(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】バッテリ式電気モータのシステム効率を最適化する方法
(51)【国際特許分類】
H02P 27/08 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
H02P27/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504493
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 IB2022056551
(87)【国際公開番号】W WO2023017336
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520347203
【氏名又は名称】トゥラ イーテクノロジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】サイ,シャオピン
【テーマコード(参考)】
5H505
【Fターム(参考)】
5H505AA16
5H505BB02
5H505CC04
5H505EE49
5H505JJ03
5H505JJ17
5H505LL01
5H505LL22
5H505LL24
5H505LL38
5H505LL44
5H505LL45
(57)【要約】
パルス駆動モード及び連続モードにおいて動作可能な電気モータのシステム効率を最適化するように、電気モータを制御する方法が本明細書に開示される。この方法は、電気モータ用の要求トルクを受信することと、パルス駆動システム効率を計算することと、連続システム効率を計算することと、このパルス駆動システム効率が連続システム効率よりも高いときに、パルス駆動モードにおいて電気モータを動作させることとを含む。パルス駆動システム効率が計算されて、要求トルクよりも大きい複数のトルク・パルスにおいて、電気モータからの要求トルクを伝達する。連続システム効率が計算されて、連続的なトルクとして電気モータからの要求トルクを伝達する。このシステム効率は、バッテリ効率及びモータ効率に少なくとも部分的に基づいていてもよい。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータを制御する方法において、
前記電気モータにエネルギーを供給して、要求トルクを伝達するバッテリ・システムの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、電気モータでのパルス駆動システム効率を決定するステップと、
前記パルス駆動システム効率が連続システム効率よりも高いときに、前記電気モータをパルス駆動モードで動作させるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記パルス駆動システム効率を決定するステップは、前記パルス・システム効率が、パルス駆動モータ効率とパルス駆動バッテリ・システム効率の積を含むことを有することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記パルス駆動システム効率を決定するステップが、前記バッテリ・システムの放散熱損失に少なくとも部分的に基づいて、パルス駆動バッテリ効率を決定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記バッテリ・システムの前記動作状態に少なくとも部分的に基づいて、前記パルス駆動システム効率を決定するステップは、前記バッテリ・システムの前記動作状態が、バッテリ温度、パルス電流、バッテリ端子電圧、又はバッテリ内部抵抗値を含むことを有することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
連続モードにおいて前記電気モータからの前記要求トルクを伝達するための前記連続システム効率を計算するステップと、
前記連続システム効率が前記パルス駆動システム効率よりも高いときに、前記連続モードで前記電気モータを動作させるステップと
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記パルス駆動システム効率を決定するステップが、前記電気モータの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、前記電気モータのパルス駆動モータ効率を決定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記パルス駆動モータ効率を決定するステップが、モータ速度、モータ・トルク、車両速度、又はモータ温度を含む、前記電気モータの前記動作状態を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、前記パルス駆動モードにおいて前記電気モータからの前記要求トルクを伝達するためのパルス波形を生成するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記パルス波形を生成するステップが、前記要求トルクよりも大きいパルス・トルクで前記電気モータをパルス駆動して、前記要求トルクを伝達することを含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法において、前記パルス波形を生成するステップが、前記電気モータのパルス間でエネルギーを再生することを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
制御装置によって実行されると、前記制御装置に、
要求トルクを伝達するために電気モータにエネルギーを供給するように構成されたバッテリ・システムの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、電気モータでのパルス駆動システム効率を決定させ、
