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特表2024-527906不均一な外面を有する首部を備えた医薬品容器およびその評価方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】不均一な外面を有する首部を備えた医薬品容器およびその評価方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 23/09 20060101AFI20240719BHJP
   C03C 17/23 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
C03B23/09
C03C17/23
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504498
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022037043
(87)【国際公開番号】W WO2023009321
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/203,571
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】クーン,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】デマルティーノ,スティーヴン エドワード
(72)【発明者】
【氏名】オマリー,コナー トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シャウト,ロバート アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン,ブレット クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ウェッブ,ジェームズ アーネスト
【テーマコード(参考)】
4G015
4G059
【Fターム(参考)】
4G015BA05
4G015BB02
4G059AA04
4G059AB05
4G059AC03
4G059EA02
4G059EA04
4G059EA05
4G059EA12
(57)【要約】
医薬品容器は、医薬品容器の内容積を取り囲むガラス体からなる。そのガラス体は、内容積の幾何学的中心を通る中心軸、内面と外面との間に延在する壁厚、裏面を有するフランジ、肩部、およびフランジと肩部との間に延在する首部を備える。この首部の少なくとも一部分内に、外面の少なくとも傾斜部分がフランジに隣接する中心軸に向かって内側に傾斜するように、外面が中心軸に向かって内側に延在している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品容器において、
前記医薬品容器の内容積を取り囲むガラス体、
からなり、
前記ガラス体は、
前記内容積の幾何学的中心を通る中心軸、
内面と外面との間に延在する壁厚、
裏面を有するフランジ、
肩部、および
前記フランジと前記肩部との間に延在する首部、
を備え、
前記首部の少なくとも一部分内に、前記外面の少なくとも傾斜部分が前記フランジに隣接する前記中心軸に向かって内側に傾斜するように、該外面が該中心軸に向かって内側に延在している、医薬品容器。
【請求項2】
前記壁厚が、前記裏面からの距離が減少すると共に前記首部内で減少するように、前記外面が前記中心軸に向かって内側に延在している、請求項1記載の医薬品容器。
【請求項3】
前記外面が、前記首部と前記裏面との間に延在する第1の移行領域を含み、
前記第1の移行領域の少なくとも一部が、前記中心軸から半径方向に最も遠く離れた前記首部内の外面の外側部分の半径方向内側に配置されている、請求項1記載の医薬品容器。
【請求項4】
前記中心軸から半径方向に最も遠く離れた前記首部内の外面の前記外側部分が、前記フランジの裏面の少なくとも1mm下に配置されている、請求項3記載の医薬品容器。
【請求項5】
前記傾斜部分内で、前記外面が少なくとも0.2mmの半径方向距離だけ前記中心軸に向かって半径方向内側に延在している、請求項3記載の医薬品容器。
【請求項6】
前記首部内で、前記外面が第2の移行領域を含み、
該第2の移行領域において、該外面が前記中心軸に向かって内側に延在している、請求項3記載の医薬品容器。
【請求項7】
前記第2の移行領域内で、前記外面が、前記第1の移行領域の曲率半径より大きい曲率半径を有する輪郭に従う、請求項6記載の医薬品容器。
【請求項8】
前記外面の少なくとも一部の周りに配置された潤滑コーティングをさらに含む、請求項1記載の医薬品容器。
【請求項9】
前記潤滑コーティングが、前記首部で前記外面の少なくとも一部に配置され、
前記外面が、前記潤滑コーティングを含まない前記首部の領域内で前記中心軸に向かって内側に延在する、請求項8記載の医薬品容器。
【請求項10】
前記首部内で、前記外面が、
前記肩部から延在する第1の部分、および
前記第1の部分と前記フランジとの間に延在する上側部分、
を含み、該上側部分内で、前記壁厚は、前記肩部からの距離の増加と共に減少する、請求項1記載の医薬品容器。
【請求項11】
前記上側部分の下縁が、前記フランジの裏面の少なくとも2.0mm下に配置されている、請求項10記載の医薬品容器。
【請求項12】
前記上側部分がアンダーカット部を含み、
前記アンダーカット部内で、前記壁厚が、前記肩部からの距離の増加とともに、非線形に減少する、請求項10記載の医薬品容器。
【請求項13】
医薬品容器に蓋を付ける方法において、
前記医薬品容器の開口に密封部材を挿入する工程であって、該医薬品容器は、
前記医薬品容器の内部容積を取り囲むガラス体からなり、該ガラス体は、
前記内部容積の幾何学的中心を通る中心軸と、
内面と外面との間に延在する壁厚と、
裏面を有するフランジと、
肩部と、
前記フランジと前記肩部との間に延在する首部と、
を備え、前記首部の少なくとも一部分内で、前記外面の少なくとも傾斜部分が、前記フランジと隣接した前記中心軸に向かって内側に傾斜するように該外面が該中心軸に向かって内側に延在している、工程、
キャップの一部が前記裏面を越えて前記肩部に向かって延在するように、該キャップを前記フランジに対して摺動させる工程、および
前記裏面を越えて延在する前記キャップの一部を、キャッピング機器を使用して該裏面に押し付けることによって、該キャップを該裏面に縁曲げする工程であって、該キャッピング機器が、前記フランジの裏面の少なくとも1mm下で前記首部の外面と接触する端面を有する、工程、
を含む方法。
【請求項14】
前記キャッピング機器の端面が、前記フランジの裏面から外れた接触域で前記外面と接触する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記医薬品容器が、前記外面の少なくとも一部を覆う潤滑コーティングを含む、請求項13記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2021年7月27日に出願された米国仮特許出願第63/203571号の米国法典第35編第119条の優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、広く、医薬組成物を貯蔵するためのガラス容器に関する。
【背景技術】
【0003】
バイアルなどの医薬品容器は、典型的に、収容される材料の完全性を維持するために、栓や他の蓋で密閉される。蓋は、典型的に、合成ゴムや他のエラストマーから製造される。蓋は、例えば、バイアルのフランジに押し付けられて、バイアルとフランジとの間にシールを形成することがある。そのような圧縮は、フランジの周りに金属キャップを縁曲げ(crimping)して、蓋をフランジ上で圧縮状態に維持し、高信頼性シールを形成することによって、達成されることがある。縁曲げは、金属キャップと接触して、金属キャップの一部をフランジの周りに曲げるキャッピング機器によって行われることがある。キャッピングシステムでは、サイズの異なる容器に共通の構成(例えば、同じキャッピング機器、キャッピング機器の類似の移動シーケンス)が用いられることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その結果、キャッピング機器は、容器の異なる部分と接触し、異なるキャッピング応力がもたらされることがある。ある場合には、そのようなキャッピング応力は、検出するのが難しい欠陥を容器にもたらすことがあり、容器の破損や、収容された材料が汚染される可能性をもたらすであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様は、医薬品容器の内容積を取り囲むガラス体からなる医薬品容器であって、そのガラス体は、内容積の幾何学的中心を通る中心軸、内面と外面との間に延在する壁厚、裏面を有するフランジ、肩部、およびフランジと肩部との間に延在する首部を備え、この首部の少なくとも一部分内に、外面の少なくとも傾斜部分がフランジに隣接する中心軸に向かって内側に傾斜するように、外面が中心軸に向かって内側に延在している、医薬品容器を含む。
【0006】
本開示の第2の態様は、壁厚が、裏面からの距離が減少すると共に首部内で減少するように、外面が中心軸に向かって内側に延在している、第1の態様による医薬品容器を含む。
【0007】
本開示の第3の態様は、外面が、首部と裏面との間に延在する第1の移行領域を含み、その第1の移行領域の少なくとも一部が、中心軸から半径方向に最も遠く離れた首部内の外面の外側部分の半径方向内側に配置されている、第1から第2の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0008】
本開示の第4の態様は、中心軸から半径方向に最も遠く離れた首部内の外面の外側部分が、フランジの裏面の少なくとも1mm下に配置されている、第1から第3の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0009】
本開示の第5の態様は、傾斜部分内で、外面が少なくとも0.2mmの半径方向距離だけ中心軸に向かって半径方向内側に延在している、第1から第4の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0010】
本開示の第6の態様は、首部内で、外面が第2の移行領域を含み、その第2の移行領域において、外面が中心軸に向かって内側に延在している、第1から第5の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0011】
本開示の第7の態様は、第2の移行領域内で、外面が、第1の移行領域の曲率半径より大きい曲率半径を有する輪郭に従う、第1から第6の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0012】
本開示の第8の態様は、外面の少なくとも一部の周りに配置された潤滑コーティングをさらに含む、第1から第7の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0013】
本開示の第9の態様は、潤滑コーティングが、首部で外面の少なくとも一部に配置され、外面が、潤滑コーティングを含まない首部の領域内で中心軸に向かって内側に延在する、第1から第8の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0014】
本開示の第10の態様は、首部内で、外面が、肩部から延在する第1の部分、および第1の部分とフランジとの間に延在する上側部分を含み、その上側部分内で、壁厚は、肩部からの距離の増加と共に減少する、第1から第9の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0015】
本開示の第11の態様は、上側部分の下縁が、フランジの裏面の少なくとも2.0mm下に配置されている、第1から第10の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0016】
本開示の第12の態様は、上側部分の下縁が、フランジの裏面の少なくとも3.0mm下に配置されている、第1から第11の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0017】
本開示の第13の態様は、上側部分がテーパー部を含み、そのテーパー部内で、壁厚が、肩部からの距離の増加とともに、線形に減少する、第1から第2の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0018】
本開示の第14の態様は、上側部分がアンダーカット部を含み、そのアンダーカット部内で、壁厚が、肩部からの距離の増加とともに、非線形に減少する、第1から第13の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0019】
本開示の第15の態様は、ガラス体が、1.0ml以上かつ30ml以下の容積を有するバイアルを形成する、第1から第14の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0020】
本開示の第16の態様は、医薬品容器の内容積を取り囲むガラス体からなる医薬品容器であって、そのガラス体は、内容積の幾何学的中心を通る中心軸、内面と外面との間に延在する壁厚、フランジ、肩部、およびフランジと肩部との間に延在する首部を備え、この首部内で、外面は、外面と中心軸との間の半径方向距離が、フランジに対する軸方向近接性の関数として変化する上側部分を含む、医薬品容器を含む。
【0021】
本開示の第17の態様は、首部内で、外面が、肩部と上側部分との間に延在する第1の部分を含み、その上側部分内で、外面が、中心軸に向かって内側に傾斜している、第16の態様による医薬品容器を含む。
【0022】
本開示の第18の態様は、上側部分内で、外面が、少なくとも0.2mmの半径方向距離だけ中心軸に向かって半径方向内側に延在している、第16から第17の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0023】
本開示の第19の態様は、上側部分内で、外面がテーパー部を含み、そのテーパー部内で、外面と中心軸との間の半径方向距離が、肩部からの距離の増加とともに、線形に減少する、第16から第18の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0024】
本開示の第20の態様は、上側部分内で、外面がアンダーカット部を含み、そのアンダーカット部内で、外面と中心軸との間の半径方向距離が、肩部からの距離の増加とともに、非線形に減少する、第16から第19の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0025】
本開示の第21の態様は、アンダーカット部が円弧を構成する、第16から第20の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0026】
本開示の第22の態様は、外面が、首部とフランジとの間に配置された移行領域を含み、円弧が、その移行領域の曲率半径より大きい曲率半径を有する、第16から第21の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0027】
本開示の第23の態様は、上側部分の下縁が、フランジの少なくとも2.0mm下に配置されている、第16から第22の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0028】
本開示の第24の態様は、上側部分の下縁が、フランジの少なくとも3.0mm下に配置されている、第16から第23の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0029】
本開示の第25の態様は、外面の少なくとも一部の周りに配置された潤滑コーティングをさらに含む、第16から第24の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0030】
本開示の第26の態様は、潤滑コーティングが首部で外面を少なくとも部分的に覆い、可変厚さ領域の少なくとも一部が潤滑コーティングで覆われていない、第16から第25の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0031】
