を実行し、Nの場合、ステップS502に戻る。
【0071】
ステップS504:加熱ユニット100に供給を電力する。
【0072】
ステップS506:冷凍ドア222が閉じられたか否かを判断する。Yの場合、ステップS508を実行し、Nの場合、ステップS506に戻る。
【0073】
ステップS508:冷凍ドア222の開閉中に扉112が開閉動作を行うか否かを判断する。Yの場合、ステップS510を実行し、Nの場合、ステップS502に戻る。
【0074】
ステップS510:対話型ユニット230を起動させる。
【0075】
ステップS512:加熱命令を受信したか否かを判断する。Yの場合、ステップS602を実行し、Nの場合、ステップS514を実行する。
【0076】
ステップS514:対話型ユニット230の起動時間が予め設定された待機時間以上であるか否かを判断する。Yの場合ステップS516を実行し、Nの場合、ステップS512に戻る。
【0077】
ステップS516:加熱ユニット100への電力供給を停止し、対話型ユニット230をロックする。
【0078】
ステップS602:整合モジュール130の設定から加熱電力及び加熱総時間を決定する。
【0079】
ステップS604:電磁波発生モジュール120を制御して、加熱電力及び加熱総時間に従って電磁波信号を発生させる。
【0080】
ステップS606:冷凍ドア222が開かれたか否かを判断する。Yの場合、ステップS610を実行し、Nの場合、ステップ608を実行する。
【0081】
ステップ608:電磁波発生モジュール120を制御して、加熱電力及び現在の残時間に従って、電磁波信号の発生を継続する。ステップS616を実行する。
【0082】
ステップS610:現在の残時間を記録し、電磁波発生モジュール120を制御して作動を停止する。
【0083】
ステップS612:冷凍ドア222が閉じられており、かつ扉112が開閉動作を行わないか否かを判断する。Yの場合、ステップS614を実行し、Nの場合、ステップS618を実行する。
【0084】
ステップS614:電磁波発生モジュール120を制御して、加熱電力及び記録された残時間に従って、電磁波信号を発生させる。ステップS616を実行する。
【0085】
ステップS616:残時間が0であるか否かを判断する。Yの場合、ステップS618を実行し、Nの場合、ステップS606に戻る。
【0086】
ステップS618:電磁波発生モジュール120を制御して、作動を停止する。
【0087】
ステップS620:扉112が開かれており、前回の作動停止からの時間間隔が予め設定された間隔時間以上であるか否かを判断する。Yの場合、ステップS622を実行し、Nの場合、ステップS620に戻る。
【0088】
ステップS622:加熱ユニット100への電力供給を停止する。ステップS502に戻る。
【0089】
図7は、インピーダンス整合モジュール130の設定から初期加熱パラメータを決定する模式的なフローチャートである。図7に示すように、インピーダンス整合モジュール130の設定から初期加熱パラメータを決定するステップは、具体的には、以下のステップを含んでもよい。
ステップS702:電磁波発生モジュール120を制御して、予め設定された初期電力の電磁波信号を発生させる。予め設定された初期電力は、10~20W、例えば、10W、15W、又は20Wであってもよく、それによって、被処理物150への影響を低減させ、エネルギーを節約する。
ステップS704:整合モジュール130の設定を調節し、反射波電力を最小にする整合モジュール130の設定を決定する。後進波電力は、キャビティキャパシタンス110と電磁波発生モジュール120との間に直列接続された方向性結合器によって測定され得る。
ステップS706:反射波電力を最小にする整合モジュール130の設定から初期加熱パラメータを決定する。
【0090】
図8は、電磁波信号の周波数から初期加熱パラメータを決定する模式的なフローチャートである。図8に示すように、電磁波信号の周波数から初期加熱パラメータを決定するステップは、具体的には、以下のステップを含んでもよい。
ステップS802:電磁波発生モジュール120を制御して、予め設定された初期電力の電磁波信号を発生させる。予め設定された初期電力は、10~20W、例えば、10W、15W、又は20Wであってもよく、被処理物150への影響を低減させ、エネルギーを節約する。
ステップS804:電磁波信号の周波数を調節し、反射波電力を最小にする電磁波信号の周波数を決定する。後進波電力は、キャビティキャパシタンス110と電磁波発生モジュール120との間に直列接続された方向性結合器によって測定され得る。
ステップS806:反射波電力を最小にする電磁波信号の周波数から初期加熱パラメータを決定する。
【0091】
ここまで、本発明の複数の例示的な実施例を本明細書で詳細に示し、説明してきたが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の原理に合致する他の多くの変形又は修正が、本開示から直接決定又は導き出され得ることを認識すべきである。したがって、本発明の範囲は、これらの他のすべての変形又は修正をカバーするものとして理解され、認識されるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】