前記パルス駆動システム効率が連続システム効率よりも高いときに、前記電気モータをパルス駆動モードで動作させる
命令を記憶することを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
請求項11に記載の持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記制御装置が、前記バッテリ・システムの放散熱損失に少なくとも部分的に基づいて、パルス駆動バッテリ効率を決定することによって、前記パルス駆動システム効率を決定することを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
請求項11に記載の持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記制御装置が、バッテリ・システムの前記動作状態に少なくとも部分的に基づいて、前記パルス駆動システム効率を決定するステップは、前記バッテリ・システムの前記動作状態が、バッテリ温度、パルス電流、バッテリ端子電圧、又はバッテリ内部抵抗値を含むことを有することを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
請求項11に記載の持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記制御装置が、パルス駆動モータ効率に少なくとも部分的に基づいて、前記パルス駆動システム効率を計算することを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
請求項11に記載の持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記制御装置がさらに、
連続モードにおいて前記電気モータからの前記要求トルクを伝達するための前記連続システム効率を計算し、
前記連続システム効率が前記パルス駆動システム効率よりも高いときに、前記連続モードで前記電気モータを動作させる
ようにされることを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
電気モータを動作させて、被動構成部品を回転させるための制御装置において、
プロセッサと、
前記プロセッサに、
要求トルクを伝達するために電気モータにエネルギーを供給するように構成されたバッテリ・システムの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、電気モータでのパルス駆動システム効率を決定させ、
前記パルス駆動システム効率が連続システム効率よりも高いときに、パルス駆動モードで前記電気モータを動作させるための
プログラムを含むメモリと
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項17】
請求項16に記載の制御装置において、前記パルス駆動システム効率を決定するステップが、前記バッテリ・システムの放散熱損失に少なくとも部分的に基づいて、パルス駆動バッテリ効率を決定することを含むことを特徴とする制御装置。
【請求項18】
請求項16に記載の制御装置において、バッテリ・システムの前記動作状態に少なくとも部分的に基づいて、前記パルス駆動システム効率を決定するステップは、前記バッテリ・システムの前記動作状態が、バッテリ温度、パルス電流、バッテリ端子電圧、又はバッテリ内部抵抗値を含むことを有することを特徴とする制御装置。
【請求項19】
請求項16に記載の制御装置において、前記パルス駆動システム効率を計算するステップが、パルス・モータ効率に少なくとも部分的に基づいていることを特徴とする制御装置。
【請求項20】
請求項16に記載の制御装置において、前記プログラムがさらに、前記プロセッサに、
連続モードにおいて前記電気モータからの前記要求トルクを伝達するための前記連続システム効率を計算させ、
前記連続システム効率が前記パルス駆動システム効率よりも高いときに、前記連続モードで前記電気モータを動作させる
ことを特徴とする制御装置。
【請求項21】
電気モータを制御する方法において、
電気モータ用の要求トルクを受信するステップと、
前記電気モータにエネルギーを供給するバッテリ・システムの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、パルス駆動モードにおいて前記電気モータからの前記要求トルクを伝達するための、パルス駆動システム効率を計算するステップと、
連続モードにおいて前記電気モータからの前記要求トルクを伝達するための、連続システム効率を計算するステップと、
前記パルス駆動システム効率が前記連続システム効率よりも高いときに、前記パルス駆動モードにおいて前記電気モータを動作させるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、前記パルス駆動システム効率を計算するステップは、前記パルス駆動システム効率が、前記パルス駆動モータ効率と前記パルス駆動バッテリ効率の積を含むことを有することを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、前記パルス駆動システム効率を計算するステップが、前記バッテリの放散熱損失に少なくとも部分的に基づいて、前記パルス駆動バッテリ効率を決定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法において、前記バッテリの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、前記パルス駆動バッテリ効率を決定するステップは、前記動作状態が、バッテリ温度、パルス電流、バッテリ端子電圧、又はバッテリ内部抵抗値を含むことを有することを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