本開示の第27の態様は、首部が、肩部と上側部分との間に延在する厚さ均一領域を含む、第16から第26の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0032】
本開示の第28の態様は、首部が、厚さ均一領域内に最大壁厚を有する、第16から第27の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0033】
本開示の第29の態様は、首部が、フランジの下に少なくとも1mmの最大壁厚を有する、第16から第28の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0034】
本開示の第30の態様は、首部が、フランジの下に少なくとも2mmの最大壁厚を有する、第16から第29の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0035】
本開示の第31の態様は、ガラス体が、1.0ml以上かつ30ml以下の容積を有するバイアルを形成する、第26から第30の態様のいずれかによる医薬品容器を含む。
【0036】
本開示の第32の態様は、医薬品容器を形成する方法において、内面、外面、および中心軸を有するガラス管を形成する工程;そのガラス管を高温に加熱する工程;および加熱されたガラス管を造形して、ガラス容器の首部とガラス容器のフランジを成形する工程であって、この造形する工程は、管の外面を転換器具の成形面と接触させることによって首部を成形することを含み、首部の成形中に、成形面の一部が、その造形する工程後に、首部の少なくとも傾斜部分内の外面が、フランジに隣接した中心軸に向かって内側に傾斜するように、ガラス管の中心軸に対して非平行に延在している、工程を含む方法を含む。
【0037】
本開示の第33の態様は、傾斜部分が、首部にテーパー部を形成するように直線的に傾斜している、第32の態様による方法を含む。
【0038】
本開示の第34の態様は、成形面が、フランジに近接した首部にアンダーカット部を形成するための凸部分を含む、第32から第33の態様のいずれかによる方法を含む。
【0039】
本開示の第35の態様は、成形面が、首部に厚さ均一部分を形成するように外面と接触して配置されたときに、中心軸に対して平行に延在する平行部分を含む、第32から第34の態様のいずれかによる方法を含む。
【0040】
本開示の第36の態様は、ガラス容器のフランジが裏面を有し、平行部分と、中心軸に対して非平行に延在する成形面の部分との間の境界が、首部の形成中に裏面から少なくとも1mmに配置されている、第32から第35の態様のいずれかによる方法を含む。
【0041】
本開示の第37の態様は、医薬品容器に蓋を付ける方法において、医薬品容器の開口に密封部材を挿入する工程であって、その医薬品容器は、医薬品容器の内部容積を取り囲むガラス体からなり、このガラス体は、内部容積の幾何学的中心を通る中心軸と、内面と外面との間に延在する壁厚と、裏面を有するフランジと、肩部と、フランジと肩部との間に延在する首部とを備え、首部の少なくとも一部分内で、外面の少なくとも傾斜部分が、フランジと隣接した中心軸に向かって内側に傾斜するように外面が中心軸に向かって内側に延在している、工程;キャップの一部が裏面を越えて肩部に向かって延在するように、キャップをフランジに対して摺動させる工程;および裏面を越えて延在するキャップの一部を、キャッピング機器を使用して裏面に押し付けることによって、キャップを裏面に縁曲げする工程であって、キャッピング機器が、フランジの裏面の少なくとも1mm下で首部の外面と接触する端面を有する、工程を含む方法を含む。
【0042】
本開示の第38の態様は、キャッピング機器の端面が、フランジの裏面から外れた接触域で外面と接触する、第37の態様による方法を含む。
【0043】
本開示の第39の態様は、医薬品容器が、外面の少なくとも一部を覆う潤滑コーティングを含む、第37から第38の態様のいずれかによる方法を含む。
【0044】
本開示の第40の態様は、端面が、潤滑コーティングで覆われている首部の部分のみと接触する、第37から第39の態様のいずれかによる方法を含む。
【0045】
本開示の第41の態様は、キャッピング機器が、縁曲げする工程中にフランジの裏面に対して平行に延在する角度の付いた表面、および端面と角度の付いた表面との間に延在する角部を含む、第37から第40の態様のいずれかによる方法を含む。
【0046】
本開示の第42の態様は、角部が、縁曲げする工程中に首部と接触しない、第37から第41の態様のいずれかによる方法を含む。
【0047】
本開示の第43の態様は、傾斜部分内で、首部内の外面が、裏面からの距離の減少と共に、壁厚が首部内で減少するように、中心軸に向かって内側に延在している、第37から第42の態様のいずれかによる方法を含む。
【0048】
本開示の第44の態様は、ガラス体が、首部とフランジの裏面との間に延在する移行領域を含み、縁曲げする工程中に、キャッピング機器が移行領域と接触しない、第37から第43の態様のいずれかによる方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図面に示された実施の形態は、実質的に、説明のためであり、例示であり、請求項に定義された主題を限定する意図はない。説明に役立つ実施の形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示されている、以下の図面と併せて読まれた場合に、理解することができる。
図1A】ここに記載された1つ以上の実施の形態による、傾斜部分を有する首部を備えた医薬品容器の概略図
図1B】ここに記載された1つ以上の実施の形態による、図1Aに示された医薬品容器の首部の概略図
図2】ここに記載された1つ以上の実施の形態による、ガラス容器の断面図
図3】ここに記載された1つ以上の実施の形態による、ガラス容器の断面図
図4】ここに記載された1つ以上の実施の形態による、その外面を少なくとも部分的に覆う潤滑コーティングを備えた医薬品容器の概略図
図5】ここに記載された1つ以上の実施の形態による、傾斜部分を有する首部を備えた医薬品容器の概略図
図6】ここに記載された1つ以上の実施の形態による、そのフランジに隣接したアンダーカット部を有する首部を備えた医薬品容器の概略図
図7】図示され、ここに記載された1つ以上の実施の形態による、ガラス管からガラス物品を製造するための転換装置の実施の形態を示す概略図
図8】図示され、ここに記載された1つ以上の実施の形態による、図7のガラス管転換装置の主要タレット、補助タレット、および供給タレットの概略図
図9A】図示され、ここに記載された1つ以上の実施の形態による、図7の転換装置の加熱ステーションを示す概略図
図9B】図示され、ここに記載された1つ以上の実施の形態による、図7の転換装置の分離ステーションを示す概略図
図9C】図示され、ここに記載された1つ以上の実施の形態による、図7の転換装置の成形ステーションを示す概略図
図9D】図示され、ここに記載された1つ以上の実施の形態による、図7の転換装置の成形ステーションの別の実施の形態を示す概略図
図10A】ここに記載された1つ以上の実施の形態による、アンダーカット部を有する首部を備えた医薬品容器にするガラス管のプロセスにおける成形ステーションに使用するための成形機器を示す概略図
図10B】ここに記載された1つ以上の実施の形態による、アンダーカット部を有する首部を備えた医薬品容器にするガラス管のプロセスにおける成形ステーションに使用するための成形機器を示す概略図
図10C】ここに記載された1つ以上の実施の形態による、傾斜部分を有する首部を備えた医薬品容器にするガラス管のプロセスにおける成形ステーションに使用するための成形機器を示す概略図
図11】ここに記載された1つ以上の実施の形態による、キャッピングプロセス中の医薬品容器を示す概略図
図12】ここに記載された1つ以上の実施の形態による、縁曲げプロセス中のキャッピング機器と係合した医薬品容器を示す概略図
図13】ここに記載された1つ以上の実施の形態による、縁曲げプロセス中のキャッピング機器と係合した医薬品容器を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0050】
ここで、傾斜部分を含む外面を有する首部を備えた医薬品容器およびそれを評価する方法の実施の形態を詳しく参照する。できるときはいつでも、同様の参照番号が、同様の構成要素の組込みを示すために使用される。本開示の医薬品容器は、内部容積を取り囲むガラス体を備えることがある。そのガラス体は、内部容積の幾何学的中心を通る中心軸、内面と外面との間に延在する壁厚、裏面を有するフランジ、肩部、およびフランジと肩部との間に延在する首部を備えることがある。首部内では、外面の少なくとも傾斜部分がフランジに隣接した中心軸に向かって内側に傾斜するように、外面の少なくとも一部が中心軸に向かって内側に延在することがある。フランジに近接した(例えば、首部とフランジの裏面との間の移行領域に近接した)そのような傾斜部分は、金属キャップを裏面に縁曲げするために使用されるキャッピング機器の接触面のクリアランスを有益に提供する。その傾斜部分は、キャッピングプロセス中に医薬品容器に応力を集中させ、欠陥(例えば、亀裂、欠け、引っ掻き傷など)の形成をもたらす傾向にあるキャッピング機器部分と医薬品容器の部分(例えば、首部とフランジの裏面との間の移行領域)との間の接触を有益に防ぐことができる。傾斜部分の結果として、キャッピング機器は、外面の形状がキャッピング機器の接触面と一致し、それによって、力を接触域に亘り分布させ、欠陥形成の可能性を低下させる首部の領域で首部と接触することがある。その結果、容器の破損する傾向またはキャッピング欠陥による収容される材料の汚染が、低下するであろう。
【0051】
ここに用いられているように、「約」という用語は、量、サイズ、配合物、パラメータ、および他の数量と特徴が、正確ではなく、正確である必要はないが、公差、変換係数、四捨五入、測定誤差など、および当業者に公知の他の要因を反映して、所望に応じて、近似である、および/またはそれより大きいかまたは小さいこともあることを意味する。値または範囲の端点を記載する上で、「約」という用語が使用される場合、言及される特定値または端点は含まれる。本明細書における数値または範囲の端点に「約」が付いているか否かにかかわらず、2つの実施の形態:「約」で修飾されているもの、および「約」で修飾されていないものが記述される。範囲の各々の端点は、他方の端点と関係してと、他方の端点とは関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。
【0052】
ここに用いられているような方向を表す用語-例えば、上、下、右、左、前、後、上部、底部-は、描かれている図面に関してのみ使用され、絶対的な向きを暗示する意図はない。
【0053】
ここに用いられているように、名詞は、文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、複数の対象を含む。それゆえ、例えば、成分に対する言及は、文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、そのような成分を2つ以上有する態様を含む。
【0054】
特に明記のない限り、ここに述べられたどの方法も、その工程が特定の順序で行われることを必要とする、または任意の装置について、特定の向きが要求されると解釈されることは決して意図されていない。したがって、方法の請求項が、その工程が従うべき順序を実際に列挙していない場合、または装置の請求項が、個々の構成要素に関する順序または向きを実際に列挙していない場合、もしくは請求項または記載に、工程が特定の順序に限定されること、または装置の構成要素に対する特定の順序または向きが列挙されていない場合、どの点に関しても、順序または向きが暗示されることは決して意図されていない。このことは、工程の配列、操作の流れ、構成要素の順序、または構成要素の向き;文法構成または句読法に由来する明白な意味;および明細書に記載された実施の形態の数またはタイプに関する論理事項を含む、解釈に関するどの可能性のある非表現基準にも適用される。
【0055】
ここで図1Aを参照すると、医薬製剤を貯蔵するための医薬品容器100の1つの実施の形態が、断面で概略示されている。医薬品容器100は、ガラス体102を備える。ガラス体102は、ガラス体102の内面104と外面106の間に延在し、中心軸CAを有し、概して、内部容積108を取り囲む。図1Aに示されたガラス体102の実施の形態において、ガラス体102は、概して、壁部分110および床部分112を含む。壁部分110は、踵部分114を通じて床部分112に移行する。図示された実施の形態において、ガラス体102は、フランジ120、フランジ120から延在する首部118、および首部118から延在する肩部116を含む。中心軸CAは、床部分112に対して直角であり、床部分112から首部118に向かって延在している。実施の形態において、ガラス体102は、中心軸CAに対して対称である。ガラス体102は、図1Aに示されるように、内面104と外面106の間に延在する壁厚Tを有する。
【0056】
実施の形態において、ガラス体102は、USP<660>に準拠するタイプ1Bのホウケイ酸ガラス組成物などのホウケイ酸ガラス組成物を含む、USP<660>に定義されたタイプI、タイプIIまたはタイプIIIのガラスから形成されることがある。あるいは、ガラス体102は、ここに全て引用される米国特許第8551898号明細書に開示されたものなどのUSP<660>のタイプIの要件を満たすアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物、またはここに全て引用される米国特許第9145329号明細書に記載されたものなどのアルカリ土類アルミノケイ酸塩ガラス組成物から形成されることがある。実施の形態において、ガラス体102は、ここに全て引用される米国特許第100273049号明細書に開示されている耐熱性コーティングなどのコーティングを備えることがある。実施の形態において、ガラス体102は、ソーダ石灰ガラス組成物から構成されることがある。実施の形態において、ガラス体102は、0×10-7/K以上かつ100×10-7/K以下(例えば、30×10-7/K以上かつ70×10-7/K以下)の熱膨張係数を有するガラス組成物から構成される。
【0057】
ガラス体102は、特定の形状因子(すなわち、バイアル(vial))を有すると図1Aに描写されているが、ガラス体102は、他の形状因子を有してもよいことを理解すべきである。ここに記載された外面106の幾何学的特徴は、ガラス容器にキャップを縁曲げしてガラス容器を密封するためにキャッピング機器が使用されるどのガラス容器に使用してもよい。ここに記載された幾何学的特徴は、ガラス容器を充填ラインに通して案内し、容器が、バイアルガイドレールにより首部の高さに設定されたラインの特定領域に案内されている場合でも使用してよい。このように設計を改善することで、首部の上部での接触が最小になる。さらに、ここに記載されたガラス容器は、制限なく、医薬品包装、飲料容器などを含む、様々な用途に使用してよいことを理解すべきである。
【0058】
ガラス体102の壁厚Tは、実施に応じて様々であってよい。実施の形態において、ガラス体102の壁厚Tは、6ミリメートル(mm)以下、例えば、4mm以下、2mm以下、1.5mm以下、または1mm以下であることがある。いくつかの実施の形態において、壁厚Tは、0.1mm以上かつ6mm以下、0.3mm以上かつ4mm以下、0.5mm以上かつ4mm以下、0.5mm以上かつ2mm以下、または0.5mm以上かつ1.5mm以下であることがある。実施の形態において、壁厚Tは、0.9mm以上かつ1.8mm以下であることがある。壁厚Tは、ガラス体102内の軸方向位置に応じて、変動することがある。
【0059】
図1Aに示されるように、フランジ120は、フランジ120の外径を規定する外面124を有する。実施の形態において、その外径は、5mmと30mmの間(例えば、10mm以上かつ25mm以下、13mm、22mm)で様々であってよい。フランジ120は、フランジ120の外面124と首部118との間に延在する外面116の一部分である裏面122も有する。開口126が、フランジ120と首部118を通って、内部容積108へのアクセスを提供する(例えば、収容される材料を内部容積108に提供することができる)。医薬品容器100(またはここに記載された他の医薬品容器のいずれか)は、内部容積108が複数の異なるサイズを有するように形成されてもよいことを理解すべきである。実施の形態において、医薬品容器100は、1.0ml以上かつ50ml以下(例えば、2ml、3ml、6ml、8ml、10ml、25ml)の容積を有するバイアルを形成することがある。
【0060】
図11~13を参照して本明細書にさらに詳細に記載されるような、実施の形態において、医薬品容器100は、開口126に蓋を挿入することによって、密封されることがある。実施の形態において、例えば、蓋は、開口126に挿入され、金属キャップによりフランジ120に押し付けられる、適切な弾性材料(例えば、ブチルゴム)から作製される栓を構成する。その金属キャップは、1つ以上のキャッピング機器によりフランジ120の裏面122に接触して曲げられることによってフランジ120に縁曲げされることがある。例えば、キャッピング機器は、金属キャップをフランジ120の裏面122に押し付けるために、半径方向内側に動くことができる。外面106とそのようなキャッピング機器との間の接触により、ガラス体102に様々な欠陥(例えば、欠け、亀裂、引っ掻き傷、へこみ、ひび)が導入されることがある。そのような欠陥により、ガラス体102内に伝搬し、潜在的に、内部容積108内に収容される材料への汚染をもたらす亀裂が生じることがある。
【0061】
図1Aおよび1Bを参照すると、外面106とキャッピング機器との間のそのような接触は、とりわけ、キャッピング機器がフランジ120に近接した首部118の外面106と接触したときに、ガラス体102に欠陥を生じる可能性があるであろう。例えば、図1Bに示されるように、外面106は、首部118とフランジ120の裏面122との間に延在する第1の移行領域134を含む。実施の形態において、外面106の第1の移行領域134は、1つ以上の曲率半径を有する湾曲輪郭にしたがう。キャッピング機器の外面は、第1の移行領域134に形状が一致せず、キャッピング機器と外面106との間に個別の接点が生じることがある。そのような個別の接点は、キャッピング機器によりガラス体102に印加される力の集中および欠陥形成の大きい可能性をもたらすであろう。
【0062】
上述したことに鑑みて、フランジ120に隣接する首部118内の外面106の少なくとも一部分は、中心軸CAに向かって半径方向内側に延在して、傾斜部分128を形成する。外面106の傾斜部分128は、フランジ120に隣接して配置され、中心軸CAに向かって内側に傾斜している。ガラス体102の材料は、傾斜部分128のために、フランジ120に近接して減少し、第1の移行領域134内でキャッピング機器と接触する可能性を減少させるのに役立つ。図示された実施の形態において、首部118内の外面106の一部分のみが、中心軸CAに向かって内側に傾斜している。外面106は、肩部116から延在する第1の部分130および上部132を含む。実施の形態において、第1の部分130内では、外面106は、軸方向位置の関数としての外面106と中心軸CAとの間の半径方向距離rが第1の部分130内で均一である(例えば、軸方向位置の関数として一定のままである)ように中心軸CAと平行に延在する。
【0063】
図示された実施の形態において、外面106は第1の部分130と上部132の両方を含んでいるが、医薬品容器100が第1の部分130を含まない実施の形態も考えられる。そのような実施の形態において、傾斜部分128は、首部118内の外面106の全てを構成する(例えば、図5に関して本明細書に記載された医薬品容器500の傾斜部分524と似た)ことがある。実施の形態において、外面106に、上部132がないこともある。そのような実施の形態において、首部118内の外面106の全体は、中心軸CAに平行に延在するであろうが、首部118内のガラス体102の外径は、既存の医薬品容器と比べて減少していることがある。
【0064】
実施の形態において、上部132の少なくとも一部分内では、外面106と中心軸CAとの間の半径方向距離rは、軸方向位置の関数として(例えば、床部分112(図1A参照)などの基準点からの軸方向位置の関数として)変動する。例えば、実施の形態において、上部132の少なくとも一部分内では、外面106と中心軸CAとの間の半径方向距離rは、第1の移行領域134までの軸方向距離が減少すると共に変動することがある。フランジ120に近接すると、外面106と中心軸CAとの間の半径方向距離rは、上部132内では、半径方向距離rが最小値rminに到達するように、減少することがある。実施の形態において、上部132内では、外面106と中心軸CAとの間の半径方向距離rは、首部118とフランジ120との間に延在する外面106の第1の移行領域134からの軸方向距離が減少するとともに、連続的に減少する。第1の移行領域134において、外面106は、首部118から半径方向外側に延在する(例えば、中心軸CAから離れて傾斜する)ことがある。
【0065】
実施の形態において、傾斜部分128の結果として、第1の移行領域134の少なくとも一部分は、首部118内の外面106の外側部分138の半径方向内側に配置されている。外側部分138は、首部118内で中心軸CAから半径方向に最も離れた(例えば、外面106と中心軸CAとの間の半径方向距離rが最大値rmaxを有する)外面106の部分を表すことがある。実施の形態において、半径方向距離rは、第1の部分130の全体に亘り最大値rmaxを有する。ここに記載されたように、医薬品容器100を密封するために使用されるキャッピング機器は、外側部分138と接触することがある。実施の形態において、外側部分138の上縁(例えば、首部118内で中心軸CAから最大半径方向距離rmaxに配置された外面106の最上位置)が、フランジ120の裏面122からある軸方向距離140に配置されている。実施の形態において、軸方向距離140は、1.0mm超(例えば、2.0mm以上、3.0mm以上)である。その結果、外側部分138の境界は、フランジ120(例えば、フランジ120の裏面122)の1.0mm以上(例えば、2.0mm以上、3.0mm以上)下に配置されることがある。外側部分138を裏面122から隔てる軸方向距離140は、キャッピング機器が上部132または第1の移行領域134で首部118と接触するのを防ぎ、それによって、応力の集中を防ぎ、キャッピング中に欠陥形成の可能性を低下させるのに役立つであろう。
【0066】
首部118内の外面106の上部132は、様々な形態を有してよい。図示された実施の形態において、例えば、上部132は、中心軸CAに向かって直線的に傾斜した(例えば、裏面122からの減少する軸方向距離の関数として)傾斜部分128を含む。傾斜部分128は、外面106の円錐領域を形成することがある。傾斜部分128の少なくとも一部分は、中心軸CAに対して角度αで延在することがある。上部132の全体に亘り、角度αは、0°超(例えば、0.1°以上、0.2°以上、0.5°以上、1.0°以上、1.5°以上、2.0°以上、2.5°以上、3.0°以上、3.5°以上、4.0°以上、4.5°以上、5.0°以上、およびその間の任意の値)であることがある。実施の形態において、傾斜部分128は、一定の線形勾配を有することがある。実施の形態において、傾斜部分128は、中心軸CAに向かう傾斜が、傾斜部分128が適切な非線形表面プロファイルにしたがうように(例えば、角度αが軸方向位置の関数として変動するように)軸方向位置の関数として変動する可変勾配を有することがある。
【0067】
外面106が中心軸CAに対して延在する角度αは、適切な画像処理技術を使用して測定することができる。例えば、実施の形態において、ガラス体102は、中心軸CAに平行に延在し、中心軸CAを含む平面に沿って切断されることがあり、ガラス体102の断面から画像が撮影されることがある。外面106の幾何学的形状を決定するために、画像処理技術が使用されることがある。角度αは、所定の分析長さA(例えば、0.1mm、0.2mm、0.5mm)を有する外面106のセグメントに線をフィッティングすることによって測定されることがある。その線は、上記断面内に含まれる外面106のセグメント内で複数の点(例えば、2点、3点、4点、5点、または任意の適切な数の点)を通って延在することがある。次に、その線と中心軸CAとの間の角度を測定して、その特定のセグメントに関する角度αを決定することができる。分析下のセグメントの境界により、得られる角度αの値を決定できることが認識されるであろう。例えば、傾斜部分128の下側の境界(例えば、第2の移行領域136)にある下端(例えば、肩部116により近接している)を有する第1のセグメントは、フランジ120により近接して配置された下端を有する第2のセグメントとは異なる角度αの値をもたらすであろう。実施の形態において、ガラス体102は切断されず、角度αは、ガラス体102の全体の側面画像から測定される。本開示によれば、外面106の曲率半径を測定するために、類似の技術が使用されることがある(例えば、画像の部分に円弧をフィッティングすることにより)。
【0068】
実施の形態において、角度α(またはここに記載された任意の他の特徴)は、バックライトを使用し、画像解析技術を使用して測定できるであろう。一例では、肩部116から裏面122に線を描き、所定の数の点で、肩部116から軸方向上方にフランジ120の裏面122までの線からの偏差を測定するために、画像解析技術が使用されることがある。首部118の形状を精密に表すために、十分な点が収集されるであろう。実施の形態において、マイクロタッチプローブを使用して、首部118の形状をトレースし、肩部116からフランジ120の裏面122まで首部118に軸方向に沿ったデータム(容器の中心軸)からの横方向距離の差を提供することがある。
【0069】
実施の形態において、傾斜部分128の結果として、上部132内で、外面106は、外側部分138から中心軸に向かって、少なくとも、0.1mm以上(例えば、0.15mm以上、0.20mm以上、0.225mm以上、0.250mm以上)の半径方向距離142だけ半径方向内側に延在する。そのような半径方向距離142は、キャッピング機器とフランジ120に隣接する首部118(例えば、第1の移行領域134内)との間の接触を防ぐ空間を有益に提供する。第1の移行領域134との接触による応力集中を避けることに加え、キャッピング機器とフランジに近接する首部118(例えば、上部132内)との間の接点をなくすことも、キャッピング工程中にガラス体102に導入されるかもしれない傷を検出するのにも役立つ。例えば、裏面122または第1の移行領域134は、キャッピング中に導入される医薬品容器100内の欠陥を検出するために使用される光信号の散乱を生じることがある。裏面122からずれた(例えば、少なくとも軸方向距離140だけ)区域における首部118とキャッピング機器との間の接触は、キャッピング傷の検出性を増し、検出された容器の廃棄を促進することによって、患者や他の使用者の安全性を確実にすることがでる。
【0070】
実施の形態において、首部118内で、外面106は第2の移行領域136を含む。第2の移行領域136は、外面106が中心軸CAに向かって内側に傾斜する第1の部分130と上部132との間の境界を定めることがある。第2の移行領域136は、外面106が中心軸CAと平行またはそこから外側に延在するところから中心軸CAに向かって内側に延在するところに移行する傾斜部分128の縁を含むことがある。実施の形態において、第2の移行領域136内で、外面106は、第1の移行領域134内の曲率半径よりも大きい曲率半径で湾曲している。第1の移行領域134内の曲率半径の大きさが小さいことにより、フランジ120に隣接するガラス材料が少なくなり、首部118とフランジ120に隣接するキャッピング機器との間で接触することが少なくなる。さらに、第2の移行領域136内の曲率半径の大きさが大きいことにより、首部118とキャッピング機器との間の接点が避けられるであろう。そのような第2の移行領域136は、外面106と接触するキャッピング機器の部分が外面106に形状が一致するのを促進し、キャッピング機器により印加される力を接触域に亘り分布させ、それによって、欠陥形成の可能性を低下させるのに役立つことがある。
【0071】
図示された実施の形態において、首部118内の内面104は、中心軸CAに対して平行に延在する。その結果、上部132内では、壁厚Tは、フランジに近接するにつれて、または肩部116からの軸方向距離の増加とともに減少する。実施の形態において、壁厚Tは、少なくとも、傾斜部分128が中心軸CAに向かって内側に延在する半径方向距離142だけ減少することがある。上部132内では、壁厚Tは、首部118内の最小値に到達することがある。実施の形態において、最小値に到達したときの軸方向位置は、第1の移行領域134の下方境界を定める。最小の壁厚をそのように位置付けることは、キャッピング機器が第1の移行領域134と接触する可能性を低下させるのに役立つことがある。そのような実施の形態において上部132に生じた傷は、目視検査でより目立つ傷を有益にもたらすこともある。例えば、キャッピング中に上部132に生じた表面傷は、目に付きやすい傷をもたらし易く、キャッピング後に検出された容器の廃棄に役立つであろう。上部132内の最小の壁厚は、キャッピング中に首部118を破損させ、そうでなければ、キャッピング傷を有するにもかかわらず、キャッピング後に生産工程に進んであろう容器を廃棄することもできる。
【0072】
首部118の少なくとも一部分内の内面104が中心軸CAに対して平行に延在しない実施の形態が考えられる。例えば、首部118内の内面104の少なくとも一部分は、壁厚Tが上部132内で増加するか、または一定のままであるように中心軸CAに向かって内側に延在することがある。本開示は、首部118内の内面104のどの特定の形状にも限定されない。その結果、壁厚Tは、上部132内で減少しても、しなくてもよい。
【0073】
図2を参照すると、実施の形態において、ガラス体102は、少なくともガラス体102の外面から、壁厚T中にガラス体102の外面106から圧縮深さDOCまで延在する圧縮応力層202を含む。圧縮応力層202は、概して、医薬品容器100の強度を増加させ、医薬品容器100の損傷許容性も改善する。詳しくは、圧縮応力層202を有するガラス容器は、概して、非強化ガラス容器と比べて、破損せずに、引っ掻き傷、欠けなどの、より程度の大きい表面損傷に耐えることができる。何故ならば、圧縮応力層202は、圧縮応力層202内の表面損傷から亀裂が伝搬するのを軽減するからである。
【0074】
医薬品容器100のガラス体102に圧縮応力層202を形成するために、いくつかの異なる技術を利用することができる。例えば、ガラス体102がイオン交換可能なガラスから形成されている実施の形態において、圧縮応力層202は、イオン交換によりガラス体102に形成することができる。これらの実施の形態において、圧縮応力層202は、ガラス中の相対的に小さいイオンを溶融塩中の相対的大きいイオンで交換するのを促進する、溶融塩の浴中にガラス容器を入れることによって形成される。圧縮応力層202を達成するために、いくつかの異なる交換反応を利用することができる。1つの実施の形態において、その浴は溶融KNO塩を含有することがあり、一方で、医薬品容器100を形成するガラスは、リチウムイオンおよび/またはナトリウムイオンを含有する。この実施の形態において、浴中のカリウムイオンは、ガラス中の相対的に小さいリチウムイオンおよび/またはナトリウムイオンと交換され、それによって、圧縮応力層202が形成される。別の実施の形態では、浴はNaNO塩を含有し、医薬品容器100を形成するガラスは、リチウムイオンを含有する。この実施の形態において、浴中のナトリウムイオンは、ガラス中の相対的に小さいリチウムイオンと交換され、それによって、圧縮応力層202が形成される。
【0075】
1つの具体的な実施の形態において、圧縮応力層202は、100%のKNO、あるいは、KNOとNaNOの混合物の溶融塩浴中にガラス容器を浸すことによって、形成することができる。例えば、1つの実施の形態において、溶融塩浴は、約10%までのNaNOを含むKNOを含むことがある。この実施の形態において、容器を形成するガラスは、ナトリウムイオンおよび/またはリチウムイオンを含むことがある。その溶融塩浴の温度は、350℃以上かつ500℃以下であることがある。いくつかの実施の形態において、溶融塩浴の温度は、400℃以上かつ500℃以下であることがある。さらに他の実施の形態において、溶融塩浴の温度は、450℃以上かつ475℃以下であることがある。ガラス体102は、ガラス中の相対的に小さいイオンと塩浴中の相対的に大きいイオンの交換を促進し、それによって、所望の表面圧縮応力と層の深さを達成するのに十分な期間に亘り溶融塩浴中に保持されることがある。例えば、ガラスは、所望の層の深さと表面圧縮応力を達成するために、0.05時間以上から約20時間以下の期間に亘り溶融塩浴中に保持されることがある。いくつかの実施の形態において、ガラス容器は、4時間以上かつ約12時間以下に亘り溶融塩浴中に保持されることがある。他の実施の形態において、ガラス容器は、約5時間以上かつ約8時間以下に亘り溶融塩浴中に保持されることがある。1つの実施の形態において、ガラス容器は、約5時間以上かつ約8時間以下の期間に亘り約400℃以上かつ500℃以下の温度で100%のKNOからなる溶融塩浴中でイオン交換されることがある。