法において、前記パルス駆動システム効率を計算するステップが、前記電気モータの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、前記パルス駆動モータ効率を決定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、前記パルス駆動モータ効率を決定するステップは、前記動作状態が、モータ速度、モータ・トルク、車両速度、又はモータ温度を含むことを有することを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項21に記載の方法において、前記パルス駆動モードにおいて前記電気モータからの前記要求トルクを伝達するためのパルス波形を生成するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、前記パルス波形を生成するステップが、低減されたデューティ・サイクルにおいて、前記要求トルクよりも大きいパルス・トルクで前記電気モータをパルス駆動することを含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、前記パルス波形を生成するステップが、前記パルス・トルクにおいて前記電気モータのパルス間でエネルギーを再生することを含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
制御装置によって実行されると、前記制御装置に、
電気モータにエネルギーを供給するバッテリ・システムの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、パルス駆動モードにおいて前記電気モータからの要求トルクを伝達するための、パルス駆動システム効率を計算させ、
連続モードにおいて前記電気モータからの前記要求トルクを伝達するための、連続システム効率を計算させ、
前記パルス駆動システム効率が前記連続システム効率よりも高いときに、前記パルス駆動モードにおいて前記電気モータを動作させる
命令を記憶することを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な媒体。
【請求項31】
請求項30に記載の持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記制御装置が、前記パルス駆動モードにおいて前記電気モータを動作させるためのパルス駆動バッテリ効率及びパルス駆動モータ効率に少なくとも部分的に基づいて、前記パルス駆動システム効率を計算することを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項32】
請求項31に記載の持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記制御装置が、前記電気モータにエネルギーを供給するバッテリ・システムの放散熱損失に少なくとも部分的に基づいて、前記パルス駆動システム効率を計算することを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項33】
請求項30に記載の持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記バッテリ・システムの前記動作状態が、バッテリ温度、パルス電流、バッテリ端子電圧、又はバッテリ内部抵抗値を含むことを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項34】
電気モータを動作させて、被動構成部品を回転させるための制御装置において、
プロセッサと、
前記プロセッサに、
前記電気モータにエネルギーを供給するバッテリ・システムの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、パルス駆動モードにおいて電気モータからの要求トルクを伝達するためのパルス駆動システム効率を計算させ、
連続モードにおいて前記電気モータからの前記要求トルクを伝達するための連続システム効率を計算させ、
前記パルス駆動システム効率が前記連続システム効率よりも高いときに前記パルス駆動モードにおいて前記電気モータを動作させるための
プログラムを含むメモリと
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項35】
請求項34に記載の制御装置において、前記パルス駆動システム効率を計算することが、前記パルス駆動モードにおいて前記電気モータを動作させるためのパルス駆動バッテリ効率及びパルス駆動モータ効率に少なくとも部分的に基づいていることを特徴とする制御装置。
【請求項36】
請求項35に記載の制御装置において、前記パルス駆動システム効率を計算することが、前記電気モータにエネルギーを供給するバッテリ・システムの放散熱損失に少なくとも部分的に基づいていることを特徴とする制御装置。
【請求項37】
請求項34に記載の制御装置において、前記バッテリ・システムの前記動作状態が、バッテリ温度、パルス電流、バッテリ端子電圧、又はバッテリ内部抵抗値を含むことを特徴とする制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリ式電気モータのシステム効率を最適化する方法に関し、より詳細には、バッテリで動くパルス駆動電気モータのシステム効率を最適化することに関する。
【背景技術】
【0002】
電気モータは、被動機器に連続的なトルクを加える際に効率的であることが知られている。電気モータのトルク伝達は、通常、内燃機関に伴う脈動がなくて連続している。一般に、電気モータは、この電気モータの最大トルクに対する中低域から中高域のトルクにおいて最適な効率点を有する。たとえば、電気モータの最大効率は、この電気モータの最大トルクの30%~80%の範囲でもよい。