【0076】
典型的に、イオン交換過程は、高温による応力緩和を最小にするために、ガラスの歪み点(T歪み)より150℃超低い温度で行われる。しかしながら、いくつかの実施の形態において、圧縮応力層202は、ガラスの歪み点より高い温度の溶融塩浴中で形成される。このタイプのイオン交換強化は、ここでは、「高温イオン交換強化」と称される。高温イオン交換強化では、ガラス中の相対的に小さいイオンは、ここに記載されているように、溶融塩浴からの相対的に大きいイオンと交換される。相対的に小さいイオンは、歪み点より高い温度で相対的に大きいイオンと交換されるので、結果として生じる応力は開放または「緩和」される。しかしながら、ガラス中のより小さいイオンがより大きいイオンで置換されることにより、ガラスの残りよりも低い熱膨張係数(CTE)を有する表面層がガラスに作られる。ガラスが冷めるにつれて、ガラスの表面とガラスの残りとの間のCTE差により、圧縮応力層202が形成される。この高温イオン交換強化技術は、複雑な外形を有する、ガラス容器などのガラス物品を強化するのに特に適しており、典型的なイオン交換過程に対して強化過程の時間を減少させ、また層の深さをより大きくすることもできる。
【0077】
図3を参照すると、実施の形態において、医薬品容器100は、ガラス体102の少なくとも外面106における圧縮応力層202の形成を促進する積層ガラスから形成されることがある。この積層ガラスは、概して、ガラスコア層204および少なくとも1つのガラスクラッド層206aを含む。図3に示された医薬品容器100の実施の形態では、積層ガラスは、一対のガラスクラッド層206a、206bを備えている。この実施の形態において、ガラスコア層204は、概して、第一面205aおよびこの第一面205aと反対にある第二面205bを有する。第1のガラスクラッド層206aは、ガラスコア層204の第一面205aに溶融結合されており、第2のガラスクラッド層206bは、ガラスコア層204の第二面205bに溶融結合されている。ガラスクラッド層206a、206bは、ガラスコア層204とガラスクラッド層206a、206bとの間に、接着剤、コーティング層など、どのような追加の材料も配置されずに、ガラスコア層204に溶融結合されている。
【0078】
図3に示された実施の形態において、ガラスコア層204は、平均コア熱膨張係数CTEコアを有する第1のガラス組成物から形成されており、ガラスクラッド層206a、206bは、平均熱膨張係数CTEクラッドを有する第2の異なるガラス組成物から形成されている。ここに記載された実施の形態において、CTEコアは、コア層またはクラッド層の少なくとも一方に圧縮応力層が存在するように、CTEクラッドとは等しくない。いくつかの実施の形態において、CTEコアはCTEクラッドより大きく、これにより、ガラスクラッド層206a、206bは、イオン交換も、熱強化もされずに、圧縮応力が加えられることになる。そのような実施の形態において、ガラスクラッド層206a、206bの一方は、図2に示された圧縮応力層202を含むことがある。積層ガラスが1つのコア層と1つのクラッド層を含む場合などの、いくつかの他の実施の形態において、CTEクラッドはCTEコアより大きいことがあり、これにより、ガラスコア層は、イオン交換も、熱強化もされずに、圧縮応力が加えられることになる。積層ガラスは、ここに引用される米国特許第10450214号明細書に記載された過程など、溶融結合積層(fusion lamination)で形成されることがある。容器を形成するために積層ガラスが使用される場合、これらの圧縮応力層は、医薬品容器100の外面106から壁厚T中と、ガラス容器の内面104から壁厚T中に延在することがある。
【0079】
図2を参照すると、圧縮応力層202が壁厚T中にそこまで延在するDOCは、圧縮応力層202を形成するために使用される方法論に依存するであろう。圧縮応力層202は、その実施に応じて、ガラス容器の本体の外面106から壁厚T中に、約1μm以上かつ壁厚Tの約90%以下であるDOCまで延在することがある。圧縮応力層202が積層ガラスの副層として形成される実施の形態において、圧縮応力層202は、ガラス容器のガラス体102の外面106から壁厚T中に、約1μm以上かつ壁厚Tの約33%以下であるDOCまで延在することがある。圧縮応力層202が、医薬品容器100にイオン交換過程を施すことによって形成される実施の形態において、圧縮応力層202は、医薬品容器100のガラス体102の外面106から壁厚T中に、約1μm以上かつ壁厚Tの約10%以下であるDOCまで延在することがある。
【0080】
実施の形態において、圧縮応力層202(例えば、両方のガラスクラッド層206a、206b)は、50メガパスカル(MPa)以上、75MPa以上、100MPa以上、またさらには150MPa以上の圧縮応力下にあることがある。例えば、実施の形態において、圧縮応力層202は、50MPa以上かつ700MPa以下、50MPa以上かつ500MPa以下、50MPa以上かつ400MPa以下、75MPa以上かつ750MPa以下、75MPa以上かつ500MPa以下、75MPa以上かつ400MPa以下、100MPa以上かつ700MPa以下、100MPa以上かつ500MPa以下、またさらには100MPa以上かつ400MPa以下の圧縮応力下にあることがある。
【0081】
実施の形態において、圧縮応力層202を除く医薬品容器100の残り(例えば、図3に関して記載されたガラスコア層204)は、圧縮応力層202の圧縮応力と釣り合う引張応力下にある。例えば、実施の形態において、外側クラッド層206a、206bの間のCTE不一致の結果として、ガラスコア層204は、10MPa以上かつ50MPa以下、例えば、10MPa以上かつ40MPa以下、10MPa以上かつ30MPa以下、15MPa以上かつ50MPa以下、15MPa以上かつ40MPa以下、または15MPa以上かつ30MPa以下の中央張力、または引張応力を示すことがある。実施の形態(例えば、圧縮応力層202が、医薬品容器100にイオン交換を施すことによって形成されている場合)において、ガラスコア層204は、10~15MPaの中央張力を示すことがある。
【0082】
図4は、外面106の少なくとも一部分の周りに配置された潤滑コーティング160をさらに備えた、図1A~3に関してここに記載された医薬品容器100の実施の形態を示す。ここに用いられている「潤滑」という用語は、ガラス容器の外面に施されたコーティングが、未被覆のガラス容器より低い摩擦係数を有し、それによって、ガラス容器に、擦り傷、磨耗などの損傷に対する耐性の改善が与えられることを意味する。実施の形態において、潤滑コーティング160は、ここに全て引用される、「Glass articles with low-friction coatings」と題する、米国特許第9744099号として発行された米国特許出願第15/331113号明細書に記載されたようなコーティングであることがある。
【0083】
いくつかの実施の形態において、潤滑コーティング160は、ガラス体102の少なくとも外面106に配置されることがあり、一方で、他の実施の形態では、潤滑コーティング160とガラス体102の外面106との間に、1つ以上の中間コーティングが配置されることがある。潤滑コーティング160は、そのコーティングでガラス体102の一部分の摩擦係数を低下させ、それゆえ、ガラス体102の外面106への磨耗と表面損傷(キャッピング機器との接触により生じるものなど)の発生を低下させる。本質的には、コーティングは、容器を別の物体(または容器)に対して「滑らせ」、それによって、ガラス上の表面損傷の可能性を低下させる。さらに、潤滑コーティング160は、医薬品容器100のガラス体102への衝撃も和らげ、それによって、ガラス容器に対する鈍い衝撃損傷の影響を低下させる。
【0084】
潤滑コーティング160は、どの適切な材料から形成されてもよい。例えば、実施の形態において、潤滑コーティング160は無機コーティングである。この無機コーティングは、ガラス体102の外面106に永久的に接着していても、ガラス体102の外面106に一時的に接着していてもよい。潤滑コーティングが無機コーティングからなる実施の形態において、例えば、その無機コーティングは、金属窒化物コーティング、金属硫化物コーティング、金属酸化物コーティング、SiO、ダイヤモンド状炭素、または炭化物コーティングを含むことがある。実施の形態において、潤滑コーティング160は、TiN、BN、hBN、TiO、Ta、HfO、Nb、V、SnO、SnO、ZrO、Al、SiO、ZnO、MoS、BC、SiC、または同様に被覆されたガラス容器に対して比較的低い摩擦係数を示し、比較的高い熱安定性を有する、類似の金属酸化物、金属窒化物、および炭化物のコーティングの少なくとも1つを含むことがある。実施の形態において、潤滑コーティング160は有機コーティングである。そのような有機コーティングは、外面106に一時的または永久的に貼り付けられることがある。潤滑コーティングを形成するために、様々な適切な有機材料を使用してよい。
【0085】
図4に示されるように、潤滑コーティング160は、ガラス体102の全体を覆わないことがある。外面106の少なくとも一部分は、潤滑コーティング160で覆われていないことがある。図示された実施の形態において、例えば、潤滑コーティング160の端部402が首部118に配置されている。例えば、フランジ120は、潤滑コーティングで覆われないまま残されて、キャッピング操作を促進してもよく(例えば、キャップアセンブリと外面106との間の摩擦により)、その結果、端部402が、首部118に配置されることがある。その結果、首部118の外面106の一部分は、潤滑コーティング160で覆われることがあり、一方で、端部402の上方では、首部118は潤滑コーティング160で覆われていないことがある。
【0086】
実施の形態において、外面106は、潤滑コーティング160を含まない(例えば、覆われていない)首部118の領域内で中心軸CAに向かって内側に延在している。例えば、実施の形態において、傾斜部分128の少なくとも一部分は、潤滑コーティング160で覆われていない。実施の形態において、端部402は、首部118上の外面106の第1の部分130に配置されている。実施の形態において、外面106の上部132は、潤滑コーティング160で覆われていない。実施の形態において、外側部分138(図1A~1B参照)は、潤滑コーティング160で覆われておらず、端部402の真下に配置されている。実施の形態において、端部402は、フランジ120の裏面122から最大の軸方向距離140(図1B参照)に配置されることがある。端部402をそのように位置付けることは、外側部分138(図1B参照)で外面106と接触するキャッピング機器が潤滑コーティング160と接触し、それによって、キャッピング中の欠陥形成の可能性を低下させるのに役立つことを有益に確実にする。実施の形態において、端部402は、第1の部分130が潤滑コーティングで完全に覆われるように、第2の移行領域136上(例えば、第1の部分130と上部132との間の移行点で)に配置される。そのような構成により、キャッピング機器が、潤滑コーティング160で覆われていない外面106の任意の部分と接触する可能性を低下させるであろう。
【0087】
図5は、断面で概略示された、医薬製剤を貯蔵するための医薬品容器500を概略示している。医薬品容器500は、ガラス体502を備える。ガラス体502は、ガラス体502の内面504と外面506の間に延在し、中心軸CAを有し、概して、内部容積508を取り囲む。図5に示されたガラス体502の実施の形態において、ガラス体502は、概して、壁部分510および床部分512を含む。壁部分510は、踵部分514を通じて床部分512に移行する。図示された実施の形態において、ガラス体502は、フランジ520、フランジ520から延在する首部518、および肩部516を含む。首部518は、肩部516とフランジ520との間に延在する。中心軸CAは、床部分512に対して直角であり、床部分512から首部518に向かって延在している。実施の形態において、ガラス体502は、中心軸CAに対して対称である。ガラス体502は、図5に示されるように、内面504と外面506の間に延在する壁厚Tを有する。
【0088】
医薬品容器500は、医薬品容器500の首部518が医薬品容器100の首部118と構造が異なることがあることを除いて、図1A~3を参照してここに記載された医薬品容器100と構造が実質的に似ていることがある。実施の形態において、首部518内の外面506の全体が、軸方向位置の関数として中心軸CAに向かって内側に傾斜している。首部518での外面506の傾斜部分524は、肩部516とフランジ520の裏面522との間に延在することがある。首部518の全体に含まれる外面506は、首部518内の外面506の外側部分526(例えば、半径方向距離rが最大値rmaxである)(例えば、首部518内の中心軸CAから最も半径方向に離れて配置された外面506の部分)が首部518と肩部516との間の境界(例えば、肩部516と首部518との間に延在する移行領域の端部)にあるように、中心軸CAに向かって内側に傾斜することがある。実施の形態において、中心軸CAから最小半径方向距離rminである首部518内の外面506の内側部分528は、首部518の上方境界(例えば、首部518とフランジ520の裏面522との間に延在する移行領域の端部)にあることがある。実施の形態において、内側部分528は、少なくとも0.1mm(例えば、0.2mm以上)だけ外側部分526より中心軸CAに近く配置されて、キャッピング機器に適切なクリアランスを提供する。
【0089】
首部518の傾斜部分524は、様々な形態を有することがある。例えば、図示された実施の形態において、傾斜部分524は、傾斜部分524内で、外面506と中心軸CAとの間の半径方向距離rが、一定の勾配で肩部516からの軸方向距離が増加すると共に(例えば、フランジ520と近接するにつれて)、連続的に減少するように直線的に傾斜している。そのような実施の形態において、傾斜部分524は、外面506が円錐プロファイルにしたがう線形漸減を形成することがある。傾斜部分524は、中心軸CAに対して角度εで延在することがある。角度εは、図1Bの角度αに関して先に記載された技術と類似の技術で測定することができる。実施の形態において、角度εは、0°以上(例えば、0.1°以上、0.2°以上、0.3°以上、0.4°以上、0.5°以上、1°以上、2°以上)である。実施の形態において、角度εは、図1Bに関してここに記載された角度α以下である。図1Aおよび1Bに関して記載された傾斜部分128と比べて傾斜部分524の軸方向範囲が大きいために、減少した角度εは、医薬品容器500の形成中に、首部518内に形成される熱によるひび(thermal checks)に関連する閾値より大きく壁厚Tを維持するのに役立つであろうことが分かった。首部518の相対的に薄い部分を急冷すると、医薬品容器500に欠陥が形成されることがある。
【0090】
実施の形態において、傾斜部分524内で、外面106と中心軸CAとの間の半径方向距離rは、不均一な様式で軸方向位置の関数として変動することがある。例えば、実施の形態において、傾斜部分524の少なくとも一部分内で、半径方向距離rは、外面506が適切な曲線プロファイルにしたがうように、肩部516からの軸方向距離が増加するとともに、非線形に減少することがある。実施の形態において、傾斜部分524の少なくとも一部分内で、外面506は、中心軸CAに対して平行に延在する、または中心軸CAから外側に傾斜することがある。すなわち、傾斜部分524は、その中の外面506の少なくとも一部分(例えば、フランジ520に隣接して配置された)が、中心軸CAに向かって内側に傾斜するという前提で、どの特定の表面プロファイルにも限定されない。
【0091】