【0003】
電気モータが、この電気モータの最大トルクの低域、たとえば最大トルクの20%を下回る範囲で連続的なトルクを供給するとき、この電気モータの効率は通常低い。最適な効率点において電気モータをパルス駆動することによって、電気モータのデューティ・サイクルを低下させることにより、電気モータから連続的なトルクを供給するよりも高いモータ効率において、電気モータの低域での目標トルクを供給できることが分かってきた。最適な効率点における電気モータのパルス駆動は、変調周波数においてパルスを伝達することを含む。
【0004】
変調周波数において電気モータをパルス駆動すると、連続的なトルク伝達よりもモータ効率が高くなる場合があるが、電気モータのパルス駆動は、電気モータに電力を供給するバッテリ・システムのバッテリ効率を低下させる場合がある。
【発明の概要】
【0005】
パルス駆動電気モータのシステム効率を最適化することにより、モータ効率を向上させることで、バッテリ効率が低下する結果としてシステム全体の効率が低下しないようにする必要がある。
【0006】
本開示は一般に、要求されるパルス電力要求におけるパルス駆動システム効率を計算し、このパルス駆動システム効率を連続システム効率と比較し、パルス駆動システム効率が連続システム効率よりも高いときに電気モータをパルス駆動モードに切り替えることによって、システム効率を最適化するためのシステム及び方法に関する。パルス駆動モータ・モード及び連続モータ・モードの状態でのバッテリ効率とモータ効率の積によって、パルス駆動システム効率及び連続システム効率を計算してもよい。
【0007】
本開示の一実施形態では、電気モータを制御する方法は、電気モータ用の要求トルクを受信することと、パルス駆動システム効率を計算することと、連続システム効率を計算することと、このパルス駆動システム効率がこの連続システム効率よりも高いときに、パルス駆動モードにおいて電気モータを動作させることとを含む。パルス駆動モードにおいて電気モータからの要求トルクを伝達するために、パルス駆動システム効率の計算が計算される。連続モードにおいて電気モータからの要求トルクを伝達するために、連続システム効率の計算が計算される。
【0008】
各実施形態において、パルス駆動システム効率を計算することには、バッテリの放散熱損失に少なくとも部分的に基づいて、パルス駆動バッテリ効率を決定することが含まれ得る。パルス駆動システム効率を計算することには、バッテリ温度、パルス電流、バッテリ端子電圧、又はバッテリ内部抵抗値に少なくとも部分的に基づいて、パルス駆動バッテリ効率を決定することが含まれ得る。
【0009】
本開示の別の実施形態では、制御装置によって実行されるとき、この制御装置に、パルス駆動システム効率を計算させ、連続システム効率を計算させ、このパルス駆動システム効率がこの連続システム効率よりも高いとき、パルス駆動モードにおいて電気モータを動作させる命令を、持続的でコンピュータ読取り可能な媒体上に記憶する。制御装置は、パルス駆動モードにおいて電気モータからの要求トルクを伝達するためのシステム効率を決定することによって、パルス駆動システム効率を計算する。制御装置は、連続モードにおいて電気モータからの要求トルクを伝達するためのシステム効率を決定することによって、連続システム効率を計算する。
【0010】
本開示の別の実施形態では、電気モータを動作させて、被動構成部品を回転させるための制御装置は、プロセッサと、このプロセッサに、パルス駆動モードにおいて電気モータからの要求トルクを伝達するためのパルス駆動システム効率を計算させ、連続モードにおいて電気モータからの要求トルクを伝達するための連続システム効率を計算させ、このパルス駆動システム効率がこの連続システム効率よりも高いときにパルス駆動モードにおいて電気モータを動作させるためのプログラムを含むメモリとを備える。
【0011】
さらに、一貫性のある範囲で、本明細書に記載の実施形態又は態様のいずれかを、本明細書に記載のその他の実施形態又は態様の一部又は全部とともに使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
各図面を参照して本開示の様々な態様が以下の本明細書に説明されており、これらの図面は、本明細書に組み込まれ、また本明細書の一部分を構成する。
【0013】
【
図1】
図1は、理想的な電圧源モデルの概略図である。
【
図2】
図2は、充電状態を含む、理想的な電圧源モデルの概略図である。
【
図4】
図4は、本開示によって提供される第1のパルス制御パターンの説明図である。
【
図5】
図5は、本開示によって提供される第2のパルス制御パターンの説明図である。
【
図6】
図6は、本開示の一実施形態によって提供されるバッテリ効率の関数としてのシステム効率のチャートである。
【
図7】
図7は、本開示の一実施形態によって提供されるパルス駆動電気モータのシステム効率を最適化する方法の流れ図である。
【
図8】
図8は、本開示の一実施形態によって提供されるシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、いくつかのビューのそれぞれにおいて、同じ参照番号が同一又は対応する要素を示す各図面を参照しながら、例示的な実施形態を参照して、より完全に本開示を説明する。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的で完全なものとなるように説明されており、本発明の時点での当業者に本開示の範囲を完全に伝えることになる。一実施形態又は一態様からの特徴は、任意の適切な組合せで、他の任意の実施形態又は態様からの特徴と組み合わせることができる。たとえば、方法の態様又は実施形態の個別的又は集合的な任意の特徴は、装置、製品、又は構成部品の態様又は実施形態に適用することができ、その逆も同様である。本開示は、数多くの様々な形式で具体化されてもよく、以下に説明する実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、適用可能な法的要件を本開示が満たすことになるように提示される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されているように、単数形「a」、「an」、「the」などは、文脈から明らかにそうでないことが示されていなければ、複数の参照対象を含む。さらに、本明細書においては、定量的な測度、値、幾何学的関係などに言及される場合があるが、特に記載のない限り、これらのすべてではないが、いずれか1つ又は複数が、製作公差又は工学公差などに起因するものなど、生じることのある許容可能な変動分を考慮に入れるために、絶対的なものでも又は近似的でものでもよい。