実施の形態において、医薬品容器500のフランジ520の裏面は、中心軸CAに垂直に延在する平面に対してフランジ角度βで延在する。実施の形態において、フランジ角度βは、5°以上(例えば、10°以上、20°以上、30°以上)である。フランジ角度βは、金属キャップとフランジ520の裏面522との間の適切な接触面積を高めて、例えば、金属キャップによる蓋の圧縮を確実にすることによって、ここに記載されたキャッピングプロセスを支援することがある。
【0092】
図6は、断面で概略示された、医薬製剤を貯蔵するための医薬品容器600を概略示している。医薬品容器600は、ガラス体602を備える。ガラス体602は、ガラス体602の内面604と外面606の間に延在し、中心軸CAを有し、概して、内部容積608を取り囲む。図6に示されたガラス体602の実施の形態において、ガラス体602は、概して、壁部分610および床部分612を含む。壁部分610は、踵部分614を通じて床部分612に移行する。図示された実施の形態において、ガラス体602は、フランジ620、フランジ620から延在する首部618、および肩部616を含む。首部618は、肩部616とフランジ620との間に延在している。中心軸CAは、床部分612に対して直角であり、床部分612から首部618に向かって延在している。実施の形態において、ガラス体602は、中心軸CAに対して対称である。ガラス体602は、図6に示されるように、内面604と外面606の間に延在する壁厚Tを有する。
【0093】
医薬品容器600は、医薬品容器600の首部618が医薬品容器100の首部118と構造が異なることがあることを除いて、図1A~3を参照してここに記載された医薬品容器100と構造が実質的に似ていることがある。首部618内では、外面606は、アンダーカット部628を含むのが示されている。アンダーカット部628は、類似サイズの他のガラス容器と比べて首部618に形成されたガラス材料の特別に造形された部分であることがある。アンダーカット部628は、外面606内に負の特徴(例えば、溝、キャビティ、凹面など)を備えて、ここに記載されたような、キャッピング機器とフランジ620に隣接した外面606との間の接触を避けるためのキャッピング機器のクリアランスを提供することがある。
【0094】
アンダーカット部628内では、外面606は、曲率半径rを有する湾曲輪郭(例えば、断面の円弧)にしたがうことがある。そのような実施の形態において、アンダーカット部628内では、外面606と中心軸CAとの間の半径方向距離rは、半径方向距離rが最小値rminに到達するまで減少する。
【0095】
図示された実施の形態において、半径方向距離rが最小値rminに到達する点は、壁厚Tが首部618内の最小値Tに到達する点に対応する。半径方向距離rが最小値rminに到達する点よりも近接した首部618の外面606の領域内で、アンダーカット部628は、外側に傾斜し、第1の移行領域624を通じてフランジ620の裏面622に移行することがある。実施の形態において、第1の移行領域624内では、外面606は第1の曲率半径rを有する。実施の形態において、rは、外面606が首部618とフランジ620との間に延在する円弧にしたがうように、アンダーカット部628の曲率半径rに対応する。そのような実施の形態は、図7~10Cに関して本明細書に記載される成形方法にしたがって、医薬品容器600を形成するのに必要な成形機器の形状を単純化することがある。
【0096】
実施の形態において、内面604は、半径方向距離rが最小値rminに到達する点で壁厚Tが最小値Tに到達しないように、図6に示されたものと異なって造形されることがある。実施の形態において、最小値rminは、第1の部分630内の最大値半径方向距離rより少なくとも0.1mm(例えば、少なくとも0.2mm)小さいことがある。そのようなセクションでは、外面606は、アンダーカット部628の外側の位置(例えば、ここに記載された第1の部分630内)よりも中心軸CAに少なくとも0.2mm近く配置されることがある。
【0097】
実施の形態において、外面606は、肩部616と上部632から延在する第1の部分630を含む。上部632はアンダーカット部628を含む。それゆえ、上部632内では、外面606は、その中の外面606の少なくとも一部分が、肩部616からの軸方向距離が増加するとともに、中心軸CAに向かって内側に傾斜するように可変プロファイルにしたがう。実施の形態において、上部632内では、外面606は、その曲率半径が軸方向位置の関数として変化するような可変曲率を有する。実施の形態において、第1の部分630内では、外面606は、中心軸CAに対して平行または実質的に平行(例えば、平行の2°以内)に延在する。実施の形態において、第1の部分630内では、外面606は、キャッピング機器との適合接触を促進して、接触力を接触域に亘り分布させ、欠陥形成の可能性を低下させるために、実質的に円筒形である。実施の形態において、第1の部分630の少なくとも一部分内では、中心軸CAと外面606との間の半径方向距離rは、首部618内で最大値rmaxである。実施の形態において、半径方向距離rは、第1の部分630の全体に亘り最大値rmaxである。
【0098】
外面606は、第1の部分630と上部632との間に境界を定める第2の移行領域626を含む。実施の形態において、第2の移行領域626は、外面606が、中心軸CAに平行に延在するところから、中心軸CAに向かって半径方向内側に傾斜するところ(例えば、アンダーカット部628内)まで移行する点を含む。第2の移行領域626内では、外面606は、第2の曲率半径rを有することがある。実施の形態において、第2の曲率半径rの大きさは、第1の移行領域624内の外面606の第1の曲率半径rの大きさより大きい。第1の移行領域624内の曲率半径の大きさが小さいほど、キャッピング機器の応力集中特徴(例えば、角)と接触することのある材料が有益に減少する。
【0099】
実施の形態において、第2の移行領域626は、第1の移行領域624の少なくとも1.0mm(例えば、少なくとも2.0mm、少なくとも3.0mm)下(例えば、中心軸CAに平行な方向に)に配置されている。そのようなクリアランスにより、外面606とキャッピング機器との間の接触域が、保護コーティングで覆われることのある、および/または欠陥検出センサにより観察されることのある領域に有益に変わる。実施の形態において、アンダーカット部628の軸方向範囲は少なくとも1mmである。外面606は、キャッピング機器のクリアランスを提供するために、1.0mm以上の軸方向距離に亘り1つ以上の曲率半径を有する湾曲輪郭にしたがうことがある。実施の形態において、アンダーカット部628内で、外面606が様々な異なる形態にしたがうように、アンダーカット部内で、曲率半径のどの組合せを使用してもよい。実施の形態において、アンダーカット部628内で、外面606の少なくとも一部分は、直線的に傾斜しているか、または中心軸CAに平行に延在する。実施の形態において、アンダーカット部628内で、外面606は、連続的に湾曲していないことがある。
【0100】
図7は、ガラス管710からガラス物品を製造するための例示のコンバータ700を概略示している。コンバータ700は、ガラス管710を、以下に限られないが、バイアル、注射器、カートリッジ、アンプル、または他のガラス物品など、複数のガラス物品に転換するために使用されることがある。コンバータ700は、サーキットで間隔が空けられた複数の加工ステーション706を有する基部702、および基部702から間隔が空けられ、基部702に対して移動可能な主要タレット708を備える。加工ステーション706の少なくとも1つは、ここに記載された傾斜部分を有する首部を備えたガラス容器を形成するように造形された1つ以上の成形機器を備える。主要タレット708は、主要タレット708から複数の加工ステーション706に向かって延在する複数のホルダを備える。この複数のホルダ718は、互いから間隔が空けられており、複数のホルダ718の各々は、複数の加工ステーション706の内の1つに揃えられている。主要タレット708は、複数のホルダ718の各々を次々と複数の加工ステーション706の各々に近接するように割り当てるように作動する。
【0101】
実施の形態において、主要タレット708は、中心軸Aの周りで基部702に対して回転可能である。ガラス管装填タレット709が、ガラス管710を主要タレット708に供給するために、主要タレット708の上に位置付けられている。コンバータ700は、基部702上の複数の補助加工ステーション712および基部702に対して回転可能な、補助タレット714も備えることがある。図7に概略示されるように、コンバータ700の基部702は静止しており、加工ステーション706は、基部702の上部704に連結されることがある。複数の加工ステーション706は、互いから間隔が空けられており、主要サーキット716内に配列されている。1つ以上の実施の形態において、主要サーキット716は、中心軸Aの周りの主要タレット708の回転により、主要タレット708がガラス管710を複数の加工ステーション706を通じて割り出せるように円形であることがある。ガラス管710から製造されるべき物品のタイプおよび/または形状は、基部702に連結された加工ステーション706の数に影響することがある。主要タレット708の加工ステーション706の数は、14の加工ステーション706から32の加工ステーション706であることがある。コンバータ700および転換過程は、主要サーキット716内に16の加工ステーション706を有するコンバータ700に関してここに記載されているが、コンバータ700は、主要サーキット716内に16より多いか少ない加工ステーション706を有してもよいことが理解されよう。加工ステーション706は、例として、制限なく、1つ以上の加熱、成形、研磨、冷却、分離、穿孔、測定、供給、または排出ステーション、もしくはガラス管710からガラス物品を製造するための他の加工ステーションを含んでよい。ガラス管710から製造すべき物品のタイプおよび/または形状は、コンバータ700の加工ステーション706のタイプおよび/または加工ステーション706の順序にも影響することがある。
【0102】
主要タレット708は、基部702の上に位置付けられることがあり、主要タレット708が基部702に対して中心軸Aの周りに回転可能であるように基部702に回転可能に連結されることがある。基部702に対して主要タレット708を回転させるために、駆動モータ(図示せず)が利用されることがある。主要タレット708は、複数のホルダ718を備え、これらのホルダは、主要タレット708に各ガラス管710を取り外し可能に固定するように作られている。ホルダ718は、クランプ、チャック、または他の保持器具、もしくは保持器具の組合せであってよい。ホルダ718は、ガラス管710が主要タレット708の中心軸Aに対して略平行であり、基部702の上部704に対して略垂直であるように、各ガラス管710を方向付けることがある。コンバータ700は、本明細書において、垂直に向けられたコンバータ700に関して記載されているが、コンバータ700は、水平にまたはある角度に向けられてもよいことを理解すべきである。ホルダ718の各々は、主要タレット708の底部から基部702に向かう方向に(すなわち、図7の座標軸に対して-Z方向に)延在し、各ホルダ718は、主要タレット708が中心軸Aの周りに割り出されるときに、基部702の主要サーキット716の連続した加工ステーション706の各々の中またはそれに近接してガラス管710を位置付けるように向けられている。ガラス管710の垂直配向により、各ガラス管710の下方に突出する部分を、主要サーキット716の加工ステーション706を通じて漸次、循環させることができる。各ホルダ718は、ホルダ軸D(図9に示されている)の周りに主要タレット708に対して個々に回転可能であることがあり、このホルダ軸は、主要タレット708の中心軸Aに対して略平行であることがある。ホルダ718の各々は、モータ(図示せず)、連続駆動ベルト、または主要タレット708に対するホルダ718の各々の回転のための他の駆動機構に動作可能に連結されることがある。ホルダ718を回転させることにより、静止バーナ、成形器具、冷却ノズル、または加工ステーション706の他の特徴に対してガラス管710を回転させることができる。
【0103】
図7~8を参照すると、コンバータ700は、これも間隔が空けられ、補助サーキット719(図8)に配列された、複数の補助加工ステーション712、およびその複数の補助加工ステーション712を通じて、ガラス管710から隔てられた、加工物730(図7)を割り出すための補助タレット714(図7)を有することがある。補助タレット714は、基部702に対して第2の軸Bの周りに回転可能であることがある。第2の軸Bは、主要タレット708の中心軸Aに対して略平行であることがある。補助タレット714は、加工物730を保持し、連続して補助加工ステーション712の各々に係合するように加工物730を位置付けるための複数のホルダ718も備える。補助タレット714は、主要タレット708の分離ステーション806(図8)から加工物730を受け取り、補助タレット714の回転により、複数の補助加工ステーション712を通じて加工物730を割り出し、完成物品をコンバータ700から排出することがある。
【0104】
ガラス管装填タレット709が、主要タレット708の上に位置付けられることがある。実施の形態において、ガラス管装填タレット709は、主要タレット708の中心軸Aからずれていることがある。ガラス管装填タレット709は軸Cの周りに回転可能であることがあり、この軸は主要タレット708の中心軸Aに対して略平行であることがある。ガラス管装填タレット709は、主要タレット708に対して静止位置に独立して支持されることがあり、ガラス管装填タレット709の回転は、主要タレット708の回転から独立していることがある。図7および8を参照すると、いくつかの実施の形態において、ガラス管装填タレット709は、円形サーキット734内に配列され、ガラス管710を保持するように作られた複数の装填チャンネル720を含むことがある。ガラス管装填タレット709は、装填チャンネル720の内の1つを、コンバータ700の主要サーキット716の加工ステーション706および主要サーキット716の加工ステーション706を通じて割り出された主要タレット708上の対応するホルダ718と垂直に揃えて(すなわち、主要タレット708の中心軸Aに対して平行、および/または図7のZ軸に平行な方向に揃えられて)向けるように位置付けられることがある。1つ以上の実施の形態において、ガラス管装填タレット709に揃えられた加工ステーション706は、管装填ステーション814(図8)であることがある。コンバータ700が、特定のホルダ位置でガラス管710の全てまたは一部を1つ以上の加工物730に転換したときに、ガラス管装填タレット709は、ホルダ位置が主要サーキット716の管装填ステーション814と揃うように割り出されたときに、新たな長さのガラス管710を、主要タレット708の上部を通じて、ホルダ位置にあるホルダ718に送達することがある。代わりの実施の形態において、コンバータ700は、主要タレット708とガラス管装填タレット709との間で電気機械的に可動なアーム(図示せず)を備えることがある。コンバータ700が特定のホルダ位置でガラス管710の全てまたは一部を転換させたときに、そのアームは、ガラス管装填タレット709または他のガラス管ステージング器具から新たな長さのガラス管710を掴み、その新たな長さのガラス管710を、特定のホルダ位置で主要タレット708に送達することがある。新たな長さのガラス管710を主要タレット708に送達するための他の方法が考えられる。
【0105】
図8を参照すると、先に記載したように、コンバータ700の複数の加工ステーション706は、1つ以上の加熱ステーション802、成形ステーション804、分離ステーション806、研磨ステーション808、冷却ステーション810、穿孔ステーション812、管装填ステーション814、排出ステーション816、測定ステーション818、管長さ落下ステーション820、または他のステーションおよび/またはこれらのステーションの組合せを含むことがある。図8は、16の加工ステーション706を持つ主要サーキット716、および8の補助加工ステーション712を持つ補助サーキット719を有するコンバータ700に関する加工ステーション706の配列を概略示している。記載されているように、主要サーキット716の加工ステーション706は、等間隔が空けられ、円形サーキットの周りに均等に分布しており、補助サーキット719の補助加工ステーション712も、等間隔が空けられ、円形サーキットの周りに均等に分布している。図8において、ガラス管装填タレット709は、説明目的のために、主要サーキット716から間隔が空けられた位置に示されている。ガラス管装填タレット709は、24の装填チャンネル720を有すると示されているが、ガラス管装填タレットは、24より多いか少ない装填チャンネル720を有してもよいことが理解されよう。