【0015】
電気モータの低トルク範囲においてこの電気モータの効率を向上させるために、電気モータをパルス駆動して、電気モータのデューティ・サイクルを低下させて、変調周波数での最適な効率点又はトルクで電気モータをパルス駆動することによって、ある時間を経て伝達される平均トルクとして、目標トルク又は要求トルクを提供してもよい。電気モータのこのパルス駆動は、トルク伝達のパルス幅変調(PWM)波形を有してもよい。デューティ・サイクルは、電気モータを最適な効率点でパルス駆動しながら、被動機器に低い目標トルクを供給するように選択される。変調周波数は、騒音、振動、及びハーシュネス(NVH)の要求条件を満たすように、且つ/又は電気モータのオフ状態とオン状態の間の遷移損失を低減又は最小化するように選択されてもよい。実施形態によっては、変調周波数は、被動機器のねじり振動に基づいて選択される。たとえば、電気モータは、20%のデューティ・サイクルでの200Nmの効率的なトルクでパルス駆動されて、被動機器に40Nmの目標平均トルクを供給することがある。被動機器のNVH特性に応じて、30ヘルツ(Hz)の変調周波数で200Nmのパルスが伝達されることがある。例示的な電気モータでは、ある一定の動作状態において、目標トルクを伝達するためにデューティ・サイクルを低下させるように電気モータをパルス駆動することで、連続的なトルク伝達を通して要求されるトルクを供給することと比較すると、モータ効率が9%向上することが示されてきた。
【0016】
前述の通り、最適効率点を下回る目標トルクを伝達するように電気モータをパルス駆動することで、モータ効率が向上することが示されてきた。しかし、電気モータのパルス駆動はまた、電気モータにエネルギーを供給するバッテリ・システムの効率にも影響を及ぼすことがある。たとえば、電気モータがパルス駆動されてモータ効率が高まると、バッテリ・システムの損失が増加することがあり、したがって、電気モータへのパルス駆動のエネルギーが伝達される結果として、バッテリ効率が低下することがある。バッテリ効率のこの損失は、いかなるモータ効率向上をも低減し、相殺し、又はそれよりも大きくなることがあり、したがって、モータ効率が向上する場合でも、バッテリ・システム及び電気モータのシステム効率は、パルス駆動のエネルギー伝達から低下することがある。本明細書において以下に詳しく述べるように、電気モータをパルス駆動する結果としてのシステム効率の損失を防止する方法が開示されている。本明細書では、「システム効率」という用語は、少なくとも電気モータのモータ効率、及び電気モータにエネルギーを供給するバッテリ・システムのバッテリ効率を含む、電力伝達システム全体の効率である。
【0017】
バッテリ・システムの効率を定量化する1つの方法は、バッテリ・システムの熱放散を決定することである。バッテリ・システムの熱放散は、バッテリ・システムの内部抵抗値とバッテリ・システムを通って流れる電流との関数でもよい。この熱放散は、バッテリ・システムの端子電圧に影響されることもある。たとえば、過電位が上昇するように端子電圧が低下するにつれて、同じ電力出力を供給するように電流が増加する。その結果、端子電圧が低下するにつれて、熱放散も増加することがある。本明細書では、バッテリ・システムという用語は、単一セル又は複数セルを有するバッテリを指してもよい。バッテリ・システムの属性は、全体としてのバッテリ・システムを指すこともあり、又はバッテリ・システムの個々のセルを指すこともある。
【0018】
バッテリ・システムの放散熱損失を推定するためのモデルがいくつかある。
図1を参照すると、v(t)=OCVである理想的な電圧源モデルは出発点とはなるが、バッテリ・システムの放散熱損失を完全にモデル化するには明らかに不十分である。たとえば、理想的な電圧源モデルにおいては、電圧は電流の関数ではなく、電圧は過去の使用量の関数ではなく、電圧は一定である。したがって、さらに正確なモデルが必要となる。
【0019】
次に
図2を参照すると、バッテリ・システムの放散熱損失を推定するための第2のモデルは、充電状態(SOC)を含む理想的な電圧源モデルでもよい。このようなモデルでは、充電状態zは、バッテリ・セルが完全に充電されているときには100%に等しくてもよく、セルが完全に放電されているときには0%に等しくてもよい。SOCは、以下のようにモデル化することができる。
ここで、Qは総容量であり、これは完全充電から完全放電まで放電しているときに除去される電荷の総量である。バッテリ・セルの効率は完全ではないことが知られている。たとえば、バッテリ・セルのエネルギー効率は、エネルギー出力をエネルギー入力で除算したものと定義される。バッテリ・セルでは、このエネルギー効率は約95%になることがある。失われたエネルギーは、充電中及び放電中での抵抗加熱の結果でもよい。さらに、充電中には、バッテリ・セル内の不要な副反応の結果として、クーロン効率が1よりも小さいことに起因して、バッテリ・セルのエネルギーが失われることがある。しかし、バッテリ・セルの放電中には、クーロン効率は概ね1に等しい。
【0020】