【0106】
主要タレット708の割出方向822に関して、加熱ステーション802は、ガラス管710の目標領域を、ガラス管710の目標領域が可塑的に変形可能になり、ガラスに亀裂を生じたり、ガラスを粉々に割ったりせずに、効果的に造形または切断される目標温度に予熱するために、分離ステーション806および成形ステーション804の各々の前に位置付けられることがある。分離ステーション806では、成形された加工物730(図7)は、ガラス管710(図7)から分離されることがある。分離ステーション806は、部分的に成形された加工物730が、一旦分離されたら、補助タレット714(図7)に移送される加工ステーションでもあることがある。穿孔ステーション812は、主要タレット708の割出方向822に分離ステーション806の下流の主要サーキット716上に位置付けられることがある。穿孔ステーション812では、分離ステーション806において先に閉じられたガラス管710端部が穿孔され、それによって、ガラス管710に開口が形成される。
【0107】
主要タレット708の成形ステーション804は、割出方向822に穿孔ステーション812の下流に位置付けられることがある。成形ステーション804では、ガラス管710は、完成ガラス物品の所望の形状に反復して造形される。先に述べたように、1つ以上の加熱ステーション802は、ガラス管710の目標領域を、ガラス管710を成形できる温度に予熱するために、成形ステーション804の各々の前に位置付けられることがある。主要タレット708の成形ステーション804は、加工物730の一端を成形し、補助タレット714の成形ステーション804は、加工物730の他端を成形する。1つ以上の実施の形態において、コンバータ700は、ガラス管710からバイアルを製造するために使用されることがあり、コンバータ700の成形ステーション804は、1つ以上の肩成形ステーション、1つ以上のフランジ成形ステーション、および1つ以上のフランジ仕上げステーションを備えることがあり、1つ以上の加熱ステーション802が、成形ステーション804の各々の前と間に位置付けられている。主要サーキット716は測定ステーション818をさらに備えることがあり、そこで、例えば、直径および厚さなどのガラス管710の1つ以上の寸法、および成形ステーション804により成形された特徴の1つ以上の寸法を測定するために、計測システムが使用されることがある。特徴の寸法としては、フランジの厚さ、フランジの長さ、ネックの長さ、ネックの厚さ、物品の全長、他の特徴寸法、またはその組合せが挙げられるであろう。測定ステーション818は、ガラス管710がまだ高温である間に寸法が測定されるように、最後の成形ステーション804の直後に位置付けられることがある。あるいは、より低い温度でガラス管710および/またはガラス物品の寸法を測定するために、測定ステーション818は、1つ以上の冷却ステーション810の後に位置付けられることがある。
【0108】
まだ図8を参照すると、1つ以上の冷却ステーション810が、主要タレット708の割出方向822に成形ステーション804の後に位置付けられることがある。部分的に成形されたガラス管710を下に落とし、それによって、分離ステーション806で目標長さに切断するためにガラス管710を位置付けるために、管長さ落下ステーション820が、成形ステーション804の後であって、成形ステーション804と分離ステーション806との間に位置付けられることがある。主要サーキット716は、ガラス管装填タレット709から主要タレット708(図7)に新たな長さのガラス管710の原料を装填するための管装填ステーション814も備えることがある。1つ以上の実施の形態において、管装填ステーション814は、冷却ステーション810に組み込まれることがある。管装填ステーション814は、最後の成形ステーション804と分離ステーション806との間に位置付けられることがある。
【0109】
主要タレット708の成形ステーション804は、加工物730の第1の端部で特徴を形成する。例えば、成形ステーション804は、バイアルまたはカートリッジである加工物730の上部(第1の端部)で肩部、首部、およびフランジを形成することがある。加工物730が分離ステーション806でガラス管710から一旦分離されたら、加工物730は、補助タレット714の補助加工ステーション712に移送される。補助加工ステーション712は、加工物730の第2の端部を成形するための1つ以上の成形ステーション804を備えることがあり、この第2の端部は、加工物730の第1の端部と反対にある。例えば、補助加工ステーション712の成形ステーション804は、バイアルである加工物730の底部(第2の端部)で1つ以上の特徴を形成することがある。
【0110】
補助サーキット719の補助加工ステーション712は、1つ以上の加熱ステーション802、成形ステーション804、研磨ステーション808、冷却ステーション810、排出ステーション816、または他のステーション、もしくは補助加工ステーション712の組合せを含むことがある。1つ以上の実施の形態において、補助サーキット719の補助加工ステーション712は、主要タレット708により成形された端部と反対にある加工物730の端部で、例えば、バイアル、アンプル、カートリッジ、または注射器などの加工物730の1つ以上の特徴を成形するために使用されることがある。例えば、いくつかの実施の形態において、加工物730はバイアルであり、補助サーキット719の成形ステーション804はバイアルの底を形成することがある。アンプル、カートリッジ、注射器などに典型的なそれらの特徴など、他の特徴も考えられる。補助サーキット719は、ガラス物品の表面を仕上げるために、1つ以上の研磨ステーション808を備えることがある。補助サーキット719は、複数の冷却ステーション810および排出ステーション816をさらに備え、その排出ステーションで、完成したガラス物品がコンバータ700から排出することができる。
【0111】
主要サーキット716の加工ステーション706および補助サーキット719の補助加工ステーション712の先の記載は、ガラス管710からバイアルを製造するための典型的なコンバータ700を示すであろう。しかしながら、異なる形状を有するバイアル、もしくはカートリッジ、注射器、アンプル、または他のガラス物品など、他のガラス物品を製造するために、より多いか少ない加工ステーション706および補助加工ステーション712を使用してもよいことが理解されよう。それに加え、加工ステーション706および補助加工ステーション712は、異なる形状のガラス物品を製造するために、多くの異なる順序および/または配置のいずれで配列されてもよいことが理解されよう。
【0112】
ここで図9Aを参照すると、コンバータ700の加熱ステーション802が概略示されている。図9Aにおいて、ガラス管710が、図1A~3に関してここに記載された医薬品容器100を製造するための、例えば、肩部116、フランジ120、および首部118などの複数の特徴を含むように再成形されている。実施の形態において、肩部116、フランジ120、および首部118は、ここに記載された成形ステーション804および804’の1つ以上において成形されることがある。例えば、ここに記載されるように、実施の形態において、肩部116は、最初に、図9Cに関して記載された成形ステーション804により成形され、一方で、首部118およびフランジ120は、図9Dに関してここに記載された成形ステーション804’により成形されることがある。加工物730は、図9Aにおいてバイアルであるのが示されているが、加工物730は、アンプル、注射器、カートリッジ、瓶、または他の物品に特有の特徴を有し得ることが理解されよう。
【0113】
図9Aに示されるように、加熱ステーション802の各々は、1つ以上の加熱素子901を備えることがある。加熱素子901の例としては、以下に限られないが、燃料バーナ、例えば、COレーザなどのレーザ、誘導加熱器、他の加熱機器、またはこれらの組合せが挙げられるであろう。いくつかの実施の形態において、ガラス管710を加熱するために、および/またはガラス管710の表面温度を制御するために、1つ以上の成形機器924(図9C)と組み合わされたレーザが使用されることがある。図9Aに示されるように、実施の形態において、加熱素子901は1つ以上のバーナ902を備えることがあり、そのバーナは、成形ステーション804(図8)で行われる成形操作、または分離ステーション806(図8)で行われる分離操作の前に、ガラス管710の目標領域を加熱するために使用される。図9Aは1つのバーナ902を示しているが、1つの加熱ステーション802に複数のバーナ902を用いてよいことが理解されよう。各バーナ902は、燃料供給源904、酸素供給源906、および必要に応じて、空気供給源908に流体連結されることがある。バーナの燃料の例としては、以下に限られないが、水素、例えば、メタン、プロパン、およびブタンなどの炭化水素燃料ガス、他の燃料、またはこれらの組合せが挙げられるであろう。各バーナ902は、バーナ902への燃料ガスの質量流量を制御するための燃料制御弁910を備えることがある。各バーナ902は、バーナ902への酸素の質量流量を制御するための酸素制御弁912も備えることがある。各バーナ902は、バーナ902への空気の質量流量を必要に応じて制御するための空気制御弁914をさらに備えることがある。バーナ902は、酸素および/または空気の存在下で燃料ガスを燃焼させて、ガラス管710の少なくとも目標領域を加熱する火炎を生じる。
【0114】
バーナ902から発生する火炎の熱は、バーナ902への燃料ガス、酸素、および空気の質量流量を変えることにより、またバーナ902に供給される燃料ガス対酸素の比および/または燃料ガス対空気の比を変えることによって、増減することができる。燃料制御弁910、酸素制御弁912、または空気制御弁914の1つ以上を調節して、燃料対酸素比および/または燃料対空気比を調節することができる。バーナ902は連続的に燃焼し、ガラス管710は、ガラス管710を加熱ステーション802に出入りするように割り出すために、主要タレット708および/または補助タレット714の回転により、バーナ902で生じる火炎と接触したり離れたりするように割り出される。各ガラス管710は、加熱ステーション802に配置されているが、ガラス管710が下流の成形ステーション804(図8)において成形されるべき特定領域においてガラス管710の外周で均一に加熱されるように、バーナ902に対してホルダ軸Dの周りにホルダ718で回転される。
【0115】
ここで図9Bを参照すると、コンバート700の分離ステーション806が概略示されている。分離ステーション806は、主要タレット708の割出方向822における1つ以上の加熱ステーション802の後に位置付けられる。分離ステーション806の前に位置付けられた加熱ステーション802は、ガラス管710を加熱して、ガラスを可塑的に変形可能にする。分離ステーション806は、分離機器920を備えることがある。先の加熱ステーション802で可塑的に変形可能にされたガラス管710は、ホルダ軸Dの周りにホルダ718で回転されるが、分離機器920は、ガラス管710の外面と係合させられて、ガラス管710を目標長さに切断し、それによって、加工物730(図7)をガラス管710から分離することがある。あるいは、いくつかの実施の形態において、分離ステーション806は、ガラス管710を目標長さに切断し、加工物730をガラス管710から分離するために、例えば、水素/酸素バーナなどのバーナ、および/または例えば、COレーザなどのレーザを備えることがある。他の実施の形態において、分離ステーション806は、分離機器920および水素/酸素バーナまたはレーザの少なくとも一方を備えることがある。加工物730は、ガラス管710から一旦分離されたら、補助タレット714(図7)に移送するか、またはコンバータ700から排出することができる。
【0116】
ここで図9Cおよび9Dを参照すると、コンバータ700の成形ステーション804の例が、概略示されている。図9Cは、ガラス管710から形成されたガラスバイアルの肩部116を成形するための成形ステーション804の実施の形態を示している。図9Dは、ガラス管710から形成されたガラスバイアルの首部118(図9A参照)およびフランジ120を成形するための成形ステーション804’の例示の実施の形態を概略示している。肩部116およびフランジ120を成形するための成形ステーション804および804’は、別々の成形ステーションであるとここに記載されているが、ここに記載された成形機器の形状は、そのような構成要素を共同して成形するために適合されてもよいことが理解されよう。
【0117】
成形ステーション804および804’がここに詳しく記載されているが、コンバータ700が3つ以上の成形ステーションを備えてもよいことを理解すべきである。例えば、実施の形態において、コンバータ700は、図9Dに関してここに記載された成形ステーション804’の後に、主要サーキット716内に追加の成形ステーション(図示せず)を備えることがある。追加の成形ステーションは、成形ステーション804’に関してここに記載されたものと類似の組の成形機器を含むことがあるが、図9Dに関してここに記載された成形ステーション804’の第3の成形機器924cよりも開口のサイズにより近いサイズのガラス管710の開口に嵌まるサイズの成形機器を備えてもよい。ガラス管710がここに記載された成形ステーション804’により再加工された後、追加の成形ステーションの成形機器を開口に挿入することができ、その成形機器は、所望の外形を有するフランジ120および首部118に開口を成形するのを容易にするために、第3の成形機器924cよりも厳しい精度を開口に対して有することがある。
【0118】
図9Cを参照すると、成形ステーション804は、成形ステーション804に回転可能に連結された1つ以上の成形機器924を備える。成形機器924は、機器軸Eの周りに基部702(図7)に対して回転可能であることがあり、この軸は、主要タレット708(図7)の中心軸A(図7)に対して略平行である。先の加熱ステーション802で加熱された、ガラス管710は、成形ステーション804に割り出されたときに、ホルダ718により回転させられる。回転可能な成形機器924は、ガラス管710の外面と係合する。成形機器924は、1つ以上の作動装置926によりガラス管710の外面と係合するように作動されることがある。成形機器924は、ある接触時間に亘り作動装置926により維持された機器圧力でガラス管710と接触した状態に維持される。加熱されたガラス管710の外面との成形機器924の接触により、ガラス管710が所望の形状に成形される(例えば、肩部116を成形するために)。接触時間が終了した際に、作動装置926が、成形機器924をガラス管710との係合から引き抜く。1つ以上の実施の形態において、接触時間は、コンバータ700の滞留時間と異なることがある。
【0119】
ここで図9Dを参照すると、フランジ120を成形するための成形ステーション804’は、3つの成形機器924a、924b、および924cを含む。成形機器924aおよび924bの2つは、ガラス管710の外面と接触して、フランジ120および首部118の外面形状を形成する。第3の成形機器924cは、ガラス管710の内面とフランジ120の半径方向内側に接触して、フランジ120でのガラス管710の内径を形成する。第3の成形機器924cの少なくとも一部は、フランジ120でガラス管710の内径を形成するために、ガラス管710の開口に挿入される。第3の成形機器924cは、ガラス管710の軸方向端部とも接触して、フランジ120の軸方向表面を成形する。実施の形態において、第3の成形機器924cは静止していることがあり、ガラス管710は、ホルダ718により第3の成形機器924cの周りに回転させられる。バイアルの構造の成形に関して記載してきたが、成形ステーション804は、例えば、アンプルの肩部、首部、またはテーパー先端などの他の構造、もしくはガラスバイアル以外の物品に関するどの他の構造を成形するために作られていてもよい。
【0120】