図3を参照すると、バッテリ・システムの放散熱損失を推定するための第3のモデルが、直列抵抗値を含むものとして示してある「Rint」モデルでもよい。Rintモデルは、以下のようにモデル化することができる。
V(t)=OCV(z(t),T(t))-i(t)R0
ここで、充電時にはV(t)>OCV(z(t),T(t))であり、放電時にはV(t)<OCV(z(t),T(t))である。R
0によって放散される電力は、放散熱損失を表す熱によって放散される。このRintモデルは、単純な電子設計にとっては十分となる場合もあるが、高度な電子装置及びEV用途に適用するときには不正確になる場合がある。たとえば、バッテリ・セルにはセル内に拡散プロセスを有してもよく、したがって、セルが休止するとき、電圧が直ちにOCVまで戻ることはない。
【0021】
「テブナン・モデル」又は「機能強化された自己補正(ESC)セル・モデル」など、拡散電圧及びヒステリシスを考慮に入れるさらに高度なモデルが存在することもあるが、Rintモデルは、パルス駆動電力伝達に対する連続電力伝達におけるバッテリ・セル内の放散熱損失の変化に関して、何らかの洞察をもたらすことがある。本明細書において詳しく述べる方法の実装形態では、上記その他のモデルを使用してもよい。
【0022】
次に
図4を参照すると、本開示によって第1のパルス制御パターンが提供される。第1のパルス制御パターンでは、パルス電流I
pulseを供給して、パルス・トルクで電気モータをパルス駆動することによって目標トルクを伝達する。この目標トルクは、ある時間を経たパルス・トルクの平均値であり、又はパルス・トルクのデューティ・サイクルとパルス・トルクの値との積である。電気モータに伝達される電流は、ある時間を経て電気モータに供給される平均電流である平均電流I
pulse、及び2乗平均平方根電流I
rmsを有する。
【0023】
パルス駆動電力伝達の放散熱損失を計算するために、第1のステップは、一般にQ
baselineと呼ばれる連続電流伝達中に電力を供給することによって放散される熱を計算することである。上記Rintモデルを使用すると、Q
baselineを以下のように計算することができる。
次いで、第1のパルス制御モデルに移ると、放散熱損失Qを計算することができ、ここで、
したがって、
したがって、パルス駆動モードでの電気モータのパルス幅又はデューティ・サイクルは、連続モードでのバッテリ・システムのベースライン放散熱損失に正比例する。たとえば、デューティ・サイクルが33%、即ちパルス幅が時間Tの1/3のとき、nは3に等しい。nが3に等しいとき、I
meanはI
pulseの1/3である。したがって、Rintモデルからは、パルス制御パターンのデューティ・サイクルが33パーセントのとき、バッテリ・システムの放散熱損失は、バッテリ・システムのベースラインから一定の電力を伝達した場合の放散熱損失の3倍を超える大きさである。Rintモデルからは、デューティ・サイクルが低下するにつれて、バッテリ・システムの効率は、第1のパルス駆動パターンにおいて低下することが明らかである。
【0024】
次に
図5を参照すると、本開示によって第2のパルス制御パターンが提供される。第2のパルス制御パターンでは、第1のパルス電流I
pulseAを供給して、パルス・トルクで電気モータをパルス駆動すること、及び電気モータから第2のパルス電流I
pulseBを受け取ることによって目標トルクを伝達する。このパターンは、高い正のトルクで電気モータをパルス駆動し、この正のトルク・パルス間でエネルギーを再生又は回収する結果でもよい。このパターンは、I
rmsとI
meanの間に大きなギャップを生じる。第2のパターンの放散熱損失は、Q
baselineのn倍よりも大きい。以下に示す例では、第2のパルス制御パターンからの放散熱損失は、電気モータへの定電流伝達によるベースライン放散熱損失の10倍を超える大きさとなることがある。
【0025】
図6には、連続的なトルク伝達即ちベースライン、第1のパルス駆動制御パターン、及び第2のパルス制御パターンのそれぞれについて、ベースラインのバッテリ効率のファクタとしてのシステム効率が示してある。上で詳しく述べたRintモデルを使用すると、電気モータをパルス駆動することにより、連続的にトルクを伝達するベースラインと比較して、システム全体の効率が向上することのあるクロスオーバ点が存在する。クロスオーバ点の左側では、パルス駆動トルク伝達からのモータ効率向上がバッテリ効率の低下よりも大きく、クロスオーバ点の反対側では、バッテリ効率が潜在的な任意のモータ効率向上を相殺することが示してある。また、クロスオーバ点の右側では、パルス駆動モードからのモータ効率の向上よりも、バッテリ・システム効率の低下の方が大きいことが示してある。
【0026】
次に
図7を参照すると、パルス駆動電気モータでのシステム効率を最適化する方法が、本開示によって開示されており、全体として方法100と呼ばれる。この方法100は、電気モータに信号を供給して、駆動構成部品に目標トルクを伝達する制御装置で実行される。
【0027】
方法100は、電気モータに目標トルクを要求する入力信号を、電気モータの制御装置が受信することを含んでもよい(ステップ110)。この制御装置はまた、モータに関連する1つ又は複数のセンサからモータ速度を受信してもよい(ステップ115)。制御装置は、電気モータの目標トルクを受信することに応答してパルス制御パターンを生成する(ステップ120)。生成されるパルス制御パターンは、少なくとも部分的にはモータ速度に基づいてもよい。さらに、又は別法として、生成されるパルス制御パターンは、車両速度又はモータ温度を含むがこれらに限定されない、電気モータの動作状態に少なくとも部分的に基づいてもよい。制御装置は、生成されたパルス制御パターンを最適化して、電気モータのモータ効率を最大化し、連続的なトルク伝達と比較したときに生成されたパルス制御パターンの結果としてモータ効率向上を決定してもよい(ステップ130)。
【0028】
生成されたパルス制御パターンが電気モータに供給される前に、制御装置は、生成されたパルス制御パターンのシステム効率を計算する(ステップ160)。システム効率を計算するためには、制御装置は、少なくともモータ効率(ステップ130)及びバッテリ効率(ステップ150)を必要とする。したがって、システム効率は、少なくとも部分的にはモータ効率に依存し、少なくとも部分的にはバッテリ効率に依存する。パルス電力要求のバッテリ効率は、バッテリ・モデルを使用して計算される(ステップ140)。このバッテリ・モデルは、理想的な電圧源モデル、SOCモデル、Rintモデル、テブナン・モデル、またはESCモデルを含むが、これらに限定されない、任意のバッテリ・モデルでもよい。バッテリ・モデルは、生成されたパルス・パターン、セル電流、セル端子電圧、セル温度、セル内部抵抗値、またはパルス電流を含むが、これらに限定されない、バッテリ又はセルの動作状態に少なくとも部分的に基づいてもよい。バッテリ・モデルは、1つ又は複数のセンサによって提供されるリアルタイムの動作状態の入力を含んでもよい。この動作状態で、バッテリ・モデルを使用してバッテリ効率が計算される(ステップ150)。
【0029】
バッテリ効率及びモータ効率が計算されると、生成されたパルス・パターンについてパルス駆動システム効率が計算される(ステップ160)。制御装置は、パルス駆動システム効率を、連続システム効率即ちベースライン・システム効率と比較する(ステップ170)。連続システム効率は、バッテリ効率、及び目標トルクの連続的なトルク伝達のモータ効率から、制御装置によって計算されてもよい(ステップ125)。連続システム効率がパルス駆動システム効率よりも高いとき、制御装置は、連続的なトルク伝達によって目標トルクを伝達するように電気モータを動作させる(ステップ180)。パルス駆動システム効率が連続システム効率以上となるとき、制御装置は、生成されたパルス・パターンによって目標トルクを伝達するように電気モータを動作させる(ステップ190)。ステップ180又はステップ190の目標トルク伝達は、別の目標トルクが要求され、制御装置によって受信されるまで継続される(ステップ110)。この方法100は、要求される新規の目標トルクにおいて反復される。
【0030】
図8を参照すると、本開示によって例示的なシステムが提供される。このシステムは、制御装置10、電気モータ40、バッテリ・システム45、及び被動構成部品50を備える。制御装置10は、プロセッサ20及びメモリ30を備える。メモリ30は、このメモリ30に記憶され、プロセッサ20で実行される、1つ又は複数のプログラムを含んでもよい。制御装置10は、メモリ30に記憶され、プロセッサ20で実行される命令に基づいて、電気モータ40及び/又はバッテリ・システム45をこの制御装置10が動作させるように、電気モータ40及び/又はバッテリ・システム45に動作可能なように結合されてもよい。電気モータ40は、この電気モータ40が被動構成部品50を回転させるように、この被動構成部品50に動作可能なように結合されてもよい。制御装置10は、電気モータ40及び/又はバッテリ・システム45を動作させるために、本明細書において詳しく述べる方法のいずれかを実行してもよい。
【0031】
本開示のいくつかの実施形態を各図面に示してきたが、本開示がこれらに限定されることは意図されておらず、本開示は、当技術分野が許容することになる広い範囲となることが意図されており、また本明細書も同様に読まれることが意図されている。上記実施形態のいかなる組合せも想定されており、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内にある。したがって、上記説明は、限定的なものとしてではなく、単に特定の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者であれば、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載の範囲内で、他の修正形態を想定することになる。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータを制御する方法において、
前記電気モータにエネルギーを供給して、要求トルクを伝達するバッテリ・システムの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、電気モータでのパルス駆動システム効率を決定するステップと、
前記パルス駆動システム効率が連続システム効率よりも高いときに、前記電気モータをパルス駆動モードで動作させるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記パルス駆動システム効率を決定するステップは、前記パルス・システム効率が、パルス駆動モータ効率とパルス駆動バッテリ・システム効率の積を含むことを有することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記パルス駆動システム効率を決定するステップが、前記バッテリ・システムの放散熱損失に少なくとも部分的に基づいて、パルス駆動バッテリ効率を決定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記バッテリ・システムの前記動作状態に少なくとも部分的に基づいて、前記パルス駆動システム効率を決定するステップは、前記バッテリ・システムの前記動作状態が、バッテリ温度、パルス電流、バッテリ端子電圧、又はバッテリ内部抵抗値を含むことを有することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
連続モードにおいて前記電気モータからの前記要求トルクを伝達するための前記連続システム効率を計算するステップと、
前記連続システム効率が前記パルス駆動システム効率よりも高いときに、前記連続モードで前記電気モータを動作させるステップと