実施の形態において、成形機器924aおよび924bは、ここに記載された傾斜部分を有する首部を成形するように特別に造形されている。図10A~10Cは、ここに記載されたガラス容器のいずれかを形成するために使用できる成形ステーション1000、1020、および1032を概略示している。成形ステーション1000、1020、および1032の成形機器のいずれを、図9Dに関してここに記載された成形ステーション804’の成形機器924aおよび924bの代わりに使用してもよい。例えば、図1A~3に関してここに記載された医薬品容器100の内面104を成形するためにガラス管710の開口に挿入された第3の成形機器924c(図9D参照)が、図10C~10Cから省かれているが、成形ステーション1000、1020、および1032は、ガラス容器の内径を形成するのに適した形状を有する第3の成形機器924cを備えることがあることを理解すべきである。
【0121】
図10Aは、図6に関してここに記載された医薬品容器600を形成するために造形された成形機器1002および1004を備えた成形ステーション1000を概略示している。成形機器1002および1004は、医薬品容器600のフランジ620および首部618(図6参照)を成形するために図9Dに関してここに記載された成形ステーション804’の成形機器924aおよび924bの代わりに使用することができる。成形機器1002は、フランジ部分1006および首部分1008を備える。フランジ部分1006は、フランジ620で外面606(図6参照)を造形する構造の外周形状を備えることがある。
【0122】
首部分1008は、首部618を、図6に関してここに記載されたようなガラス管710に造形するためのガラス管710(図7参照)の外面と接触する成形面1012を備える。成形面1012の少なくとも一部が、中心軸CA(図6参照)に対して非平行に延在することがある。図示された実施の形態において、例えば、成形面1012は、凸部分1015(例えば、アンダーカット部628の所望の形状に対応する曲面を有する突起部)を含む。首部分1008は、凸部分1015から延在する上側部分1010も備える。成形面1012は、上側部分1010内では、首部618内の外面606の第1の部分630(図6参照)の所望の形態に対応する形状を有することがある。実施の形態において、例えば、上側部分1010は、中心軸CA(図6参照)に平行に延在する平行部分である。
【0123】
凸部分1015は、第1の移行領域624および第2の移行領域626を成形するように特別に造形された表面特徴を備えることがある。例えば、図示された実施の形態において、成形機器1002は、フランジ620の裏面622(図6参照)を成形するように造形されたフランジ移行面1014を備える。成形面1012は、所望の曲率半径を有する第1の移行領域624および第2の移行領域626を形成するために、上側部分1010と凸部分1015との間、および凸部分1015とフランジ移行面1014との間で移行するように造形されることがある。
【0124】
第2の機器1004は、フランジ620内の外面606を成形するように造形されたフランジ部分1016および首部618内の外面606を成形するように造形された首部分1017を備える。フランジ移行面1018は、成形機器1004がアンダーカット部628を成形するために使用される突出特徴を含まないのが示されているので、フランジ620の裏面622(図6参照)の一部のみを成形するように造形されている。その結果、フランジ移行面1018は、成形機器1002のフランジ移行面1014と同じ程度まで半径方向内側に延在しないであろう。
【0125】
実施の形態において、首部分1017は、成形機器1002の上側部分1010と実質的に平行に延在する成形面1019を備える。すなわち、成形機器1002および1004の首部分1008と1017との間の間隔は、軸方向位置の関数として変動することがある。実施の形態において、アンダーカット部628が少なくとも部分的に成形されたら、成形面1019の一部は、ガラス管710(図7参照)と接触しないであろう。この例は、アンダーカット部628(または首部の外面の傾斜領域のいずれか)は、既存のコンバータの成形ステーションにおける1つの成形機器のみを改良することによって成形されることを示している。成形機器1004が形状で成形機器1002に実質的に対応する(例えば、凸部分1015と類似の特徴を含む)実施の形態も考えられることを理解すべきである。
【0126】
凸部分1015は、首部618内にどの所望の表面特徴を形成するためにも形状が変えられてもよいことを理解すべきである。例えば、実施の形態において、凸部分1015は、図1A~3に関してここに記載された医薬品容器100の外面106の上部132の逆の物を成形するように変えられることがある。実施の形態において、成形機器1002および1004は、所望の首プロファイルを形成する成形面を提供するために、適切な機械加工技術で形成されてもよい。
【0127】
図10Bは、図6に関してここに記載された医薬品容器600を形成するために造形された成形機器1034および1004を備えた成形ステーション1032を概略示している。成形機器1034および1035は、医薬品容器600のフランジ620および首部618(図6参照)を成形するために図9Dに関してここに記載された成形ステーション804’の成形機器924aおよび924bの代わりに使用することができる。実施の形態において、成形機器1035は、図10Aに関してここに記載された成形機器1004と同じである。
【0128】
成形機器1034は、アンダーカット部628を成形するために造形された成形面1038を有する凸部分1036を含む。図示された実施の形態において、成形機器1034および1004は、首部618を成形するために外面606(図6参照)の異なる区域と接触する。実施の形態において、例えば、成形機器1034は、外面606の上部632(図6参照)に対応するガラス管710(図7参照)の領域のみと接触することがあり、一方で、成形機器1034は、首部618の全体に対応するガラス管710の領域と(少なくとも初めは)接触することがある。先の例で示されたように、異なる形状の成形面を有する成形機器の様々な異なる組合せを使用して、首部内にいくつの傾斜部分を形成してもよい。
【0129】
図10Cは、図5に関してここに記載された医薬品容器500を成形するために造形された成形機器1022および1023を備えた成形ステーション1020を概略示している。成形機器1022および1023は、医薬品容器500のフランジ520および首部518(図5参照)を成形するために図9Dに関してここに記載された成形ステーション804’の成形機器924aおよび924bの代わりに使用することができる。成形機器1022は、フランジ部分1024および首部分1026を備える。フランジ部分1024は、フランジ520で外面506(図5参照)を造形する構造の外周形状を備えることがある。
【0130】
首部分1026は、図5に関してここに記載された傾斜部分524を成形するためにガラス管710(図7参照)の外面と接触する成形面1030を備える。成形面1030は、ガラス管710(図7参照)の中心軸に対して非平行に(例えば、角度εで)延在することがある。フランジ移行面1028が、フランジ520の裏面522(図5参照)を成形するために成形面1030とフランジ部分1024との間に延在する。実施の形態において、成形機器1023は、形状が成形機器1022に実質的に対応し、よって、成形機器1022および1023の両方が、首部518の成形中に外面506の全体と接触する。
【0131】
図11は、ここに記載された1つ以上の実施の形態による、キャッピングプロセス中の図1A~3に関してここに記載された医薬品容器100を概略示している。図から分かるように、キャッピングプロセス中、キャップアセンブリ1100は、医薬品容器100と係合することがある。キャップアセンブリ1100は、金属キャップ1108および栓1110を含むのが示されている。実施の形態において、栓1110は、適切な弾性材料(例えば、ブチルゴム)から構成され、医薬品容器100の開口126(図1A参照)に圧入される。
【0132】
実施の形態において、栓1110および金属キャップ1108は、キャッピングシステム1102によりフランジに押し付けられる。実施の形態において、例えば、キャッピングシステム1102は、中心軸CA(図1A参照)に平行な方向にキャップアセンブリ1100に力を印加する圧力ブロック1104(例えば、プランジャ)を備える。この力が、金属キャップ1108の側壁1112の部分がフランジ120の裏面122を越えて延在するように栓1110を押し付けることができる。次に、金属キャップ1108の側壁1112は、圧力ブロック1104で印加される力が取り除かれた後、栓1110が圧縮状態のままでいるように裏面122に縁曲げされることがある。栓1110のそのような押し付けにより、栓1110とフランジ120との間にシールが形成され、それによって、内部容積108内に入れられる収容材料の完全性を保護することができる。
【0133】
図11に示されたように、キャッピングシステム1102は、側壁1112をフランジ120の裏面122に縁曲げするための1つ以上のキャッピング機器1106を備えることがある。1つ以上のキャッピング機器は、実施に応じて、様々な形態をとってよい。例えば、実施の形態において、1つ以上のキャッピング機器1106は、所定の距離だけ1つ以上のキャッピング機器1106を半径方向内側に(例えば、首部118内の外面106に向かって)動かすように作られた1つ以上の駆動要素(図示せず)に取り付けられたキャッピングプレートを備える。1つ以上のキャッピング機器1106のそのような動作により、金属キャップ1108の側壁1112がフランジ120の裏面122の周りに曲げられる。金属キャップ1108内の残留力が、側壁1112を裏面122と接触する曲げ位置に保持して、栓1110に圧縮力を維持することができる。
【0134】
実施の形態において、1つ以上のキャッピング機器1106は、キャッピングレールを備えることがある。キャッピングレールは、フランジ120の裏面122に対して減少する角度(例えば、角度位置の関数として)で延在する接触セクションを含む円形レールを含むことがある。そのような実施の形態において、医薬品容器100は、基部(図示せず)と圧力ブロック1104との間で押し付けられることがある。基部と圧力ブロック1104は、その接触セクションが側壁1112を裏面122に対して曲げるように、1つ以上のキャッピング機器1106に対して医薬品容器100を回転させるタレットの構成要素であることがある。実施の形態において、1つ以上のキャッピング機器1106は、1つ以上のキャッピング・ジョーを備えたキャッピングカラーを含む。そのキャッピング・ジョーは、外面106に向かって圧力ブロック1104に対して動いて、金属キャップ1108と接触し、縁曲げを行うことができる。
【0135】
1つ以上のキャッピング機器1106の形状にかかわらず、1つ以上のキャッピング機器1106は、接触面1109を有する。接触面1109は、首部118内の外面106と接触して、側壁1112の十分に長いセクションが曲げられて裏面122と接触することを確実にすることができる。実施の形態において、首部118内の外面106の傾斜部分128のために、接触面1109は、外面106の上部132内で首部118とは接触しないであろう。外面106と接触面1109との間の最上部の接触区域(例えば、裏面122に最も近い接触域)は、第2の移行領域136(図1B参照)の下にあることがある。実施の形態において、首部118内の外面106の外側部分138は、接触面1109と接触することがある。その結果、最上部の接触域は、裏面122(またはその最下点)から少なくとも軸方向距離140(図1B参照)に配置されることがある。接触面1109は、フランジ120の少なくとも1.0mm(例えば、少なくとも2.0mm、少なくとも3.0mm)下で外面106と接触することがある。ここに記載されたように、そのような接触位置のために、第1の移行領域134との接触が避けられるので、欠陥形成があまり起こりそうになくなるであろう。
【0136】
実施の形態において、接触面1109は、形状が第1の部分130内の外面106と少なくとも部分的に一致することがある。その結果、1つ以上のキャッピング機器1106と外面106との間の接触が、ある区域に亘り分布されることがあり、このことは、欠陥形成の可能性を低下させるのに役立つであろう。それゆえ、首部118内の外面106の傾斜部分128は、応力を集中させることのある領域におけるキャッピング機器1106と医薬品容器100との間の接触(例えば、1つ以上のキャッピング機器1106の角と、第1の移行領域134との間の接触)を避けるのに役立つであろう。傾斜部分128は、裏面122からの接点を移動させ、形成されるかもしれない任意の欠陥をより検出可能にすることもある。実施の形態において、1つ以上のキャッピング機器1106と医薬品容器100との間の接点は、潤滑コーティング160(図4参照)で覆われる外面106の部分上にあり、欠陥形成の可能性をさらに低下させることもある。
【0137】
キャッピングシステム1102は説明に役立つ実例にすぎず、任意のキャッピングプロセスにおける欠陥形成の可能性を低下させるために、ここに記載された医薬品容器を使用してもよいことを理解すべきである。さらに、ここに記載された医薬品容器のいずれをキャッピングシステム1102と共に使用してもよい。傾斜部分128も、所望の欠陥の減少を達成するために、図11に示された実施の形態と形態が異なってもよい。
【0138】
図12は、キャッピングプロセス中のキャップアセンブリ1206と係合している医薬品容器1200を概略示している。医薬品容器1200は、図6に関してここに記載された医薬品容器600と構造が似ているであろう。医薬品容器1200は、外面1201を有するガラス体からなるのが示されている。そのガラス体は、アンダーカット部1205(例えば、図6に関してここに記載されたアンダーカット部628と構造が似ている)を含む首部1204を備える。医薬品容器1200は、裏面1228を有するフランジ1226をさらに備える。キャップアセンブリ1206は、医薬品容器1200と係合している。キャップアセンブリ1206は、栓1208および金属キャップ1210を含む。栓1208は、ガラス体の開口に挿入されている。実施の形態において、栓1208は、栓1208が軸方向に押し付けられ、金属キャップ1210の部分がフランジ1226の裏面1228を越えて延在するように圧縮されている(例えば、図11に関してここに記載された圧力ブロック1104と類似の圧力ブロックにより)。
【0139】
キャッピング機器1214が、金属キャップ1210と接触しているのが示されている。例えば、キャッピング機器1214は、キャッピングレールの断面であることがある。医薬品容器1200は、キャッピングレールが金属キャップ1210を曲げて、裏面1228と接触する縁曲げ領域1212を形成するように、キャッピング機器1214に対して動かすことができる。キャッピング機器1214は、角度の付いた表面1220を含むのが示されている。実施の形態において、角度の付いた表面1220は、裏面1228と平行に延在している。金属キャップ1210のスペースを提供するために、角度の付いた表面1220と裏面1228との間にクリアランス1222が設けられている。キャッピング機器1214は、接触面1216も含む。キャッピングプロセス中、接触面1216は、首部1204内で接触面1201と接触することがある。
【0140】
アンダーカット部1205の結果として、接触面1216は、フランジ1226と隣接した外面1201と接触しないであろう。角度の付いた表面1220と接触面1216との間に延在する角は、接触面1216の下側部分1218が外面1201と接触したときに、外面1201と接触しない(むしろ、アンダーカット部1205内に配置される)であろう。実施の形態において、下側部分1218と外面1201との間の接触域は、外面1201の移行領域1224の下にあることがある。移行領域1224は、医薬品容器1200の中心軸に向かって内側に湾曲する外面1201の領域であることがある。実施の形態において、移行領域1224は、裏面1228(または首部1204に最も近接したその上の点)の少なくとも1.0mm(例えば、少なくとも2.0mm、少なくとも3.0mm)下に配置されることがある。ここに記載されたように、キャッピング機器1214とフランジ1226に隣接した外面1201との間の接点を避けることによって、アンダーカット部1205は、欠陥形成の可能性を有益に低下させることができる。
【0141】