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記パルス駆動システム効率を決定するステップが、前記電気モータの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、前記電気モータのパルス駆動モータ効率を決定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記パルス駆動モータ効率を決定するステップが、モータ速度、モータ・トルク、車両速度、又はモータ温度を含む、前記電気モータの前記動作状態を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、前記パルス駆動モードにおいて前記電気モータからの前記要求トルクを伝達するためのパルス波形を生成するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記パルス波形を生成するステップが、前記要求トルクよりも大きいパルス・トルクで前記電気モータをパルス駆動して、前記要求トルクを伝達することを含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法において、前記パルス波形を生成するステップが、前記電気モータのパルス間でエネルギーを再生することを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
制御装置によって実行されると、前記制御装置に、
要求トルクを伝達するために電気モータにエネルギーを供給するように構成されたバッテリ・システムの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、電気モータでのパルス駆動システム効率を決定させ、
前記パルス駆動システム効率が連続システム効率よりも高いときに、前記電気モータをパルス駆動モードで動作させる
命令を記憶することを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
請求項11に記載の持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記制御装置が、前記バッテリ・システムの放散熱損失に少なくとも部分的に基づいて、パルス駆動バッテリ効率を決定することによって、前記パルス駆動システム効率を決定することを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
請求項11に記載の持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記制御装置が、バッテリ・システムの前記動作状態に少なくとも部分的に基づいて、前記パルス駆動システム効率を決定するステップは、前記バッテリ・システムの前記動作状態が、バッテリ温度、パルス電流、バッテリ端子電圧、又はバッテリ内部抵抗値を含むことを有することを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
請求項11に記載の持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記制御装置が、パルス駆動モータ効率に少なくとも部分的に基づいて、前記パルス駆動システム効率を計算することを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
請求項11に記載の持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体において、前記制御装置がさらに、
連続モードにおいて前記電気モータからの前記要求トルクを伝達するための前記連続システム効率を計算し、
前記連続システム効率が前記パルス駆動システム効率よりも高いときに、前記連続モードで前記電気モータを動作させる
ようにされることを特徴とする持続的でコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
電気モータを動作させて、被動構成部品を回転させるための制御装置において、
プロセッサと、
前記プロセッサに、
要求トルクを伝達するために電気モータにエネルギーを供給するように構成されたバッテリ・システムの動作状態に少なくとも部分的に基づいて、電気モータでのパルス駆動システム効率を決定させ、
前記パルス駆動システム効率が連続システム効率よりも高いときに、パルス駆動モードで前記電気モータを動作させるための
プログラムを含むメモリと
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項17】
請求項16に記載の制御装置において、前記パルス駆動システム効率を決定するステップが、前記バッテリ・システムの放散熱損失に少なくとも部分的に基づいて、パルス駆動バッテリ効率を決定することを含むことを特徴とする制御装置。
【請求項18】
請求項16に記載の制御装置において、バッテリ・システムの前記動作状態に少なくとも部分的に基づいて、前記パルス駆動システム効率を決定するステップは、前記バッテリ・システムの前記動作状態が、バッテリ温度、パルス電流、バッテリ端子電圧、又はバッテリ内部抵抗値を含むことを有することを特徴とする制御装置。
【請求項19】
請求項16に記載の制御装置において、前記パルス駆動システム効率を計算するステップが、パルス・モータ効率に少なくとも部分的に基づいていることを特徴とする制御装置。
【請求項20】
請求項16に記載の制御装置において、前記プログラムがさらに、前記プロセッサに、
連続モードにおいて前記電気モータからの前記要求トルクを伝達するための前記連続システム効率を計算させ、
前記連続システム効率が前記パルス駆動システム効率よりも高いときに、前記連続モードで前記電気モータを動作させる
ことを特徴とする制御装置。
【国際調査報告】