図13は、キャッピング機器1316と接触している別の医薬品容器1300を断面で概略示している。図13では、様々な構成要素(例えば、キャップアセンブリ、圧力ブロック)が省かれている。キャッピング機器1316は、接触面1320が医薬品容器1300の外面1304と接触する接触位置に配置されることがある。医薬品容器1300は、図1A~3に関してここに記載された医薬品容器100と構造が似ていることがある。この医薬品容器は、首部1306、および裏面1310を有するフランジ1308を備える。図から分かるように、首部1306内で、外面1304は、図1A~3に関してここに記載された医薬品容器100の傾斜部分128と類似の傾斜部分1314を含む。
【0142】
キャッピング機器1316は、図12に関してここに記載されたキャッピング機器1214と構造が似ている。キャッピング機器1316は、キャッピングレールであることがある。キャッピング機器1316と医薬品容器1300との間の相対運動により、キャップ(図示せず)を裏面1310に対して縁曲げすることができる。図から分かるように、接触面1320は長さを有する。実施の形態において、傾斜部分1314は、接触面1320の長さの半分以下の軸方向長さを有する。その結果、接触面1320の下半分は、首部1306内で外面1304の外側部分1318と接触することがある。その結果、外側部分1318より軸方向上に配置された接触面1320のどの部分も、医薬品容器1300と直接接触しないであろう。任意の応力集中特徴(例えば、キャッピング機器1316の角、外面1304の移行領域または曲率区域)の間の接触が有益に避けられて、欠陥形成の可能性を低下させることができる。
【0143】
先の事項に鑑みて、傾斜部分を有する首部を備えた医薬品容器が図示され、説明されてきたことを認識すべきである。フランジに隣接する首部内の医薬品容器の外面の領域は、その中心軸に向かって内側に傾斜している。そのような傾斜部分は、様々な形状をとることがあるが、概して、金属キャップを医薬品容器に縁曲げするために使用されるキャッピング機器と接触することのある材料がガラス容器から除かれることがある。キャッピング機器と外面との間の接触域は、医薬品容器とキャッピング機器との間の界面にある応力集中特徴の間の接触を避けるために、フランジから有益にずれている。そのような接触域は、医薬品容器とキャッピング機器との間の接触域が、潤滑コーティングで覆われた医薬品容器の位置にあるように、フランジから少なくとも1.0mmにあることがある。その結果、形成されるかもしれない任意の欠陥は、既存の検査技術を使用して、より検出可能になり、それによって、万一、欠陥が形成した場合には、欠陥容器の廃棄が容易になるであろう。
【0144】
請求項の主題の精神および範囲から逸脱せずに、ここに記載された実施の形態に、様々な改変および変更を行えることが、当業者に明白であろう。それゆえ、本明細書は、ここに記載された様々な実施の形態の改変および変更を、そのような改変および変更が特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入るという前提で、包含することが意図されている。
【0145】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0146】
実施形態1
医薬品容器において、
前記医薬品容器の内容積を取り囲むガラス体、
からなり、
前記ガラス体は、
前記内容積の幾何学的中心を通る中心軸、
内面と外面との間に延在する壁厚、
裏面を有するフランジ、
肩部、および
前記フランジと前記肩部との間に延在する首部、
を備え、
前記首部の少なくとも一部分内に、前記外面の少なくとも傾斜部分が前記フランジに隣接する前記中心軸に向かって内側に傾斜するように、該外面が該中心軸に向かって内側に延在している、医薬品容器。
【0147】
実施形態2
前記壁厚が、前記裏面からの距離が減少すると共に前記首部内で減少するように、前記外面が前記中心軸に向かって内側に延在している、実施形態1に記載の医薬品容器。
【0148】
実施形態3
前記外面が、前記首部と前記裏面との間に延在する第1の移行領域を含み、
前記第1の移行領域の少なくとも一部が、前記中心軸から半径方向に最も遠く離れた前記首部内の外面の外側部分の半径方向内側に配置されている、実施形態1に記載の医薬品容器。
【0149】
実施形態4
前記中心軸から半径方向に最も遠く離れた前記首部内の外面の前記外側部分が、前記フランジの裏面の少なくとも1mm下に配置されている、実施形態3に記載の医薬品容器。
【0150】
実施形態5
前記傾斜部分内で、前記外面が少なくとも0.2mmの半径方向距離だけ前記中心軸に向かって半径方向内側に延在している、実施形態3に記載の医薬品容器。
【0151】
実施形態6
前記首部内で、前記外面が第2の移行領域を含み、
該第2の移行領域において、該外面が前記中心軸に向かって内側に延在している、実施形態3に記載の医薬品容器。
【0152】
実施形態7
前記第2の移行領域内で、前記外面が、前記第1の移行領域の曲率半径より大きい曲率半径を有する輪郭に従う、実施形態6に記載の医薬品容器。
【0153】
実施形態8
前記外面の少なくとも一部の周りに配置された潤滑コーティングをさらに含む、実施形態1に記載の医薬品容器。
【0154】
実施形態9
前記潤滑コーティングが、前記首部で前記外面の少なくとも一部に配置され、
前記外面が、前記潤滑コーティングを含まない前記首部の領域内で前記中心軸に向かって内側に延在する、実施形態8に記載の医薬品容器。
【0155】
実施形態10
前記首部内で、前記外面が、
前記肩部から延在する第1の部分、および
前記第1の部分と前記フランジとの間に延在する上側部分、
を含み、該上側部分内で、前記壁厚は、前記肩部からの距離の増加と共に減少する、実施形態1に記載の医薬品容器。
【0156】
実施形態11
前記上側部分の下縁が、前記フランジの裏面の少なくとも2.0mm下に配置されている、実施形態10に記載の医薬品容器。
【0157】
実施形態12
前記上側部分の下縁が、前記フランジの裏面の少なくとも3.0mm下に配置されている、実施形態10に記載の医薬品容器。
【0158】
実施形態13
前記上側部分がテーパー部を含み、
前記テーパー部内で、前記壁厚が、前記肩部からの距離の増加とともに、線形に減少する、実施形態10に記載の医薬品容器。
【0159】
実施形態14
前記上側部分がアンダーカット部を含み、
前記アンダーカット部内で、前記壁厚が、前記肩部からの距離の増加とともに、非線形に減少する、実施形態10に記載の医薬品容器。
【0160】
実施形態15
前記ガラス体が、1.0ml以上かつ30ml以下の容積を有するバイアルを形成する、実施形態1に記載の医薬品容器。
【0161】
実施形態16
医薬品容器において、
前記医薬品容器の内容積を取り囲むガラス体、
からなり、
前記ガラス体は、
内容積の幾何学的中心を通る中心軸、
内面と外面との間に延在する壁厚、
フランジ、
肩部、および
前記フランジと前記肩部との間に延在する首部、
を備え、
前記首部内で、前記外面は、該外面と前記中心軸との間の半径方向距離が、前記フランジに対する軸方向近接性の関数として変化する上側部分を含む、医薬品容器。
【0162】
実施形態17
前記首部内で、前記外面が、前記肩部と前記上側部分との間に延在する第1の部分を含み、
前記上側部分内で、前記外面が、前記中心軸に向かって内側に傾斜している、実施形態16に記載の医薬品容器。
【0163】
実施形態18
前記上側部分内で、前記外面が、少なくとも0.2mmの半径方向距離だけ前記中心軸に向かって半径方向内側に延在している、実施形態17に記載の医薬品容器。
【0164】
実施形態19
前記上側部分内で、前記外面がテーパー部を含み、
前記テーパー部内で、前記外面と前記中心軸との間の半径方向距離が、前記肩部からの距離の増加とともに、線形に減少する、実施形態16に記載の医薬品容器。
【0165】
実施形態20
前記上側部分内で、前記外面がアンダーカット部を含み、
前記アンダーカット部内で、前記外面と前記中心軸との間の半径方向距離が、前記肩部からの距離の増加とともに、非線形に減少する、実施形態16に記載の医薬品容器。
【0166】
実施形態21
前記アンダーカット部が円弧を構成する、実施形態20に記載の医薬品容器。
【0167】
実施形態22
前記外面が、前記首部と前記フランジとの間に配置された移行領域を含み、
前記円弧が、前記移行領域の曲率半径より大きい曲率半径を有する、実施形態21に記載の医薬品容器。
【0168】
実施形態23
前記上側部分の下縁が、前記フランジの少なくとも2.0mm下に配置されている、実施形態16に記載の医薬品容器。
【0169】
実施形態24
前記上側部分の下縁が、前記フランジの少なくとも3.0mm下に配置されている、実施形態23に記載の医薬品容器。
【0170】
実施形態25
前記外面の少なくとも一部の周りに配置された潤滑コーティングをさらに含む、実施形態16に記載の医薬品容器。
【0171】
実施形態26
前記潤滑コーティングが前記首部で前記外面を少なくとも部分的に覆い、
前記可変厚さ領域の少なくとも一部が前記潤滑コーティングで覆われていない、実施形態25に記載の医薬品容器。
【0172】
実施形態27
前記首部が、前記肩部と前記上側部分との間に延在する厚さ均一領域を含む、実施形態16に記載の医薬品容器。
【0173】
実施形態28
前記首部が、前記厚さ均一領域内に最大壁厚を有する、実施形態27に記載の医薬品容器。
【0174】
実施形態29
前記首部が、前記フランジの下に少なくとも1mmの最大壁厚を有する、実施形態28に記載の医薬品容器。
【0175】
実施形態30
前記首部が、前記フランジの下に少なくとも2mmの最大壁厚を有する、実施形態28に記載の医薬品容器。
【0176】
実施形態31
前記ガラス体が、1.0ml以上かつ30ml以下の容積を有するバイアルを形成する、実施形態16に記載の医薬品容器。
【0177】
実施形態32
医薬品容器を形成する方法において、
内面、外面、および中心軸を有するガラス管を形成する工程、
前記ガラス管を高温に加熱する工程;および
加熱されたガラス管を造形して、ガラス容器の首部と該ガラス容器のフランジを成形する工程であって、該造形する工程は、
前記管の外面を転換器具の成形面と接触させることによって前記首部を成形することを含み、該首部の成形中に、前記成形面の一部が、該造形する工程後に、該首部の少なくとも傾斜部分内の外面が、前記フランジに隣接した前記中心軸に向かって内側に傾斜するように、前記ガラス管の中心軸に対して非平行に延在している、工程、
を含む方法。
【0178】
実施形態33
前記傾斜部分が、前記首部にテーパー部を形成するように直線的に傾斜している、実施形態32に記載の方法。
【0179】
実施形態34
前記成形面が、前記フランジに近接した前記首部にアンダーカット部を形成するための凸部分を含む、実施形態32に記載の方法。
【0180】
実施形態35
前記成形面が、前記首部に厚さ均一部分を形成するように前記外面と接触して配置されたときに、前記中心軸に対して平行に延在する平行部分を含む、実施形態32に記載の方法。
【0181】
実施形態36
前記ガラス容器のフランジが裏面を有し、
前記平行部分と、前記中心軸に対して非平行に延在する前記成形面の部分との間の境界が、前記首部の成形中に前記裏面から少なくとも1mmに配置されている、実施形態35に記載の方法。
【0182】
実施形態37
医薬品容器に蓋を付ける方法において、
前記医薬品容器の開口に密封部材を挿入する工程であって、該医薬品容器は、
前記医薬品容器の内部容積を取り囲むガラス体からなり、該ガラス体は、
前記内部容積の幾何学的中心を通る中心軸と、
内面と外面との間に延在する壁厚と、
裏面を有するフランジと、
肩部と、
前記フランジと前記肩部との間に延在する首部と、
を備え、前記首部の少なくとも一部分内で、前記外面の少なくとも傾斜部分が、前記フランジと隣接した前記中心軸に向かって内側に傾斜するように該外面が該中心軸に向かって内側に延在している、工程、
キャップの一部が前記裏面を越えて前記肩部に向かって延在するように、該キャップを前記フランジに対して摺動させる工程、および
前記裏面を越えて延在する前記キャップの一部を、キャッピング機器を使用して該裏面に押し付けることによって、該キャップを該裏面に縁曲げする工程であって、該キャッピング機器が、前記フランジの裏面の少なくとも1mm下で前記首部の外面と接触する端面を有する、工程、
を含む方法。
【0183】
実施形態38
前記キャッピング機器の端面が、前記フランジの裏面から外れた接触域で前記外面と接触する、実施形態37に記載の方法。
【0184】
実施形態39
前記医薬品容器が、前記外面の少なくとも一部を覆う潤滑コーティングを含む、実施形態37に記載の方法。
【0185】
実施形態40
前記端面が、前記潤滑コーティングで覆われている前記首部の部分のみと接触する、実施形態39に記載の方法。
【0186】
実施形態41
前記キャッピング機器が、
前記縁曲げする工程中に前記フランジの裏面に対して平行に延在する角度の付いた表面、および
前記端面と前記角度の付いた表面との間に延在する角部、
を含む、実施形態37に記載の方法。
【0187】
実施形態42
前記角部が、前記縁曲げする工程中に前記首部と接触しない、実施形態41に記載の方法。
【0188】
実施形態43
前記傾斜部分内で、該首部内の外面が、前記裏面からの距離の減少と共に、前記壁厚が該首部内で減少するように、前記中心軸に向かって内側に延在している、実施形態37に記載の方法。
【0189】
実施形態44
前記ガラス体が、前記首部と前記フランジの裏面との間に延在する移行領域を含み、
前記縁曲げする工程中に、前記キャッピング機器が前記移行領域と接触しない、実施形態37に記載の方法。
【符号の説明】
【0190】
100、500、600、1200、1300 医薬品容器
102、502、602 ガラス体
104、504、604 ガラス体の内面
106、506、606、1201、1304 ガラス体の外面
108、508、608 内部容積
110、510、610 壁部分
112、512、612 床部分
114、514、614 踵部分
116、516、616 肩部
118、518、618、1204 首部
120、520、620、1226、1308 フランジ
122、522、622、1228、1310 裏面
124 フランジの外面
126 開口
128、524、1314 傾斜部分
130、630 第1の部分
132、632 上部
134、624 第1の移行領域
136、626 第2の移行領域
138 外側部分
160 潤滑コーティング
202 圧縮応力層
204 ガラスコア層
205a ガラスコア層の第一面
205b ガラスコア層の第二面
206a 第1のガラスクラッド層
206b 第2のガラスクラッド層
402 潤滑コーティングの端部
526 外面の外側部分
528 外面の内側部分
628、1205 アンダーカット部
700 コンバータ
702 基部
704 上部
706 加工ステーション
708 主要タレット
709 ガラス管装填タレット
710 ガラス管
712 補助加工ステーション
714 補助タレット
716 主要サーキット
718 複数のホルダ
720 複数の装填チャンネル
730 加工物
802 加熱ステーション
804、804’、1000、1020、1032 成形ステーション
806 分離ステーション
808 研磨ステーション
810 冷却ステーション
812 穿孔ステーション
814 管装填ステーション
816 排出ステーション
818 測定ステーション
820 管長さ落下ステーション
901 加熱素子
902 バーナ
904 燃料供給源
906 酸素供給源
908 空気供給源
910 燃料制御弁
912 酸素制御弁
914 空気制御弁
920 分離機器
924、1002、1004、1022、1023、1034、1035 成形機器
926 作動装置
1006、1016 フランジ部分
1008、1017、1026、1306 首部分
1010 上側部分
1012、1019、1030、1038 成形面
1014、1018、1028 フランジ移行面
1015、1036 凸部分
1100、1206 キャップアセンブリ
1102 キャッピングシステム
1104 圧力ブロック
1106、1214、1316 キャッピング機器
1108、1210 金属キャップ
1110、1208 栓
1112 側壁
1220 角度の付いた表面
1222 クリアランス
1320 接触面
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
【国際調査報告】